2013年2月7日木曜日

あまくさっ!? ~ただいま。~ 4

373第⑤話(16話)―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 21:27:24.93 ID:ZoRYTtR90
 ―――とある翌日、PM06:45、学園都市第4学区、スーパーマーケット『東友』・・・・・


前回のあらすじ。
引き籠り最愛を無理矢理外出させる⇒そのまま人見知り克服作戦⇒何故か、我が家で預かる羽目に。以上。


絹旗「何を一人でブツブツ言ってるんですか?」

香焼「……ツッコまないでくれ」

もあい「なー」


現在、僕らは夕飯の買い出し中。
先日『誰かさん』がいきなり創作料理をするなんて言い出すものだから、冷蔵庫の中が殆ど空だった。
故に最愛から晩飯のリクエストを取りがてら、食材を買う事に。

因みに、第4学区は食品関連に特化したブロックなので品ぞろえが良い。自分は普段から第1学区では無く、此方で買い物する機会の方が多い。


香焼「それで最愛、何食べたいの?」

絹旗「何でも良いんですか?」

香焼「作れる範囲なら」

絹旗「じゃあピザとカップゼリーとコーラを」ビシッ!

香焼「話聞いてる?」ジトー・・・

絹旗「ハハハ。冗談ですよ」


半分冗談には聞こえない。このままじゃピザ最愛になってしまうぞ。


絹旗「わ、私は超スリムガールですよ!」プンスカッ!

香焼「はいはい。見りゃ分かるよ」チラッ・・・

絹旗「くっ……今胸見たでしょう! 胸見て言ったでしょう! 超変態! 超最低! 超失礼です!」グヌヌ・・・

香焼「ごめんごめん(棒)。それで?」

絹旗「このぅ……後で超説教です!」


早く決めないなら駄々広いスーパーに一人置いていくぞ?


絹旗「わ、わああぁ! き、決めますから! 置いてかないで下さいよ!」アタフタ・・・

香焼「じゃあ早くして」ハァ・・・

絹旗「むぅ……超鬼畜香焼。ドS香焼!」ジトー・・・

もあい「にゃん」ペシペシッ


何とでも言え。ただ僕はSでもMでもありませんよーだ。 
 
 
374第⑤話(16話)―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 21:45:51.66 ID:ZoRYTtR90
さておき、真面目に選んでくれ。


絹旗「……何でも良いですよ」

香焼「何でも良いが一番困るんだけどなぁ」

絹旗「じゃあ香焼の一番得意な料理で」

香焼「自分の?」

絹旗「はい。私、特に好き嫌いありませんから」


そうきたか。では得意という訳ではないが、五和に教わったデミグラスのオムライスでも作ってやろう。


絹旗「オムライス作れるんですか?」ホェー・・・

香焼「形の保障はできないけどね。最愛は何か料理出来ないの?」

絹旗「うっ……で、できますよ。超できます」アタフタ・・・

香焼「…………、」ジトー・・・

絹旗「ほ、本当ですよ! 超真面目です!」ダラダラ・・・


超分かり易い嘘だな。まぁ出来てカップラーメンと米研ぎくらいだろう。


絹旗「前に冷ややっこ作りました! あと大根おろし!」ムゥ・・・

香焼「……すごいねー」ボウヨミー・・・

絹旗「くそぅ……馬鹿にしてぇ」グヌヌゥ・・・

香焼「まぁ得手不得手はあるからね。でも花嫁修業として得意料理一つくらい覚えておいたらどうかな」

絹旗「花よ……旦那が主夫で良いんです! もしくは香焼を……おむk……お、お、おむ……おむ……、」カアアァ///

香焼「おむ?」

絹旗「お……オムライス専用のお手伝いさんで雇ってあげても良いですよ!」ムンッ・・・///


アニェーゼとレッサーみたいな事言わないで下さい。あと何で赤くなってるの?


絹旗「う、五月蠅いです! 早く食材買いに行きましょう!!」プンスカッ///

香焼「はぁ」ポリポリ・・・

もあい「みー」フリフリ・・・


街中回った時より元気になってるなぁ。
とりあえず、お菓子コーナーへ進撃する彼女を引き留めてから乳製品コーナーへ向かおう。

375 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 22:10:24.96 ID:ZoRYTtR90
普通で有ればこの時間帯は、主婦や一人暮らしの学生で溢れ返っていそうだが、別段そういう訳でも無い。
『食』に特化してる第4学区はとはいえ、『住』に関してまで特化している訳ではないのだ。
故にこの学区の住民はそう多くないし、態々他学区から買い物だけしに来る客も稀だ。
ドチラかというと有名処のレストラン・食い物屋に足を運ぶ方が、この学区の利用方法として正解なのかもしれない。


絹旗「まーた香焼が小難しい事考えてますよ」ガラガラ・・・

もあい「にゃー」


喧しい。一々ツッコむな。
因みにそんなに多くを買い物する予定は無いのに、もあいをカートに乗せて押している最愛さん。気に入ったのか?


絹旗「ええ」ガラガラ・・・

香焼「子供か」タラー・・・

絹旗「ち、違います! 花嫁シュギョーです!」


花嫁修業なら両脇に米袋を抱えて歩く事をオススメしよう。


絹旗「それ別の修行でしょう……あ。卵売ってましたよ」チラッ・・・

香焼「そうだね。えっと、女教皇様(プリエステス)は今日は来ないってメール来たから……10個入り買えば良いか」

絹旗「そんなに使うんですか?」

香焼「高い確率で五和と浦上、居るからね」ハハハ・・・

絹旗「……そうですか」ムゥ・・・


眉間に皺を寄せる最愛。やはりあの喧しい連中が苦手か。


絹旗「ち、違います! 五和さんと浦上さん超好きですよ!」アタフタ・・・

香焼「……自分は嫌いだよ」ウヘェ・・・

絹旗「超酷っ!! お姉さんでしょう!?」


だから嫌い……まぁ百歩譲って苦手なんだ。実際の姉貴なんてモノは面倒臭くてしょうがない。


香焼「……まぁ良いや。他の食材行こう。それから飲み物とかも買わないと」

絹旗「じゃあデザートにカップゼリーも!」キラキラ・・・

香焼「ハァ……一個だけっすよ」クスッ

絹旗「わぁい」ヤッター!

もあい「……みゃぅ」ジー・・・

絹旗「ん? 香焼、もあいもデザート欲しいそうです」

香焼「もあいさん……まったく仕方ないね。猫用のお菓子なんて売ってるのかな?」


因みに売ってたので驚いた。食材関係なら実に充実してるんだな。驚きだ。

376 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 22:39:19.88 ID:ZoRYTtR90
最愛がデザート選びに時間を掛けてる間に、簡単に『もう一品』の惣菜を見に行く。
時間が時間なので丁度作りたての商品も出ている筈だ。

因みに上条さんなら今から二時間後(約8時半過ぎ)にスーパーへ向かうだろう。何故か、は言わずもがな。


香焼「最愛食べれないモノ無いって言ってたし……コロッケとかで良いかな」

佐天「ん……あれれ? 香焼くん?」テクテク・・・

香焼「え? あ、佐天さん。春上さん」キョトン・・・

春上「こんばんはなの」ペコッ


此処で会うのは珍しい。


佐天「あはは。さっき(前話)の帰りついでにねー。スーパー寄って夕飯のお買いものだよ。香焼くんも?」

香焼「同じっすね。今は『もう一品』探し中だよ。他の皆は?」キョロキョロ・・・

佐天「常盤台の2人は寮に直帰。初春は風紀委員の夜直だから支部の方向かったよ」

春上「だから今日は佐天さんが家(初春・春上宅)に来てくれるの。一緒に来る?」

香焼「あー……、」ポリポリ・・・


はて。ふと考えたのだが、此処でこの2人に最愛を預けても良いのではなかろうか。


香焼「えっと、相談があるんすけど」

佐天「ん? 何々? お姉さんに言ってごらん」エヘンッ!

香焼「実は……―――」


 少年説明中...


香焼「―――……という事になってて。良かったら2人に最愛を預かって貰いたいんすよ」

春上「え? 最愛ちゃん、まだ帰って無かったの?」

香焼「さっき言った通りだよ。今から家でご飯食べる所だったんだ。しかも……泊まらせなきゃいけないみたいだし」ウーン・・・

佐天「…………、」ジー・・・


何故か悩み込む佐天さん。一方、彼女に任せるよといった表情をする春上さん。
ツッコんで申し訳無いが貴女の家の話でしょうが。


佐天「ねぇ……最愛ちゃん、今何処?」

香焼「え、カップゼリー選び中だよ」

春上「家で待ってる訳じゃなくて、一緒にお買いもの中なの」コクッ

佐天「ふむふむ……ちょっと待っててね。私最愛ちゃんの所に行ってくるから」テクテク・・・

香焼「あ、うん」コクッ・・・


最愛に説明をしに行ってくれた様だ。良かった、これで安心だろう。

377 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 22:56:34.73 ID:ZoRYTtR90
一寸後……何故か佐天さん一人が戻ってきた。何で最愛を連れてきてないんだ?


佐天「香焼くん」ポンッ

香焼「え?」

佐天「ごめん。今日やっぱ無理だわ」ポリポリ・・・

香焼「……え!?」ポカーン・・・


何故に?


佐天「実は今日、学校の友達も来るのよ……ね。春上さん」チラッ・・・

春上「え……ぁ……うん。アケミちゃんとむーちゃんとマコちゃんが一緒なの」コクッ・・・

香焼「そう、なんだ」ムゥ・・・

佐天「ごめんね。最愛ちゃんが構わなければ全然一緒に連れて行っても良いんだけど……、」ポリポリ・・・

香焼「ううん。此方こそいきなり無理なお願いして申し訳無かったっす」ペコッ


いくら佐天さんの友達とはいえ、いきなり3人もの見知らぬ人間と仲良くしろ、一夜を過ごせと言われたら最愛がパンクしかねない。
佐天さんはごめんね、と謝り……頭を上げた瞬間、黒い笑みを見せた。


佐天「と、いうわけでぇ……2人きり、頑張んなさいよ」ニヒヒ!

香焼「え、あ、まぁ」コクッ・・・

春上「一応、香焼くんの事信用してるの。でもあんまりヘタレ過ぎてもガッカリなの」ニヤニヤ・・・

香焼「……はぁ?」ポカーン・・・

佐天「後で最愛ちゃんに聞くからねー。ちゃんとエスコート出来たか如何か!」コツンッ!

香焼「え、えっと……失礼の無い様お迎えするつもりだよ」ポリポリ・・・

春上「そうじゃなくて……はぁ」ヤレヤレ・・・


顔を合わせて苦笑する2人。一体何が言いたいのだ?


佐天「自分で考えなさい! 兎にも角にも、今日は全力で最愛ちゃんのエスコート! OK?」トンッ

香焼「は、はぁ」キョトン・・・

春上「まったく……香焼くんらしいの。でも今度は私達も一緒にお泊り会したいの」フフッ

香焼「うん。次は最愛の事泊めてあげてね」

春上「ううん。香焼くんのお家でなの♪」ニコニコッ!

香焼「何だって?」タラー・・・

佐天「ははははは! そうだね。私達とパジャマパーティーだね」フフフッ


自分は男ですよ? 恐ろしい事言わないで下さい。そんな思考の持ち主は馬鹿姉達だけで十分です。

378 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 23:20:00.49 ID:ZoRYTtR90
何故か冗談と言ってくれない彼女達。ホント、自分の性別考えて下さい。


佐天「勿論乙女だよ。最愛ちゃんと『同じ』ね」

香焼「乙女って……まぁ良いや。無理なお願いしてごめんね」

春上「ううん。期待に応えられなくてごめんなさいなの」

香焼「いえいえ。それじゃあまた」ペコッ

春上「バイバーイ。香焼主夫さん、頑張ってなの!」ノシ

佐天「あ。香焼くーん。『次』は明日だったけど、別の日に変更で良いからねー」ビシッ!


『次』とは早朝ランニングの事(第②話参照)だ。
確かに最愛のお世話があるので、早朝は厳しいかもしれない。御言葉に甘えよう。


香焼「了ー解。メールしまーす」コクッ

佐天「うん。じゃあね!」ノシ


春上「むぅ……佐天さんも最愛ちゃんも羨ましいの。2人きりで会う機会が……―――」ボソボソ・・・

佐天「え!!? あはははは……えっとその、うーん……あ! ほ、ほら! 木山先生のボランティア誘ってみれば―――」アタフタ・・・

春上「っ!! それなの! ありがとう、佐天さん! よーし……今度は―――」オー!

佐天「あははは……最愛ちゃんに続いて、また塩送っちゃったかなぁ……―――」ポリポリ・・・


2人仲良く買い物を続ける御様子。さて、自分はそろそろ最愛のデザート選びに決着をつけさせに行かねばなるまい。
コロッケ4個入りパックと木耳サラダを籠に入れ、少し先のゼリーコーナーに戻った。


香焼「最愛、決まった?」

絹旗「……え」ポカーン・・・

香焼「……ちゃんと選んでたの?」タラー・・・

絹旗「え、あ、はい……その佐天さんが来たので、超ビックリして……、」アタフタ・・・

香焼「そっか……泊めてあげられなくてゴメンねだって」

絹旗「え? ぁ……はい。そう言われました」タラー・・・


何でそんなにタジタジしてるかは分からないけど、さっさと選んでくださいな。


絹旗「は、はい。えっと……コッチかコッチです」スッ・・・


『むせるマンゴーゼリー』と……『ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノゼリー』か。


香焼「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノゼリーって苦いかもよ?」ジー・・・

絹旗「うーん……じゃあベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノゼリー止めときます」スッ・・・

もあい「……なぅ?」ポカーン・・・


ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノゼリーを棚に戻す最愛。
もあいを籠から降ろしマンゴーゼリーを代わりに入れ、やっとの事、会計へ向かう。

379 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/07(水) 23:41:09.32 ID:ZoRYTtR90

 ―――一方その頃、居酒屋:ブラックウィドゥ・・・・・


結標「この店かぁ……飲み屋ってかお酒苦手なんだけどなぁ。『友達優先です!』とか小萌に言われたし、しゃーないかぁ」ガチャッ・・・


麦野「うへへへぇっ! 姉妹丼じゃあ!! 火織スイカと五和ちゃんメロンもーらいっ!!」モニュモニュ!

神裂「ちょ、んっ……む、麦野さん!! ひっ! ぃ、いい加減度が過ぎますよ!」カアアァ///

五和「そ、そんなに強く揉まないで下さいいぃ! ひゃあっ!!」イヤアアァ///

麦野「良いの良いのっ! どうせ私はもてないですから、んもー女にでも走ってやろうかー!!」ガハハ!

浦上「完全に(お酒に)呑まれてますヨ。セクハラ親父ですネー。素面でもこうなんデスか?」アハハ・・・

固法「……素面でも半分こうかも」アハハ・・・


結標「…………うわぁ。やっぱ帰ろう――」タラー・・・


麦野「ん?! むむむ!? むむむむむ!!」ビー!!

結標「――って、ぎゃああああぁっ!! バック焦げたあああぁっ!!」ジュウウゥ!!

固法「あら。結標さん、やっと着いたのね」

麦野「結標えぇ……待ってたのよぉ」ニヤニヤ・・・

結標「うっ……ひ、人違イデスヨ。私、マリアンデス」ハァイ・・・

浦上「マwwwwリwwwwアwwwwンwwww」m9

麦野「マリアンでもあわきんでもあわっぺでも何でも良いわよ! 早くコッチ来やがれ! さもなきゃ黒焦げにすっぞ!」ギャーギャー!

固法「あらら。今度のターゲットは結標さんかしら」フフッ

神裂・五和「「助かった……、」」ホッ・・・

結標「い、言っとくけど私はガード堅いわよ! てかアンタ酒臭っ!!」ウワァ・・・

麦野「鮭は私の主食だにゃ~ん! 結標ぉ、耳たぶハムハムしていい?」パクッ・・・

結標「きゃんっ!! ちょ、言う前に噛むなって……んっ!! や、止めなさい変態!!」ウギャアアァ///

麦野「あわきん可愛いのう可愛いのう」ハムハム!

結標「いやああああああああぁっ!!」フコーダー・・・

浦上「Oh……百合百合ですネー」キマシタワー!


380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/08(木) 00:07:50.13 ID:o6muorM00
ちょwwまさかのベンティ(ry来たwww懐かしすぎるww

それから麦のんヤバイよもうヤバイ
381 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 00:42:39.60 ID:D1tEmVUr0
 ―――とある翌日、PM07:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・


すっかり日も暮れ、空には月と星が昇っていた。
若干最愛ともあいが眠たそうなので早めに餌、もといご飯を作らねばなかろう。


絹旗「眠くないです」ムスー・・・シバシバ・・・


典型的な子供だな。いや、不規則な生活をしてた所為か。何にしろ早いとこ寝かせるとしよう。
マンションの入り口に差し掛かる。部屋の鍵を出す為最愛に買い物袋を預けようとした時……のそりと巨大な影が飛び出してきた。


絹旗「っ!!?」ビクッ・・・

香焼「ん……最愛。心配しないで。自分の友達っす」チラッ・・・

もあい「にゃん」トコトコ・・・


もあいが最愛の肩から飛び降り、そいつの長い髪へ跳び付こうとチャレンジしだした。


ステイル「この猫は毎度毎度……僕の髪に恨みでもあるのかい?」

香焼「長髪が好きなんだよ。嫌だったら切れ。それより……珍しいっすね。僕に用?」

ステイル「まぁな。安心しろ、仕事じゃな、い……ぁ」ピタッ・・・タラー・・・

絹旗「え……仕事?」チラッ・・・


馬鹿野郎。


香焼「あー、えっと、バイト仲間っすよ。手品師(マジシャン)のバイト」

絹旗「あぁ。例の」フムフム・・・ジー・・・

ステイル「コホンっ……まぁ、その……アレだ。相変わらずオマエは何処に居たって女の尻に敷かれている様だな」ジトー・・・

香焼「そういう言い方するなよ。別に敷かれてなんか無いっての」ジトー・・・

絹旗「…………、」ギロリ・・・


最愛さん、何故睨むんすか?


香焼「……話はそれだけ?」

ステイル「態々皮肉を言う為に学園都市第1学区(この街の桜田門)に来たりなんかしないさ」フンッ・・・スッ!

香焼「はぁ?」

ステイル「……ん」スッ!


僕に向かって無言で手を伸ばすステイル。何それ?


ステイル「先日約束してたろ。取りに来た」ジー・・・

香焼「……え?」

ステイル「煙草だ。新作煙草5つと新型ライター(※)。日和だけじゃなく、遂にボケまで始まったか?」      ※第③話参照。


コイツ……何て空気読めないタイミングで現れるんだ。しかも煙草って。


絹旗「…………、」ギロリ・・・


隣の子、滅茶苦茶キレてます。
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 00:46:15.15 ID:J4lB9PKDO
>>379
べんてぃあでしょっとへーぜるなっつばにらーもんどきゃらめるいきすと‥‥何それ? 怖いんですがww
383 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 01:01:14.96 ID:D1tEmVUr0
兎に角、この場を如何にかしなければなるまい。


香焼「あ、ええっと……そうだ! 折角来たんだし、ステイルもご飯食べてく?」アハハハ・・・

ステイル・絹旗「「……ハァ?」」タラー・・・チラッ・・・


顔を見合わせる身長差50㎝以上の男女。


ステイル「いや、その……えっと」チラッ・・・

絹旗「…………、」ジトー・・・

ステイル「……遠慮しとこう」

絹旗「……ふー」ホッ・・・

香焼「何でさ。珍しく来たんだし食べてけば」

ステイル「オマ……これ以上困らせるな! 君はサーシャとアニェーゼを足して割った様な娘と僕を一緒に出来ると思ってるのか!?」ギロッ!

香焼「いや、別に……最愛は大丈夫でしょ? コイツ、こう見えて優しいから」クスッ

絹旗「…………、」フルフル・・・

もあい「にゃっ」フリフリ・・・


アンジェレネだって慣れたんだから大丈夫だと思うけどなぁ。


ステイル「アレはまた別の人種(タイプ)だ……ったく……此処で待ってるから、物だけ持ってきてくれ」ハァ・・・

香焼「あ、うん。でも今度遊び来いよ」

ステイル「……オマエの姉共と友人が来てない時にな」フンッ

香焼「オマエだって友達なのに、変なの」

ステイル「ッッ~~~~さっさと行け!! その子だって困ってるだろ、ドベ!」


ドベって……久しぶりに聞いたな。
さておき、戸惑う最愛を連れて、エレベーターへ向かう事にした。

そういえばステイル、何時からあそこに居たんだろう。メールくれれば色々考えたのに。


絹旗「…………、」チラッ・・・

香焼「ん、如何したの?」

絹旗「……何でも無いです。後で話します」フンッ


これまた此方も変になってしまった様だ。まったく、やれやれだね。

384 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 01:22:57.57 ID:D1tEmVUr0
無言でエレベーターに乗り、自動で部屋の階へ。
多分、五和と浦上が居るとは思うが一応鍵は準備しておく。


絹旗「……香焼」ボソッ・・・

香焼「ん?」

絹旗「あの人……本当に友達ですか?」ジー・・・

香焼「え、あ、うん。まぁ見た目あんなんだけど、自分達の一つ上っすよ」

絹旗「……嘘」タラー・・・


そりゃまぁ信じられまい。


香焼「本当に悪い人じゃないよ。もあいだって懐いてただろ?」

もあい「なー」フリフリ・・・

絹旗「……うーん」ポリポリ・・・

香焼「最愛も、人見知り克服していけば色んな人と付き合う機会が増えてくる。ああいう人間だっているんだよ」

絹旗「そうじゃなくて……その、私と……同じ『臭い』が」ボソッ・・・


臭い? アイツ煙草臭いだけだけど。


絹旗「あ、いえいえ……何でもありません。忘れて下さい」アハハ・・・

香焼「う、うん」フム・・・

絹旗「……それより、煙草って?」ギロリ・・・

香焼「さーて! 料理頑張るぞー」テクテク・・・

絹旗「フシャー!! 話逸らさないで下さーい!!」ウニャー!


ステイルの煙草に関しては堂々巡りになり兼ねないので黙秘させてもらいます。
止めさせたければ月詠さんの様に永遠と追跡してやって下さい。


絹旗「ったく……まさか香焼は喫ってないでしょうね?」ジトー・・・

香焼「あはは。まさか」ポリポリ・・・

絹旗「……じー」ジトー・・・

香焼「うっ……えっと……、」タラー・・・

絹旗「……じー」グイッ・・・クンカクンカッ

香焼「臭い嗅ぐな……あー……昔、ちょっとだけ」タラー・・・

絹旗「こらー!!」ガアアアァ!!

