- 97 :第①話(14話)―――「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 19:21:47.50 ID:6r73XymT0
- ―――とある日、PM11:00、英国、ロンドン市内、とある酒場・・・・・
がやがや・・・・・
レッサー「相変わらず喧しい店ですねぇ」キョロキョロ・・・
ランシス「何でこんな場所が集合場所なんだろう」ハァ
フロリス「文句言わない。リーダーが此処集合って言ってんだから此処なの」
レッサー「んで、リーダーが重役出勤遅刻ですか。良いご身分ですね」フーン
フロリス「じゃあアンタが『新たなる光』のリーダー出来んの?」
レッサー「超余裕! ほらランシス! 肩揉みなさい!」フンッ!
ランシス「・・・・・・やだ」ベー
フロリス「アンタは器じゃないわよ」
レッサー「ぐぬぬぅ・・・・・・歳ですか!? それとも胸の差ですか!!」ギリリッ
フロリス「んな馬鹿な事言ってるうちはリーダーなんて無理よ」
ランシス「身相応ってね」プフー
レッサー「チッ・・・・・・実力はありますよ」ケッ
フロリス「そりゃ認めてるけど、それとこれとは別モンよ。アンタは上司向かないタイプ」
レッサー「・・・・・・、」イライラ・・・
ランシス「・・・・・・あ。リーダー来たよ。何で二階から?」チラッ
レッサー「え? 二階って宿屋じゃ・・・・・・、」チラッ
ベイロープ「―――」テクテク・・・
男性「―――」ニコニコッ
ベイロープ「―――」ペコッ
男性「―――」コクッ…スッ・・・
チュッ・・・・・
レッサー・ランシス「「っ!!?」」ギョッ!
フロリス「・・・・・・、」フンッ・・・- 98 :第①話(14話)―――「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 19:22:51.99 ID:6r73XymT0
- ―――とある日、PM11:00、英国、ロンドン市内、とある酒場・・・・・
がやがや・・・・・
レッサー「相変わらず喧しい店ですねぇ」キョロキョロ・・・
ランシス「何でこんな場所が集合場所なんだろう」ハァ
フロリス「文句言わない。リーダーが此処集合って言ってんだから此処なの」
レッサー「んで、リーダーが重役出勤遅刻ですか。良いご身分ですね」フーン
フロリス「じゃあアンタが『新たなる光』のリーダー出来んの?」
レッサー「超余裕! ほらランシス! 肩揉みなさい!」フンッ!
ランシス「・・・・・・やだ」ベー
フロリス「アンタは器じゃないわよ」
レッサー「ぐぬぬぅ・・・・・・歳ですか!? それとも胸の差ですか!!」ギリリッ
フロリス「んな馬鹿な事言ってるうちはリーダーなんて無理よ」
ランシス「身相応ってね」プフー
レッサー「チッ・・・・・・実力はありますよ」ケッ
フロリス「そりゃ認めてるけど、それとこれとは別モンよ。アンタは上司向かないタイプ」
レッサー「・・・・・・、」イライラ・・・
ランシス「・・・・・・あ。リーダー来たよ。何で二階から?」チラッ
レッサー「え? 二階って宿屋じゃ・・・・・・、」チラッ
ベイロープ「―――」テクテク・・・
男性「―――」ニコニコッ
ベイロープ「―――」ペコッ
男性「―――」コクッ…スッ・・・
チュッ・・・・・
レッサー・ランシス「「っ!!?」」ギョッ!
フロリス「・・・・・・、」フンッ・・・ - 99 :第③話(14話)―――「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 19:51:08.23 ID:6r73XymT0
- レッサー「な・・・・・・アイツ!」ガタッ・・・
フロリス「座ってろ馬鹿」スッ・・・
ランシス「・・・・・・、」ジー・・・
ベイロープ「―――・・・・・・はぁ。やれやれ、お待たせ」テクテク・・・
フロリス「ええ。待ったわ」ノ
ベイロープ「ごめんごめん。色々大変で」スッ・・・
レッサー「・・・・・・、」ジトー・・・
ランシス「・・・・・・リーダー。とりあえず飲み物注文する?」
ベイロープ「そうね。適当に炭酸頼むわ」
ランシス「じゃあ行って来る」スッ・・・
ベイロープ「どーも。さて・・・・・・資料配んなきゃね。次の仕事についてよ」ゴソゴソ・・・
フロリス「また必要悪の教会(ネセサリウス)から? まったく、嘱託扱いはシンドイね」ハァ・・・
ベイロープ「今回は違うわ。傭兵業みたいなモンよ・・・・・・って、レッサー?」ン?
レッサー「・・・・・・、」ジトー・・・
ベイロープ「・・・・・・ええっと」タラー・・・
レッサー「・・・・・・ウチのリーダーは娼婦業にまで手ぇ出すんですね」フンッ・・・
フロリス「レッサー・・・・・・黙ってろ」ジロッ・・・
ベイロープ「あー。見られてたの」フーン
レッサー「見られてたのって・・・・・・、」ジトー・・・
ベイロープ「まぁアンタには関係無い事よ。とりあえずコッチの資料読んどきなさい」サラッ・・・
レッサー「・・・・・・、」チッ・・・
フロリス「ったく、ガキが・・・・・・ランシス来たわよ」ハァ・・・
ランシス「お待たせ。どーぞ、ベイロープ」コトッ
ベイロープ「・・・・・・ん。そんじゃ始めるわよ」チラッ
がやがや・・・・・ - 100 :第③話(14話)―――「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 20:27:08.43 ID:6r73XymT0
・・・・・寸・・・・・
ベイロープ「―――」アーダコーダ
フロリス・ランシス「「―――」」フムフム・・・
レッサー「・・・・・・、」フンッ・・・
ベイロープ「―――・・・・・・ちょっと、レッサー。聞いてる?」チラッ
レッサー「・・・・・・聞いてないです」ブー・・・
フロリス「ちょっとアンタ」ジトー・・・
ベイロープ「はぁ・・・・・・何? さっきの説明すれば納得するの?」
レッサー「そうですね。言い訳聞かせてください。資金集めの売春ですか? それとも枕営業? まさかマジ彼じゃないでしょう」フンッ・・・
ランシス「・・・・・・、」オドオド・・・
ベイロープ「・・・・・・情報提供者よ。上の部屋を借りて色々聞いてたの」
レッサー「色々シてた、の間違いじゃないんですか」ケッ・・・
フロリス「レッサー!」グッ!
ベイロープ「フロリス、いいから・・・・・・そうね。してたわ」サラッ
レッサー「っ」ガタッ!
フロリス「何で怒ってるの! 少し落ち着けバカ!! 仕事だって分かるでしょ!」グッ・・・
ベイロープ「・・・・・・、」ハァ・・・
ランシス「え、えっと・・・・・・リーダー。その・・・・・・、」ジー・・・
ベイロープ「ん?」
ランシス「さっき男の人とキスしてた時・・・・・・魔術、使ってた?」
レッサー「え」
ランシス「ちょっとくすぐったかったから」ポリポリ・・・
ベイロープ「・・・・・・ええ。魅了(チャーム)を」コクッ
レッサー「え・・・・・・そ、え?」
フロリス「・・・・・・ったく。面倒だからアンタとランシスには教えたくなかったの」ハァ・・・
ベイロープ「良いわ。真面目に話すから落ち着いて聞きなさいよ・・・・・・―――」
レッサー・ランシス「「・・・・・・、」」コクッ・・・- 101 :第③話(14話)―――「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 21:46:31.09 ID:6r73XymT0
リーダー説明中・・・・・
ベイロープ「―――・・・・・・つーわけ。OK?」
ランシス「・・・・・・うん」
レッサー「・・・・・・でも、結局枕営業でしょう」フンッ
フロリス「アンタまだ言うか。一線越えてないって言ってんでしょ」ハァ・・・
ベイロープ「情報得る為には必要なのよ。キスで定期的に『魅了』掛けれてるんだから・・・・・・、」
レッサー「ふんっ」
フロリス「じゃあアンタが情報収集する? 出来ないでしょう」
レッサー「余裕です。簡単な話でしょう」ケッ
フロリス「どうやって」
レッサー「それは・・・・・・まぁ色々」
フロリス「はいはい、口だけ口だけ」
ベイロープ「『新たなる光(ウチ)』は実力あるとはいえ、所詮は結社予備軍よ。分かってる?」
ランシス「手段を選んでられないんでしょ・・・・・・分かってるよね。レッサー」
レッサー「・・・・・・だからって」ムゥ・・・
フロリス「はぁ・・・・・・何が不満なのよ」
レッサー「・・・・・・、」ジトー・・・
ベイロープ・フロリス((面倒臭ぇなー))ハァ・・・
ランシス「リーダーが・・・・・・ベイロープだけが犠牲になってるみたいで嫌なんでしょ」チラッ
ベイロープ「ハァ?」ポカーン・・・
レッサー「・・・・・・やれってんなら、私だってしますよ」プクー・・・
・・・・・・。
ベイロープ・フロリス「「ダハハハハハッハッハハハハッハッ!!」」ケラケラケラ!
レッサー「な、何で笑うんですか!!」ガー!
ランシス「・・・・・・はぁ」ポリポリ・・・- 102 :第③話(14話)―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 22:38:31.57 ID:6r73XymT0
- ベイロープ「ハハハ、ヒィ・・・・・・あーおもろー」ケラケラッ
フロリス「わ、私だってしますよーだって! ぷふー!」クスクスッ
レッサー「な、何ですか」ンギギ・・・
ランシス「・・・・・・100%無理」ハァ
レッサー「で、できますもん!」ガー!
ベイロープ「具体的には?」
レッサー「そ、それは・・・・・・私のテクニックで!」ワキワキ・・・
フロリス「ぷっ! 何ソレ?」
レッサー「[禁則事項です]だったり[ピーーー]だったり[らめぇぇっ!]だったり」フンッ
フロリス「ガキが何言ってんだか。馬鹿じゃないの」ハッ
ベイロープ「・・・・・・勘違いしないで欲しいんだけど、私は淫売になった覚えは無いわよ」
レッサー「は?」
フロリス「だってベイロープ、彼氏いるじゃん」
ランシス「・・・・・・そういえばそうだったね。大学生の彼だっけ?」
ベイロープ「前の潜入任務でね・・・・・・良い人よ。ケンブリッジ大の3年生。一般人ね」フフッ
レッサー「・・・・・・納得いきません」
ベイロープ「公私の区別はしてるわよ。これはこれ、それはそれ」
レッサー「信じられません・・・・・・私ならもっと上手に動きます! そりゃもうオリアナ姉御みたいに!」バンッ!
ベイロープ「あのねぇ・・・・・・あー、もうメンドクセー」ハァ・・・
フロリス「とりあえずアンタにゃ無理よ。それにオリアナさんの言う事をアンタが聞いても参考にはならないわ」
ベイロープ「仮にフロリスと・・・・・・最悪ランシスにこの役回りをやらせる事があっても、アンタはダメ」ハァ
レッサー「はぁ!?」ギョッ・・・
ランシス「・・・・・・、」ジー・・・
ベイロープ「私から言わせればランシスの方が大人」
レッサー「な・・・・・・こ、この子が!? 私と比べたら全っ然知識も無いでしょう!!」
ベイロープ「そういう考えしてる時点で『ガキ』なの」ハァ・・・
フロリス「とりあえずキスもした事無い処女にゃ無縁の話よ。おーらい? 口だけ女さん」フンッ
レッサー「っ・・・・・・もう知らん!」バンッ!
ランシス「あー・・・・・・行っちゃった」ハァ
フロリス「放っておきなさい。いつもの癇癪でしょ」ッタク・・・
ベイロープ「・・・・・・、」ヤレヤレ・・・ - 103 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 23:39:11.19 ID:6r73XymT0
- ―――とある翌日、AM01:10、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・
食事が終了し、殆どの教徒・職員が自室だったり仕事に戻る中、少年―――香焼は一人ポツンと残っていた。
理由は単純。
もあい「なーぅ」モグモグ・・・
猫の餌やりである。食堂のオバさんにツナ缶とパン屑を貰い、残飯猫飯を作成。
もあい「んなー」ゴクゴク・・・
普段、英国に来る時は都市にいる仲の良いお姉さん―――結標淡希さんにもあいをお願いするのだが、今回は都合が合わずお願いできなかった。
故に、女教皇様にお願いしてファーストクラスの飛行機にもあいの同席を頼む事となった。
もあい「にゃ?」チラッ・・・
香焼「んー? 仕事はないよー」ナデナデ・・・
もあい「にゃぅ」コロコロ・・・
基本的に天草の教徒は英国『内』でする仕事は少ない。
やる事といえば日本人街の見回りや、買出し手伝いくらいだ。
香焼「まぁでも暇人って訳じゃないんすけどね」
要するに英国に居る時は、定期報告だったり辞令、次の任務指示だったりがある時。
それ以外は英国外での仕事や都市での潜入任務となるのだ。因みに今日は報告だけなので暇々である。
てな訳で、子猫と二人きりでゴロゴロさせてもらっていた。
先ほどまでステイルが居たのだが、最大主教様(アークビショップ)に呼ばれたとか何とかでどっか行った。
もあい「んにゃ」キョロキョロ・・・
香焼「アンはいないよ」ナデナデ・・・
カルテッ娘・・・・・・アニェーゼ、アンジェレネ、サーシャ、レッサーもよくもあいに絡みにくるのだが、今日は見当たらない。
各々忙しいのだろう。時間が出来た時に構ってもらうといい。
そんな感じでダラダラお昼が過ぎていった。 - 104 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/26(金) 23:56:26.94 ID:6r73XymT0
- ふと、足音がするのに気付き、もあいが顔を上げた。
自分もつられ其方を見ると、知った顔が一人いる。
レッサー「・・・・・・、」ジー・・・
問題児その2だ。一人で行動してるのは珍しい。
レッサー「誰が問題児ですか。如何見たって優良児でしょう」フンッ
香焼「はいはい。そうっすねー」ナデナデ・・・
もあい「んなー」コロコロ・・・
レッサー「ふんっ。まぁ良いです・・・・・・コウヤギ。暇でしょ?」ジー・・・
香焼「忙しい」ボウヨミー
レッサー「嘘吐け。良いからちょっと来て下さい」クイッ
香焼「えー」タラー・・・
彼女とアニェーゼは大抵無理難題しか言わない。正直気が引ける。
レッサー「直ぐ終わりますよ。お願いします」
香焼「・・・・・・、」ポリポリ・・・
レッサー「礼拝堂の倉庫。待ってますから」クルッ・・・
香焼「あ、ちょ・・・・・・行っちゃった」ハァ
内容も言わずに行かないで欲しい。
ぶっちゃけ無視っても良い所だが、そうすると後々厄介なので適当に相手するしかない。
香焼「にしても、随分真面目だったな・・・・・・仕方ない。もあい、飯食べててね」チラッ
もあい「なぅ?」キョトン・・・
もあいを残し、レッサーが待つと言っていた礼拝堂の倉庫へ向かう事にした。 - 105 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/27(土) 00:17:02.11 ID:IkV3Q35m0
・・・・・寸・・・・
十字と主だけが佇んでいる礼拝堂。掃除のオジさんすら出張ってる。
まるで人払いの結界でも掛けてるんじゃないかというくらい静かな場所に自分はノコノコ入っていった。
用具・雑具置き場となっている倉庫は幾つか在るのだが、一つだけ扉が開いている。多分あそこだろう。
香焼「レッサー?」ギイィ・・・
灰暗い倉庫にポツンと一人、少女が立っていた。
香焼「どうしたの?」
レッサー「・・・・・・、」チラッ
香焼「えっと・・・・・・レッサーさん?」タラー・・・
レッサー「頼み事ですよ。すぐ終わります」ジー・・・
香焼「え、あ、うん。自分に出来る事なら」コクッ・・・
レッサー「・・・・・・、」ジー・・・
香焼「・・・・・・な、何?」タラー・・・
真顔。暫時口を開かなかったが・・・・・・ふと、告げた。
レッサー「キス、しましょう」
・・・・・・は?
