2013年5月5日日曜日

絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」~その5 2

499 ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:38:58.33 ID:nZquOB25o


~同日 第7学区 調理器具専門店~


ショチトル 「おお」キョロキョロ

絹旗 「ここに来れば大抵のものはあるでしょうね」

白井 「ええ。それこそプロが使うような道具まで揃ってますから」

ショチトル 「すごいな。日本では刀も調理器具にカテゴライズされるのか」

絹旗白井 「「えっ?」」

ショチトル 「アレはそうではないのか?」

絹旗 「……あぁ」

白井 「アレは鮪包丁ですの」

ショチトル 「包丁!? アレが包丁なのか!」

絹旗 「ええまあ、鮪っていう超デカイ魚専門の包丁ですよ」

ショチトル 「……どれぐらい大きいんだ?」

白井 「絹旗さんと同じぐらいかと」

絹旗 「え、そこまでですか?」

ショチトル 「なるほど……道理で包丁も大きくなる訳だ」
500 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:40:04.60 ID:nZquOB25o

絹旗 「さて、目的のものは」トテトテ

白井 「製菓製品はこちらのようですが」

絹旗 「あ、これっぽくないですか?」

ショチトル 「これに、溶かしたチョコレートを流し込むのか」カチャ

絹旗 「ええ、それで冷やして固めるんですよ」

白井 「随分色々ございますのね。さすが専門店といったところでしょうか」

ショチトル 「この大きい箱型のは……?」パカッ

絹旗 「あ、小さいヤツの超量産用ですね」

白井 「ここに流し込めば、いっぺんに作れるということですのね」

絹旗 「これ超良さげじゃないですか。買いです」

ショチトル 「こんな一口サイズのを大量に作ってどうするんだ?」

絹旗 「絨毯爆撃用です」

ショチトル 「?」

白井 「まあ、付き合い等ございますのよ」クスクス

絹旗 「望んだ付き合いじゃないですけどね」

ショチトル 「望まなくても付き合いが発生するのはいいことじゃないか?」

絹旗 「うーん」
501 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:41:37.22 ID:nZquOB25o

白井 「それだけ慕われているという証拠とも言えますもの」

絹旗 「まあ、そう考えておくことにします」

白井 「それで、どんな形にするか決まりました?」

ショチトル 「私か? そうだな……」

絹旗 「コレなんかどうですか、コレ」

白井 「この形は……サーベルですか?」

ショチトル 「なぜサーベル?」

絹旗 「本当はあのノコギリ刀の方が超それっぽいですが、さすがになさそうなんで」

ショチトル 「ノコギリ刀って……」

白井 「決闘の申し込みかと思われてしまうやもしれませんの」

ショチトル 「それならやめるべきだな。真っ向勝負でもお兄ちゃんには勝てないさ」

絹旗 「そんなに超強いんですか?」

ショチトル 「かなり、な」

ショチトル (そりゃ原典2冊持ってるんだし)

白井 「しかし、こう悩んでるだけでも楽しいものですの」カチャ
502 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:42:41.79 ID:nZquOB25o

ショチトル 「なかなか決まる気配がないが……悪くない」

絹旗 「こういうのなんて言うんでしたっけ」

ショチトル 「後の祭り、だったか?」

白井 「逆です、逆。祭りは準備の方が、ですの」

絹旗 「あぁ、そうだ。それです、それ」

白井 「今回に関しては大丈夫でしょうが、後の祭りにはならないようにいたしましょう」

絹旗 「今回に関しては、というか私たちに関しては、ですよね」

ショチトル 「?」

絹旗 「本命に渡すとかじゃなく、自分たちが超食べたいだけですから」フンス

白井 「花より団子、とはこういうことですの」

ショチトル 「そういうことか」クスクス

白井 「……ところで、その手に持ってる型は」

ショチトル 「あぁ。これに決めた」

絹旗 「へー、どんなんですか? 見せてくださいよ」パカ

白井 「あら、こちらは……」

ショチトル 「私の故郷の古い言葉で、な」
503 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:44:13.47 ID:nZquOB25o

絹旗白井 「「?」」

ショチトル 「私の名前は、これを表しているんだ」

白井 「まあ、そうだったのですか。そう考えると、素敵な名前ですの」

絹旗 「ちなみに私の名前は」

ショチトル 「もあい」

絹旗 「ちーがーいーまーすー!!」

白井 「存外、平仮名で書くと可愛いですわね」

ショチトル 「違うのは分かっているのだが……最初にそう教えられたものだから、なかなか切り替えられなくてな」

絹旗 「誰ですか、教えたのは」

ショチトル 「マスターだ」

絹旗 「こうなったら右腕も超折って、両腕ギブスでフレイムマンみたくしてやります!」プンスコ

白井 「させませんのー!」ガシッ

絹旗 「放してくださいよ! これは私が私であるための戦いなんです!」

白井 「大きいお姉様にこれ以上傷はつけさせません!」

絹旗 「白井さんだってサムスピの審判とか言われたら超悔しいですよね!?」

白井 「それはわたくしたちが言い争いになったときに絹旗さんがいつも言ってるフレーズではないですか!」
504 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:45:20.58 ID:nZquOB25o


<超ー!
<ですのー!


ショチトル 「……やれやれ」

ショチトル 「本当に仲が良いのだな」



~同日夕方 第7学区 とある大通り~


ショチトル 「さて、買い物も済んだな」

絹旗 「いやー、まさか店長さんが鮪包丁振りかざしてくるとは……」

白井 「驚いて思考がフリーズしてしまいましたの」

ショチトル 「店内でケンカするからだ。うちの店でも、迷惑客には容赦はしないぞ?」

絹旗 「黒夜が何回か雷落とされてましたね。文字通りの意味で」

白井 「迷惑客に毅然とした態度をとれるお店は好感がもてますわね。手段はともかくとして」

絹旗 「んで、そろそろいい時間ですけど、超買い残しとかないですか?」

白井 「うーん……」

ショチトル 「何かあるのか?」
505 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:46:41.78 ID:nZquOB25o

白井 「いえ、先ほどのお店では見つからなかったもので」

絹旗 「え、なんですか? あるのなら今の内に言ってくださいよ」

白井 「媚薬の類」

絹旗 「お腹空いたし、超帰りましょうか」

白井 「絹旗さん、聞いておいて無視は反則ですの」

絹旗 「なんに使うんですか、そんなモノ!」

白井 「お姉様攻略のためですの」キリッ

絹旗 「言い切らないでくださいよ」ハァ

ショチトル 「媚薬か……そういえば」

絹旗 「超乗っからなくていいですよこんな話題!」

ショチトル 「ん、そうか?」

白井 「いえいえ、言いかけて引っ込めるのは無粋ですのよ」

ショチトル 「それもそうか。まあ、大した話でもない」

絹旗 「はは、もう私知りませんからね」

ショチトル 「私の故郷にも、媚薬というか惚れ薬のようなものが伝わっていてな」

白井 「ぜひ教えてくださいまし」

絹旗 「おい」
506 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:48:30.29 ID:nZquOB25o

ショチトル 「まじないの域は出ないぞ? それに作るための素材集めが厳しい」

白井 「それでもご参考までに」

ショチトル 「材料はたしか……毒カエルの体液、サソリの針、人食い魚の鱗」

絹旗 「超黒魔術……?」

ショチトル 「あぁ、あと惚れさせたい人間の血液だ」

白井 「これは本格的ですの」メモメモ

絹旗 「メモしてどうすんですかぁ!」

ショチトル 「やめておいたほうがよさそうだな」クスクス

白井 「え、ここまできてやめるというのは」

ショチトル 「絹旗さんが実験台にされたら大変だ」

絹旗 「」ゾクッ

ショチトル 「それにさっきも言ったが、まじないの域は出ない。民間療法のようなものだからな」

絹旗 「療法じゃないですよね」

白井 「まあ……確かに、その材料を当日までに揃えるのは難しそうですの」

ショチトル 「学園都市では難しいだろう。ならば、他に必要なものの準備をしたほうが得策だろうな」

絹旗 「そうですね、当日になって超慌てないように準備をしておきませんと」

白井 「買い足さなければいけないものは揃ったでしょう。後は当日を待つばかりかと」
507 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:49:38.97 ID:nZquOB25o


~2月13日午前 第7学区 番外通行邸付近~


浜面 「本日、運転を担当させて頂きます浜面仕上と申します」キリッ

番外個体 「うん、知ってる」

一方通行 「まさか本当に連れてくるとはな」

エツァリ 「交渉事は得意なんですよ」ニコニコ

番外個体 「まあ、悪いとは思うけどせっかくだし……今日はお願いね?」

浜面 「任せといてくれ、運転は得意なんだ」

一方通行 「ほれ、鍵」ポイ

浜面 「はいよ」パシッ

エツァリ 「では向かいましょうか」ガチャ


  バタン バタン


浜面 「エンジン始動!」カシュシュ ブルン

番外個体 「……さっきから気になってるんだけどさ」

一方通行 「聞くな。こいつらなりの考えがあるンだろォよ」

番外個体 「だからその考えとやらが気になってるっつの」
508 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:51:13.55 ID:nZquOB25o

エツァリ 「なんでしょうか?」

番外個体 「……助手席と運転席のお二人、なんで黒スーツにサングラスなの?」

エツァリ 「様式美です」ニコニコ

浜面 「様式美だな」

一方通行 「分かンねェ……」

番外個体 「マトリックスかMIBをインスパイヤしてるのかと」

エツァリ 「自分は後から知った話なのですが」

番外通行 「「?」」

エツァリ 「ミサワさんも絹旗さんと組んで、こんな恰好でスパイ活動していたそうじゃないですか」

番外個体 「!!!」ブーッ

浜面 「あー、アレだ。あの時だな」

一方通行 「……オイ、何の話だ?」

番外個体 「えい」ゴッツン

一方通行 「ンごォ!?」

番外個体 「あんときゃノリノリだったけど、今となっては黒歴史寸前だよ」ガシガシ

一方通行 「オマエなァ! ギプスで殴るヤツがあるか!」
509 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:52:58.38 ID:nZquOB25o

番外個体 「痛かった?」

一方通行 「また折れたらどォすンだ、ボケ」ナデナデ

番外個体 「……ゴメン」

エツァリ 「浜面さん、少々エアコンが効きすぎなようです」

浜面 「こりゃ失礼」

エツァリ 「しかも見ましたか? 乗り込むとき、ドア開けてエスコートしてましたよ」

浜面 「んもう、仲がよろしいこって」

一方通行 「黙って運転しやがれ。乱暴な運転しやがったら、次はオマエがギプス巻く番だからな」ゲシゲシッ

浜面 「分かった! 分かったから運転席を後ろから蹴るな!」

番外個体 「ほーら、やめなよ」

一方通行 「」チッ

浜面 「助かった……それにしても、アレだな」

エツァリ 「どれですか」

浜面 「人様の車を運転するときにいつも思うんだけどよ、運転席狭いんだよな」

エツァリ 「浜面さんの身長がムダに高いからでしょう」

浜面 「ムダと言ったか? 失敬だな、キミは」

番外個体 「あー、この車のシートの位置も私用にしてあるからね。浜面さんにゃ狭いかも」
510 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:54:42.83 ID:nZquOB25o

エツァリ 「あの日も運転したでしょう。その時に調整なさった筈では?」

浜面 「あんときはそんな余裕なかったわ。つうワケで、ちょっと下げるぞ」グイ→

一方通行 「オイバカ危ねェ!!」

浜面 「おっ、悪い。下げすぎちまったか」

一方通行 「オイ、鉄パイプ貸せ、鉄パイプ。後ろからシートごとブッ刺してやる」

浜面 「死んじゃうだろバカ!」

一方通行 「どォせ病院に行くンだから変わりゃしねェよなァ?」

番外個体 「だからやめろっての」ペシッ

エツァリ 「浜面さん、そろそろ出発しましょう」

番外個体 「未だに出発してないことにびっくりだよ」

浜面 「アレだ、アレ。外寒いからエンジンあっためてたんだよ」

一方通行 「だったらもういいだろ。さっさと出せ」ゲシゲシッ

浜面 「お前さっきからなんなの!? タクシーとかでそういうことすんなよ!」ブロロロ

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 :
511 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:56:30.37 ID:nZquOB25o

浜面 「そういえば、小さい方の姐さんはどうしたんだ?」

エツァリ 「あちらの会に参加ですか?」

番外個体 「うん」

浜面 「参加? 何に参加か知らんが、もしかして一人で行かせちゃったのか?」

番外個体 「絹旗さんと白井さんが迎えに来てくれたよ。あの二人が一緒なら大丈夫でしょ」

一方通行 「チビ二人もそれぞれ大能力者なンだからな、なンとかなンだろ」

エツァリ 「……白井さんが暴走しなければよいのですが」

浜面 「大丈夫だろ。絹旗もいるんだし」

番外個体 「それに白井さんも普段はあんなだけど、超えちゃいけないラインは弁えてるから」ニャハハ

一方通行 (……ちょっと不安になってきた)

浜面 「しかしみんな集まって何やっとんだ? 女子会ってやつかい。おっと信号だ」キキー

エツァリ 「えっ、ご存知ない?」

番外個体 「あれ? 聞かされてないの?」

一方通行 「」クピクピ

浜面 「……もしかしなくても、知らないの俺だけ!?」

一方通行 (いいのかよ、コレ)ヒソヒソ

番外個体 (滝壺さんのことだから、直前まで秘密にしてるんだと思う)ヒソヒソ
512 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 00:58:07.00 ID:nZquOB25o

エツァリ 「ま、まあ、浜面さんにとって悪いことは起こりませんよ。断言できます」

浜面 「そ、そうなのか?」

一方通行 「オマエ、信用してねェのか? アイツのこと」

番外個体 「えー、かわいそー。あんなに表に裏に浜面さんに尽くしてるのに」

エツァリ 「浜面さん、これはいけませんね。一方通行さんからの呼称が三下から四下になってしまいますよ」

浜面 「な、何を言うか! 俺は世界中が敵になったとしても滝壺の味方でありつづけるぞ!」

他3人 「「「それが聞きたかった」」」

浜面 「先生!……ってなにがしたいんだお前ら!」プンスコ

エツァリ 「ほら、信号変わりましたよ」

浜面 「ああもう、わかりましたよ」ブロロロ

番外個体 (滝壺さんとフレメアから、か。明日には狂喜乱舞してるんだろうなぁ)クスクス



~同日 第7学区 とある病院~


番外個体 「よーし、着いた着いた」

一方通行 「時間通りだな。三下2号も少しはやるじゃねェか」

浜面 「そんなことあるよ」フンス
513 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 01:00:09.25 ID:nZquOB25o

エツァリ 「では先生のところに向かいましょう」

番外個体 「つってもどこにいるかなぁ」

浜面 「看護師さんに聞けば早いだろ。あ、すいませーん」

麦野 「あぁ?」クルッ

浜面 「ひぃ!?」

麦野 「おい、人を呼び止めといて"ひぃ"ってどういうことだコラ。
    しかもよく見たら浜面じゃねぇか。よし、ブチコロシ確定な」

浜面 「なんだよその理論! 横暴だ!」E:一方通行の盾

一方通行 「オイこら、人を盾にするンじゃねェ!」

番外個体 「あ、しずりん。ちょうどよかったー」

麦野 「あぁ、アンタか。そういえば今日ギプス取る日だっけ」

番外個体 「そゆこと」

麦野 「で、第一位はともかくこっちはなに? SPでも雇ったの?」

番外個体 「いいでしょ。逆ハーレム」

麦野 「……正直、このメンツじゃなんも羨ましくないな」

エツァリ 「それで、先生を探しているのですが」

麦野 「アンタ、確か座標移動の旦那か。浜面に合わせるとバカが伝染るぞ? まあ、今案内するよ」
514 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 01:02:38.34 ID:nZquOB25o


~同日 第7学区 とある病院 処置室~


冥土帰し 「やあ、待たせたね。さっそく始めようか」

麦野 「さー、男どもは出てった出てった」

浜面 「なんだよ、出産かよ」

エツァリ 「浜面さん、忘れてませんか?」

浜面 「?」

エツァリ 「ミサワさんは肋骨も折っているのですよ」

番外個体 「そっちのサポーターも外すから。どうしても上脱がなきゃいけなくて……」チラッ

一方通行 「分かったら出てけ! 肉塊にされてェか!」ゲシゲシゲシ

浜面 「なんで俺ばっか蹴るんだよ! 蹴られたら痛いんだぞ!」

エツァリ 「終わったらお呼びください」

麦野 「第一位も嫉妬深いのね? ジェラシー強い男は嫌われるちゃうにゃー?」ニヨニヨ

一方通行 「ウルセェ。外で待ってるからな、さっさと済ませろ」カツンカツン

冥土帰し 「レントゲンを確認して外すだけだから、そんなに時間はかからないね?」

麦野 (にしても、浜面も来てるなんて嬉しい誤算だわ。早めに用意しといてよかった)
515 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/02/28(火) 01:03:09.48 ID:nZquOB25o

といったところで、今回はここまでです。
次回からようやくバレンタインっぽい話に入ります。

次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/02/28(火) 01:07:11.82 ID:XujN5ZXfo
乙だぜ
しっかりチョコ用意してるむぎのんマジ乙女
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2012/02/28(火) 01:12:15.11 ID:q961Lc/Go

浜面なら絶対スーツにグラサン装備だと思ったwwww
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/02/28(火) 01:27:32.98 ID:XZIeS3W/o
おつ 
 
536 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:35:15.19 ID:z0McE+9Zo


~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


婚后 「ようやく出番ですわ」

フレメア 「?」

絹旗 「そうですね、とうとうこの日が超来ましたね」

白井 「でも婚后さん、今日は授業では?」

婚后 「だってこっちの方が楽しそうなのですもの」

打ち止め 「大丈夫なのかな……?」

婚后 「ご心配には及びません。今授業で行っている地点など、わたくしは2年前に通過済みですわよ」ナデナデ

結標 「流石ね、常盤台中学」

滝壺 「時代を先取りしてるよね」

白井 「その表現はちょっと違うのでは……」

ショチトル 「さて、何から始めるんだ」

婚后 「昨年の失敗を活かしましょう」

滝壺 「失敗って……何かあったっけ?」

白井 「結標さんが大量のチョコを焦がしたぐらいでは」

結標 「今年はしないわよそんなこと!」
537 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:36:41.30 ID:z0McE+9Zo

打ち止め 「もしかして、直接火にあてちゃったの? ってミサカはミサカは推理してみたり」

フレメア 「大体お湯を使って溶かさなきゃダメ」メッ

結標 「」

ショチトル 「それで、昨年は何を失敗したんだ?」

婚后 「ラッピングです。後から気付いて慌てて買いに出かけたではないですか」

絹旗 「あー、そうだ。私買いに行かされました」

滝壺 「そうだった。私たちが作ってる間に3人が買いに行ってくれたんだよね」

婚后 「ええ、わたくしと絹旗さんとミサワさんで。そこで、わたくしから提案なのですが」

結標 「」

白井 「まず準備しましょう、ということですのね」

婚后 「ご明察です。買い出しを二手に分けて、材料係とラッピング係で調達してまいりましょう」

絹旗 「それが超よさそうですね。器具はあるから、これで必要なものは全部揃いそうです」

ショチトル 「義姉さん、そろそろ戻ってきてくれ」ユサユサ

結標 「だ、大丈夫よ。年下の子に料理の腕を指摘されたショックでフリーズするほどヤワじゃないわ」

ショチトル (していたではないか)

滝壺 「むすじめも再起動したから、班分け決めようか」
538 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:37:56.80 ID:z0McE+9Zo

婚后 「どうやって分けましょうか?」

絹旗 「あ、それなら」

フレメア 「それなら?」

絹旗 「去年と超逆にすればいいんじゃないですかね」

婚后 「つまり、昨年ラッピング用品を買い出しに行った方が材料班にまると」

結標 「なるほどね。それならすぐ決まるし、揉める要因もなくていいじゃない」

滝壺 「……あれ? でも去年は材料買い出しは全員で行ったよね?」

白井 「ええと言い直すと、去年ラッピング用品を買いに行かなかった人が行ってきて、と」

滝壺 「なるほど」フム

絹旗 「んで、去年そっち買い物に超行ったのは私と婚后さんとミサワさんでしたよね」

婚后 「ミサワさんはおられませんから……では、貴女にお願いできますかしら」

打ち止め 「任せて!」フンス

結標 「じゃ、私と滝壺さんと白井さんは決まりとして……貴女たちはどっちに行く?」

ショチトル 「先に決めていいぞ」

フレメア 「……すごく、大体、迷う」
539 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:39:20.65 ID:z0McE+9Zo

打ち止め 「じゃ一緒に行こうよ」グイグイ

フレメア 「うん、じゃこっち!」

ショチトル 「ならば私はこちらか。これで人数も均等だろう」

白井 「決まりですの」

婚后 「では、後はそれぞれ必須品を書きだしましょう」

結標 「それに加えて"あ、これも"ってものがあれば買っちゃえばいいわね」

絹旗 「書くものありますか?」

ショチトル 「紙とペンぐらいしかないが」ハイ

滝壺 「十分だよ」

絹旗 「んでは超早速」カキカキ

白井 「あら、絹旗さんはもうどういったものを作るか決まりましたのね」

絹旗 「ええ、どうにか」

滝壺 「こっちの紙にラッピング用品とか書いてね」

打ち止め 「」カキカキ

ショチトル 「お、早いじゃないか。プランはできているのだな」
540 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:40:34.03 ID:z0McE+9Zo

打ち止め 「……うん、去年ラッピングできなかったから、今年こそは……」

結標 「貴女も作ったんだ? じゃ、どうやって渡したの?」

打ち止め 「……アルミホイル」

婚后 「それはそれで手作り感が溢れるほど滲み出ていて素敵ですわね」

白井 (ナイスフォローですの)

 :
 :
 :

絹旗 「じゃ、材料はこれで超全部でいいですか?」

白井 「同じくラッピング用品も」

結標 「うん、私は大丈夫」

滝壺 「全部書いたよ」

打ち止め 「色々書いた! ってミサカはミサカは準備万端であることをアピールしてみたり」フンス

フレメア 「よくわからないから同じく!」フンス

ショチトル 「では出発か? 戸締りもしなきゃいけないな」

婚后 「ええ、行くといたしましょう」
541 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:41:59.42 ID:z0McE+9Zo


~同日 第7学区 大型スーパー~


絹旗 「まずメモにあるものを全部揃えましょうか」

婚后 「そうですわね、漏れがあるといけませんし」

打ち止め 「じゃ、何から買えばいいのかな、ってミサカはミサカはメモを広げてみたり」ガサガサ

フレメア 「色々書いてあるね」

絹旗 「なにせあのお店休業中ですからね。食べるもんは超一通り揃えなきゃいけませんから」

婚后 「これは結構な荷物になりますわよ」

フレメア 「怪力絹旗がいるから大丈夫、にゃあ」

絹旗 「誰が怪力ですか! これは能力です、超窒素です!」

フレメア 「? でも浜面がいつも"絹旗は怪力"って言ってた」

絹旗 「あンの野郎……次会ったら超泣かす」

打ち止め 「ね、ね、これなんて読むのかな? ってミサカはミサカは難読漢字を指さしてみたり」

婚后 「どちらですか? ええと…………」

打ち止め 「?」

婚后 「これは必要ございませんわね。何かの手違いでしょう」
542 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:43:43.12 ID:z0McE+9Zo

打ち止め 「え? いいの?」

婚后 「ええ、大丈夫ですわ」

婚后 (どなたですか、惚れ薬などと書いたのは……)

絹旗 「超ちょっとメモ確認させてもらっていいですか?」

打ち止め 「はい」ガサッ

絹旗 「んー、チョコは当然として、小麦粉、ビスケット、ココアパウダー……バナナ?」

フレメア 「あ、それ私」

絹旗 「チョコバナナですか」

フレメア 「大体おいしい」

婚后 「そういった路線もございましたか」

絹旗 「まるで縁日ですね」

打ち止め 「上から順番にカゴに入れればいいのかな?」

婚后 「その方が少々時間はかかりますが買い洩らしはないでしょう」

絹旗 「じゃ、始めるとしましょうか」

フレメア 「カート! カート私押したい!」

婚后 「ではお願い致しますわね。きっと重くなりますわよ」クスクス
543 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:44:59.53 ID:z0McE+9Zo

