2013年6月6日木曜日

上条「教育実習?」 2

604VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/02(月) 18:01:48.18 ID:wuJNt/5h0

浜面「何みんなして怒ってるんだ?」ハテ

心理(…随分と鈍い方ですね)

麦野「…まあ、浜面のことなんかどうでもいいわ」

心理(どの口が言ってますの!?)

絹旗「そうですね。それよりも上条さんの話が超聞きたいです!」

上条「え?オレの??」

麦野「第3位に聞いたんだけどさ、アンタ第3次世界大戦のときロシアいたんだって?しかも動乱のど真ん中に」ワタシモイタケド

上条「」

麦野「しかもイギリスのクーデターやアビニョン動乱もいたって?」

上条「」

滝壺「かみじょう、すごい」キラキラ

フレンダ「結局、kwsk聞きたい訳よ」

上条「…えっとですね……」

アイテム「kwsk!」グワッ

上条「」



心理(上条さんパネェっす) 
 
 
605VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/02(月) 18:03:42.71 ID:wuJNt/5h0
ーーー帰り道ーーーーーーーーーーーー
上条「はぁ…。不幸だ……」スタスタ

と、美少女4人(1人少女か微妙だが)と相席で食事をした上条当麻がほざいた。まあ彼に言わせれば、その後4人に部屋まで上りこまれた浜面仕上よりは不幸ではないのかもしれないが。

上条「しかし、なんて尋問だよ…」カツンカツン

人はそれを尋問ではなくご褒美と呼ぶ。 By 青髪ピアス

上条「明日から麦野さんに絡まれないように気をつけよう」スタスタ

贅沢な男、上条はそう心に誓った。もう余計なイベントはごめんだ。

上条「はぁ、今日も疲れたな」ストップ

上条「ただいまーっと」ガチャ

??「おかえりなんだよ!」



ーーーある男の部屋ーーーーーーーーーーーー
浜面「おい麦野!その書類何だ!?」

麦野「んー?ハンコはどこかにゃーん??」

滝壺「はい、むぎの」つ【浜面】

麦野「おーありがと」ポン

浜面「滝壺さんっ!?しかもポンじゃねえよ!」

絹旗「浜面超うるさいです」

浜面「え!?」

フレンダ「でも結局、なんでハンコの位置なんか知ってた訳?」

滝壺「…彼女なら、当然」

麦絹フレ「ピクッ」

滝壺「…」ドヤ

麦絹フレ「…」グヌヌヌ…

浜面「面倒くさっ!こいつら酷く面倒だよ!?」
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/02(月) 18:05:22.73 ID:wuJNt/5h0
ーーー学舎の園ーーーーーーーーーーーー
心理「うーん…」カタカタ

部下「どうかなさいましたか?」

心理「『やんでれ』というものは私には向いてませんわね…」

部下「それは向き不向きの問題ではないと思いますが」

心理「そうですか」シュン

部下(ヤンデレなんて言葉どこで覚えてきたのでしょうか?)

心理「しかし、むぅぅ…」

心理(時間はまだありますが、早めに仕掛けた方がよろしいですわね)

心理(…明日は、もっと頑張る必要がありますわ)ウフフ

部下「…」



ーーーどっかーーーーーーーーーーーー
美琴「今日の私の扱いどうよ?」

結標「出演(で)てるだけマシよ」
607VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/02(月) 18:14:13.42 ID:wuJNt/5h0
以上です。また夜には来るつもりです。次2日目おまけです。念願の心理定規…!

そしてここで時間割発表ですつ
3日目(水)
1.英語
2.数Ⅱ
3.能力開発
4.能力開発
5.日本史
6.古文

以上でいこうと思います。ではまたノシ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/02(月) 18:29:47.90 ID:cyamvxFto
なんか常盤台の授業が一コマ90分のイメージがあるから、美琴とこころんがコマ50分の授業に違和感を感じてる図が浮かんだ。
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/05/02(月) 18:29:48.95 ID:8mswO6Bq0

心理定規…だと…
ちゅっちゅぺろぺろくんかくんかしたいけどアステカ紳士だからていとくんに譲るわ 
 
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:07:10.31 ID:kgT7fzIO0
ケース1 一方通行の場合

一方「ふゥ、今日はテンション上げすぎちまったなァ」

今日の学園都市最強はやたら機嫌が良かった。歩きながら時折ボーっとし、ニヤニヤしたりしていた(見た目がアレなので傍から見ると怖いが)。その原因は学校での出来事にあるようで、

一方「やっぱベクトルってのは最っ高ォだよなァ…」

とか意味の分からない戯言を呟いていた。実はこの男、3連続で数学Bの授業で最高にハイってやつだった。

一方「位置もォ!方向もォ!空間も求められるゥ!イイねェイイねェさいk」プルルルル

一方「…チッ。誰だこンなときによォ」ピッ

気分のよさを遮られつい舌打ちがでる。彼の愛するベクトル数式の邪魔をされたと考えれば当たり前かもしれないが。仕方なしに思考を中断し携帯電話をとる。

一方「もしもしィ?」

そして、電話の向こうからは……。



一方「――てめェか」
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:08:19.85 ID:kgT7fzIO0
??『やっほう第一位。わざわざ電話してあげたよ』

一方「とりあえず元気みてェだな。声聞けて安心したわ、番外個体さンよォ?」

番外『んーなんかねー。ミサカはそんなに体調がどうって訳じゃないんだけどさ。第三次製造計画だから他のミサカたちと調整の仕方とか違うんだって』

一方「ふぅーン。まあ病院では大人しくしてるこったなァ。てめェじゃ無理だろォがな」

番外『確かに病院ってのは暇だね。すること無いってホント退屈。アナタに悪戯してた方が100倍は楽しいねぇ』

一方「ハッ。そいつはイイ考えだなァ。退院したらだぞ。一応入院中の身だしなァ」

番外『ん?何?ミサカのこと心配してくれるの?さっすが第一位だよね。やっさしー☆』

一方「あァ。もォお前ら姉妹には誰にも手を出させないからな」

番外『…ミサカだけじゃないんだね』ボソッ

一方「ん?どォかしたか?」

番外『何でもないよ!』

一方「?」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:09:29.34 ID:kgT7fzIO0
ケース2 垣根帝督の場合

垣根「ただいまー」ガチャ

定規「あら、おかえりなさい。早かったわね」

垣根「ああ。今日は仕事が早く終わってな」

定規「そう。じゃあご飯にする?お風呂にする?それt」

垣根「ってオイ!何フツーに若妻やってんだよ!?」

定規「あれ?こういう雰囲気はお嫌いかしら?」

垣根「ったく、ガキのくせによぉ」ブツブツ

定規「何よ!私はそんなに子どもじゃないわよ!?」プンプン

垣根「はいはいそーですね。心理定規ちゃん?」

定規「むぅー!」ムキィー

垣根(そういうトコがなんだよ、ガキが)
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:10:46.12 ID:kgT7fzIO0
定規「そういえば貴方、私のこといつも『心理定規』って呼ぶわよね?」

垣根「ん?そりゃいつもそう呼んでるしな」

定規「…呼び方を変えてみない?」

垣根「は?」

定規「だからさ、いちいち『心理定規』で呼ぶのは面倒じゃない?」

垣根「つまり、あだ名で呼べってこと?」

定規「平たく言えばそうね」

垣根(最初からそう言えばいいのによ…。女ってのはどうしてみんなこうなんだ?)