レッサー「キスしてください」
香焼「ちょ、え・・・・・・はい?!」ギョッ・・・///
レッサー「・・・・・・、」ジー・・・
いきなり何を言い出すのだ。この御転婆少女は。
レッサー「簡単でしょ」
香焼「え、な、い、いや・・・・・・はぁ!?」
思考が止まりかけた。- 106 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/27(土) 01:16:02.30 ID:IkV3Q35m0
- 無言が痛い。
何故こんな馬鹿な事を言うのか。いつものセクハラの一介かと頭を悩ませたが、彼女の目は真剣そのもの。
香焼「ど、どうしていきなりそんな事?」
レッサー「・・・・・・イエスかノーで答えてください」ジー・・・
香焼「おかしいっすよ。そういうのは、その、恋人同士や夫婦間じゃないと」アタフタ・・・
レッサー「そんな恋愛倫理が聞きたいんじゃありません。肯定か否定か、です」
グイっと自分に顔を近づけて、答えを迫るレッサー。
そりゃ・・・・・・ダメに決まってる。
レッサー「・・・・・・そうですか」スッ・・・
香焼「え、えっと・・・・・・ごめん」
レッサー「謝る意味が分かりません」
香焼「ご、ごめ・・・・・・じゃなくて、えっと・・・・・・何でそんな事を?」
レッサー「・・・・・・コウヤギが知る必要ありません」テクテク・・・
そのまま扉へ向かう彼女。
レッサー「『他の人』にお願いします」テクテク・・・
香焼「っ!!?」ギョッ・・・
レッサー「迷惑掛けました。忘れてください」テクテク・・・
香焼「ちょ、ちょっと待てよ!」ガシッ!
レッサー「・・・・・・、」ピタッ・・・
意味不明な挙動言動に思わず、彼女を引き止めてしまった。
香焼「レッサー。何かおかしいよ。いつものレッサーじゃない」グッ・・・
レッサー「・・・・・・離して下さい」ジー・・・
香焼「離せないよ! 編だもん!」
レッサー「・・・・・・別に。私はいつも変でしょう」
自覚は有るのか・・・・・・ってそうじゃなくて!
香焼「他の人に、って何だよ!? 意味分かんないっす」
レッサー「・・・・・・じゃあキスしましょう」ジー・・・
ダメだ、会話が成り立たない。誰か助けてくれ。 - 107 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/27(土) 01:31:57.95 ID:IkV3Q35m0
- 普段とはまるで別人の彼女。大人しい分には構わないが、ネジが変な方へ曲がっているみたいだ。
兎に角、今のままじゃ外へ出せない。
レッサー「私の勝手でしょう? コウヤギに止められる謂れがありませんけど」
香焼「だからおかしいって! どうしたの? 変な雑誌でも読んで影響されたの?」
レッサー「私のプライバシーです。お答えできませんね・・・・・・それより、キス出来ないなら離して下さいよ」ジトー・・・
香焼「だからダメだって!」
レッサー「じゃあ他の人としますから放っておいて下さい」
香焼「それもダメっ!!」ンモー!!
レッサー「・・・・・・意味分からない」ジトー・・・
どっちがだ。
確かに自分が如何こう言えた話ではないけど、キスっていうのは好きな人としなきゃダメなんだ。
香焼「誰でも良いなんておかしい! ふざけんなよ!」
レッサー「まるで子供ですね」ハンッ
香焼「っ・・・・・・怒るよ」ジトー・・・
レッサー「仕事でキスできる人間だっています。何ならセックスだって出来ますよ」フンッ
オリアナさんか誰かに影響されたか。
香焼「それじゃまるで娼婦っすよ」グッ・・・
レッサー「・・・・・・ええ。魔術師なら娼婦以下の事して当然でしょう?」
香焼「なっ・・・・・・、」
レッサー「キスできないならそこ退きなさい。さもなきゃ力ずくですよ」ジー・・・
香焼「っ・・・・・・引けない。自分、怒ってるよ」ギリッ・・・
レッサー「私と他人がキスするの、そんなに嫌なんですか? 何それ嫉妬? 彼氏でもないのに?」ハッ!
上条さんに肖って、本気で殴ろうか。
レッサー「甘ちゃんが。出来る訳ないでしょう。私より弱いのに」フンッ
暫く見詰め合った・・・・・・いや、睨み合ったままだった。 - 108 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 :2011/08/27(土) 01:48:21.40 ID:IkV3Q35m0
- 一寸後・・・・・・ニヤリと、彼女が微笑んだ。
レッサー「・・・・・・そうだ。簡単な事でしたね」フフフ・・・
香焼「何だよ」ジトー・・・
レッサー「コウヤギ、私より弱いんだから力ずくでキスすれば良いんです」フフッ・・・
香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」ポカーン・・・
大分ブっ飛んだ発想をなさった。
香焼「あ、頭おかしいっすよ」タラー・・・
レッサー「知ってます・・・・・・ねぇコウヤギ。少し大人しくしててくれませんか?」ニヤッ・・・
香焼「やだ」
レッサー「何なら・・・・・・キスから『先』、シても良いですよ」フフッ・・・
香焼「もっとヤダ」キッ・・・
レッサー「チッ・・・・・・甘ちゃんの上に枯れてるなんて、男として最っ低ですね」ケッ・・・
両者、かなり頭にきてる。
香焼・レッサー「「・・・・・・、」」ジー・・・
刹那、彼女が横に飛んだ。いや消えた・・・・・・自分が彼女を目で追い始めた際にはもう遅い。
レッサー「おっそーい」フンッ!
香焼「っ! ぐっ!!」ドンッ!
為す術もなく、床に組み伏せられていた。
レッサー「弱すぎです・・・・・・いや、私が強すぎなんでしょうかね」ハハハ
香焼「れ、レッサー! 冗談止めろ!」ジタバタ・・・
レッサー「・・・・・・嫌です。弱者は強者の言う事を聞かなきゃダメでしょ」フフフ・・・
彼女の右手が僕の右手を、そして左手が顔を掴む。ヤバい・・・・・・ヤられる。
レッサー「安心してください。キスだけですから。練習みたいなものです」スッ・・・
練習でファーストキスされてたまるか。如何にかせねば! - 109 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 02:06:07.08 ID:IkV3Q35m0
- 彼女の唇が近づく最中、止むを得なしと左手を伸ばす。
レッサー「無駄ですよ」グググ・・・
尻尾が左手に伸びる・・・・・・だが。
香焼「それを待ってた」ギュッ!
レッサー「え・・・・・・なっ!!?」ギョッ・・・
掴む。そして・・・・・・全霊を込めて、魔力を流し込む。
レッサー「ふぁっ、にゃあああああああああぁぁあっ!!」ビクンッ!!
彼女の力が弱まる。無防備な彼女の尻尾に魔力を流すのが弱点(※)だと、ランシスから教わっている。
その間に押し退け、逆に地面に組み伏せた。左手は尻尾を握ったまま。右手は彼女の華奢な両手首を押さえ込む。
(※あくまでこのSSでの設定です)
レッサー「ひゃ、ひゃめろおおおおぉっ!! 止めぇふだひゃあああぁぃいっ!!」アウウウゥッ!!
香焼「大人しくするって約束しろ!」
レッサー「ぐ、くぅ・・・・・・ひゃ、ゃだ」ビクッ・・・ビクッ・・・
香焼「じゃあ離さない」グッ・・・
レッサー「きゅっ、い、いやあああああぁっ!! お、おかひふなっひゃうよおおぉっ!!」ビクビクッ!!
何だか此方が悪者の様だが、そんな事はありません。
兎に角彼女から何故こんな馬鹿な真似をしようとしたのか、事の経緯を確かめなければなるまい。
一旦、魔力を緩め、グッタリしているレッサーに質問をする。
香焼「どうしてこんな真似を?」
レッサー「ハァハァ・・・・・・っ」グッ・・・
香焼「教える気は無いと・・・・・・じゃあそれでもいいから、こんな馬鹿な真似は止めろ」ジー・・・
レッサー「ふぅふぅ・・・・・・嫌、です」キュッ・・・
香焼「また魔力流すぞ」ジトー・・・
レッサー「好きにすれば、良いでしょう・・・・・・私は何言われたって・・・・・・実行します、よ」ビクッ・・・
香焼「・・・・・・、」ググッ
レッサー「ひっ!?」ビクンッ・・・
明らかに怯えるレッサー。だが頑固にも屈する事は無いみたいだ。まったく、困ったものだ。 - 110 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 02:29:40.65 ID:IkV3Q35m0
- ―――とある翌日、AM01:50、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・
アニェーゼ「ったく。レッサーのヤツ何処行ったんだか」ハァ・・・
サーシャ「第一の意見ですが、朝から様子がおかしいですよね」フムッ
アンジェレネ「フロリスさん辺りに聞いてみるのが良いのかもしれないけど・・・・・・ってあれ? コォヤギくん居ませんよ?」キョロキョロ・・・
アニェーゼ「あれ? マジですね。今日は食堂居るって言ってやがったくせに」ムゥ!
サーシャ「んー・・・・・・あ。第一の発見ですが、モヤイはいますよ」ピッ
もあい「みー」トコトコ・・・
アンジェレネ「おいでおいで。まったく、モアイちゃん置いて消えるなんておかしいですねー」ナデナデ
アニェーゼ「レッサーとコーヤギの失踪・・・・・・これは事件の予感です!」ビシッ!
サーシャ「は?」ポカーン・・・
アニェーゼ「きっと何かしらの事件に巻き込まれてるに違いねぇです! これは調査せねば!」フフフ!
サーシャ「・・・・・・また馬鹿な事を」ハァ
アンジェレネ「うーん。とりあえずモアイちゃん食堂外に出せば勝手にコォヤギくんの所まで歩いていくよ」
アニェーゼ「よしっ! そんじゃあ探しましょう!」キラキラ・・・
サーシャ「第二の意見ですが、アンジェレネの探索魔法使った方が早いのでは?」チラッ
アンジェレネ「そこはほら。猫が事件解決の糸口になるっていう推理モノのロマンだよ」フフッ
サーシャ「・・・・・・だから事件って」ハァ・・・
アニェーゼ「細けぇ事はいいんです! 兎に角行きましょう! レッツゴーもあい!」ビシッ!
もあい「みー」トコトコ・・・
アンジェレネ「アニェーゼちゃんが楽しそうで何よりです」ニコニコッ
サーシャ「・・・・・・やれやれ」ポリポリ・・・
ステイル「ハァ。あの糞ババア。余計な仕事増やしやがって・・・・・・香焼ー。コーヒー寄越せー。あと灰皿だ」テクテク・・・
もあい「にゃー」トコトコ・・・
ステイル「ん? ねk・・・・・・うわぁ」タラー・・・
アニェーゼ「こらテメェ人の顔見るなり明ら様嫌な顔すんじゃねぇですよボケぇ!」ドスッ!
ステイル「ぐっ・・・・・・貴様は毎回毎回毎回毎回暴力を」グヌヌ・・・
アンジェレネ「こら二人とも! 喧嘩しちゃダメですよ!」メッ!
サーシャ「マグヌス。第一の親切ですが、コーヤギーは此処にいませんよ」
ステイル「は? ・・・・・・何処行った?」キョロキョロ・・・
アニェーゼ「今から探しに行こうとしてたとこです。テメェも来やがれ。邪魔した罰です」グイッ!
ステイル「うわっ、ちょ・・・・・・はぁ?」チラッ・・・
アンジェレネ「ステイルさん、一緒に行きましょう。事件だそうですよ」フフッ
サーシャ「・・・・・・事件だそうです」ハァ
ステイル「・・・・・・、」ハァ・・・
アニェーゼ「ゴダゴダうっさい! 私の勘が事件だと訴えてやがるんです! 良いから行きますよっ!」ビシッ!
