2014年5月15日木曜日

一方通行「意味わかンねェよなァ」垣根「全くだ」上条「不幸だ……」

 
※未完作品
 
3 :8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:04:37.90 ID:N9xf2B9E0
SCENE1 一方通行「意味わかンねェよなァ」垣根「全くだ」上条「不幸だ……」

AM 09:01
~とある喫茶店~

上条「お、来た来た。おーい、一方通行!」

一方通行「チッ、別にそンなでけェ声出さなくても聞こえてるっつゥの」

上条「はは、悪い悪い」

一方通行「で、垣根の野郎はまだ来てねェのか?」



上条「ああ、さっき『少し遅れる』ってメールがあった」

一方通行「何やってンだアイツは」

上条「まあまあ、どうせすぐ来るだろ。なんか飲むか?」

一方通行「コーヒー」

上条「だよな」ピンポーン
4 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:06:24.50 ID:N9xf2B9E0
店員「ご注文の方承ります」

上条「アイスコーヒーとアップルティーで」

店員「かしこまりました」

一方通行「……俺がいつアイスっつったよ」

上条「今日は暖かいから別にいいだろ?」

一方通行「……ま、4月だしなァ」

上条「この前まで冬だと思ってたのにもうこんな季節か」

一方通行「ジジ臭ェこと言ってンじゃねェよ」

上条「冬はロシアにいたから、こっちの春が余計に暖かく感じるのかもな」

一方通行「ハッ、違ェねェな」
5 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:09:01.62 ID:N9xf2B9E0
上条「……あの戦争が終わってから、もう2ヶ月経つんだな」

一方通行「……なンですかァ?急に感慨深くなられても気持ち悪ィンだけど」

上条「さりげなくひどいこと言うなよ!上条さんは意外と繊細なんですよ!?」

一方通行「言ってろ三下がァ」

――――――――

店員「お待たせいたしました、こちらアイスコーヒーとアップルティーになります」コト

上条「あ、ハイ」

一方通行「……湯気が立ってねェコーヒーも久しぶりだな」

上条「ってことはこれが今年初のアイスコーヒーってわけだな」

一方通行「ケッ、別にめでたくもなンともねェよ」
6 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:10:39.19 ID:N9xf2B9E0
一方通行「そういやオマエ、あの暴食シスターはどうした?一緒に住んでンだろ?」

上条「ああ、インデックスなら今日は小萌先生のとこで預かってもらってるよ」

一方通行「まァたあのチビ教師かよ」

上条「毎回申し訳ないとは思ってるんだけどな」

一方通行「ハッ、信頼と実績の小萌託児所ってかァ?」

上条「ぶっ!そ、そういうこと言うなよ!失礼だろうが!」プクク

一方通行「そのわりには随分ウケてンじゃねェか」

――――――――

小萌「っくしゅん!」

インデックス「どうしたの、こもえ?」

小萌「なんだか誰かにすごく失礼なことを言われた気がするのですよ……」

結標「あはは、誰かが小萌の噂してるのかもよ」
7 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:12:43.61 ID:N9xf2B9E0
上条「小萌先生といえばさ、ロシアから帰ってきた後すっげえ怒られたよ」

一方通行「そりゃそうだろ。大戦前だってオマエは散々無茶してきたンだろ?」

上条「ああ。インデックスと出会ってから、色々なことに巻き込まれてさ」

上条「不幸といえば不幸だったんだろうけど……でも今は、その不幸も不幸じゃなくなったって感じがする」

一方通行「ケッ、ヒーローの台詞だなァオイ」

上条「まさか。上条さんはそんなに立派な人間じゃありませんのことよ」

一方通行(ハッ……俺みてェな極悪人とはえれェ違いだってかァ?)

上条「もちろん、お前だって自分で思ってるほど悪い人間じゃないさ」

一方通行「……読心能力者かオマエは」

上条「能力なんてなくてもわかるよ」
8 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:14:43.17 ID:N9xf2B9E0
上条「そうだ、お前朝飯は済ませてきたのか?」

一方通行「コーヒー」

上条「あ、食べてきたのかー……って飯じゃないだろソレ!つーか朝コーヒー飲んだのにまたコーヒー飲んでるのかよ!」

一方通行「俺はコーヒーさえあれば生きていけンだよ」

上条「ったく……そんな生活してるからそんな体型なんだぞ?」

一方通行「(カチン)ほォ……言ってくれるじゃねェか三下野郎がァ……」カチッ

上条「わー!ごめん!謝る!謝るからチョーカーのスイッチ切ってくれ!」ドゲザ

一方通行「ケッ」

「ッハハハハ!とうとう上条にまで気にしてること言われちまったな第一位!」

一方通行「あ゙ァ?」ギロリ

「おっと、店の中での能力の行使はご法度だぜ?」

上条「おいおい、煽るなよ。お前も喧嘩っ早いんだからさ―――垣根」

垣根「ははっ、心配するな。自覚はある」
9 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:16:56.60 ID:N9xf2B9E0
一方通行「チッ、遅ェンだよメルヘン野郎」ギロリ

垣根「ああ?んだとクソモヤシ」ギロリ

上条「はいストーップ!これじゃキリがねえだろ!」

垣根「だってさ。ホラ、睨むのやめろよ」シレッ

一方通行「……言われなくてもわかってるっつゥの」

垣根「悪かったな上条。隣いいか?」

上条「ああ。そういえば垣根は朝飯済ませてきたのか?」

垣根「まぁ、ザッとな。ちょっとパン食った程度だ」

上条「えーと実は上条さんはまだでして……」

一方通行「食えばいいじゃねェか」

上条「ほら、俺一人で食べるのも何だろ?」

垣根「あーそか。じゃ、俺も何か食うかな」

一方通行「しょうがねェな……たまにはなンか食うかァ」

上条「ありがとな」ピンポーン
10 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 00:18:14.60 ID:N9xf2B9E0
店員「ご注文の方承ります」

垣根「おいおい上条、まだメニュー決めてないのに呼ぶなよな―――チーズケーキとオレンジジュースで」

一方通行「しっかり決めてンじゃねェか」

上条「じゃ、俺はレタスドッグとフレンチトーストで」

一方通行「つゥか俺もまだ決めてねェっつーの……ミラノサンド」

上垣「「お前もしっかり決めてんじゃねえか」」

店員「ではご注文の方繰り返させて頂きます――」

―――――――――

上条「ところでさ、何で遅れて来たんだ?」

垣根「それなんだけどよ!聞きたいか?聞きたいか?」

一方通行「急に元気になンじゃねェよ気持ち悪ィ」

上条「まぁ聞いて欲しそうだから聞くけど、どうしたんだ?」

垣根「ふふん、それがな―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~
22 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 20:42:14.13 ID:N9xf2B9E0
AM 08:56
~とある喫茶店から1kmほど離れたところ~

垣根(クソ、まさか寝坊しちまうとはな……)

垣根(9時まであと4分……飛べばなんとかなるか?)

<ヤ、ヤメテヨ!
<イイジャンカネヨコセヨ

垣根「ん?」

スキルアウトA「俺たちさぁ、今お金なくて困ってんのよ」

スキルアウトB「ほら、人を助けると思ってさぁ~」

女の子「あ、アンタたちみたいなのにあげるお金なんてない……!」

スキルアウトC「……あ?キミさぁ、自分の立場わかってんの?」

垣根(カツアゲか……ま、こいつら片付けるのに30秒もかからねぇだろうし、助けてやっか……)
23 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 20:45:20.92 ID:N9xf2B9E0
女の子「ち、調子に乗るのもそこまでよ……!私、能力者なんだから!」

スキルアウトA「……へぇ、レベルは?」

女の子「……レ、レベル1…だけど……」

スキルアウトB「プッ……!」

スキルアウトA「ハーッハッハッハッハ!!それで能力者とか名乗っちゃうワケ!?」

女の子「……!」ムカッ

ヒュン!
スカッ

女の子(き、効いてない……!?)

スキルアウトC「おっと、ごめーん!俺、レベル2なんだ~」

女の子「そ、そんな……!」

スキルアウトA「わかったらさっさと金出せコラ」

女の子「そんな……」

垣根「おいおい、女の子1人に3人がかりかよ?ダサいなお前ら」

女の子「!」
24 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 20:52:18.46 ID:N9xf2B9E0
スキルアウトB「ああ?なんだテメェは」

スキルアウトC「俺レベル2なんですけど~、怪我したくなかったら引っ込めやオラ」

垣根「あっそ」

スキルアウトA「スカしてんじゃねーぞテメェ!」


ファサッ


垣根「俺、レベル5だけど」

スキルアウトA,B「( Д )   ゚  ゚ 」

女の子「レ、レベル5……!?」

垣根「ハッ、ビビってんのか?怪我したくなかったら引っ込めやオラ」

スキルアウトC「ひ、怯むな!どうせハッタリだ!こんなメルヘンな羽つけたレベル5なんているわけねえだろうが!」

垣根「…………んだと?」ブチッ
25 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 20:55:35.60 ID:N9xf2B9E0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根「……で、ムカついたからブッ飛ばした」

一方通行「ギャハハハハ!!見知らねェ人間にすらメルヘンって言われてンのかよオマエ!」バンバン

垣根「テメェもブッ飛ばすか?」

上条(そのスキルアウトも気の毒だなぁ……)

一方通行「ンで?まさかその馬鹿3人ブッ飛ばすのにこンなに時間かかったワケじゃあねェよなァ?」

垣根「まぁ落ち着けって。それでな――」

店員「こちらオレンジジュースになります」コト

垣根「あ、どうも」

店員「ごゆっくりどうぞ」

上条「それで、続きは?」

垣根「ああ、それでな――――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~
26 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 20:58:49.35 ID:N9xf2B9E0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根「――で、20分くらい付きまとわれた」

上条「とりあえず一発そげぶさせてくれ」

垣根「なんで!?」

上条「ちっくしょおおお!なんで垣根だけ!なんで垣根だけ!」

垣根「いやお前にだけは言われたくねえよ!」

一方通行「チッ、どンな理由かと思えば女に絡まれてただけかよ」

垣根「ま、アレだ。イケメンは大変なんだよ」

一方通行「……オマエのめでてェ頭のほうが大変だと思うけどなァ俺は」

上条「いやぁそれにしてもすごいなその子……20分くらいでやっと諦めたんだろ?」

垣根「いや、俺が折れた」

一方通行「意味ねェェェェェェェェェ!!」
27 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 21:00:12.43 ID:N9xf2B9E0
垣根「しょうがねーだろ?こっちが折れなきゃいつここに来れるかわかったもんじゃねえんだからさ」

一方通行「いや折れたらそれまでの20分間が完全に無駄だろォが!そこは粘れよ!時間かかってもしょうがねェから粘れよ!」

垣根「……?」

一方通行「『……?』じゃねェ!!アホなンですかァ!?学園都市第2位はアホなンですかァ!?」

上条「大体、何で最初から名乗らなかったんだよ」

垣根「名乗らずに立ち去る方がカッコイイだろ?」

一方通行「よし三下こいつシメるから手伝え」カチッ

上条「OK、俺がそげぶするからお前ベクトルパンチな」パキポキ

垣根「冗談だやめろやめてくれやめてください三段活用!」
28 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 21:02:40.43 ID:N9xf2B9E0
垣根「だってよ、『名前だけでも』って名前から俺のこと調べる気満々じゃねえか」

一方通行「ま、そォだろォなァ……」

垣根「そこから何かの弾みで俺が暗部だったこと知られてもおかしくねえだろ?」

上条「別に知られてもいいんじゃないのか?お前はもう暗部じゃないんだしさ」

垣根「だからって俺が今まで重ねてきた罪は消えやしねえ。俺は人だって平気で殺してきた人間だぜ?」

一方通行「っつってもなァ……相手は赤の他人だろォ?」

垣根「まぁそうなんだけどよ……あの子には学園都市の裏側に触れて欲しくねえっつーか……」

垣根「俺の素性を知った時のあの子の顔を想像すると良心の呵責を受けるっつーか……」

上条「つまり、極悪人の自分に屈託のない笑顔で感謝してくれたその子に惚れちまったわけだな」

一方通行「イケメンは大変だなァ垣根くゥン?」ニヤニヤ

垣根「なっ!そ、そんなんじゃねーよ!」
29 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 21:04:54.05 ID:N9xf2B9E0
上条「じゃあ他に理由があるのか?」

垣根「……俺が暗部にいたときの話なんだけどよ」

上条「あれっ、なんか始まっちゃった」

垣根「最終信号を狙ってた時……最終信号を匿ってやがった風紀委員がいたんだ」

一方通行「……あの頭が花畑の女か」

上条(……頭が花畑?それってどこかで見たことあるような……)

垣根「初めてだったぜ……力で捻じ伏せても俺に刃向かってきやがった女なんてよ」

垣根「自分の信念を貫かんとする、真っ直ぐすぎるあの目……闇の中で生きていた俺には、眩し過ぎたみてえだ」

垣根「もしかしたら、羨ましかったのかもしれねぇな。だから……壊そうとした」

一方通行「……」

垣根「ハッ、身に覚えがありそうだな一方通行」
30 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 21:06:59.22 ID:N9xf2B9E0
上条「それで……お前はその子をどうしたんだ?」

垣根「殺そうとした。ま、そこにいるモヤシに止められちまったけどな」

上条「そうか……良かったぜ」

一方通行「チッ、裏の事情に表の人間を巻き込むのが気に入らなかっただけだっつゥの」

垣根「だからってあそこまでグチャグチャにされるとは思わなかったぜ?」

一方通行「……それに関してはやりすぎたって何度も言ってンだろォが」

上条「はは、打ち止めのことになるとホント見境ないもんな一方通行は」

一方通行「なンか言ったか三下ァ」カチッ

上条「冗談です!」
35 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 23:10:30.11 ID:N9xf2B9E0
今更重大なミスに気づいた

>>25>>26の間には女の子の正体を明かすシーンが入るはずだったんですが…消してしまったorz

とりあえず思い出しながら書いて0時までには投下します
gdgdで申し訳ない
36 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 23:31:25.97 ID:N9xf2B9E0
>>25>>26の間にはこれが入ります



女の子「あ、あの!ありがとうございます!」

垣根「礼なんていらねーよ。じゃ」

女の子「私、佐天涙子っていいます!能力はレベル1の『空力使い』です!」

垣根「(いや聞いてねーんだが)そうか。じゃ、気をつけてな――」

佐天「あの、お礼がしたいんですけど、時間空いてますか!」

垣根「(いやいいから行かせてくれ)悪い、ちょっと人を待たせててな」

佐天「じゃあ、お名前だけでも!」

垣根「(なにこの子しつこい)通りすがりってことで頼む」

佐天「いつでもいいので、お礼がしたいんです!メールアドレスだけでもお願いします!」

垣根「(……悪い上条。ちょっと遅くなりそうだ)えっと――」
37 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/12(金) 23:33:55.82 ID:N9xf2B9E0
…はい、佐天さんがただの図々しい子になってる上に今更明かしても全く新鮮味がないですね
デジャヴな展開ばかりで申し訳ない

43 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:33:55.70 ID:skfEgxYx0
上条「……で、話を戻すけどさ。その話がどうしたんだ?」

垣根「ああ、あの佐天って子を見てるとさ……どうも、その風紀委員の顔がチラついてよ」

一方通行「惚れてンのが普通の女から風紀委員になっただけじゃねェか」

垣根「だからそういうのじゃねーんだって」

上条「どうだかな~」

一方通行「……そういうオマエは超電磁砲と最近どうなンだよ?」

垣根「あ、それ俺も気になってた」

上条「なんでそこで御坂が出て来るんだ?」

一方通行「なンでって……なァ?」

垣根「そりゃ……なぁ?」

上条「なんだその暗黙の了解!?上条さんには全くわかりませんよ!?」

垣根「まぁいいからさっさと話せってこった」
44 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:35:15.11 ID:skfEgxYx0
上条「御坂と……って言われても、特に語るエピソードがないんだよなぁ」

一方通行「何か一つくらいあンだろ?」

上条「そう言われましても……」

垣根「じゃあ、久しぶりに会ってどうだったよ?」

上条「あー、泣いて喜んでたな」

一方通行「それだろォが!間違いなくそれが語るエピソードだろォが!」

垣根「よし詳しく話せ」

上条「すごい食いつきですね!」

店員「こちらチーズケーキになります」

垣根「あ、どうも」

一方通行「さっさとしやがれ三下ァ」

上条「はいはい。確か俺が大戦から帰ってきて挨拶回りしてた時だったっけ、道端で偶然会ってさ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~
45 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:38:10.20 ID:skfEgxYx0
美琴「ア、アンタ……」

上条「……よう、御坂」

美琴「……ほ、本当に……アンタなの……?」

上条「ああ」

美琴「私がいつも喧嘩吹っかけてて、いつも負けて、いつも助けられっぱなしで、すごく不幸な……アンタなの?」

上条「ああ。お前がいつも襲ってきて、いつも勝って、いつも助け合ってる、とっても不幸で幸せな、上条さんですよ」

美琴「…………ア、アンタ……!私が……どれだけ心配っ、したと、思ってんのよ……!」グスッ

上条「……悪かった」

美琴「ようやく、助けっ、られると……思った、のに……!借り……返せるとっ、思ったのに……!」

美琴「ストラップの、残骸っ、見つけて……すごくっ、不安に、なって……!」

美琴「何でも、一人でっ、背負い込んで……!私はっ、いつも、助けられて、ばっかりで……!」

上条「…………」

美琴「…………でも」
46 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:40:43.21 ID:skfEgxYx0
美琴「良かっ、た……良かったよぉ……当麻が無事で……本当っ、に……!」

上条「……心配かけたな、御坂」

美琴「……私に、心配かけたっ、罰として……約束っ、しなさいよ……!もう、私の前からっ、いなくならない、って……!」

上条「……ああ。約束する」

美琴「絶対、なんだからね……」

上条「ああ」

美琴「破ったら、許さないんだから……」

上条「ああ」

美琴「そう……なら、良し……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

上条「と、こんな感じで……」

垣根「( ;∀;)イイハナシダナー」

一方通行(ラブラブじゃねェか……)
47 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:43:08.18 ID:skfEgxYx0
上条「それにしても意外だよな。俺、こんなに想われてるなんて気付かなかったぜ」

一方通行「意外でもなンでもねェけどなァ」

垣根「ま、第3位にしては頑張ったんじゃねぇの?現にこうしてやっと上条も気づいたんだしよ」

上条「ああ、まさか御坂がこんなに義理堅い奴だなんてな」

垣根「えっ」

一方通行「えっ」

店員「えっ」

上条「えっ」
48 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:45:25.84 ID:skfEgxYx0
一方通行「……アレ?オマエさっき『俺、こんなに想われてるなんて気付かなかったぜ』って言ってなかった?」

上条「え?『俺、こんなに(借りを返したいと)想われてるなんて気付かなかったぜ』ってことだろ?」

一方通行「えっ?」

上条「えっ?」

垣根「……いや、第3位が『私の前からいなくならないって約束しなさい』って言ってたんだろ?」

上条「『(借りを返す前に)私の前からいなくならないって約束しなさい』ってことじゃないのか?」

垣根「えっ?」

上条「えっ?」
49 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:47:44.42 ID:skfEgxYx0
一方通行「駄目だコイツ……早くなンとかしねェと……」

垣根「もはや自分に向けられた好意に気づかないように自己完結する能力でも持ってそうなレベルだぞ……」

一方通行「究極鈍感(ネバーファインダー)か……チッ、厄介な能力だなァオイ」

上条「え?どっか間違ってたか?」

一方通行「もういい……究極鈍感、オマエがレベル6だ」

上条「どうして上条さんは急に絶対能力者になってしまったんでせうか」

垣根「いや、俺も認める。おめでとう、究極鈍感」

上条「なんでだろう学園都市トップ2に認められたのに全く嬉しくないや」

店員「こちらレタスドッグとフレンチトーストになります、究極鈍感」

上条「あれ?いつのまにか定着しちゃった」
50 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:50:07.09 ID:skfEgxYx0
垣根「一方通行には何か女の話ねえのかよ」

一方通行「俺はオマエらと違って女に興味なンてないンですゥ」

垣根「一方通行……お前まさかホm」

一方通行「ンなワケねェだろうが!」

上条「まぁ落ち着けって。そういえばお前、番外個体とも同居してるんだろ?話聞かせてくれよ」

一方通行「めンどくせェ」

垣根「やだ……セロリさんったらやっぱりゲ」

一方通行「そろそろ本気でブチ殺すかァ?」

垣根「じゃあ語れよ。番外個体のことを。なんなら最終信号の話でもいいぜ?」

一方通行「だからめンどくせェって言ってンだろうが」
51 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:52:48.67 ID:skfEgxYx0
上条「そんなに言うなら垣根がまず語ればいいじゃねーか」

垣根「えっ、なんで上条そっち側っぽくなってるの」

上条「言いだしっぺの法則って知ってる?」

垣根「いや俺はもう語っただろ」

一方通行「え……オマエまさかあの程度で女語った気になっちゃってンの?」

垣根「えっ」

一方通行「まさかなァ……イケメンな垣根くンに限ってそンなことはねェよなァ」

垣根「ぐっ……」

一方通行「ぶっちゃけ女に絡まれましたって報告しただけだもンなァ。奥深さのカケラもねェよなァ」

垣根「……」

一方通行「遅刻してきたくせになァ」

垣根「……」グスッ

上条(あっ、ちょっと涙目になってる)
52 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/14(日) 22:56:03.30 ID:skfEgxYx0
垣根「……いいぜ」

一方通行「おォ?」

垣根「はっはっはっは!いいぜいいぜ!そこまで言うなら語ってやるよ!イケメンの俺様がなぁ!」

一方通行「そォ来なくっちゃァ」

上条(半分ヤケクソだな)

垣根「よーく聞いてろ野郎共」




垣根「俺の女語りに常識は通用しねえ」



57 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:20:38.09 ID:JqLbvyFB0
垣根「いいか?女の奥深さってのはやっぱり『女心』ってやつだ」

上条(わりと常識的に来たな)

垣根「『女心』……これは俺ら男子にとって未来永劫のテーマだ。よく覚えとけ」

一方通行(なンの講座ですかァこれは)

垣根「特に女が意味不明な発言をし始めたら要注意だ。
   女ってのは元々意味不明だがこれらの発言には『女心』と呼ばれる更に意味不明な代物がくっ付いてくる」

上条(とうとう台詞が2行になった)