垣根「で?例えばどういうの?お前の好みとかもありそうだし」

定規「うーん、そうねぇ…。今考えているのは2つあってね」

垣根「ふむふむ」

定規「1つ目は『こころちゃん』。これだと単純で呼びやすいし、『ちゃん』があって親しみが湧くわ」

垣根「うんうん」

定規「2つ目は『ハーたん』。こっちは可愛いのが特徴ね。『たん』という禁書新ジャンルを開拓できるわ」

垣根「ほうほう」

定規「さあ、どちらがお好み?」

垣根「どっちも却下で」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:22:05.76 ID:kgT7fzIO0
定規「…え?」

垣根「まあ当然だな」

定規「は?なぜどうして?」

垣根「いやそもそもよぉ。テメェは『心理定規』って書くけど読みは<メジャーハート>だろ?」

垣根「だからさ、優先すべきは『心理』ではなく『定規』の方ってことだ!」

定規「ガーン」

垣根「さあどうする!?」

定規「え?え?…メーたんって何か……。でもちゃんよりは…」ブツブツ

垣根「…そんなお悩みの貴女にこの呼び名をプレゼント!」

定規「え??」

定規(帝督からのあだ名…いいじゃない!)wktk

垣根「定規の『定』からとって……」

定規「…ん?」

垣根「お定<じょう>さんだ!」キリッ

定規「」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 01:28:27.46 ID:kgT7fzIO0
垣根「どーだ?なかなかジョークがきいてていいだろ?」ハッハッハッハ

定規「…」

垣根「ん?どうしたお定さん??」

定規「…」ゴゴゴゴゴゴ

垣根「心理定規さぁーん??」

定規「…うふ」ブン

垣根「おいィィィィ!無言でパイプ投げrべ!?」ガツン

定規(…この恋は身の丈に合ってるのかしらね?)

改めて自分の好きな少年を見て、ほんの少しだけ首を傾ける心理定規であった。 
 
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/05(木) 00:25:32.98 ID:QyI9F7a40
~3日目(水)~

ーーー通学路ーーーーーーーーーーーー
上条「ふわぁ~。今日もいい朝だなぁ」セノービ

朝の空は青く澄み渡り、上条当麻の1日を祝福しているようだった。だがそんな大空の気遣いさえも裏切ってしまうのがこの男。
マンションから出て5分ほどしかたっていないがもう10回ほど転んでいる。そのうち4回は階段でだ。相も変わらず不幸である。

上条「まあ、そんなことは上条さんにしてみれば日常茶飯事ですがねー」

ちなみに伝わりにくいが、今この高校生、<にちじょうちゃはんじ>と読んだのだが、そんなことは誰も気にしない。

上条「…ん?あの娘は…?」

いつも通る公園に、昨日とは違う人物が立っていた。金に輝く長髪を後ろへ優雅に巻き、カチューシャで留めたお嬢様らしい髪型。
華麗でいてそれでなお幼さも残した顔立ち、立ち振る舞い。そして目が合った瞬間の眩しい笑顔。
そう、心理掌握の姿がそこにはあった。

心理「…あっ、おはようございます。上条さん」ペコリ

上条「おう、おはよう。今日は心理掌握さんか」

心理「今日は…というと?」

上条「いや昨日は御坂と偶然朝会ってな。結構あるもんだよな、偶然って」ハハハ

心理(…偶然なんかではありませんのよ。御坂も私も)

上条「つか、昨日の朝見てたから知ってるよな?」ハンカチノ…

心理「ええ。確認みたいなものですのよ」

上条「ふーん。でも能力使っちゃえば、いちいち口頭で確認とらなくてもいいんじゃないか?」

心理「そんな無闇に人の心を覗くことなんてしませんわ。それに…」

上条「それに?」

心理「貴方の心は読めませんからね」ニコッ

心理(そこもまた素敵なところでございますがね)フフッ
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/05(木) 00:27:06.21 ID:QyI9F7a40
上条「ああ。そういやそうか。テレパシーも通じなかったしな。不便な右手だなぁ」ヤレヤレ

心理「当人からすればそういうものでございますかね…?」

上条「まっ、そうだろ。あって良かったこともあるけど無い方がいいときも多いしな」ニギニギ

心理(…やはり彼の中ではその右手には『不幸』というものが強く印象づけられているようですわね)

心理「立ち話もどうかと思いますし、そろそろ行きましょうか?」

上条「うん。そうしようか」スタスタ

心理(彼のその意識を変えるには…フフフッ♪)スタスタ



御坂「…先越された……!」ゼイゼイ

部下「御坂様、お疲れさまです」スタッ

御坂「アンタ、心理掌握のトコの…」

部下「ええ。そうでございます」

御坂「…アンタのご主人、あの馬鹿にご執心のようね」

部下「上条様は馬鹿ではございませんっ!」プンスカ

御坂「え?」

部下「うっ…。コホン…御坂様も人のこと言えないのでは??」

御坂「ぐっ…。そりゃそうかもしれないけどさ…」

部下「ん?…随分と素直になられましたわね、御坂様?」

御坂「? 何が?」

部下(無意識でのこと…。つまり自然にということか。それはすなわち……)

部下(…心理掌握様だけでなく、御坂様も成長している?)

御坂「ちょろっとアンタ、どうしたの?」

部下「いえ、成長期ってスゲーなと」

御坂「?」
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/05(木) 00:29:08.03 ID:QyI9F7a40
部下「それより御坂様、そろそろ行かなければ間に合わないのでは?」

御坂「え?…あれ、もうこんな時間っ!?急がなきゃ!」タッタッタッタ

部下「お気をつけてぇー」フリフリ

御坂「…あっ。そうだ。あのさぁー!」トオーク

部下「? どうかなさいましたかー!?」トオーク

御坂「アイツに言っといてぇー!絶っっっ対負けないからってぇー!」アノーヒカーリーマーデ

部下「(ズキッ…)了解しましたー!」トードイテー ホーシイー

タッタッタッタッタ…

部下「…わたくしは……」



ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
麦野「だーかーらー。アンタはこの書類にハンコをポンッと押せばいいんだよォ!」バンッ

教頭「しかし、急にそんなこと言われても、無理なものは無理なんですよ!」

麦野「あ〝ァ!?い・い・か・ら押せよ!」

教頭「ひぃ!?校長ぉー!助けてぇ~」

麦野「早く押してくれないかにゃーん?」



結標「麦野さん、なんか機嫌よくないわね。どうしたのかしら?」

一方「ありゃただ必死なだけだろォ。ほっとけ」

垣根「一般人が危ねえぜ?第1位さんよぉ?」

一方「ほっとけ」



従順「いい加減にしなさいっ!」

教頭「お、おぅ、君ぃ!私は信じていたよ!必ず助けてくれるって」ウルウル

従順「早くハンコ押しなさい」キリッ

教頭「」

麦野「おっ、いいぞてめぇ。イイ仕事するじゃねえか」

従順「いえ、私のすべては麦野様の為に」キリリッ

教頭「」

☆(なんか魔法名みたいだな)←ソース滞空回線 
 
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/05(木) 00:31:31.74 ID:QyI9F7a40
~ホームルーム~

美琴「じゃあ出席確認よー。上条くんいる?遅刻してない?」

上条「なぜ名指しでオレを呼ぶんだ…?不幸だ…」

美琴「へぇ~。遅刻せず来たんだ?上条くんが遅れずに来るなんて、どういうことかしらねぇー?」ゴゴゴゴゴ

上条(あれ、怒ってらっしゃる!?)

