- 517 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:00:21.97 ID:31yLXLbt0
-
~ 20時 男性用大浴場 ~
垣根「結構いい風呂じゃねーか」
上条「そうだな。こんなに大きい湯船は上条さん初めてでありますよ」
垣根「ふーん……あっ、シャンプーとリンス忘れたから貸して」
上条「あいよ」
垣根「明日でこのくそつまんねー研修も終わりか」ゴシゴシ
上条「お前、寝すぎなんだよ」ゴシゴシ
垣根「生理現象なんだから仕方ねーだろうが」 - 518 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:01:37.95 ID:31yLXLbt0
-
上条「ちょっと違うぞ……」
ガラガラ
削板「うぉー! でげー風呂だな!」
原谷「声大きいですよ……あと……」
上垣「……」
削板「おー、上条に垣根の兄ちゃんじゃねーか!」
上垣「……」
削板「ん? どうしたんだ?」
上垣「てめぇ、前隠せよ!!」
- 519 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:02:14.22 ID:31yLXLbt0
-
削板「何故だ!?」
垣根「人のあれなんか見たくもねぇんだよ!!」
上条「お前、恥ずかしくないのか?」
削板「何を恥ずかしがらないといけないんだ? 男なら全員ついてるものだろうが」
原谷「この人に何を言っても無駄ですよ……」
削板「お前らも恥ずかしがってないでタオルを取れ!! ほら!!」ポイッ
上条「うわっ!!」
垣根「てめぇ!!」
原谷「ひぃぃぃ!!」 - 520 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:03:27.51 ID:31yLXLbt0
-
~ 同時刻 女性用大浴場 ~
フレンダ「ふぅ~、いい湯ってわけよ」
絹旗「ちょっとおばさんくさいですよ、フレンダ」
フレンダ「私のどこがおばさんくさいわけよ!?」
「お隣いいかしら?」
フレンダ「?」
絹旗「あなたは……」
心理定規「こんばんは。アイテムの皆さん」ニッコリ
フレンダ「……わざわざ私達の近くに来なくてもスペースなら沢山あるわけよ」 - 521 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:04:43.78 ID:31yLXLbt0
-
心理定規「あら、いいじゃない。元暗部者同士の裸のお付き合いも」
絹旗「」ジー
フレンダ「暗部ね……」
絹旗「……」
フレンダ「絹旗? どうしたの?」
心理定規「あら? 元気ないわね」
絹旗(私より確実に大きいです……)
絹旗(私のはいつ大きくなるんでしょうか……)ウーン
- 522 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:05:28.21 ID:31yLXLbt0
-
フ心「?」
・
・
・
心理定規「いい湯加減だわ」
絹旗「ところで……」
心理定規「何かしら?」
絹旗「何故、貴女も風紀委員に超協力することにしたんですか?」
心理定規「……簡単なことよ」
絹フ「簡単なこと?」
心理定規「暇つぶしよ。暇つぶし」
絹旗「暇つぶし?」 - 523 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:05:55.26 ID:31yLXLbt0
-
心理定規「そう。暗部もなくなったし、いつものアルバイトも飽きてきたしね」
フレンダ「風紀委員はそんなに甘くないわけよ」
心理定規「アイテムの皆さんで出来てるわけなのだから、私でも問題ないはずだけど?」
絹旗「」イラッ
フレンダ「」ムッ
心理定規「……なんてね。冗談よ。それに私達の支部には"あの馬鹿"がいるから実戦に関しては彼一人で十分なわけだしね」
絹旗「あの馬鹿?」
フレンダ「ナンバーセブンのこと?」
心理定規「そうよ」
- 524 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:06:49.61 ID:31yLXLbt0
-
絹旗「そんなに強いんですか?」
心理定規「一度だけ彼の戦いを見たけど……少なくともあなた達のリーダーよりは強いはずよ」
フレンダ「麦野より!?」
絹旗「でも麦野は第4位ですよ。その麦野が第7位に負けるなんて……」
心理定規「忘れたのかしら? その順位が超能力者の強さに比例してるわけじゃないってことを」
フ絹「……あっ」
心理定規「……そういうことよ。それに無能力者がレベル5に勝つことだってあるわけだし」
絹旗「……」
フレンダ(無能力者……あっ、そういえば……)
- 525 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:07:27.79 ID:31yLXLbt0
-
フレンダ「ねぇ……」
心理定規「何かしら?」
フレンダ「……朝、上条君に以前から興味あるって言ってたけど……それって……」
心理定規「あら、貴女彼のことが好きなの?」
フレンダ「!?」
フレンダ「……ええ、そうよ!」
絹旗(おー! フレンダ超男らしいです! あれ? 男?)
フレンダ「貴女も上条君に気があるの!?」
- 526 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:09:08.37 ID:31yLXLbt0
-
心理定規「……さー、どうかしらね」クスッ
フレンダ「……」
心理定規「そろそろ失礼するわ」ジャボ
フレンダ「あっ、ちょっと!!」
心理定規「またね、アイテムのお二人さん」ニッコリ
フレンダ「むぅぅ……」
絹旗「軽くあしられましたね……」
フレンダ「あの態度が気に入らないわけよ!!」
絹旗「まー、そこは同感です」 - 527 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:09:41.33 ID:31yLXLbt0
-
~ 21時 上条達の部屋 ~
削板「なぁー、上条」
上条「何だ?」
削板「朝、心理定規が言っていた『幻想殺し』って何のことなんだ?」
原谷(あっ、そんなこと言ってたような……)
上条「あー、これのことか」
そう言いながら、上条は自分の右手を握り締める。
上条「俺の右手は異能の力なら何でも打ち消すことが出来るんだ」
原谷「……え?」
- 528 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:10:08.90 ID:31yLXLbt0
-
削板「そんな能力初めて聞いたぞ!」
垣根「そりゃーそうだろうが。なんせ上条もお前と同じ能力開発で得た力じゃないんだからな」
削板「何?」
原谷「そうなんですか!?」
上条「ああ。多分生まれた時から備わってたと思うけど……削板も同じなんだよな?」
削板「……ああ。俺も学園都市に来る前から今の力を持っていた。いつからかは覚えてないけどな!!」
原谷「いや、そこは覚えておいて下さいよ」
垣根「相変わらず適当な奴だな……」
原谷「しかし……本当に何でも打ち消せるんですか?」 - 529 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:10:47.79 ID:31yLXLbt0
-
上条「ああ。見てみるか?」
原谷「……是非!!」
上条「垣根、悪いんだけど未元物質で適当に出してくれない?」
垣根「てめぇ……そんなんで俺の未元物質使うな」
と文句を言いながらも、垣根はある物体を生み出した。
削板「……これは何だ?」
垣根「そうだな……『未元座布団』とでも言っておくか」
原谷「座ってみてもいいですかね?」
垣根「ああ」 - 530 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:12:52.41 ID:31yLXLbt0
-
原谷「うぉ!! 凄い座り心地がいい!!」
上条「よし、俺の右手で触れてみるぞ」
上条の右手が、垣根が生み出した物質に触れた瞬間、パーンっと音がしその物質は跡形もなく消え去った。
削板「座布団が……」
原谷「消えた……」
上条「――――まー、こんな感じだ」
原谷「す、す、す……」
削板「すげぇぇぇぇええな!! おい!!」
上条「え? そうか?」 - 531 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:13:34.40 ID:31yLXLbt0
-
原谷「そうですよ!! こんな力初めて見ましたもん!!」
垣根「お前ら、目輝きすぎだろ……」
削板「……上条、今度俺と勝負してくれないか?」
上条「え、何の勝負だ? ウイイレ?」
原谷「あっ、ウイイレなら僕持ってきてますよー」
垣根「おっ、いいねぇ」
原谷「しかもリモコン4つ」ジャジャーン
上条「準備いいな! おい!」
上条「よし、削板! 勝負しようぜ!!」
削板「おっしゃー!! ウイイレやったことないけど根性で勝ってやる!!」 - 532 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:14:04.07 ID:31yLXLbt0
-
―――― 2時間後
垣原「イエーイ!! 圧勝!!」
上条「削板、お前いい加減パスしろよ!!」
削板「何だと!? 男はいつでもシュートだ!!」
上条「……」
上条「いいぜ、削板……お前がパスをしないってんなら……」
上条「まずはそのふざけた幻想をぶっ殺す!!」
削板「上等だ!!」
削板(あれ? 何か違うような?) - 533 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/28(木) 23:14:58.49 ID:31yLXLbt0
-
~ 同時刻 第10学区の路地裏 ~
「例の準備は出来たか?」
「ああ。これで能力者達はいないも同然だ」
「よし。やっとあいつらに復讐できるわけだ」
「研修合宿ならあいつらもそんなに武器も持ってないだろ」
「一気に警備員もむかつく能力者達も倒せるわけだな」
「よし、明日作戦を実行するぞ」
「「「「おう」」」」 - 545 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:22:25.46 ID:RePDY/G50
-
~ 研修合宿2日目 3月16日早朝 ~
ピピピー
上条「むぅ……」
上条(6時半か……そろそろ起きるか……)
上条「さて今日は15時までだし、もう少し頑張るとしますか」
削板「」グーグー
上条「ん?」
上条「……こいつ、何で床で寝てるんだ?」
原谷「ん……」ムクッ
上条「原谷、おはよう」 - 546 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:24:48.19 ID:RePDY/G50
-
原谷「あ、おはようございます……」
上条「なんか削板が床で寝てるんだけど……」
原谷「あー……削板さんは寝相が悪いんで気にしないで下さい」メガネメガネ
上条「寝相が悪いって……」
削板「」グガァーグガァー
上条「こいつ、二段ベッドの上で寝てたはずだよな……」
垣根「」スピカースピカー
上条「この男も、へんな寝息してやがる」
原谷「未元寝息ってやつですか?」
上条「……なんでも未元つければいいってもんじゃねーぞ」 - 547 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:25:18.77 ID:RePDY/G50
-
そして、2日目も順調に研修プログラムは続いていき、いよいよあの男の講演の時間になった。
上条「あと、1時間で終わりか」
垣根「……そろそろ起きるとするかな」
絹旗「長かったですね」
フレンダ「」ウトウト
削板「」グーグー
原谷「もう駄目だ、この人……」
心理定規「その馬鹿を起こすのは諦めた方がいいわ」
原谷「そうします……」
黄泉川「そんじゃー、最後はわざわざこの研修合宿の為にローマから来日して下さった方のお話じゃん」 - 548 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:26:20.53 ID:RePDY/G50
-
アックア「……」
上条(ローマ? ローマと聞くと何か嫌な予感がするのですが?)
黄泉川「元ローマ正教、神の右席の右方のフィアンマさんじゃん!」
上条(なにぃぃぃぃぃぃぃい!?)
アックア(黄泉川先生、何故そのことを知ってるのである!? それに神の右席のポジションまで!?)アセアセ
ガラガラ
フィアンマ「……」スタスタ
アックア(本当に来たのである……)
黄泉川「んじゃー、フィアンマさん。よろしくじゃん」
- 549 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:27:24.89 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ「ふむ。俺様に任せろ」
黄泉川「頼もしいお言葉じゃん」
ナンダ?
ガイジンサンダ
一同(とりあえず……)
一同(赤い!!)
上条(なんで、フィアンマが講師を……)
フィアンマ「俺様は元ローマ正教、神の右席、右方のフィアンマだ」
ローマセイキョウ?
アレ、センソウアイテッテ
アックア(自分でローマ正教と名乗るな!!)
フィアンマ「貴様ら、幸福に思え」
一同「?」 - 550 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:28:08.85 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ「何故なら……この俺様の話を聞けるのだからな!!」
一同「」
垣根「なんだぁ……あの偉そうな奴は……」
絹旗「神のなんちゃらとか言うくらいですから、実際超偉いんじゃないんですか?」
フレンダ「キャラが濃すぎるってわけよ……」
心理定規(知らない顔ね……)
原谷「……赤い彗星……」
削板「」グーグー
おいおい。勘弁してくれよ、と言わんばかりに頭を抱える上条。
上条(フィアンマ……頼むから問題起こさないでくれ……) - 551 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:28:54.99 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ「それでは早速、俺様の話を始めてやる」
フィアンマ「まずは―――――――――」
ドォォォォォン!!とフィアンマが何か言いかけた瞬間、会議室内に大きな爆発音が響き渡った。
「!?」
ナンダ?
ナニガオキタ?
黄泉川「まずは状況確認するじゃんよ!」
警備員「はい!」
黄泉川「風紀委員達はそのまま待機!!」
上条「な、何だ?」
フレンダ「爆発音がしたわね」
絹旗「殴りこみですかね?」
垣根「警備員と風紀委員がいる所に殴りこむ馬鹿はいねーだろ」 - 552 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:30:00.04 ID:RePDY/G50
-
心理定規「あら、物騒ね」
削板「ん?」ムクッ
原谷「またトラブルに巻き込まれる予感が……」
原谷の予感は的中した。
再度、ドォォォォォン!!と大きな音がしたと同時に大会議室の壁が大きく破壊された。
不良A「復讐しにきたぜ!! クソ警備員どもぉぉぉ!!」
黄泉川「お、お前は……以前連続暴行事件で拘束した……」
不良A「そうだ、お前らのせいで少年院に行くハメになっちまった」
不良A「今日はその復讐にしにきたわけだぁぁぁ!! お前ら入ってこい!!」
ぞろぞろとスキルアウト達が、自分達で破壊した壁の大きな穴から大会議室へ侵入してくる。
不良A「丁度よく、風紀委員達もいやがんなぁ」ニヤリ - 553 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:31:37.64 ID:RePDY/G50
-
警備員「馬鹿か、お前!! 警備員とこれだけの風紀委員相手に勝てると思ってるのか!?」
不良A「勝てるさ、オイ!」
不良B、C、D、E「おう!」
スキルアウトの複数の少年達が、音響機器と思われる機械を自身の鞄の中から取り出した。
そして、少年達がスイッチらしきものを押すと異音が会議室内に鳴り響く。
絹旗「……うぐっ!?」
フレンダ「うぅぅ……頭が……」
垣根(あれは……)
上条「絹旗、フレンダ、どうした!?」
心理定規「うぅ……」
原谷「……これは……ゼロシステム?」
削板「原谷、心理定規、どうした!?」
- 554 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:32:25.51 ID:RePDY/G50
-
次々と風紀委員の者達が苦悶の表情を浮かべ、頭を抱える。
黄泉川は、その光景を目の当たりにし一つの兵器を思い出した。
黄泉川「あれは……まさか!?」
不良A「そうだよ、キャパシティーダウンだ!!」
黄泉川「何故お前達が!? それにあれはもっと大きく……」
不良A「おいおい、科学は日々進歩しているんだぜ。いつまでも同じ大きさなわけがないだろう」
アックア「黄泉川先生、あれは何なのである?」
黄泉川「キャパシティーダウン。音響を利用し能力者達の演算能力を大幅に抑える兵器じゃんよ」
アックア「そんなものがあったのであるか……」
黄泉川「詳しくはウィキペディア参照じゃん!」
- 555 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:33:31.03 ID:RePDY/G50
-
アックア「うむ。了解したのである」
そう返答すると、アックアは会議室に置かれているノートパソコンに手をかけ、
同僚の木原に教わったネットサーフィンをしだした。
動作はぎこちないながらも、アックアは自身のPCスキルが上がっていることを感じた。
アックア(まずはインターネットエクスプローラーをダブルクリックするのであったな)
アックア(今日はスムーズに開けたのである!! IEのバージョンは127であるか。最新であるな)
アックア(む? トップページはグーゲルであるか。ヤヒーの方が好みなのだが……)
アックア「」ポチポチ
黄泉川「いや、調べるのは後ででいいじゃんよ……」
不良達「」ポカーン
不良A「まーいいや……というわけで、警備員、風紀委員共々叩き潰してやるぜぇぇぇ!!」
黄泉川「くっ!?」
黄泉川(まさかここが狙われるなんて予想外じゃんよ! 武器も……) - 556 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:35:12.35 ID:RePDY/G50
-
上条(くそっ!! スキルアウト相手じゃ俺の幻想殺しも役に立たねぇ……)
上条(あの人数相手に拳だけってのも無理がある……相手は拳銃やら凶器も持ってやがるし……)
上条(あれ、そういえば何か忘れてるような……)
フィアンマ「おい、貴様ら」
不良A「あん?」
フィアンマ「誰の邪魔をしていると思っている?」
不良B「は? 何だこの赤いの?」
フィアンマ「質問に答えろ。誰の邪魔をしていると思っているのだ?」
不良C「うっせーよ! 警備員でもねーなら邪魔だ! どっかいってろ!!」
フィアンマ「……」 - 557 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:36:08.51 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ「ふむ。どうやら言葉が通じる相手ではなさそうだな」
そう言い終えると、フィアンマの右肩辺りから『第三の腕』が突如として出現される。
スキルアウト、警備員、風紀委員達はこの世のものとは思えない、不思議な物質を目の当たりにし驚愕した。
不良A「……な、なんだ……それは……」
黄泉川「……」
心理定規(垣根と同じ未元物質? でもそれとは違うような……)
削板「すげー……すげーよ、おい」
原谷「」REC
垣根「なんなんだ、ありゃ……」
絹旗「ち、超ありえないです……」
フレンダ「気味が悪いわけよ……」
- 558 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:37:00.93 ID:RePDY/G50
-
上条(フィアンマの奴、まさか!?)
上条「フィアンマ!!」
フィアンマ「ん?」
フィアンマ「……安心しろ、上条当麻。命は取らん。少々痛い目にあってもらうだけだ」
上条「そっか」ホッ
フィアンマ「……アックア、いつまで遊んでいる? お前も手伝え」
アックア「……うむ」
不良A「……お前、能力者か? 何故キャパシティーダウンが効かねー?」
フィアンマ「ふっ、滑稽だな」
不良A「何だと?」
フィアンマ「俺様のこの力を、超能力"如き"と一緒にするなよ」
不良A「なんだと?」 - 559 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:40:00.23 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ(敵は50人程か……殺さないよう力加減をしなければな……)
フィアンマ「アックア、お前は風紀委員達を守れ」
アックア「了解した」
フィアンマ「さて……俺様の講演を潰した罪は重いぞ。少年よ」
不良A「っち……」
不良A「てめぇぇら! やっちまぇぇぇぇええ!!」
リーダーの少年の号令と共に、凶器を持った少年達が一斉にフィアンマを狙う。
フィアンマ「ふん」
元ローマ正教最強の魔術師は、軽く吐き捨てるとゆっくりと第三の腕をスキルアウト達に向け軽く振りかざした。
たったそれだけで、大勢のスキルアウト達が吹っ飛ばされていく。
彼の前では拳銃やナイフなどは凶器としての役割を全く果たせず意味のない物に過ぎなかった。
フィアンマ「力加減はこのくらいか……」
アックア(相変わらず、理解不能な攻撃である) - 560 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:41:20.62 ID:RePDY/G50
-
不良A「」
不良A(何なんだ……こいつは!!)
垣根「すげーな、おい」ゴクリ
上条(よく勝てたな、俺……)
不良A「ちっ……おい、風紀委員達もやっちまえ!!」
「「「おう」」」
無数の拳銃が風紀委員達に向けられる。
その瞬間、スキルアウトと風紀委員達の間に一人の警備員が立ち塞がる。
アックア「風紀委員をやりたいのなら、この私を倒してからにするのである」
不良F「死ね、おっさん」
ズキューン、と1発の拳銃の弾が警備員に放たれる。
その警備員は回避行動をせず、ただ立ち塞がっているだけだった。
その結果、拳銃の弾は警備員にこめかみに命中した。
だが、拳銃で撃たれたはずの警備員の男はまるで何事もなかったかのようにスキルアウトの少年に告げた。
アックア「ふむ。そんな物騒な物を人に向けてはいけないのである」
不良F「」
- 561 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:42:16.01 ID:RePDY/G50
-
不良F「…………は? 何で生きてやがる……」
アックア「私をこんな物で倒せると思ったのなら、既に貴様達の負けは確定しているのである」
そうい言い放つと、一人の警備員の男はスキルアウトの少年の目の前までゆっくりと進んだ。
スキルアウトの少年は恐怖を感じていた。
それもそうだろう。拳銃の弾がこめかみに命中しているのに、目の前の男は無傷のまま自分に向かって来ているのだから。
不良F「あ、あ……」
アックア「お仕置きである」
スキルアウトの少年の額に、警備員の男の手の甲がかざされる。
ポン、と音がしたと同時にスキルアウトの少年は後方10メートルまで吹き飛ばされた。
不良F「ぐがぁぁぁぁぁぁあ!!??」
アックア「ぬ? 少し強すぎたか……」
不良F「…………」
不良達「」ポカーン
- 562 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:43:04.23 ID:RePDY/G50
-
フレンダ「で、デコピンであそこまで……」
垣根「肉体強化系の能力者か」
絹旗「……ですかね」
フィアンマ「おい、少しは手加減をしてやれ」
アックア「十分したつもりだったんだが……力加減が難しいのである」
不良A(なんなんだ……こいつらは一体……何なんだよぉぉぉぉぉ!!)
