2013年2月5日火曜日

あまくさっ!? ~ただいま。~ 1

1>>1 :2011/08/23(火) 21:26:37.08 ID:504O0i+k0
   しーん・・・・・



神裂「むぅ・・・・・・、」ジー・・・

五和「ぐぬぬ・・・・・・、」ジー・・・

浦上「ふふふ」ニコニコッ


香焼「・・・・・・何やってんすか?」タラー・・・

 
 
浦上「見て分からないのカナ?」クスッ

香焼「分かりたくないから聞いてるの」ハァ・・・

浦上「ハハハ。えっとねぇ、『誰かさん』との『休日デート権』をかけたスピード(トランプ)勝負ですヨ」クスクスッ

神裂「浦上! で、デートなんて人聞きの悪い事を言わないで下さい! 禁書目録(インデックス)の『護衛の任務』です!」ジー・・・

五和「詭弁を。ホントは私の番だったのにねぇ」フンッ

神裂「そ、それは違います! 先日私の番を譲ったでしょう! であれば今回は私に譲るのが筋ではありませんか!」ムムム!

香焼(心底下らねぇ)ポリポリ・・・

五和「てか、ウラ(浦上)! コウちゃん(香焼)なんて放っておいて審判戻ってよ!」ムムム・・・

香焼「だからオマエら人ん家でさぁ」ハァ・・・

浦上「フフッ、素直じゃないですネー。因みに今はカオリ姉さま(神裂)がジョーカー止めてるですヨ」ニヤリ・・・

神裂「あ、こらっ!」ギョッ・・・

五和「やっぱり! 姉さん(神裂)、早く出してくださいよ!」ギロリ・・・

神裂「そ、それは私のタイミングでしょう! 意表をついて」アタフタ・・・

五和「私の方が残り枚数少ないからって意地が悪いです!」ジトー

神裂「なっ!? べ、別に!」クゥ・・・


    ぎゃーぎゃーぎゃーっ!!


浦上「始まった始まった」ハハハ

香焼「・・・・・・不幸っす」ハァ・・・


        あまくさっ!? ただいま。


もあい「にゃーん」フシ 
 
2>>1 :2011/08/23(火) 21:27:32.98 ID:504O0i+k0
建宮「こんばんわ。始めましての方は始めまして。お久しぶりですの方はオヒサーなのよな」ビシッ

建宮「この物語は『とある魔術の禁書目録』及び『とある科学の超電磁砲』の二次創作SSで原作崩壊・厨二等含む駄文でございます」

以下、大まかな設定。

・メインは天草式十字凄教の……香焼、五和、浦上、そして神裂。

・基本ほのぼの。キャラの性格は本編より丸い。   例) ステイルが14歳相応。神裂が18歳相応。

・ラブラブ、シリアス、エロエロは未定。

・大きく二分して、「学園都市編」と「英国編」。

・組織設定や社会背景等はやたらリアル思考……だけど駄文。

・前作『あまくさっ!』↓を見て貰えると色々早いです。
   ( http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1299/12992/1299246176.html )

・アンケートやリクエスト、偶に安価の御協力お願いします。

  建宮「矛盾点や歪みが多々出てくると思いますが、『魔術師(及び魔女)の仕業かっ!』と流して下さい」

建宮「では素人の駄文ですが、何卒、宜しくお願いします」ノシ 
 
 
4>>1 :2011/08/23(火) 21:49:32.49 ID:504O0i+k0
こんばんわ。>>1です。まず捕捉とか言い訳とかします。
始めに・・・・・・親戚の作品(本編?)は書き溜めするそうです。色々ごめんなさい。


それから登場人物簡易用語説明。


<勝手な設定>

・天草式の若手数名は偽戸籍(ダミーID)で学園都市の学校・生徒の中へ紛れ込んでいる。所謂、潜入任務である。
 コレは英国清教の命であり、また、アレイスター(あちら)側の意向。
 表向き――無論、一般的には裏である――英国側としては学園都市の動向を探るスパイ。
 しかし裏向きには――若手には悪いが――……アレイスター監視下の人質でもあった。

・神裂は、土御門からの呼び出し、禁書目録の『監視』という名のお世話(加え、上条当麻に会いに)、教徒の活動視察で学園都市に来る。
 ステイルも神裂と類似行動。ただしかなり暇人。何故か香焼と仲良し(本人は否定)。

・カルテッ娘・・・必要悪の協会(ネセサリウス)に所属・使者・嘱託として出入りする(喧しい)少女達。
         アニェーゼ、アンジェレネ、サーシャ、レッサー。(予備娘:ランシス)

・もあい・・・絹旗最愛が拾い、香焼が預かって半ば飼っているぬこ。決して絹旗本人ではない。

・⑦・・・削板軍覇。読み方は根性、正義、バカ。

・学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』・・・理事校指定の高級マンション。香焼宅(天草本部の金で)。

・火織姉さん18歳・・・歳相応。お友達はむぎのんとこのりん。

・メンヘラ少年ステイル君14歳・・・必要悪の協会№1ツンデレ。

・カミやん病・・・読んで字の如し。『彼』っぽくなる。


また追々捕捉してきます。分からない事や意見があればドンドン質問やコメしてください! 
 
14第①話(12話)―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 00:52:21.03 ID:3JwlWkfJ0
 ―――とある休日、PM00:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・


幻滅、という言葉がある。
我々の業界では有名な『彼』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を訳せばこうなるのか? と馬鹿な事を考え・・・・・・目の前の現実を見た。


神裂「パソコンって凄いですね」カチカチ・・・

五和「ね? 言ったでしょう。やっぱりカオリ姉さんも一台持つべきですって」フフフ

浦上「あー、香焼ー。炭酸無くなったから持ってきてー」ゴロゴロ・・・


うら若き乙女三人が、パジャマ姿でゴロゴロと・・・・・・何してんだ?


五和「見て分かるでしょ・・・・・・コウちゃん最近ボケてきた? 若年性あすぺるがー?」

香焼「現実逃避してんだよ。あとアルツハイマーだ馬鹿1号」ハァ・・・

浦上「まぁ見ての通りですヨ。カオリ姉様へのPC講座にゃー」フフフ

もあい「なー」ペシペシッ

神裂「・・・・・・おお! ドラマですよ! 海外ドラマ! 英国で人気のヤツです!」


半ば家族の一員と化した黒い子猫に長い髪を叩かれながら、違法動画を見つけてキャッキャしてらっしゃる我らが長姉(馬鹿3号)。
言っておきますけどそれ犯罪です。DVD借りてください。あとそれ僕のPCです。返してください。


五和「相変わらずコウちゃんは堅苦しいわね。モテないわよ? ぁ・・・・・・モテてるか」ボソッ

香焼「別に如何でもいいっての・・・・・・休みだからってゴロゴロしすぎ! もう昼っすよ! 着替えたり何なり」アーダコーダ!

浦上「細かいナー・・・・・・何でこんなんがモテるんだろう? カミやん病怖いですネー」ヤレヤレ・・・

神裂「こらこら、人を病気みたいに・・・・・・ん? 何かメールが来ましたけど、これって開いて良いんですか?」カチッ・・・

香焼「ちょ!」ギョッ!?

五和「待っ!」ゲッ!


ドゥンッ・・・・・


瞬間、画面が文字列塗れに。


神裂・五和『あ』デョンッ・・・

浦上「ぷっ・・・・・・あはははは! 香焼のPC死んだヨー! やっぱ病気じゃん!」ケラケラケラ!

香焼「」ポーン・・・

もあい「・・・・・・なぅ」ジトー・・・


刹那、三人の乗っかっている布団を引っ繰り返し、バグ処理に奮闘する羽目になった。
15 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 01:20:55.82 ID:3JwlWkfJ0
そんでもって約一時間後。バカ姉達が人目を気にせず着替え終えた頃にバグ処理終了。
五和と浦上は学校指定の制服。女教皇様は左右非対称痴女ファッションではなく落ち着いた格好。具体的にはロンスカとノースリーブシャツ。


五和「はい、コウちゃんマイナス1ポイントね」ビシッ

香焼「は?」

神裂「いえ、2ポイントです」ビシッ


意味が分からないです。


浦上「天草式香焼家ルールだよ。知らないノ?」

香焼「逆に、家主の自分が知らないのに何でオマエらが知ってるの? てかいつ決めたの?」タラー・・・

五和「コウちゃんが居ない時に決まってるじゃん。考えれば分かるでしょ? このお馬鹿ちゃんめっ♪」ニコッ!

香焼「・・・・・・、」イラッ・・・

五和「NDK? NDK? あ、カオリ姉さん。NDKっていうのは『ねぇ今どんな気持ち?』の略でして人をぶボわっ!!」ボフッ!!


とても腹が立ったのでとりあえずクッションを投げつけて黙らせた。


浦上「他には『なんてドエスな香焼』でも可ですネ」フフフ・・・

神裂「へー、ってそうじゃない。この家で私の事を女教皇(プリエステス)と呼ぶのは禁止です。あと痴女ファッション言うのもダメ」ビシッ

香焼「あーはいはい。そんじゃあ自分の心の声(地の文)にツッコミ入れるのも無しでお願いしますね」ハァ・・・

五和「コウちゃんのソレ(地の文)面倒なの! どうにかして!」キー!


だから心を読まねば良いのだよ。ダメダメ演技派女。



香焼「さておき・・・・・・今日お客さん来るんだけど」ハァ・・・

浦上「また、おにゃのこ? うわっ」フヒヒ・・・ヒョイッ!

香焼「喧しい。訳分からん事言うな」ジトー・・・

五和「はーい、訳分かると思いまーす。ねー、カオリ姉さん?」ニヤニヤ・・・

神裂「え、あ、まぁその・・・・・・あはは」ポリポリ・・・

もあい「みー」ゴロゴロ・・・

五和「ほら。もあいも分かるって!」フフフ・・・


打ん殴るぞ?


五和「だってコウちゃんはフラグ建てるだけ立てて回収しない事に定評があるカミやん病のレベル4くらいにってあ痛っ! やめっ!」バシバシッ!

神裂「こ、香焼! 無言で低反発クッションを武器にしてはいけません! 浦上も止めなさい!」アワワワ・・・

浦上「ほら、もあい。アンヨが上手~♪」オイデオイデー

もあい「なー」トコトコ・・・


各々が自分勝手。そんな平和な休日。
16 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 01:40:17.26 ID:3JwlWkfJ0
 
  ・・・・・寸・・・・・


五和「・・・・・・後で覚えてなさい。週明けから5日連続で夜勤シフトに組み替えてやる」イデデ・・・

浦上「はい、お姉マイナス1ポイントだよ」ハハハ

神裂「私怨で仕事内への嫌がらせは禁止です」ビシッ

五和「ぐ、ぬぬぅ・・・・・・悔しいぃっ!!」キー!


ざまぁ見ろ。


五和「こうなったらアニェーゼとレッサー辺りに無い事無い事吹き込んでやるんだから!」バンッ!


