- 1 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/15(土) 03:41:32 ID:eiR7cnj6
- 梅原「よお、大将」
橘「ああ、なんだ梅原(ウメハラ)か」
梅原「って橘(タチバナ)よお、親友の梅原君に向かって『なんだ』はねえんじ
ゃねえか?」
橘「はは、ごめんごめん」
梅原「……んまあいい、今年ももうすぐクリスマスだな!」
橘「うん、去年は色々あったよね」
梅原「ああ、本当に色々と……」
- 56 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 22:17:44 ID:FpsbymRE
- ***
五和「遊園地……ですか」
七咲「そうなんです、以前ちょっと行ったことがあるんですけど……」
絢辻「人が変身させられるっていうアトラクションがあったの」
梨穂子「それも煙をぶわーっ!ってかけられたら突然!」
棚町「……ってか、ここにいるみんな行ってたのね」
棚町(ってことはみんな純一とあそこに行ったってことか……くっ!)
梨穂子(えぇ~、私だけじゃなかったのかあ……)
絢辻(恥をかいたとは言え忘れることが不可能な思い出作ったと思ってたけど……甘かったわね)
- 57 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 22:43:52 ID:FpsbymRE
- 中田「私、辞書になりました……」
梨穂子「私は服に……」
七咲「私は……その、醤油ラーメン……」
棚町「私なんて男になったわ」
絢辻「私は小学校の頃に戻ったみたいに」
森島「もう一度ワンちゃんになりたいな~」ウキウキ
上崎「なんで私はタワシ……」
バードウェイ「おいおい……なんだそれ、一般サイドの日本でそんな神秘すぎることが起こるのか……」
絢辻「輝日では普通のことよ」
とある勢『!?』
- 58 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 22:49:59 ID:FpsbymRE
- 橘「え……もしかしてあそこ行くの?」
上条「そこが元凶である可能性がある以上、な」
インデックス「こうしてる間にも呪いは範囲を拡大するかもしれないんだよ」
中田「それは困ります……」
上崎「明日はクリスマスイブなのにっ」
バードウェイ「さあ、そうと決まったのならその遊園地に急ごうじゃないか」
絢辻「そうね」
きゃー!!
オティヌス「今度はなんだ?」
- 59 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 22:52:41 ID:FpsbymRE
- インデックス「あ、あれは!」
御坂「ちょっ!?どんどんスカートの女の人の足元に七面鳥ができていく……」
五和「効果範囲はどうやら『スカートをはいた女性のパンツ』に及んでるみたいですね」
七咲「急ぎましょう!」
橘「(な、なんて素晴……むごい事態なんだ!これが魔術……)」
橘「(も、もし僕が魔術を使えるようになったら……)」ゴクリ
橘「(い、いや!そんなことはいけない!そうだ、僕は紳士だからな!)」
- 60 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 22:54:40 ID:FpsbymRE
- ***
遊園地
橘「げっ、僕お金持ってないよ……どうするのさ?」
森島「あれ?でも受付に人がいないわ」
オティヌス「何かが遊園地の中で起こっているのかもしれないな」
上条「遊園地の中だけ…か?」
インデックス「呪いを遊園地全体を使って生み出しているのだとしたら敷地内の呪いが特別、濃くなっちゃうってのはよくある話なんだよ」
バードウェイ「どうでもいい、行くぞ」
- 61 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:00:18 ID:FpsbymRE
- 上条「待て、もし呪いが濃くなってるってんならこいつらは連れていけない」
御坂「そうね、ここで待ってもらった方がいいんじゃない?」
バードウェイ「いや、このペースで呪いが広がっているのならむしろ私達の近くにいたほうが安全だろう」
上条「そういうもんなのか……」
- 62 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:02:59 ID:FpsbymRE
