- 548 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/02(月) 21:37:50.45 ID:4NEb7Ivm0
- ―――とある休日、AM10:30、学園都市第1学区、マンション『ファミリーサイド』(香焼宅)・・・・・
ミーンミンミンミーン・・・ミーンミンミンミー・・・ウーサミンピークミンアールミンミンミー・・・・・
神裂「……暑い」ジリジリ・・・
麦野「言うな馬鹿」ジリジリ・・・
固法「そうね。言葉にすると余計……暑いわ」ジリジリ・・・
結標「言ってる傍から口にしてんじゃないのよ」ジリジリ・・・
ガガガガガガガガガ・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
麦野「外、うっせぇ」ジリジリ・・・
神裂「工事中ですから……止むを得ないでしょう」ジリジリ・・・
結標「暑い中御苦労ね」ジリジリ・・・
固法「自分だって言ってるじゃない」ジリジリ・・・
ニャーンニャンニャンニャンニャンニャー・・・ワーンワンワンワンワー・・・・・
結標「つーか、さぁ」チラッ・・・
神裂「はい」ダラーン・・・・
麦野「私も同じ事思ってる……何でクーラーぶっ壊れてんのよ」ジトー・・
神裂「……あー」ダラー・・・
固法「綺麗に、真っ二つに『斬』れてるエアコンって、レアよね」ジー・・・
神裂「な、何ででしょうねぇ」ハハハハ・・・
麦野・結標((お前の所為だろ、あれ))ジー・・・
固法「まぁこの家のモノが壊れるのはいつもの事だから、深くは聞かないけど。原因は?」チラッ・・・
神裂「……五和と浦上が、度を越した悪ふざけをしていたので」グデェ・・・
結標「んで、エアコンが真っ二つになる結果に繋がると……駄目だわ、意味分かんね」ハァァ・・・
麦野「深く考えちゃダメよ。火織だもの―――にしても、暑ぃわ」グデーン・・・
神裂「言うなって言ったクセに……あー暑いですね」ベターン・・・
- 549 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/02(月) 22:10:00.70 ID:4NEb7Ivm0
ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・
神裂「―――そもそも、香焼宅(此処集合)じゃなくても良かったのでは?」チラッ・・・
麦野「いや、ほら。それは何て言うか……慣習?」チラッ・・・
固法「そうね、最近ファミレスとかじゃなく神裂さん家に集まる事多いものね」グデェ・・・
結標「いや、香焼くん家っしょ……てか家主どのはー?」ダラダラー・・・
神裂「例の如く、絹旗さん達と公園で遊んでると思いますよ。五和と浦上は学校に用事があるとか」ダラーン・・・
固法「この炎天下の中、元気ね」ハハハ・・・
麦野「信じらんねぇ自殺行為よ」ウヘェ・・・
結標「日ぃ焼けちゃうわ無理無理」ウワァ・・・
神裂「日焼けといえば……固法さん」チラッ・・・
固法「何かしら」コトッ・・・ヌギヌギ・・・
神裂「あ、私も脱ご―――んしょ。あー、アレです。眼鏡焼け」ヌギヌギ・・・ジー・・・
固法「あ、あんまり見ないで」///
麦野「ははは。風物詩ってヤツよね。さっさとコンタクトにしなさいよ」ジー・・・ヌギヌギ・・・
固法「それは、ほら……色々と」ポリポリ・・・
神裂「ふーん……彼氏さんの願望ですか?」ニヤリ・・・
固法「が、願望って訳じゃないわ! でも、その……色々と」モジモジ・・・///
結標「かああああぁ!! 余計暑くなる様な事言ってんじゃないわよ! てかアンタら堂々と脱ぎ過ぎだわ!」ケェ!!
麦野「常に半裸なテメェが言うな。お前、そのサラシ取ったら絶対ぇ面白い焼け方してんだろ」ハッハッハッ・・・
神裂「それ、ちょっと見てみたいですね」ジー・・・
結標「へ、変態!! 頭沸いてんじゃないの!?」ウガアアァ・・・
麦野「騒ぐなっつの……温度上がるってば」ウッヘェ・・・
固法「そうね……大人しくしてましょう」ダラダラーン・・・
ワーラビーモチー・・・イーシヤーキイモー・・・ターケヤーサオダケー・・・チャララーララーチャラララララー・・・・・
麦野「なぁサラシ女。試しに石焼きイモ買って来てみて。金やっから」ジー・・・
結標「色々ツッコミたいけどスルー一択」グデーン・・・
固法「ははは……しっかし、エアコンになれちゃってるから、ホントきついわね」ダラダラ・・・
神裂「ぞーでずねぇぇぇぇぇ...あづぃでずねぇぇぇぇぇ...わぁぁぁれぇぇぇわぁぁぁれぇぇぇはぁぁぁ...、」ガシッ・・・ワーレーワーレーハー・・・
麦野「何やってんだ火織。遂に壊れたの? まぁ暑いし…―――…って! ちゃっかり扇風機占領すんじゃねぇ!!」ウガアァ!!
結標「キャラらしからぬ馬鹿してるから、アンタもスルーしようかと思ったけど、そりゃNGだわ!」ギャース!!
神裂「ぶぇぇぇぇぇー?」ガッ・・・ガッ・・・ガッ・・・
固法「だから扇風機掴まないの! 首振り止めるの禁止! あと変な声出さない!!」メッ!!
ギャーギャーギャーギャー・・・ワーワーワー・・・ゼェゼェ・・・ウー・・・・・
姉s『』チーン・・・
- 550 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/02(月) 22:39:24.93 ID:4NEb7Ivm0
シーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・
神裂「……ほんと、すいません。暑さで色々頭がパーになって」アハハ・・・
結標「マジ勘弁してよね」ジトジト・・・
麦野「次やったら外に放り投げるわよ」ギロリ・・・
神裂「……はい」グデェ・・・
固法「まぁまぁ、気の迷いという事で……あ、飲み物貰って良いかしら?」スッ・・・
神裂「ええ、私も手伝います」スッ・・・
固法「大丈夫よ、4人分麦茶出すから」テクテク・・・プリプリ・・・
コトコトコトコト・・・・・
麦野「……なんか美偉エロいわ」ジー・・・
結標「そりゃ(半裸だし)そうよ」ジー・・・
麦野「そうじゃない。別にアンタに欲情しないし、火織はエロい通り越してオッパイ星人だから反応しない」ジー・・・
神裂「意味が分かりません。さておき、何故固法さんが?」ジー・・・
麦野「んー……あの子、また胸デカくなってね?」マジマジ・・・
結標「うっわー、ずっりー。彼氏の御蔭ってヤツ?」ジロジロ・・・
神裂「彼氏が出来ると胸が大きくなるのですか?」フム・・・
麦野「アンタはこれ以上デカくならなくて良いのよ。スイカ級とか肩凝り尋常じゃないっしょ……美偉くらいのメロン級が良いわね」グヘヘ・・・
神裂「す、すいか級」バイーン・・・
結標「あほ……とかいうアンタだってメロン級じゃない。いや、パイン級くらいか」ジー・・・
麦野「自分のは別物だもの。そういうアンタは……ダイダイ級?」ジー・・・
結標「……もう一声」チラッ・・・
麦野「ウリ級」フム・・・
結標「せ、せめて分かり易い果物を選んで」グデーン・・・
神裂「ではマンゴー級で」スパッ・・・
結標「何かヤダぁ」ウーン・・・
麦野「我っ儘な女だ」ケー・・・
結標「悪ぅござんした……やっぱアンタ、ドリアン級で」プププ・・・
麦野「さっきからよぉ。私の胸がトゲトゲしいとでも言いてぇのかコラ」ジトー・・・
固法「よいしょ―――こらこら、喧嘩する子には麦茶あげませんよ」メッ・・・
麦野・結標「「はーい」」ビシッ・・・
神裂「……単純ですね」ハハハ・・・
チリンチリン・・・・・
神裂「ふぅ―――さて、そろそろ動きませんか」チラッ・・・
麦野・結標「「無☆理!」」キッパリ・・・
固法「コイツら……まぁでも、億劫なのは確かにね」ハハハ・・・
神裂「避暑しましょうよ……夕方ならなきゃ新しいエアコン届きませんからね」ハハハ・・・- 551 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/02(月) 23:14:18.77 ID:4NEb7Ivm0
麦野「うーん……どうすっかなぁ。てか、このエアコンいつ壊れたの?」チラッ・・・
神裂「一昨日の夜ですね」コクッ・・・
固法「え。クーラー無しで寝たの?」タラー・・・
神裂「ええ。もう大変でしたよ……熱帯夜の中、私・五和・浦上が居間(ココ)で寝ましたから。扇風機が無ければ確実熱中症でしたね」ハハハ・・・
結標「香焼くんは?」キョトン・・・
神裂「あの子は基本、自室で寝ますから。因みに、あの部屋にはエアコン付いてます」チラッ・・・
麦野「おま! 先に言えよ!!」バッ!!
神裂「ちょ、駄目です!!」ガシッ!!
麦野「はーーーなーーーせーーーよーーー! アイツの部屋で涼むー!!」ギャーギャー!!
神裂「あの子の部屋は、その……不可侵なんです! 私ら姉妹でさえ覗いた事すらありません!!」アワワワ・・・
結標「そいやぁ前に言ってたわね。『開かずの間』だって」フーン・・・
固法「まぁ年頃の男の子の部屋だしね。色々あるんだし、止めときなさいって」ハハハ・・・
麦野「知った事! 別にイカ臭かろうがシンナー臭かろうが涼しけりゃ何でも良いわ!」ググググ・・・
神裂「だーーーめーーーでーーーすーーーっ! そ、それに、い、イカ臭くはないと思います……あの子には、まだ早いと思いますし」タラー・・・
結標「そげぶ」ケッ・・・
神裂「え」ピタッ・・・
結標「男子なんて小学校高学年にもなりゃマス掻きだすわよ。ましてや中学生にもなりゃ……ね」フフフ・・・
神裂「い、いやでもあの子に限って」ダラダラ・・・
麦野「定型句どーも。過保護っつーか何つーか……まぁ別に使用済みのゴムさえ落ちてなきゃ良いわ。ティッシュくらいなら目ぇ瞑る」フンッ・・・
神裂「そんなモノ有り得ません!!」ウガアァ!!
固法(いやでも香焼くんならなぁ。周りに女の子多いし……実は彼女居たり……でも性格上、まだ健全な付き合いよね)ポリポリ・・・
結標「お姉ちゃん的には自分よか先に童貞(バージン)卒業して欲しくないってか」ハハハ
神裂「そういう問題じゃなく……んもぅ! 兎に角! あの子の部屋は駄目だんです!」キッ・・・
麦野「だーもー……じゃあどうすんのよ!」バンッ
固法「だから避暑しようと言ってるのに」ハァ・・・
麦野「でも外出たくねぇしー」ゲェ・・・
結標「同じーく」グデェ・・・
固法「やれやれ。じゃあ私と神裂さんだけ外行きましょうか。クーラー効いた何処かに」チラッ・・・
神裂「……そうですね。カフェかファミレス辺りにでも行きましょう。大分涼しい筈です」チラッ・・・
麦野・結標「「ぅ」」タラー・・・
固法「あ、それとも2人でツーリング行く? Tシャツ半ヘルで安全運転すれば大分涼しいわよ」ニコニコッ
神裂「良いですね。是非乗せて貰いましょうか。気持ち良さそうです」チラッ・・・
麦野・結標「「ぐぅ」」ダラー・・・
固法「いっその事、プールに―――」チラッ・・・
神裂「かき氷でも食べに行って―――」チラッ・・・
麦野「分ーったわよ! 出れば良いんでしょ! 出れば!!」ムギギ・・・
結標「ぐぬぬぅ……せめて移動はバスかタクシーにしてよね」ハァ・・・
神裂「ふふふ、素直で宜しい。さ、着替えましょうか」ニコッ
固法「それじゃあとりあえず――― >>553 ―――に行こうかしら」スッ・・・ ※安価
- 552 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/02(月) 23:17:55.17 ID:SPCpTCt2o
- プール
- 553 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/02(月) 23:19:35.53 ID:JRNAFM5DO
- このりん行きつけの銭湯
- 554 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/02(月) 23:49:59.84 ID:4NEb7Ivm0
39ドノ! トロケソウナヒ! エンテンカノユメ プレイボー プレイゲー!!
固法「―――さ。入るわよ」テクテク・・・
神裂・麦野・結標 「 」
固法「結標さんは月詠先生とよく来てるけど、麦野さんと神裂さんは此処始めてよね……って、あれ?」チラッ・・・
麦野「いやいや……、」ダラダラ・・・
神裂「このクソ暑い中、態々銭湯って」ダラダラ・・・
結標「アンタ、優等生に見えるけど偶ぁに、ちょいちょい、ナンセンスな感覚持ってるわよね」ダラダラ・・・
固法「いや、暑いからこそサッパリすべきよ。暑い時に食べるラーメンとかチゲ鍋って美味しいでしょ?」ニコッ
神裂「それとこれとはまた違う気が」ダラダラ・・・
固法「良いから良いから!」グイグイ・・・
麦野「あ、ちょ、美偉! 止めなさ―――」
固法「おばちゃーん、4人ねー」テクテク・・・チャリン・・・
番頭婆「あいよぉ」プルプル・・・
麦野「―――……うぇ」ハァ・・・
神裂「……うわぁ」タラー・・・
結標「ノリで押し切ったわね」タラー・・・
神裂「……仕方ない。行きますか」トボトボ・・・
結標「せめて区民プール行きたかった……まぁ冷たいシャワー被れれば幾分かマシかしらね」トボトボ・・・
カポーーーーーーン・・・・・
固法「ふぅ」ザバーン・・・
神裂「ふむ……存外、悪くないですね」チャプーン・・・
固法「でしょ」フフフッ
結標「あー、私らしか居ないー……貸し切り風呂ー」プカプカ・・・
麦野「テメェ浮かんでんじゃないわよ。色々見えてんぞ」ジトー・・・
結標「べっつにー。野郎居る訳じゃないしー」ジャボンッ・・・
麦野「ばっ……水死体にすっぞゴラ!」ザバッ!
固法「お風呂で暴れないの。麦野さんこそ、立ち上がったらモロ見えよ」ハハハ・・・
麦野「けっ……あー、洗顔しちゃったし。化粧面倒臭ぇ」グデェ・・・
神裂「別にスッピンでも良いじゃないですか。まだ地肌綺麗なんですし」ジー・・・
麦野「化粧は女性のエチケットだっつの。外出っ時の基本よ、基本」フンッ・・・
結標「私ら高校生相応の筈だから、んなモンまだ必要無いわよね……ってかアンタ、化粧落とすとマジ眉毛無いわね」ジー・・・
麦野「あるっつの。眉描くっつってもベースは必要でしょ……そういうアンタは、全体的に『毛』薄いわよねぇ」ジロジロ・・・
結標「エロ親父が」バシャッ
麦野「事実述べたまでよ」フンッ- 555 :五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/03(火) 01:10:25.95 ID:YDW09gb20
ザブーーーーーーーーーーン・・・・・
神裂「ふぃ」ポヨン・・・
固法「……、」フムフム・・・
神裂「……何か」キョトン・・・
固法「いや、不思議だなぁと」ムゥ・・・
神裂「はい?」ポカーン・・・
麦野「んー、こんだけオッパイでっかいと浮くのね」ハハハ
神裂「……何かと思えば」ハァ・・・
結標「浮輪要らずね。でも、やっぱ肩凝りそうだわ」ジー・・・
神裂「まぁ鍛えてますので」コクッ・・・
麦野「はいはい……でも、確かに腹筋凄ぇわよね」ツンツン・・・
神裂「っ!」ビクッ・・・
麦野「んを? ぐへへへへぇ。お姉ちゃん、良い反応するじゃないか」ニヤニヤ・・・
固法「変態ね」ジトー・・・
結標「あら、知らなかったの?」チラッ・・・
麦野「っせぇボケ」バシャッ
結標「わぷっ! この……てか、そういうアンタこそ、結構マッチョよね」ジー・・・
固法「神裂さんは論外だけど、麦野さんも鍛えてるわよねー……ぶっちゃけ、並の男性より力強いだろうし」ハハハ・・・
麦野「……生意気言う口はこれかなぁ美偉ちゃーん」グニグニ・・・
固法「ふぉふぇふぉふぇえぇ」アバアバ・・・
神裂「私は論外って……これでも女子なんですが」ドヨーン・・・
結標「やれやれ……でも、何だかんだいって男子の身体ってガッチリしてるわよね」チャプン・・・
麦野「処女が何言ってんの?」ポカーン・・・
結標「うっせぇ処女―――じゃなくて、野郎共の身体よ」ジトー・・・
神裂「男子の……見た事あるんですか?」チラッ・・・
結標「ぜ、全部は無いけど、その、図体とか上半身とかは、ほら。プールとか……あと常に腹筋出してるアロハグラサンとか居るし」アハハ・・・
固法「土御門くんね」アハハ・・・
麦野「あー。幻想殺しの近くに居る金髪グラサンか。でもお前、白モヤシのとか、見た事あんじゃねぇの?」ニヤリ・・・
結標「な、何であんなのの裸見なきゃなんないのよ!」タラー・・・///
神裂「確かに土御門は私服だと腹出してる事が多いですね。ところで、しろもやし?」ポカーン・・・
固法「(神裂さん、人の事言えないわよ)……第一位の―――一方通行くんよ。結標さん、仲良いものね」フフフッ
結標「じぇ、全っ然良くにゃいしー!」フンッ!
麦野「『にゃいしー』www動揺すんなしwww」プフッ
結標「テメェ男風呂(アッチ)に座標移動させるわよ!!」ウガアアァ!!
麦野「おまっ!?」ギョッ・・・
固法「はいはい、喧嘩しない。そんなに男子の裸が見たかったら香焼くん辺りにでも頼みなさい」ヤレヤレ・・・
神裂「流石彼氏持ち。余裕の貫録が―――ぇ」ピタッ・・・
麦野「あの坊やの裸って……何だかんだ見た事あるわね。『逆カミやん病』ってヤツの所為かしら」ハハハ・・・- 561 :第Ⅳ(26)話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/03(火) 22:04:17.80 ID:djrwfmM60
ミョーンミョンミョンミョンミョーン・・・キュポンッ! ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・・・
姉ーs『ぷはーっ』フー・・・
固法「やっぱり風呂上がりは『コレ』よね」フキフキ・・・
結標「アンタ、風呂だろうが部屋だろうが風紀委員の詰め所だろうが、何処でも飲んでんじゃん……牛乳」チビチビ・・・
麦野「まぁ美偉のアイデンティティだからな。美偉から眼鏡と胸と牛乳取ったら何も無くなるわよ」ハハハ
固法「酷っ! 他にもあるでしょ!」ジトー・・・
麦野「んー……風紀委員は超電磁砲のレズ妹分の方がイメージ強いしー……あ! 非処女!」ビシッ!
固法「」
神裂「相変わらず口が悪い」ハハハ・・・
結標「ホント、良いとこのお嬢様の筈なのにねぇ。どうしてヒン曲がったのやら」チラッ・・・
麦野「うっせ。『ですのー』とか『わたくしはー』とか『とのがたー』とか言うよかマシよ」フンッ
結標「存外、白井さん(ババア)口調似合うかもy―――― ジュッ!! ――――……アンタ、ねぇ」ツー・・・
麦野「……おーっほっほっほっ。ごめんなさいですわ。わたくしとした事が卑女の戯言に腹を立ててしまうなんて」ウフフフフ・・・
結標「こんの、ビームババアが」グルルルル・・・
麦野「お黙りなさってください、この淫売痴女さまー」フシャアアァ・・・
神裂「……二人とも」ジトー・・・
固法「あのねぇ。私(ジャッジメント)の前で暴力沙汰とか勘弁して欲しいんだけど」ジトー・・・
麦野・結標「「……ふんっ」」ギロギロギロギロ・・・
神裂「やれやれ。いつもの事ですけど、ハラハラしますね」ハハハ・・・
カッポーーーーーーーン・・・・・
麦野「―――あー、化粧しちゃわないと……って、火織。アンタ、いつまで真っ裸でいんのよ」ローションペタペタ・・・チラッ・・・
神裂「え」スッポンポーン・・・
結標「早いとこその凶器(おっぱい)しまいなさい」パンツハキハキ・・・
神裂「あ、はい……でもその前に」ジー・・・
固法「ん? あー……それ」チラッ・・・
結標「んしょんしょ……ふー。何ったのよ? あー、珍しいモンあるわね」ジー・・・
神裂「体重計ですよね。デジタルタイプじゃないレトロな、針の」マジマジ・・・
麦野「……、」ニュウエキペタペタ・・・チラッ・・・
固法「今時レアよね。まぁ此処は都市開発前からある老舗らしいから、こういうのも名残で残してるんじゃないかしら」グググ・・・ブラガキツクナッタ・・・
神裂「んー―――」スッ・・・
麦野・固法・結標『!!?』ギョッ・・・
グワングワン・・・ピタッ・・・
神裂「―――少々重くなりましたかね」フム・・・
固法「その身長でその体重。筋肉多いし胸大きい筈なのにオカシイ……神様不公平です」ガーン・・・
結標「っつーか、アンタ。よく躊躇いなく体重計乗れるわね」タラー・・・
麦野「相変わらず残念な女子力だわ」ジトー・・・- 562 :第Ⅳ(26)話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/04(水) 06:10:55.35 ID:4l9NGwUQ0
- 神裂「日々自身の健康をチェックしておくのは大事ですよ―――さて、次どうぞ」ガシャン・・・スッ・・・
麦野・固法・結標『ハァ?!』ビクッ・・・
神裂「え」キョトン・・・
固法「い、いやいや……何これ、乗る流れ?」タラー・・・
神裂「……乗らないのですか?」ショボーン・・・
結標「アホ言え。意味分かんない。逆に何故乗れと?」タラー・・・
神裂「いやぁ純粋に、これに人が乗ってる姿を見たいのです。自分の姿ではなく、他人がですけど」コクッ
固法「……ノリが小学生だわ」ハァ・・・
麦野「ったく。ほれ、結標。乗ってやりなさいよ」ホォレッ
結標「なーんでよ、テメェが乗りなさい」ジトー・・・
麦野「こういうのは私のキャラじゃねぇだろ。あと、まだ化粧終わってないし」フーン・・・
結標「こんの女郎がぁ……ねぇ牛乳(ウシチチ)女」チラッ・・・
固法「無理無理無理無理。多分、私、この中で一番重いだろうし」ダラダラ・・・
麦野「身長と筋肉の分、私の方が重いっつの。という訳で、結標、逝け」クイッ・・・
結標「いやいやいやいや。てか、態々コイツの我儘聞いてやる必要ないでしょ」ジトー・・・
神裂「……そうですか」ショボーン・・・
麦野・固法「「結標(さん)!!」」バッ!
結標「あーもぅ! 何でよぉ…―――…針見んじゃないわよ! 良いわね!」ギロッ・・・
グワングワンッ・・・ピタッ・・・・・
結標「ぅ……(私も変わりなし、ね)」フゥ・・・
固法「神裂さん、満足かしら?」チラッ・・・
神裂「ふむ……何か違いますけど、我慢します」ウーン・・・
麦野「火織ちゃーん、何違うのー?」ヤレヤレ・・・
神裂「結標さん……殆ど、服を着ちゃってますね」ジー・・・
麦野「……脱げよ、結標」ジー・・・
結標「はぁ!? 馬鹿じゃないの!」バッ・・・
神裂「あと、余談ですが―――些か、やせ過ぎなのでは……月詠さんが忙しくても、何かしらご飯は食べないと駄目ですよ」ジー・・・
結標「あああぁーもぉおぅ!! だから針見んなって言ったのにいいぃ!!」ウキャパーッ///
麦野「はははは、火織。何キロくらいだった?」ニヤリ・・・
神裂「え。あ、まぁ……流石にそこまで言えませんよ」ポリポリ・・・
麦野「えー、良いじゃんちょっとくらーい。じゃあさ、50kgあった? いや、逆にアバラ出るくらいだし下手すりゃ30kg代なんじゃ―――」
ヒュンッ・・・パッ・・・・・
神裂・固法「「あ、消えた」」ピタッ・・・
麦野「―――な……ふぇ……おわっ!!? てめ、結標!! 『移動』させんじゃねぇよ!」ガシャンッ・・・グワングワングワンッ・・・ピタッ・・・・・
結標「ふんっ。馬鹿にした罰よ。安心なさい、針は見ないどいてあげるから」クルンッ・・・
神裂「……この重さは、義手の分でしょうね。見た目相応の体重じゃないです」ジー・・・
固法「か、神裂さん!?」ダラダラ・・・
麦野「」チーン・・・ミラレタ・・・ - 567 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/05(木) 22:36:22.22 ID:NIfFkkEn0
にゃーん・・・・・
麦野「―――死ね。百辺死ね」ググググ・・・
結標「あーはいはい。私が悪ぅござんした……そんなピリピリしてると折角化粧で隠したシワが浮き出ちゃうわよ」サラッ・・・
麦野「ぶ殺確」フシャアアーーーーーーァッ!!
固法「ちょ! ストップ! すとーーーっぷ!!」ガシッ!!
神裂「『そげぶ』みたいなノリで殺害宣言しないで下さい。結標さんも、これ以上挑発しない……さもないと」チラッ・・・
結標「……分ーってるわよ。私もまだ死ぬ気は無いから」ポリポリ・・・
固法「んもー…―――…とりあえず、気を取り直してっと。何処行く?」チラッ
結標「涼しいとこ」ビシッ
麦野「汗掻かないとこ」ビシッ
神裂「家電屋」ビシッ
固法「じゃあ適当にファミレs……な、家電、屋? え?」ポカーン・・・
麦野「何故に?」キョトン・・・
神裂「? 涼しいでしょう」キョトン・・・
結標「いや、そりゃ年中快適だろうけどそのチョイスの意図は? あとその『何でそんな事聞くんですか』的な顔何? おばか?」ハァ・・・
神裂「む。意図ならあります……が、ノリで言ってしまいました。やはり私的な事なので別にファミレスやカフェでも構いませんよ」フム・・・
麦野「言っといて遠慮してんじゃないわよ。何か欲しいの?」ジー・・・
神裂「欲しいというか、今日届く予定のエアコンがどんなモノか見ておきたいんです」コクッ
固法「見ておきたいんですって、選んだのは神裂さんじゃないって事?」キョトン・・・
神裂「全て五和と浦上に任せましたから。最新型とは聞くものの、実際どんなものなのかこの目で確認しておきたいなぁ、と」ウン・・・
結標「んー。どうすんの?」チラッ・・・
麦野「別に。行く宛も無いし、カフェとかは後でも良いんじゃね……ただし、一番近い店にしなさいよ。あんま移動したくない」アヅー・・・
固法「此処から一番近い電気屋さんだと……総合病院の通りね」ピッ
神裂「冥土返しの病院の近くですか。なら歩いて十数分といった所ですね」コクッ
麦野「タクシーきぼー!」バッ!
結標「同じく! 麦野(コイツ)持ちで!」バッ!
神裂「……、」タラー・・・
固法「……怠惰の極みね」ハァ・・・
神裂「……分かりました。大通りに出たらタクシーを拾いましょう。私が持ちます」テクテク・・・
麦野・結標「「ひゃっほー!」」イエーイッ!
固法「ハァ。甘やかしちゃって」ヤレヤレ・・・
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・マダー??? モスコシ・・・・・
固法(―――あれ? さっきから裏道通ってるけど……此処、総合病院の駐車場裏よね?)チラッ・・・
麦野「うぅー……結構歩いたわよ。てか、こんだけ歩いて大通り出ないのオカシくね?」ゼー・・・
結標「方向的には合ってる筈なんだけど……ちょっと神裂(おっぱいセイジン)。まだー?」グデェ・・・
固法(……なぁるほど)ハハハ・・・
神裂「―――あ、着いちゃいました。すいません」ピタッ・・・
麦野・結標「「」」ヤラレタ・・・- 568 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/05(木) 23:06:40.04 ID:NIfFkkEn0
ビーックビックビック・・・シンセイヒンガヤスイー・・・*ドバシデンキ・・・・・
麦野「してやられた……火織如きにしてやられた」ドヨーン・・・
神裂「如きってなんですか、ごときって」ムッ・・・
固法「まぁまぁ。結標さんも、グダってないで歩きましょう」ハハハ・・・
結標「ったく……しかし、アレよね。家電製品並んでんの見るとネズミーランド来た気分にならない?」ジー・・・
固法「あるある」フフッ
麦野「……なにそれ」ハァ・・・
神裂「そういうモノなのですか?」キョトン・・・
結標「けっ。これだからブルジョアは―――んで? お目当てのモノは?」チラッ・・・
神裂「エアコンコーナーだと思いますが……何階でしょうか。1Fは携帯コーナー一色の様ですが」キョロキョロ・・・
麦野「んー……3Fじゃね。大型家電コーナー」クイッ・・・
固法「じゃあ行きましょ」テクテク・・・
結標「その後、PC・ゲームコーナー行っていい?」ジー・・・
神裂「お好きにどうぞ」テクテク・・・
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・・・
結標「……人混み嫌ぁ」ウヘェ・・・
固法「休日だから仕方ないわよ。あの一角じゃない?」クイッ・・・
神裂「テレビコーナーの横ですか」フム・・・
結標「因みに、此処まで来たのは良いけど、どの最新型か分かりませんでしたなんてオチは無しよ」ジトー・・・
神裂「ちゃ、ちゃんと確認してますよ。兎に角、行きましょう」テクテク・・・
麦野「はいはい……って、あ」ピタッ・・・
固法「どうしたの?」キョトン・・・
麦野「……、」タラー・・・
神裂「麦野さん?」ハテ・・・
麦野「……ね、ねぇ。ちょいと遠回りしてかない?」ギギギギ・・・
結標「は? 真っ直ぐ行きゃ良いだけの話じゃない。如何したのよ?」キョトン・・・
麦野「い、良いから。出来るだけ遠回りしましょう」ダラダラ・・・
固法「うーん……そこまで言うなら」フム・・・
神裂(『何か』を危惧した? 何を……ん?)チラッ・・・
結標「意味分かんないわ。目と鼻の先なんだから、さっさと行きましょ」スタスタスタ・・・
麦野「ちょ、バッ! あー……知らね」ハァ・・・
固法「麦野さん、如何したのよ」ポカーン・・・
麦野「……いや、顔知れてるの私だけだから大丈夫だと思うけど。極力面倒事に顔突っ込みたくないのよ」タラー・・・
神裂「あぁ……『彼女』ですか」ジー・・・
麦野「か、火織、アンタ! アイツ知ってんの?」ギョッ・・・
神裂「ええ、まぁ……香焼の―――尤も、『香(カオル)』の友人ですから」ハハハ・・・
固法「女装姿の香焼くんの? え?」ポカーン・・・
麦野「深く考えたら負けだ……あーもぅ知らないわよー」タラー・・・- 569 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/05(木) 23:40:10.24 ID:NIfFkkEn0
- お題『みさきち』
結標「ったく、何してんだか。さっさと来いっての」テクテク・・・
食蜂「―――んー……このリモコンは普通過ぎるわよねぇ。かといって、そっちの長いのは重いしぃ」ヒョイヒョイ・・・
結標(……何この客)チラッ・・・テクテク・・・
食蜂「でもぉ……どうせなら一つくらいゴッツいの持ってても良いかなぁ……あーでもキャラじゃないかぁ―――」ウーン・・・
結標(独り言デカいわね。リモコン如きで何悩んでんだか)ヤレヤレ・・・
結標(制服からして常盤台中。まぁ、お嬢様か変人かの両極端しか居ないから仕方ないわよね)フンッ・・・
食蜂「―――……、むぅー。人の事ジロジロと……しかも初見でお嬢様扱いって小市民的な人ねぇ」ピタッ・・・ボソッ・・・
結標(違うっつの。アンタはお嬢様っていうより変人の類でしょう、が……って、え)ピタッ・・・
食蜂「そして次に貴女は『な、何で心の声が!?』と言っちゃうゾ☆」ビシッ
結標「な、何で心の声が!? ぇ……ハッ!!?」ビクッ・・・
食蜂「ふふふっ。可愛らしい反応をどぉもぉ♪」ニコッ
結標「さ、読心能力者(サイコメトラー)!?」タラー・・・
食蜂「そんなチャチな輩と一括りにされてもねぇ。ま、さっきのは私の寛容力で聞き流してあげるからさっさとどっか行っちゃって★」フイッ・・・
結標(こんの、糞ガキ……御坂美琴といいコイツといい、碌なヤツが居ないわね)イラッ・・・
食蜂「あらぁ。御坂さんのお知り合い?」チラッ・・・
結標「ぐっ……だから心を読むな! 気色悪い!」ジトー・・・
食蜂「あらあら。そういう事言っちゃう? 人間、口には気を付けた方が良いわよぉ」クルクル・・・スッ・・・
結標「な、何よ」タラー・・・
食蜂「どうしよっかなぁ。純粋にお買い物ディだったから揉め事起したくないんだけどぉ……ま、私の改竄力なら如何とでもなるしぃ」ジー・・・
結標「や、やる気?」グッ・・・
食蜂「ふーん。移動能力(テレポート)……いや、白井さんより1ランク上の演算式みたいね。おっかなーい」キャー
結標「なっ!? 演算まで読めるの?!」ギョッ・・・
食蜂「頭疲れるけどねぇ。さて……それでは―――」クイッ・・・
神裂「失礼」グイッ・・・
結標「え―――ぐへぇっ!!」クビガァアアァ!!
食蜂「っ!!?」ビクッ・・・
麦野「あーもぅ。最っ悪だ」ハァ・・・
食蜂「あ、らら……これはこれは」ピタッ・・・
結標「げほげほっ……ちょっ! 何すんのよ!」ガアァ!!
神裂「すいません、麦野さんがこうすべきだと」パッ・・・
結標「ハァ!? 意味分かんないわよ!」キイィ!!
麦野「チッ。貸し一よ」ジトー・・・
結標「だから何を!」プンスカッ!
固法「『このままじゃアイツ洗脳されてフロアのド真ん中でネット中継公開(後悔)ストリップしかねない!』とか言ってたわ」ハハハ・・・
結標「」ナニソレコワイ・・・
食蜂「むぅ。無視は嫌だぞぉ★」プクー・・・ - 570 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/06(金) 00:13:47.29 ID:mPdVx+dx0
ギャーギャーギャー・・・チョット、メダッテマス・・・アーモー・・・・・
食蜂「……あのぉ」ジー・・・
麦野「―――だぁから、テメェは毎度毎度人の言う事を……って、あぁ。悪い。いや、悪くないか」ハァ・・・
食蜂「……、」ムゥ・・・
結標「ちょっと話まだ終わってないわよ! ってか、何! ソイツ知り合いなの!?」ギロッ・・・
麦野「チッ……仮にも暗部出身で大能力者(レベル4)なら、コイツの事くらい把握しとけ」ボソッ・・・
結標「……は?」キョトン・・・
食蜂(暗部、ねぇ)フム・・・
神裂「失礼。噂はかねがね聞いております。おと……妹分が世話になってる様で」ペコッ・・・
食蜂「へ?」ポカーン・・・
固法「食蜂操祈さんね。御坂さん達から色々聞いてます。尤も、彼女達の場合偏見塗れだけど」ハハハ・・・
食蜂「???」アルェ・・・
神裂「……もしもし」フム・・・
食蜂「ええぇっとぉ……え?」チラッ・・・
麦野「私見んな。説明する気は無ぇわ」フンッ・・・
食蜂「この私が混乱状況起すなんて……何これ? 新手のドッキリ? 第5位、第4位ときたら、この後御坂さん登場とかいうオチ?」アタフタ・・・
結標「は? ちょっと、誰か説明しなさいよ」チラッ・・・
固法「えっと―――カクカクシカジカ―――という事よ」ハハハ・・・
結標「」レベル5・・・ダイ5イ・・・
麦野「だから言ったじゃねぇか……まったく、とりあえず私とお前は相互不干渉だったよな。OK?」ジー・・・
結標「それは暗黙の了解だけどぉ。色々とツッコみどころ満載でぇ」チラッ・・・
固法「私は風紀委員で白井さんの先輩なの。その繋がりで御坂さんとも知り合い」コクッ
神裂「私は、先程述べた通りです。今後とも『香』を宜しくお願いします」ペコッ
食蜂「ぇ……ほわぁ!?」バッ!!
麦野「何つぅリアクションを」タラー・・・
食蜂「だ、だってぇ……てか、貴女、如何して???」ジー・・・
麦野「あぁ? 私が『友達』と一緒に居ちゃ悪いの?」フンッ・・・
食蜂「ともだ……う、裏切りもの! 貴女、私と同じでボッチ属性だったじゃない!」ビシッ!
麦野「意味分かんね。ボッチはお前と超電磁砲と垣根だけで十分だっつの」ケッ・・・
固法「御坂さんは友人多いでしょう。同年代の友達が少ないだけよ」ハハハ・・・
食蜂「ううぅ……何という敗北感。いいもん、私は孤高の存在だもん」グスン・・・
神裂「ええっと、その」アタフタ・・・
麦野「ほっとけ。下手に近付くと何されっか分からねぇぞ」ジトー・・・
食蜂「そんな節操無しじゃないわよ。これだから野蛮人は」ムスー・・・
麦野「……、」イラッ・・・
食蜂「へーんだ。心読まなくても顔に『ブッ殺してぇ』って書いてるわよ。やれるもんならやってみろぉ」フンッ
麦野「じゃあお望み通りぉあ痛ぁ!!」ゴチンッ!!
神裂「喧嘩しない。まったく、短気は損気ですよ。食蜂さんも挑発しないで下さい」ヤレヤレ・・・
固法「超能力者に説教出来る一般人って、神裂さんか上条くんくらいよね」タラー・・・- 571 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 :2013/09/06(金) 01:13:20.47 ID:qKa/25Fg0
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・ザワザワ・・・・・
食蜂「―――とりあえず、今までの流れは無かった事にするわよ」ハァ・・・
麦野「そうしなさい。私も、アンタに会わなかった事にするから」ヤレヤレ・・・
固法「随分ドライな関係ね」ポリポリ・・・
麦野「⑦(根性バカ)の次に関わりたくない相手なのよ。超電磁砲相手にしてる方がマシだわ」チッ・・・
食蜂「同感よぉ。相性力、なのかしら。人格破綻のベクトルが近いのよねぇ……真逆の御坂さんの方が扱(からか)い易いわ★」ニコッ
固法「……何それ」タラー・・・
食蜂「要は『我儘』なのよん♪ 御坂さんも多少は自己中だけど、根本的に善人だから」フフッ
神裂「正直、貴女という人物をよく知らないので難とも言えませんよ」フム・・・
食蜂「貴女も善人気質みたいね。流石香ちゃんのお姉さん♪ 話は戻るけど……あとは、能力の相性も悪いわねぇ」チラッ・・・
固法「えっと、麦野さんには貴女の能力が効かないって事?」ジー・・・
食蜂「ううん。『全力』を出せば、如何とでも出来るわよ」ニコッ・・・
麦野「ま、昔の話だけどね。今は無理でしょ」フフフ・・・
食蜂「まぁじでぇ?」ピッ・・・
麦野「ちょ―――くぁzwwsぇdcrfvtgbyhぬjみk、おl。―――いっっっっっってえええぇなぁ糞アマあぁ!!」ギロッ!!
食蜂「嘘ぉ!! 何で効かないのぉ!?」ギョッ・・・
麦野「いきなり脳味噌弄ろうとしやがったな!? 良い度胸だ、物理的に弄ってやんよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴォ・・・
食蜂「ひいいいぃ!! 妖怪重光線級女ぁ!! 助けて香ちゃんのお姉さぁん!!」バッ!!
神裂「あー……今何が起こったのか理解が出来ないのですが」ポリポリ・・・
麦野「そこの似非中坊が私の頭ん中覗こうとしたんだ。でも、覗けなかった……でも超痛ぇ思いしたって訳だ!!」ググググ・・・
食蜂「粒子のバリア張られたら破るの手間だったんだけど今は別の『何か』が邪魔してぇ……それこそ御坂さんみたいな電子バリア力が」タラー・・・
固法(電子の……義眼の影響かしら)フム・・・
麦野「ふふふふ……ほぉれ、こっち来ーい。その無駄にデカい乳袋と[ピーーー]に光の針を数十本突き立てたるわよぉ」ギギギギ・・・
食蜂「いやああぁ!! 犯されるううぅ!!」ババッ!!
神裂「店内で馬鹿な騒ぎ起さないで下さい! 注目の的ですよ、まったく」ハァ・・・
固法「こんなのが超能力者(レベル5)だっていうんだから世も末よね」ハァ・・・
麦野「チッ……次やったら、分かってるわよね?」ギロッ・・・
食蜂「ううぅ。やっぱり貴女とは相性力最悪ね」ハァ・・・
神裂「はぁ。兎に角、これ以上事を荒立てる前に目的を成しましょう。良いですね」スッ・・・
麦野「あいよ。行くぞ、結標。いつまで固まってんだ」ゲシッ
結標「 はっ な、何があった!?」バッバッ!?
固法「忘れたままの方が良いと思うわ」タラー・・・
神裂「では、食蜂さん。またいつか、何処かで」ペコッ
食蜂「あ、え、はい―――あ、その前に」ポリポリ・・・
神裂「何か」フム・・・
食蜂「失礼を承知で聞くわぁ―――何で貴女、心、読めないの?」ボソッ・・・
神裂「まったく、やはり読もうとしたのですか……まぁ『無心』や『無意識』状態であれば読んだり操ったり出来ないでしょう」ボソッ・・・
食蜂「???」ポカーン・・・
神裂「超能力が全てではありませんよ。貴女はもう少し視野を広めた方が良い―――それではリモコン探し頑張って下さいね」ペコッ・・・テクテク・・・
- 576 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 :2013/09/12(木) 22:41:52.32 ID:GWiYgQfm0
神裂「―――ふむふむ。アレは良いエアコンですね、気に入りました」コクッ・・・
結標「そいやぁ視察がメインだったわね。んで、私もゲームコーナー見終えたし、どうすんの?」チラッ・・・
固法「えっと、じゃあ」ゴソゴソ・・・
麦野「……美偉さん?」キョトン・・・
固法「はい、誰か『この箱』から一枚紙引いて」スッ・・・
神裂「え」ポカーン・・・
結標「なにそれ。というか、アンタそのサイズのボックスその鞄にしまってたの? 質量どうなってんの?」キョトン・・・
固法「細かい事は気にしなーいの。はい、じゃあ麦野さん」チラッ・・・
麦野「……ん」ヒョイッ・・・
っ『猫カフェ』
にゃーん・・・・みゃーん・・・・うひゃーん・・・・・
麦野「―――ねぇ。勢いに流されちゃったけど、何で私らはこの糞暑い中、こんなモフモフした畜生に囲まれながらお茶してんだ?」グデェ・・・
固法「うーん、天上の意志?」ナデナデ・・・
麦野「美偉が、こわれた」タラー・・・
結標「ツッコんだら負けよ。あぁ、でも……うん」ホンワカ・・・
固法「ふふふ、良いでしょ?」ニコニコッ
麦野「癒し云々ってのは分からなくも無いけど、何だかねぇ」ネコマミレー・・・
神裂「まぁまぁ。ウチは子猫(もあい)が居ますので慣れてますけど、皆さんは、基本ペット飼えないのでは?」ナデナデ・・・
麦野「私のマンションは絹旗(モアイ)と滝壺(ウサギ)でいっぱいいっぱいよ……あぁもう一匹いたか」ハァ
結標「私は居候だから無理ね。まぁ飼おうとも思わないけど」サラッ
固法「私も、ペット禁止のアパートだから無理ね。同居人(碧美)も居るし」コクッ
麦野「手が掛るのは旦那(黒妻くん)で目一杯ですってか?」ニヤリ・・・
結標「寧ろ、アンタが飼われてますって?」ニヤニヤ・・・
神裂「にゃんにゃーん?」ニヤニヤ・・・
固法「OK、表出ろっ」ガタッ・・・///
麦野「んははっ! 怒るな怒るな―――話変わるけど、絹旗のヤツ、ほんとネコ臭くて」ハァ・・・
神裂「公園で香焼達と野良猫集めて餌やりをしてるらしいですからね」ナデナデ・・・
結標「あのジャリガール、人間の友達より猫の友達の方が多いんじゃない?」フシフシッ
固法「結標さん……最愛ちゃんも色々学んでる筈よ」チラッ・・・
麦野「さあ。どうだかね」ジー・・・
結標「灰色の青春ねぇ。アニマルセラピーで童心復古?」ナデナデ・・・
固法「そういう訳じゃないけど。ただ、猫を通して出来る友達も居るんじゃない? 香焼くんだって、そういうキッカケだったんでしょ?」チラッ・・・
神裂「そうですね。ダンボールに入れられて捨てられていた子猫(もあい)が馴れ初めの発端だと聞いてます」コクッ
麦野「拾われたのはもあいなのか、最愛なのか、ね」ボソッ・・・
結標「……最後まで、責任持って面倒見切れるんだか」ボソッ・・・
固法「?」キョトン・・・
神裂「やれやれ―――そういえば最近は、また別の『黒猫』を拾ったみたいですよ。『モアイ』に似たタイプのね」フフフッ
麦野「あーあ。黒にゃんも取っ捕まって首輪付けられたか。良い気味ね」ハハハ- 577 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 :2013/09/12(木) 23:59:04.59 ID:W4Jm6oLi0
みゃんみゃんお!
結標「―――唐突だけど、仮に、私らを動物に例えたら」ナデナデ・・・ホッコリ・・・
麦野「どうした? 脳味噌まで緩んだか?」チラッ・・・
結標「うっさいわね、仮によ! 興味無いんなら聞き流しなさい」フンッ
神裂「まぁまぁ。しかし、動物ですか……うーん」ジー・・・
麦野「美偉は言わずもがな、牛よね」ハハハ
固法「……否定したいけど、否定できない」ウーン・・・
結標「アンタは豹とかチーターとかライオンとかの類ね。もしくは蛇か猛禽類」ジー・・・
麦野「誰が肉食じゃ、誰が。だったらアンタは狼かハイエナよ。いや、野良犬とか溝鼠の方ね」ジトー・・・
結標「『動物に例えたら』って話のベクトルから、人間性の問題にシフトしてんじゃないの。てか喧嘩売ってんのね?」ジトー・・・
固法「こらこら、一々突っかかんないの。えっと、神裂さんは……あー」ジー・・・
神裂「はい、私は」ワクワク・・・
結標「(何その『待ってました!』的な目。どんだけ期待してんの?)あ、アンタは、その」ウーン・・・
神裂「はい」キラキラ・・・
麦野「(ぶっちゃけ思い浮かばねぇ。何ていうか、幻想種的なアレな気が)そ、そうね、えっと」タラー・・・
固法「(と、とりあえず考える時間を)……か、神裂さん。自分では何だと思う?」ハハハ・・・
神裂「え? あ、うーん……んー……何でしょう」ムムム・・・
麦野「(ナイス美偉!)あー……か、カマキリとか!」パッ!
神裂「っ!? こ、昆虫ですか」ショボーン・・・
結標「(ば、馬鹿!)で、でもカマキリ強いし! じゃあ、その……サメ!」パッ!
神裂「さ、魚、ですか」ショボーン・・・
固法「(何でそんな落ち込むの!? 模範解答必要!?)さ、サメも強いじゃない! えー……ティラノザウルス! なんちゃってー」ハハハ・・・
神裂「……、」ムゥ・・・
麦野「(七面倒臭ぇな、オィ!) ど、ドラゴンとか不死鳥とか……あーもぅ! そんな顔すんな!」ポリポリ・・・
神裂「す、すいません」タラー・・・
結標「んもぅ。正直、アンタは如何足掻いても類人猿から離れない気がするわ」ヤレヤレ・・・
固法「猿とかゴリラって意味じゃなく『人』以外無いかなぁって事よ。因みに、神裂さんから見た私達は?」チラッ・・・
神裂「麦野さんはグ●ビモス。結標さんはナ○ガク○ガ。固法さんはブ○ックかメ●ルーモデルの眼鏡」キッパリ!
麦野「黙れよモンハン厨がっ!!」バンッ!!
結標「アンタ! 人散々悩ませといて、ずぅっっっっとモンスターで考えてたの!? 馬鹿なの?!」グデェ・・・
固法「ハァ……百歩譲って▲ルックは良いとしても、眼鏡って、モンスターでもないし」ハアァ・・・
神裂「え、え」オドオド・・・
ギャーギャーギャーギャー!! ニャーニャーニャーニャー!!
布束「―――何やら騒がしいですね……あ、冷汁忘れました。戻らないと」カチャカチャ・・・
ぬこ「なー」ヨジヨジ・・・
布束「よしよし……Perhaps、私は、ゲリョ■辺りでしょう」フフフ・・・
ぬこ「にゃ?」ポカーン・・・
- 581 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 :2013/09/17(火) 22:27:08.89 ID:Gyfb50Vv0
っ『シェイプアップ&護身術』
結標「―――そいやぁさ。比較的、私らって並の女子に比べたら筋肉有るじゃない」モグモグ・・・
麦野「何よ、いきなり」モグモグ・・・
結標「いや、客観的に見てそうかなぁって。全員、何かしらの理由で鍛えてるし」ジー・・・
固法「そういえばそうよね。私は風紀委員で、神裂さんは武道で……あれ? そういえば麦野さんと結標さん、鍛えてるの?」キョトン・・・
麦野「私は色々やってるわよ。武術一通りにウェイトトレーニング。他にも色々」コクッ
神裂「幼少時からですか?」フム・・・
麦野「まぁ家が文武両道、うっさかったからね」グデェ・・・
結標「アンタ、お嬢様なんだからSPの一人や二人付けりゃ良いじゃない」ヤレヤレ・・・
麦野「無論居るわよ。3人程」サラッ・・・
神・固・結「「「……、」」」ジトー・・・
麦野「……何よ」タラー・・・
結標「それ、皆アンタよか弱いじゃない」ハァ・・・
固法「というか、最愛ちゃんをSP扱いって如何なのよ」ジトー・・・
麦野「あー……ええっと、ジョークよ、じょーく。あははは」ポリポリ・・・
神裂「まったく。ところで、結標さんは?」チラッ・・・
結標「んー? まぁ最低限の筋トレとか、あとはサバイバル術とかで」ズズズズ・・・プハー・・・
麦野「そういえば、元テロ屋だったわね。忘れてた」ジー・・・
結標「……『学生運動』と言いなさい。んな事言ったら、牛乳(ウシチチ)だって今は風紀委員だけど元レディースでしょ。旦那は元ヤンだし」クイッ・・・
固法「武装無能力者集団(スキルアウト)ですっ。あと、旦那じゃないっ」ハァ・・・
神裂「ふむ。話は戻りますが、護身術は覚えておいて損はありませんからね」コクッ
麦野「『護身』だけならね……それよか、私は火織の体型維持の秘密が知りたい」ジー・・・
固法「確かに、気になる。相当量運動してるみたいなのに。普通、胸から落ちてくでしょ」ジー・・・
結標「バスト100って何よ。馬鹿なの? 肩凝るってレベルじゃないでしょ。垂れたら超大変な事なるじゃない」ジー・・・
神裂「んー兎に角、只管、筋トレとストレッチですね。腕立て背筋を幾つかのバリエーションでこなし、ストレッチで柔らかい筋肉にする」ピッ
固法「無駄な筋肉が付いちゃいそうだけど」ウーン・・・
神裂「バランス良くトレーニングすれば大丈夫ですよ。あとはバランスの良い食事と睡眠をしっかり取る」コクッ
麦野「健康マニアの教科書みたいなヤツね……じゃなくて、主に胸! おっぱい! アンタのその二房の凶器の維持について知りたいの」ビシッ
神裂「はぁ……と言われましても」ウーン・・・
結標「何よ。『私、肩凝りという経験がありませんから』とか言っちゃう?」ジトー・・・
神裂「いえいえ。、そんな人間居ませんよ。ええっと」ポリポリ・・・
固法「何か言い辛い事でも?」フム・・・
神裂「いえ、言い辛い、という訳ではないのですが……その―――から」ボソッ・・・
麦野「ん?」ジー・・・
神裂「だから……―――……これでも、胸囲、減ったんです。トレーニングし過ぎで」ボソッボソッ・・・
麦・固・結 「「「 」」」
神裂「……信じませんよね」ハハハ・・・
麦野「こんのっ、バケモンおっぱい星人がああああぁ!! 元はIカップ以上だと宣うかああぁ!!」ウガアアァ!!
神裂「ええぇ」タラー・・・- 582 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/18(水) 22:10:56.43 ID:GSorvark0
っ『人格交換』
麦野「―――だから、火織と美偉が私とか結標みたいな性格だったら珍妙な事になると思うのよね」ビシッ
固法「……はぁ」ポリポリ・・・
結標「あのさぁ。サラッと人をアンタと同格レベルの人格破綻者にしないでくれない」ジトー・・・
神裂「うーん、しかし、具体的には如何すれば良いのでしょうか。分かり易い所でいえば、口調?」フム・・・
固法「神裂さん、何気にノリ気ね……という事は、逆に、麦野さんと結標さんも私や神裂さんの性格を真似なきゃ駄目よ」チラッ
結標「……えー」タラー・・・
麦野「百歩譲って、美偉の口調は真似れるけど、火織って常に敬語じゃん。しんどくね」タラー・・・
神裂「ただの敬語ですよ」ハテ・・・
結標「普段使い慣れてないと出て来ないものよ。まぁ無理なら性格真似てみるとか」ジー・・・
麦野「火織みたいな聖人君主思考なんて真似したら脳味噌沸騰しちまうわ」グデェ・・・
神裂「大袈裟な―――とりあえず、試してみますか」コクッ
固法「じゃあ、神裂→麦野→固法→結標→神裂...の入れ替わりでいきましょ。空きがあったら反対も」ピッ
麦野「ふむふむ。私が火織を真似んのね……こほんっ……この様な喋り方で宜しいでござるか?」ムンッ
神裂「馬鹿にしてんですか?」ジトー・・・
結標「私が牛乳の真似かぁ。って、基本私ら口調近いんじゃないの? アンタの方が幾分か敬語と敬称多いくらいか」フム・・・
固法「そうよね。麦野さんの真似は……あー……偶にF口調?」タラー・・・
麦野「固法さんのF口調、興味有るでござる」キリッ
神裂「だから、馬鹿にしてんですか? え? 何その侍口調。私の真似のつもりですか?」ジトー・・・
麦野「神裂さんは結標さんの口調を真似なきゃ駄目で候」ビシッ
神裂「……、」イラッ・・・
結標「んー……とりあえず、私らだけでコレやってもよく分かんないし、身内の前で試してみるとか」ピッ
固法「え」ピタッ・・・
神裂「……身内、ですか」タラー・・・
結標「その方が反応面白いんじゃない? 私ら分かっててやってるから互いの反応薄いし」コクッ
麦野「じゃあ試してみるでごわす!」ビシッ
神裂「……いい加減、そのふざけた喋りを止めなさい」ガシッ・・・
麦野「忝しっ! 忝じいいぃ痛ででででででぇ!! アイアンクローすんなあああぁ!!」ンギャアアァ!!
固法「やれやれ。それじゃあ次会う時に、それぞれの結果報告しましょう」コクッ・・・- 583 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/18(水) 23:22:04.63 ID:zN7xE1Dk0
- <ねーちんの場合(結標の真似)>
浦上「―――それで、私はルチアに言ってやった訳ですヨ……『お前の母乳はコーヒーでも出るのか?』ってネ!」Hahaha!
五和「あひゃひゃひゃ! 確かにー! ルチアならコーラとか出そうだよねー」ケラケラッ
香焼「お前ら、飯中に何つー話を。マジ止めろって……姉さんからも何か言ってやって欲しいっす」ハァ・・・
神裂「……、(ふむ。どのタイミングで始めましょうか)」モグモグ・・・
香焼「……呆れてモノも言えないってよ」ヤレヤレ・・・
五和「いやいや。てか、姉さん、さっきからずっと黙ってませんか?」チラッ
浦上「そういえば一言も喋りませんネ。如何しました? 喉でも痛めたとか?」フム・・・
香焼「いや、常時健康な姉さんが喉風邪とか……でも、如何しました?」ジー・・・
神裂「(いざ、やってみましょう―――となると緊張して)……って、え」ピタッ・・・
五和「姉さん、私らの話聞いてましたか?」キョトン・・・
浦上「やっぱ様子が変ですネ。もしかしてー……恋煩い?」ニヤリ・・・
五和「……、」ピクッ・・・
香焼「恋煩いなら、五和、お前も人の事言えないでしょ。でも、ホント何かあったんすか?」チラッ
神裂「あ、え、いや、その―――(今でしょ!)―――こほんっ!」キュッ・・・
3姉弟『?』ポカーン・・・
神裂「あー……別に、何でもない『わよ』。それより明日のゴミ当番、私だった『わね』」サラッ・・・
3姉弟『!?』ギョッ・・・
神裂「ど、どうし『たの』?」チラッ・・・
3姉弟『?!』バッ・・・
神裂「……あー」タラー・・・
五和「ね……姉さん! びょ、病院行きましょう! 今の時間ならまだ先生(冥土返し)が居る筈です!! すぐバイク出しますから!」ダッ・・・
浦上「待ってお姉! もしかして魔術師や能力者の仕業かもしれないですヨ……一度、土御門へ指示を仰ぐべきかと」タラー・・・
神裂「な、ちょ、ま、待って」ダラダラ・・・
香焼「だったら上条さんを呼んだ方が良いかもしれないっす! あと、禁書目録の知識も必要かも」アタフタ・・・
五和「そうね。そっちは私が……ウラは教皇代理に電話を。コウちゃんはマグヌス主教補佐に連絡をお願い」バッ・・・
浦上「了解。学徒の若衆には何て伝える?」スッ・・・
五和「まだ下まで広げられる情報じゃないわ。現状、上の指示を仰がないと」ゴクリ・・・
神裂「あ、あの、御三方?」ダラダラ・・・
香焼「姉さん―――いえ、女教皇様。今は安静に! 兎に角、今は喋らなくて大丈夫っすから」アタフタ・・・
神裂「い、いや、その、実は今日、麦野さん達と」アーモゥ・・・
浦上「麦野さん? もしかして、麦野さん達もオカシクなっちゃってるんですか!?」ギョッ・・・
五和「聖人と超能力者第4位相手に、よくも……達って事は多分、固法さんもかしら」タラー・・・
香焼「あと、もしかして淡希さんも―――急いで連絡を取ります」バッ・・・
神裂「うぇ。げっ……あ、貴方達、話を、聞いて」ダラダラダラダラ・・・
浦上「姉様! 凄い汗! それに顔色も悪いですヨ!」アワワワ・・・
五和「くっ。抜かったわね……コウちゃん、香焼! まだ主教補佐に連絡は取れないの!」グッ・・・
香焼「今やってるよ! ぐぅ……駄目だ……こうなったら非常ダイアルで、主教様に直接」スッ・・・
神裂「ほ、本気で止めてええええぇ!!」アババババ・・・ - 584 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/19(木) 21:25:55.38 ID:Sskq/Yp00
- <むぎのんの場合(神裂の真似)>
浜面「―――だーもぅ。好き嫌いすんなっつの。フレメアと同レベルだぞ、絹旗」ジトー・・・
絹旗「超心外ですね。そこなお子ちゃまと超絶レディな私を同等に見るとか、超目ぇ腐ってんじゃないんですか?」モグモグ・・・
フレメア「超絶レディ(笑)にゃあ」プフー
滝壺「人の事馬鹿にする前に、自分も好き嫌いなくそうね―――むぎの? どうしたの?」チラッ・・・
麦野「(うーん……火織の真似、ね。キャラじゃねぇよなぁ)……ん」ムシャムシャ・・・
浜面「今朝からこんな調子だよな。どうした? 第2位が真っ裸でブリッジしながら追い駆けてくる夢でも見たか?」チラッ
カブトムシ『……は?』ジトー・・・
麦野「いえ……あー。(とりあえず、モノは試しね)」ジー・・・
絹旗「麦野? 調子悪いなら早めに休んだ方が良いのでは」フム・・・
麦野「……大丈夫『です』よ。絹旗『さん』」サラッ・・・
絹旗「 」ポロッ・・・
滝壺「む、ぎの?」タラー・・・
麦野「如何『しました』? 滝壺『さん』。浜面『さん』にフレメア『嬢』も、おかしな顔をして……何か『ありました』か?」モグモグ・・・
フレメア「 」ダラダラ・・・
浜面「おま、ちょ、待て」タラー・・・
麦野「はい?」キョトン・・・
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はまづら、ちょっと来て」クイッ・・・テクテク・・・
浜面「お、おぅ」テクテク・・・
麦野「(あー……こんな反応されんのか。ちょいと面白いな)―――『二人とも』、『ドチラ』へ? 食事中『です』よ」チラッ
浜面「うっ。す、すぐ戻るよ」ガチャッ・・・バタンッ・・・
チョットタキツボサン! アレナニ??? ムギノ、オコッテルノカモ・・・ワタシタチ、ナニカシタカナ? ガクブルハラハラ・・・
麦野「(うっはwwww面白ぇwwww)―――絹旗『さん』。もし、絹旗『さん』。炒飯を溢して『ます』よ」チラッ・・・
絹旗「 うぇい!? しゅ、しゅみまひぇん!!」アタフタ・・・
麦野「フレメア『嬢』も、口からスープが漏れて折角の御美足が汚れて『しまってます』よ。やれやれ、まだまだ子供『です』ね」スッ・・・フキフキ・・・
フレメア「う、うんにゃああああああぁ!!? じ、自分で拭きまアアアアぁすっ!!」シュバッ!!
ガチャッ・・・・・
絹旗・フレメア「「―――ふぇぇ」」ウルウル・・・
麦野「(やっべwwww何この反応wwww)―――おや、戻ってきた様『です』ね」チラッ・・・
滝壺「……むぎの」スッ・・・
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいませんでしたああああぁああぁ!!」ドゲザアアァ!!
麦野「!?」ギョッ・・・
浜面「お、俺らが何か癪に障る事をしたなら謝る! だから、その……許してくれえぇ!!」ダラダラ・・・
滝壺「せめて、私かはまづらにヤツ当たりして。きぬはたとフレメアが泣きそうだから……お願いします」フカブカー・・・
麦野「え、あ、ちょ……あるぇ」タラー・・・
カブトムシ『……馬鹿でしょ。アンタ』ハァ・・・ - 585 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/19(木) 22:53:27.95 ID:OQWqe7t00
- カキネムシさんいたんだwwwwww
- 586 :以下、新鯖からお送りいたします [sage]:2013/09/20(金) 02:13:58.00 ID:cEswa0+NO
- 白カブトいるってことは元垣根はやはりバレーボール?
- 587 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/20(金) 23:15:17.28 ID:S6eAsRKt0
- >>585-586・・・一応、WWⅢ後って設定ですんでんで。
<このりんの場合(麦野の真似)>
佐天「―――だーかーらっ! 本当に見たんですって! 箒のってる魔女を!」キラキラ・・・
白井「はいはい。ハ○ー・ポッターに憧れるのは今の内だけですの」ヤレヤレ・・・
初春「まぁ非現実的ですよね。学園都市(こんな街)に住んでる私達が言うのも難ですけど」ハハハ・・・
春上「でも良いなぁ。一度で良いから単身飛行してみたいの」ホワーン・・・
キャッキャウフフムッキュンムッキュンッ!!
