- 487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:12:25.53 ID:tivUIcjDO
- ―――――――――
―――――
―――
12月28日(火)
~自宅~
ピンポーン
垣根 「はいはーい」 ガチャ
食蜂 「『私に絶対服従!』」 ピッ
垣根 「へっ?」
食蜂 「……やっぱり効かなぁい」
垣根 「アンタ昨日の、よくここが分かったな」
食蜂 「凪差に聞いたの、あなた達が誰なのかもね」
垣根 「そういや自己紹介まだだったな。俺は垣根帝督、以後お見知りおきを女王様」 ペコリ
食蜂 (よく分からない人だわぁ。超能力者は変人揃いなのも頷けるかも)
垣根 「で、今日はどうしたの?」
食蜂 「それがぁ、ちょっと相談して欲しい事があるのぉ」
垣根 「お姉ちゃんって呼んでくれない?」
食蜂 「そうなのよ!やっと凪差が心を開いてくれたのに、何故か私をお姉ちゃんって呼ばないの!」 バンッ
- 488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:13:07.68 ID:tivUIcjDO
- 垣根 「うーん……アイツの考えてる事は俺にも分からんからなー」
食蜂 「下らないとか思うでしょうけど、私にとっては一大事なのぉ!」
食蜂 「とにかく「お姉ちゃん♪」って呼んでくれなきゃ安心できないの、まだ私を警戒してるみたいで不安だし……」
垣根 「年頃の女の子になってくると恥ずかしくて呼べないんじゃね?」
食蜂 「実の姉妹に何を恥ずかしがる事があるの!?やっぱりまだ私の事怒ってるのおぉぉぉ!?」
垣根 「まぁハッピーターンでも食って落ち着けって」
食蜂 「うん……」 ポリポリ
垣根 「昨日仲直りしたばっかなんだし、昔のようにしてたらまた自然と呼んでくれるだろ」
食蜂 「そこなの!恥ずかしい話、半年の間まともに人と接しなかったから変に緊張しちゃって」
垣根 「俺の周りも似たようなもんだ、第一位なんか究極にシャイだぞ」
食蜂 「そこでぇ手本を見せてほしいの。何故あの凪差が心を許したのか、あなたの行動を見てみたいの」
垣根 「手本ってそんな……」
食蜂 「それを参考に次から頑張るわ。絶対お「姉ちゃん♪」って呼ばせてやるんだからぁ!」 バンッ
垣根 (天真爛漫な女王様だなぁ)
- 489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:14:50.26 ID:tivUIcjDO
- ―――――――――
心理 「今日は何?」
垣根 「バードウォッチング。人が減った今なら鳥も集まるんじゃねえかと思って」
心理 「ふーん」
垣根 「そっけないなー、昨日はあれだけ必死だったのに」
心理 「その話はやめて」
ハイハイ、トコロデトリッテイツモドコニ……
シラナイワヨ
食蜂 「あぁ~ん私の愛しい凪差ぁ……じゃなかった、今日は我慢よ私」 コソッ
食蜂 「彼、垣根さんの行動を観察してどういうのが凪差にいいのか調べるわよぉ!」
アレ、イマドコカデ……
ドウシタ?
食蜂 「……意外と勘が鋭いのねぇ、気を付けないと」
アー!アー!
カァー
ア゙ァー、ア゙ァー
垣根 「早速鳥発見、エサに群がるカラスかぁ」 パシャッ
心理 「ごみ袋を漁る様は見てていい気分にはならないわね」
垣根 「生きてく為には仕方のない事さ。自然も少ないんだし大目に見てやろうぜ」 パシャッ
- 490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:16:08.68 ID:tivUIcjDO
- 心理 「そうはいっても……ちょっと、あれって」
垣根 「ん?あぁー、ありゃネズミだな。食い散らかされた後でボロボロだけど」
心理 「もういいわ、次へ行きましょ」 ウプッ
垣根 「えー、あと数枚撮らせてー」
心理 「いいから」 グイ
ナンダヨー、イママデモットヒドイノミテキタロー?
ソレトコレハベツ
食蜂 「あ、あの凪差が積極的ぃ!?一体何をしたのぉ……?」 ブルブル
食蜂 「でもそんな凪差も可愛いぃ~!私にも見せて欲しいな☆」
垣根 「いねぇなー」 キョロキョロ
心理 「私はさっきのでお腹いっぱいよ」
垣根 「そう言うなって、まだ始まったばかりだぞ?」
ナギサカワイイヨナギサー
心理 (……気のせいかしら)
垣根 「ところでsうぉあ!?」 ビターン
心理 「大丈夫?」
垣根 「いてて……ああ、何とかカメラは守ったぜ」 パッパッ
心理 (そっちの話?)
- 491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:19:05.75 ID:tivUIcjDO
- 垣根 「ところで、お前は年末どうすんの?実家に帰る?」
心理 「残念だけど、帰る場所なんてないわ」
垣根 「それは……悪かった」
心理 「いいのよ、今は今でやっていけてるし」
垣根 「本当?」
心理 「ええ。あ、いい事思い付いた」
―――――――――
~公園~
ポッポポポポポポーッポー
クルッポー
心理 「こうやってパンの耳を撒けばハトって寄ってくるでしょ?」
垣根 「そうか、その手があったかー」 パシャッ
心理 「あなた学園で二番目に頭いいんだからそれくらい浮かぶと思うのだけれど」
垣根 「悪いが鳥に関する知識は持ち合わせちゃいねぇ」
心理 「そんな誇らしげに言わなくたって……」
- 492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:20:06.66 ID:tivUIcjDO
- 垣根 「うおぉぉーーー!!」 ダダダ
バサバサバサ
心理 「何やってんのもう、ハト逃げちゃったじゃない」
垣根 「いやー、何か見てたら突っ込みたくなって」 ハハハ
モッカイハトヨンデクレヨ
ジブンデヤリナサイ
食蜂 「しかし仲がよさそうねぇ。私といるより楽しそうじゃない」 モグモグ
食蜂 「……嫉妬しちゃうわ」
垣根 「やっぱ鳥って山とか森でも行かねぇとそうそう出会わないもんなのか?」 テクテク
心理 「少なくとも、こんな人工物で溢れたとこより出会う確率は上がるでしょうね」 テクテク
垣根 「スズメやカラスもいいけど、フクロウとかハヤブサとかカッコいい鳥も撮りたいぜ」
心理 「動物園へ行けば会えるんじゃない?」
垣根 「それもそうだけど撮るなら自然な……おい、あの鳥色が変じゃないか?」
心理 「えっ、どれ?」
垣根 「ほらあれ!絶対色がおかしいから!」
心理 「そんな事言ったって遠くて分からないわ」
垣根 「追うぞ」 バサッ
心理 「えっ」 ガシッ
垣根 「しっかり捕まれよ……っ!」
ビューン
食蜂 「……」 ポカーン
食蜂 「と、飛んだぁーー!?」
- 493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:22:38.00 ID:tivUIcjDO
- ―――――――――
~上空~
ゴオー……
心理 (と、飛んでる?私飛んでるの!?)
垣根 「いたいた。スゲー、これって所謂“青い鳥”って奴じゃねーの!?」
心理 「あ、青い鳥ってあの童話で出てくる?」
垣根 「そうそれ!今両手塞がってるからお前が代わりに撮ってくれよ」
心理 「仕方ないわね……」 パシャッ
垣根 「やったな、これで幸せゲットだぜ!ハッピーターンも加えて幸せの2乗だ!」
心理 「ちょっと落ち着きなさい」
垣根 「この調子でもうちょい探してみるか。あっちなんてどうだろ」 ビューン
心理 「っ!」 ギュッ
垣根 「空は静かだな」
心理 「……そうね」
垣根 「それにちょっと冷えるし」
心理 「……そうね」
垣根 「鳥になった気分だな」
心理 「……そうね」
- 494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:25:20.28 ID:tivUIcjDO
- 垣根 「お姉ちゃん心配してたぞ?まだ私を警戒してるんじゃないかって」
心理 「……?」
垣根 「「凪差がお姉ちゃんて呼んでくれないー」って相談しに来てよ」
心理 (だから垣根の住所を聞いてきたのね)
垣根 「まぁ、その……あれだ、彼女の前くらいは変に繕わずに接してやってくれ」
心理 「……それくらい」
垣根 「やべっ、能力が使えなくなった!」 フッ
心理 「は?」
垣根 「うわあぁぁぁぁぁ落ちるぞおぉぉぉーーーー!!!」 ビューン
心理 「きゃあぁぁぁぁぁーーーーー!!??」 ビューン
バサッ
垣根 「アッハッハッハッハ!なーんてな!」 バッサバッサ
心理 「……!?」 ハー、ハー
垣根 「昨日の事を思い出したら素のお前がまた見たくなってつい……」
心理 「……」 プイ
垣根 「悪かったって、えーと……凪差?」
心理 「無理して呼ばなくたって、いつも通りでいいわ」
垣根 「そうか、じゃあこれから“心理定規”はあだ名として呼ぶ事にするよ」
心理 「……もう降ろしてくれない?」
垣根 「あぁ、日も暮れてきたし、そろそろ降りるか」
- 495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:26:24.13 ID:tivUIcjDO
- ―――――――――
垣根 「よっと、どうだった?空の旅は」
心理 「乗り心地が悪いわ。それにあんなトラブルがあるようじゃとても客を乗せられないわね」
垣根 「こりゃ手厳しい、改善に努めないとな」
食蜂 「ちょっとぉ!!」 ダダダ
心理 「み、操祈」
垣根 「あ、そういえばいたんだっけ」
食蜂 「凪差に何て事するの!」 バシッ
垣根 「痛ぁ!バッグはそんな使い方しねぇぞ!」
食蜂 「凪差大丈夫!?怪我はない!?」 ダキッ
心理 「は、離れなさい!大丈夫だから!」 ギュー
食蜂 「ホント?」
心理 「ホントよ」
食蜂 「よかったぁ……垣根帝督さん!」
垣根 「?」
食蜂 「あなたに凪差は渡さないわ!凪差の心は私だけのものよぉ!」 ビシッ
心理 「えっ?」
食蜂 「お蔭で目が覚めたわ。私は私の力で凪差を「お姉ちゃん♪」て呼ばせる!」
垣根 「ほぅ」
食蜂 「帰ろ凪差♪私が家まで付いてってあげるからぁ」 グイ
心理 「ちょっと待って……!」
キョウネェ、ズットナギサノコトミテタノヨォ
ソ、ソウ……
垣根 「うん、やっぱ自然が一番だな」 パシャッ
- 496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/22(木) 22:32:17.37 ID:tivUIcjDO
青い鳥は何処にいる
食蜂 「ふんふーん♪」
心理 「ちょっと、恥ずかしいから手離してよ」
食蜂 「やだぁ、最初に手繋ぎたいって言ったのは凪差よぉ?」
心理 「……そうだったかしら」
青い鳥は何だろう
食蜂 「愛する妹の事ならぁ何だって覚えてるわ☆」
心理 (繕うなって言ってもこれじゃ無理よ。気を抜いたら何されるか……)
心理 (でも)
心理 「そういうとこが、お姉ちゃんらしくていいんだけどね」 ボソッ
食蜂 「え?」
青い鳥は――
- 525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:24:52.99 ID:0BXICtsDO
- ―――――――――
―――――
―――
12月30日(木)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【年末における学園都市外出手続きの仕組み】
・学生は原則として年末年始は学園都市を出なければならなく、1月3日までは学園都市は閉鎖される
・まず、年末外出届を担任の先生または公共機関に提出
・約1~2時間学生の保護者と相談し、外出する日を正式に決定する
・その後外出日までに支度を済ませ、当日のゲートで用意された“能力を一時的に抑える薬”を飲む
・これで全ての手続きが完了。後は保護者が迎えに来るか学園都市側が家まで送るかだけだ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実は薬には発信器が埋め込まれており、外出先でも学園都市に監視されているなど知る由もない……
- 526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:26:12.27 ID:0BXICtsDO
- ―――――――――
~学園都市ゲート前~
黄泉川 「はい、じゃあ通っていいじゃん」
鉄装 「長かった関所勤めも今日で最後ですね。30日は学生も少なくて楽ですし」
黄泉川 「これが終わったら里帰りかー、今年は今まで以上に親がうるさくなりそうだよ……」 フー
鉄装 「また、結婚の話ですか?」
黄泉川 「それもなんだけど、今年は面倒見てる子供達も実家に連れていくじゃん。事情を説明するのに難儀しそうでねぇ」
鉄装 「順序が逆ですからね、せめて恋人でもいたら……」
黄泉川 「そうは言っても、今は別段欲しいとは思わないじゃん」
鉄装 (それ、去年も言ってましたよ)
垣根 「どうも」
鉄装 「あなたはこないだの……」
黄泉川 「垣根、アンタも里帰りかい?」
垣根 「いや。ちょっとの間ここにいてもいいか?」
黄泉川 「?別に構わないけど……」
- 527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:28:13.28 ID:0BXICtsDO
- 鉄装 「あ、次の方が来ましたよ」
学生 「外出希望者です、手続きお願いします」
黄泉川 「学生証見せて……ありがとう、後はこの薬を飲んで」
鉄装 「これで手続き完了です。ではよいお年を……」
垣根 「きみきみ、ちょっと写真撮ってかない?」
学生 「え?」
垣根 「今年最後の自分を写真に収めて記念に持っておこうぜ!」 ズイ
学生 「あ、えっと……」
垣根 「大丈夫、写真はその場で作れるから時間も取らないし、いいだろ?」 ズイズイ
学生 「け、結構です~!」 ダダダ
垣根 「え~、今年の自分とはもう会えないんだぞ~?」
ヒエーヘンタイダー!