香焼「で、でももう喫ってないよ! ていうか、アイツに無理矢理度胸試しみたいな感じで喫わされただけだから」アタフタ・・・

絹旗「やっぱ超悪友じゃないですか!」ムキー!


最愛を宥めるのに無駄に時間を労し、結局、部屋に入るまで10分以上掛ってしまった。

385 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 01:45:08.15 ID:D1tEmVUr0
数分後、やっとの事で玄関に手を掛ける。


香焼「……あれ?」ピタッ・・・

絹旗「如何しました?」

香焼「……鍵、閉まってる」

絹旗「へ? 超当たり前じゃないですか」


いや、確かにそうなのだが……こういう日に限って馬鹿姉共が居ないなんて珍しい。
もしかしたら奇跡的に施錠してるのやもと、妙な疑念を抱きながらマイキーで鍵を開けた。

だが……靴は無い。もしや隠れてるのか?


香焼「むぅ……五和ー、浦上ー……おかしい。最愛、ちょっと待ってて。確認してくる」タラー・・・

絹旗「香焼、どんだけ疑心暗鬼なんですか?」タラー・・・

香焼「いや、何しでかすか分からないヤツらだから」テクテク・・・


荷物をキッチンに置きがてら、急いでヤツらが隠れてそうな場所を探す。ベランダ、風呂場、トイレ、和室……居ない。
流石に『開かずの間(香焼自室)』には侵入できない筈なので、本当に居ないという事になる。


もあい「にゃーん」キョロキョロ・・・

香焼「もあいが見つけられないって事は、部屋には居ない……考え過ぎか」ホッ・・・


昼間まで居た筈だが帰ったらしい。しかも珍しく掃除まで完璧にしていってくれた様だ。
これなら安心して最愛を迎え入れる事が出来る。


香焼「最愛、入って良いよ」テクテク・・・

絹旗「……やっぱり五和さんと浦上さん、居なかったんですか」ジー・・・

香焼「うん。安心して。2人だけっすよ」コクッ

絹旗「2人だけ……香焼と」ドキドキ・・・


そういえばこれまで僕の部屋で、最愛と2人きりになるなんて事は無かった。毎回五月蠅いのが居たと思う。
あー、でも……そりゃ安心できないか。一応自分、男だし。


絹旗「い、いえ! そういう意味じゃないです!」アタフタ・・・

香焼「ハハハ。とりあえず上がってよ」

もあい「うにゃ」ジー・・・


客人用スリッパを取り出し、最愛の前に置く。何故かぎこちなくそれを履く彼女。


絹旗「き、緊張なんかしてません!」ドキドキ・・・

香焼「いや、何その自己申告」タラー・・・

絹旗「お、お邪魔しましゅ!」カクカク・・・

香焼「い、いらっしゃい……(噛んだね)」アハハ・・・


機械染みた動きをする最愛を連れて、リビングへ移動した。

386 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 02:03:07.43 ID:D1tEmVUr0
 ―――とある翌日、PM08:15、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・絹旗side・・・



時刻は八時過ぎ。私は香焼の部屋のリビングソファに腰掛けて借りてきた猫状態になっていた。
何故泊まりという超大イベントな日に限ってお姉さん達はいないのだ。ぶっちゃけ、超緊張で倒れそう。


絹旗(って! 何超期待してるんですか! 私の馬鹿莫迦⑦バカばかっ!!)カアアァ///

香焼「最愛」テクテク・・・

絹旗「ひぃあいっ!!?」ビクッ・・・

香焼「……何緊張してるのさ」タラー・・・

絹旗「あ、あはははは……だ、大丈夫ですよ」ドキドキ・・・


馬鹿な事は考えるな。彼はそんな事を期待出来る様な男子では無い。
いや、違う……『私なんか』が彼を望んではいけない。


絹旗(……よし。少し落ち着いてきました)ハハハ・・・

香焼「はぁ……えっと、さっきの友達に頼まれ物渡してくるから、ご飯ちょっと待っててね」

絹旗「……煙草ですか?」ジトー・・・

香焼「あはは……女教k(プリエs)、コホンッ、カオリ姉さん達には内緒にしてね」ポリポリ・・・

絹旗「……どうしよっかなー」フフフ・・・

もあい「なー」ジー・・・

香焼「お願い!」ペコッ


手を合わせて頼み込む香焼。
まぁ別に未成年の飲酒喫煙についてなんて、自分にとっては超如何でも良い話だ。黙っておいてやろう。
ただし、香焼の喫煙は認めません。


香焼「ありがと! それじゃあ行ってくるね。あ、飲み物出しとくからセルフでどうぞ」テクテク・・・

絹旗「ええ。いってらっしゃい」フフッ・・・


速足で出ていく香焼。見送る私……何だか夫婦みたいだ。


絹旗「……なーんてね」ナデナデ・・・

もあい「みゃ?」キョトン・・・


馬鹿な事を考えるのは止めよう。とりあえず先の御言葉に甘えて、飲み物を頂く事にする。

387 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 02:21:32.21 ID:D1tEmVUr0
一服し、超暇になる。

そういえばこの部屋をジロジロ見るのは初めてだな、と考え少し見て回る事にした。
無論、彼のプライベートルームやクローゼット、TVデッキ、キッチンの扉、鍵が掛ってる場所等は勝手に開けたりしない。
流石の私だってそのぐらいの常識はある。


絹旗「しかし、本当に男の子の部屋でしょうか……超綺麗な部屋ですよねー」ジー・・・

もあい「にゃー」ジー・・・


五和さん達が掃除していったとはいえ、一人暮らし(?)の男子中学生宅には見えない。
麦野と自分の部屋の方が超汚いし、きっと浜面の部屋なんかと比べたら偉い違いになるだろう。

それにしても香焼。ちょっと遅い気がする。


絹旗「テレビ勝手に点けたら、失礼ですよね」アハハ・・・


と言いつつリモコンを探してしまうのが、いけない癖。
部屋に居る時は常にテレビが点いてないと落ち着かない生粋のテレビっ子なのだ。仕方あるまい。


絹旗「どこー、どこー……どーこ」カラクールノカー・・・

もあい「みー」コンコンッ

絹旗「ん? あ、そこですか。どうもです、もあい」スッ・・・


数冊の雑誌上にある新聞を叩くもあい。多分、雑誌と新聞の間にあるのだろう。
お手柄猫さんを撫で、新聞を退けると、やはりそこにリモコンが有り―――



絹旗「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅえっ!?」ギョッ・・・



―――リモコンの下には……超『アレ』な表紙の雑誌が挟まってあった。


絹旗「え、えっと……これって」スッ・・・


俗にいう、エロ本だ。


絹旗「う、嘘でしょ」カアアァ///

もあい「……にゃ」ジー・・・

絹旗「こ、香焼の……ですよね」キョロキョロ・・・///


まさか五和さん達のではあるまい。香焼もやはり『男』という訳か。

388 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 03:19:24.46 ID:D1tEmVUr0
さて……これ、如何しよう。


絹旗「し、知らなかったフリしてあげるのが正解ですよね」タラー・・・///


滝壺さんが言っていた。『人間、どんなに強がっていてもボロが出る。それを見ぬフリするのも、また愛なのだ』と。
要訳すると『はまづらのエロ本見付けた時、生温かい心で見ないフリしてあげたんだよー』って事だ。

良し。これは元の場所へ……


絹旗「…………、」ピタッ・・・ジー・・・///


……戻す前に、少しだけ、読んでみようか。まだ香焼は帰って来ない様だし。


絹旗「ちょ、超暇なんです! あと、後学の為! 別に疚しい気持ちがある訳じゃないですよ!」ウンウン・・・///

もあい「にゃ?」ジー・・・


誰も居ないに決まってるのに辺りを確認して、雑誌を見遣る。因みにもう1冊下にあったのでそれも取り出す。
名前は『スクールガール』という雑誌に、『メガ楽天』という漫画誌。まずは雑誌の方から開いてみる……


絹旗「む……み、水着くらいなら……あとはコスプレですかね」ジー・・・


最初の数ページは普通の写真集とそう変わりない感じ。
この程度なら話の種にからかってやっても面白そうだな、と考えページを進めていく。

が、しかし。


絹旗「あ、この女優さん超可愛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ!!?」ギョッ!!


私の中に、電流走る。


絹旗「ぜ、全裸……ま、まぁこのくらいがエッチ本という事で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ?!」カアアァ///


次のページ……色々、モザイクが掛っていた。この『修正』の裏にはどんな未知の世界が隠されているのだろう。


絹旗「こ、これ……く、咥えてるんですよね…………こっちは、じ、自分で……一人エッチ、してるんですか」カアアァ///

もあい「……にゃぅ」トコトコ・・・

絹旗「お、オモチャ使って!? う、嘘……こんなの挿入りませんって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」ピタッ・・・


所謂、合体の図。


絹旗「ッッーーーーーーーーーーも、ももも、もう無理です! 超恥ずかしい!!」カアアァ///


バンッと勢いよく雑誌を元の場所に戻した。残るは漫画雑誌の方だが……


絹旗「……や、ヤバかったら、即閉じれば良いんですよね」モジモジ・・・///


……結局、好奇心には勝てなかった。

389 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 :2011/09/08(木) 03:45:13.80 ID:D1tEmVUr0
今度は目次から見てみよう。ソフトそうなのを選べば心的事故は免れる筈。
絵柄は……劇画調もあれば、萌え系もある。


絹旗「多分、その中間そうな絵柄が良さそうですね」パラッ・・・///


260pくらいの漫画。


絹旗「ふむふむ……学園物ってヤツですね」ジー・・・


高校生くらいだろうか。御淑やかな眼鏡の女子高生と、ちょい不良気味の男子がメインか。
この程度のシュチュエーションなら麦野や姉貴さん(固法)が買っているレディコミの方が、刺激強いだろう。
そう思い込み、数ページ進める。


絹旗「ん……本番ですね」ドキドキ・・・///


レディコミとは違う局部を詳細に描いた過激な絵。何だか先程の写真モノより生々しい。


絹旗「でも、まだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ!!?」ギョッ・・・


再び電流走る。


絹旗「こ、これ、お尻ですか!? しかも[らめぇぇっ!]って!?」カアアァ///

もあい「みゃぅ」ゴロゴロ・・・


お尻に、男性のアレを挿入れてる。
これ以上は無理と判断し、パラパラと先のページに飛ばした。今度は萌え絵というヤツだろう。


絹旗「こ、今度のシュチュは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・義姉弟モノ!?」ドキッ・・・///

もあい「なぅ?」キョトン・・・

絹旗「こ、香焼……駄目ですよ。それだけは駄目です!」カアアァ///


丁度自分達くらいの年頃の男の子と、神裂さん五和さんくらいのお姉さんとの『情交』シーン。
やはりコレも拙いと察し、別のページへ。今度は劇画調。


絹旗「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええええええぇっ!!?」カアアァ///


所謂BLというヤツ。何故男性向け雑誌にこんな物が載っているのだ?
兄貴さん(黒妻)の様な強面の男性と、幻想殺し(上条当麻)の様な優男との濃厚な絡み。生理的に受け付けない。

そんな感じで次から次へと飛ばして、結局……殆ど見てしまった。
強姦モノ。小学生に手を出してるオヤジ。女性同士の絡み。擬人化モノ。何故か女性に男性のアレが生えてる話……等など。


絹旗「」プシュー・・・///

もあい「にゃーん」ペシペシッ!


思考がショートしてます。これ以上はやっぱ耐性が殆ど無い私には無理です。

390 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 04:05:44.25 ID:D1tEmVUr0
一寸フリーズした後、我に帰る。


絹旗「や、やっぱ知らないフリしておきましょう。それが良いです。調それが良い」カアアァ///


こんなものを話題の種にしたら、空気が死んでしまう。忘れろ私。


絹旗「……でも」パラッ・・・


これで……香焼は……一人エッチしてるのか。


絹旗「ひ、一人……エッチ……、」プシュー・・・///

もあい「にゃん?」ジー・・・


自分はした事無いので全く分からないのだが……どんなモノなのだろうか。
そういえばさっき、何処かのページでそういった描写が載ってたような気がする。もう一回だけ見てみよう―――


香焼「ただいまー」ガチャッ・・・

絹旗「ひゃあああぁいっ!!?」ギョッ!!

香焼「最愛?」テクテク・・・


―――とした時、香焼が戻ってきた。何つータイミング。


香焼「どうしたの?」テクテク・・・

絹旗「あわわわ……え、えっと」ガサゴソ・・・


今リビングの扉を開けられたら終わりだ。
最中、母親が尋ねてきたので急いでエロ本を隠す男子中学生の如く、雑誌を元の場所へ戻した。


絹旗「にゃ、にゃんでもないですっ!!」アタフタ・・・

香焼「ん?」ガチャッ・・・

絹旗「あ、あはははは! 超お腹空きましたねー!」ハハハハ・・・///

香焼「あ、うん……顔赤いけど、少し寝てたの?」ジー・・・

絹旗「え、ええ。そんな所です……さ、さぁ。料理しちゃいましょう! 私も手伝える事手伝いますから!」パタパタ・・・///

香焼「うん。でも一応熱計ろうか?」テクテク・・・

絹旗「ヴぇっ!? ちょ、超大丈夫ですから近づかないで下さい!!」カアアァ///

香焼「え……あ、うん。ごめん」ショボーン・・・

絹旗「あ、えっと、その……すいません。もし風邪だったら伝染しちゃうと悪いですし」アハハ・・・///

香焼「ぁ、そういう事……もぅ……別に伝染しても良いよ。無理しないでね」クスッ・・・

絹旗「え、ええ。大丈夫です……、」アハハ・・・///

もあい「なー」カリカリ・・・


ギリギリセーフ。悟られない様、無理矢理テンション超アゲアゲで誤魔化せた。
多分、今香焼と目が合ったら脳味噌が沸騰して卒倒すると思います。


香焼「とりあえず座ってて良いよ。楽にしてて」フフッ


優しく微笑みかける彼。だが……何だかもう、先の『色々』の所為で物事が考えられなくなってしまった……―――

391 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/08(木) 04:17:32.60 ID:D1tEmVUr0
 ―――一方その頃、居酒屋『ブラックウィドゥ』・・・・・





麦野「あははははははっ!!」イエーイ!

結標「」チーン・・・


固法「―――まったく……結標さん、下戸なんだから無理矢理呑ませるのは無しよー」

神裂「やれやれ……そういえば五和、浦上」チラッ・・・

五和「はい?」

神裂「香焼の部屋を出る際、キチンと片付けてきたでしょうね?」

浦上「勿論ですヨ。完璧です!」

神裂「……なら、良いのですが」

五和「ええ。使う前より綺麗にして返せ。マナーでしょう! 綺麗にした上に『プラスα』しましたから」ハハハ

固法「プラスα?」

浦上「ええ……『男の子の部屋らしく』ネ。『二冊』ほど」フフフ・・・

神裂「……は?」ポカーン・・・

五和「だってコウちゃん、ビデオデッキにも『そういうの』置かないし……多分『開かずの間(自室)』に隠してるんでしょうけど」

神裂「ちょっと待……はい?」タラー・・・

五和「ま、あの程度のトラップなら即見つかる……ゲフンゲフンッ……まぁ明日以降のお楽しみって事で。こっちはこっちで楽しみましょう」イエーイ!

神裂「な……香焼、無事でしょうか」ダラダラ・・・

浦上「ほらほら、姉様! グラス空いてますヨ! 麦野さーん! 姉様にも絡んであげてくださいナー!」フフフ!

麦野「よっしゃー! 今度は火織のうなじクンカクンカしちゃぞー!」ワキワキ・・・

神裂「は、はははは……、」ダラダラ・・・

固法「ふふふ。程々にねー♪」クスクス・・・
401 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/09(金) 22:31:35.23 ID:iR/VAV2t0
 ―――とある翌日、PM08:40、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・



僕が遅めの晩御飯を準備している間、最愛は何もせずにジーっとソファの上に体育座りしていた。
時折此方を見るのだが、目が合わさるとすぐにもあいの尻尾を弄り出す。様子がおかしい。

多分、沢山連れ回して疲れたのだろう。そう決め込み、デミグラスソース作りに移った。


絹旗「…………、」チラッ・・・

香焼「あんまり時間掛けるとアレだから……ん?」チラッ

絹旗「っ!」アタフタ・・・

もあい「にゃーん」ジー・・・


口数が少ない。借りてきた猫状態になる性格とはいえ、もう少し寛いでもらいたいのだが。


香焼「最愛」

絹旗「ひゃい!?」ドキッ・・・///

香焼「ひゃいって……退屈だったらテレビ付けて良いよ」

絹旗「え、あ、はい……っ!!」ピタッ・・・カアアァ///


リモコンに手を伸ばそうとした瞬間、固まる彼女。そしていきなり真っ赤になった。


絹旗「て、テレビは大丈夫です! し、心配しないでください!」アタフタ・・・

香焼「……うん」ジー・・・

絹旗「そ、そうだ。何か手伝いましょう! タダ飯じゃ超申し訳ないですから」スッ・・・

香焼「良いよ。気にしないで」

絹旗「いえいえ。盛り付けぐらいしますよ」テクテク・・・


立ち上がり此方に向かってくる。だがやはり、何故か動きがたどたどしい。


香焼「……じゃあ、食器出して貰おうかな」

絹旗「分かりました……エプロンは?」

香焼「食器出すだけなんだから要らないよ」

絹旗「それはその……気分です」


おままごと気分か。まぁ良いだろう。


香焼「そこの上着掛けに姉さん達のエプロン有るから勝手に使って良いよ」

絹旗「了解です」テクテク・・・


何だかんだで義理難い性格なのだ。これで人見知りが治れば、必ず皆から愛される子になる筈だろう。

402 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/09(金) 22:56:53.12 ID:iR/VAV2t0
ソースが出来上がり、あとはオムライスの上に掛けるだけとなる。
そろそろ盛り付けを……と考えたが、おかしい。最愛が手伝いに来ない。エプロン選びにそんなに時間が掛るか?


香焼「最愛、如何したの?」チラッ・・・

絹旗「…………、」カアアァ///

香焼「ん? 最愛?」


一着のエプロンを持って固まっている。そしてボソリと尋ねてきた。


絹旗「……これ」スッ・・・

香焼「え、あ……ヴぁに!?」ギョッ・・・///


カオリ姉さんがいつぞや買ってきた、まるで実用性の無いエプロン(※)を広げて頬を赤らめている。
※あまくさっ! 第11話参照。 ( http://item.rakuten.co.jp/only-and-one/k02055/ )

てか、そんなもの持って何してるのさ?


絹旗「こ、香焼……その……これ」カアアァ///

香焼「な、何かな」タラー・・・

絹旗「お、お姉さん達……着るんですか?」モジモジ・・・///

香焼「…………、」アハハ・・・

絹旗「ぇ、ぁ……やっぱり。さっき(?)のみたいな、超禁断の……アレ、なんですね」カアアァ///


おまえは何を言ってるんだ?
というかそれ、麦野さんが姉さんに無理矢理買わせたヤツだぞ。


香焼「最愛さん、えっと……そんなの何処かに投げといて良いからね」タラー・・・

絹旗「……わ、私も」モジモジ・・・///

香焼「……は?」ポカーン・・・

絹旗「着なきゃ、駄目ですか?」ウルウル・・・///

香焼「んなっ!!? ば、馬鹿言うな!!」カアアァ///


何が如何なって『着なきゃダメ』なのだ。意味が分からないよ。
というか最愛が着たら……って、何考えてるんだ僕は!


絹旗「っ……香焼の超変態。何考えてるんですか」ジトー・・・///

香焼「う、五月蠅い! 兎に角、それどっかに置いてて! まったく……着るならコレ着なさい」スッ・・・


浦上のエプロンを渡す。そんでもって最愛が持ってる変態エプロン(我が家命名:ネオ堕天使エプロン)をソファの裏にブン投げた。
それを見てホッとしている最愛さん。そんな顔するなら始めからアレを引っ張り出さないで下さい。


香焼「……盛り付け、するよ」テクテク・・・

絹旗「あ、はい」テクテク・・・

もあい「みー」トコトコ・・・


やっと料理を出せるな。
余談だが……先の服、前に僕が着た。性格には無理矢理あの服に着替え『させられた』。
馬鹿一号二号(五和・浦上)、そして酔った三号(神裂)に半ば強引に脱がされ、着替える羽目に。

そんな話、最愛に出来る訳が無かろう。 
 
404 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/09(金) 23:18:06.89 ID:iR/VAV2t0
最愛のたどたどしい手伝いもあり、盛り付けが完成する。
今日の献立は、デミグラスソースかけオムライスにコンソメスープ、ガーリックラスク添えサラダだ。
僕がテーブルに運ぶ間に、最愛にはもあいの餌やりをお願いする。


絹旗「香焼、モンポチ開けて良いんですよね?」

香焼「良いよ。でも一缶だけね」

絹旗「分かってます……よし。完了です」カパッ

もあい「にゃー」テクテク・・・

香焼「うん。こっちも終わったよ。最愛も座って頂戴」


エプロンを脱ぎ座布団に正座する。そして……短縮版、食前の祈。


絹旗「…………、」ジー・・・

香焼「―――……うん。食べようか」

絹旗「……前から思ってましたけど、超不思議ですね」ウーン・・・

香焼「え? あ、まぁね……この街は宗教云々は禁忌みたいなモノだから」アハハ・・・

絹旗「んー……―――こうですか?」スッ・・・

香焼「へ?」キョトン・・・


胸の前で手を組む最愛。多分、先の僕の真似をしているのだろう。


香焼「あはは。別に最愛はやらなくても良いんだよ。信者でもないんだし」クスッ

絹旗「こういうのはふいんきなんです。オリジナルないただきますですよ」

香焼「雰囲気(ふんいき)、ね。オリジナルかぁ。最愛らしいね」フフッ

絹旗「むぅ……超馬鹿にしてません?」ジトー・・・

香焼「してないしてない。さぁ、食べよう」


最愛の適当な『祈』が済んだところで、いただきます、と一言。そして箸と匙を進める。


香焼「……どうかな?」

絹旗「ふむ……超美味しいです!」モキュモキュ・・・パアアァ!!

香焼「ハハハ。そりゃ作った甲斐がありました。オムライスのおかわりは無いけど、ソースはあるから明日の朝ご飯に応用するよ」クスッ

絹旗「はい。超楽しみにしてます」ニカッ!

もあい「みゃー」ムシャムシャ


ソースを服に飛ばしそうななりながら、笑顔で食べてくれる最愛。それだけで、作った甲斐があったな。

405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 23:24:44.77 ID:YeDOuHYDO
わっほい! 超ニヤニヤの予感!