固法(ハァ……この子達はまたこの詰め所をサロンか何かと勘違いして)グデェ・・・
御坂「―――でもねぇ……先輩、如何しました?」チラッ・・・
固法「え、あーうん。もう慣れた……(そういえば『各々反応を調べてこい』だっけ。麦野さんの真似、ねぇ)」ポリポリ・・・
初春「先輩が牛乳啜りながらアンニュイになるのは今に始まった事ではありませんよ」フフッ
白井「ま、明日は非番ですから彼氏さんの事でも考えてたのでは?」ボソッ・・・ニヤニヤ・・・
固法「(カッチーンと来たね、これ)……白井」ジトー・・・
白井「うっ。な、何でもありませんのー」シラジラー・・・
佐天「あはは……そういえば、固法先輩って、偶に初春と白井さんの事『さん』付け無しで呼びますよね」フム・・・
初春「ほんと偶にですけどね。相当真面目な時か、怒ってる時か」タラー・・・
固法「(うーん、このノリでやっちゃおうかなぁ)……じゃあ、『佐天』って呼ばれたいかしら?」チラッ・・・
佐天「」ゾクッ・・・
春上「な、何だか、怖いというか、ドSというか……雰囲気が。まるで別人なの」タラー・・・
白井「……実はこれが本性だったりいいぃ痛たたたいたいたいいいいぃ!!」ギリギリギリ・・・
固法「(この子は、ホント、生意気ね。今更だけど)―――もしそうだったら、どうだってぇの? ん?」キランッ・・・
御坂「せ、先、輩?」ダラダラ・・・
固法「(あードン引かれてるわね。後でちゃんとネタばらししないと) なぁに? 超電磁砲ちゃーん。そんな珍妙な顔しちゃってぇ」ニッコリ・・・
初春「……先輩が、壊れた」ダラダラ・・・
春上「も、もしかして、何らかの精神汚染みたいな能力に掛ってるんじゃ」チラッ・・・
固法「(良心が痛むわ) 初春上。随分言ってくれるわ―――お・し・お・き・カ・ク・テ・イ・ね」スッ・・・ニヤリ・・・
初春上『 』ゾゾォ・・・
御坂「っ!? せ、先輩、まさか……いやっ! アンタ、先輩じゃないわね! 正体を現しなさい!!」バッ!! ビリビリ・・・
白井「お姉さま!? 一体何を!?」タラー・・・
固法「(あー何か面倒な事になったぞー。そろそろネタバレしないと) 何言ってんだ、第三位。発情した雌猫かっつの。座れよ。売女」グッ・・・
佐天「ちょ、え、な、ほ、ホントに、固法先輩の偽物!?」バッ・・・
固法「(あははは……やっぱ私には無理ね) あー、こほんっ。ごめんなさい。実は先日、友達と―――」サラッ・・・
御坂「正体を現したわね、麦野沈利! アンタがどうやって先輩に擬態したかは知らないけど今日という今日は許さないんだから!」ビリビリッ!!
固法「―――人格、交、た、ぃ……えっ」ダラダラ・・・
御坂「くっ! 人の良い先輩に浸け入って……だから友達は選んで下さいって忠告したのに……本物の先輩は何処! 応えなさい!!」バリバリッ!!
中一娘s『 』ポカーン・・・
固法「……うぇえぇ」ダラダラ・・・ - 588 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/21(土) 01:18:51.95 ID:o406Y/nI0
- <あわきんの場合(固法の真似)>
結標(―――ぶっちゃけ、誰の前で演技しろってのよ。小萌? それとも『チーム』の連中? どっちも無理よね……だったら)チラッ・・・
土御門「―――チッ……お前ら、ポーカーフェイス過ぎだ」タンッ・・・
御坂蛇(17600号)「ポン……何故私が面子集めで呼ばれなくてはならないのですか? とミサカは師匠を睨みます」ギロリ・・・パチンッ・・・
海原「まぁまぁ。本当は彼女(結標さん)が打てれば一番なのですが、携帯アプリでしか打った事無いそうなので、ええ」ハハハ・・・パチンッ・・・
御坂蛇「……ミサカ以外にも居たでしょう。それこそ、義妹さんとか。『道具屋』のチンピラさんとか、スキルアウトのリーダーとか」ジトー・・・
土御門「そう言うな。この面子で集まるのにも意味はある。グループは解散したとはいえ『情報網』は固定しておきたい……だろ?」チラッ・・・カチッ・・・
海原「ええ。ただ淡々と情報交換するだけだと殺伐し過ぎますからね。だから、懇親を交える意味も込め……卓を囲んでます! リーチっ」タンッ・・・
御坂蛇「はいはい。懇親、といいつつ、一人ハブってますけどね……とミサカは空かさず、チーっ」タンッ・・・
結標「(わ、私だって、あの3人相手に練習してるし!) あ、あのー、私もー」タラー・・・
土御門「んぁ? そろそろ座ってみたいか? まぁブっ跳んでカモられる勇気あんならどうぞ。次変わるぜぃ……あ、リーチー」ニヤニヤ・・・タンッ・・・
海原「その前に、チョンボは無しですよ。点数計算できないのは止むを得ませんが、有りもしない役を作られると……糞っ、まだか」タンッ・・・
御坂蛇「師匠にだけは上がられたくないですね。とミサカは毒吐きつつ安牌を切ります」タンッ・・・
一方通行「……、ン」スッ・・・
土・海・蛇「「「え」」」ピタッ・・・
一方通行「ツモ。清一色、ドラは……5か」パカッ・・・
土御門「だああぁもぅ! また負けたあぁ!! 何で今日は上がれねぇんだ!!」ンギギギィ・・・
海原「あははは……まぁそういう日もあるでしょう」ポリポリ・・・
御坂蛇「しっかし、コイツら情報交換のジョの字も見せないなーとミサカは呆れかえります」ヤレヤレ・・・
一方通行「張り合いねェな……おい、結標。代われ。コーヒー買ってくる」スッ・・・
結標「え、あ、うん。ありがとう―――(此処らで言っとくか)―――一方通行『くん』」サラッ・・・
野郎共『 』ピタッ・・・
御坂蛇「……ん?」チラッ・・・
土御門「(『くん』だぁ? き、聞き間違えかな)……ま、一々奇声上げたり泣いたりすんなよ」ジャラジャラ・・・
海原「(彼女が敬称付きで人を呼んだりする訳がありませんからね) 麻雀で能力使うのは無しですよ。親は蛇(スネーク)です」ジャラジャラ・・・
御坂蛇「了解です。とりあえず、仕切り直しの半荘で良いですね? とミサカは確認を取ります」チラッ・・・
結標「分かったわ。あと、土御門『くん』、海原『くん』……その言葉、そっくりそのままお返しするわ」ニコッ
野郎共『 』ピクッ・・・
御坂蛇(野郎共が無視決め込んでますね。いや現実逃避ですか……とミサカは女性の掌の上で踊らされてる馬鹿男共に呆れた目を向けます)ハァ・・・
パチンッ・・・パチンッ・・・カンッ・・・パチンッ・・・カンッ・・・パチンッ・・・パチンッ・・・パチンッ・・・―――――・・・パチンッ・・・パチンッ・・・パチンッ・・・カンッ・・・パチンッ・・・
海原「(お、おかしい……いや、言動がオカシイのは確かだけど……3度のカン?)……考え過ぎか」パチンッ・・・
土御門「(ビギナーズラック。だが素人の馬鹿打ち。何でもかんでも溜まったら払い出しってか。それじゃ手が無いにゃー)……ふむ」パチンッ・・・
一方通行(この手は……こりゃ結標(素人)の打ち方じゃねェぞ。この攻め方は……『あの女』の真似か)ジー・・・タラー・・・
御坂蛇「狙いが見え見えです。しかし最後の牌が読めない以上、下手に切れませんね。とミサカは慎重になります」スッ・・・
結標「んー……―――……ツモったわ」カンッ!!
一同『っ!?』バッ・・・
結標「四槓子。ドラ……12! (うっしっ! 性格云々は上手く真似れなかったけど、牛乳眼鏡の『得意分野』は真似れたわっ!!)」キランッ・・・
一同『 』チーン・・・ - 590 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [sage]:2013/09/23(月) 20:52:39.85 ID:xPU5XRdl0
- >>589・・・このりんの中の人は勿論、ねーちんとむぎのんの中の人も麻雀しますからねww
< 結果報告 in 香焼宅 >
にゃーん・・・・・
神裂「―――では、報告を……私からで良いですか」チラッ・・・
麦野「あいよ」グデェ・・・
神裂「大迷惑でした。病気だの能力だの魔j……呪いだの騒がれて、またエアコン壊れるとこでしたよ」チーン・・・
麦野・固法「「大体同じ」」チーン・・・
結標「マジ? 私、結構楽しかったわよ」ハハハ
固法「どんな風に私を真似たのよ」ハァ・・・
結標「んー……麻雀的な。昨日は無駄に勝ちまくったわ!」アッハッハッ
神裂「あー」タラー・・・
麦野「カモのアンタが? 『透視』でもしたってぇの?」ジトー・・・
結標「失礼な! 実力……では無いにしろ、不正はしてないわ。それよりアンタ達、今一詳細伝わんないんだけど」フンッ
神裂「とりあえず、ウチは救急車とか上司を呼ぼうとする3姉弟を宥めるので大変でした」ハァ・・・
麦野「目に見えるわね。ウチは浜面と滝壺が並んで土下座してきた。マジ焦ったわよ……あ、でもガキ共からかうのは愉しかったかな」フフフ・・・
固法「からかうって、最愛ちゃんとフレメアちゃん、可哀想に。私は御坂さんが『麦野さん本人が擬態した!』とか騒いじゃって」タラー・・・
結標「どんだけ似てたのよ……いや、あの子が単純なのよね」ハハハ・・・
絹旗「―――香焼んとこもだったんですね。アイテム(ウチ)も超大変でしたよ」ボソボソ・・・
香焼「ホント、性質悪い事しないで欲しいっすよね」ボソボソ・・・
もあい「にゃー」ジー・・・
神裂「……因みに、結標さん」チラッ
結標「ん?」ゴローン・・・
神裂「月詠さんの前では、やらなかったのですか?」フム・・・
結標「小萌の前でやった所で『あら、今日は他人行儀になっちゃって。何か疚しい事でもしちゃいましたか?』とか言われて終わりよ」ポリポリ・・・
神裂「目に見えますね。では、固法さん」チラッ・・・
麦野「あ、私も気になる。黒妻くんの前で、私の真似しなかったの?」ニヤリ・・・
固法「目丸くした後、苦笑して『麦野さんの真似か? 何かの罰ゲーム?』とか流されました」ハァ・・・
結標「おもしろくなーい」ブー・・・
固法「……悪かったわね」フーンダ・・・
麦野「私がキレた時のF口調で情事に励んだりとかは?」ジー・・・
神裂「お、おぅふ……それは、過激ですね。些か、海外ポルノの様な」チラチラッ・・・///
固法「しないわよっ! 神裂さんも何期待してるのよ! 馬鹿っ! ほんっと、バカっ!!」カアアァ・・・///
絹旗「海外ポルノって、そんな凄いんですか? 香焼、持ってます?」チラッ・・・
香焼「……ノーコメントで」コホンッ・・・///
もあい「なぅ!」アルヨー!
結標「―――とりあえず、次回は別の人の真似でリテイクね」フフッ
神裂「いや、勘弁して下さい」ハァ・・・ - 591 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/23(月) 21:32:59.57 ID:y75sDBtR0
っ『眼鏡』・・・+五和!
神裂「―――そういえば、固法さんはいつから眼鏡をしてるのですか?」チラッ・・・
固法「中学入ってからね。親も視力低いから遺伝かしら」コクッ
結標「でも、原因ってかキッカケみたいなのはあるんじゃないの? PCのし過ぎとか、ゲームのし過ぎとか」アーレーコーレー・・・
麦野「だとしたらテメェが真っ先に目ぇ悪くなる筈だろ。美偉ちゃんは真面目だから勉強のし過ぎってヤツよ」クイッ
固法「あはは、どうなのかしら。原因は単とは言えないかも。でも油断してると直ぐ視力落ちちゃうわよ」ポリポリ・・・
結標「あー確かに。私もちょいと視力落ちてさぁ。まぁ眼鏡掛ける程でも無いんだけど……アンタらは目ぇ良いのよね」チラッ・・・
神裂「ええ、人並みには」コクッ
五和「姉さん。両眼3,5は人並みとは言いません。普通は2,0です」ハハハ・・・
麦野「私、右目5,0」ドヤァ・・・
結標「バケモン……良かったわね。老眼鏡の必要無くて」タラー・・・
麦野「喧しい―――さておき、いい加減コンタクトしなさいって」チラッ・・・
神裂「目にモノを入れるのが怖いからですか?」フム・・・
固法「え、あ、うーん。そういう訳じゃないわ。現に1Dayタイプなら持ってるし……だけど、その」モジモジ・・・
神・麦・結・五『……、』ジー・・・
浦上「―――極力、彼以外に素顔を見せたくないんですよネ」ボソッ・・・ニヤリ・・・
固法「っ!?」バッ・・・///
神裂「あっ」///
麦野「お、おぅ」ジー・・・
五和「な、なるほど」///
結標「眼鏡フェチの逆バージョンみたいなモンなのかしら」フーン・・・
固法「そ、その、別に、あの……もぅ!」カアアァ///
麦野「フヒヒッ! つまーり。美偉ちゃんにとって眼鏡はブラやショーツと同じって訳だ」ニヤニヤ・・・
五和(建宮さんが前に言ってた眼鏡萌え……のギャップ裸眼バージョンという事ですか! 素顔の私デビュー的に!)メモメモ・・・
結標「これまた健気なこって。私の裸眼は貴方専用ですってか」ハハハ
固法「っ~~~~~ッ!! もぅ! だったら良いわ! 暫くコンタクトにするっ」プイッ・・・///
神裂「こ、固法さん。別に無理をしなくても」アララ・・・
固法「無理じゃないもん!」フンッ・・・
麦野「ありゃりゃ、スネちった……そんじゃ代わりに、五和。アンタ眼鏡にしなさい」チラッ・・・
五和「うぇ!? 建宮さんと同レベルの無茶ぶり要求! 何で私が!?」タラー・・・
麦野「何となく似合いそうだし、エロそうだからよ」フフフ・・・
五和「Ri・fu・ji・n! だったら麦野さんこそ似合いそうですし、掛けて下さいよ! あと姉さんもエロいですから一緒に」アタフタ・・・
神裂「そうですね。まずは自分がやってみせてか―――五和?」ギロッ・・・
結標「んじゃもぅさぁ。牛乳以外皆、眼鏡すりゃ良いんじゃないの?」サラッ・・・
神・麦・五「「「え」」」ピタッ・・・
固法「……そうね。私だけいつもと違う事するのは癪だし、皆も眼鏡しなさいよ。勿論、結標さんもね」チラッ・・・フフフ・・・
結標「Oh」グデェ・・・- 592 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/23(月) 22:21:28.43 ID:y75sDBtR0
- その①:香焼宅
ヒソヒソヒソニャーンヒソヒソ・・・・・
神裂「……案外、インパクト無いですね。というか、何故後ろ指を指される様な状態になってるのでしょうか」タラー・・・
結標「分かんないわ。まぁガキ共相手だからそうなるんじゃないの? まぁ如何でもいいけど、目頭重い」ウーン・・・
五和「慣れないとそうなんでしょうね……固法さんは」チラッ・・・
固法「久しぶりにコンタクトしたから、凄くシバシバするわ」ハァ・・・
麦野「なーんか、思ってた程面白くないわね……よしっ! ちょっと、うーらかーみちゃーん」オイデオイデ・・・
浦上「ハイハイ。なんでしょ」ヒョコッ・・・
麦野「どうやったら面白くなるかしら?」ボソボソ・・・
浦上「んふふふ。幾つかプランを用意してますが如何しちゃいましょ?」ニヤニヤ・・・
五和「姉さん。ウラがまたワルい顔してますけど」タラー・・・
神裂「嫌な予感しかしませんね」タラー・・・
固法・結標「「……目が疲れる」」グデェ・・・
アーダコーダウキャパーッ・・・
削板「―――眼鏡人口高ぇ。逆に、風紀委員の姉ちゃんが眼鏡じゃない違和感空間……はい、波に乗ってみました。根性的に」スチャッ・・・ドヤァ・・・
ステイル「そのビックウェーブは間違った波だぞ。というか、絶望的に似合ってないな」キッパリ・・・
絹旗「元からアホ面なのにもっと超バカ面になりましたね。ウチの浜面に負けてません」ハッ
香焼「せ、せめてハチマキ外そうよ。そしたら似合うかも」アハハ・・・
削板「ぐっ……じゃあステイル、テメェ掛けろよ! 香焼の姉ちゃん達に幾つか眼鏡借りてきたから」バッ・・・
香焼「確かにステイルの眼鏡は見てみたいかも。この眼鏡似合いそう」コクッ
ステイル「ハァ……ん」スチャッ・・・
香焼「あ、やっぱ恰好良いっす。似合う似合う」フフッ
ステイル「そ、そうか。煽てても何も出ないぞ」フンッ・・・///
絹旗「おー。⑦(根性バカ)よりは似合いますね。でも一層ふいんき怖くなりました」ジー・・・
削板「ふいんき(笑)。じゃあテメェも掛けてみろよ」ジトー・・・
絹旗「はっはーん。私が掛けたら『超絶美少女』絹旗最愛ちゃんが―――『超知的才女』絹旗最愛ちゃんに変わるだけですっ」スチャッ・・・ドヤァ・・・
削板「あー……似合ってねぇ。何か背伸びして化粧してる幼稚園児見るみてぇだ」タラー・・・
絹旗「にゃ、にゃんですと!?」フシャアァーッ!!
香焼「あはは……最愛はそういうキツそうな眼鏡じゃなくて、コッチの丸いのとか淡い色の方が可愛いと思うよ」スッ・・・
絹旗「か、可愛ぃ……そ、そこまで言うなら仕方ありませんね。掛けてあげましょう」コホンッ・・・スチャッ///
香焼「うん。似合う似合う。それじゃあ自分も何か適当なのを―――」
削板「香焼っ。お前は絶対この黒縁大枠が似合う! 掛けろ!」バッ・・・
ステイル「いや、君はこのスポーツタイプの方が合うね。さぁ、掛けてみせろ」バッ・・・
絹旗「いいえ。香焼はこの赤の逆さフレームが超合う筈です! これ、掛けますよね!」バッ・・・
香焼「―――え、は、はぁ。じゅ、順番に掛けるよ」アハハ・・・
ヤンヤヤンヤ・・・ギャーギャー・・・ニャーニャー・・・・・
浦上(香焼ハーレムですネぇ……男女比オカシイですけど)アハハ・・・ - 593 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga sage]:2013/09/23(月) 23:43:15.07 ID:y75sDBtR0
- その②:イカれ自販機の公園
わんわんおーん・・・・・
神裂「―――な、なぜ」タラー・・・
五和「こ、此処に」タラー・・・
麦野「浦上ちゃん曰く『此処は色んな人が集まりますカラー』だそうよ。(まぁメインは上条だけどな)」フフフ・・・
結標「誰が来るか分からないけど、色んな反応を見れるって事ね」フム・・・
固法「なんかさっきの香焼くん達と同じ反応される気がするけどなぁ」ポリポリ・・・
結標「……噂をすれば何とやら。誰か来たわよ。知り合いかしら」ジー・・・
神裂「っ! ちょ、ちょっと隠れませんか」アタフタ・・・
麦野「ルール1。誰に会っても逃げるべからず! アンタ、普段の恰好の方が恥ずいでしょ。私服に眼鏡くらい問題無いじゃない」ヤレヤレ・・・
神裂「そういう問題じゃ……あーもぅ」ダラダラ・・・
五和「……あれは」ジー・・・
青ピ「―――だから、スカートの下にジャージを穿くのは極刑に値すると僕ぁ思うんですよ。ただ、スパッツはセーフやで」ビシッ・・・
土御門「まぁ気持ちは分からんでもないにゃー。ただ、アレはアレでジャージを脱いだ時の艶気と背徳感が……ん?」チラッ・・・
吹寄「相変わらず貴様らは……上条当麻抜きで、二人だけでも威力落ちないわね」ヤレヤレ・・・
姫神「というより。元々この二人が馬鹿な妄想全開なだけで。上条くんはそれに便乗したりツッコみ入れたりしてるだけだと思う……あ」ジー・・・
神・結・五「「「 」」」
麦野「ほぅほぅ。えーんかーぅんとー」ニヤリ・・・
固法「土御門くんと……同級生の皆さんって所かしら。上条くんが居ないわね」チラッ・・・
青ピ「いや、カミやんも女子が居ないところでは大概―――ってうをぉ!? 謎の眼鏡美女集団が目の前にいいぃ!?」キラキラ・・・
吹寄「公衆の面前で叫ぶな変態! って……何処かで見た事ある様な人が」ゲシッ!
土御門・姫神「「……、」」アー・・・
神裂「せ……戦術的撤退!!」バッ!!
麦野「逃がすか」ガシッ
結標「あー、秋沙さん。こんにちは」タラー・・・
姫神「淡希……ツッコみ。必要?」ジー・・・
結標「す、スルーの方向でお願い」タラー・・・
五和「こ、こんにちは、土御門。ええっと……上条さんは?」ダラダラ・・・
土御門「小萌センセの補習組、だが……なぁにこれぇ」ジー・・・
神裂「あ、あまりジロジロと見ないで貰いたいのですが」タラー・・・
土御門「ねーちんの私服は、まぁ今に始まった事じゃねぇけど……その眼鏡は何の趣だにゃ?」ジトー・・・
青ピ「こ、こんの裏切り者!! こんな美女集団と知り合いだなんてぇ……鋼のロリコン&シスコン軍曹のプライドは何処いったんや!?」バッ!
吹寄「喧しいっ!! あー。誰かと思えば結標さんでしたか。えっと、大人っぽいですね」アハハ・・・
結標「……吹寄さん。無理に頑張って差し当たり無い言葉を掛けてくれる必要は無いわよ」ハァ・・・
土御門「とりあえず……んっ」スッ・・・カシャッ・・・
神・結・五「「「っ!?」」」ギョッ・・・
土御門「ツブヤイッターに投稿っと。お、早速建宮が『いいね!』したぜぃ。あ、海原がコメント……『何のプレイです?』って」ピローン・・・ニャハッ!
麦野「うっはww火織達真っ白なってらぁ」イヒヒヒッ!! - 595 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/24(火) 20:50:46.17 ID:+P78ehGr0
- その③:ファミレス『Joseph's』
神裂「もうヤダ。ニホン怖い。英国帰りたい……―――次は、Joseph'sなのですね」チラッ・・・
麦野「お前何人だよ。まぁ此処も結構知り合い溜るからな。アイテム(ウチ)の連中も来るってのが怖いけど」ハハハ・・・
五和「姉さんはおっぱいセイジnあ、いや、何でもありませんんん痛だだだだだぁ!!」ギリギリギリギリ・・・
固法「五和さんも大概(おっぱい星人)だと思うけど。さておき、現状で知り合いは……居ないわね」キョロキョロ・・・
五和「ぐぬふぅっ……頭が割れそうです……あー因みに、この中で一番顔広いのって誰なんですか?」チラッ・・・
結標「牛乳眼鏡じゃないの? あ、今眼鏡じゃないか。牛乳コンタクト」クイッ
固法「いい加減、変な渾名で呼ぶの止めてよ―――知名度的には麦野さんの方が有名だと思う」チラッ・・・
麦野「私は超電磁砲と違って『アイドル』路線じゃないから顔は知れてないわ。(まぁ暗部がらみの知り合いは多いけどねぇ)」ポリポリ・・・
五和「私は転入生(外様)ですし、姉さんは大学通ってる訳じゃなく、ビジネスでこの街に出入りしてますからね」コクッ
神裂「でも、ボチボチ知り合いは居ますよ―――っと、おや」チラッ・・・
ラッシュラセェ・・・キツエンセキデー・・・カシコマリッシャー・・・・・
結標「ん? 知り合い?」チラッ・・・
固法「え……ぁ」ピタッ・・・
麦野「……うぇ」タラー・・・
半蔵「―――だから郭のヤツ、撒くのに時間掛ったんですって。しゃーないでしょうが」ハァ・・・
浜面「いや、でも偶に野郎だけで集まる機会に遅刻ってのは解せないぞ。そういう訳で半蔵の奢り決っ定!」ハハハ
黒妻「ゴチになりまーす」テクテク・・・
半蔵「ぐっ……これだから無収入共は―――」ハァ・・・
結標「ねぇ。アンタの旦那、無収入とか言われてるわよ」ニヤリ・・・
固法「て、定職就いてないだけだから叩かないであげて」イソイソ・・・
五和「へぇ……ってぇえ!? あの中に噂の固法さんの彼氏さんが居るんですか!? 全員コワモテ系じゃないですか!」バッ!!
神裂「あの一番背の高い、夏なのに革ジャンの彼ですよ」フフフ・・・
固法「余計な事言わないで!!」ソソクサ・・・
結標「マジ『ヤンキーくんと眼鏡ちゃん』よね。今は違うけど―――つーかアンタ、何で私の後ろ隠れんのよ。ついでに、第4位も」ジトー・・・
麦野「……何か気拙ぃ」コソコソ・・・
浜面「―――だから全うに就活中で……ん? あっ」ジー・・・
半蔵「だから黙ってウチの『頭』になれっての。もしくは兄貴が……どったの? え? 知り合い―――あー」ジー・・・
黒妻「ん……、」ジー・・・
麦野・固法「「……、」」コソコソ・・・
黒妻「(何で美偉、眼鏡してねぇの? まぁ絡まれると面倒か)……それでよぉ、黄泉川さんが酔っ払って夜中に電話掛けてきて―――」テクテク・・・
浜面「(あーOK、察しました)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダルいっすねー、それ。でもあの人偶に、俺らの事未成年だって忘れて―――」テクテク・・・
半蔵「え!? 無視!? そこ構う流れじゃないの!? 此処スルー検定会場でしたか?!」タラー・・・
神裂「ふむ。アッチの方が大人という事でしょうか」ハハハ・・・
五和「ぶっちゃけ、無言が一番応えますね」アハハ・・・
麦野・固法「「 」」チーン・・・ - 596 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/24(火) 21:30:49.61 ID:vcgsL6sc0
- その④:再び、イカれ自販機の公園
固法「―――帰ったら絶対何か言われる」ハァ・・・
麦野「浜面……私を見る目が生温かいモノに変わってきてる」ハァ・・・
結標「良かったじゃない。殺戮人形(キリングマシーン)から観賞用サイボーグにジョブチェンジよをわっちぃっ!?」ビジジジッ!!
五和「む、麦野さん、洒落にならないから止めておきましょうね」タラー・・・
神裂「お二人とも、考え過ぎですよ。とりあえず今日の反省会を香焼の家で―――」
上条「―――ん?」テクテク・・・
神裂・五和「「―――っ!?」」ピタッ・・・
麦・固・結「「「あっ」」」チラッ・・・
上条「……、」ジー・・・
神裂「か、かかかか、かみゃじょーとうみゃ!?」アbbbb・・・
五和「こここ、こ、こんにゃくわぁ!!?」アbbbb・・・
麦野「落ち着けお前ら」タラー・・・
上条「お、おぅ。あーえっと……女子会ってヤツですか? それとも眼鏡デー?」チラッ・・・
固法「ドッチもかな。今日も補習だったんだって?」フフッ
上条「固法さんだけ裸眼なんですね―――ええ、まぁ。皆さんと違って頭のデキが悪いんですよー、わたくしはー」ヘーンダッ
結標「アンタが補習に駆り出される度、小萌の煙草の本数増えるんだから何とかしなさいよ」ジトー・・・
上条「如何こうしてなるモンならなってますよーだ。それより、神裂、五和。何でお前ら固まってんの?」キョトン・・・
固法「突然の事態に思考が追い付いてないのよ」アハハ・・・
上条「???」ポカーン・・・
麦野「んー…(ちと、面白い事でもすっか!)…ねぇ。じゃあ私が勉強教えてあげようか?」クイッ・・・
上条「へ? (と、年上の家庭教師のお姉さん! しかも美人で、レベル5!?)」タラー・・・ココロノタンカ・・・
神裂・五和「「っ!!?」」バッ・・・(血眼)
麦野「(ぶっはww必死過ぎwww)―――毎度毎度、補習なんでしょ。まぁ私も暇な日多いし、常に都市居るから教えてあげても良いわよ」クイッ
神裂「あ、え、な、ど、ぴゃっ!?」ダラダラダラダラ・・・
結標「(『ぴゃっ!?』ってwwなるへそwww)―――じゃあ私も、小萌の為に一肌脱ごうかしら。手伝うわよ」ポンッ・・・
五和「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ」ウルウルウルウル・・・
固法「(五和さん、泣きそうじゃないの)……全く、冗談が過ぎるわy―――」
御坂「 ヴ ォ オ オ オ オ オ ォ ル テ ッ カ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ッ !!!」ビジバジバジンッ!!
姉一同『っ!!?』ギョッ・・・
上条「え―――ぴかちゅううううぁあああああああああぁあああああああぁっ!!?」 ← 斬り籾み回転ブっ飛び。
白井「お、お姉さま!? いきなり超電磁ス○ンで公園の端から此処まで電光石火掛けるのは止めてくださいまし!!」アタフタ・・・
御坂「フシュウウウゥ……○●チュウではない……テッ●マンよ…―――…ハッ!? 私ったら一体何を!?」キョロキョロ・・・
固法(無意識なのね。御坂さん……恐ろしい娘)タラー・・・ - 597 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/24(火) 22:21:54.73 ID:vcgsL6sc0
- その⑤:オチ要員―――――上条「 」プスプスプスプス・・・
御坂「―――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上手に焼けましたー」テヘッ!
麦野「なぁ。これ、殺人の現行犯じゃねぇの?」チラッ・・・
結標「私もそう思う。白井さん、ソイツしょっ引いた方が世の為よ」チラッ・・・
白井「えっと……擁護できない」タラー・・・
御坂「か、上条せんぱーい。起きてくれないと美琴困っちゃうぞー★」アタッフタッ・・・
麦野「キャラぶれまくりだぜ、第3位。見てて痛々しいわ」ジー・・・
御坂「ぐっ! も、元はといえば! アンタらがソイツにチョッカイ掛けるから!! 黒子、コイツら公然猥褻でお縄にしなさいっ」グヌヌヌゥ・・・
結標「例えチョッカイ掛けてたとしても、御坂さん全く以て関係無いんだけど。私ら、コイツとコッチの二人からかってただけだし」クイッ
白井「……今回ばかしは結標淡希の方に分がありますの」ヤレヤレ・・・
結標「あら、うれしい。流石白井さん。この後デートする?」ニコッ
白井「図に乗るな氏ね。類人猿の様に師ね」ジトー・・・
固法「辛辣ね……って、そんな事より上条くんを―――」
神裂「や、止むを得ません……こ、こここ、ここはっ! 私が心肺蘇生をっ!!」グイッ!!
五和「い、いえっ! 私がっ! 姉さんの手は煩わせませんよっ!!」グイッグイッ!!
上条(大きな星が、揺れたり弾んだりしている……あははは……大きい! オッパイ星かな? いや違う、違うな。
もっと、バァーって動くもんな! 暑苦しいな、ここ。ふぅ、出られないのかな? おーい、出してくださいよ! ねぇ!)ピヨピヨ・・・
神裂「い、五和! 離れなさいっ!! チィ! 邪魔ですっ!!!」グググ・・・
五和「んぎぎぃ……姉さんこそっ! そこを退いて下さいいぃっ!!」ギチギチギチ・・・
白井「―――……あぁ、先輩。固法先輩。上条当麻が……聞こえますか、先輩」タラー・・・
固法「止めて頭痛い。コンタクト乾いてる所為で余計痛い」ハァ・・・
御坂「慣れない事するから……って! わ、私も参戦せねばっ!(使命感)」バッ・・・
白井「んまっ!? お姉さまってば!?」アワワワ・・・
結標「御坂さんがAED代わりになれば早い様な……ってか、心臓停まってんの?」ジー・・・
麦野「気絶してるだけだろ。てか、最早眼鏡どうでも良くね?」ポリポリ・・・
ギャーギャーワーワーキャッキャウフフムッキュンムッキュンッ・・・・・
一方通行「―――なァにあれェ……相変わらず不幸だな。アイツ」タラー・・・
打ち止め「ねぇねぇ! ミサカも参戦してきていい!? ってミサカはミサカは超電磁●イフーンで一っ飛びの準備を!」グルグルグルグル・・・
一方通行「止めなさい」ビシッ
打ち止め「あ痛っ。んもー、ノリ悪いなぁ……ねぇ。ミサカも眼鏡欲しいかも。あと、アナタの眼鏡姿も見てみたいかなぁって」ミサカハミサカハジー・・・
一方通行「くだンね……あ、オチが来たぞ」ジー・・・
禁書「 ガ オ ン ッ ! ! 」ガブリ・・・
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ・・・・・
打ち止め「Oh……こんがり焼けたあの人が、暴食魔神の胃袋(亜空間)に」タラー・・・
一方通行「誰か止めろよ―――なァ、眼鏡の守護天使さン」チラッ・・・
―― ・・ジジジ・・・ウォン・・・・・ 風斬「―――えっと、私、別に保護者って訳じゃないんだけどなぁ……あはは」ポリポリ・・・
- 605 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/25(水) 01:11:25.72 ID:2al5WD0d0
っ『雲川(姉)』
貝積『―――という件なのだが、知っていたか?』ジー・・・
雲川「頗(すこぶ)る、どうでもいいけど。それより……>>599。(巨)って何だ? 今流行りの進撃か? それともセの王者か?」ハァ・・・
貝積『どっちも巨人だろう。いや、じゃなくて、如何考えても巨にゅ―――』
雲川「セクハラ。奥方と娘に非特定多数の愛人メールを送りつけるぞ」ジトー・・・
貝積『……いやしかし「アイテム」のリーダーで超能力者(レベル5)と「案内人」の組み合わせだ。おまけにVIPの神裂氏ときてる』フム・・・
雲川「無理矢理話を戻しおって……私からしてみればただのJKのお茶会だ。気にする程の事でもあるまい」グデェ・・・
貝積『楽観視して良いものか。その気になれば区の一つは消せる連中だぞ』タラー・・・
雲川「危険視し過ぎだと思うけど。何をそんなに怯える必要がある―――此方としては、彼女らの『人質』も握ってるんだけども」ヤレヤレ・・・
貝積『各々の仲間あるいは部下か……まぁそれだけ握っておけば、保険にはなるか』ハァ・・・
雲川(寧ろ、人質に手を出す状況になってしまったらコッチが最期だと思うけどね)ジトー・・・
貝積『……さておき、君は今何処に居る? 学校でも家でも無い様だが』ジー・・・
雲川「あら。私のプライベートを知る権利が貴方にあって? 私、仮にも華のJKなんだけど」フフッ
貝積『抜かせ……まぁいい。羽目を外し過ぎるなよ。あと、妹君の件だが―――』
雲川「放任主義よ。私には関係無い。心配してくれる気持ちは嬉しいけど、放っておいてあげて頂戴」フイッ
貝積『―――いや、色々と不確定要素なんだが……いや、何でもない。分かった。今は捨て置くよ』ハァ・・・
雲川「ありがと。兎に角、妹(あの子)の件も含め、勝手に行動するなよ。それでは」Pi!
貝積『いや、ちょっと待て。だから君は今何処に―――』プープープー・・・
雲川「やれやれ。相変わらず昔堅気というか何というか。まぁ甘ちゃんなのは美点でもあり欠点でもあるけど―――」チラッ・・・
上条「いだだだだぁ!! インデックスさああぁん!! そこ喉笛! 噛み千切られたら即ゲームオーバーよっ」グベベベ・・・
禁書「自業自得なんだよ! 輪廻転生して胎児からやり直して来るべき!」ガルルルルゥ!!
麦野「なぁ。如何にも十字教のシスター殿が輪廻転生とか言っちゃうのは如何なの?」チラッ・・・
固法「さ、さぁ。神裂さんの方が詳しいんじゃないかしら」ポリポリ・・・
神裂「 」
結標「未だにフリーズしてるわよ。あと五和が変な方にトランスしちゃってる」タラー・・・
五和「―――きっとこれは魔法の眼鏡で願望を写し出しちゃう呪詛が付いててだから突然上条さんが現れて黒焦げなって―――」ブツブツ・・・
麦野「あ、これ駄目なヤツだ」タラー・・・
固法「んもぅ……あ、白井さん。もう帰っても大丈夫よ」ヤレヤレ・・・
白井「と言いましても、お姉さまがあの状態ですので」ハァ・・・
御坂「―――ちょ、ちょっと! いつまで咬み付いてんのよ! 替わりなs、ゲフンゲフンッ、離れなさい! 苦しそうでしょ!」ガシッ!
禁書「ふがあがぁっふ!!」ググググ・・・
上条「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」ガクガクガクガク・・・
固法「か、上条くん死んじゃうわよ! 二人とも落ち着いて! 白井さん、結標さん! 能力で二人引き離してよ!」アワワワワ・・・
結標「んー……3人が『くんずほぐれつ』状態だからなぁ。此処を座標移動させるのは難しいわ」ポリポリ・・・
白井「残念ながら、結標……さんに出来ないものは私にも出来ませんの。あくまで『今の』私にはですけど」フンッ・・・
上条(誰でも良いから早く助けろくださいっ……あ、また一つ、大きなオッパイ星が見える……見知った、おっぱ)プツッ・・・ピー・・・
雲川「―――ま、問題ないよ。この世は須らく平和なり、かな」フフフッ♪- 606 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/25(水) 01:58:29.33 ID:2al5WD0d0
- っ『散髪』
神裂「―――散弾銃の暴発、ですか?」キョトン・・・
固法「ええ。何でも、警備員に配備される新型の暴徒鎮圧用のショットガンがジャムって大変な事になったらしいわ」コクッ
結標「へー。散弾銃もジャムんのね。ゲームでしかショットガン使った事無いから分かんないわ」フーン・・・
麦野「学園都市のは非致死性のゴム弾か催涙弾がメインだけど、銃の方が無駄にセミオートだったりするから複雑なのかしら」フムフム・・・
香焼「……ツッコみ不在の恐怖」タラー・・・
絹旗「姉貴さんがスルーかボケに回ると超悲惨ですね……そういえば、昔、『装甲』の強度の実験で一粒(スラッグ)弾をまともに正面から」アハハ
香焼「止めて。聞きたくないっす」ダラダラ・・・
削板「俺も去年当たり、テロ屋と対峙して顔面に多針弾頭(フレシェット)弾ブチ込まれた時は流石に泣きそうに」アハハ
香焼「だから、止めろ」マッサオ・・・
ステイル「相変わらずバケモノだな……あ、そういえばこの前、バードウェイがアスプレイを手に入れて自慢してきた。それを頭に」チラッ・・・
香焼「だから止めろよ! どうせ何も言わずゼロ距離発射してきたってオチだろそれ!」ウゥッ・・・
神裂「―――さて。冗談はさておき、皆さん、ドチラで散髪を?」ジー・・・
結標「ドチラって、普通に美容室よ。まぁそんなに高いとこじゃないけど」コクッ
麦野「あら。アンタ床屋じゃないの?」チラッ・・・
結標「女子でそれはねーわよ。何処の『うぐぅ』よ」ハァ・・・
固法「そのネタ分かる人、どのくらい居るのかしら……とりあえず、都市の美容師もピンからキリまでだからね」コクッ
神裂「ふむ。やはり皆さん、美容室なのですね」ジー・・・
麦野「おいおい……火織ちゃん。まさかテメェ、理髪屋とか自分で切ってるとか言わないわよね」タラー・・・
神裂「流石にそれはしませんよ。ただ、私が人の髪を切ったりはしますけど」コクッ
結標「それマジ? 斬られた子、憐れね」ハァ・・・
固法「漢字が違う気がする……まぁ神裂さん、器用だし、刃物の扱い得意だから大丈夫じゃない」ジー・・・
麦野「でも流石に素人が女性の髪を切るのは頂けないわね。精々、小学生女子か野郎っ子くらいでしょ」チラッ・・・
絹・ステ・削「「「……、」」」チラッ・・・
香焼「な、なんだよ。別に良いだろ。姉さん上手なんだから」タラー・・・
絹旗「いえ……なんか超納得で」フム・・・
ステイル「そういえば『あの子』の散髪も神裂がやってたな」フムフム・・・
削板「俺も香焼のねーちゃんに切って貰うかなー。タダで済みそうだし」フムフムフム・・・
麦野「やっぱりか……んで、当の自分は何処で切ってるの?」ジー・・・
神裂「あー……あれ? そういえば―――最後に髪切ったの、いつだったかなぁと」ウーン・・・
固法「えっ」タラー・・・
神裂「いや、色々と物騒なモノで紙一重で攻撃避けると自然に髪斬られたりして、それで自然に伸びて……また斬られて……うーん」ポリポリ・・・
麦・固・結「「「 」」」
神裂「ええっと……あっ! そうだ! 確か5年前に故郷で神事の際に調髪を―――」
麦野「火織! 今から美容院行くわよ! 問答無用! ついでに傷んだ髪全部トリートメントして貰うまで帰さないわ!」グイッ!!
神裂「ええぇ!? ちょ、な、何をいきなり! だ、大丈夫ですって! 私はナチュラルに……あ、待、ぐへっ!!」ズルズルズルズル・・・
固・結((……女子力ェ))ハァ・・・ - 607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/09/25(水) 02:06:03.88 ID:2al5WD0d0
- はい。とりあえず、此処まで。いつの間にか600越えてたねー。
とりあえず630前後で第Ⅳ話終わらせるかな。
因みに……>>578で予告してるから、寝落ちなんてしてないよ(震え声)
あと、基本、姉一同がメインなのでお題で他キャラ出されるとキツいかも……>>605みたいに無理矢理こじつけになりかねないw
そんじゃ、また次回! ノシ” - 609 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 :2013/09/25(水) 21:13:51.85 ID:bpEmtnFQ0
- っ『香ちゃん』
結標「―――そういえば最近『香(カオル)』見ないけど、忙しいの?」モグモグ・・・
神・麦・固・五・浦『 えっ 』ピタッ・・・
結標「ん?」キョトン・・・
香焼「……、」ビクッ・・・タラー・・・
絹旗「如何しました? 超顔青いですよ」ジー・・・
削板「何か不味いモンでも食ったか? この前、ステイルの奴が土産で持ってきた『百味ビーンズ』の[ピーーー]味みたいなの?」チラッ・・・
ステイル「お前らが買ってこい言ったんだろ。どうして日本人はハ●ー・ポッターに熱狂するんだか」ハァ・・・
神裂「えぇっとー、そ、そうですね。色々大変みたいで。(そういえば結標さんだけ正体知りませんでしたね。あと香焼の同年代も)」タラー・・・
結標「ふーん。あの子、常盤台だっけ? この前第5位が如何こう言ってたわね。普段は寮に居るの? 白井さん達と同じとこ?」チラッ・・・
五和「あー……ど、どうでしたかねぇ。(ヤバい! 設定忘れました!)」チラッ・・・チラッ・・・
神裂「た、確か、そうだったかなぁと。(浦上! 助けて下さいっ!)」アタフタ・・・
浦上「……んふふっ」ニヤリ・・・
固法(浦上さん、何か悪い事考えてるわね)アハハ・・・
麦野(よしっ。私も浦上ちゃーんに便乗しよー)ニヤニヤ・・・
結標「アンタら薄情ねー。仮にも親戚だか『お仲間』なんでしょ」ゴローン・・・
浦上「イエイエ。親戚なのは香焼だけですヨ。ねー、香焼。今『香』ちゃん、何処に居るんでしたっけー?」ニッコリッ
香焼「うぇ!?」ドキッ!!
絹・ステ・削「「「???」」」キョトン・・・
麦野「ふふふっ。気になるわね―――ねぇ香焼(ジャリボーイ)。『香』に電話出来ないの?」ニヤニヤ・・・
香焼「ちょ?!」ギョッ・・・
結標「ん? まぁ何でも良いけど、元気なの?」チラッ・・・
香焼「そ、そうっすね! 相変わらずみたいっすよ!」ダラダラ・・・
固法「(大変ね、香焼くん)―――因みに『香ちゃん(あの子)』はいつの間に食蜂さんと仲良くなってたの? この前聞いて驚いたわ」チラッ・・・
五和「あははは……何か『色々』あったみたいで。(というより、元々彼女との接触の為にコウちゃんが女装しましたから)」ポリポリ・・・
結標「で。あの子、何処に居るの?」ジー・・・
香焼「ぅ……『香』は普段、都市外に居ますよ。病気と希少能力の検査と診察の時だけ、都市に来るっす」チラッ・・・
神裂・五和((そういう設定だったか))タラー・・・
絹旗「―――そういえば香焼と『香』が一緒に居るとこ見た事無いですね」フト・・・
神・五・固「「「っ!!?」」」ギョッ・・・
ステ・削「「「確かに」」」フム・・・
浦上・麦野「「うっはwwww」」プルプル・・・
香焼「 」ガクガクガクガク・・・
結標「もしかして……香焼くん―――」ジー・・・
香焼「 」アbbbbbbb・・・
結標「―――……香と、仲悪いの? 駄目よ、仲良くしなくちゃ。お兄ちゃんなんでしょ」フム・・・
香焼「 えっ。 あ、あははは……そうっすね」ピタッ・・・フゥ・・・
神・五・固(((助かった)))ホッ・・・ - 610 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/25(水) 22:43:20.05 ID:bpEmtnFQ0
- っ『堕天使メイド&大精霊メイド』
麦野「―――っつーコスプレ見っけてさぁ。滝壺辺りに着せて浜面のエロ面でも楽しもうかと思って」ゴロゴロ・・・
神裂・五和「「っ!?」」ビクゥッ!!
結標「どったの?」チラッ・・・
神裂・五和「「い、いえ、何でも。(と、トラウマが)」」タラー・・・
麦野「でもあの子『はまづらが喜ぶなら(ポッ)』とか言って普通に着そうだから面白くねぇわ。着る側の羞恥心も大事よね」フム・・・
固法「また馬鹿な考えを」ジトー・・・
麦野「とか言いつつー。美偉ちゃーん、この前紹介したラバーボンテージのコス、真剣に着ようか悩んでたわよねー」ニヤニヤ・・・
固法「んなっ!? 何言ってくぁwせdrftgyふじこlp;@:ッ!」ボンッ・・・カアアァ///
結標「うわぁ。リアルな意味で『コスチュームプレイ』って訳ね」アハハ・・・///
浦上「kwsk」ワクワク・・・///
麦野「色々マンネリ気味だから刺激が欲しいなーとかノロケやがってさぁ」イッヒッヒッ!
五和(しゅ、羞恥を捨てるのも恋愛には必要という事かッ!!)メモメモ・・・
麦野「あははは―――ま、リア充はさておき。結標、アンタ着てみない?」ニヤリ・・・
結標「はぁ? 意味分かんない。何のメリットあんのよ」ジトー・・・
麦野「いや、単に恥ずかしがるテメェの痴態を鑑賞したい」ニヤニヤ・・・
結標「この人格破綻者(レベル5)め……だったら、コイツら姉妹にしときなさいよ。私より『ボンッキュッボンッ』体型なんだから」クイッ
五和「うぇえええぇ!?」ダラダラ・・・
神裂「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」ガクブル・・・
浦上「これ以上、姉様弄ると精神崩壊しますネ」アハハ・・・
麦野「ったく、皆して根性無しだねぇ」ジトー・・・
固法「じゃあ自分で着ればいいじゃない」ジトジトー・・・
麦野「私が? あっはっはっはっ―――んな公開処刑誰がするか」フンッ・・・
結標「やっぱコイツ、理不尽我儘極まりないわ。今に始まった事じゃないけど」ハァ・・・
麦野「んー、でも折角面白そうなモン見付けたんだから着せたいわね……あ! そうだ!」ピンッ!!
浦上「凄ーく悪い(イイ)顔してますネ。ドレドレ。私にも聞かせて下さい―――んほおおぉ! そりゃオモローですヨ!」ニャハハハッ!!
神裂・五和「「……嫌な予感しかしない」」タラー・・・
にゃんにゃんおーん・・・・・数日後・・・・・―――
麦野「―――という訳で無理矢理着せちゃいましたー」ドヤァ・・・バッ!!
浦上「それじゃあドーゾー!!」グイッ!!
香焼(香)「んんンンンーッ!?(ふぇええぇ。助けてええぇ///)」ジタバタッ・・・ ← ※香ちゃん:堕天使メイドF&猿轡With手錠足枷!
麦野・浦上以外『 』ダラー・・・
麦野「ついでにオマケも準備したわ! 勃起すんじゃねぇぞ『香』ちゃーん!」ニヒヒッ・・・バッ!!
絹旗「ふァーンふァふァァッ!!(ごらァ麦野ォ! 超ふざけンなってンですよおおォ///)」ジタバタ・・・ ← 小妖精モロメイドF&(以下略)!
香焼(香)「んぁっ?!(ちょ! 最愛さんお尻近い近い近い色々見えてる見えてる見えてる見えてるっ///)」カアアアァ///
固法「―――……私、風紀委員として動いた方が良いかしら」ハァ・・・ - 611 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/26(木) 21:52:56.43 ID:wokJrk1z0
- ☆番外編・・・っ『女子力』
佐天「香焼くんって女子力たっぷりだよね」ジー・・・
香焼「意味が分からない」ポリポリ・・・
佐天「だって家事全般出来るし、気配り出来るし、謙虚だし、同性からも好かれるし、可愛いし」ジー・・・
絹旗「まぁ私ほどじゃないですけど、可愛い方ですね」ジー・・・
香焼「後半でより一層意味が分からなくなったよ。最愛も同意しないで」ハァ・・・
佐天「やっぱ3人もお姉ちゃん居る中で生活してくと自ずとそうなるのかなぁ」フム・・・
香焼「いや、言われる程姉達と長年暮らしてないからね。彼女ら、本当の姉って訳じゃないし。あと素が女子力低い連中だし」ノーノー
絹旗「じゃあ何で香焼は女子力高いんですか? ハンメンキョーシ的な?」キョトン・・・
香焼「高くないっての。まぁ家事全般は一人暮らしや下っ端生活長いとそうならざるを得ないんすよ」ポリポリ・・・
絹旗「ふーん……そういえば浜面も下っ端やってるせいか、何気に女子力高いですからねー。全っ然、可愛くはないですけど」フムフム・・・
佐天「でも、確かに学園都市に住んでる学生って嫌が応にも一人暮らしメインだからそうなるか」ハハハ
香焼「だからある程度几帳面なら誰でも佐天さんの言う『女子力』に当て嵌まるっす」ヤレヤレ・・・
絹旗「……ぅ」タラー・・・
香焼「あっ。(家事全般が出来ない子が目の前に)」チラッ・・・
佐天「え、あ、ほ、ほら! 最愛ちゃんは可愛いでしょ! それが女子力で―――」アタフタ・・・
通りすがりのカブトムシさん(ちょい黒)『コミュ障・自立出来ない・でも基本誰かに依存して無いと生活できない超美少女さんねぇ』ブゥゥゥン・・・
絹旗「―――……、」ウルウル・・・
佐天「そ、そんな事無いよ! 最近は、ほら、友達も増えてきたしさ!」アタフタ・・・
香焼「滝壺さんとかのお手伝いもしてるんでしょ! あと、えっと、ウチで五和に料理教わったりしてるし!」タラー・・・
絹旗「……どうせ、超コミュ障ですよぉだ」ウルウル・・・
香焼「(うわぁ超ネガティブった!) 最愛は、結構世話焼きでしょ! それも女子力だってば」チラッ・・・
佐天「そ、そうだね。それに、完璧な女子よりちょっとくらい欠点あった方が可愛らしいよ」ポンポンッ・・・
絹旗「……、」ウー・・・
佐天「わ、笑ってくれないとー、佐天お姉さんが、その見えそうで見えないギリギリのミニスカ捲っちゃうぞー」ワキワキ・・・
絹旗「ッ!?」バッ///
香焼「ちょっ!」カアアァ///
佐天(んまっ! きゃわわ!)ニヤニヤ・・・
絹旗「さ、佐天は変態です……女子力というよりオヤジ力高いですよ」ジトー・・・///
佐天「んふふーっ。お嬢ちゃん可愛いねぇ、そっちのお嬢ちゃんもー。おじさん、小さい子は好きだぞぅ」ハハハ
香焼「はいはい……って、小さい言うな」ジトー・・・
絹旗「佐天は私らと同い年なのに超ガタイ良いですからね。身長も、胸も……超羨ましい。明日からガテンって呼んで良いですか」ジー・・・
佐天「地味に傷つくよ……まぁでも、小さい娘の方が好きって男子も居るしさ」チラッ・・・
絹旗「私は香焼より超デカくなる予定ですので」ムンッ!
香焼「……多分、無い」ハァ・・・
佐天「ははは。まぁ大きくなれなかったら佐天さんが最愛ちゃんの事貰ってあげるよ。私、小さい娘好きだから」ナデナデ・・・
絹旗「っ!? 佐天は白井と同類だったんですか!? 女子力のベクトル間違えちゃダメです!」アワワワ・・・///
香焼「最愛さんや、冗談だからね。佐天さんも最愛からかうの止めて。この子、何でも信じるから」ヤレヤレ・・・ - 612 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/26(木) 23:51:04.28 ID:wokJrk1z0
- 番外編☆その②・・・っ『ジコチュウ』
トール「―――だから超能力者(レベル5)ってジコチューだよな」ゴロゴロ・・・
上条「まぁ何となく納得です。まだマシなのは御坂くらいか」ゴローン・・・
トール「いやいや、ミコっちゃんも大概ジコチュウだぜ。内心読んだけど」グデェ・・・
上条「お前のその『心転身の術』みたいなの結構怖いよな……でもさぁ、そしたらトールもジコチュウな方なんじゃないのか?」チラッ・・・
トール「そうだよ。俺ってば自己共に認めるジコチュウだぜ。ミコっちゃんがピカ●ュウだとすりゃ、俺はライ●ュウだ」ビリビリ・・・
上条「『かみなり○いし』使えば御坂がお前になるのか」ハハハ・・・
トール「残念。ミコっちゃんはアニメ使用のピカ●ュウだから進化しません」フフフッ
上条「レベル5,5のスーパーミサカさんは?」フム・・・
トール「そんなんあるの? 『意識』には無かったぞ」キョトン・・・
上条「昔なったぞ。人間ヤめてた。トールも人間ヤめてるし、やっぱアレがライ●ュウモードか」フムフム・・・
トール「俺にとっての『かみなり●いし』はミョルニルだけど、ミコっちゃんにもソレがあったか……流石カミナリ属性」コクッ
上条「なんか納得してらっしゃる―――話は変わるが、ンーさん、御坂よか髪長いよな」ジー・・・
トール「触るなよ。手入れ大変なんだから……あと『ンー』言うな」ジトー・・・
上条「良いじゃん。ンーさん恰好良いだろ。お前以上にチートだし」イジゲンイドウトカ・・・
トール「いや、アレってばガチの神さん設定だろ。俺あくまで魔術師よ」ノンノン
上条「全知全能の魔術師なんて居てたまるかっての……あ、全農か」コクッ
トール「農協みたいに言わないでくれる? 話戻すけど、お前は如何なってんだ?」ジー・・・
上条「え? 俺、例えられるポ■モン居なくね?」ポカーン・・・
トール「そこまで戻すな。それについてはその内『ウニポ■モン』出るから待ってろ―――じゃなくて、髪だ。髪」ビシッ
上条「はひ?」キョトン・・・
トール「それ、どうなってんの? ワックス? 水被ったら如何なんの?」マジマジ・・・
上条「……さぁ。俺が知りたい」ポリポリ・・・
トール「アカシックレコードレベルか。凄いな。禁書目録のブラックホール胃袋並に謎パネェ」ハハハ
上条「うっせ。あの無尽蔵と形状記憶針髪を一緒にすんな……謎といえば、トオルさん、アンタ何歳なの?」ジー・・・
トール「そのイントネーションやめろ。ったく……女性に年齢聞くとか失礼なヤツだな」ハァ・・・
上条「えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おん、な」ピタッ・・・ダラダラ・・・
トール「……、」ニコッ
上条「 」アbbbbbb・・・
トール「w……ぷっ! 冗談だよ。冗談! こんなダンディな女性がいるかっての。なんなら●ンコ見るか? 雷神級だぞ」アハハハ!
上条「ふざ……あーマジでビビったわ。いや、ぶっちゃけ中性的だからドッチとも取れるなぁと」タラー・・・
トール「ま、俺見た目通り『両刀』だから、カミヤンなら全然イケるぜ。しかもジコチュウだからノンケでもお構い無しに―――」ペロリ・・・
上条「 」ゾゾゾォ・・・
トール「―――喰っちま……だから冗談だっての! 真に受けるなよ、タコ。いや、ウニ」ハァ・・・
上条「お前の冗談は心臓に悪いんだよ! 真顔で冗談言うの止めてくれ!」グデェ・・・
ヤンヤヤンヤッ! ワイヤワイヤッ!
禁書「―――……部屋の中から危険なにおいがプンプンする。迂闊に入れないんだよ」グヌヌゥ・・・
スフィンクス「にゃぅ」ビリビリ・・・イヤイヤ・・・
- 618 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/27(金) 22:12:13.37 ID:Iqnjdmdf0
- っ『秋刀魚』
結標「―――サンマ食べたい」チラッ・・・
固法「人ん家来て早々、何を抜かしてるの」ハァ・・・
結標「だって小萌んとこの台所で魚焼けないんだもん」グデェ・・・
神裂「一応、ちゃんとしたコンロありましたよね」フム・・・
結標「魚用のコンロ、油ギットギトで使えたもんじゃないわ。だから、此処で、サンマ喰いたい」チラッ・・・チラッ・・・
麦野「がめつい女。スーパーの惣菜コーナーで既製品買って我慢しろ。もしくは食堂行きなさい」ヤレヤレ・・・
結標「それじゃあ喰った気しないの。こう、家で焼いたアレが食べたいのよー」ジー・・・
神裂「うーん、秋刀魚ですか……まぁ初物を食べたい気持ちは分かりますけど、今日の献立当番は香焼ですから」ポリポリ・・・
結標「今日の食材は準備済みってか。まぁ別に今日じゃなくても良いわよ。お願ーい。勿論お金は出すからさぁ」キラキラ・・・
麦野「守銭奴のアンタが金出すとか言うと、血の雨でも降るんじゃないかって思うわ」ジトー・・・
神裂「オッカナイ事を……しかし、年々秋刀魚は値上がりしてますよね。長崎(実家)の方で、アジは結構獲れたみたいなんですが」フム・・・
麦野「都市産の養殖魚でも良いんじゃない。大きさも値段も幅広く育ててるっぽいし、安定してるわよ」コクッ
結標「ダメ。んなバイオなサンマ、喰った気しないじゃない。魚っつったら海泳いで何ぼでしょ!」フンッ!
麦野「コイツ面倒臭ぇなぁ。ならテメェで仕入れてこいよ、アホ」ジトー・・・
固法「ま、まぁ気持ちは分からなくも無いけど……確かに贅沢ね」ハハハ・・・
神裂「むぅ。では妥協点を探しましょうか。とりあえず、初物国産では無くとも良いなら多分―――」ポリポリ・・・
香焼「ただいま帰りましたー」ガチャッ・・・
絹旗「ただいまです」トコトコ・・・
もあい「にゃー」ブラブラ・・・
神裂「―――っと、夕飯係が公園から帰ってきましたね。おや? その大根は?」チラッ・・・
香焼「今日の献立で買い忘れてたんで、帰りがてら買ってきました。今支度しますね」テクテク・・・
麦野「おう、早くしろー。さっさと作れー。腹減ったー」ゴローン・・・
絹旗「何様ですか。人ん家なのに超ふてぶてしいですね。香焼、麦野の魚無しで良いですよ」ジトー・・・
結標「あはは。アンタも人の事言えないじゃない……って、今日魚なの?」キョトン・・・
香焼「はい。あ、麦野さん、すいません。焼くのにちょっと時間掛っちゃいますんで、適当にお菓子摘まんでて下さい」テクテク・・・ガチャッ・・・
固法「何のお魚?」チラッ・・・
絹旗「さんまですよ。さっき皆さん居ない時、見せて貰いましたけど、一匹あたりが超デカいです」コンナーン!
結標「っ!?」バッ!!
神・麦・固「「「……Oh」」」ハハハ・・・
香焼「宮城と岩手の親戚が同時に初物送ってきちゃって。かなり量有るんで、お刺身に降ろしたりしても余ったら皆さんに配りま―――」
結標「香焼くーん大好きーっ! 愛してるー!! 結婚しよー!!!」ガバーッ!!
香焼「―――すぉおわぁっ!!? あ、淡希さん?!」ムギュウウゥ・・・グヌヌゥ///
絹旗「ちょっ、何いきなり超発情してんですか超淫売女あぁッ! 香焼から離れなさああぁいッ!! 抱きつくなあああぁッ!!!」フシャアアァーッ!!
ギャーギャーギャー!! ワーワーワー!! ドンガラガッシャーンッ・・・・・
麦野「難とも、ひょうきんな女だわ……あ、絹旗超ブチギレでマジ血の雨降りそうね」ヤレヤレ・・・
固法「冷静に見てないで止めるの手伝って! あ、こらっ! 香焼くん窒息しちゃうでしょ!」アタフタ・・・ - 619 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga sage]:2013/09/28(土) 08:06:30.47 ID:0vsM/3FW0
- っ『じぇじぇじぇ』
固法「―――ふぅ。ごちそうさまでした。美味しかったわー」ホッコリ・・・
香焼「お粗末さまっす。お土産に何尾か持ってってくださいね。五和達の分差っ引いてもまだまだあるんで」コクッ
結標「ホントありがとね。お礼にパンツあげちゃう!(小萌の)」ニコッ
神裂「居候主泣かせる様な事は止めて下さい。あと、本気で絹旗さんに殺されますよ」ハァ・・・
麦野「ヤるなら外でヤってよ。ま、馬鹿はさておき……三陸産ねぇ」ゴロンッ・・・
絹旗「しませんよ、超馬鹿馬鹿しい―――あー、サンリクさん、って誰ですか?」キョトン・・・
香焼「陸前・陸中・陸奥―――分かり易く言えば青森、岩手、宮城の海産物って事だよ。今言った3県は前に地理教えた時覚えたよね?」チラッ・・・
絹旗「え、えっと……上の方でしょ。北海道の下の方です」タラー・・・
結標「……長野と群馬の近くよね」ボソッ・・・
固法「長野と群馬に海無いわよ。あと、最愛ちゃん。上とか下じゃなくて、北とか南で覚えましょう。因みに、東北地方ね」ハァ・・・
麦野「この子、文系課目はカラッキシだからねぇ。このまま行くと結標みたいな残念大能力者になっちゃうわよ」フフフ・・・
絹旗「っ!? こ、香焼! もっと社会と国語、教えて下さい!!」タラー・・・
結標「おい、糞道具屋共」ジトー・・・
神裂「まぁまぁ―――して、三陸産が如何しました?」チラッ・・・
麦野「ああ、ちょっと前にアッチの科学者連中が海洋調査で私の力借りたいって言って来てさ。出向したのよ……例の『汚染』について」ゴローン・・・
固法「麦野さん、放射能については専門家だものね。原子力に関しては世界一?」ジー・・・
麦野「自負してる。兎に角、適当に診断して戻ってきたわ。もうちょい東北旅行してきたかったんだけど、理事が五月蠅ぇの何の」ハァ・・・
絹旗「だからこの前2週間くらい家空けてたんですね。てか、適当って……大丈夫なんですか?」タラー・・・
麦野「どうせ私が正論書こうが、この国の官僚さんが都合良く書類書き換えるから如何でも良いのよ」ハハハ
神裂「その分野では最高権威(原子崩し)が調査したってラベルが欲しかったんでしょう。しかし真面目な役人さんかもしれませんよ」フム・・・
結標「何処の大人も似たようなモンね。ところで、実のところは如何だったの?」ジー・・・
麦野「どうせ難しい事言っても分かんないでしょ。ま、簡単に言えば……私が喰ったり泳いだりする分には平気だから問題無しよ」フフッ
固法「いや、被爆の恐れ皆無の麦野さん基準で言われても。でも、その気になれば浄化作業してくる事も出来たんじゃない?」ジー・・・
麦野「んな金にならない事やらないわよ」サラッ・・・
結標「そうね。利口だと思うわ」グデェ・・・
香焼・神裂「「……、」」ウーン・・・ハァ・・・
絹旗「そういえば話変わりますけど、確か『じぇじぇじぇ』のドラマも上の……じゃなくて北の沿岸が舞台でしたよね?」フム・・・
固法「ええ。って、最愛ちゃん、B級映画以外も見るのね」チラッ・・・
麦野「ソイツ、基本ヒッキーだからTVも見るわよ」チラッ・・・
絹旗「超余計なお世話です。それで、香焼の親戚さんは其処ら辺の海からさんまを送ってきたんですか? 潜って!?」キラキラ・・・
香焼「何を期待してるか想像は付くけど、魚を獲るのは残念ながら海女(アマ)さんの仕事じゃないよ」ハハハ
絹旗「へぇ……じゃあ生で現地の『じゃじゃじゃ』って聞いた事あるんですか!?」キラキラ・・・
香焼「『じぇっ』ね…(どうしよう。現地の人で使ってる人殆ど居ないなんて言えない)…あー、あった様な気がするよ」ポリポリ・・・
結標「じゃあ、実際あんな若い海女って居るの?」チラッ・・・
香焼「ど、どうなんでしょうね。自分は現地に居座った事無いんで難とも言えないっす」ウーン・・・
麦野「―――私、ああいう光景見た事ある。『~~出身です』って言うだけで方言話してとか伝統舞踊やって見せてとか頼まれる地方人だ」ピッ
固法「あはは……そういうのって大抵出来ないし大変よね。しかも、今は全く真逆の地方(九州なのに東北)のネタ振られてるんだから」タラー・・・
神裂「始めて英国行った時を思い出します……日本人というだけで『Sushi! Samurai! Hentai!』とか騒がれましたから」シラー・・・ - 620 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/28(土) 22:02:00.88 ID:+Bx2rDMQ0
- っ『楽天優勝』
神裂「―――東北といえば、楽天が遂に優勝しましたね」チラッ・・・
麦野「ああ、野球? そいやぁ騒いでたわね。おかげで楽天商品最大77%offとかやってるから助かるわ」フフッ
結標「Amazon派の私にとっちゃ如何でも良い話だわ。てか、アンタ野球見るの? 何処ファンとかあったりする系?」フーン・・・
神裂「スポーツ全般好きですよ。ファンは……強いていうならホークスでしょうか。九州出身的に」コクッ
香焼「西武との3位争いが熾烈っすからね。今年は見ててハラハラしますよ」フフッ
絹旗「そういえば浜面も似た様な事言ってましたね。まったく、私は別の番組観たいのにチャンネル離さないとか超ふざけてます」ムゥ・・・
固法「先輩も、野球中継やってる時にチャンネル変えようとすると機嫌悪くなるわ。男の子ってそうなのかしら」ハハハ・・・
麦野「面倒臭ぇ生き物だ……あ、そういえば昨日第5位の奴が『キヨシ辞めないで~。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン;』とか呟いてたわ」ハハハ・・・
香焼「横浜の監督っすね。操祈さん、大のベイスターズファンっすからね」ポリポリ・・・
浦上「―――二次で第5位さんがハマファンっていう風潮は何なんでしょうかネぇ」ニャハハ
五和「えー? なにー? バイク運転してて何言ってるか聞こえなーい!」ブロロロロロォ・・・
浦上「あと上条さんがヤクルトファン。他のキャラにバラつきあっても、この二人はこの固定が多い」フフッ
絹旗「―――……ねぇ香焼。ミサキって、誰ですか?」ジトー・・・
香焼「え? 食蜂操祈さんっすよ……あっ」ピタッ・・・
神・麦・固(((あちゃー……お馬鹿っ)))アチャー・・・
結標「香焼くん。アンタって子は、あの劇物にまでフラグ立ててたの?」ハァ・・・
香焼「え、あ、そ、その、『香』が! 食蜂さんと仲良くて! よく名前で呼び合ってるから、つい伝染っちゃって!」アタフタ・・・
絹旗「……、」ジトー・・・
香焼「うっ……は、話戻るけど! 小川監督も辞任みたいっすね。宮本も引退だし、上条さんが溜息吐いてましたよ」ハハハ・・・
神裂「ヤクルトは此処最近散々ですからね。故障が大きいんでしょうけど……しかし、バレンティンは凄いです」コクッ
麦野「何言ってっか分かんね」ポカーン・・・
固法「あんまり野球興味無い人からすればそんなモノよ」ポリポリ・・・
絹旗「あ、でも飲む方のヤクルトは超好きですよ。滝壺さんが必ず買ってくるので私も飲んでます」コクッ
麦野「あの子、薬中でヤク中(ヤクルト中毒)だから」ヤレヤレ・・・
固法「個人的にはR-1の方が高いけど好きだわ―――何で乳酸菌飲料の話に逸れてるのかしら」ハハハ・・・
結標「んな高いヤツじゃなくてビックルとか日清ヨークで充分よ。んで、野球の話だけど、実は私草野球チームの監督やってんのよ」ハッハッハッ!
