2014年7月14日月曜日

インデックス「さっさと学校に行ってくれるとうれしいな」上条「」

 
※未完作品
 
1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/08/11(土) 22:20:56.28 ID:AR9DBFMAO


チュンチュンチュンチュン


上条「んっ…ふあぁぁっ…朝か……」

上条「小鳥のさえずりで起きれるとは…今日は良いことがありそうだ」ルンルン


ガラッ

上条「おはようインデックスー!」

インデックス「…」

上条「?…インデックスさーん?起きてるなら朝の挨拶を返してくれると上条さん嬉しいのですが…」

インデックス「…」

上条「インデックス…?」

上条「具合でも悪いのか?どれ、おでこを…」スッ


ペシッ!


インデックス「さっきから馴れ馴れしいんだよ。いつからあなたとそんなに言葉を交わす関係になったのかな」



上条「」




2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/08/11(土) 22:34:02.07 ID:AR9DBFMAO


上条(な、何だ…?)


上条「……はっ!」

上条「そうやって上条さんに辛辣にあたって困惑させて」

上条「インデックスの奴怒ってたなー可哀相だなー今晩は肉料理にしてやるかー、」

上条「と思わせて今晩を肉料理にさせるという、上条さんの優しさにつけこんだ作戦だな!?」


上条「ふぅ、名探偵上条さんの前では通じませんよーだ」


インデックス「…」


上条「……」

上条「どっ…どうしたんだよインデックス?本当に体調悪いんじゃ…?」

インデックス「私はどこもおかしくないんだよ。おかしいのは平然と私に話しかけてきた挙げ句に体に触れようとしてきたあなたの神経のほうかも」

上条「…話しかけてきたって…おはようって言っただけだろ、それに触れようとしたのはお前を心配して…」

インデックス「余計なお世話。あなたに心配される筋合いはないんだよ。それよりいつも通りご飯を作ってさっさと学校に行ってくれるとうれしいな」




上条「………」




4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/08/11(土) 22:52:01.97 ID:AR9DBFMAO
>>3

ちがうよー


朝食後

上条「じゃ、じゃあ学校行くな、インデックス」

インデックス「…」

上条「い、いってきます…」ガチャ バタン


上条「はぁ…一体なんなんだインデックスのやつ」トボトボ

上条「俺何かしたっけ…?昨日の夕飯をもやしハンバーグにしたからか?いや、いつもそんなもんだよな?……クソ、訳分かんねぇ」ハァ


上条「ん?……(向こうから歩いてくるのは…)」


御坂「…」テクテク


上条(御坂か)

上条「おっすビリビリ」

御坂「…」テクテク スッ

上条「?」

上条(……え?スルー?)

上条(いつもならビリビリ言うなって言いながらビリビリしてくるのに…いや、しないのは有り難いんだがなんで俺無視されたんだ?)

上条「あ、あのー御坂さん?上条さんの姿見えてますでしょうか…?」

御坂「…」ピタッ

上条(止まった!)

上条「…御坂?」

御坂「………チッ」クルッ

上条「えっ」


御坂「……」ビリビリッ!


上条「!…ぐあぁぁっ!?」バリッ!




8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/08/11(土) 23:12:51.27 ID:AR9DBFMAO
>>7

そうだったのか…
なんかごめん、ただ改行しちゃっただけっぽい



上条(右手で防げなかった…急に足に電撃打ってきやがった…!!)ズキズキ

上条「お、おい御坂!?何s」


御坂「…」バリッ


上条「うわっ!?」パキーン
上条「……っ何だよ!お前本気で俺を[ピーーー]気か!」

御坂「…」クルッ スタスタ


上条「…!」

上条「聞いてんのかよおい!」ガシ


御坂「………んな」

上条「はぁ?」

御坂「…さわんなっつったんだけど。何?いきなり女子中学生に話しかけるとかアンタ変態なの?なんなの?正直キモい。今すぐ私の視界から消えて」ビリッ…

上条「み、御坂…」


ビリビリッ!


御坂「気安く呼ぶなウニヘッド」


上条「……」





10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/08/11(土) 23:22:31.14 ID:AR9DBFMAO


学校・下駄箱


上条(何だ…?インデックスも御坂も明らかにおかしいよな)

上条(インデックスは俺を家事ロボットのように扱うし)

上条(御坂は俺を本気で嫌ってるって感じだな)

上条(………ダメだ全く心当たりがない…俺の知らぬうちに怒らせていたのか?)



青ピ「おっはーカミやん!」

上条「お、おぉ青ピ。おはよう」

青ピ「なんやカミやん元気ないな?」

上条「あぁ、ちょっとな(今日はじめてまともな会話をしてるな)」

青ピ「カミやん…?まさかまた女の子絡みやないやろなぁ!」ゴゴゴ


上条「えっ…その」ギクッ

青ピ「…そうかそうか、またどこぞの女の子とのフラグおったててきたくせに不幸だーとかぬかしてるわけやね?」ゴゴゴ

上条「なんでそうなるんだよ!過大解釈のしすぎだ!」


青ピ「問答無用やカミやん!!」バキィ


上条「ぶふぁっ!?」グハァ



12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/08/11(土) 23:40:57.69 ID:AR9DBFMAO


教室


上条「…はぁ、何なんだよお前頭おかしいぜ…」ヒリヒリ

青ピ「友達としてカミやんの性格をしっかり矯正してやってんのや!」

青ピ「今日はツッチーもおらへんみたいやし、いつも以上にボクが厳しめに見なあかん!」


上条「何だよその義務感は…」ハァ

上条(…でもまぁ青ピが普通に接してくれてるおかげで今朝ズタズタにされたメンタルが戻ってきた)


小萌「皆さんおはようなのですー」ガララ

青ピ「おぉっ!おはよー小萌センセぇー!」

小萌「さっそく出席を取るのです~、………………、ハイ、土御門ちゃん以外みんないますね~」


上条「…ん?」


上条「ちょ、ちょっと待った小萌先生、俺の出席が取られてない気がするのですが!」

小萌「今日の予定を確認するのですよ~、今日は念動力系の生徒さん達はお昼休みに…」

上条「せ、先生?」

小萌「……ハァ」


小萌「…万年補習の出来損ないさんに発言権があると思ってんですかー?あ、青髪ちゃんと土御門ちゃんは良いんですよ。私の大事な生徒さんですし」

上条「え、俺も先生の生徒じゃ…」

小萌「…はー、仕方ないので答えてあげるのです」



13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/08/11(土) 23:54:35.07 ID:AR9DBFMAO


小萌「上条君は…正直私の生徒として思いたくないですからねー。出席を取りたくないから取らなかっただけですよ?疑問は解けたですか?」

小萌「分かったら生徒さんとの貴重な時間を馬鹿な質問で取らないで欲しいのです」


上条「…え」ズキ

青ピ「!?」

姫神「………プッ」

吹寄「相変わらずのクズねアイツ」

モブ女1「クスクス」

モブ女2「マジウケルw」

ブス美「キモーイ」


上条「………!」ズキズキ

上条「…すいません、出席にならないみたいだし……具合悪いんで…俺、早退します…」ガタッ

小萌「いちいち報告しなくても大丈夫なのですよー。勝手に帰っていいのですー」


上条「……」フラフラ


ガラッ…ピシャン…


クラス男子「…!」ザワザワ

青ピ「か、カミやん…」



14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/08/12(日) 00:18:23.27 ID:mo5gdfjAO


公園


上条「……ははは」

上条「……俺ってこんなにみんなから嫌われてたんだな…全く気づかなかった」

上条「…みんなが俺のことを鈍感って言ってた意味が今ようやく分かったよ……」

上条「あんなに嫌われてんのに全く分かんねえんだ、そりゃ鈍感だよな」


上条「……家にも帰りたくないな、インデックスいるし」

上条「とりあえず公園にいよう」








上条「……ん」ムク

上条「あぁ…どうやら俺あのまま寝てたみたいだな」

上条「…」

上条「…このまま公園で夜を明かそうかな」


15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 00:39:13.00 ID:mo5gdfjAO


プルルル


上条「電話…しかも非通知」ピッ

上条「はいもしm「かーす!かーす!かっすじょー!!とミサカはあえて幼稚かつ屈辱的な言葉を使い上条を罵倒しますww」


上条「…………切っていいか」

御坂妹「女の子からの電話を勝手に切るとかwwこれはこれはwwさすがフラグクラッシャー(笑)wwww」

御坂妹「どんなことをしてもみんな俺のこと好きだから許されるとでも思ってんですかァ?wwwそれ勘違い勘違いwww」

木原「そうだそうだぁ!いつまで最強きどってやがn「ごめん」ピッ


ツーツー…


上条「…やっぱり御坂妹も俺が嫌いだったのか」

上条「……」


上条「………いいぜ、上条当麻…テメェが存在することでみんなを不幸にさせちまうってんなら」


上条「そのふざけた幻想…俺がっ……ぶち殺してやる」



25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 19:58:31.46 ID:mo5gdfjAO

お出かけが終わったので書きやす





黒子「今日のスキルアウトはなかなか骨がありましたわ」ハァ

黒子「早く帰ってお姉様との甘い一夜を過ごしますの………ぐふふ」シュン

黒子「……あら?あれは一体…」


上条「みんな今までごめんな……今いなくなるからな」ヒュオオ


黒子「!?」


黒子「あれは…猿人類?」

黒子「ビルの屋上で何やら呟いて……!」

黒子「…まさかっ!?」シュン


上条「コンニチハ アリガトウ サヨナラ マタアイマショウ♪」


上条「…じゃあなみんな」バッ!


黒子「!!」

黒子(ま…まずいですの!)シュン


26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/08/12(日) 20:02:53.38 ID:mo5gdfjAO

間違えた

猿人類×
類人猿〇

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 20:09:14.76 ID:mo5gdfjAO


上条「…意外に落下時間って長いんだな…さすが学園都市のビルだ」ヒュー

シュン!

ガシッ!

上条「…ん?何やら柔らかな感触が…天からの使者か?」ヒュー


黒子「ま…間に合った…」ヒュー

上条「………天使ってツインテールだったの?」ヒュー

黒子「あなたには能力が使えないんでしたわね」ヒュー

スッ
シュシュシュシュシュシュシュン!

カカカカカカカッ!


黒子は全ての鉄矢をビルに垂直に移動させて差した!

ビルの壁に足場ができた!テッテレー


シュタッ

黒子「…ふぅ、あとはここの壁を消せば中に入れますわね」

上条「お、お前は…」


上条「白井!?」

黒子「今ごろお気づきになったんですの…?」

黒子「相変わらず鈍いですわね」ハァ


上条「!!」ズキッ

上条「……」


31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 20:57:34.15 ID:mo5gdfjAO

ところてんうまかった


黒子「ほいっと」スタッ

ビル内部(倉庫的な部屋)

黒子「…さて上条さん。どういう訳で屋上からダイブしたのかジャッジメントとしてお話伺いますの」


上条「……」

黒子「貴方のことですし…大方なにかの事件にでも巻き込まれていたのではありませんの?」

上条「………そうだ…俺は鈍いんだ…みんなを不幸にしていることにすら気づかない野郎なんだ…」


黒子「……上条さん?」

上条「俺が死ななきゃ…みんなを不快にさせるだけなんだ…」


黒子(え?これマジな感じですの?)


上条「白井…とりあえずありがとな」

黒子「い…いえ、当然のことをしたまでですの…」

上条「そしてごめん…」

黒子「?」


上条「無理させちまったな…ジャッジメントってすげぇな、どんなに嫌なやつの為でも体はれるんだな」

黒子「な、何をおっしゃってますの?別にわたくしは…」

上条「いいんだ白井、俺なんかのために優しさを振りまく必要はないぞ」


上条「俺は死ぬことでしかみんなを幸福にできないような男なんだ」


黒子(……これは…完全に精神がやられていますの…)


黒子「…上条さん、お話伺ってもよろしいですの?」

上条「あぁ、自殺未遂だって事件だもんな…事情聴取ってやつか?大変だな、ジャッジメントって。俺みたいな奴n(ry


黒子(ちょっとめんどいですの)


32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 21:18:43.61 ID:mo5gdfjAO

シカジカカクカク


黒子「…ふむ、みんなに異常なまでに嫌われていたことに今日はじめて気づいて絶望して…空を飛びたくなった、ということですのね」


上条「…あぁ」

黒子(…お姉様がこの殿方にそんな態度を取るとは……確かにおかしいですの)

黒子(……)

黒子(今まで信頼していた人達が実は自分を心底嫌っていた…人間不信になるのも仕方ないのかもしれませわね)


上条「なぁもういいか?Fly awayしていいか?」

黒子「……上条さん」


上条「黒子ももう俺といたくないだろ?……自分勝手かもしれないけどさ、もう嫌なんだよ、俺を拒絶するあの顔をもう見たくない」


黒子「………こんの類人猿がァァ!!」


上条「!?」ビクッ

黒子「さっきからネチネチネチネチとうるさいんですのよ!!たった一日邪険に扱われたくらいで泣き言ですの!?」

黒子「もしかしたら何かのドッキリかもしれませんの!それで貴方が死んだらドッキリ大失敗ですの!雰囲気最悪ですの!それこそみんなを不幸にしてしまいますの!」


上条「………もういいよ、白井…」プイ


黒子「……!!」ギリ


パァン!


上条「……」



33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 21:25:26.52 ID:mo5gdfjAO


黒子「…いい加減にしますの!」


黒子「わたくしは貴方を助けたくて助けたんですのよ!?他の誰でもない、自分の名誉のためでもない、貴方を助けるために!」

黒子「貴方がたった一日、酷い目にあったとかそんな小さい事情なんかどうでもいいですの!そんなことで命を投げては駄目ですの!…だって、貴方は…」



黒子「―――貴方は、世界でたった一人しかいないんですの!何だってそんな簡単な事も分かりませんの!」



上条「……………」


上条は、白井黒子の叫びを聞いて…
かつて自分が御坂妹に叫んだ言葉を思い出していた。



『―――お前は、世界でたった一人しかいねぇだろうが!』


御坂妹に偉そうに言った言葉を上条は忘れかけていた。


上条「…」


黒子「……柄にもなく説教じみたことをしてしまいましたわ」

黒子「こういうお役目はわたくしではなく…貴方なのではありませんこと?」フフッ


上条「……」

上条「……あぁ、そうだな…」



上条「…そういう説教は…上条さんの、専売特許だ」




36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 21:57:53.04 ID:mo5gdfjAO


ビルの外


黒子「ではわたくしは帰りますの」

上条「おう、気をつけてな」

黒子「それはこっちのセリフですわ」ハァ


黒子「まぁ、何かあったら連絡してくださいな、学園都市の市民を守るのがジャッジメントの仕事ですの」スッ

上条「ん?…連絡先か?」スッ

黒子「今日の貴方を見たところいつ何をしでかすか分かりませんもの。困ったことがあればいつでもこちらに」


上条「……白井、本当ありがとな。お前がいなきゃ俺は今頃…」

黒子「あー!もういいですのよ!」

黒子「とにかく!……多分お姉様達は本気でやっているのではないと思いますし、気楽に過ごしなさいな」


上条「…あぁ、わかった」

黒子「それでは失礼しますの」シュン


上条「……」



上条「……ツインテールの天使、…か」


40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 23:14:31.05 ID:mo5gdfjAO


上条「………あっ!!」


上条(…やべぇ…インデックス忘れてた!)

上条「今何時だ!?」パカッ

携帯「午後7:32」

上条「」


タッタッタッタ…

上条「い、急げ俺!」ダダダ

上条「…」ダダダ

上条(……いつもなら扉を開けたら『とぉーまー?こんな時間まで私をほったらかしにしてどこに行ってたのかな?』とか言ってガブガブしてくるだろうな…)

上条(…でも今日は…)

上条(正直、帰るのが怖い。またあの冷えきったインデックスを見たくない。)

上条(………)


上条「………天使から直々に力を貰ったんだ」


上条「怯えることなんてないよな」ダッ!


午後7:51 上条の部屋の扉の前

上条「…」

上条「…大丈夫、きっといつもの暴食シスターがいるさ」ハハハ


ガチャ

上条「ただいまーインデックス!悪い悪い、ちょっと用事があってさ」トタトタ

上条「そのかわりほら!今日は上条さん奮発してお前の好きな焼肉…に…」



上条「……………!」


上条「……なんだよ…コレ……」

上条「なんだよ…なんなんだよ!!!」



上条の家は綺麗に荒らされていた。綺麗に、というのは、必要なものだけを根こそぎ持って行ったような無駄のない荒らされ方だったのだ。

机の上には一枚置き手紙が置いてある。


44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/12(日) 23:28:25.34 ID:mo5gdfjAO



上条「……読みたくない…」

上条「……」ピラ


『今日、小萌が家に迎えに来てくれたんだよ。私が心配だったんだって。今日から小萌の家で暮らすから余計な心配はいらないかも。部屋荒れてるけどあなたが暮らすのに必要なものには手を出してないから大丈夫なんだよ。今までお世話になりました。』


上条「…………」グシャ

上条「………う」


上条「…ぐ………うう…」ドサッ

上条(……駄目だ、絶望しちゃいけない……!)

上条(絶望なんてものは幻想だ…!ぶち殺せ!上条当麻!)グッ…


バキッ!


