- 545 : ◆8GNB4AEvC.[saga]:2012/01/05(木) 00:38:15.14 ID:8vRc+h3Yo
-
明けましておめでとうございます、というには少々遅いでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、今回から2回ほど、使いどころのないネタを消化するために
超番外編をお送りさせて頂きたいと思います。
相変わらず世界線無視で好き放題やってますが、お付き合い頂ければ幸いです。
それでは、始めさせて頂きます。
- 546 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:39:18.97 ID:8vRc+h3Yo
-
――超番外編2 レベル4でパロディ学園モノ
- 547 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:40:41.27 ID:8vRc+h3Yo
-
ここは東京都西部に存在するとある中高一貫校。
偏差値60、生徒数およそ600、全クラス普通科共学。
つまるところ、公立で中高一貫ということを除いてしまえば、
特にこれといった取り柄もないありふれた学校の一つに過ぎない。
あえて特色を挙げるとするならば、悪い噂はほとんど聞こえないということだろう。
思春期にありがちないじめや登校拒否といった問題は年間を通してほぼ発生していない。
これは常に生徒と向き合うことを怠らない名物教師陣の指導の賜物と言える。
ミニ教師、巨乳ジャージ教師、教師ゴリラと人材には事欠かない。
さて、時期は5月下旬。柔らかな日差しが差し込む中庭、緩慢な放課後を
満喫する3人の小柄な女子生徒の姿があった。襟元に結ばれたリボンの色から
中等部一年生であることが窺える。その内の一人、黒髪のワルっぽい少女、
黒夜は少々不機嫌だった。
「だからさぁ……絹旗ちゃんはどうして、私が学校に来てる唯一無二の理由を奪ったんだよぉ」
「そんなこと言ったって、仕方ないじゃないですか。超早いもの勝ちですよ」
(まーた始まりましたの)
怒りの矛先を向けられている亜麻色ヘアの大人しそうな少女、絹旗はと言えば、
先程から続く口撃をさらさらと受け流し続けている。それをツインテールの
上品そうな少女、白井が若干冷めた目で見ているという構図だ。
彼女らの争いの原因と言うのは――
- 548 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:41:35.21 ID:8vRc+h3Yo
-
絹旗 「大体、いつまでぐちぐち言ってるつもりですか。いい加減、超しつこいです」
黒夜 「絹旗ちゃんは分かってないんだよ。私はあの肉じゃがコロッケパンだけが楽しみで学校に来てんだぞ」
白井 「いや、あの、入学2か月弱でそれは少々悲しすぎますの」
絹旗 「じゃまた明日頑張りましょう、でいいじゃないですか」
黒夜 「……なんで、私の目前で最後の一つ取っちゃったの」
絹旗 「すぐ後ろに黒夜がいるなんて気づきませんでしたし」
白井 「売店は混んでおりますものね」
黒夜 「……美味しかった?」
絹旗 「超美味しかったです!」キラッ
黒夜 「……」
絹旗白井 「「?」」
黒夜 「うわぁぁぁん! 食い物の恨み、晴らさずにおくべきかぁぁぁ!!」ズガン
絹旗 「わ、あぶなっ!」
白井 (校内での喧嘩……はー、どうやら風紀委員として出番でしょうか)ハァ
※ジャッジメントではなく、ふうきいいん
- 549 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:42:37.12 ID:8vRc+h3Yo
-
絹旗 「分かりました! 分かりましたから! 超ちょっと待ってください!」ゴソゴソ
黒夜白井 「「?」」
絹旗 「あ、あったあった。食べきれなくて、カバンに入れっぱなしだったのであげますよ」ハイ
白井 「きっ、絹旗さん! いくらなんでも」
黒夜 「ナメてンのかァァァァァ!!」フギャー
絹旗 「あれ? ダメですか?」
黒夜 「私に食べ残しを与えるのもムカつくし、肉じゃがコロッケパンを残したのもムカついた! 二重でムカついた!」ムキー
絹旗 「ダメだったみたいです」
白井 「それはそうでしょう。そもそも、暑くなり始めてるこの時期にカバンに入れっぱなしと言うのは……」
黒夜 「隙みっけ!」ザッ
絹旗 「あ」
黒夜 「くらえ、窒素爆槍ゼロ距離噴射!」ボシュン
<わあああああ!?
黒夜 「翔ぶがよい」フンス
白井 「あらら……」
- 550 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:43:40.36 ID:8vRc+h3Yo
-
白井 「あの、黒夜さんの一撃は絹旗さんだからこそ耐えられたものかと思いますが」
黒夜 「分かってるよ。分かってるから遠慮なくブッ放したんじゃん」ケラケラ
白井 (頭痛がしてきましたの)
<ピシャーン
黒夜 「? 今なんか光った?」
白井 「絹旗さんが吹き飛ばされた方向ですが」
黒夜 「え、なんかマズかったかな」
白井 「とにかく参りましょう」タッ
:
:
:
絹旗 「あぅ」プスプス
???? 「一体どういうつもりなの。いきなり後ろから体当たりするなんてさ」
?? 「びっくりしたよね。突然飛んできたから」
?? 「真紅のリボンってことは、中等部の一年よね。ちょっとは大目に見てあげなさいよ」
- 551 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:45:15.31 ID:8vRc+h3Yo
-
黒夜 (おおい、大変だ! 絹旗ちゃんがヤンキー女に絡まれてるぞ!)ヒソヒソ
白井 (深翠のリボンということは、高等部の2年……わたくしたちからすれば、大先輩ですの)ヒソヒソ
黒夜 (ほら、風紀委員! 出番だぞ!)ヒソヒソ
白井 (まあ、行きますが……当事者として、黒夜さんも同行してくださいまし)ヒソヒソ
黒夜 (で、でも……なんかあの人たち怖そうだし。特にあの茶髪)ヒソヒソ
白井 (絹旗さんの名誉と安全のためでもありますの)ヒソヒソ
黒夜 (ぐぬぬ、分かったよ……)ヒソヒソ
白井 「あの、申し訳ございません」タタッ
黒夜 「わっ、わ、私の幼馴染に何してんだよ!」
番外個体 「あぁ?」ジロリ
黒夜 「」ビクッ
結標 「その腕章、風紀委員ね。ほら、これ以上騒ぎを大きくしない方がお互いのためだと思うけど?」
番外個体 「……仕方ないなぁ」ガシガシ
滝壺 「二人はこの子の友達?」
白井 「はい。あの、ご迷惑をお掛けしてしまったようで」ペコリ
- 552 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:46:25.34 ID:8vRc+h3Yo
-
黒夜 「あのー……なんで絹旗ちゃんはコゲてんの?」
番外個体 「いやー。ついつい手が滑っちゃって」
黒夜 (手が滑ってなんでコゲるんだ!?)
滝壺 「文字通り、雷が落ちたんだよ」
白井 「差支え無ければ、何があったのか伺わせて頂きたいのですが」
結標 「私たちがここで喋ってたところにね、この子が後ろから突っ込んできたのよ」
番外個体 「で、私が薙ぎ倒されたってワケだ」
滝壺 「コントみたいだった」
番外個体 「ちょっとは心配してよ!?」
白井 「あぁ、それは……なんと言いますか……」
黒夜 「一言で言えば不幸、かな」
番外個体 「ホントにね」
絹旗 「いやいや、一番超不幸なのは私ですよ! 吹っ飛ばされた上に雷落とされたんですから!」
結標 「吹っ飛ばされた?」
滝壺 「どういうこと?」
- 553 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:47:23.72 ID:8vRc+h3Yo
-
黒夜 「」ダラダラ
白井 「ええと、こちらで知っていることを説明させて頂きますと……」
~5分後~
真っ黒夜 「」プスプス
番外個体 「えっと……ゴメンね?」
絹旗 「いや、いいですよ。誤解は解けましたし」
結標 「だからもっと考えて行動すればいいのにさ」
番外個体 「ゴメン、ブチ切れてた」ニャハハ
白井 「まあ……今回ばかりは自業自得ですの」
白井 (それにしても、雷撃を放つ瞬間の凛々しきお姿)ハゥ
滝壺 「……ねえ、確認なんだけど。3人は中等部の一年なんだよね?」
絹旗 「はい、そうですが」
白井 「今年からお世話になっております」
滝壺 「ちょっと二人とも集合」
- 554 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:48:19.27 ID:8vRc+h3Yo
-
3人 「「「」」」ヒソヒシゴニョゴニョ
絹旗 「……どうしたんですかね」
白井 「さあ……」
黒夜 「あいてて……」
結標 「うん、いいかもね」
滝壺 「だよね? 学年的にも人数的にもちょうどいいかも」
番外個体 「よし、3人! この後時間ある?」
絹旗 「ええ、まあ」
白井 「大丈夫ですが」
黒夜 「なんかあんの?」
結標 「ちょっと一緒に来なさい」
滝壺 「こっちこっち」
黒絹白 「「「?」」」
:
:
:
- 555 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:49:22.53 ID:8vRc+h3Yo
-
絹旗 「どこまで行くんでしょう」トテトテ
黒夜 「な、なあ……この展開って、アレじゃない?」トテトテ
白井 「アレと申しますと」コツコツ
黒夜 「人気のないところまで来たら、子分の屈強な男どもが現れて集団レ」
白井 「ないかと」
滝壺 「ほら、ついたよ」
絹旗 「ここは?」
番外個体 「元々は空き会議室。今は好きに使っていいって言われてるけどね」
結標 「さて、誰か来てるかしらね」コンコン
ガチャ
海原 「チェックメイトですね」ニコニコ
婚后 「」ムムム...
滝壺 「ちょうど勝負がついたところ?」
海原 「おや、先輩方ですか。今、お茶を用意しますね」
- 556 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:50:36.87 ID:8vRc+h3Yo
-
婚后 「あ、海原さん。ここはわたくしが」
結標 「いいわよ、やらせておけば」
番外個体 「おやおや、彼氏さんには厳しいんだなぁ」
結標 「学校内でカミングアウトするなっていつも言ってるでしょ!」ピコッ
番外個体 「いたっ」
滝壺 「年下彼、むしろ誇るべき」
結標 「滝壺さん!」
海原 「……おや。今日はいつもより多く用意しないといけないようですね」
絹旗 「あ、どうも」
白井 「どうぞ、お気遣いなく」
黒夜 (居づれぇ)
婚后 「こちらの方たちは?」
滝壺 「そこで拾ってきた」
黒夜 「で、ここは何の集まりなの? 部活?」
白井 「それはないかと」
- 557 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:52:08.16 ID:8vRc+h3Yo
-
絹旗 「なんで超言い切れるんですか?」
白井 「部活動は中等部と高等部で完全に切り離されておりますもの」
黒夜 「そういや説明会でそんなこと言ってたな」
海原 「仰る通りです。ここは部活でもなんでもありません。あ、ちなみに僕は中等部2年の海原と申します」ペコリ
絹旗 「これは超ご丁寧に。私は絹旗っていいます。こっちの二人は合わせて白黒です」
黒夜白井 「「こら!」」
番外個体 「ご老公様みたいな自己紹介をどうも」ケラケラ
滝壺 「みつくにでももうちょっと丁寧だよ」
結標 「ほら、あと貴女だけよ」
婚后 「え? あっ、も、申し遅れまして。わたくしは中等部2年の婚后光子と申します」
白井 「わたくしは白井と申します」ペコリ
黒夜 「黒夜」
絹旗 「あれ? レクリエーションでやった"黒、夜、です"じゃないんですか?」
黒夜 「思い出させんなよぉぉぉ!!」
結標 (三瓶?)
- 558 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:53:16.75 ID:8vRc+h3Yo
-
白井 「それで、ここはいったい」
海原 「はい、お茶をどうぞ」
白井 「あ、申し訳ございません」
黒夜 「」ズズ...
絹旗 「で、私たちはなんで連れてこられたんですか?」
滝壺 「勧誘」
海原 「それにはまず、ここがなんなのかを説明しませんと」
結標 「この部屋でね、テスト前にはひたすら勉強したり、テスト終われば遊び呆けたり」
婚后 「何もなければお茶やチェスをゆるりと楽しんでいたりもしますわね」
番外個体 「何が目的かって言うと、学校生活をひたすらに楽しむこと。そんだけ」
絹旗 「……それって、ただ超好き勝手にやってるだけじゃ」
結標 「そうでもないわよ? 黄泉川先生とかシルバークロース先生に認められたサークルだもの」
白井 「えぇ!?」
黒夜 「シルクロってうちらの担任じゃんか……」
海原 「黄泉川先生曰く"たっぷり学んでたっぷり遊ぶことが学生の本分じゃん"と」
- 559 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:54:43.25 ID:8vRc+h3Yo
-
滝壺 「この部屋を使えるのも、その先生のおかげ」
番外個体 「さて、ここまでで聞くけど。どう? 入ってみる?」バチィ バチバチッ バチンッ
結標 「なんで超帯電状態で聞くのよ」ピコッ
番外個体 「いて」
黒夜 「でもなんか面白そうだな」
絹旗 「ええ、確かに」
白井 「お、お二人とも……」
黒夜 「あれ? 白井ちゃんは乗り気じゃないの」
白井 「うーん……」
滝壺 「じゃ、気が変わらない内にこれに名前書いて」つ【入隊届】
絹旗黒夜 「「」」カキカキ
白井 「……このお二人を野放しにはできませんわね。ではわたくしも」
番外個体 「素直じゃないなぁ」ナデナデ
白井 「はぅ」
婚后 「これで正式加入ですわね」クスクス
- 560 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:56:04.67 ID:8vRc+h3Yo
-
結標 「はい、確かに。歓迎するわよ、新人さんたち」
海原 「そういえば、あの話はしなくてよいのですか?」
黒絹白 「「「?」」」
滝壺 「そうだね、しないとダメだね」
番外個体 「あのね、さっき説明した通り、私たちは基本好き勝手やる集団なの」
絹旗 「ええ、まあ」
黒夜 「でも先生方には認めてもらってるんだろ?」
婚后 「実は、それはあくまで一定以上の成績をキープしているからなのです」
黒夜 「」
滝壺 「当然だよね。それがなければ、ただ遊んでるだけの集団だもん」
結標 「それ以前にね、私たちを快く思わない人たちがいるのよ」
白井 「それはいったい」
海原 「生徒会役員です」ニコニコ
番外個体 「そんなワケだからさ、生徒会からすっごい目の敵にされてんだよね」ニャハハ
白井 「」
- 561 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:58:07.43 ID:8vRc+h3Yo
-
海原 「まあ、僕としても最近の生徒会のやり方には疑問を禁じえませんし。ここに身をおくのも悪くないですよ」
婚后 「今の生徒会長になってから、強権的な手法が目につくようになりましたものね」
黒夜 「あー、それは思った。なんで生徒会が地方行政並の権力持ってんだっての」
番外個体 「ほら、なんて言ったっけ? 生徒会長の」
結標 「あぁ、あのホストモドキ?」
滝壺 「全校成績が第二位の人だよね、確か」
番外個体 「あいつが表に裏にいろいろ動いてるみたいよ」
白井 「あの優しそうな生徒会長が……」
絹旗 「でも敵に回して大丈夫なんですか?」
海原 「表だって対決してるという訳ではないですよ。快く思われていない、という程度です」
絹旗 「超なるほど」フム
結標 「ま、約一名被害を被ってるけどね。しつこく言い寄られて」クスクス
番外個体 「彼女NTRで第一位涙目、って魂胆だよ。大体あいつ、本命は別にいるし」ケッ
婚后 「生徒会長様と第一位様の仲は険悪そのものですものね」
滝壺 「いい迷惑だよね、みさわも」
黒夜 (さらりとすごいことカミングアウトしなかったか?)
- 562 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 00:59:28.70 ID:8vRc+h3Yo
-
結標 「そういう訳だから。気楽にね」
絹旗 「は、はあ」
黒夜 「生徒会との対立かぁ、学園生活っぽくていいじゃないか」
白井 「そうでしょうか」
滝壺 「さて、と。今日何するか決めようか」
海原 「それは決まっているのでは?」
婚后 「新人さんたちの歓迎会をいたしませんと」クスクス
結標 「じゃファミレスでも行く?」
番外個体 「カラオケでもおkだね」
滝壺 「とりあえず出よっか」
絹旗 「あ、待ってくださいよ」トテテテ
黒夜 「置いてかないでくれよ、先輩」トテテテ
白井 「流れで加入してしまいましたが……」
絹旗 「超楽しんだもん勝ちですよ」
黒夜 「そうそう。それに先輩方とのパイプもできるしさ」ニシシ
- 563 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 01:00:40.55 ID:8vRc+h3Yo
-
~2週間後~
白井 「お姉様! いい加減制服を着崩すのはやめてくださいまし!」
番外個体 「えー、なんで? いいじゃん」サクサク
白井 「風紀委員として見過ごせませんの!」ムキー
海原 「また始まってしまいましたか」
婚后 「ええ、まったく。はい、王手ですわね」タンッ
海原 「え? あ、あれ?」
滝壺 「」スピー
絹旗 「」パラパラ...
結標 「絹旗さんは真剣に何読んでるの?……映画情報誌?」
絹旗 「ダメですねー、超不作です」
黒夜 「絹旗ちゃんを満足させるような映画が、そうそう雑誌に載ってくるかよ」クピクピ
結標 「どういうのが好みなの?」
絹旗 「んー……説明するより、これから一緒に観に行きませんか?」
- 564 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 01:02:12.03 ID:8vRc+h3Yo
-
結標 「え? これから?」
絹旗 「超これからです」フンス
結標 「ま、いいわ。行きましょうか」
黒夜 (あーぁ、知ーらね)
絹旗 「黒夜はどうします?」
黒夜 「いや、私はいいわ」
絹旗 「じゃ行ってきますね」
結標 「みんなお先にね」
<バタン
黒夜 (つっまんねー映画を観ながら、絹旗ちゃんの映画論を聞かされるなんて罰ゲームだろ)
滝壺 「ダメだってば……はまづら……」ムニョムニョ
番外個体 「クーロちゃーん、なんかやろうぜ」
黒夜 「じゃ、ボンバーマンで。白井ちゃんもどうよ」
白井 「む……受けて立ちましょう。今日こそは負けませんの!」フンス
黒夜 「よーし、開始開始!」カチッ
- 565 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/05(木) 01:02:50.49 ID:8vRc+h3Yo
-
といったところで、今回はここまでです。
生徒会役員は一方さん以外のLEVEL5とその取り巻きをご想像ください。
次回も読みきりの超番外編です。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 566 :以下、あけまして[sage]:2012/01/05(木) 01:06:03.59 ID:YU9H7iFE0
- 乙
- 567 :以下、あけまして[sage]:2012/01/05(木) 01:06:48.94 ID:Ikat9juko
- 滝壺さんはどこの時空でも浜面と幸せな性活を営んでいるご様子でwww
乙 - 568 :以下、あけまして[sage]:2012/01/05(木) 01:15:14.95 ID:xorDtRiyo
- 超番外編と聞いて
「絹旗×番外個体」と思ったのは俺だけでいい - 569 :以下、あけまして[sage]:2012/01/05(木) 01:15:35.05 ID:CzNJ5ZFDO
- おい
さいご先生にあやまれよ! - 570 :以下、あけまして[sage]:2012/01/05(木) 01:32:58.24 ID:dR/KjCTO0
- >>1乙!!