- ***
梨穂子「あっ!あれ!」
親子連れ「助けてー!」
中田「サングラスをかけた悪そうな七面鳥に襲われてます!」
五和「ふんっ!」ドッ
七面鳥「ビヨビヨー!!」パリィン
森島「わお!悪そうだけどすっごく可愛かったのに~残念ね~」
七咲「悪そうな七面鳥、消えちゃいました」
- 63 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:06:38 ID:FpsbymRE
- 橘「上条、まずはここにいる人を助けて安全なところへ!」
バードウェイ「だから、安全なところなんて無いと言っているだろう。さっさと呪いを解けばいいだけだ」
インデックス「悲しいけどそうなんだよ」
上条「だめだ、でも放っておけない……よし、じゃあここで戦闘要員が一人残って人々を守るってのはどうだ?」
橘「じゃあ僕たちの中でも何人か人を出して人々の避難誘導をしよう!」
中田「店員のお姉さんたちもいないみたいですし…やらなきゃ」
梨穂子「そうだね~」
- 64 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:07:38 ID:FpsbymRE
- オティヌス「よし、では私が残ろう。魔神の力は無いが、この程度の式紙相手なら一人で全部相手にできる」
橘「じゃあ僕たちは……」
中田「私、やります」
梨穂子「じゃあ私も~!」
森島「オティヌスちゃんが頑張るのなら私もやるわよ~!」
バードウェイ「決まったか?急ぐぞ」
絢辻「それじゃあ、みんな気をつけて!」
- 65 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:08:45 ID:FpsbymRE
- ***
七面鳥の群れ「ビヨビヨー!!」
上条「ふっ」パリーン!
バードウェイ「はっ」バァン
絢辻「そこを左!」
グオオオオオン!!!!
一同『!?』
五和「あれって……」
七咲「じぇ、ジェットコースターに羽根が生えてる……!」
- 66 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:09:23 ID:FpsbymRE
- バードウェイ「どうやら七面鳥の呪いはものを操ることまでできてしまうようだな」
インデックス「こ、こっちに襲ってくるんだよ!!」
ジェットコースター「ガタンガタンガタン!!!」
バードウェイ「せやっ!」ガシィン
御坂「すごい、あの巨体を片手で止めた!」
七面鳥「ビヨビヨー!!」
絢辻「!! 座席から七面鳥が……きゃー!」
ぼんっ!
- 67 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:11:31 ID:FpsbymRE
- 橘「七面鳥が絢辻さんにあたって姿が……」
ロリ辻「んん……あれ?これあの時と同じ……!」
ロリ辻「あ、ぱんつ……」
七面鳥「ビヨビヨ!!」
ロリ辻「きゃーやめろばか!」ジタバタ
棚町「絢辻さんがジェットコースターの座席にさらわれたわ!」
棚町「絢辻さん意外とかわいいじゃない」
ロリ辻「そこ気持ち悪いわよ!」
橘「でも相変わらずの性格だ……」
ロリ辻「はなせー!!ぱんつもどせー!!」ジタバタ
- 68 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:14:02 ID:FpsbymRE
- 五和「今、助けますっ!」
バードウェイ「まあ待て」
五和「え?」
バードウェイ「一人助けるのに何人もここに留まる必要はないよ。あんたらはさっさと例のところへ急げ」
上条「……すまない、バードウェイ!絢辻を頼んだ!」ダダッ
たたたたっ
バードウェイ「さて……」
ジェットコースター「ぐごーーーん!!」
バードウェイ「『明け色の陽射し』のボスであり、『グレムリン』の正規組織員の実力をまさかジェットコースターと戦う日が来るとはな……」
バッ
- 69 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:14:33 ID:FpsbymRE
- ***
きびにゃん「ガーー……」
棚町「あれは……ここキビトランドのマスコットのきびにゃん!」
七咲「なんだか……ゾンビみたいですね」
五和「はっ」ゲシッ
上条「でやっ」ボコォ
御坂「ふんっ!」バチバチッ
上条「くそっ、こいつ中に人が入ってるのか!?」