誰か>>402のエプロン着た絹旗と香焼の絵描いてくれ!!
406 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/09(金) 23:52:38.24 ID:iR/VAV2t0

 ・・・・・寸・・・・・


最愛のテンションがいつも通りに戻って、楽しい食事が続いた。
ただ、何故かテレビを点けようとした時だけ最愛が渋った。食事中は点けない様教えられてきたのだろうか。

さておき一寸後、彼女に口の周りについたソースを拭くようティッシュを渡した時、インターホンが鳴った。


香焼「五和と浦上か……違うな」フム・・・

絹旗「何で分かるんですか?」フキフキ・・・

香焼「アイツらだったら勝手に上がり込んでくるよ」アハハ・・・


という事はカオリ姉さんが帰って来たか、もしくは本当に客人か。
最愛に断ってから立ち上がり、玄関のカメラを点ける。

……宅急便?


宅配員『こんばんわ。超速達です。香焼さんのお宅で宜しいですか?』

香焼「え、はい……速た……超速達!?」

絹旗「……あ!」

香焼「最愛?」

絹旗「あ、あははは……えっと、ハンコ押しに行けば分かりますよ?」

香焼「……はぁ」ポリポリ・・・


言われた様に、玄関へ向かう。


香焼「どうぞ……って、え!?」ガチャッ・・・

宅配員「判子かサインお願いしますね」スッ・・・

香焼「ちょ、こ、これ何すか?!」ギョッ・・・

宅配員「はぁ。『ぬいぐるみ』となってますけど」


巨大なダンボール。確かに『衣類・ぬいぐるみ』と記してある。宛名は……僕自身!?
もしかしたら魔術師関連の何か危険な物かと疑ってみたが、魔力反応は無いので、そういう訳でもなさそうだ。


宅配員「えっと……はい。確かに。では失礼しました」ペコッ


無理矢理玄関を通し、部屋の中へ運ぶ。
すると最愛はニコニコとした表情でそれに飛び付いた。そしてすぐさまダンボールを開ける。


香焼「……あ」ジー・・・

絹旗「ふふふ。やっぱ超速達は便利ですねー」モフモフ・・・

もあい「にゃ?」ペシペシッ


中に入っていたのは、ゲーセンで御坂さんから譲って貰った『ゲコ太着ぐるみ』だった。


407 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 00:16:38.21 ID:VWpkMbpZ0
ご飯を片付ける前に着ぐるみを弄り出す最愛。まったく、困ったものだ。


香焼「こらこら。待ちなさい」チョップ!

絹旗「痛くないですよーだ」オートガード!

香焼「やれやれ……とりあえずご飯片付けてから遊ぶ事!」メッ!

絹旗「あ……はい。そうですね」ハハハ・・・


まるで子供だ。いや、子供で良いのか。
兎に角さっさと着ぐるみを弄りたい様なので、オムライスを掻き込む最愛さん。そのワンピース、デニムワンピ、シミ出来たら面倒だぞ。


絹旗「むきゅもきゅ……ふー。ごちそうさまです!」パンッ!

香焼「はい、お粗末さま。食器は流しに置いてて貰えばいいよ。洗浄機使う……あ、故障中(※)だった」     ※第①話参照。


とりあえず水置きしといてもらおう。後は自分が洗っておく。


絹旗「え、あ、どうも……っ!」ピタッ!

香焼「それよりも口周りを拭き……ん?」

絹旗「や、やっぱり自分で洗います!(は、箸とか、触られるのは……超恥ずかしいです)」アタフタ・・・///

香焼「そのくらい良いのに」

絹旗「む、麦野がよく『自分のケツは自分で拭け』って言ってるので!」アハハ・・・///

香焼「……何か使い方間違ってる気もするけど」タラー・・・


細かい事は良いんですよ、とそそくさ自分の食器を洗い出す最愛。
常識は欠けているが、思いやりの心は十分あるみたいだ。


絹旗「ふぅ……終わりました。それじゃあ遊びしょう!」ワーイ!

もあい「なー!」ピョンッ!


大きい猫と小さい猫が着ぐるみを弄り出した。
さて、では僕も食べ終えたし、自分の食器と空いた鍋を洗い始めるとしよう。


香焼「あ、テレビ点けても」チラッ・・・

絹旗「や、超嫌です!」アタフタ・・・

香焼「え? 最愛テレビっ子じゃ」

絹旗「え、えっと……今日はテレビ見ない日なんです! だからリモコン見つけなくて良いですからね!」アタフタ・・・


また不可解な発言をする。まぁ彼女が嫌だというのだから止めておこう。


408 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 01:12:08.04 ID:VWpkMbpZ0
 ―――とある翌日、PM09:45、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・






先程姉さん達から今日はウチに寄らないという何とも不穏なメールが届いた。まぁ自分は自室に寝れば問題無い話だろう。
さておき、気がつくと既に9時半。そろそろ風呂に入ろう。

着ぐるみの頭部分をもあいに被せて遊んでいる最愛に声を掛ける。


香焼「最愛。お風呂入っていいよ」

絹旗「え」ピタッ

香焼「お風呂っす。シャワーでも良いけど」

絹旗「お、お風呂……ですか」タラー・・・

香焼「最愛のホテルほど立派じゃないけど、一人入る分にはそれなりに広いよ」

絹旗「こ、香焼からで良いですよ……その……私の後に、香焼入るってのは……、」アタフタ・・・///

香焼「……あー」ポリポリ・・・///


その気持ちは分からなくはないが、客人に二番風呂を勧める訳にもいかない。


香焼「気にしないで貰えるとうれしいな……なるべく自分も気にしない様にするから」アハハ・・・///

絹旗「ぜ、絶対ですよ!」ジトー・・・///

香焼「うん……シャンプー、リンスは何使っても良いからね。あと使い捨ての歯ブラシ有るからそれ出すよ」

絹旗「え、あ、う、うん」タジタジ・・・

香焼「タオルとバスタオルも今出す。あ、ボディスポンジは黒以外ね。それは自分のっすから」アハハ

絹旗「わ、分かりました」コクコク・・・


やはり恥じらいは出るよな。正直、自分だって恥ずかしい。
最愛はもあいを抱えて風呂場に……え?


もあい「にゃっ! みゃっ!」フシャー!

香焼「最愛! もあいは駄目!」アワワ・・・

絹旗「え? 一緒にお風呂で」キョトン・・・

香焼「もあいの身体洗う時は専用の桶で洗ってるから。てか猫の毛で浴槽大変な事になっちゃうってば」

絹旗「あ、そうですね。すいません」パッ

もあい「……なぅ」スタタッ・・・


そそくさとソファの方へ逃げるもあい。やれやれ、忙しいな。


香焼「とりあえず勝手が分からない時は中にある内線ボタン押してね」

絹旗「了解です……こ、香焼……覗いたら打っ殺しますからね」ギロッ・・・///

香焼「し、しないよ!」アタフタ・・・///

絹旗「……信じてあげましょう」テクテク・・・


彼女を本気で怒らせたら冗談抜きでミンチになりかねない(らしい)からね。精々気を付けます。

409 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 01:40:28.03 ID:VWpkMbpZ0
 ――絹旗side――



タオルやら何やらを出して貰い、香焼を追い出す。
風呂場は麦野のVipルームよりは小さいが、それでも一人暮らしのモノだと考えれば広いモノだった。
一応、シャワーやら機械やらを事前に確認し、服を脱ぐ。服を畳んでバスケットの中に入れた後、風呂場へ入った。

お風呂の温度はぬるめの方が助かるのだが……


絹旗「……良かった。熱くない」ホッ・・・


多分、彼が気を利かせてくれたのだろう。浴槽に全身を浸け、足を伸ばす。


絹旗「ふぁぁ」ググッ・・・


このくらいの広さが丁度良いな。麦野の借りる部屋に付いてくるバスルームは無駄に広過ぎる。
ふと、鏡台の方を見る。シャンプーボトルが1,2,3,4……7つもあった。
まぁ一人で5つのボトルを使う麦野に比べたら少ない方なのかもしれない。


絹旗「やっぱり……超……疲れました」フー・・・


今日は連れ回されたな。仕事以外であんなに人混みを歩いたのは初めてかもしれない。
感想はぶっちゃけ、楽しくはない。絶対に一人では出歩きたいとは思えなかった。
ただ、彼が頑張ってエスコートしてくれたおかげで、私は頑張れた。


絹旗「……超余計なお世話でしたけどね」フフッ


黒いスポンジを見る。
私は……一人では何も出来ない人間だ。いや『人間』ではないか。昔、研究所の誰かに言われたのは『機械』だったな。
機械は、スイッチを押してくれる人間が現れないと動けない。私は実際そうなのだろう。


絹旗「…………、」ブクブクブク・・・


彼の隣は心地が良い。自分が日蔭者だと忘れてしまいそうだ。


絹旗「超、猛毒ですよ」ハハハ・・・


以前、彼から『自分は猛毒だ(※)って言われる』という話をされた。


絹旗「私と一緒に……地獄の底まで、付いてきてくれますか?」ボソッ・・・


呟く。此処には居ない彼へ、救いの手を求めてみる。


絹旗「……なーんてね。冗談ですよ」クスッ・・・ザバッ・・・


そんな事、口が裂けても言えない。
それを言えば彼は必ず手を伸ばしてくれるだろう。だがそれは超能力者(麦野沈利)に楯突くと同然なのだ。


絹旗「大丈夫です……私は超最強ですから」スッ・・・


決してネガティブという訳ではない。仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切れる様になったのだ。
仕事が全てだった昔の私からしてみれば奇跡にも等しい成長。
きっかけは浜面だったが、滝壺さんを始め様々な人が手を繋いでくれる様になった。


絹旗「……香焼」ボソッ・・・


何故だろう。今日はヤケに、彼の名を呟いてしまう。


410 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 02:07:16.73 ID:VWpkMbpZ0
色々思う所はあるが……余計な事を考えるのは止めよう。


絹旗「うん……身体洗いましょう」


バスチェアに座り、髪を濡らす。シャンプーはドレを使おうか。
漢字で書いてあるヤツと、英語で書いてあるヤツ。特に成分なんて気にしないので、適当にプッシュする。


絹旗「んー……お花の匂い?」モイスチャモイスチャ・・・


別に花に詳しいという訳ではないが、良い香りがした。  (※神裂の金盞花シャンプーです)
少し大人びた気がする。多分、香焼が使っているモノではなくお姉さん達のシャンプーだろう。

余談だが、私は麦野のシャンプーを使わせて貰えない。『使いたきゃ金払え』って……超阿呆臭い。○リットで十分だ。メリッ●で。


絹旗「えっと……シャワーはボタンタイプだっけ」ポチッ・・・


シャアアアァ、と丁度良い温度のお湯が出てくる。


絹旗「次はー、リンス……何でも良いですね」ニュルニュル・・・


※良い子はシャンプーとリンスの組み合わせを適当にしちゃダメだよ!


絹旗「このくらいで良いですか……身体洗っちゃいましょう」チラッ・・・


赤、緑、青……黒のスポンジ。


絹旗「これが赤は神裂さんので……って、馬鹿な考えは止めましょう」アハハ・・・


では…… ①赤  ②緑  ③青  ④黒


絹旗「ヴぁっ!? 馬鹿な選択肢入れないで下さい!!」カアアァ///


セルフ突っ込み。
とりあえず、またもや何も考えずに適当なのを掴んだ。さっさと洗ってしまおう。

いや……もしかして入念に洗っておいた方が良いのか?


絹旗「もしかしたら、せ、せ、セク……~~~~~ッッ!! な、何超馬鹿な事考えてるんですか私は!」カアアァ///


『考え』の域を越え『妄想』をしてしまうのはきっと、先のエロ本の所為だ。
所謂邪念というヤツだろう。しんとーめっきゃく、しんとーめっきゃく。

少々温度を下げ、仮想滝壺修行の如くで頭と身体を流した。無論、冷たかったので急いで浴槽に入る。


絹旗「はぁ……やめましょう。自分の年齢考えれば、有り得ない考えだと」ピタッ・・・


そういえば最近では、小学生で童貞処女を卒業する子もいるとかいないとか。


絹旗「あ、あ、有り得るんでしょうか」カアアァ///


ヘタレで朴念仁で無駄に硬派な香焼でも……先のエロ本の件を考えれば、その欲求があるのやもしれない。


絹旗「ど、ど、どうしてもっていうんなら……その……触るくらいは許してやっても良いでしょう」ブクブクブクブク・・・///


全身が真っ赤になったのは逆上(のぼ)せた所為です。発情した訳ではありませんので勘違いなさらぬ様に。

411 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 02:29:25.22 ID:VWpkMbpZ0
浴槽で超考(=長考≒というなの『謎覚悟』)をしてしまい、風呂から上がるのに大分時間が掛ってしまった。
風呂時計を見ると10時半前後だったので、急いで洗面所に戻る。


絹旗「麦野から香水でも借りるべきだっんでしょうか……って! こんな考えのままじゃ香焼の顔見れませんよ!!」アワワワ・・・///


余計な事を考えるな。自然体だ、自然体。成る様になる。
難しい事を考えるのは彼の十八番だ。今日は全てを彼に委ねれば良い。

髪を拭いて、身体を拭いて……鏡の前で顔を叩く。


絹旗「……よしっ!」パシンッ!


雑念は超沢山だが、邪念は無い。


絹旗「け、毛は、あんまり生えてませんけど……香焼だって生えてませんよね」ジー・・・


自分の身体を見遣る。胸はペッタンこ、毛はあまり生えてない、寸胴ボディ……超ガッカリボディ過ぎる。
大丈夫だ。彼はそんな事を気にしない筈!


絹旗「そ、そういえば浴槽に私の……浮いてないでしょうね」アタフタ・・・///


一応チェック。大丈夫だ。恥ずかしい思いはしないで済む。
もし此処に麦野が居たら『いや、アンタ多分無毛症だから心配すんな。初潮も来てねぇ発情猫』とブラックジョークを利かせていただろう。


絹旗「無毛症じゃありません。まだ薄いだけです……お手入れ麦野め」グヌヌ・・・


何処かの居酒屋で、とある超能力者が盛大なクシャミをした。
馬鹿な事を言ってないで、そろそろ戻ろう。彼が風呂に入る時間が無くなってしまう。


絹旗「さてと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」ピタッ・・・


重大な事に気付く。


絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・換えのパンツ、忘れました」タラー・・・


最愛ちゃん、大ピンチ!

412 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 02:55:02.82 ID:VWpkMbpZ0
 ――香焼side――



最愛がそろそろ上がる頃だろうと、居間のテーブルをずらし、布団の準備をしておく。


絹旗『―――……やぎー』

香焼「ん? 上がったかな」

絹旗『香焼ー……その、ちょ、ちょっと来て下さい』モゾモゾ・・・


何かあったのだろうか。洗面所へ向かってみる。


香焼「最愛、どうしたの?」スッ・・・

絹旗『あ、開けちゃダメですよ! まだ裸です!』アタフタ・・・///

香焼「え!? あ、うん」ポリポリ・・・///


そんな状態で呼ばないで下さい。


絹旗『ごめんなさい……で、でも、えっと……あの……、』ウーン・・・///

香焼「言い辛い事?」

絹旗『ええ。その……パンツ』ボソッ・・・///

香焼「……は?」

絹旗『パンツ……ショーツ……有りませんか?』


あー…………ごめん。理解できない。


絹旗『だ、だから、その……換えの下着を忘れたんです』モジモジ・・・///

香焼「あ……そっか。急だったもんね」ポリポリ・・・///

絹旗『はい……間違って浦上さんの新しい下着、置いてないでしょうか? 後で買って返すので、もし有ったら下さい』

香焼「新しいのは……無い筈っす。洗濯済みのはあるんだけど……流石に人のはイヤでしょ」ウーン・・・

絹旗『……すいません』ムゥ・・・


困った。我慢して先程穿いていた下着をまた着てもらうのは、何だか忍びないし。


香焼「……あ、そうだ!」ピンッ!

絹旗『え』キョトン・・・

香焼「最愛、ウエストどのくらい?」

絹旗『いきなり超意味不明な事聞くな! 超変態!!』カアアァ///

香焼「あ、ご、ごめんごめん……でも多分自分と同じくらいだよね」

絹旗『失礼な事を言いますね……ったく、分かりませんって。見た事無いですから』

香焼「うーん……とりあえず、まかせて」テクテク・・・

絹旗『え、ちょ……はぁ。超心配です』ハァ・・・


自分の考えが当たれば『丁度良い』筈だ。急いで自室に向かい、有るモノを取りに行く。

413 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 03:23:35.63 ID:VWpkMbpZ0
一寸後『あるもの』を持って洗面所に戻る。


香焼「最愛、此処置いとくから」スッ・・・

絹旗『え?』

香焼「多分、サイズ合う筈だよ。一応新品だから着てみて」

絹旗『な、何を?』

香焼「もし嫌だったら穿かなくても良いからね。その時は急いでコンビニまで行って女性用下着買ってくるから」


『あるもの』を扉の前に置き、一旦、リビングに戻った。





 ――絹旗side――





静かに扉を開け、彼が置いていってくれたモノを拾う。


絹旗「な……だ、男性用下着ですか」タラー・・・


所謂、ボクサーパンツだ。サイズは確かに……自分に合うと思われる。
それから一応タンクトップも置いてあった。一応、女性と思ってくれてるらしい。評価してやろう。


絹旗「せ、折角ですから……着ちゃいましょう」スッ・・・


上下の色はどちらもダークグレー。タンクトップは少々キツいが、パンツは思った通りピッタリだ。


絹旗「……というか、これ、超良いですね」ホエー・・・


ショーツと違って胴周りのゴムが苦しくない。スパッツの感覚に似ている。


絹旗「これなら大丈夫でしょう。あとは寝る前に寝巻きを借りれば良いから……今はさっきのワンピ着ましょう」


着てきたショーツはキャソールに包んで、彼の目には付かない様管理しよう。紙袋一枚貰えば多分大丈夫だ……これで一段落。
あとは大分自然に乾いた髪を梳いて、歯磨きして、OK。リビングへ戻ろう。

414 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 03:53:07.10 ID:VWpkMbpZ0
 ―――とある翌日、PM10:40、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・








最愛が戻ってきた。着てきたワンピをまだ着ている様なので、大きいかもしれないが浦上の寝巻きを貸してやろう。


絹旗「色々迷惑かけてすいませんでした。その……下着、どうもです。後でお金払いますから」ペコッ

香焼「お金の事は気にしないで。それより、上は……大丈夫?」ポリポリ・・・

絹旗「あはは。ちょっとキツいですね。でも大丈夫です」

香焼「うん。あ、もしアレだったら下着すぐ洗濯して明日朝着れる様にしちゃう?」

絹旗「あー……別に良いです。帰って洗いますよ。ただ紙袋一枚もらえますか?」

香焼「了解。あ、ついでに浦上の寝巻き持ってくるから」テクテク・・・


自分が穿いても少し大きめのTシャツとハーパン。それと適当な紙袋を最愛に渡す。


絹旗「それじゃ香焼、お風呂どうぞ」

香焼「うん。あ、冷蔵庫の物食べたり飲んだりして良いからね。買ってきたモノ冷やしてたよ」

絹旗「ええ、お言葉に甘えさせてもらいます」

もあい「んなー」トコトコ・・・

絹旗「もあいのお菓子は?」

香焼「テレビの横に置いてたよ。受け皿に入れて食べさせてね」

絹旗「了解です……お風呂で変な事したら駄目ですからね」ジトー・・・

香焼「しないっつーの」ハァ・・・


さっきからやたらとレッサーみたいな事を言う。あのキャラは何人もいりません。勘弁して下さい。


香焼「……最愛こそ、馬鹿な事しないでよ」ジトー・・・

絹旗「ヴぁぇえっ!? す、する訳ないでしょう!!」カアアァ///

香焼「素っ頓狂な声を……お願いだから悪戯しないでよ。信じてるけどさ」テクテク・・・

絹旗「え、あ、そ、そうですよね! 悪戯。うん、悪戯ですか。あ、あはははは……しませんしません」ポリポリ・・・///


何か心配だ。まぁ弄られて拙いモノはリビングにはないので大丈夫だろう。
一応、携帯だけ持って風呂場へ向かった。

415 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 04:47:21.20 ID:VWpkMbpZ0

 ――絹旗side――



香焼がお風呂に行った。とりあえず、もあいのお菓子を袋から出す。
見た目普通の餌との違いが分からないが、もあいが喜んで喰いついているのを見るにやはり甘味だったのだろう。


絹旗「でも……人のウチの冷蔵庫を勝手に開けるのは、ちょっと忍びないですね」ポリポリ・・・


やはり香焼を待ってから食べよう。彼はどれくらいで上がるのだろうか。


絹旗「…………、」チラッ・・・


風呂場の方を見遣る。
今彼は……さっきまで私が入っていた浴槽に浸かっている。一体どんな事を考えているのだろうか。


絹旗「や、やめましょう。こんな考え」ポッ・・・///

もあい「にゃー」ジー・・・


例の本の所為で思考がおかしい。このままじゃ何れ彼に悟られて変態女だと思われてしまいかねない。
自分は麦野や結標(変態女共)とは違う。プライベートではあくまで『普通の子』なのだ。


絹旗「……さっきの本、私がお風呂に入ってる間に片付けたかな」チラッ・・・


リモコンの下の新聞を捲る……まだ在った。
もしかしたら自分でも此処に置いていた事を忘れているのだろうか。


絹旗「それは無いですね……じゃあ何で……はっ!?」ドキッ・・・


まさか、自分に見せつける為!? 何の為に!?


絹旗「わ、私をその気にさせる為!?」ドキドキ・・・///


まさか彼が……いや、しかし彼も男。疚しい気持ちの一つや二つあってもおかしくはない。
先程、風呂場で払った筈の邪念が再び蘇える。


絹旗「…………、」ゴクッ・・・///


胸が苦しい。喉が渇く。
風呂上がりで、しかもキツめのタンクトップを着ている所為だろうか。そういえば……このタンクトップ薄くないか?
立ち上がり窓ガラスで今の恰好を確認してみる。


絹旗「……ガラスじゃ分かり辛いけど、もしかして」ポッ・・・///


突起が目立ってたりしないだろうか。不安だ……いや、もしやそれを狙って彼がこのタンクトップを渡したのかもしれない。
だとすると、やっぱり、今夜私は『階段』を昇るのか!?

