2013年10月10日木曜日

垣根「初春」佐天「飾利」

 
 ※未完作品
 
1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:55:31.39 ID:i1+RrfQj0
垣根→初春←佐天

見ての通りGL成分が含まれるかもしれません


キャラ崩壊してます
2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:56:23.68 ID:bBNFGjaSO
垣根「初春、俺の彼女になれ」

「それが告白ですか?」

垣根「悪い」

垣根「駄目、か?」

「ふふ」

「いいですよ」



垣根「!」

垣根「やった!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:57:04.57 ID:bBNFGjaSO
垣根「あれから一か月」

垣根(ようやく、念願の飾利とのデートだぜ!)

垣根(…)ソワソワ

垣根(髪型は変じゃねぇかな)

垣根(服も、いつもより高価なのを選んだぜ)

垣根(香水もつけたし、アイツの彼氏として恥じない格好だ!)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:57:35.29 ID:bBNFGjaSO
垣根(あとはデートプラン、っと)

垣根(まず、映画館で映画を見る)

垣根(飾利の好きなラブコメをチョイスしてやったぜ)

垣根(その後、ファミレスで飾利の好きなパフェを一緒に食べる)

垣根(今週一週間は、時間内に食べれるだけ食べ放題なのもチェックすみだ…)

垣根(そして夕方…)

垣根(肩を寄せあい…)

佐天「キス!!!!」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:58:20.44 ID:bBNFGjaSO
垣根「うわっ!」ビクッ

佐天「ああ、すいません」

垣根「気をつけろ」

垣根(……まあアイツが叫ばなかったら俺が叫んでいたから助かったけど)

垣根(それにしても…)

佐天「グヘヘ」ジュルル

垣根(さっきから独り言ブツブツと、気味悪いな)

垣根(飾利が毒されると悪いから場所変えるか)
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:58:55.28 ID:bBNFGjaSO
垣根「」スクッ

佐天「」スクッ

垣根「」スタスタ

佐天「」スタスタ

垣根「」ドカッ

佐天「」ドカッ

垣根「……」

佐天「……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 00:59:36.73 ID:bBNFGjaSO
垣根(……なんでコイツついてきてんだよ)

佐天「……」

垣根(まさか俺に気があるとかか?止めてくれよ、ルックスはまあまあだが好みじゃねぇ)

垣根「……はぁ」

佐天「……」

垣根「ハッキリ断るか」

垣根「ごめんなさい!彼女います!!」ガバッ

佐天「………………」

垣根「……」

垣根(スルー!?)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:00:13.74 ID:bBNFGjaSO
垣根「オイコラテメェ!なんか反応しろよ!」

佐天「はい?今のあたしに言ったんですか?」

垣根「そうだよ!ハッキリテメェの方みて言っただろうが」

佐天「はあ」

佐天「で、何がごめんなさいで?」

垣根「いや、お前は俺に惚れてんだろ?だから断った」

佐天「はい?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:00:39.60 ID:bBNFGjaSO
佐天「……惚れてませんよ」

垣根「え!?」ビクッ

佐天「てか、何を根拠にそんな恥ずかしい勘違いを」

垣根「……いや、だって……俺が移動したら…ついてきたし……」カアー

佐天「あれは…」

佐天「そっちがついてきたんでしょ?」

垣根「……はあ?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:01:12.36 ID:bBNFGjaSO
垣根「なんで俺が」

垣根「俺はただお前がグヘヘしてる変人と思って離れただけだ」

佐天「な!」ガーン

佐天「失敬な!グヘヘなんてしてませんよ!!」

垣根「してたよ」

佐天「……くぅ…そっ、そっちこそグヘヘしてましたよ!」カアー
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:02:15.02 ID:bBNFGjaSO
垣根「はぁ?なんで俺が」

佐天「だからあたしも離れようとしたの、そうしたら貴方も移動して同じ所に座った!」

垣根「反論ならもっとまともなことを言えよ」

佐天「本当ですもん!なんか映画がどーたら、ファミレスがどーたら、と」

垣根「なっ、テメェ…読心能力持ちか!?」

佐天「無能力者ですー、だから!貴方がグヘヘしながら呟いていたの!」

垣根「……」カー
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:02:43.85 ID:bBNFGjaSO
垣根「つまり」

佐天「お互い」

垣根「無意識に」

佐天「グヘヘしていたのね」
シーン

垣根「……よく見れば俺らの周り誰もいねーよ」

佐天「二人とも変人扱いされてましたか」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:05:08.26 ID:bBNFGjaSO
垣根「フッ」

垣根「実は俺よ、今日彼女と初デートなんだよ」

佐天「へー、おめでとうです」

垣根「ありがとよ、だからさ…いつもより気合いいれてたんだ」

垣根「入れすぎて思考がダダ漏れになっちまってたみたいだ」

佐天「……そうですか」

佐天「分かりますその気持ち」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:06:08.80 ID:bBNFGjaSO
佐天「……実は、あたしも今日初デートなんです」

垣根「へー奇遇だな」

佐天「昨日は夜遅くまでデートプランをねってて、少し寝不足ですよー」フア…

垣根「お前がねるのかよ、相手じゃなくて?」

佐天「ええ、付き合う前から、あたしがいつも引っ張ってましたから」

垣根「ハッ、そいつは情けねぇヤツだな」

佐天「そんなことないです!」ム

佐天「イザという時はやるんですよ!風紀委員やってますもん!!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:06:36.96 ID:bBNFGjaSO
垣根「へー」

垣根「俺の彼女も風紀委員やってる…」

佐天「奇遇ですね、なんだろうコレ」

垣根「まったくだぜ、しかも風紀委員なのに体細いし、体力もねぇ」

佐天「……」

垣根「俺が守ってやらなきゃ、と思う」

佐天「そうですか」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:07:16.24 ID:bBNFGjaSO
垣根「甘いものが好きでさ、まったくガキだよな、と思うが」

垣根「今ではそれが堪らなく可愛い」

佐天「またまた奇遇ですな、あたしの相手も甘いもの好きです」

垣根「マジ?男で甘いもの好きとか、ナヨナヨしたのが鮮明に見えるぜ」

佐天「……」

垣根「ああ悪い悪い、イザという時はやるんだったな」

佐天「いや」

佐天「男、じゃないですよ」

垣根「は?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:07:55.34 ID:bBNFGjaSO
垣根「どういうことだよ」

佐天「そのまんまの意味です」

垣根「……」

垣根(……なんだアレか?レズってヤツ?)

垣根(うわー少し和んだ自分が馬鹿だったよ)

垣根「……」

垣根「……ん?」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:08:37.27 ID:bBNFGjaSO
垣根(……待てよ)

垣根(弱々しくて甘いもの好きで風紀委員所属の女)

垣根「……」

垣根「……まさか、な」

佐天「あたしも今それを疑問に思っていたんですよ」

垣根「!」

垣根「……」

垣根「お互いの彼女の最大の特徴を言い合ってみるか」

佐天「……はい」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:09:06.11 ID:bBNFGjaSO
垣根・佐天「せーの」


垣根「うなじ!」 佐天「パンツ!」

垣根「…」

佐天「…」

垣根「違ったな」

佐天「特徴というより好きな所を言ったような気がしますが、まあいいでしょー」

垣根・佐天「あははははは」

「懸念通りですよ」スタスタ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:09:40.78 ID:bBNFGjaSO
垣根・佐天「!」

垣根・佐天「か、飾利!!」

垣根・佐天「……え!?」

垣根・佐天「……」

「そうです、私は垣根さんと佐天さんで二股をしていました」

垣根・佐天「!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:11:54.52 ID:bBNFGjaSO
垣根「……な」

佐天「嘘だ…」

「現実です」

垣根「そんな、飾利…」

佐天「飾利…嘘って言ってよ…」

垣根・佐天「……飾利ッ」

垣根・佐天「……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:12:41.40 ID:bBNFGjaSO
垣根「てかお前飾利っていうのやめろよ」

佐天「そっちこそ」

垣根「なんでだよ、俺は飾利の彼氏だ」

佐天「あたしが!彼氏!!」

垣根「お前女だろ!付き合えねーし!彼氏じゃねーよ」

佐天「あ、今垣根さん差別した!恋愛に性別なんか関係ないんですよ!」

垣根「うるせぇぇよ!気にしろ!!」

佐天「差別!常識が通用しない頭カッチン!」

垣根「なんだとおおお!?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:13:22.20 ID:bBNFGjaSO
垣根「お前、マル秘資料によると飾利のスカート捲るのが習慣らしいじゃねーか」

佐天「だから付き合うなと?」

垣根「ま、それもあるけどさ、捲る時『うーいーはーるー!』を掛け声にしてんだろ?」

垣根「せっかくその掛け声を、みんなに浸透させたのに『飾利』とか呼んで、その業績壊す気かよ」

佐天「く!」ギクッ

垣根「そんな無責任な野郎に飾利は任せられねぇ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:13:50.62 ID:bBNFGjaSO
佐天「ぐ!」

佐天「それを言うなら貴方だって、かつて飾利に●●したらしいじゃないですか!」

垣根「分かってる」

佐天「そんな口より先に手が出る男に飾利を任せられない!!」

垣根「……」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 01:14:23.47 ID:bBNFGjaSO
佐天「飾利っ!こんな●●捨てるために女を好きになる男と付き合うの?」

垣根「テメ、おい飾利!こんな●●捨てるために女を好きになる女と付き合うのか!?」

佐天「あたし!」

垣根「俺だ!」

「…………」


「私が空気になってるんですよっっ!!」ガオッ

垣根・佐天「はい!」ビクビクッ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:32:49.27 ID:bBNFGjaSO
「いつもいつも自分のペースなんですよね二人共」

佐天「すいません」

垣根「そんなつもりは…ねぇんだよな」

「そのマイペースさが嫌いです」

佐天「な!」

垣根「き、嫌い!?」

「しかも他に好きな人もできました」

垣根・佐天「!!!!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:33:17.42 ID:bBNFGjaSO
垣根「俺か!?」

佐天「わ、私よね!」

「貴方達の他に、って言ったでしょ!」クアッ

佐天「!」ビクッ

垣根「…………」

垣根「じゃあ……」

垣根「俺のことは好きじゃないのか」

「はい」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:33:53.07 ID:bBNFGjaSO
佐天「……そんなぁ」

垣根「だっ、誰だ!その想い人は!!」

「……」

佐天「く…」ゴクッ

垣根「早く言えよ!」

「……」

「言いませんー」

佐天「はい!?」

垣根「んだとぉ!?」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:34:52.30 ID:bBNFGjaSO
「ではさよなら」

垣根「そんなの納得できねーぞ!飾利!!」

佐天「待って飾利!」

垣根「てかお前、飾利って言うのをやめろって言っただろうが!」

佐天「そっちこそ!」

ボカボカ

ガスガス

「……はあ」

ボカボカ

ガスガス
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:35:27.34 ID:bBNFGjaSO
垣根「あっ!」

佐天「飾利がいない!」

垣根「ちくしょう、見失った…」

佐天「貴方が因縁つけてきたから!」

垣根「…………すまん」

佐天「はあ」

佐天「それにしても、誰なんだろ…飾利の好きな人って」

垣根「さあな」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:37:25.33 ID:bBNFGjaSO
佐天「気になりません?」

垣根「なるさ」

垣根「でもよ…」

垣根「知ったところで飾利が俺に振り向いてくれるわけじゃ…ねえじゃねえか!」

佐天「……う」

垣根「意味ねーよ!惨めになるだけだ」

垣根「終わったんだよ…俺らの初恋は」

佐天「く」

パンツ…

垣根「……」

垣根(パンツ……?)

垣根「いっ、いきなり何しやがる!」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:37:59.56 ID:bBNFGjaSO
佐天「意味ならあるさ」

佐天「その人に会って…自分に何が足りないか、知るんですよ」

垣根「それが惨めってんだ!」

佐天「そうでしょうね、でもあたしはなるべく飾利の好きな人に近付きたい」

佐天「惨めだろうが、ただの自己満足だろうが…そうありたい」

垣根「……」

垣根「……そうだな」

垣根「その後、飾利がソイツとウマくいくように願っていくか」

佐天「はい」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:39:49.18 ID:bBNFGjaSO
垣根「つーことで、まず誰か調べるか」

佐天「はい、でもどうやって」

垣根「簡単だ」

垣根「ふん」バサッ

佐天「似合わない翼だな」

垣根「いきなり偉そうな口調になってんじゃねえよ、自覚はある」

佐天「で、その『メルへウィング』でなにを」

垣根「誰が『メルへウィング』だ!デ●モンの技みたいな名前つけやがって!これには『未元物質(ダークマター)』って名前があんだよ!」

佐天「あんまり変わんない」

垣根「く…自覚はある」

佐天「なかったよね」

垣根「もーうるせえ!これで飾利から聞き出す」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:41:18.39 ID:bBNFGjaSO
佐天「それで聞けるんですか?」

垣根「いや、この翼自体にはそんな力ねえよ」

佐天「へ?じゃあ」

垣根「こうする」



初春の部屋

の外の窓枠

佐天「そこに翼の力で引っついて、飾利の会話を盗み聞きするメルヘン」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 18:42:17.97 ID:bBNFGjaSO
佐天「垣根さーん!マズいですよコレ!!」ボソボソ

垣根「だったらどうすんだよ、こうやって毎夜毎夜盗み聞きするしかないだろ」ボソボソ

佐天「そうですけど…端から見れば完全なる変態です!」ボソボソ

垣根「安心しろ、自覚はある」

佐天「あったら尚更重傷だ!」

垣根「静かにしろよ、聞こえねえだろ」

佐天「ああ、警備員来ないでね…」

垣根「お前は下で待機なんだからいいだろ」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:01:52.90 ID:bBNFGjaSO
垣根「……」ジー

佐天「……」ドキドキ

垣根「む」


『……ナイショですよ』

春上『うん、誰にも言わないの』

『じゃあ、言います』

垣根(クソ、俺たちには何も言わなかったのに!)

『私が好きな人は…』

垣根「……」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:02:45.27 ID:bBNFGjaSO

『一方通行さんって人です』

垣根「!!??!!?」

垣根「まさか……よりにもよって一方通行だと…?」

垣根「」フラッ

ヒュー

佐天「りんご、ゴリラ、ラッパ」

佐天「ん?」

ゴスッ

佐天「あぎゃん!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:03:38.12 ID:bBNFGjaSO

『ん……?』


垣根「……まずっ…」スタコラ

佐天「」


『なんでしょう、今の音』ガラッ

「……気のせいでしたかね」

パタン

垣根「ふぅ…」

佐天「」

垣根「ったく…ボケッと立ってんじゃねえよ」

佐天「貴様が勝手に落ちてきたんだろ!」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:05:52.69 ID:bBNFGjaSO
佐天「で、なんで落ちたんですか」

垣根「ああ」

垣根「分かったんだよ、飾利の想い人が」

佐天「え!?」

垣根「聞いて驚くなよ」

佐天「はい」

垣根「第一位の一方通行って野郎だ」

佐天「品質がいい標識かなにですか?」

垣根「もういいよそういうの」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:07:22.53 ID:bBNFGjaSO
佐天「超能力者の…!?」

佐天「なんでそんな人…まさか、玉の輿でも狙っているんですか飾利は!」

垣根「まー、惚れた理由は大体予想つくが…一番きて欲しくなかったな」

佐天「……垣根さんはその一位と知り合いなんですか」

垣根「ああ」

垣根「俺の中の大嫌いなヤツランキングでは二位くらいに位置してる」

佐天「それは聞いてませんわ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:08:22.29 ID:bBNFGjaSO
佐天「嫌いだからって悪口言うのはどうかと、飾利の好きな人ですよ」

垣根「知ってるよ、でも問題があるんだよ」

佐天「問題?」

垣根「ああ、ソイツは連れのガキにご熱心だ、とても飾利に振り向くとは思えねえ」

佐天「だっ、だったら説得して…」

垣根「そんな飾利の気持ちを勝手に伝えるようなマネできねーよ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:09:03.29 ID:bBNFGjaSO
佐天「ぐう…」

垣根「しかもだ」

佐天「まだ障害が?」

垣根「なんせ血も涙もない野郎だからな」

垣根「告白断るだけでなく、飾利に大きな傷残すこと間違いなしだ」

佐天「!」

佐天「そ、それは…」

垣根「許せないだろ」

垣根「だから消す」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:09:46.07 ID:bBNFGjaSO
佐天「はああ!?」

垣根「お前は飾利が傷つく所を見たいのかよ」

佐天「でも消すとか、飛躍しすぎな気がするなあ」

垣根「だったら俺一人でやる」スタスタ

垣根「ついてくるか、こないかは、お前が選べ」スタスタ

佐天「……」

佐天「……」

佐天「……」

垣根「来いよぉー!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:11:02.17 ID:bBNFGjaSO
垣根「なんでそこで惚けているんですかね!佐天サンよ!!」

佐天「いや、お前が選べと言ったからパスした」

垣根「それはついてこい、ってことだよ!!」グスグス

佐天「まー、いいですけど…」

垣根「ありがとうございます!」ガバッ

佐天「はいはい」

佐天「でも第一位ってことは最強ですよね、消すとか無理でしょ」

垣根「考えがある」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:15:04.91 ID:bBNFGjaSO

佐天「……」

垣根『(アイツは常にご熱心のガキといる)』

佐天(本当にいる…)

ミサカハミサカハ

ウゼェ

垣根『(佐天、お前はそのガキを誘拐するだけでいい)』

垣根『(後は俺がなんとかする)』

佐天(っても…一回負けてる人に言われても)
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:16:04.65 ID:bBNFGjaSO
佐天(とりあえず…)


佐天「はーい、風船はいりませんかー?」

打ち止め「あ、欲しい欲しい!ミサカあれ欲しい!ってミサカはミサカはねだってみる!」

一方通行「あァ?ンなモン貰ってどォするンだよ、すぐ萎むのによ」

打ち止め「むー、なんでそういう現実的なこというのー!ってミサカはミサカは憤慨してみる」

一方通行「現実だからだろォが」

佐天「まあまあ」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:16:40.05 ID:bBNFGjaSO
佐天「無料ですから、お一つどうですか?」

打ち止め「フッフッフほらほらーってミサカはミサカはアピールしてみたり」

一方通行「チッ、好きにしろよ」

佐天「はいはい」

佐天「ホラ」スッ

打ち止め「わーい」

佐天「」グ

打ち止め「ひゃっ!?」ガバッ

佐天「わははははははははは」ダダダ

打ち止め「さ、さらわれるー!ってミサカはミサカは!?」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:17:23.08 ID:bBNFGjaSO
一方通行「なっ…」ピッ

佐天「わははははははははは」ダダダダダ

一方通行「」グッ

垣根「待った」バッ

一方通行「あン?」

一方通行「!?」ガクン

一方通行(な、代理演算が……まさか妨害電波か…いや、それは弾く…はず)

ドサッ

垣根「はは」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:17:59.95 ID:bBNFGjaSO
垣根「打ち止め誘拐はフェイク」

垣根「ただお前のスキを作り出すため」

垣根「そう、ミサカネットワークの電波を遮断する未元物質で包んだ空間を作り出すためのな」

垣根「フフ、呆気ねえな」

垣根「[ピーーー]よ」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:18:25.58 ID:bBNFGjaSO
一方通行「gntp」

一方通行「brnjhtwve死kanzy」

垣根「」

垣根「しまった!」

垣根「これがあった!」ダクダク

一方通行「」

ドシュウウウウウゥゥゥ………

垣根「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…」オオオオオォォォォ……
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:19:12.09 ID:bBNFGjaSO
一方通行「kicrpm潰egajup」

バキィ

一方通行「」ヒュッ

一方通行「」


佐天「わははははははははは」

打ち止め「早さに酔って、きもちわるい…ってミサカは…」

ギィィィン

佐天「ん?」

一方通行「」

佐天「ええーっ!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:19:38.97 ID:bBNFGjaSO
佐天(垣根さんなにやってんのー!)

一方通行「」

佐天「」

佐天(なにあの黒い翼)

佐天(……死んだな)

一方通行「」

ドシュウウウウウゥゥゥ…………

佐天「ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」オオオオオォォォォ……

一方通行「フン」

キラン
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/28(木) 23:20:11.17 ID:bBNFGjaSO
学園都市の外周部

垣根「……」ボロ

佐天「……」ボロ


垣根「いやーあの技を忘れてた完敗だ」

佐天「もういや」

65 :12011/04/30(土) 00:57:24.34 ID:SGBYfLwSO
1ですレスありがとうです

今回BL注意です
66 :12011/04/30(土) 00:58:04.29 ID:SGBYfLwSO
垣根「……」

佐天「……」

垣根「く…」

垣根「さて…」ググ

垣根「体中痛いが…」

佐天「…」

垣根「リベンジいくぞ」

佐天「君のその自信はどこからくるの?」
67 :12011/04/30(土) 00:58:38.46 ID:SGBYfLwSO
佐天「今惨敗したばかりでしょ!」

垣根「諦めない気持ちがある限り負けないんだよ、人間は」

佐天「……!」

垣根「さあ…いくぜ」ダッ

佐天「……」

佐天「……」

佐天「……」


垣根「コラァ!佐天くぅぅん!?」
68 :12011/04/30(土) 01:00:12.47 ID:SGBYfLwSO
垣根「ウワアアン!」

佐天(……大泣きしてる)

佐天「まず具体的な作戦を教えてください、それが現実的かで判断します」

垣根「最近のガキは冷めてやがるな…」

垣根「要は第一位が飾利を傷付けなければいいんだ」

垣根「結論、そうなれば第一位を倒さなくてもいい」

佐天「おもいっきし妥協してますね」

垣根「うるせえよ」

垣根「で、立てた作戦な」
69 :12011/04/30(土) 01:00:52.47 ID:SGBYfLwSO
垣根「ヤツを丸くする」

垣根「打ち止め以外にも優しくできるようにする」

佐天「はあ…」

佐天「無理じゃないですか?さっきの件で信用ゼロですよあたし達」

垣根「大丈夫」

垣根「俺がヤツをオトす」

佐天「え!?」
70 :12011/04/30(土) 01:01:54.57 ID:SGBYfLwSO
佐天「オ、オトす…って、惚れさせるってことですか!?」

垣根「ああ」

佐天「ア、アンチスキル!」ピッピッ

垣根「コラ!何してやがる!!」

佐天「変態がいます!」

垣根「早く消せ!お前も似たようなもんだろコラ!!恋愛に性別は関係ないっていったの誰だよ!!!」

佐天「でも仲良くなるのさえ難しいのに、惚れさせるなんて尚更…」

垣にーさま「安心しろ、エンディングは見えてる」

佐天「えっ」
71 :12011/04/30(土) 01:04:58.55 ID:SGBYfLwSO
佐天「一位さんは、打ち止めちゃんっていうあの子にご熱心じゃないんですか?」

垣根「なにいってんだよ、だったら俺が打ち止めになりきればいい」

佐天「なるほど」

垣根「そうすればヤツをオトすのは簡単だ」


垣根「弱いんだよ」

垣根「いっぱい傷ついて、手の中の物を守れなかったばかりか、それをすくっていた両手もボロボロになってる…」

垣根「今度はカキネが守ってあげるんだ」

佐天「おおなりきれてる!気持ち悪い!!」
72 :12011/04/30(土) 01:07:50.48 ID:SGBYfLwSO
垣根「じゃ、いくぞ」

佐天「ちょ、待ってくださいよ、あたしは垣根さん程丈夫じゃないんですからまだ動けません」

垣根「情けねぇな、たかが音速の数十倍で飛ばされた程度で」

佐天「あたしは無能力者の中一ですー」

垣根「分かった分かった、これは俺一人でも十分だから、そこで寝てろ」

佐天「ありがとうやす!」

佐天「健闘を祈ります!」

垣根「おお」バサッ
73 :12011/04/30(土) 01:08:44.13 ID:SGBYfLwSO
ヒュー

佐天「……」

佐天「いてて」

数時間後

ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…………

佐天「ん?」

ドゴッシャアアアアアアアアアアァァァン!

