2013年6月7日金曜日

上条「教育実習?」2週目 2

533 ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:36:35.57 ID:arDf7sOh0
~13:05~

ーーーインド料理専門店『すぱいし~』ーーーーーーーーーーーー
白井「…」ポケー

常盤台A「え、えっと、白井さん?」

白井「…」クルッ

常盤台A「あの、御坂様たちが移動されてるので、我々もそろそろ…」

白井「…」コクッ

常盤台A(白井さんが喋ってくれませんね。少し弄りすぎましたか)

常盤台A「あっ、会計お願いしますわ」

店員「はいー。少々お待ちくださいなマステ~」

常盤台A(無理矢理すぎませんかね…)



ーーーそば処『かおり』ーーーーーーーーーーーー
衝撃拡散「ごちそうさまでした。さっ、行きましょうか」スタッ

光学迷彩「ええ。はい、こちらは返しますわ」つ【ビデオカメラ】

衝撃拡散「ありがとうございます。では午後の部もお互いに頑張りましょう!」

光学迷彩「はいですの!」

2人「「ですの!」」

店員「…」



ーーーメキシコ料理店『あすてか』ーーーーーーーーーーーー
海原「…さて、そろそろ自分も動きましょうかね」

17600号「ごちそうさまでした、とミサカは懇切丁寧に挨拶をします」

海原「では店員さん、会計をお願いしますね」

店員A「はいはい。おい、今ちょっと手が離せなくてな。レジを頼む」

海原(おや?あの店員、見たことがあるような…?)

店員B「ああ。お客様、こちらへ…って、えっ?」チラッ

海原「えっ?」
534 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:38:03.53 ID:arDf7sOh0
店員B「え、エツァリ!」

海原「ショチトルですか!どうしてここに…?」

ショチトル「いつまでも先生の世話になる訳にもいかないからな」

海原「なるほど、自活ですか。良い心掛けですね」ニコニコ

ショチトル「ふん。それよりもエツァリ。こちらの女性は誰だ?例の女子中学生なのか?」

海原「いえ、彼女は…」

17600号「はじめまして妻です、とミサカは店員さんに挨拶をします。ペコリ」

ショチトル「なっ!?」

海原「えっ!?いやあの違うんです!彼女はですね…」

店員A「ほうエツァリ。そちらの素敵な女性とデートという訳か。流石に色男は違うな」

海原「…やはりトチトリですか。いやですから本当に違うんですって」

トチトリ「ならば納得できる理由を説明してくれよ。主にそっちの小娘にな」クイッ

ショチトル「い、いや別に私は…!」

トチトリ「『つんでれ』というヤツか。そういきり立つなよ。やはり以前のように素直になったらどうだ?」

ショチトル「う、うるさいっ!」//

海原「…えっと、そろそろ説明に移っていいですか?少し急いでいるもので」

トチトリ「ん?ああそうだな。詳しく説明してやってくれ」

海原「分かりました」

17600号(あれ?ジョークのつもりだったのに訂正できねえ、とミサカは若干孤独感に苛まれます。さ、寂しくなんかないぞ)
535 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:39:11.49 ID:arDf7sOh0
海原「こちらの方は自分の…」

ショチトル「自分の?何なんだ?」

海原「えっとぉ…?」ダラダラ

海原(あれ?どう説明しましょう?想い人のクローンの方だなんて言えませんし、彼女は妻でもありませんしね…)

海原(ヤベッ、どうしましょう?)

トチトリ「ふむ。なるほど、説明もできないほど深い仲だということだな。済まないなエツァリ。無粋な真似をしてしまったようだ」

海原「えっ、ちょ」

ショチトル「……エツァリ」

海原「は、はい…?」

ショチトル「そこに直れ!!」

海原「は、はいっ!」ビシッ

ショチトル「まったくお前というヤツは!そうやって他人の顔を借りてお楽しみとは、何様のつもりだ!?」

海原「い、いえ。ですからこの顔は美醜の問題ではなく…」

17600号「…」

17600号(困った)
536 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/09/09(金) 08:41:02.57 ID:arDf7sOh0
ーーーMNW内ーーーーーーーーーーーー
上琴デート☆実況スレ


1: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ついにこの日がやってきた。頼むぞスネーク。

2: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16980
2げっと

3: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12018
まずはスネーク待ちか…

 :
 :
 :

449: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
おイイイイイイイイイイイイ! スネーク、実況を続けろォ!!

450: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10777
頼むから続けてくれ! いい加減寒い

451: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14099
>>450 どこが?

452: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18560
>>451 ヒント:ID

453: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14440
上条派必死すぎてワロタ

454: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
いやだって…なんか褐色少女の目が怖いし

455: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11350
>>454 あれってエツァリの妹分じゃね?

456: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19007
>>454 もっと熱くなれよ!!!

457: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10083
>>456 お米食べろォ!!!

458: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
へぇ。エツァリの妹さんって退院したんだっけ。



じゃなくて追跡続けろよ。いやマジで。

459: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13405
>>456-457 修造さん何してはるんですかww

460: 以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10684
修羅場だな

 :
 :
 :
537 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:43:13.24 ID:arDf7sOh0
ーーーメキシコ料理店『あすてか』ーーーーーーーーーーーー
17600号(…と言われてもなぁ)チラッ

ショチトル「…」ゴゴゴゴゴ

トチトリ「…」ニヤニヤ

海原「…」ビクビク

17600号(師匠を見捨てる訳にもいかんしなぁ…)

17600号「…どうしてこうなった」


~13:25~

ーーー第6学区 とある遊園地ーーーーーーーーーーーー
美琴「はいっ!着いたわよ」

上条「遊園地かー。初めて来たぜ」キョロキョロ

美琴「えっ」

上条「えっ?」

美琴「…ああ、そういうことね。オッケー、じゃあ楽しくいきましょう!」ギュッ

上条「おう!」


ーーーその周辺ーーーーーーーーーーーー
白井「あの殿方、遊園地に行ったことが無いなど…」

常盤台A「寂しい人生でしたのね…」

衝撃拡散「そこまでの方だったとは…」

光学迷彩「やべっ、なんか泣けてきた」ウルッ


上条「……なんか同情されてる気がする」

美琴「?」
538 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:44:28.46 ID:arDf7sOh0
上条「さて、どこから回る?」

美琴「そうね…」



ーーーコーヒーカップーーーーーーーーーーーー
上条「おお!これが噂のコーヒーカップか!」

美琴「噂のって何よ?(ふふっ、嬉しそうね♪)」

上条「ほら御坂!ぐるぐるぅ~」グルグルー

美琴「きゃあー!怖いよー♪」


白井「バカップルですの」グルグルー

<ですの!

白井「今そこはかとなく馬鹿にされた気がしたのですが…?」

常盤台A「いやいや、気のせいですわ(2人とも、何を言ってますの!?)」ダラダラ



ーーーその手前ーーーーーーーーーーーー
衝撃拡散「それにしても、これでは盗撮に間違えられるのでは…?」シャキ

光学迷彩「そのための白井さんたちですよ。御坂様たちのダミーとして遊んでもらってる訳ですし」

衝撃拡散「これ、余計にバレやすいでしょう?」

光学迷彩「大丈夫。あの2人は全然周りが見えてないから」

衝撃拡散「初春さんの作戦凄いですわね…!」

光学迷彩「あれは盗撮慣れしてますね」
539 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/09/09(金) 08:45:54.59 ID:arDf7sOh0
上条「さて、コーヒーカップで『コーヒー出てこねェぞどォなってンだァ!!』って喚いてるヤツいたけど無視して次行こうか」

美琴「そうね。まあ打ち止めがいたし大丈夫でしょ」

上条「つーか降りた途端に演算補助切ったみだいだったな。出口でぶっ倒れたし」

美琴「あれは無様だったわねwwww」

上条「だよなwwwwww」

美琴「よし、次はアレよ!」

上条「えっ?いやあの、御坂サン?」

美琴「…」ジー

上条「うっ」

美琴「…」ウルウル

上条「」



ーーーメリーゴーランドーーーーーーーーーーーー
美琴「やっほー♪」

上条「おっしゃー」←もうヤケクソ

美琴「楽しいねー♪」

上条「ソウダナー」<グルグルー


白井「」

常盤台A「いやー、久々に乗りましたが案外楽しいものですねー」

白井「何にまたがったのが久々ですのぉ!?」

常盤台A「しっかりしてくださいな!」
540 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:47:23.67 ID:arDf7sOh0
上条(何か大事なモノを失った気がする)ズーン

美琴「さて、次はアレね!」

上条「ん?まだアトラクションに行くのか」

美琴「大丈夫。次行ったら休憩しましょ」

上条(もう御坂の息抜きになってねえかコレ?まあ嬉しそうだからいいけどな)


常盤台A「まだ回るのですか…?」

白井「お姉さまですから」



ーーー回転ブランコーーーーーーーーーーーー
美琴「ひゅー。すってきー♪」

上条「初めてだと結構怖いなコレ」<グルグルー

美琴「アンタももっと楽しみなさいー!」

上条(まあ、これよりもスリルのある体験してるけどな。北極海へのエクストリームコースターとか)


常盤台A「わー。ぐるぐるー」クラクラ

白井「しっかりなさいな!」

常盤台A「」シーン

白井「そんなところで気絶されては危険ですの!」



ーーーその手前ーーーーーーーーーーーー
衝撃拡散「さすがにここでは不幸はありませんわよね?」

光学迷彩「あの紐が切れたりですかね」

衝撃拡散「不吉なこと言わないでくださいな!」

従業員(全くだ!!)
541 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/09(金) 08:51:02.99 ID:arDf7sOh0
ーーーベンチーーーーーーーーーーーー
美琴「ふいー。いやー、良いわねー!」

上条「ソウデスネー」

美琴「どうしたのよ。せっかくアンタのために付き合ってあげてるのに」

上条「…ん、いや何でもねえよ」

上条(遊園地って回るモノばっかだな。なんか酔った…)

美琴「……くない…?」

上条「ん?」

美琴「楽しく…ない、の?」ウルッ

上条「いや、そんなことねえよ」ケロッ

美琴「そ、そう?」キョトン

上条「つーか、お前とだから楽しいのかもな」

美琴「ふぇ?」///

上条「何ていうか、気楽なんだよ。お前といるとさ」

美琴「//////////」

上条「ん?どうしたんだお前?顔真っ赤だぞ」ズイッ

美琴「はべらっ!?」/////



ーーー第7学区 パン屋『AOP』ーーーーーーーーーーーー
青ピ「何やろこの怒りは。カミやん爆発せーい!!」

吹寄「うるさいっ!早くパン買わせろ!!」

青ピ「はいすんません」 
 
549 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:45:46.99 ID:KOeftZKl0
~15:00~

ーーー第6学区 とある遊園地ーーーーーーーーーーーー
美琴「ふみぃ…」///

上条「とまあ、なんだか知らんが大人しくなった御坂が目の前にいる訳だが」

美琴「…うへへへ。ふふふ♪」

上条(今度は突然笑い出しやがった!本当に大丈夫かコイツ?)

上条「なあ御坂。調子が悪いんだったらもうk」

美琴「ううん、そんなことない。アンタが私といて楽しいみたいに、私もアンタと一緒だと楽しいのよ!」キラキラ

上条「そ、そうか。つか、小っ恥ずかしいことを堂々と言うモンだな」

<アンタが言うな!!

上条「?」クルッ

美琴「?」<ササッ

上条「今オレに向けた激しいツッコミがあった気がしたんだが」

美琴「うーん。気のせいじゃない?」

上条「そうだな。さて、次はどこ回る?」

美琴「そうねぇ…。あっ!アレなんかどう?」

上条「え゛っ」

美琴「なに?アンタ結構ダメなタイプ?」ニヤニヤ

上条「い、いやぁ、そんな訳じゃねえんだけど…(イヤな予感しかしない)」


白井「…つい反応してしまいましたの」orz

常盤台A「わたくしもですわ」orz

衝撃拡散「まさかの4人同時ツッコミでしたね」orz

光学迷彩「音声が入ってしまいました…」orz

初春『もしもしー。大丈夫ですよ白井さん』

白井「で、では今の音声は編集でどうにかでk」

初春『私もツッコみましたから』orz

常盤台組「「「「お前もか!」」」」
550 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:47:21.72 ID:KOeftZKl0
ーーーお化け屋敷ーーーーーーーーーーーー
上条「へぇー。意外と雰囲気あるモンだな」

美琴「そ、そうね…」ドキドキ

美琴(合法的にベタベタできるイベントキター!!)

上条「まあ、とにかく入ろうぜ」スタスタ

美琴「あ、うん」テクテク


白井「こ、ここは…!お姉さま、今参りますの!」ダッ

常盤台A「ちょ、白井さん、早まらないで!」ダッ


上条「にしても、雰囲気あるなー。さすがは学園都市」

上条(つーか、学園都市でお化け屋敷ってのもどうなんだろ?)チラッ

美琴「…」ソワソワ

上条「…ほらよ」スッ

美琴「えっ?」

上条「手くらいは握ってやるよ(意外と怖がってるのかもな)」

美琴「う、うん…」パシッ

上条「ほらっ、行くぞ」

美琴(向こうからのアプローチ(?)キタ―――!!)

美琴「ぐへへ…」///

上条「?」<コソコソ

??(畜生イチャイチャしやがって…。やってやる。オレだって…!)
551 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:48:39.99 ID:KOeftZKl0
上条「しかし、ホログラムとかが多いな。お化け役の人とかいないのか?」キョロキョロ

美琴「役とか言っちゃダメでしょ…」

上条「いやでも、やっぱりお化け屋敷にはこの雰囲気に合った役者が必要だって!例えば…」

役者A「うらめしやー!!」<ガバッ

上条「…」

美琴「…」

役者A「…」

上条「こういう人たち」

美琴「確かに。アンタも大変ね」ポンッ

上条「時給いくら?」

役者A「…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!」ダダッ

上条「おい御坂、苛めてやるなって」ニヤニヤ

美琴「アンタこそ」ニヤニヤ

上条「…それでだ、御坂」

美琴「何よ?」

上条「なぜ上条さんに抱きついてるのでせう?」

美琴「お化け出たし」


白井「お姉さま!お待ちになってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!!」ダダッ

常盤台A「それはこちらの台詞ですわ!」ダダッ

白井「こんな暗室で何をなさるつもりですのぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

常盤台A「そ、それは確かに問題かも…?」

役者A「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!」ダダダダダ

2人「「邪魔だ!!」」←上段回し蹴り×2

役者A「あべりっ!?」
552 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:49:43.09 ID:KOeftZKl0
上条「さて、気を取り直して進むか」

美琴「うん」←手はつないだまま

上条「次は一体どんなのが…」

役者B「出たぞー!」

上条「どんな驚かせ方だよ!?」

役者B「出たぞー!」

美琴「きゃー、こわいー」ダキッ

上条「御坂、お化け役の人に気を遣わなくてもいいぞ」

役者B「…しねー」

上条「殴っていいか?」


役者C「がああああああああ!!」

美琴「こわーい」ダキッ

上条「今のはビックリした」


役者D「うふっ♪淫乱妖怪さんよ☆」

上条「な、なんてスタイルしてやがる…!」

美琴「」イラッ ビリビリ

2人「「あばばばばばば」」


役者E「爆発せい!!」

上条「何がだよ!?」
553 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:51:22.00 ID:KOeftZKl0
上条「よし、そろそろ出口かな」

美琴(もうおしまいかぁ…)シュン

上条「最後のお化け役じゃ誰だろ?」

美琴「だから役とか言わないの」

上条「まあいいじゃん。で、ラスボスはっと…」

??「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダダ

上条「な、なんだぁ?」

美琴「後ろから何かが来る!」

上条「あ、ああ」

美琴「こ、怖い…!」ダキッ

上条「だ、大丈夫だって!」ギュッ

??「はああああああああああああああああああああああああああああ!!」ダダダダダ

上琴「「ひいっ!?」」

白井「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!」

美琴「く、黒子ぉ?」

上条「白井か?」

白井「お姉さま、嗚呼お姉さま!ご無事ですの!?」

美琴「アンタ、こんなトコで何してんのよ!?」

白井「こ、このような暗い空間で類人猿と2人きりなど…。お姉さまの貞操の危機ですの!」

美琴「人の話を…聞けぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええ!!」ビリビリ

白井「あばばばばばばばばばばばばば」バリバリ
554 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:52:17.31 ID:KOeftZKl0
ーーーベンチーーーーーーーーーーーー
真っ黒子「」

美琴「まったく、なんでアンタがここにいるのよ…って、まさか!?」

上条「ん?…おわっ!?」

美琴「…」サワサワ

上条「み、御坂サン!?」サレルガママ

美琴「黙ってて。…あった、これね」サッ

上条「何だこりゃ?」

美琴(盗聴器…なんて言えないわね)ハァー

美琴(ってことは、今日言ったあんなことやこんなことが…!)チラッ

常盤台A「…」コソコソ

美琴「…」

常盤台A「…ッ」ダッ

美琴「待てー!」ダダッ

常盤台A「ごめんなさーい!」

<ビリビリ ドカーン


上条「…何がどうなってんだ?」
555 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:53:42.19 ID:KOeftZKl0
~15:20~

美琴「…お待たせ」フゥ

上条「大丈夫か?何だか色々あったみたいだけど…?」

美琴「うん。何とかするから任せといて」

上条「? さて、後はどれに乗る?」

美琴「アレ!」ビシッ

上条「おっ、いいぜ。結構楽しそうだしな」

美琴「じゃあ、れっつごー!」

上条「おー!」


常盤台A「」

衝撃拡散「何という有り様…。わたくしたちがバレなかったのは幸運と言わざるを得ませんね」

光学迷彩「ええ。わたくしの能力を使っても下手すると御坂様には見つかってしまいますからね」

衝撃拡散「さて、これからどうします?『音声』は無くなってしまいましたし」

光学迷彩「ここは大人しく引きましょう。その方が身のためです」

衝撃拡散「ですわね。まあ、これ以上お2人を邪魔するのは無粋というものですわ」

光学迷彩「我々が言っても説得力に欠けますがね…」


ーーージェットコースター乗り場 行列ーーーーーーーーーーーー
上条「おお、かなり並んでるなー」

美琴「それだけ期待できるってことね」

上条「えっと…30分待ちか。どうする?」

美琴「別にいいわよ、待ってても。30分待ちなら良い方でしょ」

上条「そうなのか。じゃあ並ぶか」

美琴「こういうのも遊園地の醍醐味ってモンなのよ」

上条「そんなもんか」
556 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:54:37.12 ID:KOeftZKl0
ーーージェットコースター ーーーーーーーーーーーー
美琴「きゃああああああああああ!」

上条「おおおおおおおおおおおお!?」

美琴「ひょおおおおおおおおおお!」

上条「んなあああああああああああ!?」


※音声のみでお楽しみ下さい


ーーーベンチーーーーーーーーーーーー
上条「いやー、案外怖いモンだな」

美琴「アンタ、あの程度にビビっちゃう訳?なっさけないわねー」

上条「うるせえ。大体、一方通行仕様のジェットコースターって何だよ…」

美琴「通称『木原式コースター』だって」

上条「知るか!」

美琴「あははは。そろそろ最後の乗り物にしよっか」

上条「ん?ああ。で、最後は?」

美琴「やっぱアレしかないっしょ!」ビシッ

上条「さいですか」
557 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 02:56:45.20 ID:KOeftZKl0
ーーー観覧車ーーーーーーーーーーーー
上条「へぇー。初めて乗ったな」

美琴「アンタにとってはどれも初めてなんでしょ?」

上条「ん?ああ、それもそうか」

美琴「ふふふっ」

上条「…なあ御坂?」

美琴「ん?」

上条「今日は…ありがとな」

美琴「…どうしたのよ、改まって」

上条「いや、オレって記憶喪失だけど皆にそのこと言ってないからさ。他人と接するときって、結構気を遣っちゃうんだよ」

美琴「そう…そうなんだ」

上条「でもお前は、知っちまってるからな。そういうの全然気にしなくていいっていうか、気楽に話せるんだ」

美琴「…」

上条「もちろんそれだけの理由って訳でもないし、お前はこんなの嫌がるかもしれないけど、オレにとっては…」

美琴「…はぁー」

上条「っておい!今結構イイこと言ってんのに、ため息つくな!」

美琴「ごめんごめん。でもさ、アンタそれ考えすぎよ」

上条「…マジ?」

美琴「そうそう。私は別にそういうの気にしないし、むしろ頼りにしてもらって感謝したいくらいよ」

上条「そんなもんか…?」

美琴「ええ。そもそも助けられたのは、命を救ってもらったのは私の方なの。そう―――」


美琴「アンタは私の……ヒーローなんだから」
558 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 03:00:00.35 ID:PLuWtf+a0
上条「ヒーロー…か。さすがに照れくさいな」

美琴「否定なんかしないでよ。私の妹たちまで否定することになっちゃうんだから」

上条「ああ、そうだな。…そうかも、しれないな」

美琴「うん。アンタはもっと堂々としてていいのよ。私たちだけじゃなく、もっと多くの人たちの『世界』を守ってきたアンタなら」

上条「…御坂」

美琴「まあ、そのお人よしを何とかしろなんて言わないけどさ、アンタがもし疲れちゃったとき、誰かに頼りたいってときには…」

美琴「…私がいる。アンタを助けたいっていう私がいる」

上条「御坂…。ホント、ありがとな」

美琴「…どういたしまして」


~16:30~

ーーーとある遊園地 出口ーーーーーーーーーーーー
上条「いやー。楽しかったな、御坂!」

美琴「うん!」

上条「また、来ような」

美琴「…うん」

上条「今度はクラスの皆でさ!」

美琴「…」

美琴「はぁー」

上条「?」


ーーー第7学区 いつもの公園ーーーーーーーーーーーー
上条「…ふぅ。じゃあ月曜日にな、御坂!」

美琴「ええ。アンタ、遅刻するんじゃないわよー」ビシッ

上条「おう。…あっ、ちょっと待った御坂」

美琴「何?」

上条「そういえばお前ってオレのこと名前どころか名字すら呼ばないよな。何でだ?」

美琴「べ、別にいいじゃない。何でも」

美琴(なんとなく気恥ずかしいからとは言えない…!)

上条「そうか。…まあ、せっかく2人きりで出かけたんだし、良い機会だな」

美琴「えっ?何のよ??」

上条「御坂、お前今からオレのことちゃんと名前で呼べ」

美琴「……ふえっ?」
559 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 03:01:59.64 ID:PLuWtf+a0
美琴「んなななな、なんでよ!?」///

上条「思えばここ1年。会うたびいつもアンタアンタで、いっぺんも名前で呼んでないだろ?」

美琴「い、言われてみればそうかもしれないけどさ…」ゴニョゴニョ

上条「何だか忘れられがちだが、オレはお前より2つも年上だ!少しは年上を敬いなさい」

上条「という訳だ。早速この上条さんのことを名前で呼びなさい」

美琴「ええぇぇぇ…」

上条「さあ疾く!」

美琴「わ、わかったわよ。…呼べばいいんでしょ、呼べば」

上条「おう。さあこい!」

美琴「いくわよ!か、上条くん!」

上条「うおっ、無理無理無理!背筋がゾッとするぅ!」


美琴「だ、ダメぇ?じゃ、じゃあ…上条さん?」

上条「もっと無理だ!次ぃ!」


美琴「うぅぅ…。か、上条!」

上条「なんか腹立つ。つぎぃ!」


美琴「くぅ、と、当麻さん?」

上条「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!イメージがあああああああああああああ!?」

美琴「リアクション違いすぎでしょ!?」


美琴「じゃ、じゃあさ、当麻くん?」

上条「オレとお前は幼馴染じゃねえ!!」
560 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 03:03:27.59 ID:PLuWtf+a0
美琴「ぜぃぜぃぜぃ…」

上条「ぜぇぜぇぜぇ…」

美琴「もう!結局どれがいいのよ!?」

上条「どれも不自然なんだよ!お前だってそう思うだろ!?」

美琴「だから、今まで通りアンタでいいでしょ!」

上条「やだ!」

美琴「じゃあどうしろってのよ!?」

上条「むう、どうしたもんか。……あっ」

美琴「ん?どうしたのよ?」

上条「もう1つ、試してないのが…」

美琴「……ああ!でもいいの?」

上条「この際もういいや」


美琴「じゃあ、……当麻?」

上条「…おう、今後はそれで頼むぞ、美琴」

美琴「わ、わかったわよ。呼び捨てだけど気にしないでね……ってあれ、美琴?」

上条「? ああ、そっちが名前で呼ぶならこっちも、ってな」

美琴「み、みことみこととうまがみことってとうまが…」////

上条「おーい、戻ってこーい美琴ぉー」

美琴「はうっ!?」///

上条「?」
561 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/14(水) 03:04:19.78 ID:PLuWtf+a0
~17:00~

美琴「うへへへ…。とうまーみことーとうまー」///

上条「今日何度目だこの状態…?おい美琴、そろそろ帰ろうぜ」

美琴「……はっ!わかったわ。とととと、当麻」

上条「おう。またな、美琴」

美琴「ふ、ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!」ダダダダダ

上条「おー、速いなー」

上条「…さて、オレも帰るか。冷蔵庫に食材あったっけ?」

上条「無かった気がするな。よし、今からスーパーのタイムセール行くか!」

上条「その前にジュースでも、と」スタスタ



??「………上条様」 
 
572 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:26:30.05 ID:Ou6Qg0rg0
ーーー自動販売機前ーーーーーーーーーーーー
上条「さて、どれにしよっかな…。ここはヤシの実サイダーでいっか。さっきも飲んだけど」

上条「よし、財布財布っと……ってあれ?」ガサゴソ ピタッ

上条「…」ガサゴソ

上条「…」パンッパンッ

上条「…」

上条「財布がねええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」ガーン

上条「どどどどど、どうしよう!?アレには今月分の食費の半分が入ってるのに!」アセアセ

??「あ、あのぉ、上条様?」

上条「どこで落としたのかなもしかして遊園地でかあそこでフリーパス買ったのが最後だったからなヤバいよマジでどうしよう」ブツブツ

??「あの!上条様、聞こえますか!?」ヒョコ

上条「はい聞こえます!…ってあれ、君は確か…?」

??「どうもお久しぶりです、上条様」ペコリ

上条「ああ、操祈のルームメイトか。奇遇だな」

部下「え、ええ。そうですわね(本当は待ち伏せしてましたけど)」

部下「ところで何かお困りなのですか?先ほど上条様の叫び声が聞こえましたが…」

上条「ん?ああ、実は財布をなくしちまってな。結構大変なんだ」

部下「それは結構どころの騒ぎではないのでは…?」

上条「いやいや、上条さんにとっては日常茶飯事なので」

部下「日常『さはんじ』ですわよ、上条様」

上条「え゛?マジで?」

部下「マジでございます」フフッ

上条「/(^o^)\」ナンテコッタイ
573 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:28:29.22 ID:Ou6Qg0rg0
上条「…まあそれは置いといて、今上条さんは非常に困った状況にある訳です」

部下「はぁ、なるほど。…でしたら、わたくしが財布を探すのをお手伝いしましょうか?」

上条「えっ?いやそんな、そこまでしてもらわなくても大丈夫だって。自分で何とかするからさ」

部下「いいえ、わたくしがそうしたいだけですわ。…それとも、わたくしでは足手まといでしょうか…?」ウルッ

上条「わーわーそんなことないっ!全っ然足手まといとかじゃないから!」

部下「では、早速探しましょうか」ニパッ

上条「おうっ!…でも、どうする?オレが今日行ったところを一通り回るなんてできないしなぁ…」

部下「べ、別に一通り回ってみてもぉ……わたくしとしましては……」モジモジ

上条「? どうした、大丈夫か?」

部下「! え、ええ。全くもって問題ありませんわ」キリッ

上条「そうか、なら良かった。そうだなぁ……まずはこの公園から手分けして探そうか」

部下「…あの、上条様。わたくし、その前に試しておきたいことがありますの」

上条「ん?なんだ?」

部下「えっと、手作業で探す前に、わたくしの能力を使って探すのはいかがでしょう?」

上条「へっ?君、もしかして探索系の能力者なのか?」

部下「ま、まあ能力の応用でサーチは可能ですわね」

上条「…」

部下「い、イヤでしたか?でしたらやはり…」

上条「是非頼む!!」ガシッ

部下「えっあの、上条様??」////

上条「いやー、ホント助かるよ。わざわざありがとうな」ニカッ

部下(か、上条様に肩を抱かれ、見つめられた上に感謝のお言葉まで…。これは夢なのでしょうか!?)////////

部下「はぅ…///」ポー

上条「?」
574 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:32:00.66 ID:Ou6Qg0rg0
部下「で、では今からサーチを開始しますわね」//

上条「おう。じゃあ上条さんは邪魔にならないうように公園から出ておくか(主に右手的な意味で)」

部下「…」<キーン

上条(な、なんだこの高い音は…?)

    エコロケーション
部下「…反響定位」<キーーーーン


彼女を中心として発生した高音域の音は、爽快な、それでいて荘厳な音色を奏でていた。不思議と高い音程にストレスを感じない。
その奏者である少女は瞳を閉じて集中しているので、今の彼女からは健気な少女らしさというよりもむしろ女性らしい凛としたものを感じ取れた。
上条当麻がその美しい表情に見とれていると、重い瞼が開くのを合図に彼女の演奏会は幕を閉じた。


部下「…見つけましたわ」ダンッ!

<ザザザザザー!

上条「!?」


今度は地面の表面に振動が走った。少女が地を蹴ったポイントから振動は草むらへと一直線に向かい、茂みの中に震えが伝わったかと思うと…
…次の瞬間、上条当麻に向かって何かの物体が飛んできた。それはきれいな弧を描いて彼のツンツンした頭にぶつかった。


部下「成功ですわ!」<ヒューン

上条「いてっ」コツン


そう、コツンと硬そうな音をたてて。
575 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:33:05.54 ID:Ou6Qg0rg0

<カランカラン

上条「…」ヒリヒリ

部下「…」

上条「…空き缶だな」

部下「…ですわね」

上条「…」

部下「…」

部下「も、申し訳ありませんでしたァァぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!」

上条「い、いや、誰にでもミスはあるって。気にすんなよ」

部下「ほ、本当に申し訳ありません…。もう一度やってみますね」

上条「おう。頼むぜ」

部下(緊張しすぎて分析を忘れていましたわ…)<キーーーン

上条「…」ドキドキ

部下「…そこですっ!」ダンッ!

<ザザザザザー!

上条「おっ、今度こそ…?」<ヒューン パシッ

部下「…ありましたわ」フゥー

上条「おおおおっ!オレの財布だ!!」ジーン

部下「ふう。それにしても先ほどは大変失礼しm「本当にありがとうな!(ギュッ」うぃ!?」///

上条「いやー、今月分これ無いとヤバかったんだ!」ブンブン

部下「い、いえ、これくらいは、お安い御用、ですわ」///
576 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:36:25.75 ID:Ou6Qg0rg0
上条「ところでスゲー能力だな!何ていう能力なんだ?」
                        ソニックウェーブ
部下「…あっ、はい。わたくしの能力は『伝導音波』といいます。音波や振動を操ることができますね」

上条「へぇ。じゃあレベルは……常盤台の子だし、強能力者か大能力者なのかな?」

部下「ええ。一応大能力者ということになってます」

上条「はぁー。やっぱりすごいんだな」

部下「いえいえ。そこまで大層なものではございませんわ」

上条「当人からするとそんなもんか。まあ、今日はとにかくありがとな!」

部下「いえそんな…。か、上条様のためですもの」テレテレ

上条「…んー。そういえばさ、どうして様付けなんだ?そんな大した人間じゃないんだけどなぁ」

部下「えっと、それはぁ…」

上条「もしかして操祈の知り合いだからって理由か?そういうの気にしなくていいと思うぜ?」

部下「いえ、そういう訳ではございません。これはひとえにわたくし自身の意志ですわ」

上条「? 言ってる意味がわからないんだが…?」

部下「それはその、何と言いますか、つまり……」

上条「つまり…?」

部下(うぅぅ…言うのが恥ずかしい!しかし、やはりここで…!)


部下「…わたくしは、貴方さまのことをお慕いしているということですわ」
577 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:38:08.63 ID:Ou6Qg0rg0
上条「お、お慕い…?」

部下「え、ええ…////」カァーッ

部下(つ、ついに言ってしまいましたわ!申し訳ありません御坂様、食蜂様。わたくしはお2人よりも先に上条さんへこここ、告白を……)

上条「へぇー。オレのこと慕ってくれてるのか。それはありがたいな」ハハハッ

部下「…」

部下(ですよねー)ハァー

上条「?」


ーーーとある公園前ーーーーーーーーーーーー
部下「では、わたくしはこれで」

上条「ん?そうか。送っていかなくて大丈夫か?」

部下「はい。そもそもわたくしの寮は御坂様と違って『学舎の園』の中にありますので。それに…」

上条「ん?」

部下「…目的は達成できましたし、ね」

上条「そ、そうなのか。まあ、帰りはスキルアウトに気をつけてな」

部下「学園都市特有の気遣いですわね。大丈夫ですよ。いざとなったら振動ぶつけて倒しますから」

上条「それは頼もしいな。それじゃ、オレは買い物もあるからまたなー」ノシ

部下「ええ。また会いましょうね」ノシ

部下「…」

部下(そう、自分の気持ちはもう十分に確認できた)

部下(あとは、これから食蜂様にお話を……少々怖いですが)

部下(あっ、御坂様はどういたしましょうか?…こちらはなるようになれですかね)

部下「……ありがとうございました、『当麻』様」
578 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:39:26.81 ID:Ou6Qg0rg0
ーーー風紀委員 第177支部ーーーーーーーーーーーー
衝撃拡散「…という訳で、こちらが映像データです。お分かりかと思いますが、あの状況ではここまでが限界でした」

初春「いえいえ。むしろあの御坂さん相手に善戦したと思いますよ」

光学迷彩「そう言っていただけると嬉しいです」

初春「では数日で音声と映像を編集しておきますね。出来たら連絡しますね」

衝撃拡散「ええ。よろしくお願いしますね」ハァハァ

光学迷彩「データだけ頂ければこちらで焼き増しはしますので」ハァハァ

初春(ああ、そういえばこの人たちも白井さんに負けず劣らずの変態さんでしたね)

衝撃拡散「では」ノシ

光学迷彩「楽しみにしてますの」ノシ

2人「「ですの!」」<ガチャン

初春「」

初春「…さて、呆けていても始まりませんね。早速合わせちゃいますか!」カタカタカタ

初春「ん?この監視カメラに映ってるのは…御坂さん!?何だか物凄い形相で走ってますね」

初春「あれ?まさかこのルートは……目的地は!」<シュン

??「こんばんは。花飾りのお嬢さん」ニコニコ

初春「!? 貴方は一体――っ!」

??「失礼しますね」ストンッ

初春「くっ…。素敵な出会いとは、いきません、でした、ね」バタッ

??「…ふう。気の毒ですが、音声データを改竄しなければいけませんからこれは仕方のないことですね」

海原「さて、両方のデータはっと……おや?これは御坂さんではありませんか」ジー

美琴『データは黒子のトコの風紀委員支部かー!?』ダダダダダ

海原「…」
579 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:40:54.23 ID:Ou6Qg0rg0
海原「…映像データはこのSDカードだけのようですね。音声データはっと」カタカタカタ

海原「やはりPCの中ですか。…御坂さんはあと2分もしないうちに着いてしまうでしょうね」カタカタカタ

海原「では、こちらのデータは削除しましょう」ニア【Enter】

海原「削除までの時間内に彼女はここまで来るでしょうし、SDカードもビデオカメラの隣りに置いておきましょうか」ポチットナ

海原「…少々熱くなっていましたが、冷静になってみれば彼女が幸せなら自分はそれで良かったのでしたね」

海原「その様子を少しでも見守ることができた自分も幸せ者ですね。ではそろそろここを去りましょうか」バッ

初春「」<データドコダー!?

初春「」<ココカー!

美琴「風紀委員ですの!…じゃなくて、初春さんいるー?」

美琴「…なにこの有り様」

美琴「あっ、映像データがあった。しかもご丁寧にPCのデータまで消されてるし…一体誰の仕業かしら?」

                                        ナイト
海原「ふふふっ。思い出しましたよ。自分は御坂さんを影から守る騎士であると!」

海原「はははははははっ!!」ダダダダダ


美琴「……初春さんの机に人間の皮膚が落ちてる」
580 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:42:28.23 ID:Ou6Qg0rg0
ーーー常盤台中学学生寮 学園の園ーーーーーーーーーーーー
部下「た、ただいま帰りました」ガチャ

食蜂「…ん?ああ、おかえりなさい。遅かったですわね」

部下「え、ええ。色々ございまして…」

食蜂「そうですか。では早速伺いましょうか」ニコォ

部下「はい?何の話でs」

食蜂「…」ニコニコ

部下「…申し訳ありません冗談です。ですからその美しすぎる笑顔はやめてください。怖いです」

食蜂「あら?そうかしら?」フフフッ

部下「もう…おふざけがすぎますわ」

食蜂「ふふっ。申し訳ありませんわ」

部下「ふふふっ」

食蜂「うふふっ」

部下「…」

食蜂「…」


食蜂「ごまかされませんわよ」

部下「ですよねー」

食蜂「さて、話していただきましょうか?昨日の行動とその理由について、でしたね」

部下「ええ。わかりましたわ。ちゃんと言います。わたくしの…本当の気持ちを」

食蜂「……はい」

部下「あの、実はわたくし―――っ」
581 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:43:35.26 ID:Ou6Qg0rg0
~就寝前~

食蜂(…やはりそうでしたか。なんとなく分かってはいましたが)

食蜂(しかし、悲しいというよりは、むしろ…)

部下「…ではそろそろお休みになりましょうか。明日は大事な日でしょう?」

食蜂「ええ!そうしましょう。ですが、その前に…」

部下「…はい、わかっております。写真はこちらに」つ【写真】

食蜂「はい、ありがとうございます!」

部下「…」ジー

食蜂「…」ジー

部下「~♪」ニパァ

食蜂「~♪」ニコッ

部下「…負けませんわ」

食蜂「こちらこそ」

部下「えへへっ」ジー

食蜂「うふふっ」ジー


しかし写真から目は離れない。それが乙女心であり、それが恋する女の子の姿であった。
582 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/16(金) 22:49:02.96 ID:Ou6Qg0rg0
~深夜~

ーーー第7学区 某所ーーーーーーーーーーーー
海原「…とか言いつつ、こんなものを手に入れてしまいました」つ□


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

土曜日のでーとぷらん

10:00 アイツといつもの公園で待ち合わせ! 遅刻なんて出来ない、てか時間がもったいない
   から早めに出発するわ。また30分前には着いちゃうだろうな…。よしっ、最初が肝心よ。
   何かと理由をつけてアイツとててててて、手をつないでやるんだから!

10:14 モノレールの発車時刻。目的地は第5学区よ!確かあそこって大学生が多いトコだっけ?
   何か落ち着いた雰囲気って私にはね…。なんて文句言っててもしょうがないか。
   目的地はそう、自然観察公園! アイツを癒してあげるんだから!

    【発】カエル病院前駅→→自然観察公園駅【行】

10:30 自然観察園到着!調べてみたら結構きれいなトコみたいだったし、やっぱ大人な雰囲気?
   大人な…ぐふふふっ。じゃなくて!癒しよ癒し! で、でも一緒にゆっくり並んで散歩も
   できるし、もしかしたらベンチでひ、膝枕してあげたり…!

    【発】自然観察公園駅→→レストラン街駅【行】

12:20 今度は第4学区!目的は美味しい料理ね。せっかく北の方まで足を延ばすだし、雑誌で
   評判のイタリアンレストランに行ってみよっと。たしか店の名前は…『あくぃなす』?
   もちろんアイツの懐事情に合わせて意外と安いトコよ。抜かりはないんだから!

    【発】レストラン街駅→→遊園地前駅【行】

13:25 ラストは第6学区!本日のメインイベント、遊園地よ!もうここではアイツと一緒に遊び
   まくって、お化け屋敷でベタベタして…。そして観覧車では2人はどちらともなく顔を寄せ
   合い……なーんてねっ。きゃー!

    【発】遊園地前駅→→カエル病院前駅【行】

16:50 最後はいつもの公園でお別れね。残念だけど。ここでいつもより素直にならなきゃ…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海原「いやこれ……可愛すぎだろ常考」 
 
 
598 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:04:44.31 ID:cpVzU4nr0
ケース1 御坂様ファンクラブの場合

~とある深夜~

ーーー常盤台中学学生寮 208号室ーーーーーーーーーーーー
常盤台A「うふふふ。ついに、ついに御坂様のお部屋に侵入できましたわ…!」コソコソ

常盤台A「これで眠っていらっしゃる御坂様にあんなことやこんなことを……グフフ」

常盤台A「さて、寝顔を拝見ーっと」ススー

美琴「…すぅー…すぅー」

常盤台A(ひょォォぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!かわええええええええええええええ!!)

常盤台A(やべえよコレ。理性がぁ…理性がァァぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!)ハァハァ

常盤台A(かわええ。めっちゃかわええよコレぇ…)ハァハァ

常盤台A(も、もっと近づこう)スゥー ハァハァ

美琴「…」スヤスヤ

常盤台A(ハァ…ハァ…!)ハァハァハァハァ

美琴「…く~ろ~こ~!?」ポケー

常盤台A「ハァハァ…って、えっ?」

美琴「また夜這いか、この変態がー!!」ズバコーン!

常盤台A「ほげェェぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?」

白井「…みゅ~。お姉さまぁ…」スピー

美琴「むにゃむにゃ…あっ、まだ挫けないのね。今日という今日は…!」トテトテ

白井「ふぇ?ちょ、あれ?お姉さま?いかがなさいましたの??」ポケー

美琴「どの口が言うかぁー!!」ドッカーン

白井「なんでですのォォぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!?」ピョーン

常盤台A「」チーン
599 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:06:34.89 ID:cpVzU4nr0
~次の日の深夜~

ーーー常盤台中学学生寮 208号室ーーーーーーーーーーーー
美琴「…」スヤスヤ

白井「…」ムクッ

白井「…」キョロキョロ

白井「…考えすぎですわね。昨日はお姉さまが悪い夢を見ていたに違いありませんの。…多分」

白井「ではお休みなさいませ、お姉さま♪」

白井「…」スピー <ススー

衝撃拡散「…侵入成功ですわ」

衝撃拡散「さてっと。御坂様の寝顔はっと…」チラッ

美琴「…むにゃむにゃ。またアンタってやつはぁ……しょうがないんだからぁ…へへへ」

衝撃拡散(かわええええええええええええ!!ハァハァ……って、いけませんわ!)

衝撃拡散(昨晩はこのようにして失敗されたらしいですものね)
                          ショックアブソーバー
衝撃拡散(しかしわたくしなら大丈夫。この『衝撃拡散』を上手く使えば…)

衝撃拡散(眠っている御坂様にバレることなくパジャマを脱がすことができるっ!)キリッ
600 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:08:07.34 ID:cpVzU4nr0
衝撃拡散「では早速能力を発動して…」カクサンー

衝撃拡散「お布団を引っぺがしてっと」ペラッ

衝撃拡散「! こ、これは…御坂様のパジャマ姿!ゲコ太パジャマかわええ!!」

美琴「…ん~」

衝撃拡散「…といかんいかん。あまり声を出しすぎると起こしてしまうな」

衝撃拡散「よしっ、それでは御坂様のぱぱぱパジャマを…」ワキワキ

衝撃拡散「…」ソォ~

衝撃拡散「ボタンを1個、2個…も、もう1個で御坂様の慎ましげな…!」ハァハァハァハァ!

美琴「…どぁ~れが慎ましげな胸だぁー!!」ドッカーン

衝撃拡散「ぎゃァァぁぁぁぁああああああああああああ!!なぜバレましたのォォぉぉぉぉおおおおおおお!?」

白井「…ん~。何ですの、うるさいですわよ」ムニャムニャ

美琴「誰のせいだ、誰のォォぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」バッコーン

白井「わたくしではありませんのにィィぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

衝撃拡散「」チーン
601 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:08:58.17 ID:cpVzU4nr0
~そのまた次の夜~

ーーー常盤台中学学生寮 208号室ーーーーーーーーーーーー
白井「…」バターン ガチャガチャ

美琴「黒子ぉ?い、いきなりどうしたのよアンタ」

白井「いえ、ただの警戒ですの。変態がこの部屋に入ってこないようにしませんと」キョロキョロ

美琴「変態ならもうこの部屋に入ってるじゃない」

白井「」クルッ

美琴「アンタのことよ」

白井「ひ、ヒドいですの」ウルッ

美琴「否定できないでしょアンタ」

白井「変態ではありませんの。変態淑女ですの!」キリッ

美琴「おやすみー」ノシ

白井「無視!?無視ですの!?」

美琴「…」スピー

白井「…」キョロキョロ

白井「…大丈夫ですわね」カチッ

白井「お休みなさいませ。お姉さま♪」

白井「…」スヤスヤ

??「…ふう」
602 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:11:07.58 ID:cpVzU4nr0
~その後、深夜~

美琴「…」スヤスヤ

白井「…」スピー

??「さて、そろそろ動きますか」

光学迷彩「昨日までの2人は姿が見えるので失敗してしまうのです」

光学迷彩「ですが、わたくしのこの能力なら…うへへっ」
                                クレアボイアンス
光学迷彩「へんた…純情な子どもが欲しがる能力なら透視能力と並んでトップクラスですねコレは」

光学迷彩「学園都市バンザイですね」キリッ

美琴「…」スピー

光学迷彩(そしてこのまま御坂様の寝顔を堪能ぉ!何て完璧な計画なのでしょう!)

光学迷彩(嗚呼、御坂様の寝顔かわええ…)

美琴「…もぉ…だらしないわねぇ……へへへ」ギュウ

光学迷彩(やべェェぇぇぇぇえええええええええええ!!寝言超かわええよマジで)ハァハァ

光学迷彩(これはもう反則な可愛さだろ。もう抱きつきたいっ!なんか色々しちゃいたいっ!)ハァハァハァハァ

美琴「…黒子ぉ?まーだ懲りないかぁー?」ユラリ

光学迷彩(み、御坂様!?しかし、姿は見えてないはず!)ハァハァ…

美琴「隠れてても無駄よぉ…むにゃ。私には分かるんだからぁ…」フラフラ

光学迷彩(ね、寝惚けてるだけですわね。ビックリしましたわ)フゥー

美琴「くろこぉー!」

白井「ふにぃ……はっ。な、何ですのお姉さま?」ビクッ

美琴「アンタってヤツはぁ…むにゃ。今日こそ許さないんだからぁー」

白井「ちょ、お姉さま?ですからわたくしは何もしていませ」ススー

光学迷彩(あの、ちょっ白井さん?なぜわたくしの方へ近づいてきますの!?)

美琴「ちぇいさーっ!」ドゴォ!

白井「またまた違いますのにィィぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

光学迷彩「わたくしまでェェぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええ!?」
603 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:12:24.20 ID:cpVzU4nr0
~これまた次の日の朝~

美琴「おはよう、皆っ!」ニパァ

白井「あらっ皆さん。御機嫌よう?」ゴゴゴゴゴ

3人「「「ご、ご機嫌麗しゅう?」」」

白井「…」ニコニコ

3人(白井さん怖ェェぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!!)

美琴「ところで3人とも。どうしてここ最近私の部屋で寝てたの?」

常盤台A「え、えーとぉ…?」

衝撃拡散「そ、それはですねぇ…?」

光学迷彩「な、なんと言いますかぁ…?」

白井「…」ギラギラ

3人「「「ね、寝惚けてて…」」」テヘッ☆

白井「風紀委員ですの!」キリッ

3人「「「」」」
604 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:14:57.81 ID:cpVzU4nr0
ケース2 『あくぃなす』のシェフの場合

~『レベル5+α』教育実習実施から2年前~

ーーーイタリア キオッジアーーーーーーーーーーーー
シェフ(料理人を志して早10年。道を究めんとパスタの本場、イタリアにまで来てはみたんだが…)

シェフ(イタリア中回ってみて、沢山の店でイタリアンを食べ漁ったけどなぁ)

シェフ(確かに美味くて満足したが、何なんだろうなこの気持ちは。まだ自分の理想にたどり着いていない気がするんだ)

シェフ(ここでも、僕は満たされはしないのか…?)