絹旗 「ええと、まず超チョコレートですね」

打ち止め 「この製菓用ブロックってやつでいいのかな? ってミサカはミサカは差し出してみたり」

婚后 「どうせ溶かしてしまうのですし、よろしいでしょう」

フレメア 「大体、何個?」

婚后 「そうですわね、とりあえず5kgほど」

絹旗 「そんないります!?」

婚后 「あの人数なのですよ? それに失敗しないとも限りません」

絹旗 「まあ、確かに……」

打ち止め 「5kgってことはこれを……10個!!」

フレメア 「10個投入ー」ポイポイ

絹旗 「初っ端からこの量ですか……」

婚后 「想定できていたことですが……これはそれ以上の大荷物になりそうですわね」

打ち止め 「どんどん行こうー!」トテテテ

フレメア 「おー!」ガロガロガロガロ
544 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:46:29.87 ID:z0McE+9Zo


~その頃 第7学区 大手雑貨店~


ショチトル 「ラッピングとは一口に言うが、何が必要なんだ?」

結標 「ざっとあげると包装紙、箱、リボン、袋あたり?」

滝壺 「あと緩衝材とかもあるといいかもね」

ショチトル 「緩衝材?」

白井 「箱等に敷き詰めてつかいますのよ。細切りにした紙の束だとか」

ショチトル 「あぁ、なるほど」

結標 「そういう訳だから、その辺のものをかき集めていきましょうか」

白井 「結標さん、お待ちになって」

結標 「?」

白井 「まずメモにある必須リストから片付けませんと」

滝壺 「そうだ。そこにあるのは買い忘れちゃいけないんだったね」

ショチトル 「では、上から順番に探していくとするか」

白井 「そうですね、ええとメモによりますと……」ガサッ
545 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:47:58.08 ID:z0McE+9Zo

滝壺 「最初はなに?」

白井 「……丈夫で軽い、正方形の白い箱。深さは5cm前後」

結標 「細かいわね……」

ショチトル 「こだわりを感じるな」ウン

結標 「そういうものなの?」

白井 「とはいえ、任されている以上はなるべくニーズを満たしませんと」

滝壺 「箱だね、探してみようか」

結標 「箱、箱……」

ショチトル 「ボックスというコーナーがあるぞ。ここじゃないか?」

白井 「あ、こちらで探せばよさそうですわね」

結標 「これ良さげだけど……微妙に正方形じゃないわね」

ショチトル 「これは?」

白井 「んー……少々深すぎでは」

滝壺 「あった」テッテレー

結標 「正方形で白い箱、深さもまあ大丈夫そうね」

ショチトル 「では次だな」

白井 「えー、次は……包装紙、英字新聞を切った貼ったデザインしたようなの」
546 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:49:23.48 ID:z0McE+9Zo

結標 「よく見かけるわね、そういう包装紙」

滝壺 「これはすぐ見つかりそうですの」

滝壺 「じゃ探しに」

ショチトル 「あったぞ」ハイ

結標 「え? もう見つけたの?」

ショチトル 「いや……後ろ振り向いたら包装紙の棚だったから」

滝壺 「あ、ホントだ。気付かなかった」

結標 「すぐ見つかってよかったじゃない。次は?」

白井 「ええと、木製の箱、特定の手順で表面のパネルを動かしたときだけ開くやつ」

結標 「誰よそんなの書いたの!?」

滝壺 「からくり箱? それとも寄木細工?」

ショチトル 「さすがにないだろう……」

結標 「ちょっと簡単に見つかりそうにないから後にしましょう」

白井 「それがよさそうですの。では次は……布製、白いリボン」

ショチトル 「リボンか……この辺にはなさそうだな」キョロキョロ

滝壺 「仕方ないね、探しに行こう」

結標 「分かってたけど、一筋縄じゃいかないわね」
547 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:51:11.99 ID:z0McE+9Zo


~その頃 第7学区 とある病院 処置室~


冥土帰し 「どんな感じかね?」

番外個体 「……かゆ、うま」ムズムズ

麦野 「ま、ギプスしてたところは3週間近く洗ってなかった訳だからな。かゆくもなるわ」

冥土帰し 「動かした感じはどうかね? 痛みとかは」

番外個体 「やっぱ思うようには動かないし力も上手く入らないけど、痛みはそれほどでも」

冥土帰し 「まあ、そこはおいおいリハビリしていくといいね? 当分は重いものを持ったり、
       激しく動かしたりは避けるように。また折れるということはないが、痛みが発生するからね?」

番外個体 「はいはい。にしても右腕折ったときよりも全然いい感じ。やっぱ腕のいい先生に診てもらうと違うねー」

麦野 「そりゃそうだ。私なんか左腕折ったどころか吹っ飛んだけど、それも治しちゃうんだからな」フンス

冥土帰し 「君は義手だけどね? ひとまず、今日はこれで完了だね」

麦野 「ほら、これ持って行きな」

番外個体 「なにこれ?」

麦野 「骨折患者向けの注意点と、ご家庭でもできるリハビリ法をまとめたパンフレット」

番外個体 「へー」ペラペラ

麦野 「……にしても、3週間か。色々溜まってるんじゃないの?」

番外個体 「そりゃね。なんだかんだいって不便だったから、それなりにストレスが」
548 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:53:00.82 ID:z0McE+9Zo

麦野 「そっちじゃないわよ」デコピンッ

番外個体 「いたっ。え、じゃなんの話?」

麦野 「第一位のお、あ、い、て」

番外個体 「」プシューー

麦野 「ギプスもとれたし。お預け食らいまくったワンちゃんが、今夜あたり餓狼になるかもな?」ニヨニヨ

番外個体 「それは、大丈夫だと思う。……多分」

麦野 「あ、なに? そんな身体でも処理してやってたの?」

番外個体 「なんもしてないし! いや、そうじゃなくて!」

麦野 「片腕使えないし、ご自慢のバストも使えないとなると、あと使えるのは」

番外個体 「先生、ここにセクハラおやじがいます! 隔離病棟にブチ込んでください!」

冥土帰し 「麦野さん、患者のプライバシーを詮索するような言動は控えるようにね?」

麦野 「友人として接してるので大丈夫ですん」

番外個体 「こんの耳年増が」

麦野 「誰が年増だ」ズビシッ

番外個体 「ふぎゃ」

 :
 :
 :
549 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:54:55.25 ID:z0McE+9Zo

番外個体 「おまたせー」

エツァリ 「おや、お帰りなさい」

一方通行 「調子はどォだ?」

番外個体 「万全とはいかないけど、まあ一区切りでしょ」

浜面 「そうかそうか、そいつは何よりだな」ウン

麦野 「あ、よかった。まだいた」

一方通行 「なンだ、まだなンかあンのか」

麦野 「アンタの嫁は平気よ。私が用事あるのはそっちのチンピラ」

浜面 「すいませんでしたぁ!」ガバッ

麦野 「……なんで謝ってんの?」

浜面 「え? いや、お前が俺に用事あるっつったら、俺が何かやらかしたか、
    もしくは"機嫌が悪いから原子崩しさせろ"の二択だろ?」

麦野 「テメェは人をジャンアンかなんかと勘違いしてんのか!」バシッ

浜面 「いてぇ!? なんだよ、モノ投げるな……って、なんだこりゃ?」

エツァリ 「おやおや、この包みはもしや」

麦野 「自分が食べたくて買ったついでだよ。時期も丁度いいし、やるよ」

番外個体 「あれれ? ついでに買った品物に、こーんな綺麗で可愛いラッピングg」
550 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:57:31.32 ID:z0McE+9Zo

麦野 「やん、またギプス巻きたいの? いいわよぉ、アフターケアもお仕事だから♪」パキポキ

番外個体 「なんでもないです」ササッ

一方通行 「オイ、俺の後ろに隠れンな」

浜面 「時期って……おおそうか、明日はバレンタインか!」

エツァリ 「それすらも気付いてなかったのですか」ハァ

麦野 「バレンタインも気付いてないヤツだから、ついでの品で十分よね」

浜面 「いや、ついででもチロルでもいいんだよ。男にとってのバレンタインつうのはな、
    零と一、この間には天と地ほどの差があるもんだ」

エツァリ 「零回避は確定的明らかなご身分でそれを語りますか」

浜面 「ともかくありがとな、麦野。で、これなんて読むんだ? ぴえれ……んん?」

麦野 「別になんだっていいだろ。ハラに入れば同じよ」

一方通行 「」プルプル

番外個体 (必死に笑い堪えてるし)

麦野 「ま、せいぜいありがたく食いな。じゃ私、仕事に戻るから。お大事に」ヒラヒラ

番外個体 「またねー」ノシ

エツァリ 「さて、これからどうしましょうか」

浜面 「まあ、とりあえず出るか?」
551 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 01:59:28.89 ID:z0McE+9Zo

番外個体 「ゴメン、送ってもらっといて悪いんだけどさ。私ここで退場」

浜面 「お、どっか行くのか?」

一方通行 「あっちに向かうンだろ?」

番外個体 「うん、様子だけ見てこようかなーと思って」

エツァリ 「お店の方ですか、それもよいかもしれませんね」

浜面 「だったらまた俺が運転してくか?」

番外個体 「んー、いいよ。最近引きこもってて運動不足だったし、帰りぐらいは歩いていくよ」

エツァリ 「大丈夫なのですか?」

番外個体 「平気平気、もともと脚の方はなんともなかったんだしね」

浜面 「まあ、気をつけてくれよ。なんかあったら連絡してくれ、こいつが飛んでくから」

一方通行 「なンでオマエが言うンだよ……まあ、必要があれば飛ぶけどな」

エツァリ 「みなさんによろしくお伝え下さい」

番外個体 「……いけね、忘れるとこだった。これ二人に、今日の報酬代わり」ハイ

浜面 「こ、これはもしやまさか! チヨコレイトでございますか!」

エツァリ 「なんだか申し訳ないですね、そこまで働いてませんよ」

浜面 「お前はな。俺は後ろから蹴られながら運転したんだぞ」

番外個体 「まあまあ、義理だなんて分かりきってるでしょ?」ニャハハ
552 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 02:01:38.07 ID:z0McE+9Zo

一方通行 「……」クピクピ

エツァリ 「……? 一方通行さんにはないんですか?」

浜面 「バカお前、本命には本命用があるんだろ? そこは察してやるのが粋ってもんでしょうが」

エツァリ (なんで人のことになると敏感なんですかね)

番外個体 「じゃ、後は野郎3人で楽しんでおくといいよ。じゃね」ノシ

浜面 「はいよぉ」

エツァリ 「またその内に」

一方通行 「気をつけろよ」ノシ

浜面 「さて、どうするか」

エツァリ 「本来の任務である護衛と送迎は完了しましたからね。車もお返ししますか?」

一方通行 「ここで返されても困るだけだ。今日一杯は好きに使ってろ」

浜面 「別に今すぐ行きたいところがある訳でもなし」

エツァリ 「とはいえ、ここに留まる訳にもいかないでしょう」

エ浜通行 「「「じゃあ、ウチにでも」」」

浜面 「……被ったな」

エツァリ 「被りましたね」

一方通行 「被っちまったな」ハァ
553 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/01(木) 02:02:13.03 ID:z0McE+9Zo

といったところで、今回はここまでです。
次回からようやく作成過程に入れるかと思います。

次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/03/01(木) 02:08:40.76 ID:UxMfBzaEo
おつ

フレメアの作ったチョコバナナを食べる女の子たちか...最高だな 
 
600 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:51:05.44 ID:zoKq0xiYo


~同日 第7学区 とある路地~


フレメア 「」ヨテヨテ

打ち止め 「ね、大丈夫? ってミサカはミサカはおぼつかない足取りのフレメアを心配してみたり」

フレメア 「だ、大体、大丈夫」フンヌ

絹旗 「予想通り、超すごい荷物になりましたね」

婚后 「チョコレートに加えビスケットにパウダーにナッツ……牛乳に小麦粉に卵とくれば……応えますわね」ズッシリ

絹旗 「二人は大丈夫ですか?」

打ち止め 「袋が手に食い込んで、ちょっと痛いかも」

フレメア 「大体、重い……」

婚后 「さすがにわたくしと絹旗さんも、これ以上は分担できませんし……」

絹旗 「超失敗しました。こっちに一人多くまわしてもらえばよかったですね……というかですよ」

婚后 「?」

絹旗 「こういうときのためのテレポ屋さんなのに、白井さんと結標さんが同じチームになっちゃったのが失敗でした」

婚后 「ご本人が聞いたら呆れる発言ですわね。まあ、もう少しなのですから、頑張りましょう」

フレ止め 「「はーい」」
601 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:52:19.68 ID:zoKq0xiYo

絹旗 「さすがにここまで来てから諦めてタクシー使うのも超バカらしいですしね」

婚后 「雨でも降っていれば迷わず使ったのでしょうけれど」

打ち止め 「あ、見えてきたよ! ってミサカはミサカはゴールが近いことに喜びを感じてみたり」

フレメア 「やっとついたー」

絹旗 「……婚后さん、私いま超すごくイヤなことに気付いたんですけど」

婚后 「絹旗さん……もしやわたくしと同じ考えなのかもしれません」

フレ止め 「「?」」

絹旗 「で、でもほら、滝壺さんたちが先に戻ってればそんな心配ないですよ!」

婚后 「そうですわね、あちらのチームが向かったであろう手芸品店や雑貨店がここからだと
    少し離れていることなど、この際些末な問題に過ぎませんわね」

打ち止め 「……あの、もしかして」

フレメア 「鍵持ってない……」

絹旗 「超大丈夫です! いざとなったら婚后さんと私の超ツープラトンでドアを」

婚后 「そ、それはいくらなんでもいけませんわよ」

フレメア 「ちょっと持ってて」ハイ

打ち止め 「え!? ちょっと、え!?」ズッシリ
602 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:54:04.56 ID:zoKq0xiYo

フレメア 「」ガチャガチャ

フレメア 「……大体開かない」

婚后 「」アチャー

絹旗 「ええ、そりゃ片手で目を覆いつつ天を仰ぐポーズもしたくなりますよね」

フレメア 「電気でびびびーて開けられない?」

打ち止め 「ミサカじゃムリかも、お姉ちゃんなら……ていうかそもそもここのドア、電子ロックじゃないよ」

絹旗 「超仕方ないですね、ここは私が」

婚后 「だからダメです! 他所様の建物なのですから!」

絹旗 「えー、じゃどうするんですか」

婚后 「……向こうのチームに連絡をとって、鍵を持ってる方だけ戻ってきてもらうか。乃至は」

打ち止め 「ないしは?」

婚后 「帰ってくるまで待つかの2択ですわね」

フレメア 「食べ物、悪くならないかな」

絹旗 「それが一番の超懸案事項ですね」

婚后 「では連絡を取りましょう。今はそれが最善策でしょうから」カチカチ


<あれ?何やってんの?

603 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:55:37.05 ID:zoKq0xiYo

打ち止め 「え? あー!」

番外個体 「路上販売するなら、もうちっと人が多いとこ行ったほうがいいよ」

婚后 「あら、ミサワさん?」

絹旗 「今日病院じゃないんですか?」

番外個体 「もう終わったよ。ギプスないでしょ?」ホラ

フレメア 「大体、大丈夫なの?」ペチペチ

番外個体 「うん、もう骨はくっついたから」

打ち止め 「でもこれからリハビリだよね? ってミサカはミサカはあの人と話してるのを盗み聞きしたのを思い出してみたり」

番外個体 「ま、気長にね」

絹旗 「一ヶ月かかりませんでしたね。超よかったじゃないですか」

婚后 「一時はどうなることかと思いましたが」

番外個体 「でもこの子が言ってたように、リハビリもあるんだけどね。明日からここを営業再開とはいかないかな」

婚后 「性急に走らず、身体と相談しながらがよろしいですわね」

絹旗 「あ、そうだ。ミサワさん、超早速でホント申し訳ないんですけれども」

婚后 「こちらの鍵、お持ちではないですか?」

番外個体 「ああ、外で何やってんのかと思ったらそういうことだったの? 今開けるよ」ゴソゴソ
604 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:56:51.66 ID:zoKq0xiYo


~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


<カランカラン♪


番外個体 「うっわ、なんか懐かしい」

絹旗 「3週間ぶりならそうも感じるでしょうね」

打ち止め 「よいしょー」ドサッ

フレメア 「疲れたー」ドサッ

婚后 「お二人ともお疲れ様でした。あとはわたくしたちでやりますので、休憩なさってください」

絹旗 「すいません、超お願いします」

婚后 「絹旗さんはこちらです」グイ

絹旗 「あうぅ、私だって超疲れてるのに」ズルズル

番外個体 「冷蔵庫の電源、入ってないでしょ?」

婚后 「え? あら、本当に」

番外個体 「ブレーカーごと落としてるからさ。ちょっと待ってね」

絹旗 「食材は超処分したって聞いてましたけど、ここまでしてたんですね」

番外個体 「保存きくヤツはしまっておけばいいんだけどね。要冷蔵のヤツはショチトルに持って帰ってもらったよ」パチッ

婚后 「卵やバターなど、常温では保存がききませんものね」
605 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 02:58:11.11 ID:zoKq0xiYo

絹旗 「じゃ、とりあえずどんどん放り込んでいきましょうか」ガサガサ

婚后 「ミサワさん、改めて。設備お借りしますわね」

番外個体 「使うがよい」

絹旗 「でも助かりましたよ。あっさり貸してもらえて」

番外個体 「ほっといてもテナント料は発生するからね。使ったほうがまだマシってもんでしょ」

婚后 「言えてますわね」クスクス

フレメア 「ねえねえ」

婚后 「どうされました?」

フレメア 「ついでに買ったジュース、どこかな」

絹旗 「ええと……どの袋でしょうね」

打ち止め 「」ガサガサ

番外個体 「なんか探し物?」クピクピ

打ち止め 「うん、買い物ついでにペットボトルのあーーー!」

番外個体 「?」

打ち止め 「今飲んでるのって……」プルプル

フレメア 「落ち着いて、ミネラルウォーターは買ってない」

打ち止め 「そういえばそうだった」ウン

番外個体 「いくら私でも勝手に飲んだりはしないよ」
606 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:00:02.95 ID:zoKq0xiYo

絹旗 「超終了です」バタン

婚后 「後は、向こうのチームの帰りを待つばかりですわね」

番外個体 「そういや、これで全員じゃないよね? 他の人はどうしたの?」

フレメア 「ラッピング、にゃあ」

打ち止め 「2チームに分かれて買い物だよ、ってミサカはミサカは達成感を感じつつ答えてみたり」

番外個体 「なるほど、それで4人が先に帰ってきちゃったと。じゃ、あとは……5人?」

絹旗 「? 4人ですよ。一人多く数えてます」

婚后 「……まさか、わたくしたちも知らない間に5人目が」

フレメア 「」クピクピ

打ち止め 「」プハー

番外個体 「ん? 間違ったかな?」

絹旗 「あ、もしかして黒夜を数えちゃってます?」

番外個体 「え、いないの?」

婚后 「そういえばおられませんわね」

絹旗 「声はかけたんですけどねー、後で超いじけるから。そしたら返信が……」カチカチ

婚后個体 「「?」」
607 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:01:40.27 ID:zoKq0xiYo


 差出人:窒素女
      <kuro-iruka@comodo.ne.jp>
 件名:Re:2月13日
 日付:20yy/m/d 22:12
 ───────────────
 せっかくだけどな、甘いものは得意
 じゃないし、渡す相手もいないから
 パス。
 
 でも絹旗ちゃんからのチョコは欲し
 い。くれ。イルカ型な。


番外個体 「はー、なるほど」

婚后 「さりげにリクエストされてますわね」クスクス

番外個体 「クロちゃんも、銀さんに渡せばいいのにね」

絹旗 「銀さん?」

番外個体 「カマキリロボの人」

絹旗 「あぁ、はいはい」

婚后 「一瞬わかりませんでしたわ」

番外個体 「これ以上なく分かりやすく、且つ的確なネーミングだと思うけどなぁ」

絹旗 「超本人はどう思うかですけど。ところで、ミサワさんは今日はどうするんですか?」

番外個体 「見学と味見係」
608 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:03:34.32 ID:zoKq0xiYo

絹旗 「それじゃ結標さんのチョコを超たっくさん食べてもらいましょう」

番外個体 「……私、絹旗さんの恨みを買うようなことした?」

婚后 「あの、さすがに結標さんの腕もそこまで非道いものでもないかと」

絹旗 「あ、恨みと言えば! ミサワさん、人の名前」


<カランカラン♪


結標 「ただいまー」

番外個体 「あ、噂をすれば」

結標 「あれ? 来てたの?」

番外個体 「予想外に早く終わったから、見学と味見係にね」

滝壺 「よいしょ」ドサッ

ショチトル 「あぁ、先を越されてしまっていたか……」

白井 「鍵をこちらが持ってることに気付いて、やむをえず連続テレポで戻ってきましたのに……」

絹旗 「だったらショチトルだけ戻ってくれば超よかったんじゃ」

ショチトル 「その発想はなかった」

フレメア 「お姉ちゃんがたまたま来てくれたから助かった、にゃあ」

ショチトル 「マスターは徘徊して大丈夫なのか?」

番外個体 「徘徊って……うん、まあ大丈夫でしょ。先生の腕がよかったからね」
609 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:05:06.55 ID:zoKq0xiYo

滝壺 「でも無理は禁物」

白井 「そうですの、また何かあったら困りますもの」

番外個体 「だから今日は見学」クスクス

結標 「まあ、ここの設備を知り尽くした人がいてくれたほうが助かるわね」

フレメア 「ねえ、チョコ作る?」

打ち止め 「さっそく始める? ってミサカはミサカはwktkしてみたり」

滝壺 「ちょっと休憩しよ」

白井 「あ、でしたらそちらのチームから始めて頂いても」

絹旗 「すいません、こっちも今休憩中なんです」

婚后 「大荷物でしたものね」

結標 「私たちも少し休みましょうか」

白井 「そうですわね、連続で空間移動は少々こたえますの」

滝壺 「じゃ、みんなで昼休みだね」

ショチトル 「昼休みか……ちょうどいいな、昼食にするか?」

絹旗 「とは言っても、チョコの材料以外に食べるものなんてなんにもないですよ」

番外個体 「宅配でいいじゃん」

婚后 「では何か適当に頼んで、ささっと済ませてしまいましょうか」
610 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:06:10.82 ID:zoKq0xiYo


~その頃 第7学区 とあるファミレス~


浜面 「ま、何はともわれ腹ごしらえだよな」

エツァリ 「丁度食事時ですしね」

一方通行 「しっかし、オマエらその服装は気合入れすぎだろ」

浜面 「考えてみたらお前だけ浮いちゃってるな。服も中身も白くて」

一方通行 「殴るぞ」

エツァリ 「そうですね……一方通行さんにも事前にスーツ着用を打診しておくべきでしたか」

一方通行 「そォじゃなくてだな……あァ、いいや。めンどくせ」ハァ

浜面 「しかし、ミサワの姐さんの評価はマトリックスにMIBか」

エツァリ 「何かご不満でも?」

浜面 「俺としては敏腕の運び屋を意識したつもりだったんだがな」キリッ

一方通行 「悪かったな。あいつの車がBMWじゃなくてよ」

浜面 「いやいや、別にいいんだけどな」

エツァリ 「さて、何にしましょうか」
611 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:07:49.91 ID:zoKq0xiYo

一方通行 「……サーロインステーキ」

浜面 「お前、それしか頼まねぇのな」

エツァリ 「いいじゃないですか、こういうときぐらい好きなものを食べても」

一方通行 「形が残った肉なンざ食えるのは外食のときぐれェだからな。見逃せ」

浜面 「そういうもんなのか……お、この店でもバレンタインメニューなんてやってるんだな」

エツァリ 「これは興味深い。チョコフォンデュでも頼んでみますか?」

一方通行 「似合わねェにもほどがあンだろ」

浜面 「……おいおい、ハンバーグのソースにスパイシーチョコなんてのがあるぞ」

エツァリ 「もしやモーレソースでは? 懐かしいですね」

浜面 「懐かしい?」

エツァリ 「ええ、自分の故郷ではよく食べられていますよ」

浜面 「面白そうだな、俺これにしよ」

エツァリ 「では自分も懐かしさからそれで」

一方通行 「決まりだな? 押すぞ」ポチットナ

店員 「はい、ご注文をどうぞ」シュタッ

 :
 :
 :
612 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:09:10.86 ID:zoKq0xiYo

浜面 「しかしチョコか……ぐふふふ」

一方通行 「なァ、こいつとうとう頭おかしくなったのか?」

エツァリ 「困りましたね。病院に引き返すことになりそうです」

浜面 「いやいや、俺は至って正常だぜ。見てくれよ、これ」ジャジャン

エツァリ 「ミサワさんと麦野さんから頂いたチョコレートですね」

浜面 「最終的には最下位に落ちるのは目に見えてる。あぁ、それはいいんだ。俺の人生いつもそうだったからな」

一方通行 (ここのコーヒーいまいちだな)ズズ...