七咲「一応、着ぐるみなので……」
橘「中にいる人を消したりしないでね!」
上条「わかってる!」
- 70 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:15:44 ID:FpsbymRE
- ずしーん ずしーん
橘「こ、こんどはなんだ!?」
パーフェクトキビニャン「オオオ……」
棚町「あれは、この前追加された新アトラクション『パーフェクトキビニャン』!」
御坂「(デカかわいい)」
棚町「なんてブサイクなの……どこ向けのデザインよ!」
七咲「やっぱり幼児向け…でしょうね」
御坂「(えっ?可愛くないの?あれ)」
- 71 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:17:52 ID:FpsbymRE
- 御坂「あいつは大丈夫よ、ほら行くわよ!」
七咲「で、でも!」
パーフェクトキビニャン「ウオオオオン……」
七咲「五和さん、待ってて私がとってくる!」
五和「だめです!危険です!」
七咲「私、泳ぐの得意ですから大丈夫です!」
五和「私は槍無しでは戦えないというわけではないんです、それに……」
七咲「それに……?」
五和「その湖、なぜか七面鳥であふれてるんです!」
七咲「なんで!?!?!」
- 72 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:18:49 ID:FpsbymRE
- あーミスったクソ
>>71は無しで
- 73 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:19:36 ID:FpsbymRE
- 五和「私が相手をしますっ!」ヒュッ
ガキィン!
橘「みんな、急ごう!」
たたたっ
パーフェクトキビニャン「ウガー!!!」バンッ
五和「きゃっ!?」
キィン!
七咲「あっ!槍がはじかれて湖に……」
五和「くっ、しまった……」
>>71へ
- 74 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:20:39 ID:FpsbymRE
- 七咲「でも……行きます!」ファサ…
五和「七咲さん、水着を服の中に着てたんですか」
ざぱーん!
七面鳥「ビヨビヨー!!」
七咲「(私の体が七面鳥の力で変わってしまうのも時間の問題……!)」スイスイ
七咲「(それまでに槍を拾って湖の外に投げる……!!)」スイスイ
七咲「(あった!)」ガシッ
- 75 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:22:46 ID:FpsbymRE
- 七咲「(お、重い……けど)」
七咲「えいっ!!」ポイッ
カランカラン
五和「七咲さんっ、ありがとうございます」キャッチ
醤油ラーメン七面鳥入り (頑張ってください!)
五和「はぁ―――――ッッ!!」
ズバッ
- 76 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:27:00 ID:FpsbymRE
- ***
橘「な、なんだこれ……」
インデックス「わー!学園都市のと違っておいしそうなジュースがたくさん転がってるんだよ!」
上条「普通、落ちてないしお金払ってないだろ……って、こら拾うな!」
棚町「自動販売機が七面鳥たちに壊されたんでしょ?」
御坂「……ほら、さっき言ってたお化け屋敷ってどこよ?はやく行」
ガタン!!
棚町「何!?」
インデックス「この缶……全部で魔法陣の役割を持ってたんだ!」
上条「ど、どういうことだ!?」
インデックス「私が触ったせいで魔法陣が乱れたから……間違いなく何かが起こっちゃうんだよ!」
- 77 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:29:53 ID:FpsbymRE
- ガタン!
御坂「あれ!自動販売機が!」
橘「うわぁ!?こっちに向かってくるぞ!」
棚町「だらしないわねー純一!こんなの……」
棚町「 ち ぇ す と ー ー っ ! 」ガコーン!!
自販機「」ピピープシュゥゥ
橘「薫って学園都市に居たことあったっけ?」
- 78 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/18(火) 23:32:27 ID:FpsbymRE
- ガタン!ガタン!