??「あら貴方。お困りのようですね?」

シェフ「へっ、僕?いや、そんな別に困ってなんか…」

??「困っているのですね?ええそうなのでしょう!困難が貴方の前に立ち塞がってるのねそうなのですね!」

シェフ(うわぁ…。なんかトンデモナイのに絡まれちゃったよ。海外怖ぇ)

シェフ「え、ええまあ。困っているといえばその通りなのですが…」

??「やはり困っている!困難、なんと素晴らしい響きなのでしょう!さて、貴方はどのような困難に立ち向かっていますので?」

シェフ「んー。そんな大層なもんでもないんですがね」

??「いいえ、躊躇せずに何でも相談くださいませ。私はローマ正教の宣教師のリドヴィア=ロレンツェッティですので」

シェフ「は、はぁ。実は僕は日本の料理人なんですけども、最近仕事が行き詰っちゃって」

リドヴィア「ほうほう。続けてください」

シェフ「それで自分が一応専門にしてるイタリア料理を勉強しようと、この国中を回って食の旅をしていたのですが。どうも自分の理想とは違っていて」

リドヴィア「まあ、本場と言ってもピンキリですからね。必ずしも美味しいとは限りませんので」
     
リドヴィア「特に貴方のような観光客などすぐ目立つ看板に吸い込まれてしまうのでしょう?」

シェフ「うっ。それは否定できませんね…」

リドヴィア「しかし、それだけの覚悟を持って遠路はるばる来たというのに……。こう一向に上手くいかないとは…」

シェフ「ですよね。やっぱり無r」

リドヴィア「すっばらしいっ!」

シェフ「はい?」

リドヴィア「素敵!この困難!このまるでお前には絶対できないだろうと突き付けられたような状況!何もかもが素晴らしい!!」

シェフ「」
605 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:17:29.61 ID:cpVzU4nr0
リドヴィア「なんという不可能!なんという不条理!やはり状況が困難であれば困難なほど、俄然やる気が出てくるものです!!」

シェフ「いやあの、リドヴィアさん?」

リドヴィア「よォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうしっ!!」

シェフ「僕の話全っ然聞いてねえ!?」

リドヴィア「そうと決まれば早速行動せねば!これほどの困難、なかなか出会えるものではありませんからね!」

シェフ(ヤベェ。ここはさっさと逃げるべきか?)

リドヴィア「ではまず…あっ、いましたか!そこでアイス食べてる……オッリアナァァあああああああああああああああああん!!」ドスーン

??「ごばぁっ!?な、何よいきなり?」ポロッ

リドヴィア「ホォー!今日はすっばらしい日なのですよオリアナぁ!ホホホホホホホホ!!」

オリアナ「何よこのハイテンションは…。ま、まさかそこのあなた。何かとんでもない困難に見舞われてるとか?」

シェフ「え、ええ。かくかくしかじかという訳で…」

オリアナ「はぁ。そういうことね」

シェフ「あの、僕はこれからどうなってしまうのでしょう?」

オリアナ「お姉さんが知る訳ないでしょう?まあ一つ確実なのは…あなた、もう諦めなさい。この女からは逃れらないわよ。可哀想だけど」

シェフ「そ、そんなぁ…」
606 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:19:35.80 ID:cpVzU4nr0
リドヴィア「さあオリアナ。早速一仕事ですよ!!」

オリアナ「ええ!?」

リドヴィア「そこの迷える子羊を教会まで運んで差し上げなさいな!」

オリアナ「いや、なんでそんなことしなきゃいけないのよ」

リドヴィア「貴方は運び屋でしょう?でしたら、このお方も運んで差し上げねばならないと思いますが」

オリアナ「いや別にそういう運送屋じゃないのよお姉さんは!っておい、ちょっと聞いてるのリドヴィア?」

リドヴィア「よォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうしっ!!」

シェフ「またそれ!?」

リドヴィア「さあ出発しますわよオリアナ!!困難は大きければ大きいほど、乗り越えたときの喜びが大きくなるものですから!」

オリアナ「はぁ…。了解しましたっと。ほら、行くわよそこのお兄さん?」ズルズル

シェフ「もうお兄さんって年じゃないんですがね…」


ーーー教会ーーーーーーーーーーーー
リドヴィア「さて、まずはお腹がすいているでしょう?今日はお金の無い方や観光客の皆さんに料理を振る舞っていますので、是非食べてほしいものですが」

シェフ「…先ほどより随分と落ち着かれましたね」ヒソヒソ

オリアナ「…まああまり気にしないで。こういうヤツだから」ヒソヒソ

リドヴィア「ささっ、お食べになって」

シェフ「は、はい」

オリアナ「ん~。じゃあせっかくだし、お姉さんも食べちゃおうかしら?」

リドヴィア「貴女は駄目ですが」

オリアナ「ええー。ひっどいー、リドヴィアー」

リドヴィア「貴女はお金に困っている訳でも観光している訳でもありませんので」

オリアナ「はいはいー。…まあ、これ以上は面倒なことになりそうだし、もういっか」

リドヴィア「何か問題でも?」

オリアナ「いいえ。全然」
607 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:21:35.24 ID:cpVzU4nr0
シェフ「へぇー、教会かー。ここは考えてなかったなー」スタスタ

??「あらあら。いらっしゃいませなのでございますよ」

シェフ「あ、ああ。どうも」

??「はじめまして。わたくしはこの教会でシスターをさせていただいています、オルソラ=アクィナスといいます」

シェフ「ん?はい、こちらこそはじめまして。僕は…」

オルソラ「まずはパスタを盛り付けますね」モリモリ

シェフ「おっ?ああ、どうも」

オルソラ「それで、貴方さまのお名前は何というのでございますか?」

シェフ「はい?あっ、ですから僕の名前はですね…」

オルソラ「このパスタは我々シスター一同が困っている皆様のために誠心誠意を込めてお作りしたのでございますよ」

シェフ「あれ?へ、へぇー。そうだったんですか。それはすばr」

オルソラ「ところで、貴方さまはどこのご出身の方なのございますか?」

シェフ「えっ?あの、話の内容が掴めないんですけd」

オルソラ「はい、盛り付けましたよ。あちらの席でお召し上がりくださいね」

シェフ「は、はぁ…(この人とは会話ができないっていう理解でいいのかな?)」

シェフ「では美味しく頂きますね」

オルソラ「はい!どうぞ召し上がれでございますよ」ニッコリ
608 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:23:43.91 ID:cpVzU4nr0

シェフ(可愛いシスターさんだったなぁ。よし、こっちではレストランとか専門店とかのしか食べたことなかったからな。庶民の味、みたいなものも悪くないな)

シェフ(さて、見た目は結構美味しそうだ。味はどうなんだろ?)チラッ


??「それにしても、シスターオルソラの料理にはもっとレパートリーが必要だと思います!」

??「まだそんなことを言っているのですか、シスターアンジェレネ」

アンジェレネ「し、仕方無いじゃないですかシスタールチア。だって毎日毎日隠し味が一緒なんですよ!たまには変えてくれたって…」

ルチア「まず貴女は毎日3食きちんと食べることができる今の状況を主に感謝すべきです」

??「まあまあ。あまり固いことばっかりでもダメになっちまいますよ?」モグモグ

ルチア「…シスターアニェーゼも適当なことばかり言わないでください」


シェフ(…まあ、普通の味って感じかな?そんなに過度な期待はしてないけど)

シェフ「さて、いただきます」パチン

シェフ「」モグモグ

シェフ「…」

シェフ「」ガツガツ バクバク

シェフ「………」

リドヴィア「おや、どうしましたか?」

シェフ「……う」

リドヴィア「う?」

シェフ「うんめェェぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええ!!」

リドヴィア「」
609 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:24:51.60 ID:cpVzU4nr0
シェフ「何なんだこの美味しさは!?この味、この香り、この舌触りぃ!!」

オリアナ「あらら?あなたもリドヴィアと同じ部類なのかしら?」

リドヴィア「それはどういう意味なのでしょうか?」

オリアナ「そんな顔しないでよリドヴィアー」


アンジェレネ「何なんでしょうか、あの東洋人は?」

アニェーゼ「さあ?」

ルチア「まったく、食事時くらいは静かにしてほしいものです」


シェフ「これだ!…これが、僕がずっと追い求めていた料理だ!!」

オリアナ「あっ……そうなの?」

シェフ「この料理を作ったのは誰だぁ!?今すぐ話がしたいっ!!」

オルソラ「お呼びでございますか?」

シェフ「む…。君が、このパスタを作ったのかい?」

オルソラ「そうでございますが、何か問題でもございましたか?」キョトン

シェフ「そうか。…頼みがあるのだが」

オルソラ「えっと、何でございますか?」

シェフ「僕を…僕を、貴女の弟子にしてくださいっ!」ガバァ ←土下座

オルソラ「はい?」


アニェーゼ「おお…。あれが噂に聞く『ジャパニーズ土下座』というヤツですか」

ルチア「潔い姿勢です。嫌いではありませんね。ってあれ、シスターアンジェレネ?どこへ行ったのですか?」


シェフ「頼む!この素晴らしい料理をより多くの人たちに食べさせてあげたいんだ!」

オルソラ「えぇっと、何と申し上げたらよいのやら…」

シェフ「頼む!この通りだ…!」

オルソラ「あのぉ、まずはお顔を「条件があります!」あらら?」

シェフ「条件?それは何なんだ?教えてくれ!」

アンジェレネ「それはですね…。私に毎日美味しいスイーツを食べさせることです!」ババーン

シェフ「は?」
610 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:26:42.89 ID:cpVzU4nr0
アンジェレネ「どうですか?破格の条件だと思いますよ?」ドヤァ

ルチア「シスターアンジェレネ!貴女は一体何をしているのです!」ゴツン

アンジェレネ「うぅ~痛い~。いいじゃないですかー」ウルウル

ルチア「良くありません!!」

オルソラ「あらあら。いいんじゃないんですか?」

ルチア「し、シスターオルソラ!?」

オルソラ「では、そういうことでございますので、よろしくお願いしますね。えっとぉ…」

シェフ「は、はいっ!その、僕の名前は…」

オルソラ「それで、貴方さまは『スイーツ』を作ることができるのでございますか?」

シェフ「へっ?ま、まあ一応一通りは」

オルソラ「でしたら、まずは貴方さまのこともよく知らなければいけませんね。お名前は何というのでございますか?」

シェフ「…はぁ。先が思いやられる」

リドヴィア「ああイイ!その困難、ゴールがまったく見えないレースに参加するか如きこの絶望感!たまりませんわァァあああああああああああああん!!」

シェフ「…この国には変な人しかいないのか?」


その後、教会の施設に寝泊まりをして、料理の腕を磨くことになった僕でしたが……


リドヴィア「ここを当面の宿泊に使うことをお勧めしますが」

ビアージオ「むう?何だこの異教の猿みたいなのは?まあいい。聞くだけ面倒だ」

シェフ(また変わったのが…)


その道は、やはり言葉にできないくらい、つらく厳しいものでありまして……


オルソラ「ここで軽くさっさっさーなのでございますよー」パラパラ

シェフ「? えーっと?」

オルソラ「さくさくっと切ってしまいますよー」トントントン

シェフ「…なるほど、わからん」キッパリ


彼女の元で修業した日々は、かけがえのないものであるのと同時に、非常に大変なものでもありました。


アンジェレネ「今日のスイーツは何ですか?」キラキラ

ルチア「シスターアンジェレネ!また貴女は他人さまにご迷惑を!」

シェフ「え、えっと、有り合わせでいいなら出してあげるよ…?」
611 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:28:00.13 ID:cpVzU4nr0
~それから2ヶ月後~

オルソラ「あらあら。もうお別れでございますか。寂しいものですね」

アンジェレネ「うぅぅ。チョコラータ・コン・パンナがぁ…!」グスグス

ルチア「貴女はどんな悲しみ方をしているのですか」

シェフ「大丈夫。あれくらいなら君にでも美味しいのが作れるさ」

アンジェレネ「う~。が、頑張ってみますぅ」

シェフ「おう。…では皆さん、長い間お世話になりました」ペコッ

オルソラ「いえいえ。わたくしも楽しかったのでございますよ」

ルチア「うちのシスターの1人がご迷惑をかけました。今後はもっと厳しく指導します」

アンジェレネ「シスタールチア!?」

アニェーゼ「おお。アレが噂に聞く『ジャパニーズお辞儀』ですか」

オリアナ「今度はお姉さんともっと楽しい遊びをしましょう?」

ビアージオ「ふん。見送りに来るのも面倒だ」

リドヴィア「また困難に出会ったらすぐこちらに来てほしいので」

シェフ「…」

シェフ「帰ります」

7人「「「「「「「まあまあ」」」」」」」ドウドウ

オルソラ「そういえば、ここで覚えた料理はどちらで振る舞うのでございますか?」

シェフ「ん?ああ、どうやら地元に近いところに『世界中の料理』を食べられるって評判のレストラン街があるらしいので、そこに店を構えようと思います」

オリアナ「へぇ、そうなの。で、お店の名前は?教えてくれたらお姉さん贔屓しちゃうわ」

シェフ「はいっ。その店の名前は―――」
612 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:29:00.40 ID:cpVzU4nr0
ケース3 冥土帰しの場合

冥土帰し「…ふむ。これはどうしたものかな?」

冥土帰し「とにかく電話してみようか」ピッポッパッポ

冥土帰し「…」プルルル プルルル

??『はい。もしもし』

冥土帰し「僕だよ。…こう言えばわかるよね?」

??『ああ。貴方の声を忘れるはずもないさ』

冥土帰し「そうかい。それは幸いだよ」

??『ほう。しかし珍しいな。君の方から連絡してくるとはな。というか、もう連絡は取らないのではなかったのか?』

冥土帰し「状況が変わってね。いや、ずっと同じ状況ではあったけど僕がここまで我慢してきた、と言った方が正確かな?」

??『なるほど。それはそれは…』

冥土帰し「さて、そろそろ本題に入ってもいいかな?……アレイスター」

☆『ああ。いつでも構わないよ』

冥土帰し「実はね?僕は前々から問題だとは思っていたんだよ。なぜあんなことになっているのか。どうして誰も疑問に思わないのか、とね?」

☆『話が見えないな。要点を言ってはくれないか?』

冥土帰し「…そうだね。じゃあ単刀直入に言おうか」



冥土帰し「……僕の病院の前の駅名、『カエル病院前駅』ってどういうことなんだい?」
613 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:31:34.83 ID:cpVzU4nr0
☆『…ふむ。言っている意味が分からないのだが』

冥土帰し「だから、この病院は『カエル病院』じゃないんだよ?なのにどうして駅名はああなんだい?」

☆『いや、だからそれは…』

冥土帰し「この病院は“第7学区総合病院”であって、カエルなんて入り込む余地がないんだよ?」

☆『ほう(そんな名前だったのか…知らなかったぞ)』

冥土帰し「そういう訳だ。僕はここにあの駅の改名を要求するよ」

☆『…なぜそれを私に言うのだ?この学園都市とて民主主義に則っている国家体だ。そうしたいのであればもっと正式な手順を…』

冥土帰し「うん。僕もそう思って最初は署名活動をしたんだけどね?なぜか誰も署名してくれないんだよ」

☆『…なるほど。ここにその署名の様子が映像として残っているぞ』

冥土帰し「何だって?」

☆『よし。再生してみるか』ポチットナ☆

冥土帰し「おいよせ」
 
  :
  :

ナースAさん「えっ、アレ変えちゃうんですか?愛着あって親しみやすいのに…」

K条くん「K条さん的には駅名は覚えやすいのがいいんですがねー」

M1003X号さん「それには例え先生の指示でも従うことはできません、とミサカは全ミサカを代表してここに断固反対の意を表明します」

S.Mくん(14歳)「へぇ、そんなことかい?僕にとってはすごくどうでもいいことだね。
        ってあの、その手に持ってるのは何なんだい『僕は患者のためにしか』えっちょおいやめくぁwせd」

M坂さん「駄目!絶対ダメよ!!そんなことしたら…うぅぅ、想像しただけで目の前がぐちゃぐちゃになって何も見えない…!」

  :
  :

☆『…』

冥土帰し「…」

☆『正直すまんかった』
614 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/18(日) 06:33:31.04 ID:cpVzU4nr0
冥土帰し「…ともあれ、これで分かっただろう?署名では不可能だから、君に直談判してるんだよ」

☆『…なるほど。ご苦労なことだな』

冥土帰し「さあ、とにかく答えを聞こうか、アレイスター?」

☆『答えか……そんなものはノーに決まっているだろう?』

冥土帰し「そうか。ではその理由を聞こうか、アレイスター?」

☆『(あれ、切り返してきた?)理由、か。それはな…』

冥土帰し「それは、何なんだい?」

☆『(名づけたのが私だから、と言えば怒られるのだろうか?)』

冥土帰し「…どうしたんだい、アレイスター?」

☆『(ふむ、どうすべきか…?)』

冥土帰し「そろそろ喋ったらどうだい?」

☆『(…よし、これに決めた!)』

冥土帰し「あれいs」<ブツッ

冥土帰し「…」<プープープー

冥土帰し「…そうか。それが君の答えかい」ピッポッピッパ

冥土帰し「…」プルルル プルルル

冥土帰し「…ああもしもし。結標さんかい?…うん、そうだよ僕だよ」

冥土帰し「…いや、そういうのじゃなくてね。実はアレイスターに用があってね。直接会いたいんだ」

冥土帰し「ん?何をするかって?あの生命維持装置のパイプとかを軽く壊すんだ。…ああ大丈夫、僕なら本物の在り処も知っているからね」<ピリリリ

冥土帰し「…ああすまない。キャッチが入ったみたいだね?あとでかけ直すよ」

冥土帰し「…」

冥土帰し「もしもし」

☆『正直すまんかった』 
 
 
630 : ◆sk/InHcLP. :2011/09/20(火) 02:37:55.15 ID:zobJ7Ye60
こんばんは。今日から7日目突入します。
では投下。 
 
 
631 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:39:27.24 ID:zobJ7Ye60
~7日目(日)~

食蜂「…うーん」<チュンチュン

部下「食蜂様、食蜂様?」ユサユサ

食蜂「ん~。あと5分…」ムニャムニャ

部下「ほらっ。今日は貴女さまにとって大切な日なのでしょう!」

食蜂「…はっ!そうでしたわ!!」ガバッ

部下「うおっ!?」ビクゥ

食蜂「い、今は何時です!?」アタフタ

部下「えっと、まだ7時50分ですが…?」

食蜂「そ、そうですか…ふぅー」

部下「まだ時間もありますし、とにかくシャワーでも浴びてみては?」

食蜂「ええ。さっぱりしてから行きませんとね♪」ガチャ

部下「そうですね。…わたくしだって、綺麗にしてから当麻様に会いたいですし」ボソッ

食蜂『ふふふっ。気持ちは一緒ですわね♪』キュイーン

部下「って、聞こえてたのですか!?」

食蜂『ごめんなさいね♪』

部下「むう。もう、食蜂様ったら…」

<シャー

部下「さて、わたくしはどうやってお近づきになりましょうかね…?」
632 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:41:13.77 ID:zobJ7Ye60
<ガチャ

食蜂「ふう。大分すっきりしましたわね」スタスタ

部下「そうでしょうね。さて、次はお召し物の準備ですね。…羨ましいな」ボソッ

食蜂「ふふっ。そこはアドバンテージですわね(統括理事長様に感謝しませんと)」

部下「ズルいですぅ…。来年は制服着用義務の無い高校に入ります!」グッ

食蜂「まあ、これはウチが特殊なのですが…」

部下「ですわよね!…かつてはまったく気になりませんでしたのに」

食蜂「それは私も一緒ですわ。恋は女を変える、といったところですか」ガチャ

部下「違いありませんわね」フフッ

食蜂「…さて、今日の服装はっと…」ガサゴソ

部下(うぅぅ…。クローゼットのなかに当麻様が選んでくださった服があるだけで羨ましい…!)

部下(しかし、わたくしでは当麻様に服を選んでもらえる状況へはもっていけませんね…)ハァー

食蜂「…どうしたのです?ため息などついて」

部下「ふぇ?い、いいえ、なんでもありませんっ!ご心配には及びませんので!」

食蜂「でしたら良いのですが…。あっ、それと私、今から着替えますので」

部下「はい?……し、失礼しましたっ!」クルッ

食蜂「そこまで気にする仲でもありませんでしょうに」クスクス

部下(これは恥じらいではありませんっ。見ると嫌でも食蜂様との違いがわかってしまうのです!…主に胸辺りの)ズーン
633 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:43:34.83 ID:zobJ7Ye60
食蜂「~♪」シュルシュル

部下(はぁ…。どうしてわたくしのはこのように貧相なのでしょう…。さすがに白井さんほどではありませんが)ペタペタ

食蜂「…はいっ、もういいですよ。って、何をやっているのですか?」キョトン

部下「うえぃっ!?い、今の光景は忘れてくださいっ!!」//

食蜂「うふっ。私を何の能力者だとお思いで?」クスクス

部下「うっ。それもそうですわね…」ズーン

食蜂「まあ、大丈夫ですよ!そんなに気にしなくとも。………多分」ジー

部下「ど、どこ見ておっしゃっているのですかっ!」///

食蜂「まあまあ。世の中には『貧乳は正義ですの』という言葉もあるそうですし」

部下「何てことをおっしゃいますの!?…まあ聞くまでもありませんが、それは誰から伺ったのです?」

食蜂「白井さんに」

部下(あんの変態がァァぁぁぁぁあああああああああああ!!食蜂様に変な言葉教えやがってェェェェェェェェ!!)

食蜂「それよりどうです?この格好は?」バッ

部下「…うわぁ。やはり制服のときとは見違えますわね。制服でも食蜂様は映えますのに、私服だとさらに綺麗ですわ…」

食蜂「ふふふっ。まあ当麻さんに選んでいただきましたからね。似合わないはずはないのですけど」クルリ

部下「いいですわねー。…というか、当麻様って結構センスありますわね」

食蜂「そうですわね。どうも彼は私や美琴、貴女以外にも大勢の綺麗な女性たちと繋がりがあるようですから、そういう面もあるのでしょう」

部下「確か調査した際には、同居中の白いシスターさんにむ、胸の大きな同級生、さらには霧ヶ丘のメガネ巨乳の人、理事会の『ブレイン』の人……」

食蜂「あと生脚へそ出しマーメイド、大人しそうな女の子、十字教のシスター軍団、そして美琴の『妹』約10,000人……。数え上げればキリがありませんしね」

部下「あれ?誰かを忘れているような…?」

食蜂「えっ?いや、さすがに小萌先生は論外でしょう?」

部下「いえそうではなくて、もう一人大事なポジションの方が…?」

食蜂「そうでしたか?えっとぉ…?」


2人「「…分かりませんわね」」



??「……へくしっ。でも誰も。私の噂なんてしていない。ふふふふ」
634 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:45:04.69 ID:zobJ7Ye60
食蜂「まあいいですわ。さて、今の時刻は…?」

部下「えっと、8時30分ですわね」

食蜂「そうですか。では、そろそろ出発いたしましょうか」

部下「ええ。いってらっしゃいませ。良い一日を」ノシ

食蜂「分かっていますわ。…さあ、頑張りますわよ操祈」

食蜂「よしっ、行ってきますわ!」ニコッ

部下「ご武運を!……さて、わたくしはあの変態テレポーターでも懲らしめてきますか」ピキキッ


~その頃~

ーーー上条宅ーーーーーーーーーーーー
上条「…むぅ。もう朝か…?」<ピリリリ ピリリリ

上条「昨日は美琴と息抜きするつもりが、後半大分はしゃいだもんなー。意外と疲れちまったぜ」フアーア

上条「さて、今日は一日中ゆっくりとしてるかー!日曜日だしなー。……ってあれ?日曜…?」

上条「ま、まさかー!!」

上条「そ、そういえば今日もだったー!」ワタワタ

禁書「んー。うるさいんだよとうま。そしておはようなんだよ」

上条「おう、おはよう。…ってそうじゃない!急がねえと!」

禁書「とうまー。ごはんー」

上条「冷蔵庫に色々詰めてあるから、それで間に合わせてくれ!」

禁書「わかったんだよ。って、とうま。今日もお出かけなのかな?」

上条「ん?ああ、そうだが」

禁書「……どうせとうまのことだから、また女の子となんだよ」

上条「またとは何だまたとは。まあ、今回はそうだけど」

禁書「…今回も、なんだよー!!」ガオー

上条「えっうそ、何でだァァぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!?」<ガブッ
635 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:46:18.51 ID:zobJ7Ye60
禁書「…さて、今度は何をやらかしたか聞かせてもらうんだよ」

上条「やらかしたって…。まあ、あながち間違ってはないけどさ」ズキズキ

禁書「……いつものことなんだよ、まったく」ボソッ

上条「なんか言ったか?…別にいっか。実はですね……」


~回想~

上条「…さて、操祈?責任ってのはどう取ればいいんだ?」

食蜂「それはですね……こ、今度の日曜日に予定はあります?」

上条「ん?無いはずだけど…?(御坂との約束は確か土曜だったし)」

食蜂「そうですか!それはそれは…!」

上条「で、日曜日がどうかしたのか?」

食蜂「それはですね…。に、日曜日、私と……デートしてくださいっ!!」バーン

上条「ほうほう。なるほどデートか。……って、あれ?」

食蜂「…」

上条「…」

上条「で、デートォォぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

食蜂「…/////」カァーッ

上条「えっちょおまっ。デートってそんなくぁwせdrftgyふじこlp」

食蜂「……ダメ、ですか…?」ウルッ

上条(そ、そんな表情されたら断れねえだろぉー!てか、断る理由とか元々無いけどな。…あれ?それって変じゃね?)

上条「えっと…つまり、責任を取るというのは…?」

食蜂「ええ。私と一日デートすることですわ♪」

上条「…オッケーだぜ。まあ、そういうことなら付き合うぜ(それで楽しめるんだったら)」

食蜂「つつつつつ、付き合うだなんて……うへへへ」/////

上条「?」
636 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:47:23.68 ID:zobJ7Ye60
~現在~

上条「…という訳で、今日に至る」

禁書「りあ充おつなんだよ」

上条「んなっ!?か、上条さんはそんなリア充という存在なんぞからは最も遠い存在であってだなぁ…」

禁書「とうまが言っても説得力がゼロなんだよ」

上条「いや、そんなことないと思うが…。って、そうこうしているうちにもう時間がヤバい!さっさと着替えて行かねえと!!」ダダッ

禁書「はぁー。多分とうまは『でーと』についてそこまで深く考えてないんだよ…」

上条「おおおおおおおおおおおおおおお!!」シュパパパパ

禁書「と、とうまがものすごい勢いで着替えて準備してるんだよ…!」

上条「行ってきます!!」バターン

禁書「…行っちゃったんだよ。ていうか、最近私の扱いが悪いかも…」

スフィンクス「にゃーお(元々このスレだと扱い良くないだろうが…)」


ーーーマンション前ーーーーーーーーーーーー
上条「ふぃー。今は8時45分か。まあ普通の人間なら余裕をもって間に合うんだろうが」

上条「上条さんの場合はそう上手くはいかないのですよ。はぁー」スタスタ

上条「おっ、そういえば昨日ここで浜面たちと出くわしたんだったな」

浜面「ん?」バッタリ

上条「あ」
637 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:48:49.54 ID:zobJ7Ye60
浜面「よう、上条じゃねえか。また会ったな」

上条(これはもしや…昨日と同じパターンか?)

浜面「ん?どうしたんだよ?」

上条「い、いやー、何でもありませんことよ」

浜面「そっか。いや、何か調子悪そうだったからよ」ハッハッハ

上条(マズいな…。何とかこの不幸を回避しねえと)ジー

浜面(何だろう。今なんかとても失礼なことを考えられた気がする)

浜面「そ、そういやあの後どうだった?」

上条「は?あの後って?」

浜面「いやだからさ、レストランで別れたあ「超浜面ァァァァァ!!」ぐぼあっ!?」ドーン

上条「うわっ!な、なんだぁ?」

浜面「て、テメェ絹旗!何しやがる!?」ヒリヒリ

絹旗「何しやがるは超こっちのセリフですゥ!どうやら昨日は麦野や滝壺さンと超お楽しみだったそォじゃないですかァ!?」ビシィ

浜面「な、なぜそれを!?ていうかマジギレしてらっしゃる!?」

絹旗「昨晩、私のところに滝壺さンと麦野からのろけメールが超大量に着やがったンですよォォォォ!!」

浜面「ひ、ひえー!ちょ、落ち着け絹旗!!」

絹旗「これが超落ち着いていられる状況ですか!超浜面には罰ゲームとして今から超2人っきりでB~C級映画を見まくりますよ!!」

浜面「ぐはぁっ。これぞ真の罰ゲームか…!」

絹旗「何を言ってるんです?この超美少女の絹旗最愛サマと2人っきりになれるチャンスを浜面は超生かすべきです!!」

浜面「オマエとの映画巡りの段階で超罰ゲームだよ!ん?てか、チャンスって一体…?」

絹旗「! ほ、ほら、超さっさと行きますよ!!」ズルズル

浜面「ぶへっ!?お、おまっ、引きずるんじゃねえぞ!?おーい、また学校でなー」


上条「……これは不幸…ではないよな?」
638 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:53:07.35 ID:zobJ7Ye60
上条「…さて、次はこの階段付近でっと」タッタッタッタ

上条「おっ、やっぱりいた」

上条「まあ、おじいちゃん1人くらいならそんなに時間かけなくても……」ジー

老人A「ふぅ~。この老体に大荷物は堪えるのぉ」ゼイゼイ

上条「ん?」

老人B「はぁ、はぁ…。少し休もうかの。あと50段は階段を上らねばならんからのぉ」ゼイゼイ

老人C「…いかん。ここで休んではいつまでたっても目的地まで着かん。まだまだ若いモンには負けんぞ!」ゼイゼイ

上条「あれれ?」

老人D「そうじゃ!ワシら老人が、今のヒョロい若者なんぞに負ける訳にはぁ……いかん!」ゼイゼイ

老人E「たしかに。若いヤツらは本当に情けない!」

老人F「まったく今の若いモンは、家にばかり籠もりおって。ワシらが若いときは遊びといえば野山を走って川で泳いでいたもんじゃ」

上条(おじいちゃん増えとるゥゥゥゥゥゥゥゥ!?)

老人G「上条っ!お前の話は……つまらんっ!!」

上条「余計なお世話だ!」

上条(さすがにマズいな…。こちらは1人に対してあちらは7人。オレだけで相手をするには少々分が悪い)

老人たち「「「米30㎏は…さすがに重い!!」」」

上条「無理すんなジジィ!」
                                                                        オルダーズ
上条(つーか何だよこのおじいちゃんの大量発生は?ま、まさかおじいちゃんのクローンを大量に…?じゃあアイツらは『老人達』か!?)

老人たち「「「さあ、ワシを助けろそこの少年!!」」」

上条「若いモンの文句ばっか言ってる割には弱いのな!?さすがはおじいちゃんだわ!」

上条「くっ、しかしどうする?あんなの放っておいたら後から裁判起こして金巻き上げられそうだ…!」

??「ほう。困っているようだな、上条当麻!!」

上条「あ、アンタは…!」
639 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:54:29.08 ID:zobJ7Ye60
??「困ったときはいつでもこのオレ、削板軍覇に言えと前から言っているだろう、上条よ!!」

上条「いや初耳なんですけど」

削板「はははは!!そうかそうか!しかし、なかなか根性のいる状況にいるではないか!?」

上条「ま、まあそうみたいだな」

削板「ふむ。ならば、ここはオレに任せて先に行け!」

上条「い、いいのか?」

削板「ああ。生徒を助けるのが、教師の役目ってヤツだろ?」

上条「ちょ、削板さんかっけえ!まあアンタ実習生だけど!」

老人達「「「ワシを助けろォォォォォォ!!」」」グオー

削板「くっ、いいから先を急げ!オレも…オレも、後で必ず行く!!」

上条「…おう。すまねえ!」ダダッ

削板「ふっ。いいってもんよ」ニッ

上条「…あとで、あとで絶対追いかけてこいよ!約束だからな!!」

削板「…ああ。約束だ」



上条「いや、追いかけてくんなよ!約束だぞ!!」

老人達「「「お前らのコントは…つまらんっ!」」」

上条「やかましいわ!」
640 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/20(火) 02:56:02.71 ID:zobJ7Ye60
上条「さて、次はこの角で女の子が…」

上条「女の子が…」

上条「可愛い女の子が…?」

上条「…」ポツーン

上条「…先を急ごう」←ちょっと期待してた


上条「えっと、たしかここでは誰にも会わなくて…」ダダッ

姫神「あっ。上条くんだ。これまた奇遇」

上条「よしっ、予定通りだ!」

姫神「」

上条「で、角を曲がったところに…」

結標「あら?また上条くんじゃない。今度はどうしたのかしら?」

上条「そのままスルーが吉で…」

結標「ちょ」

上条「多分この辺に落とし穴があるから…」

垣根「」ニヤニヤ ←上空

上条「とうっ!」←対ビアージオ戦のときの大ジャンプ

垣根「なん……だと…?」バッサバッサ

上条「着いたぁ!」ザザー

上条「さて、操祈は……あそこか。おーい!」スタスタ

食蜂「…時間通りですわね、当麻さん♪」


現在、日曜の午前9時。奇しくも昨日上条当麻と御坂美琴がいた公園に2人は集まった。
                      デート
幻想殺しと心理掌握が交わるとき、物語は始まる――― 
 
649 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:11:37.06 ID:br9WDp1n0
ーーー第7学区 いつもの公園ーーーーーーーーーーーー
上条「さて、お恥ずかしながら上条さんはデートというものは初めてでして」

食蜂「それを言うのであれば私も初めての経験ですわ。ふふっ」

上条「いやー、にしてもオレみたいのが相手で本当に良かったのか?」

食蜂「何をおっしゃいます。当麻さんだからこそです」

上条「そ、そうなのか(どういうことなんだろ?)」

食蜂「ええっ(少しは私の思いも伝わりましたかね?)」

上条「そっか。…おっ、そういえばその服、この間オレが選んだヤツじゃん。着てきてくれたんだ」

食蜂「もちろん♪どうです、改めて見てみますと」クルリ


この日食蜂操祈が着てきたのは、先日上条当麻が選んだ3パターンのうちの2番目の服だった。上は青のボーダーシャツに明るい緑系のサマーカーディガンを羽織り
夏らしく爽やかに着こなし、下はベージュのデニムショートパンツに黒のストッキングを履いて少し大人っぽさを演出している。
中学生というよりも大学生よりのファッションなのは衣装担当者の個人的好みだったが、元から大人らしい雰囲気がある彼女にはよく似合っていた。


上条「ふむ。よろしいっ!しかしよく似合ってるモンだ」ウンウン

食蜂「当麻さんのおかげですわ!」

上条「おうっ、どういたしまして!」b

食蜂「…」

上条「…ん?」

食蜂(やはりこちらの意図は伝わりませんか…。あの子の能力ではありませんが、ちゃんと音にして伝えませんといけませんね)

上条「まあ、とりあえず行こうぜ。えっと、まずはどこだっけ?」

食蜂「…あっ、はい。最初は第9学区ですわね」

上条「オッケー。さっ、行くかぁ!」ニッ

食蜂「はいっ!」ニッコリ

食蜂(…今日は一日中楽しんで、そして少しでも当麻さんとの心の距離を縮めますわ!!)グッ


ーーー某所ーーーーーーーーーーーー
定規「へくちっ。……ていうか、いい加減に機嫌直したら?」

垣根「ふーんだ。今日の落とし穴もたーっぷり仕掛けがあったのによー」プイッ

定規(コイツ面倒臭っ!?)
650 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:13:10.26 ID:br9WDp1n0
ーーー第7学区 とある歩道ーーーーーーーーーーーー
上条「いやー、それにしても…」

食蜂「? どうかしましたか?」

上条「…いや、やっぱり何でもない」

食蜂「?」

上条(…歩いてるだけでこんな視線を集めるモンなんだな。良し悪しはあれど)チラッ

通行人「「「…」」」ジー チラッ クルッ


以前セブンスミストで自分たちが注目されていたのは、常盤台の制服が一番の要因だと思っていたがそうでもないらしい。連中の目的はあくまで隣りの可愛い少女だ。
そうなると、その可憐な女子中学生と並んで歩いている比較的普通(赤いライン入りのTシャツ+ジーンズ)な自分に嫉妬や怨恨の視線が多く集まるのも納得できる。
前回はある一時を境にその様々な思惑が込められた視線が消えたが、今回はそう甘くないようだ。


上条(うぅぅ…。でもやっぱ居心地悪いなぁ…)ハァ

食蜂「あ、あの当麻さん、本当に何ともないのですか?」

上条「…ん?ああ、ホントに大丈夫だって。心配してくれてサンキューな」

食蜂「い、いえ、当然のことでs……ああ、なるほど。了解しました」キュイーン

通行人「「「」」」キーン

通行人「「「とりあえずデートするわ」」」

上条「?」

食蜂(設定かなり適当ですけど、まあ気にしないことにしましょう…)テクテク
651 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:14:56.63 ID:br9WDp1n0
ーーーカエル病院前駅(仮)ーーーーーーーーーーーー

[駅名急募!!]
【この駅の名前が変わります! あなたが考えた駅名を学園都市統括理事長に突き付けてみませんか? 名前を考えるだけの簡単なお仕事です!!】


上条「…何だありゃ?」

食蜂「…さあ?」

上条「まあいっか。さっさと行こうぜ」

食蜂「ええ」

上条「……よっと」ピッ

食蜂「!」クワッ

上条「どうした?今ものすごく驚いた顔してたけど」

食蜂「い、いえ…」

食蜂(当麻さんの携帯電話にもチャージされてますのね、電子マネー…)


ちなみに食蜂操祈嬢の本日の携帯電話は白。上条と(これは本当に偶然に)同じ機種のものである。
さらに言うと『心理掌握』用は今日は持ち合わせていない。今の彼女は時間的にも気持ち的にも完全にフリーなのだ。


ーーー第9学区 区立現代美術館ーーーーーーーーーーーー
上条「ほえー。でっかいなー」

食蜂「ですわね。イメージとしては国立新美術館でしょうかね?」

上条「へぇー。ってことは、学園都市で一番大きい美術館か?」

食蜂「おそらくは。私も詳しくはありませんので」

上条「そっか。それで、今日は何かの展覧会でもやってるのか?」

食蜂「まあ、そういうことになりますね。とにかく中へ入りましょう」テクテク

上条「お、おう」スタスタ
652 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:16:01.96 ID:br9WDp1n0
<ウィーン

館員「いらっしゃいませ」ペコリ

上条「どうも」

食蜂「あの、こちらで行われている『世界の現代作家展』の入場券を購入したいのですが…」

館員「はい。えっと、高校生2枚でよろしいですか?」

上条「えっ?あ、あのぉ」

食蜂「私は中学生です。こちらをご覧になればわかりますわ」つ【生徒手帳】キラキラ

館員「はい?……し、失礼しましたっ。常盤台中学の生徒さんでしたか」ペコペコ

食蜂「いえいえ。気にしてなどいませんよ」

館員「はぁ。では中学生400円、高校生600円で合計1000円になります」

食蜂「ええ。少々お待ちくださいな…」ガサゴソ

上条「はい、これで」つ【1000】

食蜂「えっ?」

館員「…はい、ちょうどお預かりします。では入場券とパンフレットです」

上条「どうも。よし、行こうぜ」スタスタ

食蜂「え、ええ…」テクテク

館員「ごゆっくりどうぞー」


館員「…あれ?常盤台って制服着用じゃなかったかしら?」
653 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:19:57.72 ID:br9WDp1n0
食蜂「何だかデジャヴでしたわ」

上条「ん?ああ、パフェのときか。まあ2000円くらい気にしなくていいぞ。特に今日はデートなんだし」

食蜂「そ、そうですわね。ではお言葉に甘えて…」///

上条「?」

食蜂「…コホン。か、会場は1階と2階のようですわね。早速回ってみましょう」

上条「おう。…そういえばさ、どうしてここなんだ?」

食蜂「実習の一環ですわ♪」


ーーー1階 彫刻・立体作品展示ーーーーーーーーーーーー
上条「へぇー。すげーな」

食蜂「あっ、当麻さん。ここではあまり騒がないでくださいね」

上条「お、おう。それくらいわかってるって(危ねぇ危ねぇ)」ヒヤヒヤ

食蜂「さあ、じっくり堪能しましょうね」

上条「そう言われてもなぁ…」

食蜂「案外知っている人の作品もあるかもしれませんわよ。何せ『現代作家』の展示ですので」

上条「知り合いに芸術肌の人いたかなぁ……あっ」ジー

食蜂「ん?入ってすぐのところに……クロワッサンにフォーク?の作品が。随分変わったものもありますわね…」

上条(お、おい。意外すぎる人物が…)


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
l【題名:人の怒りは自らを焼くⅢ】    l
l                       l
l ≪アンジェレネ≫ [会員推薦]     l
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


上条「一体誰が推薦したんだか…」

食蜂「?」


ーーーイギリス『必要悪の教会』女子寮ーーーーーーーーーーーー
??「くしょん!」

??「あらあら、風邪でもひいたのでございますか?」

??「いいや、そういう訳じゃねえと思うけど…。何かしらね」

??「ええ、あちらに向かう前に体調を整えませんといけないのでございますよ」

??「またお前の話はどっかに…」カーンカーン
654 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:22:50.26 ID:br9WDp1n0
ーーー1階 彫刻・立体作品ーーーーーーーーーーーー
上条「…出鼻を挫かれるってこういうことなんだな」

食蜂「? しかし、さすがは世界の作家たち。すごい作品ばかりですわね」キョロキョロ

上条「確かにな。素人の上条さんでもそれくらいはわかるぜ」

食蜂「おっ、こちらは…大きな十字架ですね。やはり宗教的意味が…?」

上条「…コイツ、生きてたんだ。生きててもマトモな待遇じゃないだろうけど」

食蜂「?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l 【題名:十字架はその重きをもって驕りを正す】  l
l                               l
l ≪ビアージオ=ブゾーニ≫  [監獄塔枠]     l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「監獄、とは…。過ちを犯したとしてもその信仰心には偽りはない、というところでしょうか」

上条「ま、まあ信仰心という点では凄まじかったけどな…」

食蜂「ではそもそもなぜ過ちを…?ま、まさかかつての魔女狩りのような悲劇が…!」

上条「うーん。まあ結局魔女狩り専門のところに捕まったからなー」

食蜂「えっ?」

上条「あっ(やばっ、喋りすぎた)」

食蜂「あ、あの当麻さん…?」

上条「よ、よぉーし、次行ってみよー」スタスタ

食蜂「?」
655 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:23:41.63 ID:br9WDp1n0
上条「こ、これは…!」

食蜂「まあ、これはお2人とも筋肉の締まったいい身体をしていますね」

上条「た、たしかになー(こ、これはクオリティー高すぎだろ…!)」
656 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/21(水) 23:28:11.72 ID:br9WDp1n0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:聖人Ⅰ】        l
l                          l
l ≪シェリー=クロムウェル≫ [奨励賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:聖人Ⅱ】        l
l                          l
l ≪シェリー=クロムウェル≫ [最高賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「『聖人Ⅰ』の方は…日本人の方でしょうか?すごく綺麗ですね。心なしかどこかで見たことがあるような…?」

上条(そういやシェリーって芸術家だっけな)

食蜂「髪が長いですわね…。しかも長身ですし、あの長い刀は日本刀…なのでしょうか?」

上条(あれ?シェリーって前に学園都市を攻めてきたよな…。いいのかここに出して)

食蜂「それよりもこの格好です。Tシャツは捲ってへそ出してますし、ジーンズ履いてるのに左足はごっそり切ってあるから太もも露出してますし…」

上条(シェリー自身、学園都市に作品出すのは抵抗があったんじゃないのか?吹っ切れたのか??)

食蜂「これはモデルにでもならない限り一生縁が無い服装でしょうね!」

上条(にしても、見事なまでに神裂火織だなー)←参照:原作4巻表紙

食蜂「こちらの『聖人Ⅱ』の方は……もう圧巻ですわね。男性の隆々しさといいますか、筋肉の逞しさや迫力が伝わってきますわ」

上条(こっちは……どう見ても後方のアックアさんです、本当にありがとうございました)

食蜂「しかも……凄まじい大剣ですわね。3mはあるかもしれません。あれを素で持てる人間などさすがに世の中広しといえど存在しないでしょう」

上条(って、コイツも学園都市攻めてきてんじゃん!?…まあ、原因オレなんだけど)

食蜂「それにしても怖い顔ですわね…。それに……こちらも『聖人Ⅰ』ほどではないですが、なかなか個性的な服ですわ」

上条(でも、最高賞だけあって圧倒的なまでのアックアだなー)←参照:原作18巻後半挿絵

食蜂「…とまあ、どう見ても普通の人間には見えないのですが……もしかしてお2人とも当麻さんのお知り合いの方ですか?」

上条「ん?あ、ああ。(最初のときは)ボコボコにされた」

食蜂「」

上条「でも何やかんやで2人に結構助けられたりして……ってあれ、操祈サン?どうしたのですかそんなに怖い顔して」

食蜂「…彫刻は壊せませんので、代わりにお2人の住所を教えてくださいな。精神的にボコボコにして参りますので」ゴゴゴゴゴ

上条「怖い怖い怖いっっ!!貴女が言うとシャレにならないから!」 
 
667 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:10:30.03 ID:J/vIKALi0
食蜂「さて、素晴らしいブロンズ像に感銘を受けたところで次は2階へ向かいましょうか」

上条「あ、ああ…」

上条(今度アイツらに会ったら一応注意しとこう)スタスタ

食蜂(見かけたらタタじゃおきませんわ)テクテク


ーーー2階 絵画・平面作品展示ーーーーーーーーーーーー
上条「うおっ。これは凄ぇ…!」

食蜂「圧倒されますわね。さすがは世界の作家たち」

上条「しかし、色んな絵があるモンだなぁ。人物画に風景画、…何だかよく分からん空想画もあるな」

食蜂「どれもこれも素晴らしい絵画ばかりですわね…」ウットリ

上条「俺にはとにかくすごいってことしか分からんが……ん?あれ、これってもしかして…?」

食蜂「ああ、これは私ですね」

上条「ま、マジですか…」

食蜂「題名が『天使の微笑み』って…さすがに照れますわ」テレテレ

上条「こ、こういうのはいいのか…?完全に目立っちゃってるけど」

食蜂「ええ。結構嬉しいものですわよ、慕っている子に自分のことを描いてもらうのは」

上条「そんなもんかなぁー」

??「そんなものでございますわよ、上条さん?」

上条「ん?」クルッ

食蜂「あらっ?」クルッ

??「楽しそうで何よりです、心理掌握様」ペコリ
668 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:12:14.96 ID:J/vIKALi0
上条「えっと、こちらの方は…?」

食蜂「はい、こちらは私の派閥の一員で、同級生の美術部員の方ですわ」

美術部員「どうも。心理掌握様がお世話になっています」ペコッ

上条「いやいや、こちらこそお世話になりっぱなしで。…主に勉強面では」

食蜂「ふふっ。徐々に勉強も出来てきていますわよ」ニコッ

上条「さいですか…」

美術部員「…」

食蜂「あら?いかがなさいました?」

美術部員「い、いえ。何でもございませんわ」

食蜂「?」

美術部員(仲がよろしいという噂は本当でしたのね。上条当麻恐るべし!)ジー

上条「?」

食蜂「それにしても奇遇ですわね。貴女もちょうど今こちらに?」

美術部員「! え、ええ!でも、まさか偶然にも心理掌握様に会え」

おばちゃん「あらあら、ようやくモデルさんのご到着かい?この子ったら貴女が来るのを今か今かと待ちわびていたらしくてねぇ。ずっとこの辺をウロチョロしてたのよぉ」

美術部員「」

食蜂「あら、そうでしたの。それは申し訳ないことを…」

美術部員「……////」カーッ

上条(あっ、照れてる。可愛いな)

食蜂「…」ギューッ

上条「イタタッ。あの、一体どうしたのでせう?」

食蜂「…」ゴゴゴゴゴ

上条「なんかごめん」
669 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:13:57.34 ID:J/vIKALi0
美術部員「それでわたくし、来年はこの第9学区の高校に進学しようと思うのですが…」

食蜂「…そうですか。貴女がそう決めたのなら良いでしょう」

美術部員「し、しかし、それではわたくしは貴女さまの元から―――っ!」

食蜂「いいのですよ」

美術部員「心理掌握様…」

上条(上条さんは空気ですねわかります)

食蜂「私もずっと派閥に頼ってばかりではいけませんしね。貴女たちも来年からは独り立ちしていくべきですわ」

美術部員「え、ええ…。ですが、それでもわたくしは…!」


食蜂「その代わり、来年からは派閥の一員ではなく友達として、また宜しくお願いしますわね」ニッコリ


美術部員「め、心理掌握様ぁー」ダキッ

食蜂「それまでは派閥の一員として、ですがね♪」ダキッ

上条(イイハナシダナー)

??「百合展開ktkr!」

上条「…そげぶ」ボソッ

??「ぐぼはぁ!?か、カミやん何すんねん!」

上条「美術館ではお静かに」ズルズル ポイッ

??「何でやねーん」ビダーン

上条「ふう。変態は片付いたな」パンッパンッ

美術部員「わ、わたくし、第9学区でも頑張りますわっ!」グスッ

食蜂「この学区は完全に実力主義のようですから、より励まねばなりませんよ。その分優秀なだけ待遇も良いそうですがね」

美術部員「ええ。心理掌握様の名に恥じぬように努めますわ!」

上条(頑張ってくださーい)
670 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:15:33.59 ID:J/vIKALi0
上条「…」ポケー

食蜂「…はっ!当麻さんのことを失念してましたわ!」

上条「い、いやー、気にしなくてもいいですよー。すごいイイ話みたいでしたしね」ハハハ

美術部員「す、すいません。少しの間でも心理掌握様を借りてしまいまして」ペコペコ

上条「いやいや、借りるなんてそんな。元々俺の彼女じゃないしな」

食蜂「…」

美術部員(ああ心理掌握様、そんな顔をしないでくださいまし!)