神裂「意外ですね。プロ野球はそんなに興味無くても、プレイヤーとしては別だという事ですか」フム・・・
結標「まぁ形だけね。とりあえず『ウチのチーム』の連中で日向ってのがいるんだけど殆どソイツに任せっきり。私は檄を飛ばす役」フフーン・・・
香焼「ああ。あの時(『残骸』事件時の武装チーム)の……相変わらず楽しそうっすね」ハハハ
結標「あら、香焼くんならいつでも歓迎するわよ。今キャッチャーとセカンドと外野一人、それに控えピッチャー募集してる」ニコッ
絹旗「駄目です。ソイツのチーム入るくらいなら浜面の朝野球チームの手伝いしてやってください。兄貴さんも居ますから」チラッ・・・
固法「半蔵くんが監督のチームね。先輩寝坊助なくせに、朝野球だけはしっかり遅れず参加するんだから」ハァ・・・
麦野「ほぇ……私も監督なってチーム作ろうかなぁ。エースで4番でキャプテンは火織、アンタね」ニコッ
神裂「ではまず、私の球を受ける事が出来るキャッチャーを準備して下さいね―――ああ、丁度良い所に丈夫な左腕が」ジー・・・
麦野「オイ馬鹿止めろ。剛速球でこの義手壊す気だろ」タラー・・・
香焼「姉さん、120球くらい続けて150㌔台の球投げられますからね。マーくんも真っ青っすよ」ハハハ・・・
- 623 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/29(日) 23:32:56.09 ID:HiFyhiwG0
- っ『i-Phone』
固法「―――ホークスファンといえば……神裂さん、スマホじゃないわよね」ジー・・・
神裂「え? 何故ホークスファンがスマホで有る必要が?」キョトン・・・
固法「いや、ソフトバンク的に。海外生活長いんだったらi-Phoneなのかなぁって」コクッ
香焼「姉さんの中でホークスはダイエーで止まってますから。あと姉さんはDoCoMoっすよ」ハハハ
麦野「でも、今度ドコモでもi-Phone出すって話じゃない。コレを機に乗り替えたら」スッ・・・
神裂「うーん、スマホですか……難しそうで抵抗があるんですよ」ポリポリ・・・
結標「最初はそうよね。でも慣れちゃうとガラケーがうっとおしく思える程楽よ」コクッ
神裂「うーん。考えておきます。まだ二年経ってませんから、次の買い替えで視野に入れましょう……因みに皆さん、スマホですっけ」ジー・・・
固法「というより、ガラケーが希少種よ。折り畳み式でも、スマート機能付いてるのが殆どだし」ピッ
麦野「だったら、タブレットから入ってみるのは如何かしら。比較的分かり易いわよ―――ほれ、i-Pad」スッ・・・
神裂「これがですか……そういえばローラがしょっちゅう弄ってましたね」ジー・・・
香焼「主教様は結構近代的なモノ好きっすからね。てか、確か五和も持ってましたよ。あとステイルもスマホに替えてました」チラッ・・・
神裂「えっ……やはり、オールドタイプと馬鹿にされる前に替えるべきかもしれませんね」ウーン・・・
絹旗「別に馬鹿にはされないと思いますよ。電話とメールだけならガラケーでも問題無いでしょうし」コクッ
結標「アンタは逆にその機能必要無いんじゃない? 仕事以外で携帯使わないんじゃないの?」ニヤリ・・・
絹旗「如何いう意味ですか?」ギロリ・・・
固法「結標さん、喧嘩売らないの―――神裂さん。どうせなら都市製の機種に替えたら。結構良い機能付いてるわよ」コクッ
神裂「海外でも使えるんですか?」フム・・・
麦野「月面でも地底でも海中からでも使えるわよ。あと、壊れにくい。もってこいじゃない?」フフッ
神裂「確かに。結構壊す事が多いので」ムゥ・・・
香焼「姉さんの使い方荒いんすよ……あ、自分もそろそろ買い替え時だなぁ。次如何しよう」ジー・・・
固法「……そういえば、御坂さんがペアプランってので買い換えてたわね。上条くんと」チラッ・・・
神裂「 」ギチッ・・・
麦野「おい、火織。言ってる傍から携帯悲鳴上げてるわよ」タラー・・・
絹旗「(ペア、プランだと!?)……あー、私も確か、そろそろ買い替えが―――」
結標「じゃあ香焼くん。私と一緒にペアプランで替えようか?」ニコッ
香焼「え? でも、淡希さん、まだまだ携帯新しいっすよね。態々合わせなくて良いっすよ」チラッ・・・
結標「小萌のが古いから、私のあげて、私が最新機種に替えるわ。気になってた機種の最新型出たっぽくてソッチ欲しいのよ」スッ・・・
香焼「どれどれ……あっ! これ、自分も興味あったんすよ!」キラキラ・・・
固法「それ、白井さんのと同じタイプね。確かに恰好良いけど、色々面倒らしいわよ」ジー・・・
香焼「でも、魅かれるんすよねー。あの未来的な画面表示とか耳装着とか。男子的に」ジー・・・
結標「男の子じゃなくても恰好良いと思うわ。じゃあ今度―――ん?」チラッ・・・
絹旗「―――……ぐぬぬぅ」ウルウル・・・ギリギリ・・・
結標「ぅ……あー。やっぱ廉価版出るまで粘ろうかしら。良く見たら高いのね」ハハハ・・・
香焼「え? あ、そうっすね」フム・・・
神裂「今にも泣き出しそう&プッツンしそうな絹旗さんを見てペアプラン控えましたね」タラー・・・
麦野「結標のヤツ、何だかんだでガキの涙に弱いわよね。i-Phone7出る頃にはあの子の無き脅しも通用しなくなるでしょうけど」ハハハ - 624 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/30(月) 00:53:49.69 ID:rzK3Tvh30
- ※ 微妙に劇場版ネタバレ注意!
っ『歌姫』
麦野「―――『じぇじぇじぇ』の話題に戻るけど、あれって主人公がアイドルだったわよね」ゴローン・・・
固法「ローカルアイドルね。海女さんとアイドルと、そんな感じの」コクッ
結標「都市的にいえば、御坂さんが電力発電とアイドル兼任するみたいな?」ウーン・・・
絹旗「それは超違うと思います……そういえば、一時期『ARISA』って歌手だかアイドルが超ブームしてましたよね」ニャー・・・
神裂「……、」ピタッ・・・
麦野「そういえば凄かったわね。結構良い曲出してたみたいだけど、何処行ったのかしら」フム・・・
固法「最近は新曲出してないわね。あ、御坂さんや白井さん達と知り合いだったから聞けば分かるかも」ピンッ
香焼(鳴護アリサ……いや、シャットアウラ=セクウェンツィアか)チラッ・・・
絹旗「佐天の情報(噂)によると、未だに何処かで路上ライブ活動してるみたいですよ」コクッ
結標「路上ライブ? 『ARISA』ってメジャーデビューしたんじゃないの? なのに路上ライブ?」ポカーン・・・
固法「まぁ昔からの路線を変えずに頑張るアーティストって多いから。でも、何処で活動してるのかしらね」フム・・・
香焼(姉さん、知ってるんすか?)チラッ・・・ボソッ・・・
神裂(いえ。消息不明です。多分、アレイスターやローラでさえ足取りを掴めていません)ボソッ・・・
麦野「まぁ一発屋なんて山ほど居るしな。あ、私もプロデューサーやって一山当てようかしら!」ニヤリ・・・
結標「麦野Pとか、嫌な予感しかしないわ」タラー・・・
麦野「路線は正統派の歌姫路線と、キャッキャウフフ騒がれるアイドルグループ路線の二つ! 面子如何しようかしら」フムフム・・・
固法「まーた危ない事考えて……だからそういう事する時はまず自分が先頭立ってからにしないさいって」ハァ・・・
麦野「私はアイドルってガラじゃないの。よーし……絹旗! アンタと『香』でユニット組みなさい!」ビシッ!
香焼・絹旗「「っ!? 無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理っ」」ブルブルブルブル・・・
神裂「人見知りの絹旗さんと香や……『香』を壇上に立たせるって発想が間違ってます」ハァ・・・
麦野「大きなお友達にウケりゃ良いんだよ! 『ワシャワシャ』とか『カモカモッ』とか言ってろ」ニヤリ・・・
絹旗「おい馬鹿止めろ」ダラダラ・・・
結標「じゃあ小萌も入れなさい。更にウケるわ」ハハハ
香焼「この人も駄目だ! だったらステイルに歌唄わせてた方がよっぽど王道っすよ」ハァ・・・
固法「もしくは初春さんとかね―――まぁでも、やっぱりプロの上手い人が相応の舞台に立つのが一番よね」フフッ
―――何処かの路地裏・・・・・
シャットアウラ「―――よろーこびーもー悲ーしみーもー・・・分ーかーち合ってさぁ重ーねてー行こー♪ ――……ありがとうございました」ペコッ・・・
ワーワー! ガヤガヤ・・・スゲー! 8888888・・・・・
削板「おおおおぉ! 感動した! 姉ちゃん歌上手ぇな! 良い根性してたぜ!」888888!
シャットアウラ「あー……ありがとう。でも『私』はまだまだ素人なんだ。もっと頑張らないと」ポリポリ・・・///
鳴護(ふふふっ。上手上手。自信持って、表で活動すれば良いのに。あと、黒以外の服も着ようよ)クスッ・・・
シャットアウラ(う、五月蠅い。もう少し実力を付けてからだなぁ……服装については文句言うな。私の趣味だ)ムゥ・・・///
削板「いや、充分通用すると思うぞ。ところで……姉ちゃん、誰と話してたんだ?」キョトン・・・
アウラ・鳴護「(えっ!?」)ピタッ・・・タラー・・・ - 625 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/30(月) 02:10:12.40 ID:3kZl1T520
- っ『倍返し』
結標「―――『じぇじぇじぇ』もだけど、あと覇権握ったのは『半沢』よね」コクッ
固法「話題性半端無かったわね。些か生々しい会社事情だった気もするけど」フム・・・
麦野「実際の企業なんつったらもっと生々しいだろ。特にこの街の企業は、特許云々で周り出し抜こうとしてるし」ハハハ
神裂「都市の外からしてみれば技術が2~30年未来を行ってますからね。ただ、銀行はそう大差無いのでは?」チラッ・・・
香焼「いや、この街の銀行は凄いっすよ。お金を預けて年1,10~1,20の利率っすから。今時ありえません」ポリポリ・・・
固法「多くの予見能力者が入社してるもの。融資や投資の羽振りも良いし、金廻りが良くなって利率もあげられるのね」コクッ
絹旗・結標「「……だ、大体分かった」」タラー・・・
麦野「理系馬鹿共。無理に頭使うな……いや、でも本当は経済理論って理文の両分野なのよね。数文、か」フム・・・
神裂「お金の問題は学問というより生活に基づく事が多いので、研究には向かないのが実でしょう」チラッ・・・
固法「それでもこの街なら研究対象になるのだけどね。稀ではあるけど」ゴロン・・・
結標「お、おぅ―――さておき、アレも決め台詞みたいなのあったわよね。『○倍返しだ!』だっけ」コクッ
香焼「ありましたね……でも、正直それを言われると別なのが浮かんじゃうんすよ」ハハハ・・・
絹旗「別なの?」キョトン・・・
香焼「うん。ゲームの……最愛も『EXVS』持ってたでしょ」チラッ・・・
絹旗「ああ、ガンダムのゲームですか。アレ、浜面の借りてるだけなのでそんなにハマってないです」ジー・・・
神裂「分かりません。どのキャラですか?」キョトン・・・
固法「あー、Ez-8ね。先輩がBLU-ray BOX買ってたわ」コクッ・・・
絹旗「兄貴さん、超お金無いのにそういうのばっか買って」ハァ・・・
固法「ホント、男の子ってガンダムとか仮面ライダーとかウルトラマン好きよね。その所為で衝動買いが」ヤレヤレ・・・
麦野「せめてバイクだけにしとけっての。ただでさえヒモなのに。もう美偉がしっかり財布と通帳管理しないと駄目ね」ハァ・・・
固法「い、一応フリーターよ……そういえば、あの話の主人公の渾名も『アマちゃん』だったわね」チラッ・・・
結標「何その繋がり」ハハハ
香焼「確か名字がアマダなのと、考えが甘くて優しいから、それを掛けて『アマちゃん隊長』でしたね」コクッ
麦野「じゃあ坊やも『アマちゃん』ね。天草だか何だか出身だし」ニヤリ・・・
香焼「……何が言いたいんすか」ジトー・・・
固法「まぁまぁ。でも、実際あの名前って『天草四郎』からきてそうよね。やっぱり色々近いわね」フフッ
結標「私でも知ってるわ。隠れキリシタンだか何だかでしょ。よくゲームに出てくる。魔王役とかで」コクッ
神裂(彼の聖人が魔王、ですか)フム・・・
絹旗「因みに、香焼がよく『天草式の仲間』如何こう言ってますけど、関係あるんですか? あとキリシタンって言ってましたよね」チラッ・・・
香焼「あー……話すと長くなるからその内ね」ポリポリ・・・
麦野「そいやぁ火織も十字教徒だったわね。長崎出身だし、やっぱそこらだと教徒多いの?」フム・・・
神裂「(実は教皇なんですけどね、私)―――いえ、やはりこの国だと十字教徒はマイナーですよ。というか宗教人がマイナーでしょう」コクッ
固法「日本人は多神仏教か無神論者が殆どだものね。この街に至っては科学信仰だし……神様も涙目かしら」ハハハ・・・
絹旗「神様も泣くんですか?」キョトン・・・
香焼「どうだろう。ただ―――『神の子』は人の倍、泣き虫だと思うよ。立場上、誰にも見られず、ひっそりとしか泣けないけどさ」ニコッ・・・
神裂「むぅ……生意気」コツンッ
香焼「あ痛っ」フフッ・・・
一同『???』ポカーン・・・
- 628 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/30(月) 21:50:32.31 ID:OzbdV6am0
- っ『カステラ』
ブロロロロロォ・・・・・
五和「―――ただいま帰りましたー」ガチャッ・・・
神裂「お帰りなさい。随分遅かったですね」チラッ・・・
五和「いやぁ弓道部の子に誘われて少々弦を弾いてたらこんな時間に」ポリポリ・・・
浦上「ホント、お姉は色んな部活から勧誘受けますからネ。って、ありゃ……お夕飯食べ終えちゃいましたか」チラッ・・・
香焼「うん。申し訳無いけど皆お腹空いてたから。すぐ準備するから着替えてきちゃって」テクテク・・・
五和・浦上「「はーい」」ヌギヌギ・・・
香焼「此処で脱ぐな! 洗面所か寝室行け!」ビシッ!
麦・固・結(((おかんだ)))ハハハ・・・
絹旗(やっぱ超女子力高いですね)ジー・・・
にゃーん・・・・・
浦上「―――そいやぁ、実家からお中元品届いたんでデザート代わりにでも皆さんで食べて下さい」モグモグ・・・
香焼「食べながら話すな。何処に置いたの?」チラッ・・・
浦上「私の鞄に入ってます。梱包してあるヤツですヨ」クイッ
神裂「私が取りましょう―――ほぉ。冷やしカステラ」ガチャン・・・
麦野「何それ」ジー・・・
浦上「読んで字の如くですヨ。長崎名産……といってもまだまだローカルですけど、これまた美味しいんですって」ムフフッ
五和「冷凍で届くんですけど、少し解凍してから食べるんです。アパートから持って来たんで丁度良い溶け具合かと」コクッ・・・
結標「へぇ。これまた一日に二品も美味しいモノ食えるなんて、帰りに雨でも降るんじゃないかしら」ハハハ
絹旗「頭上から鉢植えとか電線とか降ってくるんじゃないですか、日頃の行い的に」ジー・・・
結標「んなモン私の能力でヒョヒョイのヒョイよ。アンタこそ……まぁアンタも無事か」ハァ
固法「馬鹿な事言ってないで頂きましょう。切り分けてあげるから。香焼くん、包丁貸して」テクテク・・・
浦上「あ、因みにソレすんごく牛乳と合いますヨ。浸して食べると尚好し」ニャハハ
固法「……ほぉ」キランッ・・・
麦野「牛乳フェチの眼鏡に掛ったわね―――そういえば『カステラ』って和製英語なのよね」ジー・・・
絹旗「和製英語?」キョトン・・・
香焼「日本発祥の英語風日本語っすよ。例えば『アイスキャンディ』とか『サラリーマン』とか『ベビーカー』とか」アレコレ・・・
五和「能力の読み方(ルビ)も適当に取って付けた感ありますよね。さておき、カステラの場合は和製英語っていうより勘違い英語です」コクッ
神裂「正式には英語では無くポルトガル語ですね。諸説ありますがカスティーリャ地方から由来されてると思われます」ウンヌン・・・
結標「ふーん。ま、何にしろ日本に上手いモン伝えた渡来人は偉いわね」モグモグ・・・ウメェ!
麦野「そいつぁ同意する。鎖国なんてするもんじゃないわよね。視野が狭まるわ」ヤレヤレ・・・
浦上「学園都市の人間がそれを言っちゃいますか」ハハハ・・・
固法「確かに技術流出を防ぐ為とはいえ、世界の中で……日本の中で鎖国してるって状況が異常かな」ポリポリ・・・
神裂「しかし、開いたら開いたで日本政府が大きい顔し出しますから、今の在り方で丁度良いのでしょう」フム・・・
絹旗(うーん……さっきから何言ってるのか、よく分かりません)タラー・・・
香焼「(最愛が話付いていけてないな)……まぁ甘いモノが美味しければ何でも良いんじゃないっすか」チラッ・・・ハハハ・・・
一同『そうですねー』モグモグ・・・ - 629 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/09/30(月) 22:52:24.75 ID:kTbXOyg10
- っ『おっぱい』
ワンヤワンヤ・・・ガヤガヤ・・・キャッキャウフフムッキュンムッキュン・・・・・
絹旗「……、」ジー・・・チンマリ・・・
神裂「―――しかし、内定が取れないというのも大変ですね。能力主義の弊害ですか」フム・・・ドカンッ!
麦野「―――だからさぁ。素直に私のコネ使いなって。悪い様にはしないから」グデェ・・・ボヨンッ!
固法「―――うーん……でも、あくまで先輩の意志を尊重したいのよね。私から口出ししたくないというか」ハァ・・・ブルンッ!
結標「―――んな甘い事言ってるから自立しないのよ。今の時代、使えるモノ使わないと……ただでさえ中卒なんだから」ヤレヤレ・・・プリンッ!
五和「―――まぁまぁ。あ、お風呂沸かしますけど、皆さん入って行きます?」テクテク・・・タプンッ!
浦上「―――こりゃ今日はお泊まりコースですかネぇ。パジャマパーティーひゃっほぃ!」フフフッ・・・パフンッ!
絹旗「……、」ジー・・・ペタペタ・・・
神裂「―――、―――」ドッカーンッ!!
麦野「――。―――――、――」ボヨヨンッ!
固法「―――……、」ブルルーンッ!!
結標「―――! ―――、――」プリリンッ!!
五和「……―――、―――――」タプンタプンッ!!
浦上「――――――。――」パフパフーッ!!
絹旗「……、」ムゥ・・・ゴクゴク・・・
おっぱい聖人【100はあります】ズガドッカーンッ!!
おっぱいレベル5【85くらいかな!】ボヨェ~ンッ!!
牛乳(ウシチチ)【89……いや、90台突入か!?】ンモーゥッ!!
破廉恥おっぱい【82、って大きい方よね? コイツらが異常なのよ!】プルルゥンッ!!
おっぱいつわ【88。まだまだ成長中です!】タップリ~ンッ!!
秘密のおっぱい【私は……な・い・しょ♪】パッフンパッフンッ!!
絹旗「……、」グヌヌゥ・・・モミモミ・・・
香焼「……、」タラー・・・
もあい「……なぅ」チラッ・・・
絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハッ?!」バッ!!
香焼「……あー」ポリポリ・・・///
絹旗「なっ! なななな、なっ!? なぁ!!!」カアアァ///
香焼「な、何も見てないっすよ……自分、部屋に戻るから」コホンッ・・・イソイソ・・・///
もあい「にゃう」トコトコ・・・
絹旗「ちょ、待っ! 香焼! せめて一言弁明を!! もあいも空気読まないで良いですから!!」アbbbb・・・///
削板「―――なぁ。さっきからアイツ何やってんだ? 一人隅っこで牛乳ガブ呑みしたり、乳揉んだり……あ、カステラ上手ぇ」モグモグ・・・
ステイル「―――さぁ。自分の『非力さ』に打ちひしがれてたんじゃないかい? ふむ。バニラアイスに合うな」モグモグ・・・
絹旗「ッ~~~~~~~~~~~~~ッッ!!? ああ、ああ、あ、あ、貴方達ぃ?! い、いつからそこにぃ!?」プシュウウゥ・・・ボンッ///
- 634 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/10/01(火) 00:57:54.49 ID:p76ny79V0
- っ『彼岸』
固法「―――あっという間にお彼岸ね。この街に居ると色々忘れるわ」ボー・・・
結標「というかこの街イベント事適当過ぎんのよ。宗教色強い行事なんて尚の事適当じゃない」ゴローン・・・
麦野「火織。アンタ立場上、この時期忙しいんじゃないの? 都市来てて大丈夫?」チラッ・・・
神裂「まぁ法事の主は本部(お爺婆達)に任せてますので……それより、そろそろおはぎが出来上がる頃ですね」チラッ・・・
五和「―――で、最後に箆(ヘラ)で後ろを伸ばしてあげる。そうそう、上手上手」ペタペタッ
絹旗「こんな感じですか。ちょっと餡子が薄い気がしますけど……これは浜面にでもあげましょう」ヌリヌリ・・・
禁書「いつわー! もっと大きいサイズのおはぎ作りたいんだよ。それこそスフィンクスくらいの!」ニャー!
麦野「……何で暴食魔神まで来てんのかしら?」タラー・・・
神裂「彼が相変わらず補習ですので。あとはまぁ、多少は自分で食らうモノを作らせた方が勉強になるかと思いまして」ハハハ・・・
結標「あの子来たら糯(もちごめ)無くなるまで食らうんじゃないの」ハァ・・・
神裂「大目に準備してますので、それはないかと。それに、彼の分くらいは残して拵える筈ですよ」フフッ
固法「寛大なんだか過保護なんだか―――そういえば秋が『おはぎ』で、春が『ぼたもち』だったっけ」チラッ・・・
神裂「ええ。季節の花の違いですよ。牡丹と萩の花です……実はこれも諸説ありますが、メジャーなのは時期の違いですかね」コクッ
結標「ふーん。『はぎ』って『けだものへん』じゃない方よね。『おぎ』じゃない方」ジー・・・
麦野「けだものへん? お前は何を言ってるんだ?? まぁ馬鹿はさておき……話変わるけど、彼岸花と曼珠沙華の違いって何なの?」フム・・・
神裂「簡単にいえば仏教用語です。直訳だと『赤花』――摩訶(大きな)曼陀羅華(朝鮮アサガオ)曼珠沙華――天上の赤花となります」ジー・・・
固法「ややこしいのね。観る分には綺麗なんだけど、アレって猛毒持ちなんでしょ」コロコロ・・・
神裂「リコリンという毒がありますね。眩暈嘔吐中枢麻痺など……そういう意味合いでも、忌み嫌われる花となったのでしょう」コクン・・・
結標「綺麗な花には何とやらってか―――どうも私は彼岸っていうと『島』が浮かんじゃうのよ」ハハハ
麦野「アンタってホント、オタク気質なとこあるわよね。吸血鬼の島とか死んでも行きたくないわ」ハァ・・・
固法「あの漫画かぁ……対吸血鬼には丸太を、って発想が奇抜よね」タラー・・・
神裂「吸血鬼? 丸太?」ポカーン・・・
五和「はーい。皆さん、できましたよ」テクテク・・・
麦野「お。やっとか―――なんか随分と歪なおはぎが多いわね」ジー・・・
絹旗「う、五月蠅いですね。文句言うなら食べないで下さい」ムゥ・・・
禁書「因みにこの子猫大の三色おはぎは私のだから食べちゃダメなんだよ!」ビシッ!
結標「食べないわよ。見てるだけで胃凭れしそうだわ」タラー・・・
五和「多めに作ったので好きなだけ持ち帰って下さいね。あ、でも冷蔵庫のきなことゴマはコウちゃんとウラのなので駄目ですよ」メッ!
固法「了解。ところで、その二人は?」チラッ・・・
神裂「浦上は里帰りです。香焼は自室で宿題をしている筈です。今呼んで来ましょう」スッ・・・
絹旗「あ、私呼んできます。皆さん先に食べてて下さい」テクテク・・・
禁書「それじゃ遠慮無く―――モキュモキュ・・・ふぅ。お彼岸が終わったら十五夜だね。その次はハロウィン! フフフっ……待ち遠しいんだよ」ニコニコッ
神裂「まるで日本人の様な考えですね……ええ、好きなだけ楽しみなさい。貴女の為ならいつでもパーティを開きましょう」フフッ
禁書「ヒャッハー! かおり、ありがとーっ! だいすきー!!」モグモグッ
神裂「いえいえ」クスクスッ
一同(過保護だなぁ)ハハハ・・・ - 636 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/10/01(火) 22:18:36.97 ID:kxpkxLVd0
- っ『バーコードバトラー』
結標「―――ってのを掘り出してきたわ。小萌の押し入れに入ってた」スッ・・・
麦野「今すぐ戻してきなさい」ハァ・・・
固法「ウチではペット禁止です的なノリね……というか、何それ。ゲーム?」ジー・・・
結標「さぁ。説明書も何も無かったから、何を如何するかも分かんない」キョトン・・・
神裂「じゃあ何故持って来たんですか?」ジー・・・
結標「いやぁ、誰か一人くらい分かるんじゃないかなぁと思って」ハハハ
麦野「で、このザマね。ちょっと待ってろ、ググるから―――あー、名前の通り適当なバーコード通して数値競うみたいだわ」フムフム・・・
固法「……それ、面白いの?」タラー・・・
麦野「さぁ。やってみないと分かんないんじゃない。とりあえず対戦モードで……火織ー、何か適当なバーコード無ーい?」チラッ・・・
神裂「では、このト●ポのバーコードを」ビリッ・・・
麦野「あいよ。結標、アンタ何かないの?」チラッ・・・
結標「その間通せるサイズの……ヴォルビ●クのラベルで良い?」スッ・・・
麦野「はいはい。じゃあ火織のからバーコード読み取って……読み取れないわよ」bbb!
固法「大分年季入ってそうだものね。何回か通してみたら」ジー・・・
麦野「ほぃ……カードスラッシュッ」bbb!
結標「またコアなネタを。もっとゆっくり通すんじゃない」ジー・・・
麦野「ダルいわね―――あ、通った。生命力2000:攻撃力1700:防御力300……これ強いの? 弱いの?」キョトン・・・
神裂「さぁ? 次のバーコード通せば分かるのでは?」ヒョイッ・・・
麦野「ヴォルビ●クね―――出た。生7300:攻1600:防200……生命力が倍近くあるんだけど」ハハハ・・・
固法「流石世界のヴォルビ●ク。それで、如何戦うの?」キョトン・・・
麦野「先行後行をルーレットで決めて、攻撃か回復かで戦うみたい。武器とかアイテムもあるらしいけど……如何使うか分かんないわ」ウーン・・・
結標「まぁ充分でしょ―――ヴォルビ●クが先行ね。じゃあ攻撃っと」ピロピロピロピロ・・・
神裂「んー……いきなり5500とか出たんですけど、もしかして1キルですか?」ポカーン・・・
麦野「みたいね。トッポ弱い……こんな感じでバーコード通して遊ぶんだとさ」ゴロン・・・
固法「正直、バトル云々で楽しむより読み取ったバーコードがどのレベルか見てみる方が楽しそうね」ハハハ・・・
結標「かもね。じゃあ適当にバーコード集めて通してみましょ―――」ワイワイ・・・
にゃーん・・・・・
香焼・絹旗「「 」」タラー・・・
麦野「―――クっソが! 何で弱いんだよ! 絹旗の超Z級DVD!」ウガアァ!!
神裂「―――ふふふっ。この、香焼の新品パンツのタグが今のところ最強みたいですね」ニヤニヤ・・・
麦野「つっかねぇなぁオイ! こうなったら私も、アイツの卸す前のブラのバーコード切り取って戦うしか」グヌヌゥ・・・
固法「……発想が狂ってるわね」ハァ・・・
結標「大丈夫、元々よ―――あ、おかえりー。遅かったわね」チラッ・・・
香焼・絹旗「「……、」」タラー・・・ジトー・・・
神裂「……あっ」ダラダラ・・・
麦野「絹旗、お前この前新しいブラ買ってたな! 誰に見せるか分かんねぇけど艶っぽいAAカップ(ちっぱい)の! あのバーコードを―――」
絹旗「死ンねえええええええええええええええええェ!!」フシャアアアアアアアアアアァ/////// - 637 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/10/01(火) 23:38:02.94 ID:WzL5vlQU0
- っ『身長』
神裂「―――七夕の短冊やら正月の絵馬やらに、あの子は必ずこう書くんですよ」ハァ・・・
固法「あははは……まだ成長期だし、そんなに急ぐ必要も無いと思うんだけどなぁ」ポリポリ・・・
結標「そうね。それに、大きくなった香焼くんなんてあんまり想像したくないわ」ハハハ・・・
麦野「せんせー、結標さんがまたショタコン拗らせてまーす」ヤレヤレ・・・
結標「だからショタコンじゃないっつの。純粋に小さいモノを可愛いと捉えられるだけよ」フンッ
麦野「自覚無い分、性質が悪いわね。因みに、絹旗はそれに加えて『胸』が入るわ」ハハハ
固法「心配しなくてもまだまだ成長するわよ。私だって中一の時はそんなに大きくなかったもの」ヤレヤレ・・・
結標「アンタが非行に走る前の話ね」ニヤニヤ・・・
固法「非行言うな。まぁ否定はできないけど……良い想い出だしね」コクッ・・・
神裂「過ぎた事をぶり返しても意味はありませんよ。さておき―――身長ね」フム・・・
麦野「ぶっちゃけ、私ら女子の中でも結構タッパある方なのよね。結標は160前後で日本人だと平均くらいか」チラッ
結標「牛乳も私よりちょいデカいくらいで平均じゃない」ジー・・・
固法「あー……実は、私まだ身長伸びてる」ハハハ・・・
麦野「だから自ずと胸もデカくなる訳ね。私は義手とか義眼とか、半分機械化してる所為で止まったと思うわ」サラッ・・・
神裂「また生々しい事を。私は……そういえば14,5歳からあまり変わってませんね」フム・・・
結標「アンタ、中坊の頃からバスト100あったの!?」ギョッ・・・
固法「はははは……でも、食蜂さんとか婚后さん―――常盤台の子達もそのくらいのサイズはいるわよ。多分、私より胸大きいし」ポリポリ・・・
結標「……この世は残酷ね」ドヨーン・・・
神裂「結標さんはちゃんと栄養取れば成長しますって。倹約家と守銭奴は大違いですよ」チラッ
麦野「まぁコイツの辞書に『ふくよか』なんて文字は無ぇからな。美偉とか滝壺見習え。彼氏持ちは『ふくよか』だぞ」フフッ
固法「麦野さん?」キラッ・・・
結標「ふんっ。んな事言ったらアンタだって男居ないじゃない―――でも恋人として身長高い男性って、どのくらいまで許容範囲かしら」ウーン・・・
麦野「最低限、自分より大きい方が好ましいわよね。大体は170越えてるけど。あ、結標は小さい子の方が良いのか」ハハハ
結標「馬鹿じゃないの……因みに、牛乳の旦那ってどのくらい?」チラッ
固法「先輩は180強よ。ブーツ履いたり髪結ったりするから190越えて見えたりするわね」コクッ
神裂「ふむふむ。そういえばステイルがそろそろ2mいきそうですよ」ジー・・・
麦野「デカ過ぎ。許容範囲外。包容力通り越して恐怖すら感じるわよ」ハァ・・・
固法「言い過ぎ。そういえば、上条くんは170ちょいくらいよね」チラッ
神裂「多分、それくらいかと……何か」ムゥ・・・
固法「ふふっ、別に。あと一方通行くんは170無いくらいかしら。浜面くんは180前後よね」チラッ
結標「アイツ、ヒョロくて撫で肩だからよく分かんないわ……だから何よ」ジトー・・・
麦野「浜面のヤツは無駄にガタイだけは良いからねぇ……何だよ」グッ・・・
固法「んふふっ。なーんでもないっ。あ、そういえば都市伝説で高身長の人に顎グリすると、頭身分、身長分けて貰えるとか―――」クスクスッ
香焼・絹旗「「身長分けて下さい」」グリグリグリ・・・
ステイル「おい馬鹿止めろ。気味が悪い」ゾゾゾゾォ・・・
禁書「私も私もー」グリグリ・・・
ステイル「っ!?」ドキッ・・・///
削板「お前満更でもないのな」ハァ・・・ - 638 :第Ⅳ話―――五和「J☆Kとは!」 浦上「女子☆カオリの略!」 香焼「不敬だ常考」 [saga]:2013/10/03(木) 22:38:57.84 ID:inPcIOed0
- っ『台風』
ゴオオオオオオォ・・・・・
神裂「……外、凄いですね」ジー・・・
麦野「外出なくて正解だったわね。こりゃ雨止むまで泊まりコースかしら」ジー・・・
結標「替えの下着足りるかしら。最悪、浦上の借りるしか無いわね」ジー・・・
固法「いやいや、明日平日よ。学校あるで……3人は無いのか」ハァ・・・
麦野「模範優等生ちゃんは大変ね。ま、泊まり云々は冗談で車(浜面)呼ぶから乗って行きなさい」サラッ
固法「助かるわ。ホント、浜面くんには感謝ね」ポリポリ・・・
結標「頼むから私も乗せてね―――そいやぁ流石に五和と浦上は此処来れない感じなの?」チラッ
神裂「普段、学園の舎からバイクで来ますからね。この天候だと、厳しいでしょう」ウーン・・・
麦野「そうなると……坊やと二人きりか」フーン・・・
神裂「何か?」キョトン・・・
麦野「いや、あの子と火織が二人きりって……何かなぁと」ジー・・・
神裂「別段、変わった事はありませんよ。まぁ五和と浦上が居ない分、幾分か静かですけど」コクッ
結標「いやぁ、実は二人きりの時は―――」
固法「す、ストップ! 何言いだすの!?」アタフタッ///
結標「―――……は? いや、ただ香焼くんが甘えん坊になるのかなぁって聞こうと思ったんだけど」ピタッ・・・
固法「……うぇ」カアアァ///
麦野「おうおぅ美偉ちゃーん! 一体どんな妄想したのかにゃーん? お姉さんに聞かせてみー」ニヤニヤ・・・
結標「コイツ、常識人に見えて頭ん中一番エっロぃわよね。流石万年発情期の人妻学生」ウフフフ・・・
神裂「えっ……んぁ? 別にあの子は甘えたりしませんよ。私もダラしなくなったりしませんし」ポカーン・・・
麦野「そういう事じゃなくてねぇ。美偉はきっとアンタとあの坊やがチョメチョメな禁断の」イッヒッヒッ!
固法「だああああああぁ!! そ、そんな事より当の香焼くんは!?」アbbbb・・・
神裂「はぁ。あの子は……多分、外ですよ。絹旗さんと削板さんも一緒でしょう」フム・・・
結標「この嵐の中!? 馬鹿じゃないの!?」ギョッ・・・
麦野「絹旗は『装甲』利用すりゃ雨風関係無いからね。⑦(根性バカ)は気合で何でもかんでも通せそうだけど……坊やは酷ね」ハハハ・・・
神裂「あの子もそんなに柔では無いですから大丈夫でしょう……野良猫達が心配らしく、見に行った様ですよ」フム・・・
固法「優しいわね、最愛ちゃん」チラッ
麦野「ケッ。猫臭ぇのなんの。因みに、ノッポ(ステイル)は?」ヤレヤレ・・・
神裂「あの子は……まぁ何処かで雨風を凌いでいるでしょう。此処に来てないという事は、上条宅か土御門宅に避難しているのやも」コクッ
結標「土御門の家とか絶対行きたくないわ。『玄関先でTMRごっこしたら居れてやるぜぃ』とか言いそうだもん」タラー・・・
固法「もしくは『【嵐の中で輝いて】歌え』とかね―――しかし酷いわね。事故とか多そう……風紀委員の呼び出し来たら如何しようかな」ハァ・・・
麦野「そん時は火織連れてけ。宇宙でも活躍出来る女だ。暴風雨程度何て事ぁ無いでしょ」ハハハ
神裂「あぁ……流石に色々キツかったですね。二回くらい行きましたが、酸素や重力より直射日光が痛かった」ウーン・・・
結標「え、あ、アンタそれマジレス? それとも麦野(コイツ)のボケに乗ってあげてるの?」ピタッ・・・
神裂「へ? 何が?」ポカーン・・・
固法「……えっと」チラッ・・・
麦野「察しろよ。ガチで、そういう女なんだって」
神裂「流石に、自然災害(台風)には挑めませんよ。私は別に、神様って訳では無く……皆さんと同じJKなんですからね」フフッ - 639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/10/03(木) 23:29:52.41 ID:OxQnqdQq0
- はい、これにて第Ⅳ話終わりです。このスレでⅥ話まで行けるかな?
第Ⅴ話の長さ次第で、第Ⅵ話は英国編アニェーゼ話にします。
とりあえずⅤ話のアンケート!
①佐天&絹旗編 (都市:ほのぼの?)
②『香』編 (都市:ギャグ?)
③黒子編 (真面目? 行間ヒロイン有り?)
④その他 (リクエストお願いします)
因みに……寝落ちて無いから、エロは無しで良いですよね?(震え声)
それでは例の如く、質問意見感想罵倒、アンケート協力お願いします! んじゃまた次回! ノシ” - 663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/10/07(月) 20:44:33.18 ID:u6DLrszX0
- 安価は②で決定です。①はまた次のスレでやりましょう。
んじゃボチボチ投下! - 664 :第Ⅴ(27)話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/07(月) 20:53:21.66 ID:B1B/REda0
- ―――とある平日、AM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・香焼side・・・
おはようございます。天気は晴天、秋の澄んだ空―――さて、今日は平日。起床して、最初にする事といえば何ですか?
神裂「はい、おはようございます―――新聞を取りに行きますね。朝一の日課になってます」フム・・・
五和「ふぁあぁ……おはょ―――シャワーかな……低血圧気味だと、うん……朝シャン必須です」グデェ・・・
浦上「おっはよーございまーす―――起き開けの牛乳一杯! 目指せ固法さん級!」ゴクゴクッ・・・
成程。各々バラバラな回答。この問いに正解不正解など無い。
因みに、僕の場合はトイレに行ってその後顔を洗ってなのだが……それはさておく。
では、その次の行動は?
神裂「朝食の準備です。あ、私の当番の日はですけど。勿論、もあいのご飯も準備します」グツグツ・・・
もあい「にゃぅ」ムニャムニャ・・・
浦上「お姉の後にシャワーですネ。私、髪長い所為でお姉より時間掛っちゃいますから」ニャハハ・・・
五和「ねむぅ……事務報告のチェックかしら……上(本部)と下(若衆)からの報告まとめ。後、日報連絡」パタパタ・・・ファアァ・・・
ああ―――まだ、止むを得まい……じゃあ、次は?
神裂「揃って朝食です……が、先程から何を言いたいのですか?」フム・・・モグモグ・・・
浦上「見れば分かるでしょう。まーた、しょうも無い事ゴチャゴチャ考えてるんですネ」フフッ
五和「うーん……姉さん、教皇代理への連絡、昼前までで良いですかー」ネムネム・・・ウツラウツラ・・・
神裂「やれやれ。大目に見ますから、さっさとご飯食べてしまいなさい。お味噌汁、こぼれそうですよ」フフッ
香焼「……、」ハァ・・・
百歩譲って、此処までは許容範囲。良しとしよう―――ラストチャンス。次は如何するの?
五和「ごちそうさまでした―――ハミガキ、ウンチ。順序は決まってません」グデェ・・・サラッ・・・
浦上「お姉ー。全国の五和ファンの人達が目を逸らす様な台詞サラりと言わないで下さいヨ……でも大体そうですよネ」ハハハ・・・
神裂「食器洗浄機のボタンを押して、ハミガキ。それから洗濯、掃除、朝ドラ→昼ドラ、お昼寝、皆帰宅……最近このペースです」コクッ・・・
浦上「姉様、マジ主婦!」シャカシャカシャカシャカ・・・
五和「場合によっては麦野さんと結標さん、それから禁書目録と最愛ちゃんが遊びに来てますよね」シャカシャカシャカシャカ・・・
神裂「彼女達は学校行ってませんからね。ですが、最近は結標さんと絹旗さんに文系課目を教えてたりしますよ」シャカシャカシャカシャカ・・・
アンタら、ハミガキしながら良く喋れるな……じゃなくて! 自分が言いたいのはっ!!
香焼「着替えろよっ! 早くさぁ!!」バンッ!
3姉妹『ふぇ?』キョトン・・・
もあい「にゃん?」ポカーン・・・
マヌケな顔して『ふぇ』とか言うな。三人とも口端から泡こぼれそうだぞ。
五和「んー、とりあえずコウちゃんも歯ぁ磨いたら? 学校遅れるよ」シャカシャカ・・・
ああ、もう! 馬鹿な恰好して正論垂れてるコイツに腹が立つ!!
隣の二人も便乗して頷くな。朝っぱらから低血圧でもないのに……頭が、頭痛で、痛くなる! - 665 :第Ⅴ(27)話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/07(月) 21:20:06.31 ID:B1B/REda0
- 止むを得ず、自分も歯を磨く。そしてなるべく三人の方を向かず、説教を続けた。
香焼「どんだけ堕落してんすか……自分、男っすよ」ムグゥ・・・シャカシャカ・・・
神裂「はぁ。分かってますよ」ポリポリ・・・
五和「まぁコウちゃんがこの手のヒス起すのはいつもの事でしょう。今回は何で怒ってるの?」ハテ・・・
香焼「腹立つ言い方っすね……言ったまんま。服着て無い事に怒ってるんすよ」ジトー・・・
浦上「てか、別に着てない訳じゃないっしょ。香焼がスケベな目ぇするのが悪いんじゃないカナ」ニヒヒッ・・・
じゃあお前ら。他の男性教徒、もしくは知人、更には―――上条さんの前で、その恰好でウロウロ出来るのか。
神裂・五和「「あはははは―――出来る訳無いでしょうッ!!?」」カアアァ///
浦上「あははは。乙っ女ー」ケラケラッ
香焼「お黙る。兎に角、自分も、その……一応は思春期なんだから、気を使って欲しいんすけど」フンッ・・・///
因みに、三人の恰好。
姉さん―――寝巻き(浴衣、下着付けず)。 五和―――下着。 浦上―――下着&Yシャツwithサイハイソックス。
無論、自分は顔を洗った後、イの一で制服に着替えてる。
浦上「はいはーい。私、キチンと着衣ってまーす」フンッ
五和「ウラぁ。その恰好は確かに、姉ちゃんから見てもエロいと思うよ。マニアック的な意味で」ウーン・・・
神裂「私は、学校も無いので、皆が出張った後に着替えても問題無いのでは?」ハテ・・・
香焼「……OK。一人ずつ、解決していこう」ヤレヤレ・・・
まず姉さん。
香焼「……直視出来ないっす」ハァ・・・///
神裂「え?」キョトン・・・
五和「姉様。確かにエロいんですよ。普段もエロいですけど、寝起きのその恰好は反則級でアウトです」ジー・・・
浦上「胸元肌蹴てますもんネぇ。あと、帯が緩まって……ぐへへぇ」ジュルリ・・・
お願いだから、着替えて下さい。もしくは、スウェットやらパジャマやら、普通の寝巻き着てください―――次、五和と浦上。
香焼「―――だらしない」ッタク・・・///
浦上「あるぇ? 直視は出来るんだぁ」ニヤニヤ・・・ツンツンッ
香焼「っ……だぁ! 触るなっ!」アタフタ・・・///
浦上「んふふっ。初のぅ初のぅ。お姉も触っちゃえー」クスクスッ
五和「あはは。まぁでも、私は気にしないよ。コウちゃんは家族だし」サラッ・・・
香焼「何度も言ってるけど、親しき仲にも礼儀ありっす。仮にも、若衆筆頭なんだから、風紀とかそういうの考えてさぁ……もぅ」ムゥ・・・///
駄目姉とはいえ、客観的に見れば、五和はナイスバディだ。中一男子からしてみると、下着一丁で居られたら目のやり場に困る。
浦上「ほぉ、真っ赤っか……お姉。香焼はお姉に対して―――」ニヤニヤ・・・ゴニョゴニョ・・・
五和「―――っ!? だ、駄目よコウちゃん! 私達、血の繋がりは無いとはいえ義姉弟でしょ。あぁ! そんな禁断の園にはっ!!」アワワワ・・・
香焼「……殴って良いっすか」ギリリリ・・・///
神裂「ま、まぁまぁ―――確かに、配慮すべきですね。最近、私までも馴染み過ぎて堕落してました。反省しましょう」アハハハ・・・
姉さんがそう言ってくれると助かる……とりあえず、その無駄にデカい二房メロンをしまえ。あと、浦上、スカート穿け。 - 666 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/07(月) 22:49:37.74 ID:B1B/REda0
- ―――という感じで注意したところで、止めるコイツらではない。
せめて姉さんだけでも気を使ってくれるだろうと期待したのだが、変わったのは寝る時に下着を着用するようになった事だけ。
結局、いつまで経っても自分を男性として見てくれる事は無いのだろうか。ホント、泣けてくる。
しかも周りの誰かに相談しても返ってくる答えの大半が『裏山死刑』だったりするので如何しようもない。
上司兼友人たるステイルに相談しても『飛び火するから我関せず』だ。あのムッツリスケベ野郎。もう禁書目録の写真やらない。
しかし、親身に相談を受けてくれた人もいた。
最愛の兄貴分―――浜面さん。彼も自分と全く同じ悩みを持っていた。
だけども、悲しいかな……彼の場合、周りの(アイテム)女性陣が強過ぎて何も言えない立場だった。心中お察しします。
あとは我らが英雄―――上条さんにも相談したかったのだが……姉さんと五和の『凄み』が効いた睨みの所為で、何も言えずじまい。
言った刹那……自分の胴体と頭がオープンゲットしかねない。せめて、あの人の前では『乙女』でありたいという『漢女』達には敵わないのだ。
兎角こんな、イライラ9割:モンモン1割の生活が続くのに慣れなくてはならない自分の心境も察して欲しい。
香焼「―――ったく……やだもぅ」ヌギヌギ・・・
さておき―――今日はいつもより、早めに起きた。といっても、周2,3回行っている早朝ランニングという訳ではない。
余談だが、自分らの普段の起床時間は6時~半くらい。早朝ランニングの日は5時前後。
そして今日の起床時間は5時半。理由は色々『支度』があるからで―――つまりは『任務』だ。
香焼「五和起きる前に、シャワー浴びようかな」テトテト・・・
今日の任務は『清潔感』も重要視される。別段、自分が臭いとは思わないのだが、やはり気を使ってしまうのだ。
パパッと髪と身体を洗い、風呂場から上がって身体を拭き、髪を乾かす。
そしてボクサーパンツを穿きタンクトップを着て―――メイン準備に取り掛かる。
いつまで経っても慣れないのだが、まずは『心(スイッチ)』の切り替えが大事だ。
香焼「いや、ぶっちゃけ現実逃避したいんすけどね―――」ハァ・・・
洗面台の鏡(姿見)を見ながら盛大な溜息。そして、嫌々ながらも―――常盤台中学(女子校)の制服に着替える。
Yシャツに『リボン』。そして上からブレザーに『スカート』……男の尊厳、さようなら。
されど着馴れてしまった虚しさを拭いつつ、次の準備に取り掛かる。
髪止めをして、下地を塗る―――といっても、最低限のボディミルク&日焼け止め程度。
余談だが肌が荒れてたり、クマが酷かったりした場合はファンデやコンシーラなどのベースメイクもするのだが、今日は特に問題無い。
眉の調整―――基本の形は既に作ってあるので、最低限の整えのみ。見た所、少々眉下が伸びてきたので軽くピンセットで抜く。
別段、眉毛が薄い訳でも濃い訳でもないので、描いたりはしない。多少丸み掛った普通の眉だ。
次に睫(まつげ)―――最早ビューラーも慣れたモノ。テキパキとカールさせ、真ん中・目頭・目尻・下睫目尻の順にマスカラを塗る。
基本、中学生のナチュラルメイク風(?)なので、シャドーやラインなど、本格的なアイメイクは行わない。
次は唇―――サラリとリップを塗り、ちょこんとグロスを乗せる。ベッタリは塗らず下唇の真ん中に置いてやり、それを軽く伸ばした。
最期は髪―――長さはどうしようもないので、ある分量で弄る。ムースを手にし、ふわふわと全体を浮かせてみた。
香焼「―――……こんなモンで良いかな」ジー・・・
目の前に別人が居る。『任務』的には評価すべき『変装』なのだが、男の尊厳が……うん。
精一杯、溜息を吐いた後、洗面所を出る。幸か不幸か、今日は自分が朝飯当番だ。3人が行動し出す前に準備してしま―――
五和「―――……んー」ガチャッ・・・チラッ・・・
香焼「っ!!?」ギョッ・・・アタフタッ///
五和「……、……おふろ」テクテク・・・ヌギヌギ・・・
香焼「おっ! まぇっ!? まだ寝惚けてっ!!」カアアァ・・・ドキドキッ///
五和「コウちゃん、邪魔……私、シャワー……ふぁあぁ」ガチャッ・・・ジャアアアァ・・・
香焼「 」プシュウウゥ・・・///
―――あぁ畜生、五和のクセにハラハラさせやがって……やっぱ、精神衛生上宜しくないなぁ。 - 667 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/07(月) 23:26:29.58 ID:B1B/REda0
- 朝一の大事故を記憶の彼方に追いやり、もあいの無邪気な寝姿で心を落ち着かせながら、朝食を準備する。
冷蔵庫から作り置きのサラダのボウルを取り出した時、客間(姉達の寝室)のドアが開いた。
浦上「―――んふぁぅ。おは……れぇ?」ピタッ・・・
香焼「おはよう。牛乳ね」バタンッ・・・
浦上「あ、うん。どもども……ん? あー……い、いや。にゃはは。ちょっと寝惚けてるかも。ちゃっちゃと風呂入っちゃいますネー」パタパタッ・・・
朝から忙しないヤツだ。さておき、一人分2枚食パンを焼き、バターを塗ってハムエッグを挟み、サンドイッチ完成。
あとは全員分のサラダを揃えコーヒーを淹れたら、準備OK―――そろそろ一同集まる頃だ。
神裂「―――んっ……おはよ、ぅ……ございます?」ピタッ・・・
香焼「あ、はい。おはようございます」ペコッ・・・
神裂「……え?」キョトン・・・
香焼「はい?」ポカーン・・・
何故固まる。続いて、五和が風呂から上がってきた。
五和「寝むぅ……うぇ」ピタッ・・・
香焼「……だから洗面所で制服着てくれよ。反応に困る」ムゥ・・・///
五和「え、あ、おぅ?」タラー・・・
香焼「しかも自分居るのに素っ裸になり出すし。寝惚けてるからって勘弁してくれよ……姉さんからも注意してやって下さい」モゥ・・・
神裂「へっ? あ、はい」アタフタ・・・
香焼「姉さん?」チラッ・・・
何だ、この空気。
神裂・五和「「……、」」チラッ・・・チラッ・・・
香焼「何すか」ジー・・・
神裂「い、いえ。あはは……(なぁにこれぇ)」チラッ・・・
五和「な、何でも無いよ……(姉さん、ツッコミお願いしますよ)」チラッ・・・
さっさと席に着けば良いのに。棒立ち二人を余所に、浦上が風呂から上がってきた。
相変わらずスカートを穿かないまま、固まってる二人を後目に、自分の斜め前に坐した。
浦上「いやぁ、スッキリしたぁ。って事は寝惚けて無いんですネ、私―――ねぇ香焼。何で朝っぱらから『香』モード?」ジー・・・
神裂・五和「「っ!!」」バッ・・・
香焼「はい?」ポカーン・・・
もあい「にゃ?」トコトコ・・・
沈黙。
香焼「えっと、昨日話したっすよね」ジー・・・
神裂・五和「「……、」」フルフル・・・
浦上「聞いてないですヨ」アハハハ・・・
神裂・五和「「……、」」コクコクッ・・・
成程。だから驚きのあまり固まってたのか。一応、昨日説明したつもりだったんだけどな。
それじゃ―――ご飯がてら説明しよう。だから服着て席に着け。 - 668 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/08(火) 00:12:54.81 ID:P4ivJ/0r0
- やけに余所余所しい馬鹿1号(五和)とV3(姉さん)を落ち着かせる為、説明開始。
香焼「今週と来週は、重点的に常盤台(操祈さんとこ)通う予定っす。土御門から報告書来てますよね」モグモグ・・・
神裂「そういえば、そんなのがあった気が」チラチラッ・・・
五和「最近、資料とか報告書多くて忘れてました」チラチラッ・・・
止むを得まい。忙しい二人だ。木端教徒一人分の指令なんかに一々目を通してる暇もないのだろう。
それに、この任務は最早然程重要でも無くなった。
当初、超能力者第5位―――心理掌握(メンタルアウト)、食蜂操祈さんは学内に一大派閥を築きつつも、外に向けて交友関係を持つ事は無かった。
しかし、彼女は英国(土御門の思惑)として、是非とも『上条勢力』に入っておいて貰いたい一人だった。
故に、諜報・潜入員として彼女と『仲良く』すべく、自分が選ばれた―――が、既に自分が如何こうする必要もない様に思われる。
操祈さんは上条さん(もしくは御坂さん)に、比較的、協力・友好的だ。敵対する事は無いだろう。
浦上「んじゃー、何で今更2週続けて訪問を?」キョトン・・・
香焼「それはよく分かんないっす。土御門なりに考えがあるんじゃないかなぁ」ポリポリ・・・
五和「まぁ何手先も読んでる人だから、意味はあると思いますけど」モグモグ・・・チビチビ・・・
香焼「うん。だから、2週間は朝から化粧しなきゃ駄目なんすよ」グデェ・・・
神裂「それは、その……頑張って下さい」ハハハ・・・
おかげで30分早起きしなきゃならない。尤も……操祈さんに会うのが嫌という訳じゃない。寧ろ、それは楽しみにしてる方だ。
だけど、やはり朝を早くしなきゃならない億劫さと―――男の尊厳が傷付く。
浦上「ふぅん。じゃあ……私らと一緒に登校って訳ですネ」ニヤリ・・・
香焼「えっ」ピタッ・・・
浦上「だって常盤台も『学舎の園』の中でしょ。私らの学校も『園』の中だもん」フフフ・・・
五和「お、おぉ!」ガタッ・・・
何という事だ。そこまで考慮してなかった。
因みに、今までは3,4限目頃に遅れて登校していた為、二人と登校時間が被る事は無かった。
しかも幸運にも、コイツらと『園』の中でかち合った事は無い。
五和「つ、遂に私とコウちゃんが一緒に登校出来る日が来た! 姉さん、今晩は赤飯です!!」バッ!!
香焼「何の期待だ馬鹿女郎……てか、二人ともバイク通学じゃなかった?」ジトー・・・
五和・浦上「「あっ」」ピタッ・・・
本来2人は『園』の中にある寮・アパートに住んでる事になっている。
しかし、特に理由は無いのだが……我が家に入り浸る事が多いので、バイクで『園』まで通学する事が殆どになっていた。
※五和のバイク(都市製の新型ビックスクーター)は英国の予算から出てます。管理職特権羨ましい。
五和「ぐぬぬぅ……じゃ、じゃあ2週間は電車とバスで通学を」タラー・・・
神裂「今、第一学区(此処)から第七学区(『園』)まで電車で行ったら完璧に一限遅刻するのでは?」フム・・・
浦上「……Oh」タラー・・・
香焼「自分は常盤台の中で特別クラス扱いだから何限から出ても問題無いっすけど、2人は普通科だし拙いっしょ」ヤレヤレ・・・
五和「くぅ……こんちくしょー」グデェ・・・
もあい「にゃう」フシフシッ
お馬鹿なヤツ。
というか極力目立たない様にしなければいけないこの任務で、お前らと一緒に居たらサーカスのライオン宜しく目立って仕方無い。勘弁してくれ。
兎角、さっさと飯終えて家出ないと。遅刻可能とはいえ、ダラダラし過ぎるのも時間の無駄だ。有意義に過ごそう。 - 669 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/08(火) 01:24:30.78 ID:P4ivJ/0r0
- 時間にして7時半前。そろそろ家を出なければ『待ち合わせ』に遅れるのだが―――
五和「―――コウちゃん、リボンが曲がっていてよ。ボタンもちゃんと閉めなきゃ駄目です」キュッ・・・
浦上「―――髪はもうちょっとくしゃくしゃしてても可愛いですヨ。ああ、でも毛先だけ巻いた方が最愛ちゃんみたいかな」フフフッ
神裂「―――くれぐれも言葉遣いには気を付けて。それから『女性らしく』品のある行動を」コクコクッ
香焼「……、」グデェ・・・
―――コイツら、己の事は棚に上げてこういう時ばっか女子らしくするんだから腹立つ。
さておき、自分が操祈さんと会う際には、必ず『保険』を掛ける事になっている。というのも、自分が操祈さんに操られない様、監視する為だ。
今となってはその心配は殆どしてないのだが、一応、万が一があるやもしれないので『保険』は継続となっている。
『保険』の殆どは『妹達(シスターズ)』の誰かとなる。
中でも土御門さん、海原さんと交流が深い個体番号17600号―――通称:プロスネーク(御坂蛇)さんとペアになる事が多い。
五和「ハァ。それじゃあ先に行きますけど……コウちゃん、お昼一緒しようよー」ジー・・・
香焼「イヤだ」キッパリ・・・
浦上「ザックり言いますネぇ。まぁでも帰りくらいは一緒しましょ」フフッ
極力会いたくないので、頑張って避けます。
神裂「やれやれ。仲良くなさい……ですが五和。香焼の任務の邪魔にならない様にして下さいよ」チラッ・・・
五和「分かってます。それじゃあウラ、行くよ」スッ・・・
浦上「はいはい。って、あー」チラッ・・・
自分の方を―――正確には、自分の足の方を見遣る浦上。如何した。
浦上「香焼。結構寒くなってきたから、スカートの下に何か穿いた方が良いかもしれません」マジマジ・・・
香焼「え? あー……スパッツだけじゃ駄目かな」ポリポリ・・・
五和「普段生足で慣れてれば大丈夫だけど、基本男の子って足出して歩かないでしょ。冷えるとシンドイと思うな」コクッ・・・
香焼「うーん……といっても、穿くモノ持ってないっすよ。ジャージで良い?」フム・・・
3姉妹『駄目(です)』キッパリ・・・
この人達、普段ダラしないクセにこういう所しっかりしてるんだよなぁ。それは別として、いったい如何しろと。
浦上「私の何か貸しますヨ。大体サイズ合うでしょう」ピンッ
香焼「あー、でも……良いの? 自分が穿くんすよ?」モジモジ・・・
浦上「別にぃ。『汗以外』で汚さないなら、普通に貸しますヨぉ。蒸れちゃうのは許容範囲」ニヤリ・・・
香焼「っ! 変態っ……馬鹿女郎っ」グヌヌゥ・・・///
神裂・五和「「へ?」」キョトン・・・
もあい「なぅ?」ゴロゴロ・・・
変に意識させるんじゃない。それよか、何を貸してくれるんだ。
浦上「それじゃあ―――①黒タイツ ②白ニーハイ ③ストッキング ④やっぱ貸さない―――の、どれかにしましょう」テクテク・・・
香焼「……はぁ」ポリポリ・・・
浦上「あ、因みに安価ですけど、別段選択肢によって√が如何こうなる訳じゃないですヨ」ニャハハッ
訳分かんな(メタ)い事言うな。じゃあ……――― >>672 - 671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/08(火) 02:02:33.57 ID:zsYuScTzO
- 乙
① - 672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/08(火) 02:06:39.94 ID:3gZqO4cLo
- 乙です 1
- 673 :続き投下! [saga]:2013/10/08(火) 21:24:43.85 ID:8JJljqEV0
- ―――それじゃあ何となく温かそうなタイツ貸して下さい。
浦上「はいはい。因みに、他の二つは何で選ばなかったんですかー?」チラッ・・・
香焼「うーん。ニーハイとかストッキングって、まんま女性物じゃん。やっぱ正直、抵抗が」ポリポリ・・・
五和「なんでー? 良いじゃん、ニーハイ。きっと似合うよ」コクッ
香焼「だったら尚更嫌だ。浦上、兎に角さっさとお願い」ペコッ・・・
一寸後、新品の黒タイツを持ってきた浦上。
態々卸してないモノを貰うのは申し訳ないと思う反面、何故か残念と馬鹿な期待をした自分を殴りたい。
五和「ふむふむ。此処で敢えての60デニールを渡すとは……ウラ、分かってるね!」グッ!