垣根「ってことで俺が今から一つ適当な例を挙げる。それについて考察しろ」

一方通行(俺のミラノサンドまだかなァ)

~~~~~~~~~~~~~~~~~
58 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:23:34.97 ID:JqLbvyFB0
心理定規「新しいドレスを買ったのだけれど、どう?似合うかしら?」

垣根「いいんじゃねえの?ドレスなんてみんな似たようなもんじゃねーか」

心理定規「あら、これでも多少のこだわりはあるのよ?見た目に気を遣わない女の子なんていないんだから」

垣根「俺にはお前が何着ようが同じに見えるけどな」

心理定規「見る目のない男は嫌われるわよ?」

垣根「ハッ、背伸びしてドレス着てる子供に言われたくねーよ。大人になってから出直して来いガキ」

心理定規「…………ふーん、そう。いいわ、これからはあなたに見た目に関する話は 一 切 しないことにするから」

垣根「? 何怒ってんだよ?」

心理定規「……帰るわ」
59 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:25:56.80 ID:JqLbvyFB0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

上条一方(お前どんだけデリカシーねぇんだよ!!)

垣根「な?意味分かんねえだろ?」

一方通行(『な?』じゃねェよどう考えてもオマエの無神経な発言に怒ってンだろォが)

上条(本当に常識がなくて上条さん逆にびっくりですよ………)

垣根「おいおい、どうした黙りこくって。やっぱりお前らには難しすぎたか」

上条一方「」※あまりのくだらなさに絶句中です

垣根「ま、『女心』ってのはこの通り複雑怪奇な代物ってわけだ」

一方通行(いや複雑怪奇でもなンでもねェだろ単純明快を極めてンだろ)

上条(こいつ……モテそうな顔して……)

垣根「よし、じゃあ次、上条!」

上条「……はい?」

垣根「意味不明な女の言動を語れ!」

上条(いつからテーマが『意味不明な女の言動』になったんでせうか)
60 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:30:50.49 ID:JqLbvyFB0
上条「まぁいいぜ。それだったらいくらでもあるからな~」

垣根「よし期待してるぞ上条」

上条「えーっとこの前、土御門に頼まれて学園都市に来た五和と買い物をしてたら―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

上条「五和、そっちも俺が持つよ」

五和「いえ、いいですよ。重い方は上条さんが持ってますし」

上条「でも女の子に荷物を持たせていると思うと上条さんは男としてですね……」

五和「それに、上条さんが持ったらこの袋に入っている卵が無事で済むかどうかわかりませんから」クスクス

上条「はは、それを言われると参ったな」ハハハ

美琴「ちょ、ちょっとアンタ!」
61 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:35:43.91 ID:JqLbvyFB0
上条「げっ、ビリビリ中学生!」

美琴「だ・か・ら!私には御坂美琴って名前があるって何度言ったら分かんのよ!」ビリビリ

上条「うお、あぶねえ!」ソゲブ

美琴「だからなんなのよその意味わかんない能力!」バチバチ

上条「おいおい!袋を持ってるのが逆の手だったら直接食らってたぞ!?」

美琴「そんなことはどうでもいいの!」

上条(『そんなこと』って…)

美琴「そ、その……一緒に買い物って……その子とどういう関係なワケ?説明しなさいよ……!」

美琴(大人っぽいし、しかもよく見たら巨乳だし……!)

上条「ああ、五和のことか?五和は俺のとm」

五和「こ、恋人です!」

美琴「……は?」

上条「はい?」
62 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:40:12.62 ID:JqLbvyFB0
美琴「ちょ、ちょっと待ってよ!アンタ彼女がいるなんて今まで一言も……」

上条「そりゃそうだ、俺も今知っt」

五和「と、当麻さんとは、少し前からお付き合いさせてもらってます!」

美琴(と、当麻って……下の名前で……!)

五和「で、ですから、彼に電撃を飛ばしたりとか、その……迷惑は、かけないでください!」

美琴「っ……!」

五和「では、そういうことなので!行きましょう!当麻さん!」ダッ

上条「い、五和、ちょっ、いきなり走らないでくれ!袋が!袋が破れちゃう!」ズザザザ

上条「不幸だあああああああああああああああ!!」
63 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/15(月) 20:45:26.03 ID:JqLbvyFB0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

上条「――と、こんなことがありまして」

垣根「誰がノロケ話しろっつったよ、ああ?」ヘッドロック

上条「痛い痛い痛い痛い」ギリギリ

一方通行「超電磁砲も気の毒だなァ……」

上条「え?だって全く行動の意味がわかんねーよ。御坂も五和も」カイホウサレタ

垣根「こいつはもう駄目だ。レベル5の俺たちじゃレベル6のこいつはどうしようもねえ」

上条「まだその設定続いてたのか」

垣根「ってことで、俺らは女を語ったぜ。次はお前の番だ一方通行」

一方通行「語ったっつゥかほとンどどうでもいい報告とノロケ話だったろォが」

垣根「おいおい、まさか天下の第1位が『意味不明な女の言動』も語れないなんてことはねぇよなぁ?」

一方通行「完全にテーマ変わってンじゃねェか」
70 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/17(水) 19:05:41.61 ID:saWg6tSy0
垣根「いいから語れよぉ~語れよぉ~お前の話聞かせろよぉ~」

一方通行(うぜェ……)

上条「ま、ここまで来て引き下がったら男じゃねーよな、一方通行」

一方通行「チッ、しょうがねェな……」

一方通行「前にこンなことがあってよォ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

一方通行「温泉のペアチケットだァ?」

番外個体「そ。商店街の福引で当たっちゃったんだ」

一方通行「ふゥン、行って来りゃ良いじゃねェか」

番外個体「はぁ……ミサカの話聞いてた?」

一方通行「あァ?」

番外個体「これはペアチケットだから、2人じゃないと使えないんだよ。だからこの心の優しーいミサカが、独り者の寂しいあなたを誘ってあげてるってワケ」
71 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/17(水) 19:11:04.90 ID:saWg6tSy0
一方通行「そうか。じゃあクソガキとでも行って来い」

番外個体「……ふーん。学園都市第1位はクローンの女の子2人で出歩かせるような人なんだ」

一方通行「オマエらは能力者だから大丈夫だろうが。それに、万が一何かあったら俺が絶対に守ってやっから気にすンじゃねェ」

番外個体「じゃあミサカと一緒でもいいじゃん。最終信号は黄泉川たちに任せてさ」

一方通行「そンなことしたら後でアイツが騒ぐだろうが。いいからオマエら二人で楽しンで来い」

番外個体「…………そんな気の遣い方しなくていいから、さっさとミサカの気持ちに気付いてよ……」ボソッ

一方通行「あァ?何意味わかンねェこと言ってンだ」

番外個体「……知らない。このチケット、黄泉川たちにあげてくる」

一方通行「オマエが当てたンだからオマエが使えばいいだろうが」

番外個体「もういいよ。それにこの服だって芳川が福引で当てたものだし、そのお返しにする」

一方通行「オマエがそう言うンなら、いいけどよォ……」

番外個体(……バカモヤシ)

一方通行(アイツ何怒ってンだ……?)
72 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/17(水) 19:15:27.19 ID:saWg6tSy0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

一方通行「意味わかンなくねェ?」

垣根「爆ぜろ」

一方通行「物騒なこと言ってンじゃねェ!」

上条「お前もレベル6だったんだな、一方通行」

一方通行「おいやめろバカオマエと一緒にすンなバカ」

店員「こちらミラノサンドになります」

一方通行「そしてなンでオマエは話の合間合間で出てきやがりますかァ!?盗み聞きでもしてやがンですかァ!?」

店員「ぐ、偶然です、とミサカはあまりに苦しい言い訳をします」

一方通行「ダダ漏れじゃねェか!正体バレバレじゃねェか!」
73 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/17(水) 19:20:38.31 ID:saWg6tSy0
垣根「それにしても、なんでこうも素直になれないかね……恐るべしミサカ遺伝子」

上条「それを言ったらお前のとこの女の子もそうだろ……」

垣根「それをお前が言うかよ……」

一方通行「……ハァ」

上条「……ホント」

垣根「……女ってのは」



一方通行「意味わかンねェよなァ」

垣根「全くだ」

上条「不幸だ……」



                                             SCENE1 ~fin~
74 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/17(水) 19:25:38.20 ID:saWg6tSy0
【オマケ①】
―その頃の佐天涙子―
~とあるショッピングモール~

佐天「ちょっとちょっと聞いてよ初春ぅ~!」

初春「なんだかすごく上機嫌ですね……どうしたんですか佐天さん?」

佐天「実はここに来る途中、不良に絡まれちゃってね~」

初春「えっ、本当ですか!?大丈夫だったんですか!?」

佐天「いやぁ~それがさぁ、すごくカッコいい男の人が出てきて、その不良たちを全員やっつけてくれたんだよね~!」

初春「ほえ~、それはまた漫画みたいな話ですね……」

佐天「それでねー……粘って粘ってその人のメアドもゲットしちゃった!」

初春「もー、佐天さんってば面食いなんですから」

佐天「失礼だなー、ちゃんと性格も見てるもん!」

アハハハハハハ

初春(佐天さんがこんなに惚れ込むなんて、とっても素敵な人なんだろうなぁ……)


――――初春飾利はまだ知らない――――
85 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 19:35:37.05 ID:hd8htJmD0
SCENE2 垣根「就職ってのは働くことより大変なことが沢山あるんだな……」

AM 11:17
~とある喫茶店~

垣根「はは、そりゃねえよな―――っと、そういえば今何時だ?」

上条「11時15分過ぎってとこだな」

一方通行「もう2時間も経ってやがンのか……」

垣根「よし……そろそろ本題に移るか」

上条「? 何だよ本題って?」

一方通行「つーかなンで本題なンて用意してあンだよ……」※2人を呼んだのは上条さんです

垣根「今日俺がここに来たのはお前らに話があるからなんだが……」

上条「話?」

垣根「ああ、実はな……」






垣根「バイトやりたい」
87 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 19:40:57.75 ID:hd8htJmD0
一方通行「バイトだァ?」

垣根「そ、バイトだ」

上条「お前金持ちなのになんでわざわざバイトなんてやるんだよ?」

垣根「そう!よくぞ聞いてくれたな上条!」

一方通行(また面倒臭そうな流れになってきやがったなァ……)

垣根「実は昨日、本屋でこんなことがあってな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根(なんか面白そうな本ねぇかな……)

垣根(ん、なんだあの漫画?警告のテープが貼ってあんぞおい)

垣根「『WORKING!!』……?」

垣根(全部で9巻か……買うのめんどくせえな)

垣根(……ま、暇潰しくらいにはなるだろうし1巻だけ立ち読みするか……)
88 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 19:45:14.85 ID:hd8htJmD0
~1分後~
垣根(下手糞な絵だな……)

~10分後~
垣根(はは、なかなか面白ぇじゃねーか)

~30分後~
垣根(2巻2巻っと……)

~1時間後~
垣根(やべえ止まんねぇよコレ……いっそ9巻まで立ち読みするか)

~2時間後~
店員「あの、お客様……店内での立ち読みはご遠慮くだs」

垣根「うるっせえ!今いいとこなんだから話しかけんな!」

店員「」

~3時間後~
垣根(クソ、全部読み終わらなさそうだな……しょうがねえ、買っていくか)
89 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 19:50:32.78 ID:hd8htJmD0
垣根(あ、そうだ。上条と一方通行の分も買っておいてやるか)

垣根「すいませーん、これいいっすかね」

『WORKING!!』全9巻×3 < チーッス

店員(会計めんどくせえ……)

~とある高級マンションの一室(垣根宅)~

垣根「読み終わった……マジで面白かったぜ」

垣根「アニメもやってたみたいだしな、ちょっくらネットで調べてみるか」

垣根「Webバージョン……だと……?Web配信もやってやがんのかこの漫画!」

垣根「これは読むしかねぇ……俺の未元物質がそう囁いてやがる……!」

垣根「よっしゃ行くぞ!俺の速読スキルに常識は通用しねえ!ハッハッハッハッハ!!」



麦野「上の部屋うるせえ……」
90 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 19:55:22.28 ID:hd8htJmD0
~翌日~
AM 07:05

垣根「眠ィ」ゲッソリ

垣根(結局徹夜しちまった……)

垣根「……待ち合わせまであと2時間…今からでも少し寝とくか……」

垣根(ファミレスでバイトしたくなってきたぜ……)

垣根(……そうだ……今日……あいつらにも……読ませて……やるか……)

垣根(Zzz..)

~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根「で、寝坊しました」

一方通行「アホかオマエはァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
91 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:00:26.19 ID:hd8htJmD0
上条「落ち着け一方通行!ここは店の中だ!」

一方通行「突っ込み所が多すぎてどこから突っ込ンでいいのかわからねェが全部とりあえず突っ込むぞォ!
      まずどンだけくだらねェ理由で寝坊してンだクソッタレ!
      バイトやりてェ理由ってただ漫画に影響されただけじゃねェか!
      本題とか言っておきながら完全に思いつきの話題だろォが!
      あと俺らの分とかマジでいらねェ!読みたきゃ借りるわボケナス!
      そして立ち読みしすぎだろォが!店員さンに注意されたらすぐに止めやがれェ!」

垣根「」

一方通行「ハァ……ハァ……」

上条「お、落ち着けって一方通行……」

店員「お客様、どうなさいましたか?とミサカは突然発狂した一方通行をなだめます」

一方通行「………チッ、何でもねェよ」
92 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:05:45.74 ID:hd8htJmD0
垣根「いやー、びっくりしたぜ。お前、突っ込みの才能あるんじゃねぇか?」

一方通行「誰のせいか胸に手を当てて考えてみようかていとくンよォ?」

垣根「世の中に蔓延る人間の欲望のせい、かな」キリッ

一方通行「もう一度冷蔵庫に戻してやろうか、あァ?」

上条「さすがにノリだけで喋りすぎだぞ、垣根」

垣根「あーあー、悪かったよ。俺基本的にノリだけで生きてっからさ、事実を話してもこんな感じになるんだわ」シレッ

一方通行「え、何?なンでオマエが拗ねてンの?」
93 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:10:32.07 ID:hd8htJmD0
垣根「そういうわけでバイトやるぞ」

一方通行「何が『そういうわけで』だよ何一つ話まとまってねェよ」

垣根「お前……いちいち人の話にいちゃもんつけて楽しいか?」

一方通行「いやいやオマエが自由過ぎるンですよォ!?」

垣根「とにかくバイトをやるって話だ」

上条「…ま、理由はどうあれ垣根がやりたいってんだからいいんじゃないか?俺は別に口出ししないぜ」

一方通行「……まァオマエがどこでバイトしようが俺らには関係ねェことだしなァ」

垣根「何言ってんだ?お前らも俺と一緒にやるんだよ」

上条「」

一方通行「」
94 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:16:36.05 ID:hd8htJmD0
一方通行「……三下ァ」

上条「……なんだ?」

一方通行「もう……ゴールしても……いいよなァ?」

上条「……うん」








一方通行「なァンで俺らがテメェのメルヘンな夢に付き合わされなきゃならねェンですかァァァァァァァァァァァァァ!?」
95 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:20:25.68 ID:hd8htJmD0
垣根「おい、落ち着けよ一方通行」

一方通行「これが落ち着いてられるかァ!バカ話聞かされたと思ったら今度は『一緒にバイトやれ』だとォ!?」

上条「いいぜ、お前が漫画に影響されてバイトがしたいってんなら……まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

垣根「ああ!とうとう上条まで!」

上条「だっていくらなんでも自由すぎるだろ!よく思いつきでそこまで人を巻き込めるなお前!」

垣根「俺に常識は通用しねえ」キリッ

上条「そこは通用して欲しかった!」

一方通行「ふざけンのも大概にしろよクソメルヘンがァ……!」

垣根「すまん!悪かったって!調子に乗りすぎた!でも、とりあえずこれは読んでくれ!これを読めば俺が何を感じたかわかるからよ!」

上条「…………まぁ、読みもしないで否定っていうのも良くないしな……」

一方通行「チッ……つまらかったらタダじゃおかねェぞメルヘン野郎」
96 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:25:31.38 ID:hd8htJmD0
~1分後~
一方通行「ヘッタクソな絵だなァオイ」

~10分後~
一方通行「………」ニヤニヤ

~30分後~
一方通行(2巻2巻……とォ)

~1時間後~
垣根「なぁ、そろそろ昼めs」

一方通行「うるっせェ!今いいとこなンだから話しかけンじゃねェ!」

垣根「」

~3時間後~
一方通行「コレ持って帰っていい?」

垣根「お前もバッチリハマってんじゃねぇか!構わねえけど!」
97 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/18(木) 20:30:31.35 ID:hd8htJmD0
一方通行「うン、いや、正直ナメてたわ。これはファミレスでバイトしたくなるわ、うン」

上条「いやーこれ面白いな!上条さんもついつい見入っちゃいましたよ」

垣根「だろ?これでさっきのチャラな」

上条「そうだな……俺もインデックスの食費がキツいし、バイトか何かしなきゃって思ってたんだ。丁度いい機会だし、やるよ」

一方通行「……しょうがねェな、俺もやってやンよ」

垣根「本当か!恩に着るぜ、上条、一方通行!」

一方通行「別にこの漫画に影響されたワケじゃないですけどォ、俺だけハブられるってのも気に入らねェしィ?」

上条「ツンデレか」

垣根「よし、とりあえず腹も減ったし昼飯を――」

一方通行「オイオイ呑気に飯なンて食ってる場合かァ!?」

垣根「えっ」

上条「じゃあ何するんだよ?」

一方通行「求人誌漁りに行くに決まってンだろォが!!」
112 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:25:18.49 ID:f4nupux50
上条「求人誌?」

一方通行「あァ、求人誌だ」

垣根「そんなに急ぐことないんじゃねえの?」

一方通行「ハッ、だからオマエはいつまでたっても第2位なンだよ」

垣根「それは関係ねえだろうが!」

上条「なんでそんなに急ぐんだよ?」

一方通行「考えてもみろ。俺らは3人、そして希望はファミレスだぜェ?」

一方通行「しかも仕事は待ってはくれねェ。どこかに3つ枠があっても1人でも他の奴に入られたら俺らの希望には合わねェ」

上条「な、なるほど……」

垣根「確かに一理あるな……」
113 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:30:15.51 ID:f4nupux50
一方通行「わかったかァ?のンびりしてる暇なンてねェンだよ」

垣根「ぐぐ……こうしちゃいられねぇ!上条、一方通行、仕事探しに行くぞ!」バッサバッサ

一方通行「おォ!」ベクトルダッシュ

上条「って速ぇよ!無能力者の上条さんには付いていけな……」

ポン

店員「お会計お願いします」

上条「」







上条「不幸だああああああああああああああああッ!!」
114 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:35:20.56 ID:f4nupux50
上条「全く、能力使って店から出るのやめろよ!俺が全額払う羽目になっちゃったじゃねーか!」

一方通行「いいじゃねェか、たかが軽食代くらいよォ」

上条「上条さんにはでかい出費なんですよ!」

垣根「まぁまぁ、後で返すから怒るなって」

上条「ならいいけどさ……っていうか、どこ行くんだ?フリーペーパーでも漁るのか?」

一方通行「ハッ、だからオマエはいつまでたっても三下なンだよ」

上条「さっきも似たようなことを聞いた気がするぞ」

一方通行「そンなレトロなモンで最新の情報が得られると思ってンのかァ!」

上条「お前さっき『"求人誌"漁りに行く』って言ってなかったっけ」

一方通行「ここは学園都市だぜェ?情報は全部ネットワークで管理してンだ、手段は一つしかねェだろ」

垣根「なるほど、インターネットか!」

一方通行「そういうことだァ。ってことでネットカフェに行くぞォ!」

垣根「おう!」
115 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:40:16.98 ID:f4nupux50
~とあるインターネットカフェ~

一方通行「すいませェン、3人分まとまった席ないですかねェ?」

店員「少々お待ちください」

垣根(あいつ敬語使うと気持ち悪いな……)

上条(喧嘩売ってるようにしか見えない……)

店員「ございますよ」

一方通行「そォですか。じゃあフリータイムで」

店員「会員証はお持ちですか?」

一方通行「はい、お願いしまァす」

垣根(オイなんであいつ会員証持ってんの)

上条(フリータイムっていつまで居座る気だよ……)
116 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:45:52.15 ID:f4nupux50
上条「……結局俺たちも」

垣根「会員証、作っちまったな……」

一方通行「さァ、仕事探すぞ三下共!」

上条「気合入ってんな」

垣根「そうだな」

一方通行「検索検索ゥ!仕事を検索ゥ!」

上条「うるさいな」

垣根「そうだな」

一方通行「かかきくけけこきかけくきかこかきくけけこきかけくきかこか!!」

上条「ちょっと他人のフリするか」

垣根「そうだな」

一方通行「オマエらどンだけテンション低いンだよォォォォォ!!」
117 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:51:45.14 ID:f4nupux50
~30分後~

上条「お、この喫茶店なんてどうだ?時給600円で学生OKだってよ」

一方通行「この三下がァァァァァァ!!」ベクトルパンチ

上条「うおっ!いきなり何すんだよ!!」ソゲブ

一方通行「喫茶店でバイトだと?ふざけンじゃねェ!『WORKING!!』ではどこでバイトしてたか言ってみろォ!」

上条「……ファミレスだな」

一方通行「しかも時給まで気にしやがってよォ……俺たちは金が欲しいンですかァ?いや違げェ!ファミレスでバイトしてェンだろうがァァァァァ!!」

上条「俺は別にファミレスにこだわってねーよ!あと俺は生活費のためにやるんだからな!?」

一方通行「うるっせェ!ファミレスったらファミレスなンだよ!わかったか三下ァ!」

上条(もうどうにでもなーれ)
118 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 19:55:27.44 ID:f4nupux50
~2時間後~

垣根「あったぞおおおおおお!」

一方通行「マジか!マジなンだろうなァ!マジじゃなかったら折るぞメルヘン野郎!」

垣根「マジだって!ファミレスでバイト急募、時給800円、学生OKだってよ!」

一方通行「でかしたぞていとくンよォォォォォォォ!!」

上条「おい!テンション上がりすぎだって!周りの迷惑になるだろ!」

垣根「場所は第4学区!ここならモノレールで普通に通えるし、交通に関しては問題なしだ!」

一方通行「いざとなれば空飛ンで行くからそンなの問題じゃねェっつゥの!!」

上条「おいってば!……駄目だ。聞いてない」

一方通行「よォォォし!そうと決まりゃァ早速そのファミレスに行くぞ三下共がァ!」

垣根「上等だクソモヤシ!俺の未元物質に常識は通用しねええええ!」

上条「もうどうにでもなーれ」
119 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/20(土) 20:03:16.82 ID:f4nupux50
~ファミリーレストラン ACQUA~

上条「ここか」

垣根「へえ、なかなかいい雰囲気の店じゃねえか」

一方通行「……俺ァ決めたぜ。絶対にここでバイトする」

上条「決断早すぎだろ」

垣根「ま、とりあえず入ってみようぜ」

カランカラン♪

結標「いらっしゃいませー」

一方通行「」






一方通行「俺バイトすンのやめる」スタスタ

上条垣根「「待て待て待て待て待て待て待て待て」」


133 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:28:05.37 ID:QRg+oW2Z0
結標「あら、一方通行じゃない。どうしたのよこんなところで」

一方通行「それはこっちのセリフだァ!なンでオマエがこンなところで『いらっしゃいませー』とか言ってンだよォ!?」

垣根「なんだよ一方通行、知り合いか?」

上条(……?この人どっかでみたことあるような……)

一方通行「……コイツは俺の昔の仕事仲間だ」

結標「結標淡希。よろしくね」

垣根(……!『グループ』の座標移動……!)

結標「あら、その顔……あなた、ひょっとして『卒業生』かしら?」

垣根「……『スクール』元リーダー、垣根帝督だ」

結標「ふーん……」

上条「えっと……一応言っとくと、俺は上条当麻」

結標「ええ、よろしく」
134 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:34:46.98 ID:QRg+oW2Z0
結標「それにしても、一方通行って友達いたのね。意外だわ」

一方通行「ブッ殺すぞクソアマ」

結標「あら、お客様が怖がるから物騒なこと言うのは止めてくれない?」

一方通行「チッ……つーかなンでオマエがこンなところにいンだよ?」

結標「決まってるじゃない。バイトよ」

一方通行「……やっぱ俺、ここでバイトすンのやめるわ……」

結標「……バイト?」

上条「ああ。実は俺たち、ここでバイトしたいと思ってて」

結標「ぶっ!」
135 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:42:39.95 ID:QRg+oW2Z0
一方通行「……何笑ってやがンだ」

結標「ぷくく……だって……あの一方通行が……バイトって……ぷふっ!」

一方通行「うるっせェ!だから今やめよォと思ってたンだよ!」

垣根「おいおい何言ってんだよ?やっと見つけた職場候補なんだ、そう簡単に手放せるか」

一方通行「……コイツがいる限り俺はやらねェ」

垣根「別にいいぜ?お前がやらなくても俺と上条でバイトするし」

上条「あ、俺は確定なんだ」

一方通行「クソッ、裏切りやがったなメルヘン野郎……!」

垣根「ま、お前は一人で漫画でも読んで妄想してろってこったな」
136 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:45:36.56 ID:QRg+oW2Z0
上条「それで、どうするんだ一方通行?俺はやろうと思うけど……」

一方通行「チッ………………ってやらァ」

垣根「あん?」

一方通行「俺もやってやらァって言ってンだよクソッたれ!」

垣根「ハッ、そうこなくっちゃな」

一方通行「人のことを好き放題言ってくれやがってよォ……俺は『絶対ここでやる』ってさっきから心に誓ってたンだよ!」

上条「前言撤回早えーよ」

結標「それじゃ、3人ともやるってことでいいわね?」

一方通行「あァ」
137 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:50:14.93 ID:QRg+oW2Z0
結標「じゃあ面接はいつがいい?」

上条「あれ、そういうのって店長が決めることなんじゃないのか?」

結標「まぁ、面接の受付自体電話なんだけどね。そういう電話の対応も私の仕事だから大丈夫よ」

上条「悪いな、何も調べてなくて」

結標「問題ないわ。実際に面接するのは店長だしね」

垣根「で、いつにするんだ?俺はいつでもいいけど」

一方通行「俺もだなァ」

上条「俺はできれば新学期が始まる前にお願いしたいんだけど……」

結標「それなら、明日でもいいかしら?」

上条「ああ、大丈夫だ」

結標「じゃあ、明日の3時頃に履歴書持ってここに来てくれる?店長には私が言っておくわ」

垣根「わかった」
138 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/24(水) 20:56:59.67 ID:QRg+oW2Z0
結標「ところで……順番、どうするの?」

一方通行「あァ、そういえばそうだな」

上条「どうやって決めるんだ?」

垣根「ジャンケンでよくね?負けた奴から順に行くってことで」

上条「え゙っ」

一方通行「まァそれなら文句もねェな」

上条「ちょ、ちょっと待て!それって明らかに上条さんが不利じゃ……」

垣根「ジャンケンに有利も不利もあるかよ。よーしいくぞー」

上条「別な方法にしよう!な!」

垣根「出っさなっきゃ負っけよー」

上条「出た!強制参加ルール『出さなきゃ負け』!」

垣根「ジャーンケーン……」

上条一方垣根「「「ポン!!!」」」

150 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:18:24.33 ID:OOPbB0E80
~翌日 PM 02:59~

結標「この中で店長が待ってるから」

上条「ああ、わかった」

結標「じゃ、頑張ってねー」

上条「……うう……不幸だ……」

上条(まぁ、ジャンケンで勝てないことなんてわかってたけどさ……)

上条「緊張する……」

上条(……履歴書の書き方間違ってないよな……)

上条「……うん、履歴書ちゃんとあるな」
151 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:19:49.63 ID:OOPbB0E80
上条「あーあー、ゴホンゴホン」

上条「……よし」

コンコン

「どうぞ」

上条「し、失礼しまーす……」









アックア「うむ。座るのである」

上条「」
152 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:21:04.68 ID:OOPbB0E80
上条「こ、後方のアックアああああああああああ!?」

アックア「む。上条当麻か」

上条「な、な、なんでアックアがここにいるんだ!?」

アックア「見ての通り、店長をやっている」フンス

上条「だからなんで!?」

アックア「我輩はもう神の右席ではないが、母国に帰るとそれはそれで面倒そうなのでな……一般人として学園都市に滞在させてもらっているのである」

上条「へ、へえ……大変なんだなアックアも」

アックア「我輩はもう『後方のアックア』ではない。ここでは店長と呼ぶのである」

上条「は、はぁ……」

アックア「では、面接を始める」
153 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:23:36.60 ID:OOPbB0E80
店長「……大変なのであるな」

上条「他にも、特売でやっと手に入れた卵を割られたり、ジャンケンで負けて奢らされたり……」

店長(……哀れなり、上条当麻)

上条「自販機に2千円札を飲まれたり、ベランダにシスターが引っ掛かってたり……挙げればキリがないくらいですよ」

店長(……なんだか話させているのが可哀想になってきたのである)

店長「……もう良い。上条当麻、貴様を採用する」

上条「ほ、本当ですか!?」

店長「ここまでの話を聞いて突き放せるほど、我輩は冷酷にはなれないのである」

上条「ありがとうございます!俺、頑張ります!」

店長「うむ。いい返事だ」

店長(……それにしても、『必要悪の教会』はなぜ禁書目録に関する金銭面での援助をしないのであろうか)
154 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:27:00.92 ID:OOPbB0E80
ミス
>>152>>153の間には以下が入ります


店長「とりあえず、履歴書を見せてもらう」

上条「あ、はい」

店長「……職歴によると、前のアルバイトはすぐにやめてしまったようであるが」※ドラマCD参照

上条「……まぁ、色々不幸が重なりまして」

店長「そうか。では、志望動機を」

上条「えーと、友達がやりたいって言うので、一緒に」

店長「そうのような理由では採用しかねる。ちゃんとした理由を言うのである」