美術部員「…さて、どうなりますかね」

上条「?」

食蜂「!」

美術部員「ではわたくしはこれにて。御機嫌よう、お2人とも」

食蜂「ええ、御機嫌よう」

上条「えと、御機嫌よう?」

美術部員「ふふっ。ではまた」スタスタ

食蜂「では」ニコッ

美術部員「…」スタスタ

美術部員「……女王のこと、よろしくお願いします」ボソッ

上条「えっ」クルッ

美術部員「~♪」

上条「…どういうことだろ?」

食蜂「……ありがとう」ボソッ

上条「??」
671 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:18:17.70 ID:J/vIKALi0
食蜂「さて、次の絵ですが…」

上条「……何も言わなくていい」

食蜂「…ええ」


ーーーーーーーーーーーーーーー
l 【題名:私のサーシャちゃん☆】 l
l                    l
l ≪ワシリーサ≫  [ロシア枠]  l
ーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「…これ多分実名ですわよね?本人の許可は取ってあるのでしょうか?」

上条「取ってないだろうな。つーかやっぱりこの格好かよ…」

食蜂「あら?知り合いですか?」

上条「ああ。一応な」

食蜂「この方は……その、大丈夫なのですか?」

上条「…それはどうだろう?」
672 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:24:07.65 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「さてこちらは…なんとまあ、原色で統一された絵ですわね」

上条「左から黄色、緑、青、そして赤…。ま、まさかこれは…!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:天罰】         l
l                        l
l ≪前方のヴェント≫ [神の右席枠]   l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l      【題名:光の処刑】       l
l                        l
l ≪左方のテッラ≫  [神の右席枠]   l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l      【題名:聖母の慈悲】      l
l                        l
l ≪後方のアックア≫  [神の右席枠]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l       【題名:聖なる右】       l
l                        l
l ≪右方のフィアンマ≫ [神の右席枠] l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「えっと…皆さんの自画像なのでしょうか?」

上条「ああ。その通りだ」

食蜂「というか、この青い横長の絵の人物は『聖人Ⅱ』の方ですわね」

上条「まあな」
673 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:26:04.02 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「えっと、まずこの黄色の絵は…手前の方がヴェントさん、でしょうか?これ本当に女性の見た目なのですかね?」

上条「一応な。俺も未だに疑問だ」

食蜂「しかも上の人は…もしや木原数多?」

上条「へっ、そっちは操祈の知り合いか?」

食蜂「知り合いというか何というか…」

上条「そっか。にしてもアイツが芸術をなぁ…。丸くなったもんだホント」ウンウン

食蜂「結構お上手ですわね。構図も良いですし」←参照:原作13巻前半挿絵(友情出演:木原数多)

上条「さて、次は左方のテッラだが…。コイツ生きてたのか」

食蜂「お亡くなりになった方なのですか?」キョトン

上条「てっきりそう思ってた。まあコイツは…その何というか、どう見ても物凄く悪いヤツだった訳だが」

食蜂「……確かに。人は見た目だけではないとは言いますが、この方は中身も醜悪なのですね」

上条「コイツにもコイツなりの考え方があったんだろうけどさ。…やり方が、な」

食蜂「はぁ。しかしここに作品を出しているということは、それなりに反省されたのでは?」

上条「どうなんだろうな。…まあ、絵の方は本人そっくりだけど」

食蜂「そうなのですか。にしてもカメレオンやインパルスのいt」

上条「それ以上は言うな」←参照:原作14巻カラーページ

食蜂「えっと、次は…この男ですか」

上条「アイツ、そもそも絵とか描くのかよ…。どう見ても体育会系だろ、アレ」

食蜂「でしょうね。…さてこの男、どうしてくれましょうか」ゴゴゴゴゴ

上条「え、えと、操祈サン?どうしたんですそんなコワイ顔なさって」

食蜂「いいえ。何でもありませんわ」ニッコリ

上条「そ、そうか(その綺麗すぎる笑顔が逆に怖いんですが!?)」
674 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:30:14.02 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「それにしても、随分たくさんの方が吹き飛ばされていますね。…本当にヒドイ方」ボソッ

上条(天草式の皆さん、あの時はお世話になりました)

食蜂「ですがこの方は絵もお上手なのですわね。器用な方」

上条「確かにな。この中で一番躍動感があるし」←参照:原作16巻カラーページ(友情出演:天草式の皆さん)

食蜂「そして、こちらは…自画像というか、空想画でしょうかね?」

上条「いや、あれでいいんだ。ただの自画像なんだ」

食蜂「? それにしても、なかなか恐ろしい目をしてますわね」

上条「ああ。俺は恐ろしい目にあったがな」

食蜂「…聞き捨てなりませんわね」

上条「い、いやいや違うだって。確かにコイツも悪いことしたし、もはや世界的犯罪者だけどさ」

上条「それを言うなら、俺はここの4人それぞれにボコボコにされたしな!」フンス

食蜂「…」

食蜂「聞き捨てなりませんわ」

上条(ぬおっ!?やべっ、このままじゃ操祈の方がヤバい!)

上条「い、いやね、一応フィアンマ以外はローマ教皇の指示で動いてみたいだったしな!ははっ」

食蜂「…」

食蜂「ならば戦争ですわ」キリッ

上条(なんですとぉ――――――!?)

食蜂「ふふふ。ローマ正教の信徒20億人に、私の能力がどこまで通用しますかね?」ゴゴゴゴゴ

上条(やべー!フィアンマ逃げて逃げてー!)←参照:原作20巻カラーページ
675 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/25(日) 23:35:01.13 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「とりあえず、あの4人は会ってからどうにかするということで」

上条「ゼェゼェ…」←なんとか説得した

食蜂「こちらが最後の作品ですわね」

上条「ん?こ、これは…!」


ーーーーーーーーーーーーーーー
l     【守るべき希望】      l
l                     l
l ≪マタイ=リース≫ [奨励賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーー


上条「…」

食蜂「…」


その絵に惹きこまれた2人はもはや言葉が無かった。明るい色彩が画面の中で形作っているのは、薄汚れた身なりの外国人の少女が楽しそうに笑っている様子だった。
おそらく、ある意味上条当麻よりも大変な思いをして必死に生き抜いてきたこの少女の満ち足りた笑顔は、この作者こそが誰よりもその姿を願っていたものだったのだろう。
上条当麻には、ようやく彼が本当は何を行いたかったのかわかったような気がした。隣りにいる、食蜂操祈でさえも。


上条「…最後に良いものが見られたな」

食蜂「…ええ」

上条「それじゃ行くか!」

食蜂「はいっ!…ってあれ?もう一作品ありましたわ」

上条「ん?どれどれ…」


ーーーーーーーーーーーーー
l    【最後の希望】     l
l                  l
l ≪一方通行≫ [第一位]  l
ーーーーーーーーーーーーー

上条「…」

食蜂「…」

上食(一方通行ェ…)


同じ少女の絵でも、こちらからは何となくやましさが見て取れた。なんか描いてるところを想像するとゾッとする。
もしかすると、いや本当にあり得なくはない話ではあるのだが、彼が真摯に絵を描いていたとしても、それはそれは何か怖い。
しかし、さすが第一位というべきか、その少女の絵はやたらと上手いのだった。 
 
686 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:26:29.26 ID:2GVl6J270

<ウィーン

上条「ふう。なんか色々と驚きはあったけど、来てよかったな」

食蜂「ほ、本当ですか!?」

上条「お、おう。結構楽しかったし」

食蜂「そうでしたか。良かったですわ。正直なところ、こういう場所では当麻さんが退屈してしまうかと思っていまして」

上条「いやいや。お世辞でも何でもないし、こういうのも新鮮で良かったぜ」

上条(正直、何がどうすごいかはよく分からなかったが)

食蜂「これで一安心ですわ」フゥー

上条「安心って大げさな。俺は操祈が行きたいトコなら喜んで行くぞ」

食蜂「そ、それは……ありがとうございます」///

上条(多分デートってこういうモンだろ?)

食蜂(私の行きたいところならば……でしたら…きゃー、私ったら何てことを!)クネクネ

上条「さて、次はどこ行くか?」

食蜂「そうですわね…でしたら、まずは昼食としましょうか」

上条「わかった。えっと、今は…11時20分か。あれ、まだお昼には早くないか?」

食蜂「このようなことはあまり言いたくはないのですが、第9学区は工芸・美術を専門とした場所なので、食事の方も、その…」

上条「…言われてみれば、周りにある飲食店の料理がやたら前衛的だな。味は悪くはないんだろうけど、食べたくはないな」

食蜂「という訳でして、まずはこの学区から脱出いたしましょう」

上条「なるほど。てか脱出って…」
687 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:27:44.24 ID:2GVl6J270
上条「でも、意外と客足はあるんだな。『七色カレーの店』って書いてあるのに」

食蜂「物珍しさに釣られている方もいるのでしょうが…。おそらく一番の理由として挙げられるのは感覚的な問題ですわね」

上条「えと、つまり?」

食蜂「慣れですわ」

上条「…人間の環境適応能力ってすごいな。あのチャーハン青いぞ」

食蜂「あの子もいずれああなってしまうのでしょうか…?心配です」

上条「というかこう言っちゃアレだが、常盤台のお嬢様がここで過ごせるのか?」

食蜂「大丈夫ですわ!………たぶん」

上条「まあ学園都市の子だからな。こういうのにも慣れてるだろ!」

食蜂(こういったモノから隔離されているのが『学舎の園』なのですがね…)

食蜂「…そうですわね。あの子の強さを信じましょう!」

<キャー ナンデスノ、コノチャーハンハー!?
<オキャクサマ、オチツイテクダサイ!
<ドンガラガッシャーン

上条「…」

食蜂「…」

上条「…行くか」

食蜂「…ええ」

食蜂(強く、たくましく生きなさい)

上条(美術部員は犠牲になったのだ…)
688 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:29:15.93 ID:2GVl6J270
ーーー第15学区 繁華街ーーーーーーーーーーーー
<ワイワイ ガヤガヤ ギャース

上条「…さて、気を取り直して飯にするか!」

食蜂「ええ。どこにしましょうか…?」キョロキョロ

上条「さすがは学園都市最大の繁華街。どこもかしこも繁盛してるな」

食蜂「意外と洒落たお店もありますのね」

上条「ん?やっぱり操祈はああいうトコがいいのか」

食蜂「いいえ。むしろ私は……あっ、アレがいいですわ!」ビシッ

上条「おう。どれどれ……?」チラッ

上条「なん……だと…?」

食蜂「~♪」


ーーーマクロナルハンバーガー ーーーーーーーーーーーー
食蜂「いつの日か必ず訪れたいとは思っていましたが、ようやく現実のものとなりました!」

上条「な、なぜファーストフード店…?」

食蜂「入ろうとするたびに部下や派閥の子たちに止められるのです。何やら体型がどうとか栄養バランスがどうとかで…」

上条「まあ、それは彼女たちが全面的に正しいな」

食蜂「もしかしたら生まれて初めて食すかもしれませんね。もぐもぐ」

上条(すごく喜んでるし、これでよかった…のか?)

食蜂「おいしい♪」パクパク
689 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:30:20.47 ID:2GVl6J270
ーーー繁華街ーーーーーーーーーーーー
食蜂「ふぅー。やはり予想通りの美味でしたわ!」

上条「そ、そうなのか…?」

上条(デートでファーストフード店とは、男として情けないぜ…)

食蜂「本当にありがとうございますわ、当麻さん!」

上条「あ、ああ」

食蜂「~♪」テクテク

上条「さて、これからどうする?」

食蜂「せっかくですし、午後はこちらで遊んでいきましょう」

上条「だな。俺もここで遊ぶのは初めてだし」

食蜂「いつもはどちらで遊ばれているのですか?」

上条「ん?ああ、第7学区の地下街とかかな。飲食系は結構変わってるけど、遊ぶのならもってこいな場所だからな」

食蜂「なるほど」ウーム

上条(あれ?どうして悩んでいるのでせう?)

食蜂(今度1人で地下街に潜伏しましょうか…?しかし、派閥の皆が私を1人にしてくださるとは思えませんし)

上条「よし、じゃあ早速回ってみるか!」

食蜂「ええ!」ニコッ
690 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:31:37.30 ID:2GVl6J270
ーーー雑貨屋『いざーど』ーーーーーーーーーーーー
店員「ふむ。よく来た」

上条「ありゃ?」

食蜂「どうかなさいました?」

上条「いや、何でもない」

上条(あの店員、どっかで見たことあるような…?)

店員「好きなだけ見て行くがよい」

上条(気のせいだな。どうも口調が引っ掛かるけど)

上条「さて、どれがいいかなー?」キョロキョロ

食蜂(こういうのってデートっぽいわね)//

上条「操祈は何か欲しい物とかあるか?」

食蜂「そうですわね…。髪留めとかは欲しいかもしれませんわね」

上条「ああ。そういや美琴とかも付けているよな」

食蜂「…そこでなぜ美琴の名前が出てくるのですか?」

上条「いや何となくだけど…。何か気に障ったか?」

食蜂「デート中に他の女の子の名前を出すのは厳禁ですわよ♪」

上条「そ、そうだったのか?」

食蜂「当たり前です。これからはちゃんと心がけてくださいね」

上条「え、えっとぉ…」

食蜂「い  い  で  す  か  ?」

上条「はいわかりました」

店員「…」
691 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:33:07.67 ID:2GVl6J270
上条「えと、どれがいいかなー?」キョロキョロ

食蜂「…」ジー

上条「おっ、これがいいのか?」

食蜂「い、いえ、そういう訳では…」

上条「そうか。じゃあどうしようかなー?」クルッ

食蜂「…っ」シュン

上条「…冗談だって」ポンッ

食蜂「ふぇ?」チラッ

上条「悪かったな。ちょっと悪戯したくなったんだ」ナデナデ

食蜂「まったく、ヒドイですわ」ジロッ

上条「ごめんごめん。お詫びにコレ、買ってやるからさ」

食蜂「ほ、ホント!?」

上条「おう、これくらいならいいぞ。てか、いつもの口調はどうした?」

食蜂「ハッ。……ではこちらを」サッ

上条「おお、可愛い髪飾りだな」

食蜂「ええ。このお花のデザインが気に入りまして」

上条「ピンクかぁ。いいじゃないか、操祈に似合うと思うぞ」

食蜂「そうですか?う、嬉しいです」///

上条「よしっ、買うか!」

食蜂「ありがとうございます!」
692 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:34:08.18 ID:2GVl6J270
上条「すいませーん。コレ、買えますか?」サッ

店員「当然。それは商品なのだからな」

上条「そ、そうですよねー。じゃあコレください」

店員「ふむ。300円いただこう」

食蜂「…?」

上条「はい」つ(300)

店員「必然。お釣りなどない」

上条「当たり前だろそれ」

店員「憮然。持っていけ、商品だ」

上条「売る気あるのかアンタ!?」

食蜂(この人、何か違和感が…?)

店員「…済まないが1ついいか、少年」

上条「? 何ですか?」

店員「以前、私は君に会ったことがあったか?」

上条「…いや、今日が初めてだったと思うけど」

店員「そうか、ならば良いのだ」

上条「本当か?」

店員「全然」

上条「…」

食蜂「当麻さん、他にも見てみますか?」

上条「おう、そうだな」

店員「…」
693 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:36:20.49 ID:2GVl6J270
上条「他に目ぼしいモノはっと…」キョロキョロ

食蜂「うーん。私はもう結構ですわ」

上条「そっか。俺も特に欲しいものはないなー。…にしても」

食蜂「どうかしましたか?」

上条「いやさ、ここってアクセサリー売ってるのにドラゴンとか無いよな」<ドンガラガッシャーン

上条「ん?」クルッ

食蜂「あら?」クルッ

店員「ひ、ひぃ!?あわわわわわわあqwせdrftgyふじこlp」ビクビク

上条「」

食蜂「」

上条「…そろそろ行くか」

食蜂「…はい」

店員「うわわわわ怖いお怖いおドラゴンたん怖いお」ガタガタビクビク


ーーー第7学区 窓の無いビルーーーーーーーーーーーー
??「へくしっ。…ほう。この私でも『くしゃみ』というものをするのだな。実に興味深い」

☆『そうなのか。しかし、この2人の絡みもなかなか良いものだな、エイワス』

エイワス「個人的には上琴が至高だ。やはり未だに興味がある」

☆『私にもそんな時代もありますた』

エイワス「なるほど。では君は上食派か」

☆『上条×部下も捨てがたいがね』

エイワス「同感だ。一体この先どうなるのだろうな」

☆『私はどうなろうと全力で支援するがな』



手下(もうやだコイツら…)
694 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:38:03.27 ID:2GVl6J270
ーーー第15学区 繁華街ーーーーーーーーーーーー
食蜂「~♪」

上条(嬉しそうだな。買ってよかったぜ)

食蜂「さて、次はどうしましょうか?」

上条「そうだなぁ…」ウーン

食蜂「しかし、このまま街をぶらぶらしているのも悪くありませんわね」テクテク

上条「確かに。こういうのもいいかもな」スタスタ

食蜂「…」

上条「…」

食蜂「…あの当麻さん。私、今とっても幸せです」

上条「ん?そうか。なら良かった」

食蜂「ええ。高校で授業をするのも、実習生の皆さんとお話しするのも、そして……」

食蜂「―――上条当麻さん。貴方に出会い、こうして一緒に過ごすことができたことも」

上条「…そっか。光栄だな、そこまで言ってもらえて」

食蜂「はい。ですからその、これからも…!」<キャー!!

上条「おっ、何か始まったみたいだな」クルッ

食蜂「…」

食蜂(能力使って黙らせましょうかね?)

上条「ん?ま、まさか、アイツは…!」


レポーター「今日は、人気絶頂の一一一さんをここ学園都市第15学区にお招きしてお送りしています!」

一一一「こんにちはー!一一一でーす♪」

ファンたち「「「キャ―――!!一一一!一一一、一一一ェ!」」」

レポーター「どうですかー、この学園都市は?」<キーン

一一一「そうですね。やっぱり科学技術が全然違うことにまず驚きました。こうも差があると『外』に出たときに不安になってしまいますね」

レポーター「そうですかー。恐ろしいまでに平凡なコメントに感謝の意を表します♪」

一一一「気が利かなくてゴメンナサイ」


上条「あれ?何かあのレポーター、様子が変だな??」

食蜂「そうですか?気のせいですわよ」ニコォ

上条(…気のせいだよな。そうだと願おう!)
695 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/09/29(木) 22:39:22.77 ID:2GVl6J270
レポーター「まったく空気を読めない見事なトーク力を披露してもらったところでスタジオにお返ししまーす」

一一一(学園都市怖い…)ガタガタ


上条「早くも学園都市の洗礼を受けたんだな。可哀想に」←無理矢理自分を納得させる

食蜂「やはり『外』の人は大変ですわよねー」

上条「だな。…まあ俺の場合、外では大変な思いしかしてないけど」

食蜂「例えば?」

上条「アドリア海にダイブして、アビニョンでは暴動に巻き込まれ、ロンドンでクーデター?」

食蜂「…なんとなく知ってはいましたが、当麻さんって結構トンデモ人間ですか?」

上条「いやいや。上条さんはごく一般的な高校生ですよ」

食蜂「普通死んでますわよ?そんなに危険な目にあってばかりでは」

上条「意外と頑丈だからな、俺って」ムキッ

食蜂「ふふっ」

上条「ははっ」

テッラ「ハハッ」

上食「「………えっ?」」クルッ

テッラ「いやー、久しぶりですねー。上条当麻」

上条「さ、左方のテッラ…!?」

テッラ「どうもー」

食蜂(さっきのカメレオンかインパルスな人だ)

上条「お、お前、なんでここに…?」

アックア「む?どうしたのであるか、テッラ」ザッ

フィアンマ「おい、俺様を置いて行くな」スッ

ヴェント「科学こわい科学こわい科学こわい…!」ガタガタ

上条「」

食蜂「」 
 
704 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:32:13.49 ID:/pbTeY5O0
テッラ「ん?ああ、すみません。置いていってしまいましたかー?」

アックア「この街で勝手に動くのは危険であるぞ、テッラ。…むっ、そこにいるのは…?」

上条「」

フィアンマ「ほう、こうも早く会えるとはな。嬉しい限りだ」

ヴェント「科学こわい科学こわい…」ガクブル

食蜂「」

アックア「…おい、どうしたのだ上条当麻。しっかりするのである」ブンッ!!ブンッ!!

上条「……ハッ。これは一体…って、ちょっストップストップ!!」ガクガク

テッラ「おやおや。意識が戻ったようですねー」

フィアンマ「というかアックア、そろそろやめておけ。お前の力でそこまで揺すると死んでしまうぞ」

アックア「む?了解したのである」ピタッ

上条「……うぇぷっ。さ、サンキューなフィアンマ。助かったぜ」

フィアンマ「…ふん」プイッ

テッラ「何を照れているんですかー?気持ち悪いですよー」

フィアンマ「な、何でもないぞ。俺様は至って冷静だ」アセアセ

アックア「そこまでは追及していないのである」

上条「?」

フィアンマ「くっ、お前まで俺様にそんな口をきくのか、アックア!」

テッラ「今となっては『神の右席』のリーダーも形無しですからねー」

アックア「その通りである」

フィアンマ「う、うるさいっ!」

食蜂「…」ジー

ヴェント「うぅぅ…」ガタガタ
705 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:35:07.22 ID:/pbTeY5O0
上条「で、一体何をしにここに来たんだよ?言っとくけどお前らはここじゃ立派なお尋ね者なんだぞ」

テッラ「は?言ってる意味が分かりませんねー?」

フィアンマ「ああ。俺様たちは今や善良な市民だぞ?」

アックア「特に悪いことをした覚えはないのである」

ヴェント「科学は怖いのである」

アックア「しっかりしろヴェント」パコーン!!

ヴェント「」

上条「いやいやお前らこそ何でそんなに堂々としていられるの!?本当に自覚無しか!」

右席「「「「?」」」」

上条「……いいぜ。そうやって恍けようっていうんならこの上条さんが懇切丁寧に説明してやるぜ」

右席「「「「どうぞどうぞ」」」」つつつつ

上条「…」

食蜂(何なのでしょうこの不思議な感じ。物凄く強いオーラはありますのに、全員頭のネジが緩んでいるような…?)

上条「はぁー…」

アックア「ため息をつかれたのである」

テッラ「心外ですねー」

食蜂(とにかく今は様子見ですわね)キッ
706 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:36:22.83 ID:/pbTeY5O0
上条「よっしゃ、じゃあ言うぞ!まずはヴェントぉ!」

ヴェント「ひぃ!?」

上条「…」

ヴェント「…」

上条「…ヴェントさん?」

ヴェント「…ええ」

上条「アンタは去年の9月30日に学園都市の機能をほぼ麻痺させて、俺と無関係の人たちをバッタバッタ薙ぎ倒して…」

ヴェント「薙いではないわよ」

上条「ああ悪い。まあともかく昏睡させて、この街に大ダメージを与えただろ!なんでそう平然としてられるんだ!?」ビシィ

ヴェント「ゴメンナサイ」

上条「は?」

ヴェント「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ科学ゴメンナサイ…」ビクビク

上条「……なあアックア。コイツさっきから様子が変なんだけど、どうしたんだ?」

アックア「実はその『0930事件』以来、科学のことが嫌いとか憎いとか通り越して怖くなってしまったらしくてな。それでこの有り様である」

上条「いや、前にエリザリーナ独立国同盟で会ったときはもっと凛としてたぞ」

アックア「あの時はフィアンマの暴走を止めるのに必死で発症していなかったそうであるが」

フィアンマ「いやぁ」テレテレ

上条「褒めてねぇ」

フィアンマ「」シュン

上条(コイツ誰だよ)

食蜂(私、完全に空気ですわ)
707 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:38:40.63 ID:/pbTeY5O0
上条「…気を取り直して次いくぞ。続いてテッラぁ!」

テッラ「やっと私の出番がきたようです」

上条「4人いるうちの2番手だけどな。そうテメェは……俺の携帯を壊したなぁ!?」

テッラ「説明が面倒になって端折りましたね!?まあ、結果的に貴方の携帯電話を壊してしまいましたがねー」

上条「謝れこの野郎!」

テッラ「いやー、あの後私は貴方のケータイよりもヒドイ目に遭いましたし」

上条「つまり?」

テッラ「テ/ッラになりました」

上条「なんかごめん」

アックア「そういうことであるので」ノシ

テッラ「ああ、そうですか。ではあの時のことは水に流しま……いやねーよ」

アックア「むう。私が水の魔術を使うという点から日本語の言い回しである『水に流す』を使用するとは……やるなテッラ」

テッラ「どこまでボケ倒せば気が済むのですか」

上条「…って、ああもう!神の右席はいつからツッコミ不在の漫才集団になったんだよ!?次いくぞ次ィ!」

アックア「ふむ。次は私であるか」

上条「お前は……お前には殺されかけたけど、命助けてもらったからもういいや」

テッラ「へぇー、アックアは上条当麻の命まで助けていたんですか。さっすが騎士様はお優しい」

アックア「騎士ではない。私は傭兵崩れのごろつきである」キリッ

上条「そういうのいいから。というか、あの時はお世話になりました」ペコペコ

アックア「感謝されるほどのものではない」

食蜂(私はいつまで黙っていなければならないのでしょうか?)
708 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:40:15.07 ID:/pbTeY5O0
上条「よし。そして最後にフィアンマぁ!」

フィアンマ「はい!」ビシッ

上条「…な、なんか気味悪いなお前」

フィアンマ「気にすることはない」キリッ

上条「お、おう。そうお前は……お前のことはむしろ心配だ。何せ第3次世界大戦を引き起こした張本人なんだからな」

フィアンマ「」ジーン

アックア「感動しているのである」

テッラ「気持ち悪いですねー」

フィアンマ「う、うるさいっ」

上条「それで?世界を見て回ったのかお前?」

フィアンマ「当然だ。様々な国を見て回っているところだ」

上条「へぇー。それで今日は学園都市ってか。つか、よく来れたな」

フィアンマ「まあ今回は自分たちの作品を見に来たんだがな」

上条「ん?ああ、あの現代作家の展覧会か」

テッラ「そういうことです。いやはや、絵画というものも良いものですねー」

アックア「モデルというのも悪くないものである」

上条「そういやモデルもしてたなお前…」

アックア「ふむ。アレで結構給料も良いのである」

上条「知らねえよ」

食蜂「…」
709 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:43:15.20 ID:/pbTeY5O0
テッラ「ところでそちらの女は誰ですかー?貴方のガールフレンドか何かですかねー」

食蜂「が、がーるふれんど…」///

上条「ん?ああ、この子は……?」

テッラ「この子は、何なのですかー?」

上条(あれ、どう説明すればいいんだろ?)

食蜂「え、えと、私はですね……この方の、先生ですわ!」

上条「!」

アックア「なっ、上条当麻の…」

ヴェント「先生…だって?」

テッラ「どう見ても貴方よりも年下……の少女ですねー」

フィアンマ「まさかお前…」

上条「…い、いや違うぞ!別に俺の頭がとんでもなく悪いとかどうしようもなくアホな子とか、そういう訳じゃ…!」

右席「「「「…」」」」ジー

上条「そ、そんな目でこっちを見るなぁ!」

アックア「なるほど。あまり賢そうではないとは思ってはいたが…」

テッラ「まさか年下の女の子に勉強を教えてもらっていたとはねー」

フィアンマ「確か、禁書目録も年下だったな」

ヴェント「アンタって年下趣味なワケ?ちょっと引くんだケド」

上条「違う違う違う!これにはマリアナ海溝よりも深い事情があってだな…」

食蜂「そんなことよりも」

上条「えっ、そんなこと!?何気にヒドッ!」

食蜂「…貴方がたは、当麻さんをボコボコにしたと聞き及んでいるのですが、どうなのですか?」
710 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:45:34.01 ID:/pbTeY5O0
上条(ん?…し、しまった!何だかよく分からんが操祈はコイツらに対抗心燃やしてるんだった!)

食蜂「…」ゴゴゴゴゴ

上条(ヤベェどうしよう!?このままだと操祈が危ねぇ!)

ヴェント「あの時はホントすいませんでした」ペコリ

上条(ヴェント謝るの速っ!?)

食蜂「よし、貴女は許しますわ」キリッ

上条(許すのも速っ!?)

食蜂「さて、他の方はどうです?今謝ればこちらとしても寛大な処置で済むのですが」ニコォ

アックア「むう…(ここは素直に謝った方が面倒なことにならなそうである)」

フィアンマ「おいおい(ま、確かにあの時はこの男とかに迷惑をかけてしまったがな)」

テッラ「ハハッ(全然心当たりがありませんねー)」

食蜂「どうします?」

アックア「…上条当麻よ。こちらにも事情があったにせよ…」

食蜂「事情?」ニコニコ

アックア「……あの時は迷惑をかけた。済まなかったのである」

上条「お、おう。だから気にしなくてもいいって」

フィアンマ「次は俺様の番か。俺様は…上手く言葉で言い表すことができないが、あの一撃のおかげでお前に救われたような気がする」

上条「は?いや、別に俺はそこまで立派なことをしたつもりじゃ…」

フィアンマ「それでも言わせてくれ。本当に済まなかった。そして…ありがとう」ボソッ

上条「」ポケー

テッラ「おやおや。一世一代の大告白、といったところですかねー?」

アックア「微笑ましいのである」ウンウン

フィアンマ「黙れっ!くそっ、なぜこの俺様がこんな恥ずかしい台詞を言わねばならんのだ…」

上条(ホント変わったなコイツ)

ヴェント(上条×フィアンマか……あるあr…ねーよ)

食蜂「さて、ようやく最後の1人ですわね。さあ、早く当麻さんに頭を下げて謝罪しなさい!」ビシッ

テッラ「んー?フツーに嫌ですねー」
711 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:46:55.12 ID:/pbTeY5O0
食蜂「」

ヴェント(まあ、コイツならそうよね)

アックア(空気を読めない男である)

フィアンマ(何だか面倒なことになってきたな)

上条(ああ、恐れていたことが…)

テッラ「私は生まれてこの方悪いことをした覚えはありませんからねー」


ヴェント「…でもアイツこの間ローマ中で謝ってなかったっけ?アックアとセットだったケド」ヒソヒソ

アックア「ふむ。奴の犯した罪に対する罰だったのだが、犠牲者の親族が何処にいるのかよく分からなかったのでな。とりあえず市内中で謝らせたのである」ヒソヒソ

フィアンマ「お前が無理矢理頭を掴んでジャパニーズお辞儀をさせたせいでテッラはボロボロだったがな」ヒソヒソ

上条「お前らそんなことさせてたのかよ…。まあテッラだから許す」ヒソヒソ

アックア「エドの市中引き回しというものを参考にしたのである」ドヤッ

上条「いや、そういうのじゃないからアレ」ヒソヒソ


食蜂「……ほう。なるほどそうですか」

テッラ「ええ。ではそろそろ失礼しても良いですか?せっかくなので色々回ってみようと思ってましてねー」

食蜂「この私が逃がすとお思いで?」

テッラ「ほほう。何やら自分が特別みたいな言い様ですねー」

食蜂「その通りです。…自己紹介が遅れて申し訳ございませんでした。私は学園都市第5位『心理掌握』、と言えばご理解いただけますか?」

アックア「!」

ヴェント「!」

フィアンマ「…へぇ」

テッラ「…」
712 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:48:49.99 ID:/pbTeY5O0
食蜂「…どうです?考えを改める気になりましたか?」

テッラ「いいえまったく。むしろこの私がその程度の理由で自分の意志を曲げなければならないのか尋ねたいくらいですねー」

食蜂「なるほど。その気はないのですね?」

テッラ「何度も同じことを言わせないで欲しいものですがね」

食蜂「…」

テッラ「…」

上条「…あのぉ、2人ともまずは一旦落ち着いて」

食蜂「では……そろそろ良いですか?」

テッラ「こちらはいつでも構いませんよ」

上条「えっ、ちょっと何を…!」

食蜂「…」スッ

アックア(むっ?アレは…リモコン?)

ヴェント(……良い悪意)

食蜂「愚かな貴方には然るべき罰を!」バッ

テッラ「超能力とやらが何かはよく分かりませんが……黙ってさせる訳にはいきませんねー」バッ

上条「っ!小麦粉か!?おいよせ!!」ザッ

テッラ「優先する。―――人体を下位に、小麦粉を上位に」ビュオン!

食蜂「なっ!?」

上条「くそっ!」パキーン

テッラ「やはり厄介ですねー、その右腕は。先に貴方の方から始末してしまいましょうか」

食蜂「くっ…」

上条「ったく、テメェは相変わらずかよ!」

アックア「…おいテッラ。いい加減にしないと」

ヴェント「まあまあ。ここは私に任せなさいって」

アックア「む?(ヴェントの奴、何だか知らんが元に戻ったな…)」
713 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:50:07.72 ID:/pbTeY5O0
テッラ「では次の攻撃いきましょうかー」バッ

上条「くっ!」

食蜂「な、何ですかこの力は!?」

テッラ「答える気はありませんねー。…優先する。―――人肉を下位に、小麦粉を上位に」ビュオッ!

上条「またか!同じ手が…」

ヴェント「どいて」ドッコイショ

上条「えっ?」

ヴェント「よいしょー♪」ブオン

<ヒュオー サラサラー

テッラ「…ぐはっ!?」ズバズバズバッ

ヴェント「ハッ。アンタってホント私と相性悪いのねぇ」

上条「」ポケー

食蜂「」ポケー

ヴェント「……おいコラ、何をボサッとしてやがるのよ。さっさとその女の子連れてこの面倒な男から離れな」

上条「…はっ。お、おう。ほら行くぞ」パシッ

食蜂「え、ええ。ってあれ?手をつないでる??」

上条「じゃあなー!」タッタッタ

食蜂「当麻さんの手……うふふっ////」タッタッタ
714 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:51:28.24 ID:/pbTeY5O0
<タッタッタッタッタ…

ヴェント「…行っちゃったわね」

フィアンマ「もう少しゆっくり話をしたかったのだがな」

アックア「ふむ。そんなことよりも…」

ヴェント「何よ?言っとくケド、このケガはコイツの自業自得なワケだけど」

フィアンマ「『優先』したとしても所詮小麦粉は小麦粉…。来ると分かってさえいれば対処も容易い。特にヴェントならばな」

ヴェント「風を起こすだけの簡単なオシゴト、ってね」ケラケラ

テッラ「」

アックア「いや、そうではなくてだな。周りを見てみろ」

ヴェント「はぁ?一体どういう……ワ…ケ…?」クルッ

フィアンマ「何がだ?そんなに俺様が目立…って…?」チラッ

<ワイワイ ガヤガヤ ヒソヒソ

通行人「やだー能力者同士の戦いぃ?」「マジあり得ないんですけどー」「つーか倒れてる男っていたk」

アックア「…どうやら派手にやりすぎたようだな」

ヴェント「ひぃ!?科学サイドの集団攻撃ぃ!?」

アックア「いや、科学側の集団を攻撃したのが貴様であろう」

フィアンマ「おいおい。状況は芳しくないな」

風紀委員「ジャッジメントですの!」キリッ

警備員「アンチスキルじゃん!」ジャーン

アックア「とにかく一旦この場から引くぞ。…テッラとヴェントは私が抱えて行くのである。貴様は自分で何とかしろ、フィアンマ」

フィアンマ「ふん。俺様を誰だと思っている?」

ヴェント「そうした方がいいみたいね。…ん?あれ、テッラと誰を抱えるんだっけ?」

アックア「では逃げるのである」ガシッ

フィアンマ「そうしようか」スッ

ヴェント「おいちょ」

<ヒュン

一一一「消えた!?…カガクノマチコワイ」
715 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:52:22.11 ID:/pbTeY5O0
~しばらくして~

上条「ぜーぜー…。何とか逃げられたみたいだな」ギュッ

食蜂「///」キュンキュン

上条「ん?どうしたんだ…って、ああ悪い。痛かったか?」

食蜂「い、いいえ。そういう訳では…」///

上条「本当に大丈夫か?…つか、テッラからは逃げ切れたんだし、もう手をつなぐ必要もないか」

食蜂「…えっ?」

上条「じゃあ手を離すぞー」

食蜂「ま、待ってください!」

上条「ん?」

食蜂「今日は……今日だけは、このままで…」//

上条「」

食蜂「ダメ…ですか?」ウルッ

上条「い、いや、俺は構わないけど…」

上条(ヤバい今のはキュンときた)

食蜂「ふふっ。嬉しいですわ」ギュッ

上条「そっか。なら良いんだ」

上条(にしても、さっきも俺のためにあの『神の右席』相手に立ち向かったり、今もこうして手を握ってくれたりして……)



上条(…本当に、良い子だよなー)ニコッ
716 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:53:19.51 ID:/pbTeY5O0
食蜂「…」////

上条「さて、これからどうする?まだ色々と回る時間はあるけど」

食蜂「…このまま」

上条「へっ?」

食蜂「このまま、街を歩くだけで……それだけでもう、私は満足です」

上条「…そっか。じゃあこのまま歩いてみるか」

食蜂「はいっ!」ニッコリ

上条「いやー、こういうのもデートっぽくていいな!」

食蜂「ええ!せっかくなので周りの人たちに見せつけてやりましょう」ギュッ

上条「おう!」ニカッ

食蜂「ふふふっ♪」


その後1時間、ずっと手をつないだまま堂々とデートをしたこの2人の存在は、流行の発信地である第15学区から瞬く間にすべての学区へと広がっていった。
曰く、『私服も容姿も可愛い金髪女子中学生とデートをしてやがったごく普通の高校生がいるんだが』だそうだ。
ちなみにその噂が広まったのち、とある不幸な少年がスキルアウトに追われる回数や追うスキルアウトの数が激増したらしいが、それはまた別の話である。
717 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:54:41.26 ID:/pbTeY5O0
~デート終了~

ーーー第7学区 いつもの公園ーーーーーーーーーーーー
食蜂「今日は本当に幸せでしたわ!」

上条「おう、そっか。俺も楽しかったぜ」

食蜂「…この髪留め、大事に使わせてもらいますわ」スッ

上条「それはありがたいな。まあ、操祈って基本髪は結わないみたいだし、あまり使わないかもしれないけどな」

食蜂「うーん。それはそうかもですけど…。でもきっと、当麻さんにこれを付けた姿をお見せしますわ!」

上条「わかった。楽しみにしてるぜ」

食蜂「はい♪…では、そろそろお別れの時間ですわね」

上条「そうだな。もう暗くなってきそうだし」

食蜂(…ここで一世一代の大勝負…ですわ!あの男の言葉みたいで少し悔しいですが)

食蜂「…」スゥ

上条「それじゃまた学校で……って操祈?どうして目を閉じているのでせう?」

食蜂「…」ドキドキ

上条「しかもなぜ顔を少し上に向けているのでせう?(これじゃまるで…!)」

食蜂(さあ、当麻さんかもーん!いざお別れのききききっすを…!)ドキドキ

上条「…」ジー

上条「…」ススー

食蜂(来た…!?)ドックンドックン

上条「」ピタッ

上条「」ブンブン

上条「…」ウーン

上条「」ポンッ

食蜂「……ふぇ?」
718 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 00:55:31.60 ID:/pbTeY5O0
上条「…」ナデナデ

食蜂「え、えと、当麻さん?」//

上条「…今日は俺みたいなヤツと付き合ってくれてありがとな」

食蜂「当麻さん…」////

上条「うしっ、それじゃ、また学校でな」ノシ

食蜂「はい!……ってあれ?」

上条「じゃあなー」タッタッタ

食蜂「ご、御機嫌よう…」

<タッタッタッタッタ…

食蜂「…行ってしまわれましたわ。もう、せっかく勇気を出しましたのに」

食蜂「でも、今日の1日は…何物にも代えがたいものでしたね。やはりこれ以上は欲張りなのでしょうか」

食蜂「…いやそれでも、例え欲張りだとしても」


食蜂「私は貴方のことを……必ず…!」


ーーー第7学区 とある歩道ーーーーーーーーーーーー
上条「…ゼーゼーゼー。よしっ、ここならもう操祈も来ないだろ」

上条「にしても、やっぱりあの動きは……間違いなくそういうことだよな。もしかしなくても」

上条「でも、あの時しなかったのは正解だったな。中途半端な気持ちじゃ向こうも迷惑だろうし」

上条「うーん。しかも、昨日の美琴のことも……ああーもう何だかよく分からん!」ガシガシ

上条「…今まで考えてみたこともなかったけど、今度は俺自身のことも考えなきゃいけない…のか?」

上条「しかし、すべて俺の勘違いなんてことも……いや待てよ。仮にそれがすべて本当だとすれば…」


上条「……あれ?これって幸運じゃね?」 
 
719 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/05(水) 01:02:50.58 ID:/pbTeY5O0
今回分は以上です。ようやく長い長い1週間が(ほぼ)終わりました。1週間を半年以上ってシャレにならねえぞ…!
常盤台二大エースの活躍により、ようやく上条当麻の『鈍感さ』という壁が崩れかかってきました。
この調子でがんばれ美琴!負けるな操祈!そしてもう一人…。

それで、今回ストーリー上の関係で省かざるを得なかった部分を少しだけ書いてから今日はおしまいです。
ではまたノシ 
 
720 :泣く泣く省略しました  ◆sk/InHcLP. :2011/10/05(水) 01:04:14.49 ID:/pbTeY5O0
~都合により割愛したトコ~

上条「…にしても、お前は随分と印象変わったな、ヴェント」

ヴェント「ん?ああ、今はもう『天罰術式』は使ってないからね。あの見た目はもう必要じゃないってワケ」

上条「ふーん。それでスッピンなのか」

ヴェント「スッピンというか、あの状態よりはナチュラルなだけ。私だって人並みに化粧くらいはするケド」

上条「そっか。いやー、女性って化粧1つでここまで変わるモンなんだなー」

ヴェント「そりゃあ、あんだけ濃い…というよりド派手なメイクすれば見た目も変わるわよ」

上条「いやそうじゃなくてさ、ヴェントって結構キレイだったんだなーって」

ヴェント「……は?今なんて?」

上条「だからさ、素のヴェントってキレイだなーと。あの時は色々ありすぎて全然分かんなかったけど、お前って案外美人なんだな」

ヴェント「びじっ、んな!?」カァーッ

上条「いやー、あの時は悪かったなー。一応友達を守るためとはいえ、こんな美人さんを殴っちまうなんて、俺はヒドいヤツだな」

ヴェント「うぅぅ…」///

上条「…あれ?どうしたんだヴェント、熱でもあるのか?」

食蜂「…」ギューッ

上条「イタタタタタタッ!?何をするんですかー!?」

食蜂「…ふんっ」プイッ

上条「?」

ヴェント「…」////
721 :1なんだよ [sage]:2011/10/05(水) 05:08:52.63 ID:xEpEucXIo
>>720
あ、コレは別スレですねー
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 05:09:27.16 ID:xEpEucXIo
名前がおかしなことに……、失礼しました。
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 06:55:02.30 ID:0X6LpYASO


ヴェントの可愛さで今日も頑張れる 
 
1/10/08(土) 23:36:28.41 ID:xHsPeeOg0
こんばんは。今日から誰得オマケです。本当はいつも通り一回で全部置いていきたいのですが、生憎風邪を引いてしまいまして…
とりあえずケース1だけ投下します。 
 
729 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:38:19.70 ID:xHsPeeOg0
ケース1 シェリー=クロムウェルの場合

ーーーイギリス 『必要悪の教会』女子寮ーーーーーーーーーーーー
シェリー「それじゃ、今から作品制作に入っていくからな。この調子でモデルを頼むわよ」

神裂「…あの、シェリー?言いたいことがあるのですが…」

シェリー「何だ?…そういえばお前、ずっと文句ありそうな顔してたな」

神裂「いえ、モデルに選んでいただいたことは光栄ですし、仕事も苦ではありません。しかし…」

シェリー「ん?歯切れが悪いわね。とにかく言ってみな」

神裂「その、せっかくモデルをするのであれば、私もいつもの格好ではない方が良いかと思うのですが」

シェリー「…あー」

アックア「ふむ。それは私も常々思っていたことである。本当にこのままの服装で大丈夫なのであるか?」

シェリー「…いや、アンタらはそれでいいのよ。普段通りで十分だから」

神ア「「?」」

<コンコン

シェリー「おっと、誰か来たみたいだな。やっぱ休憩してていいぜ。はーい、入っていいわよー」

アンジェレネ「…失礼しまーす」ガチャ

シェリー「おお来たか。…ということは、ついにアレが完成したのか!?」

アンジェレネ「は、はいっ!自分のありのままの感情をぶつけてみました!」

シェリー「そ、そうか!では済まないが早速作品を……いや無粋なことだというのは分かっている!だが、やはり展示される前にどうしても、
     あらゆる方向から観察したいんだ……ッ!」

アンジェレネ「そう言うと思ってここに持って来ました!」ジャーン

シェリー「おおっ!す、素晴らしい出来だ…。よく頑張ったな」ナデナデ

アンジェレネ「え、えへへ…」//


神裂「…やはり、我々もシェリーの素晴らしい作品のモデルとして恥ずかしくない服装をすべきです!このような普段着ではなく!」

アックア「同感である。良い作品を制作するためには優れたモデルが必要であろう」

神裂「分かってくれましたか、同志よ!」ガシッ


シェリー(アイツら、本当に気付いてねえのかよ…。今の格好でも十分変わってるっての)

アンジェレネ「うっわー。神裂さんはいつものこととして、もう1人のモデルさんも変な格好ですねー!」

神裂「」

アックア「」

シェリー(あーあ。言っちまったよ)
730 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:40:21.82 ID:xHsPeeOg0
神裂「そんな…。これは私の術式の構成上仕方のないことなので、ここの皆は分かってくれていると思ったのにぃ…」ズーン

アックア「これは『神の右席』時代の名残りであるぞ…。私は青と対応しているからこういう服装であるのに…」ズーン


アンジェレネ「あのぉ、私、変なこと言いましたっけ?」チラッ

シェリー「いいや。アンタは正しいことを言った。アイツらが…ほんのちょっと変わってるだけだ」

アンジェレネ「そんなものでしょうか…」

シェリー「まあ、気にするほどのモンでもねえよ。それより、この作品のことなんだが…」

アンジェレネ「はいっ。今回も私の中にある怒りを表現しました!」

シェリー「やはりそうだったか!ん、ということは、このフォークが螺旋状に刺さっているのは…?」

アンジェレネ「そうですっ。この螺旋は私の心の中で怒りが渦巻いているという意味、さらに空腹のあまり胃の中の粘膜が暴れだして
       さらに自らの怒りを助長させているという意味が込めてあります」

シェリー「なるほど。心の中にある怒りと空腹による胃からの悲鳴をそのフォークで表現したってことか」

アンジェレネ「はい!さらに食物であるパンに突き刺すことで、空腹が原因で私が怒っているということを明確にし、フォークの切っ先は
       私の欲望の方向を表しているのです!!」ババーン

シェリー「な、何だと!?このフォークにはそこまで深い意味が…」

アンジェレネ「どうですか?今回は前の2作品と比べても会心の出来なんですけど」

シェリー「……ああ!私から言うことはもう何もない。よく頑張ったな!!」

アンジェレネ「へへ。シェリーさんにそこまで言ってもらえると嬉しいです…」ニコニコ

シェリー「そうか。私もさらに精進しなきゃいけないな。…ん、もうこんな時間か」チラッ

アンジェレネ「あれ?どこかに出かける予定でもあるんですか?」

シェリー「あー、まあ野暮用でよ。…ちょうどいい。アンタ、少しの間コイツらの相手してくれないか?」

アンジェレネ「え゛」

シェリー「うーんそうだな…。多分1時間くらいで戻ってくるからよ。それまであの聖人2人をお願いね」

アンジェレネ「あの、ちょっとま」

シェリー「んじゃ、よろしくなー」キー バタン

<シーン

アンジェレネ「…」

神裂「」ブツブツ ゴニョゴニョ

アックア「」ブツブツ ゴニョゴニョ

アンジェレネ「どうしてこうなった」
731 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:42:58.84 ID:xHsPeeOg0
ーーーロンドン 処刑塔ーーーーーーーーーーーー
ステイル「…それで?何でこの僕があんなクソ野郎に会うためにわざわざ出向かなきゃならないんだい?」

シェリー「しょうがねえだろ。お前と同伴じゃなきゃ入れないんだからよ」

ステイル「仕事でもないのに…」ハァー

シェリー「ん?言っとくけど、アンタにまで給料出す気はないから。欲しけりゃあの女狐のトコに直談判でもしな」

ステイル「そっちの方が僕としては嫌だし、今は君の指示に従っておこうか。ところで…」

シェリー「何だよ」

ステイル「……この馬鹿みたいに重いケースは何だい?いい加減疲れたんだけど」ゼーゼー

シェリー「情けないわね。そんな大男のくせに」

ステイル「僕は……体育会系じゃ……ない…ん……だが」ゲホッゲホッ

シェリー「あーそう。じゃあこの文化系女子に貸してみな。アンタと違ってスイスイ運んでやるからよ」

ステイル「誰が…!というか、君はもう…女の子という……年齢じゃ…ないだろうが」

シェリー「…テメェ。女性に言ってはならねえことを言ったな」ガチャガチャゴソゴソ

ステイル「ん?今何を取り出したんだ?…あれ、シェリーさん?どうしたのそんな危ないモノを持って一体どうするつもりなんだ
     ピッチャー振りかぶってぇ投げtぐはぁっ!?」


ーーー特別監獄塔 第2号室ーーーーーーーーーーーー
シェリー「入るわよー」キー ガターン

ビアージオ「…見ない顔だな。かといってその容貌では新入りでもあるまい」

シェリー「あー、自己紹介くらいした方がいいか?」

ビアージオ「いや結構だ。聞くのも面倒臭いからな」

シェリー「…」

ビアージオ「で、要件は何だ?食事か、それともイギリス清教お得意の拷問か?」

シェリー「別にそういうのじゃないわよ。とりあえずコレ見て」パラッ

ビアージオ「…『世界の現代作家展』だと?こんなものを私に見せて何になるというのだ?」
732 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:44:08.07 ID:xHsPeeOg0
シェリー「簡単な話よ。アンタにはこの展覧会に作品を出品してもらうわ」

ビアージオ「…言っている意味が分からないのだが」

シェリー「だから、この展覧会に作品を「そういうことではない」はっ?」

ビアージオ「なぜ私が、ということだよ。そもそも自分の芸術作品など私は持っていないぞ」

シェリー「そりゃそうだろうよ」

ビアージオ「つまりここで作れということか?ふん、どうかしてる」

シェリー「かもな。でも私はアンタの術式に興味があるのよ」

ビアージオ「…続けろ」

シェリー「そうするわ。確かアンタの術って十字架を巨大化されるモンだったよな」

ビアージオ「ほう。詳しく説明しておこうか。これは聖マルガリタが悪竜に飲み込まれたと」

シェリー「あー、そういうのはいいから」

ビアージオ「」シュン

シェリー「さて、私の言いたいことは分かったわね?」

ビアージオ「要するに巨大な十字架を造って異教の猿どもに主の教えを広めればいいのだな」

シェリー「…ま、それでいいわ。その返事は引き受けたと受け取っていいよな?」

ビアージオ「多少面倒だがそういうことなら協力しよう」

シェリー(うーん。本当はコイツがどんなのを造るか興味あるだけってことは黙っとくか)

ビアージオ「それで、その展覧会とやらの会場はどこなのだ?私が行けるはずもないが、一応聞いておこう」

シェリー「あーはいはい。場所は日本…というより学園都市よ。………あっヤベ」

ビアージオ「帰ってくれ」
733 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:45:28.81 ID:xHsPeeOg0
シェリー「えっと、ビアージオ=ブゾーニさん?」ソロー

ビアージオ「帰ってくれ」

シェリー「いや、今回は科学とか全然関係ないイベントだし」

ビアージオ「帰ってくれ」

シェリー「巡回展だから、メインはむしろ東京の方だし」

ビアージオ「もう関わりたくない」

シェリー「うーん。どう言えば分かってくれるかね…」

ビアージオ「カガクノマチコワイ」

シェリー「別に超能力者にやられた訳でもねえだろお前」

ビアージオ「」ツーン

シェリー(ヤベェコイツ面倒臭え…。つーかこんな野郎の拗ねてるトコなんざ見たくもねえぞ)

ビアージオ「」イジイジ

シェリー「そうだな…。これを私が言うのも変な話だけどさ」

ビアージオ「?」

シェリー「アンタって今でも熱心なローマ正教の信徒なんだろ?」

ビアージオ「当然だ。貴様らに何をされようともこの信仰心だけは変わることはない」

シェリー「立派な心掛けね。でも結果としてアンタはローマ正教の名に泥を塗った。これも紛れもない事実だぜ」

ビアージオ「」シュン

シェリー「でも、そんなアンタでもローマに対して誠意を表すこともできる。ここまで言えば分かるな?」

ビアージオ「……貴様如きにそこまで言われるのは癪だが、現状は認めねばなるまい」

シェリー「ってことは…」

ビアージオ「ふん。いいだろう。悪くない話だ」

シェリー「交渉成立だな」ニコォ
734 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:47:03.65 ID:xHsPeeOg0
ビアージオ「…という訳で早速制作に移りたい訳だが」

シェリー「ん?ああ、手錠のことか。ちょっと待ってな。今ステイルが鍵持ってくるからよ」

ビアージオ「ふん、そうか」

シェリー「あー、一応言っとくけどもし変なことを考えてるんだったら…」

ビアージオ「この私がこれ以上ローマ正教に迷惑をかけるとでも思っているのか?」

シェリー「…ま、大丈夫だとは思うけどよ」

ビアージオ「それにどうせすぐ終わる」

シェリー「は?アンタ何を…」<キー バターン

ステイル「ゼーゼーゼー。話は…済んだか?」ゴトッ

ビアージオ(? 何だあのケースは?)