割とマジで止めて下さい。命に関わります。


浦上「まぁまぁ。ルチアくらいにしときなよ」フフッ

神裂「ルチアの方が危険ですね。香焼の事を虚勢しようとワクワクしてますから」ハハハ

香焼「・・・・・・笑えません」ハァ・・・

浦上「んで? お客さんってのは?」


そういえばその話をしようとしていたのだ。


五和「まぁ今更新しい女の子連れてきても驚かないけどねー。今度は何だ? 宇宙人か未来人の女の子かしら?」

神裂「こらこら、茶化すのはそろそろ止めなさい。それで? 絹旗さんか結標さんですか?」

浦上「それとも珍しく男の友達で・・・・・・削板くんとか?」


我が家に来る知人トップ3を上げられたが、その3人ではない。
というかその三人呼んでないのにウチ来る面子でもあるから困る。特に軍覇は自分不在にも拘らず勝手に飯を食ってる。


香焼「知り合いっちゃ知り合いっすよ。男の人」

神裂「もしかしてステイルですか?」

五和「うげっ・・・・・・マグヌス神父ですか」タラー・・・

浦上「あはは・・・・・・参ったナー」タラー・・・


この二人はステイルが苦手だ。二人に関わらず、ステイルに苦手意識を持っている人間は結構多い。
原因は色々だろう。自分や女教s・・・・・カオリ姉さんからすれば只の捻くれたツンデレ少年なのだが。


香焼「残念ながらステイルじゃないっすよ。アイツ、何故かウチ来ようとしないから」

五和・浦上「「ほっ」」グッ・・・

香焼「でもその内無理矢理でも連れてくるから」ニヤリ・・・

五和・浦上「「えー・・・・・・、」」タラー・・・

神裂「貴女達大概失礼ですね・・・・・・それでは誰が? 後は土御門くらいしか」フム・・・


アレはイヤです。絶対連れてきません・・・・・・そうなると、残りは『あの人』でしょう。
17 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 02:00:10.91 ID:3JwlWkfJ0
暫時沈黙。


浦上「・・・・・・まぁ私は知ってましたけどネ」ニャハハ


馬鹿1号と3号は未だ考察中。


浦上「いや、これ二人共悩んでるフリして現実逃避中なだけだからサ」クスッ・・・


そりゃまぁ、自分の家にいきなり『彼』が来るなんて言われたらそうなるか。


神裂「え、と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で?」ダラダラ・・・

香焼「何でって、来て見たいって言うもんっすから」


自慢ではないが自分の家は学園都市屈指の高級マンションだ。
『彼』の学生寮の家賃と比べて凡そ4~5倍である。


五和「え、な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・如何して、今日?」ダラダラ・・・

香焼「前々から約束してたっす。浦上には言った。そんで二人に伝えてくれとも言った」チラッ

神裂・五和「「浦上(ウラ)っ!!?」」ギロッ!!

浦上「ナハハ。面白そうなんで黙ってましたニャー」ケラケラ!

もあい「にゃー」フリフリ・・・


浦上は建宮さんの良い所悪い所、どっちも引き継いだお調子(キレ)者である。


五和「な、ちょ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どどど、ど、どうすんの!?」アタフタ・・・

神裂「え、ええっと、その、普段着は何処!? ああもうこの服をカットしましょうか!?」アタフタ・・・

浦上「姉様。その服カッティングしたら麦野さんブチ切れますヨ」ポンポンッ


ついでに『彼女』も付いてくるそうです。


神裂「れ、冷蔵庫の貯蔵は充分かッッ!!?」ダラダラ・・・

香焼「だから昨日の内に買い込んだんでしょう。少し落ち着いてください」ハァ・・・

五和「これが落ち着いていられるか! こ、コウちゃん! 色々言いたい事あるけど・・・・・・覚えてろぉ!!」ムキー!!


五和はさっきから悪党のテンプレ台詞しか言わないな。


浦上「そんでもって、何時に来るの?」

神裂・五和「「そ、それ大事!」」グイッ!


『何時でも良いっすよ』と言ってしまったので、そろそろ来るかも。


神裂・五和「「」」チーン・・・

浦上「大丈夫でっサー、お姉達。心の準備を使用がしまいが、彼は彼のペースですヨ」ハハハ

もあい「なー」コクコクッ


そのマイペースが怖いんだ、と姉達は半ば放心状態で冷や汗を掻いていた。
18 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 02:24:32.13 ID:3JwlWkfJ0
その後、何故か只管携帯でメールを打ち出す二名。多分友達か誰かにアドバイスを貰っているのだろう。
『め、メイク? 最低限のメイクって何ですか!?』とか『オリアナさん! モーションって何処までおk!?』とか電話しだすし。馬鹿だろ。


浦上「あはは。ね? オモローでしょ?」クスクス・・・

香焼「そうでもない。とりあえず浦上、『彼女』の為の食事作り下拵えでもいいから始めようよ。二人当てにならない」テクテク・・・

浦上「ソですね」パタパタッ


長髪をサイドポニーで結び、エプロンを取りに行く浦上。
一方電話を終えたらしいカオリ姉さんは改まった顔をして、自分のほうを向いた。


神裂「こ、こほんっ・・・・・・その、香焼。禁を破らせて貰うでの先に謝っておきます」キリッ・・・

香焼「え、あ、はい」


真面目な顔で正座をする長姉。自分も遵って彼女の前に正座した。


神裂「では・・・・・・彼と彼女は監視・護衛対象です。分かりますね」ジー・・・

香焼「・・・・・・、」コクッ

神裂「仲良くしてはいけないとは言いませんよ。寧ろ交友関係を築けるのであればそれに越した事はない」ピッ

香焼「ええ」コクコクッ

神裂「しかしですね・・・・・・『親しき仲にも礼儀(不可侵領域)在り』。聡明な貴方なら分かるでしょう」ジー・・・


分かるが・・・・・・この人に言われるのは納得がいかない。だが今の姉様は『女教皇』モードだ。
素直に頷いておく。揚げ足取りはしたくない。


神裂「よろしい。次からは気をつけるように。主に事前報告を・・・・・・良いですね?」

香焼「了解っす」コクン・・・

神裂「うん。それじゃあ・・・・・・メイク手伝って下さい」アタフタ・・・


は?


香焼「・・・・・・五和か浦上に頼んで下さい」エー・・・

神裂「五和は自分の事でいっぱいいっぱいですし、浦上は料理で忙しいでしょ!」

香焼「自分が浦上と交換しますよ」ハァ・・・チラッ・・・


刹那。


浦上「よーし。きょうは私が腕を振るうゾー」ボウヨミー!


悪意の篭った棒読み声が聞こえた。


香焼「ちょ、冗談抜きでオマエがメイク手伝えよ! 自分、メイクなんかした事」アタフタ・・・

浦上「ダイジョブダイジョブ。君なら出来るよ(笑)」ニヤニヤ・・・

神裂「こーやーぎー! おーねーがーいーしーまーすー!!」アタフタ・・・


畜生! もう如何にでもなれ!!
19 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 02:45:23.82 ID:3JwlWkfJ0
 ―――とある休日、PM03:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・


一方・・・・・マンション前バス停。


禁書「とうまとうま! このマンションだよ! 凄い凄い!」オオォ!

上条「・・・・・・ほえー」キョトン・・・

禁書「私達のアパートの2,3倍はあるよ! 早く行こうよー!」キラキラ・・・

スフィンクス「みー」キラキラ・・・

上条「お、おう・・・・・・ちょっと待て。今香焼に電話するから」Pi!



 Prrrr・・・・・



上条「あ、もしもし」

香焼『こんにちわ。あ、もしかしてもう着ちゃいました?』

上条「あー、うん。拙かったか?」

香焼『いえいえ。多分大丈夫かと・・・・・・ちょ、姉さん何処逃げる気!? そっちベランダっす!!』アワワワ・・・

上条「へ?」ポカーン・・・

香焼『な、何でもないっす。えっと喧しいのが3人居るんすけど、良いっすか?』

上条「天草の仲間か? 別に良いよ。気ぃ使わないでくれ」

香焼『あはは・・・・・・とりあえず自動ドア進んでください。エレベーター降りてくるんで、それに乗ってくれば自分の部屋の階で開きます』

上条「おう。そんじゃまた後で」Pi!


禁書「とうまー。こーやぎの家は大きいんだから料理も豪華なんだよねー?」ジー・・・

上条「その理屈はおかしい・・・・・・まぁでも天草の仲間が来てるって言うから美味い飯は出るかもな」クスッ

禁書「ひゃっほぅい! 早く乗り込むんだよー!」ダダダダッ!

上条「ちょ、待、あ・・・・・・自動ドアにぶつかりやがった。絶対壊すなよ」タラー・・・

スフィンクス「みゃう」トコトコ・・・
20 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 03:11:26.00 ID:3JwlWkfJ0
上条『そんじゃまた後で』Pi!


あらら、もう来たみたいだ。


五和「こ、コウちゃん! アイロン(ドライヤー)何処!?」アタフタ・・・

香焼「自分そんなもん使わないから置いてねぇよ・・・・・・姉さんはテンパってベランダエスケープしようとしないの」ハァ・・・

神裂「うぅ・・・・・・め、メイクは大丈夫なのでしょうか」ハラハラ・・・


男の自分が担当したのだから保障は出来ない。
リップは問題無かろうけど、目周りは姉さんパッチリ二重だから結構梃子摺った(てこずった)。


浦上「いやいや充分だよ。流石香焼。今度お礼にメイクしてもらいなって」ハハハ

神裂「わ、私で良ければ」フゥ・・・

五和「だ、ダメです! コウちゃんの初メイクは私がするって保育園時代から約束してるんですから!」ムッ!


確認しよう。自分は男である。


五和「あーもー・・・・・・こんなんなら私服持ってきとけば良かった」ハァ・・・

浦上「いや、普段見慣れてないお姉の制服姿に彼は胸キュン・・・・・・なのではなかろうか?」ニヤニヤ・・・

五和「そ、そうかなぁ」デレェ・・・

神裂「わ、私は・・・・・・やっぱりいつもの服を」アタフタ・・・

浦上「姉様ぁ。固法さんと麦野さんと『仕事以外でコッチに居る時は私服』って約束してるんでしょ?」メッ

神裂「し、しかし」タラー・・・

浦上「ふむ・・・・・・折角だから髪も下ろしましょうネー」ワサッ・・・

神裂「そ、それだけは勘弁してくださいってうわぁああぁっ!!」キャー!!


髪降ろして私服着たカオリ姉さんは最早別人である。


香焼「さて・・・・・・片付けは済んでるし、後は三人が『大人しくしてれば』完璧だな」


 ぎゃーぎゃーぎゃーっ!!


香焼「・・・・・・無理か」ハァ・・・

もあい「にゃん」コロコロ・・・


やっぱ帰ってもらえば良かったかも。
21 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 03:27:17.36 ID:3JwlWkfJ0
これでは真面目な我が家(?)のイメージが崩れかねない。如何にかせねばなるまい。


浦上「ふふふ。あきらめたら?」フフフ

香焼「・・・・・・元はといえばオマエの所為だろ」ッタク・・・


コイツは何でもかんでも物事をややこしくしようとする。


浦上「そんじゃあ任せなさいって。悪いようにはしないから」クスッ

香焼「もうなってんだよ」ハァ・・・

浦上「あはっ。まぁまぁ・・・・・・とりあえず姉様ー、お姉ー」チラッ

神裂・五和「「な、何?!」」

浦上「料理。頼めます? 私の腕ではこれが限界なので」クスクスッ


オマエ、米炊いて野菜切っただけだろ。腕を振るうゾとか豪語してたの誰だっけ。


浦上「『彼女』を満足させるには私じゃ役者不足なのですヨ。それに・・・・・・『彼』への愛情なんて二人の微塵も籠りませんからネ」ニヤリ・・・

神裂・五和「「っ!!」」キッ!


