- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:19:30.92 ID:0tl5xQmAO
- 上条当麻は不幸な人間である。が、不幸なのも今日限りである。
上条「クフフフ」ニヤニヤ
土御門「どうしたんだ、カミやん。そんな気持ち悪い笑み浮かべて」
上条「上条さんにも幸福が来たのですよ。なんと今日はインデックスがおでんを作ってくれるという……」ヨヨヨ
土御門「そんなによよと泣き崩れなくても……。インデックスは料理ができたのかにゃー?」
上条「いや、出来なかったけどそこは舞夏が」
土御門「なるほどにゃー。舞夏直伝のおでんなら味は保証するぜい」
上条「そうなのか! 楽しみだな……」シミジミ - 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:20:01.83 ID:0tl5xQmAO
-
土御門(こんなことで大喜びするなんてカミやんの日頃の不幸が垣間見えるにゃー)
上条「やっぱり主役は大根だよな……餅巾着もいいな……」
土御門「舞夏の直伝なら牛スジもはいってるぜい」
上条「牛スジ! 肉が食べれるかもしれないのか! いいな……」ジュルリ
土御門(正直若干ひくぜい)
土御門「そういえばなんでまだ教室にいるのかにゃー? もう授業終わってしばらくたつが」
上条「今日はタイムセールにいってから帰らなければならないのですよ。それまで学校からでるとどんな不幸が待ってるか分からないから待機中」 - 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:20:29.85 ID:0tl5xQmAO
- 土御門「待機中って――」
ガラッ
小萌「上条ちゃんいますかー?」
上条「あれ? 小萌先生どうしたんですか?」
小萌「あっ、よかった。居てくれて。それがですねー、出席日数計算しなおしたら上条ちゃんはもう一回補講が必要なことが分かったんですよー。と言うわけで今から補講するですよー」
上条「我慢だ我慢だ。あの口癖は我慢だ」ブツブツ
土御門「それじゃあ俺は帰ることにするぜい」バイバイサッ
小萌「それじゃあはじめるですよー」
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:21:38.52 ID:0tl5xQmAO
- 一時間後
18時00分
小萌「お疲れ様です。上条ちゃん。これで多分ちゃんと卒業できるですよ」
上条「耐え抜いた……。そして時間は18時ちょうど。十五分後のタイムセールに向けて……走る!」ダッ
小萌「ちょっと! 上条ちゃん!」
18時13分
上条「なんとか間に合った」ゼイゼイ
上条「それではタイムセールに――」
打ち止め「あっ、ヒーローさんだ! ってミサカはミサカは抱きついてみる!」ダキッ
上条「おっ、打ち止め。元気にしてたか?」
打ち止め「元気だったよ、ってミサカはミサカは報告してみる!」
上条「偶にはビリビリのところに顔出せよ……ん?」ピコーン - 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:27:33.65 ID:0tl5xQmAO
- 上条「打ち止め、ちょっと時間あるか?」
打ち止め「別に大丈夫だよってミサカはミサカは答えてみる」
上条「よし、それじゃあいくぞ! お一人様一パックの卵を目指して!」
打ち止め「なんだかよく分からないけどミサカはミサカは元気にレッツゴー!」
18時30分
打ち止め「ありがとうヒーローさん、ジュースまでかってもらって」
上条「いえいえ、こっちこそありがとう。これで今日のおでんに卵が加わる」
打ち止め「今日はうちもおでんなんだってミサカはミサカは楽しみにしてみたり!」
上条「黄泉川先生がつくるのか?」 - 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:28:02.30 ID:0tl5xQmAO
-
打ち止め「ううん、あの人が作るんだよってミサカはミサカは秘密の告白!」
上条「一方通行が?」クスッ
打ち止め「そうだよ。あの人のおでんはベクトル操作で味が染み込むんだよ 」
上条「それは……最高だな」ハハハハハハハハ
打ち止め「どうしたの? そんなに大笑いして? ってミサカはミサカはヒーローさんを心配してみたり」
上条「だってあの一方通行だぞ。それがエプロンつけて……」ククククク
打ち止め「あの……ヒーローさん……」
上条「ん? なんだ?」クスクス
打ち止め「後ろ……」 - 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:28:29.02 ID:0tl5xQmAO
- 上条「ん?」クルッ
一方通行「よォ三下ァ! うちのガキを連れまわした上に余計な事まで知ってくれたなァ!」
上条「」ガクガクブルブル
一方通行「さァ……愉快なオブジェになる時間だぜ」カチ
上条「ちょっと、一方通行! チョーカーのスイッチは……」ダッ
一方通行「ikufkfgtkrfdjufwjuqmurgjdfoejfgfcwpqkwqp」
上条「黒翼ださないでぇぇぇぇぇ!」
19時30分
一方通行「―――と言うわけで三下、割れた卵は買い直してやるから……忘れろ!」
上条「はい、わかりました……」セイザ
- 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:29:24.87 ID:0tl5xQmAO