先程から『もしかして』と『やっぱり』の繰り返し。自分が酷い妄想に陥ってるのも理解できず、私は無駄な悩みで混乱していた。

416 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 05:18:39.90 ID:VWpkMbpZ0
駄目だ……落ち着け、私。此処で落ち着かないで如何する。
これは私の超空回りなだけかもしれないし、例え彼が望んだ展開だとしても余裕の無い女だと思われたくは無い。
やはり一服するべきだ。香焼には悪いが冷蔵庫を開けさせてもらう。

買ってきたカップゼリーとコーラを……


絹旗「……あれ?」ピタッ・・・


コーラが見当たらない。野菜室を探したがそこにもない。
もしかして冷やさず仕舞いだったかと、買い物袋を見たが、調味料類しか入ってない。
仕方ないので麦茶でも頂こう、そう考えた時だった。


絹旗「ん? ジュースある……これ飲んで良いでしょうか」チラッ・・・


英語で色々書いてあるので良く分からないが炭酸飲料の様だ。英国から買ってきたやつかもしれない。
缶のデザインがコーラに似ているから味も似ているだろう。何本もあるし、一本くらい貰っても大丈夫だと思う。


絹旗「ゼリーは……ありますね。よし、コレ食べながら落ち着きましょう」


ソファに戻り、今後の対策(?)を考える。


絹旗「うん……私から動いちゃダメですね。香焼がアクション起こすまでは待機です」プシュッ・・・

もあい「にゃ?」プシュ?

絹旗「私の超妄想暴走である可能性だってあります。勘違いだったら私、超痛い子です……っ?! 炭酸超強っ!」ゴクゴクゴク・・・クゥー!

もあい「……みー」ダラダラ・・・

絹旗「うー……私は……お尻振って男を誘うような淫売じゃないんです……ふぅ……これ、意外と美味しいですね」ゴクゴク・・・プハー!

もあい「なぅ……、」ジー・・・

絹旗「第一、根底から……超おかしいんですよね……何で私がこんな悩み、持たなきゃならないんですかァ」ゴクゴク・・・

もあい「…………、」タラー・・・

絹旗「考えてみればそこにエロ本があったってだけの話でしょう。それ自体に彼のメッセージが詰まってる訳ァ無いンですよ」ゴクゴク・・・

もあい「…………、」トコトコ・・・

絹旗「あァー……もあいィ、コッチ来なさい。ちょっと話合いましょうよォ……あ、ジュース無くなっちゃった」ゴクゴク・・・カラン・・・ガシッ!

もあい「にゃっ!?」シャー!


炭酸はキツいが、とても美味しい。もう一本くらい貰っても大丈夫だろう。


絹旗「頂きますよォっと……ぷはァ! うー……それに何で香焼と情交如何こうの考えに陥ってるンですか? 意味分かりませン」ゴクゴク・・・

もあい「にゃぅ!」ジタバタ!

絹旗「私もガキですけどォ香焼だって超ォガキンちょじゃないですか。4,5年早いですよねェ」ゴクゴク・・・ヒック・・・


周りは如何だか知らない。だが私は自身の貞操を軽んじた事は一度も無い。
周りは周り。自分は自分だ。私はそんなに安い女じゃない。


417 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 05:55:33.71 ID:VWpkMbpZ0
だがしかし、最悪を懸念した事もある。
もし麦野の命令で男を誘惑して来いと言われた場合、自分は断れないだろう。
嫌々でも股を開いて、好きでも無い男に愛撫され、犯されるかもしれない。


絹旗「そンな事、言わないとは信じてますけど……言われたら断れませンよ」ゴクゴク・・・ムゥ・・・


かといって、好きな人などいない……多分、いない。


絹旗「…………、」ジー・・・


恋人など作れない。作っちゃいけない。自分は汚れモノなのだ。相手が可哀想だ。


もあい「……にゃん」ペロペロ・・・

絹旗「もあい……そうですね。暗い話は止めましょう」ナデナデ・・・ゴクゴク・・・


仕事の話はストップ。今の私は『殺人の道具(アイテムの窒素装甲)』ではなく、絹旗最愛個人なのだ。


絹旗「香焼……まだでしょうか」ゴクゴク・・・

もあい「……みゃぅ」ペシペシッ

絹旗「まァ香焼も疲れてるンでしょうね。私の事、エスコートして……でも無理矢理連れ回される私の立場も考えろォってンです」ゴクゴク・・・


引き籠りだって、生活出来る。同い年たる彼に社交性云々を説教されたくない。
それだけじゃなく、サンチョクに行った時も、セブンスミストの屋上で厄介なヤツらに会った時も、
ゲームセンターで恥掻いた時も、バッティングセンターで無理した時も、夕飯の買い出しの時も……


絹旗「いつだって……自分勝手なンですよ。私より超弱い無能力者(レベル0)のくせに」ゴクゴク・・・ムスー・・・


私の気持ちに関係なく、自分勝手にズカズカと踏み込んでくる。まさに超猛毒だ。
知らぬ間に缶が空になっていたので、最早お構い無しにもう一本開ける。


絹旗「良いですかァ、もあい……世の中、正しくは弱者が強者に従わなくちゃいけないンですよ?」ゴクゴク・・・

もあい「……にゃぅ」キョトン・・・

絹旗「だからァ……本来、香焼は私の言う事を聞かなきゃいけないンですってば!」ゴクゴク・・・ムンッ!

もあい「にゃん」ジー・・・

絹旗「それなのに、いつもいつもいつもいつも……兄貴面してさァ……アンタは浜面じゃないンですよっての」ゴクゴク・・・


まぁ浜面も兄貴という訳ではないが、少しばかり花を立ててやろう。


絹旗「こンなエロ本隠し待ってる様な子供がァ! 私に対して……私に、向かって」ゴクゴク・・・ピタッ・・・


『もう知らない』、『さよなら』、『自分はもう押し掛けないから』。


絹旗「っ」グッ・・・グスッ・・・

もあい「みー」フシフシ・・・

絹旗「ン……ええ、大丈夫です。駄目ですね。何でもマイナスに考えちゃいます」フルフル・・・ゴクゴク・・・


だが、こうも言った。『おいで』、『一緒に行こう』、『離れないから』。
彼は……とてもとても優し過ぎる。だから私にとって超残酷なのだ。

418 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/10(土) 06:37:03.79 ID:VWpkMbpZ0
色々考えた所為か、頭が疲れてきた。
おまけに何だか暑苦しい。そろそろ寝巻きに着替えよう。


絹旗「……大きいです」ブカブカー・・・


ハーパンが大きくて恰好悪い。贅沢言える立場じゃないが、これならTシャツを羽織るだけでも良かろう。
元々大きめのTシャツ故、ワンピ代わりになる。ボクサーパンツの太腿部分が少々はみ出るが、その程度如何でも良い気分だった。


絹旗「えへへ……ちょっと短いけど、ちょっと大人っぽいでしょう? 魅惑的?」フフッ

もあい「みゃ?」ジー・・・

絹旗「……うん。今日は、彼に委ねたンでしたね」スッ・・・ゴクゴク・・・


再び缶が空になる。


絹旗「もう一本だけ」ガチャッ・・・


まだ大量にある。もし飲んではいけなかったモノであれば後で弁償すれば問題無かろう。


絹旗「ンー……やっぱ暑いですねェ。流石にコレ脱ぐ訳にはいきませンけど」ゴクゴク・・・

もあい「にゃー」ペシペシッ

絹旗「はいはい。寝る前にはトイレ行きますから心配しないでください」ゴクゴク・・・

もあい「……にゃう」ジー・・・

絹旗「ふゥ……香焼遅いですねェ……はっ!? やっぱり、私と同じ事考えて……むゥ」カアアァ///


お風呂で、その……一人エッチしてたら如何しよう。


絹旗「だ……駄目駄目っ! そンな事考えちゃいけないンです!」ゴクゴクゴクゴク・・・カンッ!


ジュースを一気飲みして、布団にダイブする。兎に角この家に居る内はエッチな考えを持つのは止めよう。
先の本はエプロンと一緒にソファの裏にでも隠してしまえ。そうすれば忘れられる。


絹旗「うン、これでOK……あー、何だかクラクラしますね。やっぱ色ンな事考え過ぎましたか」ケップ・・・


たかが男の子一人の事で能力演算より遥かに頭を使っている。なんて馬鹿馬鹿しい。
余談だが、先程から勝手に装甲が出てきている気がする。気のせいだろうか。

一寸後風呂場の方から音がした。香焼が上がったのだろう……ふとゲコ太着ぐるみに目が行った。


絹旗「…………馬鹿香焼」ギュウウゥ・・・


力いっぱい抱きしめる。


絹旗「でも、やっぱり……や……うゥン……うン……よしっ!」グッ・・・


何だか心の箍(たが)が外れた気分だった。もうこのまま彼を困らせてしまおう。彼と腹を割って話そう。そう決めた。
結果、嫌われても良い。面倒臭がられても良い。ウザがられても良い。
私にとって何か特別な彼だからこそ、面と向かって言うべき事を言い、聞くべき事を聞きたい。

そう決意し、自分と香焼の分のジュースを2本を取り出して、風呂から上がってくる彼を待った……―――


429 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 18:45:23.68 ID:aIXMpa2I0
 ―――PM11:00、居酒屋『ブラックウィドゥ』・・・・・



麦野「―――……私だってよぅ……普通の女なのよ。まだ歳にして高校生なのよ? なのに皆してババァ扱いするし……、」ウルウル・・・

神裂「その気持ち! 分かりますよ! 私だってまだ18です! 何が結婚適齢期を過ぎた淑女ですか!!」プンスカッ!!

固法「ま、まぁまぁ。少しお水飲みましょう」タラー・・・

五和・固法「「え……遠慮しときます」」タラー・・・

麦野「美偉! アンタは勝ち組だから良いわよ!! どうせあと2,3年もしたらママになってるんでしょ!」ムキー!

固法「な、なってないわよ!」カアアァ///

浦上「へぇ~……でも、某第3位さんの末妹さんから『ミィは私(ミサカ)のママなの!』と呼ばれてるそうですヨ」ニヤニヤ・・・

固法「う、浦上ちゃん!」ンモー///

結標「一方通行(アイツ)のガキんちょかぁ……既にママとか『奥様は女子高生』ってヤツね。世も末だわー」ハハハ

神裂・五和「「奥様……良いなぁ」」ウフフ・・・

麦野「火織は私より先に結婚したら打っ殺すわよ」ガシッ!!

神裂「な、何で!?」ハァ!?

麦野「イーーーーヤーーーーなーーーーのーーーーっ!! 最後まで独りはイヤぁ!! あ、結標も同じよ?」ギロリ・・・

結標「ハァ!? 意味分かんないわ。何でアンタと不幸を共有しなきゃいけないのよ。勘弁して」ジトー・・・

麦野「がああああぁ!! 火織と結標が恋人作ったら私グレてやるっ!!」ウワアアアァン!!

固法「もう十分グレてるじゃない」ハァ・・・

結標「その歳でグレるとか」ヤレヤレ・・・

麦野「くっ……お前と年齢大して変わらないわよ!! 畜生! 童顔だからって調子乗んなよ、結標!!」グワシッ!!

結標「ちょ!? 何処触ってんのよ!!」カアアァ///

麦野「胸は私達の中で最下位でしょ! 矯正してやるわっ!!」モニュモニュ!

結標「いやああああああぁ!! 止めれえええええぇ!! 五和ぁ! 助けてよおおおおぉ!!」ジタバタ!!

五和「あー……飛び火が怖いのでパスします」タラー・・・

結標「薄情者!! グレてやる!」ウワアアァン!!

固法「結標さんも大概不良少女でしょ」タラー・・・


浦上「アハハ。楽しいですネー」クスクスッ

神裂「ええ……ところで、アチラは大丈夫でしょうか?」フム・・・

浦上「香焼と最愛ちゃん? まぁ責任の取り方くらい知ってるでしょう。男の子ですから」フフフ・・・

神裂「それ、大丈夫じゃないです……、」タラー・・・


麦野「うわああああぁん! 絹旗に先越されるよおおおおぉう!!」ビエエエエェンッ!!

結標「だあああぁ!! 喧しい!! てか何!? 香焼くんピンチなの!?」エ!?

固法「まったく……結標さんの本命は香焼くんなのか『彼』なのか、謎ね」フフフ・・・

結標「ヴぁっ?! な、何で一方通行(アイツ)が出てくんのよ!?」カアアァ///

固法「あら。誰も一方通行くんだなんて言ってないわよ」ニヤリ・・・

結標「なぁ~~~~~~~~ッッ!!」カアアァ///

麦野「結標にも先越されちゃうよおおおおぉ!! 不幸だああああぁ!!」ワーン!!

結標「だ、ちょ、違うっつってんでしょ!!」ウガアアァ///


店員・他の客(アイツら五月蠅ぇ)ハァ・・・
430 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 19:09:19.49 ID:aIXMpa2I0
※訂正: 固法「ま、まぁまぁ。少しお水飲みましょう」タラー・・・  ⇒  結標「面倒臭ぃ……五和、牛乳(固法)、席変わりなさい」ハァ・・・


 ―――PM11:00、ファミレス『Joseph's』・・・・・


フレンダ「―――はい、あーん♪」スッ・・・

フレメア「にゃー」パクッ!


浜面「……はぁ」トントン・・・

滝壺「心配?」モグモグ・・・

浜面「まぁ……そうかもな」トントン・・・

滝壺「煙草喫っても良いよ」モグモグ・・・

浜面「大丈夫だ。我慢できる」フゥ・・・

滝壺「その気持ちは……パパとして? それともお兄ちゃんとして?」ジー・・・

浜面「何だそりゃ……強いていうなら仲間としてじゃないかな」ゴクゴク・・・

滝壺「そう。私はお姉ちゃんとして、かな」モグモグ・・・

浜面「そうか……器の違いかな。俺は如何も落ち着けねぇ。オマエは凄いよ」

滝壺「ううん。はまづらの心配は正当だよ。ただ……、」ピタッ・・・

浜面「ただ?」

滝壺「普通の道徳倫理を教わって来なかったきぬはたを、私じゃ変えられない。むぎのでもフレンダでも、貴方は……どうかな?」ジー・・・

浜面「…………、」フム・・・

滝壺「でも、もし……私と『同じ気持ち』を持てたら、きぬはたも変われるかなって……期待してるの」フフッ

浜面「……お、おぅ」ポリポリ・・・///

滝壺「洒落になっちゃうけど、自分の『最愛』を見つけて欲しい。『Better(私達:アイテム)』じゃない『Best(最愛)』をね」コクッ

浜面「……大人だな、滝壺」クスッ

滝壺「子供だよー。ただのメルヘンチックとか浪漫チストなだけ……普通の方法じゃ助けてあげられないからね。縋っちゃうの」モグモグ・・・

浜面「いや、現実性のある『望み』だと思う。凄いよ、オマエの考え」ゴクゴクッ・・・

滝壺「ありがと、はまづら」フフッ


フレメア「お姉ちゃん、いちゃいちゃー」ジー・・・

フレンダ「こら! 見ちゃいけません!」メッ!

431 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 19:21:58.85 ID:aIXMpa2I0
 ―――とある翌日、PM11:15、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・


三十分もかけずに風呂から上がる。
もしかしたら最愛は疲れて先に寝てるかもしれない。ちゃんと布団を敷いていれば良いのだが。
髪を乾かし、寝巻きの甚平を着て、リビングに戻ってムサシノ牛乳を飲んで……と、何やら嫌な予感。

妙に臭うというか、空気が薄いというか。


香焼「……最愛?」ガチャッ・・・


居間のドアを開けると、そこに……真っ赤な最愛がいた。
寝巻きは着ず、ソファにグッタリと横になり、もあいを抱えている。


香焼「さ、最愛!?」ギョッ・・・

絹旗「…………、」ボー・・・

香焼「ど、どうしたの!? やっぱり具合悪いの?」テクテク・・・

絹旗「……あィ?」チラッ・・・


何故か目が座ってる。


香焼「大丈夫、なの?」タラー・・・

絹旗「……はィ?」ノソッ・・・

香焼「あ、無理しなくていいから!」バッ・・・

絹旗「超、余裕ですゥ……うゥ」グデェ・・・

もあい「にゃうっ!」ジタバタ!


暴れるもあいをガッチリ掴んだまま、ソファを転がる最愛。
何かおかしい……そう思って辺りを見回し、気が付いた。

テーブルの上に散乱しているカクテルの缶を。


香焼「さ、最愛! これ、飲んだの!?」ギョッ・・・

絹旗「えェ……うゥ……コーラよりも炭酸キツかったですけど、超美味しかったですよォ」フフフ・・・

香焼「…………、」タラー・・・


姉さん達が海外から買ってきた『キューバ・リバー(ラム酒のコーラ割)』の空き缶が4つ。空いてないのが2つ。


香焼「ば、馬鹿最愛」ハァ・・・

絹旗「むっ! 馬鹿って言う方が超々々~~馬鹿なンですよォ!」フラフラ・・・

もあい「みゃっ!?」イヤイヤ!


無理に立ち上がろうとして、転びそうになる酔っ払い少女。自動防御能力者とはいえ、演算が狂って怪我をしかねん。
もしそうなって滝壺さんに折檻されそうになったらと……責任は姉さん達に取らせるとしよう。

432 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 20:42:03.17 ID:aIXMpa2I0
さておき、無理矢理でも寝かせないと拙い。
その前に服を着せなきゃ……正直、目のやり場に困る。


香焼「最愛、えっと……まず服着てよ」ポリポリ・・・///

絹旗「ンー……超暑いンでイヤです」グデェ・・・

香焼「ハァ。それ飲んだからでしょ」ムゥ・・・///

絹旗「ふェ? 美味しいですよ? あ、そうだ。香焼の分も用意しといたンですよ。ほら!」グッ!

香焼「……飲まないよ」タラー・・・

絹旗「何でですかァ! 私が準備しといてあげたンですよっ!」ムンッ!!


その気持ちは有難いが、ミイラ取りがミイラになる訳にはいかないのだ。
軽めのワインやチュウハイなら耐性があるが、カオリ姉さんや五和が飲むクラスのお酒で酔わない自信はない。

余談だが後日、滝壺さん達に聞いた話によると最愛にお酒を飲ませてはいけないらしい。すぐ酔うし能力演算がおかしくなるとか。


香焼「お願いだから良い子にしてよ」ハァ・・・

絹旗「む……子供扱いしないで下さい! 私はレディなンですよ!」ジトー・・・

香焼「はいはい。とりあえず布団敷いて上げるから最愛は寝巻き着といてね」ッタク・・・

絹旗「…………、」ジトー・・・

もあい「んなぅ」オドオド・・・


テーブルを退かし、そそくさと空き缶をビニール袋に詰め、開けてない缶を冷蔵庫に―――


絹旗「待って下さい」ガシッ!

香焼「は?」ピタッ・・・


―――しまおうとした瞬間、両手を掴まれた。
やれやれと呆れ半分申し訳無さ半分で、振り切ろうとしたがピクリともしない。凄い力だ。


絹旗「香焼……飲ンで下さいよ。折角準備したンです。美味しいですから」ジー・・・

香焼「あ、え、その……の、飲んだ事あるよ。でも自分の口には合わなかったから」アタフタ・・・///

絹旗「こらァ。何処見てンですか? 目ェ見て話して下さい」ジトー・・・

香焼「あ、ぅ」オドオド・・・///


見れません向けません。正面向いたら最愛さんの際どい肢体が見えちゃいます。

433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 20:45:18.55 ID:jrXudDHDO
キタアアアァ! 全裸待機っ!
434 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 21:00:34.28 ID:aIXMpa2I0
力任せにグイッとソファに押し付けられる。
男の力とか魔力とかで如何こう出来る問題じゃない。まさに重機に押されている様だ。

しかしこのままではいけない。目を逸らしながら最愛の説得を続ける。


香焼「さ、最愛。君は間違ってお酒を飲んじゃったんだよ。だから」

絹旗「目ェ見て話さない人の話は聞きませン」フンッ・・・

香焼「っ……え、と……兎に角、酔ってるんだってば。お酒臭いよ」タラー・・・///

絹旗「むゥ。レディに対して臭いとは、超失礼なヤツですね」ジトー・・・

香焼「ち、違う……ああもう!」ムゥ・・・///


駄目だ。思考が正常じゃない。


絹旗「飲ンで下さいよ。準備してあげたンです」グッ・・・

香焼「…………、」タラー・・・

絹旗「飲まねェと潰しますよ。押し花みたいにペチャンコにしちゃいます」ギロッ・・・


アニェーゼみたいな口調になってますよ。勘弁して下さい。


香焼「っ……い、一本だけだよ」タラー・・・

絹旗「ふふっ。ええ。もう一本は私のですから」ニコニコッ

香焼「ま、まだ飲む気!?」ジトー・・・

絹旗「ラス1ですよ。ラス1」フフフ・・・


仕方ない。一本付き合えば言う事を聞いてくれるだろう。
アルコール度数13°のキューバ・リバーカクテルを受け取り、タブを開ける。


絹旗「ンふふ。それじゃァ、かンぱ~い!」カンッ!

香焼「はいはい乾杯……っ」クゥ・・・

絹旗「ンっ……ぷはァ! 超ォ美味しィですねっ!」フフフ・・・

香焼「うぅー……自分、炭酸苦手なんだよ」ハァ・・・

絹旗「ハハハ。まったく、香焼はお子ちゃまですねェ」ニヤニヤ・・・

香焼「悪かったね。子供っすよ」ッタク・・・


アルコール強いは炭酸キツいはで、まさに低身長者の敵ともいえる飲料だ。もう絶対飲みたくない。

435 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 21:05:48.01 ID:aIXMpa2I0
さて、では言う事を聞いてもらおう。まずは―――


①服着て下さい。

②服は良いからすぐに寝なさい。

③水飲んでトイレ行って、顔洗ってきなさい。




   >>438
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/09/11(日) 21:06:55.25 ID:8/eEu7kI0
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/09/11(日) 21:07:17.29 ID:wxDVSNrko
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/09/11(日) 21:10:07.41 ID:uHgkgzkAO
439 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 21:26:14.17 ID:aIXMpa2I0
―――もはや、服とか何とか言ってられる状態じゃないな。


香焼「最愛」ポンッ・・・

絹旗「ひゃい?」トローン・・・

香焼「ひゃいって……もう寝よう。布団敷いてあげるから」

絹旗「っ! ま……まだ眠くないです」アタフタ・・・///


急に目を見開く最愛。だが無茶してるのが丸分かりだ。
自分が立ち上がり、予め出しておいた布団をテーブルのあった場所に敷こうとした瞬間、再び掴まれた。

空気読めない事言いますが、すいません。マジで痛いです。


香焼「最愛、放して。もう眠いんでしょ?」

絹旗「…………、」フルフル・・・

香焼「もぅ……じゃあ何? どうしたら寝るの?」

絹旗「……まだ寝ませン」ムゥ・・・


会話のイタチごっこ。キリが無い。


香焼「じゃあ自分は先に寝るよ。良いの?」

絹旗「だ、駄目です」ジー・・・

香焼「じゃあ一緒に寝ようよ。疲れたでしょ」ハァ・・・

絹旗「っ!?」ドキッ・・・カアアァ///

香焼「あ……いや、その、そういう意味じゃなく」タラー・・・///

絹旗「……良いですよ」ボソッ・・・

香焼「え」ピタッ・・・

もあい「にゃ?」ピタッ・・・


何だって?


