2015年7月24日金曜日

上条「御坂…だよな…」

 
※未完作品
 
2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 21:18:18.64 ID:+6WVyXzAO

上条当麻は補習を終え、いつもの通学路を歩いていた。

上条「はあ…不幸だ…」

上条は不幸な少年だ。
もちろん今日も不幸指数は絶好調だったわけで。

上条「なんでこうも上条さんは不幸なんですかねぇ…」

上条「普通バナナの皮を避けようとしたら後ろに空き缶があってこけそうになり、なんとか手をついたと思ったら、その拍子に犬の尻尾踏んで追いかけ回されるなんて、普通ないだろ」

だが、普通ないことをあることに変えてしまうのがこの男、上条当麻なのだ。

 
3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 21:27:59.40 ID:+6WVyXzAO

上条「今日はスーパーの卵お一人様2パック限り98円があるんでしたよねっと。」

そして、いつもの不幸の後に待っているのがスーパーの地獄なのである。

上条「…って、うわ!もうこんな時間じゃねえか!」

上条「うちには暴食シスターさんがいますから、このチャンスを逃すわけにはいかねえんだよ!」

そういっていつものスーパーに行こうとしたときのことだった。

上条(…ん?あそこにいるのは…御坂…だよな…?)

学園都市の第3位、常盤台のエース、御坂美琴がいた。
4VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 21:37:54.36 ID:+6WVyXzAO

ただし、1人ではなく。

上条(誰だ…?…隣にいる男は)


美琴の隣には、上条の見知らぬ男がいた。


上条(…なんだよ。なんであんなに楽しそうに話してんだよ)
なぜか上条にはそれが物凄く嫌だった。見ているのが辛かった。

上条(…俺と話してるときはあんな顔しないくせに)

さらには嫉妬までしてしまう。

上条(…あれ?…なんで俺、こんなに…?)


そのとき、目の前に現れたのは――。


美琴「…ちょっとアンタ、何ぼーっとつったってんのよ。こんなところで」


御坂美琴だった―――。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 21:47:24.87 ID:+6WVyXzAO

上条「えっ?!」

美琴「?何してんのよ、アンタ」

上条「…み、御坂…。」

美琴「?…どうしたのよ、なんか顔色悪いけど」

上条「い、いや、なんでもないんだ、なんでも」アセアセ

美琴「?そう?ならいいけど。…気を付けなさいよね。アンタはいつも無理してケガして、入院する羽目になるんだから。いつも私がどれだけ心配して…っあ、 べ、別に、心配なんてしてる訳じゃないんだからね?そこんとこ、か、勘違いしないでよっ!?あ、アンタが入院したりすると、こここっちも困るわけでっ…」 アタフタ

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 21:55:46.22 ID:+6WVyXzAO

上条「…御坂」

美琴「ふぇ!?な、ななな何よ?」

上条「さ、さっき…さ、一緒にいた男って誰だ?」

美琴「え?さっき…?…あぁ、あの人ね。あの人は…そ、その…//」

上条「…!」

上条「…そうか、やっぱいいよ。じゃあ用事あるからまたな、御坂」

美琴「え、ちょ、ちょっと!」
美琴「行っちゃった…。」


実際は、垣根に恋愛の話を持ちかけられて、上条を想った美琴がアタフタしていただけなのだが、そんなことを知るよしもない上条は、盛大に勘違いをしてしまった。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 22:02:30.94 ID:+6WVyXzAO

上条「…ちくしょう。なんだってんだ」

上条「別に、アイツがどこの誰といようと、俺には関係ねえことじゃねえか」

上条「アイツが…誰といても…」

上条「……」

上条「…なんだ?これ…。」


上条の中には、なぜかもやもやした気持ちがあった。

美琴が、自分じゃない、他の誰か知らない男といるところを見たとき、どす黒い感情がわいてきたのも確かだったのだが、鈍感な上条にはそれが何なのかは理解できなかった。

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 22:16:17.99 ID:+6WVyXzAO

上条「…まぁ考えてもわかんねえし、とりあえずうちに帰りますかね」

上条「…ってぇ!もうとっくに時間過ぎてんじゃねえか!!」

上条「…不幸だ…。」


―――――――――
―――――
――


美琴は上条が去ったあと、その場に立ち尽くしていた。


美琴「な、なんだってのよ。アイツ。急に黙りこんだと思えば、いきなりさっきの男は誰だ、とか…」

美琴「…ま、まさか嫉妬してたとか!?……って、アイツに限ってそんなことあるわけないわよね」

美琴「じゃあ何だったのかしら…?」

そう。美琴は、上条当麻が好きなのだ。

気づいたのはつい最近であって、なかなか素直になれないが、最近は少しずつ素直になってきているような気がしないこともない。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 22:23:59.63 ID:+6WVyXzAO

美琴「…はぁ。とりあえず、あの馬鹿は明日とっつかまえるとして、今日は帰りましょ。門限も近いことだし」


そういって、両者自分の家に帰っていった。



―――――――――――
―――――――
――


上条当麻は上の空だった。


授業中には窓の方をぼーっと見ては、ため息をつき、何かを思い出したかと思うと再びため息をつき、その繰り返しだ。


これでは、いつものデルタフォースも静かになってしまうのも無理はない。


12VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 22:47:28.81 ID:+6WVyXzAO

女子生徒A「ねぇ、今日の上条くん、どうしたの?」ヒソヒソ

女子生徒B「どうしたんだろ。朝からずっとあの調子なのよ」ヒソヒソ


土御門「…にゃー。青ピ、なんでかみやん、今日はあんなに元気ないんだにゃー?」

青ピ「ほんまやで。かみやんが元気ないと、僕らも元気なくなってまうわぁー」クネクネ




上条「…みさか…」ボソッ



クラスメイト「「「「!!!???」」」」


女子生徒B「み、みさかって誰?!」ヒソヒソ

女子生徒A「し、知らないわよ!か、上条くんに限ってそんなっ…」ヒソヒソ


土御門「み、さか…っていうと、あの常盤台の超電磁砲じゃないかにゃー!?」

青ピ「か、かみやんが女の子の名前をーーッ!!?」

土御門「あの野郎、とうとうフラグを回収し始めたぜい!!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/22(水) 22:55:47.19 ID:+6WVyXzAO

青ピ「か、かみやんが…!?」
土御門「これはもう…」



2人「「殺っちまうしかないぜい(な)!!」」



――――――――――
―――――――
――――


上条は悩んでいた。



上条(やっぱり、あの反応って…)

上条(恋人、だよな…。)


そう、昨日のこと、御坂美琴のことを考えていた。


上条(なんでこんなに悩んでるんだよ、俺。…つか、何を悩んでるんだ?…あれ?…俺、何考えてたんだー?!)アレー!?


そして、無意識に彼女の名前を口にしていた。

上条「…みさか…」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 23:06:40.45 ID:+6WVyXzAO


デルタ「「かーみーやーん?」」ゴゴゴゴ

上条「ハッ!…な、なんだよお前ら」

青ピ「俺らの前で女の子の名前を出すとはいい度胸やね!」

上条「は?俺がいつ誰の名前を出したって」

土御門「問答無用だにゃー!」バキッ

上条「ふ、不幸だぁぁぁーーーっ!!」


――――――――――
―――――――
―――


上条「ひ、ひどい目にあった…。」ボロボロ

上条「ったく。なんだってんだよ、アイツら」

美琴「あ!いたいたアンタ!」
上条「フラグを回収し始めただの女の子の名前を出しただの」
美琴「ちょっと!アンタよアンタ!」

上条「上条さんにはそんな縁はこれっぽっちも」

美琴「無視すんなやゴルァァァァアアア!!!」バチバチィッ

上条「うおぁ?!な、何すんだ!みさ、か…?」ドキッ

上条(な、なんだ…?今、なんでドキッって…)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 23:20:28.82 ID:+6WVyXzAO