浜面 「だが! 今この場において、俺はもらった数暫定第一位だ! 畏れ入ったか!」

エツァリ 「さすがです。適いませんね」

浜面 「いやぁ、俺の人生も上向いてきたなぁ」キラキラ

一方通行 「やっすい人生だな」

店員 (あーあ、バレンタインってなんだよ。そんなことより地球とか滅びねぇかな。明日にでもさ)

店員 「失礼致します。サーロインステーキのお客様」

一方通行 「はいよ」

店員 「器お熱いので、お召し上がりの際はお気を付けください」カチャ
613 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:10:44.90 ID:zoKq0xiYo


~同日昼 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


フレ止め 「「」」ゲフー

結標 「こら、女の子が堂々とゲフーってしちゃダメ」

番外個体 「いいじゃん、別に」モシャモシャ

結標 「一方通行と貴女のところにいて大丈夫なのかしら……」

白井 「あぁ、でしたらわたくしが一から千まで淑女としての教育を」

絹旗 「超心配になりますよ、そっちの方が」

ショチトル 「そろそろ片付けるぞ。これではこの後の作業にも支障が出るだろうからな」ゴソゴソ

婚后 「あ、手伝いますわよ」

ショチトル 「あぁ、済まない」

滝壺 「」ウトウト

フレメア 「お姉ちゃん、起きて」

滝壺 「いけない、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃった」

番外個体 「にしても、サンドイッチ屋さんもまさかカフェから注文が来るなんて思ってなかったろうね」ケラケラ

絹旗 「事情を知らない人からすれば、空き店舗をジャックした超不良の群れですよね」

結標 「喫茶店にたむろする不良、ね……いつの時代の話よ」
614 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:11:59.95 ID:zoKq0xiYo

婚后 「さて、そろそろ始めましょうか」

打ち止め 「どういう風にやるの? ってミサカはミサカはフォーメーションを気にしてみたり」

絹旗 「買い物のチーム分けと超同じでいいんじゃないんですかね」

ショチトル 「そうだな、ここの広さだと同時に作業できるのは4人が限度だろう」

フレメア 「じゃ、私たちからでいい!?」キラキラ

番外個体 「そっちのチームはどうよ」

結標 「私は構わないけど」

滝壺 「うん、いいよ」

白井 「時間はあるのですし。お先にどうぞ」

ショチトル 「……決まりのようだな」

打ち止め 「準備!」E:バンダナ

フレメア 「OK!」E:ポニテ

番外個体 (ポニテって装備するもんなの……?)

婚后 「それでは、早速始めるといたしましょうか」シャキッ

絹旗 「超開始です!」
615 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/04(日) 03:12:50.01 ID:zoKq0xiYo

といったところで、今回はここまでです。
予定よりも長くなってしまいましたが、
ようやく作り始めました。

次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/04(日) 03:14:48.45 ID:ZNDNnH2IO
お疲れ様!
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/04(日) 03:15:19.32 ID:Mwq8uu2Ro
乙!
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/03/04(日) 03:15:53.27 ID:hru7/vfDo
乙。出番のない人の友情出演とかないのかな。終盤だし 
 
640 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:32:54.23 ID:IsokHFZvo

フレメア 「何からすればいいのかな」

婚后 「では、まず……何を作るかにより初動も変わりますわね」

絹旗 「私は超端的に言えば溶かして固めるだけですよ」

打ち止め 「私も」

婚后 「あら、シンプル勝負に出ましたわね」

絹旗 「今回は超ちょっと数を作る必要があるので……」

フレメア 「絹旗、もてもて?」

婚后 「ええ、絹旗さんは後輩に人気があると伺っておりますわね」クスクス

絹旗 「あんまり嬉しくないですけどね。頭もふもふされたり、猫耳つけさせられたり、
    スカート捲られたり、そんなんばっかですよ」

打ち止め 「あ、去年聞いた話だね、ってミサカはミサカは瞬時に思い出してみたり」

絹旗 「アレは私じゃなくてK旗さんの話ですー」

婚后 「きっと高校に進学すれば、次は先輩に可愛がられるのでしょうね」

絹旗 「やめてくださいよ、夢も希望も超なくなっちゃいます……あ」ジャブジャブ

婚后 「?」

絹旗 「すいません、手洗ったはいいんですけど……タオルないですか?」
641 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:34:51.80 ID:IsokHFZvo


<後ろの棚、一番左下段の扉開ければ新品があるよー。


フレメア 「ここ?」ガチャ

打ち止め 「え、なんかたくさんあるよ? ってミサカはミサカはタオルの山を凝視してみたり」

絹旗 「超一枚お借りしていいですか?」


<一枚借りるとか言わず、何枚か持って帰っちゃって。


絹旗 「は、はあ」

婚后 「あら? こちら……」

フレメア 「大体、お店の名前っぽいのが書いてある」


<卸売業者さんがさー、どっさり置いてったんだよ。


打ち止め 「……このタオル、うちのキッチンとお風呂とお手洗いと玄関とあの人の寝室にもある」

絹旗 「超余ってますね……じゃ、遠慮なく一枚お借りします」フキフキ

婚后 「お二人も、手は洗いましたか?」

フレ止め 「「大丈夫!」」フンス
642 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:36:31.63 ID:IsokHFZvo

絹旗 「んではまず、超溶かしましょうか」

婚后 「そうですわね、どの道必要になるでしょう」

フレメア 「ええと、ということは」

打ち止め 「チョコレートを寸分刻みにまで切り刻むんだよ、ってミサカはミサカは教えてみたり」

絹旗 「たまに怖い言い方するのは超ご両親の影響でしょうか」

打ち止め 「?」キョトン

婚后 「刻むには包丁を使うのですが……お二人とも、包丁を握ったことはございますか?」

フレメア 「家で教えてもらってる」ハイ

打ち止め 「同じく、家で教えてもらってる」ハイ

婚后 「それではお二人にお願い致しましょうか」

絹旗 「え、大丈夫なんですか?」

婚后 「何事もやらないことには上達しませんもの。怪我したとしても、それも糧ですわ」

絹旗 「いや、怪我させたら超怒られそうなんですが……」

婚后 「そうならないように、わたくしたちが付いているのでしょう」

打ち止め 「じゃ、フレメア。チョコとってこよう」

フレメア 「おー」トテテテ

婚后 「では今の内にお湯の準備をすると致しましょう」

絹旗 「はーい」ゴソゴソ
643 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:38:12.03 ID:IsokHFZvo

番外個体 「しっかし甘くないチョコだね」ポリポリ

結標 「クーベルチュール用って、要は加工用ってことでしょ? なら甘くないわよ」ポリポリ

ショチトル 「」ポリポリ

打ち止め 「何食べてんのー!」

フレメア 「それ溶かして使うヤツ!」

白井 「申し訳ございません。止めたのですが……」

滝壺 「」スピー

番外個体 「いや、素材の味を知らないとさ、どう作るのかも」

打ち止め 「あなたは作らないじゃん!」プンスコ

結標 「ゴメンね、味見したかったの。これで終わりにしておくから」クスクス

白井 「出番なのですよね? こちらお持ちください」

打ち止め 「あ、ありがと!」

フレメア 「足りなくなったらまた取りにくる」

打ち止め 「よーし、(パク)始めよー!」

フレメア 「(パク)がんばろー!」

ショチトル 「……今一口食べたぞ」

白井 「女子は甘い物の誘惑に弱いものですの」
644 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:39:44.80 ID:IsokHFZvo

フレメア 「持ってきた!」トテテテ

婚后 「では、お湯を沸かしている間に刻んで頂けますか?」

打ち止め 「……絹旗、そのポットで沸かしてるの? コーヒーでも作るの?」

絹旗 「ヤカンがこれしかなかったんですよ!」

フレメア 「ねえねえ」

打ち止め 「?」

フレメア 「大体、半分こ」バキン

打ち止め 「あ、うん。じゃこっちやるね!」

絹旗 「大丈夫なんですかね」

婚后 「ここは見守りましょう」ナデナデ

絹旗 「なんで私の頭を超撫でるんですか!」ウガー

フレメア 「どれぐらいの大きさ?」

打ち止め 「もー、とにかく細かく!」

フレメア 「大体分かった!」

婚后 「あ、大きさはなるべく均一にしたほうが後で困りませんわよ」

打ち止め 「了解!」シャキン

フレメア 「それじゃあ開始、にゃあ」チャキッ
645 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:41:14.98 ID:IsokHFZvo


<ドカカカカカ
<ドコドコドコドコ


婚后 「……まずはいいスタートですわね」

絹旗 「そうなんですか?」

婚后 「これで"どっちか早く終わるか勝負!"なんて言い出したら全力で止めるところでした」

絹旗 「あー、確かに。それは超危ないですね」

婚后 「それにしても絹旗さんも。バンダナ姿が様になっておりますわね」

絹旗 「いやいや、婚后さんこそ。給食のオバちゃんみたいで超いい感じです」

婚后 「……それは褒めているのですか」


<ド カカンド カカンド カカン
<ドンドンカッ ドンドンカッ


絹旗 「なんか超リズムがついてきましたよ」

婚后 「まるでアレですわね。せき止め飴」

絹旗 「あー、今年のお正月にテレビで観ましたよ。切ったばかりのは超美味しそうでしたね」

婚后 「では来年のお正月に行ってみては?」

絹旗 「まだ全然先の話じゃないですか。あ、もういいですかね」バチン
646 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:42:52.19 ID:IsokHFZvo

婚后 「大体50℃ぐらいですか」

絹旗 「……まあ、超50℃ぐらいじゃないですかね」

婚后 「ここは大事ですから、なるべく正確に行きたいところですが」

絹旗 「ミサワさん、超温度計ってないですか?」


<ちょうど絹旗さんの真後ろの引き出し。


婚后 「こちらですか?」ガラッ

絹旗 「おっ、たしかに温度計ですけども……」

婚后 「この金属の棒をお湯に入れればよいのですね」スチャ

絹旗 「いや、なんでこんな超本格的なのが」

婚后 「では、絹旗さん。メータのご確認を」

絹旗 「はいはい」ピッ

婚后 「どうでしょう」

絹旗 「……55℃ですね。超いいんじゃないですか」

婚后 「お湯の準備はよさそうですわね」

絹旗 「じゃ、後はチョコレートですけど」
647 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:44:36.16 ID:IsokHFZvo

打ち止め 「できてるよ?」ハイ

フレメア 「これで大丈夫かな?」

婚后 「っ……こ、こちらは……!」

絹旗 「なんと超均一な……」

打ち止め 「も、もしかしてマズかった?」

フレメア 「だっ、大体やり直しー!」

打ち止め 「いそげー!」

婚后 「だっ、大丈夫です! 大丈夫ですから!」

絹旗 「もうこれで超上出来ですよ!」

フレメア 「でも、刻みながら食べたからちょっと少ないかも」

打ち止め 「あ、フレメア!」

フレメア 「あ」

絹旗婚后 「「……」」

フレ止め 「「……にゃはは」」

婚后 「まったく、絹旗さんみたいなことをしてはダメです」ハァ

絹旗 「えぇ!? なんで私!?」

648 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:46:40.99 ID:IsokHFZvo


<絹旗さんも、共同生活時代はつまみ食い常習犯だったではないですか。
<ちょっ、超昔の話です!


白井 「……フレメアも小さい大きいお姉様も、なかなかに器用ですのね」

番外個体 「なんだろうね、器用さってのは。素養なのかな?」

ショチトル 「訓練で身につけることもできるが、生まれ持った要素も大きいだろう」

滝壺 (そういえば、フレンダも手先は器用だったな)ポケー

結標 「正直羨ましいわ……」

番外個体 「おやおや? 最強のテレポ屋さんがそれ言うかな」

結標 「手先の器用さとは別よ」

白井 「結標さんは、料理の腕は鍛えておられますの?」

ショチトル 「見た目さえ気にしなければ、食べられるぐらいにはなった」

白井 「あら。それはすごい上達ぶりですの」

結標 「なんで貴女が答えてるのよ!」ペシッ

番外個体 「あ、うちの店員への狼藉は許さんよ」

結標 「私からすれば妹同然の存在だから許されるの」ギュゥ

ショチトル (胸が! 胸が口を塞いで息が!)バタバタ
649 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:48:28.61 ID:IsokHFZvo


~その頃 第7学区 番外通行邸~


浜面 「いや、悪いな。お邪魔しちまって」

一方通行 「構やしねェ。どォせ暇なンだ」

エツァリ 「お仕事の邪魔ではないですか?」

一方通行 「そこまで切羽詰まってねェよ」

浜面 「仕事? 自宅警備員か?」

一方通行 「自宅警備員? なンだ、自己紹介か?」

浜面 「すいません」

エツァリ 「丁度いいですね。先日のあれ、浜面さんにも見て頂いては?」

浜面 「?」

一方通行 「……ちょっと待ってろ」

 :
 :
 :

一方通行 「今書いてる分だ」ドサッ

浜面 「……なんじゃぁ、こりゃぁ」

エツァリ 「一方通行さんが始めた"お仕事"です」
650 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:50:42.28 ID:IsokHFZvo

浜面 「一言で言や物書きか? ま、お前らしいっちゃらしいわな」ガサガサ

エツァリ 「先日も思ったのですが、小説はないのですか?」

一方通行 「そっちは専門外だ」

浜面 「なるほど。ま、確かにお前が小説ってのもイメージしづらいわな」ケラケラ

エツァリ 「さて、浜面さん。一方通行さんが執筆しているこれらは、平たく言えば
      "人に理解してもらう"ための文章です」

浜面 「まあ、教科書つうか参考書だからな。それもそうだろ」

一方通行 「オイ、2号。試しにコレ読んで感想聞かせてくれ」ハイ

浜面 「お、どれどれ……ふむふむ……なるほど」

エツァリ 「これは好感触でしょうか」

浜面 「」ボンッ

エツ通行 「「!?」」

浜面 「」プスプス

エツァリ 「……一方通行さん、何を見せたのですか」

一方通行 「数理物理学の入門参考書の下書きなンだが」

エツァリ 「浜面さんが爆発しないぐらいの難易度にしてくださいよ」
651 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:52:28.63 ID:IsokHFZvo


~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


フレメア 「おー」トローリ

打ち止め 「前に聞いたけど、フレメアって家でお菓子作ってるんだっけ?」

フレメア 「うん、滝壺お姉ちゃんと一緒に作ってる。でもチョコは大体初めて」

絹旗 「じゃ、次はちょっと冷ましましょうか」

打ち止め 「え?」

フレメア 「冷ますの?」

婚后 「ええ。ここで一旦冷まして、また少し温めてから固めれば、完成形がより綺麗になりますのよ」

フレ止め 「「おー」」

絹旗 「超丁度いいことに、やたらと本格的な温度計もありますし」

婚后 「では絹旗さん、こちらはお願い致しますわね」

絹旗 「? 婚后さん、どうするんですか?」

婚后 「わたくしはわたくしの準備もしなくては」ゴソゴソ

打ち止め 「無塩バターにタマゴ……」

フレメア 「もしかしてケーキ?」

婚后 「あら。こんなに早い段階で当てられてしまうなんて」
652 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:54:24.74 ID:IsokHFZvo

絹旗 「婚后さん、去年は確か超ムースでしたよね」

婚后 「昨年は冷やして作るものでしたので、今年は焼いて作るものにしようかと」

絹旗 「あ、そういう違いなんですか」

フレメア 「ねー、冷ますときって大体まぜまぜしながらのほうがいいかな」

絹旗 「その方が温度のムラできないんじゃないんですかね」

打ち止め 「じゃ今度は私やる!」ハイ

フレ旗 「「どうぞどうぞ」」

絹旗 「温度は……超35℃。ええと、どれぐらいがいいんでしたっけ」

婚后 「大体28℃ぐらいだったかと思いますが」カチャカチャ

打ち止め 「もうちょっとだね」マゼマゼ

絹旗 「あ、そうだ。ミサワさん、パンの耳とかないですかー?」


<は?なんに使うの?


絹旗 「この状態のチョコをつけて食べてみようかと」

婚后 「……絹旗さん、やめてくださいな。二人も見てる前で」

フレ止め 「「」」ヒソヒソ

絹旗 「ちょ、なんですか。超味見じゃないですかぁ!」
653 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:55:39.23 ID:IsokHFZvo

 :
 :
 :


 【冷蔵庫】<バタン


絹旗 「あとは超固まるのを待つばかりですね」

打ち止め 「まだだよ?」

絹旗 「え? なんかあるんですか?」

打ち止め 「これ! デコるの!」スチャ

絹旗 「あ、超チョコペンですか。そういえば買ってましたね」

フレメア 「」ジー...

絹旗 「この立ち並ぶチョコバナナ、超もろに屋台ですよね」

フレメア 「大体、まだ固まらないかな」ジー...

打ち止め 「さすがにまだかかるんじゃないかな」

絹旗 「人数分の本数はないので、超カットして食べることになると思いますよ」

フレメア 「……浜面のだけは残しておく」

絹旗 (どうやって持って帰るつもりでしょう)

婚后 「」ウーーン
654 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:57:06.03 ID:IsokHFZvo

絹旗 「婚后さんはどうしたんですか」

婚后 「いえ、オーブンには入れたのですが……」

フレメア 「さっきから漂ういい匂いはこれだね」クンカクンカ

打ち止め 「香ばしくて甘くて……」クンカクンカ

婚后 「業務用のオーブンなので勝手分からず、半ば勘でやってしまいまして」

絹旗 「まあ、超大丈夫だと思いますよ」

婚后 「大丈夫でしょうか……」

絹旗 「超コゲたら匂いで分かるじゃないですか」

婚后 「コゲてからでは遅いのです!」

打ち止め 「ね、もう洗い物したほうがいいのかな」

婚后 「あ、そうですわね。こちらはともかく、片付けを始めましょう」

絹旗 「超白井さんチームに引き継がないといけませんしね」

フレメア 「じゃ、片付け開始ー」

打ち止め 「おー」

婚后 「洗い物、お任せしても平気ですか?」

フレメア 「水じゃぶじゃぶするの好きだから平気、にゃあ」

絹旗 「じゃ、私たちゴミ片付けるんで超お願いしますね」

打ち止め 「任せて!」フンス
655 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/07(水) 22:57:36.03 ID:IsokHFZvo

といったところで、今回はここまでです。
次回は黒子チームの出番になるかと。
チョコの溶かし方というか、温度については
うろ覚えなので間違ってるかも。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県)[sage]:2012/03/07(水) 23:01:14.98 ID:p+v9Leq6o
おつです!

こりゃエ浜通行も自作でお返ししないとだめだよな
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2012/03/07(水) 23:02:53.83 ID:U6ysIimKo

浜面を爆発させるには数理物理学の入門参考書を読ませればいいのか
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/07(水) 23:06:02.68 ID:68elL7te0
乙!
隠れ家的喫茶店のオーブンもきぬはた荘のオーブンみたいにノリの良い反応するのだろうか・・・

690 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:08:39.86 ID:g+nziY61o

フレメア 「♪」ジャブジャブ

打ち止め 「ちょ、ちょっとフレメア。お皿は裏も洗わないとダメ」フキフキ

絹旗 「……そういえば、今まで気にしてなかったんですけど」

婚后 「?」ガサガサ

絹旗 「この二人でも、キッチンの高さ超大丈夫でしたね」

婚后 「絹旗さんが大丈夫なのですもの。こちらのお二人だって」

絹旗 「いやいや、どういう意味ですか! それに私だって、そっちの二人よりはまだ背高いですよ!」ムキー

婚后 「……」

絹旗 「スルーですか。超スルーですか」

婚后 「いえ……確かわたくしたちが、こちらのお二人と初めてお会いしたのは」

絹旗 「あの時ですよ。2回目の沖縄に行くちょっと前」

婚后 「あの頃に比べると、すごい成長っぷりだなと思ってしまいまして」

絹旗 「超成長期ですよね、きっと」

婚后 「わたくしは成長期など終わってしまいましたのに」ハゥ

絹旗 「……婚后さん、私知ってるんですからね」

婚后 「?」

絹旗 「バストサイズが今も「わーわーわー!」
691 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:10:33.03 ID:g+nziY61o

絹旗 「な、なんですか、いきなり」

婚后 「わっ、わたくしの話などよいではないですか」

絹旗 「語りだしたのはそっち……まあ、でもここにいるメンバーと知り合ってもうすぐ2年ですか」

婚后 「早いものですわね」

絹旗 「この間ですね、荷物の整理をしていたときに発見した写真を見て、超実感したんですよ」

婚后 「と申されますと?」

絹旗 「身長とかスリーサイズとか髪型とか服の趣味とかありますけど、みんな超ちょっとずつ変化してるんですよね」シミジミ

婚后 「絹旗さんだけは変わらず当時のお姿を残しておられて」

絹旗 「超ほっといてくださいよ!!」ウガー

フレメア 「任務完了、にゃあ」

打ち止め 「洗い物終わったよ! ってミサカはミサカは報告してみたり」

婚后 「はい、お疲れ様でした」

絹旗 「ミサワさーん、ゴミってどこに出しとけばいいですか」


<そっちの「STAFF ONLY」って書いてあるドアの前に置いといてー。


絹旗 「STAFF ONLY……ああ、ここですか」ドサッ

婚后 「さて、後は……」
692 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:11:44.03 ID:g+nziY61o


 【オーブン】<ピーーーーーーーーーーーー!!!


絹旗 「はわ」ビクッ

婚后 「ひゃっ」ビクッ

フレメア 「にゃっ」ビクッ

打ち止め 「わっ」ビクッ


<ゴメン、言い忘れてた。それめっちゃ音デカイんだ。旧式だから。


婚后 「驚きましたわ」ドキドキ

絹旗 「何事かと思いましたよ」ドキドキ

フレメア 「もしかして焼けたのかな」

婚后 「そうですわね。出してみましょうか」ガコン

打ち止め 「おー、いい匂い」

絹旗 「なるほど、カップケーキでしたか。では一つ超味見を」

婚后 「こら」ベシッ

フレメア 「大体、これ使う?」つ【竹串】
693 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:13:11.76 ID:g+nziY61o

婚后 「そうですわね、お願いします」

フレメア 「にゃあ」ブスッ

絹旗 「さあ、どうでしょうかね」

フレメア 「てい」スポッ

打ち止め 「……大丈夫なのかな?」

婚后 「この分なら、中まで焼けておりますわね」

絹旗 「ちょっと見せてください」

フレメア 「」ハイ

打ち止め 「この後は冷ますの? ってミサカはミサカは確認してみたり」

婚后 「熱いままでもそれはそれで美味しいのですけどね」

絹旗 「」ペロ

打ち止め (竹串舐めた……)

婚后 「あ、ダメですわよ、行儀の悪い」

絹旗 「味見ですよ、味見」タハハ

フレメア (私が味見しようと思ったのに)ムスー

絹旗 「あ、いります? 私がペロペロした竹串ですけど」

婚后 「さっさと捨てなさい!」
694 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:14:20.01 ID:g+nziY61o

 :
 :
 :

白井 「そういえば大きいお姉様は」

番外個体 「ん?」

白井 「左手の握力はどの程度まで回復しておられますの?」

結標 「そうね、前みたいにはいかないでしょ」

番外個体 「そりゃね、力みすぎるとまだ少し痛いし」

ショチトル 「復帰にはもう少しかかるか……」

番外個体 「んでもほら、この水のペットボトルぐらいなら」ベコベコ

滝壺 「おお、いろはすがぺっちゃんこ」

結標 「復帰を急ぐことはないでしょ。このお店的にはマイナスだろうけど」

白井 「そうですの、リハビリもあるのですし」

番外個体 「あ、リハビリと言えば。なんか冊子もらってきたんだった」ペラペラ

フレメア 「終わったよー」トテテテ

打ち止め 「キッチン使っていいよー! ってミサカはミサカは達成感を感じつつ引き継いでみたり」

滝壺 「うまくできた?」

フレメア 「大体大丈夫」フンス
695 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:16:17.52 ID:g+nziY61o

結標 「じゃ、次私たちの番ね」

ショチトル 「さて、うまくいくといいが……」

滝壺 「大丈夫だよ」

白井 「わたくしたちが全力で結標さんをサポートいたしますの」

結標 「ちょ、何よそれ!」

ショチトル (私は自分の心配をしたのだけど)

滝壺 「ともかく準備しよう」イソイソ

白井 「そうですの、ええと持参したエプロンは」ゴソゴソ

結標 「……目に物見せてやるんだからね」

ショチトル (何事もなければいいが。まあ、ひとまず)

滝壺 「番号」

白井 「1ですの」ハイ

結標 「2」

ショチトル (店の設備が壊れないことを祈ろう)

滝壺 「」チョンチョン

ショチトル 「3」
696 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:17:30.62 ID:g+nziY61o


~その頃 第7学区 番外通行邸~


浜面 「……クソッ」

一方通行 「慌てる必要はねェぞ?」

エツァリ 「落ち着いてください、焦りは禁物ですよ」

浜面 「いや、あの、そもそもな」

一方通行 「?」

浜面 「お前らが序盤で変な積み方したからっておぁぁあ危ねぇぇぇ!!」


  グラングラン...