佐天「ぶわっ!」ガラガラ

佐天「……なんだ…」

佐天「あ!」

垣根「」

佐天「垣根さああああああん!」
74 :12011/04/30(土) 01:10:03.10 ID:SGBYfLwSO
佐天「垣根さん!大丈夫ですか!」

垣根「……ぐ、悪い」

垣根「作戦失敗だ…」

佐天「無理して喋らないで!」

垣根「ヤツはもう精神的に強くなってた」

佐天「それ以前の問題だと思いますが!今はいいや垣根さん!!」

垣根「…………フフ」

佐天「垣根さん…?」

垣根「……飾利の、笑顔…もう一度だけ、見たかったな…」

パタ
75 :12011/04/30(土) 01:11:35.81 ID:SGBYfLwSO
佐天「垣根…さん…?」

垣根「」

佐天「……」

佐天「垣根さあああああああああああああああん!!!」

佐天「……うう」ポロポロ

佐天「…」グッ…

垣根さんは志半ばで息を引き取った
だからあたしは行く

垣根さんの成し遂げられなかったものを完遂するために
別に強制はない
ここで投げ出しても構わない

だがあたしがやりたいのだ
必ず、学園都市最強の超能力者『一方通行』をオトす
76 :12011/04/30(土) 01:13:06.11 ID:SGBYfLwSO
こうして佐天は学園都市を囲む壁を登る
登って登って登りまくる

そして天辺までついたら、中へ飛び降りる
着地の際、雷を送り込まれたような痛みが足に走るが気にしない

行く
一方通行のいる第七学区へ

まるで暴走した猪のごとく周りを気にせず走る佐天

そんな彼女の鼻にほのかな香りが舞い込んできた

それはトンコツスープ
今まで食べたどのスープより濃厚そうで、食欲をそそる誘惑に佐天の足は立ち止まる

スープの手招きに誘われ、フラフラと向かう
その先にあった店、その看板を見て佐天は絶句する

ここは、雑誌などでよく話題にあがる伝説のラーメン屋ではないか
77 :12011/04/30(土) 01:14:22.51 ID:SGBYfLwSO
手が、脳が指令を送るより先にドアを開ける

ムワッとする熱気
普段なら不快に感じるだろうこの感覚も、先程の衝撃で快感となっていた

接客にきた定員に席に誘導させられる
有名な店だがお昼時も過ぎ、割と空いていた


佐天は席に座り、メニュー欄も見ず注文をする
選んだ品は言うまでもない

この店の代表作

佐天「トンコツラーメン一つ!」

垣根「コラアア嗚呼アアアアああアアアアア!?!」
78 :12011/04/30(土) 01:16:08.38 ID:SGBYfLwSO
今回おしまいです

では
79 :12011/04/30(土) 01:19:46.32 ID:SGBYfLwSO
あ、ていとくんは一方さんを惚れさせて愛を教えて、丸くさせるつもりでした
書くの忘れてた
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/04/30(土) 03:33:29.45 ID:pEl6YADAO
ちくしょうおもしれーじゃねえか支援!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/05/01(日) 02:07:50.25 ID:dJUGeiHuo
とても好みなので続けてください
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:08:15.35 ID:HvLdRsiSO
垣根「てめ!なにラーメンくってやがる」

佐天「すいませんつい」ズルズル

垣根「食うのをやめろ!」

佐天「すいません」ズズズ

垣根「スープ飲むのもやめろ!!!」

佐天「もったいないなあ」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:08:54.30 ID:HvLdRsiSO
垣根「さて次の作戦いくぜ」

佐天「まだ諦めてなかったんですか!?」

垣根「あたぼーよ、飾利のため」

佐天「諦めろよ、アンタじゃ倒せない」

垣根「無能力者が言ってくれるじゃねえか、まるで自分なら倒せるような物言いだな?」

佐天「勿論」

垣根「マジか、教えてみろ」

佐天「はい」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:09:29.60 ID:HvLdRsiSO
佐天「あの黒い翼を一度くらって分かりました」

垣根「なにが」

佐天「あれはAIM拡散力場の集まりだす」

垣根「知ってるよ、だから苦労してんだろ」

佐天「だったらそれがない学園都市外に出て戦えばいい」

垣根「なるほど!」

佐天「ま」

佐天「今までから察するに、絶対失敗しそうだから実行しないけどね」

垣根「おい!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:10:17.34 ID:HvLdRsiSO
垣根「しろよ!頑張れよ!!」

佐天「無理ですって、どーせ見落としか勘違いがあって、やられるんですよ」

垣根「だったらどうすれば…」

佐天「だから諦める…」

垣根「それをしたら飾利が傷つくって何度いったら…!」

佐天「いいんじゃないですか?」

垣根「あぁ!?」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:10:44.88 ID:HvLdRsiSO
垣根「見損なったぞ佐天!いけ好かないが、良きライバルと思ってたのに」

佐天「……」

佐天「恋、っていうのは傷ついて学ぶんですよ」

垣根「!」

佐天「例え告白が成功しても時間が経つにつれ、不仲となり傷つくかもしれない」

垣根「!!」

佐天「傷つかない恋は恋じゃない」

佐天「垣根さんやあたしの考えは綺麗ごとです」

垣根「あああああ!」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:11:11.46 ID:HvLdRsiSO
ガクン

垣根「……そうだ…俺は飾利のためを想っていたのではなく…」

垣根「自分の感情を飾利に押しつけていただけかもしれない」

佐天「……」

垣根「……フッ」

垣根「俺は飾利の夫失格だ」

垣根「あばよ」

垣根「二度と飾利の前には現れねえ」ザッ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:11:47.25 ID:HvLdRsiSO
ガシッ

佐天「……」

垣根「佐天…」

佐天「なにいってるんですか」

佐天「垣根さんの間違いなんて悔い改めればいいだけ」

佐天「去る必要なんてありません」

垣根「だけどよ…」

佐天「諦めきれるんですか?」

垣根「…」

垣根「きれねえ」

垣根「飾利の夫になりてえよ!」

佐天「だったら戻りましょう」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/02(月) 10:12:35.91 ID:HvLdRsiSO
垣根「ふん」

佐天「?」

垣根「はじめて…」

垣根「去る俺についてきてくれたな」

佐天「……ライバルですから、いなくなるのは寂しい」

垣根「フ」

垣根「じゃあ、いこうぜ!!」

垣根「一方通行を倒しに!!」

佐天(この人は頭はよくても、学ばないことが分かった)
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 20:59:17.13 ID:HvLdRsiSO
佐天「じゃ」

垣根「オイ」

佐天「だから無理ですってソレは、マンネリなんですよ」

佐天「しかもさっき自分の感情を押しつけない言ったじゃないですか」

垣根「ああ、だけどやられっぱなしは性にあわねーんだよ」

佐天「…」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:01:11.51 ID:HvLdRsiSO
垣根「ヤツの反射を逆手にとり、攻撃を引き戻すことで内側に反射させヒットさせたやつもいた」

佐天「存在が過去形の時点でもうやりたくない」

垣根「ヤツが無害と判断して受け入れているベクトルを、未元物質で同じベクトルのまま有害なものに変質させてヒットさせたやつがここにいる」

佐天「アンタは負けたでしょ」

垣根「とにかくアイツは最強であって無敵じゃねーの、スキはある」

佐天「………………………………………………………………………………………………………………分かったぜ……………………!」

垣根「やる気ねーな!!」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:03:44.15 ID:HvLdRsiSO
佐天「じゃまずクレープでも買って食べません?」

垣根「お前ラーメンくってただろ」

佐天「成長期だし」

垣根「奢らねえぞ」

佐天「奢ってよ」

垣根「奢らねえ」

佐天「奢らねえ」

垣根「奢らねえ」

佐天「……」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:04:50.31 ID:HvLdRsiSO
佐天「奢ってよ」

垣根「奢らねえ」

佐天「奢ってください」

垣根「奢らねえ」

佐天「死ね奢ってください」

垣根「お前が死ね奢らねえ」

佐天「奢る」

垣根「奢る」

佐天「え?奢ってくれるの?ありがとう!なんて優しいの、そんな気なかったのにー!!」

垣根「黙れ!!」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:06:53.15 ID:HvLdRsiSO
場面離れてバチカン

ヴェント「……だ、誰だテメェ!」

???「」

ヴェント「あ」

キュイイイン

ヴェント「……」

ヴェント「科学はキライ、科学はニクイ」

ヴェント「はは」

???「前方のヴェントの、9月30日以降の記憶は消した」

ヴェント「学園都市に侵攻開始☆」

???「天罰術式も再生させた」

???「楽しみだな」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:08:50.16 ID:HvLdRsiSO
垣根「あああああ……飾利の花飾りを買う為お金が」

佐天「そういうのは…モグ、一生懸命働いてゴクン、…稼いだ人が言える言葉マグ、…」

佐天「ゴクン、どーせ奨学金をおろしてきただけでしょ?」

垣根「あーそうだけど!?てかそうだけどお前には言われたくねえ!!」

佐天「おいしかった、ゴチになりました」

垣根「返せよ」

佐天「……」

佐天「垣根さん、今、貴方の目には何が見えてますか…?」

垣根「心が汚れた女」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:13:00.51 ID:HvLdRsiSO
垣根「未元物質アターック!!」ガアアアア

佐天「バットから風を発し、それを空気中の風とぶつけ、その境目からかまいたちを飛び出させる!!なんてことあたしはできないし、理論が成立してるかも分からない!だから普通にバットアターック!!!」ギャアアアアアン

クレープ屋(うるさいな…)



垣根「あー疲れた」バタ

佐天「本当ですよ」

佐天「ということでクレープ…」

垣根「もう黙れ!!」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:15:55.76 ID:HvLdRsiSO
垣根「もー閉まっているよ」

佐天「ゲッ!もう真っ暗だ」

垣根「そうだよ、夜道こえーよ連れて帰ってよ」

佐天「いやですよ」

垣根「じゃー俺ここで一夜を明かす、強姦されたらお前のせいな」

佐天(むしろ掘られろ…)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:18:35.30 ID:HvLdRsiSO
佐天「分かりましたよ」

垣根「よしー!」

垣根「…」

垣根「じゃさっさと行くぞコノヤロー!遅れたらテメーの髪の毛を引きちぎるぞ!!」

佐天(ああ…面倒くさい……)

夜道

垣根「ああ…マジでなんか出そう」

佐天「出ませんよ、お化け信じるんですか?この街の人間なのに」

垣根「飾利が天使なんだから、そういう存在もあっていいと思う」

佐天「なるほど!」

バゴーン!!

垣根・佐天「出たあああ!お化けええええ!!」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:20:10.45 ID:HvLdRsiSO
垣根「……ん?」

ヴェント「……」

垣根「佐天落ち着け、足があるぞ」

佐天「本当だ…良かったあーお化けじゃなくて」

ヴェント「いい街ね」

垣根「は?」

ヴェント「もっと早く制圧が進むと思っていたのだけど」

佐天「垣根さん…」

垣根「ああ」

垣根「お化けじゃねえが、穏やかな人でもねーな」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:22:33.55 ID:HvLdRsiSO
ヴェント「せいかーい!あるターゲットを殺しにきました、アハ!」

佐天「ターゲット…?」

ヴェント「そのためには学園都市は滅びてもらわなくちゃなあー」

垣根「なんだと!?」

佐天「そんなことさせない!!」

ヴェント「……?」

垣根・佐天「お前を止める!!」

ヴェント(……コイツラ、敵意がないの?)
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:23:59.51 ID:HvLdRsiSO
ヴェント(チ、なんでか知らないけどメンドくさ…)

ヴェント「ホラア!」ビュゴッ!

バゴーン!!

佐天「……あ!」

垣根「今壊したのは…」

垣根・佐天「飾利のお気に入りのパフェがあるファミレス!!」

ヴェント「ゴメンゴメンー、手が滑っちゃったあ!エヘッ!!」

佐天「垣根さん…」

垣根「教育が必要だな」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:24:32.54 ID:HvLdRsiSO
垣根「未元物質ァァァァ!!」バサッ

佐天「バット!」

ヴェント「……」

ヴェント(明らかに敵意丸出しなのになんで天罰がきかないのよ!壊れたの!?)

ヴェント(いや、そんなことはない!ちゃんと発動してる…馬鹿な、アイツら敵意なしに戦ってるってワケ!?)

ヴェント(フィアンマ並に狂ってやがる…)

垣根と佐天が憤る
そこにあるのは敵意なき哀れみ

飾利のいる学園都市を滅ぼそうという
人生の生きがいを自分で摘もうとしている行動

そんな彼女が二人は哀れでならない
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:26:10.18 ID:HvLdRsiSO
垣根「はああ!」ゴアッ!

ヴェント「チィ!」ギュアッ

バーン!!

ヴェント(今ので相殺かよ、そういえば超能力開発してるんだったな…つくづく厄介で気持ち悪い街!)

垣根「今だ!!」

佐天「だああ!」

ヴェント「!」

佐天「必殺!」

佐天「キャパシティダウン発動機械オールデストロイバットブレイカー!!」グアッ

ヴェント「く、ああああ!!」ビュッ!
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:28:14.20 ID:HvLdRsiSO
佐天「あぶなっ!」ヨケル

ドーン

ヴェント(危なかった…)

垣根「必殺技名長ぇよ!せっかくのチャンスを棒に振りやがって!!」

佐天「メンゴメンゴ」

ヴェント(ふざんけんじゃないわよ…神の右席である私がこんなヤツラに振り回されて……)

垣根「ああああああああ!!」

佐天「キャパ(ry」

ヴェント「舐めてんじゃねえよクソガキ共ぉぉぉぉ!!」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/05/02(月) 21:29:27.77 ID:HvLdRsiSO
佐天(彼女は知らないだけだ、飾利の天使っぷりを)

垣根(それだけだ…)

二人が攻撃に込める感情は『慈愛』

学園都市を滅ぼそうとするヴェントに飾利の天使っぷりを教えてあげよう
救ってあげよう、やりなおす機会をあたえよう
という優しさしかない

だから敵意なんて微塵もないんだ

垣根「未元鈍器(ダークハンマー)!」

ヴェント「ぐはあ!」グラッ

佐天「うおおおおおお!」

佐天「もう一度やり直してこい!大馬鹿野郎!!」

ガアアアアアア………ン

ヴェント「」ドサッ
112 :12011/05/03(火) 00:08:24.46 ID:swr7Vc4SO
佐天「ふぅ…」

垣根「終わった」

ザッ

垣根「……ん?」

「……………チッ」

垣根・佐天「!!」

佐天「飾利…」

垣根「なんでここに」

「貴方達がストーカーだからですよ」
113 :12011/05/03(火) 00:09:06.68 ID:swr7Vc4SO
「私の家を覗いていましたよね」

垣根「ギクッ」

「気持ち悪いです」

垣根「気持ち、悪い……ッ!?」

「ハイ、キモいってヤツです」

佐天「飾利っ!言い過ぎだよ!!」

「痴漢女に言われましても」

佐天「痴漢女!?」

「ハイ、捕まるべきです」
114 :12011/05/03(火) 00:09:33.43 ID:swr7Vc4SO
垣根・佐天「」ガクッ

垣根「……」ズーン

佐天「……」ズーン

「」

佐天「でも!」

垣根「諦めないぜ!」

「……はあああああああああああああああああああああああああああ…………………………」

佐天(すごい溜め息された)

垣根(相当嫌われてんな)

「?」

ヴェント「」

「ははっ」ニヤリ
115 :12011/05/03(火) 00:10:02.69 ID:swr7Vc4SO
「警備員さーん!この人達暴行してまーす!!」

佐天「なにいーっ!」

垣根「クソが!そうきたか!!」

垣根「ずらかるぞ!」

佐天「はい!」

「……」

「いかないで!」

垣根・佐天「!?!」
116 :12011/05/03(火) 00:10:54.31 ID:swr7Vc4SO
「私を…独りにしないで…」

垣根「」ドキーン

佐天「」ドキーンチャン

垣根「佐天!」

佐天「はいっ!」

垣根「飾利…もう泣くな」

佐天「離れないから」

ガチャ

垣根「へ?」

佐天「へ?」

「ほ」
117 :12011/05/03(火) 00:12:51.94 ID:swr7Vc4SO
「私が作った手錠です」

―――――――

警備員「連行する」

垣根「飾利!俺たち…すぐ戻ってくるからな!!」

佐天「絶対!約束するから!!」

「警備員さん、お願いします」

警備員「ああ、ご苦労様」

垣根・佐天『飾利いいいいいいいい』

ブロロロ…

「もう帰ってこないでくださいねー」
123 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:03:03.60 ID:1QVpHuDSO
留置所

垣根「…」

佐天「垣根さん」

垣根「…!」

垣根「なんだ?」

佐天「壁ごしですが聞こえますか」

垣根「まあな」

佐天「脱走しましょ」

垣根「無理だろ、一週間ぐらい我慢しようぜ」

佐天「ですがあたしは学校が…」

垣根「どーせ授業はボーッとしてんだろ?それよかここで自分を見つめ直してみる方が有意義だと思うぜ」

佐天「垣根さんに言われましても説得力がない」

垣根「壁ごと吹き飛ばすぞ」
124 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:03:47.14 ID:1QVpHuDSO
佐天「うおっ、でも能力使えないんですよね」

垣根「ああ、乱される装置が付いてるからな、無理して使うと暴走する」

垣根「だから大人しくしてろよ」

佐天「はいー」

垣根「あ、そうだ」

佐天「?」

垣根「あの黄色の風使い覚えているか」

佐天「ええ、飾利の愛を知らない人ですか」

垣根「アイツの風…なんか違和感感じなかったか?」

佐天「違和感…」
125 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:05:07.04 ID:1QVpHuDSO
垣根「俺らの知る、風使いの出す風とは…何かが違う…」

佐天「…………………………………………………………………………………………………」

佐天「ええ、あたしも一応風の能力者なんで、違和感がバリバリでした」

垣根「分かってないだろ無能力者」
126 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:06:13.99 ID:1QVpHuDSO
佐天「まー垣根さんが言うならそうなんじゃないですかね」

垣根「テキトーだなオイ」

垣根「空力使いのオマエがそれを解析すれば脱走可能かもしれないんだぜ」

佐天「!」

垣根「どーだ?解析してみよーぜ、違和感からあの風の法則を暴き出す」



シーン




垣根「やる気出せよ!」
127 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:08:12.38 ID:1QVpHuDSO
佐天「人間、能力だけで人生は決まらないんで」

佐天「楽しければいいんですよ」

垣根「ポジティブな言葉だが今の流れからじゃネガにしか聞こえねぇ」

佐天「大人しくしてまーす」

垣根「この野郎…テメーは一生主役にはなれねえよ」

佐天「飾利のヒーロー以外にはなる気ないんで」

垣根「そのポジは俺んだ、再就職先探しとけ」

佐天「君がな」
128 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:09:33.50 ID:1QVpHuDSO
一週間後


佐天「……」

垣根「おーい」

佐天「…なんすか」

垣根「解析できたぞ」

佐天「なんのですか」

垣根「あの女の風の法則だよ」

佐天「やってたんですか」

垣根「あの女の起こした現象から、俺らが知らない風の法則を割り出した」

佐天「もういいですよ、釈放は今日ですよ」

垣根「これが俺の能力の本質」

佐天「きいてないな」
129 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:10:51.34 ID:1QVpHuDSO
垣根「まあいいじゃねえか、大人しく解放されるより派手に脱走の方がいいじゃん」

佐天「大人しく解放がいい」

垣根「とりあえず俺がいう通りやってみろよ」

佐天「……いやーな予感しかしない」

垣根「こーしてあーしてこうこうこうすればできるはず…」

佐天「垣根さんがやればいいのに」

垣根「お前の能力は風だろ、感覚的にお前の方がいいだろ」

佐天「はー」
130 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:12:21.93 ID:1QVpHuDSO
佐天「じゃあやってみますね」

佐天「……」カツ!