絹旗「一緒に……寝ますか?」ジー・・・

香焼「なっ!? だ、駄目に決まってるだろ!」カアアァ///


意味の分からない事を言わないで下さい。対応に困ります。


絹旗「意味、分かるでしょう?」トローン・・・///

香焼「っ……さ、最愛。酔ってて自分でも言ってる事分かって無いでしょ」ポリポリ・・・///

絹旗「……超朴念仁」ボソッ・・・

香焼「は?」

絹旗「……何でもありませン!」フンッ!


何か癪に触ったらしく、僕の手を離しソファの上に体育座りをする最愛。
お願いです。本っっっ当に目のやり場に困るので、そういう姿勢取らないで下さい。

440 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 21:47:24.27 ID:aIXMpa2I0
途方に暮れ、もう勝手にしろとブン投げようかと思ったが、今回は此方の不手際から生じた問題。
姉達が酒を冷蔵庫に入れて無ければ最愛はこんな状態にならなかった。見捨てる訳にもいくまい。


香焼「最愛。一体何したいの? もしかしてゲームとかテレビみたいとか?」ハァ・・・

絹旗「何回も言いますけどォ……こっち見て話してくださいって」ジトー・・・

香焼「む、無理だよ」ポリポリ・・・///

絹旗「ふふっ」ニヤニヤ・・・///


コイツ、わざとやってるな。レッサー並の小悪魔っぷりだ。
しかしまぁ酔うとアニェーゼみたいになったりレッサーみたいになったりと……お酒には気を付けよう。


香焼「と、兎に角布団敷くからね」イソイソ・・・

絹旗「あー。勝手な真似してェ」ジトー・・・

香焼「勝手も何も自分の家っす」ハァ・・・

絹旗「……むゥ」グヌヌ・・・

もあい「みゃぅ」トコトコ・・・

香焼「こら、もあい。そこは最愛の布団だ」シッシッ!

絹旗「別に良いですよ。もあいも一緒に寝ますから」


その布団を洗濯する身にもなって下さい。
とりあえず、布団は敷いた。あとは酔っ払い我儘娘を寝かし付けるだけだ。


香焼「さぁ寝ろ!」ビシッ!

絹旗「イヤです!」フンッ!

香焼「無理矢理寝かすぞ!」

絹旗「出来るもンならやってください!」


あー……すいません。無理です。


絹旗「まったく、超弱いくせに粋がらないで下さい」ジー・・・

香焼「…………、」ムッ・・・

絹旗「ぁ……と、兎に角、香焼より先に寝ませンから」


それなら本当に先に寝てやろうか。もう構やしないよ。


441 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 21:52:32.82 ID:aIXMpa2I0
しかしあの恰好でソファに寝られて、翌朝風邪をひかれても困る。
最愛を布団で寝かせる為、こういう時は……―――



<安価>     >>445 


※R-18行為は禁止。セリフでも行為でもおk!


442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 21:57:19.13 ID:SwqOrtLx0
最愛をお姫様だっこをして布団に投げる。
香焼はモアイ像を抱いてソファーで寝る!
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/09/11(日) 22:10:00.21 ID:wxDVSNrko
ksk
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/09/11(日) 22:13:07.64 ID:uHgkgzkAO
加速
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/09/11(日) 22:13:48.47 ID:KJFzcH/AO
どうにか布団におびき寄せよう!
先に布団に入る。
布団の中で上半身脱いで布団外に置く
その後もぞもぞ継続
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 22:14:42.36 ID:jrXudDHDO
ゲコ太着ぐるみを抱きまくらにさせる!
447 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 22:30:08.49 ID:aIXMpa2I0
>>445・・・ちょwww



 *************



―――そうだ! 布団におびき寄せよう!


香焼「もあい。そこにいてね」ポンッ・・・

もあい「にゃ?」

香焼「最愛。もあいも寝るってよ」ポフポフ・・・

絹旗「私は後から入ります」ムンッ


何で意固地になってるのさ。それじゃあ。


香焼「……さ、最愛の布団潜っちゃうぞー。良いのかなー?」アハハ・・・

絹旗「…………、」ジー・・・

香焼「自分が寝ちゃうぞー。イヤだろー」ホレホレ・・・

絹旗「…………、」ジー・・・///


あのさぁ……ツッコみ入れて下さい。これじゃ僕がただの馬鹿だろう。
超変態とか超キモいとかでも良いんで、お願いします。


絹旗「は……入れば、良いンじゃないですか?」フンッ・・・///

香焼「なっ!?」ギョッ・・・

絹旗「……私、後から寝ますしィ」ドキドキ・・・///

香焼「……えっと」ポリポリ・・・

もあい「にゃー」ゴロゴロ・・・


どうしろと?


香焼「ほ、ホントに寝るよ? 言っとくけど自分の部屋は開けられないからね。ベットは使えないよ」ジー・・・

絹旗「シツコイです! だったらソファで寝ます!」フンッ///

香焼「……じゃあ服着て」ポリポリ・・・///

絹旗「超暑いンです! 何度も言ってるでしょ!」ジトー・・・

香焼「…………、」ハァ・・・


仕方ない。此処で狸寝入り決め込んどいて、最愛が寝たらこっちに移動させよう。


香焼「じゃあ……おやすみ」ファサッ・・・

絹旗「っ!! お、おやすみなさい」ゴクッ・・・///


電気は消さない。彼女が眠ったかどうか分かり辛くなる。兎に角……早く寝てくれよ、最愛。

448 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 23:15:23.36 ID:aIXMpa2I0
 ―――とある翌日、PM11:50、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・



時刻は深夜を回ろうとしていた。
最愛は自分が寝たフリをしてすぐに、ゲコ太着ぐるみを引き摺ってソファの上で抱え出した。
そして時たま此方の寝顔を伺う様に顔を上げ、また着ぐるみをホールドする。その繰り返し。

因みに、最愛がやたらと足を組み変えたりキツいタンクトップを気にしたりとする姿を見てると『色々』危なかった。

そろそろ自分も眠くなってきたのだが、最愛の方は一向に寝る気配が無い。因みにもあいは寝てしまった。
もしや見たい深夜番組でもあるのか? そんな事を推測した一寸後……最愛が立ち上がった。


香焼(もしかしてホントにテレビか? トイレかも)ボー・・・

もあい「くぅ……すぅ」ムニャムニャ・・・


あれだけ大量に飲んだのだ。尿意を催してもおかしくはない。
だが、最愛はトイレには向かわず……部屋の空調・照明リモコンに手を伸ばした。
まさか暑いからって温度を下げるのか? 本当に風邪をひいてしまうぞ。


絹旗「…………、」チラッ・・・

香焼(ん? こっち見てる)モゾモゾ・・・

絹旗「……ン」ポチッ・・・

香焼(んなっ?!)ギョッ・・・


刹那、照明が尾灯まで落ちた。という事は、ついに寝るのか。
一寸の安堵。だがそれも須萸の間。

最愛が……此方に向かってきた!?


香焼(ちょ、酔って……いや寝ボケてる!?)アタフタ・・・

絹旗「…………、」スッ・・・

香焼(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいっ!!)ドキドキ・・・///


そして布団に……入らない。
猫の様に四足でゆっくりと僕の上を歩いてくる。そして顔を近づけ、止まった。


絹旗「…………、」ピタッ・・・ジー・・・

香焼「…………、」ドキドキ・・・

絹旗「香焼……起きてるンでしょ」ボソッ・・・

香焼「っ!!」ドキッ!


バレてーら。


絹旗「ふふっ。気配駄々漏れです。まだまだですねェ」クスクス・・・


仰る通りでございます……って、違う! そうじゃない! 分かってるなら退けろ!

449 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 23:30:54.56 ID:aIXMpa2I0
もう耐えられず、最愛に言葉をかけようとした時、アチラが先に口を開いた。


絹旗「何で狸寝入りなンてするんでしょうかねェ」スッ・・・

香焼「っ!! さ、最愛!?」ドキッ・・・///


身体を降ろす最愛。布団越しにでも、彼女の柔らかい肌を感じる。


絹旗「……こうしたいンじゃないンですか?」スリスリ・・・///

香焼「ば、馬鹿言うな! 度が過ぎるよ!」カアアァ///

絹旗「まったく、超チキンですね」ジー・・・


チキンでもヘタレでも結構。早く退けてくれ。


絹旗「嫌です……意地でも退けませン」グイッ・・・

香焼「さ、最愛。今君は寝ボケて、更に酔ってるからこんな事を」アタフタ・・・

絹旗「寝ボケてないです。酔ってもいません」ジー・・・

香焼「犯人はいつだって自白したりなんかしないっすよ」ドキドキ・・・

絹旗「意味分かりませン……でももうそれで良いや」グッ・・・


モゾモゾと布団越しに抱き着いてくる……本当に……ヤバい!


香焼「最、愛……ホントに……駄目。退けて」カアアァ///

絹旗「ェ……っ!!」ドキッ・・・///


熱膨張、とだけいっておく。


絹旗「っ……えっち」ジトー・・・///

香焼「う、五月蠅い! 離れろ!」カアアァ///

絹旗「…………、」ギュウウゥ・・・///

香焼「ちょ、な、最愛! ほ、ホントに離れてよ!」カアアァ///

絹旗「ふふふふ……超女々しいです。どっちが男だか分かりませンね……香焼、超可愛いです」クスッ・・・///


マジで怒るぞ。


絹旗「もう怒ってるじゃないですか?」ジー・・・

香焼「分かってるなら退けろ」ギロッ・・・

絹旗「…………、」ジー・・・

もあい「……にゃぅ」モゾモゾ・・・


どれくらいの時間、その体勢で居たか分からないが……とりあえず僕の膨張が止まる事は無かった。

450 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/11(日) 23:59:28.83 ID:aIXMpa2I0
いい加減頭に来たので、蹴ってやろうかと考えた瞬間、彼女の手が動いた。
何を思ったか……僕の股間に。


香焼「っ!!」ギョッ・・・///

絹旗「ふーン……私に欲情したンですか。とンだ変態さン、ロリコンさンですねェ香焼」スリスリ・・・///

香焼「お、同い年だろ……って、止めろ!!」カアアァ///

絹旗「男子は興奮すると『こう』なるンでしょ?」スリスリ・・・キュッ・・・///

香焼「っ……止め、てよ……お願い」ウルウル・・・///

絹旗「ふ……ふふふふ……超可愛いです」クスッ・・・///


忘れてた。彼女は普段大人しいが、ドチラかといえば嗜虐寄りの人間だった。
同じ状況で淡希さんやレッサー(※)は如何にか出来たけど、彼女の場合『物理的』に如何する事も出来ない。
※前シリーズ第4話、及び、第③話参照。


絹旗「でも……女の子だって、緊張するンです」ピタッ・・・///

香焼「っっ!!」ドキドキドキッ///

絹旗「固くなってるの……分かりますか?」ギュウゥ・・・///


再度僕に抱きつく最愛。彼女の言うとおり……胸の先端が固くなっていた。


香焼「さ、いあい……駄目だよ。ホントに……だめ」グググ・・・///

絹旗「……我慢してるンですか」ジー・・・

香焼「当たり前だろ……こんなの絶対おかしいよ」フルフル・・・

絹旗「ふーン……でも、後でオカズにするンでしょ?」フフッ・・・///

香焼「ヴぁっ!? ど、どこのそんな言葉を!? む、麦野さんだな!!」グヌヌ・・・///

絹旗「誰だっていいでしょ……安心してください。まだ処女でいるつもりですから、香焼の想像してる事は残念ながらしませンよォ」クスッ・・・///

香焼「っ……し、してない」フルフル・・・///

絹旗「あれれェ? 私はどんな妄想かなンて言ってませンよォ。ねェ香焼ィ……どンな妄想してたンですかァ?」ニヤニヤ・・・///

香焼「い、言える訳ないだろ!」カアアァ///

絹旗「ふーン。ムッツリ香焼ィ」ギュウゥ・・・///


こん畜生! あとで麦野さんに文句つけてやるからな!


香焼「と、兎に角離れてよ! もう寝るんでしょ? 自分の部屋戻るから!」ダラダラ・・・///

絹旗「戻って……何するンですか?」ジー・・・

香焼「寝るの!」ンモー!!


決めた! 金輪際、絶対に最愛には酒飲ませない! あと家には泊めない!

451 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 00:23:51.34 ID:wr0Vr5DX0
最愛を寝せようと思っていたのに、事態は悪転。
このままでは色々危ない状況のまま朝を迎えてしまいかねない。
合気道で投げられる相手なら良かったのだが、『装甲』とやらのせいで手首が曲がらない。


絹旗「……さァて。どうしてくれましょう」ジー・・・

香焼「如何って……何もしないで大人しく寝てくれよ」ハァ・・・

絹旗「そうですねェ……あ、そうだ! ふふふ……香焼ィ、そこ動いたら殺しますからね」ニヤリ・・・


冗談ではなく本気で殺されかねない。
最愛は何を思ったかいきなり立ち上がり、フラフラと危なっかしい歩みでソファへ向かう。
そして上半身だけで背もたれを乗り越え、ヨイショヨイショと何かをしだした……この間に僕の『ポジション』だけでも直しておこう。

あと、その恰好超際どいです。お尻こっちに向けないで下さい。


絹旗「よいしょ……私のお尻見て妄想するのは自由ですけど、逃げたら殺しますからねー。変態香焼ィ」グイッ・・・

香焼「し、しないよ! あと変態じゃない!!」ムゥ・・・

絹旗「変態じゃない、ねェ……ンしょ……ふふふふ。これが動かぬ証拠です!」バンッ!

香焼「……は?」ポカーン・・・


ソファの裏から『何か』を取り出した最愛。暗くて良く見えないが……雑誌か?


絹旗「ほら!」フラフラ・・・グイッ!!

香焼「……え、エロ本?」タラー・・・

絹旗「ほらっ!!」パラパラ・・・バッ!!

香焼「わっ、ちょ! ページ開くな!」カアアァ///

絹旗「何をカマトトぶってンですか? これ、香焼のでしょう? もう既にオカズにしちゃってるンでしょう?」ニヤリ・・・

香焼「し、知らないよ! そんな本、見た事無い!」カアアァ///

絹旗「ンもゥ。しらばっくれちゃってェ」ホラホラ・・・グイッ!


本当に知らないのだ。というか、そういう類の本をリビングに置いておく訳が無かろう!
何でそんな本があるのか……あ。


香焼「ば、馬鹿一号二号かああああぁっ!! アイツら以外居ねええええええぇ!!」ガアアアアァ!!

絹旗「香焼、超五月蠅いです! 深夜ですよ! もう少し静かに罪を認めて下さいな」ニヤニヤ・・・

香焼「さ、最愛。それ、自分のじゃないっすよ……信じて貰えないかもしれないけど、五和と浦上が」アタフタ・・・

絹旗「ええ、信じませンよォ」フフフ・・・

香焼「…………、」ハァ・・・


困った。この状況如何しろってんだ。朝まで最愛のオモチャとしてからかわれるコースなのか?

452 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 00:45:05.03 ID:wr0Vr5DX0
ぶっちゃけお手上げ状態。もう好きにして下さい。
半ば開き直り、無言で天井を仰いだ。すると……最愛の反応が変わった。


絹旗「……認めましたか?」ジー・・・

香焼「認めるも何も、疲れたっす。如何でも良い」クタァ・・・

絹旗「…………、」ムゥ・・・


モゾモゾと上を這いあがり、今度は僕の胸の辺りに頭を置く最愛。
まるでもあいが遊び疲れた時の行動だ。


絹旗「……ごめンなさい」ギュッ・・・///

香焼「そう思うなら退けて欲しいな」ハァ・・・

絹旗「…………、」ムギュウゥ・・・


僕の胸に顔を埋める。退ける気は無いという事か。


絹旗「ねェ……変な事聞いて良いですか」チラッ・・・///

香焼「お断りだ」ボー・・・

絹旗「お姉さん達と……えっち、してるンですか?」モジモジ・・・///

香焼「んなっ?! にゃんですと!?」ギョッ・・・


お断りした結果が、この爆弾発言だよ。


香焼「す、する訳ないだろ!! 意味が分からない!!」カアアァ///

絹旗「……ホントに?」ジー・・・///

香焼「当たり前だよ。五和と浦上は論外だし、カオリ姉さんは……その……恐れ多いっす」タラー・・・

絹旗「…………、」ジトー・・・///


じゃあ君は浜面さんと情を交える事が出来るのか?


絹旗「で、出来る訳ないでしょう!!」カアアァ///

香焼「そういう事っすよ」ハァ・・・

絹旗「うゥ……でも……神裂さん達超綺麗ですし、それに……これ」パラッ・・・


先のエロ雑誌。どうやら漫画の様だ……シュチュエーションは、禁断の義姉弟愛。
こんなモノ、どこぞの変態義兄妹にあげてしまえ。


香焼「あのさぁ……雑誌に載ってるからってフィクションを現実の嗜好扱いしてたらの、ただの危ない人間っすよ」ハァ・・・

絹旗「……じゃァ、香焼はどンなのが好きなンですか?」ジー・・・///

香焼「言えるか変態最愛。さっきからおかしいよ?」ジトー・・・///

絹旗「わ、私は変態じゃありませン!!」カアアァ///

香焼「さっきの行動といい、どの口が言うか」フーン・・・

絹旗「ぐ、ぬぬゥ……五月蠅いですよ!」バンッ!!

香焼「い、ギぃッ!!」ゲホゲホッ!!

絹旗「あ、ご、ごめンなさい」アタフタ・・・


そんな顔するなら、さっさと能力切ってください。身が持ちません。

453 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 01:28:56.02 ID:wr0Vr5DX0
最愛の拳鎚(ハンマー)が鳩尾に入った御蔭で、余計グッタリと動けなくなってしまった。
まぁとりあえず怪我は無いので、落ち着いて下さい。救急車呼ぼうとするな。


絹旗「…………、」シュン・・・

香焼「はぁ……もう少ししたら此処立つから、そしたら寝なきゃダメだよ」ジー・・・

絹旗「…………、」シュン・・・

もあい「くぅ……、」zzz...


時刻はもう一時になる所。自分も最愛も眠くない訳が無い。


絹旗「……ねェ」ボソッ・・・

香焼「ん?」チラッ・・・

絹旗「私……迷惑ですか?」チラッ・・・

香焼「……そんな事、ないよ」ハハハ・・・

絹旗「……超、嘘です」ムゥ・・・


一転、ネガティブモードか。困ったものだ。


絹旗「今日だって……ホントは超無理してたでしょ?」ジー・・・

香焼「してないよ。楽しかったさ」

絹旗「……嘘です」

香焼「嘘じゃないよ……さて、そろそろ……っ」ピクッ・・・


存外、痛みが残ってる様だ。


絹旗「っ……、」モゾモゾ・・・

香焼「っ!? さ、最愛!?」ギョッ・・・

絹旗「動かないでください」スッ・・・

香焼「っ」ドキドキ・・・///


いきなり布団に潜ってくる最愛。更に、何を思ったか僕の甚平の上着の紐を解いた。
上は甚平一丁なのでそのまま素肌が見える形に。


絹旗「……ごめンなさい。やっぱり腫れてます」ピタッ・・・

香焼「っ……す、少し冷やせば平気だから」ドキドキ・・・///

絹旗「……ううゥ」ウルウル・・・

香焼「な、ほ、本当に大丈夫だから! 泣かないで!」アタフタ・・・


何かもう、どっちが怪我してるのかすら分からない。兎に角、早いとこ自分は退けよう。

454 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 01:47:17.98 ID:wr0Vr5DX0
……と、思った矢先。最愛がまたもやフラフラと立ち上がり冷蔵庫の方に向かった。
勿論、動いたら殺すという矛盾だらけの思いやりのお言葉を残して。

一寸後、冷凍庫から保冷剤を見つけて持ってきた。


絹旗「これ」スッ・・・

香焼「あ、うん。ありがと」コクッ・・・

絹旗「…………、」ペタン・・・

香焼「っ! そ、その……、」タラー・・・///

絹旗「え?」キョトン・・・


今更だが、最愛、自分の恰好考えてくれ。三角座りなんかされたら、また目のやり場に困る。


絹旗「……変態」ムゥ・・・///

香焼「どっちがだよ。いい加減服着なさい」ハァ・・・

絹旗「でも暑いンですよゥ」パタパタ・・・

香焼「…………、」プイッ・・・///


突起、見えそうです。自重して下さい。


絹旗「じゃ、じゃァ如何すれば良いンですか」ジトー・・・///

香焼「今自分が退けるから、服着て布団入ってエアコン付ければいいだろ」ハァ・・・

絹旗「だ、駄目ですよ。安静にしてなきゃ……そうだ!」ピンッ!


突飛押しも無い事を思い付いたらしく、また布団に潜り込む最愛。
すいません。正直なところ、そろそろムラっ気がピークなんですけど。


絹旗「こうすれば……2人とも超ヒンヤリです」ピタッ・・・///

香焼「っ……、」ドキドキ・・・///


僕が胸に当てていた保冷剤の上から、顔を乗せる最愛。お願いだから『下』は見ないでくれよ。


絹旗「大丈夫です。興味……無くは無いですけど、舐めたりしないンで」フフッ///

香焼「……アホ」ハァ・・・///

絹旗「アホ言う方が超アホなンですよォ」グリグリ・・・

香焼「ほっへはおふふぁ。(頬っぺた押すな)」ムググ・・・


結局、同衾する形となってしまった。
無論、僕も最愛も情を交える様なつもりは無いのでその点は安心だが……だけどやっぱりアウトだろう。


455 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 02:04:35.59 ID:wr0Vr5DX0
 ―――とある翌々日、AM02:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・


眠れない。

ドキドキして眠れない。

お酒を飲んでしまった所為か、少々暑苦しい所為か。

もしくは……隣の彼女の所為か。


絹旗「何詩人気取ってるんですか? 相変わらず難しい事ばっか考えてますね」ジトー・・・

香焼「心読まないでよ……って、あれ? 酔い覚めたの?」チラッ・・・

絹旗「え、はい……って、何で分かるんですか?」キョトン・・・


『ん』が『ン』じゃないから。


絹旗「香焼も大概超メタですね」タラー・・・

香焼「お相子だよ……それより、もう部屋行って良いでしょ? 流石に眠いよ」ファアァ・・・

絹旗「あー……もうちょっとだけ、お願いします」キュッ・・・

香焼「……うん」ドキッ・・・///


猫が甘える様に、僕の腕を軽く抓む。


絹旗「今日は……、」ボソッ・・・

香焼「え?」チラッ・・・

絹旗「……ありがとうございます」ムギュッ・・・///

香焼「あ、うん」ポリポリ・・・///


楽しかったかい?