浜面 「……ど、どうにか踏ん張ってくれたか」ハァ

一方通行 「声ってな即ち空気の振動だ。振動をあてられた物体がどォなるか、オマエの頭でも」

浜面 「そこまでご大層な話でもなかろうよ」

エツァリ 「つまり大声を出すなということです。ご近所にも迷惑ですからね」

浜面 「はぁ……さて、どうしたもんか」

一方通行 「オイ、2号。いいか? どんな物体でもな、安定するポイントってのは必ず存在する」

浜面 「……」
697 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:19:09.15 ID:g+nziY61o

エツァリ 「卵を立てる、ということに似てるかもしれません」

一方通行 「そこがどこか見極めろ。コレ、アドバイスだ」

エツァリ 「敵に塩ですか? ふふ、貴方らしくもない」

一方通行 「ほっとけ。このまま勝負が硬直しても面白くねェだけだ」

浜面 「あのさ、一ついいか?」

エツ通行 「「?」」

浜面 「誰のせいでこうなったと思ってんだ」

エツァリ 「生存戦略です」

一方通行 「自分に有利に、敵が不利に。それを考慮した結果に過ぎねェ」

浜面 「その結果が、なんで立ってるのかもようわからん、このジェンガか!」


  グラッ


浜面 「おおおおい、頑張れよぉぉぉぉ!」

エツァリ 「しかし粘りますね、このジェンガも」

一方通行 「どンなにブロックを抜かれても、どンなにブロックを積まれても倒れねェ、か。
       大したヒーローっぷりじゃねェか」

浜面 「この後あっけなく倒れることになるかもしれねぇんだけどな」
698 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:20:32.84 ID:g+nziY61o

エツァリ 「まあ、ともかく先に進みましょう」

一方通行 「さっさとしやがれ」

浜面 「あぁ、わかったよ。男は度胸、ってな。話しかけんじゃねぇぞ」スー

一方通行 「……」

エツァリ 「……」

浜面 「……このまま、このまま」スー

一方通行 (いい位置だ)

エツァリ (これはいけそうですね)

浜面 「…………とれた、っ」

一方通行 「お? やるじゃねェか」

エツァリ 「やりましたね、あとはそれを上に積むだけです」

浜面 「分かってる。ここまでくればやってやるさ。引き続き話しかけんじゃねぇぞ」スッ

浜面 (安定するポイント、か……んなもん分からねぇ。やっぱ最後に頼りになるのは……)

浜面 (勘と度胸、だよな!)

浜面 「ここだ!」トンッ


  ガシャンッ

699 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:22:15.48 ID:g+nziY61o


~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


結標 「今年は焦がさない」マゼマゼ

白井 「だいぶいい具合ですわね」

滝壺 「♪」ムニムニ

ショチトル 「これはなんだ? なんだか楽しそうだな」

滝壺 「これ? 求肥」グニグニ

ショチトル 「ぎゅう?」

滝壺 「一口食べてみて。そしたら分かると思う」

ショチトル 「」モキュモキュ

ショチトル 「!? 知らなかった……求肥というのか、コレは」

結標 「貴女が美味しい美味しい言いながら何個も食べてたイチゴ大福の外側よ」

白井 「滝壺さんは変化球勝負ですのね」

滝壺 「チョコモナカとチョコ大福、ぎりぎりまで迷ってた」

結標 「最中か……ところで、貴女はどうするか聞いてなかったわね」マゼマゼ

ショチトル 「この型を使って固める。面白味はないかもしれないが、奇を衒って失敗しても仕方がない」

白井 「先日ご購入されていた型ですのね」
700 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:23:55.52 ID:g+nziY61o

結標 「あら、こんなの用意してたんだ」

滝壺 「これは……固まったら、一口サイズのバラの形になるのかな」

ショチトル 「作り方はシンプルだが、完成形はいくらか複雑だ。お得だろう?」クスクス

白井 「そこまで考えておられたとは」

滝壺 「二人はどうするの?」

結標 「私はね……トリュフ」

ショチトル 「トリュフ?」

結標 「ええ。去年あの子が作ったの食べてみて、美味しかったからさ」

滝壺 「トリュフって、作るの難しい?」

結標 「ううん、徹夜で調べたけど、どうにかなりそう」

ショチトル 「白井さんは」

白井 「こちらを使いますの」ガサッ

ショチトル 「ピーナッツか?」

白井 「ええ、これを混ぜ込もうかと」

滝壺 「ハワイのお土産みたいなヤツだね」

結標 「あれってマカダミアじゃなかった?」

滝壺 「あれ?」
701 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:26:17.58 ID:g+nziY61o


<マカダミアが正解だろう。
<ええ、おそらくは。


フレメア 「」グテー

打ち止め 「疲れちゃった」

婚后 「お二人には色々任せてしまいましたものね」

番外個体 「はは、いい練習になったんじゃないの?」

絹旗 「練習?」

番外個体 「いや、この二人ね。もっと料理うまくなりたいらしくてさ」

婚后 「いいですわね。身に着けておいて損のない技能ですもの」

絹旗 「作ってればだんだんと超上達しますよ。多分」

フレメア 「大体、多分なんだ」

打ち止め 「目標はね、ミサカが二人の食事を用意すること。ってミサカはミサカは大きな目標を掲げてみたり」

絹旗 「あー、そっか。両親が超共働きみたいなもんですしね。片方は自宅警備ですけど」

番外個体 「両親じゃないっての! こんなデカイ子供がいてたまるかい」

打ち止め (でも前に親子に間違えられたよね……)

婚后 「立場と言いますか、役割的なものかと」クスクス
702 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:27:29.55 ID:g+nziY61o

 :
 :
 :

ショチトル 「」トローリ

ショチトル 「……よし」


  【冷蔵庫】<バタン


結標 「そっちは大丈夫そうね」コネコネ

ショチトル 「手伝うか?」

結標 「やってみる? じゃ、先にこれね」

ショチトル 「氷水?」

結標 「手を冷やしてからやるといいらしいわよ」

ショチトル 「それはマスター情報か」チャプ

結標 「準備はいい? じゃ、これを手に取って。一口サイズで丸めて」

ショチトル 「……まるで泥遊びだ」コネコネ

結標 「言わないでよ」

白井 「あの、もう少し大きさを揃えた方がよいのでは」
703 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:28:51.84 ID:g+nziY61o

結標 「……いいじゃない。これぐらいの方が手作り感があって」

白井 「それはそうかもしれませんが」

結標 「そ、それに白井さんが作ってるピーナッツチョコだって、大きさも形も不揃いだし」

白井 「これはこういうものなのですの!」

ショチトル 「その後で冷やすのか?」

白井 「ええ。あとはペーパーの上に適当な形で整形して、冷やすだけですの」

ショチトル 「きっちりとした図形にはならないのだな」

白井 「こういったオブジェのようなものもよろしいかと」

結標 「これ、ペーパーにくっつかないの?」ポリポリ

白井 「きちんと固まった後ならば剥がれますの。って結標さん……」

結標 「いいじゃない。ピーナッツ余ってるんだから」

滝壺 「♪」ポムポム

ショチトル 「……意外とコンパクトなサイズに作っているのだな」

滝壺 「うん。一口サイズ」

結標 「あ、可愛い」

白井 「チョコと求肥の相性、実はよさそうですの」
704 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:30:59.63 ID:g+nziY61o

滝壺 「いいと思うよ。もちもちだし」


<じゃ私が超味見を。


滝壺 「だめ。全員分できてから」

白井 「あ、すみません。冷蔵庫を開けてくださいますか?」

ショチトル 「ああ」ガチャ

白井 「後は待つだけですの」ゴトッ

結標 「よし。私たちも仕上げに入りましょうか」

ショチトル 「まだ何かあるのか?」

結標 「これ、全体的に振りかけて完了よ」つ【ココアパウダー】

ショチトル 「なるほど。では始めよう」

白井 「ちょ、ちょっとお待ちになって。そのままどさっと振りかけるおつもりですの?」

結標 「? なんか違ったかな」

白井 「こし器などでふるった方が良いのでは」

ショチトル 「あぁ、それならあるぞ」カチャ

結標 「あら、これ便利そうね。じゃ、パッパッとかけて完成させましょうか」

滝壺 「私の方はもうちょっとかかるかも」コネコネ
705 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/11(日) 08:31:29.10 ID:g+nziY61o

といったところで、今回はここまでです。
次回は実食、多分なにも起こりません。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 08:38:40.52 ID:pMISqbtDO
乙ー

最愛タソがペロペロした竹串……だと

707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 08:52:29.95 ID:1RbcAYhSO
竹串は俺がおいしく実食しました
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 08:56:09.71 ID:+R6JYkD5o
その隙に最愛タンペロペロしてきました
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 09:36:07.55 ID:sp1I4hDE0
乙!
婚后さんのバストサイズが今も・・・だと!?
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 10:22:36.72 ID:7/WtLEDh0
>>707
それ浜面がペロペロしたやつだぞ
>>708
それ浜面だぞ
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 11:28:32.99 ID:Xx4qxIODO
おつー
成長しない絹旗かわいいよ絹旗

>>710
間接的に滝壺さんペロペロできるならご褒美じゃね?
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/11(日) 11:43:02.09 ID:oWGhMAuDO
>>1
じゃあ俺はワーストたんの左腕をぺろぺろリハビリするとしようかな

>>711×浜面か…新しいな
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/03/11(日) 14:09:56.68 ID:ktZ8BHEAO
乙!
最愛タソ可愛いなぁ 
 
742 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:29:33.05 ID:XGLYme2so

結標 「じゃ、それ持っててね。今、ココアパウダーあけるから」ガサガサ

ショチトル 「少しずつでいいからな。少しずつでいいからな」

結標 「大丈夫よ、何そんなに怯えてるの?」

ショチトル 「いや、前に家で料理の訓練をしているときも、似たような」

結標 「とりあえずこれぐらいかしら」ドザザザザザザ


  ボワッ モワモワモワ...


ショチトル 「……けほっ」

結標 「ゴ、ゴメンなさい。勢い付きすぎちゃった」

白井 「これは何の有様ですの……」

滝壺 「ショチトルがココア味になっちゃった」ポンポン

ショチトル 「だから2回言ったんだ。大事なことだから」

結標 「え、ええと……ほらアレよ!」

白井 「どれですか」

結標 「プレゼントは私作戦」

滝壺 「なるほど。だから自分にココアパウダーを」

ショチトル 「」プルプル
743 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:30:41.15 ID:XGLYme2so

白井 「」ポンポン

ショチトル 「……すまない、私は大丈夫だ」

白井 「その作戦にでるなら、ココアパウダーを振るよりもチョココーティングしたほうがよろしいかと」

ショチトル 「な、何を言い出すんだ!? らしくもない!」

結標 (いや、らしいでしょ)

滝壺 (まさにしらい)

ショチトル 「や、やめろ! 塗るな!」

白井 「お兄様を振り向かせるチャンスですの!」

ショチトル 「別に私はそんなつもりは……!」

結標 「……」

滝壺 「とられちゃうかもよ?」

結標 「大丈夫よ」

滝壺 「おぉ、余裕だ」

結標 「それよりほら、アレ止めないと」

滝壺 「そうだった。……しらい、食べ物で遊んじゃダメ」

白井 「はっ、あ、いえ、も、申し訳ございませんの」

ショチトル 「ご……ゴメンなさい」

結標 「まったく、二人して何やってるのよ」
744 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:32:24.85 ID:XGLYme2so

滝壺 「むすじめもだよ」

結標 「へ?」

滝壺 「ココアパウダー。ショチトルがココア色になっちゃった」

ショチトル 「元からだ」

結標 「あ……で、でも、私のは遊んでたんじゃなく手が滑って」

滝壺 「」ジロ

結標 「不器用でゴメンなさい」ペコリ

白井 (さすが怒らせたらいけない人第一位ですの……)

ショチトル (マスターといい義姉さんといい滝壺さんといい、なぜこの年齢の人は武装闘気を持っているんだ……)

滝壺 「とりあえず、後は完成を待つだけだから。その間にお片づけしよう」

結標 「そ、そうね。綺麗な状態で返さないといけないし」

白井 「もうキッチンを使う予定は」

ショチトル 「いや、あるぞ。だから隅々まで掃除する必要はない」

白井 「?」

結標 「ねー、ゴミ袋どこ?」

ショチトル 「買い置きがここにある」ガチャ

滝壺 (モップ楽しい)ゴシゴシ
745 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:34:03.93 ID:XGLYme2so

フレメア 「」ブルッ

婚后 「どうかされましたか?」

フレメア 「わ、わかんにゃい」

フレメア (大体、なんで? 今一瞬、滝壺お姉ちゃんが怒ったときの空気が……私、何もしてない、よね?)キョロキョロ

打ち止め 「大丈夫? 目が真っ青だよ」

番外個体 「元からでしょうが」

婚后 「ところで絹旗さん」

絹旗 「なんでしょう」

婚后 「先ほど、荷物がどうとか仰ってましたが」

番外個体 「何? 寮追い出されるの?」

絹旗 「違いますよ! 超卒業の準備です!」

番外個体 「あー、卒業するから追い出されんだ」

絹旗 「あくまで超自主的に出るんですってば!」

婚后 「それで、次のお住まいは見つけてますか?」

絹旗 「あー……それは近々、探しに行く予定なんですよね」

番外個体 「去年みたいにバタバタしないようにしないとねぇ」

絹旗 「アレは急過ぎたんですよ……」
746 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:35:52.49 ID:XGLYme2so

婚后 「進学先の寮でよろしいのでは?」

絹旗 「もう寮は十分です。この一年で超堪能しましたから」

婚后 「仰る通りですわね」クスクス

絹旗 「ユリコたちもいますしね。ペット対応マンションの方が何かと超便利そうです」

フレメア 「あ、そうだ! リックは元気?」

打ち止め 「ミサカのテスラは?」

絹旗 「超元気ですよ。もう手に負えないぐらいです」

打ち止め 「会いたいなー。おっきくなってるんだろうなー」

絹旗 「あ、じゃあ引っ越したら来てくださいよ。今の寮よりは入りやすくなってるでしょうし」

番外個体 「大丈夫なのかな、この子連れていって」ピンッ ピンッ

打ち止め 「ちょ、やめ」ミョンッ ミョンッ

婚后 「あの、アホ毛弾いて遊ばないであげてください」

絹旗 「大丈夫でしょう。ユリコの子ですし」

番外個体 「なら大丈夫か」ウン

婚后 「心配材料はございませんわね」ウン

フレ止め 「「?」」
747 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:37:55.37 ID:XGLYme2so

滝壺 「ねえ、モップ使い終わったらどうすればいいかな」

番外個体 「あ、貸して。外に干しておくから」

ショチトル 「マスター、それなら私が」

番外個体 「いいからいいから。私のリハビリの邪魔をするな」ナデナデ


<カランカラン♪


絹旗 「そっちはもう終わったんですか?」

白井 「作成に関してはほぼ完了ですの」

結標 「片付けも一通り終わったし。休憩休憩」

滝壺 「フレメア、みんなのジュースとかお茶ってどこにしまったっけ?」

フレメア 「持ってきてあげる!」トテテテ

打ち止め 「……あ、フレメア! 一人じゃ重いよ!」トテテテ

絹旗 「それじゃそろそろ超試食会に」

婚后 「いえ、まだでしょう」

絹旗 「え。なんでですか」

ショチトル 「もう一仕事残っているだろう」

白井 「ラッピングがまだですの。せっかくそちらの材料も買ってきているのですし」

婚后 「自分たちが食べる分だけ残して、あとは先に包んでしまったほうがよさそうですわね」
748 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:39:17.55 ID:XGLYme2so

滝壺 「うっかり全部食べちゃうかもしれないしね」


<カランカラン♪


婚后 「あ、おかえりなさい。妙に時間かかっておられましたわね」

番外個体 「うん、よく来てくれるお客さんにちょっと捕まってた」

ショチトル 「常連さんか。マスターを見かけて思わず声をかけたのだろうな。ちなみに、どの人だ」

番外個体 「"ロマンスグレー"」

ショチトル 「あぁ、あの人か」

絹旗 「……なんですか、それ」

番外個体 「暗号名」

結標 「コンビニの店員がよく来る客に独自に渾名つけてるって聞くけど、そういうものなのかしらね」

滝壺 「私はきっと、近所のコンビニではピンキストとかジャージとか呼ばれてるんだろうと思う」

番外個体 「いいやぁ、一緒にしないでほしいなぁ。ここでは暗号名と顔とセットで覚えなきゃいけないものがあるんだから」

白井 「と申されますと?」

ショチトル 「いつもの、というヤツだ。慣れた客はそう注文することも少なくないからな」

結標 「ふーん……じゃ、さっきの"ロマンスグレー"さんの場合は?」

ショチトル 「トマトジュース」
749 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:40:57.59 ID:XGLYme2so

婚后 「あら、ロマンスグレーと聞いてコーヒーか紅茶かと思いましたのに」

番外個体 「甘党だからね、あの人」

ショチトル 「そういえばマスター。先日掃除していたら"大佐"さんがいらしたぞ」

番外個体 「ウソ? マジで?」

ショチトル 「別の日には"次元"さんも来ていた。みんな再開時期を気にしていたな」

番外個体 「はー、こりゃプレッシャーだ」

絹旗 「だんだん会話についていけなくなりました」

白井 「とりあえずここの常連様は、絹旗さん好みの壮年の男性が多いということは分かりましたの」

絹旗 「一言超余計ですよ!」

滝壺 (そういえばきぬはたの好みって年上だったっけ)

フレメア 「も、持ってきたよー」ヨテヨテ

打ち止め 「そっか、買い物で重かったのはコレだったんだ……」

婚后 「はい、お疲れ様。あとはお任せになって」ヒョイ

結標 「ゴメンね、やらせちゃって」

絹旗 「いいですよ、私たちはそっちのチームが作ってる間休んでましたし」

白井 「では、完成までの間休憩するといたしましょう」
750 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:42:25.43 ID:XGLYme2so


~その頃 第7学区 番外通行邸~


エツァリ 「よし、あとはこのままゴールに」

浜面 「させねぇよぉぉぉ!!」

エツァリ 「おやおや、往生際が悪いですね。当たりもしない緑甲羅を投げてどうするおつもりで?」

浜面 「クソッ、惜しかった……」

エツァリ 「残念でした。今回は自分の勝ちのようで」

一方通行 「邪魔だ、どけ三下ども」テンテンテン テンテンテレッテ♪

浜面 「なんだぁ! 吹き飛ばされた!」

エツァリ 「一方通行さん、まさかスターですか!」

一方通行 「はい、ゴールっと」テンテンテン テンテンテレッテ♪

エツァリ 「こっ……この期に及んで逆転されるとは……詰めが甘かったですね」

浜面 「最終ラップ後半でスターとか、反則だろ」

一方通行 「あァ? アイテムを有効活用することになンの問題があるンだよ」

浜面 「ちょっとキャラ変えるわ。ここは加速重視でいくか……」

エツァリ 「さて、勝者の一方通行さん。次のコースを決めてください」
751 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:45:01.92 ID:XGLYme2so

一方通行 「適当でいいだろ」

エツァリ 「では適当に決めてください」

一方通行 「……じゃ、ここだな。ここはまだ使ってねェ」カチカチ

浜面 (ウーフーアイランド2か……キタコレ。ここには大幅ショートカットがある。この勝負、いただいたぜ!)

浜面 (運転職人HAMADURA、本領発揮と行こうじゃないの!)ムッフー

エツァリ (……これはなにか企んでますね)

一方通行 「あ、そうそう。オイ、2号。バグショートカット使ったら制裁だからな」

浜面 「あ、あれ? ご存知でいらした?」

一方通行 「オマエな、俺がガキと性悪の接待のために何百週走ってると思ってンだよ」

エツァリ 「僕らが今お借りしている本体も、ミサワさんと妹さんのものですしね」

浜面 「はは、そういやそうか……クソッ、今度は勝てると思ったんだがな」

一方通行 「実力で勝ってみせろよ、たまにはな」

浜面 「言ってくれるじゃないの。ようし、そこまで言うなら俺のドライビングテクニックを見せ付けてやらぁ!」

エツァリ 「お、始まりますよ」

一方通行 「さあ、楽しませてみせろよ。こっちゃ楽勝すぎて退屈してンだからよォ!」

浜面 「言ってろ超能力者!……うぉぉ!? 変なところで話しかけるからロケットスタート失敗したじゃねぇかぁぁ!」キュルルル

エツァリ 「狙ってましたか?」

一方通行 「そこまで姑息じゃねェよ」ハァ
752 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:46:50.12 ID:XGLYme2so


~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


番外個体 「白井さん……ホントにもらっていいの?」

白井 「ええ。どうぞお気になさらずに」

番外個体 「なんか悪いなぁ」

白井 「大きいお姉様は怪我をしておられましたし、今日もチョコを作られておりません。
    きっと第一位様も溜め……いえ、寂しい思いをしておられる筈」

番外個体 「今何言おうとした」

白井 「ですから、今日はそれを使って」

番外個体 「あ、うん、分かった。分かったから、ちょっと落ち着こうか」

白井 「よろしければ、今この場で黒子を相手に練習試合をして頂いても!」グヘヘ

絹旗 「はーい、超すいません。白井さんが色々とー」ガシッ

白井 「ぐえ」

絹旗 「ほら、戻りますよ」ズルズル

番外個体 (……でも確かに。ギプスあるときは寝るのも別だったし、あの人もスキンシップとか控えてたし)

番外個体 (寂しがらせて……むしろ私が寂しい。よし……)
753 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:48:28.01 ID:XGLYme2so

婚后 「それで、そちらから折り畳んで」

打ち止め 「こうかな?」ガサガサ

婚后 「あとはリボンなりで止めれば完成ですわね」

フレメア 「おー、綺麗」

結標 「」ガサガサ

ショチトル 「……苦戦しているな」

結標 「こういうの苦手なのよ、知ってるでしょ」

滝壺 「♪」ガサガサ

絹旗 「大体皆さん終わりそうですかね」

白井 「絹旗さんは大丈夫なのですか?」

絹旗 「私は超本命がいないですからね。それなりの見た目になってれば超おkです」

番外個体 「いるじゃん、本命」

絹旗 「はい?」

番外個体 「クロちゃん」

絹旗 「だからなんでみんなして私とあいつをくっつけようとするんですか!」ウガー

ショチトル 「お似合いだからだろう」

絹旗 「超やめてください」
754 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:50:15.17 ID:XGLYme2so

婚后 「あの、すみません。お三方に」

番外個体 「え、私?」

結標 「どうしたの?」

婚后 「こちら、お預けしてもよろしいですか? それぞれの方たちに」

滝壺 「うん、ありがと。きっとはまづらも血の涙を流して喜ぶよ」

番外個体 「ゴメンね、わざわざ」

婚后 「わたくしが繋がりのある数少ない殿方ですし」クスクス

白井 「あ、すみません。ついでといってはなんですが、わたくしからも」

ショチトル (お兄ちゃん、意外と……異性の受けはいいんだな)

絹旗 「というか、一応全員三バカの分は用意してあるんですよね」

白井 「婚后さんも仰ってましたが、他に親しい殿方もおりませんもの」

絹旗 「なんていいましたっけ。あの、御坂さんが通い妻してる超ツンツン頭にはいいんですか?」

白井 「いいんですの」プイッ

フレメア 「私からも。お兄ちゃんたちに」ハイ

番外個体 「フレメアのは特に保存きかないから、さっさと食べさせないとね」クスクス

結標 「チョコバナナだっけ? 変り種で攻めてきたわね」

フレメア 「にゃあ」
755 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:52:12.57 ID:XGLYme2so

 :
 :
 :

滝壺 「うん、これで全部かな」

番外個体 「結局、自分たちで食べる以外のって、ほとんどうちの人たちに渡すヤツだったんだね」

結標 「なんだか悪いわね。こんなにもらっちゃって」

絹旗 「……なんか、3人ともあまり嫉妬ってしないんですね」

番外個体 「正妻の余裕ってやつ?」ニヨニヨ

結標 「それに貴女たちからだしね」

白井 「あら。わたくしたちはそこまで魅力がないのでしょうか」

結標 「違うわよ。信用してるって言いたいの。この中に人の男寝取るような阿婆擦れはいないわよね、って」

滝壺 「でも宣戦布告ならいつでも受け付ける」フンス

絹旗 「勝てないと分かりきってる勝負なんてしないですよ」

番外個体 「ま、ともかくありがとね。預かった分はきっちり渡しておくよ」

フレメア 「ね、そろそろ? そろそろ?」キラキラ

打ち止め 「みんなで食べる?」キラキラ

絹旗 「そうですね、超お待ちかねの試食会と行きましょうか」

ショチトル 「では準備を始めるか」
756 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:53:59.97 ID:XGLYme2so

結標 「? 準備って」

ショチトル 「コーヒーがほしい人はいるか?」

番外個体 「」ノ

白井 「」ノ

婚后 「」ノ

結標 「」ノ

絹旗 「いつもので」

フレメア 「絹旗のいつものって?」

番外個体 「超あっまーいカフェオレだよ。その名もモアイブレンド」

フレメア 「じゃ私もモアイ!」ノ

打ち止め 「あ、ミサカもモアイ!」ノ

絹旗 「モアイモアイうるせー!」ギャース

結標 「でも、食材って処分したんじゃなかった?」

番外個体 「コーヒー豆は処分しきれる量じゃなかった。それに、生の状態なら結構もつからさ」

滝壺 「なるほど」フム

ショチトル 「では少し待っていてくれ」カチャカチャ

フレメア 「何か手伝うことない?」トテテテ

打ち止め 「お手伝いしまーす」トテテテ
757 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:55:52.55 ID:XGLYme2so

ショチトル 「お湯を沸かしてもらえるか?」

フレ止め 「「はーい」」

番外個体 「そういえば滝壺さんはいいの?」

滝壺 「私にはこのお茶があるから」

婚后 「日本茶も悪くはないですわね」

ショチトル 「なあ、食器やフォークはあったほうがいいか?」

白井 「あるに越したことはないかと」

ショチトル 「分かった。準備しよう」

番外個体 「あ、そっち私がやるよ」

絹旗 「大丈夫なんですか?」

番外個体 「リハビリだよ、リハビリ。それに、どこになにがあるかは私が一番把握してるからね」

婚后 「無理のない範囲になさってください」

結標 「じゃ、私たちもそれぞれ作ったものを超準備するとしましょうか」

滝壺 「そうだね、食べられる状態にしておいたほうがよさそう」

絹旗 「さて、ようやく本日の超メインイベントですよ」wktk

白井 「そういえば、絹旗さんはそれがお目当てでしたわね」クスクス
758 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:57:12.18 ID:XGLYme2so


~実食タイム~


婚后 「」ズーン

結標 「そんなに凹むほどの出来? 婚后さんのケーキ、普通に美味しいじゃない」モフモフ

婚后 「少々焼きすぎですわ……固くなってしまいまして」

打ち止め 「確かに、お口の中の水分がもっていかれるかも」モクモク

番外個体 「言わんでよろしい」

絹旗 「うお、コレ超おいしいですよ」モチモチ

フレメア 「チョコ大福? 冷やしたの?」

滝壺 「冷やしてもおいしいんだよ」

フレメア 「」モチモチ

白井 「このバラ、なんと見事な造形でしょう」

ショチトル 「溶かして固めただけなのだがな」ズズ...