佐天「はあああああああああああああああああああああああああああ」

佐天「ああああああああ」

垣根「そういう演出はいらねーよ」

ビュゴッ

佐天「おおー!本当にできた」

ビチャ

佐天「?」

バチャブシュ

佐天「ぎゃああああああああああああー!!」

垣根「どうした!?」
131 :1[saga]:2011/05/06(金) 22:14:18.89 ID:1QVpHuDSO
ドサッ

垣根「佐天?」

シーン

垣根「…」

垣根「やべー…」


釈放

「ホラ、もう帰ってくるなよ」

垣根「うーい」

垣根「…」

垣根「……佐天」

垣根「お前はこの澄んだ旨い空気を吸えないんだな…」

垣根「……惜しいヤツをなくした」

佐天「死んでないよ」
132 :12011/05/06(金) 22:16:21.16 ID:1QVpHuDSO
ここまでです

ありがとうございましたー
133 :12011/05/06(金) 23:20:17.15 ID:1QVpHuDSO
垣根「うわっ!」

垣根「生きてたのかよ」

佐天「随分な言い草ですね!こちとら死にかけたわ!!」

佐天「今も少し貧血だし」

垣根「まー生きていたならいいじゃん」

佐天「もう使わない」

垣根「なに!?それで一方通行を倒すつもりなのに!!」

佐天「忘れろ!その目標!!」

佐天「付き合うきれねー!」ズカズカ

佐天「!」
134 :12011/05/06(金) 23:21:31.63 ID:1QVpHuDSO
垣根「……!」

ヴェント「よう」

垣根「テメーは」

佐天「飾利の愛を知らない迷える子羊…」

ヴェント「恥ずかしいから前方のヴェントと呼べ」
135 :12011/05/06(金) 23:22:21.51 ID:1QVpHuDSO
垣根「なんの用だ?リベンジなら相手になるぜ」

ヴェント「違う」

佐天「飾利の愛を感じたという報告でしょ?そんなの要りませんよ」

ヴェント「違う!」

ヴェント「私は、何者かに記憶を消されたんだ」

垣根「なに?」

ヴェント「9月30日以降のな、アンタ達にやられたお陰で戻ったけど」

ヴェント「消されたというより、封じられていた」

垣根「で、そのせいで飾利の」

ヴェント「じゃなく、9月30日と同じことをしちまった」

垣根「それを俺らに話してどうする」

ヴェント「その封じたヤツは…」

ヴェント「この街の統括理事長…アレイスターだったのよ」

垣根「なに!」

佐天「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」

垣根「うるせえ!話についてこれないなら黙ってろ!!場の盛り上がりとか考えなくていいから!!」
136 :12011/05/06(金) 23:23:29.79 ID:1QVpHuDSO
ヴェント「まるでこういう展開を狙ったかのよう」

垣根「つまり、どうしろと」

ヴェント「簡単よ、確認作業」

ヴェント「そのアレイスターが、伝説の魔術師、アレイスタークロウリーかね」

垣根「……魔術師?」

ヴェント「あー面倒だからあとで話す」

ヴェント「つまりあんたらはその確認作業を円滑に進めるため付き合えという」

垣根「はあ?」
137 :12011/05/06(金) 23:24:35.41 ID:1QVpHuDSO
垣根「なんで俺らが」

ヴェント「残念ながら拒否権はないよ」

ヴェント「世界大戦後、科学と魔術は平和な均衡を取り戻そうとしている」

ヴェント「それにも関わらず科学のトップが私を利用して、再び乱そうとした」

ヴェント「これに対して魔術側は納得いく理由を求める」

ヴェント「学園都市側もこれを受け入れた」

ヴェント「つまりアンタ達は人質ってワケ」

垣根「……チッ」

垣根「テメーを撃退した、アレイスターの手の平で転がされていたとはいえ、均衡崩しに一役買っちまった」

垣根「俺らも目ェつけられてんのか、だから人質に使われる」

ヴェント「分かってるじゃん」
138 :12011/05/06(金) 23:25:22.16 ID:1QVpHuDSO
垣根「チィ」

垣根(……さてどうするか)

垣根(どうせ俺と佐天が人質にされることもあの野郎のプラン通りなんだろ…)

垣根(だったら、断る…)

垣根(いや、そんなことしたら尚更均衡が崩れる、つまりコッチがヤツの…)

垣根(…………ッ、分からねえ)

垣根(とりあえず人質になってアレイスターに会うのが一番か…)

垣根「……分かった、いいぜ」

ヴェント「よろしい」
139 :12011/05/06(金) 23:25:52.12 ID:1QVpHuDSO
垣根「いくぞ」

ヴェント「フフ」

垣根「会えんのかよ、アレイスターに」

ヴェント「言ったでしょ?学園都市側はこの説明要求を受け入れたって」

ヴェント「だから面会許可は取れてんのよ」

垣根「なるほどね」

垣根(ハ、アレイスターさんよ、テメーの思い通りには行かさねーよ)
140 :12011/05/06(金) 23:29:53.80 ID:1QVpHuDSO
窓の無い建物


アレイスター「何時ぶりかな、前方のヴェントだったか」

ヴェント「そんなことはどーでもいいのよ」

ヴェント「単刀直入にいうけどさ、なんのつもりよ」

アレイスター「なんのことかな」

ヴェント「しらばっくれんじゃないわよ」

アレイスター「……」

垣根「…」

アレイスター「フ」

ヴェント・垣根「!?」
141 :12011/05/06(金) 23:31:04.84 ID:1QVpHuDSO
アレイスター「私は全く見当がつかないが…それでは君達は納得しないのだろうね」

ヴェント「当たり前よ、アンタの首を貰えんのなら説明しなくていいけどね」

アレイスター「ではそうしよう」

ヴェント「あ?」

垣根「!」

ヴェント「どういうコトよ」

アレイスター「謝罪の念を込めて、罰を受けようというのだよ」

アレイスター「そこの垣根帝督と佐天涙子の首を差し上げる」

垣根「何ッ!」
142 :12011/05/06(金) 23:31:49.55 ID:1QVpHuDSO
垣根「テメェ…ふざけんじゃねえぞアレイスター!!」

アレイスター「悪いな、私のミスだ。これからの学園都市、いや世界の平和のため犠牲になってくれ」

垣根「ナメてんじゃねえよ!意味が分からねえ!!罪悪感があんならテメェが死にやがれ!!!」

アレイスター「なにをいう。君達が彼女を撃破しなければこんなことは起こらなかった」

垣根「あぁ!?それもテメェ…」

ガッ

ヴェント「…」

垣根「何しやが…もが…」
143 :12011/05/06(金) 23:32:48.01 ID:1QVpHuDSO
ヴェント「分かったわ、この二人で我慢してアゲル」

垣根「な…」

アレイスター「成立だな」

ヴェント「じゃ」クル

垣根「テメェ…覚えてろ!!」

アレイスター「……」


ヒュン

144 :12011/05/06(金) 23:35:12.46 ID:1QVpHuDSO
アレイスター「…」

ヒュン

アレイスター「初春飾利か…」

「ありがとうございました、アレイスターさん」

アレイスター「いや、構わないよ」

アレイスター「君は私の『滞空回線(アンダーライン)』を開発してくれたからね、これくらいの恩返しはせねば」

アレイスター「君の頼み通り、垣根帝督と佐天涙子を通報したぞ」

「本当に助かりました、あの二人に纏わりつかれて鬱陶しかったんですよ」

アレイスター「どうかな」

「?」
145 :12011/05/06(金) 23:35:58.91 ID:1QVpHuDSO
アレイスター「私の推測ではあの二人…帰って来るかもしれないぞ」

「……」

「なるほど」

「色々と詰めが甘いのは、生かしてあの二人を魔術側に投下するためですか」

「あんな二人、貴方なら学園都市内でも十分片付けられるのに、わざわざ魔術にまで手を出すのもおかしいと思ったんですよ」

アレイスター「……拗ねないでくれたまえ、君への恩返しというのも本当ではあるのだから」

「……ふん」
146 :12011/05/06(金) 23:36:47.11 ID:1QVpHuDSO
今回は終了です
読んでくれた方は感謝です
147 :12011/05/06(金) 23:43:48.91 ID:1QVpHuDSO
>>136

ヴェント「そのアレイスターが、伝説の魔術師、アレイスタークロウリーかね」

この台詞は忘れてください
消し忘れてた
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国)[sage]:2011/05/06(金) 23:49:27.42 ID:2mZMFC2AO

そのうち佐天さんと垣根くんが

佐天「お前らのやってる事は全てまるっとお見通しだ!」

垣根「何故ベストを尽くさないのか、どんとこい超常現象」

とか言いそうで楽しみですww
149 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:14:33.76 ID:OR1vKSISO
垣根「コラテメェ、戻せ!」

ヴェント「別にいいけど、アイツに勝つ自信あんの?」

垣根「……ッ」

ヴェント「なに言ったって煙にまかれるだけさ」

垣根「クソったれが」

ヴェント「だから引き下がったのよ、コチラとしてもこれ以上溝深める気はないんでね」

垣根「……それで俺らはどうなるんだよ」

ヴェント「そりゃあ死刑さ」

垣根「なに!」

ヴェント「当たり前だ、アンタらの命を差し出すことが学園都市の選んだオトシマエってヤツだからん」
150 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:16:05.89 ID:OR1vKSISO
垣根「ふざけんじゃ…」

ヴェント「だからぁ」

ヴェント「さっさと学園都市出るよ」

垣根「ぐ…」

ヴェント「そしてどこへでも行っちまいな」

垣根「……は」

ヴェント「お前らの命を差し出すことで我らローマ正教と学園都市は和解」

ヴェント「しかし生憎今の私はアンタらの命を奪う気は全くない」

垣根「な!」
151 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:16:44.11 ID:OR1vKSISO
―――学園都市外


垣根「……なぜ」

ヴェント「あんのアレイスターの思惑通りになるのが気に食わないのよ、だからお前らは死んだことにしとくから」

ヴェント「学園都市外で身を潜めて暮らしてな」

垣根「待て…それって……」

ヴェント「お前らはこれから一生、存在を隠しながら生きる、つまり学園都市とは永遠にサヨナラだ」

垣根・佐天「それは困る!!」
152 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:17:52.88 ID:OR1vKSISO
ヴェント「なに?さすがに怖じ気付いた?まあその年でこの生き方は辛いかもしれないが…死刑よりはいいんじゃない?それとも死刑の方がイイ?」

垣根「一生身を潜めて生きるのは、別にいい…」

佐天「だけど…」

垣根「飾 佐天「利と会 垣根「えなくなる 佐天「のは嫌 垣根「嫌だ! 佐天「!!」

ヴェント「ちゃんとハモって言え」
153 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:18:35.82 ID:OR1vKSISO
ヴェント「つまり…その飾利とか言う女に会えなくなるのは嫌だ…ってコト?」

垣根「ああだから学園都市に帰られなくなる人生は却下だ」

佐天「あたしは後…御坂さんに白井さんに……」

垣根「まー雰囲気ぶち壊しの未練タラタラなコイツはおいといて、今オマエが提供してくれている生き方は全て断るぜ…」

ヴェント「へー」

垣根「テメェを再びぶっ倒してでもな」

ヴェント「へええ…」

ヴェント「じゃあ…やってみる?」

垣根「あ?」

佐天「む?」
154 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:22:10.86 ID:OR1vKSISO
ヴェント「アレイスターを前言撤回させるくらい強くなる道を選んでミル?」

垣根「……ハッ」

垣根「面白え…」

佐天「やってやりましょう!」

垣根「テメェ俺のキメ所をとるな!」

ヴェント「ついてきな」
155 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:23:18.74 ID:OR1vKSISO
垣根「てか、本当にいいのかよ?」

ヴェント「あ?何が?」

垣根「能力者を学園都市外に出すことを、あの野郎がスンナリ許した時点で、この展開もヤツの思惑通りなんじゃねえか?」

垣根「まあ…俺らとしちゃあ文句はねえんだが」

ヴェント「……」

ヴェント「ヤキがまわったんだろ」

佐天「? 何が?」

ヴェント「黙って歩けよ」ゴンッ
156 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:24:28.25 ID:OR1vKSISO
佐天「ほげ!?」

垣根「ギャハハ、殴られてやんの!!」

佐天「ムカー、このメルヘンもう許さん!風攻撃!!」ビュッ

垣根「おっと」バサッ ガード

ヴェント「オイだから黙って…」

佐天「ばびぇっ!!」ブシャ!

ヴェント「!?」
157 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:26:00.56 ID:OR1vKSISO
佐天「わ、忘れてた…」

垣根「自滅してやんのー」ギャハハ

ヴェント(まさか今の…)

佐天「ぐ、いつかその翼を地につけてやる…」

垣根「一生無理だ」

ヴェント(あの女の方、魔術を使いやがった?)

垣根「オイ、何してんだ」

ヴェント「ああ、悪い」

ヴェント「アレイスター、本当に…?)
158 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:27:51.83 ID:OR1vKSISO
ジジジジ……

アレイスター「ふふ」

アレイスター「プラン通り…」

「……分かりませんね」

「超能力者が魔術を使用するとどうなるかご存じでしょう」

「土御門元春のような例外でない限り、使い続ければ大抵は死に至るはずですが」

アレイスター「ふふ…」

アレイスター「君も人が悪いな…その理由は既に分かっているはずだ」

「……ニッ」
159 :1[saga]:2011/05/09(月) 00:28:45.65 ID:OR1vKSISO
次回からギャグ重視に戻ります

では、読んでくれた方ありがとうございます
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/09(月) 01:04:48.96 ID:ICjZkCIo0

追いついたぜ
ヴェントさん楽しみwwww
161 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:30:55.86 ID:yALIXwWSO
バチカン

ヴェント「ホラ、ついたわよ」

佐天「ボンジョルノ!」

垣根「ボンジョルノ!」

ヴェント「黙れ、黙って歩け」

垣根「ここがバチカンか?」

ヴェント「そうよ」

佐天「空が怪しい色をしててなんか気持ちが悪いんですが」

ヴェント「色々な結界が衝突・競合してるから、これでも前よりはマシになったほうよ」

佐天「?」
162 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:32:34.43 ID:yALIXwWSO
ヴェント「ホラここ」

ヴェント「あんた達の寝床の聖ピエトロ大聖堂だよ」

垣根「ここか!?」

佐天「本当に聖堂ですね!」(?)

ヴェント「分かってると思うけど、あんたらは死んだことになっているんだからね、バチカンからは出ないように」

佐天「うー」

垣根「我慢しろ、飾利に会うためだ」

垣根「で、ここで特訓するのか?適当に鍛えればいいのか?」

ヴェント「ああ」

ヴェント「正確にはこのバチカン全体」

ヴェント「アンタらは魔術を学ぶ」

佐天「魔術」

垣根「……テメェの風か」
163 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:34:04.54 ID:yALIXwWSO
ヴェント「アンタらの異能とは別の法則を下地にしている異能ってな具合なんだけど分かる?」

佐天「うん」(嘘)

垣根「なるほどな、道理で」

ヴェント「それで」

垣根「ああ」

佐天「ん?」

ヴェント「オマエ、もう魔術を使ったな」

佐天「あーやる度に血が出るアレですか」

佐天「でも法則解析したのは垣根さんですよ、あたしはそれに従っただけ」

ヴェント「……へえ」

垣根「ま、俺様にかかればチョロイもんだ」

ヴェント「たとえ法則が分かってても短期間でできるのは天才だよ」

佐天「!」オオ
164 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:35:01.97 ID:yALIXwWSO
佐天「わはは」

垣根「…」ムカ

垣根「俺のことも褒めろよ」イラ

佐天「あー嫉妬!?ヤキモチやいていとくん!」

佐天「」ドヤァ…

垣根「いや、ウマくないからな、むしろ下手」

ヴェント(マジで何者だコイツら)

佐天「ヴェンちゃん?」

垣根「オイ、さっさと言いたいことを言えよ、ないのなら出かけるぞ」

ヴェント「…分かったよ」

ヴェント「今のアンタらの能力値を踏まえた上での課題を出す」

ヴェント「それをこなす日々を送りなさい」

垣根・佐天「……」ゴク
165 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:36:16.50 ID:yALIXwWSO
次の日


佐天「…」

佐天「……」

佐天「………」

佐天「…………zzz」

垣根「コラ」ゴスッ

佐天「ふが!」

垣根「寝てんじゃねえよ、さっさとその積まれてる書物を読めよ」

佐天「無理っすよ、ラテン語やらイタリア語やら英語やら、中一では学ぶ機会がない言語で書かれてますもの」

垣根「英語は中学で習うだろ

佐天「でもこんなネイティビアンな本を読めるほどの学習はしてないですー」
166 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:38:09.89 ID:yALIXwWSO
垣根「ネイティビアン?」

佐天「うー、この本を読んで十字教について、そして魔術という学問についての知識を学べとか言いますけど…」

垣根(ネイティビアン……なんか俺の中で嵌ったぞコラ…)

垣根「ネイティビアン!」

佐天「てかヴェンちゃんが先生になって教えて欲しい…一人じゃ分からないよ」

垣根(ネイティビアンにツッコめよ)

垣根「ったく、本読むだけならいいだろ」

垣根「俺なんて」

佐天「そういえばその草なんですか?」

垣根「俺が魔術を使うために必要な薬草だ」

垣根「この数本を探すためだけにバチカン中を探し回ったんだぞ!!」

佐天「ショッピング…」
167 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:40:12.82 ID:yALIXwWSO
佐天「……てか、もうそんな段階に!?」

垣根「ああ、お前とは出来が違うんだよ」

佐天「ぬぅおおお…腹立つ!」

佐天「よーし、あたしも早く十字教や魔術学問について理解しまくって、その『高み』にぃぃぃ!!」

垣根「無理だよお前には」

佐天「……ムム」ドクショドクショ

佐天「…………zzzz努力zz」

垣根「天使語にカムフラージュさせても無駄なんだよアホ」
168 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:40:52.18 ID:yALIXwWSO
佐天「フムフム」

佐天「火、水、地、風の四元素」

佐天「そしてエーテルという第五元素」

佐天「あたしが使ったのは、そういえばー『風』だったかなー」

佐天「なんか面白くなってきたぞ」
169 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:41:46.73 ID:yALIXwWSO
ヴェント「ゴクロー」

垣根「ったく…こんなどこでも買えるような薬草達くらい常備しとけってんだよ」

垣根「走り回って汗かいちまったよ」

ヴェント「悪い悪い、なんせ初めてだし…」

ヴェント「超能力者の回路と魔術師(いっぱんじん)の回路を好きに切り換えることができる体にする儀式なんて」

垣根「それが成功すれば、魔術を使っても、血を吐かないんだな」

ヴェント「ああ」

垣根「フッフッフ」

垣根「……見てろよ、一方通行、未知なる超能力と魔術を扱う、常識が通用しない新生サラブレッド、垣根帝督様が今にぶっ潰してやるからな」

ヴェント「アレイスターに泡を吹かせるんじゃないのかよ」
170 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:42:37.95 ID:yALIXwWSO
垣根「飾利…」

俺が一方通行を倒したいわけは、この彼女にあった
彼女からは拒絶されたけど…彼女に好かれているかどうかは、問題じゃないんだ
彼女の力になればいいんだ…

ヴェント「あのー、やめてくれます?そういうポエム」

でも
もしも
彼女が振りむいてくれたなら……………………

ヴェント「聞いてないわ、ウザったい」

垣根「そしてその暁には飾利は俺の……嫁になって…ウェディングドレスを選び、それを着て結婚式、その後の新婚旅行は世界一週…いや、飾利のことだからネサフ旅行の方がいいかな?」  タボタボタボタ…

ヴェント「うわっ!」

垣根「……な!?鼻血が大量に…!まさか…俺は魔術を…?」ヴォタヴォタヴォタ……

ヴェント「ああ使ったな、キモい妄想という名の魔術を」
171 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:43:41.69 ID:yALIXwWSO
ヴェント「さあて、始めるよ肉体改造」

ヴェント「でもいいの?回路が切り換えられる体にするってことはある意味、自分の体をイジられるってことだケド」

垣根「何を今さら」

垣根「飾利…」ブシャッ

垣根「…に会うためなら何にでもなるさ」

ヴェント「何事もなかったかのように続けるな」

垣根「それにそんなこと、超能力開発されてる時点で慣れっこだよ」

ヴェント「分かったよ、アンタらの覚悟は十分理解した、もう遠慮はしない」

垣根「ああ、俺らの覚悟は半端じゃねぇんだよ」
172 :1[saga]:2011/05/12(木) 00:45:07.70 ID:yALIXwWSO
その頃

佐天「zzzzzz…」
177 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:31:16.35 ID:yALIXwWSO
ゴリゴリゴリ…

ガリガリガリ…

魔術師「   」

魔術師「   」

垣根「おお…昔話の魔女がする儀式みたいだぜ」

ヴェント「……」

垣根「ところでテメーは参加しねえのか」

ヴェント「私は普通の魔術は使えないのよ」

垣根「はーん、無能か」

ヴェント「ちげーよ」
178 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:32:06.46 ID:yALIXwWSO
ヴェント「天使に近い身体に調整してるからもう人間用の魔術は使えないの」

垣根「あ?天使!?お前のどこが飾利に近付けたって!?」

ヴェント「あーめんどくさ!!いいから黙ってみてろ!!!」

垣根「飾利いいい!こんな奴に負けるなあああ!俺はお前を応援するからなあああああ!!」

魔術師「」イライラ

ヴェント「天罰」
179 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:33:09.37 ID:yALIXwWSO
垣根「」

魔術師「できました」

ヴェント「ご苦労様」

垣根「」

ヴェント「ほらできたぞ、起きろ」

垣根「」

ヴェント「起きろって!」ゴスッ

垣根「」
180 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:34:29.55 ID:yALIXwWSO
ヴェント「起きろ!!」ゴガッ

垣根「」

ヴェント「ねぼすけが!」バキッ

垣根「…グ」

ヴェント「いい加減にしろ!」ガスガス

垣根「ゲホッ」

ヴェント「クソメルヘンが!クソウザいんだよ!!」ベキボキ

垣根「」チーン


魔術師「モットヤレ」

垣根「」シーン

ヴェント「ふぅ」

ヴェント「スッキリした」
181 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:35:53.34 ID:yALIXwWSO
ヴェント「スッキリしたとこで……」

ヴェント「あーそうだぁ、『天罰術式』解かなきゃ目覚めないんだった☆」

ヴェント「解除☆」

垣根「……ぐ…」

ズキズキ

垣根「いだーっ!」ズキズキ

ヴェント「あれ?どったの?大丈夫?」

垣根「お前なにかやっただろ!」

ヴェント「わたししらないー」

垣根「嘘つけ!」

ヴェント「知らねえってんだろ!」コカーン☆

垣根「はぅん!」
182 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:37:56.65 ID:yALIXwWSO
ヴェント「で、コレ」

垣根「ぐ…………それは」

ヴェント「これを飲め、そうすれば一般人の回路に切り換えることができる体質に戻せる」

垣根「そんな青汁の粉みたいなヤツで?」

ヴェント「ああ」

ヴェント「正確には切り換えるというより回路を元に戻すというトコロね」

垣根「はーん」

ヴェント「一日小匙二杯分服用しな」

垣根「は?一日!?」
183 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:39:17.30 ID:yALIXwWSO
ヴェント「ナニよ」

垣根「それを一気に全部飲めばいいじゃん…」

ヴェント「それは無理よ、一気に全部飲んだら変化に体が付いてこず死ぬ」

ヴェント「大人しくコツコツ飲め」

垣根「…」

ヴェント「少しでも分量増やすと、死ぬよ」

垣根「チッ」

ヴェント「その間に佐天と一緒に魔術でも学んでな」

垣根「ハァ!?なんで俺が、そこはクリアしてるぜ?大体魔術の法則理解したし」

ヴェント「でも細かい所は知らないでしょ、なんで陣は円いか知ってる?」

垣根「…」
184 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:41:23.46 ID:yALIXwWSO
ヴェント「そーゆートコロを学べっての」

垣根「だったら佐天にもこの薬作ってやればいいのに」

ヴェント「アイツはまだ論外だから」

ヴェント「そしてなにより…」

垣根「?」

ヴェント「金が勿体ない」

垣根「なら仕方ねえな」
185 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:42:47.28 ID:yALIXwWSO
図書館


佐天「仕方なくねぇよ!」

佐天「あたしがどれだけ魔術にかけてるか!どれだけ真剣か!!」

佐天「金なんて理由で踏みにじられるとは思いませんでしたよ!!」

垣根「寝てただろお前」

佐天「は?人は寝ますよ?寝ない人なんているの、いたら見てみたい」

垣根「そういう意味じゃねえよ、屁理屈いうな!拗ねんな」

佐天「ちくしょおおおああぁぁぁぁぁがぁぁぁ!!」

垣根「こっちもいいわけじゃないぞ、こんな一度で飲みきれそうなモンを一か月間くらいチマチマ飲まなきゃいけないなんて」

垣根「魔術使える期待が生殺しだよ、お前は頑張る度に成長が感じられてモチベーションが上がるけど俺のはない、ヒマ」

佐天「難しい教育論的な話だな」
186 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:52:15.38 ID:yALIXwWSO
垣根「とにかく今日の分飲むか」

佐天「勉強勉強」ブツブツ

垣根「スプーンで、よそう…っと…」チビチビ

佐天「象徴武器(シンボリックウェポン)…」

垣根「落とさないように…」プルプル

垣根「とりあえず紙の上に…」

垣根「よし飲むぞ」

垣根「」サラサラ

垣根「」ゴクン

垣根「」
187 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:53:05.02 ID:yALIXwWSO
垣根「!」

垣根「マズァーッ!!」

佐天「マザー!?」

佐天「お母さんがどうしました!?垣根さん!!」

垣根「にがぃ…」

ドサッ

佐天「かきね…さん」

佐天「垣根さーん!!」
188 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:54:33.05 ID:yALIXwWSO
垣根さんは苦さで倒れてしまいました
あたしは垣根さんを救うべく一刻も早く病院に連れていこうと思ったけど
サボってると思ったヴェンちゃんに見つかってすごい睨まれたので放置しましたよバカ
まあどうせ死なないし
189 :1[saga]:2011/05/12(木) 22:59:34.10 ID:yALIXwWSO
学園都市


「あ、御坂さんおはようございます」

美琴「おはよー」

美琴「アレ佐天さんは?」

「あー」

「……いやー私のスカート捲った時見事に警備員に見られて捕まっちゃいました」

美琴「……本当に?」

「呆れる気持ちは分かりますが本当です」

「なんとか取り合ったんですが…いつ出てこれるか」

美琴「そう…しばらくつまらなくなるわね…」シュン

?「……」
190 :1[saga]:2011/05/12(木) 23:01:09.85 ID:yALIXwWSO
エツァリ(佐天さんとやらが逮捕されることで御坂さんの元気が出ない…)

エツァリ(なんてことだ…)

エツァリ(既に『グループ』はなく、僕には裏での権限もコネも力も、動く大義名分もない)

エツァリ(どうすれば…)

エツァリ(そうだ!僕が佐天さんとやらになって…!)