美琴「ったく!毎回毎回私を無視してんじゃないわよ、アンタ!」

上条「…」ポー

美琴「なんでいつもいつも検索件数0状態なのよ私は!!」

上条「…」ポー

美琴「…って聞いてるの?」

上条「…」ポー

美琴「…」

上条「…」ポー

美琴「えいっ。」ビリッ

上条「うわっ?!」バシュ

美琴「何ぼーっとしてんの?変なものでも食べたわけ?」

上条「…へ?!い、いやいや!決して変なこと考えてた訳じゃないですからね!?」

美琴「だ、誰もそんなことまで聞いてないわよ…。」

上条「あぁ!?お、俺はなんてことを口走って…?!」アワワ

美琴「……///」

上条「……//」


上琴「「あ、あのさ!」」

上琴「「えぇ?!//」」

上条「あ、いや…み、御坂から言えよ」

美琴「あ、アンタから言いなさいよ!」

上条「お、俺は…、…ほら、体したことじゃねえからさ」

美琴「わ、私だってそうよ…」
上条「……」

美琴「……」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 23:30:59.86 ID:+6WVyXzAO

上琴「「…えと」」

上琴「「!!??」」

上条「あ…」

美琴「…あーもう!まどろっこしいわね!!アンタ、今から暇?!」

上条「ま、まぁ暇っちゃ暇だけど」

美琴「?なんか用事でもあるわけ?」

上条「いや…、その…特売がありまして」

美琴「……はぁー…」

上条「…あは、ははは」ハハハ…

美琴「…しょうがないわね。ついていってあげるわよ」

上条「へ?ほ、ほんとでせうか…!?」

美琴「こんなことで嘘ついてどうすんのよ」

上条「美琴様!あなた様は女神です!!よっしゃ!これでこの前ゲットしそこねた卵お一人様2パック限りが4パックも手に入るぞ!!今日の上条さんはツイてますよ!!」ギュッ

美琴「ふゎっ…!(手!手がっ…!//)」


17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/22(水) 23:37:59.06 ID:+6WVyXzAO

上条「じゃあ今すぐ行きましょう!すぐ行きましょう!!」グイッ

美琴「あ、ちょ、ちょっと待って!」

上条「な、なんでせうか美琴センセー。まさか、やっぱり行かないとか言い出すのでは」

美琴「まだ言っとんかい!!」
美琴「その…。違うくて…。」
上条「ん?」

美琴「え、えと…」

上条「?」

美琴「ば、晩御飯…。」

上条「?晩飯がどうかしたのか?」

美琴「作ってあげよっかなって…」

上条「」

上条「…あの、御坂サン?上条さんは耳が遠くなって聞こえにくくなってきているので、もう一度お願いできますでせうか」
美琴「ご、ご飯…作ってあげよっか?」ウワメ

上条「(なんだこの可愛い生き物)」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 18:34:50.48 ID:U9YK2sGAO

上条「ほ、本当にいいんでせうか?」

美琴「いいって言ってんでしょ。さっさと買って、アンタの家に行くわよ!」グイッ

上条「はい!」

――――――――――――

スーパーにて


美琴「んー、何にしようかしら。…アンタ、食べたいもののリクエストとかあったりする?」
上条「上条さんは美味しいご飯が食べられるならなんだって構いませんです、はい」

美琴「も、もう!何言ってんのよ!真面目に答えなさいよ」//

上条「はいはいっと。そうだな…。…強いて言うなら和食ですかね」

美琴「和食ね、おっけー」

美琴「あ、アンタって、嫌いなものとかあったりする?」

上条「とんでもない!食べれるものならなんだって食べますよ」

美琴「プッ 何よそれ。分かったわ。」~♪

上条「ところで、御坂って料理出来んのか?」

美琴「なっ…!…アンタ、私を誰だと思ってるわけ?…まぁ凝ったものは作れないけど、一般的なものくらいなら作れるわよ」

上条「おぉ!上条さんは期待で胸がいっぱいですよ!」wktk

美琴「…まぁ結構作るしね」


美琴は常盤台の学生寮に住んでいるため、料理なんてする機会はない。だが、いつか上条に食べてもらいたいという願望からか、時々黒子や寮生に隠れ、こっそり練習しているのだ。

美琴(…やっと、コイツに食べさせてあげる機会がやってきたわ)ドキドキ

美琴(上手く作れるかな…?)
美琴(だ、大丈夫よね!あんなに練習したんだし)
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/23(木) 18:50:18.91 ID:U9YK2sGAO

美琴(アイツ、美味しいって言ってくれるかな…)

美琴(も、もし言ってくれたら…)



゚。*+゚~美琴の妄想~゚+*。゚

上条「う、うまい!!すっごくうめぇぞ、美琴!!」

美琴「ほ、ほんと?」

上条「ああ、本当だ!」

美琴「よ、良かったぁ…。本当はちょっと心配だったの。」エヘヘ

上条「美琴…」ギュッ

美琴「ふぇっ?!///」

上条「上条さんは、今すぐ美琴をお嫁さんに迎えたいですよ!」ギュー

美琴「当麻…///」

゚+*゚。*.☆。妄想終了。☆*゚*。゚.+゚


美琴「えへ、えへへへへ…」

上条「ん?どうした御坂?」

美琴「ふにゃー」バチバチ

上条「うおぅ!?み、御坂!漏電はぁあ!?」アタマニテヲノセ

美琴「ひぁ!?//バチバチッ」ヨケイ

上条「おいおい!」ギュ

美琴「!?///」

上条「これでしばらくは大丈夫だな。さっさと買い物済ませちまおうぜ」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 19:51:28.13 ID:U9YK2sGAO

美琴「あ、あああアンタ!な、何勝手にて、ててて手なんか繋いじゃってんのよ!!」

上条「お、落ち着けって御坂!ほら、ここ店内だから!ビリビリしたら困るからーッ!!」

美琴「あ、あぁそうね!びっ、びっくりさせないでよ。全く」
上条「別にびっくりさせた覚えはないんですが…」

美琴「ううううるさいわね!さっさと済ませるわよ!」スタスタ

上条「はいはい」テクテク


―――――――――――
――――――――
―――

上条の寮の前

美琴「こ、ここがアンタの…」ドキドキ

上条「ああ。さ、誰かに見られちまうと厄介だし、さっさと中に入ろう「誰に見られると厄介だって?」…ぜ?」

土御門「よう、かみやん」

上条「」


上条「つ、土御門ー!?なんでここに…」

土御門「何を言ってるんだにゃーかみやん。ここは俺が住んでる寮でもあるんだぜい」

上条「ああ、そうか…じゃなくて!…お、俺たちはこれから用があるからまたなー土御門!」
土御門「ちょっと待つぜよ」

上条「」ギクッ

土御門「そっちにいるのは常盤台の超電磁砲じゃないかにゃー?」

美琴「?…そうですけど、何か?」

土御門「いやいや、何でもないぜい。それじゃ、お邪魔虫は退散させてもらうとしますにゃー」

美琴「お、お邪魔虫って…」//
土御門「…かみやん、明日が楽しみだぜい」ボソッ

上条「ふ、不幸だ…」

美琴「?」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/23(木) 20:04:12.49 ID:U9YK2sGAO

――――――――――
――――――
―――

ガチャ

美琴「お、お邪魔します…」

上条「お嬢様にはむさ苦しい狭い部屋ですがどうぞ」

美琴「何言ってんのよ。アンタ一人でしょ?私は黒子と相部屋だから少し大きいだけで、一人だとこんなもんでしょ」

上条「うちには暴食シスターと一匹がいますけどね」ボソッ

美琴「何か言ったー?」

上条「何もありませんです、はい」

美琴「?じゃあさっそく作り始めちゃうけど、いい?」

上条「もちろんです!」

美琴「ふふ。じゃあ台所使わせて貰うわね」

上条「俺もなにか手伝おうか?」

美琴「いいわよ。アンタが一緒に作ったんじゃ、私の手料理ってことにはならないでしょ」

上条「あ、そっか。…わたくし上条当麻、美琴たんの手料理を食べれて幸せですよ」

美琴「ふぇ!?//い、いいからテレビでも見て待ってなさい!」//

上条「了解しましたー」スタスタ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 21:04:05.71 ID:U9YK2sGAO

美琴「さて…と。あ、アイツがお腹すかせて待ってるんだし、ぱぱっと作っちゃわないとね」

美琴「んーと、今日のメニューは焼き魚に肉じゃが…」ニンジンニンジン…アッタ

美琴(…ん?な、なんかこれじゃまるで…)カミジョウチラッ

アーマダカナー

美琴(まるで…)

ミサカガツクルンダカラキットオイシインダロウナー

美琴(新婚みたい!?)