美琴「昨日は私と来て、今日は誰と来たんでしょうねー?」ビリビリッ

小萌「ちょっ、御坂ちゃん!?電気!でんき!」

上条(もしかして朝見られた!?ん?だとしたら…)

上条「なんで怒ってるんだ?」

美琴「!?」ドキッ

上条「考えてみりゃそうだ。昨日お前と朝一緒に登校して、今日心理掌握さんと一緒に登校したけどな、
お前が怒る要素なんてどこにもないぞ!」

美琴「そ、そりゃあ…その……///」ウツムク

上条「どういうこt…ん、どうした青ピ?」クルッ

青ピ「カミやん、今墓穴掘ったで?」ポンッ

上条「は?」
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/05(木) 00:33:07.69 ID:QyI9F7a40
青ピ「昨日御坂先生で今日心理掌握ちゃんってどういうことやァ!?」

男ども「「「そうだ!」」」

上条「いやどういうことって…そのままの意味だけど?」サラッ

青ピ「ああ。成る程そういうこと…ってないわー!」

上条「おぉ、まさかのノリツッコミ!?」

青ピ「カミやん?覚悟はええかァ!?」ボキッボキッ

男ども「「「……」」」メキッムキッ

土御門「ひゅー。よっ、色男!」

上条「いやだから何故皆さんわたくしめの机に向かっているのか全く分からないというか筋肉隆々になった意味分からん
というかてか土御門テメェ勝手に煽んじゃねえ!?」

青ピ「カミやん[ピーーー]で!」

男ども「「「おおおおおおおお!!」」」ダダダダダ

上条「このパターンこのスレで使い回されてる!もうやめよう、なぁ、もう戦いなんかやめよう!」キリッ

青ピ「その根源が何言うとんねん!」ボコボコ

土御門「古き良きネタがいいんだぜぃ!」フルボッコ←便乗した

上条「ビバルチッ!アグエッ!」ボキッ、メキッ、ミシミシッ

吹寄「男って…」ハァー

小萌「み、みなさーん!?落ち着いてくださぁーい!御坂ちゃーん!?」

美琴「だからぁ…あれはねぇ……そのぉ…////」ブツブツ

小萌「御坂ちゃーん!?」 
 
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:01:35.07 ID:LlTaWjgB0

上条「うぅぅ…。なんでいつもオレばっかり」ボロッ

姫神「上条くん。大丈夫?」

上条「おっ、姫神。オレは大丈夫だぜ。サンキューな」

姫神「こちらこそ」

上条「へっ?」

姫神「なんでもない」プイッ

上条「?」

吹寄「まったく上条!貴様はまたクラスの風紀を…!」

上条「いや、オレ悪いわけじゃないんだが…」

青ピ「まだ言うんかこの男」ムカムカ

土御門「カミやんだからにゃー」

上条「?」

吹寄「さっ、最初は御坂先生の授業よ!」

青ピ「おっほぉー!」

土御門「朝から癒されるぜぃ」

上条「朝から不幸だ…」

青ピ「まだ言うんかコラ」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:04:34.94 ID:LlTaWjgB0
~1時間目~

若め「さっ、今日も御坂さんの英語ですよっ」

男子「「「しゃあ!」」」

美琴「よろしくね♪」

男子「「「うすっ!」」」

上条「もう誰だよこいつら」

土御門「ま、御坂先生に比べればクラスの女子なんてにゃー」

女子「「「ギロッ」」」

上条「おいっ!睨まれてるお前!」ヒソヒソ

土御門「揺るぎない事実ですたい」ヒソヒソ

上条「お前なぁ…。てかそうでもないだろ?」ヒソヒソ

女子(上条くんGJ!)

上条「姫神なんか相当な美人だぞ?」ヒソヒソ

姫神(さすが。上条くん。よくわかってる)

土御門「その通りだが、ほら、存在感がにゃー…」ヒソヒソ

姫神「」

上条「そう言ってやるなよ。…否定はしないがな」ヒソヒソ


姫神「」
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:06:41.95 ID:LlTaWjgB0
美琴「ほらそこの2人!ちゃんと人の話を聞いて!」

上御門「「ヒソヒソ、ヒソヒソ」」

若め「もうっ。仕方ないですねっ。…御坂さんっ?頼みますよっ」

美琴「りょーかいです!」クイックイッ

ほか「「「…」」」ススゥー

美琴「…美琴先生の話を……」ピンッ

上御門「「ん?」」

美琴「無視すんなやゴルァァァァァァ!!」パチーン

土御門「カミやん!」ドン

上条「えっ、ちょ」

ビリビリ ズドォォォーーーン ドンガラガッシャーン パキーン パラパラパラ・・・


土御門「…ふぅ。危なかったぜぃ」

美琴「やっぱり通用しないわね…」

生徒たち「スゲー『超電磁砲』だぜ!」「生では初めて!」「あと上条も…なんかスゲー」

上条「…ってオイ![ピーーー]気か!?」

美琴「だって話聞いてなかったじゃない!?」プンプン

上条「それでこの仕打ちはあんまりだ…」

土御門「そうだそうだー」ニャー

上条「あと土御門、お前は外道だ」
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:08:31.06 ID:LlTaWjgB0
美琴「まったく、アンタって男は…」ヒラヒラ

男ども(…おっ!おっ!)←ガン見

先程の『超電磁砲』は(セーブしているとはいえ)教室の後ろの壁を粉砕する威力があったのだが、上条の右手で無効化されたので、
衝撃で周りの机や椅子などを吹き飛ばすに留まった。さて、どうやらその際そこそこの風が発生したようで、スラックスを着用している
若めの教師は何ということはないが、常盤台の制服を着ている美琴ではマズいことになっていた。要するに、スカートが捲れそうなのだ。

美琴「…ん?おわっ!」ヒュン

男ども(キタ━(・∀・)━!!!! )

美琴「ふぅー。危ないわねぇ~」←短パン着用

男ども「」

美琴「あれ?皆どうしたの??」

青ピ「な、なんやてぇー!?」

男1「嘘だァァァァァァ!!」

男2「裏切ったな…。僕の気持ちを裏切ったんだ!!」

美琴「?」

上条「御坂お前…まだ短パン履いてたのか?」

美琴「!?」

男ども「くぁwwせdrftgyふじこlp」ガンガンガン ←机に向かってヘドバン
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:09:21.64 ID:LlTaWjgB0
美琴「なななな、何言ってんのよ!?(公衆の面前で)」

上条「ん?なんか変なこと言ったか?(別に知ってるしいいだろ)」

男ども(上条あとで[ピーーー])

若め「もうっ!授業始まらないよっ」

美琴「あっ、すいません」

男子「あwwwwサーセンwwwwww」

美琴「おい」ビリッ

男子「あbbbbb」バリバリ

土御門「ご愁傷さまだぜぃ…」

美琴「それじゃ、気を取り直して授業再開よぉー!」

男ども「「「おぉー!!」」」ダー

土御門(取り直した!?)
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:10:56.22 ID:LlTaWjgB0
美琴「今日は仮定法についてね。まずはこの2つの日本文の意味を比べてみてね」カリカリ

・君が大人になったらわかるよ。

・君が子どもだったら許してもらえるんだけどね。

美琴「『大人になったら』は将来のことを指しているわ。つまり現実に起こる可能性があることを話しているのよ」

土御門「子どもは成長すれば自然と大人になっていくからにゃー」

上条「ほうほう」

美琴「それに対して『君が子どもだったら』は現実とは違うことを表しているわね」

土御門「この文だと多分言われている側は大人ぜよ」

上条「うむうむ」

美琴「要するにね、日本語だと『~したら』『~だったら』って言い方をしちゃえば、現実でも非現実でも表現できるでしょ?
それじゃどっちの文か分からないわよね?でも、英語だと動詞の形を変えてどっちかを明確にしちゃうのよ」

土御門「そして、『現実とは違う』ことを表すために動詞の形の決め方を仮定法って呼ぶんだぜぃ」キリッ

美琴(決め台詞盗られた…orz)

