- 364 :第Ⅲ(25)話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 22:24:54.51 ID:+S5RofB10
- ―――とある日、AM10:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』敷地内、多目的グラウンド・・・・・
『魔術師』と言われてパッと思い付く印象は『根暗』だったり『陰湿』だったり、ドチラかというとインドアなイメージが先考してしまう。
実際に『真理』やら『根源』に近付く為、引き籠り気質の研究者タイプな魔術師も少なくはない。
『協会』の魔術師なんかはそういう輩が多いと聞く。確かに魔術を極める上では其方の方が正しいのかもしれない。
だがしかし、そんなタイプの魔術師は非生産的で、現場からしてみれば―――ただの自慰行為に励むオタクにしか思えない。
逆に彼らからしてみれば現場で活躍する魔術師を『野蛮』とか『品が無い』とかいうのかもしれないが……話が逸れたか。
兎に角、僕ら―――必要悪の教会(ネセサリウス)の人間は前者のヒッキー型魔術師ではない。
故に一般教養・常識は必要不可欠だし、MP的な魔力以外にHP的な体力(スタミナ)も底上げしとかなければならないのだ。
建宮「―――よーし、香焼。浦上。もう少しピッチ上げるのよな」ピーッ・・・
香焼「はい」タッタッタッタッ・・・
浦上「はいはーい」タッタッタッタッタッ・・・
何をしているかというと、英国教会及び騎士派での若手合同トレーニングというモノ。
主に基礎体力及び体術、それから応用で魔術・術式指導といった形である。今はアップがてらの長距離走の最中だ。
因みにこれは主教や騎士団長主催のモノなので若手の魔術師や騎士見習いはほぼ強制参加。
中堅所や玄人・年輩(ベテラン)陣の多くは指導側に回っている。
神裂「ふむ……やはり天草式(ウチ)の教徒は体力面では優秀ですね」フフッ
建宮「でなけりゃゲリラ戦法なんかやってられんのよね」ジー・・・
諫早「昔ながらそうですからなぁ……私から見りゃ、建宮。お前も参加する側なんだが」チラッ
建宮「じっさん。そりゃ勘弁なのよね」ハハハ・・・
我らが天草式の女教皇様(プリエステス)と教皇代理、及び相談役(諫早さん)、他数名は所謂講師陣。
他にはというと―――
騎士団長「流石St.神裂の教徒といったところですね。あのスタミナは羨ましい」コクッ・・・
神裂「いえいえ。騎士派の見習い達も中々優秀ですよ。常日頃から鍛錬が為ってる様ですね」チラッ
騎士団長「ははは。仮にも『騎士』を名乗る以上それ相応のモノを身につけて貰わねば。日本で言うところの『ブシドー』というヤツです」ムンッ
オルソラ「あらあら。相変わらず騎士団長殿と神裂は仲の良い限りでございますね」ニコッ
騎士団長「そ、そうですか! いやぁ難とも」ハハハ
シェリー「……単純な野郎だ」ジトー・・・
建宮「騎士道だの武士道だの、古臭い人なのよね」ジトー・・・
対馬「お馬鹿、聞こえるわよ」ヤレヤレ・・・
―――あんな感じ。
諫早「やれやれ。まだまだ若いな……おい、牛深ー! 野母崎(ノモ)ー! 周回遅れだぞー!」キッ!
牛深「あいあい……何でオレらはトレーニング側(コッチ)なんだか。普通指導側(アッチ)っしょ」ダラダラ・・・
野母崎「てか、建宮と対馬がアッチってのが気に食わん。コッチ来やがれ、アラサー組」ダラダラ・・・
諫早「馬鹿共! 無駄口叩いてると10週くらい追加するぞ!」ガーッ!
牛深・野母崎「「勘弁してくれ」」ウヘェ・・・
何故か若手と混じってトレーニングしてる兄貴分2人。先日羽目外して呑み屋で粗相した罰だとか何とか。 - 365 :第Ⅲ(25)話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 22:31:02.28 ID:+S5RofB10
- そんな彼らを後目に黙々と走る自分。それから隣で軽口叩く馬鹿二号。
浦上「にゃはは。あの2人は相変わらずですネー。建宮さんは良い様に逃げたのカナ?」フフッ・・・
香焼「お前、随分余裕だな」ハァハァ・・・
浦上「んにゃ。んな事ぁ無いですヨ」ニコッ
香焼「嘘吐け……何で自分のペースに合わせてんのか知らんけど、もうちょい前の連中辺りに付けよ」ジトー・・・
浦上「いやぁ此処で無理すると後々大変ですからネ。香焼のペースくらいが丁度良いんですって」♪
腹立つ事を。コイツはコイツでいつも上手に抜き所を選んでる。
僕の持久走ペースは並の中学男子のちょい早いくらいだが、天草式の若衆の中ではケツの方。
でも浦上は実際、中学三年にして超高校級のアスリートレベルだったりする。若衆の中ではそれこそトップクラスの筈。
浦上「まぁお姉達程じゃないですけど」チラッ
香焼「……、」タッタッタッタッ・・・
若手の先導集団―――騎士派の男子と並走する我らが若衆筆頭殿……と、嘱託結社のリーダーさん。そして武装修道女部隊の参謀殿。
若手エリート騎士's「―――」タタタタタタッ・・・
五和「―――」スタタタタタタッ・・・フゥ・・・
ベイロープ「―――」スタタタタタッ・・・ムッ・・・
ルチア「―――」スタタタタタッ・・・ハァハァ・・・
マジでプロの陸上選手かってくらい早い。今からアスリートとして転向してもやってけるだろう。
香焼「騎士派のエリート候補の人達も凄いけど……あの三人も男性に負けてない辺り、ヤバいよね」ハハハ・・・
浦上「いやはや。凄いスゴい」ヒョー
レッサー「フゥ……追い付いたぁ。なぁにが凄いんですか?」ピョコッ
浦上「およ? あら、レッサー」キョトン・・・
丁度僕らの真後ろからピッチを上げて詰め寄ってきた3人。
アニェーゼ「ハァハァ……アンタら早過ぎんですよ」タッタッタッタッ・・・
レッサー「アニェーゼっちー。無理に私に付いてくる必要無いですよ。それでも周回遅れしてるんですから」チラッ
アニェーゼ「うっせ……フゥ……こちとら部隊長っつー面子があるんですよ。ある程度キバんねぇと下に示しが付かねぇんです」ハァハァ・・・
浦上「頑張りますネー、隊長さんは。まぁそれでも部隊の中では真ん中くらいみたいですけど」フフッ
アニェーゼ「言ってくれるなっ……ハァハァ……これでもまだ12(歳)なんです……アンタらのペースが早過ぎなんですよ」グデェ・・・
レッサー「と言いますが私と貴女じゃ1,2歳程度しか変わらないんですよ。まぁ肉体派魔術師じゃないですからしゃーないか」フム・・・
アニェーゼ「くっそー……余裕ブッこきやがってぇ」ハァハァ・・・
いつの間にかアニェーゼのペースに合わせてる僕達。建宮さんに目付けられそうで怖いな。
さておき、先程から一緒に付いてきてたもう一人はというと―――
フロリス「……かったりぃ」ダラダラ・・・
浦上「にゃははは。ですよネー」ポリポリ・・・
―――不良娘2トップが並んでしまった。これは指導者側の目に入る。 - 366 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 22:42:21.46 ID:+S5RofB10
- しかし中堅の目も気にせず、グダグダと他愛無い話を続ける姉貴ーズ。
フロリス「ルチアっちは相変わらず真面目過ぎんだよ。こんな訓練、給料にもならねぇんだから手ぇ抜けっつの」ジトー・・・
浦上「まぁでも、お宅のリーダーと五和はガチであのスピードなんだろうけどネ」ジー・・・
レッサー「んー? 堅ブツさん(ルチア)は違うんですか?」チラッ
アニェーゼ「ふぅ……あの子、根性で付いて行ってるんですよ。実際のペースはもっと遅い筈です」ハァハァ・・・
では何故、後先考えずアップがてらのこのランニングで飛ばしているのだろう。
アニェーゼ「真面目なのもありますが単に負けず嫌いなんですよ、あの子。あとまぁ騎士派、ってか男性に負けたくないんでしょう」ジー・・・
フロリス「なるへそ」ヘー・・・
浦上「『女嘗めんな』って感じですかネ……いや『アニェーゼ(ウチの)部隊嘗めんな!』って方かな?」フーン・・・
フロリス「どっちもじゃないか」チラッ
アニェーゼ「さぁ、どうでしょ……ハァハァ……もうヤバい。あと何周ですか?」グデェ・・・
香焼「自分らがあと1周半だから……アニーは2周半かな。頑張ろ」フゥ・・・
アニェーゼ「うぃ」ハァハァ・・・
今更だが、この多目的グランドは並の陸上競技場程の広さがある。(400mトラック程)
加えて外周は、それなりの距離のランニングコースになっているのでアップには丁度良い感じだ。とりあえずペースを崩さない様にしないと。
浦上「え? もうあと2周なの?」キョトン・・・
香焼「おま……適当なペースで走ってるから確認してなかったな?」ジトー・・・
フロリス「んなモン必要無いっての……ったく。リーダーも何でこんな面倒訓練参加するなんて言い出すかなぁ」ハァ・・・
レッサー「うーん……あの人も変に真面目なとこありますからね」ハァハァ・・・
アニェーゼ「当たり前です。上に立つ輩が適当じゃ……ハァハァ……組織が成り立ちませんよ」フゥ・・・
説得力のあるお言葉。
アニェーゼ「ハァハァ……とりあえず、ウラカミ。フロリス」チラッ・・・
浦上・フロリス「「ん?」」キョトン・・・
アニェーゼ「アンタら、そろそろ真面目に走った方が身の為ですよ」フゥ・・・
浦上・フロリス「「え?」」ポカーン・・・
指導陣の方を顎で指す。そこには……怒髪天のクワガタ頭。
建宮「ウラぁー! フロリスー! 手ぇ抜いてんじゃねぇのよなーっ!」ウガーッ!
浦上・フロリス「「うげっ」」ギョッ・・・
神裂「まったくあの子達は」ハァ・・・
対馬「気持ちは分かりますけどね……2人とも! 前の集団追い越せなかったら騎士団長に一本入れるまで終わらない模擬戦だからね!」バッ
騎士団長「え」ポカーン・・・
シェリー「おうおう、キッツいねぇ」フフフッ
オルソラ「まぁまぁ。あの子達は最近お痛が過ぎているのでございますので……良い薬かと」ニッコリ・・・
ほれ見た事か。ざまぁみろ。 - 367 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 22:48:56.78 ID:+S5RofB10
- 戸惑う騎士団長を余所に、勝手に話が進んでる様だ。勿論、困るのは騎士団長だけではない。
浦上「え、何それ!? ムリゲー!!」タラー・・・
フロリス「なっ……わ、私は別にアンタらの言う事聞く義理無いし―――」
五和「―――よっと。男女混合で7着……結構好タイムですね。でもベイロープに負けちゃいましたか」Pi!
ルチア「ハァハァ……ゲホゲホッ……流石に、疲れましたね……あー、私何着でしょう?」ヨロヨロ・・・
ベイロープ「ふぅ。何とか体裁は保てそうね……ルチアは12着。頑張ったじゃない……あ、騎士団長。フロリスお願いしますね」チラッ・・・
騎士団長「あ、はい」コクッ
五和「浦上もしっかり扱いてやってくださいね」ニッコリ
騎士団長「え、うん」コクッ
浦上・フロリス「「―――……、」」タラー・・・
突如、700m地点から無言で猛ダッシュを掛ける2人。速過ぎだ、アイツら。あからさまに手抜きがばれる。
レッサー「コウヤギ。そんじゃ私達も競争と行きましょうか? 私に負けたらスパッツかブルマ穿いて貰いますね」ニヤリ・・・
香焼「っ!?」ギョッ・・・
アニェーゼ「ぜぇぜぇ……アンタらも余裕あんじゃねぇですか」ジトー・・・
とりあえずブルマやらはさておき、女教皇様の前で無様な順位を晒すのは嫌なので400m地点でスパートを掛けた。
因みに……何とか勝てました。(レッサーの尻尾掴みました。反省はしてない、でも一応謝ってやる)
――一寸後・・・・・
香焼「ふぅ……疲れる」グデェ・・・
浦上「うげぇ……マジ危なかったぁ」ダラダラ・・・
フロリス「ホント、冗談キツいわ」ダラダラ・・・
レッサー「ふにゅぁ」ダラダラ・・・
休憩がてらのストレッチで多くの若手が愚痴っていた。
一応この訓練にもタイムスケジュール的なモノはある訳で、速くゴールした連中の方が必然的に長く休める事になる。
僕やレッサーは丁度真ん中の方なので比較的普通の休憩時間となった。
兎に角、今から始まるハードなスケジュールで節々を痛めぬ様、息を整えながら念入りにストレッチをしておく。
そんな僕らの近くに、スポドリを持った友人が駆け寄ってきた。
サーシャ「皆さん、お疲れ様です。とりあえず第一の補給ですよ」トコトコ・・・
香焼「あ、うん。ありがとう」コクッ
一応ロシアからの使者たる彼女は今回の訓練とは無関係。
しかし、義理堅いというか友人想いの彼女は参加はせずとも給水救護等の手伝いをしていた。
レッサー「サーシャぁ……貴女だけ参加しないなんてズルいですってー」ジトー・・・
サーシャ「と言われても。第一の回答ですが、仮にも一線を置いてる身なので」ハハハ・・・
香焼「そうだよ。こうやって水持ってきてくれるだけでも感謝しなきゃ」コクッ
レッサー「うぃ……あ。アニェーゼっちが到着ですね」チラッ・・・
ヨロヨロと此方に歩み寄ってくる部隊長殿。歳相応以下の体躯の割には頑張った方だと思う。 - 368 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 23:09:45.66 ID:+S5RofB10
- サーシャを見るや否や一目散に水を受け取り、ガブ飲みした後その場に転げ込む。
アニェーゼ「ハァハァ……ふぅ……きっつー」ゴロン・・・
サーシャ「お疲れ様です。第一の助言ですが、キチンとストレッチしないと硬くなりますよ。怪我の元です」スッ・・・
アニェーゼ「あんがと……ふぅ。まぁボチボチやりますよ」グググ・・・
フロリス「しっかし、こんな真面目な訓練すんのなんて始めてだな。アップでこれとは……キッツいぞ」フゥ・・・
レッサー「所詮、新たなる光(私ら)は結社ですからね。魔術以外の訓練なんてマトモにした事無いですよ……其方は?」チラッ
アニェーゼ「ふー……部隊(ウチ)はローマ時からこういう訓練してましたけど、やっぱ騎士派(野郎共)が居ると違いますね」ジトー・・・
浦上「天草式(ウチ)は基本男女混合でスポ根連中が多いですから」ポリポリ・・・
聖人たる女教皇様筆頭に、建宮さんや五和など、頭脳派より肉体派が多い部隊だ。
加え高校大学生くらいの年代も多い為、こういう基礎訓練では周りより秀でる事が多い。
まぁ……そん中でも僕くらいに半端な実力の者いるけど。
サーシャ「また卑下を。第一の意見ですが、コーヤギーはまだ身体が出来てないでしょう。所謂成長期真っ只中です」ピッ!
レッサー「今無理しちゃうとタダでさえちっこい身長が現状ストップしちゃいますよ。それはそれでショタキャラ貫けるでしょうけど」ニヒヒッ
香焼「むっ……レッサーやサーシャだってそんなに大きい訳じゃないじゃん」ジトー・・・
レッサー「べっつにー。私は女子ですから小柄で可愛い系でも通せますよーん」フフッ
サーシャ「馬鹿の意見はさておき、第一の反論ですが、お国の血筋柄多少無理をしても身長は伸びますので」ツンッ
畜生。日本人がチビなのが裏目かしい。
そんなこんなしてる内に、後続組が続々到着。時間的にもそろそろゴールしとかないと次の訓練を迎えるのに厳しい頃だ。
建宮「―――さて、と。殆どゴールしたみたいなのよな」ジー・・・
対馬「残り数名ね。リスト見る限りでは、まぁ予想通りの面子かしら」ハハハ・・・
騎士団長「どれどれ。んー……流石に男子は居ない様だな」フム・・・
指導者陣が次の訓練の準備に入る様だ。それにしても、まだゴールしてない人が居るのか。
浦上「流石に天草式(ウチ)の連中じゃないと思いますけど……あー」チラッ・・・
アニェーゼ「……はぁ」ポリポリ・・・
フロリス「やれやれ」フゥ・・・
よくよく考えたら、僕らの友人に体力事が苦手な娘も居たな。
香焼「……アニー」チラッ・・・
アニェーゼ「まぁあの子は、ホントこういうの苦手ですから。本人なりに頑張ってんでしょうけど」ムゥ・・・
レッサー「ウチのお嬢も持久力無いですからね」ハハハ
人には向き不向きがある。仕方あるまい。
そんなこんなやっている内に、次の課目が始まる時間帯。ボチボチ整列を開始いた辺りで……漸く彼女達が現れた。
アンジェレネ「ハァハァ……うー」ヘタヘタ・・・
ランシス「ゼェゼェ……もう、だめ」クタクタ・・・
ビリっけつ。ゴールと同時に芝生へ蔕り込んだ。 - 369 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 23:22:58.47 ID:+S5RofB10
- そんな2人の姿を見てか、整列の中から嘲笑がこぼれるのが聞こえた。
サーシャ「2人とも、お疲れ様です。と言いたいところですが……第一の報告です。もう次の課目ですよ」ポリポリ・・・
アン・ラン「「むきゅぅ」」グヘェ・・・
クスクス・・・ アレ ドコノブタイダヨ フフッ ローマダロ アト、ショクタクノ・・・ クスクス・・・
ルチア「っ」ギリッ・・・
ベイロープ「ったく……あの子は」ヤレヤレ・・・
騎士団長「静粛に」キッ・・・
一同『……、』ピタッ・・・
騎士団長「アップがてらの長距離走御苦労。少しは堪えた様だな。えー、では次の訓練だが―――」
此方に向けて一言。団長さんが皆の意識を逸らしてくれた。
考えようには、二人を捨て置いて次のメニューに入ったといっても過言ではないかもしれないが……止むを得まい。
オルソラ「あらあら。クタクタでございますね。少々休んでから次のメニューに参加なさった方が宜しいと思いますよ」スッ・・・
アンジェレネ「だ、大丈夫……ハァハァ……です」グッ・・・
ランシス「むぅ……私は、ちょっと休むよ」クタァ・・・
サーシャ「アンジェレネ。第一の助言ですが、無茶をしないで。自分のペースで参加するべきですよ」トンッ
アンジェレネ「ふぅ……ありがとう、サーシャちゃん。ホント大丈夫だから。心配しないで下さい」ニコッ・・・
ヨレヨレと危なっかしい足取りで整列に加わるアンジェレネ。結局、碌に休憩も取らずに次の瞬発力・筋力トレーニングに参加していた。
神裂「やれやれ……対馬」フフッ
対馬「はいさ。いつでも救護出来る様にしておきます」コクッ
シェリー「タダの悪戯娘じゃねぇってこったな。ま、今日は旨いモン喰わせてやっか」ハハッ
あの根性は評価に値する、といった感じかな。
サーシャ「もぅ……第一の予想ですが、この場合貴女の判断が正しいと思いますよ。ランシス」チラッ・・・
ランシス「別に正しいとか間違ってるとかじゃないでしょ。とりあえず私はベストを尽くせる状態まで調子戻ったら参加するよ」フゥ・・・
サーシャ「賢いですね。まぁ因みに……第一の気休めですが、貴女がビリじゃないので悪しからず」コクッ
外周の方を指差すサーシャ。そこには―――
ステイル「ぜぇぜぇ……ハァハァ……ゲホゲホッ」グデリグダリ・・・
一同((((……えー))))タラー・・・
―――主教補佐殿の姿。
諫早「あー、主教補佐。あと4周残ってるぞ」ポリポリ・・・
ステイル「ぐぅ……何故……僕が、こんな学生の体育の授業みたいな事を……ゲホゲホッ!」ガビーン・・・
建宮「やれやれ。ステイルは特別メニューで午前いっぱいランニングさせる、で良かったのよな?」チラッ・・・
神裂「ええ、あの子は……ローラからそう指示されてます。今日一日でニコチン全部絞り出すくらい走らせろと」ジトー・・・
偶には運動しろ。軍覇を見習え。 - 370 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 23:29:40.00 ID:+S5RofB10
- ―――とある日、PM04:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』敷地内、多目的グラウンド・・・・・
一通りの訓練が終了し、女教皇様が閉講宣言をした。騎士見習いも魔術師も若手一同は皆グッタリしている。
そんな中、ある者は律義に自主トレを始め、ある者は講師陣には内密に合コンのセッティングを始めたりしてる。
僕はというと……とりあえずステイルの介護。
香焼「んもー。だらしない」ハァ・・・
ステイル「」ウッセ・・・
香焼「何で外周8周に半日掛るのさ。仮にも教徒が見てる前でしょ」パタパタッ・・・
ステイル「」スキデ サンカ シタンジャ ナイ・・・ローラガ・・・コロス アノアマ・・・
香焼「何言ってるか分かんないっすよ。とりあえず今のステイルの姿、軍覇と最愛に写メ送って良い?」ジー・・・
ステイル「……勘弁しろ」グダグダ・・・
やっとの事身体を起すステイル。そのまま何処から取り出したのやら、煙草を咥えた。
ステイル「火」チラッ・・・
香焼「無いよアホ。てか此処禁煙だ」ハァ・・・
ステイル「知るか。あーもぅ……魔力練るのもダルいな」ボッ・・・
香焼(今喫ったら、きっと―――)
ステイル「っ……ゲホゲホッ! ゴホゴハッ!!」グラグラ・・・
―――言わんこっちゃない。気管支へのダメージとヤニクラの所為で再度ヘタり込むノッポ馬鹿。
相当むせたのか、嫌な咳が止まらない様子。良い薬だと思いつつも、可哀想なので水を渡してやった。
ステイル「ッ~~……う”ぅ……死ねる」ダラダラ・・・
香焼「ニコチンとタールに殺されるなら本望だとか言ってなかったっけ?」ヤレヤレ・・・
ステイル「喧しい、ぼけ」グデェ・・・
香焼「言葉に迫が無いっすよ。まったく、女教皇様に見つかったら何言われるか」ハァ・・・
未だ建宮さんや騎士団長達と今日の指導の総括やら振り返りをしているコーチ陣の方を見遣る。
すると、其方の方からトコトコ歩み寄ってくる影が見えた。
アニェーゼ「あら。まだ残ってやがったんですか。二人でひっそりホモホモしいこって」テクテク・・・
香焼「アニー……勘弁してよ」ハァ・・・
ホモ疑惑はこりごりです。
レッサー「え? でも……コウヤギはカミジョーと付き合ってるって皆言ってますけど……ねぇ」モジモジ・・・///
香焼「まだ言うか。尻尾捥ぐぞ」ジトー・・・
サーシャ「それについては追々聞きますが……先にマグヌス。第一の所感ですが、ダラしなさ過ぎます」ジトー・・・
ステイル「煩い。余計な御世話だ」フンッ・・・
アニェーゼ「主教補佐殿が下々の者と共に訓練に参加するなんて聞いてたんで、どんな鼓舞かと思いきや……呆れますね」ハハッ
ステイル「……黙ってろ」ムスー・・・
反論したくともまだまだ疲労が残っていて言い返す気力も無いステイルさん14歳。 - 371 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/25(火) 23:59:59.93 ID:+S5RofB10
- さておき、そういう三人もまだ残ってたのか。
アニェーゼ「私は部隊長として、サーシャは今日の手伝い要員として訓練の総括に参加してたんです」クイッ
サーシャ「まったく、St.オルソラに捕まらなければ補給救護班の手伝いなどしなかったモノの」ハァ・・・
レッサー「とか言いつつ、模擬戦とか参加したくてウズウズしてた口じゃないんですかー?」ニヤッ・・・
サーシャ「だ、第一の反論ですが人を何処ぞの戦闘狂みたいに言わないで下さい!」ムゥ・・・
高位の魔術師とか高強度の能力者って、何故か分からないけど『心躍る闘い』みたいなのを求めるからなぁ。
レッサー「因みに私はリーダーを待ってました。今日はフロリスの車で来たんで全員揃わないと帰れませんでしたから」コクッ
香焼「成程……あ、そういえばアンとランシスは?」キョロキョロ・・・
出だしで遅れた所為か、その後の訓練も本調子では無かった二人。
ランシスのは瞬発力・筋力トレーニングをガッツリ休んでた御蔭で、その後の基礎魔術訓練やら模擬戦はボチボチ参加できてたが、
アンジェレネの場合、根性で最後まで付いて行こうとしてたのでダラダラと全力を出せないまま最後まで訓練に参加していた。
レッサー「ランシスは基礎魔術で気になった所があるみたいなんで講師陣に質問しに行きましたよ。まったく、私に聞けば良いモノの」ヤレヤレ・・・
サーシャ「第五の意見ですが、貴女は天才肌なのでモノを教えるのに向かないでしょう」チラッ・・・
アニェーゼ「天才肌なのは認めますが……それ抜きにして、レッサーからモノ教わろうなんて気にはならねぇですね」ハハッ
ステイル「珍しく同意しよう」コクッ
レッサー「酷っ! いやでもある意味褒められた?」ムーン・・・
僕から言わせれば此処に居る4人は一同、十代にしてエース級の『天才』と呼ばれる神童達だ。
才能無き者が有る者に追い付く為の『魔術』とはいわれるモノの、その『魔術』を開花・磨くという点で秀でている彼ら。
僕がどんなに努力した所で魔術師としては追い越すは愚か、追い付く事も出来ないだろう。
ステイル「……それで、アンジェレネは?」チラッ・・・
アニェーゼ「アンは……まぁ、うん」ポリポリ・・・
サーシャ「第四の返答ですが、先程までルチアにお説教を受けていましたね」アハハ・・・
レッサー「ほーんと、可哀想に。人には向き不向きあるんですから仕方ないですよ。ねぇ、スタミナGの主教補佐さん」ニヤッ・・・
ステイル「だから黙れ。弱点丸出し女郎」ニギッ
レッサー「ふ、ふにゃああぁっ!? し、しっぽはらめてくらさああぁいいぃっ!!」ミギャアアァ!!
武器にして弱点って如何なんだろう。諸刃の剣ってヤツかな。さておき、アンジェレネだが……今もルチアさんの説教を受けてるんだろうか。
サーシャ「いや、それは無い筈です。第二の解説ですが、先程ルチアはウラカミとフロリスに連れ去られてました」コクッ
レッサー「引き離したんでしょう。『普段の生活態度が現れてる』だとか『精進が足りない』とか憐れになる様な事言ってましたから」ハァ・・・
アニェーゼ「ったく。ルチア(あの子)は頭硬くて困ります。自分にも他人にも厳しいですから……美徳っちゃ美徳なんでしょうけど」ヤレヤレ・・・
五和や浦上もそんな事言ってたっけ。
レッサー「あ。でもさっきルチア、騎士派のイケメン'sに声掛けられまくってましたよね」ニヤリ・・・
アニェーゼ「あの子は絵に描いた様な敬虔なクリスチャンですからね。身内贔屓抜きでも容姿もベッピンさんですから」フゥ・・・
サーシャ「第三の補足ですが、スタイルも良いですしね。しかも色んな意味で『強い』女性……魅かれる男性は多いのでしょう」コクッ
レッサー「そのまま合コンでも行ってくりゃ良いのに。現にウラカミとフロリスに連れてかれそうになってましたけど」フフフ・・・
ステイル「フロリスが合コン行ったら、君ら車(アシ)無くなるんじゃないのか?」ヤレヤレ・・・
それ抜きで、浦上のヤツ……またもやルチアさんを悪い道に引き吊り込もうとしたがって。姉さんに言いつけてやる。 - 372 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/26(水) 00:12:42.55 ID:gvaFHTTr0
- それは後にするとして……問題のアンジェレネさんは如何したのだ。
アニェーゼ「自主トレだと。アンジェレネ(あの子)はあの子で、思い込んだらとことん思い詰めるタイプですから」ハァ・・・
香焼「自主トレ……何処で? グランド内には見えないけど」キョロキョロ・・・
サーシャ「第五の返答ですが、外周をランニングしてます。律義にも苦手分野を特訓するんだそうで」コクッ
レッサー「クールダウンならまだしも、終わってからのマラソンだなんて……ぶっちゃけマゾもいいとこですよ」ヤレヤレ・・・
難とも根性論的思考。レッサーが言うとおり、まるで意味が無い。
ステイル「やれやれ。そんな無理をしなくともランシスの様に他に学ぶべき事があるんじゃないかい」フゥ・・・
サーシャ「同意します。第六の意見ですが、あまりに非効率かと。これでは徒労ですよ、部隊長殿(アニェーゼ)」チラッ
ポリポリと頬を掻き、困った顔をするアニー。言いたい事は何となく分かる。
頑固なアンに言っても無駄だし、何より彼女の意志を尊重したいといったところだろう。
アニェーゼ「まぁ夕飯までには戻る様、付き合うつもりですよ。それ以上続けるようなら耳引っ張ってでも連れ帰ります」ハァ・・・
レッサー「御苦労な事で……あ、リーダー終わったみたいです。じゃあ私はこの辺で」アハハ・・・
サーシャ「お疲れさまでした。また明日」コクッ
アニェーゼ「あいよ。お疲れさん……さーて、じゃあ私も―――」フゥ・・・
部隊長というより『お姉ちゃん』として『妹』を心配する様な顔。
アニェーゼ「―――ほれ、わんこーやぎ」グイッ
香焼「へ? ぐほっ!?」ゴロッ・・・
アニェーゼ「私だけ走んのも難ですから。連いてきなさい」ハリー!
香焼「は……えぇ? そ、そこの二人は?」タラー・・・
サーシャ「あ、わ、私はこの後大使としての仕事がー」ヒューヒュー・・・
ステイル「……そいやぁ仕事が溜ってるなぁ」キョロキョロ・・・
香焼「お、お前ら……自分も天草の仕事が―――」
アニェーゼ「かーんーざーきー! たーてーみーやー!」オーイ!
香焼「―――ちょ、アニー!?」タラー・・・
ハイハーイ。 ナンナノヨナー?
アニェーゼ「わーんこー、借ーりまーすよー」ノ"
ドーゾー。 チャント カエスノヨネー。
アニェーゼ「うぃ。良いって」クイッ
香焼「」チーン・・・
おー人事。おー人事。
アニェーゼ「そんじゃ行きましょうか」ズルズル・・・
ステイル(どなどなどーな~、ど~な~)ノシ
サーシャ(コヤギを乗ーせーて~)ノシ
やれやれ、薄情者共め……まぁやるからには頑張りましょうか。友人の為にも。
- 377 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/26(水) 22:28:27.90 ID:zaneMHuF0
- ―――とある後日、AM10:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――……ふぅ」ドサッ・・・
ステイル「流石に仕事を溜め過ぎたね」ヤレヤレ・・・
ステイル「しかしまぁ書類が多過ぎる。一応、僕のメインはデスクワークではなく現場の人間なんだが」ハァ・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「チッ。ローラの奴、少しは自分で判を押せっての。僕と神裂に任せっ放じゃないか」カキカキ・・・
ステイル「ホント、『主教補佐』だなんて大それた肩書きが怨めかしいな。というか望んで就いた訳じゃないのにな」グデェ・・・
ステイル「なぁにが『それ相応のラベルがありける方が迫が出たもうてよ』だボケ。結局、仕事押し付ける為だろ」ポリポリ・・・スッ・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「ったく、火が点かん……遣る瀬無い。とりあえず一服だな。コーヒーでも……おい、香や―――」チラッ・・・
シーン・・・
ステイル「―――って……馬鹿か、僕は」ハァ・・・
ステイル「……、」ウーン・・・
ステイル「今日は香焼(アイツ)、都市に居るのか。じゃあ神裂も一緒だな」ムゥ・・・
ステイル「いっその事ローラに茶でも淹れさせるか……いや、止めとこう。何を盛られるか分かったもんじゃない」ハァ・・・
ステイル「あーもぅ……しっかし、この間の筋肉痛がまだ取れないな」コキコキ・・・
ステイル「運動不足、じゃない筈なんだけどね。定期的に身体は動かしてるし……何故だかなぁ」フム・・・
Prrrrrrrrr!
ステイル「ん? 内線……じゃないな。携帯でも無い……あー」ジー・・・
Prrrrrrrrr!
ステイル「PCのテレビ通話か。如何使うんだったかなぁ……おーい、香y―――だから僕は馬鹿か」ポリポリ・・・
ステイル「というか誰からだ? アドレス登録の仕方分からないから香焼とレッサー、サーシャ以外は非通知だし……無視ろうか」フム・・・
Prrrrrrrrr!
ステイル「……、」ジー・・・プカー・・・
Prrrrrrrrr!
ステイル「……、」ジー・・・プカプカ・・・
Prrrrrrrrr!
ステイル「……だぁもう! 此処か? クリックするだけで良かったか?」Pi! - 378 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/26(水) 23:24:08.45 ID:zaneMHuF0
ピコーン・・・・・
ステイル「あーはい。此方ステイル=マグヌス。ドチラさまで?」カチッ・・・
?????『あ! やっと出ました! おーい、ステイルさーん』ノシ”
ステイル「……え」ピタッ・・・ポカーン・・・
?????『もしもーし……あれ? 無反応? ちょっとお姉さーん。これちゃんと繋がってるー?』チラッ
??????『んー……おーい、根暗メンヘラツンデレロリコン公害煙スタミナG木偶の坊似非神父34歳。聞こえてるかー?』カチカチッ
ステイル「……聞こえないから切るぞ」スッ・・・
??????『何だ。聞こえてるじゃないか。というか通話に出るまで1分近く掛けるとか阿呆か、貴様は』ヤレヤレ・・・
?????『もう、お姉さん。そういう口の悪い言い方しないの! ごめんなさいね、ステイルさん』ペコッ・・・
ステイル「いや……君は悪くないよ、パトリシア。悪いのはそっちの性悪ブラコン黒幕気取り似非カリスマ10ちゃいな姉の方だ」ハァ・・・
レイヴィニア『よしっ。その喧嘩買った』グイッ
パトリシア『んもー。だから売り言葉に買い言葉は駄目ですって! 二人とも子供なんだからぁ』ムゥ・・・
ステイル・レイヴィニア「『むっ』」ポリポリ・・・
パトリシア『やれやれです……あ、それよりいきなり電話しちゃってすいません。お時間大丈夫ですか?』チラッ
レイヴィニア『大丈夫だ、暇に決まってる。コイツは忙しかったら英国に居ないからな』フンッ
ステイル「まぁ多少は。どうしたんだい、パトリシア。何か用があって連絡してきたのだろ」サラッ
パトリシア『あ、いや、特に用という用という訳じゃないんですけど……迷惑でしたか?』テヘッ
レイヴィニア『迷惑な訳が無いだろう。私らはコイツのお得意様なんだ。無碍には出来んて』フンヌッ!