削板「」ワナワナ
心理定規「ど、どうしたの?」
削板「……」
削板「駄目だ、我慢できねぇ……」
心理定規「え?」
削板はそう言うと、苦痛の表情を浮かべている心理定規の言葉を無視して一気に机から飛び降り、フィアンマの隣に降り立った。
削板「すげーな、おい! こんなすげーのは"あいつ"以来だぜ」
フィアンマ「……なんだ?」 - 563 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:44:59.56 ID:RePDY/G50
-
削板「俺も助太刀するぜ!! 悪者を退治だぜぇぇぇぇええ!!」
フィアンマ「貴様はあのキャパシティーダウンとやらは効いていないのか?」
削板「おう! ちょっとうるさいくらいだ!」
不良A「何!?」
不良A(機械の故障か!? いや、他の風紀委員達にはちゃんと効いている……)
不良A(キャパシティーダウンが効かない能力者……)
不良A「てめぇ……レベル5か?」
削板「いかにも。俺が学園都市第7位の削板軍覇だぁぁぁぁああ!!」
不良A「……まさかこんな大物が風紀委員にいるとはな! くそったれが!!」
不良A(しかし、レベル5にだって多少の演算能力は奪えるはずだ……だが奴は……)
フィアンマ(面白い奴だな……削板軍覇か。削板? ん?)
フィアンマ(そういえば以前オッレルスが……)
- 564 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:46:07.96 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ「そうか……お前が世界最高の原石か」
削板「ん? そういえば、そんなことあの外人が言ってたな」
フィアンマ(面白い……まさかここでオッレルスが言っていた逸材に出会えるとはな)
フィアンマ「助太刀するのは構わないが……俺の足を引っ張るなよ?」
削板「ん? 何で味方の足を引っ張る必要があるんだ? そんなことしたら立ってられないだろ」
フィアンマ「……」
フィアンマ「まー、いい……ではいくぞ」
削板「おう!」
不良A「くそっ!! あいつら殺したって構わねぇ!! やっちまぇぇええ!!」
「「「「「「おう」」」」」」
フィアンマ「学習しない連中だ」 - 565 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:46:44.75 ID:RePDY/G50
-
削板「うぉぉぉぉぉぉっぉおおお!!」
削板「改すごいパーンチ!!」
削板の右拳がスキルアウトの集団に向けて突き出される。
たったそれだけで数人のスキルアウトが吹っ飛ばされ壁に激突される。
不良達「ぐがぁぁぁああ!!?」
フィアンマ「ほほう。これが説明ができない力というものか」
削板「これが俺の新念動砲弾だぁぁぁああ!!」
不良A(……ここは一旦逃げるしかねぇぇぇ!!)ダダダッ
上条(あ、あいつ!!)
上条「垣根、ちょっと……」
垣根「あん?」
黄泉川「……とりあえず私らは風紀委員達を保護するじゃん」
警備員「はい」
黄泉川(悔しいけど、今の私達はそれくらいしか出来ないじゃんよ……) - 566 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:47:37.91 ID:RePDY/G50
-
フィアンマ、アックア、削板がスキルアウトの集団を一方的に潰している頃、
リーダー格の少年は一人研修センターを飛び出していた。
不良A(クソッ! 入念に計画したのによ……)
「おい!」
空から髪がツンツンの少年とホスト風の少年の二人が舞い降り、リーダー各の少年の目の前に立ちふさがった。
片方の男の背中には大きく、真っ白な翼が生えていた。
不良A「くっ!?」
上条「逃がさねーぞ!!」
不良A「てめぇら……風紀委員か……」ギロッ
垣根「情けねぇな、主犯が尻を揺らして逃げるとはな」ニヤリ
上条「それを言うなら尻尾を巻いて逃げるだ」
垣根「……」
- 567 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [sage saga]:2011/04/29(金) 21:48:37.97 ID:RePDY/G50
-
不良A「どけ……邪魔だ……」
上条「……逃げんのかよ?」
不良A「……はぁ?」
上条「目的はどうであれ、お前らの仲間はあの中にいる。お前はそれを置いて逃げるのかって聞いてるんだよ!!」
不良A「……」
不良A「逃げるさ……当たり前だろ」
上条「!?」
不良A「仲間なんかいくらでもいる。あいつらを見捨てたってまた代わりを探せばいいんだしな」
上条「てめぇ……」
垣根「根性が腐ってやがんな」
上条「いいぜ、お前が仲間を見捨ててまで逃げ出したいってんなら……」
上条「まずは……そのふざけた幻想をぶっ殺す!!」
- 578 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:13:05.48 ID:fUPKLwBM0
-
不良A「はん! やってみろよ!! 風紀委員!!」
上条「垣根、お前は手出さないでくれ。俺が一人でやる」
垣根「あいよ」
不良A「……一人できやがるか……いちいちむかつく野郎だ」
リーダー格の少年が、上条に向けて左手を振りかざす。
不適な笑みを浮かべて……
不良A「一撃で終わらせてやる」
上条「!?」
そう言うと、上条に向けた左手に小さなプラズマが生み出された。
生み出されたプラズマは徐々に大きさを変えていく。
上条「発電能力者か!?」
- 579 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:13:59.21 ID:fUPKLwBM0
-
不良A「そうだ。俺はレベル3の電撃使いなんだよ」
上条「なに?」
垣根「……さっきのキャパシティーダウン作動させた時は、影響なさそうに見えたが」
不良A「はんっ! 対策用のイヤホンをしてたんだよ。能力者の俺が何の対策もしないでキャパシティーダウンを使うわけねーだろうが」
上条「対策用のイヤホンだと?」
垣根「流石、学園都市。くだらねぇ物がどんどん作られてきやがる」
不良A「……さてと、無駄話はここまでにしとくか。くたばれ!!」
上条に向け、サッカーボール程の大きさの塊りの電撃が放たれる。
その衝撃で、砂嵐が巻き散りリーダー各の少年の視界を埋め尽くす。
- 580 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:15:09.01 ID:fUPKLwBM0
-
不良A「…………へっ、ざまぁみやがれ」
笑みを浮かべ、リーダー各の少年は、勝利の余韻に浸った。
だが、次の瞬間その余韻は一気に吹き飛んだ。
上条「……結構やるじゃねーか」
垣根「おいおい、口に砂が入っちまったじゃねーか」
垣根「ちょっとうがいしてくる!」
不良A「――――――ッ!?」
不良A「……何故だ……何故、無傷で立ってやがる!?」
上条「……こちとら、もっと強烈な電撃をよく浴びされてたもんでな」
上条「次はこっちの番だな!」
- 581 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:15:53.17 ID:fUPKLwBM0
-
不良A「ちっ!?」
垣根「がらがら~、ぺっ!!」
上条は笑みを浮かべ、己の右拳を強く握り締めリーダー各の少年に向け一気に迫る。
対するリーダー格の少年も上条に向かい、前に踏み込む。
そして、垣根は入念にうがいを繰り返す。
拳と拳がそれぞれの顔面に叩き付けられた。リーダー格の少年がぐらりとバランスを崩し倒れこんだ。
勝負は一発で決着がついた。
上条「しばらく、頭を冷やして来い」
不良A「く、くそったれが……」
そういい残すと、リーダー格の少年は上条を睨みつけながら意識を失っていった。
垣根「終わった?」
上条「……ああ。終わったよ」
- 582 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:17:18.83 ID:fUPKLwBM0
-
・
・
・
上条「いててて……」
フレンダ「はい、動かないの」
研修センター内のスキルアウトによる暴動は、元ローマ正教最強の魔術師、最強の警備員、世界最高の原石により完全に沈下していた。
フレンダと絹旗は、上条達を追い研修センターの外に出ていた。
上条は軽く唇を切っただけだったが、フレンダに手当てを受けていた。
絹旗「結局、上条さんがおいしいところどりですか……」
垣根「だな」
上条「いや、おいしいところどりって……」
フレンダ「はい、これでおしまい」
上条「ありがとな、フレンダ」
- 583 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:18:01.34 ID:fUPKLwBM0
-
フレンダ「ううん」
絹旗「」ニヤリ
フレンダ「な、なによ?」
絹旗「別に……超なんでもないです」クスッ
フレンダ「その微笑がむかつくわけよ」
上条「ははは」
ヒュン
「「「「!?」」」」
青ピ「あれ、もう終わってるやん」
- 584 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:18:50.59 ID:fUPKLwBM0
-
固法「本当ね」
麦野「ちっ、つまらないわね……久々に暴れると思ってたのに」
黒子「……久々にって、ついこの間も暴行魔を病院送りにしたのは誰ですの?」
麦野「うぐっ!?」
絹旗「あれ、どうしたんですか?」
固法「どうしたもこうしたも、第7学区内で事件が起きたんだから私達が出向くのは当たり前でしょ?」
絹旗「あっ、そうでしたね」
垣根「固法さんが現場に出向くなんて、珍しいな」
固法「たまにはね。支部は土御門君と海原君に任せてあるし」
- 585 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:20:01.57 ID:fUPKLwBM0
-
固法「……と言っても、もう解決済のようね」
フレンダ「まーね。ありえない怪物達がいたわけよ」
絹旗「」コクリコクリ
固法「怪物? とりあえず、現在の状況を詳しく教えてくれるかしら?」
絹旗「は、はい」
・
・
・
固法「――――――――そう。では私達は黄泉川先生の所に参りましょう。上条君達はここで待機ね」
- 586 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:20:36.86 ID:fUPKLwBM0
-
青ピ「了解や」
麦野「はいよー」
黒子「はいですの」
ヒュン
上条「相変わらず便利な能力ですこと」
垣根「そういえばよ……」
上条「ん?」
垣根「お前、あの赤い奴の知り合いなのか?」
上条「」ドキッ
垣根「あいつが変な物質出したとき、お前大声で名前叫んでたよな?」 - 587 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:21:24.78 ID:fUPKLwBM0
-
フレンダ「あっ、確かに」
絹旗「上条さん、あの怪物と超お知り合いなんですか?」
垣根「あれって、どんな能力なんだよ?」
上条「……」
上条(やばい!! どう説明する……魔術って言うわけにもいかねーし……)
上条(うーん……)
上条「えっと……フィアンマは俺の父さんのお友達なんだ」
垣根「お前の父親の?」
上条「ああ。俺の父さんは仕事で世界を駆け巡っててな。ローマで知り合ってから仲がいいんだよ」
- 588 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:22:08.21 ID:fUPKLwBM0
-
フレンダ「世界を駆け巡る仕事ってかっこいいわけよ」
上条「んで俺も父さんを介して、フィアンマと交流があるわけだ」
絹旗「なるほど。超グローバルコミニケーションですね」
上条(ほっ……我ながらよく思いついたぜ……)
垣根「なるほどな……んであの力は一体何なんだ?」
上条「」ギクッ
「そいつに聞いても無駄だぞ」
一同「!?」
フィアンマ「久しぶりだな。上条当麻」
上条「フィアンマ……」
- 589 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:22:54.39 ID:fUPKLwBM0
-
フィアンマ「そこの茶髪の奴」
垣根「あん?」
フィアンマ「俺様の力を知りたいか?」
垣根「……いちいち、自分のことを俺様って言うんじゃねーよ」
フィアンマ「自分称くらい俺様の好きにさせろよ、少年」
垣根「……ムカつく野郎だな、おい」
フィアンマ「カルシウムが足りないんじゃないか?」ニヤリ
垣根「……この野郎」ギロッ
フレンダ(ひぃぃぃぃぃ!!)
絹旗(あわわわわわ!!)
- 590 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:23:45.33 ID:fUPKLwBM0
-
上条(なんで喧嘩モードになってんだよ……)
「やめ、やめー!!」
垣フ「ん?」
削板「せっかく事件が解決したんだし、野暮なことはなしにしようぜ!」
フィアンマ「何だ、貴様か」
垣根「邪魔すんな、ナンバーセブン。こいつは一回殴らないと気がすまねぇ」
フィアンマ「貴様では俺様に触れることさえできやせんよ。身の程を知れ」
垣根「んだとぉぉぉぉ!!??」
削板「だぁぁぁぁぁぁあああ!!」
フ垣「っ!?」 - 591 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:24:27.82 ID:fUPKLwBM0
-
削板「余計な争いはやめろ!! どうしてもやるってんならこの俺を倒してからにしろぉぉぉ!!」
垣根「……」
フィアンマ「……」
上フ絹「」ドキドキ
垣根「……ちっ、わーったよ。やらねーよ」
フィアンマ「ふむ。ここは貴様の言うことを受け入れてやる」
削板「わかってくれてよかったぜ! 流石、根性ある奴らだ!!」
上フ絹「」ホッ
フィアンマ「おい、茶髪の少年」
垣根「あ?」 - 592 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:25:07.80 ID:fUPKLwBM0
-
フィアンマ「俺様の力を教えてやる。そこの白い奴と一緒だ」
垣根「ナンバーセブンと一緒? どういう意味だ?」
フィアンマ「ようは……説明できない力だ(ふむ、こんな説明でいいだろう)」
垣根「ちっ、てめぇも原石って奴かよ」
削板「おー、赤い兄ちゃんも俺と一緒だったのか!!」
フィアンマ「……そういうことだ」
フィアンマ「……さて、俺は行くとする」
上条「……また旅に出るのか?」
フィアンマ「じゃじゃ馬娘が一匹、ついてくるがな」 - 593 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:28:09.36 ID:fUPKLwBM0
-
上条「フィアンマ」チョイチョイ
フィアンマ「なんだ?」
上条「魔術のこと言わなかったの気使ってくれたの?」ヒソヒソ
フィアンマ「……まだ学園都市に魔術の存在を明かすのは、時期尚早みたいだからな」ヒソヒソ
一同「?」
上条「そっか……ありがとな」
フィアンマ「何がだ?」
上条「俺達を助けてくれたことだよ」
フィアンマ「ふっ、そんなのお前に比べたら大したことはないだろ」 - 594 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:28:51.60 ID:fUPKLwBM0
-
上条「そんなことねーよ。感謝するよ、フィアンマ」
フィアンマ「……まさか、お前に感謝される日が来るとはな」フッ
上条「んじゃー、またな」
フィアンマ「またな、か……」
削板「じゃあーな! 赤い兄ちゃん!!」
垣根「けっ!!」
フィアンマ「さらばだ、科学で無知な少年達」
一同「?」
上条(おい!!)
そう言い残し元ローマ正教最強の魔術師の男は、その晩一人の少女を連れ学園都市をあとにした。
新たなる目的地を目指して。 - 595 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:29:58.21 ID:fUPKLwBM0
-
削板「さて、帰るとするかな」
原谷「そうですね。とんでもない研修合宿になっちゃいましたけど、また会いましょう」
上条「おう! 暇な時は遊ぼうぜ」
原谷「はい!」
垣根(また電話帳の登録が増えた……)ニヘラ
心理定規(全く……とんでもない目にあったわね)
心理定規(さっさと帰りましょ)
フレンダ「あっ」
心理定規「あら?」 - 596 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:30:32.44 ID:fUPKLwBM0
-
心理定規「あなた達も今からお帰りかしら?」
フレンダ「ま、まーね」
心理定規「そう……お互い災難だったわね」
フレンダ「もうキャパシティーダウンはこりごりってわけよ」
心理定規「……同感だわ」
心理定規「……じゃあー、私は帰るから。また機会があればお会いしましょ」
フレンダ「あっ……」
心理定規「……あっ、そうそう」
フレンダ「?」 - 597 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:31:05.96 ID:fUPKLwBM0
-
心理定規「『幻想殺し』のことなんだけどね」
フレンダ「」ドキッ
心理定規「安心して。異性として興味があるわけじゃないから」
フレンダ「…………え?」
心理定規「それに私には……」チラッ
削板「おーい! 心理定規帰ろうぜ!!」
心理定規「…………何でもないわ」
心理定規「それじゃーね。絹旗さんにもよろしく」
フレンダ「う、うん」 - 598 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:31:49.98 ID:fUPKLwBM0
-
削板「置いてくぞー!!」
心理定規「……なら先に帰ってればいいじゃない」
削板「可愛くない奴だなー」
心理定規「せっかちな男は嫌われるわよ」
削板「俺のどこがせっかちなんだ!!」
原谷「ははは……」
フレンダ「……」
絹旗「フレンダ、お待たせです」
フレンダ「あっ、うん」
絹旗「あの女と何、話してたんですか?」
- 599 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:32:37.15 ID:fUPKLwBM0
-
フレンダ「……」
フレンダ「内緒」
絹旗「ぬ!? 気になりますね」
フレンダ「……とりあえず、思ったより悪い人じゃないかもね」
絹旗「……え?」
上条「お、フレンダと絹旗来たか」
垣根「おせーよ!」
フレンダ「女子には、準備にそれなりに時間がかかるわけよ」
絹旗「そういうことです」
- 600 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/01(日) 22:33:30.12 ID:fUPKLwBM0
-
上条「よし、それじゃー……帰りますか」
垣根「おう」
フレンダ「うん」
絹旗「はい」
その後、元ローマ正教の魔術師、最強の警備員、世界最高の原石が暴れた研修センターの復興には1ヶ月かかった。
噂によると暴れすぎて施設を滅茶苦茶にした結果、最強の警備員は当月の給料の2割をカット。
世界最高の原石は一番暴れたらしく3ヶ月間、ただ働きをしたとかしなかったとか……
アックア「ちなみに私は、そこまで暴れていないのある」
黄泉川「ウィリアム先生、誰に言ってるじゃんよ」
削板「なぜだぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
心理定規「急に叫ばないでよ」
- 615 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:22:19.18 ID:8SGExZ8/0
-
Great Teacher Amata
第3話「マイ・リスペクツ・ティーチャー」
職員室。その名のとおり学校の職員達がいる所だ。
先生の数は、30名程。このレベルの学校なら妥当な数だろう。
正直、この武里高校は学園都市の中でも下の上位のレベルだ。
この学校は、レベル0やレベル1の生徒を少しでも上のレベルに上げるようなカリキュラムがメインだ。
こう言っちゃ失礼だが、大体の先生達は長点上機や霧が丘女学院で教師をやれるレベルではない。
ただ、この武里高校の教師の中にもトップクラスの高校の教師をしていても不思議じゃない先生がいる。
それがこの……
「木原先生、おはようなのですよー」
「おはようございます! 小萌先生!!」
そう、この方こそ俺の憧れの教師、月詠小萌先生だ。
見た目は小学生にしか見えねーが、大学も卒業しており、俺よりも酒豪だ!
どの位憧れてるかというとだな、一方通行⇒上条当麻位に憧れているんだよ、ってキハラはキハラは上手く例えてみる!
……くそったれがぁ、自分で言っておいて、自分に殺意が芽生えてきやがる!!
まー、そんなことはどうでもいい。とにかく生徒達の小萌先生に対する信頼感がものすげぇんだ。
例えるなら、そうだな……日本ハムのダルビッシ○みたいな感じだ。
「今日も早いっすね。小萌先生は」
「もう少しでシステムスキャンですからね」 - 616 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:23:57.33 ID:8SGExZ8/0
-
「あー、もうじきっすね。今度こそレベル2か3くらいの生徒が出てくれるといいっすね」
「それを毎日、祈ってるのですよ」
小萌先生は、職員室の中で存在が天空まで浮いてた俺に声を掛けてくれた方だ。
最初は、おいおい、何小学生が高校にいるんだよ!って突っ込んじまったがな……
だが、小萌先生が声を掛けてくれたおかげでなんとか上手くやっている。
「おはようなのである」
「ウィリアム先生、おはようなのです」
「おはようっす」
「……今日も二人に負けたであるか」
「そりゃー、車通勤の俺達がキックボード通勤のウィリアム先生には負けるわけないぜ」
「ウィリアム先生は、車の免許持ってないのです?」
「……科学にちょっと疎くて、免許は取得していないのである」
このナイ○のゴルフウェアをいつも着ている渋い方がウィリアム・オルウェル先生だ。
俺と同時期に赴任した英語教師だ。
イギリス人で、ここに来る以前はローマで『神の右席』という飲み屋でオーナーをしていたらしい。
うたい文句は「その涙の理由を酒と金に変える者」だそうだ。
寡黙な人だが、中々天然なところがあって面白いんだぜ? - 617 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:24:57.11 ID:8SGExZ8/0
-
「そういえば、木原先生もウィリアム先生も一時限目の授業の準備しないでいいのですかー?」
「おっと、やべー!!」
「ぬ、忘れてたのである」
「せっかく早く来たんですから、準備も早くすませるのですよー」
「うぃーっす」
「了解なのである」
「ぬ!?」
「どうしたんだ?」
「英語の教科書ではなく……間違って『けいおん』第1巻をを持ってきてしまったのである」
「……」
「……」
「まいったのである……」
「だから、教科書は机の中に入れておけばいいって言ったのによー」
- 618 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:26:30.87 ID:8SGExZ8/0
-
「……ウィリアム先生は、後で『すけすけ見る見る』の刑なのです」
「「なっ!?」」
『すけすけ見る見る』言葉にすれば卑猥に聞こえるが、内容は半端じゃねぇ。
『すけすけ見る見る』とは透視能力用の時間割りで、目隠しポーカー10連続勝利がクリア条件のゲームだ。
以前、興味本位で俺とウィリアム先生は、小萌先生に『すけすけ見る見る』をお願いしたが、クリアできなく一晩帰して貰えなかったことがある。
そのせいで、俺は『IS 正式名称インフィニット・ストラトス』の11話が見れなかったんだ。くそったれが!! ラウラ!!