上条「なるほど、わからん!」

土御門「ダメじゃねえかよ」

上条「つまり…『自分だけの現実』のこと?」

美琴「あってるけど間違ってるわね、それ」
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:12:10.73 ID:LlTaWjgB0
美琴「ま、スッゲー簡単に言っちゃうとさ、ifみたいなものね」

上条「それならこの上条さんでも分かりますよ!」フンス

美琴「知らなかったら速攻で中学校へ送ってやるトコだったわよ。超電磁砲で」

上条「なにそれこわい」

土御門(こわいってか普通死ぬぜぃ)

美琴「じゃあ早速英文に入っていくわよ。まずは直説法と仮定法の見分けからね」

土御門「ちなみに直説法ってのは、現実に起こる可能性があることの方の形で、さっきので言うと『大人になったら』の方だにゃー」

上条「なんでさっきからお前がちょいちょい解説に混ざってるんだ?」

土御門「カミやん、オレ帰国子女だぜぃ」

上条「金髪だしな」

土御門「つっちー日本人よ!?」

美琴「はいそこのー。あんまりうるさいとまた超電磁砲撃っちゃうわよー」

上御門「「電撃系とかマジ勘弁wwwwww」」

美琴「なにそれ気の毒」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/06(金) 00:14:25.80 ID:LlTaWjgB0
美琴「んじゃ、これ分かるかな?」カリカリ

・If it rains tomorrow,we will cancel the picnic.

・If I had a lot of money,I would buy an island.

美琴「それじゃ、ええと…ひm……上条くん!」ビシッ

上条「フェイントいらなくね!?」

姫神「まったく。期待して。損した」

土御門(当てられること期待する生徒はそうそういないぜよ)

美琴「さっ、答えて!(どうせ分かんないんでしょ?)」

上条「上が直説法、下が仮定法です」

美琴「即答!?…じゃあその理由は??」

上条「勘」キリッ

美琴「即答!?」

土御門「見分けるのは動詞の形ぜよ。ifの仮定法では三人称単数現在形は適用されない、つまり三人称単s(ry の場合は直説法と
判断する必要があるにゃー」

美琴「この文には条件節が利用されているから、未来のこと<tomorrow>も現在時制で表されるのよ」

上条「たのし~い、あったまぁ~がぽぽぽぽーん♪」

美琴「えっ、ちょっと!?」

土御門「カミやんがショートストップぜよ…」

美琴「それなんか紛らわしいわね」 
 
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:13:21.45 ID:fZPHPYns0

美琴「…とりあえず上条くんは放っておいて次いくわよー」

上条「」

土御門(哀れなカミやんだにゃー)

美琴「次は仮定法過去と仮定法過去完了ね。これ終わったら練習問題いくわよ。次の例文を――」


キーンコーンカーンコーン
美琴「じゃあ今日はここまで。上条くん、ちゃんと復習しておくようにね」

上条「へいへい…」

美琴「返事は一回!」

上条「へい」

美琴「そこは『はい』でしょ。…わからなかったらいつでも職員室の私のトコに来なさい。美琴先生が手取り足取り教えてあげるわ」

上条「Hi!」

美琴「もういいわ」ガラガラ バタン

上条「…さてっ次の授業のじゅんbうげぇ!?」バゴッ

青ピ「カミやん市ね!氏ね![ピーーー]!」ボコッボコッ

上条「宣告なしっ!?ちょっ待」ボコッ、メキッ、ミシッ

男ども「「「あたたたたたたたっ!」」」

上条「ひでぶっ!?」

土御門「皆さん飽きないにゃー。…ん?」ポンッ

女子「「「誰がブスだってぇ?」」」

土御門「いやそこまで言ってないぜyあばっ!?」バキッ

バキッ、ボキッ、メリッ、アタタタタタタッ、アベシッ…


姫神「朝から。カオス」

上御門「「英語ではケィオス」」キリッ

ほか「だからどうしたっ!」アチョー

上御門「「ごめんなsあふろっ!?」」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:14:48.57 ID:fZPHPYns0
~休憩時間~

上条「いやー、痛かったなー」ピンピン

土御門「にゃー」ピンピン

吹寄「なんで平気なのよ貴様らは…」

青ピ「ギャグ補正やしなぁー」

吹寄「? まあいいわ。次は数学ね。上条、宿題はやってきたわよね?」

上条「…」ダラダラ

吹寄「…貴様まさか」

上条「…ッ」ダッ

吹寄「コラ待ちなさい上条!」ダダダダ

上条「急に体調がぁー!」ダダダダ

吹寄「嘘をつくなぁー!」

マテコラー ガシッ フコウダー

青ピ「カミやん怒られてまうでぇ。ま、ボクらは大丈夫やけどな。なぁつっちー?」

土御門「…」ダラダラ

青ピ「…つっちー?」

土御門「…ッ」ダッ

青ピ「つっちー!?」

キーンコーンカーンコーン
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:16:24.97 ID:fZPHPYns0
~2時間目~

一方「さァて野郎共ォ!課題はちゃンとやってきたよなァ!?」

上御門「…」ダラダラ

一方「そォだな…。板書だなァ、2問とも。できるヤツは挙手しろォ」

姫神(手を挙げるだけでは。足りないから)グッ

一方「さァ手ェ挙げろォ!」

姫神「…」ガタッ

姫神「はいっ!」ビッシー

一方「…ンとォ」

姫神「ドキドキ」

一方「そォだなァ…」キョロキョロ

姫神「わくてか」<ハイッ

一方「よしっ、吹寄ェ!1問目はてめェだ!」

吹寄「はいっ!」スタスタ

姫神「」

一方「ンじゃ2問目はァ…」

姫神「次こそは」バッシー
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:17:51.38 ID:fZPHPYns0
一方「…ン?どォした姫神ィ?」

姫神「気がついて。もらえた」ktkr

一方「なンで立ってるンだオマエ?」

姫神「あの。宿題をしt」

一方「具合でも悪いのかァ?早く保健室いけェ」

姫神「いや。そういう訳でh」

一方「生徒の管理も先生の仕事だしよォ!いますぐ行くぞォ」カチッ

姫神「だから。ちょっt」ヒューン

シュン ヒョーン ガラガラ バターン

全員「…」

全員「え?」

土御門「斬新なスルーだぜぃ…」

吹寄「この公式で…」カリカリ

吹寄「…ん?何これ?」ピタッ

上条「どうした?」

吹寄「いや、2問目のトコに名前が…」チッチャク

土御門「先生がいつの間にか書いたのかにゃー?」

青ピ「そいつが板書みたいやなぁー」

上条「気の毒だな、そいつ」

吹寄「ねぇ上条。貴様の名前なんだけど」

上条「」

土御門「気の毒だにゃー」
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:28:53.86 ID:fZPHPYns0

ガラガラ バターン
一方「姫神届けてきたぜェ」

生徒たち(それアンタの勘違いだから!)

一方「どれ、そろそろ板書も終わった頃だろォ」

上条「…」ダラダラ

一方「まずは1問目からかァ…」


(1) sinθ-cosθ=1/3のとき、sinθcosθの値を求めよ。

解答 (sinθ-cosθ)^2=(1/3)^2
sin^2θ-2sinθcosθ+cos^2θ=1/9
1-2sinθcosθ=1/9

-2sinθcosθ=-8/9
sinθcosθ=4/9



一方「…よし、正解ィ!」

吹寄「はい。ありがとうございます」

一方「それでェ?次はどォだろなァ?」ジロ

上条「…」ダラダラ
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/08(日) 00:48:32.46 ID:fZPHPYns0

(2) 0≦θ<2πのとき、2sin^2θ-9cosθ+3=0を解け。

解答 2(1-cos^2θ)-9cosθ+3=0
2cos^2θ+9cosθ-5=0
(cosθ+5)(2cosθ-1)=0


一方「…ン。結構解けてンじゃねェか。どれどれェ…」

上条「…」ダラダラ


……あとお願いします。


一方「ふーン、そォか。仕方ねェよなァ…ってンな訳あるか!?」

上条「ビクッ」

一方「ここまで解ればもォ解けンだろォ!?」

上条「…ウチで一生懸命したんです!」

ほか(うそつけ)

一方「あ゛ァ!?」

ほか(上条オワタ)

上条「ビクビク」

一方「…まァいいか」

ほか(えぇ!?いいのか?)