絹旗「本音を言えば……あんまり楽しくなかったです」アハハ・・・

香焼「そっか。まぁ自分が無理矢理連れ回しただけかもしれないからね」ペコッ・・・

絹旗「ううん。考え有ってそうしたんでしょう? 良い経験にはなりました」コクッ・・・


そう言って貰えると、頑張った甲斐がある。

456 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 02:33:43.02 ID:wr0Vr5DX0
でもね、と彼女は続ける。


絹旗「静かな方が良いんです。ワイワイガヤガヤも楽しいのかもしれませんけど……静かに、こうしてたりする方が私は好きです」ポンッ・・・///

香焼「え……、」ドキッ・・・///

絹旗「お、お昼寝とか猫達と遊んだりって事ですよ! 大勢よりは静かな方が良いってだけで」アタフタ・・・///

香焼「あ、うん、そうだよね」アハハ・・・///

絹旗「はい。えっと……まぁ、うん」アハハ・・・///


何だか気拙い。


絹旗「と、兎に角……香焼が心配する程、私は弱くありませんよ。人混みだって、歩くだけなら可能ですし」

香焼「うん……でも教室での自己紹介とかは出来なそうだよね」クスッ・・・

絹旗「うっ……い、良いんですよ! 学校行ってませんから」フンッ・・・


だがしかし、何れは普通の学校に戻るかもしれない。その時は如何する? 自分はいないかもしれないぞ。


絹旗「…………、」キュッ・・・

香焼「最愛……頑張ろう。自分だけじゃない。滝壺さん達も、佐天さん達も、皆手伝ってくれるよ」ポンッ・・・

絹旗「っ……お願いします」ドキドキ・・・///


悄らしくなる最愛。漸く眠くなったか。


絹旗「香焼……意地悪な事言って良いですか?」キュッ・・・

香焼「何?」


絹旗「私がもし……もしも……―――地獄に行くって言ったら、一緒に来てくれますか?」


香焼「っ」

絹旗「―――……えへへ。すいません。馬鹿な事聞いちゃいましたね」ペタン・・・


些か突然過ぎる。何の暗喩だ。


絹旗「冗談です。忘れて貰って結構ですから」クタァ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

絹旗「そんな目で見ないで下さい……もう寝ましょう」ギュウゥ・・・///

香焼「シリアスな所悪いが……何故ホールドする?」ジトー・・・

絹旗「何故って、香焼は私が守ってやるんですから離しちゃいけないんですよー。香焼お姫様。私ナイトです」フフフ・・・///


逆だろ。勘弁してくれ。


絹旗「あー……また酔いが回ってきたかもしれません……眠気かなぁ」フニャフニャ・・・

香焼「眠いんでしょ。僕も眠いから離してってば」ハァ・・・

絹旗「おー。今『僕』って言いましたねぇ? ふふふふ……超可愛いですよ。普段からそう喋れば良いのに」トローン・・・

香焼「くっ……そう思われたくないから人称変えてるの」ハァ・・・

もあい「すぅ……にゃぅ」ムニャムニャ・・・


少しはグッスリ眠るもあいを見習って下さい。
457 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 02:54:52.22 ID:wr0Vr5DX0
だがしかし、離れない。もしかして右手の握力、能力で自動強化してるのか?


絹旗「細かい事は良いんですよ……ふぁあああぁ」トローン・・・

香焼「ったく。子供だな」フフッ・・・

絹旗「私の方が、超強いから……大人ですよー……ん……、」グシグシ・・・

香焼「……もう寝なよ」トン・・・トン・・・トン・・・

絹旗「……何処にも、いかないで」ボソッ・・・


…………。


香焼「……此処に居るよ」ポンッ・・・

絹旗「私の……味方ですよね……、」ムニャムニャ・・・

香焼「うん。安心して」トン・・・

絹旗「……砂皿とか……ゴージャスパレスの所行ったら、許しませんよ」ゴロン・・・


あの二人が何者だか分からないが、行かないよ。


絹旗「殺し屋です……、」ムニャムニャ・・・

香焼「っ……そう」トン・・・トン・・・

絹旗「狙撃屋と爆弾魔……同業……ん……、」グシグシ・・・

香焼「…………、」スッ・・・

絹旗「理事校生とか、十字教徒とか……手品師(マジシャン)とか……こうやぎが……何者かは、知りません……でも……ん……、」ボー・・・

香焼「……おやすみ」ポンッ・・・

絹旗「こっちには……こない、で………………すぅ……くぅ」スヤスヤ・・・


『こっちにはこないで』か。『地獄に行くけど、付いてくる?』とか誘ったくせに……本音はドッチやら。


香焼「殺人……同業……か」ハァ・・・


姉さん達が土御門を通して調べ済みだったようだが……本人の口から聞かされたくは無かったな。
きっと僕は彼女を止める事は出来ないだろう。だが、救う事は出来る筈。


香焼「救われぬモノに、救いの手を」ナデナデ・・・

絹旗「ん……、」クゥ・・・スゥ・・・


僕の事を甘ちゃんと呼ぶならそれでもいい。
だが、僕は僕のやり方で友達を助ける。手を汚さない偽善者がと言われようが、理想に殉じる覚悟で、皆を助ける。

それが姉さんの……女教皇様の教えなのだから。


458 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 03:17:17.08 ID:wr0Vr5DX0
一寸後……最愛が完璧に寝た様なので、布団から出ようとした。
が、やはり自動でグリップが働く様になっているのか出る事は出来なかった。


香焼「一応、男なんだけどなぁ」ハァ・・・///


色々シンドイ。
さて、何度も寝返りを打つ彼女からもあいを守りつつ、なるべく首から下を見ない様にする。
かといって顔ばかり見てるのも何処か恥ずかしい。まったく、度し難いな。


香焼「……そういえば、魔術で眠らせれば良かったんじゃ」ア・・・


抜かった。こんなに手間取ったのが馬鹿みたいだ。
やれやれと反省しながら、最愛が捌けた毛布を掛け直してやった……その時。


絹旗「……ん」パチッ・・・

香焼「あ、起きちゃった」タラー・・・

絹旗「…………、」ボー・・・

香焼「如何したの? まだ暑いの?」ジー・・・

絹旗「…………、」フルフル・・・

香焼「……最愛?」キョトン・・・


ボケーっとした表情で、トンデモ無い事を呟いた。


絹旗「おしっこ」ムニャムニャ・・・


……What’s!?


絹旗「おしっこ……したいです」ボー・・・

香焼「い、行っといでよ」アタフタ・・・

絹旗「ん……わっ」フラフラ・・・グラッ・・・

香焼「ちょ! もぅ……トイレの前まで連れてくから、しっかり掴まって」ハァ・・・


トイレ介護……いや、養護か。


絹旗「ん……おんぶ」グデェ・・・

香焼「なっ!?」ドキッ・・・

絹旗「背負ってくださいょ」ムニャムニャ・・・


今背負ったら背中越し布二枚で貴女の胸が!


絹旗「漏れちゃいます」ボー・・・


こん畜生! 消えろ! 僕の煩悩!!


459 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 03:40:24.48 ID:wr0Vr5DX0
最愛を担ぎ、急いでトイレまで運ぶ。


香焼「ほら、電気は自動で着くから」ガチャッ・・・

絹旗「ん……、」トコトコ・・・


まったく、寝ていても世話が焼ける。
頼むから寝ボケてパンツ降ろさないまま用を足しました、なんていう古典的お色気イベントは勘弁してくれよ。

一寸後……衣擦れ音。後、もよおし中の音。
本来は興奮する筈の音であるが、何故か安堵の念が浮かんだ。


香焼「……ん?」ピタッ・・・


麦茶でも飲もうかと一度リビングに戻ろうとした時、異常に気付く。
一向に……水が流れる音がしない。


香焼「……最愛?」コンコンッ・・・


返事が無い。


香焼「最愛さーん……おーい……ちょっと、え?」コンコンッ・・・タラー・・・


まさか……嘘だろ。


香焼「ご、ごめんね……最愛……、」ガチャッ・・・///


打ん殴られる覚悟で、ドアを開ける……すると案の定。


絹旗「すぅ……くぅ……、」スヤスヤ・・・


便座に座りながら寝息を掻いている最愛さんがいた。


香焼「……えー」タラー・・・


ぶっちゃけ、如何しよう。最愛を見ないようにしながら、途方に暮れた。

460 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 03:45:27.39 ID:wr0Vr5DX0
しかし、現実は現実。この状況をなんとかせねばなるまい。
僕は最愛を―――


①ちゃんと拭いてから、パンツを上げ、布団まで運ぶ。

②声を掛けて起こし、自分でトイレから出した後、肩を貸す。

③トイレから出て、クラッカーで完璧に起こす。




       >>464
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/12(月) 04:03:14.29 ID:jOPWOw/vo
ksk
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/09/12(月) 04:16:04.94 ID:ZQ0pwY6Yo
ksk
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 04:51:12.45 ID:LCWy8DsH0
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/12(月) 04:51:51.34 ID:umGCn5zPo
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/12(月) 07:57:23.59 ID:7isBn/vDO


1……頑張れ少年! 
 
471 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 21:27:36.62 ID:wr0Vr5DX0
―――……最後まで責任を持たねば。


香焼「……最愛」トントン・・・///

絹旗「ん……くぅ」スヤスヤ・・・


傍から見れば用を足している女の子に肩を掛けるという変態行為。
だが、彼女は一向に目覚める気配が無い。


香焼「……はぁ」ポリポリ・・・///


仕方あるまい。
考え方を変えよう。子供の下の世話。そう、下の世話だ。厭らしい事ではない。

よし……覚悟を決めた。


香焼「……最愛、ごめんね」タラー・・・///

絹旗「……んん」ムニャムニャ・・・


出来るだけ彼女の方を見ない様にしよう。
トイレットペーパーをニ三回手に巻いて、準備をする。


香焼「…………、」ゴクッ・・・///


さて、何処から手を入れればいい。前か、後ろか。


香焼「……後ろは、無理かな」チラッ・・・///


多分、便座の隙間が無い。となるとやはり……前。股の間。


絹旗「ん……くぅ……すぅ」zzz...

香焼「や、やっぱり……拭かなくても」ウーン・・・///


とは思ったが、やはり衛生的にというか、エチケットとして拙いだろう。
いや、自分が彼女を股ぐらに手を伸ばすという方が拙い気がするのだが……いや、そんな邪念を持つのは止めよう。
別に彼女と情を交える訳ではない。彼女の秘所に指を突っ込む訳ではないのだ。


香焼「……ほ、ほんと……ごめんね」スッ・・・///


最愛の右肩を左手で掴み、抱き抱える様に身体を支え、下を見ない様な体勢を取る。
そして……右手を股ぐらに伸ばした。

472 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 22:11:22.44 ID:wr0Vr5DX0
力が入っていない人間の身体は重いもので、彼女の太腿を開かせる際も大分力を入れた。


香焼「……っ」カアアァ///

絹旗「すぅ……くぅ……ん」ピクッ・・・


ゆっくりと、力を入れずにトイレットペーパーを秘所に当てる。


絹旗「くぅ……ん……ぁ……、」ピクンッ・・・

香焼「っ!!」ドキッ!!

絹旗「……すぅ」ムニャムニャ・・・


お願いです。驚かせないで下さい。色々吹っ飛びそうです。


香焼「に、ニ三回、拭けば良いのかな」アタフタ・・・///

絹旗「……くぅ」スヤスヤ・・・


大便と同じ要領なら、それで済む筈。なるべく力を入れないで、スライド。


絹旗「ん……ぁ……んんっ……ぅぅ」ピクンッ・・・

香焼「っ!! お、お願いだから……そういう声出さないでよ」ダラダラ・・・///

絹旗「……んぅ……ぁぅ……むぅ」ユラ・・・

香焼「ご……ごめん。もう終わるから」ゴクッ・・・///


未だ嘗て体験した事の無い、不思議な触り心地。
プニッとしてたりグニュッとしてたり、偶にチリチリした感触がある。まだ生え揃わっていない陰毛だろうか。
これが……女の子の、あそこ。


香焼「っ……って、馬鹿な事考えるなっ」カアアァ///

絹旗「ぁ、ん……くぅ……んん……ぁ……くぅ」ピクッ・・・フラッ・・・

香焼「え、えっと……これくらいで良いだろう」ゴクッ・・・スッ・・・///

絹旗「……すぅ……ん」スヤスヤ・・・


紙を便器の中に捨て、手を引き上げる。そしてレバーを上げ……一段落。
色々思う所はあるが……忘れよう。彼女と僕の名誉の為に。


香焼「あとは布団に運ばないといけないけど……っ」チラッ・・・

絹旗「ん……むぅ」ムニャムニャ・・・


今度は、パンツ、上げないと。

473 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 22:40:52.40 ID:wr0Vr5DX0
しかし、この姿勢からどうやって上げよう。
因みにパンツは足首まで下げているので、膝上辺りまでは上げる事は出来そうだ。問題はその後。


香焼「とりあえず……見ない様に、膝まで」スッ・・・///

絹旗「ん……むぅ」ムニャムニャ・・・


さて此処からだ。
もし僕が介護・看護のオムツ交換の実習授業を習っていたなら難なく終える事が出来たのだろうけど、生憎そんなものは専攻した事がない。


香焼「やっぱり起こすしか……でも此処で起こしたら、多分……、」タラー・・・


自分も彼女も恥ずかしい思いをする。何とか彼女を寝かせたまま、全て終わらせたい。


香焼「抱きかかえて、下着を上げよう」スッ・・・

絹旗「……むぅ」ムニャムニャ・・・

香焼「……ごめんね」グッ・・・

絹旗「ん……ぁ」ボー・・・


脱力状態の彼女の身体を支えながら……あ。


香焼「……ヤバっ」タラー・・・


この状態、パンツ上げられない。もう一回座らせるか? いや、それは先の二の舞だ。
こうなったら、この状態から……お姫様だっこして、布団まで運び、下着を穿かせるか。

だがそうなると、色々丸見えだ。


香焼「でも……他に方法は無いっすね」ウーン・・・///


トイレの中(この場)で、ペタリと三角座りされてモロ見え状態になるより、すぐにでも穿かせられる状態にした方が良かろう。
抱えている彼女の足を持ち――勿論、なるべく下半身は見ないようにしながら――お姫様だっこをした。


香焼「っ……運ぼう」テクテク・・・///

絹旗「……んん」ボー・・・

香焼(頼むから起きないでくれよ)ダラダラ・・・///


善意で行ってる筈の行いが、非常に後ろめたく思えてしまった。

474 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 23:11:43.37 ID:wr0Vr5DX0
一寸後、最愛を布団まで運び寝かせる事が出来た。
あとは下着を上げるだけ。


香焼「はぁ……見てない見てない見てない見てない」スッ・・・

絹旗「んん……、」ゴロッ・・・

香焼「なっ!? ね、寝返り打つなよ」ドキッ・・・///


中途半端な位置で手が止まる。


香焼「お願い……すぐ終わるから」スッ・・・

絹旗「むぅ……こぅ……ゃぎ……、」ムニャムニャ・・・

香焼「っ!!?」ギョッ・・・///

絹旗「……すぅ」zzz・・・

香焼「ね……寝言か」ダラダラ・・・///


まったく、心臓が幾つあっても足りない。


香焼「……見てない」ゴクッ・・・///


下心を押し殺し……漸く終了。死ぬかと思った。


絹旗「くぅ……すぅ」zzz...

もあい「にゃく」zzz...


布団に寝転がる大猫子猫に毛布をかけ、一息つく。


香焼「ハァ……ったく」ポリポリ・・・///


正直、ムラムラが止まらない。だからといって此処でヌいたら……最低だと思う。


香焼「でも……寝れないよ」ドキドキ・・・///

絹旗「んん……えへへ……、」ムニャムニャ・・・

香焼「ったく、どんな夢見てるんだか。呑気なもんだよ……でも……起きなくて助かった」ハァ・・・///


時刻は約3時半。
部屋に戻ったらマス掻いてしまいそうだったので、ソファに寝転がりタオルケットを掛け……勃ちっ放しのまま、眠りに就いた。


475 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 23:26:22.64 ID:wr0Vr5DX0
 ―――とある翌々日、AM08:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・(絹旗side)・・・


何やら擽ったい。そう思って目が覚める。
原因は一緒に寝ていたにゃんこが、自分より先に目を覚まし顔をペロペロと舐めていたからだった。

ノソリと身体を起す。頭が痛い。


絹旗「うーん……あれ」ボー・・・

もあい「なぅ」トコトコ・・・


記憶がアヤフヤだ。
状況を整理しよう。此処は香焼の家。昨晩私は泊まる事になった……それから?


絹旗「確か、お風呂入って……冷蔵庫を……あ」ピタッ・・・


そういえばお酒を飲んだとか如何とか、彼が言っていた気がする。


絹旗「……香焼は」キョロキョロ・・・


確か一緒に……同衾して、寝ていた筈だ。
というか、昨晩の事をうろ覚えながら思い出すと顔から火が出そうである。


絹旗「わ、私……超はしたない事を」カアアァ///


布越しではあるが彼のアソコを触ったり、自分の胸を押し付けたり……何故かそんな場面だけ、鮮明に思い出される。
いっそ死にたい。


絹旗「……ん」チラッ・・・


彼が居た。ソファの上で寝ている。多分、自分が寝入ってから其方に移動したのだろう。
まったく、こんな超絶美少女と同衾していたというのに何処までも律義というかヘタレというか……そこが美点なのだろうけど。


絹旗「起こした方が良いんでしょうか」ジー・・・

もあい「にゃぅ」フリフリ・・・


一応、今日も休日である。
グッスリ眠っているのを見るに、かなりお疲れなのだろう。無理に起こす必要はない。


476 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 23:43:05.54 ID:wr0Vr5DX0
さておき、他人の家で二度寝するのも難なので、トイレと洗面所へ向かう。
昨日貰った使い捨ての歯ブラシで歯を磨き、顔を洗って、トイレを済ませる。
そういえばトイレに行った際、便器内の小水と紙が流されていなかった。昨晩自分が寝ボケ眼でトイレに行った時、流し忘れたのだろうか。

兎角、彼が気付く前に流せて良かった。


絹旗「ふむ……超暇ですね」ボー・・・

もあい「なー」コロコロ・・・


テレビでも点けようか。いや、彼が寝ているので止しておこう。
とりあえず何時までもこの恰好でウロウロするのは下品だと思うので、浦上さんの寝巻きを着る事にする。


絹旗「……じゃあ、もあい。遊びますか?」ナデナデ・・・

もあい「にゃぅ?」チラッ・・・

絹旗「あー……五月蠅くしちゃダメですよね」チラッ・・・


ソファで眠る彼。確か一緒に寝たのは2時頃。もしかしたら、そろそろ起きるかもしれない。それまで待つとしよう。


もあい「……みー」トコトコ・・・ガサガサ・・・

絹旗「もあい、静かにしてください。お腹空いたんですか?」コラッ

もあい「みゃぅ」トコトコ・・・

絹旗「あ、香焼起こさなくても私が餌入れますから」メッ!


自分専用トレー(餌入れ)をカタカタ鳴らし、主――彼曰く、主は私とか――の下に行こうとするもあい。
そうはさせるかと、胴を掴んで布団の上に戻した。今餌出すから大人しくしてなさい。


香焼「……ん」ゴロッ・・・

絹旗「あ。ほら、起きちゃ………………っ!!」ドキッ・・・///


寝顔。女の子みたいな……いや、もしかしたら女の子より可愛いのではないかと思えるくらい愛くるしい寝顔。


絹旗「だ、だけど……っ」ゴクッ・・・///


下半身の方が、その……立派なテントを張っていた。


477 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/12(月) 23:56:53.28 ID:wr0Vr5DX0
確か昨晩、酔った勢いで散々超破廉恥な行いをしてやった筈なのだが、今現在、冷静な思考でソレを見ると……超々々~~恥ずかしい。


絹旗「……ん」ジー・・・///


何というか、まさしく『テント』だ。
浜面や黒妻(兄貴)さんの『もっこり』を意図せず事故で見た事はあるが、立派な『テント』を冷静に見たのは初めてかもしれない。
男性の平均サイズなど知らないので大きいとか小さいとかは分からないが、兎に角、膨れ上がってるという事だけは分かる。


香焼「……すぅ」zzz...


超女々しい顔して……何だか怖い。


もあい「にゃぅ」トコトコ・・・

絹旗「あ……、」ピタッ・・・


そういえば、毎朝もあいに起こされてるという香焼の言葉を思い出す。
だが、今起こして良いモノか。彼の疲労具合と、私に見られてしまったというプライドの面を考えて。


絹旗「……此処は―――



①やっぱり、もあいに任せましょう。

②もあいに起こさせるくらいなら、私が。

③もうちょっと寝かせましょう。


                    >>480


478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 00:00:22.96 ID:fIOBzDODO
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 00:00:51.17 ID:rPDPByTgo
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 00:01:12.97 ID:Ojs0yZJb0
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/09/13(火) 00:44:39.06 ID:yxMCntOdo
2
482 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 00:53:03.68 ID:HZoNzRMT0
……寝かせてあげましょう。


香焼「くぅ……ん」スヤスヤ・・・

絹旗「…………、」チラッ・・・

香焼「ん……ぁぅ」ゴロン・・・

絹旗「っ!!」ドキッ・・・///


今度は布団を蹴飛ばして、胸元を肌蹴させてる。
それだけでも艶っぽいというのに立派な『テント』さんまで……どうしてそんな超薄っぺらく超脱ぎやすい服を着てるのだ。


絹旗「…………、」ゴクリ・・・///

香焼「ん……すぅ」コロン・・・


超可愛らしい。でも下半身の『テント』や、見えそうで見えない乳首が超エッチぃ。


絹旗「……そー」スッ・・・///

香焼「……ぁ……っ……んっ」ビクッ・・・

絹旗「え、えへへ……ちょ、超可愛いです……ウェヒヒ!」ハァハァ・・・キャー///

香焼「ぅぅ……んっ……ぁぅ」ピクンッ・・・

絹旗「ッッ~~~~~~~~~~~~っ!!! っ……ふぅ……ハァハァ」ジタバタッ///


出来心で乳首をちょっと触ってしまった。反応は……嬌声。
超スケベだと理解しつつも触ってしまった。反省と興奮の念を殺す為に、布団を抱えて後悔&悶える。
では次は『テント』を……と思ったが、流石に素面でそれは私の方が超恥ずかしい。やはり上半身だけに留めておこう。
それから暫く、起きるか起きないかのギリギリスリリングな境界線の悪戯を楽しんだ。
勿論、彼女―――じゃない。彼だった―――は予想通り、良い反応を見せてくれる。

『アんっ』とか『クぅ、んっ』とか……あぁもぅ……襲っていいですか?