エツァリ(ああ!でも皮膚がない!)

エツァリ(クソ…こうなったら命をかけても…佐天さんとやらを解放する)

「お困りですか?」

エツァリ「!」
191 :1[saga]:2011/05/12(木) 23:03:21.84 ID:yALIXwWSO
「海原光貴さん」

エツァリ「…」

エツァリ(先程御坂さんと話していた方)

エツァリ(考えこんでいたとはいえ…御坂さんの周りをみていたのに)

エツァリ(僕の監視を掻い潜り…御坂さんと別れ、僕の後ろに!)

エツァリ「……なんでもありませんよ」

「そうですか、しかし私はあるんです」

エツァリ「なんでしょう」

「これを…」パサ

エツァリ「!?」
192 :1[saga]:2011/05/12(木) 23:05:11.97 ID:yALIXwWSO
エツァリ「……皮膚…?」

「ふふ…『佐天さんとやら』の皮膚ですよ」

エツァリ「!!」

エツァリ(なぜ…僕の考えていることを…そしてどうやって皮膚を……)


エツァリ「信じると思いますか?」

「別に信じなくても構いませんよ、では御坂さんの悲しむ姿を指をくわえて見ていてください」

エツァリ「っ」

エツァリ「分かりました信じましょう」

「ふっ」ニッ

エツァリ「しかしその前に一つ」

「?」
193 :1[saga]:2011/05/12(木) 23:07:34.29 ID:yALIXwWSO
エツァリ「何故このようなことを」

「……」

「私も皆さんが悲しむ姿は見たくはないから、それだけです」

エツァリ「なるほど」

「ではこれは佐天さんという人物を連ねた資料です」バサバサ

エツァリ「うわっ!」

「では…」スタスタ

エツァリ「……」

エツァリ(分からない方だ)

エツァリ(しかし本当に彼女はどうやって僕の意を…?)

エツァリ「まあ…いい佐天さんという人物を…」パサ
194 :1[saga]:2011/05/12(木) 23:09:51.62 ID:yALIXwWSO
「ははは…」スタスタ

「あっはっはっは!」

「ふふ…『私』…勝手に『私』に干渉しようとするなよ、お前は使えないスペアなのだから」

「おかげで柄に無いことをしてしまったでしょ」

「あははははは!!」
198 :12011/05/17(火) 01:19:13.99 ID:HT5A4rISO
あれから二か月
垣根と佐天は魔術を習得するためにひたすら頑張った
アレイスターに一泡吹すために
飾利にあうために

しかしそんな二人をどん底に突き落とす言葉がかけられた

ヴェント「ごっめーん、あの薬じゃ『回路切換』は不可能だわー」

垣根「」

佐天「」
199 :12011/05/17(火) 01:20:42.53 ID:HT5A4rISO
垣根「今更何をいってんだテメェ!」

佐天「そうですよ!やっとあたしも『回路を切り換えるための粉』を飲む段階まできたのに!」

ヴェント「マジでゴメン、本当に失敗したあの粉、不良品」

垣根「」」

ヴェント「さすが伝説の魔術師アレイスタークロウリーの書物ね、簡単にはいかない」

垣根「アレイスター!?」

ヴェント「学園都市のとは別人だ、この魔術師は死んだらしいしアイツからはそんな気配感じない」

垣根「紛らわしい」

ヴェント「特殊な回路を形成するものを通常の回路に戻す…そんな研究を利用しようとしたが失敗した」

佐天「ふーん」
200 :12011/05/17(火) 01:24:08.42 ID:HT5A4rISO
佐天「でもなんでその魔術師のアレイスターは回路を戻す研究なんてしてたんですかね?」

垣根「!」

ヴェント「!」

佐天「魔術師のアレイスターも超能力を開発して両立しようとでもしてたのかな?」

垣根「……そ、そういえばそうだな…」

ヴェント「アレイスターがやられたのは六〇年以上前……

佐天「あー、そのころは超能力どころか学園都市もできてもいないですよね」

垣根「ああ…」

ヴェント「……」

ヴェント「それは」

ヴェント「お前ら人工的な能力者の他に天然の能力者、『原石』というのが存在する」

垣根「……そうだ、第七位とかか」

ヴェント「それは大昔から存在する、魔術が生まれるより昔からね」

佐天「なんだそういうことかー」
201 :12011/05/17(火) 01:26:38.53 ID:HT5A4rISO
垣根「無駄に頭使わせやがって」

佐天「なにー!」

ヴェント「……」

ヴェント(気付けなかった…その違和感に疑問に)

ヴェント(アタシは佐天なんかよりその違和感に気付く知識も権力もあったはずなのに)

ヴェント(アタシだけじゃない、誰もが気付けなかった)

ヴェント(その疑問に佐天は気付いた…)

ヴェント(どういうこと…?まさかアレイスター?いや…)

ヴェント(……考えすぎか)
202 :12011/05/17(火) 01:29:26.76 ID:HT5A4rISO
垣根「それより魔術はどうするんだよ」

佐天「そうですよ、あたしは使えるけど痛いのは嫌ですよ!」

ヴェント「しょうがない魔術は諦めてメンゴメンゴ」

垣根「諦められるか!!」

佐天「しかも反省のない声…」

ヴェント「まあ、落ち着け」

ヴェント「魔術を教えるのは諦めたが」

ヴェント「今より強くは、してやる」

垣根「おっ」

佐天「まさかヴェンちゃんと対戦?」

ヴェント「まさかあ?ダルい」

垣根「オイ」

ヴェント「アンタらが戦うのはローマ正教の魔術師よ」
203 :12011/05/17(火) 01:34:50.88 ID:HT5A4rISO
垣根「そんなことしてどーすんの」

ヴェント「未知なる法則はただ魔術を得るためのものじゃないってコト」

垣根「?」

ヴェント「アンタらにとって未知の法則を扱うヤツラと戦うことで未知を知り、その未知を自分に加える」

ヴェント「魔術の法則を生意気にも解析できるんだろ?」

佐天「垣根さんがね」


垣根「……なるほど、未知の数値を『自分だけの現実』に入力して自分の超能力を進化させろってことだな」

ヴェント「パーソナルリアリティがなんだかは知らないが、未知の法則を知って魔術を使うのではなく、超能力を強化しろってことがいいたいの」

佐天「……なるほど!…………………………………………つまり、簡単にいえばどう訳されるわけですか?垣根さん」

垣根「魔術師と戦って超能力を強くしろ」

佐天「あたしは超能力使えないんですが」

ヴェント「がんばれ」

佐天「無責任っ!」
204 :12011/05/17(火) 01:36:20.83 ID:HT5A4rISO
ヴェント「で、対戦相手はもう決めてるから、これから一週間の期間をやる」

垣根「なんで?今からでもいいぜ」

ヴェント「駄目、これからの一週間はソイツらの戦闘データ集めに従事なさい、命令、なにも苦情はうけつけない」

垣根「ああ!?」

ヴェント「それに対戦相手二人にはまだ伝えてないし」

垣根「サボんな」

ヴェント「今決めたんだから当たり前でしょ」

ヴェント「それに今は世界大戦の復興うんぬんかんぬん……」

垣根「あーっ分かった分かった!!」

佐天「バットでかまいたちを発生させてみるか…」
205 :12011/05/17(火) 01:39:20.23 ID:HT5A4rISO


垣根「チクショウ、とことん勝手でマイペースなヤツだ、クソ」

佐天「うんー、今までの毒ともいえる粉に耐えた日々もパーになったと思ったら、いきなり魔術師と戦闘だもん」

垣根「お前は今日貰ったばかりで、まだ飲んでなかったろ」

佐天「そうでしたっけ」

垣根「それにしてもデータ集めに一週間ってどういう意図があんだろうな」

佐天「さあ?ケガするのを考慮したんじゃ…」

垣根「そんなタマじゃないだろ」

垣根「あーチクショウ」
206 :12011/05/17(火) 01:40:12.08 ID:HT5A4rISO
ヴェント「ふふふ」

ヴェント「頑張って戦闘データを探しとけよん」

ヴェント「ふふふ、ふふふ」

ヴェント「対戦日当日は驚くだろうなあ、アヒャヒャ!」

213 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:13:36.78 ID:lZr+GV5SO
数日後

佐天「…」ベンキョウ

垣根「…」オシャレ

ヴェント「やほー」

垣根「あっ」

佐天「やほー?検索ランキングどんな感じっすか?」

ヴェント「なんの話よ、対戦相手から許可貰ったわよ」

ヴェント「まあ元・神の右席の私にとっては許可もらうのはチョロイチョロイ」

垣根「そんな自慢はききたくない」
214 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:14:25.41 ID:lZr+GV5SO
垣根「対戦相手の容姿どころか名前すら言わねぇからこの数日無駄に過ごしただろ」

ヴェント「ご安心を、今日『から』一週間にしたから」

佐天「よーし燃えてきたぜ!」

ヴェント「ではご要望の相手の名前と容姿と現在地を配るね」

ヴェント「ホラ佐天はコイツ」

佐天「はいよー」

佐天「……むう魔術師A…」

ヴェント「垣根は」

垣根「俺は魔術師Bってヤツか」

ヴェント「ソイツと一週間後、公開試合をしてもらう」

垣根「公開試合…?」
215 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:15:16.00 ID:lZr+GV5SO
垣根「なんでそんな舞台にする必要があるわけ」

ヴェント「ローマ正教のため」

ヴェント「大戦で萎えた心を活気づけるためも兼ねてる」

垣根「へー、試合かあ…つーことは観客がいる前で戦うのか…」ムム

ヴェント「別にパフォーマンスとか考えなくていいよ」

垣根「えっ」

佐天「メルヘンは目立ちたがりや」
216 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:16:03.63 ID:lZr+GV5SO
垣根「かあああ!」ボコボコ

佐天「ちょりゃあああ!!」ボコボコ

ヴェント「静まれぃ!馬鹿共!!」

垣根・佐天「はい」

ヴェント「魔術師AとかBとかモブ臭する名前だが結構熟練者だよ」

ヴェント「戦うことだけに集中しなさいってコトよ」

佐天「ゴク」

ヴェント「そしてこの一週間でより多くの情報を集めておきなさい」

佐天「はい!」

垣根「フン」
217 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:18:35.46 ID:lZr+GV5SO


佐天「……」

魔術師A「…」

佐天「いた…本当にこのヴェンちゃんがくれた現在地情報正確だな」

魔術師A「…」

魔術師A「はあっ!」

ブシュウ

佐天「…」ジー

佐天(なるほど…相手は水で防御を張って防御重視で戦うタイプ」

佐天(しかも水の『象徴武器』の『杯』を放出口にしている…おそらく近くの水溜まりと『杯』を空間接続しているんだね)

佐天(あの杯を壊してしまえば決着はつく…いや、もっと観察して他の魔術がないかを調べよ)
218 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:20:20.06 ID:lZr+GV5SO

魔術師B「…」

垣根「…」ソッ

ブオオオ

垣根「……ヘェ、風使いか」

垣根「普通に闘えば普通に勝てるレベルだな」

垣根「だがしかし、俺が求めるのはタダの勝利じゃねぇ」

垣根「あの風を解析し、俺の『未元物質』にどう活かせるか、この一週間で理解する」
219 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:21:01.12 ID:lZr+GV5SO

一週間後

垣根「よー」

佐天「垣根さん、どうですか」

垣根「今から勝利宣言したいくらいだ」

佐天「あたしも…」

佐天「頑張って相手の戦闘データ調べまくったんで、勝率は高い方かもです」

垣根「まー互いに頑張るか」

魔術師A「舐められたものだな」

佐天「!?」

垣根「…」
220 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:22:33.60 ID:lZr+GV5SO
魔術師A「はじめまして対戦相手だよ」

佐天「はじめまして」

魔術師B「こちらも挨拶しようか、垣根帝督」

垣根「……フン、はじめまして」

魔術師A「そちらは『はじめまして』ではないだろ」

佐天「え」

魔術師B「この一週間毎日のようにはりついていたな」

垣根「気付いてやがったのか」

魔術師A「ふん」

佐天「だったらなんで…知らないフリを」

魔術師A「こちらも情報をとられた程度では負ける気はない」
221 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:23:06.35 ID:lZr+GV5SO
佐天「!」

垣根「ナメてやがるな」

垣根「こちらとしても情報 なんか取らなくても負ける気はしなかったぜ?なあ佐天」

佐天「はい」

魔術師A「…」

魔術師B「……はあ」

垣根「フン」ガッ

魔術師B「……」

垣根「ただでさえ大きな戦力差をますます広げてしまってすまねえな」

ググ

魔術師B「…」
222 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:24:22.39 ID:lZr+GV5SO

佐天「…」

ガッ

魔術師A「…」

佐天「…」

佐天「大きな戦力差を縮めてごめんなさいね」

魔術師A「…」

魔術師A「……え?」

佐天「……ふふ」

垣根「オイ」ゴスッ
223 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:25:28.29 ID:lZr+GV5SO
垣根「じゃいこーぜ」

佐天「はい」

魔術師A「……ふん」

=  =  =

垣根「佐天」

佐天「分かってますよ」

佐天「絶対勝ちます」

垣根「おお」

佐天「…」

垣根「…」

ガッ
224 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:26:07.32 ID:lZr+GV5SO
試合 一時間前

ヴェント「ハーイ、いよいよだね君達☆緊張してないのん?」

垣根「あたぼーよ」

佐天「緊張しすぎて、もうしなくなりました、適度な緊張感があるだけです」

ヴェント「それは良い」

ヴェント「そんな君達に業務連絡があるの」

垣根「は?」
225 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:29:31.17 ID:lZr+GV5SO
ヴェント「まず確認するけど、対戦カードは」

ヴェント「佐天vs魔術師A、垣根vs魔術師B」

垣根「それがなんだよ」

ヴェント「ひふふふ…」

佐天「?」

ヴェント「あーっははははははははははははは!!」

佐天「壊れた?」

垣根「そうとうストレスたまるワガママもいったからなあ…」

ヴェント「対戦相手を逆にする」

垣根「あーそうかそうか、幸せが欲しいか…」

佐天「ストレス解消に協力します…」


垣根・佐天「は!?」

ヴェント「ひふへほ」
226 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:30:04.15 ID:lZr+GV5SO
佐天「どういう意味!?」

ヴェント「まんまの意味」

ヴェント「佐天vs魔術師A、垣根vs魔術師Bっていう対戦を」

ヴェント「垣根vs魔術師A、佐天vs魔術師Bに変える」

佐天「はいい!?」

垣根「なにがしたいんだよお前!ていうかこの一週間が無駄になるだろうが!」

ヴェント「まー仕方ないさ」

ヴェント「最初からこうするつもりだったし」
227 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:30:31.07 ID:lZr+GV5SO
ヴェント「アンタらが魔術を使わず、相手の使う法則を利用する戦術をとる戦士になるからこその処置さ」

佐天「どういう…」

ヴェント「イイ?魔術だって法則がただ一つってワケじゃない、色々な法則がある…だからこそアンタらが相手の使う法則を利用するというならば、その法則を戦闘中に解析しなければならない」

垣根「……なるほど」

垣根「その観察眼や解析する頭脳を鍛えるために、唐突に全くデータの無い相手と戦わされるハメになったのか」

ヴェント「ああ」

佐天「だからあたしは超能力使えないんだって」
228 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:30:58.37 ID:lZr+GV5SO
ヴェント「こうしないと相手のデータを調べるかもしれなかったんでね」

佐天「だから」

垣根「……」

ヴェント「文句はないな、ならば変更を伝えてくる…」

垣根「ことわーる!!!」

佐天「へ?」

ヴェント「あ?」
229 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:31:57.96 ID:lZr+GV5SO
垣根「断る、そのアイデア」

佐天「なんでですか?垣根さんらしくない」

垣根「いや、別にビビってるわけじゃなくてな」

ヴェント「だったらナニ?時間がないんだけど」

垣根「……さっき」

佐天「?」

==回想==


垣根『ただでさえ大きな戦力差をますます広げてしまってすまねえな』

ガッ
230 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:34:03.28 ID:lZr+GV5SO
垣根「こんなキメ台詞言っといてソイツと戦いませんでしたとかカッコ悪すぎるぜ!観客もいるんだろ!?だからヴェントの案は却下!!」

ヴェント「じゃあ変更してくるからココで待ってろ」

佐天「はい」

垣根「きけーっ!クソ野郎共ぉぉぉぉ!!」

ヴェント「観客のことは気にしなくていいって」

垣根「俺が気にする」

ヴェント「諦めろ妥協しろ諦めろ」

垣根「うわああああん!嫌だいやだいやだ」ジタバタジタバタ メソメソ

ヴェント「……はあー」

佐天(いい年したヤツが大声で泣くなよ…)

ヴェント「全く…」

ヴェント「体裁さえ守れればいいんだな?」

垣根「へ?」
231 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:35:24.46 ID:lZr+GV5SO

ワアアア(魔術師の観客)


『何故か行われたバトルパフォーマンス』

『皆さん!大戦での疲れやストレスをここで発散しちゃってください!』


『そして今回のバトルをしてくれる魔術師達の紹介!』

『まずはベテランチーム!
魔術師A、魔術師B!!』


『それに対抗するは、初心者チーム!
垣根帝督、佐天涙子!!』


『では長い前置きもここまで
さてバトルの始まりです』

『一回戦!!』
232 :1[saga]:2011/05/18(水) 00:36:11.90 ID:lZr+GV5SO
魔術師A!!


魔術師A「ふん!」

vs

佐天涙子!!

??「……」ザッ

佐天(垣根)「………………」

佐天(垣根)「どうしてこうなった?」

垣根(佐天)「分かっているのは垣根さんのせいってことだけ」
235 :12011/05/18(水) 23:04:44.66 ID:lZr+GV5SO
佐天(垣根)『こういうことは望んでねえ!』

垣根(佐天)『ヴェンちゃんにしても苦肉の策だったんですよ、垣根さんがゴネなければよかったんですよ」

佐天(垣根)『お前のセーラーと黒ロングのカツラで女装、端からみればただの変態だよ』

垣根(佐天)『あたしも嫌ですよ、なにが悲しくてメルヘンホストコスしなくちゃならないの』

佐天(垣根)『あの…一応言わせてもらうけど衣装でメルヘンって言われてるわけじゃないから』
236 :12011/05/18(水) 23:06:43.99 ID:lZr+GV5SO
佐天(垣根)「ああーっやりたくない!こんな格好で!!」

垣根(佐天)「無理ですよ、もう相手さんは待機してます、ていうか垣根さんが…」

佐天(垣根)「分かってるよ!俺の我が儘のせいだよ!!」

佐天(垣根)「第二位、垣根帝督ゥゥゥゥゥゥ!いっきまーす!!」

垣根(佐天)「全然自分を捨てられてません、もっとなりきって!常識が通用する存在に!!」

佐天(垣根)「女装してる時点でもう常識ないけどね、よし覚悟きめた、ああああああああ!!」

垣根(佐天)「ガンバ!!」

さあー、佐天涙子が入場!