上条は自分で自分を殴った。黒子にビンタされた場所と同じ所を。

上条(………少し落ち着いた)

上条「へへ………どうだ絶望……おれの右手をなめんなよ」

上条「…」


上条「……とりあえず部屋の整理だ!これから一人で暮らす訳だしな!!」

上条「元より綺麗にしてやるぜ!」


1時間後

上条「ふー、だいぶ片付いたかな…そろそろ飯食わなきゃな」

上条「今日の夕飯はーっと…」ガサガサ


上条「ぁ……………」ガサ

上条「焼肉……二人前……」

上条「……ぐっ」ポロ


上条「…う、うぅ…く、ううう…う゛っあ…」ボロボロ

上条「うああぁぁぁ!!」


上条はその日一晩中泣いた。夕飯は結局食べなかった。


47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]:2012/08/13(月) 00:01:10.74 ID:TCyhJCmAO


チュンチュン


上条「……朝か、1時間くらいしか寝てないな」

上条「昨日はあんなに清々しい気持ちで起きたのにな…」

上条「……」


上条「まぁ仕方ないよな!嫌われてるのは俺に原因があるんだしな!」

上条「…そうだ、白井に言われた通りだ…俺は気楽に過ごすんだ!」






ガチャ

上条「いってきまーす」


上条(今日からはもっと人の気持ちに敏感になって生きよう)

上条(なおかつ俺自身も気楽に楽しんで生きるんだ)





学校

……チッ
クスクス

上条(気楽気楽)

青ピ「おはよカミやん!」

土御門「おはよーだにゃー」

上条「おっす!青ピ!お、今日は土御門も来たんだな!」

青ピ「なんやカミやん…なんで昨日より元気あるんや?(昨日あんな事があったのに…)」

上条「フフフ…昨日上条さんは天使に力を貰ったのですよ!」

青ピ「…て、天使!?とうとうカミジョー属性は人間界を超えたんか…」ガク

土御門「カミやんそれはちょっとないにゃー…」

上条「うるせー!惰天使エロメイドなるものを所持するお前には言われたくねーよ!」

ギャーギャー

ガララ

小萌「はいはーい、皆さん席に着くのですよー」

上条「!」


青ピ「…おっと、座らなあかんな、じゃ後でその天使ちゃんについて説明してもらうでカミやん!」

上条「お断りします」


土御門「……カミやん」ボソ

上条「?…どうした土御門?」

土御門「昼休みにちょいと話があるにゃー」

上条「……?」


50 :[saga]:2012/08/13(月) 01:59:30.73 ID:TCyhJCmAO


昼休み


上条「『女性が絶対に男性を嫌わない魔術』?」


土御門「あぁ、昨日学校を休んでたのもそれについて調査してたからぜよ」

土御門「全くどこのマスキュリズムが仕掛けたのかしらんが、このままでは男のやりたい放題、女性の人権がなくなっちまうぜよ」

上条「…ってことはもう発動してんのか?」

土御門「一昨日から発動中だにゃー」


土御門「……それよりカミやん、最近周りでおかしな事がおきていないか?」


上条「………え」

土御門「…あぁ、すまん、こちらでは全て把握してる。わざわざ聞いてごめんにゃー」

上条「!……ま…まさか、俺が昨日から嫌われてるのって…!」

土御門「あぁ、その魔術のせいだにゃー」

上条「!!」


上条「……で、でもどういうことだ?幻想殺しを持ってる俺に魔術が効いてるのか…?っていうか俺は…逆に…その…ものすごく女性から嫌われてるみたいなんだけど…」

上条「……その魔術は俺だけ無効化されてると考えれば、ただ単に俺がみんなから嫌われてるだけってことに…」ウゥ

土御門「…あくまでも推測なんだが…、今回の魔術は今までカミやんが無効化してきた魔術とは比べものにならないほど弱い」

土御門「だから幻想殺しによって無効化を過ぎて…カミやんに逆の効果をもたらしている、と。俺の中でそう思ってるぜよ。ご都合主義?聞こえんにゃー」

上条「……それで俺だけには『女性が絶対に男性を嫌う魔術』がかかってしまった、と?』


土御門「実際に魔術がかかってる訳じゃないが…まあ簡単に言えばそういうことだにゃー」


上条「………ふ、不幸だああぁぁぁぁぁ!!」



54 :[saga]:2012/08/13(月) 02:52:15.91 ID:TCyhJCmAO

帰り道

上条「………安堵と哀しみが一気に襲ってきたよちくちょう…」テクテク

上条(魔術は今ステイルが破壊しに行っているようだ。物理的な破壊ではなく儀式的に壊すようで、少し準備が必要なために結構時間がかかるらしい)

上条「…俺いつまでこのままなんだろう」

上条「…」

上条「あれ…?」

上条(そういえば…なんで白井は…)


上条「ん?何やら騒がしいような…」

オウオウネーチャーン!アン!ゴラァ!
オレタチトアソボーゼェwウヒヒww

上条「!」ダダッ


不良「へへ…なかなか良い体してんじゃねェか…俺らといいことしようぜぇ?」

女生徒「……!」

DQN「なんか喋ってよw肯定として受け取っちゃうよ俺www」

上条「…おーい!」

不良・DQN「!?」バッ

女生徒「…」

上条「いやぁすいませんねぇ俺のツレが…」ズイッ

不良「!!てめぇなめたマネを…」

上条「ほらいくぞ」クイクイ

女生徒「…!」


パシッ!

上条「」
不良「」
DQN「うはw」

女生徒「…何なんですかあなた。誰?せっかくそこの心優しい男性二人が一人で寂しく帰る私を遊びに誘ってくれていたのに。邪魔しないで下さい…つかどさくさにまぎれて手を握らないでくれます?なんか私生理的にあなたが無理です」


上条(い……今の状況忘れてたぁぁ!!反射的にやっちまったあぁぁ!!)

不良「」

上条(…不良が引いてる)

DQN「この娘パネェww」

上条「……くっ!」

上条(だが男達がいかがわしい事をしようとしてるのは間違いないんだ…!ここで助けなきゃこの女子は深い傷を負う…!)

上条(どんなに嫌われようとそんなもん関係ねぇ!!)

上条「…いいから行くんだよ!黙ってついて来い!」グイッ

女生徒「!ちょ…やめて!!誰か…誰か助けてぇぇ!!お兄さん達!助けてよ!」

不良「」

DQN「俺らに助け求めとるわいww」

上条「…」タタタ

女生徒「あぁぁ……」シクシク


61 :[saga]:2012/08/13(月) 10:29:11.12 ID:TCyhJCmAO





上条「はぁ、はぁ…ここまでくれば大丈夫だろ…」

女生徒「…」ビクビク

女生徒「こんな所まで連れて来て……!一体私に何する気ですか!この…けだもの!」ポロポロ

上条「……!」ギリッ…

女生徒「!あ……お…お金なら渡します…さ、さっき言ったことも謝りますから…どうか見逃してください…」ビクビク

上条「……」

上条「分かった、じゃあ俺の要求を一つ聞いてくれたら見逃すよ」

女生徒「……な、何ですか」ビク


上条「俺と一緒に君の家まで帰るんだ」


女生徒「え…嫌…」

上条「じゃあ見逃さない」
女生徒「う…うぅ…」


―――

初春「……!」

初春「あのままでは女子生徒さんがあの男に…!」

初春「白井さんに連絡しなきゃ!!」ピッ

―――

帰り道

上条「いいか?今度からはまっすぐ家に帰ること。それから知らない男に付いていかない。」

上条「それを守らないとまた今日みたいに俺が無理矢理連れてくぞ」

女生徒「!…それだけは…!」

上条「なら約束守れよ?」

女生徒「!は、はい!約束します!絶対付いていきません!」

上条「よろしい」


上条(……俺はこの子にトラウマを植え付けてしまったのかもしれないな…)

上条(くそ…このままじゃ…みんなを不幸にしちまう)





「ちょっとアンタ。何してんのよ?」


63 :[saga]:2012/08/13(月) 11:14:11.16 ID:TCyhJCmAO


上条「!……御坂」

御坂「気安く呼ぶなって言ったでしょ……それよりアンタ…おとなしそうな女子生徒を連れ出して何をしようと…」ビリリリ


上条「!」


御坂「してんのかしら!!」バリィッ!

上条「…ぐっ!」パキィーン

御坂「…相変わらず気持ち悪い右手ね…ならいいわ。女性に手を出すような最低野郎に…」ダッ

御坂「私は手加減しないわよ!」バキッ

上条「ぐぁっ!」

御坂「今のうちに逃げなさい!コイツは私が懲らしめとくから!」

女生徒「は、はい!ありがとうございます!!」ダダッ

上条「…!」

御坂「…男性といえばみんな良い人間だっていうのに…」ギリ

御坂「なんで!アンタみたいな例外が存在するのかしら!」バキッドスッガッ

上条「ぐ!…がぁっ!」

上条(こ、こいつ本気だ…本気で俺を壊そうとしてる!)

上条(だが御坂に手はだせない…!これは魔術のせいなんだ…!)

御坂「やっぱあのとき…鉄橋の上でとどめをさしとけば良かったわ…!」ドスッ

上条「……!」

上条(……これは…魔術が言わせてるんだ…気にするな…)

御坂「…それかあのまま一方通行にプラズマ打たせとけば良かったのに!」バキッドゴッ

上条「…っ」フラ

上条(…魔術って分かってても……)フラフラ

上条(…辛いもんだな、こういうの)ヨロ…

御坂「だあぁっ!」ドゴッ

上条「…ぁ」フッ




ドサッ…




76 :[saga]:2012/08/13(月) 15:53:56.26 ID:TCyhJCmAO


黒子「全く毎日毎日、馬鹿な輩がいるもんですわね」シュン

黒子「…初春から連絡を受けた場所はこのあたりのはずですの…」スタ キョロキョロ

黒子「!人が二人…あそこですわね」シュン


―――


御坂「何勝手に倒れてんのよ?…つうかさっきから何もしてこないけど…アンタドMな訳?うわ、ますます気持ち悪い…救いようがないわねアンタ」

上条「……」ゲホッ

御坂「……まぁいいわ。これに懲りたら二度と女性にちょっかい出すんじゃないわよ」クルッ

上条「…」


上条(……お…終わった、か)フゥ



「お姉様!?」



上条「!?」

上条(…白井!?)

御坂「あれ、黒子じゃない。どうしたの?またジャッジメントのお仕事?」

黒子「あ…はい、そうですの………あの、お、お姉様、そこに寝ておられるのは上条さんでは…?」

御坂「!」


御坂「プッ……アハハ!何よ黒子!どうしたの?『上条さん』って…こんなやつに敬語なんか使っちゃって!」ゲシッベキャッ

上条「…っ」

黒子「!お姉様!?」

上条「……ハア…ハア」ボロ…

黒子(……ドッキリ、というにはひどすぎますわね…上条さんの顔が相当腫れてますの)



77 :[saga]:2012/08/13(月) 16:01:16.05 ID:TCyhJCmAO


御坂「…本当にどうしたのよ黒子、急に大声出して…?」

黒子「…お姉様、この状況を説明してもらいますの。前に言ったはずですわ…もしお姉様が学園都市の秩序を脅かす敵になれば、ジャッジメントとして黒子自らの手でお姉様を捕まえると」

御坂「うん、その時はよろしく頼むわね!」

黒子「もちろんですの!……じゃなくて!今がその時かもしれませんの!とにかく事情を説明してくださいまし!」

御坂「事情って……ただ誘拐犯をとっちめただけよ、むしろアンタたちに貢献してたわよ?」

黒子「誘拐犯?」

御坂「ええ、コイツ恐怖で怯える女の子を連れて歩いてたのよ」

御坂「しかも約束守らなきゃ無理矢理なんたらとか言ってたし…明らかに犯罪だわ」

黒子(では初春が言っていたのはこの方のことを?……まさか…このお人よしの塊みたいな人が…?)

黒子「…上条さん、本当ですの?」


上条「…ち…違う!…俺は…」

上条「あの女の子が男2人に囲まれてたから…助けようと思って…」

黒子(いつものパターンですわね)

上条「それでカクカクシカジカ…」


黒子「つまり、女の子を送り届ける途中でお姉様に誤解され攻撃されたと…?(それにしてもやり過ぎですわ)」

御坂「フン、あんた頭おかしいんじゃない?なんで男二人に囲まれてるのを見て助けようなんて思うのよ?普通の幸せ光景じゃない」

黒子「え」

83 :[saga]:2012/08/13(月) 16:09:03.23 ID:TCyhJCmAO


御坂「あの子可哀相…こんな馬鹿のために楽しい時間を潰されて」

黒子「………」

黒子(やはり今日のお姉様はどこかおかしいですわ)

御坂「あぁ黒子、アンタコイツ捕まえに来たんでしょ?現場で解決して良かったじゃない。結局コイツのただの勘違いよ」

上条「……」

黒子「…お姉様、さすがに自分の勘違いで暴力を振るったことには謝るべきですわ」

上条「…いいんだ白井」

御坂「謝る?私がコイツに?なんで?……やっぱ黒子、仕事で疲れてんのよ…先帰ってるから早く帰ってきなさいよ?たまには休まないと体が壊れちゃうわ」

黒子「…お姉様!」

上条「いいんだ白井!」


黒子「!…」

御坂「?…んじゃ、私帰るわよー?またね黒子ー」スタスタ


黒子「………」

上条「……」




88 :[saga]:2012/08/13(月) 18:10:13.33 ID:TCyhJCmAO
もう魔術の内容書いたんですが一応言っておくと『好感度の逆転』ではないです。
黒子の件は…まぁ深い意味は用意してないけど後ほど書きます


黒子「…昨日のあなたの言葉を信じていなかった訳ではありませんが…ここまでとは予想外でしたの」

上条「…」

黒子「……ドッキリではなさそうですわね…」

上条「…あぁ、そうだな」

黒子「…他の方々もこんな感じですの?」

上条「まぁ…割とこんなんだな」

黒子(……何らかの能力の可能性も捨てきれませんわね)

黒子「とにかく一旦ジャッジメント支部にくるといいですの。その怪我…見てるだけで痛いですわ…手当てしないと」

上条「い、いや、いいよ白井!」

黒子「ダメですの。傷口を放っておくのは危険ですわ。ここは黙ってついてきてくださいな」

上条「………分かった」


上条(……おかしい)

上条(何で白井はこんなに普通に接してくれるんだ…?)

上条「…」

上条「なぁ、白井」

黒子「何ですの?」

上条「…お前俺のこと嫌いか?」

黒子「…随分と変な質問をなさりますのね…まぁこんな状況の中じゃ聞きたくもなりますわね…」

黒子「安心してくださいな、嫌いというほどではありませんわ。いつもお姉様にベタベタしてて気に食わない、ぐらいですの」

上条「……そうか」

上条(気に食わない、か…これはどうなんだ…?)



96 :[saga]:2012/08/13(月) 18:40:53.48 ID:TCyhJCmAO


上条「じゃあさ白井」

上条「…男についてどう思う?」

黒子「?…質問の意図が見えませんの…まあそうですわね、わたくし殿方には大して興味ありませんわ。だってお姉様一筋ですもの」

上条「…じゃあもし初対面の男が白井の胸をさわさわもみもみしたとして…お前は嫌うか?」

黒子「!…なんなんですのその質問は!貴方それセクハラですわよ!そんなのだれでも嫌うに決まってますの!」

上条「!!」


上条(…『女性が絶対に男性を嫌わない魔術』、だよな)

上条(…白井には魔術がかかっていない!?)

上条(……なんでだ…?)


黒子「…変な質問した後に深刻な顔で黙らないでくださいまし…怖いですの」


―――


ジャッジメント支部

黒子「ただいまですの」

初春「あっ、白井さん!どうでしたか、変な男はいまし……」

上条「…オジャマシマス」

初春「……」

初春「…あっ、さすが白井さん!現行犯逮捕ですね!でもせめて拘束して連れて来てくださいよー」

黒子「この方は何もしていませんわ初春。さっき階段で転んでいて(嘘)傷だらけなところを連れて来ましたの。初春、手当てをしてやってくださいな」


初春「………え」


98 :[saga]:2012/08/13(月) 19:35:39.82 ID:TCyhJCmAO


初春「…でも私が見たのは確かにこのウニ頭でしたよ!この人は女子生徒をどこかへ連れていこうと…」

黒子「…それはあなたの勘違いですわ。家に送ってあげていただけですの。それより傷が酷いので早く手当てをしてくださいな」

初春「…」



―――


初春「…」ショウドクチュウ

上条「その…悪いな、初春さん」


初春「……チッ!」ドバドバ
上条「!!っ…し、染みる!染みる!おあぁ!」


初春「…」ポン!ポン!ポン!

上条「ハーハー……出来ればもっと優しくポンポンして欲しい…」ズキズキ

初春「…」スッ

上条「…ん、絆創膏?ガーゼの流れだったのに違うのか」


初春「…すね毛きもい」ペタッビリ!ペタッビリ!