「それは勘弁して欲しいのである……」
「小萌先生、俺からもお願いするぜ」
「……」
小萌の手から、傭兵出身の教師に英語の教科書が渡される。
「これは……」
「冗談なのですよー。これはウィリアム先生が私の机に置き忘れていったものなのです」
「いや、しかし私は自分の家に……」
「私は何も聞こえないのですよー」
流石、小萌先生……粋なことをするぜ。
いわば、アメとムチって奴だな。俺もここは見習わないといけねーな。
なんせ、『猟犬部隊』にいたときはムチ! ムチ! ムチ! だったからな。
あいつら、元気に農作やってっかな?
……おっと、感傷に浸ってる場合じゃねー!! そろそろ朝礼の始まりだぜ!!
第3話 おわり
- 620 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:30:28.44 ID:8SGExZ8/0
-
~ 3月20日 ~
滝壺(今日もぽかぽかして暖かい)
滝壺理后はセブンスミスト前で一人の少年を待っていた。
街中は、春休みということもあり多くの人達が行き交っていた。
滝壺(お腹が空いてきたかも……あっ、来た)
「遅くなりまして申し訳ございません」
滝壺「私もさっき来たところだから」
「そうでしたか。では早速行きますか」
滝壺「……その前に、お昼に行きたいかも」
「……11時半ですからね。ではそうしましょう」
滝壺「ありがとう」 - 621 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:31:25.70 ID:8SGExZ8/0
-
「場所は……」
滝壺「流石に、いつもあそこだと悪いからうなばらに任せる」
海原「かしこまりました。では参りましょう」
滝壺「うん」
その頃、滝壺と海原の同僚である青髪ピアスと絹旗最愛はセブンスミストに向っていた。
絹旗「次は午後1時半からなので1時にはお店を出ましょう」
青ピ「了解や」
絹旗「……しかし、今日は朝からいいB級映画に巡り会えて超ラッキーでした」
青ピ「ははは……それはよかったやん」
- 622 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:32:17.80 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「ぬ? あまり興味がなさそうなお返事ですね」
青ピ「」ビクッ
青ピ「そ、そんなことあらへんで?」アセアセ
絹旗「……ならいいんですが」
青ピ(一瞬でもデートを期待したボクが馬鹿やったな……浜面もよう付き合ってたわ……)
絹旗「あれ? あれは滝壺さんと海原さんじゃないですか?」
青ピ「あれ、本当や」
絹旗「……2人っきりみたいですね」
青ピ「仲ええな~」 - 623 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:33:16.21 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「……これは臭いますね」
青ピ「え!?」ビクッ
青ピ(しもーた……昨日『とある裸族』見たまま風呂入らんで寝てしもうたからな……)
青ピ「……そんな臭う?」
絹旗「青髪さん、忘れたんですか? 滝壺が大晦日に上条さんのお家で言った寝言を……」
青ピ(あっ、ボクの体臭やなかったんや……)
青ピ「あー……そういえば……」
絹旗「上条さんには、海原さんには他に好きな人がいるからありえないと言われましたが怪しい臭いがプンプンします」
青ピ「……つまり、滝壺ちゃんが二股をしていると?」
絹旗「そこまでは断言はしてませんが……」 - 624 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:34:10.42 ID:8SGExZ8/0
-
青ピ「まー、ビジュアル的に浜面より海原君の方が滝壺ちゃんにはお似合いやからな……」
絹旗「そこは超同感です」
絹旗「よし! 今日はこのままあの2人を尾行しましょう!!」
青ピ「……面白そうやね……でも映画はいいん?」
絹旗「その映画はDVDも持ってるので超大丈夫です」
青ピ「なら、わざわざ映画館に見に行かなくてもいいやん」
絹旗「雰囲気が大事なんです。これだから超素人は困ります」
青ピ「……す、すんまへん」
絹旗「では行きますよ、青髪さん」
青ピ「了解や!」 - 625 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:35:04.96 ID:8SGExZ8/0
-
同僚の二人が自分達を尾行していることを知らぬまま、滝壺と海原は飲食店に入っていった。
滝壺「ここは……」
海原「和食がメインのお店です。ファーストフードばかりではなく、たまにはこういうのもいいかと思いまして」
滝壺「わたし、こういうお店初めて」
海原「そうでしたか。和食は大丈夫ですか?」
滝壺「うん。基本好き嫌いはないから」
海原「それは安心しました。ここは量が少ないメニューもありますし、滝壺さんでも完食できるかと思いまして」
滝壺「ありがとう、うなばら」
海原「いえいえ。何頼みますか?」 - 626 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:35:50.93 ID:8SGExZ8/0
-
滝壺「うーん……よくわからないから、うなばらにお任せする」
海原「かしこまりました。では」ピンポーン
店員「お待たせ致しました。ご注文は。」
海原「軽食Aコースとさんまの竜田揚げに白米とお味噌汁のセットでお願いします」
店員「かしこまりました。ご注文を繰り返します――――――」
店員「では。何かありましたら。魔法のボタンでお呼び下さい」
海原「は、はい……」
滝壺(魔法のボタン?)
- 627 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:36:54.32 ID:8SGExZ8/0
-
その頃、青髪ピアスと絹旗は向かいのファーストフード店で滝壺と海原の様子を伺っていた。
青ピ「あれ、姫やんやん」
絹旗「あの店員さんとお知り合いですか?」
青ピ「クラスメイトや。フレンダちゃんとも仲良しやで」
絹旗「へー……あの美人さんがフレンダと……」
青ピ「金髪美少女に大和撫子……上やんばっかりずるいで……」
絹旗「……どういうことですか?」
青ピ「あの子も上やんに惚れてる子の一人や」
絹旗「……そうなんですか!?」 - 628 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:37:55.91 ID:8SGExZ8/0
-
海原「お味はどうですか?」
滝壺「おいしい」
海原「それはよかったです」ニッコリ
滝壺「うなばらは和食好きなの?」
海原「ええ。もちろん、マッ○もですけどね」
滝壺「そっか」ニコッ
海原「……しかし、自分なんかでよかったんですかね?」
滝壺「」コクリ - 629 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:41:59.80 ID:8SGExZ8/0
-
滝壺「私はこういうのよくわからないから、うなばらのセンスを頼りにする」
海原「……これは責任重大ですね」
滝壺「期待してるよ、うなばら」
海原「ご、ご期待に沿えるよう頑張ります」
滝壺「……さんまの竜田揚げ、美味しい?」
海原「ええ。美味しいですよ」
滝壺「一口貰っていい?」
海原「ええ、どうぞ」
- 630 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:43:03.09 ID:8SGExZ8/0
-
滝壺「あーん」
海原「はい?」
滝壺「あーん」
海原「……」
海原「」ヒョイ
滝壺「」モグモグ
海原「ど、どうでしょう?」
滝壺「うん、美味しい」
海原「それはよかったです……」
青ピ「あーんしたで! あーんを!!」
絹旗「これは決定的じゃないですか!?」
- 631 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:43:58.96 ID:8SGExZ8/0
-
―――― 1時間後
滝壺と海原は、これといった買い物はせずに洋服店、本屋、雑貨屋などを渡り歩いていた。
青ピ「さっきから、色んなお店に入っては何も買わないで出てるけどなんなんやろね?」
絹旗「うーん……謎です」
青ピ「ショップ巡りというやつやろか?」
絹旗「かもしれないですね。滝壺さんは暇つぶしの天才ですから」
青ピ「それは初耳やね」
海原「色々、見てきましたがどうでしたか?」
滝壺「うーん……いまいちピンとこないものばかりだった」 - 632 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:44:39.72 ID:8SGExZ8/0
-
海原「そうですか。では次に行きましょう」
滝壺「うん」
青ピ「また、何も買わないで出てきたで」
絹旗「これで4件目ですか……」
「なーに、やってんだ? お前ら」
「「」」ビクッ
青髪ピアスと絹旗が声を掛けられた方に振り向くと、そこにはツンツン頭の少年と10歳くらいの金髪の少女が手を繋いでいた。
青ピ「な、なんや……上やんか。驚かせんといてや」
上条「そっちが勝手に驚いたんだろうが」
- 633 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:45:21.10 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「どうも。フレメアも超こんにちはです」
フレメア「絹旗、こんちには」
青ピ「か、上やん……」
上条「何だ?」
青ピ「その可愛い美少女は誰やねん!?」
フレメア「」ビクッ
上条「何って……あー、お前は会ったことなかったか」
青ピ「え?」
上条「この子の名前はフレメア。フレンダの妹だよ」
- 634 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:45:54.80 ID:8SGExZ8/0
-
青ピ「」
青ピ「何やてぇぇぇぇぇぇええ!!??」
フレメア「」ビクッ
絹旗「あれ、青髪さんは知らなかったんですか?」
青ピ「初耳やで!! ボクは青髪ピアスや! よろしゅうな!!」
フレメア「ひぃぃぃ!!??」
上条「おい、フレメアが完全に怖がってるぞ」
絹旗「がっつきすぎなんですよ、超ロリコン」
青ピ「ロリコン? ちゃうちゃう、ボクは落下系ヒロインのみならず――――――」
- 635 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:46:40.55 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「青髪さんは放って置くとして……上条さんとフレメアが二人でなんて、超見ない光景ですね」
上条「あー、前々から一緒に買い物するって約束してたんだよ」
フレメア「フレンダお姉ちゃんは、お仕事だから……大体、上条と2人で来たの」
絹旗「そうだったんですか」
上条「んじゃー、俺達もう行くからまたな」
フレメア「ばいばい」
絹旗「はい。フレメアもばいばいです」フリフリ
青ピ「今度はボクも誘ってやぁぁぁ」クネクネ
気味が悪い動作をしている青髪ピアスに苦笑いしながら、上条とフレメアは去って行った。
- 636 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:47:41.35 ID:8SGExZ8/0
-
青ピ「しかし、フレンダちゃんとそっくりやね」
絹旗「皆、そう言いますよ」
青ピ「上やんは外人ロリまで……もう女性完全制覇寸前やな」
絹旗「何言ってるんですか……って、あっ!?」
青ピ「どないしたん?」
絹旗「滝壺さんと海原さんがお店にいません!!」
青ピ「なんやて!? 見失ってしもうたか」
絹旗「そんなに遠くにいないはずです。超探しましょう」
青ピ「了解やで!」 - 637 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:48:34.86 ID:8SGExZ8/0
-
―――― 2時間後
滝壺「これどうかな?」
海原「いいんじゃないですかね」
滝壺「それじゃー、これにする」
海原「ようやく見つかりましたね」
滝壺「会計してくるね」
海原「はい」
青ピ「これで2つ目やな」
絹旗「……しかし男物の……プレゼントですかね?」 - 638 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:49:21.44 ID:8SGExZ8/0
-
青ピ「滝壺ちゃんから海原君への?」
絹旗「それはまだわかりませんよ」
・
・
・
滝壺「うなばら、今日はどうもありがとう」
海原「いえいえ。明日渡すんですよね?」
滝壺「うん。喜んでくれるかな?」
海原「絶対喜びますよ。自分が保障します」
滝壺「そっか」 - 639 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:50:08.09 ID:8SGExZ8/0
-
海原「それでは自宅までお送りします」
滝壺「ありがとう」
青ピ「どうやら、帰るみたいやね」
絹旗「ついていきましょう」
~ 滝壺宅前 ~
絹旗「あそこは……滝壺さんのマンションです」
青ピ「なんやて!?」
青ピ「……ということは、家まで……」
絹旗「滝壺さん……そんな……」
- 640 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:50:49.29 ID:8SGExZ8/0
-
海原「では自分はこれで失礼します」
滝壺「うん。また明日、支部でね」
海原「はい。後……これを」
海原から滝壺に小さな綺麗にトッピングされた小包が渡される。
滝壺「うなばら、これ……」
海原「自分からもプレゼントです。趣味に合うかわかりませんがお渡し下さい」
滝壺「うなばらから渡さなくていいの?」
海原「……正直、こういうのは初めてで少々恥ずかしいんですよ」
滝壺「……わかった。ありがとう、うなばら」ニッコリ - 641 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:51:55.02 ID:8SGExZ8/0
-
海原「いえいえ。ではまだ早いですがお休みなさい」
滝壺「うん。おやすみ」
ギー バタン
海原「さてと……」
青ピ「あれ? 部屋に入っていかへんね?」
絹旗「ですね。何か海原さんが滝壺さんに渡してたような……」
青ピ「あれ? なんかこっちに向ってくるで」
絹旗「え? そんな……私達の尾行は超完璧なはずです」
- 642 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:52:43.52 ID:8SGExZ8/0
-
海原「何処が完璧なんですか」
「「」」ビクッ
海原「尾行とは……あまり好ましい趣味ではありませんね」
海原光貴。正体はアステカの魔術師のエツァリという少年である。
彼の"普段の行動"を知る者からしたら、これほど説得力がない言葉もないだろう。
しかし、青髪ピアスと絹旗最愛は彼の正体を知らない。
青ピ「……えっと……」
絹旗「その……あの……」
海原「言い訳は後ほどお聞きしましょう。お二人とも、目を瞑って下さい」
青ピ「あはは……ちょっ……待っ」 - 643 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:53:29.78 ID:8SGExZ8/0
-
言いかけた青髪ピアスの言葉が途中で途切れた。
理由は簡単。青髪ピアスのお腹へ強烈な右拳が炸裂したからだ。
青ピ「ごふぅぅぅぅぅぅ!!??」
絹旗「ひっ!?」
海原「さて、次は……」
絹旗「あ、あ、あ…………」ガクガク
絹旗は恐怖を感じていた。
いつもは相手に安心感を与える海原の笑顔が、この時ばかりは恐怖感を与えていたのだ。
海原「では……」スッ
絹旗「っ!?」
絹旗「……」
- 644 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:54:19.02 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「……あれ?」
海原「冗談ですよ。それくらいで自分は怒りませんよ」ニッコリ
絹旗「……え?」
青ピ「……ちょっと待ってや……なら何故ボクは……」
よろよろしながら青髪ピアスが海原に問いかける。
海原は、適当に理由を思い浮かべながら答えた。
海原「あー……青髪さんには日頃のボケに突っ込んであげてるので、いわばツッコミ料です」
青ピ「そ、そんな理不尽や……」
絹旗「えっと……いつから気づいてたんですか?」
海原「……雑貨屋からですね」
- 645 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:54:57.03 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗「そんなに早く!? 何でわかったんですか?」
海原「これでも自分は以前からグループにいる人間ですよ。絹旗さんならおわかりになるでしょう?」
絹旗「っ!?」
青ピ「?」
絹旗「とりあえず……尾行したことに関しては謝ります。超ごめんなさい!!」ペコリ
青ピ「ボクも悪かったで……ごめんな、海原君」ペコリ
海原「いや、もういいですって」
・
・
・
海原「―――――――――――それで自分と滝壺さんが?」
絹旗「は、はい」 - 646 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/02(月) 21:55:58.84 ID:8SGExZ8/0
-
絹旗は海原へ尾行をしていた理由を告げた。
それを聞いた海原は、腹を抱えて大笑いした。
海原「それはないですよ。ありえないです」
青ピ「でも周りから見たら、完全にカップルに見えるで」
絹旗「はい。美男美女カップルで超お似合いでした」
海原「それはどうも(思いっきり借り物の顔なんですけどね……)」
海原「実は今日はですね、滝壺さんに頼まれたんですよ」
絹旗「滝壺さんに?」
海原「はい。実は――――――――――――――――――」 - 671 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:37:05.98 ID:mie88wxo0
-
~ 翌日19時 浜面宅 ~
浜面「俺ん家に来るの1週間ぶりか?」
滝壺「多分、そのくらい」
浜面「今週は風紀委員で休み少なかったもんな」
滝壺「そうだね。じゃあー、私準備してくるね」
浜面「俺も手伝うぞ」
滝壺「それじゃー、はまづらは食器の準備をして」
浜面「おう」
・
・
・
滝壺「それじゃー……」
浜面「……」 - 672 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:37:51.80 ID:mie88wxo0
-
滝壺「はまづら、お誕生日おめでとう」
パーン、っと勢いよくクラッカーが鳴らされる。
そして、ケーキの上に飾られてる蝋燭の灯りが、浜面の吹きかけた息により1個1個消されていく。
浜面「ありがとな! 滝壺」
滝壺「うん。それじゃー、電気つけるね」
パチッ
浜面「ははは。この歳でバースデイケーキの蝋燭の火を消すなんて、ちょっと恥ずかしいな」
滝壺「……嫌だった?」
浜面「そんなわけないだろ! 最高に幸せだよ!!」
滝壺「ならよかった」
- 673 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:38:24.87 ID:mie88wxo0
-
滝壺「あっ、これ」
浜面に滝壺から紙袋が手渡される。
紙袋にはセブンスミスト内にある店舗名が印字されていた。
浜面「……これは」
滝壺「……」
浜面「財布に……腕時計……」
滝壺「はまづらの趣味に合えばいいんだけど……わたし、こういうの初めてだから」
浜面「……」
滝壺「はまづら?」
浜面「」グスッ - 674 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:39:08.14 ID:mie88wxo0
-
滝壺「ど、どうしたの?」アセアセ
浜面「いや……再認識したんだよ」
滝壺「何を?」
浜面「俺は幸せ者だってな」
滝壺「はまづら……」
浜面「……俺達さ、今まで学園都市でもロシアでも大変な目にあってさ……」
浜面「何度も死にそうになった……生きるのも諦めた時もあった……」
滝壺「……」
浜面「でも、俺達は生き残れた。滝壺、お前が俺に生きる希望を与えてくれたんだ」 - 675 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:39:52.64 ID:mie88wxo0
-
浜面「そして……こうして好きな女と、自分の誕生日を一緒に祝えるんだ」
浜面「こんな幸せなことってないだろ?」
滝壺「……うん、そうだね」
浜面「ありがとな、滝壺。一生大事にするよ」
滝壺「……うん。私のことも大事にしてね?」
浜面「当たり前だろ」
浜面は、滝壺をそっと抱き寄せた。
そして、少年と少女の唇がゆっくり重なり合った。
浜面「ははは……やっぱまだ照れんな」ポリポリ
滝壺「自分からしたくせに……」ボソッ - 676 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:40:21.15 ID:mie88wxo0
-
浜面「うっ!?」
滝壺「はまづら」
浜面「ん?」
滝壺「もう一回」
浜面「え?」
浜面「あっ……」
・
・
・
浜面「しかし、このケーキ滅茶苦茶うめーな!」
滝壺「うん。うなばらに教えてもらったお店で注文した」 - 677 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:40:53.30 ID:mie88wxo0
-
浜面「海原か。そういえば昨日は海原と買い物しにいったのって……」
滝壺「うん。はまづらへのプレゼント選びに付き合って貰うため」
滝壺「時計は私が選んで、財布はうなばらが選んでくれた」
浜面「やっぱりな。あいつにもお礼言わないとな」
滝壺(あっ、そうだ……)
滝壺「はまづら」
浜面「何だ?」
滝壺「うなばらからのプレゼントだよ」
浜面「え? 海原からも?」
- 678 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:41:50.72 ID:mie88wxo0
-
滝壺「うん」
浜面「……駄目だ……また泣きそうになった」
滝壺「大丈夫。そんな涙脆いはまづらを私は一生応援する」
浜面「」グスッ
浜面「開けてみるな」
浜面が綺麗に梱包された小包を開けると、そこには可愛らしいストラップが2つ入っていた。
浜面「……これは携帯のストラップだ」
滝壺「しかも2つ……」 - 679 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:42:40.78 ID:mie88wxo0
-
浜面「あっ、何か紙が入ってる」
浜面「どれどれ……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
浜面さんへ
この度は、お誕生日おめでとうございます。
これはささやかですが自分から浜面さん、そして滝壺さんへのプレゼントです。
気に入って貰えると幸いです。
では、一年に一度しかないこの日をお二人でゆっくりお楽しみ下さい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
浜面「へっ、海原の奴……」
滝壺「お揃いだね」 - 680 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:43:22.33 ID:mie88wxo0
-
浜面「そうだな。あんまりストラップは付けるタイプじゃねーんだけど……これは付けざるを得ないな」
滝壺「うん。私も付ける」
滝壺「あれ? はまづら、紙がまだ半分に折れてるよ」
浜面「ん? どれどれ……」ニコニコ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P.S.もし、滝壺さんを泣かすようなをことをした場合は容赦なく貴方の体を半分に切断します。
冗談ではありません。覚悟しておいて下さいね。
はま/づら←こんな感じです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
浜面「」ゾクッ
- 681 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:44:18.03 ID:mie88wxo0
-
浜面「こえぇぇぇぇぇぇぇよ!!」
滝壺「大丈夫。私を泣かさなければ、はまづらは生きられる」
浜面「いや、滝壺を泣かすようなことはしないけどさ!!」
・
・
・
滝壺「洗い物終わったよ」
浜面「おう、今日は何から何までありがとな」
滝壺「ううん」
浜面「滝壺は明日休みだっけか?」
滝壺「うん。はまづらもだよね?」
浜面「おう」 - 682 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:44:58.70 ID:mie88wxo0
-
滝壺「……」
浜面「……」
浜面「……その……泊まってくか?」
滝壺「……」
滝壺「///」コクリ
浜面「」ドキッ
滝壺「……」
浜面「えっと……」
滝壺「……先にシャワー浴びてくる///」 - 683 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:45:43.16 ID:mie88wxo0
-
浜面「……お、おう///」
ギー バタン
浜面「…………」
浜面(マジですかぁぁぁ!!)