番外個体 「ねー、このトリュフだれの?」

結標 「私」

番外個体 「」ス...

結標 「なんでそっと皿に戻してるのよ! 一度触ったんだから食べなさい!」
759 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 08:58:51.05 ID:XGLYme2so

ショチトル 「マスター、大丈夫だ。見た目はともかく、味はまともなハズだから」

番外個体 「」パク

結標 「……どう?」

番外個体 「ココアパウダーかけすぎな感じはするけど、普通に美味しいよ」

結標 「ココアパウダーかけたのはショチトルよね」

ショチトル 「あれは私のせいなのか!?」

白井 「どう考えても結標さんの瑕疵かと」

滝壺 「うん、あれはむすじめの不手際」

結標 「むむ……」

フレメア 「はい、あーん」

打ち止め 「? これなに?」

フレメア 「私が作ったやつ」

打ち止め 「」パク

フレメア 「どう? どう?」

打ち止め 「これでも美味しいけど、冷やしたらもっと美味しいかも。帰る頃にはぬるくなってるよね?」

フレメア 「なるほど、にゃあ」フム
760 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 09:00:44.48 ID:XGLYme2so

 :
 :
 :

絹旗 「いやー、超食べました」

白井 「一年分ぐらい食べたのでは」

結標 「気になるわね……カロリー」

番外個体 「気にするな」ケラケラ

婚后 「さて。そろそろ片付けましょうか。洗い物はわたくしが」

ショチトル 「いや、私が」

婚后 「場所と設備を提供して頂いたのですから、これぐらいはいたしませんと」

白井 「わたくしたちでやりますので、休んでおいてくださいまし」

ショチトル 「では……お言葉に甘えておこう」

白井 「ほら、絹旗さん。もう一仕事ですの」

絹旗 「え。なんで私まで」

婚后 「主催者なのですから。せめて最後の始末ぐらいはご自分でなさってください」

絹旗 「むー、そういうことであれば」

婚后 「もう日も傾いてきておりますし。手早くやってしまいましょう」

白井 「では、流し場をお借りしますわね」カチャカチャ
761 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/17(土) 09:01:55.15 ID:XGLYme2so

といったところで、今回はここまでです。
チョコも出来上がったところで、次回からはバレンタイン後半戦になります。

次回投下はひとまず未定に。
出来る限り早く来れるよう努力します。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/17(土) 09:13:36.39 ID:21bKLwCjo
おつにゃん
763 :名無しNIPPER[sage]:2012/03/17(土) 09:14:33.44 ID:Bu0eB5NDO
乙!

じっくり書いてくだされ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)[sage]:2012/03/17(土) 09:45:58.91 ID:ZAtZN4SA0

のんびり書ける時に書いてくれればいいよ
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/03/17(土) 12:56:02.63 ID:ML391FEX0
乙です 武装闘気か…俺もほしい 
 
776 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:48:01.82 ID:WPO9Sa3Go


~同日夕方 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~


婚后 「ええと、お皿はこちら、と」バタン

白井 「これで全部ですの」

絹旗 「さすがに3人でやれば超あっという間ですね」

婚后 「これで今日のお役目もすべて完了ですわね」シュルシュル

絹旗 「あっ、髪解いちゃうんですか。後ろ結び婚后さんとか超レアなのに」

婚后 「調理中は邪魔だから結んでいただけですもの」

白井 「さて、みなさんお待たせしておりますし。帰り支度も初めてしまいましょう」

絹旗 「はーい」イソイソ

婚后 「お二人とも、門限は大丈夫ですか?」

白井 「まだ余裕はありますの」

絹旗 「といっても、超寄り道するほどの余裕はなさそうですけどね」

白井 「寄り道する用事もございませんでしょう」

絹旗 「そうなんですけど、ただまっすぐ帰るのも超味気ないといいますか」

白井 「それはまたの機会になさってくださいまし」

婚后 「ユリコたちもお待ちでしょうしね」クスクス
777 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:49:37.37 ID:WPO9Sa3Go

滝壺 「ほら、フレメア。コートきて」

フレメア 「はーい」イソイソ

番外個体 「もうブレーカー落としちゃうよー」

結標 「落としちゃっても大丈夫でしょ」


<ガチャ


打ち止め 「ただいまー、ってミサカはミサカは任務完了の達成感を味わいつつ戻ってみたり」トテテテ

ショチトル 「ゴミは全て裏口のところに出してきたぞ」

番外個体 「はい、お疲れさん」

滝壺 「あ、そうだ。余った材料ってどうする?」

結標 「主催者さんに持って帰ってもらったら?」

絹旗 「そんなにいりませんよ。あの寮にいる間は使いそうもないですし」

白井 「同じくですの」

絹旗 「ほしい人が持ってっちゃえばいいじゃないんですか? ムダにするより超マシです」

婚后 「あ、では……小麦粉いただいてもよろしいですか? ちょうど切らしていて」

結標 「…………他にいないみたいね。いいんじゃない?」

番外個体 「あと何が残ってるの?」
778 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:51:29.03 ID:WPO9Sa3Go

滝壺 「チョコレート、白玉粉、ピーナッツ、がそれぞれちょっとずつ」

結標 「白玉粉ってなに?」

滝壺 「求肥の材料」

ショチトル 「……すまない。いいか?」

滝壺 「どれ?」

ショチトル 「白玉粉とやらがほしい。家でも作ってみたい」

結標 「貴女、よほど気に入ったみたいね」

ショチトル 「あの食感はクセになる」

滝壺 「作り方は自分で調べて。チンすればそんなに難しくないから」ハイ

ショチトル 「あぁ、なんとかなるだろう」

絹旗 「じゃ私はピーナッツを頂いていいですか? おやつ代わりに」

打ち止め 「ミサカもちょっとほしいかも」

絹旗 「じゃ超半分にしましょう」

滝壺 「あとはチョコレートが残ってる」

番外個体 「もー、この場で食べちゃえば?」

結標 「さすがにもういいわよ……」
779 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:52:48.94 ID:WPO9Sa3Go

婚后 「家庭単位で見ると、滝壺さんのところだけ何も入手しておりませんわね」

白井 「言われてみれば。では、差し障りなければ滝壺さんがお持ちになっては?」

滝壺 「いいの?」

白井 「クーベルチュール用ですので、そのまま食べるにはあまり向きませんが」

滝壺 「分かった、もらう」

フレメア 「また何か作りたい、にゃあ」クイクイ

滝壺 「そうだね。これ使って何か作ってみようか」

ショチトル 「これで全部だな」

絹旗 「じゃ出ましょうか。あ、ミサワさん、今日は超ありがとうございました」

番外個体 「いいよいいよ。私なにもしてないのに色々食べさせてもらったし」

結標 「ま、快気祝い代わりね」

婚后 「では出るといたしましょう。戸締りもあるでしょうし」

番外個体 「ガスの元栓は?」

ショチトル 「先ほど閉めた」

番外個体 「りょーかい。じゃブレーカー落としてくるよ」
780 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:54:36.22 ID:WPO9Sa3Go


~同日 第7学区 とある路地~


フレメア 「」トテテテ

打ち止め 「」トテテテ

婚后 「ほーら、不必要に走ると転びますわよ」

絹旗 「超元気ですよね、こんな寒いのに」

白井 「わたくしたちだってそこまで歳が離れている訳ではないのですが」

結標 「……夜が近づいてくると、まだまだ寒いわね」ブルッ

番外個体 「そりゃこれだけ胸元開けてれば、風も吹き込んでくるよね。お、今日は青か」

結標 「引っ張らないでよ、伸びるでしょ」ペシッ

滝壺 「むすじめの胸で既に伸びてるような気もする」

番外個体 「あー、伸びちゃうんだよね、こういう服」

結標 「別に見せ付けてるワケじゃないのよ、私だって」

ショチトル (かつて義姉さんのお下がりばかり着ていた私もそう見られていたのか……?)

白井 「ところであちらのお二人、中学の制服は用意しておられますの?」

滝壺 「まだ」

番外個体 「そろそろ届くんじゃないかね」

婚后 「届いたら早速のお披露目会でしょうね」クスクス
781 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:56:13.46 ID:WPO9Sa3Go

滝壺 「うん、私たちが何か言うよりも先に自分で出して着ちゃうと思う」

番外個体 「いいんじゃない? サイズの確認もあるし」

絹旗 「そういえば年末に聞きましたけど、中学の制服ってブレザーなんですよね」

滝壺 「うん、ブレザー。ちなみにはまづらはブレザーかセーラー服なら、セーラー服派らしいよ」

絹旗 「超どうでもいい情報をありがとうございます」

結標 「セーラー服か。私着たことないのよね」

滝壺 「私も、学校では着たことない」

ショチトル 「私は……あ、いや、あるな」

絹旗 「え? あるんですか?」

ショチトル 「理由あってな。赤いセーラー服を」

白井 「赤いセーラー服……たまに見かけますわね」

結標 「一回ぐらいなら着てみてもよかったかも」

婚后 「女子なら一度は着てみたいと思うものかもしれませんわね」

番外個体 「そっか、霧ヶ丘も常盤台もブレザーだね。まあ、着てみたいならそのテのお店でバイトでも」

結標 「」ベシッ

番外個体 「イテェ!?」
782 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:57:15.91 ID:WPO9Sa3Go

白井 「わたくしも、もう着る機会はないのでしょうね」

絹旗 「隣の芝って超青いんですよね。ブレザー組とセーラー服組、お互いに羨ましがってるらしいですよ」

婚后 「全員が全員そうではないでしょうけど。個人の好みもあるでしょうし」

滝壺 「あの二人も、ブレザーの制服に慣れてきたらセーラー服着てみたいって思うのかな」

結標 「それなら、高校はセーラー服のとこを選べばいいじゃない」

ショチトル (詳しくないから黙っているが、制服で学校を選ぶのもアリなのか)

フレメア 「ねー、私たちは大体こっちだよ」

打ち止め 「ここでお別れ、ってミサカはミサカはくれなずむ街をバックに名残惜しんでみたり」

番外個体 「ありゃ、もうそんなところまで来てたか」

絹旗 「あ、ここで超分岐ですか?」

滝壺 「私たちはこっち」

白井 「今日はお疲れ様でした」

婚后 「帰り道、気をつけてください」

ショチトル 「マスター、くれぐれも」

番外個体 「分かってるって、大丈夫。また連絡するからね」

ショチトル 「あぁ、待っている」
783 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:58:28.08 ID:WPO9Sa3Go

フレメア 「みんな、またね!」

打ち止め 「また今度ね!」

絹旗 「ええ、また超その内に」

結標 「気をつけてね」


<それー!
<待てー!
<こらー!走るなー!
<子供は風の子だね。


結標 「元気ね、ホント」

ショチトル 「若さだろう」

絹旗 「いやいや、私たちも超若いですから。最年少だったんですから」

白井 「わたくしたちは最年少の座は譲りましたが、結標さんの最年長の称号はキープですわね」

結標 「なんか引っかかる言い方ね……」

婚后 「他意はないかと」

ショチトル 「こんなところで立ち止まっても周りに迷惑だ。行くとしよう」

絹旗 「そうですね、行きましょうか」

結標 「これ以上寒くなる前に帰りたいしね」
784 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/20(火) 23:59:20.94 ID:WPO9Sa3Go

 :
 :
 :

ショチトル 「では、私たちは向こうだな」

結標 「ええ。じゃ、3人とも気をつけてね」

絹旗 「超お疲れ様です」

婚后 「では、またその内に」

白井 「どうぞお気をつけて」

ショチトル 「あぁ、またな」ノシ

結標 「それじゃね」ノシ


<ところで、お兄ちゃんは戻っているのか?
<あ、メールするの忘れてた。今しちゃおうか。


婚后 「……そういえば、男性陣は今日をどう過ごしておられたのでしょうね」

絹旗 「ゲームでもやってたんじゃないんですかね」

白井 「時間をつぶす手段ならいくらでもございますでしょう」

絹旗 「ジェンガとかツイスターとかですか」

婚后 (ツイスターは男性3人でやるものなのでしょうか……ルール的には問題ないのでしょうけど)
785 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:00:29.97 ID:RcdhevNro


~同日 第7学区 駅付近~


婚后 「ところで、お二人に聞いてみたかったのですが」

白井 「わたくしたちにですか?」

絹旗 「なんでしょう」

婚后 「お二人は」


<アリアタシター
<ガラッ


黒夜 「ほーしくずのくーずとなーりてー♪」トテトテ

絹旗 「あ」

白井 「あら」

婚后 「あらら」

黒夜 「……え、ええと、あららら?」

絹旗 「いやいや、何やってんですか」

黒夜 「ご覧の通り、ちょっと早めのディナーだ」

白井 「ディナー……あぁ、牛丼屋ですか」

黒夜 「そっちこそ、3人揃って……あ、言わなくていいや。匂いで分かった」
786 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:02:09.78 ID:RcdhevNro

絹旗 「え、匂い?」

黒夜 「うん、すげぇチョコの匂い。服とか髪についちゃってんだろ」

白井 (あぁ、それはきっと……)

婚后 「黒夜さんもいらっしゃればよかったのに」

黒夜 「いやぁ、食べるのはともかく作るのはなぁ。匂いだけで胸焼けしちゃいそうだもん」

絹旗 「確かに作ってる最中は嗅覚がチョコに対しては超鈍感になっちゃってましたけど」

黒夜 「というわけで、絹旗ちゃんからのチョコほしい。くれ」

絹旗 「まあ、あげますよ。今回は超量産体制でしたし」ハイ

婚后 「絹旗さんは小さいのたくさん作っておられましたものね」

白井 「大変ですの、もてる人は」

絹旗 「そういうのじゃないですってば!」

白井 (なんだかんだ言って、リクエストには応える姿勢を見せる面倒見の良さはあるのですね)

黒夜 「なんだよ、私というものがありながら」

絹旗 「そもそもあなたがそういう冗談言うから、超変な方向に勘違いされるんですからね!」ムキー

黒夜 「( ゚3゚)~♪」

絹旗 「まったく……はい、これ」

黒夜 「ちっちゃ」
787 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:03:33.68 ID:RcdhevNro

絹旗 「全部そのサイズですよ。いらないなら超返してください」

黒夜 「ううん、ありがと」パク

絹旗 「おいしいですか? ホウ酸チョコ」

黒夜 「」ブフォ

婚后 「絹旗さんも人が悪いですわね」

白井 「ホウ酸など用意していなかったではないですか」

絹旗 「」テヘ

黒夜 「……」プルプル

絹旗 「起こらないでくださいよ。超もういっこあげますから」

黒夜 「ホウ酸の次はなんだ。媚薬か? 酒か?」

絹旗 「だからなんも入ってませんてば。はい、あーん」

黒夜 「」パク

絹旗 「どうです?」

黒夜 「……甘い」

婚后 「まあ、チョコですしね」

黒夜 「よし、次は口移しだ」

絹旗 「そういうのは白井さんにお願いしてくださいよ」

白井 「なぜわたくしなのですか!」
788 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:05:20.29 ID:RcdhevNro

 :
 :
 :

絹旗 「あれ? そういえば婚后さん」トテトテ

婚后 「はい?」

絹旗 「さっき何か言おうとしてませんでした?」

白井 「そうでしたの。黒夜さんの乱入で中断してしまいましたが」

黒夜 「乱入したつもりはないんだけど」

婚后 「あぁ、はいはい。いえ、お二人に聞いてみたいことがありましたので」

絹旗 「どうぞ聞いてください」

婚后 「お二人の進学先、決め手はなんだったのかな、と」

黒夜 「あ、高校の話?」

婚后 「そんなところですわね」

黒夜 「へー、どこいくの?」

絹旗 「白井さんは霧ヶ丘ですよね」

白井 「ええ」

婚后 「正直、意外に感じました。だからこそ、こんなことを聞いてもいるのですが」

白井 「意外……? ははぁ、さては。わたくしがお姉様を追って長点上機に行くとお思いで?」
789 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:06:58.12 ID:RcdhevNro

絹旗 「いや、私もそれがあるから長点上機だとばかり超思ってました」

白井 「もちろん、その選択肢がなかった訳でもございません」

黒夜 「てことはそうなる可能性もあったんだな」

白井 「ですが、わたくし自身のことをもっと考えた場合、霧ヶ丘も妥当な選択肢ですのよ」

絹黒婚 「「「女子高だから?」」」

白井 「ハッ、ハーモニクス!? わたくしをなんだと思っているのですか!」フギャー

絹旗 「だって他に理由なんかないじゃないですか」

白井 「ありますのー!」

黒夜 「だったらその理由を語ってくれ」

白井 「はあ……霧ヶ丘は、結標さんが籍を置いていた高校ですの」

婚后 「あぁ、なるほど。そういうことですのね」

絹旗 「え、どういうことですか」

黒夜 「空間移動能力の育成に関する実績とノウハウがあるってことだろ」

白井 「ご名答ですの。もちろん、結標さんのコピーになるつもりなどありませんが、
    そのデータを活用するのも悪いことではないかと」

絹旗 「なるほど。超一理ありますね」

黒夜 「それに女子高だしな」
790 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:09:07.57 ID:RcdhevNro

白井 「それはもういいですの!」ムキー

婚后 「さ、次は絹旗さんの番ですわね」

絹旗 「私ですか……正直、白井さんみたいに超しっかりした理由じゃないんですけど」

黒夜 「絹旗ちゃんはどこいくのよ」

絹旗 「霧ヶ丘や長点上機に比べると、名もなき超平凡な高校ですよ」

婚后 「絹旗さんほどの実力があれば、もっと上も狙えたでしょうに」

白井 「"もっと上"がイヤだそうですの、絹旗さんは」

絹旗 「ええ。エリートエリートしたところよりは、ゆるいぐらいが私には超あってます」

黒夜 「あ、それわかるわー」

絹旗 「それに」

婚后 「それに?」

絹旗 「高校関係者と接触してみたら、私の能力と成績なら筆記は超免除してくれると言ってもらえたので」

黒夜 「お、超お得じゃん」

白井 「役得ですの」

婚后 「たしか……あの、青い髪の殿方がいるところでしたわね」

黒夜 「もしかして彼氏?」ニヨニヨ

絹旗 「超ないです! それに青髪さんは今年で卒業のハズですし」
791 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:11:25.29 ID:RcdhevNro

黒夜 「ふーん、どうだかなー」

白井 「そういえば黒夜さんは、進路といいますか、この先どうなさるおつもりで?」

黒夜 「さて、ね。どうしよっかな」

絹旗 「高校でもいけばいいんじゃないんですか? LEVEL4ってだけで迎えてくれるところもあるらしいですし」

婚后 「少々ズルな気もしますが」

黒夜 「楽してズルして頂き、ってね。そりゃ私らしいかもしれないな」ケラケラ

黒夜 (ま、方針はもう決めてるし、動き始めてもいるんだけどな)

黒夜 (黙っておいたほうが面白そうだし、言わなくていいや)ニシシ

婚后 「あ、見えてきましたわね」

絹旗 「おおう、ついちゃいましたか」

白井 「? 何か不都合でも?」

絹旗 「いや、ついちゃったなーと」

黒夜 「後ろ暗いことがあるんだろ、どうせ」

婚后 「絹旗さん、寮監に目をつけられるようなことでも?」

絹旗 「いや、ない……ハズなんですけどね」

白井 「もはや寮監と聞くだけで心拍数が早まりますもの」

黒夜 「調教されてんだなぁ」ケラケラ
792 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:12:43.93 ID:RcdhevNro


~同日 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「婚后さんたちも入ってもらえばよかったのに」

白井 「仰る通りですが、時間が時間ですし」

絹旗 「まあ……それを考えると超仕方ないですが」

寮監 「二人とも、戻ったのか」

白井 「はい、ただいま戻りました」

絹旗 「超ただいまです」

寮監 「丁度良かった。白井、お前に荷物が届いているぞ」

白井 「え」

寮監 「今持ってくる。少し待っていてくれ」

白井 「は、はい。申し訳ございません」

絹旗 「荷物ですか。なんかポチったんですか?」

白井 「ええ、そんなところですの」

白井 (宅配屋さん、お届け時間帯指定は守ってくださいまし……)

絹旗 「あ、私チョコ渡してきますね。超ほしいって言ってた人に」

白井 「はい、先に戻っていてください」

絹旗 「」トテテテ
793 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:15:14.68 ID:RcdhevNro


~同日夜 常盤台新寮 301号室~


ユリコ 「( ・ω・)」マッタリ

リック 「」スピー

絹旗 「ほらほら猫じゃらし、とれるもんならとってみやがれです」ミョンミョン

テスラ 「」バッ

絹旗 「超甘いですね! こっちですよ!」ミョンッ

テスラ 「」ダダダ

ユリコ 「( ・ω・)っ」チョンチョン

絹旗 「? どうしました?」

ユリコ 「(・ω・ )」

絹旗 「?」

アスカ 「」ガサガサ

絹旗 「あー!? 何やってんですかー!」

アスカ 「」ガサガサ

絹旗 「超ダメですよ、それ白井さんの荷物じゃないですか」ヒョイッ

アスカ 「イヤーン」ジタバタ
794 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:17:00.68 ID:RcdhevNro

絹旗 「あ、こら、暴れないでください。何をそんなに超求めてたんですか」

絹旗 「……チョコレート? 白井さんもちゃんとしまってくださいよ。チョコは猫に毒なんですから」ヒョイパク

アスカ 「」ジタバタ

絹旗 「はいはい、もう諦めてください。白井さんに超怒られますよ?」

絹旗 「」ドクンッ

絹旗 (え……なんですか、今の)


<ガチャ


白井 「絹旗さん、シャワー空きましたの」

アスカ 「」ポテテテテ

絹旗 「……白井、さん?」

白井 「絹旗さん? どうし……」ハッ

絹旗 「……」ポー

白井 「き、絹旗さん!? まさかそれを食べたのですか!?」

白井 (カエル先生に贈ろうと思って注文した、ラム酒チョコレート……!)