浦上「そこまで深い意図は無かったんですけどネ。もしこれで寒かったら、もうちょい濃いのあげるから」スッ・・・
香焼「いや、ありがと。新品の買って返すね」ビリッ・・・
神裂「ん? そのまま穿くのですか?」ジー・・・
香焼「えっ」キョトン・・・
神裂「スパッツの上から穿く気ですか、という意味です」ジー・・・
出来ればそうしたいのだが、拙いだろうか。
浦上「うーん。ちんちん抑えつける為にスパッツ穿きたいのは分かるけど、相当蒸れると思いますヨ」ビシッ
香焼「ちんt……ストレートに言うな馬鹿っ! ったく……でも、脱いだら危険じゃない?」ポリポリ・・・///
五和「穿けば分かるけど、タイツも結構圧迫感あるから大丈夫だと思うよ」コクッ
神裂「不安ならタイツの上からスパッツ穿けば良いと思いますけど……色々大変かと。あと、やはり不自然ですね」フム・・・
香焼「じゃあ」
浦上「あ。そういえば……ちゃんと穿けます?」チラッ・・・
香焼「は?」ポカーン・・・
五和「確かに。コウちゃん、タイツ一人で穿ける?」ジー・・・
香焼「ぇ……意味が分からない。さっさと穿いてくるよ」テクテク・・・
3姉妹『……ふーん』ニヤニヤ・・・
含みある微笑が気味悪い。兎に角、さっさと穿いてしまおう。
3人の前で着替えるのも恥ずかしいので、洗面所に移動。スパッツを脱ぎ、タイツを―――
「むっ」ピタッ・・・
―――そういえば、これ、足首から先も布地になってる。
「えっと、普通に穿けば良いか」グッ・・・
ズボンを穿く要領で、足を突っ込み……あれ?
「……えっ」ピッチリ・・・
キツい。穿けない。サイズミス……しかし浦上が入るサイズなら自分でも穿ける筈。もう少し頑張って引き上げてみようと、奮闘した結果―――
「いっ!」ビリッ・・・
―――……やってしまった。破けた。伝線、というヤツだろう。 - 674 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/08(火) 22:12:12.46 ID:8JJljqEV0
- 折角新品を貰ったというのに、やってしまった。足の爪が長過ぎたのだろうか。
しかし、如何しよう。一人で穿けると豪語した以上、『やっちゃった☆』などとオメオメ面を出すのも恥ずかしい。
でも……此処は素直に謝ってもう一枚貸してもらうしかない―――
浦上(ほら、やっぱ伝線させたっしょ)コソコソ・・・チラチラッ・・・
五和(あらら。私は盛大にスッテーンとスッ転ぶと思ったんだけどなぁ)ポリポリ・・・チラチラッ・・・
神裂(そうなると分かってたなら無理にでも手伝ってあげれば良かったでしょうに。あの子、頑固なんですから)ヒソヒソ・・・チラチラッ・・・
香焼「ぅ……ちょっ!? うぇ?! あぶっ!!」ハッ・・・グラッ・・・ドシーンッ・・・///
五和(あ、やっぱこけた」ハハハッ
浦上(言わんこっちゃない」ニャハハッ
神裂(『スッテーン』ではなく『ドッシーン』でしたね」アハハ・・・
―――と思った矢先……洗面所のドアが微妙に開いてて、馬鹿三人がピーピングトムってた。しかも途中から隠れる気無いし。
くそぅ、くそぅ……恥ずかしい&悔しい!
浦上「やれやれ。はい、それ捨てますから居間に準備したヤツ穿いて下さい。新品じゃないけど我慢して下さいネ」フフッ
香焼「くぅ……ど、どうもっ!」グヌヌゥ・・・///
神裂・五和((意地っ張り可愛い))ニヤニヤ・・・
屈辱だが、従う外あるまい。リビングへ移動し、ソファの上にあるタイツに手を伸ばす―――が、何故か浦上に奪われた。
香焼「なんだよ」ムスゥ・・・///
浦上「だーかーらー。学習しませんネぇ……一人で穿けないんでしょ?」ジー・・・
香焼「じゃあ、教えてよ。一人で穿くから」フンッ・・・///
五和「やれやれ、ツンツンしちゃって。人が折角誠意持って教えてあげようとしてるのにぃ」フーゥ・・・
神裂「浦上、五和。言い方があるでしょう……しかし香焼も、少しは大人になりなさい」ヤレヤレ・・・
腹立つ、が、姉さんの手前だ。我慢我慢。
冷静を装い浦上の方を見る。するとタイツを腰から爪先の方まで、クシャリと両手に丸めた。
浦上「女性物の『穿きモノ』は殆ど一度丸めた方が穿き易いですヨ。ストッキングやニーハイ・オーバーニー等もそうです」クルッ・・・
五和「それでもって、爪先に揃えて上にあげて行くのよ。ロールアップ、ロールアップ」グルグル・・・
香焼「成程、ありがとう。じゃあ今度は気を付けて穿くっす」スッ・・・
浦上「……、」ジー・・・
香焼「……何か」ピタッ・・・
無言で自分の足を見詰める浦上。そして何を思ったか……自分の肩を掴み、強引にソファへ座らせた。
香焼「へっ」キョトン・・・
浦上「お座る。また破られたら流石に困るので、今日は私が穿かせちゃいますネ」グイッ・・・
香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ!?」ギョッ・・・
神裂・五和「「……Oh」」マジマジ・・・
もあい「にゃん」ジー・・・
何故? Why? なにゆえ!? 如何してこうなる?!
即座に抵抗しようとしたのだが、ヤツの方が上手(うわて)。有無を言わさず爪先にタイツを当てられ、動きが取れなくなった。
暴れても良かったが、先程伝染させてしまった手前、抵抗を止めてしまった自分に拳を入れたい。 - 675 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/08(火) 22:59:27.35 ID:8JJljqEV0
※以下、馬鹿1号(いつわ)&馬鹿V3(ねーちん)目線!
にゃーん・・・・・
浦上「―――まったく、じっとして下さい。また伝線しちゃいますヨ」ピタッ・・・
香焼「じ、自分で出来るよ」モジモジ・・・
浦上「はいはい。お古のニーハイあげるからそれで練習して下さい。んで、一人でちゃんと穿ける様になってから威張って下さいな」ツツツ・・・
香焼「ぐぅ……っ!」ビクッ・・・
五和(お、おぅ)ゴクリ・・・///
神裂(これは、これで)ゴクリ・・・///
浦上「暴れちゃダメですからネ。よいしょ……うーん、香焼、相変わらず足綺麗ですネ」スベスベ・・・
香焼「まっ、余計なとこっ、触るなっ!」ビクンッ・・・///
浦上「はぁ。男のクセに無駄毛が無い。麦野さんに永久脱毛して貰ったんでしたっけ? 羨ましいですネぇ」ツツツツツ・・・
香焼「っ、ば、かぁっ」キュッ・・・
浦上「にゃはははは。女々しい声上げちゃってぇ。『香ちゃん』モードですかぁ?」ニヤリ・・・クイクイッ・・・
香焼「おまえ、が……っ……余計な事するから、だろ……ぁ、んっ」ピクッ・・・
浦上「はて? 余計な事って何です?」スッ・・・スッ・・・
香焼「っ……だろ。へんたい」ボソッ・・・///
浦上「聞こえませーんヨ」ニコニコッ・・・ツツツッ・・・
香焼「ひゃぅ! く、くすぐったいんだ! この馬鹿姉っ!!」グゥ・・・///
浦上「んふふーっ。可愛(やらし)いですネぇ……あ」ツツツ・・・ジー・・・
香焼「え……なっ! ちょ、見るなっ!!」カアアァ///
浦上「やれやれ、黒のボクサーなんて色気無いですヨぉ。単色じゃなく帯の部分が別の色だったりした方が、可愛らしいですって」クスッ・・・
香焼「何で浦上にイチャモン付けられなきゃいけないんすか。自分のパンツぐらい自分で選ぶよ……てか、見んなっ!」モゥ・・・///
神裂(お、女の子というか姉妹がじゃれ合ってる様にしか見えませんが)ドキドキッ・・・///
五和(だが男だ―――けど、それなら禁断の姉弟愛的なきゃああぁ!!)ハラハラッ・・・///- 676 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/08(火) 23:15:47.00 ID:8JJljqEV0
にゃっふるにゃっふる・・・・・
浦上「―――ねぇ。もしかして……勃ってる?」チラッ・・・
香焼「た、勃ってない! だから見るな! てか、此処まで上げてくれたんならあとはもう一人でやるよ! ありがと離れろ!」アタフタ・・・///
浦上「ホント? じゃあ触っていいですよネ?」ニヤリ・・・
香焼「馬鹿言うなっ! 話を聞けえぇ!!」カアアアァ///
浦上「にゃはははっ! 真っ赤っかー。そんなんじゃレッサー受け流せないぞー」ニヤニヤ・・・スッ・・・
香焼「アイツは上辺だけのエロで、内心純情娘だから流すの容易いっての……ってもぅ! スカートの中に手ぇ入れるなぁ!」ジタバタッ・・・///
神裂(こ、こここ、これはっ! あ、姉として注意すべきなのでしょうかくぁwせdrftgyふじこlp;)ボンッ・・・///
五和(キマシタワー!? え、違う? もうどっちでも良いよぉ! ウラ、そこから押し倒して跨っちゃえぃ!!)ハァハァ・・・/// ●REC...
浦上「―――よいしょ、よいしょ。あとは皺を伸ばして……およ? 随分大人しくなりましたネ」クイクイッ・・・
香焼「……もぅ、良いや。好きにして」ハァ・・・///
浦上「えー。無理矢理が楽しいのにぃ」ブゥー・・・
香焼「変っ態。ド変態。皆に言い付けるからな」ジトー・・・///
浦上「言えるもんならどーぞ。勿論、私が『詳細』を事細かに補足してあげますからネぇ」ニヤニヤ・・・
香焼「……あほ」ムゥ・・・///
浦上「うふふっ。大丈夫、香焼ならお婿貰ってくれる人いっぱい居ますヨ。例え私に『汚されて』、『中古』になったとしても……ネ」ニヤリ・・・
香焼「おまっ……誤解招く様な発言すんなっ」ムググゥ・・・///
浦上「あはー。ほんっと『香ちゃん』状態の香焼は可愛いですネぇ……本気で食べて良いカナ? ねぇ―――」ペロリッ・・・スッ・・・
香焼「っ!?」ドキッ・・・///
神裂(す、すっす、すすすすす、スカートの中に手がああぁ!!)ムヒョーッ///
五和(そ、それ以上は駄目よ! 私達が見てると言うのに! あぁ!! コウちゃんが私と姉さんより先に大人の階段をっ!)ギラギラ・・・///
浦上「―――……はい、終わり。これでフィットした筈ですヨ。如何かな?」パッ!
香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ」ピクッ・・・ハッ・・・///
浦上「にゃっはっはっ。あれぇ? 如何したのぅ? 何か期待しちゃいましたかぁ?」ムフフッ
香焼「っ~~~~~ッッ!! もう知らない! 学校行くっ!」マッカッカァ・・・///
浦上「ありゃりゃー……やり過ぎたかな? まぁ楽しかったから、おkですネ」クスクス・・・
五和(ふぅ……朝っぱらから馬鹿な事を。若衆筆頭として、二人とも説教ね)ホッコリ・・・ ← 賢者モード
神裂(ふぅ……まったく、度し難いですね。聖職者にあるまじき行いですよ)ヤレヤレ・・・ ← 聖人モード
もあい「みゃぅ」ジトー・・・- 677 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/09(水) 01:15:24.38 ID:W40HDWkI0
- ―――結局、五和と浦上は完璧遅刻コース。慌てる浦上に反し、何故か満足げな五和……及び姉さん。訳が分からない。
忙しなく飛び出してった2人を見送り、自分も鞄を持って玄関に向かう。
香焼「それじゃあ行ってきます。理事校みたいに6限以降の居残りは無いので、帰りはいつもより早いと思います」チラッ・・・
神裂「ええ。気を付けて……ホント、気を付けて」ジー・・・
香焼「え、あ、はい。後の事、宜しくお願いします」ガチャッ・・・
もあい「にゃー」フシフシッ・・・
もあいを抱えた姉さんに見送られ家を後にする。
マンションを出た瞬間、確かに肌寒い気がした。成程、これでは生足は寒かろう。タイツにしといて正解だった。
さて……近所に知り合いは居ないのだが、何故か周りの目を気にしつつ、駅へ向かう。
余談だが、自分のマンションがある第一学区には、基本的に学生は住んでいない。
では何故自分のマンションがそこに在るかというと、単に理事校が第一学区に在るからという理由だ。
故に、そこへ通う理事校生の為、数件程、特別物件として専用マンションが建てられている。
だが不思議な事に、近所で同級生を見た事は無い。尤も、上辺だけで付き合ってる同級生の顔なんて殆ど覚えてないのだが。
「学ぶべき事は多いんすけどね……校内の空気がなぁ」テクテク・・・
理事校に通う生徒は、謂わば都市官僚(理事)予備軍。一学年一クラス20名程の少数精鋭だが―――殆どが高飛車だ。
誰も彼もが慣れ合いなどしない。
友達よりも、将来の派閥。能力よりも、それの使用法。遊びより、理事になる為の資金繰り。そんな考え方ばかり……正直、嫌になる。
出来る事なら普通の学生生活を送りたいのだが、あくまで自分は『潜入学徒』。贅沢は言えない。
「でもまぁ今週来週は、一、女学生っすね」ハハハ・・・
何の因果か、女子校へ足を運ぶ事に。しかもこの街の中でも屈指の名門お嬢様校たる、あの常盤台だ。
『香』として出来た友人は多い。そういう意味では理事校よりも有意義なのかもしれない。
しかし結局のところ、それは仮面付き合いだ。『香』は自分であって、自分じゃない。それから……『尊厳』の問題。
「……そんなに女々しいかよ」ムスー・・・
好きで童顔チビやってる訳じゃない。出来る事なら、ステイルの様に高身長で、軍覇の様に男気溢れる丈夫になりたい。
だが、現実は悲しいかな。将来(遺伝)的に考えても、自分の両親ともにそれほど身長は高くない。
きっと170前後で身長が止まってしまうんだろうなと考えると……溜息しか出て来なかった。
そしてもう一つは、通学の問題で…―――…卑屈な事を考えながらトボトボ歩いて数十分、いつの間にか最寄り駅に着いてた。
此処から都市メトロ南北線で数駅進み、第二十二学区へ。そこから地上に出てバスで『学舎の園』まで向かう。
「通学で一時間かぁ。都会は大変だよなぁ」Pi!
実家(田舎)の中学ならどんなに遠くても自転車で30分。それ以上遠ければスクールバス(何故か最寄りの幼稚園のバス)が迎えに来てくれる。
だが都会の学校だと直線距離的には同じくらいでも道路が混雑してたり態々環状線型にしてたりする為、
電車やバスの乗り継ぎ通学(通勤)だったりするので、真っ直ぐ進めず倍時間が掛かったりする。
そんな訳で、交通系電子マネーを改札に通し、ホームへ並ぶ。
この駅から乗る人間は少ないのだが、第一学区より北部の第三,四,十六学区から乗ってくる乗客がそこそこ居る為中々座る事が出来ない。
更に、第一学区を過ぎ、丁度地下へ潜る―――中央(南方)に向かうともっと大変だ。
中央の第五,七,十八学区に多くの学校・施設・研究所・会社が集まっているので、そこへ向かう人々の波でギッチギチに混んでしまう。
「ハァ……こればっかは慣れないっすよ」グデェ・・・
殆どは学生だが、通勤通学の時間帯だと老若男女関係無い。最早隣が男なのか女なのか、人なのか犬なのか分かったもんじゃないくらい混む。
全身が軋む程に電車の中へ奥へと詰め込まれ、皆、その場を動かぬ様兎に角踏ん張る。
肌が触れたりだの、臭いがキツいだの、音が五月蠅いだの、そんなのは『我関せず』で一蹴されてしまう。
姉さん曰く『現代の奴隷船ですね』だそうだ。ああ、上手い例え。
「着た。とりあえず、端っこキープ頑張ろ」スッ・・・
構内アナウンスと共に、銀に青緑のラインが入った電車が向かってくる。とりあえず、今日も頑張ろう――― - 678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/10/09(水) 01:24:53.49 ID:2KidfRwJ0
- はい、寝ます。
今回までは導入なのでマニアックだったり小難しかったり失礼します。
次から色々動かします。安価はしたりしなかったり。
しっかし、靴下とかタイツ穿かせたり脱がせたりって、ロマンがあるよねー。黒咲練導作品オススメ!
それじゃあ例の如く質問意見感想罵倒リクエストなど等、宜しくお願いします。おやすみ! ノシ"
因みに親戚の話なんですが―――もしエロ書くとしたら別スレ単発でもおk? - 684 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/10(木) 00:11:04.05 ID:DC/4uK5R0
- ―――さる平日、AM07:50、学都メトロ南北線、南方行き電車内・・・香焼side・・・
第一学区南駅から隣の駅、第七学区最北駅に入ると、ドッと人が入り込んでくる。
此処から丁度自分が降りる第二十二学区東駅くらいまでがラッシュのピークだ。
第七学区中心部『窓の無いビル』最寄り駅と、第五学区の第三資源再生処理施設の最寄り駅くらいで多少混雑はは減るモノの、
それでも基本は常にギュウギュウ詰めで座れた試しがない。
香焼(一度で良いから座ってみたいな……でも椅子取りゲームするのも馬鹿馬鹿しいや)フゥ・・・
意地になり虎視眈々と次に空く席を狙うのは大人げない気がする。さておき……現在の状況。
(……くぅ)ググググッ・・・
始めは何とかドアと座席脇の手擦り(取っ手)部分に寄り掛れていたのだが、人が入るに連れ、内側へと押しやられる。
最早、隣が男性なのか女性なのか大人なのか子供なのか分からないくらい、ギチギチに挟まれてしまった。
(苦しいなぁ)ウーン・・・
秋口の筈なのだが、空調で弱冷房が回ってる。確かにこれでは汗を掻く。
(直肌触れるのも嫌だよねぇ……おっと!)グラッ・・・
電車がカーブで揺れたり速度のアップダウンがある度、取っ手に掴まってない人達がグラりと揺れ、自ずと体制を崩される。
友人知人同士で乗った筈の人達も、乗り始めはお喋りに興じていたが、もうその余裕も無い。
携帯やゲームを弄っていた人々も、既に手を動かせず、また画面を見る余裕が無いので、下に落とさぬ様しっかりしまったり握っていた。
こうなると唯一の救いは音楽だけ。十中八九の人は耳にイヤホン・ヘッドホンを装着してる。勿論自分も然り。
(現実逃避ってか)ハハハ・・・
一一一(ひとついはじめ)のアップテンポな新曲を聞きつつ、心の中で現状を嘆いた。
自分は一応モラルある行動を心掛けているので、音量はそれほど出さない様にしているが、かなり爆音で音漏れさせてる人も居る。
周囲の人は咋(あからさま)に嫌そうな顔。腋臭(ワキガ)やら風邪(咳)やらは生理現象で仕方ないが、これは人格が出ると思う。
(うぅ……早く降りたい)ハァ・・・
こういう時、身長が低い人間は損をする。損というか……最悪ケガする。
前後左右の人間の、肘やら手やら膝やら足やら何やらかんやら、色んな部位がぶつかり押し付けられ、痛い思いをする。
特に身長高めの人の肘が顔に当たったりするとホント辛い。あとは身長関係無く、足踏まれた時。リアルで泣ける。
今日はまだ前後から身体を押し付けられてる程度で済んでいる。
ただ、右の大学生っぽい男性の香水臭さは頂けないな。あと、後ろのオジさんが煙草臭い。
まるでステイルに挟まれてる気分……アイツ、正直、煙草&お香(ブース)臭い。
こんな感じで心の中で毒吐く事数十分、アナウンスに耳を傾けると、霧ヶ丘女学院前駅に到着したみたいだ。
此処から2,3駅で総合病院(冥土返し勤務地)前駅。此処で多少は空いてくれる―――更に2,3駅でやっと第二十二学区地下街駅に到着。
(残り10分15分の我慢っすね)グデェ・・・
しかし此処からが長く感じる。
普段は、偶にしかラッシュアワーの地下鉄を利用しないのだが、これから2週間、乗らねばならないと考えると胃が痛くなりそうだ。
多少時間をずらしても大体同じ様な乗車率。頼むから5両編成から8両編成くらいまで増やしてくれ。
そうすれば第一学区から座れるのに……何か残念。
(まぁもう一つ手はあるけど……これだけはしたくないしね)ハハハ・・・
最後部車両は比較的空く。理由は、所謂、女性専用車両だからだ。
きっと今よりは楽になるだろうけど……乗ったら全尊厳が散ってしまう気がする。だから絶対乗ってやらない。 - 685 :今回は此処まで。おやすみ! [saga]:2013/10/10(木) 01:50:39.41 ID:DC/4uK5R0
- 数分後、総合病院前を過ぎやっと目的地が見えてきた。
車内も混み合いのピークは終わった様で、やっとの事、内側からドア際に移動する事が出来た。
といっても、まだまだ人は多いので余裕を持って吊革に捕まる事は出来ないのだが、幸運にもドア脇の手擦りに捕まる事が出来た。
(漸く気張らずに済むな)フゥ・・・
鞄から携帯を取り出しメールやlineの返信をする。空いた時間で適当にSNSをチェックした。
しかしまぁ、鞄の中が酷い有り様。混雑してる時は周りの邪魔にならぬ様、前に抱えておくのだが、それでもやはり潰れてしまう。
いっそリュックタイプにした方が良いのかもしれないが、リュック相手に盗難事件が多発してるみたいなので、気が引ける。
手提げでも無くリュックでも無く、何か良い方法は無いのだろうか。手ぶら……は拙いかな。
とりあえず化粧品と携帯が無事だっただけでも幸いだろう。というか、他には特に壊れそうなモノ何も入ってないし。
(早く外の空気が吸いたい)ハァ・・・
某SNSで、レッサーのお馬鹿な投稿を読みながら、日の光と自然の風に思いを馳せる。
(もう8時半かぁ……9時前後で着けるよね)チラッ・・・
9時15分に『学舎の園』の、正面ゲート入ってすぐに在る噴水付近で、御坂蛇(17600号)さんと待ち合わせてる。
二十二学区駅から『園』まで、バスで10分くらいなので、5分前くらいに着けるだろう。
それはさておき、朝っぱらから土御門義妹殿に会ったりするのだけは勘弁願いたい。玩具にされる。
(打ち合わせしたらさっさと図書館っすね)フム・・・
『香』用の携帯を開きメッセージを確認―――相手は、食蜂操祈さん。
(『カオルちゃーん☆いつもの場所で合瀬ましょうねっ♪』……合瀬って)ハハハ・・・
相変わらずフランクな人だ。
話は変わるが、自分は携帯を3つ持っている。1つはプライベート用。1つは『仕事』用。そして、この『香』用だ。
敏腕ビジネスマンの様に思えるかもしれないが、これはこれで色々と面倒だ。
例えば、プライベート用と仕事用に同じ人物からメッセージがあったりすると、公私を分けた文章の打ち方や英語に切り替えたりと、厄介なのだ。
特に3つの携帯にアドレスが入ってるステイルや上条さんから連絡が来るとややこしい事この上ない。
(いっその事、あの2人には正体バラしちゃいたいなぁ)ウーン・・・
そうすれば大分楽になるのに。何で友人と恩人に変な隠し事しなきゃならないんだろう。
あーだこーだ考えてる内に、1つ前の駅に着く。やっと地獄から解放されるぞ。
(今日から2週間この生活かぁ……ハァ)グデェ・・・
やるっきゃない。
ふと、如何でも良い事に気付いた。『臭』から察するに、さっきの大学生男子とオジさんが真後ろに居る。
オジさんの方は風邪気味なのか、ユラユラしながら僕に寄り掛ったり口呼吸っぽい音を出してたりする。
ぶっちゃけ、隣に居るのはキツいな。早く駅に着いて欲しい。
(―――よしっ。着いた!)スッ・・・
ドッと降りていく人々。自分も流れに乗り、改札へ一直線―――やっと電車を降りられた。
そのままそそくさとエスカレーターで地上へ向かい、日の光と外の空気を沢山浴びる。ああ、自然って素晴らしい。
(バスは……来てる。すぐ乗っちゃおう)タッタッタッ・・・
小走りでロータリーへ。『園』行きのバスに乗り、椅子に座る―――座るってこんなに楽だったのかと実感出来た。
さぁ。改めて、お勤め参りましょう。 - 686 :第Ⅴ(27)話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/11(金) 06:16:41.98 ID:+JP0FAsD0
- ―――約十分後、アナウンスが鳴りバスが停車。
仰々しい門と凛々しい女性の警備員(『アンチスキル』に非ず)に守られた『学舎の園』に到着。
この『園』の殆どの関係者は女性。男性の数は両手で数える程しか居ないらしい。
警備員さんに一礼し、学生証(IDカード)をスキャンして貰い、中へ通る。
土御門が用意してくれたこの偽装カードの事を信用して無い訳ではないが、此処を通過する際のセキュリティチェックで、
毎度毎度ハラハラしてしまう。ただ、幸か不幸か、今まで一度も疑われた事が無いというのも……男として悲しい話だ。
香焼(よしっと。5分前っすね)テクテク・・・
予定通り噴水前に到着。
因みに、9時過ぎともなると基本的にどの学校も一限が始まっているので、周囲に人影は無い。
(えっと……『蛇』さん、居ないなぁ)キョロキョロ・・・
しかし、居なきゃいけない人が居ない。一寸待って見ても、彼女らしき人物は現れない。
不安に思いつつ、中央時計を見遣る。丁度針が15分を刺した……その時―――携帯が震えた。
相手は、その人。
香焼「―――はい、もしもし」Pi!
御坂蛇(17600号:プロスネーク)『時間だ。移動を、とミサカは端的に指示を出します』コクッ・・・
香焼「……、」ポリポリ・・・
御坂蛇『ん? どうしました、カオル。とミサカは茫然と棒立ちしている「貴女」に問いかけます』ジー・・・
いや、いつもの事なのだが、貴女は何処に居るんですか。
御坂蛇『F2000R(トイソルジャー)のスコープからカオルを確認できる位置に居るとだけ言っておきましょう』ジー・・・
香焼「はぁ、そうっすか。まぁ良いや……じゃあいつもの様に自分は図書館へ向かいますね」テクテク・・・
御坂蛇『了解。それと、言葉遣いには気を付けなさい。今、「貴女」は「神埼香(コウサキカオル)」。お忘れなく』ト ミサカハ チュウコウクシマス・・・
香焼「はいはい」ヤレヤレ・・・
御坂蛇『本当に分かってますか? 電気の一つでも流してくれようか、とミサカはダラしないカオルを脅します』スッ・・・
香焼「か、勘弁してっ」タラー・・・
御坂蛇『言葉遣い。あと、電話じゃなくインカムホンに切り替えろ。とミサカは最期の注意をします』ジー・・・
Bluetoothの無線イヤホンに切り替え、歩きながら話を続けた。
因みに、このイヤホンの無線を通して対精神能力者用の電子バリアを遠隔操作出来る蛇さん。このバリア、展開と同時に電撃が奔る。
正直この電流は長く受けたくない。痛くは無いのだが、くすぐったいというか、変な気持ちになるというか……兎角、極力使いたくない。
香焼「そういえば海原さんは?」テクテク・・・
御坂蛇『師匠(マスター)は所用で暫く出払ってます。何でも、御実家に帰る用が出来たとか』ト ミサカハ ホウコクシマス・・・
香焼「中米に?」キョトン・・・
御坂蛇『「原典」二つが如何とか、封印指定がこうとか、ミサカにはよく理解出来ない事を言ってましたよ』フム・・・
そういえば海原さん―――もとい『中の人(エツァリ)』は世界中から目を付けられる程、危険な魔術師――に『為って』しまった――とか。
彼自身はそうでもないらしいが『内包したモノ』が問題らしい。それこそ、魔神レベルで腫れ者扱いに。
御坂蛇『さて……無駄口は終わり。そろそろ常盤台だ、気を付けなさい。とミサカは気が弛んでるカオルに叱咤の言葉を送ります』ジー・・・
香焼「了解っす」コクッ
御坂蛇『「了解しました。」もしくは「了解です。」でしょう。とミサカは学習能力の無いお馬鹿さんに呆れかえります』ヤレヤレ・・・
厳しい人だ。まぁそれ以上に、頼りにはなるんだけどね―――さぁ、常盤台中学へ行こうか。 - 687 :第Ⅴ(27)話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/16(水) 22:46:11.21 ID:yUWOzt7i0
- 常盤台中学―――学園都市の中でも5本の指に入る名門校であり、同時に世界有数のお嬢様学校。
共用地帯『学舎の園』を形成する学校の一つである。義務教育終了までに世界に通じる人材を育成する、が基本方針。
生徒数は200人弱で超能力者(レベル5)二名、大能力者(レベル4)四十七名、それ以外は全員強能力者(レベル3)。
在学条件の一つにレベル3以上である事が含まれているとんでもない学校で、
全生徒の能力干渉レベルを総合すると生身でホワイトハウスを攻略出来ると噂されている。
基本的に全寮制で、寮は学舎の園の内部と外部に一つずつ存在。また、噂では不測の事態に備え学バスは耐防爆弾仕様だと囁かれている様だ。
香焼(といっても、箱入り娘さんばっかなんすよね)
無論、彼女達に実践経験はない。無くて普通なのだが、殆どの生徒が井の中の蛙状態。
中には白井さんや御坂さん、操祈さん―――はちょっと違うか―――の様な前線気質の娘も居たりするが普通はお嬢様お嬢様してる人ばっかり。
一人ひとりが自然災害レベルの能力者でも、有効活用するか如何かは本人次第。良く云えば『能ある鷹』。悪く言えば『宝の持ち腐れ』。
(まぁ戦争ムードも終わったし……平和ならそれで問題無いか)
『能力』を欲望の刀とするか、叡智の産物とするか。出来得る事なら後者が望ましい。平和であればある程、そうなってくれるだろう。
頭の中であーだこーだ考えている内に、後者の前に到着。蛇さんと非常時の確認を済ませ、足を進めた。
此方でも専属の守衛事務さんに一礼。
守衛「―――ん。ああ、おはよう。今日は早いのね」チラッ・・・
香焼「おはようございます。ええ、今週来週はいつもより早めに登校する予定…です」コクッ・・・
守衛「あら、そうなの。殊勝殊勝」フフッ・・・
書類上、『神埼香』は一年の特殊クラス在籍となっている。理由は正体不明の希少能力(レアスキル)で、その影響による『病』持ちだから。
故に、決まった登校時間は無いし普通の授業も受ける事は無い。特殊な能力開発と治療を受ける際にのみ、登校する―――という設定だ。
まぁこんな不良・不登校児と紙一重なモンなので、守衛さんには顔を覚えられてしまっていた。
警備員「暇だったら詰め所に遊びおいで。私も暇だからお茶でもしましょ」Pi!
香焼「あははは。その内お伺いします」ペコッ・・・
相変わらずフランクな守衛さんだ。最早顔パスで玄関を通り『彼女』が居ると思われる図書館へ向かう……それで良いのか名門校。
時刻は9時半。丁度一限目が終わる頃。極力人に会わない様心掛け、そそくさと廊下を進む。
さておき、話は戻るがこの学校には『派閥』というものが存在している。
基本的にはお遊びグループのようなものだが、同じ目的を持った者達が集まって学校から設備を借りたり資金を調達し、
研究分野などで名を残すという部活のような性質を持つ。
大きな派閥は人脈や金脈、独自の知識などまでも収めており、第一線で活躍する生徒の中にはそれらの力を借りて功績を挙げる者も多い。
そのため大きな派閥は学校の外にまで影響を及ぼす大きな力を持つ事になる。
故に大きな派閥に属する事が一種のステータスとなり、その派閥の創始者ともなれば並ではない名声を得るのだとか。
(さて、と……行くか。)スッ・・・
そして、その最大派閥のトップこそが、この学校の超能力者が一人―――心理掌握(メンタルアウト)、食蜂操祈さん。
(あ。図書館入る前に連絡しないと)Pi!
彼女は、自分の『領域』を勝手に踏み躙られる事を極端に嫌う。
普段他人の領域へズカズカと踏み込むクセに、その逆をやられるのは苦手な様だ。典型的な打たれ弱いドSタイプ。
その為か、この時間帯――彼女がサボりを働く時間――彼女が常駐する事が多い図書館には彼女の『結界』が張ってある。
理論は分からないが、彼女の能力を応用した広域の科学的な『人払い』だ。手間が掛らない分、魔術より効率的だと思う。
因みにこの結界内へ彼女の許可無く土足で侵入したモノは、頭が真っ白になり知らず知らず回れ右している模様。
冷静に説明しているが、自分も初めはこれに引っ掛かった口(※)である。 ※すんどめ。第二(19)話参照。
兎に角、そうならない為にも、事前にメッセージを入れてやる。
彼女と自分の信頼(?)関係であれば、すんなり入れる筈なのだが……さて――― - 688 :第Ⅴ(27)話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/17(木) 21:55:40.37 ID:UpGYEQWm0
- ―――一寸後。そろそろメールが帰ってくる頃か、と携帯を開いた刹那……扉が勢いよく開いた。
香焼「っ!!?」ビクッ!!
食蜂「かぁーおぉーるぅーちゃーーーーんっ♪ いらっしゃーうぃー☆」バンッ!!
香焼「あ、あははは。おはようございます、操祈さむぎゅぅっ?!」モフンッ!!
食蜂「んもー。『園』に着いたって連絡くれれば門のとこまでお迎え行ったのにぃ」ムギュムギュッ!
香焼「あっぷぇえぇ!!」アbbbbb・・・///
目の前おっぱいのいっぱい……じゃなくて、いきなり抱き付かれた。
咄嗟の出来事に対応出来ず『フガフガッ』と操祈さんの腕と胸に挟まれながら、もがいてしまう。
宛ら『甘いの3個ほしいのか? 3個……このイヤしんぼめ!』とか角砂糖ブチ込まれそうなくらい撫で回された。
永遠に続きそうだったので、苦しさと恥ずかしさ紛れに操祈さんの腰をタップしたところ、やっと解放された。
香焼「ぷっはっ! けほけほっ……もぅ」グデェ・・・///
食蜂「あらら、ごめんなさい。嬉しさのあまり興奮力がすんごい事になっちゃってぇ」クスクスッ
香焼「んもぅ……そんなにホールドしなくても逃げませんから」ポリポリ・・・///
食蜂「えへへぇ♪ そんじゃー、こんなとこで立ち話も難だから司書室行きましょ☆」クイクイッ
招かれるがまま司書室へ。
向かう間、図書館を見回す……目が回る程膨大な本の数。一、学校の図書館とは思えない。最早国立レベル。
勿論、図書室も豪勢。冷暖房、そして監視カメラのモニターに新型PC、何故かお手洗いとキッチン、更にはシャワールーム完備。
ぶっちゃけ此処で生活出来るな。
食蜂「お紅茶でおk?」テクテク・・・
香焼「あ、僕が淹れますよ」スッ・・・
食蜂「良いの良いの。お姉さんに任せなさーい」フフッ
慣れた手つきで紅茶を準備する操祈さん。茶葉の缶やポットを見ると、やはりお嬢様校なのだと感じる。
相変わらず借りてきた猫状態でフカフカのソファに坐して待つ事数分、操祈さんは僕の横に腰掛けお茶を注いだ。
食蜂「はーい、どぉぞ。甘いの何個ほしい? 3こ? 3こなの? このイヤし―――」ワキワキ・・・
香焼「操祈さん、それ天丼」アハハ・・・
食蜂「―――ん、ぼぅ……Oh」ムゥ・・・
香焼「なんかすいません。そういえばこれ、お土産…です」スッ・・・
食蜂「あらまぁ! 素敵。英国土産?」キラキラ・・・
香焼「はい。ありきたり…ですけどキャンベルのクッキー…です。お茶受けにどうぞ」コクッ
食蜂「んふふっ。じゃあ早速頂きましょう♪」ワーイ!
テキパキと包装紙を剝ぎ、缶ケースを開く。甘いモノに目を輝かせる辺り、普通の女子なのだなぁと思える。
それよか……さっきから妙に近いのですが。てか、ひっついてるし。
食蜂「んー。糖分と一緒に香ちゃん分も補給ー」モキュモキュ・・・
香焼「はぁ。で、でも暑くない…ですか」ドキドキ・・・///
食蜂「寒いくらいよぉ。最近一気に冷え込んじゃったわよねぇ……だからもっと近ぅ寄れぃ♪」ヌクヌク・・・
香焼「うぎゅっ」アワワワ・・・///
食蜂「ふふふーっ。真っ赤っかよーん。やっぱりぃ……香ちゃんってば百合(ソッチ)の気あるのねぇ」クスクス・・・
香焼「な、無い…ですよ! んもー勘弁して下さい」モジモジ・・・///
確かに自分の恋愛対象は女性なので、強ち間違いではないが……『同性愛』の気なんてありません。僕は至ってノーマルです。 - 689 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/18(金) 22:49:48.01 ID:+VlhKb5j0
- それから昼前くらいまで適当にダベったり、ゲームしたり、弄られたりした。
操祈さんは僕の事をペット感覚で撫で繰り回すので、正直、『色々』我慢するのが大変だ。
さて……そろそろ昼休み。
香焼「―――操祈さん、そろそろ図書館に人が来る頃…ですよ」チラッ・・・
食蜂「んー? まぁ、もうお昼なのね。楽しい時間ってあっという間だわぁ」アララ・・・
香焼「えっと、『派閥』の皆さんも来ちゃいますよね? そろそろ僕、帰りましょうか」
食蜂「えー! やだー!」ブーブー・・・
口を尖らせ僕の頬を突く女王蜂。子供か、この人。
香焼「とは言っても、いつもお昼は取り巻きの人達と食べてますよね」
食蜂「いつもって訳じゃないけど、殆どはそうね……でも別に毎日一緒に居る必要は無いわよ」フイッ
香焼「操祈さんはそうでも、取り巻きの人達が勝手に付いてきちゃうんじゃ」
食蜂「その辺は、ほら……ピピピッと改竄力で」ニヤリ・・・
相変わらず素敵な真似を。
食蜂「でも、ホントに一緒に居ない日だってあるのよん。研究とか『慈善事業』の日は学校に居なかったりするもの」Pi!
香焼「慈善事業?」キョトン・・・
食蜂「んー……超能力者(レベル5)ともなると、色々やらなきゃ駄目なのよ。この街から出資して貰ってる身としては、ね」ヤレヤレ・・・
能力(研究成果)の還元か。僕みたいな無能と違って、有能だと様々な場所から引っ張りダコなのだろう。
しかし操祈さんの場合、取り巻きさん達が彼女のスケジュール管理をしてたりしそうなのだが、そこんとこ如何なんでしょう。
食蜂「ざっくばらんはね。でもぉ、皆まで知らせる必要は無いでしょ。現に今、私達がこうして逢引してる事はだぁれも知らない事だし♪」フフッ
香焼「逢引って」ポリポリ・・・
食蜂「じゃあデート? あ、でも別に出歩いてる訳でも無いしぃ……うーん。合瀬?」ジー・・・
香焼「根本的に何か違う気が」ウーン・・・
食蜂「細かい事はキニシナーイ。ねぇねぇ。お昼、何処か食べに行きましょー♪」グイグイッ・・・
これまた困った。上からの指示で、基本校外での接触は避ける様に言われているのだが、如何したものか。
香焼「うーん。でも、僕、午後は検診があるん…ですよ」ポリポリ・・・
食蜂「それまでに戻ってくれば良いじゃない。それともぉ、私と一緒にお昼するのは嫌かしらん」プニプニ・・・
香焼「そ、そういう訳じゃない…です! ただ、外だと周りの目が」ムギュウゥ・・・
食蜂「あらぁ。何か気になる事でも?」ツンツンッ・・・
貴女は自分が思っている以上に有名人だという事を自覚した方がいい。
それに、僕は極力目立ちたくない。立場的にも『神埼香』は知名度が低い方が都合が良いのだ。
香焼「僕、結構人見知りなので、その……出来れば静かにご飯食べたいなぁって」ムゥ・・・
食蜂「えー。もしかして普段便所飯とかしちゃう系女子?」タラー・・・
香焼「何その新ジャンル。いえ、そういう意味じゃなくて……兎に角、お弁当持って来ちゃってますし」コクッ・・・
食蜂「あらまぁ家庭的。女子力高いのね☆」フフフッ
会話が咬み合わない人と喋るのは結構疲れるな。如何してこう、超能力者(レベル5)ってのはマイペースなのだろう。
麦野さん然り、軍覇然り、御坂さん然り……『自分だけの現実』が確立し過ぎると、唯我独尊になっちゃうのかなぁ。 - 690 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/19(土) 00:39:53.00 ID:fmtDi8fK0
- 何だかんだで4限終了のチャイムが鳴ってしまった。
早い所此処から移動しなければ。もし取り巻きさん達に操祈さんと2人きりで居る所を見られたら、厄介な事になる。
香焼「―――操祈さん。そろそろ時間が」チラッ・・・
食蜂「うーん、あの子達が来ちゃうわねぇ。でも今日の優先力は香ちゃんよん♪」ムギュッ
香焼「あぷぇっ! ら、来週までは日中学校に来てますから! だから、今日はっ!」ムキュウゥ///
食蜂「そうなの? じゃあ来週までイチャイチャ出来るのねっ★」ニヤリ・・・
駄目だ、この人。早く何とかしないと。
食蜂「今から適当にパンでも買ってくるから、中庭辺りでお昼しましょー」ニコニコッ
香焼「中庭って……一番目立つとこでしょう!」アタフタ・・・
食蜂「良いじゃなぁい。全校生徒に見せつけちゃいましょ★」フフフッ
香焼「」
食蜂「あ、勿論最後に皆の記憶トばしておいてあげるから安心して♪」ニヤリ・・・
あまりに想定外。このままでは『香』の存在が目立つ事に。一旦、蛇さんに相談したいのだが……どうも逃げられそうにない。
香焼「そ、それでも監視カメラに記録残っちゃいますよ」アワワワ・・・
食蜂「んもー。ホント、恥ずかしがり屋さんねぇ……これ以上我儘言うとお仕置きだぞっ」スッ・・・
香焼「い”っ! ちょ、待っ―――」ビクッ・・・
食蜂「モンドームヨー♪」Pi!
香焼「―――い、ぃひゃうんんっ!!」ビクンッ・・・
操祈さんが僕に能力を使った瞬間―――全身に電流が奔った。比喩なんかではなく、物理的な意味で。
因みにこれは、彼女の『読心(サイコメトリー)』及び『洗脳(マインドコントロール)』対策の電磁障壁(バリア)。
御坂さん(エレクトロマスター)には操祈さんの能力が効かないというデータに基づき、土御門と海原さんが発案したモノだ。
勿論、僕は無能力者で、発電系の魔術も使えない。故に『外部』からの補助が必要となる。その役目が僕と操祈さんの監視に付いてる蛇さん。
僕の背中に張ってある電子チップと鍼(ドチラも理学療法に用いるモノ)に信号を送り、電流を奔らせる。
これにより身体の内側に電気のシールドを張り、思考を強引に正常へ戻すという荒技を行っている。
ただし、この電流非常に気持ち悪い。痛くは無いのだが、熱い様な寒い様なくすぐったい様な刺激的な様な……兎に角、身体と精神に悪い。
香焼「(す、蛇さん! 少し電流強いっす)―――み、操祈さん……んっ……止めて、くださいよぉ」ビクッ・・・ビクッ・・・
食蜂「あはー★ 相変わらず難儀な病気ねぇ。突発性電気アレルギー症候群ですっけ?」Pi! Pi!
香焼「ひゃめっ、ひぐぅっ!! ちょ、んぐっ!!」ビクビクンッ!!
食蜂「私の能力が効かないなんて生意気だけどぉ……これはこれで、見てて面白いのよね♪」アハハー
サディストな女王様なんて官能の世界だけで充分です。
あと、蛇さん。何処から見てるか分からないけど、少々フライング気味で電流流すのは何故ですか。本気で狂いそうなんで勘弁してください。
香焼「ひ、ぅ……っ、こ、これ以上、虐めないで……んんっ!」
食蜂「うふふふふっ。可愛(ヤラし)いわぁ。香ちゃん、身体中を凌辱されて悶えてるみたいよ。ホント、癖になっちゃう」アハァ・・・///
香焼「や、め……っ……嫌いに、なります、よぅ……ひゃっっ!!」ビクッ・・・ジタバタッ!!
食蜂「んふふっ。それは困るわねぇ」スッ・・・ピタッ・・・
香焼「んぐぅっ……ハァハァ……もぅ! 次やったら問答無用で帰りますからねっ」ムググゥ・・・
食蜂「めんごめんご。でも言う事聞いてくれない香ちゃんも悪いっ。次生意気言ったらその素敵なタイツビリビリ破いちゃうからねっ★」ニヤッ・・・
変態力パネぇな。苦労して穿いたタイツを破られるのも困るので、言葉には気を付けておこう。 - 691 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/20(日) 19:49:02.27 ID:fZIOxaYX0
- さて、この後だが……どうしよう。
本当は昼前に図書館を抜け出し、食堂でひっそりと弁当を食べる予定だったのだが、案の定、操祈さんに半拘束されてしまった。
一緒に食べても良いのだが、やはり取り巻きさん達が気になる。
蛇さんの助言を仰ぎたいが、彼女がベッタリくっついて見てる手前で携帯を弄るのは難しい。
食蜂「それじゃあ、此処で食べる? あんまりお行儀良くはないけどぉ、目立ちたくないんでしょ」ピンッ
香焼「それって結局、取り巻きさん達に見つかるんじゃ」ウーン・・・
食蜂「ダイジョブダイジョブ。『結界』解かなきゃ人入って来れないし★」ニヤリ・・・
香焼「それはそれで、図書館使いたい人達に迷惑掛かりますよ―――操祈さんは気にしなくても、僕が気にします」ムゥ・・・
食蜂「んもー。良い子なんだけど頭堅いわねぇ。しょうがない……香ちゃんの妥協点を聞きましょ」ヤレヤレ・・・
妥協点って、何それ。
食蜂「だぁかぁらぁ。何処でだったら一緒にご飯食べてくれるのん??」プニプニ・・・
香焼「そ、そういう。うーん。じゃあ逆に、この学内で目立たない場所って何処…ですか」ポリポリ・・・
食蜂「目立たない場所? そりゃあ、私が居る場所全て♪」ニヤリ・・・
香焼「それ能力使って無理矢理でしょう。そういうのじゃなくて」ハァ・・・
食蜂「はいはい。言いたい事は分かりますよーだ。でもねぇ……だったら学外出た方がまだ目立たないカナ」フム・・・
香焼「出来れば学内で」ペコッ
食蜂「チューモン多過ぎよぅ! まったくぅ……まぁ図書館(此処)の屋根裏とか、部室棟の空き部屋とか」ヤレヤレ・・・
香焼「じゃあそこで」
食蜂「衛生的にイヤよぉ。そんなバッチィとこでお昼したくないわぁ」ウェー・・・
香焼「……、」ハァ・・・
困った。手詰まり。
食蜂「んー、頭堅いクセに優柔不断ねぇ……やっぱり私が『御姉様(飼い主)』としてリードしなきゃ駄目なのね★」ムンッ・・・
香焼「へ?」キョトン・・・
食蜂「 >>693 」
①屋上れっつごー!
②中庭っ!
③いっその事、食堂(オープンテラス)へ!
- 692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/20(日) 20:32:27.24 ID:OtsAbXuLo
- 3
- 693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/20(日) 20:35:39.40 ID:KUX92w5hO
- 3
- 694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/20(日) 21:15:38.55 ID:/eQtw+LDO
- 3
- 695 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/21(月) 23:36:12.62 ID:joTJFAij0
- ―――なん……だと。
食蜂「はーい、じゃあ食堂行きましょ♪」グイッチョ!
香焼「待ってってーな!?」ビタッ!!
食蜂「んもー! この期に及んで何かしらん?」プンスコッ!
そんなあざとい仕草で頬を膨らましても駄目なモンは駄目です。というか、今までの話聞いてました?
食蜂「聞いてたわよん。でも、いつまでもグジグジ言ってる香ちゃんが悪いのよん」ビシッ
香焼「そ、それは謝ります。けど、僕は目立つの嫌だって言いましたよね。なのに食堂って」タラー・・・
食蜂「私の能力使って、私達の存在を大衆から意識乖離させる。これでおkでしょ! だから文句言わないのっ」ムンッ
香焼「だからそれでもカメラとかに残っちゃいますって」ハァ・・・
食蜂「そのくらい我慢なさいな。それとも、カメラに映ったら魂抜かれちゃうとかオカルトほざいちゃう系?」ジトー・・・
香焼「それ何処の射影機…ですか―――じゃなくて、もぅ!」アタフタ・・・
食蜂「『もぅ』はコッチの台詞よん。これ以上gdgd抜かすと……能力でビリビリしてから、その後物理的にタイツ破るっ」ガシッ!!
香焼「ひぃっ!!」バッ!!
マジ勘弁して下さい。
食蜂「んふふっ。やっと素直になったわねーん。よーし、さっさと行くわよぉ♪」グイグイッ・・・
香焼「あぅ……諸方面から怒られる」トボトボ・・・
食蜂「ダイジョブダイジョブ。私がチョチョイっと改竄してあげる★ それにぃ……安価力は絶対よん!」b"
メタい事言わないで下さい。そういう役は浦上と土御門だけで充分です。
食蜂「香ちゃんの態度次第ね。それじゃあ荷物持って食堂に―――」
縦ロール「女王っ! 遅くなって申し訳ありません。少々4限が長引いてしまいまして――」テクテク・・・
片メガネ「まったく! 2、3班の集まりが今日に限って何故こんなにも悪いのかしら――」テクテク・・・
黒ブーツ「隣の中学の新派閥が勢力を伸ばしている今、更なる団結が必要不可欠なのに――」テクテク・・・
その他取り巻き's「「「「「「「「「「 ~~~~~~~~~~ 」」」」」」」」」」ガヤガヤ・・・ザワザワ・・・・・
食蜂「―――行、く……んー。あちゃー」ピタッ・・・ハァ・・・
香焼「……あはは」ポリポリ・・・
取り巻き一同『……ん?』ピタッ・・・
助かった……いや、ヤバいのかも。全員、僕の事を睨んでる。
縦ロール「……女王、その娘は―――」
食蜂「うぇいっ★」Pippppp!!
香焼「ぇ……ぁうっ!」ビリッ・・・
取り巻き一同『―――、』ピタッ・・・シーン・・・・・
喧騒が静まり、一同静止。そしてクルリと踵を翻し、軍の行進宜しく、綺麗に回れ右して戻って行った。
50人規模の人間を一挙に洗脳する―――心理掌握(メンタルアウト)。相変わらず恐ろしい超能力。
彼女も半ば『(上条)勢力』に含まれているとはいえ、何かの拍子に敵に回られると非常に厄介だという土御門の懸念も頷ける。
さておき……ここまでされたら行かない訳にもいくまい。目立たない様にしながら、大人しく彼女の指示に従おう。 - 696 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/22(火) 01:07:03.22 ID:fphSdqQO0
- ―――さる平日、PM00:30、第7学区、学舎の園・常盤台中学食堂・・・香焼side・・・
中学高校の学食といえば、大衆食堂みたいなモノをイメージするだろう。
格安だが具や汁が薄いカレーやうどん。オバちゃんオジちゃん達が流れ作業ながらも生徒達へ朗らかに話しかけてる風景。
そして仲良しグループで態々一つのテーブルに集まり、狭いながらも団欒しながら弁当やら昼定食を食べる。
実際、必要悪の教会の食堂はこんなスタイルだ。僕も英国に居る時は天草式の仲間やステイル、アニー達とこんな感じでワイワイ食べてる。
だがしかし……此処は別世界。
香焼「―――……、」タラー・・・
食蜂「ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ~ん♪ えっとぉ、此処らで良いかしら。ちょいとソコなメイドちゃん」クイッ・・・
メイド「はい……これは食蜂様。お連れ様も無しに食堂(此方)に足を運ばれるとは珍しいですね」ペコッ・・・
食蜂「お連れは居るわよん。いつもの取り巻きちゃん達じゃないだけ。あ、適当にサンドイッチとお茶をお願いね」スッ・・・
メイド「畏まりました。其方のお嬢様は?」チラッ・・・
香焼「え、あ、ぼ、僕は……お弁当があるので」アタフタ・・・
メイド「……はぁ」チラッ・・・ポリポリ・・・
食蜂「ふふっ。此処で家庭的なお弁当を食べる娘が居ても良いでしょ。ランチにマナーはあってもルールがある訳じゃないもの」クスッ・・・
メイド「確かに。では、ティーポットとカップを二つお持ちしましょう。それで宜しいですか」ジー・・・
食蜂「ええ。空気が読めるメイドさんは好きよっ☆」フフッ
恭しく注文を受け、垢抜けしたメイドさんが調理場の方へ下がって行った。
もはや大衆食堂のレベルじゃない。謂わば5つ星レストランや超高級ホテルのランチorディナーっぽい。
香焼「なんか場違いで申し訳ない…です。でも、あのメイドさん凄い…ですね」チラッ・・・
食蜂「まぁ普通、お弁当組は教室とか中庭テラスで食べるものねぇ。でも気にする事は無いわ……凄いって何が??」フムーン?
香焼「操祈さん相手に物怖じしなかったから」フム・・・
食蜂「仮にも繚乱(家政女学院)から来てる一流研修生だもの。どんな主人だろうが瀟洒でなくては、ね。例え私みたいな変人奇人でも☆」ニコッ
香焼「へ、変人奇人って。そんな自虐的な」タラー・・・
食蜂「あら、人格破綻者第5位とか傾奇者とかの方が合ってるかしらん? まぁ私の渾名なんて一々挙げてったらキリないわね―――」ニヤリ・・・
強ち間違っては無いが、自らそう言われると難とも言い難い。
それはそうと、話は変わるが―――やはり危惧していた通り、周りの目が気になる。
『何あの子? 派閥の娘?』 『女王と2人きりって……まさか「そういう」関係とか?』 『相当お気に入りのペットなのね』
そんな声がチラホラ。後ろ指を指される様にヒソヒソ陰口を叩かれる。僕に対しての声なのだろうが、実際、遠回しに操祈さんを馬鹿にしてる。
正直あまり良い気はしない。操祈さんもきっとそう感じているのだろうが……別段、気にも留めていない風。
食蜂「―――気になる?」フフーン・・・
香焼「えっ」ピタッ・・・
食蜂「気持ちは分かるわ。誰しも動物園の檻の内側の気分なんて味わいたくないものねぇ」クスッ・・・
香焼「い、いえ。大丈夫…です」ジー・・・
食蜂「人間って、人とは違う物珍しいモノを傍から眺めて悦に至るわ。大衆心理ってヤツね……直、慣れるわよん」コクッ・・・
これは超能力者……いや、精神的超人としての達観か。それとも稀有な少女としての諦観か。ドチラにしても有名過ぎるというのも考え物だ。
やはり一方通行さんや麦野さんの様に表立たない方が本人らの為なのかもしれない。
一寸後、学生達とは違い垢抜けしたメイドさんがサンドイッチとお茶を運んできた。実に作業的に動作を終え、テキパキと後ろへ下がる。
未だに嫌な視線を感じる。操祈さんが『能力使いましょうか?』と気を使ってくれたが、
彼女が平素である以上、僕が嫌な顔をするのは彼女に対し失礼に値するだろう。あくまで僕は―――彼女と対等で居たいのだ。 - 697 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/22(火) 22:09:55.55 ID:iLHl0y5M0
- 極力周りを気にせず様冷静を保ち、紅茶を啜る。正直、緊張で味がよく分からないが良い匂いだという事は分かる。
本物のお嬢様や姉さん&ステイルの様に超えた味覚を持ち合わせているのであれば利き酒の如く葉っぱの種類を当てたり出来るのだろうが、
生憎、僕は庶民舌。今一それが分からない。ぶっちゃけ午○ティーと何が違うのだろう。
更にぶっちゃけると、熱い。舌火傷したかも……あと、ちょぴっとだけミルクと砂糖が欲しい。
食蜂「ふふっ」クスッ
香焼「ふぇ?」ヒリヒリ・・・
食蜂「可愛いなぁ」ニヤニヤ・・・
香焼「からかわないで下さい。どうせ庶民…ですよーだ」ムゥ・・・
食蜂「憤ける顔も可愛いわねぇ」フフフッ
貴女は僕が何をしても『可愛い可愛い』馬鹿にするだろう。まぁ今に始まった事じゃ無いのでスルーしとく。
さておき、僕の顔をオカズにしながら(?)トマト・レタス・ピクルスのサンドイッチをモキュモキュ頬張る操祈さん。
ナプキンでパンを挟んで手を汚さない様にして食べるのは、果たして品が良いと言えるのだろうか。てか、そのレースの白手袋外せば良いのに。
食蜂「食べないのん?」モキュモキュ・・・
香焼「あ、はい。頂きます」スッ・・・
こんな素敵空間でお披露目するのはかなり恥ずかしいレベルの、普通弁当。
箱も無粋。包みも特徴無し。箸もありきたり。中身も白米に昨日の残りモノの詰め合わせ―――この場からすれば完璧貧乏人だな。
辺りから嘲笑が漏れてる。まぁ止むを得まい。場違いは百も承知。
食蜂「―――、」チラッ・・・
ピタリと、笑い声が止まった。一瞬操祈さんが能力を駆使したのかと思ったがそうではない。
ただ周囲を流し見ただけ。この人は能力など使わなくとも、周りを掌握できる貫禄、というか『スゴみ』がある。
流石に一言お礼を言おうと思ったが、先と少しも変わらない微笑みを再び向けられては何も言えなかった。
とりあえず軽く食前の『礼拝』をしつつ、心の中で感謝を述べ、弁当に手を伸ばした。
食蜂「あら。私は聖母(マリア)じゃないわよん。せめて『お姉さま(グラン・スール)』と呼」フフッ
香焼「びません。せめてって何…ですか、せめてって」ハァ・・・
食蜂「んもー。ノリ悪いわねぇ。そんなに『攻めて攻めて』言うなら、この場で能力使って皆に『ビリビリ☆悶絶★香ちゃん♪』を」スッ・・・
香焼「なっ! ちょ、や、変態っ! 変態変態っ!!」カアアァ///
食蜂「んはぁあぁ♪」ゾクゾクゾク・・・
やっべぇ。この人の悪ノリのベクトル、レッサーとか麦野さん以上に性質悪い。
このままじゃ駄目だ。話の流れを戻さないと。
香焼「ハァ……話戻しますけど単に僕、十字教徒なん…です」ボソリ・・・
食蜂「……へぇ。初耳」フーン・・・
香焼「あんまり大きい声で言えませんからね。特にこの街だと、尚更」ポリポリ・・・
食蜂「そうねぇ。宗教人ってだけで異邦者扱いされちゃうし、WWⅢ(第三次世界大戦)以降は基督教徒に対する風当たりキツいものね」ジー・・・
香焼「操祈さんは嫌じゃない…ですか」チラッ・・・
食蜂「別にぃ。信仰の自由って大事よ。著名な精神学者ってのは大抵宗教携わってるもの。無神論者は心理云々語れないわ」スッ・・・コポコポコポ・・・
香焼「神と心の関係…ですか? でも昨今の日本人、特に都市の人間には程遠い考えかと思えますけど」フムフム・・・
食蜂「誰の心にも神は宿るものよ。じゃなきゃ『精神』なんて言葉は生まれないわ。勿論、何に『縋る』かの違いはあるけどねぇ」フゥ・・・
香焼「成程。勉強になります」ヘェ・・・
食蜂「んふふーっ。もっと褒めたまえー♪」ニコニコッ
ただ、この人並に心が強ければ既存の神に縋ったりはしないだろう。きっと『自分だけの神』が心に居るんだと思う。 - 698 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/23(水) 00:43:14.76 ID:zTwG4Sw+0
- さておき、弁当を食べよう。一応都市製の弁当箱なので保温効果は高いが蓋を開けてたら、その性能も意味が無くなる。
因みに、今日のオカズは……鯖の煮付け。南瓜と豆のサラダ。からあげの甘辛ソース―――先程いった通り、全部昨日の残りモノ。
食蜂「……香ちゃん、身体小さい割には結構食べるのねぇ。食べ方も案外ボーイッシュ」ジー・・・
香焼「え、あ、すいません」ピタッ・・・
食蜂「別に御淑やかにしろだなんて言ってないわよん。淑女力なんて求めてないから、好きに食べて頂戴な」フフッ
しまった。こういう所で『男』が出てしまう。
いくら歩き方や座り方、喋り方に気を使っていても、細かい所で詰めの甘さが残ってしまう。反省点だな。
食蜂「そんなに気にしないの。沢山食べなきゃ大きくなれないぞっ☆」ニヤリ・・・
香焼「むっ……子供扱い」ジトー・・・
食蜂「子供子供♪」ツンツン・・・
香焼「ぐぬぬぅ」ジー・・・
ホント、世の中不公平だ。チビは何処へ行ってもガキ扱い。
この人はこの人で、本当に中学生か疑わしいレベルで発育(スタイル)良いし。高校生の五和レベルとは如何いう訳だ。
食蜂「んもー。そんなにオッパイじろじろ見ても分けてあげられないわよん」クスクスッ
香焼「えっ……あ、ご、ごめんなさい!」アタフタ・・・///
食蜂「ふふふっ。まぁブラもしてなさそうだものねぇ。興味有る? 触る?」ニヤニヤ・・・
香焼「さ、触りません!」カアアァ///
食蜂「あらあらー。ムッツリさーん。イケない娘ねぇ★ 別に気にしないのにぃ。減るもんじゃないし、女の子同士なんだからぁ」ニヤニヤ・・・
香焼「僕が気にします。それに、どうせ『じゃあ私の番ねっ♪』とか言ってブラウスの中に手を突っ込んだり脚撫で回す気でしょう」ハァ・・・///
食蜂「あらら。香ちゃん読心能力者(サイコメトラー)だっけぇ?」アルェ??
顔に出てます。てか、何故かは言えませんが冗談抜きで触法行為なので。
食蜂「んふふっ。相変わらず弄り甲斐たっぷりねぇ―――それより、そのオカズ」ジー・・・
香焼「ったく―――え?」キョトン・・・
食蜂「香ちゃんが自分で?」ジー・・・
香焼「えっと、これは姉が作ってくれた…です。昨日の残りモノ…ですけど」ハハハ・・・
食蜂「へぇ。道理で立派な。因みに私がこの前家電屋で会った人(※)でしょ? あのダイナマイトバディな」オッパイボーンッ!! ※前話参照。
香焼「その姉じゃない…です。その姉さんも料理上手…ですけど、今日のは二番目の姉…ですよ」コクッ
食蜂「あー、そういえば姉分が3人居るんだっけぇ。あと双子のお兄ちゃんが一人と」フムフム・・・
香焼「全員血は繋がってない…ですけどね。(双子の兄ってのは自分自身なんすけどねぇ)」ハハハ・・・
まぁそれなりに仲良くやってます。
食蜂「良いわね。この街で家族と暮らせるなんて」フフッ・・・
香焼「そう…ですね。数少ない自慢…です」コクッ
食蜂「私は一人部屋だから同居って感覚も暫く感じてないもの。ま、一人は一人で楽だけどさぁ……あ。香ちゃんルームメイトに」モキュモキュ・・・
香焼「遠慮しときます」キッパリ・・・
食蜂「ツンケーン。即答は悲しいわよん」トホホ・・・
何されるか分かったモンじゃありません。妖艶に上唇を舐めないで下さい。ゾゾゾときます。
でもまぁ……自分の正体とプライドが許す限りは、彼女の数少ない友達としてある程度の我儘は我慢しようか。 - 699 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/23(水) 22:16:55.34 ID:EDgg7CMD0
- 割と食べ方を気にしつつ、チマチマと食を進める。
やはり煮物は時間が立った方が美味しいな。料理に関しては五和さまさま。その他日常生活は……うん。
食蜂「ねぇねぇ。そのお魚はなぁに?」ジー・・・
香焼「鯖…ですよ」モグモグ・・・
食蜂「サバちゃんかぁ」ジー・・・
香焼「はい、鯖さん」モグモグ・・・
ガン見してらっしゃる。どうしたんだろう。もしかして食べたいのかな。
香焼「鯖、好き…ですか?」ジー・・・
食蜂「好きでも嫌いでもないかな。でもそれは美味しそうねぇ」フフッ
香焼「超能力者(レベル5)って魚好き?」キョトン・・・
食蜂「会合の幕の内弁当を態々鮭弁に換えさせる程、鮭中毒なお姉さんと一緒にしないで欲しいわ」ハァ・・・
香焼「あ、やっぱり有名な話なん…ですね。あー、ちょっと食べます?」ハハハ・・・
食蜂「良いの?」チラッ・・・
そんなに興味津々に覗かれてはあげない訳にもいくまい。
食蜂「じゃあ―――あー」スッ・・・
香焼「えっ」ポカーン・・・
食蜂「あー」グイッ・・・
香焼「……へっ?」キョトン・・・
邪魔な前髪を掻き上げ、身を乗り出し、餌を待つ雛鳥の如くお口を開ける女王様……食べさせろと?