黄泉川 「何やってんの?」
垣根 「記念撮影をしようと。“この一年を乗り切った記念”!」 フフン
黄泉川 「んな事言ってもアンタねぇ、いきなり迫られたら誰だって驚くじゃんよ」
垣根 「うっ……」
黄泉川 「そういう部分がいいとこでもあるけど、少しは相手の事を考えなきゃ駄目」
垣根 「はい……」
鉄装 (流石黄泉川先生、子供の扱いには慣れてますね)
- 528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:32:28.54 ID:0BXICtsDO
- 黄泉川 「じゃ、次は相手を尊重しながらやってみるじゃん」
鉄装 「いいんですか?ここでそんな事させて……」
黄泉川 「いいのいいの、今日は学生も殆どいないし」
鉄装 「そ、そうですか……あ、また来ましたよ」
黄泉川 「お、アンタは月詠先生のクラスの子じゃないか」
青髪 「わお、こんなとこにべっぴんさんが2人も!僕の為に待ってくれてたんですかー?」
黄泉川 「褒めても薬しか出ないじゃん」
青髪 「黄泉川先生がくれる薬やったら幾らでも飲みますよ!」 グイ
鉄装 (この子、将来騙されそうで心配……)
垣根 「お兄さん、ちょっといいかな?」
青髪 「ん?君はいつかの……」
垣根 「これまた随分とイケメンな方でいらっしゃるじゃないの~」
青髪 「え、そ、そうかな~」
垣根 「いやホント、嫉妬しちゃうくらいのイケメン。きっと女の子にモテモテなんでしょうなー」 ズイ
青髪 「っ!いや、それは言いすぎですよお兄さーん」
- 529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:33:29.17 ID:0BXICtsDO
- 垣根 「爽やかそうな顔に野太い声、くぅー!惚れ惚れすんぜ!」 ジリジリ
青髪 「え……」 ゾワッ
垣根 「そんなお兄さんにお願いがあるんだけど、もし良かったら……」
青髪 「ご、ごめんなさい!親がもう来とるみたいやで先に失礼しますー!」 ダッ
ボクハソッチノケハナインヤー!
垣根 「えー、一体何がいけなかったんだよ」
黄泉川 「……それがアンタなりの尊重かい?」
垣根 「変か?」
黄泉川 「今のは尊重というよりおだててるだけって感じだったじゃん。敬語もおかしいし、使いなれてないのがよく分かるじゃん」
垣根 「そ、そうか……」
鉄装 「無理して完璧に覚えようとしなくても、1つずつやっていけばいいですよ。頑張って!」
垣根 「よし、次こそ写真撮るぞ!」
佐天 「すみませーん、手続きお願いします」
黄泉川 「はい、じゃあ学生証と……」
垣根 「あっ」
佐天 「あ、垣根さんじやないですか。こんなとこで何を?」 - 530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:35:46.30 ID:0BXICtsDO
- 垣根 「写真を撮るための訓練……か?」
佐天 「へぇー」
垣根 「なぁ、今年最後の自分を撮っておかないか?」
佐天 「今年最後の自分……」
黄泉川 「ほら垣根邪魔しないの、じゃあこれ飲んで」
佐天 「正直、私がこの薬を飲む意味ってないと思うんだよねー」 グイ
垣根 「何で?」
佐天 「だって私無能力者だし……」 フー
垣根 「だったら尚更、今の自分を写真で撮っておこうぜ」
垣根 「そうすれば来年はもっと頑張ろうって気になるだろ?どんなに今の自分が嫌でも成長したら笑って見れるさ」
佐天 「本当ですか?」
垣根 「佐天ちゃんの頑張り次第で」
佐天 「……じゃあ、1枚お願いしてもいいかな」
垣根 「喜んで!」
垣根 「やっと1枚撮れたー!」
鉄装 「おめでとうございます!」 パチパチ
黄泉川 「アンタらしい言葉だと思うじゃん。これなら興味を持ってくれるかもね」
垣根 「そう?///」
黄泉川 「……とっ、電話だ。ちょっと席外すじゃん」 スタスタ
ドウシタキキョウ?エ、アノコガ……
- 531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:39:12.47 ID:0BXICtsDO
- 鉄装 「ところで垣根くん」
垣根 「ん?」
鉄装 「黄泉川さんの事どう思ってるんですか?」 ヒソヒソ
垣根 「ど、どうって……」
鉄装 (ふふ、焦ってる焦ってる)
垣根 「強い人だなーと思う。何故かあの人には勝てる気がしねぇんだよ」
垣根 「怪我させた俺を簡単に許しちまうし、色んな事を教えてくれる。でっかい人なんだなーとつくづく思うぜ」
鉄装 「ズバリ、好きになっちゃいました?」
垣根 「すっ……ある意味そうかも」
鉄装 (否定すると思ってたけど、案外素直な子なんですね) クスッ
黄泉川 「お待たせ……て、何嬉しそうな顔してるじゃん」
鉄装 「いえいえ、何でもありませんよ」
黄泉川 「?」
垣根 「あ、麦野!」
麦野 「げ、何でアンタがここに……」
垣根 「最後まで心配だったけどよかった、帰る気になってくれたんだな!」
麦野 「こうでもしねぇとテメェ押し掛けに来んだろが」 チッ
鉄装 (女の子の家に押し掛け!?大胆な子~)
- 532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:41:46.64 ID:0BXICtsDO
- 垣根 「いや、でも会える時に会っとかないといつか後悔するって絶対!」
麦野 「あーも分かった!分かったから早く出して!」
黄泉川 「アンタの気持ちは分かるけど、あまりしつこく迫ると伝わるもんも伝わらないじゃん」
垣根 「つ、次からは気を付ける……」
麦野 (あの垣根が弱腰?あの人一体何者……)
黄泉川 「……麦野沈利、もしかして超能力者?」
黄泉川 「ちょっと手続きが面倒になるけど許してね」
麦野 「別にいいわ、特に急いでる訳でもないし」
鉄装 「では、少しお時間を頂きますね」
エーット、コレハタシカ……
麦野 「で、何が目的?」
垣根 「そうそう、1枚撮らせてくれ」
麦野 「またいきなり……」
垣根 「今年一年頑張った自分を写真に収めて、来年は更に頑張ろーみたいなのをしようかと」
麦野 「一般人にも迫ったんだろ」
垣根 「悉く断られたけど、なんとか1枚撮れた」
- 533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:42:44.11 ID:0BXICtsDO
- 麦野 「……仕方ないわね、さっさと撮りなさい」
垣根 「え、まだ何も言ってねぇぞ?」
麦野 「アンタの思考パターンは何となく分かってきたから。まぁ断ったところで結果は見えてるけど」
垣根 「そう?じゃあお言葉に甘えて……」
黄泉川 「――これで終わり!じゃあ気をつけて行ってくるじゃん」
垣根 「また話聞かせてくれよー!」 フリフリ
麦野 「話す事なんざねぇよバーカ」
オマチシテマシタ、デハマイリマショウ……
黄泉川 「ところでアンタはいつ帰るの?今日が最終日だけど……」
垣根 「帰らない」
鉄装 「えっ?」
垣根 「俺は学園都市内で新年を迎える。他にも沢山いるだろうな」
黄泉川 (親がいない子には帰る場所がない……この裏では辛い思いをしてる子だっている)
黄泉川 (そんな子供達に何の救済もない学園都市が憎らしいじゃん)
垣根 「黄泉川、また来たぞ」
黄泉川 「え、あぁごめん。じゃあ――」
- 534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/18(水) 17:43:17.53 ID:0BXICtsDO
- ―――――――――
鉄装 「では皆さん、よい御年を!」 フリフリ
黄泉川 「よい御年をー」 フリフリ
垣根 「黄泉川も、もう出るんだろ?」
黄泉川 「垣根、よかったらアンタも……」
垣根 「いや、俺はここでいいよ。学園都市丸ごと使いたい放題出来るからな!」
垣根 「俺達は俺達でやってくから心配しないでくれ」
黄泉川 「そうか?」
垣根 「……一方通行をよろしく」
黄泉川 「……あぁ」
垣根 「よし、折角だから黄泉川も写真撮ってこうぜ」
黄泉川 「私も?」
垣根 「今年一年お疲れ様でした!来年はもっと楽しい事が待ってるといいな!」
黄泉川 「……そうだね」 フッ
――この一年、学園都市は凄絶に壮絶な日々を送った
幾度となく巻き起こった非日常を乗り切った者もそうでない者もそれぞれを労い、暖かい故郷<ふるさと>へ帰還する
次こそ有意義な年にしよう――誰もがそう願いながら
- 552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:04:27.86 ID:ZgccoOaDO
- ―――――――――
―――――
―――
1月1日(土)
謹賀新年――
日の出と共に新たな一年を迎えた日本各地は今「明けましておめでとうございます」が飛び交っている事だろう
神社へ赴き願掛けをする家族、親戚一同と餅をつき凧をあげる家族、届いた年賀状を数えながらテレビの特番を見る家族……
日本古来から伝わる伝統行事だけあって、クリスマスをも凌ぐ賑わいを見せていた
片や、正月返上で仕事に明け暮れる献身的な人々もいる。主に飲食や旅行関係の人間だ
正月を満喫できるのも、彼らの頑張りがあってこそだというのを忘れてはいけない
一方、学園都市は怖いぐらい静かだった
催し物どころか、人っ子一人見当たらない。学生も教師もそれぞれの家族の元へ帰ったからだ
当然ショッピングセンターや飲食店も休業、交通機関は停止。だが一応電気や水道は通っている
- 553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:05:30.63 ID:ZgccoOaDO
- その間も外部からの侵入を防ぐ為の防衛装置は稼働し、更に警備ロボが都市内をうろついている
実質この街は今“科学”しか存在していない……というのは表向きであり、実際はまだ人間がいた
それが置き去り……親のいない子供達と、それを監視する学園都市上層部だ
以前はこの時期になると置き去りは一時的に解放され、学園都市内を自由に行き来する事が許された
しかし何もない学園都市では満足に遊べず、食事も配られる安物弁当とお茶しかない
憂さ晴らしに暴れようものならすぐ捕らえられ、凄惨な実験のサンプルにされてしまう。これで毎年5人くらい連れてかれてるらしい
結局テレビ番組を見る事でしか正月を堪能できず、学生が帰って来る頃にはまたいつもの生活に戻るのだ
こんな不自由な自由でも置き去りは泣いて喜ぶのだから、普段どんな日々を送っているのか想像に難くない……
今は1人の少年の手によって、置き去りは実験サンプルから解き放たれた
が、その後の救済措置は取られず、うやむやのまま新年を迎える事になってしまう――
- 554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:06:40.50 ID:ZgccoOaDO
- ―――――――――
~ファミレス~
絹旗 「超明けましておめでとうございまーす!……誰もいませんけどね」 カランカラン
絹旗 「もうこんな時期になってしまいましたか、光陰矢の如しってやつでしたっけ?」
キャッキャッ
アケオメー!
