- ※未完作品
- 4 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 21:39:56.15 ID:lTSxA/As0
- (とあるスーパーの屋上にて)
青ピ「やめさせてもらうわ!」
土御門「どうもありがとうございましたにゃー」
司会者「はい、『ロリっ娘大好きーズ』のお二人、ありがとうございましたー」
司会者「さあ盛り上がってまいりました、本日の学園都市杯争奪・漫才コンテスト!」
司会者「続いては…、エントリーナンバー12番『上条当麻と二人の嫁』さん、どうぞー」
美琴『ア、アイツ!まあどうせつまんないだろうけど、客がいないとかわいそうだから見てあげようかな!』
黒子『おのれ類人猿…思いっきりすべってしまえばいいんですの』
小萌『頑張るのですよー上条ちゃん』
一方通行『ち、くだらねェ… まあクソガキもいねぇし、暇つぶしにはちょうどいいかもなァ』
アックア『上条当麻、お手並み拝見なのである』
エイワス『sufiuifsbui期byibesfi待nuhfm』 - 11 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 22:26:22.52 ID:lTSxA/As0
- ワーパチパチ
上条「どうもー、趣味はスーパーの特売卵ゲット!の上条当麻でーす」
御坂妹「ミサカの検体番号(シリアルナンバー)は10032号です、とミサカは名前も知らない赤の他人に向けて仕方なく自己紹介をします」
上条「ちょ、ちょっと御坂妹、いきなりキツいこと言わないでくれよ、こうやって俺達の漫才をわざわざ見に来てくれてるんだからさ」
御坂妹「それもそうですね、とミサカは相方の素早いフォローに親指を立てます」グッジョブ
上条「お、なんか今日は珍しく素直じゃないか?」
御坂妹「いつまで経っても素直になれないお姉様とは違うのです、とミサカはオリジナルとの出来の違いをアピールします」
上条「確かに……あー、毎日公園で会うのがビリビリじゃなくてお前だったらなあ」
御坂妹「こ、こんな公衆の面前で告白ですか、とミサカは頬を赤らめ恋する乙女を完璧に演じ切ります」
上条「いやいや、演じ切れてねーよ。そもそも告白なんかしたつもりもないんだけどなー」 - 12 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 22:32:26.01 ID:lTSxA/As0
- イン「……」
イン「……ちょっと二人とも、私のことを忘れないで欲しいかも!」プンスカ
上条「おぉわりいわりい、お前もさっさと自己紹介しろよ、インド人」
イン「そうそう、私の名前はインド人っていうんだよ。お腹いっぱいカレーを食べさせてくれると、嬉しいな……って、とーまぁ!」
上条「(……)プッ」
御坂妹「なかなかひどいノリツッコミですね、とミサカは銀髪シスターの笑いのセンスの無さに愕然とします」
イン「そ、そんなことないんだよ!今のは本気を出さなかっただけなんだよ!!」
上条「ほんとかー?じゃあ今度は思う存分本気出していいぞ、イントロクイズ」
イン「はいはいまずは第一問なんだよ。『ハナテ ココロニ キザンダユメヲ~♪』」
御坂妹「それはfripSideのonly my railgunですね、とミサカは名曲の続きを口ずさみます」ミライサエ オキザリニシテ♪
上条「あー、ホント良い曲だよなあレールガンは…ってあれ、横から得体の知れない負のオーラが…?」
イン「とーうーまー」ガブッ
上条「ぎゃあぁぁーーーーーーーー、ちょ、ちょっと何すんだよいきなり」
イン「私のこんしんのボケをスル―するなんてひどいんだよ…とうまのばかばか」
上条「俺は御坂妹に相づちを打っただけなのに……何たる不幸」イテテ
御坂妹「この程度で渾身のボケってどうよ、と言いたいところをミサカは空気を読んでグッとこらえます」
上条「いや、だからこらえきれてねーから」 - 13 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 22:39:47.88 ID:lTSxA/As0
-
イン「ところで、さっきからクールビューティーは何なのかな? 私をそこはかとなくバカにして」
御坂妹「それはせっかく二人漫才で距離を縮めようと思っていたのに、無理やりあなたが入ってきたからです、とミサカは正直に不満をもらします」
イン「とうまは私がついていないとダメなんだよ!」
上条「いやむしろ逆だろ! 俺がいなくなったら即効餓死ですよ、インデックスさんは」
イン「むー!と、とにかく、どっちがとうまの相方にふさわしいか、クイズで勝負するんだよ!」
御坂妹「望むところです、とミサカはこぶしをギュッと握って戦闘体制に入ります」
上条「あのーお二人とも勝手に…俺ら漫才やらないといけないわけでー」
イン「10万3000冊の魔道書を覚えている私に解けないクイズなんて無いんだよ、謝るなら今のうちかも!」
上条「あのーお客さんも見てますよー、ってか魔道書にクイズなんか載ってないだろ…」
御坂妹「では第一問、とミサカはシカトをこきつつ先制攻撃を仕掛けます」
上条「はあ、不幸だ…」
- 16 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 23:44:35.26 ID:lTSxA/As0
-
御坂妹「問題、検体番号16770のミサカは現在どこにいるでしょう?とミサカはいきなりの難問にしてやったりの表情をします」
上条「そんなのインデックスに分かるわけねー!」
イン「な、なかなか良い問題なんだよ…」
御坂妹「回答まで残り3、2、1、とミサカはカウントダウンでプレッシャーをかけます」
イン「あわわわ、えーっと… ろ、ロシア?」
御坂妹「ぶぶー、正解はドイツのシュレスウィヒでしたー、とミサカは腰に腕を当ててえっへんと勝ち誇ります」
上条「勝ち誇るも何も絶対無理だろーが!さすがの上条さんもおかしいと思いますことよ」
イン「むむ…、こ、今度は私の番なんだよ!」フンス
御坂妹「いつでもかかってきなさい、と言いつつミサカは全ミサカにMNW上でスタンバイ指令を出します」ピッ
上条「何ですかその一切ためらいの無いカンニング宣言は!」
- 17 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/18(火) 23:53:24.60 ID:lTSxA/As0
-
イン「(えーと、クールビューティーが分からなそうな問題は…、そうだ、今朝TVで見たカナミンの問題なら!)」
イン「それじゃあ、カナミンの好きな飲み物は?」
上条「こっちも分かるわけな…」
御坂妹「うーむ、とミサカは真剣に考えるフリをしつつ早速MNWに助けを求めます」ニヤリッ
上条「ってそうだカンニングしてるんだったー!」
ミサカ10039号『そんなガキの見る番組知らねーよ、とミサカは冷たく言い放ちます』
ミサカ13577号『今朝は裏番組のワン○ースを見ていたので分かりません、とミサカは10032号の健闘を祈ります』
ミサカ19090号『私はカナミンよりもゲコ太の方が…、とミサカはぐへへへ』
御坂妹「20000体もいるミサカ全員が知らない問題を出すとは…なかなかやりますね、とミサカは苦悶の表情を浮かべます」
上条「カナミンパワーが科学技術に打ち勝った!?これは大ニュースですよ奥さん!」
イン「ふふん、クールビューティーはこんな問題も分からないのかな?」ニンマリ
- 18 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/19(水) 00:05:08.09 ID:WprUG6z/0
-
御坂妹「ぐ、とりあえずここは引きましょう、とミサカはギブアッp…」
??「あーそれなら”きなこ練乳”だよー、ってミサカはミサカはヒーロー気分でMNWに登場してみる!」
御坂妹「これはこれは上位固体、何故知っているんですか、とまさかの救世主の登場に驚きます」
打ち止め「えーとね、カナミンをあの人と一緒に見るのが日曜朝の日課なんだよ、ってミサカはミサカは答えてみたり」
上条「あ、あの一方通行が打ち止めとカナミンを…」
上条「って、マジかマジかよマジですかァー?驚き過ぎて上条さん語尾がおかしくなっちゃいましたよォー?」
ザワザワ
エ、イッポウツウコウッテアノダイイチイノ?
ヨウジョトイッショニカナミンカヨ・・・
ロリコンキモイ
プークスクス
御坂妹「MNWでの会話は周りには聞こえないはずなのですが…、とミサカはSS特有のご都合主義にサラッと触れつつ、ありがとうございますと上位固体に感謝の意を表します」
打ち止め「それじゃー頑張ってね10032号、ってミサカはミサカは両手をぶんぶん!」
- 19 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/19(水) 00:12:44.55 ID:WprUG6z/0
-
御坂妹「…さて、お待たせしました」
イン「やっと諦めがついたのかな?往生際が悪いんだよ!」フフン
御坂妹「いえ、私の勝ちです、とミサカは高らかに勝利を宣言します」
イン「ま、まさか…!」
御坂妹「先ほどのクイズの答えですが、”きなこ練乳”ですね、とミサカは自信満々に答えます」
イン「!! そんな…せ、正解なんだよ…負けちゃったんだよ…」グスン
上条「えーっとですねインデックスさん、実は御坂妹はカンn」
御坂妹「かん、感動したんですね、とミサカは喰い気味に発言することで醜い事実の露見を防ぎます」
上条「もういいや…そうです、わたくし感動で声も出ませんよ…」 - 20 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/19(水) 00:16:35.75 ID:WprUG6z/0
-
イン「でも確かに、クールビューティーはすごいんだね、ちょっと見直したかも」
御坂妹「いえいえ、なかなか白熱したバトルでしたよ、とミサカは正々堂々と戦った後のすがすがしさを全身で表現します」
上条「いやいや、思いっきりズルしてるじゃねーか!」
イン「それじゃあ、これからは仲良くしようね!」
御坂妹「もちろんです、とミサカはお客さんに見せ付けるように固い握手を交わします」ギュッ
上条「うーんなんかよくわかんないけど、とりあえず一件落着ですかね。これでようやく漫才に戻れる…ってあれ、なんか会場の後ろのほうで変な光が」
- 26 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/19(水) 22:16:16.33 ID:WprUG6z/0
-
ゴオオオオオオオ
??「くかきけこかかきくけききこかーーーーーー」
上条「えーっと、なんで一方通行がここに?ってまさか今のやりとり全部聞いてた?」ゾクッ
一方通行「くかか……こンなくだらねェ漫才に俺を巻き込みやがって…どうなるか分かってンだろうなァ、三下ァ?」ゴオオオオオ
上条「あのー、これには海よりも深い事情がありましてですね…」
御坂妹「きゃーこわい、とミサカはあなたの右手を頼りにすかさず後ろに隠れます」サッ
イン「と、とうま、いつもみたいにそげぶで倒して欲しいかも」フルフル
上条「よーし、よよようやく上条さんの出番ですね、いいいいいぜ一方通行、おおおおお前がそのプラズマをぶっぱなせるっていうなら、まままままままずはそのg」
一方通行「全員まとめてあの世で後悔しやがれェェェェェェェェェェ!!!!!!」ズドーン
上条「ふ、不幸だあぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!」
(おわり)
- 32 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/20(木) 21:29:47.00 ID:ltXwQagn0
-
― 一方さんプラズマ騒動(?)から1週間後、とある朝 ―
上条&イン「「いただきまーす(なんだよ)」」
上条「はぁ…メチャクチャになったスーパーの屋上の修理費、締めて50万円也…これはもう不幸を通り越して絶望だ…」カチャカチャ
イン「ねーねーとうま」ムー
上条「ん、なんだインデックス?」
イン「なんだじゃないんだよ!この食卓を見ても、何も思わないのかな?」プンスカ
上条「んー?あぁ、味付けがちょっと濃すぎたか?」
イン「味付けじゃなくてメニュー!昨日も朝ごはんもやしだったよね?最近もやしばっかりで飽きてきたかも!ねースフィンクス?」ムシャムシャ
スフィ「にゃー」パクパク
上条「しょーがねえだろ、これからはもっと切り詰めていかなきゃいけないんだから」
イン「えー、おなかへったおなかへったー」バタバタ
ピンポーン
ピンポピンポピンポーン
イン「あれ、こんな朝早くにお客さんかな?」
上条「お客さん……?ま、まさか、借金の取り立てに来た怖いおにいさん達!?この対応の速さ、恐るべし学園都市…」ブルブル
上条「と、とりあえず居留守、うん居留守だな、おまえもベッドの下に隠れろインデッk」
イン「はいはい今出るんだよー」
上条「あばばばばばばばばばば」
- 34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/09/20(木) 21:41:59.79 ID:5fbeqhR20
- あそこは読者をしっかり付けてからあの形式になったからな
- 35 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/20(木) 23:15:50.83 ID:ltXwQagn0
-
イン「どちら様かな…って、あなたはたしかとうまの学校の…、もとはるだね!」
土御門「お、禁書目録か、カミやんはいるかにゃー?」
イン「いるんだよ、ちょっと待っててね」トウマトウマー
土御門「おーすカミやん」
上条「なーんだ土御門か、おどかすなよ」ホッ
土御門「別におどかすつもりはこれっぽちも無かったぜよ」
上条「はいはい、それで絶賛不幸売出し中の上条さんに、朝っぱらから何か用でございますか?」
土御門「ああ、それなんだが…」
土御門「カミやん、この前の漫才コンテストのトラブルで借金作ったらしいな?」
上条「!! もうそんなに広まってるのか…ってお前も参加してたんだから、そりゃ知ってるか」
土御門「…まあそんなところぜよ、それより大丈夫なのかにゃー?」
上条「あーあーそれはもう、借金→食費削る→空腹、という逆ホップステップジャンプ状態ですよ!」
イン「食費を削る?ちょっとそれは聞き捨てならないんだよ、とうま!」ムキー
土御門「(たしかに…テーブルにはもやし炒めともやしの漬物、それに…もやしジュース?)」
土御門「ま、まぁおちつけカミやん、とりあえずこれを見てみろ」ピラッ
上条「ふん、どうせスーパーの特売チラシかなんかだろ、そんなんで俺を励まそうってんなら、まずはその幻s」
『懲りずに開催!第二回学園都市杯争奪・漫才コンテスト!』
イン「あ、これとうまとクールビューティーと出たやつかも」
上条「なんだ、またやんのか…って俺はもうこりごりだし、パスだパス」
土御門「いやいや、最後まで良く読むんだにゃー」
上条「はいはい、読みゃいいんだろ読みゃ……」
- 36 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/20(木) 23:19:18.43 ID:ltXwQagn0
-
『優勝者には、なんと賞金100万円をプレゼント!』
上条「ひゃ、ひゃくまんえん!?ひゃくまんえんってあの百万円!?」
イン「ねーとうま、ひゃくまんえんって美味しいの?」
土御門「ふふふ…、この前のリベンジと借金返済、まさに一石二鳥ですたい」
上条「これは何たる神のご加護!イギリス清教?ローマ正教?とにかくいろんな神様ありがとう!」
上条「喜べインデックス!もうすぐ焼肉をお腹いっぱい食べさせてやるからな!」
イン「本当?じゃあじゃあ、こもえとあいさも誘って焼肉パーティーにするんだよ!」
上条「おう、何人でも呼んでいいぞ!これで連日のもやし生活からもようやくおさら…」
上条「ば…」
上条「…?」
上条「…。」
上条「って、これ優勝しないと100万円もらえないじゃねーか」
土御門「…気づくの遅すぎるぜよ」
イン「えーなにそれ、パーティーやりたいんだよパーティー」ブーブー
- 37 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/20(木) 23:20:22.26 ID:ltXwQagn0
-
上条「うーん…、優勝となると、笑いのスキルが高い相方が必要だな…」
上条「でもなぁ、御坂妹はちょっと毒舌過ぎたし、イントロクイズは…」チラッ
イン「……」フン
上条「ノリ悪いしなあ」
イン「ち、ちがうもん!とうまのフリになんか、もう乗ってあげないって決めたんだよ!」プンスカ
土御門「(これじゃあ優勝できなくて当然だにゃー)」
上条「なあ土御門、なんか良い手ないか?」
土御門「そこでだカミやん、実はもうすでに超強力な助っ人に話をつけてあるんだぜい」
上条「ホントか?さっすが、持つべきものは友達、恩に着るぜ!」
土御門「いいってことよ、これがソイツの住所だ」ピラッ
上条「おうサンキュー、それじゃ今からさっそく行ってくるわ!留守番頼むぞインデックス」タッタッタ