上条「……えっと、実は……」

上条「…………インデックスの食費が、かさんでいまして……」

上条「生活費なら仕送りでなんとか賄えるはずなんだけど……なにぶん不幸なもので」

上条「外に出かければ財布は落とすし、変な中学生には絡まれるし……」

上条「ぶっちゃけた話、上条さんにはもう新しい財布を買うお金すら残されていないのですよ……」

155 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:30:13.72 ID:OOPbB0E80
店長「……大変なのだな」

上条「他にも、特売でやっと手に入れた卵を割られたり、ジャンケンで負けて奢らされたり……」

店長(……哀れなり、上条当麻)

上条「自販機に2千円札を飲まれたり、ベランダにシスターが引っ掛かってたり……挙げればキリがないくらいですよ」

店長(……なんだか話させているのが可哀想になってきたのである)

店長「……もう良い。上条当麻、貴様を採用する」

上条「ほ、本当ですか!?」

店長「ここまでの話を聞いて突き放せるほど、我輩は冷酷にはなれないのである」

上条「ありがとうございます!俺、頑張ります!」

店長「うむ。いい返事だ」

店長(それにしても、『必要悪の教会』はなぜ禁書目録に関する金銭面での援助をしないのであろうか……)
156 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:31:04.67 ID:OOPbB0E80
店長「それではフロアか厨房、希望はどちらかね」

上条「あれ、そういうのって選べるんですか?」

店長「苦手なことをやらせるわけにはいかぬ。人数の都合で希望を通せないこともあるが……」

上条「じゃあ…………前のバイトではフロアをやってたので、フロアでお願いします」

店長「承った。次はシフトの希望と交通手段を教えるのである」

上条「曜日に関してはいつでもいいです。学校が始まったら昼間は来れないので、夕方以降でお願いします。学校からモノレールで通うと思うので」

店長「了解した。では、明日の16時頃から来てもらって良いだろうか」

上条「大丈夫です」

店長「仕事は明日、フロアチーフの結標淡希に教えさせる。制服は明日渡すが、持って帰らなくても結構である」

上条「わかりました!じゃあ明日からよろしくお願いします!」

店長「では、今日はもう帰っても良いぞ」
157 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/27(土) 20:32:03.62 ID:OOPbB0E80

バタン

上条「ふーっ、緊張したぜ……」

上条(まさかアックアが店長だったなんてな……)

結標「あら、終わったの?」

上条「ん、ああ。なんとか受かったよ」

結標「おめでと!じゃあ明日からは仕事仲間ね」

上条「そうだな。俺、分からないことだらけだからよろしく頼むぜ」

結標「もちろんよ。あ、ちゃんとチーフって呼びなさいね」

上条「ははは。わかったよ、チーフ」

結標「ふふ。わかればいいのよ、後輩クン」

上条(これで俺も明日からバイトか……不幸には存分に気をつけないとな)
167 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 19:52:51.83 ID:0AvfaBWe0
PM 03:30

垣根「クックック……とうとう来やがったぜ……俺が主人公になる日がよお!」

結標「店長はこの中にいるから。頑張ってねー」

垣根(……ツッコミ待ちだったんだが)

垣根「…………ふぁ…………やべ、眠ィ」

垣根(昨日は佐天って子からメールで質問攻めだったからな……)

垣根「シャキっとしねぇとな……よし、入るか」

コンコン

店長「どうぞ」

ガチャ

垣根「失礼します」

店長「うむ。座るのである」
168 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 19:55:04.34 ID:0AvfaBWe0
垣根(すげえガタイのいいおっさんだな……ファミレスの店長ってよりSPって感じだぜ)

店長「では、履歴書を見せてもらう」

垣根「はい」

店長「……ふむ、レベル5の第2位なのであるか」

垣根「……はい」

垣根(俺を第2位と知ってもこの程度の反応……こいつ、何者だ……?)

店長「しかし、第2位ならば奨学金も大きいのであろう。どうしてここでバイトをしようと思ったのかね」

垣根「はい。確かに俺は奨学金で何一つ不自由ない生活が送れます」

垣根「でも、気付いたんです。……金じゃ手に入らない物もあるってことに」キリッ

垣根(……決まった)
169 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 19:56:49.79 ID:0AvfaBWe0
店長「…………」

垣根(馬鹿な……これでも反応が微妙だと!?クソッ、こいつ本当に何者だ……!)

店長「…………まぁ理由はともかく、第2位ということはそれなりの成果を期待しても良いのであるな?」

垣根「はい。俺の『未元物質』に常識は通用しません」

店長「…………うむ。ところで、この自己PRのところにある『未元料理ができる』とはどういう意味かね」

垣根「はい、俺の能力で食材を作って料理ができます」

店長「食品偽造ではないか」

垣根「本物と同じ性質を持っているのでバレません」

店長「却下である」

垣根「……はい」
170 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 20:00:05.62 ID:0AvfaBWe0
店長(この男、発言は全く理解できんが仕事ができそうではあるな……)

垣根「キッチンが駄目なら、フロアでも大丈夫です!」

店長(……まぁやる気もあるし、それに……)

垣根「いや、なんなら客寄せでも結構です!いや、置物でもいいです!」

店長(……なんだか少し哀れになってきたのである)

店長「……うむ、わかった」

垣根「…………な、何がでしょうか」

店長「……垣根帝督、貴様を採用する」

垣根「!」
171 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 20:06:51.66 ID:0AvfaBWe0
垣根「うおおおおおおお!ありがとなあああああ!」

店長「黙れ。クビにするぞ」

垣根「……………………」

店長(……一瞬で静かになったのである)

店長「貴様には厨房に入ってもらうが、よろしいかね」

垣根「はい、もちろんです」

店長「……うむ。それでは、シフトの希望を言うのである」

垣根「あー、俺学校行ってないんでいつでもOKですよ」

店長「では、こちらの都合で組ませてもらう。朝からでも大丈夫かね」

垣根「わかりました。大丈夫です」
172 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/28(日) 20:13:39.90 ID:0AvfaBWe0
店長「それでは、明日の朝8時から来てもらう」

垣根「OKです」

店長「うむ。仕事に関しては我輩が教える。制服は明日渡すが、持って帰らなくても結構である」

垣根「わかりました」

店長「ちなみに交通手段は」

垣根「多分モノレールですけど、遅刻しそうになったら能力で空を飛びます」

店長「……承知した。では、今日はもう帰っても良い」

垣根「はい。じゃあ、明日からよろしくお願いします」

店長「うむ」

垣根「では、失礼します」

バタン

店長「……全く、おかしなバイトを雇ってしまったものであるな」
182 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 19:33:08.00 ID:g4s8+cWp0
PM 04:28

一方通行「とうとうこの時が来やがったぜェ……!」

結標「随分張り切ってるわね」

一方通行「うるっせェ!オマエは帰れ!」

結標「はいはい、とりあえず頑張ってきなさい」

一方通行「ハッ、オマエに言われなくても余裕だっつゥの」

一方通行(何せ昨日俺は徹夜でありとあらゆる質問をシュミレートし、それに対する最高の回答を導き出した)

一方通行(履歴書の書き方も完璧だ。嘘を書かずして相手に好印象を与える書き方をした)

一方通行「そう……今の俺はまさしく樹形図の設計者そのもの……今の俺はいかなる面接にも落ちることはねェ……」

一方通行「徹夜研究の成果を見せてやるぜェ!」

結標「……アンタそんなこともやってたの?張り切りすぎって逆に引くわよ……」

一方通行「まだいたのかよオマエは!さっさと帰りやがれ!」
183 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 19:35:45.59 ID:g4s8+cWp0
一方通行「さァて……どんなやつが店長なのかねェ…」

一方通行(まァ今の俺に対応できねェ人間なンていねェだろうけどなァ)

コンコン

店長「どうぞ」

一方通行「失礼しまァす」

ガチャ

店長「うむ。座るのである」

一方通行「」
184 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 19:41:17.67 ID:g4s8+cWp0
店長「む?どうかしたのかね」

一方通行(……コ……コイツ……!)

一方通行(コイツなンて筋肉してやがンだァァァァァァァ!?)

店長「……座らないのならそれでも結構であるが」

一方通行「あァ!座ります座りますゥ!」

店長(また変なのが来たな……)

店長「では、履歴書を見せてもらう」

一方通行「は、はい!お願いしまァす!」

店長「……そんなに力まなくても良いぞ」
185 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 19:49:05.31 ID:g4s8+cWp0
店長「うむ……今度は第1位か」

一方通行「能力なら自信あります!」

店長「杖を突いているようだが、それで仕事はできるのかね」

一方通行「もちろンできます!それに、いざとなったらチョーカーのスイッチを押せば30分間は能力が使えるので問題ないです!」

店長「しかし……」

一方通行「もちろン、フロアが無理そうなら厨房でもレジでも結構です!」

店長(ふむ……ものすごいやる気を感じるな)

店長「わかった。その点に関しては問題ない、ということであるな」

一方通行「はい!」
186 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 19:59:11.29 ID:g4s8+cWp0
店長「では、志望理由を聞かせてもらう」

一方通行「正直な話、俺は奨学金だけで暮らしていけるンです!でも、『働かざるもの食うべからず』という言葉があります!俺はこの言葉が真理を突いてると思いました!」

一方通行「だから、俺は決めたンです!奨学金は大事な人たちのために使って、自分の生活費はアルバイトで稼ごう、と!」

一方通行「以上が!俺がこのアルバイトを希望する理由です!」

一方通行(どォだ!嘘は言ってねェぞ!)

店長(……どことなく下心が見え隠れしている気がするが、嘘を言っているようではないな……)

店長「……時間の希望はあるかね」

一方通行(よォし!もう一押しィ!)
187 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 20:02:02.11 ID:g4s8+cWp0
一方通行「学校には行ってないンでいつでも大丈夫です!」

一方通行「あァ、でも俺低血圧で朝弱いンで午後からの方が助かります!」

店長「うむ、わかった。ところで……」

一方通行「はい!なンですかァ!?」









店長「履歴書に本名が書いてないのだが」

一方通行「」
188 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 20:03:25.39 ID:g4s8+cWp0
一方通行(し、しまったァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!)

店長「本名がわからない分には採用しようにも書類が作れないのである」

一方通行(オイやべェぞどうすンだよ俺の名前って何だっけ?つーか原作でも明かされてねェのに俺が分かるわけねェだろうが!)

一方通行「え、えェと……実は俺、昔から実験ばっかりして育ってきたンで俺のこと名前で呼ンでくれる人なんていなくて……」

一方通行「ずっと能力名とかで呼ばれてたンで、その……」

一方通行「ぶっちゃけ本名とか忘れましたァァァァ!!すンませェェェェェン!!」

一方通行(畜生ォォォォォ!俺のバイト生活はこンなとこで終わンのかァァァァァァァァ!)

店長「…………そうか、ならば仕方がないな」

一方通行「えっ!?」

店長「……貴様のことは、これから何と呼べば良い」

一方通行「そ、それって……」

店長「うむ。貴様を採用したい」
189 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 20:07:54.57 ID:g4s8+cWp0
一方通行「あ、ありがとうございまァす!」

店長「それで、貴様は何と呼べばいいのだ」

一方通行「一方通行(アクセラレータ)で結構です!」

店長「了解した。では、一方通行。交通手段は何であるか」

一方通行「多分モノレールです!いざとなったら能力で空飛ンで来ます!」

店長「……承知した。では、貴様にはフロアで働いてもらう」

一方通行「! いいンですかァ!?」

店長「うむ。期待しているぞ」

一方通行「はい!頑張りまァす!」
190 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 20:12:10.84 ID:g4s8+cWp0
店長「明日から来られるかね」

一方通行「大丈夫です!」

店長「では、少し早いかもしれんが明日の午前10時半頃に来てもらう。制服は明日渡すが、持って帰らなくても良い」

店長「なお、仕事はフロアチーフの結標淡希に教えさせる」

一方通行(チッ、アイツがフロアチーフかよ……)

店長「では、今日は帰ってもらって結構である」

一方通行「あ、あの!ちょっとお願いがあるンですが!」

店長「? 何かね」

一方通行「師匠と呼ばせてください!」

店長「断る」

一方通行「」
191 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/29(月) 20:18:57.89 ID:g4s8+cWp0
店長「貴様はバイトで我輩は店長である。だから店長と呼べ」

一方通行「そこをなンとか!」

店長「できん」

一方通行「じゃあ教えてください!どォしたらそンなに筋肉が付くンですかァ!?」

店長「我輩は昔祖国で傭兵をやっていたから、そのせいであるな」

一方通行「よっしゃァァァァァちょっくらひとっ走りしてくるぜェェェェェ!」

ガチャ!バタン!

店長「…………また変なバイトを雇ってしまった」

203 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:08:07.51 ID:xyLh8mcf0
~とあるファミレス~

垣根「……なるほど、あの店長ってのはそういう人だったのか」

上条「ああ。秘密にしといてくれよ」

垣根「信じるやつの方が少ねーと思うけどな」

カランカラン

店員「いらっしゃいませー…………!?」

一方通行「……ゼェ……オイ……ハァ……連れが……ゼェ……来てると……ハァ……思うンだが……」ダラダラ

店員「えっ、あ、はい。上条様でしたらあちらのお席になります」

一方通行「……おォ……ハァ……ありがとなァ……ゼェ……」ダラダラ

店員「ご、ごゆっくり……」

スタスタ

一方通行「……ハァ……よォ……ゼェ……待たせたなァ……!」ダラダラ

上条垣根「「人違いです」」

一方通行「」
204 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:15:10.11 ID:xyLh8mcf0
~10分後~

上条「そろそろ落ち着いたか?」

一方通行「ン」

垣根「どんだけ急いで来てんだよ……」

一方通行「ま、まァそれは置いといてだ……オマエらは面接どォだったンだよ」

上条「いや、まだ俺たちも教えあってないぞ」

垣根「お前が来るのを待ってたんだよ」

一方通行「ハッ、なら全員同時に発表といこォじゃねェか」

上条「うわ、なんか緊張するな」

垣根「自分の結果は分かってるんだから緊張も糞もないだろ」

上条「そういう問題じゃないんだよ……」
205 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:19:38.61 ID:xyLh8mcf0
垣根「心の準備はいいか?」

一方通行「あァ」

上条「よ、よし……大丈夫だ」

垣根「じゃ、いくぞ……せーの!」



『受かった!』「落ちた」



一方通行「えっ」

垣根「えっ」

上条「えっ」

浜面「えっ」
206 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:23:06.82 ID:xyLh8mcf0
上条「……なにしてんの、浜面」

浜面「えっ、なんか気付いたら言ってて」

一方通行「……オイ、全員受かったのにどォすンだよこの空気」

浜面「……いや、なんかごめん」

垣根「……つーか誰だっけ?」

浜面「あんな壮絶な馴れ初めなのに忘れたの!?」

~説明中~

垣根「ああ、あん時のアレか」

浜面「思い出し方が抽象的!」
207 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:30:58.29 ID:xyLh8mcf0
浜面「実は、バイトの面接に落ちちまってよ……で、なんか気が付いたらここにいた」

一方通行「なンだそりゃ、夢遊病かなンかじゃねェのか」

浜面「いや、なぜかここに来なきゃいけないような気がして……」

Prrrrrrrrrrr

浜面「あれ、電話……麦野からか」

浜面「……え?お前何言ってんだ?……いや、わかったけど……ああ」

垣根「どうした?召集でもかかったか?」

浜面「いやなんか麦野が『アンタはゲストキャラなんだからさっさと退場しなさい』って」

上条「なんだそりゃ」

浜面「さぁ……俺にもわからんがとりあえず帰るわ」

一方通行「そもそもなンでここに来たンだよ……」

浜面「じゃあなー」
208 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:35:52.15 ID:xyLh8mcf0
垣根「何はともあれ全員受かったんだし、パーッと祝おうぜ!」

上条「そうだな!……でも破産しない程度に頼むぜ」

一方通行「めでてェ時にしみったれたこと言ってンじゃねェよ……オマエの分は俺が出してやらァ」

上条「!……いいのか?」

一方通行「ったりめェだ……仕事仲間に仕事前から破産されちゃ困ンだろうが」

垣根「キャー!アッくんがデレたわー!」

一方通行「うるっせェ!そンなンじゃねェっつーの!」

上条「すまん、恩に着るよ一方通行」

一方通行「チッ、感謝なンて求めてねェンだよ」

垣根(友情だねぇ)
209 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:44:02.66 ID:xyLh8mcf0
~2時間後~

アリガトウゴザイマシター

垣根「いやーファミレスで大騒ぎしちまったな」

上条「……なんか、やっと受かったって実感が湧いてきたよ」

一方通行「明日からバイトなンだなァ……」

垣根「そういえばお前ら、シフトはいつから入ってんだ?俺朝からなんだけど」

一方通行「昼から」

上条「俺は夕方からかな」

垣根「あっちゃー……見事にバラけたな」
210 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:47:56.57 ID:xyLh8mcf0
上条「まぁ、シフトの組み方によっては会うこともあるんじゃないか?」

垣根「ファミレスって週にどのくらいシフト入るんだ?」

一方通行「確か週3~4日くらいだったハズだ。勤務時間は5~8時間くらいか」

垣根「え……アッくんなんで知ってるの」

一方通行「バイトするンだから調べるのは当たり前だろォが」

上条「5~8時間ってことは会うこともあるかもな」

一方通行「会わなくていいっつゥの」

垣根「と言っても昼って真ん中だから一番遭遇率高いよな一方通行」

一方通行「余計なことしやがったらブッ飛ばすぞ」
211 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/08/31(水) 22:55:19.97 ID:xyLh8mcf0
上条「じゃ、俺は帰るよ。インデックスが待ってる」

垣根「わかった。また明日な」

一方通行「今日は解散だなァ」

垣根「え?二次会ねえの?」

一方通行「一人でやってろ」

上条「明日からバイトなんだから二人とも今日はよく休めよー」

一方通行「……あのシスターにはバイトのこと教えンのか?」

上条「……ああ」

一方通行「……そォか」

上条「それじゃあな、2人とも」
220 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 21:51:03.26 ID:2SjE41L10
~上条家~

上条「ただいまー」

インデックス「おかえりとうま!今日は遅かったね!」

上条「ああ、ちょっと友達と遊んでて」

インデックス「そっか。そんなことよりお腹すいたんだよ!」

上条「はいはい。今晩飯作ってやるからな」

インデックス「ごっはんー♪ごっはんー♪スフィンクス、ごはんだよー!」

上条(これどう見てもキョ○の妹とシャミ○ンだよな……)
221 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 21:55:22.46 ID:2SjE41L10
~15分後~

上条「じゃ、食うか」

インデックス「いただきまーす!」

上条「おう、沢山食えよ」

インデックス「もぐもぐもぐもぐ」

上条「……あのさ、インデックス。お前に言わなきゃならないことがあるんだ」

インデックス「モグモグ……なぁに?……モグモグ」

上条「……飲み込んでからからでいいよ」
222 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:03:23.61 ID:2SjE41L10
インデックス「モグモグ……ごっくん。それで、なぁに?とーま」

上条「……俺さ、アルバイトを始めるんだ」

インデックス「えっ?」

上条「だから、帰りも今まで以上に遅くなる。晩飯も一緒には食べれなくなると思う」

インデックス「……じゃあ、とうまと会えるのはほとんど朝だけになるってこと?」

上条「……毎日ってわけじゃないけど、そうなる日もある」

インデックス「……そっ、か」

上条「ごめんな……インデックス」

インデックス「……ううん。とうまが決めたことなら、私に止める権利はないんだよ。でも、ちゃんと理由は聞かせてほしいかも」

上条「……どうしても、今、お金が必要なんだ」

インデックス「……それは、私より大事なことなの?」

上条「……お前と同じくらい大事なことだ」
223 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:16:34.32 ID:2SjE41L10
インデックス「…………あのね、とうま」

インデックス「正直に言うとね、私はとうまにアルバイトをしてほしくないんだよ」

インデックス「だって、とうまがいないと寂しいもん」

インデックス「まいかやスフィンクスも一緒にいてくれるけど、それでもとうまがいないと私は寂しい」

インデックス「だからお願い。本当の理由を聞かせて?」

インデックス「私にはとうまを止める権利はないけど、それでも納得できる理由が聞きたいんだよ」

上条「…………」

インデックス「とうま」

上条「…………ごめん、これだけは――」

「まぁまぁ、そのへんにしといてやれって」

上イン「!?」
224 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:23:35.36 ID:2SjE41L10
上条「……一方通行、垣根……お前ら、なんでここに……」

一方通行「オマエのことだからどうせこうなるンだろうと思って来てやったンだよ」

垣根「悪いな、シスター。上条をバイトに誘ったのは俺なんだ」

インデックス「ていとくが……?」

一方通行「あァ。今日の帰りが遅くなったのも俺たちが引きとめたせいだ。すまねェな」

インデックス「……そっ、か」

垣根「だが、上条がバイトをする本当の理由は別に俺たちが誘ったからじゃねぇぞ」

インデックス「えっ?」

上条「おい垣根!」

垣根「うるせぇ。テメェはそれでシスターに気を遣ってるつもりか?」

上条「!」
225 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:33:12.95 ID:2SjE41L10
垣根「隠し通せばシスターが傷つかねぇとでも思ってんのか?本当の理由を言って負い目を感じさせたくないとでも思ってんのか?」

上条「……」

垣根「だとしたらな、テメェはレベル6だ大馬鹿野郎」

垣根「いいか、シスター。上条がバイトするのはお前に不自由な生活をさせないためだ」

インデックス「!」

垣根「お前はよく食うし、上条はこの通りだ。金なんてすぐなくなる」

垣根「だから上条は、お前のために働こうとしてるんだよ」

インデックス「……そうなの?とうま」

上条「…………ああ」

インデックス「そう、だったんだ……」

226 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:41:25.83 ID:2SjE41L10
一方通行「いいか、シスター。三下がいねェと寂しいってのは分かる。当然の気持ちだ」

一方通行「だが、今尊重しなきゃなンねェのは何なのか……わかるよなァ?」

インデックス「あくせられーた……」

一方通行「オマエの今の気持ち、言ってやれ」

インデックス「……うん」

インデックス「ねえ、とうま」

上条「……なんだ?インデックス」

インデックス「………………今までごめんなさい。そして、ありがとう」

インデックス「アルバイト、頑張ってね」

上条「!」

上条「……ありがとな、インデックス」
227 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:47:18.23 ID:2SjE41L10
垣根「よーっし!同居人の許可も取ったことだし、これで上条も堂々とバイトできるな!」

上条「……恩に着るよ。垣根、一方通行」

垣根「なぁに、いいってことよ」

一方通行「晩飯中に失礼したなァ」

上条「そうだ、お前らも飯食っていかないか?」

一方通行「ケッ、ファミレスでの馬鹿騒ぎで腹も膨れたっつゥの」

垣根「悪いな、俺は明日早いから帰ってすぐ寝ないといけねぇんだ」

上条「そうか……ならしょうがないな。明日から頑張ろうぜ」

垣根「ああ。じゃあな、上条」

一方通行「初日から遅刻とかすンじゃねェぞ」

上条「もちろん。じゃあな、二人とも」
228 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/02(金) 22:54:39.31 ID:2SjE41L10
バタン

上条「……インデックス、黙ってて悪かった」

インデックス「……ううん。私の方こそ、今まで本当にごめんなさい」

インデックス「私、とうまがいてくれることのありがたみがわかってなかったかも」

上条「いいんだよ。俺は、お前に地獄の底まで着いて行くって決めたんだから」

インデックス「えへへ……」

上条「おーいインデックスさん?照れるところじゃないですよー」

インデックス「……ねえ、とうま」

上条「なんだ?」

インデックス「とうまには、素敵な友達がいるんだね」

上条「……ああ!」
244 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 21:52:37.98 ID:gECTWVZr0
翌日 AM 07:50
~ファミリーレストラン ACQUA~

垣根「おはようございます!」

店長「うむ。元気が良くてよろしい」

結標「ぐっもーにん♪」

垣根「おう、おはよう。えっと……結標、だっけか?」

結標「チーフと呼びなさい」

垣根「チーフ、オゼァーッス」

結標「よろしい」

垣根(……ツッコミ待ちだったんだが)

店長「では、店内を案内する。我輩に着いて来い」
245 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 21:58:26.82 ID:gECTWVZr0
~男子更衣室~

店長「ここが男子更衣室。出勤したらまずここで制服に着替えるのである」

垣根「はい」

店長「厨房の制服はこれである。とりあえず着替えてみると良い」

~数分後~

垣根「どうっすかね」

店長「うむ、様になっている。サイズはどうかね」

垣根「ピッタリですよ」

店長「ならば良い。あと、勤務中はアクセサリーの着用は一切禁止である」

垣根「わかりました」

店長「では、次に行くぞ」
246 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:03:01.85 ID:gECTWVZr0
~休憩室~

店長「ここが休憩室である。休憩の時間になったらここで休んでも良い」

垣根「案外広いっすね」

店長「一応、喫煙所ということにもなっているが……学園都市ではあまり関係のない話であるな」

垣根「あ、でもコンセントがあるのは一部のヤツには役立つと思いますよ」

店長「? そうかね」

垣根「はい。特に充電が必要なヤツとかに」

店長「そこのソファで横になって仮眠をとるのも良いであろう。ただし休憩時間内でな」

店長「ああ、言い忘れていたが男子更衣室にシフト表が貼ってあるから、後で見ておくと良い」

垣根「わかりました」
247 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:08:20.54 ID:gECTWVZr0
~厨房~

店長「そしてここが厨房である。貴様にはここで働いてもらう」

垣根「……!」

店長「どうしたのかね」

垣根「いや……なんかこの業務用冷蔵庫に嫌な親近感を覚えまして……」

店長「どういうことだそれは……。ところで今更な気もするが、貴様料理はできるのか」

垣根「未元料理です」キリッ

店長「却下」

垣根「ですよね」

店長「普通の料理はどうなのだ」

垣根「まぁ、レシピさえあれば何でも作れる程度にはいけますよ」

店長「基礎はできるというわけだな。では、次は開店前の仕込みを教える――」
248 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:16:31.57 ID:gECTWVZr0
~40分後~

店長「とりあえず教えることはこれで全てである。あとは一日も早くこの場所に慣れることだな」

垣根「はい、ありがとうございました!」

店長「とりあえず今日は厨房は貴様と我輩の2人で回す。怠けていたらその場でシバく」

垣根(『シバく』って……)

店長「それと、貴様にはこれを着けてもらう」

垣根「! こ、これは……!」

店長「うむ、研修バッジである」

垣根「これが噂のっ……!研修バッジっ……!」

店長「それを外せるようになってやっと一人前のバイトである。できるだけ早く外せるように頑張ることだ」

垣根「はい!」
249 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:22:14.99 ID:gECTWVZr0
結標「店長、そろそろ時間ですよ」

店長「うむ。スタッフも全員出勤したようであるな」

結標「新人3人かぁ……ふふっ、こりゃー手が焼けそうね」

垣根(ついに始まるんだ……!俺の、新しい生活が!)

店長「では……」








店長「ファミリーレストランAQCUA、開店である」
250 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:25:26.88 ID:gECTWVZr0
~厨房~

店長「今回の貴様の仕事は、サラダの盛り付けやパフェのトッピングなどの簡単なものだけである」

店長「あとの仕事は我輩を見て学ぶと良い」

垣根「は、はい!」

~数分後~

結標「垣根ー、サラダ1つよろしくー」

垣根「よっしゃ、任せろ!」

サッサッサッサッサ

垣根「……1分とかからずに終わっちまったぞ……」
251 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:29:33.48 ID:gECTWVZr0
結標「あら、終わったの?」

垣根「ああ、これ」

結標「へえ、上出来じゃない」

垣根「いやだって葉菜敷いてコーン撒いてドレッシングかけてトマト乗っけるだけだし」

結標「ま、朝のうちにこの暇な時間を満喫しておくことね」

垣根「俺は忙しいのが好きなんだけどな」

結標「へぇ、見上げた勤労精神ね。お昼時が過ぎてもその台詞が言えたら褒めてあげる」

垣根「チーフ、アザーッス」

結標「じゃ、サラダ持ってくわね」

垣根「スルーかよ」

垣根(……もうちょっと忙しい職場かと思ったんだがな)
252 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:33:10.82 ID:gECTWVZr0
AM 10:28
一方通行「こンにちはァ!」

店長「うむ、元気があってよろしい」

一方通行「あざァっす!」

結標「典型的若者挨拶ね」

一方通行「うっせェショタコン」

結標「言ってなさいロリコン」

店長「混雑し始める前にさっさと仕事を教えるのである」

結標「はぁい……じゃ、手短にいくわね」

一方通行「ハッ、仕事なんざ一発で覚えられるっつーの」

店長「頼りにしているぞ、一方通行」

一方通行「任せてくださいよォ!」
253 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/07(水) 22:34:20.75 ID:gECTWVZr0
【オマケ②】
―その頃の垣根帝督―
~休憩室~

垣根「やべぇ……やべぇぞ……」

垣根「俺……俺……」



垣根「俺、ただの真面目な高校生バイトみたいになってんじゃねぇかあああああああ!」



垣根「やべぇよ!俺一番出番多いのに一番個性ないキャラになってんじゃねぇかよ!」

垣根「緊張とか気合いの空回りとかで俺の人格が迷子になっちゃってるよ!」

垣根「原作でのダークな雰囲気とか『探さないでください』って書き置きして家出する勢いでどっか行っちゃってるよ!」

垣根「そしてここまでのギャグ総じてスベってんじゃねぇかよおおおおおおおおおおおおお!」