浜面(ついに来たのか!? 来たんだなぁぁ!!??)
浜面(あの反応……OKってことだよな?)
浜面「…………」
浜面(よし、まずは落ち着け。落ち着くんだ、浜面仕上)
- 684 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:46:25.79 ID:mie88wxo0
-
浜面(まずはラマーズ法で俺の心を落ち着かせる!)
浜面「」ヒーヒーフー ヒーヒーフー
・
・
・
滝壺「お待たせ。はまづらもどうぞ」
浜面「お、おう」
毎度お馴染みのピンクのジャージを着ている滝壺。
ただ、髪が完全に乾ききっていない彼女は、普段より色っぽく浜面の目に映った。
浜面「それじゃー、シャワー浴びてくるな……」
滝壺「うん」 - 685 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:47:58.60 ID:mie88wxo0
-
浜面「」チラッ
滝壺「」ドキッ
浜面(なんなんだ、その反応は!!)
・
・
・
童貞ボーイHAMADURAはシャワーを浴びながら、期待感に胸を膨らませていた。
……世界一まぬけな顔をして。
浜面「…………」
浜面(とうとう……とうとう……)
浜面(この日が来ましたか……) - 686 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:48:49.88 ID:mie88wxo0
-
浜面(親父、お袋、俺は……)
浜面(いや、私、浜面仕上は今夜、男になります!!)
浜面(えっと……近藤さんは確かあそこに……)
浜面は、シャワーを浴びた後、入念にバスタオルで体を拭いた。
恐らく、ここまで入念に風呂上りに体を拭くのは生まれて初めてであろう。
体を拭き終わり、寝巻きを着終わると洗面所の鏡に映る自身の顔を見つめていた。
その表情はまるで、これから戦場に出向く戦士のような顔つきだった。
浜面(よし、行くか!!)キリッ
ギー バタン
浜面「滝壺、待たせたな」キリッ - 687 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:50:00.40 ID:mie88wxo0
-
浜面が精一杯キメ顔をして部屋に戻ると、そこにはベッドで横になっている滝壺の姿があった。
浜面(おいおい、緊張してるのか、マイハニー)
浜面「滝壺さーん、あなたの浜面がおま―――」
滝壺「」スースー
浜面「」
滝壺「」スースー
浜面(なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!)
浜面(滝壺さん、お約束ですかぁぁぁぁ!?)
浜面「……」
- 688 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:50:39.22 ID:mie88wxo0
-
浜面(そげなぁぁぁぁぁぁあああ!!)
浜面(くそ、これで童貞卒業はお預けか……)ガッデム
浜面「」チラッ
滝壺「」スースー
浜面「……たくっ、こんな可愛い寝顔しやがってよ」
浜面「ま、今日は一緒に誕生日を祝ってもらっただけでもよかったか」
浜面「誕生日プレゼントも貰ったしな」
滝壺「はまづら」
浜面「」ビクッ - 689 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/05(木) 21:51:14.69 ID:mie88wxo0
-
滝壺「むにゃむにゃ」
浜面「んだ、寝言かよ……」
浜面「……ありがとな、滝壺」
滝壺「」スースー
浜面(……まだ22時か……あいつ起きてるよな……)
浜面は時計を見て時刻を確認すると、携帯電話を片手に取りベランダへと出ていった。
自身の友人に、感謝の言葉を告げる為に。
浜面「お、今日は綺麗な満月じゃん」
浜面「」ポチポチ トゥルルー
海原「はい、もしもし」
浜面「もしもし、海原か? 今日さ―――――――――――――――――――――――」 - 703 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:11:36.63 ID:L3M85VFs0
-
~ 4月7日 上条宅 ~
アサダヨーアサダヨー
上条(んー……)ポチッ
上条(6時50分か……)
上条「……」
上条「今日から新学期か……」
そう、私、上条当麻は無事、2年生に進級できた。
1年次にあれだけ欠席してたので一時期は、留年も覚悟してたけど何とかなったようだ。
土御門が裏で、色々やってくれたそうだ。
俺は土御門に感謝しつつ、きっと俺の知らないところで人知れず苦労をしてるんだろうな、と思った。
上条「さて、パン焼くか」 - 704 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:12:22.29 ID:L3M85VFs0
-
結局、インデックスはそのままイギリスにいることになった。
やはり、10万3000冊の魔道書を記憶しているインデックスと幻想殺しが一緒にいるのは色々まずいみたいだ。
インデックスはこの決定にかなりぐずってたけど、月に1回は学園都市に来ることを条件に納得した。
イギリス清教に完全に身を置くことになるが、神裂とステイルもいるから俺的には安心している。
インデックスが完全にこの部屋からいなくなって、寂しい気持ちもあるけどいつまでも引きずってはいられない。
前に進んでいかないといけないんだ。それに俺にはインデックス以外にも素晴らしい"友人達"がいる。
ピンポーン ガチャ
土御門「上やーん、おはようだにゃー」
上条「あんだ、土御門かよ」
土御門「あんだとは随分なご挨拶だぜい。禁書目録がいなくなって涙目な上やんを励まそうと思ったのにゃー」
上条「誰が涙目だ!」
- 705 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:13:07.62 ID:L3M85VFs0
-
土御門「あれ、違うのかにゃー?」
上条「違うっつーの! ってか用件はそれだけか?」
土御門「いやいや、たまには一緒に学校に行こうと思ってにゃー」
上条「……珍しいな。準備するからちょっと待っててくれ」
土御門「了解だぜい」
・
・
・
上条「しかし、俺らも今日から2年生ですかー」
土御門「時が経つのは早いぜい」 - 706 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:14:31.01 ID:L3M85VFs0
-
上条「本当だな。上条さん的には、今年は魔術絡みの揉め事が少ないといいんですけどね」
土御門「それは俺も同感だぜい。まっ、ローマ正教とも和解してるしそこまで問題は起きることはないと思うけどにゃー」
上条「アックアが学園都市で教師と警備員してるしな……」
土御門「神の右席が教師と警備員なんて1年前には考えられなかったぜい」
上条「俺は、まさかお前とフランスに行くとは思ってなかったよ」
土御門「飛行機から降りるとき気持ちよかったにゃー」
上条「はぁぁ!? 俺は死ぬかと思ったんだぞ!?」
土御門「……まー、今となっちゃいい思い出だぜい」
上条「何、綺麗にまとめようとしてやがる!」 - 707 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:15:21.15 ID:L3M85VFs0
-
―――― 20分後 高校の掲示板前
ワイワイガヤガヤ
上条「すげー、人だかりだな」
土御門「あれはクラス替えの発表だにゃー」
上条「あー、1年から2年次に上がる時だけクラス替えあるんだっけか」
土御門「だにゃー」
青ピ「上やーん、つっちー」
上条「ん、おっす」
土御門「おはようだぜい」 - 708 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:16:12.75 ID:L3M85VFs0
-
青ピ「2人で登校なんて珍しいやん」
土御門「上やんが一人で登校するの寂しいって言ってたからにゃー」
上条「はい、そげぶ、そげぶ」
土御門「そういえば、青髪はクラス替えもう見たのかにゃー?」
青ピ「見たでー」
上条「どうだった?」
青ピ「ボク達、3人とも同じクラスやで」
上条「…………げっ、青髪と同じかよ」
土御門「……早退するかにゃー」 - 709 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:17:04.09 ID:L3M85VFs0
-
青ピ「何やねん! その反応は!?」
上条「冗談だよ、冗談。フレンダ達は?」
青ピ「フレンダちゃん、姫やん、吹寄も同じクラスやで。しかも……」
土御門「しかも?」
青ピ「担任は、また小萌先生やー!!」
上土「おー!!!!」
青ピ「これで高校生活ずっと小萌先生のクラスや!」クネクネ
上条「嬉しいのはわかるがクネクネするな!」
- 710 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:17:50.83 ID:L3M85VFs0
-
土御門「青髪の小萌先生に対する愛情は半端じゃないから、仕方ないぜよ」
青ピ「そうや! この愛は深海よりも深いでぇぇぇ!!」
フレンダ「あっ、上条君達おはよー」
姫神「おはよう」
吹寄「また、朝から貴様達は……」
上条「お、おはよーっす! 皆、同じクラスでよかったな」
フレンダ「そうだね!」
姫神「これは。きっと運命の赤い糸」ボソッ
一同「?」 - 711 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:18:55.47 ID:L3M85VFs0
-
吹寄「貴様達、後輩も入ってくるのだからあまり問題起こさないでよね?」
上条「おいおい、それじゃー俺達が問題児みたいじゃねーか?」
土御門「だにゃー」
青ピ「そうや、少なくともボクは優等生やで?」
「「「「「どこがだ!!!!」」」」」
姫神「青髪君が。優等生なら。この学校の生徒全員が優等生」
フレンダ「姫神さんの言うとおりなわけよ」
青ピ「朝から姫やんの言葉責め! もっと言ってやぁぁぁ」ハァハァ
一同「」 - 712 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:20:01.50 ID:L3M85VFs0
-
吹寄「……青髪、貴様は朝から変態地味たことをしてるんじゃない!」
吹寄の必殺、吹寄おでこDX"進級記念バージョン"が学園都市第6位へ襲い掛かる。
学園都市第6位の男は、なすすべもなく無様に頭突きをくらい倒れこんだ。
青ピ「ぐはぁぁぁぁぁ!!??」
上条「朝から吹寄おでこDX!?」
フレンダ「綺麗にきまったわけよ」
姫神「お見事」パチパチ
吹寄「まったく……」
土御門「……垣根もいつも、吹寄おでこDXくらってるのかにゃー?」
吹寄「…………なっ!?」
- 713 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:20:49.67 ID:L3M85VFs0
-
吹寄「なんでそこに垣根が出てくるのよ///」
土御門「そりゃー」
フレンダ「ねー」
上条「吹寄の」
青ピ「彼氏やから」
吹寄「うぅぅぅ……」
姫神「照れてる。照れてる」
吹寄「姫神さんまで……」
土御門「さて、吹寄を弄ったところで教室に行こうぜい」
一同「おう(うん)」
吹寄「貴様ら、後で覚えておきなさい!」 - 714 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:22:00.90 ID:L3M85VFs0
-
~ 教室 ~
上条「今日は始業式だけで終わりだっけか?」
土御門「だにゃー」
上条「んじゃー、支部行く前にどっかで昼飯食うか」
青ピ「せやなー。上やんのおごりで」
上条「なんで俺のおごりなんだよ!?」
青ピ「言い出しっぺが奢る。これ基本やん」
上条「そんな基本、初めて聞きましたけど!?」
フレンダ「私、焼肉がいいなー。よろしくね、上条君」
- 715 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:22:50.95 ID:L3M85VFs0
-
上条「フレンダまで!?」
土御門「太っ腹だぜい、上やん」
上条「もう決定事項ですか!?」アセアセ
青ピ「せや」
上条「不幸だ……」
上条「……そういえば、"あいつら"は違うクラスなんだな」
土御門「まっ、都合よく全員一緒とはいかないにゃー」
フレンダ「そうね。ちょっと残念だけど」
青ピ「今頃、職員室かいな?」 - 716 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:23:30.03 ID:L3M85VFs0
-
~ 職員室 ~
黄泉川「やっと、私のクラスにも問題児ができたじゃん」
浜面「おい、転入初日から問題児扱いすんな!」
黄泉川「……まずはその教師に対する口の聞き方をどうにかするじゃんよ」ゲンコツ
浜面「っ痛!? 暴力反対!!」
黄泉川「……あんたはうるさいからちょっと黙ってな」
浜面「……」
黄泉川「こいつ共々、これから2年間面倒見るからよろしくじゃん」
滝壺「よろしく……お願いします」ペコリ - 717 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:24:07.67 ID:L3M85VFs0
-
黄泉川「しかし……」ジー
浜面「あん?」
黄泉川「こんな可愛い子、お前にはもったいないじゃん」ニヤニヤ
浜面「……なっ!?」
黄泉川「まさに……美女と野獣?」
浜面「うぐっ!? 自覚してるけど人に言われるとイラっとするぜ……」
アックア「黄泉川先生、何をしてるであるか?」
黄泉川「あー、ウィリアム先生。転入生とお話してたじゃんよ」
アックア「転入生であるか」 - 718 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:25:04.38 ID:L3M85VFs0
-
黄泉川「浜面、滝壺、紹介する。あんたらの副担任のウィリアム=オルウェル先生じゃん」
アックア「よろしくなのである」ペコリ
滝壺「よろしく……お願いします」ペコリ
浜面「よろしく……って、あんた?」
アックア「ぬ? 貴様は……」
浜面「ロシ――――」
浜面の言葉が途中で途切れる。
理由は、一人の教師が生徒の口を物凄い速さで塞いだからだ。
浜面「むぐむぐ……」
- 719 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:28:08.92 ID:L3M85VFs0
-
アックア「ちょっと、2人で話があるのである」
滝黄「?」
アックア「少し、この男を借りるのである」
滝壺「どうぞ」
黄泉川「あまり時間もないから、すぐ戻ってくるじゃん?」
アックア「了解である」
ピューン ガラガラ
黄泉川「滝壺、知り合いか?」
滝壺「知らない……です」 - 720 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:29:09.01 ID:L3M85VFs0
-
・
・
・
浜面「」ゼーゼー
浜面「急に何しやがる!?」
アックア「手荒な真似をして悪かった。まさかあの時の少年がこの学校に来るとは……」
浜面「いや、俺も驚いたよ。ロシアであった怪物がここの先生だったなんてよ」
アックア「……わけあって今はここで英語の教師をしているのである」
浜面「はぁ……」
アックア「とりあえず……」ギロッ
浜面「」ビクッ
- 721 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:31:47.26 ID:L3M85VFs0
-
アックア「ロシアでの出来事は、他の人には内密にして欲しいのである」
浜面「……いいけどよ、何でだ?」
アックア「まー、色々理由があるのである」
浜面「ふーん……とりあえず内緒にしておけばいいんだな?」
アックア「うむ。理解が早くて助かるのである」
浜面「……もし、俺が口滑ったら?」
アックア「……あの時の、ヘリと同じ運命を辿ってもらうのである」
浜面「」 - 722 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:32:59.96 ID:L3M85VFs0
-
あの時のヘリ、という言葉を聞いて浜面はロシアでのある出来事を思い出した。
そう、この教師が大きな武器を使いヘリを串刺しにしてたシーンだ。
浜面「」ゾクッ
浜面「り、了解しました!」アセアセ
アックア「うむ。では職員室に戻るのである」
浜面「イ、イエッサー!!」
アックア「理解が早くて助かるのである」
浜面(海原だけじゃなく……この怪物からも命狙われるのかよ!!) - 723 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:33:44.40 ID:L3M85VFs0
-
~ 同時刻 柵川中 ~
佐天「いやー、皆同じクラスでよかったね!」
春上「皆と離れ離れにならなくてよかったの」
初春「ですねー」
絹旗「本当よかったです……一人だけだったら超泣きそうになるところでした」
枝先「あはは。絹旗さんだよね? 私は枝先絆理です。よろしくね」ニッコリ
絹旗「絹旗最愛です。超よろしくお願いします」ペコリ
枝先「そんなかしこまらくてもいいよ~」
- 724 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:34:24.38 ID:L3M85VFs0
-
絹旗「いえ……まだ教室というものに慣れてないので」タハハ
佐天「そのうち慣れて、授業中でも寝れるようになるよー」
初春「……それは、ただ佐天さんが怠けてるだけじゃないですか?」
佐天「うぐっ!? 痛いところ突くね、初春は……」
>アハハハ
絹旗(これなら何とかやっていけそうですね)
佐天「そういえば、5月にグリーンキャンプあるよね?」
初春「あー、そういえば2年の5月でしたね」
春上「今から楽しみなの」 - 725 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:36:21.39 ID:L3M85VFs0
-
枝先「私も。キャンプなんてしたことないし」
絹旗「グリーンキャンプ? 何ですか、それ?」
春上「えっと、2年生全員で山梨のキャンプ場に行って、BBQやキャンプファイヤーしたりするの」
絹旗「へー、そんなのもあるんですか」
佐天「それだけじゃないよ? 来年には修学旅行もあるしね!!」
絹旗「修羅学旅行ですか?(超ハードな旅行みたいですね……)」
枝先「うん。学校の思い出として旅行するイベントなんだよ」
絹旗(学校の思い出として、修羅学を?) - 726 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:37:04.40 ID:L3M85VFs0
-
初春「今年の3年生は、確か北海道っていってましたよね」
春上「北海道……お馬さんに会って見たいの」
佐天「あはは! 牧場沢山あるもんねー」
絹旗(この余裕……レベルは0~2が多いようですが……)
絹旗(まさか、土御門さんのような能力に頼らない強者なのでしょうか?)