アン・サーシャ・もあい「「「にゃー!」」」ビシッ
ステイル「・・・・・・とりあえず、やり場の無い怒りの矛先は香焼で構わないな」チッ・・・ - 111 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 02:54:57.21 ID:IkV3Q35m0
・・・・・寸・・・・・
もあい「にゃーん」トコトコ・・・
アニェーゼ「ふむ・・・・・・礼拝堂?」
アンジェレネ「此処に居るのかな? 全然人気無いですけど」キョロキョロ・・・
ステイル「あー。煙草喫いたい」ハァ・・・
サーシャ「マグヌス。第一の忠告ですが、堂内禁煙です」ビシッ
ざわ―――・・・――・・・・・
アンジェレネ「ん?」チラッ・・・
サーシャ「アンジェレネ?」
アンジェレネ「・・・・・・あそこの倉庫」ジー・・・
アニェーゼ「え?」ジー・・・
ぴ、ピぎゃあああああああああぁっ!!
一同『っ!!?』ギョッ!!
サーシャ「第一の推測ですが、アレはレッサーの声!」バッ!
ステイル「まさか本当に事件とはな・・・・・・勘弁してくれよ。問題起こすなら余所でやってくれ」ハァ・・・
アンジェレネ「ステイルくん、そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」アタフタ・・・
ステイル「アンジェレネ・・・・・・君付けしないでくれとあれほど」ハァ・・・
アニャーゼ「うっさい! さっさと行きますよ!」タッ!!
ステイル「チッ・・・・・・問題児めっ。嘱託のくせに」ボッ・・・
サーシャ「了解」ガチャッ・・・
アンジェレネ「何だかんだ言って率先してくステイルくん。やっぱり優しいね」クスクスッ
ステイル「っ! アニェーゼ! そこの天然娘を黙らせろ!」タッ!
アニェーゼ「後でね! レッサーっ!!」バンッ!!
もあい「にゃっ!?」ビクッ・・・
ギイイイィ・・・・・- 112 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 03:14:35.98 ID:IkV3Q35m0
- アニェーゼ「無事ですか!? って・・・・・・え」ピタッ・・・
一同『・・・・・・なっ?!』ギョッ・・・
レッサー「ふぇ、ひゃあああああぁっ!! りゃめてよおおおおおぉっ!!」ビクンビクンッ!!
香焼「はぁ。いい加減折れてよ・・・・・・え、あ」ピタッ・・・
・・・・・・。
アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こ、ヤギ?」
香焼「あ、え、皆?」タラー・・・
レッサー「ひ、ぅ・・・・・・ううぅ」ビクビクッ・・・
アンジェレネ「な、に・・・・・・してるのカナ・・・・・・コォヤギくん?」ゴゴゴゴ・・・
サーシャ「第一の状況説明ですが、コーヤギーがレッサーの尻尾を握って、弄っていますね」ジトー・・・
ステイル「はぁ・・・・・・神聖な聖堂内で何してるんだか。ホテル行け、ホテル」ヤレヤレ・・・
香焼「だから違・・・・・・ちょっとレッサー!」チラッ
レッサー「もう・・・・・・虐めないで、ください」ウルウル・・・
アニェーゼ「」ブチッ・・・
香焼「ちょ、あ、このっ!? あ、アニー! 誤解だって!」アタフタ・・・
サーシャ「何が誤解なのでしょう? 第一の回答を求めます・・・・・それ次第では、断罪ですよ」ガチャンッ・・・
香焼「だ、だからその・・・・・・えっと・・・・・・き、キスを! 無理やり!」アタフタ・・・
アニェーゼ「死ねええええええええええええええぇっ!! 百辺死ねえええええええええええええぇっ!!」ガガガガッ!!
香焼「じゃなくて、いや、そうで、ってぎゃあああああああああああぁっ!!」ボコボコッ!!
レッサー「・・・・・・っ」バッ・・・
アンジェレネ「あ、レッサーちゃん!」
ステイル「逃げるように去って行ったな。なんだ、和姦じゃないのか。意外と度胸あったんだな香焼」ハハハ
サーシャ「何を暢気に馬鹿な事を・・・・・・私が追います。二人は此処をお願いします」タッ・・・
アンジェレネ「あ、うん・・・・・・ねぇステイルくん。私もコォヤギくんに折檻していいかな?」
ステイル「勝手にしろ。そと君付けするな」ハイハイ・・・
もあい「・・・・・・なぅ」ジー・・・
アニェーゼ「死ねっ! 死ねっ! 女の敵っ! 去勢してやるっ!! 今からルチア呼んできて公開去勢ですっ!!」ゲシゲシッ!!
香焼「だ、だから話聞いてって・・・・・・ぶはっ! ちょ! ふ、不幸だああああぁっ!!」イデデデッ!! - 113 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 03:42:02.20 ID:IkV3Q35m0
・・・・・寸・・・・・
もあい「にゃー」カリカリ・・・
香焼「」チーン・・・
アニェーゼ「ふんっ! これくらいで許したと思わねぇでくださいよ。今から市中全裸で引き回しの刑ですから」ダンッ!
ステイル「止めろ。必要悪の教会(ウチ)の沽券に関わる」ハァ
アンジェレネ「それより・・・・・・コォヤギくん。何であんな真似したんですか?」ジー・・・
香焼「」
アンジェレネ「・・・・・・えいっ☆」ドスッ!
香焼「ぐふっ!!」ビクッ!
アンジェレネ「起きてー」ゴゴゴゴ・・・
香焼「お、お腹・・・・・・退けて。座らないで・・・・・・、」ダラダラ・・・
アニェーゼ「さっさと言い訳話せ。じゃねぇと私も追加で座ります」ドスッ!
香焼「か、はっ・・・・・・座ってる、じゃん」ダラダラ・・・
ステイル「ハァ・・・・・・んで? 何故神聖なる礼拝堂で不埒な行いをしていた? 早く懺悔しろ。無料で聞いてやろう」ドスッ!
香焼「ぐ、ば・・・・・・ひ、ひぃ」バタバタ・・・
アニェーゼ「ちょっと似非神父。アンタがコーヤギの上座ったら流石に死んじゃいますって」
ステイル「さっきまで彼を殺す勢いで痛めつけてたのは何処のどいつだい?」
アンジェレネ「もう些細な事はいいから。コォヤギくん。早く話して」ジー・・・
香焼「ま、まず・・・・・・退けて、よ・・・・・・お願い」プルプル・・・
もあい「みー」ペシペシッ・・・
少年説明中・・・・・
アニー・アン・ステイル「「「・・・・・・は?」」」ポカーン・・・
香焼「はぁ・・・・・・一から十まで洗いざらい話したよ」イテテ・・・
アニェーゼ「・・・・・・マジ?」タラー
香焼「あの光景見たら信じられないかもしれないけどホントだよ」ポリポリ・・・
ステイル「レッサーに捻じ伏せられたと・・・・・・流石女の敷物だな、オマエは」ハハハ
香焼「言い方あるだろ・・・・・・まぁ自分がレッサーより弱いのは事実だから、卑怯な手段使うしか無かったんすよ」
アニー・アン「「・・・・・・、」」ムゥ・・・
もあい「にゃ?」チラッ・・・- 114 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 04:02:36.37 ID:IkV3Q35m0
- ステイル「とりあえず僕は君を信じよう。先ほど見た光景よりも、その説明の方が香焼『らしい』からね」ククク・・・
香焼「アニェーゼ。アンジェレネ・・・・・・信じてもらえないかな」ハァ・・・
アニェーゼ「・・・・・・何とも」ムゥ・・・
アンジェレネ「兎に角、レッサーちゃんを見つけて話を聞かないと」ポリポリ・・・
香焼「はぁ・・・・・・ん?」チラッ・・・
サーシャ「・・・・・・、」テクテク・・・
アニェーゼ「サーシャ! レッサーは!?」
サーシャ「すいません。逃げられました。第二の推測ですが教会の外、街中へ行ったのでしょう」ペコッ・・・
アンジェレネ「そんな・・・・・・、」ムゥ・・・
香焼「・・・・・・、」
もあい「んなー」トコトコ・・・
ステイル「・・・・・・仮に」ボソッ
一同『っ!』
ステイル「仮に、香焼の話が本当だとしたら・・・・・・拙いんじゃないのか?」チラッ・・・
・・・・・・。
香焼「・・・・・・あ」ギョッ・・・
サーシャ「え?」ポカーン・・・
香焼「あの馬鹿っ!」バッ
アニェーゼ「ちょ、コーヤギ!!」
アンジェレネ「私達も行かなきゃ! 変な人に捕まったら大変だよ!!」ダッ
サーシャ「え、あ、何が?? 誰か解説を」アタフタ・・・
アニェーゼ「走りながらします! 兎に角ついて来やがれってんです!」バッ
ステイル「だそうだ。行ってらっしゃい」ノシ
アンジェレネ「ステイルくんも行くの!」グイッ!
ステイル「えー・・・・・・、」タラー・・・
アニェーゼ「早く来い!!」グイッ!!
ステイル「痛たっ! 引っ張るな!!」ッタク・・・ハァ・・・ - 115 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/27(土) 04:23:50.54 ID:IkV3Q35m0
・・・・・寸・・・・・
香焼「くっ・・・・・・何処行ったんだよ、アイツ!」ギリリ・・・
アニェーゼ「コーヤギ! 無暗やたらに探しても無駄です! ランシス達に宛を聞くべきでしょ!」
アンジェレネ「じゃあ二班に分かれましょう。携帯持ってる香焼くんとステイルくんは別々で」チラッ・・・
ステイル「何で僕が」
アニェーゼ「うっせぇ黙って付き合えってんです! コーヤギ、私、アンは街中を! ステイル、サーシャはランシス達の所へ!」チラッ
サーシャ「了解です・・・・・・ほら、マグヌス。行きますよ」グイッ
ステイル「だから何で僕が」ブツブツ・・・
香焼「都市の新作煙草!」
ステイル「・・・・・・5つだ。あと新型ライターも買って来い」ヤレヤレ・・・
アンジェレネ「こらー! 未成年なのに煙草のやり取りしちゃダメでしょー!」ガー!
もあい「にゃー!」ビシビシッ!
アニェーゼ「黙って動け! あとサーシャ! もあいも連れてって神裂かオルソラ辺りにでも押し付けてください!」
サーシャ「了解です。急ぎますよ、神父」タッ・・・
ステイル「チッ・・・・・・香焼! 煙草忘れるなよ!!」タッ・・・
香焼「くそっ・・・・・・どうすれば」タッタッタッ・・・
アニェーゼ「アンジェレネ。探索魔法を」チラッ・・・
アンジェレネ「時間掛かりますよ」
アニェーゼ「しないよりマシです・・・・・・コーヤギ! アンタが冷静なんないで如何すんですか!」ッタク・・・
香焼「ご、ごめん」タラー・・・
アニェーゼ「どんな時でも周り見れる様になりなさい。そんなんじゃいつまで経っても半人前、甘ちゃんですよ」チッ・・・
香焼「・・・・・・、」
アンジェレネ「え、えっと・・・・・・兎に角街中へ入りましょう。魔力反応を虱潰しに当たればレッサーちゃん見つかるかも」
アニェーゼ「香焼の話から推測するに・・・・・・娼館街の辺りかもしれませんね。もしくは駅前でナンパ待ち、か」
香焼「・・・・・・考えるより先に行動したほうがいい。最悪、あの馬鹿早とちりし兼ねない」
アニェーゼ「そうですね。でも人手が・・・・・・、」チッ・・・
アンジェレネ「・・・・・・コォヤギくん。天草の皆にお願いできないの?」
香焼「そっか! 暇な連中は結構居るかも・・・・・・頼んでみる!」Pi!
アニェーゼ「やれやれ、レッサーのヤツ。戻ってきたら説教ですね! 色んな意味で! ・・・・・・主に『抜け駆け』の件とか」ギリリ・・・
香焼「え?」キョトン・・・
アンジェレネ「フフフ。そうだね。サーシャちゃんと3人で『おしおき』だね」クスクスッ・・・
香焼「え、えっと・・・・・・兎に角急ごう! 早くレッサーの尻尾捕まえなきゃ!」タッ・・・
アニー・アン「「はい!」」ダッ・・・- 116 :>>1 [saga]:2011/08/27(土) 04:37:46.68 ID:IkV3Q35m0
- はい。今回は此処まで。あとちょっと勝手設定余談です。
<カルテッ娘の役割分担>
・アニェーゼ・・・良い意味でも悪い意味でもリーダー性。おふざけは暴走、真面目は冷静。五大元素攻守バランス魔術
・アンジェレネ・・・常にほんわか。裏腹では常に冷静。怒ると一番怖い。『使徒』を用いた補助系魔術がメイン。
・サーシャ・・・基本黙々。常に沈着。でも偶にボケる。4人の中で、というかステイル交え一番強い。天使の馬鹿魔力。
・レッサー・・・常に暴走。エロ担当になろうと頑張るけどなれない。体術は香焼並にトリッキー。魔術はバランス型。
ではまた次回! ノシ” - 121 :>>1 [saga]:2011/08/28(日) 22:45:43.62 ID:ozObQTu10
- ―――とある翌日、PM02:30、英国、ロンドン市内・・・・・
がやがや・・・・・
アニェーゼ「―――だあああぁっ!! やっぱ宛ても無く探すのは無謀ですよ!」ンギギ・・・
アンジェレネ「魔力反応も疎ら過ぎて全然掴めないです……街中には結構魔術師潜伏してますからね」ハァ・・・
香焼「……、」キョロキョロ・・・
アニェーゼ「コーヤギ! 天草の連中の手は借りられねぇんですか!」
香焼「暇な人は探すの手伝ってくれてるみたいなんだけど……やっぱり何処行ってるかなんて検討つかないから」ムゥ・・・
アンジェレネ「サーシャちゃんとステイルくんがフロリスさん達に話聞かないと無理かも」ハァ・・・
アニェーゼ「ったく、あの小悪魔娘が……迷惑掛けてからに」チッ・・・
アンジェレネ「ナンパされるの狙ってるなら駅前か、ソーホー辺りの風俗街かなぁ」
アニェーゼ「ソーホーは無ぇですね。あそこは仕来たり守って風俗運営してますから……駅前の方がまだ宛てがあるでしょう」
香焼「……こういう時、あんまりよろしくない情報って誰に聞いたら良いんだろう。正直自分達は子供だから詳しくないっすよ」タラー・・・
アニー・アン「「……、」」コクン・・・
がやがや・・・・・
アンジェレネ「……あ」ピンッ!