佐天(垣根)「うおおおおおおっ!!」
237 :12011/05/18(水) 23:07:31.07 ID:lZr+GV5SO
魔術師A「……はい?」

佐天(垣根)「宣言通り勝たせてもらいますよ、魔術師Aさん」

魔術師A「なんのつもりだ」

佐天(垣根)「なにが?」

魔術師A「私は佐天涙子と闘うのだ」

佐天(垣根)「あたしが佐天涙子ですよ」

魔術師A「どこがだよ、思いっきり男ではないか!」

佐天(垣根)「確かに声は男ですが、れっきとした女、佐天涙子ですよ」

魔術師A「嘘をつけええ!女装してる男でしょ、魔術も使わないアナログな方法で!!」
238 :12011/05/18(水) 23:09:33.69 ID:lZr+GV5SO
控え室

ヴェント「やっぱ無理があったか」

垣根(佐天)「ヴェンちゃん」

垣根(佐天)「当たり前ですよ、まだ劇でよくある『風景』役の方が変装できてます、アレはバレバレです」

ヴェント「まあしょうがないでしょ」

垣根(佐天)「こっちまで、とばっちりくらいましたけどね」

ヴェント「まーアイツが辱めを受けようが一向に構わないからイイケド」

垣根(佐天)「あたしも辱めを受けます、てか会話のキャッチボールをしましょう、やっぱ怒ってます?」
239 :12011/05/18(水) 23:10:19.44 ID:lZr+GV5SO
魔術師A「対戦相手が違うのはいい、だがせめて自分が佐天涙子でないことは認めろ!」

佐天(垣根)「あたしはあたし佐天涙子、それ以外は名乗れない」

魔術師A「だからお前はどうみても男…」

佐天(垣根)「本当だ!垣根帝督じゃねえ、佐天涙子だああああ!」

佐天(垣根)「佐天涙子だからこんなネタもできる!」

佐天(垣根)「松[ピーーー]です!」

垣根(佐天)「ああっ!?」
240 :12011/05/18(水) 23:13:04.19 ID:lZr+GV5SO
ヴェント「なに今の…」

垣根(佐天)「現在好評放送中の『花咲く[ピーーー]』ってアニメのキャラです…」

ヴェント「つまり…?」

垣根(佐天)「つまり壊れてきたんです、あの人」

ヴェント「なるほど」

佐天(垣根)「ああ…み[ピーーー]にホビロンと言われたい……な[ピーーー]と一緒に登校したい」

魔術師A「」(ドン引き)

垣根(佐天)「[ピーーー]花ちゃんはそんなキャラじゃない」

佐天(垣根)「輝くぜぇーっ!!」バサッ

垣根(佐天)「(……てか、どんだけいろ[ピーーー]好きなんだよ、あのアニメルヘン…)」
241 :12011/05/18(水) 23:14:19.11 ID:lZr+GV5SO
魔術師A「くっ!」ゴアアッ

佐天(垣根)「!?」

佐天(垣根)「水の壁…」ゴアアッ

ズガァン!!

ブシャアア

佐天(垣根)「よし、崩れた!」

佐天(垣根)「!?」
242 :12011/05/18(水) 23:16:21.77 ID:lZr+GV5SO
ブシャアアア…

佐天(垣根)「チッ、再生が早い!!」


垣根(佐天)「水場とあの手に持ってる『杯』は常に接続されていて、いつでも供給できるようにしてますから」

ヴェント「そしてアイツはその作業に恐ろしいほど慣れている」


魔術師A「ついてこれるかな」

ブシャアッ!!

佐天(垣根)「! なにっ!!」

垣根(佐天)「あっ!」
243 :12011/05/18(水) 23:18:46.09 ID:lZr+GV5SO
バシャアン!!

佐天(垣根)「うぁ…っ!」

ザザ

魔術師A「ふふ」

垣根(佐天)「でた…あの人の隠し技」

垣根(佐天)「水の壁の一部を爆発させて、相手を攻撃する…」

ヴェント「……」

ヴェント「なんの理論を適応させているか分かるか?」

垣根(佐天)「それは…」

垣根(佐天)「なるものは、なる理論」

ヴェント「オイ」
244 :12011/05/18(水) 23:20:03.53 ID:lZr+GV5SO
佐天(垣根)「……チィッ、しくった」

佐天(垣根)「(未元物質の自動防御がなければヤバかったぜ…)」

魔術師A「フン、致命傷を負わなかったことは褒めよう」

魔術師A「しかしお前は私の防御を破る方法があるのか?」

佐天(垣根)「……」

魔術師A「無いのなら、悪いが私の勝ちだ」

佐天(垣根)「ッ!!」ゴァアアアアアッ!

バシャッ

垣根(佐天)「ああっ、そんなに乱暴に壊しちゃ…」

魔術師A「飲み込め!」

ザババババ


佐天(垣根)「壊れた水の壁が、波になった…!?」

ザバアアアアアッ
245 :12011/05/18(水) 23:22:53.65 ID:lZr+GV5SO
ザバーン ダーン!!

佐天(垣根)「ぐああああああああっ!」


垣根(佐天)「ヘンタイーッ!!」

ヴェント「クソ野郎ーッ!!」

ザザザザザ

カベニモドル

魔術師A「無駄だ、完全に飲み込まれた」


佐天(垣根)「」


垣根(佐天)「……そんな、セーラー男が…」

ヴェント「女装しながら逝けたんだ、悔いは…ないさ」


佐天(垣根)「コラァーッ!人間のクズ共!!」カバーッ!

魔術師A「なにっ!」
246 :12011/05/18(水) 23:25:30.23 ID:lZr+GV5SO
佐天(垣根)「随分ヒデーいいようだな!」

垣根(佐天)「だって名前いったら変装がバレるし」

佐天(垣根)「ぐ…ぬぬ……っ!」

佐天(垣根)「それより…」(思わせぶりに)クルッ


魔術師A「……」

魔術師A「……きいていないのか…?」

佐天(垣根)「ああ、でも息苦しかった」

佐天(垣根)「そして…」ニッ

魔術師A「…?」

佐天(垣根)「テメェの水、逆算、解析完了したぜ」
249 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:37:11.50 ID:F4zAcRVSO
魔術師A「解析した…だと…?」

佐天(垣根)「ああ」

魔術師A「戯言だ」

佐天(垣根)「じゃあやってみろよ」

魔術師A「いわれなくとも!」

ザアアアアアアア

佐天(垣根)「」ガバッ

垣根(佐天)「透明なガラスみたいなものが出てきて、メルヘンの体を包んだ?」

魔術師A「!」

佐天(垣根)「その水はこの物質に当たった瞬間…」

佐天(垣根)「反発する」
250 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:38:00.51 ID:F4zAcRVSO
ザアアア

佐天(垣根)「」

バザ→

バザ←

魔術師A「跳ね返った!?」

佐天(垣根)「だから言っただろ」

ドーン!

魔術師A「うああああああああああ!」
251 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:39:10.98 ID:F4zAcRVSO
垣根(佐天)「波が…磁石の反発みたいに跳ね返った…」

魔術師A「どんなトリックを…使った…」

佐天(垣根)「簡単だよ、お前の魔術の『水』が反発してしまうような『未元物質』を引き出した」

魔術師A「馬鹿な…水がそんな動きをしてしまうような物質などあるはずが…」

佐天(垣根)「普通ならな」

佐天(垣根)「だが俺の『未元物質』に常識は通用しねえ」

佐天(垣根)「あの野郎の反射みたいで気に食わねえが、ダメージデカいだろ」

魔術師A「くっ!」ゴアアアア

垣根(佐天)「また水のガードを…」

佐天(垣根)「無駄だ」ボンッ
252 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:39:47.99 ID:F4zAcRVSO
ドーン

魔術師A「ぐああああっ!」

魔術師A(ガードを貫きかつ、この俺にダメージを…さっきまでの衝撃波とはケタ違い…!)

佐天(垣根)「ニッ」

魔術師A(コイツ…手加減していたのか…!!)

佐天(垣根)「悪ぃな」

佐天(垣根)「戦法を模索していたもんで」
253 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:45:30.40 ID:F4zAcRVSO

ドサッ

魔術師A「」

『勝者、佐天涙子!!』

ワアアアアア

佐天(垣根)「フン」

垣根(佐天)「すごかったですよ、セーラーマター!!」

佐天(垣根)「やめろ!そのセーラームーン的なあだ名!!」

垣根(佐天)「これでバッチグーですね!」

佐天(垣根)「いや…」

垣根(佐天)「?」

佐天(垣根)「未知なる世界の性質を持つ物質と物質の接触によって起こる現象を、しかも求める結果(こたえ)を頭の中で割り出さなきゃいけないからな」

佐天(垣根)「楽じゃねえんだよ、しかも闘いながらだし」

垣根(佐天)「……だったら」

垣根(佐天)「それをカバーするパートナーが必要ですよね」

佐天(垣根)「!」
254 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:46:02.78 ID:F4zAcRVSO
垣根(佐天)「良いパートナーがいつか見つかりますよ」

佐天(垣根)「お前がなる、って選択肢は頭にないんだな?まあ俺としてもお前にはなって欲しくないけど」

垣根(佐天)「探す旅に出る時は呼んでくださいよ、見送りしますから」

佐天(垣根)「ついてくることすら嫌なのかよ!」

垣根(佐天)「でも眠かったら来ない可能性がありますのでご了承ください」

佐天(垣根)「むしろ来るな、クズ野郎」
255 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:46:37.33 ID:F4zAcRVSO
ヴェント「なにやってんの佐天、次だよ」

垣根(佐天)「あ、はーい」

佐天(垣根)「ま・け・ろ・ま・け・ろ」

垣根(佐天)「大丈夫ですよ、壊れてアニメ語りするほど人生に負けませんから」

佐天(垣根)「掘り返すなソコ!黒歴史ボックスにしまった所なんだから!!」

垣根(佐天)「じゃー行ってきます」

ザッ
256 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:47:07.82 ID:F4zAcRVSO

ワアアアアア

『二回戦!!』

『魔術師B』

『対!』

『垣根帝督!!』

ワアアアアア

魔術師B「…」

垣根(佐天)「…」

『ファイ!』
257 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:48:15.35 ID:F4zAcRVSO

―――二回戦

秒殺
あまりに面白みのない戦いとなった

敗北した、俺に扮する佐天涙子は頑張った

しかし秒殺だったんだよ
いやむしろ瞬殺だったわ

バットだけで勝てるわけないだろーと叫んでいた

俺も頑張って疲れました
あと、頑張りました



ていとくにっき
258 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:49:31.47 ID:F4zAcRVSO

佐天「あーちくしょー!」ガタン

垣根「惨めだなあ」

佐天「やかましいわ」

ヴェント「反省会ね」

佐天「あたしは時期が早すぎた」

ヴェント「まあ、そういうことにしてやるよ」

垣根「俺はないよな」

ヴェント「お前の戦い方はリスクが高過ぎ、もっと考えなさい」

垣根「ちっ」
259 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:50:40.29 ID:F4zAcRVSO
ヴェント「……」

佐天「わはは」

ヴェント(垣根は予想以上の成果がみられたが、佐天はたいしたことなかったな…)

ヴェント(やっぱ見込み違いだったか?いや私と戦った時はあんなものじゃなかった)

ヴェント(何かがコイツにはある…)

佐天「飾利は裏切らない!」

垣根「飾利は天使!」
260 :1[saga]:2011/05/24(火) 00:53:40.64 ID:F4zAcRVSO
イギリス

ステイル「……命令だよ」

神裂「……」

神裂「私達二人で、この近くにある学園都市協力派施設を襲撃…」

ステイル「それをアレイスター=クロウリー討伐戦争の開戦にするわけさ」

ステイル「拒否権はないことは分かっているよね?」

神裂「はい…」

神裂「断ればあの子に危害がいきますから」

ステイル「その通り、仕方がないことさ…行こう」
265 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:46:41.55 ID:F4zAcRVSO
佐天「いやー」

垣根「あ?」

佐天「昨日の記憶がない」

佐天「お酒なんか飲んだ覚えないのに…」ウーム

垣根「ドンチャン騒ぎしすぎてヴェントに叩き潰されたからな、記憶とんだんだろ」

佐天「なーる、どうりで頭も痛い」

佐天「……さーて次こそ勝てるように頑張るかー!」

垣根「……」

垣根「…」

フラ

佐天「?」

ドサッ
266 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:50:48.98 ID:F4zAcRVSO
佐天「ヴェンちゃんー!」ダダダ

ヴェント「なによ」

佐天「大変だー!!」ダダダ

ヴェント「だからなに」

佐天「……」ハァハァ

佐天「え……っとね」ハァハァ

ヴェント「くだらないことなら聞かないよ」

佐天「その…」

佐天「垣根さんが『飾利欠乏症』に罹りました!!」

ヴェント「……」
267 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:52:16.41 ID:F4zAcRVSO
ヴェント「…………は?」

佐天「だから垣根さんが『飾利欠乏症』に罹りました…」

ヴェント「……」

佐天「どうすれば…ヴェンちゃん回復魔術とかないの?」

ヴェント「私は使えないけどやり方なら教えてあげるわ」

佐天「本当ですか!?」

ヴェント「ああ」

ヴェント「熱◯まシートあててゴミ箱に捨てときなさい」

佐天「ラジャ!」

ダダダ
268 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:52:56.16 ID:F4zAcRVSO
垣根「……」

垣根「飾利ぃぃぃぃん…」

垣根「……ハッ!……ちくしょう…こんなトコで倒れてられねーのに…!」

佐天「垣根さーん!」ダダダ

垣根「佐天……うっ、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「大丈夫ですか!?」

垣根「……あ、あぁ」

佐天「安心してくださいヴェンちゃんに治療法を教えてもらいました」

垣根「……飾利ぃぃぃぃん、ぐぅ…本当、か」
269 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:53:42.81 ID:F4zAcRVSO
垣根「早くしろ…」

佐天「了解」

ペタ

垣根「熱◯まシート?」

佐天「そして…」

ガバッ

垣根「おい…俺を持ち上げて何を…?」

佐天「ゴミ箱に捨てます」

垣根「オイ」
270 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:54:33.67 ID:F4zAcRVSO
垣根「それ確実に治療法とかじゃねぇだろ、明らかに邪魔だから治るまで焼却炉で過ごさせる気だろ」

佐天「そうですよねぇ…」

垣根「そしてそこのロング、テメェは疑うことを知らない純粋キャラじゃなかったはずだ、どうせヴェントの同志だろ」

佐天「でも治ってほしいとは思ってるんですよ」

垣根「……」

垣根「だったら…」

佐天「?」

垣根「俺の、言うことを信じるか…?」

佐天「…!」
271 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:56:19.17 ID:F4zAcRVSO
佐天「……まさか、『飾利欠乏症』の治療法を掴んでらっしゃるので…?」

垣根「ああ…あくまで噂だがな…」

佐天「…」

垣根「話によると…」

垣根「飾利の『花飾り』…そこについている花と同じ花の匂いを全て嗅げば…」

佐天「治る…!」

垣根「……飾利の『花飾り』についている花は…全て把握してるな?」

佐天「もちろんです!」
272 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:57:11.64 ID:F4zAcRVSO
垣根「……じゃあ、いけ……うっ!」

佐天「!」

垣根「」

佐天「垣根さん!?」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「垣根さ……うっ!」

バッ

佐天「……飾利ぃ…… うぁっ…!!」

佐天「……っ、危なかった…あたしまで感染する所だった」
273 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:57:56.45 ID:F4zAcRVSO
佐天「感染しないように、離れなきゃ…」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「垣根さん…」

佐天「いきます!」

ダッ

佐天「絶対…飾利の『花飾り』についている花を全部コンプリートしてやるぜぇぇ!!」

ダダダ
274 :1[saga]:2011/05/24(火) 22:58:26.81 ID:F4zAcRVSO


まあ、そんなことはすごくどうでもいいのでおいといて
275 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:04:33.23 ID:F4zAcRVSO
ヴェント「……」

ヴェント「…」ピクン

マタイ「あの二人はどうかな?」ザッ

ヴェント「ハッ、何しにきたワケ?元・教皇マタイおじいさん」

マタイ「フン、お前も似たようなものだろう元『神の右席』よ」

ヴェント「……で、なによ」

マタイ「だからあの二人は…」

ヴェント「なんでアンタがそんなコトを気にするワケ?」

マタイ「学園都市の人間をここに入れて魔術を学ばすなど特例中の特例だからな…」

ヴェント「……ハン、マチマチよ」
276 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:06:28.98 ID:F4zAcRVSO
マタイ「そうか…」

マタイ「科学側に魔術を譲歩するなど許されることではない…」

マタイ「しかしフィアンマの陰謀を止めることができたのは、科学と魔術の壁を超えて皆が協力したからこそ」

ヴェント「……だからアイツらに魔術を学ばせて匿うのを許したってこと?」

マタイ「新たな可能性のためにな…」

マタイ「能力者は魔術を使えないが、そなたが教えるということは何かあるのだろう?」

ヴェント「…………その理想はご立派と評価しておいてあげるけど」

ヴェント「今、ここに来た本当の理由は何?」

マタイ「……」

マタイ「実はな」
277 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:07:09.34 ID:F4zAcRVSO


佐天「ない…ない…」

佐天「!」

佐天「あった!」

佐天「……あと、二つ…」

佐天「…」ハァハァ

佐天「頑張れ…あたし」
278 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:09:37.97 ID:F4zAcRVSO

――――

ヴェント「はあ!?」

マタイ「今話したことは全て本当のことだ」

ヴェント「……イギリス清教が学園都市協力派施設を攻撃する?」

ヴェント「私が言えた義理じゃないけど…やっと世界状勢は静まってきている所なのに…」

ヴェント「また波風をたてるようなことを、イギリスはなにを考えてるわけ!?」

?「おそらくはイギリスのためであろう」

ヴェント「!?」

アックア「久し振りであるな、ヴェント」

ヴェント「……アックア」
279 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:10:35.05 ID:F4zAcRVSO
ヴェント「この情報はアンタの垂れ込み?」

アックア「ああ」

マタイ「アックアはイギリスに常駐していたのだよ」

ヴェント「……」

ヴェント「で?『イギリスのため』ってのは?」

アックア「……学園都市の統括理事長は、あの魔術師アレイスター=クロウリーだ」

ヴェント「!?」
280 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:12:00.23 ID:F4zAcRVSO
マタイ「……」

ヴェント「なん……ですって!?」

ヴェント「馬鹿な、私は一度対面したけどそんな気配は…!」

アックア「それもそうであろう、あの伝説だ…なにかの細工を施して誤魔化していたのだろう」

アックア「イギリスの最大主教ですら確信を得れずにいたレベルのな」

ヴェント「……」

マタイ「それで…」
281 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:13:07.39 ID:F4zAcRVSO


佐天「垣根さん!」バタン

佐天「……ぐっ」クラ

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「全部…花を集めましたよ…!」バッ

佐天「さあ、吸って」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

スゥ

佐天「…」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「な…」

佐天「効かない!?」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」
282 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:14:09.95 ID:F4zAcRVSO

――――

マタイ「指名手配されているアレイスターを『魔女狩り』という名目で始末し…」

アックア「……世界大戦で学園都市が得た利益をかすめとろうという思惑であろうな」

ヴェント「随分強引じゃない」

アックア「だがそれを押し通す女である、あの最大主教は」

ヴェント「ふーん」

ヴェント「で?それを私に伝えて何をしようと?」
283 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:15:16.39 ID:F4zAcRVSO
アックア「止めるのに協力してほしい」

ヴェント「はあ?」

アックア「我輩は既に聖人としての力は失われた」

アックア「一人では心許無い点が多数ある」

アックア「つまり我輩だけでは止められない可能性もあるのだ」

マタイ「…」

アックア「再び大きな戦が始まることは絶対に避けたい」

ヴェント「……」

アックア「だから、頼むのである」

ヴェント「……」

ヴェント「らしくないわね」
284 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:19:46.08 ID:F4zAcRVSO
アックア「む?」

ヴェント「今まではどんなに分が悪かろうと、自分一人で騒乱の元凶を粉砕する、アンタはそういう男だった」

アックア「……」

ヴェント「なのに私に協力とからしくない、何が目的?」

アックア「……」

マタイ「……私と同じなのだろう」

マタイ「あの世界大戦を経て、何か思う所があったのだ」

アックア「……」

ヴェント「フン……分かったわよ」
285 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:20:37.57 ID:F4zAcRVSO


佐天「なぜなんだー!!」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「なぜ治らない…」

佐天「やはり…この治療法は違うのか…!」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん…………」


垣根「…………あの日見た花を思い出せ…」

佐天「!?」

垣根「……飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「……」

佐天「相変わらずアニメ好きなのは置いといて…」

佐天「そういうことだったのかぁぁ!?」
286 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:21:29.84 ID:F4zAcRVSO

――――

アックア「すまない」

マタイ「……フ」

ヴェント「チッ」

ヴェント(本格的にお人好しになってきてるわね私…嫌になる)

アックア「ではさっそく行こう、急ぐのである」

ヴェント「ハイハイ」

ヴェント「……」

ヴェント「そうだ」

アックア「む?」

ヴェント「足手まといを連れていくわ」

アックア「なに?」

マタイ「……まさか」

ヴェント「わざわざ手伝ってやるんだから文句は言わせないわよん」
287 :1[saga]:2011/05/24(火) 23:22:51.84 ID:F4zAcRVSO


佐天「なにが足りなかったのか分かった」

佐天「そう」

佐天「まだあったんだ…花が…」

佐天「そう、まだ花飾りの草に隠れている花があった!それが足りなかったんだ!!」

佐天「その花を集めれば…垣根さんは助かる」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

佐天「うおおおおおお!探すぞぉぉぉ!!」

291 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:16:32.98 ID:YgNYf6bSO
アックア「足手まといだと?」

ヴェント「えぇ」

ヴェント「学園都市の人間よ」

アックア「なに」

ヴェント「そいつらワケあって学園都市から追われてね」

ヴェント「だからこれをキッカケに返す目処を立てとこうということ」

アックア「むう」

アックア「学園都市といえば超能力者を使う者なのであるか?」

ヴェント「半分はね」
292 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:17:09.04 ID:YgNYf6bSO
アックア「半分だと?」

ヴェント「一人はかなり上位の能力者らしいけど、もう一人はあまり使えない」

アックア「……」

ヴェント「だが」

ヴェント「魔術が使えるのよ」

アックア「……なんだと?」

アックア「学園都市の能力者が魔術を使うと反発がおこり最悪死に至るはず…それ以前に…」

ヴェント「ええ」
293 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:17:48.90 ID:YgNYf6bSO
ヴェント「信仰心の薄い日本人が使えば、すぐ駄目になる」