イン「いってらっしゃいなんだよー」
土御門「(………)」
- 39 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/21(金) 01:20:07.17 ID:z+Y+RHDm0
-
上条「…」
上条「ここかぁ、それにしても随分とデカいマンションだなぁ」
上条「よし」
ピンポーン
??「はいはーい、ちょっと待つじゃん」
ガチャッ
上条「あれ、えーっと、黄泉川先生?」
黄泉川「お前は…、たしか月詠センセんとこの生徒じゃん」
上条「はあ、上条といいます」
黄泉川「で、いきなり来て何の用じゃん?部屋でも間違えたか?」
上条「あ、いえ、僕も何というか、言われるままにここに来たというか…」
黄泉川「言ってる意味がよく分からないじゃん」
アーダコーダ
??「…ったく、朝っぱらからうっせーなァ、やかましィ声でピーチクパーチク喚きやがって」
黄泉川「おお丁度いいとこに来た、こいつ、お前の友達か?」
??「はァ、何言ってやがるンですかァ?俺の友達になるなんつー人間の腐ったツラ、拝んでみてェもんだなァ…」
・・・・・・
「「って」」
上条&一方通行「「お前(ェ)!!!!!!!!!」」
ドンガラガッシャーン
- 40 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/21(金) 01:23:16.55 ID:z+Y+RHDm0
-
打ち止め「なになに、なにが起こっているのー、ってミサカはミサカは大事件の予感にワクワクしてみる!」
芳川「朝から騒々しいわね、どうしたの愛穂」
黄泉川「おー、聞いて驚け二人とも、何とアイツの友達が来てるじゃんよ!」
打ち止め「え、まさかあの人に友達がいたとは!ってミサカはミサカは驚愕の事実に唖然としてみたり」
芳川「あら、一方通行も階段を一つ登ったのね」
打ち止め「でも、階段なら毎日マンションのを登ってるよ?って、ミサカはミサカはちょっぴり疑問…」
黄泉川「桔梗が言ってるのは大人の階段ってことじゃんよ、打ち止め」
打ち止め「そうなの?じゃあミサカも登る~ってミサカはミサカは山登り宣言!!」
一方通行「ご、ごちゃごちゃうっせーンだよォォ!おい三下、とりあえず出ンぞ!」ピッ
上条「お、おう…、って、わわわっ」
(一方通行、上条を無理矢理つかみ能力発動)
ギュオーーーーン
一方通行「(しっかし、面倒なことになっちまったなァ…待てよ、三下がこの家を知ってるってことは…)」
一方通行「(ちっ、土御門のヤロー、めでたくミンチ決定だなァ!)」クカカ
土御門「!へっくしゅん」
青ピ「あれー、つっちーどないしてん?風邪でも引いたんかいな」
土御門「……いや、鼻にゴミが入っただけだにゃー」
青ピ「そかそか、それよかつっちー、次の漫才コンテストのネタどうするんや?」
青ピ「といってもボクぁ黒髪ロリに金髪ポニテ、メガネ巨乳にツンデレヤンデレ巫女さんシスターさん、何でも来いなんやけどな!」
土御門「そうだにゃー、ゲーセン行くついでにネタ作りでもするかにゃー」
青ピ「了解ー!どこまでもお供しまっせー」クルクルー
土御門「(……)」
土御門「(男・土御門元春、魔法名は『Fallere825』。今日も一日一善してしまったぜい…)」
土御門「(頑張れよ、幻想殺し)」キリッ
土御門「(頼むぞ、一方通行)」キリリッ
- 45 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/23(日) 00:46:24.95 ID:uSDkosCz0
- (とある公園)
一方通行「さて…、ここらでもう十分か」ドサッ
上条「はあはあ、お前乱暴すぎんだろ!いきなり人をつかんだと思ったら、音速の世界へようこそ、ってか?」
一方通行「……」
上条「だいたい、こっちの話も聞かずにあれはないだろーが」
一方通行「………」
上条「これだから超能力者(レベル5)は……、ってあれー上条さん風邪も引いてないのになんか寒気が」
一方通行「くかか…、いいぜいいぜェ、無能力者(レベル0)の意気ってのは最高にたまンねェなァ!」
上条「えーっと、一方通行サン?」
一方通行「てめェはこの俺様に文句垂れる前にィ、まずやることがあるンじゃねーかなァァ、あァァァァンン?」
上条「やることって、一体なんのことでせうか?」
一方通行「謝罪だ謝罪ィィィィィ!!!!!!!!」
上条「ん?」
上条「(心当たりを考え中)」ムネニテヲアテ
上条「(……)」
上条「(!!)」
一方通行「……」ニヤリッ
ガバッ
上条「ひいいいいいいいいいいい、すみませんすみませんどうかお許しくださいませぇぇぇ」ゼンリョクドゲザッ
上条「ワタクシにできることでしたら、それはもう何なりとお申し付け下さいませぇぇぇ」ペコペコ
一方通行「ちっ、ようやく思い出しやがったかァ…俺はテメエのせいで、公衆の面前で大恥喰らったンだよクソッタレ」
上条「ごもっともでございます!ですが、どうか!どうか命だけは!」
一方通行「けっ、天下のヒーローがこのザマか、興ざめだなァ」
一方通行「…もういい、見てるこっちまで気分悪くなるから止めろ」
上条「あ、ありがたき幸せ!」ウルウル
- 46 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/23(日) 00:55:39.32 ID:uSDkosCz0
-
一方通行「それで?こンな朝っぱらから訪ねて来やがって、俺の顔が見たかったから、なンつー愉快なことはまさか言わねェよなァ?」
上条「あれ?えーっと、土御門から話聞いてるんじゃないのか?」
一方通行「何言ってんだお前(…やっぱりアイツか、こりゃミンチじゃ足りねえ合挽きミンチだなァ)」
上条「今度の漫才コンテストに、一緒に出てくれるんだろ?」
一方通行「」
一歩通行「は?漫才なんつーもンは、能力のねェクズ御用達のおままごとだろーが」
上条「またまたー、アイツによると相当お笑いにベクトルが向いてるんだってな、見直したぜ一方通行」
一方通行「(ぜんぜんうまくねェし)」
一方通行「とにかく俺は出ねェ、悪ィが他をあたりなァ」ヒラヒラ
上条「ちょ、ちょっと待ってくれよ!俺だって必死なんだって!」
一方通行「おィおィ、漫才ごときに執念燃やすたァ、正義の味方も人助けのし過ぎで頭イカレちまったのかァ?」
上条「ちげーよ、実はあんときのゴタゴタでスーパーの修理費請求されちまってさ」ハア
一方通行「」
上条「もちろん全部俺のせいなんだけどさ、いかんせん上条さんは万年貧乏学生なわけでして…」ガクッ
「」ピクッ
上条「食費を切り詰めようにも、家には幼気なシスターがお腹をすかせて待っているわけでして…」グスン
「」ピクピクッ
上条「そんなときに、第二回の漫才コンテストに賞金が出るって聞いて」ヒックヒック
「」ピクピクピクッ
上条「オマエとだったら、楽しい漫才ができるんじゃねーかなーと…」ニヤリ
一方通行「って、俺を泣き落とそうったってそォはいかねェぞォォォォーーーーー!!!」ベクトルパーンチ
上条「ぎゃあああああーーーーーー!!」
- 47 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/23(日) 01:01:50.31 ID:uSDkosCz0
-
(その後、結局上条の頼みに一方通行が折れ、二人は漫才コンテストに出場することになった)
(しかし、何もかもが正反対な超能力者(レベル5)と無能力者(レベル0)、当然のようにネタ作りは困難を極めた)
(それでも連日遅くまでネタ合わせを重ね、徐々に二人の息も合うように)
打ち止め「最近あの人の帰宅が遅いよね、ってミサカはミサカは過保護なお母さん役を演じてみる」
芳川「確かにそうね、帰ってきたと思ったらすぐにソファに倒れこんで寝る始末だし」
打ち止め「でもでも、なんか前より表情が明るくなったような…、ってミサカはミサカはあの人のわずかな変化も見逃さない!」
黄泉川「それは私も思うじゃんよー、もしかしてこの前うちに来た上条ってやつのおかげか?」
芳川「あの子ならあの後も何度か家に来たわよ、一方通行を迎えに」
黄泉川「ふーん、まあとにかく今度の漫才コンテストが楽しみじゃん?」
打ち止め「え、あの人がヒーローさんと漫才?これは大大大スクープだぜー!って、ミサカはミサカは特ダネ記者に早変わり!」クルリン
芳川「あら、いつの間にそんなことになってるの」
黄泉川「月詠センセに聞いたじゃん、せっかくだからみんなで見に行くか」
打ち止め「いっえーい、応援ツアー大決定!ってミサカはミサカは横断幕作成にそそくさと取り掛かってみたり!」ダッ
(そんなこんなで、コンテスト当日…)
(最強と最弱が交差する時、漫才は始まる…!!)
- 49 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/24(月) 21:53:09.99 ID:1pVR+30L0
-
(やっぱり、とあるスーパーの屋上にて)
司会者「さてさて、幾多のトラブル(?)を乗り越えて、再びやってきました学園都市杯争奪・第二回漫才コンテスト!!」
ワーワー
司会者「今回はなんと! 優勝者には賞金100万円をプレゼント!」
ウオーーーーー
司会者「エントリーは腕自慢の計15組! 果たして誰が栄冠を勝ち取るのか?」
司会者「それではさっそく参りましょう、エントリーナンバー1番『ズラがハマって総仕上げ!』さん、張り切ってどうぞー」
ワーパチパチ
・・・・・・
青ピ「ムサシノ牛乳、飲むのはむさしーのー(難しいのー)」
土御門「(青ピ渾身のダジャレ、き、決まったにゃー…!!)」
ザワザワッ(ナニアレサムーイ)
青ピ「(しめしめ、あまりのオモロさにお客さんもざわついとるでー…これで締めや!)」
青ピ「やめさせてもらうわ!(ほぼ完ぺき…ゆ、優勝やでつっちー!)」
土御門「どうもありがとうございましたにゃー(百万円で舞夏とあんなことやこんなこと…)」
司会者「はい、『ロリっ娘大好きーズ』のお二人、ありがとうございましたー」
司会者「このコンビはなんと唯一の連続出場コンビなんですねー、(ネタはともかく)すごいの一言です」
クスクス
- 50 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/24(月) 21:54:54.13 ID:1pVR+30L0
-
司会者「さて、次がいよいよラストのコンビです! エントリーナンバー15番『幻想通行』さん、お願いしまーす!」
ザワザワ
イン「あ、とうまだー、おにく、おにく♪」
御坂妹「この凸凹コンビはそうそう見れるものではありませんね、とミサカはバイトをサボって見に来た自らの判断は正しかった、と無い胸を張ります」エヘン
美琴「わ、私は屋上でやってるゲコ太ショーを見に来たのよ、そしたら隣でたまたまやってたから見に来てやったんだからね!」ビリビリ
黒子「お姉様…いったい誰に話し掛けているんですの?」
美琴「ふぇ? う、うるさい、ひとり言よひとり言」
黒子「はぁ……また腐れ類人猿ですの」
打ち止め「二人とも頑張ってー!って、ミサカはミサカは手作りの横断幕を力の限り掲げてみる!」ブンブン
芳川「あら、大トリだなんて大丈夫かしら」
黄泉川「さて…、学園都市第一位の本気、見せてもらおうじゃん?」
- 52 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/24(月) 22:27:51.82 ID:1pVR+30L0
-
ワーパチパチ
上条「どうもー、何の取り柄もない、無能力者(レベルゼロ)の上条当麻でーす」
一方通行「おぃおぃ三下ぁ、そんな自己紹介じゃァ、オメエに負けた俺の立場がなィだろーがよォ」
上条「またまたー! 学園都市230万人の頂点、第一位の一方通行様は伊達じゃありませんことよ」
一方通行「そ、そうかァ…?ハッ、オメエも無能力者にしては気ィ利いたこと言えンじゃねェか」
上条「何しろ、ありとあらゆるものの”アレ”を、変換しちゃうんだろ?」
一方通行「くかか…、いいぜ三下ァ、ソイツを今すぐ叫んで、ここにいるクズどもを震え上がらせちまえよ」
上条「任せとけ! …えーっと、ベ、ベイクドポテトだっけ?」
一方通行「ジャガイモにフォークぶっ刺してェ、レンジでチンして塩コショウ、はーい簡単出来上がりィ♪」
一方通行「ってふざけてんのかテメエエエエェェェェエエァァァァァ!!!!!」ズドーン
上条「ぐっはあああぁぁぁぁぁああ」
一方通行「そうかい、そんなに死にてェンなら、もうちょっとばかし力貸してやんよォ」ゴゴゴッ
上条「いえ、ま、まだ死にたくないです…」
一方通行「だったら真面目に答えやがれェ」
上条「ひ、はいいいっ!! た、確かこれでしたよね?」サッ
一方通行「うむ良かろう、これでお主に稽古をつけてやろうかァ……ア?」
一方通行「ってこれベクトルじゃなくて木刀じゃねェかァァァァァァァァ発音良く読んだら聞こえなくもないけどもォォォォォォォ!!!!!」バキューン
上条「ぎょええええええええぇぇぇ」
- 53 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/24(月) 22:31:11.25 ID:1pVR+30L0
-
上条だったもの「」
一方通行「ふう…これでさすがのお前もあの世行きだなァ、仕方ねェから成仏を祈ってやンよ」
上条「お、目つぶって両手合わせて……、木刀の次は黙祷、てか?」ププッ
一方通行「よーしスクラップの時間だぜェェエエエエエェ!!!!!!!」ドカーン
上条「ぎゃあああぁぁぁあぁああああ、ベクトル、ショチトル、てくぱとるうぅぅっ」
海原「ん? 何か聞こえましたが…気のせいでしょうか」
海原「まあいいでしょう、それより任務に集中しなくては」
海原「確かこのあたりに…、あったあった、ゲコ太ショーの時に御坂さんが座っていた席」クンカクンカ
ママーヘンナヒトガイルヨー
コラッミチャイケマセン
上条だった?もの「」
一方通行「けっ、もう止めだ止めだ、こンなヤツと漫才なンかやってらンねェわ」
打ち止め「ちょっと、ヒーローさんが立ち上がらないよ?って、ミサカはミサカは心配してみる」
芳川「あらあら、派手にやってくれたわねえ」
黄泉川「こ、これはあれだ、きっと台本通りじゃん?」アセアセ
一方通行「(さて、ここからどォする…。俺に一人漫才のスキルは皆無だ…クソッタレが)」
- 54 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/24(月) 22:32:30.39 ID:1pVR+30L0
-
バサッ
??「おいおい、騒々しいから来てみたが、随分とまあ派手にやってんじゃねえか、第一位」
- 57 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/25(火) 00:03:16.85 ID:QbRqHM/L0
-
一方通行「テメエ……垣根かァ、何しに来やがった」
垣根「何って、第一位がすっかり落ちぶれちまった姿を目に焼き付けに来た、って所かな」
一方通行「このクソメルヘン野郎……、キチンと遺書は書いてきたンだろうなァ?」
垣根「心配御無用、お前の署名入りでな」
一方通行「」ブチッ
一方通行「……いいねいいねェ、最ッッ高だねェェェェェェェェ!!!!」バサッ
一方通行「テメエのそのきったねェ羽根に、綺麗に穴開けてやるから感謝しなァアァ」
垣根「穴を開ける? …俺の未元物質をナメやがって、さすがにカチンときたわ」
一方通行「そォかよ、それじゃァさっさと開始といこォぜェ…」
一方&垣根「おらああああァァァァァアアあぁあ!!!!!!」ゴゴゴゴゴ
- 58 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/25(火) 00:04:45.65 ID:QbRqHM/L0
-
司会者「あ、あのー」オソルオソル
一方&垣根「」
一方通行「あン? 何だお前」
司会者「あ、あのですね、既に持ち時間を大幅にオーバーしておりまして…このあと参加者の採点と結果発表もありまs」
一方通行「あァン?? ゴチャゴチャうっせーなァ! 優勝なンかもう決まったようなもンだろうがよォ!!??」ギロリ
司会者「ひっ」ブルブル
一方通行「分かったらさっさと賞金、よこしやがれェ」
司会者「は、はいいぃっ」パサ
一方通行「…オイ垣根」
垣根「なんだ第一位、優勝のお祝いでもして欲しいのか?」カカッ
一歩通行「そンなンじゃねェ。ここは人が多すぎる、場所を変えて再戦と行こォぜ」
垣根「さすがは心優しい第一位だ、虫唾が走るぜ」
一方通行「うるせェくそッたれ」
垣根「んで、どこに移動するんだ?」
一方通行「…ちょうどここに100万ある、これでハワイ行きのファーストクラスにでも乗るかァ」
垣根「そりゃあ名案だ、お前も死ぬ前にバカンスの一つや二つ、したいってもんだよなあ?」
一方通行「あの世で後悔すンのはテメエのほうだ、メルヘン野郎」
垣根「心配するな。自覚はある」
バサバサッ
- 59 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/25(火) 00:06:36.72 ID:QbRqHM/L0
-
司会者「………」ボー
ザワザワ
ナニイマノ、イリュージョンカナニカ?