美琴(えぇぇぇっ、ちょ、ちょっと待って!冷静に考えてみると私、恋人でもないのに凄いことしてない?!か、通い妻みたいな…。)

美琴(ひょ、ひょっとしてこのあと、あの妄想が現実になったりしちゃったり?!//…って違う違う。冷静になるのよ美琴。あの鈍感馬鹿に限ってそんなことあるわけがないじゃないのよ。)

美琴(今までだって、さんざん期待を裏切られてきた私は分かってるのよ。)

美琴(…でも、今回のは…。…他の人よりは一歩リード…よね?……そう何回も女の子が料理を作ってくれるイベントなんて、そうそうあるものじゃないし。…あの馬鹿は例外だけど)

美琴(…美琴。そんなこと考える暇があったら、アイツに少しでも喜んでもらえるようなものを作るのよ。…そうよ、私は、アイツが喜んでさえしてくれればいいんだから)

そんなことを考えながら、美琴は料理を作る手を慣れた手つきで動かしていった。

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 21:40:46.19 ID:U9YK2sGAO

―――――――――――
――――――――
――――

美琴「お、おまたせー」

上条「お、やっとか!上条さんはもうお腹ペコペコで待ちくたびれましたよっと」

美琴「はいはい。もう食べれるわよ」クスクス

そういいながら、美琴は料理をテーブルに並べていく。

上条「おぉ…うまそうだな」

美琴「そ、そういうのは食べてから言ってよね」

美琴「じゃあ…ど、どうぞ召し上がれ…?」

上条「いただきます!!」

ガツガツと、上条は美琴が作った料理を食べ始めた。

美琴「………ど、どうかな…?」

上条「……」

美琴「?」

上条「……」

美琴「も、もしかして、口に合わなかった?」ウゥ…

上条「…い」

美琴「…え?」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 21:54:24.05 ID:U9YK2sGAO

上条「うまい、うまいぞ御坂!!!どうやったらこんなうまい飯が作れるんだ?!」

美琴「そ、そう?良かった…えへへ」ニコッ

上条「」ドキッ

上条(な、なんだ…?なんか急に胸の鼓動が早くなって…)


そう。美琴が作った料理は全て和食で、一品一品がとても短時間で作ったとは思えない出来栄えだった。

あまりの嬉しさに、笑みがこぼれた美琴に、なぜか上条はときめいてしまう。だが忘れてはいけない。コイツは鈍条なのである。


上条(なんでこんなに…。あまりのうまさに、感動したからか?…そうだな、うんうん)


上条「本当にうまいよ。御坂がこんなに料理上手だったとはな。…つか、料理上手どころじゃねぇな。全部店に出せる腕前だぞ、これ」モグモグ

美琴「あ、ありがと。なんか照れるわね」

上条「なんか俺、こんな可愛い女の子のうまい手料理独占して、悪い気がしてきた…」モグモグ

美琴「か、かわッ…?!」///

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:07:32.05 ID:U9YK2sGAO

美琴(か、可愛いとか…!あ、アイツ何言ってんのよ!//……でも、他の女の子にもこういうこと言ってるんだよね…)ハァ

上条「あ、でも…」


上条は再び思い出してしまった。

昨日、美琴が楽しそうに話ていた、あの男のことを。


上条(…アイツも、食べたんだよな、…この料理…)

上条(俺より、…先に)イラッ

上条(料理だけじゃない、…きっと…恋人なんだから、……キスとかも)イライラ


上条は、なぜかイラついていた。美琴があの男とキスしているのを想像しただけで、無性にその男を殴り飛ばしたくなった。

上条(…いや、あんな親しそうだったんだから、もう恋人になってからだいぶ経ってるのかも…)

上条(ってことは…、…この料理を2人で食べたあと、…アイツの家に、…泊まってッ…)


そこまで考えたとき、もう上条は考えるのをやめた。考えたくなかった。美琴が自分じゃない他の男と一緒に、何かをしているところを。

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:16:26.67 ID:U9YK2sGAO


上条(…あれ?……まただ。…また、御坂のことを考えたらこんな…どす黒い感情がわいてきて…)

上条(…いつもなら、友達が誰と歩いてようとこんな気持ちになんかならねえってのに…)


上条(…なんなんだ)

上条(…なんなんだよ)

上条(なんで……)



上条(なんで…俺じゃねえんだよ…)




44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:24:25.49 ID:U9YK2sGAO

上条(………え?)

美琴「…っと」

上条(俺、…今何て)

美琴「ちょっと!」

上条「…え?」

美琴「どうしたの?さっきから、黙りこくって」

美琴「もうご飯冷めちゃってるわよ?」

上条「……俺、どれぐらい考えごとしてた?」

美琴「ん?…10分くらいかな?」

上条「…そうか、わりぃな、せっかくうまい飯作ってくれたのに」

美琴「…?…そんなの、別にどうだっていいのよ。わ、私は…その」

美琴「あ、アンタが喜んでくれればそれでいいんだし…//」ゴニョゴニョ

上条「!」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:38:00.14 ID:U9YK2sGAO

上条は、申し訳なかった。


あんな強そうで優しそうな、かっこいい彼氏がいるのに、自分みたいな、能力が低ければ、顔が特別かっこいいってわけでもない自分に、なぜこんなにも尽くしてくれるのか。


上条(…はは、自分で言ってて悲しくなるな)

上条(…これから、また御坂がアイツと楽しそうに話してるとことか、…見なきゃなんねえのかな)

上条「…わりぃな、無理に特売に付き合ってもらった上に、手料理までご馳走になっちまって」


上条(…でも、この料理はアイツに作ってやってくれよ。…お前が、御坂が好きな、…アイツに)


美琴「無理についていったわけじゃないわよ。そもそも、私が作らせてって言ったんでしょ!」

美琴「わ、私は…。…ここにきて良かったって思ってるけど。アンタが…と、とうまが…喜んでくれたから」///カァァー


上条「み、さか…」

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:46:13.82 ID:U9YK2sGAO


上条「…そっか。ありがとな」

美琴「アンタが望むなら…また、ご飯作りに来てあげるわよ!…えへへ」ニコォ

上条「!!?」ドッキーン




上条(……そうか。俺…、簡単なことだったんだ…)


上条(……俺、は…)


上条(み、さかが…)





上条(御坂のことが好きなんだ―――。)



51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 22:56:24.58 ID:U9YK2sGAO


自分の気持ちに気づいてからは、彼女の行動、仕草、全てがいとおしく思えてきた。


上条は今まで、色んな美琴を見てきた。

泣いた顔、怒った顔、照れた顔、そして――笑った顔。

その全てが好きだ。


そして、その笑顔を独占したい。自分だけに向けてほしい。そう思った。


上条(でも――。)

上条(アイツには、すでに…)

そう思ったとき、上条の口からは無意識に言葉が出ていた。




上条「御坂…好きだ」






52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 23:03:02.43 ID:U9YK2sGAO


美琴は唖然としていた。


美琴(あ、アイツは…、今、な、何て…?)


上条が何を言ってるのかが分からなかった。


急に黙りこんだと思えば、ありがとうと感謝を述べられ、いいよ、と返したら、好きだ…だ。

これで状況を理解しろ、というほうが難しい。


美琴(な、なにか返さないと…!)