刹那、台所へ跳ぶ乙女二人。余計ややこしくなるだろうが。


浦上「ハハハ。まぁあの二人は料理で失敗しないヨ。食べ物だから足の引っ張り合いもしない筈だし」クスッ

香焼「・・・・・・はぁ」ポリポリ・・・

浦上「それに真面目な話二人の合作はホント美味しいですからネ」ニコニコッ


それは認めるが・・・・・・嫌な予感が拭い切れない。


浦上「香焼は考え過ぎなんだヨ。物事もっと単純に考えようヨー」ポンッ

香焼「むぅ」

浦上「とりあえず私達は客人を迎え入れる態勢で、ネ。どっしり構えなよ、家主さん」フフッ


ホント、都合の良い事言いやがって。コイツの器量が妬ましい。
22 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 03:46:11.32 ID:3JwlWkfJ0
何やかんやで、数分後、チャイムが鳴った。


神裂・五和「「っ」」ピクッ!

浦上「香焼ー、インターホーン」チラッ

香焼「あいよ・・・・・・はい」Pi!


画面に黒ウニと三毛の子猫が映った。


上条『あーえっと、香焼さん家で合ってます?』ペコッ

香焼「はい。今鍵開けますね」ポチッ

禁書『わっ! 謎の電子音・・・・・・とうま! 勝手に鍵が開いたんだよ』キラキラ・・・

スフィンクス『にゃー』キラキラ・・・

香焼「ははは。今行きますね」Pi!


ウィンドウを閉じ、玄関へ向かおうとした―――刹那。


神裂「五和、火の下お願いします」バッ!

五和「なっ! 行かせるかっ!!」ガシッ!!

神裂「ぬをっ!!?」ガッ・・・


あーあー。面倒臭いのが、また始まる。


神裂「わ、私は年長として・・・・・・そう! 長姉として客人を出迎えにぃ!!」グヌヌゥ・・・

五和「なぁにが年長ですかっ!! そういうズルはすべきじゃないでしょう! 年長者ならっ!!」ガシリッ・・・

神裂「わ、私が担当の調理分は終わってるんです! だから行けるんです!!」グイッ・・・

五和「そんな分担してないでしょう!! お年玉貰いに行く子供じゃないんだからドッシリとエプロン着て台所立っててください!」グググ・・・

神裂「そしたら貴女行く気でしょう!!」ギッ!

五和「私は中間管理として出迎える義務があると思います! だから姉さんは一生『諦めて』そこ居て下さい!!」ピョンッ!!

神裂「はい、聞き捨てなりませんね! 今のアウトです! 上条約(※)違反です!! 貴女がそこ居なさい!」ガシッ!!

五和「それを言ったら姉さんもでしょう!! 大人気ないです!!」ギギギ・・・


※上条約とは・・・『彼』を取り巻く女性達の中で暗黙の内に出来た決め事である。尚、魔術・科学サイド問わない。


浦上「・・・・・・香焼。さっさと行って来なさいナ」ハハハ


言われなくてもそうします。


神裂・五和「「あーあー!!」」ジタバタッ!!


一生キャットファイトしててください。
23 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 04:01:31.34 ID:3JwlWkfJ0

 ・・・・・寸・・・・・


香焼「お待たせしました。どうぞ」ガチャッ

上条「おう。お邪魔します」ペコッ

禁書「こーやぎ、お邪魔するんだよっ!」ヨッ!

スフィンクス「にゃー」ペコッ


礼儀の良いウニと猫・・・・・・もとい、上条当麻さんとスフィンクス。そして傍若無人な暴食シスター(ベルゼブブ)さん。


上条「噂には聞いてたけど、やっぱ凄いとこ住んでんだな」ハハハ

香焼「いえいえ、天草と英国・必要悪の協会(ネセサリウス)のお金でお世話になってる所っすから」

禁書「くんかくんかっ・・・・・・とっても好い匂がするんだよっ!!」キラキラ・・・

上条「そりゃまぁ家賃[ピーーー]円の部屋だから、ウチの陳腐なソレとは違うだろうよ」ハハハ・・・

禁書「そんな下らないボケじゃなく、ごはんの匂って事! やっぱり高級な料理なんだぁ!!」パアアァッ!!


貴女は我が家にどんな幻想を抱いて来たのでしょうか?


香焼「えっと、とりあえずお上がり下さい」スッ・・・

上条「おう。インデックス、粗相の無い様にしろよ。何か壊したら弁償金で明日から家無し状態になるからな」ビシッ!

禁書「とうま隊長了解です!」ビシッ!

スフィンクス「みゃー」フリフリッ

香焼「いやいや、そんな気張らなくても」クスッ


彼ららしいといえば、彼ららしいか。


禁書「ふふふ・・・・・・一番乗―― 『ドンガラガッシャーンッ!!』 ――・・・・・・あー」タラー・・・


・・・・・・馬鹿姉共め。


上条「い、インデックスさん・・・・・・言ったそばから何か壊しやがったなぁっ!!」ギャー!!

禁書「わ、私じゃないんだよ!! きっととうまの不幸オーラー力が具現化してこーやぎの家を破壊したんだよっ!!」ギャー!!


不幸オーラの具現化・・・・・・当たらずとも遠からずなのかもしれない。
兎に角、客人を玄関先で立たせっ放しというのは申し訳ないので頭を抱えながら居間へ案内した。
24 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 04:22:11.67 ID:3JwlWkfJ0
さて、台所を見るのが怖いんだが。


禁書「お邪魔しまー、す・・・・・・あー」タラー・・・


神裂「」チーン・・・

五和「」ボーン・・・


上条「あー・・・・・・、」タラー・・・


空気が凍る。楽しそうなのは我関せずの浦上ともあいだけ。


香焼「・・・・・・あのさぁ」ジトー・・・


何で電子レンジと食器洗い機が面白オブジェになってるのかな?


五和「・・・・・・姉さんが紫電纏った手刀を繰り出しました」コイツ・・・

神裂「・・・・・・五和が炎風交じった回蹴りをかましました」ソイツ・・・

香焼「・・・・・・、」チラッ・・・

浦上「ドッチも嘘吐いてないヨー」ニャハハ

もあい「なー」フシフシ

香焼「違ぇよ!! オマエ止めろよ!!」ガアアアァ!!


マジ、弁償しろよ。


神裂・五和「「・・・・・・ごめんなさい」」ショボーン・・・

禁書「わぁ・・・・・・とうまの不幸オーラ力まじパネェんだよ」タラー・・・

上条「インデックスさん。その危ない口調止めなさい。あと上条さんの所為じゃございません・・・・・・多分。うん」タラー・・・


まぁ料理を回避してる辺りがプロなんだろうけど・・・・・・ホント自重してください。
これ以上暴れたらオッカナイ人(※)に言いますからね。


神裂「そ、それだけは・・・・・・、」ダラダラ・・・

五和「・・・・・・勘弁してください」ダラダラ・・・


とりあえず壊したモノを片付けろ。


神裂・五和「「はい」」トボトボ・・・

浦上「※オッカナイ人とは・・・『笑顔の恐怖』オルソラさんと、『冷酷王女』ベヨネt、ゲフンゲフンッ! リメエア姫の事だヨ」ニャハハ


オマエも他人事だと思うなよ?


浦上「・・・・・・Oh」タラー・・・
25 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 04:35:54.72 ID:3JwlWkfJ0
さておき。


上条「ええっと・・・・・・何か良く分かんないけど、オレも片付け手伝うよ」テクテク・・・

香焼「あ、いえ、お客さんにそんな」

上条「良いって良いって。客人扱いとかホント止してくれ。ステイルとかと同じ感覚で良いからさ」ニカッ


それはそれでまた異なるのだが。


上条「インデックスはスフィンクスと浦上の方行っててくれ。俺は二人手伝うよ」スッ・・・

神裂「い、いえ! 御気になさらず。自業自得なので」アハハ・・・

五和「上条さんが怪我されても困りますし」アハハ・・・

上条「いやいや、女の子に怪我される方が困るよ」クスッ


はい、キュンと来たこれ。


浦上「流石本元カミやんさんだネー」ニヤニヤ・・・

もあい「なー」コロコロ・・・

禁書「・・・・・・噛み付く準備は万全なんだよ」ギロリ・・・

スフィンクス「みゃー」トコトコ・・・


貴女達は大人しく猫と遊んでて下さい。


上条「えっと・・・・・・ん?」ジー・・・

神裂「な、何か」タラー・・・

上条「・・・・・・香焼。此方は?」


え?


上条「そっちは、五和だよな。制服着てるから分かり辛いけど」ジー・・・

五和「は、はい・・・・・・あはは。やっぱり変ですか」ポリポリ・・・///

上条「いや、そんな事ないよ。学生に扮してるってのマジだったんだな」ジー・・・

五和「そ、そんなに見ないで下さいよ」ムゥ・・・

上条「わ、悪い悪い」アハハ・・・


流石役者魔術師。ぶりっ子上手だな。
26 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 04:48:25.50 ID:3JwlWkfJ0
上条「それで、だ・・・・・・此方は、その・・・・・・お初?」ジー・・・


カオリ姉さんを見詰める朴念仁(上条)さん。


五和「・・・・・・えっと、マジで言ってます?」タラー・・・

上条「へ?」タラー・・・

神裂「」カアアアァ///


やっぱり私服着て髪降ろしてメイクすれば、気付かないものか。


浦上「あらら・・・・・・禁書目録。あの人誰だか分かりますよネ?」クスッ

禁書「当たり前。かおりでしょ」コクッ


瞬間、固まるウニ頭。


五和「くっ・・・・・・やっぱインパクトで勝負すべきだったか」チッ・・・

上条「か・・・・・・神裂さん?」キョトン・・・

神裂「」コクコクッ・・・///

上条「で、でも三人とも『姉さん』とか『姉様』って」タラー・・・

浦上「この家のルールなんです。この家の中では『女教皇』呼ばわりしない事ってネ」フフッ

上条「あー・・・・・・へー」ジー・・・

神裂「じ、ジロジロ、見ないで下さい」カアアァ///

上条「お、おぅ」ポリポリ・・・


やっぱり贋作と違って天然モノは違うなぁ。


五和「・・・・・・後で覚えてろ」ジトー・・・


上条さんの前でキャラ崩壊してるぞ? 良いのか?


五和「ぐ、ぬぬぅ」ギリリリ・・・

上条「五和? どっか切ったりしたのか?」チラッ

五和「いえいえ。御気になさらず」クスッ


その変わり身だけは賞賛に値するよ。
27 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 05:08:52.20 ID:3JwlWkfJ0

 ・・・・・寸・・・・・


香焼「上条さん、後は大丈夫っす。お茶出すので居間にどうぞ」

上条「ん。あいよ」コクッ


結局、上条さん主体での片付けとなってしまった。本当に申し訳ない。
一方、禁書目録はというと・・・・・・もあいとスフィンクスにわんこ芸を仕込もうとしていた。無茶な真似をするな。


五和「はぁ・・・・・・とりあえず姉さんは禁書目録の方に。私とウラが料理装っておきます」チラッ

浦上「ふむふむ」スッ・・・

神裂「・・・・・・感謝します」コクッ


猫に囲まれる修道女の下へ向かう長姉。自分はベランダで景色を眺める上条さんの所に歩を進め、二人を見ることにした。


禁書「そうじゃなくてハウスは・・・・・・あ。かおり!」パアアァッ!!