ヴェント「けどソイツはケロッとしてんのよ、反発はおこってるのに」

アックア「……」

ヴェント「何かあると思うんだけど、中々分かんない」

アックア「それを今回の戦いで見極めるつもりであるか」

ヴェント「そう」

ヴェント「それにさっき言ったように、学園都市に帰る目処を立てるため」

アックア「ふむ」
294 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:18:41.24 ID:YgNYf6bSO
アックア「まあいいだろう」

ヴェント「反対しても連れていく気だったけどね」

アックア「ふん、でそいつらはどこにいるのであるか?」

ヴェント「こっちよ」


トコトコ

マタイ「……頼むぞ」


ヴェント「ここにいるはずよ」

アックア「そうか」

コンコン

ヴェント「……」

アックア「? いないのであるか」

ヴェント「どうせいるわ……入るわよ!」

ガチャ

ヴェント「おい…」

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

ガチャ
295 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:19:28.70 ID:YgNYf6bSO
ヴェント「……」

アックア「どうしたのだ?やはりいなかったのか」

ヴェント「いや、部屋を間違えた」

佐天「あ、ヴェンちゃん!と…そちらの方は…?」

アックア「……この娘がか」

ヴェント「ん、佐天、垣根はどこ?」

佐天「……垣根さんならそこの部屋ですけど」

カザリィィィィン、カザリィィィィン

ヴェント「……」
296 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:20:04.16 ID:YgNYf6bSO
佐天「今、垣根さんの病気を治す花を集めてたんですよ」

アックア「病か」

佐天「あ、はい」

アックア「ああ、名乗り遅れたな、我輩は『後方のアックア』、ヴェントと同じ元・『神の右席』である」

佐天「へーじゃあすごいんですか、まあ…その筋肉からすごいと分かりますけどね」

アックア「今は力のほとんどが失われているがな」

ヴェント「それより」

カザリィィィィン、カザリィィィィン

ヴェント「アレ、早く治しな、ウザいから」

佐天「あ、はい!」

ヴェント「それと旅の仕度しな」

佐天「……はい?」

ヴェント「にぃ」

佐天(……いやーな予感…)
297 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:23:39.70 ID:YgNYf6bSO
佐天「さあ垣根さん、最後の花ですよー」

スゥ

垣根「飾利ぃぃぃぃん、飾利ぃぃぃぃん」

垣根「…………」

垣根「……」

垣根「……あ」

佐天「垣根さん」

垣根「佐天、か」

垣根「……」

垣根「……正直、お前のことは気に食わなかったが」

垣根「今回のことは…褒めてやらんでも、ないぜ…」

垣根「それと…」

垣根「ありがとう、な」
298 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:24:07.56 ID:YgNYf6bSO
佐天「あ、いいんでヴェンちゃんが旅仕度しろと」

垣根「軽く流しやがった!友情イベントを!!」

佐天「はいはい」

垣根「……なにしに旅すんだよ…」

佐天「あたしもまだ聞いてません」

ヴェント「アンタ達が学園都市に帰るための余興よ」

垣根「……余興?」

アックア「そうである、だが生半可な覚悟ではいかぬ」

垣根「誰だ?」

佐天「後方のアックアさんです」

垣根「広報…?諜報部隊のコードネームか何かか?」

アックア「後方のアックアである」
299 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:25:05.27 ID:YgNYf6bSO
ヴェント「詳しい話はまた後でする」

ヴェント「ただ厳しい戦闘になるとだけ言っとく」

佐天「え!?」

垣根「へぇ…」

ヴェント「だから早く仕度しろ」

佐天「はい」

垣根「へいへい」

アックア「……」

ヴェント「……に」
300 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:26:28.20 ID:YgNYf6bSO


垣根「イギリスが、学園都市協力派施設を…!?」

垣根「……そんなことしたら…」

ヴェント「おそらくイギリス清教と学園都市の戦争が始まるわね」

アックア「イギリス清教の目的から察すれば、我輩達ローマ正教やロシア成教といった他三大勢力を抱き込むことはなかろう」

ヴェント「世界大戦ということにまでは至らないだろうが再びギスギスしてくるだろう」

垣根「……」

垣根「で、俺らはなんでそれに巻き込まれた?」

ヴェント「学園都市は今、戦争を望んではいないだろう、まあ戦争をする余力はあると思うし喧嘩を売られたら買うかもしれないけど」

ヴェント「あってもなくてもいい、できることなら無い方が良い」
301 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:28:11.98 ID:YgNYf6bSO
垣根「……つまりイギリス清教とやらが売ろうとしてる喧嘩を未然に止めることで、学園都市に恩を売ろうと…」

ヴェント「そう☆その恩をきっかけに学園都市に復帰って流れ」

垣根「そう簡単にいくかねえ」

ヴェント「確率は高いわ」

垣根「……?」

ヴェント「アレイスターにとってアンタらを学園都市に離したのは、一時的だけのつもりだろうからね」

垣根「一時的?」

垣根「……つまり、戻ってくると予測済み、計画通りってことかよ」

ヴェント「ああ」

垣根「気にいらねえ」

ヴェント「でも帰りたいんでしょ?」

垣根「……ふん」
302 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:35:01.66 ID:YgNYf6bSO
アックア「つまり、イギリス清教の行為を止めれば良い、今考えるべきはそれだけである」

垣根「……分かったぜ、俺のために全力でやってやるよ」

ヴェント「ふふ…私の『天罰術式』はピンチ以外使わないからね…」

アックア「……『天罰』、修復できたのか?」

ヴェント「まあね、皮肉にもアレイスターのおかげで」

ヴェント(『天罰』は魔力の燃費が悪い、悪くなった…おそらくアレイスターに霊装の構造をイジられたんだろう)

垣根「ハッ、あってもなくてもよかったがな」

佐天(つまり頑張ればいいのか)
303 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:37:21.17 ID:YgNYf6bSO
―イギリス


神裂「……では、行きましょう」

ステイル「ああ」

ステイル「……大丈夫か?」

神裂「……はい」

神裂「しかし…あの子とイギリスや学園都市の人々…どちらをとっても……」

ステイル「僕はやるよ」

神裂「……」

ステイル「やらなければあの子が傷つくというならば誰だろうと焼き尽くす」

神裂「……」

ステイル「できないというならば来なくていいよ、一人でもやり遂げてみせるからさ」
304 :1[saga]:2011/05/25(水) 23:38:17.48 ID:YgNYf6bSO
神裂「……」

ステイル「……」

神裂「ぐぅ…!ちくしょうっっっ!!」

ガツン!!

ステイル「…」

パラパラ


神裂「……いきます」

神裂「戦争がおこっても、犠牲を出さねば良いのでしょう…」

ステイル「相変わらず自棄になると無茶なことを言うね」

ステイル「ついたよ」ザッ

神裂「学園都市協力派施設……」
308 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:42:16.31 ID:ArfkAF7SO
パラパラパラパラ

ステイル「さっさと終わらせるよ」パラパラパラパラ

ステイル「……本当に覚悟はあるのかい?」

神裂「ええ」

神裂「しかし中にいる人を死なせるつもりはありません」

ステイル「……勝手にしなよ」

ステイル「じゃあ、いくよ」
309 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:43:21.72 ID:ArfkAF7SO
ゴッ

神裂「!」ピクン

ステイル「!!」

バババッ

ステイル「……これは、とんでもない来客があったものだね」

神裂「……ッ」

ヴェント「ハーイ、イギリス清教の魔術師達」

アックア「貴様らを止めにきたのである」

垣根「コイツらか…」
310 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:45:00.27 ID:ArfkAF7SO
ステイル「……」

神裂「後方のアックア…」

アックア「極東の聖人よ…まさかこのような形で再び対立することになろうとはな」

神裂「……」

ステイル「……なるほど『神の右席』か、厄介なのに睨まれたね」

ステイル「まさか全員かい…?」

垣根「俺は違うぜ、ま、戦闘力は半端ないがな」

アックア「一つだけいっておくが我輩達は既に『神の右席』ではない…」

ステイル「……」

アックア「ただ、貴様らを止める者として、ここに立ちふさがるのである」
311 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:45:44.79 ID:ArfkAF7SO
神裂「……」

ヴェント「そんな大層にいうことでもないでしょ」

垣根「まあ確かに、俺は自分のために飾利のためにやってるだけだしな」

アックア「フン」

アックア「では」

ステイル「……」バッ

神裂「……」グッ

アックア「いくのである!!」バッ
312 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:46:56.62 ID:ArfkAF7SO
ステイル「…」バッ

ステイル「炎よ。巨人に苦痛の贈り物を!!」

ボンッ

垣根「っとォ!」バッ

アックア「むうう!」ヒュン

垣根「炎か…アブねぇ」

ヴェント「ホラ、避けても油断しない!!」ビュオッ

垣根「!」

神裂「ッ」ヒュン

ヴェント「あやうくぶっ飛ばされるトコロだったわね」

垣根「……」

垣根(あの神父の炎を避けた所を刀の女が攻めるつもりだったのか…)

垣根「チッ、初歩的なモンにひっかかる所だったぜ!」バサッ

ステイル「! 翼…?」

垣根「……」スッ

垣根「まずは神父…テメェの炎の法則を解析させてもらおうか」

オオオ…

ステイル「……」

神裂「この感じ…魔術ではない…?」
313 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:48:16.23 ID:ArfkAF7SO

神裂「どう配分します…神の右席二人に謎の能力者…それに対してこちらは二人…」

ステイル「……」

ヴェント「フン」ガチャ

アックア「…」オオオ

垣根「……」

ステイル「……お互いをカバーしながら臨機応変に戦おう、とにかく一対一に持ち込まれないように」

神裂「はい…」

神裂「…」グッ

ヒュン

垣根・ヴェント・アックア「!!」

神裂「……」ビュビュン

垣根「……ぅお!早ェ!!」

アックア「だが動きまわるだけでコチラには迫らない、つまり撹乱であるか…」

ヴェント「!?」ハッ

ステイル「灰は灰に、塵は塵に…」オオオ

神裂「…」ビュビュン…

ヴェント「クソっ、あっちこっちで!!」ビュン

ステイル「吸血殺しの紅十字!!」ボァアッ

ドーン!
314 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:49:25.60 ID:ArfkAF7SO
モクモク

ヴェント「相殺か…」

アックア「あの聖人は…!」

垣根「視界が悪くて見失った!!」

モクモク

―――ゴォッ

垣根「」ゾクッ

垣根「なにかくるぞ!気をつけろ!!」

神裂「七閃」ヒュヒュン

ギャリィィ

垣根「うぉあっ!」ギャリ

アックア「むむ!」ヒューン

神裂「……チッ」

垣根(なんだ…?鉄線?ワイヤーか!?)

―――ボオアッ!!

垣根「うぉあああああっ!!」ドーン

アックア「垣根!!」

垣根「ぐ…はっ!」ゴロゴロ

ステイル「……直撃したはずだが無傷か、化物め」

垣根「危ねぇ…」バッ
315 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:51:06.80 ID:ArfkAF7SO
垣根「オイオイ、アックアさんよぉ!お前もなんかしろよ!」

アックア「この辺りは水が全くないのである」

アックア「加えて聖人としての力も失われている、故にこうして叩く機を待つしかないのである」

垣根「散々偉そうなことばかり言ってたけど使えねぇな!!」

ヴェント「あーうるさい!完全に相手のペースに持ち込まれてるわよ!!」


モクモク

垣根「……視界か悪いのが不利だな」

ヴェント「私の風て振り払うわ」ヒュ…


―――ボンッ!!

垣根「く!! きたか!」

アックア「!」

コロンコロン…

垣根「……石?」

ヴェント「囮だ!」ビュオッ

モクモク…ブアッ!!


アックア「む!!」
316 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:53:14.88 ID:ArfkAF7SO
ゴアアアアァァァァッ

垣根「な!」

ステイル「魔女狩りの王(イノケンティウス)」

神裂「……炎の魔法陣」


―――ダ ブ ル フ レ イ ム


垣根「……これは」ビリビリッ

アックア「まずいのである……ッ!!」

ヴェント「チィ!風でかき消してやる…」ビュビュン

ゴァアアアアアアア……!

ブアッ

ヴェント「く…!」

垣根「逆にかき消されてんじゃねえか!……く!!」

アックア「」

ドーン
317 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:54:40.48 ID:ArfkAF7SO
パラパラ

神裂「……」

ステイル「……」

パラパラ

垣根「……く」プスプス

ヴェント「……がはっ」

アックア「……ぐ」

神裂(……やはり噂通り、後方のアックアは力のほとんどを失ってようですね)

ステイル(ああ…そしてもう片方の『神の右席』も右席特有の力を発揮できないでいるようだね)

神裂「となると…」

ステイル「ああ」

垣根「……ぐ」フラ

ステイル「あの未知数な能力者を先に片付けるとしようか」

神裂「ええ」

神裂「今の攻撃で相手三人は等しく負傷したようですからね…となると狙いはあの少年です」

垣根「……」
318 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:55:48.15 ID:ArfkAF7SO
垣根「ぐっ」

アックア「貴様……狙いを定められたようであるぞ」

垣根「知ってるよ」

アックア「……我輩を」

垣根「だからといって」

垣根「使えないお前を盾にした所で何にもならないだろ」

アックア「ではどうする…」

垣根「勿論…引き続き交戦するさ、ちょうどいい…トレーニング相手だ」

アックア「……」

アックア「承知した」

アックア「我輩も…共に戦おう」フラ

垣根「勝手に……しろ、よ」フラ

アックア「ふむ」ダム
319 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:56:16.62 ID:ArfkAF7SO
垣根「…」

アックア「…」

神裂「…」

ステイル「…」

ヴェント(あー体痛い、ロクに動けないわ…)

ヴェント(二人とも熱くなりやがって…)

ヴェント(この様子じゃ『天罰』使う余力ないな…)

アアアアアアアアアアアアアアアアアアア…

ヴェント「……」

アアアアアアアアアアアアアアアアアアア…

ステイル・神裂「?」

垣根「……」

垣根「……役立たずがきたよ…」ガク

佐天「あああああああ!!」ダダダ
320 :1[saga]:2011/05/26(木) 15:58:23.88 ID:ArfkAF7SO
やっぱり台本形式で集団戦は僕には無理でした
とりあえず戦ってるってことだけ分かってもらえればいいです

ではまた
321 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:16:25.54 ID:ArfkAF7SO
佐天「はー!はー!はー!!」

神裂「……彼女は?」

ステイル「さあ…どうせ奴等の仲間だろうがね」


佐天「はあっ!はあっ!はあっ!!」

佐天「やっと追いついた!!」

垣根「なにしに来たんだよ」

佐天「決まってんでしょうが!アイツらなんでしょ?テロおこそうとしてる人達」

垣根「そうだよ」

ヴェント「で、なにしに来たんだよ」

佐天「止めにきたんだよ!!君達と同じく!!」
322 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:17:20.38 ID:ArfkAF7SO
佐天「まあ…遅れたが…ヒーローは遅れてやってくるんだからね」

垣根「俺らの進むスピードについてこれなかっただけだろ」

佐天「そうだよ?早すぎんの、みんな!各々の能力使ってビュンビュン進みやがって!!乗せていってよ!!!」

ヴェント「ヒーローなら私達が炎の攻撃くらう前に出てこいよ、つまりお前はヒーローじゃないよ、ただのお邪魔虫足手まとい」

佐天「そろそろ泣いていい?」

アックア「そんなヒマはないのである」

佐天「え?」

ステイル「魔女狩りの王!!」

ゴアアアアァァァァッ!!

佐天「ぎゃあああああああ!!」
323 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:17:59.42 ID:ArfkAF7SO
佐天「あれも魔術!?」

垣根「そうだよ、そんな戦いだ」

佐天「……」ゴクッ

アックア「娘よ、貴様にアレに立ち向かう覚悟はあるか?」

佐天「……」

ヴェント「別に下がっててもいいよ」

佐天「ヴェンちゃん」

ヴェント「例の交渉ではアンタも闘ったことにすればいいだけだし大丈夫」

佐天「……」

垣根「……」

佐天(そうだ)
324 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:19:09.67 ID:ArfkAF7SO
佐天(これは飾利に再び会うための戦い)

佐天(……垣根さんも)

垣根「……」フラフラ

佐天(あんなにフラフラなのに頑張って……やっぱり、飾利に…)

佐天(垣根さんには負けない)

佐天(そして…)

ステイル「焼き尽くせ!」ボアアッ

垣根「チィッ!!」

佐天「……」ブンッ

ブアアアアアアアッ

佐天「飾利に会う!!」
325 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:20:32.12 ID:ArfkAF7SO

垣根「!!」

アックア「……!本当に魔術を」

佐天「…」ブオオオ

魔女狩りの王『』ボシュ……

ステイル「魔女狩りの王!?」

ステイル「吹き消されただと!?」

佐天「……やります!」ボタボタ

垣根「フン、助けねぇぞ」

アックア「……」ニィッ

ステイル「く…」

ゴァアアアアア

佐天「吹き消した手が復活した?」

垣根「どうやらヤツをノックアウトさせねーと駄目らしいな」

アックア「いやそれより簡単な方法がある」

垣根・佐天「?」
326 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:21:32.07 ID:ArfkAF7SO
ヴェント「……」

ヴェント(佐天のやつ…また使いやがった魔術を!)

ヴェント(しかも桁外れの威力…この前の魔術師Bとの対戦の時はそよ風程度の出力だったのに)

ヴェント(なんなんだ……奴がいきなり強くなる条件はなんでだ)
327 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:22:04.05 ID:ArfkAF7SO
ステイル「……なんだあの女の子は」

神裂「一部だけとはいえ、魔女狩りの王を一瞬でも吹き消すほどの威力の風を」

ステイル「……また厄介なのが増えたね」

神裂「しかしやるべきことは変わりません」

ステイル「ああ」

ステイル「邪魔者を焼いて、学園都市協力派施設を襲撃する!!」
328 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:24:00.39 ID:ArfkAF7SO

垣根「つまりこの一帯に撒かれてるカードがあの神父の魔術の核か」

佐天「カードじゃなくて『ルーン』ですよ」ドヤ

垣根「わーってるよ!」

垣根「つまりそのルーンを全部消し飛ばせばいいわけだな」

アックア「ああ、我輩も同じ魔術を使うことがあるものでな」

垣根「よし、片っ端から」

垣根「!」

神裂「させると思いますか」ヒュン

アックア「く…」

ガギィン

垣根「…!」

神裂「な……?」

佐天「お姉さん、中々力強いね」ギリギリ

アックア「…」
329 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:25:13.92 ID:ArfkAF7SO
佐天「とりゃ!」ガギィン

神裂「!」

神裂「……ぐ!!」ザザ…

ステイル「馬鹿な…神裂が単純に力で押し返された?」

ヴェント(やっぱり…おかしいアイツ……!)

神裂「まさか…貴方も聖人」

佐天「いや…」

佐天「ただの天使の恋人さ」

神裂「て、天使の恋人……ッ!?」
330 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:27:30.89 ID:ArfkAF7SO
神裂(天使の恋人…)

神裂(……そんな『歴史上の人物』も『伝説』も『魔術』も聞いたことがありません)

神裂(ですが『天使の恋人』という名から察するに、あの『天使』に親しき者に変化できると思われます…)

神裂(つまり彼女は天使に匹敵するほどの『天使の力(テレズマ)』を宿している可能性が……!?)

神裂(なるほど…私を押し返す力があるのも頷けます)

神裂(しかし…)

佐天「……」

神裂(彼女からは全く『天使の力(テレズマ)』が感じられません…)

神裂(……なんらかの結界を張り、隠しているのでしょうね)

神裂(これでは彼女の保有する『天使の力(テレズマ)』の総量が把握できない…つまり彼女の力も未知数…)

神裂(できる…)

神裂「…」スッ

神裂「本気でいきます」
331 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:28:32.83 ID:ArfkAF7SO
神裂「……………」カッ

佐天「あああああああっ!!」ダダダ

神裂「」


唯    閃   !


佐天「ぐああああああああああああああっっ!!」

ドサッ

神裂「…」チン…

神裂「峰打ちです」
332 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:29:33.93 ID:ArfkAF7SO
垣根「……」

垣根「やっぱりやられてるよアイツ」

アックア「仕方ないのである」ダッ

垣根「俺はルーンを駆除、駆除、駆除……っと!」ボンッ

ゴォッ

ゴォッ

ステイル「……」

ステイル「……」バラバラバラバラバラ

垣根「あっ!また撒きやがったな!!」

ステイル「あいにく億単位で持ってるから」バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ

垣根「ぬぐぅぅぅぅ…!」

ステイル「よいしょ」バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ

バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ

バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ

バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ

垣根「もう勘弁して!」
333 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:31:06.52 ID:ArfkAF7SO
垣根「やっぱりテメェを直接ぶっ倒す」

ステイル「できるかな」

魔女狩りの王『』ゴアアアアアッ

垣根「チィッ、この炎の化物が厄介だな…!」ヒュッ

垣根「!」

ステイル「吸血殺しの紅十字!!」ボオアッ

垣根「ぐ……あああああっ!!」ボゴォン!

垣根「つつ……って!」ゴロゴロ

魔女狩りの王『』ジュウウウウ

垣根「うおおおおおおっっ!当たる当たる!!」ギューン
334 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:32:00.22 ID:ArfkAF7SO
垣根「ハアッハアッ、アブねぇ…」

ヴェント「情けない、ここまで逃げてくるなんて」

垣根「サボってるお前がいうな!!」

ヴェント「サボってないわよ」

垣根「?」

ヴェント「アイツ見てんのよ」

垣根「アイツ?」

ヴェント「……」

垣根「……佐天?」
335 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:33:18.52 ID:ArfkAF7SO
神裂「……な」

アックア「……」

佐天「いたた…」ムク

神裂「……さすが『天使の恋人』といったところですか…」ツー

佐天「まあね…」

佐天「貴方にぶったたかれた時は意識とんだけど…すぐにやる気と気力と体力が戻った」

佐天「飾利のため」

神裂「飾利…」

神裂「貴方の大切な方か何かですか」

佐天「ええ」

佐天「どっかのメルヘンになんか渡さない、あたしの大切な大切な…」

佐天「恋人です!!」ダーン

アックア「速い!!」

神裂「く!」
336 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:33:47.57 ID:ArfkAF7SO

唯閃より早く

佐天「」

バットが

神裂「……!」

神裂の脇腹に

神裂「」ドサッ

ヒットした


アックア「……」

佐天「飾利……やったよ…!」
337 :1[saga]:2011/05/26(木) 21:35:08.81 ID:ArfkAF7SO
ステイル「神裂!」

垣根「余所見する余裕あんのかよ」

ステイル「!?」

ステイル「魔女狩りの……!?」

ステイル「な!?」

魔女狩りの王『』ドロドロ

垣根「テメェがあっちに気をとられている間にルーンは全部消し飛ばした」

ステイル「……くっ」バラ…

垣根「遅ぇよ」

バオオオオオオオオオオオッ!!!