香焼「アン、何か思い付いたの!?」
アンジェレネ「二人……詳しそうな人がいる」
アニェーゼ「誰ですか!? もう誰でも良いです! 頼りましょう!」
アンジェレネ「うん。えっとオリアナさんはそういう分野得意そうだよね」
香焼「確かに。でもロンドンについてはそう詳しくないんじゃ。元々フランスの人だって言うし」
アンジェレネ「それじゃあ……りめえ……リーアさん(※)」 ※香焼達と仲良い謎のお姉さんデス。
アニェーゼ「あ! そうだ! あの人なら風俗街にもコネ沢山持ってる筈です!」パアアァ!!
香焼(ええええええぇ!? 姫様頼るのぉ!!?)ダラダラ・・・
アンジェレネ「……コォヤギくん。大人は頼るモノだって、あの人言ってたでしょ?」チラッ・・・
香焼「はぁ……分かった」Pi!
アニェーゼ「早くしやがれってんです! 携帯持ってんのコーヤギだけなんですからね!」ホレホレ!
香焼「忙しい人だから繋がるかどうか……―――」Prrr... - 122 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/28(日) 23:02:05.29 ID:ozObQTu10
- ―――とある翌日、PM02:30、英国、ランベス宮、女子寮・・・・・
にゃーん・・・・・
サーシャ「―――第一の確認ですがベイロープ達は確か神裂とお茶を飲んでいた筈です。寮に入りましょう」テクテク・・・
ステイル「……僕は行かない。君が聞いて来い」ピタッ・・・
サーシャ「は?」
ステイル「此処女子寮だろ。常識的に考えろ」ハァ・・・
サーシャ「……、」ジトー・・・
ステイル「……何だよ」タラー・・・
サーシャ「……行きますよ」グイッ・・・
ステイル「ちょ、おま!?」グググ・・・
サーシャ「五月蠅い。男がウジウジするものではありませんよ、マグヌス」グイグイッ!
ステイル「ま、待て! マジで何言われるか分かったもんじゃないぞ!!」ダラダラ・・・
サーシャ「レッサーのピンチです。四の五の言わない」フンッ!
ステイル「……不幸だ(Fuck'n)」ハァ・・・
もあい「みゃー」トコトコ・・・
神裂「―――はぁ。やはり個人PCは必須なんでしょうか」
ベイロープ「そうね。今の時代老人でも持つべきよ」
オリアナ「世界展開してるプロパイダ(ネット回線)と契約しとけば色々仕事しやすくなるわよ。プライベートも楽しくなるし」
神裂「はぁ。しかし……苦手なもので」
オルソラ「大丈夫でございますよ。私でも一週間あればHPの作り方程度覚えましたから」
シェリー「いや、オマエは寮に居る時いっつもPC独占してる程やりこんでるからだろ」
五和「兎に角! ノートPC買いましょうよ! なんなら都市の理事長に寄越せって言ってしまえばくれる筈です!」
神裂「アレイスターが、ねぇ」フム・・・
フロリス「レッサーが言ってたけど、マグヌスだってタダで貰ったんだろう? 新型だか試作品だか」
ランシス「しかもレッサー、それを借りパクしてアジトに持ち帰ってきたよ」
サーシャ「……だそうですよ」チラッ・・・
ステイル「道理で部屋のPCが無い訳だ……あのボケナスめ」フツフツ・・・ - 123 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/28(日) 23:17:06.27 ID:ozObQTu10
- 浦上「まぁまぁ。焦って買ってもお姉が使い倒すに決まってますからネ。口車に乗せられる必要ありませんヨ」
五和「う、ウラ! 適当言うな……って、あれ? もあい?」チラッ
神裂「ん? 香焼と一緒だったのでは?」チラッ・・・
もあい「なー」テクテク・・・
サーシャ「第一の解答ですが、私が連れてきました」
ステイル「……、」ハァ・・・
シェリー「へぇ。珍し……もっと珍しいのが後ろにいるぞ」タラー・・・
ルチア「ま、マグヌス!? 此処は女子寮ですよ!?」ギョッ!
ステイル「当然の反応だな……だからイヤだった」ハァ・・・
神裂「当然って……な、何用で」
サーシャ「私が連れてきました。すいません」ペコッ・・・
一同『っ!!』ピタッ・・・
もあい「みゃー」チラッ・・・
オルソラ「あらあら……まぁまぁ」ニヤニヤ・・・
オリアナ「へぇ……ふーん」ニヤニヤ・・・
ベイロープ「あらら、意外と……ふふっ」ニヤニヤ・・・
ステイル「何だその目は!」グヌヌ・・・
浦上「いえいえ。何だかんだ言って、ステイル神父も隅に置けませんネー」ニヤニヤ・・・
ルチア「まぁアンジェレネに手を出されないだけマシとしましょうか」ハァ・・・
シェリー「ロシアっ子。ベット壊すなよ? オマエ一応客人なんだからな」ジー・・・
サーシャ「……え」///
神裂「だ、駄目です! ステイル、私は貴方の姉分として許しませんよ!」カアアァ///
ステイル「何をほざいているのだ貴様ら……サーシャ。さっさと本題に入れ」ッタク・・・
ランシス「え? つきあいました的な報告ですか?」フフッ・・・
ステイル「だから黙ってろ! サーシャ!」チッ・・・
サーシャ「あ、はい。そうですね……失礼しました」コクッ
一同『ん?』ポカーン・・・ - 124 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/28(日) 23:32:55.16 ID:ozObQTu10
- サーシャ「……新たなる光の三名へ質問があります」チラッ
ベイ・フロ・ラン「「「私達?」」」ポカーン・・・
サーシャ「第一の質問ですが、レッサーの行きそうな場所を知りませんか?」
フロリス「知りませんかって……多分、知らない」キッパリ・・・
ランシス「レッサーの行動読める人間なんてそうそういないよ」ハハハ
ベイロープ「というかいきなり如何したの?」
サーシャ「……マグヌス」チラッ・・・
ステイル「話しても良いんじゃないか? 探すとなったらばれる事だよ」
サーシャ「了解です……第一の報告ですが、レッサーが行方不明です」
一同『はぁ!?』キョトン・・・
神裂「ゆ、行方不明って、その……え?」
ステイル「さっきまでは居たんだが、色々あってな」フム・・・
オルソラ「その『色々』が問題なのではございませんか? 喧嘩したとか、悪戯したとか」
サーシャ「……マグヌス」チラッ・・・
ステイル「一々僕に了解を求めるな。勝手に話せ」ッタク・・・
サーシャ「了解です。では第二の報告です……―――」
少女説明中・・・・・
サーシャ「―――以上です」
神裂・五和「「」」チーン・・・
浦上「にゃはは! まーた香焼始まった」ケラケラ!
ルチア「またあの猿小僧の仕業かああぁ!! やっぱ去勢すべきですよ!! このままではアニェーゼ達の貞操がマッハでピンチ!!」ガアアァッ!!
オリアナ「落ち着きなさい姉馬鹿」ハァ・・・
シェリー「んー……話聞く限り悪いのレッサーだろ。まぁ坊やが嘘吐いてるって可能性も捨てきれないけどね」チラッ・・・
ベイ・フロ・ラン「「「……、」」」ジー・・・
オルソラ「……御三方?」チラッ・・・
ランシス「り、リーダー」チラッ・・・
ベイロープ「……ヤバいわね」タラー・・・
フロリス「あの馬鹿。変な暴走の仕方を」タラー・・・
サーシャ「……、」ジー・・・ - 125 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/28(日) 23:52:23.19 ID:ozObQTu10
- ステイル「……レッサーの行動に何か心当たりがあるようだな」チラッ・・・
ベイロープ「……ちょっとね」
フロリス「でも、ベラベラ口外出来る話じゃないな。あくまで身内の恥の様な話だ」
ランシス「……、」ムゥ・・・
神裂「……兎に角、急いでレッサーを探すべきでしょう」
サーシャ「第三の報告ですが、現在コーヤギー、アニェーゼ、アンジェレネが街中へ捜索に出張っています」
ルチア「……友達は選べと何度も言って聞かせてるのに」グヌヌ・・・
オルソラ「シスター・ルチア……説教が必要でございましょうか?」ゴゴゴゴ・・・
五和「る、ルチア。アニェーゼもアンジェレネも友達想いの良い子だよ。だから怒らないの」ポンポンッ・・・
ルチア「……、」ハァ・・・
ステイル「さて、オマエ達」チラッ
ベイロープ「……アジトにはいないわ。人が居ればランシスが遠隔感知するもの」
ランシス「うん。魔力反応はないよ」
サーシャ「という事はやはり街中ですね……再度第一の質問ですが、心当たりは?」
フロリス「……さぁ」ムゥ・・・
サーシャ「……マグヌス。困りましたね」ポリポリ・・・
ステイル「チッ……とりあえず人手を使って街中や駅前を探す他無いだろう。そう遠くまで行くまい」
オルソラ「私共も何人か出張りましょう。シスター・ルチア。アニェーゼ隊の非番の子達も手伝ってもらいたいのでございます」
ルチア「……はいはい」ヤレヤレ・・・
神裂「それにしても、き、キスを迫るとは……しかも香焼に」タラー・・・
五和「コウちゃん、着々とカミやん病が進行して……その内邪気眼とか出そうですね」タラー・・・
ステイル「香焼に関しては心配無い。何だかんだでレッサーを蹂躙してたからな」ハハハ
ルチア「やっぱ貸せません! あとアニェーゼ、アンジェレネを引き返させます!」ワナワナ・・・
サーシャ「マグヌス……余計な事を」ジトー・・・
ステイル「……別に良いだろ。ルチアがおかしいんだ」ムゥ・・・
ベイ・フロ・ラン「「「……、」」」ジー・・・
オリアナ「……ふむ」チラッ・・・
シェリー「どうすんだ? 考え有るようだが」ボソッ
オリアナ「……とりあえず貴女は大学の子借りてでも駅前探させて。私はこの子達の話聞くから」ボソッ
シェリー「あいよ。電話借りてくるわ」テクテク・・・ - 126 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 00:12:02.86 ID:N4aP9ccI0
- オリアナ「ちょっとベイロープ」チラッ
ベイロープ「っ!」ビクッ
オリアナ「来なさい……あとフロリス、ランシス。それからオルソラ……浦上も」チラッ・・・
フロリス・ランシス「「……、」」タラー・・・
オルソラ「はいはい」コクッ
浦上「はいは……はいぃ?!」キョトン・・・
五和「何でウラが!?」ギョッ・・・
オリアナ「いいから……こっちに」テクテク・・・
サーシャ「え、あ、私達は?」タラー・・・
オリアナ「ステイルと一緒に待ってなさい。あ、神裂。天草の暇な子達も貸してあげなさいな」
神裂「は、はい」
五和「……女教皇様。既にコウちゃんがメールで頼みこんで来てましたよ」ア・・・
神裂「それ早く気付きなさいって!」ハァ・・・
五和「だ、だってぇ!」アタフタ・・・
ステイル「オマエら少し落ち着け」ハァ
サーシャ「マグヌス。第一の提案ですが人員を確保できた件でコーヤギーに連絡を」
ステイル「はいはい」ヤレヤレ・・・
もあい「なー」コロコロ・・・
オリアナ「さて、と……お姉さんが聞きたい事、分かる?」チラッ・・・
ベイロープ「……、」
フロリス「……先の身内の件ですか?」
オリアナ「そうね。サーシャと神父の話を聞く限り、レッサーがしようとしてる事は売春よ」
ランシス「ば、売春……なのかな」タラー・・・
オリアナ「あの子が何焦って貞操捨てようとしてるのか分からないけど……さっきの貴女達の反応を見るに、原因はあの子じゃないわね」
ベイロープ「……、」タラー・・・
オリアナ「ベイロープ……貴女もしかして、彼女に『そういう任務』させようとしたの?」ジー・・・
浦上・オルソラ「「っ!」」
フロリス「んな訳ないでしょう!」ギョッ・・・
ランシス「リーダーはレッサーの事そんな風に使ったりしないよ!」アタフタ・・・
ベイロープ「……、」ジー・・・ - 127 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 00:25:37.80 ID:N4aP9ccI0
- 浦上「ええっと……レッサーが強要したのって、キスだけなんですよネ?」
オルソラ「そう言ってたのでございます。身体に関しては、特に」ウーン・・・
オリアナ「……でも、焦って女捨てようとしてたんでしょ? いや、男を知ろうとしてたのかしら?」
フロリス「そ、それは」タラー・・・
ベイロープ「……もしそうだとしたら、私の責任です」グッ・・・
ランシス「り、リーダー!」
フロリス「ち、違うって! コレはあの子が勝手に解釈して」アタフタ・・・
オリアナ「何の解釈かしら? お姉さん、知りたいわ」ジー・・・
ベイロープ「……、」ジー・・・