絹旗「」ウーン
佐天「絹旗さーん?」モシモーシ
絹旗「はっ……あ、何でもないです」
- 727 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:37:34.17 ID:L3M85VFs0
-
春上「具合悪かったら、保健室行った方がいいの」
絹旗「いえ、ボーっとしてただけなので超大丈夫です」
春上「ならよかったの」
初春「そろそろ、体育館行きましょうか」
枝先「あ、始業式だね」
佐天「また校長先生の話、長いんだろーなー」
枝先「あはは……絹旗さん、行こう?」
絹旗「あ、はい!」
- 728 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:38:42.97 ID:L3M85VFs0
-
~ 11:30 鎌地大学キャンパス ~
ワイワイガヤガヤ
垣根「あー、入学式だるかったー」
麦野「ずっと寝てたでしょうが」
垣根「うっせーよ、昨日オールして睡眠不足なんだよ!」
麦野「そんなの知らないわよ。それに……」
垣根「あん?」
麦野「何で、てめぇと同じ学部なんだよぉぉぉぉ!!」
垣根「いや、俺に聞かれてもよ……土御門に言ってくれよ」 - 729 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:39:32.76 ID:L3M85VFs0
-
麦野「チっ!!」
垣根「おいおい、そんな怒ってばかりだとしわができんぞ?」
麦野「」ピキッ
麦野「黙れ、ホスト崩れ!!」
垣根「」イラッ
垣根「誰がホスト崩れだ、この妖怪厚化粧!!」
麦野「」プッチーン
麦野「だーれが、妖怪厚化粧だって……」
垣根「てめぇだよ、てめぇ」 - 730 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:40:33.09 ID:L3M85VFs0
-
麦野「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね♪」
垣根「おいおい、前にも言っただろうが……俺に無駄な血を流させんな、ってな」
麦野「殺す……」
学生「すいませーん! 俳句サークルなんですけどどうですかー?」
垣麦「あん!!??」ギロッ
学生「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!?」
麦野「俳句だぁぁ!? 友蔵でも誘ってろやぁぁぁぁぁああ!!」
学生「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁ!!」 - 731 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:41:19.37 ID:L3M85VFs0
-
ピューン
麦野「……」
垣根「……」
麦野「はぁ……やめやめ、ばからし」
垣根「だな」
麦野「……」
垣根「あのよ」
麦野「なに?」
- 732 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:42:00.38 ID:L3M85VFs0
-
垣根「……正直言うと、俺とお前は馬が合わない」
麦野「……そうね」
垣根「……が、同じ学部になった以上、仕方ねー……仲良くやろうぜ!」
麦野「……あんたさ、暗部時代と性格変わりすぎでしょ?」
垣根「……あん時は、俺が馬鹿だっただけだ」
麦野「……まっ、私も人のこと言えないけど」
垣根「とりあえず、昼飯でも行くか」
麦野「あー、お昼なんだけど初春さん、佐天さん、絹旗と約束してるのよね」 - 733 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:42:33.84 ID:L3M85VFs0
-
垣根「んだよ、俺一人かよ……」ションボリ
麦野(なに、そんなションボリしてんのよ……)
麦野「…………だったらあんたも来る?」
垣根「!?」
垣根「しょうがねぇーな……行ってやるか」ニヤリ
麦野「しょうがないなら、来なくてもいいんだけど?」
垣根「すいません、調子乗りました。是非、行かせてもらいます」ペコリ
麦野(あっ、なんかこいつの扱い方わかってきたかも……)ニヤリ - 734 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:43:37.29 ID:L3M85VFs0
-
――――― 30分後 ファミレス
初春、絹旗、佐天と合流した垣根と麦野は、とある人物の服装を見て腹を抱えて笑っていた。
その人物とは……
垣根「ははははっ!! 腹いてぇぇぇ!!」
麦野「ちょっ!! くくくくく!!」
佐天「ちょっと、お二人さん笑いすぎですよ!」
初春「そうですよー、こんな可愛いじゃないですか」
絹旗「」プルプル
垣根「いや、だってよ! 絹旗のセーラー服姿って!!」イヒヒヒ
麦野「ごめん、ごめん!! だって絹旗の制服姿なんて初めて見るからさ!!」プププ
- 735 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:44:18.59 ID:L3M85VFs0
-
絹旗「」ワナワナ
絹旗「うぁぁぁぁぁああ!!」
絹旗「そもそも学校に行け、と言ったのは麦野じゃないですかぁぁぁぁ!?」
麦野「……だからごめんって」
垣根「……わりぃ、わりぃ」
絹旗「わかってくれれば、いいんです」ムスッ
垣根「そう怒んなって! ここは俺が奢るからよ」
佐天「え? 垣根さん、いいんですかー?」
絹旗「……なら許してあげます」
- 736 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/06(金) 22:45:07.08 ID:L3M85VFs0
-
垣根「おう、好きなものじゃんじゃん頼めや!」
佐天「さっすがー! 今月お財布が厳しかったので助かります!!」
初春「洋服買いすぎなんですよ」
麦野「あー……確かに先月、結構買ってたものね」
佐天「うぅぅ……」
垣根「まー、女なんだからお洒落するのは当たり前だもんな」
佐天「!?」
佐天「そ、そうですよねー!!」
絹旗「うちには年中ジャージの人がいますけどね」
垣麦初「あー……」
- 748 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:02:55.21 ID:mGcRDLRj0
-
――――― 13時 第一七七支部
浜面「だひゃははははは!!」
浜面「き、絹旗のセーラー服!! し、死ぬぅぅぅ!!」イヒヒヒ
初春「浜面さん、笑いすぎです!」
絹旗「」ワナワナ
垣根(やっぱ笑っちまうよな)
麦野(気持ちはわかるわ)
大笑いする浜面のお腹に、レベル4の右拳が炸裂する。
絹旗「どっせい!!」 - 749 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:04:17.41 ID:mGcRDLRj0
-
浜面「ぐぼぉぉぉぉぉお!?」
絹旗「超浜面の癖に生意気です!!」
浜面(い、胃液が逆流する……)
浜面「て、てめぇ……」
絹旗「全く……私のセーラー服姿をズリネタにしないで下さいよ?」
浜面「お前ね、前も言ったけど俺のワーストワード5位以内に入るからね?」
絹旗「ふん! それに浜面の学ラン姿なんですか? ゴリが制服着ていいんですか?」
浜面「誰がゴール下のキングコングだぁぁぁぁぁああ!?」 - 750 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:04:55.00 ID:mGcRDLRj0
-
滝壺(きぬはた、可愛い)
ギー ガシャン
一同「?」
上条「お疲れ様ー」
土御門「だにゃー」
フレンダ「おつー」
青ピ「おつ――――― ん?」ピカーン
絹旗「?」
青ピ「絹旗ちゃん……」 - 751 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:06:47.26 ID:mGcRDLRj0
-
絹旗「な、何ですか?」
青ピ「グッジョブやでぇぇぇぇぇ!!」
絹旗「…………へ?」
青ピ「絹旗ちゃんのセーラー服姿、最高やん!! 是非、写真とらせてーな!!」
絹旗「」ゾクッ
一同「」
絹旗「超お断りします!」
青ピ「ええやん、ええやん!! 絹旗ちゃんのい・け・ず~♪」
絹旗「ひぃぃぃぃぃぃ!!??」
- 752 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:09:35.06 ID:mGcRDLRj0
-
上条「だな……」
土御門「だにゃー……」
フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」
ギー
固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」
黒子「お疲れ様ですの」
海原「お疲れ様です」
一同「お疲れ様でーす」 - 753 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:11:41.82 ID:mGcRDLRj0
-
上条「だな……」
土御門「だにゃー……」
フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」
ギー
固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」
黒子「お疲れ様ですの」
海原「お疲れ様です」
一同「お疲れ様でーす」 - 754 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:12:17.74 ID:mGcRDLRj0
-
滝壺「あおがみは、2年になってもあおがみだね」
上条「だな……」
土御門「だにゃー……」
フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」
ギー
固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」
黒子「お疲れ様ですの」
海原「お疲れ様です」
一同「お疲れ様でーす」 - 755 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:17:00.72 ID:mGcRDLRj0
-
固法「なにか騒いでたけど、どうかしたの?」
青ピ「固法さん、あれや、あれ!!」
固法「え?」
絹旗「ど、どうもです」ペコリ
固法「あら、絹旗さん。セーラー服似合うじゃない」
絹旗「そ、そうですかね?」カァー
固法「ええ。とっても素敵よ。ね、白井さん、海原君」ナデナデ
絹旗「あぅ///」
- 756 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:19:21.95 ID:mGcRDLRj0
-
黒子「はいですの。とてもお似合いですわ」
海原「ええ。とてもキュートですよ」ニッコリ
絹旗「あ、ありがとうございます///」
浜面「海原、キュートってそれ褒めすぎ……」
絹旗「」ギロッ
浜面「な、何でもありません……」
フレンダ(やっぱり、固法さんに撫でられると絹旗……でれまくりなわけよ)
滝壺(でれてるきぬはた……可愛い)
- 757 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:24:45.65 ID:mGcRDLRj0
-
固法「それじゃー、全員集まってちょうだい」
一同「はーい」
固法「今日から新学期が始まりました。昨年は、皆のおかげで大幅に犯罪率が減りました」
固法「……が今年は、去年以上に犯罪率を減らして、平和な学園都市に一歩でも近づけるよう頑張りたいと思います」
固法「だから……今年も一年間よろしくお願いします」ペコリ
一同「おねがいしまーす」ペコリ
固法「ありがとう。それじゃー、皆仕事についてちょうだい!」
一同「はーい」 - 758 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:28:39.48 ID:mGcRDLRj0
-
<ヨーシ、パトロールイクゾー
<ア、ホウコクショヲワスレテゼヨ
<ンジャー、イッテクル
<ダカラマドカラトンジャダメヨ
上条「」ボー
フレンダ「どうしたの? 上条君」
上条「」ビクッ
上条「いや、何か固法さん風格出てきたなー、って思ってさ」
フレンダ「……あー、確かにそうかも」
上条「とても一個上には見えないな」
フレンダ「まー、ここは化け物が沢山いるから嫌でも風格が身に付くわけよ」 - 759 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:32:00.92 ID:mGcRDLRj0
-
麦野「フレンダ」
フレンダ「」ビクッ
麦野「化け物って誰のことかにゃーん?」
フレンダ「ひぃぃぃぃ!! パ、パトロールに行ってくるわけよ!!」ダダダッ
麦野「全く……」
上条「ははは……」
麦野「……でもフレンダの言うとおりかもね」
上条「ん?」
麦野「固法さんのこと」
上条「あぁ……」 - 760 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:35:06.41 ID:mGcRDLRj0
-
麦野「確かに私や垣根を従える人なんて、今までいなかったしね」
上条「……麦野も固法さんには頭上がらないのか?」
麦野「……そうなのよね」
上条「年上なのにな」
麦野「そうなのよ、何故か固法さんには逆らえないのよね」
上条「実は固法さん、透視能力じゃなくて精神系の能力者だったりしてな」
麦野「あっ、それありかも。私も垣根もマインドコントロールされてるってわけね」
上条「ははは」 - 761 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:39:09.31 ID:mGcRDLRj0
-
固法「だーれが、精神系能力者ですって?」
上麦「」ビクッ
上条「い、いや……なんでもないです」アセアセ
麦野「そうそう、何でもないわ」アセアセ
固法「そう……なら早くお仕事についてね」ギロッ
上麦「は、はい!!」
固法「それじゃー、よろしくね」ニッコリ
固法「♪」
上条「おい、何だ、あの目力は?」ヒソヒソ
麦野「私に聞かれても知らないわよ」ヒソヒソ
- 762 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:43:04.69 ID:mGcRDLRj0
-
固法「上条くーん、麦野さーん」
上条「はい! パトロール行って参ります!!」ダダダッ
麦野「わ、私も!!」ダダダッ
ギー ガシャン
固法「全く……」
海原「大変ですね。どうぞ、コーヒーです」スッ
固法「あら、ありがとう」
固法「」ズズー
海原「でも彼らの言うとおりかもしれないですね」
- 763 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:46:07.55 ID:mGcRDLRj0
-
固法「海原君まで、私のこと精神系能力者って言うの?」ムー
海原「いえいえ。風格のことですよ」
固法「……風格ね。私はそんな変わったつもりはないんだけどね」
海原「ですが、実際レベル5を3人も従える人間なんて、固法さん以外いませんし」
固法「従えてるつもりもないんだけどね……」
海原(実際、レベル5の3人以外にも魔術師2人と幻想殺しとレベル5を撃破した無能力者を従えてるんですけどね……)
海原「まー、結局のところ皆さん、固法さんを頼りにしてるということですよ」ニッコリ
- 764 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:49:14.67 ID:mGcRDLRj0
-
固法「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」
海原「自分は事実を言ったまでですよ」
固法「そう……でもね、私も皆のこと頼りにしてるからね?」ニッコリ
海原「……光栄です」
固法「それじゃー、私達もお仕事に取り掛かりましょうか」
海原「ええ」
固法美偉。風紀委員達の間で、最強のレベル5達を従える"女王"がいると噂されていることを彼女は知る由もなかった。 - 765 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:51:59.93 ID:mGcRDLRj0
-
~ 4月14日 フレンダ宅 ~
時刻は23時。フレンダはとある少年と電話越しで話をしていた。
少年と表現したが、彼の風貌は明らかに少年とはかけ離れていたが年齢的には少年なのだから仕方がない。
フレンダ「ちょっと、土曜来れなくなったわけ!?」
駒場「すまない。短大で職場体験学習が入ってな……」
フレンダ「職場ってどこなわけよ?」
駒場「……幼稚園」ボソッ
フレンダ「……本当に保育士目指してるわけね」
駒場「子供は天使だからな」
- 766 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:53:09.71 ID:mGcRDLRj0
-
フレンダ「ふーん……何とか来れないわけ?」
駒場「すまん。必修なんだ……」
フレンダ「そっか……わかった、フレメアには私から言っておくわ」
駒場「本当にすまない……今度、お詫びする」
フレンダ「……それじゃー、フレメアにノートPCよろしく~」
駒場「え!? それはちょっと高――」
プチン ツーツー
フレンダ「……」 - 767 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:54:08.87 ID:mGcRDLRj0
-
フレンダ「私、一人じゃ心細いわけよ……」
フレンダ「どうしようかな……」
フレンダ「駒場並にフレメアが懐いてる人……」
フレンダ「」ヒラメイタ
フレメア「よし、明日早速誘ってみよう!!」
ギー
フレメア「お姉ちゃん? 大体、何やってるの?」ムニャムニャ
フレンダ「あっ、起こしちゃった? ごめんね」 - 768 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:55:18.95 ID:mGcRDLRj0
-
フレンダ「私、一人じゃ心細いわけよ……」
フレンダ「どうしようかな……」
フレンダ「駒場並にフレメアが懐いてる人……」
フレンダ「」ヒラメイタ
フレンダ「よし、明日早速誘ってみよう!!」
ギー
フレメア「お姉ちゃん? 大体、何やってるの?」ムニャムニャ
フレンダ「あっ、起こしちゃった? ごめんね」
- 769 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/08(日) 23:57:21.74 ID:mGcRDLRj0
-
フレメア「ううん」
フレンダ「何でもないわけよ。フレメア、寝てなさい」
フレメア「にゃあ」
ギー バタン
フレンダ「そろそろ、私も寝るかな……」
フレンダ(来てくれといいなー……)
フレンダ(でも彼なら……きっと、来てくれるよね……)
- 788 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:12:20.33 ID:BcA8XabA0
-
Great Teacher Amata
第4話「パーソナル・リアリティ」
朝の朝礼が終わると、各先生は自身が授業を行う教室へと向かっていく。
授業がない時間は、雑務を行っていることが多い。
先生っていうのは、授業以外にも沢山やることがある。
いや、逆に授業よりもやることが多いんじゃねーか?
そんなこんなで俺も1時限目を行う教室へ向かう。
「教科書よし! プリントよし! キハラよし!」
と教室のドアの前で、気合を入れるのが俺のちょっとした儀式になっている。
流石に、車の中と違い声の音量は抑えるがな!
だって、廊下でこんなことやってる奴がいたら引いちまうだろ?
「きりーつ!」
「礼!」
授業は、挨拶で始まり挨拶で終わる。
挨拶ってのは大事だ。
『猟犬部隊』の時は、「あー」とか「おー」とか「うぉんちゅー!」くらいしか言ってなかったな……
教師を始めて、挨拶の大事さを教わったぜ! - 789 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:13:22.46 ID:BcA8XabA0
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「うし、早速、始めんぞー!」
俺の担当科目は、『能力開発』だ。
『能力開発』だからと言って、別に大それたことはやってねー。
学校によって内容が異なると思うが、俺の行う授業は『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の向上だ。
『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』っていうのを説明してやる。
簡単に言うと、「起こりえない」ことを「起こる」と自分の中で思い込むことだ。
この思い込みが強くなることにより、能力の向上にも繋がるってことだ。
能力には繋がらないが、簡単な例えを出してやる。
一方通行が、俺に満面の笑みで挨拶してくることを想像してみろ。
「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!! おっはよォォォォォォォ!!」
満面の笑みで、俺に挨拶をしてくる一方通行。
まず現実じゃありえねぇ! 現実だと「おっはよォォォォォォォ!!」の部分が「スクラップの時間だぜェェェェェェ!!」に変換されるのがおちだ。
……そう、この自分でありえねぇ! と思ってる時点でもう失敗だ。
必ず、一方通行は俺に笑顔で挨拶してくる! そう自分の中でまず信じることが『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の第一歩だ。 - 790 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:14:52.58 ID:BcA8XabA0
-
言葉を別にしてみると、『妄想力』ともいえるかもしれねー。
今、画面を見てるお前ら! 今すぐ妄想をしてみろ!! 内容は何でもかまわねー!!
《イマージン・オン・ザ・ピーポー♪》
妄想したか? きっとお前らは「所詮、妄想だよ……」と思ってるだろう。
ところがぎっちょん!! それじゃー、駄目なんだなぁぁぁああ!!
信じろ!! その妄想は現実に起こりえるってな!!
妄想を現実に置き換える。それが、能力向上の第一歩なんだよ!!
ふぅ……つい、熱くなっちまったぜ。
最後に本当かどうかわからないが、耳寄りな情報を教えてやる。
学園都市が誇る超能力者(レベル5)の7人だが、全員が童貞・処女って噂だ。だから思い込みや妄想力が激しいんだってさ。
確かに、俺が知ってる限りレベル5の奴らは変人が多いわ。
- 791 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:16:12.58 ID:BcA8XabA0
-
ちなみに、この7人は、学園都市、230万人の頂点に立つ超能力者(レベル5)と言われている。
こいつらに憧れたり、嫉妬したりする奴らもかなり多いだろう。
だがな、言い方を変えてみようぜ?
学園都市、230万人の中で最も思い込みが激しい7人……どうだ、随分かっこわるく聞こえるようになっただろ?
何が言いたかったと言うとだな……憧れていちゃ、そいつを超えることはできねー……
黒子のバスケにそう書いてあった。
何故、授業中にそんな語ってるのかだって?
そいつはよ……今日は小テストで10分は机に座ってて暇だったからだよ。
だから、その時間を使ってだな、このSSを読んでくれてる奴らに臨時授業を行ったわけだ!
……さて、小テストの終了時間までコンマ3秒か。
うし、テスト用紙を回収したら、今度こそ授業開始だぜぇぇぇぇぇぇぇ!!
第4話おわり
- 792 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:18:22.27 ID:BcA8XabA0
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本編いきやす! - 793 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:20:01.81 ID:BcA8XabA0
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―――― 翌日 武里高校 屋上
上条「え? 俺にフレメアの授業参観に一緒に来て欲しい!?」
フレンダ「お願い! 上条君!!」
上条「えっと……何故、俺が?」
フレンダ「実は……私と一緒に行く人が来れなくなっちゃったわけよ……」
上条「はぁ」
フレンダ「私、一人だと心細いし……それに上条君が来てくれたらフレメアも喜ぶかなって……」モジモジ
フレンダ「……駄目……かな?」ジー
上条(……フレンダ……本当に妹思いな奴だな) - 794 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:20:44.43 ID:BcA8XabA0
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上条「……よし、いいぜ」
フレンダ「ほんと!?」
上条「上条さんに二言はないでございますよ? それにフレメアが喜んでくれるなら、何処へでも行ってやるよ」ニッコリ
フレンダ「ありがとー!!」ギュッ
上条「いっ!?」
フレンダ(はっ、しまった……嬉しさのあまり、つい抱きついちゃった……)
フレメア「///」
上条「……えっと……その……フレンダさん?」
フレンダ「ご、ごめん///」
- 795 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:21:32.44 ID:BcA8XabA0
-
上条「い、いや……俺の方こそ///」
フレンダ「そ、それじゃー、私教室戻るね///」
上条「お、おう……」
フレンダは、顔を紅潮させながら急ぎ足で教室へと戻っていった。
上条は、ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。
上条「び、びっくりしたな……」
上条「しかし……いい匂いだったな……」
上条「って俺は、何言ってんだぁぁぁぁ!!」
上条「」ハーハー
上条「とりあえず、土御門達に見られてなくてよかったぜ……」
- 796 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:22:27.68 ID:BcA8XabA0
-
上条「あいつがいたら、厄介な事になりそうだしな」
上条「さて、俺も教室に戻るか……」
上条が去った屋上に、金髪にサングラスをかけた少年とチンピラ臭がプンプンする少年が佇んでいた。
これ以上にない、不適な笑みを浮かべて。
浜面「いやいや、土御門さん。これはいいものを見せて貰いましたね」ニヤニヤ
土御門「だにゃー。屋上でサボろうしていたら、いいものを見てしまったぜよ」ニヤニヤ
浜面「とりあえず……二人だけの秘密にしておきますか?」
土御門「だにゃー……とりあえず……ぜよ?」
浜面「とりあえず……だな?」 - 797 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:23:15.09 ID:BcA8XabA0
-
土御門「後、浜面」
浜面「何だ?」
土御門「確かフレメアの小学校には――――――――」
浜面「―――――――――――――マジか!?」
土御門「おおマジだにゃー。しかもあいつも授業参観に来るらしいぜい」
浜面「小学校であいつらが対面すんのかよ……」
浜面「ってか、お前は絹旗の妹といいどんだけ情報通なんだよ!!」
土御門「グループのブレインを舐めてもらっちゃ困るぜよ」
浜面「流石、グループ……」 - 798 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:24:13.88 ID:BcA8XabA0
-
土御門「とりあえず……面白いことになりそうだにゃー」ニヤリ
浜面「だな」ニヤリ
土御門「くくくくく」
浜面「ふふふふふ」
土御門と浜面が、怪しい笑いをし始めたその時、突如として一人の男が彼らの前に舞い降りた。
その男の服装は、上はゴルフウェア、下はデニムのラフな格好だ。
アックア「もうすぐで昼休みは終わりである。早く教室に戻るのである」
土御門「ア、アックア!?」
浜面「何処からきやがった!?」 - 799 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:24:59.31 ID:BcA8XabA0
-
アックア「ニワトリさんに餌を上げていたら、お前達の姿が見えたのである」
浜面「ニワトリ小屋って……正門近くから屋上まで飛んできたのかよ……」
土御門(相変わらず化け物だな……)
アックア「飛んだのではない。ホップ・ステップである」
土浜「」
アックア「……そんなことはどうでもいい。早く、教室に戻るのである」
土御門「り、了解だにゃー」
浜面「お、おう……」
- 800 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:26:00.93 ID:BcA8XabA0
-
・
・
・
アックア「……」
アックア「上条当麻、頑張るのである」
アックア「……フィアンマにメールでもしておくか」
アックア「メールの題は、"上条当麻、金髪美少女と熱愛?"とでも書いておくか」
そう言うとアックアは、背中に仕込んでいたノートPCを取り出して、フィアンマへメールを作成した。
ちなみに、この男がワープロ検定3級と取得したのは、1年後の話であった。
アックア「ぬ!? 間違って題名に本文を入れてしまったのである!!」 - 801 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:27:22.71 ID:BcA8XabA0
-
――― 土曜 第13学区のとある小学校前
上条「ここがフレメアが通う小学校か」
フレンダ「結構大きいね」
上条「だなー。確かにこの中を一人で入るのは勇気いるなー」
フレンダ「上条君を誘ってよかったわけよ」
上条「お役に立てて光栄だぜ」
フレンダ「うん、本当ありがとね」ニッコリ
上条「」ドキッ
上条「お、おう……」 - 802 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:28:27.30 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ「それじゃー、行こうか」
上条「そ、そうだな……」
上条(何を意識してんだ、俺は……)
・
・
・
フレンダ「……5年1組……ここがフレメアのクラスね」
上条「うし、行くか」
フレンダ「うん」
ガラガラ
上条「……うおー、結構親御さん来てるんだなー」 - 803 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:29:18.18 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ「授業参観は、年に一回しかないからわざわざ学園都市外からも来てる人が多いわけよ」
上条「なるほどね」
フレンダ「でも置き去りの子もいるから、全員が全員ってわけじゃないわけ」
上条「置き去り、か……」
フレメア「?」
フレメア(あっ、フレンダお姉ちゃんと上条だ!!)