棚町「ってまだいるの!? ……全部ふっとばしてやるわ」
御坂「んじゃ私も一緒にやりますかねっと」
上条「橘、インデックス!ここはこいつらにまかせて急ぐぞ!もうすぐそこだ!」
インデックス「わかったんだよ!」
橘「う、うん!大丈夫かな?」
上条「なーに、御坂は電撃使いだ。自販機は電気に関するものがいっぱいついてる。何も心配することはないさ」
- 80 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:06:24 ID:7vRsWdfM
- 橘「ここだ!」
上条「ここがファラオの扉……なんていうか普通のお化け屋敷だな」
インデックス「油断しちゃだめなんだよ!今は戦えるのがとうましかいないんだからね!」
上条「わかってる!」
橘「急ごう!なかのしかけが動いていないのならひたすら直進だ!」
***
上条「くそっ、暗いからどこから来るかわかんねえぞ!」
橘「いっそのこと全速力で走り抜けたほうがよさそうだね」
インデックス「ってふたりとも前ー!!」
七面鳥「ビヨビヨー!!!」
- 81 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:09:21 ID:7vRsWdfM
- 上条「しまっ……」
橘「うわーーーっ!?!」
ぼんっ
「うっ、僕も七面鳥を受けてしまった……」
上条「くそっ、まだこんなところに!」タッチ
橘鳥「うわっ、やめてよ!」
上条「って、七面鳥じゃなくて橘なのか……!?」
インデックス「よく見たらサングラスもついてないし、頼りなさそうな顔してるんだよ」
橘鳥「失礼な!!」
上条「でもお前が鳥になるだけでよかったぜ、さあ急ごう!」
橘鳥「うん!……うん?良くないような」
- 82 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:12:13 ID:7vRsWdfM
- ***
たったった……
インデックス「大広間みたいなところに出たね……」
橘鳥「ここがこの前呪いを受けたところだ!でっかいファラオ像がいるから気を付けて!」
上条「わかった、お前たちは少し下がっていてくれ」
ささっ
上条「……」タッタッタ
ウォォォオオオオオオオオ!!!!
上条「きやがったか!」
- 83 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:16:47 ID:7vRsWdfM
- ファラオ「ウオオオオオ!!!」
上条「どこを触ればいいんだ!?」
上条「これは呪い、って話だから何かわかりやすい魔法陣や置物でもあれば……」
ファラオ「ウオオオオオオ!!」
上条「くっ、その巨体でぶん殴られたらたまったもんじゃないけど……」パンチッ
パリィン!
上条「やっぱり魔術みてえだな!俺の右手が効く!」
ファラオ「ウオオオオ!!!」
上条「(俺の右手はどんな異能でも打ち砕く!……が、あまりに質量の大きな魔術なんかは消しきれずに今みたいに受け止めるだけになっちまう)」
上条「(でもそれを利用して、攻撃を受け流すこともできるッ!)」
上条は右手で止めたファラオの拳を後へと流しながら拳の下へともぐりこんだ
- 84 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:24:58 ID:7vRsWdfM
- 上条「ファラオの頭にあるあの丸いのが『核』かッ!?」
ファラオ「ウオオオオオオオン!!!!」
上条「(来るッ!おそらく包帯を飛ばして足元を狙った攻撃!)」
上条「(なんとなく呪いならゲームで言うコンピューターAIみたいなのが組まれてそれにしたがって行動しそうなもんだけど……)」ヒョイヒョイ
ファラオ「オオオオ!!」
上条「(こいつの行動は単純なAIの動きじゃない!)」ヒョイ
上条「(俺が培ってきた『危機を察知する感覚』と『右手』をフルで使ってもかわすのがせいいっぱいだ……!)」
ファラオ「……ウオアアアア!!!!」
上条「くそっ、今度はなんだ!?」
七面鳥の群れ「ビヨオオビヨビヨオオ」
上条「くそっ、数は俺にはどうにもできないっ!」