上条「パァ」

一方(ヒーローを虐めすぎると打ち止めに怒られるからなァ…) 
 
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/10(火) 19:14:57.28 ID:L0mj6Jgq0

一方「ちなみに答えはこォだァ!」カチッ キーン


首に装着した電極のスイッチを入れた一方通行は、持っていたチョークを握り潰し、その手を黒板へ叩きつけた。
すると白粉のベクトルが操られ、計算式が刻まれた。



cosθ+5>0であるから、 2cosθ-1=0
よって、 cosθ=1/2

0≦θ<2πであるから、 θ=π/3,5π/3



一方「オレにかかれば朝飯前だぜェ」カカカカッ

ほか(特に意味なくね!?)

一方「この程度の計算は序の口だァ。つゥかテストには出さねェ。あまりに簡単だからなァ」

吹寄「ではなぜ難しい内容は取り上げないのですか」ビシッ

上条(くっ、余計なコトをぉ…)

一方「オレに聞くンじゃねェ。色々あるンだよ」

吹寄「?」

一方「はィはィ、授業に入ろォかァ!」

一方「次はァ…三角方程式と三角不等式ィ?簡単すぎて話にならねェぜ」ボソッ

ほか(ちょいちょい腹立つな)

一方「ここで重要なのは単位円でェ……」

上条(タンイエン?外国の方??)
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/10(火) 19:17:58.57 ID:L0mj6Jgq0
キーンコーンカーンコーン
一方「今日はここまでですゥ。お疲れェ」

土御門「アクセラ先生おっつかれぇ~!」

一方「…アイツうぜェ」ガラガラ バタン

上条「結局タンイエンって何なんだ?」

吹寄「貴様はそんなことも把握していないの?」

青ピ「カミやんやしなー」

土御門「カミやんだからだにゃー」

上条「なんだかオレが凄く変な人みたいじゃねえかよ」

吹寄「え?貴様、自分がまともな人間だとでも言うのか?」

上条「」<ガラガラ

姫神「ただいま」

吹寄「あっ、おかえりなさい姫神さん」

青ピ「姫神さんも災難やったなぁー」

上条「もう授業に出てもいいのか?」

姫神「もうというか。最初から」

上条「?」

土御門(あの状況で姫神が本当に体調が悪かったなんて思うのはカミやんだけだぜぃ…)
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/10(火) 19:19:08.09 ID:L0mj6Jgq0
~休憩時間~

上条「さて、今日もまたこの時間を迎える訳だが」

青ピ「何を言うとるんカミやん?」

上条「上条さんにとってはこれほど憂鬱な時間はありませんことよ…」

姫神「上に。同じく」

吹寄「まあ姫神さん。まだまだ見込みはあるはずだから頑張りましょう!」グッ

姫神(そういう問題では。ないのだけど)

青ピ「うーん。どうしても才能みたいなモンが必要なのかも分からんなぁ~」

土御門(魔術師のオレって才能あるのか?)

上土姫「はぁー…」

青吹「?」

キーンコーンカーンコーン
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/10(火) 19:20:50.49 ID:L0mj6Jgq0
~3時間目~

小萌「はーい。次は小萌先生の能力開発の時間ですよー」ガラガラ

上条「始まってしまった…」ハァー

小萌「もう上条ちゃん!いきなりため息とはどういう了見ですかー!」ムー

結標「はいはい小萌。その辺にしときなさい」スタスタ

上条「へっ?」

吹寄「え?」

姫神「あれ?」

結標「ん?皆どうしたの?そんな素っ頓狂な顔して」

青ピ「今回は結標先生やぁー!」

男ども「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」

結標「あら?そんなにお姉さんの授業は嬉しいのかしら」

男ども「「「イエス!」」」

結標「うふふ。ありがと」ニコッ

土御門「おっ、結標先生だにゃー!おっひさー」ヒラヒラ

結標「うっ…」

土御門「しばらく見なかったけど元気だったかにゃー?」ニヤニヤ

結標(ほっんといい性格してるわね…!)プルプル
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/10(火) 19:22:55.19 ID:L0mj6Jgq0
小萌「はいはい、そこまでですー。皆さん授業始まますよー!」バタバタ

青ピ「構ってほしがる小萌センセも最高やなぁー」

上条「お前ってヤツは…」

結標「そ、そうよね!早くしましょ」

土御門(ごまかしたぜぃ)

結標(やっぱりコイツは面倒ね…)

小萌「さて、今日は超能力というものについての復習ですねー」

結標(とにかく目の前の授業を全力で取り組みましょう)キリッ


小萌「そもそも『超能力』とはこの学園都市が世界で初めて、そして唯一開発に成功したものでしてー」

小萌「詳しく言えば、物理法則を捻じ曲げる超常現象を起こす力のことですねー」

小萌「これは学園都市が電極、投薬その他の行為によって実現したのですがー」

小萌「前回の授業で説明したとおり、天然で能力を発現する子もいる訳でー」

小萌「その人たちには呼称がありますよねー。上条ちゃーん?」ニコッ

上条「…えっとですねー」ダラダラ

土御門(しっかりしろカミやん!答えなきゃならんぞ)

上条「…チャーh」

小萌「言っておきますけど、調味料ではありませんからねー」

上条「」

土御門(カミやんェ…)
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/10(火) 19:25:29.74 ID:L0mj6Jgq0
上条「えっとぉ…(やべ、まるで分からんぞ!…ん?)」アレハ?

姫神「上条くん上条くん」ヒソヒソ

上条(姫神!?まさか助けてくれるのか?)アリガテェ

姫神「げ ・ ん ・ せ ・ き」←口の動きだけで指示

上条(…なるほど。サンキュー姫神!)b

姫神(頑張って。上条くん)b

小萌「さあ上条ちゃん、答えを聞きましょうかー?」

上条「はいっ、先生!」ガタッ

小萌「おお!上条ちゃんがいつになくやる気です!」

上条「答えは……」ドドドド

全員「…ゴクリッ」

上条「今の答えは……」ドドドド

姫神「ドキドキ」

上条「いきます!」クワッ

小萌「コクッ」





上条「面積です!!」キリッ
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage ]:2011/05/10(火) 19:27:06.08 ID:L0mj6Jgq0

小萌「」

姫神「」

ほか「」


上条「あれ?正解だと思ったんだけど…?」

小萌「違います!『原石』ですー!」

上条「あらら?」

上条(もしかして読みを間違ったか?)

姫神(まさか。私のせい?)

小萌「上条ちゃん。しっかり復習もするのですよー」

上条「補習で手一杯なのですが…」

小萌「じゃあ今のところも補習です!」

上条「不幸だぁー!」


結標(…あれ?なんだろこの感じ)
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage ]:2011/05/10(火) 19:28:42.03 ID:L0mj6Jgq0
小萌「続けますよー。この能力を行使する者のことを『超能力者』といいますがー」

小萌「厳密には総称は『能力者』で、真に超能力者と呼ばれるのは7人のレベル5だけなのです」

小萌「御坂ちゃんや垣根ちゃん、心理掌握ちゃんたちのことですねー」

青ピ「ふーん。やっぱり凄いなぁー!」

土御門「青ピが言っても説得力ないにゃー」

青ピ「つっちーそれ何の話や?」

土御門「またまた誤魔化してこのー」

青ピ「コメントは控えるで」キリッ

上条「なんだそりゃ?」

土御門「青ピだからにゃー」

上条「?」

小萌「ちょっとそこの3人、先生の話を聞いてくださーい!」ムキー


結標(これ…。私、空気じゃね?) 
 