神裂「ご無沙汰してます。二週間ぶりでしたか」フフッ・・・

禁書「約一週間と5日と17時間25分ぶりなんだよ」クスッ

神裂「随分正確なアバウトですね。変わりありませんか?」

禁書「うん。かおりは・・・・・・変わった! とぉっても綺麗だよ!」フフフ

神裂「・・・・・・ありがとう」ポンッ

禁書「えへへ。あ! そうだ! この前ね―――」


あの二人は・・・・・・色々、考えさせられる。


上条「昔に比べれば全然ギクシャクしてないだろ」ハハハ

香焼「貴方のおかげっすね」コクッ

上条「何も。元々インデックスがああしたかったから、ああなってるんじゃないかな。勿論神裂もそうしたかったんだろうし」

香焼「でも・・・・・・記憶が」

上条「記憶が振り出しとかそういうのじゃなく・・・・・・何つーのかな、身体で覚えてたんじゃねぇの? 本能的っていうかさ」ポリポリッ


『躯』が『魂』の記憶を引き継いだ、という話か。


上条「あはは。詩的だな。流石理事校生」クスッ

香焼「関係ないっすよ」クスッ


個人的というか、教徒的にいえば・・・・・・現人神の如したる女教皇様が心から微笑んでる姿を見れて、感謝している。


上条「家族の、姉の、笑顔だろ」ポンッ

香焼「・・・・・・はい」コクッ


我が家のルール、か。
28 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 05:23:20.53 ID:3JwlWkfJ0
となると、あとは№1ツンデレ・メンヘラ男を如何にかするだけだが。


上条「アイツは・・・・・・難しいな」ハハハ・・・

香焼「良いヤツなんすよ」

上条「知ってるよ。だけど不器用だ」


決して素直にならない。


上条「前に神裂が言ってたけど・・・・・・周りから崩してやるしかないんじゃないか」

香焼「周り、っすか」

上条「オマエなりアニェーゼなり、最近打ち解けてきた連中が中心にな。出来ると思うぞ」

香焼「・・・・・・努力します」クスッ


相当骨が折れそうだけどね。
さて、そろそろご飯も出せそうだし中へ・・・・・・


禁書「―――ねぇねぇ、かおり。私にもそういうおめかし出来るかなぁ」ジー・・・

神裂「私なんかよりずっと美人になりますよ。尤も、私はメイクマンにやってもらったので自分では何とも」アハハ

禁書「めいくまん?」

神裂「はい。香焼に」チラッ・・・


・・・・・・あー。


上条「・・・・・・香焼、凄ぇな」ヘー・・・

香焼「え、あ、いや」タラー・・・

浦上「今度姉様が香焼にメイク施すんですもんネー」ニシシ・・・

香焼「ちょ、オマ!?」ゲッ!?


上条さん、その『え。前々から勘繰ってたけどやっぱオマエ男の娘(そっち)の趣味が』的な目を止めてください。


五和「あ・・・・・・そうそう。他人でメイクの練習するのは良い手法と聞きますね」ニヤリ・・・

禁書「じゃあとうまで」チラッ

上条「勘弁してくださいお願いします」ダラダラ・・・


自分からもお願いします。上条さんは男らしい上条さんでいて下さい。
29 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 05:32:21.75 ID:3JwlWkfJ0
じゃあやっぱりぃ、と悪意の籠った笑みで馬鹿2号が告げた。


浦上「もう皆で香焼の顔に化粧すれば良いと思うヨ」ハハハ

禁書「むー。分かった。こーやぎ。練習台宜しく」


なっ・・・・・・


神裂「えっと、宜しくお願いします」タラー・・・

五和「ふふふ・・・・・・楽しみだわぁ」キランッ・・・


ちょ・・・・・・


香焼「か、上条さん!」タスケテッ!

上条「そ、その、何だ」ポリポリ・・・


数歩進み出て、自分を残して部屋に入り、自分に向かって背中越しに。


上条「まぁ・・・・・・頑張れ」アハハ・・・

香焼「」チーン・・・


英雄は残酷にも言い放った。
結局夕食後、鋼糸(ワイヤー)で固定され、散々な目にあったとさ。


香焼「不幸っす」グデェ・・・

五和「やっぱ可愛いいいいぃっ!!」キャー!!

神裂「・・・・・・ほぉ」キランッ・・・

浦上「後は服を女物にして・・・・・・、」フムフム・・・

上条「ふむ・・・・・・青ピの言ってた事を理解したかも」カシャッ・・・

禁書「なんかもあいに似てるね」ジトー・・・

もあい「なー?」キョトン・・・

禁書「君じゃなくてもあいだよ」フフッ・・・


んもー。誰か助けてください・・・・・・―――
30 :第①話―――上条「まぁ・・・・・・頑張れ」 香焼「」チーン・・・ :2011/08/24(水) 05:46:28.43 ID:3JwlWkfJ0
  <おまけっ!>




スフィンクス「にゃっ(ちょ、オマエ毎日モンポチ喰ってるの?)」ギョッ!

もあい「なぅ(毎日じゃないですよ。これはご主人様がお土産でくれたヤツの余りです)」

スフィンクス「みー(オマエのご主人金持ちだなぁ・・・・・・もう残飯で慣れちゃったよ)」

もあい「にゃー(いやいや、金持ってるのはもう一人のご主人ですって。この男の娘は結構ケチだよ)」

スフィンクス「なーぉ(どっちにしろ羨ましいよ。はぁ・・・・・・こんな豪邸住みたいなぁ)」

もあい「みゃっ(偶に来てもいいですよ。無理なんですか?)」

スフィンクス「なー・・・・・・(公園くらいなら行けるけど流石に第1学区まではなぁ)」

もあい「みゃー(あ、公園でも大丈夫ですよ。ご主人様が野良猫たちに超豪勢な餌振舞ってますから)」

スフィンクス「みゃぅ!(マジ?! 行く行く!)」キラキラ・・・


浦上「ニャハハ。おもろい話してますネ」クスクスッ

禁書「うらーは猫の声が聞こえるの?」キョトン・・・

浦上「まぁそれなりに。あと『うらー』ってのは止めて下さいヨ。赤じゃないんですから」ハハハ


香焼「」チーン・・・

五和「わぁ! やっぱ姉さんメイク上手です。何やっても上手いんですから」オー!

神裂「五和の教え方が上手だからですよ・・・・・・それにしても香焼。別人ですね」フフッ

上条「あのー、そろそろ香焼の男としての尊厳ライフが0に近づいてますよ?」タラー・・・

五和「・・・・・・うん! このコウちゃんなら上条さんに一日貸して上げても良いですね」フフッ

上条「・・・・・・無駄に可愛いので色々困ります」ポリポリ・・・

香焼「」

神裂「あ。音もなく倒れましたよ」キョトン・・・








 『終われっ!!』 
47第②話(13話)―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ [sage]:2011/08/25(木) 00:13:16.17 ID:Jhet7Q0e0
 ―――とある休日、AM05:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・









天草式の魔術は『普段の生活』の『何気ない事』が魔翌力だったり術式に繋がるものも多い。
この『早起き』というのも、とある由縁の一つなのだが・・・・・・それ以外にも色々メリットがある。

目覚ましを叩いて止める少年―――香焼。
眠気眼のまま居間に移動し何故か我が家で、もあいを抱きながら寝ている馬鹿1号(五和)を踏みつけ・・・・・・


五和「う、ごぅ・・・・・・くぅ」プルプル・・・パタンッ・・・

香焼「五和、オマエいつの間にウチ来たんすか」ハァ・・・

五和「ぐぅ・・・・・・すぅ」ムニャムニャ・・・

もあい「くぅ」スヤスヤ・・・


・・・・・・やれやれ、と顔を洗いに洗面所へ向かう。


香焼「・・・・・・よしっ」パシッ


ジャージを着て、玄関に。そしてランニングシューズを履いて、ミュージックプレイヤーを再生する。
ステイルに借りたよく分からないブリティッシュロックがガンガン頭に響き渡り、眠気を取っ払う。


香焼「行ってきます」ガチャッ・・・


早朝ランニングへ向かった。
48 :第②話(13話)―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ [sage]:2011/08/25(木) 00:50:45.65 ID:Jhet7Q0e0
 ―――とある日、AM05:40、学園都市第7学区、とある(イカレ自動販売機在中の)公園・・・・・


この街は早朝でも心地良い気質である。コンクリートジャングル故に暑そうなイメージがあるがそうでもない。
流石は科学の街。大型の空調管理機だかシステムだかで天候以外は操作できるらしい。


香焼「そんな所が嫌われるのかもしれないけどね」ハハハ・・・


自然の理に反してる、と邪険にする反科学信仰な輩もちらほら。非常に馬鹿馬鹿しいと思う。

さておき、このランニングには二つの意味がある。
一つは先と同じように魔術的な体調管理・調整の様なモノ。もう一つは純粋なトレーニングとしてである。
自分は周りの連中とは違い、身体が小さく魔術師としてもまだまだ未熟。一武道家としても(短刀使い・天草式体術など)ヒヨっこ。

要するに『努力』しなければ、周りの『天才』達に取り残されてしまうのだ。


香焼「・・・・・・こういう考えしてると、また怒られるな」タッタッタッタッ・・・


こういう事をポロリ口溢すと、主にアニェーゼ、アンジェレネが僕を叱る。
何でそんなに必死になって怒るのか分からないってくらい怒る。ホント勘弁してください。


 ・・・・・寸・・・・・


少し遠出をしようと、第7学区南部の公園の方まで足を伸ばす。自分が最愛とよく待ち合わせするイカレ自販機の公園。
園内の中枢にある自販機が見えた辺りで時計を止め、財布を取り出した。


香焼「・・・・・・あれ?」ピタッ・・・


人影。

こんな時間に公園にいるのは、早朝散歩が趣味な老人か公園を根城にしている浮浪者くらいだろう。
よくよく目を凝らすと・・・・・・


香焼「・・・・・・佐天さん?」キョトン・・・


柵川中学に通ってるという自分と同学年の女の子。以前、この公園で最愛と一緒に仲良くなった。


佐天「ん・・・・・・あれ? 香焼くん?」キョトン・・・


水色のジャージにポニーテール姿。普段の姿とは90度くらい違って見える。


香焼「えっと、おはよう」テクテク・・・

佐天「あ、うん。おはよう。どうしたの?」キョトン・・・

香焼「まったく同じ事聞きたいっすけど。自分は早朝ランニングってとこだよ」クスッ

佐天「ハハハ。私も同じだよ」クスクスッ


何とまぁ、意外な同好の志がいたものだ。
49 :第②話(13話)―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 01:04:47.03 ID:Jhet7Q0e0
彼女は『ふぅ』と汗を拭うと、その場で軽いストレッチを始めた。
自分はとりあえずスポーツ飲料でも買おうと彼女の横まで移動する。