食蜂「ふんふん」アーン・・・
香焼「せ、せめて、箸渡すので自分で食べませんか」スッ・・・
食蜂「んーん~っ」イヤイヤッ!
香焼「いや、眉顰めたいのはコッチなん…ですけど」ハァ・・・
周りの目が余計に好奇なモノへ変わった。そりゃそうだ。天下の食蜂操祈がオネダリ口してるんだもの。客観的に見れば気になる気になる。
それに間接キs―――…いや、それは意識するな。他意は無い筈。
だがしかし、こうなってはガンとして動かないのが超能力者。止むを得まい。
兎に角雑念を捨て、鯖を一つまみ。極力口腔内に箸が触れない様気を付け、彼女の口へオカズを運ぶ。
食蜂「はむっ」パクッ
香焼「あっ」ドキッ・・・
食蜂「もっぐもっぐ……ごっくん…――ペロペロレロレロッ」チュパチュパ・・・
香焼「っ!?」ギョッ・・・///
食蜂「ん、ぁ……おいしいわぁ。甘美甘美♪」トローン・・・モゴモゴッ
香焼「何今の間!? てか、な、な、ななななぁ! は、箸舐め、舐めぇ!!?」カアアアァ///
食蜂「んふふぅ。どうしたのん? 美味しかったわよ、サバちゃん★」ヌチャァ・・・ニコッ♪
香焼「っ~~~~~~ッ!!」ムキュウゥ///
口から糸を引きながら箸を解放する操祈さん……冗談抜きで、そういうおフザケは下半身に毒なので即座に止めて頂きたい。
あとその変態キャラ止めないと、諸方面からクレーム来ますよ。勘弁して下さい。 - 700 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/23(水) 23:16:05.07 ID:eZMUaa8d0
- 少々放心状態になっていたが、我に返る。出来るだけ平然を装って食事に戻りたい。だが―――
香焼(操祈さんの……唾液)ゴクッ・・・///
―――箸の先に光るソレ。意識するなという方が無理だ……そして赤面&フリーズする僕を見てニヤニヤ微笑む元凶さん。
食蜂「あれれぇ。どうしたのん?」ニヤニヤ・・・
香焼「……意地悪」グヌヌゥ・・・///
食蜂「うふふ。可愛いなぁもぅ。やっぱり『その(百合っ)気』あるんじゃなぁい?」クスクスッ
香焼「むぅ……あ、洗ってきますっ」グッ・・・///
食蜂「ありゃりゃ。ごめんごめん。からかい過ぎたわね……箸を貸して。拭いてあげる」ポリポリ・・・
香焼「……また変な事したら絶好しますよ」ジトー・・・///
食蜂「しないしない―――はい、これで良いでしょう」フキフキ・・・
ナプキンで綺麗に涎を拭き取った。これでもまだ気になるが、これ以上百合百合馬鹿にされるのも悔しいので我慢する。
香焼「もう。操祈さん、こんなキャラでしたっけ」ハァ・・・
食蜂「まぁSSなんだから、これくらいキャラの崩壊力あっても仕方ないわよねぇ」コクッ
香焼「だからメタは止めろと」タラー・・・
食蜂「さておき。私だけ貰ってばっかは難だから……はい」スッ・・・
香焼「ふぁい?」ポカーン・・・
食蜂「はい、あーん」グイッ・・・
サンドイッチを此方に差し出してくる。しかも食べかけの。
香焼「食べろと」ダラダラ・・・
食蜂「モチのロン」ホレホレッ
香焼「嫌…です」キッパリ
食蜂「酷っ! 私の食べ欠けは汚らわしくて食べられないっていうのね」ハァ・・・
香焼「うっ……そ、そういう問題じゃなくて」タラー・・・
食蜂「じゃあ、はい」ムンッ
何故意地になる。まぁ僕もそうなんだが。
香焼「僕は、自分の弁当ありますし」アタフタ・・・
食蜂「一口くらいダイジョブでしょう」クイッ・・・
香焼「……、」ダラダラ・・・
どうしよう、言い訳が見つからない。此処は……腹を括るか。
香焼「じゃ、じゃあせめて反対側を」モジモジ・・・
食蜂「……やっぱり私の食べ欠けは」ハァ・・・
香焼「だからっ! そういうの卑怯…ですよ、もぅ」クゥ・・・
食蜂「ふふっ、めんごめんご。それじゃ反対側にしてあげるから、さぁ食べりゃんせー☆」クルッ・・・
まだ綺麗な角を僕に向ける。まったく、この人の我儘に付き合ってる取り巻きさん達を尊敬します。 - 701 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/24(木) 00:27:41.52 ID:LsFti7ZJ0
- 最早周りの目とざわめきが気にならないくらい緊張してた。これはもう己との戦いだ。
正直、先程からタイツとパンツの下が窮屈で仕方ない。
あと、ふと気になったんだけど、この光景を蛇さん見てるんだよな。
兄(姉)弟子に失礼ながら言わせて貰う……助けろよ、オイ。
食蜂「早くー」グイグイッ・・・
香焼「はいはい。自分で持って食べますよ」スッ・・・
食蜂「イヤ。食べさせるのっ」ムッ・・・
子供か。もう何言っても無駄だろう。
香焼「……あー」スッ・・・
食蜂「えいっ★」クルリッ・・・グッ!
香焼「んぎゅっ!!?」バクッ
口に入れる瞬間、食べ欠けの方に引っ繰り返しやがった。
食蜂「あはー♪」ニヤリ・・・
香焼「……、」ダラダラ・・・///
食蜂「真っ赤っかー。そんなに長く『吸引』されると流石に恥ずかしいわねぇ」フフフッ
香焼「っ!!」バッ・・・
すぐさま噛み千切り、咀嚼もせずに紅茶で一気に流し込んだ。
食蜂「してやったりぃ」フヒヒッ♪
香焼「ゴホゴホッ……っ!」キッ・・・///
食蜂「んふっ。そんな顔して睨んでも迫力無いぞっ」ニヤニヤ・・・
この人は、ホントに。
香焼「こ、の……いい加減にして下さいっ」タンッ・・・
食蜂「あ、怒った」ジー・・・
香焼「えぇ怒ってますとも!」ムググゥ・・・
食蜂「どうどう。確かに公衆の面前で弄り過ぎたわねぇ。ごめんなさいな」フフッ
香焼「本気で怒ってるんすよ!」スッ・・・
食蜂「えっ」ピタッ・・・
香焼「一体何なんすか! だから嫌だったんすよ! こうなるの分かってた!」ジー・・・
食蜂「か、香ちゃん?」タラー・・・
香焼「こんなの、例え同性でもセクハラっすよ! 超能力者だからって何でもかんでも我儘が通ると思って―――」
ビリッ! バリイィッ!! ビジバジバリリリリッ!!!
香焼「―――ん、ぎぃっ!!」ビクンッ!!
食蜂「ちょ、ちょっと。落ち着いて、ね」アタフタ・・・
強力な電流が奔った。蛇さんからの合図。
冷静になる。そして一寸前の自分を省みる……急に立ち上がり、素の口調モロ出しで怒鳴り出した。
更に今の自分は……この空間の注目を一同に集めている―――ヤバい。やってしまった。そりゃ蛇さんも、げきおこなるわ。 - 702 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/10/24(木) 01:03:09.57 ID:xuPi/NIg0
- 全身から血の気が引いた。
流石の操祈さんも呆気に取られた様子。操祈さんがこうなのだから、周りの一般生徒は尚更―――いても経っても居られなくなった。
香焼「っ……ご、ごめんなさい」ダラダラ・・・
食蜂「い、いえ。此方こそ」タラー・・・
香焼「……僕、もう戻ります」テキパキ・・・
食蜂「あっ」キョトン・・・
急いで食べ掛けの弁当を片付ける。そして誰とも目を合わさず、一言。
香焼「失礼しました」ペコッ・・・
お嬢様's『 』ポカーン・・・
食蜂「ちょ、ちょっと香ちゃん!」アワワワ・・・
香焼「……さようなら」テクテク・・・
振り向かず、食堂を後にした―――
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
食蜂「……、」アゼーン・・・
お嬢様's『―――、』ヒソヒソ・・・ザワザワ・・・
食蜂「……、」スッ・・・Pipp!!
お嬢様's『 』ピタッ・・・
食蜂「ハァ……何なの、ねぇ。確かにやり過ぎちゃった感はあるけどぉ―――」タラー・・・
カツカツカツ・・・・・
食蜂「―――ねぇ、御坂さぁん。如何いう事なの??」ダラダラ・・・
御坂「馬鹿でしょアンタ……食堂で稀有なモンが見れるっていうから来てみれば、中心はアンタだったのね。しかも喧嘩とは」ハァ・・・
食蜂「ただイチャイチャご飯食べてただけなのよ、ホント……き、嫌われた? え、嘘ぉ」オドオド・・・
御坂「これだから人の心『察せない』アホは……素直に謝りなさいよ。あと香ちゃんの言うとおり、同性でもセクハラはセクハラ」ヤレヤレ・・・
食蜂「私の変態力なんて御坂さんのルームメイト(白井さん)程じゃないと思うけど」ウーン・・・
御坂「黒子(アイツ)基準にすんなっての。で、如何するのかしら」ジトー・・・
食蜂「如何って、謝るしか」タラー・・・
御坂「そう。頑張りなさい」クルッ・・・テクテク・・・
食蜂「ちょっ! そこは手伝ってくれる流れでしょぉ!」ガシッ!
御坂「えぇいっ、離せ! 私は私で香ちゃん慰めるわ」フンッ!!
食蜂「鬼悪魔ひとでなしビリビリちっぱいアッ●ーマン! 傷心の香ちゃん慰めてペロペロする気でしょう! 同人誌みたいにっ!」ウワーンッ!
御坂「誰が貧乳腹筋系女子だ! あとどんな同人誌よっ! ったく……次いつ学校来るのよ。あの子、不定期でしょ」ハァ・・・
食蜂「……明日。来週まで毎日来るって」ウジウジ・・・
御坂「じゃあチャンスは幾らでもある。まず電話かメールで謝って次会う時にちゃんと頭下げろ……って、私はアンタのママかっつの」グデェ・・・
食蜂「ふぇえぇ」ガシッ・・・グズグズ・・・
御坂「えぇい、うっとおしい! はーなーれーろーっ! あとこの部屋の『結界』解きなさい。全員フリーズしててキモい!」ビリビリリーッ!!
ギャーギャー! ワーワー!! フェエエエェ・・・ アーモゥ・・・・・
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * - 703 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/10/24(木) 01:46:05.10 ID:xuPi/NIg0
- 食堂を逃げる様に後にする。行き場なんて決まってない……場所は何処だって良い。人が居なければ、何処でも。
気付くと、校庭の隅に在る用具倉庫の裏に居た。
香焼「っ……うぅ……やっちゃった」ハァアァ・・・
盛大に溜息。幾らトサカに来たとはいえ、あんな醜態。下手したら正体がばれてたかもしれない。
こんなんで明日から如何すりゃ良いんだ。
???『まったくだ―――』香焼「っ!!」ビクッ・・・
人が居る。まったく気がつかなかった。慌てて辺りを見回すが何処にも誰も、気配すら無い。
???『と、ミサカは妹弟子の無様さに怒りを通り越して呆れ返ります』ハァ・・・
香焼「へ、蛇さん!? 何処に」キョロキョロ・・・
もしやと思い、近くに在った大きめのダンボールの中を開いてみたが……居ない。
御坂蛇(17600号)『教えないぞ。まぁ場所など何処でも良い。それより……如何するつもりだ? とミサカは事の収集方法を問います』ジトー・・・
香焼「……如何しましょう」ハァ・・・
御坂蛇『ったく……とりあえず頭を冷やせ。今日はもう帰るべきだ。と、ミサカは冷静に判断します』フンッ
香焼「そうっすよね。このまま学校に居るのも気拙いし」ドヨーン・・・
御坂蛇『口調。あと仕草』ビシッ
香焼「今は自分らしか居ないんすから良いでしょう、もぅ」グデェ・・・
御坂蛇『何時何処で何が起きるか分からない。常に「仮面」を保っておけ。あと、腐るんじゃない。と、ミサカは忠告します』チッ・・・
香焼「……、」イジイジ・・・
御坂蛇『女々しいヤツ。そういう女らしさを求めてるんじゃない。と、ミサカはカマホモショタに毒吐きます』フンッ
香焼「ひ、酷いっすよ。蛇さんだって助けようと思えば助けられた筈じゃないっすか」ウゥ・・・
御坂蛇『だから口調……って、責任転嫁か? ふざけるな。と、ミサカは半ばキレます』イライラ・・・
この遣る瀬無い鬱憤を何処かにぶつけたいのだ。察して欲しい。
御坂蛇『チッ……再教育が必要だな』ジトー・・・
香焼「また電流っすか。はいはい、どうぞ」フンッ
御坂蛇『本格的に腐りおって……止むを得まい。作戦変更だ。と、ミサカは現場指揮官として指令を出します―――』Pi...
香焼「はい?」ピタッ・・・
突如、携帯を取り出し超高速でメールを打ち出す蛇さん。そして一寸後、メールが帰って来た様子。
御坂蛇『……よし。明日は「園」に来なくて良いぞ。その代わり―――』ビシッ・・・
トンデモない事を宣うた。
御坂蛇『―――「香のまま」で、明日一日は「~~~」と行動しろ! とミサカは命令します。徹底的に女としての「教育」だ』ニヤリ・・・
あぁ神様は残酷だ……このどうしようもない気持ちをあのドラム缶にでもぶつけよう。モノに当たるのは良くないが軽く蹴るくらい許してくれ。
御坂蛇(ドラム缶)『うぉっ!?』ゴワンッ・・・
うん、急いで逃げた。雷が落ちる前に。
- 720 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/05(火) 21:52:10.14 ID:+FBDoihf0
- ―――さる翌日、AM03:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・香焼side・・
変な時間に目が覚めてしまった。
香焼「―――、」ボー・・・
きっと今の僕は酷い顔をしてるだろう。
「あと、6時間はある」ジー・・・
モヤモヤとした気分が晴れない。モゾモゾと頭まで布団を被り、昨日のそれからの事をざっと振り返った。
―――謎のドラム缶(蛇さん)に折檻(オシオキ)を受けた後、虚ろな気持ちのまま学舎の園を後にし、第7学区をぶらついた。
何をする訳でも無くブラブラ。誰に見られて様が気にもしない。『香(カオル)』のままで、歩き回った。
幸運にも知り合いに会う事は無かったがよっぽど不思議な、もしくは不安定な子に見えたのか、オジさん3,4人から声を掛けられた。
内容は頭に入ってないがきっと心配して声を掛けてくれたのだろう。申し訳無い。
そして、一般生徒の下校時刻に合わせて電車に乗った。
今思えば早引きしたのだから下校ラッシュ前にさっさと帰れば良かったものの、何故か律義に周りに生活リズムを合わせてしまった。
「まるで、不良息子だ」ハァ・・・
仮病で早退したのを母親に知られたくないドラ息子の様。いや、実際僕は悪い事してないんだが……いや、言い訳か。
単にカオリ姉さんに後ろめたかっただけなのかもしれない。きっと怒りはしないだろうが、それでも姉さんを心配させたくなかった。
さておき、御蔭でまたもや地下を走る鉄の箱の中に苦しい思いをして入り込む羽目に。
肌が触れたり息が掛ったり臭いがキツかったり、相変わらずの込み具合。
そんなのは慣れたモノだが、後ろの人の鞄か手が引っ掛かりスカートが捲れそうになった時は少々焦った。
だが、正直半ば放心状態だったので、少しの辛抱だと割り切り、後ろの人が降車するまで我慢した。
「……それから」モゾモゾ・・・
寄り道せず、家に帰る。着いたのが6時半くらいだったか。
玄関を開けると、居間に居たのは姉さんだけだった。これまた幸いにも、客人達は各々の家に帰っていた。
『おかえり』に対して『ただいま』と、それだけ返した。
僕の表情と声色から何かを察したのか、姉さんは『如何しました』と尋ねてきたが『いえ、何も』と短く返答。
些か不敬だとは思うが、例え『女教皇様(プリエステス)』でも応えたくない気分だった。
尤も、この家の中では教皇扱い禁止なのだが……そういう公とか私とか全部含め、応えられない秘密だっただろう。
「ばか、だなぁ」グゥ・・・
それから何も言わず、部屋に籠った。
夕食時になっても部屋から出られる気分じゃなく、姉さんや五和が呼びに来てくれても『気分が悪いのでごめんなさい』とツっ返してしまった。
しかし二人とも多くは言わず、僕を放っておいてくれた―――あぁ、ほんと、ガキ。我ながら恥ずかしい。
因みに、僕の分の夕飯は20時くらいに颯爽と現れる軍覇がペロリと平らげたっぽい。律義にも本人から『いただきました』メールが入ってた。
「……携帯」チラッ・・・
ふと、携帯を見遣る。
仕事用携帯は蛇さんからの指示(SMS)が1件。プライベート用携帯には浦上と最愛、軍覇、レッサーからメール(ライン)がボチボチ。
そして『香』用携帯には―――操祈さんから着信が33件(メール・ライン・SNS含む)。録音メッセージが2件。
ホラーかと思える程の長文メール(しかも絵文字顔文字ギャル語ゴダゴダ状態)が3通。ただし、何れも解読不能。
ついでに御坂さんからも1件の着信と1通のメールが着てた―――何故か今日の悶着に関してのメールだった。
どうやら操祈さんは御坂さんに相談したらしい。
「今更、どうしろと」ハァ・・・
昨日は完全に返信するタイミングを逃した。しかも『今週来週は学校に行く』と伝えたばかりなのに、昨日の今日で休む羽目とは。
もう頭がこんがらがって爆発しそう。とりあえず、もうひと眠りして起きたら何かしらメッセージを送ろう……――― - 721 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/05(火) 23:25:05.02 ID:RjT01uDO0
- ―――ノック音。
「……ん」グズグズ・・・
部屋の外で誰かが何か言ってるが、眠くて何言ってるか分からない。
微かにもあいの鳴き声と扉を引っ掻く音も聞こえるが……今、何時だ?
「……・・・・・・・・・ ・ ・ ・ っ!!」バッ!!
8時半。眠気は吹っ飛び、嫌な汗が流れた。急いで部屋のカギ(5重)を解除し、居間に出る。
「お、おはようございます!!」アタフタ・・・
目の前には、いつもの姉さん、ともあい。
神裂「……おそようございます」ジー・・・
もあい「なぅ」ジー・・・
香焼「あ、え、と、あの、そのっ」アタフタ・・・
神裂「落ち着きなさい。別に怒りませんから」ヤレヤレ・・・
いつもと変わらず冷静な姉さん。言葉の通り、実際怒ったり呆れたりしている様子ではない。
神裂「とりあえずシャワーを浴びてきなさい。昨日お風呂に入ってないでしょう。それどころかクレンジングすら忘れて」チラッ・・・
香焼「あっ」スッ・・・
神裂「あと制服着たまま寝ましたね? くしゃくしゃですよ。せめてタイツくらい脱ぎなさい」ジー・・・
香焼「す、すいません」カアアァ・・・///
何から何まで、恥ずかしい。
香焼「す、すぐシャワー浴びてき―― グウウゥ・・・ ――ま、す……っ」/////
神裂「まったく。夕飯食べてませんものね……急がなくて良いですよ。落ち着いて湯浴みをしてきなさい。朝食は準備しておきますから」フフッ
もあい「にゃぅ」グー・・・
神裂「はいはい。もあいの餌も準備しますね」テキパキ・・・
香焼「はぅ」トコトコ・・・///
姉さんに何もかも身の回りの世話をして貰うなんて、なんと恐れ多い。
この場に他の男性教徒が居たら『FU☆KEI☆ZAIッ!!』とか言われてテムズ河に沈められてたな。
兎角、パッパと身支度を済ませ、居間に戻った。
香焼「おまたせしました」パタパタ・・・
神裂「いえ……化粧は良いのですか?」チラッ・・・
香焼「え? いや、今日は出る前にしますので」コクッ
極力、家の中では男のままで居たい。
神裂「そうですか。まぁ『香』に関しては私から口を出せませんので、お好きな様に」ポンッ
香焼「心配お掛けして申し訳無いっす」ペコッ
一通り落ち着きを取り戻した所で、遅めの朝食に移った。 - 722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/06(水) 01:37:56.27 ID:piNnJPJ+o
- ねおちか
- 723 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/11/06(水) 01:47:26.78 ID:9owXbRxv0
- 少々重めに見えるが、昨夜から空腹の僕にとって昨日の残りのコロッケは優にペロリと平らげられるモノだった。
遠慮せずガツガツ腹に詰め込みつつ、目の前で粗茶を啜る姉さんに目を向けた。特に言葉は無く、時偶新聞に目を向ける程度。
ついでにもあいにも目を向けた。僕と同じ様にワサワサとペットフードを貪ってらっしゃる。
一通り食べ終え、味噌汁の最後の一滴を飲み終えたところで、姉さんが僕に目を向けた。
神裂「ん。お粗末さまです」チラッ・・・
香焼「ごちそうさまっす」ペコッ・・・
再び新聞に目を戻す姉さん。ほんとに何も、聞かないのか。
神裂「聞いて欲しいんですか」パラッ・・・
香焼「あの……すいません」スッ・・・
神裂「謝られても。貴方は何か悪い事をしたのですか? あぁ、寝坊の事は大目に見ますよ」パラッ・・・フフッ
悟った様に―――いや、実際悟ってる人なのだが……新聞を読み続けた。
正直、こういう時の姉さんは苦手だ。一応家の中なので『姉さん』で居る&(僕らも)扱いする約束なのだが、如何も『教皇』モードに思える。
食器を水で濯ぎ、食器洗い機に入れスイッチを押して、またテーブルに戻る。
香焼「姉さん」ジー・・・
神裂「んっ」パラッ・・・
新聞に目を落としたまま応える。
香焼「えっと。昨日の事、何処まで知ってるんすか?」イソイソ・・・
神裂「さぁ。全然知りませんよ。私が知ってるのは、貴方の―――いえ、『香』の今日の予定だけです」パラッ・・・
香焼「土御門から昨日の報告は?」チラッ・・・
神裂「だから今日の予定だけですって。先にも言いましたが、私は『香』に関して多くは関与しません」パラッ・・・ナデナデ・・・
もあい「みー」スタスタ・・・ゴロンッ
とか言いつつ、全部知ってるんだろうな。それ以上は何も言わずもあいを撫でる姉さん。
香焼「……今日は、最愛の所に行きます」ジー・・・
神裂「ええ、麦野さんには話は通ってます。とりあえず待ち合わせに遅れない様に」パラッ・・・
香焼「そっか。麦野さんも居るんすよね」ポリポリ・・・
『香』の正体を知る数少ない人物。そして、最愛の上司兼姉貴分。
ぶっちゃけ、僕が苦手な人ランク上位に入る超能力者(レベル5)第4位さん。
神裂「心配ですか? 安心なさい。彼女は第5学区の大学に用事があるそうなので日中居ませんよ」フフッ
香焼「そ、そうっすか」ホッ・・・
神裂「でも他のお仲間さん達は居る筈ですよ。あぁ、フレメア嬢は学校でしょうけど」ナデナデ・・・
香焼「……浜面さんと滝壺さんかぁ」ウーン・・・
所謂『アイテム』の方々。ただ、僕はこの二人(+フレメアちゃん)の事をよく知らない。
事前情報として、浜面さんは無能力者(レベル0)で武装無能力者集団(スキルアウト)の元ボスで……現在アイテムの下っ端(?)だとか。
滝壺さんは大能力者(レベル4)の中でも超能力者に近いクラスの能力―――能力追跡(AIMストーカー)の持ち主。あと常にジャージ。
あとフレメアちゃんはフレンダさんの妹という事くらいか。それと―――
神裂「あ。浜面さんは重度の『カミやん病』患者で、滝壺さんとお付き合いしているそうですよ」パラッ・・・
―――ええ、有名な話なので知ってますとも。 - 724 :今晩ラスレス! [saga]:2013/11/06(水) 02:45:46.06 ID:TR7Tworr0
- 一服した後、化粧やら髪のセットを終え、粗方準備を終える。
問題は今日着ていく服なのだが、当たり前の事ではあるが、僕は女物の私服を持ってない。
一応サーシャがふざけて買った某アイドルグループのブレザーファッションみたいなのは持ってるが、コスプレ染みてるので着たくない。
神裂「今日絹旗さんと買ってくれば良いじゃないですか」フフッ
香焼「……試着とかそういう難関があるんすよ? いや、それ以前に自分が女物って」タラー・・・
神裂「今後の事も考えて一着二着買っておきなさい。何かあった時便利でしょう」クスッ
確かにそうなんだが、男としてのプライドが邪魔する。
あと、もし仮に、今日服買ったとしたら経費で落ちますよね?
神裂「難なら私がお小遣いあげましょうか。ただし、買った服は見せて下さいね」ニヤリ・・・
香焼「結構っす。だったら自分の金で買いますので」ジトー・・///
神裂「あらあら。残念です」クスクスッ
もあい「にゃぅ」ジー・・・
姉さんならまだしも、どうせ五和と浦上にも見られてしまうのがオチだ。それだけは勘弁願いたい。
香焼「まったく……姉さんだって麦野さん達と買った服一向に着ないクセに」ブー・・・
神裂「わ、私は別に良いんです。それより貴方が今日着ていく服ですよ」コホンッ・・・///
香焼「んー……制服は、皺クチャなっちゃいましたし。姉さん達の服はサイズ合いませんし」ムゥ・・・
『香焼(僕)』の普段着でも良い様な気がするんだけど。今時ボーイッシュな服装な女子は五万と居るし。
佐天さんなんて僕より男らしいファッションしてた事あったぞ。
神裂「(それじゃただ化粧しただけの香焼だと思われますっての。自分の童顔考えなさい)……それは勧めません、絶対に」ハァ・・・
香焼「えっ。何で? よく分かんないっすけど……困ったっすね」ウーン・・・
神裂「浦上のスカート、ベルト締めれば入るのでは? それにストッキング穿いて、上はYシャツ&カーディガンで良いと思いますけど」コクッ
確かに当たり障りない恰好だ。しかし、姉さんから『普通』の恰好の案が出てくるなんて吃驚。
神裂「私だって並の感性くらい持ってますよ」フンッ・・・
香焼「(え?)……あはは。すいません」ポリポリ・・・
神裂「まぁ敢えて女らしさを出すなら、1サイズ大きい五和のカーディガンかセーターを羽織って行けば尚女々しく見えるのでは」チラッ・・・
成程。流石、麦野さんやら固法さんにファッション研究させられてるだけの事はある。
兎に角、五和と浦上にメールして服を借りる事に―――この際、変に意識したくはないが、姉達の普段着という事は目を瞑ろう。
―――一寸後、準備完了。一見、何処にでも居そうな女子中学生っぽくなった……なってしまった自分が悲しい。
姉さん、似合ってますよ的な目を向けるのを止めて下さい。
香焼「はぁ……そろそろ時間なので出ます。後はお願いしますね」ヤレヤレ・・・
神裂「はい。あ、そうそう。本来昨日伝えておくべきだったんですが、2点。まず、今晩私は所用で居ません」コホンッ
香焼「(あー……今日上条さんとこ行く日だっけ)……そうっすか。楽しんできて下さい」ニヤニヤ・・・
神裂「な、何ですかその目は―――あとは、此方は麦野さんからの伝言」グヌヌゥ・・・///
香焼「えっ」ピタッ・・・
神裂「『私の部屋入ったら殺す。それと……滝壺はアンタの正体知ってるからね』だそうです……まぁその、頑張って下さい」ハハハ・・・
香焼「ぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぁっ!?」ギョッ・・・
最後の最後でトンデモない事宣うた。 まぁじでぇ? 何それ怖いんすけど……――― - 725 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/11(月) 22:24:43.60 ID:n+scI5SU0
- ―――昨日程、通学ラッシュの時間帯に巻き込まれてはいないが、それでも相変わらずのギュウギュウ詰めな地下鉄。
比較的空いているモノレールを使えば幾分か楽なのだろうが、割高な分、経費削減の為地下鉄使用を推奨される平教徒。
さておき、先の話を思い出す。
香焼(滝壺さんかぁ)ウーン・・・
何度か顔を合わせた事はあるが、全て挨拶程度。
最愛曰く『何考えてるか超分からないけど、アイテムの中では常識人』だそうな。
能力者としても優秀で『麦野沈利の虎の子』らしく、実際超能力者に近い位置に居る大能力者だとか。
(でも、何で自分の正体を? 麦野さんが教えたのか? でも、何で)フム・・・
僕がボロを出さなきゃ『神埼香』の正体はそうそうばれない。現に、土御門や海原さんも出し抜いた程の変装。
自分でいうのも男として悔しいが、相当自信がある……なのに、麦野さんは何故僕の正体をばらしたのだろう。
いや、何か理由がある筈だ。もしかして麦野さんに知らされずとも知っている(知っていた)可能性だってある。
兎にも角にも、本人に確認すべきだ。でなければ、今後に響く。『香の正体』は僕にとってデメリットでしかない。
(まぁ最悪、最愛にばれるのだけは防がないとなぁ……おわっと)ジー・・・ギュウウゥ・・・
満員電車の混雑に潰されながらこれからの事を憂う。
それにしても後ろの人、僕の方に身体押し付け過ぎじゃないか。もうちょっとくらい横にスペース取れるだろう。あと、鞄太ももに当たってる。
そして数十分後……お目当ての駅に到着。
そこからバスで数分、もしくは徒歩十数分の場所、第7学区の中でも中心部。丁度『窓のないビル』の真南辺りのマンションだ。
しかし、ぶっちゃけマンションというより、ロイヤルホテルとかグランドホテルって感じだ。
要人御用達といった様の高級マンション。流石麦野沈利(超能力者でお嬢様)。
僕の部屋(マンション)も十二分に立派だとは思うけど、マジモンとなるとレベルが段違いだ。
とりあえず、時間も時間なので一応『監視役(教育係)』に連絡を入れる。
香焼「―――……もしもし」Pi!
御坂蛇『―――遅い。もう10時前だ、とミサカは腑抜けに不抜けた馬鹿妹弟子を叱ります』フンッ!
香焼「いや、予定通りっすけど」ハァ・・・
御坂蛇『未開の地へ入る際は充分余裕を持って先廻りしろと教えたろう、とミサカはヤル気の無いアホ妹弟子に喝を入れます』フンヌッ!!
香焼「言われた事無いっす……ってか、今日はヤケに体育会系っすね。如何したんすか?」テクテク・・・
御坂蛇『昨日私は悟った……お前を甘やかし過ぎた。今日は倍厳しく行くぞ、とミサカはスコープ越しに貴女を睨みます』ギロリ・・・
いや、絶対昨日の事(ドラム缶ヤツ当たり事件)根に持ってるでしょう。
御坂蛇『喧しい! あと、口調と仕草! 今日は徹底的に「女子」の何たるかの勉強だろう。念頭に入れなさい』トミサカハ・・・
香焼「はいはい。そーっすねー」テクテク・・・
御坂蛇『この糞ガキ。一遍、路地裏の変態ホモ親父共の巣窟に手足フン縛って放りこんでやりましょうか』トミサカハ・・・
香焼「……冗談でも止めて下さい」ブルッ・・・
御坂蛇『では真面目に行動しろ。でなければ、まず電流だぞ―――とりあえず、今日の勉強は「女子」。「女子力」ではない』トミサカハ・・・
その違いが分かりません。
御坂蛇『香の……いや、貴方の「女子力」は素から十二分だ。必要なのは仕草や言語。それを徹底しなさい。良いですね』トミサカハ・・・
香焼「はいはい、トミサカ蛇さん」テクテク・・・
御坂蛇『く、そ、ガキっ……ビリッと』ポチッ!
香焼「えっ!? ちょ、待っ! ごめんなさ―――」ビジバジ・・・
早朝の高級マンション街に電気ショックによる嬌声が鳴り響いた。 - 726 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/11(月) 23:20:48.27 ID:n+scI5SU0
- ―――さる翌日、AM10:00、学園都市第7学区、マンション『ソード・ライン』(麦野宅)・・・香焼side・・
痺れる身体に鞭を打ち、玄関へ進む。
偉く仰々しい入口。管理人、というより受付(フロント)さんが3,4人待機していた。
姉さんの話によると、この人達に『1801号室の麦野』と言えばインターホンを繋いでくれるとか。
香焼「あの、おはようございます。1801号室の麦野さんのお部屋に取り次いで貰えますか。名前は神埼(こうざき)…です」テクテク・・・
受付「はい、畏まりました。少々お待ちを―――」Pi!
まさに、ホテルとか旅館のそれだ。一寸後、受付さんが困った様に僕を見た。
受付「―――えぇっと……神埼さま、ですね。『どなたか分からない』と麦野さまは仰っているのですが」ポリポリ・・・
香焼「え。あ、じゃあ『神裂(かんざき)の弟分の香焼(こうやぎ)の従妹(いとこ)の香(かおる)』って言って貰えますか」ハハハ・・・
受付「はあ……カンザキさまの弟のコウヤギさまの従姉妹のカオルさま、でございますね」メモメモ・・・
『香』の苗字はメジャーじゃないから仕方ないか。でもこの偽名、姉さん(神裂火織)から文字らせてもらってるから覚え易い筈なんだけど。
さておき、今度はちゃんとアポが取れた様だ。
受付「お待たせしました。では此方へ……まずそこの入館書に記名をされた後、金属探知機を通って貰い、簡単な身分審査を」アーダコーダ・・・
香焼「……はい?」キョトン・・・
受付「規則ですので」キッパリ・・・
何此処怖い。てか、中に居る人達もっと危険ですけど。
冗談は置いておいて……金属探知は拙い。完璧ナイフと鋼糸(ワイヤー)が引っ掛かる。こんな事なら対磁気ケース持ってくるんだった。
困りながら、携帯やIDカードやら表立った磁気モノを小物入れに置いている最中……蛇さんからメールが着た。
『問題無い。堂々と通りなさい、とミサカは指示します』
何かサポートしてくれるらしい。謂われた通り、何食わぬ顔で探知機の下を潜る……何も鳴らなかった。
その後の手続きはパパッと済ませ、逃げる様に最愛達の部屋を目指した。
しっかし、流石プロスネークと呼ばれるだけあって敏腕の潜入員だ。海原さんの一番弟子なだけはある。だが―――
『貸し1。あとでカロリーマートを1カートン奢れ』
―――妹達(シスターズ)とは思えない程、現金な方だ。
迷路の様なマンション内をグルグル歩きつつ、なんやかんやでお部屋に到着。
滝壺さんの事とか色々と不安だが、動かなければ始まらない。此処で逃げ帰ったら更なる『折檻(オシオキ)』が待ってるだけ。
とりあえずインターホンに手を伸ばした。
香焼「こんにちはー」ピンポーン・・・
??『はいはい。新聞の集金って今日?』ガチャッ・・・
香焼「え、いや、新聞じゃなくて」キョトン・・・
??『あれ? じゃあメイジ? それともグリコ? あ、ヤクルトの日だっけ? 違う? 誰かピザ頼んだ?』フム・・・
香焼「……、」ポカーン・・・
何か勘違いされてそう。
??『ん? あー……ああ。ちょっと待ってて』ガチャッ・・・
パタパタと駆けてくる音。そして扉が開きそこに居たのは……家庭的な恰好(しまうまエプロン&ライオンさんスリッパ)をした浜面さんだった。 - 727 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/12(火) 00:03:46.98 ID:VccYCfXR0
- 印鑑と財布を持ったまま、僕の顔を見てフリーズする浜面さん。
あーとかえーとか言ってるけど、よく分かってない御様子。まぁ『香』の状態で会うのは初めましてだし無理も無いか。
香焼「おはようございます」ペコッ・・・
浜面「……お、おぅ?」ペコリ・・・
香焼「えっと、はじめまして。神埼香…です」ペコッ・・・
浜面「え、あ、はい?」キョトン・・・
この様子から見るに、香(僕)が来る事を知らされてなかったっぽいな。
香焼「あー。今日は麦野さんに―――」
浜面「うっ……おいおいおいおい。こういう見ず知らずの女の子がいきなりやって来るってのは絶対ぇ悪い事の前触れだぞ」タラー・・・
香焼「―――えっ」ポカーン・・・
浜面「てか、こういうパターンは俺のとこじゃねぇだろ。さしづめ、上条か一方通行んとこと相場が決まってる筈だ」ダラダラ・・・
香焼「あの、もしもし」キョトン・・・
浜面「あぁもぅ! 俺は俺んとこ(アイテム+α)でいっぱいいっぱいなんだよぅ! これ以上厄介事(女)増やすなってのぉ!!」ギャースッ!!
香焼「……、」タラー・・・
よく分からないけど、苦労してるなぁ。
浜面「という訳でおかえりくだしあぶぼほぉっ!!?」ゴズンッ・・・
香焼「っ!?」ギョッ・・・
滝壺「まったく……はまづら、落ち着いて。この子はきぬはたの友達」ヤレヤレ・・・
音も無く背後から現れた女房―――もとい、恋人にルンバで殴られる浜面さん。
浜面「たき、っ、ぼ……ルンバって、ルンバって、何さ」プルプル・・・
滝壺「ルンバ(この子)もウチの家族でしょ。さて―――いらっしゃい、かおる。待ってたよ」ニコッ
香焼「は、ははは」タラー・・・
滝壺「とりあえず上がって頂戴。一応私とはまづらで掃除はしといたけど、ちょっと散らかってる。大目に見てね」フフッ
香焼「は、はい」チラッ・・・
浜面「ぐ、おぅ、ぎっ」プルプル・・・
未だに後頭部を抱えている浜面さんを後目に部屋に上がらせて貰った。大丈夫だろうか、嫌な音がしたんだけど。
滝壺「大丈夫、はまづらはそんな柔じゃない。きぬはたの8割グーパンでも額カチ割れないもの」フフフ・・・
浜面「い、や、痛いからね。頭の内出血って血ぃ出るよりヤバいのよ、滝壺さんや……てか、俺はさておき、絹旗のダチっつったか?」チラッ・・・
香焼「え、ま、まぁ一応。兄伝手の友人…ですけど」ポリポリ・・・
浜面「アイツ、極度のコミュ障だぞ。普通にダチなんて考えられないが……って、兄?」キョトン・・・
滝壺「ほら。むぎのと家族ぐるみで仲良い、こうやぎくん」チラッ・・・ニヤリ・・・
浜面「あぁ。あの坊主の……そいやぁ何処となく似てるな」ジー・・・
香焼「っ! よ、よく言われます」ビクッ・・・ハハハ・・・
滝壺「ほーんと、そっくりだよね」ニッコリ・・・
滝壺さん、心臓に悪い発言は止めて下さい。冷や汗で化粧が落ちそうです。
出だしからハラハラさせられつつ、僕は長い廊下を案内され、小さな聖堂程もある馬鹿っ広いリビングへ案内された。 - 728 :本日ラストですの。 [saga]:2013/11/12(火) 00:57:43.35 ID:AM9P/pQA0
- 並の戸建てよりもデカい一室。これを部屋と称してるんだから贅沢極まりない。
掃除とか大変そうだなぁと借りてきた猫状態で辺りをキョロキョロ眺めつつ、促されるままソファに坐した。
滝壺「さてと。まずは先に私とお話しといた方が良いかな。その方が気楽でしょ」チラッ・・・
香焼「え、そう…ですね」ポリポリ・・・
浜面「ん、茶でも入れるか。香ちゃんとやら。コーヒー紅茶緑茶麦茶その他諸々、何が良い?」テクテク・・・
香焼「では、麦茶を」ペコッ・・・
滝壺「謙虚だね。じゃあ、はまづら……クワトロベンティクラシックキャラメルバニラアーモンドヘーゼルナッツアドジェリーエキストラチョコレートチップエ キストラチョコソースエキストラキャラメルソースエキストラホイップエキストラシロップノンティーを二つお願い」ニコッ
浜面・香焼「「えっ」」ピタッ・・・
滝壺「はまづら、察して」ニコニコッ・・・
浜面「あー……はいはい。クワトロ=バ●ーナなんちゃら二つね……ったく、後で聞かせろよ」ポリポリ・・・
滝壺「はまづらのえっち。がーるずとーくだからはまづらはNGだよ」クスッ
浜面「へいへい」テクテク・・・
ダイニングキッチンとは名ばかりで、大分距離があるレンジの方へ消えていく浜面さん。さて、では『お話』といこうか。
滝壺「まずは……ようこそ、私達(アイテム)の根城へ―――香焼くん。不在の主(むぎの)に代わって歓迎します」フフッ
滝壺「色々聞きたい事はあると思うけど、私も色々聞きたい事はあるの。主にきぬはたの事だけど、あとは今日の事もね」ジー・・・
香焼「そうっすね。其方から聞いて貰って良いっす――― ビリッ! ―――っ!! き、聞いて貰って、良い…ですよ。(蛇さんっ!)」ビクンッ・・・
滝壺「えっ? あ、うん。じゃあきぬはたの事は後でじっっっっくり聞くとして、まずは……今日の目的」チラッ・・・
何故、此処へ来たか。それも『香』の姿で。
滝壺「『こうやぎ某』で遊びに来るならいざ知らず、その恰好で此処へ来たのは不思議でならないかな。むぎのの道楽にしても謎が多い」ジー・・・
香焼「言う程、深い意味は無いん…ですけどね。一つは僕自身への戒めと、もう一つは……普段の最愛を知っておきたかったからかな」ポリポリ・・・
嘘は言ってない。後者は後付けだが、実際知っておきたかったのは確かだ。土御門や蛇さんの指示云々については言う必要はあるまい。
滝壺「『戒め』ってのがよく分からないけど……それだけ?」ジー・・・
香焼「ええ。まぁ、あとは『香焼』として堂々と休めない身分なので、『香』で休暇を……みたいな感じ…ですよ」ハハハ
滝壺「んー……やっぱり良く分かんないけど、私達に害が無い様なら何だって良いかな。でも話だけ聞くと、きぬはたのストーカーっぽいよ」フフッ
香焼「酷いなぁ……真面目な話、貴女達に害を為したとなっちゃ貴女達のボス(麦野)はおろか姉さんまで敵に回す事になりますから」ポリポリ・・・
滝壺「怒ったむぎの、おっかないもんね……むぎおこ! あ、これ流行らせて良いよ。今度むぎのの前でやってみて」プンスカッ!
僕には無理です。絶対無理です。どんなに脅されたって、どんなに好条件だされたって、不可能です。
滝壺「ふふふっ、ヘタレめ。はまづらならやってくれるのに―――とりあえず、私からはこの程度でOK。次は、其方がどうぞ」チラッ・・・
香焼「(浜面さん、何回殺されてるんだか……)じゃあ、いきなり…ですけど。何故『正体』を? 麦野さんに知らされて?」ムゥ・・・
待ってましたと言わんばかりに微笑む滝壺さん。優しい雰囲気だが、何処となく全てを見透かしてそうな目をしている。
滝壺「やっぱりその疑問かぁ。まず後者は正解。むぎのが事前に知らせたよ。何故かは……分かる?」ジー・・・
香焼「3つ考えてました。まず、僕をサポートさせる為。もしくは、隠しても無駄。あとは、麦野さんに知らされる前に知ってたか」コクッ
滝壺「頭が回るんだね。うん、全部正解で良いと思うよ」クスッ
余計訳が分からなくなりそうな答えを返す滝壺さん。如何いう意味だろう。
僕の悩む顔を見て苦笑する滝壺さん。そして、疑問に答える様に右の人差し指で自身の目尻をトントンと叩いた。 - 729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/12(火) 01:50:50.03 ID:JhN5x4+Lo
- 乙です
- 730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/12(火) 01:51:20.28 ID:XVzXFakLo
- 乙ー
- 731 :続き投下! [saga]:2013/11/17(日) 22:05:25.60 ID:sHBTn0Eh0
- その仕草が何の意味があるのか分からない。
小首を傾げる僕の顔が可笑しかったのか、滝壺さんは優しく微笑んで回答をくれた。
滝壺「私の能力。きぬはたから話だけは聞いてるでしょ」ピッ
香焼「え? あ、はい。確か相手の場所が分かったりする能力だとか。しかも大能力(レベル4)の希少能力者(レアスキル)って」キョトン・・・
滝壺「強度(レベル)は関係無いけどね。詳しくは能力追跡(AIMストーカー)っていうの」コクッ
香焼「へぇ。名前からして、AIM拡散力場に関係ある…ですか?」フム・・・
滝壺「うん。分かり易くいうと、誰しも各々微弱なAIM拡散力場(それ)を発してる。例え無能力者(レベル0)でもね」フフッ
此処まで言えばあとは分かるでしょ、と浜面さんの方を見た……成程。合点。
つまり僕から出るAIM拡散力場を見れば、『香焼』だろうが『香』だろうが、同じモノとばれてしまう訳か。
だったら隠したところで意味は無い。何も知らせず下手に隠せばうっかり他の人へばらしてしまいかねない。
そういう意味もあって、麦野さんは滝壺さんへ事前に知らせたのだろう。
滝壺「尤も、今は身体の調子が悪いから能力多用は出来ないけど、此処まで接近すれば力場の『色』の判別くらいできるよ」フフッ
香焼「『色』…ですか」ポカーン・・・
滝壺「強度が高ければ高い程、『色』は濃く見えるの。あくまで私視点だけどね……まぁはまづらは別かな」フフッ
香焼「面白い…ですね。因みに、僕の『色』は何色…ですか?」ヘー・・・
滝壺「君はノイズの掛った灰色。そのノイズが何なのかは分からないなぁ。どんな無能力者でもそういう雑色は入らないんだけど」ウーン・・・
多分、魔力がノイズとなってるのかもしれない。他の魔術師もそう見えるなら、多分そうだろう。
でももし、その判別が可能だとしたら……この人はマジモンの化け物だ。因みに話題として、他の人の『色』は―――
滝壺「アイテムの皆だと、むぎのは強烈な赤。きぬはたは灰と黒の二色。はまづらはライオン色。フレメアはちょうちょ色」コクッ
香焼「えらく抽象的な『色』してる2人が気になりますけど……他には?」フム・・・
滝壺「うーん。第一位(アクセラレータ)は太極色。第二位(ダークマター)は『今』は真っ白。第三位(レールガン)は強烈な山吹色」ピッ
香焼「えっと……やっぱ分からない…です」ポリポリ・・・
滝壺「うん、多分私の『視てる世界』は誰にも理解出来ないよ。もし分かるとしたら、それは私と同じ能力の人間だけ」ウンウン・・・
じゃあ唯一無二決定だ。
滝壺「とりあえず、今日は君をサポートするよ。困ったら頼ってね」ニコッ
香焼「宜しくお願いします」ペコッ
見る限り優しそうで頼り甲斐がある人だ。僕の知り得る姉貴分達とは大違い。きっとカオリ姉さんに近いのだろう。安心してサポートを頼める。
一寸後、空気を読んで外していた浜面さんが謎の飲み物を持って此方に来た。
浜面「あいよ。麦茶と俺風クワトロなんとかコーヒー」コトッ
香焼「ありがとうございます」ペコッ
滝壺「ありがと……あまい」ウゲェ・・・
浜面「だろうな」ハハハ
胃凭れしそうな色だ。クリームだのキャラメルだの、適当ブッ込んだんだろう。
浜面「さーて。そろそろ寝坊助達を起すか」テクテク・・・
滝壺「そうだね。折角かおるが来てるのに、失礼だしね」チラッ
寝坊助って……そういえば最愛を見かけてないが、まだ寝てたのか。というか、達って? - 732 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/17(日) 23:33:03.56 ID:gTxC4IN/0
- さてと、と腕捲りをして廊下へ向かう浜面さん。何故か滝壺さんが『気を付けてー』とか言ってるけど、危険なのだろうか。
香焼「いつもこんなに寝坊助なの…ですか? 一応平日…ですけど」チラッ
滝壺「元々、暗部の仕事やってた時の名残りかな。不摂生で夜型だったから予定の無い朝は弱いよ」ポリポリ・・・
香焼「なるほど。直していかないといけませんね」ウーン・・・
滝壺「むぎのの所為でもあるんだ。悪いお手本が傍に居ると、ね。でも一応、あの子には真面目に学校へ行って貰いたいと思ってる」コクッ
香焼「僕もそう思います」フム・・・
最愛にはもっと常識と、積極性と、自立心と、友達が必要だ。
滝壺「……その為には、貴方の力が必要。私やはまづらだけでは限界があるからね」チラッ
香焼「はい。お手伝いしますよ」フフッ
滝壺「ありがとう。どうも私達(アイテム)じゃ説得力が無いから。皆学校行ってないでしょう」ハハハ・・・
香焼「まぁ、でも今からでも遅くないんじゃ」ウーン・・・
滝壺「残念ながら無理だよ。私とむぎのは霧ヶ丘みたいな研究機関所属だし、はまづらは……うん」ポリポリ・・・
確かに、制服すら持ってないんじゃ説得力はないな。浜面さんに至っては中卒、いや卒業したかどうかも怪しいみたいだし。
兎に角、その話の詳細は追々として……浜面さん、遅いな。
香焼「いつも浜面さんが起してる…ですか?」チラッ
滝壺「うん。元々私が起してたんだけど、危ないから今はむぎのかはまづらが起す事になってる」ハハハ・・・
香焼「危ない? 寝像とか寝起きが…ですか? 別段、ウチに泊まりに来た時とかは危険でもない…ですけど」キョトン・・・
滝壺「それは他人の家で『借りてきた猫』状態だからだと思う。枕が違うと寝ても起きても緊張するでしょう」ピッ
香焼「確かに。ただでさえ人見知り…ですからね。幾ら香焼家(ウチ)と仲良いとはいえ、多少は遠慮もしてますし」フム・・・
滝壺「本当に安心できる場所だと気を張る必要が無いでしょ。元だけど、職業柄、警戒心を持つ必要が無い場所って『此処』だけなの」コクッ
なんとなく理解できる。『気の休まる場所』の事を言っているんだ。
固法さん風にいえば『居場所』というヤツだろう。実際、僕自身、そういう場所がマンションの自室とロンドンのアパートだけだ。
滝壺「あの子にとって、此処は自動防御(オートガード)を解除できる唯一の場所、みたいな感じかな。だからボロを出して寝れる」フフッ
香焼「でも最愛の窒素装甲(オフェンスアーマー)って解除出来ないんじゃ」フム・・・
滝壺「モノの例えだよ……デフォで『防御(ガード)』になってるっぽいね。誰かさんの『反射(カウンター)』みたいに」ヤレヤレ・・・
ただし『意識すれば』解除出来るらしい。実際、僕も最愛に触った事あるし。
滝壺「……へんたい」ジトー・・・
香焼「え、あ、い、いやっ! 触ったっていっても、肩叩いたりとか腕引いたくらいで」アタフタ・・・
滝壺「……ほんとに、それだけ?」ニヤリ・・・
香焼「うっ、と、ぃ……手を繋いだり、頭撫でたりとかも、したかもしれませんけど……うーん」タラー・・・
滝壺「ふふっ。冗談冗談。君にそんな疚しい気持ちがあったとは思わないよ。まぁはまづらと同じでヘタレっぽい匂いがするし」ハハハ
香焼「だから度胸とかそういう問題じゃなくて……もぅ。自分と最愛は友達っすよ――― ビリッ! ―――ァウッ!? っ……ですよ」ハァ・・・
滝壺「うふふっ。初のう初のう。ま、君の場合は『誰でも』そういう事しちゃうんだろうけどね」ニヤニヤ・・・
香焼「ったく……余計なお世話っす」ムスー・・・///
お姉さんキャラ全員、こういう色恋沙汰になるとノって来るのは統一ルールなのだろうか。
さておき……浜面さん、本当に遅いな。何をしてるんだろう。 - 733 :ねむいので、ねますの。。。続きはWebで! [saga]:2013/11/18(月) 00:59:23.42 ID:B1E6JAyD0
- 流石に遅過ぎるので、滝壺さんが様子を見て来ようと席を立った刹那―――
『ぎゃああああぁああああああああぁっ!!』ドゴオオォンッ!!
―――爆音と浜面さんの悲鳴が木霊した。
何事かと急いで廊下の方へ向かう。非常時に備え、ナイフと鋼糸(ワイヤー)を握り締めた。
滝壺「はまづらっ」パタパタ・・・
香焼「っ!」ギョッ・・・
浜面「」チーン・・・
廊下に面した部屋の前……壊れて外れた扉と壁にサンドイッチされた浜面さんがいた。
更に扉はカトゥーンアニメに出てくるチーズの様な穴が空いている。幸い、浜面さん自身に穴は空いてない様だ。
ピヨピヨとゲームのダウン状態みたいに気絶してる浜面さんの介抱をする滝壺さんを余所に、僕は恐る恐る部屋の中を覗いた。
すると、そこには……―――
絹旗「うみゅう……超、喧しい、ですよぉ……むにゃむにゃ」Zzz...
黒夜「くぅ……まじ、うっせぇ、ぼけぇ……すやすや」Zzz...
―――可愛い顔して寝息を立ててる窒素姉妹が、仲睦まじく一緒のベットで寝ていた。
布団を剥いだりパジャマが着崩れてたりするが、割と寝像は酷くない。でも浜面さんの今の様子を見るに、無意識で能力を発動させたのだろう。
香焼「……危険な」タラー・・・
浜面「」イテェ・・・プスー・・・
滝壺「やれやれ。はまづら、傷は浅いよ……あ、こら。女の子の寝顔を凝視しちゃダメだよ。そんなに2人のおへそに見惚れちゃった?」フフッ
香焼「うぇ!? あ、いや、いやいや! 言ってる場合じゃないでしょうっ」タラー・・・///
滝壺「まったくムッツリさんだねー。さぁてと……どうやって起そうかなぁ」ニヤニヤ・・・
流石に近寄るのは危険だと分かっているので、部屋の前から起そうと試みる滝壺さん。そりゃ浜面さんの二の舞は勘弁願いたい。
しかし、声を掛けるだけで起きるのだろうか。それだけなら先程、浜面さんが起しに行った時点で起きる筈だが……如何するつもりだ?
滝壺「じゃあねぇ……きぬはたー。朝だよー」オーイ
絹旗「むきゅー」Zzz...
滝壺「ス●パーで『えびボクサー』のやってるよー。観なくて良いのー?」チラッ
絹旗「んー……録画してるんでぇ……ちょー、だーじょーぶでぇす……むにゃむにゃ」グズグズ・・・
滝壺「ありゃりゃ……じゃあ、くろよるー。よみかわさん家のわーすとさんがベットの下に潜んでるよー」オーイ
黒夜「ううぅ……やめてくれよぉ……ひいぃ……ねここわい。こわい、ねこぉ……ううぅ」ガシッ・・・ギュウウゥ・・・
絹旗「ぐうぅ……ちょーくるしー、ですぅ……むにゃむにゃ」ウググゥ・・・
滝壺「ふむふむ。もうちょいだね。あと一押し……ねぇ、きぬはた。くろよる」ジー・・・
窒素姉妹『むにゃむにゃ』Zzz...
滝壺「こうやぎくんが第七位(そぎいた)とノッポ神父さんに襲われてるよ……性的な意味で」ボソッ
香焼「はいっ!?」ギョッ・・・
絹旗「っ!? あんのぉ糞ホモ野郎共があああぁ!! 香焼の貞操は私が守りますっ!!」ガバッ!!
黒夜「っ!! お。やっぱりアイツ、ホモなのかっ!! やっぱりそうだったのかっ!!」ワクワクッ!!
滝壺「あ、起きた」ハハハ
香焼「」チーン・・・
浜面「」タキツボ・・・タスケテ・・・
理由の無い虚無感が僕を襲った。僕がホモだとか、軍覇とステイルが僕を取り合ってるとかいう風潮は何なのさ。まったく。 - 734 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [sage]:2013/11/19(火) 22:36:49.06 ID:OpFqLRYm0
- ―――さる翌日、AM11:00、学園都市第7学区、マンション『ソード・ライン』(麦野宅)・・・・・
なんやかんやで、二人が起きました。
窒素姉妹『眠い...』ボー・・・
滝壺「やれやれ。夜更かしするからだよ」ポンポンッ
浜面「痛てて……コイツら昨日の夜ずっとウイイレやってたもんな。3時くらいまで。五月蠅ぇのなんの」ポリポリ・・・
12,3歳の女子が平日の深夜に何やってんだか。というか、それはさておき、少々疑問。
香焼「2人って、仲悪いんじゃなかった…ですか?」ボソッ・・・
滝壺「んー……トムとジェリー的な」ハハハ
どっちが猫で鼠なんだろう。どっちも猫な気はするが。
絹旗「ふぁああぁ……そういえば、香来る予定でしたね。超忘れてました」ムニャムニャ・・・
黒夜「んー、誰コイツ」ジー・・・
香焼「あー。はじめまして。香焼の従妹…です。(黒夜は『香』初めてだったね)」ペコッ・・・
黒夜「イトコ? あぁ、言われてみれば似てるか」マジマジ・・・
そりゃ本人ですもの。
浜面「とりあえずお前ら着換えろよ。もう昼前だぜ。いつまで寝巻きでいるつもりだ」ヤレヤレ・・・
黒夜「って、浜ちゃんオカンが言ってるぜ」チラッ・・・
絹旗「超余計なお世話です。キモ面のくせに母親ぶんないで下さい」ッタク・・・
浜面「ぐっ……糞ガキども。朝飯出さねぇぞ」ハァ・・・
滝壺「こらこら、きぬはた。普段ならそれでも別に良いけど、今日はかおる来てるんだからね」チラッ・・・
絹旗「んー。別に香なら気を使わなくても」ゴローン・・・
香焼「あはは……まぁそう…ですね」コクッ
滝壺「香。『いつもの事』だけど、甘やかしちゃダメでしょ。こうやぎくんといい、貴女といい、きぬはたに甘過ぎるよ」ジトー・・・
確かに、自覚してます。
浜面「この嬢ちゃん、あの坊主の従妹なんだろ。このダラしない恰好報告されても知んねぇぞ」テクテク・・・
絹旗「っ!?」バッ・・・
香焼「(時既に遅し、っすね)……い、言わないよ。でも着替えた方が良いと思うな」ハハハ・・・
滝壺「そうだね。もしいつまでもゴロゴロしてる様なら……私がこうやぎくんに寝像写メ送っちゃおうかなー」ニヤリ・・・
絹旗「き、着替えますよ!」バババッ・・・
黒夜「はっ。ざまぁねぇな」ケケケッ
滝壺「くろよるの写メも送るよ? ついでにわーすとにも」ニヤニヤ・・・
黒夜「ざっけんなっ!! この腹黒ジャーz…―― 滝壺「...、」スッ・・・ ――…あ、嘘です! 今すぐ着替えます!!」バタバタッ・・・
香焼・浜面「「……、」」タラ・・・
子供の扱い上手だなぁ。 - 735 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [sage]:2013/11/19(火) 23:31:52.93 ID:OpFqLRYm0
- 一寸後―――普段着に着替えた二人。見るからに対照的なセンスだ。
淡い水色のニットワンピースの最愛。ファイヤーボール柄のペイントタイツにホットパンツ&メタリックアクセントのロングTシャツの黒夜。
これで姉妹分ってんだからよく分かんない。まぁ似通ってるのは能力的な意味だけらしいし、こんなもんなのかな。
絹旗「これで文句無いでしょう」フンヌッ
滝壺「はいはい、良い子良い子」ヨシヨシッ
浜面「初めから素直に着替えろっつの……飯如何すんだ?」チラッ・・・
黒夜「私は昼と一緒で良い」グデェ・・・
絹旗「私も」ゴロンッ・・・
着替えたところでダラしないのは変わらなかった。
浜面「こういう風に育ったのも麦野の所為だ、麦野の」ジトー・・・
滝壺「反面教師にして欲しかったんだけどね。しょうがない、早めにお昼にしちゃおうか」テクテク・・・
浜面「俺作ろうか?」スッ・・・
滝壺「朝やってくれたでしょ。お昼は私がやるよ。はまづら、少し休んでて。あ、かおるちゃん。お昼早めでも大丈夫?」テクテク・・・
香焼「ええ。お任せします」ペコッ
うさぎ柄のエプロンを身に着け、キッチンへ向かう滝壺さん。
さて……暫く滝壺さんの助けは無い。如何しようか。
浜面「洗濯は終わったし、ゴミ出しも終わった。買出しは一昨日ので明日まで持つし……天気良いから布団でも干すか」フムフム・・・
香焼「随分主夫が板についてますね。上条さんみたい…です」ハハハ・・・
浜面「ん? 上条知ってんのか。まぁアイツ程じゃねぇよ。ありゃプロの主夫だからな」ハハハ
黒夜「いやぁオマエも負けず劣らずだと思うけど」チラッ・・・
絹旗「私達(アイテム)で超鍛えましたからね」エッヘンッ!
浜面「あーそーですねー。滝壺以外、自分達の事何もしようとしないヤツらばっかだからなー。炊事洗濯どころか部屋掃除すらしねぇ」ボウヨミー
黒夜「マジガキんちょだわなぁ絹旗ちゃん。浜面パパに何でもやって貰ってるんでちゅねぇ」クククッ
絹旗「……超腹立つモノ言いですね」イラッ・・・
黒夜「睨むなよ。ま、私は一人暮らししてっからなぁ。どっかの誰かさんと違って自立できてるんですよーっと」フフッ
絹旗「ぐっ」ムググ・・・
事実だから言い返せない。
浜面「まったく、冗談抜きでフレメアよか子供だぞ」ヤレヤレ・・・
絹旗「なぁっ!! わ、私だって超本気出せば料理とか掃除くらい!!」ムギギィ・・・
黒夜「如何だか。浜ちゃんさぁ、一度コイツ一人暮らしさせてみたら? きっと3日で御近所名物ゴミ屋敷に劇的リフォームしてくれんぜ」ニヤッ
絹旗「し、しませんっ! 浜面も笑うな!!」グヌヌゥ・・・
事実だから苦笑せざるを得ないな。でも、冗談抜きでボチボチ自立する準備して行かないと、将来困る事になる。
香焼「絹旗さん。何事も練習…ですよ。兄も最初はお米すら砥げませんでしたから。徐々に…です」コクッ
絹旗「ううぅ。ありがとう……香しか味方が居ない」ドヨーン・・・
黒夜「ホント、イトコ共々甘ちゃんなのな」ヤレヤレ・・・
手間が掛る子程可愛いと言いますし、仕方なかろう。これも大分前から乗りかかった船なのだ。半端で投げ出したりはしない。 - 736 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [sage]:2013/11/20(水) 22:16:07.40 ID:pGtPWyJs0
- 料理中の滝壺さんを余所に仲良く(?)ワイワイやる三人。ふと、此処へ来た時から気になっていた事―――何故黒夜が此方に?
浜面「あぁ。コイツら昨日、白昼堂々公園で大喧嘩しそうになってな」ジトー・・・
絹旗「浜面、余計な事言わなくて良いです」チラッ・・・
またこの子らは……大能力者同士がマジで喧嘩したら周りを巻き込んでしまうという危険性を考えないのだろうか。
浜面「運よく滝壺と麦野が近くに居たから良かったものの、少しは自重しろっつの」ハァ・・・
黒夜「うっせぇバーカ。オマエ何もしてねぇだろ」ケッ!
浜面「お黙る! 兎に角、公園で喧嘩して人様に迷惑掛けるくらいならゲームか何かで決着決めなさい、って滝壺が怒ったんだ」クイッ
香焼「へ、へぇ。(それで納得したんだ)」タラー・・・
絹旗「まぁ滝壺さんが言うなら超仕方ないですし……そういう流れでウチでウイイレとかパワプロ合戦になったんですよ」ハァ・・・
黒夜「さっき話した通り深夜までな。で、結局私が勝ち越したと」ニシシッ!