絹旗 「去年と比べて、もう怯える必要もなくなったのは良いことですね」
絹旗 「そう思うと、この何もないレストランで1人やっすい弁当をつつくのもなかなか……」
絹旗 「……」
絹旗 「いーなー、今頃浜面も麦野も滝壺さんも正月を超満喫してるんだろうなー」 グデー
絹旗 「こんな事ならおもちゃの凧とか惣菜のおせちとか買っとけばよかったぁー!」 ガンガン
絹旗 「3日間ずっとこのまま過ごせと言うのですかそうですか!」 ガンガン
絹旗 「……超つまんない」
『――これ、入ってる?あ、あーあー、ゲフン!あ~た~らし~い~あ~さがっきった♪ん、大丈夫だな』
絹旗 「?」
- 555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:07:46.29 ID:ZgccoOaDO
- 『えー、新年明けましておめでとうございます!今年こそ素敵な一年にしようぜ!』
絹旗 「この声はまさか……」
『この世界に来てからというもの、辛い事悲しい事ばかり味わってきた。この世界を恨んだ回数など両手の指じゃ足りない足りない』
『いつかあの白衣を着たオヤジ共を潰し、切り刻み、抉り、燃やし、千切り、へし折り、たっぷり楽しんでから豚の餌にしてやろうとウヒヒ……』
絹旗 「新年早々おどろおどろしいですね……」
『あぁたまんねえなぁ……怖れおののき、逃げ惑い、泣きわめきながら頭を垂れ、許しを請う様を想像したらハイになっちまうよなぁ……』
絹旗 「誰かあの放送超止めてくれないですかね!?」
『しかーし!それもこれも全部去年の話だ!今は西暦何年だ、言ってみ?ん?』
『思うところはそれぞれあるだろうが、その諸々今日は忘れさせてやる!』
『つー事で、今日から3日間にも及ぶ一大イベント“正月大作戦”を開始する!』
絹旗 「正月大作戦?」
『あ、今ぜってー「正月大作戦?」て呟いたろ。気になるならその目で確かめに来い!場所は花火飛ばすからそれを目印にするように、以上!』
- 556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:08:31.05 ID:ZgccoOaDO
ボンッ、ボボボンッ、ボンボン
絹旗 「……あっちですか」
絹旗 「ものすごーく嫌な予感しかしないけど、超暇ですし行ってみましょう」 ガタッ
―――――――――
ザワザワ……
絹旗 「結構いますね、小学生くらいから高校生くらいまでおよそ200人くらいでしょうか」
――その言葉は絹旗の眼前に広がる群とは反対から聞こえた
「おーおー、懐かしい顔がいるじゃねぇか」
相手を小馬鹿にしたような声の主は12歳くらいの少女
前を揃えた肩甲骨の辺りまで伸びる黒い髪は、 アクセントに耳元だけが金色に色を抜かれている
小柄な身体を締め付けるパンク系の衣装に、 白いコートをフード部分だけ頭に引っかけて、袖を通さず羽織っている
そして、片手にはイルカのビニール人形が抱えられていた
名は黒夜海鳥。絹旗と同じ置き去りで、共に実験『暗闇の五月計画』を受けてきた存在である
またその過程から、2人には深い因縁があるのだが……
- 557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:10:33.33 ID:ZgccoOaDO
絹旗 「うわ、年明けから嫌なもの見てしまいましたーこれは超不吉だー」
黒夜 「随分な挨拶じゃねぇかよおい。ま、私を黒夜海鳥と知ってその発言が出来んのはテメェだけだがなあ絹旗ちゃーん?」
絹旗 「“黒”に“夜”とか超不吉なんですけどー全然明けてないんですけどーお先真っ暗なんですけどー」
黒夜 「……」 ピキッ
絹旗 「これ絶対厄年ですよねーあーあー災い起きるわー近いうち超災い起きるわー」
黒夜 「……」 ビキビキ
絹旗 「あ、超明けましておめでとうございます(笑)」 ペコリ
黒夜 「上ォォォ等ォォォォォ!!この不吉の使者が直々に災いをくれてやンよォォォォ!!!」
絹旗 「いつもいつも因縁吹っ掛けて来たお返しですよォォォォォ!!」
『あ、あー、あさもはよからとうちゃんが~♪よし……』
黒絹 「「!」」 ピタッ
『よくぞ来てくれた!改めて、明けましておめでとう!』
絹旗 「やっぱり垣根でしたか」
黒夜 「垣根?」
垣根『お前達、よく頑張って生きてきた。今日は今までの分を取り戻すくらい楽しませてやるからな!』
- 558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:12:46.37 ID:ZgccoOaDO
ダレェアノオニイチャン?
アレッテダイニイジャネ?
マサカ、ウワサデハシンダッテ……
黒夜 「何だあのチャラい野郎は」
絹旗 「垣根帝督ですよ。学園都市第二位で元『スクール』のリーダー。聞いた事ありますか?」
黒夜 「『スクール』ってーと10月9日に学園都市相手にバカ騒ぎ起こした奴らか」
黒夜 「……アイツか、さっきから気持ち悪い事ほざいてやがったのは」
垣根『で、その一大イベント“正月大作戦”ってのは……』
黒夜 「『闇』を知り尽くしてる癖に去年の事だの忘れさせるだの、聞いててムカついたぜ」
黒夜 「絹旗ちゃん、私がここに来た理由教えてやろうか?」
絹旗 「まさか……」
黒夜 「その、まさかだよォ!!」
- 559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/24(火) 23:19:09.32 ID:ZgccoOaDO
- 黒夜の掌から“何か”が放たれた。それは窒素で作られた槍、『窒素爆槍』<ボンバーランス>だ
絹旗と同じ窒素を操る能力だが、その使い方は対象的
絹旗の『窒素装甲』<オフェンスアーマー>は守りに特化した能力なら、黒夜の『窒素爆槍』は攻撃に特化した能力
これらの能力は第一位、一方通行の演算パターンを入力した結果得たものだ
最強の盾と最強の矛……故に2人はぶつかり合い、矛盾する
その矛が今、垣根の身体を貫かんと人知れず迫っていた
しかし――
垣根『へっくしょい!』
黒夜 「は?」
最強の矛は通らなかった
- 578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:27:26.79 ID:ubnMpB+DO
- 垣根『おっとすまん。で、その“正月大作戦”ってのは、まー早い話が正月をしよう!って訳だ』
絹旗 「ま、そうなりますよね」
黒夜 「野郎、私の攻撃に気付いてやがったのか?くそっ、もう一度……!」 ドンッ
垣根『へっくしょい!んー風邪か?』
黒夜 「」
絹旗 「もうやめたらどうです?超逆立ちしたって彼には届きませんよ」
黒夜 「こ、こォなったらサイボーグを使って!」
垣根『はいそこ静かにー、お兄さんまだ話の途中だぞー』
黒夜 「っ!?……すみません」
絹旗 「プッ」
垣根『えっと……どこまで話したんだっけ?』
「“正月大作戦”で正月満喫しようぜってところまでです。と、ミサカは端折って説明します」
垣根『あーそうだった。でまぁせっかく学園都市が半貸切状態なもんだから広々と色々やっちゃうぜ』
垣根『今回はアシスタントとして総勢64名の助手達<アシスターズ>との協力のもと進行する形でいく』 - 579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:28:38.88 ID:ubnMpB+DO
- 絹旗 「うわ、同じ顔の人が超いっぱいいます!」
黒夜 「しかも全員無表情かよ気持ち悪ぃ……」
御坂妹『助手達代表として挨拶をば。と、ミサカは緊張に手が震えつつマイクを握ります』
御坂妹『この度は明けましておめでとうございます。めでたくない人もおめでとうございます』
御坂妹『今日から3日間皆様方を愉快で破天荒なお正月へご招待致します』
御坂妹『司会と助手達一丸となって取り組んでいきますのでよろしくお願いします。と、ミサカは一礼しそそくさと戻ります』
垣根『どうも、んじゃあ早速プログラムを紹介すんぜ。“正月大作戦”ラインナップはこれだ!』バンッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【プログラム】
・羽根つき耐久戦~墨を食らわばバケツごと~
・お年玉?欲しけりゃくれてやる!~まさに大落下時代~
・じゅげむ×108
・ついてる?憑いてる?おもちでおみくじ
・カルタlevel5~逃げる札を追え!~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:30:17.66 ID:ubnMpB+DO
- 垣根『こんな感じだ。お昼にはお節を用意しといたから期待しとけよ~?』
黒夜 「ちょっと待て!」
垣根『ん、どうした?お節嫌いか?』
黒夜 「そうじゃねぇ!テメェ、一体何のマネだ?私達に情けでもかけてんのか?私達を哀れんでんのか?」
ザワザワ
絹旗 「ちょっと、やめなさいって!」
黒夜 「余計なお世話なんだよ!傷の舐め合いなんざゴメンだ、私は帰るぞ!」
垣根『おい、今フラグが立っちまったぞ。止めるんだ助手達!』
10715号 「失礼、とミサカはエロい格好の少女を羽交い締めにします」 ガシッ
黒夜 「は、放しやがれ!ブッ殺すぞ!?」 ジタバタ
絹旗 「超落ち着いて下さい黒夜」 ガシッ
黒夜 「この……テメェまで邪魔すんのか!」 グググ
御坂妹 「して、フラグとは?とミサカは問いかけます」
垣根 「死亡フラグだよ。危うく1人死なせるとこだったぜ……」 フゥ
黒夜 「わーったよ!どこにも行かねぇから放せ!」
- 581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:31:24.15 ID:ubnMpB+DO
- 垣根『嬢ちゃん、さっきの質問に答えてやるよ』
黒夜 「……っ」
垣根『はっきり言うと、これは全部俺の為にやってんだ』
黒夜 「なに?」
垣根『俺が今日1日を楽しく過ごす為に、俺がやりたいと思った事は何でもやってみる』
垣根『でも1人より2人、2人より3人いたらもっと楽しいじゃん?』
絹旗 「……」
垣根『自分勝手だろ?だからその分俺のわがままに付き合ってくれるみんなはもっと楽しませてやろうって決めてんだ』
垣根『俺はお前達を楽しませる自信がある、何故なら今俺はすげぇ楽しいからだ!』
垣根『今日だけでもいい、俺の遊びに付き合ってくれよ』
黒夜 「……」
- 582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:32:52.17 ID:ubnMpB+DO
- ―――――――――
羽根つき耐久戦~墨を食らわばバケツごと~
【内容】
・二人一組となって羽根を打ち続ける。継続時間が一番長かった組には賞品あり
・落とした場合、助手達の審判によって非があるとされた方へバケツ一杯の墨をぶっかけられる
・尚、あらかじめ用意した服(ジャージ)に着替えて行うので服が汚れる心配はない
スミカケラレルノヤダヨー
バカッ、ドコトバシテヤガル!
黒夜 「何でよりによってテメェとなんだ……よ!」 パカン
絹旗 「友達のいないあなたを思っての事ですよっ!」 パコン
黒夜 「そりゃテメェもだろがっ!」 カコン
絹旗 「残念~、私には大事なお友達が超沢山います~っ!」 カンッ
黒夜 「具体的な数言えよ、どうせ脳内に住んでんだ、ろっ!」 パカッ
絹旗 「ぷぷー、自分がそうだからって僻まないでください……よっ!」 カコン
- 583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:35:58.40 ID:ubnMpB+DO
- 黒夜 「逃げンのかコラ?質問に答えやがれ!」 カキン
絹旗 「しつこいですねェ!あっ……」 ポトッ
黒夜 「あー!落としやがったー!審判審判、コイツ落としましたよー!」
10522号 「落としましたね、これはあちら側のミスです。と、ミサカは早速バケツを構えます」
絹旗 (あちゃー、でもまぁ窒素装甲で防いじゃえばいっか)
バシャーン
絹旗 「……」 ボトボト
垣根『忘れてた、墨には俺の能力混ぜといたから防ごうったってそうはいかねぇからな』
黒夜 「ざまぁみろー!絹旗が染旗になっちまったぜー!」 ギャハハハ
染旗 「こンのクソッタレー!!」 パカン
黒夜 「おいお~い、そんなの速すぎて取れねぇって~」 アヒャヒャ
染旗 「審ぱァーーン!!この人今わざと落としましたよォ!取れるやつを取れないフリして私を嵌めようとしてまーす!」
黒夜 「はぁ~?言いがかりはやめてぇ~?」
10522号 「いえ、今のは取れましたね。と、ミサカは次なるバケツを用意します」 タプンタプン
黒夜 「はぁ!?今のどうみたって無理だろうがよ!?」
10522号 「ミサカには分かります、あなたなら必ず取れると……と、ミサカは第二のバケツを解放します」
バシャーン
- 584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:39:36.21 ID:ubnMpB+DO
- 黒夜 「……」 ボトボト
染旗 「ギャハハハハ!黒夜が墨夜にランクアップしましたよォォー!」
墨夜 「ブッッッッッ殺ォーーーーす!!!」 ドンッ
クラエシミハター!
キキマセンヨスミヨルー!
垣根『そうそう、墨は洗えば簡単に落ちるからいくらでもかぶれー』
御坂妹 「羽根つきは打ち続ける事で互いの無病息災を祈るのですが……と、ミサカはある一組に奇異の感を抱きます」
垣根 「いいんじゃね?墨ってたしか魔除けとかそんな意味が含まれてるらしいし」 パシャッ
御坂妹 「あなたも浴びますか?と、ミサカはバケツの準備をしつつ同意を求めます」
垣根 「いや、いらない」
- 585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:40:52.47 ID:ubnMpB+DO
垣根『見事に真っ黒だなお前ら!こんだけ浴びれば厄も近付きたくなくなるだろうよ』
染旗 「近付かないで下さい不快物質<ヤークマター>さん。今のあなたから光を全く感じません」
墨夜 「その言葉そっくり返すぜ一方不幸<ヤクセラレータ>ちゃん?災厄が服着て歩いてんじゃねぇよ」
垣根『競技の結果だが、最高記録が13分05秒という素晴らしい記録が出た。みんな拍手!』
パチパチパチパチ
スゲー!