オリアナ「力になれると思うけど。特に私と浦上……というか天草の男衆わね」フフッ
浦上「あぁ。だから私を……って何で私?」ポカーン・・・
オリアナ「ウブな神裂と五和にこの話はもしかしてキツいかなーってね」クスッ
浦上「うわー……何か私が穢れてるみたいな言い方しますネ」ジトー・・・
オルソラ「まぁまぁ。私も同類いう事で。信用されてると思うのでございますよ」フフッ
オリアナ「そうそう。さて……ベイロープ」チラッ
ベイロープ「……他言無用でお願いします」コクッ
オリアナ「分かってるわ。此処だけの秘密ね」クスッ
ベイロープ「実は昨日……―――」
もあい「なぅ」トコトコ・・・
ベイロープ「―――……という事がありました」
オリアナ「……なるほど」フム・・・
浦上「ありゃりゃ。完全にレッサーの暴走ですネ」タラー・・・
フロリス「まぁその……私達があの子に発破掛ける様な言い方した所為もあります」
ランシス「で、でもリーダーとフロリスはレッサーの為を思って!」アタフタ・・・
ベイロープ「良いのよ。結果、あの子が空回りしたんだから私の所為だわ」ハァ・・・
オルソラ「まぁまぁ。そんなに自分を責めてはいけないのでございますよ」
オリアナ「まったく……変に知識だけある子は扱いが厄介ね」ハァ・・・ - 128 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 00:59:41.57 ID:N4aP9ccI0
- オリアナ「とりあえず、今の話とさっきの話を照らし合わせるに……口だけ女と言われたのが癪だったのね」
オルソラ「だから無理矢理でも香焼に迫った、と……やれやれ。標的にされる彼も彼でございます」ハァ
浦上(……純粋に歪んだ告白の形だったりして)ニャハハ・・・
オリアナ「坊やで止まっておけばまだしも、誰でも良い状態になった今……面倒な事になったわね」
ランシス「コヤギくん、キスさせてあげれば良かったのに」ムゥ・・・
浦上「それは色々と拙いヨ。大規模な喧嘩が起きちゃうからサ。英国と都市関係無くネ」タラー・・・
オリアナ「ふむ……あと、ベイロープ。『そういう仕事』をするなとは言わない。私もしてる事だから」チラッ・・・
ベイロープ「……、」
オリアナ「でも節度を守りなさい。貴女はまだ若いわ。無闇にそういう手段を使う必要は無い」
ベイロープ「……でも、私達の結社は小さいんです。コネも何もありません。地道にやってくしかないんですよ」
オリアナ「分かってるわ。フリーのお姉さんが知らないわけないでしょう……でもね」チラッ
フロリス・ランシス「「……、」」
オリアナ「この子達が見てる。自分の『そういう姿』を下の子には見せちゃダメ。鉄則よ。現にこうして心配事になってる」
ベイロープ「……、」
オリアナ「娼婦風情が何を言う、って思ってくれても良いわ。でも経験上、正しい事を言ってるつもりよ」
オルソラ「オリアナ……卑下しないで下さいませ。誰もそんな事を考えたりはしないのでございます」
浦上「まぁ姐御が真面目に何か言ってる時は核心ですからネ。娼婦も聖人君主も関係無いですヨ」クスッ
オリアナ「あらどうも。兎角、身体商売色気勝負っていうのは『個』でするもの。貴女はキチンと守れる娘だと思ってたけど、まだまだ未熟ね」
ベイロープ「……すいませんでした」ペコッ
オリアナ「要勉強よ。テクだとか魅力だとかより『心配り』。貴女がレッサーに言った事、自身でよく噛み締めなさい」
ベイロープ「はい」コクッ
フロリス「……えっと、それで如何しましょうか」タラー・・・
ランシス「オリアナさん、何か考えがあるんじゃ」
オリアナ「……ええ。情報網使うわ。娼館の知り合い達に『新しい家出娘が来てないか』って聞いて上げる」フフッ
浦上「わぁ。裏情報網怖ー」クスクスッ
オリアナ「お姉さんの友達はみーんな親切で良い人達よ。仕事内容目を瞑ればね」クスッ
オルソラ「では私もコネに当たりましょう……オリアナ。『姫』で良いのでございますよね?」フフッ
オリアナ「ええ。貴女はその為に来て貰ったんだもの……さて、動きましょう。ベイロープ達は直接探しに出なさい」チラッ
ベイロープ「はい。急ぎます」コクッ
オリアナ「私とオルソラ、シェリー、神裂は此処を拠点に情報整理。良いわね」チラッ
オルソラ「了解でございますよ」
フロリス「あの馬鹿……早く取っ捕まえて説教してやらなきゃ気が済まないな」ギリリ・・・
ランシス「フロリス。怒るのは後にして急ぐよ」テクテク・・・
ベイロープ「……、」ハァ・・・ - 129 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 01:44:39.51 ID:N4aP9ccI0
にゃーん・・・・・
サーシャ「……あ。やっと来ました」チラッ・・・
オリアナ「お待たせー。とりあえず携帯持ってる人達で班作って捜索行って貰うわよん」テクテク・・・
ステイル「それは既にしている。だが見当も無くそれは」
オリアナ「だーかーらー、本部置いたり何なりして宛てを潰していくわよ」
神裂「宛て……分かったのですか?」
オルソラ「大雑把で知り合いに頼る事になりますが、凡そ見当はつく筈でございます」
オリアナ「とりあえず……サーシャと神父はベイロープ達と一緒に行きなさい。此処は私達が残るから」
サーシャ「了解です。マグヌス、行きましょう」
ステイル「やれやれ……神裂。猫を頼んだ。それから香焼に現状報告をしてやってくれ」
神裂「え、あ、はい」コクッ
もあい「みゃーん」ペチペチッ
ステイル「ったく……それで? 君達、宛ては有るんだろ?」
ベイロープ「とりあえず昨日の酒場に行くわ」
サーシャ「酒場……情報屋ですか?」
フロリス「ただの集合場所。そこで一悶着あったのよ」
ステイル「……動かないよりマシだ。それよりレッサーは携帯を持ってないのか?」
ランシス「持ってたらマグヌスさん、既に電話してるでしょ?」
ステイル「僕はアイツと連絡先交換なんてした事ない」キッパリ・・・
フロリス「……呆れた。アンタ達仲良いんじゃないの?」
ステイル「そう見えるなら眼科か脳外科を紹介しよう」
サーシャ「マグヌス。第一の注意です……五月蠅い。足を動かしなさい」ジトー・・・
ステイル「あーはいはい。わかりましたよー……ったく。今度からヤツに携帯持たせろ。悪用しない程度にな」ケッ
ベイロープ「……考えておくわ」クスッ・・・
ランシス「じゃあ私も欲しいな」チラッ
フロリス「自分で契約しなさい……って出来ないか。私達未成年だ」アハハ・・・
サーシャ「第一の願望ですが……私もワシリーサに携帯買って貰いたいです。マグヌス、彼女へ進言お願いします」チラッ
ステイル「殲滅白書(Annihilatus)の連絡手段事情なんか知るか。手前で何とかしてくれ……それよりさっさと行くぞ」ハァ・・・
サーシャ「むぅ……('・ω・`)」ショボーン・・・- 130 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 01:58:02.48 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM02:40、英国、ロンドン市内・・・(香焼side)・・・
Prrrr・・・・・
香焼「……もしもし。こんにちわ」
リメエア『あら……珍しい。どうしたの?』
香焼「ええっと……ちょっと困り事がありまして」
リメエア『ふーん。私に助力を仰ぐ程の?』
香焼「仰ぐ程というか、何というか……子供の力ではどうしようもない事なんすよ」
リメエア『そう。そういう問題なら頼ってくれると嬉しいわ。それで?』
香焼「え、えっと……、」
リメエア『ん?』
香焼「……、」タラー・・・
リメエア『坊や……言い辛い事なのは分かったけど、言ってくれなきゃ始まらないわ』
香焼「あの、ですね」ダラダラ・・・
アニェーゼ「ああもう! じれったい! 貸しやがれってんです!」バシッ!
香焼「あ、ちょ!」
アニェーゼ「もしもし! リーアさん! 私です、アニェーゼです!」
リメエア『あらアニーちゃん。一緒だったの? もしかして子供出来ちゃったとか何とか?』フフフ・・・
アニェーゼ「ぶっはっ!!? ヴぁ、馬鹿な事言わないで下さい!!」カアアァ///
リメエア『ははは。冗談よ。彼が甲斐性無しなのは知ってるから……それで?』
アニェーゼ「はい。えっと……―――」
少女説明中・・・・・
アニェーゼ「―――って、香焼が言ってました。でもマジっぽいんで困ってます」
リメエア『ふむ……ちょっと坊やに変わってくれる?』
アニェーゼ「え、はい。コーヤギ」スッ・・・
香焼「……変わりました」スッ
リメエア『お馬鹿』ハァ・・・
香焼「えええぇ!? いきなり!?」キョトン・・・ - 131 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 02:29:24.61 ID:N4aP9ccI0
- リメエア『あのね……時には何も聞かずに抱き締めたり、キスしてあげるのも男よ』ハァ
香焼「な、そ……無理っすよ」
リメエア『知ってるわよ。でも、だから貴方は坊やなの』ヤレヤレ・・・
香焼「む、無茶苦茶なぁ」タラー・・・
リメエア『それはさておき、分かった。私も探ってあげる。とりあえず貴方達は大英博物館(以下B・L)へ向かいなさい』
香焼「え!? 博物館!?」キョトン・・・
リメエア『ロンドン一のナンパスポットよ。彼女がそれを知ってるかどうかは分からないけど、動かないよりいいでしょ』
香焼「は、はい! ありがとうございます!」
リメエア『うん……あと約束事よ。坊や、キチンと彼女のアフターケアしなさいよ』
香焼「え」キョトン・・・
リメエア『今回の件でレッサーちゃん、色んな人に怒られるんでしょ。だったら貴方だけでも最後まで味方でいてあげなさい。良いわね?』
香焼「……了解っす」
リメエア『宜しい。それじゃまた連絡するわ』Pi!
香焼「……はぁ。アフターケアねぇ」ポリポリ・・・
アニェーゼ「コーヤギ! 何言われたんですか!」
香焼「え、あ、B・Lに行けって。ナンパスポットだから、もしかしてだって」
アンジェレネ「博物館でナンパする人いるんですか?」ヘ?
香焼「さ、さぁ。でもリメ……リーアさんが言うんだからそうなんじゃないかなぁと」
アニェーゼ「B・Lだろうが時計塔(ビックベン)だろうが馬鹿の男は形振り構わず女の尻尾追い駆けるんですよ」ケッ
アンジェレネ「アハハ。確かに……、」
アニェーゼ「問題はレッサーみたいな幼児体型に性欲が沸く腐れ外道がいるかもしんねぇって事です!」
香焼「(オマエ人の事言えないだろ)……って叩くな! 何も言って無いだろ!!」イデデ!
アンジェレネ「……そうだね。普通の男性なら子供なんか相手にしないけど、仲にはペドフェリアもいるから」
アニェーゼ「日本のアキハバラとかいうポルノ街だったら需要あったんでしょうけどね」
香焼「秋葉原はポルノ街じゃなく電気店街っすよ」タラー・・・
アニェーゼ「如何でも良い。兎に角B・Lに向かいますよ!」タッ・・・
アンジェレネ「うん! コォヤギくん、一応ステイルくんに連絡を」
香焼「了解っす」コクッ・・・ - 132 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 02:43:52.11 ID:N4aP9ccI0
- 香焼「……って、あれ?」ジー・・・
アニェーゼ「あん?」
香焼「何か沢山メール入ってる……レッサーの情報探してくれてるみたい」
アンジェレネ「ステイルくんだけじゃなく?」
香焼「うん。天草の皆だ」
アニェーゼ「やれやれ。ホント面倒掛けさせる娘ですね」クスッ
香焼「五和からも来た……『ルチアに気を付けて!』……何これ?」
アニー・アン「「……さぁ」」タラー・・・
香焼「他に……『女子寮の非番組も手伝う』、『娼館は天草男衆に任せるのよね』、『新たなる光のアジトにはいないらしい』……あらら」
アンジェレネ「何だかんだで、皆優しいね」クスッ
香焼「……うん」
アニェーゼ「ふんっ。私の隊まで引っ張り出しやがったんです。これは高くつきますよ、レッサー」
アンジェレネ「ふふっ。あ、それでサーシャちゃん達はフロリスさん達のお話聞けたのかな?」
香焼「メールには……うん。聞けたっていうか接触は出来たらしい。今一緒に行動中だとか。市内のとある酒場に向かうって」
アンジェレネ「そっか。じゃあ私達も急がないと」
アニェーゼ「うっし! そんじゃいっちょ派手に探してやりましょう!」オー!