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:13:46.85 ID:VyJ1cSRw0
小萌「さて、もっと超能力について詳しく話しましょうかー」

上条「まだ奥があるのでせうか…」

小萌「今のところは全然難しい内容ではありませんよー」

上条「さいですか…」

結標(『幻想殺し』に超能力の知識は 必 要 な い っと…)メモメモ

小萌「ここからは厄介なので簡潔にいきますねー。要するに物理現象は観測を行うまでは確定しないという考え方です」

生徒たち「「「うんうん」」」

上条「?」

小萌「つまり、観測されるまではいくつもの「可能性」が存在していて、観測されることでたった一つの「可能性」だけが
結果として現れますねー」

上条「??」

小萌「結果が現れることをいくつもの可能性が一つに縮まってしまうことから「収束」または「収縮」と呼ぶのですがー。
どの可能性に収束するか断言はできませんが、各々の可能性が収束する確率がどのくらいか計算することはできますよねー?」

上条「わたくし上条当麻にはできません」

小萌「無視しますよー」

上条「断言!?」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:14:58.52 ID:VyJ1cSRw0
小萌「例を挙げるなら、まだフタが開いていない箱ですねー。結標ちゃーん、お願いしまーす」

結標「はいはいどうぞ」ヒュン

小萌「ありがとうなのです!」パチッ


結標が携帯している軍用懐中電灯を軽く振ると、小萌の頭上に金属製の箱が現れた。
小さい先生の頼みを受けて『座標移動』させたのだ。


小萌「皆さん、この中にはチョコと飴玉のどちらが入っていると思いますかー?」バン

上条「チョコ!」

土御門「飴玉だにゃー」

青ピ「ヴェルタースオリジナルや!」

小萌「何か違和感がありましたねー」

結標「特別な存在なのかしらね?」

青ピ「ボクを特別な存在にしてやぁー」クネクネ

結標「…」ヒュン

青ピ「え?うおっ!?」ドン ガツン

結標「お姉さんに生意気な口をきく子にはお仕置きね♪」


上条「椅子が消えて青ピが尻餅ついたかと思えば」

土御門「青ピの上から椅子が降ってきて激突…」

生徒たち(あれは痛そう…。いや、自業自得だけど)


青ピ「Sっ気もあるんか!?ええなええなぁー!」

結標「…随分いじめ甲斐のありそうな子ね。でも趣味じゃないの。ごめんなさいね」

土御門「先生は小さい子がお好みだからにゃー」

結標「ちょっ、土御門君!?…いや、違うわよ皆。別に中学生以下じゃないとダメなんてことないから!
穢れのない純粋な子どもが好みな訳ではないから!」アセアセ

土御門「もはやバレバレだぜぃ」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:17:05.56 ID:VyJ1cSRw0
小萌「なんだか主旨がズレてきたので戻りますよー」

結標「中学生以下って訳じゃ…。いやでも、高校生なんて受け入れること出来るのかしら…?」ブツブツ

小萌「結標ちゃんは少し放っておきましょうかー」

生徒たち(先生がスルーを覚えた……だと…?)

小萌「チョコか飴玉かは見てみないと分かりませんねー?」

小萌「このとき、箱を開ける、つまり観測するまでは『チョコが入っている可能性』も『飴玉が入っている可能性』も存在していて、
いわば箱の中は『チョコ50%飴玉50%』の状態にあります。でも、箱を開けたときに現れるのはチョコか飴玉のどっちかだけですー」

小萌「今度は今の理屈を超能力に当てはめて考えましょうー」

上条「はーい(棒」

小萌「現実にはさまざまな可能性が存在していて、『手から炎を出す』『他人の心を読む』といった超常現象が起きる可能性も存在はしますが、
<常識的現象99%超常現象1%>のように確率が偏っているので、普通の人が観測すれば<常識的現象99%>しか取り出せないわけなのです」


上条「そうか!オレは普通の、常識的な人間なのか!」

土御門「いまさら何を言ってるんだカミやん」

結標「貴方がまとも?寝言は二度寝してから言いなさい」

上条「冷てぇ…」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:19:10.60 ID:VyJ1cSRw0
小萌「でも、ここでもしも『通常(常識的な世界)の法則からずれた認識』によって『観測』を行うことができれば、本来の確率を無視して、
<超常現象1%>を取り出すことが可能となりますねー。この理論を実践したものが『超能力』の正体なのです」

上条「へぇー」

小萌「分かってくれましたか、上条ちゃん!」ウルウル

上条「いえ全く」

小萌「むぅー。先生は諦めないのです!続きは補習です上条ちゃん!」

上条「不幸だ…」

小萌「では今は先に進みますよー。こういったいわゆる『異常な現実認識』を『自分だけの現実』と呼び、『手から炎を出す可能性』
『他人の心を読む可能性』などの可能性を取り出すことで、超常現象を引き起こすのです」

小萌「言ってしまえば、≪『自分だけの現実』の観測が可能≫ということは≪まともな現実から切り離されている状態≫という
一種の精神障害と同義になりますねー」

小萌「まあだからといって、能力者が一様に変わった人ばかりという訳ではありませんがー」

上条(能力者といえば……)

上条(一方通行とか…)


一方『イイねェイイねェ、最っ高ォだねェ!』アギャウキャ


上条(御坂や麦野さん…)


美琴『無視すんなやゴルァァァァァァ!!』ビリビリッ

麦野『関係ねえよ!!兄妹だってカァンケイねェェんだよォォォ!!』


上条(垣根帝督に削板軍覇…)


垣根『オレの授業に、常識は通用しねえ』キリッ

削板『根性だ!!』


上条(…変わった人しかいない気がする)
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:20:23.62 ID:VyJ1cSRw0
小萌「ここまではいいですか?」

生徒たち「いいです!」

上条「(もう)いいです」

小萌「そうですか!ではもう少しだけ進みましょう。あと超能力の特徴というのはですねー…」


キーンコーンカーンコーン
小萌「…はいここまでですねー。では次の能力実習で思う存分暴れちゃってくださーい」

小萌「上条ちゃんは…あとでお話しましょうね」

上条「はい…」

小萌「じゃあ終わりますねー」ガラガラ バタン

土御門「結標先生もおっ疲れさまですたい!」

結標「はいお疲れ土御門君。…あとで覚えてなさい」ボソッ

土御門「おっと、怖いぜぃ」ケラケラ

青ピ「つっちー果敢やなぁー」

上条「確かにな。知り合いか何かか?」

土御門「カミやんも知り合いみたいなモンじゃないかにゃー?」

上条「微妙なトコだなそこは。つーかやっぱり知ってるのな」

土御門「このつっちーの腕を甘く見られちゃ困るぜよ」フンス

青ピ「なんか2人ともムカつくけど、次実習やし疲れるからやめとこ」
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:21:26.62 ID:VyJ1cSRw0
~休憩時間~

上条「次は能力実習か…」

青ピ「なんやカミやん。そんなな顔して」

上条「だって鬱だもの」ハァー

青ピ「カミやんなら何とかなるやん」

上条「そんな簡単なものじゃないんだがな…」

土御門「そりゃそうだ」

吹寄「さて、着替えちゃおうか」スタスタ

姫神「うん。そうしよう」スタスタ

上条「あっ、オレちょっとトイレ」スタスタ

青ピ「ちょっと待てカミやん」ガシッ

上条「ん?どうかしたか?」

青ピ「今覗きにいこうとしたやろ?」

上条「はぁ?そんな訳ないd」

青ピ「嘘つけぇ!」クワッ

上条「おいやめて!?もうトイレに行く時間も…」

土御門「もう諦めるにゃー」

上条「不幸だぁー!」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:22:35.49 ID:VyJ1cSRw0
~4時間目~