- 打ち止め「ごめんね、もう少しはやく教えてあげれば……」
上条「いやいいんだ、自業自得だ……」
一方通行「ほら三下、行くぞ。コンビニでイイだろ?」
上条「はい!」ピシッ
19時45分
上条「色々余計なものまで買ってくれてありがとうございます」ペコペコ
一方通行「見苦しィことするンじゃねエよ、おでん待ってるんだろ? 早く行け」
上条「そうだ! インデックスが待っている!」ハシル
20時15分
上条「ようやく寮につきましたよ」ハア
上条「今帰るぜ! インデックス!」
御坂「ちょっと……待ちなさいよ」
上条「ん? ああ、ビリビリか。どうした?」
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:29:55.17 ID:0tl5xQmAO
- 御坂「いや、ちょっとつき合いなさいよ! いや、付き合えっていうのはそういう意味じゃないけど……」
上条「えっと……上条さんは忙しいから帰ってよろしいでせうか?」
御坂「いいから少し来なさい! ドリンクバーくらい奢るから」
20時30分 ファミレス
上条「それで用事ってなんだ?」
御坂「ちょっと待って。心の準備が……」スーハースーハー
21時30分
上条(あれから一時間も深呼吸してどうしたんだろう?)インデックスドウシテルカナ
御坂「よし! あのね――」
- 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:31:04.45 ID:0tl5xQmAO
- 寮監「ほお、御坂。私が少しコンビニに行った帰りに窓越しに見かけるとは奇遇じゃないか? 門限は分かっているんだろうな?」ニコニコ
御坂「やば、寮監だ! 逃げるわよ!」ウデヲツカンデダッ
上条「ちょっと! ビリビリ! どうすんだよ!」
22時15分
御坂「ハアハア、ここまでくれば大丈夫ね」
上条「俺の家と反対方向に走ってしまった……」ナンデマタ
御坂「いい? あんたも寮監に見つかったら大変なんだから」
上条「分かったから。上条さんはいい加減かえっていいでせうか? もう時間も遅いし」
御坂「私も寮監に見つかっちゃったから今日は仕方ない……。私は黒子に迎えに来てもらうか……」 - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:31:37.94 ID:0tl5xQmAO
- 上条「それじゃあな、ビリビリ!」
御坂「今度会ったときは覚えてなさい!」
22時25分
上条「随分遠くまできちゃったな……。でもきっとインデックスも待っている。待っててくれ、インデックス! 必ず……間に合うからな!」
23時00分 玄関前
上条「今日は玄関まで遠かったな……。でもこれで終わりだ! ただいま、インデックス!」ガチャ
インデックス「あっ、とうま! 心配したんだよ!」
上条「本当にごめんな。ほら、卵も買ってきたぞ」
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:32:14.32 ID:0tl5xQmAO
- インデックス「ありがとうなんだよ。洗濯も掃除もおでんもできてるからすぐ座って欲しいな」
上条「ありがとうな、インデックス。さてこんな寒い日にはおでんが」ホカホカ
上条「まずい! 走ってきたせいで体が暖まってしまった!」
インデックス「どうしたの? とうま」
上条「今から体冷ましてくる!」ガチャ
上条「ふーこーうだー!」ダッ - 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/01/15(日) 12:33:48.34 ID:0tl5xQmAO
- これで終了です。
以下誰か短編を投稿するなり雑談するなり適当に使って下さい。
ありがとうございました。 - 28 :26[sage saga]:2012/01/15(日) 22:05:41.08 ID:bNQHNLQU0
- 少し書き溜めたから投下する。
未来設定、上条さん&LEVEL5で。
キャラ崩壊、特定カプ有り、なるべくほのぼので。
見たくない人にはごめんなさい。 - 29 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:07:34.06 ID:bNQHNLQU0
-
冷たい風が吹きすさぶ、ある寒い夜の物語。
上条「うー、寒いなあ」
上条「大将、熱燗と煮込み。あと……何にしようかなっと」
モノレール高架下の屋台が、仕事帰りの不幸な男が選んだ、本日の憩いの場所。
上条当麻、25歳。職業、高校教師にして、警備員。
留年の危機を、なんども乗り越えて、無事に大学へと滑り込み、教員免許をとって、ここ学園都市で高校教師の職にありつくことが出来た。
上条「(少し腹に入るものがいいな。おでんにしよう。なんだか無性にあのたまごが食いたいなあ)」
そんな彼の目の前に置かれたおでん鍋にあるのは、大根、厚揚げ、がんもどき、ちくわ、こんにゃく、たまごに牛すじエトセトラ。
ほっこりと出汁が染みていそうで、見ているだけでお腹がぐう、と鳴りそうだ。
上条「大将。おで……」
言いかけたところで、ポンと後ろから肩を叩かれた。
ふっと振り返った視線の先に見たのは、
垣根「よう、上条。珍しいな、こんなとこで」
上条「おう、垣根か。仕事帰り?」
- 30 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:08:32.15 ID:bNQHNLQU0