上条「っ……!」


上条「ぎゃああああぁぁ!!!」


黒子「!」

黒子「どうしましたの!?」バッ


上条「い…痛いよ白井…手当てが痛い」ヒリヒリ



100 :[saga]:2012/08/13(月) 19:47:48.97 ID:TCyhJCmAO


黒子「…初春…あなた何をやってるんですの」ハァ

初春「……私なんかこの人に手当てしたいって思えないんですもん」

初春「こういうのが生理的に無理っていうのかなぁ」

上条(分かってても…人に嫌われるのって慣れないなぁ…)ズキ


黒子「…」

黒子「……初春。確かに人にはそういう『なんか嫌いな人』がいるものだとは思いますの」

黒子「でも」

黒子「何もしていない本人の前でそれを言うのは…ジャッジメント、いや人としてどうかと思いますの」

初春「…」


黒子「手当てはわたくしがやるからもういいですわ」

黒子「初春には事務処理を頼みますの」

初春「…はぁい」スタスタ バタン


上条「し…白井、俺は気にしてないぞ?」

黒子「わたくしは当然のことを言ったまでですの」


102 :[saga]:2012/08/13(月) 19:52:24.34 ID:TCyhJCmAO


黒子「……ところで、貴方は本当に色々な方々から嫌われているようですのね」

黒子(ちょっと前までは忌ま忌ましい程に女性に懐かれていたはずですのに…)

上条「…そうみたいだな」

黒子「……やっぱり何かの事件に巻き込まれているのではありませんの?急にみんなから嫌われているなんておかしいですの…」


上条「…」

上条(白井に魔術の事を話す訳にもいかねえしな…)

上条「……分からない」


黒子「…そうですの…」

黒子「…」

黒子「…決めましたわ」

上条「え?」


黒子「これからわたくしは上条さんと行動を共にしますの」

上条「は」

黒子「何かの事件が絡んでいるかもしれない以上…ジャッジメントとして放っておけませんわ」

上条「ちょ…えっ?」

黒子「…それに、今日のお姉様みたいにいつ危険に晒されるか分かりませんし、貴方にはボディーガードが必要ですの」

黒子「この調子では本当に上条さんは死んでしまいますわ…前も言った通り、貴方は世界でたった一人しかいないんですのよ?」

上条「ん…お、おぅ…あの、その…」

黒子「何ですの?」

上条「ボディーガードになってくれるのはすげぇ嬉しいんだけどさ」

上条「…行動を共にする範囲を教えていただきたいのですが…」



111 :[saga]:2012/08/13(月) 20:53:10.02 ID:TCyhJCmAO


黒子「…そうですわね」

黒子「わたくしは能力でいつでも寮には帰れることですし」

黒子「暇さえあればあなたのもとにいますわ」

上条「」


上条(…どういうこったい)

上条(これはこれで何かおかしくねーか?)

上条「ひ…暇さえあればってお前、それほとんど俺に束縛されてるじゃねえか!さすがにそれは何か申し訳ないっていうか!」

黒子「いいんですのよ!わたくしは一度やるといったらやりますわ!ジャッジメントの仕事と思えば問題無いですの」

上条「く…!」

黒子「…じゃあ手当てしたら貴方の家に行きますのわ。よろしいですの?」

上条「…わ…分かったよ、寮の門限までな」


黒子(…なんでわたくしこんなにこの方のボディーガードしたいんでしょう)



―――



上条「ここが俺の寮だ」

黒子「The・庶民って感じですわね…」

上条「庶民を馬鹿にするなよ?いざという時の雑草精神すげーからな」

上条「金がないときは毎日もやしだって生きていけるんだぜ?庶民はすげーんだ」

黒子「…あなたを庶民にカテゴライズしていいのかどうか疑問ですの」

上条「え?」


黒子「まあとりあえず中に入りましょうか」

上条「…本当に入るんだな…ってもう今更か」


112 :[saga]:2012/08/13(月) 20:56:07.90 ID:TCyhJCmAO


上条家


黒子「貴方のことですから失礼ながら汚いと思いこんでいましたが…無駄にキレイですわね」

上条「!あ、あぁ、昨日ちょうど掃除したとこでな。上条さんは綺麗好きなのです!」

黒子「…なんか無駄なものは一切置いてないって感じですわね」

上条「ほ…ほら、シンプルイズベストっていうじゃないか!それだそれ!」

黒子「まあ無駄なものであふれてるより良い傾向ですの」

上条「…」フゥー…


上条「…そういえば白井、家まで警備する必要あったのか?」

黒子「…え」

上条「さすがに家なら俺に危害は及ばないと思うんだが…」

黒子「…」

上条「ほら、白井も色々忙しいだろうし、俺が安全なときぐらい戻ってても大丈b」

黒子「ダメですの!」

上条「」


黒子「能力者は何者か分かりませんの!油断は禁物ですのよ!」

黒子「…それにほら、あれですの!さっきあなた毎日もやしだかなんだか言ってたし、食生活が原因で死ぬかもしれませんの!」

上条「いやそれは警備と関係n黒子「とにかく!」

黒子「これからも貴方の家にはお邪魔させていただきますわ」


黒子「OKですの?」ニコ…

上条(…なんて威圧感のある笑顔だ…)


上条「……よろしいですの」


117 :[saga]:2012/08/13(月) 21:49:04.97 ID:TCyhJCmAO


上条「つっても見ての通り俺の家なんもないからな…なんのもてなしもできなくて悪いな」

黒子「そんなの気にしませんわ。今は大事な仕事中ですもの」

上条「…他の仕事よりも優先していい仕事なのかよ?」

黒子「もちろんですの。知人の生死がかかってるんですのよ?」

黒子「優先順位一位に決まってますわ」

上条「!…」



上条「…白井、ありがとな!(キリッ)」グウゥー



黒子「…」

上条「…」

黒子「締まりませんわね…」ハァ

上条「…これが俺だよ」ハァ

上条「仕方ねぇだろ…?俺昨日の夜から何も食ってないんだから」

上条(冷蔵庫の中はもちろん全て持ってかれてたし昼はずっと土御門と話してたしな)

黒子「あなた本当に食生活で死んでしまいますわよ…」

黒子「…ハァ」

黒子「冷蔵庫の中を拝見してもいいですの?」

上条「ん…まあ何もねぇよ」

黒子「……何も無いってことは」パカ

上条「な?」

黒子「…」

上条「白井?」

黒子「なんでこの殺風景な冷蔵庫の中にぽつんと焼肉のお肉が…?」

上条「あ」

上条(…すっかり忘れてたな…正直捨てようとも思ったんだが…食べ物は粗末にしちゃいけないし残しといたんだった)



118 :[saga]:2012/08/13(月) 21:52:22.98 ID:TCyhJCmAO


黒子「…しかも二人前」

上条「…上条さんは育ち盛りだからな!」

黒子「それにしても…肉以外何もない状態で焼肉ですの?」

上条「!そ、そーなんだよ!」

上条「昨日我が家の冷蔵庫君の中身の事情も考えず無計画に肉を買っちまってなー」

上条「ベジタリアンな上条さんとしては野菜抜きの焼肉など許せぬ!と思ってな!」

上条「そんなこんなで昨日は夕食抜きなんだぜ!」ビシッ


黒子「…それが本当だとしたらあなたはどうしようもないお馬鹿さんですわね」

上条「…う」

黒子「だいたいわざわざスーパー行ったのに肉だけ買って帰ってくるってどういうことですの…それなら猿にでもできますわよ」

上条「うっ…もっと歯に衣着せて…」

黒子「はぁ…ちょっとばかし出かてきますの」シュン
上条「?……寮に帰ったのか?」


10分後


黒子「ただいまですの」シュン

黒子「…あら?上条さんは?」

黒子「…どこ行ったんですの…?」

黒子「まさか…謎の能力者にさらわれたのでは…!」ワナワナ


ガララ


上条「いやー上条家の浴場は最高ですよハッハッハ!」ブラーン

上条「一人なわけだし今日は裸で…」ブラーン


黒子「」


上条「」ブラーン


120 :[saga]:2012/08/13(月) 22:32:56.76 ID:TCyhJCmAO


上条「………ほんとごめんなさい反省してます」ヒリヒリ

黒子「……最低ですの…レディーの前で…」

上条「…も、もう白井は寮に帰ったのかなと思って…」

黒子「…第一、真っ裸でリビングに来ることがおかしいんですの!」ドカドカ!

上条「わ…悪かったってば!頭突きやめて!」

黒子「あぁ…あんなモノを見ては…わたくしの潔白たる心に汚れがついてしまいますわ…」

上条(同性の同居人に興奮するやつのどこが潔白なんだ)


黒子「ぬわぁんですって!?」グワッ

上条「読心術!?」ビクッ


122 :[saga]:2012/08/13(月) 22:36:11.91 ID:TCyhJCmAO


黒子「…はぁ、わたくしは上条さんのために焼肉セット一式(肉以外)揃えてきたというのに」ガサ
上条「!!」


黒子「これはやっぱりお持ち帰り…」

上条「ま、待った白井!いや、潔白たる白井様!もうリビングに裸登場しないから!どうか許してくださいぃ!哀れな男に女神の救済を!」グゥー

黒子「め、女神…」

上条「うぅ…」ギュルルゥー

黒子「…」

黒子「し…仕方ないですわね…もともとそのために買ってきたものですし…あなたの家でこの具材たちを消費してあげますわ」

上条「!」パアァ

黒子「…では準備を手伝って欲しいですの、…そうですわね、あなたは野菜でも切ってくだいな、ベジタリアンさん?」

上条「おう!今日の上条さんは普段の何倍も美味しく野菜が切れる気がするぜ!」ウオオオ!


ヤキニクヤキニクウレシイナー♪


黒子「……」


黒子「……フフッ」






141 :[saga]:2012/08/14(火) 11:10:53.29 ID:ZkWGSflAO


ジュージュー

上条「うおお!!すげえうまそう!この食欲をそそる匂い…たまんねえ…!」ゴクリ

黒子「ふぅ、準備も整いましたわね」

上条「それでは!」


上条&黒子「いただきます!」


上条「早く食べたいところだが…俺はじっくりと焼いて食べる派なんだ」ジュー

黒子「あらそうですの?わたくしはサッと焼いたくらいがちょうどいいですの」

上条「それはきっとお前が普段、レアでも食えるような高い肉を食べてるからだな」ジュウ

上条「俺はいつも安い肉だからじっくり焼かないと食中毒とかが怖くてな…その習慣が染み付いて高級な肉でもしっかりと焼かないと食いたくないんだ」ジュー

上条「この肉は結構良いのだからちょっと焼けば食えると思うけどな」ジュー

黒子「…ふむ、なるほどですの」ニヤリ

ヒョイ

上条「あ!」

黒子「いただきますの♪」パク

黒子「ん~、とてもデリシャスですわ」モグモグ


上条「」


142 :[saga]:2012/08/14(火) 11:14:35.49 ID:ZkWGSflAO


上条「……し、白井てめえぇぇ!!」

上条「上条さんが暖かく見守りながら丹精こめて焼いていたお肉をぉぉ!!」

黒子「フフ…甘いですわ!自分の食べたい肉は全力で死守する…それが“焼肉”というものですの!」

上条「そんなシビアな世界だっけ焼肉って!?」

黒子「常盤台の生徒との焼肉はいつもこんなんですわよ?」

上条「…上条さんの中にあるお嬢様イメージが…」

黒子「ほらほらァ!そのお肉食べ頃ですわよ!」ヒョイ

上条「速い!?」


黒子「あぁおいしい」モグモグ

黒子「よそ見は禁物ですわ」ゴクン

上条「く…!この戦争はウェルダン主義には不利だ!そちらへのハンディキャップを要求する!」

黒子「わたくしは焼肉においては情けはかけませんわよ?」

上条「…!」


上条「…いいぜ白井、お前が俺の焼いた肉を全て横取りできると思ってんなら!」


上条「まずはその幻想をぶち殺す!!」バッ!


ウオオオオオ! アマイデスワ! アア!テレポートハハンソクダロ!






146 :[saga]:2012/08/14(火) 14:38:00.28 ID:ZkWGSflAO


上条&黒子「」グッタリ


上条「…何で焼肉食っただけでこんなに体力消耗するんだ…」ゼェゼェ

黒子「…そういう…ものですの…」ハッハッ

上条「そういう…もんなのか」


上条「…なら仕方ないな」

黒子「仕方ないですの」


上条「…つうかお前肉全体の三分の二は食っただろ…俺は野菜ばっか食ってた気がするぞ」

黒子「あら、ベジタリアンなのだから良いじゃないですの」クスッ

上条「うっ……まあいいか、三分の一も食えれば」

上条(もし一緒に食ったのがインデックスだったら肉は一切食えなかっただろうしな)


上条「…あ、そうだ白井、そろそろ戻らなくていいのか?」

黒子「あ」

黒子「…寮の門限はもうとっくに過ぎてますの」

上条「!」

上条「なぁ、それってやばいんじゃ…」

黒子「大丈夫ですわ、お姉様とわたくしは門限破りの常習犯ですの」

黒子「あの鬼寮官に首をちょっと捻られるくらいですみますわ」ガタガタ

上条「…めっちゃ恐れてんじゃねえか」

上条「でも帰らないわけにはいかないもんな…悪かったな白井、こんな遅くまで」

黒子「いえ…わたくしが望んでしたことですの。気にする必要はございませんわ」

黒子「…それでは上条さん、わたくしは帰りますの」

上条「…」



上条「…白井」

黒子「…なんですの?」


147 :[saga]:2012/08/14(火) 14:45:09.39 ID:ZkWGSflAO


上条「…」

上条「俺…こんな状況だしさ、昨日お前と別れた後も結構精神的にまいってたんだ」

黒子「…」

上条「だけど…昨日の俺を叱咤する白井の顔と言葉を思い出してさ、今朝は元気を取り戻せた」

上条「放課後、御坂にやられてまた崩れ落ちてしまいそうなときに…またお前に救われた」

黒子「…」

黒子「……わたくしは当然のことしかしてませんの」

上条「そのお前の当然の行動に俺は何度も助けられてる」


上条「…実はさっきの焼肉の肉も良い思い出がなかったんだ、本当は食べないつもりだった」

黒子「…え」

上条「でも白井が一緒に食べる準備をしてくれて…本当に嬉しかった。おかげでさっきの焼肉は最高の思い出になった」

上条「お前は俺だけでなく腐る運命にあったお肉さえも助けてしまったんだ」

黒子「…」

上条「…だからさ、これだけは言いたかったんだ」


上条「俺は白井に本当に感謝してる。お前がいなかったら今俺はいない。本当に…本当にありがとう」

黒子「……い、いえ…」


上条「本当はもっと白井と一緒にいたいけど」

黒子「!」ピク

上条「今別れても明日いつでも会えるしな、我慢するよ」

黒子「…いつでも?」


上条「だって白井は俺のボディーガードだろ?」ニコ

黒子「!」ドキ

黒子「…」ドキドキ

黒子(…な、何ですのこの感じ?)ドキドキ

黒子「…そそ、そうでしたわね!わたくしは今あなたのボディーガードでしたの!あ、明日のあ、朝にまた来ますの!今日は楽しかったですわ!それではごめんあそばせ!!」シュン

上条「あ…」

上条「…なんか逃げるように帰っちゃったな…」

上条「やっぱいきなりあんな重たい感謝されても困るよな……俺のバカヤロー…」



154 :[saga]:2012/08/14(火) 16:11:25.81 ID:ZkWGSflAO




黒子「ハーハー…」シュン

御坂「!」

御坂「黒子!随分と遅かったじゃないの!」

黒子「え、ええ…思っていたよりも仕事が長引きましたの」

御坂「…まあそんなとこだろうと思ったわ、寮官には上手く言っといたから安心しなさい」

黒子「ありがとうございますのお姉様!」

黒子(いつものお姉様ですの)ホッ

御坂「全く…早く帰って体休めなさいって言ったじゃない、本当に倒れちゃうわよ?」

黒子「うぅ…お姉様がわたくしを労ってくれるなんて…黒子は…黒子はあぁぁぁ!!」バッ

御坂「やめろっつの!」バリッ

黒子「あふん!」ビクン


黒子(…やはりわたくしはお姉様一筋ですの)

黒子(殿方などに心を奪われるはずは…)


『本当はもっと白井と一緒にいたいけど』

黒子(…)


『だって白井は俺のボディーガードだろ?』

黒子(……)ドキドキ


黒子「!」

黒子「うがあぁぁ!!」ボフン

御坂「!?」ビク

黒子「お…おさまれ!暴れるなですのマイハァァートォォ!!」バタバタ

御坂「枕に顔うずめてベッドでバタバタしてる…」

黒子「―――!!」バタバタ


御坂「…く、黒子がおかしくなっちゃった…」



156 :[saga]:2012/08/14(火) 16:21:20.71 ID:ZkWGSflAO


上条家

シーン


上条「…静かだ」

上条「…」

上条「!そうだ、あいつに聞きたいことがあったんだ」ドタドタ ガチャ バタン


ピンポーン


上条「土御門いるかー?」

土御門「いないにゃー」

上条「んじゃ入るぞー」ガチャ

土御門「犯罪にゃー」

上条「ドアの鍵閉めてない方が悪い」

土御門「ごもっともだにゃー」





土御門「さっきまで随分と楽しそうだったにゃー、カミやん?俺は一人寂しくラーメン啜っていたというのに」グッタリ

上条「…お前舞夏がいないと死にそうだな」

土御門「舞夏は俺のエネルギーなんだぜい」

上条「そうかい」

土御門「ところで用件は何ですたい?まあ予想はつくが…」

上条「…あぁ、例の魔術のことなんだが」

上条「魔術にかからない例外の女性っているのか?例えばその…男を男として見ないような女性には効果がなかったりするのか?」

土御門「ふむ、さっきまでカミやんと一緒だった女の子、いや、カミやんの天使のことだにゃー?」

上条「!」

上条「わざわざ言い換えんな!本当に恥ずかしいからやめてくれ!」


土御門(今朝自分で言ってたのにゃー)