黄泉川「よしっ、お楽しみの能力実習じゃん?」

上条「結局トイレ行けなかった…」orz

黄泉川「なんか上条が落ち込んでるけど、まあいいや。早速今日の実習生を紹介したいところだけど…」

青ピ「どうかしたんですかー?」

黄泉川「いや、何というか…。シフト的にこいつしかいなかったから勘弁してほしいじゃん」

全員「?」

黄泉川「では紹介するじゃんよ。実習生の削板軍覇君じゃん」

削板「やあまた会ったな皆!あれから根性の方はどうだ!?」

全員「」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/11(水) 01:25:37.27 ID:VyJ1cSRw0
黄泉川「…済まない」

上条「い、いえ…」

吹寄「高位の能力者ですし…」アセアセ

土御門「い、いいんじゃないかにゃー?」アセアセ

削板「む!どうした皆!?元気が無いぞ!?」

ほか(アンタが元気すぎるんだよ…)

黄泉川「…まあアレじゃん。早速能力のデモンスt」

削板「すまん!少し待ってくれ先生!」

黄泉川「? どうしたじゃん?」

削板「うむ…。上条当麻!いるよな!?」

上条「はい?」

削板「ちょっと前に来てくれ!」

上条「え?あっ、はい」スタスタ


よく状況が呑み込めないまま前へ進む上条。削板は依然闘志のこもった表情を崩さない。


上条「…はい来ました。で、どうしたんですか?」スタッ

削板「上条当麻…」

上条「はい?(なぜフルネーム??)」

削板「オレは今からお前に……」




削板「決闘を挑む!!」ビシッ


黄泉川「…え」

全員「えええええええええええ!?」





上条「…は?」 
 
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:33:54.15 ID:38OdSM8R0
黄泉川「ど、どういうことだ?削板?」

削板「うむ。聞けばこの男、超能力者も一目置く存在らしい!」

削板「例え生徒でもそれだけ根性があると分かれば、決闘しない訳にはいかない!」

削板「さあ、オレと勝負してくれ!上条当麻!!」

上条「ええ!?」

黄泉川(ああ、そういえば休憩中に…)


~休憩時間~

ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
黄泉川「おーい!誰か次の時間に予定空いてる人はいないかー?」

一方「あァ?オレは数Bあるぜェ」

垣根「オレは化学だな」

美琴「次は英語が…」

麦野「物理よ」

心理「古文ですわ」

結標「倫理が入ってるわね」

削板「オレは何もない!!」

黄泉川「(よりによって…)まあいいじゃん。次の3組の能力実習に参加してほしいんだが」

削板「おう!分かった!」

一方「イチイチ叫ぶなうぜェ」

削板「む!?それはスマン!!」

垣根「反省してねえだろお前」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:35:07.60 ID:38OdSM8R0
黄泉川「じゃあ頼むじゃん」スタスタ

麦野「能力実習ねぇ。そういや上条のヤツ、化物じみた能力だったわね」

黄泉川(おっ?例の少年の話じゃん?)キキミミ

削板「? それはどういう意味だ!?」

麦野「そのままの意味よ。私の原子崩しを手品みたいに消しやがるし」

削板「!?」

美琴「超電磁砲も効かないし」

心理「私も思考を読めませんしね」

削板「なん…だと……?」

一方「まっ、ヒーローだからなァ。当然だな」

垣根「第1位もあえなく敗北(笑)」

一方「ちょっと表出ろコラ」

削板(上条当麻…。なんて根性のある男だ!)<ベクトルパーンチ

削板(一目見ただけで只者ではないとは感じたが、ここまでとは…!)<ダークマターウイーング

削板(これは…。いかん!高ぶる思いが抑えられん!)<チュドーン

削板「よし…。久々にいい根性が見られそうだ!」<ヒキワケダー

黄泉川(なんだか削板の顔が生き生きしてるじゃん)


~現在~

黄泉川(…そういうことだったのか)ウンウン

上条「ちょっと先生!何一人で納得してるんですか!?」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:37:05.83 ID:38OdSM8R0
削板「うむ!いい戦いをしよう!」キラキラ

上条「そんな目するなよ!?」

黄泉川「おーい、上条ー」

上条「この人を止めてください先生!」

黄泉川「やってもいいじゃん」

上条「」

削板「黄泉川先生!ありがたい!」

黄泉川「気にしなくてもいいじゃん。個人的にも興味があるし」

上条「ちょっ、いいのかそれ!?」

黄泉川「私は構わないけど、皆はどうだ?」

生徒たち「見てみたい!」「面白そー」「上条爆発しろ!」

上条「最後が明らかに違いますが!?」

青ピ「なんか面白いことになってきたなぁー」

土御門「にゃー」

上条「お前ら少しは心配しやがれ!」

姫神「上条くん。私は。心配してる」

上条「おお姫神!さすがだぜ」

姫神「でも。すごく興味は。ある」

上条「」
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:38:05.84 ID:38OdSM8R0
削板「よし!皆の了承が取れたのなら問題ない!」

上条「まずはオレの許可を取れ!」

削板「それもそうか!さあ戦おう!!」

上条「許可取る気ゼロか!?」

黄泉川「往生際が悪いじゃん、上条」

上条「ぐっ、なぜオレが注意されてるんだ…」

上条(でもこのままただ戦うってのも何かイヤだな…。こうなったら!)

上条「…いいぜ」

削板「おお!受けてくれるか!?」

上条「ああ。ただし条件がある」

削板「む!?言ってみてくれ。根性で何とかする!!」

上条「いや、その……」

削板「何でも言ってみてくれ!」バッ

上条「トイレ行かせてください」キリッ
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:39:07.34 ID:38OdSM8R0
削板「便所か!?いいぞ、好きなだけ行け!」ハッハッハ

上条「そんな大声で言わないでほしいのですが!?」

黄泉川「ああ削板。私からもお願いがあるじゃん」

削板「おう!何でも言ってくれ!」

黄泉川「10分ほど待ってほしいじゃん。一応警備員用の装備を揃えてくるから」

削板「心配しなくとも、人的被害など出す気は毛頭無いぞ!」

黄泉川「念のためじゃん。お前たちの戦いに、私なんかの力ではどうしようもなくてもね」

削板「そうか!いい心掛けだ!では頼む!!」

黄泉川「じゃあ皆、グラウンドから出て待ってるじゃん!」

生徒たち「「「はーい」」」

上条「先生、オレは…?」

黄泉川「…早く行ってくるじゃんよ」

上条「イエス!」ダダダダダ

削板「さて、まずは準備体操からだな!」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:40:48.17 ID:38OdSM8R0

ところで、削板の声は大音量だったため、先程の会話は削板の部分だけは校舎まで届いていた。

ーーー2年1組教室ーーーーーーーーーーーー
結標「外が随分うるさいわね…」<ケットウヲイドム!

男子「あの先生か…。うるさい、勉強の邪魔だ」

女子「空気読みなさいよ。こっちは受験があるのに」

結標(このクラス冷めすぎでしょ)<カミジョウトウマ!!

結標(あら?彼も災難ね)

男子「先生、早く続きを」

結標「へっ?ああゴメン。皆は気にならないのかしら?」

女子「気にしません。雑音でしかないので」

結標(可愛くないわね……!)<ベンジョカ!?

結標(ん?なに今の??)