佐天「あれ? 香焼くんって第1学区じゃなかった?」フー・・・

香焼「え、うん」コクッ

佐天「此処まで走りに来たの!?」キョトン・・・

香焼「あはは、そだね」ポリポリ・・・


牛乳スポドリというのを購入してみる・・・・・・不味い。


香焼「うぇっ・・・・・・佐天さんは毎日走ってるの?」ダバダバ・・・

佐天「毎日って訳じゃないけど、最近は結構頻繁にかな。って、それ勿体無っ」タラー・・・


だって不味いんだもん。


佐天「始めにハズレだって気付きなよ」ハハハ・・・

香焼「何かこう・・・・・・冒険心?」

佐天「ハハハ。御坂さんみたいなこと言うんだね」クスッ


超能力者第3位はゲテ物チャレンジャーらしい。とっても如何でもいい情報だよ。ありがとう。
佐天さんは首をグリグリ回した後、此方を見て提案した。


佐天「ストレッチ、する?」チラッ

香焼「え?」キョトン・・・

佐天「二人組で体前屈とかって事」ニカッ


そういう事か。では同行しよう。
50 :第②話(13話)―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 01:21:04.77 ID:Jhet7Q0e0

  ・・・・・寸・・・・・


二人で芝生のある辺りに移動し、ストレッチを始める。まずは各々。


佐天「・・・・・・んー」ジー・・・

香焼「どうしたの?」グググ・・・

佐天「いや・・・・・・何かね」フフッ

香焼「??」ポカーン・・・


何故か僕の顔を見て微笑む彼女。


佐天「あ、知ってる? ストレッチしてる時は適度なお喋りすると良いんだって」グッ

香焼「有酸素運動になるからね。あと気分的にもリフレッシュできるし」コクッ

佐天「なるほどなるほど。やっぱ頭の良い香焼先生は知ってらっしゃったかぁ」フフッ

香焼「先生なんて言われたの初めてっすよ」クスッ

佐天「そう? 香焼くん、イメージ的にはインテリ系だと思うけど。普通に眼鏡とか掛けてそうだよ」クスクスッ


生憎視力は2,0オーバーです。


佐天「私もー! 意外なところで同じ点多いね」ハハハ

香焼「そうかな」クスッ

佐天「まー、身長(タッパ)は私の方が大きいけどね」ニヤリ・・・

香焼「うぐっ」グサリッ・・・


気にしている事を・・・・・・


佐天「あー、ごめんごめん! あ、後でジュース奢るから許して!」アタフタ・・・

香焼「・・・・・・別にいいっすよ」ハァ・・・


悔しいが実際、彼女のほうが数センチ大きい・・・・・・主(神様)の馬鹿ヤロー畜生めー。
51 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 01:53:41.82 ID:Jhet7Q0e0
さておき、二人組みのストレッチへ。先に佐天さんが地面に伸脚で座り、自分がそれを押す形に。
彼女のポニテを避け、背中・腰を押す。


佐天「ふー」グググ・・・

香焼「佐天さん、柔らかいっすね」ヘー

佐天「そうかなー」フー・・・


開脚も180度に近いくらい開いている。一般女性なら充分だろう。


佐天「アハハ。まぁ身体能力と元気が取り得ですから」クスッ

香焼「いやいや。最後にモノをいうのは身体能力だよ」クスクスッ

佐天「そうかな」ハハハ・・・


足の裏をくっつけ、両膝をペタリと地面に付ける彼女。多分対馬さんくらいは柔らかい。
余談だが、自分の身内(天草教徒)は基本的に身体が柔らかい。女教皇様や五和は逆立ちしながら180度前後左右開脚可能。


佐天「随分アクロバティックな身内さんだね」ハハハ

香焼「化け物レベルっすよ・・・・・・はい。このくらいでOKっすか?」

佐天「ありがと。じゃあ・・・・・・肩と太腿押してくれる?」グルッ


仰向けになり、片足を身体の反対側に入れる彼女。


香焼「ゆっくり押すよ」グッ

佐天「くぅ~。効くねー」グググ・・・


撫でられた猫の様な表情をする佐天さん。なんか親父臭い。


佐天「ひどーい。こう見えても乙女なんですけどっ」ジトー・・・

香焼「ははは。ごめんごめん。じゃあ反対ね」クスッ

佐天「うー・・・・・・後で覚えてろよー」ムムッ


頬を膨らましてジト目で見遣ってくる少女。五和みたいな事言わないでください。
52 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 02:09:50.20 ID:Jhet7Q0e0
一通りの柔軟が終了し、交代する。


佐天「さてさてぇ・・・・・・多少強引にやっちゃうぞー」ニヤリ・・・

香焼「はいはい。遠慮なくどうぞ」クスッ


背中を押される。


佐天「よっと。って・・・・・・柔らかっ!?」ギョッ!

香焼「ハハハ。硬くなくてゴメンね」クスッ

佐天「ぐぬぬぬぅ・・・・・・開脚なら!」


180度開脚してみせる。


佐天「・・・・・・、」アー・・・

香焼「自慢じゃないけど、このまま逆立ち出来るっすよ」フフッ

佐天「・・・・・・香焼くん。君は何者だい?」タラー・・・


『普通』の同い年だよ、と苦笑しながら誤魔化した。


佐天「なんだよー。タダの優男くんじゃなかったのね」クスクスッ

香焼「あー。佐天さん、自分の事そういう風に見てたんすね」ジトー・・・

佐天「ぶっちゃけ庇護欲の沸く男の子かと」クスッ

香焼「ひどっ!?」

佐天「ハハハ。冗談だよ。でももしかしたら色んな意味で弱っちいかなぁと思っちゃってました。すいません」アハハ・・・


まぁ見た目が見た目だから、よくそう思われるけど、ショックだ。


佐天「で、でもでも! ほら! 評価改まったから! 初春とか春上さんよりも身体能力は上なんだなぁって!」アタフタ!

香焼「・・・・・・あの二人?」

佐天「えっと、柔軟で爪先まで手が届かない。あと腕立て20回出来なかったり、短距離長距離凄ーく遅かったり」ポリポリ・・・

香焼「え、えっと、人には向き不向きが有るっすよ。多分能力無しの最愛もそんな感じだろうし」ポリポリ・・・

佐天「最愛ちゃんは・・・・・・運動しなさそうだもんね」ハハハ・・・


どうも高位の能力者は能力(チカラ)に頼りっきりみたいだからね。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 02:12:49.82 ID:8PN+5sTDO
おまわりさん! 朝っぱらから少年少女が身体くっつけたり離したりしてます!
54 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 02:26:06.94 ID:Jhet7Q0e0
刹那、彼女はふと、難しそうな表情を見せ『でも』と呟いた。


佐天「・・・・・・御坂さんや白井さん、固法さんは身体能力も高いよ」

香焼「努力してる人はしてるんだね。でも佐天さん程じゃないでしょ」

佐天「そう、かな」ハハハ・・・


照れてるような複雑そうな、何ともいえない表情。


佐天「・・・・・・まぁ人それぞれだよね。さぁ香焼くん、続き! 仰向けなって!」エイッ!

香焼「おわっ!」ゴロッ

佐天「そんじゃあ・・・・・・このまま関節技(サブミッション)へ移行しましょうか」ニヤリ・・・


勘弁してください。


佐天「冗談冗談。じゃあ押すよー」グッ・・・

香焼「うぇっ!?」ファサッ!

佐天「あ、ごめん!」アララ・・・


彼女が横を向いた瞬間ポニテが自分の顔に掛かった。


佐天「ははは・・・・・気をつけます」ペコッ

香焼「仕方ないよ。気にしないで」クスッ

佐天「優しいねー・・・・・・ふむふむ。やっぱ香焼くん、意外と筋肉あるんだね」ムニムニ・・・

香焼「ひゃぅっ!!? ちょ、何してんの!?」ギョッ!

佐天「太腿もみもみ。腕もみもみ」オー・・・

香焼「や、やめっ! んやぅっ!!」ビクッ!

佐天「はっはっはっはっ! かわいー。女の子みたいだね! 良いでわないかー良いではないかー!」ニシシ!


暴走したレッサーみたいな事しないでください!
55 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 02:49:02.78 ID:Jhet7Q0e0
寮監「>>53。屋上だ」



 ・・・・・寸・・・・・



ストレッチという名のセクハラが終わる。時計を見ると7時を過ぎた辺りだった。


佐天「あー。そろそろ帰らないと拙いね」チラッ

香焼「そうだね。一応平日だし」

佐天「・・・・・・うん」スッ・・・


立ち上がり葉っぱを払う佐天さん。自分も身体を起こし、髪についた砂を払った。
では、そろそろ出ようか。


佐天「あ・・・・・・ねぇ。香焼くん」チラッ

香焼「ん?」ピタッ


イヤホンを耳に掛けようとした瞬間、呼び止められた。


佐天「あの、さ。私はいつも此処グルグル走ってるんだけど・・・・・・香焼くんは?」

香焼「自分は気分で色々っすよ。基本的には第1学区周りっすけどね」

佐天「そうなんだ・・・・・・えっと、良かったらなんだけど、一緒に走らない?」ポリポリ・・・

香焼「え?」キョトン・・・

佐天「あ、いや。無理だったら別にいいんだけど」アハハ・・・


無理ではないが、どうして?


佐天「どうしてって・・・・・・ま、まぁ同好の士としてかな」ポリポリ・・・

香焼「ははは。なるほどね」クスッ


それなら大歓迎だ。


佐天「ほ、ほんと!?」パアアァッ!!

香焼「うん。でも自分、毎回こっち来れる訳じゃないっすよ」

佐天「それは、ほら! メールで場所とか時間考えれば大丈夫! 私、香焼くんとアド交換したよね?」ニカッ!

香焼「うん。した筈っすよ」コクッ

佐天「よしっ! じゃあまた後でメールするよ!」ブイッ!


やけに楽しそうな彼女。


佐天「うん! それじゃあまたね!」ノシ


元気良く駆けて行く彼女。自分も自販機で缶ジュースを一本買った後、自宅へ戻る事にした。 
 
63 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 03:53:22.01 ID:Jhet7Q0e0
 ―――とある日、PM05:30、学園都市第7学区、風紀委員第177支部・・・・・







佐天「・・・・・・ふふっ♪」カチカチッ・・・



御坂「・・・・・・ねぇ。何で佐天さん楽しそうに携帯打ってるの?」ボソッ

初春「さぁ」ジー・・・

春上「朝からずーっとああなの」ジー・・・

御坂「ふーん。また変な都市伝説でも見つけたのかな? 先輩、如何思います?」フム・・・

固法「貴女達。自然に私に話しかけてるけど、此処何処だか良く考えて私に話振ってね」ハァ・・・

初春「まぁまぁ。そこはこう空気読みましょう」ニコッ

固法「オマエは仕事しろ!」ボフッ!