- 85 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:30:08 ID:7vRsWdfM
- 上条「くそっ、いったん逃げ……」シュッ
上条「(包帯が脚に絡んで……ッ!)」
どてっ
上条「くそっ、こんなの右手で触ればちぎれるんだろっ」パリィン
ファラオ「ウオオオオオオオオオオン!!!」
上条「ッ!」
上条「(だめだっ、逃げ道が無……)」
- 86 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:34:44 ID:7vRsWdfM
- 橘鳥「上条―――ッ!」バッ
上条「た、橘!」
ファラオ「」ピタッ
上条「何っ、ファラオの動きがとまった……!?」
インデックス「とうま!その呪いはファラオのお面ならどこを触っても溶けるんだよ!急いで!」
上条「!」
上条「うおおおおおお」ダダダッ
橘鳥「すごい!ファラオの腕をかけあがっていく!」
- 87 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:40:19 ID:7vRsWdfM
- 上条「(この呪いがどんな理由で生まれたのか、誰が何を願って使ったのかはわからない)」
上条「(でもっ!)」
上条「(こうして、苦しんでいる人間が出てしまったんだ……!)」
上条「(俺にできることは、急いでこの呪いを解いて、みんなを安心させることだけ!)」
上条「だったらまずは……」
上条「その幻想をぶち殺すッ!!」
- 88 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/19(水) 12:45:40 ID:7vRsWdfM
- ***
オティヌス「ふむ、これで一般人は全員この広場に集まったんだな」
中田「大丈夫……だと思います!」
森島「あー!オティヌスちゃん!あれあれ!!」
オティヌス「……?」チラッ
梨穂子「わあ~、七面鳥がたくさん!」
オティヌス「どうやらここに人間が集まっているとわかっているようだな」
オティヌス「なら」
オティヌス「まとめて消せる分かえって都合がいいッ!!」
- 89 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:12:02 ID:mjsEUVIo
- オティヌスが一振り腕を振るうと眼帯の右目が輝きだし、オティヌスの姿が大蛇へと変貌する。
その大きさは身体をうねらせ、ようやく遊園地の敷地内にギリギリ収まるほどに大きかった。
大蛇―――の姿をしたオティヌス―――が攻撃らしい動きもしないうちに、空中に飛んでいる黒い鳥の群れはそのカバンにすれば高そうな皮膚に触れるだけで消失していった。
オティヌス「さあ、片付いたぞ」
梨穂子「な、中田さんっ!大丈夫!?」
中田「ご、ごめんなさい……っ、腰が抜けちゃって…っ」
森島「オティヌスちゃんはヘビになれるのね~」
オティヌス「私はだいたいなんでもなれるぞ」
森島「本当!?じゃあ次はわんちゃんになってよー!えっとね、この雑誌の~」
オティヌス「いやだ!なんで私がお前のためにそんなことを……っ!」
森島「えー!オティヌスちゃんイケズ~!でもそんなとこも子猫みたいで可愛いかも?」
- 90 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:18:38 ID:mjsEUVIo
- ***
ジェットコースター「」
バードウェイ「ふっ、あっけないな」
ロリ辻「へー、まあそれなりにやるんじゃない?」ガクガク
バードウェイ「なんだ、おびえているのか?」
ロリ辻「そ、そんなわけないでしょうが!」
バードウェイ「私は『ダメ人間を見下している絢辻詞』より今の『恐くて脅えてるダメな絢辻詞』の方が可愛いと思うぞ?」
ロリ辻「は、はー!?」
バードウェイ「少しだけ妹に似ている」
ロリ辻「私、もともとあなたより年上なんだけど?」
- 91 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:22:52 ID:mjsEUVIo
- バードウェイ「だが今はどう見てもランドセルを背負った小学生だ」
ロリ辻「……」
ぐおおおおん!!!