フタリトモハネハエテタヨ
司会者「!」ハッ
司会者「えー、というわけで本日の漫才コンテストはこれにて終了となりまーす」
司会者「皆様のまたの参加を心よりお待ちして…って、ひえっ!!」
上条だった?もの「」ムクッ
上条「ぐ、さっきの一撃は効いたな…さすがの上条さんもまだ足元がフラフラするぜ…」
上条「って、あれ一方通行? どこ行ったんだー?」
司会者「そ、それが、かくかくしかじか……」
上条「…」
上条「……」
上条「り、理不尽だアアアアアアアーーーーーー!!!!!!!」
(おわり)
- 62 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:02:34.15 ID:X+2Zkeqt0
-
(とある日曜の朝)
チュンチュン
ガサゴソ
バタバタ
イン「……むにゃむにゃ、何かうるさいんだよ」ガバッ
上条「わりいわりい、起こしちまったかインデックス」
イン「とうま、今日は日曜日という貴重な休みの日なんだよ? たまにはゆっくり寝ていたいかも」
上条「(…お前は365日休みだろーが)」
イン「で、とうまは何でこんなに早起きなのかな?」
上条「ん? 昨日ちゃんと伝えておいたような…、今日からバイト行くって」
イン「そういえばそうだったかも…、あまりの空腹で忘れてたんだよ」
上条「それ、完全記憶能力の持ち主が言っていい言葉かよ!」
イン「それよりバイト先は何のお店なの? おにく?けーき?」
上条「あーファミレスだ、ほら俺達も何度か行ったことあるだろ、駅前の」
イン「ファミレスって、あの色んなごはんが食べれるところ? ……さてはとうま、空腹に震える少女をさしおいて、一人でたらふくご飯を食べようという魂胆なんだね?」ムキー
上条「ちげーよ! そもそもバイト始めなきゃいけなくなったのは、誰のせいだと思ってんだ!」
イン「えーっと、誰のせいなのかな?」
上条「居候の誰かさんが、大食いしか能のない穀潰しシスターだからじゃねーか!」
イン「む、それは聞き捨てならないかも! 私にだってできることはたくさんあるんだよ!」
上条「それじゃー、上条さんの抱える借金50万円、何とかしてくださいよ」
イン「それはムリかも」
上条「って、即答速攻大否定!?」
イン「その代わりに、あとで様子を見に行ってあげるんだよ!」
上条「あーさいですか、どうぞご自由に……はぁ、それじゃー行ってくるわー」ガチャッ
イン「あ、とうま!!」
上条「お、なんだインデックス、さてはバイト初日で緊張している上条さんを、励ましてくr」
イン「朝ご飯はどこにあるのかな?」
上条「期待した俺がバカだった……」バタン
- 63 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:15:08.32 ID:X+2Zkeqt0
-
(駅前のとあるファミレス)
店長「えーみんなちょっと注目―」ニコニコ
店長「……というわけで、今日からホールに入ってもらうことになった、新人の上条君だ」
上条「上条です、どうぞよろしくお願いします」ペコリ
店長「それから奥のテーブルにいる彼女が君の指導係だ、下についていろいろ勉強するように」
上条「分かりました、後で挨拶してきます」
店長「それじゃあしっかり頼むよ、上条君」ニコニコ
上条「はい、頑張ります!」
上条「(なんか良い人オーラ全開の人だな)」
上条「さーて、記念すべきバイト初日、上条さん張り切っちゃいますよっと」スタスタ
上条「まずは挨拶挨拶……、ってよく見たら結構若い女のコだな、しかもどっかで見たことあるような…」
上条「まぁいいか、すみませーん」
上条「あのー、今日から入りました上条当麻です、よろしくお願いしまー」
上条「す?」
- 64 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:17:09.31 ID:X+2Zkeqt0
-
??「あらあら、初対面の相手に随分とフランクな新人さんですね、とミサカは皮肉を込めて返答します」
- 65 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:18:35.30 ID:X+2Zkeqt0
-
上条「って、お前、御坂妹じゃねーか! 何やってんだこんなところで!」
御坂妹「バイト先の先輩に向かってお前はねーだろ、とミサカは若者の日本語の乱れに警笛を鳴らします」プー
上条「警笛じゃなくて警鐘な、つーかホントに鳴らすなよ! ここ店内だから客いるから!」
御坂妹「それで、何から教えましょうか?、とミサカは先輩キャラを継続しつつ問いかけます」
上条「その前にだな、そもそも何でお前がここで働いてんだ? つーか年齢が…」
御坂妹「ミサカは実年齢は0歳ですが外見年齢は14歳です、もはや年齢なんてどうにでもいじれるんですよ、とミサカは世の中のグラビアアイドルを一瞬で敵に回します」
上条「もういいや……で、働き始めたのはいつなんだ?」
御坂妹「ほんの数週間前ですよ、とミサカは簡潔に答えます」
上条「そのバイト歴で指導係って、大丈夫かこの店…」
御坂妹「実はとある事情でバイトをサボってしまったことへのペナルティなのです、とミサカは遠回しにあなたのせいなのですよと訴えかけます」
上条「ちょちょちょっと、良く分かんないんですけどっ!」
御坂妹「ですが、バイトをしているのはミサカ自身の意思によるものです、とミサカは言い切ります」
御坂妹「あなたが抱えている借金、その責任の一端はミサカにもあるのです、とミサカはせめてもの罪滅ぼしでバイトをしている事実を率直に告げます」
上条「なんだそうだったのか…、心配かけて悪いな、御坂妹」ギュッ
御坂妹「! い、いえ…あなたにはこれまでも随分とお世話になりましたし、今度はミサカが力になる番です、とミサカは頬を赤らめつつ強い決意を示します」
上条「そうか、サンキューな! 今日から一緒に頑張ろうぜ」ダキッ
御坂妹「(……無自覚とは恐ろしいものなのですねと思いつつも、ミサカはこの一瞬をもう少しだけ堪能します…)」
御坂妹「(おっと忘れるところでした、とミサカは)」ピッ
- 66 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:20:45.93 ID:X+2Zkeqt0
-
上条「(よーし、御坂妹のサポートのおかげで、ホールの仕事にも大分慣れてきたな)」テキパキ
上条「(お昼時のピークも越えて、お客さんの入りも落ち着いてきたし)」
上条「(ここらでちょっと一息つきますかー)」フウ
- 67 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:22:51.75 ID:X+2Zkeqt0
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カランコローン
エアロスミスー
上条「いらっしゃいませ、何名様ですかー?」
??「胃袋の大きさだと20名様、ってとこかにゃー」
上条「はいはい20名様ですね少々お待ち……って、土御門ぉお?」
土御門「おーすカミやん、冷やかしに来てやったぜい」
上条「…そういうのは間に合ってますことよ、それより何でこの店だって分かったんだ? お前にバイトの場所までは伝えてなかったような」
土御門「あー、それはだにゃー」チラッ
上条「あー、そういうこと」チラッ
イン「とうま、やくそくどおり遊びに来てあげたんだよ!」フフン
- 68 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/26(水) 22:25:26.13 ID:X+2Zkeqt0
-
上条「まぁいいか、んで注文は何にするんだ? さすがに冷やかしだけで帰る、とは言わせませんことよ」
土御門「そんじゃ、オレはアイスティーで」
イン「うーんと私は……、この ”ざるそば” っていうやつが食べたいかも!」
上条「はーいそれではご注文繰り返しまーす、アイスティー1つとざるそば1つ…1つ?ん?」
上条「!!」
上条「(……)」キョロキョロ
上条「(……)」ミガマエル
土御門「か、カミやん、どうかしたか?」
上条「あのインデックスの注文がざるそば1つだけだなんて…、おかしい、おかしすぎる!」
上条「さては魔術師だな、土御門!? ちくしょーアイツら、懲りずに学園都市に侵入してきやがって…」
土御門「」
上条「隠れてないで出てきやがれ! いいぜ、お前たちがインデックスを自由にできるってんなら、まz」
イン「とーーうーーまーーーー」ガブッ
上条「ぎゃあああぁぁあああ! 何しやがるんですかインデックスさん!?」
イン「とうまの厨二病には呆れるんだよ、もう」ハア
土御門「…魔術でもなんでもないぜよ、何せここが5軒目なんだ、さすがの禁書目録も満腹寸前だにゃー」
イン「もとはるがいろいろ連れて行ってくれたんだよ! とうまとは大違いかも」
上条「なんだそういうことか、良かった良かった」
土御門「…こちとらちっとも良くないぜよ」サイフスッカラカ
- 71 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 22:56:07.19 ID:TNm1yyIM0
-
カランコローン
エアロスミスー
上条「いらっしゃいませー…って、一方通行じゃねーか、おっ打ち止めも一緒か」
打ち止め「あ、ヒーローさんこんにちは、ってミサカはミサカはきちんと挨拶ができる良い子!」
上条「よしよし良い子だな、昼飯でも食べにきたのか?」
打ち止め「ううん、お昼ご飯もそうだけど、今日はヒーローさんに会いに来たの、ってミサカはミサカはミッション達成をここに報告いたします!」イエッサー
上条「それは嬉しいな…、って、何で俺がここで働いてるって分かったんだ?」
打ち止め「それはね、今朝10032号からMNWに報告があったの、って妹達の仕事っぷりに感心してみる」
上条「お、恐るべしミサカネットワーク…」
- 72 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 22:59:14.55 ID:TNm1yyIM0
-
一方通行「…オィ、ごちゃごちゃうっせーぞ、さっさと席案内しろ、三下ァ」
上条「わりぃわりぃ一方通行、って…あれ?」
一方通行「なンだァ? 俺がこンなチンケな店に来るのが、そンなに滑稽なンですかァ?」
打ち止め「またまたー、ここのコーヒー結構気に入っているくせにー、ってミサカはミサカはツンデレ白もやしに代わってファミレスの頑張りを褒めてみる!」
一方通行「チッ、余計なこと口走ってンじゃねェよクソガキ、それに俺は白もやしなンかじゃねェ」
上条「ツンデレは否定しないのかよ!」
上条「えーっとそういうことじゃなくて……、一方通行、何か肌黒くなってないか? お前反射で日焼けとかしないんじゃねーの?」
一方通行「」ギクッ
一方通行「(い、言えねェ……コンテストの賞金でハワイを満喫してきただなンて、とても言えねェ)」
一方通行「あ、あァ、ちょっと体調悪くてなァ、紫外線の反射が不十分ってワケだ」ゴホゴホッ
上条「? そうか、まあ安静にしとけよ」
打ち止め「あ、ミサカはあそこの席に決ーめたっ! ってミサカはミサカは猛ダーッシュッ」タタタッ
上条「はいはい2名様ご案内でーす、一方通行、あとよろしくな」
一方通行「…おォ」
- 73 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 23:11:01.34 ID:TNm1yyIM0
-
ミサカハマドギワー
ヨッコラセ
一方通行「あぁだりィ…、ン? お前は確か…」
イン「あ、ずいぶん前にハンバーガーをおごってくれた人だね? そういえば、この前はとうまと漫才をやっていたけど、とうまの知り合い?」
一方通行「あァ、そンなところだァ」
一方通行「!!」
一方通行「おォ、土御門じゃねェかァ、久しぶりだなァ」ニター
土御門「一方通行か、まさかお前とファミレスの向かい席で会うとはな」キリッ
打ち止め「あれ、この金髪サングラスとも知り合いなの?、ってミサカはミサカはあなたの交友関係の広さに驚いてみたり」
一方通行「あァ、仲が良すぎて言いたィことがたくさンあってなァ…」ニヤリ
土御門「? お前にしては随分珍しい口ぶりだな」
一方通行「ところで、俺ァ今ハンバーグが死ぬほど食いてェンだけどよォ、一緒に作らねェかァ?」クカカ
土御門「それならわざわざ作らなくても、ここで注文すればいいだろうが」
一方通行「それがよォ、どォしても合挽きミンチにしなきゃいけねェヤツがいるンだわ」ゴゴゴ…
土御門「そ、それはいったいどこのどいつだ?」ヤナヨカン
一方通行「くかか……、それはだなァ」
一方通行「この俺をくだらねェコンテストに巻き込みやがった、金髪シスコン野郎だよォォォォオオ!!!!!」バッ
土御門「よ、用事思い出したにゃーーーーーーーー!!!!!!!」ダーーッシュ
- 74 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 23:13:42.66 ID:TNm1yyIM0
-
一方通行「…けっ、まァミンチは次のお楽しみってのもいいかもなァ」
上条「お待たせしました、アイスティーになりまーす……ってあれ、土御門は?」
イン「なんか用事があるみたいで、帰っちゃったんだよ」
上条「冷やかしどころか食い逃げかよ! 土御門のヤロー…」
打ち止め「正確には食べていないから食い逃げとは言わないけどね、ってミサカはミサカは細かすぎて伝わらないツッコミを入れてみる」ヴェーヴェーヴェー
一方通行「あー心配すンな、そっちの大食いシスターとシスコン野郎の分も払ってやるから」メンドクセ
上条「こ、これが世にいうセレブの余裕ってやつですかぁ!?」
イン「ちょっと! 私は大食いシスターじゃないんだよ、インデックスっていう名前がちゃんとあるんだよ!」
一方通行「はィはィ、そォですかァ」ヒラヒラ
イン「な、なんなのかな、その気のない返事は?」
一方通行「いちいち噛み付くなァ、クソガキが」
イン「だから、クソガキじゃなくてインデックス! い・ん・で・っ・く・す!」
一方通行「あーうぜェ……お前は違うテーブルだろーが、さっさと戻りやがれェ」
イン「ふん、言われなくてもそうするんだよ!」プンスカ
一方通行「ハァ……」グッタリ
- 75 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 23:17:03.15 ID:TNm1yyIM0
-
御坂妹「失礼します」ニョキッ
御坂妹「お冷をお持ちしました、とミサカは誰かさんとは違って店員としての仕事に集中します」
上条「」グサッ
打ち止め「あ、10032号だー、お仕事お疲れ様!、ってミサカはミサカはウェイトレスさんの労をねぎらってみる!」
御坂妹「これはこれは上位個体、やはり来たんですね……おや、一方通行も一緒ですか、とミサカはコップを2つテーブルに置きます」
一方通行「……おォ」
上条「え、えーっと、二人とも、注文どうすんだ?」
一方通行「コーヒー、ブラック」
打ち止め「うーんとえーっと…、じゃあこのチーズケーキセットにする!って、ミサカはミサカは今流行りのスイーツ女子を気取ってみたり!」
御坂妹「お目が高いですねお客様、当店のチーズケーキは数々のグルメ雑誌に掲載されるほどの絶品なんですよ、とミサカは接客マニュアルを棒読みしたい衝動に駆られるも、グッとこらえます」グッ
上条「今のを世間では棒読みと言うんだが…」
- 76 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 23:18:56.71 ID:TNm1yyIM0
-
一方通行「けっ、たかがファミレスの冷凍ケーキじゃねェか」
打ち止め「ケーキといえば、あなたのハワイ土産のケーキもすっごくおいしかったよ、ってミサカはミサカは」
上条「」ピクッ
上条「ハワイ……賞金……100万円……」ハア
打ち止め「あれれ、まさかのKY発言だったかも、ってミサカはミサカはK(かなり)Y(ヤバい)と思ってみるんだけど…」
上条「借金……節約……空腹……」グスン