香焼「派手にしちゃダメだからね」タラー・・・ - 133 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 03:19:41.50 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM05:00、英国、ロンドン市内、某所・・・(レッサーside)・・・
皆がガキ扱いする。『子供のくせに背伸びすんな』って……自分はそんなに子供じゃない。
皆が口だけだって言う。『口だけの変態女』って……やればできるんだ。
ただまだ経験が無いだけで、やろうと思えばオリアナの姐御以上に上手くやれる筈だ。
レッサー「『自分を大切にしない奴が』って……ベイロープ(オマエ)が言うなってんです」
リーダーだけ犠牲になって身体を張って、女を捨てて、男に身を許してる。
自分がその役回りを担えれば、少しは彼女を楽にしてやれると思った。
リーダーの言い分は分かる。だけど、納得なんかできない。
レッサー「もう……誰でも良いんです。相手して下さいよ」グズリ・・・
自分の処女など安いモノだ。ただ少しの痛みを我慢して、きっかけを作れれば良い。
高望みなんかしない。誰でも良いのだ。
レッサー「……、」ボー・・・
何故、彼は私を拒んだのだろう。私はそんなに魅力が無いのだろうか。
確かに見た目は子供かもしれないが、彼とは同年代だ。見目で拒絶される訳が無い。
潔癖症か、やはり甘ちゃん故か……ドチラにしろ彼には幻滅した。
レッサー「……にしても、誰も声掛けてくれません」ハァ・・・
先程大英博物館でナンパ待ちをしてみたのだが、まったく声が掛らない。
自分に話しかけてくれたのは暇そうなお婆ちゃんと警備員のおっさんだけ。
自分以外にもナンパ待ちをしている女性はいた。婚期を逃した様なババア、派手な格好の娼婦風情の女……などなど。
男共は、悪臭放つそいつらにナンパしかけるのに、若々しい自分には見向きもしない。
まったく……色々腐ってるのではなかろうか。
レッサー「……ちきしょぅ」ウルウル・・・
そういえば……英雄さんも、私を拒んだっけ。
レッサー「……やれば、できるんだもん」ギュッ・・・
一人、駅のトイレ付近で声が掛るのを待ち続けた。 - 134 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 03:36:59.89 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM05:00、英国、ランベス宮、女子寮・・・・・
パタパタ・・・・・
オリアナ「……新しい目撃情報は?」
シェリー「無いな。博物館組が警備員に情報貰ってそれっきりだ」
神裂「ええっと……牛深達が児童ポルノ取扱組織見つけちゃいました。如何しましょう」タラー・・・
オルソラ「まぁまぁ……断罪対象でございますわね」フフッ・・・
オリアナ「そのデータ頂戴。市警に回して『貸し』作ってあげるから……じゃなくて! 情報よ!」
シェリー「オルソラ。姫さんが探してる駅前の情報は如何なんだ?」
オルソラ「それが、私共には教える気が無いようなのでございます……『直接坊や達に伝える』とか何とか」ハァ・・・
神裂「あの人間不信が……私達が何の為に情報統括してると」ワナワナ・・・
オリアナ「警視庁にばれずに市中の監視カメラにログイン出来るのはあの人くらいなんだけど……困ったわね」ハァ・・・
シェリー「神裂。小僧か神父に電話して聞いてみろよ」
神裂「それが毎回通話中で中々掴まりません」ハァ・・・
オルソラ「これから日も暮れ益々危険になるというのに如何しましょう……ん?」チラッ・・・
ドタドタドタッ・・・・・
ローラ「神裂ー! 此処に隠れてるのは分かりたもうているのよー!」バンッ!!
一同『……、』タラー・・・
神裂「え……いや、隠れてないですよ」タラー・・・
ローラ「……え?」タラー・・・
オルソラ「あのー、最大主教様。何用でございましょうか?」
ローラ「え、あ、いや、宮殿内に全っ然人が居ないから謀反か何かを企てたかと」タラー・・・
神裂「あー大丈夫ですからさっさと帰れ」サラッ・・・
ローラ「酷っ! 私最大主教にありけるのよ!」アタフタ・・・
神裂「取り込み中なんですよ。終わったら相手してあげますから今回ばかしは構ってちゃんしないでください」ハァ
ローラ「ぐぬぬぅ……嘗めくさりおって」
オルソラ「まぁまぁ。お茶でも淹れますので、ソファに座って待っていて欲しいのでございますよ」ニコニコッ
ローラ「……はぁ」ポリポリ・・・ - 135 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 03:51:58.37 ID:N4aP9ccI0
パタパタッ・・・・・
ローラ「……んで? 何したもうてるの?」ボリボリ・・・
神裂「人探しですよ。あ、こら! ソファに煎餅溢さないの!」メッ・・・
ローラ「ふーん……検索魔術は?」
シェリー「無茶言うな。ロンドンは魔術師の坩堝だぞ? そこから一人特定するなんていう高度な検索術式組めるの、アンタくらいだろ」
ローラ「まぁそう褒めてくれるな」ハハハ
オルソラ「……え?」チラッ・・・
ローラ「ん?」ポリポリ・・・
一同『……、』ジー・・・
ローラ「……えっと」タラー・・・
オリアナ「……ねぇ神裂」チラッ・・・
神裂「いや、無理でしょう……この人は何だかんだ言って手伝ってくれません」ハァ
シェリー「いや、此処は駄目元でさぁ」
オルソラ「そうでございますね……あの、最大主教様」チラッ
ローラ「くっ……オマエら、ネチっこいOLの虐めみたいな事しけるのね」ジトー・・・
神裂「ローラ。助力を請いたいのですが」
ローラ「ふむ……私用で私の『力』を使う際は企画書の提出が義務でありけるわ。それは我が国に利益有るモノ?」ニヤリ・・・
もあい「にゃーん」ペシペシッ!
神裂「ほら無駄でしょう」ハァ
シェリー「ああ、少しでも期待した私が馬鹿だった」
オリアナ「そろそろ範囲を拡大しましょうか。もしかして市外に出てる可能性も出てくるわ」
オルソラ「神裂。此処は騎士団の方々にも助力を請いましょう。仲が悪いとはいえ、子供の貞操に関わる問題です」
神裂「しかし……騎士団長殿が私用で騎士を貸してくれるでしょうか」フム・・・
シェリー「絶対ぇ貸すから。貸さないって言ったら電話貸せ。色々物申してやる」
オルソラ「……あ! 新しい情報が来たのでございます!」
オリアナ「何々……―――」
ローラ「……いいもん。ボッチでいいもんにゃー。オマエと遊びけるもんにゃー」ナデナデ・・・
もあい「んなー」フシフシ- 136 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 04:20:41.88 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM05:30、英国、ロンドン市内・・・(香焼side)・・・
がやがや・・・・・
アニェーゼ「―――だあああぁっ!! あの馬鹿娘! 何処放っつき歩いてるんですか!」ウガアアァ!
アンジェレネ「もう暗くなってきたよ……もしかして今頃既に何処かのホテルに居るんじゃ」
香焼「……アン」チラッ・・・
アンジェレネ「っ……ごめん」キュッ・・・
アニェーゼ「……もしそうだったとしても、『真っ最中』の中上がり込んで打ん殴ってやります。男の方は処刑です」ギリリ・・・
アンジェレネ「……うん」ジー・・・
香焼「兎に角……博物館に居た事は確かなんすよ。そこから何処に移動したのか」ハァ・・・
アニェーゼ「HQ(女子寮)の方にはレッサーの情報入らないみてぇですし……如何したら良いのやら」ハァ・・・
Prrrr・・・・・
香焼「っ……はい!」Pi!
ステイル『今何処にいる』
香焼「ええっと……B・Lの辺りに」
ステイル『丁度良いな……キングスクロスの駅前に行け。僕らはハックニーへ向かう』
香焼「え、あ、何で!?」
ステイル『根暗姫からメール行って無いのか? 多分行ってるからさっさと見ろ』Pi!
香焼「ちょ……いきなり切った」
アニェーゼ「ステイルですか!? 何て言ってやがりましたか!?」
香焼「ちょっと待って……あ、ホントだ。メール入ってる」タラー・・・
アンジェレネ「もう! しっかりしてよ!」
香焼「ご、ごめん。いっぱいいっぱいで……えっと……『King's Cross、Hackney、Harlesden、Harringey』にって」
アニェーゼ「如何いう事ですか?」
香焼「……治安の悪い辺りだって。もしかしたらナンパされるかもって事じゃないかな」
アンジェレネ「うーん。でも風俗的な治安は別に悪くない様な……犯罪は多いけど」
アニェーゼ「考えてる時間が勿体無ぇです。黒ったら黒! 白じゃなきゃ黒なんです! 行きましょう!」
香焼「う、うん……アニー! キングスクロスだよ! そっちじゃないって!」アタフタ・・・
ざわざわ・・・・・ - 137 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 04:35:34.01 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM06:00、英国、ロンドン市内、某所・・・(レッサーside)・・・
気付くと辺りは暗くなっていた。
この辺りは治安が悪いのであわよくば援助交際なんてものを申し込まれるかと思ったけど、そう甘くは無かった。
多分、このまま此処に居ても警官に補導されるかもしれない。
もう場所を移動するか、もしくは……
レッサー「……嫌! 諦めませんっ」グッ・・・
自分は今日処女を切るのだ。そして一人前の女になり、皆に認めさせる。
レッサー「こうなったら……逆ナンです!」スタッ!
自分から攻めよう。元より自分は受けタイプでは無い筈。ガンガン押すべきだ。
そうと決まれば男を選ばねば。
レッサー「で、できれば……優しそうな人が良いですね」
欲を言えば、初めてなので恰好悪い人や怖そうな人は勘弁願いたい。
お金は……持ってなくても良い。女になるのが目的だ。援交なんて考えは二の次である。
レッサー「……あの大学生くらいの人」ジー・・・
此処ら辺では珍しい清楚な恰好。短髪で眼鏡を掛けているホワイトカラーさん。
レッサー「あ、あの! そこのお兄さん」ニコニコッ・・・
男性A「……、」テクテク・・・
レッサー「眼鏡のお兄さんっ。何処行くんですかぁ?」トコトコ・・・
男性A「……え」チラッ・・・
レッサー「そうそう、貴方。今御帰り?」
男性A「え、あ、うん……どうしたの? 迷子かな?」ピタッ・・・
またそれか。声を掛ける男共の第一声は皆それだ。まぁ我慢我慢。
レッサー「迷子じゃないですよ……あの、私家出しちゃって……泊まるとこ無くて困ってるんです」ウルウル・・・
男性A「それはそれは……早くお母さんと仲直りするんだよ」ポンッ
レッサー「え、あ、そ、そうじゃなくて……泊めて欲しいなぁなんて……ね」フフッ
男性A「んー……妻が許せばそれでも良いけど。一食一宿くらいは提供出来るかもね」
既婚かい……ミスったぁ。 - 138 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 04:49:47.91 ID:N4aP9ccI0
- このまま押しても良いが、自分の処女喪失の為に円満そうな家庭事情を崩壊させるのは気が引ける。
此処は下がろう。
レッサー「そ、そっか。迷惑掛けちゃいますね……それじゃあ失礼します!」バッ!
男性B「あ、ちょ……大丈夫かなぁ」ジー・・・
やはり優しそうでイケメンなんて慾張ってたら逆ナンなんて成功しないか。
次はチャラそうな人にしよう。女性を何人も食べてそうな人なら処女相手でも上手だろう。
まぁ性病は怖いが……やるしかない!
では、また選択!
レッサー「えっと……単独……単独……あ」ピタッ・・・
それっぽいのが居た。ピアスの数が異常に多く、前衛的な髪形をしてる男性。少し怖いが顔立ちは整っている。これ以上贅沢は言うまい。
レッサー「……そこのお兄さん」テクテク・・・
男性B「……、」ジー・・・
レッサー「一人ですか? それとも友達待ってるんでしょうか?」
男性B「……、」ジー・・・
レッサー「え、と……聞こえてる?」タラー・・・
男性B「……、」ジー・・・
何だか不気味だ。実は人形(ホムンクルス)とか言わないよな。
レッサー「しゃ、喋れますか?」タラー・・・
男性B「……空が」ジー・・・
レッサー「え」
男性B「空が……燃える。だが何れ……沈まる。炎は繰り返し、また―――」
あー駄目だ。サイコの類でした、と。
諦めて次の的を絞ろう。
男性B「―――君は……あの炎の中に飛び込もうとする、蛾だ……蝶になれ」ファサッ・・・
あーはいはい。そうですねー。早く家帰れよー。 - 139 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 05:09:30.50 ID:N4aP9ccI0
- 次の的だが、もう贅沢は言わない。イケメンじゃなくてもいい。
そして認めよう。自分は子供としか見られないという事を。
となると、相手をしてくれるのは異常性欲者の類だ。
レッサー「ロリコンか、処女厨ですね」フム・・・
悔しいがオタク・コンベンションそうなのを見つけよう。もしくは女なら何でも喰いますみたいな顔したギャングマンか。
でも、それはちょっと……怖いな。
レッサー「しかし……単独となると、いないです」キョロキョロ・・・
悪そうなのは大抵つるんで歩いている。
あとオタコンなんか此処らにいないのに気付いた。私は馬鹿か。
レッサー「あ。ナンパしてます」ジー・・・
一つの集団が女性2人をナンパしだした。此処にも一人活きの良い娘がいるというのに、まったく、見る目が無いな。
ふと……自分の方に進んでくる集団がいた。もしかしたら声を掛けられるかもしれない!
レッサー「こ、こほんっ」スッ・・・
良し来い!
男性C「―――だからこの前の店は止めとけっつったろ。全員病気持ってんだから」
男性D「っせぇな! でも胸デケぇ女はやべぇほど居たぜ? あの間にナニを、こう……ってよぉ!」
男性E「でもオメェはその瞬間から病気持ちだがなー!」
……。
男性C「まぁテメェの事情は如何でもいいっつの……アソコの三人、良くね?」
男性D「27,8って所か……まぁ喰い時だな」
男性E「顔はまぁ今一だが……身体は悪くねぇな! テク良さそうな真ん中の子貰い!」
男性C「ちょ、待てっつの! 今日の仕切りはオレだろ!」
男性D「じゃあオレあの黒髪の子なー!」
……。
レッサー「行っちゃった」ハァ・・・
何故、声が掛らない……いや、それより何故私は声を掛けなかったのだろう。
多分、もしかしたら、淫乱そうな彼らは私の処女を奪ってくれたかもしれないのに。 - 140 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 05:23:13.64 ID:N4aP9ccI0
- まさか……臆したというのか。魔術師であるこの自分が?
レッサー「……有り得ません!」キッ・・・
違う。今のは彼らの低脳さに呆れかえっただけだ。
誰でも良い、贅沢を言わないとはいえ流石に理性のなさそうな相手は控えるべきという自己啓発だろう。
次こそは行ける。あの二人組なら……行ける!