ロリ辻「ひゃっ!?今度は蛇!?なんとかしなさいよ!」ギュー
バードウェイ「……こりゃオティヌスだな」
バードウェイ「さ、絢辻。がっしり人の腰に抱きついてないで『ファラオの扉』まで案内してくれ」
- 92 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:26:45 ID:mjsEUVIo
- ***
五和「七咲さんジュル」
七面鳥入り醤油ラーメン(七咲)「……はい」
五和「さきほどはありがとうござい…ジュル…ございました」
ラーメン「あの……もしかして、食べたいんですか?」
五和「へっ!?そ、そんなことないです!」
五和「そんな、その、なななななさきさんを食べたいだなんて」// ボッ
ラーメン「……一口だけ食べてみますか?」
五和「えっ……」
- 93 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:31:33 ID:mjsEUVIo
- ラーメン「流石に冗談で」
棚町「あらー?おいしそうなラーメンじゃないの!」
御坂「ほんとだ、さっきまでジュースとかお茶とかあふれるほど見てきたからなんかお腹すいてたのよねえ」
棚町「あふれるほどって言うか踏みつぶした缶からあふれてたんだけど……」
五和「だ、だめですっ!」
御坂「あら、あんたいたの?」
棚町「五和さん……だっけか、いいじゃない、一緒に食べましょうよー」
五和「そうじゃなくて、これは七咲さんなんです!」
棚町「ああ、あの子のなの?」
ラーメン「違いますってばっ!」
- 95 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:37:52 ID:mjsEUVIo
- ***
上条「みんな、無事だったんだな」
オティヌス「ふむ、そちらも済んでいたか」
橘「いやあ、それにしても学園都市にはすごい人がいっぱいいるんだね」
御坂「(ま、学園都市から来たって言っても学園都市の人間は私とツンツン頭のこいつだけなんだけど)」
梨穂子「ところで、そこに座ってるおじいさんはだあれ?」
インデックス「その人がこの呪いの術者だったんだよ」
おじいさん「フォフォフォ…」
森島「わお!私もっとヒゲもじゃもじゃで魔法使いみたいな人かと思ってたわ~」
橘「あの、なんでこんなことをしたんですか?」
- 96 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 14:50:28 ID:mjsEUVIo
- 上条「それに、術者なのに七面鳥に捕えられていたり……説明してくれ」
おじさん「ふむ……まあなんにせよ私の自己紹介から始めなければならないな」
おじさん「私の名前はセント・ニコラオス」
インデックス「!」
バードウェイ「ふむ……」
上条「バードウェイ、何が『ふむ』なんだ?」
バードウェイ「……こいつはお前たち日本人も大好きなおっさんだからな」
上条「??」
おじさん「日本人には『サンタクローズ』と言えばわかるかね」
アマガミ勢『えぇ!?』
- 97 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:05:57 ID:gRRf6.gY
- 中田「さ、サンタさん?」
サンタクローズ「いかにも」
サンタクローズ「魔術の世界ではニコラウス財団の団長でもあるわけですが……まあそれはいいでしょう」
サンタクローズ「私がこの呪いを発動させたのには理由がありましてね……」
サンタクローズはこの世界の実在のサンタとして生活していた。
とは言ってもクリスマスイブの夜に良い子にプレゼントをあげに行く……などという、夢のようなことをしていたわけではない。
カナダを拠点とし、世界中の貧しい子供を可能な限り魔術的側面から助けるというのが彼の仕事であった。
サンタクローズ「しかし、ここ最近のクリスマスは……」
サンタクローズ「若者は祭りだから良いのだと酒を飲んで暴れ、クリスマスの幸せを感じもせず」
サンタクローズ「ただ、周りに迷惑をかけるだけというものが増えています」
橘「(わかるっ!わかるなぁ~!クリスマスだからって浮かれて女の子を連れてるチャラチャラしたやつとかねえー!)」
- 98 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:12:28 ID:gRRf6.gY
- サンタクローズ「そこで、ほんのちょっとだけ『いつも通りの生活』がどれだけいいものか、をわかってもらうために」
サンタクローズ「……と思ったんですがな……」
オティヌス「呪いの暴走か」
サンタクローズ「そうなのです。財団の団長とは言え私は魔術をほんの少しかじった程度の一般人」
サンタクローズ「まさか呪いに使った七面鳥の生産地までかかわってくるとは思っておりませんでしたもので」