染旗 「ていうかァ、あなたのジャージ姿超似合ってねーし、コンビニ行くギャルみたいだしィ」
墨夜 「そォいうテメェは姉のお下がり着せられる宿命を背負った残念な妹にしか見えねェぞ?」
垣根『優勝チームには賞品として書道セットを贈呈する。和の心を大事にな』
垣根『じゃあ身体の墨を洗い流すか。風邪を引かないよう十分配慮はする。助手達、放水用意!』
染旗 「口で言い合うのもあれですし、超第二ラウンドといきましょうかァ!?」
墨夜 「よォしよく言った!染旗をただの染みにしてやンよォ!」
ドバァーーー
- 586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:41:44.79 ID:ubnMpB+DO
- ―――――――――
お年玉?欲しけりゃくれてやる!~まさに大落下時代~
【内容】
・学園都市のあちこちに作られた落とし穴に落下し、中にあるお年玉をゲットしよう!中身はヒ・ミ・ツ☆
絹旗 「落とし穴って、学園都市のあちこちに超穴空けたんですか」
黒夜 「パッと見それらしきものは見当たらねぇけどな」
絹旗 「……何でついてくるんですか」
黒夜 「は?テメェだろがよ。私は最初からこの道を行くって決めてたんだよ」
絹旗 「あっそうですか、じゃあ私はあっちへ行きますので超ついてこないで下さいね」 クルッ
黒夜 「あぁそうしろ、私は私の道を行kうぉああああああああ!?」 ズボッ
絹旗 「黒夜!?」
黒夜 「ビックリしたー、ちくしょう深すぎんだろこの穴……お、この箱がお年玉か?」
絹旗 「くっ、道を変えたのが超間違いでしたね……」
黒夜 「ははは、やったぜ!どうやらツキは私に舞い込んだようだなぁ!」 パカッ
- 587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:43:58.17 ID:ubnMpB+DO
ミ\ /彡
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/ / |〕 帝凍庫クン .|| ´\ \
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とニ二ゝソ____/ 彡..| `ニ´ i| ミ |\____(、,二つ
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\彡 | .|| ミ/
|〕 謹・賀・新・年! ||
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黒夜 「……何これ」- 588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:46:10.22 ID:ubnMpB+DO
- 絹旗 「アハハハハ!よかったですねぇ!いーなー、羨ましいなー!」 ザッザッ
黒夜 「テメェ馬鹿にしてんのか!おい、砂かけんじゃっ…ペッ、やめろっ……つって、ゲホッ!」
絹旗 「幸薄いあなたにはそのメルヘンストラップが超お似合いですよ。では私もお年玉を探しに行きますか」 スタスタ
絹旗 「あースッキリした、ざまぁみやがれです」
ギャー
ヤッタ、ウドンタベホウダイダッテヨー!
スキナフク3チャクマデタダデスッテー!?
絹旗 「クリスマスパーティーの時とは違い、なかなかの賞品が用意してあるようですね」
絹旗 「って考えると、黒夜はある意味超ついてたんでしょう」
絹旗 「ツキは私に舞い込んだーって……プッ、また笑いが込み上げtうぇあああああああ!?」 ズボッ
絹旗 「……超ビックリした、全然気づきませんねこれ。あ、これがお年玉ですね」
絹旗 「さーて何が入ってるかなー?」 パカッ
- 589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:48:11.06 ID:ubnMpB+DO
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|〕 謹・賀・新・年! ||
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絹旗 「……」
- 590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:49:07.80 ID:ubnMpB+DO
垣根 「俺の手作りストラップ“帝凍庫クン~正月ver.~”誰か見つけてくれたかなー」 ソワソワ
- 591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 19:52:23.84 ID:9B5DyOGZ0
- 一部の人以外いらないだろwwwwwwwwwwwwそれwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/08(火) 19:54:13.36 ID:ubnMpB+DO
- 以上です
初めて寝落ちを経験しました
次回は10日後くらいに来れたらと思います - 593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/05/08(火) 19:58:29.97 ID:aNumhAZAO
- 凄く……欲しいです……
- 594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 20:01:25.08 ID:nbqczJmE0
- >>1乙
次回も期待。にしても帝蔵庫クンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:29:01.44 ID:Hf0/B5oDO
- ―――――――――
じゅげむ×108
【内容】
・寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
やぶら小路の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの 長久命の長助
・↑の言葉を会話に混ぜ(例:じゅげむじゅげむ……長久命の垣根くん)108回言ってみよう!
絹旗 「じゅげむじゅげむ(ry長久命の黒夜、いつまでじゅげむじゅげむ(ry長久命の私に超付きまとうつもりですか」
黒夜 「あんだって?」
絹旗 「いい加減にしないとじゅげむじゅげむ(ry長久命の黒夜、あなたをじゅげむじゅげむ(ry長久命のストーカーとしてじゅげむじゅげむ(ry長久命の警察に突きだしますよ?」
黒夜 「じゅげむじゅげむ(ry長久命の絹旗ちゃん、自意識過剰も大概にしてくれ。寧ろじゅげむじゅげむ(ry長久命のテメェがじゅげむじゅげむ(ry長久命の私をつけてるって考えもあると思うんだわ」
絹旗 「それこそじゅげむじゅげむ(ry長久命のあなたの思い込みですね。何故好き好んでじゅげむじゅげむ(ry長久命の私がじゅげむじゅげむ(ry長久命のあなたを追いかけなきゃいけないんですか」
黒夜 「おいちゃんと言えてねぇぞじゅげむじゅげむ(ry長久命のきぃぬはぁたちゃん?言い直せよ、じゅげむじゅげむ(ry長久命のって言い直せよ。さんはい!」
絹旗 「そうやって人の揚げ足ばかりとるからじゅげむじゅげむ(ry長久命のぼっちなんですよじゅげむじゅげむ(ry長久命の万年ぼっちじゅげむじゅげむ(ry長久命の黒夜」
黒夜 「おいおい何でもかんでもじゅげむじゅげむ(ry長久命のってつけたらごまかせると思ってんじゃねぇぞじゅげむじゅげむ(ry長久命のモアイたん」
絹旗 「あー今禁句言いましたねーじゅげむじゅげむ(ry長久命の禁句超言いましたねー。普段ならこの場でじゅげむじゅげむ(ry長久命の窒素パンチ食らわしてるとこですよー」
- 668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:29:48.80 ID:Hf0/B5oDO
- 黒夜 「んな事言ったら私だって既にじゅげむじゅげむ(ry長久命の窒素ミサイルぶっぱしてんぜ?でも何故か怒りが沸いてこないから許してやってるだけだからな?」
絹旗 「超奇遇ですね。私も何故かイラッと来ないんですよ。今なら何言われても笑って許せそうです」
黒夜 「マジで?じゅげむじゅげむ(ry長久命のモアイたん、じゅげむじゅげむ(ry長久命のイースター島に帰らなくていいんすか?てか帰ってください」
絹旗 「可哀想にじゅげむじゅげむ(ry長久命の真性構ってちゃん。ぼっちに慣れすぎて他人との接し方を超忘れてしまったのですねじゅげむじゅげむ(ry長久命のコミュ障」
黒夜 「すげぇ、めちゃくちゃ言われてんのに何ともねぇや!」
絹旗 「本当ですね!」
黒絹 「「アハハハハハ!」」
ジュゲムジュゲム…シネキヌハタ
ジュゲムジュゲム…シネクロヨル
御坂妹 「何なのでしょうあの光景は……とじゅげむじゅげむ(ry長久命のミサカはあの異空間を訝しげに眺めます」
垣根 「うん、“喧嘩する程仲がいい”ってやつだな多分」 パシャッ
御坂妹 「喧嘩をするのに仲がいいとはこれいかに?とじゅげむじゅげむ(ry長久命のミサカは相反する意味に首を傾げます」
垣根 「うーん……とにかく仲がいいんだよ。多分」
御坂妹 「語尾に多分が付く辺り、あまり自信がないように見えますが。と、じゅげむじゅげむ(ry長久命のミサカは口が疲れてきたなーと」
- 669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:31:15.06 ID:Hf0/B5oDO
- ―――――――――
昼食お節タイム&ついてる?憑いてる?おもちでおみくじ
【内容】
・突きたての餅を食べよう!中身によって運勢が分かるぞ!
大吉……無し
中吉……苺
小吉……芋餡
吉………餡子
末吉……味噌
凶………納豆
大凶……無し
絹旗 「ほぉー、これがお節ですかー」 キラキラ
黒夜 「和食はあんまり好きじゃねえんだよなー、野菜が多いっつか……」
絹旗 「ふっ、これだから超お子ちゃまは。お節とは心で祝い、目で楽しみ、そして舌で味わうんですよ」 ヤレヤレ
黒夜 「なーに分かった口きいてんだ、さっきから伊達巻しかとってねぇくせに。おら椎茸も食えよ」 ポイッ
絹旗 「あっ、超余計な事しないで下さい!あなたこそ鰤ばっか取らずに昆布巻きも食べなさい!」 ポイッ
10903号 「ではその隙に手付かずの伊勢海老をば……と、ミサカは横からさりげなく箸をつつきます」
垣根 「俺は生まれて初めて料理を美しいと思ったぞ……」 パシャシャシャシャ
御坂妹 「連写機能を使う程にですか、とミサカは早く食べたいからさっさと撮り終えて下さい」 ウズウズ
垣根 「もうちょっと待ってくれ、あと斜めから5枚くらい……」
- 670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:32:58.23 ID:Hf0/B5oDO
- 10715号 「おもちくじが出来ました、とミサカは粉まみれになりながら報告します」
垣根 「もう出来た?しゃーねーなぁ」
垣根『おーいお前ら、おもちくじ出来たから1人1個ずつもってけよー』
黒夜 「なに?こうしちゃいられねぇ、テメェの分も食ってやるからそこで重箱の隅でもつついてな!」 ダッ
絹旗 「そうはいきますか!」 ダッ
10903号 「ではミサカが残りを頂きます、とミサカは重箱ごと確保します」
ワイワイ
絹旗 「パッと見、何が入っているか超分かりません」
黒夜 「大吉と大凶両方が味無しだどう捉えりゃいいのやら」
10715号 「味無しをついてないと取るかついてると取るかはみんな次第だ、とミサカは主催者の意図を代弁します」
絹旗 「ついてないけどついてる?ついてたらついてない?」
黒夜 「まぁ何でもいいや……これにしよっ」
絹旗 「では私はこれを……」
- 671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:33:36.68 ID:Hf0/B5oDO
- 絹黒 「「…………………………」」 モグモグ
絹黒 「「…………………………」」
黒夜 「……何が入ってた?」
絹旗 「餡子でした。吉のようですね、超普通においしいです」 モグモグ
黒夜 「あ、そう……」
絹旗 「あれ、まさか納豆でも引いちゃいました?凶ですか?超凶ですか?」
黒夜 「…………餃子」
絹旗 「え?」
黒夜 「だから、ぎょうざ。餡子違う、餃子……」
絹旗 「……」
御坂妹 「おや、何故餃子が?と、ミサカは手に持つ餅の中身に驚愕します」
垣根 「餡子が当日までに数揃えられなくてよー、漢字が似てるから急遽餃子を用意したんだ」
御坂妹 「それではこの種目が成り立ってないのでは?とミサカはあなたの思考回路が気になって仕方ありません」
垣根 「うまけりゃいいのよ!……あれ、なんも入ってねぇ」
- 672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:35:44.16 ID:Hf0/B5oDO
- ―――――――――
カルタlevel5~逃げる札を追え!~
【内容】
・範囲は第七学区全域、助手達が頭文字(あ)~(ん)までの文字付きヘルメットを被りカルタとなる
・詠み手が札を詠むとカルタは一斉に逃げ出す!タッチした者は頭文字シールを貼ってもらい誰よりも多く集めよう!
・うっかりタッチ(お手つき)したら主催者がハリセン持って飛んできます
・詠んで暫くしたら別の札を詠む事もあるから急いでね。タッチしても別の札が詠まれてたらお手つきです
黒夜 「追っかけるカルタとは斬新だが面倒くさそうだな……」
絹旗 「超お手つきだけはしないようにしましょう。あなたはどうなろうと知りませんが」
御坂妹『札はミサカが詠みます、とミサカは語尾を言わないよう注意しながら札を手に取ります』
垣根 「優勝者には素敵な賞品が贈られるぜー、頑張れよ!」
(あ)号『全員配置につきました。と、ミサカ(あ)は無線連絡をします』
垣根 「おし、じゃあゲームスタート!札詠んでくれ!」
御坂妹『では……東京特許許可局局長急遽許可却下』
絹旗 「はい?」
御坂妹『聞き取れなかった方々の為にもう一度……東京特許許可局局長急遽許可却下。もう勝負は始まってますよ』
黒夜 「私は先に行くぜ!テメェよりぜってー多く集めてやるからな!」 ダッ
絹旗 「黒夜に負けるのだけは死んでも嫌です!」 ダッ
- 673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:37:44.26 ID:Hf0/B5oDO
ウォーマテー!
カワイイヨハァハァ
絹旗 「大勢が追っているのがカルタの(と)ですか……」
黒夜 「邪魔くせぇ、2~3発ぶち込んで蹴散らすか」
絹旗 「他人に危害を加えるのは超感心しませんね」
黒夜 「当てやしねぇよ、それに能力使うななんて言ってなかったろ?」
絹旗 「知りませんよ?」
(と)号 「大勢の人間が一斉に迫ってくるのは恐怖以外の何物でもありません。とミサカ(と)はこの役に立候補した事を少し後悔してます」 タタタ
黒夜 「オラどけどけェー!」 バヒューン
ウワーバクゲキダー!
ギャー!