御坂「え、えっと・・・・・・宜しければ先輩の意見をお聞かせ願えないでしょうか」ペコッ

春上「お願いなの」ペコッ

固法「ハァ・・・・・・そんなに気にしなくても、本人がその内話すでしょ」ッタク・・・

御坂・初春・春上『へ?』


白井「・・・・・・男、ですの」ボソッ・・・


御坂「あ。黒子いたの?」

白井「黒子だけに目立たずに、ね! ってじゃかあしぃですの!!」ナンデヤネンッ!!

初春「・・・・・・男、だと?」ダラダラ・・・

白井「先輩の含みの有る言い方も考慮すればそう推察すべきでしょう・・・・・・先輩は男のプロですからぶべしっ!!」ボンッ!

固法「誰が男のプロよ!!」ガアアァッ!!

春上「え、えっと、それで?」タラー・・・

固法「ハァ・・・・・・好きな人かどうかは別として楽しそうなんだからそれで良いじゃない。深く聞くもんじゃないわよ。特に携帯は」ポリポリ・・・

白井「流石、怪しいメールが原因で彼氏と大喧嘩した女はいう事が違いぃだだだだだぁっ!!」ギュウウゥッ!!

初春「でも仲直りした次の日の学校は午後から登校になるほど激しく燃えたんでしたっけうぃ痛い痛い痛いぃっ!!」ガシッ!!

固法「だ、黙ってろ!!」カアアァッ///

春上「ほぇ?? 午後登校? 激しく燃えた??」ポカーン・・・

御坂「は、春上さん。聞かなくて良いからね」タラー・・・///



佐天「・・・・・・えへへ♪ 明後日、かぁ」カチカチッ・・・Pi!
64 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 04:05:50.39 ID:Jhet7Q0e0
【特別コーナー:教えてK先生!】



垣n・・・K『はい。サラッと疑問に答えるぜ』




・禁書目録、御坂、姫神、妹達(上条派)、神裂、五和、オルソラ、吹寄。など


 ↑上条絶対~~~~(レッサー、白井など)~~~~香焼旗↓


・絹旗、結標、アニェーゼ、アンジェレネ、サーシャ、佐天、春上、那由他。など




K『という勝手なイメージです。ただし、一方通行枠と浜面枠もあったりするよ』


例)絹旗の浜面に対する微妙な感情。結標の無意識下での一方通行に対する懐柔。など


K『またチョイチョイ捕捉するよー』ノシ
65 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 04:26:05.97 ID:Jhet7Q0e0
>>47・・・とある休日 → 『とある日』 に訂正。



 ―――それから数日後、PM07:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・





 ・・・・・イタダキマース!


五和「もぐもぐ・・・・・・そういえばさぁ」チラッ

香焼「ん?」

五和「最近コウちゃん朝早くない?」ビシッ

神裂「こら、箸で人を指してはいけません」メッ

五和「あ、はい」コクッ

香焼「自分としては、最近朝になると何故か五和がウチの居間で寝てるって事の方が不可解っす」モグモグ・・・

五和「義姉弟なんだからいいでしょー」ムゥ

香焼「そういう問題じゃねぇっつの」ジトー・・・

五和「それじゃあ、ほら! 大事な大事な義弟ちゃんの事が心配で心配で」フフフ・・・

香焼「キモい! てか真夜中! 施錠してんのに! どっから入ってきてるの!?」

五和「き、きもいって」ガーン・・・

浦上「香焼ー。お姉のキーピック技術嘗めたらダメだヨ。最新式の指紋声紋認証だって突破するゾー」ハハハ

香焼「・・・・・・それについては驚かないっすよ」ハァ・・・

神裂「ふむ・・・・・・五和。家主(香焼)が疑っているのです。真面目に応えなさい」モグモグ

五和「え、えっと」ポリポリ・・・

浦上「エアコンぶっ壊れたんですよネー。だから年中快適な此処来てるんだヨ」フフッ

五和「あ、こら!」アワワ・・・

香焼「・・・・・・アホくさ」ハァ・・・

神裂「まぁ家主が嫌がっているのであれば訪問しないべきでしょうけど」ハァ・・・

五和「じゃあ姉さん。あの辛気臭い都市立ホテル、一人で泊まれるんですかー。それが嫌だから此処来てるんじゃないんですかー」ブーブー!

神裂「ぐっ・・・・・・こ、香焼が迷惑というのであれば・・・・・・止むを得ないでしょう」クゥーン・・・

香焼(貴女追い出したら他の教徒に殺されます)タラー・・・

浦上「まぁまぁ。皆仲良くしましょうヨ。ねー香焼」チラッ

香焼「・・・・・・まぁ、その、自分が起きてる時間内に来てよ」ハァ・・・

五和「わーい。コウちゃんがデレたー」ハハハ!

香焼「・・・・・・、」イラッ・・・

浦上(お姉は学習しないナー)ハハハ

もあい「なー」コロコロ・・・
66 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 04:44:45.49 ID:Jhet7Q0e0
神裂「やれやれ・・・・・・それで、五和。早起きが如何とか」チラッ

五和「あ、そうそう。コウちゃんマジで早いんですよ候」フムッ

香焼「語尾に悪意しか感じません。カオリ姉さん、コイツ叩き切って良いっすか?」ギロッ・・・

浦上(事実じゃん)ハハハ

神裂「まぁ次下品な事抜かしたら私が割と本気で怒るので安心して下さい」ニコリ・・・

五和「・・・・・・じ、自重します」タラー・・・

神裂「ったく・・・・・・しかし、早起きですか? 別に悪い事でも何でもないでしょう」フムッ

五和「だって任務でもないのに5時前起床ですよ? おかしいです」

香焼「別に。走りに行ってるだけだよ」モグモグ

浦上「あー。早朝ランニングだっけ。学園都市(こっち)でもやってるんだネ」ヘー

神裂「こっちでも?」ハテ?

浦上「香焼、英国(アッチ)でも諫早さんと朝走ってますヨ」モグモグ

神裂「健康的ですね。良いじゃないですか。五和も見習ったら如何です?」フフッ

五和「えー・・・・・・、」タラー・・・

香焼「・・・・・・、」フンッ・・・

浦上(お姉と姉様はマジモンの天才型だから、香焼の地味な努力は気付かないわナー)ジー・・・

もあい「・・・・・・なぅ」ジー・・・

五和「それにしても・・・・・・起こされるコッチの身としたらねぇ」ムゥ

香焼「自分勝手なヤツだなぁ。じゃあウチ来るなよ」ハァ・・・

神裂「ルール破りで真面目な話をしますが・・・・・・任務に支障をきたさないのであれば問題無いかと」コクッ

五和「うぃ・・・・・・でもせめて態と踏みつけるには止めてくださーい」モグモグ・・・

神裂「だそうですよ」チラッ

香焼「気をつけます。でも寝惚けて踏んだらゴメンナサイ」ニコリ・・・

五和「わぁ。なんて悪意の篭ったゴメンナサイなんだろう」ハハハ・・・

神裂「まったく、仲が良いのやら悪いのやら」ハァ

浦上(・・・・・・後で香焼の動向探ってみようカナー)クスッ

もあい「みゃー」トコトコ・・・
67 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」クスッ :2011/08/25(木) 05:26:36.58 ID:Jhet7Q0e0
 ―――更に数日後、AM05:50、学園都市第7学区、『窓のないビル』付近の公園・・・・・


それから週に二回くらいのペースで佐天さんと共にランニングをするのが習慣となった。
自分が任務の時や、互いに何かしらで忙しい日は一緒にというのは無理だったが、それでも可能な限り都合を合わせた。
集合場所は都市の中心、統括理事長が居ると謂われている『窓の無いビル』の付近。
自分はいつもの公園でも構わないと言ったのだが、彼女がそれでは申し訳ないと丁度中間辺りを選んでくれた。

集合時間は朝5時45分。自分は5時半に家を出ても間に合う距離だ。


香焼「・・・・・・あ、ごめん。待った?」タッタッタッ・・・

佐天「ううん。今来た」フフッ


誰も居ない公園。二人だけ。


香焼「ホント閑散としてるね」ハハハ

佐天「四十六時中賑わってはいないだろうからね。此処らは治安も良いし、ノホホンとしてるよ」クスッ

香焼「ノホホンねぇ」チラッ・・・


『ビル』を見上げ、そう呟く。


佐天「うん。とりあえず・・・・・・さ! 走ろうよ!」ニカッ!

香焼「・・・・・・そうだね」クスッ

佐天「今日は如何する? 公園内回る? それとも街中走る?」wkwk!

香焼「任せるよ」フフッ

佐天「んもー。主体性無いなぁ。そんなんじゃ女の子に頼られないぞ」メッ!


よく言われます。


佐天「まったく、お姉さんとしてそこんとこ心配だなぁ」ハァ

香焼「・・・・・・は?」ポカーン・・・

佐天「お姉さんだよ。香焼くんの。姉貴分って事ね」クスクスッ


貴女、自分とタメでしょーが。


佐天「・・・・・・それでもお姉さん分なの! しょうがないから連いてきなさいっ!」グイッ

香焼「わ、と・・・・・・もぅ」クスッ・・・


アニェーゼやレッサーとは違う強引さ。五和や淡希さんとは違う姉貴分、かぁ・・・・・・不思議な人。だが嫌ではない。
近いのは軍覇かな? ⑦(バカ)という意味ではなく、熱血という意味で。
兎角、自分らは例の如くランニングに出かけるのであった。因みに今日は園内コースに決定。


佐天「頭でゴジャゴジャ考えるなー! 行くわよー」タッタッタッ!

香焼「了解っす」ハハハ


彼女と一緒に走ると・・・・・・難しい事を考えなくて済む。清々しい、とでも言うのだろうか。
とても楽しい素敵な時間だった。 
 
74 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 18:19:57.66 ID:Jhet7Q0e0

  ・・・・・寸・・・・・



彼女のペースに合わせ30分ほど走った後に、ストレッチしやすそうな場所へ移動する。
この公園はラバー製の地面(床?)も配備してあるので、運動だったりダッシュをしやすい。


佐天「―――でねでね! そういう噂があるんだよ! 知ってた?」


笑顔を絶やさず、さもありふれた教室での会話の様に、自分へ話しかける彼女。


香焼「都市伝説っすか。聞いた事無いなぁ」

佐天「調べると沢っ山有るんだって! 面白いよ」

香焼「うーん。でも非科学的じゃない?」

佐天「それだよ! 皆してそんなオカルトは非科学非科学って! 夢が無いよねぇ」ハァ・・・

香焼「ハハハ。佐天さん、案外ロマンチストなんすね」クスッ

佐天「そうかなぁ。香焼くんは信じない?」ムゥ・・・

香焼「・・・・・・信じるよ」フフッ


だって『全ての能力を打ち消す右手を持つ男の噂』とか、完璧上条さんですもん。

ストレッチをしながら浪漫譚を聞かされる。
彼女の好きな『都市伝説』とか『七不思議』というヤツは科学なのか魔術なのか、扱いの難しい話だ。
尤も、真に受けずにユーモアとして捉えるのがこの手の話の正しい扱いだろうけど。


佐天「あー。また難しい事考えてるでしょ」ジトー・・・

香焼「え? いや、そうでもないよ」

佐天「そう? 香焼くん、目を放すとすぐ難しい顔するからなぁ」フフッ


よく言われるが、自分ではどんな顔をしているのか分かりません。


佐天「こーんな顔だよ」ムムム・・・

香焼「・・・・・・えー」タラー・・・

佐天「ホントだって! 頭の上に三点リーダー沢山並んでる様な顔」ハハハ


自分の顔真似(?)をして見せる彼女。
まったく、事実だとしたら相当根暗くんだな。ステイルの事を馬鹿に出来なくなる。
75 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 19:18:35.47 ID:Jhet7Q0e0
それにしても、彼女はポジティブだ。自分の周りにはこうも良い意味で明るい人間はいない。


佐天「そりゃまぁ元気印の佐天涙子ですからねっ」エヘンッ!