シェリー「ちょうどいいわ。そいつの手錠の鍵よこせ」スッ

ステイル「?……ほら…これだ」ヒョイ

シェリー「サンキュー」チャリン

ステイル「もう無理…」バタッ

ビアージオ「ふん。見た目と違って貧弱な男だ」

ステイル「うるさい…」<カチャカチャ

シェリー「……はい、外したわよ」

ビアージオ「久々に解放された気がするな。さて、早速で悪いが何か十字架の形をしたモノを持っていないか?」

シェリー「ん?ああ、モチーフか?」

ビアージオ「そうではない。私の術にはとにかく十字架が必要なだけだ。本当はローマ式が望ましいが今回に限ってはイギリス式でも構わん」

シェリー「いや、魔術とか使うなよ。ちゃんと自分で造りなさい」

ビアージオ「……えっ?」

シェリー「そうそう。道具のことだったら一式持ってきたからな。他に必要なモノがあったら遠慮なく言ってちょうだい」

ビアージオ「…おい。まさかこの私にせっせと汗をかきながら彫刻を造れと言うのか?」

シェリー「当たり前だろそんなの」

ビアージオ「」
735 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:49:00.68 ID:xHsPeeOg0
ビアージオ(い、いかんぞ。いくらローマ正教のためとはいえ、これは非常に面倒臭い)

ビアージオ(どうにかして魔術を使う方向に持っていかねば…!)

ビアージオ「し、しかし、私はある程度大きいモノを制作したいのだが」

シェリー「だろうな」

ビアージオ「こ、ここまで材料を持ってくるのは大変ではないのかぁ?私がここから出る訳にもいかんしぃ」

ビアージオ(ふっ、これでどうだぁ!)

シェリー「あー、それなら問題無いわ」スッ

ビアージオ(あれ?チョークなど出してどうするのだ??)

シェリー「~♪」カリカリカリ

<ゴゴゴゴゴ


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736 :※AA訂正版 こっちで頼みます  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:52:11.84 ID:xHsPeeOg0
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l                          l        l
l                          l        l
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l__________________l/              / く
737 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:54:29.98 ID:xHsPeeOg0
シェリー「ほれ、これで十分だろ?これくらいの石の直方体がありゃでっかい十字架が作れるだろ」

ビアージオ「」

ビアージオ(ぬおっ!?コイツ、私の魔術は禁じたくせに自分は堂々と使いやがって!つーかデカ!?)

シェリー「…」マキマキ

ビアージオ(こうなったら速攻で魔術を使って……ってあれ?マキマキって何だ?)

シェリー「はい、これでよしっと」

ビアージオ「…何だこれは?腕にテーピング??」

シェリー「それ、ウチのトップ特製で『魔力が練れなくなる』って代物。いやー、さすがは最大主教だわ」

ビアージオ「…嘘…だろ?」

ビアージオ(本当に私の魔術を禁じたというのか!?)

ビアージオ「くっ。そこの赤いの!十字架を貸せ!!」

ステイル「……ういー」ポイッ

ビアージオ「…よし、いくぞ。―――十字架は悪性の拒絶を示す!!」キリッ

<シーン

ビアージオ「…」

シェリー「…」

ビアージオ「―――十字架はその重きをもって驕りを正す!!」キリリッ

<シーン

ビアージオ「」orz
738 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:55:48.21 ID:xHsPeeOg0
シェリー「という訳で、もうズルはできねえからな」

ビアージオ「…貴様、私の魔術に興味があるとか言っておきながら…!」

シェリー「まあまあ。とにかく頑張れって。たまに様子見に来てやるからよ。じゃあな」クルッ

ビアージオ「おい!」

シェリー「…何よ?しつこい男は嫌われるぞ」ジトー

ビアージオ「せめてもう少しこの石を小さくしてくれ。これでは作業にならん」

シェリー「けっ。面倒臭いな。…ま、それくらいはやってやるよ」カリカリカリ

<ヒュイーーーン


       _____________
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739 :ちょっとズレたけどもういいや  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/08(土) 23:58:18.33 ID:xHsPeeOg0
シェリー「…ほらよ。後は自分で何とかしな。おいステイル、行くぞ」ズルズル

ステイル「ういー…」

ビアージオ(どうしてこうなった…)


~その夜~

ーーー特別監獄塔 第1号室ーーーーーーーーーーーー
リドヴィア「…さて、今日も主に祈りを捧げましょうか」

リドヴィア「…」<カーンカーンカーン

リドヴィア「…」<カコーンキンッ カコーンキンッ

リドヴィア「…」<ウィーーーン ガコンッ

リドヴィア「……さっきから何の音でしょうか?」<ガガガガガ

リドヴィア「まあ気にしなくても良いでしょう。そろそろ眠りましょうか」<カーンカーンコーン

リドヴィア「お休みなさーい」

リドヴィア「」スヤスヤ

リドヴィア「」スピー

リドヴィア「」<ガガガガガ ウィーーーン

リドヴィア「」<カンカンカンカーン

リドヴィア「」<カコーンキーンカコ

リドヴィア「うるせええええええええええええええええええええええええええ!!」ガバッ

リドヴィア「なぜこんな監獄からやかましい音が鳴り響きますので!?一体何が…?」

リドヴィア「…はっ。も、もしやこれも主に与えられた試練の1つ…!」

リドヴィア「そうと決まれば話は早い。さあ、どんどん音を鳴らしなさい!私の安眠を妨害しなさい!」

リドヴィア「困難は大きければ大きいほど、それを乗り越えたときの喜びが大きくなるというものですからね!!」

リドヴィア「よォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうしっ!!」

リドヴィア「私は決して屈しません!必ず眠りの世界へ行きますわよォォぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

<ブルァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

<ヨォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウシッ!!!



看守「……うるせえ」 
 
744 : ◆sk/InHcLP. :2011/10/12(水) 21:40:48.23 ID:bIQFojvr0
こんばんは。まずは月曜日の時間割から。

8日目(月)
1.古文
2.日本史
3.数Ⅱ
4.英語
5.能力開発
6.能力開発

では投下。咳止まらん… 
 
745 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:42:39.43 ID:bIQFojvr0
ケース2 マタイ=リースの場合

マタイ「…」

ヴェント「うーん。最新のファッションかぁ。やっぱりイエロー系が欲しいトコよね」パラッパラッ

アックア「む?貴様でも服装のことなど気にするのであるか?」ブンッ!!ブンッ!!

ヴェント「私だって年相応のオンナノコなワケだけど?…つーか室内でメイスの素振りはやめろよ。危ないでしょ」<ヒュオー

マタイ「…」

テッラ「ハハッ。アスカロンでないだけマシというものです。というか、我々の間でファッションなどを気にする必要はないと思いますがねー」

ヴェント「うるさいわね。いいでしょ別に。私が何をしようと私の勝手なワケだし」

フィアンマ「次はどの国行こっかなー」

マタイ「…」

テッラ「そんな強がっても丸わかりですよー。どうせあの幻想殺し絡みでしょうし」

ヴェント「んなっ!?か、カンケイねぇよあんなヤツ!」//

アックア「ふむ。どうもあの少年は行く先々で『ふらぐ』というモノを立てていくらしいが…。月面着地に成功したようなものであろうか?」ゴトッ

マタイ「…」

テッラ「まあ私としてはそんなのはどうでもいいことです。さて、今度は術式でなく小麦粉の研究でもしましょうかねー?」

ヴェント「アンタ、神の右席の次は料理人にでもなるつもり…?」

フィアンマ「月かぁ。悪くない選択肢だな。しかし、あの場所には酸素が無いみたいだし…」

マタイ「…」

アックア「…テッラ。貴様またローマ近郊の市民を使って試験するつもりであるか?」ジャキッ

テッラ「いえいえ。私は敬虔なるローマ正教徒にのみ食事を提供するつもりですが、それが何か?」ニコォ

ヴェント「アンタら、その会話じゃどっちが間違ってるかも分かんないわよ…」

マタイ「…一言いいか」

右席「「「「何(よ、ですかー、であるか、だ)?」」」」

マタイ「貴様ら、なぜ私の家に何事も無かったかのように住み着いているのだ?」
746 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:43:30.21 ID:bIQFojvr0
ヴェント「ハァ?」キョトン

テッラ「んー?」キョトン

アックア「むっ?」キョトン

フィアンマ「おや?」キョトン

マタイ「…よくもそんな顔ができるな。正直理解に苦しむ」

ヴェント「いやいや、私が住むっつったら住むの。それが世界の法則ってモンよ。前に言わなかったかしら、ローマ教皇?」

テッラ「今でも我々は一応『神の右席』としての機能は果たしていますからねー。何か文句でもありますか、ローマ教皇?」

アックア「むう。貴方であれば私のようなごろつきも優しく受け入れてくれるだろうと思ったのであるがな、ローマ教皇よ」

フィアンマ「おいおい。穏やかじゃないな。もう俺様たちは戦乱を巻き起こす危険分子ではなく一般人だぞ、ローマ教皇殿」

マタイ「うぅむ。どうも貴様らは勘違いをしているようだがな…」

右席「「「「?」」」」

マタイ「…私はあの大戦以来、既にローマ教皇ではなく貴様らの言うただの一般市民だぞ?」

テッラ「と、言われましてもねー」

ヴェント「ペテロのヤツが教皇じゃ働く気もしないわよ」

アックア「前にも言ったが、我々を監視するという役目に最も相応しいのは貴方である」

フィアンマ「ま、あの状況下にあったにしては上手くやった方だと思うぞ」

マタイ「フィアンマよ、それをヴェントやアックアに言われても文句は言えんが貴様にだけは言われたくない」

フィアンマ「あー、迷惑かけたな。ワロスワロス」ヒラヒラ

マタイ(…コイツ、世界中を回って逆に気でもおかしくなったのか?)
747 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:45:23.41 ID:bIQFojvr0
マタイ「くっ。だが勝手に居座ってもらってはこちらとしても困るぞ」

ヴェント「いいじゃない。困難って聞くとやたら元気になる女だっているワケだし」

マタイ「話を逸らすな。あとアレと一緒にしてもらっては困る」

テッラ「そんなのもいましたねー」

アックア「で、要約すると貴方は何を言いたいのであるか?」

フィアンマ「ん?何か俺様たちに言うことでもあるのか?」クルッ

アックア「貴様はもう少し空気を読むことを覚えろフィアンマ」

フィアンマ「」シュン

マタイ「…本題に入っていいか?」

アックア「どうぞ」

マタイ「助かる。まずは皆、これを見てくれ」パラッ

ヴェント「ん?何コレ??」ジー

テッラ「えーっと、『世界の現代作家展』…ですか?」

アックア(あーアレのことであるか)

フィアンマ「……へぇ」

マタイ「そうだ。この展覧会は日本主催で行われる世界的な芸術祭になる。そこで、我がローマ正教からも作品を出そうという話になっている」

ヴェント「日本、ね。もう嫌な予感しかしないわ」

テッラ「まあ、科学サイドとしては芸術を学問と捉えていますからねー。学園都市がこの件に大きく絡んでいても不思議ではありません」

マタイ「…察しの通りだ。このイベントは表面上は日本の首都の東京がメインだが、実際は科学と魔術、双方の歩み寄りもその目的になっている」

フィアンマ「なるほど。今までと違って随分と平和的なものだ。案外世界ってのは強いんだな」

マタイ「信じることより疑うことを選んだ貴様には受け入れがたいのかもしれぬがな」

フィアンマ「…手厳しいな」

アックア「むう。しかし我々にこれを伝えることだけが目的ではあるまい。本題に入ってくれ」

マタイ「うむ。そこで提案なのだが、ローマ正教を代表してこれに作品を出品してくれんか?」

右席「「「「…」」」」

右席「「「「えっ?」」」」
748 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:47:55.17 ID:bIQFojvr0
マタイ「ん?何かおかしなことでも言ったか?…ああ、枠のことなら心配ない。ローマ正教用に5つ用意してもらったからな」

ヴェント「…いや、そういう問題じゃないケド」

テッラ「信徒20億人の中から、なぜ我々が選ばれたのですかねー?」

マタイ「決まっているだろう。貴様らがローマ正教の実質トップの位にあるからだ」

フィアンマ「最近の俺様たちは有名無実だと思うがな」

アックア「そもそも『神の右席』は暗部組織であるぞ。そんな我々が堂々と表舞台に出るべきではない」

マタイ「…ふむ。これは困ったな。既に申請しておいてしまったからもう撤回は不可能だろうしな…」

右席「「「「なん……だと…」」」」

マタイ「…」ニコォォォォォ

ヴェント(こ、これは…!何て黒い悪意なの!?まさか、教皇時代の恨みがここにきて顕在化したのか…?)

テッラ(…彼の黒い感情は初めて見ましたねー。当時は派手にやり過ぎましたか)

アックア(むう。私は何も悪いことしていないから、他の連中の八つ当たりみたいである…)

フィアンマ(これはいかんな。俺様の場合は好き勝手やり過ぎたか。そういえばコイツに重症を負わせたのは俺様だったな…)

マタイ「……まあ、いきなりこのようなことを言われても貴様らも困るだろうしな。一応、そう一応念のためではあるが、皆の意思を確認させてもらおう」

右席「「「「…」」」」

マタイ「この依頼、引き受けてくれるかな?」

右席「「「「いいともー」」」」

マタイ「そうかそうか!いやー、私は今とても安心したよ。例え貴様たちがかつて好き勝手暴れて他人様に迷惑をかけた挙句当時のローマ教皇に失礼な態度
   をとったにも拘らず一切反省の様子も無い人物であろうと、さすがに今回ばかりは断るまいと私は信じていたからな!うむ、よろしい!!」

ヴェント(この野郎…!)

テッラ(クソがぁ…!)

フィアンマ(ちぃ…!)


アックア(…なぜ私まで説教をくらっているのだ?)
749 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:48:53.69 ID:bIQFojvr0
マタイ「さて、では早速制作に入ってもらおうかな」

ヴェント「は?今からってコト?」

テッラ「我々だって暇ではないのですがねー」

アックア「…むう」

フィアンマ「おいおい。俺様たちは忙しいんだぞ?」

マタイ「……いやはや、雑誌読んだり素振りしたり小麦粉練ったりと、随分暇そうに見えるのだがな」

フィアンマ「おっ、では俺様は違うという訳だ」

マタイ「貴様は論外だろう。ソファーに横たわってボーっとしている者は暇人以外の何物でもない」

フィアンマ「バレたか」テヘッ☆

アックア「しかし、我々は画材など一切所持していないぞ。第一描く場所もない」

ヴェント「そーだそーだ!」

マタイ「ふむ。場所ならここを提供しよう……いやもう既に提供済みだろうがな。私のアトリエで共に作業することになるが、構わないだろう」

テッラ「ええ、それはもう。…おや、つまり貴方も出品するということですかねー?」

マタイ「そういうことだ。本当はローマ正教を代表して教皇が出すのがベストだが、彼も忙しい身だからな。代わりに私が出品することにした」

アックア「なるほど。では貴方に画材を頼めば用意してもらえるのだな?」

マタイ「…貴様らにそこまでするのは少々気が乗らんがまあいい。明日までには準備しておこう」

ヴェント「オッケー。さっすが教皇様ねー♪」

マタイ「どうしてもそう呼びたいなら『元』をつけてくれ。頼むから」<ピンポーン

テッラ「おやおや。どうやら来客のようですよ」

マタイ「ああ、来てくれたようだな。出迎えに行こうか。~♪」スタスタ

ヴェント「あらあら、一体どちら様がいらっしゃったのカナ?」

フィアンマ(なんか随分嬉しそうだな、マタイ=リースのヤツ)
750 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:50:25.97 ID:bIQFojvr0
テッラ「それにしても我々『神の右席』が仲良くお絵かきとは、時代も変わりましたねー」

ヴェント「確かにそうよねー。ま、偶にはこういうのも悪くないケド」

フィアンマ「せっかく描くなら何かこう、俺様らしく派手なモノが良いな」

アックア「ふむ。まさかこの私が制作する側に回ることになろうとはな」

ヴェント「何にせよ、画材が無けりゃ何にも出来ないわよ。アイディアだけでもまとめておこうかしら?………えっ、何アレ?」チラッ

テッラ「んー、どうかしましたかー………はっ?」クルッ

アックア「むっ?………む?」チラッ

フィアンマ「………おいおい。そんなのアリかよ」


幼女「ふわー、やっぱり凄い豪邸。こんな場所を汚してしまったらどんな目に遭うか分からないですね」

マタイ「いやいや、心配することは無い。そもそもこちらがお願いしている身だからな」

幼女「確かにそうですけど…」

マタイ「遠慮することはないぞ。何ならこの辺のインテリアの1つや2つくらい持って行ってくれても…」

幼女「やめて」


テッラ「」

アックア「」

フィアンマ「」

ヴェント(あー、そういやあんなガキいたっけ)

アックア「い、一体どういうことなのだ。あのマタイ=リースが自宅に幼女を呼ぶこむなど…!」

フィアンマ「あの野郎……ま、まさかこの俺様がここにいるにも拘らずあの幼女といかがわしい行為に及ぶつもりなのか…!」

テッラ「な、彼はかつてこのローマ正教を率いていた男ですよ!?何ということだ…」

ヴェント(あらら、男どもは盛大に勘違いしちゃってるわね。見てて面白いから訂正はしないケド)
751 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:52:25.17 ID:bIQFojvr0
フィアンマ「いやはや、とんでもないモノを目撃してしまったな。これはどうしたものか」

アックア「むう。我々は彼女と知り合いではないからな。迂闊に手出しできないのである」

テッラ「しかし、このまま黙って見過ごす訳にもいきませんしねー」

フィアンマ「……やるか」

アックア「うむ」コクリ

テッラ「当然」コクリ

ヴェント「…あーあ。私しーらないっと」

フィアンマ「…右方のフィアンマ」

アックア「後方のアックア」

テッラ「左方のテッラ」

3人「「「いざ参らん!!」」」ダダッ

ヴェント「いってらっしゃーい☆」フリフリ


<マタイ=リースゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
<ムオッ!? ヨ、ヨセキサマラ!!
<テッラ、ヤッチマウゾ!!
<エエモチロン!!


ヴェント「アラ楽しそう♪かつてのローマ教皇もアレじゃただのアブナイお人よねー」


<ゴブジデスカ。コノクニノオジョウサマヨ。
<ヤメテ
<………エッ?
<ヤメテ
<ナ、ナンデスッテ…?
<ヤメテ
<オイオイ。オレサマガダレカワカッテイ…!
<シネ


ヴェント「…これはヒドイ」
752 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/12(水) 21:53:31.11 ID:bIQFojvr0
~翌日~

マタイ「くぅ…。なぜ私がこのような目に…」ズキズキ

マタイ「まあ、とりあえずモデルの件には影響が無くて助かったが…」パサッ

マタイ「……この注文で、いいのだよな…?」ジー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マタイ=リースへ

<必要なモノリスト>

前方のヴェント…………黄色の絵の具×100。あとは適当でいいケド。


左方のテッラ……………緑の絵の具×100。他は任せますねー。


後方のアックア…………青の絵の具×100。あとは通常の用具一式で十分である。


右方のフィアンマ………赤の絵の具×100。余計なモノはいらない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マタイ「…余計って何なのだ。余計って」

マタイ「それにしても、この私が護衛もつけずにローマの街を歩ける日が来るとはな。こういう生活も悪くない」

マタイ「……あっ、すいませーん。絵の具をまとめて注文したいのですがー」
753 : ◆sk/InHcLP. :2011/10/12(水) 22:21:27.13 ID:bIQFojvr0
平和ってイイナーってとこで誰得おまけも終了。ヴェントを見て得していただければ幸いですが。
フィアンマの心情解釈はあくまで>>1の考えなので、もしかしたら厳密には違うのかも。

ちなみに描写していませんが、学園都市に来た『神の右席』のファッションは、

ヴェント……黄色のワンピース(胸から腹にかけて十字架の刺繍つき)にクリーム色のヒールサンダル。ピアス無しナチュラルメイク。天使。

アックア……白のゴルフウェア(左胸に大きな青い十字架のデザイン)に青のスラックス、スポーツシューズ。アンダーシャツ無し。

フィアンマ…朱色の半袖パーカーをオレンジのタンクトップの上に羽織り、下は赤のチノパン。割とオシャレ。

テッラ………えっと、そうだなー。……もう緑の全身タイツでいいや。


となっております。左方さんの服装分かんねえから皆の想像力で補ってくれ!>>1はこう(↑)なったけど。

次回から通常モードに戻ります。ようやく月曜日に突入。という訳で次は金曜日までに来ます!
ではまたノシ
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 22:44:44.62 ID:ThZa3D6SO


教皇がロリコンだったとは……許せないですねー
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/10/12(水) 23:33:31.41 ID:kv/Vv5fAO
いちおつ(^ω^)

ヴェント可愛えええええええええ!!!

テッラの服装は緑色のストレッチマンですね、分かります。 
 
760 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/10/14(金) 22:59:34.76 ID:BelW21210
~8日目(月)~

上条「いやー、今日からまた学校かー」スタスタ


少年はようやく慣れてきた日常に安心しつつも愚痴を零さずにはいられなかった。その不満の原因にはやはり曜日が関係してくるだろう。
なにせ今日は世間一般の人々が忌み嫌う月曜日である。大抵この日は1週間の始まりであり、街を歩く人の殆どが職場や学校に向かっているのが見て取れる。
しかし、今街中にいる人間たち、特に学生たちはどこか嬉しそうな表情の者が多かった。それは上条とて例外ではない。


上条「あともう少しで夏休みだー!」


思わず叫んでしまうのも無理はない。この上条当麻の昨年の夏休みは、記憶喪失とか右腕斬られるとか電撃ビリビリとか学園都市最強とかアステカとかで散々だったのだ。
それでも夏休みらしく海水浴に行ったりもしたが、そこでは勝手に容疑者にされたうえにお隣さんにボコボコにされたのでちっとも楽しくなかった。
こうなると今年こそは夏休みをエンジョイするぞ!…と思って当然だろう。というか、神様もそれくらいの権利はこの男に与えてほしい。
そんなまだ見ぬ未来へ希望を馳せる少年の前に現れたのは、


美琴「おっ、いたいた。おはよう、とととっ当麻!」///

食蜂「おはようございますわ、当麻さん」ニコッ


学園都市の女の子なら誰もが憧れる名門お嬢様学校、常盤台中学の制服を着た2人の美少女だった。どうやら一緒に登校してきたようだ。
茶髪のショートカットの子の方は照れながら、金髪のロングヘア―の子の方は綺麗に微笑みながら上条に声をかけてきてくれた。


上条「おお、美琴に操祈か。おはよう。いやはや、今日も暑いですなー」

美琴「そうよねー。ホントに夏って感じがするわ」

食蜂「日本の夏はこれだから困りますわね。ふぅー、暑い暑い」パサパサ

上条「…//」ジー

美琴「このスケベ!」スパーン

上条「いってぇ!?な、何するんですかー!」

美琴「アンタが操祈のことをやらしい目で見てるからでしょ!」

上条「そ、そんなことは無いぞ!」チラチラッ

美琴「まだ見るかぁー!」スパコーン

上条「これは男の性ですぅ!」

美琴「このー!」

食蜂「…ふふっ」ニッコリ
761 :saga sagaって…orz  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:02:20.39 ID:BelW21210
上条「あたたた…。何もここまでしなくても」ヒリヒリ

食蜂「まったくですわ。当麻さんに何てことを!」プンプン

美琴「元はと言えばアンタが原因でしょ!とぼけんじゃないわよ」

食蜂「あらあら。一体何のことやら」シレッ

美琴「むー。中学生にして制服という名の凶器を使うなんてぇ…」キッ

上条「?」ン?

食蜂「制服が凶器なら貴女にもあるのではなくて?その…慎ましげな武器が」ヤレヤレ

美琴「軽く馬鹿にしてるわよね!?いやフツーに馬鹿にされてるわコレ!」ウガー

上条「??」ンンー?

食蜂「いえいえ。まさかそのような無粋な真似ができましょうか?」

美琴「いやそんなことはない…って言いたいの!?くぅ、こうなったら…」キッ

食蜂「…止めはしませんけど、やめた方が身のためですわよ?」

美琴「ここまで来たら私だって引けないわ!」

上条「おいお前、一体何を…?」

美琴「……ふ、ふぅー。きょきょきょ、今日もあっついわねー」パサパサ

上条「そうだな」

美琴「こんな日は、多少はしたなくても胸のYシャツで煽いでもいいわよねー」パサパサ

上条「そうだな」

美琴「…んー。こうなったらもう1個シャツのボタン外しちゃおっと。暑いからしょうがないわよね」パサッ

上条「そうだな」

美琴「…」パサパサパサパサ…

上条「…」ン?

美琴「…」

美琴「」orz

食蜂「ですから、やめた方が良いと言っておいたでしょう?」

美琴「これが、現実なのね…」ズーン

上条「?」
762 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:05:55.12 ID:BelW21210
食蜂「さて、そろそろ学校へ参りましょうか」

上条「お、おう、そうだな。おーい美琴ぉー、置いてくぞー」

美琴「……ハッ。ま、待ちなさいよぉー!」タッタッタッ


先に行っていた上条と食蜂を、美琴は全力で追いかける。少年は隣りの少女の肩に手を置きその動きを制し、手を置かれた少女は少しだけ頬を赤くして素直に指示に従う。
その様子を見て顔を真っ赤にしながら迫ってくる御坂美琴に対し、逃げる上条当麻と食蜂操祈。どさくさに紛れて上条の手を取る食蜂を見てさらに怒る美琴。
まるでコントのようにスムーズな3人のドタバタ劇は、彼女たちの楽しそうな笑顔に包まれた『新しい日常』となりつつあった。
しかし、そんな平和な日常はそう長くは続かなかった……。


ーーー窓の無いビルーーーーーーーーーーーー
アレイスター『ふむ。「プラン」は順調だな。三角、いや四角関係もより強固なものになっているようだ』

エイワス「『プラン』だと?…いや、君は何もしていないだろうアレイスター」

アレイスター『まあ、彼らのサポートなど殆どしていないに等しいな。だからこそ、あれだけクリーンな関係を保っているとも言えるが』

エイワス「そうだな。むしろ君が介入しない方が上手くいくのではないのか?」

アレイスター『フッ…。その考えの正否は、これからの私の行動で示していくことにしよう』

エイワス「なるほど。『汝の欲する所を為せ。それが汝の法とならん』か…」



エイワス「ならば示してみたまえ。汝の法を」



ーーーとある高校 職員室ーーーーーーーーーーーー
<ガラガラー

美琴「おはようございまーす」ノシ

食蜂「おはようございますわ、皆さん」ペコッ

黄泉川「おおー、おっはようじゃん2人とも」

小萌「御坂ちゃん、心理掌握ちゃん、おはようなのですよー」

美琴「はい、どうも」

食蜂「今日からまた宜しくお願いしますわ」

黄泉川「いやいや、それはこっちの台詞じゃんよー」

小萌「あともう少しなので頑張りましょうねー。…そうですよね、あともう少しなんですよ、ね」ウルッ

美琴「こ、小萌先生!?」

食蜂「ど、どうなさいましたの!?」

黄泉川「月詠先生、まだ泣くには早いじゃん!」

小萌「だ、だってぇ~」グスグス

美琴「あわわわ…」アセアセ

食蜂「い、いかがなさいましょう?」アタフタ

黄泉川「うーん。まあ、月詠先生はこっちで何とかするからさ。自分たちの机に行っててくれじゃん」

美琴「は、はぁ…」

食蜂「わかりました…」

<スタスタ

黄泉川「…ふぅー。ほら月詠先生、シャンとするじゃんよ!」

小萌「うぅぅ…」
763 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:08:48.50 ID:BelW21210
一方「…ン?おっ、超電磁砲と心理掌握かァ」ズズー

削板「む?おお、お早う2人とも!今日も良い朝だな!!」ニカッ

結標「あら、おはよう2人とも」

垣根「……おはよう」ジロッ

麦野「おーっす。美琴、こないだは世話になったわね」ニコォォォ

食蜂「?」チラッ

美琴「あっ、ハハハ…。えと、楽しかった?」

麦野「それ以上余計な口きいたら容赦しねえぞ」ピカッ☆

美琴「げっ」

麦野「……ま、結構楽しかったけどな」

美琴「そ、そう…。良かったじゃない」

麦野「一応わね。でも、やっぱり決定打に欠けるというか…」

一方(そりゃあ、麦野さンのは略奪愛だからなァ…)<ピカッ☆

一方「反射」カチャ ヒューン

垣根「未元物質」キーン

美琴「介入」クイッ

削板「根性!!」パッシャーン

一方「うおっ、麦野さンの光線が霧散しちまったァ!」

美琴「相変わらず無茶苦茶な能力ね…」

削板「根性さえあれば誰でもこれくらいは出来るぞ!」

垣根「それはひょっとしてギャグで言ってるのか…?」


一方「っていうか麦野さン。危ねェンですけど」

麦野「ごめんごめん。ついイラッときて☆」

垣根「俺らは麦野がイラッとした度に死を覚悟せにゃならんのか」

削板「胸が熱くなるな!」

食蜂「貴方の場合は頭の中が沸騰しているのでは?」

美琴「薄くて悪かったわね!」

結標「その厚いじゃないってば」
764 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:12:04.07 ID:BelW21210
麦野「はぁーあ。どっかにチャンスが転がってないかしら?」

美琴「そう簡単にはいかないわよ。自分から攻めていかなきゃ!」

食蜂「そうですわ。何事も積極的にいかなければ!」

麦野「…アンタら、急に私に対する態度が変わったわね」

結標「あら?そういえば2人は上条くんとのデートはどうだったのかしら?」

一方「なっ!」

削板「デートだと!?」

麦野「やっぱり2人ともだったか…」

垣根「……ケッ」

美琴「んなななな…/////」カァーッ

食蜂「/////」カァーッ

結標「私にはとっても楽しそうに見えたけどね?御坂さんなんかお手てつないでまぁ嬉しそうだったわ」

美琴「そそそ、そんなことまで…!」////

食蜂「…美琴?」ニコォォォ

美琴「い、いいじゃない別にぃ!」

垣根「いいや、全っ然良くなんかねえ!!」ガタッ バンッ!

美琴「……えっ?」

麦野「垣根?アンタどうしちゃったの?」

一方「カカカカッ!どォやらこの暑さに頭の方がヤラれちまったみてェだなァ」

垣根「そんなんじゃねえ。だが、頭がどうにかなりそうだったのは本当だぜ」

結標(それ元からじゃないかしら?)

食蜂「えっと、では一体何がありましたの?」

垣根「…いやいや。『ありましたの?』じゃねえんだよォォォォォ!!」

食蜂「」

垣根「畜生、見せつけてくれやがって。リア充なんざクソくらえだァァぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」

削板「むう??」

一方「ハッ。見苦しいなァ、ていとくン(笑)」
765 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:14:03.23 ID:BelW21210
美琴「み、見せつけるって…。まさかアンタも…?」

食蜂「貴方も、あの現場に?」

垣根「ああ。2日連続で目撃した。ホント、久々にキレちまったぜ」

麦野「意味分かんねえ」

垣根「そしてムカついた。流石に第3位と第5位なだけはある。大したムカつきっぷりだ」

一方「…何でキレてンのアイツ?」ヒソヒソ

結標「…他人の恋愛なんて見ても楽しくないんじゃないかしら?」ヒソヒソ

一方「…小っちゃい野郎だな」ヒソヒソ

結標「…そうね」ヒソヒソ

美琴「い、いや、そんな理不尽なキレ方されても…」

食蜂「要するに…嫉妬ですか?見苦しいですわよ。そもそも私は貴方に興味は一切ありませんし」

垣根「そォォォいう問題じゃねえのォォォ!!つーか、俺だってテメェらみてぇのには興味ねえんだよボケ!」

美琴「何ですってぇ!……あれ、全然悲しくないや。何でだろ?」

食蜂「きっと、貴方も垣根さんに一切の興味関心が無いからよ」

美琴「ああ、なっとく」ポンッ

垣根「他人を馬鹿にするのもいい加減にしろよォォォォォォォォォォ!!」

一方「あっ、ていとくン後ろ後ろ」

垣根「あぁ!?だからその呼び方やめろっつってんだろ!あと、そんなベタな手にこの俺が…」<ザッ

黄泉川「垣根くぅぅぅぅぅぅぅん?」

垣根「うるせえぞ!今取り込み中なんだから後にしろこのクソババア!!…………あ゛」クルッ

黄泉川「うるさいのは…」ガシッ

垣根「あのちょ、ごめ」ミシッ

黄泉川「お前じゃァァぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああん!!」ブルオンッ!!

垣根「ぎゃふ――――ん!!」パリーン

一方「きたねェ花火だ…」

黄泉川「燃えちゃいないけどな。あっ、あとコレをホームルームの時間に言って欲しいんだけど…」
766 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:15:53.09 ID:BelW21210
ーーー2年3組教室ーーーーーーーーーーーー
上条「うぃーす」ガラガラ

青ピ「カミやん!」ズイッ

上条「ぬおっ。な、何だよいきなり。ビックリするだろうが」

青ピ「…すぅーっ」

上条「は?」

青ピ「爆発せェェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええいっっ!!!」

上条「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!朝っぱらから何てことしやがる!?」<セーイ セーイ セーイ セーイ…

青ピ「自業自得や自業自得!」

上条「俺が何をしたっていうんだよ!?」

青ピ「あァ!?…そうかいそうかい、相変わらず自覚無しかいそうなんかい!」

上条「だから、別に俺はやましいことなんてしてねえって!」

青ピ「よっくもボクの視界内でそんなこと言えるなぁ、カミやん。ちゃんと自分の胸に手ぇ当てて考えてみい!!」

上条「……あっ!」

青ピ「やっと気がついたかカミやん!」

上条「インデックスの昼飯作ってくるの忘れたァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

青ピ「何やてぇ!?そりゃあ一大事やで。何をやっとんねんカミやん!……ってちがぁーう!そういうことちゃうでボケぇ!」
767 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/14(金) 23:19:29.86 ID:BelW21210
上条「いやいや、これは本当に一大事だぞ。リアルにデッドオアアライブだからなコレ。やべぇどうしよう…!」

青ピ「おいカミやん。そろそろ他人の話ぃ聞かんと…」<ザッ

吹寄「そろそろ静かにせんと…」ガシッ

上青「「がしっ?」」

吹寄「あたしが静かにさせたろかぁ!?」ガターン!!

上条「ごふぅっ!?」

青ピ「がはぁっ!?」

吹寄「…ふう。そのまま一生眠っとけボケ」パンッパンッ

青ピ「くっ、オイおんどりゃあ!」ムクッ

吹寄「何ねん?」

青ピ「もっと強くぅ♪」

吹寄「いい加減にしろ」

吹寄「どうも、ありがとうございましたー」ペコッ

吹寄「ってちがぁーう!!何をさせてんのよー!?」

青ピ「結構ノリノリで素敵やん?」

吹寄「うるさいっ!」//

上条「な、何だこのカオス状態は…?」




姫神「まさかのノリツッコミ。突然の関西弁。私には無いキャラクターの確立。私は孤立していく。ふふふふ」 
 
775 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:36:27.69 ID:5vUCuHyC0
~ホームルーム~

美琴「さぁーて、皆元気にしてたかしらー?」

生徒たち「はぁーい!」「元気に引き籠ってましたー」「久しぶりー先生ぇー」

美琴「はいはい。元気そうでよろしい」

青ピ「ひゃー。御坂先生相変わらず可愛えなぁー!」

土御門「だにゃー!」

浜面「お前らブレねえなぁ…」

上条「…」

浜面「ん?どうかしたのかお前?」

上条「…あ、ああ。何でもねえよ。何でも」

浜面「?」

浜面(何からしくねえな)

上条(うーん。どうしたもんかな…?よく分かんねえや)

美琴「えっーと、まずは今日提出の英語の課題だけど、私の授業のとき集めるからね」

上条「」

浜面「」

美琴「それまでに終わってない人はやっておきなさいよー」

浜面「……なあ上条」

上条「……どうした」

浜面「……助けてください」

上条「……それはこっちのセリフだろうが」

土御門「にゃっはっはー!カミやん、やっぱり課題やってなかったのかにゃー?」バシバシ

上条「うるせえ。やる暇が無かったんだよ」

土御門「んんー?何だかあやしいにゃー」

美琴「…なんかごめん」

ほか「「「??」」」
776 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:37:30.08 ID:5vUCuHyC0
美琴「…そうそう。今日のお昼休みに集会があるから体育館に集まってねー」

生徒たち「「「な、なんだってぇ―――!!?」」」ガビーン

美琴「だから昼食は早めにとっておいてね」

上条「せ、せっかくのお昼タイムが…!」

土御門「何てことだにゃー…」

浜面「で、内容は?」

美琴「うーん。それが私も知らないのよ」

青ピ「つまり……どういうことだってばよ?」

土御門「嫌な予感しかしないぜぃ…」

美琴「まあ、とにかくよろしくねー」

生徒たち「「「はーい」」」

美琴「よしっ。今日も一日頑張ろう!」

青ピ「おっほぉ――っ!!」

小萌「…」

上条「ん?小萌先生どうしたんですか?」

小萌「……い、いえ。何でもありませんよー」

上条「そうですか」

小萌(喋る隙がありませんでしたー…)
777 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:38:48.05 ID:5vUCuHyC0
~ホームルーム終了~

浜面「にしても、やっぱり月曜日は嫌だー。また1週間が始まると思うとなー」

土御門「この間までニートだったヤツに言われたくないぜよ」

青ピ「えっ?浜面クンニートだったん?」

浜面「細々と働いてたよ!つーかその文面はやめてくれ!!」

上条「は?」

青ピ「何を言うてるんハマづらん」

浜面「気持ちわるっ!何なのハマづらんって!?」

青ピ「カミやんはカミやんやん?だから浜面はハマづらんでええやん」

浜面「良くねえよ!」

土御門「まあまあ落ち着けって。ハマづらん」

上条「そうだぞ。一旦深呼吸だ、ハマづらん」

浜面「テメェら…。いいぜ、テメェら何でも自分の思う通りになるって思ってるなら…」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」ソゲブ

浜面「ぐわしっ!?」バターン

青ピ「ほえー。ハマやんが飛んでったで!」

土御門「さすがは本家だにゃー。さよならハマっち…」

浜面「もうあだ名変わりすぎだろ…。やっぱ俺は呼び捨てでいいや」<ガラガラ

食蜂「そうですか。では席についてください、浜面」

浜面「ぬおっ!?せ、先生まで呼び捨ては厳しいぜ…」

食蜂「そう?では浜面くん、さっさと座れよ☆」

浜面「」
778 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:40:07.95 ID:5vUCuHyC0
~1時間目~

食蜂「さて皆さん、お久しぶりですわね」ニコッ

男ども「「「お久しぶりでぇ――――す!!」」」ヒュー

食蜂「お休み中は楽しんでましたか?」

男ども「「「はぁ―――い!!」」」

食蜂「そうですか。先生も昨日とっても楽しい思い出ができました!」

青ピ「へぇー。どんなですかー?」

食蜂「そ、それは……秘密ですわ♪」

土御門「んなっ!?ちょ、超気になるぜぃ…」

上条(あれ?そ、それって…)

食蜂「……ねっ?」ニッコリ

上条「っ」ドキッ

食蜂「? どうかなさいました?」

上条「い、いやぁ、何でもないですよ!」アセアセ

食蜂「でしたら良いのですが…」

上条「…」フゥー

上条「…ん?」チラッ

青ピ「カぁーミやん?」ゴゴゴゴゴ

土御門「どういうことか、説明してもらおうか?」ゴゴゴゴゴ

上条「い、いやいや。なぜ怒ってらっしゃるのでせう?」

浜面「なるほどなるほど。…いいぜ。もう何でもいいから」

男ども「「「ぶっ殺す!!」」」キシャーッ!

上条「何でだぁ!?ふ、不幸d」<キュイーン

男ども「「「」」」バッターン

上条「……だ?」

食蜂「…少し反省なさい」

男ども「「「い、イエッサー…」」」ピクピク
779 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:43:12.19 ID:5vUCuHyC0
食蜂「さて、気を取り直して授業にしましょうか」

男ども「「「は、はい…」」」

土御門(恐怖政治は健在か…)

食蜂「ほいっ☆」キュイーン

土御門「」バタッ

青ピ「つっちー!?」

食蜂「では始めましょうね。今日は改めて係り結びの法則について復習しますわ」

土御門「」ピクピク

浜面(余計なことを考えないようにしないと……ああなるっ!)

上条(カカリムスビって何なんだろ?おむすび的な??)