絹旗 「白井さん……またインナー姿でウロウロして……超誘ってんですか?」

白井 「いえ、決してそのようなつもりでは」
795 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:19:50.49 ID:RcdhevNro

絹旗 「」ガシッ

白井 「絹、旗さん……?」

絹旗 「てい」ポイッ

白井 「ひゃっ……」ボスンッ

絹旗 「えへへー。超捕まえましたー」グイ

白井 「絹旗さん! 落ち着いてください!」

白井 (まさか上をとられるなんて……)

絹旗 「」ジー...

白井 「……?」

絹旗 「白井さんってー、よく見たらー、超綺麗な顔してますねー」

白井 「いけませんの……わたくしたちは女子同士です。絹旗さん、どうか」

絹旗 「……う゛ぇ」ガクンッ

白井 「?」

絹旗 「なんか……超気持ち悪、い……」ウッ

白井 「いやぁぁぁ! 絹旗さんどいて! 吐くならそこからどいてくださいぃぃぃ!」ジタバタ

絹旗 「……か、らだが超重くて……」

白井 (こ、これは非常にマズイですの! かくなる上は……!)
796 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/21(水) 00:20:50.21 ID:RcdhevNro

といったところで、今回はここまでです。
アルコール入りチョコでも、酒に弱い人は悪酔いできます。ソースは>>1
次回はバレンタインらしく、カップルがベタベタしてるだけの話です。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/03/21(水) 00:21:38.35 ID:VPMsRcodo
絹旗ェ……
乙!
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/21(水) 00:22:13.26 ID:zg5OxOZuo


そういや上条さんは卒業できたのかな
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2012/03/21(水) 00:22:47.34 ID:uaHJjI9Fo
超乙です

青い髪って青ピか そういや接触あったっけ
そんで黒子の宅配チョコを媚薬入りとか思ったのは俺だけじゃないはず
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/21(水) 00:23:06.68 ID:kGmRwgmIO
もうホワイトデーも終わったな 
 
833 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:14:05.89 ID:PrCZmE9lo


~同日 常盤台新寮 301号室 浴室~


白井 「絹旗さん、お身体の具合は?」

絹旗 「吐いて楽にはなりましたけど……」ゴシゴシ

白井 「そうですか。それはなによりですの」

絹旗 「……」ゴシゴシ

白井 「全く。カラッポの胃袋にアルコールなど入れるからですの」

白井 (浴室に咄嗟にテレポートすることで、被害はわたくしと絹旗さんだけで済みましたが……)

白井 (それにしても、能力暴走対策のAIMジャマーとやらも、貧弱な出力ですのね)

絹旗 「……あの、お背中流し終わりました、です」

白井 「はい、ご苦労様」

絹旗 「なんで私がこんなソープ嬢みたいなマネを……」

白井 「わたくしが誰のせいで汚されたと思っておりますの」

絹旗 「超悪かったとは思ってます」

白井 「まあ……前向きに考えましょう。この部屋で、こんな触れ合いの機会も、あと数えるほどしかないのでしょうし」

絹旗 「超寂しいこと言わないでくださいよ」ザブン
834 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:16:19.41 ID:PrCZmE9lo

白井 「あら、寂しいと感じてくださるなんて光栄ですわね」チャプ

絹旗 「え、なんで入ってきてんですか」

白井 「冷えてしまいましたので」

絹旗 「まあ、いいですけども」

白井 「それにしても、まさか絹旗さんに組み伏せられる日がこようとは」

絹旗 「だから超謝ってんじゃないですかぁ……」

白井 「ついてっきり絹旗さんがそちらの道に目覚めてしまったのかと」

絹旗 「ないですから。超ないですから」

白井 「ふふ、この話はこれぐらいにしておきましょう」

絹旗 「超イジワルですね」プイ

白井 「そろそろ大丈夫ですか?」

絹旗 「まだ超ちょっと、頭がグラグラします」

白井 「それほど強烈でしたのね、あのチョコレート」ナデナデ

絹旗 「あんなの注文したのが寮監にバレたらどうするつもりなんですか」

白井 「その辺は抜かりないですの」クスクス

絹旗 「超程々にしてくださいよ」
835 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:17:41.59 ID:PrCZmE9lo

 :
 :
 :

絹旗 「はふぅ」モニャ

白井 (お湯にあてられて、すっかりたれ旗になってしまってますの)

絹旗 「白井さんはー」チャプ

白井 「はい?」

絹旗 「この中学にいる間に、何かやり残したことってあります?」

白井 「あるといえばありますの」

絹旗 「お、なんです?」

白井 「お姉様と結ばれなかったことが、唯一の」ウッ

絹旗 「はいはい、超そんなことだろうと思いました」

白井 「そういう絹旗さんは、何かあるのですか?」

絹旗 「んーーー」

白井 「まあ、思い残すことはないようにしてくださいまし。卒業してしまえば、
    この寮にも学舎の園にもおいそれとは入れないのですから」

絹旗 「……あ、そうか! それです!」ザバァァァァ

白井 「あ、絹旗さん。そんな突然立ち上がったら」
836 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:19:06.75 ID:PrCZmE9lo

絹旗 「あぅ」フラッ

白井 「え、ちょ」


  バシャーーン ブクブクブク


絹旗 「……ぷっ、は。超あぶねー、あんな超ひどい立ち眩みは初めてですよ」ザバァ

絹旗 「あれ? 白井さん?」

白井 「ゴボゴボゴボ」ベシベシ

絹旗 「わぁぁぁ私の下に!? すいません大丈夫ですかすいません!!」

白井 「はっ……はー……死ぬかと思いましたの」

絹旗 「超事故ですってば!」

白井 「そういうことにしておくとして……何か閃いたのですか」

絹旗 「やり残したことですよ。超正確に言うなら、今じゃないとできないことです」

白井 「と申しますと?」

絹旗 「それはお風呂でてから超ゆっくり語りますよ」ザバ

白井 「また勿体ぶって。それほどのプランだと、期待しておくといたしましょう」ジャブ

絹旗 「うーん、みんなノってきてくれるといいんですけど」ノビー
837 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:20:23.33 ID:PrCZmE9lo


~その頃 第7学区 番外通行邸~


番外個体 「」プシュッ プシュッ

番外個体 (うーん、自分じゃ分からないや)スンスン

番外個体 (白井さんがくれたこの香水、自分でも試しにつけてるって言ってたけど)

番外個体 (チョコ作り真っ最中のあの空間じゃなー、分からないよなー)

番外個体 「ま、いいや。こうしててもしょうがない」

番外個体 「とっつにゅー」


  コンコン ガチャ バタン


番外個体 「やっほ」

一方通行 「オイ……ノックからドア閉めるまで3秒って随分な早業じゃねェか」

番外個体 「お忙しい?」

一方通行 「問題ねェ。で、どォしたンだ」カチャカチャカチャ  ッターーン!

番外個体 「特に何も。今日はここで寝させてもらおうと思って」ギシ

一方通行 (オイ、マジかよ。こいつまだ折れた部分の痛みひいてねェだろ?)

一方通行 (手を出すワケには……いかねェよなァ)ガシガシ

番外個体 「さっき渡したチョコ詰め合わせの感想も聞きたいしね」ゴロゴロ

一方通行 「あァ……チマチマ食わせてもらってる」
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/25(日) 01:21:22.56 ID:HJWlI4SIO
ッターン
839 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:21:39.00 ID:PrCZmE9lo

番外個体 (なーんか様子がヘンだな。やっぱしずりんや白井さんが言ってた通りなのかねぇ)

一方通行 「」カチャカチャ  ッターン!

番外個体 「寝ないの?」

一方通行 「まだキリが悪い」

番外個体 (さすがにこの距離じゃまだ気付かないか)

番外個体 「……あのさ、ギプス取れたっつっても握力戻らないし手首もまだうまく動かないから、
       私はみんなみたいにチョコ作れなかったんだけど」

一方通行 「別に気にする必要はねェよ」

番外個体 「そんな私を見かねた白井さんが、面白いものくれたよ」

一方通行 「?」

番外個体 「ちょっとでいいからこっちきて」

一方通行 「なンだよ……」

番外個体 「」ダキッ

一方通行 「……オマエ、この匂い」

番外個体 「チョコレート風味の香水だって。面白いこと考える人もいるもんだね」

一方通行 「甘ったるいな、オイ」

番外個体 「私の残り香がベッドに残るのはイヤかな?」
840 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:23:16.84 ID:PrCZmE9lo

一方通行 (いや、そりゃむしろ歓迎すべきことなンだろォが)

番外個体 「改めて聞くけど、寝ないの?」

一方通行 「……寝るか」

番外個体 「♪」

一方通行 「痛みはねェのか?」

番外個体 「普段はね。冷やしたり、激しく動かしたりすると痛いかな」

一方通行 (つゥことはまだまだお預けだな、こりゃ)

番外個体 「ね、我慢とかしてない?」

一方通行 「あァ? 何の話だ」

番外個体 「今日病院でさ。しずりんからそんな話聞かされたから」

一方通行 (あンの歩く有害図書館、余計なこと吹き込ンでンじゃねェ!!)

一方通行 「心配ねェよ。自分の身体のことだけ考えてろ。復帰も視野にいれねェとな」ナデナデ

番外個体 「……ありがと」ピト

一方通行 「オマエが仕事休んでる間、あのバイトは無職無収入の状態になってるワケだしなァ」

番外個体 「う……善処します」

一方通行 (ちょっとスキャンしてみるか)カチッ

番外個体 (? 今、私の生体電流にノイズが? 何かしやがったな?)
841 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:25:18.15 ID:PrCZmE9lo

一方通行 (骨はかっちりくっついてンな。つゥことは周辺の筋肉と神経の問題か)

番外個体 「今なんかした?」

一方通行 「なンもしてねェし、なンもしねェよ。さっさと寝とけ」

番外個体 「……うん」

番外個体 (あー、この感触もこの匂いもこの温もりも、全部がすっごい懐かしい)スリスリ

一方通行 (……)

番外個体 (うー、落ち着く。なんかふにゃーってなってきた)フニャー

一方通行 (自覚してンのかこいつ……)

番外個体 (あ、ヤバイ。寝そう……もうちょっとこれ味わってたいのに)ギュー

一方通行 (あァァァ、腹空かした野良犬にほンの一口だけ食いモン施すよォなマネしやがってェェェ)

番外個体 (……短パンじゃちょっと寒いなぁ)モゾモゾ

一方通行 (オイオイオイ、なンで脚絡ませてきてンだ誘ってンですかァァァ!?)

番外個体 (う、ここまで、か……)スゥ

一方通行 (ギプスが取れるまで3週間かかった、最低限痛みを感じなくなるまでのリハビリも同じぐらいか……)

一方通行 (俺、悟り開けるかもしれねェ)

番外個体 「」スピー

一方通行 「……いい気なモンだよな、ホントによ」ナデナデ
842 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:26:31.41 ID:PrCZmE9lo


~その頃 第7学区 エツ標邸~


ショチトル 「少し早いが、私はもう休む」

結標 「あら、今日は早いのね」

ショチトル 「すぐに寝るワケではない。……あぁ、そうそう」

結標 「?」

ショチトル 「私はこれから絹旗さんが貸してくれたCDを聞くつもりだ」

エツァリ 「?」

ショチトル 「深夜だし、近所迷惑にならないようにヘッドフォンを使う。
       だから呼ばれても気付かないかもしれないし、大きな物音も聞こえないかもしれない」

エツ標 「「」」

ショチトル 「そういうワケなので、お休み」


<ガチャ バタン


結標 「ねえ……もしかして気を使わせちゃってるかな」

エツァリ 「もしかしなくてもそうでしょう」

結標 「むー」

エツァリ 「彼女は聡明なところがありますから」
843 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:28:20.96 ID:PrCZmE9lo

結標 「だとしたらちょっと悪いことしちゃったわね」

エツァリ 「埋め合わせは考えましょうか」

結標 (たまにはお兄ちゃん返したあげたほうがいいのでしょうね)

結標 (でも、今日は……ちょっと、その聡明さに甘えさせてもらおうかな)

 :
 :
 :

結標 「で、さ。何か気の利いた感想はないの?」グイグイ

エツァリ 「と、申されますと?」

結標 「私みたいなのに押し倒されて、挙句馬乗りにされてるなんて。世の中の男子は羨むシチュだと思うけど?」グイグイ

エツァリ 「いや、あの」


  ――貴方、なんでこんな肩ガチガチなのよ。ちょっとそこに寝なさい。


エツァリ 「と言われたので、実際乗られてるのは背中なワケで」

結標 「そ、れ、で、も」

エツァリ 「体重増えました?」

結標 「なんか言った?」ギリギリギリギリ

エツァリ 「あぁぁぁぁぁ!? 言ってません! 言ってませんからフェイスロックはやめてください!!」
844 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:30:06.74 ID:PrCZmE9lo

結標 「ならいいけど。……よし、こんなものかな。あとは湿布のエツの字張りでもしておきなさい」ポンポン

エツァリ 「あぁ、はい、了解です」

結標 「……」

エツァリ 「……? あの、終わったのならどいて頂いても」

結標 「どいてほしいの?」

エツァリ 「自分の背中に乗り続ける必要もないかなと」

結標 「やっぱり重いんだ」

エツァリ 「そうは言ってませんよ」

結標 (何かしらね、このある種の居心地のよさ)

エツァリ (次はキャメルクラッチでしょうか)

結標 (浜面くんほどじゃないけど、こいつもそこそこ鍛えてるのよね)サワサワ

エツァリ (うわ、くすぐったい!?)ゾゾ

結標 (滝壺さん的にはあれぐらい筋肉質なのがいいのかしら……)

結標 (ま、結局は好みよね。骨と皮だけの漂白エノキみたいなのと付き合ってるのもいるんだし)

エツァリ 「そ、そういえば今日は集まっておられたのですよね。首尾はどうでしたか?」

結標 「あ、そうだ。ちょっと待ってて」ガサガサ

エツァリ 「?」

結標 「はい、これ」
845 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:32:20.46 ID:PrCZmE9lo

エツァリ 「これはまた大量じゃないですか。随分と勝ちましたね」

結標 「パチスロじゃないわよ、バカ。作ったの、みんなでね」

エツァリ 「分かっておりますとも」

結標 「ったく……みんなの作品、全部まとめて入れてあるから」

エツァリ 「……」ガサガサ

結標 「ちなみに、あえて私のも混ぜてあるわよ」

エツァリ 「結標さんのも……?」

結標 「もし一回で当てることができたら……そうね、貴方の命令1つだけ、なんでも従ってあげる」クスクス

エツァリ 「これですよね?」

結標 「えっ? な、んで……?」

エツァリ 「あ、正解ですか。やりましたね」

結標 「そんな……味は食べないとわからないとしても、形やラッピングは頑張ってみんなと同じレベルにしたのに……」

エツァリ 「わかりますとも」ニコニコ

結標 「ぐぬぬ……」

エツァリ 「さて、賭けは自分の勝ちということで。ちょっと考える時間を頂きます」

結標 「言い出したの私だし……今更逃げも隠れもしないから、好きになさい」

結標 (あぁ、もう……ちょっと強気になりすぎちゃったなぁ)

エツァリ (やはり立場の優位が入れ替わると弱いですね)
846 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:34:12.50 ID:PrCZmE9lo


~その頃 第7学区 浜滝邸~


滝壺 「フレメアは寝ちゃった?」

浜面 「バタングゥだぜ。さすがに疲れてたんだろ」

滝壺 「今日は頑張ってたからね。お茶淹れた」カチャ

浜面 「ややっ、これはかたじけない」

滝壺 「ところで、これってチョコ?」

浜面 「あぁ、麦野とミサワの姐さんからもらった分だな」

滝壺 「……みさわは分かる。今日病院に送るって聞いてたから。でもむぎのも?」

浜面 「病院で出くわしたんだよ。自分が食うのに買ったから、ついでにやるってな」

滝壺 (嘘。ついで、だったらこんな綺麗にラッピングしてるハズがない)

浜面 「ま、ついでだろうと恵んでもらえるならありがたいってもんだよな」ハハハ

滝壺 (しかもこれ、小さいのでも何千円する高級ブランド……むぎの)

浜面 「……あ、あのー、滝壺さん?」

滝壺 (負けられない。今日の私はちょっと攻撃的)メラメラ

浜面 (あれ? 俺なんかマズったか?)
847 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:35:27.33 ID:PrCZmE9lo

滝壺 「はまづら、これはみんなから」ガサッ

浜面 「おお!? なんだこの多種多様なチョコのIT革命は!」

滝壺 「今日作ってたんだよ。それはみんなの作品」

浜面 「そうか。今日はチョコ作り大会だったのか。……だからさっきフレメアのヤツ、
    俺の口にチョコバナナ突っ込んできたんだな」

滝壺 「それはフレメアが作ったやつだね」

浜面 「で、滝壺さんのはどれでしょうか」ガサゴソ

滝壺 「こっち」

浜面 「え」

滝壺 「はい、あーん」

浜面 「」アーン

滝壺 「おいしい?」

浜面 「大福、か? おお、モチモチだぜ!」モキャモキャ

滝壺 「まだあるよ」

浜面 「は、はい、いただきます」アーン

滝壺 「でもよかった。気に入ってもらえて」

浜面 「当たり前だろうが! 手作りチョコ大福をアーンしてもらえるなんて、俺は世界中の男どもからの嫉妬を一身に受けてるぞ」

滝壺 「……そっか」
848 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:37:06.03 ID:PrCZmE9lo

浜面 (? 今一瞬、目の色が変わらなかったか?)

滝壺 「じゃ、次も口で受け取ってね」パク

浜面 「え?」

滝壺 「ん」

浜面 (次なるチョコ大福があるのは、滝壺のやわらかそうな唇の間。口で受け取れってつまり……にょほー!?)

滝壺 「」ジー...

浜面 (………………フリーズしてる場合じゃねぇ! ま、待たせるワケにもいかんのよな)

浜面 (こ、こ、こ、これが初めてのチュウでもないだろ! 慌てるな、俺!)

浜面 「し、失礼します」スッ

滝壺 (はまづら、真っ赤。かわいい)

浜面 (う、受け渡し成功。味がもうよく分からん)モキュモキュ

滝壺 「溶けてない?」

浜面 「だ、大丈夫です!」

滝壺 「そっか、よかった。まだあるよ」

滝壺 (次はどうしようかな)

滝壺 「」ピンポン

滝壺 「ちょっと待って」プチ プチ
849 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:39:43.91 ID:PrCZmE9lo

浜面 「」ブシュー

浜面 (なんでパジャマの前のボタンを外してるんでしょうかぁぁ!?)

滝壺 「次はここ」

浜面 (あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! 滝壺がそのふくよかな胸の谷間に
    チョコ大福を置いた。何を言っているのかわからねーと思うが)

滝壺 「早くしないと溶けちゃうよ」

浜面 (おい、チョコ大福。そこ代われ、すぐ代われ)

滝壺 「はまづら? やっぱりやりすぎだったかな」

浜面 「いやいやいや、そのお気持ちはすごく嬉しいでございますよ!」

滝壺 「じゃ、ほら」

浜面 「……やっぱり、これも口で拾わなきゃダメ?」

滝壺 「任せる」

浜面 (滝壺がここまでしてくれてんだ……俺が怖気づいてどうする!)

浜面 「……う、動かないでくれな」スッ

滝壺 (息がかかってくすぐったい)ブルッ

浜面 (……ど、どうにか大福は救出、いや回収できたが……さっき鼻血を出しすぎた、浜面もう限界)

浜面 「ハマー」バタッ

滝壺 「あれ? はまづら?……寝ちゃった、まだ半分近く残ってるのに」ツンツン

滝壺 「ちょっと攻撃的過ぎたのかも」
850 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/25(日) 01:40:52.36 ID:PrCZmE9lo

といったところで、今回はここまでです。
カップルが仲良くするシーンを、血と涙と砂糖の混合物を吐き出しながら
書くのはすごく楽しいです爆発しろ。
#9 は今回で終了で、次回からは#10となります。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2012/03/25(日) 01:42:05.85 ID:TUQn4sSIo

浜面爆発しろ
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/25(日) 01:42:46.78 ID:jjvfruHb0
全員爆発
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/25(日) 01:45:42.13 ID:HJWlI4SIO
爆ぜろっとッターン
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/25(日) 01:46:09.11 ID:awCdegmJ0
初リアルタイム遭☆遇

そして・・・・・・
浜面爆発しろ
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/03/25(日) 02:18:29.00 ID:7P0DtQ9Lo
エツァリは何を要求したんです⁈ 
 
874 : ◆8GNB4AEvC.[saga]:2012/03/28(水) 01:47:14.43 ID:fMBrE9SLo

>>859
答えはあなたの心の中に。


それでは始めさせて頂きます。
今回からは #10 に入ります。
875 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:48:29.37 ID:fMBrE9SLo


  ――#10 きぬ散歩

876 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:49:37.71 ID:fMBrE9SLo


~2月下旬 第7学区 とある大通り~


結標 「滝壺さん」

滝壺 「うん?」

結標 「大学関係の手続きってもうしてる?」

滝壺 「うん、時期が時期だし」

結標 「私もしないとなぁ」

滝壺 「まだなの?」

結標 「ああいう書類仕事っていうの? 得意じゃないのよね」

滝壺 「でもしないと」

結標 「分かってるんだけどね」

滝壺 「なにか問題があるの?」

結標 「ううん、メンドくさいだけ」

滝壺 「そんなむすじめは応援できない。お手伝いもできない」

結標 「手厳しいわね。ま、自分でどうにかしなきゃいけないことなんだけどさ」

滝壺 「当然」フンス
877 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:50:43.95 ID:fMBrE9SLo

結標 「さて、待ち合わせって言ってた時計台はここだっけ?」

滝壺 「……うん、来てる」

結標 「AIM?」

滝壺 「ううん、そうじゃなくてあれ」

結標 「あら……ずいぶん早く来てたのね」

滝壺 「早く行こう」タタタ

番外個体 「お、ご到着だね」

結標 「待たせちゃった?」コツコツ

番外個体 「この缶コーヒーがカラッポになる程度には」

結標 「つまり全然待ってないってことね」

番外個体 「なんでだ!」

滝壺 「とりあえずこの3人?」

番外個体 「あれ? お兄ちゃんは?」

結標 「ショチトルを病院に送ってから来るって。だから現地合流ね」

滝壺 「定期健診?」

結標 「うん、そんなところ」

番外個体 「大変だねぇ、あの子も」

結標 「落ち着いてるみたいだから、定期健診の間隔も前に比べれば大分空いてるけどね」
878 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:52:36.28 ID:fMBrE9SLo

滝壺 「じゃあ、私たちも移動しよっか」

結標 「そうね。今から行けば丁度良いでしょ」

番外個体 「向かうとしますかね」ポイッ


  ガランッ カランカラン


番外個体 「やべ、ゴミ箱外した……ま、いいか。頑張れお掃除ロボ」

結標 「何してるのよ、ちゃんと捨ててきなさい」

 :
 :
 :

結標 「にしても貴女、その格好は大丈夫?」

番外個体 「別に服装の指定なんてないでしょ?」

結標 「悪目立ちしそうなのよね……」

滝壺 「今日の服、なんていうかワルっぽいよね」

番外個体 「いやぁ、クロちゃんお勧めのブランドで一式揃えたらこうなっちゃったんだよね」ニャハハ

結標 「ま、本人が楽しんでるならいいんだけどさ。お店再開すればこんな格好もできないでしょうし」

番外個体 「あ、ちなみにショチトルもこんなん買ってたよ」

結標 「え!? あの子もこんな鋲やら鎖がジャラジャラついた服買ってたの!?……らしくないっていうか」

滝壺 「イメチェンかもしれない」ウン
879 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:54:33.33 ID:fMBrE9SLo