足首手首を回しながら彼女が胸を張る。


佐天「さて、ジュースでも買って一服しましょうか」

香焼「そうだね」


近くにベンチのある自販機コーナーへ歩を進める。
自分はウーロン茶スポドリを、彼女はスポドリココアを購入。この自販機は何故ゲテモノしか置いてないのだろう。


佐天「しかしすっかり朝起きも慣れたよねー」

香焼「そういえば佐天さん、宿題とかはキチンと片付けてるの?」

佐天「あー大丈夫大丈夫。初春の写すから」ハハハ

香焼「えー」タラー・・・


彼女らしいといえば彼女らしいのかもしれない。


佐天「香焼くんこそ大丈夫? 色々忙しいんでしょ? その・・・・・・無理してない?」

香焼「問題無いっすよ。基本的に宿題は学校で終わらせてくるし」

佐天「流石天才くん。でも睡眠時間削ってまで私に付き合ってくれる必要無いよ」

香焼「え? そんな事無いけど・・・・・・如何したの?」キョトン・・・

佐天「あ、え、いや、何でもない何でもない」アハハ・・・


気遣ってくれるのは嬉しいが、体調管理はキチンとしているつもりだ。


佐天「・・・・・・意外と完璧人間なんだね」ヘー・・・

香焼「そんな事ないよ。自分なんてヒヨっこだから」

佐天「あー。また『自分なんて』って言った。禁止だよ!」メッ!


半ば口癖と化している。困ったものだ。


佐天「って・・・・・・うわぁ。このスポドリ不っ味いよ」ウヘェ・・・

香焼「ココアって・・・・・・自分のと交換する? こっちはまだ飲めるよ」スッ・・・

佐天「え」ピタッ・・・


何故か固まる佐天さん。如何したのだ? ウーロン茶苦手?
76 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 19:30:49.86 ID:Jhet7Q0e0
彼女は小さく首を振り、上目遣いで此方を見て、呟いた。


佐天「い、いや、苦手じゃないけど・・・・・・、」ポリポリ・・・

香焼「ん??」キョトン・・・

佐天「い、いいの?」

香焼「別にいいっすよ。まぁ自分がココア味飲めるか如何かはアレっすけど。そん時は半分こって事で」ハハッ


おずおずと自分のスポドリを受け取る佐天さん。
自分も彼女のココア味のスポドリを貰い、飲んでみる事に。


香焼「・・・・・・うぇ」タラー・・・

佐天「あはは・・・・・・だよねー」ポリポリ・・・


前々から思っていたけど、この街の飲料開発関係者はネジが外れてるのではなかろうか。


佐天「じゃ、じゃあいただきます―――」ゴクッ・・・スッ・・・

香焼「どうぞ。コッチよりはマシっすよ」ハハハ・・・

佐天「―――・・・・・・う、うん。ソウダネ」コクッ・・・///


何故か機械的な返事をする彼女。やっぱそんなに美味しくなかったかな。


佐天「い、いえいえ! 美味しかったよ」ブンブンッ///

香焼「うん。変なの」クスッ

佐天「そ、そろそろ休憩終り! もう少し走ろう!」ムンッ!


顔をパシッと叩き、立ち上がる。それから自分に手を伸ばし、行こうと微笑んだ。
この街での日常。楽しみの一つ。彼女の提供してくれるこの時間はとても有意義なもの。
77 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 20:17:46.04 ID:Jhet7Q0e0
 ―――また数日後の休日、AM06:00、学園都市第7学区、『窓のないビル』付近の公園・・・・・


珍しく休日の朝に走る事となった。だが生憎雲行きが宜しくない。
自分は昨晩、今日は止めておこうかと連絡したのだが、出来れば走りたいと彼女に断られ強行することに。

小雨の中、ウィンドブレイカーを着て『ビル』付近の公園へ向かう。


香焼「・・・・・・今日は自分の方が先かな」キョロキョロ・・・


まるで人気が無い。人払いの結界を張ったかの様な静けさ。自分は雨の凌げる場所に移動し、彼女を待つ事にした。
ストレッチをしながら待つ事数分、いつもの水色ジャージを来た佐天さんが現れる。


佐天「ご、ごめん。遅れちゃった」ハァ・・ハァ・・・

香焼「ううん。いつもは自分が待たせてるから」

佐天「ふぅ・・・・・・それじゃあ走ろうか!」ニカッ!


いつもの笑顔。さて行こうか、と立ち上がった瞬間・・・・・・気付いた。結構、雨が強い。


香焼「佐天さん、この中来たの!?」チラッ・・・

佐天「うん・・・・・・、」フゥ・・・


びしょ濡れ、頬が真っ赤、息が荒い。


香焼「無理して」モゥ・・・

佐天「大丈夫大丈夫! 水も滴る良い女ってね♪」クスッ

香焼「風邪ひいちゃうっすよ」

佐天「アハハ。心配してくれてありがと。でも走れるよ」

香焼「もぅ・・・・・・、」ヤレヤレ・・・


彼女の肩に手を乗せ、首を振る。


佐天「ふぇ!?」ドキッ・・・

香焼「此処に居よう。走らなくてもはストレッチ出来るから」ポンッ

佐天「わ、分かった」コクンッ・・・


此処なら屋根があるし、ベンチもある。これ以上彼女に馬鹿な真似をさせる訳にはいかない。
78 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 21:03:36.90 ID:Jhet7Q0e0

  ・・・・・寸・・・・・



彼女がトイレから戻ってきてからストレッチを始める。身体が冷えているので、ゆっくりと大きく屈伸。
珍しく彼女の口数が少なかった。


香焼「ホントに大丈夫?」グッ・・・

佐天「ん・・・・・・大丈夫だよ」フゥ・・・

香焼「・・・・・・、」ムゥ・・・


一通りステレッチが終わる。外はまだ強い雨。これではまだ走れない。
空を見上げる自分をよそに、彼女は膝を抱えてベンチの上に座った。そしてぼそりと呟く。


佐天「・・・・・・ごめんね」ボソッ・・・

香焼「え?」

佐天「雨降るの分かってたのに、無理やり走ろうって」シュン・・・

香焼「・・・・・・仕方ないよ。こんなに強くなるとは思わなかったし」

佐天「うん・・・・・・、」


自分の顔を見ず淡々と告げる彼女。なんか・・・・・・調子狂う。


香焼・佐天「「・・・・・・、」」ジー・・・


二人並んでベンチに座る。言葉は無い。
思えば彼女と居る時にこんな事になるのは始めてだ。彼女は常に自分へ話しかけている。
聞いていて嫌な感じではない。寧ろ心地良い雰囲気・・・・・・だが、今は・・・・・・


佐天「ねぇ」ボソッ

香焼「ん」チラッ

佐天「・・・・・・香焼くんは、あんまり自分の話しないよね」

香焼「そうかな」

佐天「あんまり聞いた覚えないかな」


そういえばそうかもしれない。


佐天「教えてって言ったら、教えてくれる?」

香焼「えっと・・・・・・、」ポリポリ・・・


あまり話せるような話題がない。
仕事については勿論不可能。学校生活はまるで面白みが無いし・・・・・・自身については、話したくない。


佐天「・・・・・・私には話せない?」


そういう問題ではないのだが・・・・・・困ったな。
79 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 21:24:40.94 ID:Jhet7Q0e0
何でもいいから教えて、と言われ止むを得ず口を開く。


香焼「学校は、あんまり面白い所ではないっすよ。知っての通り勉強ばかりだし」

佐天「理事校かぁ・・・・・・でもそこ選んで、入学できたんでしょ?」

香焼「・・・・・・一応(※)ね」ハハハ・・・


※五和と浦上の所為です。


佐天「学校の友達は?」

香焼「いないよ。というか、誰も彼もが自分の事でいっぱいいっぱい。話すとしたら勉強の事とかレポート課題についてだけ」

佐天「あー・・・・・・なるほど」ポリポリ・・・

香焼「身体検査(システムスキャン)は無いし・・・・・・能力開発について被験者側の事を考える学生なんて殆どいないよ」

佐天「え、と・・・・・・如何いう事?」


要はこの街の将来を考える連中らを育てる学校だ。官僚・役員・理事育成。
『そちら側』の人間達は『被験者側』、つまり『子供達(同年代)』についてなど考えない。
考えるとしたら開発した能力を如何に利用していくか、長いスパンで考え都市外部との外交は如何展開すべきか・・・・・・とか。

正直言って、頭おかしい連中ばかりだ。


佐天「そうなんだ・・・・・・、」

香焼「普通に行政学とか都市運営方法学ぶだけなら最高の学校だけど・・・・・・皆、考える事が子供じゃない」

佐天「入ってから気付いたの?」

香焼「ううん。知ってた・・・・・・だから普通の学校生活は望んでなかったっすよ」


任務の為に入った学校だ。不平不満はあっても、それを口には出さない。


香焼「ホント・・・・・・柵川行けてれば良かったのにね」ハハハ・・・

佐天「・・・・・・うん」コクッ・・・


魔術師とはいえ自分も12~3歳だ。それなりの学校生活を望んだりもする。


佐天「じゃあ、この街は面白くない?」

香焼「そんな事無いっすよ。学校生活は別にしても、楽しい事はあるから」

佐天「そっか・・・・・・良かった」クスッ


やっと笑顔が出た。そっちの方が彼女らしい。
80 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 21:47:35.28 ID:Jhet7Q0e0
それから暫く雨宿りが続いた。今日が休日で本当に助かった。平日だったら完璧遅刻してる。
適当に雑談を続ける内、ふとランニングの話になった。


香焼「始めたきっかけ?」

佐天「うん。ちょっと気になって」

香焼「うーん、色々あるんすけど・・・・・・トレーニングかな」

佐天「トレーニング? 香焼くん、何かスポーツしてるの?」

香焼「・・・・・・武術みたいなものかな」ハハハ・・・


大丈夫。嘘は言ってない。


香焼「佐天さんは?」

佐天「私? えっとトレーニングだけど・・・・・・、」ムゥ・・・

香焼「部活か何か?」

佐天「・・・・・・ううん。何もしてない」フルフル・・・


彼女は一度、顔を膝に埋めて・・・・・・溜息混じりに呟いた。


佐天「無駄な努力かなぁ」ボソッ・・・

香焼「え?」

佐天「・・・・・・、」クスッ・・・


笑顔を作るが、とても悲しそうな。


佐天「何していいのか分からなかった。だからとりあえず走ってみることにしたの」

香焼「身体が勝手に動いたって事?」

佐天「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

香焼「えっと・・・・・・、」

佐天「・・・・・・『無能』って言われたくないの」


・・・・・・。


佐天「『無能力者(レベル0)』じゃないよ。『無能』ね」

香焼「誰かにそう言われたんすか?」

佐天「ううん。違う違う。そんな酷い事いう馬鹿な人は知り合いにいないから」ハハハ・・・


良かった。もし居たら殴りに行ってた。
81 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 22:03:33.59 ID:Jhet7Q0e0
彼女の吐露は続く。