――――垣根帝督は情緒不安定――――
263 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:20:26.15 ID:ehHmT8rP0
~30分後~

一方通行「ハッ、簡単な仕事じゃねェか」

結標「あら、強気な発言ね」

一方通行「要するに客に愛想振りまきながら注文通りに料理運べばいいンだろ?」

結標「まぁお昼のピーク時にそれをずっと続けられたらいい方ね。できたら研修バッジ取ってもいいわよ」

一方通行「いざとなればチョーカーのスイッチ入れりゃいくらでもできるっつゥの」

結標「さて、そろそろ客入りが激しくなって来る頃ね……いきなり修羅場からスタートだけど、大丈夫かしら?」

一方通行「……今までくぐってきた修羅場に比べたら、こンな修羅場くらい何でもねェよ」

結標「ふふっ、言えてるわね」
264 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:25:29.14 ID:ehHmT8rP0
一方通行(どっからでも来やがれ……全部捌いてやらァ!)

垣根「ようやく忙しくなるか……!」

店長「春休みであるからな」

結標「さ、気合入れていくわよ」



~3時間後・休憩室~

一方通行「」プシュー

垣根「」グッタリ

結標「お疲れー」
265 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:31:49.64 ID:ehHmT8rP0
店長「まぁ、初日ならばこんなものであるな」

結標「さすがに最初から休日のラッシュはハードだったわね」

一方通行「……聞いてねェ……聞いてねェぞ……」

垣根「詐欺だ……あの作者絶対に訴えてやる……」

店長「どれだけ楽観的な職場を想像していたのかね……」

結標「だ、大丈夫よ。ほら、明日から春休み明けるし」

垣根「はぁ、結標はいいよな……能力が仕事に応用できるんだから」

結標「チーフと呼びなさい」

垣根「チーフ、サーセンwwww」

結標「よろしくない」

垣根「よろしくないのかよ」
266 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:38:21.93 ID:ehHmT8rP0
一方通行「クソ……充電できる時間がなさすぎンぞクソッタレ……」

店長「文句があるなら受け付けるが?」

一方通行「滅相もございませン!」

垣根(弱っ)

結標「ま、確かに休憩は少ないわね。でも、その辺はやっぱり慣れよ」

垣根「サラダ盛るのは慣れた」

結標「それはどうでもいい」

店長「さて、そろそろ雑談は切り上げて各々現場に戻るのである。こんなに大人数の休憩は普通はないからな」

一同『はーい』
267 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:40:14.51 ID:ehHmT8rP0
PM 03:49
~厨房~

店長「そしてここで火を弱めるのである」

垣根「わかりました」

店長(ふむ……なかなか飲み込みの早い男であるな)

~レジ~

一方通行「暇だ」グデー

結標「ま、この時間はこんなもんよ」

一方通行「昼のラッシュが嘘みてェだぜ……」

カランカラン♪

上条「こ、こんにちはー」

結標「あら、上条君」

一方通行「もう三下が来る時間か……」
268 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:44:39.39 ID:ehHmT8rP0
垣根「お、上条来たか!」ヒョコ

上条「お、垣根」

垣根「ってことは俺もそろそろ上がる時間だな」

店長「うむ。ご苦労であったな、垣根帝督よ」

垣根「いえいえ、お疲れ様でした!」

上条「じゃ、今度は俺をよろしくお願いします」

店長「うむ」

垣根「あ、店長。俺休憩室にいますから、人手が足りなくなったら呼んでもらって結構っすよ」

店長「む、帰宅しないのかね」

垣根「上条の仕事っぷりを見ていきたいんで」

上条「何を期待してるんだよお前は……」
269 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:46:07.29 ID:ehHmT8rP0
店長「わかった。呼ぶことはないだろうが、夕食はここで食べていくと良い」

垣根「あ、もしかして安くなったりします?」

店長「店員は2割引である」

垣根「マジっすか!」

上条(2割か……特売にダッシュしたほうが得だな)

結標「じゃ、店内を案内するから。行くわよ、上条君」

上条「あ、はい!」

垣根「じゃ、頑張れよ上条。期待してるからなー」

上条「だから何をだよ」
270 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:47:06.77 ID:ehHmT8rP0
~30分後~

結標「――と、まぁこんな感じよ。経験あるみたいだし、細かいところはわかるわね?」

上条「経験って言っても1日だけなんですがね……」

結標「大丈夫よ、杖ついてる一方通行だってできたんだから」

上条「そ、そうだよな!よし、頑張るぞ!」

結標「その意気よ。じゃ、そろそろ人の入りが激しくなって来ると思うから頑張りなさいよ。昼時ほどじゃないけど、結構忙しくなるから」

上条「ああ!」

一方通行(アイツ大丈夫かァ……?)

垣根(さ、何やらかしてくれるかなー)
271 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:48:39.51 ID:ehHmT8rP0
――――――――

客A「きゃっ、すみません!ドリンクかけちゃって……」

上条「あ、いえいえ!俺が始末しておきますから!」

――――――――

一方通行「オイ三下、氷を補充しろ!」

上条「わかった!……って、わー!冷蔵庫のコンセントが抜けてる!」

――――――――

垣根「おいそこのバイト。水持ってこい」

上条「自分で取りにいけよ!場所わかるだろ!」

垣根「お客様にそんな態度取っていいと思ってんのか?」

上条「ならお前に2割引を主張する権限はない」

垣根「む、それは駄目だ。スペシャルな感じがしなくなる」

上条「こいつすっげめんどくせ!すっげ!」

――――――――
272 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:49:32.43 ID:ehHmT8rP0
PM 11:02
~そんなこんなで閉店時間~

上条「はぁ、疲れた……」

一方通行「オマエは相変わらずついてねェな……」

垣根「いやー、期待を裏切らないね上条は」

店長「3人とも、今日はご苦労であったな」コト

上条「これって……店のハンバーグ?」

店長「我輩の奢りである」

一方通行「いいンですかァ!?」

垣根「やっぱお前敬語使うとキモいわ」
273 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/10(土) 02:51:23.07 ID:ehHmT8rP0
結標「お疲れ、3人とも」

上条「ああ、お疲れ」

垣根「……もしかして、開店から閉店までずっと働いてた?」

結標「んー……まぁ、出来の悪そうな新人が3人もできたしね。ちょっと気合入れすぎちゃったわ」

垣根「マジか……お前、すげーな」

結標「チーフと呼びなさい」

垣根「チーフ、マジパネーッス」

結標「仕事終わったからやっぱいいわ」

垣根「」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

小萌「……ところで未成年者を22時以降に、しかも8時間以上労働させるのは違法では……」

黄泉川「こまけぇこたぁいいじゃんよ!!」

288 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/29(木) 23:29:52.72 ID:4vo7oLiC0
翌日 AM 07:52
~垣根宅~

垣根「……ふぁ」

垣根「……おはよーございます」

垣根「……今日もバイトだ」

垣根「確か上条も一方通行も今日はバイト休みだっけ……」

垣根「俺は今日8時半までに入ればいいから……まだ余裕あるな」

垣根「そういや、上条は今日から学校か……」

垣根「ははっ……学校なんて、しばらく行ってねぇから全然覚えてねぇや」

垣根「……ラジオ体操でもすっかな」
289 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 00:08:05.83 ID:ZDlCNxSG0
AM 08:12
~ファミリーレストラン ACQUA~

垣根「おはようございます」

結標「あら、随分早いじゃない」

垣根「なんか早く目覚めちまってな」

結標「あ、そうそう。今日、午前中は店長来れないから」

垣根「え、マジで?じゃあ厨房俺だけ?」

結標「いや、もう1人女の子が来るわよ」

垣根「じゃあ、その女の子と俺の2人だけ?」

結標「そうなるわね」

垣根「マジかよ……俺、ピークとか捌けねぇぞ」
290 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 00:09:26.72 ID:ZDlCNxSG0
結標「あら、でも店長は――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

店長「垣根帝督はまだ不安はあるが飲み込みは早い。一度、厨房を任せてみても良いのではないか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

結標「――って言ってたわよ?」

垣根「俄然やる気が出てきたぞコンチクショウ」

結標「その意気よ。それに、もう1人の方も仕事ができる子だから安心しなさい」

垣根「そりゃ頼もしいな」

結標「まぁその子も明日から学校らしいし、今日くらいしかあなたと一緒に仕事することはないだろうけどね」

垣根「ハッ、そのうち1人で厨房できるようになってやらあ」
291 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 00:10:13.72 ID:ZDlCNxSG0
~休憩室~

垣根(……もう1人の厨房ってどんな人なんだろうな……)

垣根(そういや俺、自分と上条と一方通行のシフトしか確認してなかったっけ……)

垣根「……あとでシフト表見ておくか」

垣根「それにしてももう1人ねー……知り合いとかじゃなかったらいいんだが……」

垣根「もしアイテムの奴とかだったら、気まずいどころの話じゃねぇもんな……」

垣根「って、んなわけねぇか。もしそうだったら結標が何か言ってくるはずだし……」

垣根「…………………………………………」

垣根「……オイ待て。これってフラグじゃね?」
292 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 00:11:11.68 ID:ZDlCNxSG0
垣根「アイテムの奴まではいかなくとも、知り合いに会いそうなフラグがビンビンなんだが……」

垣根「……最近不自然な出会い方をしたやつと言えば」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

佐天「ありがとうございます!今度メールしますから、返事くれたら嬉しいです!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根「コイツだ……どう考えてもこの女、佐天涙子……」

垣根「どうすんだよ……俺は不良を退治しただけでときめくようなガキには興味ねぇぞ……」

垣根(クソ……こうなったらしょうがねぇ、とりあえず腹括って他人のフリするしか……)

「あの、すみません。新しく入った厨房の方ってあなたですか?」

垣根「!!」ビクッ
293 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 00:12:19.65 ID:ZDlCNxSG0
「よろしかったらお顔とお名前を……」

垣根(いや待て焦るな落ち着け他人のフリだ他人のフリくぁwせdrftgyふじこlp;@:)←壁の方向いてるから話しかけてきた人が見えない

「あ、あの、大丈夫ですか?すごい汗ですけど……」

垣根「あ、ああ、大丈夫。これは、あれだ。結露してるだけだ」

「結露!?春なのにですか!?」

垣根「あ、ああ、うん。俺超体温低いから。うん」

「そ、そうなんですか……。あの、よろしかったら、こちらを向いてもらえませんか?顔を覚えたいので……」

垣根(……大丈夫だ、焦るな。とりあえず他人のフリしとけば間違いない!腹括れ!)

垣根「あ、ああ。初めまして、俺の名前は砂皿――」クルッ



初春「…………」

垣根「」



垣根(こっちかァァァァァァああああああああああああああああああああ!!)
301 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 22:07:33.00 ID:ZDlCNxSG0
垣根「いや、えっと……その、なんだ」

初春「……なに、してるんですか……」

垣根「……え?」

初春「こんなところで……なにしてるんですか」

初春「あなたなら、こんなところで働かなくても……汚い仕事が、たくさん入ってくるんじゃないんですか?」

垣根「ッ……!」

初春「……ごめんなさい。あなたとは、仲良くできそうにありません」

初春「じゃあ、私は着替えますので……」

バタン

垣根「…………」

垣根「…………当たり前、だ。いくらダチが許してくれたところで……俺が積み重ねてきた罪は、消えたりしねぇんだよ」
302 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 22:08:35.90 ID:ZDlCNxSG0
~厨房~

垣根「……仕込み、全部終わってやがる……」

結標「あー、初春が全部終わらせちゃったのよ。休憩室で会わなかった?」

垣根「会った」

結標「……今にも死にそうな顔してるわね」

垣根「ソンナコトネーッスヨ、チーフ。ハハハ」

結標「全然よろしくないわね」

垣根「エー、マジッスカー、ソリャナイッスヨー」

結標「完全に目が据わってるわね」

結標(……こんなんで大丈夫かしら)
303 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 22:12:23.03 ID:ZDlCNxSG0
AM 10:21

垣根(…………ふざけんじゃねぇ。今更何を気に病む必要があるってんだ)

垣根(俺がクソ野郎ってことなんざ自明じゃねぇか。なのに……)

垣根(なんでさっきの言葉が、こんなにも心に突き刺さってんだよ……!)

結標「ちょっと垣根!」

垣根「……ん、なんだよ」

結標「なんだじゃないわよ!スペシャルパフェじゃなくてストロベリーパフェって言ったでしょ!?」

垣根「……ああ、悪い。今作り直す」

結標「今日これでオーダーミス6回目よ?本当に大丈夫なの?」

垣根「……ああ、大丈夫だ。心配すんな」

結標「……じゃ、信じるけど。でもその代わり、次にオーダーミスしたら休憩室にテレポートさせるから」

垣根「……分かった」

初春「…………」
304 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/09/30(金) 22:14:10.36 ID:ZDlCNxSG0
~2時間後・休憩室~

店長「……で、今に至ると」

垣根「……本当にすいません」

店長「うむ……確かにオーダーミスを7回もするというのは問題だが……」

店長「しかし2日目とは言え、貴様はそんな初歩的なミスをするような者ではないはずである」

店長「……一体、何があった?」

垣根「……いえ、俺がただ未熟だっただけです」

垣根「期待してくださってたのに、申し訳ないです」

店長「……気持ちが落ち着いたら、厨房に戻るのだぞ」

垣根「…………わかりました」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

小萌「……あの、中学生がバイトというのは……」

黄泉川「こまけぇこたぁいいじゃんよ!!」
309 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:05:15.86 ID:CaLo1ltq0
~とある高校~

土御門「へぇ、カミやんバイトを始めるのか」

上条「ああ。不幸だらけでさすがに金もなくなってきたし、友達もやりたいって言ってたから始めてみた」

青ピ「ええなぁカミやん。ファミレスって言うたら出会いがいっぱいなんやで?同僚然り、客然り、店長然り!」

上条「なんで同僚と店長が別カテゴリ!?」

土御門「やっぱバイト先って言ったらロリ巨乳な先輩しかいないぜい!」

青ピ「いやいや、やっぱり男嫌いで客を殴ってしまう大人しい女の子が最高やろ!」

上条「『WORKING!!』!?」

土御門「お、カミやんがその名前を知ってるとは以外だにゃー」

青ピ「カミやんも徐々に目覚めてきたみたいやね!」

上条「目覚めるって何に!?」
310 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:06:29.68 ID:CaLo1ltq0
土御門「それにしてもカミやんにバイトの許可が下りるとは……世も末だにゃー」

青ピ「せやなー。毎日羨ましいくらい小萌先生に怒られてるカミやんがバイトするなんて言うたら、小萌先生やなくても全力で反対すると思うんやけど」

上条「……えっ、ちょっと待ってくれ。今『バイトの許可』って言った?」

土御門「言ったにゃー」

青ピ「言うたね」

上条「……えっと、非常に聞きにくいんですけど……」

上条「……ひょっとしてバイトするのって、学校からの許可が必要だったり……?」

土御門「」

青ピ「」







吹寄「アホかああああああああああああああああ!!」
311 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:08:42.19 ID:CaLo1ltq0
~職員室~

上条「――ってことなんです。お願いします、先生!バイトを認めてください!!」ドゲザ

上条「勉強もちゃんとしますし授業もちゃんと出ます!補修もちゃんと受けます!」

上条「だから――!」

小萌「はい。じゃあこっちの書類に記入してくださいねー」

上条「…………へ?」

小萌「えーっと書くものは……ありましたありました。あ、この欄は書かなくてもいいですよー」

上条「あ、はい……ってそうじゃなくて!」

小萌「?」

上条「ほ、本当にいいんですか?俺、進級もギリギリだったのに……」

小萌「んー……まぁ、成績のことを考慮すれば、止めたいというのが本音ですけど……」
312 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:10:15.73 ID:CaLo1ltq0
小萌「でも、上条ちゃんがやりたいって言うのなら、先生にはそれを否定する権利はないのです」

小萌「それに、教師の生き甲斐は生徒が成長する姿を見ることなんですから」

上条「先生……」

小萌「その代わり、アルバイトがない日の放課後特別補習は奮発しますからね!」

上条「……マジっすか」

小萌「上条ちゃんの去年の成績を鑑みれば当然なのです」

上条「はぁ、不幸…………じゃないか」

小萌「ふふん、上条ちゃんにもようやく勉強の楽しさが分かってきましたか」

上条「そういう意味じゃないです」
313 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:12:40.42 ID:CaLo1ltq0
上条「書類、これでいいですかね」

小萌「オッケーなのです!じゃあ上条ちゃん、頑張るのですよー」

上条「はい!俺、先生の期待に応えられるように、すごく成長しますから!」

小萌「楽しみにしてますよー」

上条「じゃあ小萌先生、ありがとうございました!」

バタン

小萌「……ふふっ、いつの間にあんなに格好良くなっちゃったんですかねー上条ちゃんは」

小萌(でも、上条ちゃん……先生の期待に応えてくれるのは、あなただけじゃないみたいですよ?)
314 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:14:19.22 ID:CaLo1ltq0
PM 04:53
~上条家~

上条「ただいまー」

インデックス「おかえり、とうま!」

上条「ちゃんといい子にしてたか?」

インデックス「もちろんなんだよ!」

上条「よし、じゃあ今から飯作るからな」

インデックス「うん、ありがとう!」

上条「おう!今日はカレーだぞ!」

インデックス「わーい!」

上条(……『ありがとう』、か……)

インデックス(……こんなにいい言葉だったんだなぁ)
315 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:15:05.21 ID:CaLo1ltq0
上条「えっと、確か洗濯物は――」

洗濯物 < キリッ

上条(……あれ?俺学校行く前に洗濯したっけ……?)

上条(今朝はバタバタしてて洗濯してる余裕なんてなかったはずなんだけど……)

洗濯物 <キリリッ

上条「なんで、服が全部洗濯されて綺麗に畳んであるんだ……?」





舞夏「……」ニヤリ

元春「……舞夏、『家政婦は見た!』ごっこはその辺にして飯を作ってくれないかにゃー……」
316 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 01:16:30.22 ID:CaLo1ltq0
【オマケ③】
―ちょっと前のウィリアム=オルウェル―
~厨房~

店長「初春飾利よ、アクセサリーの着用は禁止のはずであるが」

初春「え?アクセサリーなんて着けてませんけど……」

店長「ならばなぜ貴様の頭には花が咲いている」

初春「いやですねぇ、こっちが本体だからに決まってるじゃないですか」

店長「そのネタはもう良い」

初春「まぁリアルな話をさせてもらうと、これがないと誰も私だって気付いてくれないんですよ」

店長「なるほど、ならば仕方あるまい。花飾りの着用を許可する」

初春「ありがとうござます」

――――ウィリアム=オルウェルは何故か妙に納得した――――
321 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:10:56.61 ID:CaLo1ltq0
翌日 PM 03:48
~ファミリーレストラン ACQUA~

一方通行「あァ?垣根の様子がおかしいだァ?」

結標「そうなのよ……昨日、休憩室から出てきたら目が車に轢かれて死んだ野良犬みたいになってて」

一方通行「例えがリアル過ぎンだろ気持ち悪ィな」

結標「今日と明日はシフト入ってないから大丈夫でしょうけど……今後の仕事もあの調子なら、減給程度じゃ済まなそうよ?」

一方通行「……オイオイ、そンなにひでェのかよ」

結標「オーダーミスだけでも7回はしたからね……明後日には元に戻ってれば良いんだけど」

一方通行「……戻りそォにはねェのか?」

結標「ええ……」
322 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:12:36.31 ID:CaLo1ltq0
一方通行「休憩室で何があったか知らねェのか?」

結標「知らないけど……心当たりはあるわ。本当にそれが原因かはわからないけど」

一方通行「心当たり?」

結標「ええ。実はその日は店長が用事で午前中来れなくて、代わりの女の子に厨房入ってもらったのよ」

一方通行「女の子だァ?」

結標「初春飾利っていうんだけど、知らない?垣根の元カノだったりとか」

一方通行「知らねェよ」

結標「それで垣根が出勤して休憩室に行って、その後に仕込みを終えた初春が休憩室に入っていって……」

結標「で、垣根が出てきたら目が死んでたわ」

一方通行「……それだけじゃ何もわからねェな」

結標「そうよね……」
323 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:18:53.09 ID:CaLo1ltq0
一方通行「しょうがねェな……垣根に電話してきていいか?」

結標「へぇ、意外に友達想いなのね」

一方通行「別にそンなンじゃねェよ。アイツがいなくなったら店長に迷惑かかンだろォが」

結標「はいはいツンデレツンデレ」

一方通行「ったくうるせェショタコンだな」

結標「黙りなさいロリコン。どうでもいいけど、電話するなら休憩室にある裏口から外に出てしなさいよ?」

一方通行「あのドア裏口だったのかよ」

結標「いいからさっさとしてきなさいよ。上条君が来るまでフロアは私たち2人しかいないんだから」

カランカラン♪

上条「こんにちはー」

結標「わお。ナイスタイミング」
324 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:29:42.47 ID:CaLo1ltq0
~垣根宅~

垣根「……あー何もやる気しねぇ」

垣根「……ハハッ、俺も相当平和ボケしてたらしいな」

垣根「今更自分の立場を突きつけられて立ちすくむなんてよ」

垣根「どんだけご都合主義なんだ、ってな」

垣根「…………」

垣根「……久しぶりにゲーセンにでも行くかね」

Prrrrrrrrrrrrrr

垣根「ん……プライベート用の電話が鳴るとは珍しいな……いや、どっちかっつーと懐かしい、か」

ピッ

垣根「何の用だよ」

一方通行『あァ?人が仕事の合間縫って電話してやってンのに随分な挨拶じゃねェか』
325 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:35:52.98 ID:CaLo1ltq0
垣根「そいつはご苦労なことで」

一方通行『オイ聞いたぞオマエ、昨日馬鹿みてェにミス連発したらしいな』

垣根「……うるせぇな。店長がいなかったんだからしょうがねぇだろ」

一方通行『あン?オマエ一人で厨房やってたのか?』

垣根「……もう一人いたけどよ」

一方通行『じゃあなンでミスしまくってンだよ』

垣根「……………………」

一方通行『言えねェのか』

垣根「……おい、一方通行」

一方通行『なンだよ』

垣根「今から全く関係ない作り話をする。お前は何の先入観も無しに自分の意見を答えろ」

一方通行『唐突過ぎンだろ面倒臭ェな』

垣根「まぁ聞けよ」

一方通行『チッ、つまらなかったら切るからな』
326 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:44:56.37 ID:CaLo1ltq0
垣根「もしも、もしもだぞ?上条がお前のことを悪人呼ばわりして拒絶したら……お前はどうする?」

一方通行『諦める』

垣根「……やけにあっさりとした答えだな」

一方通行『あたりめェだ。自分でやっちまったもンはしょうがねェだろォが』

垣根「それはそうだけど……本当に何もしねぇのかよ?」

一方通行『謝りこそするか分からねェが、最低限の罪の責任としては受け取るだろォな』

垣根「責任……ね」

一方通行『まァコイツは俺の個人的な意見だ。あのヒーローなら、俺とは違うベクトルの答えを出すンだろォな』

垣根「…………上条、か」

垣根「……なぁ、一方通行」

一方通行『なンだよ』

垣根「悪人ってさ……休んじゃいけねぇのかな」
327 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:49:45.58 ID:CaLo1ltq0
一方通行『どォいう意味だよ』

垣根「悪人は罪の責任として『償い』をしなきゃならねぇ。そういう『壁』を越えなきゃならねぇんだ」

垣根「だけど、悪人だって疲れることは絶対にある」

垣根「そういう時、誰かにすがったり、甘えたり、励ましてもらったり……そういうことって、悪人はしちゃいけねぇのかな」

垣根「こういう都合が良すぎる自分を、誰かが正してくれたり、しねぇのかな」

一方通行『……知らねェよ、そンなこと』

垣根「…………だよな」

一方通行『……ま、でも俺は安らぎを感じることってのはあるけどなァ』

垣根「なに……?」

一方通行『俺は馬鹿みてェな「実験」で生み出されたクローン2万体の半数を、これまた馬鹿な「実験」で殺害した』

一方通行『それで俺が自分で決めた「償い」は、「今生きているクローンを命を懸けて守る」ことだ』

一方通行『これが俺の「償い」であって「壁」のはずなンだ。はずなのに、俺は』





一方通行『あいつらの笑ってる顔見てると、「こォいうのも悪くねェ」って思えちまうンだよ』
328 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/02(日) 20:54:42.38 ID:CaLo1ltq0
垣根「…………」

一方通行『笑えンだろ?自分の罪が招いた状況に安らぎを覚えるなンてよォ』

一方通行『でもよ、そォいうもンなンだよ』

一方通行『確かに「壁」は乗り越えなければいけねェ。でも、疲れて越えられませンでした、なンてのは許されねェ。「償い」ってのはそォいうもンだ』

一方通行『高い「壁」を乗り越えた時、その「壁」は自分を守る砦となる……なンてよく聞く言葉だけどよォ』

一方通行『たまには乗り越える前に「壁」に寄りかかって休んでみるのもいいもンだぜェ?』

垣根「…………」

一方通行『必死こいて償って、疲れたら休めばいい。オマエには既に乗り越えた「壁」があることを忘れンじゃねェよ』

垣根「…………ありがとよ。なんか、元気出た」

一方通行『ケッ』
336 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 22:39:51.69 ID:yIOlq7Cp0
~ファミリーレストラン ACQUA~

上条「――そうか、そんなことが……」

結標「何があったかは知らないけど、このままじゃマズいってことは確かね」

上条「あいつ、一体どうしちまったんだ……?」

ガチャ

一方通行「戻ったぞォ」

上条「一方通行!垣根の様子はどうだった?」

一方通行「何があったかは聞き出せなかったが、相当ネガティブになってるってこたァ分かった」

結標「ネガティブ?」
337 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 22:49:12.37 ID:yIOlq7Cp0
一方通行「何があったかはわからねェが、どうやらアイツには償わなきゃならねェ奴がいるみてェだな」

結標「なるほどね……大体読めてきたわ」

上条「え?どういうことだ?」

一方通行「ここまで聞いてわからねェのか?簡単なロジックだろォが」

上条「逆にこれだけでどうやって分かるのか上条さんにはさっぱりです」

結標「簡単なことよ。つまり……」

店長「『垣根帝督は、過去に初春飾利に償わなければならない"何か"をしてしまった』……こういうことであるな?」

上条「て、店長!?」

結標「あら、聞いていらしたんですか?」

店長「不本意ながらな」
338 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 22:53:29.27 ID:yIOlq7Cp0
一方通行「まァ俺の考えは店長と同じだ。垣根があンな調子になったのは、休憩室でその初春って女に会ったのが原因と見てほぼ間違いねェ」

店長「うむ。垣根帝督が昔暗部であったことや、初春飾利が風紀委員であることから見ても、その可能性は高いであろう」

上条「! 店長……垣根の素性を知ってたんですか?」

店長「店長が店員の素性を知らなくてどうする」

結標「その様子じゃ、私や一方通行のことも知ってるみたいですね」

店長「当然である」

一方通行「オイ待て。もう一つ重要な情報が出てきたぞ」

上条「へ?」

一方通行「その初春って女……『風紀委員』なンだな?」

結標「? ええ」

一方通行(……こりゃ、ひょっとしたらひょっとするかもしれねェなァ……)
339 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 23:02:06.27 ID:yIOlq7Cp0
一方通行「その初春って女、今日か明日にシフト入ってねェのか?」

結標「今日は入ってないけど、明日は夕方からシフトが入ってるはずよ」

一方通行「よし、じゃあ明日も来るからソイツに会わせろ」

結標「……何言ってんの?やっぱりアンタロリk」

一方通行「そォじゃねェよブッ殺すぞショタコン」

上条「明日って一方通行シフト入ってたっけ?」

店長「入れていなかったはずであるが」

一方通行「いやァ、いつか一緒に仕事するかもしれねェし、顔合わせは早い方が良いだろ」

結標「……ちょっと、まさかダイレクトに垣根との関係を聞くんじゃないでしょうね」

一方通行「そンな傷口を掘り返すよォな事はしねェよ」
340 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 23:09:08.43 ID:yIOlq7Cp0
結標「じゃあ何する気よ」

一方通行「後で教えてやらァ」

店長「……貴様のことだ、何か考えがあるのだろう?」

一方通行「もちろンです」

店長「……うむ。ならば、明日の午後8時10分頃ここに来ると良い。その時間帯ならば初春も休憩しているはずだ」

一方通行「ありがとうございます」

結標「ねぇ、明日は私休みだから何が起きてもフォローできないわよ?大丈夫なの?」

一方通行「何の心配をしてンだよ。会うだけだ。何もしねェよ」

結標「……信じるわよ?」

一方通行「あァ」

上条「???」←いまいち状況が掴めていない
341 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/05(水) 23:22:56.91 ID:yIOlq7Cp0
店長「ならば、作戦会議はここまでだ。そろそろ客入りが激しくなってくる」

上条「うわ、もうこんな時間か」

一方通行「さ、本来の目的を忘れちゃいけねェな」

結標「そうね」

店長「うむ。では皆、それぞれの仕事をしっかりやるのである」

上条一方結標「「「はい!」」」

ドリンクバーガナクナッテルワネ
ホジュウダサンシタァ
リョーカイ、ッテウワー!ジュースガギャクフンシャー!?

店長(……良い友を持ったな、垣根帝督よ)
347 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:03:17.10 ID:SHtwPaFD0
翌日 PM 12:13
~垣根宅~

垣根「今日もバイト休みか……」

垣根「なんか謹慎くらってるみたいで気分悪いな」

垣根「…………」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

一方通行『まァコイツは俺の個人的な意見だ。あのヒーローなら、俺とは違うベクトルの答えを出すンだろォな』

一方通行『必死こいて償って、疲れたら休めばいい。オマエには既に乗り越えた「壁」があることを忘れンじゃねェよ』