突然の真っ黒夜につい噴出してしまった - 613 : ◆8GNB4AEvC.[saga]:2012/01/09(月) 03:21:00.95 ID:sjx8LX2Vo
-
遅くなってしまい、大変申し訳ありません。
ここ数日、まったく先を書くことができなくなってました。
ホントにあるんだな、この病気。
>>573
滝壺派だけど、生徒会No.2のむぎのんに何故か校内ストーキングを受け、
二勢力の狭間で悶絶する、その実態は浜面。
>>577
その辺の人たちになるかと思います。
>>579
元ネタはないです。一クラス30人として、学年90人。
中高6年で540人、じゃちょっと水増しして600人かな、って感じです。
>>585
出番以前に、続きがありません。正直一発ネタのノリで書いたので。
なので、ネタは膨らむも細かいところは詰め切れていないんですよね。
さて、今回は超番外編3です。前回と違い、世界線は飛んでいません。
彼女たちが主人公の番外編となります。
- 614 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:21:43.97 ID:sjx8LX2Vo
-
――超番外編3 シスターズトーク
- 615 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:22:19.33 ID:sjx8LX2Vo
-
~某日 第7学区 隠れ家的喫茶店~
ショチトル 「」フキフキ
ショチトル 「……くっ……グラスの曇りがとれない……」
ショチトル 「仕方ない。コレを使うか」
ショチトル 「漂白剤は嫌いなのだが……」ゴシゴシ
<カランカラン♪
ショチトル 「いらっしゃいませ……って」
フレ止め 「「」」ヒョコッ
ショチトル 「お前たち二人だけか? 珍しいな」
フレメア 「大体、入っても平気?」
ショチトル 「営業中だ、問題ない」
打ち止め 「お客さんがいないから準備中だと思っちゃった」
ショチトル 「この時間はいつもそうだ」
- 616 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:23:32.80 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「あれ? ミサワのお姉ちゃんは?」
ショチトル 「郵便局に用事があるとかで、出かけてるぞ」フキフキ
打ち止め 「そっかー」
ショチトル 「戻るまで待つか?」
フレメア 「お姉ちゃんに用事があるんじゃなくて、喉が渇いたから来たの」
打ち止め 「そうそう」
ショチトル 「ではご注文を伺おう」
打ち止め 「なににしよっかなー」
フレメア 「メニュー、メニュー」
ショチトル (お金は……大丈夫か。最悪、マスターが払ってくれるよね)
打ち止め 「……コーヒー牛乳ない」
ショチトル 「必要とあらば作るぞ」
打ち止め 「ホント!?」キラキラ
ショチトル (マスターと顔そっくりなのに、表情でここまで印象が異なるのか)
- 617 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:24:54.82 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「私オレンジ!」
ショチトル 「冷たいのと暖かいのがあるが」
フレメア 「え?」
ショチトル 「?」
フレメア 「……大体、冷たいの」
ショチトル 「了解した」カチャカチャ
:
:
:
打ち止め 「でね、この間夜中に目が覚めて」
フレメア 「ふむん」
打ち止め 「お手洗いに行こうと思ったら、二人が」
フレメア 「……二人が?」
打ち止め 「二人で」
フレメア 「二人で?」
打ち止め 「ナイショ」
フレメア 「むう」
- 618 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:26:14.27 ID:sjx8LX2Vo
-
ショチトル (マスター、自重しろ……)
フレメア 「私も語っていい?」
打ち止め 「うん」
フレメア 「朝早く目が覚めたの」
打ち止め 「何時ごろ?」
フレメア 「大体、5時半。でもね。家に誰もいなかった」
打ち止め 「? なんで?」
フレメア 「分からない。その後、30分ぐらいして二人一緒に帰ってきたけど」
打ち止め 「それこそなんで?」
フレメア 「早朝ウォーキングだ、って言ってた」
打ち止め 「そっか。二人ともいつもジャージだもんね」
ショチトル (……違う想像をしてしまった私は、すでに毒されているのか)
ショチトル (自己嫌悪のあまり、頭痛がしそうだ)
フレメア 「ねー、お姉ちゃんも」
ショチトル 「?」
- 619 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:27:17.83 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「らぶらぶな所を見せつけられることってある?」
ショチトル 「見せつける、という意図というか、本人たちに悪気はないのだろうが」
打ち止め 「うん」
ショチトル 「二人の世界に入ってしまえば、私は空気だ」
フレメア 「だよね」
打ち止め 「で、でも、ほら、空気ってことはないと困るって意味だよね?」
ショチトル 「……日本語の表現とは難しいな」
フレメア 「でもたまに気になる。私たちってどう思われてるんだろ?」
打ち止め 「……どうなんだろう」
ショチトル 「妹だろう、それ以上でもそれ以下でもない」
フレメア 「私も?」
ショチトル 「フレメアは……むしろ娘扱いされているようにも見えるが」
打ち止め 「滝壺お姉ちゃんって、母性があるもんね」
フレメア 「むう」
ショチトル 「居場所があるんだ。むしろ感謝するべきなのだろう」
- 620 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:28:14.51 ID:sjx8LX2Vo
-
~しばらくして~
フレメア 「」ペラペラ...
打ち止め 「」パラ
ショチトル (さっきの話題にはもう飽きたのか。二人して真剣に読み物か)
ショチトル (……その4コマ雑誌、私まだ読んでないのに)
フレメア 「!」ピンポン
打ち止め 「何、今の音」
フレメア 「閃いた、にゃあ」
ショチトル 「何をだ?」
フレメア 「これ見て、これ」
ショチトル 「?」パラパラ
打ち止め 「何書いてあるの?」
フレメア 「大体、その一番右の場面」
ショチトル 「……これが?」
- 621 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:29:34.37 ID:sjx8LX2Vo
-
打ち止め 「何書いてあーるーのー!」
ショチトル 「簡単に言えば、"私にカレができたらどうするぅ?"と妹に聞かれて
大慌てする兄が滑稽に描かれている場面だ」
フレメア 「あ、今のセリフの言い方可愛かった」
打ち止め 「普段のお姉ちゃんっぽくなかったね」
ショチトル 「だっ、黙れ! それで、これを見て何を思いついたと言うんだ」
フレメア 「私たちもこれやってみる」
ショチ止め 「「えぇ?」」
フレメア 「それで反応を見るのだ」フンス
ショチトル 「……つらい現実が待っているかもしれないぞ?」
打ち止め 「た、例えば」
ショチトル 「好きにしろとか、自分には関係ないとか言われたらどうするんだ?」
フレメア 「それでも、気になる気持ちをこのままにしておくのはヤ」
打ち止め 「分からなくもないけど」
ショチトル 「何がそこまで駆り立てる?」
- 623 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:30:37.31 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「大体、知りたいだけ。浜面が私のことをどう思ってるか」
ショチトル 「……分かった、私も乗ろう」
打ち止め 「じゃ私も!」
ショチトル 「では試してみて、互いに報告するという形でいいか?」
フレメア 「おk!」
打ち止め 「じゃあ、それはまた別の日に」
ショチトル 「……! この話はここまでだ」
<カランカラン♪
番外個体 「ただいまー、ってあら?」
フレ止め 「「おかえりー」」
ショチトル 「長引いたな」
番外個体 「参ったよ、混んでてさー」
打ち止め (善は急げ、さっそく今夜決行するのだ、ってミサカはミサカは決意を新たにしてみたり)
番外個体 「どうしたの?」
打ち止め 「なんでもないよ!」
- 624 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:32:10.02 ID:sjx8LX2Vo
-
~数日後 第7学区 とある公園~
フレメア 「」ハモハモ
打ち止め 「」ハモハモ
ショチトル 「なぜ私がクレープを奢る流れになっているんだ……」ハァ
フレメア 「お姉ちゃんはよかったの?」
ショチトル 「空腹ではないのでな」
打ち止め 「甘いものはお腹が空いたからといって食べるものではないと思うの」
ショチトル 「一理ある」
フレメア 「で、で。今日はあの話するんだよね?」
ショチトル 「ああ……」
打ち止め 「ちゃんと言ってみたんだよね」
ショチトル 「抜かりない」
フレメア 「じゃ私から発表、にゃあ」シュタッ
打ち止め 「どうぞどうぞ」
- 625 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:33:26.93 ID:sjx8LX2Vo
-
*** 回想 自宅 寝室にて ***
フレメア 「ねーねー」ポンポン
浜面 「お、なんだ?」
フレメア 「もし私に彼氏ができたら、浜面はどうする?」
浜面 「なっ、な、なぁにぃ!? やっちまっt……じゃなくて、どんな男だ!」
滝壺 「もしも、の話だよ」
フレメア 「そうそう」
浜面 「そ、そうだったな。ま、まあ、なんというかな、フレメアも可愛い顔してるし、もしかしたらってことも」
滝壺 「フレメアが選んだ人なんだしね。……でも、個人的にだけど、アドバイスするとはまづらみたいな人がいいかも」
浜面 「おいおい。照れるじゃねぇか」
フレメア 「……浜面みたいな人って?」
滝壺 「背が高くて優しくて強くて」
フレメア 「」ウトウト
滝壺 「格好良くて面白くて器用で」
フレメア 「」スピー
*** ここまで ***
- 626 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:34:32.99 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「最後まで聞けなかった、にゃあ……」シオシオ
ショチトル 「それは仕方が無いとも思う」
打ち止め 「本当に浜面のことが大好きなんだね」
ショチトル (少しだけ、滝壺さん補正が入っているような気もするが)
フレメア 「どう思う?」
打ち止め 「驚いてくれてるし、可愛い顔って言ってくれてるし」
ショチトル 「彼は嘘が下手だ。それは本心なのだろうな」
フレメア 「に、にゃあ」
打ち止め 「実際連れて来たら、すっごいさびしそうな顔するんだろうね」
ショチトル 「まるで父親だな」
フレメア 「……父親かあ」
打ち止め 「じゃ、次はお姉ちゃん」
ショチトル 「私か。……先に言っておくが、笑わないで聞いてほしい」
フレメア 「大体了解」
打ち止め 「約束」
- 627 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:35:45.20 ID:sjx8LX2Vo
-
*** 回想 自宅 リビングにて ***
ショチトル 「もし、もしもの話として聞いてほしい。私に恋人ができたら、二人はどう思う?」
エツァリ 「」ブーーーーッ ゲホッゲホッウェ
結標 「そうね、紹介はしてもらいたいかな」
ショチトル 「その上で見極めると?」
結標 「そこまで介入するつもりもないわよ。お兄ちゃんはどうだか分からないけどね?」クスクス
ショチトル 「」ジー...
エツァリ 「ま、まあ……その時が来てみないと、なんとも」
ショチトル 「曖昧だな」ハァ
結標 「でも、そうね……貴女、歳の割にしっかりしてるし」
ショチトル 「してるし?」
結標 「年下の子とか、相性がいいんじゃない?」
ショチトル 「今の私より年下だと、下手したら小学生になってしまうぞ」
結標 「いいんじゃない?」
ショチトル (いいのか)
*** ここまで ***
- 628 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:36:55.91 ID:sjx8LX2Vo
-
フレメア 「お兄ちゃんびっくりしすぎ」
打ち止め 「すっごい動揺してるよね」
ショチトル 「その動揺が何に由来するかが重要なのだがな」
フレメア 「……妹をとられた! とか?」
打ち止め 「……俺の妹なのに! とか?」
ショチトル 「結局、妹ポジションから抜け出せないままか」
打ち止め 「それにしても、お姉ちゃんより年下ってことは」
フレメア 「大体、私たちと同じぐらいの男の子?」
ショチトル 「……済まないが、自分がそういう相手と懇意になるというビジョンが全く浮かばない」
打ち止め 「でもそうしたら、淡希お姉ちゃん公認だよね?」
ショチトル 「義姉さんの性格上、余程変な相手じゃなければ口は出しそうにないが」
ショチトル (というか、私の好みはむしろ年上なんだけど……)
打ち止め 「じゃあ、最後は私?」
フレメア 「語って語って」
打ち止め 「あの日の夜、早速決行したんだけど……」
- 629 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:38:25.24 ID:sjx8LX2Vo
-
*** 回想 自宅 夕食時 ***
打ち止め 「もしミサカが彼氏連れてくるとしたら、どんな人がいい? ってミサカはミサカは爆弾発言してみたり」
一方通行 「」ガタンガタッゴロロン
番外個体 「椅子ごとコケるほど驚くことかい。三枝師匠かっての」ガタ
打ち止め 「も、もしも、もしもの話だから、ってミサカはミサカは慌ててフォローしてみたり」アワワ
番外個体 「もしもじゃなくてもねぇ、近い将来にそうなることもあるかもしれないし」
一方通行 「……あ、あァ。で、どンなヤツだったら、って話だったか」
打ち止め 「うん、どんな人だったら二人にも認めてもらえるのかなぁ、ってミサカはミサカは素朴な疑問をぶつけてみたり」
番外個体 「別に私が認める認めないって気にすることもないと思うけど」
打ち止め 「そーれーでーもー」
番外個体 「じゃ、この人より頭いい人がいいかな」
打ち止め 「」
一方通行 (もし俺になンかあった場合に……こいつらを護れるぐれェのヤツじゃなきゃダメだ)
一方通行 (つゥことはだ、最低限……)
一方通行 「ワーストより強いヤツ、だな」
打ち止め 「」
*** ここまで ***
- 630 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:39:44.74 ID:sjx8LX2Vo
-
ショチトル 「マスターより強くて、且つ白い人より頭がいい人? そんな男がこの世にいるのか?」
フレメア 「大体、それじゃ生涯独身……」
打ち止め 「むむむ……あの人より頭がいい人って、世界中でも数えるぐらいしかいないかも……」
ショチトル 「まあ、それはともかくとして。椅子ごと転ぶ程度には驚いてくれたか」
打ち止め 「それはむしろ私がびっくりした」
フレメア 「全員そうだけど、すごくびっくりしてくれてるよね」
ショチトル 「それはそうだろう。何の前フリもなしにこんな話をしたのだから」
打ち止め 「でもよかったよね。関係ねぇ、って言われなくて」
フレメア 「うん、まだ望みはあるかも」
ショチトル 「望み?」
フレメア 「浜面を振り向かせてみせる」フンス
打ち止め 「あー……」
ショチトル 「そうか、フレメアにはそういう野心が」
フレメア 「あれれ? 二人にはないの?」
打ち止め 「んー」
- 631 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:40:53.56 ID:sjx8LX2Vo
-
ショチトル 「私たちはある共通点を持っているんだ」
フレメア 「?」
打ち止め 「ある意味、フラれちゃってるんだよね」
フレメア 「」ガボーン
ショチトル 「その上、告白を後押しするような発言もしている」
フレメア 「そ、そうだったの!?」
ショチトル 「だが後悔はしていない。むしろ、後悔せずにすむよう行動した結果だからな」
打ち止め 「それに、まだ愛人枠っていう道が」
ショチトル 「こら」
フレメア 「……でも、私は負けない、にゃあ」
ショチトル 「その心意気は買おう」
フレメア 「何年かしたら、浜面が大好きなバニーで迫っちゃうもん」
打ち止め 「それが似合う体型になってればいいんだけど」
フレメア 「な、なってるもん」
ショチトル 「数年後に期待だな」クスクス
- 632 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/09(月) 03:41:35.05 ID:sjx8LX2Vo
-
といったところで、超番外編3はここまでです。
フレメアの意外な野心が明らかになりました。
さて、次回からは#8に入りたいと思っています。
メンバー全員で事件に挑んだり壁を乗り越える話です。
内容が内容なだけに、ほのぼの成分は少々薄まりますが、
お付き合い頂ければ幸いです。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/09(月) 03:45:04.19 ID:nNBbE5hw0
- 乙なんだよ。
- 636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/09(月) 04:06:31.39 ID:Fs6XycyDO
- >>1乙
ロリバニーも捨てがたい - 637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2012/01/09(月) 04:21:58.74 ID:UZip1m67o
- 金髪幼女は白バニーがよく似合う
- 640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/09(月) 06:50:50.05 ID:4AJC+n02P
- フレメア…
数年後の完成形はツルペタだったフレンダなのに… - 670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2012/01/12(木) 02:00:09.88 ID:5BIFIOzOo
- 今日で3日目だしそろそろ来るかな
- 672 : ◆8GNB4AEvC.[saga]:2012/01/12(木) 23:02:06.94 ID:nfxxdzgzo
-
>>640
前に滝壺さんも言ってましたが、胸の大きさは後天的要因の方が大きいらしいですね。
つまりフレメアはまだ希望が。
>>670
さすがに平日真夜中は厳しいのです。
さて、今回からは#8に入りますが、先に謝罪させてください。
今回、"分かりやすい悪役"として名無しモブが複数人登場します。
オリキャラは賛否あるのは承知してますが、他に敵役も見つからんので……。
それでは始めさせて頂きます。
先にご連絡させて頂きました通り、今回からは全員で事件に挑んだりするお話です。
- 673 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:03:15.69 ID:nfxxdzgzo
-
――#8 事件ですの!
- 674 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:04:07.96 ID:nfxxdzgzo
-
~1月中旬 第7学区 番外通行邸~
フレメア 「シロ、今日も家庭教師ありがとね」
一方通行 「あァ」
打ち止め 「おつかれさまー♪」
一方通行 (こいつらの飲み込みの早さは一体なンなンだ……末恐ろしいガキどもだ)
一方通行 (ま、教え甲斐があるってなもンだよな)
フレメア 「それじゃ、おじゃましました」ペコリ
一方通行 「一人で大丈夫か?」
フレメア 「大体、大丈夫。まだ外明るいし」
打ち止め 「ゴメンね、この人過保護だから」
一方通行 「アホ。なンかあった場合に三下2号に申し訳がたたねェだろ」ペシッ
打ち止め 「ふぎゃ」
フレメア 「シロは心配性だね」
一方通行 「あのなァ」
フレメア 「じゃ、また今度ね!」ノシ
打ち止め 「気をつけてねー」ノシ
<ガチャ バタン
一方通行 「……やれやれ」ハァ
- 675 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:05:21.82 ID:nfxxdzgzo
-
:
:
:
フレメア 「」トテテテ
フレメア 「……あ」
フレメア 「」ガサガサ
フレメア 「コレ、渡してって言われたのに忘れてた」
女子生徒 「ねえ、そこのお嬢ちゃん」
フレメア 「? 私?」
女子生徒 「うち、迷子になってしもてん。そやし、道をおせてほしいんやけど」
フレメア 「??」
女子生徒 「あ、ええと、伝われへんかったかな? ここへの行き方、知ってはる?」つ【地図】
フレメア 「……」ジー...