ステイル「迷惑という訳ではないが……まぁいいさ。丁度コーヒーでも飲もうかと思ってた所だからね」フム・・・
パトリシア『ふふっ、ありがとうございます。あ、実は今私達ムンバイに居まして』エヘヘ
レイヴィニア『クルーズの上だぞ、クルーズの。勿論「私」の船だ。わ・た・し・の!』ドヤァ・・・
ステイル「インドに? じゃあ其方は昼過ぎくらいか。これまた何故?」ホゥ・・・
パトリシア『お姉さんの付き添いでちょっとした旅行(?)的なモノです。これからスリランカに向かいます』コクッ
レイヴィニア『いやぁ船旅は良いぞ。お前は基本飛行機だろうが、船は良い。視野が広まるな』ウンウン・・・
ステイル「過保護な君の姉の事だ。一時たりとも離れたくないんだろう」フフッ
パトリシア『ええ。お姉さんは私が居ないと寂しがってダメダメな兎さんですからね』クスクスッ
ステイル「そういう事か。立派な妹君だよ、パトリシア」ハハハ
レイヴィニア『なっ!』ギョッ・・・
パトリシア『お褒めに預かりありがとうござます。いやー、でもインドって凄いですね。近代的っちゃ近代的部分も多いんですけど』ジー・・・
ステイル「未だに時代錯誤してる部分も多いかい? まぁ宗教的な問題だろうね。多宗教多神教だと色々難しいさ」コクッ
レイヴィニア『同じ多宗教多神教でも日本の場合は先進国だぞ。まぁアソコの場合は今や無宗教無神論が主立ってしまっているか』フンッ
パトリシア『そうそう。でもあのカースト制度って嫌ですね……同じ人間なのに、未だに奴隷みたいな人が居ましたよ』ウーン・・・
ステイル「そういう国だからな。しかし、今の渡世では下の階級の者もITを極めれば成り上れるシステムの様だ―――」ウンヌン・・・
パトリシア『へぇ。じゃあ努力した分、報われるんですね。まぁでもそれを学ぶ環境が無いと―――』カンヌン・・・
レイヴィニア『それは前に教えたぞ、パトリシア……って……、』ジー・・・
キャッキャウフフムッキュンムッキュン・・・・
レイヴィニア『……あれ?』キョトン・・・
アーダコーダソーダヨーダ・・・
レイヴィニア『うっ……うーうー! ま、マークー! おい、マークっ! 二人が私の事無視するぞー! 何とかしろーっ!』ウキャパー!!- 379 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/27(木) 00:12:19.25 ID:+l8ODEe00
――一寸後・・・・・
レイヴィニア『―――……、』ムスー・・・
パトリシア『もぅお姉さん。一緒にお話したいなら偉そうにせず普通に喋ってくださいよ』メッ
レイヴィニア『別に良いもん』ムスー・・・
ステイル「ガキか君は……ガキだったな。まったく、どっちが姉か分からん」ハハハ・・・
レイヴィニア『喧しい。貴様だってガキだろ』グスンッ
パトリシア『あらあら、涙目になっちゃって。大丈夫、お姉さんは私の自慢のお姉さんですからねー』ヨシヨシ
レイヴィニア『お、おま! ヤツが見てる前で何て真似を!』ヤメローッ///
ステイル「……ははは」ポリポリ・・・
レイヴィニア『後で泣かす……いや、今ステイルの前で泣かせてやろうか』ジトー・・・
パトリシア『まぁ大変。それじゃあ私はそろそろ退散しましょうかねー』フフッ
ステイル(……ん?)ピタッ・・・
パトリシア『あ、今日は元々お姉さんからステイルさんに話があって連絡させて貰ったんですよ。だから私は「ついで」だったんです』エヘッ
ステイル「あぁ。そういう事か……いや、中々面白い話だったよ。パトリシア」コクッ
パトリシア『此方こそ、ありがとうございました。今度お土産持って行きますので受け取って下さいね。楽しみに待ってて下さい』フフッ
ステイル「態々手渡しじゃなくとも郵送で構わないよ。手間が掛ってしまうだろうに」ポリポリ・・・
パトリシア『良いんですっ。じゃあ約束ですよ。また英国でお会いしましょう。私も楽しみにしてますからね』ノシ”
ステイル「やれやれ……またな」フフフ・・・
シーン・・・
レイヴィニア『あ、こら……―――……人様の妹を目の前でデートに誘うとは大した度胸だな、主教補佐殿』ジトー・・・
ステイル「いきなりマジな顔になるなよ、妹馬鹿。あとデートに誘われたのは僕の方なんだが」ハァ・・・
レイヴィニア『五月蠅い黙れ。あの子を傷モノにしたら殺す。泣かせても殺す。触れても殺す。近付いても殺っす。殺っかす』ギロッ
ステイル「……全身硬化のロシア人?」キョトン・・・
レイヴィニア『うっさい。さておき……真面目な話だ。態々5時間も離れた場所から顔見せ連絡してやってるんだからちゃんと聞けよ』フンッ
ステイル「いや、別に電話で良いんじゃないか」ジトー・・・
レイヴィニア『こういうのは気分だ。些細な事……とりあえずスリランカで私が行う仕事をPDFで送った。後で見ろ』クイッ
ステイル「P、DF? あー……え、ああ。うん。PDFね。PDF」タラー・・・
レイヴィニア『おま……まぁ良い。とりあえず概要だが、タミル人過激派が我が社の東インド支社に協力要請を出してきてな』フム・・・
ステイル「むっ……君のとこの結社はいつから傭兵業なんぞに手を出したんだ?」ジトー・・・
レイヴィニア『話は最後まで聞け、莫迦者。無論、私を含め多くの首脳陣は断固拒否しているのだが』フンッ
ステイル「だが?」コクッ・・・
レイヴィニア『正直、ウチは大きくなり過ぎてフランチャイズ的になってしまった部分が多い。今回の件もそうだ』ムゥ・・・
ステイル「……要は、身内の恥の始末か」フム・・・
レイヴィニア『物分かりが良くて助かる。駐屯部署の数名が勝手な動きをしてしまった。故に私自ら「粛清」をしに行く』ハァ・・・
ステイル「御苦労な事だ……で? それと必要悪の教会(僕)と何の関係がある」ジー・・・
レイヴィニア『処刑(ロンドン)塔の一牢を貸してほしい。ソイツらを収容したい』ジー・・・
ステイル「収容? 殺さないのか?」キョトン・・・
レイヴィニア『正確に難有りなのだが、殺すには惜しいカリスマでね。「更生」猶予期間を設けたいんだよ……優しいだろ、私』ニヤリ・・・- 380 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/27(木) 01:05:15.11 ID:+l8ODEe00
- ステイル「なるほど。まぁいっそ死ねた方がマシかもな……しかし、何故処刑塔なんだ? 君だったら私刑務所くらい持ってそうだが」ジー・・・
レイヴィニア『残念ながら調教用の牢が「何処」も万床でね。ま、私のとこの牢が空くまで期間其方で預かってほしい』コクッ
ステイル「ふむ……まぁ上(ローラ)には言ってみるが、此方としてのメリットは?」フンッ
レイヴィニア『必要悪の教会(そちら)の人手が足りなくなった際に嘱託で魔術師を派遣しよう。加え、其方からの人事交流も受け入れる』スッ
ステイル「『明け色の陽射し』との人事交流か。ま、良いカードかもしれないね……ただ」ピタッ・・・
レイヴィニア『ん?』チラッ
ステイル「正直、君のやり方を快く思ってない輩は清教の中でも多い。その点を含めローラが如何判断するかだな」フゥ・・・
レイヴィニア『そこんとこの口利きは宜しく頼むよ。対価はパトリシアのお土産だ』ハハッ
ステイル「随分と軽い対価だこと」ヤレヤレ・・・
レイヴィニア『は? 軽いだと? 貴様には勿体無い程だ! 本来ならお前の様な不良と顔を合わせる事もさせたくないというに!』ギャーギャー!
ステイル「はいはい。で、話は以上か?」ハァ・・・
レイヴィニア『ぐぬぬぅ。流しおって……あぁ。詳しくはファイルを見てくれ……一応確認しておくが、PCの添付ファイルの開き方は』ジトー・・・
ステイル「分かる」キッパリ・・・
レイヴィニア『……信じるぞ』タラー・・・
ステイル(うん、後で香焼に聞こう)ポリポリ・・・
レイヴィニア『なら話は以上……だが』ジー・・・
ステイル「まだ何か」フム・・・
レイヴィニア『まぁな。なぁステイル。最近、お前ら合同演習か何かしなかったか?』ジー・・・
ステイル「え」ピタッ・・・
レイヴィニア『したよな』ハハハ
ステイル「……何故、それを」タラー・・・
レイヴィニア『いやぁ知人が色々教えてくれてね。一応、総合・項目別順位と目ぼしい連中の成績も見させて貰ったよ』フフッ
ステイル「おいおい、一応個人情報なんだが……誰だ、漏らしたのは」ジトー・・・
レイヴィニア『それこそ個人情報だ。しかし流石天下の騎士派のエリートルーキーは凄い。あのマークが部下に欲しがってた程に』フムフム
ステイル「無理だぞ。騎士なんて連中は忠義どうこう面倒だからな。皆、騎士団長の飼い子だ」フンッ
レイヴィニア『分かってるよ。まぁ次いで、結社予備軍の輩は良いな。あとは神裂のとこの若衆筆頭も捨て難い。それからローマの―――』コクッ
ステイル「引き抜き如何こうを僕に言わないでくれよ。そういうのは得意じゃないんだ」ヤレヤレ・・・
レイヴィニア『―――ああ、そうだな。帰属意識の低いお前に言う話じゃないか。あくまで「英国の狗」と』フフッ
ステイル「言ってくれる。まぁ否定はしないよ」サラッ
レイヴィニア『つまらんヤツ。それはそうと……あ、風の噂なんだが』ジー・・・
ステイル「何だよ」ムッ・・・
レイヴィニア『お前、弟子取ってるらしいな。いやはや、孤高の狗かと思いきやねぇ。しかも女子ばかりとは、ハーレム願望ってヤツ?』ニヤニヤ・・・
ステイル「お前……マジ、どっからそんな情報を」ピキッ・・・
レイヴィニア『おお、こわいこわい。怒るなよ。まぁ中々優秀じゃないか。彼女達も上位に食い込んでる。師が良いお陰かな』クスクスッ
ステイル「あの馬鹿弟子共なら君にやっても良いぞ」ケッ・・・
レイヴィニア『はいはい、ツンデレツンデレ。しっかし……当の師匠がまさか……ぷぷっ』プルプル・・・
ステイル「切るぞ」イラッ・・・
レイヴィニア『ビリって何だ、ビリって! あははははっ! 成績評価不可能って! いひひひひっ!』ケラケラケラッ!
ステイル「……、」スッ・・・
レイヴィニア『待て待て、切るな切るな』フフフフ・・・ - 381 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/27(木) 02:04:14.68 ID:+l8ODEe00
- レイヴィニア『やれやれ、短気だこと。カルシウム足りてるか? ニコチンとタール以外のモノも摂取しろよ』ジー・・・
ステイル「余計な御世話だ……で?」ジー・・・
レイヴィニア『まぁマラソン以外してないっては如何いう事なのか知りたくてな。他の項目ならお前はトップクラスの筈だろ』フンッ
ステイル「……知るか。上の判断だ。特別カリキュラムだと」ハァ・・・
レイヴィニア『身体から毒素を抜け、か。妥当だな』ハハッ
ステイル「それこそ余計な御世話だ」チッ・・・
レイヴィニア『いざって時にスタミナ切れしたんじゃ堪らんぞ。まぁ超短期決戦タイプの魔術師ならではなのかな』フフッ
ステイル「……、」フンッ
レイヴィニア『ま、少しは身体を労れ。上の判断は正しいぞ。もし自分で管理出来んのなら、そういう輩を雇うのもアリだよ』ジー・・・
ステイル「必要無いね」チッ・・・
レイヴィニア『自己管理だけの話じゃないさ。アドバイス程度に聞いとけ……お前の立場で使用人の一人も居ないのは厳しいぞ』フム・・・
ステイル「使用人ねぇ」ムゥ・・・
レイヴィニア『呼び方は何でも良い。秘書でも側近でも給士でも手伝いでも。仮にも、不服でも、一宗派の主教補佐役なら必要さ』コクッ
ステイル「……むぅ」ポリポリ・・・
レイヴィニア『丁度良く弟子が居るんだろ。ソイツらを傍女として常に置いても良いと思うが』ジー・・・
ステイル「アイツらを? 秘書代わりに―――」タラー・・・
マリーベート(この資料何処だっけ……あ、ししょー。このクッキーしけってまーす。新しいの買ってきてくださーい)モグモグ・・・
メアリエ(あれれ? さっきからPC動かないんだけど、何でですかー? あ、ジェーン。チャンネル変えないでよー)カチカチッ・・・
ジェーン(この番組つまんない……ってアレ? 私のお菓子が消えてる!? 誰か食べましたか?!)アワワワ・・・
ギャーギャーギャー・・・
ステイル「―――……これにアニェーゼとレッサーが混じったら地獄だな」ダラダラ・・・
レイヴィニア『どんな妄想したかは分からんが、随分とハーレムだな』ハハッ
ステイル「そう思えるのは脳味噌お花畑な馬鹿野郎だ。とりあえずアイツらは無理。というか現状必要無いかな」フンッ
レイヴィニア『そう言うな。其方の宗教や補佐代行の神裂だって側近を雇ってるだろう』ジー・・・
ステイル「ローラは無論、神裂も一教皇だ。雇わざるを得まい。その点僕は身軽でね。こうやって好き勝手出来る」ノビノビ・・・
レイヴィニア『やれやれ、困ったモノだな。保管人のチャールズ氏などは如何だ? 良い執事タイプだろう』ピンッ
ステイル「彼はローラの側近といった感じだよ。敏腕という点で尊敬してるが、やはりローラの近くに居て貰わねば困るかな」フム・・・
レイヴィニア『他人を見る目はあるのに自分を客観視出来んタイプだな、ステイル。よく言われないか?』ジトー・・・
ステイル「そっくりそのまま君に返すよ。まぁ君の場合は客観視できないっぽいキャラ(それ)すら演じてるんだろうけど」ハハッ
レイヴィニア『言ってくれる……まぁ助言程度に覚えておけ。話は以上だ』コクッ
ステイル「はいはい。それじゃあパトリシアとマークに宜しく……あ、君こそマークを酷使し過ぎるなよ」ジトー・・・
レイヴィニア『大丈夫だ。アレはそう簡単には壊れん』フフッ
ステイル「やれやれ、可哀想に……それじゃあな。また近い内に」スッ・・・
レイヴィニア『ん……あ、ちゃんとファイルを見てくれよ。分からないなら正直に分かる人間に聞け。良いな』ジー・・・
ステイル「うぃ。では―――ふぅ」Pi!
シーン・・・
ステイル「無駄に疲れた。今何時だ? あー……もう昼前か。適当に飯でも食おう」ノソノソ・・・
- 386 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:18:16.83 ID:i8hAD9Td0
- ―――とある後日、AM11:50、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――それにしても、私用の『牢』が万床とは。レイヴィニアのヤツ、どれだけ謀反されてんだか」フンッ・・・
ステイル「まぁアイツのやり方は暴君タイプだし……仕方ないのかもね」ヤレヤレ・・・
ステイル「とりあえず食堂に……いや、此処でトーストとコーヒーくらいで良いか。そんなに腹が減ってる訳ではないからな」スッ・・・
ピンポーン・・・・・
ステイル「っと。今度は誰だ」ハァ・・・
Pi!
ステイル「……あいよ」グデェ・・・
アンジェレネ『あ、居た』キョトン・・・
ステイル「ん。アンジェレネ? 一人かい?」ポカーン・・・
アンジェレネ『はい。アニェーゼちゃん達は居ないですよ』コクッ
ステイル「そうか。どうした?」フム・・・
アンジェレネ『えっと、今朝からステイルくんの事見ないなぁって。あとコーヤギくんから様子見てきてくれって頼まれちゃいました』ペコッ
ステイル「様子って……アイツは僕の保護者気取りか」ハァ・・・
アンジェレネ『あはは。とりあえず、大丈夫そうですね。内線繋がんなかったからちょっと心配しちゃってました』フフッ
ステイル「ああ、内線鳴らしてたのか。電話中で気付かなかったよ」ポリポリ・・・
アンジェレネ『忙しかったんですね……入って良いですか?』ジー・・・
ステイル「はいはい、どうぞ」カチッ
アンジェレネ『お邪魔しまーす―――』ガチャッ
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
アンジェレネ「―――こんにちは。って、寝巻きのままだ。髪もボサボサで大変な事になってる」キョトン・・・
ステイル「今日はデスクワークメインだからね。普段外回りしてる分、こういう日は部屋でグータラ仕事させて貰うよ」コクッ
アンジェレネ「なるほど。主教補佐ってのも大変ですね」フフッ
ステイル「そんな肩書き要らないんだけどな……何か飲むか?」スッ・・・
アンジェレネ「あ、私が淹れますから座ってて。勝手に冷蔵庫開けますよ……コーヒーで?」テクテク・・・
ステイル「む。すまないね」フム・・・
アンジェレネ「作り置きのアイスコーヒーで良いですか? あ、シロップ無しのミルクだけで良かったですよね」ガチャッ・・・
ステイル「ああ。カウンター棚にビスケットがあったと思う。適当に食べて良いよ」チラッ
アンジェレネ「ビスケットとクッキーはトースターの横ですよ。この前レッサーちゃんが移動しちゃったじゃないですか」フフッ
ステイル「そうだったか。あの小悪魔は毎度毎度、人の部屋の物を勝手に」ハァ・・・
アンジェレネ「まぁまぁ。私はアイスティー貰いますね……―――」コポコポコポ・・・ - 387 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:24:44.06 ID:i8hAD9Td0
- アンジェレネ「―――……はい、おまたせしました」コトッ
ステイル「助かるよ。適当に座ってくれ」クイッ
アンジェレネ「うん。あ、お昼食べたんですか?」チラッ
ステイル「まだだよ。今から取ろうかと思ってた。君は?」ゴクゴク・・・
アンジェレネ「私もまだです。ビスケットだけじゃ足りないでしょう。サンドイッチでも作りましょうか?」スッ・・・
ステイル「いや、そこまでして貰うのは悪いよ」コトッ
アンジェレネ「遠慮しなくて良いですよ。元々コーヤギくんから不摂生してないか見て来るよう頼まれたんですし」アハハ
ステイル「……難だかなぁ」ポリポリ・・・
アンジェレネ「それに、丁度暇してましたから。平の教徒として、このくらいはやりますよ」フフッ
ステイル「教派は違う筈なんだけどね……それじゃお言葉に甘えるよ。ただ、手の掛るモノは要らないよ。サラッとで良い」ペコッ
アンジェレネ「ええ。コーヤギくんみたいに本格的なモノは作れないですし、サンドイッチとレトルトのスープくらいで」ガチャッ・・・
ステイル「ありがとう。何から何まで申し訳無い」ムゥ・・・
アンジェレネ「良いの良いの。あ、とりあえずシャワーでも浴びてきちゃって下さい。その間に準備しときますから」ニコッ
ステイル「すまんな―――」コクッ・・・テクテク・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――待たせた」ガチャッ・・・
アンジェレネ「ううん、今出来たとこです。髪ちゃんと乾かしました?」チラッ
ステイル「ボチボチ。今日は結ぶから問題無いよ」グイッ・・・キュッ・・・
アンジェレネ「そっか……普段から結んでた方が良いと思いますよ。ポニテ(そっち)の方が動き易いじゃないですか」ジー・・・
ステイル「そうなんだろうけど、頭が締め付けられる感覚が嫌でね。あとは髪型変えると馬鹿にする連中が居るからな」フンッ
アンジェレネ「じゃあ短くしちゃえば良いのに。あ、でもそこまで伸ばしてるのに勿体無いかなぁ」ジー・・・
ステイル「どうだろうね。兎に角、今のところは切る予定は無いし結うつもりも無いさ……さて、頂くよ」スッ・・・
アンジェレネ「あ、うん。召し上がれ」コクッ
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「ん……むぐ、もきゅ……そういえば他の娘共は?」シャクシャク・・・
アンジェレネ「他のって、アニェーゼちゃん達?」チラッ
ステイル「ああ。君一人とは珍しい」モグモグ・・・
アンジェレネ「確かに誰かしら一緒に居る事が殆どですね。アニェーゼちゃんはステイルくんと同じくデスクの缶詰」アハハ・・・
ステイル「アイツも書類を溜め込むタイプだろうからな」フフッ
アンジェレネ「レッサーちゃんとランシスちゃんは今日聖堂に来てないです。サーシャちゃんとコーヤギくんはお国に」コクッ
ステイル「成程な。フリーは君だけと……しかしルチア辺りに怒られないか?」フム・・・
アンジェレネ「今日はウラカミに引っ張られて外遊びに行きました。だから部隊の子は皆羽を伸ばしてます」フフッ
ステイル「部隊長より怖い参謀殿だからな。人種は違えど、アレの厳粛さと狂信っぷりには敬意と畏怖を覚えるよ」ハハハ
アンジェレネ「ルチアちゃんも昔はもうちょっと丸かったんですけどねー……どうしてああなった」ハァ・・・
ステイル「変わらない人間なんか居ないからな……ん、御馳走様。皿くらいは僕が洗うから流しに浸けておいてくれ」スッ・・・
アンジェレネ「あ、うん。ありがと」ペコッ - 388 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:30:26.44 ID:i8hAD9Td0
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――さてと、洗うか。適当に寛いでいてくれ」ジャー・・・カチッ・・・
アンジェレネ「うん。って、洗い物しながら煙草喫わないの。危ないよ」ンモー・・・
ステイル「煙草喫う事自体は止めないか」ハハハ
アンジェレネ「言っても無駄なのはもう分かってるから諦めました。でも本数減らさなきゃ駄目だよ」ヤレヤレ・・・
ステイル「潔くて結構。本数は、まぁ善処しよう」ククク・・・
アンジェレネ「まったく。一度健康診断か何かで引っ掛かんなきゃ駄目なんだね」ハァ・・・
ステイル「案の定、こう見えて僕の肺は健康そのものでね。肺活量は並異常さ」ニヤッ・・・
アンジェレネ「それって瞬間的な肺活量でしょ。持久走、私より遅いだなんて恥ずかしくない?」ジトー・・・
ステイル「ぐっ……それを言うな」タラー・・・
アンジェレネ「言われたくなかったらもっと健康的な生活してください。あ、パソコン借りて良いですか?」ヤレヤレ・・・
ステイル「はいはい。あ、メールや機密ファイルやらは勝手に見るなよ」チラッ
アンジェレネ「分かってます。ちょっとネット使いたいので」カチッ・・・
ステイル「なら構わないが……女子寮のPCを使えば良いのでは?」フム・・・
アンジェレネ「このPC、都市製の最新型なので処理速度段違いなんですよ。あと、アッチのネット回線に比べて此処のは凄く速いんです」ピッ
ステイル「回線が? 同じ敷地内なのに?」ポカーン・・・
アンジェレネ「アッチは一般回線ですけど、此処の執務室の回線は学園都市と同じ衛星使ってるそうです。イツワが言ってました」コクッ
ステイル「あー。そういえばアレイスターがそんな事言ってたね」ポリポリ・・・
アンジェレネ「詳しい事情は分かりませんけど、諸方面のお偉い様方とやり取りする関係上必要なんじゃないんですか」カタカタ・・・
ステイル「そんなものか……しかし詳しいな。誰からか教わったのか?」ホゥ・・・
アンジェレネ「コーヤギくんとか天草式の皆さんから色々と。流石日本人って感じです」フフッ
ステイル「日本人やら韓国人ってのはその分野に長けるからね。まぁ神裂は別だけど」ハハハ
アンジェレネ「でも最近はスマートフォンも使いこなしてますよ。都市の友人としょっちゅうLineしてるみたいですし」カタカタッ
ステイル「……線(ライン)?」キョトン・・・
アンジェレネ「スマートフォン専用のアプリですよ。無料通話とかチャット形式とか……ステイルくんはやってないの?」チラッ
ステイル「僕の携帯はあくまで通話とメール用だからね。電波さえ良ければPHSでも構わないよ」フム・・・
アンジェレネ「ありゃりゃ。これじゃカンザキよりロートルですよ」アハハ・・・
ステイル「むっ。心外だな……後で香焼か軍覇に教わるか」ウーン・・・
アンジェレネ「ふふっ、頑張って下さい。あーでもやっぱり携帯欲しいなぁ……上から、教徒一人ひとりに支給してくれないんですか?」チラッ
ステイル「予てからそういう声は上がってるよ。僕も賛成はしているんだが、経理部がな」ポリポリ・・・
アンジェレネ「ハァ。いっその事お給金で買おうかなぁ。でもプライベートだと未成年だけの購入は難しいからなぁ」ウーン・・・
ステイル「そこはローラ次第だな。一応君らは預かりの身だから、彼女が総括的な身元引受人扱いになる」コクッ
アンジェレネ「色々と厄介ですね……あれ? 新着メール来てますよ」チラッ
ステイル「ああ、さっきの。レイヴィニアと書いてあるか?」フキフキ・・・
アンジェレネ「えぇっと、見て良いんですか?」ポリポリ・・・
ステイル「あ、拙いか。ちょっと貸してくれ……うん、アイツからだ」テクテク・・・カチッ
アンジェレネ「お仕事?」ジー・・・
ステイル「一応そうなる。あ、これが添付資料……ん? 開けん。クリックだけじゃ駄目なのかな」ムゥ・・・- 389 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:38:59.88 ID:i8hAD9Td0
- アンジェレネ「ダウンロードエラーですか?」チラッ
ステイル「よく分からんが、PDFを開くには……云々カンヌンと」タラー・・・
アンジェレネ「PDF? ちょっと失礼……Adobe Readerは……あれ? ダウンロードしてないじゃないですか」ハハハ・・・
ステイル「あどび?」キョトン・・・
アンジェレネ「最近じゃ標準装備な筈なんだけどなー。もしくはAcrobatを……ま、良っか。少し待ってくれたら開ける様に出来ますよ」コクッ
ステイル「そうなのか? よく分からんが、お願いするよ」コクッ
アンジェレネ「分かりました。少々お待ちを……―――」カチカチカチ・・・カチャカチャ・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
アンジェレネ「―――……よいしょ。インストール完了っと。これで開ける筈です」カチッ・・・
ステイル「すまないね。んー……お、開いた」オォ・・・
アンジェレネ「お役に立てて光栄です」フフッ
ステイル「いやいや、助かったよ。意外な才能だな、アンジェレネ。君がこういうの得意だとは」フムフム・・・
アンジェレネ「そんなそんな大袈裟な。今時の子なら誰でも出来ますよ」ポリポリ・・・///
ステイル「そうか……一応僕も今時の『子』な筈なんだけどね」ハハハ・・・
アンジェレネ「ま、まぁ人には向き不向きありますから」ハハハ・・・
ステイル「そ、そうだな。そう言って貰えると気休め程度にはなるよ―――洗い物が途中だったか。引き続き好きに使っててくれ」クルッ
アンジェレネ「はい。とりあえずコレは最小化しておくので後で見て下さい」タンッ・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――ふむ」プカー・・・ジー・・・
アンジェレネ「ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ~ん」ジー・・・ホンワカ・・・
ステイル「何を見ているんだい?」チラッ・・・
アンジェレネ「んー。Y●u Tube」ジー・・・
ステイル「動画か。何か面白いモノでもあったのか」プカプカ・・・
アンジェレネ「まぁ色々と。退屈凌ぎには良いですよねー」フフッ
ステイル「そういうモノか……って、アンジェレネ。時間は大丈夫か?」チラッ
アンジェレネ「え? あー……多分まだ大丈夫かな。当分ルチアちゃん帰って来ないし。家事の当番日でも無いですし」カチッ・・・
ステイル「そうか。なら好きに寛いでくれ」プッカッカー・・・
アンジェレネ「ありがと。でも、もしかしてお邪魔だったりします?」チラッ
ステイル「ん?」キョトン・・・
アンジェレネ「いや、私が居て仕事集中出来ないとかウザったいとか」ジー・・・
ステイル「いや、アニェーゼ達に比べたら君は大人しいからね。特に問題は無いよ」コクッ
アンジェレネ「あはは……まぁ空気だと思って下さい。仰る通り騒がしくはしないので」フフッ
ステイル「……ん」ボー・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
- 390 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:46:27.27 ID:i8hAD9Td0
- アンジェレネ「ふんふーん♪」フワフワ・・・
ステイル「……―――」ジー・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
『―――ねぇねぇ、すている! インターネットが繋がってれば世界中の美味しいモノが注文出来るってホントなのかな!』
『あー、でもかおりの料理とどっちが美味しいかなぁ……よしっ! 食べ比べてみれば分かるんだよ!』
『じゃあ早速ネット通販を! って、あれれ? 口座登録? すているー。これってお給金の口座で良いのかな?』
『んー……え? 駄目? なんでー! 私のお給金なんだから良いでしょー! ねーねー! すーてーいーるー! ねーねぇ―――』
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
ステイル「―――……、」ボー・・・
アンジェレネ「―――ん……ステイルくん。ねぇ! ステイルくーん」ジー・・・トントンッ
ステイル「っうぉ!?」ビクッ・・・
アンジェレネ「やっと気付いた。んもー、ボーっとして。うたた寝でもしてたんですか?」ジトー・・・
ステイル「い、いや、すまない……ちょっと考え事をね」フゥ・・・
アンジェレネ「そう? なら良いですけど……あ、PCありがとうございます。私そろそろ戻るから」チラッ
ステイル「そうか。色々助かったよ」コクッ・・・
アンジェレネ「お安いご用です。あ、そういえばさっきの資料印刷するんですか?」カチッ・・・
ステイル「ああ。したいっちゃしたいんだがプリンタの調子がおかしくてね。何故かコードを間違えたとか何とか出てしまう」ポリポリ・・・
アンジェレネ「そうなの? うーん……って、設定がWi-Fiになってる。有線じゃなくてもいけるんじゃ」カチッ・・・
ステイル「……は? わいふぁい?」キョトン・・・
アンジェレネ「簡単に言えばPCとプリンタを繋がなくても印刷出来るって事ですよ―――はい」タンッ・・・
ウィーン・・・・・
ステイル「え、は、な、何したんだ? 勝手に紙が出てきたぞ? Fax機能的な何かか?」ポカーン・・・
アンジェレネ「だから無線だって」ハハハ
ステイル「よ、よく分からんが……助かる。僕ももう少しPCの勉強した方が良いかな」ポリポリ・・・
アンジェレネ「私が覚えられたんだから簡単に出来ますよ」クスッ
ステイル「だと良いが、まぁ頑張ってみるよ。ありがとう」コクッ・・・
アンジェレネ「ふふっ。一応、協会的には下っ端ですし主教補佐のお手伝いくらいさせて貰いますよ」チラッ
ステイル「謙遜を。馬鹿弟子共に君の爪垢を煎じて飲ませてやりたいな」ペコッ・・・
アンジェレネ「またまたー。でも、そんなの抜きにして『友達』ですから。困った時はお互い様という事で」ニコッ
ステイル「……、」ポリポリ・・・ムゥ・・・
アンジェレネ「ふふふっ。照れてる照れてる」クスクスッ
ステイル「五月蠅いよ……ほら、戻るのだろう。遅くなるぞ」フンッ
アンジェレネ「はいはい。じゃあまたね、ステイルくん。煙草喫い過ぎちゃ駄目ですよ。あとちゃんとご飯食べてね」チラッ
ステイル「君は僕の母親かい」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「年下に向かって失礼ですねー。とりあえず『気が利く』みたいな褒め言葉として受け取っておきますよ」フフッ
ステイル「まったくポジティブなヤツ。(気が利く、か……偶にドジや悪戯はするが、確かに世話好きだな)」フム・・・ - 391 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:55:02.04 ID:i8hAD9Td0
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
アンジェレネ「それじゃあお邪魔しま―――」
ステイル「アンジェレネ」ジー・・・
アンジェレネ「―――し、て……え?」キョトン・・・
ステイル「もし君が良ければなんだが。無論、強制じゃないよ」ジー・・・
アンジェレネ「うん?」ハテ?