~~~~~~~~~~~~~~~~~

垣根「……よし」
348 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:16:15.01 ID:SHtwPaFD0
~とある高校~

上条「不幸だ……」

土御門「フッ、昼休みの購買は戦場なんだぜい、カミやん」

青ピ「幸も不幸もないってことやな!」

上条「笑い事じゃねーよ!今日昼飯抜きでバイトなんだぞ!?」

土御門「また学校抜け出して昼飯買って来ればいいんじゃね?」

上条「駄目だ。ゴリラとエンカウントしたら生きて帰れない」

上条(くそ、こうなったら姫神か吹寄に頼み込んで弁当を分けて貰うしか……)

Prrrrrrrrrr

青ピ「カミやん、電話鳴っとるで」

上条「ん……ああ、先行っててくれ」
349 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:24:41.65 ID:SHtwPaFD0
ピッ

垣根『よっ、上条』

上条「マナーモードにし忘れてただろうが!授業中に鳴ったらどうすんだよ!」

垣根『知らねぇよ!ただのお前の不注意だろうが!』

上条「まぁ今は昼休みだから良いけど……何か用か?」

垣根『ん、ああ……今から全く意味のない作り話をするから、お前の意見を聞かせろ』

上条「? いいけど……」

垣根『もしも、もしもだぞ?』

垣根『一方通行がお前に負けたことを根に持ってて、いきなり縁を切られたら……お前はどうする?』

上条「……難しい質問だな」

垣根『あまり先入観を持たずに答えてくれ』

上条「うーん……あの時は一方通行が悪かったから、もう一度説教して自分の考えを分からせる……かな」

垣根『……そうか』

上条「でも、相手が正しいと思ったら素直に謝って許してもらおうとすると思うよ、俺は」

垣根『……なるほど』
350 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:31:23.26 ID:SHtwPaFD0
垣根『とりあえず分かったことが1つある』

上条「なんだよ」

垣根『お前に「諦める」って選択肢はねぇんだな』

上条「……当たり前だろ。諦めるなんて自分から縁切るのと同じだ」

上条「そもそも、考えなんて食い違ってナンボだろ。『意見の一致』は『友情』じゃない」

上条「考えが違ったって、お互いの考えを分かり合おうとすることが大事なんだって俺は思ってるよ」

垣根『……』

上条「それで自分が間違ってるって気付いたら謝って許してもらう」

上条「それでも許してくれなかったら、許してもらえるまでもっと謝る」

上条「こうやって、考えが食い違って、片方あるいは両方が過ちに気付いて、謝って、分かり合って……俺は、これが『喧嘩』ってやつの流れなんだと思う」

垣根『喧嘩……ね』
351 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:35:05.52 ID:SHtwPaFD0
垣根『……それで、最後まで分かり合えなかったら……どうすればいいんだろうな』

上条「分かり合えないことなんてねぇよ。分かり合えないとしたら、それはどっちかが間違ってるか誤解があるんだ」

上条「間違ってるんならそれを分からせてやればいい。誤解があるならそれを解けばいい」

上条「人は絶対に分かり合える。お前が絶対に分かり合えないって思ってんなら、そんな幻想は俺がぶち壊してやる」

垣根『ははっ…………ありがとよ、上条』

上条「当然だろ、友達なんだから」

垣根『友達、か……』

垣根『……俺さ、お前らに甘えてたんだと思う』

垣根『俺、お前らといると楽しくて。お前らが俺みたいなクソ野郎を「友達」って呼んでくれるのが嬉しくってさ』

垣根『正直、お前らといる時は自分が犯してきた「罪」のことなんて忘れてた』

垣根『でも、それじゃ駄目なんだ』
352 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:38:42.13 ID:SHtwPaFD0
垣根『俺は今、自分の犯した「罪」の一つと向き合わなきゃいけない』

垣根『今まで目を逸らしてきた物と目を合わせなきゃならねぇ時が来たんだ』

垣根『でも、目線合わせるのって疲れるよな。俺、人の目とかあまり見ねぇから余計に疲れるわけよ』

垣根『今までは、疲れても俺はクソ野郎だからしょうがない、って言い訳して諦めてたけど』

垣根『昨日一方通行に言われて気付いた。そんなのはただの責任逃れだってな』

垣根『確かに「壁」は乗り越えなければいけねぇ。でも、疲れて越えられませんでした、なんてのは許されねぇ。「償い」ってのはそういうもんだ』

垣根『だからよ、上条。俺が疲れたら、その時は……』

垣根『お前の肩、貸してくれるか?』







上条「……当たり前だろ」
353 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/07(金) 23:42:21.28 ID:SHtwPaFD0
垣根『……よし、俺も腹括る。少しずつ償っていく。疲れたら休む』

垣根『……上条。お前が俺と初めて会った時に言った言葉……覚えてるか?』

上条「え?いや全然……」

垣根『「生きる意味がないってんなら探せ!一人じゃ見つからないってんなら俺も一緒に探してやる!テメェが今ここにいることが、テメェの中で一番大事なことなんじゃねぇのかよ!」』

上条「……やめてくれ、恥ずかしいから」

垣根『そうか?少なくとも、俺はお前のこの言葉に救われた』

垣根『そしてお前や一方通行にも手伝ってもらって……やっと見つけたんだ、俺の生きる意味。やっと、目標が出来たんだよ』

上条「へぇ……聞いてもいいか?」

垣根『フッフッフ、聞いて驚くなよ?』







垣根『――バイトで金貯めて、俺はこれまでの罪を全て償う旅に出る!』
358 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 18:45:39.10 ID:quBDPEEG0
PM 08:10
~ファミリーレストラン ACQUA~

カランカラン♪

一方通行「よォ、三下」

上条「お、一方通行」

一方通行「店長に挨拶してくる。今厨房にいるか?」

上条「ああ、客減ってきたとこだから余裕あると思う」

一方通行「わかった」



~厨房~

一方通行「こンばンは、店長」

店長「うむ。初春飾利は今休憩室で休憩しているところだ」

一方通行「ありがとうございます」
359 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 18:55:19.48 ID:quBDPEEG0
~休憩室~

ガチャ

初春「あ、お疲れ様です――――って、え?」

一方通行(……予想通り。その頭の花畑、忘れやしねェぜ)

一方通行「よォ。初めまして、じゃねェンだが……分かるか?」

初春「……あ、あなたはもしかして……第1位の……!」

一方通行「ンー、そォいう思い出し方を期待してたンじゃねェンだが……」

初春「学園都市でも7人しかいない超能力者の頂点…………一方通行!?」

一方通行「ご名答ォ」
360 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 19:01:05.75 ID:quBDPEEG0
初春「だ、第1位さんがどうしてこんなところに!?」

一方通行「決まってンだろ、ここでバイトしてンだよ」

初春「バイト!?第1位なのにですか!?」

一方通行「あァ?第1位はバイトしちゃいけないンですかァ?」

初春「い、いえ、そんなことは……」

一方通行「あー悪ィな。目つきが悪いのは生まれつきだ」

初春「は、はぁ……」

一方通行「まァ、シフトが被ったりした日には宜しくお願いしますってなァ」

初春「あ、はい!よ、よろしくお願いします!」
361 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 19:26:16.99 ID:quBDPEEG0
一方通行「えェと、初春、でいいか?」

初春「あ、はい!えぇと、そちらはなんとお呼びすれば……」

一方通行「一方通行(アクセラレータ)で構わねェよ」

初春「はい、分かりました一方通行さん」

一方通行「それと、オマエに感謝しておきたい事があってなァ」

初春「へ?」

一方通行「オマエだろ?打ち止めをあのメルヘン野郎から匿ってくれたのは」

初春「打ち止めって……ああ、あのアホ毛ちゃんですね!」

一方通行(『アホ毛ちゃん』って……)

初春(あれ?アホ毛ちゃんのことで感謝されるってことはこの人はアホ毛ちゃんの保護者ってことで……)

初春(初めましてじゃないってことはつまり……)

初春「ああああああああああああッ!!あなた、あの時の!!」

一方通行「遅ェよ」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/10/09(日) 20:44:04.27 ID:g0duVc36o
どうした?
363 :やべえ、また寝てた ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:15:58.03 ID:quBDPEEG0
初春「ちょ、え、あ、か、感謝するのは私の方ですよ!い、命を助けていただいたんですから!」

一方通行「何言ってンだよ。オマエだって打ち止めの命を助けてくれただろォが」

初春「それは、風紀委員として当然のことをしたまでで……」

初春「……あれ?さっき言っていたメルヘンさんもこちらでバイトしてますよね……?」

一方通行「(『メルヘンさん』って……)あァ、してるな」

初春「えぇと、その……お二人は、敵同士ではないんですか……?」

一方通行(おォ?コイツはチャンスか?)

一方通行「ンーまァ昔は敵同士だったけどなァ。あの時は虐殺しちまったが今は仲直りした」

初春「虐殺!?仲直り!?」

一方通行「まァ一時期はアイツもグチャグチャになったり冷蔵庫になったり大変な思いをしたンだぜェ?」

初春「グチャグチャ!?冷蔵庫!?」
364 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:17:06.30 ID:quBDPEEG0
一方通行「そォいうこともあって今はアイツもすっかり更正して――」

初春「」←脳の処理が追いつかない

一方通行「………………アレ?おーい、初春さーン?」

初春「」

一方通行「…………………………やべェ」ダラダラ

初春「」

一方通行「おいィィィィィィ!!初春ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!戻って来ォォォォォい!!」ユサユサ

初春「」

一方通行「………………どうすンだよコレ」

一方通行「……と、とりあえずベッドで寝てるってことにして―――」

ガチャ

結標「…………」

一方通行「」
365 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:17:45.54 ID:quBDPEEG0
結標「……初春の肩掴んで何してんの?」

一方通行「……い、いや、これはだなァ……」

結標「しかもそれ、明らかに初春気絶してるでしょ」

一方通行「……なンでだろォねェ」

結標「アンタのせい以外にないでしょうがああああああああああああああああッ!!」

一方通行「お、おい待t」ヒュン


キャーヘンタイー!
オレハヘンタイジャネェー!


結標「……信じてたのに」
366 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:18:14.17 ID:quBDPEEG0
~数分後~

一方通行「…………」←正座

結標「…………」←(^ω^#)

初春「」

結標「……で?初春の肩掴んで何してたわけ?」

一方通行「……いやァ、ソイツが突然気を失ったから肩を揺らして意識の確認を……」

結標「ふーん」

一方通行「……いや、マジなンですけど」

結標「そもそも何で初春が気絶したのよ」

一方通行「生まれ変わった垣根くンについて説明してただけです」

結標「どんな説明したらこんなになるの?」

一方通行「詳しくは書き込みを3つほど遡れ」

結標「メタネタはやめなさい」
367 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:19:10.17 ID:quBDPEEG0
初春「…………う、ううん…………あれ……?ここ、お店……?」

結標「あら、初春気がついた?」

初春「…………あれ?結標さん?確か今日は休みじゃ……?」

結標「この馬鹿が何かやらかしそうで不安だったから来たのよ。そしたら案の定アンタがこの馬鹿のせいで気絶してたってわけ」

一方通行「馬鹿じゃねェし俺第1位だし」

初春「気絶……?うーん、一方通行さんに挨拶したところまでは覚えてるんですけど……」

結標「思い出さなくていいわ多分ロクなことじゃないから」

初春「そう言われると逆に気になっちゃいますね」

一方通行「大丈夫だ、ちょっと冷蔵庫の話をしただけだから」

初春「れ、冷蔵庫……?」

結標「そんなことよりほら、休憩そろそろ終わりじゃない?」

初春「ああッ!そ、そうでした!お仕事してきますー!」タタタタ...
368 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:20:06.65 ID:quBDPEEG0
バタン

結標「……で?本当にただ会ったわけじゃないんでしょ?」

一方通行「あァ。これで確信が持てた」

結標「何の?」

一方通行「垣根と初春の関係だ」

結標「……ふーん?聞かせてもらおうじゃない」

一方通行「オマエも記憶に新しいはずだぜェ?少なくともあの第10学区の少年院で『ブロック』の連中とやり合ったことはよォ」

結標「……随分懐かしい話を持ち出してくるじゃない」

一方通行「まァ、あの事件は直接は関係ねェ。問題はその先だ」

結標「その先、って……『ピンセット』?」

一方通行「あァ」
369 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:20:40.30 ID:quBDPEEG0
一方通行「少年院の件の後、電話の男から『最終信号の命の危機に関する情報』ってヤツを聞いてなァ」

一方通行「件の喫茶店に行ってみりゃあ、メルヘン野郎が初春を踏みにじりやがってると来た」

一方通行「後で聞いた話によると、打ち止めが俺のことを探してて、それを初春が風紀委員として手伝ってたらしくてなァ」

一方通行「そンで、疲れたってンで喫茶店に入ることにしたらしい」

一方通行「そこで打ち止めが席を立っていた時……垣根が現れた」

一方通行「垣根は初春に打ち止めの居場所を聞いたが、初春は答えなかった。当然垣根は力で屈服させよォとするなァ」

一方通行「だが、初春は垣根の暴力に屈せず最後まで打ち止めを匿おうとした」

一方通行「そこで運良く俺が間に合って、垣根を潰して『ピンセット』を回収してきたワケだ」

結標「事情はわかったけど絶対に途中から武勇伝になってたわよね」
370 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:21:31.85 ID:quBDPEEG0
一方通行「簡単に言えばこンなとこだなァ」

結標「じゃあ、ここで初春と垣根が会ったってことは……」

一方通行「あァ……正義感の強い初春のことだ、垣根を責めてもおかしくねェ」

結標「なるほどね……」

一方通行「さて、だいぶ面倒臭ェことになってきたワケだが」

結標「そうね……私怨絡みってことはやっぱり2人の間の問題ってことになるし……私たちが仲裁できる話じゃないわ」

一方通行「それに、初春が垣根を素直に許すかどうかも分からねェ。俺は会ったばかりだから初春のことは何も知らねェし」

結標「まぁ、全ては垣根の態度次第よね……」

一方通行「……しょうがねェよ。罪を犯した『責任』だ。アイツはこれを背負わなければならねェンだよ」

結標「私たちが言える事じゃないけど……その通りね」
371 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:22:19.37 ID:quBDPEEG0
PM 11:13
初春「お疲れ様です~」

上条「おう、お疲れさん!」

一方通行「さァて、明日は俺もシフト入ってるしそろそろ帰るかねェ」

結標「おつかれ。初春は明日入ってたっけ?」

初春「私は明日はお休みですね。まぁ、風紀委員の仕事に追われると思いますけど……」

上条「すごいな、中学生でバイトも風紀委員もやってるなんて。俺なんて学校の補修受けるので必死なのに」

初春「そんなことないですよ?この仕事も風紀委員も好きでやってますから」

上条「労働者の鑑だな……うちの居候にも見せてやりたいよ、全く」

初春「そ、そんなことないですよぉ。私、風紀委員でも大した仕事できてなくて……」

上条「何言ってんだよ、両立して学校も行ってる時点で十分スゲーって」

一方通行(オマエはオマエで年中無休でフラグ立ててンじゃねェか……どっちが働き者だよ)
372 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:23:31.08 ID:quBDPEEG0
初春「それでは、皆さんお疲れ様でした」

バタン

一方通行「……で?垣根が明日になっても元に戻ってなかったらどォすンだよ」

結標「それは……困るわね」

上条「大丈夫。あいつのことだし、きっともう元に戻ってるよ」

一方通行「何を根拠に言ってンだよ」

上条「……なんとなく」

一方通行「それになァ、元に戻ってたとしてまた初春と何かあったらどォすンだよ」

上条「『また』?ってことは、何があったのか分かったのか!」

一方通行「……あァ、コイツは知らねェンだっけか」

結標「人の事情を広めるのは気が進まないけど……まぁ、仕方がないし説明してあげなさいよ」
373 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:24:08.26 ID:quBDPEEG0
上条「ええええええええ!?垣根が殺害しようとした風紀委員が初春だったあああ!?」

一方通行「声がでけェよ!外に聞こえたらどォすンだ!」

上条「わ、悪い!」

結標「……そんなに驚くような話だった?」

上条「いや、だって実際こんな巡り合わせなんて珍しいだろ。不思議な縁もあるもんだなぁ……」

一方通行「まァ、そォいう深い事情があるンだ……この溝は簡単には埋まらねェぞ」

上条「た、確かに……」

結標「だからこうして頭を抱えてるってわけよ」
374 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:25:07.41 ID:quBDPEEG0
上条「……あれ、待てよ?垣根のシフトが朝で初春が夕方ってことは基本的に二人のシフトが被ることはないんじゃ……?」

一方通行「それもそォだが、今保留にしたところで4ヶ月持たねェだろォな。長期休暇中はどう頑張ってもシフトが被る」

結標「それに、店長が急用で人手が足りない時なんかはどっちか呼ぶこともあるし……」

上条「でも、今どうするかは決めてないんだろ?」

結標「それはそうだけど……」

上条「じゃあ今ここで気を揉んでてもしょうがないんじゃないか?垣根の様子も分からないんだし……」

一方通行「……しょうがねェな」

結標「そうね……じゃあ垣根が明日元に戻ってたらこの件は保留ってことにして、その後のことはシフトが被ってから考えましょう」

上条「そうだな」

一方通行「夏休みまでに何か考えておかねェとな……」
375 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/09(日) 21:25:40.33 ID:quBDPEEG0
~厨房~

店長「我輩はずっと皿洗いをしていたのである」

店長「決して作者が存在を忘れていたとか話を盗み聞きしていたとかそんなのではない」

店長「我輩はこの通りずっと皿洗いをしていたのである」

店長「話に交ぜると面倒になるから書かなかったとかそんなのではない」

店長「もう一度言う。我輩はずっと皿洗いをしていたのである」

店長「ぶっちゃけアックア店長設定とか何番煎じだよとかそういうのではない」

店長「我輩は皿を洗っていただけである」

店長「本当である」

386 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:26:49.79 ID:v7LduSO/0
翌日 AM08:24
~ファミリーレストラン ACQUA~

垣根「おはよーございます!」

店長「うむ、今日も時間通りで結構である」

結標「あら、3日前の垣根はどこへ行ったのかしら?」

垣根「フッフッフ、人間、目標ができると変わるもんだぜ!」

店長「そうであるな。今の貴様は以前よりも良い顔をしている」

垣根「マジっすか?いやーやっぱりわかる人には分かっちゃうもんなんすかねー」

結標「調子に乗るな」

垣根「チョ、チーフマジッスカwwwwwwww」

結標「ウザい」

垣根「ごめん」
387 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:27:50.70 ID:v7LduSO/0
AM 11:01

一方通行「こンちゃーす」

結標「ちょっと遅いわね。さっさと着替えてきなさいよ」

一方通行「へいへい。そンなことより、垣根の様子はどォだったンだよ?」

結標「至って正常ね。強いて言うなら前よりウザくなったわ」

一方通行「そォか……」

結標「あら、残念そうね?」

一方通行「ン、あァ……安心したっつゥか拍子抜けしたっつゥか……」

結標「昨日まで意味もなくジタバタしてたものね」

一方通行「意味もなく女子トイレに飛ばされたりしたンだが」

結標「誰のせいよ」
388 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:28:22.34 ID:v7LduSO/0
一方通行「何はともあれ、この件はひとまず保留みてェだな」

結標「まぁいいじゃない。店長が急用とかで外出しない限りは垣根と初春が会うことはないんだし」

一方通行「次にそォなるまでには何か考えておかねェとなァ……」

店長「一方通行。四方山話はその辺にして、さっさと着替えて来るのである」

一方通行「あ、はい。すいませン」

垣根「おろしハンバーグできたぞー」

結標「あ、はいはい。今行くわ」

店長「ああそうだ、結標淡希よ」

結標「? なんですか?」

店長「我輩は15時から用事で外出するので、他の誰かに連絡して厨房に入ってもらってくれ」

結標「」

一方通行「」
389 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:29:20.37 ID:v7LduSO/0
一方通行「言ってる矢先にこれかよ……」

店長「すまんな。どうしても外せない用事なのである」

結標「いや、店長を責めてるわけじゃないんですけど……」

一方通行「実際どォすンだよ。初春の他の厨房担当はいねェのか」

結標「一応いるけど……残念ながら怪我で入院中よ」

一方通行「クソッ、タイミング悪ィな」

結標「……やっぱり」

一方通行「……初春を呼ぶしかねェか」
390 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:29:48.59 ID:v7LduSO/0
~厨房~

一方通行「……ってわけなンだが。オマエ、アイツと会って大丈夫か?」

垣根「あーダイジョーブダイジョーブ。夜とか俺一人で回せねえし、人は多い方が良いだろ」

結標「……本当に大丈夫なんでしょうね?今日は私も15時で上がるわよ」

垣根「大丈夫だろ。上条もいるし」

一方通行「それが余計に不安なンだよ」

垣根「黙って仕事やってりゃあ変なことは起こらねーって」

一方通行「オマエが言うと説得力ねェンだよ」
391 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:30:28.30 ID:v7LduSO/0
垣根「それにさ、俺決めたんだよ。もう逃げるのはやめようって」

垣根「俺はあの子に言わなきゃならねぇことがあるからな、丁度いいだろ」

一方通行「……オイ、まさか」

結標「正面切って謝る気?」

垣根「……ああ」

一方通行「……それはちょっと、無茶しすぎじゃねェか?」

垣根「そんなことねーよ」

結標「だって、謝ったところで許してもらえる保障もないのよ?」

垣根「だったら許してもらえるまで償うまでだ」
392 : ◆8sqEhIZQGI[sage]:2011/10/17(月) 00:31:21.47 ID:v7LduSO/0
一方通行「……オマエ、本気か?」

垣根「ああ」

一方通行「……ならしょうがねェな。俺が膳立てしてやらァ」

垣根「!」

結標「ちょっと、本当にいいの?またこの前みたいな状態になったら……」

一方通行「そン時は、俺たちが努力すりゃ済む話だ。元に戻るまで、いくらでもな」

垣根「一方通行……」

結標「……しょうがないわね。私も場をセッティングしてあげるわよ」

垣根「結標……」

結標「ただし!謝るからにはちゃんと仲直りしてきなさいよ?」

垣根「…………当然!」

399 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 20:41:47.33 ID:gMwY/yer0
PM 02:30
~風紀委員177支部~

白井「はぁ……ただでさえ新学期で忙しいのに、この仕事の量は何なんですの……」

初春「まぁまぁ。仕事が終わったら御坂さんと喫茶店に行く約束してあるじゃないですか」

白井「……それが初春も一緒でなければ、もっとやる気も出たんですけれど」

初春「ふふん、何せ今日行くところのパフェはですね――」

Prrrrrrrrrrrr

白井「携帯、鳴ってますわよ」

初春「そうですね……ちょっと出てきますね」

ガチャ
バタン
ピッ

結標『もしもし、初春?』

初春「あれ、チーフ?今はバイト中じゃ……」
400 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 20:44:44.77 ID:gMwY/yer0
結標『それがね、店長が急用で抜けることになっちゃって。代わりに初春、入れない?』

初春「すいません。今、風紀委員の仕事中で……」

結標『他の人に言って休めないの?』

初春「他の人にはバイトのことは秘密なので……」

結標『あ、そうだったっけ……参ったなー、他に入れる人いないんだけどなぁ』

初春「うーん……あ、もしかしたら上手く休めるかもしれません!」

結標『ホント?』

初春「はい!ちょっと交渉してきます」
401 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 20:50:34.61 ID:gMwY/yer0
ガチャ

白井「あら、初春。電話はもう終わったんですの?」

初春「すいません、白井さん。ちょっと急用ができてしまって……仕事が続けられなさそうなんです」

白井「……この量を全部私に押し付ける気ですの?」

初春「あ、そういえばこのまま帰ると私パフェが食べられなくなっちゃうんですね。寂しいなー」

白井「!!」

白井(初春が急用で帰る→1人で仕事を終わらせる→ お 姉 様 と 2 人 っ き り で デ ー ト ! ? )

白井「フ……構いませんわよ初春。いってらっしゃいな」キリッ

初春「えぇ、いいんですかぁ?」

白井「ええ、私もそこまで鬼ではありませんの」キリッ

初春「すいませんねぇ。ではお先に失礼しますー」

初春(計画通り)
402 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 21:05:08.06 ID:gMwY/yer0
ガチャ
バタン

初春「ってことで、許可とれました!今からそっちに向かいます!」

結標『初春って……結構、黒いわよね』

初春「嫌ですねぇ、私は色白肌を売りにしてるんですよ?」

結標『……ああ、うん。そうね……』

初春「あ、あとでパフェ奢ってくださいね」

結標『やっぱあざとい!』
403 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 21:08:22.72 ID:gMwY/yer0
~ファミリーレストラン ACQUA~

結標「今から初春がこっちに来るわ」

一方通行「よし、じゃあオマエはもォ休憩室に入っとけ」

垣根「え?その間誰が厨房やるんだよ」

一方通行「俺が何とかする」

結標「……良い予感が全くしないんだけど」

一方通行「オマエに任せるよりはマシだろ」

結標「う、うるさいわね!これでもちゃんと練習してるわよ!」

垣根「……なんていうか、とりあえず把握した」
404 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/23(日) 21:15:26.88 ID:gMwY/yer0
~休憩室~

一方通行「とりあえず初春が来るまでここで待ってろ」

垣根「ああ」

一方通行「初春が来たら後は休憩室には誰も入らせねェから落ち着いてゆっくり話せよ」

垣根「……なんか、悪いな。ここまでしてもらって」

一方通行「オマエに皿バンバン割られるよりかはこっちの方が断然楽だっつゥの」

垣根「……返す言葉もねぇよ、畜生」

一方通行「じゃあとりあえず俺は厨房に入ってくる。ここまでしてやってンだからしくじるンじゃねェぞ」

バタン

垣根(……何だよ、第1位だからって何もあんなに格好良くなくても――)

ガチャ

一方通行「ところで厨房って何すればいいンだ」

垣根「オチをつけるな」
411 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:21:26.66 ID:uL4XBO3W0
PM 02:49

カランカラン♪

初春「お疲れ様ですー」

結標「ごめんね、急に仕事入れちゃって」

初春「いえいえ」

結標「今はお客さん少ないから、ちょっとはのんびりしても大丈夫よ。私はそろそろ上がらなきゃだけど」

初春「まぁそのうち上条さんも来るでしょうから」

結標「それもそうね」

初春「じゃあ、着替えてきますね」

結標「ええ」

結標(頑張りなさいよ……垣根)
412 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:23:08.22 ID:uL4XBO3W0
ガチャ

バタン

一方通行「……行ったか」

結標「……ええ」

一方通行「さ、ここからは俺たちの仕事だなァ」

結標「そうね……とりあえず、休憩室には誰も入れさせないようにしないと」

一方通行(……舞台は整えたンだ。後はオマエの気持ち次第だぜ、垣根よォ)

上条「こんにちはー」

一方通行「変なタイミングで入ってくンなよオマエは」
413 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:23:57.20 ID:uL4XBO3W0
~休憩室~

ガチャ

垣根(来た……!)