パシュッ
フレメア 「」コテン
フレメア 「」スピー
女子生徒 「……ゴメンな。騙すよなマネしてしもて」ナデナデ
- 676 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:07:25.30 ID:nfxxdzgzo
-
いい男 「ふむ、俺の射撃の腕も捨てたものでもないな。ま、男のケツにやる射撃の方が得意」
女子生徒 「このごんたくれ。うちの前で下ネタは許さへんと言うておきましたやろ?」ジロ
いい男 「おっと、こいつは失礼」
女子生徒 「……そんで、この子は?」
いい男 「ただの麻酔銃だ。命に別状はないさ」
女子生徒 「ほな、どなたかに目撃される前に退散しましょ。くれぐれも、その子に怪我させんように」コツコツ
いい男 「ふん、子どもには甘いな。向こうに車を待たせてある。急ぐとしようか」ヨイショ
フレメア 「」スピー
~同日夜 第7学区 番外通行邸~
番外個体 「あー、肩がー」ジャブジャブ
打ち止め 「なんだかお年寄りみたいだよ、ってミサカはミサカは的確に突っ込んでみたり」フキフキ
【固定電話】<Prrrr
打ち止め 「あ、電話だ」
番外個体 「ねー、ちょっと電話とってー」
- 677 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:08:31.57 ID:nfxxdzgzo
-
一方通行 「今忙しい」
【TV】<成敗!
番外個体 (こいつ後で殴ろう)
打ち止め 「こっちはミサカだけでも大丈夫だよ、ってミサカはミサカはお皿洗いをやり遂げることを宣言してみたり」
番外個体 「ゴメン、じゃちょっとお願いね」
番外個体 「はい、もしもしー? あ、滝壺さんか。どうしたの?」
番外個体 「…………えっ?」チラッ
打ち止め 「♪」ジャブジャブ
一方通行 「」ポケー
番外個体 「……聞いてみる。ちょっと待ってて」【保留】ポチ
番外個体 (ねえ、そのまま黙って聞いて)ヒソヒソ
一方通行 「?」
番外個体 (フレメアが帰って来てないみたい)ヒソヒソ
一方通行 「ッ!?」
番外個体 (今日来てたんだよね? 何時ごろ帰った?)ヒソヒソ
一方通行 (夕方……16時過ぎだな)ヒソヒソ
- 678 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:09:45.19 ID:nfxxdzgzo
-
番外個体 (変わったことは?)ヒソヒソ
一方通行 (特には)ヒソヒソ
番外個体 (……分かった)ヒソヒソ
番外個体 「あ、もしもし? ゴメン、ちょっと分かることがないかなぁ……」
番外個体 「え? 今から? だったら私も……いいよ、気にしないで」
番外個体 「はーい、じゃね」カチャ
番外個体 「今、浜面さんが探してて、滝壺さんは自宅待機だって。そんで私も行ってくるよ」
一方通行 「……そォか」
番外個体 「留守番お願いね」
一方通行 「あァ。オマエも気をつけろよ」
<ガチャ バタン
打ち止め 「終わったよー! ってミサカはミサカは……って、あれ? ワーストは」
一方通行 「コンビニ行ったぞ」
打ち止め 「えー。じゃコーヒーゼリー頼めばよかった、ってミサカはミサカは過ぎたことを悔いてみたり……」
一方通行 「メールしといてやるよ。オマエは今の内に風呂入っとけ」
打ち止め 「約束だよ? ちゃんとしてよ? ってミサカはミサカは念を押しつつお風呂に向かってみたり!」トテテテ
<バタン
- 679 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:11:11.02 ID:nfxxdzgzo
-
一方通行 「……」
一方通行 「」カチカチ
Prrrr Prrrr Prピッ
海原 『珍しい相手からお電話ですね』
一方通行 「うるせェよ」
海原 『手厳しいですね。して、どのようなご用件で?』
一方通行 「……厄介なことになったかもしれねェ。知ってることがあれば教えてほしい」
海原 『なぜ僕に?』
一方通行 「オマエ、前に言ってただろ。独自に調べているとかどォとかよ」
海原 『相変わらず大した記憶力ですね。2ヶ月近く前の話ですよ?』
一方通行 「……端的に言うぞ。三下2号のとこのガキが消えた」
海原 『なんですって? フレメアさんが?』
一方通行 「俺の考え過ぎならそれでいいンだが……ただな……」
海原 『……ただ?』
一方通行 「いや、どンなことでもいい。なにか思い当たることがあるか?」
海原 『では、僕が知り得ることはお話しておきましょうか。あくまで可能性の一つですが』
- 680 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:12:37.26 ID:nfxxdzgzo
-
:
:
:
一方通行 「なるほどな……一ついいか?」
海原 『なんでしょう』
一方通行 「オマエ、そこまで知っておきながら、なンで何もしなかった?」
海原 『それは申し訳なく思います。ですが、僕一人ではやれることに限度があることも察してください』
一方通行 「……」
海原 『以前のような"バックアップ"はもう望めないのですし、憶測だけで周りの方を巻き込めるほど大胆にもなれません』
一方通行 「……チッ」
海原 『それに』
一方通行 「なンだ」
海原 『昨年末の段階では、"彼ら"は単に小遣い目当てに軽犯罪を重ねる集団の枠を出ていなかったのです』
一方通行 「で? なンでそんな連中がガキを? 営利誘拐か?」
海原 『それはないでしょう。むしろ、昨年秋から続けてきた"活動"で資金面はクリアしたからこそ、
次のアクションに出たと考えるべきです』
一方通行 「確かにな。金目当てなら誘拐より手っ取り早い手はある。……つゥことはアレか、脅迫か誘導にでも使うつもりか」
海原 『おそらくは。自分たちのターゲットを効率よくおびき出すため、でしょうね』
一方通行 「ガキで釣ろうって魂胆か。チンケな小悪党の考える事はいつも同じだな、クソッタレが」ガンッ
- 682 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:14:41.43 ID:nfxxdzgzo
-
海原 『これまでは組織的に軽犯罪を重ねるばかりだったようですが、とうとう動き出したようですね』
海原 『そして、今回の件で一つの可能性が浮上しました』
一方通行 「奴らの狙いか」
海原 『"彼ら"がどういう集まりなのかを考えれば、自ずと答えは出るでしょう』
一方通行 「いつぞやの仕返し、か?」
海原 『乃至は、自分たちの障害となる人物を排除したいか。そこははっきりしませんが』
一方通行 「……」
海原 『今回の本当のターゲットは、一方通行さんと浜面さん、そして浜面さんと近しい方々の可能性が高いかと』
~2時間後 第7学区 某所~
浜面 「うーん……」
番外個体 「フレメアが行きそうなところは?」
浜面 「これで探しつくしたな……」
番外個体 「とりあえず人海戦術に出たらどうかな? 知り合いに頭下げまくって手伝ってもらうのも」
浜面 「そうだな。あとは通報か……あの巨乳警備員なら手を貸してくれるかもしれんし」
[[携帯電話]]<ナーゼナーラ オレハハラガヘルー ヒハマタノーボルー♪
浜面 「あ、ちょっとすまん。はい、浜面でございます」ピッ
- 683 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:16:04.17 ID:nfxxdzgzo
-
番外個体 (でもこの時間まで帰ってこない、携帯も通じないとなると……)
浜面 「……なに? わかった、すぐ戻る」ピッ
番外個体 「滝壺さんから?」
浜面 「あぁ……手伝ってもらって悪かったな。俺いったん帰るわ」
番外個体 「は?」
浜面 「姐さんも、何かある前に家に帰ってくれ。今日はありがとな」タタタッ
番外個体 「あ、ちょっと……」
番外個体 (……何かある前に?)
番外個体 「とりあえず、帰るかな」
~同日 第7学区 番外通行邸~
<ガチャ バタン
番外個体 「ただいまー」
一方通行 「おォ」
番外個体 「あれ? 最終信号は?」
一方通行 「寝ちまったぞ」
番外個体 「そっか……コーヒーゼリー買ってきたのに」
- 684 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:17:12.04 ID:nfxxdzgzo
-
一方通行 「明日朝イチで謝っとくことだな。……で、首尾は?」
番外個体 「ダメだね。手掛かりもなんもなし。浜面さんも、滝壺さんから連絡あってすぐ帰っちゃったし」
一方通行 「なるほどな。やっぱり……」
番外個体 「?」
一方通行 「オイ。オマエはもうこの件に関わるな」
番外個体 「は? 何言い出してんの?」
一方通行 「ちと出かけてくるぞ」カツン
番外個体 「まっ、待ってよ! いきなりそんな……!」ガシッ
一方通行 「……もォ一度だけ言うぞ。オマエはもう関わるな」
番外個体 「なんも知らされないまま、それで納得すると思ってんの?」
一方通行 「お前が知る必要はねェ。俺がカタ付けなきゃならねェだけの話だ」
番外個体 「ダメ。一人では行かせない」
一方通行 「オマエなァ」
番外個体 「」グイ
一方通行 「!?」
番外個体 「どうしてもって言うのなら、このままチョーカーを引き千切るよ?」
一方通行 「……」
番外個体 「……」
- 685 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:18:28.12 ID:nfxxdzgzo
-
一方通行 「巻き込みたくねェンだ、分かってくれ」
番外個体 「あなたこそ分かってよ。置いてかれる方がずっと辛い」
一方通行 「…………分かったよ」
番外個体 「じゃ、とりあえず話だけでも聞かせて」グイグイ
一歩通行 「オイ、もういいだろ! チョーカーからは手放しやがれ!」ズルズル
<ピンポーン
番外個体 「? 誰だ、こんな時間に」
一方通行 「さっさと出てやれよ」
番外個体 「……逃げんなよ」
一方通行 「逃げねェよ……」
番外個体 「はい? どちらさん?」カチャ
滝壺 『私。夜分遅くにごめん』
番外個体 「滝壺さん!? あ、今開けるから。どうぞあがってきて」
:
:
:
- 686 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:19:53.71 ID:nfxxdzgzo
-
番外個体 「ゴメン、うちコーヒーしかなくてさ」コトッ
一方通行 「……」
滝壺 「どうぞ、お構いなく」
浜面 「……」
番外個体 「それで……フレメアのことだよね」
一方通行 「済まなかった」ガタ
浜面 「お、おい」
一方通行 「今回の件、元を質せば俺が原因だ。いや、そもそもガキを一人で帰してなけりゃ……!」
番外個体 (……やっぱり、責任感じてたんだね)
浜面 「よせよ。俺たちは謝ってもらうために来たワケじゃねぇんだ」
滝壺 「本当はね、ここに来るのも迷ったんだけど……でも、想像できたから」
番外個体 「なにを?」
滝壺 「あくせられーたが一人で突っ込んでいくのが。はまづらもそうしようとしたから」
番外個体 「……お互い、苦労しちゃうよね」
滝壺 「だから、まずは知ってることは伝えておこうと思って」
一方通行 「オマエ、敵の本拠地も分からねェのに、どこに突っ込もうとしたンだよ。アホか」
浜面 「お前に言われたかねぇや!」
- 687 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:21:34.68 ID:nfxxdzgzo
-
滝壺 「でね、これ」ガサ
番外個体 「紙飛行機?」
滝壺 「はまづらが外に行ってる間に、ベランダに飛んできたの。……犯人から」
一方通行 「見せてもらうぞ」ガサッ
番外個体 「なんて書いてある?」
一方通行 「……オイ、これはどォいうことだ?」
番外個体 「んー……これ、浜面さんが連れてこいってこと? 場所は明日伝えるって書いてあるけど」
浜面 「そうだ。しかも必要なら協力するとまで書いてやがる」
滝壺 「フレメアの身柄と引き換えに、きぬはた、むぎの、私、それとあくせられーたを連れてこいって」
一方通行 「……で、この要求を飲むのか?」
浜面 「できるかよ……仲間を売るようなマネ、できるわけねぇだろ!」ガン
番外個体 「でもなんで、絹旗さんとかしずりんまで?」
滝壺 「アイテム」
番外個体 「アイテム?」
一方通行 「暗部組織か」
浜面 「そうだ。どうやら、その頃の下部組織の残党が一枚噛んでるっぽいな」
一方通行 「コキ使われた腹いせにってか?」
- 688 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:23:47.30 ID:nfxxdzgzo
-
浜面 「そんなところだろうよ」
番外個体 「……あなたもそこの一員だったの?」
一方通行 「違ェ。だが、心当たりはある」
滝壺 「心当たりって?」
一方通行 「今回の件、どうやら無能力者狩り一派も関わってる可能性がある」
浜面 「そうか……いつぞやお前が壊滅させたんだっけな。……ん? そうすっとおかしくないか?」
一方通行 「何がだよ」
浜面 「有りえないだろ! 下部組織の残党つったらスキルアウト同然の連中だぞ!?」
番外個体 「相反する二つの勢力が手を組んでるってこと?」
滝壺 「利害が一致した上での、一時的な同盟かもしれない」
一方通行 「だがこれで俺の命を狙う理由も説明がつくだろ?」
浜面 「つまり、無能力者狩りとスキルアウトの同盟軍が動いてるってことか」
番外個体 「狙いは絹旗さん、しずりん、滝壺さん、浜面さんとあなた……
成程、フレメアを盾にされたら逆らえない人ばっかりだ」
滝壺 「……ひきょう者だ」
一方通行 「で、これからどォするかだ。あとの二人には知らせたのか?」
浜面 「まだだ。知らせずに済ませたいんだがな」
番外個体 「どうにかフレメアだけ助け出すことができればねぇ……」
- 689 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:25:16.45 ID:nfxxdzgzo
-
<ガタンッ
滝壺 「?」
浜面 「あっ」
打ち止め 「今の話……どういうこと……?」
一方通行 「」チッ
番外個体 (しまったー……)
打ち止め 「ねえ、フレメアに何があったの!?」
滝壺 「ええとね……」
浜面 「大丈夫だ」
打ち止め 「……」
浜面 「フレメアは必ず助ける。約束する。だから安心して待っててくれ」
打ち止め 「ホント……?」
一方通行 「本当だ。こいつはバカだが、約束は破らねェよ」
浜面 「他に言い方あんだろ!」
打ち止め 「……分かった。待ってるからね」
滝壺 「ゴメンね、心配させちゃって」
番外個体 「あとは任せて。今日は寝ておきな」ナデナデ
- 690 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:27:23.35 ID:nfxxdzgzo
-
打ち止め 「……」ミョンミョン
打ち止め 「うん、おやすみなさい」
<バタン
浜面 「よしっ。これからどうするか考えないとな」
番外個体 「敵の狙いを考えると、フレメアが今すぐ危ないってことはなさそうだね。
かといってゆっくりもしてられないんだけど」
一方通行 「ヤツらの根城が分かればカチ込むンだがな」
滝壺 「無謀だよ」
一方通行 「なンでだよ」
番外個体 「向こうはLEVEL5とLEVEL4を二人ずつ要求してるんだよ? 何の策も用意してないワケないじゃん」
浜面 「あぁ。なんらかの対策はしてるだろうな」
滝壺 「」ウーン
<ピンポーン
一方通行 「ン、来たか?」
番外個体 「今日は千客万来だね。はい、どちらさま?」カチャ
海原 『あ、海原です。夜分遅くに申し訳ございません』
- 691 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:31:11.51 ID:nfxxdzgzo
-
~その頃 ???~
いい男 「仮眠でも取ったらどうだ?」
女子生徒 「結構どす。襲われたりしたら適わへんもん」
いい男 「安心しろ。女には興味ないさ」フンッ
女子生徒 「はあ……そんで、あの子はどうしてはる?」
いい男 「まだ麻酔が抜けきっていないようだ。ぐっすり寝てるぜ」
女子生徒 「夜は冷えますさかい、風邪ひかんように暖こうしてやりや」
いい男 「あぁ、そこも抜かりないさ」
女子生徒 「……で、当初のお話通り、きちんと教えてくれはるんやろな」
いい男 「第一位対策だろ? 安心しろ。もう死んだ身だが、駒場っていういい男が遺したノウハウがある」
女子生徒 「第一位はん、あのお方には少し痛い目見てもらへんと」
いい男 「ははっ、二年近く前の話の復讐か。女は怖いねぇ」
女子生徒 「あぁ?」ジロリ
いい男 「おっと、なんでもないんだぜ」
女子生徒 「……肝に命じておいておくれやす。それがあれへんのなら、うちらが協力する謂れもないよって」
いい男 「あぁ、命じておくさ」
- 692 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/12(木) 23:31:42.31 ID:nfxxdzgzo
-
といったところで、今回はここまでです。
まだ蚊帳の外のメンバーがいますが、ちゃんと関わってきますのでご安心を。
そして事件の全容もこれから明らかになっていきます。ほぼ出ちゃってますけど。
久しぶりにまじめな話書くと疲れますね。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/01/12(木) 23:35:44.08 ID:DpWf2Ykl0
- 乙~
このssでこういう展開は始めてだったかな? - 694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2012/01/12(木) 23:36:27.73 ID:65Frl6YQ0
- 乙!