美琴「わ、私もっ…」

上条「でも、俺はお前とは付き合えない」

美琴「!?」

美琴「な…!」

上条「…俺は、…俺の都合で、お前の幸せを壊したくない」


53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 23:14:39.04 ID:U9YK2sGAO


美琴「な、何言ってるのよ…私はっ…!」

上条「…御坂、ありがとう」

美琴「…は!?」


上条「御坂は、…優しいから。」

上条「御坂は優しいから、俺を傷つけないように、同情してくれてるんだよな」

上条「…ほんと、お前は優しすぎるよ。そりゃ、…彼氏の1人2人いても普通か」

美琴「ちょ、…ちょっと待ちなさいよ!なんのこと…」

上条「もう話さなくていいぜ。今さら俺なんかにこんなこと言われてもいい迷惑だよな」

上条「俺は、御坂にここまでしてもらえただけで、もう十分だから。」

上条「御坂が、俺なんかのために必死に戦ってくれたり、一生懸命ご飯作ってくれたり…」

上条「…もう、十分だから」

上条「…早くアイツのところに行ってやれよ」ズキッ


美琴「…ざけんじゃないわよ」

上条「…ん?」



美琴「ふざけんじゃないわよ!!!!」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/23(木) 23:22:36.78 ID:U9YK2sGAO


美琴「アンタが何考えてるのか知らないけどねぇ!!」


美琴「これだけは言わせてもらうわ!」


美琴「何勝手に全部終わらせようとしてんのよアンタは!!」

美琴「なにが同情よ!なにがもう十分よ!?私が、どんな気持ちでいるのか分かりもしないで!!」


美琴「好きじゃない相手のために、命かけて戦ったりなんてしないわよ!!好きじゃない相手に、ご飯作ってあげたりなんてしないわよ!!」


美琴「…いい加減、気づきなさいよ…この馬鹿…グスッ…」



上条「御坂…」



71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/24(金) 18:59:41.00 ID:miDPdN1AO


上条は、自分の気持ちに気づいてしまった。

彼女が好きだということに。
彼女をどうしようもなく愛してるということに。


だけど、好きなあの子に愛してる人がいるのならば、彼女の恋を応援したい。


たとえ自分の恋が叶わなくても、彼女が笑ってくれればそれでいい。

たとえどんなに自分が傷つこうとも、彼女が笑ってくれればそれでいいのだ。

そう思っていた。



上条「御坂…、ごめん。変なこと口走って、勘違いして」



…そう思っていたはずなのに。


上条「なんか…、…俺、焦ってたみたいだ」

上条「御坂が男と話してたり、笑いあってたりすると、胸が…胸が、締め付けられるんだ」

上条「…その男を殴り飛ばしてやりたい、…そんなこと思っちまうんだぜ?」

上条「…馬鹿だよな、全く」

上条「御坂が見てるのは、俺じゃないのに。御坂が好きなのは、俺じゃないのに」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/24(金) 19:15:50.88 ID:miDPdN1AO


上条「…御坂が幸せなら、御坂が楽しいなら、俺も笑ってるはずなのに…笑えるはずなのに…!」

上条「なんでそこに立ってるのが俺じゃねえんだ…?なんでそこで御坂と一緒に笑ってるのが俺じゃねえんだ…!」

上条「そんなどす黒い感情ばかりしか出てこなくてさ…」

上条「…ははは…、笑っちまうよな」

上条「……でも、どうしても好きなんだよ…。その笑顔、泣き顔、怒った顔、無邪気な顔…!」

上条「全部全部、自分だけに向けてほしいって思っちまうんだ…」


上条「…そんくらい、お前のことが大好きなんだよ…!」



上条「……俺じゃ、駄目、か…?」










美琴「……ばか」






美琴「私も、…大好きよっ…!」ダキッ





73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/24(金) 19:41:31.87 ID:miDPdN1AO

上条「み、みさか…」

美琴「う、嘘みたい…。私、私もね…アンタが…いつも他の女の子と並んで歩いてるとこ見てたから」

美琴「なんで…私じゃないのかな、…私じゃ、駄目なのかな…?って…お、思ったりしててっ…!」グスッ

美琴「だから…だから、どうしたら、私に振り向いてくれるのか」

美琴「どうしたら私だけみ、見てくれるようにっ…んっ…なるの、かなって…」グス

美琴「女経験豊富そうな垣根に、相談、したりしてっ…」

上条「垣根…って、昨日一緒にいた男のことか…?」

美琴「んっ。…その時に…とうまに会って…、ちょっとは、嫉妬してくれたりしてくれてたら、いいなって…ヒック…」

美琴「でもとうまのことだから、き、きっと…何とも、思っ、て、ないんだろうな、って…」

美琴「そしたら、その、翌日にはっ、とうまの家でご飯、なんか、んっ…作っちゃったりしてっ…!」グスッ

美琴「私のつくっ、作ったご飯…美味しいって言ってくれて…!その笑顔が嬉しくて…!」

美琴「私、浮かれちゃって…。…他の女の子より一歩リード、なんて思っちゃって…」

美琴「そしたら、とうまがっ、す、好きって!好きって…言ってくれてっ…!」


美琴「なんか、もうっ、嬉しすぎて…ワケわかんないよぉっ…」グスッ


上条「御坂…。…こんな俺、だけど…付き合ってくれるか…?」


美琴「当たり前、でしょっ…!」ニコ


74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/24(金) 20:02:47.84 ID:miDPdN1AO


上条「御坂。…俺、今、ものすごく幸せだ…」ギュ

美琴「美琴。美琴って呼んで…?と、…当麻。…私も、幸せだよ」ギュッ

上条「あぁ…美琴」

美琴「なぁに?…当麻」


上条「好きだぞ」

美琴「うん、知ってる」

美琴「私の方がもっと好きだけどね」

上条「なっ!俺はもっともっと好きだ!」

美琴「む、じゃあ私はもっともっともっと好きよ!」

上条「俺の愛の方が大きい!!」

美琴「私の愛の方が重いわよ!!」

上条「なんだよ!」

美琴「なによ!」


……プッ…アハハ!


美琴「…当麻。」

上条「…なんだ?」

美琴「浮気、しないでよね?」
上条「あぁ、しないよ。つか、するわけないだろ?こんな可愛い彼女がいるのに。上条さんの幸せ指数はMAXですよ」

美琴「なによ、それ」アハハ

美琴「じゃあ私がいるんだから、すれ違う人みんなにフラグ建てるの、どうにかしなさいよね?」

上条「…上条さんはすれ違う人にフラグなんて建てた覚えはないんですが」

上条「大体、こんなかっこよくもなければモテもしない上条さんに、女の子なんて集まってくるわけがないだろ」ハハハ

…ナゼダロウオカアサン…カナシクナイノニナミダガデテクルヨ

美琴(どこがよッ!!)



75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/24(金) 20:13:00.53 ID:miDPdN1AO


イツミテモハンケイ3メートルイナイニオンナノコガイルヤツガナニイッテンノヨ…ブツブツ…


上条「…美琴」

美琴「…?なに?」

上条「ずっと、俺のそばにいてくれるか?」

美琴「そんなの、決まってるでしょ」

美琴「というか、アンタから離れて下さいってお願いされても、絶対離れてあげないんだからね!覚悟しなさいよ!」

上条「あぁ。」

美琴「しっかりしてよね、彼氏」

上条「…お手柔らかにお願いしますよ、彼女」

美琴「…ふふふ」

上条「あはは」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 20:58:17.27 ID:kKPdnoJM0