(と)号 「彼女はカルタではなく命をお望みですか、とミサカ(と)はいよいよ身の危険を感じ助けを呼びます」
(ま)号 「呼ばれて飛び出てなんとやら、とミサカ(ま)は助太刀に参りました」 シュタッ
黒夜 「げ、んなのありかよ」
垣根『追伸ー、他のカルタが妨害してくる事もあるから気を付けろー。勿論触ったらお手つきだからな』
絹旗 「惑わされないで下さい黒夜、(と)は超あっちですよ」
黒夜 「(ま)じゃねぇかよ!嵌める気まんまんか!」
(ま)号 「ディーフェンス、ディーフェンス。とミサカ(ま)は(と)を守る守護神として立ちはだかります」
黒夜 「触っちまうとお手つきになんだよな、やりにくいぜ……」 チッ
絹旗 「そうこうしてる間に逃げちゃいますよ」
- 674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:39:34.84 ID:Hf0/B5oDO
- 黒夜 「絹旗危なーい!」 ドンッ
絹旗 「うわっ!?」
(ま)号 「まさかのコンタクトプレーですか。と、ミサカ(ま)は突っ込んできた少女を受け止めつつお手つきと判断します」
黒夜 「悪いな、お前の分まで頑張るからよ!」 タタタ
絹旗 「この……っ!」 プルプル
垣根 「お手つきしたな?今、お手つきしたな?」
絹旗 「キャー!来るの早すぎますよ!」
垣根 「大丈夫大丈夫、ハリセンだから痛くねぇって」 ドッコイセ
絹旗 「そんな超身の丈程の大きさで痛くない訳ないでしょ!?」
スパーン!
黒夜 「いよっしゃー(と)ゲーット!アイツを生け贄にした甲斐があったな!」
(と)号 「捕まってしまいましたね。とミサカは爽快なビンタ音に祈りを捧げます」
御坂妹『(と)を取った方がいるようですね。では次の札を詠み上げます』
黒夜 「アイツがやってくる前に退散退散っと」 スタコラサッサ
それからしばらく黒夜は1人慎重に、大胆に、狡猾にカルタ取りに励んだのだった
- 675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:41:02.66 ID:Hf0/B5oDO
- 御坂妹『ラクダ楽々で堕落したら落馬した設楽グダグタ』
黒夜 「(ら)発見、逃がすかよー!」 ドゴーン
御坂妹『ヘロヘロヘロイン減らすもヘリウム減りペリカンペラペラペペロンチーノ』
黒夜 「チッ、この辺にはいねぇみたいだな……」
御坂妹『赤巻き紙青巻き紙黄巻き紙黄ばみ巻き紙巻き込みました』
黒夜 「さっきからよく噛まずに言えるな、カルタ全く関係ねぇけど……隙ありー!」 ドンッ
黒夜 「全部で10枚か、こりゃ優勝間違いなしだな」
黒夜 「にしても疲れるぜ、範囲は広いし逃げるし邪魔してくるしで体力持たねぇよ……」 フゥ
絹旗 「死ねーーー!!」
黒夜 「っとぉ!?」 バッ
絹旗 「さっきはよくもやってくれましたね……」
黒夜 「はぁ?不意打ち騙し討ちなんざ勝負の基本だろ。やられる方が悪い!」
絹旗 「くっ、暗部生活で超散々やってきた分何も返せない……!」
アータイクツダー、タイクツダー
シズカニシテクダサイ、マイクニハイッテマスヨトミサカハ……
黒夜 「お蔭で10枚ゲット出来た、絹旗ちゃんありがとよ」 ククク
絹旗 「……実は私もカルタを超持ってまして、12枚手元にあります」 フッ
黒夜 「なっ、いつの間に!」
ナー、オレニモヤラセテクレヨー
シカタナイデスネー、トミサカハ……
絹黒 「「?」」 - 676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:42:38.96 ID:Hf0/B5oDO
- 垣根『えー、詠み手交代ということで次からは俺が札を詠みまーす』
黒夜 「おっと、こんなとこで止まってる場合じゃなかった。さぁ次は何の札だ?」
垣根『んーーーーーー……』
絹旗 「……」
垣根『んーーーーーー……』
黒夜 「……」
垣根『んーーーーーー……』
絹旗 「早く詠んで!?」
垣根『あ、取った?以外と早かったな。じゃあ次いくぞー』
黒夜 「あれで詠んでたのかよ!?」
絹旗 「そうか、さっきのは(ん)の札だったんですね、超紛らわしい!」
垣根『か……鴨米噛みゃ子鴨が粉米噛む子ごめ、……鴨米噛めゃ、鴨米噛みゃ子がか……』
絹旗 「(か)ですね!(か)の札を取ればいいですね!」 ダッ
黒夜 「見つけたぞ、(か)!」
(か)号 「見つかってしまいました、とミサカ(か)は噛み噛み言葉に気を削がれつつ逃走を図ります」 タタタ
垣根『いやだ、ぜってー代わんねぇぞ!噛まずに言えるまで代わんねぇぞ!』
絹旗 「さっきからマイク越しに超うるさい!」
- 677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:43:28.74 ID:Hf0/B5oDO
- 黒夜 「おらァ!余所見してていいのかァ!?」 ドンッ
絹旗 「しまった……!」 ドテッ
黒夜 「はい、(か)ゲーット!2度も引っ掛かってんじゃねぇよ!」 ヒャハハ
絹旗 「ぐぬぬ……」
御坂(か) 「捕まってしまいました、とミサカ(か)は無線で報告します」
垣根『鴨米噛みゃ子鴨が粉米噛む子鴨米……捕まった?んだよーもう少しでいけたのに!そいつお手つき!ちょっくら待ってろ』
黒夜 「はぁ!?」
垣根 「お前か、俺が言い切る前に札取った奴は」 シュタッ
黒夜 「早っ、いやちょっと待てよ!ちゃんと詠まれた札取ったじゃねぇか!意味分かんねぇよ!」
絹旗 「お手つきはお手つきです、諦めてしばかれなさい」 プクク
垣根 「避けるなよ、余計痛いから」 ヨイショ
黒夜 「いやいやおかしいから!ルールもハリセンのサイズも!」
スパーン
垣根『鴨米噛みゃ小鴨が粉米噛む小鴨米噛みゃ鴨が粉米噛む!』
絹旗 「――では改めて、(か)超ゲットです!」
(か)号 「これで2回目ですね、とミサカはまた無線で連絡をします」
黒夜 「ほ、星が舞ってる……」 フラフラ
絹旗 「私を嵌めた報いです黒夜、しばらくピヨってて下さい」
垣根『次は……やっぱやめだ、俺も参加する』
絹旗 「えっ」
垣根『選手交替だ、頼んだぜ!』
絹旗 「」
その後、飛び入り参加した主催者が残りの札を全部取ってしまい、参加者は苦笑いしか出来なかったとか――
- 678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:45:30.93 ID:Hf0/B5oDO
- ―――――――――
~夜~
ガヤガヤ
絹旗 「集まれと言われたから来てみましたが、何が始まるのでしょう?」
黒夜 「さぁ?こんなクソ寒い時期にほっぽり出すんだ、何もねぇはずねぇだろ」
午後7時、主催者によって集められた人々は何が何だか分かっていなかった
期待、不安、苛立ち、様々な思いが夜の帳に立ち込める
――すると、冬の乾いた夜空に一輪の花が爆ぜた
絹旗 「これは……」
続けざまに二度、三度、黒塗りのキャンバスを光で彩り、そして闇に溶ける……
黒夜 「花火……」
それまで混ぜこぜだった群衆が一変。誰もが空を仰いだ
絹旗 「超綺麗です……」
咲くには余りにも遅すぎる花、早とちりしたと弾ける火……
黒夜 「何も今やらなくたっていいんじゃねぇか?」
そんな声も、空を覆う七色の弾幕に掻き消された
いつしか皆は寒さも忘れ、一枚の巨大なアートに感嘆の声を漏らす
- 679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/30(水) 17:46:35.46 ID:Hf0/B5oDO
- 黒夜 「こんな事があと2日も続くのか……」
絹旗 「嫌ですか?」
黒夜 「嫌に決まってんだろ。だって――」
その時、今日一番とも言える大輪の花が咲き、観衆は大いに沸いた
絹旗 「え?聞き取れませんでしたよ」
黒夜 「……はっ」
真冬の宵闇に馴染む少女は、それ以上何も言う事はなかった――
- 736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:16:56.65 ID:BaG6oBKDO
- ―――――――――
―――――
―――
いいのか?テメェはそれで
……
ま、俺がどうこう言うまでもねぇか
どうせいつか行動に起こすつもりだったし、テメェも薄々感付いてたんだろ?
で、条件は?
……
いいだろう――――
- 737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:18:12.10 ID:BaG6oBKDO
- ―――――――――
―――――
―――
1月6日(木)
~学園都市~
食蜂 「あ~、もっと凪差とイチャコラしたいなぁ~」 テクテク
食蜂 「でもぉ、その為にはあの第二位を何とかしなくちゃいけないのよねぇ……」 テクテク
食蜂 「不意打ちでも操れなかったし、何なのあの人ぉ~!私の事常に警戒でもしてる訳ぇ!?」
ヒトリデナニサケンデンダ
オンナハコワイゼ…
食蜂 「……そうね、まずはあの人にお近づきになるとこからはじめようかな」
―――――――――
~垣根宅~
ピンポーン
食蜂 「……出ないわねぇ、出掛けてるのかしら?」
食蜂 「おーい……あれ?開いてる」 ガチャ
食蜂 「いいや、入っちゃえ♪」 - 738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:19:33.82 ID:BaG6oBKDO
垣根 「……」 グーグー
食蜂 「寝てる」
垣根 「んー……」 グーグー
食蜂 「どうしよぉ、これじゃあ何も出来ないじゃない」
食蜂 「いや、寧ろ今なら何でも出来るわねぇ~」 ニヤニヤ
垣根 「……」 グーグー
食蜂 「起きてるー?」 ツン
垣根 「おい……」
食蜂 (わ、起きちゃった!?) ドキッ
垣根 「おいっす……」 スヤスヤ
食蜂 (なんだ、寝言かぁ……) ホッ
食蜂 「もうすぐ12時になるのに、いつまで寝てるのかしらぁ」
垣根 「マーメイドは…認めない……」 スースー
食蜂 「どんな夢を見てるのか気になるわね」
垣根 「エーデルワイス……エーデルワイス……」 クカー
- 739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:20:58.48 ID:BaG6oBKDO
- 食蜂 「よし、まずは家の中を散策しよーっと!」
垣根 「……」 グオー
食蜂 「広いわねぇ、こんなとこ1人で住むにはもったいないわぁ」 キョロキョロ
食蜂 「うわ、この段ボール全部カメラのフィルム?買いすぎじゃない?」
食蜂 「これはすごろくみたいねぇ。何々……うわぁメチャクチャ面白そぉ!」
食蜂 「よく見たら色んなものがいっぱいあるねぇー、雑貨屋みたい」
食蜂 「あれ、この部屋鍵が掛かってる」 ガチャガチャ
食蜂 「んー……気になるけど仕方ないかぁ、戻ろっと」 テクテク
- 740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:22:34.66 ID:BaG6oBKDO
垣根 「でんでら…りゅ……でてくる……」 スピー
食蜂 「まだ寝てるし、てか寝相悪いわねぇ」
垣根 「てっちり鍋もいい…けど……石狩鍋も……捨てがた…い」 ゴロン
食蜂 「本当に寝てる……のよねぇ?」
垣根 「いぃ……」
食蜂 「はっ、今なら能力効くかも!」 ゴソゴソ
垣根 「けんかと……火事は…江戸の華……」 ムニャ
食蜂 「よーし、じゃあいくよ☆『私の為に起き……』」
ガシッ
食蜂 「えっ?」
垣根 「……」
食蜂 (な、何?急に腕を掴んで……)
垣根 「……」 ギリギリ
食蜂 (いたたたた!ち、力入ってる!?やっぱ起きてるぅ!?)
食蜂 「ご、ごめんなさい!冗談のつもりだったの!ホントよぉ!だから離してくださいお願いしますぅー!」
垣根 「でんでら…りゅ……でてくる……」 スピー
食蜂 「まだ寝てるし、てか寝相悪いわねぇ」
垣根 「てっちり鍋もいい…けど……石狩鍋も……捨てがた…い」 ゴロン
食蜂 「本当に寝てる……のよねぇ?」
垣根 「いぃ……」
食蜂 「はっ、今なら能力効くかも!」 ゴソゴソ
垣根 「けんかと……火事は…江戸の華……」 ムニャ
食蜂 「よーし、じゃあいくよ☆『私の為に起き……』」
ガシッ
食蜂 「えっ?」
垣根 「……」
食蜂 (な、何?急に腕を掴んで……)
垣根 「……」 ギリギリ
食蜂 (いたたたた!ち、力入ってる!?やっぱ起きてるぅ!?)
食蜂 「ご、ごめんなさい!冗談のつもりだったの!ホントよぉ!だから離してくださいお願いしますぅー!」
- 741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:23:14.27 ID:BaG6oBKDO
垣根 「でんでら…りゅ……でてくる……」 スピー
食蜂 「まだ寝てるし、てか寝相悪いわねぇ」
垣根 「てっちり鍋もいい…けど……石狩鍋も……捨てがた…い」 ゴロン
食蜂 「本当に寝てる……のよねぇ?」
垣根 「いぃ……」
食蜂 「はっ、今なら能力効くかも!」 ゴソゴソ
垣根 「けんかと……火事は…江戸の華……」 ムニャ
食蜂 「よーし、じゃあいくよ☆『私の為に起き……』」
ガシッ
食蜂 「えっ?」
垣根 「……」
食蜂 (な、何?急に腕を掴んで……)
垣根 「……」 ギリギリ
食蜂 (いたたたた!ち、力入ってる!?やっぱ起きてるぅ!?)