食蜂「これは古文の基本と言いますか、おそらく既に十分勉強されているはずですが、再度勉強し直しましょうね」

上条「はいっ(今日しっかり覚えよう…)」

浜面「おっす(というか、俺の場合ロクに高校通ってなかったから古文自体ほぼ分かんねえ…)」

食蜂「それでは、まず係り結びが何かを復習しましょう。文は普通、活用語の終止形で言い切るのが原則です」

上条「うんうん」

食蜂「まあ原文は句読点が存在しないモノですがここでは教科書やテストの古文ということにしますわね」

食蜂「それで、文中に係助詞があって、協調あるいは疑問・反語の意を持たせたりしている場合は、文末に終止形以外の活用語を要求しますわ。例えば……」カキカキ


○橋を八つ渡せるによりて、八橋といひけり。  [終止形で言い切る]
            ↓
○橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。[連体形で言い切る]


食蜂「このように、文中に係助詞『ぞ』『なむ』『や(やは)』『か(かは)』が用いられている場合は文末を連体形で、係助詞『こそ』が
   用いられている場合は文末を已然形で結びます」

食蜂「この呼応のきまりを係り結びといいます。このとき上にある係助詞を係りといい、呼応する語を結びといいますわ」

上条「へぇ~」

浜面「へぇ~」

姫神「へぇ~」

食蜂「懐かしいですわねそれ」
780 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:45:32.71 ID:5vUCuHyC0
食蜂「では係り結びの例を挙げますよ」カキカキ

_______________
l 強 l 反  疑 l  強   l 意 l
l 意 l 語  問 l  意   l 味 l
――――――――――――――-
l    l       l      l    l
l こ l  か  や l な  ぞ l 係 l
l そ l ∧  ∧ l  む    l  り l
l    l か  や l      l    l
l    l は  は l      l    l
l    l ∨  ∨ l      l    l
――――――――――――――-
l    l       l      l    l
l 已 l   連   l  連   l  結 l
l 然 l   体   l  体   l  び l
l 形 l   形   l  形   l    l
l    l       l      l    l
l    l       l      l    l
――――――――――――――-
l    l       l      l 例 l
l    l       l      l 文 l
l    l       l      l    l
l 雨 l 雨  雨 l 雨  雨 l   l
l こ  l か  や l な  ぞ l    l
l そ l 降  降 l む  降 l 雨 l
l 降 l り   り  l 降  り l 降 l
l り  l け・  け・ l り  け・ l り  l
l け・ l る・  る・ l け・ る・l け  l
l れ・ l  °  °l る・  °l り l
l  °l       l       l  °l
───────────────
781 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:48:25.40 ID:5vUCuHyC0
食蜂「…と、この5つの呼応が主に出てきますわ。係りと結びをセットで覚えましょうね」

青ピ「オッケーやでぇー!」

上条「ちなみに疑問と反語はどう見分ければ良いのでせうか?」

食蜂「そうですわね…。まず疑問文というのは普通の文と違って相手に答えを要求するパワーを持った文であることは分かりますね?」

土御門「質問がきたら答えが求められるってことだぜぃ」

食蜂「ええ。それで反語というのは、疑問文のこの性質を利用して相手にNOと分かりきった答えを要求するもの、いわば強調表現の技法なのです。YESの場合もあるようですが」

青ピ「つまり、疑問と反語の違いっちゅうのは、発言者が答えが分からないから言うてるんか、答えが分かりきったうえで言うてるんかっちゅう内容の差異のことなんやな」

食蜂「その通りですわ。よくできましたわね」

青ピ「褒められたでぇー!めっちゃ嬉しいわー!!」

食蜂「しかし、先生のいいトコを掻っ攫っていく態度はいただけませんわね」

青ピ「貶されたでぇー!めっちゃ気持ちええわー!!」

上条「―――それが、青髪ピアスが発した最後の言葉だった」

青ピ「ってカミやん!勝手に殺さんといて!?」

浜面「…えっとそれって、要するに結局は文章見て判断しなきゃいけねえってことか?」

食蜂「ええ。足りない脳味噌でせいぜい頑張ってくださいな☆☆☆」

浜面「酷っ!?」ガーン
782 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:50:04.86 ID:5vUCuHyC0
食蜂「ちなみに反語になることの多い表現として挙げられるのは、先ほど板書した『かは』『やは』になりますわ」

食蜂「さらに言うと、疑問・反語の係助詞は文末にあってその意味を文に加える場合もございますので」

上条「…なんかややこしいな」

食蜂「1つ1つ整理していきながら覚えましょうね♪」

上条「はーい」

食蜂「…さて、話が少し逸れましたので戻りますわね。今度は係り結びの留意点を挙げていきましょう」

上条「留意点?」

土御門「気をつけとけってことですたい」

食蜂「まず注意せねばならないのは結びの箇所になりますわ。通常は係りと結びはセットで文にあるものですが、ここではそうでないケースを取り上げましょう」

上条「そ、そんな…。上条さんにそのような高等テクは厳しいですのことよ!」

食蜂「大丈夫ですわ。とう…上条さんにもご理解いただけるかと思いますわよ」

上条「上条さん“にも”って…」ズーン

食蜂「も、申し訳ありませんわ!そのようなつもりで言ったのでは…」アセアセ

上条「いや、いいんですよ…」ハハハ…

土御門(ん?今先生ってばカミやんのことを名前で呼びそうになったのか…?)

土御門「…」

土御門(からかうのはやめておこう)

食蜂「では紹介していきますわね。結びの変化には『結びの省略』と『結びの流れ』の2つがありますわ」

浜面「省略…?流れ…?」

食蜂「あと、結びの流れは『結びの消滅』ともいいます」

浜面「消滅…」ホワンホワンホワン…


麦野『めるとだうーにゃん♪』<チョドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


浜面「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!変な電波がああああああああああああああああああああああああああ!!?」

食蜂「」キュイーーーン

浜面「」ドンガラガッシャーン
783 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:51:59.00 ID:5vUCuHyC0
食蜂「さて、汚物は消毒しましたので説明に移りましょうか」

上条(汚物って…)

食蜂「では『結びの省略』から。文中に係助詞『ぞ』『なむ』『や』『か』『こそ』があっても、文脈から判断して類推できる言葉が結びになる場合は、結びの語や語句を省略することがありますの」

上条「えっとぉ…?」

食蜂「少々分かりにくかったかもしれませんわね。省略された語を補うにはパターンがありますので、そちらを覚えればよろしいかと」カキカキ


①引用の格助詞『と』+係助詞 →(言ふ、聞く、思ふなど)

例文)ただ人にはあらざりけりとぞ。[言ひける] ←この[]が省略された語句


②断定の助動詞『なり』の連用形『に』+係助詞 →(補助動詞『あり』『侍り』など)

例文)我ばかりかく思ふにや。[あらむ]


食蜂「…このようになりますわ。先ほど言った文末の係助詞『か』『や』の用法と全く違うものになります」

上条「はぁ」

土御門「んんー。このパターンは文末と省略された語句をセットで覚えた方がよさそうだぜぃ」

上条「またセットか!?もう上条さんの頭には入りませんのことよ!」ウガー

青ピ「個々に覚えてくよりはマシやろ。贅沢言うなや」

食蜂「では、この2つのパターンについてもまとめてみますね」カキカキ
784 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:52:57.84 ID:5vUCuHyC0
_________________________
l     パターン2      l     パターン1        l
l―――――――――――――――――――――――――l
l   に  l に に に に l   と  l と と と と l   l
l   こ  l  か や な ぞ l   こ  l か や な ぞ l 文 l
l   そ  l      む   l   そ  l     む   l 末 l
―――――――――――――――――――――――――
l  あ あ l      あ あ  l  言 言 l    言  言 l 省 l
l   ら れ l      ら る  l  は へ l    は  ふ l 略 l
l  め   l      む    l  め   l    む    l さ l
l     侍 l        侍  l     聞 l       聞 l れ l
l  あ れ l      あ る  l  言 け l    言  く l た l
l∧ り    l  ∧   り    l∧ ひ   l  ∧ ひ    l 語 l
l已 け 候 l  連   け 候  l已 け 思 l  連 け  思 l ・ l
l然 る ふ l  体  る  ふ l然 れ へ l  体 る  ふ l 語 l
l形     l  形        l形     l  形      l 句 l
l∨ な   l  ∨   な    l∨ な   l  ∨ な    l の l
l  ど   l      ど    l  ど   l    ど    l 例 l
―――――――――――――――――――――――――
785 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:54:21.23 ID:5vUCuHyC0
食蜂「…特に『言ひける』や『あらむ』のように、省略された結びの語は助動詞を伴った形で補うことも多いですの。文脈から判断しましょうね」

青ピ「ええでぇー!」

食蜂「良いお返事です。さて、次に『結びの流れ』について。係助詞『ぞ』『なむ』『か』『や』『こそ』が文中にあっても、結びとなるべき語に接続助詞などが付いたりして
   文が続き、文末にならない場合には、係り結びが成立しません」

上条「成立しない…?」

食蜂「正確には結びの部分に発生する連体形や已然形の制約がなくなることで『結び』が現れなくなる現象ですわね。例文を書きますと…」カキカキ


○たとひ耳鼻こそ切れ失すとも、命ばかりはなどか生きざらむ。

―→『こそ』を受けて結びが『切れ失すれ。』になるはずが、終止形接続の接続助詞『とも』が付いて下に続いたため、係り結びが流れて『切れ失すとも』となった。


食蜂「…こんなところでしょうか。係りと結びのつながりばかりに目が行ってしまうとこちらの方を見逃してしまうので気をつけましょうね」

土御門「にゃー!」

食蜂「」イラッ

土御門「にゃ?」

食蜂「」キュイーン

土御門「ちょ」<キーン

食蜂「…さて、次は『こそ』、已然形の逆接用法についてですわよ」

土御門「」チーン

浜面「」シーン

青ピ(犠牲者が増えていくでぇ…)

吹寄(静かになったわね)
786 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/20(木) 23:55:33.07 ID:5vUCuHyC0
食蜂「こちらは簡単ですわ。『こそ』ー已然形で文が終わらずに、さらに下に続くときは、逆接の意味になりますの」

食蜂「今回は例文を書いた方が速いですわね…」カキカキ


○中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり。

(中隔ての垣根こそあるけれども、一つ屋敷みたいなものだから、(先方が)望んで(この家を)預かったのだ。)


食蜂「…要するにこういうことですわね。これはイメージしやすいかと思われますが」<ハックショーン!

食蜂「あらあら、どちら様でしょうか?はしたないですわね」

上条「先生ー。すいませーん」

食蜂「あら?どうかしましたか、上条さん?」

上条「あのぉ、中隔ての垣根ってどういうものかよく分かんないんですが」

食蜂「うーん、そうですねぇ…。私も専門ではないのでよく分かりませんが…」カキカキ
787 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/21(金) 00:02:36.77 ID:VzCeXAuG0

                   垣根
      /\          ↓             /\
     /  \       ______          /  \
    /    \      /|| ̄ ̄ ̄ ̄||\      /    \
   /      \    | ||========||\||    /       \
  /        \   | ||品品ロロ-,,||\||   /         \
 /          \  | |=========|\||  /           \
/            \ | |''''''''''''''''''''''''|   /             \
ー|     いえ     |ー| |l         |   ー|     いえ     |ー
  |            |  | |]     。 |     |            |
  |            |  | |l         |     |            |
  |_________|  | |_____,|     |_________|
788 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/21(金) 00:03:58.45 ID:VzCeXAuG0
食蜂「多分こんな感じですわ♪」

垣根「嘘つけぇー!!」ガラガラ-!

食蜂「あらあら、垣根さんではありませんか。どうかなさいまして?」

垣根「どうしたもこうしたもねえんだよ!安易にネタに走んじゃねえぞコラ」

食蜂「むっ、どこか変な点でもありまして?」

垣根「分からねえとは言わせねえぞ!!」

<ギャーギャー ウキャーヒャー アーダコーダ ←全部垣根

<キーンコーンカーンコーン

上条「あっ、授業終わった」

798 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:45:27.23 ID:sOG6RFvC0
食蜂「…といったところで今日の授業はおしまいですわ。では御機嫌よう」ガラガラー

垣根「おいコラ、何キレイに終わらせようとしてんだ!」ガラガラー

浜面「垣根のヤツ、何を怒ってんだ?」

青ピ「ネタにされとうなかったんやろ」

土御門「最初からネタキャラではあったけどにゃー」

浜面「?」

上条「…」ポケー

浜面「??」



姫神「弄ってもらえるだけ。マシというもの」
799 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:46:35.56 ID:sOG6RFvC0
~休憩時間~

上条「さて、次は誰が担当だっけ?」

青ピ「何を言うとるんカミやん。お次は本日のメインイベント、むぎのんやでぇー!」クネクネ

上条「お前ってホント麦野さんのこと気に入ってるよな」

青ピ「当たり前やん。あのルックス、あのプロポーション、そして超ドSな性格……たまらんわぁー!!」

土御門「あれで性格さえ良ければにゃー…」

上条「おっ、土御門でもアレは無理か」

土御門「にゃー。そもそもロリこそ至高だと考えてる土御門さんにとっては、あのムチムチの太腿は目に毒なんですたい」

青ピ「何を言うてるんつっちー!あの太めの脚こそ男の夢、そう……ロマンやろうがぁ!!」ドドーン

土御門「ちっちっちっ。まだまだ甘いぜぃ。いいか青ピ。小五とロリでは単なる犯罪だが…二つ合わされば悟りになる」キリッ

土御門「…つまり我々は既に悟りの境地に達しているんだにゃー!」

青ピ「何やとぉ!むぎのんの魅力が分からんのかいおんどりゃあ!!」

土御門「ハッ。もはや悟りに至ったこのオレにその程度の力で対抗しようとは……片腹痛いわぁ!」

上条「ふぅー、やれやれ。一体何をやってんだかコイツらは。お前もそう思うだろ、はまづ……」チラッ

浜面「…」ソロ~

上条「…ら?」

浜面「…」ビクッ

上条「……何してんの?」

浜面「…いやあの、急に腹が痛くなって」サスサス

上条「…もうちょいマシな言い訳は無かったのかよ」

浜面「…」

上条「おいはまづ」

浜面「っ」ダッ

上条「浜面ぁ!?」
800 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:48:40.94 ID:sOG6RFvC0
浜面「麦野の授業なんて…授業なんて……怖くて受けられるかぁー!!」ダダダダダ

上条「んなっ!よせ浜面ぁ!でないと…」

青ピ「むっ、おい皆!浜面が逃げよったでぇ!!」

ほか「「「な、なんだってぇー!?」」」

青ピ「つっちー!」チラッ

土御門「了解ですたい。……ああオレだ。『コードレッド』発令、今すぐにだ」

上条「…遅かったか」


<ジリジリリリリリリリリリリリリリリ!!!!

<ブオーーーーーーーーン ブオーーーーーーーーーン


放送『コードレッド発令、コードレッド発令!!』

放送『現在猛獣「浜面仕上」が校内を逃走中!生徒の皆さんは所定のマニュアルに沿って速やかに浜面を捕獲してください』

放送『いいか、これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練ではない!』


土御門「ふいー。これで一安心だぜぃ」

青ピ「今のでボクむぎのんに褒められる?褒められるかなぁ!?」

上条「浜面……無茶しやがって」


<ウギャァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?

<ドーン バキューン バチコーン ドンガラガッシャーン

<ハァァァァァァァァァマァァァァァァヅゥゥゥラクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!?

<ズバンドンガッシャコーン
801 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:49:31.20 ID:sOG6RFvC0
~2時間目~

浜面「」プスプスプス…

麦野「もう浜面ったら。照れ屋さんなんだからっ♪」

上条(どういう発想でその結論になるんだ!?)

土御門(恋する乙女の思考回路はムチャクチャだからにゃー…)

青ピ「浜面ァァァァァァァァァ!てめっ、マジで爆発せい!!」<ピューン

ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

青ピ「」プスプスプス…

麦野「さぁーて、今日も楽しい授業の始まりだにゃーん☆」

土御門「ババアのくせに…」ボソッ

ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

土御門「」プスプスプス…

麦野「すっきりしたから始めっかぁー」

上条「う、うっす…」

麦野「確か前回は奈良時代の政治、つーか藤原氏について勉強したのよね?」

吹寄「はい、その通りです」

麦野「そしたら今日は平安の藤原氏が中心かー。あー飽きたわー」

上条「何てことをおっしゃいます!?」

麦野「いやさ、ぶっちゃけ私の得意分野って中世からなのよ」

上条「いやだからって時代飛ばす訳には…」

麦野「それくらいは分かってるっての。ま、正直言っちゃうと>>1が受験のとき中世から勉強したってのが…」

上条「ストップストップストップ!!」

麦野「別にいいじゃねえか。あっ、あと文化史はそのうちまとめてやるかもな」

上条「ちゃんとやってくださいね!?」



姫神「ちなみに。>>1は古代と近代と文化史が。弱点だった」

土御門「そんなこと知っても誰も得しないにゃー。つーか勉強不足だっただけだし」
802 :ちなみ近代は試験直前にようやく攻略しました  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:52:20.68 ID:sOG6RFvC0
麦野「うーん。ちょっと面倒だけど前回の復習と補足からにするわよ。前の内容だと見てて混乱しちゃうし」

青ピ「ばっちこーい!」

上条「もう復活したのかよ…」

青ピ「あんなものボクにとってはご褒美でしかないんやでぇー!」

上条「そのまま一生起きなきゃいいのに」

麦野「そんじゃ、分かり易いトコで聖武天皇から復習するわよー。文武、元明、元正天皇について知りたきゃ自分で調べな。まあそこまで重要じゃねえから」

土御門「強いて言うなら、持統天皇の次で大宝律令(701)のときが文武、平城京に移った(710)ときが元明、養老律令選定(718)のときが元正の時代だぜぃ」

麦野「そうね。持統の次で大宝律令のときの文武天皇くらいは覚えといても損は無いかしらね。まあ、全部覚えりゃ文句ねえけど」

上条「上条さんには不可能ですのことよ…」

麦野「そもそもお前に学業については期待してねえよ」

上条「」

麦野「さて、続きいくか。つっても詳しくは前回の参照ってことにするから、今回は『天皇と当時の状況』についてざっくり見ていくわよ。それが今日の内容につながるしね」

吹寄「…」フムフム

浜面「…」

麦野「さて、まずは第45代の聖武天皇。出来事でいうとコイツは大仏造るように命じたわね。741年に国分寺建立の詔、743年に大仏造立の詔よ」

麦野「あとコイツは在任中都を何度も移したことでも知られてるわ。740年恭仁京、742年紫香楽宮離宮、744年難波宮、同年紫香楽宮といった感じにね」

麦野「結局官民の反発で平城京に戻ったけどな」

姫神「…」ホウホウ

麦野「次は…第46代の孝謙天皇か。コイツは聖武の娘で、のちに重祚して第48代の称徳天皇になるわ」

麦野「彼女の政治については特に重要な点は無いと思うわ。ただ、養老律令が施行されたのは755年で当時の天皇が彼女だったの」

土御門「つまり『制定』と『施行』で時期が随分開くってことですたい」

麦野「そういうこと。日本国憲法だって公布と施行で日にちが違うでしょ?」
803 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/10/25(火) 01:56:37.79 ID:sOG6RFvC0
麦野「ま、それは置いといて次いくか。第47代は淳和天皇よ。よぉーし、次いくわよー」

上条「えっ」

青ピ「えっ」

吹寄「えっ」

姫神(何というか。共感が持てる)

麦野「第48代はさっき言った通り称徳天皇よ。この時は道鏡との絡みが有名ね」

上条「絡み?」

麦野「病に臥してるトコに男が看病しに来て、そこで愛が芽生えちゃった的な☆」

上条「うわぁ…」

麦野「ちなみに道鏡には巨○説もあるわ。まあ信憑性は低いみたいだけど」

上条「うっわぁ…」

麦野「さらに言うと、道鏡の巨○説は“根強い”らしいわよ」

上条「文章にそこはかとなく悪意を感じるんだが」

土御門「根の辺りにな」

上条「そこ言っちゃ駄目だろ!?」

麦野「江戸時代には『道鏡は すわるとひざが 三つでき』って川柳ができてるくらいよ」

上条「ちょwwwwwwwwww」

土御門「それはwwww反則だにゃーwwwwwwwwww」

青ピ「wwwwwwwwwwwwww」

麦野「そろそろ話を元に戻すか。あとは第49代の光仁天皇だな。コイツはこれまでの連中と違って天智天皇の孫にあたる人物よ」

吹寄「では今までの人は?」

麦野「天武天皇の子孫ね。第40代天武天皇から第48代称徳天皇までだと、天武の血筋じゃないのは妻の持統天皇とその異母姉妹の元明天皇だけよ」

麦野「ちなみに他の連中は、天武と持統の子の草壁皇子の子孫で、この皇子の妻が元明天皇になるわね」

麦野「…いや待て。1人例外がいた。淳和は他の系統だったわ。天武天皇の孫の中でも」

麦野「ま、この辺の知識は頭の隅にでも置いとけ。ようやく今日の本題に入ってくからさ」

浜面「…」
804 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 01:58:34.76 ID:sOG6RFvC0
麦野「そして光仁天皇の子が、かの有名な桓武天皇よ。ん、そこまで知名度高くはねえかコイツ」

土御門「桓武平氏って言うくらいだから、割と有名な方だと思うぜよ」

麦野「そうそう。平家の元を辿ればこの男になるわね」

上条「へぇー」

麦野「で、まあ何でコイツがそこそこ名が知れてるかっていうと、平安京に移ったのがこの男が天皇のときだったからよ」

上条「へぇー」

麦野「でも実は平安京に移る前に一悶着あったのよねー」

上条「えっ?」

麦野「始めは天武の血統から天智の血統に変わったことを明確に示すことを目的に、784年に山背国の長岡京に遷都したのよ」

麦野「そしたら翌年785年、長岡京の造営責任者の藤原種継が暗殺されちゃったの」

麦野「それからが大変。早良親王っていうヤツが事件の関与を疑われて捕らえたんだけど、コイツが無罪を訴えて絶食して死んだのよ」

麦野「で、この早良親王は怨霊として桓武天皇を苦しめたんだと。自分で言っててアホらしいけど」

吹寄「確かに、学園都市で怨霊とか言われましても…」

青ピ「むう。化けてくる女の子だったらロマンがあんねんけどなぁ…」

麦野「何だか陰陽師も出張った大事だったみたいよ。ま、私らみたいのは陰陽師の『力』ってヤツも信用できない人種だけどさ」

青ピ「それはむぎのんが全面的に正しいでぇー!」

吹寄「その通りよね。本当に陰陽師がいるんだったら、このあたしの前でその力を見せてみろってのよ!」ムキッ

ほか「おおーっ!」「さすがは鉄壁の吹寄だ!!」「そこに痺れる、憧れるぅー」

吹寄「ま、本当にいたらの話だけどね」

上条「…」ジー

土御門(おいカミやん、何だその目は。オレに死ねっていうのか!?)
805 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 02:00:24.59 ID:sOG6RFvC0
麦野「まあ紹介するのも癪だけどさ、教科書にこう載ってるモンはしょうがねえからな」

土御門(陰陽師はホントにいるもん…)シュン

麦野「そんなこんなあって、794年に現在の京都の地、平安京に遷都したの。ここから約400年間、12世紀末の鎌倉幕府成立までを平安時代っていうわ」

青ピ「なるほどなぁー。歴史があるんやなー」

麦野「んで、桓武天皇は長岡・平安京と相次いで都を造営するわ、一方で東北の蝦夷の征討に力を入れるわで、国家財政が窮乏しちゃったのよ」

青ピ「あらら…」

麦野「その対策として…」カッカッカッ


○陸奥・出羽・佐渡・九州以外の軍団を廃止。郡司の子弟と百姓のうち弓馬に巧みな選抜し、健児とする。→国府の警備にあたらせる

○国司の交替を監視する勘解由使をおく。

○雑徭を半減する。

○班田収授の間隔を12年に1度にする。→ 一紀一班


麦野「…こうして桓武天皇は地方財政の再建をはかったわ」

吹寄「あの先生」ビシッ

麦野「ん?どうしたの?」

吹寄「勘解由使というものがどのようにして財政再建に役立ったかを伺いたいのですが」

麦野「あぁー。それもそうよね。この説明じゃさすがに分かんないわ」

麦野「えっと、律令制下では官人が交替するとき、新任者が前任者から官有財産とかを確かに引き継いだことを証明する文書を交付するの」

麦野「これを『解由状』っていうんだけどさ。勘解由使ってのはコイツを、特に国司の解由状を審査することで、国司の横領行為とかで地方財政が窮乏化するのを防ぐ役割があったのよ」

上条「あのぉ、お馬鹿な上条さんにも理解できるように解説してほしいのですが…」


麦野「国司さん国司さん、勤務時間が終わったよー⇒お仕事の引継ぎはしっかりしなきゃいけないねー⇒後の人が前の人へオッケーサイン出せばいいじゃーん
⇒お仕事にお金が絡むとズルとか横取りとかしたくなっちゃうよー⇒そんなことしちゃうと前の人と後の人でお金のことで揉めちゃうー⇒交替が上手くいかないよー。…分かったかにゃーん?」


上条「はいすいませんでした」
806 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/25(火) 02:02:17.81 ID:sOG6RFvC0
麦野「あと他にも桓武天皇の時代には坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命されたりしたんだけど、ここは東北のトコでまとめて紹介するわね」

上条「うげぇ。もう頭が爆発しそうだ…」

麦野「で、桓武天皇の後の平城天皇、嵯峨天皇も律令制の再編に取り組んだわ。この辺りの人たちが作った役職が覚えるとき混乱しちゃうから要注意よ」

青ピ「チューイやでぇー!」

麦野「まず律令で定められた官司・官人を大幅に整理・統合していったのよ。一方で、必要に応じて律令に規定されていない役職を作ったわ」

麦野「これを『令外官』というわ。その名の通り、律令の外の官職ね。ちなみに桓武天皇のときの勘解由使と征夷大将軍も令外官よ」

吹寄「つまり、律令では想定されてない仕事をする人間が必要になった訳ですね」

麦野「まあそんなトコ。それで、嵯峨天皇の時代には天皇の秘書役である『蔵人頭』、平安京内の治安維持を担当する『検非違使』が設置されたわ」

麦野「ここで引っかけ問題ができるの。『勘解由使』を設置したのは嵯峨天皇である、みたいにね」

上条「ふむふむ」

麦野「あとこれは豆知識みたいなモンだけど、武士の創成期に出てくる『押領使』や『追捕使』は令外官だからね」

上条「へぇー」

麦野「それと関白。これも令外官だからな」

上条「へぇー……って、えっ?」

麦野「実質貴族のトップ、政治を司る役職だけど、実は律令には載ってないんだなコレが」

上条「……へぇー!」

麦野「さて、他にも律令法をより円滑に運用するために、法制の整備も進められたわ」

麦野「律令制度ってのは本来、律・令・格・式によって運用されるの。まず前提として根本法典である律(刑法に相当)と令(行政法・民法に相当)は改正しないのよ。
   必要があれば格を出して改正・追加して、細かな施行細則は式によって定めたわ。これらの格式は、既に8世紀から数多く出されていたんだよ」

麦野「で、嵯峨天皇のとき、コイツらを分類・整理したのよ。このときの格式は当時の元号をとって『弘仁格式』というわ」

麦野「あと、9世紀になると養老律令の公定注釈書である『令義解』や、法律家の令の注釈書を集めた『令集解』がつくられて、
   令の規定の解釈や適用の方法についての理解も深まっていったわ」

上条「えと、字が似てて上条さんには違いがさっぱり分からないのですが…」

麦野「だから、『令義解』は天皇が編纂を命じたヤツだから法的拘束力があんのよ。で、『令集解』ってのは個人が主観で選んだ云わばフツーの解説書」

上条「あと、注釈書って…?」

麦野「古書などの本文をくわしく検討して、語句の意味や叙述の次第などを解説した書物のことよ。まあこれは分かんなくても仕方無いわ」

上条「はぁ」

麦野「さて、次は蝦夷のことや藤原氏について触れていく訳だけど…」

上条「ひぃ!?も、もう歴史地獄が止まらないっ!?」

麦野「ここで一旦休憩入れるわよー」

上条「…ありがてぇ!」

浜面「…」

812 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/10/31(月) 01:51:34.95 ID:dDConeYE0
上条「いやー、にしても日本史は覚えることが多すぎて大変だなぁ」

土御門「確かににゃー。でもカミやん、何だかんだ言って一番頭に入るやり方は『書く』ことなんだぜぃ?」

上条「げっ。やっぱテスト直前の5分で覚えるのは無理があるか…」

青ピ「それで全部カバーすんのは不可能や。直前は『確認』程度にせなあかんでぇ」

麦野「そうそう。良いこと言うわねアンタ」

青ピ「こう見えても勉強は出来る方なんやでぇー!」クネクネ

上条「くっ。なぜこんな連中の頭が良いんだ…?」

麦野「うーん。勉強法を変えてみるってのも一つの手かもな」

上条「勉強法?」

麦野「そもそもお前がテスト勉強をするかって問題もあるけど…」

上条「…」

麦野「いや反論しろよ」

青ピ「それにしても、むぎのんのお勧めとは…。めっちゃ気になるわぁー!」

麦野「むぎのん言うな。ま、これは私がやってた訳じゃねえけどな。私はそんなに一生懸命に学習しなくても出来たし」

姫神「そのセリフは。相当数の受験生を。敵に回す」

麦野「これでも学園都市230万人の中で4番目のアタマだからねぇ」

上条「お、俺だってこう見えても学園都市の中で230万の1の…」

青土「「お馬鹿さん」」

上条「」
813 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 01:53:04.03 ID:dDConeYE0
上条「…えっと、それで上条さんはどう勉強すればよろしいのでせう?」

麦野「書け」

上条「は?」

麦野「書け。ひたすら」

上条「……えっ?」

麦野「日本史って教科で重要なのはあくまで『暗記』なのよ。でも、ただ用語や単語を覚えりゃいいってモンでもないの」

上条「じゃあどうすればいいのでせうか?」

麦野「ちゃんと用語と一緒に、その当時の時代背景とかその結果どうなったとかいう『流れ』を頭に入れる必要があるから、それも一緒に書くのよ」

姫神「なるほど。確かに用語だけ並べても。テストの時に答えが出てこないかも」

麦野「あと時代ごとに分けて書くのは勿論だけど、その中でもジャンルごとに分けて書いた方がゴチャゴチャしなくていいかもな」

吹寄「ジャンルとは文化史のことでしょうか?」

麦野「そ。私が思うに、『政治』『経済』『文化』の3つに分けて覚えた方が効率はいいわ」

上条「はぁ…」

麦野「ま、年代ごとに並べ替えるのだと文化史と他の歴史の複合問題があるから、一概に正しいとは言えねえけど」

青ピ「ほんなら、日本史っちゅうのは問題演習より用語の数を増やした方がええっちゅうことですかぁ?」

麦野「基本は他の教科と一緒で問題演習を通して覚えていく作業も必要になってくるわ。ただ、日本史の場合は暗記に割く時間を増やすべきね」

吹寄「ふむふむ」

麦野「つーかアンタらは2年生だからそこの心配じゃなくて定期考査の心配すべきだけどな。これ、あくまで受験対策に対応した勉強法だし」

上条「ん?えっとぉ…?」

麦野「今やってんのはまだ受験対策じゃなくて授業の消化ってこと。多分歴史の授業は遅くても3年生の1学期中には終わって、あとは問題演習になるからね」

土御門「つまり、毎回テストする羽目になるのか…?」

麦野「大学生なりたい奴はね」

生徒たち「「「…」」」

麦野「おいお前ら今『大学行かなくていいや』とか思っただろ。絶対そうだろ」
814 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 01:54:05.88 ID:dDConeYE0
麦野「…まあいっか。どうせアンタらにはまだまだ時間あるしね。よし、そろそろ休憩終わりにすっかー」

麦野「ちなみにこの教科は色ペンやマーカーを使わない方が覚えやすいかもしれねえぞ。『見にくく読みやすい』ノート作りを心掛けてみたらどうかしら?」

麦野「さらに言うと受験生は今からでも遅くないわよ。>>1も去年のこの辺から本気出したから(日本史に限る)」

土御門「この時期から本気じゃマズいだろ…」

青ピ「それを言うんなら、この時期に奈良・平安やっとる時点でアカンでぇ」

上条「それ以上は言うな」

浜面「…」

麦野「さて、授業再開というか…とその前に、はーまづらぁ?」

浜面「」ピクッ

麦野「聞こえてるよなぁ?気絶してるフリして何したかったんだか」

浜面「」ガタガタガタ

麦野「はまづら。返事しろこの野郎。3秒以内に返事しねえとド・タ・マぶち抜くぞ」

麦野「はぁーい、いーち☆」ズキューン

浜面「2と3はぁ――っ!!?」<ドッカーン

麦野「知らねえなぁ、そんな数字。男はなぁ、1だけ覚えてりゃ生きていけるんだよ」

浜面「さっき自分で3秒って言ったじゃん!つーかアンタ男でしたっけ!?」

麦野「いーち☆」ズキューン

浜面「だから2と3はぁ――っ!!?」<チュドォォォン

麦野「おーし。浜面も起こしたし、さっさと続きやるかぁ」

土御門(恐怖政治は継続…!)


ーーーイギリス・ロンドン 処刑塔ーーーーーーーーーーーー
※時差あるから多分深夜だと思われ

看守「…」ウトウト

看守「…」<ブルァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアッッックション!!!

看守「」ビクッ

看守「…」キョロキョロ

看守「何だぁ一体…?」

看守「…」

看守「サボって寝るか」

看守「…」スヤスヤ
815 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 01:56:21.93 ID:dDConeYE0
ーーー学園都市・第7学区 とある高校ーーーーーーーーーーーー
麦野「えっと、続きは古代の東北地方についての話だったわね」

吹寄「はい、その通りです」

麦野「時代は下っちゃうけど東北だけの歴史取り上げるから勘弁してね。まず古代から東北に住み着いた人々のことを蝦夷(えみし)と呼称されたの」

麦野「この人たちは大和朝廷に異族視されたわ。蝦夷は、政治的・文化的に、大和朝廷やその支配下に入った地域への帰属や同化を拒否していた集団を指したのよ」

麦野「ちなみに『夷』が東の異民族を指す字よ」

上条「へぇー」

麦野「で、大化改新後に城柵っていう大和政権の軍事的防御施設が築かれたわ。今から言うのはテストをよく出るから覚えといてね」

姫神「めもめも」

麦野「647年に渟足柵、648年に磐舟柵を設置したわ。どちらも越後、つまり今の新潟県に設置されたから間違えないでよ」

浜面「めもめも」

土御門「先生ー。ちょっと質問いいかにゃー?」

麦野「んー。どうかしたかにゃーん?」

上条(猫コンビ…)

土御門「結局、城柵ってのが東北にどんな影響を及ぼしたのか知りたいぜぃ」

麦野「なるほどね。まあ、こんなトコまでテストには出さないから覚えとかなくてもいいんだけどさ」

麦野「要するに先住民の征服よね。北方の土地とそこに住む人々を国家の領域の中に取り込んで行くことが課題だったの」

麦野「そこで律令国家は、この支配領域の拡大と蝦夷の公民化を実現するための政策を展開したわ。城柵は、国家がそうした政策を実行するために設けられたのよ」

上条「…はい?」

麦野「具体的に言っとくか。陸奥・越後・出羽の三国だと諸国の守の職業のほかに、特別に『饗給、征討、斥候』の職業が与えられていたのよ」

麦野「饗給とは宴会を催して禄物を与えて懐柔すること、征討とは軍事力で蝦夷を討つこと、斥候とは蝦夷の動向を探ることよ。これが律令国家の蝦夷政策の基本だったわ」

青ピ「つまり『異民族である蝦夷を国家に引き入れるための特別職』ってことですかぁ?」

麦野「そゆこと。まあ言ってしまえば蝦夷攻略の拠点が城柵。その先駆けが渟足柵や磐舟柵だったってことよ」

上条「…はぁ」

麦野「でも一番大事なのは名称と順番間違えないことだから、ここまで深く考えなくてもいいわよ」

浜面「頭痛い…」

麦野「あら、撫でてあげた方がいい?」

浜面「いえ遠慮しておきます」キリッ

ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
816 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 01:57:09.28 ID:dDConeYE0
麦野「んんー。撫で心地はどうかしらーん?」ナデナデ

浜面「け、結構なお手前で……」プスプス…

青ピ(くっ、浜面のヤツ自分だけええ思いを…!)

青ピ(…せや!!)ピコーン☆

青ピ「ううー。なんだこのあたまのいたみはー」

麦野「あ?」

青ピ「あうー。あたまがわれるー。せんせいたすけてー」

麦野「はぁ?」

青ピ「ぐおー。ちえねつかもしれないぞー」

ほか「「「…ハッ」」」

ほか「うわー。おれもだー」「すさまじいずつうだー」「これはなでてもらわないとなおらんぞー」

麦野「えっ、何よいきなり。そ、そんなに難しかったかしら?」アセアセ

青ピほか「「「は、早く、頭を撫でてくれー!」」」

上条「?」

麦野「…」

麦野「」ガサゴソ

麦野「」スゥー

土御門(あっ、アレは拡散支援半導体)

青ピほか「「「?」」」

麦野「」ピンッ

麦野「はぁーい、いーち☆」ズキューン

青ピほか「「「2と3はぁ――っ!!?」」」<フコウダァー!!?
817 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 01:59:23.56 ID:dDConeYE0
麦野「おーし。続きいくぞー」

土御門(何かもう教室が大変なことに…)

麦野「で、658年からは安倍比羅夫による蝦夷征討があって、秋田地方を征討した。ちなみに『火○鳥』立ち読みしてたらコイツが出てきてビビったわ」

青ピ「へぇー。さすがのボクでもそこまでは知らんかったわー」

上条「まあ、お前でもあの巨匠の漫画ヒロインまではカバーしてないとは思…」

青ピ「七色的な漫画のヒロインはめっちゃかわええでぇ!いやコレは素でお勧め」

上条「すげえなカバーしてたのかよ!?でもまあどろ○のヒロインよりは健全でいいのか…?」

青ピ「何を言うてるんカミやん。どろ○はいたって健全な漫画やでぇー!いやホント漫画は面白いから読んでみ」

麦野「おーい、脱線すんなよ」ピカッ

上条「すいません、だからその光を引っ込めてください」

麦野「まったく…。で、8世紀に入ると律令国家はしばしば軍隊を派遣したの。その結果、712年には日本海側に出羽国(山形)を建て、724年には太平洋側に多賀城(宮城)を造営したわ」

麦野「多賀城には鎮守府っていう軍政を司る役所が置かれて、蝦夷支配の拠点になったのよ」

麦野「8世紀後半になると蝦夷の活動は活発化していくわ。780年に蝦夷の豪族伊治呰麻呂が多賀城を襲撃する事件が起こって、これ以降30年余りの間、戦闘が断続的に行われた」

麦野「始めのうち、派遣された朝廷軍は歴史上類を見ないほどの鮮やかな負けっぷりを披露したんだけどな。蝦夷の族長の阿弖流為にコテンパンにやられたみたいでよ」

麦野「そして、ここで登場するのがかの有名な坂上田村麻呂よ。まさか知らねえ訳じゃねえよなぁ?」

上条「…」プイッ

浜面「…」プイッ

麦野「おいなぜ顔を逸らす」
818 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 02:00:36.66 ID:dDConeYE0
麦野「この男はこれまた有名な『征夷大将軍』に史上初めて任命されたわ。この役職は後に武士にとって大きな存在になっていくけど、今はその話は置いておくからな」

麦野「『征夷』ってのは読んで字のごとく『東夷を征討する』って意味。つまり東北太平洋側の蝦夷を討つ軍の最高司令官って訳ね」

麦野「田村麻呂は797年に征夷大将軍に昇格して、801年に遠征に出て成功を収めるわ。で、翌802年には陸奥(岩手)に胆沢城を築くために再び陸奥国に赴くの」

麦野「そこで蝦夷の族長の阿弖流為ら500人余りが降伏したんで、それを受け入れて阿弖流為ともう1人の指導者を引き連れて京に上ったのよ」

麦野「これは別に敵の大将を貴族の目の前で処刑するためじゃなくて、始めから阿弖流為を天皇に拝謁させるためだったみたいなの」

姫神「なん。だと…」

麦野「そもそもずっと抵抗し続けてきた阿弖流為があっさり降伏したのは、朝廷の武力に屈したじゃなくて話し合いをするためだったと言われてるのよ」

麦野「でも、中央の貴族が当時異民族とされていた阿弖流為と友好関係を築く訳もなく、田村麻呂の懇願も空しく2人は処刑されてしまうわ…」

上条「…」

麦野「それで、802年に築かれた胆沢城には、かつて多賀城にあった鎮守府が移されたのよ。803年に田村麻呂は陸奥(岩手)に志波城が築かれた。胆沢城よりさらに北になるわね」

麦野「ここの順番大事よ。多賀城(724)→胆沢城(802)→志波城(803)をちゃんと頭に入れといて。場所は徐々に北上してくからな」

麦野「この辺りは781年からの桓武天皇の時世よ。彼は前に言った通り東北の蝦夷の征討に力を入れた人物だったからな」

麦野「その後天皇は806年からの平城を挟んで809年からは嵯峨天皇になった。で、コイツが派遣した文室綿麻呂の征討によって、今の岩手県北部までが律令国家の勢力下に入ったわ」

麦野「…ふう。こんなトコかしらね。ここまでで何か質問とかない?」

上条「」スゥ

麦野「あ?珍しいな上条。どれ、言ってみな」
819 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 02:02:16.20 ID:dDConeYE0
上条「…えっと、言ってしまうとその時代には律令国家っていう都を中心とした国と東北っていうまた別の国があったってことですよね?」

麦野「ザックリ言うとな」

上条「それで、律令国家の方が支配範囲を広げるために東北に進出したんですね?」

麦野「征服とも言う」

上条「…でも、だったら何で蝦夷の人たちは抵抗したんですか?」

麦野「あ?そりゃおm」

上条「確かに自分たちの国に他国の人間が勝手に入ってきたら怒るかもしれない。いきなり支配しますなんて言われてもはいそうですかと受け入れられないのも分かってる」

麦野「いやだからそうじゃなk」

上条「けど、だったらまず話し合えばいいじゃねえかよ!考えや文化の違いはあっても同じ島に生きる人間同士じゃねえか!
   戦闘なんてくだらないもんで相手を拒絶してちゃ何も解決しないことは分かりきってるだろ!?」ガタッ

麦野「おい人の話をきk」

上条「ああそうさ!これが甘ったるい理想論だってことぐらい分かってる。そんなに簡単じゃねえってことぐらい理解できてる。
   それでも、田村麻呂と阿弖流為は分かり合おうとしてたじゃねえか!」

上条「互いの権利を尊重して、文化を認めて、心情を思いやる。それが人間ってヤツだろ!?だったら蝦夷は、阿弖流為は犠牲になんかならなくて良かったんだよ!
   軍人だって死なずに済んだかもしれねえ!」

上条「……いいぜ。それでも人間同士が分かり合えねえっていうんなら…」

上条「まずはその幻想をぶ「話を聞けゴルァ!!(ピューン)」べらぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!?」パキーン

麦野「…」

上条「」ガクブル

麦野「落ち着いたかしら、上条くん?」

上条「は、はい…。ホントすんません」

土御門(カミやんって歴史でこんなに熱くなれたのか…。昔『織田幕府』とか言ってたくせに)
820 : ◆sk/InHcLP. [saga]:2011/10/31(月) 02:03:29.11 ID:dDConeYE0
麦野「うーん。ホントは話が長くなるから端折った部分なんだけど…」

麦野「さっき出てきた『城柵』ってのは蝦夷への前線基地みたいなモンなんだけど、律令国家はここから蝦夷の開墾を進める戦略をとったのよ」

麦野「この時、蝦夷の人々は捕らえられて強制的に働かされたのよ」

麦野「で、東北の人々からすりゃこんなもん許せるはずもない。だから東北各地で反乱が起こったんのよ」

上条「…つまり、始めから律令国家の方が悪かったと」

麦野「当時の連中にはそんな感覚は一切無かったろうけど、要するにそういうこと」

上条「…つまり、始めから上条さんは的外れなことを言っていたと」

麦野「当時の上条にはそんな感覚は一切無かったろうけど、要するにそういうこと」

上条「…」

上条「//」カァーッ

青ピ「カミやんの赤面シーンキタ―――――――――――――!!!」

土御門「ハッハッハー。だぁーれも得しないにゃー!!」

浜面「ん?いや待て。これは…?」


女1「キャー!上条くんが照れてるぅー!」

女2「何か可愛いー!!」

女3「イイ…。凄く……イイ…!」ハァハァ

姫神「確かに。なんとなく可愛い部類かも」

吹寄「……ふん。誰が上条の照れ顔なんかに…」//


青ピ「…」

土御門「…」

浜面「…」

3人「「「これが…カミジョー属性…!」」」

姫神「主人公補正とも言う」

浜面「えっ?じゃあ俺はどうなんの?」

姫神「えっ」

上条「えっ」

浜面「えっ」

全員「「「…」」」


<キーンコーンカーンコーン

麦野「うーし。今日はここまでなー」  
 
831 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 00:49:01.52 ID:NW/2OsWH0
~休憩時間~

上条「はっはっはっ。恥かいちまったぜ」

青ピ「カミやんの赤面とか初めて見たかもしれへんなぁ。…全っ然嬉しくないけど」

上条「喜ばれても困る訳だが」

浜面「でも貴重な場面ではあったんじゃねえか?その筋の人間には高値で売れそうな素材だったぞ」

上条「その筋ってどの筋だよ…。つーかそんなふざけた筋はぶち殺す」

土御門「多分カミやんでも断ち切れないと思うぜぃ…」

青ピ「こればっかりは同感やでぇ…」

浜面「上条さんパネェ…」

上条「?」


ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
麦野「…って訳で、どさくさに紛れて上条の赤面シーンを激写しちゃったんだけどさ。欲しい?」

美琴「欲しい欲しい欲しい!!」ノ

食蜂「私でも見たことありませんのに!ください!!」ノ

小萌「先生も欲しいのですよー!」ノ

一方「俺も欲しいぜェ!!」ノ

ほか「「「えっ」」」

一方「えっ?」

結標(何言ってんのよコイツ…)<ピリリリ

結標「はい?…ええ、それで?」

結標「……は?今から??」
832 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 00:51:20.08 ID:NW/2OsWH0

~3時間目~

一方「このスレに求められてるのは数学じゃねェ。分かりきったことじゃねェか…」

上条「始まって早々どうしたのでせう!?」

一方「いやさァ、絶対おかしいじゃンか。どォ考えても文系の連中の方が優遇されてンじゃン」

土御門「そ、それは仕方のないことじゃないかにゃー…?」

一方「大体ノリで授業始めた時点で変だろォが。いくら俺が優秀でも書き手が数Ⅱ・B○○点だったら意味ねェだろ!?」

青ピ「それをコッチに愚痴られてもどうしようもあらへんでぇ…」

浜面(第一位ってこんなヤツだったのか…?)