絹旗「負けそうになる度リセットボタン押したの誰でしたっけー?」ジトー・・・
黒夜「くっ……脚が滑ったんだよ。テメェこそ正攻法じゃ勝てねぇからってバグ技使ったりしてたじゃねぇか」チッ・・・
どっちもどっちです。
香焼「で、気付いたら泊まってたと」チラッ・・・
黒夜「あー、その辺覚えてない。夕飯食って、風呂入って、ゲーム始めて……ん? 私何で帰らなかったんだ?」ポカーン・・・
浜面「ゲーム途中で寝落ちしてたんだよ。ガキの癖に夜更かしすっから」ハァ・・・
香焼「で、浜面さんがベットに運んだ訳…ですね」ハハハ・・・
黒夜「うぇっ。マジかよ……一生の不覚」タラー・・・
絹旗「ぷふーっ。超お子ちゃまー。黒夜ちゃんかっわいー」クスクスッ
浜面「感謝しろ、感謝。因みに絹旗、お前も寝落ちてたぞ」チラッ・・・
絹旗「ひぇあっ!?」ギョッ・・・///
黒夜「おまいう状態」ジトー・・・
それで二人仲良く同じベットで寝たと。お揃いのパジャマで―――仲悪いとか嘘ですね、これ。
絹旗「くそぅ! くそぅ!! 浜面なんかにぃ! 黒夜と同レベルだなんてっ!!」ムギギィ・・・///
黒夜「はぁ? 同じレベルにすんじゃねぇ。私、レベル4,9くらいだし。お前、レベル4,0ジャスト程度だろ」フンッ
絹旗「なぁに超ふざけた事抜かしてるんですか? 『姉分』の私が! 『妹分』の黒夜より低い訳超々々ちょおぉおおぉ無いんですけどぉ!」ムンッ
黒夜「はいアホー。如何考えてもお前年下だわ。客観的総合的、どっから如何に見ても私の方が上ですー」ケッ
浜面「……レベル低。目くそ鼻くそ」ハァ・・・
確かに。まるで幼稚園児の喧嘩だ。だがしかし、性質が悪い事に―――この二人の喧嘩は紛争クラスの規模になってしまう。
窒素姉妹「「 ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ...ッ 」」ピキッ・・・
浜面「あーもぅ……ヤるなら外でヤれ。部屋ん中のモン壊したら俺が麦野に壊される」ハァ・・・
香焼「いやいやいやっ!? 止めましょうよ! ぼ、暴力は駄目っ」アタフタ・・・
滝壺「―――ごはん出来るからテーブル空けといてー。あ、二人はご飯無しで良いのかな?」チラッ・・・
窒素姉妹『……ちィっ!』フンッ・・・
触発寸前での一声。何とかなった……滝壺さん凄いな。マイペースなんだけどオーラがある……オルソラさんみたいな『凄み』。 - 737 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [sage]:2013/11/24(日) 22:58:53.47 ID:UUNJ6YOd0
- 滝壺さんが準備したお昼は、特製『グリーンカレーうどん』たる不思議な料理だった。
ぶっちゃけ難とも言えない味。辛いモノ好きな人には合うかもしれないが、香辛料が苦手な人はアウトだと思う。
絹旗「うーん……朝飯がてらのコレはちょっとキツかったですね。てか滝壺さん、客人来てる時は創作料理止めましょうよ」フーフー・・・
香焼「あはは。大丈夫…です。偶に姉(五和)も創作料理でやらかしますので。それに比べれば全然普通…ですよ」チュルチュル・・・
黒夜「んー。私はこの味嫌いじゃないわ。癖になるわね」ゴクゴク・・・
浜面「おま、グリーンカレー飲むなよ。喉壊すぞ」タラー・・・
滝壺「ヨーグルト置いてるから大丈夫。あ、足りない人はご飯準備してるから入れても良いよ」モグモグ・・・
チャイの代わりなのか『RG-12』とかいうヨーグルト飲料がテーブルの上に置いてあった。
確か一時期インフルエンザに掛らないとかいう噂が流れてたアレだな。流行り好きの五和が買い占めしてたっけ。
さておき、一寸後……ごちそうさまでした。
滝壺「はい、お粗末さま。お茶か何か淹れるから待ってて」スチャッ・・・
絹旗「ありがとうございます。私、ココアが良いです」ケップ・・・
黒夜「私炭酸でー……さぁて、ひと眠りすっかなぁ」グデェ・・・
浜面「ホント糞ガキだな、お前ら。絶対ぇ人の下に付く仕事出来ねぇタイプだ」ヤレヤレ・・・
滝壺「今は良いよ。まだ中学生だしね。よいしょっと」カチャカチャ・・・
香焼「あ、手伝います」カチャッ・・・
滝壺「気を使わなくて良いよ。お客さんなんだし」テクテク・・・
と言われても、染み付いた習慣で。それに御馳走なっといて何もしないのはちょっと忍びない。
浜面「見習えお前ら。アレが女子力だ」ジトー・・・
窒素姉妹『……ふンっ!』ブスー・・・
滝壺「うふふっ。『イトコ』揃って女子力高いんだね。きぬはた、くろよる。結婚して貰えば? 楽出来るよ?」ニヤニヤ・・・
香焼「なっ」ギョッ・・・///
絹旗「にゃ、にゃに言ってるんでそかぁ!?」アbbb・・・///
黒夜「もちつけ。誰もあの甘ちゃんの事だなんて言ってねぇよ。香とって意味だろJK」ヤレヤレ・・・
香焼・絹旗「「」」チーン・・・///
滝壺「んふふっ」クスクスッ
心臓に悪い。さておき……この後は如何しようか。
一応、蛇さんから指令が来てないか確認。案の定、何の指示も無い。自分で考えて行動しろという訳だ。
香焼「あの、今日のご予定は?」チラッ・・・
絹旗「特にありませんけど」コクッ
黒夜「私は寝たら帰る」ゴローン・・・
浜面「自分の家で寝ろ。ったく……基本的に、コイツらニートだからこんなんだぞ」ヤレヤレ・・・
香焼「あははは。噂には聞いてます。浜面さんと滝壺さんは?」チラッ・・・
浜面「俺は夜勤のバイト。滝壺は……今日は空きじゃねぇの。もしかしたら提出物(レポート)書いてるかもしんねぇ」クイッ
滝壺「私も今日は暇だよ。折角だし、お出かけしようか? ね。きぬはた」カチャカチャ・・・フフッ
絹旗「えっ? あーうーん……うー」ゴロゴロ・・・
相変わらず確固たる目的が無いと外に出たがらないのね。
まぁ折角だし、カオリ姉さんに言われた通り買い物に出かけても良いかもしれない。 - 738 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/11/25(月) 21:46:44.93 ID:bTBjf6x80
- とりあえず滝壺さんは乗ってくれたが、問題はダメJC(相応)二人。
黒夜は論外だが、最愛も返事だけで動こうとしない。
滝壺「ほら、二人とも。行くよ。準備して」テキパキッ
絹旗「えーあー、うーん」ノソノソ・・・
香焼「行きたくない?」チラッ・・・
絹旗「え。あーいやーそのー」ポリポリ・・・
浜面「超面倒臭いって。あとそいつ人混み嫌いだからな」チラッ・・・
絹旗「あ、超余計な事を」ジトー・・・
黒夜「リアルで超が付く程のコミュ障だかんなぁ絹旗ちゃん。お姉ちゃん心配……って、何サラッと私も出掛ける頭数に入れてんの?」グデェ・・・
絹旗「私が姉だっつの。えっと、黒夜と浜面が二人きりってシュチュが超心配なので私は残ります、うん」ノッソリノッソリ・・・
黒夜「ロリコン疑惑の絶えない浜ちゃんの下に妹一人置くの不安なので私は残るよ、うん」ゴロゴロ・・・
浜面「出てけ。糞ガキ共、さっさと去ね」ピキピキッ・・・
滝壺「……、」ジトー・・・
ダメだ、この姉妹。あと滝壺さん、目が笑ってません。
香焼「一緒にお買い物行けたら助かるなぁと。実は服買いたくて」チラッ・・・
絹旗「……服? 私服ですか?」ジー・・・
香焼「はい。僕、制服しか持ってなくて。今着てるのも浦上姉さんから借りたモノで」ポリポリ・・・
黒夜「一人で買いに行け。てめぇはママンと一緒じゃなきゃケツも拭けない女なの?」ゴローン・・・
香焼「あ、あまり都市内で買い物する機会が無いので何処で買っていいやら分からない…ですから」ハハハ・・・
絹旗「五和さん達と行かないんですか? 貴女のお姉さん達なら結構都市内歩き回ってるみたいですけど」フム・・・
拙い。根掘り葉掘りの問答になると色々ボロが出そうだ。
というか、そんなに外出たくないのか。僕(香焼)と公園で遊ぶ時はウキウキと目を輝かせて出てくるのに。
浜面「はぁ……まぁ出腐りはさておき、言っちゃ難だが、ソイツらにファッションセンス求めない方が良いぞ」ボソッ
香焼「えっ」キョトン・・・
絹旗「お、まっ、だから余計な事言わないで下さいっ」ムスッ・・・
浜面「はいはい、言わねぇよ」ヤレヤレ・・・
別段、変ではないが。
黒夜「ジャージしか着ない女。姉貴(第4位)に着る物全部選んで貰ってる女」ハハッ
絹旗「こ、こらああぁっ!!」カアアアァ///
滝壺「むっ。私のジャージ、馬鹿にしないで。機能性に富んでて、伸縮性・防撥水・通気性・温度調節・更には防弾防刃加工も」フンヌッ!
黒夜「と、彼女が申しておりますが。そこんとこ如何よ、浜ちゃん」チラッ・・・
浜面「う”っ……ノーコメントで」ボソッ・・・
滝壺「……、」ギギギギ・・・
絹旗「超アホ面です、ざまぁ見ろ……斯く言う黒夜も超イっちゃってるファッションですけどね」フンッ
黒夜「あ”? イケてる、の間違いだろ? まぁお子ちゃまモアイちゃんにパンク・ロックのアレコレ理解出来るとは思ってねぇけどよ」ハッ
絹旗「ぐっ……さっきから馬鹿にし過ぎです。マジブッ飛ばしますよ」ジトー・・・
4名とも険悪な雰囲気。如何してこうなる……こうなったら多少強引にでも引きずり出すか。 - 739 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/11/25(月) 23:06:40.61 ID:bTBjf6x80
- ピリピリとした空気の中、思考をフル回転させ、最も効果的な一撃(ひとこと)を捻り出す。
香焼「(正直、あんまりこういう手段は使いたくないけど……最愛の為でもあるしね)……あの。絹旗さん」チラッ・・・
絹旗「―――だから黒夜はアイテム(ウチ)の一員でもないのに浜面の事使い過ぎでっ……ぁ、はい」イライラ・・・
香焼「喧嘩しないで下さい。別に無理に付いてきて下さる必要はないから……一人で何とかします」ハハハ・・・
絹旗「うっ」タラー・・・
香焼「一応、地図アプリとか見れば時間掛っても行けますし。だから仲良く家で待ってて下さい」シュン・・・
絹旗「む、ぅ」タラーリ・・・
最愛の性格を考える。彼女は確かにひきこもり気質で親しくない人間に関してはトコトン冷たい。
しかし、ある程度の『仲』であれば必要以上にお節介を焼いてくる性格でもある。因みに香焼(僕)は勿論、多分『香』もそれなりの仲だ。
結果、無碍には出来ない。
滝壺(ふむふむ。流石『きぬはた使い(マスター)』レベル4なこうやぎくん。扱い方を分かってる)フムフム・・・
絹旗「……私は麦野みたいに可愛い服選びとか手伝えませんよ」ムズムズ・・・
香焼「あ、うん。でも、一緒に来てくれたら嬉しいな」ニコッ
絹旗「……行くだけです」ムゥ・・・
よし。あと黒い方。
黒夜「あらあら。さっさと行け行け。静かになって清々すんよ。私は寝ーる」ゴローン・・・
香焼「うーん」チラッ・・・
滝壺「(流石にくろよるの扱いは慣れてないか。仕方ない)―――分かった……それじゃあはまづら。セブンスミストまで送って」クイッ
浜面「ん? 歩いて行かないのか?」キョトン・・・
滝壺「……、」ジー・・・
浜面「(何か考えアリってか)……まぁ良いや。ちと待ってろ」テクテク・・・
滝壺「あ、そういえば昨日夜勤の前に昔のスキルアウト仲間に会うって言ってなかったっけ」コクッ
黒夜に見えない様、キョトン顔の浜面さんにウィンクを送る滝壺さん。なるほど。
浜面「(そゆことね)……あー、バイクの件な。いけねぇ忘れるとこだったわ。サンキュ」コクッ
滝壺「どういたしまして。さて、それじゃあきぬはた。私達は準備出来てるからパパッと用意してね」フフッ・・・
黒夜「……おい、ちょい待て」チラッ・・・
浜面「ん?」テクテク・・・
黒夜「家の住人が誰も居ないってなぁ、拙いんじゃないの? 一応、私も客よ」ジトー・・・
滝壺「うーん。困ったなぁ……あ、でももしかして夕方前にむぎの戻って来るから二人で―――」
黒夜「勘弁してくれ」ノソッ・・・
滝壺「―――……あら。じゃあ一緒に出る?」ニコニコッ
苦虫を潰した様な顔。麦野さんと二人きりか、僕らと買い物に行くか……もしくは帰るか。
浜面「やれやれ。なぁ黒夜。お前も行ってやってくれ。趣味嗜好は別として、まともに私服買ってんのお前だけだ」クイッ
香焼「お願いします」ペコッ・・・
黒夜「……けっ。私は長い買い物付き合わねぇからな」フンッ・・・ノソッ
漸く陥落。時刻にしてお昼過ぎ。最愛と黒夜の準備はポシェット程度だったので、意を決してから出発するまでに時間は掛らなかった。 - 740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/02(月) 11:39:12.87 ID:aGfAxBUAO
- 続き待ってます
- 741 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/02(月) 20:54:02.90 ID:LBpavlXe0
- ―――さる翌日、PM01:00、学園都市第7学区、商店街、セブンスミスト・・・・・
歩いても大した距離では無い大通り。逆に車で来た方が時間掛った気がする。
セブンスミスト近くで僕らを下ろした浜面さんは、そのまま昔馴染みのスキルアウトの所へ向かうらしい。
浜面「―――じゃあ帰りはバスなり歩きで帰ってこい。頼むからこの距離でタクシーとか使うなよ」チラッ
窒素姉妹『ぶーぶー』ダラーン・・・
滝壺「こらこら。はまづら、夜勤まで一眠りするんでしょ。起さないから安心して」ニコッ
浜面「あんがとさん。そんじゃ楽しんでこい」ブルルルルル・・・
車が曲がるまで見送ると、滝壺さんは僕らを見遣った。
滝壺「さて、と。どうしようか」チラッ・・・
黒夜「如何もこうもさっさと服買って帰ろーぜ」グデェ・・・
滝壺「それだけっていうのも寂しいでしょ。かおるは何か他に買いたかったり行きたかったり、したい事ある?」ジー・・・
香焼「え。うーん……特にh――― 滝壺『……、』ジロリ・・・ ―――(あっ……拙い)い、色々回ってみたい…です」ハハハ・・・
こういう機会が無い限り外に出ない最愛の為に『何かしろ』的な目だ。
黒夜「えー……色々って何よ」ジトー・・・
香焼「色々って……色々と」ポリポリ・・・
黒夜「私、そういう『無駄』な買い物嫌なんだけど。ブラインドショッピングとかガキかっつの」ケッ・・・
滝壺「んもぅ。くろよる、女の子でしょ。こういうの楽しまないと枯れてっちゃうよ」ムンッ
黒夜「具体的には?」ジトー・・・
滝壺「某アンチスキルのYさんとか、元研究者のYさん」サラッ・・・
黒夜「うっ……あ、ああいう大人になるのはヤダな」タラー・・・
絹旗「女として超枯れますね」ウーン・・・
香焼「い、言い過ぎ」ハァ・・・
※貴女達の兄貴分の保護者です。
香焼「とりあえず、お店に入りましょう。何か目ぼしいモノがあったらブラリと寄って……みたいな感じで。如何…ですか?」チラッ
絹旗「私はお任せします」コクッ
滝壺「よしよし。良い子良い子」ナデナデ・・・
絹旗「ちょ、滝壺さん」アワアワ・・・///
元々主体性が無い最愛は、こういう状況下、同意を求めれば嫌が墺にも付いてくる。
滝壺「くろよるは?」チラッ
黒夜「……飽きたら帰るぞ」フンッ・・・
滝壺「分かった。じゃあ楽しもう」ポンッ
黒夜「……うぜっ」ムスー・・・
ほんと、子供の扱い上手いなぁ。子供という程歳は離れてないが、滝壺さんの人望というか母性的な何かがそうさせるのだろう。
兎に角、買い物開始。 - 742 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/02(月) 22:29:05.66 ID:CoxibKC30
- さておき、服だ。基本的に『セブンスミスト』は洋服店である。
中には靴や鞄、ファンシーグッズ、雑貨、喫茶店も混じっているが、殆どが服・ファッションに関するモノ。
しかも8分の6フロアが女性物(ユニセックス含む)なので、店内の男女比が必然的に2:7くらいになってしまう所。
ぶっちゃけ来る機会は無いに等しい。
とりあえず、店内パンフを手に取りザッと眺める……が、何が何だか分からない。
というか、私服って何買えば良いの?
滝壺「……どうする?」ジー・・・
香焼「ど、如何なんでしょう」ハハハ・・・
黒夜「はぁ?」ポカーン・・・
香焼「えっと、本当にあまり私服を着る機会が無いもので。如何いうのが流行りだとか可愛いだとか分かんなくて」ウーン・・・
絹旗「麦野が居れば一番なんでしょうけど、とりあえず店員にオススメでも聞いとけば当たり障り無いんじゃないですか」チラッ
香焼「そうだね」スッ・・・
一応、携帯を確認する。案の定『ボーイッシュな恰好は認めません』とのメールが入った。
そりゃ『香』が男子っぽい恰好したら、まんま『香焼』だもの。そんな自爆しません。
香焼「じゃあ、絹旗さんみたいな服を見てみたいかな」チラッ
絹旗「えっ」ピタッ・・・
黒夜「うわっ。センス無っ―――」ジトー・・・
滝壺「くろよる。それ、むぎのに喧嘩売ってる事になるよ」ボソッ・・・
黒夜「―――ふぇい……ま、まぁ最初は右習えでも良いんじゃね」タラー・・・
大胆不敵気取ってる黒夜も麦野さんは怖いのか。しゃーない。誰だって怖い。
滝壺「それじゃあ2階から回ろうか」テクテク・・・
促されるままエスカレーターへ進む。見た所、人は少ない。そりゃそうだ。平日の真昼間だもの。
ほぼ貸し切りの女性専用(オーラ的に)フロアをテキパキ進む4名。
ふと気付いたのだが、大した人混みではない御蔭か、最愛は平然と歩いていた。
これが休日だったら……僕か滝壺さんの後ろをベッタリついて離れないだろう。
香焼「うーん……全部同じに見える」タラー・・・
黒夜「奇遇だな。私もそう見える。どの店も置いてるモン同じだろ」ハァ・・・
絹旗「いやいや、微妙に超違いますよ。パッと見は超似てますけど、柄とか素材とか値段とか」クイッ
黒夜「『微妙に超違う』っつーニュアンスが分かんねぇし。てか、どうせそれ第4位(麦野)の受け売りでしょ」ヤレヤレ・・・
絹旗「むっ! 違いますぅ! 私は超違いが分かる女なんですよーだっ」エッヘンッ!
滝壺「ふふっ。凄い凄い」クスクスッ
大概、滝壺さんも甘いよな。
それはそうと、実際さっきのが本音。此処に限らずデパート系の服のフロアは全てが同じに見えた。
僕が男だからなのか、まだ然程ファッションに興味を持ってない年頃だからなのか、原因は分からないが、男女服問わずそう思える。
黒夜「そんじゃー絹旗ちゃんよぉ。先導よろしくー」ホレホレッ
絹旗「うぇ!?」ギョッ・・・
黒夜「んだよ。違いが分かる女なんでしょ。コイツのコーディくらいしてやれよ。上手く店員の姉ちゃん交しながらさぁ」ニヤニヤ・・・
絹旗「うっ……にゃ、く、うぐぐぅ」オドオド・・・
いや、無理なの分かってるから。そういう話云々は大人しく滝壺さんに任せましょう。 - 743 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/02(月) 23:14:39.37 ID:CoxibKC30
- まずは何処かに入ってみようという事で近場の店に。
色々と可愛い服が並んでいる。雰囲気ポピュラーな感じ。丁度最愛の服に似たモノも置いていた。
店員「いらっしゃいませ」ニコッ
今まで暇そうにレジ奥に居た店員さんが営業スマイル全開で此方に飛び出してきた。
多分、此処で即決める事は無いのでそのまま奥で携帯弄って貰ってても構いませんよ。
絹旗「もう冬服ですよね」フムフム・・・
香焼「そうだね。そういえば絹旗さん、ミニスカートとかショーパン穿いてるけど、寒くないの?」チラッ・・・
絹旗「能力使えば寒暖関係無いんで。でもファッションとして切り替えとかないと麦野が超五月蠅いんですよ。一応冬はニットとかね」ヤレヤレ・・・
香焼「へぇ……ん? でも何で短いのを?」キョトン・・・
黒夜「単純に痴女気質なんだろ」チラッ
絹旗「ば、馬鹿言わないで下さい! 超オシャレなんです! 私的チャームポイント若さの特権なんですーっ!!」フシャアアァ!!
今一よく分からないが、普段から気になっていた謎が少し判明。冬でも寒くないのは羨ましい限り。
さておき、諸々見て回っているが……何を如何して良いのか分からない。というか、根本的にサイズも分からない。
多分最愛と黒夜と同じサイズだと思うが、どのくらい?
絹旗「SSサイズですよ。香もそうでしょう?」チラッ
香焼「SSって……『150』じゃダメなのかな」ハハハ・・・
黒夜「ひゃくごじゅうwwwお子ちゃまwwww」プフーッ!
絹旗「あー……そういうのだと一気に超子供臭くなりますよ。種類もグッと超減りますし」ハァ・・・
そうなのか。正直、未だに『160(見栄)』サイズで服を買ってる香焼(僕)にとっては痛いお言葉。
もうちょっとファッション気にした方が良いのかな。今度パーカーとカーゴパンツ以外も買ってみよう。
滝壺「といっても、サイズ的には同じなんだよね。どっちも150cm以下。胸もAA」フフフ・・・
窒素姉妹『』チーン・・・
香焼「ええっと、せ、折角なのでレディースサイズ買います!」アハハハ・・・
推定M~Lサイズ(胸だけOサイズ)の大人な女性からのお言葉。
フリーズする対照的な姉妹を余所に、店内を見て回った……が、やはり今一決まらない。
香焼「うーん……如何しましょう」チラッ
滝壺「……私や店員さんに聞くより、今日はきぬはたを頼って欲しいな」ボソッ・・・
香焼「あー、そうっすn――― ビリバジッ! ビリリッ!! ―――~~ッ!! そ、そう…ですね」タラー・・・
気を抜くとコレだ。あの人(御坂蛇)マジで何処まで行っても監視してやがる。
香焼「あの、絹旗さん」チラッ
絹旗「ん?」キョトン・・・
香焼「どれが良いと思う? やっぱり僕一人だと中々決まらなくて」ポリポリ・・・
絹旗「えっ、と」チラッ
滝壺「きぬはた。助けてあげて」ニコッ
絹旗「あ、ぅ……ちょ、ちょっと待って下さい。とりあえずもうちょっと歩きましょう」アタフタ・・・
黒夜「……ヴぇー」ヤレヤレ・・・
何故か肩肘張ってキョロキョロ見回し出した最愛。変な方に空回りしなきゃ良いけど。 - 744 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/03(火) 00:20:01.26 ID:E31+AVyM0
- それから色んな店を回る事数十分。
絹旗「―――アレでも無い……コレでも無い」ブツブツ・・・
黒夜「長ぇよボケ」ハァ・・・
滝壺「まぁまぁ。じっくり選ばせてあげよう」フフッ
黒夜の気持ちも分かる。実際、これが五和と浦上相手なら僕も飽きて呆れて帰りたくなってる所だ。
しかし、折角最愛が他人の為に、ましてや僕の為にモノを選んでくれてるのだから無碍には出来ない。
とは言うモノの、流石にこれ以上間延びしては黒夜が帰ってしまいかねないか。
香焼「絹旗さん。そんなに悩まなくても良いよ」コクッ
絹旗「うーん……大丈夫です。大体目星は付けました」スッ・・・
そう言うとパンフを広げ、3ヶ所指差し僕に問うた。
絹旗「予算にもよりますが、可能なら冬用ブーツも買いましょう。アウターは欲しいですか?」ジー・・・
香焼「え。一応、多めには持ってきてるよ。と言っても、学生の多め程度だけど」ユキチニマイ・・・
絹旗「超充分です。此処(セブンスミスト)ならやりようで一万(ピン)フルセット買えます。足りなきゃ私が貸しますので」マジマジッ
黒夜「随分安上がりだな。あと気前良い」ハハッ
絹旗「超五月蠅い。とりあえず―――
①ゆるふわ・カジュアル系 ②ナチュラル・ガーリー系 ③清楚・お嬢サマ系
―――この中だったらどれが良いですか?」チラッ
黒夜「ほんっと今時だな。つまんね」ハァ・・・
滝壺「くろよるも意地張らないで普通の服着てみれば良いのに」ヤレヤレ・・・
黒夜「お前にだけは言われたかないねっ!」ビシッ!
パンク&ジャージはさておき……正直違いが分からない。
香焼「お、オススメは?」ウーン・・・
絹旗「こればっかしは超好みですので難とも」コクッ
香焼「……それじゃあ―――」
白いカブトムシさん『①②③で安価――― >>747 ―――よろしく。もしくはお好みのコーディ画像あればそれでもおk』ウロウロ・・・
- 747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2013/12/03(火) 09:07:53.04 ID:35FTew710
- 1
- 748 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/03(火) 22:13:36.84 ID:w8mdJVmP0
- 香焼「―――……ゆるふわっぽいので」コクッ
何となく、名前の響きからして温かそう。
絹旗「分かりました。じゃあコッチで」テクテク・・・
最愛の後に続く―――一寸後、とあるお店の前に入り込み、辺りに目もくれず一着のコートに手を伸ばした。
絹旗「はい」スッ・・・
香焼「わぁ。もこもこ」ポフポフ・・・
滝壺「ポンチョコートかぁ。確かに温かそうだね」コクッ
絹旗「麦野が前に『可愛い系ならこういう服もアリよね』とか言ってたんで」ジー・・・
ファー付きのウール生地ポンチョコート。ピンク色というのが気になるが、そこまで濃くないので許容範囲。
※参照画像・・・・・ http://item.rakuten.co.jp/southerncross/y121204a
絹旗「サイズはSSじゃなくてSでも良いかもしれません。そうすれば中学生の内は着れるでしょう……超急激に成長しなきゃですが」ポンッ
香焼「……じゃあMサイズを」スッ・・・
黒夜「見栄張んな。お前らは一生ロリ体型から抜け出せねぇよ」ハハハッ
絹旗「くっ! そういう黒夜だって!」ムギギィ・・・
黒夜「私は追々『義体』サイズアップすりゃあ良いだけだもーん」フフフ・・・
ずるい。僕も機械の身体が欲しいです。どっかに9×3号の乗車切符落ちてないかな。
滝壺「はいはい。そういう話は後で。とりあえず、如何する? これ買うの?」チラッ
香焼「はい」コクッ
絹旗「でも、一度試着した方が良いですよ。というか、それあくまでアウターですし」フルフルッ
香焼「えっ」ピタッ・・・
黒夜「いやいや。今着てる服の上からじゃそのコート合わないでしょ。私だって分かるわ」ハァ・・・
如何しろと。
絹旗「上はロンTとかの方が良いです。下は基本ショーパンか、次点でキュロットパンツですね」コクッ
香焼「……まぁじで?」タラー・・・
絹旗「『それ下穿いてるの?』って思われるラインが個人的にはベストです」b"
つまり、上は温かいけど下は寒いという訳か。てか、ショーパンって……男子の僕が穿いたらハードゲイっぽいぞ。
滝壺「……、」ニヤニヤ・・・
香焼「ぐっ…―――(滝壺さん、笑ってないで助けて下さいよっ)―――…きゅ、キュロットが良いかな。ショーパン苦手で」ハハハ・・・
絹旗「そうですか。普通はショーパンなんですけど、まぁ良いです。あ、ブーツも買った方良いですよ。茶色が無難でしょうか」ジー・・・
黒夜「ふーん。占めて一万で済むか? ブーツも買うとなりゃ結構すんぜ」ジー・・・
絹旗「二万でしょうね……ブーツ代は出しますよ。そうすれば一万前後で済みますし」コクッ
香焼「い、いやいやいや! それはダメ! だったらブーツは今度買うよ」アタフタ・・・
黒夜「安心しろ。コイツ、金持ってから」ハハハ
何故かドヤ顔の最愛。いやいや、そういう問題じゃありません。滝壺さんも止めて下さい。 - 749 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/03(火) 23:09:11.20 ID:iMcrtWjN0
- 何故かカードで一括払いしようとする最愛を抑え、こなくそっと言わん勢いで財布の中の諭吉さん二人とさようならした。
順番が逆になったが、その後試着。三人+店員さんに見られない様最大限注意を払い……やっとこ終了。
香焼(あーもぅ。アソコがキツい)ギューギュー・・・
黒夜「遅っい。開けるぞ」イライラ・・・
滝壺「こらっ……かおる。大丈夫? まだ掛りそう?」ジー・・・
香焼「ええ。もう終わりました」スッ・・・
お披露目。
絹旗「ふむふむ。超ゆるふわですね。超もこもこしてます」ポフポフ・・・
黒夜「ちょいと大人っぽい気もするけど、まぁさっきよかマシじゃね」モフモフ・・・
香焼「ちょ、何で触るの?」アタフタ・・・///
窒素姉妹『もこもこしてるから』グイグイッ
滝壺「ふふふっ……はーれむー。あ、この犬耳付きニット帽、私からプレゼント」ポンッ・・・
窒素姉妹『わんわん鳴いてみー』クシャクシャ・・・
香焼「勘弁してっ! ハァ……じゃあもう着替えるね」スッ・・・
絹旗「えっ。着て帰るんじゃないんですか?」キョトン・・・
香焼「あんだと?」ギョッ・・・
滝壺「確かに。折角だから着て帰りなよ」クスクスッ
黒夜「ま、さっきの服装よか私服っぽいしな」ジー・・・
OMG……最悪な事に、蛇さんからも指令という名のイジメールが入った。内容は案の定『着て帰れ』との事。
香焼「うぅ……恥ずかしい」ムギュッ
絹旗「神裂さんみたいな反応しますね。流石親戚同士です」ハハハ
あの人の非常識センスと一緒にしないで下さい。僕は男(ノーマル)なんです。
黒夜「ははっ。まぁ絹旗ちゃんコーディが恥ずかしいのは分かるが、家に帰るまで我慢しろよ」フフッ
絹旗「むっ」カチーン・・・
滝壺「またそういう事言う……きぬはた、大丈夫だよ。ね、かおる。変じゃないよね」チラッ・・・
香焼「え、ええ。可愛い……と思います」ハハハ・・・
黒夜「へいへい。女子力女子力(笑)」ヤレヤレ・・・
絹旗「……そんな事言うなら、黒夜が選んで下さいよ」ムスー・・・
黒夜「はぁ?」ポカーン・・・
何を仰る?
絹旗「……、」フンッ・・・
黒夜「何怒ってんのよ……チッ。子供かテメェは」ジトー・・・
絹旗「黒夜がでしょう。さぁ。さっさと香の服コーディネイトして下さい」プイッ・・・
香焼・滝壺((どっちも子供だ))ハァ・・・
まーた、面倒な事になってしまった。 - 750 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/04(水) 00:07:53.09 ID:WVJPXUsg0
- 最愛がヘソを曲げ、黒夜を煽った所為で買い物が長引く羽目に。
結局、黒夜も黒夜で勝負事になると負けるのが嫌なのか……お互い譲る精神を持ちましょうよ。
最愛「ふんっ。お手並み拝見といきましょう」プンスカッ
黒夜「ケッ。格の違い見せてやるよ。姉としてな」ズカズカッ・・・
香焼「これ、如何すりゃ良いんすか――― ビリバジジッ!! ―――っ!! ……ですか」ボソッ・・・イテテッ・・・
滝壺「うーん。本人達が満足するまでやらせるのが一番かな」ハハハ・・・
香焼「じぶ……僕、そんな予算無い…ですよ」ハァ・・・
滝壺「その点は心配しないで。この子達の迷惑費用として私が出すから心配しないで」アハハ・・・
香焼「えっ、それは」タラー・・・
滝壺「だいじょうぶ。むぎのに経費申請するから。外出交友費扱い」ニヤッ
香焼「オッカナイ人…ですね」ハァ・・・
さておき……黒夜が買う様な服、セブンスミストで売ってるのかな。
黒夜「あるモンでコーディネイトするわよ……ねぇ。多少露出あっても良いんでしょ」チラッ
香焼「正直、遠慮したいかな」タラー・・・
黒夜「……条件厳しいわ」ウーン・・・
ぶっちゃけ、普段の黒夜の恰好に近いモノを連想すると……とても着られる気がしない。
滝壺「そこはヒートテックみたいなピッチリ目のインナー着ればカバー出来ると思うよ」ニコッ
香焼「ふぇっ!?」ギョッ・・・
黒夜「あぁ。それもそうだな。スポーツ用のカラーアンダーシャツとか丁度良いだろうし……ま、好きにやらせて貰う」フフーンッ
香焼「ちょ、滝壺さん?!」タラー・・・
滝壺「んふふっ。私は中立ー」ニコニコッ
それは姉妹間の中立であって、僕に対してはアウェイでしかないですよ。
兎角、黒夜の後を追いユニセックスの階へ移動。チラホラとフロアを一周し、僕に尋ねてきた。
黒夜「んじゃー私も絹旗ちゃんに見習って質問しようかしらねー」チラッ
絹旗「……自分だって主体性無いじゃないですか」ジトー・・・
黒夜「だってフェアじゃないもの。決めようと思えば独断出来るけど、好みがあるっしょ」フンッ
絹旗「はいはい。じゃあさっさと進めて下さい」ッタク・・・
黒夜「言われなくとも。さぁて、香」ジー・・・
香焼「はい。あ、寒いのは嫌ですよ」ポリポリ・・・
黒夜「分ーってるわよ。そんじゃ……―――
①黒・V・ゴシック系 ②ロック・パンク系 ③スチーム・ネット系
―――……どれが好み?」クイッ
香焼「全部コスプレじゃ……スチームって何?」キョトン・・・
黒夜「世界観とか好きな時代を背景に服デザインしたり組み合わせんの」コレコレッ
絹旗「黒夜のファッションセンスって、J○J○のキャラみたいですよね」ププッ
黒夜「黙ってろ。んで、如何する?」ジー・・・
それじゃあ……――― >>753 - 753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/04(水) 05:53:47.34 ID:lasMuF2ho
- 3
- 754 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/12/04(水) 23:04:27.44 ID:JsG2z1ep0
- 香焼「―――その、スチーム何ちゃらってので」コクッ
黒夜「あいよ……ふふふっ」ニヤリ・・・
不敵な笑み。地雷を踏んだ気がする。ニヤニヤ微笑み歩を進める黒夜が入ったのは……仄暗いくレトロな雰囲気のお店。
一応服は置いてあるのだが、やはりというかどうもというか、コスプレ臭い。
さておき、当の黒夜はテキパキと幾つかのアイテムを掻き集め、僕に押し付けた。
絹旗「此処、服屋なんですか? 超怪しいんですけど」キョロキョロ・・・
滝壺「明らかに、私達浮いてるね」ハハハ
黒夜「常に浮いてんだから気にすんな。ほれ、香。着てこい」クイッ
香焼「えっ……全く全体図見せて貰ってないんだけど。あと値段も」タラー・・・
黒夜「着れば分かるわ。値段は気にすんな。ほれ、さっさとしー」ポンッ
絹旗「まったく、超横暴ですね」ヤレヤレ・・・
為すがままに試着室へ。とりあえずハンガーからモノを外し、着替え―――ようと思ったのだが。
香焼「……黒夜さん」スッ・・・
黒夜「んー?」ジー・・・
香焼「これ、如何着るの?」クイッ
手元の服&アイテムは……黒のタートルネックのアンダーシャツ。薄ブラウンの7分ジャケット。濃ブラウンのロングレザーコルセット。
下はデニム地っぽいダメージスキニー。アウターに網上の灰色ローブ。そしてベルトやチョーカー、グローブなどアクセサリーがジャラジャラ。
黒夜「まぁ分かんねぇだろうな」ハハハ
絹旗「超意地の悪い。着せ替え人形じゃないんですよ」ジトー・・・
黒夜「へいへい。んじゃパンツとインナー、ジャケット着たら呼んで頂戴。コルセットとか着けてやるから」ジー・・・
香焼「はい……ってぇえっ!」ピタッ・・・
黒夜「あん?」キョトン・・・
滝壺(ありゃりゃ。拙いかな)ポリポリ・・・
身体に触れられるのは危険だ。
香焼「じ、自分でやるよ。着け方だけ教えて」アハハ・・・
黒夜「そう? じゃあコルセットだけ説明するけど、そこのジャージ女を例にするとだな。こういうコルセットを―――」アーダコーダ・・・
滝壺「……えっ」ピタッ・・・
黒夜「―――下からグッと持ち上げて縛るっ」ムギュッ・・・
滝壺「ぐへっ」オッパイボーンッ!!
香焼・絹旗「「っ!?」」Wao...///
とっても分かり易い例でした。てか滝壺さん、普段ジャージだから分からないけど……胸大きいな。五和くらいありそう。
滝壺「むぎゅぅ……おしおき確定。ついでに、かおるも」ガシッ・・・ジロッ・・・
黒夜「あぎゃっ!?」ミシミシッ・・・
絹旗「ぷふーっ! ざまぁー!」ニヤニヤ・・・
香焼「な、何で僕まで」フコウダァ・・・
ワザとじゃありません。不可抗力です。 - 755 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/11(水) 21:29:43.19 ID:WCJdYxr00
- ―――……一寸後。
参照画像……http://スチームパンク.up.n.seesaa.net/xn--pcktay8dudufqc/image/30f97516.jpg?d=a1
http://スチームパンク.seesaa.net/upload/detail/image/ed8c2f05.jpg.html 興味ある方は『スチームパンク』で検索してみて下さい。
マジでコスプレちっく。
黒夜「ふふーん。どうよ?」ドヤァ・・・
絹旗「いや、どうよって」ジー・・・
滝壺「恰好良いっちゃ恰好良いけど、さ」ハハハ・・・
確かに男心を燻られるカッコ良さだが、これで街中歩ける勇気は無いです。
黒夜「よしよし。じゃあ帰ろうか」クイッ
香・絹・滝「「「はい?」」」キョトン・・・
黒夜「金は払った。気が済んだし帰ろうぜ。あ、勿論それ着たままな」ニヤリ・・・
香焼「いつの間に……って、そうじゃない! お金は払うよ! あと、その……恥ずかしい」アタフタ・・・///
絹旗「そうです、超横暴です。香は私が選んだ服着て帰るんです!」ムンッ
いや、実はそれも結構恥ずかしかったりします。
窒素姉妹『フシャアアアアァ!!』ピリピリ・・・
香焼「あーもぅ」タラー・・・
滝壺「あらら……どうする?」チラッ
香焼「うーん。上は絹旗さんので、下は黒夜さんので、じゃダメ…ですか?」ポリポリ・・・
ぶっちゃけ温かさ重視で行きたいんですけど……お互い許してくれないだろうな。
これで『私が選んだのを着るんですよね!(だよな!)』とか問い詰められたら、お手上げだぞ。
滝壺「私は構わないけどね」フフッ
香焼「くっ。頼りにならない……何とかして下さいよ」ハァ・・・
滝壺「本当は貴女が決めるべきでしょ。優柔不断だね―――仕方ない。おーい、二人ともー」ジー・・・
窒素姉妹『―――っ!!』ニャルガルブルワル・・・
おぉ! 助けてくれるのか!!
滝壺「かおる、ジャージも買うからそれ着て帰るってー」ニヤリ・・・
窒素姉妹『ぇ……はぁ?!』ギロリ・・・
香焼「」ナニソレェ・・・
予想斜め上突抜けて場外ホーマーしやがった。
黒夜「おまえ、本気?」ジトー・・・
香焼「うぇ、あ、うっ」アタフタ・・・
絹旗「……滝壺さん悪く言う訳じゃありませんが、ちょっと」ジトー・・・
香焼「ぐっ……た、滝壺さん」チラッ・・・
滝壺「ひゅーひゅー」ピーヒャララー・・・
この浦上並のしらばっくれっぷり。畜生、覚えてろ。 - 756 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2013/12/11(水) 21:59:32.34 ID:0bcPWYJd0
- ―――さる翌日、PM03:30、学園都市第7学区、商店街・・・・・
結局全ての間を取り、最後に買った白っぽいジャージの上にモコモコポンチョを着て、
パンクなアクセサリーを着けるヘンテコファッションになってしまった。因みに犬耳帽子まで装着済み。
超目立ってるんですけど。勘弁してくれ。
絹旗「香って超勇者ですね。ある意味超尊敬します。絶対真似したくないですけど」チラッ・・・
香焼「……もう如何とでも言って下さい」ハァ・・・
黒夜「オマエ、絶対損する性格してるわよね。その生優しさって、ただの馬鹿だわ」ヤレヤレ・・・
滝壺「ふふふっ。美徳でもあり、短所でもありだね」クスクスッ
分かってますよーだ。さておき、この後は如何する?
黒夜「もう目的終わってんだから帰ろうぜー」グデグデ・・・
滝壺「くろよる。目的は私服購入を兼ねたブラインドショッピングだよ」ピッ
絹旗「嫌なら帰れば良いじゃないですか。別に帰る場所ウチのマンションじゃないんですから」チラッ・・・
黒夜「チッ。一々癪に障る言い方するヤツだな」イライラ・・・
兎に角最愛に対して折れるのが嫌なのか、それとも実は結構集団行動向きなのか。
どっちにしろ結果的には黒夜の社会勉強になる気がするのでOK。
滝壺「さてと。じゃあ、何かしたい事とか行きたい場所ある?」チラッ・・・
絹旗「えっ。私? うーん……特には」ジー・・・
滝壺「公園でも良いよ。猫ちゃん達居るでしょ」フフッ
絹旗「あの子達に、黒夜会わせたくないので今日は遠慮します」キッパリ・・・
黒夜「てめっ……今度その公園行って猫共『可愛がって』やっからな」フンッ・・・
あっ。冗談でもそういう事言うのはヤバい。
絹旗「―――、」ピキッ・・・ゴゴゴゴ・・・
黒夜「……ぁん?」チラッ・・・
絹旗「あの子達に手ェ出したらマジでブッ潰すンで」ドドドド・・・
黒夜「ほほぉ、そりゃ良い事聞いたわ。楽しみが増えたわねぇ」ニヤニヤ・・・
煽るな煽るな。超本気で最愛が爆発しそうだったので、無理矢理話を戻す。
香焼「えぇっと! そういえば僕行きたい場所有った様な!」アタフタ・・・
滝壺「(ナイス中断!)うん、何処?」スッ・・・
窒素姉妹『……チッ』ギリッ・・・
ほんと、危ない中一娘共。
しかし、如何したモノか。別に行きたい場所なんて無いのだが適当に行かなきゃならない流れ。
香焼「それじゃあ……――― >>757 」ビシッ!
・安価:行きたい場所(第7学区の商店街に在る店の範囲で。遊園地とかプールとかはNG!) - 757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/11(水) 22:05:10.93 ID:TecTtRkto
- 文房具店
- 758 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/12/11(水) 23:17:11.03 ID:0bcPWYJd0
- 香焼「―――(そうだ!)……文房具! 買いたい…です」コクッ
窒素姉妹『ぶんぼーぐ?』キョトン・・・
滝壺(ほぅほぅ。無難なとこいったね)フフッ
文房具屋なら近場にわんさかあるし、学生的に自然なチョイスだろう。
絹旗「文房具って、ペンとか鉛筆の文房具ですよね」フム・・・
香焼「うん。消耗品だから、色々欲しくて」コクッ
黒夜「消耗品? ペンとかって早々無くなんないっしょ?」キョトン・・・
香焼「え? あ、そうかな。黒夜さんはモノ持ち良いん…ですね」ハハハ
絹旗「まぁ鉛筆とか消しゴムなら一本一つあれば半年持ちますし。あ、でもああいうのってすぐどっか行っちゃうんで失くしちゃいますよね」コクッ
香焼「あるあr……ん?」ハテ・・・
おかしいなぁ。半年?
滝壺「かおる。二人とも、学校行ってないんだから」ボソッ・・・
香焼「あっ」ピタッ・・・
忘れてた。二人とも、行く必要が無いんだった。
黒夜「しっかし、文房具の専門店なんてあるんだな。業務用のモンしか使った事なかったわ」ヘー・・・
絹旗「鉛筆とか消しゴム以外に何売ってるんですかね」ウーン・・・
黒夜「名前通り『防具』とか売ってんじゃね? 鎧とか」ハハッ
絹旗「はい超馬鹿ー。何処に冒険行く気ですか」ハッ
黒夜「冗談を冗談と捉える事が出来ねぇヤツは生きる価値無ぇってどっかのお偉いさんが言ってたぞ」フンッ
絹旗「じゃあ存在自体が冗談みたいな黒夜は死んじゃいますね」ヤレヤレ・・・
滝壺「こらこら。まったく、隙有らば喧嘩するんだから」ンモー・・・
ステイルとアニェーゼみたいな仲ならまだしも、この二人は本気で殺し合いしかねないからオッカナイ。
兎にも角にも、最寄りの文具店に到着。この時間帯だとボチボチ下校途中の学生も居たりする。
絹旗「おぉ。なんか、超いっぱいペンがあるんですけど」キラキラ・・・
黒夜「何だコレ!? 匂い付き消しゴム! 凄い……マジで喰えそうな臭いするわ」キラキラ・・・
香焼・滝壺「「……あはは」」ポリポリ・・・
好奇心旺盛の子猫みたいだ―――実際、その通りなのだろう。
この二人にとっては歳相応の子供達の日常(あたりまえ)が非日常(あたりまえじゃない)で。
血生臭い日々こそが『日常』なのだ……最愛の場合は、元、だけど。しかし今現在も『あたりまえ』には程遠い生活。
滝壺「楽しそうだね。普通ならもっと小さい頃にこういう経験してる筈なんだけどな」フフッ・・・
香焼「(人殺しとして教育されてきた『置き去り【チャイルドエラー】』か)……滝壺さんは?」チラッ・・・
滝壺「私? 私は、まぁ人並みだよ。暗部に入る前は極普通のJCだったりするから」コクッ
香焼「中学……あれ? そういえば滝壺さんって幾つ…ですか?」キョトン・・・
滝壺「高校○年生。暗部に入った経緯は……ナ・イ・ショ♪」ニヤリ・・・
香焼「さいですか」ハハハ・・・
この人も謎が多いな。店内ではしゃぐ二人を余所に、僕らは必要なモノを籠に入れて回った。 - 760 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/15(日) 20:58:24.96 ID:YR/y5nkB0
- 一通り必要な文具は揃えた。正直恰好が恰好なので出来れば早く退店したいのだが、最愛と黒夜が超ノリノリな御様子。
香焼「(目立ってるなぁ。ぶっちゃけ帰りたいっす)……二人とも、何か良いモノありましたか?」テクテク・・・
絹旗「香! このペン30色ですよ! 30色! 超凄くないですか!?」キラキラ・・・
香焼「好きな色に入れ替えられるみたいだね。でも、そんなに必要かな」フフッ
黒夜「ほぁー……始めてマジモンの分度器っつーのを見たわ。昔の学生ってのぁこんなのに頼んなきゃ角度分かんねぇんだな」ヘェ・・・
香焼「いや、昔って。今でもバリバリ現役の文具だよ。普通目測とか計算だけじゃ分からないから」ハハハ・・・
絹旗「あっ。この定規超長いんですけど! しかも木製っぽい!」ビヨーンビヨーン・・・
香焼「それ、モノさしだよ。教務用…ですね。そこら辺のは算数とか理科の授業で使うヤツだよ」コクッ
黒夜「じゃあこの『武器』も文具なの!?」ギョッ・・・ブンッ!
香焼「それ武器じゃなくてコンパスと三角定規。文具っていうより教具かな……こらっ、二人とも! 振り回さないでっ」アタフタ・・・
絹旗「あっ……この修正テープ、フレンダが使ってた『アレ』に超似てますね! これも爆発するんでしょうか?」キラキラ・・・
香焼「修正テープが爆発する訳無いでしょ」ハァ・・・
黒夜「このペンのグリップやべぇわ! マジでグニョグニョしてんだけど! 中何入ってんだろう?」キャハハハッ!!
香焼「ちょっ! 試供品壊そうとしないで!」アワワワ・・・
滝壺「……やれやれ」フフッ
あれやこれやと目に付くモノに気になったモノ、全てを手にとって見てる。
何もかもが物珍しいのだろう。手当たり次第に籠に入れようとした。それを制止するのも一苦労。
小さな子を玩具屋に連れていく母親の心境が、今分かったよ。
香焼「―――まったく。必要無いモノは買わないで下さいよ」フゥ・・・
窒素姉妹『えー』ブーブー・・・
滝壺「我儘言わないの。興味本位で買ったのはいいけど、使わなかったら意味無いんだからね」メッ
黒夜「んな事言われたらよぉ……、」ムスー・・・
絹旗「……私達、一生使う事無いんですけど」フム・・・
そんな悲しい事言わないで欲しい。
香焼「……とりあえず、シャーペンと消しゴムくらいにしといたら如何かな」チラッ・・・
絹旗「じゃあ、この『超ロングサイズ! 1000mメジャー!』を」スッ・・・
黒夜「『食べられる紙のノート(コーラ&メントス味)』ってのにすっかな」スッ・・・
香焼「ねぇ僕の話聞いてたかな?」ハァ・・・
滝壺「あはは……まぁ自分達のお金だし、衝動買いして失敗するって経験も積ませないと」ポリポリ・・・
それも一つの考えか。しかし、安いモノなら先程のお礼でプレゼントしようと思ったが……ダメだこの子達。もう好きにしてくれ。
香焼「じゃあ買ってくるけど、絹旗さん達は別で良いの?」チラッ
窒素姉妹『アーダコーダ』ガヤガヤ・・・
香焼「……、」ハァ・・・
滝壺「ははは。聞いてないね。かおる、買っておいで」ポリポリ・・・
香焼「……はい」ヤレヤレ・・・
まったく、困ったものだ。
とりあえず僕一人でレジに向かおう―――と歩を進めた時、見知った声を姿が此方に向かってきた。 - 761 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/15(日) 21:39:41.28 ID:LJnUdqRZ0
- >>759・・・その辺はご都合主義として解釈を。『誰でも』力場が生じるのか、『開発を受けた者のみ』発現するのか判別出来ないので。
***********************************************************
大小の二人組。一人は杖をついた中性的な顔立ちの男性。もう一人は……幼い御坂さん。
打ち止め「―――ってミサカはミサカは時代遅れなアナタに……って、おややっ!」ピタッ!
香焼「あっ」ピタッ・・・
一方通行「……ン」ピタッ・・・
香焼「こ、こんにちは」タラー・・・
一方通行「……ンァ?」キョロキョロ・・・
あ、気付いてない。そりゃそうか。香の姿ではチャリティ演奏会で一度しか(※)会ってない。 ※すんどめ。第三(20)話参照。
打ち止め「んー? 確か、キヌハタ(お姉ちゃん)の友達のカオルンだよね? ってミサカはミサカはうろ覚えの記憶を呼び覚ましてみたり」ジー
香焼「はい。お久しぶり…です」ペコッ・・・
一方通行「あァ。そいやァそンなンあったな」フム・・・
打ち止め「カオルン、何だか凄い恰好だね……ってミサカはミサカは超前衛的ファッションに対して言葉を濁しつつ苦笑してみたり」ハハハ・・・
触れないで下さい。さておき、最愛達も一緒だと伝えるか。
打ち止め「あららー。お姉ちゃんも一緒なの? ってミサカはミサカは辺りを見回し……あ、居た! おーい!!」ビシッ!! パタパタッ!!
一方通行「店内走ンなボケ。第三位(オリジナル)みてェな品無ェ女になっぞ」ハァ・・・
打ち止め「良いもーんだ。ミサカはまだまだ子供の特権使えるしー」イエーイッ!
一方通行「……まだまだ躾が足りねェな」グデェ・・・
この人も振り回されるタイプだな。一方、最愛達は。
絹旗「あっ。打ち止めちゃn―――」
打ち止め「お姉ちゃーーーーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どるーんっ!!」ボ○テッカーッ!!
絹旗「―――nフンヌッ!!」キュルキュルキュル・・・
打ち止め「えへへっ。ナイスキャッチ! ってミサカはミサカはハイタッチを要求してみたりっ」イエーイッ!
ばいおれんす。パワータイプの能力者たる最愛じゃなかったら止められないだろう。
絹旗「んもーっ。狭いとこでボ○テッカーは超危険っていつも注意してるじゃないですかー」プシュー・・・
打ち止め「んへへっ。さーせん」ニパーッ
黒夜「ハチャメチャなヤツ……って、アイツも一緒か」チラッ
一方通行「……、」ジトー・・・
そりゃ打ち止めちゃん一人で外で歩くって事はそうそう無いらしいからな。
黒夜「因みに……番外個体(バンコ)一緒じゃないわよね」タラー・・・キョロキョロ・・・
打ち止め「番外個体(ワースト)は昨晩から今朝まで『はじめの独歩』既存巻読んでたから寝てるよ。ってミサカはミサカは報告してみたり」コクッ
黒夜「……なら良い」ホッ・・・
相変わらず、あの悪人相大人御坂さんのこと苦手なんだな。 - 762 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/15(日) 23:32:56.11 ID:LJnUdqRZ0
- しかし、文房具屋には無縁そうな二人だが、何しに来たのだろう。
打ち止め「あのねっ。お使いだよ、お使い! ってミサカはミサカは外に出たがらないヨシカワの代わりに出張ってきた事を説明してみたり」コクッ
滝壺「よしかわさんの?」キョトン・・・
一方通行「プリンターのインクが切れたンだと。あと、他にも色々と……かったりィ」ハァ・・・
黒夜「ぷふーっ。天下の第一位様が使いっパシリになってやんのー。だっせー」ニヤニヤ・・・
絹旗「こらこら、黒夜。これはきっとアレですよ。超リハビリ的な。歩行訓練と……社会復帰訓練の。ふふっ」クスクスッ
一方通行「社会不適合者のテメェらにだけは言われたくないンですけどォ」ケッ・・・
窒素姉妹『あンっ?』ジトー・・・
喧嘩しないでよ、もぅ。
絹旗「あーそういう事言っちゃいますかぁ……ねぇ『御兄様』」ジトー・・・
一方通行「……はァ?」ピタッ・・・
黒夜「ホント、酷い事言うよねぇ……私らの『御兄様』はぁ」ジトー・・・
一方通行「ちょ、何を―――」タラー・・・
絹旗「いや、よしんば私らが『社会不適合』だっていうの認めたとしますよ。でもそれを超無責任に言い放つ『御兄様』って、ねぇ」ボソボソ・・・
黒夜「『ひとでなし』なのは知ってたけど酷いよなぁ……事もあろうか『窒素姉妹(私達)』にヤツアタリだぜ、『御兄様』がさ」ボソボソ・・・
一方通行「テメェら一体何の真似で―――」ウッ・・・
絹旗「私達に、ですよ。私達に……ねぇ……わ・た・し・た・ち・にっ! お・に・い・さ・まっ!!」ジトー・・・
黒夜「あーいや。別に気にしなくて良いぜ『御兄様』。私達が勝手に言ってるだけだからよー……なぁ『御兄様』」
一方通行「」ダラダラ・・・
何この精神攻撃。『御兄様』のルビで【オリジナル】って聞こえてくるのは気の所為だろうか。
打ち止め「ふぇ? お姉ちゃん達は何であの人の事『兄』って呼んでるの? ってミサカはミサカは純粋に疑問視してみたり」ポカーン・・・
滝壺「うーん……やんごとなきお家事情的な。結構ドロドロな」ハハハ・・・
滝壺さんが言う『お家事情』とは―――『窒素姉妹(最愛&黒夜)』の能力の由縁についてだ。
『暗闇の五月計画』とかいう非人道的な能力実験があり、ある意味『原因』が一方通行さんで、『被検体(犠牲者)』がこの二人。
まぁもっと分かり易くいえば『一方通行(最強)≒窒素装甲(守り)+窒素爆槍(攻め)』―――故に、兄妹的なアレコレ。
助けたいのは山々だが『香』的には知らないフリをしなければならない。となると、滝壺さんと打ち止めちゃん頼りか。
一方通行「―――……ちょ、調子乗ンなし」グヌヌゥ・・・
絹旗「ええ、そうですね。『御兄様』、少々言い過ぎました『御兄様』」フフーン・・・
黒夜「あ、もしかして『御兄様』より『お兄ちゃん』とか『兄貴』の方が良かったかな? それとも『兄君』とか『にぃに』?」ニヤニヤ・・・
一方通行「冗談抜きで虫唾が奔るンですけど……そろそろ勘弁してくれ」ハァ・・・
窒素姉妹『えー』ニヤニヤ・・・
滝壺「こらこら。その辺にしときなさい。彼、いつもの三割増しでゲッソリしてるから―――」ヤレヤレ・・・
一方通行「……助かる」ハァ・・・
滝壺「―――せめて、何か奢って貰う程度になさい」フフフ・・・
窒素姉妹『はーい』ワーイ♪
一方通行「」チーン・・・
この人、とことん女性に弱いんだなぁ。人の事言えないけど。 - 763 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/16(月) 19:49:07.34 ID:/Za4hMP/0
- ―――さる翌日、PM05:00、学園都市第7学区、商店街付近大通り・・・・・
なんやかんやで日が暮れた。
打ち止め「―――じゃーねー! ってミサカはミサカは千切れんばかりに手を振ってお別れを名残惜しんでみるー」ノシノシ"
絹旗「ばいばーい。また兄貴さん家でー」ノシ"
黒夜「『御兄様』もまたなー」ニヤニヤ・・・
一方通行「うっせェ糞ガキ共! 二度と会わねェよ!」ケッ・・・
打ち止めちゃん達とは此処でお別れ。トコトコと元気良くバス停へ向かう打ち止めちゃんに反して、哀愁漂う最強さんの背中。
絹旗「いやぁ超大量大量」モッサリ・・・
黒夜「結構買ったなー。まぁ私の金じゃないけどね」モッサリ・・・
香焼「いやいやいやいや。それ持って帰るの?」タラー・・・
滝壺「まぁまぁ。いっぱい買って貰って良かったね」フフッ
限度があろう。そんな必要無いモノばっかり……店員さんも驚いてたぞ。
絹旗「そういえば香は何買ったんですか? 必要最低限という割には結構多い気がしますけど」ジー・・・
香焼「色々と。兄に頼まれていたモノとかもあるので……あとは贈り物的なのも」ハハハ・・・
黒夜「あの甘ちゃんが使いっパシリ頼むたぁ良い身分になったもんだ」フンッ
同一人物なんですけどね。
話は変わるが、天草式の『術式』は紙や糸を媒体にする魔術もある。特に僕はそういう類の小細工を多用するので、こういうのが消耗品となる。
経費・資材で発注申請出来るけど、いつ何時何が起こるか分からないので、纏め買い出来る時にしておきたい。
因みに『贈り物』というのは……気の迷いだ。
さておき、そろそろ時間も時間。三人は如何するのだろう。
滝壺「私は帰ろうかな。麦野も帰って来る頃だしね」チラッ
絹旗「右に同じくです」コクッ
香焼「黒夜さんは?」チラッ
黒夜「んー。眠いし私も帰るわ」グデェ・・・
それではお開きか。
滝壺「かおるは如何する? このまま帰る? ウチ寄ってっても良いよ」チラッ
香焼「麦野さん居る…ですよね。迷惑じゃありませんか」タラー・・・
絹旗「別に香なら麦野も何も言いませんよ」コクッ
いや、麦野さんが良くても僕が嫌です。絶対からかわれるんで。
しかし、よくよく考えたら今日は帰っても家に姉さんは居ない。五和と浦上ももしかしたらウチに寄らないかもしれない。
別に一人が嫌という訳ではないが、正直、今一人になってしまうと、昨日の事を思い出しそうで……気拙い。
かといって特に予定は無いので、出来れば蛇さんの指示を仰ぎたいのだが―――何の連絡も無い。つまり、自分の意思で行動しろと。
香焼「それじゃあ――― >>766 」 ※安価!
①一緒に行く。 ②五和&浦上と合流する。 ③『兄』の所に帰る。 - 766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2013/12/16(月) 21:14:42.91 ID:qBXyGefg0
- 2
- 767 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/16(月) 21:49:00.13 ID:/Za4hMP/0
- 香焼「―――姉達と、一緒に帰ります」コクッ・・・
麦野さんにからかわれるのが嫌という訳ではなく、最愛達に気を使いたくない。
でも……やっぱり、何故か、一人になりたくない気分だった。
絹旗「そうですか」フム・・・
香焼「折角誘ってくれたのにすいません」ペコッ
滝壺「ううん。気にしないで」フフッ
ホント、今日は一日僕の我儘で申し訳無い。
黒夜「そんじゃ解散だな。寝よー……じゃーな」テクテク・・・
絹旗「はいはい。あ、昨日の勝負の続きはまた今度ですからね」ビシッ!
黒夜「あいあい。また泣かせてやるよ」ノシ"
振り向かず人混みに消えていく黒夜。何処に帰るやら……それはそうと案外、というか意外と協調性があるという事が分かった。
とりあえず僕はというと、地下鉄で第一学区まで帰るので、バスを使う二人と途中まで一緒に歩く事に。
滝壺「じゃあ私達は此処から乗るから」チラッ
香焼「はい。今日はありがとうございました」ペコッ
絹旗「いえ。お気になさらず」コクッ
滝壺「此方こそありがとね……きぬはた達も良い勉強になったよ。これからも宜しく」フフッ
絹旗「あっ。香焼に今度いつ公園行くか聞いといて貰えますか。あと、もあいの餌代の件。最近忙しいのかライン帰って来ないんで」ヤレヤレ・・・
香焼「え? 最近って、今朝方返事したと思うんだけど――― ビリビリバリバリイィッ!! ―――うぎっ!!?」ビクンッ!!
絹旗「えっ!?」ギョッ・・・
あ、ヤバい。素が出ちゃった―――んでもって今の電撃超痛い!
滝壺「ふふふっ。きぬはたはお兄さん(こうやぎ)の連絡が半日でも待ち遠しいんだって」クスッ
絹旗「にゃっ!? ち、違っ! 超違いますからっ!! そういう意味じゃありませんよ!!」アタフタ・・・///
香焼「痛つっ……痺れた……えっ? 何が?」ポカーン・・・
絹旗「にゃ、何でもありませんっ」ムググゥ・・・///
香焼「ふぇ?」キョトン・・・
滝壺「やれやれ。カミやん病カミやん病……ふふふっ」ニヤニヤッ
よく分からないが、何故か最愛が赤面してらっしゃる。変なの。
滝壺「それじゃ気を付けて帰りなよ。家着いたらきぬはたにでも連絡してね……こうやぎくんとかおると、両方で」ボソッ
香焼「ははは……ええ。それでは、また」ペコッ
絹旗「さようならー」ノシッ”
じゃあね、と手を振り駅に向かう。その前に……蛇さんへ連絡を入れた。多分色々説教食らうだろうなぁ。
香焼「……もしもし」Pi!
御坂蛇『―――御苦労様。言いたい事は山ほどあるが、メールで送る。帰るならさっさと帰りなさい。とミサカは淡々告げます。以上』Pi!