ステイル「……秘書をやってみないか?」ジー・・・
アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」ポカーン・・・
ステイル「いや、秘書とかそんな仰々しい呼び方じゃなくて『手伝い』でも良い。主教補佐の事務的な手伝いだ」コクッ・・・
アンジェレネ「はい? え、あ、と……何ですか、それ?」ギョッ・・・
ステイル「実は最近、主教補佐(僕)の秘書の様な者を探していてな。あ、いや、無理なら良い」チラッ
アンジェレネ「ええっと……無理とかOKとか、じゃなくてその、いきなりそんな事言われても」タラー・・・
ステイル「急にとは言わないさ。君さえ良ければだ。勿論、宗派を鞍替えしろとか魔術師辞めて専属になれだなんて言わない」ジー・・・
アンジェレネ「な、何で、私?」オドオド・・・
ステイル「気が利くし事務処理も得意そうだからな。それにある程度信用をおける人物でもある」コクッ・・・
アンジェレネ「そ、そんな! 買い被り過ぎですよ!」アワワワ・・・///
ステイル「主教補佐の事務手伝いとなると多少大変だが、相応の手当は出すよ」スッ…カチッ・・・
アンジェレネ「あ……ぅ」タラー・・・
ステイル「唐突にすまないね。とりあえず、考えるだけ考えてみてくれないか。無理なら無理で別を考えるから」ペコッ
アンジェレネ「う、うん。ごめんね」ペコッ
ステイル「謝らないでくれ。返事はいつでも良い……話は以上だ。帰る手前に呼び止めてすまない」フゥ・・・
アンジェレネ「……じゃあね」ガチャッ・・・
ステイル「ああ。またな」ノ”
パタンッ・・・・・
ステイル「……はぁ。僕も馬鹿だな。レイヴィニアに発破を掛けられてその通り動くとは」ヤレヤレ・・・プカー・・・
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
アンジェレネ「―――ど、どうしよう……主教補佐の秘書だなんて」ドキドキ・・・- 392 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 22:58:50.04 ID:i8hAD9Td0
- ―――とある別日、AM10:00、英国、ウィンザー城(?)、とある一室・・・・・
にゃーん・・・・・
リメエア「―――動物は良いわね。立場とか階級とか、そういう柵(しがらみ)すら考えないのだもの」ナデナデ・・・
エリザード『お前は何を言ってるんだ?』ハァ・・・
リメエア「人間って浅ましいわねって事よ、お母様。いっその事、万人が無感情なら良いのに」ジー・・・
エリザード『またこの子は世捨て仙人みたいな事を……てか、母親的には電話じゃなくて直接顔を合わせたいんだが』ッタク・・・
リメエア「嫌よ。大抵、もう少し公の行事に参加しろとか縁談結婚の話ばっかりじゃない」ナデナデ・・・
エリザード『一応王族として当たり前の事言ってるんだけどね。それにぶっちゃけ歳が歳でしょう、リメエア。縁談の話があっても当然じゃない』
リメエア「はいはい、王族王族。あと歳如何こう言うけど……もし私が内縁で結婚してたら如何するの」チラッ
エリザード『それならそれで母親的には構わないぞ。アンタが偽名で幸せやってんならそれもアリだ。あ、でもせめて孫の顔は見たいわ』ハハハ
リメエア「ふふっ。お母様のそういうとこ、好きよ」ニコッ
エリザード『まぁでも、それがホントでパパにバレたら怖いけどねぇ……頼むから悪い事やるなら隠し通せよ』ポリポリ・・・
リメエア「あらあら、母親というか女王の言とは思えないわ。誰に聞かれてるか分からないんだから控えてよ」ナデナデ・・・
エリザード『良いの良いの。近くに騎士団長しか居ないから。てかこの回線、本当にウィンザー城に繋がってる?』ジトー・・・
リメエア「さぁ。そうなんじゃないの。逆探知掛けても城に繋がってるでしょ」テクテク・・・
エリザード『アンタの事だから回線偽って月辺りから連絡してても私は驚かないからねぇ』ハハハ
リメエア「月……そういう手もあったか」フム・・・
エリザード『ごめん、リメエアちゃん。母ちゃん馬鹿だったわ。今の発言忘れて、そして今思い付いた事捨て去って』ダラダラ・・・
リメエア「うーん、そうね。流石に地球の外まで暗殺しかけてくる酔狂いないかしら」フフッ
エリザード『お前に手ぇ出そうだなんて肝っ玉持った輩自体稀だと思うぞ』ッタク・・・
リメエア「どうだか。暗殺者なんて、そこかしこに居そうだけど」フゥ・・・
エリザード『こんのネガティブクイーンめ……はぁ。なんか疲れる』ヤレヤレ・・・
リメエア「じゃあ通信切れば?」チラッ
エリザード『まだ電話した意図も伝えてないし……あのさぁ。これも再三言ってるけど、もうちょい顔出してよ』ンモゥ・・・
リメエア「嫌」キッパリ・・・
エリザード『二言目にはそれだ。頼むから老い先短い私に心労掛けないでくれって』タラー・・・
リメエア「いやいや、お母様は絶対私より長生きする。断言するわ」サラッ・・・
エリザード『サラッと親不孝発言を……まぁ良い。本題よ』ジー・・・
リメエア「ん」コクッ・・・
エリザード『給士の人間達からの苦情。100件到達おめでとう』88888888・・・
リメエア「……、」ポリポリ・・・
エリザード『内容はぜーんぶ【姫にお会いできません】でした。はい、如何思う?』ジトー・・・
リメエア「別に」ナデナデ・・・
エリザード『お馬鹿。一応、給士の人間だって仕事してるんだ。世話させろとまで強制しないが、せめて近くに置いておけ』ハァ・・・
リメエア「ヤダ」キッパリ・・・
エリザード『おまえ担当に配属なったの給士達が皆キャーリサか私の世話に振り分けられてる。そりゃそうだ、仕事が無いからね』ジトー・・・
リメエア「別にそれでも良いんじゃない?」ハハハ - 393 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/06/30(日) 23:28:43.12 ID:i8hAD9Td0
- エリザード『良い訳あるか、お馬鹿。今は給士の話だが、騎士の連中も頭を悩ませていてだな』ハァ・・・
リメエア「警護なんて要らないわ。自分の身は自分で守るから」サラッ・・・
エリザード『お前が十分強いくて賢い娘だって事は充分理解してる。でも、それでもだ』ジー・・・
リメエア「……はぁ」ポリポリ・・・
エリザード『私やキャーリサの様に傍若無人に側近を困らせろって言ってるんじゃないんだ。傍に置くだけ。簡単な事だろ』フンッ
リメエア「自分が暴れん坊女王だって認めるのね」ハハハ・・・
エリザード『お黙る。監視みたいで嫌だっていうのであれば、せめて自分が心を許せる者を給士・騎士に選びなさいな』ジー・・・
リメエア「……ふむ」ポリポリ・・・
にゃーん・・・・・
リメエア「じゃあ、番犬か何かで」サラッ
エリザード『人間にしろ、阿呆娘。ったく、お前には口じゃ勝てないからねぇ……困ったよ』ハァ・・・
リメエア「ごめんなさいね、不良娘で。まぁキャーリサ程手の掛る娘じゃないと思ってるのだけど」フフッ
エリザード『あの子はあの子さ。とりあえず、あまり言う事聞かない様だと騎士団長とシルビアが直々に捜索しかねないからな』ジトー・・・
リメエア「あら。カクレンボは得意よ」フフフ・・・
エリザード『……もぅ』ハァ・・・
リメエア「安心して、お母様。必要最低限の公務はするし、気が向けば偶に出向くから」コクッ
エリザード『はいはい。でも、覚えておきなさい。そろそろ本気でパパの雷が落ちる頃だからね』ジトー・・・
リメエア「うっ……それは、困るわね」タラー・・・
エリザード『ったく。何で私の娘達は女王たる私よりパパの方に畏怖してるのかしら』ハァ・・・
リメエア「そりゃ日頃の行いよ。ドッチが威厳あるかしら?」フフフ・・・
エリザード『ま、まぁ、その辺は追々。兎に角、パパに教育方針云々で怒られるのは私も嫌なんだ。分かってくれ』タラー・・・
リメエア「30過ぎの娘の教育方針って変な話ね。キャーリサだってもう三十路街道でしょう」ハハハ・・・
エリザード『あの子は永遠の18歳謳ってるハッピーちゃんだから良いの。一番手間掛るけど、一番パパに懐いてるから』ポリポリ・・・
リメエア「『パパみたいな男性と結婚するって決めてるし!』って未だに騒いでるものね。可愛い限りじゃない」フフッ
エリザード『あの子は女王より元帥とか将軍になりたがってるからな。アンタは参謀長官とか下院院長とかかしら』ジー・・・
リメエア「勘弁して。政治云々は大っ嫌いよ」ジトー・・・
エリザード『頭脳(宝)の持ち腐れだな、勿体無い……話が逸れたね。兎に角、パパがガチで怒る前に自分で何とかなさい』サラッ
リメエア「……、」ポリポリ・・・
エリザード『話は以上……あ、ついでに一つ』ピッ
リメエア「ん」チラッ
エリザード『……MI:6(情報局)はアンタの私兵じゃないんだから、勝手に使わない事。長官頭悩ませてたぞ』ハァ・・・
リメエア「あのハゲ、告げ口しやがった」ボソッ・・・チッ
エリザード『陰険な事考えるのは止めなさい。アイツ、余計ハゲるから』タラー・・・
リメエア「分かったわよ。それじゃあちょっと用事があるから。またね、お母様」ノ"
エリザード『あいよ。とりあえず、次の会食までにアバウトにでも決めとけよ』ノシ"
にゃーん・・・・・
リメエア「―――……はぁ。どうしよっかなぁ。とりあえず出かけましょうか」ポリポリ・・・ - 394 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/01(月) 00:17:36.17 ID:BK/Z2iS+0
- ―――とある別日、PM02:00、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・
シーン・・・・・
アンジェレネ「―――……はぁ」グデェ・・・
サーシャ「ふむ。第一の質問ですが、アンジェレネ。如何しました? 先程から浮かない表情ですよ」ジー・・・
アンジェレネ「ちょっとね」ハハハ・・・
レッサー「んもー、サーシャっちー。デリカシー無いですよー。アンジェレネは今日『そういう日』なんですって」トコトコ・・・
サーシャ「レッサー。第一の疑問ですが、そういう日とは?」ハテ・・・
レッサー「皆まで言わせないで下さいよ。ほらぁ、女の子なんですからぁ……まぁ私も気持ちは分かりますよ」ウンウン・・・
サーシャ「あっ……すいません」ピクッ・・・
アンジェレネ「いや、違うから。サーシャちゃんも変に察しないで」ジトー・・・
サーシャ「え。違いました?」キョトン・・・
アンジェレネ「違います」キッパリ・・・
レッサー「なーんだ。恋煩いで想い悩む乙女デーかと思ったのに。残念ですねー、からかえません」ムー・・・
アンジェレネ「え」ピタッ・・・
レッサー「え?」チラッ・・・
サーシャ「ん?」チラッ・・・
一同『……、』シーン・・・
アンジェレネ「そ、そういう事! うん! なるほど、あははは……ははは」タラー・・・
レッサー「アンジェっちぃ……何想像したんですか? んー? お姉さんに言って御覧なさーい?」ニヤリ・・・
アンジェレネ「べ、別にぃ! あ、ランシスちゃん来ましたよ!」ハラハラ・・・
サーシャ「ほぉ……アンジェレネ。第二の質問ですが、今さっき勘違いした事をゲロりなさい。さぁ、ほら」ニヤニヤ・・・
アンジェレネ「あわわわ。こ、こんな時に限ってアニェーゼちゃんが居ない……ら、ランシスちゃーん! 助けて下さーい」ウワーン・・・
ランシス「ん……相変わらず騒がしい」トコトコ・・・
レッサー「んふふ。ランシスー。アンジェレネったら何かイヤラシい事考えてたっぽいんですよー」フフフ・・・
アンジェレネ「し、してないよ! レッサーちゃんじゃあるまい!」カアアァ///
サーシャ「確かにレッサーが常にエロい事考えているのは同意しますが、アンジェレネが先程やましい事を想像していた事についても同意します」
ランシス「うん、レッサーの脳内がお花畑なのは認める。んで、何があってアンジェレネの疑惑に繋がったの?」キョトン・・・
レッサー「魅力あるエロスと言って貰いたいですねぇ……さておき、実は―――」
かくかくしかじか・・・・・
レッサー「―――てな訳ですよ。ね、怪しいでしょう」ニヤリ・・・
ランシス「……怪しいというか、お前の言い方が悪い。そりゃ誘導的ってモンだよ」ジトー・・・
レッサー「え」タラー・・・
アンジェレネ「だよね! ほら見た事か!」ジトー・・・
サーシャ「うっ……す、すいません。調子に乗りました」ポリポリ・・・
レッサー「ぐぅ……初潮来てない娘共に怒られるとは、悔しいですねぇぶぎゃっ!」グヌヌゥ・・・ガンッ!!
ランシス「そ、そういう事言うな死ね変態女郎」ゲシッ/// - 395 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/01(月) 01:41:14.47 ID:SKkznfQj0
シーン・・・・・
レッサー「痛てて……冗談さておき、こんな人気の無い所で一人何してんだかって感じですよ」チラッ・・・
サーシャ「悩みですか? 第一の意見ですが、相談に乗りますよ」ムンッ
アンジェレネ「あはは、まぁ色々と……ありがと。でもまだ大丈夫です」ポリポリ・・・
ランシス「『まだ』ねぇ……因みに、今日は隊長さん一緒じゃないの?」キョロキョロ・・・
アンジェレネ「ステイルくんにも同じ事言われました。別にいつも一緒って訳じゃないんですけどね」アハハ・・・
レッサー「んじゃドチラに?」フム・・・
アンジェレネ「寮の方。次の仕事の件で、シスター・ルチアと話合いしてると思います」クイッ
レッサー「成程。リーダーも呼ばれてたからもしかして一緒ですかね」フムフム・・・
ランシス「用があるのはリーダーだけだったんだから、私達付いてくる事なかったのに」ヤレヤレ・・・
レッサー「それはホラ、ノリですよ。仕事入らなきゃどうせ暇でしょう、私達」ハハハ・・・
サーシャ「気持ちは分かりますよ。私も使者の任で来ているとはいえ、滞在時間の殆どは暇ですから」ポリポリ・・・
アンジェレネ「主教やステイルくん(主教補佐)と会えなきゃ仕事出来ませんもんね……まぁ私も似た様なモノかなぁ」ウーン・・・
ランシス「魔術師が暇なのは平和な証拠でしょ。良い事なんじゃないかな」グデェ・・・
サーシャ「ほぉ。第一の感想ですが中々良い事いいますね、ランシス。さながら私らは医者と同じですか」フム・・・
レッサー「んー、でもさぁ。やっぱ派手に、煌びやかに仕事したいですよねぇ!」キラキラ・・・
サーシャ「……魔術師が派手に出娑婆って如何するんですか」ヤレヤレ・・・
ランシス「レッサーはメルヘンチックな魔法少女を夢見て魔術師始めたタイプだから」ハハハ
レッサー「や、喧しいです! 女子なら誰だって最初はそういうの期待するでしょう!」ムキー///
アンジェレネ「あはは……(私らやサーシャちゃんは別だろうけどね)」ポリポリ・・・
ランシス「―――あ……そういえば」ピンッ
アンジェレネ「如何しました?」チラッ・・・
ランシス「任務って訳じゃないけど、頼まれ事があった」コクッ
レッサー「えー。それ私も一緒ですか?」タラー・・・
ランシス「勿の論。ホントは私らも迎えに行かなきゃいけなかったけど、フロリスだけで行ってるかな」ポリポリ・・・
サーシャ「第三の質問ですが、誰かの送迎ですか?」フム・・・
ランシス「うん。多分、コッチに連れてくると思う……暇だったんだって」ハハハ
アンジェレネ「暇だった? 何それ?」ポカーン・・・
レッサー「あー……成程。まったく、新たなる光(私ら)の事アッシーか何かと勘違いしてるんじゃないんですか?」ヤレヤレ・・・
ランシス「主に免許持ってるリーダーかフロリスが、だけどね。というか車持ってるんだから自分で運転してくれば良いのに」フム・・・
アン・サーシャ「「ん?」」キョトン・・・
パタパタパタパタ・・・・・
レッサー「……あ。噂をすれば、何とやらですね。到着ですか」チラッ・・・
サーシャ「はい?」チラッ・・・
キャーリサ「―――いよーっす! 遊びに来てやったぞー! って……あんま人居ねーし」ドーンッ・・・アリャ・・・
フロリス「だから言ったでしょう……あ。レッサー、ランシス。あと任せた。私は自分の分、仕事したからな」クルッ・・・テクテク・・・
アンジェレネ「誰かと思えば……なるほど。暇人が増えましたね」クスッ
- 403 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/02(火) 21:32:30.53 ID:8QBH53ao0
ワンヤヤンヤ・・・ギャーギャー・・・・・
アンジェレネ(それから、暇人―――もとい姫様の遊び相手をする事数十分経ちました)
キャーリサ「―――……ほぃ。Qのトリプル! どーだ! 遂に私の上がりだろ!」バンッ!
ランシス「……Aのトリプル」ポンッ
キャーリサ「うぎゃあああぁ!! ま、待った! ちょい待ちっ!」アタフタ・・・
レッサー「んもー姫さん。待った何回目ですかー?」ジトー・・・
サーシャ「第一の代答ですが4回目です」ヤレヤレ・・・
キャーリサ「ら、ラス1! これで最後だからお願い!」ウー・・・
レッサー「えー……大人げなーい」ジトー・・・
ランシス「というか、姫様。いい加減席替えしましょう。私とアンジェレネの間挟まれてたら勝てませんって」ハァ・・・
キャーリサ「ぐぬぬぅ……この不利な状況で勝ってこそ革命家なんだし!」ギリギリ・・・
サーシャ「はぁ。第五の意見ですが『待った』掛けてる時点で不利も逆境もありませんよ……あと革命家って」フゥ・・・
アンジェレネ「ま、まぁまぁ。あと一回くらいは大目に見てあげましょう」アハハ・・・
ランシス「……ハァ」スッ・・・
キャーリサ「あんじぇい……アンタは相変わらず良い子だなぁ」ナデナデ・・・
アンジェレネ「い、いや、その、あははは……(怒って激情されても困るし)」ポリポリ・・・
レッサー「ったく。アンジェレネは姫様を甘やかし過ぎです」ジトー・・・
サーシャ「右に同意。まぁさっきから大富豪のままで余裕シャキシャキだからそんな事言えるんでしょうけど」ムー・・・
アンジェレネ「それは、ほら……運ですよ。運」アハハ・・・
ランシス「ホント、カード運良いね。それに引き換え」チラッ・・・
キャーリサ「うっ……何だよー。私だってカード運悪い訳じゃねーし」ブーブー・・・
サーシャ「では、第八の意見ですが姫君ご自身の実力が無いという事になりますよ」チラッ
キャーリサ「そ、それも違う! お前らが革命ばっかすっから私の手札が強弱定まらねーの!」ムキー!
アンジェレネ「ど、どうどう。兎に角ランシスちゃんがカード戻してくれましたからね。もう一度姫様の番ですよ」ポリポリ・・・
キャーリサ「む。そうだったな……それじゃー……6のダブルだ!」バンッ!
ランシス「8ダブルで切らせて貰います」スッ・・・
キャーリサ「なっ!?」ギョッ・・・
ランシス「次はジョーカー……そのままAのトリプル……出せる人、居ないね。4のダブルで上がりです」スパッ
キャーリサ「うぎゃあああぁ!!」ガーン・・・
レッサー「ジョーカー持ってたのランシスでしたか……そんじゃ11のダブルで逆走(バック)」ポンッ
サーシャ「感謝します。3のダブルです……そしてK」ポンッ
キャーリサ「ぐっ……ぱ、パス」タラー・・・
レッサー「お? じゃあA」スッ・・・
サーシャ「2」スパッ・・・
レッサー・キャーリサ「「うげっ」」タラー・・・
サーシャ「8切りの……7ダブルで上がりです」ニヤリ・・・
レッサー「う……ピーンチ」タラー・・・- 404 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/02(火) 21:51:00.71 ID:8QBH53ao0
ざわ...ざわ...
キャーリサ「な、何とかビリからを抜け出せそーか……Qのダブル……よしっ!」グッ・・・
ランシス「姫様、やっと大貧民脱出かな」ハハハ・・・
キャーリサ「よっしゃー! あと二枚! Q!」バシッ!
レッサー「……、」ジー・・・
キャーリサ「んふふふ。出せねーの? 出せないよなー! それじゃー私の上が―――」スッ・・・
レッサー「……、」っ【K】
キャーリサ「―――」ピタッ・・・
レッサー「……んふっ」っ【5】【6】【7】
キャーリサ「」チーン・・・
レッサー「わーい。10で上ーがりーでーす!」ビシッ!
キャーリサ「」プルプルプル・・・
アンジェレネ「あはははは……(皆、手加減しようよ……人の事言えないけど)」タラー・・・
サーシャ「はは、は……(第一の分析ですが、姫君怒りボルケイノ状態ですね)」アチャー・・・
レッサー「やーいやーい! 姫さんまた大・貧・民っ! ぷふー!」ニヤニヤ・・・
ランシス「……あほ。(こんの恐れ知らずの馬鹿娘)」ダラダラ・・・
キャーリサ「も……もー一勝負だっ! いや、私が勝つまで勝負し続けろー!」ムキャー!!
アン・サシャ・ラン「「「……えー」」」ハァ・・・
レッサー「面倒臭ー」ジトー・・・
ギャーギャー! ワーワー!!
キャーリサ「―――えぇいっ! ゲームを変える! 次はポーカーだ、ポーカー!」ムキー!
レッサー「うふふふっ。良いですよー。じゃあチップを賭けましょうか」ニヤリ・・・
キャーリサ「ジョートーだし! 言っとくけどレート高いからな」ムンッ!!
ランシス(姫様、カモになるのが目に見えるよ)アハハ・・・
アンジェレネ「か、賭け事は止めておきましょうよ。シスター・ルチアや他の大人にバレた時厄介ですから」タラー・・・
キャーリサ「私が大人」サラッ
サーシャ「失礼承知で第11の意見ですが、己のポケットマネーの管理も出来無さそうな人が大人とは……ん?」チラッ・・・
キャーリサ「何をぅ! 言ってくれるじゃねーか、赤色娘……って、何だ」ジトー・・・
ベイロープ「あ、マジでトランプしてたわ。おーい、チビっ子どもー」テクテク・・・
神裂「ベイロープ。チビっ子って」アハハ・・・
キャーリサ「こっち来たぞ」チラッ・・・
ランシス「リーダー?」キョトン・・・
レッサー「何でしょう」ポカーン- 405 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/02(火) 21:57:08.73 ID:kJk+dZ5T0
- ベイロープ「あら、姫様……ガキ共の相手をしてくれてたんですね。ありがとうございます」フフッ
キャーリサ「え? あ、お、おぅ。まぁ私は大人だからな」ムンッ
サーシャ(第一の感想ですが、社交辞令上手いですね。お宅のリーダー)チラッ・・・
レッサー(伊達にあの若さで結社立ち上げやってませんからね)ボソッ・・・
キャーリサ「そんで、どーしたよ?」ジー・・・
ベイロープ「ああ。お楽しみのところ水を差す用で申し訳ないのですが、二人を借りても宜しいですか?」チラッ・・・
ランシス「んー。今から仕事?」キョトン・・・
ベイロープ「いや、次の仕事の話だけよ。30分くらいで終わると思うわ」コクッ
レッサー「えー。折角、今から姫さんをカm……ゲフンゲフンッ……姫様と真剣勝負する予定だったのにぃ」ブーブー・・・
ベイロープ「だから1時間も掛けないわ。姫様、すいません」ペコッ
キャーリサ「まぁ仕事じゃーしゃーないな……二人とも、私は暫く此処に居るから終わったら戻ってこい」クイッ
レッサー・ランシス「「はーい」」トコトコ・・・
キャーリサ「んで? そっちのオッパイ聖人は?」チラッ・・・
神裂「てめぇおっぱ……こほんっ。私はサーシャを呼びに来ました。ローラの準備が整いましたので」コクッ
サーシャ「そういえば。これはこれは、第一の反省です。熱中しててすっかり使者の使命を忘れてました」ポリポリ・・・
キャーリサ「お前も大概ドジっ子だなー」アハハ
サーシャ「失敬な……しかし、カンザキが呼びに来るとは珍しいですね。普段はマグヌスなのに」チラッ・・・
神裂「ステイルは今日も書類と格闘してますよ。何やら頑張ってPCで作業しようとしてました」フフッ
サーシャ「PC? これまた珍しいですね。第一の所感ですが、彼は貴女と同じでアナログ派だとばかり思ってましたが」フム・・・
神裂「よく分かりませんが『今時の中学生なら』とか何とか言ってましたよ。香焼に何か吹き込まれたんでしょう」ハハハ
アンジェレネ「……、」ポリポリ・・・
キャーリサ「そういやーあの主教補佐(ノッポ)って14歳だったな……嘘臭ー」タラー・・・
神裂「最近、あの子はそれなりに子供っぽいですよ。ね?」チラッ・・・
サーシャ「ええ、多分。私と同程度には」コクッ
アンジェレネ「う、うん」コクン・・・
キャーリサ「……ふーん」ジー・・・
神裂「職業柄年齢不詳に思えるだけですよ。あとは煙草か……さておき、サーシャ。そろそろ」コクッ
サーシャ「はい。それでは二人とも、会えたらまた後ほど」スッ・・・テクテク・・・
キャーリサ「あいよー。またなー」ノ"
神裂「それでは……っと、そういえばアンジェレネ」チラッ・・・
アンジェレネ「え、あ、はい」キョトン・・・
神裂「ステイルが何やら言ってましたよ」ジー・・・
アンジェレネ「……あぅ」ムゥ・・・
サーシャ「ん?」チラッ・・・キョトン・・・
キャーリサ「……、」フム・・・
神裂「私用の様でしたので詳細は聞きませんでしたけど、当人らの問題でしょうから口出しはしません。それでは」テクテク・・・
サーシャ「ふむ……アン。第一の要望ですが後で詳しく。大丈夫、私は口が堅いのでアニーやレッサーには言いませんよ」ニヤリ・・・
アンジェレネ「な、何でもないよ!」アタフタ・・・
フフフフフ・・・・・ - 406 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/02(火) 22:39:37.17 ID:tSiuUz9F0
- アンジェレネ「はぁ」グデェ・・・
キャーリサ「二人っきりになっちまったなー」ワシャワシャ・・・
アンジェレネ「あははは……そですね」ポリポリ・・・
キャーリサ「……、」ナデナデ・・・
アンジェレネ「……二人でポーカーします?」チラッ・・・
キャーリサ「いんや。それよか……アンジェ」ナデナデ・・・
アンジェレネ「はい?」キョトン・・・
キャーリサ「何があった?」ジー・・・
アンジェレネ「え」ポカーン・・・
キャーリサ「さっきあの神裂(おっぱい)が言ってた事だよ。主教補佐と、どーこーって話」ポンッ
アンジェレネ「あっ」ドキッ・・・
キャーリサ「お姫さまに話してみー。相談乗ってやるぞ」ポンポンッ
アンジェレネ「え、えっと……その」モジモジ・・・
キャーリサ(かわゆいなー)ナデナデ・・・
アンジェレネ「その、詳しくは言えないんですけど……ステイルk……マグヌスさん主教補佐に『とある事』を言われちゃって」ムゥ・・・
キャーリサ「……、」ピタッ・・・
アンジェレネ「それでちょっと困っちゃいまして。如何答えたら良いか」ウーン・・・
キャーリサ「……、」ジー・・・
アンジェレネ「私自身、唐突な事で気持ちの整理がつかなくて……って、姫様?」チラッ・・・
キャーリサ「……さん」ボソッ・・・
アンジェレネ「え」キョトン・・・
キャーリサ「あんの……ロリコン野郎ーがー! 許っっっっさんぞー!」ムキャー!!
アンジェレネ「ひ、姫様!?」ギョッ・・・
キャーリサ「あんな不良似非神父の所に、私の可愛い可愛いアンジェをくれてやれるかー!!(お舅{しゅうと}的な意味で)」ガアアァ!!
アンジェレネ「な、何を仰ってるんですか!? あと何故ロリコン?」アワワワワ・・・
キャーリサ「アンジェ……私は友達を選べとは言わねーよ。でもな、『男』はちゃんと選べ! それだけは絶対だ!」ガシッ!
アンジェレネ「え? え!? な、何の話?!」タラー・・・
キャーリサ「というか、アニェーゼがそんな話許す訳無ーし! アイツは妹分放っておいて何してんだ!」バンッ!
アンジェレネ「た、隊長には、まだこの話してませんから……というかあんまりベラベラ言えた話じゃないですし」ポリポリ・・・
キャーリサ「ぐぬぬぅ。アンジェがピュアなのを良い事に、あの糞ノッポ野郎……張っ倒してやる!」ムンッ!!
アンジェレネ「ちょ、ひ、姫様! 勝手な事しないで下さい」アタフタ・・・
キャーリサ「何故止める! というか何故すぐにアイツの誘いを断らなかった! あの木偶坊主に……って、ハッ!?」ギョッ・・・
アンジェレネ「な、何か凄ーく勘違いされてる気がするけど……何ですか?」タラー・・・
キャーリサ「ま、まさかアンジェ―――あのノッポ不健康ロン毛ニコ中神父の事が……駄目だ! お父さん許しませんよ!」アーダコーダ・・・
アンジェレネ「お、お父さんって……やっぱ勘違いしてますね」ハハハ・・・
キャーリサ「だって普通なら即行ーお断りするだろ!」ジトー・・・
アンジェレネ「……その筈なんですけどね。私自身、何であの時断らなかったのか不思議で」ハァ・・・
キャーリサ「優しいというか優柔不断というか……あのなぁ、女が少しで弱い姿見せると男って生き物はズカズカと浸け込んでくるぞ」ツンッ
アンジェレネ(姫様の体験談かな?)アハハ・・・
キャーリサ「兎に角! アレはお前とは釣り合わねーし! 自分でも分かるだろ?」キッ・・・ - 407 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/02(火) 23:52:18.89 ID:tSiuUz9F0
- アンジェレネ「っ……それは、その、確かに(立場・魔術師のレベル的に)釣り合う訳無いです……けど」グッ・・・
キャーリサ「何で心揺らいでるのかは分からんが(品性・汚れ具合的に)天秤が平行になる事はねーよ」ジー・・・
アンジェレネ「分相応じゃないのは分かってますよ」ムスー・・・
キャーリサ「でもそれに納得いかないと。ハァ……まったく、変に頑固だな。アンジェは」ポンッ
アンジェレネ「……、」ムゥ・・・
シーン・・・・・
キャーリサ「―――でもなぁ。こう考えるのは私だけじゃないと思うわ。色んな人から言われると思うよ」ナデナデ・・・
アンジェレネ「……分かってますよ。私は所詮『並』ですから」ムスー・・・
キャーリサ「怒るなよ。アンジェを貶してる訳じゃねーんだし……何でアイツにそんな懐いちまったのかは知らないが、それは―――」
アンジェレネ「じゃあ何で姫様はステイルくんの事嫌がるんですか」ジトー・・・
キャーリサ「―――何でって。いや、別に嫌ってる訳じゃねーんだけどな。ただ、一言で言えばアイツは『不良児』だ」フム・・・
アンジェレネ「魔術師やってる時点で、私達は皆不良だと思いますよ」ムゥ・・・
キャーリサ「その土台を差っ引いてもアイツは不良だ。対してアンジェは大人に好かれる典型的な『良い子』」ツンッ・・・
アンジェレネ「……、」ウーン・・・
キャーリサ「まぁ私もマグヌスの事言えないくらい『不良』だけどさー……だからこそ、直感でそう思っちゃうんだよな」ナデナデ・・・
アンジェレネ「……助言として受け取っておきます。どうも」ジー・・・
キャーリサ「納得してねーみたいだけど、とりあえず早とちりすんなよ。その場の勢いで即決しちゃうのは甚だ早計ってヤツよ」ピッ・・・
アンジェレネ「それは充分分かってるつもりです。後悔したくはないですから」コクッ・・・
キャーリサ「口煩いババァの戯言だと思ってくれていーよ。でも一応真面目に、将来ある子供を見る目で話をしてるんだ」ポンッ
アンジェレネ「……まるでステイルくんが将来ないみたいな言い方ですね」ジトー・・・
キャーリサ「残念ながらアレは未来永劫あのまんまだ。詳細は知らねーが、アイツは過去に縛られた亡者だろ?」フム・・・
アンジェレネ「……、」ピクッ・・・
キャーリサ「そして典型的な『必要悪(ネセサリウス)』だ―――話が逸れたな。兎に角、アイツは止めとけ」フルフル・・・
アンジェレネ「……難とも言えませんが、参考にします」スッ・・・
キャーリサ「何処に?」チラッ・・・
アンジェレネ「すいません、お手洗いに」トコトコ・・・
キャーリサ「あいよ。あ、戻って来てね。一人放置されんのは嫌よ」ノ"
アンジェレネ「分かってますよ」ニコッ・・・
カツカツカツカツ・・・・・
アンジェレネ「―――……はぁ。余計分かんなくなっちゃうよ」ムゥ・・・
シーン・・・・・
キャーリサ「―――……私らしくも無い老婆心だな。でも、あーいう子には人並みの幸せを送って貰いてーんだわなー」シミジミー・・・
- 408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/03(水) 01:04:30.88 ID:y1p4ag4jo
- >>402
いや第●波動とかじゃなくてジーンズ店とかショチトルみたいなごくごく平和な交友関係のほうな
- 409 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/03(水) 01:21:56.22 ID:bh9SBldv0
ガチャン・・・・・
アンジェレネ「―――ハァ……姫様の所に戻るの気拙いなぁ」トボトボ・・・
アンジェレネ「でも、戻らないのは失礼だし……ちょっと頭にきちゃったけど、善意で忠告してくれたんだろうから」ムゥ・・・
アンジェレネ「確かに、私なんかじゃステイルくんと釣り合わない。『ステイルくんが』じゃなくて『私が』、ね」ハハハ・・・
アンジェレネ「……、」トボトボ・・・
アンジェレネ「まったく、これじゃあコーヤギくんの事怒れないなぁ。私が私を卑下しちゃってる」ウーン・・・
アンジェレネ「アニェーゼちゃんにもいつ相談するべきか……やっぱ話辛いなぁ」シュン・・・
アンジェレネ「私、どうしよう―――」パッ・・・
ドンッ!
アンジェレネ「―――え……きゃっ」コテッ・・・
????「うをっ!?」グラッ・・・
アンジェレネ「す、すいません!」アワワワ・・・
????「い、いや此方こそ。思いっきりぶつかった様だが怪我は無かったかい?」スッ・・・
アンジェレネ「大丈夫です。ちょっと考え事してて私の前方不注意ですから……って、騎士団長(ナイトリーダー)」チラッ・・・
騎士団長「君は、ローマの……一人で居るとは珍しいな。いつも仲間や友人達と一緒に居る所しか見た事無かったが。手を貸そう」グッ・・・
アンジェレネ「ありがとうございます。まぁ常に誰かと一緒って訳じゃないですから……それより、如何して聖堂に?」ジー・・・
騎士団長「ああ、探し人を。姫を見てないか?」キョロキョロ・・・
アンジェレネ「姫様? キャーリサさまなら先程から食堂に」クイッ
騎士団長「いや、じゃじゃ馬姫じゃない。あの人は何処に居るか分かり易いから把握できてる」コクッ
アンジェレネ「じゃあ、ヴィリアンさまかリメエアさま?」キョトン・・・
騎士団長「双方だ。尤も、ヴィリアン様は被害者とも言えるか……ちょいとリメエア様がヴィリアン様を拉致って消えてね」ポリポリ・・・
アンジェレネ「ら、拉致」タラー・・・
騎士団長「ったく。あの人追跡不可能だから、必然的に連れ去られたヴィリアン様まで行方不明になってしまったんだよ」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「ま、まぁ妹さまはリメエアさまが心許してる数少ない身内ですからね」アハハ・・・
騎士団長「ホント、長女次女に連れ回されてばかりのヴィリアン様には同情するよ……まぁもし見つけたら教えてくれ」クルッ・・・
アンジェレネ「はい。見かければですけど」ポリポリ・・・
騎士団長「君の様な無邪気な子供にはリメエア様も心を許す。現れんとも限らないからな。頼んだ」スタスタスタ・・・
アンジェレネ「はぁ。(無邪気な子供って、まるで私が赤子みたいな言い方を)」ウーン・・・
カツカツカツカツ・・・シーン・・・・・
アンジェレネ「騎士団長も相変わらず大変だなぁ……とりあえずキャーリサさまの所に―――」
リメエア「あら。キャーリサ(あの子)やっぱり聖堂(此処)に居たのね」ヌッ・・・
アンジェレネ「―――ぬわぁっ!!?」ビクッ!!