あれだよね、関西弁の娘はねこ喫茶にいた娘だよね!! - 748 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:49:15.71 ID:fIgqoAAmo
-
~同日 第7学区 番外通行邸~
海原 「すみません、お邪魔します」ペコリ
番外個体 「二人まで、どうしたの?」
一方通行 「俺が呼ンだンだよ。クソガキが寝たころ見計らって来い、ってな」
結標 「なんでこんな遅くに……夜更かしは肌荒れのもとなのよ」
一方通行 「オマエまで呼ンだ覚えはねェぞ。ショタコンは帰って寝てろ」
結標 「黙れロリコン。大体そんなこと言われたって、フレメアのこと聞いて放っておける訳ないじゃない」
番外個体 「ま、とりあえず入っちゃいなよ。玄関じゃ寒いし」
結標 「お邪魔します。……あら、やっぱり予想通りの先客がいたわね」
浜面 「お、お前達、どうしたんだよ?」
海原 「一方通行さんからの通報を受けて駆けつけました」
一方通行 「なンだそりゃ」
番外個体 「ショチトルは?」
結標 「海原が電話口で騒いだから、事情は筒抜けよ。とりあえず、自宅待機って名目で留守番」
滝壺 「大丈夫なの?」
海原 「今回、彼女が狙われる線は薄いでしょうし。それに自分一人であれば逃げる術も護る術も心得てますよ」
- 750 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:50:43.67 ID:fIgqoAAmo
-
番外個体 「コーヒーでいい?」
結標 「別に出さなくていいわよ。そういう事態でもないでしょ」
番外個体 「いや、"お客人に茶も出さねェのか"って怒る人がいるからさ」
滝壺 「亭主関白だ」
一方通行 「怒る、っていう程言った覚えはねェぞ……」
海原 「あ、お気遣いなく。差し入れも兼ねて買ってきてますから」ガサガサ
結標 「今夜は長くなりそうだしね」
浜面 「なんか悪いな……色々と」
海原 「浜面さん、いつも通りに帝王の如く、遠慮なく頼ってくださいよ」
浜面 「俺そんな無遠慮かよ……」
結標 「それで、どういう状況なの?」
滝壺 「ええとね」
:
:
:
結標 「なるほど。つまり相手方の狙いは絹旗さん、麦野さん、滝壺さん、一方通行とついでに浜面くんね」
浜面 「え? 俺も?」
一方通行 「まァ、オマエも頭数に入ってるだろォよ」
- 751 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:52:28.35 ID:fIgqoAAmo
-
海原 「分かっている話をまとめると、無能力者狩り一派は一方通行さんを、下部組織の残党は
後の4人を何らかの理由で狙っていると」
浜面 「何らかの理由か……ま、恨みか、もしくはこの先邪魔になるかってとこだろ」
番外個体 「無能力者狩りとか下部組織の残党とか、海原さんから聞いてたんだね」
一方通行 「あァ」
滝壺 「で、ターゲット全員と繋がってるのがフレメアなんだね」
番外個体 「あ、そっか。フレメアっていう共通の一次目標があったからこそ、連中は手を組んだのか」
一方通行 「共通の敵を持つ。敵対する組織だろォが一時休戦するには十分な理由だわな」
結標 「でもちょっと引っかかるのよね」
滝壺 「どの辺が?」
結標 「だって、無能力者狩りの連中を黙らせたのも暗部組織が解体されたのも、どっちも2年以上前の話でしょ?」
浜面 「まあ、今更感はするわな」
海原 「"彼ら"も組織の再構成やら、あるいは自身の傷を癒すのに時間を要したということでしょう」
番外個体 「どんだけ暴れたんだよ」
一方通行 「そこまで大袈裟じゃねェ。生かさず殺さずブチのめした上で"説得"しただけだ」
滝壺 「ともかく。経緯はどうであれ、今活動してるっぽいのは間違いないよね」
海原 「さて、ここで一旦確認しましょう。最優先目標はなにか」
浜面 「言うまでもないよな」
一方通行 「ガキの身柄だ」
- 752 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:53:50.62 ID:fIgqoAAmo
-
番外個体 「フレメアの安全さえ確保できれば、あとは如何様にもできるだろうけど」
結標 「それが一番の難題でもあるのよね」
滝壺 「まず、フレメアがどこに連れて行かれたかがわからないね」
海原 「加えて、敵の全体像も全く見えていません」
一方通行 「拠点はどこか、数はどうか、戦力はどれぐらいか……分からねェことばっかりだ」
浜面 「だけどよ、明日になれば場所は教えるって言ってるぜ?」
番外個体 「そーんな素直に根城まで呼び出すかね? 取引は取引で別な場所を用意するんじゃない?」
海原 「仰る通りですね」
結標 「そもそも、人質を取るような連中よ? 素直に信用はできかねるわね」
浜面 「ま、まあ、そうだよな……」
全員 「……」ウーン
一方通行 「とりあえず、どンな小せェことでも取っ掛かりになりゃいい。オイ、地図あるか」
番外個体 「ちょっと待ってて」
滝壺 「何するつもり?」
一方通行 「今日あったことを整理すンだよ」
番外個体 「これでいい?」ガサッ
一方通行 「あァ、悪い。ウチがここ、でガキの家がここか」カキカキ
- 753 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:55:27.79 ID:fIgqoAAmo
-
浜面 「ウチに帰るとするなら、ここの道を」
滝壺 「待って。フレメアには狭い道とか暗い道は通らないように言ってる」
結標 「だったらここは通らないでしょ。狭いし汚いもの」
海原 「僕でしたら、ここの公園を通り抜けたいところですね」
一方通行 「想定される帰宅ルートはこンな感じか」カキカキ
番外個体 「ここら辺まで来ると、人も車も多いよ? 誘拐するにはリスキーでしょ」
滝壺 「……この道。ここは車が通るには少し狭いし、大通りに抜けれる道でもないから、人が少ない」
浜面 「なるほど。こうやって地図にして眺めてみると……そこが怪しいな」
結標 「見に行ってみる? 何か残ってるかも」
海原 「いえ、僕と浜面さんと一方通行さんで行ってきます」
番外個体 「あれ? 私たちは?」
海原 「交代で、仮眠を取っておいて頂けますか。よろしいですよね?」
一方通行 「あァ」
浜面 「そうだな、ちょっとでも寝ておけ」
結標 「貴方達は大丈夫なの?」
海原 「ご心配なく、夜型ですので」
滝壺 「はまづら、気を付けてね」
- 754 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:56:47.49 ID:fIgqoAAmo
-
浜面 「大丈夫だ、見回ってくるだけだからな」
番外個体 「電池は?」
一方通行 「問題ねェ。じゃ、行ってくるぞ」
結標 「先走らないでよね。ちゃんと帰ってくるのよ」
一方通行 「分かってらァ」
海原 「では、また後程」
<ガチャ バタン
結標 「……ご厚意に甘えておきましょうか」
番外個体 「ソファーじゃ寒いから、私の部屋でいい?」
滝壺 「うん、ゴメンね、なんか」
結標 「とりあえず順番決めましょうか。時間は1時間半ぐらい?」
番外個体 「睡眠時間は90分の倍数がいいっていうね」
結標 「残りの二人はここで待機。起きてこなければ起こしにいく。これでいい?」
番外個体 「おk」
滝壺 「じゃあ、じゃんけんで決めよう」
- 755 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:58:32.54 ID:fIgqoAAmo
-
~その頃 第7学区 とある病院~
麦野 「もう夜番とかやーだー。お肌荒ーれーるー」
19090 「そっ、そうは言いましても、これも仕事の内ですから」
麦野 「アンタ一人でいいじゃん。2時間に1回、グルッと見回りするだけなんだからさ」
19090 「ムリです! ミサカ一人だと、あの、地下2階とかが……」
麦野 「地下2階?……あー、霊安室か」
19090 「で、ですから、しずりんが一緒に居てくれたほうが」
麦野 「あいたたた! なんか急にお腹が痛くなってきた!」
19090 「え!? えぇぇぇ!?」
麦野 「困っちゃったにゃー、これじゃ一人で行かせるしかないなー」ニヤニヤ
19090 「まっ、またそんな……あれ?」ピコーン
麦野 「え、何その髪の毛。妖気でも感じた?」
19090 「妖怪アンテナじゃありません! ええと、上位個体通信です。珍しいですね」
麦野 「あぁ、ネットワークか」
19090 「求む目撃情報?……あ、あれ? なんか見覚えが」
- 756 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/15(日) 23:59:59.32 ID:fIgqoAAmo
-
麦野 「へー、どんなヤツよ」
19090 「名前はフレメア=セイヴェルン、特徴は金髪ゆるふわウェーブ、身長は」
麦野 「ちょっと待て。目撃情報って?」
19090 「はい、昨日夕方より消息不明。関係者が捜索しているようですが」
麦野 「……」
19090 「……あ、あの、しずりん?」
麦野 「出るぞ」
19090 「え?」
麦野 「ほら、来いっての」ガシッ
19090 「え、で、ですが、夜番っ」ズルズル
麦野 「いいんだよ、どうせなんもありゃしないんだから」
19090 「じょ、状況がまったく飲み込めないです」ズルズル
麦野 「そういやアンタ、ベッドの下に色々持ってたな。アレの出番あるかもよ」
19090 「え!? で、ですが、アレはもう使わなくてもよくなったので、手入れもロクに」ズルズル
麦野 「しょうがねぇな、もう。そっから始めるか」
19090 「???」ズルズル
- 757 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:01:20.78 ID:Wbbjq7fqo
-
~更にその頃 第7学区 常盤台新寮~
白井 「」カタカタ
絹旗 「白井さん、まだ寝ないんですか?」
白井 「あ、申し訳ございません。お先にお休みになってください」
絹旗 「なにを超真剣に見てるんですか?」
白井 「絹旗さん、これは一応関係者外秘ですので」
絹旗 「いいじゃないですか、ちょっとぐらい」ズイ
白井 「ああん、もう」
絹旗 「なんですか、これ。地図? 随分カラフルですけど」
白井 「警戒マップですの。犯罪多発地域、あるいはそうなる可能性が高い地域が示されています」
絹旗 「え? そういうのがあるのなら、もっと超公開すべきじゃないですか?」
白井 「もちろん、アラートレベルが高まれば広報されますの。ですが、これは風紀委員や
警備員が見回りの際に注意すべき地域という意味合いが強いので」
絹旗 「超なるほど。で、その情報が更新されたから送られてきたと」
白井 「そんなところですの。さ、もう休みましょう。明日は婚后さんとペットショップに行く予定でしたでしょう」
絹旗 「あ、そうでした。ご飯を買いに行くんでしたよね」
ユリコ 「( ・ω・)」ピクッ
- 758 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:02:15.75 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「ご飯という単語に超反応しましたよ」
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」ペシペシ
絹旗 「今日の夕ご飯はもう食べたじゃないですか」
ユリコ 「(・ω・)」フモー
絹旗 「怒っても超ダメです」
白井 「さ、寝ましょうか」
アスカ 「♪」ポテポテ
絹旗 「ほら、ユリコも寝ますよ」
ユリコ 「(・ω・ ) ))」ポテポテ
絹旗 「あ、テスラ! 私の枕で寝るなといつも言ってるじゃないですか!」
テスラ 「」スピー
絹旗 「まったく」ハァ
白井 「では、お休みなさいませ」
絹旗 「あ、はい、超お休みなさい。ほら、どいたどいた」
テスラ 「」ゴロンゴロン
絹旗 「」モゾモゾ
テスラ 「」モゾモゾ
- 759 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:03:13.56 ID:Wbbjq7fqo
-
~翌朝 第7学区 とある大通り~
絹旗 「それにしても……」トテトテ
白井 「?」コツコツ
絹旗 「エガちゃんって」
婚后 「エガちゃんではなく、エカテリーナちゃんです!」ムキー
絹旗 「もうちょっと優雅な食事はできないんですか?」
婚后 「と申されますと?」
絹旗 「その、エサの内容がですね……」
白井 「あ、まあ、確かに……」
婚后 「何を申されるのです。大自然にいるときと同じような食事ではないですか」
絹旗 「えー。でもちょっとエグイというか」
婚后 「ワイルドといってくださいな」
絹旗 「うーん……」
[[携帯電話]]<ヒビキアウー ネガイガイマ メザメテクー
白井 「あ、ちょっと失礼致しますの。はい、もしもし」ピッ
- 760 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:04:29.83 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「せめて原型がなければ私でも超触れるんですけど」
婚后 「それは慣れの問題ですわ」
白井 「え? あー、はい、わかりました。向かいますの」ピッ
絹旗 「風紀委員ですか?」
白井 「風紀委員ですの」
婚后 「またなにか事件でも?」
白井 「いえ、昨日盗まれた盗難車らしき車が乗り捨てられてるらしくて。その確認を」
絹旗 「そういうことであれば、超さっさと済ませちゃいましょうよ」
白井 「絹旗さん、ここから先は」
絹旗 「いいじゃないですか、白井さんだけじゃ超不安ですし」
白井 「」ハァ
婚后 「まあ、車の見張りと確認ぐらいならよろしいのではなくて?」
白井 「婚后さんまで……分かりましたの。くれぐれも変なマネはしないでくださいまし」
絹旗 「超分かってますってば。じゃ、早速行きましょう」
:
:
:
白井 「あ、こちらですわね」
絹旗 「何の変哲もないバンですね」
- 761 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:05:50.17 ID:Wbbjq7fqo
-
婚后 「何かに使われたのでしょうか?」
白井 「さあ、そこまでは……うん、ナンバーも合ってますの。こちらで間違いないようです」
婚后 「こちらの車の扱いは?」
白井 「一旦、警備員のガレージに。引き取りに来ますので、それまでは見張りですの」
絹旗 「なんかこう、犯人の痕跡とかないもんですかね」マジマジ
白井 「絹旗さん」
絹旗 「大丈夫ですって。指紋とか残さないように……あれ?」
婚后 「どうかされました?」
絹旗 「座席の下になんか落ちてるような」
白井 「……たしかに、何か見えますわね。まあ、どちらにしても警備員に」
絹旗 「あ、鍵かかってないですよ」ガラッ
白井 「こらぁぁぁ!」
絹旗 「取れました」ホラ
婚后 「クッキーですわね。この包みの感じは、手作りでしょうか」
白井 「おそらく車の持ち主か、盗難の犯人のものでは」
絹旗 「……いや、ちょっと待ってください。なんかコレ、超見覚えあります」
婚后 「見覚えが? どうしてまた」
- 762 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:07:03.86 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「いや、なんか思い出せそうで……」ウーン
<プップー
白井 「あ、警備員のレッカーが」
絹旗 「」サッ
警備員 「連絡があった車はこれかい?……ナンバーもあってるね」
白井 「はい、後はお願い致しますの」
警備員 「承った。休日の朝からお疲れさん」
~10分後~
警備員 「それじゃ、後は任せておいてくれ」
白井 「はい、お願い致します」ペコリ
<ブロロロロ
絹旗 「それでこのクッキーなんですけど」
白井 「なんでまだ持ってるのですかぁぁぁ!?」
婚后 「咄嗟に隠しておりましたわね……」
- 763 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:08:18.44 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「レッカー作業中に超思い出しました。これ、前に浜面が食べてましたよ」
白井 「え?」
婚后 「浜面さんが?」
絹旗 「一ヶ月ぐらい前の……ほら、私と黒夜が色々勝負してたときです」
婚后 「あぁ、あのときの」
絹旗 「ちょっと小さめの一口サイズで、形は○と☆とハートの3種類……超そのまんまです」
白井 「浜面さんが食べていた。そしてこの手作り感……ということは、滝壺さんの?」
婚后 「そうだと仮定して、なぜ盗難車の中などに?」
絹旗 「……まさか」
絹旗 「」カチカチ
Prrrr Prrピッ
浜面 『はい、浜面』
絹旗 「浜面ぁ!」
浜面 『おぉ、なんだ絹旗か!? いきなりデカイ声だすな! ビビるだろうが!!』
絹旗 「滝壺さんは!?」
浜面 『え?』
- 764 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:09:38.13 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「滝壺さんはどうしたんですか!」
浜面 『滝壺なら俺の隣にいるが……なんか用事でもあったのか?』
絹旗 「あ、そうですか……ならよかったです」
浜面 『なんだよ、どうしたんだよ。朝っぱらから』
絹旗 「いえですね、盗まれた車が発見されて、その中から滝壺さんが作ったっぽいクッキーが出てきたんですよ」
浜面 『……』
絹旗 「それで、つい滝壺さんに何かあったのかと。すいません、超早合点でs」
浜面 『お前いまどこにいんだ!?』
絹旗 「え?」
浜面 『どこにいんだって聞いてんだよ!』
絹旗 「え、あ、えーと。第7学区の、駅近くの通りですけど」
浜面 『今行くから! そこ動くなよ!』
絹旗 「え? ちょっと? どういう……あ、切れちゃった」
婚后 「どうなさったのですか」
絹旗 「あのー、滝壺さんは無事だったようですけど、なんかよく分からないです」
白井 「浜面さんがいらっしゃるとか聞こえてきましたけど」
絹旗 「いったいどういうことですか……」
- 765 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:10:53.93 ID:Wbbjq7fqo
-
~しばらくして~
滝壺 「……間違いない。私とフレメアで作ったクッキーだ」
白井 「なぜそれが盗難車の中から?」
浜面 「……」
滝壺 「はまづら、ここまで来たらもう隠せないと思う」
浜面 「そう、だよな……クソッ」ガンッ
婚后 「一体なにが?」
滝壺 「これは私とフレメアで作って。その後、フレメアに持たせたお土産なの」
絹旗 「……ということは、ですよ」
婚后 「まさかフレメアは」
滝壺 「……昨日から見つかってない」
白井 「そんな!? 通報は!?」
浜面 「してない。フレメアに何があるか分からないからな」
絹旗 「浜面はいったい何をしてたんですか!」
浜面 「……すまねぇ」
滝壺 「きぬはた。はまづらだけが悪い訳じゃない」
- 766 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:12:26.55 ID:Wbbjq7fqo
-
絹旗 「そうですけど……」
白井 「せめて風紀委員に連絡を」
浜面 「まだダメだ。フレメアの安全を最優先にしたい」
白井 「ではせめて個人的に手伝わせてくださいまし」
婚后 「そうですわ、わたくしたちにできることがあれば」
浜面 「いや、そこまでしてもらうのも悪いって理由がないっていうか……」
婚后 「フレメアはわたくしたちにとって妹のようなものです。妹を助けるのに理由が必要でして?」
絹旗 「知ってしまった以上は超放っておけないですよ」
浜面 「……分かった。頼む、力を貸してくれ」ペコリ
滝壺 「ゴメンね、全部終わった後にお礼はするから」
白井 「そんな。気になさらないでください」
浜面 「もう死ぬまで頭あがらないやな」
絹旗 「そんなの元からじゃないですか」
浜面 「言ってくれるな。じゃ、とりあえず……車は運ばれちまったみたいだし、戻るか」
滝壺 「待って。さすがに全員足したら大人数過ぎる」
浜面 「そうか……よし、こうなりゃとことんまで頼らせてもらうか」カチカチ
浜面 (全部終わったら、残りの人生使ってでも礼はしないとな)
- 767 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:14:12.20 ID:Wbbjq7fqo
-
Prrrr Prrrr Prrピッ
番外個体 『はいはーい』
浜面 「お、姐さんか? あのさ、今日って店開ける?」
番外個体 『さすがに休みだよ。さっき、ショチトルに臨時休業の札下げるよう頼んでおいたし』
浜面 「あのさ、場所提供してもらえないかな?」
番外個体 『高いよ?』
浜面 「分割払いで頼む」
番外個体 『ふふっ、いいだろう。じゃそっちで集合でいいね?』
浜面 「ああ、頼むわ。じゃ後でな」ピッ
白井 「大人数ということは、他にも?」
滝壺 「うん、むすじめとかうなばらも昨日から来てくれてる」
婚后 「まあ、遺憾ですわね。わたくしたちだけ蚊帳の外だったなんて」
絹旗 「浜面の分際で隠し事とか、超生意気です」
浜面 「お前な、巻き込まないようにと気遣った俺の心情も察しやがれ!」
絹旗 「それが超生意気だって言ってるんです。浜面は所詮浜面なんですから、もっと周りを頼っていいんですよ」
白井 「ひとまず移動しますの。大きいお姉様のお店でしたわね」
滝壺 「うん。細かいこと、分かってることはそこで話すよ」
- 768 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/16(月) 00:14:47.09 ID:Wbbjq7fqo
-
といったところで、今回はここまでです。
さあ、いよいよ集結してきましたよ。
次回投下は3日以内にできれば。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2012/01/16(月) 00:15:21.52 ID:S52B+Bgr0
- 乙!
>>1はシリアスも面白いし、日常も面白いから大好きだ! - 770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/01/16(月) 00:15:25.09 ID:ZaGDT5EN0
- なんだよおおおおおお
まぁいいか
>>1乙
俺もミサワの店イクカ - 771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/16(月) 00:16:14.07 ID:CxudIF1co
- なんだこの焦らしプレイ[ピーーー]気か
- 772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2012/01/16(月) 00:20:39.83 ID:/pXi8cWt0
- 乙です!