男性F「―――別にナンパなんてしなくても、オマエは美人の彼女居るじゃん」
男性G「あー、でもさぁ……飽きるんだよ。一人の女ばっかって」
男性F「ははは。まぁ俺は一人身だから関係無いけどな」
男性G「うっせぇ。もてるのに彼女作らねぇヤリチン野郎のくせに」
男性F「にはは! 何とでも言えー」
……こ、今度は声を掛けねば。
男性F「やっぱ今度は大学生辺りが良いかな。割り切りも気楽そうだし」
男性G「でもメンヘラ多いって聞くぞ? 大人しく噴水辺りでさぁ」
男性F「だってこの前それで失敗したろ? もう3Pなんかしたくねぇよ……あー思い出しちまった」
男性G「うっせ。同時にはしてねぇじゃん。ちゃんと順番だったろ? 相手の女も楽しんでたし。ま、俺の方が上手いっつってたけどな!」
……い、行かなきゃ。
男性F「阿呆抜かせ。テメェのポークピッツが……って、あそこの二人、どうだ?」
男性G「……アレってヤリマンで有名な姉妹じゃねぇの?」
男性F「そうなの? 可愛いのになぁ……ちょっと声掛けてみない? かけるだけ、な!」
男性G「……はぁ。やれやれだな」
また逃しちゃう……行く!
レッサー「あ、あの!」ダッ
男性F・G「「……え」」キョトン・・・
よし! 此処からだ。 - 141 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 05:42:17.86 ID:N4aP9ccI0
- レッサー「お兄さん達……暇なんですか?」ニコニコッ・・・
男性F「……忙しいよ」テクテク・・・
レッサー「で、でも、今ナンパの話してたんじゃ」
男性G「あー小学生との援交御断りな。流石に手ぇ出せないわ」テクテク・・・
しょ、小学生……。
レッサー「わ、私は中学生です!」
男性F「はいはい。どっちでも良いよ。もう少し大人になってから男誘うんだな」テクテク・・・
レッサー「ま、まだ……その……処女、で……、」カアアァ///
男性G「処女とか懐かしいなぁ! 俺の初体験、彼女も初めてでパニクってよ! 面倒臭ぇんだ、アレ」ハハハ
男性F「オマエの初体験話なんか聞きたくねぇし……まぁ嬢ちゃん。折角の処女なんだし大事にしたら。じゃーな」テクテク・・・
レッサー「そ、そんな!」
男性G「補導される前に帰れよー……おい。あの姉妹、既に他の奴らに掴まってるぞ」チラッ・・・
男性F「ちょ、マジかよ……ついてねーなぁ」ハァ・・・
男性G「でもレズって噂も……あ、離れた! 行くなら今だぞ!」テクテク・・・
……ちくしょう。
レッサー「何が処女大事に、ですか……補導って、子供扱い……、」グズッ・・・
彼女を放ったらかしにして女遊びしてる様なヤツが倫理を語るな。
女なら誰でも食う様なヤツが何故私には手を出さないのだ……悔しい。
レッサー「……もう、如何でも良い」グッ・・・
声を掛けて、一言告げればいい。『セックスしましょう』と。
これだけダイレクトなら考えてくれる筈。男なんて馬鹿なんだから二人に一人は喰いつく筈。
レッサー「怖くない……怖い訳無いです」フルフル・・・
自分は魔術師なのだ。性交の一つで怖がって如何する。
きっと銃弾をドテッ腹に喰らう方が、破瓜より痛いに決まってる。
レッサー「次……声掛けられたら、言う。声掛けられなくても、言います!」グッ・・・
覚悟は決めた! 私は女になるんです! - 142 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 05:51:20.37 ID:N4aP9ccI0
- 意気込み、ナンパしていそうな男性を探そうとした瞬間―――
男性?「おい」
―――声を掛けられた。
元々高そうな声を無理矢理低くしてる感じ。嫌いでは無い声質。
男性?「……聞いてるの?」
もう、ああだこうだ考えない。最早相手の顔は見ない! 一気に攻める!
男性?「レッs―――」
レッサー「わ、私と……せ、セックスしてください!!」カアアアァ///
い、言った! 言えた!
レッサー「よ、幼児体型だけど……でもテクは有る筈です! しょ、処女だけど……上手くできますから!」ウウウゥ///
後は返答を待つだけ!
レッサー「……、」タラー・・・
じらす人なのか? それとも返答に困ってるのか?
レッサー「……えっと」
男性?「……顔、上げて」
そういえば頭を下げっ放しだった。相手の顔を……――― - 143 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 06:04:03.22 ID:N4aP9ccI0
- レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」ピタッ・・・
香焼「……あの、さ」ポリポリ・・・///
アニェーゼ「れっさああああぁ……アンタねぇ……、」ゴゴゴゴ・・・///
アンジェレネ「ず、随分大胆な事言うんだね」アハハ・・・///
レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な」ダラダラ・・・///
悪夢だ……そうだ。これは夢落ち。そう、夢の中の出来事だ。
アニェーゼ「現実逃避すんなボケカスアホ。コーヤギ、さっさと捕まえろボケ」ギロッ・・・
香焼「アニー、口調が素だよ……はい。確保」ガシッ
レッサー「」チーン・・・
香焼「アン。HQに連絡して。『ネズミは穴に』」
アンジェレネ「了解です……あ、もしもし。神裂……えっとキングス・クロスで……―――」
な、何故……。
香焼「何故って、当たり前だろ。心配したんだぞ」モゥ・・・
アニェーゼ「案の定、マジでナンパ誘ってやがりましたし……終いには逆ナンですか? ったく、女のやる事じゃねぇですよ」フンッ
アンジェレネ「―――はい……分かりました。姫には此方から……はい。失礼します……香焼くん。報告完了です」Pi!
香焼「どうも。さて……じゃあ如何しようか?」
アニェーゼ「このまま連れ帰って一同の前で頭下げさせても良いんですが、個人的に説教してぇですね」ジトー・・・
アンジェレネ「同意です」フフッ・・・
香焼「……実は自分もっすよ……多分サーシャとステイルもっすね」ジトー・・・
や、やだ……嘘だ。 - 144 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 06:23:51.76 ID:N4aP9ccI0
- レッサー「は……離して下さい! 私は……私は!」ジタバタッ!
香焼「わっとと……放さない」ジャラッ・・・
手錠でコウヤギと繋がれてしまっている。
香焼「これ以上暴れると拘束術式(バインド)だよ。だから暴れないで」メッ・・・
レッサー「い、いやです! 私は……子供のままじゃ駄目なんです!」ジタバタ・・・
香焼「……レッサー」
私が大人にならなきゃベイロープだけ苦しいままなんだ。もしかしたらフロリスも私に内緒で動いてるのかもしれない。
レッサー「だからっ……、」グッ・・・
『大人』にならなきゃいけないのだ。
アニェーゼ「……なよ」ボソッ
レッサー「っ」ピタッ・・・
アニェーゼ「ふっ……ザケんなっ糞餓鬼ぃ!!」グイッ!!
レッサー「ぐっ……、」ゲホッ!
アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん!!」アタフタ・・・
私の胸倉を掴み、素の柄悪口調に変わるアニェーゼ。
アニェーゼ「手前ぇなんか一生ガキのままだボケッ!! 処女だろうが無かろうが関係無ぇ駄阿呆っ!!」ギリリ・・・
レッサー「な、何を……私はっ」ゲホゲホッ・・・
アニェーゼ「関係無ぇんだよ……手前ぇのやってる事はタダのチンケな犯罪じゃ糞がっ!!」ガンッ!
香焼「うわっ! あ、アニェーゼ! ストップ!」アタフタ・・・
私と一緒に地面に転がるコウヤギ。さっさと手錠を外せば良いモノを。
レッサー「新たなる光(ウチ)は……アニェーゼ隊(アンタ)のとこ見たいに、大規模なバックが二つも有る部隊とは違うんですよ」
アニェーゼ「喧しいっ! 被害者のつもりかアホ!! 判官贔屓なんぞしねぇっつのボケが!」グイッ・・・
レッサー「っ……ハンッ。流石名門部隊の隊長さんは違いますねぇ」フンッ・・・
アニェーゼ「っ……ウチはなぁ……英国とローマの両方から汚れ仕事押し付けられとんのじゃ……貴様らみてぇに仕事選べずなぁオイ」ギロッ
アンジェレネ「……、」ジー・・・
香焼「……アニー。それくらいにして」
流石にこの騒ぎだ……一般人(ギャラリー)が増えてきた。 - 145 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 06:51:46.52 ID:N4aP9ccI0
- アニェーゼ「チッ……歩きながら話の続きです。来やがれ」テクテク・・・
香焼「……レッサー。行くよ。人が増えてきてる。見せ物にしたくない」チラッ・・・
レッサー「……、」コクッ
止むを得ずアニェーゼの後を追う。
アンジェレネ「ごめんね、レッサーちゃん」ボソッ
レッサー「……何でアンジェレネが謝るんですか」
アンジェレネ「多分、アニェーゼちゃん謝らないから代わりに……でもね。暴力はいけないけど、アニェーゼちゃんの言い分は確かだよ」
レッサー「……、」
香焼「アニェーゼは本気で怒ってる。レッサーの事が嫌いだったらあそこまでキレないよ」
……。
アニェーゼ「……例えば」ボソッ
レッサー「……何ですか?」
アニェーゼ「ウチの隊にヴァネッサって子いるでしょ。私達と同い年くらいの」
アンジェレネ「っ! アニェーゼちゃん!」ギョッ・・・
アニェーゼ「……後であの子に謝ります。だから今は黙ってて」チラッ・・・
確か栗色の髪のプロポーションが良い大人しい娘。歳の割に胸がデカいのでからかった覚えがある。
アニェーゼ「あの子は11の時、強姦されてます」ボソッ
香焼・レッサー「「っ!!?」」ギョッ・・・
アンジェレネ「……、」ジー・・・
いきなり、何を……。
アニェーゼ「相手は糞っタレなペドフェリア司祭でしたね……ネッサが勇気持って私に告白してくれたんで告発出来ましたけど」
レッサー「……、」
アニェーゼ「不幸自慢じゃねぇですけど、ウチの隊にはそういう境遇の子が何人かいます」
アンジェレネ「孤児や私生児ってだけでも大変なのに……それに加えてそういう事もありました。虐待もあったよ」
……。
アニェーゼ「それでも私は彼女は『処女』だと思ってます。処女って何かって聞かれたら『膜』じゃなく『誇り』だと、彼女は応えました」
香焼「……素敵な言葉だね」
アニェーゼ「レッサー……今のアンタのしようとしてる事、ネッサの前で言えますか?」
レッサー「っ……、」
アニェーゼ「結社の為? それで誰が得します? テメェが傷付いて悲しむだけじゃねぇんですか?」
もう……分からない。 - 146 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 07:01:25.33 ID:N4aP9ccI0
- 私は、このまま子供のままなのか。
アニェーゼ「……大人しくガキのままで良いじゃねぇですか。私は一生ガキのつもりですよ」ハハハ
香焼「それは色々困るでしょ」タラー・・・
アンジェレネ「あはは。アニェーゼちゃんらしいけど、もう少し大人になっても良いんじゃない?」クスッ
アニェーゼ「……まぁちょっとは考えてやりますか」フンッ
如何したらいい。
香焼「……もうちょっと行った先に公園がある。そこに集合予定だよ」
レッサー「集、合?」
アニェーゼ「決まってんでしょ。一番迷惑掛けた人達にです」
必要悪の教会(ネセサリウス)の面々か。
アンジェレネ「違うでしょ。一番心配した人達って事です。勿論私達も心配したけど……彼女達程じゃないから」ハハハ
レッサー「……え」ピタッ・・・
アニェーゼ「まぁこればかりは覚悟しろとしか言えませんね。多分、殴られるでしょうし」チラッ・・・
アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん!」
アニェーゼ「……しゃーないでしょう。こんだけ騒げば『修正』入るに決まってます」
ベイロープ……フロリス……ランシス。
香焼「……レッサー」ジャラッ・・・
レッサー「コウ、ヤギ……、」
香焼「一緒に居てあげるから……ちゃんと謝ろ。ね?」ポンッ・・・
微笑み、私の手を握る少年。二人の少女は『ヤレヤレ今回は仕方ないなぁ』と苦笑している。
レッサー「……っ」グズッ・・・
今にも溢れだしそうな涙を堪え、彼らの案内に従った。 - 147 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 07:32:42.19 ID:N4aP9ccI0
- ―――とある翌日、PM07:15、英国、ロンドン、センドポール寺院付近の公園・・・・・・
男性2人、女性7人だけの静かな公園。多分ステイル辺りが人払いを掛けてくれたのだろう。
その敷地内に、パシンッ……と乾いた音が響いた。
ベイロープ「っ……、」フー・・・フー・・・
レッサー「っ」ジーン・・・
口を開く前に、リーダーが部下に修正を入れた。
ベイロープ「言い分は?」ジー・・・
レッサー「……いきなり殴るなんて酷いですね」
ベイロープ「そう……本当は全っ然足りないくらいだけど、今は我慢するわ」チラッ・・・
そう言って冷静を装い、話を続ける。
ベイロープ「貴女がこれ以上愚かな行為を続けるなら解雇するつもりよ」ジー・・・
一同『っ!!?』ギョッ・・・
ベイロープ「私は貴女……貴女達の貞操を使ってまで、この結社を続けたくないわ」
レッサー「……ベイロープ」
正しい判断だと思う。
レッサー「ですが……このままじゃベイロープだけが!」
ベイロープ「言ったでしょう? 心まで売った覚えは無いって……都合よく聞こえるかもしれないけど」
フロリス「……、」フルフル・・・
ベイロープ「一応、一線は守ってる。極力ペッティングまで行かないわ。そこから先は……彼氏相手にだけよ」フフッ・・・///
頬を赤らめるベイロープさん。初めて見る彼女の『女性』らしさ。
アンジェレネ「……ペッティングって何?」ポカーン・・・
ランシス「多分エッチな事だってのは分かるけど……何だろう?」キョトン・・・
サーシャ「私も分かりません。アニェーゼ」ハテ・・・
アニェーゼ「……す、ステイルっ」コホンッ・・・///
ステイル「言えるか……香焼」ハァ・・・
愛撫の事です……なんて言える訳ないだろ。黙ってろ。 - 148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/29(月) 07:38:45.85 ID:4snHLOCAO
- はじめて読んだけど性格改変キツいな
オリジナルでやれば? - 149 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 07:46:22.28 ID:N4aP9ccI0
- さておき、レッサーは真面目に答える。
レッサー「でも……納得できません」
ベイロープ「……じゃあ私が『そういう仕事(情報収集)』止めたら納得する?」
レッサー「え」
ベイロープ「如何?」
レッサー「如何って……どうって……、」
ベイロープ「分からないんでしょ……だったら私の貞操云々は気にしないの。私も色々気をつけるから」クスッ・・・
レッサー「……、」
ベイロープ「聞きわけないわね……まさかポルノ女優に憧れてるから早く女になりたいとかじゃないわよね?」タラー・・・
レッサー「ち、違います! そういうふざけた理由なんかじゃありません!」
ベイロープ「そう。安心した……ありがと」フフッ・・・
ベイロープさんが『情報収集』を控えれば、彼女の負担は減る。だが結社としての運営機能が衰える。
アニェーゼ「ふんっ。馬鹿ですねぇ」ハンッ!