159 :[saga]:2012/08/14(火) 16:57:36.34 ID:ZkWGSflAO


上条「で、どうなんだ?」

土御門「…女性である以上、百合だろうがなんだろうがこの魔術には抗えない」

土御門「だから何故あの子が平常なのかは正直俺には分からんぜよ」

上条「…そうか」

上条「じゃあ…実は俺のこと嫌いだけどあえて普通に接してる可能性もあるのか…?」


土御門「…」

土御門「!…まだ他の可能性があるぜよ!」

上条「?」



土御門「…あの子は本当に女の子か?」


上条「…」

土御門「…あれ?」


上条「…それは白井の胸のことを言っているのか」プルプル

土御門「え?いや、そんなつもりは…」

上条「許さん!」ダッ

上条「白井はこれから成長するんだよ!」バキィ

土御門「ふぎゃっ!」ズサー

上条「…きっと白井も気にしてるんだ、全くお前は胸でしか人を見れないのか…」プンプン


土御門(…一言も胸のことなんか言ってないのに)

土御門(…それに俺はどちらかと言えば貧乳派よりなんだけどにゃー)



171 :[saga]:2012/08/14(火) 20:38:32.68 ID:ZkWGSflAO

舞夏はメイド学校寮にいます


上条「…まあ考えても仕方ないか」

土御門「すまんな、カミやん…ステイルの報告では後少しらしいからもうちょっと待ってくれ」

上条「…あぁ」

土御門「…」


土御門「なぁカミやん、明日は学校休んだらどうだ?」

上条「!」

土御門「学校行ってもどうせ非難の目を浴びるだけ…それだったら家に篭ってた方がいいにゃー」

上条「…でも…俺出席ギリギリだし…」

土御門「補習なら俺と青ピがいくらでも付き合ってやるぜよ」ニッ

土御門「…だからあんま無理すんな、カミやん」

上条「…」

上条「…ありがとな」

土御門「おう、何やら怪我もひどいし…明日はゆっくりしろよ」


―――



常盤台寮


黒子「…」

黒子(全く眠れませんの)

黒子(どうしても上条さんのお顔が頭から離れませんの)

黒子(…)

黒子(……)ドキドキ

黒子(………)ニヤニヤ

黒子(…………///)テレ


黒子「…はっ!」

黒子「ち、ちがう…!」プルプル

黒子「い、今のは…違うんですのよお姉様ぁぁ!!」バフッ

黒子「―――!!」バタバタ


御坂(黒子がうるさくて全く眠れない)



172 :[saga]:2012/08/14(火) 20:44:35.95 ID:ZkWGSflAO


チュンチュン


上条「ん…ふあぁ…」

上条「…三日連続で小鳥のさえずりで起きるとは…」ムク

上条「今日は学校も休むことだし…特に何も起きないよな?」

上条「…」

上条「早く術式壊れねえかなぁ…ステイルもっと頑張れよ」ハァ

上条(俺が直接破壊したいが…諸事情により俺はその場所にいけないらしい)


上条「…飯食うか」


ピンポーン

上条「?誰だ?土御門か?」

上条「はーい、どなたですか?」ガチャ

上条「…あ」



黒子「……あなたのボディーガードですの」カー…


上条「く、黒子!本当にこんな朝早く来てくれたんだな!上条さん感激ですよ…!」

黒子「わ、わたくし約束は破りませんの。…ところで」

上条「なんだ?」

黒子「あなたの家に食べる物はおありですの?」

上条「…………ぁ」

黒子「そんなことだろうと思いましたわ」ハァ

黒子「少しでも朝食を食べないと授業中に集中できませんわよ?わたくし先程バナナを買ってきたのでこれをお食べなさいな」ブラーン

上条「バ…バナナ…」

黒子「む!不満そうですわね…バナナは朝にピッタリですのよ!」

上条「いやいや、大満足だ!俺バナナ好きだぜ?」


黒子「……類人猿?」

上条「バナナ好きなだけで!?」ガーン


179 :[saga]:2012/08/14(火) 21:02:29.84 ID:ZkWGSflAO


上条「とにかく来てくれてありがとな、白井」ニコ

黒子「!」ドクン

黒子「れ、礼には及びませんわ(…まずいですの!昨日の夜と同じ症状が…!)」ドキドキドキ


黒子「…」ドン!ドン!

上条「どうしたんだ、白井?」

黒子「…自分の心臓に躾をしていますの」ドン!ドン!

上条「…ゴリラの真似か?それともパッション屋良か?……あ」スッ

上条「バナナ欲しいのか?」ブラーン

黒子「…」ピタ

上条「もともとお前のなんだし自由に食えよ、あ、でも一本くらいは俺にも分けてk…いへぇ!」ギュー

黒子「…」ギュー

上条「ほ…ほっへたつねらはひで…」ギュー

黒子「…」パッ

上条「っ…いてて…何すんだ白井!?」スリスリ

黒子「…女の子をゴリラ扱いした罰ですの」

上条「…いやだってあの行動は」

黒子「忘れてくださいまし!」パッ ブチッ

上条「あ、バナナは食うんだ」


黒子「…」モグモグ


188 :[saga]:2012/08/14(火) 22:16:09.13 ID:ZkWGSflAO


黒子「さ、一緒にあなたの学校に行きますわよ」

上条「あー…実はな白井」

黒子「?」


上条「カクジカ」

黒子「…なるほど、まあ妥当な判断かもしれないですわ」

上条「あぁ、上条さんは今日は一日中ゴロゴロしてますよ」

黒子「……」

上条「白井?お前は学校行かなくていいのか?」

黒子「きょ…」

上条「?」

黒子「…今日は休みですの!」

上条「…はい?」

上条「今日は思いっきり平日なんですが…」


黒子「えと…」

黒子「その…わたくしは常盤台中学でも優秀ですから…希望すれば少しなら休みがもらえるんですの!そう、それですの!」

上条「へぇ、すげえな白井。つうか中学にそんな制度があるんだな…さすがは常盤台中学か」

黒子(ないですわよ)

黒子「…よって今日も上条さんの所にいますわ…ほら、わたくしボディーガードですし!」

黒子「それに朝早くにわざわざ来てバナナ渡して帰るだけなんて納得いきませんの!」

上条「まあそりゃそうかもしれねーけど…でも俺んちいても今度こそ何もする事ねーぞ?」

上条「一緒にダラダラすんのか?」

黒子「…じゃあ出かけますの!だいたい、一日中ゴロゴロするのは体に悪いですわ!」



189 :[saga]:2012/08/14(火) 22:22:52.98 ID:ZkWGSflAO


上条「…なんかお前どこぞの健康オタクに似てきたな…でもどこ行くんだ?」

黒子「(上条さんは)体よりも心の休養をとった方がいいですし…どうせなら楽しい所がいいですわ」

上条「…楽しいところ、か。ならやっぱり遊園地とかか?」


黒子「!!」

黒子(ま…まさかこれは…デ…デー…)」

黒子「い…良いんではありませんですのことよ?デ…気晴らしにはもってこいの場所でございますですわ!」

上条「?白井、口調おかしいぞ」

黒子「!……ゴホン」


黒子「失礼しました。しかしそんな娯楽施設にいくほどのお金が今のあなたにあるんですの?」

上条「…」


上条「……情けねえ…俺情けねえ…」グスッ

黒子「やっぱり」ハァ

黒子(…しかしわたくしも無一文でここに来てしまいましたわ)

黒子(いま寮にもどるとなると学校に行かなきゃいけなくなりそうですし…)


?「ふっふーん君達」

上条&黒子「!?」



土御門「お話は聞かせてもらったにゃー!」バーン



上条「土御門!?」


土御門「全く朝から玄関前でイチャイチャと…ムカついたから助け船をだしてやるぜい」


上条「…意味わかんねえよ」



195 :[saga]:2012/08/15(水) 00:34:25.45 ID:FabZZI5AO


土御門「要するに遊園地に行きたいけど金がないんだろ?」

上条「まあそうだな」

土御門「んじゃちょいと待ってるにゃー」ピッ


プルルル ガチャ

土御門「あーもしもし?俺だにゃー」

黒子「…一体この方は何をしてるんですの?」

上条「さあ…オレオレ詐欺じゃねーのか?」


土御門「……そういう訳で今からそっちにカミやんが行くから金はお前がもってくれ」

携帯「―!―!」

土御門「…例のDVDが手に入ったんだが」

携帯「!…―」

土御門「そうか、それじゃよろしく頼むにゃー」ピッ


土御門「よし、お二方。もう無一文で遊園地に行っても問題無いぜよ」グッ
黒子「何かいかがわしい取り引きをしていた気がしますの…」

土御門「気のせいだにゃー」

上条「……あやしいな」

上条「…」

上条「でもせっかく行けるんだし…行ってみるか、白井」

黒子「ええ、行ってみましょう!」ルンルン

上条「…なんかやけに楽しそうだな」ウキウキ

土御門「カミやんも楽しそうだにゃー」ボソ

上条「ん?なんか言ったか?」

土御門「なんにも言ってないにゃー」


196 :[saga]:2012/08/15(水) 00:39:27.40 ID:FabZZI5AO





遊園地


上条「ふー、着いたな…まずは入場券か」

黒子「…お金をもってくれるという心優しい方はどこにいらっしゃるんですの?」

上条「普通に考えてこの辺りにいるはずなんだけどなあ」キョロキョロ

上条「…ん?」


オウネーチャン!カワイイネエwオレラトアトラクションマワロw

女性「それは楽しそうですねぇ」

ウハwノリヨスギw
ジャアホテルノナカノギシギシスルアトラクションニノロウゼw


上条(……どうしようか)

上条(また追い返されるのが目に見えてるが…)

上条(人が傷つくと分かってて見過ごすなんて俺にはできない!)タッ

黒子「おまちなさいな」ガシ

上条「!白井…」

黒子「…あなたは何でもかんでも一人で解決しようとしすぎですの…わたくしのことをお忘れですの?」

上条「…」

黒子「わたくしはああいう輩の対応のプロですのよ?あなたは黙って見ていなさいな」

上条「…あぁ、わかった!」

上条(…そうだ、白井は俺のボディーガードなんだから…術式が壊れるまではもっと頼れる部分は頼らなきゃな)


黒子「ではいきま…」




「吠えてンじゃねェぞ三下共がァァ!!」




黒子「!」

上条「…!!」

ナンダアイツ?
マサカオレラニイッテンノカ?w


「楽しィ楽しィ遊園地でなンてことしてくれてンですかァ君達ィ?」


上条「あ…一方通行!?」


210 :[saga]:2012/08/15(水) 03:05:22.69 ID:FabZZI5AO


モブ1「なんだこのウルトラマンwww」

モブ2「正義のヒーローですかwwwwwwバwカwスwww」

一方通行「…スクラップの時間だぜェ」カチッ







モブズ「」チーン

女性「あ…あの、別にあなたを批判する訳じゃないんですけど…暴力は良くなかったんじゃ…」

一方通行「あァ!?」

女性「!」ビク

一方通行「…さっさと遊園地のアトラクションで遊ンでこい、クソッタレ」

女性「は、はい!(トゲのある男性も素敵…//)」タタタ


一方通行「さて、と…アイツはどこだァ?」チッ

上条「一方通行ー!」タタタ
一方通行「!…いやがった」

上条「ハァ、ハァ…一方通行!」

一方通行「よゥヒーロー」

上条「何でお前がこんなところに?」

一方通行「…土御門から何も聞いてねェのか」

上条「え?いや何も…」

一方通行「チッ…めンどくせェ…説明すンのだりィ」

上条「おいおい…」

海原「では自分が説明いたしましょう」ザッ

上条「!…お前までいんのかよ!」

海原「実は今我々は臨時ですがここを拠点に活動しています」

海原「そしてこの遊園地の実権は全て我々に帰属しているのです」

上条「暗部が遊園地で活動って…すごいなそれ」



211 :[saga]:2012/08/15(水) 03:10:53.31 ID:FabZZI5AO


上条「一体何を目的に動いてんだ?」

海原「…あなたが今困っているものに関係しています」

上条「!…まさか…あの魔術絡みか!?」


海原「…上はそれを知っているようでしてね、今回はやけに汚れのない仕事が回りましたよ」

海原「男性の魔の手から女性を守る、これが今の我々の仕事です」


上条「…でもお前らだけでそれやんの無理があるんじゃねえのか?女性は全世界にいるわけで…」

海原「この魔術は学園都市を中心にしているんですよ。外はほぼ無害です」

上条「いやそれでも…」

一方通行「…俺が妹達にスキルアウトの出没場所を監視させてンだ、事情は伏せてな」

上条「あいつらに?」

上条(そうか、今の状況なら理由伏せて何言っても何でもやってくれるのか…)

海原「そして連絡が入ったらすぐに結標さんの座標移動で向かっています。彼女にも事情は伏せていますがね…」

海原「よってほぼ全ての女性の貞操が守られている、という訳です」

一方通行「そういうことだァ」


一方通行「…オマエの置かれてる状況も土御門から報告済みだ…なンつゥかよォ…同情するぜェ」

上条「うっ…お前から同情されるなんて…」


黒子(…全く話が分かりませんの)


212 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 03:46:42.60 ID:FabZZI5AO

>>1です


一方通行「まァそンな状況で打ちひしがれた心をいやすためにソイツとここに来たンだろ?」チラ

黒子「?」

上条「…そんなとこです」


一方通行「ほらよォ」ピラ
上条「…ん、これは?」

一方通行「この遊園地のフリーパス2枚だァ、おれの実費だ感謝しやがれ」

上条「…土御門と電話してたのお前だったんだな」

上条「でも遊園地の実権握ってんのにフリーパス買ったのか?」

一方通行「…おれァそういうとこ真面目なンだよ」

上条「あ、そう…」パシ

上条「ま、とにかくサンキューな!今日は上条さん楽しむぞー!」


上条「行くぞ白井!」パシッ

黒子「……ぁ」ドキ

上条「じゃあな一方通行、海原!お前らも頑張れよー!」タタタ



一方通行「…チッ」

海原「…羨ましそうですね一方通行、打ち止めとここに来たかったですか?」

一方通行「…」カチン

海原「ダメですよ?今の打ち止めは非常に積極的ですからね…あなたの理性がもつか分かりません。冥土帰しに預けている方が安全ですからね」


一方通行「…遺言はあるかなァストーカーくン?」


カチッ



225 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 10:59:14.86 ID:FabZZI5AO


黒子「…全然話の内容が理解できなかったですの」

上条「いーんだよ、あんなもん全部厨二病発言だから気にしなくていいぞ」

黒子「厨二病?」

上条「あぁ、男って集まるとああいう話をしたくなるものなんだよ」

黒子「…そういうものなんですの?」

上条「そういうもんだ。男だからな」

黒子「なら仕方ありませんの」

上条「分かってくれたか」







上条「ところで白井、最初は何に乗るんだ?」

黒子「そうですわね、あまり混まない朝のうちに人気アトラクションに乗るのがいいと思いますわ」

上条「ふむ…じゃああの世界最速のトトンパに乗るか」チラ


ゴオオオオ……

ギャアアアアア!!!!!


上条「…」

黒子「……あれですの?」ブルッ

上条「ほとんど直角に落ちてるなアレ」

上条「でもちょうど空いてるしな…乗るか?」

黒子「……何事も挑戦ですわ」ブルブル

上条「ハハ、そんな固くなんなくても大丈夫だって」



―――


3…2…1………go!

ゴオオオオオ!!!!


上条「ぬおおおおおお!!!」ゴオオオ

黒子「!一気に頂上までいってますの!ほら上条さん!景色が良いですわ!」ゴオオオ

上条「ひいいいいぃ!!!!」ゴオオオ


黒子「………」ゴオオオ



226 :名無しNIPPER[sage]:2012/08/15(水) 11:12:31.95 ID:xXIZ9N/AO
>>217
罪悪感で死にかねない
227 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 11:21:33.94 ID:FabZZI5AO


上条「」

黒子「そういえばわたくしはいつも空中を飛び回るから高さには耐性がありましたの」

上条「」

黒子「速すぎて逆にあまりスリルを感じなかったですわ」

上条「」シーン


黒子「……大丈夫ですの上条さん」

上条「…スタートダッシュで既にやられたぜ…」

黒子「…」

黒子「…次はのんびりしたのに乗りましょうか」

上条「…ぜひ」

黒子「…」


黒子「じゃあ、い、いきますわよ!」ギュッ

上条「!?」

上条「し、白井さん…腕の自由がきかないのですが…」ドキドキ

黒子「……//」カーッ

上条「…?」

黒子「…は、はぐれないためですの!!」

黒子「ボディーガードは常に一緒でなくてはいけませんわ!」

上条「お、おう、そうか…」ドキドキ

黒子「…」ドキドキ


黒子「…メリーゴーランドにでも乗りますの」

上条「あ、あぁ…」ドキドキ




一方通行「あァァ、楽しい!やべェよ!!」ウキウキ

海原(なんで覗いてんのこの人)ボロッ…


229 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 11:25:28.29 ID:FabZZI5AO


夕方

黒子「……もうすっかり日も暮れてしまいましたわね」

上条「そうだな、最後になんか乗って帰るか」

黒子「何にしますの?」


ゴゴゴ…


上条「!?」ビク

上条(何故かどこからか観覧車に乗れという無言の圧力を感じる)



一方通行「…」ゴゴゴ

海原「結局終始覗いてましたね一方通行…」

一方通行「…だって気になるだろォが」

海原(…これにストーカー呼ばわりされたくないですね)


上条「……観覧車に乗ろう、なんか乗らなきゃいけない気がする」


黒子「?わかりましたの」



231 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 11:30:10.92 ID:FabZZI5AO


上条「…結構並んでるな」

黒子「この時間帯は観覧車に乗る人が多いみたいですわね」


黒子「…そ、それに…」

上条「ん?」

黒子「…並んでる人がほぼ恋人同士ですの…//」

上条「…あ、あぁ、そうだな…//」



一方通行「イイねイイね最っ高だねェ!!」ウヒヒ

海原(そろそろ通報しようかなあ)


20分後


上条「…お、つ、次の次が俺達の番だな!」

黒子「え…あ、そのようですわね!」


従業員?「…ェー、お客様ァ、申し訳ありませンがお客様方は次の次の次でお乗りくださァい」

上条「…次の次の次?なんでだ?」

従業員?「そのシートに乗れるのは私共の方で認められたお客様だけになりますのでェ」

一つ後ろのモブカップル「ちょっとちょっと!私達はあれに乗りたくてタイミングを見計らって並んでたのよ!?」「ふざけんなよてめぇ!」


黒子「…次の次の次って…アレですの!?」

上条「え……!!」


従業員?「すけるとンですゥ」

上条&黒子「」

後ろのモブズ「オイ無視すんな!こんなの納得いくわけn」

従業員?「うっせェ三下共ォォ!モブはモブらしく黙ってヒーロー様に席を譲りやがれェェ!!」クワッ!