バタン

初春「…………」スタスタ

垣根(……さすがに挨拶くらいはするかと思ってたが無視か……こいつは相当嫌われてるらしいな)

垣根「お疲れ様」

初春「……お疲れ様です」

垣根「……あのさ、ちょっと話したいことがあるんだけど」

初春「……私、着替えなければいけませんので」

垣根「時間はとらせない。少し話を聞いてくれればいいんだ」

初春「…………」

垣根「頼む」

初春「…………わかりました」
414 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:24:49.50 ID:uL4XBO3W0
初春「…………それで、話っていうのは――」

垣根「悪かった!!」

初春「!」

垣根「去年、あんなことしてすまなかった!あんなことをしてて悪かった!」

初春「…………」

垣根「弁解するつもりはねぇ!する余地もねぇ!謝っても許されることじゃないのは分かってる!けど!」

垣根「俺は償いたい!自分が犯したこの罪を!」

垣根「だから――――!」

初春「……もう、いいですよ」
415 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:25:20.20 ID:uL4XBO3W0
初春「……もう、いいんです。分かりましたから……。あなたの言いたいことは、分かりましたから」

垣根「…………違う。俺は、ただ――」

初春「償ってくれるというなら、もう私にあまり関わらないでください。バイトをするのは勝手ですけど」

垣根「……俺はもう暗部から足を洗った。それでも、関わりを持っては駄目なのか」

初春「はい。そういう問題じゃないですから」

初春「私、単純に……怖いんです、あなたが」

垣根「ッ……!」

初春「だから、許す、許さないっていう関係自体を断ち切ってしまえばいいんです」

初春「お互いに関わりを持たない。それでいいじゃないですか。そうすれば、あなたも罪に苦しむことはないでしょう?」

垣根「………………」
416 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:26:53.17 ID:uL4XBO3W0
垣根(……違う。そうじゃない。それは、根本的な解決になってない)

垣根(こんな答えが返ってくるってのは、ハナっから俺は信用されてねぇってことだ)

垣根(……まぁ、こんなクソ野郎を信じろ、ってのも無理な話だけど)

垣根(とにかく、このままじゃ終われない。終わっちゃいけない)

垣根(これは……最悪の終わり方だ)

垣根「……絶対に、何があっても償うって言ってもか?」

初春「……私は別に、償って欲しいんじゃないです。トラウマを掘り返されたくない、というか……」

初春「私にとって、あなたに暴力を振るわれたことはトラウマですから。トラウマそのものであるあなたと関わるのは……当然、避けたいです」

垣根「俺が、足洗ったって言ってもか」

初春「……はい」

垣根「それは、俺を信用できないってことか」

初春「……ありていに言ってしまえば、そういうことです」
417 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:28:13.12 ID:uL4XBO3W0
垣根「…………」

初春「……言いたいことはそれで全部ですか」

垣根(クソッ……!駄目なんだ、このままじゃ!これじゃあ何も解決しない!)

垣根(何か……!何かねぇのか!誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドってやつを……そんな結末を作れる切り札は、何かねぇのか!)

初春「……それでは、私は仕事がありますので」

垣根(……もう、駄目なのか……?一度道を踏み外しちまったら、もう元には戻れねえのか……?)

初春「……それでは――――」


ガチャ


佐天「うーいーは-るーっ!元気にやってるかーっ?」

初春「」

垣根「」



垣根(なんでだァァァァァァァァァァァァァあああああああああああああああ!!)
418 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:29:31.61 ID:uL4XBO3W0
垣根(っていうかこの女どこから侵入しやがった!?休憩室へのドアは一方通行が封鎖してたはずじゃねぇのか!?)

初春「さ、佐天さん、どうしてここに……?」

佐天「やー、たまたまこの辺通りかかったから初春今いるかなーって思ってさ、外で掃除してる店員さんに聞いたら今休憩室にいるって言ってたから裏口から侵入しちゃった」

垣根(裏口……だと……?この意味不明なドア、裏口だったのかよ!?)

佐天「まぁ、初春も元気そうで何より――――」

佐天「…………」

垣根「…………」

佐天「あ、ああああああああああああああああッ!あなた、あの時の!」

垣根「……ハハ、グーゼンダネー」
419 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:30:13.79 ID:uL4XBO3W0
佐天「垣根さん!垣根帝督さんですよね!」

初春「……え?佐天さん、この人のこと知ってるんですか?」

佐天「当ったり前じゃん!だってこの前私を不良から助けてくれたのって、この人だもん!」

初春「ええええええええええええええええッ!?」

垣根「……また面倒なことに」

初春「あ、あの!佐天さんのことを助けてくれて、本当にありがとうございます!彼女、私の親友なんです!」

佐天「やめろってー、照れるじゃん」

垣根(……ああ、なるほど。この子の顔が初春と重なって見えたのはそういうわけだったのか……)

初春「それにメールアドレスまで交換してくれたんだそうで。よかったら、ずっと佐天さんと仲良くしてあげてくださいね」

佐天「あんたは私のママか」
420 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:30:52.69 ID:uL4XBO3W0
佐天「っていうか、すごい偶然ですよね!偶然道端で助けてくれた人が、まさか親友の同僚だなんて!」

垣根「うん、そうだね……」

初春「いやぁ、世間って狭いものですねぇ」

コンコン

結標『初春ー、着替えまだ?そろそろ入ってくれないと一方通行がパンクしそうなんだけど』

初春「ああッ!そうでした!すみません、急いで着替えてきますー!」タタタ…

バタン

佐天「ふふふ……可愛いですよね、初春」

垣根「……まぁ、普通に可愛い部類に入ると思うけど」

佐天「あれ、年下は好みじゃないですか?」

垣根「その辺のこだわりはそんなにないけど……ま、まだ対象外って感じだな」

佐天「そうですかー、少し残念」

垣根「……」
421 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:31:24.35 ID:uL4XBO3W0
佐天「あの、垣根さん」

垣根「……何?」

佐天「あの子、さっきああ言ってましたけど。私からもお願いします」

佐天「初春と、ずっと仲良くしてあげてください」

垣根「―――――」

佐天「あの子、体は弱いけどすごく芯が強くって。根詰めすぎて無茶しちゃう時とかがあるんです」

佐天「だからそういう時、垣根さんみたいな人が側にいてくれたら……すごく頼りになるんじゃないかな、って思って」

垣根「…………わかった」

佐天「ありがとうございます」
422 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:31:54.21 ID:uL4XBO3W0
佐天「さーて!初春もこれから仕事みたいだし、今日はこの辺で帰りますね!」

垣根「あれ、初春待たなくていいのか?」

佐天「大丈夫ですよ、心はいつも繋がってますから!」

垣根「……心が繋がってる、ね」

佐天「惜しむらくは今日の初春のパンツを確認してないことだけど……ま、今日は垣根さんに免じて許してやるかな!」

垣根(パンツを確認……?)

佐天「じゃ、お疲れ様でした垣根さん!お仕事、頑張ってくださいね!」

垣根「ああ、気をつけて帰れよ」

佐天「ありがとうございましたー」
423 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:32:20.38 ID:uL4XBO3W0
ガチャ

初春「ふぅ……あれ、佐天さん帰っちゃったんですか?」

垣根「ああ。仕事が始まると思って気を遣ったみたいだ」

初春「そうですか……」

垣根「いい友達だな」

初春「はい。親友ですから」

垣根「親友……か」

初春「はい。大好きな大好きなお友達です」

垣根「羨ましい限りだ」
424 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:33:00.65 ID:uL4XBO3W0
初春「……私、あなたのことを信じてみることにしました」

垣根「!」

初春「あなたのことを許したわけじゃないですけど……でも」


初春「でも、佐天さんが信用した人なら……私も信用します」


垣根「……そうか。ありがとな」

垣根(こりゃ、佐天って子に感謝だな……)

初春「それで、あなたのことは何て呼べば良いですか?」

垣根「好きに呼んでくれ」

初春「分かりました。じゃあ早いとこ厨房に入りましょうか、垣根さん」

垣根「そうだな、初春」


~ロビー~

上条「さっさと着替えたいんだけど……」
425 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:33:28.52 ID:uL4XBO3W0
~厨房~

一方通行「」プシュー

垣根「……」

初春「……」

結標「あーあ、だから言ったのに。早く来ないとパンクするって」

一方通行「」プシュー

垣根「アーメン」

初春「なむあみだぶつ」

一方通行「まだ死ンでねェよ!」ガバッ
426 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:34:19.85 ID:uL4XBO3W0
PM 10:55

店長「うむ、今日は皆ご苦労であったな」

一方通行「本当ッスよ全く……」

垣根(気持ち悪っ)

上条「でも慣れてきたとはいえ、やっぱり仕事っていうのは大変だなー」

一方通行「特にオマエは人一倍な」

店長「そして初春飾利よ、今日は急に仕事を入れてすまなかったな」

初春「いえいえ。おかげで今日はとっても良いことがありましたから!」

上条「……」チラッ

一方通行「……」チラッ

垣根「えっ、なんで皆俺の方向くの」
427 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:35:10.34 ID:uL4XBO3W0
~帰路~

一方通行「ま、良かったじゃねェか。初春と仲直りできて」

垣根「ありゃ仲直りでも何でもねーよ。ちょっと猶予を貰えただけだ」

上条「それでも良かったじゃねーか。きっとあのままだったらお前は何回も心が折れてたと思うぞ」

垣根「就職ってのは働くことより大変なことが沢山あるんだな……」

一方通行「いい社会勉強になったじゃねェか」

垣根「ああ……裏社会とはまた違う大変さがある」

垣根「表で生活するのも悪くはねぇが、裏より楽かっていうとそうでもねぇし」

一方通行「人生っていうシステムがそォいう風にできてンだよ」

垣根「『仕事の原理』と同じだな。どんな道筋を通っても、苦労の量は変わらないってわけだ」

垣根「もっとも、今回のことは人より大変な思いをした気がするけどな……」

一方通行「だから、ソイツは『働くこと(仕事)』とは別なンだろ?」

垣根「それで上手いこと言ったつもりか。座布団100枚だクソったれ」



                                             SCENE2 ~fin~
428 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/10/29(土) 22:35:37.49 ID:uL4XBO3W0
【オマケ④】
―その頃の結標淡希―
~月詠家~

小萌「そこで醤油なのです!」

結標「え、ええと、醤油ってどれだっけ?」

小萌「これです!」

結標「わ、わかったわ!」ドバー

小萌「結標ちゃん!それはソースです!」

結標「え!?あ、こっちが醤油ね!」ドバー

小萌「どっちもかけちゃったらすごく味が濃くなっちゃいますよ!」

結標「あー!そうだった!」

小萌「お肉が焦げてます!火を止めてください!」

結標「もう!なんで野菜炒めってこんなに難しいのよ!」

――――結標淡希は未元物質を生成していた――――
443 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:19:47.27 ID:EMPTjB4o0
SCENE3 インデックス「ショートショートなんだよ!」
①店長の事情

―今日は珍しくファミリーレストラン ACQUAはお休みです―

~ファミリーレストラン ACQUA~

店長「……………………」

店長「……ふむ、客のいないファミレスというのもまた乙なものであるな」

店長「……平和である」

「フン。こちらは貴様がいないせいで、随分と平和から遠ざかってしまったものだがな。特に第三王女が」

店長「……何の用だ。そして勝手に入ってくるな」

「旧友に向かって随分な物言いだな」

店長「そちらこそ、減らず口は相変わらずであるな――――我が友よ」

騎士団長「まぁ、勝手に店内に入ったことに関しては詫びてやろう」
444 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:21:08.71 ID:EMPTjB4o0
店長「どうやって我輩の居場所を突き止めた」

騎士団長「『騎士派』の力を見くびらぬことだな」

店長「……また、権力の無駄遣いであるか」

騎士団長「何が無駄なことか。さっきも言ったが、貴様が一向に帰らぬせいで第三王女も心穏やかではない」

騎士団長「貴様、いつまでこの都市に身を収めているつもりだ」

店長「……誰のせいで英国に帰れないと思っている」

騎士団長「……………………ハハハ、ナンノコトダ」

店長「まさしく貴様のせいであろうが!」
445 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:22:12.30 ID:EMPTjB4o0
騎士団長「責任転嫁は良くないぞ、我が友よ」

店長「黙れ!貴様が我輩の伝言に余計な脚色をしてくれたせいで、帰るに帰れなくなってしまったのである!」

店長「大戦が終わったら何食わぬ顔で帰ろうと思っていたのに、なんだあれは。現在『騎士派』の者が総力を上げて挙式の準備をしていると聞くぞ。どうしてくれる」

騎士団長「……何て言うか、正直、すまんかった」

店長「こちらは全く心の準備ができていない上に、大戦のときにアスカロンに埋め込んでいた『盾の紋章』まで失くしてしまったのだぞ……このまま帰ったら、間違いなくあの人に泣かれる」

店長「とにかく我輩は英国に帰る気はない。帰ってほしいのならば、まず第三王女の誤解を解くところから始めるのだな」

騎士団長「………………ククククク……ハーッハハハハハハ!!」

店長「何が可笑しい!」

騎士団長「久しぶりに会ったと思えば……随分と口が多いな、我が友よ。語らぬ傭兵が随分と変わったものだ」

店長「!」

騎士団長「それに、いつから貴様は自分のことを『我輩』などと高貴に呼ぶようになった?」

店長「……答える義理はない」
446 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:23:32.95 ID:EMPTjB4o0
騎士団長「大方、傭兵崩れのごろつきが王室に相応しい身になるためのささやかな努力、といったところであろうな」

店長「…………」

騎士団長「まぁささやかな努力も結構だが、今の貴様は弱い。その身体では第三王女を守ることなどできまい」

店長「…………」

騎士団長「良い医師と魔術師を紹介してやる。さっさと身体を治し、花婿修行をした上で英国に帰ってくると良い」

店長「……義理堅いのか押し付けがましいのか分からぬ奴だな」

騎士団長「失礼な、私はいつでも押し付けがましいぞ」

店長「余計性質が悪い」

騎士団長「フン、これくらいでなければキャーリサ様の側近などやっていられんよ」
447 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:25:03.23 ID:EMPTjB4o0
店長「それで、結局何の用であるか。まさかそのようなくだらん話をするためにわざわざ学園都市まで来たわけではあるまい」

騎士団長「くだらんとは何だ。せっかく人が背中を押してやっているというのに……」

店長「そんな話は手紙でも電話でも済む話だろう。時間を掛けてここまで来たということは、何か渡すものでもあるのだろう?」

騎士団長「勘が良いのは相変わらずか。さながら狐のような察しの良さだな」

騎士団長「貴様の思っている通り、今回は3つの用件で貴様を訪ねた」

騎士団長「1つ目は、さっき話した通りだ。良い医師と魔術師を紹介するから、さっさと身体を治せ」

店長「そう言うなら連絡先のの一つでも寄越すべきではないのか」

騎士団長「その必要はない。近いうちにそう名乗る者が貴様の元へ現れるはずだ。その者が医師についても教えてくれるだろう」

店長「……どこまでも押し付けがましいな、貴様は」

騎士団長「今更だな」
448 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:25:58.60 ID:EMPTjB4o0
騎士団長「2つ目だが……ある者から貴様に手紙を渡すよう頼まれている」

店長「ある者……?」

騎士団長「私も詳しくは知らん。人づてに頼まれたからな」

店長「……そんな危険なものを、我輩に押し付ける気であるか」

騎士団長「馬鹿にしているのか。もちろん我々も得体の知れない物をやすやすと運ぶほど馬鹿ではない」

騎士団長「何重にも検査をしたが、危険物ではないし魔力も検出されなかった。もっとも、中身は見ていないがな」

店長「……何か匂うがしょうがない。預かろう」

騎士団長「了解した。これがその手紙だ」

店長「……見たところ普通の封筒のようであるな」

騎士団長「言っただろう、何重にも検査をしたと」

店長「もし危険物だったら、損害賠償は貴様宛に請求することにしよう」
449 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:27:20.11 ID:EMPTjB4o0
騎士団長「そして3つ目の用件だが……私にとってはここからが本題だ」

店長「……何だ」

騎士団長「こいつだよ」

コトン

店長「!貴様、これをどこで!?」

騎士団長「言っただろう、『騎士派』の力を甘く見るなと。感謝しろよ、これを探すのにかなりの金と人員と時間がかかったのだから」

店長「いずれ、我輩が探しに行こうと思っていたのだが……」

騎士団長「フン、大事な『誓い』の品だ。失くされて困るのはむしろ我々だからな」

店長「……恩に着る」

騎士団長「そういうのなら、さっさと身体を治して英国へ戻ってくることだ。いつでも貴様の騎士の席は用意してあるぞ」

店長「……これだから、貴様に借りを作るのは嫌なのである」
450 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/11/26(土) 18:28:28.99 ID:EMPTjB4o0
騎士団長「まぁ、そいつは店頭にでも飾っておけ。この店の内装と良く合っていると思うぞ」

店長「……英国王宮にあるはずの物がここにあったら、何かと問題になるのではないか」

騎士団長「学園都市側も、貴様が魔術師であることを承諾した上でここに置いているのだろう?ならばそんな些細なことは問題にはなるまい」

店長「貴様も、随分と楽観的になったものだな……」

騎士団長「思い詰めすぎて失敗したことが記憶に新しいからな」

店長「……その楽観主義を、人に押し付けないで欲しいものだ」

騎士団長「何を言っている。私はいつだって押し付けがましいぞ」

店長「帰れ」

騎士団長「言われんでもそのつもりだ」

458 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:26:07.33 ID:cl08uFDv0
店長「ではな」

騎士団長「うむ。今度は英国で会うことを楽しみにしているぞ、ウィリアム」

店長「先に言っておくが、騎士の座には着かぬぞ」

騎士団長「ほう、そいつは困った。第三王女に報告しなければな。あることないこと」

店長「それはやめろ!」

騎士団長「では、良い答えを期待しているぞ。これは執行猶予だ」

店長「どこまで一方的なのであるか……」

騎士団長「もう言い訳はせんぞ。私は元よりこういう性格だ」

店長「……迷惑なくらい、貴様らしいな」

騎士団長「では、もうそろそろ行かせてもらう。達者でな、我が友よ」

店長「うむ。久し振りの茶番もなかなか楽しかったぞ、我が友よ」

騎士団長「フン。その素直さ、少しはヴィリアン様にも向けてやることだな」

店長「……善処する」
459 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:29:48.41 ID:cl08uFDv0
~10分後~

店長「うむ、こんなものか……」

店長「良い飾りができたのである」

店長「……さて」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

騎士団長「ある者から貴様に手紙を渡すよう頼まれている」

騎士団長「私も詳しくは知らん。人づてに頼まれたからな」

騎士団長「何重にも検査をしたが、危険物ではないし魔力も検出されなかった。もっとも、中身は見ていないがな」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

店長「……怪しさで満ち溢れているが、我輩宛の手紙ならば読まないわけにはいかんな……」

店長「……しょうがない」

ペリペリ

店長「……特に魔術などは仕込まれていないようだな」

店長「イタリア語か。なになに……」
460 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:33:48.11 ID:cl08uFDv0
『親愛なる 後方のアックア へ

元気でやっているか?まぁ、聞いたところで返事は返ってこないのだがな。俺様は元気でやっている。
お前は恐らく英国に帰っているのだろうと思っていたが、違っていたようだな。まさか学園都市にでもいるのか?

ちなみに俺様は今、カンボジアにいる。

少し理由があって、世界を、世界の人々を見て回っている。
理由は聞くな。知りたければ学園都市にいるツンツン頭の男にでも聞くんだな。

色々な国を見て回った。貧しい国、環境の厳しい国、紛争の絶えない国。
そこで、俺様は思った。

人間という生物は、強い。

今まではそのような国のことを知って「救ってやらなければ」などと思っていた。己の力を過信して、一方的にこの世の歪みを直そうとした。

だが、それは間違っていたようだ。
そんな必要は、どこにもなかったのだ。

貧しい国でも、人々は笑って暮らしていた。
環境の厳しい国でも、人々は幸せを感じていた。
紛争の絶えない国でも、人々は生き甲斐を持っていた。

俺様が思っていたより、この世界は輝いているらしい。
461 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:40:50.77 ID:cl08uFDv0
おっと、自分のことばかり語って悪かったな。

実は、お前に手紙を書いたのは、謝罪をするためでもある。
謝罪しなければならないことなど山のようにあるが、それに関しては世界中で謝っている。ここでは割愛させてくれ。

お前に謝りたいことは、1つ。
俺様が召喚した「大天使ミーシャ」が原因で、お前が聖人の力を失ってしまったことだ。

本当にすまなかった。

お前には素晴らしい才能があった。お前のように、強い「力」と「心」を持つ者こそが世界を救うことができるのだと、今となってはそう思える。
しかし、俺様のせいでそれを失ってしまったのだと思うと、悔しくてならない。

お詫びと言ってはなんだが、俺の知人である魔術師を紹介したい。
とても優秀な魔術師だ。お前の身体もきっと治してくれるだろう。

英国を通してそのことを伝えてあるから、詳しい事情は聞いた後かもしれんがな。

最後に、後方のアックア。
「神の右席」はもう存在しないが、俺様はこれからも「右方のフィアンマ」を名乗っていこうと思う。
俺様は、罪を持ったこの名を、一生背負い続けていくつもりだ。
お前にとって「神の右席」はどうだっただろうか。きっと良い思いはしていなかっただろうが、俺様はこの名に誇りを持っていた。
俺様の中では、お前もいつまでも「後方のアックア」だ。お前とは友人とまではいかなくとも、同僚程度ではいたいと思っているからな。

それでは、次に会う時を楽しみにしている。その時は、俺様もお前も、互いに世界を救えるほど大きくなっていることを期待しよう。

神の右席 右方のフィアンマ より』
462 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:46:08.94 ID:cl08uFDv0
店長「…………フッ」

店長「……さて、そろそろ我輩も帰らねばな」

店長(……しかし、気になるな)

店長(……右方のフィアンマの知人で、英国の窓口から派遣される者……)

店長「……一体、何者であろうか」



~数時間後 学園都市・第23学区~

騎士団長「随分と早い到着だな。ウィリアムには先程事情を説明してきたばかりだぞ」

「いや、彼に会うのはもう少し先になりそうだ。少々この都市で調べることができてしまったからね」

騎士団長「貴様の理由など知らん。これは取引だ。こちらが条件を守っている以上は貴様にも仕事をしてもらうぞ」

「仕事に支障をきたすつもりはない。ただ、自分の仕事も同時に進行させてもらうというだけの話さ」

騎士団長「ならいいがな。それより、貴様の相方はどうした。あの女も取引材料の1つだったはずだが」

「今回彼女は俺の仕事には関与しない。だから彼女がここに来るのは2週間後。治療もそれと同時に開始させてもらうよ」

騎士団長「……フン。せいぜい余計なことはしてくれるなよ」
463 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:49:48.50 ID:cl08uFDv0
翌日 AM 08:29

~ファミリーレストラン ACQUA~

結標「おはようございます」

店長「うむ。今日も早い出勤で結構なことである」

結標「いえいえ……あら、ロビーにこんな工芸品ありましたっけ?」

店長「いや、昨日我輩がそこに飾り付けたのだ」

結標「へぇ、いいじゃないですか。これは何ていう工芸品なんですか?」

店長「これは『盾の紋章』と言ってな――――」







店長「――――ただの、『思い出』の品である」

                                             ショートショート①店長の事情 ~fin~
464 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/03(土) 22:53:48.80 ID:cl08uFDv0
【オマケ⑤】
―その頃の右方のフィアンマ―
~ブラジル~

フィアンマ「ふーん、レアメタルの回収業務ねぇ」

イネス「最初は手作業だったけど。そういう苦労の積み重ねで今や大企業にまで発展したわ」

フィアンマ「そうして近隣の貧民も雇用し、不法投棄問題まで解決した、か……良く考えたもんだな。間違いなくお前は一つの世界を救ったぞ」

イネス「良く考えた、ね……確かに考えたのは私と言えなくもないけど、その道を示してくれたのは私じゃないわ」

フィアンマ「なに……?」

イネス「御坂旅掛っていう、自称統合コンサルタントの日本人。彼が、私に這い上がるためのヒントをくれた」

フィアンマ「……その人の連絡先とか知らないか?会ってみたいんだが」

イネス「知らないわよ。会ったときは連絡が取れる道具なんて持ってないほど貧乏だったし」

フィアンマ「そうか……わかった。しかし貴重な話を聞いた。感謝する」

フィアンマ(統合コンサルタント、御坂旅掛……なんて人間だ。言葉だけで世界を一つ救ってしまうとは)

フィアンマ「……いかんな。俺様も負けてはいられん」

――――右方のフィアンマは決意を新たにした――――
471 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/10(土) 23:39:24.74 ID:h65cqAVk0
②上条当麻のラッキーデー

~とある高校~

上条「何かがおかしい」

青ピ「何がおかしいん?」

土御門「カミやんがおかしいのはいつものことですたい」

上条「そういうことじゃねーよ。っていうか俺はおかしくねーよ」

青ピ「せやったら、どないしたん?」

土御門「とうとう不幸に耐えかねて幻覚でも見え始めたのかにゃー?」

上条「だからそうじゃねーよ。なんていうか、こう……」



上条「今日は、ツキすぎている」
472 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/10(土) 23:43:56.14 ID:h65cqAVk0
土御門「ツキすぎている?」

上条「ああ、例えばさっき返ってきたこの前の課題テストの答案用紙を見てくれ」

青ピ「!馬鹿なッ……!」

土御門「ありえないッ……!」


春期休暇明け課題テスト 世界史答案用紙
氏名:上条当麻       89点


土御門「か、カミやんが……赤点じゃないだとッ!?」

青ピ「天変地異の前触れやー!皆、はよ逃げてー!」

上条「実はこのテスト、全くわからなかったから知ってる単語を適当に書き殴っただけなんだ」

土御門「それが、この点数になったとでも言うのか……?」

青ピ「カミやん……恐ろしい子!」
473 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/10(土) 23:46:27.12 ID:h65cqAVk0
上条「しかもそれだけじゃないんだ、これが」

青ピ「なんやと……?」

上条「ああ。実は今朝―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

AM 08:00
~通学路~

上条「はぁ、急いで出てきたから朝飯何も食ってないな……」

上条「……自販機の缶コーヒーで我慢するか。一方通行じゃないけど」

上条「!!!」

⑩ < チーッス

上条「10円きたあああああああああああああああああ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

土御門「しょうもなっ!」

上条「しょうもなくねーよ!10円でうまい棒が1本買えるんだぞ!」
474 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/10(土) 23:51:49.50 ID:h65cqAVk0
青ピ「まぁその例はともかくとして、カミやんがいつもよりツイてるっていうのは確かみたいやね」