リメエア「しぃっ……大声出さないで。騎士団長(アイツ)が戻ってきちゃうでしょう」ピッ
アンジェレネ「むぐぅ……す、すいません……じゃなくて! り、リメエアさま!? ヴィリアンさままで!」タラー・・・
ヴィリアン「アン。驚かしちゃってごめんなさいね。姉君、騎士団長が居なくなった頃合いで出るからって突然過ぎますよ」ハァ・・・
リメエア「大丈夫。戻って来ないから……あとヴィリアン。二人きりの時は堅苦しい呼び方は止めなさいって言ってるでしょう」チラッ・・・- 410 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga ]:2013/07/03(水) 02:21:32.54 ID:RVpoO7kQ0
- ヴィリアン「はいはい。それより、いつまで隠れ鬼続ける気ですか?」ハァ・・・
リメエア「目的が終わるまでよ。それより、アンジェレネ。先程は浮かない顔をしてたみたいだけど如何したの?」チラッ・・・
アンジェレネ「え。先程って……いつから見てたんですか?」キョトン・・・
リメエア「トイレに入る前くらいから」サラッ・・・
アンジェレネ「……気付かなかった」タラー・・・
ヴィリアン「姉さんの潜入能力(スニーキング)はプロの諜報員レベルだから。あ、それより何か悩んでたの?」アハハ・・・
アンジェレネ「ま、まぁちょっと仕事と人付き合いで色々とありまして」ポリポリ・・・
リメエア「ふーん……まぁ詳しくは聞かないわ。とりあえず、愚妹が嫌がらせでもしたのかと思ってたから安心した」フフッ
ヴィリアン「キャーリサ姉さんはアン達を虐めたりしませんよ。精神年齢は一緒ですけど、数少ない遊び友達ですし」サラッ
リメエア「シレッと毒吐いたわね。聞かなかった事にしてあげるけど、本人の前ではお止しなさいよ」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「あははは……えっと、姫さま達は何用で聖堂(此方)に? もしかしてキャーリサさまと同じですか?」キョトン・・・
リメエア「私達はあの子程暇じゃないわ。本来、あの子も暇じゃないんだけど仕事飽きたらリフレッシュに時間掛けるタイプだから」ハァ・・・
ヴィリアン「姉さんも人の事言えないんじゃ……あーごめんなさい。睨まないで」ポリポリ・・・
リメエア「まったく、御淑やかな様で腹黒いんだから。ああ、質問の続き……ちょっとお父様に怒られちゃってね」ムゥ・・・
アンジェレネ「お父さまって……フィリス元帥閣下(女王陛下の旦那さま)?」ポカーン・・・
リメエア「ええ。まったく、いつまで経っても子離れ出来ないんだから」ハァ・・・
ヴィリアン「私達が迷惑掛け過ぎなんですよ。特に姉さんは王族として」ジトー・・・
リメエア「だからって結婚の心配までされる謂われは―――」
ヴィリアン「ソッチじゃないでしょう。主には従者の件です。給士と騎士」ンモー・・・
アンジェレネ「従者、ですか? リメエア様、そんなの要らないって言ってませんでしたっけ」フム・・・
リメエア「ええ。でもね、形だけでも随わせておかないと周りが五月蠅くて」ポリポリ・・・
ヴィリアン「で、先日お父様が痺れ切らしてお母様に『アイツはいつになれば王族らしくするのだ?』とか怒ったらしいの」ハハハ・・・
アンジェレネ「えっと、女王さまはいつものノリで適当に流さなかったんですか?」ポカーン・・・
リメエア「いつもは適当に宥めて擁護してくれるんだけど、さっきも言った通り『痺れ』が切れてね」ハァ・・・
ヴィリアン「基本、お母様はお父様に頭が上がらないから。因みに、私達姉妹も同様。一番目立たないけど力関係のトップはお父様的な」アハハ・・・
アンジェレネ「へぇ。意外です。イギリスの王族って女性が強いモノだとばかり」キョトン・・・
リメエア「歴代で見れば半々よ。王政ではなく『女王政』の昨今だと、そう見えてしまうのかもしれないわ」フフッ
アンジェレネ「なるほど。それで、従者が如何こうってのは?」ジー・・・
リメエア「候補探しよ。給士についてはヴィリアンに、騎士についてはキャーリサに意見を聞こうと思って」クイッ
アンジェレネ「リメエアさまが他人の意見を聞くだなんて珍しいですね」ヘー・・・
リメエア「理屈云々で決めるのは得意だけど『人間味』とか『人となり』とかを判断するのは苦手なのよ。だから、この子達」ポンッ
ヴィリアン「あははは……まぁ私は殆どの給士の方にお世話になった事ありますし、キャーリサ姉さんは騎士派を率いてきましたから」コクッ
アンジェレネ「書類上以外での実情を知ってると。本来は自分で見るべきなんでしょうけどね。百聞は一見に如かずと言いますし」チラッ・・・
リメエア「別に、条件さえ合えば良いのよ」ジー・・・
アンジェレネ「条件、ですか?」キョトン・・・
ヴィリアン「まず給士・騎士双方女性で『瀟洒である事』と『野心が無い事』そして『仕事をしない事』だそうです。ふざけてるわよね」クスクスッ
リメエア「大真面目よ。垢抜けしてて無邪気で、給士や騎士だけど世話や護衛をしなくても文句を言わない人間。形式上だけ従者」サラッ
ヴィリアン「従者っていうより番犬とかペットに近いですよね。そんな条件で納得するメイド探すコッチの身にもなって欲しいです」ハァ・・・
アンジェレネ「でも良いですね。姫さまの近くに居れば面白くて為になるお話いっぱい聞けますし、更にお給料まで頂ける。素敵だなー」ニコッ
リメエア「……ふむふむ」ジー・・・
- 414 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/09(火) 21:14:40.71 ID:Fb+QJwQt0
- ヴィリアン「ふふふふ。絵本の中のお話みたいね……でも実際は―――」チラッ・・・
リメエア「……、」ポカッ
ヴィリアン「―――あ痛っ。ね、姉さん! 私、何も言ってないじゃない!」スリスリ・・・
リメエア「目は口ほどにモノを言うわ。アンジェレネ(この子)に悪い印象与えないで貰える?」ジトー・・・
アンジェレネ「し、姉妹喧嘩は駄目ですよ」アタフタ・・・
リメエア「安心なさい。今のはタダの妹教育だから」ニコッ
ヴィリアン「えー」タラー・・・
アンジェレネ(ヴィリアンさま、相変わらず不憫だなぁ)アハハ・・・
ヴィリアン「んもぅ……兎に角、さっさとキャーリサ姉さんと合流して話決めちゃいましょう」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「あ、じゃあ私はお邪魔になるでしょうから食堂から離れてますね」ペコッ・・・クルッ・・・
リメエア「……待ちなさい」スッ・・・
アンジェレネ「え」ピタッ・・・
ヴィリアン「姉さん?」キョトン・・・
リメエア「ねぇ、アンジェレネ」ジー・・・
アンジェレネ「はい? 何でしょう」ポカーン・・・
リメエア「さっき貴女は『私(姫)の従者になったら面白そう』みたいな事を言ってたけど、真面目にそう思ってる?」ジー・・・
アンジェレネ「え。あ、はい。何でそんな事を聞かれるのですか?」キョトン・・・
リメエア「ヴィリアンが言った通り、従者とは名だけの置物みたいな扱いでも?」ジー・・・
ヴィリアン「姉さん、一体何を」タラー・・・
リメエア「黙ってなさい。それこそ私に愛玩動物の様に扱われて、人として、労働者としての誇りを踏み躙られても?」ジー・・・
アンジェレネ「へ? うーん……難しいなぁ。私バカだから、姫さまが仰ってる事よく分からないです」ポリポリ・・・
リメエア「そう、ごめんなさい。じゃあ質問を変えて簡潔に―――貴女は私を、私達を如何思ってる?」ジー・・・
アンジェレネ「私達? って、リメエアさまとヴィリアンさまですか?」ホェ?
リメエア「キャーリサ含め、私ら王女三姉妹よ。教えて」コクッ
アンジェレネ「はぁ……仲良いなぁと。あとは、うーん。皆さん、優しいですし面白いですし綺麗です……他には」エットーウーント・・・
ヴィリアン(キャーリサ姉さんを優しいと言えるこの子の度胸が凄い)アハハ・・・
リメエア「じゃあ『王族』としては如何かしら?」ジー・・・
アンジェレネ「おうぞく? ざっくばらんな質問ですね……うーん」ポリポリ・・・
リメエア「正直に答えて良いわ。思ってる事を素直に教えて」コクッ
アンジェレネ「じゃあ、その……失礼ですが、ヴィリアンさま以外あんまり王族には見えないかなぁって」アハハ・・・
ヴィリアン「ええ、姉さん達に派失礼ですけどよく言われますよね」チラッ
アンジェレネ「リメエアさまとキャーリサさまは王族っていうより政治家とか軍人気質っぽくて……あ、勿論尊敬はしてますよ!」アタフタ・・・
リメエア「正直で結構よ。的を得てると思うわ」フフッ
アンジェレネ「その……私は生粋の英国人に比べたら敬意が足りないかもしれません。生まれも基督教の宗派も違いますから」ポリポリ・・・
ヴィリアン「そういえば、アンはローマ人だったわね。アニーも同じかぁ……サーシャはベルリン」コクッ
アンジェレネ「だから何と言ったらいいか。勿論、偉いのは分かりますけど、私達でいうとこの法王さま程ではないかも」コクッ
リメエア「そうよね。あくまで、貴女やアニェーゼの部隊の娘達は『清教』に借りがある訳で『英国』に借りがある訳じゃないもの」ジー・・・
アンジェレネ「えぇっと、生意気言っちゃってごめんなさい」ペコッ
リメエア「気にしてないわ。寧ろ私達を『王族』として然程意識してないってところに好感が持てる」ニコッ - 415 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/09(火) 21:58:24.94 ID:Fb+QJwQt0
- アンジェレネ「王族というより、女子寮の先輩達と同じ感覚なのかなぁ……あ、す、すいません。また失礼な事を」アタフタ・・・
リメエア「そう思ってくれてた方が嬉しいわ。ね、ヴィリアン」チラッ・・・
ヴィリアン「そうですね。堅苦しいのよりは気持ちが楽です。私自身、アンとは気兼ねなくお友達でいたいしね」ニコッ
アンジェレネ「え、へへ。ありがとうございます」ニパー
リメエア「ふふっ……良しっ。決めた」フフッ
ヴィリアン「はい? 姉さん?」タラー・・・
アンジェレネ「え。一体何を?」ポカーン・・・
リメエア「ねぇ、アン―――私の側近になってくれないかしら」サラッ・・・
ヴィリアン「」
アンジェレネ「」
リメエア「勿論、強制ではないわ。待遇も要相談するし、別に『正教』から鞍替えしろとも『英国』に帰化しろとも言わない」キッパリ
ヴィリアン「」チラッ・・・
アンジェレネ「」ポカーン・・・
リメエア「アニェーゼの部隊から外れろとも言わない。寧ろ、実質残ったままでも良いわ」
ヴィリアン「……ちょっと、姉さん」タラー・・・
アンジェレネ「」キョトーン・・・
リメエア「偶に、公的な用事で出かける時とかに側近として居てくれたり、暇な時話相手になってくれればそれでOKよ」コクッ
アンジェレネ「」チョウチョー・・・
リメエア「部隊以外に『第一王女侍女』の肩書が増えるだけ、程度に考えてくれれば良い。仕事は私一人で殆どするか―――」
ヴィリアン「姉さん、マジでストップです」ピッ!
リメエア「―――……何よ」ジトー・・・
ヴィリアン「アンが固まってます」クイッ
リメエア「……、」チラッ・・・
アンジェレネ「」ピヨピヨ・・・
リメエア「……何故に」ハテ・・・
ヴィリアン「唐突過ぎるんですよ。何考えてるんですか! いきなり『側近やれ』だなんて言われたら困るに決まっているでしょう」ハァ・・・
リメエア「いや、一応順を追って説明してるつもりだけど」サラッ
ヴィリアン「本気でそう言ってるならやっぱり神経疑いますって。とりあえず、アンを正気に戻さなきゃ……アンジェレネ!」トントンッ
アンジェレネ「 ひゃいっ!? 」ビクッ!
ヴィリアン「大丈夫? 姉さんが馬鹿な事言ってごめんなさいね」ヤレヤレ・・・
リメエア「ヴィリアン、随分言ってくれるじゃない。私は大真面目よ」ジトー・・・
ヴィリアン「なら、尚更性質が悪いです」マッタク・・・
アンジェレネ「あ、あの、その、えっと……ええぇ!?」アタフタ・・・
リメエア「アンジェレネ。私の話、理解できた?」ジー・・・
アンジェレネ「り、理解って、うーん……えっと……な、何で、私が」タラー・・・
リメエア「貴女は私が知り得る知人の中で最も若い女性で、尤も無邪気。しかもそれなりに仲が良い」ポンッ
アンジェレネ「そ、それは、でも、そんなの……私、駄目駄目で、弱くておっちょこちょいで、護衛とか給士とか出来ないですし」ダラダラ・・・
リメエア「別に守って貰う必要はないし、身の世話をして貰うつもりも無いわ。さっきも言った通り『側近』であれば充分なの」コクッ
アンジェレネ「……うぅ」タラー・・・ - 416 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/09(火) 22:12:44.38 ID:Fb+QJwQt0
- リメエア「それとも、やっぱり私の従者は嫌かしら?」ジー・・・
アンジェレネ「い、イヤって訳じゃ無くて! 何というか、恐れ多いといいますか……えっと、その」アワワワ・・・
リメエア「さっき法王程敬ってはいないって言ってたじゃない。それとも、やっぱり私が陰険根暗ヒッキー年増姫だから?」ジー・・・
ヴィリアン(あ、自覚あるんだ)チラッ・・・
アンジェレネ「う、敬ってない訳じゃないです! それに、私はリメエアさまの事陰険とか根暗だななんて思ってませんよ」ムゥ・・・
リメエア「良かった。じゃあ」スッ・・・
ヴィリアン「ちょ、ね、姉さん! 唐突の上、早急過ぎですってば! アンも困ってますから」タラー・・・
アンジェレネ「……、」タラー・・・
ヴィリアン「それに、そういう暗示誘導染みた勧誘は卑怯ですよ。アニーに申し訳が立たないでしょうに」ヤレヤレ・・・
リメエア「そうね……まぁ急いだりしないわ。リミットは今度お父様と食事する時までだし」フム・・・
ヴィリアン「まったくもぅ。えっと、アン。無理だったらキッパリ無理って言って良いからね。姉さん、無理強いしてる訳じゃないから」ポンッ
リメエア「無理強いはしてないけど、強気でスカウトはしてるわ」キッパリ・・・
ヴィリアン「姉さん黙ってて! アンが余計に混乱しちゃうでしょ……兎に角、思い詰める程悩まないでね」ナデナデ・・・
アンジェレネ「……はい」ムゥ・・・
ヴィリアン「それから、キチンとアニーに相談しなさい。その上で判断するのよ」チラッ・・・
リメエア「それとも、私からアニェーゼに話をしても良いかしら?」ジー・・・
アンジェレネ「じ、自分でします! だから、その……姫さまは何も言わないで。お願いします」ペコッ・・・
リメエア「そう……分かった。良い返事を期待してるわ。またね、アンジェレネ」クルッ・・・テクテク・・・
ヴィリアン「まったく……ってちょっと、姉さん! 何処行くの!?」パッ
リメエア「帰る。用は済んだもの」テクテク・・・
ヴィリアン「済んだって、まだ決まってないじゃない。それにキャーリサ姉さんは?」チラッ・・・
リメエア「アンジェレネが肩書で戦闘魔術師語れるんだから護衛に騎士なんて必要無いじゃない」クイッ
アンジェレネ「うぇ」ドキッ・・・
ヴィリアン「お、横暴過ぎます」ハァ・・・
リメエア「それよりヴィリアン。貴女の車で来たんだから送ってきなさい。帰りはリバプールの方よ―――」テクテク・・・
シーン・・・・・
ヴィリアン「ハァ。アン、ごめんなさい」ポリポリ・・・
アンジェレネ「いえ……ヴィリアンさまが謝られる必要は無いです」アハハ・・・
ヴィリアン「ホント、我儘……でも嫌いにならないであげて。あのリメエア姉さんが此処まで心許すのは珍しいから」ナデナデ・・・
アンジェレネ「はぁ。でも、やっぱり……私みたいな乞食修道女が姫様の従者だなんて」タラー・・・
ヴィリアン「卑下し過ぎよ。それに今時の側近に生まれ階級は関係無いわ。シルビアだってそんなものよ」フフッ
アンジェレネ「し、シルビアさんは聖人でもありますから、私なんかと比べちゃ申し訳無いです」アタフタ・・・
ヴィリアン「本人も私達も聖人だの何だの気にしてないって。あと姉さん、要は近くに置くなら友達が良いってだけだから」ポンポンッ
アンジェレネ「とも、だち」ムゥ・・・
ヴィリアン「そう。まぁ下手すれば母と娘程離れてるけどね。兎に角、あまり深く考えないで」ナデナデ・・・
アンジェレネ「……ステイルくんも、同じなのかな」ボソッ・・・
ヴィリアン「え? マグヌスさん?」キョトン・・・ - 417 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/09(火) 22:30:30.35 ID:Fb+QJwQt0
- アンジェレネ「あ……い、いえ、何でもないです」アタフタ・・・
ヴィリアン「……、(何だかなぁ)」ムゥ・・・
ガチャッ・・・・・
ヴィリアン「っ!」ビクッ
キャーリサ「―――……食堂の前でゴチャゴチャと喧しい声が聞こえるなーとか思ったら、ヴィリアンかよ」ムンッ
アンジェレネ「キャーリサさま」アッ・・・
ヴィリアン「あ、姉さん。忘れてた」アハハ・・・
キャーリサ「まったく。しかも、こんな所でアンジェが捕まってるたーな」ムゥ・・・
アンジェレネ「ご、ごめんなさい」ペコッ
ヴィリアン「アンは悪くないわ。引き留めたのは私……というかリメエア姉さんだから」ヤレヤレ・・・
キャーリサ「は? 姉上? 何処に?」キョロキョロ・・・
ヴィリアン「今さっきまで此処に居たんですよ。ただ、気が済んだみたいで……ちょっと色々ね」チラッ・・・
キャーリサ「んー?」ポカーン・・・
アンジェレネ「……あの、キャーリサさま。すいません。戻って早々なんですが」ジー・・・
キャーリサ「どうした? まさか姉上に虐められたか?」チラッ・・・
アンジェレネ「ち、違いますよ! えっと……寮に戻らせて貰います」シュン・・・
キャーリサ「え……何でだ―――」ムッ・・・
ヴィリアン「姉さん」ジー・・・クイッ・・・
アンジェレネ「……、」シュン・・・
キャーリサ「―――だ……あっ……そう」コクッ・・・
アンジェレネ「すいません。また今度、トランプのお相手お願いします……失礼します」ペコッ・・・トボトボトボ・・・・・
シーン・・・・・
キャーリサ「……おい、ヴィリアン」ジー・・・
ヴィリアン「ちゃんと説明します。それより、今からリバプール行くけど一緒に行きますか?」チラッ・・・
キャーリサ「ああ、暇だから行く。姉上も一緒か?」キョロキョロ・・・
ヴィリアン「はい。とりあえず、歩きならが説明しますね―――」
キャーリサ「あいあい」テクテク・・・
カツカツカツカツ・・・・・
騎士団長「―――まったく何処行ったんだ、あのお転婆姫達は……キャーリサさままで消えおってからに」キョロキョロ・・・ハァ・・・
アンジェレネ「―――」トボトボ・・・
騎士団長「あーもぅ……と、おや。おーい、シスター・アンジェレネ。やはり君の所に姫様達は現れなか―――」ノ"
アンジェレネ「―――」トボトボ・・・
騎士団長「―――った……声を掛けられる雰囲気じゃないな。思い詰めた様子だが大丈夫か? 後でSt.神裂に報告しておこう」ジー・・・ - 418 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/09(火) 23:53:13.33 ID:yjLB9/ip0
- ―――そのまた後日、AM11:30、英国、ロンドン郊外、とある教会近くのアパート・・・・・
キャーキャーワーワー ワンヤヤンヤ ドタバタジタバタ・・・・・
シルビア「―――こらああああぁ! こんの糞ガキ共ぉ! 昼飯前に泥遊びしてくんなっつっただろっ!!」ウガー!
男の子A「うっせーばーか!」ワーワー!
男の子B「こどもはあそぶのがしごとだもんねー。しゃーないしゃーない」バタバタッ
シルビア「お黙る! てかその服のまま玄関上がらないの! まったく……今着替え持ってくるから待ってろ」プンスカッ
女の子C「シルビアー。Dちゃんがひざすりむいちゃったー」トコトコ・・・
女の子D「……、」ウルウル・・・
シルビア「あーはいはい。唾ツケときゃ治る……って言いたいとこだけど、大分痛々しいわね。ちょっとオッレルスー」アリャリャ・・・
オッレルス「……んー」コトコト・・・グツグツ・・・
シルビア「昼飯の準備で忙しいか……まったく、人手が足りない。あ、こら! 男子共! まずは着替えろと言うに!」ハァ・・・
オッレルス「あははは。まるっきり『おっかさん』だね」クスッ
シルビア「喧しい駄阿呆! 誰の所為だと思ってる!」ギロッ・・・
オッレルス「おー怖っ。子供達が怖がっちゃうから止めて下さいねー」フフッ
シルビア「てめっ……てか、穀潰し1号2号は如何したのよ! アンタらに付いてったでしょ?」ジトー・・・
オッレルス「せめて居候1号2号にしてあげようよ……A、デッカい兄ちゃん達は?」グツグツ・・・
A「おれらといっしょにあそんでたぜ。もうそろそろEたちとかえってくるとおもう」コクッ
B「あいつら、こどもあいてに『てかげん』しないんだよー。ふざけてるよねー」ハハハ
シルビア「~~~~~っ」アタマイタイ・・・
オッレルス「まぁアイツららしいけどさ。あ、そろそろ『お手伝いさん』が来る頃じゃないかな」チラッ・・・
A「え? きょう、だれかくんの?」キョトン・・・
オッレルス「ふふっ。誰だろうねー。もしかしたらヴィリアン様かもしれないぞ」ニヤッ
B「ほ、ほんと!?」パアアァ!
C「じゃあはやくきがえなきゃ! こんなきたないカッコじゃわらわれちゃう」アタフタ・・・
シルビア「ハァ……姫様が来る訳無いだろ……とりあえず、全員風呂に行け! まとめて洗濯してやる! あ、Dは上がったら消毒ね」ポンッ
D「うん」トコトコ・・・
オッレルス「ふふっ。流石シルビアだね……おっと。第二陣が帰ってくる前に昼飯仕上げるか」スッ・・・
パタパタッ! ワーワー!! ドタバタ―――ピンポーン・・・・・
オッレルス「ありゃりゃ? もしかして帰って来ちゃったか……開いてるよー」チラッ・・・
アンジェレネ「こんにちわー」ガチャッ
香焼「遅くなりました。すいません」ヒョコッ
オッレルス「お。こんにちは。お手伝いの方が先に着いたか」ハハッ
アンジェレネ「あれ? シルビアさんは?」チラッ・・・
オッレルス「子供達をお風呂に入れてるよ。あれ? 今日は一人だっけ?」ジー・・・
香焼「いえ。後から――― >>419 >>420 ―――も来ますよ」クイッ・・・
※安価 : 必要悪の教会・女子寮・カルテッ娘・天草式・嘱託魔術師など関係者の中から2人 - 419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/09(火) 23:54:50.07 ID:Umdtaadgo
- レッサー
- 420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/09(火) 23:59:40.59 ID:3eu7sx/To
- 神裂
- 421 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/10(水) 00:52:44.30 ID:8DiqFDRb0
- オッレルス「―――へぇ。神裂も……レッサーてのは始めてくる子かな」キョトン・・・
香焼「はい。女教皇様は何やらお話したい事がある様で。あとはまぁ……色々」チラッ・・・
アンジェレネ「え」キョトン・・・
オッレルス「ふーん。しかし、アニェーゼが一緒じゃないのは珍しいね」グツグツ・・・
アンジェレネ「隊長はステイルく―――主教補佐と処刑(ロンドン)塔に行きました」コクッ
オッレルス「仕事か。仕方ないね……あ、ごめん。今昼飯出来あがったから配膳手伝って貰える?」スッ・・・
アンジェレネ「はい。何人分?」キョロキョロ・・・
オッレルス「1,2,3,4……18皿を3組ずつかな。大皿は5つお願い」クルッ・・・
香焼「了解っす」テクテク・・・
パタパタッ・・・・・
オッレルス「―――♪~」カチャカチャ・・・
アンジェレネ「……、」チラッ・・・
香焼「アン、どうしたの?」カチャカチャ・・・
アンジェレネ「いや、その……相変わらず一般人っぽい人だなぁって」アハハハ・・・
香焼「確かに。オッレルスさん、傍から見ると児童福祉施設の職員にしか見えないかな」クスッ・・・
アンジェレネ「アレで『魔神』崩れってのが信じられないですよね……あ、だから『崩れ』なのかな?」キョトン・・・
香焼「失礼な事を。それより―――大丈夫なんすか?」ジー・・・
アンジェレネ「……ん」カチャカチャ・・・
香焼「朝から……というか此処数日、調子悪かったんでしょ? アニーから聞いてるっすよ」カチャカチャ・・・
アンジェレネ「大丈夫。心配掛けちゃってゴメンね」ニコッ・・・
香焼「なら、良いけど……偶に上の空な感じだったからさ」テクテク・・・
アンジェレネ「気にしないで下さい―――オッレルスさん、大皿は先に並べちゃいますよ」スチャッ・・・
オッレルス「ありがと。あ、それからチビ用の『前掛け』を外から取って来て貰えるかな。干してあるヤツ3つ」コトコト・・・
香焼「玄関先に干されてたヤツですね」チラッ・・・
オッレルス「そうそう。頼んだ―――っと」パッ・・・
キャーキャーワーワー ワンヤヤンヤ ドタバタジタバタ・・・・・
オッレルス「あー……第二陣帰って来ちゃったか」アハハ・・・
アンジェレネ「まだ全員帰って来てなかったんですね」タラー・・・
オッレルス「うん。あ、悪いんだけど、皆泥んこで帰ってくるから玄関から先上がらせないでおいて」アハハ・・・
香焼「全員お風呂に担いで行けば良いんすよね」クスッ
オッレルス「そゆこと。泥を撒き散らさせない様にシルビアんとこまで運んでちょーだい。大変だけど頑張って」コクッ
アンジェレネ「あははは。まさに『防衛線死守』かな」フフッ
オッレルス「うん。まったく、無邪気な子供達を相手にするのは魔術師やら超能力者相手にするより疲れるよ」ハハハ
アンジェレネ「ふふふ。でも、可愛い盛りの子供達ばっかり」ニコッ
オッレルス「うん。あの究極の人間不信たる第一王女様にも気に入られてるからね。ウチのやんちゃっ子達は」クスクスッ
アンジェレネ「っ……あはは。そうなんですか」ポリポリ・・・
香焼(……ん?)チラッ・・・キョトン・・・
- 422 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/10(水) 03:10:34.08 ID:8DiqFDRb0
- オッレルス「さーて。コッチも一段落着いたとこだし、俺も待ち構えるかなーっと。俺が3,4人担ぐから残りお願いね」テクテク・・・
香焼「ははは、流石っす」ポリポリ・・・
オッレルス「まぁアンジェレネはもう慣れっこかな。宜しく」
アンジェレネ「一応頑張ります」ポリポリ・・・
パタパタパタパタ・・・・・
男の子E・F・G『ただいまー!』ドッ!
オッレルス「いよっと! おかえりー」ガシッ! ガシッ! ガシッ!
E「おわっ」ヒョイッ・・・
F「あにゃ」パシッ・・・
G「うをぅ」ブラーン・・・
オッレルス「お捕まえたぞー。前らはお風呂直行な。アンジェレネ、香焼。あと2,3人だから捕まえて連れて来てね」テクテク・・・
E・F・G『おーろーせー!』ジタバタ・・・
オッレルス「はいはい、暴れない暴れない。シルビアに洗って貰ってこーい」ガチャッ・・・テクテク・・・
ギャーギャーギャー!!
香焼「あははは。慣れてるなぁ」タラー・・・
アンジェレネ「ですね……っと、来ましたよ」チラッ・・・
女の子H「ただいまー。あ! アン!」パタパタッ・・・ギュー!
アンジェレネ「はいはい、おかえりー。お邪魔してます」ポンッ
女の子I「アンおねいちゃん! あそびにきたの? アニーおねいちゃんとかは?」キョロキョロ・・・
アンジェレネ「今日は私一人ですよ。あ、他にも何人か居るけど今来てるのはコォヤギくんだけかな」チラッ・・・
H「あ、わんこだ。ひさしぶりー」ヨッ!
I「わんこー。あとでまた『がくえんとし』のおはなしきかせて!」ワクワク・・・
香焼「あははは、うん。じゃあまずキレイキレイしてからね。(アニェーゼの所為で『わんこ』が通称になってしまってる)」ポリポリ・・・
H・I「「はーい」」コクッ
アンジェレネ「それじゃあ靴と靴下、あと上着を玄関(此処)で脱いでお風呂場行こうか」ポンッ
H「ひとりでいけるー!」ヌギヌギ・・・
I「きれいきれいしたらご飯なの? じゃあ、わんこ! そのとき、おはなしね! このまえのつづき!」ヌギヌギ・・・
香焼「はいはい。あ、脱ぎっ放しにしちゃ駄目っすよ。えっと……このバスケットの中に入れてね」スッ・・・
H・I「「わかったー」」ポイッ・・・テクテク・・・
アンジェレネ「ふふっ……あの子達は大人しい方だから助かるよ。それにしても、いつもの如く学園都市の話は人気ですね」フフッ
香焼「子供達の憧れらしいからね。超能力が羨ましいんだか近未来風な都市が羨ましいんだか。どっちもかな」フム・・・
アンジェレネ「どうだろね。あ、最後の子供達が来、た……よ……、」ピタッ・・・
フィアンマ「―――」ドロンコー・・・
トール「―――」ビシャビシャー・・・
男の子J「~♪」キャッキャッ!
アンジェレネ「」タラー・・・
香焼「泥で全身真っ茶の『右』に、子供を肩車したズブ濡れ『魔神』……何この……シュールな絵面のラスボス級」エー・・・
- 430 :第Ⅲ話ーーーアンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/12(金) 22:23:43.99 ID:/M7RUB0I0
にゃーん......
アンジェレネ「ねぇ、コォヤギくん‥‥こういう時、如何したらいいのかなぁ」
香焼「笑えば良いとお.....いや、笑えないか」
男の子J「たか~い! とおる! もっとはやくー!」dtbt!
トール「あのなぁ、俺疲れてんだよ。誰かさんが意地になって歳も気にせずハメ外してた所為でさぁ」
フィアンマ「貴様.....人のことを言えた口か? 率先して川にダイブしてたのは何処のロン毛だ」
トール「別にぃ。俺はコイツらと純水に遊びたかったから言い訳しねぇよー。なー」Pon!
J「なー」ahaha!
フィアンマ「くっ! お、俺様は大人としてガキ共との格の違いをだなぁ」;;;
J「とおるー。『カクノチガイ』って、なぁにー?」
トール「んー。何だろうねー。とりあえずフィアンマおいたんは凄いって事かな」hahaha!
フィアンマ「お、おいたん!? 馬鹿にするのも大概にしろよ、男女! 呼ぶなら『叔父様』と呼べ!」
香焼(オジサン扱いされんのは別に良いんすね?)
トール「えー。どうする、J?」
J「えっとねー。ふぃあまんが『どろがっせん』でおれらにかてたらいいよー」
トール「だってよ、フィアマンおいたん」Pon...
フィアンマ「‥‥..、」
トール「あ。無視良くない」
J「いくなーい」Pon!
フィアンマ「あーもぅ喧しいっ‼ 引き千切るぞクソガキ共‼」Grrrrrh!
トール「そう言ってさっきもガキンチョ達に集中攻撃喰らったんだよなぁ。んで全身泥塗れ」huhuhu...
フィアンマ「黙りゃ!」
アンジェレネ(あ。噛んだ)
フィアンマ・トール「「……、」」
J「ねーねー。『だまりゃ!』ってなーに??」
トール「ぷっ‥‥きっと、フィアマンおいたんの母国の言葉なんだよ」huhuhu...
フィアンマ「……全身ずぶ濡れでは済まさんぞ」
トール「そんなに怒るなよ。小物に見えるぜ」
フィアンマ「ほざけ、『ンー』。神気取り匹夫が」
トール「.....おい、今何て言った」bhrrrrgh...
フィアンマ「ん? 何だったかなぁ。そー……んー。ンー。ん~?」huhuhu...
アンジェレネ(あわわわ。何かヤバいよー!)
香焼(『ンー』って……『ソー(トール)』のジャパニーズスラングなんだけどなぁ。何処で覚えたんだろ)
J「えーっと、『んーさん』って? よくわかんないけど、けんかいくないよ。シルビアおこるよー」PonPon.
フィアンマ・トール「「うっ」」;
香焼(……おっかさん、強ぇっす)
- 434 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/19(金) 22:26:03.46 ID:OWokZb2Y0
- J「なかよししようねー。って……あっ! アンねえちゃんだ! あとわんこ!」ビシッ
フィアンマ・トール「「ん」」チラッ
アンジェレネ「ひっ!?」ビクッ
香焼「アン、ビビり過ぎ……えっと、こんにちわ」コクッ
J「こんにちはー。とおる、おろしてー」パタパタッ
トール「おう。あー多分、風呂直行しないと怒られるんじゃないか?」スッ・・・
香焼「仰る通りっす」ハハハ・・・
J「えーめんどー」ブーブー
アンジェレネ「だ、駄目だよ。汚れたまま入ったらシルビアに怒られ、ま……す―――」チラッ・・・
フィアンマ「あー」ドロダラケー・・・
↓ ※ アンジェレネ目線
フィアンマ『……あ”んっ?!』ブッコロッ!!
アンジェレネ「―――ょ……ぅぅ」スッ・・・
香焼「何故自分の後ろに隠れる? (んな咋に意識しないでも)」タラー・・・
トール「そりゃそこの元上司の赤毛不良司祭が怖いからっしょ」クイッ
フィアンマ「は?」ポカーン・・・ → ※『ハァアアァ!?』ギョロリッ・・・
アンジェレネ「っ~~~ッッ!!」ビクッ・・・
トール「ほれ見ろ」ハハハ
香焼「と、トールさん? (ハッキリ言うの止めて下さい)」タラー・・・
J「これじゃあ『ふぃあーまん(Fear-man)』だね」ハハハ
トール「ぷふー! Jが上手い事言った! これオッレルスにも教えよーっと」ニヤニヤ・・・
フィアンマ「……ふんっ!」ベチャッ! ワシワシッ!!
トール「んぎゃあああぁ! 泥塗れの手で髪撫でられたああぁ!! 色んな意味でキんモおおおぉいい!!」ゾクゾクッ・・・
フィアンマ「ふんっ! ふんっふんっふんっふんっふんっ!!」ワシャワシャワシャワシャッ
トール「ちょぁ!? ま、や、おい! ガチで止めろ!! テメェの髪アフロにすっぞ!」パシッ!!
香焼(あーあ……綺麗な金髪が茶髪に変わってく)ジー・・・
アンジェレネ「と、とりあえず……J。コッチおいで。服脱がなきゃ家に上がれないよ」コソコソ・・・
J「えー。なんでー」ムー
アンジェレネ「みんな、身体綺麗にしてからお昼ご飯食べるからね。だから、その……えっと」チラッ・・・
J「じゃあ、ふたりもシャワーあびるの?」クイッ
アンジェレネ「……、」ウッ・・・
トール「―――おまっ! ベタベタ触んな! 男に抱きつかれる趣味は無いっ!」パシパシパシパシッ!!
フィアンマ「―――貴様も! 泥塗れに! なれいっ!」ヌヲオオオオォッ!!
アンジェレネ「……そ、そうかな?」チラッ・・・
香焼「だから何故自分を頼るんすか」ハァ・・・
アンジェレネ「わ、私じゃ難とも出来ないよぉ! コォヤギくん、何とかしてー」ダラダラ・・・
J「わんこー。なんとかしろー」ジー・・・
香焼「……はぁ」ヤレヤレ・・・ - 435 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/19(金) 23:35:06.78 ID:OWokZb2Y0
ギャーギャー ガーガー ビリビリウジュウジュ・・・・・
アンジェレネ「あわわわわ……本格的にヤバそうだよぉ」ダラダラ・・・
J「おー! なんかビリビリいってる! あとモヤモヤしてるー!」キラキラ・・・
香焼「大人げない……って、そんな場合じゃないっての。お、お二人とも!」タラー・・・
トール「―――マジふざけんなっ! 態々『第三の腕』出してまで泥着けようとすんなぅをっ危なっ!!?」スパークッ!!
フィアンマ「―――貴様こそ身体強化したその握力で俺様のコメカミ掴んでアイアンクローするんじゃないだだだだだぁっ!!?」グオンッ!!