食蜂 「ご、ごめんなさい!冗談のつもりだったの!ホントよぉ!だから離してくださいお願いしますぅー!」
- 742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:23:55.24 ID:BaG6oBKDO
- 垣根 「……んふふ」 パッ
食蜂 「はぁービックリしたぁ」 ジンジン
垣根 「はげ…しい……」 グーグー
食蜂 「寝てる?……変なのぉ」
食蜂 「なんかつまんないしぃ、もっかい向こう行こっかな」
垣根 「……」 ポロッ
食蜂 (あ、ポケットから何か出てきた)
食蜂 「鍵……まさかあの部屋の?」
垣根 「やきもき…焼きもち…妬いた……」 スカー
食蜂 「……」
食蜂 (いや、流石に駄目でしょ。そういう考えはしちゃいけません!)
食蜂 (でも気になるしぃ、バレなきゃ大丈……いやいや!あーでも……)
食蜂 「……」
- 743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:24:32.98 ID:BaG6oBKDO
- 食蜂 (起きないよね?大丈夫よね?) ソー
垣根 「……」
食蜂 「!」 ピタッ
垣根 「くぅ……」 スースー
食蜂 (ほっ……)
垣根 「……」 スースー
食蜂 (もう少し……もう少し) ソー
食蜂 (よぉし!鍵ゲット!)
垣根 「……ん」 ゴロン
食蜂 「っ!」 ビクッ
食蜂 「……さーて、起きる前に済ませちゃお」 ソソクサ
食蜂 「ごめんなさいねぇ、探求心には勝てなかったのぉ」
食蜂 「さぁ、この扉の中には何が待ち受けているのか」
食蜂 「……ビンゴ☆」 カチッ
食蜂 「では、オープンセサミ~」 ガチャ
- 744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:25:23.66 ID:BaG6oBKDO
食蜂 「何これぇ、随分と散らかってるわねー」
食蜂 「あいたっ!も~フィルム踏んじゃったじゃない~」
食蜂 「それにしたって、この散らかり様は凄いわぁ。どっちかと言うと荒らされたって感じ?」
食蜂 「んー、リビングとかは綺麗なのに部屋はごちゃごちゃしてて何がなんだか……」
食蜂 「あ、凪差の生写真発見!キャー可愛い!」
食蜂 「もぉ、こんなとこに投げ出しちゃ駄目じゃない!お、この凪差も中々……」 ガサガサ
食蜂 「そういえば、アルバム作ってるとか言ってたわね」
食蜂 「これかな?……」
- 745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:27:01.17 ID:BaG6oBKDO
垣根 「……」
- 746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 21:29:29.40 ID:BaG6oBKDO
- ―――――――――
食蜂 「わっ、もうこんな時間!ついゆっくりしてたわねぇ」 バタバタ
食蜂 「まさか起きてたり……ん?」 ピラッ
食蜂 (本棚の隙間に紙が挟まってる)
――ハンプティ・ダンプティ――
食蜂 (何かのメモかなぁ?)
食蜂 「っとと、早く戻らなきゃ!」 ササッ
垣根 「zzz……」
食蜂 (よかったぁ、まだ寝てるみたいね)
食蜂 「ホントにもぉ、私の凪差を一人占めしようったってそうはいかないからねぇ」
食蜂 (結局お近づきになる事は出来なかったけど、凪差の写真を拝めただけでもよしとしますか☆)
食蜂 「さぁて、鍵を元の場所に置いて……」
食蜂が部屋の鍵を垣根の傍へ置こうとした時だった
さっきまでソファーで熟睡していた彼が突然起き上がったのだ
- 762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 18:55:25.66 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 「っ!?」
お化け屋敷の幽霊役のような、実は寝たふりをしていたとばかりの反応に彼女の思考は一瞬弾き飛ばされた
すぐさま取り戻すと、今度は頭を回転させ状況を確認する
食蜂 (やっぱり起きてたんじゃない!絶対全部バレてるわよねぇ!?)
腕を掴まれた事もあり、食蜂は間違いなく起きていると判断した
不法侵入、窃盗、プライバシー侵害、これらをどう乗り切るのか
本来ならリモコンのスイッチ1つで万事解決といくのだが、相手は何故か能力が効かない
学園都市第五位はその知識知恵を振り絞り、解決策(という名の言い訳)を練る
垣根 「……」
上体だけ起こした垣根が食蜂を見る
- 763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 18:56:20.74 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 「あ、明けましておめでとうございま~す!今年は卯年だったっけぇ?」
垣根 「……」
食蜂 「な、何回かチャイム鳴らしたんだけどぉ返事がなかったからつい~」
垣根 「……」
食蜂 「だから悪いとは思いながらもお邪魔しちゃいましたぁ~みたいな……」
垣根 「……」
食蜂 「あはは……」
垣根 「……」
垣根は無言のまま、虚ろな目を向けるだけだった。何を伝えるでもなく、何を受け取るでもなく
しかし、その半開きの眼は食蜂の姿を捉えて離さない
それがかえってプレッシャーとなり、じりじりと追い込まれていくのを彼女は肌で感じ取っていた
食蜂 「……」
怒っているのか、はたまた寝ぼけているだけなのか。仮に起きてたとして、何故寝たふりをするのか
食蜂 (もう正直に言って謝ろぉ)
音のない空間に耐えきれず、大人しく白状してしまおうと決めた時…… - 764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 18:57:10.17 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 「……ごめんなさ」
突如、垣根は食蜂へ飛び掛かった
全体重をぶつけられた彼女は声をあげる間もなくフローリングへ叩きつけられる
食蜂 「ッッ!?」
ドスン!と鈍い音がリビングの乾いた空気を震わせた
その拍子に腰と背中を打ち付けたが、食蜂の頭に痛みを感じてる余裕はない
食蜂の情報認識力が一変した現状に追い付いていないのだ。今も脳が必死で数秒前から現在へと猛追している
そして、長いような数秒を経てようやく自分が置かれている状況を理解した
食蜂 (どっ、どぉなってるのぉ!?)
体は仰向けに倒され、両腕はがっしり掴まれていている。更に大腿部分も膝で押さえ付けられていて身動きが全く取れない
その腕からは明らかに強い力が加わっていた。中学生の女の子程度の力でどうこう出来る訳ない程の
- 765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 18:58:23.83 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 「ご、ごめんなさぁい!!あなたの事ちょっとでも知りたいなぁと思って……その、出来心なんですぅ!」
垣根 「……」
食蜂 「あなたがあまりにも凪差と親しいから嫉妬してたのよぉ!」
垣根 「……」
食蜂 「ぜ、全面的に私が悪いです!」
この他にも懺悔の句を絞り出し連ねるが、垣根は一向に喋ろうとしない
やはり彼は怒っているのか。それにしては不気味なくらい怒気を感じないのは何故だろう
深層心理において右に出る者がいない食蜂すら、今の彼を推し測れずにいた
獣の如く襲い掛かり、されど機械の如く無機的な表情
幾ら言葉を投げ掛けても室内にこだまするのみで、眠たそうな瞳は食蜂の目をぼうっと見つめている
“これ”は一体何だ?――
- 766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 18:59:55.06 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 「ちょっと……」
今目の前に覆い被さる“これ”は何なのか。自分は“何”と相対している?
得体の知れない存在に体を組み敷かれ、部屋には他に誰もいない
頼みの能力を使おうにもリモコンは鞄の中。仮に使えたとしても、これまでの結果から効くかどうか
食蜂の顔から、徐々に血の気が引いていく……
分析すればする程、自分は思っている以上に危険な立場に晒されてると自覚せざるを得なかった
食蜂 「ひっ……!」
途端に、世界ががらりと変わった
無音の空間が絶望を醸し出し、眼前の不気味な男が恐怖を増幅させていく
「早く逃げろ!」これまでにない経験に理性と本能両側が危険信号を発しているのが分かる
例え悪漢が何人いようとボタン1つで全て意のままに出来た彼女にはイレギュラーだらけの状況
超能力者故の油断からか、こうなる事など欠片として考えていなかった
- 767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:01:18.38 ID:BwvT6hTDO
- そもそも食蜂は1人の女子中学生。異性の家に勝手に上がり込む自体がおかしい
ましてや相手は自分より格上の人間……無防備にも程がある
そして何もかもを悟った時には遅く、自分の愚かさを呪うしかなかった
食蜂 (た、助けを呼ばなくちゃ……!)
唯一彼女が出来る抵抗は大声を出す事
助けを求めれば誰かが聞きつけて来るかもしれないし、“これ”の動揺を誘い隙を作れる可能性もある
食蜂 (……駄目、声が出せない!)
……が、初めて味わう窮地に体が緊張してしまい、遂に言葉すら奪われてしまった
――八方塞がり、詰みである
- 768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:03:20.27 ID:BwvT6hTDO
- 食蜂 (嫌……)
相手は依然として無口を貫いたまま、時間だけが過ぎていく
体から滲み出る汗を拭うことすら許されない。女王は最早肉体的にも精神的にも支配されたのだ
食蜂 (いやぁ……!)
次から次へと浮かび上がる嫌な予感
けたたましい心音に詰まりかける息
瞳に宿る星は揺らめいて視界もぼやけてきた
食蜂 (誰か…助けて……)
一少女の懇願も形を成せずに霧散していく
俎板の鯉の行く末は、彼しか知らない――
垣根 「……た」
食蜂 「?」
空気が微かに揺れる
沈黙を続けてきた“これ”が、ようやく口を開いたのだ
よく聞き取れなかった食蜂は固唾を呑み、再び言辞が紡がれるのを待つ
言葉が通じるなら、もう一度謝ろうと心に決めて……
垣根 「つ……」
今度は彼女の耳にもしっかり届いた
- 769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:03:56.14 ID:BwvT6hTDO
垣根 「ツチノコ……捕まえた~」
- 770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:05:37.72 ID:BwvT6hTDO
- ―――――――――
ピンポーン
心理 「……出ないわね」
一方 「『今晩鍋するから俺ん家集合な!』とか言ってた癖に留守かァ?ふざけやがって」
上条 「電話にも出ないなー」
麦野 「寝てるだけじゃないの?ほら、鍵も開いてるみたいだし」 ガチャッ
一方 「ンだよ、じゃあさっさと入るか」
心理 「そうね」
心理 「垣根、返事なかったから勝手に入っ……」
心理定規が部屋を覗くとそこには
食蜂 「うぅ……」
何故かいる食蜂操析と、その彼女に覆い被さる垣根帝督の姿が
- 771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:06:48.16 ID:BwvT6hTDO
- 心理 「……えっ?」
麦野 「どうした?急に立ち止まって」
麦野の声ではっと我に帰ると、慌てて3人を外へと追い出す
心理 「悪いけど、ちょっと外へ出てくれない!?」
上条 「うぉっとと、なんだぁ?」
一方 「いいじゃねェか、外寒いだろうがよ」
心理 「つべこべ言わないの!早く早く!」
麦野 「はぁ?ちょ、意味分かんねぇって!」
みんなの発言を無視し、彼女らしからぬ力で玄関へグイグイ押していく
3人を無事外へ出すとすかさずドアを閉め鍵も掛けた
ふーっと一息つくと、先程の場面を思い出す
心理 (あれって……つまりそういう事よね?)
男と女が1つ屋根の下で重なる……つまり“そういう事”だろう
- 772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/17(火) 19:09:12.95 ID:WajjLxNg0
- インド人らしい奇妙な男「我のツチノコのボックス、汝らが勝ったら渡してやろう。ただし、汝のちとにくを所望する!」
- 773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:09:39.82 ID:BwvT6hTDO
- 如何に大人ぶった振る舞いをしていても、中身は年相応の女の子。加えてに思春期ど真中だ
『裏』の世界に居たためか、そっちの知識は嫌でも入ってくる為同年代より豊富ではある
しかし、いざその場面に出くわすとどう反応していいのやら
心理 (ど、どうすればいいのかしら)
彼女の頬が仄かに赤らみ、鼓動も速度を上げて刻んでいく
大変な事になってしまった……みんなに何と説明すればいいのだろう
この奥では今まさに“大人の世界”が繰り広げられている。ましてや自分の姉が友人となんて……
心理 (やっぱり、帰った方がいいのよね……)
ここは空気を読んで去るべきか。折角久々にみんなと集まれると思っていたのに
心理 「……なんかショック」
何がショックなのかも分からないままに言葉を漏らした
いつまでもみんなを閉め出しておけない。心理定規は適当に事情を話して今日は帰ろうと結論付けた
心理 (でも……)
最後にもう一度だけ覗いてみようか
- 774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:11:22.54 ID:BwvT6hTDO
- もしかしたら何かの勘違いかもしれない。いや、そうであって欲しい
事実の確認の為に、己の純粋な興味の為に――
高鳴る胸を抑えながら、彼女は再びリビングへと進む
心理 (あれ?)
さっきと特に変わった様子のない2人
心理 (というか……垣根、寝てる?)