全力で待機してます - 808 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:50:07.53 ID:EQqJg0GPo
-
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
<カランカラン♪
浜面 「お、みなさんお集まりで」
滝壺 「ただいま」
結標 「おかえりなさい、って」
絹旗 「あ、どうも」
婚后 「友人の危機と聞いて、馳せ参じました」
海原 「おやおや、結局こうなってしまいましたか」
白井 「事情を知ってしまった以上、黙ってはおられませんもの」
結標 「こうなることは分かってたけどね。貴女達、そういう子だからさ」クスクス
ショチトル 「何か食べなくていいのか?」
打ち止め 「……」ミョンミョン
ショチトル 「おい、気持ちは分からなくもないが……」
打ち止め 「あ、う、うん! 大丈夫!」
浜面 「お、なんだ、小さい方の姐さんも連れてきたのか」
番外個体 「さすがに家に一人にしておくのも気が引けてさ」
- 809 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:51:14.36 ID:EQqJg0GPo
-
一方通行 「俺を狙ってるンだ。クソガキに手を出さないとも限らねェからな」
海原 「賢明なご判断かと」
一方通行 「で。車が見つかったって話だったが?」
浜面 「もう運ばれた後だったわ。お前たちはなんか見たか?」
絹旗 「クッキーが落ちてたぐらいですね」
白井 「まさかそんなこととは思わず、注視はしてませんでしたが……特に変わったことはなかったかと」
婚后 「そうですわね……おかしなところは見受けられませんでしたが」
番外個体 「おいそれと手掛かりを残すようなマネはしないだろうね。クッキーは連中にとっても誤算だったでしょ」
海原 「今朝方、フレメアの帰宅ルートを見て回りましたが、特に収穫もありませんでしたしね」
絹旗 「とりあえず、ここまでのことを超さっくりと教えてもらえませんか」
滝壺 「うん、まず昨日の夕方に……」
:
:
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婚后 「まさか……そんなことになっていたなんて」
滝壺 「これが、昨日の夜に犯人から来てた手紙」
白井 「たしかにフレメアと引き換えに絹旗さん方が超要求されておりますの」
絹旗 「下部組織の残党がこんな形で出てくるなんて、超想定外ですね」
- 810 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:52:29.60 ID:EQqJg0GPo
-
白井 「……?」
婚后 「加えて、今のお話ですと無能力者狩り一派も噛んでいるとか。にわかには信じ難いですが」
一方通行 「だがおそらくは事実だ。今回の計画のために一時的に手を組ンだンだろォよ」
婚后 「それで、他に手掛かりは?」
浜面 「ない。絹旗が食ってるクッキーぐらいだな」
白井 「手掛かりをほぼ残していないあたり、計画性を感じますの」
絹旗 「ミサワさんの言う通り、このクッキーに気付かなかったのは超ミスでしょうね」サクサク
番外個体 「……クッキーとか手紙からなんか分からないかな」
海原 「と申されますと?」
番外個体 「この中にサイコメトラーっていない?」
結標 「いないのは貴女もよく分かってるでしょ」
滝壺 「はまづら、あれも見せないと」
浜面 「おぉ、そうだった。今日、ここに来る前に家に寄ってきたんだよ。そしたら案の定……」
一方通行 「なンだよ」
浜面 「来てたぜ。2通目」
一方通行 「」ガサガサ
番外個体 「なんて書いてある?」
- 811 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:53:43.07 ID:EQqJg0GPo
-
一方通行 「……」チッ
番外個体 「?」
海原 「ちょっと失礼……"今夜午前0時、第17学区操車場に会いにきてください"」
結標 「浜面くんの期待外れちゃったわね」
絹旗 「何を期待してたんですか」
滝壺 「敵の秘密基地をね、教えてもらえるかもしれないって思ってたの」
婚后 「第17学区の操車場となると、その線は薄そうですわね。建物らしい建物はほぼございませんし」
白井 「まあ、取引は取引で場所を移すのが常套手段ですから」
一方通行 「期待なンざしてたのは三下2号だけだ」ケッ
浜面 「藁だろうがすがりたい心境なんだよ、ちくしょう」
絹旗 「それでこれからどうするんです? 超殴りこむのが手っ取り早くてお勧めですよ」
番外個体 「つっても、殴りこむ先が分からないんだよね」
結標 「第17学区の操車場……大人しく出向くっていう手もあるだろうけど」
滝壺 「でもフレメアも連れて来てるとは限らない」
海原 「その確約がない以上、素直に要求を飲むのは避けたいですね。最悪の場合、敵の思う壺で全滅エンドですよ」
婚后 「結局、分からないことだらけで現状では八方塞がりということですわね」
一方通行 「せめて敵の拠点がわかりゃァな。下調べなりカチ込みなりの手はあるンだがよ」ガシガシ
- 812 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:55:19.56 ID:EQqJg0GPo
-
絹旗 「拠点……」
打ち止め 「……」ミョンミョン
打ち止め (目撃情報なし、かぁ……あれ? 19090号だけ疎通がない?)
ショチトル (今日はやけにピコピコ動いてるな……)ウズウズ
絹旗 「あの、白井さん」チョイチョイ
白井 「はい?」
絹旗 「昨日の夜の、あのマップ……あれで何か分かりませんか?」
白井 「……そういえば、昨日付けで更新された情報は……あの、地図はございますか?」
番外個体 「はいよ」ガサッ
白井 「ええと……こちらですわね」
絹旗 「研究所のようですが」
白井 「今は閉鎖されて廃墟寸前ですの。ただ、こちらはつい最近、風紀委員内部における警戒区域に指定されました」
婚后 「警戒区域? それはまたどうして」
結標 「なにか理由があるんでしょ?」
白井 「警戒事由は。"大規模スキルアウト、またはそれに類する組織が利用している可能性あり"とのことですの」
一方通行 「よーし、乗り込むか」ガタッ
番外個体「落ち着け、早漏」ベシッ
一方通行 「いてっ。なンで止めンだよ」
- 813 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:56:38.19 ID:EQqJg0GPo
-
結標 「昨日も話してたでしょ。なんの対策もしてない訳がないって」
白井 「そうですの。今だって、資金にもの言わせれば強力な装備だって入手可能なのですし」
海原 「無策で乗り込めば返り討ちにあう危険性は拭いきれません。焦りは禁物ですよ」
一方通行 「……」チッ
婚后 「AIMジャマーやキャパシティダウン……対能力者兵装を用意している可能性はございますわね」
浜面 「どうしたんだよ、らしくないぞ。その頭脳を遺憾なく発揮する場面だろ」
番外個体 「責任感じてるんだよ。こいつなりにね」
打ち止め 「その……フレメアを一人で帰しちゃったから」
絹旗 「いや、誰が悪いって話でもないと思いますよ」
ショチトル 「だろうな。企む人間がいる以上、いつかはこうなっていたんだろう」
滝壺 「うん、誰かが悪い訳じゃない。責任どうこうじゃなくて、これからどうするか考えないと」
一方通行 「……分かったよ」ストン
浜面 「しかし、有力な情報ではあるが……まだ決め手に欠けるよな」
結標 「そこが危ない場所だとは分かったけど、敵の本拠地だとは限らないわね……だから」
絹旗 「だから?」
結標 「ちょっと下見に行ってくるわ」
番外個体 「大丈夫なの?」
- 814 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:58:01.59 ID:EQqJg0GPo
-
結標 「大丈夫よ、遠くから見てくるだけだから。ほら、行きましょ」グイ
海原 「え?」
結標 「何よ。私一人だけ行かせるつもり?」
海原 「あ、いえ、はい。行きましょう」
ショチトル 「二人とも、絶対に無理はしないでくれ」
結標 「大丈夫、じゃ行ってくるわね」
<カランカラン♪
海原 「おっと」
黒夜 「おわっ……悪い悪い」
絹旗 「黒夜? 何やってんですか」
黒夜 「いや、臨時休業とは書いてあったけどさ。中覗いたらみんないたから」
番外個体 「ゴメン、休業であることに変わりはないんだ」
黒夜 「ふーん……あれ? そういやみんないるけど、フレメアだけいないな」キョロキョロ
打ち止め 「……」シオシオ
黒夜 「……」
絹旗 「あの、黒夜」
- 815 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 00:59:26.62 ID:EQqJg0GPo
-
黒夜 「……ま、いいや。わかった。じゃ出直すよ」
番外個体 「あ、ゴメンね、ほんと」
黒夜 「いいっていいって。じゃ、また」
<カランカラン♪
黒夜 「……」コツコツ
黒夜 「」カチカチ
Prrピッ
シルクロ 『私だ』
黒夜 「あのさ、なんか嫌な空気を感じた。可能であれば調べてほしいことがあるんだけど」
~同日昼 第7学区 ???~
麦野 「今見たよな?」
19090 「え、あ、はい。確かに、あの建物に入って行きましたね」
麦野 「久しぶりに街中ウロウロしてみりゃ、疑ってくださいと言わんばかりの怪しい連中が何人もいるわね」
19090 「そうなんですか?」
- 816 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:00:44.44 ID:EQqJg0GPo
-
麦野 「あー、まあ、わかるのよ。なんとなく。そういう人種はね」
19090 「なるほど。それで何人か尾行してみたところ」フム
麦野 「あのボロい建物が怪しいかも? ってことになったワケだ」
19090 「見たところ、研究所のようですが」
麦野 「ガワだけだろうね。とっくに閉鎖されてるっぽいよ」
19090 「先程から人の出入りが激しいみたいですね」
麦野 「さっき入った奴さ、スーパーの袋いっぱいにお菓子持ってたよな。それもガキが好きそうなクソ甘そうなのばっか」
19090 「……これはもしかすると」
麦野 「もしかするかもね」
19090 「ですが、幼女誘拐の犯人と決まった訳でもありません」
麦野 「まあな、今の段階ではな」
19090 「ではどうしましょう」
麦野 「そうね……」
19090 「あ、あの、突入でしょうか」ビクビク
麦野 「……」
19090 「今のミサカは両脚のレッグホルスターにレディスミスが入ってるだけなので、戦力になるかどうか」メクリ
麦野 「こんなところでスカートたくし上げんな。誘ってんのかバカ」
- 817 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:02:19.76 ID:EQqJg0GPo
-
19090 「えっ……そ、そ、そんなつもりでは!」シュポー
麦野 「顔染めるぐらいなら最初からやんなっての」ハァ
19090 「で、どうするのでしょう。さすがに制服のままだと悪目立ちするとミサカは思うのですが」
麦野 「でもナース服だったら返り血とか肉片がついてても変じゃないよな?」
19090 「変です!」
麦野 「ま、暴れるにしても昼間だと目立つし、一旦戻って準備。夜に再アタックとしましょうか」
19090 「うーん、そこまで猶予があるのでしょうか」
麦野 「大丈夫でしょ。連中の目的はフレメアじゃない、そのもう一歩先だよ」
19090 「なぜ分かるのです?」
麦野 「女の勘」
19090 「女?」
麦野 (出入りしてた連中の中に、前に下部組織で見たような顔がいたけど……なんか関係あるのかね?)
<ここですね。
<ちょっと、あまり近づきすぎないでよ。
19090 「」ビクッ
麦野 「あ、やべ。よし、いったん引き上げるよ」タッタッタッ
19090 「お、置いてかないでください!」トタタタ
- 818 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:03:46.95 ID:EQqJg0GPo
-
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海原 「見張りはいないようですね」コソコソ
結標 「さすがにもっと近づけばいるでしょうよ」
海原 「……おや? あそこに誰かいるようですが」
結標 「裏口のところ? この距離じゃ声は聞こえないわね」
海原 「お任せを」スチャ
結標 「何よそれ」
海原 「指向性マイクです。この程度の距離ならなんなく音を拾いますよ」
結標 (何に使ってるんだか……)
海原 「開始します」ピッ
女子 『ねえ、アンタ。これ必要なの?』
チンピラ 『これってどれだよ』
女子 『これよ、このたくさんのスピーカー!』
チンピラ 『キャパシティダウンのことか? そりゃお前、襲撃対策に必要だべ』
女子 『やめてほしいのよね、こんなもの。貴方達みたいな無能力者には伝わらないだろうけどさ』
- 819 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:05:19.09 ID:EQqJg0GPo
-
チンピラ 『……なんだよ、おちょくってんのか?』
女子 『今回だって。クイーンの方針じゃなけりゃ誰が薄汚いアンタたちなんかと』
チンピラ 『テメェ、能力とっちまえば何もできねぇくせに調子乗ってんじゃねぇぞ?』
女子 『その能力すら満足に発現してないヤツに言われたって悔しくないわね』
いい男 『おい、二人とも。よさないか』ヌッ
チンピラ 『あ、ボス! おつかれっす!』シュタッ
結標 (あのツナギ着てる大男がボス……)
いい男 『すまないな。うちのが失礼をしたようだ』
女子 『ふん……』
いい男 『ここの見張りはいい。それより、お客人の相手を頼めるか』
女子 『お客人?……ああ、あの金髪の女の子?』
いい男 『ああ、どうもうちの人間はガキの相手するのが苦手なヤツばかりでね』
女子 『子どもの相手もできない男の人って……ま、分かったわよ』
いい男 『……』
チンピラ 『あぁ、気に食わねぇ。ボス、なんであんな連中と組んでるんでさぁ』
いい男 『今だけだ。今回の件が片付けば、またいつもの敵対関係さ』
チンピラ 『ふへへ、そうこなくっちゃ』
いい男 『いずれ連中も駆逐する。残らずな。……おっと、いい男は残しておけよ?』
- 820 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:06:48.66 ID:EQqJg0GPo
-
海原 「……どうやら敵も一枚岩ではないようですね」ピッ
結標 「でもこれで色々確定したわね。まず、ここにいるのは無能力者狩りとスキルアウトの混合軍」
海原 「加えて、キャパシティダウンを設置している」
結標 「ま、予想通りね」
海原 「そして何より、今の会話から鑑みて、フレメアさんはここにおられる可能性が高い」
結標 「お客人ね……よく言うわ」
海原 「この場でフレメアさんを救い出すことはできませんか?」
結標 「正確な座標がわからないからね……建物自体も思ってたよりずっと大きいし」
海原 「やはり現時点では難しいですか」
結標 「敵の総戦力もどれだけあるか分からない。まだ迂闊に手を出す段階じゃないわ」
海原 「仰る通りです。所在が確認できただけでも十分ですし、一旦戻りましょうか」
結標 「長居して何かあってもイヤだしね。じゃ、飛ばすわよ」
海原 「お願いします」
結標 「それと、そのマイクの普段の使い道は後でゆっくり聞かせてもらうから」
海原 「えっ」
フッ
- 821 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:08:08.50 ID:EQqJg0GPo
-
~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店~
打ち止め 「……」ミョンミョン
婚后 「……」ガサ
番外個体 「犯人からの手紙? 何か気になる?」
婚后 「一つ分からないのですが……」
絹旗 「なんですか?」
婚后 「なぜ、絹旗さんや滝壺さん、浜面さんが狙われることになったのですか?」
浜面 「そりゃ下部組織の残党の連中がお礼参り……あっ」
白井 (あ、それですの。先程から何か引っかかっていたのは)
白井 「その、下部組織というのは? 絹旗さんたちと関わりが?」
浜面 (しまったぁぁぁ! つい知ってる前提で話しちまってたぁぁぁ!)
滝壺 (これは、どうしよう)
絹旗 「……」
一方通行 「……」ガシガシ
白井 「……もしや、わたくしが知らないことが?」
ショチトル (そうか……彼らも、また)
番外個体 (さて、どう出るか。場合によっちゃ、この私も)
- 822 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:09:33.72 ID:EQqJg0GPo
-
浜面 「そうだな……今回の事件の根底にあるもので、それを説明するには、そこを避けるのは不可能だ」
浜面 「滝壺。絹旗。俺から話してもいいか?」
滝壺 「……うん。はまづらがそう決めたなら」
絹旗 「……」
浜面 「かつて学園都市には暗部組織つって、汚れ仕事を引き受ける何でも屋さんがいたんだ」
浜面 「下部組織ってのはさらにそこの下働きをする連中だ。ドロップアウトした連中が主だった」
婚后 「先程の話ですと、下部組織の残党から恨みを買っているのだろうということでしたが」
白井 「では、まさか浜面さんたちは、その汚れ仕事とやらを……」
絹旗 「白井さん」
白井 「は、はい」
絹旗 「……単刀超直入に、言いますね。今回、私がターゲットの一人に選ばれた理由」
浜面 「おい、絹旗」
絹旗 「いいんです、これは自分の口から言うべきなんです」
白井 「……」
絹旗 「私は、白井さんと出会う少し前まで、その暗部組織で働いていたんです」
- 823 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:10:56.02 ID:EQqJg0GPo
-
白井 「え……」
絹旗 「結果的に隠し事みたくなっちゃって、すいませんでした」ペコリ
白井 「…………そう、でしたか」
絹旗 「あの、驚いちゃいましたか……?」
白井 「……」フイ
絹旗 (目を、逸らされた……そりゃ、そうですよね)
絹旗 (白井さんは超変態だけど風紀委員ですし、そうでなくても正義感が強いから)
絹旗 (私の素性を知ってしまった以上、もう……私たちは……)
白井 「絹旗さん、わたくしは……」
絹旗 「っ……ごめんなさい!」ダッ
白井 「あ、待って……!」
<ガランカランカランッ
白井 「……絹旗さん……」
- 824 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/19(木) 01:11:33.40 ID:EQqJg0GPo
-
といったところで、今回はここまでです。
事件に立ち向かうより前に、乗り越えるべき壁が
彼らの前に立ちはだかります。
さて、彼らはどうでるのでしょうか。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 01:12:28.60 ID:FHxKaTtDO
- 乙ー
- 826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)[sage]:2012/01/19(木) 01:12:56.75 ID:eeSAWhYZ0
- 乙
- 827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県)[sage]:2012/01/19(木) 01:13:32.34 ID:5UqEZH1bo
- おつ
- 871 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:19:37.17 ID:kQoyOyaMo
-
婚后 「……白井さん。追いかけなくてよろしいので?」
白井 「ですが……」
<カランカラン♪
海原 「戻りました」
結標 「今、絹旗さんがすごい勢いで出ていったけど、何かあったの?」
ズーン...