香焼「……ごゆっくり」クルッ・・・
アンジェレネ「ヘタれっ!」グッ
J「へたれー」ハハハ
香焼「いやいやいやいやっ! アレ何とか出来るの最低限聖人並の力が必要だからね。自分じゃ無理でしょ常識的に考えて」タラー・・・
アンジェレネ「あははは……とりあえずお二人は無視って中に行こうか」ポリポリ・・・
香焼「そだね。あ、Jは此処で服脱ぐ事。アン、お願い」ガシッ
J「きゃー! わんこのえっちー!」キャッキャッ
アンジェレネ「はいはい―――っと、ほら。お風呂場行ってらっしゃい」ポンッ
J「んもー。ごういんなんだからー」ペタペタ・・・
アンジェレネ「おませさんめ。それじゃあ私達も中に……入って良いのかな?」チラッ・・・
香焼「大丈夫。まぁ一応一言告げとこ……あのー。その汚れた服で家ん中入らないで下さいねー……はい、行こう」ボウヨミー
アンジェレネ「うん。あ、洗濯物分けとかなきゃね」テクテク・・・
香焼「全部泥付いてるし、水に浸けておこうか。手洗いも必要かも」テクテク・・・
アンジェレネ「こういう時、都市製の家電あると便利なのになぁ。ステイルくんの部屋にある、あの『ボロ雑巾がハンカチに!』的な洗濯機」コクッ
香焼「仕上がりが別物になって出てくるから止めとこうよ―――あ、前掛け忘れるとこだった」アハハ・・・
ギャーギャー ドタバタッ ドンガラガッシャーン・・・・・
アンジェレネ「ただいま帰りましたー」ガチャッ
A「アンだ!」パタパタッ
B「わんこもいっしょだ。あー……ヴィリアンさまじゃねーじゃん! オッレルスのうそつき!」グイッ
オッレルス「こら、まだ動くな。あー、お疲れ様。あれ? デカいの2人は?」チラッ・・・
香焼「外でじゃれ合ってます」クイッ
オッレルス「じゃあ飯抜きかな……あ、悪いんだけど子供達の身体拭くのと着替え手伝って」ゴシゴシッ
アンジェレネ「はい。C、D。おいで。髪乾かしてあげる」ポンポンッ
C「ありがと! あ、そのまえにDがケガしちゃってるからショウドクしてー」チラッ・・・
D「……、」ジー・・・
アンジェレネ「そうなんだ。それじゃ傷薬っと―――はい、おわり。泣かなかったねー。偉いですよー」ナデナデ
D「えへへ」モジモジ・・・
C「アン! はやくかみのけ、とかしてー」グイグイッ
アンジェレネ「はいはい。あ、HとIも上がったね。コッチおいで」ゴシゴシッ
H・I「「はーい」」テクテク・・・
香焼「……、」フフッ- 436 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/20(土) 01:21:45.92 ID:ZPaZCj0a0
- A「じょしばっかズルいぞ」ブーブー
B「おれもオッレルスじゃなくてアンがいいなー」ブーブー
オッレルス「はいはい。そんな事言ってると将来碌な大人になれないぞ」ゴシゴシッ
E「『ろくなおとな』ってなにー?」チラッ・・・
香焼「え? うーん……立派な大人って事かな」ポンッ
F「ヴィリアンさまみたいな大人!?」パッ
G「ぼく、おとこだけどヴィリアンさまみたいになれたらいいとおもう!」キラキラ・・・
香焼「あーうん。そーだねー。(人気だなぁ。何故女王陛下差し置いてヴィリアン様なんだろうねー)」ハハハ・・・
オッレルス「兎に角だ。言う事聞かないとフィアンマとかトールみたいな大人になっちゃうぞ」ビシッ
子供達『いやだー』ブー
アンジェレネ「……ラスボス()」ポリポリ・・・
香焼「ま、まぁ強い人って大抵人格破綻者だし」ボソッ・・
ガチャッ・・・・・
シルビア「もしくはそこのヒョロ男みたいな大人になっちまうよ」バンッ
J「よ!」バンッ
オッレルス「」
子供達『やだー』ブーブー
アンジェレネ「……ら、ラスボス?」チラッ・・・
香焼「つ、強い人は大抵……って、シルビアさん! 服着てから上がって来て下さい!」アワワワ・・・///
アンジェレネ「とか言いつつ、ちゃっかり見てるし」ジトー・・・
シルビア「ちゃんとバスタオル一枚巻いてるだろう。それに、コイツと坊やに見られたとこで如何って事無いさ」ハハハ
C「シルビア、おとこまえー」ヒュー
H「かっこいー。キャーリサさまみたいだー」ヒュー
E「キャーリサさまよりおっぱいないけどな」ハハハ
トール「いやぁ同じくらいじゃね? まぁシルビアの方が普段露出少ない分希少(レア)だと思うぞ」マジマジー
F「ぼくたちはいっつもみてるけどね」ムンッ
フィアンマ「なんと羨まs、ゲフンゲフンッ、けしからん。まぁガキだから仕方ないか……あ、ヴェントよかデカいな」ジージー・・・
G「べんとー?」キョトン・・・
香焼・アン「「……あ」」タラー・・・
シルビア「……、」ピタッ・・・
トール「え? お前、前方の裸見た事あるの?」kwsk!
フィアンマ「誰が教えるか。貴様がグレムリンの連中の諸々教えれば答えんでも無いがな」フフフ・・・
トール「んー。ウチの連中、貧乳ばっかだぞ。でも小ぶりだけど形は良かったな。はい教えた。次フィアンマな」クイッ
フィアンマ「なっ!? こ、コイツ、何の躊躇いも無く元同僚の(おっぱい)情報売りおった……しかし俺様は応えんぞ」フンスッ
トール「ずっけー! 約束守れよ! これだから枢軸国の連中は……あ、話変わるけど神裂のデカいよな……なっ!」バッ!
香焼「……え」ピタッ・・・
フィアンマ「貴様だ、極東の坊主。あの(おっぱい)聖人の所の教徒なのだろう? 答えろ。形は如何なのだ?」クイッ
香焼「かた……えっ!?」アタフタ・・・チラッ・・・
アンジェレネ「わ、私の方見ないでよ!」タラー・・・ - 437 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/20(土) 01:54:10.88 ID:ZPaZCj0a0
- トール「おい、ワンコくん。些か失礼だぞ。その子はまだ成長期だ……その、うん。これから膨らむ」ウンウン・・・
アンジェレネ「んなっ!?」カアアァ///
香焼「そ、そういう意味で見たんじゃないっすよ!!」ギョッ・・・///
C「そうなのー?」ペタペタッ
D「アン……ふくらみかけ」ペタペタッ
香焼「ぶっ!!」カアアァ///
アンジェレネ「こ、こらあぁ!! 馬鹿な事しないのっ!!」マッカッカァ///
A「でもアンってまだブラジャーしてないだろ」ツンツンッ
B「タンクトップだったよねー」ツンツンッ
アンジェレネ「や、やめなさいってば!!」アワワワワ・・・///
フィアンマ「ははは。まだまだガキって事だな……おぅ坊主。何故赤くなっているのだ? んー?」ニヤニヤ・・・
香焼「そ、その……こほんっ」///
J「こら、ふぃあまん。デリカシーがないぞ」メッ!
フィアンマ「デリカシーとはこれまた難しい言葉を知ってるな。だがガキんちょ相手に……って、え」チラッ・・・
トール「どったの右方の? ん?」チラッ・・・
シルビア「……―――」ガシッ・・・
オッレルス「え」グググ・・・
香焼(シルビアさんがオッレルスさんの頭を鷲掴みにして、持ち上げて……振り被って……あ、トルネード投法か)タラー・・・
シルビア「―――こんの……泥んこのまま上がってくんなぁ! このド変態スケベ親父共がああああぁ!!」ブオンッ!!
オッレルス「ひでぉおおおおぉ!!?」ビュンッ!!
フィアンマ・トール「「のもおおおぉ!!?」」ギョッ!!
アンジェレネ「人間剛速球!?」アワワワ・・・
ドンガラガッシャーン・・・・・
北欧・右・雷『』チーン・・・
シルビア「暫く家に入ってくるな駄目大人共がっ!!」ムギギギィ/// パサッ・・・
C「あ、シルビアのバスタオルがおちた」ジー・・・
E「んー。やっぱおおきいか?」マジマジ・・・
F「シルビア、しんちょうもおおきいからねー」ジー・・・
シルビア「喧しい糞ガキ共! さっさと着替えろ! お前らも飯抜きにされたいか!?」ウギギィ・・・
G「おーこわいこわい……わんこ、シルビアのはだかのかんそうは?」チラッ・・・
香焼「はぁ!?」タラー・・・///
アンジェレネ「こ、コォヤギくん! 見ちゃ駄目!」ギュウウゥ・・・
香焼「え、な―――ぎゃあああぁ! 目が潰れるっ!! アンジェレネ、ち、力入れ過ぎだああぁ!!」ピギャアアァッ!!
ギャーギャー ワーワー キャッキャキャッキャッ!!
D「……ばかばーっか」フフッ
オッレルス「……オレ、とばっちりじゃね」フコウダー・・・ - 438 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/20(土) 02:46:39.11 ID:98IEvbEP0
- ―――そのまた後日、PM00:45、英国、ロンドン郊外、とある教会近くのアパート・・・・・
にゃーん・・・・・
シルビア「―――そんじゃ、食べましょう」スッ・・・
子供達『はーい』カチャカチャッ・・・
シルビア「ほら、男子共。行儀良く食べなさい。あ、H。前掛け外れてる……アンジェレネ。Dを手伝ってあげて」チラッ・・・
アンジェレネ「はい。D、椅子をもうちょっと前出そうか」クイッ
香焼「……、」フフフッ
A「なぁわんこ! はなしのつづきー」モグモグ・・・
香焼「え、あ、うん。そうだったね……この前何処まで話したっけ?」ポリポリ・・・
B「『れーるがん』がチョーこうそうビルを、ゼンリョクシッソウでかけのぼったところまで!」キラキラ・・・
E「それで『あくせられーた』がまたトバッチリをうけたんでしょ!」キラキラ・・・
香焼「そこかぁ……えっと、御坂さん(超電磁砲)が悪ノリした白井さん(後輩)を追い駆けてね。第一位さん(一方通行)が―――」コクッ・・・
チョーカーノ バッテリーガ ショートシテ アーダコーダ・・・コンコンッ・・・ガチャッ・・・・・
シルビア「ん」チラッ・・・
神裂「お邪魔します。遅くなりました」ペコッ
レッサー「やっほー、ガキどもー」ノ"
F「あ、レッサーだ」ゲー
G「ビッチがきたぞ、ビッチがー」ウゲー
レッサー「酷い言われ様ですが気にしませんよーだ。私はガキんちょ共とは違って大人(アダルティ)ですからねぇ」フフーン
H「またヘンなこといってるよー」ハハハ
I「オッパイのオバちゃんもこんにちわ」ペコー
神裂「おぱ……オバ……こ、こんにちわ」ヒクッ・・・
レッサー「ぷふー! 聖人のカンザキ様も、ガキ共からすれば胸垂れてるオバちゃんに見えるんでしょうねぉあ痛たたたたぁっ!!」ギュウウゥ!!
香焼(……馬鹿だ)ハァ・・・
アンジェレネ(レッサーちゃん……思った事、すぐ口にしちゃダメだよ)タラー・・・
シルビア「ハハハハハ! まだまだティーンエイジャーなのになぁ。あ、頼んでたモン持って来てくれたかい?」チラッ・・・
神裂「ええ。新型のミシンです……ところで、外に、その……うん」チラッ・・・
レッサー「パンツ一丁で文字通り『天日干し』されてる変態野郎三人組は何なんですか?」ハハハ
シルビア「ガキ以下の馬鹿騒ぎしてたから干してんの」キッパリ・・・
香焼(物理的にね。オッレルスさんはトバッチリっすけど)タラー・・・
神裂「はぁ。アレが世界でも10本指に入るレベルの高位魔術師連中とは……世も末ですね」ポリポリ・・・
レッサー「あ、そうだ。私達の分のお昼あります? ハムサンドくらいしか食べて無くてお腹空いてるんですよ」キュウ・・・
シルビア「あるよ。誰かさんが多めに準備してたみたいだからね」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「今準備しますね。手を洗って待ってて下さい」コクッ
神裂「ありがとうございます、アンジェレネ……そういえば、シルビア」チラッ・・・
シルビア「ん? あぁ……ワンコくんから聞いてたよ。後でブリュンヒルドも来るからそん時に詳しくな……まずは飯喰え」クイッ
レッサー「そーしましょ。そーしましょー」ヨイショッ!
- 443 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/21(日) 23:30:37.72 ID:07zJ2V+V0
ワンヤワンヤ ガヤガヤ キャーキャーワーワー ニャオーン・・・・・
シルビア「―――さぁてと。全員食べ終えたか。次は昼寝させないとね」フゥ・・・
神裂「いやはや、大変ですね。侍女の仕事と、彼(オッレルス)の『手伝い』と、保母さん代わりと」フフッ
シルビア「……まぁ何だかんだ好きでやってるから何も言えんさ。あ、アン達。悪いんだけど洗い物とガキの相手頼める?」チラッ
アンジェレネ「分かりました……って、既に皆コォヤギくんの話の虫ですけど」チラリ・・・ハハハ・・・
香焼「―――で、友人とステ……マグヌス主教補佐が『好きなパスタの種類』で『タラコソース』と『アラビアータ』喧嘩しだしたんだ」ピッ
A「おれはミートソースがいちばん『おーどー』だとおもうんだけどー……って、たらこソースってなんだ?」キョトン・・・
香焼「タラの卵(salted cod roe)とクリームのソースだよ。さておき、2人は自分の問い質してきた……『ドチラが正しいか』ってね」ハァ・・・
B「ドチラもなにも、そんなのひとそれぞれだろ?」ポカーン・・・
香焼「Bの言うとおりだと思う。でもあのお馬鹿2人は『あの超プチプチ感が至高なんです!』とか『刺激物が一番だ常考』とか」グデェ・・・
C「うわぁ。わんこ、ロンドンにいても『とし』にいても、くろうするんだね」ヤレヤレ・・・
香焼「ハハハ……で、2人は自分に詰め寄ってくる。『君(貴方)は僕(私)の味方……裏切ったら分かってるね?』、、、そんな感じ」ハァ・・・
D「……わんこ、もてもて?」キョトン・・・
香焼「そういうアレじゃないんだ。もっとオゾマシイ、独占欲……いや、服従させようみたいな……あ、ごめん。難しいよね」ポリポリ・・・
E「んー。とりあえず、つづきは?」トントンッ
香焼「うん。マグヌス主教が煙草の火を近付け、最あ……友人が手首を握り粉砕しようと脅す最中……『英雄』がやってきたんだ」グッ
F「ヒーロー!」キラキラ・・・
香焼「カラフルな爆発と共に颯爽と現れたのが……超能力者の……第7位!」コクッ
G「『すごパ』のレベル5だー!」キャー!
香焼「そうだね。彼は自分の事を2人から救出し、こう叫んだ―――『いや、根性的に和風パスタだろ!』……はぁ」ドヨーン・・・
H「ど、どうレベルのバカだった」エー・・・
香焼「それでまた三つ巴で喧嘩始めて。超能力者と大能力者と英国でも最強クラスの魔じゅ……喧嘩屋が自分の部屋で暴れ始めて」ダラダラ・・・
I「へや、ぶじだったの?」タラー・・・
香焼「色々ボロボロ……まぁ結局、解決したのは英国のシスター・禁書目録(インデックス)なんだ」ハハハ・・・
J「うそだー! あの『ぼうしょくまじん』がー?」キョトン・・・
香焼「3人が取っ組み合う中、彼女は微笑み告げた。『食べ物に優劣があってはいけません。神の下では皆、同列平等に食べ物なんだよ』と」コクッ
子供達『おぉ』ホッ・・・
レッサー「……ちょっとお姉さん。あれ実話?」チラッ
神裂「ええ。珍しくあの子(インデックス)がその場を沈めました」ハハハ・・・
アンジェレネ「禁書目録が言うと説得力ありますね」ハハハ・・・
シルビア「にしても、必要悪の教会の主教補佐と超能力者第7位が何で仲良し子良しやってんのさ……まぁ良いか。アイツもガキだし」フッ・・・
神裂「ええ。実際レッサーと同い年ですからね」ポンッ
レッサー「うわぁ。将来的にアイツと幼馴染的なポジションとか勘弁して欲しいんですけどー」ウゲェ・・・
アンジェレネ「カルテッ娘(私達)的にはもう遅いでしょ。既に友達だし」ポリポリ・・・
レッサー「うーん……まぁ私がアイツにデレる事は無いので問題ナッシングですかね」ムンッ
神裂「今までツンも無いでしょうに……おっと、シルビア。そろそろブリュンヒルド達が着くそうです」チラッ
シルビア「おうよ。おーい、ガキ共ー。そろそろお眠の時間だろー。上行って香焼の話聞きながら昼寝してこーい」クイッ- 444 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/07/22(月) 01:00:50.50 ID:iCiEw7/X0
―――一方、外の物干し・・・・・
オッレルス「―――……はぁ」ドヨーン・・・
トール「なーんで溜息なんて吐いてんだよ。幸せ逃げるぞ。上条リスペクト?」チラッ
オッレルス「馬鹿言え。俺はカミやん病に感染した覚えはないって」ハァ・・・
トール「まぁアンタの場合、地で不幸気質あるしな。どっちかってーと……うん」チラリ・・・
フィアンマ「……あん?」ジトー・・・
オッレルス「確かに、コイツが一番影響受けてるかもね。オマエの場合は逆に上条当麻に影響与える側ぽいし」ハハハ
フィアンマ「ふざけろ。俺様がいつ、彼奴の影響を受けた」フンッ
トール「いや、アンタ丸くなってんじゃん。噂で聞いてたアンタって、魔王的なイメージだったんだけど」ハハッ
フィアンマ「聖職者の鑑たる俺様が魔王な訳ないだろ。お前馬鹿か? ああ、馬鹿だったな」ハッ
トール「……そういう軽口吐く辺り丸くなってんじゃねーの。有無を言わさず攻撃してくるイメージだったってこったよ」ケケケッ
フィアンマ「むっ」ジトー・・・
オッレルス「まぁまぁ。元々悪人って訳でもないしね。少なくとも今は『ウチ』のファミリーさ」フフッ
フィアンマ「……うっせ」チッ・・・
トール「あんれぇ? フィアンマたんテレてんのー?」ニヤニヤ・・・
フィアンマ「うっせぇ! 喧しいわ阿呆!」ガー!
トール「わっ! ちょ、蹴るな。おかっぱ!」ブンブンッ
オッレルス「お前ら、暴れるな! 物干し竿が揺れる! あぶ危ないないなななあbbbb」グラグラッ
※現在、3人の両袖に物干し竿を通して外に天日干ししてます。
トール「この、こぬぉう!」ゲシゲシッ
フィアンマ「ていっ、てぇゑゐぃ!!」ゲシゲシッ
オッレルス「やあぁめえぇてえぇよおぉ!!」グラグラグラグラッッ・・・
ギャーギャー ガオーガオー!!
オッレルス「ちょ、マジ、揺れ……あばぃっ!!?」グラリ・・・
フィアンマ・トール「「このっ……うぇ」」グラグラリ・・・・・
ドシーン・・・・・
オレ・右・ソー『ぐべっ!?』ゴチーン・・・
ブリュンヒルド「―――……なぁにあれぇ」タラー・・・
ジーンズ屋「知らない知りたくない見たくない関わりたくない」ハァ・・・
ブリュンヒルド「ラスボス団子三兄弟がジャッキー・チェンのアクション映画に出てきそうなマヌケな倒れ方してるんだが」ジー・・・
ジーンズ屋「確かにジャッキーならあの状態で戦闘しそうだけどさぁ……いや、そういう問題じゃねぇよ」チラッ・・・
ブリュンヒルド「とりあえず全員顔面強打で気絶してるっぽいし、2人で両端担いで中入るかい?」テクテク・・・
ジーンズ屋「なにそのマンモス担ぐ原始人的思考!? 如何考えてもスルー一択だって」アリャリャ・・・
ブリュンヒルド「いやでも、コイツら居ないと話始まらないでしょ。仕方ない、私一人で担ぐか―――よいしょっ」グンッ!
オレ・右・ソー『ぎゃっ?!』 ← ※三色団子を片一方に詰めた感じで
ジーンズ屋「相変わらず馬鹿力だな。あと恐れ知らず……あ、ちょ、待て! マジでそのまま入ろうとすんなよ!」アタフタッ・・・
- 455 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/04(日) 21:44:06.81 ID:D7SYebhJ0
わおーん・・・・・
ブリュンヒルド「―――邪魔する事よ……って、扉に男子(だんご)が突っ掛かって入れない」ガチャッ・・・ガンガンッ!
シルビア「ん? もう着いたのかい……おいおい。変なモン担いで部屋の中入らないでくれよ」ハァ・・・
オレ・右・ソー『 』チーン・・・
神裂「ちょ! 何故に気絶を?」タラー・・・
ブリュンヒルド「知らなーい。モンティパイソン宜しく、愉快な恰好で並んで倒れてたにつき、運んだ次第だ」ググググ・・・
オレ・右・ソー『 』チーン・・・ ギチギチ・・・
ジーンズ屋「おま、そろそろマジで止めたげて! 外から見ると野郎三人の圧迫状態が酷い有り様だ!」アタフタ・・・
レッサー「おまけに首絞まって真っ青なってますし。最高峰の魔術師がガキんちょに捕まったヒキガエルみたいですね」ハハハ
アンジェレネ「レッサーちゃん、笑ってる場合じゃないよ」アワワワ・・・
ブリュンヒルド「ん? あぁ、確かに拙い状態につき……よいしょっ」ドサッ
オレ・右・ソー『 』チーン・・・ゴロンッ・・・
神裂「まるで生きた人間には見えない」アリャリャ・・・
シルビア「その内勝手に立ち直るから放っておきなさい。それより……ほれ、ガキ共。上に行ってお昼寝なさい」クイッ
A「えー。せっかく『おっぱいセイジン2ごう』がきたのにー」ブー
B「あそびたーい。もうちょっとだけー」ブー
シルビア「だーめ。おっぱいセイジンは1号も2号も今から仕事なんだ。アンジェレネ達と一緒に上行きなさい」ムンッ
神裂「……シルビア?」ギョロッ
レッサー「あっはっはっ。斯く言うシルビアも、おっぱいセイジンV3だったりうきゃぱっ!!」ゴチンッ!
アンジェレネ「また余計な事を」
ブリュンヒルド「ははは。私は構わないぞ。何をして遊ぶ事か?」フフッ
J「ほらー。『うしちち』がいいっていってるもん」ブー
神裂「……固法さん」チラッ・・・
香焼(姉さん、『牛乳(うしちち)』って聞いただけで固法さん思い浮かべるのは止めましょうね)ハァ・・・
シルビア「喧しい。駄目なモンは駄目だ。言う事聞かないヤツは馬鹿野郎共と同じ様に天日干しにしてやるぞ。もしくは三角木馬の刑!」ギロッ!
子供達『おやすみなさーい!』バババッ・・・
ドタバタ ワーワー・・・・・
シルビア「ったく……疲れるねぇ。こっちが昼寝したいくらいだってのに」ヤレヤレ・・・
神裂「シエスタって柄じゃないでしょうに。さて、彼らが起きたら始めますか」チラッ・・・
オレ・右・ソー『 』
シルビア「そうだね……っと、その前に……おチビ三人」チラッ・・・
アンジェレネ「え、あ、はい」キョトン・・・
シルビア「えっと、だな」ポリポリ・・・
香焼「……アン。レッサー。上に行って子供達を寝かせつけよう」テクテク・・・
レッサー「んー……はいはい」テクテク・・・
神裂「……すいません」ペコッ
香焼「いえいえ。全員寝かしつけたら散歩にでも行ってきますので」コクッ・・・
アンジェレネ「え……ぁ」ムゥ・・・- 456 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/04(日) 22:45:49.82 ID:D7SYebhJ0
- レッサー「さーて、じゃあ私もお昼寝しちゃいましょうか」フンフーン・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「……アン。邪魔しちゃダメだよ」クイッ・・・
アンジェレネ「……分かってますよ」ムスー・・・
カツカツカツ・・・・・
シルビア「……なんだか、申し訳無いね」チラッ・・・
ブリュンヒルド「何の事を?」キョトン・・・
シルビア「アンタにゃ関係無いさ……なぁ神裂」ジー・・・
神裂「……、」ムゥ・・・
シルビア「……まぁ良いさ。それよか、アンジェレネの方が心配だね」クイッ
神裂「そうですね。アニェーゼやルチアも、あの子の様子がおかしいと最近悩んでいました」コクッ
シルビア「何が如何おかしいのかは知らないけど、思春期ってヤツかな。こういう『大人の話』に混ざりたがるのは」フフッ
神裂「彼女の場合、歳の近い周りの友人達が優秀過ぎますからね……香焼以外は」ジー・・・
ブリュンヒルド「ふむ。身内につき、辛辣な事かい?」チラッ・・・
神裂「いえ。如何身内贔屓しても、あの子は弱いですから……申し訳ありませんが、アンジェレネもね」コクッ
シルビア「厳しいね。で、気になるのは、何であの坊やはあんなに『良い子ちゃん』なんだい?」チラッ・・・
神裂「それが分かれば苦労しませんよ……あの子は物分かりが良過ぎます」ハァ・・・
シルビア「思春期の男子でそれは如何なんだろうねぇ」チラッ・・・
ジーンズ屋「ん? いや、俺に振られてもなぁ。まぁ人それぞれじゃねぇか。俺は普通に反抗期しまくりだったけど」ポリポリ・・・
ブリュンヒルド「普段が普段につき、容易に想像する事が出来るね」ハハハ
ジーンズ屋「うっせ。まぁ魔術師なんて奇特なモンやってるんだし、少々感情押し殺しててもおかしかないんじゃねぇか」テクテク・・・
神裂「……そういうものでしょうか」チラッ・・・
オレ・右・ソー『……、』ゴロンッ・・・
シルビア「コイツらは更に特殊だから参考にならないよ。思春期があったのか如何かすら疑わしい」ハハッ
ブリュンヒルド「というより、若い内から魔術師してたら灰色の青春しか送れない事は……私ら全員理解してるんじゃなくて?」トントンッ
ジーンズ屋「俺を一緒にすんなよ。まぁでも、何となくは分かるけどさ……男子女子なんてモンは関係無いのかも」フーン・・・
神裂「……やはり、私は姉には向かないのかもしれませんね」ボソッ
シルビア「何考えてんだか知らないけど、会議前にネガティブならないでね」トンッ
神裂「ええ、すいません……さて、そこの三人はまだ目覚めませんか?」チラッ・・・
シルビア「……どうせもう起きてる」ジトー・・・
ブリュンヒルド「顔面踏みつければ起きるにつき」スッ・・・
オレ・右・ソー『ふんっ!!』バリッ!!
ジーンズ屋「うわぁ起き上がり方気持ち悪い。人間の動きじゃねぇ」タラー・・・
トール「言ってくれるな……空気読んで寝てたら危険だったでござる」フゥ・・・
オッレルス「あと勝手に『思春期を殺した少年』みたいに言わないで欲しいでござる」ヤレヤレ・・・
フィアンマ「思春期ならちゃんとあったぞ。主に『好き勝手』やってたでござる」ムンッ!
シルビア「そのウザい口調を止めろ。また干されたいか!」ガー!!
神裂「やれやれ……とりあえず、さっさと話を始めましょう―――」クイッ・・・
- 457 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 00:54:06.40 ID:RyTiioiE0
ワイワイ ガヤガヤ キャーキャー ウーンムーン グースー ムニャムニャ Zzz...
子供達『Zzz...』スヤスヤ・・・
香焼「―――ふぅ……やっと寝着いたね」チラッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
レッサー「ムニャムニャ……ふ、フロリス……そこはらめぇ……ひぎぃ……スヤスヤ」Zzz...
香焼「レッサーも寝ちゃったか。どんな夢見てるんだか」ハハハ・・・
アンジェレネ「……、」クルッ・・・テクテク・・・
香焼「アンジェレネ?」チラッ・・・
アンジェレネ「……下、行く」テクテク・・・
香焼「自分も行くよ。女教皇様達の邪魔にならない様に行かないと」ヨイショッ・・・
アンジェレネ「何で、私達が参加しちゃダメなのかな」チラッ・・・
香焼「え」キョトン・・・
アンジェレネ「……冗談ですよ」テクテク・・・
香焼「……アン」ジー・・・
ガヤガヤ・・・・アーダコーダ・・・ネセサリウス・・・グレムリン・・・・・ローマ・・・ベヘツレム・・・・・モスクワ・・・・・ハワイ・・・・レベル5・・・・・ワヤワサ・・・・・
神裂(ふぅ。平行線ですね―――……ん? アンジェレネ?)チラッ・・・
アンジェレネ「―――」テクテク・・・ガチャッ・・・
香焼「―――」アタフタ・・・チラッ・・・
神裂(子供達は寝着いた様ですが……やれやれ……すいません、香焼。頼みます)コクッ・・・
香焼「―――」コクッ・・・ガチャッ・・・
シルビア「―――ったく。殆どがタカ派だから主義主張が纏まらないよ……って、神裂」チラッ・・・
神裂「え、あ、はい」ピクッ・・・
シルビア「アンタとオッレルスしか穏健思考いないんだから頼むよ」トンッ
神裂「ええ……しかし、この会議にはもう少し人が居ても良いと思うのですが」チラッ・・・
シルビア「まぁね。主教殿やロシアの魔女は、ちとアレだが……マグヌスや『後方』が居ても良いとは思う」コクッ
オッレルス「―――マグヌスは、何だかんだで子供だからね。あまり関わらせたくは無いよ」チラッ・・・
神裂「子供、と」チラッ・・・
ブリュンヒルド「一教派の主教補佐殿をガキ扱いとは、お優しい事で」フフッ
トール「それに、この話合いは国やら派閥云々抜きだろう。あの不良神父くんは英国に偏りが大き過ぎる」コクッ
フィアンマ「それからアックアの奴は俺様と顔を合わせるのが嫌なのだろう。それ抜きにしても、奴は『傭兵』気質だからな」フンッ
ジーンズ屋「んな事言ったら俺はしがない情報屋なんだけど」ハァ・・・
オッレルス「君は会議には必要さ。後方の彼は逆に現場で必要でしょ。一応、俺らに賛同はしてくれてる」コクッ
トール「ま、ウィリアムさんってのは後から文句付けるタイプでも無いんだろ。だったら問題無ぇ」フフーン
フィアンマ「問題は……あのチビカリスマ(笑)だろう。今はインドに居るとか言ってたか」フンッ・・・
シルビア「バードウェイの情報と財力には頭が上がらないからね。多少の主導権は譲らないと」ポリポリ・・・
フィアンマ「ケッ……気に食わん」チッ・・・
神裂「まぁまぁ。とりあえず、今決められる事を決めておきましょう……大人として、ね―――」コクッ・・・- 458 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 01:35:34.97 ID:RyTiioiE0
- ―――そのまた後日、PM02:30、英国、ロンドン郊外、とある教会近くのアパート裏・・・・・
にゃーん・・・・・
アンジェレネ「……、」テクテク・・・スッ・・・
香焼「……アン」テクテク・・・
アンジェレネ「……何?」チラッ・・・
香焼「いや、その……どうしたの?」スッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「言えない事? 様子が変っすよ」トンッ・・・
アンジェレネ「……いつも通りです」ジー・・・
香焼「そうかな。心成しか、いつもより食べる量少なかったし、さっきから元気無いし」ムゥ・・・
アンジェレネ「女の子には色々あるんです」ジー・・・
香焼「……はぁ」ポリポリ・・・
シーン・・・・・
香焼「もしかして、ルチアさんと喧嘩したの? それともアニーと?」チラッ・・・
アンジェレネ「してない。コォヤギくんには関係無いです」ムゥ・・・
香焼「はいはい……まるで子供だよ」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「……自分だって子供のクセに」ムスー・・・
香焼「そうっすね。自分は子供っす」ゴロンッ
アンジェレネ「なんでそう、物分かりが良いの? 子供なのに」ジトー・・・
香焼「子供だから、物分かりが良いんすよ。変に大人ぶるとステイルみたいに捻くれて見えるでしょ」フフッ
アンジェレネ「私からしたら逆ですよ。捻くれてる方が子供っぽい」ムゥ・・・
香焼「反抗期っすか? 勿論、自分だって反抗してるっすよ。あくまで五和と浦上限定っすけど」ハハハッ
アンジェレネ「ふざけてるなぁ。私が言いたいのはそういう事じゃなくて……もぅ」ムスー・・・
香焼「ごめんごめん。それで……喧嘩じゃないとしたら、どうしたのさ?」チラッ・・・
アンジェレネ「……別に」モジモジ・・・
香焼「自分には言えない事?」ジー・・・
アンジェレネ「……そういう訳じゃないけど」ムゥ・・・
香焼「少なくとも、自分一人で悩んでるみたいっすね……その様子だと多分、アニーにも相談してないんでしょう」フム・・・
アンジェレネ「……アニェーゼちゃんは関係無いよ」ボー・・・
香焼「そっか。因みに、さっきの会議は関係ある?」クイッ
アンジェレネ「関係無い」ジー・・・
香焼「でも、気になる様子だったね」コクッ
アンジェレネ「……気になるくらい良いでしょう。私は誰かさんみたいに物分かりが良くないんです」ムゥ・・・
香焼「いやいや、自分だって気にはなるよ。でもまぁ一応、末端の魔術師だからね。方針云々を決める場に居合わせちゃいけないよ」ポリポリ・・・
アンジェレネ「その物分かりの良さ。私嫌いです」ムスー・・・
香焼「それ、ただのヤツ当たりみたいだ。困ったなぁ」ウーン・・・
アンジェレネ「む……言い過ぎました。確かにいくらなんでも、子供っぽ過ぎたね。ごめん」コクッ・・・ - 459 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 02:17:14.61 ID:RyTiioiE0
わおーん・・・・・
アンジェレネ「コォヤギくんは……アニェーゼちゃんやステイルくんくらい強かったり、偉くなったりしたいとは思わないの」ジー・・・
香焼「え……どうだろう。強くなりたいとは思うけど急いでもしょうがないし、今のところ出世欲も無いかな……アンは?」コクッ
アンジェレネ「……分かりません」ジー・・・
香焼「そう……何となく、言いたい事は分かるよ。でもアニーもステイルも、サーシャやレッサーだって同じじゃないかな」チラッ・・・
アンジェレネ「例え気持ちは同じでも、現実、スタートラインが違うでしょ。皆、私達よりずっと先にいる」ムゥ・・・
香焼「厳しいね。でも、今に始まった事じゃないっす……それが納得いかない?」フム・・・
アンジェレネ「寧ろ、納得いってるコォヤギくんが異常だと思うよ」チラッ・・・
香焼「……同じ事、都市でも言われたよ。その子は自分と同い年の無能力者(レベル0)の娘なんだけどね」ハハハ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「アン。今ちょっと安堵したでしょ。無能力者って聞いて、きっと魔術師として下っ端の自分達以下だと思った」ニヤリ・・・
アンジェレネ「そ、そんな事無いよ!」アタフタ・・・
香焼「ふふっ。まぁ一般人からしてみれば魔術師は力有る者っすよ……でもね。その子は、並の能力者や魔術師より心が強いと思うよ」コクッ
アンジェレネ「……よく分からないな。コンプレックスが無いの?」ジー・・・
香焼「いや、コンプレックスは人一倍あるんじゃないかな。でもその子はそういうの抜きにしても、能力者に負けてない」ジー・・・
アンジェレネ「如何いう事?」キョトン・・・
香焼「カリスマ性っちゃカリスマ性なんじゃないかな。リーダー気質だと思う。あと、努力を惜しまず自分に出来る事を精一杯やってる」フフッ
アンジェレネ「……、」ウーン・・・
香焼「兎に角、凄腕の魔術師だろうが無能力者の学生だろうが、出来る事を一所懸命やってれば結果が付いてくるでしょ」コクッ
アンジェレネ「結果が出ない場合は?」ジー・・・
香焼「今はまだその時じゃないって割り切るべきなんじゃない? 苦しいけど、そう考えないと報われないよ」ハハハ・・・
アンジェレネ「……もし、その逆の場合は?」ジー・・・
香焼「え?」ポカーン・・・
アンジェレネ「例えば……それ相応の結果以上のモノが、いきなり訪れたら。如何対応すれば良いかな」ムゥ・・・
香焼「言ってる意味がよく分からないんだけど」ポリポリ・・・
アンジェレネ「……分相応以上の仕事を任されたり、スカウトされたり」ボソボソ・・・
香焼「うーん。チャンスだと思ってやりきってみせるべきじゃない」コクッ
アンジェレネ「それが幾つもの選択肢だとしたら」ムゥ・・・
香焼「……アン?」キョトン・・・
アンジェレネ「それが、今の立場から一転、大役を任されて……アニェーゼちゃん達から離れなければいけなくなるとしたら」ムゥ・・・
香焼「あ、アンジェレネ。一体、如何したの」タラー・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「何か大きな事があったんだね。その所為で最近悩んでたんだ……話し辛い事?」ジー・・・
アンジェレネ「きっと……―――おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」シュン・・・
香焼「分からないけど、卑下しないで。過程は分からないけど、今までの努力の結果であれば―――そんな事無いっすよ」コクッ
アンジェレネ「はははは。変なの。話すつもりなかったのになぁ……ねぇ、コォヤギくん。他の人には内緒にして下さいね」スッ・・・
香焼「……―――」コクッ・・・
- 464 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 21:08:43.96 ID:s6YBnBJB0
―――一寸後・・・・・
アンジェレネ「―――……てな事がありました」カクカクシカジカ・・・
香焼「……、」シカクイムーブ・・・
アンジェレネ「正直、如何して良いか分からないの」シュン・・・
香焼「そっか……姫様の我儘気質の所為ってのはまだしも、まさかステイルも原因だったなんて」ウーン・・・
アンジェレネ「勿論、二人とも嫌いな訳じゃないし、寧ろ好きな人達だから断り辛いってのもあって」ハァ・・・
香焼「……因みに、その2人だけだよね?」チラッ・・・
アンジェレネ「え? 何が」キョトン・・・
香焼「いや、スカウトというかヘッドハンティングというか」ポリポリ・・・
アンジェレネ「う、うーん……実は」モジモジ・・・
香焼「……、」タラー・・・
アンジェレネ「食堂のおばちゃんとか、処刑(ロンドン)塔の衛生救護課の先生とか、博物館の魔術職員さんとか、他には」アタフタ・・・
香焼「ストップ……なるほど。悩まない方がおかしい」ダラダラ・・・
アンジェレネ「皆、何度かお手伝いに行ってる内に仕事手伝って欲しいって……多分、本気じゃなくお世辞だとは思うんですけどね」アハハ・・・
香焼(何割かはマジでスカウトしてるんだろうなぁ。アンは看板娘というかマスコットとして持ってこいだし)ハハハ・・・
アンジェレネ「ただ、今回みたいに真剣に考えてくれって言われたのは初めてで……はぁ」ムゥ・・・
香焼「アニェーゼには、相談して無いんすよね」フム・・・
アンジェレネ「……言えないよ。コォヤギくんが同じ立場なら、すぐさまイツワ達に相談出来る?」シュン・・・
香焼「アレと浦上は別として……確かに、真っ先天草式(身内)には相談し辛いよね。女教皇様―――というかカオリ姉さんなら尚更」ハハハ・・・
アンジェレネ「でしょ……特に、隊長―――ううん。アニェーゼちゃんとルチアちゃんだと、そう」ムゥ・・・
香焼「うん……ただ他人事だからサッパリ言っちゃうけど、突き詰めれば要はアンが如何したいかじゃないの?」チラッ・・・
アンジェレネ「簡単に言ってくれるね」ハハハ・・・
香焼「信用して話してくれたと思って敢えて言わせてもらうけど、アニェーゼは勿論の事、ルチアさんだって今や束縛してないじゃん」コクッ
アンジェレネ「うん。部隊の娘、誰も束縛なんかしてない……でも、誰も辞めない」フルフル・・・
香焼「それは仲間としての絆故?」チラッ・・・
アンジェレネ「家族ですよ。孤児院時代からの」ジー・・・
香焼「……そっか」フフッ
アンジェレネ「多分、部隊外の人達からしてみると、私達はルチアちゃんの叱責が怖くて誰も部隊を抜けてないとか思われてるかもしれない」
アンジェレネ「確かに、ローマ時代はそんな感じはあったけど、今は違いますよ。ルチアちゃん、寡黙だから言わないだけで色々考えてます」
アンジェレネ「それを吐露するのはアニェーゼちゃんだけだけど……私達は、皆気付いてますしね」フフフ・・・
香焼「それを知った上で、皆辞めない……というより家族の下に居る」フム・・・
アンジェレネ「抜けたって、家族である事には変わりないってのは分かってるんですけどね……皆マンモーニ(ママっ子)なのかな」クスッ
香焼「かもね。素敵だと思うよ……あー、話を戻すけど……やっぱりアニーかルチアさんに相談すべきだと思う」コクッ
アンジェレネ「……え」キョトン・・・
香焼「話し辛いのは分かるけど、このままじゃ平行線だよ。もし言い辛かったら間にオルソラさんやカオリ姉さんを置いても良いと思う」ジー・・・
アンジェレネ「……、」ムゥ・・・
香焼「それに今回の話は、アンの将来的にも大きく関わる話だからね。腹を据えて、ちょっと真面目に考えても良いんじゃないかな」フム・・・
アンジェレネ「じゃあ、コォヤギくんは……ドチラかの手伝いをした方が良いと思うんですか?」ジー・・・
香焼「え、いや、うーん。ぶっちゃけあの2人ってので不安。でもあの2人だからこそ安定はするよね……不安で安定って、変かな」ハハハ・・・- 465 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 22:10:17.18 ID:tFVceyOx0
- アンジェレネ「もぅ。相変わらず優柔不断だね……人の事言えないけど」クスッ
香焼「ごめんごめん。兎に角、自分一人では決まらなそうだし、相談しなって」コクッ
アンジェレネ「うん。分かりました……ありがとね」フフッ・・・
香焼「いえいえ。でも、アンらしいね。周りの好意を無碍に出来ないから、こんなに悩むんでしょ」フフッ
アンジェレネ「そ、そんな大層な理由じゃないよ。私は優柔不断で、弱虫なだけ」モジモジ・・・
香焼「謙遜を。話変わるけど五和も結構スカウトされるんだよ。アイツ、表面はピュアガール()だから」ハハハ・・・
アンジェレネ「あー確かに。イツワは何処に行っても人気者ですし、人ウケが良いですからね」フフッ
香焼「まだアン達には猫被ってるからね。実際は……うん」タラー・・・
アンジェレネ「邪険にし過ぎじゃない? 天草の人には気を使わないからそう見えるんじゃないかな。特にコォヤギくんとかタテミヤには」コクッ
香焼「えー」ジトー・・・
アンジェレネ「私達だって、多少はイツワの『素』を見てますけど、それ抜きにしても天真爛漫な女学生って感じだよ」フフッ
香焼「……うーん」ポリポリ・・・
アンジェレネ「もう少し、優しくしてあげても良いんじゃない? ん……話逸れちゃったね。それで?」チラッ・・・
香焼「……とりま、アイツもスカウトされるんだけど、二言目には『私、専業主婦願望なので!』だよ」ハァ・・・
アンジェレネ「」ポカーン・・・
香焼「うん、呆れて物言えないよね」グデェ・・・
アンジェレネ「……あの競争倍率で、それを断言できる根性が凄い」ハハハ・・・
香焼「建宮さんも他の皆も唖然か苦笑だからね。その点、やっぱりアンは偉いよ」フフッ
アンジェレネ「何だか比べられる対象がオカシイ気がするけど、とりあえずありがと」ポリポリ・・・
香焼「ははは、ごめんね―――さて、それじゃあ帰ったら早速アニーに相談かな。それともルチアさん?」チラッ・・・
アンジェレネ「ルチアちゃんは……やっぱりちょっと怖いかな。アニェーゼちゃんにします」コクッ
香焼「よし。じゃあ頑張って。自分は応援しか出来ないっすけど、アンにとって最善になる事を願うよ」ポンッ
アンジェレネ「ふみゅっ……んもぅ」ンー・・・///
香焼「ふふっ。あ、でもホントに大丈夫かな……やっぱオルソラさんに中持って貰った方が」ポンポンッ
アンジェレネ「むぅ。心配性なんだから」ジトー・・・///
香焼「だって、ステイルの名前が出てきた瞬間、アニーがブチギレそうな気も」タラー・・・
アンジェレネ「アニェーゼちゃん、そこまで鬼じゃないです……そんなん言うなら」ジー・・・///
香焼「ん?」キョトン・・・
アンジェレネ「……コォヤギくんが―――」
ガチャッ・・・・・
香焼・アン「「―――っ!?」」ビクッ!