御坂妹「(KY発言のあとにさっそくKanariYabaiとか言っちゃうあたり…)」
一方通行「(相変わらず、言葉選びのヘタなガキだァ)」
- 77 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/27(木) 23:21:34.29 ID:TNm1yyIM0
-
一方通行「仕方ねェなァ…、ほらよ三下、もらっとけ」ポイッ
上条「ん、なんだこれ?」
一方通行「なんでも、幸せを呼ぶ原石とかでハワイでは有名なンだとよ、持っとけばちったァお前の不幸もおさまンだろォ」
打ち止め「わー、すごい綺麗な石だね、ってミサカはミサカはあなたのお土産センスを見直してみたりー」
御坂妹「ちなみに、この石の花言葉ならぬ石言葉は“信念と勇気”だそうです、とミサカは学習装置(テスタメント)からの知識を控え目にひけらかします」
一方通行「ひけらかしてる時点で控え目じゃねェよ」
上条「にしてもこの石の色、すごい赤だな……真紅ってやつか?」
御坂妹「まるでどこぞの白モヤシの瞳のようですね、とミサカは自らの比喩を自画自賛します」
一方通行「……オメエの血液を逆流させて、全身真っ赤なオブジェにしてやろゥかァ?」
打ち止め「ちょっと二人ともケンカしないでー、ってミサカはミサカは小悪魔的上目遣いでお願いしてみるっ」ウルウル
一方通行「チッ、なーにが小悪魔だァ」チョーップ
イタイヨーッテミサカハミサカハ
上条「と、とにかくありがとうな一方通行、大事にするわ」
一方通行「…好きにしろォ」
ムネポケットニポイ
- 79 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/28(金) 01:01:50.63 ID:FrVxi2ax0
-
ピンポーン
ピンポーン
上条「お、わりぃ注文入ったみたいだ、それじゃ料理来るまでもう少し待っててなー」
御坂妹「ミサカも失礼します、とミサカはそそくさと6番テーブルに向かいます」
打ち止め「うん、お仕事頑張ってねー、ってミサカはミサカは2人の健闘を祈ってみる!」
- 80 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/28(金) 01:06:47.81 ID:FrVxi2ax0
-
スタスタ
上条「お待たせしました、コーヒーとチーズケーキセットになりまーす」
打ち止め「いっただっきまーす」カチャカチャ
イン「チーズケーキの良いにおいがするんだよ…、す、すごくそそられるかも」
打ち止め「えへへ、これはミサカのケーキなのだー!、ってミサカはミサカは所有権を高らかに宣言してみたり!」
一方通行「…」ズズー
上条「ざるそばでーす」
イン「ふふふん♪ ふふふん♪ ふっふっふーん♪」
イン「なるほど、ざるそばというものはこのつゆにつけて食べるんだね!」ズルズル
打ち止め「うー、ミサカもズルズルしたいーっ!って、ミサカはミサカは地団駄を踏んでみる!」
一方通行「…」ズズー
イン「む! このわさびやゴマ、ねぎといった薬味を入れることで、何通りにも味を変化させることができるとは…、素晴らしきかなジャパニーズフードなんだよ!」
イン「ねぇねぇ、そこの七味とーがらしってやつを、取ってほしいかも」
「」カチン
一方通行「って、いつの間にこの騒音シスターと相席になってやがるンですかァアア????」
上条「ま、まぁまぁ落ち着いてくれよ。店内もだんだん混んできててさ、すまんすまん」
イン「ねー、とーがらしー」プンスカ
一方通行「…やっぱうぜェ」
- 81 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/28(金) 01:08:12.99 ID:FrVxi2ax0
-
打ち止め「ごちそうさまでしたー、ってミサカはミサカはペコリとお辞儀をしてみる」
イン「じゃあねとうまー、夜ご飯までには帰って来てねー」
上条「もう晩メシの心配かよ!? どんだけ食うんだお前は」
イン「ふん、女の子は腹八分目っていうんだよ、知らないのかな?」
一方通行「……まァあれだな、いろいろ頑張れよ、三下ァ」
カランコローン
アリガトウゴザイマシター
- 89 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:00:39.25 ID:vWPAmTWt0
-
(夕方になり)
バイト「あー上条くん、そろそろ休憩入っていいよ」
上条「あ、はい、ありがとうございます」スタスタ
上条「ふう、やっぱり立ちっぱなしは疲れるよな…、えーっと、休憩室はここか」
上条「失礼しま…ん? 中から何か聞こえて来るぞ?」
- 90 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:18:54.45 ID:vWPAmTWt0
-
御坂妹『そ、そんな太くて長いものを入れるんですか?と、ミサカは…』
店長『いいじゃないか、君だって本当は大好物なんだろう?』
御坂妹『そんな…恥ずかしいです…』
店長『それにほら、時間かけ過ぎちゃったから、こんなに硬くなってきてるよ?』
御坂妹『うぅ…』
店長『じゃあ、そろそろ入れようか』
御坂妹『そんなに大きいものを入れたら、溢れちゃいますよ…と、ミサカは何とか軌道修正を…』
店長『大丈夫、優しくするから…』
- 91 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:19:57.72 ID:vWPAmTWt0
-
御坂妹『あぁ!入ってしまいました…』
店長『も、もっと強くした方がいいかな?』グッ
御坂妹『そんなに強くすると、とけてしまいそうです…あぁあ』
店長『そろそろ出そうだ…、ほら』
御坂妹『し、白いものがこんなに…とミサカは』
店長『僕は、き、君に味見してほしい』
御坂妹『店長がそうおっしゃるのなら…、とミサカは舌を出しt』
上条「ぅうわあああああああああああーーーーーーーーーーーー!!!!!!」ドアブチヤブル
- 92 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:22:57.02 ID:vWPAmTWt0
-
上条「だだだ大丈夫か、御坂妹? 何も知らないのをいいことに、無理矢理されたんだな可愛そうに」
上条「このクソ野郎、朝から妙に良い人オーラ振りまいてて、怪しいと思ってたんだ……、テメエだけは絶対許さねぇ、ぶっ殺」
御坂妹「……何をそんなに取り乱しているのですか、とミサカはあまりの温度差についていけず一歩後ずさりします」スッ
店長「ど、どうしたんだね上条君? 何かお客様とトラブルでもあったのかい?」シンパイソウ
上条「って、え?」
上条「え?え? 店長がパワハラで御坂妹を無理矢理…って展開じゃないんでせうか?」
上条「にしても何ですか? この目の前にある鍋と、部屋にただよう良い香りは?」
店長「あーこれはだね、夏の新作でメニュー化予定のカレーを、一緒に作っていたんだよ」ニコニコ
上条「……今なんと?」
- 93 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:24:42.08 ID:vWPAmTWt0
-
上条「……えーっと……現在の状況を演算演算……」
上条「いやいやおかしい! 太くて長いものを入れるって!」
御坂妹「人参です」
上条「時間かけ過ぎて、硬くなっちゃったんだろ!」
御坂妹「牛肉を煮過ぎたんですね…」
上条「大きいものを入れたら溢れちゃうんじゃないの!?」
御坂妹「さすがに3Lサイズのじゃがいもを何個も入れたら、鍋から溢れてしまいます」
上条「つ、強くするととけてしまいそう…」
御坂妹「強火にすると、玉ねぎがとけてしまうので注意」
上条「白いものが出t」
御坂妹「灰汁と書いて”あく”と読むのですよ、ご存知でしたか?」
上条「うぅっ……味見ぃ」
御坂妹「なかなかの美味でした、とミサカは親指を立てます」グッジョブ
上条「K.O.」
- 94 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/09/29(土) 21:26:38.76 ID:vWPAmTWt0
-
上条「…あ、圧縮ゥ! この気まずい空気を圧縮圧縮ゥゥッ!!」
御坂妹「ミ、ミサカは気にしていませんよ、と精一杯のフォローに全力を注ぎます」
店長「ま、まあ、バイト初日で気が張っていたんだよね、ゆっくり休憩しておくれ」
上条「あ、ありがとうございます……そして心からごめんなさい……」
店長「良いから良いから。それじゃ、僕はキッチンに戻るとするよ」スッ
上条「はい、お疲れ様です…」
上条「はぁ…何かどっと疲れたわ、とりあえずソファに横になt」
コンコン
上条「はーい?」ガチャッ
バイト「あぁいたいた上条くん、そろそろ休憩終わりね、奥の4番テーブルさんのオーダーよろしく~」
上条「ふ、不幸だ……」
- 99 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:02:38.89 ID:HpYBY3ea0
-
上条「はあーー……やっと上がりの時間だ、朝から長かったなぁ」
御坂妹「それでは、一緒にタイムカードを押しに行きましょう、とミサカは本日最後の先輩風を吹かします」
- 100 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:03:24.55 ID:HpYBY3ea0
-
カランコローン
店長「いらっしゃいませー、何名様でしょうか?」
??「あー、オレら、メシ食いに来たんじゃないんだわ」
店長「はい? えーっとそれはどういうことでしょうか…」
??「こういうことでぇーす」ボウッ
ズドーーーーーーーーン
- 101 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:05:06.87 ID:HpYBY3ea0
-
上条「!」
御坂妹「!」
(黒焦げになるレジカウンター)
キャーキャー
強盗B「ギャハハ、しばらくおしゃべりは無しの方向でお願いしようかなぁー?」
強盗B「少しでも逆らったら、あのレジみたく真っ黒になるんでぇ、そこんとこ理解よろしくー」
上条「(あれは……発火能力(パイロキネシス)? ちくしょうあの威力、レベル3はあるぞ)」
強盗C「おい、分かったらとっととシャッター閉めろ!」
店長「は、はいぃぃっ」
強盗C「それからそこの店員、店の窓とカーテンを閉めやがれ、一つ残らずだ」
強盗B「明かりも落としてもらっちゃおっかなー」ククク
上条「く、くそ…」
御坂妹「(ここは素直に従う姿勢を見せたうえで、相手の情報を集めつつスキをうかがいましょう、とミサカは冷静な対処を提案します)」
上条「(くっ……)」
- 102 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:07:48.12 ID:HpYBY3ea0
-
強盗A「さて……」
強盗A「食事をお楽しみ中の皆さん、料理と一緒に今の状況も飲み込んでくれたかな?」
強盗A「分かったら、全員一箇所に集まれ。もちろん、携帯電話は渡してもらう」
シーン……
強盗B「おいテメエら、さっさと移動しやがれえぇ!!」ボウッ
ズドーーーーーーーーン
客「「「ひ、ひええぇええ!!」」」ダッ
強盗C「ぎゃはは、こりゃたまんねーなー」
上条「(ふ、ふざけやがって…!)」
- 103 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:10:40.50 ID:HpYBY3ea0
-
強盗C「これで全部みたいだな」
強盗A「客と店員合わせて20人ってとこか……さて、忠告しておく。俺達は別に危害を加えるつもりなんざない。目的を達成したら、他には何もせず立ち去ることを約束してやる。ただし……」
バイト「!!!」ダダダッ
強盗A「…」フッ
バイト「????」
ボキッ
バイト「ご、ごはあああぁぁぁ!!!」
強盗A「抵抗するなら、こっちもそれなりの措置はとるがな」ニヤッ
御坂妹「(今の…見ましたか?、とミサカは小声で確認をとります)」
上条「(あぁ…アイツの背後からうまく店員が近づいたと思ったら、姿が一瞬消えて、別の所から腕が出てきた。光学操作系の能力か…?)」
強盗B「痛い目に会いたくなかったら、おとなしくしてた方が身のためだぜぇ?」ヘラヘラ
- 104 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:12:13.45 ID:HpYBY3ea0
-
強盗A「よし、とっとと本題に入ろう、この店の店長はどいつだ」
………
…………
店長「わ、私だ」スクッ
強盗A「そうだ、素直に従うのがお前の身のためにもなる」
店長「……」
強盗A「では、俺を金庫まで案内しろ」
店長「な、何のことだ?」
強盗A「もう一度だけ言う、俺を金庫まで案内しろ」
店長「だから何のことだと言t」
強盗B「あーん?」イラッ
- 105 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:13:52.09 ID:HpYBY3ea0
-
バキイイッ
店長「ぐわゎあああぁあああーーーーーーー」ザザザザ
強盗B「はいいっちょあがりー」
強盗C「おーっと!」キュイン
店長「がはあぁっっっ」ドーーーーン
強盗B「チッ、何しやがってんだテメエ、こんなヤツさっさと殺しちまおうぜ」
強盗C「おいおい、コイツに寝んねしてもらっちゃあ、困るだろ」フワッ
御坂妹「(吹き飛ばされた店長の衝撃を、何か空気の膜のようなもので抑え込みましたね…)」
上条「(こっちは大気系能力…さしずめ、風力使い(エアロシューター)ってとこか)」
上条「(ちくしょう、随分とやっかいな強盗団だぜ…)」
強盗B「にしても、愉快な店長さんだなぁ、アヒャヒャ」
強盗A「……調べはもうついてんだ、無駄な手間は省かせてもらいたいんだがなあ」
強盗C「知ってんだぜー? 今日が月に一度の売上金回収の日だってこと」
店長「ぐっ…!」
上条「(そういうことか…!)」
強盗A「そして、金庫には暗証番号と指紋の二重セキュリティが施されていることも、な」
店長「……」
強盗B「さぁさぁ、分かったら黙ってガイドしやがれっつってんだ」イライラ
強盗A「繰り返すが、抵抗しなければ危害は加えない。テメエは大人しく従うんだな」
店長「く、くそ…!」
- 106 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:15:15.72 ID:HpYBY3ea0
-
御坂妹「(やるならスキだらけの今しかないのでは、とミサカは腹を括ります)」
上条「(そうだな、作戦ならある)」
御坂妹「(というと?)」
上条「(いいか、見たところあいつら3人とも自分の能力にあぐらをかいて、身体は大して鍛えてないタイプだ)」
上条「(能力は俺の右手で消せる、ケンカ勝負に持ち込めばこっちにだって勝機はある)」
御坂妹「(では、どうやって)」
上条「(いいか、まず俺が空気使いをやっつける、一番攻撃力が無さそうだからな)」
上条「(次にあのキレやすい発火能力者だ……あいつの炎程度なら問題ない、こっちはしょっちゅう超能力者(レベル5)の電撃くらってんだからな)」
御坂妹「(ミサカは何をすれば?)」
上条「(お前はその間、光学操作系の能力者が苦手な電磁波を出して演算を妨害、時間を稼いでくれ)」
上条「(その後、俺がカタをつける、店長を頼むぞ)」
御坂妹「(了解しました、とミサカは不謹慎だとは思いつつも初めての共同作業に胸を躍らせます)」
上条「(よし、3つ数えたら行動開始だ……!)」
- 107 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:16:31.70 ID:HpYBY3ea0
-
3、
- 108 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:17:11.16 ID:HpYBY3ea0