よーく耳を澄ますと、微かだが寝息が聞こえる。時折「バターよりマーガリン」等と訳の分からない言葉まで拾った
心理 「なんだ、寝てただけ?」
呆れと安心が半々のため息を吐いて、彼女はリビングの中へ入る
食蜂 「あ……」
心理 「もう、何やってるのよ。周りが見たら誤解されるわよ?」
食蜂 「凪差ぁ……」
心理 「何でそんな泣きそうな目……」
食蜂 「ごわがっだよぉぉぉぉぉぉ!!」 ガバッ
心理 「きゃあ!?」
- 775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:15:10.48 ID:BwvT6hTDO
心理 「――馬鹿ね、ホント馬鹿」
食蜂 「はい……」 シュン
上条 「寝ぼけて襲ってくるとは、おっかない奴だなぁ」
垣根 「…えへへ……」 スピー
一方 「言い出しっぺのコイツはいつまで寝てるつもりだ」
麦野 「どいて、私が起こすから」 スッ
垣根 「おごぅっ!?」 ズドムッ
上一 ((金的はダメだって……)) キュッ
垣根 「……ぎ……っ!!…あれ、何でお前らが?」
一方 「約束も忘れて夜まで寝る奴がいるかっつゥの」 フン
垣根 「うわ、マジだ!くっそー寝過ごしちまった!」
麦野 「おら、鍋すんだろ?さっさとコンロ持ってこいこのドリームレイパー」 バシバシ
垣根 「いていて、分かったから今からっ!やべ、何これ無茶苦茶痛ぇ……」 フラフラ
上条 (何か麦野さん凄い怒ってらっしゃる……)
- 777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 19:17:57.57 ID:BwvT6hTDO
- 心理 「折角だし、操析も鍋食べてかない?」
食蜂 「いや、今日はもう帰ろうかなぁー」
垣根 「遠慮しなくていいぞー、鍋は人数が多い程楽しいからな」
食蜂 「うー……」
何だかんだで食蜂も加わり、6人で鍋を囲む事になった
垣根はそこで今日の出来事を知らされ、彼女に何度も頭を下げた
彼女も自身の行いがあるためお互い様だと笑って許した
しかし、食蜂は垣根の部屋へ入った事を誰にも言っていない
垣根 「って事は、俺の部屋も入ったって事?」
食蜂 「えっ!?いや、入ろうかな~とは思ったけど鍵が掛かってたし……」
垣根 「そっか」
ニクヲクレー
シラタキデモクッテロ
垣根 (鍵なんか掛けたっけ?)
垣根 (まぁいいや、見られちゃマズイものもあったし)
- 821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:11:40.75 ID:QxQXwFNDO
- ―――――――――
―――――
―――
1月9日(日)
~公園~
チャリン
ガシャコン
一方 「……ここらで休憩すっか」
一方 (このベンチ、青く塗り直したのか)
一方 「……」 ストン
一方 「……」 プシュッ
一方 「……ふー」
一方 (たまには1人でこうブラブラすンのも悪くねェな)
一方 (誰かに気ィ使う必要もねェから、好きな時に好きな事が出来る)
一方 (1人の時間は大事だってのを実感するぜ……)
- 823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:12:24.96 ID:QxQXwFNDO
キャッキャッ
パスパース!
一方 (ガキは元気でいいなァ。こンなクソ寒いのに半袖短パンとは)
一方 (それに引き換え番外個体は「肌が乾燥するからヤダ」とかほざいてちっとも家から出ようとしねェ……)
一方 (駄目だな、若いうちに鍛えとかねェと俺みたいに難儀な身体になっちまうぞ)
一方 (……いや、ちょっとは筋肉付いてるよな、うン) ムキッ
一方 「あ?」 コロコロ
ゴメーン!
ボールトッテー!
一方 「しょうがねェな……ホレ」 ポイ
オネーチャンアリガトー!
サァツヅキヤロウゼ!
一方 (……)
一方 (黄泉川に体の鍛え方聞いてみるか)
- 824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:13:18.05 ID:QxQXwFNDO
ウワー、ホシュウニオクレルー!!
一方 (幾つになってもあァいうのはいるらしいな)
一方 (真面目に取り組ンでも出来ない奴なンざそォはいねェ……と思うが)
一方 (だったらスキルアウトなンてもンは存在しねェか)
トウマ、イマアッチノスーパーデタイムセールスチュウダッテ!
ナニ、タイムセールスダト!?
一方 (ガキ共2人はどうだろォか?片方は図体ばっかで相当キテるし、片方はまだ年増のいかねェチビ……)
一方 (こりゃそろそろ学校へ通わす事も考えておいた方がいいな)
- 825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:14:01.00 ID:QxQXwFNDO
ウーンドウスル、イキタイケドホシュウニオクレルシ、ケドコノママダトセールスガ……
一方 (アイツらにはまともな教育を受けてまともな人間と付き合うのが一番……)
ユルセセンセイ!オトコニハイカナキャナラナイトキガアルンデス!
イソグンダヨトウマ!
一方 (……あァいう風にならない為にもな)
- 826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:14:48.54 ID:QxQXwFNDO
ウォーマダマダァー!!
モエテマスネー
一方 (なンつー体してやがンだ、フランケンか?)
一方 (どっかの組織に肉体改造でも受けたのかよ、ありゃ100%以上の力が出せンじゃね?)
一方 (あれも1つの才能だな)
一方 (……) ヒョローン
一方 (もやし……鉛筆の芯……)
ツギコソハアノヤローヲブッツブス!
コリナイデスネー
ウルセェ!
一方 (あのデカブツ、能力持ちじゃねェのか。だからあンな汗臭い事を……)
一方 (もっとも、あの体じゃ強能力者ぐらいの攻撃ビクともしなさそォだがな)
- 827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:16:00.56 ID:QxQXwFNDO
オ、モツナベジャナイカ
オマエハ!!
一方 (しかし、己の身1つで能力者を正面から相手取るたァ見上げた野郎だ)
一方 (三下も似たようなもンだが、アレは例外だ。無能力とか言って“能力を消す”能力を持ってやがるからな)
チョウドイイ、ショウブダ!
ココデデスカ!?
ヨシ、ウケテタツ!
一方 (俺が言っても嫌味にしか聞こえねェだろォが……)
スゴイパーンチ!
ゴハッ!ナンノコレシキ…!
マケルナモツナベサーン!
一方 (負けンじゃねェぞ、フランケン)
ナラコレナラドウダ!チョウ、スゴイ、パーーンチ!!
ビブルチ!!
モツナベサーン!?
- 828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:17:29.67 ID:QxQXwFNDO
タマニハコウイウノモイイヨナ
ソウダネ
一方 (……あの馬面でも女は出来るってンだから世の中は不思議だ)
一方 (俺はまァ、別段欲しいとは思わねェが)
スキダヨ
ッ!!ドドッ、ドウシタキュウニ!?
一方 (あーあー暑苦しい、公共の場で見せつけンじゃねェよ)
一方 (一時的な脳神経の麻痺だってのに、運命だ何だ宣うのかねェ)
オ、オレモオマエノコト……
オッス、ジャマシテワルイナ
ドウシタノ?
一方 (……そォいうおセンチなとこが俺にはないみてェだ)
- 829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:18:43.82 ID:QxQXwFNDO
チョイトコノウマヅラカリテクゾ
ナニスンダ!ウワータスケテクレー!!
ゴメン、ムリ
一方 (理屈抜きで夢中になれるってのは羨ましいなァ)
ナァナァソコノベッピンサン、ヨカッタラボクト…
ヘンタイダー
一方 (その一方で、あァいう報われない人間もいる)
一方 (まァ頑張れ、いつかは誰か振り向いてくれンだろ)
- 830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 20:19:35.48 ID:QxQXwFNDO
- ―――――――――
一方 「長居しすぎたな、そろそろ帰るか」 グイッ
一方 「……ぬる、また買い直すか」
一方 「しかし、こう眺めてるだけでも退屈しねェってのはいい」
一方 (……ウザイ奴の顔が出てきやがった)
一方 「さてと」 スクッ
クスクス…
ネェネェ、アレ…
ホントダー!
一方 (何ジロジロ見てンだ?気持ち悪ィ)
彼は気づいていなかった。背中と尻にベッタリ付いた青いペンキに……
垣根 「アイツのファッションセンスはいつも斜め上を行ってるよなー」 パシャッ
- 883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:06:05.39 ID:6c1LgkKDO
- ―――――――――
―――――
―――
1月11日(火)
垣根 「……」 ボー
垣根 (体が重い……)
垣根 (あの演算に気を取られ過ぎてんのか、能力も使いにくくなってきたし)
垣根 (それに、いつ書いたかも分からねぇメモがあちこちあったり)
垣根 「……まだ1ヶ月ある」
―――――――――
~とある高校~
上条 「う~寒い寒い」 ガチガチ
青髪 「こんな真冬に外走らすなんて黄泉川先生もサディスティックやわー」 ブルブル
土御門 「見て見て上やーん、サングラスが曇ってるぜい」
- 884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:07:35.15 ID:6c1LgkKDO
- 吹寄 「はい馬鹿三銃士、駄弁ってないで準備体操する!」
青髪 「ええよなー、自分は暖かそうなモン持ってて……」
上条 「ホントになー」
土御門 「ぜよぜよ」
吹寄 「どこを見て言っているこの変態デルタフォースが!」 デコクラッシュ!
三馬鹿 「「「ぬわーーー!!」」」
姫神 「でも。確かにいいよね。それだけあると……」
吹寄 「ひ、姫神さんまで余計な事言わなくていいの!」
垣根 「いやー改めて見るとすげーなそれ。麦野の2倍、心理定規の10倍はあるんじゃねーか」
吹寄 「あーもう揃いも揃って!いいから体操しなさい!」
「「「「「ん?」」」」」
垣根 「さーて体操体操っと」 ンー - 885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:09:07.99 ID:6c1LgkKDO
- 上条 「いや、何さらりと混ざってんのさ」
垣根 「気にすんな」
上条 「そうか、ならいいや」
青髪 「え、納得してまうん?」
上条 「来たものは仕方ないからな」
土御門 (理由になってないぜい。てか、いつの間にそんな親しい関係に?)
吹寄 「ちょっと、先生は何やってんのよ!」
垣根 「ちゃんと黄泉川にお願いして来てるから」
姫神 「じゃあ。大丈夫かな」
吹寄 「そ、そう?」
土御門 (納得してどうするにゃー)
黄泉川 「はい集合するじゃーん」 ピー
吹寄 「先生、この人は?」
黄泉川 「あぁ、気にしなくていいじゃん。悪い奴じゃないから」
青髪 「ふーん、ならええか」
土御門 (青ピまで……皆おかしいぞ。寧ろ俺がおかしいのか?)
- 886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:10:19.82 ID:6c1LgkKDO
- 黄泉川 「で、今日の体育なんだけど驚くなよー?なんと、超能力者の学生と一緒に取り組む事になったじゃん!」
上土 ((アイツか)) バッ
垣根 「ちょっと腕引っ張ってくれ……あーそうそう」 ノビー
エーダレダレー
アレジャナイ?レールガンノ……
青髪 「へぇー、こんな平凡な学校によう呼べましたねー」
上条 (前にも来てたけどな)
姫神 「その人はどこに?」
土御門 (後ろにいるぜよ)
黄泉川 「あー、心配しなくてもすぐ……」
ドゴォォォォォン!!!
上条 「うわっ!?」
轟音が、上条らの耳をつんざいた
- 887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:11:20.20 ID:6c1LgkKDO
- 青髪 「何や何や!?」
不意の出来事に生徒達は身を屈め、不安げに音のした方を見る
運動場の中心部から立ち上る煙。威力からして破壊が目的ではなさそうだが……
上条 「またどっかの魔術組織か?」
土御門 「分からん、向こうからは特に情報は届いてないからな」
土御門の言う“向こう”とは、科学の反対に位置しそれを否定する側――『魔術』を行使する者達である
実は彼は科学側から魔術側へ、魔術側から科学側へのスパイを同時に行っているのだ
互いの均衡を保つ為に加担と裏切りを繰り返す彼は自らをこう呼ぶ
『背中刺す刃』と――
上条 「誰かいるぞ!」
煙が晴れて行き、その中から人影らしきものが浮かび上がる。その数1つ
上条と土御門は身構え、次の相手の出方を伺いつつ他の生徒を避難させるい算段を立てていく
鬼が出るか蛇が出るか……
- 888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:12:45.53 ID:6c1LgkKDO
黄泉川 「派手な演出だねー、いい登場の仕方じゃん」
上条 「え?」
たった一言、それだけで唾も呑めない程張り詰めた空気が一変した
黄泉川 「あれが今日呼んだ超能力者じゃん」
土御門 「垣根帝督じゃないのか?」
名を呼ばれた本人はこの騒ぎに動じる事なく、1人優々とストレッチに励んでいる
そんな場の状況と彼の行動とのミスマッチさがより2人を白けさせたのは言うまでもない
青髪 「あ、誰かおるで!」
青髪の言葉で皆煙の方に注目する
今度ははっきりと、姿が見えていた
「待たせたな、みんな」
それが纏うのは純よりも白い制服
「俺が今日の『体育特別プログラム』の講師を任された……」
白のように熱い鉢巻き、胸に輝くは日輪の光
「超能力者第七位!」
その名は――
「削板軍覇だ、よろしくな!」
- 889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:15:10.62 ID:6c1LgkKDO
- ―――――――――
黄泉川 「――改めて、彼が今日特別に来て頂いた削板軍覇君だ」
一同 「」 ポカーン
削板 「そんなかしこまらなくていいぞ、フレンドリーに行こうぜ!」 ガハハ
吹寄 「大覇星祭で選手宣誓してた人ね」
姫神 「どかーん。て吹き飛ばしてた人だ」
青髪 「根性って言葉が最も似合う人やね」
削板 「おぉ、そうだそうだ!もっと近づいて来い!」
土御門 (あれが第七位、『世界最大の原石』か……能力の仕組みが解明出来ないから、保留という意味を込めての順位なんだろう)
上条 (なんだろう、この既視感……)
垣根 「……」 スタスタ
削板 「お?」
土御門 (第二位が動き出した?)