あっという間に終わった。こういうパターンだと報告書に長々と反省文加えなきゃいけないから嫌なんだけどなぁ。ちくせう。 - 768 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/16(月) 23:08:14.61 ID:/Za4hMP/0
- 時刻は下校ラッシュの頃合い。折角の平日休み(?)なのに満員電車で帰る羽目になるとは。
ただ、流石にこの恰好(ジャージの上にモコモコニットポンチョ&パンクアクセ)で帰るのは恥ずかしいので、
近くのコンビニのトイレで最愛にコーディネートして貰った服装に着替えた。
何故このチョイスかというと、単純に寒いからポンチョを着たかったからである。黒夜の服は着方が分かりません。
とはいいつつも、最愛の服だと下が寒い。キュロットの御蔭で腰回りは温かいが、脚が寒いのだ。そこは少しの我慢か。
香焼(はぁ……とりあえず五和に連絡するか)スッ・・・
気ノリはしないが、止むを得まい。携帯を取り出しコールする。
香焼「……もしもし」Pi!
五和『―――はい。どうしたの?』Pi!
香焼「えっと、さ……その」モジモジ・・・
五和『ん?』キョトン・・・
香焼「今、何処」ムゥ・・・
五和『え。何処って、寮だよ。自分の。何で?』ポカーン・・・
何で、と言われると困る。
香焼「……浦上は?」ポリポリ・・・
五和『ウラはまだ学校かな……ねぇコウちゃん。如何したの? 何かあった?』ジー・・・
香焼「いや、えっと……あー、やっぱ何でもないっす」アハハ・・・
五和『ホント? 最愛ちゃん達と何かあったんじゃない?』フム・・・
香焼「ううん。別に、普通だったよ。だいじょぶ」ペコッ
ウチに居ないならいいや。今日はもあいと二人(一人と一匹)で大人しくしてよう。
五和『……分かった。じゃあ、また』コクッ
香焼「うん。変な電話してごめん。また」Pi!
馬鹿な電話だ。ホント、何考えてるんだか。何がしたいんだろう、僕は。
香焼「……帰ろう」トボトボ・・・
学生たちが挙って地下に降りていく。その波に僕も続く。
平日なのに私服なので多少目立ったりはするが、ギュウギュウ詰めのこの中だと着てるモノなど関係無い。
ドチラかといえば、今抱えている多めの荷物の方が周りの邪魔になってしまうので気になるところ。
特に真後ろのオジさんの迷惑にならなきゃ良いけど……やけに詰めてくるタイプの人だと非常に困る。 - 769 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/17(火) 00:04:55.40 ID:gvl/psHK0
- などと考えている間に電車がやってきた。此処からだと約20分といった所だろう。整列乗車に従い、中に押し込まれる。
相変わらずの混雑だ。案の定、後ろに居たオジさんが僕の荷物に圧し掛かる様に詰めてきた。もう最悪。
香焼(うっ……キツっ……もぅ……あぁ。明日どうしようかな)ムギュギュゥ・・・ムゥ・・・
如何しても昨日の事を思い出してしまう。忘れ様にも忘れられない。頭の中がゴチャゴチャする。
まるでこの車内の混み合いみたい。ミシミシと音を上げる程、混み込みし過ぎて……胸が辛い。
たった一人との、他愛無い喧嘩(?)がこれほど厄介なモノだとは。本当に……苦し……い…………………………………………………んっ!?
香焼(ちょ……マジで、苦しいんだけど……何っ?!)ウググゥ・・・
気付けば数駅先。そしていつの間にか扉側に押しやられていた。
結構シンドいがあと数駅我慢すれば解放される。この首筋に当たる気持ち悪い吐息も、太ももに触れる汗ばんで湿った手も―――
香焼「ぁ……れ?」ピタッ・・・
デジャビュ。この光景、いつだかと同じな気が―――
「ハァハァ…相変わらず可愛い、なぁ……ンフっ…全然抵抗しないんだ、君…ハァファ…いつも、傍に居るのに、ねっ…デュフッ」ボソボソ・・・ニヤニヤ・・・ペタッ・・・
香焼「っ!!?」ビクッ・・・
「コホッ…もしかして、そういう趣味、かな…ドゥフッ……ハァハァ…臭いも覚えたから、ねっ……クフフッ…毎日触ってあげる」ボソボソ・・・モゾモゾ・・・グイッ・・・
香焼「っ?!?!」ゾゾッ・・・
今まで考えていたアンニュイな事を全て吹き飛ばされる程のオゾマシサ。咄嗟に次の駅で飛び降りてしまった。
あまりの不気味さに吐気を催したがグっと我慢した……恐る恐る過ぎ去る電車を振り返ると、
そこにはいつかのオジさんが気色悪い笑みを浮かべ手を振っていた。寒気が止まらなかった。
香焼「ぇ……あ、なっ……うぇ……えっ」ハァハァ・・・
魔術師として未熟者ではあるが、今まで死地も経験してきた。しかし、それ以上の恐怖。背筋が凍る思い。
香焼「……、」ブルッ・・・
茫然。訳が分からない。何だこれは。
呆気に取られ後から来た数本を乗り過ごしてしまったが、自分でも気付かぬ内にフラフラと電車に乗っていた。
しかし、先の気持ち悪いオジさんの所為か、今度は壁を背にしていないと怖くて立って居られなかった。
一寸後……何とか最寄り駅に到着。最早何もかも考える気力が無いので、バスにも乗らずフラフラと家まで辿り着いた。
普段はバスの距離を歩いたので、かなり時間は掛ったが気が気では無いので気にならない。辺りに目もくれず、幽鬼の様に部屋まで一直線。
エレベーターを降り、自室へ……―――
香焼「ぁ、れ」スッ・・・
―――扉に手を掛けた瞬間気付いた……鍵が、開いてる。
香焼「ぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!?」ゾゾゾッ・・・
ハァハァ ピチャッ ペタッ・・・ペタッ・・・
ンフフッ
デュフフッ 『いつも、傍に居るのに、ねっ』 クフッコホッ
ベタベタ・・・ フゥフゥ オフォッ
ヌチャッア・・・ ハァハァ
香焼「ッ!!!」ビクビクッ・・・スチャッ・・・
扉越しにアチラから近付いてくる音が聞こえる。
僕はもう気が気ではなかった。気配を消し、息を飲み、短刀を構え……そして――― - 770 :寝ますの…おやすみ。 [saga]:2013/12/17(火) 01:21:41.50 ID:gvl/psHK0
- ―――当て身を仕掛け、『峰』の部分を振り下ろす。
五和「あ。お帰りぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぉおわたぁっあぁっちょっええぇ!!?」ガチンッ!!
香焼「っ!?」ギョッ・・・
えっ……あっ。
五和「危なっ……何事?!」ハラハラ・・・
香焼「」
エプロン姿の五和が、菜箸で僕が振り下ろした短刀を掴んだ。
五和「ど、どうしたの!? 何、えっ?! 姉ちゃん何かした!?」アタフタ・・・
香焼「」
五和「こ、コウちゃん? えっと、その……あれ? 香焼?」ジー・・・
緊張の糸が切れた。安堵と同時に堰き止めていた諸々が崩壊し―――
香焼「」ポロポロ・・・
五和「……うぇ!?」ギョッ・・・
香焼「ううぅ……ヒック……うええぇん」ポロポロ・・・
五和「ちょ、待、えええぇっ!? な、何でぇ?!」アタフタ・・・
―――一番恥ずかしい姿を見せたくない人物に、最もみっともない姿を晒す羽目になってしまった。
香焼「うわあぁーんっ。ざいあぐだああぁ」ビエーッ!!
五和「こ、コウちゃん! えぇっと、あの、と、兎に角中入って!」アワワワ・・・
それから暫く霰も無い姿を晒す事に。涙で化粧は落ち、声も上ずり、まるで子供の様。
五和は最初こそ戸惑っていたが、次第に……『昔』の様に僕をあやした。それがまた悔しくて悔しくて……涙が止まらなかった。
五和「やれやれ。とりあえず、さっきのは不問にします。どうやら色々訳アリな状態だったみたいだからね」ハァ・・・
香焼「うぅ……ご、めん……っ……なさい」ウルウル・・・
五和「あーもぅ。男の子がいつまでもメソメソしないの。そろそろ順を追って説明して貰いますよ」ポンッ
僕が冷静になるまで待って、真面目(仕事)モードで向き合う五和。
五和「まずは、私ラインしたよね。『今から行くよ』って。まさか先に着くとは思わなかったけど、メッセージ見なかったの?」ハァ・・・
香焼「……ごめん。見てなかった」グスッ・・・
五和「バイクも置いてあったでしょ。気付かなかった? 非常事態だったのかもしれないけど、だったらまず私に相談して下さい」ジトー・・・
香焼「……ごめん、なさい」シュン・・・
五和「姉さんみたいに真面目説教染みた事は言いたくないけど、一応、香焼の直属上長は私です。仮にも天草式の若衆筆頭なんですからね」メッ!
分かってる。が、気が気ではなかった。言い訳にしかならないが……申し訳無い。
五和「分かれば宜しい。それで……何があったの? 昨日の件に関係してる? それともやっぱり最愛ちゃん達と何かあったんですか?」トンッ・・・
香焼「……、」ムゥ・・・
何から話すべきか。とりあえず、正直に昨日の事を話すか。
- 773 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/12/19(木) 22:24:22.84 ID:qei0dnkK0
にゃーん・・・・・
香焼「―――そんな感じで昨日、怒っちゃったっす」ハァ・・・
五和「……、」ポカーン・・・
温かいお茶を啜りながら昨日の件を話した。
五和は普段と違って、ふざける事無く真面目に僕の話を聞いた。先の僕を見れば無理も無いだろう。
香焼「だからちょっと頭の中ゴチャゴチャしてて……すいません」ペコッ・・・
五和「あー、それは分かった。とりあえず最愛ちゃん達は関係無いんだね」ウーン・・・
香焼「うん。全部、自分一人の問題っす」ムゥ・・・
五和「そう。まぁその件に関しては私や姉さんやウラは関与しません」フム・・・
分かってる。でも、このモヤモヤを何処にぶつけて良いか分からない。
五和「でも、愚痴なら聞くしアドバイスもします。ただ、結局は貴方が如何したいかでしょう?」ジー・・・
香焼「如何って」チラッ・・・
五和「確かに、第5位さんの行為は行き過ぎね。もし姉ちゃんがその場に居たらブッ飛ばしてた」ハハハ
香焼「ブッ飛ば……まぁ、五和なら確かに」フム・・・
五和「そこは納得しないでよ。さておき、考えようによっては犬猫相手にしてると思うべきかな」コクッ
香焼「意味分かんないっすよ」キョトン・・・
五和「この件の問題点の一つは、第5位―――いえ、食蜂操祈が純粋過ぎる事」ピッ
あの操祈さんが純粋……そうは思えないのだが。
五和「ううん、彼女は純粋よ。ただし『香(コウちゃん)』に対しては、ね」ジー・・・
香焼「自分に?」キョトン・・・
五和「本音でぶつかれる相手が今まで居なかった食蜂さんが孤高の狼だったとする」コクッ
香焼「御坂さんや麦野さんには本音で当たってるらしいっすよ」ポカーン・・・
五和「彼女らも同種、孤高の存在でしょ。でも『香』は同種でも無いのに本音でぶつかれた……友人としてね」フフッ
香焼「……まぁ、うん」ポリポリ・・・
五和「馴れ初めまでは知らないけど、兎に角友達となった時点で食蜂さんの牙は抜け、人懐っこい犬猫―――『香』の愛玩動物と化した」ピッ
で、自分が飼い主と? 変な話だ。香(僕)の事をあれだけ『飼い』たがってた彼女が、僕のペット?
五和「それこそ本人が気付かない内にね。それほど信頼……いや、依存されるなんて凄いじゃない」フフッ
香焼「それがマジだとしたら正直複雑っす」ウーン・・・
五和「だから、飼い主に甘える。過度な触れ合いだって求める。子供やペットの愛情表現と同じ様に」コクッ
香焼「でも、間接キスや太もも触ったりはまた別の形だと思うんすけど」ハァ・・・
五和「じゃあ食蜂さんがビアンだー、って言いたいの? ははは……それはそれでアレだけど」キマシタワー・・・
香焼「いやいやいや。そういう訳ではないと思うんすけど。寧ろ『香(自分)』をペットとして見てるからあんな事するんじゃないかな」ムゥ・・・
五和「うーん。話聞く限り、主導権は替わってると思うよ。弄られ云々は別として、都合(リズム)を合わせるって意味でね」ジー・・・
香焼「それは、確かに」フム・・・
実際『香(僕)』が学校に行くと連絡を入れたら、絶対に『香』が居る時間は都合を空けてくれている。- 774 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/25(水) 20:30:54.57 ID:LXDO2DIO0
- 別段、派閥の人間という訳でもない。ましてや利になる存在でも無い。
しかし、僕を大事にしてくれている。それはそれは嬉しい事だし、有り難い事。
五和「『純粋』という問題に関しては、コウちゃんにとっては問題無いと思うよ。あのマグヌス主教補佐相手にしてるほどだしさ」フフッ
香焼「ははは。操祈さんに比べたらステイルは単純っすよ」ポリポリ・・・
ある意味軍覇より単純な男。パッと見、堅苦しく捻くれていて天の邪鬼ではあるが、その思考は読み易い。
アイツは僕ら同年代の中で誰よりも子供なのだが……その話はまた別に。
五和「さて、と……結局、最大の問題点は」ジー・・・
香焼「何すか」フム・・・
五和「香焼自身なんだよね」ウーン・・・
香焼「意味分かんない」キョトン・・・
五和「あーいや、コウちゃんの性格とか対応云々が悪いって言ってるんじゃないの。これはねぇ……うーん」ハァ・・・
ハッキリしない物言い。何が言いたい。
五和「率直に言うと『香焼』と『香』を切り離せてない」ビシッ
香焼「へっ?」ポカーン・・・
五和「どだい無理だと思う。香焼が男の子である以上そこを割り切るのは不可能でしょ。加えて、変にプライド高いし」ジー・・・
香焼「……、」ムゥ・・・
五和「性別の壁ばっかしは如何にもならないかなぁ。しかも、これからもそれを隠し続ける訳でしょ」ムムム・・・
香焼「今一、何が言いたいのか伝わらないっす。別に今までだって上手くやって来れたじゃないっすか」ウーン・・・
五和「でも此処に来て挫折したでしょ。『香(女の子)』で居る以上、何とかしないと」ポンッ・・・
ハグやら脚を触られるのやら頬擦りやらを我慢しろと?
五和「だってそういう娘さんなんでしょう。言って直るならとっくに止めてるんじゃない」ヤレヤレ・・・
香焼「確かに……でも」タラー・・・
五和「デモだろうがストだろうが、それが事実。ぶっちゃけ接触断つしかないんだろうけど―――そこら辺は私立ち居れない領域なので」サラッ・・・
じゃあ、如何しろと。お手上げだぞ。
五和「んー。接触しないは無理なんでしょ? メールや電話だけとか、連絡のみの関係にするってのは?」チラッ・・・
香焼「それは……酷いかな」ムゥ・・・
五和「食蜂さんに対して? それとも、自分の信条?」ジー・・・
どっちも。僕には『友達』を見限る勇気なんてない。例え偽りの自分であっても。
五和「やっぱ堅ブツね。まぁ私は関与できないラインだからさておき―――となると、慣れるっていうか我慢する外無い様な」フム・・・
香焼「……我慢」タラー・・・
五和「普段からレッサーとか結標さんにベタベタされてるでしょ。あんなモンだと思ってフレンチに割り切る」ピッ!
香焼「それとこれとは違うっすよ。それに、レッサーのセクハラが度過ぎる時は普通に怒れるし」ハァ・・・
五和「だーから、そこを割り切るっ! 男の子でしょ!」メッ!
香焼「さっき『男の子である以上そこを割り切るのは不可能』って言ったの誰だよ」ヤレヤレ・・・
結局、五和のアドバイスは『慣れろ! 我慢しろ!』の根性論なのか……こりゃ相談の意味が無い気がする。 - 775 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/25(水) 21:14:00.87 ID:LXDO2DIO0
- これ以上話しても無駄だが、とりあえず彼女なりに真面目に相談に乗ってくれた事には感謝しよう。
今回も多少何処か抜けていた気はするが、普段もこれくらい真摯に話を聞いてくれれば幸いなのだが……高望みか。
香焼「あ、うん。ありがと。あとは何とかする」ハハハ・・・
五和「……、」ムッ・・・
香焼「今日は居てくれてありがとね。もし帰ってする事あるならそっち専念して貰って良いっすよ」ペコッ・・・
五和「……、」ムムムッ・・・
香焼「あ、別に追い払ってる訳じゃないっすよ。ご飯も作ってくれてるみたいだし、ゆっくりしてからでも―――」
五和「……コウちゃん」ジトー・・・
香焼「―――良いっす……え?」キョトン・・・
ジト目。何か御不満な様子。
五和「何も、解決してないじゃない」ムゥ・・・
香焼「えっ。うーん……兎に角、大丈夫だよ」ハハハ・・・
五和「何で濁すの? 独りで抱え込んで、如何するつもり」ジー・・・
香焼「ど、如何って」タラー・・・
五和「どうせまた『何とかなるっす』とか運に任せて、今まで通り、おっかなびっくり行くつもりでしょ」ジジジー・・・
香焼「うっ」ダラダラ・・・
当たらずとも遠からず。
五和「ほら、言ってみて。姉ちゃん、五月蠅いとかしつこいとか言われたくらいじゃ引き下がんないんだから!」ムンッ!
香焼「ぐっ……つ、土御門とか海原さんとか、御坂蛇(プロスネーク)さんの相談・指示を仰ごうかと」タラー・・・
五和「それっていつもと何か違うの? 違わないでしょ。それに相談したところで、多分私より根性論押し付けられるだけだと思うわ」ジー・・・
香焼「で、でも」ウー・・・
五和「縦しんば、それを真に受けて……また逃げましたー、失敗しましたー、だなんて事態になったとする。そしたら、如何なる?」ジトー・・・
香焼「別に、如何も。また仕切り直しで」ポリポリ・・・
五和「甘い。甘過ぎるわよ、コウちゃん。貴方は仮にも組織の一員で、仮にもそれは任務なんでしょう。しかも、匿名の」グイッ・・・
香焼「っ」ゴクリ・・・
本気の―――天草式(中略)若衆筆頭の顔。
五和「上の立場からすれば『使えないからクビね』で終わり。つまり未練タラタラのまま、食蜂さんとサヨナラよ」ビシッ・・・
香焼「ぇ」ビクッ・・・
五和「多分『接触禁止』ね。メールのやり取りすらシャットアウト。『神埼香』の存在は抹消」トンッ・・・トンッ・・・
香焼「……、」ダラダラ・・・
五和「即ち『上条勢力(私達)』に対し『第五位(食蜂操祈)』は友好的にはならなかった……そう判断される。貴方一人の行いで」ツツツツ・・・
香焼「お、大袈裟、な……現に操祈さんは上条さんや御坂さんとも」アタフタ・・・
五和「でも現状、彼女と交渉に当たってる『代表(エージェント)』は香焼、貴方なの。どんな形であれ、貴方が『私達』の『看板』」トンッ・・・
香焼「……、」ブルッ・・・
五和「そして貴方が何より恐れているのは、そういう立場建前じゃなく―――『サヨナラ』でしょ。何も告げずに、正体も告げずに」スッ・・・
あぁ……恐ろしい程、悔しい程、図星。
『使えない』とか『要らない』とか言われるのも勿論怖いが、それよりも、意図も容易く『縁を絶たれてしまう』事の方が恐ろしい。 - 776 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/25(水) 22:18:03.72 ID:LXDO2DIO0
- 無言。何も言い返せなかった……畜生、また泣きそう。
もあい「なぅ」ペロペロ・・・
香焼「ん……ごめん」ナデナデ・・・
五和「強く言い過ぎたわね。ごめんなさい。でも、今のままじゃダメ」ペコッ・・・
香焼「分かってる。分かってるけど、正直お手上げで……如何すればいいのか、もぅ」シュン・・・
五和が言った通り、努力で如何こうなる問題ではない。
再び沈黙が奔った。今度はもあいさえ、ウンともスンとも鳴かなかった。
五和「っ……分かった」ボソッ・・・
香焼「……ぇ」グズッ・・・
急に立ち上がった五和。その顔は意を決したモノ。
何故か深々と深呼吸し、何故か顔を真っ赤にし、そして何故かエプロンを脱いで……僕に向き直った。
五和「こ、コウちゃん!」バッ!!
香焼「ひゃ、はいっ!」ビシッ!
もあい「にゃっ!?」ビクッ!
五和「め、メイク! してきて!」ジー・・・///
香焼「……へっ」キョトン・・・
五和「早く! 化粧してきなさい! ついでに、髪もセットし直して! 服は最愛ちゃんが選んだそのままで良い!」ジリジリ・・・///
香焼「な、なんでさ」タラー・・・
五和「いいから! 兎に角、フルで『香』の準備してきなさい! ハリーアップっ!!」ウググゥ・・・///
香焼「い、嫌だよ。さっき折角化粧落としたのに何でまた―――」
五和「さっさとしなさーーーいっ!!」バンッ!!
香焼・もあい「「―――にゃういっ!!」」ビクンッ!!
勢いに押され、言われるがまま洗面所へ―――一寸後、準備完了。
香焼「……したよ」ハァ・・・
五和「よ、よーし」フーフー・・・///
いつの間にかリビングの卓袱台前で正座してる五和。そして何かプルプル震えてる気がするのだが、気の所為だろうか。
さておき、体面に座りなさいと促され渋々言うがままに移動した僕。
香焼「何が始まるのさ」タラー・・・
五和「こ、コウちゃん……いえ、違うわね。『香』」ジー・・・コホンッ///
香焼「えっ」キョトン・・・
五和「今から貴女はコウちゃんじゃなく『香』です。だから言葉も仕草も『香』のままで居なさい」ビシッ!
香焼「はぃ? いやいやいやいや。何で―――」
五和「四の五の言わないっ!!」バンッ!!
香焼・もあい「「ふしゃっ!?」」ビクッ・・・
五和「貴女は『香』。OK?」ジー・・・
香焼「ぁ……ぅ」コクコクッ・・・
如何して、こうなった。というか何がしたいのか意図が掴めないのだけども……主に目が怖くて何も言えない。 - 777 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/25(水) 23:00:27.17 ID:LXDO2DIO0
- もう如何にでもなれと『香』モードに切り替えた。
五和「ふぅ……じゅ、準備、良いかしら?」フー・・・フー・・・///
香焼「準備って、何の準備…ですか」ハァ・・・
五和「い、今から説明するから!」コホンッ・・・///
香焼「はぁ。若干声上擦ってますけど、大丈夫…ですか」ポリポリ・・・
五和「私の事は如何でも宜し! じゃあ、その……えっと、そ、そこ、座って」クイッ・・・
香焼「えっ」キョトン・・・
もあい「みゃ?」ポカーン・・・
もあいが坐すソファを指差す。色々言いたい事はあったが、どうせゴリ押しされるので黙って従う。
ゴメンね、ともあいを持ち上げ膝に置き待機。漸くして五和は立ち上がり、何故か僕の横に座った。先とは打って変わって、大人しい不思議。
香焼「あ、あの、五和さん?」タラー・・・
五和「……、」モジモジ・・・
香焼「何でせう」ダラダラ・・・
五和「……っ!」グッ・・・ガシッ///
香焼・もあい「「んなっ!?」」ビクッ・・・
急に僕の肩を掴み、俯く五和さん。もあいが驚いてどっか行っちゃった。
それから暫く謎の状態(ポジション)が続いたが、五和が震えた声で僕に告げた。
五和「い、今から!」プルプル・・・///
香焼「は、はぃ」タラー・・・
五和「ね、姉ちゃんが……抱きつくからっ!」マッカッカー・・・///
香焼「へ……はひっ!?」ギョッ・・・
五和「あ、暴れちゃダメだからね! 逃げてもダメ!」ガタガタガタガタ・・・///
香焼「」アンダト・・・
何言ってんだこの馬鹿1号。
五和「ふぅうーっ……コウちゃんじゃなく香。香焼じゃなく……神埼香、かおる、カオルカオルカヲルカオルカオルカオル…(ry」プルプル・・・///
香焼「ちょ、オマ―――」
五和「上条さんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…(ry―――失礼っ!!」ガバアァッ!!
むにゅんっ♪ ぽふんっ☆
香焼・五和「「―――、」」ニャーン・・・
もあい「……にゃぉ」アチャー・・・
香焼「―――ぇ、んぃきゃあああぁっ!?」ムギュウウゥッ!!
何だ! 何だコレは!? 何が起きた!!? - 779 :超寝ます… [saga]:2013/12/25(水) 23:38:07.14 ID:jARHKLik0
- 正面から、抱き付かれた!? 五和にっ!!?
五和「こ、コウちゃん我ま―――じゃなく『香』! 我慢なさいっ!!」カアアァ///
香焼「ちょ、待、ねぇ、止、ふぇえええぇ!?」ジタバタ・・・///
五和「あーばーれーるーなーっ!!」プルプル・・・///
香焼「な、む、馬鹿っ! 無理無理無理無理っ!! 何してんだお前はぁっ!!?」プシュー・・・///
五和(『香』は女の子『香』は女子『香』は妹ぉ……コウちゃんは小さい頃のままコウちゃんはまだ一緒に風呂入れるくらいの子ぉ!」ポオオオォ///
香焼「だからぁなぁに言ってんのぉ!!」ムキャアアァ///
暴れる僕を事もあろうか袈裟固めでホールド。何のつもりか分からんが―――胸がっ! 胸が顔にっ!!
如何足掻いても力じゃ五和に勝てない。説得しようにも本人が気が気ではない様子。何故に乱心してまで僕に抱き付くしがみ付く!?
兎に角、このままでは拙い。男として色々セットアップしてしまう! 如何にかなるまえに誰か助けを―――
ガチャッ・・・
香焼「っ!?」バッ・・・///
もあい「にゃう」トコトコ・・・
香焼(くっ、もあいか! せめてステイルか軍覇、もしくは麦野さん達が来てくれたらっ)アタフタ・・・///
五和「みぃいいいぃ!」プルプル・・・///
香焼「何言ってんだコイツは、てか何したいんだ!?」アワワワ・・・///
カシャッ・・・
香焼「ぇ……えっ」ビクッ・・・
浦上「……、」ンー・・・パシャッ・・・
香焼「」
五和「ふうふぅふー……漸く観念したわね……ね、姉ちゃんだって恥を忍んでっ―――」
カシャッ・・・
浦上「……、」ニコッ・・・●REC...キマシタワー?
五和「―――……ぃ」ピタッ・・・
香焼「」
浦上「ぁ……はぁーいっ★」オジャマカナ??
もあい「みー」フシフシッ
香焼・五和「「」」チーン・・・ボンッ!!
神は死んだ。 - 783 :続きをぉ...... [saga]:2013/12/26(木) 22:00:23.97 ID:Bq4UkYb40
- ―――さる翌日、PM07:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・
にゃーん・・・・・
浦上「―――そりゃお姉が完璧悪いですヨ。というか大バカ」ハハハ!
香焼・五和「「ぐぬぬぅ」」プルプル・・・///
もう大変だった。あの後、頭が冷えた―――というより血の気が引いた―――五和はすぐ僕を解放し、浦上に飛び掛かった。
意味不明な事を叫び捲り、僕らの『恥ずかしい映像』を写した浦上の携帯を握り潰そうとしたので、キャットファイト勃発。
流石にその騒ぎで放心状態の僕が立ち直り、二人の間に割って入り……何とか落ち着いた所存。
そして一同冷静になり、先の反省会という名の事実確認に入って―――今に至る。
五和「だ、だってぇ」ムゥ・・・
浦上「確かに、香焼の為に必死だったってのは分かりました……がっ! 説明も無しに袈裟固め入るのはキ●ガイの所業ですわ」ヤレヤレ・・・
五和「袈裟固めじゃなくてハグだもん」モジモジ・・・
香焼「嘘吐け! 絶対絞まってたっての! 窒息するかと思ったぞ」ハァ・・・
浦上「へー。お姉のツインドライブ(おっぱい)に圧迫されて?」ボソボソ・・・ニヤリ・・・
香焼「っ~~~ッ!!」ギロッ・・・///
五和「へっ?」ポカーン・・・
思い出させるなド阿呆!
浦上「まぁ私からしてみればどっちとも捉えられましたけどネ。それはさておき……やっぱお姉が悪いですヨ」チラッ・・・
五和「な、何で」ムッ・・・
浦上「香焼の為云々は置いといて。あーだこーだ言ってたらしいけど、香焼と『香』を区別出来てないのはお姉もじゃん」ジー・・・
五和「うっ」タラー・・・
浦上「寧ろ、香焼よか意識してるし。普段猫被ってるクセに如何して香焼とか私達身内相手じゃ演技(切り替え)出来ないかなぁ」ハァ・・・
五和「ぐっ」ダラダラ・・・
全部当たりらしい。確かにあの時、完璧に僕の事を『男』として意識してやがった。
普段その気も微塵も無いクセに、なんでこんな(女装してる)時だけ変に意識するのやら。
五和「それはその、おフザケ抜きで改めて真面目に香焼に抱き付くとか考えると……色々と、うん。あと女装してたし」ウジウジ・・・///
香焼「意味不明なんすけど」ハァ・・・
浦上「『香』がそんなに可愛かった? だから興奮して……もしかしてお姉、レズっ気あるんですか?」キマシタワー???
五和「馬ぁ鹿言わないでよ! 私は上条さん一筋ですっ!!」カアアァ///
だったら初めから馬鹿な真似しないで欲しい。僕じゃなかったら勘違いしてたぞ……あ、いや、その前に窒息か。
浦上「ったく……とりあえず、香焼も香焼でお姉が暴走しそうな時は察しなよ。真面目モードでも空回りする時はしてんだから」チラッ・・・
香焼「……はい」ポリポリ・・・
五和「酷い。姉としての尊厳が」グヌヌゥ・・・
香焼・浦上((んなモン無ぇよ))ハァ・・・
もあい「なぅ」ポリポリ・・・
仕事中は別として、プライベートでは我が家のカーストランクでビリっけつだぞ。 - 784 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/26(木) 23:06:35.28 ID:Bq4UkYb40
- とりあえず馬鹿一号は放っておいて、浦上は何故ウチに?
浦上「来ちゃダメだった? もしかして実はお姉と『おねショタ』展開もっと深めたかったとか……あれ? 義姉妹百合カナ?」ムムッ・・・
香焼「黙れ馬鹿二号っ! じゃなくて、もぅ」グヌヌゥ・・・///
五和「だ、駄目よコウちゃん! 私には心に決めた人がっ!! ……あ、いや、『香』だっけ? えっ?」アタフタ・・・
香焼「オマエは暫く思考停止させとけ」ジトー・・・
浦上「にゃははっ。まぁ来ても来なくてもどっちでも良かったんですヨ。でもお姉からライン着て」チラッ・・・
香焼「……何したんだオイ」ギロリ・・・
五和「いやいやいや。ただ『私今からコウちゃんとこ行くけど、ウラは如何する?』って送っただけよ」ブンブンッ
それなら止むを得まい。この二人は最早セット感覚だし。
浦上「そう括られるのは若干心外だけど、目を瞑りましょ―――それはそうと、話を戻しますネ」チラッ・・・
香焼「えっ」キョトン・・・
浦上「そんなマヌケな顔されても困るヨ……ねぇお姉」フム・・・
五和「ふぁ」キョトン・・・
浦上「だから顔―――まぁ良いや。結局のところ、お姉は香焼(『香』)にスキンシップ慣れして貰いたかったんですよネ?」クイッ
五和「うん。あースキンシップというより、その……割と過度な、アレで」ゴニョゴニョ・・・///
浦上「要は食蜂女史のセクハラにも耐えられる様、鍛えたかったと。OK?」ジー・・・
五和「……いぇす」ムゥ・・・///
余計な世話を。真面目に思ってくれるのはありがたいが、空回るするのは勘弁してくれ。
浦上「あいよー。分かった―――じゃあ続きしようか」コクッ
香焼「ぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・にゃんと?」ピタッ・・・
浦上「だから、さっきの続き」サラッ
五和「あんだって?」ガタッ・・・
香焼「うっさい座ってろ」ベシッ!
唐突。何を言い出す。
浦上「だから特訓。といっても、それ程大した事じゃないけどネ。香焼は普通にしてて良いよ。あ、出来れば『香』モードで普通にしてて」コクッ
香焼「意味が分からない」タラー・・・
浦上「簡単な事。さっきお姉が『しようとした事』を、正しい形で実践するんです」ビシッ
香焼・五和「「……、」」ポカーン・・・
やっぱ分かんない。
浦上「ま、言葉で言っても分かんないだろうから気にしなくて良いですヨ」ニャハハッ
香焼「い、いや。もし、浦上までさっきの五和みたいな馬鹿しようとしてるなら全力断固拒否を」ダラダラ・・・
浦上「ちゃうちゃう。じゃあ予め言っとくけど今から私、ナチュラルにスキンシップ取りますから」フフッ・・・
五和「えっ……はぅわっ!?」ギョッ・・・
浦上「もち、お姉も手伝って下さいネ。まぁちょっと過度になるかもしれないけど、そこは我慢。ダイジョブ。節度は守るから」ニコッ♪
天使の様な小悪魔の笑顔。一応本人も真面目モードらしいので、僕に拒否権は無いらしい……大丈夫か、これ。 - 785 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2013/12/26(木) 23:57:26.04 ID:h8wV4KCM0
- 一寸後……といっても、浦上は何もしてこなかった。特に何をする訳でも無くいつもの様に、だらーんと携帯を弄ってる様子。
何か意図があるのかもしれないが、あのポーカースマイルだと考えが読めない。
浦上「―――んー?」パタポンパタポン・・・チラッ・・・
五和「あ、あの……浦上さん?」ポリポリ・・・
浦上「あいあい」パタポンパタポン・・・
香焼「先程の宣言は?」タラー・・・
浦上「んな意識した状態で出来る訳無いでしょ。良いから二人とも、いつも通り生活して下さいヨ」ゴロンッ・・・
もあい「みゃー」ゴロゴロ・・・
と言われると、余計勘繰ってしまうのだが。
浦上「んもー。リラックスリラックス」ポンポンッ・・・
香焼「っ!」ビクッ・・・
浦上「肩触ったぐらいでビビんないの。それよりお姉ー。いい加減お腹空いたんですけどネ」チラッ・・・
五和「あ、うん。そうだね。準備するよ」テトテト・・・
五和がその場を離れた。さて、僕は如何すればいい。
浦上「如何って、とりあえず携帯でも弄ったら。朝から部屋に置きっ放なんでしょ。まーた最愛ちゃんとかにグチグチ言われますヨ」ハハハッ
香焼「ぁ……忘れてた」テクテク・・・
夕方のやり取りを思い出し急いで携帯を取りに行く。予想通り何件か通知が溜っていた。
それに加え『別の携帯』の方にも……―――
香焼「……操祈さん」ジー・・・
―――『香』用の携帯の方も光っていた。今日は敢えて持ち歩かなかった。というより、手にしていたくなかった。
いざ蓋を開けてみると……着信・メール・ラインなどの通知総じて、13件。殆どが昨日の謝罪と僕の安否を気にするメール。
そして、その中に何故か御坂さんからの電話とメッセージがあった。
『昨日は馬鹿がしでかしたみたいでゴメンね(^^; しっかり叱っておいたよ! だから、せめて無視だけはしないであげて、、、m(ー ー;)m』
難とも云えない感情が込み上げてきた。ホント、僕は馬鹿だ。
香焼「……、」テクテク・・・
一言、二人に『大丈夫です』とメッセージを送り、二つの携帯を携えて居間に戻った。
五和は僕と浦上を交互に流し見、浦上は相変わらず寝転がりながら携帯ゲームに耽っていた。
浦上「ん。おかえり」パタポンパタポン・・・
香焼「……うん」テクテク・・・スッ・・・
浦上「どったの?」チラッ・・・
香焼「……何でもない」チョコンッ・・・
浦上「そ」パタポンパタポン・・・
もあい「なぅ」トコトコ・・・
香焼「おいで」スッ・・・
もあい「みゃ」ピョンッ・・・
ソファに寄り掛る僕の膝に乗っかるもあい。その頭を撫でてやると気持ち良さそうに喉を鳴らした。
僕もいっそ、オスもメスも関係無い愛玩動物であったならどんなに楽だろうと―――自分から避けた筈の道を想起してしまった。 - 786 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/27(金) 17:12:56.15 ID:jzrLOlCL0
- 宙を見詰め、物思いに耽ってしまった。僕の悪い癖だ。考え出すとキリが無いくらい頭の中が理屈塗れになる。
浦上やアニェーゼは僕のそれを『屁理屈だ』と言うが、当人からしてみればどっちでも良い。
兎に角、今は操祈さんの事が心配で仕方なかった。
香焼「……んっ」スッ・・・
ふと、気付いた。
浦上「……、」パコポンパコポン・・・
いつの間にか、隣に浦上が座っていた。一瞬身構えそうになったが、それよりも早くアチラが話しかけてきた。
浦上「また考え事?」パコポンパコポン・・・
香焼「……ボチボチ、ね」カチカチ・・・
浦上「難儀な性格だネ」パコポンパコポン・・・
香焼「そうでもないよ」カチカチ・・・
別段何かする訳でも無く相変わらずゲームをしたまま、此方を見向きもせず話し掛けてくる。
だから僕も顔を見る事なく上の空で返事をした。一安心……して良いのだろうか。
浦上「根がさぁ、真面目過ぎるんですヨ。香焼だけじゃなくお姉も姉様も、『香』もネ」チラッ・・・
香焼「……普通だって」ジー・・・
浦上「抜くとこ抜かないと折れちゃうぞ。タダでさえ弱っちいクセに意固地なんだから、何処かでリラックスしなきゃ」スッ・・・ポンッ
香焼「っ……自分なりにしてるよ」ビクッ・・・コクッ・・・
割と自然に頭に手を乗せられた。このくらいなら我慢できる範囲。
浦上「うそつけ。誰でも彼でも気ぃ遣ってるっしょ。家族だろうが他人だろうが」ポンポンッ・・・
香焼「んな事無いっす。少なくともオマエら二人には微塵も遣ってないし」ムゥ・・・
浦上「ふーん……ほんと?」ボソッ・・・
香焼「何で疑うのさ」チラッ・・・
浦上「そうは見えないからネ。普段から粗暴に扱ってはいるけど、何処か『意識』しちゃってるでしょ」ジー・・・
香焼「……、」ピタッ・・・
浦上「まぁお互い思春期迎えた男女子だし仕方ないっちゃ仕方ないかな。てか、その『一線』があるから家族として暮らせてる」ナデナデ・・・
そりゃ最低限のエチケットやルールを定めなければやっていけない。本当の姉弟でもそうあるべきだろう。
浦上「でも、だから難しいんだよネ。そうある限りいつまでも遠慮し続ける。まして……家族ごっこなら尚更」ナデナデ・・・
香焼「……そういう事言うなよ」ムゥ・・・
始めはカオリ姉さん―――女教皇様(プリエステス)の為だった。
あの方に幾らかでも『日常』を提供したい。だから僕は、僕らはこの『天草家(ウチ)』を続けてきた。
始めはぎこちなかったかもしれない。でも、次第に薄れ……今は『姉弟』としてやっていけてる。
浦上「にゃはは。ぎこちなかったのは香焼だけだヨ。だけど、うん……確かに私とお姉も何処か意識してる。薄れた筈の今でもネ」ポンッ・・・
香焼「何か、怖いの?」チラッ・・・
浦上「終わる事。例えこの生活が終わっても、仲間として有り続けるけど、でもそれは今まで以上に辛いと思うな」ボー・・・
嫌が墺にも他人に戻る怖さか。それとも『当たり前の日々』に戻れなくなる恐れか―――ドチラにしろ、それは僕も嫌だ。 - 787 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/28(土) 18:44:58.01 ID:RsSIfDQQ0
- 姉三人に対し気を遣わなくなったのは事実だ。
この家の中では、教皇も居ないし若衆筆頭も居ない。まして平教徒だとかそういうのも関係無い。
カオリ姉さん、五和、浦上……そして僕が居る。その輪にステイルや最愛達も混ざって『日常』になってる。
浦上「もしさ、例えばだけど。それが崩壊しちゃったとします。それでもネ……思い出は消えないでしょ。勿論、輪の中心は香焼」フフッ
香焼「……臭い事言うな、ばか」フンッ・・・///
浦上「んふふー。赤くなっちゃってー。その恰好でスネたって可愛いだけだぞー!」ワシャワシャ・・・
香焼「も、もぅ! 止めろよっ」ムググッ・・・///
今更、再確認させられた。この家は皆の『居場所』だ。僕自身そうしたいから、扉を開放している。
浦上「ふふっ……だから、感謝してるヨ。私もお姉も姉様も、他の皆もネ」スッ・・・
香焼「だから、一々言うなよ。恥ずかしいヤツ」ムゥ・・・///
浦上「でもネ。我儘かもしれないけど―――やっぱり私やお姉、姉様はその中でも特別で居たいんだ。何でか分かる?」ピトッ・・・
香焼「……家族として?」ジー・・・
浦上「うん」ニコッ・・・
僕の頬を自然に触るその手の指先は少々冷たく、微かに震えている気がした。
浦上「だから他人以上に愚痴を溢して欲しいし頼って貰いたい。例え公に漏らせない事であっても、私達は絶対に秘密にするんだから」ツツツ・・・
香焼「ははは、五和にも同じ事言われたなぁ……でもそれは勇気が要るよ」ン・・・
浦上「その勇気を私達に向けてヨ。無駄にはしない。現にその為の力はあるつもり」ポンッ・・・
香焼「僕が『救われない者』と?」ハハハ・・・
浦上「うーん。そういうつもりで言ったんじゃないけど……でも考え様によっちゃそうなのかもね」トンッ・・・
僕らの教義も捉え様が難しいモノだな。
浦上「ちょっと話を戻すけどヨ。『香』の話ネ―――私は『香』って、昔の香焼でいれば良いんじゃないかと思うな」スッ・・・
香焼「え?」キョトン・・・
浦上「男女の違いはあるにしても、子供の頃の、生意気でやんちゃだった頃の香焼。私やお姉の後追っかけて回ってた頃の」フフッ
香焼「い、意味分かんない」ポリポリ・・・
浦上「そう? 分かり易い事だと思うけど」ツンッ
香焼「……、」ウーン・・・
『昔』の自分と言われても、4,5年も前の事なんて覚えてない。
浦上「たかだか数年前でしょ。何処行くにも私達の後追いてきたし、人形遊びとかも抵抗無くしてた。お風呂だって一緒に入ってた」ニャハハッ
香焼「だ、だからそんな昔の事っ」ムゥ・・・///
浦上「よくスカート捲りもされたし、抱っこしてあやしたりもしたなぁ……その頃の『若さ』なら『香』も上手くいくんじゃない?」ポンポンッ・・・
香焼「それは、でも、流石に」ウーン・・・
浦上「まぁ抵抗あるのは分かるヨ。だけどそういう『子供の気持ち』のままなら、今の香焼(自分)を誤魔化せると思う」ジー・・・
香焼「自分を、誤魔化す……気持ちの切り替えスイッチって事?」フム・・・
浦上「元々化粧とか髪型で香焼と『香』を切り替えてたんでしょ。でも、やっぱり心までは切り替えられてなかった」ツンツンッ
確かに言われてみると所詮は演技した香焼=『香』だった。というか正直、女装という時点で結構嫌々やってた。
しかし、やっぱりそれではダメなのだろう。やるからには徹底的(スペシャリスト)にやらなきゃ。彼女はそう言ってるのかもしれない。 - 788 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/28(土) 20:22:13.93 ID:9hqMqAAV0
- とはいえ、いざ心のスイッチを切り替えろ、と言われても実際如何したものか。
どんな姿が理想かは想像出来るが、それに為り切るのは容易ではない。
香焼「うーん」ムムム・・・
浦上「ふふっ。悩んでるネ……香焼、ちょっと後ろ失礼」スッ・・・
香焼「え? 後ろ?」キョトン・・・
浦上「よいしょっ」グイグイッ・・・グデェ・・・
香焼「ふぇっ!?」ドキッ!!
自然な流れで―――何を思ったか、いきなり僕の背中とソファの背凭れに割り込んだ浦上。
そのまま両脚の間で僕を人形の様に挟み、両肩に腕を回して抱え込んできた。
お尻が太ももに、背中が胸に当たって……何だコレ!?
香焼「う、浦上!?」ギョッ・・・///
浦上「まぁまぁ。これ以上の大胆な事しないから安心して。第五位さんもこのくらいはするんでしょ?」ニヤニヤ・・・
香焼「す、するけどさぁ」ドキドキ・・・///
浦上「ふふっ。緊張する?」ギュッ・・・
香焼「聞くな馬鹿っ」ムググッ・・・///
浦上「にゃはは。ま、私もちょいっと恥ずかしいヨ。でも今は香焼じゃなく『香』だと思う様にするからネ」ポリポリ・・・
様は先程五和がやった凶行の強行じゃないバージョンか。
浦上「あんまりコッチ意識しないで。私の事よりさっきの話に戻るヨ」ナデナデ・・・
香焼「う、うん」ドキドキ・・・///
傍から見たら禁書目録がよくカオリ姉さんの膝に座る、その様に似ているだろう。
ぶっちゃけ逃げ出したくてしょうがないのだが……先の話もある。
それに僕が変に意識しては折角自然な流れでスキンシップを取ってくれた浦上に対して申し訳が無い。
浦上「ふふっ。お人形さんみたい。あ、ちゃんと口調も『香』の口調にして下さいネ」ポンポンッ・・・
香焼「わ、分かった」ゴクッ・・・///
浦上「堅い堅い。さて、確かに容姿と違って、気持ちを別モノにするのは簡単じゃないですネ。まるで二重人格みたいな」ハハハ・・・
香焼「そう、だね。もしくは憑依みたいに何かが入ってくれば変われるのかな。でも、それじゃあ自我を保てないっすよ―――」ポリポリ・・・///
浦上「口調」ツンッ・・・
香焼「―――で、ですよ」ウッ・・・///
浦上「宜しい。だけどさ、もしそういうのが可能なら読心能力(サイコメトリング)さえも欺けそうだネ」フムフム・・・
それは嬉しい話だ。もしそうなったら蛇さんからの電流サポートが無くて済む。
浦上「いや、第五位さんは読心以外にも洗脳とかテレパシーとかも出来るんでしょ」ジー・・・
香焼「そっか。それだけ防いでもダメ・・・ですね」アハハ・・・
浦上「ふふっ。それに超能力者(レベル5)なら深層心理まで見抜けそうだから、所詮偽りの心とかも見破られそうだヨ」トントンッ・・・
香焼「だね。となると、如何しよう」ウーン・・・
浦上「さっきの話だと、香焼のまま我慢するのはもう無理なんでしょ。じゃあやっぱ切り替えネ」ギュッ・・・
香焼「っ……難しい、ね」ゴクッ・・・///
五和同様、浦上も真面目に相談に乗ってくれている―――のだが、今一集中出来ない。主に、背中に当たるモノの所為で。 - 789 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/28(土) 22:33:22.99 ID:MaVX4UUW0
―――一寸後、五和side・・・・・
さて、夕飯の支度は終わった。二人の方はどんな様子に……って。
浦上「―――ふふっ。だから、相槌打ってるだけでも満足して貰えるってばー」ムギュー・・・
香焼「―――えー? そんな単純じゃないよー。それこそ『姉ちゃん』じゃん」アハハッ
浦上「あー。そういう事言っちゃうかぁ。お姉無くヨ?」ワシャワシャッ
香焼「泣かないよー。『姉ちゃん』よりカオリ姉さんの方が泣いちゃうんじゃない?」キャッキャッ
浦上「ははっ。確かに」イチャイチャ
な、何だ、アレ。
五和「う、ウラ? コウちゃん?」タラー・・・
浦上「でもやっぱ、お姉は―――んー。はいはい?」ピタッ・・・
香焼「えっ。あ、もう準備出来たの?」チラッ・・・
五和「うぇ、な、お、おぅ」タラー・・・
浦上「んふふっ……じゃあ先に食べちゃおうっか。『香』、準備手伝おー」クスクス・・・
香焼「はーい」フフッ
愕然。アレ、誰だ。
香焼「僕がお皿並べるね。『姉ちゃん』はソッチ座ってて良いよ」ヒョコッ・・・テトテト・・・
五和「……、」ポカーン・・・
香焼「……『姉ちゃん』?」ジー・・・
五和「んひぇ!? わ、私?!」ビクッ・・・
香焼「はぃ? 変な『姉ちゃん』」テクテク・・・
『姉ちゃん』って、私の事か。
浦上「ふふ、ふふふふふっ……さぁてと。私も手伝おうかなー」スッ・・・
五和「ちょ、ちょい待てっ!! ウラっ! 待ちなさい!!」バッ!!
浦上「……うぃ?」ニコニコッ
五和「ウラ……アンタ、何した?」ダラダラ・・・
浦上「特に何もー」ニャハハッ
嘘を吐け。アレは完璧に香焼じゃないぞ。
五和「……コウちゃん」チラッ・・・
香焼「ふんふふっ、ふんふふっ、ふんふーふーんっ♪」カチャカチャ・・・
五和「香焼」ジー・・・
香焼「あれ? マグカップは……あ、食器洗い機の中入れっ放しだった」スッ・・・
五和「こ、香や―――」
浦上「お姉」スッ・・・トンッ・・・
何だ。何事だ。何が起きてる。何をした?- 790 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 00:37:23.51 ID:Zdx9vFWC0
- 今更だが、あの子は基本的に私の事を『五和』と呼び捨てにする。あと一人称は『自分』だ。
それが今、私の事を『姉ちゃん』と呼び自分の事を『僕』と言っていた。そうまるで……―――
浦上「昔みたいに?」フフフ・・・
五和「―――……、」タラー・・・
まるで実家に居た頃の、まだ私が平で、香焼が教徒になる以前の様。
浦上「にゃははっ。お姉ー。今は『香』って呼んであげないと反応しませんヨ」ニコッ・・・
五和「なっ……こ、香焼!」タラー・・・
香焼「ふんふふー、ふんふふ~っと♪」カチャカチャ・・・
五和「っ……かお、る」ジー・・・
香焼「んー? どうしたの? 今食器持ってくよ」テクテク・・・
五和「」チーン・・・
如何して、こうなった。
五和「……うっ」プルプル・・・
香焼・浦上「「ん?」」キョトン・・・
五和「うらあああああああああああああぁ!!」ガシッ!!
香焼・浦上「「ぉわっ!?」」ビクッ・・・
五和「アンタ何しでかしたのおおおぉ!!」ガクガクガクガク・・・
浦上「うぉあばばばばばばばばばっばばばばばばばばっばぁっ!!?」ウヒャアアァ!
五和「コウちゃんに何したあぁ!! 吐けー!! 吐きなさいこんにゃろーぉっ!!」ガクガクガクガク・・・
浦上「いいい言うううぅ! い言いううぁからあああんあああぁ!! やめや止めやめめめれえええぇ!!!」アbbbb・・・
香焼「ね、『姉ちゃん』! 何してるの!? 止めて!!」アタフタ・・・
私が暴走して『空回り』してしまう事に関しては自覚している。
しかし浦上も大概で、この子の場合は暴走で『悪ノリ』してしまうのだ。多分、その結果が今の香焼の有り様。
香焼「っ……止めてって言ってるでしょ!」ギュッ・・・
五和「んぎぎぎっ……ふぇっ……ふぇあっ!?」ビクッ・・・バッ///
浦上「むきゅ~」クテクテェ・・・
五和「こ、こここっこ、こ、コウちゃんっ!?」ギギギギ・・・///
香焼「落ち着いて! 理由は分かんないけど、喧嘩しないでっ」ギュウウゥ・・・
五和「」ホワァアアァ・・・
もあい「にゃっ?」ジトー・・・
こ、コウちゃんが! 私に!! 抱き付いた!?
五和「んぅうぃひゃああああぁあああぁああっああぁ!!?」ナンデズェ///
香焼「ね、姉ちゃん?」ジー・・・ビクッ
五和「んにゃああああぁあああぁっああぁっあああぁ!!?」アbbbb・・・///
浦上「痛ちぃ……んもぅ。お姉ぇ動揺し過ぎですヨー」ヤレヤレ・・・
するなという方が無理なのだ。いい加減状況を説明しろ、狐娘。 - 791 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 00:59:26.96 ID:Zdx9vFWC0
- とりあえず落ち着こうという訳で、夕飯を食べながらの説明。
浦上「―――つまりですネ。刷り込みですヨ」モグモグ・・・
五和「刷り込み?」キョトン・・・
香焼・もあい「「???」」モグモグ・・・
そんな単純な話なのか。
浦上「今の香焼は完全に昔の香焼です。ただヤンチャ成分やらそういうのは無いですヨ。そういうのを差っ引いて」チラッ・・・
五和「……自分が『香』だと、洗脳したのね」ハァ・・・
浦上「洗脳じゃないですってー。刷り込みダヨー」ニャハハ・・・
五和「怪しい。怪し過ぎる」ジトー・・・
浦上「ホントほんと。魔術やら超能力で洗脳してる訳じゃないんですってば。現に魔力反応無いっしょ」クイッ
確かに別段特殊な魔力反応は無い。
五和「でも、どうやって」ウーン・・・
浦上「どうって、色々とお話を……うん」フイッ・・・
五和「おい何故目を逸らす」ジトー・・・
浦上「ま、まぁほら。催眠術的な」ポリポリ・・・
五和「はぁ……因みに、解けるのよね?」チラッ・・・
香焼「さっきから何の話をしてるのかな?」モグモグ・・・
もあい「なぅ?」モグモグ・・・
浦上「解こうと思えば……多分」ボソッ・・・
五和「おい多分って何だ。多分って」ギロリ・・・
ずっとこのままだとコッチまで調子が狂う。
浦上「あははは。ダイジョブだいじょぶ。とりま、今の香焼はさっきまでの悩みを完っ璧に克服してるよ」ニコッ
五和「えっ」ピタッ・・・
浦上「現にさっきサラッとお姉に抱き付いたっしょ。ある程度のスキンシップは抵抗無いだけじゃなく、自分からでも触ってけるヨ」クイッ
五和「な、なんと」タラー・・・
まるで信じられない。いつもならナイフが飛んでくるのに。
浦上「マジまじ。だって、ほら―――」スッ・・・ムギュッ・・・
香焼「んんっ。ちょっと浦上ー。食べ辛いよー」モグモグ・・・
五和「っ!?」ギョッ・・・
浦上「―――んへへっ。御覧の通りー」グイグイッ・・・
香焼「だーかーらー、食べ辛いー」ンモー・・・
五和「」
浦上「じゃあ私が食べさせてあげよっか?」ニヤリ・・・
香焼「ちょ、もぅ。恥ずかしいよぅ……赤ちゃんじゃないんだからっ」イチャイチャ・・・
自然の後ろから抱き付いてやがる。しかもそれを拒んで無い。それに、何だこの感じ……凄ーく甘ったるい。 - 792 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 20:35:31.09 ID:4WdZA+v90
- 不安な気持ちのまま夕飯終了。
香焼「ふぅ。ごちそうさま。やっぱ姉ちゃんの料理は美味しいね」クテェ・・・
五和「……おそまつさま。(いつもの半分しか食べてない)」アハハ・・・
香焼「さぁてと。僕が片付けるから座ってて。浦上はもあいの相手よろしく」ヨイショッ・・・
浦上「んふふっ。はいはい」ニヤニヤ・・・
もあい「みー」トコトコ・・・
今の香焼の精神はガチで女の子。俄かには信じられないが、先の光景を見る限り疑いようも無い。
もし男子のままならタダのスケベ野郎という事になるが、あの子に限ってそれは無かろう。
浦上「あららん? 不安なお顔」チラッ・・・
五和「……、」ウーン・・・
浦上「『香』が嫌なの?」フム・・・
五和「そういう問題じゃないわ。何というか……アレってコウちゃんが望んだ結果じゃなくない?」ジー・・・
浦上「えー。アレが理想っしょ」クイッ・・・
私にはそうとは思えない。
五和「第一、今のコウちゃん―――というか『香』って、普段の香焼から為れるものなの?」ビシッ
浦上「なれる? あぁ、スイッチ入れられるか如何かって事ネ。そりゃ無理です。私がトランスさせましたから」キッパリ・・・
五和「ダメじゃん。というかウラ、アンタさっき『刷り込み』とか言ってたけど具体的には何しでかしたの」ハァ・・・
浦上「そりゃ企業秘密というか禁則事項ですヨ―――」フッ・・・
五和「吐け」チャキッ・・・
浦上「―――じょ、徐々に懐柔して精神的に優しくなったとこで落としましたぁ!!」ダラダラ・・・
何だそれは。私は具体的にと言ったのだが如何も抽象的だぞ。
浦上「ホントにそれくらいしかしてないヨ。確かに通信講座で勉強した『ひよこでも出来る催眠術!(中ボス編)』を試しはしたけど」ウーン・・・
五和「何その胡散臭いの。そんなアヤフヤなモノをコウちゃんに試したの?」ゴゴゴゴ・・・
浦上「ま、待って! うぇいと! でも、そんなのは所詮まやかしっしょ。何と言いますか、その……現実逃避の末なんじゃないかなって」タラー・・・
五和「現実、逃避?」ポカーン・・・
浦上「うん、逃げた。もう『香焼』じゃ解決出来る問題じゃないって思ったんじゃないのかな。だから心閉ざした的な」ニャハハッ
五和「そ、それって……無理矢理二重人格形成したって事にならない!?」ギョッ・・・
浦上「如何でしょうネ。それこそ第5位さんの専門分野ですから私には難とも」アハハ・・・
殺人ウィルス作るだけ作って治療薬作らないマッドドクターみたいな思考だな、この女郎。
しかし拙いな。このままってのは正直気味が悪いし、もし香焼に戻らなかったりしたら諸方面からバッシングくらう。主に建宮さんから。
それとは別に、姉さんに今の香焼の姿を見られたら……とってもヤバい気がする。
浦上「考え過ぎですヨ。あ、ほら片付け終わったみたいです」チラッ・・・
香焼「―――余ったのは明日の朝で……よし。一服しようか」トコトコ・・・
浦上「あ、私炭酸でー」ゴロン・・・
香焼「はいはい。姉ちゃんはお茶だよね……さて、次はお風呂っと。二人とも泊まっていくよね?」ニコッ
五和「は、はい」タラー・・・
正直、今のアナタを放って家に帰ったり出来ません。 - 793 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 21:25:38.10 ID:zcyJyed20
- とりあえず今の状況整理。
①香焼の悩みはある意味解決。 ②しかし、それ以上に何かを失った。 ③彼を元に戻そう。 ④戻した上で、悩みは如何なるか。
五和「こんなとこね。現状、③と④に移行中と」ウーン・・・
浦上「えー。戻すのー? 勿体無ーい」ブーブー・・・
五和「お黙る! もし④で①の問題が解決してなかったら元も子も無いのよ」ハァ・・・
香焼「???」キョトン・・・
悪ノリが過ぎる。それに、相変わらず当の本人が何の問題か気付いてもいない。
五和「ったく……ねぇ。『香』。一応、確認させてね。貴女、食蜂操祈さんの事覚えてる?」チラッ・・・
香焼「え? 操祈さん…ですか。僕の学校の先輩でしょ。何でそんな事聞くの?」ポカーン・・・
五和「覚えてるっちゃ覚えてるのね。その人ってどんな人?」ジー・・・
香焼「どんなって、優しい先輩だよ。僕の事可愛がってくれるし……派閥に入ってない僕も友達として受け入れてくれてる」ニコッ
此処で疑問点。
五和「ウラ……アンタ、記憶改竄までしたでしょ」ジトー・・・
浦上「さ、さぁ」タラー・・・
五和「だからコッチを見ろ。色々と違う部分があるんだけど」ビシッ
浦上「私は弄ってないヨ。香焼が現実逃避の末、自分の中で都合良い様解釈したんじゃないかな」ハハハ・・・
五和「チッ……じゃあ、香。天草式十字凄教って言われて何か分かる?」ジー・・・
香焼「え? それって私達の教派でしょ」コクッ・・・
五和「私の役職は? あとカオリ姉さんの役職と建宮さんの役職」フム・・・
香焼「役職? 何それ? 建宮さんが神父さんとか言い出すの?」ハハハ
五和「ん? えっと……んっ?」チラッ・・・
浦上「あ、あはは」ダラダラ・・・
おい、こら。
五和「私達は戦闘教徒。それは覚えてる?」ジー・・・
香焼「先頭教徒? この街に率先して布教しに来たって事? 初耳だけど」キョトン・・・
浦上「Oh」タラー・・・
五和「待て待て待て待てぃっ! これ拙いわよ!」アタフタ・・・
今この場から『香焼』が消えた。
五和「ウラあああぁ!! アンタ、如何してくれるのおおぉ! 責任取りなさいよおおぉ!!」ダラダラ・・・
浦上「も、もちつきなさい、お姉。こういう時は素数を数えるの……1、4、9、16、25...」フゥ・・・
五和「一番パニクってんのアンタでしょ! あーもぅ……マジで如何しよう」アbbb・・・
浦上「い、色々試しましょう。とりあえず『スイッチON』の方法は分かったから後は『OFF』の方法を……って考えればポジティブです」b"
五和「こんにゃろぅ。もし戻んなくても姉さんに言い付けるからな」ギリギリ・・・
浦上「勘弁して下さいっ―――さて、じゃあ香」チラッ・・・
香焼「はい」キョトン・・・
何やら香焼に耳打ちを始める浦上。この期に及んで一体何吹き込む気だ。 - 794 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 22:11:47.90 ID:zcyJyed20
- 一寸後、話し終えたかと思うと香焼はチラリと私の方を見て何故か頬を染めた。マジであの女郎、何言いやがった。
香焼「あの……姉ちゃん」モジモジ・・・///
五和「な、何かな」タラー・・・
香焼「……、」ウーン・・・///
浦上「ふふふっ。ほら、香。言ってあげなよ……ぷふっw」ニヤニヤ・・・
五和「てめっ……ど、如何したの? もし変な事吹き込まれたんなら忘れなきゃ駄目だよ。ウラは嘘しか言わないから」ジトー・・・
香焼「う、ううん……ね、姉ちゃん! あの!」グッ・・・///
五和「っ!?」ギョッ・・・
私の服の裾を掴み上目遣いで何かを訴えようとするコウちゃん……かわい……ハッ!