一方「そンな訳でェ、今日は真面目に授業やっちゃいまァーす」

生徒たち「「「うげぇっ!!?」」」

一方「あァ!?文句あンのか!文句なら毎日働かずにグータラしてる芳川に言ってくれェ!!」

生徒たち「なに!毎日グータラだと!?なんてうらや…けしからん!!」「そうか!じゃあ僕も働かなくていいんだ!!」「俺…この仕事が終わったら自宅を守るんだ…」

一方「よォし、いいかテメェら。文系に屈するンじゃねェ!勝負は理系だ!!」

一方「センター試験っつゥのは文系の連中は当然文系教科の平均点が高ェ。だから差がつく理系を攻略するか否かで勝敗に大きな差が出てくるもンだ!」

青ピ「おおっ!なんや急に熱い展開に…!」

土御門「しかも結構まともなこと言ってるぜぃ!」

一方「そして、数学を攻略するにはとにかく問題演習だァ!様々なパターンの問題を解くことでスピード、正確性を同時に上げていくゥ!」

浜面「おおっ」

一方「という訳で、今日はひたすら問題演習しまァーす」

生徒たち「「「」」」

一方「まずは簡単な直線の方程式の問題だ。2つの直線がある場合、着目すべきなのは傾き同士の関係でェ……」

土御門(なぁ一方通行。お前は気づいてるのか?…いやそんなはずないよな。だって)


土御門(…問題演習なんて形式にしたら、省略されるのがオチだからな)
833 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 00:52:31.38 ID:NW/2OsWH0

<キーンコーンカーンコーン

一方「…はァーい、ひどい省略でェす」

上条「そんなこと言っちゃ駄目だろ!?つーか俺らの労力は省略されてねえし!」

浜面「そうだそうだ!何だ余弦定理って。いじめか!?」

一方「えっ、オマエら余弦定理も知らねェの?」

上条「えっ、予言だから魔術師とか出てくるんじゃねえの?」

一方「いや魔術師っておま、え?」

上条「え?」

一上「「…」」

一方「……………ハァ」

上条「その絶望しきったようなため息はやめてください」

土御門「カミやん…。余弦定理くらいは覚えよう。なっ?」

青ピ「余弦定理で世界は大きく広がるでぇー」

上条「……具体的には?」

青ピ「テストの点が3点くらい上がる」

上条「俺…余弦定理マスターになるぜ!」キリッ

土御門「なにその超一点突破型のマスター」
834 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 00:53:28.15 ID:NW/2OsWH0
~休憩時間~

上条「」カリカリカリ…

浜面「」カリカリカリ…

青ピ「なんちゅうか……シュールな光景やな」

土御門「姫神がやってきた宿題をカミやんが自分のに写して、さらにそれを浜面が写してるからにゃー」

姫神「えっへん」フンス

吹寄「何も貸してやることはないんじゃないの?課題をやってこなかったんだから、怒られても自業自得な訳だし」

姫神「こういう日頃の努力が。最後に実を結ぶ。うふふ」

青ピ「でも出さないという選択肢もあるでぇー!叱ってもらえるからなぁ!!」

上条「うるせえ。間違いなく怒声とともにビリビリもくるだろうが」カリカリ

浜面「オマエはまだいいだろ。電撃なんて俺は防ぎようがないからな…」カリカリ

上条「いやそれでも普通に怖いから」

浜面「そんなもんか」

上条「お前、麦野さんのビーム思い出してみろ。…どうだ、超怖いだろ」

浜面「うん、超怖い」<ガラガラー

上浜「「!」」クルッ

結標「ど、どうしたのよ2人とも…。まるで鬼でも見たような顔して」

上浜「「…ふぅー」」

結標「? まあいいわ。ところで土御門はいるかしら?」

上条「ん?ここにいるけど」

土御門「にゃー。どうかしたか?」

結標「ちょっと2人きりで話がしたいんだけど」

ほか「「「ふ、ふたりきりだとォ――っ!?」」」

結標「」ビクッ
835 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 00:56:41.20 ID:NW/2OsWH0
青ピ「何や何や!まさか…つっちーにも春が!?クソ、蒸発せい!!」

土御門「うにゃー!舞夏に出会った時点でオレに春は来てたぜぃ!!」

青ピ「んだとぉ!?元から春やなかったんかい!元春だけに」

土御門「おいコラ、他人の名前を弄んのは反則だろうが!」

浜面「おおっ!宿題やってる場合じゃねえ!!」ガタッ

吹寄「うるさいぞ野次馬ども!」

姫神「でもあの2人。案外お似合いかもしれない」

上条「ほうほう。土御門も隅に置けないな」ニヤニヤ

土御門「いやー、それほどでもー……いやねーよ」

結標「ちょ、なに勝手に盛り上がってるのよ!?つーかそんなにサラッと否定されるのも悲しいのだけれど!」

土御門「ハッハッハーッ!いやいや、ジョークだぜぃジョーク。……いやゴメン。やっぱり本格的にお前はナシだわ」

結標「結局フォローになってないし!…まあいいわ。とにかくやましい話じゃないから、さっさと来なさい」

土御門「うおっ!無理矢理従わせようとするなんて、なんて強引な!」キャー

結標「……ここにコルクがある訳だけど」シャキッ

土御門「では参りましょうぞ」キリッ

結標「最初からそう言いなさいよ、まったく…」ガラガラー バタン

<ナンデオレナンデスタイ?
<イイカラコッチキナサイ

上条「…で、結局何だったんだ?」

浜面「さあな。ともかく今は宿題を片付けないと…」

青ピ「ええなぁ。ボクも呼び出されて個人レッスン受けたいわー!」

吹寄「貴様はいい加減黙ってろ」
836 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:01:59.05 ID:NW/2OsWH0
ーーー生物室ーーーーーーーーーーーー
土御門「それで、一体何の用なんだ?」キッ

結標「ええ。実はさっきアレイスターから電話で呼び出されたの」

土御門「アレイスターからだと?…ていうか電話でやり取りしてたのか」

結標「直で来たのは今日が初めてなのだけれどね」

土御門「で、結局ヤツはお前を呼び出して何をさせたんだ?」

結標「それが……」

土御門「」ゴクッ

結標「…テレビカメラの搬入」

土御門「は?」

結標「だから、あのビルにテレビカメラとか音響機器とか、あとはテレビ局のスタッフとかを運んだのよ」

土御門「…おい、言ってる意味が分からんのだが」

結標「私だってそうよ。いきなり第15学区で『仕事』して来いなんて言われて、いざ行ってみたらテレビ局員が『宜しくお願いします!』だもの」

土御門「なるほど。で、とりあえず仕事は片づけたはいいが、あまりに訳が分からないんでこの土御門さんに相談した次第だと」

結標「…ええ。そんな次第よ。貴方はどう思う?」

土御門「うーん、突然そんなことを言われてもなぁ…。少なくともアレはテレビに映りたがるような奴ではないがな」

結標「そうなのよ。まさか『統括理事長独占インタビュー!』なんて番組がある訳がないでしょ?」

土御門「そんなもん誰も見ないだろうが…」

結標「視聴率がレベル0になるものね…」

土結「「うーむ…」」

土御門「…スマン結標。さすがのオレでもこればかりはまったく分からん」

結標「そう。貴方が分からないのなら仕方がないわね…」

土御門「まあ、今の学園都市は平和そのものだし、世界情勢も安定してるからにゃー。危ないことを企んでいる訳じゃないと思うぜぃ」

結標「だといいのだけれどね…」

土御門「? 歯切れが悪いな」

結標「まあね。そもそもレベル5を実習生として集めた時点で不気味でしょうがないわよ」

土御門「1人レベル4がいるけどにゃー」

結標「うっさいレベル0」

土御門「ふっ。土御門さんの真骨頂は能力ではないのですたい」

結標「ここの生徒でそんなこと言うのアンタだけよ」
837 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:03:51.32 ID:NW/2OsWH0
~4時間目~

美琴「さて、4時間目は美琴センセーの英語よ!」

青ピ「ひゃっほーい!」

浜面「ふう。やっぱりこう、御坂先生の授業は落ち着くなぁ」

上条「そうか?上条さんはいつ電撃が飛んでくるかとビクビクしてるのですが…」

美琴「…今飛ばしちゃう?」ビリリッ

上条「いえ結構です」

美琴「ふーん。まあいいわ。皆、早速今日の分の課題、提出してもらうわよ」

浜面「いやはや、何とか出せるな俺たちも」

上条「ああ。努力の甲斐があったな!」

美琴「じゃあ後ろの人集めてねー」

浜面「にしても、自分でも何書いてるかさっぱりだったぜ!」

上条「だな!俺も世界を渡るたびに英語って大事だなーっては思うんだけど、いざ勉強してみても分かんねえんだよなー」

美琴「おーい、後ろの2人ー。早く集めてこーい」

浜面「確かに外国語って分かると分からないじゃ全然違うよな。ロシア行ったときも全部滝壺に訳してもらったし、現地の人も日本語で合わせてくれたし」

上条「俺も俺も!ロシアでもイタリアでもイギリスでも…あと一応フランスでもだけど、皆日本語で話しかけてくれるんだよな。コッチとしてはありがたい話だけど」

美琴「ちょろっとー。聞いてるぅー?」

土御門「話に夢中になり過ぎててまったく耳に入ってないと思われるぜよ」つ[]]

美琴「あっ、ありがと。そっかー、ふーんそうなんだー」ビリリッ

土御門「うぎゃあ!?ちょっとオレに感電してるにゃー!?」

美琴「うふふふ。私の話が聞けないだそうなんだー。ふーんもうどうしてやろうかしらん?」ゴゴゴゴゴ

青ピ「こ、これはボクでも補正が効かんレベルやでぇ!」ガクブル

土御門「青ピでも駄目なレベルだと!?くっ、カミやん、急いで回収を…!」

上条「だからさ、何が大事かっていうと、もしこれから外国に行くにしたって、現地の人たちが俺らに合わせてくれるとは限らないってことなんだよ!」

浜面「確かにな!俺なんか能力とかで役に立てねえし、せめて語学の面でカバーされないようにしねえと」

土御門「全然聞いてねえよコイツら!?つーかそんなどーでもいいことで盛り上がってんじゃねえぞ!」

美琴「………たしが」

土御門「ん?」

美琴「そんなもん私がカバーしてやるっつーのよ、このクソ馬鹿ァァあああああああああああああああああああああ!!!」ビリリーーッ!

土御門「ツンデレか、それはツンデレなのかァァああああああああああああああああ!!?」
838 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:05:16.55 ID:NW/2OsWH0
美琴「うおらァァあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」バチバチバチーーッ!!

土御門(マズい…。軽く暴走状態だぜぃ。これは周りを巻き込むかもしれんぞ)

青ピ(アカンアカン、アカンでぇ…。ギャグで済まないかもしれへんぞ)

浜面(うおっ!?何だか盛り上がってる間に大変なコトに!!?)

上条「…あれれ?おいみk…御坂!何やってんだちょっと落ち着けって!!」ガタッ

土御門(…これは)チラッ

青ピ(やるしか)コクッ

浜面(…ない!)グッ

美琴「私の話を聞けェェえええええええええええええええええええええええ!!!」バチバチーーッ!!

上条「くっ、一体何がどうn」

浜面「上条!」ドンッ

上条「えっ」フラフラ

青ピ「カミやん!」バシンッ

上条「ちょっ」クラクラ

土御門「カミやーん!」ガツンッ

上条「おまっ」フラフラ…

美琴「…ぇぇぇぇぇぇえええええええええって、えっ?」

上条「えっ?」

<パキーン

上条「…」ダキッ

美琴「…」ダカレッ

ほか「「「…えっ?」」」


美琴「………ふぇ?」
839 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:06:49.20 ID:NW/2OsWH0
上条「…ありゃ?」ダキッ

美琴「…うぅ」////

青ピ「…………んな」

生徒たち「「「なんぞこれェェええええええええええええええええええええええええええ!!?」」」

青ピ「えっ、ちょっと待って整理させて。これどういう状況なん?」

土御門「にゃー。浜面、カミやんを押す。青ピ、カミやんを(ry。オレ、カ(ry。カミやん、奇跡的に先生に抱きつく。こんなトコだぜぃ」

浜面「えっ、何?これって俺のせい??」

姫神「くう。羨ましい。けしからん」

上条「あの、えっとぉ…?」

美琴「/////」シュン

上条(いかん!押されたと思ったらいつの間にか抱き着いてたし美琴はうつむいて喋らないしそもそもこの状況を打破できるか上条当麻!!?)

吹寄「…………上条当麻」

上条「ひいっ!?な、何でございましょうか吹寄サン?」

吹寄「釈明があるなら一応聞いておこう。……もっとも、情状酌量の余地は皆無だけど」

上条(うわっヤバッ!?完全に吹寄の目が据わってるよ絶対能力でボコボコにされるってこれ!つーか他の連中まで何やら動きが不穏に!!?)

生徒たち「上条許すまじ」「ラッキースケベには血の制裁を」「上条くんは私の……私だけのモノ。ふっ、ふふふふふあはははははははははははは―――っ!!」ガヤガヤ

上条(うわわわわっ!何だかもう皆殺気立ってて恐ろしいですぞ!?おい何だその炎は。なぜ病んでる子がいる!?)

上条(しかも姫神は机から魔法のステッキ取り出してるし浜面は伸縮式の警棒持ってるし青ピの全身からは気持ち悪いオーラが出てるし…。あと土御門。折り紙出すなお前のはマジで洒落にならん)

上条(…ここは上条さんの持ち得るすべての知識を用いて最高のフォローをせねば!!)キリッ

上条「…」パッ

美琴「あっ」

上条「…はははっ」

ほか「「「…?」」」


上条「こりゃあ完全に自己責任だよな。事故だけに」キリッ

吹寄「よし一斉攻撃開始」

<ドンドンドカーン ズバコーン ガガガガガガ パキーン フコウダー


美琴「も、もう少しだけならあのままでも良かったのに…。ってあれ!?ちょっ、皆ストップストップ!!」
840 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:07:49.98 ID:NW/2OsWH0
~しばらくして~

上条「し、死ぬかと思った…。対アックア戦を彷彿とさせるものがあったぞ」

土御門「それ、ほぼ死にかけだぜぃ」

美琴「まったく…。皆、モノには限度ってもんがあるんだから。一応気をつけなさいよ」←上条への攻撃を半分くらい防いだ

生徒たち「「「はーい」」」

美琴「ふう…。それじゃ、授業始めるわよ」

美琴「今日はまず最初に問題を出して、その解説をしながら文法や語法、イディオムのチェックをするからね」

上条「……おい土御門。『いでぃおむ』って何だ?」ヒソヒソ

土御門「……慣用句とか熟語とかって意味ですたい。つーかそれくらいググれ」ヒソヒソ

上条「授業中にググれるか!?」

美琴「ググるねぇ…。そうだ、私の授業でもしも隠れてケータイ弄ろうなんていう輩がいたら…」

浜面「…いたら?」

美琴「問答無用でケータイがビリビリ☆地獄になるからそこんトコよろしく。ま、私なら使った瞬間すぐに探知できちゃうけど」

生徒たち(高校生の敵だなぁ…)

美琴「それじゃ、いっちょいきますか。まずは…」カッカッカッ


(a) Needless to say,hunger is the best sauce.

(b) It goes ( ) saying that hunger is the best sauce.
841 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:09:03.56 ID:NW/2OsWH0
美琴「さて問題。カッコの中に当てはまる英単語は何でしょう?―――ハイ浜面クン!」ビシッ

浜面「俺!?えっとぉ…」

美琴「ヒントはもちろん上の文よ。『Needless』ってのは『need』に接尾語の『less』で否定の意味を持たせた単語だから、“必要でない”っていう意味になるわよね」

浜面「えと、そうっすね」

美琴「だとすると、『Needless to say』の意味はどうなるかしら?」

浜面「うーん。『say』ってのは言うっつう意味だから、“言う必要もない”ってトコか?」

美琴「うんうん。ほぼ正解ね。こういう慣用表現で使う場合は“言うまでもなく”って訳すかな」

美琴「さて、そうすると下の分はどうなるかしらね?」

浜面「あー、“言う”っつう部分は『saying』で表されてるから、あと必要なのは……『less』の部分か」

美琴「うんうん!もう少しもう少し!」

浜面「否定…?『not』ってのはそもそも動詞に使うモンだし、この場合は名詞になるから……『without』?」

美琴「ハイ浜面クン正解おめでとう!」

浜面「おっ…。うっしゃあ!これで英語マスターに一歩近づいたぜ!!」

上条「なん…だと…?浜面が英語マスターに近づいている…だと!?」

ほか(英語マスター……?)

美琴「はいはい。そんじゃあ、次の問題はアンタに出題してあげる」

上条「そ、そんなぁ!」

美琴「ふふっ。……ま、アンタは英語なんか覚えない方がいいんだけどさ」ボソッ

上条「ん?今何か言ったか?」

美琴「な、何でもないわよ!」カッカッカッ

ほか(相変わらずのテンプレ展開……)


The new theory has ( ) to be proved.

①already ②become ③been ④yet
842 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:10:41.60 ID:NW/2OsWH0
美琴「さあ、アンタお得意の記号問題よ!埋めるだけだから超簡単♪」

上条「埋めりゃいいってモンじゃねえぞ!?」

美琴「ふーん。分かってるじゃない」

上条「上条さんでも流石にそのくらいは分かりますよ」

美琴「よし、じゃあその調子でこの問題も分かっちゃえ」

上条「そんな軽い調子ではこの問題は解けませんのことよ!?」

美琴「まあまあ。ちょっと時間あげるからよく考えなさい」

上条「具体的には?」

美琴「30秒」

上条「ふんぬゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

青ピ「カミやん!?どないしたんや一体?」

土御門「多分無い知識を必死に絞り出してるんだにゃー」

浜面「無いとか言うなよ、可哀想だろ」

土御門「お前だって知識無いだろ」

浜面「(´・ω・`)」

上条(…よし、よく考えるんだ上条当麻。まずは①。『have already』の形は現在完了形の文ではしばしば見受けられる。しかぁーし、その場合は過去分詞がすぐ続くはず!)

上条(よって①は違う。次に②。仮にこの文が現在完了形ならば動詞『become』の過去分詞としてこの位置にあっても不思議ではない。しかぁーし、この動詞はto不定詞には繋がらない!)

上条(そして③。確かに現在完了形の文には『have been to』で“~に行った”のような使い方もある。しかぁーし、この場合は次の『be proved』へは導けない!)

上条(つまり、このまま消去法でいけば…!)

上条「……答えは④だ!」

美琴「! 正解よ。お見事!」

上条「よっしゃあ!」

美琴「じゃあ訳して」

上条「おう任せろ!……って、えっ?」

美琴「えっ?」
843 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:11:44.85 ID:NW/2OsWH0
上条「あの、この文を訳すのでせうか?」

美琴「そう言ってるじゃない。穴埋めは当たったんだから、日本語訳だって大丈夫でしょ?」

上条「…」

美琴「…まぁいっか。コレ、結構レベル高い文だし、私が解説するわ」

上条「おおっ、ありがたや…」

美琴「まずこの文で一番大事なのは『have yet to do』のトコよ。これは分かるわよね、上条くん?」

上条「ああ。でもこれをどう訳せばいいかが分からん」

美琴「なるほど。じゃあまず『yet』ってどういう意味?」

上条「えと、確か“まだ”だっけ?」

美琴「そう。通常は否定文の文末にもってくる単語ね。『Not yet』で“いいえ、まだです”っていう表現もあるわね」

上条「ふむふむ」

美琴「それで、この文法だと『yet』に否定的な意味合いを持たせることで、“まだ~していない”という、むしろ現在ではまだ行われていない事象を表すの」

上条「うーん。とにかく“まだ~していない”って覚えた方がいいのか?」

美琴「この場合はそうした方が賢明ね。変に『have』と『yet』の関係だけを見て現在完了にとっちゃうと絶対に間違えるし」

上条「なるほど。丸暗記なら何とかなるぜ!」

美琴「あっ、あと『be yet to do』でも同じ意味になるから、文章で出てきたら思い出してねー」

上条「おう!」
844 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:13:03.74 ID:NW/2OsWH0
美琴「さて、じゃあこの文の全訳を……ハイ土御門クン!」ビシッ

土御門「にゃー!?不意打ちとは卑怯なり――っ!」

美琴「優秀な土御門少年には2秒で訳してもらおうかにゃうふふふ」

上条(ああ、いつぞやの…)

土御門「うげっ、2秒はキツいぜよ!」

美琴「はい、文句を言わずにさっさと訳す!」

美琴(さあ、大人しく負けを認めなさいこの帰国子女が!)


土御門「“その新しい理論はまだ証明されていない”…ってトコか?」

美琴「」

上条「ほえー。さっすが帰国子女」

浜面「へぇー。アイツって外国出身なのか」

上条「そんなレベルじゃねえけどな。色んな意味で」

浜面「?」
845 :>>839 つっちーは魔術使うフリだけで使ってません  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:15:18.46 ID:NW/2OsWH0
美琴「くっ、じゃあこの美琴センセーの高難易度問題には対処できるかしら?」

土御門「ふっ。土御門さんの性能は常盤台のお嬢様でも対応できぬほどハイスペックなんですたい」

美琴「……言ったわね金髪グラサン高校生」ギリッ

土御門「……それがどうした茶髪ブルジョワ中学生」キッ

上条「えっ、なにこの雰囲気」

青ピ「つっちーに変なスイッチが入ったでぇ…」

美琴「…じゃあいくわよ」

土御門「いつでもどこからでも」

浜面「い、一体何が始まるんだ?」

美琴「…」

土御門「…」

ほか「「「…」」」ゴクッ


美琴「よっしゃあ!美琴センセーのぉ、超高難易度問題10連発ゥゥううううううううううううううううううううう!!」

土御門「上等だァァァァァ!かかって来いや中学生ィィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

ほか「「「」」」

美琴「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」カッカッカッカッカッカッカッカッカッ
846 :※本当に超難関問題とは限らない訳だが  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:17:19.79 ID:NW/2OsWH0
問1:彼女の発言は私には奇妙に思われた。
    Her remarks ( ) me ( ) strange.

問2:“Why does Mary wear so many clothes ?” “Because she is very ( ) to cold”
    ①sensual ②sensible ③sensitive ④sentimental

問3:My sister will be sure to visit you when you are convenient for it.
         ①── ②─       ③── ④──────────
   ※①~④から間違いを一つ探し、数字を選んで訂正すること。

問4:What (you/line/in/are) ?

問5:私は彼女に会議へ出席するように説得しようとした。
    I tried (attending/her/into/meeting/talk/the/to).

問6:The boxer finally (①pulled through ②turned out ③came about ④came to) ten minutes after he had been knocked out.

問7:What sports do most students (①go over ②go in for ③give in ④consist of) these days ?

問8:New clothes are expensive,so you'll just have to make do with what you've got.
                                 ─────
    ①manage with ②part with ③show off ④take off
   ※同じ意味であるものを選べ。

問9:He is always pulling my leg.
           ──────
    ①counting on me ②making fun of me ③letting me down ④killing me

問10:The boys get on my nerves with that noise they make.
           ───────
    ①amuse me ②irritate me ③surprise me ④encourage
847 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:18:49.74 ID:NW/2OsWH0
美琴「うっしゃあ!んじゃ、ちょろっと前に出てきてこの問題解いてもらおうかしら?」

土御門「ほいほーい」スタスタ

美琴「さぁーて、お手並み拝見と…」

土御門「~♪」スラスラ

美琴(超速解答……だと…?)

土御門「…ふいー。終わったぜぃ」

美琴「んなっ!?」

土御門「それで、オレの解答は10点満点中だとどれくらいなのかにゃー?」
848 :投下寸前に誤字訂正。あぶねえ…  ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:23:53.24 ID:NW/2OsWH0
問1:彼女の発言は私には奇妙に思われた。
    Her remarks (struck) me (as) strange.

問2:“Why does Mary wear so many clothes ?” “Because she is very (③) to cold”
    ①sensual ②sensible ③sensitive ④sentimental

問3:My sister will be sure to visit you when you are convenient for it.
         ①── ②─       ③── ④──────────
   ※①~④から間違いを一つ探し、数字を選んで訂正すること。
…④→ it is convenient for you

問4:What (line are you in) ?

問5:私は彼女に会議へ出席するように説得しようとした。
    I tried (to talk her into attending the meeting).

問6:The boxer finally (①pulled through ②turned out ③came about ④came to) ten minutes after he had been knocked out.
…④

問7:What sports do most students (①go over ②go in for ③give in ④consist of) these days ?
…②

問8:New clothes are expensive,so you'll just have to make do with what you've got.
                                 ─────
    ①manage with ②part with ③show off ④take off
   ※同じ意味であるものを選べ。
…①

問9:He is always pulling my leg.
           ──────
    ①counting on me ②making fun of me ③letting me down ④killing me
…②

問10:The boys get on my nerves with that noise they make.
           ───────
    ①amuse me ②irritate me ③surprise me ④encourage
…②
849 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:25:21.28 ID:NW/2OsWH0
美琴「…お見事。10点よ」

土御門「やったぜぃ!!」

ほか「おおーっ!土御門スゲー!!」「いや、俺は思ってたね。アイツはやれば出来るヤツなんだと!」「つっちーカッコいいキャー!!」

土御門「いやー、照れるぜよ」ハッハッハッ

土御門(…ホントは職業柄、こうして目立つのは御法度なんだが)

女子たち「キャーキャーウキャー!!」

土御門(……悪くない、気分だぜ)ニヘラ


浜面「うっわ。アイツ半端ねえな」

上条「だな。つーかアイツ、イタリア語も読めるんだよなぁ…」

浜面「嘘っ!この年で三ヶ国語も話せるのかよ!?」

上条「いやー、3つかどうかも怪しいからなぁ…」

浜面「…少しだけ噂には聞いていたけど、本当に有能なヤツなんだなぁ」

上条「噂?アイツって有名人なのか?」

浜面「ん?ああ、あん…俺の方の世界じゃそれなりに有名だったんだ。金髪グラサンの凄腕エージェントって話だったな」

上条「…まあ、確かにそんな感じだけど」

浜面「うーんと、あともう1つこの噂には続きがあって…」

上条「続き?」

浜面「ああ。確かその金髪は例の『窓の無いビル』って場所にも入ることのできる数少ない人間で、あと…」


浜面「―――学園都市統括理事長、アレイスター=クローリーに最も近い人物なんだと」
850 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/07(月) 01:28:33.11 ID:NW/2OsWH0
ーーー通称『窓の無いビル』ーーーーーーーーーーーー
カメラマン「テレビカメラのセット、完了しましたー!」

スタッフ「音響、照明その他の準備も整いました!」

ディレクター「よし。これで準備はオーケーだな。…本番まであと3、40分ってトコか」

プロデューサー「ふむ。あの、軽くリハくらいはした方がいいのでしょうか?」

手下「それは理事長に伺ってみないことには…。理事長、理事長ぉ――っ!」

☆『どうかしたのか?』

手下「いや、これから生放送なんで、一応カメラや音響のチェックした方がいいのでしょうかー?」

☆『好きにしたまえ』

手下「…だそうだ」

プロデューサー「了解した」

ディレクター「それじゃ、本番前のリハやりまーす!」

☆『(ふむ。よもやこの私が生放送に出ることになろうとはな)』

エイワス(ふふっ。そう言っている割には随分楽しそうだな、アレイスター)キュイーン

☆『(…エイワスか。一体どこから話しかけているのだかな)』

エイワス(私の行方などどうでも良かろう。それより、本番に向けてスピーチの練習をしたらどうかね?…もっとも、君が途中で噛んでくれる方が、私としては興味深いのだがな)

☆『(ほう。ではご期待に沿えられぬよう全力を尽くすしかあるまい)』

エイワス(くっくく。手厳しいな)

☆『(仕方あるまい。私とて油断すれば失敗くらいはするのだからな。……そうか、私という生き物は月並みに緊張を自覚しているのかもしれん)』

エイワス(君が緊張だと?くっくっく、それは一体何のジョークだ?)

☆『(…そろそろいいか。もう「リハーサル」が始まってしまうのでな)』

エイワス(そうか。ではアレイスター、君には期待しているぞ)


エイワス(……せいぜい私を楽しませてくれよ) 
 
858 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:35:49.73 ID:0Dx3rPuu0
ーーーとある高校 2年3組ーーーーーーーーーーーー
美琴「ふ、ふん。大したもんじゃない。さすがは土御門の兄ね」

土御門「舞夏のことを評価してもらえるのは嬉しいけどにゃー。別にそれとこれは関係ないぜい」

美琴「あれ、そうなの?」

土御門「まあ義妹だし」

美琴「確かに似てないわね」

土御門「だから何も問題ないし」

美琴「確かにそれなら問題は……っておい」

土御門「?」

美琴「…もしかしてあの子の『兄と妹でドロドロになるヤツが好きー』ってのはアンタの影響なワケ?」

土御門「まっさかー。そりゃあくまで本人の嗜好の問題ですたい」

美琴「そっか…。なら安心したわ」

上条「果たしてそれは安心していいのだろうか?」

浜面「まあ駄目だろうな」

土御門「うるせえバカども。それ以上舞夏の悪口言ったら眼球にデコピンするぞ」

上条「眼球に!?」

浜面「もはやデコピンじゃねえし!?」

美琴「はいはい。と…上条くんが可哀想だからやめたげなさい」

浜面「あれ、俺は!?」

美琴「……」プイッ

浜面「こっち見てくれません!?」

美琴「こっち見んな」

浜面「(´・ω・`)」
859 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:36:56.08 ID:0Dx3rPuu0
土御門「さて、そろそろオレは席に戻ってもいいですたい?」

美琴「うーん、そうねえ。いや待てよ、ここまで出来てるんだったらいっそ…」

土御門「ん?」

美琴「もう解説もお願いしようかしら?」

土御門「え゛」

美琴「どうせ大丈夫でしょ?」

土御門「ま、まあ一応はにゃー…」

美琴「じゃあヨロシクー」

土御門「うにゃー!?」

吹寄「せ、先生!いくら何でもこんなのに解説させるなんて!」

土御門「そうだそうだー!……あれ、この構図おかしくね?」

美琴「まあいいじゃない。熱心な生徒が暴走したってことにしとくから」

土御門「いやあの、オレってばそんな熱心な訳じゃ」

バチバチバチィィィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

土御門「…よーし、つっちー頑張っちゃうぞー☆」

美琴「そうそう。最初から素直に言うこと聞けばいいのよ」

姫神「レベル5たちによる。恐怖政治」

美琴「姫神さん、何か言ったかしらん?」ニコォ

姫神「……地獄耳とは」

美琴「ていうか、私なんかまだ中学生だから教員になるかも不明だし」

上条「それもそうだよな。つーか中学生に教わってる俺らも俺らだけど」

浜面「常盤台なら仕方ねえよ。まっ、麦野の場合は実際に教員になってても違和感ないけどな」

ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

浜面「」ピクピク

上条「oh…」

姫神「……地獄耳とは」
860 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:37:53.01 ID:0Dx3rPuu0
土御門「んじゃ早速、つっちーの英語講座のはじまりはじまりー♪」<テレテッテッテッテッテ テレテッテッテッテッテ テレテッテッテッテッテッテッテッテ パッポッ

吹寄「いや、なぜこのBGMなのよ」

土御門「雰囲気作りが大事だからにゃー」

美琴「そんじゃ、私はアンタの席借りてるわねー」スタスタ

土御門「了解したぜい。あれ?ってことは…」

美琴「…何よ。文句でもあるの?」ビリリッ

土御門「いやー、滅相もないにゃー!」

美琴「…ふん」スタスタ ストン

上条「おーす。隣りで解説頼むぜ、美琴」

美琴「別にアンタに個別指導するためにここ来たわけじゃないんだけど」

浜面(あれ、呼び捨て…?)

土御門「うーし、ボチボチやってくぜよ。まずは問1。最初から難問だな」

土御門「答えは『struck』と『as』になるんだが、日本語訳を見る限り、コイツは過去形の文だよな?」

土御門「ということは動詞『struck』も過去形だな。じゃあこの原形は何かな、カミやん?」

上条「俺かよ!?」

土御門「教師ってのは下から叩き上げてくモンなんだぜい?」

上条「畜生、これが権力を握る人間か…!」

土御門「うっはっはっは!これはなかなか気分がイイなぁ!……つーかさっさと答えろや」

上条「くっ、さすがは『Fallere825』。始めから騙せる相手じゃなかったか…」

土御門「なんで『struck』の原形知らねえくせにオレの魔法名は覚えてるんだよ」
861 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:39:03.43 ID:0Dx3rPuu0
上条「ん?ああ、案外覚えやすくてさ」

土御門「元はラテン語だぞこれ。何なら今度ラテン語講座でも開こうか?」

上条「マジで勘弁してください」

美琴「あっ、私受けたい」ノ

土御門「後で詳細詰めるか」

上条「勉強熱心だなオイ!?」

美琴「だ、だって、もしものときのためというか…」///

土御門「いや、ラテン語が公用語なのはバチカンくらいだし、使うのもペテロのジジイが会見するときだぜい」

浜面「へぇー」

土御門「…いや、それよりも答えだカミやん。このままじゃ一向に進まん」

上条「え、えっとぉ…?」チラッ

美琴(……私?随分ヘルプ求めるの速いのね)

上条(…頼む美琴。お前しか頼れねえんだ!)ヒソヒソ

美琴(! し、仕方ないわねぇ。ヒントなら出してあげるわよ)ヒソヒソ

上条(よしこい!)

美琴(そうねぇ…これなら大丈夫かな。いくわよ、ピッチャー振りかぶってぇ…投げた!パシッ!)

上条「ボール!!」

美琴「いや違うだろ」
862 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:40:00.21 ID:0Dx3rPuu0
土御門「…もういい。『strike』な。普通コイツは“打つ”とか“当てる”とかって意味なんだが、他にも“印象を与える”なんて意味を表す用法もある」

土御門「この場合、設問のように『strike A as B』の形で出題されることが多い。覚えておけ」

上条「ふーん」

土御門「特にカミやんはな」

上条「」

土御門「ちなみに『strike A』で“(考えなどが)Aに思い浮かぶ”という意味も表すぞ」

美琴「『occur to A』と同義ね」

土御門「こっちの方が見覚えがあるかと思われるぜい。さて、こんなペースで次も進めていくぞ」

青ピ「何やつっちー。今日は真面目やねー」

土御門「今は土御門先生とお呼び!」

青ピ「御門先生やったらええねんけど…」

土御門「オレにそんなトラブルを期待するなよ?よし次の問題いくか」

土御門「問2は紛らわしい単語の見分けだ。4つとも似てるっちゃ似てるが、残るのは『sensible』と『sensitive』だろうな」

土御門「コイツらはよくゴッチャになるが、『sensible』が“分別のある”、『sensitive』が“敏感な”って意味だ」

青ピ「じゃあボクって『sensitive』なんー?」

土御門「何に対してかは知らんがな。さあ、これを踏まえて問2を見てみようか」

土御門「まずは『Why does Mary wear so many clothes ?』で“なぜメアリーはそんなにたくさん服を着てるんだい?”だな」

土御門「これに対する返答が『Because she is very ( ) to cold』なんだが、カッコ内を省略して無理矢理訳せば“彼女はとても寒いからだ”となる」

土御門「ここでさっきの2つの単語の登場だ。ここまでくれば答えは分かるな?」

吹寄「ていうか答え出ちゃってるしね」

土御門「だにゃー。訳は『sensitive to cold』で“寒がりな”とでもすれば完璧ですたい」

姫神「ふむふむ」
863 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:40:58.23 ID:0Dx3rPuu0
土御門「じゃあ問3いくぜい。これは『convenient』の用法についてだな」

土御門「この単語は普通『人』を主語にとらない。つまり、『you are』の部分が誤りぜよ」

土御門「だからこの場合は『you』を後ろへ持って行って、『it』を主語にした構成にするのが正しい判断だ」

土御門「用法としては、『be convenient for A』、“Aに都合のよい”の形で押さえてほしいところだな」

上条「おおっ、さすがだな土御門!羨ましいぜその英語力」

土御門「そりゃどうも。ま、現地で使うのには授業みたいに形式ばった用法は必ずしも正しいとは言い切れないけどにゃー」

上条「…どういうことだ?」

土御門「例えば地方によって日本みたく方言もあるしな。つっても現地に何ヶ月も放り込まれりゃ自然と身に着くとは思うけど」

上条「へぇー。だが断る」

土御門「カミやんはインデックスがいれば大丈夫だろ。あれはガイドとしてはともかく、通訳としては最適な人材だからな」

上条「あー、それもそうか」ポンッ

美琴「えっ!?で、でもあのシスターじゃなくても、通訳くらいなら私が…!」

土御門「いやー、さすがに御坂先生でも対抗するのはキツいと思うぜい?インデックスならアマゾンの奥地でも東南アジアの密林の中でも対応できるし」

上条「あの、上条さんは特にジャングルとかに用は無いのですが…」

美琴「むー!」

土御門「つーか、曲がりなりにも一介の中学生がここまで語学詳しいんだからもういいだろ。やっぱ常盤台パネェ」

美琴「そんなことは無いと思うけどね。英語・フランス語・ロシア語……あとはどこだろ。これくらいしかないし」

ほか(本当に中学生…?)

土御門「日本人にしちゃ十分すぎる語学力だと思うけどにゃー。まぁともかく続けるとするか」

土御門「次は問4ぜよ。並べ替えだな。これくらいは当ててほしいモンだぜい」

上条「…」

浜面「…」

土御門「名詞の『line』には“職業/商売”っつう意味もあるんだにゃー。で、答えのような表現が用いられることが多いんだぜい」

吹寄「ほうほう」メモメモ
864 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/11/14(月) 04:41:40.68 ID:0Dx3rPuu0
土御門「さて、続いては問5。またまた並べ替えだな」

土御門「ここで使われてるのは『talk A into doing』。“Aに話して…してもらう”ってヤツだにゃー」

土御門「これさえ分かってればさほど難しい問題ではないですたい」

美琴「『persuade A to do』と同じ表現ね」

土御門「だにゃー。『talk』ってのは基本自動詞なんだが、さっきのヤツや『talk A out of doing』、“Aに話して…するのをやめさせる”は他動詞用法だぜい」

土御門「よし、次からはイディオムに入っていくにゃー」 
 
871 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:43:31.46 ID:NQSCDVot0
土御門「じゃあ問6の説明に移るぜい」

浜面「なんかもう本物の英語教師みたいだな」

土御門「帰国子女だからにゃー。さて、この文はノックアウトされたボクサーのお話ぜよ」

上条「ノックアウトされた、ねぇ…」ジトー

土御門「いやカミやん、あの時は仕方なかったんだってば。ちゃんと謝ったじゃん後で」

上条「にしたってあそこまでやることはねえだろうが!」

青ピ「アソコまでヤル?」

上条「青ピ、お前はいくらなんでもそこまでのキャラではなかったはずだ」

美琴「えっ?じゃあアンタ、あの金髪に喧嘩で負けたの?」

上条「おう。10秒でボッコボコにされた」

美琴「なん…だと…」

土御門「ま、まぁ相性の問題だぜい?だから間違ってもオレと喧嘩しようなんて考えないでくれよ」

美琴「うっ。な、何でよ?」

土御門「だって土御門さんは素手で超電磁砲受け止められないし…」

姫神「受け止められるとか。対応できる方が。まともじゃないけど」

青ピ「まぁ、ボクらが見れる代物やないけどなぁ。超電磁砲は」

浜面「原子崩しはしょっちゅう見るんだけどなぁ」

土御門「それはお前だけぜよ。さて、そろそろ解説に戻るか」

土御門「まぁ全部用法の確認だし、もう選択肢にあるヤツをざっと書いていくぜい」カッカッカッ

上条(面倒臭くなったな…)
872 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/11/26(土) 02:44:51.81 ID:NQSCDVot0
問6
 ① pull through……回復する、乗り越える
 ② turn out…………判明する
 ③ come about………起こる(=happen)
○④ come to…………意識[正気]を取り戻す

問7
 ① go over…………近づいて行く、訪問する
○② go in for………~を好む、~に参加する、~を始める
 ③ give in…………降参する、屈服する
 ④ consist of……~から成る、成立している
――→ちなみに[consist in]で“~にある、基づいている、依存している”になる。

問8
○① make with A……Aで間に合わす/済ます(=manage do with )
 ② part with A………(やむなく)Aを手放す、売り払う
 ③ show off……………かっこよく見せる、見せびらかす、引き立たせる
 ④ take off……………離陸する、飛び立つ

問9
 ① count on A…………Aを当てにする(=rely on A)
○② make fun of A……Aをからかう(=pull A's leg,tease A)
 ③ let A down…………Aをがっかりさせる
 ④ kill A………………[ピーーー]

問10
 ① amuse A……………Aを面白がらせる、楽しませる
○② irritate A………Aの神経にさわる(=get on A's nerves)
 ③ surprise A………Aを驚かす
 ④ encourage A………Aを励ます
873 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/11/26(土) 02:45:44.70 ID:NQSCDVot0
土御門「…とまぁ、こんな感じぜよ。答えの用法だけじゃなくて選択肢にあるモノも出来るだけ覚えておくといいぞ」

上条「ふーん」

土御門「いやふーんじゃなくて覚えろっての」

姫神「めもめも」

土御門「御坂先生、こんなもんでいいかにゃー?」

美琴「ええ、お疲れさま」

青ピ「み、御坂先生からの労いの言葉だと…。羨ましいでぇつっちー!」

土御門「はっはっは!舞夏の褒め言葉とは違ったありがたみがあるぜい」

浜面「ここでも妹自慢かよ」

土御門「いや、義妹ぜよ」

浜面「そういやそうだったか」

土御門「だからナニをしても大丈夫だし」

浜面「そりゃそ……いやそういう問題じゃねえよ」

上条「浜面、コイツには何を言っても無駄だぞ」

浜面「は?どういうことだよ上条?」

上条「あの金髪は既に義妹に手を…」

土御門「わぁーっ!カミやん、何てことを言」

<キーンコーンカーンコーン
874 : ◆sk/InHcLP. [sage]:2011/11/26(土) 02:46:47.79 ID:NQSCDVot0
美琴「…はい、授業おしまい。皆、今朝話した通り体育館へ向かってねー」

ほか「「「はーい」」」

土御門「……た、助かったぜよ」フゥー

浜面「で、義妹に何をしたって?」

上条「ああ。実はもう手を出し」

土御門「ぬおわらァァあああああああああああああああああああああああ!!」バキィ

上条「ふごっ!?」メキィ!

浜面「上条ぉ!?」

土御門「ついでにオラァ!」ゲシッ

浜面「俺も!?」バコッ

美琴「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ土御門兄!浜面はともかくっ!」

浜面「えっ、その文脈で俺が出てくるの!?」

美琴「一体どうしたのよアンタら」

土御門「い、いやー、とっても何でもないぜい」

美琴「何やら土御門兄が義妹に手を出してドロドロの兄妹関係がどうとか聞こえたんだけど」

土御門「あああああの、べべべべべべ別になな何でもないですたいぜよ!?」

美琴「動揺しすぎよ。まぁ他人様の家庭事情に口を出すつもりはないかいいけどさ」

上条「いや良くないだろ倫理的に」

美琴「とにかく体育館に行って」

3人「「「へーい」」」
875 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:47:36.86 ID:NQSCDVot0
~昼休み~

ーーー体育館ーーーーーーーーーーーー
小萌「はいはい。ちゃっちゃと準備しちゃってくださーい」

黄泉川「スクリーンの次はプロジェクタの用意じゃんよー」

素甘「機器の調節係はどこー?」

<スイスイ テキパキ

上条「…一体何が始まるんです?」

青ピ「何や、てっきり校長のつまんねー話かと思うてたわ」

浜面「あっ、やっぱり校長先生の話って長いの?」

上条「まあなー。っつってもどこの校長も一緒だけどさ」

青ピ「大覇星祭のアレはマジで勘弁してほしいなぁ。いっそボクが統括理事会に入って変えたろか?」

浜面「俺、オマエと付き合い長くないけどさ。それは本当にやめてくれ」

上条「確かに。子供たちの精神衛生上良くないな」

青ピ「そんなぁ!2人とも反対なん!?」

浜面「まぁ、クソッタレの上層部よりは幾分かマシかもしれねえがよ」

上条「そもそも理事会に入るにはアドバイザーが必要じゃなかったか?確かトレインとか言う…」

青ピ「トレインちゃうブレインや」<ヘクチッ

上条「あれ、先輩。夏風邪ですか?」

雲川「いやいや。これでも体調管理は上手な方だけど」スタスタ

上条「っつーか、先輩何でここいるんです?」

雲川「こっちの方が色々と面白そうだしな。リアクションとかが」

上条「?」
876 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:49:05.30 ID:NQSCDVot0
青ピ「おっほー!雲川先輩やー!!」

雲川「どうも。君は相変わらず気持ち悪いけど」

青ピ「罵倒でも気持ちええでぇー!」クネクネ

雲川「で、そっちは浜面仕上クンか。ロシアでは大活躍だったそうだけど?」

浜面「あっ、どうも。…って何でロシアのことを!?」

雲川「ふふっ。君は案外有名人だということを自覚すべきだと思うぞ?」

浜面「…まさか『アレ』のことも」ズイッ

雲川「知ってはいるさ。だからと言って何かする気は無いけど」

浜面「…アンタ、何者だ?」

雲川「そうだなぁ…。私はアレだよ、君らで言うトレインというヤツだけど」

浜面「っ!?」

雲川「とは言っても私は貝積の担当だし、見た目通りクリーンだけど」

浜面「…大丈夫なんだろうな?」

雲川「もちろん。君は可愛い滝壺ちゃんと青春を謳歌してればいい」

浜面「……おう!」<ブチッ

青ピ「可愛い滝壺ちゃん、ねぇ?」ゴゴゴゴゴ

浜面「へっ、あのアオガミピアスサン?」

上条「まぁ確かに滝壺は可愛い系だよなー」<ブチッ

浜面「…上条。滝壺だけは、アイツだけはテメェの毒牙に触れさせねぇぞ」

上条「は?何を言って…」


青ピ「(まだ見たこと無いけど)可愛い滝壺ちゃんとイチャラブしやがって!粛清してやるでぇ!!」

浜面「滝壺だけは俺が守る!だから上条、テメェは今ここでぶっ潰す!!」

上条「んなぁ!?な、何かいつの間にか三つ巴の戦いにぃぃぃぃ!?」
877 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:50:04.85 ID:NQSCDVot0
<バキボキ ドンガラガッシャーン

雲川「…ふふっ。これではデルタフォースもメンバーチェンジか?」

土御門「…」キッ

雲川「何だ。そんな敵意むき出しの視線は好みではないけど?」

土御門「…どういうことだ?」

雲川「ああ、第15学区の連中が例のビルに入った件か?アレには私も関わって無いけど」

土御門「そうか。まぁ、現在の学園都市は安定しているからな。やはり杞憂か」

雲川「…考えることが仕事な私にとっては不安だらけだけど。時には流れに身を任せることも必要かな」

土御門「だにゃー。とりあえず面白いことになりそうだし」

雲川「ほう。意見が一致したみたいだけど?」

土御門「いや、だから何?」

<キサマラー!! ナニヲコンジョウノナイコトヲシテルー!!?
<ゲッ、ソギイタセンセイ!?
<チュドーン
<パキーン
<フコウダー

雲川「…彼らが来てから、この学校はさらに面白くなったけど」

土御門「だから『けど』って何?文句でもあるの?」
878 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:51:33.50 ID:NQSCDVot0
校長『はい皆さん、お静かに!』

ほか(ム○カ…?)

校長『それではこれから緊急の全校集会を開始します。全員スクリーンに注目しなさい』

上条「何なんだろうなー」

浜面「さあなー」

土御門「…」ゴクッ


一方「何かイヤな予感しかしねェンだが」

垣根「おいおい奇遇だな。俺も」

美琴「ビデオレターとかかな?」

麦野「にしたって全校生徒に見せるモンって何よ?」

食蜂「案外生放送だったりしますかね」

結標「ど、どうかしらね…」

削板「何でも構わん。なぜならどんな内容でも根性で乗り越えられるからな!」

ほか「「「うるせえ」」」

削板「(´・ω・`)」


<ガチャガチャ ポチッ ジー


姫神「…」ドキドキ




<パッ






☆『やあ』







一方「」

垣根「」

麦野「」

結標「」

土御門「」
879 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:53:02.57 ID:NQSCDVot0
美琴「………………えっ、誰あの逆さ人間?」

食蜂「………………多分、この街の理事長様」


☆『こんにちは諸君。学園都市統括理事長のアレイスター=クローリーだ』


垣根「」ポカーン

麦野「」ポカーン

結標(アイツ、本当にテレビに出やがったわね…)

土御門(予想の斜め上行き過ぎてもう笑えねえ…)

雲川(まさか直接挨拶してこようとはな。てか、何この状況)


☆『ふむ。実習生も全員集合しているな。感心感心』ウンウン


垣根「か、かかかかっかっかっかか」

美琴「あれ、垣根さん?」

垣根「感心感心~……じゃねえだろうがァァああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

麦野「テメェ、どの面下げて表ぇ出てきてやがんだァァあああああああああああああああああああああああああああああ!!?」

一方「」ポッカーン

☆『うむ、何だか知らないが感情が高ぶっているようだな。遅すぎる反抗期だな、垣根帝督』

垣根「何を父親面してやがる!俺の親父はテメェと違って超絶イケメンだっつーの!!」

☆『それは良いとしてだな。ほらどうだ、今なら交渉し放題だぞぉ。ほらほらどーしたぁ、君の欲しかった直接交渉権だぞぉ?』

垣根「コイツ腹立つ!そしてムカついた」キリッ

☆『君も大変だな。何せ少ない素材で台詞を工面せねばならないからな』

垣根「余計なお世話だ!つーか大変なのは俺じゃねえからな!!……ゼェゼェ。コイツ激しく面倒臭ぇ」

☆『心配するな。自覚はある』キリリッ

垣根「俺から台詞を奪うなァァァァァああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
880 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:54:36.55 ID:NQSCDVot0
麦野「つーか何なのマジで。何で全校集会なの?馬鹿なの死ぬの?」

☆『ル○ズたんの名言キタコレ!!』キリッ

麦野「それは関違いだっつのぉぉォォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

☆『ふむ、ノリが悪いぞ麦野沈利。しかし、君も女性なのだからその口調はやめた方がいい。何やかんやでストレスが溜まって……ハゲるぞ』

麦野「おい座標移動。ちょっとあのビルまでよろしく。断ったらテメェの原生林を禿山にするから」ガシッ

結標「ちょっ、いきなりそんなことを言われても困るのだけれど!?」

麦野「いいからさっさとあのクソ野郎の所に連れてけ!ビーカーごと粉々にしてやる!!」

☆『まあまあ一旦冷静になりたまえ。ちなみに既に森林はb』

結標「な、何を言ってるのよォォおおおおおおおおおおおおお!!」

麦野「…そんなことまで知ってるのかよ。この変態が」

☆『君はとても自然体のようだな。色んな意味で』

麦野「よーし、まず手始めにあのプロジェクタからぶち壊してやる」

☆『それは流石に困る。これから重大な発表があるのだしな』

麦野「…発表?」

☆『うむ。「教育実習 in レベル5」も最終段階だからな。締めは派手にいこうと思ってな』

ほか(ネーミングださっ)

一方「この実習の…」

垣根「締め…だと?」

☆『これまでは主に授業を中心に指導してもらった。だが、それでは一般の教育実習生と変わらん』

美琴「ていうか、私らの方が特殊でしょ」

食蜂「そもそも教員志望とかではありませんし」

☆『さて、ここで問題だ。普通の実習生と君たちで決定的に違うモノは何だ?』

麦野「年齢?」

垣根「※ただし麦野を除く」

麦野「パーンチ」ブルオゥン!!