ステイル「ぐわあああああっ!!」

ドサッ

垣根「……」フン

垣根「勝利」
342 :12011/06/02(木) 00:11:19.02 ID:T2uvvWkSO
佐天「へーい!」

アックア「とりあえず勝利である」

垣根「そうである」

佐天「であるである!」

ヴェント「まだみたいよ」

垣根「は?」

ステイル「……ぐ」

神裂「不覚をとりました…」
343 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:11:58.10 ID:T2uvvWkSO
垣根「まだやるのか?そんな体で」

ステイル「当たり前だ、骨になろうがこの襲撃を成功させる」

アックア「このようなことをして、何になるのであるか…ましてや、そんなになってまでやる意味はあるのか?」

神裂「……親友のためです」

佐天「!」

ステイル「あの子の無事のためなら世界がどうなろうと構わない」

垣根「…」

アックア「……本気なのであるか」

ステイル「ああ」

神裂「どうしようもないんですよ!どの道を選んでも…何かを失ってしまうのです!!」

佐天「……垣根さん」

垣根「おお」

アックア「…」

垣根「話してみろよ」
344 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:12:35.27 ID:T2uvvWkSO
ステイル「なに?」

垣根「詳しい事情を話せってんだ」

神裂「なんのつもりですか?」

佐天「ただ」

佐天「親友のために頑張る人達に共感したというか…ほっとけなくなって…」

垣根「ああ、俺は恋人のために…」

佐天「あ、間違えた恋人だった」

垣根「なにいってんだよ、お前にとって飾利は親友だろ」

佐天「親友であり恋人ですけど」

ステイル「……」ボッ

アックア「待つのである」
345 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:13:18.79 ID:T2uvvWkSO
アックア「我輩も話合いを所望する、どうやら貴様らを粉砕しようが騒乱の前兆は消えそうにないとみた」

神裂「……」

ステイル「……」

ヴェント「ハー、早く話しなさい、まあ大体は察しがつくけどね」

垣根「」ガシガシ

佐天「」ボコボコ

神裂「……ステイル」

ステイル「好きにしなよ」

神裂「……実は」
346 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:14:54.24 ID:T2uvvWkSO

アックア「なるほど、この襲撃を成功させねば禁書目録を」

ヴェント「わっかりやすい手ねぇ、まあそんなので操られるアンタらにも非がありそうだわよ」

ステイル「なんとでもいえ」

神裂「はい…インデックスは大切な親友なのです…今までも沢山傷つけた、もう……」

ステイル「……」

アックア「……」

ヴェント「しかしどーすんの?アンタらの襲撃を成功させたらイギリスと学園都市の戦争」

アックア「失敗させると禁書目録の危険…か、究極の二択であるな」

アックア「……」

ヴェント「まさかアンタ…直接最大主教の所に乗り込む気じゃないでしょうね」

アックア「……」

ステイル「それは駄目だ!」
347 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:16:06.82 ID:T2uvvWkSO
ステイル「あの女は禁書目録を操る霊装を所有している…それはあの子に莫大な負荷を与え苦しめる…」

神裂「だからこそ大人しく従うしかないのです…刺客を送り込むわけでもない…」

神裂「……ただ霊装を発動させるだけで制裁は完成するのですから」

佐天「だったらその霊装とやらを壊せばいいじゃないですか」

垣根「珍しく話についてこれてると思ったらあいかわらず馬鹿だな」

佐天「なぬ!?」

垣根「壊せねぇように管理されてるに決まってんじゃねえか、だからこそこいつらも大人しく従ってるんだろうし」

垣根「なにより…コマをスムーズに動かすための手段をそう簡単に失うようなヘマしねーよ」

垣根「……だろ?」

神裂「はい…おそらく」
348 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:17:58.37 ID:T2uvvWkSO
佐天「だったら…」

佐天「禁書目録という子を護衛しますよ」

垣根「馬鹿を通りこしたか?護衛なんかつけた所で操作を防げない…」

佐天「ふふふ、防げるんだなこれが」

垣根「は?」

ステイル「なに!?」

神裂「……どういうことですか?『天使の恋人』…」

佐天「操作するのを妨害すればいい!!」

佐天「垣根さんの能力で!!」

垣根「俺がかよ!!」
349 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:19:05.29 ID:T2uvvWkSO
ヴェント「確かにアンタの『未元物質』ならば、遠隔制御霊装の仕組みを解析すれば妨害可能かもね」

垣根「いや…」

佐天「よっ、救世主!」

垣根「え…?」ウズ…

神裂「本当ですか…?」

垣根「あ、いや…」ウズズ…

ステイル「可能なのかい?」

垣根「その…」ウズウズ

佐天「今の垣根さん最高にカッコいいぜ!!」ヒューヒュー

垣根「まあね!なんせ未知なる可能性を秘めた垣根帝督だからね!!」ドーン!!
350 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:20:08.68 ID:T2uvvWkSO
垣根「あ…」

垣根「で、でもその遠隔制御装置がどんなものか知らないと解析しようが…」

佐天「それくらい予測しろよ、二位とくん(にいとくん)」

垣根「変なあだ名つけんなって!しかも毎回ウマくないんだよ、無理矢理感強いんだよ!!」

ヴェント「でもアンタがいくのが一番堅実だよね」

垣根「……う」

アックア「しかし垣根は超能力者だ、魔術サイドの行為を妨害すればそれこそ再び科学と魔術の境界線が」

ヴェント「ナニいってんの、そんなことに問題があったら最初からココに連れてきてないわよ」

アックア「なに?」

ヴェント「能力者の垣根帝督、佐天涙子は死んだ、今ここにいるのは魔術師垣根帝督、佐天涙子」
351 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:23:04.62 ID:T2uvvWkSO
アックア「そんな屁理屈が…」

ヴェント「するんじゃない?アレイスターもアンタらを死んだことにしたのには乗ったし、なにより暫くは世界を荒らすつもりもなさそうだし」

ヴェント「だから学園都市がなんとかするっしょ?」

垣根「そんなテキトーな…」

神裂「では…」

佐天「決まり!」

ステイル「……すまない…」

佐天「いいんだよ、煙草のおじさん!!」

ステイル「僕は一応、一四歳だ」

佐天「え!?一歳しか違わないの!?」

垣根「え!?俺年上!?」
352 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:23:38.20 ID:T2uvvWkSO
アックア「むう、色々と危なげな所はあるが…この作戦でいくのであるか」

ヴェント「まー私としちゃー荒れなきゃどーでもいいんだけど、禁書目録を見捨てたらアンタらがウルサいじゃん」

アックア「む」

ヴェント「私をこの決断に追いやったアンタらの責任ということで精一杯頑張れ」

アックア「……承知した」

アックア「では、イギリスへ向かうか」

神裂「あ、いえ…今インデックスはイギリスにはいないのです」

アックア「? ではどこへ?フランスかロシアか?」

ステイル「……忌々しいことにね」

垣根・佐天「?」

ステイル「……日本、もっと詳しくいうと…学園都市さ」

垣根「なにぃ!?」
353 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:25:21.14 ID:T2uvvWkSO
垣根「学園都市だって?ソレはマズくねぇか!?」

ステイル「だから忌々しいと言った」

垣根「学園都市には顔見知りが多い、いくら魔術師を装っても…」

佐天「友達いたんだ」

垣根「やっぱり…無理じゃね?」ムシ

アックア「……むぅ、いざとなったら…」

ヴェント「捩じ伏せたらまた揺らぐわよ、構わないなら止めないけど…」

アックア「…」

ステイル「……!く、やはり僕があの学園都市協力派施設を…!!」

神裂「ステイル、落ち着いてください!!」
354 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:27:43.69 ID:T2uvvWkSO
アックア「……我輩が学園都市を襲撃した時とは違う…あの時はすでに世界状勢は揺らいでおり、『幻想殺し』を潰すという大義名文かあったからこそ実行したのである」

アックア「だが今は違うのである…自ら揺らがすことはできない」

ヴェント「どーする」

ステイル「……!」イライラ

神裂「ステイル…!」

ステイル「分かっている!!」

垣根「……」

佐天「だったら変装すればいいじゃん」
355 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:29:29.20 ID:T2uvvWkSO
垣根「は?」

佐天「だから変装」

アックア「成程、学園都市の人間には魔術と見破ることはほぼ不可能…」

神裂「しかしそのような術式を持つ者はいるのですか?」

アックア「ないであるな」

ヴェント「私も無理」

垣根「ふぅ」

ステイル「僕なら顔を焼いて整形とかできるが」

垣根「嫌です、熱いのは大嫌いです」

神裂「私達天草式は潜むことに特化していますが…あくまで違和感を消す、残さない程度…『変装』は私の使える中では見当たりませんね」

佐天「仕方ないなー」
356 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:32:05.95 ID:T2uvvWkSO
垣根「なっ、何が仕方ないんだよ…」

佐天「変装する魔術がないなら、直に変装させなきゃいけないってことです」

垣根「…」ゾクッ

佐天「またあたしのカツラ被ります?」

垣根「もう女装は嫌だ、つかお前に変装しても意味ないだろ!」

ヴェント「だったら他の別人になるしかない、まず髪を剃れ」

垣根「……」

垣根「もう一回いって?」
357 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:34:05.51 ID:T2uvvWkSO
ヴェント「丸坊主にしよう」

垣根「」

垣根「だっ、だめ!それはダメ!!これ自慢の髪なの!!!」

垣根「第一…そんな丸坊主にしたら尚更目立つだろ!」

神裂「いえ、潜むのは技術の問題です、髪型で左右されることは少ないと…」

垣根「ちょっと黙っててくれませんか!?」

アックア「決定だ剃れ、流れなくてよいはずの涙を流させぬためだ…腹をくくるのである」

垣根「だったらまず俺の涙を…」

ヴェント「決定だな」

垣根「ちょ…ま…」

ヴェント「ダイナミック散髪!!」ブァァァアアアア! ギャリィィ

垣根「あ…!」
358 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:34:49.07 ID:T2uvvWkSO


バサァァァァァァァ(エコー)

359 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:42:30.76 ID:T2uvvWkSO




『戻ってくるようですよ。あの二人』

『チッ、数か月程度でオカルトを物にできるわけはないです』

『つまりなにかとイチャモンをつけて戻ってくるんじゃないん?』

『……あのストーカー共、今度こそ二度と戻れなくなるレベルで追放してやりますよ、アレイスターを介さずに』

『まあまあ、そう言わず☆』

『そうだ私に任せてよん、『私』…』
360 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:43:59.67 ID:T2uvvWkSO
『貴方は頭が悪い、なにもかも荒っぽく無駄に荒波が立ちます、貴方は秘密裏に追放するという仕事は合いません』

『えーだって、最近私全然出てないんだもん!つまんないつまんないつまんない』

『……はぁ』

『いいじゃないですか』

『?』

『確かにこの子が暴れますと、警備員が総動員されるほどの大事件に至るでしょう…』

『しかし確実に粉砕できます。垣根帝督も佐天涙子も』

『私達の望みはそれでしょう?』

『……後始末は私がやれってことですか、分かりましたよ』

『やったー☆』


?『ちょっと!』
361 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:46:00.21 ID:T2uvvWkSO


『なんですか。“一番目”』

初春『なにを言ってるんですか貴方達!早く私に返してください!!』

初春『……しかも佐天さんにまで手を出して、もう我慢できません!!』

二番目『……まるでこの体が自分一人のモノみたいな物言いですね『私』……』

三番目『そうだよ☆この体はみんなのモノだよ『私』…』

四番目『そうです。『私』は四人で一人…』

初春『……まさか』

初春『私は“四重人格”…?』

四番目『はい。最近気付いたんですか?』
362 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:46:35.75 ID:T2uvvWkSO
三番目『ではいくよ?』

四番目『どうぞ』

二番目『いってらっしゃい』

初春『あ、ちょっと!』
363 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:47:14.02 ID:T2uvvWkSO
――――
―――
――



「」

三番目「……ひひ」

三番目「ずっと二番目が支配してたからなあ、久し振りに暴れるぞ」

三番目「早く戻ってこい☆垣根帝督、佐天涙子☆」
364 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:48:21.46 ID:T2uvvWkSO
垣根「」ツルツル

ヴェント「断髪祭は終わったよ」

アックア「ご苦労」

佐天「ご苦労」

垣根「ご苦労じゃねえよ!」ツルツル

ヴェント「さーて早く学園都市にいけよな垣根、この魔術師らしい衣装きて」

垣根「学園都市の暗部といえどまだ人の話を『聞き』はした。しかしこの環境は違う。奴等は悪魔だ」

ヴェント「早く着ろよ」ホラ

垣根「神様…」
365 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:49:34.70 ID:T2uvvWkSO
佐天「じゃあ行きますか!!」

ヴェント「なにいってんの?アンタは駄目よ」

佐天「へ?」

ヴェント「当たり前よ、いくら面倒ごとが起こりにくい作戦とはいえ、この方法はあくまで相手を黙らせるギリギリの方法さ」

ヴェント「相手の態度次第ではまかり通らない場合もある」

ヴェント「だからなるべく潜伏がバレないように垣根一人でやる」

佐天「よくわからないけど…つまりあたしはまだ学園都市に帰れないの?」

ヴェント「うん」

佐天「……」

佐天「あああああああああああああああああああああ」

ヴェント「どうした?気がふれたか?」
366 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:50:41.49 ID:T2uvvWkSO
佐天「学園都市に帰れないってことは飾利に会えないじゃん!」

ヴェント「飾利に会いにいくんじゃねえよ!」

佐天「いや分かってるよ?飾利はついでで…修学旅行のお土産って感じで…いや、ないがしろにしてるわけじゃなくて…」

ステイル「……」

垣根「ざまあみろ」ブハ

佐天「あっ!貴様!!笑いやがったなぁ!!!」ガウ

ヴェント「もう黙れ!!」ブアォッ!!

佐天「がふぅぅう!!」ズカアアン

ステイル「神裂、あいつらに任せるのがとてつもなく不安なんだが」

神裂「……ええ…ですが……」
367 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:54:51.88 ID:T2uvvWkSO
ヴェント「じゃーいってらっしゃい垣根」

垣根「えっ?まさかここから自分一人でいくの?放置プレイ?」

アックア「ああ、ここからは別行動である、垣根は何処にも属さない流れの魔術師ということになるからな」

垣根「……」

ヴェント「垣根帝督という名前も捨てろ、偽名使えよ」

垣根「学園都市の暗部でもまだ自分の名前を語る自由はあった。しかしここにはそれすら無い」

ヴェント「潜伏するために必要なことだろう、意地悪ってワケじゃない」

垣根「ひどいや、ひどいや」シクシク
368 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:55:36.19 ID:T2uvvWkSO
垣根「じゃーいきます」

神裂「すいません…私達のせいで…感謝します」

垣根「全くだよ、次会った時は何か奢れよ」

ステイル「その代わり…絶対にあの子の遠隔制御霊装の妨害を成功させろ!」

垣根「ったくヘタレが偉そうに、それが人に物を頼む態度か」

ステイル「なに?」

アックア「そんなことより急ぐのである」

垣根「フン」

神裂「……では私達は、なるべく時間をかけてイギリスに帰還します」

アックア「ああ、健闘を祈る」
369 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:56:47.70 ID:T2uvvWkSO
神裂「」

ステイル「」


垣根「」スタスタ

アックア「いったか」

ヴェント「はあー疲れた…」

ヴェント「さーて、目的も果たしたし…私はバチカンに帰るけどアンタは?」

アックア「……」

アックア「我輩も同行しよう」

ヴェント「ふーん」

アックア「その佐天涙子」

ヴェント「?」

アックア「力はあるが技術がない…戦闘技術を鍛えてみるのも面白いのである」

ヴェント「はあ?」
370 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:57:57.14 ID:T2uvvWkSO
~~空港~~