結標 「……何よ、この空気。浜面くん、またなにかやったの?」
浜面 「なんで真っ先に俺を疑うんだよ! まあ、今回に関しては俺なんだけどな!」
滝壺 「話したの。全部」
結標 「全部って……あぁ、そういうことね」
婚后 「そのリアクションを鑑みるに、結標さんも?」
結標 「うん。一応私も、事情とかは知ってるから」
白井 「"案内人"だからですか?」
結標 「違うの……私も、そっち側にいたことがあるからよ。貴女なら分かるでしょ?」
- 872 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:21:26.35 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「……一つ、教えてくださいまし」
結標 「?」
白井 「先程の暗部というのは、自ら進んで枠組みに入るものなのでしょうか」
一方通行 「暗部にいるのは、なにがしか理由があって目を付けられた人間だ。
脅しやすい材料があるとか、人質を取られたとか。そこのショタコンみてェにな」
結標 「ごっ、誤解を招くような言い方しないでよ! 貴方だって、借金8兆円の返済のために働いたんじゃない!」
婚后 「8兆!?」
浜面 「どうすれば8兆も使い込めるんだよ」
婚后 「海原さんも似たようなもので?」
海原 「お恥ずかしい話、個人的感情でちょっと騒ぎを起こしてしまいまして」
一方通行 「そォいうオマエは勝手に転げ落ちてきただけじゃねェか、元スキルアウトさンよ」
浜面 「落ちこぼれですまん」
白井 「では、絹旗さんも同様に?」
滝壺 「……きぬはたは、小さい頃にある実験に参加させられたの。
その成功例として、存在が公にならないようにされてたみたい」
白井 「そうでしたの……」
婚后 「先程浜面さんは"かつて"と仰っておられましたわね。ということは、今は」
海原 「ええ、今から2年ほど前に暗部という仕組みそのものが解体されています」
- 873 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:22:37.95 ID:kQoyOyaMo
-
浜面 「絹旗が学校に戻れたのも、そのお蔭なんだよな」
番外個体 「でも二人とも、ここまで聞いて存外平然としてるね」
白井 「ええ、まあ、驚きはしましたが。そういった闇の部分を全く知らなかった訳でもございませんし」
婚后 「今だから申し上げられますが、以前の共同生活の折……」
結標 「?」
婚后 「わたくしと白井さん以外学校に通っている様子がなかったので、訳がお有りなのだろうと思っておりましたし」
滝壺 「……そういえばそうだった」
浜面 「だ、だけど、ここまでの話を聞いた上で、引いたりはしないのか?」
白井 「確かに、皆さんがそういった過去をお持ちなのは驚きました。かといって……
皆さんが、好んで汚れ仕事をやるような、根っからの悪人だとはどうしても思えませんの」
婚后 「わたくしも人並みに人を見る目はもっているつもりです。2年弱、ご友人として
お付き合いしているのですから、皆さんがどういったお人なのかは存じております」
白井 「ただショックだったのは……隠し事をされていた、という点ですわね」
浜面 「それは悪かった」orz
滝壺 「ごめんなさい」ペコリ
番外個体 (隠し事、かぁ……)
ショチトル (……そうだな、私たちも決するときか)
結標 「ごめんなさいね。ほら、貴方も」グイ
海原 「すみませんでした」
- 874 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:23:50.43 ID:kQoyOyaMo
-
婚后 「白井さん、どういたしましょう?」
白井 「大切なのは、過去と向き合っていくこと。皆さんにそのおつもりがあるのなら……
わたくしも、友人としてお手伝いさせて頂きたいですの」
婚后 「誰しも、暗い部分は抱えているものです。それを話してくださった皆さんのこと、
どうか信用させてください」
一方通行 「……常識外れのお人好しだな」
婚后 「ご心配なく。自覚はしておりますわ」
浜面 「そうだよな。フレメアがこんな目にあってるのも、種を蒔いたのは俺たちだ。
だからこそ、俺たちの手でフレメアをきっちり助けないとならねぇ」
滝壺 「はまづら、私も出来ることはやるから」
ショチトル 「ところで、絹旗さんはどうするんだ?」
打ち止め 「どうして突然出て行っちゃったんだろ」
結標 「きっと怖かったのよ。白井さんに嫌われると思って」
白井 「……あの時、咄嗟に掛ける言葉が見つからず……結果的に追い込んでしまって……」
番外個体 「とりあえず電話してみたら?」
白井 「ええ、早速」カチカチ
<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪
白井 「……」
浜面 「あいつ、携帯置いてったのか……」
- 876 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:25:03.02 ID:kQoyOyaMo
-
婚后 「白井さん」
白井 「はい」
婚后 「わたくしたちにとって、絹旗さんは必要な存在です」
滝壺 「なんだかんだいって、いつも一緒だったよね」
番外個体 「なんていうのかな、マスコット?」
結標 「マスコットか……得てして妙な言い方ね」
浜面 「今思えば、あいつが何か言い出して、それにみんな付き合うってパターンは多かったよな」
海原 「それもまた彼女の才能なのかもしれませんね」
婚后 「絹旗さんを探しだして、見つけ出して、連れ戻してきて頂けませんか?」
白井 「……」
婚后 「絹旗さんのルームメイトでありパートナーでもある白井さんにお任せすれば安心かと」
白井 「……承りましたの。わたくしにお任せくださいまし!」
<カランカラン♪
番外個体 「大丈夫かね」
結標 「大丈夫でしょ、あの二人なら」
- 877 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:26:30.77 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「あまり時間もかけておられませんし……」
白井 「絹旗さんが行きそうなところを当たってみるといたしましょう」
白井 (それにしても絹旗さん……いつものことかもしれませんが……)
白井 (わたくしを見くびりすぎですのよ)
~1時間後 第7学区 寂れた公園~
絹旗 「」ハァ
白井 「お隣、よろしいですか?」
絹旗 「……どうぞ」
白井 「絹旗さんのことですから、てっきりいつものミニシアターにいると思ってましたのに、無駄足でしたの」
絹旗 「今は期待の映画はないですから。それに……」
白井 「……それに?」
絹旗 「こんなときに映画を楽しめるほど図太くもないです」
白井 「仰る通りで」クスクス
絹旗 「……それで、なにしにきたんですか?」
白井 「と申されますと?」
絹旗 「理由もなく追っかけてくるとは超思えませんけど」
- 878 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:27:56.87 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「泣きながら走り去った親友を追いかける行為に、理由を求めるのは無粋かと」
絹旗 「誰が泣いて……って」
白井 「?」
絹旗 「親友……?」
白井 「何かおかしいですか?……ははぁ、さてはそう思ってたのはわたくしだけだと」
絹旗 「ちっ、違います! そうじゃなくて、その」
白井 「?」
絹旗 「私の……昔のことを知っても、そう言ってくれるんですか……?」
白井 「……絹旗さんと知りあってから、もうすぐ2年ですわね」
絹旗 「え……ええ、たしか初対面は一昨年の4月でしたっけ」
白井 「色々ありましたわね。沖縄にも行きましたし、クリスマスに施設を訪問したり、
出産に立ち合ったり、二人で第7位さんに挑んだり」
絹旗 「あとイギリスにも行きましたね。あの飛行機はもう超ごめん被りますよ」
白井 「ええ。ずっと隣で見ておりました。絹旗さんがどういうお人なのかは存じているつもりです」
絹旗 「……それでも、私が汚れ仕事に手を染めてた事実は超変わらないです」
白井 「絹旗さん、わたくしは風紀委員ですの」
絹旗 「そうです、よね……だから……」
- 879 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:29:52.83 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「だからこそ、自分の過去とちゃんと向き合って、過ちを繰り返すまいとする人は応援したいと思っております」
絹旗 「……」
白井 「過去は悔いるものではなく、向き合うものです。絹旗さんも向き合おうとしたからこそ、
自分からわたくしに話してくださったのでしょう?」
絹旗 「……でも私、超怖かったんです……また、私から離れていくのかと、少しでも思っちゃうと……」
白井 「それでつい飛び出してきてしまったと」
絹旗 「」コクリ
白井 「はあ、絹旗さんはわたくしをそんなに冷たく安い女だと思っておりましたの? 本日一番のショックですわね」
絹旗 「う……超ごめんなさい……」
白井 「確かに、驚きはしました。少なからずショックだったのも事実です」
絹旗 「そりゃ、そうですよね……」
白井 「ですが、絹旗さんがもうあの頃に戻るまいとする限りは、わたくしはずっと側で支えますの」
絹旗 「……どうして、そこまで」
白井 「だってパートナーですから」
絹旗 「白井、さ……」
白井 「絹旗さん、どうか忘れないでください。貴女は独りではないということを」
- 880 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:31:33.13 ID:kQoyOyaMo
-
絹旗 「~~っ!」ガバッ
白井 「え、ちょっ」
絹旗 「ごめんなさい、私……超ごめんなさい……うぅ……」グスグス
白井 「お辛かったのですね」
絹旗 「」チーン
白井 「あ、こら!」
:
:
:
絹旗 「私、置き去りだったんです」
白井 「薄々、そんな気はしておりましたが……」
絹旗 「どこで気づきました?」
白井 「以前の施設訪問の折。研究者に掴みかかった絹旗さんを見て、もしやと」
絹旗 「あの時ですか……まあ、あんな怒り狂ったら誰だって超おかしいと思いますよね」
白井 「やはり絹旗さんも……」
絹旗 「はい。気がついたら変な実験に参加してて、気がついたら暗部にいました」
白井 「昔から、そういったことを企む輩はおりましたのね」ハァ
- 881 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:32:55.15 ID:kQoyOyaMo
-
絹旗 「でも白井さんたちと知り合って、あの共同生活とか始まって、
やっと私も普通の人間っぽく過ごせるんだなぁ、って」
白井 「昨日のことのように思い出されますわね。毎日が騒がしくて楽しくて」
絹旗 「ここが私の居場所なんだと思うと、超嬉しかったんです……まあ、それも終わっちゃったんですけど」
白井 「ですが、絹旗さん。それで自分の居場所は失われたとお考えですか?」
絹旗 「……いえ、考えたこともないです」
白井 「わたくしたちも3月で卒業です。高校は別ですから、離れ離れになってしまいます。
それで断ち切れるような関係でしょうか」
絹旗 「超あり得ないです」
白井 「そう言ってくださると思ってましたの。居場所というのは何も物質的なものとは限りません」
絹旗 「……」
白井 「絹旗さんにもわたくしにも、居場所はあります。そしてそれは、そう簡単に
消えて失せるほど脆弱なものでもございませんの」
絹旗 「……そうです、よね」
白井 「お分かりなら、もう大丈夫ですわね?」
絹旗 「すみませんでした。超お恥ずかしいところを……」
白井 「お気になさらず」クスクス
絹旗 「あの、できればですね、さっきの私の醜態は超内緒に」
- 882 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:33:55.41 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「んー、覚えていたら」
絹旗 「いやいや、覚えておいてくださいよ! あんな顔見せるの、白井さんだけなんですからね!」
白井 「あら、光栄ですわね」
絹旗 「あー、また私の黒歴史が……」ズーン
白井 「さあ、そろそろ戻りましょう。わたくしたちの居場所に」
絹旗 「……はい!」
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
<カランカラン♪
白井 「戻りましたの」
絹旗 「超ただいまです」
浜面 「お、絹旗。もう大丈夫か? 目が赤いぞ!」
絹旗 「浜面はやっぱり超ウザイですね。ウザイの最上級ですね」
浜面 「いつも以上にいつも通りの絹旗じゃねぇか」
結標 「ほらね、大丈夫」
番外個体 「大丈夫だね」
- 883 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:35:14.49 ID:kQoyOyaMo
-
海原 「お待ちしておりましたよ」
絹旗 「あの、ゴメンなさい。大事な時にこんなことして……」
婚后 「どうぞお気になさらず。必ず戻ってくると思ってましたから」
番外個体 「……ね、ちょっと」チョイチョイ
打ち止め 「?」トテトテ
番外個体 「」ヒソヒソ
打ち止め 「」ヒソヒソ
一方通行 「……?」
白井 「それで、どこまで話は進んでいるのでしょう」
滝壺 「ええとね」
番外個体 「あ、ちょっといいかな」
結標 「どうしたのよ」
番外個体 「今回の件とは関わりないんだけど、私もみんなに話してないことがあって。
便乗して白状しちゃおうかなーって」
一方通行 「!? オマエ、まさか」
打ち止め 「あなたは黙っててー」
一方通行 「っ……」
- 884 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:37:03.60 ID:kQoyOyaMo
-
白井 「どうぞ。もうちょっとのことでは驚きませんの」
番外個体 「……実は私、クローンなんだよね」
打ち止め 「ついでに私も」ノ
ショチトル 「クローンって……あのクローンか?」
番外個体 「そのクローンだ」フンス
浜面 「ま、待ってくれ。クローンってことは、元になった人間がいるんだよな」
白井 「……ま、ま、ま、まさか、それって」プルプル
番外個体 「うん、みんなもご存知の第3位だよ」
婚后 「まさかあの都市伝説は本当だったのですか?」
絹旗 「あー、結構前に囁かれてましたね。第3位のクローンがいるとかいないとか」
番外個体 「火のないところに煙は立たないってことだねぇ」
白井 「道理で、初めてお会いしたときの第一印象が……どことなく似てると思う訳ですの」
打ち止め 「ついでに言うと、私の方が先に産まれてるから、本当は私がお姉ちゃんなのさ!」フンス
番外個体 「戸籍上は、肉体年齢の都合で私が姉ってことになってるけどね」
婚后 「ですが、なぜ御坂さんのクローンを?」
番外個体 「あー、掻い摘んで言うと、LEVEL5って量産できんじゃね? で作ってみた」
一方通行 (掻い摘みすぎだろ)
- 885 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:38:46.87 ID:kQoyOyaMo
-
打ち止め 「でも、お姉様……御坂美琴と同じレベルには誰もなれなかったの」
番外個体 「ま、失敗したって訳だね」
絹旗 「超素朴な疑問なんですけど、お二人って御坂さんと年齢違いますよね? 御坂さんそのままの人っているんですか?」
番外個体 「いるよー。むしろそっちのが数多いんじゃないかな。なんだったら何人か呼んでみる?」
白井 「……一つ、教えてくださいまし」
番外個体 「わかる範囲で」
白井 「その、クローンお姉様は何人おられるのでしょうか」
番外個体 「んーと、私ら以外だとどんぐらい?」
打ち止め 「学園都市には15人いるよ!」
白井 「ふぉぉぉ! 漲ってきましたのぉぉぉ!」ゴゴゴゴゴ
絹旗 「ちょ、ちょっとちょっと! 変なこと考えないでくださいよ!」
白井 「絹旗さん! 全員集めてお姉様ヘブンを」
絹旗 「超落ち着け!」
浜面 「いや、驚いた……」
滝壺 「でも、みさわはみさわだよ。生まれ方が他の人とちょっと違うだけ」
海原 「みなさん、IDはお持ちなのですよね?」
番外個体 「うん、色々あったけど、今はそれぞれの生活してるよ。私らみたいにね」
- 886 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:40:38.70 ID:kQoyOyaMo
-
結標 「クローンであっても、私たちが一緒に過ごした記憶は変わらないじゃない。
その記憶を共有してるんだから、貴女は私の親友であることに変わりはないんだから、ね?」ナデナデ
番外個体 「……嬉しいこと言ってくれるねぇ、淡希は。可愛いなー、こいつー」ギュー
結標 「ちょ、ちょっと」
白井 「大きいお姉様、ぜひわたくしにも!」シュタッ
絹旗 「すいません、すいません。抑えておきますんで」ガッチリ
滝壺 「もしかして、二人の名前が○琴なのもみことにあやかってるからなのかな」
番外個体 「だと思うよ。お世話になってる医者の先生に考えてもらったんだけどね」
婚后 「言われてみれば、名前の響きも似ておりますわね」
番外個体 「ま、こんな私だけど、これからもよろしくってことで」ニャハハ
打ち止め 「よろしくね☆ ってミサカはミサカは口調を解禁してみたり」
結標 「……ね、このビッグウェーブに乗っちゃったら?」
海原 「?」
ショチトル 「先日、入浴中に言っていたじゃないか。"そろそろ本物に迷惑がかかるかも"と」
海原 「あ、ああ、そのことですか」
浜面 「おい、なんだ。まだあんのか? 今日は何のバーゲンセールだよ」
結標 「こいつね、ちょっと訳あって変装したまま過ごしてるのよ」
- 887 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:41:50.40 ID:kQoyOyaMo
-
絹旗 「え」
白井 「へ、変装!?」
結標 「ほら、もう観念しなさいよ。一皮むけるって言うじゃない」グイグイ
海原 「いたたたた! む、結標さん! 引っ張ってとれるものでもないですから!」
打ち止め 「?」
番外個体 (あー、あの沖縄の浜辺で見た中の人か)
海原 「……分かりました。ちょっとお手洗いお借りしますね」
<バタン
ショチトル (いよいよか……)
結標 (みんなどんな顔するかしら)
<ガチャ
エツァリ 「あ、どうも」ペコペコ
番外個体 (やっぱりあの時見たイケメンさんだ)
他全員 「」ポカーン
絹旗 「う、海原さんですか!?」
- 888 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:43:14.89 ID:kQoyOyaMo
-
エツァリ 「今はもう違いますよ」
ショチトル (……あれ? なんだこの強烈な違和感)
婚后 「こう言ってはなんですが……このお顔なら、ショチトルとご兄妹というのもしっくり来ますわね」
結標 「あ、やっぱりそう思う?」
白井 「でもどうしてわざわざ変装を?」
エツァリ 「それは……」
ショチトル 「……あっ、兄は事情があって組織から追われていたんだ!」
滝壺 「追われていた……」
ショチトル 「だからどうしても、素性を隠す必要があった。周りの人に迷惑をかけないためにも」
婚后 「まさか、そんなことがあったなんて……」
ショチトル 「本当だぞ!? 刺客だった私が言うのだから間違いはない!」
婚后 「も、申し訳ございません。疑っている訳ではないのです。ただ驚いてしまって」
浜面 「追われていたって……何やらかしたんだ?」
エツァリ 「一言で言ってしまえば、命令違反と脱走でしょうか」
ショチトル 「でもその組織は既に内部分裂の末に瓦解している。だからもう……大丈夫だと思う」
結標 「とのことだけど?」
エツァリ 「そうですね。まずはみなさん、黙っていてすみませんでした」ペコリ
- 889 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:44:52.21 ID:kQoyOyaMo
-
浜面 「……許せねぇ」
エツァリ 「お気持ちはごもっともです。この先、時間がかかっても禊を」
浜面 「そうじゃねぇ」
エツァリ 「?」
浜面 「イケメンの分際でイケメンに化けるとは何事か! 贅沢だ!」
一方通行 「マトリョーシカか、オマエは」
エツァリ 「えぇ!?」
ショチトル 「……なぁ、一つ教えてくれ」クイクイ
エツァリ 「どうしました?」
ショチトル 「その気持ち悪い敬語はなんだ!? 前はそんな口調ではなかっただろう!」
エツァリ 「あ、あのー、これは、付いてしまったシミはなかなか落ちないといいますか」
ショチトル 「私は認めないぞ! 今直せ! すぐ直せ!」ムキー
絹旗 「……元に戻って早速兄妹ゲンカですか」
白井 「どこか微笑ましいのはきっと気のせいではございませんの」
婚后 「結標さんはご存知だったのですか?」
結標 「うん。告白したのと素顔を見たのは殆ど同タイミングだけどね」
- 890 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:46:41.57 ID:kQoyOyaMo
-
滝壺 「それでも受け入れるむすじめの恋のパワーはすごい」
結標 「な、恋って、そんな!」
浜面 「いやしかし、昨日今日と色々ありすぎて、頭の処理がおっつかねぇぞ」
婚后 「ご心配なく。わたくしもおっついておりません」
白井 「でもきっと、何かが大きく変わるということはございませんの」
結標 「変わったのはこいつの顔ぐらいでしょ」グニグニ
エツァリ 「つねらないでください、痛いですから」
番外個体 「そういえば海原さん? じゃないんだよね。なんて呼べばいいのかな」
エツァリ 「あ、本名はエツァリと申します」
滝壺 「えつぁり。覚えた」フンス
絹旗 「慣れるまで超少しかかりそうです」
打ち止め 「ね、ねー。そろそろ絹旗と白井お姉ちゃんにも話したらどうかな?」
絹旗白井 「「?」」
浜面 「そうだな、いい加減始めないとな!」
結標 「二人がいない間にね、ちょっと考えてたのよ」
絹旗 「いったい何を?」
エツァリ 「フレメアさん奪還作戦です」
- 891 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:48:26.74 ID:kQoyOyaMo
-
~その頃 ???~
バゴォォン
ドズズ...ン
<おい、何があったんだ!