フレンダ「」フリフリ
上条「あ、フレメアだ」フリフリ
フレンダ(凄い喜んでる……上条君を連れてきてよかった)フリフリ - 804 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:30:42.33 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ(フレメアも喜んでるし、私も嬉しいし……一石二鳥なわけよ!)
上条「ん?」
上条「あのアホ毛、何か見覚えが……」ジロー
打ち止め「フレメアちゃん、お姉ちゃん来たの? って満面な笑みをしてるフレメアちゃんにミサカはミサカは質問してみたり」
フレメア「うん。それに上条も」
打ち止め「上条って、上条当麻のこと? ってミサカはミサカは再度、質問してみたり」
フレメア「うん。ミサカちゃん、上条とお知り合い?」
打ち止め「お知り合いというよりヒーローさんはミサカの命の恩人と言うべきかも、って間柄を訂正してみたり」
フレメア「命の恩人?」 - 805 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:31:50.23 ID:BcA8XabA0
-
上条「あれ、打ち止めじゃねーか!!」
フレンダ「え? 慰安旅行に一緒に来てた子?」
上条「ああ」
フレンダ「ってことは、黄泉川先生か芳川さんも来てるのかな?」
上条「どうだろうな? 片方はニートだしここに来る資格ないだろ」
フレンダ「そうね」
上条「」クンクン
上条「うっ……」
- 806 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:32:49.90 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ「どうしたの?」
上条「いや、香水の臭いが……」ヒソヒソ
フレンダ「あー……」
上条「奥の方、人少ないしあっち行かないか?」
フレンダ「うん、いいよ」
テクテク
上条「ふー……結構スペース空いてるなって……」
一方通行「……」
上フ「」 - 807 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:34:26.66 ID:BcA8XabA0
-
上フ「一方通行ぁぁぁぁぁぁ!!??」
親御達「」ギロッ
上条「あっ、すいません」
フレンダ「すみません」
一方通行「うるせェよ、てめェら」
上条「悪い、悪い、ってお前が何でここにいんだよ?」
一方通行「……そこに授業参観があるからだ、クソッタレが!!」
フレンダ「いや、意味がわからないわけよ」
上条「あれか、打ち止めの授業参観を見にきたわけだな?」 - 808 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:35:24.95 ID:BcA8XabA0
-
一方通行「……それしかねェだろうが」
上条「黄泉川先生と芳川さんは?」
一方通行「黄泉川は警備員、芳川は仕事だ」
上条「へー、芳川さん就職できたんだ」
フレンダ「それはおめでたいわけよ」
一方通行「……ところで、てめェらは何でここにいンだ?」
フレンダ「それは私の妹がいるから。姉の私が授業を見に来たわけよ」
上条「んで、俺はその付き添い」
一方通行「妹だァ?」 - 809 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:36:20.01 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ「うん。打ち止めちゃんの隣にいる金髪の子が私の妹」
一方通行「あン?」
一方通行(打ち止めの隣にいる奴か……)
一方通行(どっかで見た面だな……)ジロー
一方通行(……スキルアウトの駒場って奴の、携帯の待ち受けのガキじゃねェか)
一方通行(まさかアイテムの奴の妹だっとはな……)
上条「あのさ……」
一方通行「あン?」
上条「打ち止めっていつから学校行ってたの?」 - 810 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:36:58.56 ID:BcA8XabA0
-
一方通行「今月からだ」
上条「教えろよ!!」
一方通行「あァ!? 何で、てめェにいちいち教えねェといけねェンだよ!?」
上条「そりゃー、お祝いとかあげたかったしさ……」
一方通行「いらねェ気を回すんじゃねェよ」
上条「別にいいじゃねーか、めでたいことなんだしさ」
一方通行「ふン……」
ガラガラ
先生「はーい、皆さん、今日は待ちに待った授業参観ですよ」 - 811 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:39:15.07 ID:BcA8XabA0
-
先生「お父さん、お母さんにしっかり自分のお勉強をしている姿を見てもらいましょー」
生徒「はーい」
先生「それでは、1時間目は算数です」
・
・
・
先生「では、この問題を黄泉川さん、お願いね」
打ち止め「はい、ってミサカはミサカは元気にお返事をしてみたり!」
上条「黄泉川?」
一方通行「そのまま打ち止めって名前じゃまずいだろォがァ……」
上条「なるほど」 - 812 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:40:19.95 ID:BcA8XabA0
-
打ち止め「答えは"3"って、ミサカはミサカは自信満々に解答してみたり」
先生「はい、正解です。さすが黄泉川さんですね」
フレメア「ミサカちゃん、すごーい」
打ち止め「にひひ、ブイ!」
上条「へー、打ち止め凄いじゃねーか」
フレンダ「確実にフレメアよりは頭いいわね」
一方通行「たりめェだ……打ち止めならあンくらい楽勝だ……」
上条「」ジロー
フレンダ「」ジロー
- 813 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:41:00.44 ID:BcA8XabA0
-
一方通行「あンだ?」
上条「親ばか」ボソッ
フレンダ「親ばか」ボソッ
一方通行「……てめェら……」
―――― 4時間目
先生「はーい、今日はこれで授業はおしまいでーす」
先生「皆さん、お父さん、お母さんにしっかり勉強している姿見せれましたねー」
生徒達「はーい」
先生「では気をつけて下校して下さい」
生徒達「はーい」 - 814 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:41:46.90 ID:BcA8XabA0
-
先生「それではさようならー」
生徒達「さようならー」
ワイワイガヤガヤ
フレメア「フレンダお姉ちゃん、上条!」
上条「おっす! 勉強頑張ってたな」
フレメア「にゃあ。算数は苦手……」
フレンダ「フレメア、一回も手挙げてなかったもんね」
フレメア「」ギクッ
上条「そういえば、フレメア」
フレメア「にゃあ?」 - 815 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:42:22.78 ID:BcA8XabA0
-
上条「お前、打ち止め……いや、黄泉川さんと仲いいのか?」
フレメア「大体、仲がいい」
「ふふふふ」
上フ「?」
打ち止め「フレメアちゃんとは親友なのだ! ってミサカはミサカは明言してみたり!」
上条「打ち止め、おっす」
フレンダ「こんちには」
打ち止め「こんちにはって、ミサカはミサカは元気に挨拶してみたり」
打ち止め「そして、何故あなたがここにいるの? ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」 - 816 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:43:09.12 ID:BcA8XabA0
-
一方通行「その女の付き添いだとよ」
上条「そういうことだ」
打ち止め「付き添い……」ジロー
フレンダ「?」
打ち止め「ヒーローさんとフレンダは、恋人同士なの? ってミサカはミサカは二人の関係を探ってみたり」
上フ「ぶはっ!!??」
一方通行「探るどころか、ストレートに聞いてるじゃねェかァ」
フレメア「フレンダお姉ちゃん、上条と恋人なの?」
- 817 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:44:24.78 ID:BcA8XabA0
-
フレンダ「ち、違う!! 上条君とはお友達なわけよ///」
上条「そ、そうだ!! 俺とフレンダはお友達だ///」
打ち止め「……2人共、焦って関係を否定するところが怪しいと、ミサカはミサカは疑ってみたり」ジロー
上条「だから違うって!!」
フレンダ「そ、そうよ! 私と上条君は恋人じゃないわけよ!」
フレンダ「……まだ」ボソッ
「「「「「!?」」」」」
一方通行「ほほゥ」 - 818 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:45:23.35 ID:BcA8XabA0
-
打ち止め「まだ、ってことはいずれかは……ってミサカはミサカは頬を赤らてみたり」
フレンダ「あぅ……///」
上条「フ、フレンダ?」
フレンダ「ちょっと、お手洗い!!」ダダダッ
フレメア「フレンダお姉ちゃん?」
一方通行「おい、三下」
上条「……なんだ?」
一方通行「流石のお前でも、気づいたよなァ?」
上条「え、えっと……」 - 819 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/09(月) 22:47:28.38 ID:BcA8XabA0
-
打ち止め「うふふ、とうとうヒーローさんにも春が来たね、ってミサカはミサカは祝ってみたり」
フレメア「?」
上条が頭が混乱している頃、フレンダも同じく、女子トイレ内で頭が混乱していた。
フレンダ(あー!!!!)
フレンダ(私は何を口走ってるわけよぉぉぉぉぉ!!)
フレンダ(あれじゃ、流石の上条君も私の気持ちに気づいちゃうじゃない!!)
フレンダ(あれ? でも私の気持ちに気づいて貰えるチャンスなのに……)
フレンダ(何で……私は困ってるわけ?)
フレンダ(前はあれだけ積極的だったのに……)
フレンダ(いざとなったら怖がっちゃってるのかな……)
- 837 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:50:42.65 ID:01fXKnc40
-
・
・
・
フレンダ「お、お待たせ……」
フレメア「フレンダお姉ちゃん、おかえり」
上条「お、おかえり……」
フレンダ「」ビクッ
フレンダ「う、うん……」
上条「……」
フレンダ「……」
一方通行「……」 - 838 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:51:42.39 ID:01fXKnc40
-
一方通行(おいおい、なンですかァ? この空気?)
打ち止め「ねぇー」チョンチョン
一方通行「あン?」
打ち止め「この後、皆でデパートに行きたい、ってミサカはミサカは自分の希望を伝えてみたり」
一方通行「……皆って……こいつらもか?」
上条「」チラッ
フレンダ「」ビクッ
フレンダ「……」
上条「……」
フレメア「?」 - 839 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:52:30.56 ID:01fXKnc40
-
打ち止め「うん」
一方通行「まァ、俺は別にいいけどよ」
打ち止め「それじゃー、決定! ってミサカはミサカは高らかに宣言しみたり!」
打ち止め「フレメアちゃん、一緒にデパート行こう、ってミサカはミサカは土曜の午後を有意義に過ごすために誘ってみたり!」
フレメア「うん、大体行く」
一方通行「ってなわけだァ……いいか?」
上条「……え?」
フレンダ「……何が?」
一方通行「」ハァー
一方通行「こいつは……重症だなァ……」 - 840 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:53:26.09 ID:01fXKnc40
-
―――― 2時間後 デパート屋上
フレメア「ぞうさん、レッツゴー!!」
打ち止め「ぬぬぬ!? ミサカのお馬さんもレッツゴー、ってミサカはミサカは闘争心をあらわにしてみたり!!」
フレメア「負けない」
打ち止め「こっちこそ」
一方通行「たくっ、あンな乗り物のどこがいいンだか……」
上条「ま、まー子供はあういうの好きだからな」
フレンダ「そ、そうね。フレメアはあういうの大好きなわけよ」
上条「そ、そうだったんだ」 - 841 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:54:28.26 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「う、うん」
上条「それは知らなかったな」
フレンダ「そ、そう?」
上条「お、おう……」
フレンダ「……」
上条「……」
一方通行「」イライラ
一方通行(番外個体並にイライラさせてくれるぜェ……この2人はよォ……)
- 842 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:55:23.74 ID:01fXKnc40
-
一方通行(……しかし)チラッ
上条「……」
一方通行(三下のこンな様子、初めて見ンな……)
一方通行(恐らく……こいつアイテムの女に気があンな)
一方通行(まァ、自分の気持ちに気づいていないだろうがよ)
上条「お、俺、飲み物買ってくるよ」
フレンダ「う、うん」
上条「一方通行はコーヒーだよな?」
- 843 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:56:30.13 ID:01fXKnc40
-
一方通行「いや、俺はいらねェ」
上条「そ、そっか……フレンダは何がいい?」
フレンダ「え、えっと……コーヒーで……」
上条「わ、わかった」ダダダッ
フレンダ「……」
一方通行「……」
一方通行(こいつは、三下が自分に気あンの気づいてねェのか?)
一方通行(……まァ、俺は人の恋愛事に首突っ込める立場じゃねェか……)
- 844 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:58:28.73 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「あのさ……」
一方通行「あン?」
フレンダ「ごめんね、気使わせちゃって……」
一方通行「あンだ、自覚してたのかよ」
フレンダ「ま、まー……」
一方通行「ならさっさと、くっついちまえよ」
フレンダ「」
フレンダ「…………へ?」 - 845 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 22:59:11.52 ID:01fXKnc40
-
一方通行「冗談だよ、冗談」ククク
フレンダ「な、な、な///」
フレンダ「か、からかわないでほしいわけよ!!」
一方通行「わりィ、わりィ」
フレンダ「まったく……」
一方通行「……俺達、先に帰るからまたな……」
フレンダ「え? もう帰るわけ?」
一方通行「こっちにも用事ってもンがあんだよ」
フレンダ「そ、そっか」 - 846 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:00:56.70 ID:01fXKnc40
-
一方通行「打ち止めァァァァァァ!!」
打ち止め「!?」
打ち止め「フレメアちゃん、またね、ってミサカはミサカはお別れを惜しんでみる!」
フレメア「うん、またねー」
打ち止め「」テクテク
一方通行「……頑張れよ」ボソッ
フレンダ「…………え?」
わざと聞こえないように言い残し一方通行と打ち止めは、フレンダの前から去っていった。
- 847 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:01:52.00 ID:01fXKnc40
-
~ フレメアの授業参観から4日後 ~
上条「き、今日も平和だな……」
フレンダ「そ、そうね……」
上条「……」
フレンダ「……」
上条(き、気まずい……)
フレンダ(ま、まさか今日のパトロールが上条君とだなんて……)
上条「……」
フレンダ「……」
- 848 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:02:31.54 ID:01fXKnc40
-
垣根「……」
絹旗「……」
垣根「おい、こいつら喧嘩でもしたのか?」ヒソヒソ
絹旗「いえ、私にも超さっぱりです」ヒソヒソ
垣根「」ハァー
垣根「空気が重てぇんだが……」
絹旗「そ、そうですね……」
絹旗「垣根さん、後で上条さんに何があったのか聞いて下さいよ」
垣根「何で俺なんだよ?」
- 849 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:03:32.92 ID:01fXKnc40
-
絹旗「……だって、上条さんと仲がいいじゃないですか」
垣根「まっ、まーな///」
絹旗「私もフレンダに問い詰めてみるので」
垣根「おう」
絹旗「超よろしくです」
上条「おい、お前ら歩くの遅いぞ?」
垣根(誰のせいだと思ってやがる?)
垣根「あいよ!」
絹旗「す、すみません!」
- 850 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:04:30.10 ID:01fXKnc40
-
上条達が重たい空気の中パトロールしている最中、土御門、浜面、麦野も別の地区をパトロールをしていた。
土御門「しかし、何だにゃー……」
浜面「ああ……」
土御門「あれくらいで、あんなに気まずくなるとは思ってもみなかったにゃー」
浜面「だな」
麦野「……もしかして、フレンダと上条のことかしら?」
浜面「おう……って、何で麦野知ってんだ?」
麦野「知ってるも何も……あの2人の様子を見てたら誰でもわかると思うけど」
土御門「だにゃー……」
- 851 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:05:16.43 ID:01fXKnc40
-
麦野「あんた達、あいつらに何かあったか知ってるの?」
浜面「えっと……」
浜面「おい、どうする? 麦野にも打ち明けてみるか?」ヒソヒソ
土御門「うーん、悩むところだぜい」ヒソヒソ
麦野「は・ま・づ・ら? つ・ち・み・か・ど?」
土浜「」ビクッ
麦野「第一七七支部に隠し事はなしよ」ニッコリ
土浜「」ゾクッ
麦野「さっさと言わないと、その大きな体に……」 - 852 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:05:50.45 ID:01fXKnc40
-
浜面「お、大きな体に?」ダラダラ
麦野「風穴開けちゃうわよ? 大き目の♪」
土浜「」ゾクッ
浜面「わりぃ、土御門。もう無理みたいだ……」
土御門「俺もまだ死にたくないぜよ……」
浜面「すまねぇ……」
麦野「浜面、土御門、話す気になった?」
浜面「……おう。実はな――――――――――――――」
- 853 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:06:51.75 ID:01fXKnc40
-
麦野「――――――――――――――――はぁぁあ!?」
浜面「恐らく気まずくなってるのは、そのことが原因かと思う」
土御門「だにゃー。お互いを変に意識しちゃってるぜよ」
麦野「どんだけ純情なのよ、あいつら」
浜面「まー、上条はわかるけど……フレンダまでもな……」
土御門「会った当初は、イケイケだったのが信じられないにゃー」
麦野「イケイケって……」
浜面「とりあえず、俺達じゃどうしようもねーしな……」
土御門「だにゃー。上やんが自分の気持ちに気づくのを待つしかないにゃー」 - 854 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:08:00.35 ID:01fXKnc40
-
麦野「……それで、上条はいつ頃気づくのかしら?」
土御門「……予想不可能だぜい」
浜面「……だな」
麦野「……そっ。なら私はフレンダと話してみるわ」
浜面「流石、頼りになるリーダーだぜ!」
麦野「褒めても何もでないわよ」
浜面「いやいや、頼みますよ、麦野お姉さま!」
麦野「気持ちわりぃこと言ってんじゃねぇよ!!」
土御門(フレンダの方は何とかなりそうだぜい……)
土御門(問題は上やんの方か……)
- 855 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:08:58.41 ID:01fXKnc40
-
―――― 2時間後 第一七七支部
固法「今日もお疲れ様でした。皆、気をつけて帰ってね」
一同「お疲れ様でしたー」
垣根「上条」
上条「ん?」
垣根「今日、お前ん家行っていいか?」
上条「ああ、いいけど……」
垣根「それじゃあー、何か晩飯何か買ってくるからあとでな」
上条「晩飯? 俺が作るぞ?」 - 856 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:09:54.95 ID:01fXKnc40
-
垣根「いや、いつも作ってもらってるし……たまにはな?」
上条「そっか……それじゃあー待ってるな」
垣根「おう」
上条「それじゃあー、皆お疲れさーん」
<オツカレー
<オツカレサマデス
垣根「んじゃー、絹旗頼んだぞ」
絹旗「了解です。垣根さんもよろしくです」
垣根「おう」 - 857 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:10:46.84 ID:01fXKnc40
-
ガラガラ
垣根「それじゃー「それじゃー、じゃないでしょう!」」
固法「また、窓から帰ろうとして!」
垣根(やべぇ! つい考え事してて忘れてたぜ……)
垣根「す、すいませーん」
固法「まったく、もう……」
垣根「それじゃー、お先に失礼するぜ」
<オツカレー
<オツカレサマデス
絹旗(大丈夫ですかね? ちょっと不安になってきました……) - 858 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:11:52.98 ID:01fXKnc40
-
絹旗(さてと……フレンダを夜ご飯にでも誘いましょう)
絹旗「フレンダ」
フレンダ「なに?」
絹旗「たまには一緒にご飯でもどうですか?」
フレンダ「うーん、フレメアも外出してるしいいけど」
絹旗「どうもです! それじゃー、いつものファミレスでも行きましょう」
麦野「私も行っていいかにゃーん?」
絹旗「麦野?」 - 859 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:12:40.96 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「もちろんいいわけよ。ね、絹旗?」
絹旗「え、ええ……」
麦野「ありがとう」
フレンダ「どうせなら滝壺も誘う?」
絹旗(……この際、滝壺さんにもお手伝いしてもらいますか)
絹旗「そうですね。麦野もいいですか?」
麦野「もちろんよ」
フレンダ「それじゃー、滝壺を誘ってくるね」
絹旗「はい」 - 860 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:13:49.64 ID:01fXKnc40
-
麦野「頼むわね」
フレンダ「うん!」ダダダッ
絹旗「…………麦野」
麦野「なーに?」
絹旗「実は……私がフレンダを誘ったのは上条さんとのことなんですが」
麦野「!?」
麦野「奇遇ね。私もフレンダにそのことを聞いてみたかったのよ」
絹旗「麦野もですか!?」
麦野「ええ。流石にあのままだと見てられないしね」 - 861 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:14:47.13 ID:01fXKnc40
-
絹旗「超同感です。アイテムの皆で解決しましょう」
麦野「ええ。でも滝壺がいて大丈夫かしら?」
絹旗「滝壺さんは、相手が超浜面ですが一応恋人がいる方ですし……意見も参考になるかと思います」
麦野「なるほどね」
フレンダ「滝壺、今日ね、絹旗と麦野とファミレスに行くんだけど一緒にどう?」
滝壺「え? 私?」
フレンダ「うん」
滝壺「えっと、私は……」チラッ
- 867 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:25:41.34 ID:01fXKnc40
-
浜面(麦野の奴、行動が早いぜ)
浜面「俺のことはいいぞ? たまにはアイテムの女4人で飯行って来いよ」
海原「ええ。自分達のことは気にしないで下さい」ニッコリ
滝壺「……ありがとう。それじゃー、行く」
フレンダ「ありがとう。浜面と海原君もありがとね?」
浜面「おう」
海原「いえいえ」
滝壺「それじゃー、また明日」フリフリ
浜面「おう、気をつけてな」フリフリ
海原「いってらっしゃい」フリフリ - 868 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:26:28.66 ID:01fXKnc40
-
・
・
・
浜面「さて……土御門はさっさと帰っちまったし、男2人で寂しく飯でも行くか?」
海原「たまにはいいんじゃないですか?」
浜面「そうだな」
海原「女性がいないので、たまには丼屋にでも行きますか?」
浜面「おっ、いいね」
海原「実は親子丼が絶品なお店を見つけまして」
浜面「親子丼か……大好物だ!!」
海原「では参りましょう」
浜面「おう!」 - 869 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:27:31.35 ID:01fXKnc40
-
~ 30分後 ファミレス ~
フレンダ「それにしても、この4人で食事なんて久しぶりなわけよ」
滝壺「だね」
絹旗「確かに……」
麦野「風紀委員に協力してから初めてかもね」
絹旗「麦野」ヒソヒソ
麦野「」コクリ
麦野「フレンダ、今日は話したいことがあるの」
絹旗「私もです」