- 垣根「おうよ。――大将、熱燗とおでん盛り合わせを頼む」
上条「俺も……「なあ、上条」 えっ? ああ、なんだ。垣根?」
注文しようとしたところを、隣に腰を下ろした垣根の言葉に遮られた。
垣根「お前、今日はなんでこんなところにいるんだ?」
垣根「勤め先、第7学区だろ?」
上条「ああ、今日は警備員の見回りで、こっちへ来てたんだよ」
上条「それも終わったんで、帰る前に軽く一杯ってな。――帰っても誰もいないし」
かつての同居人は、すでに数年前に帰国していた。
向こうで昔からの相棒(パートナー)と、幸せに暮らしているらしい。
垣根「ふーん。寂しい侘しい独身気分、てか?」
上条「そう言うお前はどうなんだよ」
垣根「俺か? 俺は……」
――お待ちどうさま。こちら熱燗と煮込みね。こちらのお兄さんには熱燗とおでんね。
言いかけたところへ、店主が酒とつまみを運んできた。
- 31 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:09:38.08 ID:bNQHNLQU0
-
上条「あ、それから……「まずは乾杯といこうぜ、上条」……」
上条はおでんを頼もうとしたが、垣根から枡に入れられたコップ酒を突き出され、仕方なくグラスを合わせる。
熱燗と頼んだだけに、コップに手を触れるとやけどしそうに思えたから、下の枡を持っての乾杯だ。
なみなみと注がれた、ほんわりと湯気の上がる酒に唇を寄せる。
ふわっと日本酒の熱い香りが鼻腔を通り抜けた。それだけで全身に酔いが回りそうな気持ちになる。
上条「(小萌先生や黄泉川先生の気持ちがわかるよな)」
恩師にして職場の同僚たる、先輩教師たちの顔が、いくつも彼の脳裏に浮かんできた。
垣根「くううううう!!!!」
隣に座った超能力者第二位が、一口啜って、唸り声を上げている。
彼に続いて、上条はコップに口を近付けると、やけどしないよう、ちゅっと一口啜ってみた。
熱い。だが熱すぎることもなく、その液体が体内を通り過ぎていくに従って、じんわりと染みるように体が温かくなってくる。
思わず――はぁぁぁあああ、と大きく息を吐いていた。
- 32 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:10:46.71 ID:bNQHNLQU0
-
垣根「やっぱり寒いときはこれだよな。そうだろ、上条」
上条「おお、そうだな。こうでないとこんな寒い夜なんて、しのげないよな」
そうしてまた、ちゅっと酒を啜った。
そんな上条の横顔を見ていた垣根が、思い出しように言葉を繋ぐ。
垣根「――俺は……嫁さんが待ってるから、あまり長居は出来ねえな」
上条「――リア充め」
垣根「お前が言うなよ」
上条「るせえ。俺は今……独り者だよ」
そう言いながら上条は、ごくり、とコップを煽った。
そんな彼を横目で睨みながら、
垣根「――嫁から聞いたぜ。喧嘩したんだってな」
垣根「お前らがこんなことになるとはな」
上条「……放っといてくれよ」
垣根「夫婦喧嘩は犬も食わないというが、食う犬もいなかったってか」
上条「…………」
垣根「原因はどっちなんだ」
上条「…………知らねえよ」
その言葉に、垣根はふふん、と鼻を鳴らした。
- 33 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:12:09.91 ID:bNQHNLQU0
-
垣根「まあ、どうせお前たちのことだから、たいした原因じゃないんだろ?」
垣根「――二人揃って強情ってとこはそっくりだもんな」
上条「…………チッ」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、垣根はおでんをつつく。
そんな彼を横目に、上条は舌打ちをすると、そっぽを向いた。
垣根「おっ、大将。このおでん、なかなかいけるじゃねえか。出汁の染み具合に常識が通用しないねえ!」
――でしょう。自慢の出汁なんでさあ。いけるでしょう?
垣根「ああ。だがあいにく日本じゃ二番だな。一番はウチの嫁さんのおでんだぜ。わはははは」
上条「…………」
屋台の主人と笑いながら、惚気めいたやりとりをする垣根に、上条は苦虫を噛み潰したような顔をする。
そして彼は、ぐっとコップの酒を飲み干した。
垣根「おう、ほどほどにしとけよ、上条。潰れたって、誰も迎えになんて来ねえんだろ?」
上条「――ああ。潰れはしねえよ」
垣根「そっか。ま、ほどほどにな」
上条「大将、熱燗もう一杯。それ……「大将、お勘定」……不幸だ」
他の客の声に遮られ、上条はがっくりと肩を落とした。
~~ To be Continued ~~ - 34 :26 「おでんはまだか」[sage saga]:2012/01/15(日) 22:12:59.45 ID:bNQHNLQU0
- 本日はここまで。
また書き溜めてくる。
次回はまた近いうちに。 - 35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/15(日) 23:37:11.94 ID:SZGfF4Oao
- 乙にゃんだよ!
- 36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/20(月) 01:51:43.19 ID:jWL9aOQQo
- まだか
2015年7月10日金曜日
上条「おでんはまだか」
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