佐天「だけど、私の周りの素敵な友人達は皆『有能』なんだ」

香焼「・・・・・・佐天さんだって」

佐天「あはは。皆そう言ってくれるよ。でも・・・・・・自分が一番分かってるから」


物憂げに告げる。


佐天「私は超能力なんか持ってないし、風紀委員なんかになれない。部活だって入りたいと思える様な所無いよ」


この街の部活動を調べた事がある。まさに少年漫画の世界の何でもありスポーツだ。
野球でいえば有り得ない変化球を投げるし、サッカーでいえば光速のシュートは放つ。

ぶっちゃけ、無能力者はついていけない世界。


佐天「・・・・・・でも、この街は好き。だからこの街で出来る事をしたい。だけど・・・・・・出来る事が見つからない」

香焼「そんなに急ぐ必要無いっすよ。自分ら、まだ中一なんだよ」

佐天「でも周りは・・・・・・周りは周りだってのも知ってるけど、それでも悔しいよ」

香焼「・・・・・・、」

佐天「ずるいのは分かってるけど・・・・・・香焼くん。君なら分かるかなぁって」


苦しい程、痛い程、よく分かる。


佐天「私と同じ無能力者で、自分の事卑下して・・・・・・良く分からないけど、ずっと一人で悩んでる顔してた」

香焼「・・・・・・、」

佐天「だから同じなのかも。もしかしたら私よりも、って思って・・・・・・甘えちゃってた。ごめんね」シュン・・・

香焼「ううん。気にしない」


言葉が出ない。雨音のBGMがやけに大きく聞こえた。
82 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 22:24:59.09 ID:Jhet7Q0e0
自分は、彼女が決して無能だとは思わない。
少なくとも『必要とされている』以上、それは無能ではない


佐天「皆、良い子好い子って言ってくれる。それはとても嬉しい事だよ」

香焼「・・・・・・うん」

佐天「でも・・・・・・それでも『もっと何か』を見つけようとするのは高望み? いけない事?」


向上心と捉えればポジティブだろう。だが、そんな褒め言葉が欲しいのではない。


香焼「自分も・・・・・・自分が如何したいか分からないっすよ」

佐天「あはは。同じだね」クスッ

香焼「でも・・・・・・無駄じゃないっす」チラッ・・・


努力。


香焼「有り体の言葉かもしれないけど、此処で止めたら自分を裏切る事になると思う」

佐天「うん・・・・・・同感」

香焼「何が出来るか、何になるかってのは・・・・・・焦って探しちゃダメなんだよ」

佐天「・・・・・・、」


例えば、無能力者は風紀委員にはなれない。だが警備員ならなれる。
それになるには大学を出て、教師になるしかない。


香焼「佐天さんの言葉を借りるけど、難しい事考えるのダメなんでしょ」

佐天「・・・・・・うん」

香焼「報われるよ。報われないわけが無い」


女教皇様の言葉だ。


香焼「頑張って頑張って、それでもダメな時は・・・・・・救いがくるっすよ」クスッ

佐天「救い?」

香焼「うん。世界はそんなに残酷じゃないよ」


幸い、彼女は素敵な仲間に恵まれている。手は自ずと伸ばされるだろう。
83 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/25(木) 23:37:43.85 ID:Jhet7Q0e0
少々悩み、苦笑する彼女。そして・・・・・・


佐天「生意気だっ」コツンッ

香焼「ふぇ!?」キョトン・・・


僕の額を小突いた。


佐天「あーあ。姉貴分失格だね」クスッ

香焼「むぅ・・・・・・だから同い年だろ」

佐天「それでもお姉さんなの」


威張って頬をグリグリ突っついてくる。


佐天「やれやれ。まったく、自分よりネガティブな人間に励まされるなんてなぁ」ハァ

香焼「うわー。さっき自分も同じって言ってたくせに」グリグリ・・・

佐天「うるさーい。自分の悩みも解決出来てなさそうなヤツが言うなー」グリグリ・・・


何故か突付き合いに。とりあえず難しく考えるのは止めたみたいだ。


佐天「気の迷い・・・・・・じゃないけど、常にエンジン全開じゃいられないんだよ」エイッ

香焼「偶にはおセンチになりたいって事っすか」ハァ

佐天「まぁね。香焼くんに言われた事だってホントは全部知ってる事。だけど・・・・・・弱音が吐きたい時だってあるの」

香焼「佐天さんでも?」

佐天「当たり前でしょ。人間なんだし。それに・・・・・・私だって、女の子なんだよ・・・・・・、」ボソッ

香焼「は? 何?」キョトン・・・

佐天「・・・・・・だあああぁ! 何でもない!」グリグリ・・・ムニッ///

香焼「ふぇ??」ポカーン・・・


今度は頬を摘んでくる彼女。そんなに僕の頬を弄って楽しいのか?


佐天「あー楽しー!」コンニャロー!

香焼「ひゃめふぇよー」グヌヌ・・・

佐天「ったく・・・・・・兎に角、自分の悩みも打ち明けられない誰かさんと違って私は定期的に吐露するのよ!」ビシッ

香焼「痛っ・・・・・・意地悪な人」タラー・・・

佐天「じゃあ私にも同じ事すれば良いじゃん」フンッ


そんな恐れ多い事出来る訳無いでしょうに。
84 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/26(金) 00:29:27.22 ID:6r73XymT0

 ・・・・・寸・・・・・



それから暫く頬を摘まれ続けた。それはもう取れるんじゃないかってくらいに。
ふと時計を見ると8時になろうとしている。だけど雨が止む気配は無い。


香焼「困ったね。どうしよっか」ハハハ・・・

佐天「そうだなぁ」ジー・・・


小首を捻って何やら考える彼女。


佐天「えっと・・・・・・お腹空いた!」ポンッ

香焼「は? え、うん、まぁそうだね」ポカーン・・・

佐天「ご飯! 食べ行かない?」ニカッ!


・・・・・・考えるのを止めたらしい。


佐天「こら、馬鹿にするな。考えは有るから」ビシッ

香焼「え?」

佐天「近くのコンビニまで走ろう! そんでもって傘買ってファミレスでも何処でも良いから食べに行く!」

香焼「この雨の中?」

佐天「うん。雨止む気配無いでしょ。まぁ、この後帰らなきゃいけない用事あるなら仕方ないけど・・・・・・ダメ?」

香焼「無いけど・・・・・・やれやれっすね」クスクスッ

佐天「・・・・・・行きたくない?」ジー・・・


雨に濡れたもあいの様な目をしないで下さい。反則です。


佐天「よしっ。じゃあ決まりね!」ニカッ!


雨の中、傘をささずに濡れる人間がいても良い。それが自由だ。byゲーテ先生。


佐天「また難しい事言ってー。決めたからには即行動あるのみ。急ごっ!」グイッ!

香焼「はいはい。御転婆御嬢さん」フフッ

佐天「お姉さんと呼びなさい! そんじゃほれ! レッツゴー!!」ワーイ!


雨を纏いながら走る彼女を追い駆ける。馬鹿みたいに二人で濡れながらコンビニを目指す。
やはり彼女は元気な方が良い。能力とか立場とか関係なく、誰からも慕われる佐天さんであるべきだ。

ジャージ姿・ほぼ同じ背丈の男女一組が、まだ人気の少ない大通りを走っていく。


香焼(青春ってヤツかな)ハハハ・・・


彼女の後ろ髪に牽かれながら走る。


佐天「もう少しだー! ラストスパートー!」ヒャー!


この街での楽しみの一つ。大切な日常の一つだった・・・・・―――
85 :第②話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」 :2011/08/26(金) 01:08:26.81 ID:6r73XymT0
    <おまけっ!>



  ・・・・・コンビニ前・・・・・



佐天「うわぁ、びしょびしょ」ウヘェ・・・

香焼「やっとコンビニっすね・・・・・・店入る前に服搾らなきゃ」ハァ・・・

佐天「あ、私も」ヌギヌギ・・・

香焼「え」

佐天「よいしょっ・・・・・・ぎゅううぅっと」ギュッ!

香焼「さ、佐天さん・・・・・・その・・・・・・(インナーが)」ポリポリ・・・///

佐天「ん? ・・・・・・ぁ」ピタッ・・・

香焼「(やっぱ佐天さん胸大きいんだ・・・・・・ってオイ馬鹿! 何考えてる!!)・・・・・・か、傘買ってくるよ」アハハ・・・///

佐天「ご、ごめん! お願いします・・・・・・(ぶ、ブラ透けて見えてるっ!? は、恥ずかしいいぃ!!)」カアアァ///


香焼「・・・・・・な、何故傘一本しかないの」タラー・・・

K店員「あ、すいません。バイトなんでよく分かんないです」アハハ

香焼「はぁ・・・・・・これ下さい」ハァ

K店員「フヒヒ。毎度ー」ニヤニヤ・・・


佐天「ジャージ冷たいけど我慢しよう・・・・・・あ、ごめん。お金払うよ」チラッ

香焼「えっと・・・・・・ごめん。一本しかなかったっす」タラー・・・

佐天「えっ?!」ギョッ・・・///

香焼「お金は良いよ。えっとその・・・・・・狭いけど、合い傘で良いかな」タラー・・・

佐天「う、ん・・・・・・仕方ナイネ。一本シカナカッタンデショ」ダラダラ・・・///

香焼「うん。あれ? 大丈夫?」ジー・・・

佐天「だ、大丈夫! 大丈夫だからジロジロ見ないで」ブンブンッ///

香焼「う、うん・・・・・・なるべく雨に当たらない様にするから。行こう」チラッ・・・

佐天「は、はい!(あ、アイアイ傘・・・・・・って馬鹿! 何考えてるの私!!)」カアアァ///

香焼「佐天さん、顔赤い。やっぱ熱出たのかもよ」ジー・・・

佐天「そ、そうかな。気のせいじゃない?(か、顔近い・・・・・・ストレッチしてる時はくっついてても平気なのにー!)」アタフタ・・・///

香焼「そうかな。それで、何処行く?」

佐天「じょ、Joseph's(ジョセフs)近いからそこにしよう!(香焼くんは平気なのかなぁ。私そんなに魅力無い?)」ハァ・・・///

香焼「佐天さん、そんなに離れたら濡れちゃうよ」スッ・・・ピタッ

佐天「ひゃっ!!?」ドキッ///

香焼「えっ!?」ギョッ・・・


K店員「フヒヒヒヒ。おーわりっ」ニヤニヤ・・・

86 :>>1 :2011/08/26(金) 01:35:43.72 ID:6r73XymT0
はい。お疲れ様でした。佐天さん単体を書くのって難しいですね。
初春や超電磁砲組とセットで書けば楽なんだけど・・・・・・とりあえず勝手に密かな努力家設定にしちゃいました。すいません。
あと今回は触れませんでしたが『幻想御手(レベルアッパー)事件』については、そのうち触れるかもしれません。

余談ですが、佐天さんって美琴よりもちょっと胸大きいんだよね。
 

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