垣根「危ねぇ!?」
881 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/11/26(土) 02:55:19.64 ID:NQSCDVot0
一方「…まァ、フツーに考えりゃ」

美琴「能力、よねぇ」

垣根「つーか、俺らレベル5だしな」

食蜂「レベル5ですわね」

麦野「レベル5だな」

削板「レベル5だからなっ!!!」

結標「…」

☆『そういうことだ。君たちにはこの街でも最高ランクの超能力が備わっている。これが君たちの強みではないかね?』

美琴「それはそうかもしれないけどさ」

垣根「それがどうしたんだよ?」

食蜂「既に能力開発の授業も受け持ってますわよ?」

削板「根性が入った能力バトルもしたしな!!」

麦野「能力はお仕置き用に使ってるけど質問ある?」

一方「えっ、あの麦野さン?」

結標「さ、最高ランクだなんて…。改めて言われると照れるわね…!」

一方「しかし、相手はアレイスターである」

結標「…目が覚めたわ。ありがと」

☆『…今軽く心に傷が付いたのだが、続けてもいいか?』

一方「どォぞ」


☆『とまぁ、そういう訳で終了式の翌日からクラスマッチを開催するからな。宜しく頼む』


一方「えっ」

垣根「えっ」

美琴「なにそれこわい」 
 
890 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:25:11.56 ID:imct+zsB0
☆『なにそれって…。高校生にもなればクラスマッチくらいするだろう?』

麦野「んなこと言ってもなぁ。そもそも、そういうのを全部合わせたのが大覇星祭じゃなかったかしら?」

☆『大覇星祭…ねぇ?』ハァー コポコポ

食蜂「露骨にため息つかれましたわ」

垣根「スゲー腹立つ」

☆『いや、学園都市にとって大覇星祭はとても大事なイベントなのだよ。それは君たちとて理解しているだろう?』

結標「まあね」

削板「根性が必要だからな!!」

☆『なのに君たちときたら…』ハァーー コポコポコポ…

美琴「えっ、私たちが何よ?」

削板「オレは何もやましいことはしていないぜ!」

ほか「「「…」」」タラー

☆『レベル5の超能力を存分に発揮することによって学園都市の存在を世界にアピールすることが出来る訳だが、どうも非協力的でな』

☆『そこで、今年の大覇星祭に先駆けてイベントを用意したのだ。昨年のように断られては堪ったものではないからな』

垣根「んなこと言ったってよぉ、俺や麦」

☆『はいはい言い訳乙~☆』

麦野「もうビルの耐久性とかどうでもいいや。ここから狙い撃ちしよう。超長距離狙撃で一点突破するわ」

美琴「ちょっ、麦野さん落ち着いて!」ガシッ

麦野「あんの野郎、いちいち言動がムカつくんだよ…!」イライラ

食蜂「しかし、このままでは相手の思う壺です!」

結標「いや、多分そんな意図は無いと思うけれど」
891 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:27:03.66 ID:imct+zsB0
☆『大体、君たちの中には熱い青春というものを送ってない者もいるだろう。せっかく私がその場を提供してやるのだから楽しみたまえよ』

削板「むっ、お前ら熱い学園生活を送らなかったのか!?人生における大きな損失だぞそれは!!」

一方「否定は出来ねェよな…。上から目線で言われンのは腹立つが」

垣根「実際立場上だしな」

一方「上げ足取ンな」

☆『いやぁ、学園都市第2位サマからお褒めの言葉を頂けるとは、光栄なことだ』

垣根「安心しろ。別に褒めてねえから」

麦野「でもさぁ、結局私らオッケーしたところで駄目じゃないの?開催するのは学校側だし」

☆『その点は問題ない。既に校長には了解をとってあるよ。いやぁ、権力はいいねぇ。リリンが生み出した文化の極みだよ。そうは思わないかい?』

食蜂「いえ、まったく」

美琴「ていうか、手を回すのが早いわね…」

☆『ふふふ。根回しと言ってくれたまえ』

一方「その言い方はイメージ悪化してンぞ」

☆『ともあれ諸君、楽しい楽しいクラスマッチの開催は決定した。皆、せっかくだから楽しんでいこうぜー!!』

生徒たち「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」ドドーン

垣根「ぬおっ!?こいつら、まだ何するかも分かってねえのに勝手に盛り上がりやがって」

美琴「まぁ、面白いイベントだしね」

食蜂「私にとっては厳しいのですが…」

一方「能力無しなら俺もだな。まぁ、それはあり得ねェだろォが」

削板「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!燃えてきたァァああああああああああああああああああああああああああ!!!」

麦野「うるせえ」


小萌「ほえー。大変なことになってきましたねー」

素甘「大変どころの騒ぎじゃありませんよ。理事長は一体何を考えているのでしょうか…?」

黄泉川「まあまあ、面白くなったきたからいいじゃんよー!」

若め「何だか楽しそうですねっ」

黄泉川「そうじゃん♪」
892 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:29:08.38 ID:imct+zsB0
☆『さて、ではクラスマッチの概要を説明しようか』

一方「もォ勝手にしてくれェ…」

麦野「てか、こういうのって生徒が考えるモンじゃないの?…もうツッコまなけどさ」

☆『なお、すべての競技とはいかないが一部は生放送で世界中に配信する。その辺りよろしく』

垣根「ま、そうなるわな」

食蜂「あまり目立ちたくはないのですが…」

美琴「それこそ今さらでしょ」


☆『まず、競技…いや試合と言うべきか。とにかく日程は金曜日から日曜日までの3日間とする』


麦野「3日間?随分と長いのね」

垣根「麦野にはキツいかもな。年」

麦野「ん?」ニコォォォ

垣根「……女の子だもんな、麦野は」

麦野「ええそうよ。よく分かってるわねぇ垣根クン?」


☆『まず初日はスポーツ対決だ。競技はバスケットボール、バレーボール、サッカー、ソフトボール、卓球、ドッジボール、そして…』

垣根「そして……?」ゴクッ

☆『水泳のメドレー競技だ。この競技に限っては能力云々ではなく主に女生徒に出てもらいたい』

美琴「それ、下心丸見えよね」

☆『まぁ仕方ないのだよ。この放送にはスポンサーの意思も絡んでいるからな』

一方「…ちなみにスポンサーってのは?」

☆『私だ』キリッ

垣根「お前かよ!?つーかそれって単にお前一人の意見じゃん!」

☆『まぁ私とて人間なのだ。機械で食欲と睡眠欲は抑えられるのだが、性欲だけはコントロールできなんだ』

麦野「こんな公然の場で何てこと言いやがる!」

美琴「麦野さんは他人のこと言えないけどね…」

☆『ふっ。性の衝動というのは凄まじいものなのだよ。現に今日も私の自前の衝撃の杖が…』

土御門「おいよせ」
893 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:30:31.05 ID:imct+zsB0
☆『まぁそれはそれとしてだな』

一方「どれがどれだよ」

☆『さあ続きといこうか。ともかく、水泳全部とその他の競技の決勝戦は中継することにする』

垣根「まぁ、妥当だろうな」

削板「むっ、すべての試合を中継することは出来んのか!!?」

結標「多分時間的に無理なんでしょうね」

削板「そ、そこは根性で…!」

一方「オマエの場合はそれで時空とか歪めそうで怖いわ」


☆『まあクラスマッチということで生徒が中心になる訳だが、今回は実習生や教師は担当のクラスから出場してもらうことになる』

黄泉川「おっ。月詠先生、お互い頑張ろうじゃん」

小萌「私は応援に回りますよー」

☆『さて、こうなるとやはり実習生のクラスが非常に有利になってしまうだろう。そこで特別ルールを設ける』

美琴「特別ルール…?」

☆『ふむ。特別に各クラスともに「外部枠」を3つ設ける。つまり、学園都市中でも世界中でもいいから、知り合いを3人参加させることが出来るということだ』

生徒たち「おお、マジか!?」「大能力者を味方につけたら良いトコまで行けるんじゃないか?」「知り合いにいればの話だがな」

☆『参加する気がある者であれば誰でもいい。ただし科学サイドや学園都市在住の者に限らせてもらうがな』

☆『だから常盤台中学だろうと霧ヶ丘女学院だろうと長点上機学園だろうと、傭兵だろうと元暗部だろうと何でも構わんぞ』

垣根「おい、途中で刺激の強い言葉が出てきたけどいいのか?」

☆『いいじゃん。こまけぇことはいいのだよ』
894 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:31:44.46 ID:imct+zsB0
☆『もちろん「外部枠」を使用するかは各クラスの判断に任せる。無理に参加させることもないのだからな』

美琴「…なるほどね」

☆『なお、能力はもちろん解禁だが、レベルや能力の差異が競技に著しく影響する場合もあるからルールを付け加えることもある。予め了承しておいてくれ』

麦野「はいはい」

☆『ただし上条当麻は除く。皆、彼には思い切って能力をぶつけようね☆』

生徒たち「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」

上条「ふ、不幸だぁ――――――っ!!?」ガーン

垣根「へぇ。そういうの、嫌いじゃねえぜ」ニヤリ

麦野「アンタも分かってんじゃない」ニヤリ

削板「オレは常に全力だぜっ!!」

一方「コイツの暴走を止める係必要じゃねェのか…?」

結標「いや、誰が止めるのよ。私たちでも厳しいのだけれど」

☆『そして、初日の競技の結果、優秀だった7クラスが2日目以降の決勝トーナメントへの出場権を獲得する。その説明は初日が終わってからすることにしよう』

一方「お楽しみは後にとっておこう、てかァ?」

食蜂「あらあら。気になってしまいますわね♪」

☆『ほう。なかなか皆やる気になってきたではないか。ではもう一つ、起爆剤を投下するとしよう』

結標「起爆剤?」



☆『優勝したクラスの生徒、実習生、教師および協力者の一人一人に、賞品として豪華旅行“ペア”チケットをプレゼントしよう』


ほか「「「」」」


☆『もちろん高位能力者でも好きな所へ行けるようにこちらで全面協力する』




実習生「「「」」」
895 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:32:59.80 ID:imct+zsB0
青ピ「………きっ」

生徒たち「「「キタ――――――――――――――――――――――――――――!!!」」」

☆『ふっ。喜んでもらえるのは結構だが、それは優勝したときのために取って置きたまえよ』

青ピ「おっほぉ――――っ!!これで合法的に学園都市から出れるでぇ!しかも可愛い女の子とセットや!!」

浜面「セットかどうかは別問題だろうが!でも、これは滝壺と合法的に旅行できるチャンスだ!!」

吹寄「これで合法的に美人の湯へ行けるのね!姫神さん、優勝したら一緒にどう?」

姫神「誘ってくれたのは嬉しいけど。それはいい。差を。見せつけられるから」

土御門「ひゅー。アレイスターも気前がいいにゃー!これは舞夏と夏の思い出が作れるチャンスぜよ!!」

雲川「へぇ。なかなか面白そうなことになったけど。なぁ上条。もしチケットが獲得できたら私と……って、上条?」

上条「…」


一方「ハッ。どいつもこいつもチケットごときでうるせェな(こ、これで打ち止めと合法的に旅行ができる!アイツに夏の思い出を作ってやれる!!ありがとよアレイスター!)」

垣根「まったくだ。まぁ、俺らクラスが盛り上がれる話題じゃねえな(去年の10月9日に襲っちまった風紀委員に譲ってやろう。せめてもの詫びだ。誘うヤツもいねえし)」

美琴「まままま、まぁ、悪くはないんじゃない?(キャー!これを使えばととととと、当麻と一緒にりょりょりょりょ旅行に…!ぐへへへ)」

麦野「そ、そうよね。レベル関係なくってのがすごくお得よね(は・ま・づ・ら・と・ペ・ア・りょ・こ・う♪)」

食蜂「我々では『外』に出るのも大変ですからね(こ、これは…。理事長様が私に与えてくださった最高のご褒美!ぜ、絶対にモノにしてみせますわ!!)」

結標「能力使えば出ることはできるわよね。むしろ塀の中に入ることになるけど(も、もしやこれで一方通行の好感度を上げることが出来るのでは…!?)」

削板「まぁ、この街はそもそも塀に囲まれているのだがな!!(これはオレの根性の見せ所だ!世界中にオレの根性溢れる姿を見せつけてやる!!!)」


雲川「…どうした上条。あまり嬉しそうではないのだけど」

上条「え、えっとですね。わたくし上条当麻は、『外』に出るとロクなことがないというジンクスがありまして」

土御門「ああ、そういえばそうだにゃー」

上条「何割かはお前のせいだけどな」
896 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:34:26.43 ID:imct+zsB0
☆『ふむ。そんな上条当麻くんに朗報だ』

上条「朗報?」


☆『もしチケットが必要ない、「外」に用がないのでいらないと言う者がいれば、大会が終わったのちに申し出てくれ。ペアチケットに関してかかるお金をすべて現金にして支払おう』


上条「なん…だと…?」

☆『一種の奨学金だと考えてくれればいい。何せ宣伝効果が高いものでな。こちらとしても存分に利用させてもらうから安心して暴れたまえ』

上条「…や、やったァァあああああああああああああああああああああああああ!!!」ニコッ

土御門「カミやん、超いい笑顔だぜい」

青ピ「現金なヤツやのう」

☆『なお、その制度もあるのでチケットの転売、贈呈は全面的に禁止させてもらう。自分とペアの人で使うのか、換金するのかは個人の判断に任せる』

上条「了解です!!」

浜面「もう換金する気満々のヤツがいるんだが」

土御門「まぁ、この制度の場合は『誘われれば旅行に行ける』ってことになるしにゃー。カミやんの場合どのクラスが優勝しても旅行には行けそうだぜい」

上条「えっ、豪華旅行なんてあのチケットで上条さんから誘わなきゃ行ける訳ねえだろ。何言ってんだお前ら」

浜土「「…」」

上条「何だその目は」

浜面「なぁ。俺たちレベル0だし、普通に許可取ってコイツの旅行邪魔しねえか?」

土御門「だにゃー。レベル0の長所はここで生かすことにしようぜい」

上条「何その物騒な話!?」
897 : ◆sk/InHcLP. [saga saga]:2011/11/28(月) 03:35:17.09 ID:imct+zsB0
☆『いずれにせよ、諸君には全力・死力を尽くし、大会を大いに盛り上げてくれることを期待している。賞品はそのオマケにすぎよ』

垣根「何かいいこと言って締めようとしてやがるぞ」

一方「ムカつくな」

☆『では来たる金曜日の開会式でまた会うことにしよう。それまでには面白い面子を集めておいてくれ。んじゃ、あでゅー』<プツッ


土御門「…通信が切れたな。まったく、奴は何を考えている…?」

雲川「さあな。案外、何も考えていないのかもしれないけど」

土御門「改めて冷静に考えりゃ、世界ってのは少々ヤバそうだな。『科学』を全面に押し通しすぎている気もする」

上条「でも、これで戦争とかはねえだろ…」

浜面「まぁ、そりゃな…」

土御門「とにかく、念のために一度会うしかないか…」

雲川「その辺りは任せるよ。どうせ大したことはないだろうが、私では謁見は叶わないし。だが……」

土御門「ああ。ただ……」



一方「…」ゴゴゴゴゴ

垣根「…」バッサァァァ

美琴「…」ビリビリリッ

麦野「…」ピカピカァァ

食蜂「…」ドドドドド

結標「…」ヒュンヒュンヒュン

削板「はっはっはー!!」バゴーン!!






雲土「「面白いことになってきた」」 
 
913 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:01:58.55 ID:1iQSCxT10
~集会終了後~

ーーー2年3組教室ーーーーーーーーーーーー
美琴「さて、皆教室に戻ったわね?」

青ピ「全員揃っとるでぇー」

美琴「ならいいわ。で、あの後すぐに集まってもらったのはどうしてか分かるわね?」

上条「…クラスマッチだな」

美琴「そう。皆、よく分かってるとは思うけど…」

小萌「怪我には気をつけて、ですね!」

美琴「…怪我なんか気にすんじゃないわよー!!」

生徒たち「「「おおーっ!!」」」

小萌「はひっ!?」

美琴「やるからには絶っ対に優勝するわよー!!」

生徒たち「「「おおーっ!!!」」」

小萌「み、皆さんちょっと落ち着いて…」

美琴「ペアチケットが欲しいかー!!?」

生徒たち「「「おおーっ!!!」」」

小萌「せ、先生の話を聞いてくださいですー!」

美琴「しゃあ!それじゃ、早速作戦タイムよ!!」

生徒たち「「「おおーっ!!」」」

小萌「」
914 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:02:58.35 ID:1iQSCxT10
美琴「さて、まずは何から話し合おうかしら?」

浜面「はい先生!」ノ

美琴「ん、ハイ浜面クン!」

浜面「えと、まずは助っ人をどうするかを決めないか?」

美琴「うーん。確かにそれが手っ取り早そうね」

青ピ「とすると、レベルが高い人へのコネがあるかっちゅう話やな」

土御門「いや、そもそも助っ人を雇うかからだぜい」

浜面「いや、やっぱり外部枠は活用すべきだろ!」

上条「うーん、でもそれだと伝手が無いと…」

ワイワイ ガヤガヤ アーダコーダ

美琴「…」

吹寄「でも、わざわざ助っ人を呼んでクラスの和を乱すことも無いんじゃない?」

姫神「同感。ていうかこれ以上。増えないでほしい」

美琴「…」ウーム

青ピ「ボクは知り合いに強そうな人はおらへんけど…。浜面はどうなん?」

浜面「ああ。飛び切り強いのが隣りのクラスにいるぜ」

美琴「…」フム…

上条「(土御門。お前のコネだったら強いヤツをいくらでも呼べるんじゃないか?)」ヒソヒソ

土御門「(…残念。強いのはもれなく魔術サイドだにゃー)」ヒソヒソ

美琴「!」ピコーン
915 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:04:22.37 ID:1iQSCxT10
美琴「」バーン

ほか「「「うおっ!?」」」ビクゥ

美琴「助っ人は…呼ばないことにするわ!」

浜面「な、なんでだよっ!?確かにレベル5の御坂先生がいるだけで十分かもしれねえけど、それでも他のクラ」

美琴「馬鹿野郎っ!!」バチコーン

浜面「ふぐわっ!?」ドンガラガッシャーン

青ピ「殴ったね!?」

土御門「麦野にもぶたれたことないのに!!」

浜面「それ俺のセリフ!!つーか麦野にはしょっちゅうぶたれてますよ!?」

美琴「ふーん、さすがに可哀想ね」

浜面「そう思うなら最初から殴らないでくれよ…」

美琴「ゴメンゴメン。ちょうど殴りやすい顔だったからつい」

浜面「それは酷すぎませんか!?」

青ピ「ほんで、何で助っ人は呼ばないです?」

美琴「…確かに、他にも高位能力者がいれば有利に進むわよ」

美琴「でも、それだと『クラスの勝利』って胸を張って言えないじゃない!」

上条「…」

美琴「だから、だから…!皆、一致団結して優勝目指すわよ!!」

上条「…ああ、そうだな!」

土御門「さすがは御坂先生だにゃー!」

青ピ「おっしゃあ!頑張るでぇー!!」

美琴「よーし。それじゃあ、金曜日はやってやるわよー!!」

生徒たち「「「えいえいおー!」」」
916 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:05:31.92 ID:1iQSCxT10
~5時間目~

小萌「さぁーて、午後は小萌先生の授業ですよー」

青ピ「うっひょー!!」クネクネ

上条「はぁ…」

浜面「鬱だ…」

青ピ「ん、どうしたんやカミやん。せっかく小萌センセの授業が来たっちゅうのに」

上条「っつってもよぉ…」

浜面「俺らレベル0には辛い時間だぜ…」

土御門「にゃー…」

小萌「はいはーい。今日も前回に引き続き超能力者の紹介をしますよー」

上条「確か前回は美琴までだったな」

浜面「ってことは…!」

小萌「ではでは、早速登場しちゃってくださーい!」バッ

麦野「ひっさしぶりだねえ、はーまづらぁああああああああああああああああああああああああああああああああーっ!!」ガラガラ

浜面「ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」

麦野「何よ。ちょっと驚かせただけじゃない」

浜面「俺にとってはトラウマなの!マジで自重してくださいお願いします!!」

麦野「はいはい。仕方ないわねー」

小萌「とまぁ、そんなこんなで麦野ちゃんでーす!」バッ

麦野「……ちゃん付けされるなんて、いつ以来かしらね」

土御門「そう、それは東京オリンピックが開催された年にまで遡る―――」

麦野「次言ったら殺すからなテメェ」
917 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:06:38.98 ID:1iQSCxT10
小萌「皆さんも知っての通り、麦野ちゃんの能力は学園都市第4位という驚異的なモノなのですがー」

麦野「まぁ、トップ3が揃ってるこの学校で言ってもあまり迫力はないけど」

小萌「能力名は『原子崩し』ですねー。本来『粒子』又は『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を、その二つの中間である
   『曖昧なまま』の状態に固定して、強制的に操ることができますよー」

青ピ「強制的て、魅力的な響きやなー!」

麦野「うるせえよ」

小萌「そして麦野ちゃんは、操った電子を白く輝く光線として放出して、絶大なる破壊を撒き散らしますよー。正式な分類では粒機波形高速砲と呼ばれますがー」

上条「な、なんか難しそうな名前ですね…」

浜面「俺も正式名称なんて初めて知ったぜ…」

麦野「…はーまづらぁ?」

浜面「ひいっ!?」

小萌「なお『電子を操作する』という特性ゆえか、電撃の軌道を曲げることもできますがー。逆に電子操作能力者には粒機波形高速砲を逸らされましたねー」

麦野「よく知ってるわね、そんなこと…」

土御門「ちなみに誰に逸らされたんですたい?」

麦野「ハッ。テメェらんトコの実習生サマにだよ」

青ピ「へぇー。さっすが御坂先生やなー」

浜面「やっぱり心強いな!クラスマッチでも頼りにさせてもらおう」

麦野「」ギロッ

浜面「なんで!?」

麦野「…」ジー

浜面「そ、そんなに睨むなよ…」

麦野「…」ジー

麦野「」ピコーン☆

麦野「」ニヤリ

浜面「突然笑った!?それもそれで怖えよ!」
918 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:08:39.99 ID:1iQSCxT10
小萌「続けますねー。その『曖昧なまま固定された電子』というのは『粒子』にも『波形』にもなれないので、外部からの反応で動くことが無い
    『留まる』性質を持つようになりますー。この性質によって擬似的な『壁』となった『曖昧なまま固定された電子』を強制的に動かし、
    放たれた速度のまま対象を貫く特殊な電子線を高速で叩きつけることで、絶大な破壊力を生み出しますねー」

上条「ぜ、絶大かぁ…」

小萌「さらに、四方八方へ同時に放つこともできますしー。それら一つ一つが金属すら紙のように容易く貫き溶解させますよー」

上条「か、紙のように…」ゴクッ

小萌「また収束や固定も可能で、浜面ちゃんとの戦闘で左手を失った後は、左腕の切断面からかぎ爪の腕の様な形で放射していましたー。当然ながら、その腕に触れるのは非常に危険ですー」

青ピ「そんなら、超攻撃型のドS能力ってことですかぁ?」

小萌「いえいえー。攻撃一辺倒ではなく、盾のように展開することで防御にも応用が可能ですー。また、ロケットのように能力を放射することで、
    爆発から逃れる程の速度で高速回避をすることも出来ますよー」

浜面「や、やっぱ超怖ぇ…」

土御門「お前、よく生き残ったな」

小萌「でもでもっ。その絶大な威力は、一歩間違えれば自滅する危険性も孕むのですー。本来照準は慎重に行わなければならないのですよー」

麦野「まぁ確かにな。実際、ブチ切れて細かい照準を無視して使おうとした時は、発動と同時に自分の左腕を吹き飛ばしちゃったし」

姫神「自分の腕ごと。飛ばしてしまうなんて。なんて威力」

上条(あれ、腕が吹き飛ぶだって?…なんか共感できる)

小萌「とはいえ、相手と直接対峙した状態でなら相手が銃を抜いて発砲するまでの間に四肢を消し飛ばせるぐらいには精度は高いのです!」ニコッ

吹寄「先生、今可愛い声でとんでもないこと言いましたよ」

青ピ「にしてもさすがレベル5やなー。弱点が見当たらんわ」

小萌「うーん。弱点といいますかー。性質上連射が出来ないのでー。面制圧や飽和攻撃を苦手としますがー…」

麦野「私の場合はこの『拡散支援半導体』を大量に所持することで対応しているわ。弱点に対策を講じるのは当然だしね」サッ

小萌「まぁ、麦野ちゃんの能力の解説については以上ですかねー。何か質問とかあれば麦野ちゃんにぶつけちゃってください!」
919 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:09:37.14 ID:1iQSCxT10
麦野「ぶつけるって…」

上条「はいっ!」ビシッ

麦野「あぁ、上条か?お前、『原子崩し』でもぶつけられたいのか?」

上条「そ、それはリアルに勘弁してください…。いや、てか質問だって!」

麦野「ああ、そうね。何かしらん?」

上条「えっと、これは上条さんの私見なんですけど、御坂と麦野さんとだと、麦野さんの方が力は上な気がするんですが…」

小萌「だそうですがー?」

麦野「ふーん。アンタ、結構いい目してるじゃない」

上条「そりゃあ、両方とも受け止めたからな…」

麦野「うーんと、答えなんだけどさー。研究者曰く、生存本能がセーブを掛けているから出力が抑えられているんだって。 それさえなければ『超電磁砲』ぐらいなら軽く瞬殺できるらしいんだと」

上条「しゅ、瞬殺って…」

麦野「まぁ、実際にその出力を出すと反動で自分の身体も消し飛ぶらしいし、正直なところ研究員の負け惜しみとなのよねー」

上条「な、なるほど…」

麦野「っつっても、そう認めちゃうのも悔しいんだけどね。さて、他に質問あるー?」

青ピ「はいっ!む、むぎのんのスリーサ」

ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

青ピだったもの「」ピクピク

麦野「ほ  か  に  は  ?」ニコォ

ほか「……」シーン

麦野「あら、遠慮しなくてもいいのに」

土御門(遠慮せざるを得ないにゃー…)

小萌「じゃあこんなところですかねー。麦野ちゃん、お疲れさまでしたー」

麦野「はいはい。それじゃあねー」ガラガラー バタン
920 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:10:33.80 ID:1iQSCxT10
上条「ふう。嵐のように去っていったな…」

土御門「いや、物理的に荒らしていったにゃー」

青ピ「せやなー」

浜面「おっ、さすがの耐久力」

青ピ「ご褒美やからなぁー!」

浜面「オマエ、やっぱスゲェよ…」

小萌「はいはーい、そこの野郎共ー!まだまだ授業は続くので静かにしやがれなのですよー」

4人「「「「はーい」」」」

小萌「では次の方、入ってきてくださーい!」

食蜂「はい」ガラガラ

青ピ「おっほー!そういえば次は第5位やったなー!!」

食蜂「ですわね。順番に紹介しているようですし」

上条「だよなー」

小萌「それでは、能力の紹介に移りますねー」

食蜂「宜しくお願いしますわ」ペコッ

小萌「はい。皆さんも知っているでしょうが、能力は通り名の通り『心理掌握』なのですよー。学園都市最高の精神系能力ですねー」

上条「学園都市最強か…。本当にすごいんだな!」

食蜂「そ、そんなに褒められると照れてしまいますわ…」///

上条「?」

小萌「具体的に言いますと、記憶の読心・人格の洗脳・念話・想いの消去・意志の増幅・思考の再現・感情の移植などなど、精神に関する事ならなんでもできますよー」

食蜂「ええ。人によっては十徳ナイフのような能力と称されていますわね」
921 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:11:34.69 ID:1iQSCxT10
小萌「えーと、諸事情により説明はこんなところですー。質問はありませんかー?」

食蜂「諸事情…ですか」ズーン

青ピ「はいはーい!」ビシッ

小萌「ハイ青髪ちゃん。どんな質問ですかー?」

青ピ「その能力って、本気を出せばどれくらいのことが出来るんです?」

小萌「うーん、どうなんですかねー?」

食蜂「そうですわね…。おそらくやろうと思えばこの場にいるほとんどの人を洗脳できますわ。やりませんけれど」

ほか「「「」」」

食蜂「そのまま全員を支配下に置き、おまけに洗脳を解除した際に記憶を操作しイザコザを無かった事にすることも可能ですわね」

浜面「す、すげぇ改竄力…!」

食蜂「また、対象に行動を強制させて、かつその記憶を残さないような芸当もやろうと思えばできますわよ」

吹寄「そ、それを防ぐ方法は…?」

食蜂「基本的にはありませんわ。ただ、リモコンを使用する方法では美琴には通用しないみたいですが」

上条「へぇー。確かにアイツだったら電磁バリアくらい張れそうだもんな」

食蜂「…ということは、他の方法でなら通用する可能性があるとも言えるのですが」

上条「? あ、ああ。確かにな」

小萌「解答としてこんなところでしょうねー。さて、他に質問はありませんかー?」

生徒たち「「「大丈夫でーす」」」

小萌「ならよし!ではお疲れさまでしたー」

食蜂「ええ。皆さん、まだ授業は続きますので頑張ってくださいね♪」

男ども「「「押忍っ!」」」

食蜂「ふふっ。それでは」ガラガラー パタン
922 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:12:41.57 ID:1iQSCxT10
浜面「いやー、さすがにレベル5ともなるとスゲー人ばかりだな」

上条「でも、お前ってあの麦野さんを3回も倒したんだろ?そっちの方がスゲーと思うぞ」

土御門「レベル5のトップと世界最大の原石を倒した男のセリフじゃないにゃー」

小萌「さて、順番で言えば次は第6位なのですがー。今回は実習生ではないようですのでカットしますよー」

青ピ「な、なんでやねーん!!?」ガーン

上条「こればっかりはどうしようもないからなー」

小萌「それでは、最後にこの人に登場してもらいましょう!」バッ

削板「はっはっは!ついにオレの出番だぜっ!!」ババーン

小萌「第7位の超能力者、削板ちゃんなのですっ!!」

削板「ちゃ、ちゃん付けは根性が無いな」

小萌「では早速能力の説明といきたいのですが…」

上条「あれ?歯切れが悪いですね先生」

削板「む?一体どうしたというのだ!!?」

小萌「いやー、削板ちゃんの能力は未だに解明されていませんのでー。実際に説明するのは不可能なのですよー」

削板「な、なんだとっ!!!?」ガガーン

小萌「とりあえず分かるところだけ説明しますとー。世界最大の『原石』であると言われていましてー。ひどく繊細かつ複雑でしてー。
    それ故に研究者が手を出すこともできなかったという話なのですよー」

浜面「繊細…?」

上条「複雑…?」

削板「なぜか馬鹿にされている気がする」

小萌「というか、どういう原理で何が起こっているか全然わかっていないので、そもそも超能力者に分類していいのかさえ本来は不明なのですよー」

削板「嘘だろっ!!?」ガガガーン

土御門(『原石』ってことは要するに純粋に生まれつき才能があるってことだし、おそらく超能力に含まれるとは思うがな)
923 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:13:29.24 ID:1iQSCxT10
小萌「ともあれ、こういう場合は本人に直接語ってもらうのが一番なのですが…」

削板「はっはっはーっ!自分でもよく分からんから無理だなぁ!!」

上条「威張るなよ!」

土御門「カミやんも他人のこと言えないけどにゃー」

小萌「まぁ、もしかすると参考になるかもしれないので、質問ある人は挙手してくださーい」

姫神「はい」

小萌「あらら、珍しいですねー。ハイ姫神ちゃん、どうぞ!」

削板「何でも質問してくれっ!!!」ドンッ

上条「答えられないのによくあんなことが言えるなー」

土御門「馬鹿だからにゃー」

削板「ふっ、根性さえあれば問題無い!!さぁ質問をしてくれっ!」

姫神「必殺技」

削板「む?」

姫神「一発逆転で。最終奥義で。超絶個性の。必殺技はありますか?」

削板「うむ、それなら『念動砲弾』こと『すごいパーンチ』がピッタリだろう!!」

姫神「アタッククラッシュ。単純ながらも。カッコいい名前。素敵な技」

削板「そうだろう!これは身体の前にあえて不安定な念動力の壁を作り、それを殴ることで壊して遠距離まで衝撃を飛ばす技―――」

小萌「――と、信じて疑わなかった削板ちゃんでしたが、たまたまそこにいた原谷ちゃんに即論破された無理矢理な論理でしたねー」

削板「ぐはぁっ!!?」ゴフッ
924 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:14:13.83 ID:1iQSCxT10
削板「」ズーン

小萌「ほ、他に質問はありませんかー?」

浜面「それじゃ、はい」スッ

小萌「ハイ、では浜面ちゃん!」

浜面「(ちゃん付けには慣れないなぁ)えと、んじゃあ削板先生のスゲー技の数々を紹介してくれよ!」

削板「…むっ?そうか、そんなにオレの根性のある技のことを知りたいか」

浜面「えっ。はっ、はい…」

削板「ならば紹介しよう、このオレ、ナンバーセブン削板軍覇の根性溢れる所業を!!」

浜面(うわぁ、変なスイッチ押しちゃったかなぁ…)

削板「まずは、オレの必殺技『念動砲弾』!オレの中で煮えたぎる根性によって衝撃を遠距離にまでぶっ飛ばすっ!!!」グッ

浜面「な、なんか格好いい…!」

削板「さらに、防御技としては『磁力戦線』こと『すごいガード』!念動力によって地球の磁力線を自らの手に集中させ、その誘電磁力の反発で電流を跳ね返す!!」バッ

小萌「いやだから、そんなの不可能なのですよー」

削板「さらに、『超すごいガード』!赤青黄色のカラフルな爆発を背負いながら落雷攻撃を迎え撃つ!!」ガバッ

上条「俺の『幻想殺し』よりも無茶苦茶だな…」

土御門「馬鹿だからにゃー」

削板「馬鹿は関係ない!!これはオレの根性があるからこそなせる技なのだ!!!」ババーン

青ピ「今自分で馬鹿って認めたで」
925 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:15:49.85 ID:1iQSCxT10
削板「そしてオレの砲声は、あまりの根性で波動を生み出す!!」ゴゴゴゴゴ

上条「あー、アレは怖かったな」

削板「また、オレの根性溢れる肉体からは爆発さえ起こる!!」ドカーン

土御門「もう本当に理屈とか関係なしだにゃー」

削板「そう、オレのこの鋼の肉体は、心臓だろうがどこだろうが、根性で理不尽な攻撃に耐え抜くことが出来る!!痛いがな!」バーン

吹寄「根性って…」

削板「なおかつ、前方に立つ相手のもとへ踏み込み・顔を掴み・叩き付ける、その一連の動作を音速の二倍の速度で行える!!」シュバーン

上条「音速の2倍ってことは…えっと音速って時速の何倍だっけ??」

浜面「上条。多分オマエじゃ一生かかっても解けねえよ」

削板「時には落下してくるコンテナを、両手を掲げて空中で火山のように吹き飛ばす!!」バゴーン

姫神「今まで言ってきた必殺技のどれかを。私にください」

削板「しかも、あの御坂美琴が放った『超電磁砲』のメダルを歯で受け止めることも可能なのだ!!!」ドドーン

生徒たち「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」」」

削板「ハハハッ!どうだ、参ったかぁ!!」

青ピ「いや、なんでやねん」

小萌「まぁでも、能力者特有のAIM拡散力場がまともに観測できない困ったちゃんなんですけどね♪」

削板「」

小萌「では今日の授業はここまででーす。皆さん、今聞いたことを次の授業に生かしましょうねー」

青ピ「あのー、小萌センセ?」スッ

小萌「何ですかー?」

青ピ「結標先生は?」

小萌「えっ」

青ピ「えっ」

結標「えっ」ガラガラ

<キーンコーンカーンコーン



結標「………ぐすっ」 
 
932 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:34:14.02 ID:peLfF0d60
~休憩時間~

上条「はぁ、次はもっと鬱だ…」

浜面「能力実習だっけ?そんなの俺が一番向いてねえじゃねえかよ…」

土御門「にゃー。レベル0にとっては地獄のような時間だぜい」

姫神「みーとぅー」

吹寄「さて、気合入れていかなきゃね……って上条!貴様、またそんな腑抜けた表情をして!!」

上条「ひぃっ、吹寄サン!?だって仕方ないじゃない、上条さんは伸びるセンスがゼロなのだから!」

吹寄「そうやって嫌な現実から逃げようとするな!その腐った根性、叩き直してやるわ!!」ガシッ

上条「ぬおっ、裸絞!?それだと落ちるだけで鍛えられないのでは!!?」

吹寄「やかしましい!」ブニュー

上条「っていうか吹寄さん、背中!背中に何かとてつもなく柔らかい物体が押し付けられているのですが!?」

吹寄「柔らかいモノって……か、上条のヘンタイ!!」///

青ピ「せやせや!なんて羨ましいんや!!」

浜面「ちょっとややこしくなるから黙ってろよオマエ」

上条「いや、つーかこれを押し付けているのは貴女であって実際のところHENTAIなのは貴女様なのでは!?」

吹寄「ううう、うるさーいっ!!」ガシッ

上条「んなっ!!?」

土御門「ふ、吹寄がカミやんの腰を掴んだぜよ!」

浜面「まさか、この構えはプロレス!?」

吹寄「ふんぬっ!!」グイッ

上条「ぬわあっ!?」フワァ

ほか「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」」」
933 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:35:35.61 ID:peLfF0d60
吹寄「はぁっ!」

上条「あでえっ!?」ガシャーン

土御門「決まった!ジャーマン・スープレックス!!」

浜面「スープレックスは投げるのではなく落とす!これはダメージ大きいぞ!」

青ピ「ショーとしてでなく攻撃性を追及した技やな!」

上条「って、解説してないで少しはコッチの心配もしやがれ!」

吹寄「ゼイゼイ…」

上条「てか吹寄。教室でプロレス技は危ねえだろ!」

吹寄「うるさい変態!」

上条「ったくよぉ、痛っ…」サスサス

姫神「上条くん。大丈夫?」

上条「お、おう。サンキュー姫神。っつっても、もうこういうのは慣れっこだけな。ハハハハ!」

姫神「慣れっこというのも。困ったものだけれど」

上条「あっ、はははは…」

吹寄「ふ、ふんっ。先に着替えるわ。姫神さん、行きましょう」スタスタ

姫神「あっ。うん」トコトコ

上条「っておい、吹寄!…ったく、少しはフォローしろよなぁ」

青ピ「けっ。やっぱカミやんはカミやんか」

浜面「いつもこうなのかよ。オマエらも大変だなぁ」

土御門「もはやツッコミを入れる気力すら湧かないにゃー」

上条「?」
934 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:36:25.58 ID:peLfF0d60
~6時間目~

ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
黄泉川「おーし。最後は能力実習の時間じゃんよー!」

垣根「テメェら、気合入れてけよー!」

上条「なんか、垣根先生が物凄く自然な感じでいるのだが」

土御門「気にしたら負けぜよ」

浜面「ホントにコイツあの垣根帝督か?昔会ったときとは随分印象が違うな」

垣根「昔は昔、今は今なんだよ。いつまでも引き摺ってはおけねえからな」

浜面「はぁ…」

黄泉川「えーっとだなー。まず、昼にもあった通り、金曜日から能力使用を前提としたクラスマッチがある訳だけど」

青ピ「金曜は遠いなぁ…」

吹寄「それは言わない約束よ」

黄泉川「とまぁ、別に能力が優れてるからって絶対に競技に勝てるってモンでもないじゃん。でも、能力を上手く活用すれば試合を有利に運ぶことが出来るのも事実じゃんよ」

浜面「っつってもなぁ…」

黄泉川「で、今からやるのは能力を上昇させるっていう今までの方法でなくて、今ある能力をどれだけ上手に使いこなせるかという観点から鍛える方法じゃん」

垣根「クラスマッチまで時間も無いしな。レベルアップよりも能力を応用する手立てを考えねえといけないぜ」

上条「まぁ、その通りではあるんだけどさ…」

土御門「にゃー…」

黄泉川「そういう訳じゃん。今から皆にはじゃんじゃん能力を使ってもらうじゃん」

垣根「自分でどうやったら有効に能力を活用できるか考えながらやれよ。そのうえで俺たちが能力の応用についてのアドバイスをする」

青ピ「てか垣根センセ。それって敵に塩を送ることになってません?」

垣根「あっ、言われてみればそうだ」
935 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:37:40.00 ID:peLfF0d60
浜面「まぁ問題は無いだろ。何せレベル5だ。俺ら程度じゃ障害にもなりゃしねえさ」

垣根「それもそうか。ほんじゃ、遠慮なく教えるし俺も能力を使わせてもらうぞ」

黄泉川「垣根だったら敵に対しても平等に接してくれるじゃん。だから、しっかりアドバイスを聞いて役立てるじゃんよー」

生徒たち「「「はーい」」」

黄泉川「さて、早速練習方法なんだけど…。うしっ、おい上条!」

上条「は、はいっ?」

黄泉川「それに土御門!」

土御門「にゃー?」

黄泉川「ちょっと前に出てくるじゃん」

上条「えっ、何?」スタスタ

土御門「晒し者だぜい」スタスタ

黄泉川「さて、なぜこの2人に来たもらったかというとだなぁ…」

上条「なーんかすごく不幸な予感…」

土御門「ってカミやん!オレを巻き込まないでほしいにゃー!」

黄泉川「始めにこの2人の能力を紹介しておくか。まずは土御門。コイツはレベル0だけど『肉体再生』の能力者じゃん」

土御門「とはいえ、実際大したことないチカラなんだけどな」

黄泉川「そう、あまり大したことないじゃんよ。せいぜい長時間かけて瀕死の重傷から復帰する程度しかな」

土御門「……まさか」タラァ

黄泉川「そして上条。コイツもレベル0判定だけど、なんかよく分からんチカラで能力を掻き消せるじゃん」

上条「あの、だから『幻想殺し』だって」

黄泉川「さてここで問題です。コイツらを上手に利用して、能力を鍛える方法はなーんだ?」

上条「……っておい。これってもしかしなくても」

土御門「にゃー。逃げ支度をするぜよ」

ほか「「「……」」」ゴゴゴゴゴ

黄泉川「おーし。皆、やっちまえー!!」

ほか「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」」」ダダダダダ

上土「「ぎゃーっ!!?」」
936 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:38:45.55 ID:peLfF0d60
上条「どーしてこーなるのォォォォォォォォォォォォォ!!?」ダダダダダ

土御門「カミやん、恨むぜい!!」ダダダダダ

上条「これは俺のせいじゃねえぞ!?」

土御門「だってカミやんはまだマシだろっ!攻撃が来たって…」

男1「うおらっ!」ヒューン

上条「おおっ!?」パキーン

土御門「…こうやって防げるんだからな。それに引き替えオレは、ボロボロになるしかないもんね!」

上条「じゃあボロボロになっちまえ!…っては言えないからなぁ」

土御門「とりあえず逃げるしかないにゃー」

上条「命懸けの鬼ごっこだなコレ…」

<ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?

上条「な、なんだ!?」

土御門「…って浜面ぁ!?」

浜面「何で俺までェェェェェェェ!?」

上条「そりゃあ、まぁ…」

土御門「浜面だからにゃー」

浜面「理不尽だぁ!!」

吹寄「おらおらァァァあああああああああああああああああああああああああーっ!!」ドドドドド

上条「吹寄サン怖いっ!!?」

浜面「俺はただの無能力者だってのにィィィィィィィ!!」





姫神「…………皆。楽しそう」
937 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:41:47.43 ID:peLfF0d60
垣根「おーっす。えと、吹寄だっけ?」ピュー

吹寄「あっ、先生」ピトッ

垣根「お前の能力って適用範囲は自分だけか?」

吹寄「ええ、レベル的に他への応用はまだ…」

垣根「そうか。となると、遠距離系の能力への対応を考えなきゃいけないな」

吹寄「そうなりますね…」

垣根「物理的防御ならある程度可能だが、感覚的には厳しいところだな」

吹寄「はい。我慢すれば大丈夫ですが、それにも限度がありますし」

垣根「となると、回避についても考える必要があるな…。よし、今から能力者がチカラを使うときの予備動作をいくつか挙げてくから、頭に入れとけ」

吹寄「は、はいっ!ありがとうございます!!」

黄泉川「おお、やっぱり君に頼んで正解だったじゃん!」

垣根「いやぁ」テレテレ

黄泉川「君以外には削板しか空いてなくてさ。助かったじゃんよー」

垣根「アイツは能力は超一流だが能力者を教えるのは三流以下だしなぁ」

黄泉川「あの子は論理派じゃなくて感覚派だからなー」

垣根「……にしても黄泉川さん。改めてなんだが、済まなかった」ペコッ

黄泉川「言ったろ。もう気にしては無いじゃん。当時の一方通行を止められなかった私にも責任はあるし」

垣根「そんなこと、アンタが気にする必要は…」

黄泉川「あるんだよ。子供の不始末は保護者の責任じゃんよ。君たちの関係はどうあれ、止められなかったことは事実じゃん」

垣根「……ハッ。やっぱりアンタは甘いな」

黄泉川「そう思われても結構。ま、普段は割と厳しい方なんだけど」

垣根「ふん、そうかよ」

黄泉川「それに…」ジー

垣根「あ?」

黄泉川「しっかり更正したじゃん、お前ら2人とも♪」

垣根「………けっ」




上条「何を和んでるんだあの連中ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

土御門「さっさとコレを止めてくれぇぇい!」

浜面「だから何で俺なのぉぉォォォォォォ!!?」
938 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:43:02.16 ID:peLfF0d60
<キーンコーンカーンコーン

黄泉川「おーし。今日はこんなトコじゃん。身体動かしたヤツは後でちゃんとストレッチしとけよー」

垣根「能力自体はまぁ大したことねえけどよ。今持ってるモンでも上手く応用すりゃ結構モノになると思うぜ。とにかく頑張れや」

上条「……なにを…綺麗に………締めてやがる…!」ゼイゼイ

浜面「無能力者を……舐めんじゃ…ねえ……!」ゼハーゼハー

土御門「ヤベェ、ちょっと能力発動してるぜよ」ダラダラ

黄泉川「それじゃあ、今日はここまで。皆、気をつけて帰るんだぞ。浮かれて事故に遭うなんてのはナシじゃん」

生徒たち「「「ハーイ」」」

黄泉川「うーし、じゃあ解散っ!」

生徒たち「「「お疲れっしたぁー」」」

垣根「さぁーて、俺も帰るかー」コキッコキッ

黄泉川「ところで君、もう助っ人の目星はついてるじゃん?」

垣根「ん、あぁ探りかぁ?」

黄泉川「純粋な興味じゃん。ていうか、それなら一気に名前も出させようとするはずだし」

垣根「まっ、それもそうか。一応目ぼしいのが何人かいるぜ。コネは結構あるしな」

黄泉川「そっかー。ウチのはそういうのが無さそうだから困ってるじゃん」

垣根「ありゃコミュ障だからなー」

黄泉川「助っ人探しよりもそっちの方が困ったもんだけどな。まぁ、多分自力で何とかするだろ」

垣根「どうだかなぁ…」
939 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:43:42.10 ID:peLfF0d60
~放課後~

上条「さて、帰るかー」

浜面「あぁ、まだダルいぜ…」

土御門「オ、オレは保健室に寄ってこうかにゃー」

浜面「俺もそうするかなぁ」

青ピ「何や君ら。案外丈夫やないのぉ」

浜面「つーかオマエが一番の加害者だろうが…」

青ピ「そりゃあ、リア充はボクの敵やもん」ドドーン

上条「威張るな!」

青ピ「…とはいえ、今日のアレはさすがに大人気なかったわ。よし、今日はつっちーの看病をしたるで!」

土御門「えぇぇぇ…。あの、オレは義妹の看病を受ける予定なので結構ですー」

浜面「俺も滝壺の…」

青ピ「ああもう、ちょっと甘い顔見せたらスグこれや!やっぱりリア充は爆発せい!!」

<ギャーギャーギャー

上条「あー、付き合ってらんね。先に帰っちまうか」スタスタ
940 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:44:32.13 ID:peLfF0d60
上条「にしても、クラスマッチかぁ。何がどうなるのやら…」

食蜂「あら」バッ

上条「おっ」タリ

食蜂「どうも当麻さん。今お帰りですか?」

上条「おう。なんなら途中まで一緒に帰るか?」

食蜂「………とてつもなくありがたく嬉しい言葉ではありますが、今日は都合が合いませんわ」

上条「そっか。まぁ別にいいんだけど」

食蜂「べっ、別に当麻さんのお誘いが迷惑だったとか、そういうのではございませんのですよ!」

上条「分かってるって。それじゃ、また明日な」ニコッ

食蜂「え、ええ。御機嫌よう」

上条「~♪」

食蜂「……申し訳ございません当麻さん。しかし、これも全て…!」
941 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:45:13.65 ID:peLfF0d60
上条「さて、美琴ももういないみたいだし、さっさと帰るか」

上条「……なんで美琴や操祈がいないとさっさと帰ることになるんだ?」

上条「まぁ、いっか。気にするほどのものじゃねえだろ」スタスタ



ーーーいつもの公園ーーーーーーーーーーーー
上条「~♪」スタスタ

部下「…」ドキドキ

上条「さぁーて、たまには帰り道でジュースでも買ってみるか。えっとぉ…」

部下「ととと、当麻様?」ヒョコ

上条「お、おわぁっ!!?」ビクッ

部下「も、申し訳ありません。驚かせてしまいましたか?」

上条「あ、ああ。大丈夫なんだけどさ。…ってあれ、なんで?」

部下「? どうかされましたか?」

上条「いや、操祈が今日用事があるみたいなこと言ってたからさ。てっきり君との待ち合わせかと」

部下「いえ、今日は特に待ち合わせはしておりませんし、派閥の会合もございませんわ」

上条「そっかー。じゃあどこ行ったんだかなぁ…」ウーム

部下「…」ムー

上条「…ん?どうかした?」

部下「当麻様」

上条「あっ、ハイ」

部下「わたくしには、当麻様が食蜂様と共に居られないことを不満に思っているように見えます」

上条「そ、そうかぁ?」

部下「ええ、それはもう」

上条「…つーか、なんで機嫌が悪いのでせう?」

部下「知りませんわ」プイッ

上条「??」
942 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:46:25.29 ID:peLfF0d60
部下(まったく当麻様ってば、会って早々に上の空とは…。まぁ、さすがは食蜂様と言ったところですが)

部下(で、でも、わたくしだって頑張ったのです!勇気を振り絞って、当麻様の下校ルートで待ち伏せして…)

部下(それなのに当麻様ったら…。いや、しかしこれは逆に好機かもしれません)

部下(わたくしと当麻様の距離を少しでも縮めるための…!)