香焼「あ、アニェーゼ!?」ギョッ・・・
ベイロープ「……何か」チラッ・・・
いきなりコイツは……。
アニェーゼ「何の為の『コイツ』ですか!」フンヌッ!
ステイル「……何で僕を指す」ハァ・・・
アニェーゼ「仮にも必要悪の教会の嘱託なんでしょう? 使わない手は無いでしょうに」ドンッ
ステイル「んなアバウトな事言うな! 僕は責任取れないぞ!」ギャー!
薄情な奴め。
レッサー「ステイル……、」ジー・・・
ステイル「うっ」タラー・・・
レッサー「……、」ジー・・・
ステイル「……、」ダラダラ・・・
レッサー「……、」ジー・・・
いつになく真面目な眼差しを送るレッサー。ステイル、そろそろ折れろ。 - 150 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 08:04:27.42 ID:N4aP9ccI0
- ステイル「……ひ、必要に応じて情報は出す」タラー・・・
アンジェレネ「それだけですか?」ボソッ
ステイル「相互利益がある際は……情報交換が条件だ。もしくは金で買え。安値で売る」ハァ・・・
フロリス「……マグヌス。意外と優しいんだな」ヘー・・・
ステイル「喧しい! 黙ってろ!」ハァ・・・
流石№1ツンデレ。困ってる人は見過ごせない神父さんだ。
アニェーゼ「……ってな感じです! ベイロープ、安心なさいな」
ベイロープ「……、」ポリポリ・・・
レッサー「ベイロープ……その……、」
ベイロープ「あーうん。元はといえば貴女を心配させた私が元凶だもの。何も言わなくて良いわ」ポンッ・・・
レッサー「え」
ベイロープ「……でも謝らない。魔術師じゃなく、貴女の姉貴分として怒ってるから」
結社(チーム)を越えた、繋がりか。
ベイロープ「自分を大切にして……私が言えた義理じゃないかもしれないけど、そうして欲しいの」ギュッ・・・
レッサー「……っ」グッ・・・
ベイロープ「キスもセックスも……本来、大事な人にだけ捧げるものよ。忘れないで」ポンッ・・・
レッサー「っ……ごめん、なさい……うぅ……ごめんなざい……うううぅ」ポロポロ・・・
ベイロープ「……泣くな馬鹿もの」クスッ・・・ナデナデ・・・
まったく……小悪魔の目にも涙、か。
フロリス「感動に浸ってるところ悪いんだけど……香焼坊や」ボソッ
香焼「え?」
フロリス「いつまで手錠してるの? まさか鍵無いとかそういうオチ?」
香焼「え、いやいや。ちゃんとポケットにあるっすよ」
そういえば忘れてた。そろそろ外そう。そう考え鍵をポケットから取り出した…… - 151 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 08:20:37.02 ID:N4aP9ccI0
- ……刹那、嫌な予感がした。これはもう本当に予感。何とうか事前に不幸オーラを感じる。
とても感動的な場面の筈なのに、凄く嫌なプレッシャーが。
レッサー「っ……うわあああぁん! ごめんなざーい!」ギュウゥ・・・
ベイロープ「もう……まだまだ子供よ」フフッ・・・
レッサーがベイロープさんに抱き着いた瞬間だった。
自分は重心を崩し前のめりになる。
フロリス「おっと、大丈夫?」グッ・・・
香焼「す、すいません」ペコッ・・・
フロリス「やれやれ……色々ありがと。多分、貴方が一番馬鹿妹の迷惑被ったわね」ポンポンッ
香焼「い、いえ。慣れっこっすから」アハハ・・・
バランスが取れずフロリスさんに寄り掛かる姿勢になった。
フロリス「あの子相手の慣れっこってのも凄いわね。これからも宜しく」ナデナデ・・・
香焼「は、ははは。出来得る限りは……それよりそろそろ放して貰いたいっす」タラー・・・
フロリス「え?」
ランシス「……フロリス。何か超睨まれてるよ」タラー・・・
いや、多分僕を睨んでます。
アニェーゼ「こ、の……デレデレすんな発情馬鹿わんこーやぎぃ!!」ガアアァッ!!
香焼「し、してないよ!」
アニェーゼ「嘘吐きやがれってんです! 鼻の下伸びきってるのが丸見えなんですよ!」
香焼「適当言うなよ! 何でそんな意味分からない事言うのさ」ムゥ・・・
アニェーゼ「そ、それは、その……アンタがデレデレしてるからで……、」ゴニョゴニョ・・・///
は?
フロリス「噂に聞いた以上の鈍感ね……この手の男はもっとはっきりアプローチを掛けなきゃ」
アニェーゼ「う、五月蠅いウルサいうるさーい!! 兎に角デレデレすんな!」ゲシッ!!
香焼「ちょ、痛っ! やめ……ぶはっ!」グラッ・・・
次の瞬間……。
香焼「あ」ポロッ・・・
一同『あ』ジー・・・ - 152 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 08:33:57.84 ID:N4aP9ccI0
- 鍵が。
香焼「う、そ」タラー・・・
側溝に、落ちた。
一同『……、』
香焼「……アニー」チラッ・・・
アニェーゼ「え、な……私の所為じゃねぇです! コーヤギの所為でしょう!」
アンジェレネ「アニェーゼちゃん……如何するの? 此処の側溝水流れてるタイプだよ」
アニェーゼ「うっ……最悪見つかんなきゃ手錠を壊せば良いだけの話で!」
香焼「これ、都市で買った警察(警備員)の新配備手錠。電子ロックだから赤外線キー無いと開かない……、」タラー・・・
アニェーゼ「う、うそ」タラー・・・
ふと……後ろを向く。
レッサー「……え、えっと」タラー・・・
香焼「あ、あの……感動の何たらかんたらは?」
ベイロープ「とっくに終わってたわよ……それより如何するの?」
如何するって、そりゃ……鍵を見つけるしかないでしょう。
ステイル「……アホ臭い。僕は帰って寝る」カチッ・・・ジジジ・・・フゥ
香焼「なっ! オマエ!」
ステイル「悪いが今日は疲れた。探すなら勝手にやれ」テクテク・・・
薄情な野郎だ。
フロリス「確かに……今日はもう疲れたわ」
ランシス「そうだね。帰って寝たいよ」
何、だと……。
香焼「み、みんな!」
サーシャ「第四の意見ですが……私も疲れました。それにもう暗い。明るい時じゃないと鍵は見つからないでしょう」ハァ・・・
アンジェレネ「コォヤギくん……レッサーちゃんと一晩一緒だからって変な事しちゃダメだよ」ゴゴゴゴ・・・
アニェーゼ「……許しませんからね。何か『間違い』があったらコーヤギ殺して私も死にます」ボソッ・・・
な、ちょ……嘘!? - 153 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 08:52:48.45 ID:N4aP9ccI0
- ベイロープ「坊や……いえ、香焼」
香焼「べ、ベイロープさん! 貴女は探してくれますよね!」
ベイロープ「手を出すなとか責任取れとか重い言い方はしない。でも……逃げてばかりじゃ駄目よ」フフッ・・・
そ、それだけ?
ベイロープ「ま。今夜はその子よろしくね♪」
……。
レッサー「……えっと」ポリポリ・・・///
香焼「」チーン・・・
レッサー「どっちの家、行きましょうか?」モジモジ・・・///
勘弁して下さい。
レッサー「その……ベイロープはああ言いましたけど、キスの練習くらいなら、しておいても良いかなぁって」モジモジ・・・///
香焼「なっ」
レッサー「ちゃ、魅了(チャーム)の練習も兼ねてって意味ですよ……も、勿論、後で術は解きます」コホンッ・・・///
香焼「……不幸だ」ダラダラ・・・
結局、アニェーゼが『やっぱり一晩二人きり、しかも同衾は駄目でぇーーすっ!!』と怒鳴りこんで来て大騒ぎに。
何故かステイルの部屋に泊まる事になる。自分は床、レッサーはソファだ。
因みに鍵は見つからなかったので、翌日五和のハッキング技術の応用で手錠を外して貰う羽目になる。
レッサー「ぺ、ペッティングの練習もアリですよ」カアアァ///
アニェーゼ「させるかああああああぁっ!!」ベシッ!!
香焼「うわあああぁん! 寝かせてよおぉ!!」ギャーギャー!
サーシャ「コーヤギー! 五月蠅いです! 眠れませんよ!」メッ!
ステイル「ッ~~~~何で僕の部屋にっ!!」ンギギ・・・
アンジェレネ「まぁまぁステイルくん。楽しいから良いでしょ」フフッ
まったく……彼女らといると飽きないっすね。やれやれ、だ……――― - 154 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 09:07:10.12 ID:N4aP9ccI0
- <おまけっ!>
リメエア『―――そう。中々面白い一日だったのね』
香焼「散々っすよ。トイレ風呂一緒だし」ハァ・・・
リメエア『あらあら。役得ってヤツかしら』フフッ・・・
香焼「冗談でも笑えないっすよ。身体中青タンだらけっす」
リメエア『勲章って事にしときなさい……そういえば、レッサーちゃんのリーダーから手紙が来たわ。ありがとうって』
香焼「え、あ、はい。ベイロープさんがレッサー連れて各所に謝罪周りしてたっす」
リメエア『へぇ。ベイロープ、だったかしら……彼女幾つ?』
香焼「えっと……女教皇様と同い年くらいっす」
リメエア『そう。神裂と……若いわね』
香焼「……必要悪の教会の関係者は基本的に若いっすよ」
リメエア『皆ヴィリアンより年下ばっかり。ホント、魔女(スチュワート)は何を考えてるんだか』ヤレヤレ・・・
香焼「あはは。何とも」ポリポリ・・・
リメエア『……とりあえず、何かあったら今回みたいに頼ってくれて良いわよ。子供に頼られる分には大人冥利に尽きるもの』フフッ
香焼「はい。御世話になります」
リメエア『それじゃあまたね。次は別の形で会いましょう。ポジティブな方でね』クスッ・・・
香焼「ええ。失礼します」Pi!
にゃーん・・・・・ - 155 :第③話―――レッサー「キス、しましょう」 香焼「・・・・・は?」 [saga]:2011/08/29(月) 09:27:18.96 ID:N4aP9ccI0
- <おまけっ!!>
アニェーゼ「はい。では第……第……サーシャ」チラッ・・・
サーシャ「第29回目です」コクッ
アニェーゼ「そう。第29回カルテッ娘会議を始めまーす」
アン・サーシャ「「おー」」
アニェーゼ「今回の議題はレッサーの抜け駆け問題についてです」ギロリ・・・
レッサー「ぐぬぬぅ」ダラダラ・・・
アニェーゼ「言い分は?」
レッサー「そ、その……誰でも良かったので」
アンジェレネ「と犯人は述べており、裁判を撹乱するつもりの様です」
アニェーゼ「レッサーちゃーん……誰でも良いなら食堂の兄ちゃんとかでも良いんじゃねぇですかぁ??」グイッ・・・
レッサー「そ、それは……、」
サーシャ「第一の推測ですが……欲張ったんでしょう? レッサー、素直に白状しなさい」
レッサー「くっ……、」
アニェーゼ「あの朴念仁相手ならドサクサ紛れて自然にキス出来るかも……なんて考えたんでしょう! あぁん!?」
レッサー「べ、別に……そんな事は」ダラダラ・・・
アンジェレネ「裁判長(ボス)。レッサーちゃんの目がモノ凄く泳いでます!」
アニェーゼ「ふむ……決まりですね」ギロリ・・・
レッサー「ひ、ひぃ!」ガクブル・・・
アニェーゼ「罰ゲームっ! サーシャ引きなさい!!」ガラガラガラガラ・・・
サーシャ「では。えっと……『全員分のケーキバイキングを奢る』……チッ。容易いですね」ケッ・・・
アンジェレネ「この前アニェーゼちゃんがした『男装した状態でステイルくんと30分枕について談話』よりマシだね」
アニェーゼ「……アレは地獄でした」ハハハ・・・
サーシャ「さて、レッサー。覚悟は宜しいですね……第一の確認ですが一人2,500円のケーキバイキングですよ」フフフ・・・
レッサー「」チーン・・・
アニェーゼ「ハッハッハッ! 抜け駆けするモノには罰を! 私達のは『上条約』みたいに生温くないですからね!」ケラケラ!
アン・サーシャ「「ハッハッハッハー!!」」ケラケラ・・・
もあい「にゃーん」ノシ - 156 :>>1 [saga]:2011/08/29(月) 09:33:49.47 ID:N4aP9ccI0
- はい。お疲れ様でした。これでこれからレッサーが香焼にセクハラしていけますね……あぁ眠ぃ。
次回は都市編です。
2013年2月5日火曜日
あまくさっ!? ~ただいま。~ 2
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