絹旗「ち、違う違う……駄目です! 何考えてるんだ私!」フルフル・・・///

もあい「にゃー」トコトコ・・・

絹旗「あ、ちょ、だから行っちゃダメですって」ンモー・・・


オマエが言うなみたいな目で見られた。さーせん……そうだ。勝手ではあるが朝ご飯の準備でもしておこう。
此処で香焼を観察してるよりは、ずっと健全(?)な筈!

失礼ながらキッチンに入り、朝ご飯になりそうなモノを探す。パンにお米、シリアル。一応朝飯の主食系は備わっている様だ。
他人の家のお米を勝手に使うのは忍びないし、かといってシリアル程度じゃ足りない気がする。
となると……パンを焼く準備でもしておくか。


絹旗「……あとは牛乳と、サラダ?」ガチャッ・・・


野菜は色々揃っている。適当に切って並べればサラダになるだろう。
ファミレスのサラダーバーだって結構適当だし、多分、大丈夫だ。

慣れない手つきで奮闘しつつ、香焼が起きるのを待った。

483 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 01:23:21.39 ID:HZoNzRMT0
 ―――とある翌々日、AM09:15、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・



トンッ……トンッ……という不規則な音で目が覚めた。眠い目をこすりながら身体を起す。
もう朝なのかと昨晩の事を省みて、自己嫌悪に浸った。


絹旗「あ。おはようございます」チラッ・・・

香焼「えっ」キョトン・・・


最愛がエプロンを着てキッチンに立っていた。


香焼「え、あ……おはよ」ポカーン・・・

絹旗「ふふっ。まず顔洗ってきたらどうです?」クスッ

香焼「あ、うん……って、いやいや」タラー・・・


何してるの?


絹旗「何って、朝ご飯ですよ。勝手に使わせて貰いました」ペコッ

香焼「それは構わないけど……、」ジー・・・

絹旗「あー……残念ながら下着エプロンじゃありません。ちゃんとパジャマ着ましたからね」テヘペロッ♪

香焼「そ、そういう事じゃないよ!」アタフタ・・・///

絹旗「じゃあ……堕天使えっちエプロンの方が良かったですか?」フフッ

香焼「ち、違……もぅ……朝っぱらから勘弁してよ」ムゥ・・・///

絹旗「うふふふ。はいはい、ごめんなさいねー」クスクスッ

もあい「にゃー」モグモグ・・・


もあいが先に朝飯を食べてるのを見るに、彼女は自分より大分早く起きたのだろう。
そんでもって、只今料理奮闘中と。料理出来るのか?


絹旗「サラダくらいは作れますよ。あとコンソメスープ。味噌汁は流石に無理ですけどね」ハハハ


どっちも手間は掛らない単純なモノだ。
だが生活力0と聞かされていた彼女が作っているのを見るに、それは称賛に値するモノなのだと思う。

484 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 01:37:40.99 ID:HZoNzRMT0
一寸後、トイレと洗面を済ませリビングに戻る。
テーブルの上には、やや焦げた食パンと、ただ野菜を適当に並べただけのサラダ、ハムとカニカマが入っているコンソメスープが並んでいた。


香焼「……おー」ジー・・・

絹旗「えっへん! どんなもんですか!」フンッ!

香焼「……ビックリしたよ」ジー・・・

絹旗「えへへ。やれば出来る子なんです! 超天才超最強超絶美少女最愛ちゃんです!」ドヤァッ!!


調子に乗り過ぎだが、黙っといてやろう。


香焼「とりあえず食べて良いかな?」ジー・・・

絹旗「はい、召し上がれ」コクッ

香焼「―――いただきます」ペコッ・・・


『祈』を済ませ、サラダを食べる。


絹旗「ど、どうでしょう?」ドキドキ・・・

香焼「ん……美味しいよ」コクッ・・・

絹旗「え、えへへ」ニパー!


まぁ適当に並べただけのサラダに美味しいも不味いも無いのだが、彼女が頑張ってくれたのだ。
『料理は心』なんていう有り体の勅語もあるくらいだし、そういう意味では美味しいのだろう。


香焼「最愛も食べなよ」モグモグ・・・

絹旗「はい、いただきます」パクッ・・・

もあい「みー」ゴクゴク・・・


少し苦い食パンと、少ししょっぱいコンソメスープを飲む。
味は今一だが、それよりも感謝の念の方が大きい朝食。2人と1匹で団欒しながら食事を進めた。

485 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 01:55:27.34 ID:HZoNzRMT0
香焼「―――ごちそうさまでした」ペコッ

絹旗「はい。おそもつさまでした」

香焼「……おそまつ、ね」


食事を終え、食器を片付ける。作って貰いっ放しは難なので、洗い作業は自分がする事に。
最愛には先に、シャワーなり着替えなりをしてもらう事にした。


香焼「……それにしても」ジャブジャブ・・・

もあい「にゃ?」チラッ・・・


最愛は昨日の事、どれくらい覚えているのだろう。
お酒を飲む前か。酔ってる最中の出来事が途切れ途切れか。それとも……トイレまで覚えているのか。


香焼「変に聞かない方が良いよね」タラー・・・


彼女が切り出さない限り、僕も言い出す必要は無いだろう。
知っているのか知らないかは別として、まだ昨夜の話は出てきていない。無理に掘り返すと、藪蛇になりかねまい。


絹旗「お風呂あがりましたよー」ガチャッ・・・

香焼「あ、うん。寛いどいて……コーヒーと紅茶、どっちが良い?」カチャカチャ・・・

絹旗「んー……コーヒーで」キリッ!

香焼「紅茶だね。砂糖とミルク増し増しの」コポコポコポ・・・

絹旗「ぐっ……の、飲めますよ! 超ブラックで!」フンッ!!

香焼「背伸びしなくても良いってば……あー、はいはい。睨まないの」ヤレヤレ・・・


コーヒー一杯分が無駄になるな。頼むからその高そうなデニムワンピにブっ掛ける様な事態は勘弁してくれよ。麦野さんに殺されかねない。
さて、自分の分のカフェオレと最愛の分のブラックを用意してテーブルに運ぶ。


香焼「じゃあ着替えてくるよ」テクテク・・・

絹旗「行ってらっしゃーい」スッ・・・

もあい「にゃー」コロコロ・・・


僕が自室に入ってすぐ、盛大に噴き出す音が聞こえた……やっぱりな。


486 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 02:10:32.87 ID:HZoNzRMT0
着替えを終え、最愛が噴き出した分のコーヒーを拭き、残りのコーヒーを捨て、新しく紅茶を用意する。
最愛は悔しそうにコーヒーの悪口を始めたが、暫くして虚しさに気付いたらしく、大人しくなった。


香焼「別に子供で良いじゃんか。自分だってブラック嫌いだし」コトッ・・・

絹旗「……ふんっ」スッ・・・チビチビ・・・


甘いミルクティーをゆっくり飲む。


香焼「そういえば姉さん達もう少しで帰ってくるって」

絹旗「麦野は?」

香焼「ホテル戻ったらしい……昨日の飲み会で呑み過ぎたとか」アハハ・・・

絹旗「あの馬鹿……お姉さん達は大丈夫なんですか?」


カオリ姉さんと五和は蟒酒宴(ウワバミ)、浦上は呑んだフリが上手なので問題ありません。


香焼「三次会の後、ワクドナルドで駄弁って、始発逃して……何本目かに乗ったって」

絹旗「……麦野、一人で大丈夫なんですか?」タラー・・・

香焼「固法さんと淡希さんが部屋まで運んだって書いてあるよ」

絹旗「姉貴さんが一緒なら安心ですね……でも、何で超色ボケ女が?」ジトー・・・

香焼「一緒に呑んだんでしょ。てか、そういう言い方しないの」メッ

絹旗「……だって超苦手なんですもん」ベー・・・


好き嫌いが激しい。まさに子供だな。
そういえば滝壺さん達はどうしたのだろう。


絹旗「各々帰ったそうですよ。今日は仕ご……バイト無いですから集合もありませんし、私だけ麦野んとこ戻る事になるかと」

香焼「……そう」コクッ・・・


また怠惰な生活送らないか心配なのだが。


絹旗「うっ……気を付けます」ポリポリ・・・

香焼「ホントにね。次やったらリアルにもう相手しないから」ジトー・・・

絹旗「……ごめんなさい」ショボーン・・・

香焼「今は怒ってないよ。ちゃんと反省してるしね……兎に角、今回みたいな馬鹿な事で心配掛けないでよ」ハァ・・・

絹旗「はい……すいません」ペコッ・・・


まぁ9割方麦野さんの所為だと思うが、其方は姉さんと固法さんに任せるしかないだろう。


487 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 02:25:02.73 ID:HZoNzRMT0
 ―――とある翌々日、AM10:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・







ただいまー……という気ダルい声と共に玄関が開いた。
インターフォンを押さない辺り、アイツら完璧に此処を我が家と勘違いしているな。


五和「うぃ……ただいま」ガチャッ・・・

神裂「おはようございます……ただいま帰りました」トボトボ・・・

浦上「うー……眠いヨー」トテトテ・・・

香焼「……おかえり」ハァ・・・

絹旗「お邪魔してます」ペコッ・・・

もあい「みゃー」トコトコ・・・


幽鬼の様にフラフラとリビングに入ってくる3人。


香焼「一応、お風呂沸かしといたっすよ」

神裂「ありがとうございます……五和、浦上、先にどうぞ」ドサッ・・・

五和「いえ、女教……姉さんから入って下さい」グデェ・・・

浦上「年功序列(教皇優先)ですヨ。それだけは譲れませんネ」ハハハ・・・

神裂「……はぁ」フラフラ・・・


止むを得なく風呂へ向かう姉さん。日常とはいえ、こればかしは譲れない。
にしても、相当お疲れの御様子だ。


香焼「そんなに疲れてるんだったら、自分の家帰れば良かったじゃん」チラッ・・・

五和「狭い部屋に狭い風呂には入りたくないの」グデェ・・・

浦上「香焼ん家が私達の別荘なんですよネ」ゴロン・・・

もあい「なぅ」ペシペシッ


誰がそんな事許可した。家主は自分だぞ。


五和「細かい事ぁ良いのよ……あ。最愛ちゃんも此処、別荘にして良いからね」ニヤリ・・・

絹旗「はい」コクッ・・・

香焼「……勘弁してくれ」ハァ・・・


お前らとは別の意味で身が持ちません。

488 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 02:46:00.30 ID:HZoNzRMT0
五和は姉さんが避けたソファに横になり、浦上は最愛が寝ていた布団にダイブする。
頼むから彼女の前でダラしない姿を見せるな。僕が昨日何の為に彼女を連れ回したと思っている。


五和「単にデートじゃないの?」チラッ・・・

絹旗「っ!」カアアァ///

香焼「くたばれ」ゲシゲシッ!

五和「痛い痛い! 冗談だって……あーでも何かしてないと寝てしまうー」グデェ・・・

浦上「お姉。お風呂入る前に寝たら、起きた時大変な事になるヨ」ジー・・・

五和「うー……コウちゃーん、テレビー」チラッ・・・

香焼「自分で点けろ」ハァ・・・


鬼畜ショター、とか意味不明な事を言いながらリモコンに手を伸ばす五和。
だが途中手を止め『あ』と短く声を上げ、僕と最愛の顔を交互に見る。その後浦上と顔を合わせ、ニヤニヤと黒い笑みを浮かべた。


香焼「何だよ。気持ち悪い」ジトー・・・

五和「ねぇねぇ最愛ちゃん。耳貸して……―――」ニヤニヤ・・・

絹旗「え?」スッ・・・

香焼「貸さなくて良いよ。酒臭くなるから」フンッ

浦上「まぁまぁ、すぐ終わるヨ」ニヤニヤ・・・


こそこそと何かを告げる五和。次の瞬間……最愛の顔が真っ赤になった。


五和「―――……ね? 在ったでしょ?」フフフ・・・

絹旗「っ~~~~~~ッッ!!」ボンッ///

香焼「ちょ、オマエ、最愛に何言った!!」ギロリ・・・

五和「ふふふふ……で? 昨晩どうだった?」ニヤニヤ・・・

絹旗「あ、あの……その……っ」カアアァ///

浦上「昨夜(ユウベ)はお楽しみでしたネ」ニヤリ・・・


姉さーん。早く上がってコイツらブッ飛ばして下さーい。


絹旗「あ、ぅ」モジモジ・・・///

五和「ねぇ……何処までシちゃった? 大丈夫、麦野さんには黙ってて上げるから」ボソボソ・・・

香焼「何もしてねぇっつの。いい加減にしろ」ゲシゲシッ

浦上「でもぉ……最愛ちゃんのその反応を見るに、何も無かった訳じゃなさそうですヨー。流石、旗建屋さんですネ」ニヤリ・・・


折角2人とも忘れかけてたというに……僕が五和と浦上を追い出そうとした刹那、カオリ姉さんが風呂から上がってきた。


489 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 02:55:43.47 ID:HZoNzRMT0
その姉さんの姿を見て、目を丸くする最愛。


絹旗「わ、和服ですか」キョトン・・・

神裂「え、ああ。浴衣です」コクッ・・・


これ、姉さんの下着件浴衣です。


五和「話を逸らせたと思うなよ小僧」ニヤニヤ・・・

浦上「私達のネチっこさは世界2位3位ですからネ」ニヤニヤ・・・


チッ……じゃあ1位は誰だっつの。


五和「そんでそんで? 最愛ちゃん、何処までシたのかなぁ?」ニヤニヤ・・・

絹旗「な、何も、してないです」アタフタ・・・///

浦上「……くんかくんかっ」クンクンッ

絹旗「ひゃうっ!!?」ドキッ・・・

浦上「これは嘘を吐いてる臭い」ニヤリ・・・


姉さーん。出番ですよー。


神裂「自重しなさい」ゴツンッ!!ゴツンッ!!

五和・浦上「「あ痛ぁっ!!」」ウボアー!!

神裂「ったく……すいません、絹旗さん」ナデナデ・・・

絹旗「い、いえ。大丈夫です」ペコッ・・・


流石頼りになるお姉さんは違うなぁ。何処ぞの馬鹿一号二号とは違って。


五和「くぅ……でも、姉さん……もしコウちゃんが粗相をしてたら、どうするのですか?」ボソッ・・・

香焼「は?」

浦上「いつだって被害者は女の子ですヨ。言い出せない彼女を傷モノに……更には子を成してたりしたら、相手方に、ネェ」チラッ・・・

絹旗「な、なぁっ!?」カアアァ///

神裂「……む」ポリポリ・・・

もあい「みー」トコトコ・・・


お前ら、頼むからこれ以上掻き回すな。


490 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 03:06:28.67 ID:HZoNzRMT0
五和「だって、ほら。疚しい事が無いなら普通に話せる筈じゃないですか」ジー・・・

神裂「まぁ、確かに」フム・・・


ヤバい。姉さんが乗せられるペースだ。


浦上「最愛ちゃん。言ってごらん。責めたりしないから」フフッ

絹旗「え、えっと……その」チラッ・・・

香焼「…………、」ブンブンッ!

絹旗「……て、テレビゲームで超盛り上がってましたよ!」アタフタ・・・

五和「ふーん……それじゃあ……、」スッ・・・


立ち上がり、キッチンへ向かう五和。そして事もあろうか……アレを見つけた。


五和「この空き缶は、何かしら?」ニヤリ・・・

香焼・絹旗「「なっ!?」ドキッ・・・

神裂「私と五和のキューバ・リバー……香焼?」ギロッ・・・

香焼「そ、それは、その」アタフタ・・・

絹旗「っ」ドキドキ・・・


最愛の所為には出来ない。


香焼「……すいません。自分一人で呑んだっす」ペコッ・・・

神裂「……そうですか」フム・・・

浦上「最愛ちゃんは?」チラッ・・・

絹旗「え、あ……えっと……すいま」

香焼「自分一人!」ガッ

絹旗「っ」

浦上「お、おぅ」コクコクッ・・・


この場は察しろ。


五和「まぁ……これは良いとして、ホントに?」ジー・・・

香焼「シツコイ。2時くらいまで遊んで寝た。以上。ね、最愛」フンッ

絹旗「……え、ええ」コクッ・・・

三姉妹『…………、』フムフム・・・


その『これ以上は聞かないであげるべきか』と生温かい目を向けるの止めて下さい。


491 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 03:17:32.53 ID:HZoNzRMT0
仕方ないなー、と風呂に向かう五和。二度に上がってくるな。
五和が去ってすぐ、最愛が僕の下に近づいてきた。


絹旗「……香焼」

香焼「ん?」

絹旗「私、そろそろ帰ります」

香焼「え。お昼くらい食べてきなよ」

絹旗「いえ。お姉さん達寝る様ですし」チラッ・・・


それに、とヒソヒソ声で告げた。


絹旗「何か……超ボロ出しそうなので」モジモジ・・・///

香焼「っ! そ、そう……分かった」タラー・・・///


やはり昨夜の事を思い出したか。そういう事なら引き留めはしない。多分、双方気拙いだろう。
善は急げと、最愛は2人に向き直った。


絹旗「えっと、そろそろお暇きます」ペコッ・・・

神裂「あ、はい……『お暇します』ね」コクッ・・・

浦上「もう少し居ても良いんだヨ」ジー・・・

絹旗「いえ。お姉さん達の睡眠の邪魔になりそうですし……あと、麦野が心配ですから」コクッ

神裂「……そうですか。では止めません」クスッ


上手い誤魔化し。いや、本心かもしれないが、ナイスだ。


絹旗「香焼。着ぐるみは置いといてもらっていいですか?」

香焼「うん、良いよ……またおいで」

絹旗「はい。お邪魔します」ペコッ・・・

もあい「なー」トコトコ・・・

絹旗「もあいも良い子にするんですよ」ナデナデ・・・


五和が風呂から上がってきたら帰ると、帰り支度を始めた。


492 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 03:31:40.59 ID:HZoNzRMT0
一寸後、浦上が風呂から上がってくる。
如何でも良いが、下着姿で出てくるのは勘弁してくれ。最愛に色々誤解されるだろう。


五和「ふー、サッパリしましたー……って、あれ?」

絹旗「五和さん。私帰ります」ペコッ

五和「えー? もう帰っちゃうのー? 一緒に寝ようよー」


私もー、とか言い出す浦上。ふざけんなこんにゃろ。


浦上「良いじゃーん。香焼とは一緒に寝たんでしょ?」ニヤリ・・・

香焼「っせ!! 寝てねぇ!!」カアアァ///

絹旗「……あ、えと。お邪魔しました」ペコッ・・・

神裂「はい。また遊びに来て下さいね」コクッ

絹旗「はい、超来ます」コクッ・・・

香焼「自分もバス停まで送ってきます。布団は各々勝手にお願いしますね」コクッ

五和「了ー解」コクッ・・・

もあい「みゃーん」ピョンッ


最愛の肩に乗るもあい。では行こうか。


浦上「……あ。最愛ちゃん」ニヤリ・・・

絹旗「はい?」チラッ・・・


まだ何かあるのか。いい加減にしてくれよ?


浦上「ダイジョブ。ダイジョブ。一言だから」ニャハハ

香焼「その一言が余計なの」ッタク・・・

浦上「まぁまぁ……で、最愛ちゃん」ニコニコッ

絹旗「何でしょう」コクッ


浦上「お酒飲んだ後って……トイレ行きたくなりますよネ」ボソッ・・・


絹旗「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ」ピタッ・・・

香焼「最愛? おい……浦上。オマエ何言った?」ギロッ・・・

浦上「いえいえ。当たり前の事を言っただけですよ」フフッ・・・


フリーズする最愛。そして……―――


493 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 03:41:53.15 ID:HZoNzRMT0
 <絹旗side>



お酒を飲んだ後……トイレに……え。


絹旗「……香焼」ボソッ・・・

香焼「え、うん。何?」

絹旗「私……昨夜、最後……トイレ、行きませんでしたっけ?」キョトン・・・

香焼「なっ……、」ダラダラ・・・


やはり行った筈だ。うろ覚えながら記憶に残っている。
確か下着を降ろして便座に座って用を足して……そこから先の記憶が無い。


絹旗「トイレで……あれ」タラー・・・

香焼「さ、最愛! 思い出さなくていいから!」アタフタ・・・///


いや、どうやっても思い出せないのだ。そしてその次の記憶が……朝である。
つまり、パンツを下げて用を終えた後の記憶は、布団から目覚めた記憶。勿論、パンツを穿いた状態で。


絹旗「っ!!?」ドキッ・・・///

香焼「……えっと」ダラダラ・・・///

絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」ギギギギ・・・チラッ///

香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと、その」ダラダラダラダラ・・・///


トイレから布団まで……彼の世話になったという事、か。


絹旗「ぱ、パンツも?」カアアァ///

香焼「っ!!」カアアァ///


……………………………………無理。


絹旗「ご、ごめんなさいぃ!!」バッ!!

香焼「さ、最愛!!?」アタフタ・・・///

絹旗「ひ、一人で帰ります! お願いです。追わないで下さい!」カアアァ///

もあい「にゃっ!?」コロッ


私は逃げる様に去ってしまった……―――


494 :第⑤話―――絹旗「お、お邪魔しましゅ!」 香焼「い、いらっしゃい(・・・噛んだね)」 [saga]:2011/09/13(火) 03:53:20.13 ID:HZoNzRMT0
 <香焼side>



まさか、思い出してしますとは。


三姉妹『あーあ』ジトー・・・

香焼「くっ……浦上!」ギロッ・・・

浦上「フフフ。何かな?」ニコニコッ

香焼「何言った!?」グイッ・・・

浦上「いやいや。お酒飲んだ後っておしっこしたくてしょうがないんだよネーって」クスクスッ

香焼「ぐっ……オマエ」グヌヌ・・・


最後の最後に余計な事を。


浦上「だって事実だものー。それに、最愛ちゃんは呑んで無いんでしょ? だったら『問題無い』ヨ」フフフ・・・

香焼「……覚えてろ」ムゥ・・・

浦上「わーっすれった! お風呂入ってきまーす」テクテク・・・


畜生……これから最愛とどんな顔して会えば良いんだ。


五和「まぁその……よくある事よ」ウンウン・・・

神裂「そうですね。よくある事です」ウンウン・・・

香焼「自分は上条さんみたいに神経図太くないんすよ!!」ウワーン!