-
2、
- 109 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/01(月) 22:19:36.84 ID:HpYBY3ea0
-
1、
- 110 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:04:14.26 ID:KVVCIyLi0
-
??「――や、やめなよ!」
上条&御坂妹「(!!!)」
- 111 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:06:15.65 ID:KVVCIyLi0
-
強盗C「あん?何だテメエ……って、子供じゃねーか」
上条「(な、何やってんだあの馬鹿!!)」
男の子「ひ、ひ、人のものを取るのは、よくない…と思う」
強盗B「はいはい、チビッ子は隅でだまってまちょーねー」ケラケラ
男の子「人をぶったり、ケガさせるのも、わ、悪いことなんだよ!」
強盗B「チッ、ガキが調子こいてんじゃねーぞ、いい加減にしねぇと痛い目に遭んぞコラ」イラッ
男の子「おまえなんか……、お、おまえなんか、ぼくがやっつけてやる!」
強盗B「」ブチッ
強盗B「あーあーもう我慢ならねぇ」
強盗C「お、おい?」
強盗B「俺ぁ、生意気なガキってのがよー」
男の子「…?」
上条「(ま、まずっ!?)」
強盗B「世界で一番嫌いなんだよなぁぁああああああ!!!!????」ガバッ
- 112 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:09:12.59 ID:KVVCIyLi0
-
上条「(あ、あいつ子供相手に能力使うつもりかよ!)」
上条「(くそ、とにかくあの子を……とりあえず右手で炎を消せれば……!)」ダッ
強盗B「悪ぃがサヨナラだ、後悔しても遅いぜぇぇぇええええええ!!!!!!!!!」キラッ
御坂妹「(あ、あれは!!)」
御坂妹「行ってはいけません、とミサカは…!」
上条「おらああああああああああああああああ!!」
上条「(よし、間に合った! これで炎は――)」
- 113 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:11:30.74 ID:KVVCIyLi0
-
パーーーーン
- 114 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:12:29.45 ID:KVVCIyLi0
-
上条「――――?」
御坂妹「……!!」
- 115 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:16:06.37 ID:KVVCIyLi0
-
バタッ
キャーーーーーーーーーー
強盗B「あらあら、こりゃとんだゲストのご登場だなぁ? 子供を守ってヒーロー気分、ってかぁ?」
御坂妹「くっ、やはり能力でなく銃を使いましたか……何たる非道」
強盗B「お前、さてはペンキ業者かぁ? 頼んでねえのにこんなに床を真っ赤に染めちゃってよぉーーーー!!」クカカ
御坂妹「あの至近距離、想定外の攻撃、そしてこの大量の出血……、緊急事態、今すぐ救急車を、とミサカはMNWに信号を送り…ま……?」
強盗B「こんなところで銃で撃たれて死ぬたぁ、テメエもとことん不幸だ…な……ぁああっ?」
御坂妹「!?」
- 116 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:17:31.93 ID:KVVCIyLi0
-
上条「――――」ムクリ
強盗B「!!」
上条「……けっ、俺が不幸だって? 何言ってやがる……」
強盗B「お、オマエ……この距離で急所に弾丸喰らって、ど、どうしてピンピンしてやがる?」ゾクッ
上条「確かに、銃で撃たれるなんつーのは、普通の人からしたら不幸なんだろうが……」
強盗B「あ、ありえねぇ、この出血量で……出血?」ハッ
上条「(俺にとっては、これでも幸運ってやつなんだろ――?)」
強盗B「まさか! く、くそ、炎を――」
上条「(なぁ、一方通行(アクセラレータ)ぁぁぁぁああ!!!!!!!!!!!!!!)」バキイイイッッ
強盗B「ぐわわぁぁあああああああああ」ズシャアアアアアア
- 117 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:19:41.69 ID:KVVCIyLi0
-
強盗B「」ピクピク
上条「……ぐっ」
御坂妹「動いてはいけません、救急車が来るまでどうか、どうかそのままで…と、ミサカは動揺しながらも駆け寄ります」
上条「…お、俺は大丈夫だ、それよりまだ……まだあと2人いる」
御坂妹「あ、あなたはその状態で何を言っているのですか、これ以上は命に関わります、あとはミサカに任せて下さい、とミサカは……ミサカは涙をこらえて言います」
上条「違うんだ……御坂妹、よく見てみろ」
御坂妹「………?」
- 118 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:23:47.93 ID:KVVCIyLi0
-
御坂妹「これは…………」パラッ
御坂妹「なるほど、たまにはやるじゃねーか白モヤシ、とミサカは涙をぬぐいつつ状況を把握します」
- 119 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:25:32.33 ID:KVVCIyLi0
-
上条「そう、それはちょうど胸ポケットに入っていた石に銃弾が当たって、割れてできた細かい破片だ」
上条「あまりに鮮やかな赤色なんで、その後出た本物の血に交じったら、この暗がりでは区別もつかない」
上条「といっても、石に当たったのはまったくの偶然なんだけどな」ハハッ
御坂妹「……やれやれ、あなたはどこまで幸運(ふこう)なんですか、とミサカは改めて驚嘆の声を上げます」
上条「ホント、なんなんだろうな俺」
上条「(せっかくのハワイ土産が……後でアイツに殺されるかな)」
上条「……あとの2人は俺がやる、客と店員の安全確保、頼めるか?」
御坂妹「任せてください、とミサカは力強く返答します」
上条「さて、と……」ギロリ
強盗C「ななななんだコイツ、肉体強化系の能力者かなんかかぁ?」
上条「テメエ、覚悟はできてるんだろうな?」
強盗C「こ、こっちに来るなぁーー!! うわあああああぁあああぁぁ!!!」ゴオオオッ
上条「おっと」キィィィン
強盗A「!?」
強盗C「は、はぁぁ、何だ、何が起こった? 俺の能力が、け、消された?」
上条「……言い残したことはないな? んじゃ」
強盗C「ま、待――」
上条「歯ぁ食いしばれよ、クソ野郎」
- 120 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:28:17.98 ID:KVVCIyLi0
-
バキイイイッッ
強盗C「が、がはぁっっっ!」ズザザーーー
御坂妹「さぁ皆さん、後ろに下がって伏せていてください、とミサカはあの人との約束を忠実に守ります」
上条「(よし)」
強盗A「……」
上条「これでお仲間はいなくなった、アンタ一人だ」
強盗A「ちっ、そのようだな」
上条「その顔(ツラ)を見ると、どうやらおとなしく降伏するつもりはないってことか」
強盗A「もちろんだ……とりあえず、一旦引かせてもらおう」フッ
上条「させるかよっ!」ダッ
- 121 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:29:25.63 ID:KVVCIyLi0
-
「――――そこまでですわ!!!!」
- 122 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:34:14.84 ID:KVVCIyLi0
-
??「――風紀委員(ジャッジメント)ですの!」
上条「この声は、し、白井?」
黒子「通報を受けて参りました、この店はすでにジャッジメントとアンチスキルによって包囲されていますわ」
強盗A「くっ……」
黒子「どうか大人しく、お縄に付いてくださいまし」
強盗A「ち、ちくしょう…」ガクッ
黒子「賢明な判断、感謝いたしますわ……それでは」
黒子「あなたがたを器物破損、及び強盗の現行犯で拘束します」ガチャッ
ザワザワ
ピーポーピーポー
- 123 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:37:21.62 ID:KVVCIyLi0
-
黒子「……さて」
黒子「どうしてあなたが血まみれの制服姿でここにいるのか、わたくしに分かるように説明していただけますの?」
上条「はははっ、まー話すと長くなるんだが……」
黒子「構いませんわ、現場での事情聴取は風紀委員の仕事ですので」
上条「そうか、なら協力するよ」
黒子「…では」チラッ
黒子「現在時刻20時00分、ただいまより関係者事情聴取を始めますの」
上条「はいはい、どうぞよろしく……、って」
上条「ちょ、ちょっとストーーーップ!! お前、い、今なんて言った?」
黒子「…ホント騒々しい殿方ですわね、事情聴取を始めます、と申し上げましたが」イラッ
上条「ちげーよ、その前!」
黒子「ただいまより、ですの?」イライラッ
上条「もっと前!」
黒子「はぁ……、現在時刻20j」
上条「ぅうううわわああああぁぁぁあああああああああああぁぁあああ!!!」ダーーーーッシュ
黒子「」
黒子「な、なんなんですの?」ポツーン
- 124 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/02(火) 00:43:25.79 ID:KVVCIyLi0
-
今日はここまでです。ギャグ路線をおさえたものに挑戦してみましたが、やはり難しいです…。
次回の投下でエピローグ的な話を書き、第3話は終了です。
では。
- 133 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:34:31.12 ID:RhLlKUa70
-
(翌、月曜 とある高校)
青ピ「つっちー、おっはようさーん」クルクルー
土御門「…お前は朝っぱらからうっとうしいくらい元気だにゃー」
青ピ「そか?そう思うやろ? ところがどっこい、ボクは今、深刻な悩みをかかえてるんや…」
土御門「今週発売のエロゲの予約をうっかり忘れた、ってトコかにゃー?」
姫神「青髪君。レディの前で最悪」
青ピ「ちょ、姫神ちゃんいたんかいな! ってか言うたのつっちーやで?」
姫神「だいぶ前から。いたのに…」
土御門「おい青ピ、そんなの悩みに入らないぜよ」
青ピ「だから違うんやって! 実は財布忘れてしもて、昼飯が…」ガクッ
姫神「なら。私のお弁当。わけてあげる」
青ピ「ほ、ホンマか姫神ちゃん! あぁ天使や、ボクの目の前に天使が舞い降りたわ~」
姫神「今日のメニューは。ひじきの煮物と。ハンバーグ」
土御門「」ビクッ
青ピ「おっ、ハンバーグ大好物なんや~、どやどや、羨ましいやろつっちー」
土御門「ハ、ハンバーグ……ミンチ……」ガクブル
姫神「土御門…君?」
土御門「にゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」ダッ
青ピ「なんやー、そないトイレ我慢しとったんかー?」ケラケラ
- 134 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:36:11.00 ID:RhLlKUa70
-
トボトボ
姫神「あ。上条君」
青ピ「おーっすカミやん、今朝も遅刻ギリギリやったな……って、どどどどーしたんやその顔ぁ???」
姫神「顔には無数の歯形。目の下にはクマ」
上条「はぁ……ちょっとした不幸でですね……」
青ピ「はっ、まさか!! 絶賛同居中の銀髪碧眼シスターと、夜通し噛みつきプレーを楽しんだんやなそうなんやな? くーっ、相変わらずムカツくほどお盛んやでカミやん!」
姫神「同居……夜通し……」グスッ
上条「そ、そんなんじゃねーよ! 姫神も、誤解だって!」
- 135 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:38:08.52 ID:RhLlKUa70
-
ガラガラ
小萌「はいはい野郎どもに子猫ちゃんたち、ホームルームを始めるのですよー?」
青ピ「センセー、つっちーがトイレに行っといれ状態で帰ってきてませーん」
小萌「青髪ちゃん、分かったからさっさと席につきやがってくださいねー」
青ピ「く~っ、ドSな小萌センセもたまらんわぁ」グッ
上条「ったく青ピは……」
ピロピロリーン
上条「ん?メール?」
小萌「はいそこ、マナーモードが校則なのですよ? ってことで上条ちゃん、携帯は没収なのです」
上条「NOーーーーーーーーーー!!!!!」
- 136 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:40:10.62 ID:RhLlKUa70
-
(後日)
上条「えーっと、風紀委員第一七七支部……、ここか」
ピンポーン
『どうぞ、ロックはすべて解除してありますので』
上条「おう、サンキュー」
ガチャッ
上条「おっす白井、久しぶりだな」
黒子「…わざわざお越し下さり、感謝いたしますわ」
上条「しっかし、指紋認証に静脈認証? 随分なセキュリティだな」
黒子「当然ですの。学生の組織とはいえ、個人情報や機密書類といったものを扱うこともありますので」
上条「ふーん」
黒子「(……といっても、ここを遊び場だと勘違いしている困った方もいらっしゃいますが)」サテンサンデスノ
上条「あれ、いるのは白井一人か? 風紀委員の支部っていうから、もっとバタバタしてるイメージだったんだけど」
黒子「こんな日もありますわ、勝手なイメージを持たれては困りますの」
- 137 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:42:03.74 ID:RhLlKUa70
-
上条「わりぃわりぃ……それで用ってのは、この前の事情聴取の続き、ってことでいいんだよな?」
黒子「えぇ、それもそうなのですが」
黒子「先日の一件で、アンチスキルから感謝状が出ましたので、それを代わりに渡すよう言われておりますの」
上条「感謝状? あー、感謝状か…」
黒子「あら、たかが紙一枚では不満ですの?」
上条「ちげーよ!」
黒子「では何か?」
上条「別に俺、感謝とか表彰されるためにやったわけじゃねーんだけど」
黒子「ですが、このような時は素直に好意を受け取るものですのよ」
上条「…それもそうだな、サンキュー白井、ありがたく受け取らせてもらうよ」
ピラッ
上条「にしても白井、こいつも連れて来る必要はあったのか?」
黒子「はい?」
男の子「あ、あのー、こ、こんにちは」
- 138 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:46:03.58 ID:RhLlKUa70
-
上条「こういう感謝状って、中学生以上が対象なんだろ? さすがにこいつの分はないんじゃ…」
黒子「…そういえばあなた、まだ名前を聞いていませんでしたの」
上条「年上をあっさりシカトかよっ!?」
男の子「ぼ、ぼく? ぼくは、まさとっていうんだけど」
黒子「まさと……ですわね、ちょっとお待ちになってくださいな」
カキカキ
黒子「はい、どうぞ」ピラッ
男の子「?」
上条「これは……、手作りの感謝状! 名前の欄だけ空けて、作っといたのか?」
黒子「申し訳ありませんが、これで我慢してくださいまし」
男の子「あ、ありがとう、じゃっじめんとのおねーちゃん! ぼく、大事にするよ!」
上条「おぉ良かったなー、まさと! 確かに、カッコよかったもんな」ヨシヨシ
- 139 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:47:30.54 ID:RhLlKUa70
-