バードウェイ「まったくいい迷惑だ」
絢辻「本当にね」
バードウェイ「いや、お前はあのままが良いと思うがね」
サンタクローズ「本当にみなさまにはご迷惑をおかけしました」
棚町「まあ、でも確かに最近は『クリスマスだーっ!』ってハメはずしすぎな人、いるわよねえ」
サンタクローズ「少しでもそう思ってくれた方がいるのならそれで十分です」
- 99 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:18:41 ID:gRRf6.gY
- ***
上条「ああ、だからサンタクローズがこれからどうなるのかはバードウェイに任せとけば大丈夫らしい」
橘「なんだか僕らを想っての行動だったのだとしたら罰を受けるのがかわいそうに思っちゃうな」
インデックス「呪いの暴走が招いた事態とは言え、一般人に向けて魔術を行使したわけだからね……」
オティヌス「世界滅ぼしたり色々ヤバいことした私がのうのうと生きている世界だ。心配することは無い」
橘「え?」
上条「さー!オティヌスさん、帰りましょうねー!!!」
インデックス「とうま!帰ったらまずは晩御飯なんだよ!!」
上条「だーもう、わかったから早く飛行機の席に座れ!シートベルトつけて待ってろ!」
橘「上条、とても楽しかったよ」
上条「いやあ、本当に迷惑かけた。みんなにもよろしく頼む」
- 100 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:22:29 ID:gRRf6.gY
- 橘「でも本当に僕たちはなんにもなしでいいの?」
上条「ああ、なんか俺もよくはわからんがしばらく五和達天草の監視は受けることになると思っててくれ」
橘「監視かあ……」
上条「悪いな」
橘「うん、今度千葉に来たときは案内させてよ」
上条「ああ、今度は普通に遊びに行こうぜ!みんなでな」
橘「それじゃあそろそろ」
上条「おう」グッ
二人の主人公が握手を交わし、学園都市制超音速戦闘機は千葉の空を飛び立った
- 101 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:32:29 ID:gRRf6.gY
- 終章(エピローグ)
バードウェイ「だからお前はサンタクローズとしての自覚が足りていないと言っている」
サンタクローズ「ごもっともではありますが……」
バードウェイ「勘違いするなよ?お前はサンタクローズになりきれていない、と言っている」
サンタクローズ「は?」
バードウェイ「いいか、サンタクローズって言うのは笑うとき『ホホホ』と笑うんだ」
サンタクローズ「はぁ……」
バードウェイ「それなのにお前は『フォフォフォ』と笑っていた。それを直せ」
- 102 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:34:35 ID:gRRf6.gY
サンタクローズ「わ、わかりました」
バードウェイ「それでお前がサンタクローズであることが証明されれば、私が財団の方もお前の身の上もなんとかしてやる」
サンタクローズ「……あなたは」
バードウェイ「気にするな。愛する妹はサンタさんがいなくなると困るんだ」
***
上崎「うぅ……まさか人ごみにまぎれてそのまま迷子になっちゃうなんて……」
上崎「橘くーん……どこ?」
上崎「まあいいや……今日は帰ろう……」
上崎「明日は勝負の日だしね」ドンッ
一方通行「ンだァ?」
- 103 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:39:15 ID:gRRf6.gY
- 上崎「あっ、ごめんなさい」
一方通行「いや、気にしてねェよ」
一方通行「それより、人を探しているンだが知らねェか?」
上崎「人ですか?」
一方通行「あァ、ツンツン頭の男とか銀髪のシスター……魔女のコスプレした奴とか」
上崎「…………」
一方通行「ま、知らねェよな。目立ってるだろォ、つって聞いてみたが……」
一方通行「時間取って悪かったなァ」タッタッタ
上崎「(あの人も忘れられたのかな……)」
- 104 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:40:46 ID:gRRf6.gY
橘「とあるとアマガミが交差するとき」上条「物語は始まる!」完
- 105 : ◆HVzqEIcQBs:2014/02/20(木) 15:41:39 ID:gRRf6.gY
- 支援ありがとうございました
2014年2月27日木曜日
橘「とあるとアマガミが交差するとき」上条「物語は始まる!」
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