美琴「私たちってさ、恋人同士、…なんだよね?」

上条「…違うのか?」

美琴「え!?う、ううん!違わない!」

美琴「ただちょっと…確認したかっただけ…。…まだ実感わかなくてさ」エヘヘ

上条「…あぁ。俺もいまだに信じられねえよ」ギュ

美琴「…ほんとに、…本当に、当麻が私のものになったんだよね…。」ドキドキ

上条「…違うだろ。…お前が俺のものになったんだよ」

美琴「ふぇ!?///そそそれって」

上条「…? …!?い、いや、違う!変な風にとるなよ!?お、俺はだなっ…!」アセ

美琴「わわ分かってるわよ!」








77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 21:07:56.89 ID:kKPdnoJM0

上条「…ったく」//

美琴「…」///

上条「…」ギュ

美琴「…」ギュウ

上条「……なあ、美琴」

美琴「…ん?」

上条「…今、何時だ?」

美琴「何時って…。…9時前、だけ、ど…?」

美琴「!!!?」

美琴「あああああああああ!!」

美琴「ど、どうしよ!門限とっくに過ぎちゃってるっ…!…う、うわ…。」


美琴の携帯に、メール受信58件、着信29件という表示。
差出人は全て、…いうまでもないが、白井黒子だった。

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 21:21:41.33 ID:kKPdnoJM0


美琴「…ど、どうしよう…。」


美琴は、そのうちの何件かの留守電を聞いてみる。


ピッ

黒子『お姉さまぁぁあ!今どちらにいらっしゃいますの!?ま、まさかあの殿方の所になどいらっしゃいませんわよね!?キーーーーーッ!!あの類人猿がぁぁ あああ!!!わたくしのお姉さまに指一本でも触れやがったらただじゃおきませんのーッ!!お姉さまの貞操を奪うのはわたくし、白井黒k』ブツッ

ピッ

黒子『やばっ、ややややばいですのお姉さま!!!あの寮監はわたくしでも止めることが!…いえ!足止めすらできませんの!!!早く!早くしてくださいですのお姉さま!!!く、黒子の首が!黒子の危機ですの!!お姉さまの愛しの黒子のピンチですのよお姉s』ブツッ

ピッ

黒子『お、お姉さま!早くお帰りになって下さいまし!りょ、寮監が!寮監がぁ…ヒイイ!お姉さま!お姉さまぁぁああああ!!!!ゴキ!!……プープープー』…ブツッ


美琴「…………」

上条「…………」



79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 21:29:30.17 ID:kKPdnoJM0

美琴「……ねぇ」

上条「お泊まりは駄目ですよ御坂サン」

美琴「なんでよッ!?」

上条「な、なんでっておまっ!?駄目に決まってんだろ!」

美琴「お願い!もう今回は!今日は本当にヤバいのよ!」アワワ

美琴「見なくたって分かる…。…あの子、あんなにッ…!」

上条「ならなおさらヤバいだろ!俺も一緒に謝ってやるからさ、な?今日は帰ろうぜ?」

美琴「無理無理無理無理!!」ブンブンブンブンッ

上条「んならどうするってんだよ!?」

美琴「…アンタんちに…泊まる…」

上条「うぁぁああ!だから駄目だって!」

美琴「だからなんでよ!?」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 21:39:34.59 ID:kKPdnoJM0

上条「駄目に決まってんだろ!まだ俺は高校生、ましてやお前は中学生だろ!?健全なお付き合いをだな!」

美琴「健全って…!ああアンタ…!」//

上条「だぁぁああああ!だから!とにかく!泊まりは駄目ですッ!認めません!」

美琴「駄目…かな…?」ウワメ

上条「全然おk。…じゃなあああああい!!!!」アブネェ

上条「駄目!駄目に決まってんだろ!そんなのに騙されるほど上条さんは甘くありませんのことよ!?」アブナカッタケド

美琴「…分かった」

上条「はぁ、物分かりがよくて助かりま「じゃあ土御門さんの家に泊めてもらうわ」せんよぉおおおお!?」

上条「こらこら!!何言ってんだよ!!??」

美琴「だってアンタの家、駄目なんでしょ?だったら土御門さんの家にお邪魔させて「駄目だ!!!」…じゃあどうしろってんのよ」ハァ

上条「あのなぁ、お前、男の家に泊まるってどういうことか分かってんのか?」

美琴「?どういうことって…、…普通にお泊まりでしょ?」

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 21:49:42.40 ID:kKPdnoJM0

上条「ハァァァ…」

美琴「??」エ?

上条(コイツ、純粋すぎるだろ)

上条「…分かったよ。泊まっていいぞ。だが、今回だけだからな!もう2回目はないぞ!?」

美琴「分かってるって♪」

美琴(やったぁ♪きょ、今日はコイツの家に泊まるのよね!?わわわ!ちょっといきなりすぎて頭が追いつかないーッ!)キャー!

上条(…はぁ。…持ってくれよ。俺の理性)ハァ


美琴「あ、そういえば、ご飯途中だったのよね」

上条「そうだった!あっぶねぇ!美琴たんの美味い手料理を残すとこだったぜ!」バクバク

美琴「み、美琴たん言うな!アンタ、もう冷めてるじゃないの…」

上条「美琴の料理は美味いから、冷めてても全然おkですよー」モグモグ

美琴「う、あ、…ありがと」//

上条「素直な美琴たん萌えー」モグモグ

美琴「う、うるさいわね!//早く食べちゃいなさいよ!片しちゃうから」

上条「あいあい」モグモグ

美琴「食べたまましゃべるんじゃないの」ギョウギワルイワヨ

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/24(金) 22:11:22.48 ID:kKPdnoJM0

上条「しっかし、お前がそこまで言うってことは、相当怖いんだな。その寮監」

美琴「こ、怖いってもんじゃないわよ!!あ、あれはもうっ…!」ガクブル

美琴「黒子でも敵わないんだからね!首を狩られてはいおしまい、よ!」ガクガクブルブル

上条「……それはたいそうお強いお方で」

美琴「帰れない気持ちも分かるでしょ?」

上条「えぇ、よく分かりましたよ」ハァ

上条「白井でも敵わない相手なんだろ?俺なんかにゃとてもじゃないけど相手にできねえな」

美琴「んー。さすがのアンタでも、敵わないかもねー。なんたって、あの寮監だし」ケラケラ

上条「…あ」

美琴「どうしたの?」

上条「…ってことは、美琴を泊めた上条さんも首を狩られちゃったりするのでせうか…?」

美琴「…そうなる、かもね?」

上条「……不幸だ…」

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/25(土) 10:10:07.68 ID:uHNKNiSAO

美琴「まぁその辺は心配しなくてもいいわよ。当麻に手を出すやつは、たとえ寮監でも許さないわ」ニコォ

上条(目が笑ってないよ美琴たん)

美琴「それに、いざとなったら親公認です、って言っちゃえばいいんじゃない?」

上条「いやぁ、まぁ確かに親とは顔見知りだが、まだ付き合いを認めてもらったわけじゃあ…」

美琴「ん?うちの母ならもう知ってるわよ?さっき報告しておいたから」

上条「ええ?!」イツノマニ

美琴「『今度、上条さんたちも誘って、お祝いパーティーでも開いちゃおうかしら♪あ、ついでに結婚式もあげちゃう?なーんてねー♪』とか言ってはしゃいで たわよー。お父さんは、『パパは認めないぞ!美琴ちゃんはパパから離れていったりしないよな!?』って泣いてたらしいけどね」

上条「」

上条(なんか凄いことになりそうだな…俺の不幸センサーがビンビン反応してますよ)

上条(やっぱ挨拶とか行かなきゃいけねえよな…。…お前に娘はやらんッ!とか言って、殴られたりしそうだ)

上条(…お義父さんに認めてもらったとして、問題は土御門と青ピの2人だな…。200%追いかけまわされる)

上条(…………。不幸だ)


美琴「…えへへ」ギュッスリスリ

上条(前言撤回。上条さんは幸せです)
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/25(土) 18:39:40.47 ID:uHNKNiSAO


上条「…あ、そういえば風呂どうすんだ?」

美琴「あ、私先に入ってきていいかな?」

上条「ああ。入ってこいよ」

美琴「ありがと。」テクテク




上条(…ふぅ。…どうしよう、非常にまずいぞこの状況)

上条(上条さんは風呂場で寝るのでいいとして…。…いや、ひとつ屋根のしたで寝ること自体に問題あるよな?!)