神裂・五和「「だ、誰が彼の事なんて言ったのよ!」言いましたか!」カアアァ///

もあい「なー」フシフシ・・・


何がカミやん病だから仕方ないだ。もう勘弁してくれ。
結局、後日上条さんに相談し、浜面さんと滝壺さんに手伝って貰って、気拙い仲を解消しましたとさ……―――


495 :>>1 [saga]:2011/09/13(火) 03:59:04.19 ID:HZoNzRMT0
はい。今回は此処まで。大分長くなっちゃいましたね。
次回は今回の『おまけっ!』だけの投下になるかもです……もしかしたら前言ってた通りR指定かも。でも多分親戚の程ハードじゃないよ。

513 :第⑤,5話(16,5話)―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/13(火) 22:25:49.43 ID:HZoNzRMT0
 ―――とある翌々日、PM01:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・・



昼飯を終え、グダグダダラダラと起きていた姉達が漸く眠りに就いた。
いつもより暑苦しそうなのは、まだ酒が抜けきっていない所為だろうか。


香焼「……自分も、寝よう」ファァ・・・

もあい「にゃぅ」コロコロ・・・


正直、昨日の疲れがまだ取れていない。『色々』あり過ぎたのだ。
姉達を起さぬ様、静かに自室へ移動し、寝間着に着換えた。


香焼「はぁ」ドサッ・・・


眠い。そして……


香焼「…………、」ドキドキ・・・


……何故か、胸が高ぶった。


香焼「そういえば最近忙しかったから……、」ムラムラ・・・


と口に出してみるが、ムラムラの一番の原因が別である事くらい理解していた。
だがそれを認めてしまったら……とても疚しい気がする。


香焼「…………、」ゴクリ・・・スッ・・・///


ベットの上に寝転がり、勝手に勃ち上がった股間を見る。


香焼「っ」ジー・・・ドキドキ・・・///


酔った勢いとはいえ、彼女に、触られた。


香焼「…………、」スッ・・・///


次に自分の胸に手を当てる……彼女の、胸の突起が当たった。


514 :第⑤,5話(16,5話)―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/13(火) 22:54:04.70 ID:HZoNzRMT0
>>512・・・サーシャのえっちぃ話じゃないです。第⑤話のおまけです……期待させてスイマセン。


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胸の鼓動が余計に早まる……そして、最後に……


香焼「……っ」スッ・・・ドキドキ・・・///


自分の右手を見詰めた。
半分事故とはいえ、この手で、彼女の……―――……触ってしまった。


香焼「っ……、」ドキドキ・・・///


駄目だ。このままでは寝れない。
いくら自分が聖職者(仮)の身分であり、いくら自身が幼いとはいえ……この昂りは止まらないのだ。


香焼「む、ぅ」スッ・・・///


自然に、右手がズボンの中に伸びてしまう。いけない事だと分かっていても……止まらない。


香焼「ぁ……んっ……、」スリ・・・スリ・・・


布団に包まり、声を殺して……膨れ上がった己の陰部を下着越しに、撫でる。


香焼「……は、ぅ」スリ・・・スリ・・・キュッ・・・


下着の上からだけ、下着を降ろさない。興奮が収まるまで、すぐ止めるから……と自念しても、修まらない。
変声期を迎えていない僕の声は甲高いと理解している。だから声を漏らしちゃいけない。絶対に姉さん達に聞かれちゃいけない。

だが……小さく、漏れる。


香焼「さぃ……ぁ……ぃ……っ」ナデナデ・・・スッ・・・


本能を堪えられず、下着の中に手が伸びる。


香焼「っ……ごめん……ごめん、なさい……っ」スッ・・・クチュ・・・クチュ・・・


もう既に、先っぽからヌルヌルしたモノが出ている。それを彼女の『―――を触った右手』で、捏ねる様に撫でる。


香焼「ハァ……んっ……さ……ぁぃ……ごめん……っ」クチュ・・・クチュ・・・クチュ・・・


こんなの絶対間違っている……そう分かっていても、止まらない。頭ではもう何も考えられない。
ズボンを降ろしてしまう。下着も降ろしてしまった。


香焼「っ……ごめんね……ごめん、ね」ハァ・・・ハァ・・・スッ・・・スッ・・・


まだ皮も剥けきっていない幼い陰部を掴み、ゆっくりと……――― 
 
517 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/13(火) 23:39:39.27 ID:HZoNzRMT0
 ―――とある翌々日、PM00:00、学園都市第7学区、ホテル『アレクサンダー』、とある一室・・・・・




香焼の家から飛び出した後、バスには乗らず、やるせない気持ちのまま徒歩でホテルへと帰った。
途中ホテル内売店でサンドイッチ(ハムレタス)と菓子パン(ジャムパン)、それからムサシノ牛乳をを購入し部屋まで戻る。
予想通り部屋の鍵が閉まっていたので、自分用に渡されていた予備のカードキーを使い、中へ入る。


絹旗「……ただいま」トボトボ・・・


返事は無い。


絹旗「…………、」テクテク・・・

麦野「うぅん……むぁぅ……、」グダァ・・・


B級映画の微妙な動きで地面を這い蹲るゾンビの如く、ベットの上で唸り寝入っている麦野。
姉貴(固法)さんと超破廉恥女(結標)はある程度の世話をした後、すぐ帰ったのだろう。
まぁ特に用も無いので、買ってきたパンと牛乳を冷蔵庫にブチ込んで、そそくさと自室に入った。


絹旗「…………、」ガチャッ・・・


誰もいない、私だけの静かな部屋。


絹旗「……はぁ」トコトコ・・・ドサッ・・・


服も着替えぬまま、靴だけ脱ぎ捨てベットに寝転がる。


絹旗「…………、」ボー・・・


『賑やかで明るい場所(香焼宅)』にいた分、『暗い静かな場所(自室)』が寂しく感じる。
普段は如何とも思わないのに……自分はこんなにも日和ってしまったのか。


絹旗「今日は……もう寝よ」ボフッ・・・


頭から布団を被る。
忘れる……昨夜の事は、全部忘れろ……そう念じながら目をギュッと閉じてすぐ―――


絹旗「っ」チラッ・・・


―――携帯が鳴った。この着信音は……香焼だ。


518 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/13(火) 23:58:01.26 ID:HZoNzRMT0
これがもし、電話のコールだったら出れたものでは無かったが、案の定メール。
急いで開いて確認する。


『昨日も今日も色々ごめんね。でも、ダラけた生活するのだけは駄目だよ!』


彼は……こんな時でも気遣ってくれるのか。


絹旗「……ありがとうございます。私こそ、ごめんなさい。もう怠けたりしないので、超安心してください」Pi!


おフザケは入れず、真面目に返信する。一寸後……またメールが着た。


『超心配っすよ(^^; それで昨晩の事だけど……あまり深く考えないでね。自分も忘れるから』


絹旗「っ……わ、わかってますよ」ドキッ・・・///


もはや知らないフリをした方が互いの為だろう。短く『何の事ですか?』と返信してやった。
勿論、薄々は想像つくのだが……彼の言うとおり、考えてはいけない事である。


『いや、何でも無い。自分の考え過ぎだっただけ(^^; とりあえず……またおいでよ。いつでも遊びに来て良いからね!』


絹旗「……ありがと」クスッ・・・


感謝のメールを送信し携帯を閉じる。そして再び頭から布団を被って目を閉じた。


絹旗「……んー」ハァ・・・


やはり……寂しい。虚しい。こんな事なら滝壺さんや兄貴(黒妻)さんのお家にでもお邪魔すれば良かった。
でももしかしたら、浜面(または姉貴さん)と2人きりを満喫しているかもしれない。そう考えれば此処に戻って来て正解だったのだろう。


絹旗「……うー」ゴロゴロ・・・


駄目だ。寝れない。疲れているのに……寝れないのだ。


519 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 00:14:30.45 ID:fA4FX24l0
妙な胸騒ぎ。寂しさ半分……あとは……


絹旗「…………、」ドキドキ・・・///


興奮半分だ。頭ごなしに如何屁理屈を捏ねても、本音には勝てない。


絹旗「だ、だって……さ、触られてたかもしれないんです」ドキドキ・・・///


考えちゃいけないのに、考えてしまう。
自分の陰部を、彼が拭いた。彼が撫でた。彼が触れた。彼が弄った。


絹旗「っ」ハァ・・・ハァ・・・///


もう想像は止まらない。想像を超えて昨夜の出来事と入り混じった妄想に変わる。
酔ってたとはいえ、自分の胸を押しつけてしまった。


絹旗「んっ……ぁ」キュッ・・・///


身体を抱えても、思考は止まらない。
酔っていたとはいえ、彼の……―――……触ってしまった。


絹旗「ぃ、や……だめ」ギュッ・・・///


身体が熱くなる。もう能力演算すら出来ない。『別(彼)の事』で頭がいっぱい過ぎる。
酔って『いないのに』……彼の寝顔を覗いたり、彼の乳首を弄ったりしてしまった。


絹旗「ふぁ……ゃ、め」スッ・・・///


私は超変態だ。これでは結標の事を馬鹿にする事などできない。


520 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 00:35:14.94 ID:fA4FX24l0
ふと、彼の部屋にあったエロ本の事を思い出す。
もしかしたら今、彼は……私をオカズにして……


絹旗「っ……ぁ」スッ・・・///


自然に……胸に手が伸びる。
元々キツめのタンクトップが、更にキツい。乳首が布を破ってきそうなくらい勃っているのが分かる。


絹旗「ん……くぅ……っ」ナデ・・・ナデ・・・


熱い……彼に触れたココが熱い。


絹旗「ぁ……だ、め……んっ」ナデナデ・・・キュッ・・・


こんなの初めてだ。超恥ずかしい……私は、自分の身体に何をしているのだ。
自動防御が働くのであれば、ちゃんと働いてくれ。私を止めてくれ。


絹旗「ぁ、んんっ……ふぁぅ」キュウゥ・・・ギュッ・・・


自分が何をしているのかは把握できる。だが理解できない、納得いかない。
勝手に手が動く。知らない内に、タンクトップの中に手が入っている。


絹旗「っ……ひゃぅっ!」クリクリ・・・ビクッ!


何故、自分の乳首を抓んでいるのだ。これではまるで……私が発情したみたいではないか。


絹旗「ハァ……ハァ……だ、め……ですよぅ……ッ」キュッ・・・ピクンッ!


片方の胸では飽き足りないのか、もう一方の胸まで弄り出す我が手。
自分でも分かっているのだが、男性とそう大差の無い胸。一部違うとすれば女性特有の乳首の大きさ……それがいつも以上に巨大化している。
そこを執拗に虐める、我が手。我が本質は『守り』の筈だ。『攻勢』ではないだろう。本能で有れば、頼むから止まって欲しい。


絹旗「い、いゃだ……ヤダ、ょぅ……ぁ……いぃっ」クリクリ・・・ギュウウゥ・・・


まさか……『彼の手』と想定しているから、止まらないというのか……何という不貞。
自分で自分を許せない。彼に失礼を働いた身で、こんな超厭らしい真似をするとは……ナンセンス。


521 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 00:58:59.50 ID:fA4FX24l0
止まらない指先。整わない息。治まってくれない妄想。


絹旗「ハァハァ……こぅ……やぎ」フゥ・・・カアアァ///


彼の名前を呼んでしまった。寂しさ故か、興奮故か……彼を求めてしまった。
知らず知らずにワンピースまで脱ぎ捨てており、私の手は次の目標に狙いを点け、ゆっくりと下っていった。


絹旗「だめ……駄目ですょ……絶対、ダメ……っ……なのにぃ」スッ・・・///


彼から貰ったボクサーパンツ。もしかしたら彼が穿いていたかもしれない下着。


絹旗「あぅ……んっ」サワ・・・サワ・・・


声が出る。もし麦野が起きたら如何しよう……しかし手は止まってくれない。
彼のモノを触る様な手付きで下着越しに臀部を、ヘソ周りを、太腿を……そして恥部を撫で回す。


絹旗「い、ゃ……んっ……んんっ」ナデナデ・・・ジュッ・・・グニュッ・・・///


悔しいが自分でも分かる……濡れているのだ。彼のパンツを濡らしてしまった。彼のパンツを穢してしまった。
貰い物だという事をすっかり忘れ、自己嫌悪。私は何て淫らな女なのだ。そう思ってしまう。

だが手は止まらない。寧ろ過激になる一方だ。


絹旗「ふぁっ……ゃ、ぎっ……ごめんっ、なさいっ……っ……ぁう」グニュ・・・グニュ・・・ヌジュッ・・・


反省・後悔の念が奔る他方で、純粋に、快楽を感じている私がいた。
今まで自慰行為などした事が無かったという点もあるが、それだけではない……彼の事を考えているからなのかもしれない。


絹旗「ヤ、だょ……ぁ……ひゃぅ……っ……ッッ」グニュグニュ・・・ピクッ!!


下着が濡れて気持ち悪い。でも……その『気持ち悪さ』が気持ち良い。
心と体の葛藤に悩みながら。体(我が手)に気持ちを委ねてしまっている私がいた。


522 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 01:21:49.49 ID:fA4FX24l0
暫くして、下着に手をかけ出した。
ゆっくり……ゆっくりと、膝上辺りまでボクサーパンツを降ろす。


絹旗「ハァハァ……っ」ビクッ・・・///


恐る恐る己の陰部に指を伸ばす。今までお風呂で洗う時か、用を足した後拭く時以外には触れた事の無い場所。
だけど……彼は、触れた場所。


絹旗「っ」ヌチャッ・・・///


超濡れている。コレが『感じる』というモノなのか。


絹旗「んっ……ぁ」クチャッ・・・ニチャッ・・・


厭らしい音がする。まるで彼の部屋にあったエロ漫画雑誌の効果音の様だ、


絹旗「ふぁ……あぅ……っ……くぅっ」クチャ・・・クチャ・・・クチャ・・・


もはや理性と本能など如何でも良くなってしまった。勢いとは怖いモノである。
彼の事を考えてしまうと、何故か、手が進んでしまう。


絹旗「ヤっ……あっ……ぅ……っ」クチュクチュ・・・ピクッ!


彼が触った。もしかしたら……寝ている間に覗かれたかもしれない。寝ている間に弄られたかもしれない。


絹旗「んっ! ぁ……ぉ、お相子……っ……ですょ……ひゃぅっ」チュクチュクッ・・・ブシュッ・・・


そうだ。お相子なんだ。
きっと彼も私の事を思ってオナニーしてるに違いない。だから私は悪くない。これで平等なのだ。
自分に言い訳をして正当化する私。そして指は更に過激になる。


絹旗「こ、やぎっ……んんっ……ぁうっ……ふぁあっ……ぅんっ!」グシュッ・・・ニュプニュプッ・・・ビクンッ!!


駄目だ。もう止まらない。
いや、如何だっていいや。彼もしてる事だし。そう考えれば……幾分楽になる。彼への罪悪感が消せるなら、嘘も方便だ。

理性(ストッパー)が吹っ飛んだ今、彼の『―――を触ったこの手』は陰部が壊れるかというくらい私を攻め立てる。


523 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 02:08:22.40 ID:fA4FX24l0
暫く自慰を続けていると、頭がボーっとしてきた。
そういえば馬鹿みたいに声を出していたが、もしかすると麦野に聞かれていたかもしれない。
その程度の羞恥心は残っていたようなので、此処からは声を出さぬ様にと念を入れた。


絹旗「はぁ……はぁ……んっ」クチュクチュクチュクチュ・・・///


ふと、朝に見た彼の下半身の『テント』を思い出してしまう。


絹旗「ふぁ……大き、ぃ……っ……ひゃぅっ」ジュワァ・・・ヌチョヌチョッ・・・


彼も、アレを扱(しご)いている。パンパンに腫れた―――を擦っている……筈だ。


絹旗「んんっ……ひも、ひぃの? こぅひゃぎぃ……ぁ……ぅ、っ!」グチュグチュグチュ・・・ドロッ・・・


タンクトップの裾を捲り、口に咥えて声を殺す。
そして片手をゆっくり、乳首と同じくらい腫れた―――――の方へ持って行き、抓む。


絹旗「っ……ふぁ……っ……くぅんっ!!」ヌチャヌチャヌチャ・・・キュッ!


ヤバい……もうトびそうだ。
自分の―――と―――――を捏ね繰り回しながら、彼の名を呟く。


絹旗「こ、ひゃぃ……香、焼っ……ぁんっ……ヤっ……んんっ!」クリクリ・・・クチュクチュ・・・ピクッ!!


ベットの上、シーツを滅茶苦茶にしながら、悶える。
両手を陰部に伸ばし、指で執拗に攻め、身体を反らせる。


絹旗「ぃやっ……一人は……っ……ヤですっ……ぁぅ……一緒に、居て下さい……ふぁぅ……一人に、しないで……くぅっ!」ビクビクッ!!


快楽の中、本音が漏れる。
嬌声もだが、麦野には絶対に聞かせられない本音。彼が居ないから言える本音。


絹旗「助けっ……っ……下さいよぅ……っ……地獄に……んんっ……ぅ……行きたくない、よ……んぅっ!」ポロポロ・・・ジュブジュブ・・・ピクッ!


本当は言いたい。
助けて。私を普通の女の子にして。陽の下を歩かせて。隣に居させて……それが無理なら、一緒に地獄に行こう。


絹旗「ううぅ……こう、やぎぃ……っ!」ポロポロ・・・クチャクチャクチャクチャクチャ・・・ビクンッ!!


だが……言える筈もない。
彼を巻き込んではいけない。だからせめて……想像の貴方を使って、己を慰める事を許して欲しい。
貴方の手として、貴方の―――として、貴方の……優しさとして。


絹旗「あぅぅ……も、ぅ……っ……っ……~~~~~~~~~~、」ヌチャヌチャヌチャッ・・・ビクンッ・・・プシャッ・・・


布が破れるかというくらい裾を噛み締めた。刹那……テーブルにあったコップが2,3個割れた。
RSPK症候群・乱雑開放(ポルターガイスト)。
簡単に説明すれば、トラウマやストレスにより、心理的に不安定となった子供が引き起こすとされる超常現象。
具体的には能力者が一時的に自律を失い、自らの能力を無自覚に暴走させる状態及び現象を指す。

つまり私は果てた(イった)のだろう。だが快楽よりも……虚しさの方が大きかった。


絹旗「っ~~~~ッッ……ぅ……ううぅ……、」ビクッ・・・ビクッ・・・ポロポロ・・・


濡れたのは衣類とシーツだけではなく、枕もだった。
初めての自慰行為が、こんなに悲しいモノになるとは、私自身想像もしていなかった……―――


524 :第⑤,5話―――もあい「にゃっふるにゃっふる」 [saga]:2011/09/14(水) 02:40:57.61 ID:fA4FX24l0
  <おまけっ!>



数日後、周りの方々のサポートもあり、無事最愛と顔を合わせる事が出来た。
今はいつもの公園。例の如く猫達と遊ぶ為に集まったのである。因みに彼女の要望もあって、人間は2人きりという事にした。

時刻は正午を過ぎた辺り。僕の方が先についてしまった様なので、もあいやまーらいおん達(※)に餌を出す事にした。
※(あまくさっ! 第7話、第8話参照)

一寸後、彼女が現れる。


香焼「―――……あ」チラッ・・・

絹旗「っ!」ドキッ・・・

香焼「っ……こんにちは、最愛」ポリポリ・・・

絹旗「こ、ここ、こん、こんこんにちわっ!」アタフタ・・・

香焼「え、と……そんなに緊張しなくても」タラー・・・

絹旗「い、いえ別に! してにゃいです!」ダラダラ・・・

猫s『にゃん?』ジー・・・


めっちゃしてるじゃん。


香焼「あー、えっと……先に謝っとく。ごめんね……理由は分かってても聞かないでくれるかな。口にするのは……ね」ペコッ・・・

絹旗「わ、私こそ、超ごめんなさいですます!」オドオド・・・

香焼「……流石に緊張し過ぎだよ」アハハ・・・

絹旗「す、すいません……すー……はー……ふぅ」ダラダラ・・・

香焼「……ぷっ」クスクスッ・・・

絹旗「なっ……何で笑うんですか!?」カアアァ///

香焼「いや……やっぱり最愛らしいかなーって」フフフッ

絹旗「む、ぐぬぬぅ……馬鹿にしてぇ」ジトー・・・///

香焼「ごめんごめん。さ、餌やりしよう。後暫く話して無かった色々聞かせてよ」ポンッ・・・

絹旗「っ~~ッッ……(大丈夫大丈夫……香焼に下心なんて無い……有るのは私の邪念だけ)……ふーっ!」ビクッ・・・オドオド・・・スーハー・・・

香焼「だ、大丈夫!? あ……ご、ごめん……もう触んないから」タラー・・・アタフタ・・・

絹旗「い、いえ。触ってくれても大丈夫です……いつもの事でしょ?」フゥ・・・クスッ・・・

香焼「……あはは、ごめん」ポリポリ・・・

絹旗「気にしないで下さい。香焼が超気軽に女の子に触れちゃうって事ぐらい把握済みです……何でもお見通しですよーだ」フフフッ

香焼「そう言われると……何ともなぁ」ポリポリ・・・///

絹旗「ふふっ。相変わらず超女々しいですね。やっぱり香焼のナイトをしなきゃダメみたいです。さーて、お話しましょ。お姫様♪」ニパー!

香焼「……もぅ」フフッ

猫s『みゃー!』トコトコ・・・


僕らはベンチに座り、猫達に囲まれながら在り来たりな雑談を始めた。これが、いつもの僕らだ。
やはり変に外へ連れ出したり、見知らぬ人と突き合わせる必要は無いのかもしれない。
彼女は彼女なりのやり方で、ゆっくりと、社会に加わっていけばいい。自分はそれを出来得る限りサポートしよう。

ひょんなことから始まった自立作戦は、結局、『僕らの日常(いつも)』の形に収まったのであった……――― 
 
 
525>>1 [saga]:2011/09/14(水) 02:43:57.05 ID:fA4FX24l0
はい。お疲れ様でした。そんなにエロくなかったでしょ? 

530VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 14:34:54.37 ID:iXgfhFrDO
ふぅ‥‥幸せになって欲しいなぁ。もあいちゃんチュッチュ。
アンケはパス! 何になっても期待しとるよ。
531VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/14(水) 15:22:52.32 ID:Q05Q0AIYo
アンサーステでもいいんじゃよチラチラ 
 
 

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