<能力者の襲撃だ!
<ガレージにもなんか来たぞ!なんだありゃ!?
<人質のガキを地下に連れていけ!ここじゃ危ねぇ!
黒夜 「ひゃはははは! ほら、逃げろ逃げろ! 魚みてぇに卸しちまうぞ!……おっと」ピッ
シルクロ 『私だ、一次目標であるキャパシティダウンは破壊したぞ。あとついでに』
黒夜 「ついでに?」
シルクロ 『AIMジャマー"っぽいの"があったから、よく分からないが折角だし破壊しておいた』
黒夜 「おkおk。しかし、どうやってここを割り出したんだ?」
シルクロ 『駆動鎧の件で世話になっているバイヤーに口を利いてもらってな。商人の情報交換網を利用させてもらった』
黒夜 「ほうほう、それで?」
シルクロ 『過去半年、警備員等の正規団体を除いて対能力者兵装を導入したのはここだけだ』
- 892 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:50:16.19 ID:kQoyOyaMo
-
黒夜 「廃墟にシャンデリアさげるようなもんだ。疑ってくれと言っていることに気付かないかね」
シルクロ 『で、彼女はいそうなのか?』
黒夜 「さっきガキ云々言ってるヤツがいた。……が、奥に連れて行かれたみたいだ」
シルクロ 『……少々派手にやりすぎたようだな』
黒夜 「私たちの戦法で隠密戦はムリだろ。これ以上の深追いは危険っぽいし、ここいらで撤退しよう」
シルクロ 『良いのか? ついでに敵の戦力を削るぐらいの余力はあるが?』
黒夜 「いいんだよ、正義の味方なんて柄でもない。あとはあいつらがやってくれるだろ」
シルクロ 『ふむ。そういうことであれば何も言うまい』
黒夜 「納得したのなら長居は無用だ。さっさと帰るぞ」
シルクロ 『出番を終えた役者は、早々に舞台袖に下がらなければな』
黒夜 「いつも言ってるTPOってヤツ?」
シルクロ 『そういうことだ』
黒夜 「よーし、撤退撤退、と」トテテテ
黒夜 (後はしっかりやってくれよな)
- 893 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/22(日) 22:50:58.19 ID:kQoyOyaMo
-
といったところで、今回はここまでです。
暴露大会のくだりは対応甘すぎだろと思われるかも
しれませんが、俺の嫁たちは包容力があるのですよ。
最近ちょっと書ける時間が不安定なので、予定告知は自粛します。
遅くなるようでしたら、別途ご連絡させて頂きます。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/01/22(日) 22:51:38.86 ID:7/wDIvgF0
- 浜面さすがwwそこに突っ込むかww
黒シルさすが
乙です! - 895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)[sage]:2012/01/22(日) 22:57:52.81 ID:2v/F9dhg0
- 乙です
みんなさらっと話すなwwww
浜面も黒子もどうでもいい話題に持って行くしwwwwww - 896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/01/22(日) 23:02:07.23 ID:F2vvL+970
- 乙!!
浜面と黒子wwwwwwww - 946 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/26(木) 23:56:17.94 ID:CF0ppMdRo
-
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店~
絹旗 「フレメアを奪還……?」
白井 「まさか、突入なさるおつもりで?」
結標 「うん、そうしようってことになった理由が2つあってね」
絹旗 「はい」
結標 「まず、フレメアの居場所はさっきの研究所跡である可能性が高い、ここまではいいわね?」
婚后 「お二人が下見してきてくださった結果ですわね」
エツァリ 「あと、盗み聞きしてきた会話からの情報ですね」
一方通行 「場所が割れてンだ。あとはさっさと連れ戻してくるだけだな」
絹旗 「なるほど。で、もう一つは?」
結標 「体力的、精神的にフレメアも限界が近づいてると思うの。今夜がラストチャンス」
番外個体 「フレメアがうちを出たのが昨日の今頃。直後にさらわれたとしても、もう24時間経ってる」
ショチトル 「なんらかの方法で行動が制限されていると見るべきだ。となれば、消耗も速いだろう」
滝壺 「だから、今日決行しようってことになった」
白井 「確かに。仰る通りですの」
打ち止め (フレメア……大丈夫かな……)
- 947 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/26(木) 23:57:51.07 ID:CF0ppMdRo
-
エツァリ 「さて、ここで問題になってくることが3つあります」
浜面 「今度は3つかよ。よし、語ってくれ」
結標 「まず、建物の内部構造が把握できないこと。これが分からないことには、空間移動は危険すぎて使えないわ」
番外個体 「いしのなかにいる、なんてことになったらシャレにならないもんねぇ」
白井 「いしのなかならまだよいかと。万が一、どなたかと重なってしまった日には……」
浜面 「どうなんだ?」
結標 「空間移動は、転位元の物体が転位先の物体を押しのけて転位するの。つまり」
浜面 「あ、もういいわ。怖いことは伝わった」
絹旗 「2つ目はなんですか?」
エツァリ 「実物を見て思ったのですが、相当大きい建物です。これを利用するぐらいですから、
敵の人数もかなりのものと思われます」
婚后 「2つの組織が合流しているのですから、人数も揃えているのでしょうね」
滝壺 「こっちは、仮に全員だとしても11人。差がつきすぎちゃってる」
白井 「敵の戦力がはっきりしないのは不安要素ですわね……」
一方通行 「そりゃ数だけ見た場合の問題だろ。雑魚が束になろうが、俺らの敵じゃねェよ」
浜面 「そりゃお前らはそうだろうけどな。俺とか滝壺は囲まれたらお陀仏だぞ」
ショチトル 「対集団戦、対個人戦は得意不得意が分かれやすい。そこは仕方がない」
絹旗 「得意不得意という前に、浜面とか滝壺さんだと囲まれた時点で超詰みですよね」
- 948 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/26(木) 23:59:11.49 ID:CF0ppMdRo
-
浜面 「まあな!」フンス
滝壺 「ごめんね、戦闘向きの能力じゃなくて」
白井 「滝壺さん、適材適所ですの。各々ができることをやりましょう」
絹旗 「で、3つ目は?」
結標 「どうやら、施設外周にキャパシティダウンが設置されてるみたいなのよ」
婚后 「え……間違いないのですか?」
エツァリ 「確定でしょう。スピーカーが設置されていましたし、そういった会話をしてる輩がいましたから」
ショチトル 「……その、キャパシティダウンというのは強力なのか?」
白井 「対能力者であれば、ほぼ問答無用で無効化できる強力な兵器ですの」
ショチトル 「どれぐらい強力なんだ?」
白井 「そうですわね……食べても食べてもなくならないかき氷をバカ食いしながら戦う自分を想像してくださいまし」
ショチトル 「」ブルッ
番外個体 「キャパシティダウンって音響兵器だよね? 耳栓じゃダメなの?」
一方通行 「単騎駆けならそれでいいンだろうけどな。連携が求められる場において、意思疎通がとれねェのは大問題だろ」
番外個体 「あなたらしくないけど真っ当な意見だね」
一方通行 「ほっとけ」
- 949 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:00:26.92 ID:MYBaAJ+Ho
-
絹旗 「となると、まず」
[[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪
絹旗 「あー、誰ですかこんなときに」ピッ
浜面 「俺が先行してぶっ壊してくるか?」
滝壺 「ダメ、いくらなんでも一人じゃ危ない」
エツァリ 「キャパシティダウンなら自分も影響は受けません。なんなら」
ショチトル 「……だ、だったら私も」
結標 「ダメよ。貴方達だけだと、多人数で来られたら対応しきれないでしょ」
絹旗 (なんですか、この長文メール……え?)
滝壺 「難しい」ウーン
絹旗 「あの、いいですか?」
婚后 「どうしました?」
絹旗 「キャパシティダウンの心配はなくなったみたいです」
結標 「なんで分かるの?」
絹旗 「……お節介の狂犬が超暴れたみたいですよ」
絹旗 (借り一つですね)カチカチ
- 950 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:01:37.15 ID:MYBaAJ+Ho
-
差出人:窒素女
<kuro-iruka@comodo.ne.jp>
件名:今日のくろよる
日付:20yy/m/d 16:32
───────────────
第7学区の研究所跡、なぜかキャパ
シティダウンがあったから、ムカつい
たんでぶっ壊しといた。そしたら、ゴ
ツイお兄さんが怒り狂って出てきて
超ビビった!
なんかよく分かんないけど、人質とか
ガキとかがどうとかって言ってた。
なんのことだろうな?な?ヽ(´・∀・`)ノ
- 951 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:03:54.75 ID:MYBaAJ+Ho
-
浜面 「黒夜か……やってくれるじゃねぇの」
打ち止め (クロちゃんも協力してくれてるんだ……)ジーン
一方通行 「……おそらく、あの駆動鎧男も一緒に暴れたンだろ」
番外個体 「なるほどね。駆動鎧ならキャパシティダウンも関係ないか」
結標 「黒夜さん、あの一瞬で気付いてたのね。普段の空気読めないキャラは演技なのかしら」
絹旗 「いや、あれは素ですよ。超間違いなく」
白井 「絹旗さん、そこはフォローするところですの」
婚后 「ともわれ、これで心配事は一つ減りましたわね」
ショチトル 「つまり……突入する際の障害がほぼなくなったという訳か」
番外個体 「もしかしたら、今回のMVPかもね」
滝壺 「はまづら」クイクイ
浜面 「そうだな。今度会ったらきっちりお礼させてもらうか!」
エツァリ 「では、黒夜さんの働きに感謝しつつ、作戦を立てましょう」ガサッ
絹旗 「地図ですね。ここが目標の研究所跡、と」トントン
白井 「こうやって見ると、幹線道路や商業区域から少し離れた土地になりますのね」
一方通行 「スキルアウトどもが好みそうな立地だな。そォ思うだろ?」
浜面 「なんで俺に振るんだよ。一方通行のイジワル」
- 952 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:05:22.95 ID:MYBaAJ+Ho
-
~1時間後~
一方通行 「……よし、誰も文句はねェな? ちなみに俺はある」
浜面 「あんのかい」
エツァリ 「何かご不満ですか?」
一方通行 「コイツだ、コイツ」
番外個体 「え? 私?」
結標 「貴女のポジションが不満だって言ってるんでしょ」
滝壺 「心配してくれてるんだよ」
番外個体 「あ、そういうこと? 言っておくけど、あなたがどう言おうと考えは変わらないよ?」
婚后 「ですが、ご心配なのも分かります。ミサワさんのポジションは……」
白井 「大きいお姉様ー! やはりここは黒子がその役割を」
番外個体 「ダメ! そしたら意味ないじゃん」
絹旗 「白井さん、さっき自分で適材適所って言ってたじゃないですか」
浜面 「まあ、こう言っちゃなんだけど、それぞれの能力と役割がマッチした作戦だと思うぜ」
エツァリ 「そういう意味での不満なら、自分にもありますよ」
ショチトル 「……義姉さん、大丈夫なのか?」
- 953 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:06:41.75 ID:MYBaAJ+Ho
-
結標 「大丈夫よ。それに、これは私にしかできない役だから」
ショチトル 「……」
結標 「必ず帰ってくるから。貴女は貴女の役を全うしなさい」
ショチトル 「……分かった。約束だぞ」
結標 「約束ね。何度も言うけど大丈夫、貴女のお兄ちゃんが護ってくれるんだから」クスクス
エツァリ 「ええ、命に代えてでも」
結標 「貴方もよ。不満を零すぐらいなら、きっちり護ればいいじゃない。第一位の力でさ」
一方通行 「言われるまでもねェ」
婚后 「これほど頼りになるナイトもおりませんわね」クスクス
打ち止め 「……」
番外個体 「そういう訳だから。ほら、機嫌直してよ」
打ち止め 「……じゃ、約束。必ず全員帰ってきてね。全員でだからね! ってミサカはミサカは念を押してみたり!」
浜面 「ああ、この全員にフレメアも加えて帰ってくるさ。……しかし、可愛い口調だな」
白井 「ではこれで決まりですわね」
絹旗 「開始は21時。それで私から超提案なんですけど、いったん解散にしませんか?」
滝壺 「解散? どうして?」
絹旗 「準備とかもあるでしょうから。1時間前にまた集合ってことでどうでしょう」
- 954 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:08:21.98 ID:MYBaAJ+Ho
-
結標 「準備ってたとえば?」
エツァリ 「お腹にジャンプ仕込んだり、辞世の句を考えたり」
浜面 「おおい、よしてくれ。縁起でもねぇ」
番外個体 「あ、そうだ。全っ然使ってない電話帳あるから、お腹に入れていきなよ」ハイ
浜面 「じゃせっかくだし、ちょっとお言葉に甘えて」ゴソゴソ
絹旗 「白井さん、あれ持ってこなくていいんですか?」
白井 「あれ?」
絹旗 「あの、トイレットペーパーみたいに超ながーい釘ホルダー」
白井 「その例えは心底不満ですが、あれはあったほうがよろしいですわね」
番外個体 「あ、そうだ。何本あったかな」チャリチャリ
ショチトル 「マスターはいつもそれをベルトケースに入れているな」
番外個体 「護身具みたいなモンだし」
婚后 (護身具……そういえば、わたくしにもこれがございましたわね)ゴソゴソ
浜面 「じゃ俺ちょっと家に戻るわ。持ってくるもんあるし、新しい手紙来てるかもしれんし」
滝壺 「また後でね」
一方通行 「くれぐれも逃げたり先走ったりするンじゃねェぞ」
結標 「そういう貴方が、一番先走りそうなんだけどね」
絹旗 「では、決行一時間前にまた集合ということで」
- 955 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:09:48.75 ID:MYBaAJ+Ho
-
~しばらくして 第7学区 浜滝邸~
滝壺 「……手紙は来てないみたいだね」
浜面 「アレが最後通達ってわけか」ゴソゴソ
滝壺 「何探してるの?」
浜面 「ええとな……お、あったあった」
滝壺 「ピッキングセット……」
浜面 「まさかまたこいつの世話になる日が来るとはな」
滝壺 「……」
浜面 「今回の件といい、過去の因果ってのは実にしつこいもんだ」
滝壺 「でも、ちゃんと向き合っていかないといけない。私たちのことを受け入れてくれたみんなのためにも」
浜面 「俺たちの因果が向かっちまったフレメアのためにもな」
滝壺 「うん。それで、私たちのことはフレメアにもちゃんと話さないとね」
浜面 「ああ。今回これでこじ開けるのは金庫でも車でもねぇ。明日に向かうための扉だ」パシッ
滝壺 「……っ」
浜面 「今笑った?」
滝壺 「笑ってない」フルフル
- 956 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:11:17.04 ID:MYBaAJ+Ho
-
~第7学区 とある公園~
番外個体 「」バシュゥン
<ズガン
結標 「試し撃ち?」
番外個体 「うん、これやるのは久々だからね」
エツァリ 「……」
打ち止め 「何読んでるの? ってミサカはミサカは覗き込んでみたり」ヒョコッ
エツァリ 「あー! ダ、ダメです! ダメですよ! 脳が汚染されます!」
打ち止め 「?」
結標 「こんなところでひろげないでよ、もう」ハァ
番外個体 「あー、能力者が読んだら危ない類のもの?」
エツァリ 「能力者に限らず。今となっては自分以外が読み解くのはかなり危険です」
番外個体 「だってさ。ほら、離れて離れて」
打ち止め 「はーい」
結標 「……ホント、どっちが姉でどっちが妹か、ややこしい姉妹ね」
- 957 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:12:44.62 ID:MYBaAJ+Ho
-
打ち止め 「……そういえば」
結標 「どうしたの?」
打ち止め 「お兄ちゃんが行ったら、フレメアびっくりしないかな? ってミサカはミサカは心配してみたり」
番外個体 「フレメアはまだ知らないもんね」
エツァリ 「大丈夫ですよ、必要なことは全部きちんと説明します」
結標 「貴女たちもね。フレメアだけ何も知らないってことにならないように」
番外個体 「ちゃんと心の準備しといてね」ナデナデ
打ち止め 「……うん、大丈夫。ミサカのことはちゃんと全部話すよ」
結標 「大丈夫よ、フレメアなら。分かってくれるでしょ」
打ち止め 「だといいな」
番外個体 「どうとでもなるって。こういうのは言ったもん勝ちだよ」
エツァリ 「堂々としていればしているほど、野暮な突っ込みがしづらい空気になるものです」
結標 「そういうものかしらね」
番外個体 「ていうか、二人って前からうちの人と知り合いなんだよね? この子のことは知ってそうなもんだけど」
結標 「さあ」
エツァリ 「どうでしょうね」
番外個体 「……ま、いいけどさ。今となってはどっちでも」
- 958 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:14:22.94 ID:MYBaAJ+Ho
-
~第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
ショチトル 「白い人」
一方通行 「あァ?」
ショチトル 「ここに残っていていいのか?」
一方通行 「俺の首筋から、そこのコンセントに伸びるコード、見えンだろ」
ショチトル 「あぁ」
一方通行 「充電」
ショチトル 「店内のコンセントの無断利用はご遠慮頂いているのだが」
一方通行 「オマエンとこの上司に許可はとってある」
ショチトル 「ならいい」
一方通行 「オマエこそ、こンなところにいていいのかよ」
ショチトル 「留守番だ。自主的に、な」
一方通行 「せっかくアイツが顔出したンだ。"お兄ちゃン♪"って甘えてくればいいじゃねェか」
ショチトル 「わっ、私はそんな気持ちの悪い言い方はしない!」
一方通行 「まァいいや。コーヒーくれ」
ショチトル 「マスターと同じ味に仕上げる自信はないが」
一方通行 「構やしねェよ」
- 959 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:15:45.87 ID:MYBaAJ+Ho
-
~第7学区 常盤台新寮~
リック 「」ガッチリ
婚后 「いつの間にこんなに大きくなったのですか……」
絹旗 「いやー、超びっくりですよ。成長早くて」
婚后 「絹旗さんも、さぞや首が疲れるでしょう」
テスラ 「」フンス
絹旗 「いや、前からこの調子なんで。もはやなんともないです」
白井 「えーと……あ、あった。ありましたの」ザァァァァ
絹旗 「お、トイレットペーパーホルダーですね」
白井 「だからその呼び方はやめてくださいまし!」
婚后 「それを見るのは、あのハイウェイ以来ですわね」
白井 「ええ、めっきり出番がなくて……ま、こういうものは出番が少ない方が望ましいのでしょうけど」
絹旗 「ところで、いいんですか?」
白井 「?」
絹旗 「超興味深々みたいですけど」
白井 「え? あーーー!」
アスカ 「♪」ガジカジベシベシ
- 960 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:17:09.17 ID:MYBaAJ+Ho
-
白井 「こ、こら! ダメですの! 危ないですから!」
絹旗 「さっさとカバンにしまわないからですよ」
白井 「まったくこの子たちの好奇心ときたら……」ゴソゴソ
婚后 「好奇心の塊ですもの。仕方ないでしょう」クスクス
絹旗 「ですが、リックは婚后さんのそれにしか好奇心をしめさないので超ちょっと心配なんですが」
リック 「」ガッチリ
婚后 「……ま、まあ、この子も男の子ですから」
白井 「さて、わたくしは準備完了ですが、お二人は平気ですか?」
絹旗 「ええ、私はこれ持ちましたから」ホラ
婚后 「これは?」
絹旗 「液体窒素です。一口飲みます?」
婚后 「飲めません!」
白井 「婚后さんも?」
婚后 「ええ、大丈夫ですわ」
絹旗 「じゃ戻るとしましょうか」
白井 「あ、そうそう。門限に遅れることは必至ですから、言い訳を考えておいてくださいまし」
絹旗 「」
- 961 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:18:50.42 ID:MYBaAJ+Ho
-
~状況開始1時間前 第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
結標 「全員いるわね」
一方通行 「」ズズ...