上条(せめてインデックスが居てくれれば…!…いや、余計面倒なことになりますよね。分かってますよ、はい)

上条(うぁぁあぁぁああ…)モダエ


上条(…あれ?アイツ、着替えなんて)



美琴「あ、上がったわよ?…勝手にワイシャツ借りちゃったけど、いいわよね?//」

上条「」


上条「おまっ、おおおまおまお前!なんつー格好してんだよ!!?」//

美琴「な、何って…。と、当麻のワイシャツ着てみたいなって思ってたのよ!悪い?!」//

上条「い、いや…それは構わねえけどよ…」


美琴の格好は、上条のワイシャツに短パン、という格好だったのだが、美琴の体格に上条のワイシャツは意外に大きく、太もも辺りまであったため、何も履いていないようにも見える。

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/25(土) 18:49:59.30 ID:uHNKNiSAO

上条「……目のやり場に困るんですが…」

美琴「…ど、どこ見たっていいわよ。それが彼氏だけの特権でしょ」ボフッ

上条「そ、そう言われてもですね…」


上条の目は無意識に隣に座っている美琴の太ももに行ってしまう。


美琴「……へんたい」ボソッ

上条「へっ?」

美琴「何でもないわよ。ほら、さっさとお風呂入っちゃいなさいよ!」

上条「…へいへい」


―――――――――――
―――――――
―――


上条「…ふぅ。美琴ー上がったぞー…って」

上条「寝てやがる…」


上条(…ったく。男の家でのんきに寝てんじゃねえよ)


そんなことを考えながら、上条は美琴が寝ているベッドに腰掛ける。

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/25(土) 19:44:04.22 ID:uHNKNiSAO


上条(…ほんとに、恋人…同士…、なんだよな…)ドキドキ

上条(……………)

上条(うわーうわーイケナイこと考えちゃ駄目!上条さんは紳士ですことよ)アブネェ

上条「…」チラッ

美琴「…んぅ…」スゥー


上条「…可愛いな」ボソッ

上条(…こんな可愛い子が俺の彼女…か…)

美琴「ん…とうま…むにゃ…」

上条(…やっぱ実感わかねえ)

美琴「と…うま……好き、だよ…」

上条(…守って、やらなきゃな……)


上条「……さて、上条さんもそろそろ寝ますかね」ヨイショ


ガシッ


上条「…ん?…起きてるのか…?」


美琴「と…うまぁ…いっちゃ…や…だ…」スゥー


上条「」



上条「み、美琴さーん、離してくれないと、上条さん寝れないのですが…」


美琴「ぅ…ふぇ…」ユメノナカ

美琴「…いっちゃ…やぁ…」ギュッ


上条「」


95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/25(土) 20:05:47.08 ID:uHNKNiSAO


上条(どどどどうしよう!上条さんの理性がピンチです!!!)

上条(…とにかく、…離れないと)ギュッテシテルテヲハナソウトスル


ギュウ


上条(やっぱそんな簡単にはいきませんよねー)


美琴「とぅ…ま…」ギュ コシニテヲマワス

上条(わ、わわワイシャツ越しに美琴の肌が!!感触がぁぁああぁぁ!!!!)



上条「…み、みさか…?」ナゼカミョウジ


上条「お、起きてるんだろ…!?」


美琴「んぁ…?」モゾモゾ


ハラ…シャツガハダケル


上条「!!??」

上条「御坂!!起きろぉォオオオ!!!!」ユサユサッ


美琴「ふぁっ?!……んぅー…?」ゴシゴシ


…ムクリ


美琴「……」ジー

上条「め、目ぇ覚めたか…?」
美琴「えへへ~。とうまだぁー…」ウシロカラダキッ

上条「」


上条「みみみみ御坂!!!これ以上はヤバいというかなんというか…!!むむ胸が!!御坂の慎ましい胸が当たってるから!!あああ柔けえ…じゃねえ!!うぁぁあぁあああ……!!!」

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 20:20:48.99 ID:jL66GmCU0



美琴「ふぁーっ」ヨクネタ

美琴「……ん?何やってんの?アンタ」


サンジュウナナ!サンジュウハチ!


上条「な、何って…ハァハァ…う、腕立てだよ!ハァ…ほらっ!ハッ運動もっ…ハァッ…必要だろっ!?」セッセ

美琴「そ、…そうね…。…?」


―――――――――――――
――――――――
―――


上条「ゼーハーゼーハー」

美琴「お、お疲れさま…」ハイミズ

上条「お、さんきゅー…」ゴクゴク…プハー

美琴「…アンタ、なんでそんなに疲れるまでやってんのよ…」ハァ

上条「これは、あれだ…そう、あれだ。自分を保つための軽い運動さ」ウンウン

美琴「…?」


美琴「…まぁいいわ。もう日付変わっちゃったし、そろそろ寝ましょ」

上条「あぁ、そうだな」

美琴「ふぁー眠いわ…」ゴロン

上条「ああ、ゆっくり休めよ。…じゃあな」クルッ

美琴「は?…アンタ、どこ行くのよ?」

上条「?……どこって…風呂場だけど?」




97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 20:30:20.72 ID:jL66GmCU0

美琴「はぁ?なんでお風呂場に行くのよ」

上条「なんでって、寝るために決まってんだろ?」

美琴「え?アンタの寝るところはここでしょ?」トナリユビサス

上条「え?」

美琴「え?」

上条「……では」クルリ

美琴「待ちなさいよ」ガシッ

上条「…美琴センセーは上条さんに隣で寝ろ、とおっしゃるのでせうか?」

美琴「当たり前でしょ」

上条「」


上条「いやいやいやいや!!無理ですって!隣なんかで寝たら、上条さん理性保つことなんてできませんよ!?」

美琴「?」

美琴「…とにかく!アンタは私の横で寝るの!」

上条「それだけは断固拒否です!!!」

美琴「なんでよ!いいでしょ、減るもんじゃないし!」

上条「減る!上条さんの理性が削りとられる!!」ウワァー


98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 20:57:19.55 ID:jL66GmCU0

美琴「だから!さっきからその理性って何なのよ!?」ズット

上条「………オヤスミナサイ」

美琴「ちょ!?駄目だってばーっ!」ヒッパル

上条「もう駄目です!寝させて下さい!」

美琴「…どうしても…だめ…?」ウルウル

上条「」


上条「…分かった」

美琴「ほんと!?」パァァ

上条「ただし。」テクテク フトンモッテクル

上条「俺はここで寝る」ビシッ

美琴「」


美琴「だ、だめよ!当麻は私と一緒に寝るの!」

上条「いや、それは駄目だ。今日付き合ったばっかりの俺たちにそれはまだ早すぎる」

美琴「…私は、当麻なら…いいよ…?(一緒に寝ても)」///

上条「」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 21:58:48.84 ID:jL66GmCU0

上条「ななな何言ってんだ!女の子がそういうこと言っちゃいけませんっ!」アセ

美琴「当麻は私とじゃ(寝るの)嫌、なの…?」ウル

上条「いえ全く。むしろ喜んで」

美琴「…えへ」ニコ


上条「美琴!」ガシッ

美琴「ひゃっ」カタツカマレ

上条「ほんとに…いいのか…?」

美琴(き、キス!?…私のファーストキス、当麻にあげれるんだ…えへへ)

美琴「…ん、いいよ。そのかわり」



美琴「…優しく、してね?」//


上条「」



103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 22:15:30.29 ID:jL66GmCU0


ドサッ


上条「美琴…」

美琴「当麻…?」

上条「もう、俺…」

美琴「とう、ま…?」

上条「ごめん、…美琴!」ガバッ

美琴「ひゃっ!?」






?「ただいまなんだよ!とうま!」




105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 22:36:29.54 ID:jL66GmCU0


ガバッ

上条「い、インデックス!?」

上条「お、お前!今日は小萌先生の所に泊まるから、帰ってこないんじゃ…」

イン「…とうま?これはどういうことなのかな?ちゃんと説明してほしいかも」

上条「い、いや…これはだな!」アタフタ


美琴「…とうま…?」


上条「!?…な、なんだ?美琴」

美琴「なんで、こんな時間にこの子が来るの…?」

上条「い、いやっ…」

美琴「なんで?…帰ってこないって…なに?」

上条「っ…」

美琴「…なんで?…なんでこの子が『ただいま』って言うの…?」

イン「…それは、とうまと私が一緒に住んでるからなんだよ!」

美琴「…!?」

上条「ちょ、い、インデックス!?」

106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 22:49:29.97 ID:jL66GmCU0

美琴「…とうま」

美琴「この子と、…同棲、してるの…?」

上条「…あぁ」

美琴「…とうま…私の他にも、彼女がいたの…?」

上条「ち、ちがっ…!インデックスとはっ…!「もういい!」」




美琴「…もう、いい…もう……信じられないよ…!」ダッ




上条「美琴!!!!」



美琴はそのまま、外を飛び出していった
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 23:20:11.27 ID:jL66GmCU0



上条「インデックス!俺、美琴追いかけてくるから!!」ダッ

イン「ちょ、ちょっととうま…?!」



―――――――――――――
―――――――――
―――


美琴は1人、夜の街を歩いていた。



美琴(私…当麻にひどいこと言っちゃったな…)

美琴(当麻…飽きれてるかな…?)