モブズ「」


海原(駄目だこの第一位)


250 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 19:41:01.41 ID:FabZZI5AO


すけるとンの中


上条「…」ソワソワ

黒子「…」モジモジ

上条&黒子(恥ずかしいぃ!!)


海原「…一体何がしたかったんですか一方通行…」

一方通行「なにって…恋のキューピッドに決まってンじゃねェか」

海原(うわぁ…)

一方通行「これでアイツらはこれからもっとキャッキャッウフフするはずだァ」ニヤア

海原「…あれで二人の仲が進展しますかね?何も起こらずに帰ってきそうですが…」

一方通行「何もしねェほどアイツは小せェ男じゃねェよ、ヒーローだぞ?」

海原「…でもあの二人恥ずかしさのあまりずっと固まってますけど」


一方通行「…何ィ!」



上条「…あの従業員が目立ってたせいでさらに目立ってるな、俺達…」

黒子「…お隣がずっとこちらを睨みつけていますの…」

上条「と、とりあえずじっと座ってよう。何もしなきゃいいんだ!」

黒子「え、ええ……」


黒子「!」

黒子「あ…あれ何ですの?下から何か向かってきて……!?」

上条「………え」



一方通行「かァァァァァみ条くンよォォォォォ!!!」バサッバサッ



上条&黒子「ギャアアアアァァァ!!!」


一方通行「おれのせェっかくのサァービス残業を無駄にする気ですかァ?あァ!?」バサッバサッ


海原(確かに見た目はキューピッドっぽいですよ一方通行)



251 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 20:08:12.51 ID:FabZZI5AO


上条「…ちょっ…ちょっと待て!全く状況が理解できない!つか超目立つ!」

上条「…俺に何の用だよ!?」


一方通行「……オマエそいつに伝えたいこととかあンじゃねェのかよ」バサバサ

上条「え?」

一方通行「遊園地のすけるとン観覧車なんつゥ素敵な演出を用意してやったンだ…俺が言ってる意味は分かるだろォが」バサバサ


上条「……!」

一方通行「……どうなンだ?」バサバサ

上条「…」

上条「…感謝はすげえしてるさ」

上条「ただ…お前が多分今想像しているようなことは……ねえよ」

一方通行「」イラッ



一方通行「…ふっざけンじゃねェぞォ!!ンだァその逃げ腰はァ!?オマエはそンな野郎じゃねェだろォがァ!」バッサバッサ!
一方通行「ヒーローってのはなァ!命懸けの戦いの場へ往来していてもなおかつ日常生活も両立できンだよ!特定の女に感情持っても許される存在なンだよォ!」バサバサ!

一方通行「オマエは絶望する中でその女から多大な好意を受けたンだろうが!それを受けてオマエの中で抱いちまったもンをぶつけりゃいいじゃねェか!!」バササ

一方通行「自分の好意が拒絶されンのがそンなに怖ェのかこの三下がァァァ!!!」バサバサバサ!



海原「」

海原(…え?何これ?え?)



上条「……!!」


海原(若干一名に感銘を与えたようです)



254 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 21:19:26.43 ID:FabZZI5AO


一方通行「…」ゼェゼェ

上条「一方通行…お前の言う通りだ」

上条「俺は自分の思いに気づいていながら…その思いを伝えるのが怖いから勝手にそんなもんは幻想だと思いこんで…自分の気持ちから逃げてたみたいだな」

一方通行「…気付いたかよヒーロー」フン

一方通行「…オレの言いたいことは全て言った…後は自分でなンとかしやがれ」バサバサ

上条「…あぁ、ありがとな、一方通行」

一方通行「気にすンな」バサ…

海原(何ですかこの友情劇うらやましい)


黒子(ほとんど翼がバサバサしてて聞こえなかったですの…)

黒子(わたくしやっぱり殿方同士の会話はよく分かりませんわ…)


一方通行「ふゥ」バサ…

海原「…おかえりなさい…何やら本当に進展しそうな雰囲気になりましたね」

一方通行「あァ…ったく、世話がやけるよなァ、キューピッドも大変だァ」


海原「……」

海原(今度御坂さんとのキューピッドを一方通行に依頼しましょう)



256 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 21:42:29.00 ID:FabZZI5AO

上条(あと少しで頂上に到達するな…それまでに言うぞ……!)

上条「白井!!」

黒子「!」ピク

黒子「な…なんですの急に…?というかあの方に何を言われたんですの…?」

上条「…」

黒子「…?」

上条「白井…俺はここ二、三日で色々な経験をした」

上条「その数日の中で俺はある人物と接触する機会が急に増えたんだ」

黒子「!…」

上条「その人はいつも仕事に真面目で…他人のことを優先して考えて…自分の信条をしっかり持った優しくて強い人なんだ」


上条「…俺はその数日間で、その人物にとある感情が芽生えてしまったんだ」

上条「その感情は俺にはなんなのか分からなかった…いや、単にその気持ちと向き合おうとしていなかっただけだった」


上条「…でも一方通行のおかげで…その気持ちの正体が分かってしまったんだ」


黒子「……」ドクン…

上条「……白井!」

黒子「………はい」ドクン!ドクン!




上条「俺は……お前のことが……!」




すけるとン観覧車がちょうど頂上に達したとき…
上条はその言葉を………




上条「……すk「プルルル!プルルル!」



上条「……」プルルル!プルルル!

上条「…………」プルルル!


黒子「……」ドクン!ドクン!


黒子「……で、電話ですわよ……?」ドキ…ドキ…


上条「……ああ」プルルル

上条「……」ピッ

『!…よ、ようやく繋がった!』


上条「……もしもし」



『やあ、上条当麻。僕だ。ステイルだよ』



258 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 22:05:31.44 ID:FabZZI5AO


上条「………この野郎」

『え?』

上条「…上条さんの…!一大決心の大勝負をぶち壊しやがって…このバカ野郎ォォォ!!」グスッ

『…な、何を言ってるんだ君は…』

上条「テメェ下らない用件だったら後で殴らせろよ!いいな!?用件は何だ早く言え不良神父!!」

『ぐ…調子に乗るなよ上条当麻…!なぜいきなりそこまで罵倒されなければならないんだ!!大事な用件でなければ君になど電話するものか!』

上条「あーあー分かったから早く言ってくれ!」


『っ…たく…君に謝罪しようとして電話したというのに…』



上条「……なに?」ピク



上条「お、おい…お前が俺に謝罪するって……?一体何したんだお前…?」


『……』


上条「おい…頼むからだまらないでくれよ…」


『………さすがに今回ばかりは君に申し訳ないと思っている…本当にすまない』


上条「…………まさか……冗談だよな?そうだよな?」


『…………』


上条「……嘘だろ………?」




『…術式の破壊に失敗した』



272 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 23:27:41.35 ID:FabZZI5AO


上条「…………お前…」ガク


『…醜い言い訳になるかもしれないが…僕はあの術式を完璧に解読した。事実、準備も全て整い、あと一手で破壊するところまで来ていたんだ』

上条「……」

『だが破壊しようとしたそのとき…その瞬間を狙いすましていたかのように僕が準備した儀式道具一式が外部から攻撃を受けた』

『その中にはイギリス清教に一つしかない道具もあったが…全て壊された』

上条「…つまりもう儀式では絶対にこの魔術を破壊できないのか」

『……そうだ』

『…この電話は謝罪の電話であるだけでなく、君への頼みの電話でもある』


『土御門と一緒に君に来てもらいたい』

上条「………」

『場所は土御門が知っている。今そちらへ迎えに行くと思うから…』


上条「………ねぇ…ぞ」

『?』


上条「ふざけんじゃねぇぞ!!!」


『……君が怒るのも仕方ない。すまなかった』

上条「…ちげえよ!!俺が怒ってんのはお前が失敗したことじゃねぇ!!」

『…』



273 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/15(水) 23:34:23.06 ID:FabZZI5AO


上条「…なんで今さらになって俺に頼むんだよ!!俺はお前らが『お前がいっては駄目なんだ』とかいうから破壊の邪魔になるのかなと思って大人しくしてたんだぞ!!」


上条「結局最後の手段として俺に任せる気だったんなら!最初っから俺に頼んでれば一日で終わった話じゃねえか!!この魔術のせいで学園都市の女性がどれだけ危ない目にあうと思ってんだ!!」


『……』

上条「なんで俺に行くなとか言ったんだ!」

『……本当は…君をこの場所に連れて来て終わらせるはずだったんだがね』

上条「じゃあなんで……」

『その辺りは土御門から聞いてくれ』プッ

ツーツー…


上条「……くそ…」

黒子「………上条さん」

上条「……」

黒子「…もう下に着きましたの」

上条「…あぁ、降りよう」キィ…


一方通行「…」

上条「…一方通行…お前らの仕事あとちょっとだけ続きそうだ」

一方通行「土御門から聞いた」

上条「そうか」


パララララ…


上条「ヘリ?」チラ

海原「どうやらあなたを迎えに来たようですね」



土御門「カミやーーん!!話は聞いてるな?早くこのヘリに乗るぜよ!!」

上条「…ああ!今乗る!」タッ



285 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 11:26:07.66 ID:D0sKxDNAO


黒子「…わたくしもいきますわ上条さん!」

上条「!…白井」

黒子「電話の内容を少し聞いただけですので事情はよく分かりませんが…お姉様を始めとした学園都市の女性たちをおかしくして上条さんを苦しめている元凶のところへいくのでしょう?」

土御門「…気持ちは嬉しいが、あんまり君には来てほしくないんだにゃー…」


黒子「なぜですの!?わたくしはジャッジメントですの!学園都市の秩序が脅かされている以上動かない訳にはいきませんわ!」

土御門(この子を説得するのは無理だ)

土御門「…カミやん、早急にヘリを出すから早く乗れ!」

上条「……ああ!」

黒子「ちょっと!お待ちなさいな!」


上条「…悪いな白井、お前は目の前の問題を見過ごせないタイプの人間だもんな…けどこの問題にはジャッジメントのお前でも深入りしてはいけないんだ、分かってくれ白井」


黒子「……!」

黒子「わ…わたくしはっ…」ジワッ

黒子「わたくしの肩書きはっ…ジャッジメントだけじゃっ…ないですわ…」ポロ

黒子「わ…」


黒子「わたくしは!上条さんのボディーガードですの!!」ポロポロ

上条「!」

黒子「うっ…ぅ…」グス

一方通行「…」


一方通行「…乗せてやれよ土御門ォ」


土御門「!?何言ってるんだ一方通行!」



286 : ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 11:32:54.56 ID:D0sKxDNAO


土御門「科学側の人間を魔術と関わらせるのはあまりにも危険すぎるぜよ!」コソコソ

一方通行「一貫して能力者の仕業って事にしとけばいいじゃねェか」ヒソヒソ

土御門「口先の問題じゃない!誰かは分かってはいないがこの事件には首謀者がいる!実際に攻撃を受けてるぜよ!彼女が魔術師の攻撃を受けたらどうするんだ!」ヒソヒソ


一方通行「…そういうのから守ってくれるヒーローならいるじゃねェか」

土御門「…」

一方通行「それにこの調子じゃあヘリに噛み付いてでもついていきそうだしなァ、そうなった方が厄介だと思うぜェ?」

黒子「……お願いですわ」グス

土御門「……」


上条「……分かった、乗れよ白井」

黒子「…!」パアァ

土御門「カミやん…」

上条「大丈夫だ土御門、白井は何があっても俺が守る。それに白井にはレベル4の空間移動能力があるしな、いろいろ役に立つかもしれない」


土御門「…」ハァ

土御門「…カミやんを信頼して許可するぜよ、乗るにゃー」

黒子「…ありがとうございます!」


パララララ…


海原「…今日はいやにお節介ですね…何かあったんですか?」

一方通行「別にィ」



290 :豆乳が美味すぎてハマった ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 19:34:03.90 ID:D0sKxDNAO


ヘリの中


土御門「…さて、カミやんに状況を説明しないとな」

土御門「カミやんが電話で聞いた通り、ステイルの魔術道具は外部から攻撃を受けた。おそらくこの術式を仕掛けた者の仕業だろう」

土御門「いつも通りカミやんには術式の場所まで向かってそれを壊してもらうことになる」

土御門「それで…」


上条「…一ついいか土御門?」

土御門「なんだ?」


上条「何で最初っから俺を連れて来なかったんだ?」

土御門「…」

上条「術式は学園都市にあるんだろ?だったら俺がすぐに向かって壊せたんじゃねえのか?」

土御門「…」


土御門「…実はステイルは当初、カミやんが壊した後の術式の解析、回収のためだけに学園都市に来ていたにゃー」

上条「…」

土御門「こちらへ到着したステイルはすぐにカミやんを呼ぼうとしたが…ここで問題が発生した」


土御門「どうやって情報を得たのか知らんが、ステイルが日本へ行くことを知った天草式の連中とイギリス清教配属のシスター達が勝手にステイルの後を追ってついて来ていたんだ」

上条「?…何でだ?何のために?」

土御門「それは俺にも分からんぜよ」

上条「…でもそれが何なんだよ」

土御門「この魔術は発動している間は24時間営業なんだにゃー…」

上条「!」

土御門「今回のことはステイルしか知らなかったから…何も知らずに学園都市に来た彼女たちはすぐに魔術の影響を受けたぜよ」



292 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 20:03:40.65 ID:D0sKxDNAO


上条「…それでも俺を呼ばなかった理由には…!」

土御門「あぁ、ここまでは別に問題なかったぜよ。ステイルが一言『邪魔だ帰れ』と言えば帰っただろうにゃー。そのあとでカミやんを呼べばよかった」

土御門「だが学園都市に来てステイルから中途半端に事情を聞いた建宮が余計なことを言ってしまった」


建宮『女性が男性を嫌わない魔術!?…それは恐ろしい事になるのよな…早く上条当麻を呼んで破壊させるんだ!!』


土御門「それを聞いた彼女達は絶対に術式を破壊させないと決心してしまった」

上条「どうして!」

土御門「『男性を嫌いになる可能性のある世界なんて嫌だ』『上条当麻に好意を持つかもしれない世界なんて嫌だ』…彼女達はそう思っている」

土御門「しかもその世界に戻そうしてとやってくるのがよりにもよってカミやんだからにゃー、彼女達は断固反対してステイルの邪魔を初めたぜよ」


上条「…」


土御門「そこでステイルはカミやんを呼ぶのを止め…天草式の男共と一緒に彼女達の妨害を抑えながら儀式によって破壊することを決めた」


上条「…なんで」


土御門「…カミやんがほぼ確実に殺されてしまうからだ」



299 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 20:54:40.12 ID:D0sKxDNAO
>>296
豆乳がうまいんだもん


土御門「それほどまでに彼女達から狂気を感じた、とステイルは言っていたぜよ…彼女達に本気で手が出せないカミやんがやられるのは確実だ」

上条「……でも妨害を防ぎながら破壊なんて…そんな器用なこと出来んのかよ」

土御門「彼女達は男達には絶対攻撃してこない。だから術式の周りだけを固めて守って準備を進めて…あと一歩のところまでいったんだぜい」

上条「…すげえなあいつら」

土御門「…結局何物かに攻撃されて全部パーになったがにゃー…」


上条「…待てよ土御門、神裂はいなかったのか?ステイル達は聖人の妨害まで防げたのか?」


土御門「…それが…これはカミやんにも言おうと思ってたんだが、すぐにこんな魔術が発動しちまったからにゃー…」


上条「?」



土御門「ねーちんは五日ほど前から行方不明だ」


上条「!?」


土御門「まあそのおかげでなんとか妨害を防げていたんだけどにゃー」


上条「…神裂が…?」



黒子(…端っこでずっと話してますわ)

黒子(…ひとりぼっちですの)グスン


黒子(わたくしもあちらへ行きたい…)ソロ-リ…



301 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/16(木) 22:02:35.31 ID:D0sKxDNAO


土御門「…とにかく、カミやんがその場所にたどり着けさえすれば全て終わりだにゃー」

土御門「だが必ず彼女達は邪魔してくる。…カミやん、覚悟はできたか?」

上条「ああ、こういうのは慣れてるしな」

土御門「…俺が言ってるのは彼女達に攻撃する覚悟のことだ。相手は本気でかかってくる。手加減してると本当にやられるぞ」

上条「……」

土御門「カミやん…」



黒子「大丈夫ですの!」

上条「!」

黒子「上条さんに危害を加える人達はわたくしが対処いたしますわ!」

土御門「いやそれは…」

黒子「相手を傷付けたくないのなら尚更わたくしに任せて欲しいですの」

黒子「拘束するのは慣れてますし…いざとなったらどこかへ飛ばしますの」

土御門「しかし相手は君にとって得体の知れない力を…」


上条「ああ、任せた白井」

黒子「…任されましたの!」

土御門「…」

上条「ただし相手の攻撃は全て俺が対処するから白井は手を出さないでくれ」

黒子「承知しましたわ」


土御門(…この数日でここまで信頼関係を築いていたのか)

土御門「…分かった、じゃあそれでいこう」

土御門「俺もカミやんをサポートするぜい。あちらが攻撃することのできない男がカミやんの近くにいた方がいいしにゃー」

上条「あぁ、頼むぜ土御門」



306 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 00:45:53.71 ID:t/YUSGhAO


パララ…


土御門「着いたぜい」スタッ

上条「第17学区…」

黒子「学園都市の工業区ですわね」

土御門「首謀者があえて人口の少ないここに術式を構えたんだろうな」


上条「…すぐにこんな世界は終わらせてやる」グッ
土御門「じゃあここからは走っていくぞ」ダッ

上条「あぁ!」ダッ

黒子「ええ!」ダッ







「上条当麻ー!土御門ー!」タタタ






上条&土御門「!!」

上条「おい…あれまさか…」

土御門「な…なんで…」



「ふう、待ってましたよ」


上条「…か、神裂!?」



308 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 00:58:43.01 ID:t/YUSGhAO


上条「え?今行方不明なんじゃ…てかこれ俺やばくねえか!?」

土御門「ね…ねーちん!!今までどこにいた!?こっちは色々と大変なことが…」

神裂「ええ、把握していますよ土御門。ご心配をおかけしてすいません…色々用事がありまして」


土御門(…?)