土御門「いやー、偶然ってあるものだぜい」

上条「それに、不思議なこともあってさ」

土御門「不思議なこと?」

上条「ああ。この前家に帰ったら、洗濯した記憶のない洗濯物が全部綺麗に折りたたんであったんだ」

上条「土御門、何か知らないか?」

土御門「ああ、それだったら確か―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

舞夏「メイドさんも時には教育係にならなくちゃいけないから、辛いんだぞー?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

土御門「…………」

土御門(なるほど、そういうことかにゃー)

上条「土御門?」
475 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/10(土) 23:59:33.65 ID:h65cqAVk0
土御門「いや、全然知らないぜい。カミやんの部屋にはオバケでも出るんじゃないかにゃー」

上条「オバケって……学園都市に限ってまさかそんなことはないだろ」

青ピ「わからへんでー?半年前から第7学区で深夜に人魂を見たっていう話があるし」

上条「人魂?どうせ、プラズマとか静電気とかその辺の見間違いじゃないのか?」

青ピ「いやいや、目撃者によるとその人魂はまるで生き物のような動きをしてたらしいで」

青ピ「しかも、目撃情報は1件や2件やない。もう10人近くが目撃してるって話や」

上条「でもなぁ……発火系能力者のイタズラって線も考えられるんじゃ……」

青ピ「その線はあらへん。そう思った水系能力者がその人魂に向かって水をかけたけど、水は蒸発したらしい」

上条「……いつも思うんだけど、何でこの手の話っていろいろと検証済みなんだ?」

青ピ「細かいことは気にしたら負けや」
476 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/11(日) 00:09:10.92 ID:GDu8raH70
青ピ「とにかく、発火系能力者の線はなしや。水を一瞬で蒸発させるにはレベル4以上の火力が必要やけど、レベル4以上の発火能力者は学園都市にはおらへん」

青ピ「どや?気になってきたやろ、人魂の正体が!」

上条「そんなことより俺は今日の幸運の正体を知りたいけどな」

青ピ「つれへんなぁ、カミやん」

上条「大体、そんな物の正体知ってどうするんだよ?」

青ピ「寂しがってる少女の幽霊かもしれへんやろ!」

上条「どうせそんなことだろうと思ったよ!」

土御門「本当、思考回路がそっち系に直結してるにゃー……」
484 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/18(日) 14:23:37.61 ID:kFLvGo830
~昼休み~

上条「ラッキー!最後の一つのメロンパンが残ってた!」

土御門「おいおい……本当に今日のカミやんは何なんだ」

青ピ「そこまで運が良いわけでもあらへんのに、ちょっとラッキーやっただけですごく幸運のように見えてまう!」

上条「いやー、やっぱり神様ってのは普段の行いを見ててくれるもんなんだな」

土御門「だったらいつもラッキーなはずじゃないかにゃー……」

上条「それは言うな……悲しくなるから」

土御門「……うん、なんかすまん」
485 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/18(日) 14:24:51.96 ID:kFLvGo830
~放課後~

上条「じゃ、お先ー」

青ピ「あれ、カミやん今日はゲーセン寄っていかへんの?」

上条「ああ。今日はバイトはないけど、タイムセールと特売があるからな」

土御門「せっかく今日はツイてるのににゃー」

上条「また今度行くよ。じゃあな」

土御門「おう。また明日」

青ピ「また明日なー」
486 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/18(日) 14:26:30.65 ID:kFLvGo830
~とあるスーパー~

上条「ラッキー!タイムセールに間に合った!」

上条「……何年ぶりだろうか、タイムセールに乗り遅れずに済んだのは」

上条「今日買うのはあれとあれとあれ……『ルートC』で行くのが最速か」

上条「よっし、行くぞ!」

~数十分後~

上条「すげえ……俺の並んだレジがスムーズに……」

上条「やっぱり、今日の俺はツイてる!」

上条「2件目の特売行くぞ!」
487 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/18(日) 14:28:02.37 ID:kFLvGo830
~とある大型スーパー~

上条「ここで買うのはあれとあれと……」

美琴「あれ、アンタここで何してんの?」

上条「おお、ラッキー!御坂、丁度いいところに来てくれた!」

美琴「へっ?」

上条「いやー、これから特売なんだけどさ。牛乳がお1人様2パックまでなんだよ」

美琴「……相変わらず主婦みたいね、アンタ」

上条「頼む!金払うから一緒に買ってくれないか!」

美琴「まぁ、そういうことならいいわよ。暇だし」

上条「本当か!ありがとうな、御坂!」

美琴(……今日はビリビリって呼ばれない)
488 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2011/12/18(日) 14:40:31.45 ID:kFLvGo830
~数十分後~

上条「いやー、助かったよ。本当にありがとうな!」

美琴「いいわよ、このくらい。暇だったし」

上条「お礼に、そうだな……ジュースくらいなら奢るぞ」

美琴「だからいいってば。そんなところでお金使ったら今日特売に来た意味がないでしょ」

上条「ジュースの1本くらいどうってことねーよ。素直に感謝されとけって」

美琴「……しょうがないわね」

美琴「じゃ、お言葉に甘えさせて貰うわ」

497 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:07:59.82 ID:jJyg6WhS0
美琴(っていうか、こうして買い物袋持って一緒に歩いてると……)

美琴(ふ、ふふ、夫婦みたいじゃない!)プシュー

上条「どうしたんだ、御坂?」

美琴「な、なんでもないわよ!」

上条「いやでも顔赤いし……」

美琴「大丈夫だから!」

上条「な、ならいいけど」

美琴(お、おお落ち着きなさいよ私!大体、こいつは私のこと何とも思ってないわけであってそうよこの前だって女の子と買い物袋持って歩いて―――)

美琴「………………」

美琴「……そっか。彼女いるんだったわね、アンタ」

上条「いや、いねーよ?」

美琴「えっ」
498 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:09:11.27 ID:jJyg6WhS0
美琴「ちょ、ちょっと待ってよ!アンタ、この前彼女っていう女の子と歩いてたじゃない!」

上条「ああ、五和のことか?ちげーよ、五和は戦友っていうか……まぁ、ただの友達だ」

美琴「でも、その女の子の方はアンタの彼女って言ってたわよ!」

上条「あれは多分、五和が俺に気を遣ってくれたんじゃないか?俺が御坂の電撃に迷惑してると思って」

美琴「でも、『当麻』って下の名前で呼んで……!」

上条「彼女っぽい演出をするためだろ。五和に下の名前で呼ばれたのなんて後にも先にもあの時だけだよ」

美琴「で、でも……!」

上条「さっきから『でも』ばっかだなオイ。大体、俺なんかにあんな健気で気の回る彼女なんているわけないだろ?」

美琴「ちゃっかり褒めてんじゃないわよ!」

上条「なぜ怒った!?」
499 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:10:35.69 ID:jJyg6WhS0
上条「とにかく、上条さんには彼女なんていません!むしろ欲しいくらいです!」

美琴「急に何言ってんのよ!」

上条「彼女なんて、男のロマンじゃねぇか!弁当作ってもらったり、朝起こしてもらったり!そういうのを俺もしたいの!」

美琴「何?アンタは幼馴染系女子が好きなワケ?」

上条「ツンデレでも人懐っこくてもどちらでもいけるぜ!」

美琴(……なんで私はこんなのにドキドキしてたんだろう)

上条「御坂はなんていうか、あれだよな。ビリビリ系女子っていうか」

美琴「今日は言われないと思って油断してた時にこれかああああああああああああッ!!」ビリビリ

上条「うわあぶねっ」ソゲブ

美琴「そしてアンタのリアクションも随分軽くなったわね!」

上条「いやだってこのくだり毎回やってるし」
500 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:11:57.64 ID:jJyg6WhS0
~とある公園~

上条「ジュース、何が良い?」

美琴「ヤシの実サイダーね」

上条「じゃ、俺もそれで」

ゴトン!
ピピピピピピピピ……

上条「お、当たり付きか」

美琴「あー、それ全然当たらないわよ。電子配置が軽く100万通りはあって、私でも3,4本買わないと当たらないレベル―――」

ピッ
テレレレッテレー

上条「おお、ラッキー!当たっちゃったよ!」

美琴「ウソ!?単純計算で1/65536の確率でしか当たらないのに!?」

上条「やっぱり今日の俺はツイてるんだって!っていうかその自販機詐欺じゃね?」
501 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:12:44.34 ID:jJyg6WhS0
上条「ほらよ、御坂」

美琴「なんか悔しい……言ってる矢先から一発で当てられるなんて」

上条「いやー、なんか今日の俺はものすごくツイてるんだよ」

美琴「人の運って怖いわね……」

上条「俺、今日だけで3回は『ラッキー』って言ってるぞ。やっぱり今日の俺には幸運(ラック)がツイてるんだよ!」

美琴「普段のアンタの場合luck(幸運)っていうよりlack(枯渇)って感じだけどね……」

上条「すまん、活字じゃないと何言ってるかわからない」

美琴「それは放っときなさいよ!私が馬鹿みたいじゃない!」

上条「まぁ、上条さんは活字に起こしても分からないんですけどね!」

美琴「やっぱアンタの方が馬鹿だったわ!」
502 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:13:41.41 ID:jJyg6WhS0
~30分後~

上条「―――で、そいつがこう言うんだよ。『俺に常識は通用しねぇ』ってな」

御坂「あはは、何よそれ」

上条「あいつなりの決め台詞ってやつだ―――って、もうこんな時間か」

御坂「そうね……門限もあるし、私はそろそろ帰ろうかな」

上条「そうか。じゃあ送ってくよ」

御坂「いいわよ、すぐ近くだし。ま、警備員に捕まりたいなら来ても良いけど?」

上条「遠慮させていただきます」

御坂「賢明ね」
503 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/01(日) 14:14:27.28 ID:jJyg6WhS0
上条「じゃ、俺こっちだから。また今度な」

御坂「うん。また今度ね」

上条「牛乳買うの手伝ってくれてありがとな」

御坂「いいわよ別に、暇だっただけだし」

上条「そうかい。それじゃあな、御坂」

御坂「あ、ちょ、ちょっと!」

上条「? 何だよ?」

御坂「え、えと……その……ジュ、ジュース、奢ってくれて……あ、ありがと……」

上条「」ズッキューン

御坂「そ、そんだけよ!じゃあね!」タタタタ...

上条「……………………」

上条「……御坂って、あんなに可愛かったっけ……?」

539 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:23:04.48 ID:nSrAGYTE0
~23分後・上条家前~

上条「……大分遅くなっちまった」

上条(インデックスの奴、怒ってるかな……)

上条「……まぁ怒っててもしょうがない。謝って飯で機嫌直してもらうか……」

ガチャ

上条「ただいま。悪い、大分遅くなっちまった……」

上条「………………」

インデックス「おかえり、とうま!」

上条「……あれ、部屋間違えたかな」

インデックス「間違ってないよ?ここは正真正銘とうまの部屋かも」

上条「…………じゃあ、なんで……」





上条「なんで、インデックスさんがエプロンを着て料理なんぞをしているのでせうか」
540 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:23:57.63 ID:nSrAGYTE0
インデックス「む。とうま、今のは聞き捨てならないんだよ。女の子が料理をして何が悪いのかな」

上条「大丈夫かインデックス!?変な物でも食ったか?頭でも打ったのか?」

インデックス「それはさすがに失礼すぎかも!私だって料理くらいするもん!」

上条「食べるの専門とか言い張ってた奴の台詞か!?」

インデックス「そんなこと言ったこともないよ!?」

上条「ヤバい……運の良すぎでとうとう頭までおかしくなったのか俺」

インデックス「だから現実だってば!とうまのバカー!」

上条「わああごめんごめん!謝るから噛み付かないでくれー!」
541 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:24:38.15 ID:nSrAGYTE0
上条「……で、なんで突然料理なんて?」

インデックス「だから、私だって料理くらい……」

上条「今まで一度も作ってくれてないのに?」

インデックス「ごめんなさい見栄張ってました」

上条「よろしい」

インデックス「料理は最近教えてもらったんだよ」

上条「誰に?っていうかなんで突然……」

インデックス「ほら、そろそろ料理できるから!とうまは座ってて!」

上条「え、いや」

インデックス「……食べてくれたら、話すから」

上条「あ、ああ……」
542 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:25:29.44 ID:nSrAGYTE0
~数分後~

インデックス「おまちどうさま!今回は洋食メニューに挑戦したんだよ!」

上条「す、すげぇ……」

上条(見た目もいいけど、さりげなく栄養バランスも考えられている……)

上条(違うッ……!今までのインデックスとは、何もかもッ……!)

インデックス「初めてだったから、ちょっと不安だけど……食べてくれるかな」

上条「何言ってんだよ。初めてでこんなにいい出来なんだ、これだけでも合格点だぞ」

インデックス「えへへ……そう言われると照れるかも」

上条「ところでさ、インデックス……」

インデックス「なぁに、とうま?」

上条「これ、味見した?」

インデックス「してない」

上条「」
543 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:26:21.06 ID:nSrAGYTE0
上条「……そっかそっか」

インデックス「?」

上条(……『味大丈夫?』と聞きたいところだがそれはあまりに失礼な気もする……どうしよう)

上条「…………信じるぞ、インデックス」

インデックス「? 何だかわからないけど、任せて!」エッヘン

上条「いただきます!」

インデックス「どうぞ、なんだよ」

上条「………………あれ、インデックスさん食べないの?」

インデックス「うん。自分で作った料理を自分で食べるのも何か違うかなって」

上条「」
544 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/07(土) 18:26:58.24 ID:nSrAGYTE0

インデックス「?」

上条(……すごい反動を感じる。今までにない何かすごい反動を。
    不幸……なんだろうこっちにきてる確実に、着実に、俺のほうに。
    中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。
    目の前にはたった一人の守りたい女の子がいる。決して不幸じゃない。
    信じよう。そして戦おう。
    死亡フラグや腹痛は入るだろうけど、絶対に吐き出すなよ。)

上条「…………インデックス。俺、幸せだったよ」

インデックス「なんで死の間際みたいな台詞言ってるのかな!?」

上条「いただきます!」

パクリ
モグモグ

インデックス「……どう、かな?」

上条「……………………」
562 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:24:43.61 ID:7AlL+CI/0
上条「……う」

インデックス「う?」

上条「UMEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」

インデックス「!?」

上条「なんだこれ!?スゲーうまいぞ!インデックス、お前天才だよ!マジ天才!」

インデックス「そ、そんなに?」

上条「ああ!いくらでも入りそうだ!」

インデックス「そっか……良かったぁ……」

上条「本当に美味い……こんな料理、誰に教わったんだ?」

インデックス「まいかとこもえに教わったんだよ」

上条「舞夏と小萌先生に?」
563 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:25:34.94 ID:7AlL+CI/0
インデックス「……私、とうまがアルバイトを始めてから考えたんだ。とうまが今まで私にしてくれたことに対して、私はどれだけとうまのために何をしてあげられたか」

インデックス「でも、全然何も思い浮かばなかった。私、迷惑かけてばっかりだったよね」

上条「……インデックス、」

インデックス「何も言わないで、とうま。優しい言葉をかけられたら、私はそれに甘えちゃうから」

インデックス「私、とうまのために何ができるかなって考えたんだよ。でも、それでもわからなくって」

インデックス「だから、まいかに聞いてみたの。そしたら―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

舞夏「家事をしなさい」クルクル

インデックス「火事?」

舞夏「ちゃうちゃう、家事」クルクル

インデックス「家事?」
564 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:28:33.87 ID:7AlL+CI/0
舞夏「家事は大事だぞー。誰かが家事を代わりにやってくれるだけで、家の主人は身体的にも精神的にも大分楽になれるからなー」クルクル

インデックス「……家事ができるようになったら、とうま、喜んでくれるかな」

舞夏「絶対喜ぶぞー。男は家庭的な女性が大好きだからなー」クルクル

インデックス「……よし、わかったんだよ。まいか、私に家事を教えて!」

舞夏「……ふっ、私の指導についてこれるかな?」ピタッ

インデックス「ついていけるよ!」

舞夏「よーし、いい返事だー。メイドさん見習いの私が先生をするからには、一流の家事手伝いになってもらうからなー」

インデックス「もちろんなんだよ!」
565 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:33:48.75 ID:7AlL+CI/0
~~~~~~~~~~~~~~~~~

上条「……そんなことがあったのか」

インデックス「それから私、頑張ったんだよ。洗濯から始まって、お掃除覚えて、お料理も教えてもらって」

インデックス「とうまが学校とかバイトに行ってる間は、ずっとまいかとかこもえとお料理の練習したりして」

インデックス「2人とも忙しいときは、ずっとお祈りしてて」

上条「インデックス……」

インデックス「とうまって、不幸だから。少しでもとうまの力になれたらって、ずっとお祈りしてたんだよ」

インデックス「私は魔術が使えないから、こんなことしかできないけど……」

インデックス「でも、今まで遊んでいた時間より、ずっとずっと満たされた気がしたんだよ」

インデックス「こんなことでも、私にできることはあったんだなぁ、って」

上条「…………『こんなこと』なんかじゃねぇよ」
566 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:36:09.41 ID:7AlL+CI/0
インデックス「え……?」

上条「『こんなこと』なんかじゃねぇよ!お前の祈りは、絶対に誰かを幸せにしてる!俺はわかってる!
    すごいことなんだよ、他人のために祈れるってことは!お前は魔術も使えないし、勝手に10万3000冊の魔道書を記憶させられて、
    記憶まで定期的に消されたりして!そんな辛い境遇で育ってきたのに、一人のシスターとして祈ってるんだろ!?
    迷える子羊たちを導こうと頑張ってるんだろ!?だったらそれは『こんなこと』なんかじゃねぇ!お前はすごいことをしてるんだ!
    だから、『こんなこと』なんて……自分のしたことを、くだらないことみたいに言うなよ!お前はもっと、自分のしたことを誇っていいんだよ!」

インデックス「……やめて、とうま。それ以上優しくされたら……また私は甘えちゃうから」

上条「いいんだよ、甘えて。確かに家事をしてくれるのはありがたいけど、頑張った自分を卑下するようなことはやめてくれ。
    自分に厳しくして、必ずしも自分が成長するとは限らない。お前は頑張ってる。だから、時には甘えたっていいんだ」

インデックス「良くないよ。とうまが良くても、私は良くない。今までだって今だって、私は何もできてない。
       実際、私が祈って誰が救われたの?私が誰のことを想って祈りを捧げていたかわかるの?」

上条「わかるさ」

インデックス「!」
567 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:40:17.90 ID:7AlL+CI/0
上条「少なくとも俺は救われた。お前の想いは、少なくとも俺には届いていた」

インデックス「……なんで、そんなことが言えるの」

上条「……知ってるか、インデックス。俺、今日は全然不幸じゃなかったんだぜ?むしろラッキーだったくらいだ」

インデックス「え……?」

上条「適当に書いた世界史のテストが高得点だったり、購買のメロンパンが残ってたり、特売に間に合ったり、牛乳が4パック買えたり……」

上条「他人から見たらしょうもないことかもしれないけど、俺はすごく救われた」

インデックス「……ほんと?」

上条「ああ」

上条「言っただろ?お前の祈りは、絶対に誰かを幸せにしてるって。これが、その証拠だ」

インデックス「……そっか」
568 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/14(土) 19:42:51.33 ID:7AlL+CI/0
インデックス「私の想い……ちゃんと、届いてたんだね」

上条「ああ」

インデックス「私は……ちょっとだけでも、とうまを幸せにしてあげられたんだね」

上条「ああ」

インデックス「……また、甘えちゃうかも」

上条「いいよ」

インデックス「……また、わがままになっちゃうかも」

上条「いいよ」

インデックス「……ありがとう」
575 : ◆8sqEhIZQGI[sage saga]:2012/01/21(土) 23:34:18.07 ID:CvEvmZoS0
インデックス「……ね、とうま」

上条「ん、なんだ」

インデックス「今日、お料理作ったご褒美に……」

インデックス「あ、頭……なでなでって、してほしい……かも」

上条「」ズッキューン

インデックス「……だめ?」

上条「あ、ああもちろんいいぞ、うん!」

インデックス「……お願いするんだよ」

上条「あ、ああ…………」ナデナデ

インデックス「……ふぁ」

上条(や、ヤバい……インデックスが死ぬほど可愛い……!)
576 : ◆8sqEhIZQGI[sage saga]:2012/01/21(土) 23:35:31.75 ID:CvEvmZoS0
~常盤台中学・学生寮~

美琴「……!」ゾクッ

白井「どうしたんですの、お姉さま?」

美琴「いや……何か大事なものに魔の手が迫っているような」

白井「虫の知らせというヤツでしょうか」

美琴「このゲコ太が何か察知したのかも……」

白井「……お姉さま、カエルは両生類ですの」

美琴「わ、わかってるわよ!今はそういう問題じゃないでしょ!」
577 : ◆8sqEhIZQGI[sage saga]:2012/01/21(土) 23:36:36.78 ID:CvEvmZoS0
~5分後~

インデックス「」ポワーン

上条「さ、さぁ!冷める前に晩飯食べようぜ!」

インデックス「え?でもこれ私がとうまのために作ったものだし……」

上条「こんなに美味いんだ、2人で食べなきゃ損だろ?それに、食べてるほうがお前らしいし」

インデックス「それはどういう意味なのかな!?」

上条「そうそう、いつもの感じでいこうぜ」

インデックス(……とうまのなでなで、気持ちよかったかも……)

上条「いただきまーす」
578 : ◆8sqEhIZQGI[sage saga]:2012/01/21(土) 23:39:49.77 ID:CvEvmZoS0
上条「……うん、やっぱり美味い!」

インデックス「ほんとだ……自分で作った料理を褒めるのもなんだけど、本当に美味しいんだよ」

上条「ほら、やっぱりやればできるんだよ、インデックス!」

インデックス「当然かも!私だって伊達に完全記憶能力者やってないんだよ!」

上条「……そういえば、気になったんだけどさ」

インデックス「なぁに?」

上条「インデックスって、魔術は使えないんだよな?」

インデックス「うん」

上条「うーん……じゃあ、何の力が働いて、今日の俺がラッキーになったんだろうな?」

インデックス「それはわからないけど……これだけは確かかも」

上条「何がだ?」

インデックス「……『祈り』に、『力』は必要ないんだよ」

上条「……なるほどな」

上条(……それでも、疑問は残るけど)
579 : ◆8sqEhIZQGI[sage saga]:2012/01/21(土) 23:41:35.91 ID:CvEvmZoS0
上条(インデックスの話によると、俺の右手に宿っているこの力……『幻想殺し』は、神の加護なんかも打ち消してしまうんだったよな?)

上条(神が持つ『説明の出来ない力』さえも打ち消してしまうなら、インデックスの『祈り』の力も打ち消してしまいそうな気がするんだけど)

上条(やっぱり、心の力ってやつか……?いや、それにしたって漠然としすぎているような……)

上条(『幻想殺し』で打ち消せない『力』…………)

上条「……ああ、そうか」

インデックス「? 何が『そうか』なの?」

上条「いや、なんでもないよ。よっし、この豪華ディナーで明日もバイト頑張るぞ!」

インデックス「うん、私もとうまのために家事の勉強頑張るんだよ!」





上条(いくら『幻想殺し』でも―――大きすぎる力は、打ち消せないんだったな)

                                             ショートショート②上条当麻のラッキーデー ~fin~
580 : ◆8sqEhIZQGI[saga sage]:2012/01/21(土) 23:43:16.71 ID:CvEvmZoS0
【オマケ⑥】
―その頃の五和―

~イギリス~

五和「……!」ゾクッ

建宮「どうしたのよ、五和?」

五和「いえ……何か大事なものに魔の手が迫っているような気がしまして……」

建宮「虫の知らせというヤツなのよな」

五和「このおしぼりが何か察知したのかも……」

建宮「……五和、そのおしぼりはアレか。レーダーか何かなのか」

五和「ち、違いますよ!冗談です冗談!」

――――五和さんがアップを始めたようです――――
593 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 00:33:36.17 ID:dm6NyJs80
③ある日の休憩室

~ファミリーレストラン ACQUA~

店長「客足が落ち着いてきたな……一方通行、初春飾利、そろそろ休憩に入っても良いぞ」

一方通行「はァい、お先しまァすっとォ」

垣根「お前のその挨拶はなんなんだよ……」

初春「じゃあ、私もこれ洗ったら休憩入りますねー」

垣根「あ、今朝その辺でゴキブリ出たから注意な」

初春「へっ!?ご、ゴキっ……きゃっ!?」


ガシャーン


初春「あああああッ!グラス割っちゃいました!」
594 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 00:35:05.21 ID:dm6NyJs80
垣根「……だ、大丈夫か?」

初春「見ての通り、全壊です……すみません」

垣根「いや、グラスじゃなくてお前がだよ!驚かせてごめんな!」

初春「え、ええっ?わ、私は大丈夫ですよ!」

垣根「そうか、良かった」

初春「え、えっと!私、片付けてから休憩に入りますね!」

垣根「俺も手伝う。箒と塵取り持ってくるから、破片には触らないようにな」

初春「す、すみません……お願いします」

一方通行(……なンか変な空気だな、あそこ)

~~~~~~~~~~~~~~~~~

小萌「……あの、初春ちゃんと垣根ちゃんのシフトは滅多に被らないはずでは……」

黄泉川「こまけぇこたぁいいじゃんよ!」
595 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 00:38:57.02 ID:dm6NyJs80
~休憩室~

一方通行「よーし充電充電っとォ」カチッ

一方通行「ふゥ……昼のラッシュはやっぱり疲れンな」

一方通行「……眠ィ」

一方通行「……少し寝るか」

一方通行「時間までには初春が起こしてくれンだろ……」

一方通行「……zzz……」



ガチャ

佐天「すいませーん、初春いませんか……」

一方通行「……zzz……」

佐天「」
596 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 00:49:08.09 ID:dm6NyJs80
佐天「…………」

一方通行「……zzz……」

佐天(何この状況!?なんでファミレスの休憩室で白い男の人が寝ながら充電してるの!?)