レッサー「ふぁああぁ……ん。居ました」チラッ・・・
アンジェレネ「お、おはよう」アハハ・・・
レッサー「あまりに陽気だったんで一緒に寝てしまいましたよ……ふみゃあぁ……あー何してるんです? 逢引的な?」ジー・・・ムフフッ
アンジェレネ「ち、違うよ! ちょ、ちょっと色々と」アタフタ・・・
レッサー「怪すぃ……実は人目を忍んで白昼あばんちゅーる? バレるかバレないかのギリスリルを楽しんじゃぁバザハァットぉ!?」ゴガンッ!!
アンジェレネ「っ~~~~ッッ!! 変態っ!!」カアアァ///
香焼(レッサーはブレないなぁ)ハハハ・・・ - 466 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 22:58:47.75 ID:tFVceyOx0
- レッサー「痛つぅ……タライ投げる事ぁ無いじゃないですか。タライですよ? 普通上から降って来るものです」ンモー・・・
香焼「いや、あくまで洗濯用品だからね」ジトー・・・
レッサー「マジレス乙です。あー、そんな事より……本題はコッチです。ほれ、出ておいで」クイッ・・・
香焼・アン「「え」」キョトン・・・
D「……、」トコトコ・・・
アンジェレネ「Dちゃん? 如何したの?」スッ・・・
D「……ん」ギュッ・・・
アンジェレネ「おわっ。あらら、あまえんぼさん」ナデナデ・・・
D「……、」ギュウゥ・・・
レッサー「あらら、コウヤギちゃん。アンジェレネお姉ちゃんが取られちゃいましたね」フフッ
香焼「訳が分からない事言うなよ……で、如何したんすか」チラッ・・・
レッサー「んー。Dの啜り泣きに起されちゃいましてね。私じゃ良く分かんないんで、分かる人んとこ連れてきた所存でーす」ジー・・・
香焼「なるほど」ジー・・・
アンジェレネ「……怖い夢でも見ちゃったのかな」ポンポンッ・・・
D「……、」ギュウゥ・・・
アンジェレネ「よしよし。良い子良い子」トンッ・・・トンッ・・・
D「……、」グスッ・・・ギュッ・・・
アンジェレネ「大丈夫ですよー。Dちゃんは一人じゃないよー」トンッ・・・トンッ・・・
D「……ぅん」グッ・・・ギュウゥ・・・
香焼「……、」ジー・・・
レッサー「……こういうの見ちゃうと、人には向き不向きあるんだなぁって思い知らされちゃいますよね」スッ・・・
香焼「ちょっと、背中乗っかんないでよ……まぁ確かに、アンは上手だよ」ジー・・・
レッサー「アニェーゼも上手ですけど、アンジェっち程じゃないですからね。私やランシス、サーシャはテンパりますし」ハハハ・・・グデェ・・・
香焼「体重乗せるな……男性だと、相当親しくない限りは怖がられるよ。自分からしてみれば、やっぱ凄いと思う」ムネ アタッテンゾ・・・
レッサー「カンザキやシルビアがやったらタダの母性(オッカさん)ですし、先天的に得意なんでしょうね。慈愛(マリア)チック?」アテテンデス・・・
香焼「単に先天的では無いんじゃないかな。多分、ローマ時代から孤児院とかで世話してきてるんだろうから」タイシテ ムネ ナイクセニ・・・
レッサー「『同じ境遇』故なのかもしれませんけど……知ってます? アニェーゼ、未だに夜泣きしてるんですよ……んっ!」ムッ・・・ハムッ!
香焼「おまっ、耳甘噛みすんなっ! ひぅっ……し、知ってるよ……んっ……夜泣きって言い方は……ぁっ……語弊だと、思うけど」ビクッ・・・///
レッサー「うまうま……夢に見るんですってね。トラウマってんでしょうか……あむあむ……『パパママ』言ってるんでしょ」ペロッ・・・ジュルルッ・・・
香焼「ぁ、ぅ……それを、ぁ、アンが慰めてる……ぃっ……本人か、聞いた、じゃ、ないけど……ァン……から、聞いちゃたから、ね」グッ・・・///
レッサー「んーっ……からかうにも、からかえないネタですからねぇ……は、ぁっ……無理矢理聞き出したの、私ですし……深刻過ぎて」ヌギッ・・・
香焼「ひゃ、ぅ…………………………―――……って! ドサクサ紛れて何してんだオマエはっ!!? 何故ジャケット脱いでる!?」バッ!!
レッサー「えー。今折角良い感じだったじゃないですかー。宛らベット上の二回戦前ピロートーク的な」ブー・・・
香焼「人が真面目な話してんの良い事に……何考えてんのさ」ンモー・・・///
レッサー「いやぁつい。えへっ☆」ポリポリ・・・ハハハ
香焼「『えへっ☆』じゃねぇよ! ったく、油断も隙もあったもんじゃない……ベイロープさんに言いつけるぞ」ジトー・・・///
レッサー「勘弁願いたいですけど説得力ありませんね。発情わんこの童貞ショタちんちん勃ってますよ」チラッ・・・ハッ・・・
香焼「う、五月蠅い!! 死ね!!」グルルルルッ・・・/// - 467 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/05(月) 23:31:26.89 ID:tFVceyOx0
- レッサー「おーこわっ。きゃー襲われちゃいまーす。発情犬に犯されるー。あ、初条件と発情犬ってゴロ似ててドッチもエロいです」ピンッ!
香焼「軍覇みたいなノリを……ってか、英国人が日本語の駄洒落言ってんじゃねぇ! あと、いい加減離れろ!」ギャーギャー///
レッサー「えー。一人だけ気持ち良くなって私はイカず終いですかー? 男としてそれ如何なんです?」ブーブー
香焼「こんのピンク脳がぁ……そんなにお望みなら幾らでもヤったるぞ!」ガシッ!!
レッサー「うわちょっ!? 尻尾は駄目でぅひゃあああああぁっ!! ひ、ひっぽにまにょくはらめええぇえぇっ!!」ジタバタッ!! ビクッビクンッ///
ギャーギャー! ワーワー!! ウキャパアアアァ!! ピギャアアアァ!! ラメエエエェ! ヒギイイイィ!!
D「……むぅ」スヤスヤ・・・
アンジェレネ「……、」トンッ・・・トンッ・・・フゥ・・・
レッサー「ごめ、ごめんなひゃああぁいっ!! も、もうしにゃい! おねがいっ! ん~~~~~ッ!!」ピクピクッ///
香焼「喧しい! 最近大人しくしてたの思って甘やかしてたらコレっす! 今日という今日は徹底的に!」ジワジワジワジワ・・・
アンジェレネ「……五月蠅いんですけど」イラッ・・・ギロリ・・・
香焼・レッサー「「……ぁ」」ピタッ・・・
アンジェレネ「D、折角寝たのに、起きちゃうよね?」ゴゴゴゴ・・・
香焼・レッサー「「……、」」コクコクッ・・・
アンジェレネ「……今の一部始終、アニェーゼちゃんに報告ね」ゴゴゴゴ・・・
香焼「い、いや、だって、今のは、その……レッサーが。(普段怒らない人が怒ると怖いなぁ)」ダラダラ・・・
レッサー「こ、コウヤギが、その……度が過ぎてましたよ。(将来的にオルソラっぽく育ちそうで怖いですね、この娘)」ダラダラ・・・
アンジェレネ「言い訳?」ギロギロッ・・・
香焼・レッサー「「」」サーセン・・・
アンジェレネ「もぅ……私、Dの事ベットに連れてくけど、また騒いでたら本気でオルソラさんかシルビアさんに言うからね」ギロッ・・・
香焼・レッサー「「」」アイマム・・・
D「むにゃ……むぅ」Zzz...
アンジェレネ「はぁ、ホント、大人しくしてて下さいよ」ヨイショ・・・トコトコ・・・
香焼・レッサー「「」」ホッ・・・
アンジェレネ「……それから、コォヤギくん」チラッ・・・
香焼「え、はい!」ビシッ!
アンジェレネ「何で敬礼……そんな畏まんないで良いから……さっきの話の続き」ボソッ・・・
香焼「……うん」ジー・・・
アンジェレネ「私の相談乗ったからには……責任取って、一緒に連いてきて下さいね」ニコッ
香焼「え。自分が!?」ギョッ・・・
アンジェレネ「勿論です。言い訳は聞きません。それじゃあ大人しくしてるんだよ」フフッ・・・トコトコ・・・
香焼「……、」タラー・・・
レッサー「……なぁにしでかしたんですか?」チラッ・・・
香焼「……あはは」ダラダラ・・・
シーン・・・・・
レッサー「……静かに、えっちぃ事します?」チラッ・・・クイッ・・・
香焼「なんでさ」ハァ・・・バカダ・・・ - 468 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/06(火) 00:31:35.96 ID:GKeVGD6i0
- アンジェレネ「まったくもぅ」トコトコ・・・チラッ・・・
D「……ふみゅ」スヤスヤ・・・
アンジェレネ「あー……ふふっ」ポンポンッ・・・
―――一方、アパート室内・・・・・
シルビア「……、」ジー・・・クスッ・・・
神裂「―――シルビア」チラッ・・・
シルビア「ん? あぁ、悪い。呆けてたよ」ポリポリ・・・
神裂「……アンジェレネ、ですか」ジー・・・
シルビア「ああ。あの子は……何でもない」フフフッ
神裂「そうですね。これ以上、スカウトは止めてあげて下さい」クスッ
シルビア「なんだ。アンタも聞き耳立ててたんじゃないか」ニヤッ・・・
神裂「聖人ともなると嫌が応にも色々聞こえてしまうんですよ。宛ら、地獄耳ならぬ聖人耳とでも言いましょうか」チラッ・・・
シルビア「それだけコッチの会議が耳に入ってないって事ね。ま、大抵は野郎共が勝手に決めるからな」ハハッ
神裂「バードウェイの案を自分らなりに如何アレンジするかで必死ですからね。彼らにとって、彼女の意のまま思い通りは癪みたいですし」ハハハ・・・
シルビア「男はいつまで経ってもガキよ。まぁレイヴィニア(アレ)もまだまだガキなのにねぇ……にしても、マグヌス坊やも思い切る」ジー・・・
神裂「薄々勘付いてはいましたが、まさかアンジェレネ(あの子)に直接言い寄っていたとは。アニェーゼを通さないのは彼らしいですね」フフッ
シルビア「アニェーゼ嬢に話したら、アンを渡すとでも? まぁ確かに将来的にみれば主教補佐の秘書なら安寧だけど……うーん」ポリポリ・・・
神裂「いや、そういう事ではなく。単にステイル(あの子)はアニェーゼを恐れてるんですよ」チラッ・・・
シルビア「恐れてる? あのデカブツが、おチビのアニェーゼを?」キョトン・・・
神裂「巨躯矮躯の差と、器量の差は別物です。アニェーゼはあの年代で考え方が誰よりも大人ですからね。仕事の面ではありませんよ」コクッ
シルビア「交友関係でって事? あの子らの常に近くに居る訳じゃないから、私にゃよく分からん」ポリポリ・・・
神裂「ステイルは……『過去』に縛られっ放しですから。『先へ先へ』目を向けるアニェーゼが怖くて仕方ないんです」フフッ・・・
シルビア「なるへそ。そりゃ怖いわな」ハハハ・・・
神裂「兎角、他の娘達より幾分か自分に懐いてくれてるアンジェレネに直接アプローチを掛けたのは……色々考える所があったのでしょう」ジー・・・
シルビア「【誰かさん】に『面影』を重ねてるだけだとしたら、これ以上に失礼な事は無いと思うんだけど」チラッ・・・
神裂「私は一歩前進したと褒めますよ……『【あの子】の為だけ』の人生を、ステイル=マグヌス『自身』の人生に変えて欲しい」フイッ・・・
シルビア「ほぉ。アンタも気苦労が絶えないね、皆の姉貴分さん」フフッ
神裂「お互い様でしょう。とりあえず―――アンジェレネをスカウトするのは無しでお願いします」コクッ
シルビア「ちぇっ。狡いねぇ……まぁ相手が姫様とマグヌス坊やじゃ分が悪いか。所詮は保母さん役だしね」ポリポリ・・・
神裂「いえいえ、彼女は本気で頼まれれば真剣に悩むでしょう。此処の孤児達相手なら尚更です」チラッ・・・
シルビア「……じゃあ」ムゥ・・・
神裂「シルビア、分かるでしょう。あの子はまだ『巣立ち』ませんよ」フフッ
シルビア「やれやれ。厳しいね……まぁでも、将来の就職先の一つとしては立候補させて貰ってもいいかしら?」ニヤッ
神裂「それは勿論。あの子も願ったりでしょう」クスクスッ・・・
シルビア「ははは。アンタ、その歳(18)で子供達の就職斡旋する側たぁ世の就活人が泣くわよ」ハハハッ
神裂「おや、私ももしかしてこの先、一般企業なんかに就職するかもしれませんよ。それこそ庶務とか業務で」フフッ
シルビア「ねーよ」ハハハ
オッレルス「―――とまぁ、この辺が妥協点か……って、話聞いてる? ねぇ? あ、2人以外寝てる……駄目だコイツら」ハァ・・・
- 474 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/12(月) 22:25:11.32 ID:NKs/FMYA0
- ―――はたまた後日、AM11:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、中庭・・・・・
アニェーゼ「―――……やれやれ。んで? 一体何の御用ですか」チラッ・・・
アンジェレネ「あの、えっと」モジモジ・・・
アニェーゼ「ったく。とりあえず座りなさい。昼休みも有限なんです……そっちのわんこも」チラッ・・・
香焼「うん。アン、落ち着いて」トンッ・・・
アンジェレネ「は、はい」トコトコ・・・スッ・・・
にゃーん・・・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
アニェーゼ「無言じゃ伝わんねぇんですけど。それとも……わんこが通訳すんですか?」チラッ・・・
香焼「……あはは」ポリポリ・・・
アニェーゼ「ハァ。昨夜深刻な顔して『ちょっと真面目なお話が』とか言われたんで何事かと思えば、コーヤギ関係ですか?」ジトー・・・
アンジェレネ「ち、違います!」アタフタ・・・
アニェーゼ「ふーん。でも、態々同室の私に、その場で言えねぇ事なんでしょう。でもって、何故かわんこが一緒」フンッ・・・
香焼「自分は、アンの相談に乗ってたから。あくまでサポートっすよ」コクッ・・・
アニェーゼ「あっそ。実は孕ませましたとかいうオチだったら即行ルチアに報告してやったんですけどねぇ」フフフ・・・
アンジェレネ「レッサーちゃんみたいな事言わないでよ!」カアアァ///
アニェーゼ「いひひっ。さーせん……ほんで?」ジー・・・
アンジェレネ「えっと、あのね」モジモジ・・・
アニェーゼ「……、」コクッ・・・
アンジェレネ「実は、此処数日で色んな人から、その、声が掛って」ムゥ・・・
アニェーゼ「声? ナンパって事ですか?」ハァ?
アンジェレネ「ち、違いますよ! その、ステイルくんとかリメエアさまとか」モジモジ・・・
アニェーゼ「ステイルに姫さん? 意味が分からない……もうちょいハッキリお願いします」ポカーン・・・
アンジェレネ「……スカウト、っていうのかな」ボソボソッ・・・
アニェーゼ「……、」キョトン・・・
アンジェレネ「ええっと、その、つまりは!」アワワワ・・・
アニェーゼ「……おーらい。ちょっと落ち着いて下さい。わんこ、補足プリーズ」チラッ・・・
香焼「はいはい。かくかくしかじか―――」ウンヌン・・・
アニェーゼ「―――まるまるもりもり、と」カンヌン・・・
アンジェレネ(え)キョトン・・・
アニェーゼ「なるへそね……そんで?」ジー・・・
アンジェレネ「あ、はい!」ビクッ・・・
アニェーゼ「一々ビクってんじゃねぇですよ。犬猫じゃあるまいに……私に何が言いたかったんですか?」ジー・・・
アンジェレネ「……え、と」モジモジ・・・
アニェーゼ「それ以前に、アンタは『部隊長』としての私と『アニェーゼ=サンクティス』個人としての私、どっちと話してぇんですか?」ジー・・・
アンジェレネ「多分、アニェーゼちゃん個人、です」ペコッ・・・
アニェーゼ「そ。じゃあそんな身構えてんじゃねぇですよ……あーちょい長くなりそうですかね。わんこ、飲みモン持ってきて下さい」クイッ・・・ - 475 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/12(月) 23:28:43.99 ID:NKs/FMYA0
わんわんお・・・・・
アニェーゼ「―――さて、と。どうしましょうか」ジー・・・
アンジェレネ「う、うん」コクッ・・・
アニェーゼ「始めに言っときますけど、別に私は怒らねぇですし止めねぇですよ。ま、分かってるとは思いますけどね」ハハハ
アンジェレネ「そう言うと思ってました」ムゥ・・・
アニェーゼ「それを踏まえた上で、私に何を言いたいんですか?」ジー・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
アニェーゼ「因みに『どうしよう』とか『どうしたら良いんでしょうか』とか、そういう曖昧なのは聞かねぇですよ」ボー・・・
アンジェレネ「え」キョトン・・・
アニェーゼ「自分で決めなさい。自分が決めなさい。いつまでも私やルチアの影に隠れてんのがアンの人生じゃねぇんです」ボー・・・
アンジェレネ「っ」グッ・・・
香焼「アニー。アンは態々選択を任せる為に、君と話がしたいんじゃないんすよ」ジー・・・
アニェーゼ「なら、結構。まぁもしそうなら私個人じゃなく部隊長としての私に話をしにきてる筈ですからね」フフッ
アンジェレネ「うん……私の中で答えは決まったから」コクッ・・・
アニェーゼ「ふーん。つまり、決意表明って訳ですか?」チラッ・・・
アンジェレネ「そんな大それたモノじゃないけど……あとは、その、懺悔でもあります」モジモジ・・・
アニェーゼ「……、」フム・・・
アンジェレネ「色々、考えちゃいました。私は皆と違って頭も良くないし、体力も無いし、魔術師としての腕も未熟だし、階級も無いです」ジー・・・
アニェーゼ「客観的に見りゃそうですね。まぁそれだけが全てじゃねぇですけど」ポンッ・・・
アンジェレネ「そう言ってくれるのは素直に嬉しいです。でもやっぱり、悩んじゃいました」シュン・・・
アンジェレネ「もし、この話を受ければ、私にもアニェーゼちゃん達と同じくらいの役職が就くし、将来も安泰です」ジー・・・
アンジェレネ「でも、それはある意味目先の慾に釣られそうになったと同じ事……修道女(シスター)にあるまじき思考です」ムゥ・・・
アニェーゼ「敬虔信者(クリスチャン)ねぇ。そういうのも大事でしょうけどそれ以前に人間です。考えようによっちゃ向上心でしょ」グデェ・・・
アンジェレネ「でも、それでも……悩んでしまいました」コクッ・・・
アニェーゼ「だから悪い事じゃねぇですって。姫さんの御付きなんつったら大層な仕事です。それこそ修道女より大変な仕事ですよ」コクッ・・・
アニェーゼ「ステイルも……本人の性格はアレですが、まぁ何だかんだで偉いのは認めます。仕事もそこそこ出来るみてぇですし」フンッ・・・
香焼「本来、あの役職(主教補佐)で秘書の一人も居ないのはオカシイからね……弟子は居るみたいだけど、ちょっとアレだし」アハハ・・・
アニェーゼ「師匠が師匠なら弟子も弟子です。さておき、アイツの下で働きたいって言っても私は怒りませんよ」フンッ・・・
アニェーゼ「ただ、間違って、アイツと付き合う云々言ったらブン殴りますけど。んでもってアイツは去勢します」ジトー・・・
アンジェレネ「あははは……と、とりあえず、アニェーゼちゃんに内緒で色々考えちゃった事は謝ります。ごめんなさい」ペコッ・・・
アニェーゼ「……何だかなぁ」ポリポリ・・・
香焼「アニー。君にとっては『そんな事で』かもしれないけど、アンはかなり悩んだんだよ」ジー・・・
アニェーゼ「んな事ぁ分ーってますよ。何年この子のお姉ちゃんやってると思ってんですか」ワシワシッ
アンジェレネ「はわわっ」モジモジ・・・
アニェーゼ「ったく……で、結局、ウチの部隊残留希望と?」ジー・・・
アンジェレネ「だ、駄目ですか?」オドオド・・・
アニェーゼ「駄目も何も、アンタがFA対象になってただなんて知りませんでしたよ。初耳初耳」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「そ、そうだよね。ごめんなさい」タラー・・・- 476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/12(月) 23:51:08.74 ID:zfuADiCT0
- 待ってた~!!
・・・寝落ちた? - 477 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/13(火) 00:28:25.83 ID:u2yuujOJ0
- アニェーゼ「まぁ今まで通りっつー事なんですけど……ただですねぇ」チラッ・・・
アンジェレネ「え」キョトン・・・
アニェーゼ「やっぱ今の話聞くと、勿体無い気がしますよ。謂わばチャンスっちゃチャンスですから」ジー・・・
アンジェレネ「チャンス、ですか」ピタッ・・・
アニェーゼ「部隊長としてみりゃ隊員が抜けるのは痛手ですけど、姉として見れば……妹のエリートコースですよ」ポンッ
アンジェレネ「え、エリートって、そんな! 私は……おちこぼれだし」ムゥ・・・
アニェーゼ「……そぉい!」ビシッ!
アンジェレネ「ふぉあっ!?」イタッ!