神裂「それよりあなた達を手伝いに来たんですよ。上条当麻、術式を破壊しにいくのでしょう?」

上条「あ、ああ…」

上条(…?なんで普通に俺に話しかけてるんだ?)

土御門(…)


神裂「辛かったでしょう、上条当麻…世の女性から見放されるなどなんたる悲劇でしょうか…でも、私が来たからにはもう大丈夫です!私は絶対に見放したりしませんよ!」


上条「…あ、ありがとな神裂…」


神裂「いえいえ、私だけはあなたの味方で…………っ!!?」ビクッ



黒子「へっ?」



神裂「……!!」ジーッ



黒子(なんかものすごく見られてますの…)



313 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 01:36:28.90 ID:t/YUSGhAO


上条「ど、どうした神裂」

神裂「い、いえ…こちらの方は…お知り合いですか?」

上条「ああ、俺の後輩だ」

上条「なぜか魔術の影響を受けてなくてな」

黒子(魔術?…能力名?)

上条「今回の件では俺を何度か救ってくれた恩人なんだ」


神裂「!!」


黒子「はじめまして、白井黒子と申しますの」ペコ
神裂「…こ、こちらこそはじめまして…神裂火織です…」ペコ


神裂(この子は…!まさかこんな偶然が起こるなんて…!)

黒子(?…どこかで見たことがあるような)


上条「そうだ、白井も分かんねえけど…なんでお前にも魔術がきいてないんだ?」

神裂「その…私にも分かりません。気付いたら周りのみんながおかしくなってて…私が聖人だからでしょうか…でも白井さんは違いますね…」

上条「そうか…何か魔術がきかない特別な条件でもあるのかねぇ」

神裂「そうかもしれません」


土御門(…)


土御門「…まあねーちんの協力があるのは心強いにゃー」


土御門「…用事とやらはしっかりと聞かせてもらうがな…それは後にするぜい」


神裂(…!)


土御門「今はとにかく早く現場に向かうぜよ!」

土御門「すでにあちらは戦闘体制の可能性も高いからみんな気をつけろよ!」ダッ


上条「おう!」ダッ

黒子「いきますわよ神裂さん!」ダッ


神裂「…え、ええ!」ダッ



326 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 11:16:30.55 ID:t/YUSGhAO


タタタタ…

土御門「術式の場所まであと約1km」

土御門「おそらくそろそろ彼女達が出始めるぜい」

上条「…!」

土御門「全員がカミやん狙いでくるから俺達はカミやんを死守、最終的な相手の処理はクロにゃんに任せる」

黒子「」ブッ!


土御門「カミやんは真っ直ぐ目的地を目指してくれにゃー」

上条「分かった!」

土御門「それとクロにゃんとねーちん…特に彼女達と関わりのないクロにゃんの方は攻撃対象になる可能性があるから注意するぜよ」

神裂「分かりました」

黒子「…わかりましたの!」

黒子(クロにゃんはやめてほしいですの)



上条「!」

上条「…何かが来る!」

神裂「あれは聖カテリナの車輪…!」

上条「ルチアか…!ならあの車輪は爆発するはずだ…みんな、あれは危ないぞ!」ダッ!


上条「うおおおおぉぉ!!」パキィーン


ゴトッ…

神裂「…普通の車輪に!」


土御門(…危ないのは俺らじゃなくてカミやんだけだったけどにゃー…やはり本気でカミやんを潰しにきてるな)


神裂「すみません上条当麻、あなたを働かせてしまいましたね…」

上条「いや、俺の体が勝手に動いちまっただけだから気にすんな」


土御門(……)



328 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 12:01:29.50 ID:t/YUSGhAO


土御門(…ねーちんは明らかにおかしい)

土御門(だいたい聖人が本気だせばこんな戦いはすぐ終わるはずだ)

土御門(……彼女達を少しでも傷付けたくないからか…?いや、それでも…)


ルチア「チッ!」ダダダッ


土御門(…今はカミやん死守に集中しよう)

ルチア「うおおおお!」バッ

上条「直接殴りに…!」

土御門「気にするな走れカミやん!」バッ ガシッ!

ルチア「……!じゃ…邪魔しないで…くだ…さい」

土御門「クロにゃん任せたぜよ!」

黒子「了解ですわ!」アシバライ

ルチア「あっ…」ドテッ

黒子「初対面でいきなりすみませんが…」シュシュシュン
ルチア「!!」カカカカッ


黒子「おとなしくしててくださいな」


上条「おお!さすが白井だな!」

黒子「それほどでもありますわ!」フフッ

神裂「……」

土御門「どんどん来るぞ気を抜くな!」


ヒュン!

上条「!」

土御門「…!」バッ


ドゴッ!


土御門「…っ痛ぇにゃー…」

上条「…すまん、大丈夫か土御門!!この袋の攻撃は…」



アンジェレネ「十二使徒マタイの伝承の一つ…」ブツブツ

上条「アンジェレネ…!!」





上条「おい白井!スカート抑えとけ!あいつの得意な攻撃はスカートめくりだ!!」

黒子「え」

土御門「え」

神裂「え」


アンジェレネ「え」


338 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 12:52:43.16 ID:t/YUSGhAO
>>329>>335
江頭22人吹いたw



上条「アンジェレネは隙あらばスカートめくりしてくるぞ!」

アンジェレネ「し…失礼ですね!いくら私でもこんなシリアスな場面でそんなことしません!」

上条「…そうかなあ」

アンジェレネ「く…上条当麻め…私の手で倒してやります!十二使徒マタイの…」ブツブツ


黒子「……」ケリッ


アンジェレネ「あっ」トテ


黒子「…」シュシュン


アンジェレネ「あう!」カカカッ


黒子「さあいきましょう」タタッ


アンジェレネ「ま…待てー!!」ジタバタ


上条「悪いなー!全部終わったらチョコラータ・コン・パンナおごってやるよ!」タタタ

アンジェレネ「本当ですか!?」

アンジェレネ「はっ!…いやいや上条当麻などから貰っても嬉しく…ああでも…」ジュル


上条「…まだまだ子供だなあ」

土御門(なんか俺すげえかっこ悪いにゃー)ズキズキ


神裂「……」



352 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 18:36:52.70 ID:t/YUSGhAO


上条「流れからして次はアニェーゼかオルソラかな」

神裂「なんの流れですか…」

土御門「さっきの二人は律儀に一人ずつ襲ってきたが…複数でくる可能性の方が高いにゃー」

上条「そうだな…」


黒子「…あっ…あそこに誰か二人いますわ!」

上条「あれは…やっぱりあの二人か」


土御門「?…何か言い争ってるぜい」



―――



アニェーゼ「何を今更言ってやがるんですか!ステイル=マグヌスの術式破壊を邪魔してた時は協力的だったじゃねぇですか!」

オルソラ「…でも…あのお方を殺すつもりなのでしょう…?私、人殺しは…」

アニェーゼ「あの男が術式を破壊しちまったら私達はあんなに素晴らしい男の人達を嫌いになっちまう可能性があるんですよ!?」

アニェーゼ「よりにもよってあの上条当麻にそんな世界にされちまうんです!いいんですかそれで!」


オルソラ「…確かに私上条当麻さんはあまり好きではございません」

オルソラ「それに私も含めた女性たちが男性を嫌いになることがあるということも…どんなにか堪えがたいことなのでしょう」


アニェーゼ「だったら…!」


オルソラ「それでも…いくら嫌いでも一人の人間に憎悪を与えて殺めるなんてこと…私にはできないのでございますよ」



353 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 18:58:16.27 ID:t/YUSGhAO


オルソラ「私は…もうむしろ、あの方に術式を壊してもらいたいのかもしれないのですよ…」


アニェーゼ「…は?」


オルソラ「どんなに嫌わないように考えても、私に何をした訳でもないあの方になぜか私は嫌悪感を持ってしまう…」

オルソラ「おそらくこの魔術と上条さんの右手のせいなのでございましょう」

オルソラ「…人間を嫌いになるというのは…私にとっては恐ろしく辛いことなのでございますよ…」ジワ…

アニェーゼ「……」



アニェーゼ「……もういいです」

オルソラ「…」

アニェーゼ「あなたが行かねえなら私だけでやって来ちまいます…あなたはここでおとなしく待っててください」

オルソラ「!…あ」

アニェーゼ「では行ってきま……きゃっ!?」ビクッ


上条「何話してたんだ?」


アニェーゼ「な…不意打ちとは卑怯なことをしやがりますね…さすがは上条当麻」

上条「いや…後ろに立ってただけだろ」


アニェーゼ「言い訳なんかしてる暇はねぇですよ!」



356 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 21:00:45.88 ID:t/YUSGhAO


アニェーゼ「Tutto paragone. Il quinto dei elementi. Ordina la canna che mostra pace ed ordina. Prima. Segua la legge di Dio ed una croce. Due Cose diverse sono connesse!」ペラペラ


アニェーゼ「さあいきますよ!」


黒子「さっきの少女といい…こういうの言わないと攻撃できないんですの?」

上条「そうらしいな…白井のアレと同じじゃないか?白井も事件現場来ると『ジャッジメントですの』って言うじゃん」

アニェーゼ「…いきますよ!」

黒子「たしかに。ならこの方がつい言いたくなってしまうのも理解できますわ。上条さんも共感できる所があるのでは?」

上条「あー、わかるわかる。俺も必ず『そのふざけた幻想をぶち殺す』的なこと言うもんな…なんか気持ちが高ぶるんだよな」

アニェーゼ「……」


神裂(あなた達のそれと神聖な詠唱を一緒にしないでください)


アニェーゼ「こ…この…戦闘中に随分と余裕を見せやがりますね…」プルプル

上条(!…まずい、怒らせちまった)


アニェーゼ「てい!」グワッ

ゴォン!


上条「ぐぁっ…!」ゴン!

黒子「どうしましたの!?」

上条「はぁっ…あの蓮の杖に与えた攻撃は少しのタイムログの後俺への攻撃になる…」ゲホッ

アニェーゼ「…♪もっと痛めつけてやりますよ」ペロペロ



上条「あふっ!?」ビクビクン



黒子&神裂「!!」



361 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 21:24:09.83 ID:t/YUSGhAO


上条「ぁ…」ピクン


黒子「……今あなた何を…?」ゴゴゴ

神裂「……」ゴゴゴ


アニェーゼ「…?杖の先っぽを舐めましたが」



黒子「さ…先っぽ……?ゆ…許しませんのおぉぉぉ!!」

神裂「…同意です」ジャキ



アニェーゼ「何でそんなに逆鱗に触れちまってんですか…もっとしてやりましょうか?」ペロッペロッハミハミ


上条「ふぁっ!はふん!」ビクビクビクン!




黒子&神裂「」ブチッ



土御門「…おい、二人とも落ちつくにゃー!…相手を必要以上に傷付けては…!!」



神裂「唯閃!!七閃!!七閃!!七閃!!」ズババババ!!

黒子「おららららららら!!!!」シュシュシュシュシュシュ!!!

アニェーゼ「!…きゃああああああああああ!!!」ズバッバリバリッズドドド!!



土御門「…アチャー」

オルソラ「ひぃ……!」



神裂「大丈夫…傷付けてなどいませんよ…」フフフ

黒子「そうですのよ…」フフフ


土御門(…カミやんも大変だにゃー)


上条「……ふぅ」


366 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/17(金) 22:09:10.52 ID:t/YUSGhAO



アニェーゼ「」ガタガタ



上条(…ふと気が付くとほぼ全裸で地面に固定されて震えるアニェーゼがいた…じっくりみたいけど紳士の上条さんはちらっとしか見ないのです)チラッ

黒子「どりゃっ!」ゴン!

上条「ぎゃっ!」

上条「痛い!何すんだ白井!」ズキズキ

上条(久しぶりに喰らったぜ…白井のこの蹴り)


黒子「あんな状態の女の子を見るなんて最低ですの」

上条「…いや、どうしたって目に入るだろ!?つうかあんな状態にしたお前らの方が…」


黒子神裂「…」ギロリ


上条「すいません俺が最低でした」


土御門(眼福だぜい)ホクホク




オルソラ「」ガタガタ


上条「あ…オルソラ…」

土御門「誰でもあんなの見たら戦意喪失するにゃー」


神裂「いえ…もともと闘う意思などなかったようですよ」

オルソラ「…」コクン

上条「え?」

オルソラ「あの…私…あなたの術式破壊の応援をしているのでございますよ」

上条「!…お前も魔術がかかってないのか…?」

オルソラ「いえ…」フルフル

オルソラ「残念ですけど…私はどんなに魔術に抵抗しようと頑張ってもあなたを嫌ってしまう…それが嫌だからあなたにあの術式を壊してもらいたいのでございますよ」


上条(オルソラマジ天使)ブワッ



黒子「ム…」



376 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/18(土) 03:17:27.26 ID:3SbD7PAAO


土御門「そろそろ行くぜよ、カミやん」

上条「おう」コク


上条「…ありがとな、オルソラ。今のお前にとってはそこまで嬉しくないことだと思うけど…元の世界に戻ってまたお前と普通に話せるだけで俺はすげえ嬉しいんだ」

上条「…だから絶対に俺は術式を壊してくる。……いいな、オルソラ?」


オルソラ「…ええ、待っているのでございますよ」ニコ

上条「ああ、待ってろ」ニコ


上条「…じゃあまた後でな!それとアニェーゼの上に何か羽織ってやってくれ!いくら何でも可哀相だしな!」タタッ

オルソラ「…」チラ


アニェーゼ「クソ…カミジョウトウマメ…」ピクピク


オルソラ「…うふふ、了解しました」フワッ



―――



上条「いやー、やっぱオルソラはシスターの鏡だよなあ」ウンウン

上条「上条さん感動しすぎて泣くところでしたよ…オルソラいいやつだよなあ」


黒子「……ふん」ムス


上条「…どうした白井?機嫌悪そうだな…まだアニェーゼに怒ってんのか?」

上条「だいたい何でお前らアニェーゼにあんなに怒ってたんだよ?」


黒子「…あなたは知らなくていいですのよ、ねえ神裂さん?」

神裂「…え、ええ…その通りです」


土御門(…)


377 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/18(土) 03:41:54.67 ID:3SbD7PAAO


土御門「もう術式の場所に着くぞ!」

黒子「結構近いんですのね」

上条「…そういや天草式の連中にまだ会ってないな…」


土御門「きっと天草式は全員術式のところに固まってるハズだ」

土御門「だが術式の場所には天草式の男達とステイルがいるから形勢はこちらが有利ぜよ!」

黒子「割と簡単に終わりそうですわね」フフン


土御門「天草式の女性達はな…だがこの魔術をしかけた奴もその近くにいるはずだ」

上条「!!」


土御門「…そいつはあのステイルのルーンの結界をぶちやぶり…なおかつ正確に儀式道具のみを攻撃してきた」

土御門「…そうとうな力を持った魔術s…能力者として考えた方がいいにゃー」


黒子「…なるほど、いわゆるラスボスってやつですの」


上条「ああ…そいつさえ倒せば…この世界は元通りだ!」

上条「どんな理由があったかは分かんねえけど…それで学園都市の女性達を苦しめてもいいとそいつが思ってんなら!」


上条「そのふざけた幻想は…必ず俺がぶち殺してやる!!」


黒子(一番苦しんでたのは上条さんですの)

土御門(…カミやんらしいぜい)


神裂(……上条当麻…)


387 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/18(土) 15:18:48.41 ID:3SbD7PAAO