結標 「お兄ちゃんが心配するかもね。"自分の妹がこんな不良なわけがない"って」

番外個体 「んな大袈裟な。……滝壺さんだって、今日はいつもの服じゃないじゃん」

滝壺 「うん、断られるかもしれないと思ったから」

結標 「ドレスコードなんてないハズだけど。でも、ピンクじゃない滝壺さんもなんか新鮮ね」

滝壺 「スカートなんてすごい久しぶりだし、黒ストは買ってこないとなかった」ヒラヒラ

番外個体 「なんか見覚えあるスカートだと思ったら、去年淡希が選んだヤツ?」

結標 「ケープジャケットは貴女のチョイスよね」

滝壺 「組み合わせ」フンス

結標 「お気に召してもらえてるようでなによりね」クスクス

滝壺 「むすじめは、今日は普段より落ち着いてるよね」

番外個体 「淡希が脚もヘソも晒してないなんて。今日は露出狂指数が低いな」

結標 「何よその指数は!……場所が場所だからね、普段よりは気を使ったわよ」

番外個体 「ストリーキングでもしない限り、追い出されるってことないでしょ」

結標 「それでもよ。なーんか気を使っちゃったのよね。箱入りのお嬢様ばっかいるんでしょうし」

滝壺 「今日の第一目的地、学舎の園だしね。雰囲気にのまれないようにしよう」
880 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:56:22.96 ID:fMBrE9SLo


~その頃 第7学区 学舎の園 正面ゲート~


婚后 「久しぶりですわね、ここも……」ハゥ

絹旗 「用事がなけりゃ近づきもしないでしょうしね」

白井 「おいそれと入れるところでもございませんし」

絹旗 「にしても婚后さん、やけに早い到着じゃないですか」

婚后 「学舎の園は第18学区からは程近いですから」

絹旗 「そういえば、第18学区の住み心地はどうですか。近々、白井さんがそっちに超輸出される予定なんですけど」

白井 「輸出って」

婚后 「年齢層が少し高いだけで、第7学区と大差ごさいませんわよ……あ、いや」

白井 「?」

婚后 「第7学区よりは少々お堅い感じがするやもしれません」

絹旗 「と言いますと?」

婚后 「娯楽施設の数だとか」

白井 「それであれば、問題はあまりないかと」

絹旗 「え? ないんですか? ゲーセンとか映画館とか、生活超必需品だと思いますが」

白井 「それは絹旗さんだからでしょう。わたくし一人なら、あまり利用しませんもの」
881 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:57:25.96 ID:fMBrE9SLo

絹旗 「え? でもヒトカラとか行ってましたよね」

婚后 「白井さん……?」

白井 「そ、それはあの、人伝に聞いたストレス解消法で、なかなか効果があってですね」ワタワタ

婚后 (ヒトカラってなんでしょうか? と聞こうとしたのですが)


<ギャギャギャギャギャギャギャギャ


婚后 「!?」

白井 「な、なんですの?」

絹旗 「タクシーが超ドリフトしながらこっちにきてますよ」

婚后 「なっ、なにをそんな平然と!」


  キキーーーーッ


白井 「」

婚后 「あっ……あぶなっ……」ガクブル


<ガチャ


エツァリ 「いやぁ、助かりました。ありがとうございました」ペコ

絹白婚 「「「」」」
882 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 01:58:48.10 ID:fMBrE9SLo


<ブロロロ


エツァリ 「おや、みなさんお揃いで」

白井 「お揃いで、ではございませんの!」

婚后 「なぜハリウッド映画のような登場の仕方を」

エツァリ 「急ぎ目でお願いします、と言ったら運転手さんが本気になってしまったようでして」

絹旗 「超クレイジーなタクシーですね」

エツァリ 「正直、生きた心地がしませんでした」ニコニコ

婚后 「わたくしならとうに果てているでしょう」

白井 「……あら? お一人ですか?」

エツァリ 「ええ、先に用事がありましたので。現地合流という形に」

白井 「では、残るはあと3人ですわね」

絹旗 「結標さんが一緒なんですよね? だったら虚空から超沸いて出てきそうですけど」

エツァリ 「うーん、余程時間に余裕がなければそれもあるでしょうが」

白井 「しないでしょうね。連続で空間移動は疲れますもの」

絹旗 「あ、やっぱりそうなんです?」

白井 「そうなんです」
883 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:00:43.95 ID:fMBrE9SLo

絹旗 「でも普段からナギナギ飛んでますよね」

白井 「自分一人ならまだ……絹旗さんが加わると負荷が高まりますが」

絹旗 「え、それじゃ私が超重いみたいじゃないですか!」

婚后 「白井さんの転位限界重量だと、絹旗さんと白井さんの2名でもう3分の2ですものね」

絹旗 「超お言葉ですが、それは白井さん自身の重量の増加も関係してるんじゃないかと」

白井 「んなっ!?」

エツァリ 「そうなんですか?」

絹旗 「白井さんが体重計ってるの覗いたら、よんじゅう」

白井 「ちぇすとぉぉぉぉぉ!」ドキャッ

絹旗 「ほぎゃ!」ドサッ

白井 「お兄様、大したことではございませんの。どうぞお忘れになってくださいまし」ホホホ

エツァリ (困りましたね……定着しつつあるようですが)


<あれ?どうしたの?


エツァリ 「おや、皆さんご到着ですね」

番外個体 「これはどういう状況?」

滝壺 「きぬはた、大丈夫?」ツンツン

絹旗 「」ピヨピヨ
884 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:02:33.18 ID:fMBrE9SLo

婚后 「端的に言えば、白井さんの膝が絹旗さんの側頭部にクリーンヒットしまして」

番外個体 「あ、なるほど。そりゃピヨりもするわ」

結標 「どうしてそういう展開になったのよ……」

絹旗 「あいたたた」ムクリ

滝壺 「あ、起きた。触れる……ちっそアーマー、展開してなかったんだね」ポムポム

絹旗 「ええ、まあ。っていうか白井さん、いきなりテレポ式シャイニングウィザードは超ヒドイですよ!」

白井 「先日、寮の部屋でもらったジャーマンスープレックスホールドのお返しですの」

婚后 「何をしておられるのですか、二人とも……」ハァァ

結標 「まるっきりキャットファイトよね。この二人だと、なぜか余計にそう感じる」

番外個体 「名門女子中学の実態ってのも、こんなもんなのかな」

滝壺 「女子校なんてどこも似たようなものだよ」

エツァリ (いやぁ、会話に参加しづらいですね)

 :
 :
 :

絹旗 「ええと、それで。これで全員ですか」

結標 「小さいコンビは今日来てないのね」
885 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:04:26.49 ID:fMBrE9SLo

番外個体 「二人ともウチにいるよ。勉強会と料理の練習だとか。これは前々から決めてたから、今日はいいって」

滝壺 「お世話になってます」ペコリ

白井 「LEVEL5の家庭教師とは。お二人の将来が楽しみですの」

エツァリ 「それで、一方通行さんも今日は不参加なのですか」

番外個体 「それもあるんだけどさ、極力外出たくないらしいよ。今年から花粉症デビューしちゃったから」

婚后 「あら、災難ですわね」

結標 「反射頼みの人生送ってきたもんだから、そういうのに弱いんでしょ」

番外個体 「仰るとおりで」ケラケラ

絹旗 「あとは……一応、あくまで超一応聞いておきますが、浜面は?」

滝壺 「はまづらもお勉強。"そろそろ本気にならないとヤバイ"って」

結標 「あぁ、資格の?」

滝壺 「うん」

白井 「浜面さん、そちらの業界を目指すと宣言してから結構経つような気もしますが」

エツァリ 「それだけ難関の資格ということではないですか」

婚后 「頑張って頂きたいものですわね」

絹旗 「それじゃ、揃ったところで確認しときましょうか」
886 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:07:11.82 ID:fMBrE9SLo

結標 「確認って?」

白井 「まず、なぜここに来たか、なのですが」

滝壺 「そういえば、なんで学舎の園なの?」

絹旗 「私と白井さんが超卒業しちゃったら、もう入れなくなっちゃうからですよ」

白井 「なので、せめて今のうちに皆さんと見て回ろうと思いまして」

番外個体 「でもそれって卒業できれば、の話でしょ?」

絹旗 「できますよ!」プンスコ

婚后 「ですが確かに、お二人が卒業してしまえばわたくしたちも入る伝手がなくなりますわね」

エツァリ 「だから今日はお招き頂けた、と」

絹旗 「まあ、大したものがあるかっていうと、ないんですけど」

婚后 「町並みは素敵だと思いますわよ」

結標 「普段行けないような場所なら、歩くだけでも楽しいじゃない」

白井 「さて、この中に入るにあたって注意事項があるのですが」

滝壺 「AIM酔いに注意、とか?」

絹旗 「それは滝壺さんだけですよ」

白井 「この後、そちらのゲートで手続きをして頂きます。身分を証明できるものをご準備ください」
887 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:10:00.30 ID:fMBrE9SLo

番外個体 「IDカードか免許証でいいよね?」ゴソゴソ

絹旗 「超問題ないと思いますよ」

婚后 「わたくしは免許証がないので、こちらになりますわね」スチャ

エツァリ 「他、注意はございますか。男子禁制だとか」

白井 「男の人でも正規の手続きを踏めば大丈夫ですの、きっと。ただ、良くも悪くも目立つのは覚悟して頂きますが」

エツァリ 「……」

結標 「誰かに変装しようとか考えないでよ」

エツァリ 「いやだなぁ、するワケないじゃないですか」

絹旗 「あと目立つ行為は超控えてください。雷を落とすとか服を脱ぐとか」

番外個体 「それ、私と淡希を狙い撃ちで言ってるよね」

結標 「待って、なんで後者が私なのよ」

婚后 「それぐらいではないですか? 少々特殊な環境というだけで、外国に行くという訳でもございませんし」

絹旗 「じゃ、そろそろ行くとしましょうか」

白井 「みなさん、準備はよろしいですか?」

絹旗 「……あれ? IDカード……」ゴソゴソ

白井 「……絹旗さん、忘れたというならここに置いていきますの」

絹旗 「あります! ありますから置いてかないでください!」ガサゴソ
888 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:11:32.90 ID:fMBrE9SLo


~同日 第7学区 学舎の園~


滝壺 「おお」キョロキョロ

結標 「話は聞いてたけど、ここまでとはね」

番外個体 「いいね、この雰囲気。ヨーロッパみたいで」

婚后 「はあ、約一年ぶりですわ」

エツァリ 「……すでに居辛いのですが」

絹旗 「あー、やっぱ男の人は超目立っちゃいますね」

白井 「お兄様ですと複合的要因で余計に、ですわね」クスクス


<あら、殿方なんて珍しい。
<外国の方でしょうか。
<顔立ちが整っておられて。


番外個体 「せめてこっちに聞こえないボリュームで話せっての」

結標 「……手繋ぎましょ」

エツァリ 「はい?」

結標 「あ、それとも腕組んだほうがいい? あててほしい?」

エツァリ 「いや、あの」

結標 「いいから、ほら」グイ
889 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:13:41.56 ID:fMBrE9SLo

滝壺 「対抗心だよね」

番外個体 「んもう、メラメラだね」

白井 「あの、多少好奇心を含んだ目を向けてくるのは許してあげてください。ここには、
    ここから殆ど外に出たこともない生粋の箱入りも少なくありませんので」

絹旗 「そういう意味では、私と白井さん以外の人は多かれ少なかれ超注目されますよ」

婚后 「ミサワさんなど、今日の服装だと女性ロッカーか何かだと思われるかもしれませんわね」クスクス

番外個体 「え、そこまで?」

白井 「まあ、どう思うかは人次第ですが」

番外個体 「……言われてみりゃ、なんかチラチラ見られてるような」

結標 「自意識過剰」

番外個体 「あー、そうだねー。私なんかよりどこぞのカップルが注目されてるみたいだねー」


<まあ、手を繋いで……
<妊娠してしまいますわ。


結標 「」

エツァリ 「……移動しましょうか」

絹旗 「お兄ちゃん、超ビビっちゃいました?」

白井 「しっかりなさってください、お兄様」
890 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:15:21.43 ID:fMBrE9SLo

婚后 「気後れすることもございませんわよ、お兄さん」ポンポン

滝壺 「定着してるよね、お兄ちゃんってニックネームが」

結標 「ショチトルが"お兄ちゃん"って呼ぶのを解禁して人前でも憚らなくなっちゃったからね」

エツァリ 「はは……とは言っても、冷やかし半分でしょう」

絹旗 「じゃ、ここでじっとしててもしょうがないですし、超適当にフラつくとしましょうか」

白井 「そうですわね、参りましょう」

番外個体 「カフェってあるかなー。なにか参考になるようなものを得られるかもしれない」

白井 「もちろんございますの。後で参りましょう」

滝壺 「あ、見たことない信号機」

結標 「信号とか街灯のデザインまで拘ってるのね」

エツァリ 「ここまで来ると、ちょっとした異国気分ですね」

婚后 「建物や路面舗装も含めて、意匠は全て統一されておりますのよ」

番外個体 「……」

絹旗 「どうしました?」

番外個体 「いや、警備員とかドライバーもみんな女性なんだなぁと思って」

白井 「そうですの。ここでは働いている方も全員女性です」

エツァリ (なるべく目立たないようにしませんと)
891 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/03/28(水) 02:16:36.71 ID:fMBrE9SLo

といったところで、今回はここまでです。
学舎の園って殿方は入れましたっけ、大丈夫ですよね。
散歩、と言ってますが実際はただノリと思いつきで遊び歩くだけの話です。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2012/03/28(水) 02:18:02.64 ID:Zw7Vilj0o


エツァリ爆散しろ!
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県)[sage]:2012/03/28(水) 02:20:36.94 ID:ZBrgB8jKo
超乙!



エツは超爆ぜろ!超もげろ!
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2012/03/28(水) 02:28:56.44 ID:hvLPPv8Zo
乙です!

エツァリ…爆発しろ… 
 
914 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:08:02.17 ID:tLnBzmgBo

滝壺 「あ、メイドさんのグループだ」

番外個体 「こんなところにまでサブカルチャーの波が」

絹旗 「違いますってば。あの人たちは超本職ですよ。繚乱の生徒さんたちです」

エツァリ 「繚乱というと、繚乱家政女学校ですか」

婚后 「実地研修でしょう。あちらの生徒さんが派遣されてくるのは珍しいことではございませんし」

結標 「そういえば、街中でもたまーに見かけるわね」

白井 「彼女らはあちらこちらに研修で赴いておられますから」

番外個体 「ふーん……あれが正統派のメイドさんか。あの服が似合いそうな人はこの中にゃいなさそうだね」

結標 「私たちが着込んでも、戦闘用メイドとか思われるのがオチよ」

エツァリ 「いつぞや拝見しましたが、絹旗さんと白井さんはよくお似合いだったと思いますよ」

絹旗 「え、なんでそこで私が出てくるんですか」

婚后 「昨年の盛夏祭のときのことを仰っているのでしょう」

白井 「ああ……あの時は確かにメイド服を着ておりましたわね」

絹旗 「普通のメイド服か、婚后さんが持ち込んだ和風メイド服の二者択一を迫られて、結局超普通のメイド服にしたんですよね」

婚后 「あれのどこに不満を持てるのか、納得しかねますわ」ムー

滝壺 「和風……そっちも気になる」

婚后 「滝壺さんなら、あれのよさがきっと分かって頂けるかと」キラキラ
915 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:09:27.26 ID:tLnBzmgBo

エツァリ 「気になりますね。どのようでデザインで?」

絹旗 「なんていうか……戦闘用巫女?」

白井 「ベースは巫女さんなのでしょうね」

滝壺 「つまり陰陽師?」

番外個体 「あー、なんかの格ゲーにそんなキャラがいたような」

結標 「いっそ貴女のところで制服に採用したら?」

番外個体 「別にいいけど着るのはショチトルだよ。その辺、お兄ちゃんはどうよ?」ツンツン

エツァリ 「いやぁ……こういうのは本人がどう望むかですから」

婚后 「試着をご所望ならいつでも声を掛けてくださいな」

絹旗 「でも制服の採用なんて、予定あるんですか?」

番外個体 「んー……どうだかね」チラッ

エツァリ 「」

結標 「貴方、何か企んでるんじゃないでしょうね。あのメイド好きと結託して」

エツァリ 「それは! それはないです! 義妹をあの変人の趣味に関わらせると思いますか!」

結標 「……それもそうなんだけど、さ」

白井 (変人……いったいどのような方なのでしょう)

婚后 (そこまで変なのでしょうか、あの服は)
916 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:10:45.58 ID:tLnBzmgBo

 :
 :
 :

滝壺 「ねえ、ここでしか見られないものって何かあるかな」

絹旗 「あー、なんでしょうね……常盤台の校舎とかですか?」

番外個体 「もっとこう、名物とかないの?」

婚后 「名物ですか」ウーン

エツァリ 「例えば、ここでしか入手できない銘菓とかでしょうかね。"学舎の園のお嬢様が端正込めて焼いた煎餅"だとか」

絹旗 「それを学舎の園限定で売って誰が得するんですか」

白井 「あ、それでしたら」

結標 「あるの? 煎餅」

白井 「さすがにお煎餅はございませんが、学園都市内ではここにしか出店してないパティスリーがございますの」

婚后 「あぁ、あの絹旗さんお気に入りのお店ですわね」

滝壺 「きぬはたの? 何かあるの?」

白井 「絹旗さんはあそこのチーズケーキが大好物で、この間もホールサイズをそのままかじってましたの」

絹旗 「こっ、後半は超ウソですからね! で、行くんですか? 行かないんですか?」

番外個体 「私は賛成」ハイ
917 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:11:34.69 ID:tLnBzmgBo

結標 「ちょっと早いけど、休憩にはいいんじゃない?」

滝壺 「ケーキ食べたい」wktk

白井 「お兄様は?」

エツァリ 「ええ、構いませんよ」

絹旗 「どうやら決まりですかね」

婚后 「この人数だと、多少待つことになるかと思いますが」

番外個体 「大丈夫でしょ。時間はあるんだし」

白井 「ではご案内いたしますの」



~同日 学舎の園 超有名パティスリー~


滝壺 「あれ? このお店の名前、なんか見たことある」

結標 「雑誌かなにかで見たわね」

婚后 「そこそこ名の知れたお店らしいですわね。味も悪くはないかと」

白井 「さ、入りましょう」

絹旗 「すみません、7名なんですが」

店員 「ええと……申し訳ございません、少しお待ち頂くことになりますが」
918 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:12:37.06 ID:tLnBzmgBo

絹旗 「超いいですよ」

店員 「申し訳ございません。では、お待ちの間にケーキをお選びになってください」

エツァリ 「とのことですよ」

結標 「貴方、大分慣れた? 比喩とかじゃなく、見渡す限り男は貴方しかいないけど」

エツァリ 「慣れたというか、麻痺と言ったほうが近いですね」ニコニコ

番外個体 「あれ?」

滝壺 「どうしたの?」

番外個体 「私が間違えてるのかな。パティスリーって平たく言えばケーキ屋だよね」

滝壺 「そうだね」

番外個体 「私には、ショーケースに洒落たディスプレイ小物が並んでるように見えるのだが」

白井 「大きいお姉様、こちら全部ケーキですの。食べれますの」

婚后 「造形が凝ってますもの。机に飾られていても不自然さはありませんわね」クスクス

絹旗 「ちょっと食べづらいですけどね」

滝壺 「どれにしよう」ウーン

結標 「お勧めってある?」
919 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:14:10.66 ID:tLnBzmgBo

絹旗 「ベイクドチーズケーキ一択です!」キッパリ

番外個体 「そっか。じゃ、私レアチーズケーキ」

絹旗 「」ムー

エツァリ 「では自分は絹旗さんのお勧めにしてみましょうか」

絹旗 「さすが、お兄ちゃんになる人は超分かってますね」

滝壺 「迷う……」

婚后 「迷ったのなら、いっそ全部食べてしまえばよろしいですわ」

滝壺 「さすがに5個は食べれないよ」

結標 「5個ぐらいなら、後を気にしないのなら軽いのでしょうけどね」

番外個体 「気にしてどうするの、ここまで来て。次がいつかなんて分からないんだよ?」

白井 「そうですの。先ほども申し上げた通り、こちらのお店は学園都市内ではこちらにしかないのですし」

結標 「……分かった。だったらこうしましょ。貴女、自分が食べたいのと合わせてこれとこれ、一緒に頼みなさい」

番外個体 「…………あぁ、なるほど。そういう魂胆ね。じゃ淡希はこれ、一緒に頼んでよね」

滝壺 「ちょっと待った。その取引、私も乗った」


<ワイワイ
<アラアラ

920 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:15:44.71 ID:tLnBzmgBo

白井 「で、絹旗さんはもうショーケースに目を向けていないようですが。お決まりですか?」

絹旗 「私ですか? ベイクドチーズケーキ3つです」

白井 「本当にお好きなのですね」クスクス



~しばらくして~


店員 「ごゆっくりどうぞ」ペコリ

絹旗 「ようやく食べれます」キラキラ

番外個体 「……コーヒーが苦めなのは、ケーキに合わせたからかな」

婚后 「おそらくは。甘いものでたるんだ口中を引き締めるためでしょう」

滝壺 「むすじめ、フルーツタルト食べたいんだったよね。ここからこっち、食べていいよ」

結標 「……私、出来ればそっちのピーチがある側が欲しいんだけど」

滝壺 「だめ。ピーチは私の」

結標 「そこをなんとか」

滝壺 「だめ」

結標 「……付き合ってもらった手前、逆らえないわね。じゃ、頂きます」

エツァリ 「これは結構なお点前で。この後の予定がなければお土産に買いたいところでしたね」

白井 「買ってもよろしいかと。保冷剤はサービスですし、外に出た後は冷蔵コインロッカーに預ければよろしいですし」
921 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:17:43.18 ID:tLnBzmgBo

番外個体 「私も買ってくかな……でないと、恨み節が長引きそうだし」

滝壺 「同じ理由で私も買っていこう」ウン

婚后 「あの子たちが"ズルイズルイ"と言うのが目に浮かびますわね」クスクス

エツァリ 「自分のところはズルイとは言わないでしょうが、逆に数日は口をきいてくれないでしょうね」

白井 「お兄様という立場も大変ですのね」

結標 「ほら、イチゴのショートは貴女のリクエストでしょ。残り半分は食べなさい」

番外個体 「……しまった。イチゴには手を出すなって言い忘れてた」ガックシ

結標 「ゴメンねー、言われなかったから気付かなかったわー」

番外個体 「ぐぬぬ」

滝壺 「むすじめも。このチョコのヤツ」ハイ

結標 「あっ……てっぺんのチョコ細工は……」

滝壺 「?」パリポリ

結標 「……なんでもない」

婚后 「熾烈な駆け引きの応酬ですわね」

白井 「甘いものを目の前にした女子は、さながらハンターですの」

エツァリ 「ところで、先程からやけに無口な方がおられるようですが」
922 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:19:33.00 ID:tLnBzmgBo

結標 「そう言えば、一言も喋ってないわね」

婚后 「あの、大丈夫ですか?」ツンツン

絹旗 「ふぇ? 何がですか?」モキュモキュ

滝壺 「食べるのに夢中だったんだね」

白井 「というよりは、好物を久しぶりに口にしてヘブン状態になったのかと」

番外個体 「食べてる最中、幸せそうな顔してたもんねぇ」

絹旗 「え、どうしたんですか? なんで私注目されてるんですか?」

白井 「絹旗さん、お口元に食べカスが」フキフキ

絹旗 「モゴ」

結標 「この口拭きシーンを見るのも何度目かしらね」

番外個体 「……私、絹旗さんの口拭いてあげたことないかも」

婚后 「よろしければ今どうぞ。こちらの口元に」

絹旗 「超いいですから! 自分でやりますから!」

白井 「」コソコソ

滝壺 「しらいはなんで口元にクリーム塗ってるの?」

白井 「なんでもございませんの」フキフキ
923 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:20:47.10 ID:tLnBzmgBo

 :
 :
 :

エツァリ 「では、自分はちょっと持ち帰り用を見繕ってきます」

番外個体 「あ、そういうことなら私も」

滝壺 「私もいくよ」

結標 「急がなくていいからね」


<あ、もしかしてお兄ちゃんのおごり?
<さすがお兄さん。
<え?いやいやいや。


結標 「はー、それにしても絹旗さんと白井さんも卒業かぁ」

婚后 「あら、何か思うところでも?」

結標 「なんか私も歳とったなーって」

絹旗 「そういう結標さんは今年から大学で、来年には成人式じゃないですか」

白井 「事実歳をとってますの」

結標 「黙りなさい。……そっか、成人式か。言われて思い出したわ」

婚后 「結標さんが、ということは。滝壺さんとミサワさんもということになりますわね」

絹旗 「行きますよね? 成人式とやらに」
924 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:22:26.93 ID:tLnBzmgBo

結標 「どうかしらね。時期が近づいてきたら相談してみようかな」

白井 「一生に一度なのですから、参加すればよろしいですのに」

結標 「前向きに考えておくわ」

絹旗 「あ、そうだ。結標さんと滝壺さんは同じ大学を受けたと、ミサワさんから超聞いたんですけど」

結標 「うん、目指す分野が同じだったからね。合わせたんじゃなく、被ったって感じかな」

絹旗 「どんなところなんですか?」

結標 「教育分野の従事者の育成にはかなり強いところだって評判だけど」

婚后 「なるほど。お二人が目指す職を考えると、適切な選択ですわね」

絹旗 「……なんかどっかで聞いたような」

白井 (あれですの。第7位様がおられるところですの)ヒソヒソ

絹旗 (あぁぁぁ、超思い出しました!)ヒソヒソ

結標 「どうしたのよ」

絹旗 「いえ、きっと結標さんと滝壺さんのキャンパスライフは超騒がしいものになるのかなぁと」

結標 「まあ、この一年は割とゆっくりしてたから、ギャップはあるでしょうけど」

白井 「そうではなく……きっと入学したらお分かりになるかと」

結標 「?」
925 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:24:27.77 ID:tLnBzmgBo

番外個体 「おっまたせー」

滝壺 「買ってきた」ホクホク

エツァリ 「お待たせしました」

絹旗 「あ、超お帰りなさい」

結標 「あら? 結構買ったんじゃない?」

婚后 「その箱は最大10個入れられるサイズですが」

滝壺 「自分用込み」

番外個体 「だね。それに一個じゃ満足してもらえないだろうし」

エツァリ 「ミサワさんは大丈夫ですか? あまり日持ちはしませんよ」

絹旗 「オイ、クソガキ! 一日一個までつってンだろォが!……って言いそうな人がいますけど」

白井 「地味に似てですの」

番外個体 「いないときか、もしくは追い出してから食べさせりゃいいよ」

婚后 「服装通りにワルの発想ですわね」クスクス

結標 「黒夜さんお勧めブランドだから、黒夜さん属性が伝染ったかしら」

絹旗 「あ、なんか超見たことあると思ったら、そこだったんですか」

番外個体 「まーね」ニャハハ

滝壺 「……」
926 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:26:18.82 ID:tLnBzmgBo

エツァリ 「滝壺さん? どうされました?」

滝壺 「食べたら眠くなってきちゃった」

結標 「滝壺さんが寝入っちゃう前に次行きましょうか」

絹旗 「次なんて決めてないですよ」

婚后 「では歩きながら決めるといたしましょう」

白井 「もとより、今日はそういったプランなのですし」

番外個体 「じゃ、そろそろ行こうか」

結標 「いつまでもこの人数で席を占有してるのも悪いしね」

婚后 「いつの間にやら待ち行列まで出来てますし」

絹旗 「ありゃ、いつの間に」

エツァリ 「ではそろそろ」

結標 「ね、こういう場面では男の人が気前よく払うものよ」

エツァリ 「あのですね、自分はモグリの留学生で皆さんのように奨学金を得ていない身分でして」

絹旗 「いいじゃないですか、お兄ちゃん」グイグイ

エツァリ (しばらく昼食は水道水にすればなんとかいけますか……?)