アニェーゼ「次それ言ったらゲンコツな」ジトー・・・
香焼(言う前にかましてんじゃん)ハハハ・・・
アニェーゼ「あのですねぇ。実力だろうが運だろうが『おこぼれ』だろうがコネだろうが、チャンスはチャンスでしょう。違いますか?」ジー・・・
アンジェレネ「……はい」ムゥ・・・
アニェーゼ「それを手にするって事は、幸せな事なんですよ。妹の、家族の幸せを望まない姉は居ませんって」ポンポンッ
アンジェレネ「アニェーゼちゃん」ッ・・・
アニェーゼ「勿論、部隊としちゃアンタはそれなりに重要なポジションに居ますから離れられると痛手ですけどね」ハハハ・・・
アンジェレネ「私は、離れませんよ」フフッ・・・
アニェーゼ「……ん」ナデナデ・・・
アンジェレネ「えへへ」フシフシッ
アニェーゼ「ま、今回の件は人生経験ってか勉強の一つだと思っときなさい。私も、色々考えさせられました」ポンポンッ
アンジェレネ「はい、分かりました」ペコッ
アニェーゼ「でも、もしこの先、将来的に別の仕事をしてぇって時は遠慮せずに言いやがって下さいよ」ジー・・・
アンジェレネ「うーん、どうだろう……とりあえず、今はまだ、アニェーゼちゃん達から離れたくないです」ギュッ・・・
アニェーゼ「……んもぅ。ママっ子め」フフフッ
アンジェレネ「ママじゃないですけどね。まだ『お家』から出たくないんですよー」ニコッ
アニェーゼ「やれやれ。世話の焼ける隊員(ガキ共)です……話は以上ですか?」ポンポンッ
アンジェレネ「はい。目茶苦茶言ってごめんなさい。これからもよろしくね」ギュウゥ・・・
アニェーゼ「はいはい」フフフッ・・・
香焼「……ふふっ」ホッコリ・・・
カー・・・カー・・・・・
アニェーゼ「―――それじゃあ戻りましょう。早くしねぇと昼休み終わっちまいます」クイッ・・・
アンジェレネ「うん、そうだね」コクッ・・・
アニェーゼ「っと……その前に、先に命令しときますか。シスター・アンジェレネ」チラッ・・・
アンジェレネ「え、あ、はい」キョトン・・・
アニェーゼ「午後は、マグヌス主教補佐とリメエア第一王女に報告書と親書を届けやがって下さい。お使いプリーズ」テクテク・・・
アンジェレネ「え」ピタッ・・・
香焼「要は、自分の口で決めた事を伝えてこいって事だよ」フフッ
アニェーゼ「……、」ポリポリ・・・
アンジェレネ「あ……は、はい! お気遣い、ありがとうございます! って、感謝するのは変かな」エヘヘ・・・ - 478 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/13(火) 01:20:14.91 ID:u2yuujOJ0
- アニェーゼ「それと、ルチアにこの話は?」チラッ・・・
アンジェレネ「え、いや、その……しなきゃ駄目ですか」タラー・・・
アニェーゼ「いんや。してねぇなら別に良いです―――それじゃあ、アン。先食堂行ってて下さい。ちょっと部屋寄ってから行きます」チラッ・・・
アンジェレネ「一緒に行きますよ」テクテク・・・
アニェーゼ「すぐ終わる用ですから先に席取ってて下さい。あと、ルチアと同じ班員には私からの使いで午後は居ないって自分で伝えて」コクッ・・・
アンジェレネ「分かりました。それじゃお先行きますね」パタパタパタ・・・
アニェーゼ「……ふぅ」グデェ・・・
香焼「お疲れ様。それじゃあ自分も」スッ・・・
アニェーゼ「待ちやがれ」グッ・・・
香焼「え」ピタッ・・・
アニェーゼ「ちょいと話を。歩きながらで良いです」ジー・・・
香焼「……分かった」テクテク・・・
シーン・・・・・
アニェーゼ「―――ったく。遣る瀬無ぇですね」テクテク・・・
香焼「相談が無かったのがショックっすか?」チラッ・・・
アニェーゼ「如何なんでしょう。よく分かんねぇですよ……とりあえず、コーヤギの方が相談役には適任だったんでしょう」ハァ・・・
香焼「適任、か。まぁそうっすよね。アンの境遇的に一番近いのは自分だし」ポリポリ・・・
アニェーゼ「……すいません」コクッ・・・
香焼「謝んないでよ。らしくないなぁ……平で凡だって事は、自分でも自覚してるから」アハハ・・・
アニェーゼ「本来卑下するなって説教入れるとこなんでしょうけど、ね。正直、助かりましたよ」ポリポリ・・・
香焼「ううん。困った時はお互い様っす。自分には自分にしか出来ない事があるから」テクテク・・・
アニェーゼ「……優しさとか思いやりとか、そういう面では、アンとコーヤギはトップクラスですよ」チラッ・・・
香焼「ありがと。アニーも、優しいと思うよ」フフッ
アニェーゼ「そりゃどーも。しかし、ステイルにリメエア様ねぇ」ポリポリ・・・
香焼「二人に怒ってる?」ジー・・・
アニェーゼ「いや、寧ろ感謝してますよ……ステイルに対しては癪ですけど。あの子を必要としてくれたんですからね」ボー・・・
香焼「そうだね、アンは人気者だから。知ってると思うけど、アン、色んなとこからお声掛ってるよ。カタギが多いけどさ」テクテク・・・
アニェーゼ「ええ、ぶっちゃけあの子はカタギ向きの性格してやがりますから……アンタもね」フフッ
香焼「馬鹿にして」ムゥ・・・
アニェーゼ「褒めてんですよ。逆に、私には出来無ぇ事ですから」ニコッ・・・
香焼「……アニェーゼ」チラッ・・・
アニェーゼ「しょーもない愚痴ですけどね。私は、汚れ過ぎてます……戦果は部隊のモノでも、責任は隊長(私)のモノですから」フフッ・・・
香焼「アニー。そういう話は止めようよ」テクテク・・・
アニェーゼ「潔癖症……綺麗なモノしか見たくねぇですか?」テクテク・・・
香焼「そういう問題じゃない。君だって他の子達だって、まだ未来があるでしょ……あのステイルだってそうだ。決めつけるのは早計っす」コクッ
アニェーゼ「お人好し。そんなんだから土御門に制裁(※)されんです。都市の暗部にも首突っ込みやがって」ムスー・・・ ※第17話『ただいま』⑥話
香焼「あははは……ま、まぁ色々とご存知で」ポリポリ・・・
アニェーゼ「嘱託扱いとはいえ、仮にも私は部隊長クラスなんですからね。入る情報は入るんですよ」ヤレヤレ・・・ - 479 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/13(火) 02:24:05.72 ID:u2yuujOJ0
- 香焼「そりゃ恥ずかしい……どんなん知られてるのかなぁ」アハハ・・・
アニェーゼ「ふふっ。兎角、アンタは無理に手ぇ汚す必要無ぇんです。綺麗な手のままアンやらレッサーやらを引き上げてやって下さい」チラッ・・・
香焼「別にそんな考え持ってないけど……それはそれとして、どうして自身を勘定に入れないのさ」テクテク・・・
アニェーゼ「私やサーシャやステイルは、無理なんです。さっきも言ったでしょう。引き返せないレベルまで足突っ込んでますから」フンッ・・・
香焼「はぁ……馬鹿みたい」テクテク・・・
アニェーゼ「は?」キョトン・・・
香焼「ステイルには偉そうに説教しといて、自分の事になったらそれっすか。呆れるね」ヤレヤレ・・・
アニェーゼ「うっ……わ、私は別にアイツみたいに不貞腐れて言ってる訳じゃねぇです。割り切った上で尚且つ、日常も送ろうと」ムゥ・・・
香焼「詭弁っすよ」ハァ・・・
アニェーゼ「こ、の……イラッとくる言い方しやがりますね」ジトー・・・
香焼「図星でしょ。結局、ダークヒーロー気取りじゃん……いつものポジティブさは如何したのさ。悲観的なアニー、嫌いだな」ジトー・・・
アニェーゼ「チッ……―――……誰だって、常に強く明るくなんて居られねぇんですよ。ちょっとくらい弱音吐いても良いじゃねぇですか」ムゥ・・・
香焼「っ! ご、ごめん」タラー・・・
アニェーゼ「いえ……コーヤギの言うとおりです。私らしくねぇですね。これじゃニコ中メンヘラ木偶の坊と変わりゃしません」ハハハ・・・
香焼「……、」ポリポリ・・・
アニェーゼ「はぁ……小さな頃は、花屋とかパン屋とか、お嫁さんとか……そんなんにも憧れてたりしてた様な気もするんですけどね」ボソッ・・・
香焼「今からだって、遅くないんじゃないかな」コクッ・・・
アニェーゼ「ははは。如何だか……でもまぁWWⅢ以後、都市じゃ暗部解体されたって聞きますしね。『誰かさん』も日の下ですか?」チラッ・・・
香焼「……誰の事やら」ポリポリ・・・
アニェーゼ「恍けやがって―――……さておき、部隊がある以上、隊長の私はそれを放棄できねぇんです」ポリポリ・・・
香焼「あ、うん。分かってる、つもり」チラッ・・・
アニェーゼ「なら、良いんです……ただ、それと同時に人並みの幸福だって欲してます。例え無理だと分かっていてもね」テクテク・・・
香焼「……だからさぁ」ムッ・・・
アニェーゼ「おっと、怒るな。これはネガティブじゃなく『事実』です。人を殺っちまった事がある以上、天国にゃ行けませんから」クイッ・・・
香焼「じゃあせめて、生きてる内に幸せになろうよ。好きな仕事して、好きなモノ食べて、好きな事して……地獄に行けばいい」ジー・・・
アニェーゼ「ははは。そうします……あーもう、キャラじゃねぇですね。しんみりしちまいました……オマエの所為だっ」ゲシッ
香焼「あ痛っ。理不尽だなぁもぅ」ムゥ・・・
アニェーゼ「うっせ。兎に角! またアンが悩んでたら相談乗ってやって下さい。私じゃ話し辛い事でも、アンタにゃ話せる事もあんでしょう」
香焼「言われなくてもそうします」ヤレヤレ・・・
アニェーゼ「よろしい。そんじゃ、食堂行きますか」グイグイッ・・・
香焼「押すな押すな。もぅ」ポリポリ・・・
アニェーゼ「フンだ。アンニュイにさせた罰です。おかず一品寄越せ」ブーッ
香焼「ったく、がめついんだから……―――……ねぇ」テクテク・・・
アニェーゼ「ん」テクテク・・・
香焼「アニーも……あんまり溜め込まないでね。自分なんかで良ければ愚痴というか、弱音聞くからさ。頑張り過ぎないで」ポンッ・・・
アニェーゼ「っ……うるさい。人の事言えた口ですか、馬鹿わんこ」ムスー・・・
香焼「あはは。自分はそんなに悩み無いからなぁ。アニー程の錘(おもり)は無いよ」チラッ・・・
アニェーゼ「……あほ」フンッ・・・
香焼「馬鹿でもアホでも結構。兎に角、潰れる程抱えちゃ駄目だよ。サンドバック代わりにしかならないかもだけど、相手するからさ」ポンポンッ
アニェーゼ「……ぼけ」プイッ・・・/// - 488 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/18(日) 23:13:03.88 ID:8byW2U6M0
- ―――はたまた後日、PM02:00、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、女子寮・・・・・
パタパタ ガヤガヤ ワイワイ・・・・・
アニェーゼ「―――そんじゃ、この封書を。コッチがステイルで、コッチが姫さんです」スッ・・・
アンジェレネ「分かりました……むぅ」モジモジ・・・
アニェーゼ「……私は手伝いませんから。自分でケジメつけなさい」ジー・・・
アンジェレネ「わ、分かってます」ゴクッ・・・
アニェーゼ「まぁ、もし強制だの命令だのされた時は言いなさい。私がブン殴りに行ってやりますから」フフッ
アンジェレネ「だ、大丈夫です! 一人で行けます」アワワワ・・・
アニェーゼ「ははっ。冗談ですよ―――さて、どっちから行くんです?」チラッ
アンジェレネ「リメエアさまを先に……ステイルくんはいつでも会えるから、もし今日お会いできるようなら姫さまを優先します」コクッ
アニェーゼ「宜しい。んじゃ『おつかい』頼みましたよ」ノ”
アンジェレネ「は、はい! 行ってきます」グッ・・・テクテク・・・
ルチア「―――……、」ジー・・・
浦上「んにゃ? どったのルチア?」キョトン・・・
ルチア「……いえ、何でも」クルッ・・・テクテク・・・
浦上「ふむぅ?」ジー・・・
五和「あ、ウラ。今日書類手伝ってくれるって言ってたでし……ん? 何々? ルチア、どうかしたの?」チラッ・・・
浦上「んー。何でしょネ? フロリス辺りは知ってんのかなぁ?」キョトン・・・
五和「アンニュイ……っぽいのはいつもの事だけど、何でしょうね。雰囲気変です」ジー・・・
ルチア「……―――、」ジー・・・
アニェーゼ「……はぁ」ポリポリ・・・
レッサー「あんれぇ? 盛大に溜息なんか吐いちゃってどったんですかぁ?」ヒョコッ
アニェーゼ「……クソ暑いなぁと思ったんですよ」グデェ・・・
レッサー「ふーん。ところで、アンは? 仕事?」キョロキョロ・・・
アニェーゼ「ええ。特使の任を与えました。今日一日は帰って来ねぇかもしんねぇです」ジー・・・
レッサー「特使ぃ? あのアンジェっちがぁ? キャラじゃないですねー」フーン・・・
アニェーゼ「……うっせ」フンッ
レッサー「あらら、アンニュイ……ま、余所様の御事情ですから深くはツッコミませんよ」フッ
アニェーゼ「へいへい…―――…ん」チラッ・・・
ルチア「―――、」チラッ・・・フイッ・・・
アニェーゼ「……ったく」ヤレヤレ・・・
レッサー「いやぁしかし、今日のアニェーゼは大人しいですね。というか寮全体が静かな感じが」ウーン・・・
アニェーゼ「レッサー。今日、平日。皆仕事してんですよ。静かに決まってんでしょ」ガタッ・・・
レッサー「およ? ドチラへ?」キョトン・・・
アニェーゼ「だから仕事です。アンタも仕事だから教会(ここ)来たんでしょう」テクテク・・・
レッサー「いえ。仕事無いから暇潰しに」キッパリ・・・
アニェーゼ「……学校行きやがれってんです、不良娘」フンッ - 489 :>>487・・・まぁアニメオリジナルの黒妻さんやテレス姐出してますからね [saga]:2013/08/18(日) 23:58:24.79 ID:8byW2U6M0
ルチア「―――……、」トボトボ・・・
アニェーゼ「ルチア」テクテク・・・
ルチア「っ! た、隊長。どうしました」ピタッ・・・
アニェーゼ「それはコッチの台詞です。どうしやがりました?」ジー・・・
ルチア「え」ジー・・・
アニェーゼ「様子おかしいですよ」クイッ・・・
ルチア「い、いえ、その……何と申せば良いか」ポリポリ・・・
アニェーゼ「……二人揃ってハッキリしねぇヤツですね、私の右腕左腕は」チッ・・・
ルチア「はい?」ポカーン・・・
アニェーゼ「何でもねぇです。んで?」ジトー・・・
ルチア「あ、はい……実はシスター・アンジェレネの事で」ムゥ・・・
アニェーゼ「アンジェレネ? あの子、アンタに何か言ったんですか?」ホェ?
ルチア「いえ。ただ、直接では無いのですが……噂が」ジー・・・
アニェーゼ「噂、ね……ふん。大体察しましたよ」ハハッ
ルチア「ご存知で?」チラッ・・・
アニェーゼ「まぁね」ハハハ・・・
ルチア「それは……隊長はあの子と直接、何かお話を」ムッ・・・
アニェーゼ「ボチボチ。多分、アンタよか把握してるつもりです」フフッ
ルチア「では、噂は真という事でしょうか」ジー・・・
アニェーゼ「……ルチア。アンタ、アン(あの子)と腹割って話しましたか?」チラッ・・・
ルチア「意味が分かりませんが、多分、してませんよ」ムゥ・・・
アニェーゼ「何故? お節介焼き、というか口煩く思われたくなかったからですか?」フム・・・
ルチア「……、」ポリポリ・・・
アニェーゼ「それとも、それを聞いて小事しか言えず、喧嘩になるのが怖かったとか?」ニヤッ
ルチア「……意地が悪い。分かってるなら皆まで言わないで下さい」ムッ・・・
アニェーゼ「ははは。悪ぃ悪ぃ。しっかし、んな事ビビってるなんてらしくもねぇですね」フフッ
ルチア「……、」ジー・・・
アニェーゼ「存外、一番の『ママっ子』はアンタですよね……安心なさい。アンタが危惧ってる様な事にゃなりませんよ」ポンッ
ルチア「え」キョトン・・・
アニェーゼ「あの子は、まだまだ『シスコン』です。特に私やらアンタやらからは離れられないでしょう」テクテク・・・
ルチア「し、シスター・アニェーゼ。それは如何いう」タラー・・・
アニェーゼ「精々、その堅ぇ頭で色々考えやがって下さい。それから、偶には皆に飴を与えなさい」チラッ・・・
ルチア「……難しい事を」ハァ・・・
アニェーゼ「頭ごなしに怒るよか簡単ですよ。特に、アンに対しては上手く付き合ってあげなさい……何だかんだで、一番仲が良いでしょう」フフッ
ルチア「意地悪です、アニェーゼ……年下のクセに、大人ぶって」ムゥ・・・
アニェーゼ「ははは。イジケねぇでください。頼りにしてんですから。ま、アンタも甘えたきゃ甘えて良いんですよー」バッチコーイ
ルチア「ハァ。生意気」コツンッ
アニェーゼ「あ痛っ」アハハ
ルチア「まったく……心配掛けてすいません。そうですね、あの子と直接話をしてみますよ。出来るだけ、温厚にね」フフッ・・・テクテク・・・- 490 :>>487・・・まぁアニメオリジナルの黒妻さんやテレス姐出してますからね [saga]:2013/08/19(月) 00:46:07.09 ID:yFA2WeMk0
- ―――一方、アンジェレネside・・・・・
アンジェレネ「―――先にリメエアさまに会って来るとは言ったモノの、如何やって会えばいいのかなぁ」タラー・・・
アンジェレネ「普通にアポは取れない人だし、ウィンザー城行っても会える確率低いし」ウーン・・・
アンジェレネ「誰かに連絡取って貰うにも、リメエアさまの携帯知ってる人なんて居るのかな……やっぱ先にステイルくんのとこかぁ」ポリポリ・・・
神裂「ん? アンジェレネ」テクテク・・・
建宮「門先で何してるのよね」テクテク・・・
アンジェレネ「あ、ど、どうも」アタフタ・・・
神裂「何をしているのですか? 貴女の部隊、今日は書類仕事か慰安訪問の打ち合わせだった筈では」ジー・・・
アンジェレネ「お、おつかいで。人探しを」ポリポリ・・・
建宮「誰を?」キョトン・・・
アンジェレネ「え、と……隊長に頼まれて、リメエア姫の所に行きたいんですけど」アハハ・・・
神裂「第一王女? あぁ。(なるほど。例の件ですか)」フム・・・
建宮「あの引き籠り姫ならウィンザー城に居るんじゃないのか? あ、やっぱ、何処居るか分からんのよね。誰も連絡つけれんし」ハハハ・・・
アンジェレネ「はい。だから如何しようかなぁって」ウーン・・・
神裂「リメエア姫と連絡を取りたいならプライベート回線……私用携帯の電話番号を持っている人でなければ無理でしょうね」コクッ
建宮「だったら騎士団長辺りに」クイッ・・・
神裂「残念ながら無駄でしょう。以前、騎士団長は公用の携帯番号しか知らないと言っていましたので」コクッ
アンジェレネ「あはは……じゃあ、女王さまかキャーリサさま、ヴィリアンさま辺りしか知らないのかなぁ」ポリポリ・・・
神裂「王族の方々は御存知でしょうけど、今日は教会(此方)に顔を出されていませんので……うーん、困りましたね」フム・・・
建宮「オルソラかオリアナ、あとは主教辺りなら知ってそうですけど」チラッ・・・
神裂「ローラとオリアナは如何だか知りませんが、オルソラは公用番号しか知らない筈です。シルビアも同じくでしょう」コクッ
アンジェレネ「……どうしよう」ムゥ・・・
神裂「あー……すいません、お役に立てなくて」ポリポリ・・・
建宮「ま、まぁもし王族か知ってる人見かけたら教えるのよね」ポンッ
アンジェレネ「ありがとうございます……それじゃあ、別用の方を済ませちゃいま―――」スッ・・・
五和「―――女教皇様ー、代理ー。ハンコくださーい。あと麦野さんから『火織と電話繋がんねぇんだけど(怒)』ってメール来ました」パタパタッ
浦上「お姉、急ぎだからって何の書類か言わないと判貰えないでしょ……って、おや? アン?」ヤレヤレ・・・
神裂「ん……あ、電源切ってた。あー怒られる」ヤベッ・・・
建宮「三馬鹿姉妹(おまえら)、此処都市のマンションじゃねぇのよな」ハァ・・・
アンジェレネ「……あはは」ポリポリ・・・
五和「ははは、すいません。んで……アンは如何したの?」チラッ・・・
浦上「女教皇様。今北三単語」チラッ・・・
神裂「おつかい。リメエア姫。見つからない……今のOKですか?」カチカチ・・・
五和「把握しますた」ビシッ
建宮「……頭痛い」ハァ・・・
アンジェレネ「カンザキが今風になってます」タラー・・・
浦上「んー。つまりリメエア様と連絡取れる人間が居れば問題無し、と」チラッ・・・
五和「なるほどなるほど……居るじゃないですか、身近に」フフッ
神裂・建宮・アン「「「は?」」」ポカーン・・・ - 491 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/19(月) 01:43:59.39 ID:yFA2WeMk0
ぱおーん・・・・・
五和「と、いう訳で呼んできましたー」グイッ
浦上「これで解決ですネ」ニッコリ
香焼「あ、ありのまま今起こった事を話すっす。ステイルに呼び出されて廊下を歩いてたら鋼糸で縛られ拉致られた。何を言って(ry」ブラーン・・・
建宮「……お前、相変わらず苦労人なのよな」ホロリ・・・
アンジェレネ「ええっと……コォヤギくんが?」キョトン・・・
神裂「あー、香焼。自分が何故連れて来られたか分かります?」タラー・・・
香焼「やぁ、アンジェレネ。数時間ぶり……見当皆目つきません」キッパリ・・・
五和「コウちゃん、嘘はいけないよ。どんな大罪犯したか、自分の口からハッキリ告白しなきゃ駄目じゃない」フゥ・・・
浦上「さぁさぁ! 今までの悪の所業の数々、女教皇様にお告げなさい! 私達は生温かい目で見ててあげますから」ニヤニヤ・・・
香焼「……建宮さん?」チラッ・・・
建宮「俺に振るな。強く生きろ」ハァ・・・
香焼「えぇ」ドヨーン・・・
神裂「こらこら、二人とも。連れて来てくれたのは感謝しますが、やり方があるでしょう。これじゃあ誤解されます」ヤレヤレ・・・
五和「あはははは。すいません、いつものノリで。ただ、コウちゃん、マジでリメエア様の連絡先知ってますよ」ポリポリ・・・
浦上「偶ぁに家でも電話してますからネー。仲良さそうに……んーでもぉ懺悔の一つや二つ、あるんじゃないカナ? ねぇ香焼ー」ツンツン・・・
香焼「は?」イラッ・・・
五和「それはまぁ、男の子だもんねぇ。大丈夫、姉ちゃん達怒らないから言ってみ、言ってみ」ツンツン・・・
香焼「おま……じゃあ、この前。冷凍庫に入ってた胡麻蜜ソフト、本人の許可無く勝手に食べてました……誰かさんが」ジトー・・・
五和「ちょ!?」ギョッ・・・
神裂「……ほぉ。だから無くなってたんですか」ピクッ・・・
香焼「あと、黒●スのアンソロコミとテ○プリの薄い本。本人の許可無く勝手に淡希さんと固法さんに貸してました……誰かさんが」ジトー・・・
浦上「い”っ!?」ギョッ・・・
五和「……ウラ。アレ、人に見せるなって言ってたよね」ピクッ・・・
香焼「それから、周りに触発されてゲームを欲しがってた禁書目録に、本人の許可なく勝手に初期DSあげてました……誰かさんが」ジトー・・・
神裂「んなっ!?」ギョッ・・・
浦上「……それ、まだ現役なんですケド。ポケモン用で」ピクッ・・・
三姉妹『……、』ゴゴゴゴ・・・
ギャーギャー ワーワー コンノコンノゥ ダブーレップーケッ ウーッワウーッワウーッワ・・・・・
建宮「諸君……俺ぁ帰って良いかなぁ、なぁ。長崎に帰るのよ、俺ぁ」グデェ・・・
アンジェレネ「あは、ははは……ええっと、その、コォヤギくん」ポリポリ・・・
香焼「馬鹿姉共め……あ、うん。ごめんごめん、怖がらせたね。それで、リメエアさまだっけ」チラッ・・・
アンジェレネ「はい。連絡できる? あ、用件は」ジー・・・
香焼「分かってる。さっきの通りなんでしょ。あ、因みに自分が姫様の連絡先知ってる事内密にね。一応、プライベートだから」コクッ・・・
アンジェレネ「わ、分かった。(何でプライベートで姫さまの連絡先知ってるのかなぁ……も、もしや! 例のペットの件!?)」ドキドキ・・・///
香焼「何故赤くなる…―――…あ、もしもし。すいません、少々お話が……あ、自分じゃないんすけど、アンが……はい……―――」Pi・・・
- 497 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/21(水) 22:09:44.60 ID:BGkyPVHe0
ギャーギャー ハドーケッ バーンナッコーッ オップッバッ キャーキャーキャー...
香焼「―――はい……それじゃあお願いします―――車でこっち来てくれるらしいっす。南門の辺りで待っててって」ペコッ・・・Pi!
アンジェレネ「えっ! 姫さまにご足労掛けるなんて、申し訳無い様な」タラー・・・
香焼「あはは。まぁ好き勝手やってる人だから気にしなくて良いと思うよ」コクッ
アンジェレネ「なら、良いけど……どれくらいで此方に着くって?」ムゥ・・・
香焼「30分もしないってさ。早めに行って待っておきなよ」クイッ・・・
アンジェレネ「うん、そうします。あぅ、緊張するなぁ」ペコッ・・・
香焼「ふふっ、頑張って。自分の口からハッキリ宣言するんでしょ。それじゃあ自分はこれで」スッ・・・
アンジェレネ「え」ピタッ・・・
香焼「ん?」キョトン・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「え……どったの?」ポカーン・・・
アンジェレネ「……一緒に、行ってくれないの?」モジモジ・・・
香焼「……は?」ピタッ・・・
アンジェレネ「……、」ウー・・・
香焼「……へ???」キョトン・・・
アンジェレネ「ねぇ……お願い」モジモジ・・・
香焼「え、あ、うーん。一人じゃ心細いってのは分かるけど……でも」チラッ・・・
アンジェレネ「……お仕事?」ムゥ・・・
香焼「うん。対馬さんの手伝い抜け出してきちゃったから、戻らないといけないんだ……ごめん」コクッ・・・
香焼(それに―――あまり甘やかし過ぎるのも良くない気がする。少しは自分だけの力で行動させないと、駄目だよね……うん)ポリポリ・・・
アンジェレネ「そっか……ううん。私こそ、ごめん。迷惑掛けちゃって」シュン・・・
香焼「……、」ムゥ・・・
建宮「―――はぁ……お前ら、はよ行け」ポンッ・・・
香焼・アン「「え」」ビクッ・・・
建宮「対馬には俺から伝えておくのよね。詳しい事は分からんが、お前は最後までケツ持って見届けてやれ」ワシャワシャ・・・
アンジェレネ「タテミヤ……良いんですか?」パアァ!
建宮「良くない―――でもまぁ、半端はもっと良くねぇ。兎に角、俺の気が変わらん内にさっさと済ませてくるのよな」トンッ・・・
香焼「……すいません、建宮さん。終わったらすぐ戻ります―――アン」ペコッ・・・タタタッ・・・
アンジェレネ「タテミヤ、ありがとうございます。行きましょう、コォヤギくん!」パッ・・・タタタタッ・・・
建宮「やれやれ……若いって良いのよなぁ―――さて。対馬んとこ行く前に、まずは」チラッ・・・
五和「―――だぁからっ!! ウラは何でいつもそうやって話逸らすの!! 流石の姉ちゃんもブッチしちゃうわ!!」ギャーギャー!!
神裂「―――五和! 人の事言える立場ですか!! 最近の貴女の体たらくは目に余る所業です! そこに直れ!!」ガーガー!!
浦上「―――ふーん……姉様こそ堕落し過ぎなんじゃないんデスかぁ? シナリオ進めたいからって徹夜する聖人ってネェ?」ネチネチ・・・
ワーワー! ウガー! フンガー!! キシャー!! ドリャードリャー!! チェストー・・・チェストー・・・・・
建宮「……馬鹿姉妹共の説教だな」ハァ・・・ギロリ・・・- 498 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/22(木) 02:40:29.39 ID:OEQjXEFz0
―――一寸後、教会南門・・・・・
香焼「そろそろかな」ジー・・・
アンジェレネ「うん……コォヤギくん。私、甘え過ぎだよね」アハハ・・・
香焼「え」チラッ・・・
アンジェレネ「ホントは全部一人でやらなきゃいけないのに、何から何まで手伝って貰っちゃって。ごめんなさい」ムゥ・・・
香焼「……、」ポリポリ・・・
アンジェレネ「私は臆病者だね。それと、卑怯者」フフフ・・・
香焼「ぅ……アン、その、困らせないで」ムゥ・・・
アンジェレネ「うん。ごめん。貴方の優しさにいっぱい浸け込んじゃいました……ホント、ありがとね」ペコッ・・・
香焼「大した事はしてないっすよ。それに、アニェーゼからも頼まれてるしさ」ポリポリ・・・
アンジェレネ「謙虚ね―――何か、やっぱりズルいなぁ私。抜け駆けしてばっか」ボソッ・・・
香焼「ん?」ポカーン・・・
アンジェレネ「い、いや、何でも……あ、来たかも」ピッ
香焼「え。あ、多分あのロールス・ロイスで合ってる」コクッ
バタンッ・・・・・
リメエア「―――お待たせしました。あら、坊やも一緒なの?」ガチャッ・・・
アンジェレネ「は、はい。態々ご足労掛けてしまい申し訳ありません! (す、スーツ着てる!?)」ペコッ・・・
リメエア「そんなに畏まらなくて良いですわ。いつも通りで。あ、これお土産」スッ・・・
アンジェレネ「え、あ、はぁ……杏仁豆腐?」ポカーン・・・
香焼「一体何処行ってきたんすか?」ジー・・・
リメエア「内緒。まぁ出先とだけ。一応仕事です」フフフ・・・
香焼「はいはい。女中や騎士団長に内緒の仕事っすね」ヤレヤレ・・・
リメエア「そゆ事。さぁてと……とりあえず、何処か座ってお茶でも飲みながら話しましょうか―――答え、下さるのでしょう?」フフッ・・・
アンジェレネ「……はい」コクン・・・
にゃーん・・・・・
リメエア「―――相変わらず、缶ジュースってのは危険よね。中見えないし、缶自体が凶器にもなるし」マジマジ・・・
香焼「リメエア様こそ、相変わらず被害妄想半端ないっすね。ベンダー会社に申し訳無いっすよ」ヤレヤレ・・・
リメエア「言うわね、坊や。ベンダーだろうが新規ベンチャーだろうが、王族を良く思ってない輩は……まぁ今は良いっか」チラッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
リメエア「……アン。大丈夫かしら」トンッ・・・
アンジェレネ「ふぁ!? は、はい! えと、その……大丈夫です」ゴクリ・・・
香焼「……、」ポリポリ・・・
リメエア「そう。じゃあ、そんなに堅くならないで。貴女がどんな回答をしてくれるか分からないけど、貴女の意志を尊重しますから」フフッ・・・
アンジェレネ「あ、ありがとうございます。ふぅ……リメエアさま」グッ・・・
リメエア「はい」コクッ・・・
アンジェレネ「私の事、お誘いくださってありがとうございました。凄く感謝してます……私は―――」スッ・・・
- 503 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 20:14:41.44 ID:YT7YMolF0
―――一寸後・・・・・
アンジェレネ「―――……私は、まだ、隊を離れられません。ですから、折角の御誘いですが、申し訳ありません」ペコッ・・・
リメエア「そう……残念です」フフッ・・・
アンジェレネ「ごめんなさい」ムゥ・・・
リメエア「謝らないで頂戴。寧ろ、色々悩ませてしまってごめんなさいね」ポンッ・・・
アンジェレネ「いえ、お声を掛けて貰えた事は感謝してます。私なんかが恐れ多い」シュン・・・
リメエア「卑屈にならないで。それとも、それは貴女を目に掛けた私の目に狂いがあったって事かしら?」クスッ
アンジェレネ「い、いえ、その」アタフタ・・・
リメエア「ふふっ。冗談よ―――ただ、一応言わせて貰うけど。私は『部隊に所属したままで構わない』って言ったわよね」チラッ・・・
アンジェレネ「……はい、覚えています」コクッ・・・
リメエア「それでも?」ジー・・・
アンジェレネ「……半端な真似は、姫さまにも、部隊の皆にも失礼だと思いまして」ペコッ・・・
リメエア「律義ね。そういうの、嫌いじゃないわ……あーあ。でも、ホント残念」フゥ・・・
アンジェレネ「す、すいません。出来る限りのお手伝いはします。勿論、開いてる時間で都合が合えばですけど」ポリポリ・・・
リメエア「……ふふっ、ありがと」ナデナデ・・・
アンジェレネ「此方こそ、ありがとうございます」///
リメエア「まぁ、今回の件があったからって気拙くならないで頂戴ね。今まで通り、純粋なアンのまま、接してくれると嬉しいから」クスッ
アンジェレネ「勿論、私の方こそ宜しくお願いします」ペコッ・・・
リメエア「よしよしっ。あ、でも……貴女が変わらないままなら、いつでも『この件』は歓迎します。気が向いたら教えてね」ニヤリ・・・
アンジェレネ「あははは。ありがとうございます」エヘヘ・・・
ぎゃおーん・・・・・
リメエア「―――……とりあえず、返事が聞けて良かったわ。もしかしてアヤフヤにされるかもって思ってたから」クスッ
アンジェレネ「そ、そんな失礼な真似しませんよ」アハハ・・・
リメエア「そうね、貴女はそんな娘じゃなかったわね。さて、それじゃあそろそろ私は行くわ。まだ仕事が終わってないから」スッ・・・
アンジェレネ「はい。お忙しい所ありがとうございました……あ、そうだ。これ、隊長からです」スッ・・・
リメエア「封書……アニーから?」チラッ・・・
アンジェレネ「中身は分かりません。もしかしたら、私が外に出る為の単なる口実かもしれません」ポリポリ・・・
リメエア「帰ってから開けてみます……『勝手に人の妹分に手ぇ掛けるたぁ良い根性してやがりますね、この根暗』とか書いてるかも」フフッ
アンジェレネ「そ、そんな失礼な事書かない、と思います、けど、うーん」タラー・・・
リメエア「ふふふっ。あの娘なら書くわよ。楽しみに持ち帰ってみるわ」クスッ
アンジェレネ「あははは……もし失礼な事が書いてあっても、その」タラー・・・
リメエア「安心なさい。子供の癇癪だと思って受け止めるから」フフッ
アンジェレネ「すいません」ポリポリ・・・
リメエア「さぁて、それじゃあ―――またね。近い内、またご飯でも食べましょう。勿論、プライベートで」ニコッ
アンジェレネ「はい! 楽しみにしてます」ニパー!
リメエア「ええ。あ、と……坊や。ちょっと」チラッ・・・クイッ・・・
香焼「え、あ、はいはい。ごめん、アン。少し待っててね」テクテク・・・
アンジェレネ「え? あ、うん」コクッ・・・- 504 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 21:01:54.09 ID:XZuI5Jax0
にゃんにゃんお!
香焼「―――何用で?」ハァ・・・
リメエア「……貴方の入れ知恵?」チラッ・・・
香焼「いやいやいや。違いますよ。そんなんで疑わないで下さい」ヤレヤレ・・・
リメエア「……信じるわ」ムゥ・・・
香焼「ったく。そんなにショックっすか?」ジー・・・
リメエア「まぁ、ボチボチ」ムゥ・・・
香焼「ははは。お気に入りっすもんね―――ただ、まだアニェーゼの傍から離れられないっすよ」チラッ・・・
リメエア「だからこそ、むず痒いのよ。アニーも嫌いになれない娘だから。いっその事二人とも従者にしたいし」ハァ・・・
香焼「強欲な……なんなら、アニェーゼの部隊を自分の専属の隊にしちゃえば良いんじゃないっすか」ヤレヤレ・・・
リメエア「……その手があったわね」キランッ・・・
香焼「じょ、冗談っすよ」タラー・・・
リメエア「……、」ニヤリ・・・
香焼「うっ。せ、せめて嘱託で。直属は駄目っすよ。ややこしくなるから」タラー・・・
リメエア「ふふふ、分かってるわよ。素敵なアイデアありがとう。坊やの頭の良さは相変わらずね」ニヤニヤ・・・
香焼(胃が、痛い)タラー・・・
リメエア「……とりあえず、また何かあったら連絡してね。大人共の連絡は着拒だけど、坊やならすぐさま出るわ」コクッ・・・
香焼「ありがとうございます。勿論、プライベート以外では掛けませんよ……やっぱなんか変な関係っすね」ポリポリ・・・
リメエア「疑問視しないの。坊やが子供だから、私は信用してるのよ。あと数年もすれば電話帳から消すから」ニコッ
香焼「……はぁ。聞き様によっちゃ危ないお姉さんっすね」ヤレヤレ・・・
リメエア「あら、おませさん。そういうのに興味が出る御年頃かしら? 残念ながら私はお姉さんっていうよりオバさんよ」クスッ
香焼「あー話が逸れる……自分はリメエア様に欲情なんかしませんので、安心して下さい」ハァ・・・
リメエア「それはそれでレディに対して失礼よ―――さて、と。それじゃあそろそろ行くわ」スッ・・・
香焼「これからまた仕事っすか」ジー・・・
リメエア「ええ。公の仕事じゃないわよ。あ、分かってると思うけど」チラッ・・・
香焼「『此処に来た事をバラすな』っすね。分かってます……さておき、危険な仕事っすか?」ジー・・・
リメエア「さぁ。どうでしょうね。教えても良いわよ。坊やが私の『パートナー』になる気あるなら」フフフッ
香焼「命が幾つあっても足りなそうっすね」ダラダラ・・・
リメエア「ふふっ。ただし、ジェームズ・ボンド並のスリルを味わえるわよ」ニヤリ・・・
香焼「魔術師以上のスリルは要らないっすよ」ハハハ・・・
リメエア「賢い選択。それでこそ坊やね―――じゃあ、アン達の事宜しく」テクテク・・・
香焼「はいはい。難とも荷が重いっすよ」クルッ・・・
リメエア「纏め役でしょ。『友達』の」バタンッ・・・
香焼「……『友達』に纏め役も下っ端も無いっすよ」ヤレヤレ・・・
ブロロロロォ・・・・・
香焼「相変わらず嵐の様な人だなぁ―――おまたせ」テクテク・・・
アンジェレネ「ううん……何の話?」チラッ・・・
香焼「んー……引き続き仲良くしろってさ。友達を大事にってね」フフッ・・・- 505 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 21:32:21.19 ID:XZuI5Jax0
香焼「さて。次は……ステイルんとこでしょ?」チラッ・・・
アンジェレネ「うん」コクッ・・・
香焼「一人で―――」ジー・・・
アンジェレネ「……、」ムゥ・・・
香焼「―――……ハァ。一緒に行くけど、さっきと同じで口出ししないからね」ポリポリ・・・
アンジェレネ「……ありがと」ペコッ・・・
香焼(甘やかし云々というより、僕が甘いだけだね)ヤレヤレ・・・
―――はたまた後日、PM03:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・
カチッ・・・カチッ・・・フゥ・・・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・
ステイル「……、」プカー・・・
ステイル「……ん」カチッ・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・
ステイル「……メール、溜ってるか」カチッ・・・
ステイル「……うわ。見たくねぇ」スッ・・・カチカチ・・・
ステイル「……、」プカー・・・チラッ・・・
Prrrr・・・・・
ステイル「電話……外線か……無視無視」カタカタカタ・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・
Prrrr・・・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・チラッ・・・
ステイル「……チッ」スッ・・・
・着信先:馬鹿弟子1号(マリーベート)
ステイル「はい、無視」クルッ・・・テクテク・・・プハー・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・
Prrrr・・・・・Pi!
ステイル「……あれ、今日何曜日だっけ」チラッ・・・
ステイル「確か……土曜? あ、いや、まだ平日か? あーでも外静かだからなぁ……まぁどっちでも良いか」カタカタカタ・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・プカー・・・ケシケシッ・・・
ステイル「ふぅ……あ……煙草、切れた」スッ・・・ピタッ・・・
ステイル「チッ……糞っ」カタカタカタ・・・イライラ・・・
ステイル「……、」カタカタカタ・・・イライラ・・・
ステイル「……っ! あーもぅ! ミスった! 糞っタレ! 僕にデスクワークやらせんなっつの!!」グワァ!!- 506 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 22:36:28.87 ID:XZuI5Jax0
ステイル「ったく……もうヤメだヤメだっ……寝る!」フンッ・・・ゴロンッ・・・
ピンポーン・・・・・
ステイル「……ぇ?」ジトー・・・
ステイル「んー……無視だ、無視」フンッ・・・
ステイル「……、」ゴロンッ・・・ガバッ・・・
ピンポーン・・・・・
ステイル「……、」グーッ・・・
ステイル「……ローラか? いや、馬鹿弟子共か……どっちでも良い。早く帰れ」グヌヌゥ・・・
ピンポーン・・・・・
ステイル「……、」イラッ・・・
ピンポーン・・・・・
ステイル「……、」イライライラ・・・
ピンポー―――
ステイル「ああぁもぅ! 喧しい、誰だ!?」ガンッ!!
Pi!