タタタ…

上条「なんかたくさん人がいるぞ!!」

土御門「術式はあの人だかりの中心部にある!一気にいくぜい!」

黒子「ん?…何やら不良じみた殿方がこちらへ…」

上条「…あれは…」



ステイル「ようやく来たか上条当麻!」タタタ

上条「ステイル!」

ステイル「ある程度は彼女達を抑えてる、君は早急に術式の場所へ向かえ」

上条「あぁ!」

ステイル「ところで…すまないね、今回は僕のミスだ」

上条「気にすんな、お前は悪くねえよ」

上条「…むしろ俺を心配しての計画変更だったらしいしな、ありがとよ」


ステイル「…そうかい」

ステイル「だが今はこんな馴れ合いをしている時間はない…!僕もついていくからさっさと走れ!」

上条「?…なんでそんなに焦ってんだ」


土御門「…時間がない?…まさか…説明しろステイル!」


ステイル「……」

ステイル「…仕方ない」フゥ

ステイル「…どうせそれまでに破壊すればいいと思っていたから君達にはあえて言わないつもりだったんだがね…」

ステイル「今夜…日本標準時刻で午後07:21になった瞬間にこの男尊世界は永久に続く」


上条「な…何!?」

黒子(すごく中途半端な時間ですの)


土御門「…どういうことだ?魔術による破壊ならともかく、幻想殺しにかかれば制限時間なんて関係ないはずだ」



392 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/18(土) 15:32:55.45 ID:3SbD7PAAO


ステイル「この魔術は常に学園都市に影響を及ぼし続けているということは報告したな?」

土御門「ああ」


上条「24時間営業ってやつか。魔術発動後に学園都市へ来たシスター達にも影響してるもんな」

ステイル「そうだ、あの術式は少し特殊でね…一定期間弱い魔術を休みなく発動し続け、その期間が終わるととても強い魔術を一回発動する…その一定期間がさっきの制限時間ということだ」


上条「…今はその弱魔術発動期間ってことか…?」

土御門「ギャラドスに進化するために体当たりで戦い続けるコイキングみたいなものかにゃー」


上条「…待てよ、土御門も昨日言ってたけど、今の世界はそんなコイキングレベルの弱い魔術で引き起こされてんのか?」


ステイル「…コイキングが何なのかは分からないが…まあね、君の言葉を借りるなら今の学園都市の女性は全員幻想だ。学園都市全体が弱い魔術で催眠状態のようなものになっている」

ステイル「…実際君も、『今俺が嫌われてるのは魔術のせいだ』と思っていただろう?」


土御門「…!そういうことか…!」


上条「…どういうことだよ?」

土御門「…ステイル、この弱い魔術の後にくるとても強い魔術ってのはつまり…」

ステイル「…ああ」



ステイル「この幻想が現実に変わる魔術だ」



393 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/18(土) 15:59:52.31 ID:3SbD7PAAO


上条「…つまりどういうことだよ!!」

土御門「…今までは魔術のせいだ、思っていた女性達の行動が魔術のせいではなくなるということだ」

上条「!」


ステイル「…催眠のようなものなどではなく女性達の脳の思考回路が直に変えられる」

ステイル「そうなったらもう君の右手で術式を壊したところで女性達は永久に戻らない」

上条「…!」

ステイル「まあ…もしこれが起こったとして、今度は君が嫌われることは絶対にないんだけどね」


上条「…そんなことで好かれたって嬉しくねえよ!!」


上条「くそっ…!今何時だ!」

パカッ

携帯「7:02」


上条「…あと約20分!まだまだ間に合うな…!」


上条「よし、急ごうステイル、みんな!!」

ステイル「ああ……ぁ?」

上条「どうした?」


ステイル「か…神裂がなぜここにいる…数日前から行方不明だったはず…」

神裂「…す、すいませんステイル、色々と用事がありまして…」

ステイル(くそ…!聖人が邪魔に入れば術式破壊は絶望的だ…!!)

ステイル「…まずいぞ上条当麻!」

上条「ス、ステイル、神裂は…」

ステイル「……うおお!」


バッ!!


神裂「きゃああ!?」ドテッ


上条「」
土御門「」
黒子「」


ステイル「行け、上条当麻!!神裂は僕が意地でも抑えておく!聖人に邪魔されたら終わりだと思え!」ガッシリ

神裂「ちょ…ステイル!!離れてください!ぁ…ど…どこ触ってんですか!!」ジタバタ

ステイル「くっ…!暴れるな!…何をしてる早く行け!!」ガッシリ


上条(どっからどうみても完全に犯罪者だぞステイル)


394 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[sage]:2012/08/18(土) 16:03:40.55 ID:3SbD7PAAO
すいません
×魔術のせいだ、思っていた
〇魔術のせいだ、と思っていた

408 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 01:13:34.05 ID:p4/AOQsAO


上条「…よし行こう、みんな。神裂には悪いがステイルの勇姿を無駄にしちゃいけない気がする」

土御門「いいのか?おそらくあと5秒ほどでねーちんキレるぞ…そしたらステイルは終わりだぜい」

黒子「…どうせなら(ステイルを)助けてあげた方が…」チラ




神裂「…そろそろどかないと本当に怒りますよ」

ステイル「邪魔させるものか……!」ギュウウ ムニムニ



上条「うーん…」


正直ステイルの扱いをどうしようか迷っているので安価をとります
おそらく以降安価は無い…と思います


1.助けて一緒につれてく
2.そのままほっとく


>>411



409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)[sage]:2012/08/19(日) 01:15:14.39 ID:Y76jj1JSo
1
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/08/19(日) 01:15:34.73 ID:xizH9clbo
1
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:17:18.81 ID:ceeX3DYIO
414 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 01:28:59.19 ID:p4/AOQsAO
>>413
特にないと…思う

ご協力サンクス


上条「よし…助けてやるか」


神裂「もう怒りました。覚悟しなさいステイル」ゴゴゴ


上条「ま…まてよ神裂!」

神裂「…なんでしょう」ギロ

上条「ほ、ほら!コイツはお前が魔術にかかってないことを知らないだろ!?」

上条「誤解してこんな行動をとっちまってるだけなんだって…許してやってくれよ」

ステイル「ご…誤解?」モミ…

神裂「……まあそうですね、ステイルなりに必死に世界を戻そうとしてやったことですし…許してあげます」ハァ


ステイル「?…どういうことだ上条当麻…?」ムニムニ

神裂「触るのやめなさい!!」ゴン!

ステイル「ぐふっ!」モミ!

上条(離れ際に殴られながらもみやがったコイツ)


ステイル「な、なぜ僕がこんな仕打ちを…」ズキズキ


土御門(それだけですんでありがたく思えにゃー)




418 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 02:07:31.94 ID:p4/AOQsAO


上条「カクカクシカジカ」

ステイル「シカクイムーヴ!?」


ステイル「全く…それなら最初からそうと言ってくれ」

上条(言う前にお前が勝手に飛びついたんだろ)


ステイル「しかしおかしいな…僕の解析では上条当麻以外の人間は例外なく魔術の対象になるはずなんだが」

ステイル「…もしかしてそちらの子もそうなのか?」チラ

黒子「え、ええ。わたくしはいたって普通ですのよ」

上条「へっ、お前それ本当に合ってんのかよ?実はこの魔術は聖人とか変態っ娘にはきかねぇとかなんじゃねえのか?」

黒子「…」ガッ!

上条「っ…いてぇ!本当のことなのに…」

黒子「わたくしはお姉様に深い尊敬の念とその他もろもろを抱いているだけですわ」

上条「その、その他もろもろの内容が怪しいんだよ…」

神裂「……」


ステイル「…解析を間違えた…?いやそんなはずはない、こう見えても僕は天才魔術師と言われているんだぞ」

上条(うわ)

ステイル「あの術式は特殊だが構造は簡単なんだ、この僕が間違えるはずが…」

上条「…まあいいさ、そんなもん別に分からなくったってたいして支障ねえよ」

ステイル「……んーむ…そうだな…今急ぐのは術式破壊だ」


土御門(…おそらくステイルは間違えていない)


土御門(……)


427 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 15:28:05.73 ID:p4/AOQsAO
>>425
ハードルあげないでww


術式周辺

タタタ…

上条「もう術式は目と鼻の先だ!」

土御門「気をつけろカミやん!さっきまで黙ってた天草式の連中が動いた!」

ステイル「彼女達は基本近距離戦用武器を使うからね…こちらが飛び込むのを待っていたんだろう」


ウオオォォォ!!!


黒子「来る…!すごい人数ですの!」


浦上「てやああぁ!」ブンブン

上条「っ…!うおっ!女の子が物騒なモン振り回すんじゃありません!」ヒョイヒョイ

土御門「大丈夫かカミやん!この…ツッチーキリングシュート!」キイーン!

神裂(ただのキックですね)

浦上「あっ!」カランカラン…

上条「サンキュー土御門!」


対馬「…」ソローリ

土御門「!カミやん、後ろだ!!」

対馬「たああぁ!」


上条(やべえ!)

ステイル「危ない上条当麻!この…ステイルマグナム!」ブオッ!

神裂(ただのパンチですね)


対馬「…」ヒョイ


ステイル「あら」


対馬「おおお!」バッ

上条(ステイルが邪魔で攻撃見えねえ!やばい!)


黒子「上条さんに攻撃したいならわたくしを通してくださいな」シュン

対馬「!」

黒子「黒子フォアヘッドエクスプロージョン!」ズアッ

神裂(いい頭突きですね)

バキッ!

対馬「きゃああ!」ズザアァァ…

上条(すげえ威力)

黒子「テーブルにぶつけ続けて鍛えぬいた技ですのよ」フフン

土御門「さすがクロにゃんだにゃー」

ステイル「…」シュン


451 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 18:42:29.86 ID:p4/AOQsAO
予想されて当たると確かにうっ…てなりますね

でも考えてたものを即興で変えられるほど力ないから結局変わらないけどw

キイン!バキッ!

上条「くそ…まだ結構いるぞ!」ヒョイ ヒラッ

土御門「なかなか術式にっ…」ガシッ

土御門「ご対面できないにゃー!」ドカッ キイン


「上条さん!」タタタ


上条「!…あれは」

上条「香焼!」

香焼「すいません、もっと早くに援助に来たかったんすけど…」

香焼「でももう大丈夫っすよ!この場はこちらで全て抑えます!構わず術式破壊へ向かってください!」

上条「でも任せていいのか?お前一人に…」

牛深「俺もいます!」ザッ

諫早「同じく!」ザッ

野母崎「背中は俺達に預けてくださいよ」ザッ

上条「!」

上条「…頼もしいな」

香焼「…あれ?女教皇様…!?」

他「!?」

神裂「…あ」

「…今までどこいたんすか!?」

「お、俺達すげえ心配して…!もう会えないかと…」グス

「教皇代理なんか魔術の可能性も心配して…数日前高い金だしてエイルの薬草まで買ってたんですよ…!」グス

神裂「!…心配かけてごめんなさい」ジワ

上条「…」

上条「…先行くか」ダッ

黒子「えぇ」ダッ

香焼「…あ!一つだけ!」

上条「なんだ?」

香焼「…五和だけは術式の真ん前に構えてるはずっす」

上条「!」

香焼「教皇代理もいると思うんで一緒に対処してください!」

上条「わかった!」ダッ


ステイル「…なあ」

上条「なんだ?」

ステイル「…さっきのステイルマグナム…実はステイル=マグヌスと掛けていたことに気づいたかい?」

上条「……お前…」

土御門「カミやん構うな!急ぐぞ!」


468 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 23:01:57.79 ID:p4/AOQsAO


術式の場所


上条「五和と建宮がいた!…でも術式ってどこにあるんだ?この魔法陣全体か?」

土御門「この魔法陣の中心のアレが術式本体だにゃー!」

上条「え…あんなに小さいものだったのか!?」

黒子「なんかクイズ番組とかにあるボタンみたいですわね」


建宮「おお!来たか上条当麻!」

五和「ふふふ、来ましたね」ユラ

上条「!」

土御門「…カミやん、五和は俺達にまかせて術式を破壊しろ!建宮は念のためカミやんについててくれ!」

上条「ああ!」

建宮「了解したのよな!」

土御門(もう破壊されるってのに術式を組み上げたやつが邪魔しに来ない)

土御門(……信じたくはないが…)


五和「…させませんよ」ユラー…

ステイル「それは僕の…」バッ

黒子「それはわたくしのセリフですわ!絶対に邪魔はさせませんの!」バッ
ステイル(ま…また僕の見せ場を…!!)クソ


五和「…邪魔するんですか?…ならあなたも徹底的にグチャグチャのグチャにしてあげますよ!」グワッ

黒子「!」シュン


ドォン!


建宮「…あちらが戦闘をはじめた」

上条「あぁ!早く破壊しないと!」サッ


建宮「…破壊する前に一ついいか?」

上条「…なんだよ後でもいいだろ!?」


建宮「先程まで女教皇様がお前達と一緒にいるのが見えたのよな」



470 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/19(日) 23:17:16.09 ID:p4/AOQsAO


上条「ああ、今もすぐそこで天草式のやつらと一緒にいるぞ」


建宮「……それでだな」


上条「早く言えって!今の状況わかってんのか!?」


建宮(……)


建宮「女教皇様は…普通だったか?魔術の影響はあったか?」


上条「あー、お前はまだ知らないもんな」


建宮「……どうなのよな」


上条「…俺にも良く分かんねえけど、あいつには魔術かかってないみたいだぞ?聖人にはきかないのかもな」


建宮「……そうか、時間を取ってすまんのよな…いいぞ、破壊してくれ!」

上条「ああ!」


上条「長かった…この世界に随分と俺は苦しめられた…だけど女の人達はもっと酷い状況に置かれていたんだ…!」


上条「…こんな、女性が人権を失うような世界が現実に存在しちまってんなら!」


上条「まずはそのふざけた幻想を…ぶち殺す!!」バッ!





パキイィィィイイン!





476 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/20(月) 02:15:11.77 ID:eat7SBNAO



上条「……」

建宮「……」


上条「えと……破壊した手応えは確かにあったんだけど…術式が原形を留めている気がするのは上条さんだけでせうか…」

建宮「確かに…で、でも魔術の効果はもう無いのかもしれないのよな!」

上条「そ、そうだよなあ!よし、じゃあ一件落着…」チラ



五和「七教七刃!!」

黒子「…っ!」ズバッ

五和「さんざんさんざんさんざんさんざん切り刻んでブチのめしてあげますね…」

土御門「くそ!クロにゃんばっかり狙うんじゃねえぜい五和!」タタッ



上条「……」

建宮「……」


上条「…おい…嘘だろ…嘘だよな…?なんで戻ってねえんだよ…?」ヘタリ


上条「!」

上条「…まさか!?」パカ

携帯「7:14」


上条「……あれ?まだ時間じゃない…」



ステイル「…上条当麻」ヌッ

上条「どわっ!?」ビクッ


上条「なんだよステイル、お前五和を抑えてたんじゃ…」

ステイル「……正直あの二人だけで大丈夫かと思ってね、僕はこちらの手伝いに来たんだ」

ステイル(本当は土御門にお前は大人しくしてろと言われたんだがね)


ステイル(土御門は最近僕に冷たすぎる…やれやれ、日本でいうツンデレというやつか)


480 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/20(月) 02:46:17.66 ID:eat7SBNAO


上条「ってステイル、それどころじゃねえ!!」

上条「この術式は幻想殺しで壊れなかったんだよ!どうなってんだ!!」

ステイル「落ち着け上条当麻、僕がなんの情報も掴まずに君の前に現れるわけがないだろう?」


上条「!」


ステイル「…さっき君が術式破壊をしようとした場面を見て分かったことがある」

上条「何だ!?」

ステイル「この術式…まるでシャボン玉のような膜が魔法陣をドーム状に覆っているだろう」

上条「ああ」


ステイル「僕が見た限りでは…この膜はイノケンティウスみたいなものだ」

上条「!!」

ステイル「君の右手で打ち消し続けたとしてもすぐに新しく再生され続ける」

ステイル「そしてこの術式を壊すには膜の中の魔法陣を壊さなければいけない」

上条「……じゃ、じゃあこの膜はどうやって壊すんだ!?早く教えてくれよ!」


ステイル「……」


上条「ス…ステイル…教えてくれよ…?」


ステイル「この膜を作った本人…つまりこの術式を組み上げた者でなければ壊せない」


上条「ぁ…」ドサ


ステイル「…術式使用者と幻想殺しの協力があって始めて…この術式は壊せることになる」



―――

ステイル「術式のイメージ図はこんな感じだ」


http://mup.vip2ch.com/up/vipper34017.jpg



493 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/20(月) 21:26:56.12 ID:eat7SBNAO


上条「そ…そんな…あと5分くらいしかねえってのに…!」ガク

ステイル「…」


ダダダ…

土御門「カミやん!術式の破壊はまだなのか!?」ザッ


上条「…土御門」

ステイル「土御門!五和はどうした」

土御門「悪いがクロにゃん一人に抑えてもらってる、どっちにしろあと数分ほど抑えてくれればいいからな…で、破壊はどうなったんだ!?」


ステイル「カジカシクカクカ」

土御門「…防御魔術が張られていたか…!」

上条「くそ!ちくちょう…!今から術式使用者を探す時間なんてねえよ!」


土御門「まだ諦めるなカミやん!!この膜の術を逆算すればもしかしたら使用者を特定できるかもしれない!」バッ

ステイル「!…魔術を使うのか土御門」


土御門「緊急事態だからな」スッ…



495 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/20(月) 22:06:23.42 ID:eat7SBNAO


―土御門奮闘中―


土御門「…どうやらこの膜には使用者の遺伝子情報が入力されていたみたいだにゃー…膜を破壊するにはその遺伝子情報を再び別のもので入力しないといけない」タラー…

土御門「だが情報入力時に使われたと思われる睫毛を発見した、これを使えば使用者がわかりそうだ」ドクドク

上条「…なんで睫毛なんだ?髪の毛とかじゃないのか?」

ステイル(相変わらず土御門の出血はホラーだな…)


土御門「髪の毛は一般人にさえ色や長さで特定される可能性があるし、見つかりやすいからな。術式使用者の配慮だろう」

土御門「だが土御門さんにかかれば睫毛なんざすぐ見つかるし、コレさえあれば特定もできちゃうがにゃー」ニッ

建宮(すげえのよな)


ステイル「…だが使用者が判明したところで、その肝心の使用者はここにいないじゃないか…状況はまだ絶望的だな」

上条「そうだ、結局現れなかった…今そいつは学園都市内にいるかどうかすら分からないんだ…」


土御門「……」



土御門「…そいつは分からないぜい」



上条「え?」


土御門(推測の域を出ないが…おそらく…)


土御門「…とりあえずやってみないことには始まらない、時間もないしさっさとやるぞ!」


土御門は円形の陣の中に睫毛を入れた


土御門「いくぞ…」パン!