白井 「はいはい、それまで。お兄様もお困りでしょう」グイ

絹旗 「いたたたた! ちぎれるっ! 耳超ちぎれますから!」
927 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:27:58.33 ID:tLnBzmgBo


~同日 学舎の園 とある通り~


絹旗 「白井さんのせいで福耳になっちゃったじゃないですか……」

白井 「そのうち戻りますの」

絹旗 「ミサワさん、大丈夫ですか? 超目立ってませんか?」

番外個体 「んー? ついでにピアスホールでもあけたら? 病院でやりゃ痛くないよ」

絹旗 「超遠慮しときます」

結標 「ね、ちょっと気付いたんだけど」

エツァリ 「何かございましたか?」

結標 「これだけ歩いてて、服の類を売ってるところを一回も見てないのよね」

婚后 「あるにはありますが、ごく小規模です。殆どの人間は制服のまま過ごしますし」

滝壺 「そっか、なら仕方ないのかもね」

結標 「こういうところではどんな服売ってるか、ちょっと気になってたんだけどな」

絹旗 「じゃそういうお店行ってみます? セブンスミストみたいな複合施設とかには超及ばないですけど」

番外個体 「興味あるかもしれない」

白井 「いいかもしれませんの。見るだけならタダなのですし」
928 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:29:17.67 ID:tLnBzmgBo

 :
 :
 :

絹旗 「服とかのお店は大体この通りに超固まってると思いますけど」トテテテ

結標 「ホントだ。ブティックとか並んでるわね」

白井 「……あの、大きいお姉様! わたくしがよく利用するお店があるのですが」

番外個体 「へー、どんなところ?」

白井 「百聞は一見にしかず、こちらですの!」グイ

番外個体 「え? ちょ、ちょっと……!?」

結標 「白井さんの、か。面白そうね、私たちもいってみましょうよ」

エツァリ 「ええ、構いませんよ」


<ちょっと待ってー。
<急がずとも大丈夫ですよ。


婚后 「……あのお店って」

絹旗 「あぁ、あそこは確かに白井さんの趣味というか、超好みの店です」

婚后 「変な気を起こさなければよいのですが……」ハァ

滝壺 「私たちはどうしよう? ついていってみる?」
929 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:31:25.68 ID:tLnBzmgBo

婚后 「いえ、この際ですから他のお店を見つつ待つのもよいでしょう」

絹旗 「その内出てくるでしょうしね」

滝壺 「でもこういうところってなんか新鮮だね。普段はショッピングセンターだから」

婚后 「お店が集まって通りを形成しているという点では、どちらも変わりはございませんわ」

絹旗 「言われてみれば、確かに」

婚后 「絹旗さんも卒業すれば私服復帰ですわね」

絹旗 「そうですね、きつくなってたらと思うと。主に胸とか」

婚后 「心配ないかと」

絹旗 「言い切られるのも超悲しいんですが……」

婚后 「そこが絹旗さんの……あら?」

絹旗 「どうしたんですか?」

婚后 「滝壺さんは?」

絹旗 「え? あれ?」

滝壺 「」フラフラー

絹旗 「ちょ? 滝壺さん? どこ行くんですかー!」

婚后 「仕方ございませんわね。追いかけましょう」
930 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/01(日) 02:32:00.36 ID:tLnBzmgBo

といったところで、今回はここまでです。
次回ぐらいで学舎の園から飛び出したり飛び出さなかったり。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/04/01(日) 02:35:00.89 ID:x3JhnXGSo

相変わらず和む
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/04/01(日) 03:35:36.45 ID:+ZyBR+9co
超乙!! 
 
961 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:13:28.92 ID:C44vvm+Eo

 :
 :
 :

絹旗 「婚后さん、そっちは見つかりましたか」

婚后 「そういうセリフはあちらこちらを探しまわってから仰ってください」

絹旗 「いやでも、見える範囲に見当たらないんですけど」

婚后 「おられるではないですか、そこに」

絹旗 「……あ、そうか。今日は違う服でしたね」

婚后 「?」

絹旗 「滝壺さんではなく、むしろピンク色のジャージを超探しちゃってました」

婚后 「いけませんわね」ハァ

絹旗 「で、滝壺さんはショーウィンドウに超張り付いてますけど」

婚后 「主人が食事する横で凝視する猫のようですわね」

絹旗 「私はトランペットを凝視する子どもを連想しました」

婚后 「どちらにしても、真剣に見ておられるようですが」

絹旗 「あそこって何の店ですか?」

婚后 「行けばわかるでしょう」

絹旗 「それもそうですね。滝壺さーん」トテテテ
962 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:14:53.62 ID:C44vvm+Eo

婚后 「滝壺さん、何か見つけられました?」

滝壺 「あ、うん。これ、すごいなと思って」

絹旗 「……おわー、こりゃまた超ゴージャスなドレスですね」

婚后 「使ってる素材も裁縫の腕も一級ですわね」

滝壺 「私がびっくりしたのはむしろお値段」

絹旗 「値段って……」

絹旗 「( д) ゚ ゚」

婚后 「まあ、これぐらいはしますでしょう」

絹旗 「なんですか、コレ。私詳しくないですけど、結婚式とか呼ばれたらこういうの着るんですか?」

婚后 「これは結婚式用としてはアウトですわね」

絹旗 「アウト?」

滝壺 「花嫁より目立っちゃダメだよ」

絹旗 「あぁ、なるほど」

滝壺 「でも、ここって住民のほとんどは中高生だよね? こういうの着る機会あるのかな」

絹旗 「去年の常盤台の卒業パーティにはこんなの着てる人もいましたけど」

婚后 「あとは……そうですわね、年頃の娘が豪奢に着飾る場面というと」

滝壺 「いうと?」
963 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:16:14.43 ID:C44vvm+Eo

婚后 「社交界デビューでしょうか」

絹旗 「その発想はなかった」

滝壺 「庶民だもんね、私たち」

婚后 「あっ、い、いえ、そういった意味で言ったのではなくて……」

絹旗 「いやいや、超大丈夫ですよ。分かってますって」

滝壺 「気にしすぎ」

婚后 「す、すみません」

絹旗 「んで、滝壺さんはコレお買い上げですか?」

滝壺 「買わないよ」

婚后 「試着もできるようですが」

滝壺 「動きづらそうだから、あまり気が進まないかな」

絹旗 「……なんであんな超熱視線を送ってたんですか?」

滝壺 「高いなー、と思って」

婚后 「まあ、一着の服としてはとてつもないお値段ではありますわね」クスクス

滝壺 「いつものが何着買えるかな」

絹旗 「いつものって、ピンジャーですよね? 一生分買えるんじゃないですか?」

婚后 「一生分はやや盛りすぎでは」
964 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:17:53.01 ID:C44vvm+Eo


<あ、こっちにいたのね。


絹旗 「お?」

結標 「探しちゃったじゃない」

婚后 「あら、申し訳ございません」

滝壺 「? 何か買ったの?」

結標 「うん、せっかくだから選んでもらった」ガサッ

エツァリ 「難儀な選択でした」ハハハ

番外個体 「」ハァー

絹旗 「なんか超疲れてますね」

番外個体 「絹旗さんなら分かってくれるよね。白井さんとあの店に入るのが何を意味するか」ナデナデ

絹旗 「超同情しますけど、頭は撫でないでください」

白井 「今回は大きいお姉様のお眼鏡に適う品がなかったのは残念でしたが」

滝壺 「結局なんのお店だったの?」

結標 「ランジェリーショップよ」

滝壺 (……はまづらはどんな下着なら喜んでくれるかな……ううん、やっぱりバニーだ)ウン

番外個体 「ていうか、白井さんチョイスのあれは下着なの? 私には紐で作ったステルス戦闘機の模型にしか見えなかったけど」
965 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:19:33.21 ID:C44vvm+Eo

白井 「あれぐらい、空間移動能力者なら普通ですの」

結標 「その言い方だと私まで同類だと思われるでしょ!」

白井 「気合を入れるときは水着同然の服装をしておられますのに、何を今更」

絹旗 「やっぱテレポ屋さんって超変態ばっかです」

結標 「白井さんよりはマシよ!」

白井 「結標さんには負けますの!」

結標白井 「「」」バチバチ

番外個体 「はいはい、やめやめ。変態同士仲良くしないと」

婚后 「お二人とも、優劣は競っても変態であるという点は否定なさらないのですね」

結標白井 「「」」

滝壺 「自覚はある、ってこういうときに使うんだよね」

婚后 「しかし、下着店ですよね……お兄さんは居辛くありませんでしたか?」

エツァリ 「それは大丈夫でしたが、首が痛いですね」コキコキ

絹旗 「なんで首が?」

エツァリ 「ずっと天井とにらめっこしてましたので」

婚后 「ああ、目のやり場を持て余しておられたのですね」

結標 「別に二人でランジェリーショップ入るのなんてこれが初めてじゃないでしょう。何を狼狽えてるんだか」

エツァリ 「学舎の園ですからね。店員さんや他のお客さんの視線の鋭さが外のお店以上でしたよ」
966 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:21:18.59 ID:C44vvm+Eo

滝壺 「じゃあ、そろそろ行こうか?」

番外個体 「あれ? 滝壺さん、コレお買い上げじゃないの?」

結標 「値段含めていろいろすごいわね。一点物なんじゃない?」

白井 「結標さんの仰る通り。こちらのお店は一から百までハンドメイドで仕上げてますので全ての商品が一点物ですの」

エツァリ 「普段使いとも思えませんね。結婚式等で着るものでしょうか」

絹旗 「そう思いますよね? でも超アウトですよ。主役より目立っちゃいますから」

結標 「それは私でも分かるわよ。でも、主役ならOKでしょ?」

絹旗 「えっ?」

婚后 「花嫁のお色直し用にはよいかもしれませんわね」

絹旗 「ちょ、婚后さん? さっきと話が」

婚后 「先程は招待された場合の話だったではないですか」

滝壺 「結婚式、かぁ」

白井 「いずれはわたくしと大きいお姉様の」ムフフ

番外個体 「なんでよ。白井さんには絹旗さんがいるじゃん」

絹旗 「いやいや、その理屈は超おかしいです!」

婚后 「ふと思ったのですが、そちらのお三方で最初にご結婚されるペアはどちらでしょうね?」
967 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:23:06.44 ID:C44vvm+Eo

結標個体 「「滝壺さんでしょ」」

滝壺 「え、私?」

エツァリ 「おや、即答ですか」

結標 「私は……大学卒業まではまだ、って今は考えてるし」

番外個体 「いつかは、とは思いつつまだ本格的に考えてないってのが本音かな」

絹旗 「で、滝壺さんはどうなんですか?」

滝壺 「はまづらが良ければいつでもいける」フンス

結標 「ね?」

番外個体 「さすが最有力候補」ケラケラ

滝壺 「でもはまづらは、口には出さないけど"ちゃんと仕事するまでは"って考えてるみたい」

白井 「殿方として思うところもあるのでしょう」

婚后 「ある種の矜持なのかもしれませんわね」

エツァリ 「まあ、浜面さんなら大丈夫ですよ。普段はアレですが、やるときはやる人ですから」

滝壺 「うん、はまづらなら大丈夫だよ」

絹旗 「大丈夫なんですかねー……」

白井 「大丈夫でしょう。今日も誘いを断ってまで資格の勉強をなさっているらしいですし」

絹旗 「まあ、いつになるかはともかく、式には超呼んでくれますよね?」
968 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:25:23.51 ID:C44vvm+Eo

滝壺 「うん。それは約束する」

結標 「絹旗さんは、ほら。ベールガールとかトレーンベアラーとかやるんでしょ?」

絹旗 「え、なんで私が!?」

番外個体 「いいんじゃない? 白井さんとセットで」

白井 「わ、わたくしまで?」

エツァリ 「自分はこちらの冠婚葬祭には詳しくないですが、重要な役と聞いてますよ」

婚后 「ええ、何せ入場という出だしの重要シーンですものね」

絹旗 「待ってくださいよ。ああいうのって小さい女の子がやるもんじゃないんですか?」

番外個体 「小さい女の子、って条件はクリアしてるじゃん」ニヨニヨ

絹旗 「ホントに殴りますよ!?」ガオー

白井 「ベールガールやトレーンベアラーなら、もっと適任の二人組がおられるではないですか」

婚后 「あの子たちなら喜んで引き受けてくれそうですわね」クスクス

滝壺 「でもそうすると、どっちにしてもリングボーイがいないよね」

番外個体 「そこはほら、淡希に調達してきてもらえば」

結標 「聞き捨てならないわね。どういう意味よ」

白井 「結標さん、いくら身内とはいえ未成年男子略取など犯したら、わたくしも風紀委員として」

結標 「しないってば!」
969 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:27:11.87 ID:C44vvm+Eo

エツァリ 「まあ、どちらにしても今すぐという話でもないでしょう」

婚后 「時間をかけて、入念な準備をしておけばよろしいですわよ」

番外個体 「何年単位で先の話だろうしね。だから、絹旗さんはそれまで身長伸ばさないでね?」

絹旗 「まだ言いますか!」

婚后 「それにしても」

結標 「?」

婚后 「お三方とも、今のお相手と続いていくと信じて疑わないのですね。少しうらやましいですわね」

滝壺 「当然」フン

番外個体 「放さないよ。こっちゃやっとの思いで捕まえたんだもん」

結標 「そういうこと、ね」ギュゥ

エツァリ (あたってます、と言わないほうがいいのでしょうね)

白井 (まだですの、まだわたくしには小さい大きいお姉様というチャンスが)

絹旗 「白井さん、変なこと考えないでくださいよ」ポンポン

婚后 「わたくしにも出会いがあれば……親が持ち込んだ見合い話などではなく、もっとこう、自然な」ハゥ

滝壺 「大丈夫だよ、こんごうなら。なんだかんだ言って器量良しだし」

番外個体 「お金持ちだしね」

結標 「財産目当ての男なんて願い下げでしょうよ」
970 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:29:09.61 ID:C44vvm+Eo


~同日 学舎の園 正面ゲート付近~


滝壺 「あれ? あそこって入り口だよね」

絹旗 「超ぐるりと周って、一周してきたみたいですね」

番外個体 「思ったよりは広くないんだね」

結標 「そりゃね。私たちは学校の敷地には入ってないもの。歩いてたのはあくまで居住区だし」

白井 「さすがに学校の敷地までは……申し訳ございませんが」

エツァリ 「いやいや、そこは当然の判断ですよ」

婚后 「下手を打てばお兄さんが捕まるかもしれませんしね」

エツァリ 「おやおや、女子校の敷地など恐れ多くて踏めませんね」

絹旗 「さて。この後どうしましょ? もうここにはあまり見るものはないかもしれませんが」

滝壺 「今何時?」

番外個体 「12時をちょっと過ぎたところだね」

滝壺 「じゃお昼ご飯?」

結標 「んー、ちょっとお腹がね……」

番外個体 「お腹まわりが気になるか。あ、だから今日はヘソ出してないの?」

結標 「そうじゃなくて! さっきあれだけケーキ食べたから、まだ空腹感はないのよ」
971 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:30:13.67 ID:C44vvm+Eo

白井 「お腹が空いているか空いていないかで言えば、空いておりませんわね」

婚后 「昼食は少しずらしてもよろしいでしょう。この時間ですとどこも混んでいるでしょうし」

エツァリ 「ではどうしましょうか。なにか時間を潰せる手段があるといいのですが」

絹旗 「……あの、いいですか?」

滝壺 「どうぞどうぞ」

絹旗 「超寄りたい場所があるんです。行きましょうよ」

番外個体 「それって、学舎の園の外?」

絹旗 「外です」

結標 「じゃあ、出なきゃならないってことね」

白井 「みなさん、やり残したことはございませんか?」

滝壺 「うーん、ぐるっと一周したんだよね?」

番外個体 「それでここまで辿り着いたってことは、もう平気なんじゃない?」

婚后 「そうですわね……他に特別見るものもなさそうですし」

白井 「出ても平気ってことでよろしいですのね?」

エツァリ 「この分なら大丈夫そうですね」

結標 「何気にもう2時間以上いるんだしね」

番外個体 「出るときって何か注意点ある?」
972 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:31:44.74 ID:C44vvm+Eo

白井 「いえ、特には。敢えて言うなら、入場したときと同じゲートを通過してください」

滝壺 「あそこのガードマン……むしろガードレディ? がいるところだよね」

結標 「他のゲートだと自動改札になってるから、どの道私たちじゃ通れないわね」

エツァリ 「となると、出るときも身分証明が必要ですね」

婚后 「そうですわね。入退場記録の照合が必要ですので」

番外個体 「じゃ、いくとしよっか」

滝壺 「あ。外でたらまずケーキ預けたい」

エツァリ 「おお、そうでした。そろそろ保冷材もぬるまる頃ですね」

番外個体 「駅前まで行けば冷蔵機能つきのコインロッカーあるでしょ? そこに入れりゃいいよね」

婚后 「では、まずは駅前まで参りましょうか」

結標 「決まりね。せっかくのケーキがとろける前に行きましょ」

滝壺 「じゃ行こう」

絹旗 「……あれ? あれれ?」ガサゴソ

白井 「絹旗さん……」ハァー

絹旗 「大丈夫です! 超大丈夫ですから!」ゴソゴソ
973 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:33:43.30 ID:C44vvm+Eo


~同日 第7学区 とある駅前~


 【ロッカー】<バタン


滝壺 「これでよし」ウン

エツァリ 「後は、帰るときに忘れないようにしませんと」

番外個体 「しっかしボッタくってるよね、コインロッカーの分際で」

結標 「有料冷蔵庫と考えれば妥当でしょうよ」

婚后 「さて、この後はどちらに?」

絹旗 「ええと、ここから歩くと少しありますけど」

番外個体 「よし、バス」

白井 「天気も良いのですし、歩きません?」

滝壺 「うん、今日はそんなに寒くないし、いいかもしれない」

結標 「そうね、少しぐらいは歩かないと。特に貴女は引き篭もり明けで運動不足でしょ?」

番外個体 「ま、そこまで言われちゃしょうがないか」ガシガシ

エツァリ 「絹旗さん、これからどちらに?」

絹旗 「ええと、こっちです!」
974 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:35:37.67 ID:C44vvm+Eo

 :
 :
 :

結標 「私、これから行こうとしてるところが分かった気がする」

滝壺 「私も」

絹旗 「みなさんって、こっちの方来てました? 私、実を言うとあまり近付いてなかったんですけど」

白井 「わたくしは久々にこちらに来ましたわね」

婚后 「同じく。第18学区に転居してからは来る機会がありませんでした」

番外個体 「なんでかな、来ようと思えば来れたハズなんだけど」

エツァリ 「なんとなくですが、せめて記憶の中のまま残しておきたかったのかもしれませんね」

滝壺 「あれ?」

結標 「どうしたの?」

滝壺 「あそこに、よく使ってたコンビニがあったんだけど」

婚后 「なくなってしまいましたか?」

滝壺 「ううん。違うコンビニになってる」

番外個体 「ホントだ……あそこでよくファミチキ買ってたんだけどなぁ」

エツァリ 「次からはLチキになりそうですね」

白井 「なんだか……しばらく見ない間に景色も変わってしまいましたのね」
975 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:39:32.76 ID:C44vvm+Eo

結標 「でも、どうして来ようって気になったの?」

絹旗 「超なんとなく、ですよ。あれからもうすぐ一年ですし、時間を持て余してる今の内に来てみたかったんです」

エツァリ 「また次の一年が過ぎたとき、ここまで近づけるとも限りませんからね」

白井 「来る途中に看板がありましたの。一応、何か造る予定ではあるとか」

婚后 「では、訪問には良いタイミングだったかもしれませんわね」

滝壺 「あ、ここらへんじゃないかな」

婚后 「あら……言われてみれば、どことなく面影が」

番外個体 「なんだ、辺り一帯更地じゃん。まだ手つけてないんだね」

結標 「そのお陰でここまで入ってこれたんじゃない」

絹旗 「」トテテテ

婚后 「戻ってきた、というと少々違うかもしれませんが」

白井 「改めて考えると、実に不思議なものですの」

エツァリ 「人間同士の出会いなんて、案外いつもそんなものかもしれませんよ」

滝壺 「きぬはた? 何か見つけたの?」

絹旗 「ええ、超見つけました!」

絹旗 「ここが、私たちが一番最初に出会ったところですよ」
976 : ◆8GNB4AEvC.[sage saga]:2012/04/06(金) 00:40:17.87 ID:C44vvm+Eo

といったところで、今回はここまでです。
あまりしんみりさせ続けるつもりはありませんのでご安心を。

次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
977VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/04/06(金) 00:42:04.23 ID:ewUBBSaE0
>>1乙です
めちゃくちゃきになるんですがww
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/04/06(金) 00:54:32.19 ID:3m2pXYBo0
>>1

まあ不粋なコメントだとは思うが……
辺り一帯更地なのか。
俺の予想が正しいとすると、寂しいな

スマン不快だったら許してくれ
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2012/04/06(金) 01:00:18.79 ID:fXMCnW+V0
乙です 
 

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