フレンダ「え? なに?」 - 870 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:28:42.55 ID:01fXKnc40
-
麦野「上条のことなんだけど……」
フレンダ「っ!?」
絹旗「上条さんと最近ぎくしゃくしてますが……何かあったんですか?」
滝壺「……」
フレンダ「……えっと……その……」
麦野(屋上で抱きついてたことをこっちから言っちゃうわけにはいかないしな……)
絹旗「上条さんと超喧嘩でもしたんですか?」
フレンダ「喧嘩はしてないわけよ」
絹旗「なら、なんであんなにぎくしゃくしてるんですか?」 - 871 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:29:31.74 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「……」
麦野「フレンダ、話したくないなら構わないわ……」
麦野「……でも、私達は仲間なんだから、少しだけでもいいから頼ってくれないかしら?」
フレンダ「…………うん」コクリ
フレンダ「実はね――――――――――――――――――――」
・
・
・
麦野「―――――――――――――――――――なるほどね」
麦野(どうやら、土御門と浜面が言ってた"あれ"が直接の原因ではないみたいね)
絹旗「なるほど。そんなことがあったんですか」
滝壺「……」 - 872 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:30:35.07 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「あれから、今の状態にいたったわけよ」
絹旗「……でも、フレンダの気持ちを上条さんに気づいてもらえるなんて逆にチャンスじゃないんですか?」
麦野「そうよね。あの朴念仁に気持ちを気づいてもらえるだけでも快挙だって、土御門が言ってたわよ」
滝壺「フレンダは、かみじょうのことが好きなんだよね?」
フレンダ「」コクリ
絹旗「なら、なんでフレンダは困ってるんですか!?」
フレンダ「……それは……今の関係が壊れるのが怖いからよ……」
絹麦滝「!?」
フレンダ「実はね……私、今の上条君との距離感を結構気に入ってるわけよ」 - 873 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:32:53.98 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「彼女ではないけど……フレメアと3人でお出かけしたり、学校や支部でお喋りしたりね……」
フレンダ「昔と比べて、上条君との距離も結構縮まったと思うわけ……」
絹麦滝「…………」
フレンダ「けど、もし告白して振られちゃったら……今の関係が壊れちゃうのかな、って思ったりもするわけよ……」
絹旗「フレンダ……」
フレンダ「もし、告白して振られて……今の関係が崩れるなら……」
フレンダ「このままでもいいかな、って思ったりもしてるわけ……」
麦野「……なるほどね」
麦野「ようするに……フレンダは今の関係を崩したくないわけね?」 - 874 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:36:37.32 ID:01fXKnc40
-
麦野「それでつい口が滑っちゃって、上条に自分の気持ちが伝わってしまったのを後悔してると……」
フレンダ「」コクリ
フレンダ「それから……お互い変に意識しちゃってるみたい……」
フレンダ「いや……私が避けちゃってるのかな……」
絹旗「お互いどう接すればいいかわからないと?」
フレンダ「」コクリ
滝壺「……フレンダは、このままのでいいの?」
フレンダ「……」
フレンダ「いやだよ……」
フレンダ「前みたいに仲良く話したいよ……」グスッ - 875 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:37:39.64 ID:01fXKnc40
-
麦野「フレンダ……」
絹旗「……」
滝壺「……なら、フレンダがやることは一つだと思う」
フレンダ「……え?」
滝壺「かみじょうに告白しよう」
麦絹「!?」
フレンダ「」
フレンダ「え!?」
滝壺「」コクリ
- 876 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:38:46.96 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「でも……もし……振られたら……」
滝壺「フレンダ」
フレンダ「……」
滝壺「フレンダは、かみじょうのことが好きなんだよね?」
滝壺「だったら逃げちゃ駄目。気持ちをちゃんと伝えないと」
フレンダ「……でも……振られて……前みたいに話せなくったら……」
絹旗「」イラッ
絹旗「フレンダ!!」
フレンダ「」ビクッ
絹旗「今のフレンダ、超かっこわるいです!!」 - 877 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:39:56.01 ID:01fXKnc40
-
麦野「き、絹旗?」
絹旗「前に私に言ってたじゃないですか! 上条さんのハートを掴むって!」
絹旗「研修合宿でスクールの女にかっこよく宣言してたフレンダは、どこいっちゃったんですか!?」
フレンダ「絹旗……」
絹旗「わ、私は恋愛とかよくわかりませんが……好きなのに好きって言わないのはおかしいと思います!」
滝壺「絹旗の言うとおりだよ。フレンダは、かみじょうが他の女の人と付き合ってもいいの?」
フレンダ「……やだ……」ボソッ
フレンダ「上条君が、他の女の子と付き合うのなんていやなわけよ!!」
麦野「……やっと、本音出したか……」 - 878 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:41:53.77 ID:01fXKnc40
-
フレンダ「……え?」
麦野「全く普段は調子がいいくせに、肝心なところで臆病になるんだから……」
フレンダ「麦野……」
麦野「上条に気持ちを伝えなさい。今、言わないと後で後悔するわよ? 後悔してもいいの?」
フレンダ(後悔……)
フレンダ「後悔は……したくない……」
滝壺「なら……頑張って思いを伝えよう?」
絹旗「私達、全員フレンダの味方ですから!」
フレンダ「……みんな……」
- 879 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:44:29.35 ID:01fXKnc40
-
麦野「全く、手がかかる奴」クスッ
フレンダ「……ありがとう……」グスッ
フレンダ「」ゴシゴシ
フレンダ「私、上条君にきちんと告白する!!」
滝壺「うん」
絹旗「はい!」
麦野「それじゃあー、初期アイテムの4人で久々に作戦会議始めるわよ!!」
絹旗「超了解です!」 - 880 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/12(木) 23:46:38.81 ID:01fXKnc40
-
滝壺「懐かしいね」
麦野「んじゃー、まずは上条をデートにでも誘うわよ」
絹旗「デートですか!? ならお勧めの映画があります!!」
滝壺「却下」
絹旗「……」
フレンダ「えっと……」
麦野「何よ? またぐずってたら風穴開けるわよ?」
フレンダ「……そろそろ、ご注文した方がいいかな、って……」タハハ
麦滝絹「…………あっ」 - 897 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:12:03.99 ID:gNx8FAU+0
-
~ 同時刻 上条宅 ~
上条「垣根が、牛丼買ってくるなんて予想外だったな」モグモグ
垣根「最近、はまってんだよ」モグモグ
上条「牛丼は、やっぱつゆだくじゃないとだな」
垣根「わかってんじゃねぇか」ニヤリ
・
・
・
垣根「上条」
上条「あん?」
垣根「実は、今日はお前に聞きたいことがあってな」
上条「あんだよ?」
- 898 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:13:04.96 ID:gNx8FAU+0
-
垣根「お前、最近フレンダとぎくしゃくしてんだろ?」
上条「……」
垣根「お前さ……フレンダを押し倒したのか?」
上条「」
上条「はぁぁぁぁぁぁああ!!??」
上条「てめぇは、急に何言ってやがんだ!!??」
垣根「え? 違うの?」
上条「全然違うわっ!!」
垣根「おっかしいな……てっきり、押し倒して拒否られて気まずくなったのか思ったんだが……」 - 899 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:13:52.95 ID:gNx8FAU+0
-
上条「垣根さんの頭は、どんな回路してるんですかー?」
垣根「いや、俺も前に吹寄を押し倒したら、似たようなことがあったからよ」
上条「…………へ?」
垣根「――――あっ」
垣根(しまったぁぁぁぁぁああ!! ついうっかり、口滑っちまいやがったぁぁぁぁああ!!)
上条「へー……垣根がね……」ジー
垣根「そ、そんな目で俺を見るんじゃねぇぇぇええ!!」
垣根「と、とりあえずだな……」コホン
垣根「フレンダと何かあったんなら相談してくれや」 - 900 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:14:37.00 ID:gNx8FAU+0
-
上条「垣根……」
垣根「お前らも辛いと思うけど、見てる側も結構辛いんだわ」
上条「……そっか、周りにも迷惑掛けてたんだな……」
上条「実はな―――――――――――――――――」
・
・
・
垣根「―――――――――――――――なるほどな」
上条「一応、普段通りに接しようと思ってるんだけど、変に意識しちまってよ……」
垣根(おいおい、フレンダ、やったじゃねーか!!)
上条「フレンダにも少し避けられてる感じがしてよ……まいってんだよ……」
垣根「まー、お互い変に意識しちまって、今の状態になってるわけだな」 - 901 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:15:23.81 ID:gNx8FAU+0
-
上条「まーな……」
垣根「んで、お前はどうなんだよ?」
上条「え?」
垣根「お前は、フレンダのことが好きなのか?」
上条「っ!?」
上条「えっと……」
垣根「……はん、顔を見ればわかるぜ」
上条「え? 顔?」
垣根「大方、自分の気持ちがよくわかってねぇんだろ?」
- 902 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:16:06.75 ID:gNx8FAU+0
-
上条「……何でわかったんだ?」
垣根「……吹寄のことで相談してた時の、俺にそっくりだよ、お前」
上条「……」
垣根「きっと、前の俺も今のお前みたいな顔をしてたんだろうな」ククク
上条「……やっぱ、俺はフレンダのことが好きなのか?」
垣根「俺に聞くなよ」
上条「……だよな」
上条「……」
垣根「……」 - 903 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:16:59.49 ID:gNx8FAU+0
-
垣根「たくっ、しょうがねーな」ポリポリ
垣根「おい、上条!」
上条「お、おう……」
垣根「今から俺がいくつか質問するから、○か×で答えろ」
上条「何を急に……」
垣根「いいから!!」
上条「わ、わかったよ……」
垣根「んじゃー、一つ目。フレンダと一緒にいて楽しいか?」
上条「○」 - 904 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:17:58.97 ID:gNx8FAU+0
-
垣根「二つ目。フレンダが自分のことを好いてくれて嬉しいか?」
上条「○」
垣根「三つ目。フレンダとやりたいか?」
上条「ま……って、お前は何を言ってやがる!!」
垣根「少し、レベル上げすぎたか……」
垣根「四つ目。フレンダが、自分以外の男と付き合ってたら嬉しいか?」
上条「……×」
垣根「最後の質問な。俺とお前は親友か?」
上条「……○」 - 905 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:18:39.72 ID:gNx8FAU+0
-
垣根「…………以上で終了だ///」
上条「……いや、最後の質問は関係なくねーか?」
垣根「気にするな」
垣根「……今の答えを聞くと、一般的に考えればお前はフレンダのことが好きなんだと思う」
上条「……」
垣根「だがな……それを決めるのお前自身だ」
上条「垣根……」
垣根「俺から言えることはそれだけだ。後は、自分で考えるんだな」
上条「……それ、前に俺がお前に言った台詞じゃねーか」
- 906 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:19:26.60 ID:gNx8FAU+0
-
垣根「そうだったか?」
上条「そうだよ」フッ
垣根「んじゃー、俺は帰るわ」
上条「もう帰るのか?」
垣根「今日は、フレンダとのことを聞きたかっただけだからな」
上条「そっか。悪かったな」
垣根「別に」
ギー
垣根「上条」 - 907 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:21:46.09 ID:gNx8FAU+0
-
上条「ん?」
垣根「もしかしたら、お前は一生治らない病を患ったのかもしんねーな……」
上条「……は? 病って?」
垣根「……恋だよ。お前は恋を患ってるのかもな」ニヤリ
上条「」
垣根「じゃーな」
垣根は、そう言い残し上条の家を後にした。
これ以上にない、ドヤ顔をして……
垣根(やっべ……俺、超かっこいいこと言ったんじゃね?)
垣根(今度、吹寄にも言ってみっかな)
- 908 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:22:44.30 ID:gNx8FAU+0
-
垣根(さてと、今日は歩いて帰るとすっかな)
その頃、玄関越しでは、垣根的名台詞を言われた上条が玄関で固まっていた。
そして、上条は改めて認識した。やっぱこいつメルヘンだわ、って。
―――― 1時間後
上条「……」
上条(フレンダか……出会った初日に、いきなり飯に誘われたっけかな)
上条(そして、いきなり転入宣言だもんな……)
上条(あん時は、かなりびっくりしたな……)
上条(あれ? もしかして……あの時から俺ってフレンダに好かれてた?)
- 909 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:23:25.50 ID:gNx8FAU+0
-
上条(……いや、出会った初日だぞ? ないない)
上条(大体、俺が一目惚れされるわけないだろ!! 調子乗るな、上条当麻!!)
上条「……」
上条(やっぱ好きなのかな、俺……)
上条(でも……こういう時はどうすればいいんだろうな……)
上条「……」
上条「あぁぁぁぁぁぁああ!!」
上条「考えてったって、らちあかねぇぇぇ!! 行動だ、行動!!」
上条「……」 - 910 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:25:20.49 ID:gNx8FAU+0
-
上条「とりあえず、フレンダをデートに誘う!!」
上条「フレンダにメール……いや、ここは電話だな!!」
上条「」ゴクリ
上条「よし、かけるぞ、俺!!」ポチポチ
土御門(上やん……もろ、聞こえてるぜよ)
土御門(とりあえず、頑張るんだにゃー)ニッコリ
舞夏「上条の奴、青春してるなー」
土御門「だにゃー」 - 911 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:26:19.90 ID:gNx8FAU+0
-
~ さかのぼること5分前 フレンダ宅 ~
フレンダ(麦野、滝壺、絹旗の言うとおりなわけよ)
フレンダ(何をうじうじしてたのよ、私は……)
フレンダ(よし! 上条君をデートに誘おう!!)
フレンダ(……まずは、行き先を考えないと……)
――― 5分後
フレンダ(うーん、遊園地が妥当かな~?)
フレンダ(動物園もいいけど、ここは遊園地なわけよね……)
I wanna hold you~♪
フレンダ(電話?) - 912 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:27:05.88 ID:gNx8FAU+0
-
フレンダ(か、上条君からぁぁぁぁぁああ!?)My skies are turning black~♪
フレンダ(こ、心の準備が……)Feels like a heart attack~♪
フレンダ「……よ、よし」ポチッ
フレンダ「も、もひもひ……」
フレンダ(うわっ!? 噛んだぁぁぁ!!)
上条「お、おっす!」
フレンダ「う、うん」
上条「いきなり電話して悪かったな。今、大丈夫か?」
フレンダ「だ、大丈夫よ」 - 913 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:27:45.46 ID:gNx8FAU+0
-
上条「ならよかった。あのさ……」
フレンダ「う、うん……」
上条「……今度の日曜って予定空いてるか?」
フレンダ「」
フレンダ「…………え!?」
上条「いや……その……」
フレンダ「……」
上条「一緒に遊園地でもいかがかな……と思いまして……」
フレンダ(逆に上条君からお誘いがきたぁぁぁぁああ!!) - 914 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:28:32.28 ID:gNx8FAU+0
-
上条(あれ、返事が返ってこない……駄目だったか?)
フレンダ「う、うん!! 大丈夫よ!!」
上条「そ、そっか!! よかった!!」
フレンダ「日曜は風紀委員もお休みだしね!!」
上条「そっか、そっか」
上条(ほっ……)
上条「それじゃー、詳しい時間とかはまた学校で話すからさ」
フレンダ「うん。わかった」
上条「それじゃー、また明日な。おやすみ」 - 915 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:29:19.62 ID:gNx8FAU+0
-
フレンダ「お、おやすみなさい」
プチッ ツーツー
フレンダ「……」
フレンダ「きゃいぃぃぃぃん!!」ドバッ
フレンダ(まさか、上条君の方からお誘いが来るなんて!!)
フレンダ(こ、これは脈ありってことでいいわけよね……)
フレメア「」ジー
フレンダ「はっ!?」
フレンダ「フ、フレメア……いつからそこにいたわけよ?」アセアセ - 916 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:30:06.41 ID:gNx8FAU+0
-
フレメア「大体、お姉ちゃんが、きゃいぃぃぃぃん!! って言いながらベッドにダイブしたところから」
フレンダ「あうぅぅぅぅ///」
フレメア「何かいいことあったの?」
フレンダ「ま、まーね///」
フレメア「よかったね、お姉ちゃん」ニッコリ
フレンダ「うん、ありがとう」
フレメア「それじゃー、おやすみなさい」
フレンダ「おやすみ」フリフリ - 917 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:31:55.62 ID:gNx8FAU+0
-
ギー バタン
フレンダ「……」
フレンダ「まさか……あんな姿を妹に見られるなんて……」
フレンダ「まっ、いいっか!!」
フレンダ「……」
フレンダ(土曜までに、新しい服を買っておこうっと……)
フレンダ「今日はもう寝ようっと」 - 918 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:32:41.77 ID:gNx8FAU+0
-
~ 同時刻 上条宅 ~
上条(よし、デートOK貰えたぜ!!)
上条(後は、自分の気持ちを素直にフレンダに伝えるだけだ……)
上条「……」
上条「あー……緊張してきた……」
上条「情けないな、俺……」
上条(でも伝えないとな……自分の気持ちってやつをよ……)
上条「うし、今日は寝るか!!」 - 919 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:33:23.63 ID:gNx8FAU+0
-
~ 日曜 遊園地 ~
フレンダ(ちょっと早く来すぎちゃった……)
フレンダ(ふ、服装問題ないわよね?)
フレンダ「……」
フレンダ(そういえば、上条君と二人っきりで遊ぶのは初めてなわけよね)
フレンダ(最初で最後にならなければいいんだけど……)
フレンダ(……って、ネガティブに考えちゃ駄目なわけよ!!)
上条「わりぃ! 待たせたな!」
フレンダ「あっ……」
- 920 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/13(金) 23:34:09.46 ID:gNx8FAU+0
-
上条「結構待ったか?」
フレンダ「ううん。5分くらいしか待ってないわけよ」
上条「そっか! んじゃー、早速行きますか」
フレンダ「うん」
上条とフレンダが、遊園地の入り口へ向かう頃、二人を遠くから見守る怪しげな人影があった。
「こちら、アロハ野郎。ターゲットが遊園地に入ったぜよ」
「こちら、C級窒素。了解です」
「こちら、鼻毛ピアス。了解だ……って俺のコードネーム酷くない!?」
「黙れ、鼻毛ピアス。俺達も行くぜよ」
「「了解!!」」 - 933 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:37:19.03 ID:ZBIIo22c0
-
上条「フレンダは、この遊園地来たことあるのか?」
フレンダ「ううん。初めてなわけよ」
上条「じゃあー、俺と一緒だな」
フレンダ「上条君も来たことないんだ?」
上条「一緒に行く人もいなかったしな」
フレンダ「そうなんだ」
上条「だから……今日は二人でしっかり楽しもうぜ」
フレンダ「うん!」
上条「まずは手ごろな乗り物がいいよな」 - 934 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:38:15.93 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「そうね……」
上条「ん……まずはあれにするか!」
フレンダ「☆ツアーズね」
上条「いいか?」
フレンダ「もちろん!」
「ターゲットは、☆ツアーズへ向かっているようだにゃー」
「あのアトラクションなら、後ろの席にいればばれないでしょう。私が行って来ます」
「頼むぜい。C級窒素」
「超了解です!」 - 935 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:39:23.04 ID:ZBIIo22c0
-
・
・
・
上条「結構リアルだったな」
フレンダ「学園都市製の3Dだしね」
上条「次はジェットコースターでも乗るか?」
フレンダ「う、うん……上条君は絶叫系大丈夫なの?」
上条「全然大丈夫」
上条(あのめっちゃ速い飛行機や、アックアに飛ばされたことを思えばな……)
フレンダ「そ、そっか……」
上条「……もしかして、フレンダは絶叫系苦手? だったらやめとくか?」
- 936 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:40:58.10 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「う、ううん!! 大丈夫なわけよ」
フレンダ(二人っきりのデートなわけだし、一つでも多くの乗り物を一緒の乗りたいし……)
上条「んじゃー、行きますか」
フレンダ「うん」
「ぬ? ターゲットが移動しだしたぜい」
「あっちの方は何だろうな?」
「まー、着いていけばわかるでしょう」
「よし、着いていくぜい」
「「了解!!」」
- 937 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:41:54.29 ID:ZBIIo22c0
-
―――― 1時間後
フレンダ「」ゲッソリ
上条「だ、大丈夫か?」
フレンダ「ら、らいじょうぶ……」
上条(全然、大丈夫に見えないけどな……)
上条「少し座って休むか」
フレンダ「あ、ありがとう……」
「ターゲットが休憩するみたいだにゃー」
「鼻毛ピアス。今のうちにポップコーンとジュースを超お願いします」
「何で俺なんだよ!? って買ってきますけどね!!」 - 938 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:43:25.69 ID:ZBIIo22c0
-
―――― 12時
上条「いやー、結構乗れたな」
フレンダ「意外と空いてたわけよ」
上条「そろそろ、お昼にするか」
フレンダ「……えっと……」
上条「ん?」
フレンダ「お、お弁当持ってきたんだけど……」
上条「……わざわざ、作ってきてくれたのか?」
フレンダ「う、うん……迷惑だった……かな?」 - 939 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:45:22.11 ID:ZBIIo22c0
-
上条「そんなわけないだろ!! 凄い嬉しいぞ!!」
フレンダ「……ならよかった」ホッ
上条「んじゃー、適当に座れる場所探すか」
フレンダ「うん」
・
・
・
上条「そういえば、フレンダの弁当を食べるの去年以来だな」
フレンダ「皆と動物園行った時ね」
上条「懐かしいよな」
フレンダ「そうね……」
- 940 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:48:54.96 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ(あの時は……美琴共々、上条君の鈍感さに心折れたわけよ……)
上条「それじゃー、頂きます!!」
フレンダ「お、お召し上がれ」
上条「」モグモグ
フレンダ「」ドキドキ
フレンダ(どうだろ……上条君のお口に合うかな?)