- 890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:17:47.79 ID:6c1LgkKDO
- 垣根 「……」
削板 「……」
土御門 (まさか、ここでやり合うなんて事はないよな?流石の俺もそりゃ無理だぜい)
垣根 「なんか、お前とは仲良くなれそうだ」 ガシッ
削板 「俺もだ!」 ガシッ
青髪 「シンパシーしよった!」
姫神 「目と目で通じあう~。なんてね」
青髪 「ん、色っぽいなー姫神ちゃん」
上条 (そうだ、アレに似てたんだ。垣根が2人……あな恐ろしや)
黄泉川 「今回『体育特別プログラム』なんて名前がついてるけど、固い事は何もしないじゃん」
黄泉川 「これから色んな種目で彼と対決してもらうじゃん。お前達全員対削板君って形でな」
青髪 「正直それでも勝てる気しないんですけど」
削板 「大丈夫だ、根性があればどんでん返しだってあり得るぞ!」
吹寄 (何気に勝てるって言ってるわ)
- 891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/11(火) 23:18:49.05 ID:6c1LgkKDO
- 垣根 「黄泉川、俺は?」
黄泉川 「そうだねー、アンタも生徒側に加えてもいいかな」
上条 (垣根はこっち側に来るのか。なんか心強い)
青髪 (男前やなー、さぞかしモテてるんやろなー)
土御門 (何で誰もアイツに突っ込まない……)
黄泉川 「よし、細かい事は後で考えるとして先ずはグラウンド10周走ろうか!」
エー、ソンナニハシンノー!?
バテチャウヨー
削板 「10周だけでいいんですか先生?じゃあサクッとウォーミングアップだ!」 ダッ
青髪 「え、まさかダッシュで10周回る気なん?」
姫神 「すごい。もう1周しちゃった」
吹寄 「これが超能力者……私達とは格が違い過ぎる」
土御門 「超能力者は関係ないんじゃないかにゃー」
垣根 「おし、俺も走rップ!」 ドテッ
上条 (コケた、しかも顔から)
垣根 「ぐうぅぅいってぇ~、黄泉川~病院~」 フラフラ
黄泉川 「はいはい保健室ね。ちょっと連れてくから皆も見てないで走るじゃん~」
削板 「5周目ー!まだまだとばすぞー!」 ビューン
- 925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:15:35.01 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
削板 「よーし温まった!いつでもいけるぜー!」 ブンブン
上条 「な、なんて体力だ、あのまま本気で10周するとは……」 ゼーハー
青髪 「ホンマ、超能力者は違うでぇ……」 ヒー
垣根 「準備運動とて油断は禁物だ、俺みたいな目にあうぞ(鼻ティッシュ)」 タッタッ
青髪 (なんでや、鼻にティッシュ詰めてんのにイケメンに見えるなんて!?)
青髪 「あぷぁ!?」 ズテーン
吹寄 「余所見してるからよ」 タッタッ
姫神 「大丈夫?」
青髪 「うぐぐ、負けへんでぇ……」
垣根「?」
- 926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:16:08.19 ID:OoHtILWDO
- 黄泉川 「はーいみんな集合」 ピー
黄泉川 「これから削板君と勝負する競技を決めるじゃん」
土御門(如何に相手が超能力者といえど、こっちには垣根帝督がいる。というより、最早第七位対第二位なんじゃないか?)
削板 「ドッジボールとサッカーとテニスとまぁ色々やりたいです!」 バッ
黄泉川ん、じゃあま適当にやりたいやつ片っ端からやるじゃん」
吹寄(そんな決め方……)
垣根「フェンシングとかやりたいでーす」
黄泉川「ウチにはんなのないよ。剣道ならあるけど」
垣根「じゃあそれでいいや」
そんなこんなで削板VSとある高校の体育が始まった
- 927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:16:50.03 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
種目:サッカー
削板「先攻は譲る。全力で相手をしよう!」
上条(これもう開幕シュートで点取れるんじゃないか?)
土御門(やってみるか?)
黄泉川「じゃあキックオフじゃん」ピー
土御門「かましてやれ上やん!」チョン
上条「いいぜ、テメェが1人でも勝てると思ってんなら……」
上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺シュート!!」
上条当麻の叫びと同時に放たれたシュートは、削板の頭上をいとも容易く抜けていく
センターラインからのシュートなど、正規のルールでやれば考えられない。キーパーにすら届かず取られるのは目に見えている
しかし、相手がたった1人となれば話は別だ
ゴールに向かって真っ直ぐ、強く蹴るだけでいい。相手に追いつかれる前にゴールに入ればいいのだ
- 928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:18:00.24 ID:OoHtILWDO
- 削板「むっ!」
不意をつかれた
削板が振り返った時にはボールとの差が10mも開いていた
上条(よし、これだけ離れれば追いつかれないはず!)
1点先取――誰もがそう確信した
……しかし
削板「あぶねーあぶねー」
そんな幻想は、見事にぶち殺された
土御門「嘘だろ……」
土御門は驚愕する
視線の先、ゴール手前にはボールをその足で支配する削板の姿があった
いつの間に追いつかれた?あの距離をどうやって……
削板「開始早々勝負に出るとは根性あるじゃねぇか」
関心したとばかりに腕を組み、高笑いを上げる。その表情は嬉々としていた
削板「さて、今度は俺が攻める番だ!」
そう口にすると、彼はボールから数歩後退し腰を落とす
吹寄「まさか……」
コート外から観戦していた女性陣の中でポツリと漏らす
その予想は見事に的中した - 929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:19:36.75 ID:OoHtILWDO
- 削板「すごい……」
削板は集中力を高め、左足をボールの側まで一気に踏み込み――
削板「シュートぉ!!」
咆哮と共に振り抜いた右足が直径22cmの球体を真芯に捉えた
轟ッ!と砂を巻き上げ、時速100kmもの速度でゴール向かい一直線に飛んでいく
「うわっ!?」
常人ではあり得ない速度にコート上の誰もが驚愕。対応する間もなく
上条「ごっ……」
砲弾は上条の腹に突き刺さった
上条「があぁぁぁぁぁぁ!?」
それだけに留まらない
きりもみ回転を続けるボールは彼の体を持ち上げ、もろともゴールへ叩き込まんと猛進する
土御門「上やーん!?」
ノーバウンドで吹き飛ばされる上条を、土御門は見ていることしか出来なかった
そしてゴール目前、最後の砦となる者は……
垣根「おっしゃあ来いよ!」
厚手のグローブをつけた垣根ただ1人だ
- 930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:20:29.37 ID:OoHtILWDO
- 土御門「止めろーー!」
その叫びはボールの事か友人の事か。垣根は自信あり気な笑みを浮かべ、それを迎え撃つ
垣根「ごっっ!!」
が、駄目!
垣根「がああああああ!!」
衝撃に耐えられず吹き飛ばされ、その身はゴールネットへ突き刺さる
削板「いよっしゃあ!1点目ーー!」
敵陣から轟く歓喜の咆哮。対して、こちらの選手達は唖然としていた
開始10秒でエースとなり得る2人を突破されてしまったのだ。それもたった1人に
「ふ、不幸……」
陥落された本陣に横たわる戦士……
少年は体をヒクヒクさせながら、生来の不運を嘆いた
しかし、これはほんの序章に過ぎない事を彼はまだ知らない――
- 931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:21:55.79 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
~野球~
削板「凄いストレートぉ!!」ゴウッ!
上条「ごっっ!!があああぁぁぁぁぁ!!」
豪速球を受けた上条はノーバウンドで10m以上吹き飛ばされ、後ろの壁に激突
~テニス~
削板「すごいスマーーッシュ!!」ゴウッ!
上条「ごっっ!!があああぁぁぁぁぁ!!」
強烈なスマッシュを受けた上条はノーバウンドで10m以上(ry
~バレー~
削板「すごいスパーーイクッ!!」ゴウッ!
上条「ごっっ!!があああぁぁぁぁぁ!!」
鋭いスパイクを受けた上条はノーバ(ry
~剣道~
削板「すごい胴ォーーー!!」ゴウッ!
上条「ごっっ!!があああぁぁぁぁぁ!!」
抉り込む胴を受け(ry
- 932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:23:37.68 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
黄泉川「どうしたどうしたー?全敗じゃんよー」
上条「俺、もう戦いたくありません……」
削板「なんだ、もう音を上げるのか。もっと根性出してみろ」
吹寄「そうだ、情けないぞ!」
青髪(あんなん何発も受けたらそうなるって……)
垣根 「あー駄目だ、運動音痴みたいだ」
土御門(ついに能力を一度も使わなかったな)
黄泉川「ちょうど時間もいいとこだし、これで終わりにしようか」
上条「助かったー」ホッ
削板「ならば放課後、男共は根性を鍛える為のランニングをするぞ!」
青髪「えぇー!」
姫神「頑張ってね。みんな」
削板「ではまた!」
- 933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/03(土) 21:24:28.99 ID:FY/v0f5a0
- やっぱ削板さんは禁書キャラぽくないな。能力が破格杉と熱血キャラが……
これでも原作じゃ明らかになっているレベル5の中では一番まともなんだぜ? - 934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:24:35.26 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
~放課後~
削板「よく来たな。では早速走るとしよう」
上条「どのコースを走るんでしょうか……」
削板「天辺!そこを目指して走る!」
土御門(すんごく不安だにゃー)
垣根「よーし頑張るぞー」
上条「垣根も走るの?」
垣根「悪いか?」
削板「よっしゃあ行くぞー!」ドンッ
青髪「いきなり速いって!」
こうして始まった男達の長距離走
初めは不満や愚痴をこぼす者ばかりで、やる気があったのは削板と垣根ぐらい
しかし走り出すにつれ、「最後までやりきろう」という思いがあちこち芽生え、いつの間にか皆の心は1つになっていた
道中、ノーバウンドで10m以上吹き飛ばされる者が度々出たが、幸い脱落者は1人も出ずに済んだ
そして、彼らはついにゴールとなる丘へとたどり着く――
- 935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:25:49.98 ID:OoHtILWDO
- ―――――――――
~とある丘~
削板「どうだ、綺麗な夕日だろ」
青髪「ああ、なんて素敵な景色なんや……」
垣根「頑張った甲斐があったってもんだ」
削板「今のお前達は根性なしなんかじゃねぇ、立派な漢だ!」
土御門「そう言われると嬉しくなってくるぜい」
削板「よし、あの夕日に向かって叫ぶぞ!」
上条「へ?」
削板「うおおおおおお!!さぁお前達も!」
青髪「なんぼなんでもそれは恥ずかしい……」
垣根「好きだああああああああああ!!」
上条「!?」ビクッ
垣根「俺は、そんなお前が、大っ、好きっ、だああああああああああ!!」
削板「そうだ!もっと、もっと吼えろぉ!!」
- 936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:28:27.97 ID:OoHtILWDO
コンジョオオオ!
アイラビューー!
土御門「い、いきなりなんだアイツは……」
青髪「なんか、負けてられへん!」
上条「やらなきゃだめみたいな空気だな……」
削板「俺だって好きだああああああああああ!!」
垣根「うおおおもっと好きだああああ!好きなんだよおおお!!」
夕日の丘に響き渡る数多の叫び
それは、過酷な戦を制した戦士達の、勝利を祝う凱歌なのかもしれない
何故なら、雄叫びをあげる者一人ひとりに笑顔と自信が溢れているから……
「うるせー!」
しかし、何も知らない近隣住民にはいい迷惑でしかなかった- 937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/03(土) 21:32:19.09 ID:OoHtILWDO
麦野「……何あれ」
- 995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:34:16.48 ID:pRf6TLo30
- まだかな~まだかな~。いつまでも待ってるよ~
- 996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/16(土) 16:39:57.61 ID:httSy+tDO
- お待たせ致しました。次スレです
垣根「ほら、笑って笑って!」~3ヶ月目~
残り分を埋めて頂けると助かります
- 997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:41:10.77 ID:zCbJIGUSO
- 垣根の垣根の曲がり~角ー
- 998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:42:30.58 ID:ypOuFEvK0
- 舞ってました 梅
2013年11月8日金曜日
垣根 「ほら、笑って笑って!」~2ヶ月目~ 2
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