佐天「……とりあえず落ち着け、私。まず状況を整理しよう」

佐天「①私は初春の休憩時間を狙って休憩室に侵入した」

佐天「②そしたら白い男の人が寝ながら充電してた」

佐天「…………」

佐天「分かるかああああッ!」

一方通行「うるっせェ!人様が寝てンのに騒いでンじゃねェよ!」
597 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 00:57:15.12 ID:dm6NyJs80
~説明中~

一方通行「……ふゥン、初春の友達ねェ」

佐天「は、はい。起こしてごめんなさい……」

一方通行「それは別にいいけどよォ、勝手に休憩室に入ンのは駄目だろ」

佐天「す、すみません……」

一方通行「初春に急ぎの用でもあったのか?」

佐天「いやー、ちょっと驚かしてやろうかなと……」

一方通行「俺を驚かしてどうすンだよ」

佐天「えっ、あれで驚いてたんですか?」

一方通行「違ェよ、『驚かす』は古語で『起こす』っていう意味なンだよ。ダジャレだダジャレ」

佐天「な、なるほど……」
598 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 01:05:07.82 ID:dm6NyJs80
佐天「えっと、それで初春は今なにを?」

一方通行「あァ、初春なら今落としたグラスの後始末を垣根と一緒にやってる」

佐天「あはは、相変わらずドジですねー」

佐天(垣根さんと一緒にか……ちょっと妬けちゃうな)

一方通行「ン?オマエ、垣根とも知り合いか?」

佐天「今私の心読みましたか!?」

一方通行「……オマエ、名前は?」

佐天「え?さ、佐天涙子……ですけど」

一方通行「……なるほどな」

佐天「え?え?」
599 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/01/29(日) 01:12:39.01 ID:dm6NyJs80
一方通行「いや、なンでもねェよ。こっちの話だ」

佐天「はぁ」

一方通行「ま、これからも垣根をよろしく頼む。アイツはメルヘンでバカだがやる時はやる奴だ」

佐天「あ、それは知ってますよ!この前は私を不良から守ってくれて……」

一方通行「そォかい」

佐天「やっぱりすごいですよねー……レベル5って」

一方通行「……」

佐天「私は無能力者なのがコンプレックスだったんですけど……この前、やっとレベル1になれて。でも、レベル5っていうのはその4段上なんですよね」

佐天「私と同じ年でレベル4の人だっているし、同じ能力でレベル4の人だっている。こういうのって、やっぱり才能の差なんですかね」

一方通行「……」

佐天「……なーんて。初対面の人に何語っちゃってるんだろ私」

佐天「すいません、今のは忘れてください」

一方通行「……zzz……」

佐天「って寝てるし!」
614 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:33:35.17 ID:elhjCK7M0
佐天「……そういえば、ずっと気になってたんですけど」

一方通行「あン?」

佐天「その……充電器?は何なんですか?」

一方通行「…………俺の能力に必要なンだよ。ちょっと前に事故に遭っちまって、スイッチを入れてる間しか能力が使えねェンだ」

佐天「へー……どんな能力なんですか?」

一方通行「ベクトルを操作する能力」

佐天「ベクトル?」

一方通行「……まァ、そのうち学校で習うだろォよ」

佐天「へー……」

一方通行(……何でこンなにベラベラ喋ってンだろォなァ、俺は)
615 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:34:55.00 ID:elhjCK7M0
佐天「……遅いですね、初春」

一方通行「そォだな。ちょっと様子見て―――」

ガチャ

垣根「おーい、第1位様よぉ!お前の能力で破片集めてくんね?『レベル5掃除機』的な」

初春「垣根さんだってレベル5じゃないですか……しかも第2位の」

垣根「初春お前もか!お前もそうやって数字にこだわる奴か!俺がこの数字にどれだけコンプレックスを持ってるのかわかってんのか!」

初春「今のは褒めたんですよ!?」

垣根「ちっくしょう!いつか絶対第1位の座を奪ってやるからな一方通行!」

佐天「」

一方通行(うっぜェ……)
616 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:36:42.57 ID:elhjCK7M0
佐天「……………………レベル5?第2位?第1位?」

初春「さ、佐天さん!?まさかまた裏口から……」

垣根「っていうかなんか様子がおかしくないか」

佐天「……レベル5?」

垣根「レベル5です」ハイ

一方通行「同じく」ハイ

佐天「……第2位?」

垣根「第2位です」キリッ

佐天「……第1位?」

一方通行「第1位」ウン

佐天「」





佐天「はあああああああああああッ!?」
617 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:41:35.75 ID:elhjCK7M0
初春「さ、佐天さん落ち着いて!」

佐天「第1位と第2位!?2人とも御坂さんより上ぇぇぇぇ!?」

垣根「御坂って誰だっけ?」

一方通行「『超電磁砲』だろ。第3位の」

垣根「あーそういえば最近そんな話をしたような」

佐天「御坂さんそんな扱い!?」

垣根「そんなことより掃除はよ」

一方通行「うっせェな、今充電してンだよ」

佐天「あれ?私がおかしいの?私のリアクションがオーバーすぎるの?」

初春「……そういうことにしておいた方がいいんじゃないですかね」
618 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:47:30.65 ID:elhjCK7M0
垣根「ってことで一方通行が掃除やってくれるらしいから初春は休憩してていいぞ」

一方通行「オイ待て、だから俺は充電中だって―――」ズルズル

垣根「うるっせぇ!テメェは中学生の女に掃除させる気か!?」

一方通行「いや妥当だろォが!なンで俺が」ズルズル

バタン

初春「……ふふっ。優しいなぁ、垣根さんも一方通行さんも」

佐天「……第1位の人嫌がってなかった?」

初春「彼だってその気になれば簡単に抵抗できるんですよ?でも、優しいからしないんです」

佐天「……なんか初春、しばらく見ないうちに随分大人っぽくなっちゃったね」

初春「そうですか?」
619 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:53:07.45 ID:elhjCK7M0
佐天「でもさ……やっぱ違うよね、レベル5は。価値観っていうか度量っていうか……」

初春「そんなことありませんよ?」

佐天「……初春、何もレベル5に喧嘩を売るほど大人にならなくても」

初春「そういうことじゃないですよ」

初春「別に、何も違わないんです。佐天さんも超能力者も」

佐天「え?」

初春「一方通行さんも垣根さんも御坂さんも。佐天さんも私も。みんな、同じです」

初春「ちょっとしたことで大騒ぎして、はしゃいで、楽しんで……たまに喧嘩して、仲直りして」

初春「何も違いません。私たちと」

佐天「……でも、違うよ。私は低能力者で、あっちは超能力者。大きな違いが―――」

初春「もうっ!佐天さんらしくないですよ!」
620 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/04(土) 15:57:22.58 ID:elhjCK7M0
佐天「初春……」

初春「レベルとか、能力とか!そんなのは学園都市の価値観じゃないですか!」

初春「私たちの間に、そんなものは関係ない。そうでしょう?」

佐天「…………」

初春「いつもの佐天さんなら、こういうときでも気にせず笑い飛ばしてました」


初春「私に言わせれば、佐天さんは人を笑顔にする能力レベル5ですっ!」


佐天「…………」

初春「…………」
626 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:46:31.34 ID:rnD3fJMU0
佐天「……ぷっ」

初春「?」

佐天「……ふふ、あはは……あっははははははははははは!」

初春「へ?」

佐天「ひっひひ……いや、だって初春ってば真面目な顔で……ひひっ……『人を笑顔にする能力レベル5』とか……」

初春「」プシュー

佐天「言ってること、大人なんだか子供なんだかはっきりしてよね!……いっひひ……」

初春「も、もぉ!佐天さんったらぁ!」

佐天「いーじゃんいーじゃん!気にせず笑い飛ばす方が私らしい……でしょ?」

初春「…………はいっ!」
627 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:48:14.59 ID:rnD3fJMU0
佐天「うん……なんか元気出たよ。ありがと」

初春「え、えへへ……」

佐天「前にもこんなことあったよね。私が『幻想御手』を使って不安でしょうがなかったとき……初春が今みたいに励ましてくれたっけ」

佐天「なんか悔しいなー。私、初春に元気づけられてばっかり」

初春「佐天さん……」

佐天「私に言わせれば、初春の方がよっぽど『人を笑顔にする能力レベル5』だよ」

初春「……そ、その話もうやめません?」

佐天「なんていうかさ、初春……」


佐天「あんまり、私を置いて一人で大人にならないでよね」


初春「…………ふふっ、わかりました」

佐天「よろしい」
628 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:49:13.17 ID:rnD3fJMU0
~休憩室の扉の外~

垣根「……なんか入りづらい空気になっちゃったな」

一方通行「どォすンだよ。俺あと半分しか充電ねェンだぞ」

垣根「いやー、あの『レベル5掃除機』は圧巻だったな」

一方通行「体力と充電の無駄以外の何でもなかっただろォが」

垣根「それにしても本当に仲良いんだなー、あいつら」

一方通行「…………」

垣根「…………」

垣根「…………俺たちもやってみる?甘酸っぱい青春」

一方通行「もしやったらこの場でオマエの首を飛ばす」
629 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:51:29.50 ID:rnD3fJMU0
~休憩室~

佐天「さ、そろそろ初春も仕事あるでしょ?私帰るね」

初春「そうですか……気をつけて帰ってくださいね」

佐天「うん。初春もお仕事頑張ってね」

初春「はい!……でも、もう裏口から入ってきちゃ駄目ですよ」

佐天「はいはい、もうしません!……次やるまでは」ボソッ

初春「次やったらパフェ奢りです」

佐天「その要所要所でパフェ要求するのやめない!?」

初春「次やらなければいいじゃないですか」

佐天「……ハイハイ、ソーデスネー」
630 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:53:58.90 ID:rnD3fJMU0
初春「そういえば、『例の日』が近いですけど……佐天さんはもう準備しました?」

佐天「ううん、明日準備する予定。初春は?」

初春「私はなんとか間に合いそうです。目標までもう少しですよ」

佐天「そっか。じゃあ―――もう少しで、このバイトも終わりってことになるのかな」

初春「…………そう、ですね……」

佐天「…………ま、そりゃそんなテンションにもなるよね……いい人ばっかりだし」

初春「あはは……でも、辞めるときはきっぱり辞めますよ」

佐天「……無理しなくてもいいと思うけど」

初春「いえ、ずっと続けてたら今度は風紀委員の方にも迷惑をかけちゃいますし」

佐天「真面目だねぇ」

初春「……両立する能力がないだけですよ」
631 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:54:50.86 ID:rnD3fJMU0
佐天「じゃあそろそろ。じゃあね、初春」

初春「はい、また明日」

佐天「うん、また明日ね」

バタン

~休憩室の扉の外~

垣根「…………」

一方通行「…………」

垣根「……初春、もう少しでバイト辞めるってよ」

一方通行「……だからどォした」

垣根「……どうもしねぇ」

垣根(……はずなのにな……)

                                             ショートショート③ある日の休憩室 ~fin~
632 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/02/11(土) 18:58:55.38 ID:rnD3fJMU0
【オマケ⑦】
―その頃の白井黒子―

白井「…………辞めたい」

白井「あ゙ぁぁぁーっ!なんで私が一人でこんなに多くの仕事をしなければならないんですの!?」

白井「大体、最近の初春はたるんでますの!」

白井「用事だ風邪だパフェだと風紀委員を休んで……」

白井「……まぁ、自分のやるべき仕事は全てやってますから文句ばかりも言えないのですけれど……」

白井「しかし、こう、独りの職場というのは……残業をしてるみたいで気分が悪いんですの」

白井「…………って、私は誰に話してるんでしょう」

白井「はぁ、どこかにお姉様が4人くらいいる楽園はありませんかしら……」

白井「あったらそこで仕事のことを忘れて過ごしたいものですわね…………ぐへへへへへへへ……」

――――白井黒子は疲弊していた――――
648 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:01:26.28 ID:S9mCZvHy0
④第1次ミサカ座談会

~とある個室サロン~

美琴「第1回!」

番外個体「ミサカ!」

打ち止め「ざだんかーい!」

御坂妹「いえーい、ドンドン、パフパフ、とミサカは景気良く場を盛り上げます」

打ち止め「いえーい!ってミサカはミサカはよく分からないけど適当に合わせてみる!」

番外個体「チビっ子たちは元気だねぇ。こっちは自分と同じ顔が他に3つもあってげんなりしてるっていうのにさ。ねぇ、おねーたま?」

美琴「…………ごめん、状況が全然掴めないんだけど」
649 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:03:21.52 ID:S9mCZvHy0
御坂妹「と言いつつタイトルコールはしっかりやってましたよね、とミサカは核心を突きます」

美琴「ち、違っ!さっきのは何か、口が勝手に……」

番外個体「まぁミサカも半分ノリでやってたし。その辺議論しても無駄でしょ」

打ち止め「ミサカもノリノリだよ!いえーい!ってミサカはミサカはハイテンションをアピールしてみたり!」

美琴「…………で、この集会は何?こんな高そうな個室サロンまで借りてやってるんだから、ただの集会ってわけじゃないんでしょ?」

御坂妹「真に残念なのですが、見ての通りただの集会です。とミサカは身も蓋もない事を言います」

美琴「ちょっと待ってSSとしてどうなのそれ」

御坂妹「ちなみにここの費用はお姉様持ちです」

美琴「費用丸投げ!?」
650 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:06:52.21 ID:S9mCZvHy0
御坂妹「まぁ茶番はこの辺にしておきまして」

美琴「ツッコむのも疲れるからほどほどにしてよね……」

番外個体「早いとこ解説頼むよー。お子様は個室に来るとテンションが上がりすぎて困っちゃうから」

打ち止め「いえーい!ってミサカはミサカはそろそろこれ以外の台詞も喋りたくなってみたり!」

御坂妹「まぁまぁ、その前にドリンクでも頼みましょう。とミサカは粋な提案をします」

番外個体「じゃ、カフェオレおねがーい」

打ち止め「ミサカはオレンジジュース!ってミサカはミサカは子供なチョイスでオーダーしてみる!」

美琴「私は烏龍茶にしようかな」

御坂妹「ちなみに費用はお姉様持ちです」

美琴「結局か!」
651 : ◆8sqEhIZQGI2012/03/18(日) 14:11:43.97 ID:S9mCZvHy0
御坂妹「それでは解説に移らせていただきます、とミサカはココアを飲みながら話します」

打ち止め「いえーい!どんどん、ぱふぱふ!」

番外個体「いや、それもういいから」

御坂妹「今回皆さんを呼んだのは他でもありません、『がーるずとーく』というものをするためです。とミサカは目的を発表します」

美琴「? なんでガールズトーク?」

打ち止め「『がーるずとーく』って何?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

番外個体「女の子がする[ピーーー]とか[ピーーー]の話だよ」

美琴「そこ、変な知識を吹き込まない!」
652 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:13:48.95 ID:S9mCZvHy0
御坂妹「……実のところ、ミサカにもよく分からないのです」

番外個体「んー、ミサカも知らないねぇ」

美琴「……アンタさっき知ってる口ぶりだったわよね」

番外個体「やだねぇ、粋なジョークってやつよ?堅いなぁ、おねーたまは」

打ち止め「それで、結局『がーるずとーく』っていうのは何なの?ってミサカはミサカは興味津々!」

御坂妹「お姉様、解説をお願いします」

美琴「説明まで丸投げか!」

番外個体「いよっ、現役中学生!」

美琴「何その合いの手!?」
653 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:19:08.19 ID:S9mCZvHy0
美琴「えーっと、『ガールズトーク』っていうのは……簡単に言うと、女の子同士でする世間話よ」

番外個体「世間話ねぇ」

御坂妹「具体的にはどのような?と、ミサカは追求の姿勢を示します」

美琴「……えーっと…………まぁ噂話とか、食べ物の話とか……」

美琴「…………こ、恋の話とか」

一同『おぉぉ――』

美琴「な、なんでそこで盛り上がるのよ!」

御坂妹「とても面白そうですね、とミサカは期待に胸を高鳴らせます」

打ち止め「ミサカも『がーるずとーく』したい!ってミサカはミサカはおねだりしてみる!」

番外個体(今日はおねーたまをイジり倒す日か……いひひ)
654 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:22:16.45 ID:S9mCZvHy0
~ミサカネットワーク~

【速報】『ガールズトーク』の正体が判明【潜入中】

1 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:31:57.02 ID:misaka10032
  ソースはオリジナル

2 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:32:19.11 ID:misaka12029
  いいから説明はよ

3 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:32:21.13 ID:misaka11567
  2get

4 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:33:04.20 ID:misaka17281
  wktk

5 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:34:11.55 ID:misaka10032
  まぁ慌てなさんな
  オリジナル曰く、「女の子同士でする世間話」らしい

6 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:34:59.46 ID:misaka10211
  テラ抽象的wwwwww

7 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:35:29.26 ID:misaka10078
  世間話←これもっとkwsk説明汁

8 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:35:44.17 ID:misaka14201
  仕事に疲れた白井黒子が現場に乱入に500ジンバブエドル

9 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:36:37.16 ID:misaka19834
  誰か>>3に突っ込んでやれよ
655 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/18(日) 14:25:59.43 ID:S9mCZvHy0
10 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:37:18.18 ID:misaka10032
  オリジナル「……えーっと…………まぁ噂話とか、食べ物の話とか………………こ、恋の話とか(乙女顔)」

11 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:38:01.18 ID:misaka10078
  さすがおつおんな

12 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:38:50.12 ID:misaka10211
  コイバナきたわこれ

13 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:39:09.79 ID:misaka10032
  とりあえずこれからどう立ち回るか安価>>15

14 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:40:39.06 ID:misaka15517
  安価近杉

15 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:41:08.55 ID:misaka19834
  とりあえず司会を務める

16 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:41:08.59 ID:misaka11567
  脱ぐ

17 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:42:29.44 ID:misaka10211
  >>15-16
  この差僅か0.04秒である

18 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:42:49.00 ID:misaka10032
  あぶねぇwwwwwww
  ってことで司会やってくるノシ

19 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:43:31.46 ID:misaka15517
  隙見て報告よろしく

664 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 14:42:08.72 ID:6rExsw9h0
御坂妹「では僭越ながら司会を務めさせていただきます、シリアルナンバーミサカ10032号です。とミサカは改めて自己紹介をします」

美琴「急にどうしたのよ」

御坂妹「言いだしっぺは私ですから、とミサカはとりあえずその場を取り繕います」

美琴「おーい、語尾語尾」

打ち止め(ミサカネットワークがカオスなことになってる……ってミサカはミサカは戦慄してみたり)

番外個体(面白そうだし黙って見てよっと)

御坂妹「まぁとにかく、先程のお姉様のガイドに従って進行することにしましょう」

御坂妹「今回は、噂話→食べ物の話→恋の話 の順でトークすることにします、とミサカは懇切丁寧に説明します」

美琴(……ガールズトークってそういうふうにプログラムしてするものじゃないんだけど……)

御坂妹「順番はお姉様、上位個体、番外個体、私の順でいきますがよろしいですか?とミサカは確認します」

美琴「なんで私が最初なのよ」

御坂妹「唯一の経験者だからです、とミサカはもっともらしい理由をこじつけます」

美琴「語尾!語尾!」
665 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 14:46:35.40 ID:6rExsw9h0
御坂妹「ということでお姉様、何か面白そうな噂話はありませんか」

美琴「うーん、いきなり言われてもなぁ……そういうのは佐天さんの担当だし」

御坂妹「上位個体は何かありませんか」

打ち止め「あのね、あのね!最近あの人の帰りが遅いのってミサカはミサカは怪しんでみる!」

御坂妹「番外個体は何かありませんか、とミサカは上位個体の発言を颯爽とスルーします」

打ち止め「なんで無視するのってミサカはミサカは訴えてみたり!」

番外個体「んー、特にないかなー」

御坂妹「そうですか。私も特にありませんので、食べ物の話に移りましょう。とミサカは話を進めます」

美琴「うん、ちょっと待った」
666 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 14:52:07.88 ID:6rExsw9h0
御坂妹「なんですかお姉様、とミサカは若干鬱陶しさを感じつつも寛容な態度を見せます」

美琴「もうこの際語尾には突っ込まないけど、なんかこう、違うのよ!ガールズトークって!」

御坂妹「? おかしいですね……ミサカの進行は完璧だったはずですが」

美琴「そうじゃないのよ……ガールズトークってそんな事務的な会話じゃなくって、こう……」

美琴「もっと甘酸っぱい感じ?いや、違うか……もっとこう……和気あいあいっていうか……」

番外個体「でも話題がなけれりゃどうしようもないじゃん?」

美琴「うっ……」

御坂妹「そもそも経験者であるお姉様が話題を振ってくれないと初心者であるミサカたちもどうしようもないのですが、とミサカはダメ出しします」

美琴「ううっ……!ダメな姉でごめんなさい……」

打ち止め「そ、そんなとこないよ!ってミサカはミサカはお姉様を励ましてみる!」
667 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 14:54:30.78 ID:6rExsw9h0
御坂妹「まぁ気を取り直して、食べ物の話をしましょう。お姉様、何か美味しい食べ物の話はありませんか?とミサカは話を振ります」

美琴「うーん……そっち方面は初春さんの担当だしなぁ……」

美琴「あ、そういえばこの前行った第7学区のクレープ屋さんは美味しかったかも。この後みんなで行ってみる?奢るわよ」

打ち止め「行く行くー!ってミサカはミサカは喜びを動きで表現してみたり!」ピョンピョン

番外個体「ほー、おねーたまは太っ腹だねぇ」

御坂妹「……行ってしまったら、ミサカが太っ腹になってしまいそうな気がします」

美琴「ク、クレープの1つくらい大丈夫よきっと!」

御坂妹「……そう言って涙を飲んだミサカをミサカは40人ほど知っています」

番外個体「別にいいじゃん?ミサカはむしろ脂肪が足りないくらいだと思うよ、特に胸とか」

美琴「ここぞとばかりに自分の胸自慢すんなやあああああああ!」バチバチ

番外個体「おーこわいこわい」ケロリ
668 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 14:57:14.39 ID:6rExsw9h0
御坂妹「上位個体は何かありますか」

打ち止め「ミサカはケーキが大好きだよってミサカはミサカはアピールしてみる!」

御坂妹「そうですか。番外個体は何かありますか」

打ち止め「だからなんでミサカの発言は流すの!ってミサカはミサカは怒ってみたり!」

番外個体「えーとね、うちの家主は炊飯器でご飯を作るよ」

美琴「? 別に普通じゃない」

番外個体「いやさ、ご飯を炊くんじゃなくてご飯を作っちゃうわけよ」

御坂妹「……まさか、これが噂の『錬金術』というモノでしょうか、とミサカは戦慄します」

番外個体「……まぁ、ある意味間違ってはいないよね」

美琴「どうなってんのよアンタの家は……」
669 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 15:06:03.75 ID:6rExsw9h0
美琴「さ、アンタの順番よ。何かある?」

御坂妹「……急に振られると意外と思いつかないものですね、とミサカは少々焦ります」

美琴「世間話なんだから適当でいいのよ適当で」

御坂妹「そうですね…………」

美琴「うんうん」

御坂妹「…………じゃがりこはチーズ味が一番ですよね、とミサカは話題を提……」

一同『はぁ?』

御坂妹「!?」
670 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 15:10:00.50 ID:6rExsw9h0
打ち止め「じゃがりこは普通サラダでしょ!ってミサカはミサカは反論してみる!」

番外個体「ぎゃはっ、お子ちゃまの意見だね。ジャガイモの風味を最大限に活かしたじゃがバターが最高っしょ」

御坂妹「……何を言っているのですか?ジャガイモにはチーズでしょう、とミサカは主張します」

打ち止め「じゃがりこだって最初はサラダでヒットしたんだよ!ってミサカはミサカは力説してみる!」

番外個体「何言ってんの?カルビーの公式HP行ってみ、サラダ味の解説3行で終わってるから」

御坂妹「チーズ味の半分以下ですね、とミサカは勝ち誇った顔をします」

打ち止め「むむ~!でもでも……」


美琴「ちょーっと待った!!」
671 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/03/26(月) 15:15:16.33 ID:6rExsw9h0
御坂妹「なんですかお姉様、とミサカは嫌な目つきでお姉様を見ます」

打ち止め「お姉様はサラダの魅力がわかってくれるよね!ってミサカはミサカは上目遣い交渉術を行使してみたり!」

番外個体「まぁ、おねーたまならじゃがバターが最高って知ってると思うけどね」

美琴「ふっ……みんな何を言ってるの?」

御坂妹「……どういうことですか、とミサカは尋ねます」



美琴「じゃがりこは、おいしそ梅が至高でしょうが!」



一同『ないわー……』

美琴「!?」

685 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 18:42:49.29 ID:t+nZJTYG0
美琴「ちょっと、おいしそ梅のどこが不服だっていうのよ!」

番外個体「いや確かにそれなりに美味しいけどさ……あれは1番の器じゃないよね」

打ち止め「っていうかミサカは梅もしそも嫌いだもん!ってミサカはミサカは主張してみる!」

御坂妹「意外性と期間限定の文字だけで売り上げを伸ばした感はありますね、とミサカは懇切丁寧に解説します」

美琴「な、何もそんなに言わなくても……」

番外個体「……もうこうなったら、アレしかないね」

御坂妹「アレしかありませんね……と、ミサカは含みを込めます」

打ち止め「アレしかないよ!ってミサカはミサカはピーンときてみたり!」

美琴「……アレって?」



一同『ミサカネットワークで多数決!』

美琴「!!」
686 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 18:44:05.65 ID:t+nZJTYG0
~ミサカネットワーク~

【緊急】じゃがりこはどの味が最強か【アンケート】

1 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:03.11 ID:misaka10032
  ①サラダ
  ②チーズ
  ③じゃがバター
  ④おいしそ梅
  ⑤その他

  1人1票で大至急投票頼む

2 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:15.02 ID:misaka11473
  ①だろjk

3 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:20.56 ID:misaka13792
  ちょっと前にあったカレー味が一番うまかった

4 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:22.19 ID:misaka17587
  ②以外にあるの?

5 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:31.75 ID:misaka10124
  ブラックペッパーというのがあってだな…

6 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:39.88 ID:misaka19080
  ③でしょ

7 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします : 10:58:46.40 ID:misaka16676
  のりしおに決まってる
687 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 19:14:37.76 ID:t+nZJTYG0
~30分後~

御坂妹「投票受付が終了しました」

打ち止め「どうだったの!ってミサカはミサカは結果が待ちきれなかったり!」

番外個体「まぁまぁ、そう慌てなさんな」

御坂妹「今回は、全ミサカのうち999人の投票を参考データとして算出します、とミサカは懇切丁寧に説明します」

美琴「……なんか本格的ね」

御坂妹「改竄の余地がないように、算出から結果までの過程をこの備付PCにモニタリングします」

美琴「備付PCがあるとかどんだけ豪華なのよこの個室サロン……」

御坂妹「費用はお姉様持ちです」

美琴「いいから!2回も言わなくていいから!」
688 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 19:16:53.90 ID:t+nZJTYG0
~10分後~

御坂妹「……開票作業、終了しました」

打ち止め「絶対サラダが1番だもん!ってミサカはミサカは信じてる!」

番外個体「だからじゃがバターだと何度言えば……」

美琴「おいしそ梅が1番に決まってるわよ」

一同『いやそれだけはないわ』

美琴「何で私だけそんなに風当たり強いの!?」

御坂妹「モニタリングします」

パッ

一同『!!』
689 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 19:20:11.58 ID:t+nZJTYG0
―開票結果―

①サラダ    211票

②チーズ    211票

③じゃがバター 211票

④おいしそ梅  10票

⑤その他    356票



美琴「」
690 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 19:20:39.98 ID:t+nZJTYG0
御坂妹「……どうやら今回は引き分けのようですね」

番外個体「いや、全員から票もらったらじゃがバターが最強だと思うけどね」

打ち止め「絶対サラダだもんってミサカはミサカは―――」


美琴「……………………」ドヨーン


打ち止め「……シ、シュチョウシテミタリー」

美琴「何よ……おいしそ梅の何が悪いっていうのよ……」

御坂妹「……ま、まぁ好みは人それぞれですし、とミサカは慌ててフォローします」

番外個体「ほ、ほら、全員が投票してたらわかんないよ?もしかしたらおいしそ梅が1位になるかもしれないし……」

美琴「いいのよ……どうせ私はダメな姉なのよ……ぐすっ」

打ち止め「お、お姉さましっかりー!ってミサカはミサカはお姉さまを慰めてみたり!」

691 : ◆8sqEhIZQGI[saga]:2012/04/01(日) 19:22:58.00 ID:t+nZJTYG0
ということで今回の投下はここまでです
次の投下はいつになるかわかりません
再来週の日曜日には投下したいです
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2012/04/01(日) 21:24:41.80 ID:lcES0faF0
>>1乙!
面白かった。
しかしじゃがりこは
ジャーマンポテト以外は認めん!
異論は認める!
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2012/04/02(月) 07:08:18.60 ID:TE6FMMndo




718VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/07/08(日) 01:27:10.31 ID:OUofbIXCo
まだ生きてるな
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2012/07/08(日) 01:54:04.74 ID:JfU8el30o
でも依頼は出た

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