男の子「そ、そんなことないよ。ママによく言われるから、あのときは仕方なく…」
上条「ん? お母さんにはいつも何て言われてるんだ?」
男の子「うん、困ってる人がいたら助けてあげなさい、って」
上条「素敵なお母さんじゃないか。なのに何でそんな暗い顔してんだ?」
男の子「うん、それはね」
男の子「ぼくだって人助けはしたいよ、でもいつも思うんだ……」
男の子「ぼくは泣き虫だし、力も弱いし、能力もないし……ぼくが助けると、かえって迷惑なんじゃないか、って」
黒子「……」
上条「そんなことねぇよ。相手もきっと喜んでるって」
男の子「でもこの前も、おにーちゃんはぼくのせいでケガしちゃったよね?」
上条「そ、それはだな……」
- 140 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:48:27.55 ID:RhLlKUa70
-
黒子「――泣き虫で弱い子供は、人を助けてはいけない?」
- 141 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:51:07.47 ID:RhLlKUa70
-
男の子「えっ?」
黒子「――なんの能力もない無能力者(レベル0)は、人を助けてはいけない?」
上条「白井…」
男の子「そ、それは、えーっと」
黒子「まさと、あなたはなぜ強盗に立ち向かおうと思ったんですの?」
男の子「え……、な、なんか、気が付いたらカラダが勝手に……」
黒子「“気が付いたら勝手に”……、そう、人間の感情なんてそんなものですわ」
黒子「誰かを助けるのに、強さも能力も、理由だって必要ないんですの」
男の子「そ、そうなの?」
黒子「必要なのは……、そうですわね、絶対に助けるんだという信念と、立ち向かおうとする勇気、といった所でしょうか」
黒子「(そう、わたくしが御坂美琴お姉さまから学んだこと、それは…)」
- 142 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:52:46.10 ID:RhLlKUa70
-
黒子「人は、強いから――」
- 143 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:53:15.56 ID:RhLlKUa70
-
上条「――強いから誰かを助けるんじゃない」
- 144 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:55:27.82 ID:RhLlKUa70
-
黒子「……?」
上条「誰かを助けようとするから、人は強くなれる」
上条「…ってか?」ニコッ
黒子「あなた、何故その言葉を……?」
上条「だからまさと、うんと強くなれ。誰かを助けるために、強くなるんだ」
黒子「(ってこのタイミングでシカト返しですのぉぉぉお!?)」
男の子「うん、わかった、ぼく強くなる! 今日から頑張ってピーマンも食べる!」
上条「ぴ、ピーマン? あ、あぁ、まずは食べ物からだな!」
男の子「それじゃあぼく、そろそろ帰るね、あんまり遅いとママに怒られちゃう」
上条「おーもうこんな時間か、家まで送ってくか?」
男の子「ううん、おうちはすぐそこだから、大丈夫」
上条「そうか、じゃあまたな」
男の子「うん、また遊んでね、ツンツン頭のおにーちゃん、じゃっじめんとのおねーちゃん!」ダッ
黒子「え、えぇ、また」
男の子「ばいばーい!!」
上条「……さーて、俺たちも帰るとするか」
黒子「……そうですわね」
- 145 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 22:56:28.70 ID:RhLlKUa70
-
テクテク
上条「ところでさ、白井」
黒子「…なんですの?」
上条「お前さ、ハワイとか行ったことあるのか?」
黒子「それを聞いてどうなさるおつもりで?」
上条「い、いやほら、さっき信念とか勇気とか言ってただろ? な、なんかハワイっぽいなーなんて」
黒子「…あなたは頭がお花畑なんですのね」ウイハルデスノ
上条「あはっ、あはははーー」
黒子「(こ、こんな低能類人猿をお姉さまは……)」ブツブツ
- 146 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:02:52.85 ID:RhLlKUa70
-
テクテク
上条「なー、白井」
黒子「グアムなら行ったことはありますが」
上条「そうそう恋人岬は外せないよな……って、そんなこと聞いてねえし!」
黒子「はぁ、いちいち騒々しい殿方ですわねぇ」
上条「それが年上に対する言葉づかいかよ!」
黒子「あら、そんなに怒鳴って、それがレディに対する振る舞いですの?」
上条「ちくしょう……、はいはい、上条さん気をつけますよーっと」
黒子「(な…!何たる単純、何たる単細胞)」イライラ
- 147 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:04:35.74 ID:RhLlKUa70
-
テクテク
上条「なぁ、お前ってさ」
黒子「くだらない話題なら、勘弁ですわ」プイッ
上条「いやいや、さすがの上条さんも24時間くだらない星人じゃない訳で!」
黒子「はいぃ? で、わたくしに何か?」
上条「あぁ、いつも皮肉ばっかの嫌な奴だと思ってたけど、白井って案外優しい所もあるんだな、って」
黒子「…勘違いしないでくださいまし、それはあなたが知らなかっただけで、わたくしはずっと前から慈愛に溢れた淑女ですの」フンッ
上条「ははは、そうだな…確かに俺、白井のこと御坂の後輩ってぐらいしか知らないわけだし」
黒子「まあ、別に知らなくて結構なのですが」
上条「そう言うなって。御坂のこと、よろしくな」
黒子「……あなたに頼まれる筋合いはありませんの。それより」
上条「ん? なんだ?」
黒子「先ほどのわたくしの質問に、答えていただけませんこと?」
上条「えーっと、ハワイとグアムのどっちが好きか、だっけか?」
黒子「」ギロリッ
上条「ひいぃぃっっ! な、なんの質問でせうか」
- 148 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:05:27.53 ID:RhLlKUa70
-
黒子「……あの言葉」
上条「ん?」
黒子「あの言葉、わたくしは他ならぬお姉さまからその意味を学びましたわ」
上条「お姉さまって、御坂のことか」
黒子「お姉さまは、並々ならぬ努力で超能力者(レベル5)になられたお方ですの」
黒子「以前のお姉さまは、超能力者という強い人間であるからこそ、その力を使って周りの誰かを助けるのが自分の役目……、常日頃からそうおっしゃっていましたわ」
黒子「そのことがプレッシャーになっていたかどうかは存じ上げませんが、夜遅くまで外出し、帰ってきては塞ぎこむ……そんな時期もありましたの」
上条「(…あぁ、あのときか)」
- 149 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:06:42.92 ID:RhLlKUa70
-
黒子「ところが、ある時を境に、何かスッキリされたのか表情が明るくなりました」
黒子「同時に、それまでとは少し違うことを、黒子によくおっしゃるようになったんですの」
黒子「そう、それがさきほどの――――『人は、強いから人を助けるんじゃない』という言葉」
黒子「人は誰かを助けようと必死にもがき、本当の強さを手に入れるんだ、と」
黒子「そしてその言葉を、何故か関係のないあなたが知っている…」
上条「(ギクッ)」
黒子「そもそも、自分だけの現実(パーソナルリアリティ)の変化、殊に超能力者のそれは極めて珍しいことなんですの」
黒子「それが起こり得るような、何か大きな出来事を経験したとか…」
上条「ふ、ふーん?(まずいな……実験のこととか、白井に言うわけにもいかないし)」
黒子「あなた……何かご存知ですの?」チラッ
上条「あー、それはその、あれだ、まぁ御坂にもい、いろいろあったんじゃねーか?」
黒子「動揺しているのがバレバレですのよ」
上条「そ、そうかー? そんなことはないんだけどなー、あはははー」
黒子「はぁ……、まぁ、これ以上深くは追及いたしませんが」
- 150 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:08:04.10 ID:RhLlKUa70
-
上条「それじゃー、俺こっちだから」
黒子「そうですか」
上条「またな、白井」
黒子「ええ、ごきげんよう」
黒子「(またな、ですか…)」
黒子「(…わたくしとしては、あまり気は進みませんが)」
黒子「(この白井黒子、お姉さまの露払いである以上)」
黒子「(嫌でも会うことになるのでしょう)」
黒子「(また今度……ですわね)」
(終わり)
- 151 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/03(水) 23:15:01.31 ID:RhLlKUa70
-
ということで、第3話終了です。
1話2話に比べてだいぶ長くなってしまいました……
ですがその分、小さな伏線とその回収、オリキャラの混ぜ方、シリアスな雰囲気、などなど、自分なりに挑戦できたかな、と思います。
第4話は、また元の雰囲気で書いていこうと思います。読んでいただければ嬉しいです。
- 156 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:29:44.18 ID:8TR09f3B0
-
(とある駅前のファミレス)
カランコローン
上条「こんにちわー、今日もよろしくお願いしまーす」
店長「あぁ上条君、シフトは1時からだったっけ?」
上条「ちょっと店長、忘れないでくださいよー」
店長「いやーそれがね、今朝から店のパソコンの調子が悪くてさ、シフト表が見れないんだよ」
上条「あ、そうなんですか? ちなみに僕は今日1時から7時までですけど」
店長「そうか、それじゃ頑張ってね」ニコニコ
上条「はい、ありがとうございます!」
- 157 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:30:20.33 ID:8TR09f3B0
-
御坂妹「おや、あなたも今日シフトだったのですね、とミサカは偶然を装いつつ挨拶をします」ペコリ
上条「おー御坂妹か、今日もよろしくな!」
御坂妹「はい、二人で一緒に頑張りましょう…二人で…、とミサカは努力が実ったことを噛みしめます」
上条「ん? 何の努力だって?」
御坂妹「昨夜、店のPCにハッキングしてシフト表を盗み見たのですよ、とミサカはつい本音を漏らしてしまうドジッ娘アピールをします」テヘッ
上条「それドジじゃなくて犯罪だから! あぁ店長……心からごめんなさい」
- 158 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:33:52.09 ID:8TR09f3B0
-
カランコローン
上条「いらっしゃいませー、何名様ですかー?」
美琴「そんなの、見りゃわかるでしょーがバカ」
上条「って、ビリビリかよ! あとは白井に…えーっと、友達か?」
初春「は、はぃっ! 柵川中学一年の、う、初春飾利といいます。白井さんとは、風紀委員の同僚です」
佐天「あたしは佐天涙子、初春の親友やってまーす。ちなみに特技はスカートめくりでーす」
初春「ちょ、いきなり何言ってるんですか佐天さんっ!」
佐天「あれれ~初春、もしかして今日はめくっちゃマズい柄なのかな~?」
初春「も、もう、やめてくださいってば!」
上条「…あははー、何か楽しい子たちだな。俺は上条当麻、よろしくな」
佐天「あの、上条さんは御坂さんと知り合いなんですか?」
上条「あー、知り合いというか何というか……アイツ、公園で待ち伏せしては電撃を浴びせてくるから、困ってんだ」ハアッ
初春「で、電撃って、御坂さんはレベル5なんですよ! 大丈夫なんですか?」
上条「まぁ、そっちは何とか…」
佐天「ふーん」ニヤニヤ
- 159 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:34:31.97 ID:8TR09f3B0
-
黒子「……あの、あちらの奥のテーブル、座ってよろしいですの?」
美琴「そうよアンタ、かわいい女子中学生を4人も待たせるんじゃないわよ」
上条「わりぃわりぃ、4名様ご案内いたしまーす」
- 160 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:36:55.97 ID:8TR09f3B0
-
上条「はい、お冷な」サッ
佐天「あ、ありがとうございまーす」
黒子「…どうもですの」
初春「そういえば、こうやって4人で遊びに行くのってなんか久しぶりですよね。誘っていただきありがとうございます、御坂さん!」
美琴「え? あ、こっちこそ来てくれてありがとね、初春さん」
佐天「にしても、珍しいですよね御坂さん?」
美琴「ん、何が?」
佐天「だって、いつもなら御坂さんが行きたいっていうと、黒蜜堂の黒蜜きなこあんみつとか、高級店ばっかりじゃないですかー?」
上条「さ、さすがは常盤台……羨ましいぜ」
初春「確かにそうですね」
佐天「それがいきなり駅前のファミレスに行きたいだなんて……もしかして、何かお目当てでもあるんですかぁ?」ニヤニヤ
黒子「」ピクッ
美琴「そ、そんなものないわよ! たまにはファミレスもいいかなーなんて思っただけで、べべべ別にお目当てとか…会いにきたとかじゃ…」ブツブツ
上条「お、おい大丈夫かビリビリ、なんか顔赤いぞ?」
美琴「う、うるさい! ビリビリ言うなぁ!」カアッッ
佐天「しかも白井さんによると、私達との待ち合わせ場所には1時間前からいたとか」
初春「い、1時間? それはよっぽど楽しみなメニューがあるってことですかね?」
上条「うーん、常盤台のお嬢様の舌に合うメニューなんか、うちにあったっけなぁ」
美琴「し、舌に合う……舌が合う……キス……」
上条「おーい、やっぱり顔赤いぞ?熱でもあるんじゃ」カオチカヅケ
美琴「ふ、ふにゃーーーーー/////////」バチバチ
- 161 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:37:38.99 ID:8TR09f3B0
-
佐天「(あちゃー…御坂さん純情すぎ)」
佐天「ちょっとあたし、御坂さんトイレ連れて行きますね」
上条「お、おう、よろしく」
初春「どうしたんだろ御坂さん…1時間待ってる間に、体調でも崩しちゃったんですかねぇ…」
黒子「」イライラ
- 162 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:41:35.10 ID:8TR09f3B0
-
黒子「おのれにっくき類人猿…お姉さまを…」ブツブツ
初春「白井さん? 何か目がものすごく怖いんですけど…」
上条「あれー、なんか知らないけど寒気が」
初春「あの、もしかして白井さん、御坂さんの体調のこと、何か知ってるんですか?」
黒子「な、なんのことですの?」
黒子「(はぁ……、知っているも何も、事の発端は――――)」
- 163 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:42:49.25 ID:8TR09f3B0
-
(黒子の回想)
ヒュン
美琴「あ、お帰りー黒子」
黒子「…ただいまですの」
美琴「今日は遅かったわね、風紀委員の仕事?」
黒子「……駅前のファミレスで強盗事件がありまして、アンチスキルと対処にあたっていましたの」
美琴「ふーん、お疲れ様。んで、犯人は捕まったの?」
黒子「えぇ、大したケガ人もなく、無事解決しましたわ…」
美琴「それじゃあ、何でそんなブスッとしてんのよ」
黒子「それは…」
黒子「それはあの類人猿が、事情聴取の途中で逃げ出したからですわ!」
黒子「こちらの言うことも聞かず、いきなり走って行ってしまうなんて、何たる無礼」