美琴(…別れる、ことに…なっちゃうの、かな…?)グス


ドンッ


美琴「あっ…す、すいませ…」

スキルアウトA「あァン?」

スキルアウトC「お、君可愛いねー。なんで泣いてるの?俺らが慰めてやろうかー?」

スキルアウトE「お、それいいな!ぶつかったお詫びにこれからどっか行かない?ギャハハ」

スキルアウトD「あれ、コイツ、すげえ格好してるぜ」

スキルアウトB「うっひょー!ワイシャツに短パンだけとはっ…!いいねェ…すっげーそそるわ」

美琴「…」

スキルアウトE「…オイ、コイツしゃべらねえぜ?」

スキルアウトA「怖くて声が出せねえんだろ」

美琴(…もう、…今から帰る場所もないし、コイツらに好き勝手させておこうかしら…)


109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 23:30:08.28 ID:jL66GmCU0


スキルアウトD「んでー?もちろんついてくるよなァ?」

美琴「…えぇ、そうね」

スキルアウトB「じゃあさっさとこっから移動して、ラブホにでも連れ込むか?」

スキルアウトC「おお!賛成賛成!!最近溜まってたんだよなー。こんな可愛い子がご奉仕してくれるなんて、今日はツイてるぜ」ケラケラ

スキルアウトA「ほら、さっさとついてこいよ!」グイッ

美琴「あっ…」



上条「おい、今すぐ俺の美琴から離れろ」


美琴・スキルアウト「「!!!???」」


美琴「と…ま…?」

上条「聞こえなかったのか?今すぐ俺の美琴から離れろっつってんだよ三下ぁ!!!」

美琴「と、当麻…とうまぁっ…!」ダキッ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/25(土) 23:45:26.42 ID:jL66GmCU0


上条「美琴、大丈夫か?!コイツらに、何もされなかったか?」

美琴「うん!うんっ…!」グスッ

スキルアウトE「何見せつけてくれてんだよ!!」

スキルアウトD「もうこいつらやっちまおうぜ!!」

スキルアウトB「あ。逃げようなんて考えないことだぜ?」

スキルアウトA「そうそう。こっちにはLEVEL2が3に―――ビリビリッ――え?」

スキルアウトC「うぁああああああ!!!」マックロ

スキルアウトE「お、おい!!コイツら、ヤバくねえか!?」

スキルアウトB「おい!お前ら!に、逃げろ!!」


バチッ


上条「おっと。逃げようなんて考えるなよ?」

上条「美琴に触れたんだ。何されても文句は言えないよな?いや、言わせねえぞ…」


上条「美琴に触れた罪は大きいんだよぉぉおオオオオオオ!!」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 00:38:53.45 ID:6Pmxh+rAO


―――――――――――
――――――――
――――


美琴「とか言ってた割には結構やられたわね」

上条「スミマセンデシタ」ボロ


美琴「…ったく。私が助けようとしたら『お前はそこにいろ!俺が片をつける(キリッ』とか言って私の電撃まで打ち消しちゃうし」

上条「…まぁ結局勝てたんだから良かったじゃないですか!終わりよければ全て良し、ですよ」

美琴「LEVEL5に勝ててLEVEL0やLEVEL2に負けたらシャレにならないわよ」アハハ

上条「そうだな。普通に考えておかしいな」ハハハ



美琴「…でも、当麻が体を張って助けてくれたこと、すっごく嬉しかったよ…?」


美琴「…私、ね。…もう自分の居場所、無くなっちゃったから、アイツらに何されてもいいや。って思ってたのよ」




112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 00:56:44.63 ID:6Pmxh+rAO


美琴「………ごめんね、当麻…」

上条「いや、謝るのは俺の方…」



美琴「…私、当麻のこと、信じてあげられなかった…」


美琴「当麻にも、事情があったかもしれないのに…。…私、自分の都合ばっか、考えてっ…」


美琴「わ、たし…。…当麻と、付き合えたことが嬉しくてっ…当麻しか見えなくてっ…。…だけど…当麻には…ぇぐっ…私以外にも、好きな人が…居たのかな…って…」


美琴「わたし…捨てられちゃうの、かなって…思っちゃって…んっ…」グス


美琴「当麻は…優しいから…。だから…私が当麻のこと好きって知って…無理に、付き合ってくれたの、かな…って…」


美琴「考えだしたらっ…止まらなくなっちゃって…!…そんなこと、考えたく、ないのに…もしかしたら、って…嫌な方向にばっかり…」グスッ

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 01:17:41.98 ID:6Pmxh+rAO


美琴「そ、したら…今日、好きって…わた、しのこと…好きって言ってくれた、のも…グスッ…抱きしめて、くれたのも…。…全部、嘘だったんじゃないかって…思っ…ふぇっ…」ギュウ


上条「……お前、可愛いすぎ」


美琴「…と…うま…?」


上条「お前な、俺がそんな軽そうな男に見えるか?」


上条「俺はいつだって、お前の味方だから。どんなときも、どんな状況でも、学園都市中が敵に回っても。…世界中が敵に回ったって、俺は、俺だけは、美琴の味方でありつづける」


上条「それくらい、お前を信じてやる自信がある」


上条「…だからさ、美琴も、俺を信じてくれないか…?」


上条「今すぐに、とは言わない…。…少しずつでいいんだ」


上条「…俺は、どんなことがあっても、どんなに地面に叩きつけられても、美琴がそばに居てくれれば、戦える。何度だって立ち上がることができる」


上条「だから…、…信じてくれないか…?」



美琴「ばか…」


美琴「当たり前じゃない…!」

118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/26(日) 11:29:01.43 ID:6Pmxh+rAO


上条「美琴…、…ありがとな」

美琴「ううん…、…お礼を言うのは私の方よ…」

美琴「ごめん…、勝手に家飛び出して…迷惑かけて…」


上条「バーカ」


上条「迷惑だなんて思ってねえよ」


上条「む、むしろ俺は、さ…」
上条「やっと、付き合えた美琴が、…こんなに、俺のことを想ってくれてるって…」

上条「…やっべえ、すげえにやけちまうっ…!」ニヤニヤ


美琴「…当麻…」

上条「さ、さぁ、そろそろ俺ん家に戻ろう。こんなとこにずっといたら、さすがに風邪引くぞ」ニカッ

美琴「…ん」



美琴(…当麻、私)


美琴(…当麻の隣が、私の…居場所、って)


美琴(思っても…いい、のかな…?)





119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/26(日) 11:41:01.36 ID:6Pmxh+rAO


―――――――――――
――――――――
――――


ガチャッ


上条「ただいまー」

美琴「おじゃま…します」


イン「おかえりなんだよ! とうま!…短髪!」


上条「!」

上条「イン…デックス…」

イン「さぁさぁ、いつまでもそんなところに居ると風邪引いちゃうかも」

イン「早く上がるといいんだよ!」

美琴「…うん。…お邪魔、させてもらうわね」テクテク

上条「……」

イン「…。…ほら、とうまも早く上がって!」

上条「あ、…ああ」テクテク


イン「………」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/26(日) 12:29:22.13 ID:6Pmxh+rAO


―――――――――――
――――――――
――――


上条「インデックス!俺、美琴追いかけてくるから!」ダッ

イン「ちょ、ちょっととうま…?!」


バタン


イン「行っちゃったんだよ……」


イン(…さっき、隣にいた短髪…)

イン(とうまの、彼女…なんだよね)

イン(とうまは、…とうまは、私よりあの子を選んだんだね…)

イン(…とうまは…私のこと、要らなくなっちゃったのかも…)

イン(…なんで、なんでなの…?)