番外個体 「うん、いつでもいけるよ」
浜面 「一応辞世の句も考えてきたぞ」
エツァリ 「折角ですから披露してくださいよ」
浜面 「だが断る。あと100年は披露しねぇ」
絹旗 「なんか超緊張してきました」
白井 「」ゴソゴソ
婚后 「白井さん? それは?」
白井 「念のため、応急キットですの。塗るだけなので、誰でも扱えます」
婚后 「出番がなければよいのですが」
一方通行 「……オイ」
滝壺 「はい」
一方通行 「すぐ戻る。クソガキは頼ンだぞ」
滝壺 「分かった。そっちも、フレメアをお願いね」
- 962 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:20:32.98 ID:MYBaAJ+Ho
-
ショチトル 「マスター」
番外個体 「ん?」
ショチトル 「ここの防衛は任せてくれ。蟻一匹入れはしないさ」ブンッ
番外個体 「お、マクアフティル。久しぶりに見たなぁ」
絹旗 「これはまた超ゴツイですね。扱えるんですか?」
ショチトル 「どうとでもなる」
エツァリ (さてさて、自分に振りかざしたときよりも腕は上がっているのでしょうか)
滝壺 「私も頑張るから」【デッキブラシ】スチャ
エツァリ 「滝壺さん、それ本当に痛いのでやり過ぎに注意してください」
番外個体 「でも万が一、危なくなったら3人ともさっさと逃げるようにね」
ショチトル 「あぁ、分かっている」
白井 「では参りましょう」
打ち止め 「ねえ、みんな」
婚后 「どうしました?」
打ち止め 「必ず、必ず全員帰ってきてね!」
浜面 「小さい方の姐さんよ、この世界のハマヅラに任せておきんさい」フンス
絹旗 「よし……行きましょう!」
- 963 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 00:21:35.14 ID:MYBaAJ+Ho
-
といったところで、今回はここまでです。
いよいよ舞台は決戦の地へ。
次回、きぬはた勢力vs不良学生連合、
両者の想い・思惑が激しくぶつかり合うような、そんな気がします。
次回投下は日曜日までにどこかで。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
- 964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2012/01/27(金) 00:23:22.71 ID:8v0XVInAO
- 乙でした^^
- 965 :salvere000[sage]:2012/01/27(金) 00:25:57.59 ID:7CvKO/b20
- 乙っす 初リアルタイムでした
- 966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 00:26:38.72 ID:krBd/I0/0
- >>1乙
- 979 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:35:51.66 ID:MYBaAJ+Ho
-
~同日 研究所跡 正門~
番外個体 「ヒマそうに携帯いじってる見張りが一人だけか……」
一方通行 「寒い中、ご苦労なこって」
番外個体 「コーヒーでも差し入れてやればよかったかな」
一方通行 「あんなのに施すぐらいなら俺に寄越せ。……暴れた痕跡があるのは、あのガキの仕業か」
番外個体 「クロちゃんか、多分そうだろうね」
一方通行 「さて……時間まであと8分か」
番外個体 「私、なんかワクワクしてきた」
一方通行 「オイ、くれぐれも出過ぎるンじゃねェぞ。やばいと感じたらさっさと」
番外個体 「はいはい。か弱い私は第一位様に隠れるようにしてブルブル震えてようかね」ニヤニヤ
一方通行 「……好きにしろ」
番外個体 「大丈夫だよ。あなただけ死なせたりはしないし、あなた残して死んだりはしない」
一方通行 「……」
番外個体 「約束」
一方通行 「離れるンじゃねェぞ。絶対にな」
番外個体 「ふふ、だったらモヤシなあなたを、お傍でサポートしてあげよう……ずっとね」
- 980 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:37:13.64 ID:MYBaAJ+Ho
-
一方通行 「口は達者だよな、オマエ」
番外個体 「生まれつきだもん、しょうがないじゃん」
一方通行 「塞いでやるか?」
番外個体 「後のお楽しみにとっておきなよ」
一方通行 「……じゃ、後のお楽しみのために頑張って働くとしますかねェ」
番外個体 「いい心がけだね。……21時。よしっ、はじめよっか」
一方通行 「あァ」
番外個体 「確認するよ。私たちの役目は陽動。真正面で大暴れするのがメインな訳だけど」
一方通行 「ついでに、立ち向かってくる勇敢なヤツは必要に応じて排除すりゃいいな」
番外個体 「そういうこと。で、私たちが動き始めたのを合図にみんなも動き始める」
一方通行 「あとは場をもたせておけばいいって訳だ」
番外個体 「完璧♪ さて、まずあの見張りを排除しないとねぇ」
一方通行 「楽勝だ」ヒョイ
番外個体 「小石? 投げるの?」
一方通行 「まァ、見とけって」ON
番外個体 「まあ、見とくけどさ」
- 981 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:38:47.45 ID:MYBaAJ+Ho
-
一方通行 「下っ端くン、任務ご苦労……ゆっくり休め」デコピンッ
<ほげぇ!
番外個体 「お、ナイスヒット……だけど、死んでないよね?」
一方通行 「気を失ってるだけだ。さっさと行くぞ」OFF
:
:
:
番外個体 「これが入り口だけど……まあ、随分大きくて頑丈そうなシャッターだこと」
一方通行 「もとは研究所だからな。気密性確保のために設置されたンだろ」
番外個体 「あなたならどうやって開ける?」
一方通行 「オマエも世間知らずだな。こォいうときにすることは決まってンだよ」ON
番外個体 「へー、何するの?」
一方通行 「覚えとけ。ドアを開けるときはまずノックするのがマナーだ」コンコン
バゴォォン ガランガランッ ガランッ
番外個体 「……ノック強すぎ」
一方通行 「こりゃ失礼」ケラケラ
- 982 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:40:37.98 ID:MYBaAJ+Ho
-
<お、おい、なんだ今の音は!?
<シャッターが吹っ飛んできやがったぞ!?
番外個体 「ざっと見て20人強ってところ?」
一方通行 「外にいたのは一人だってのに、こっちは随分と大袈裟な人数だな……」
番外個体 「守りを固めたい、けど危ないのはイヤ。だからここで、ってことじゃないの?」
一方通行 「ま、どっちだろォとやることに変わりはねェよ」
下っ端A 「なっ、なんだテメェら!?」
番外個体 「どうもこんばんはー☆」
一方通行 「暴力一丁、お届けにあがりましたァ」
下っ端B 「クソ、またカチ込みかよ!」
下っ端A 「ビビってんじゃねぇ! 相手は二人だ! 全員でまとめてかかれ!」
一方通行 「雑魚が群れやがって」
番外個体 「言っとくけど」
一方通行 「分かってる。殺しゃしねェよ。生かさず殺さずブチのめすだけだ」
番外個体 「ならいっか。さて、来るみたいだよ」
<うぉぉぉ!
<いわしたるでぇ!
<当たって砕けたらぁぁぁ!
番外通行 「「」」ニヤー
- 983 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:42:05.01 ID:MYBaAJ+Ho
-
~その頃 研究所跡 東エリア付近~
絹旗 「……」
白井 「21時は回りました。おそらく、そろそろかと」
<ボゴッ ドォォォン
婚后 「音と振動……これは」
白井 「あそこですの。壁の一部が内側から吹き飛んでいます」
絹旗 「超始まったみたいですね」
婚后 「ミサワさんと第一位様が正面から陽動。そしてわたくしたちは内部から奇襲……」
絹旗 「私が超先陣を切ります。正面突破には向いてる能力ですからね」
白井 「くれぐれも無理はなさらないように。大怪我をしては元も子もございませんの」
絹旗 「お二人こそ、前に出過ぎないでくださいよ?」
婚后 「せいぜい気をつけるといたしましょう」
白井 「ではお二人とも。前方、ガラス張りになったロビーが見えますわね?」
絹旗 「あの食堂みたいなところですね」
白井 「まず、あそこの手前まで転位、そこから一気に突入します」
- 984 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:43:18.65 ID:MYBaAJ+Ho
-
婚后 「わたくしはいつでもいけますわよ」
絹旗 「超同じくです」
白井 「では……お手を」スッ
絹旗 「なんか儀式みたいですね」スッ
婚后 「ここで気合を入れ直しておきましょう」スッ
白井 「……奇襲班、参りますの!」
ヒュンッ
絹旗 「よっと」スタッ
婚后 「絹旗さん!」
絹旗 「分かってます! 二人とも、超離れててください!」タッ
絹旗 (窒素装甲、出力全開! これぞ伝家の宝刀の)
絹旗 「超ちっそぱーーんち!」ブォッ
ゴッ ガシャァァァァァン
絹旗 「決まりました!」ピャー
白井 「お見事ですの」
婚后 「さあ、敵陣を掻き乱すといたしましょう」
- 985 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:44:55.35 ID:MYBaAJ+Ho
-
男子A 「なんだ今の音、って……!?」
絹旗 「あ、見つかっちゃいました」
男子A 「て、てきしゅ」
【ソファー】三=- バシュゥゥゥン
男子A 「ふべ!」ボフンッ
白井 「イヤですわ、いきなり大きな声をお出しになるなんて」
婚后 「わたしくびっくりして、つい能力が発動してしまいましたわ」
白井 「あら、婚后さんったら。能力はきちんと制御できてこそですのに」
婚后 「あらあら、わたくしとしたことが。お恥ずかしい」
絹旗 (うっわ、超えげつねー)
<何かあったのか?
<こっちから音がしたぞ。
絹旗 「むむ、超ぞろぞろと集まってくるみたいですよ」
婚后 「幸い、ここは適度な広さと障害物が揃ってますし」
白井 「そうですの。しばしここを基点にするといたしましょう」
- 986 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:46:33.41 ID:MYBaAJ+Ho
-
女子A 「……え!? 何よ、あなたたち!」
男子B 「うわ、ひでぇ。ガラスが粉々じゃないか」
絹旗 「あ、すいません。私が作った入り口からお邪魔させてもらいました」
白井 「スキルアウトには見えませんわね。ということは、無能力者狩り一派の方でしょうか」
婚后 「どちらにしても、振りかかる火の粉は払いませんと」
男子A 「」ピクピク
女子A 「既に一人やられてたなんて……」
男子B 「クソッ、仇はとってやるからな!……うぉぉぉぉぉ!!」グヌヌ
【イス】フヨフヨ
絹旗 「念動力?」
男子B 「くらいやがれぇぇぇ!!」ヒュパァァァ
絹旗 「二人とも、私の後ろに下がって!」
男子B 「うらぁぁぁぁ!!」
絹旗 「てやぁぁぁ!」ゴガン
男子B 「なっ、え、手で弾き返した!?」
絹旗 「もういいですか? さあ、絹旗サマ直々の超おしおきタイムですよ」
- 987 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:48:05.52 ID:MYBaAJ+Ho
-
~その頃 研究所跡 南エリア付近~
結標 「危ないと判断したら、すぐに言いなさい。安全区域まで飛ばすから」
エツァリ 「ご心配なく。自分は普通の人間よりも少々死ににくい体質なので」
結標 「そんなこと言ったって、心配なものは心配じゃない」
エツァリ 「そのお気持ちはありがたいですが、自分だけが逃げると後々まで後悔しそうで」
結標 「……分かったわよ。でも、いい? 無理は禁物だからね」ギュ
エツァリ 「背中に何か当たっているのですが」
結標 「気のせいよ」ギュー
浜面 「」ケッ
<ドォォン
<バゴッ
結標 「そろそろ頃合いかしら。じゃ、はじめましょうか」
エツァリ 「浜面さん、作戦の復唱をお願いできますか」
浜面 「一方チームが陽動、絹旗チームが奇襲、これで相手陣地を掻き乱してる間に俺たちでフレメアを探しだす」
結標 「フレメアを回収したら、速やかに安全圏まで飛ぶから。そのつもりでね」
- 988 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:49:15.48 ID:MYBaAJ+Ho
-
エツァリ 「侵入経路はあそこに見えるドアです。今なら労せずに入り込めそうですね」
結標 「まずドアの前まで飛ばすわ。二人とも、準備はいい?」
浜面 「いつでもいいぜ」
エツァリ 「同じく」
結標 「いいわね。始めるわよ」ブンッ
フッ
結標 「よっ」スタッ
エツァリ 「浜面さん、お願いできますか」
浜面 「任せとけい!」スチャ
エツァリ 「簡単にいけそうですか?」
浜面 「……こりゃ随分旧式だな。サビてなけりゃ楽勝だろ」チャキチャキ
結標 「それにしても、浜面くんって顔に似合わず器用よね。ピッキングまでこなすなんて」
エツァリ 「"一家に一台浜面さん"の時代は遠くないですね」
浜面 「はは、俺のクローンでも造るか。こうきて……こうひねって……おし、どうだ!」ガチョン
結標 「あ、今開いた音がしたわね」
エツァリ 「手早いですね。流石です」
- 989 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:50:31.93 ID:MYBaAJ+Ho
-
結標 「急ぎましょう。陽動班や奇襲班のことを考えるとあまりゆっくりも」ガチャガチャ
結標 「」ガチャガチャ
エツァリ 「おや?」
浜面 「あれ?」
結標 「……もしかして、コレ、最初から開いてたんじゃない?」
エツァリ 「つまりピッキングで閉めてしまったと」
浜面 「おいおい、不用心にも程があるやな」
結標 「……」
浜面 「めんご」テヘ
結標 「開けて! 開けなさいよ! ほら、さっさと!」ゲシゲシ
浜面 「はい、ただいま!」チャキチャキ
エツァリ 「結標さん、焦りは禁物ですよ」
結標 「焦ってない。ちょっとイラッとしただけよ」
浜面 「ここで……そうそう……よーし、いい子だ……どうだ!」ガチョン
結標 「今度は大丈夫なんでしょうね」
浜面 「大丈夫だ。ほら、開いたぜ」ガチャ
エツァリ 「よし、行きましょう」
- 990 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:51:53.11 ID:MYBaAJ+Ho
-
浜面 「さーて、フレメアはどこだ」タッタッタッ
エツァリ 「虱潰しに探すしかないでしょう」タッタッタッ
結標 「外から見た感じ地上2階だけど、地下はどうなのかしら」タッタッタッ
チンピラ 「ふー、トイレトイレ」ヒョコッ
浜面 「おいバカ危ねぇ」
ドサーン
チンピラ 「いててて、おお悪い悪い……ってなんだテメェら!?」
エツァリ 「おっとお静かに」シャキンッ
チンピラ 「」
浜面 「俺ら、金髪碧眼で12歳ぐらいの女の子探してんだけどよ。なんか知らない?」
チンピラ 「」フルフル
エツァリ 「そうですか……強引な方法で身体に聞くこともできますが」チラッ
浜面 「時間がもったいないな。つう訳で、お休み」ゴスッ
チンピラ 「」バタッ
結標 「へー、首を後ろから叩くと本当に気絶するのね」
エツァリ 「鍛錬が必要ですよ。見よう見まねでできるものでもないかと」
浜面 「とりあえずコイツはトイレの個室にでもしまっておいて、次いこうぜ」
- 991 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:53:17.84 ID:MYBaAJ+Ho
-
~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
ショチトル 「21時15分……もう始まっている頃か」
打ち止め 「」ソワソワ
滝壺 「大丈夫だよ。みんなちゃんと戻ってきてくれる」
打ち止め 「なんで言い切れるの? ってミサカはミサカは疑問をぶつけてみたり」
滝壺 「いつもそうだったから」
打ち止め 「いつも?」
滝壺 「うん。はまづらはいつも、どんなにボロボロになってもどんなに遅刻しても、帰ってきてくれた」
打ち止め 「……」
滝壺 「だから今回も、きっとはまづらもみんなも一緒に帰ってきてくれる」
ショチトル 「他でもない私たちが信じていなければいけない。分かるな?」
打ち止め 「……うん」
ショチトル 「いつ戻ってきてもいいように準備でもしておこう。手伝ってくれるか?」
打ち止め 「分かった! ってミサカはミサカは元気よく立ち上がってみたり」
滝壺 「私も手伝う」フンス
- 992 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:54:44.81 ID:MYBaAJ+Ho
-
~同日 研究所跡 旧所長室~
女子生徒 「……なんだか、騒がしいd、ですね」
いい男 「花火大会でもやってるんじゃないか?」
女子生徒 「そんなまさか。こんな時期に花火大会なんてありえへ……ないです」
いい男 「……おい、さっきからどうしたんだ? いつもの関西弁っぽい言語は?」
女子生徒 「それが……あんさんのチームの人から笑われたりからかわれたりしまして」
いい男 「……なんというか、済まない」
いい男 (とはいえ、言葉の端々やイントネーションは隠しきれていないようだが)
<バーン
モブ男 「申し上げます! 侵入者です!」
女子生徒 「!?」ガタッ
いい男 「何人だ?」
モブ男 「正面から2名、東ブロック方面から3名! いずれも強力な能力者です!」
いい男 「蹴散らせ」
モブ男 「そ、それが……相当な手練れでして……」
- 993 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:56:22.00 ID:MYBaAJ+Ho
-
いい男 「ふむ……仕方ないな。俺が出よう。ところで、侵入者に男はいるか?」
モブ男 「は? あ、あー、正面からの侵入者は1名が男でしたが」
いい男 「よし、俺が正面に回ろうじゃないの。真正面から挑むとは、どんないい男か楽しみだ」
女子生徒 「……今日はこんなことばっか」
いい男 「全くだな。今日は先客万来だ」ハハハ
女子生徒 「笑い事ちゃう!」
いい男 「ともかく、俺は今から正面に出る。東方面の侵入者は任せたぞ」
<バタン
女子生徒 「……はぁ」
モブ男 「……あ、あのー」
女子生徒 「なに?」
モブ男 「そちらのチームにも、結構な被害がでていますが」
女子生徒 「」ビキッ
モブ男 「じゃ、お、お願いします」スタコラ
女子生徒 「…………もう許さへん」ツカツカ
- 994 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/01/27(金) 23:56:59.69 ID:MYBaAJ+Ho
-
といったところで、今回はここまでです。
さあ、勝負の行方はどうなるのでしょうか。
ちょっとスレ立ててきますのでお待ちを。
- 995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/01/27(金) 23:57:23.05 ID:WfCpYlS30
-
絹旗 「もういいですか? さあ、絹旗サマ直々の超おしおきタイムですよ」
俺 「お願いします!!」wktk
乙 - 996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2012/01/27(金) 23:57:42.30 ID:Sea3VmOG0
- 乙!
2013年5月4日土曜日
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」~その4 2
ラベル:
アイテム,
とある魔術の禁書目録,
結標,
白井黒子
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