黒子「だいたいなんなんですの? 事件のあったファミレスでバイトしてるんだとか何とか…」
黒子「トラブルのあるところにいつも顔を出すクセ、何とかしてもらいたいですの」プンスカ
黒子「そう思いますでしょう、ねぇお姉さm」
黒子「ま?」
美琴「ア、アイツがファミレスでバイト?」
黒子「(って黒子はなにペラペラしゃべってるんですのおおおぉぉおぉーーーー!!!!)」
美琴「第何学区のどこ?営業時間は?他の店員にカワイイ子いた? ちょっと黒子、詳しく教えなさいよ!」
黒子「えーっと、わたくしお風呂に……」
美琴「って、逃げるなぁああああぁああ!!!!」ビリビリー
黒子「あっはーーーーん」ビクンビクン
(回想終わり)
- 164 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 22:43:40.94 ID:8TR09f3B0
-
黒子「……」イライラ
初春「し、白井さん……貧乏ゆすりがひどくてお冷のグラスが倒れそうなんですけど」
上条「白井も調子悪いのか? 店長に頼んで薬でももらって」
黒子「結構ですの! さっさと下がってくださいまし!」
上条「ひいぃっ! そ、それではちゅちゅ注文が決まりましたらおおお呼び下さいぃぃ」ダッ
- 166 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:50:52.89 ID:8TR09f3B0
-
黒子「お姉さまと佐天さん、遅いですわね」
初春「そうですねー、御坂さんだいぶ調子悪いんですかね?」
黒子「初春はニブチンですの」ボソッ
初春「今なにか言いましたか?」
黒子「いえいえ。それより初春、注文は決まりましたの?」
初春「はい、このスペシャルジャンボパフェをみんなで食べましょうよ」
黒子「いいですわね、それじゃあ店員を呼びましょうか」
- 167 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:53:10.78 ID:8TR09f3B0
-
ピンポーン
スタスタ
黒子「はっ! テーブルに近づいてくる、こ、この匂いは!!」クンクン
黒子「おっねえっさまぁ~♪ 遅かったですわね、さぁ黒子がパフェ口移しの世界へいざなって差し上げますの~」ダキッ
黒子「(あぁ、殴られるまでの間、少しでもこの肌のぬくもりを……)」
??「……」
黒子「(さぁお姉さま、名残惜しいですが黒子はもう満足ですの! 思う存分電撃を浴びせて下さいまし!)」
黒子「……ってあれ?」
御坂妹「お待たせしました、ご注文をどうぞ、とミサカはいきなり抱きついてきたツインテールを無視してお花畑に声をかけます」
初春「えーっと、ドリンクバー4つと……って、み、御坂さん? なんで店員のカッコしてるんですか?」
黒子「お姉さまがコスプレですって? た、たしかによく見たら…って」
- 168 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:54:29.97 ID:8TR09f3B0
-
黒子「う、うひょーーーーーーーー!!!!」スリスリ
黒子「なーんだお姉さま、コスプレができるからこの店に来たかったんですのねそうですのね!」
黒子「類人猿がいるから来たかった、なーんてこと無かったんですのね!」
黒子「抱きついても怒らなかったのは、コスプレができて機嫌がよろしいからなんですのね!」
御坂妹「さっさと注文しろよ、とミサカはツインテールへのシカトを継続しつつ、仕事に集中します」
初春「え? あ、えーっと、あとスペシャルジャンボパフェを二つ」
黒子「ああ、なんて可愛らしいピンクのユニフォーム! そしてミニスカートから覗く、きめ細やかな美しい太もも!」ハアハア
御坂妹「ミサカの肌は所詮タンパク質の複合体ですが、変わった趣味をお持ちですね、とミサカは仕方なく反応します」
初春「(ん? いつもならこのへんで電撃がくるのに…しゃべり方も何か変だし、やっぱ御坂さん調子悪いのかなぁ)」
黒子「こっちを! こっちを向いて下さいまし!」パシャパシャ
御坂妹「どうせなら綺麗に撮って下さいね、とミサカはグラビアアイドル気分を堪能します」
初春「(…いやいや、やっぱりおかしすぎる! 白井さんが黒焦げになってないなんて!)」
佐天「うーいーはーるー! 愛しの佐天さんのお戻りだぞー?」
初春「あ、佐天さん、遅かったですね」
佐天「ってスルーかい! まいっか、なんかトイレ混んでてさー」
美琴「ごめんね初春さん…、もう注文とかしちゃっt」
- 169 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:55:37.57 ID:8TR09f3B0
-
タマリマセンワーパシャパシャ
コウデスカ?トミサカハ
- 170 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:56:27.84 ID:8TR09f3B0
-
美琴「…………」
美琴「って」
美琴「何やっとんじゃああああああああ!!!!!」ビリビリズドーン
黒子「あふううううううんんんんっっっ」
- 171 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/06(土) 23:58:51.70 ID:8TR09f3B0
-
黒子「」クロコガクロコゲ
美琴「ったく、これだから目を離すと黒子は……」
美琴「(って、マズい! 何であの子がこの店にいんのよ! 妹達のことなんて、黒子たちに言えるわけないじゃない!)」
初春「あ、あのー、この電撃は…御坂さんですよね?」
佐天「あれ?こっちにも御坂さん? ってことは」
初春&佐天「「み、御坂さんが二人ぃぃいいい?????」」
- 172 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:01:09.68 ID:ivb+483p0
-
御坂妹「これはこれはお姉様、いらしていたんですか、とミサカはハッと我に返ります」
初春「お、おねえさま?」
佐天「なーんだビックリした、御坂さん姉妹いたんですねー」
美琴「ああああのね佐天さん、この子は…」
佐天「どうもー、佐天涙子でーす。妹さんはおいくつなんですか? もしかして、私たちとタメ!だったりしてー」ウキウキ
御坂妹「ミサカは生まれたばかりの0歳ですが、とミサカはここで驚愕の事実を告げます」
美琴「」
初春「えーっと、0歳…ですか?」
佐天「(不思議ちゃんキャラか……御坂さんと違いすぎ)」ププッ
- 173 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:01:57.93 ID:ivb+483p0
-
佐天「じゃあじゃあ、名前はなんていうんですかー?」
美琴「だからこの子h」
御坂妹「ミサカの名前はミサカです、それ以上でも以下でもありません、とミサカは質問の意図を理解しかねます」
美琴「」
佐天「(不思議ちゃんのくせに今度はボケるとは! なかなか手ごわい)」
初春「え?え? それじゃあ、ミサカミサカってことですか?」
佐天「やだなー初春、これはちびっこ漫才のまえだまえだと引っかけたボケなんだぞ?」
御坂妹「人の名前をボケ扱いするとは、初対面の相手に随分失礼な方ですね、とミサカは少し距離をとります」
佐天「おーっと、これはミサカミサカ選手、めげずにボケを引っ張ってくるー!」
初春「ちょっと、茶化さないでください佐天さん!」アセ
美琴「(もうやだ死にたい)」
- 174 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:03:02.75 ID:ivb+483p0
-
佐天「でも水くさいなぁ御坂さん、こんなそっくりな姉妹いたのに教えてくれないなんて」
初春「そうですよー、私たち友達なんですから」ブーブー
美琴「ちょ、ちょっとストーーーーーーーップ!!!」
初春&佐天「「?」」
美琴「この子は妹じゃなくて……そう、し、親せきよ、親せき!」
御坂妹「親せき…学習装置(テスタメント)にも入っていませんね、それは新世紀の言葉なんですか?とミサカは隣にいる黒髪ロングに仕方なく説明を求めます」
佐天「親せきと新世紀、見事に決まった~! ミサカミサカ選手またまたゴーーーール!!!!」アハハ
初春「だから佐天さんってば!」アセアセ
美琴「(佐天さんマジ悪魔)」
- 175 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:04:13.32 ID:ivb+483p0
-
初春「あれ、でも親せきなのに苗字が御坂って、おかしくないですか?」
美琴「そそそれは、そう、あれよ、あれ、名前がミサカっていうのよ、この子」
初春「はい?」
佐天「えーっと、それは下の名前がミサカってことですか?」
美琴「そうよそう、ミサカ! たしか両親が熱心なキリスト教徒で、ミサからついた名前なんだったわよね、そうよね?」シドロモドロ
御坂妹「ミサカには両親もいなければ家もありません、帰る所といえば培養器ですかね…、とミサカは自らのミステリアスな生い立ちに酔いしれます」
美琴「(空気読めえええええええええ!!!!)」
佐天「(もう訳わかんないし! 不思議ちゃんもここまでくると感心ですなぁ)」
- 177 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:05:45.05 ID:ivb+483p0
-
初春「で、でも、親せきにしては見た目もソックリですよねー」
美琴「そ、そうかな? あんまり自分では思わないけどねー」ボウヨミ
美琴「(って当たり前でしょこのお花畑! 私のクローンなんだから!)」
初春「ほら、この写真なんかとくに」ピラッ
美琴「しゃ、写真?」
ワスレテタ
美琴「そういえば!! アンタも何やってんのよ、断りなさいってば!」
御坂妹「ですが、なかなか良い写真が撮れましたよ、とミサカは暗にそれが被写体の良さのおかげであることを主張します」
美琴「黒子が調子乗るでしょうが! バカ!」
御坂妹「これなんかとくに良いんじゃないでしょうか、とミサカはとびきりの一枚を恥ずかしがりつつもお姉様に渡します」テレッ
美琴「どれどれ……って、なにボタン開けて胸元強調してんだコラァァアアアァア!!!!」
御坂妹「強調しようにも元々のサイズがなんやかんや、とミサカはオリジナルへの恨みつらみを……」
美琴「う、うるさいうるさい!」ビリビリ
- 178 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/07(日) 00:06:47.07 ID:ivb+483p0
-
初春「な、なんか随分仲良しなんですね」
佐天「あー、私もこんなそっくりな親せきがいたら楽しいだろうなー」
美琴「あは、あはは、まあねー」
黒子「」ムクッ
黒子「……えーっと、お姉さま? 制服姿ということは、コスプレ撮影会は終了ですの? 残念ですわん」
美琴「アンタは一生そこで寝てろーーーーーーーっっっ!!!!!!」ズドーン
- 183 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:10:41.42 ID:wETSv0NB0
-
初春「御坂さんのおすすめヤシの実サイダー、これ意外とイケますね!」チューチュー
美琴「でしょでしょ? 私もよく飲むんだ~」ゴクゴク
佐天「あたしはいちごおでんの方が好きだけどなー」チューチュー
美琴「あはは、佐天さんの味覚はホントお子ちゃまなんだから」ゴクゴク
佐天「ちょっと、御坂さんに言われたくないですってー」チューチュー
美琴「言ったなー? 美琴センセー怒っちゃうわよ?」アハハ
黒子「そういうお姉さまが飲まれているのは、何ですの?」チューチュー
シーン
黒子「……」
黒子「(な、なんなんですの、この自然な会話からのあからさまな無視はっ!?)」
黒子「(というか先ほどから、お姉さまが黒子とだけ目を合わそうとしないんですの!)」
黒子「(いつもだったら、ここで『飲ませてくださいまし→嫌よ→おっねえっさまぁ~→組んず解れつ→あんなことやこんなこと…』、みたいな展開になりますのに!)」
黒子「…」チラッ
美琴「」ギロッ
黒子「(ひいっっ!!)」
- 184 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:11:52.29 ID:wETSv0NB0
-
初春&佐天「「(だめだ、やっぱり気まずい…)」」
黒子「(なんとかしなくては……)」
黒子「(えぇい、顔を上げなさい白井黒子! お姉さまの露払いとして、こんなことでめげてはいられませんわ!)」
黒子「(障害があるなら取り除くまで! 高い壁があるなら乗り越えるまで!)」
- 185 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:13:28.10 ID:wETSv0NB0
-
テクテク
上条「お待たせしました、スペシャルジャンボパフェでーす」
佐天「(上条さんナイスタイミング! これをきっかけに、この空気を何とかしないと…)」チラッ
初春「(分かってます佐天さん、ここはテンション上げて行きましょう!)」
- 186 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:14:35.59 ID:wETSv0NB0
-
佐天「おお、来た来た! 思ってたよりだいぶおっきいね、初春~!」
初春「このくらいのほうが、食べ応えがあっていいんですから! はい御坂さん、スプーンどうぞ!」
美琴「あ、ありがと」
黒子「初春、あなたほんとパフェには目がないですのねぇ」
黒子「(とにかく、自然な会話をしつつ、何とかお姉さまのご機嫌を…)」
佐天「え、初春の目がない? たいへんタイヘン大変だー、お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかー?」ガタッ
上条「ちょ、あんま大きな声出さないでくれよ…」
初春「もう、ちゃんとありますってば! ほら、ここに2つ!」
美琴「ちょっと何それ、ドラマの真似?」クスクス
黒子「…な、ナイスですの佐天さん! バットを振る以外にも役に立つんですわね!」
初春「白井さん、聞こえてます」ボソッ
黒子「えっ?」
佐天「」ズーン
- 187 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:15:41.89 ID:wETSv0NB0
-
上条「そ、それでは失礼しま…、おっ、白井!」
黒子「な、なんですの?」チューチュー
黒子「(おおおのれ類人猿、こんな大事なときにあなたなんかに付き合っているヒマありませんのに!)」
上条「お前が飲んでるのって、もしかして今日から新しく入ったマンゴー塩あずきか?」
黒子「はぁ……それがどうしたんですの」
初春「そういえば、ドリンクバーのエリアに新商品ってPOPがありました」
美琴「確かに、今まで聞いたことないわね」
佐天「ふーん、白井さんもなかなか冒険好きなんですね~」
初春「佐天さん、切り替え早すぎですって!」
佐天「」ズズーン
- 188 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:17:29.27 ID:wETSv0NB0
-
上条「いや実は、それかなり気になってるんだけどさ、バイトが忙しくて上条さんまだ飲んでないんですよ」
黒子「…あら、では一口いかがです?」
上条「おっ、いいのか? サンキュー白井」チューチュー
美琴「!」
美琴「ちょ、ちょっとアンタ! な、なに飲んでんのよ!」
上条「何って、マンゴー塩あずきジュースだけど…」
美琴「そうじゃなくて! ス、ストローで飲んでる、ってことは、黒子とかんせ、間接キ、キキキ……」
上条「ん、かんせつ? 関節のキズが痛むのか?」
初春「関節って、大丈夫ですか御坂さん!?」
佐天「たしかに、レールガンって身体に負担かかりそうですもんねえ。超能力者(レベル5)も、気楽じゃないですなぁ」