イン(なんで…よりにもよって、短髪…なのかな)


イン(短髪じゃなかったら…、短髪じゃなかったら、奪え返せたかも…しれないのに…)

イン(…あんなに優しい短髪から、とうまを奪うことなんて、私には出来ないんだよ…)



そう、インデックスは以前、街中で上条を探し回ってたときに、おなかがすいたかも…の状態になり、偶然通りかかった美琴に助けてもらったことがあったのだ。


それからは、すっかり仲良くなって、2人で遊びに出掛けたりするほど仲良しになっていた。


それから美琴に、携帯電話の使い方や、洗濯機の使い方、それから料理の仕方など、美琴からたくさん学んだりもしたのだ。



イン(…短髪なら、きっととうまを幸せにしてくれるよね…?)

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 12:43:29.77 ID:6Pmxh+rAO



イン(…………よし!!)


イン(とうまたちが帰ってきたら、最高のインスマイルでお出迎えするんだよ!)



イン(…とうまに、本当に短髪を守れるのか、覚悟を聞いてやるんだよ!!…ちゃんと決めなかったら、とうまの頭蓋骨を…)クケケ




ガチャッ


上条「ただいまー」

美琴「おじゃま…します」


イン「おかえりなんだよ! とうま!…短髪!」





122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/02/26(日) 13:00:52.69 ID:6Pmxh+rAO

―――――――――――
――――――――
――――


イン「…さ、とうま、短髪。そこに座るといいかも」


上条「…ああ」ココオレノイエ

美琴「うん」チョコン


イン「…さて、とうま。短…、…みことを、本気で守るって誓えるのかな?」

上条「ああ。誓える」

イン「…何があっても?…もし、この学園都市の皆がピンチになっちゃったときは?」

上条「…それはっ…」

イン「とうまの覚悟はそんなものなの?」

上条「っ…」

上条「…俺は、皆助ける」

イン「…世の中、そんなに甘くないんだよ」

イン「どうしようもないピンチがとうまに訪れて、誰かを犠牲にしなきゃならない時が、いつか来るかも知れないんだよ?」


イン「その時、とうまは誰よりも一番にみことを救って」

イン「誰よりも、みことを…守ってあげられる?」




123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 13:23:21.36 ID:6Pmxh+rAO


上条「……ああ」


上条「…そうだよな。…確かにそんなときがいつか来るかもしれない」


上条「けど、俺は誰かを犠牲にしたりしねえ」


上条「俺は、美琴を一番に助け、守ってやる」


上条「だけど」


上条「美琴を助けてから、後の奴らも助けてやる」


上条「俺は、救われないやつなんて居てはいけないと思ってる」


上条「…それじゃ…駄目か?」


イン「…とうま…」



美琴「ううん、それでいい」





124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/26(日) 13:45:31.79 ID:6Pmxh+rAO


美琴「…当麻が、私を助けてやるって言ってくれたのは嬉しいし、当麻らしいよ」


美琴「でもね…」


美琴「当麻が私だけを助けて、他の人を助けないって言うのなら」


美琴「私は当麻の言うことに反対してた」


美琴「…だって、そんなの…当麻じゃないもん」


美琴「普通なら、皆助けるなんて無理だって思うかもしれないけど」


美琴「…その無理なことを可能に変えちゃうのが」


美琴「当麻でしょ?」


上条「美琴…」


美琴「それに、私だって戦えるから。…そんなに簡単に守られるなんて、これでもLEVEL5だしね」





126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/27(月) 00:24:18.38 ID:udKT9chAO


上条「…ありがとな」


イン「……あーぁー。目の前でこんな熱々っぷりを披露されちゃ、失恋したことなんて馬鹿馬鹿しく思えてくるんだよ」


美琴「インデックス…」


イン「…ってことで、これから奪っていくことにするね」

美琴「えぇっ?!」

上条「おい…」


イン「みことを」


美琴「…へ?」


上条「…は?」


イン「だから、これからとうまからみことを奪うんだよ!」


上条「いやいやいや、そこではなく」ツッコミ


美琴「私から当麻を奪うんじゃないの?」ココハ


イン「だって、当麻より美琴の方が優しいし…、…何より、美琴の作るごはんの方が、とうまの作るごはんより、100倍美味しいんだよ!!」テヘ


上条「悪かったな!」


上条(つかお前…俺より先に美琴の手料理食ってたのか…)ギリ

イン(私の方が、とうまよりずっとずっとみことと仲良しだからしょうがないことかも!)エッヘン

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/27(月) 00:38:17.33 ID:udKT9chAO


美琴「…?」


イン「…ところでみこと、とうまとはどこまでいったのかな?」


美琴「?どこまでって?」


イン「キスとか、s「インデックス!!」…なんなのかな?とうま」


上条(お前!!美琴にいらないこと吹き込むなよ?!これでもコイツ、かなり純粋なんだから…)ボソボソ


美琴「きききキスぅ?!ままままだに決まってるでしょ!?そ、そんなキスなんて…は、恥ずかしくて出来ないわよ…//」モジモジ


イン(……そうみたいなんだよ)カワエェ


イン「まだしてないってことは、みこと、ファーストキスまだなのかな?」


美琴「う…ぅん…//」


イン「…へぇ」ニヤリ


上条(…不幸の予感)


イン「じゃあさ、みこと!私とキスの練習するんだよ!」


上条「は、はぁぁああぁ!!??」


美琴「ふぇっ…?」

美琴「…えぇぇええぇぇ?!!//」


上条「な、なに言ってんだよインデックス!!?」


イン「だって、女の子同士ならカウントにならないでしょ?」ニヤ


美琴「ハッ!…確かに、そうかも…」


上条「いやいやいや!!そういう問題じゃねえだろ!?」モウツッコムノアキタ

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/27(月) 00:46:24.58 ID:udKT9chAO


イン「みことだって、下手なキスをとうまとするの、嫌でしょ?」


美琴「…うん」


イン「私に任せておけば、きっと上手くなるんだよ!」


上条「おいおい!まさか本気でする気なのか!?」アセアセ


美琴「………」


イン「……」ニヤリ

上条「!!?」


美琴「…い、インデックス…」


イン「なにかな?みこと」ニコニコ


美琴「…お、お願い…します…//」ウワメ


イン「」ブチッ


上条「」フコウノヨカン



イン「みこと…私、たった今本気で百合でもOKだと思ったんだよ」


イン「というわけで」


美琴「…?インデッ…、…?!」


イン「いただきますッ!!」ガバッ



チュウ



130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/02/27(月) 01:01:53.89 ID:udKT9chAO


ドサッ

オシタオシ



上条「」


美琴「んっ…?!」チゥー


イン「ん…み、こと…」レロ


美琴「…!!?」

美琴「…んぅ!…はぁっ…チュ…いんっ…!?」


上条「」


イン「かわいいんだよ…みこと…」レロレロ


美琴「し、たがっ…!?…ふぁっ…んんっ…チュウ…」ハァハァ


イン「ん…」プハァ


美琴「んっ…はぁ…はぁ…」ハァハァ


イン「…みこと…私とこのまま最後まで…」


上条「させるかぁぁああああ!!!」ソゲブ!


イン「…邪魔が入ったんだよ」


上条「邪魔はお前だよ!!?」


上条「…いいか、…お前が美琴のファーストキスを奪っておいて」

上条「まだその続きをしようってんなら」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!!」ソゲブ



イン「…あ、終わった?」ティータイムチュウ


上条「」

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