香焼・アン『『』』ビクッ・・・
ステイル「……ぁ?」ジー・・・
アンジェレネ『こ、こんにちは』ガクブル・・・
香焼『で、出直そうか?』ダラダラ・・・
ステイル「……いや、君らなら構わない。上がってくれ」ハァ・・・テクテク・・・
ガチャッ・・・・・
アンジェレネ「お、お邪魔します」ペコッ・・・
ステイル「悪いが散らかってるよ。あと別段持て成したりしないから好きに使ってくれ」グデェ・・・
香焼「ありゃりゃ。缶詰でデスクだったの?」キョロキョロ・・・
ステイル「3徹? 4徹くらいか……もう時間感覚が分からないよ」テクテク・・・ドサッ・・・
アンジェレネ「ちゃんとご飯食べてたの? というか、洗濯物も溜めちゃって」タラー・・・
ステイル「飯は喉通らないな。出張開けでデスク詰めだったから選択する余裕も無い……んもー眠い」グデグデェ・・・
香焼「……因みに、シャワーは?」ジトー・・・
ステイル「……3日前」ゴロゴロ・・・
香焼「ハァ……まず浴びてきなよ。それから寝なって」ヤレヤレ・・・
ステイル「シャンプー切れてる」ムスー・・・
アンジェレネ「替えはトイレの棚に一式あるよ……やっぱテプラで何処に何あるか書いといてあげないと駄目かな」ハァ・・・- 507 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 23:03:18.50 ID:XZuI5Jax0
カチャカチャ ブイイイィン ジャアアァ ゴゴゴゴゴ・・・・・
アンジェレネ「―――うーん。一通り片付いたかな」ゴシゴシッ
香焼「綺麗好きのステイルが此処まで部屋片付さないのも珍しいね……それだけ仕事忙しいのかな」キュッキュッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
ガチャッ・・・・・
ステイル「ふぅ……すまないな。ホストが持て成しもせずシャワー浴びて」テクテク・・・
香焼「いえいえ。主教補佐殿―――ぶっちゃけ臭ってたよ」フフッ
ステイル「うっせ」ゴロンッ・・・
アンジェレネ「やっぱり、忙しいの?」チラッ・・・
ステイル「……まぁボチボチね。それより、煙草喫いたい」ドヨーン・・・
香焼「ハァ……ん」スッ・・・っ『ラキストのカートン』
ステイル「っ!!」パアアァ!!
アンジェレネ「えっ」ジトー・・・
香焼「そんな目しないで……勿論、自分は喫わないっすよ。コイツの使い」タラー・・・
ステイル「お前が天使だ。早く寄越せ!」ワクワク・・・
アンジェレネ「……んもぅ」ジトー・・・
香焼「はいはい。ったく、毎度毎度年齢確認されて偽装免許出すコッチの身にもなれっての」ハァ・・・
ステイル「金はやってるだろ……ふぅ……生き返ったぁ」カチッ・・・プカー・・・
アンジェレネ「……早死にしますよ」ブゥ・・・
ステイル「一足お先にニコチンとタールの天国へ召されるだけさ。さぁて、これで安眠できる」グダァ・・・プカプカ・・・
香焼「この若年性ヤニ中め……んな事より、用事が合ってきたんだけど」チラッ・・・
ステイル「ん? 煙草(これ)の差し入れじゃないのか?」プカプカ・・・フガフガ・・・
香焼「それだけなら仕事中に来ないっす。メインは自分じゃ無くて、アン」クイッ・・・
ステイル「……あぁ」チラッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
ステイル「……ふむ」スッ・・・テクテク・・・
香焼「自分がコーヒー淹れるよ。2人は座ってて」テクテク・・・
ステイル「……すまない」ピタッ・・・スッ・・・
アンジェレネ「……、」ポリポリ・・・
ステイル「では、とりあえず……アンジェレネ。座ってくれ」クイッ・・・
アンジェレネ「は、はい」チョコン・・・
コトコトコト・・・・・
香焼(……とは言ったモノの)チラッ・・・
ステイル「―――」プカプカ・・・チラッ・・・
アンジェレネ「―――」オドオド・・・チラッ・・・
香焼(まぁこうなるよね)ハハハ・・・- 508 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/25(日) 23:36:37.39 ID:XZuI5Jax0
プカプカ・・・モクモク・・・・・
アンジェレネ(ど、どうしよう……やっぱり言い出し辛いなぁ)タラー・・・
ステイル「―――アンジェレネ」フゥ・・・タバコケシケシ・・・
アンジェレネ「ひゃいっ!?」ビクッ・・・
ステイル「……そんなに怯えられると困るのだが」ポリポリ・・・
アンジェレネ「い、あ、ご、ごめん」タラー・・・
ステイル「ふむ……この前の件、という事で良いんだよね?」ジー・・・
アンジェレネ「は、はい」コクッ・・・
ステイル「そうか……それで、答えは?」ジー・・・
アンジェレネ「……ごめんなさい。私はまだ、隊から離れるつもりはありません」ペコッ・・・
ステイル「うん、そうか。まぁ仕方ないね」ポリポリ・・・
アンジェレネ「……理由、聞かないの?」チラッ・・・
ステイル「差し詰め、まだアニェーゼから離れたくないのだろう。例え兼任役だとしても、半端は嫌かな」フフッ
アンジェレネ「……はい」コクッ・・・
ステイル(尤も、神裂の受け売りだけどね……あのお節介焼きめ、何処でこの件を耳にしたのやら)ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「ごめんね。でも、感謝してるよ」コクッ・・・
ステイル「いや、僕の方こそ無茶を言って困らせただろう。こんな事の為に真剣に悩んでくれた事に感謝する」ペコッ・・・
アンジェレネ「い、いえ。頭を上げて下さい」アワワワ・・・
ステイル「ん……君ならいつでも歓迎する。もしアニェーゼに愛想を尽かす様な事があれば言ってくれ」フフッ・・・
アンジェレネ「あはは。そうだね、多分、当分先の話になるかもしれないけど」ポリポリ・・・
ステイル「……因みに、ちゃんと第一王妃には頭を下げに行ったのかい?」ニヤッ・・・
アンジェレネ「え!? し、知ってたの?」タラー・・・
ステイル「これでもそれなりに情報は入ってくる方なんだ。もしかしたら彼女の従者の件を受けるのかなぁとも推測した」クスッ
アンジェレネ「あ、ぅ」タラー・・・
ステイル「でもまぁ、結局はアニェーゼの下のままか。それなら止むを得無しで納得さ」コクッ・・・
アンジェレネ「ごめんね……でも、大丈夫?」ジー・・・
ステイル「ん?」キョトン・・・
アンジェレネ「お仕事、やっぱり大変なんでしょう」ジー・・・
ステイル「ふふっ。心配してくれるのは有難いが、気にする必要は無い。君はもう選んだんだろう」カチッ・・・フゥ・・・
アンジェレネ「……、」ムゥ・・・
ステイル「だったら、自分の事だけ考えてればいい。他人の心配は二の次にすべきさ」プカー・・・
アンジェレネ「……はぁ」ジトー・・・
ステイル「と言っても、君や香焼(アイツ)みたいなお節介焼きには何を言っても無駄なのだろうけどな」フフッ・・・
アンジェレネ「ええ、そうですよ」ジトー・・・
ステイル「困った部下だ―――兎角、今まで通り頼むよ。正直、君や香焼が家事の手伝いやらをしてくれるのは非常に助かるんだ」コクッ・・・
アンジェレネ「言われなくても。友達ですから」ニコッ
ステイル「……やれやれ」ポリポリ・・・
アンジェレネ「ふふふっ。困ったらいつでも頼ってね。肩書秘書じゃなくても、お手伝いはしますから」ニパー!
香焼(……終わったみたいだね)フフッ・・・- 509 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/26(月) 00:41:28.63 ID:oLaorWPP0
メルメルメェ・・・・・
アンジェレネ「―――じゃあ、これ。アニェーゼちゃんからです」スッ・・・
ステイル「これ以上、仕事増やされても困るんだが」ハァ・・・
アンジェレネ「あはは。多分、私を外に出す為の口実だろうから深い内容じゃないと思う」コクッ・・・
ステイル「だと良いけどな。さて―――そろそろ僕は寝るよ」ファアァ・・・
アンジェレネ「あ、うん。長居しちゃってごめんね」スッ・・・
ステイル「構わないよ。元々、僕から振った案件だ」テクテク・・・ゴロンッ・・・
アンジェレネ「……しっかり休んでね。無理し過ぎちゃダメだよ」ジー・・・
ステイル「元より、気ままに仕事してる。大丈夫さ」グデェ・・・
アンジェレネ「如何だか……とりあえず、また来ます」チラッ・・・
香焼「ん―――じゃあ自分も行くよ。根詰めし過ぎんなよ」テクテク・・・
ステイル「ああ……ホントは神裂がもう少しデスク覚えてくれれば助かるんだけどな」ジトー・・・
香焼「自分に言われてもね」ハハハ・・・
ステイル「アイツ本人に言っても意味無いから君に愚痴ってんだ」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「ふふっ……それじゃあ、またね。ステイルくん」テクテク・・・
香焼「極力起こさない様、皆に言っとくっす。とことん寝ろよ」テクテク・・・ガチャッ・・・
ステイル「そうさせて貰う……またな―――」ノ"
バタンッ・・・・・
アンジェレネ「―――ふぅ」クテェ・・・
香焼「お疲れ様。頑張ったね」テクテク・・・
アンジェレネ「……色々ありがと」ペコッ・・・
香焼「どういたしまして」フフッ・・・
カツカツカツカツ・・・・・
アンジェレネ「……私」ボソッ・・・
香焼「ん」チラッ・・・
アンジェレネ「間違ってないよね」テクテク・・・
香焼「……さぁ」テクテク・・・
アンジェレネ「あはは……嘘でも、うんって言って欲しいかな」ポリポリ・・・
香焼「適当な事は言えないよ。それに、判断するのはアン自身でしょ」コクッ・・・
アンジェレネ「……厳しいなぁ」ムゥ・・・
香焼「当然。ただ、少なくとも、今の決断に未練は無いんじゃない?」ジー・・・
香焼「『こんな筈じゃなかった』とか『ああしとけば良かった』とか、他人の所為にする事は無いんじゃないかな。自分で決めた事でしょ」フフッ
アンジェレネ「……そだね」クスッ
香焼「だからこそ、頑張ろうよ。アニェーゼやステイルにも負けないくらい力を付けて……そしてまた、先の事を考えよう」ポンッ・・・
アンジェレネ「うん。お互いに、ね」クスッ・・・
香焼「ふふっ。それじゃあ此処で別れよう。また夕飯時に食堂で……アニーにしっかり報告するんだよ」テクテク・・・
アンジェレネ「ええ。タテミヤ達にもお礼言っておいてね……じゃあ、また―――」ペコッ・・・- 510 :第Ⅲ話―――アンジェレネ「おちこぼれの私には、贅沢な悩みです」 香焼「そんな事無いっすよ」 [saga]:2013/08/26(月) 02:50:20.81 ID:oLaorWPP0
- ―――一寸後、ステイルside・・・・・
ステイル「―――はぁ……ん」グデェ・・・チラッ・・・スッ・・・Prrrr・・・・・
ガチャッ・・・・・
ステイル「……もしもし」Pi!
リメエア『―――あら……珍しい。どうしたのかしら』フフッ
ステイル「いえ、大した用では無いんですが、少々お話を。まぁ愚痴ですね」ハハハ・・・
リメエア『それはそれは。清教派の二番手が王室派のブレインに何用かしら?』クスクス・・・
ステイル「分かり切ってるクセに。同じくフラれた者同士でしょう」ヤレヤレ・・・
リメエア『ふふっ。貴方もフラれたのね―――自信あったの? そんなにショック?』ニヤニヤ・・・
ステイル「ある訳無いでしょう。駄目元ですよ。ショックか否かと聞かれれば……まぁ多少は」ポリポリ・・・
リメエア『あらあら。珍しく素直ね。お酒でも入れてるのかしら?』フフッ
ステイル「酒は入ってませんが、眠気が一周して微妙にハイですよ……素面で貴女に電話など出来ませんから」フフッ
リメエア『随分ね……まぁそれは良いとして、ぶっちゃけ私だってショックだからね。我儘言えば、側近欲しかったもの』ムゥ・・・
ステイル「御愁傷様ですね。ま、早く別の子見付けて下さい」ハハハ
リメエア『現状居れば苦労しないわ。あの子程、純粋で裏表無く優しい子、周りに居ないもの―――一応「候補」は居るけどね』ハァ・・・クスッ・・・
ステイル「視野というか引き出しが狭いと大変ですね」フフッ
リメエア『言うわね。人の事言えないでしょうに』ジトー・・・
ステイル「ええ、御尤も。暫くは独りで頑張る外無い様ですね」ヤレヤレ・・・
リメエア『独りは楽よ。でも、貴方の歳でそれを言う様になったらオシマイね……早めに全うな人間関係築いときなさい。じゃないと』クスクスッ
ステイル「貴女の様になる、と……重々承知してます。覚悟もしてますけどね」フフッ・・・
リメエア『お馬鹿。これ以上捻くれたら私以上の変人になるわよ』ヤレヤレ・・・
ステイル「それは大変だ。気を付けますよ―――話は変わりますが、アニェーゼからの封書は開けましたか?」ジー・・・
リメエア『ええ。驚いたわね』クスッ
ステイル「『妹をお誘い頂き、ありがとうございます』ときた……正直罵倒されるものかとばかり」ハハハ
リメエア『一応身内の出世話だものね。姉妹揃って律義なんだから。血は繋がってないけど、それ以上に固い絆よ』ジー・・・
ステイル「家族であり、共に死線を潜る仲間ですからね。尚更なのでしょう」フフッ・・・カチッ・・・フゥ・・・
リメエア『そうね―――何れ、あの子が来たいと言ったら、受け入れるけど……貴方は?』ジー・・・
ステイル「忙しい限りなので、今すぐにでも可能ですが……そうですね。急かしはしません。自由意思、選択の一つとして」コクッ・・・モクモク・・・
リメエア『そう。まぁ彼女が将来何を選ぶのか、楽しみね。彼女、引く手数多みたいだから』フフフッ
ステイル「出来れば我が手に、ですか。キツいドラフトだ―――さて、突然の電話失礼しました。幾分か発散出来ましたよ」ペコッ・・・
リメエア『いえいえ。仕事以外の話ならいつでもウェルカムよ。例え、主教補佐(貴方)でもね』ニヤリ・・・
ステイル「全く、変わった御方だ―――それではまた」スッ・・・プカー・・・
リメエア『ええ、また近い内に。あ、因みに次の「候補」も……貴方と同じかもね―――』フフッ・・・
Pi!
ステイル「はぁ……―――……暫くは、『アイツ』で我慢するか。どうせあの人と被るんだろうけどな」ハハハ・・・モクモク・・・グデェ・・・Zzz...
イノケンティウスさん「煙草は消して寝ましょうね」ボッ・・・ジュウゥ・・・オワリッ! - 511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/26(月) 02:55:48.10 ID:oLaorWPP0
- はい。一応、Ⅲ話終了です。あとは、ちょいとおまけ書いたらⅣ話いきます。
おまけは安価取ってカルテッ娘で1レス単発ほのぼのを少々書きます。
さて、次回ですが都市編か引き続き英国編か、それとも姉主体か……後日アンケ取ります。
それでは例の如く質問意見感想罵倒リクエストなど等、お願いします。ではまた次回! ノシ" - 513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/26(月) 20:59:09.97 ID:NllWT+fX0
- こんばんわ。予告通り安価で「ほのぼの(?)カルテッ娘」書きます……需要あんのかな?
とりあえずエロ無しで適当に御題くだせぇ。
>>515
- 514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/26(月) 21:14:06.86 ID:R0L6B768o
- イギリスに新しくできたスイーツバイキングで楽しくお茶会をするも
途中から大食い勝負→ガチバトルになりお店が倒壊してしまう話 - 515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/26(月) 21:21:53.77 ID:FG3a6QkDO
- ↑で!
- 516 :アニェーゼ「スイーツ(殺)」 [saga]:2013/08/26(月) 22:18:49.84 ID:NllWT+fX0
イラッシャッセー・・・
アニェーゼ「へぇ。中々シャレ乙なお店じゃねぇですか」キョロキョロ・・・
レッサー「ふっふ~ん。私の女子力を嘗めて貰っちゃぁ困りますよ。こういうのには目敏いんです」ドヤァ・・・
サーシャ「まぁ実は私達の中で一番一般人してますからね。ところで、第一の疑問ですが……本当にバイキングコースやってるんですか?」チラッ
レッサー「っぽいですよ。小洒落たカフェに見えますけど、土日の午後1時から3時までで、丸一時間バイキングタイム取れるそうです」ピッ!
アンジェレネ「あ、本当だ。店員さんが準備してる」ジー・・・
アニェーゼ「んじゃボチボチ食べに行きますか。エレガントゥに」テクテク・・・
サーシャ「優雅の真逆に居る人間が何を抜かしてあ痛ぃ」ポカッ・・・
ザワザワ・・・ガヤガヤ・・・
アンジェレネ「―――結構人居ますね。新しい店だから尚更なのかな……ん……紅茶おいしい」フゥ・・・
アニェーゼ「ふぃんふぉふぉふふぉふふぁふぃふぁふぁ、ふうふっふんふぇふぇいふぇんふぃふぁふぁふぃふぁふふぇ!」フガフガフガ・・・
レッサー「……なぁに言ってんだろ、このハイヒール奇面っ娘」モグモグ・・・
サーシャ「第一の解読ですが―――『禁書目録が居たら、数十分で閉店しやがりますね!』かと……あちっ」ピリピリ・・・
アニェーゼ「んぐっ……ふぅ。正解です、サーシャ。あー口の中もっさもっさしやがります」ンガー・・・
アンジェレネ「アニェーゼちゃん、マカロンの早食いって如何なの? あとサーシャちゃん、猫舌なんだからソフトドリンクにしようね」タラー・・・
レッサー「はっはっは。やっぱ品の欠片もありませんね―――んー、アニェーゼ。そのババロア貰います」ヒョイッ・・・パクッ!
アニェーゼ「ちょ、テメェ! 人のストック分を!?」ギロッ・・・
レッサー「溜め込み過ぎなんですよ。こういうのは必要な分だけ取って食うんです」フンフーン♪
サーシャ「ふむふむ……では、第5の注文ですが、このバニラコークフロートパフェを。二つほど」テンインサーン!
レッサー「サーシャさーん、それバイキングメニュー違いますよー。別料ー金ですよー……アニェーゼっち、そのプリン頂戴」アララ・・・パクッ!
アニェーゼ「ふぉふぇぇえ!! ふぁふぇんふぁふぇふぇふぇふ!!」モキュモキュモキュ・・・ペペペッ!
アンジェレネ「アニェーゼちゃん、口の中からメレンゲ飛び散ってる。行儀悪いし汚いし……私ら被害蒙ってるし」ジトー・・・ベトベト・・・
サーシャ「うーん……第3の感想ですが……んー……化粧品の味がする」ウッヘェ・・・
レッサー「こっちはこっちで注文きちゃいましたよ。しかも心成しか不満げ―――あと化粧品の味って何ですか」タラー・・・
アニェーゼ「ふごっ……ふー……レッサー。アンタのそのパンナコッタ貰います」ヒョイッ!
レッサー「んなっ! こ、この泥女ぁ!!」ンキー!!
アンジェレネ「どっちもどっちでしょ。あとサーシャちゃん、何でパフェに紅茶流し込んでるのかなぁ」タラー・・・
サーシャ「えっと、頭キーンってなるので……第4の感想ですが、メッ○ールっぽい味がします―――レッサー、残り食べて」スッ・・・
レッサー「絶対不味いでしょ。てか人に劇薬勧めないで下さい! 私は(アニェーゼの)ベリータルト食べるので忙しいんです」ムガムガ・・・
アニェーゼ「テメェよぉ……店員さーん! 別料金でメガハニートースト! 因みに、この悪趣味マフラーに付けて下さいねー!」ギロッ・・・
レッサー「ハァ!? ふ、ふざけおってぇ……店員ちゃーん! ついでにブブ漬けお願ーい。このF口調ロリータにー」フンヌッ!
アニェーゼ「」ピキッ・・・クイッ・・・
レッサー「なーんですかぁ? 喧嘩売ったのそっちでしょぉ!!」ギラギラギラ・・・
ギャーギャーギャー!! キャー! ミセガー! ニゲロー!! テンチョー! ダレカオトコノヒトヨンデー!! ドンガラガッシャーン・・・・・
サーシャ「はぁ……ぽんぽん痛い」キュウゥ・・・
アンジェレネ「自業自得だよ―――あ、店員さん。何ですか―――え? 出禁!? それに、弁償!?」ガーン・・・
サーシャ「あー……第6の注文ですが、英国清教の主教補佐宛てに領収書お願いします。あと……胃薬下さい」ギュルルルルゥ・・・
アニー・レッサー「「フシャアアアァー!!」」ゲシゲシッ!ポカポカッ!- 517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/26(月) 22:22:51.12 ID:zPqnRS/u0
- こんなノリでおk?
次・・・ >>518
- 518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/26(月) 22:33:06.59 ID:pC2E6NCvo
- カルテッ娘なら夏ということでなぜか浴衣を着て花火をすることになるも
花火の一部に魔術が仕込んだあった結果…な話 - 519 :アンジェレネ「浴衣は下着だってカンザキが言ってましたよ」 [saga]:2013/08/26(月) 23:38:22.02 ID:zPqnRS/u0
キャッキャウフフムッキュンムッキュン!!
五和「―――よいしょっ! 着付け出来ました、よっと」ポンッ
アンジェレネ「はい、ありがとうござます!」キラキラ・・・
神裂「ふふっ。皆、似合いますね」ニコニコッ
アニェーゼ「そりゃモデルが良いんです。当然でしょう」エッヘンッ!
サーシャ「第1の見解ですが、和服は胴の起伏が無い方が似合うのでしょう? じゃあ似合って当然です」キッパリ・・・
レッサー「……サーシャ。言ってて悲しくなりませんか」ハァ・・・
ベイロープ「その理屈でいくと、一番似合うのはウチのランシスかマグヌスんとこの妖精弟子(ジェーン)だね」ハハハ
ランシス「リーダーしね」ジトー・・・
フロリス「ははは。言われてやんの。でも逆にぃ……似合わないのはぁ」グワシッ!!
ルチア「っ!!?」ボヨンッ!!
浦上「ルチアっちですネぇ……えっろぉ!」モミモミ・・・
ルチア「ッ~~~~~~~~~~~~っ、死に曝せええええぇえええぇ!!!」ゴガガガガガァッ!!
キャーキャーッ!! ッテ、チョ、、、ギャアアアアァ・・・・・
オルソラ「まぁまぁ。皆さん、馬子にも衣装でございますね」フフフッ
シェリー「本心なんだか茶目っ気発言なんだか良く分からん事言うなよ」ハァ・・・
オリアナ「んー。お姉さん的には日本の『ゲイシャ』とか『オイラン』ファッションの方が興味あるんだけどなぁ……神裂、今度着てみて」ニコッ
神裂「自分で着やがってくださいな」ニッコリ
レッサー「あ! はいはーい! 私着てみたいでーす! 『オダイカンサマー』ってヤツですよね!」キラキラ・・・
アンジェレネ「多分違うよね―――さておき、私達が着ちゃっても良かったんですか? 大事な民族衣装なんでしょう?」オドオド・・・
対馬「民族衣装だなんて大袈裟な。まぁ押入れの中にしまっておくよか有意義よ……私達のお下がりで申し訳無いけどね」フフッ・・・
サーシャ「いえ、感謝します。第1の感想ですが、普段の服装の数万倍マシです」シミジミ・・・
アニェーゼ「上司に恵まれないと苦労しますね―――ところで、さっきから気になってたんですけど」チラッ・・・
~~~~ 柵 ~~~~
野郎共『―――』チラチラッ・・・
アニェーゼ「なんか、ゲスい目が……ちゃっかり騎士派の連中まで居やがりますし」ジトー・・・
サーシャ「第1の見解ですが、下心と物珍しさでしょう。女性陣の殆どがユカタを着てますからね。何処から情報が漏れたかはさておき」ハハハ・・・
アンジェレネ「女子寮で企画してたのに漏れたという事は十中八九、天草式の面子ですよね」チラッ・・・
五和「あははは……まぁ建宮さん達もシミ抜きとか手伝ってくれましたし」ポリポリ・・・
レッサー「まぁまぁ。こういうのは見せる為にある様なモンですしね! おや、そういえば……大小コンビは?」キョロキョロ・・・
アニェーゼ「そういえばアイツら見てねぇですね……折角、着替えてやったのに」ムスー
サーシャ「ツンデレ頂きまし痛ぃ」ゲシッ!
アンジェレネ「あははは……あ! そろそろ花火上がる頃ですよ!」キラキラ・・・
ヒュ~~ン・・・・・パアアアァンッ!! パラパラパラパラ・・・・・ オオオォ!! キレィ・・・ワーワー・・・・・
ステイル「―――ん……次の玉、寄越せ」パシュッ・・・パシュッ・・・
香焼「あ、うん……いやいやいやいや。なんでさ。自分らが砲台役っておかしいよね」ハァ・・・
ステイル「ローラの馬鹿が下らん命令するからだ。怨むなら奴を恨め……あと、お前のその恰好何だ?(軍覇と絹旗に写メ送ろ)」チラッ・・・チラッ・・・
香焼「た、建宮さん達が無理矢理……触れないで」フコウダー・・・ ← http://matome.naver.jp/odai/2137009349113528401/2137009776214810403
- 520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/26(月) 23:40:16.58 ID:zPqnRS/u0
- うぃ……あれ? 何か違う?w
次ー → >>522
- 522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/27(火) 00:17:06.24 ID:8U3uiPqlo
- おっさんの下トークに巻き込まれ、席を立つのも子供っぽい気がして居心地悪い思いをしながら聞くステイル
- 523 :レッサー「おっさんトークは任せろー」グヘヘッ [saga]:2013/08/27(火) 01:22:59.37 ID:rVBCjNg70
ギャハハハッ ガハハハッ イーッヒッヒッヒッ! ウヒャヒャヒャ・・・・・
ステイル「……、」ハァ・・・
土御門「―――んー? どったんステイルぅ。お酒進んでないですぜぃ」ツンツン・・・
ステイル「……いや、呑んでるよ。君こそ未成年のクセに呑み過ぎじゃないのか?」チラッ・・・
牛深「ワインは神の血。ノーカンノーカン……あ、そいやぁワインといやぁ斎字よぉ……あの呑み屋の子、如何したのさ?」ニヤリ・・・
建宮「あー、あの子……まぁ色々と、なぁ」ムフフ・・・
野母崎「カアアアァっ!! コイツ! 絶対ぇヤったわ! 信じらんねぇ!」ツンツンッ・・・
諫早「ったく、最近大人しくなったと思いきや、お前は昔からそうだったな……で、如何だった?」ニヤリ・・・
土御門「ニャハハハ! 爺ちゃん! ノリノリじゃん!」ケラケラケラッ!
建宮「落ち着けお前ら。まぁ俺も紳士なのよな。そんなそんな『それ頂きます』みたいな事はしないのよ」フフーン・・・
トール「んー? 何か面白そうな話してんなー。何々? 日本人式、女の攻略法か?」ニヤニヤ・・・
騎士団長「ふむ……それは興味深いな。是非参考にしたい」キリッ・・・
牛深「なんか喰い付いたったwww」ゲラゲラゲラッ!
野母崎「いや、騎士団長殿が望む様な殊勝な輩じゃないですよ、コイツ。典型的な下半身脳ですし」ヒッヒッヒッ!
建宮「バーロー。紳士だっつーの……まぁ確かに、多少は下心あるけどな」ニヤリ・・・
オッレルス「そういえば建宮は噂に聞く足フェチだとか……おっぱい興味無いの?」キランッ・・・
建宮「無論、全身のバランスは大事だと思うのよ……ただし! おっぱいに興味無い男なんていません! ね! 騎士団長!」バッ!
騎士団長「え、あ、ま、まぁ……うん」ンフフ・・・
トール「ダハハハッ! ムッツリーダー! アンタ、見るからにムッツリだよなぁ! あとおっぱい星人っぽ」ケラケラッ!
ステイル「……、」スッ・・・
フィアンマ「おや? 主教補佐殿ぉ。ドチラにぃ?」ニヤニヤ・・・
オッレルス「こらこら、フィアンマ。止めたら駄目だよ……何だかんだ、まだ14歳だしな」ハハハ・・・
ステイル「っ……何でもないさ」グヌヌゥ・・・
牛深「ぷっくくくっ……いやぁ、でも斎字よぉ。あの子、ああ見えて存外ビッチだぜ。止めとけ止めとけ」ニヤリ・・・
建宮「ウシぃ、僻みかぁ? ま、別に潔癖症って訳じゃねぇから、多少の『緩み』は目を瞑るのよな」ハハハ
トール「えー。俺はガバ○ンとか無理だわー。まぁ処女も重いけど」キッパリ・・・
野母崎「うわぁ童顔イケメンから発せられる言葉だとは思えん……如何思います? 騎士団長」チラッ・・・
騎士団長「え。あ、まぁ、その……好みはそれぞれで良いのでは」ハハハ・・・
土御門「うっわー、良い子ちゃんぶってー。騎士団長殿……俺ちゃん、知ってるんだぜぃ? 若い頃のアンタの『種馬』伝説をにゃぁ」ニヤリ・・・
騎士団長「ブッフーッ!! な、何を! 適当な事にょ!?」アタフタ・・・
牛深「噛wwみww噛wwみww動揺し過ぎですわ……んでんで?」ニヤリ・・・
ジツハー・・・―――……マジカヨ! リーダーパネェッス!! 5P!? マジ!? マチムスメハ、ミンナ「ボウシマイ」デ・・・―――・・・ヒャッハーッ!! ヤメロオオォ!!
ステイル(……おうちかえりたい)キュウゥ・・・
レッサー「」チーン・・・
アニェーゼ「野郎共の頭ん中は須らくウジ沸いてますね……んで、このビッチ予備軍は何で白くなってんですか?」チラッ・・・
サーシャ「第1の推測ですが、彼らの中に入ろうとしたのは良いものの、話に着いて行けず撃沈したのかと。ざまぁないですね」アハハ
アンジェレネ「レッサーちゃんが実はピュアガールなのは周知の事実ですからね。大人しくフロリス達辺りで留めとけば良かったのに」ハハハ
アニェーゼ「いや、ウラカミとかフロリス、オルソラ達の話の方がエグいというか生々しくて聞くに堪えねぇと思いますよ」タラー・・・
香焼「確かに……って、それはさておき、ステイル助けようよ。このままじゃ親父共のセクハラで心折れちゃうって」ハァ・・・- 524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/27(火) 01:25:04.91 ID:rVBCjNg70
- なんかほのぼのしてないw
はい、それじゃあラスト安価 → >>525
- 525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/27(火) 01:44:57.80 ID:0uuQj3JNO
- カルテッ娘のPVを作ろう
- 526 :ワシリーサ「監督兼プロデューサー、私!」 サーシャ「引っ込んでろド変態!!」 [saga]:2013/08/27(火) 02:48:24.44 ID:rVBCjNg70
- レッサー「ぴーぶい? あー、アレですか。18歳未満の子に際どいスケスケ水着着せてAVじゃないですって言い張ってるあの」イメビ・・・
サーシャ「お前は 何を 言ってるんだ?」ジトー・・・
香焼「いや、宣伝効果だって。清教のイメージアップの為にみたいな……今此処に純粋な清教徒が居ないだろってツッコミはNGで」タラー・・・
アニェーゼ「清教云々だったら禁書目録使えば良いでしょう。まぁそれは置いといて、私らにクリスチャンらしい何かをしろと?」フム・・・
レッサー「じゃあランシス使って企画モノの何か撮りましょうよ。修道服プレイ的なアレを……もしくは『カンザキカオリ』の」アレコレヲ・・・
サーシャ「だから黙ってろ。加え、第1の警告ですが、これ以上メタくて危険な発言すんなド阿呆」ガシッ・・・
ランシス「あと、しね」ゲシッ・・・
ステイル「まぁ例の如くローラの悪ノリだ。残念ながらサーシャの上司も一枚噛んでるらしいが……あと右方の馬鹿と第二馬鹿王女も」グデェ・・・
香焼「あはは……とりあえず、適当にカメラ回すから普段通りしててくれれば良いよ」スッ・・・カチッ・・・
アンジェレネ「あの頭オカシイ大人達は何考えてるんですか……って、え? コォヤギくんがカメラ回すんですか」ピタッ・・・
ステイル「じゃなきゃ大人共に任せるぞ」クイッ・・・
カルテッ娘『嫌です』キッパリ!
ステイル「だったら大人しく撮られとけ。悪用はしない」ヤレヤレ・・・
アニェーゼ「ぐぅ……とかいいつつチラリポロリを抜き出して素人投稿したり、高値でズリネタ取引してたらブッ殺しますからね」ギロッ・・・
アンジェレネ「アニェーゼちゃん。偶ぁに、レッサーちゃん以上に過激な発言するよね」タラー・・・
サーシャ「素が素ですから痛たたぁ!! だ、第1の意見ですが、最近、アニェーゼからの暴力の矛先が私に向いてる気がします」タラー・・・
レッサー「やれやれ。じゃあとりあえず、如何すれば良いんですか? ランシス剥きます? ロリコン狂喜乱舞な感じのを」チラッ・・・
ランシス「マジで殺すよ」ギロリ・・・
香焼「いつも通りで良いよ。食堂でくっちゃべったり、中庭でバスケしたり……自分らの事は気にしないで」●REC...
アニェーゼ「……と言われてもですねぇ。そんなん向けられて意識すんなっつぅ方が無理な話ですって」ジトー・・・
サーシャ「ですね……ふむ……では、こういうのは如何でしょう。第1の提案ですが……耳を貸して下さい」クイッ・・・
一同『え』キョトン・・・
サーシャ「あ、コーヤギーとマグヌスは後ほど。先に私達で話合いを―――」アーダコーダ・・・
アキル クラーイ クモ カゾエターラ マタ トークニー ナガレテーッター・・・・・
ステイル「―――……如何してこうなった」ハァ・・・
アニェーゼ「はい。じゃあ続き、シーン⑦……コーヤギが廊下で壁ドンされる所から!」ビシッ!
アンジェレネ「ステイルくんは、ゆっくり外套脱ぎながらコォヤギくんに詰め寄って来てね。それから顎を掴んで……壁ドンっ!」フフッ
香焼「いやオカシイ」ダラダラ・・・
サーシャ「ふふふ。指示は『私達のPVを作れ』というモノなのでしょう。ならば、逆転の発想です」ニヤリ・・・
レッサー「成程成程。私らが作ったPVにしちゃうって事ですね……お主も悪よのぅ、サーシャっちぃ」グヘヘッ・・・
ステイル「……千歩譲って、その発想を認める。だが、このシュチュは何だ? 意味が分からない」タラー・・・
アニェーゼ「あ、因みに脚本演出総監督はランシスですから」クイッ・・・
ランシス「ふんぬっ」b"
香焼・ステイル「「」」チーン・・・
アニェーゼ「ほれ! さっさと続き撮りますよ! コレ終わったら次はステイルん私室でベットシーンです! ハリーハリー!」ハッハッハッ!!
ギャーギャーギャー!! ワーワー!! ウガー!! イノケンティウスー!! キャアアアァ・・・・・
神裂「……なぁにやってんですか、あの子達は」オワレ・・・ - 527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りするのよな [saga]:2013/08/27(火) 03:08:23.49 ID:rVBCjNg70
- はい、これにておまけ終了。ほのぼの(?)したかなw
じゃあ次回のメインキャラのアンケを取ります。
①アニェーゼ(英国編 社交界話)
②黒子(都市編 ジッジメント話)
③佐天(都市編 決まってないです)
④ねーちん・むぎのん・このりん(姉貴分達でティーンズトーク的な)
⑤その他(詳細プリーズ)
はい、こんな感じです。兎に角、亀スレですんで御了承を。
それでは質問意見感想罵倒リクエスト、アンケ協力お願いします。んではでは! ノシ"
2014年7月23日水曜日
あまくさっ☆~④姉弟。 2
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