土御門「uokiasakiam!」


パアァァァァ…!!



上条「!」

上条「なんか変な文字が地面に浮かび出てきたぞ!な…なんて読むんだ!?」


ステイル「どれどれ…」


ステイル「…え」


上条「…なんだよ?もしかして知り合いか!?」


土御門「!!」


土御門「な……何だと…!?」


498 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/20(月) 22:36:27.25 ID:eat7SBNAO


土御門(……!俺の予想は外れていたのか…!?いや、しかしこれはありえない!)

ステイル「……正直びっくりしたね」

上条「だ、誰だ?…俺も知ってるやつなのか!?」

ステイル「ああ…君がとともよく知る人物だ」

上条「!」


建宮(やはりそうか…)


上条「早く教えてくれ……!」

ステイル「…文字に書かれていた人物は…」
















白井黒子、だ












上条「………」

建宮「……へっ?え?あれ?」



上条「…………」

土御門「……」

ステイル「……」

上条「…………」





上条「……はぁ!?」






538 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 02:15:49.02 ID:22Dh7IgAO


上条「えと…なんで白井の名前が出てくるんだ?…これはつまりどういうことだ?」

ステイル「僕に聞かないでくれ」

上条「あ、あいつがこの魔術の行使者ってことなのか…?」

ステイル「…」

上条「で…でもあいつ魔術師でもなんでもないんだぞ…!なんで白井が魔術を使えるんだよ!?おかしいだろ!」

ステイル「だから僕に聞くな!僕だって分からない!」


上条「……」


上条「魔術うんぬん以前の問題なんだ」

上条「白井がこんなことするはずがないんだよ…!」


土御門(……カミやんの言う通りだ)

土御門(科学サイドに深く侵食された人間が魔術を使えるはずがない…使えたとしても重傷を負うはずだ)

土御門(…だがこの膜に使われた睫毛はクロにゃんのもの…どうなってんだ?)

土御門(…)

土御門(…考えるのは後にした方がよさそうだ)


土御門「カミやん!ステイル!今はとにかく時間がない!クロにゃんをここに連れてこい!」

上条「!」

上条「ま…待てよ土御門!これはきっと何かの間違いなんだ!白井がこんなこと…」



土御門「カミやん」


上条「っ!」ビクッ


539 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 02:21:51.77 ID:22Dh7IgAO


土御門「何を思おうが白井黒子の睫毛がこの膜に使われていたことは事実だ」

上条「う…」

土御門「そしてあと数分でこの世界は改悪されるんだ…わかるなカミやん」

上条「…!」

土御門「…もし反抗するなら髪の毛一本だけでも良いからここまで持ってこい」

土御門「それだけあれば俺なら膜は破壊できる。そしたらすぐカミやんの右手で術式破壊だ」


ステイル「了解した…行くぞ上条当麻!」ダッ


上条「…わかった」ダッ



―――



五和「飛び回らないでくださいよぉ…うっとうしくて仕方ありません」ブンブン

黒子(拘束する隙がないですわ…!)シュンシュン

黒子(ワイヤーみたいなのも厄介ですの)シュン


上条「白井ー!!」タタタ


黒子「上条さん!?」

上条「悪いけどちょっとこっちに来てくr…」タタタ

黒子「!そこはダメですの上条さん!」

上条「え?……!!」ズバッ

黒子「あぁ…」

上条「ぐっ……!」ポタポタ

ステイル「上条当麻!?」


五和「ふふ…わざわざ来てくれてありがとうございます…」ユラ


黒子「!(いつの間に…!)」


五和「中途半端に痛いのって辛くないですか…?可哀相だから今すぐ徹底的に痛くさせてあげますね」

上条「…!」ポタ…


540 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 02:29:28.24 ID:22Dh7IgAO

上条(攻撃が来る…!)バッ

ズキッ

上条「っ!」ポタ

上条(ちくしょう…結構深く足を斬られてる…!)


五和「大丈夫、一突きにしてあげますから…」


上条(大丈夫じゃねえだろそれ…)

ステイル(…ここは僕がやらなくては…!上条当麻が動けなくなれば術式破壊ができない!)グッ


五和「さようなら…」ブオッ!


上条(ダメだ!)

ステイル(!…まずい)


ステイル「うおおおおぉぉぉぉ!!!」ガバッ


上条「え、ステイル!?」



ドスッ!



ポタ…ポタ…




上条(…俺じゃない)

上条(まさか…ステイル…?)

上条「う…嘘だろ、ステイル…?」


上条「そんな…!」


上条「ステイルーーーーーーー!!」






ステイル「なんだい?」


上条「」ピク

上条「……はい?」

ステイル「怪我はないようだね」

上条「あぁ…あの…なんでピンピンしてんだよお前」

ステイル「いや…僕も刺されたものだと思っていたんだが…」

上条「じゃあ一体…」

上イル「…」クルッ

ステイル「!!」

上条「ぁ……!!」

542 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 02:40:14.72 ID:22Dh7IgAO

上条「……!」

五和「邪魔ばっかりしてくれますね…!!」ズポッ!


黒子「……っ」ポタ…ポタ…


上条「白井ーーーーーーーー!!」

黒子「…間に合い…ました、の」フフッ

上条「し…白井…!!白井!!」ジワ

黒子「…ハァ…ハァ」ゴフッ

五和「…」イラッ

五和「…なんでそこまでしてこの男を守るんですか!?」

五和「お腹を槍で貫通させられてまで…!」

五和「自分の命までこの男に捧げる気ですか!!」

黒子「ハァ…ハァ…」

黒子「…なんで…?」チラ

上条「!」

黒子(それは…)

黒子「……」

黒子「簡単なことですの…」

黒子「だって、わたくしは…」


『俺はその数日間で、その人物にとある感情が芽生えてしまったんだ』


黒子「上…条さんの、ボディー…ガード、で…」フラッ

上条「…!」ポロ…

黒子「……」ゲホッ


『俺は……お前のことが……!』


黒子「…わたくしも…」ボソ




黒子「上条さんの…こと…恋い慕って…いたんですも…の」ニコ



ドサッ…



ステイル「…!!」

上条「……白井…」

上条「しら…い」

上条「ぁ」

上条「あぁ、あ…」ガクガク

上条「あぁあああぁああああぁぁぁぁあああぁあぁぁあ!!!!!」

ステイル(……!)

544 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 02:58:08.15 ID:22Dh7IgAO

上条「あぁああぁぁあああ!」

上条「あ、ああぁ…」


上条「ぁ…」ギロッ

五和「」ゾクッ


上条「…」

上条「…るさねえ…」ボタッ

五和「…!」

上条「…足がちぎれようがなんだろうが…絶対許さねえぞ」ギロッ

五和「ひっ…!」


ステイル(まずい状況だ…!上条当麻が理性を失った!このままでは五和が…!)


上条「…白井が…何したってんだ…」ズル…

五和「ぁ…」ブルッ

ステイル(止めなければ!)

ステイル「上条当麻!!今は時間がないんだ!髪の毛を回収して早く術式の場所へ!」


上条「白井…白井が…」ズル…ズル…

ステイル(全く聞いていない…!)

上条「…」ガシッ

五和「あ…!!」

上条「…」ギリギリ

五和「っ!」

五和「うああああああ!!」

五和(な…何この力…う…腕が…)ギリギリ

上条「…」ギリッ

五和「うぁぁ!」

ステイル(くそっ…!)タッ




「ステイル」



ステイル「!」



「私が止めます」



ステイル(この声…)



ステイル「か、神裂…!」


神裂「…」

546 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 23:27:26.13 ID:22Dh7IgAO


神裂「…」ビュンッ


上条「…」ギリギリ

五和「お、折れる!折れますからやめてくださいっ!」ポロポロ

上条「…」ギ…


神裂「はっ!!」タンッ


上条「!!」

上条「あ…ぅ…」フッ


ドサッ


神裂「…」


五和「あ……」ガタガタ

神裂「五和…申し訳ございません、また改めて謝罪します」

五和「ぷ…女教皇様…?」ガタガタ


神裂「……」チラ

上条「」

黒子「」


神裂(…本当に…ごめんなさい…!!)

神裂「…」

神裂「ステイル、上条当麻は私が土御門のもとへすぐに運びます」

ステイル「…了解した、じゃあ僕は彼女の髪の毛を回収しよう」


神裂「その必要はありません」


ステイル「…何?」

神裂「彼女の…白井さんの髪の毛は既に私が所持しています」

ステイル「!」


ステイル「…どういうことだ、神裂」

神裂「…」

神裂「今は急ぎましょう、もう一分もありません」

ステイル(……)



神裂「…術式を破壊したら…話しますから」



547 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/24(金) 23:50:46.92 ID:22Dh7IgAO



―――


パラララ…


上条「……」

上条「…う……ん」パチ…
上条「ん……」

上条(ヘリの…中…?)


上条「…!」ムクッ!


土御門「!…起きたかカミやん」

上条「…土御門?俺は…」

土御門「10分くらい意識が無かったんだぜい」

上条「そうか…」

上条(五和にやられちまったのか)


上条「!」


上条「…そ、そうだ!!白井が!白井が刺されて!!」

土御門「落ち着けカミやん、クロにゃんならそこにいるにゃー」

上条「…え?」クル


黒子「…」


土御門「一応、応急処置はしてあるぜよ。まだ心臓もしっかり動いてる」

上条「で、でもずっと意識ないんだろ…このままじゃ…」

土御門「相当な致命傷だが…今から冥土帰しのところへ連れていくからな、数日で復活すると思うぜい」

上条「…そうだな、あの医者チートだもんな」ホッ

上条「…」

上条「……ん?あれ?」

土御門「どうしたカミやん」

上条「なんで俺らヘリの中にいるんだ?」

土御門「もう帰るからだにゃー」

上条「え…」

上条「魔術はどうなったんだ…?俺の右手じゃないと壊せないんだろ!?」

土御門「ああ」

上条「でも俺は10分くらい意識が無かったって…」

上条「ま…まさか…時間切れ!?」


土御門「いや、しっかり時間内に破壊したから大丈夫だ」

土御門「かなりギリギリだったけどにゃー」


551 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/25(土) 00:00:17.11 ID:1QkyUB7AO


上条「え?でも俺…」

土御門「意識のないカミやんを運んできて右手だけ借りたんだ」

土御門「もう世界は元通りになってるから安心するにゃー」


上条「……よかった…」ヘニャ


土御門「……」



土御門「この魔術を仕掛けた人物も判明した」



上条「!……それって」


上条「やっぱり…白井だったのか?」チラ

黒子「…」

土御門「…」


土御門「…今からカミやんが意識を失ってからのことを話すぞ」



553 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/25(土) 01:46:21.96 ID:1QkyUB7AO


―約10分前―


土御門「もう一分もない…!早くしろカミやん!」



神裂「土御門!!」ビュン!!


土御門「!」

土御門「ね、ねーちん!?何しに…」


神裂「…白井さんの髪の毛です」スッ

土御門「!…ねーちんが回収したのか?」パシ


神裂「…もともと持っていました」

土御門「…!」

土御門「…そうか」

神裂「…」

土御門「…」


土御門「とりあえず膜を今から破壊する!膜が消えたらすぐにカミやんの右手を術式に!」バッ

神裂「わかりました!」


土御門「―――」ブツブツ…


カッ!


土御門「uosnugnokusis!」パン!


パアァァ…


土御門「…よし、ねーちん!早くカミやんを!」タラー

神裂「はい!」タタッ


神裂(…みんなに多大な迷惑をかけてしまいました)

神裂(それでも私は…)チラ

上条「…」

神裂(……)



バッ!







パキイィィィィィィイン!!




555 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/25(土) 02:01:00.45 ID:1QkyUB7AO


―小萌宅―

※姫神は遊びにきている

インデックス「やっぱりこもえの家の方が居心地がいいんだよ!」

インデックス「前の家での生活は全然楽しくなかったもん」

姫神「あんな男と。一緒に暮らせば。それは当たり前。」

インデックス「その状況から救ってくれたこもえには感謝してるんだよ!」

小萌「いえいえー、先生は当然のことをしただけですよー?」

インデックス「こもえのおかげで、もうあの男とは二度と会わずにs」




(パキイィィィン…)





インデックス「す…む…かも……?」


インデックス「ぇ……」


インデックス「……」

小萌「……」

姫神「……」



インデックス「あ……ああぁ…い、嫌!!な、なにこれ……私…なんで……!!」

小萌「私…か……上条ちゃんに…なんてこと……」ペタン


姫神(…彼に。直接危害を加えるほどの。出番は私には無かった。)

姫神(……)



結標「……!!!」

結標(う…嘘よ…こんなの嘘…)ガクッ

結標(私が…一方通行達に…笑顔を振りまいて…あんな…)ワナワナ


結標「い…」

結標「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」シュン!



556 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[saga]:2012/08/25(土) 02:17:15.93 ID:1QkyUB7AO


―常盤台中学寮―


御坂「……おそい」

御坂「…遅すぎるわよ黒子!さすがに二日連続で寮官はだませないっての!」ビリッ

御坂(今日は学校も休んだみたいだし…何かあったのかしら)

御坂(だいたい、昨日から様子がおかしいのよね…アイツをやけに庇ったりして)

御坂「!」

御坂「まさか…!アイツに変なことされてるんじゃ…!!」

御坂(あの男ならやりかねないわね…)


御坂「…許せないわアイツ、私の後輩にまで手を出すなんて」グッ


御坂「ただで済むと思うんじゃない…」




(パキイィィィン…!)




御坂「…わ………ょ…」



御坂「…………」


御坂「………ぁ」



ガチャ


寮官「御坂、白井……ってどうした御坂」

御坂「………」

寮官「…御坂?」

御坂「……わ」

御坂「わ…私、どうしよう…」フラ…

寮官「お、おい!」ガシ


御坂「どうしよう゛…アイツに……私…!!うあ…ぁああ…!…どうじたらいいの…!!ねえ!どうしだら!どうしたらぁ!!!」ガシッ


寮官「お、落ち着け御坂!!おい白井、一体何が…」

寮官「!」

寮官(っ…なんで白井がいないんだ!)



御坂「あ゛あぁぁ……!」



558 :まめちち ◆D2SO0nXWPA[sage]:2012/08/25(土) 02:20:40.74 ID:1QkyUB7AO
今日はここまで。また暇ができたら来ます 
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/25(土) 02:34:30.76 ID:hfsAwrNIO

これ御坂は死んで詫びるレベルだろ
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/08/25(土) 02:42:43.23 ID:WIspeAeLo

しかしこの感じだと五和さんなんかもう切腹してしまうんじゃないだろうか
561VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2012/08/25(土) 02:53:19.02 ID:RaS9RiHxo
嫌われるも何も全く接触の無い姫神は幸運なのかなんなのかww
654 : ◆D2SO0nXWPA[sage]:2012/08/31(金) 02:51:23.07 ID:rp8F+WtAO

すごい伸びててびっくりした…期間を空けてしまい申し訳ないです

今日は少し報告があります

それは>>1は受験生であるということ

自業自得なんですけど夏休みかなりサボった分、2月頃まで睡眠時間を削り生活のほとんどを勉強に当てることになってしまいましたorz

クラス平均と300時間くらい総合学習時間が違った\(^o^)/


よって投下がなかなか難しくなります…


でもこのSSをエタる気は1%もないので、一ヶ月に一度くらいの投下にしようと思っています

見放されても仕方ない遅さですが、このスローペースでも読んでくださる方々は今後もよろしくお願いします

できれば受験前に完結させたい…

以上、ご報告でした

次の投下は9月中です

それでは勉強してきます…





681 : ◆D2SO0nXWPA[sage]:2012/08/31(金) 16:32:50.96 ID:rp8F+WtAO

確かにいらないことを書き込んでしまいました、申し訳ないです…

皆さんの言う通り一旦HTML化して受験に集中したいと思います

約半年後にまたスレ立てしますのでその時はよろしくお願いします

意見をくれた方、今まで読んでくれた方々、本当にありがとうございました

ネット環境を完全切断(解約)するので、ここに質問してももう答えることができないのでご了承ください


682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/31(金) 16:33:41.77 ID:RxcguzUIO
期待してる、受験頑張ってね 

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