香焼「きょ、今日は僕! 一緒に寝てあげるからねっ!」ギュッ・・・///
五和「……えっ」ピタッ・・・
香焼「大丈夫。寂しくないよ。三人で一緒に寝ようね」グイッ・・・///
浦上「ブッwwwwハァwwwwww」プルプル・・・
五和「」
香焼「……あれ? 姉ちゃん?」キョトン・・・
なぁに、これぇ。
五和「ちょっ、待っ、あびゃあ!?」ボンッ・・・
香焼「え、あの、ええっと……浦上?」チラッ・・・
浦上「ウィヒヒッwwwあーヤバい……きっと久々香に甘えられたから嬉しいんだヨ」クスクス・・・
香焼「そうなの、かな。えへへ」ニコニコッ
五和「ぐっ……ウラああああぁ!! アンタ、今度は何をぉ!?」ギロリ・・・
浦上「いやぁ本人から聞いたら?」フフフ・・・
香焼の方を見ると、難とも言えない憐みの目を私に向けていた。
香焼「姉ちゃん、『好きな人(上条さん)』をカオリ姉さんに譲ったんでしょ。だから、その……寂しいだろうなって」ギュッ・・・
五和「」チーン・・・
浦上「アヒャヒャヒャヒャwwwwwやば、ヤバい! 腹筋がってグヘェッ!!」メキョッ・・・
香焼「浦上!?」ギョッ・・・
悪は滅びた。
五和「ふぅ……あのね、香。私は別に譲った訳じゃないのよ。ただ今日は順番的に姉さんの日なの。OK?」ギリギリ・・・
香焼「わ、分かった」タラー・・・
五和「まったく。まぁ気遣ってくれたのはありがと。でも変に憐れまれると逆に虚しくなっちゃうよ」ヤレヤレ・・・
香焼「でも、やっぱり意地張ってるでしょ。見れば分かるよ……姉ちゃん優しいもん」ギュッ・・・
五和「かはっ」プルプル・・・
浦上「へ、へへへ……この爆発力。ざまぁ見ろ」チーン・・・
何このカワイイ生き物。これは危ない……普段の捻くれたガキんちょコウちゃんから一転、純粋無垢な香ちゃん。マジ天使。 - 795 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2013/12/29(日) 23:10:24.38 ID:zcyJyed20
- って、馬鹿な考えはおしまい。
五和「―――そろそろ真面目に元に戻さないと」ハァ・・・
浦上「えー。面白いのに……あと可愛いし」ボソッ・・・
五和「いい加減自重なさい。えっと、あのね香」チラッ・・・
香焼「はい?」キョトン・・・
何と伝えるべきか。
五和「いえ……香焼」ジー・・・
香焼「???」ポカーン・・・
五和「いいかしら。貴方は『香』じゃない。香焼なのよ」ポンポンッ・・・
香焼「言ってる意味が良く分からない…ですが。誰です? その香焼って」キョトン・・・
五和「だから貴方が『香焼』なの。私達の義弟で、後輩で、部下の香焼。コウちゃん」スッ・・・
香焼「えぇっと……はぁ」ポリポリ・・・
先とは別の意味で憐みの目を向ける香焼。いや、別に頭おかしくなった訳じゃないからね。寧ろおかしいの貴方だから。
五和「辛い事があって逃げ出したいのは分かる。人間誰しも嫌な事の一つや二つはあるわ」コクッ・・・
香焼「まぁ、はい」フムフム・・・
五和「でもね。だからって、自分の心を他人に変えてまで逃げちゃダメよ。貴方はあくまで『香焼』でしょ」ジー・・・
香焼「僕がこうやぎ?」ハテ・・・
五和「戻りなさい。現実と戦わなきゃ……どんな事があっても諦めないのが貴方の美徳でしょ」トンッ・・・
香焼「……、」ウーン・・・
五和「今のままでいたら、今まで築き上げてきたモノ―――それこそ友人達まで捨てる事になるわよ」フルフル・・・
香焼「……えっ」ピタッ・・・
五和「最愛ちゃんやマグヌス神父に削板くん。アニェーゼやアンジェレネ、サーシャ、レッサー。佐天さんや結標さんに黒夜さん」ジー・・・
香焼「えっ……あ、ぅ」ジー・・・
浦上「おっ。揺らいだ」フムフム・・・
五和「それに、私達だって悲しいわ……勿論『香』が嫌いって訳じゃないけど、それでも貴方は『香焼』なの」ナデナデ・・・
逃げてたって始まらない。今のままじゃ何も解決しない。
五和「食蜂さんだって、今の『香』じゃきっと怪しむ。だっていつもの『香』じゃないもの。『香』は『香焼』有り気の『香』だもの」コクッ・・・
香焼「僕、は」ボー・・・
浦上「もう一押しですヨ!」オオォ・・・
五和「だから、戻って。いつものコウちゃんに。口が悪くたって無愛想だって良い。私達の義弟に戻ってち―――」
香焼「っ!」バッ・・・ガシッ・・・
五和「―――ょおぅ!?」ギョッ・・・
浦上「な、ナニいぃー――――z____ッ!!」バーンッ・・・
香焼「……ヤだ」ギュウウゥ・・・
五和「あ、あわわわわわぁ」ガクガクガクガク・・・///
なん……だと……抱き付かれた!? - 796 :寝まふ…また次回… [saga]:2013/12/30(月) 00:46:39.47 ID:1f66VI7i0
- 拙い。突然の事態過ぎて頭と身体が回らない。
五和「こ、こここ、コウちゃん!?」アbbbb・・・///
香焼「……、」ギュウウゥ・・・
五和「ど、どど、如何した、の」アタフタ・・・///
香焼「嫌…です」ムギュッ・・・ウルウルッ・・・
五和「ぐふぅ」カハッ・・・
浦上「うひょーっ!」キラキラ・・・
殺人的な涙目。
五和「な、何が嫌なの? そんなに、元に戻りたくないの?」ガクガクガクガク・・・
香焼「その『香焼』って人がどんな人なのか分からないけど、もしそれが僕なのだとしても……僕は『香』です」ムギュッ・・・
五和「え、あ、その」ダラダラ・・・
香焼「僕は『姉ちゃん』の妹。そうでしょう……なのに別人だなんて言われても、怖いだけ…です」ウルウル・・・
五和「コウ、ちゃん」ピタッ・・・
香焼「姉ちゃん。僕は『香』…です」ジー・・・
浦上「あらら……うーん」ポリポリ・・・
そこまで『香』の人格を形成させてしまったか。此処まで固定させた以上は『香』は一人の人間となってしまう。
戻さない訳にはいかないのだが、これはこれで罪悪感が半端無い。
浦上「いっその事、お湯ぶっ掛けてみます?」ハハハ・・・
五和「何処の漫画よ」ハァ・・・
浦上「いや、強ちお風呂に入れば戻る気もしますヨ。結構マジで」チラッ・・・
五和「ったく……分かった。『香』」ポンッ・・・
香焼「……ん」ギュウウゥ・・・チラッ・・・
五和「大丈夫。これがお別れって訳じゃないの。きっとまたすぐ会えるわ……だから今はコウちゃんを『返して』頂戴」ナデナデ・・・
香焼「返、す?」キョトン・・・
五和「そう。お願い」ジー・・・
目線を合わせ潤んだ瞳を見詰める。今にも毀れ落ちそうな涙が目尻に溜まっている……あぁもぅ可愛い。
じゃなくて―――目を逸らさず真剣に訴える。『香』は一寸、視線を落とし、そして呟いた。
香焼「……抱っこ」ボソッ・・・
五和・浦上「「ふぇっ」」ピタッ・・・
香焼「ギュって。抱っこして」ウルウル・・・
五和「はぅわっ!!」ズキュンッ・・・///
浦上「これはっ。これでっ」ズッキュン・・・///
破壊力抜群。
浦上「お姉……私が抱っこしていい?」バッ・・・
五和「黙ってろ。私がする」キリッ・・・
据え膳食わn…ゲフンゲフンッ…『香』の望みだ。叶えてあげよう。
- 802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2014/01/21(火) 21:24:57.40 ID:Mhhvt3zS0
- 涙目の香焼……いや『香』と向き合う。心成しか可愛らしいを通り越して愛おしく感じる程。
正直ドギマギが止まらないが、此処で一肌脱がねば姉としての面子が潰れる。
香焼「んっ」ジー・・・
五和「ふぅ……か、香……お、おぉ、お、おいで」ドキドキドキドキ・・・
香焼「……うん」スッ・・・
浦上「おぉ!」ワッフルワッフルッ!
もあい「にゃ?」ジー・・・
ゆっくりと、私に抱き付いて来る『香』。筋肉質の細っこい男の子の身体だが今は香焼ではなく『香』。
香焼「……姉ちゃん」ムギュッ・・・
五和「(ひやゃああああぁあわわわわわわぁあっ!!? コウちゃんがああぁ!! コウちゃんが私の腕の中にいいいぃ!!)……っ」ゴクッ・・・
浦上「むひょーっ!!」●REC...
五和(無心になれ私! 彼は女、コウちゃんは女! 『香』は女、香焼は『香』! 男は女! 彼女は香焼! 香焼は女子いいぃ!!)ドキドキ・・・
香焼「姉ちゃん……ギュッてして」ウルウル・・・
五和「」チーン・・・
浦上「ぶっはっ!!」キマシタワー・・・
これはヤバい……が、いつまでもこうしてる訳にはいかない。
五和「ふううぅ……覚悟完了ッ!!」キリッ・・・
香焼「えっ」ウルウル・・・
五和「こ、ここ、コウちゃ……『香』ううううぅッ!!」ハァハァハァッ!!
香焼「うわっ」ビクッ・・・
ガチャっ・・・・・
五和「可愛いよおおおぉんもおおぅ!! ハァハァ! クンカクンカっ!!」グヘヘヘェ・・・
香焼「ね、姉ちゃん。苦しいよ」エヘヘ・・・
浦上「あ、またお姉の理性が吹っ飛んだ……ってありゃ」チラッ・・・
ギイイイィ・・・・・
五和「んあああぁいいいぃ!! 普段からこんくらい可愛ければ最高なのにみゃああぁあああぅあああううぉおおぉ―――」
浦上「ちょっ……お姉。ストップした方が」タラー・・・アワワ・・・
神裂「ただぃ……まっ!?」ビタッ・・・
五和「――――ひぃやゃっはあああぁっ!! 『香』ううぅあカオルううぅかお、る……か、お…か……カオ、リ…姉さんんんんんんんんぎゃあああああぁっ?!」アビャビャビャビャビャアァーッ!!
香焼・浦上「「……、」」タラー・・・
天丼!? いやいやいや、じゃなくてっ! これはそのくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」...... - 803 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2014/01/21(火) 22:14:15.76 ID:Mhhvt3zS0
―――神裂side・・・
にゃーん・・・・・
本来、彼の家に泊まろうと思っていたのだが妹分から何やら深刻な連絡が入っていたので急遽香焼宅へ戻った。
彼の厚意――あくまで『彼の』厚意であって私の好意にあらず!――と、禁書目録(あの子)の残念そうな表情に尾を引かれつつも、
家族の緊急事態を黙って見過ごすわけにもいかないので、止むを得ず帰宅。
したのだが―――
五和「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁ!!」アbbbbb・・・...
香焼「うわぁっ! ね、『姉ちゃん』……苦しいっ」ムギュギュゥ・・・
浦上「……あはは」タラー・・・
なぁにこれぇ。
神裂(じょ、状況が呑み込めない)ゴクリ・・・
暴走狂乱状態で香焼に抱き付いてる五和。やけに女々しく見える香焼。いつもの様に全部知ってるけど面白がって何も言わない浦上。
まずこういう時は落ち着いて浦上に話を聞くべきか。そう考えた矢先、香焼が私を見た。
香焼「か、カオリ姉さん助けてっ。『姉ちゃん』が壊れちゃったよ」アタフタ・・・
神裂「え、あ、は、はい……えっ」タラー・・・
はたして『姉ちゃん』とは、誰の事?
浦上「あのぉ姉様。これにはちょいと深い事情がありましてー」ニャハハ・・・
神裂「待ちなさい。うぇいと、リアルにうぇいと……まずは五和を引き剥がしましょう」オドオド・・・
五和「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ!」ガクガクガクガク・・・
香焼「『姉ちゃん』苦しいよぅ! おっぱいで息ができないっ」アップアップ・・・
神裂「!?!」ピタッ・・・
違和感の正体に今気付いた。香焼はこんな事言わない。
普段なら『ざけんな馬鹿一号! その無駄な脂肪の塊退けろよ!』とか叫ぶ筈。
神裂「あの、香焼」ジー・・・
香焼「姉さんまで『その人』の事言うの!? あーもぅ兎に角早く助けてっ」ウルウル・・・
神裂「んぇっ?!」アタフタ・・・
ダメだ頭追い付かない。この子が何言ってるか理解出来ない。
浦上「やれやれ。とりあえずお姉を倒さないと……お姉ー。大丈夫、姉様まだ勘違いして無いから」オーイ・・・
五和「うぎぎぎぎぎぎぎぃ…―――…うぇっ」ピタッ…
香焼「あ、ぅ」キュウウゥ・・・
神裂「……、」キョロキョロ・・・
もあい「なぅ」ハァ・・・
漸く止まった五和。ぐったりする香焼を胸に抱え、冷静に私を見遣った。
暫く沈黙が続いたが……『てへっ♪』とか腹立つ笑顔を向けてきやがったので、とりあえず一発叩いておいた。- 804 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2014/01/21(火) 22:52:00.21 ID:yZam4Yps0
- 何だかんだで一番冷静な浦上が説明。
浦上「―――……てな流れですヨ」カクカクシカジカ・・・
神裂「俄かには信じ難いです。が、しかし」チラッ・・・
香焼「???」キョトン・・・
香焼の今の有り様を見る限り、嘘ではないのでだろう。
神裂「何つー真似を」ハァ・・・
五和「痛つぅ……ですよねー」チラッ・・・
浦上「うっ……わ、私は私なりに解決しようとした訳でして」ニャハハ・・・
有難迷惑極まりない。プラマイ0というより、明らかにマイナス方向へブチ抜けてる気がする。
神裂「それで、五和は解決しようと香や……『香』に抱き付いていたと。これも意味分かりませんが」ジトー・・・
五和「そ、それはその『香』を落ち着かせようと思ってというか香のお願いというか何というか」アハハ・・・
浦上「途中で理性ぶっ飛んでましたよネ」ジトー・・・
五和「五月蠅っ!」ビシッ!
香焼「あのぉ」オドオド・・・
神裂「っ! は、はい。何でしょう」ニコッ
香焼「結局、僕は如何すれば良いんでしょう」ムゥ・・・
と、言われても少し考える時間が欲しいのが本音。だがこの子にとっては一刻も早く終わらせたい痴情。
神裂「五和。貴女は如何するつもりだったのですか?」チラッ・・・
五和「えっ。あーえーっと……あはは」タラー・・・
神裂「何も考えてなかったのですね……浦上は」ハァ・・・
浦上「ぶっちゃけ面倒なのでヒン剥こうかと」チラッ・・・
香焼「ひっ」ビクッ・・・
五和「ちょっと『香』脅かしてんじゃないわよ!!」フシャー!!
浦上「いやぁ、実際それが手っ取り早いでしょ。洗面所の鏡の前に真っ裸で立たせりゃ解決する気しますネ」クイッ
怯える猫の様に五和の後ろへ隠れる香焼。何か可愛い。
五和「この鬼っ。悪魔っ。悪ノリした時の建宮さん! 大丈夫よ。『香』は私が守るからねっ」ギュウッ!
香焼「姉ちゃん、くすぐったいってば」アハハ・・・
神裂「……良いなぁ」ウズウズ・・・
浦上「姉様まで落ちかかってる。これはアカン」ハァ・・・
五和「正直、もぅ時間が解決してくれるってので良いかと思うんだけどダメかな」ナデナデ・・・
香焼「えっ! それで良いの!?」パアァ!!
浦上「お姉、さっきと言ってる事が一転し過ぎですって。姉様からも何か言ってやって下さいナ」ポリポリ・・・
神裂「『香』、次は私の所においd……えっ。あ、うん。そうですね」コホンッ・・・
浦上「ダメだこりゃ」ジトー・・・
拙いマズい。この子の魅惑(チャーム)の魔力に充てられる所だった。私が冷静にならなきゃ如何にもならない。 - 805 :今日はこの辺で。また次回! [saga]:2014/01/22(水) 00:07:10.14 ID:I2j3p3wz0
- 兎に角、戻す方法。
神裂「催眠やら洗脳魔術云々なら何とか出来ますが、こういう場合は、医者に連れていくという手も考えられますね」フム・・・
浦上「医者でも匙投げそうな気はしますヨ。一時的に男から女に人格逃避した患者なんて過去に例が無いでしょうし」ポリポリ・・・
香焼「だから、僕は香焼じゃなく『香』なのに」ムゥ・・・
五和「うんうん、貴女は『香』よね」ニコニコッ
神裂・浦上「「……、」」ジトー・・・
もあい「みゃぅ」ハァ・・・
コイツ、解決する気無いな。
浦上「お姉ぇ。もっと真面目に考えてよー」ビシッ
五和「んー。ぶっちゃけ今のコウちゃんが最高に可愛過ぎて」スリスリ・・・
香焼「ふふっ。ありがと。僕も姉ちゃんの事大好きだよ」ギュッ!
五和「むっふぉいっ!!」ワッフルワッフルッ♪
浦上「……、」イラッ・・・
神裂「いいなぁ」ボソッ・・・
一回で良いから、私も甘えて貰いたい。
五和「んふふっ。姉さんも素直に『香』が可愛いっていえば抱き付いてくれますよー」ニヤニヤ・・・
浦上「んな尻の軽い女みたいな。第一、香焼にベタベタされるなんて姉様も困るっしょ」ハァ・・・
五和「んな事言ってぇ。一番最初にベタベタイチャイチャしてたのウラじゃん。ねー」ナデナデ・・・
香焼「ねー」ゴロゴロッ
浦上「それはそれ。今はまた別の状況でしょ」ヤレヤレ・・・
神裂「えっ……ズルいんですけど」チラッ・・・
浦上「はっ?」キョトン・・・
私だけ香焼(『香』)とキャッキャウフフしてない。
浦上「いや。いやいやいやいや。何を仰いますのん?」エー・・・
神裂「……、」ムスー・・・
浦上「うわっ捻くれた。さっきまでの冷静さは何処に」タラー・・・
神裂「それはそれ。これはこれ、です」ムググッ・・・
五和「ふっふっふっ。やっぱり姉さんも分かってくれますよね、この気持ち」ニヤニヤ・・・
不肖ながら私とて人の子。聖人とはいえ人並に小規模な欲望はあるのだ。
香焼「んっ……カオリ姉さんもギュッとして良いの?」チラッ・・・
神裂「ムっハぁっ!?」ドキッ・・・///
五和「んー……ダメ。今は姉ちゃんが独占ちゅー」ンーッ!
香焼「えー。姉ちゃんは甘えん坊だなぁ」キャッキャッ!
神裂「おまっ、ざけんなし! こほんっ……香ー。こっちおいでー」ヨシヨーシッ
独占反対! 少しくらい私に回しなさい。あと浦上、その冷ややかな目を向けるの止めて下さい。 - 806 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga sage]:2014/01/29(水) 01:27:00.86 ID:Ni6uO9yN0
――一寸後・・・・・
香焼「えへへっ」チョコンッ
神裂「うへへっ」ニマー・・・
なんやかんやで私の膝の上に香焼が座っている。丁度普段禁書目録(あの子)が私に甘える様な感じで。
五和「うわっ。ずるーい。てかさっきまであーだこーだ言ってたクセにー!!」ジトー・・・
香焼「姉ちゃんはさっきまで僕の事抱いてたでしょ。今度は姉さんの番だよ」フフッ
神裂「ふふっ。うふふふふっ」ニヤニヤ・・・
浦上「ダメだコイツら」ハァ・・・
失敬な。こんな腑抜けた顔しているがちゃんと真面目に先の事を考えてたりするのだ。
神裂「うん……しかし、多少は五和の気持ちも分かりますね」ナデナデ・・・
五和「んでしょー。だったらさっさと『香』を返して下さい」スッ・・・
神裂「お黙る。『香』はモノではありませんよ」バシッ
香焼「喧嘩しないの。順番ね、順番」ニコッ
神裂・五和「「はーい」」ニヘラェ・・・
浦上「真面目に、建宮さんに電話しようかな」ハァ・・・
そんな事したら話の流れ的に一番困るのは貴女でしょう。
浦上「うっ……と、兎に角話が進みませんので! そろそろ本気で話合いを―――」タラー・・・
香焼「姉さんってやっぱり安心するね。姉ちゃんとまた違う柔らかさ。あと、とっても良い匂い」スリスリ・・・
神裂「っ! そ、そうですか! いやぁ照れますね」ポリポリ・・・///
五和「あーあー! ズルいズルーい!! 私は!? 私は如何なの!!」ギャーギャー!!
神裂「えぇい、大声出さない。『香』が驚くでしょう」ムギュッ・・・
香焼「わぷっ。ん、姉さん。苦しい」ボインボインッ・・・
浦上「―――……、」イライラ・・・
確かに五和の言う通りで、普段からこのくらい愛嬌があれば良いのにとは思う。
浦上「チッ……『香』が本心でそう言うって事は、普段香焼もそう思ってるって事じゃないですか」ジトー・・・
神裂・五和「「……へっ?」」ピタッ・・・
浦上「だーかーらー。香焼の本音≒『香』って事ですヨ! さっさと我に帰って下さい親バカ姉貴共!」ジトー・・・
香焼の、本音。
五和「そ、そう言われると。何だか急に」カアアァ///
神裂「恥ずかしくなってきましたね」カアアァ///
香焼「???」キョトン・・・
浦上「だからさっさと妄想(香)フィルター外して現実(香焼)見て下さいっての」ハァ・・・
夢も希望も無い事を宣う末妹さま。いや、今は『香』が末『妹』か。
しかし……名残惜しい。出来る事なら香焼とまた別に、身体を持った『香』という妹が現れないものだろうか。- 807 :久々投下! [saga]:2014/02/02(日) 19:44:21.54 ID:M7twI5Sd0
- 冗談はこれくらいにして具体的な策を考える。
神裂「やはりこの際、病院も一種の手かと」ポンッ・・・
五和「それは拙い気がします。治るっていう確実性がありませんし、今後の任務に支障が」チラッ・・・
神裂「確かに、事が終わった後この子がこの任務から外される可能性も考えられます。しかし、背に腹は代えられないでしょう」ジー・・・
五和「はぁ……ホントは土御門の指示を仰ぐのが一番なんでしょうけど」ムゥ・・・
浦上「事の次第があの人にばれたら……、」タラー・・・
絶対、タダじゃ済みませんね。
五和・浦上「「それだけは勘弁願いたい」」ダラダラ・・・
神裂「ふむ。では彼にばれぬ様、内密に病院へ」ポンッ・・・
五和「姉さん、土御門の裏掻いて行動移せる自信あります?」ハァ・・・
神裂「うっ」タラー・・・
色々考えてみるが、どう足掻いても土御門の下に行きついてしまう。これはピンチ。
香焼「……あの」ジー・・・
神裂・五和「「はいっ」」バッ・・・
香焼「やっぱり、僕、病気なの…ですね」ショボン・・・
あぁ、そんな玩具を取り上げられた子猫の様な顔をしないで。
浦上「もうハッキリそう言ってあげた方が為ですヨ……あのね、謂わば精神障害的な―――」
五和「か、『香』は病気じゃないよ! うん、『香』は! 私嘘言ッテナイ」アタフタ・・・
神裂「そ、そうですね。『貴女』は何もオカしくないですよ! 寧ろそのままの君でいてー」ブンブンッ・・・
香焼「え、あ、うん。ありがと。やっぱり姉さんと姉ちゃんは優しいね」ニパー♪
神裂・五和「「んへへぇ」」ニタニタ・・・///
ダメだ、可愛い。思考が止まる。
浦上「―――……まだ言いますか、アンタら」イライラ・・・
神裂・五和「「うへへぇ」」ニヤニヤ・・・ナデナデ・・・
香焼「えへへ……―― チラッ・・・ニヤリ・・・・・ ――……えへへっ♪」キャッキャッ!
浦上(こ、コイツ、計算してやがる。小悪魔系男の娘とか……香焼、じゃなく『香』! 恐ろしい子ッ!)タラー・・・
香焼「んふふっ……あっ! 姉さんも姉ちゃんも、今日は一緒に寝ようね」ニッコニッコッ
神裂・五和「「カ、ハッ...」」サラサラ・・・
ヤバいです。マジで愛玩動物的なアレでコレでソレが、もぉ辛抱堪らん!
不覚にも結標さんの気持ちがちょっとだけ分かった気がする。
浦上「ぐぬぬぅ。調子に乗りおってからにぃ……斯くなる上はッッ」バッ!!
五和「ぐへへぇ香ちゃぁん。もうちょい近ぅ寄れ、近ぅに……って、ウラ!?」ギョッ・・・
香焼・もあい「「にゃっ?!」」ビクッ・・・
急に立ち上がり私達の方へ―――というより、香の方へ歩み寄る浦上。その目は『狩人』のそれ。
何をする気か分からないが、暴力的な事は止めなさい。可愛い『妹』なんですよ! - 808 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2014/02/02(日) 20:26:10.31 ID:M7twI5Sd0
- 私と五和の後ろに隠れる『香』を庇いつつ、浦上を牽制する。
香焼「はわわ...」ブルブル・・・
浦上「このぉ! 人の事は言えないけど役者めぇ……二人とも、そこ退いて! ソイツ●せない!!」クワッ!!
神裂「こ、こらっ。物騒な事言わないで下さい」メッ!
五和「がるるるるるるぅ」グイグイッ!
香焼「チッ ……姉さん、姉ちゃん。浦上が怖いよぅ。助けて」ギュッ・・・ウルウル・・・
神裂・五和「「むひょおおおぉ!!」」ビンビンッ!
浦上「……、」ブチッ・・・
何だか空気が変わった―――と感じた同時に、携帯を取り出す浦上。
何を思ったか、いきなり私達の方へカメラを向け『パシャリっ』とワンクリック。
神裂・五和・香焼「「「……へっ?」」」ポカーン・・・
浦上「この写メ、上条さんへ送りますネ」ポチポチ・・・
神裂・五和「「んなっ!?」」ギョッ・・・
無表情でトンデモない事を宣う妹様。御乱心か!?
浦上「乱心してんのはどっちですか! ったく……まぁこの角度だと『香』じゃなく『香焼』に見えますから、丁度良いですネ」カチカチ・・・
五和「っーーーッ!!?」バッ・・・
神裂「な、何を、する気です?」ダラダラ・・・
浦上「……言った通り、写メを送るだけですヨ。今、この、二人の有り様を! 上条さんにネ……あーこれ完璧勘違いされるわぁ」カチカチ・・・
五和「な、何をするだあああぁ!!」ガバッ!!
神裂「そ、そんな事してみなさい!! タダじゃおきませんよ!!」ダラダラダラダラ・・・
浦上「じゃあ、条件です。私の言いたい事分かりますネ?」ニッコリ・・・
神裂・五和「「うっ」」オズオズ・・・
香焼「うぇ」タラー・・・
此処は、大人しく引き下がるしかあるまい。
香焼「クッ・・・・・ね、姉さん! 姉ちゃん!! 僕を見捨てるの?」アタフタ・・・
神裂・五和「「……、」」タラー・・・
すいません、『香(幻想)』より『彼(現実)』を取らせて頂きます。
五和「香ちゃん……大丈夫。さっきも言ったけど、またすぐ会えるよ」ニッコリ・・・
香焼「うわああぁん! 薄情者ーっ!!」アセアセ・・・
浦上「さぁて―――覚悟は良いですネ。私は出来てる」ガシッ・・・
香焼「ひっ!」ビクビクッ・・・
浦上「この小悪魔ビッチ系男の娘がぁ。女装山脈に放り投げちゃろうか」ギリギリ・・・
香焼「ひゃっ! ね、姉さん!」ダラダラ・・・
神裂「う、浦上。わ、分かってるとは思いますが暴力的なのは無しですよ。流石にそれは見逃せませんからね」タラー・・・
大丈夫です、と目で合図し『香』を立たせる浦上。私と五和はビクビクと脇でもあいを抱えながら正座してる外無い。
そして何を思ったか突然――― - 809 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2014/02/02(日) 21:17:50.37 ID:M7twI5Sd0
浦上「ふんっ!」ガシッ!!
香焼・神裂・五和「「「っ!!?」」」ギョッ・・・
下段突きを放つ様に右手で引き手を取り、そして―――
浦上「そぉいっ!!」グッ・・・
香焼「ひっ―――ぃああああぁっ!!?」ギュンッ・・・
神裂・五和「「ぶッはぁっ!?」」カアアァ///////
にゃーん・・・・・
香焼「う、ううう、うら、うらか、み、さん」ガクガク・・・プルプル・・・・・
浦上「……、」シーン・・・
香焼「あ、な、にゃ、にゃにを」ギギギギ・・・
浦上「……ナニよ」グッ・・・
にぎっ・・・・・
香焼「ひゃあああぁああぁ!!」ビクビクンッ!!
五和「う、うらあああああぁ!! 何やってんのおおおおおおぉ!!?」アバババババ・・・////
―――文字通り『香』の……いや、香焼の『アレ』を握った。
五和「ちょ、ね、姉さん! あれヤバ、やばい……きゃああぁ!」カアアァ///
神裂「う、浦上っ! えっと……一応我々全員乙女な訳でしていきなりそういうその……そういう、アレを……男子の、ソレを」ゴニョゴニョ・・・///
浦上「ったく、恥ずかしいなら見なくて良いですって。これだから良い歳こいて処女貫いてるJKは面倒です」ヤレヤレ・・・ニギニギ・・・
香焼「ひ、ぎぃ」ビクンッ・・・
五和「んなぁ!?」カアアァ///
神裂「な、なんと破廉恥なっ! て、貞操も守れなくて何が聖じ―――」
浦上「はいはい、一生聖処女やってて下さい。それより……香焼。いえ、『香』でも良いです」ジー・・・ニギッ・・・
香焼「ひゃ、いっ」ピクピクッ・・・
『モノ』を握る手を離す事無く、更に香焼に詰め寄る浦上。何やら問い質している様子だが―――
神裂「あっ……そういう」ポリポリ・・・///
五和「もぅ……何なんですか」チラッチラッ・・・///
―――つまり『香』という人格に問い掛けても無駄なら『身体』に聞いてやるという戦法か。
五和「それって、その」ムムムッ・・・///
神裂「ええ。『男性と女性の最大の違い』は何か、という話ですね」タラー・・・///
五和「あー、うん。はいはい……でもウラ、大胆過ぎ」ハワワ・・・///
正直、私達には真似できない方法。相変わらずあの子の『変な方向』への行動力には恐れ入る。- 810 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 [saga]:2014/02/02(日) 23:20:01.18 ID:M7twI5Sd0
- とりあえず、香焼を見る限り効果はありそうだ。現に冷や汗と震えが尋常じゃない。
浦上「さぁて『香』。元々無理矢理貴女(の人格)を引っ張り出したのは私。だから一応悪いとは思ってるヨ」ニギッ・・・
香焼「……、」ダラダラ・・・
浦上「ただ、『香(これ)』は『香(これ)』。香焼(それ)は香焼(それ)」ニギュッ・・・
香焼「ぁ……ぁ」ピクピクッ・・・
今あの子の頭の中を覗いたらきっとカオスな状態になっている事だろう。
浦上「ねぇ『香』……私が握ってる『コレ』は何かな?」ニギッ・・・ニコッ・・・
香焼「ぇ、ぁ……な、ぅ」ガクガク・・・プルプル・・・
五和(傍から見てると)タラー・・・///
神裂(かぁなりヤバい光景ですね。つーか際どい)タラー・・・///
どっちが男だか分からない構図。いや、普通男だってこんな事しない。
浦上「ねぇ……『コレ』はなぁに? それと『アナタ』のお名前はぁ?」スッ・・・サワサワ・・・
香焼「ッッ!!」ビクンッ!!
神裂「ぶふぉッ!!?」カアアアァ///
浦上「ねぇ……聞こえてるんだよネ? それとも、気持ち良くなってきちゃったから話できないの?」サワサワ・・・フー・・・
香焼「っ……ぼ、くは」ピクッ・・・ピクッ・・・
五和「ううぅうぅ浦上さああぁん!! それ以上はNGよっ!!」アワワワ・・・///
私と五和の精神衛生上、悪影響この上ない。
浦上「ハァ。あのですねぇ、オリアナ姐さんとかベイロープ、フロリス辺りならこのくらいの恥辱拷問普通にやりますけどー」チラッ・・・ジトー・・・
神裂「よ、余所は余所! ウチはウチ! 兎に角、それ以上はダメです!!」ウググゥ///
浦上「んもぅ。ホントにネエネちゃんですネ……あ、ちょっと固くなってきた?」チラッ・・・
香焼「ぁ、ぃ、や……ゃだ」プルプルプル・・・
浦上「あはっ。これは、これで」ペロリ・・・
神裂・五和「「 そ こ ま で よ 」」バッ・・・/////////
申し訳無いがそれ以上(R-18)は別スレでやれ。
浦上「やれやれ。もうちょっとなのに……さておき、手は離しませんヨ。ねぇ―――香焼」ジー・・・ニギッ・・・
香焼「―――ぁ」ボー・・・
五和「ちょ、ウラ。コウちゃん大丈夫なの?」タラー・・・///
浦上「もう一押しだと思うんだけど。じゃあ、もう一回聞きますヨ。私が握ってる『コレ』って何? そして『アナタ』の名前は?」キュッ・・・
香焼「ぼ、ぼく……は……か、おる」ジー・・・
浦上「ふーん。じゃあ私の右手の中に在る『コレ』は? 『香』のモノ?」ニギニギ・・・
香焼「ひゃっ……し、知らない……それ、僕の、違う―――『自分』の、で……ゃめ―――ぼく、は、女、で……っ」ビクッ・・・
浦上「ふむふむ。もうちょい」ニヤニヤ・・・サワサワ・・・
神裂・五和「「……、」」チラッチラッ・・・ゴクリ・・・///
何故かヤらしく見える浦上の手。私達は固唾を飲んで動向を見詰めていた……決してその手腕に興奮してたとかじゃありませんのであしからず。 - 811 :亀ですいません。今日は此処までで...... [saga]:2014/02/03(月) 01:02:34.85 ID:GDa2w/5i0
- そろそろ香焼の顔色が真っ青になってきた。『香』の精神が限界に近いのだろう。
浦上は相変わらず呪詛の様に言葉攻めというか恥辱拷問というか、とりあえず『わっふるわっふる』してる。半分楽しんでるな、あの子。
五和はもあいを抱えながら食い入るように二人を見ていた……私? いや、冷静に茶を啜ってますよ。
五和「嘘吐け。呼吸荒いですよ。あとさっきから瞬きしてませんし」マジマジ・・・///
神裂「お黙る。私がこの程度の事で同様する訳ありません」ギラギラ・・・///
もあい「にゃう」ヤレヤレ・・・
私達の事は如何でも良いのだ。問題は、そっち。
浦上「―――……はい。じゃあもう一回質問。私が握ってる『コレ』は何? あと『アナタ』の名前は?」サワサワ・・・
香焼「ぼ、く……―――……じぶん、は……―――女、で……―――ぁ……ちが……―――じぶ、ぼ……っす」ピクピクッ・・・
浦上「んー? 聞こえないなぁ。じゃあ段々と硬くなってる『コレ』って、なぁに? 大きくなってきてますヨ? ねぇ『香』」フフフ・・・
香焼「ぃ、や……―――……ゃ、めろ……よ……―――じ、ぼ、ん……おと、おん……―――やめぇ、て、くだぁい……ッ……んゃ」アヘェ・・・
神裂・五和「「んっ?」」タラー・・・///
ちょっと雲行きが怪しい。
五和「ウラ、あのさ。そろそろ良いんじゃないかな。あとは放っておいてもコウちゃんに戻る様な気が」チラッ・・・コホンッ・・・///
浦上「甘い。それこそこの小悪魔ビッチ系別人格の思う壺ですヨ。此処は一気に退散させないと」ニギニギ・・・
香焼「ん、ぁ」ピクピクッ・・・
神裂「えっと……多分、性云々に疎い私でも分かります。今の香焼、ヤバくないですか」チラッ・・・チラッ・・・///
浦上「これくらい大丈夫ですって。たかだか勃起する程度でしょう。逆にしてくれた方が、女だっていう自覚が死にますヨ」ハハハ
神裂・五和「「ボッ!?」」カアアァ///
香焼「いぁ……や、め―――ぉね、が……助け、ぇ―――……やめ、ろ……うら、かみ……たす、いつ、ねえさ……―――がぅ、ぁ」グデェ・・・
浦上「おっ? 良い感じですネ。じゃあそろそろ―――」グッ・・・
神裂「ッ……浦上。その辺で止めなさい。これ以上はこの子の尊厳の問題です。本気で怒りますよ」パッ・・・
何をするつもりか分からないがもう充分だ。これでもし戻らなかったとしても、責任は私が取ろう。
五和「あーうん。私も同意……おっと。コウちゃん、大丈夫?」ポンポンッ・・・ギュッ・・・
香焼「……ぁ」フラフラ・・・
五和「まったくもぅ。コウちゃん、話せる? もし辛かったら今日はもう休みなさい」ポンッ・・・
香焼「……ん」グデェ・・・
ドチラに転んだかはよく分からないが、多分大丈夫だろう。明日の朝にはきっと元に戻ってい―――
香焼「あり、がと……『姉ちゃん』……もう少し、このままで。温かい、から」ムギュッ・・・ニコッ・・・
五和「そげあっ!!」ズキューンッ・・・
香焼「姉さんも……大好きだよ」ムギュッ・・・エヘッ・・・
神裂「ねぼいっ!!」バキューンッ・・・
浦上「くっ!! 抜かったわ!! 間に合えッ!!」バッ・・・ガシッ・・・
―――なくても良いや!
とか超スウィーティーな事を考えた刹那、浦上の手が伸び、香焼を私達から引き離した。
そして即座に両手で香焼のキュロットパンツを掴み、一気に―――
- 816 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/16(日) 20:53:28.29 ID:vrjpPFGu0
浦上「 そ ぉ い ッッ!!!」ガバッ!!
神裂・五和「「っ?!!」」ピタッ・・・
香焼「……へっ」ポカーン・・・
にゃーん・・・・・
五和「ず、ずずずずずずずい、ぶん、ご、ごご、ごごごごり、りっぱ、ですことっ……ねっ」カアアアアァ//////////////////////
神裂「」ボンッ・・・/////////////////////////////////////////////
―――香焼……いつの間にか、大人の階段を登り始めていたのですね。
神裂・五和「「ってぃきゃああああああああああああああああああああああああああああああああぁ!!」」ブンブンッ//////////////////////
浦上「あーもぅ喧しい! こんな毛も生えてないし皮も●●●ってない子供■■■■見て騒がないで下さいヨ!」ハァ・・・
五和「だ、だだだってぇ! そん、ちょ、待っ……いいから閉まってええぇ!!」マッカッカー///////////////////////
神裂「まじ、だっ、むっ! う、浦上ッ!! 早く穿かせなさい!! 命令ですっ!!」アbbbbbbbb//////////////////////////
浦上「はいはい……の前に。ねぇ『香』。自分の『モノ』見えたでしょ」ニコッ・・・
香焼「―――、」チーン・・・
浦上「これが『現実(香焼)』だヨ。まだまーだ小さいけど、ちゃんと勃ちもする『男性』としての証明だよネっ」ピンッ!
香焼「―――キュゥ」バタンッ・・・
気絶した。せめてパンツ穿いてから倒れて欲しかった。
神裂「浦上いいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃ!!」ガバァ///////////
浦上「あいあい、さーせんさーせん。でも結果オーライでしょう」ブンブンッ・・・
五和「あ、アンタ! もしこれでコウちゃんが元に戻らなかったら!!」ギリギリ・・・///////////
浦上「大丈夫ダイジョブ。多分、最後『我』に帰って羞恥心で気絶した筈ですから」ハハハッ
だとしても、起きた時に心の傷が。というか私達も色々とダメージが。
浦上「ったく。そんなんでもし『本番』来たら如何すんですか? 永遠にセックスできませんヨ」ヤレヤレ・・・
神裂「セッk……そ、それとこれとは話は別です! 兎に角、んもぅ!!」イギギギィ・・・///////////
五和「アンタは少し女としての慎みを持ちなさい! あと暫くオリアナさんと接触禁止!」ビシッ・・・///////////
浦上「へいへい……あっ。二人とも」チラッ・・・
今度は何だ。
浦上「今なら……悪戯出来ますヨ。香焼『の』で良ければですけどぉうらばぁ!!」ゴッチンコッ!!×2
神裂・五和「「反省しろっ!!」」ウギギィ・・・////////////////
浦上は暫く個人指導(折檻)コース決定だ。あと、とりあえず―――早く香焼の下を穿かせなさい。その後の話はこの子が起きてからだ。- 817 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/16(日) 21:25:21.46 ID:vrjpPFGu0
- ―――さる翌日、PM10:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・
―――いつの間にか僕は寝ていた。
とても長い時間寝ていた気がする……およそ一ヶ月ちょいくらいだろうか。
実際にはそんなに経ってる訳が無いのだが、何故かとても長い眠りについていた様な感覚。
香焼「……ん」パチッ・・・
最初に目に飛び込んできた光景は―――巨大な肌色の南半球×2。
香焼「ぇ」ピクッ・・・
神裂「むっ。目を覚ましましたね」チラッ・・・
もあい「にゃう」ペチペチッ・・・
状況が把握できない。何故僕は姉さんに膝枕されている?
あと姉さんのTシャツって近くで見ると透けるんだなぁとか、顔を覗きこまれると髪が僕の顔に掛るんだねぇとか―――
香焼「ほわっ!?」バッ!!
神裂「おっと。そんな急に起きなくても」ビクッ
香焼「なっ、えっ、にゃにを」キョロキョロ・・・
神裂「ふむ。様子から察するに、『香』ではなく『香焼』の様ですね」ジー・・・
香焼「えぇ? な、何がっすか」キョトン・・・
―――戸惑う僕を余所に冷静に観察を続ける姉さん。兎に角、何が起きたのか知りたい。
一旦正座をして色々と尋ねようと思った直後、客間の奥から五和が現れた。
五和「あっ! 起きた!」パタパタッ・・・ガシッ!
香焼「うわっ!? な、何さ」タラー・・・
僕の顔を見るなり、ガッツリと頭をホールド。真剣な顔で僕に問う。
五和「Who...Who are you?」zhiiii...
香焼「近い怖い鼻息荒い。しかも何故英語? 誰って、自分は自分っすけど」タラー・・・
五和「おぅ……戻りましたね」チラッ・・・
神裂「えぇ。その様で」コクッ・・・
だから一体全体何なのさ。
神裂「香焼……よ、世の中には知らない方が己が為になる事が沢っ山ありますから」ハハハ・・・///
五和「そ、そうね。人生色々よ」ウフフ・・・///
何故頬を赤らめる。御蔭で凄く気になるのだが。
五和「な、何でもないの! それよりお風呂入ってきたら。まだ入って無かったでしょ?」チラッ・・・
香焼「え、うん。でもそれより先に聞きたい事が」ポリポリ・・・
神裂「後ほどゆっくり話しましょう。とりあえず我々にも準備が必要なので」コクッ・・・
何の準備か分からないが、今は言うとおりにしよう。因みに、カーテンの隙間から見えたサイドポニーの蓑虫はスルーする方向で。 - 818 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/16(日) 22:43:15.26 ID:vrjpPFGu0
- 脱衣する時に気がついたのだが、いつの間にか女装を止めていたらしい。
お風呂の中で色々考思いだそうとしたが、どうも記憶を引っ張り出せない。最後の記憶は……浦上に抱き付かれてた様な。
香焼「……まぁいいか」ブクブク・・・
何だか気拙くなってきたので急いで洗身洗髪し、風呂から上がる。
そしていつもの寝巻き(ハーパン&パーカー)を着て居間に戻った。
香焼「お待たせしました」スッ・・・
五和「いんや。お茶飲む?」チラッ・・・
香焼「ありがと―――えっと、外の、放置してて良いの?」ポリポリ・・・
神裂「構いません」ズズズ・・・
なぁにしでかしたのやら。
神裂「さておき、五和から話は聞きました」コトッ・・・
香焼「えっ」ピタッ・・・
五和「姉さん。順を追って話さないと、この子も理解出来ないでしょう」チラッ・・・
神裂「そうですね。香焼、貴方何処まで覚えてます」ジー・・・
とりあえず、五和が暴走して浦上が家に来て、それで『悩み』を解決してくれようとして―――
香焼「―――そこから先があやふやっすね」ウーン・・・
五和「やっぱり完璧別人格ですね」ボソッ・・・
神裂「幸か不幸か記憶は共有していない、か」フム・・・
香焼「へ?」ポカーン・・・
五和「あー、気にしないで。ただ、解決の手口が見つかったかもなぁって感じだから」ハハハ・・・
今一理解に苦しむが、追々分かるだろう。
五和「分からない方が良いと思うけど。とりま、姉さんから何かあります?」
神裂「そうですね……根本的な解決になるかどうかは分かりませんが、嫌な事は嫌だとハッキリ伝えてみてはどうです」ジー・・・
香焼「え?」キョトン・・・
神裂「食蜂さんの件です。忘れてましたか?」フフッ
香焼「あぁ。忘れてた訳では……ただ、その、色々と混同してしまって」ポリポリ・・・
思い悩むと余計辛くて。
神裂「勘ですが、彼女も反省していると思いますよ。一度お会いしましたが、人の嫌がる事を真に喜んでする娘には見えませんでしたから」コクッ
香焼「……、」ウーン・・・
神裂「まさか謝罪の一言もありませんか?」ジー・・・
それはない。現に、僕が無視しているだけで携帯には何件ものメッセージと着信が入っている。
神裂「であれば、話が通じる筈ですよ。真剣に嫌なモノは嫌だと伝えなさい。それでも直らない様であれば」チラッ・・・
五和「……ええ。少々大人げありませんが」コクッ
私達が出張ります、ってか。勘弁してくれ。それこそ今後任務が出来なくなる。 - 819 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/17(月) 00:01:29.08 ID:jQfgOeEN0
- 確かに、今まで真剣に向き合ってコレが嫌だアレが嫌だと操祈さんに伝えた事は無かった。
やられるがままやられて、なあなあで『やめてくださーい』と頼むだけ。確かにこれでは真剣みに欠ける。
香焼「そうっすね。ちゃんと話してみます」ペコッ
神裂「ええ。それでももし困ったら」ジー・・・
香焼「あはは。大丈夫っすよ。姉さん達の手は煩わせません」ポリポリ・・・
モンスターペアレンツならぬモンスターシスターズ。比喩抜きでモンスター。
五和「まぁ一応、現実逃避の末、自分で奥の手(『香』)も発見したけどね」ハハハ・・・
神裂「自らコントロール出来ない奥の手(別人格)なんて捨ててしまえ」ジトー・・・
香焼「はい?」キョトン・・・
神裂・五和「「な、なんでもない」」ハハハ・・・
明らかに怪しい。が、いつもの事か。兎に角、あとは僕の向き合い方次第という事で一段落。
外に放置していた蓑虫、もとい浦上を居間に上げてやる。
浦上「ヴぉおぉざむぃいっ!」ガクブル・・・
五和「自業自得ね。反省した?」ヤレヤレ・・・
浦上「悪かった、だなんてコレっぽっちも思ってません。でも謝ります。さーせん」ヘックチ!
神裂「まったく。この子は相変わらず……香焼、あとは大丈夫ですか」チラッ・・・
香焼「ええ。とりあえずは」コクッ・・・
これ以上悩んでいても仕方あるまい。それにもう時間も時間だ。各々明日の予定があるだろう。夜更かしはさせられない。
神裂「私は別段ありませんが、五和と浦上は学校ですか」チラッ・・・
浦上「はいはい」コクッ
五和「私は土御門に渡す報告書の準備を……あーもう明後日で良いか」グデェ・・・
神裂「そんなグダグダと先延ばしにしては自分の首を絞めるだけですよ」ムゥ・・・
五和「期限は週末なんで余裕ありますから。ホントは今日中に終わらせる予定だったんですけど……まぁ色々とあったんで」ポリポリ・・・
口にはしないが、僕の所為か。申し訳無い。
五和「良いの良いの。後輩のストレスマネジメントも仕事の一環だし」ハハハ
浦上「一環=義弟のメンタルケア、ですネ。まったく、なんて良いお姉たまなんでしょー」フフフッ
五和「ははは。しっかし、コウちゃんが泣いて帰って来た時は一体何事かと」グデェ・・・
神裂・浦上「「えっ」」ピタッ・・・
香焼「」ギロッ・・・
五和「……あっ」タラー・・・
この馬鹿、余計な事を。
浦上「何それ、凄く気になります」チラチラッ
神裂「香焼が泣いたんですか? へぇ……ふーん。珍しい」チラチラッ
五和「あはは……えっと」ポリポリ・・・
兎に角知らんぷり。頼むから変な事言うなよ。
- 823 :続きいくよー :2014/03/23(日) 20:46:07.38 ID:2ZOKEf6W0
- 根掘り葉掘り聞こうとする浦上と無言でチラチラ此方を見てくる姉さんをスルー。
これ以上突っ込まれるのも面倒なので、もあいを抱えてそろそろ部屋に戻ろうとした矢先―――
五和「あ、そういえば」ピタッ・・・
香焼・神裂・浦上「「「えっ?」」」キョトン・・・
五和「マジな話、何で今日泣いて帰って来たの?」ジー・・・
香焼「はい?」ポカーン・・・
もあい「みゃ?」ゴロゴロ・・・
説明しなかったっけ?
五和「私が話して貰ったのは第五位さんとのイザコザだけよ。昨日までのアレコレ」コクコクッ
香焼「そうだっけ」ウーン・・・
神裂「ふむふむ。確かに相当溜め込んでいたのならまだしも、それだけで貴方が泣くとは思えませんね」チラッ・・・
浦上「つまり昨日までの事では無く、今日起きた何かが原因って事ですネ」フム・・・
そういえば……確かに思い悩んではいたが、泣く程の事ではない。
五和「私に電話したのは特に理由無いんでしょ。こんな言い方したらコウちゃん怒るだろうけど一人で居たくない気分だった。それだけ」ジー・・・
香焼「……まぁ」ポリポリ・・・///
五和「でもそれとは別に今日、何かあったんでしょ。最愛ちゃん達とも関係無しに」ジー・・・
視線が集まる。僕が泣いてた理由。それは―――
『いつも、傍に居るのに、ねっ』
―――思い出したと同時に寒気が奔った。
香焼「っ!!」ビクッ・・・
神裂「……どうしました」ジー・・・
浦上「顔色悪いですヨ。大丈夫ですか?」ジー・・・
香焼「で、電車で……電車の中で」ダラダラ・・・
五和「電車? 何処の?」フム・・・
香焼「地下鉄の、学園メトロ南北線の、車内で」ハァハァ・・・
神裂「香焼、無理に話さなくても大丈夫です。思い出したくないのなら無理に思い出さなくても」スッ・・・
香焼「狙われました……自分、あの、また、今度もきっと」クラッ・・・
浦上「狙われたって、ちょ、本当に! 無理しないでくださいっての!」ガシッ!
そうだ。僕は……狙われた。いや、正しくは現状も『狙われている』んだ。
五和「狙われた? 何に?」ムゥ・・・
神裂「五和、無理に思い出させない方が良い」チラッ・・・
香焼「い、いえ、大丈夫っす。少し落ち着けば……きっと話しておいた方が良いのかも」スッ・・・
もしかしたら僕だけではなく、僕に関わる周りをも狙っているかもしれない。3人には伝えておくべきだ。 - 824 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/23(日) 21:44:56.39 ID:2ZOKEf6W0
- 何とか冷静を装い、困り顔の3人に告白する。
香焼「……今日の帰り。最愛達と別れた後っす」ジー・・・
五和「私に電話する前?」フム・・・
香焼「いや。した後の帰り途、電車内で狙われたんだ」ブルッ・・・
神裂「狙われたとは……命を? それとも何か物を?」ムゥ・・・
香焼「分かりません」フゥ・・・
奴は『全然抵抗しない』とか『傍に居る』とか言ってた。
浦上「……ん?」ハテ・・・
五和「でも仮に暗殺だったとして、何でコウちゃんが狙われるの? 身に覚えは?」ウーン・・・
香焼「全く。だからもしかして、自分を狙ったというよりは『天草式(自分ら)』を狙ったのかも」ハァ・・・
神裂「もしくは英国または『彼の側(上条勢力)』か……土御門に報告が必要ですね。しかし、今一情報不足」チラッ・・・
五和「不審な点が多過ぎますね。何故にその場で犯行予告を? しかも満員電車内で?」ポカーン・・・
神裂「何かメリットがあるのでしょう。もしくは相当の手慣れで慢心から声明を出してきたか」コクッ
五和「そいつが魔術師(コッチ側)か能力者(科学サイド)かは分かった?」フム・・・
香焼「いや……ただ『臭いを覚えた』とか言ってたかも」ブルッ・・・
五和「臭い? だとしたら言葉通り『嗅覚』に所縁のある魔術または能力を使っている、という事になりますね」クンクンッ
神裂「もしかしたら何かの隠語かもしれませんよ。何にせよ、警戒はすべきですね」ジー・・・
後手後手にしか回れない歯痒さ。せめてもう少し情報を掴めていれば良かった。
浦上「んー……ん?」アルェ・・・
香焼「ハァ、完全に自分の怠慢っすね。すいません」ムゥ・・・
五和「(えっ……あれ?)過ぎた事は仕方ない。今後気を付ける事……兎に角、他には?」ジー・・・
香焼「えっと……男性でした。多分、中年だと思います」ポリポリ・・・
神裂「(ふむ……うーん)変装という可能性も拭えませんが、大きな情報ですね。では実際如何いう感じで攻撃、というか犯行予告を?」フム・・・
香焼「……、」ブルッ・・・
思い出すだけで鳥肌が立つ。
満員電車の中、最寄りの駅まで残り少しという所で、僕はいつの間にか扉側まで追いやられていた。
気付けばヤツに拘束され……首筋に気持ちの悪い吐息を当てられ、太もも辺りを弄られ―――
香焼「うっ」ブルルッ・・・
五和「こ、コウちゃん!」アワワ・・・
神裂「香焼。無理に思い出さなくても大丈夫です。ゆっくりで構いませんよ」スッ・・・
香焼「……だ、だいじょぶっす」ダラダラ・・・
―――考えてみれば、電車に乗る前からヤツは僕の後ろに立っていた。
それだけではない。多分ヤツの話から察するに、結構前から僕はつけられていたのだ。
思い返せば心当たりはある。前の日の満員電車も、その前の日も……気が付かなかっただけで、僕は狙われていたのだ。
浦上「……えっと」ハハハ・・・
もあい「にゃう」ゴロゴロ・・・
ダメだ。思い出すと震えが止まらない。畜生、なんて未熟なんだ。 - 825 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/24(月) 00:28:44.62 ID:eVt5lV7B0
- 頭を垂れる僕と顔を顰める姉さん達を余所に、一人苦笑する浦上がポツリと呟いた。
浦上「あのさぁ」ポリポリ・・・
香焼・神裂・五和「「「えっ」」」ピタッ・・・
浦上「確認なんですけど……満員電車内で、汗臭いおっさんに、湿った手でスカートの中弄られたんですネ?」ジー・・・
香焼「ま、まぁ、うん」タラー・・・
浦上「それ、香焼の時もされてた?」ジトー・・・
神裂「如何いう意味です?」フム・・・
浦上「だーから、女装時以外も狙われたのか、って事ですヨ」チラッ・・・
それは、分からない。
五和「ウラ?」アー・・・
浦上「分かったっていうか何ていうか……っていうか、マジで気付かないんですか」ハァ・・・
香焼「はい?」キョトン・・・
何故か呆れ顔で苦笑する浦上。一同真剣に話し合ってるのに腹が立つ。
相手にするのもイラッとするので、無視して話を進めようとした刹那……とんでもない事を言い放った。
浦上「いやいや。それって単に―――痴漢っしょ」ジトー・・・
香焼「へっ?」ポカーン・・・
ちかん……置換?
香焼「な、何の置き換えを?」アタフタ・・・
浦上「そういうボケ要らんって。痴漢ですヨ、痴漢。意味の説明必要?」ヤレヤレ・・・
香焼「……はぇ?」ポカーン・・・
浦上「てか、お姉も姉様も気付いてたっしょ」ジトー・・・
五和「えっと……いやぁ薄々はね」ハハハ・・・
神裂「しかし、この子があまりに真剣に話すものですから、本当に危ない方かと思いまして」アハハ・・・
何だこの空気。
香焼「あ、あの……本気で言ってるの?」タラー・・・
浦上「勿の論。てかさぁ、客観的に考えてみなよ」ヤレヤレ・・・
五和「まぁ傍から見るに典型的な痴漢だよね。そこまで自白してくるのは凄いけど」タラー・・・
神裂「多分、香焼……その時は『香』の姿ですね。何をされても無抵抗なので馬鹿が思い切ったのでしょう」ハァ・・・
浦上「まったく、企画モノのAVかエロ漫画みたいな展開を希望してたんでしょうね。有り得ないですっての」グデェ・・・
香焼「うぇ……はい? いやいやいやいやっ! 意味分かんないっす!!」アタフタ・・・
3姉妹『……、』ジトー・・・
香焼「だって、自分は男っすよ?」ダラダラ・・・
3姉妹『鏡を見なさいっ!』
もあい「……なぅ」フゥ・・・
この後滅茶苦茶説教食らった。女の子が無防備過ぎるとか、女子になっても朴念仁なのかとか……散々だ。
腑に落ちないまま怒られ続け結局、気付けば朝日が昇っていた――― - 826 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/24(月) 01:41:01.31 ID:eVt5lV7B0
- ―――さる翌々日、AM07:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・
朝だ……とても眠い。
香焼「ふぁあぁ」グデェ・・・
結局居間で寝てしまった模様……ダメだ。頭が回らない。
香焼「はぁ……姉さん達は?」チラッ・・・
3姉妹『Zzz...』スヤァ・・・
もあい「にゃう」ムニャムニャ・・・
完全に遅刻だな。2週間フリーな僕と違い、五和と浦上は普通に学校だろう。
一応起こしはするが、最悪休む気だろう。因みに姉さんは主婦(?)なので問題無し。
香焼「あー五和、浦上」ジー・・・
五和・浦上(~ω~)スヤァ・・・(ーωー)スピィ・・・
香焼「寝坊だよ。学校どうする?」ヤレヤレ・・・
五和「んん……午後から出r……Zzz」ガァ・・・
浦上「気が向いたら……行くzZzzz...」グヘェ・・・
香焼「そぅ」ハハハ・・・
無理には起さない。一応、僕の為に夜更かししてくれたのだ。
香焼「姉さんは」チラッ・・・
神裂「……んっ」ゴロンッ・・・チラチラッ・・・
香焼「……寝かせておこう」フイッ・・・///
色々肌蹴て拙い事になってるのでタオルケットでも被せとく。
一応寝巻きなのだが、相変わらず下着をしないで寝る人なので目のやり場に困る。
最近は幾分注意を払ってくれるようにはなってきたのだが、やはり意識しないとブラやショーツを身に着けないみたいだ。
さておき……自分の事。
香焼「……そろそろ、向き合わなきゃね」ジー・・・
二つの携帯を手に取る。一方はプライベート用、他方は『香』用。
昨日は忙しくて何処にも返信していなかったが、プライベート用にも最愛やらステイルやら、諸処友人達からのメッセージが溜まっている模様。
軽く謝罪を入れ、それなりに返信を入れる。
香焼「よしっ、次は」Pi!
『香』用。不在の着信・伝言・メッセージを合わせて50件近く。
殆どが操祈さんだが、一件ずつ、最愛と御坂蛇(スネーク)さん……それから御坂さんから連絡が入ってた。
最愛に対しては先程同様丁重に返信。蛇さんは後で直接連絡するとして、とりあえずは御坂さんだ。
香焼「……電話、しよう」テクテク・・・
もあい「なぅ」トコトコ・・・
多分、僕の知らない所で一番迷惑を掛けた人かもしれない。主に操祈さんの相手という意味で。
自室に戻り、コールを回す。時間が時間なのでもしかしたら出ないかもしれない……そう思った矢先、電話越しから凛々しい声が聞こえた。
- 829 :つづきっ! :2014/03/31(月) 20:21:07.26 ID:BKG3lG6e0
- 第一声は冷静。
御坂『―――もしもし』Pi!
香焼「えっと……おはようございます」モジモジ・・・
御坂『うん。おはよ』キッパリ・・・
あくまでいつも通りのトーンで対応してくれる御坂さん。
香焼「……あの」アタフタ・・・
御坂『皆まで言わなくても良いわよ。分かってるから』アハハッ
香焼「あー……すいません」タラー・・・
御坂『何で謝るのよ。香ちゃん、悪くないでしょ』フフッ
全部知ってる訳か。
御坂『まったくあの馬鹿、自業自得よね。途中から見てたけどありゃドン引きよ』ヤレヤレ・・・
香焼「み、見てたんなら止めて下さいよっ」カアアァ///
御坂『ごめんごめん。あの時は出るタイミング逃してさ。こりゃ出なきゃって思った途端、香ちゃん帰っちゃったし―――』ポリポリ・・・
あの人を止められるのは御坂さんくらいだ。正直すぐにでも助けて欲しかった。
しかし、終わった事を悔やんでも仕方ない。彼女に当たるのは御角違いだろう。
さておき、本題。
御坂『―――食蜂のヤツ、乱雑解放(ポルターガイスト)起しそうなくらい病んでたわよ』アハハ・・・
香焼「え?」ピタッ・・・
御坂『というか香ちゃん、昨日何してた? 学校来る筈じゃなかったの?』ハァ・・・
香焼「その予定だった…です。けど、その」ウーン・・・
御坂『ったく、来難いのは分かるけど昨日の内に一報くらい欲しかったわね。アイツ抑えるの大変だったんだから』フゥ・・・
香焼「す、すいません!」アワワワ・・・
何でも『私の鈍感力の所為で香ちゃんが失踪しちゃったああぁ!!』とか半ば発狂してたそうな。
鈍感とかじゃねぇし大袈裟な、と言いたいところだが……迷惑を掛けた以上、僕も反省すべきだ。
御坂『今度クレープでも奢りなさいよ――― オネェサマー! オジカン ギリギリデスノー! ―――っと……こんな時間か』スッ・・・
香焼「あ。登校前に長々すいません」ペコッ
御坂『ううん、大丈夫。で、今日は学校来るの?』ジー・・・
香焼「……、」ムゥ・・・
御坂『無理強いはしないけど、長引かせない方が良いと思うわよ。こういうのって時間が経てば経つ程気拙くなるから』フフッ
香焼「ええ、早めに何とかしたい…です」コクッ
御坂『OK。とりあえず、学校来たら連絡頂戴。一人でアイツに会い辛いっしょ。多分アイツもそうだろうし』ハハハ・・・
香焼「お願いします……あ、操祈さんに連絡入れた方が良いでしょうか?」モジモジ・・・
御坂『んー、止めた方が良いよ。昨日は全校生徒「洗脳(使役)」して香ちゃん捜索するつもりだったもの』ヤレヤレ・・・
香焼「うぇ!?」ダラダラ・・・
御坂『勿論止めたわ。でも、香ちゃんの声聞いたら何しでかすか分からないぞー。良いの?』ジトー・・・
大人しく御坂さん(ストッパー)の仰る通りにします。 - 830 :第Ⅴ話―――香焼(香)「だって、自分は男っすよ?」 天草3姉妹『鏡を見なさいっ!』 :2014/03/31(月) 20:58:55.63 ID:BKG3lG6e0
- 御坂さんとの通話を終えた後、リビングに戻り姉さん達を見遣る。そろそろ起きそうなのかモゾモゾ動いてはいるが声は掛けないでおく。
とりあえずパッパとシャワーを浴びてしまい『香』の支度する。夜更かしの所為か、いつもより化粧のノリが悪い。
しかしあーだこーだと愚痴ってはいられない。
一通り準備は済ませ静かにリビングへ戻ると……いつの間に起きていたのか、膝にもあいを乗せ黙々と新聞を読む姉さんの姿があった。
香焼「……おはようございます」ペコッ
神裂「おはよう」ジー・・・
もあい「にゃう」ゴロゴロ・・・
相変わらず新聞を読んでる最中は視線を外さない人だ。凛々しいのだが、多少怖くもある。
リビングで伸びてる五和と浦上を起さぬ様、静かにキッチンへ移動し朝食の準備をする。
神裂「常盤台へ行くのですか?」パラッ・・・
香焼「えっ」ピタッ・・・
神裂「制服」チラッ・・・
香焼「あ、はい。そのつもりっす」コクッ
神裂「そうですか」フイッ・・・
多くは語らず、また新聞に目を移す。
神裂「電車は控えなさい」パラッ・・・パラッ・・・
香焼「……えっと」ポリポリ・・・
神裂「昨夜、言ったでしょう。『香』で行く以上は細心の注意を払いなさいと」パラッ・・・
香焼「ではバスで」ウーン・・・
神裂「できればタクシーで行った方が良いと思いますよ」パラッ・・・
香焼「流石にそれは」ハハハ・・・
神裂「もしくは五和が起きたらバイクで送って貰いなさい。別段、今日は急ぎという訳ではないのでしょう」トンッ・・・
確かにそうなのだが、五和に申し訳ない。
神裂「そのくらいの事なら二つ返事でしてくれる筈です。少しは甘えなさい」フフッ
香焼「……分かりました」ムゥ・・・
もあい「みゃん」コロンッ・・・
ソファの下に転がる五和と浦上を見遣る。放っておけば昼まで寝てそうだ。
神裂「貴方も少し寝たら如何です。全然寝てないのでしょう」ピッ・・・
香焼「そういう姉さんこそ」チラッ・・・
神裂「私は不眠不休で3日は動けますから。兎角一、二時間だけでも目を瞑って横になれば大分違うでしょう」クイッ
香焼「……、」ポリポリ・・・
神裂「それとも、もあいの様に膝枕でもしてあげましょうか。子守唄付きで」クスッ
香焼「なっ!」アタフタ・・・///
神裂「ふふふっ、冗談です。自室で休んで来なさい。昼前には起してあげますから」ニコッ
香焼「もぅ……では、お言葉に甘えます」ペコッ
神裂「うん。素直で宜しい」コクッ
結局、促されるがまま自室に戻った。そして御坂さんに午後から登校する旨を伝えた後、化粧を崩さぬ様横になった。
2014年7月23日水曜日
あまくさっ☆~④姉弟。 3
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