上条(美味いな。えっと……こういうときはどう褒めればいいんだっけな?)
上条(確か、原谷のアドバイスによると……) - 941 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:49:52.78 ID:ZBIIo22c0
-
~ さかのぼること2日前 ~
上条は、原谷にあるお願い事をする為に電話を掛けていた。
原谷「え? デートのアドバイスですか!?」
上条「あ、ああ……」
原谷「何で僕に?」
上条「いや、削板に聞いたら原谷が超詳しいって言ってたからさ」
上条「それにうちの支部の連中に相談するのも恥ずかしいしさ……」
原谷「はぁ……」
原谷(まいったな……詳しいのはアマガミとかクラナドとかヨスガノソラとかギャルゲ限定なんだけどな……)
原谷(……でも上条さんに頼られてるんだ、仕方ない!!) - 942 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:50:55.33 ID:ZBIIo22c0
-
原谷「……いいでしょう!! 僕の(二次元での経験の)全てを上条さんに伝授します!!」
上条「ありがとうございます!! 師匠!!」
~ そして今に至る ~
上条(相手が弁当の感想を聞いてきたら……)
上条「超うめぇよ!! お嫁さんにしたいくらいだぜ!!」
フレンダ「…………は?」
上条「えっ!?」
上条(あれ、俺とんでもないこと言ったんじゃ……)
フレンダ「あ、あの///」 - 943 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:52:14.63 ID:ZBIIo22c0
-
上条「……」
フレンダ(え!? 私プロポーズされてるわけ!?)
上条(おぉぉぉい!! 原谷の野郎!! いきなり相手が困ってんじゃねーかぁぁぁあ!!)
原谷「あっ……」タラー
心理定規「いやーね……急に鼻から血出さないでちょうだい……」
原谷「す、すいません……」
削板「根性が足りん!!」
心理定規「貴方は黙ってて」
フレンダ「えっと……上条君?」 - 944 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:53:35.29 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「……な、なんだ、ジョークなのね!! びっくりしちゃった」
上条「悪い、悪い!! でも凄い美味しいぜ?」
フレンダ「あ、ありがとう」
フレンダ(びっくりしたぁ……)
「ほほぅ。愛の手作り弁当作戦か」
「超きもいことを言わないで下さい」
「しかし、手作り弁当とはナイスだにゃー」
上条「フレンダは結構料理するのか?」
フレンダ「以前は全然なわけよ。料理し始めたのはフレメアと暮らし初めてからかな」 - 945 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:54:38.63 ID:ZBIIo22c0
-
上条「へー」
フレンダ「……まっ、流石に上条君の手料理には負けちゃうけどね」
上条「そんなことねーよ。俺のより全然美味しいぞ?」
フレンダ「そ、そう?」ジー
上条「」ドキッ
上条(な、なんだ!? 上目遣いで見られるのってこんなドキっとするもんだったのか!?)
上条「そ、そのとおりでございますことよ!!」
フレンダ「なんか日本語が変になってるよ、上条君」クスッ - 946 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:55:35.52 ID:ZBIIo22c0
-
上条「そ、そうかっ!?」アセアセ
フレンダ「うん」コクリ
上条「周りに変な日本語使う奴らが多かったから、移っちまったかな?」タハハ
フレンダ「なに、それ」クスッ
(以前と違って、ナチュラルに会話できてるぜよ)
(フレンダ、この調子ですよ!!)
(……俺も今度、滝壺に手作り弁当作ってもらおうっと)
その後も上条とフレンダは、怪しい三人組に監視されていることを知らぬまま、遊園地を満喫した。 - 947 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:57:15.16 ID:ZBIIo22c0
-
――――― 4時間後 遊園地内のとあるベンチ
フレンダ「今日は誘ってくれてありがとね。楽しかったよ」ニコッ
上条「お、おう。俺も凄い楽しかった」
フレンダ(上条君に……気持ち伝えなきゃ……)
上条(フレンダに……自分の気持ちぶつけるぞ……)
上フ「あのっ!!
上条「えっ」
フレンダ「あっ」
上条「……」
フレンダ「……」 - 948 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 22:58:26.04 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「ご、ごめん……」
上条「い、いや俺の方こそ……」
フレンダ(気を取り直していくわよ!)
上条(やべー、被っちった……)
フレンダ「……あのね、上条君……」
上条「お、おう……」
「超真剣な顔で向かい合ってる二人……いよいよですね……」
「」ゴクリ
(頑張れ、上やん……) - 949 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:00:02.34 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「今日は最後にね……上条君に言いたいことがあるの……」
上条「お、おう」
フレンダ「わ、私は……」
上条「……」
フレンダ「上条君のことが好き……大好き!!」
上条「!?」
フレンダ「誰にでも優しい上条君が好き、世話好きな上条君が好き、いつも明るい上条君が好き……」
上条「……」
- 950 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:00:48.10 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「できれば……ずっと傍にいたい……」
フレンダ「……上条君の気持ち、聞かせてくれる?」
フレンダ「」モジモジ
上条「……」
上条「はははははっ!!」
フレンダ「!?」
フレンダ「上条君!?」
上条「悪い、悪い」
- 951 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:01:40.67 ID:ZBIIo22c0
-
上条「女の子に先に言われるなんて格好悪いな、俺……」
フレンダ「……え? それって……」
上条「……俺もフレンダの傍にいたい」
フレンダ「……」
上条「こんな俺でよければ……ずっと傍にいるよ。いや、傍にいさせてほしい」
フレンダ「上条君……」
上条「いいか?」
フレンダ「……それだけじゃ、一言足りない」
- 952 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:03:23.62 ID:ZBIIo22c0
-
上条「わかってるよ」
フレンダ「えへへ///」
上条「……俺もフレンダが好きだ。ずっと俺の傍にいて欲しい」
フレンダ「……うん」ニコッ
上条「フレンダ」ギュー
フレンダ「あっ……」
上条「こんな俺だけど、よろしく頼むな」
フレンダ「う、うん」スッ
上条「!?」
- 953 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:05:01.88 ID:ZBIIo22c0
-
上条(えっと、目を閉じて顔近づけてきたってことは……)
上条(……これはキスする流れなんだよな? 鼻ガブリってことはないよな?)
上条「」ゴクリ
上条「」チュッ
フレンダ「ん……」
上条「えっと……」
フレンダ「ふふふ、私のファーストキス……上条君にあげちゃった」ニッコリ
上条「」ドキッ
上条「お、俺も初めてだぞ……」 - 954 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:05:51.55 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ「ほんと?」
上条「本当だよ」
フレンダ「じゃあー……もう一回してくれたら信じてあげる……」
上条「」ゴクリ
フレンダが目を閉じ上条に顔を近づけた瞬間、パーンっと大きな音がした。
上条とフレンダが、音がした方を振り向くと、そこにはよく知っている顔が並んでいた。
「「「お二人さん、おめでとう!!」」」
上条「ク、クラッカー? ってお前ら!?」
フレンダ「なんでここにいるわけよ!?」
- 955 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:06:56.90 ID:ZBIIo22c0
-
土御門「いやいや、見せ付けてくれるぜい」
絹旗「フレンダ、やりましたね!!」
浜面「お熱いこったぜ」
上条「お前ら、何でここに!?」
土御門「それはお二人さんの恋路を見守る為だにゃー」
絹旗「そういうことです」
浜面「」ウンウン
フレンダ「い、いつからつけてたわけ?」 - 956 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:07:52.04 ID:ZBIIo22c0
-
「「「最初っから」」」
上条「全然気づかなかった……」
フレンダ「私も……」
土御門「いやー、それにしても」ニヤニヤ
絹旗「上条さんもやる時は超やるんですね」ニヤニヤ
浜面「熱い口づけだったな」ニヤニヤ
上条「うっ///」
フレンダ「あぅぅぅぅ///」
- 957 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:09:47.29 ID:ZBIIo22c0
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土御門「いやー、めでたい、めでたいぜい!!」
絹旗「フレンダ、GJです!!」
浜面「上条おめでとさん!!」
上条「お前ら……ありがとな……」
土御門「上やん……」
浜面「上条……」
絹旗「上条さん……」
上条「…………なんて言うと思ったかぁぁぁぁああ!!」
「「「」」」ビクッ - 958 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:11:36.30 ID:ZBIIo22c0
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上条「人のデートを付回してんじゃねー!!!」
土御門「た、退散だにゃー!!」
絹旗「り、了解です!!」
浜面「お、おう!!」
上条「待ちやがれぇぇぇぇええ!!」
フレンダ「」ポカーン
フレンダは、三人を追い掛け回す上条をただじっと眺めていた。
自身の今までの行動を振り返りながら。
フレンダ(全部見られてたわけね……)
フレンダ(うぅぅぅぅ……恥ずかしい……) - 959 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:13:52.59 ID:ZBIIo22c0
-
フレンダ(でも……)
フレンダ(上条君と付き合えたし……いいっかな……)
・
・
・
上条「たくっ、あいつら逃げ足だけは速いな……」
フレンダ「お疲れ様」
上条「お、おう……しかし全部見られたとはな……」
フレンダ「は、恥ずかしいね……」
上条「そ、そうだな……」
- 960 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:16:54.05 ID:ZBIIo22c0
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フレンダ「上条君」
上条「ん? ってその前に」
フレンダ「?」
上条「そ、そのさ……俺のこと名前で呼んでくれよ……」
フレンダ「…………え?」
上条「いや……俺、一応彼氏なわけなんだから……いつまでも名字ってのも……」
フレンダ「いいの?」
上条「あ、当たり前だろ!!」
フレンダ「じゃあー……と、当麻」 - 961 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:19:32.38 ID:ZBIIo22c0
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上条「は、はい!!」
フレンダ「……自分から呼ばせておいて、かしこまらないでほしいわけよ」
上条「わ、悪い……」
フレンダ「君付けした方がいい?」
上条「……いや、当麻でいいぞ」
フレンダ「そっか」
上条「うん」
フレンダ「……」
上条「……」 - 962 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:22:53.90 ID:ZBIIo22c0
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フレンダ「……当麻」
上条「ん?」
フレンダ「呼んでみただけ」ニッコリ
上条「あんだよ、それ」
フレンダ「別に~」
上条「そろそろ帰るか?」
フレンダ「そうだね。はい!」スッ
上条「ん? 手どうかしたのか?」 - 963 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/15(日) 23:25:37.04 ID:ZBIIo22c0
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フレンダ「……当麻の意地悪」ムスッ
上条「冗談だよ」クスッ
フレンダ「まったく……」
上条「悪い悪い」
上条はそう言うと、フレンダの右手を握り締めた。
フレンダ「改めて……これからもよろしくね、当麻」ニコッ
上条「こっちこそよろしくな、フレンダ」ニッコリ
フレンダ「うん!!」 - 980 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:17:14.43 ID:Yj9nOpOt0
-
これは上条と青髪ピアスがグループに加入する前のお話です。
~ とあるショタコンの決意表明 ~
結標「……私、グループを抜けさせてもらうわ」
土御門「何?」
海原「これは急ですね」
土御門「……理由は、"あいつら"が釈放されたからか?」
結標「それもあるけど……」
土御門「何だ?」
結標「えっと……その……真面目に学校行こうと思って」
土御門「」
海原「」 - 981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 21:17:38.73 ID:yWLzHH/70
- 新スレ記念埋め
ついでに息してない姫神さんも埋め - 982 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:17:58.70 ID:Yj9nOpOt0
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土御門「え? 何だって?」
海原「真面目に学校に行く?」
結標「そんな驚かないでくれる?」
土御門「悪いな。それで何で今更、学校に行く気になったんだ?」
結標「やりたいことができたの。だから学校に真面目に通うことにすることに決めたのよ」
土御門「……小萌先生に何か吹き込まれたか?」
結標「小萌は関係ないわ。私が自分で決めたこと」
海原「……その結標さんが、やりたいこととは?」
結標「……言いたくないわ」 - 983 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:18:40.39 ID:Yj9nOpOt0
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土御門「……なら駄目だな」
結標「……え?」
土御門「理由も言わずに、簡単に辞められるほどグループは甘くないぞ」
結標「……」
土御門「いくら学園都市が平和になったからといって、グループがそれで甘くなると思うなよ?」
海原「……ということみたいですが、どうします?」
結標「……笑わないでくれる?」
土御門「……いいだろう」
海原「ええ。約束しましょう」
- 984 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:19:36.49 ID:Yj9nOpOt0
-
結標「……しよ」ボソッ
土御門「聞こえないんだが?」
結標「保育士になりたいのよ!!」
土御門「」
海原「」
結標「私は、短大に進学して保育士の資格を取るの!! だからグループを辞めて真面目に学校に行く!!」
結標「」ハァーハァー
土御門「……あひゃひゃひゃ!!」
海原「」ププッ - 985 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:20:21.21 ID:Yj9nOpOt0
-
結標「ちょっと!! 笑わないでって言ったでしょう!!」
土御門「いや、だって……保育士って……」ククク
海原「やはり、ショタコンでしたか」クスクス
結標「」イラッ
結標が、二人を睨めつけると二人の頭上にたるが落ちてきた。
もちろん原因は、事故ではなく彼女の能力によるものだ。
なんでアジトにたるがあることは気にするな。
土御門「っ痛!?」
海原「な、何ですか?」アセアセ
結標「約束を破った罰よ。これで辞めさせてくれるわね?」
土御門「……いいだろう。上には俺から報告しておく」
- 986 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:21:09.84 ID:Yj9nOpOt0
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結標「そういえば聞いてなかったのだけど、一方通行は何故グループを辞めたのかしら?」
土御門「知らん。そもそも潮岸のところに行ってから会ってないしな」
海原「自分もです」
結標「……そうなの」
結標「……それじゃあー、私は行くわ」
そう言うと、結標は土御門と海原の前から一瞬で姿を消した。
土御門「……どうやら、トラウマは完全に克服したいみたいだな」
海原「しかし……彼女が保育士とは大丈夫ですかね?」
土御門「……さーな。何も起きないことを祈るだけだ」
海原「それと……いいんですか? そんな簡単に辞めさせてしまって」 - 987 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:21:48.09 ID:Yj9nOpOt0
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土御門「仕事も全くないし、いいだろう」
海原「第三次世界大戦後、随分と暇になりましたね」
土御門「暗部が暇なことはいいことだ」
海原「そうですね」
土御門「それじゃあー、俺はアレイスターに呼ばれているから先に失礼するぞ」
海原「おや、統括理事長にお会いするのですか」
土御門「ああ。内容は恐らく新しい仕事のことだろうけどな」
海原「それじゃー、自分は御坂さんの監視に戻るとしますか」
土御門「……相変わらず、『超電磁砲』一筋だにゃー」
- 988 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:22:29.76 ID:Yj9nOpOt0
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海原(おや? 口調が)
海原「ええ。もちろん」ニッコリ
土御門「せいぜい、ばれないようにストーカーしてほしいぜい」
海原「んなっ!? 誰がストーカーですか!?」
土御門「……お前以外誰がいるぜよ?」
海原「じ、自分はですね!! 御坂さんの安全を守るために!!」
土御門「はいはい、そういうことにしておいてやるにゃー」ニヤニヤ
海原「……まー、シスコン野郎にはこの気持ちがわかりませんか」
土御門「シスコンの何処が悪いんだにゃー?」 - 989 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:23:15.24 ID:Yj9nOpOt0
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海原「ひ、開き直りましたね?」
土御門「俺は舞夏一筋だぜい」
海原「……ふっ、相思相愛ですか。羨ましいですね」
土御門「……それじゃー、お先に失礼するぜい。仕事が決まり次第連絡するぜい」
海原「かしこまりました」
・
・
・
海原(そろそろ、下校する時間ですね)
海原(では、本業に行きますか)
その日、土御門はアレイスターから風紀委員に協力することを命じられた。
そして、翌日に上条当麻と青髪ピアスがグループに加入したのだった。 - 990 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:24:03.22 ID:Yj9nOpOt0
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こっちは上条と青髪ピアスがグループに加入後のお話です。
~ とある少女の心情変化 ~
初春「ただいまでーす!」
春上「おかえりなの」
初春「」クンクン
初春「あっ、いい匂いがします」
春上「今日はビーフシチューなの♪」
初春「いつもありがとうございます!! 先に着替えてきますね」
春上「うん」
・
・
・
「「では頂きます!!」」
初春「うん、美味しいです」 - 991 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:24:42.46 ID:Yj9nOpOt0
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春上「我ながら完璧にできたの」ニコッ
初春「……そういえば、春上さん何かいいことありました?」
春上「なんでそんなこと聞くの?」
初春「えっと、何だかいつもより嬉しそうな顔をしてるので」
春上「……」
春上(初春さん、意外に鋭いの……)
話は3時間前に戻る。
春上と枝先は、近道をする為に暗い路地裏を通っていた。
ナンパA「お嬢ちゃんたち、お兄さん達とこれから遊びに行かない?」
ナンパB「そうそう、いい所連れてってあげる?」
春上「……」
枝先「いえ、急いでるんで遠慮しておきます。衿衣ちゃん、行こう?」
春上「う、うん……」 - 992 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:25:23.87 ID:Yj9nOpOt0
-
ナンパA「まーまー、少しくらいいいじゃん」ガシッ
枝先「っ!?」
枝先「は、離して下さい!!」
ナンパB「俺達に付き合ってくれるなら、離してあげるよ」ニヤニヤ
枝先「っ!?」
春上(こ、困ったことになったの……)アセアセ
「おやおや、何事かと思えばこれはこれは」
現れたのは、15歳くらいのスーツを上品に身にまとい整った顔をした少年だった。
ナンパA「あ? なんだ、てめぇは?」
「自分ですか? 自分は……」
(腕章は家に置いて来てしまいましたか……) - 993 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:26:03.18 ID:Yj9nOpOt0
-
「そうですね……『軟派殺し』とでも名乗っておきましょうか」ニコニコ
ナンパB「はー? ふざけてんのか?」
「いえいえ、ふざけてなどおりませんよ。それより」チラッ
春枝「?」
「嫌がってる女性を無理矢理連れまわそうとするのは、どうかと思いますが?」
ナンパA「てめぇには関係ねぇだろうが!? 引っ込んでやがれ!!」
「……貴方方が、彼女達の前から姿を消したら引っ込んであげますよ」
ナンパB「むかつく野郎だな……おい、やっちまおうぜ?」
ナンパA「だな」
「……やはり、お話だけでは通じませんでしたか」
・
・
・
ナンパA,B「」チーン
- 994 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:26:56.29 ID:Yj9nOpOt0
-
「お見苦しいところを見せてしまいましたね。大丈夫ですか?」
枝先「……あっ、はい。ありがとうございました!!」ペコリ
春上「」ボー
「いえいえ。ここは貴女方のようなか弱い女性が通るところじゃありませんので、次からは気をつけて下さいね」ニコッ
枝先「は、はい!!」
「では、自分はこれで」
そう言い残し、その少年は、枝先と春上の前から姿を消していった。
枝先「ふぅ……助かったね、衿衣ちゃん」
春上「」ボケー
枝先「衿衣ちゃん?」 - 995 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:27:35.17 ID:Yj9nOpOt0
-
春上「……たの」ボソッ
枝先「え?」
春上「私の……王子様を……見つけたの」
枝先「」
枝先「……な、何ですと!?」
そして現在に至る。
春上「……内緒なの」クスッ
初春「なんですかー? 気になりますぅぅ」
春上(また、会えたら嬉しいの……)
- 996 :垣根ふもっふ ◆GYytgHdddo [saga]:2011/05/16(月) 21:28:32.43 ID:Yj9nOpOt0
-
以上で番外編終わりです!
あとこのスレ埋めてくれると超助かります!!
次スレでも超よろしくですの! - 997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 21:29:13.81 ID:57TSukXDO
- 乙!
梅 - 998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/16(月) 21:29:39.33 ID:bCet9p83o
- 乙
梅
2013年7月20日土曜日
土御門「新グループ結成だにゃー」R2 2
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