上条「な、なぁ。本当にどうしたんだ?」

部下「…」

上条「と、とにかく話をしようぜ。なっ?」

部下「…そうですわね。これはチャンスですわ」

上条「? え、えっとぉ…」

部下「当麻様」

上条「あっ、ハイ」

部下「…あっ、えーとですね。そのぉ、先程は失礼しました」ペコッ

上条「お、おう」

部下「それで、お詫びと言ってはなんですが、今からわたくしとお茶しにいきませんか?」

上条「ん、ああ。構わないぜ」

部下「そ、そうですかっ。でしたら邪魔が入らないうちに参りましょう!」

上条「えっ、いや邪魔なんて入る訳…」

部下「さぁ、参りましょう!」

上条「…おう。じゃあ行くか、……あれ?えっとぉ…?」

部下「あ、ああ。そういえばまだちゃんと自己紹介をしていませんでしたわね」



天音「わたくしは天音深波と申します。改めてよろしくお願いしますわ、当麻様♪」

943 : ◆sk/InHcLP. [sage saga]:2011/12/06(火) 02:56:44.51 ID:peLfF0d60
以上です。初登場から苦節1,532レス…。ようやく部下ちゃんの名前が公開されました! いや、しました!!
その名は『天音深波(あまねみなみ)』。
由来は彼女の能力『伝導音波』からで、“天空から深海まで響き渡る音の波”という意味です。
なお、このスレにおける三大ヒロインの名前を『み~』で統一することも狙いですね。

……えっ、どこかで聞いたことのある名字だって? 発案時には考慮してなかったぜ!……一応。

っていうかネーミングはどうでしたか? 期待はずれだったらごめんなさい。
ではまたノシ
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/12/06(火) 07:24:32.80 ID:BYJxqZqeo
乙です
綺麗な名前だ…
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/06(火) 20:18:20.12 ID:GDcPdZ50o
う~ぱちゅりー!!>ワ<
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/12/06(火) 20:45:37.60 ID:ehEeVzx7o

たいへんよろしいかと 
 
954 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:38:18.12 ID:XhY8ehYg0

ーーー第7学区 大通りーーーーーーーーーーーー
上条「えっと、天音って呼べばいいのかな」

天音「あら、それでは呼びにくいのでは? わたくし自身、そう思っておりますし」

上条「うーん…。言われてみりゃそうかもな」

天音「そうでしょう!」

上条「じゃあ……深波、ちゃん?」

天音「」ズキューン

上条「お、おい。いきなり倒れちまったけど大丈夫か?……深波ちゃん」

天音「」ズバキューン

上条「深波ちゃーんっ!?」

天音「だだだ、大丈夫ですわ。し、しかし、出来れば呼び捨ての方がよろしいですの。……でないとわたくしの方が持ちませんし」

上条「そ、そうかぁ?」

天音「ええ。ちゃん付けというのも名残惜しいものですが」

上条「? それで、今日はどちらに行かれるのでせうか?」

天音「あっ、はい。それはもちろん、この常盤台生行きつけの喫茶店ですわ! なんとコーヒー1杯たったの2,000円♪」キラキラ

上条「な、なんですとぉーっ!!?」

天音「……というのは流石に冗談でして」

上条「冗談かよ!?」

天音「本日の行き先は、こちらの雰囲気ある喫茶店ですわ」マッタリ

上条「へぇー、確かにそれっぽい感じのトコだな。結構昔からあったのかな?」

天音「いえ、昨日オープンしたそうですわよ」

上条「昨日!?」
955 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:39:14.42 ID:XhY8ehYg0

天音「何でも、若くてイケメンの店主がそこそこの人気を博しているようですが、それ以上に手ごろな値段で楽しめるところが人気だそうで」

上条「なるほど。それで気になって来た訳だな」

天音「ええ。まことに自分勝手ながら、そうさせてもらいました」

上条「気にしなくていいぜ。俺も入ってみたいしな」

天音「そ、それは幸いでしたわ! では早速入店いたしましょう!!」

上条「おうっ。…にしても、随分変わった名前のトコだな」


ーーー喫茶店『エツァルクァリストリ』ーーーーーーーーーーーー
店主「いらっしゃいませ。お二人様でしょうか?」

天音「ええ」

上条(おっ、外人さんだ。褐色ってことは中南米の方か?)

店主「では、空いている席へどうぞ」

上条「へぇー。内装も落ち着いていて良いな。」マッタリ

天音「ですわねー」ホッコリ

店主「ご注文はお決まりでしょうか」スッ

上条「うーん…。どうすっかなぁ」

天音「このお店のおススメとかはありますか?」

店主「当店はメキシコ風喫茶店となっておりますので、そちらの方は特に自信がありますね。例えばこちらなどはいかがでしょうか?」

上条「そうですか。じゃあ俺はそれで」

天音「わたくしはこちらのコーヒー入りで」
956 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:40:10.78 ID:XhY8ehYg0
店主「おつまみにチュロスなどいかがですか? お客様たちは初めての来店ので、サービスしますよ」

上条「無料ってことでせうか!?」

天音「良いですわね。ではそちらもお願いします」

店主「かしこまりました。チョコラーテ1つ、チョコラーテのアレンジ1つ、チュロスですね。では少々お待ちください」

店主「チョコラーテ2つでーす!」

<シーン…

店主「チュロスもセットになりまーす!」

<シーン…

上条「あの、他の店員さんは…?」

店主「いませんよ。自分一人ですが、それがどうしました?」ニッコリ

天音「いえ、ではなぜ他の店員さんを呼ぶような真似を…?」

店主「雰囲気です」ニッコリ

上条(大丈夫かなぁ…)
957 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:40:57.46 ID:XhY8ehYg0

店主「それでは、少々お待ちくださいね」

天音「ええ。噂のお味、確かめさせてもらいますわ」ニコッ

店主「おやおや。では期待に沿えられるように努めるとしますか」スタスタ

上条「ハハッ。店主さんにプレッシャーをかけてやるなよ」

天音「あら?わたくしとしては褒め言葉のつもりだったのですが」

上条「さいですか。……にしてもあの人、どっかで見たことあるような…?」

天音「知り合いの方ですか?」

上条「いや、そういう訳じゃないんだけど…。昔会ったことがあるような気がするんだよなー、あの店主と」

店主「~♪」グツグツ

天音「そうなのですか。まぁ、似た人のことかもしれませんよ?」

上条「だよなー」

店主「~♪」コネコネ

天音「ふぅー。それにしても…」

上条「ああ。それにしてもな…」

店主「~♪」バチバチ


天上「「暇ですね…」」
958 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:42:28.91 ID:XhY8ehYg0

店主「~♪」グツグツ

天音「この時間って結構暇ですのよね…」

上条「確かになー」<カランカラーン

店主「いらっしゃいませー」グルグル

天音「ふむぅ…。では、少し遊んでみましょうか」

上条「遊び?」

天音「普段こういうことはしないのですが…」ブルルル

上条「ああ、『伝導音波』だったっけ」

天音「これを上手く集約・調整していくと、この机の真ん中にある置き物を…」ピョーン

上条「おおっ、跳ねた!」

天音「ふふふっ。どうです、わたくしの能力も少しは面白いでしょう?」ピョンピョンピョーン

上条「へぇー!面白いなぁ!」

天音「それは幸いですわ♪」ピョンピョンピョーン

上条「でも、一旦ストップな。迷惑かかるといけないし」ギュッ パキーン

天音「!!?」/////

上条「これでよしっと」ギューッ

天音「あわわわわわわわわわわわわわ……」////

上条「よーし、もう大丈夫だな。それじゃあ離すぞー」

天音「えっ…」

上条「ん、どうかしたか?」

天音「ああああ、あの、わたくしは、わたくしは…」

上条「ん?」

天音「その、わたくし、手を離されるとまた悪戯をしてしまいまそうで、えっとぉ…」///
959 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:43:54.65 ID:XhY8ehYg0

上条(な、何なんだこの感じは!? よく分からんが物凄く緊張するんですけどぉ!)

天音「…」ドキドキ

上条「…」ドキドキ

一方「…」ジー

上条「ちょっと待って」

天音「あ、あれ? 確かこの方は…」

一方「どォも。お二人さンもお熱いよォで何よりですねェ」

上条「一方通行じゃねえか! なんでここに!?」

一方「コーヒーの香りに誘われたンですゥ」

上条「そ、そうか…。そうだ、だったら相席しねえか? まだ席は余ってるし」

一方「ハァ?」

天音「」ギューッ

上条「イタタタタタッ!! な、何するんですかーっ!!?」

天音「まったく…」プンプン

一方「ハッ。ありがたい話だけどよォ、今回はお断りさせてもらうわ」

天音「!」

上条「えっ、どうしてだよ?」

一方「そりゃ、こンなにラブラブなお二人の邪魔をする訳にゃいかねェからな」ニヤニヤ

上条「は、はぁ!?」

天音「ら、らぶらぶ……」プシューッ

一方「にしても意外だなァ。てっきり俺は超電磁砲か心理掌握のどっちかだと思ったンだけどよ。まさかの三人目ときたか」

店主「いえいえ、そんな訳ありませんよ」ヌッ

一方「あ?」クルッ
960 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:45:33.76 ID:XhY8ehYg0

店主「お待たせしました。チョコラーテ2つにチュロスになります。あっ、こちらがアレンジですね」ゴトッ

上条「おっ、来た来た」

天音「ご苦労様です」

店主「いえいえ。ではごゆっくりと。そちらのお客様はいかがなさいます?」

一方「…」ジー

店主「お客様?」

一方「…カフェ・メヒカーノ」

店主「かしこまりました。では少々お待ちくださ」

一方「いや、オマエがちょっと待って。つーかこっち来い」ズカズカ

店主「は、はぁ…」スタスタ

上条「どうしたんだ?」

天音「さあ。何はともあれ、冷めないうちに頂きましょうか」

上条「おっ、そうだな。それじゃ」

上天「「いただきまーす♪」」



一方「……で?」

店主「何がです?」

一方「とぼけンじゃねェぞクソ野郎が。オマエ、顔や体格こそ違ェが…」

店主「あははっ、バレてしまいましたか。まぁ一つだけ言っておきますと、こっちが本物で普段が偽物なんですけどね」

一方「ンなこたァどォでもいいンだよ。問題は何でテメェがカフェなンかやってやがるかってことだァ!」

店主「あれ、不味いでしょうか? 確かに無許可でやってはいますが…」

一方「それも駄目だが、それ以上にオマエの方が信用できねェンだよ」
961 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:46:51.03 ID:XhY8ehYg0

店主「失礼な。これでも地元料理の腕は学園都市でも随一と自負していますが」

一方「そりゃ、オマエと同郷なンざ死ンでもお断りだしな」

店主「これは手厳しい。しかし、『昔』に比べれば、何とまぁ安全で合法的なではありませんか」

一方「そうかもな……じゃねェよ馬鹿。まず合法的じゃねェし」

店主「まあまあ。では自分は仕事に戻りますね」

一方「不味いコーヒー淹れやがったらオマエの身体の中に流れてる熱い液体を逆流させるからな」

店主「肝に銘じておきましょう」スタスタ

一方「…さて、何はともあれ俺もそろそろ座るかァ」

一方「」スタスタ

一方「」ストン

天音「いや何故こちらに座りますの?」

一方「いいじゃねェか。別に付き合ってる訳じゃねェンだろ、オマエら」

上条「ん、まぁそりゃな」

天音「…」ムー

一方「ケケッ、やっぱり罪な野郎だぜ」

上条「は?」ズズー

店主「お待たせしました。カフェ・メヒカーノになります」ゴトッ

一方「ン? おォ、きたか」

上条「おっ、さすがのブラックか」

一方「まァな。っつっても、いつもは缶コーヒーだけどな」

天音「第一位様はブラック派なのですか…」

一方「ま、ともかく話は飲みながらでイイだろ」

上条「だな」

天音「では、チュロスと一緒に頂きましょうか」

店主「そうですね」ストン

一方「いや、何普通に座ってンのオマエ? マスターなンだろ」ズズー
962 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:47:29.26 ID:XhY8ehYg0

店主「いいではありませんか。ほら、今日は平日なので貴方がたのようなひm……学校終わりの生徒くらいしか来ないのですよ」

一方「今オマエ暇人って言いそうになったろ。絶対そうだろ」

店主「いいえ、そんなことはありませんよ。貴方も随分と忙しいようではありませんか。教育実習(笑)で」

一方「うぜェわ。コイツマジうざいンですけどォ」

上条「あれ、知り合いなのか?」ズズー

一方「最悪なことになァ」

店主「おやおや」ニコッ

一方「ったく…」ズズー

天音「」ズズー

店主「皆さん、お味の方はいかがでしょうか?」

天音「なかなかよろしいかと。こう……カカオ本来の素朴な味わいがあると言いますか」

上条「確かに。あと、シナモンの風味があるし、意外とスパイシーだったりな」

店主「お褒めに預かり光栄です」

上条「それに、何かもこもこ泡が立ってて面白いよな」

店主「これはモリニージョというチョコラテ用の撹拌棒を使ってぐるぐる混ぜたので、こうなるのですよ。伝統的な作り方ですけどね」

天音「へぇ。やはりお詳しいのですね」

店主「ええ一応は。とはいえ、これらのほとんどは地元で普通に作られていたモノなのですが」

上条「ふーん」

店主「さて、そちらのお客様はどうですか?」

一方「ン? ああ、俺か。……ふン、悪くねェ」

店主「おやおや。さすがは学園都市第一位のツンデレ(笑)。素直ではありませんね」

一方「オマエちょっとイイ加減にしろよ」

天音(なぜこのマスターは先程から第一位様に対して喧嘩口調なのでしょう…?)
963 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:48:20.45 ID:XhY8ehYg0
店主「それにしても、カフェ・メヒカーノは普通、黒糖を齧りながら飲むものなのですが…」

一方「ハッ。必要ねェよ、ンなモン」ズズー

店主「やはりそうでしたか。出さなくて正解でしたね」

上条「いやー、何かカッコいいなぁ。こう、ブラックを飲む男ってのがさ」

天音「男の方ってそういうものなのでしょうか? 当麻様はそんなことが必要ないくらいだと思いますが」

一店「「様?」」

天音「い、いいではありませんかっ!」//

上条「?」

一方「それにしてもクラスマッチかァ……ったく、アレイスターの奴は何を考えてやがるンだァ?」

上条「無能力者の上条さんとしては補助金が増えるのが嬉しいのですがね」

一方「もォ優勝した気なンですかァ?」

上条「まっ、やっぱり目指すは優勝だろ!」

天音「…あのぉ、一体何の話なのですか?」

店主「そうですね。自分も気になります」

上条「ん? ああ、実は金曜日にウチの学校でクラスマッチがあるんだよ」

一方「ンで、何故かは知らねェがアレイスターの野郎が全面支援するカタチになってよォ。優勝したクラスにはもれなく豪華旅行“ペア”チケットをプレゼントってなァ」

天音「豪華旅行“ペア”チケットですって…?」

店主「ほう。聞き捨てなりませんね」

天音「とはいえ、わたくしたちでは手の出しようがありません…」

上条「いや、そうでもないぞ」

天音「はい?」

一方「今回は実習生もクラスから参加するからなァ。戦力の均等化を図るために、各クラス3つまで『外部枠』が使えるンだぜ」

上条「要するに助っ人を3人呼べるってことだな。もちろん、その助っ人たちも競技に参加する訳だから、優勝すればチケットが貰えるってさ」

天主「「!」」
964 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:50:19.43 ID:XhY8ehYg0

天音(こ、これはもしやビックチャンスでは!? 当麻様と共闘して勝利し、なおかつ当麻様と一緒にりょ、旅行へ…!)

店主(ふっ、かつての自分ならば優勝して御坂さんと旅行へ…などとほざいていたでしょう。しかし、今は違う選択肢がありますよ…!)

上条「お前のトコはどうするんだ? 外部枠使うのか?」

一方「まァ、そォなるンじゃねェか? そもそも、ウチの連中なンざどいつもこいつも勉強勉強でクラスマッチに対する意識が低すぎるからな。ハッパをかけてやらねェと」

上条「はははっ。一組は大変だなぁ」

一方「多分一番の問題クラスはオマエらのトコだと思うがなァ。で、そォいうオマエらは使うのか、外部枠」

上条「いや、上条さんのところは使わないぞ」

天音「」ガーン

一方「へェ。超電磁砲も思い切ったことをするモンだなァ。……超電磁砲といえば、例のチケットは転売・贈呈は全面的に禁止だそォだ」チラッ

店主「」ガーン

上条「しかし、そうなると大変そうだな。学園都市中からトンデモナイ能力者が集まってくるだろうし」

一方「ハッ。今あの学校にはレベル5が6人、それに加えてオマエまでいるンだぜ。既にオールスターだろォが」

上条「言われてみりゃそうだけど、そんな化物集団に上条さんを入れないでください!」

一方「オマエ、学園都市最強の俺に勝っといてその物言いはねェだろォが…」


天音(確かに、改めて考えてみれば恐ろしい面子と戦うことになるのですね)

店主(まともに立ち向かったら命がいくつあっても足りません)

天音(しかも、わたくしたちにメリットがあるかどうかは不明ですし)

店主(さて、どうしたものでしょう…?)


上条「そういや土御門が言ってたな。『誘われれば旅行に行ける』って」

一方「そりゃそォだろ。ペアチケットなンだし、元々参加しねェ連中への配慮もあるンじゃねェの」

天主「「それだ!!」」ガターン

上条「うおっ!?」

一方「何なンですかァ?」
965 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 00:51:29.97 ID:XhY8ehYg0

天音(そうなると懸案事項はただひとつ)ジー

店主(誰と組むか…)チラッ

一方「………あァ?」ギロッ

天音(…やめておきましょう)

店主(止した方が賢明ですね)

天音(しかし、やはりなるべく強者と組むべきでしょうね…)チラッ

店主(とりあえず、強い方とつながりを持った方が…)チラッ

天音「…」←常盤台中学生徒

店主「…」←第一位に喧嘩売るくらいの実力の持ち主(?)

天音「……組みます?」

店主「是非」

天音「わたくし、天音深波と申します。実は学園都市第五位・心理掌握様の第一の部下なのですが、諸事情によりそれは不可能ですので、他の手を考えねばなりません」

店主「ではレベル5とはいかなくても、学園都市最強の空間移動系能力者ならばどうでしょう? おそらくあの中でもトップレベルの汎用性かと」

天音「……交渉成立、ですわね」ニコッ

店主「ええ。どうぞ宜しくお願いしますね」ニッコリ

上一「「?」」

店主「ではお手数ですが、連絡先を…」

天音「ええもちろん。……ハッ、少々お待ちを」タッタッタッ

店主「? どうぞ」


上条「ふいー」ズズー

天音「と、当麻様!」

上条「げふっ!? な、なんでせう?」

天音「あ、あの、れれれれ連絡先の交換を…!」

上条「ん? ああ、別にいいぞ。ほいっ」サッ

天音「あ、ありがとうございます!」ニッコリ


一方「あーあ、暑い暑い。おいマスター、ここの冷房効いてねェンじゃねェの?」パタパタ

店主「おやおや。青春とは良いものですね」ニコニコ
966 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/15(木) 01:05:29.33 ID:XhY8ehYg0

~しばらくして~

店主「……はい。これでオッケーですね」ピロピロ

天音「そうですわね。では、連絡が来次第こちらにもお願いしますわ」

店主「ええ」

天音「…さてそろそろ行きましょうか、当麻様」

上条「ん? お、おう」

天音「マスター、会計お願いします」

店主「はい。お二人で………はい、ちょうど頂きます。ありがとうございました」

上条「ごちそうさまでしたー」

天音「機会があればまた伺いますわ」

店主「ええ。またいらしてください」ニコッ

上条「んじゃ、俺らも帰るか」

天音「ええ。…あの、本日はお付き合いいただき、本当にありがとうございましたの」ペコリ

上条「いいっていいって。結構楽しかったしな。それじゃ、帰り気をつけてな」

天音「…はい。また会いましょうね、当麻様♪」

上条「おうっ」


一方「…ところでよォ」

店主「何でしょう?」

一方「さっきからオマエが飲んでたヤツって何だ? 黒くて冷たそォなヤツだったからアイスコーヒーかァ?」

店主「コーヒーでしょうか? いいえ、それはコカ・コーラです」キリッ

一方「コークプリーズ!? 何なンだよオマエ、さっき伝統がどォとか言ってたくせに自分はコーラかよ!?」

店主「ふふふ。甘いですね一方通行さん。これにはかなり深い訳があるのですよ。実はですね…」

一方「実は…?」

店主「メキシコ産のコーラって、美味いらしいですよ?」

一方「知るかァァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーっ!!」 
 
980 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 01:58:49.67 ID:BCH8iQ9E0
ケース1 一方通行の場合

ーーー黄泉川宅ーーーーーーーーーーーー
一方(にしても、どォすっかなァ……外部枠)ウーム

一方(まずは使えそォな奴をピックアップしてみっか…)

打ち止め「あっ、帰ってきてたんだね。おかえりなさい!、ってミサカはミサカは挨拶してみたり」

一方(黄泉川……はそもそも端から味方だ。担任だからなァ)

打ち止め「おーい聞いてるのー、ってミサカはミサカは返事の無いアナタに問いかけてみる」

一方(クソガキ……は論外として、番外個体あたりはアリかもな。後で電話しとくかァ)

一方(アイツならノリノリで参加してきそォだしな。あとは…芳川は無理として、他に知り合いといやァ『グループ』あたりか?)

打ち止め「聞ーいーてーるーのー?」

一方(土御門……は3組。結標……は6組。海原……はヤだ。うン、全員無理だなこりゃ)

一方(あと知り合いといえば、親船? 妹達? 医者? ……あれ、俺ってもしかして…)

打ち止め「……本当にミサカの話を聞いてくれないの?、ってミサカはミサカは少しだけ涙目になってみる…」

一方「知り合い少なすぎねェか!!?」

打ち止め「」ビクッ!!
981 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 01:59:40.51 ID:BCH8iQ9E0
一方「やべェよ、どォしよォ。助っ人呼ぶのって絶対に俺だよな。出来れば3人欲しいしなァ…」

打ち止め「もうアナタ!! さっきから何を考え込んでるの、ってミサカはミサカはうがぁーーっ!!」グワッ

一方「ぬおっ!? な、何を叫んでやがるこのクソガキ!」

打ち止め「だってアナタがミサカの話を聞いてくれないからだもん!、ってミサカはミサカは主張してみたり」

一方「マジか? …悪ィな。なンか音反射してみてェだ」

打ち止め「むー。確かに物凄く集中してたかも、ってミサカはミサカは改めて考えてみたり。仕方ないね」

一方「おい、そのネタ何処で覚えてきやがった?」ガシッ

打ち止め「? まぁそれはさて置き、一体何があったの?、ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方「ン? おゥ、実はな……」カクカクシカジカ

打ち止め「…ふーん。豪華ペアチケットかぁ」

一方「まっ、俺にとっちゃそれこそオマケみてェなモンだけどなァ。第一位として負ける訳にゃいかねェしよォ」ニヤニヤ

打ち止め(その割には超嬉しそう、ってミサカはミサカは初めてのクラスマッチで舞い上がってるであろうアナタを微笑ましく思ってみたり)

一方「でも、どォすっかなァ…。とりあえず一人は確定なンだが」

打ち止め「えっ、どちら様?、ってミサカはミサカは…」

一方「番外個体」

打ち止め「」ブーッ

一方「アイツなら絶対面白がって参加するだろ。…よし、今から電話するか」ピッピッ

打ち止め「…だ、駄目ぇーっ!!、ってミサカはミサカは絶叫してみたり!」

一方「ぬわふっ!? だから何しやがンだこのクソガキ!」グリグリ

打ち止め「い、痛ーいっ!、ってミサカはミサカは訴えてみたり。しかしメインヒロインの座は譲れないのだ、ってミサカはミサカは確固たる意志をもってここに宣言してみる!」

一方「ハァ? 何を意味分かンねェこと言ってやがるンですかァ?」

打ち止め「だって、だってぇ…」ウルウル
982 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:00:29.70 ID:BCH8iQ9E0
打ち止め(だって今の力関係じゃ番外通行一直線だもん、ってミサカはミサカは最悪の事態を想定してみたり。何とかこのミサカが割り込む隙を作らなければ…)ブツブツ

一方「? 何をブツブツ呟いてやがる」

打ち止め(何か手は無いのか……っ、そうだ!)

打ち止め「み、ミサカも参加する、ってミサカはミサカは大きく挙手をしてみたり!」ビシッ

一方「……は?」

打ち止め「だって面白そうなんだもん、ミサカはミサカは「駄目だ」って、どうして!?」

一方「テメェ、あの高校が今どれだけ危ねェ場所か分かってンのか!? 第六位を除くレベル5全員が集まってンだぞ? そンな中にオマエが入っていったらどンだけ…」

打ち止め「ミサカだって参加したい! アナタの力になりたいっ!!、ってミサカはミサカは感動的なセリフを言ってみる」

一方「自分で感動的とか言うンじゃねェ! つーかオマエは絶対に駄目だ!」

打ち止め「どうして!?」

一方「危ねェからに決まってンだろ!」<ガチャ

黄泉川「ただいまー……って、2人ともどうしたじゃん?」

芳川「何かクラスマッチに参加するがどうとかで揉めてるのよ」フワァ

黄泉川「ああ、そういうことか。さて、どうしたものかね…」

芳川「とりあえず止めに入ったら? このままじゃずっと不毛なままよ」

黄泉川「確かにそうじゃんよ。おーい、2人ともストップストップー!」

一打「「だってコイツ(この人)が!」」

黄泉川「まだ何も言ってないじゃん」

芳川「それで? どうするの愛穂?」

黄泉川「…よーし、今から家族会議じゃん。公平にジャッジするぞー」

打ち止め「任務了解、ってミサカはミサカは脈絡なく発言してみたり。こうなったら負けないもん!」

一方「上等だァァァァァァァ!! 絶っ対に参加させてやらねェからなァァああああああああああああああああああああああああああああーっ!!」


こうしてもはや何回目かも分からない黄泉川家の家族会議が開催された結果、本人の意思が尊重されたため、一方通行の敗訴が決定した。
ちなみに、この会議は打ち止めが寝た後も行われ、深夜までかかってしまった。そのため、一方通行は番外個体にはとりあえず明日電話してみることにするのであった。
―――それが、まさかあんなことになってしまうとは、このときは誰も知る由もない。


2年1組、とりあえず幼女をゲット。
983 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:01:06.34 ID:BCH8iQ9E0
ケース2 垣根帝督の場合

ーーー垣根宅ーーーーーーーーーーーー
垣根「ふいー。ただいまー」

定規「あら、おかえりなさい」

垣根「おう。…なんかテメェがいるのが自然すぎて怖いぜ」

定規「そう? 私としては慣れ親しんだ場所だからね。なかなか居心地が良いのよね、この家」

垣根「ここ俺ん家だってこと忘れてねえかテメェ」

定規「いいえ。そんなことは無いわよ」

垣根「そうかい。にしても、俺もどうすっかなー」

定規「あら? どうかしたの?」

垣根「いやよぉ。それがな…」カクカクシカジカ

定規「……へぇ。随分と面白そうなことをするじゃない」

垣根「だろ? そんな訳で、助っ人呼ぶために色々と知り合いを当たってみようってな」

定規「ふーん…」

垣根「アイツ、傭兵だろうと元暗部だろうとオッケーっつってたな。じゃあ手始めに『スクール』関係から当たってみるか…」

定規「…」

垣根「とはいえ、流石に『表』に馴染めてねえヤツはやめておいた方が良いな。そうなると傭兵辺りが妥当かぁ?」

定規「…」

垣根「えーと、もう半年も前の話か。あの連中とコンタクト取ったのって。…あれ? 誰が情報持ってたっけ?」ガシガシ

定規「…」

垣根「おーい。テメェってあの傭兵連中の連絡先知ってる? だったら教えてほ」

定規「ちょっと待ったァァああああああああああああああああああああああああああーっ!!」

垣根「うおっ!?」
984 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:01:54.73 ID:BCH8iQ9E0
定規「ゼハーゼハー…」

垣根「おいおい。一体どうしたっていうんだ?」

定規「それはこっちのセリフよ。ほら、もっと良く考えてみなさい。貴方の目の前に誰がいるのかを!」クワッ

垣根「…あー?」

定規「元暗部で! 戦闘慣れしていて! しかも貴方との相性が良いこの私が!」

垣根「相性良いとか言うなよ気持ち悪い」

定規「と・に・か・く! まずは私から誘うのが筋ってものでしょ!?」

垣根「んー、必要ねえよ」

定規「ど、どうして!?」ウルッ

垣根「決まってんだろ。テメェは最初から出場決定だボケ」

定規「………ふぇ?」

垣根「勝手に他人様の家に住み着いといて何もしねえってのは気に入らねえしな。せいぜい死ぬ気でやれよ」ヒラヒラ

定規「………その心は?」

垣根「だからよぉ、テメェ以外の面子をどーしよーかっつう話なんだっつーの。さっさと知恵貸せコラ」

定規「………ていとくー!!」ダキッ

垣根「ぬわっ!? て、テメェ何しやがる! 抱き着いてくんな!!」

定規「むっふっふー…。第二位様は立派なのねー」スリスリ

垣根「離せクソボケ!」

定規「ふふっ、照れちゃってもう…。でも、せっかく貴方と組むなら結果を残したいわね」

垣根「…当然だろ。目指すは優勝のみだぜ」

定規「あら? 貴方っていつからそんなに熱血になったのかしら?」

垣根「うるせえ。……そしていい加減離れろ。テメェみたいな起伏のねえオンナに抱かれても嬉しくもなんともねえぞ」

定規「…もう!」ギューッ

垣根「いや抓るんじゃなくて離せっての。痛いぞクソアマぁ!」



2年2組、順当にドレスの女が参戦へ。
985 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:02:36.22 ID:BCH8iQ9E0
ケース3 御坂美琴の場合

~完全下校時刻後~

ーーー常盤台中学学生寮 208号室ーーーーーーーーーーーー
美琴「ただいまー♪」ガチャ

白井「あら、おかえりなさいませお姉さま」

美琴「あれ黒子? 今日は風紀委員の方は?」

白井「本日は非番ですの」

美琴「ふーん。…あっ、そうそう黒子! ちょっと聞いてほしいんだけど!」

白井「どうかなさいましたか?」

美琴「うん。実はね…」カクカクシカジカ

白井「…なるほど。波乱が巻き起こりそうですわね。お姉さまや他のレベル5たちが暴れ回るとなれば」

美琴「別に暴れたりはしないわよ! ……多分」

白井「まぁ、お姉さまほどの能力者たちが集まるのであれば、良い宣伝になりそうですの」

美琴「私は宣伝なんかどうでもいいんだけどね。それよりもチケットよチケット!」

白井「ふむ…。今回は随分と思い切ったことをしますのね、学園都市も」

美琴「みたいねー。…ぐふふっ、これで当麻と一緒に…!」

白井「お姉さまお姉さま、願望がダダ漏れですの」

美琴「…ハッ! ゴメンゴメン。……あれ、何かおかしいわね」

白井「何がです?」

美琴「いつものアンタなら『またあんの類人猿め!ムキ――――!!』…とか言いそうなのに」

白井「ギクッ!」

美琴「それ口に出す人初めて見たわ」
986 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:03:14.06 ID:BCH8iQ9E0
白井「な、何でもございませんの。黒子もそろそろ心を広く持ち始めたということですの!」

美琴「そう。なら良いんだけどさ。……それで、黒子に話があるんだけど」

白井「えっと、助っ人役の件ですか? それでしたら申し訳あ」

美琴「んー、そっちじゃないのよ。常盤台も金曜から夏休みでしょ? だったらアンタも見に来ないかなーって」

白井「あっ、そういうことですの」

美琴「そっ。元々うちのクラスは枠を使うつもりはないしね。…で、どう?」

白井「…申し訳ありませんお姉さま。その日は既に用事が入っていますの」

美琴「そっか。残念だけどそれじゃ仕方ないわね」

白井「初春たちにはわたくしから声をかけておきますの。あの子たちはこういうイベントには目が無いですから」

美琴「分かった。じゃあヨロシクねー」

白井「はいですの!」

美琴「さーて、どうやって勝とうっかなー♪」

白井(…本当に申し訳ございませんの、お姉さま。本来ならば黒子が率先して応援せねばならないのですが)

白井(今回だけは別ですの。…心を鬼にして、黒子は、黒子は戦いますの!!)シャキーン☆

美琴「……アンタ、何いきなりポーズとってるのよ。しかもウ○イン・ボ○トの」

白井「れ、連邦捜査官ですの!」キリッ

美琴「それウェ○ンだから。しかも捜査官じゃなくて大統領だし」



2年3組、そもそも枠を使う気なし。
987 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:03:52.02 ID:BCH8iQ9E0
ケース4 麦野沈利の場合

~放課後~

ーーー校長室ーーーーーーーーーーーー
<ピューン スバーン バゴーン

麦野「……さーて、こちらの要求を聞いてもらおうかにゃーん?」

校長「ひ、ひぃ…!」ガタガタ

教頭「…い、言ってみなさい」ブルブル

麦野「コレ。あとはアンタらのサインだけだし、仕事は下の連中にでも振り分けりゃいいから。でもちゃんと責任持ってやってよねー」ヒラヒラ

校長「わ、わかった…」

教頭「し、しかし、なぜこの中途半端な時期に彼を…? もしや例のけ」<バゴッ!

麦野「…うっせえんだよ。さっさとサインしやがれ」ピキピキッ

2人「「は、はい喜んで!!」」カキカキ

麦野「…ふぅー。これで良しっと。業者は呼んどいたから、多分明日にはここも直ってるわよ。んじゃ、サンクスー」スタスタ

教頭「ば、化物め…」

校長「…やはりウチではレベル5は扱いきれんな」
988 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:05:22.17 ID:BCH8iQ9E0
~その後~

ーーーいつものファミレスーーーーーーーーーーー
麦野「……と、いう訳で皆にも協力してもらいたいのよ」

絹旗「…まぁ私は超構いませんけど」

フレンダ「結局、面白そうな訳よ」

滝壺「…私も、参加でいい」

麦野「そ、そう! 良かったわ。アンタらなら参加してくれるとは思ってたけどさ」

絹旗「さて、そうなると問題は……」

フレンダ「…ペアチケットな訳よ」

滝壺「? 何か問題でもあるの?」

麦野「そうそう。絹旗、アンタはあの黒夜ってのと一緒に行けばいいんだし」

絹旗「ハァ!? どうして私があんなのと一緒に!? 大体私は…」

麦野「それにフレンダ。アンタは妹と一緒に行けば問題無し。たまには姉妹水入らずで旅行ってのも乙なものよ?」

フレンダ「うーん。それはそれでアリだけど、結局私が一緒に行きたいのは…」

麦野「あと滝壺。アンタだって…」

滝壺「…私、浜面しかいない」

麦野「……あー、やっぱそうなるかぁ」

滝壺「だから、皆で優勝して、チケット手に入れよう? きぬはたもふれんだも相手がいるみたいだし、むぎのだって捜せばいくらでもいるよ?」

麦野「っ! 関係ねえよ!! カァンケイねェェんだよォォォ!!」ガターン

絹旗「ちょっ、麦野!? 超落ち着いてください!」ガシッ

フレンダ「ていうか、私たちだって本音抑えてるっていうのに、麦野だけ全開!?」
989 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:06:25.59 ID:BCH8iQ9E0
麦野「フゥー、フゥー…!」

フレンダ「よ、ようやく落ち着いた訳よ」フゥー

絹旗「というか、滝壺さんは流石ですね。こんな麦野の豹変ぶりを見てもまだ涼しい顔してますし」

滝壺「うん。もう慣れちゃった。皆もそうでしょ?」

絹旗「そ、それは…」

フレンダ「もちろんその通り!」

<ゴチーン!!

フレンダ「」シーン

麦野「ったく…」

絹旗「さて、馬鹿は放っておくとして。本当にどうします? このまま私たちが結束しないままじゃ、本番では超勝てませんよ」

麦野「そうねぇ…」ウーム

滝壺「ハイむぎの。私からひとつ提案」ビシッ

麦野「ん? 何かしら?」

滝壺「優勝してチケット貰った後に、それぞれが平等にはまづらを旅行に誘うようにしたら?」

絹旗「なるほど。浜面に超選ばせる訳ですか。それだと……あれ? 結局滝壺さんの一人勝ちじゃないですか!」

滝壺「まぁまぁ」

麦野「うーん。でも、それが一番じゃない? とりあえず優勝しないことには話にならないし、まずは協力しましょ?」

フレンダ「さ、さんせーい…」

滝壺「私も賛成」

絹旗「…むぅ。納得いきませんが、私の魅力で浜面を超落としてみせましょう!」

麦野「ふふっ。その意気よ絹旗。私も負けないからな」



2年4組、『アイテム』メンバー勢ぞろいで早くも3人確保。
990 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:06:54.54 ID:BCH8iQ9E0
ケース5 食蜂操祈の場合

~放課後~

ーーー風紀委員 第177支部ーーーーーーーーーーーー
白井「初春ー。いますのー?」ウイーン

初春「そうですか!? 私、嬉しいです! いつも白井さんにはお嬢様な体験をさせてもらえないもので…」

白井(あら、電話中ですの? …にしたって、仕事中に明らかな私用の電話。これは注意しなければ!)

食蜂「いえいえ。結構なお手前ですわよ? なかなか勉強されているようですし」ズズー

初春「ほ、本当ですか!?」

食蜂「ええ。今度白井さんにも披露してはいかがですか? 結構褒めてくださると思いますわよ」

初春「おおっ、なんか自信が出てきました! では次に白井さんに会ったらぎゃふんと言わせてやります!」

白井「誰をぎゃふんとですの?」ニッコリ

初春「うわっ! 白井さん!? あっ、これはですね…」アセアセ

白井「ふむ。とりあえず言い訳は後ほど聞くことにいたしましょう」ニコォ

初春「ひっ!?」

白井「仕事中に何をサボってますのー!?」グリグリ

初春「い、痛いです白井さーん! ゴメンナサーイ!!」

白井「謝れば何でも許されると思ったら大間違いですの! 大体、貴女がサボると私まで固法先輩に怒られますのよ!?」

初春「そ、それを言うなら、私だって白井さんが仕事で独断専行するたびに一緒に怒られてるじゃないですかー!?」

白井「わたくしのは仕事上仕方ありませんのー!」

食蜂「まぁまぁ白井さん。その辺で宜しいのではなくて?」

初春「ですよね!」パァー

白井「…そうですわね」パッ
991 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:07:32.35 ID:BCH8iQ9E0
初春「ふいー。助かりました。危うく頭蓋骨が砕けるところでしたよー」

白井「どんだけ力があるのですかわたくしは」

食蜂「ふふっ、流石は風紀委員」

白井「ですの! ………ハッ! ついクセでやってしまいましたの…」

食蜂「別に私は振ってませんけれど」

白井「し、失礼しました……ではなくて! 何故貴女がここにいらっしゃるのですか!?」

食蜂「あら。居てはいけませんでしたか?」

白井「そもそもここは本来風紀委員以外は用が無い場所ですが…」

初春「あっ、白井さん。心理掌握さんは悪くありませんよ! ここに案内したのは私ですから!」

白井「お前かーっ!」グリグリ

初春「痛いです白井さーん!」フエーン

食蜂「あらあら。いいではありませんか。されるがまま来た私も悪い訳ですし」ニッコリ

白井「……それで、何の用ですの?」

食蜂「はい?」

白井「おそらく何らかの用件があっていらしたのでしょう? 風紀委員関係のことですの?」

食蜂「残念ながら違いますわ。私が用があるのは貴女ですのよ、白井黒子さん?

白井「わたくし…ですの?」

食蜂「ええ。出来れば2人きりでお話したいのですが…」

初春「えーっ! 私は聞いちゃ駄目なんですかー!?」

食蜂「申し訳ありませんわね。少々プライベートな件ですので」

初春「そうですか…」

食蜂「そう暗い顔をなさらずに。今度、紅茶によく合う菓子等を持ってこちらに来ますから」

初春「ほ、本当ですか!?」

食蜂「ええ。約束いたしますわ」ニッコリ
992 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:08:05.72 ID:BCH8iQ9E0
白井「…よく分かりませんが、わたくしは構いませんわ。何か大事なことのようですし」

食蜂「ありがとうございます。では」スッ

白井「どちらまで?」

食蜂「第7学区ならば、貴女の好きなところ何処へでも」

白井「了解しましたの!」ヒュン


ーーー第7学区 例の公園ーーーーーーーーーーーー
白井「着きましたの。…それで、お話とは?」シュタッ

食蜂「ええ。実は……」カクカクシカジカ

白井「…なるほど。クラスマッチ、外部枠、ペアチケットですか」

食蜂「ええ。それで、私は諸事情もありまして、必ずこのクラスマッチで優勝したいのです」

白井「それでこのわたくしをスカウトしに来た、という訳ですの?」

食蜂「はい。貴女は非常に優れた人ですし、私たちのクラスの戦力になってくださればとても嬉しいのですが。私自身、スポーツは得意とは言い難いですしね」

白井「……申し訳ありませんの。誘っていただいたのは大変光栄なのですが、お断りさせていただきますの」ペコッ

食蜂「そうですか……。やはり美琴かしら? その理由は」

白井「……はい。やはりわたくしは、お遊びとはいえお姉さまと敵対するなど出来ませんわ。そのような商品があるのであれば、なおさら」

食蜂「……」

白井「以上ですの。これからわたくしは仕事があるので戻らなければなりませんが、学舎の園まで送りましょうか?」

食蜂「いいえ、結構ですわ。自分で帰りますから」

白井「そうですか。ではまたお会いしましょう」

食蜂「ええ」

白井「……では」

食蜂「……………本当に、それで良いの?」

白井「……」

食蜂「貴女だって、本当はまだ諦め切れてないのではありm」

白井「分かってますの!!」

食蜂「……白井さん」
993 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:08:35.54 ID:BCH8iQ9E0
白井「わたくしだって…わたくしだって諦めたくはありませんの! 簡単には割り切れませんの!!」

食蜂「……」

白井「でも、あんなに嬉しそうなお姉さまのお顔を見たら、あんなに幸せそうなお姉さまを見てしまったら、もう私には…」

食蜂「……だから、もう無理だと決めつけてしまうの?」

白井「仕方ありませんの! これが…これがお姉さまのためですの。お姉さまの幸せが、黒子の幸せですわ!! だから黒子は嬉しいんですの!!」

食蜂「だったら!」

白井「」ビクッ

食蜂「…ならどうして、貴女はそんなに悲しそうな顔をしているの?」

白井「……」

食蜂「自分の気持ちが、グチャグチャのままで整理できないのね。心を読まなくても分かるわ。貴女は初めてのこの状況に困惑している」

白井「…ええ」

食蜂「でもね、そういうときは、自分の気持ちに素直になればいいの。そうすれば、今まで混沌としていた心が整うわ」

白井「…しかし、それではお姉さまが」

食蜂「そのお姉さまは、貴女が悲しんでいるのを無視できる人だった? 人の気持ちを踏みにじるような女だった?」

白井「そ、そんな訳ありません! お姉さまはいつでも皆のことを第一に考えてくださる…」

食蜂「…なら、少しくらい貴女のワガママも聞いてもらおうじゃない? 貴女のお姉さまに」

白井「……分かりましたの。では、わたくしの初めてのワガママ、貴女の手に委ねますわ」

食蜂「交渉成立ね。ごめんなさいね、責めるような真似して」ガシッ

白井「いいえっ! むしろ心がすっきりしましたの」ガシッ

食蜂「…じゃあ、一緒に優勝目指しましょうね。白井黒子さん?」

白井「了解しましたの!!」

食蜂(ふふっ。まずは一人目…!)



2年5組、交渉術を駆使して見事に白井黒子を獲得。
994 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:09:12.31 ID:BCH8iQ9E0
ケース6 結標淡希の場合

~放課後~

ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
結標「…ふぅー。クラスマッチ、ねぇ」

結標(助っ人かぁ。私のところは誰を呼ぼうかしら?)

結標「うーん。とりあえず帰りながらゆっくり考えましょうか」<ガラガラー!

土御門「結標! 居るかーっ!?」

結標「きゃっ!? つ、土御門? どうしたのよ?? ていうか貴方、随分傷だらけなのだけれど」

土御門「話は後だ! さっさとオレをアレイスターのところへ連れて行け!」

結標「はぁ? そ、そんなこと急に言われても…」

土御門「い・い・か・ら!!」ゴゴゴゴゴ

結標「は、はい…(助っ人のことがあるのに~!)」ヒュン


ーーー窓の無いビルーーーーーーーーーーーー
土御門「よし、着いたか」

結標「じゃ、じゃあ私はこれで…」

土御門「おいお前、オレをここに閉じ込める気か?」

結標「い、いいえ。そういうつもりじゃ…」

土御門「ならいい。ここで待ってろ」スタスタ

結標「は、はい」


土御門「おいアレイスター! あれは一体どういうつもりなんだ!?」

☆『ふむ。何か問題でもあるかね? とても平和的な宣伝方法だと思うのだが』

土御門「にしたって唐突すぎるぞ。『あちら側』への配慮はどうなってる?」

☆『そちらは君の担当分だと思うのだがね。まぁ、これですぐにバランスが崩れる訳でもないのだし、おそらく大丈夫だろう』

土御門「オレもそうは思うんだがな。だが、急に科学のイベントを増やしては、あちらもあまりいい顔をしないぞ」

☆『問題は無い。所詮子供たちのお遊びにすぎんよ』

土御門「レベル5と『幻想殺し』を集めておいて“お遊び”で済むはず無いだろうが。その対策はどうなっている!?」

☆『ああ。これはまだ不確定事項なのだが…』


結標(…まだ終わらないのかしら? これだと仲間集めが一向に進まないじゃない…!)



2年6組、結局この日は仲間が一人も集まらず。
995 : ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:09:47.49 ID:BCH8iQ9E0
ケース7 削板軍覇の場合

ーーー第7学区 街頭ーーーーーーーーーーーー
<ザワザワ ガヤガヤ

削板「さて皆の者! オレの話にどうか耳を傾けてほしい!!」

削板「この中で根性のある者!! オレと共にクラスマッチに出場してみないか!!?」

削板「参加資格は熱い根性のある者!! それさえあれば年齢・学校・出身は問わない!」

削板「とにかく根性だ! 根性のある者が大会を制し、根性によって勝敗は決する!!」

削板「さぁ、オレと一緒に熱い青春の一ページを紡ごうではないか!!!」

削板「そこの奥さん! 走り回っているお子さん! そして毎日忙しいサラリーマンの皆!! オレと一緒に青春をしようぜっ!!」ババーン

削板「おーし。皆、どうだぁ!!? 参加したくはないかぁ!!?」

削板「ハッハッハッハーっ!!!」


原谷「警備員さんこっちです」

黄泉川「削板軍覇、現行犯逮捕じゃん」ガシャッ

削板「何故だァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーっ!!?」



2年7組、迷惑防止条例違反で仲間集めが不可能に。
996 ◆sk/InHcLP. [saga sage]:2011/12/22(木) 02:14:02.74 ID:BCH8iQ9E0
以上です。それぞれの感情が入り混じったクラスマッチ……。書くのは一体いつになるのやら。
という訳で、8日目終了です。9日目の時間割は次スレに貼っておきますね。

では、2スレ目もご愛顧いただき、本当にありがとうございました! まだまだグダグダ続きますので、また宜しくお願いします。
それでは、次スレ建ててきますので少々お待ちを。
997 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:36:37.16 ID:3L6z4M9A0
おつ
 

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