上条「ビリビリ、お前も苦労してんだな……」
美琴「う、うるさい!! そんなんじゃないんだから、この鈍感バカ!!」ポカポカ
上条「お、おいビリビリ!? いきなり何すんだよっ」イテテ
- 189 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:19:50.62 ID:wETSv0NB0
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美琴「アンタってやつは…女の子の前で…デリカシーのかけらもないんだから…」カオマッカ
佐天「(くーっ、御坂さん可愛いすぎるっ)」ニヤニヤ
黒子「(お姉さまが動揺している!? よし今よ黒子、ここで自然に…)」
黒子「それよりお姉さま、それに初春も。グラスが空ですのよ、何か飲まれます?」
初春「わたしはパフェに集中するので大丈夫です……」チラッ
黒子「お、お姉さまは?」チラッ
美琴「ふぇ、私? じゃ、じゃあ、水お願いしようかな」
初春&佐天「「(まさかの会話成立キターーーーーーーー!!!!!!!)」」
黒子「(久方ぶりのお姉さまとの会話…)」ジーン
黒子「(あぁ黒子は、黒子は! 嬉しさで昇天してしまいそうですわぁああああ!!)」ビクンビクン
- 190 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/08(月) 22:21:12.82 ID:wETSv0NB0
-
黒子「(しかし油断は禁物……、さらに普通の会話につなげていきますの)」
黒子「では行って参りますわ」
美琴「あー黒子、いつもの(=氷抜きで)でよろしくね」
黒子「了解しましたの」ニヤリッ
上条「あー白井、俺行こうか?」
黒子「結構ですの」
上条「いや、今客も少ないし、俺いちおう店員だしさ…」
黒子「け・っ・こ・う・で・す・の!!」
上条「お、おう」
初春&佐天「「?」」
- 194 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:39:16.56 ID:AaoxWnTW0
-
スタスタ
黒子「ぐへへ……、ついにこのときが来ましたの」
黒子「いろいろとイレギュラーはありましたが、やっと『お姉さまとアハンウフン計画』にうつれますわ」スッ
黒子「これは、学園都市で効き目バツグンと名高い、木原印の媚薬」
黒子「風紀委員が仕事で押収したものの一つを、少々お借りいたしましたの」
黒子「なんせ普通の水にしか溶けないという特殊なカプセル……自然な会話で持っていくのに、苦労しましたわ」
黒子「これをお姉さまに飲ませ、お花畑とバット女は排除、類人猿は他のテーブルへ……」
黒子「そうすれば、あとはわたくしとお姉さまの語らいを邪魔するものはいなくなりますわ!」
黒子「アハンウフンの後、ちょっと休みたいというお姉さまをホテルへ連れ込み…ハァハァ…」ダラーン
黒子「はっ! が、我慢するのよ黒子、よだれはその時までとっておかなくては!」
- 195 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:40:00.15 ID:AaoxWnTW0
-
黒子「さて、グラスに水を入れて、このカプセルを…」
ジャッジメントデスノ-ジャッジメントデスノ-
黒子「もう、こんな時に電話ですの」イラッ
黒子「もしもし? …傷害事件? …わたくしで無ければダメなんですの? …仕方ありません、すぐ向かいますわ」
黒子「…はぁ、なんて間の悪い電話ですこと」
- 196 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:41:31.06 ID:AaoxWnTW0
-
スタスタ
黒子「申し訳ないのですが、ジャッジメントの出動要請がありましたので、行って参りますわ」
初春「そうですか……すみません白井さん、よろしくお願いします」
美琴「気をつけてね」
佐天「もう、早く戻ってこないと、パフェなくなっちゃいますよー?」
初春「ちょっと佐天さん、これは真面目な話なんですから!」
佐天「あははーこりゃ失敬っ」
黒子「心配には及びませんわ。三分で戻ってきますの」
初春「さ、三分って! さすがにそれは無理なんじゃ…」
美琴「そうよ、安全が第一なんだから」
黒子「いえ、今の黒子は(よだれの我慢で)一分一秒が勝負ですの」キリッ
佐天「か、かっこいぃーー!!」ヒュー
黒子「では」ヒュン
- 197 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:42:43.48 ID:AaoxWnTW0
-
初春「なんか風のように去っていきましたね、白井さん」
美琴「まぁ、空間移動能力者(テレポーター)はジャッジメントでも貴重だし、仕方ないわよ」
佐天「白井さん、頼られてるんですね、なんか憧れるなあ」
美琴「あ、そういえば黒子に水頼んでたの、忘れてた」
上条「」ボー
美琴「ねぇ、ちょっと!」テマネキ
上条「ん、今度はなんだビリビリ」
美琴「ビリビリっていうな! あのさ、悪いんだけど黒子の代わりに水取ってきてくれない?」
上条「なんだよ、なら最初からそう言えばいいのに」
美琴「いいから! 文句言わずにさっさと行く!」
上条「はいはい、分かりましたよっと」
- 198 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:43:54.70 ID:AaoxWnTW0
-
上条「えーっと水水っと…」
上条「あれ、なんだこのカプセル? 見たことないけど、なんかの薬か?」
上条「そういえば、御坂はさっきから顔赤かったし……なんだ、あいつやっぱり風邪引いてるんだな」
上条「なるほど、さっきの『いつものでよろしく』ってのは、いつも飲んでる薬ってことだったのか…」
上条「なんだかんだであの二人、信頼し合ってんだな」ウンウン
上条「よし、これを溶かしてっと……」
- 199 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:45:10.84 ID:AaoxWnTW0
-
スタスタ
上条「ほらよ、御坂」スッ
美琴「ん、ありがと」
上条「でもお前、やっぱり風邪だったんだな。無理して元気に振舞わなくてもいいのに」
美琴「はぁ? アンタ何寝ぼけたこといってんの?」ゴクゴク
上条「えっ、違うのかよ、じゃあさっきのカプセルは?」
初春「えーっと、カプセルってなんのことですか?」
上条「いやさ、白井が向こうで風邪薬のカプセルを用意してたみたいから、それを水に溶かして…」
佐天「って、ちょちょちょっと御坂さんっ??」
- 200 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:46:20.36 ID:AaoxWnTW0
-
美琴「////////////////////////////」トローン
上条「」
初春「い、いきなりどうしちゃったんですか? なんか顔赤いし、妙にクネクネしてるし」
美琴「えへへー、とうまぁー///」スリスリ
上条「!」
佐天「御坂さんが積極的…、だと?」
上条「(なんだなんだこれは…幻想か? いつもコイツだのアンタだの物扱いなのに、いきなり下の名前で呼んできたぞ?)」
初春「どどどどうしよう、他のお客さんもこっち見てますよ!」
上条「(でも)」
上条「(こうあらためて見ると、御坂ってけっこうカワイイよな…)」
美琴「とうまぁー///」ムニュッ
上条「(あ、当たってるぅ! 二つの柔らかいものがぁ!)
上条「(だがしかし! 中学生相手に興奮する上条さんでは)」
美琴「ねぇー、身体が熱いよぉぉ///」ミミモトデササヤク
上条「はううううううっっ」
- 201 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:47:40.08 ID:AaoxWnTW0
-
初春「か、上条さん、さっき溶かしたっていうカプセルって、どんなものでしたか?」チラッ
上条「……2、3、5、7、9…あれ9は3で割れるから素数じゃない?……」ブツブツ
初春「上条さん!」
上条「ハッ! なんだなんだよなんでせうか?」
初春「だからカプセルですよ! まだ残ってたりしませんか?」
上条「あー、それならここにケースがあるけど」ヒョイ
初春「どれどれ……、こ、これは、木原印の媚薬!?!?」
佐天「媚薬って、それマジなの初春?」
初春「大マジですよ佐天さん、それも木原印のものは効き目がすごいことで評判です」
上条「おいおい、なんでそんなヤバいもん白井が」
初春「そういえば最近、他支部の風紀委員が大規模な麻薬組織を摘発したとか……」
佐天「まさか、そこで押収した薬とかってこと?」
初春「白井さんのことです、その可能性が高そうですね」
上条「サラッとヤバいこと言うなよ!」
- 202 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:48:33.77 ID:AaoxWnTW0
-
初春「とにかく、御坂さんのこんな姿を見たら…白井さんは店内でも構わず発狂しちゃいますって」
上条「それは困るな…っておい御坂!? だから抱きつくなって!」
美琴「やだやだ、みことって呼んでくれなきゃやだぁ~///」ウルウル
佐天「(なにこれ可愛いすぎる)」
初春「と、とりあえず、一刻もはやく店を出ましょう、どこか人の少ないところに」
佐天「わ、分かった、あたし店員さん呼んでくるね!」ダッ
上条「おう頼む……って、オレも店員なんですけど!!」
佐天「あの、すいません店員さん、お会計をおねがいしまー」
- 203 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:51:07.97 ID:AaoxWnTW0
-
ヒュン
黒子「ただいま戻りましたの」チラッ
黒子「……二分五十秒、まぁこんなものですわ……ね…?」
エヘヘー、トウマァー
ア、アノミサカサン?
ミコトッテヨンデクレタラ、チューシテアゲルゥ
チューハヤメタホウガ…
エーチューシタイノー
黒子「」
初春「(終わった)」
佐天「(うん、終わったね)」
- 204 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:52:10.41 ID:AaoxWnTW0
-
黒子「こ、これは…」
黒子「ななななななんなんですのおおおぉおぉぉっぉおおおぉおぉおお?????????」
黒子「初春!! これはどういうことか、黒子に分かるよう説明してくださいまし!!」
初春「あははー、あのですね、御坂さんが水を飲んだら急に」
黒子「!」
黒子「水? ま、まさか…………!?」
ダーッシュ
黒子「やっぱり、カプセルがないですの! 確かにここに置いておきましたのに!」
黒子「いったい誰が……、はっ!?」
- 205 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:53:53.61 ID:AaoxWnTW0
-
・・・・・・
『黒子、いつものでよろしくね』
『了解しましたの』
『あー白井、俺行こうか?』
『結構ですの』
『いや、今客も少ないし、俺いちおう店員だしさ…』
・・・・・・
黒子「お、お、おのれ、あの腐れ類人猿!! わたくしの愛するお姉さまに、なんてことを……!!」
- 206 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:55:06.76 ID:AaoxWnTW0
-
黒子「ちょっと貴方、その汚れた手をお姉さまから離しなさいな!」バシッ
上条「って、し、白井ぃ? 待て待て、これは誤解でだな…」
美琴「くろこー、じゃましちゃだめだよぉー///」ニマー
黒子「(か、可愛い……あぁお姉さまの愛らしい顔、それは罪!)」
黒子「(って、こんな時に何考えてるんですのーー!!!!)」ブンブン
黒子「とにかく、帰りますわよ! ほら、初春、佐天さんも!」
初春「は、はいいぃっっ」
佐天「上条さん、ま、また来ますねー」
美琴「とうまぁー、バイバーイ///」トローン
カランコローン
上条「はあ……まったく、なんだったんだアイツら」
- 207 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:56:27.73 ID:AaoxWnTW0
-
上条「あ、店長」
店長「おお上条君、見てたよ。君の知り合いかね? ずいぶんと賑やかだったけど」ニコニコ
上条「ええ、まあ…それで店長、相談なんですけど」
店長「うん、あの子たちのお代、給料からばっちり引いておくよ」ニコニコ
上条「ですよね…」ズーン
店長「それじゃ、引き続きホールの仕事よろしくー」ニコニコ
- 208 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:57:39.20 ID:AaoxWnTW0
-
御坂妹「おや、浮かない顔でどうしたのですか、とミサカは質問します」
上条「おー御坂妹か、それがさ……」
御坂妹「ふむふむ、あの後そんなことになっていたんですね、とミサカは仕事に集中していたため全く知りませんでした」
上条「はぁ、締めて2840円なり……さようなら、高校生の上条さんの時給3時間分っっ」トホホ
御坂妹「実はそのお金を取り戻す方法があるんですよ、とミサカは耳寄り情報をちらつかせます」
上条「ほ、ホントか御坂妹!? 教えてくれよ!」
御坂妹「それは……」
上条「それは?」
御坂妹「勤務記録を改ざんしてしまえばいいのですよ、とミサカはあっと驚く解決法を提示します」
上条「いやいやそれ解決になってないから!! まさかお前、また店のPCハッキングするんj」
- 209 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:58:26.64 ID:AaoxWnTW0
-
店長「店のPC? ハッキング?」
上条「」
- 210 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 21:59:21.40 ID:AaoxWnTW0
-
店長「……えーっと、どういうことかな、上条君?」
上条「て、店長、いつの間にいたんですね……」アセアセ
店長「話をそらさないでくれるかな、まさか今朝から店のパソコンが調子悪いのは、君の仕業なのかい?」
上条「ちちち違いますって、それは俺じゃなくてみさk……」クルッ
シーン
上条「って、いねーーーーーー!!!!」
店長「大声を出してごまかそうとしたって、そうはいかないよ?」
上条「別にそういう訳じゃないんですってっ! クソー、あ、あいついつの間に!」
店長「とにかく事務室に来てもらおうか、弁解はそこで聞くから」
上条「だからちが」
店長「つべこべ言わず!!!! ついて来る!!!!」ギロッ
上条「は、はいいぃぃぃっっっ」
上条「あぁ、あの優しかった店長にまで……ふ、不幸だ……」ガクッ
(終わり)
- 211 : ◆jg9LstscLY[saga]:2012/10/10(水) 22:07:53.01 ID:AaoxWnTW0
-
以上で、第4話終了です!
それから私事ですが、200レス突破という、当初の目標を何とかクリアできました。これもひとえに、こんな未熟なSSを読んで下さっている皆さんのおかげです。
最近、「読んだよ」とか「乙」とかのレスがこんなに創作モチベを上げてくれるものなのか!、ということをしみじみ感じております。
SS初心者の私ですが、よろしければ今後ともどうぞお付き合いください……。
それでは。
2014年7月17日木曜日
上条「おぉわりいわりい、お前もさっさと自己紹介しろよ、インド人」
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インデックス,
とある魔術の禁書目録,
上条,
未完結
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