垣根「……」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

垣根「」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

垣根「……やっぱり目立つよな」

ヒソヒソ

垣根「坊主だけならまだしも…」

垣根「衣装が全身緑色の礼服なんて」
371 :1[saga]:2011/06/02(木) 00:59:06.36 ID:T2uvvWkSO
ヒソヒソ

ヒソヒソ

垣根「これ……やっぱりマズい目立ち方だ…」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

垣根「」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

垣根「よし、着替えよう」
372 :1[saga]:2011/06/02(木) 01:00:08.43 ID:T2uvvWkSO
垣根「とりあえず、目立たないスーツでも買って着とくか…」

~~~~数時間後~~~~

垣根「」


垣根「よし、少しまともになった」

垣根「さーて帰るか学園都市に」

垣根「ふふふ…」

垣根「待ってろ飾利ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」ダダダ

ヒソヒソ ヒソヒソ

ヒソヒソ ヒソヒソ
373 :1[saga]:2011/06/02(木) 01:00:49.87 ID:T2uvvWkSO
~~学園都市~~

垣根「」スタ

垣根「……」

垣根「ついに、帰ってきたな…」

垣根「何か月ぶりだ?」

垣根「まあいいや、とりあえず…そのなんだっけ…?」

垣根「そうだインデックス、か」

垣根「白い修道服の少女…」

垣根「それだけ目立つ格好なら、警備員のお世話になってそうだな」
374 :1[saga]:2011/06/02(木) 01:01:28.32 ID:T2uvvWkSO
垣根「いくぞ」タッ

?「待ちなさい☆」ババーン

垣根「!!!!!!!!!」グリイン!!

垣根「こっ、この声は…!?」

三番目「ひっさしぶり☆」

垣根「飾利!?」
375 :1[saga]:2011/06/02(木) 01:02:15.82 ID:T2uvvWkSO
垣根「……ああ、久し振り……会いたかったぜ…」

三番目「私は会いたくなかった☆」

垣根「……」ゾクッ☆

垣根「って違う違う!」

垣根「てか、なんかキャラ変わった?」

三番目「そりゃあ、思春期だから」

垣根「そっか思春期かー」

垣根「ならばデートしようぜ」

三番目「ゴメンね」

三番目「私はアンタを片付けにきたの☆」
376 :1[saga]:2011/06/02(木) 01:02:52.00 ID:T2uvvWkSO
垣根「え?」

三番目「とう☆」


ギュン
380 :1[saga]:2011/06/02(木) 15:39:31.02 ID:T2uvvWkSO
垣根「……」ヒュウウウ…

三番目「垣根さん…貴方が心に抱えている闇は、いったいなんなのですか…?」

垣根「黙れ」

三番目「垣根さん…」

垣根「黙れってんだろぉ!テメェには関係ない!!どこかに早く消えやがれ!!!」

三番目「……垣根、さん」

垣根「……」

垣根「テメェが消えねえなら俺がどっかいってやる」

垣根「もう近寄るんじゃねえ」

三番目「垣根さん!!」
381 :1[saga]:2011/06/02(木) 15:43:08.61 ID:T2uvvWkSO
垣根(……)

垣根(俺はあの日…)

垣根(一方通行の絶対能力進化実験と遭遇してしまった)

垣根(だが…一方通行のあまりに強大な力を前に、俺はあのクローンにスカートの丈を注意することしかできなかった…)

垣根「しっかりしていれば、あのクローンは死なずにすんだのに!!」

三番目「だったら…」

三番目「修行をして強くなればいいんですよ!王道です!!」

垣根「テメェ…」
382 :1[saga]:2011/06/02(木) 15:44:08.44 ID:T2uvvWkSO
垣根「うおおおおおおー!!」ダダダ

三番目「馬鹿野郎!!」バシーン!

垣根「ぐあ!」

三番目「なんだ今の走り込みは!たかが一〇〇kilogramの鎧を着込んでグラウンド五〇〇周したくらいでヘバってんじゃねえ!!」

垣根「はい!」

三番目「いいことを教えてやろう」

垣根「え…?」

三番目「一方通行は毎日これの倍はこなしているぞ」

垣根「なにぃ!」
383 :1[saga]:2011/06/02(木) 15:45:42.41 ID:T2uvvWkSO

~夕日の下~

垣根「……」ハァハァ

垣根「明日は本番だ…」

垣根「勝てるのだろうか…一方通行に」

三番目「大丈夫だよ」

垣根「飾利…」

三番目「てーくんはいつもいつも頑張ってたじゃない…」

三番目「信じてるよ」

垣根「飾利…」

垣根「この二万本シュート合宿…お前がいたから乗り越えられたんだ…」

三番目「てーくん…」

垣根「この試合が終わったらいいたいことがある…」
384 :1[saga]:2011/06/02(木) 15:46:46.07 ID:T2uvvWkSO
~~試合当日~~

垣根「御坂妹から離れろ三下あああああああ!!!」


 ついに垣根と一方通行が激突する!!
 一方通行の『ベクトルスマッシュ』に対して垣根の新必殺技が…!?

 次号必見!!
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/06/02(木) 21:12:30.80 ID:1ilo/hLh0

シリアスも面白いけどやっぱ
カオスなギャグパートもいい

てかレス少ないね、なんでだろ
386 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:28:02.08 ID:T2uvvWkSO
>>385
まあテキトーな話ですからねw


では投下します
387 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:28:35.90 ID:T2uvvWkSO
垣根「うおおおおおお!!」

一方通行「あァ?」

垣根「一方通行ぁぁぁぁぁ!!」

一方通行「チッ、性懲りもなく…マジで殺すぞ」

垣根「やってみらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダダダ

一方通行「忙しいンだよ、引っ込んでろ」ピッ

垣根「新必殺技…庶民シューッッ!!」

一方通行「はァ?」

一方通行「」タン

ボゴーン

垣根「ぐああああああああ!!?」
388 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:31:01.17 ID:T2uvvWkSO
垣根「………ぐ、卑怯だぞ…バスケの試合なのにアスファルト破壊して攻撃するなんて……」

一方通行「オマエなに言ってンの」

垣根「俺は……バスケで御坂妹を傷つけるお前を倒しにきた……」

一方通行「あァ、ついに頭がイカれちゃったンですね?お薬出しときますわ」ガスガスガスガス

垣根「がっ!ぐあ!くそ、バスケで勝負しろ!!」

一方通行「つか本当に忙しいンだよ、テメェの世迷言に付き合ってるヒマなンかねェ」

垣根「なにが忙しいだ!御坂妹たちを……」

一方通行「まだ言うか、これ以上いうと全治一〇〇年の怪我負わすぞ」ガスガスガスガスガスガスガスガスガスガスガス

垣根「あがあああああああああああああっ!!」
389 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:32:18.21 ID:T2uvvWkSO
上条「なにしてるんだ?」ザッ

垣根「……?」

一方通行「なンでもねェよ」

垣根「バスケ……で、勝負しろ……」

上条「いや…その人…」

一方通行「絡ンできたチンピラを潰しただけだ」

上条「その辺にしておけよ」

垣根「」

上条「ホラ…こんなにボロボロ…」スッ

サワ

バキィン

垣根「!!!」
390 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:33:51.20 ID:T2uvvWkSO
一方通行「?」

垣根「……」

上条「? 大丈夫ですか?」

垣根「俺は……いったい…」

垣根「そうだ…飾利!!」

バッ

一方通行「……?」

上条「?」

浜面「どーしたんだ?」スタスタ

上条「……さぁ?」

一方通行「……」
391 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:39:24.23 ID:T2uvvWkSO
三番目「!」

三番目「どうやら消されたようですね」

三番目「私の『アルス=マグナ』が…」

三番目「そんなことできるのは…『幻想殺し』くらい」

三番目「あちゃーそうか、一方通行に接触させて死なせればいいと思ったけど」

三番目「そういや今『一方通行』は『幻想殺し』と一緒にいるんだった☆」テヘ
392 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:40:25.35 ID:T2uvvWkSO
垣根「……どうなってんだ!」

垣根「インデックスを護衛するついでに飾利とデートしようとしてたら…」

垣根「何故かクローンを救えなかった心の傷を抱えたバスケ選手になって一方通行と…」

垣根「どういうことだ!」
393 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:42:21.47 ID:T2uvvWkSO
三番目「……なんか最近三沢塾に籠ったヤツが同じ術式を使ってたけど知識不足で全然活かせてなかったね」

三番目「それに比べて私は知識いっぱいだから、すごい☆」

三番目「今のように相手の記憶を事細かに改竄して、まるで別作品に生きる別キャラのように改竄できる」

三番目「他にも知識を活かして、すごいこといっぱいできるけど…」

ゴホ

三番目「……“一番目”が能力開発なんかしたから…」ポタポタ

三番目「しかもその能力全然使えなさそうなレベルだし」

三番目「なに?触ったものの温度を一定に保つって」

三番目「貴方との恋が冷めないように、ずっと手を握っていたいです…とか口説くつもり?」

初春『違いますけど!私が意図して目覚めさせたわけじゃないですよ!!』
394 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:44:25.72 ID:T2uvvWkSO
垣根「……飾利に会いたいけど…インデックスってヤツを護衛しなきゃな…」

垣根「んー見つからねえ!いったい体どこにいるんだ!!」

垣根「……」

垣根「……ホント、見つからねえな」

垣根「そりゃただ歩きまわるだけじゃ見つからねえよな」

垣根「……んー、やっぱり暗部のお世話になるしかないのか」

垣根「いや!もう暗部には関わらないと決めたんだ、飾利と付き合うために!!」

垣根「だったらどーするかなー」
395 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:45:19.39 ID:T2uvvWkSO
垣根「……」

垣根「ん…?」

垣根「あ」

インデックス「……」

垣根「白いシスター、まさか……」

インデックス「……」フラフラ

垣根「いた!!」
396 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:46:29.43 ID:T2uvvWkSO
~バチカン~


佐天「あのー」

アックア「素振りを始めるのである」

佐天「アックアさんが魔術の先生を?」

アックア「いや」

アックア「ただ単に剣術や武術、肉弾戦の戦闘を教えるのである」

佐天「……」

佐天(すごく厳しそう…)

アックア「始めるのである」

佐天「はい…」
397 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:47:24.30 ID:T2uvvWkSO
アックア「もっと腰を入れるのである!」

佐天「はい!」ハァハァ

アックア「筋力だけで剣を振るな!手首を使うのである!!」

佐天「はい……」フラフラ

アックア「ペースが落ちてきたぞ!気合いをいれるのである!!」

佐天「あの……もう、一時間くらい……ぶっ続けで……素振ってるんですが……」ガクガク
398 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:49:23.57 ID:T2uvvWkSO
~イギリス~

ローラ「そう」

ステイル「……」

神裂「はい…」

ローラ「襲撃はできないと言うわけね」

神裂「やはり…このようなことは」

ローラ「……仕方なし」

ステイル「!」

ローラ「できぬと言いたるならば…こうせざるをえないわね」スッ

ステイル「……遠隔制御霊装!」

神裂(垣根帝督…!)
399 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:49:50.17 ID:T2uvvWkSO
垣根「いた!」

インデックス「……」

垣根「……」

垣根(随分と元気がねぇな…まさか、もうなにかやられたのか!?)

ピリリ

インデックス「……!」

垣根「!?」

インデックス「……警告……………」オオオ

垣根「!! なんだあ!」
400 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:50:54.55 ID:T2uvvWkSO
インデックス「……イギリス清教内第零聖堂区『必要悪の教会』所属…」

垣根「……」

垣根(さっきもおかしかったが、今は明らかに違和感の塊だ…あれは確実に!!)

垣根「くっ!」

インデックス「……」

垣根「てか本当に操られてんのか!?全く分からねえ!!」ダダダ

インデックス「?」グリン

垣根「!」

垣根(目をつけられた!?)
401 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:51:58.81 ID:T2uvvWkSO
バッ

垣根「!?」

インデックス「!?」

三番目「まーだ生きてたのか垣根!」

垣根「飾利!」

三番目「今度こそ始末してやる☆」

インデックス「迎撃します」

垣根「飾利…危ない!」

インデックス「」グリン

三番目「」バッ

垣根「……え?俺?」
402 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:52:46.28 ID:T2uvvWkSO
三番目「死ねー!」

インデックス「」

垣根「アレ…?」

垣根「飾利に狙われ、あのシスターからもなんか狙われてる感…」

垣根「もしかして、一番ヤバいの俺じゃね?」


ドギャウ
403 :1[saga]:2011/06/02(木) 23:53:34.17 ID:T2uvvWkSO
~~そのころ~~


アックア「よし!今日はここまでである!!」バン

佐天「」

412 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:03:01.81 ID:c+Xc5FISO
俺の名前は垣根帝督
世界を救うべく立ち上がった勇者である
そんな彼はいつも孤独

―――勇者は『神の使い』であり、人間が触れてよい存在ではない

皆はそんな俺を畏れ、近付かない

でも

『ていとくんはね、笑ってるほうがいいと思いますよ』

そんな孤独な俺にもこんなことを言ってくれる人がいた

そう。


『いた』
413 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:04:40.80 ID:c+Xc5FISO
「人間は」

太陽が照る下、俺は若草茂る草原の中央でポツリと呟く

「心臓を貫かれたら死ぬ。頭をうち抜かれても死ぬ」

「うん」

俺の言葉に返事した人物
銀髪で腰まではある長さの髪、そして白い修道服を着た少女が俺の横に座っている
少女は俺を親のように優しい目で見つめ、一人ごとを耳を傾けてくれる
そのご好意に甘え、俺は続けた

「人間ってのは簡単に死んでしまう」

目の前に小さく広げた両手
その手の平を見ながら静かに、恐ろしく静かに

「ただ。斬られただけで」

「うん」
414 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:07:55.65 ID:c+Xc5FISO
「ただ、ただ、体を浅く。ただ、体を剣で切り裂かれただけで」

今の俺は、どれだけ無様に見られているのだろう
心のどこかで思った

「深くはなかった。むしろ浅かった。なのに血が出て、アイツは動かなくなって……」

修道服の少女は相槌を打たなくなった
おそらく俺に引いてしまったのかもしれない
でも、確認なんかはしない
今はこの叫びが止められないから

「俺は医者に連れていこうとしたんだ。町を襲う魔物をそっちのけでな、ハハ、勇者失格だろ?でもな、それほど救いたかった」

俺は一度言葉をきり、静止する
あの日の、俺がおかしくなってしまった原因の中心点に入り込み、持ち出し口から漏らす。
415 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:09:34.94 ID:c+Xc5FISO
「でも救えなかった。間に合わなかった。死んじゃったんだよ」

胸から吐き気のような妙な不快感が込み上げる
それを抑えながら、続けて記憶を掘り下げる

「切り傷以外は、いつもの綺麗な白い肌のアイツだった、花飾りもしてた…なのに」

出るものを抑えると、別の場所から出てくるものだ

「なにいってるんだろうな…!」

だがそれもグッと抑えた

流してしまったら、アイツが死んだって認めることになってしまう

「……忘れてくれ」
416 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:11:32.20 ID:c+Xc5FISO
あいかわらず修道服を着た少女から、返事は帰ってこない
多分、いや絶対引かれたんだろうな
うん、分かる

俺だって他人からいきなりこんな話されたら困る

馬鹿だ
勇者なんて言われているけど、結局は人間だ。
他の人間と同じように幼稚な所もある、完璧ではない

「ていとく」

「?」

いきなり少女が俺の名前を呼んだ
どんな非難が待っているのだろう
俺は返す

「なに?」

「忘れないよ」

「なにが?」

「だから、私はその子のことを忘れない。だってていとくが忘れてほしくなさそうだから」
417 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:13:24.71 ID:c+Xc5FISO
なんだって
俺が忘れてほしくなさそうにしている?
俺は「忘れてくれ」と言ったんだぞ

それなのに忘れてほしくなさそうに?

「どういう……」

「その子を覚えていてほしいんだよね」

「だからどういうことだッ!!」

思わず怒鳴る
幼く華奢な、自分より年下の少女相手に。大人気なく吠える

「俺は、忘れてほしい…って……」

一度怒りを爆発させて、頭が僅かに冷えた
その余裕を駆使して、怒鳴ってしまった謝罪をしようと、少女を見ると

口が固ってしまう

少女はまっすぐ俺を見ていた
それはあまりにもまっすぐすぎて、強い
こっちが情けなく怯んでしまう

そんな俺にも構わず、少女は口を開いた
418 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:14:55.67 ID:c+Xc5FISO
「だって本当に忘れてほしいならトラウマを全部掘り返したりしないはずだもん」

「―――、」

「でも貴方はそうまでして私に話した、つまりそうまでして誰かにあの人を覚えていてほしいと思っているんだよ」

その言葉は抉った
俺の心の中に、俺でさえ気づかずにいたモノを強制的に抉りとられた

この強すぎる衝撃は、俺の口に世界一固い錠をつけた

(アイツを知ってほしい……?)

それに対して、心はスムーズに語れた

(知ってほしい…?知って……)

「はっ…」
419 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:16:12.09 ID:c+Xc5FISO
ていとくんは有名人ですよね

あぁ……まぁ…

あれ不満なんですか?

まあ。

なんでなんです…?訊いてもいいですか?

…………まあ。正直有名なだけだよ、有名なだけ
しかも『勇者』としてだけ……『俺』のことは、誰も何も知らないだろう

でも……



いいじゃないですか

え…?

私は、独りで死んでも、誰も気づかれないんですから…

……。

別にチヤホヤされたいわけではありません、ただ…
420 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:16:40.04 ID:c+Xc5FISO

独りが、こわいんです

421 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:18:08.30 ID:c+Xc5FISO

「そうだ…」

思い出した
それからだ
俺が、勇者としての自覚を持ちはじめたのは

アイツには死んだ時に泣いてくれる、見送ってくれる人すらいない
誰にも気づかれず、孤独に

アイツは、それを恐れていた
それに比べれば、俺の悩みは贅沢だ

アイツの孤独に比べたら、俺なんて
422 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:20:18.00 ID:c+Xc5FISO
「俺は、アイツの生きた証を残したいんだ」

「うん!」

隣りにいる少女も、今までで一番の返事をした

「たくさんの人で見送ってやる…ちょっと遅いけど、悲しませねえ…鬱陶しいくらい賑やかにしてやる!」

力強く、空に向かって叫んだ
拳を強く握って、足を強く踏み込んで

というわけで、さっそく…

「お前も、参加してくれるか?えーと…」

「インデックスだよ」

「インデックス、参加してくれるか?」

「もちろんなんだよ」
423 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:21:40.56 ID:c+Xc5FISO
「ありがとう」

俺はそう言い、インデックスに背を向ける
目に捉えるは、城

城にいる『王』に頼んでみよう
アイツを盛大に、弔う

おそらく駄目だろうが諦めない

(こんな俺だけど、いいか?)

歩みを進めながら

(お前の、願いを叶えるためでしゃばっていいか?)


―――飾利。
424 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:24:43.70 ID:c+Xc5FISO
垣根「って違う!!」

インデックス「…………?なにか変な感じのことをしてたかも」

垣根「ま、また…飾利の設定改変ストーリー改変か……」

垣根「クソ……その予兆すら感じ取れねえ」

インデックス「ここはどこなんだろう……」

垣根「ってうわぁ!こっちも……ってアレ?」

インデックス「?」

垣根「さっきまでの機械みたいなのと違う…?」
425 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:25:37.00 ID:c+Xc5FISO
垣根「飾利の改変で、強制的に元に戻ったのか?」

垣根「うーん…」

垣根「それ以前にこの改変がいきなり解けたのは何故…?」

垣根「分からないことだらけだな」

垣根「まあ…いい」グッ

インデックス「ええっ?」グイッ

垣根「怪しいモンじゃねえ、俺は垣根帝督、お前さんの護衛だ」
426 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:26:31.44 ID:c+Xc5FISO
~イギリス~

ステイル「……どういうことだ?」

神裂「最大主教自ら、インデックスの遠隔制御霊装を止めた?」

ローラ「……」

ローラ(あやつらが禁書目録の危機を前にしても、受け入れた…)

ローラ(そんな冷たき人格をしてはおるまい、何か策を練りているわね)

ローラ(それまで、おアズケねコレは)ポイッ

ローラ(こちらがその策を見破りて、新たなる楔を打ちこみたるまでは…ね)
427 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:27:14.50 ID:c+Xc5FISO
~バチカン~

アックア「立つのである!ここが正念場であるぞ!!」バシバシ

佐天「」
428 :1[saga]:2011/06/23(木) 01:28:39.98 ID:c+Xc5FISO
ここまでです
これからも長く来ない時もあるかもなので

読んでくれた方たちはありがとうございました!
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/06/23(木) 09:48:09.70 ID:nWM/hYLAO
乙なんだよ。気長にまってます
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/24(金) 02:24:38.99 ID:s3hp0zTc0
おつー
次回はアックアさんと佐天使さんの絡みをもっとよこしやがれください
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/26(日) 15:36:01.90 ID:Lka5UIM30
乙。アックアさんスパルタ教育だな
432 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:25:13.11 ID:uYgEADdSO

初春「はぁっ、はあっ」

初春「……」

初春「あ…」

初春「やった…体を取り戻しました!」
433 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:27:07.72 ID:uYgEADdSO

二番目『なにしているんですか三番目』

四番目『いくら一番目がこの体に一番馴染むといえど…ただの小娘の精神に』

三番目『めんごめんご黄金錬成使うと体が痛くなるのよん☆だから痛みで気が抜けちゃった』

二番目『まったく…』

四番目『それより黒夜海鳥とシルバークロース=アルファが不穏な動きをしているのですが』

三番目『ほっといたら?雑魚があがいたらアレイスターがなんとかするだろ理論適用☆』

二番目『まあ同感です』

四番目『はぁ…』
434 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:28:35.92 ID:uYgEADdSO
黒夜「禁書目録」

シルバー「なに?」

黒夜「“アイツラ”の代表の一人だ」

シルバー「魔術を使う連中のか」

黒夜「そうさー」

黒夜「その魔術の知識の図書館みたいなものらしいぜー」

シルバー「どうする」

黒夜「潰すにしても利用するにしてもまずは」

黒夜「捕獲だな」
435 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:29:51.92 ID:uYgEADdSO
黒夜「一方通行とアイテムにパイプを築くより波風がたちそうだ」

シルバー「ところで黒夜」

黒夜「なに?」

シルバー「禁書目録なんて情報、私は知らなかった」

シルバー「どこでそんな情報を?」

黒夜「んふふ」

黒夜「ンー?」

シルバー「…」

黒夜「あとから教えてやるよ。それより作戦を練ろうぜ」

シルバー「?」

黒夜「禁書目録の近くに第二位がウロついてやがる」
436 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:31:29.48 ID:uYgEADdSO

インデックス「なんで私が見知らぬ人に護衛されなければいけないのかな?」

垣根「えっと…なぁ」

垣根(おまえを盾にされて嫌なことさせられる奴がいて…そいつらの自由のため)

垣根(おまえをイギリスの嫌なヤツAから守る…)

垣根(それが理由だが…)

垣根(そんな馬鹿正直にいうと、傷つくかもな)

垣根(前の俺ならそんなことに気を遣わなかったはずだが…)

垣根(恋をしり、乙女心を気遣うていとくんなのでした)

インデックス「?」
437 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:32:56.24 ID:uYgEADdSO
インデックス「なんかあやしいかも」

垣根「あっいやいや別に怪しくなんかないし!」

インデックス「不審者は決まってそういうんだよ」

垣根「ちょ!」

インデックス「さよなら」

垣根「あっ!」

垣根(かわいくねえー!)

垣根(イライラしすぎだろ!生理中か!?サ●サーティつけろよ余裕ないな!!)
438 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:34:11.15 ID:uYgEADdSO
バゴーン!!

インデックス「あっ!?」

垣根「!!」

インデックス「なに…」

黒夜「ハッあァーい、さっそくですが禁書目録さんはいますかァ?」

インデックス「?」

黒夜「連れ去りにきたンで…」

黒夜「大人しく捕まりやがれェ!!」ゾゾゾゾゾゾ

インデックス「……!」

垣根「…分かったか?こんな馬鹿から守るため来たんだよ」
439 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:35:59.79 ID:uYgEADdSO
黒夜「アハハハハ!アンタが第二位さンか?こンばンわ!」

垣根「……ん?テメェまさか黒夜海鳥か?暗闇の五月計画の?」

黒夜「知ってンのか?」

垣根「まぁーな。雑学のノリで」

垣根「ったくイギリスかと思ったら暗部からのお客さんかよ」

黒夜「がっかり?まさかガッカリしてる?」

黒夜「だったら、その雑魚から禁書目録を奪われて悔しがりやがれ」

垣根「?」
440 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:37:37.61 ID:uYgEADdSO
バヒューン!!

シルバー「」バヒュー

インデックス「ひゃ!?」グイッ

垣根「なにぃ!!」

シルバー「」バヒューン!!

垣根「ちっ!」バッ

黒夜「あハぎゃハハハハハハハ!!」

ババババババババババババババババ!!

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

垣根「!」

インデックス「……!」

ヒュー

垣根「くそ…!!」

黒夜「どォしたよ?第二位さンよォ?」
441 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:39:07.56 ID:uYgEADdSO
黒夜「こっちとしてはあの禁書目録さえ手に入ればいいンだわ」

黒夜「だからオマエとの対面もオシマイ」

垣根「……」

黒夜「まァ…」

黒夜「どォしてもってンなら!相手になってもいいぜェ!?」

垣根「……瞬だ。瞬で終わらせてやるよ」

黒夜「おもしれェ!」

黒夜(シルバークロース!さっさと逃げろよォ…!!)

カツ
442 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:42:25.52 ID:uYgEADdSO
垣根「?」

黒夜「?」

?「見せ場の匂いがしたから修業の成果をみせる名目で密告したのであるが」

?「密告がバレる可能性かあるから飛行機などに乗ることを禁止され、移動手段がなく…」

?「苦肉の策…ヴェンちゃんの風という名の大型台風に乗って死にかけながら学園都市にかえってきて」

?「さあさあどんな馬鹿が待っているのであるかな?と思っていたら」

?「なんであるか!?この馬鹿みたいな弱者は!?言えよ待ってるのは見せ場ではないと!」

?「こんなことなら来るのではなかったのである!!」

垣根「……マジで来んなよ」
443 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:44:26.38 ID:uYgEADdSO
黒夜「誰だオマエは?」

佐天「佐天涙子である」
444 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:46:22.24 ID:uYgEADdSO
垣根「なんで来てんだよ!?」

佐天「だから言ったであろう、見せ場の匂いを嗅ぎつけたと」

佐天「垣根さんは攫われた方を追え。走るのは面倒である」

垣根「馬鹿言うな!俺一人で十分だ引っ込んでろ!」

佐天「一人の結果がこれであろう?」

垣根「ぐっ、そうだがオマエがいたほうが厄介…」

佐天「案ずるな」

佐天「アックアに修業をつけてもらったのである。二年前と同じではない」

垣根「なにしたかはしらんがまだ一週間もたってねーだろ。なんだ二年前って」
445 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:48:49.05 ID:uYgEADdSO
佐天「さあ!」

佐天「こいつも自分の力が量れないほど馬鹿ではない!つまり相方は垣根から逃げ切る自信があるということである!」

黒夜「……」

佐天「誘拐犯を遠ざけるのはやめたほうがいい」

垣根「……」

佐天「さあ!」

垣根「くっそ!わかったよ!!」バサッ

黒夜「させるかよォ!」バババババババババババババババババ

垣根「チッ」バサッ

佐天「はっ!」バッ
446 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:51:06.42 ID:uYgEADdSO
黒夜「今俺が放った窒素爆槍の軌道線上に突っ込ンだだァ?」

黒夜「垣根をかばうのか?バット一本で何ができる」

佐天「はああああああああああああああああああ!!」

ドガドガドガドガドガドガドガドガドガ

垣根「!?」

黒夜「馬鹿な!窒素爆槍を全部弾き返した!?しかも、バットで」

佐天「……」ドドドドド

垣根「……!」
447 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:53:18.27 ID:uYgEADdSO
黒夜「ふざけンじゃねェぞォォォォ!!」ババババババババババババババ

佐天「ああああああああああああああああああッ!!」ドガドガドガドガドガドガドガドガドガ

黒夜「くそがァァ!ナメてンじゃねェェ!!」バババババババババババババ

佐天「無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄!!
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ

垣根「やっぱあいつどこかおかしい」バサッ
448 :1[saga]:2011/06/28(火) 00:54:51.90 ID:uYgEADdSO
すいません
なんにもアックアさんとの絡みなしに出しちゃいました

しかし読んでくれた方ありがとうございました
449VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/06/28(火) 10:08:35.40 ID:kTZBAg2AO
乙なんだよ
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/01(金) 02:14:37.92 ID:/btRugmg0
おつ
口調がアックアさんに似てくる=夫婦
という絡みだって信じてる


451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[age]:2011/09/14(水) 17:16:30.52 ID:y71wg4bZ0
こない…
452VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/09/15(木) 12:51:51.64 ID:x+6NkQbAO
違う作品書いてたし飽きたのかな 

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