ーーー2年2組教室ーーーーーーーーーーーー
心理「外が騒がしいですわね…」<ケットウヲイドム!

男1「あの声量には、常識が通用しねえな」キリッ

男2「ここはてめェの知る空間じゃねえんだよ」キリッ

心理(どうも悪影響を受けてますね。思考が淀んでいる)<カミジョウトウマ!!

心理(!? 彼に一体何が!?)

男1「もう一度ここ(の問題で)絶望しろコラ」キリッ

心理「…皆さん?大丈夫ですか、頭の方は」

男子「「「心配するな、自覚はある」」」キリリッ

心理(末期症状ね。私でも治せるかどうか…)<ベンジョカ!?

心理(え?どういうこと!?)
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:41:57.19 ID:38OdSM8R0
ーーー2年4組教室ーーーーーーーーーーーー
一方「なンだァ?うるせェな…」<ケットウヲイドム!

男子「ようやく小休止…」グデー

女子「10分しか授業してないのに、もう板書が3回書き消しされたわ…」

一方(なっさけねェなァ。この程度のペースについてこれねェのかよ)<カミジョウトウマ!!

一方(ン?今のなンだ??)

男子「疲れたー」

一方「おィおィ、もォ限界ですかァ!?」

全員「「「ひぃ!?」」」

一方(今は授業に集中だァ!楽しい楽しいベクトルのお時間だからよォ!)<ベンジョカ!?

一方(やっぱ気になるゥ!!)


ーーー2年5組教室ーーーーーーーーーーーー
麦野「あ?なんだかうるせぇな…」<ケットウヲイドム!

男1「しかし、あんなに違うものなのか?」ヒソヒソ

男2「らしいな。同じ超能力者でもギャップあるよな」ヒソヒソ

麦野(なんか変なこと言ってやがるな男子ども)<カミジョウトウマ!!

麦野(は?何かやらかしたか??)

男1「心理掌握さんとは全然違うよな」ヒソヒソ

麦野「さっきから聞こえてんぞ童○どもが!」

男子「「ひぃ!?」」

麦野(ったく、どうしようもねぇ連中だな)<ベンジョカ!?

麦野(…アイツもだな)
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:43:35.99 ID:38OdSM8R0
ーーー2年6組教室ーーーーーーーーーーーー
垣根「ん?さっきから一体何の騒ぎだ?」<ケットウヲイドム!

男子「垣根先生の授業って分かり易いよな」

女子「しかも何かカリスマ性あるよねー」

垣根(ふっ、分かっているな。しかし、流石はオレだな)<カミジョウトウマ!!

垣根(あ?どうしたんだアイツ??)

男子「さすが垣根先生だよな!ウチのクラスのとは大違い!」

垣根「ハッ、いいなお前ら。よし、今日も丁寧にいくぜ!」

全員「「「イエス!」」」

垣根(いやー、最高の気分だぜ)<ベンジョカ!?

垣根(…最悪の気分だ)


ーーー2年7組教室ーーーーーーーーーーーー
美琴「あら?外が騒がしいわね…」<ケットウヲイドム!

男1「おお!削板師匠ではないか!?」

男2「本当だ!なんと根性のこもった声なんだ!?」

美琴(…さすが7組。完全に毒されてるわね…)<カミジョウトウマ!!

美琴(は?何やってんのよアイツ!?)

男1「よし、オレもいつかあのような立派な漢になれるよう励もう!」

美琴「そのためには、しっかり先生の話を聞こうねっ」

男子「「「はいっ!」」」

美琴(基本いい子たちなのよねー。ひたすら熱血なだけで)<ベンジョカ!?

美琴(…結局どうなってんのよ!?)
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:45:20.31 ID:38OdSM8R0

ジャー

上条「ふぅー。スッキリしたぜ」<オーイ、カミジョー

上条「ん?黄泉川先生、どうかしましたか?」

黄泉川「…上条、お前は今からあのナンバーセブンと戦う訳だけどざ」アンチスキルフルアーマー

上条「ええ。そのようですが…」

黄泉川「他人事みたいに言うなじゃん…。で、上条はそんな格好で戦うのか?」

上条「? まあそうですよ。これ、結構動きやすいんですよ。回避行動とか」

黄泉川「あたかもそれで戦闘したかのような言い方じゃん?」

上条「え?いやその…」

黄泉川「…まあいいじゃん。でもあの男相手にそれだと身体がボロボロになっちゃうじゃんよ」ホイッ

上条「…だからこれを着ろと?」バサッ

黄泉川「いいじゃん。格好いいし」

上条「でもこれ、えっと…」

黄泉川「男が細かいこと気にしない気にしない♪」グイグイ

上条「これはなんというか…不幸だー」
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:46:27.46 ID:38OdSM8R0
ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
削板「いっちに、さんっし…」グッグッ

青ピ「なんか凄いことになってきたなぁー」

土御門「そうだにゃー」

姫神「上条くん。大丈夫かな?」

吹寄「大丈夫じゃない?上条なら」

姫神「そう。なのかな」

青ピ「せやせや!なんとかなるやろ!」

??「ほう、随分興味深いことになってるじゃないか」

土御門「!?」クルッ

姫神「? どなた?」

??「あれ?…ああ、こっちが知ってるだけで、君は私のことを知らないようだけど」

青ピ「おお!べっぴんさんや!」

??「どういたしまして、というべきか?青髪の少年さん?」

土御門「…お前は」

??「自己紹介くらいは自分でするけど?私の名は雲川芹亜だけど」
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:49:15.84 ID:38OdSM8R0
削板「…おっ!来たか!?」

黄泉川「おーい!待たせたじゃん!?」

削板「いいや、根性さえあればそんな長い時間ではない!」

黄泉川「お前の根性の用途が不明じゃん…」

削板「して、上条当麻はいずこに!?」

黄泉川「多分そろそろ…。おっ、来たじゃん」ユビサシ

削板「おお!アレは…!」


青ピ「うおっ!?」

土御門「何だアレは!?」

吹寄「…はい?」

姫神「…」///

雲川「ほう、相変わらず面白いな」


ーーー校舎内ーーーーーーーーーーーー
一方「ンなっ!?」

麦野「ハァ!?」

結標「嘘っ!?」

美琴「な、何着てるのよアイツ!?」///

心理「上条さん、大胆ですわね」///


垣根「…常識が通用しねえ」
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/12(木) 01:54:10.98 ID:38OdSM8R0
上条「うぅ…。皆の視線が痛い…!」スタスタ


校舎から現れた上条が着用していたのは、身体に密着する系のボディースーツだった。競泳用の水着のイメージといったところか。
色は青を基調にし、関節や身体の側面などには黒がデザインされていた。首から全身を覆うスーツを纏った上条は、どう見ても暑そうだが、
これは学園都市製なので、その辺は大丈夫のようだ。手袋まで装着していても彼は暑そうな素振りを見せていない。
ただその中でも特徴的なのは、右手首から拳までは皮膚をむき出しにしているところだった。黄泉川にでも切ってもらったのだろうか。

…と説明してはいるが、一番の問題は単純なところだった。それは、スーツの特性上避けられない問題ではあるが、


要するに、ある一部分がやたらもっこりしているのである。


削板「おう。なかなか根性のある格好じゃねえか!」ザッ

上条「確かに根性がないと着れないかもしれないが…」ストッ


グラウンドの真ん中で、ついに二者は対峙した。両者から得体のしれないオーラが発現して、学校中を包み込んだ。


雲川「いよいよだけど。どう思う土御門君?」

土御門「…分かっているだろう、お前なら」

雲川「愚問だったか。気分を害したなら謝るけど」

土御門「いやいい。そうだ、この勝負の勝敗は――」


一人は『幻想殺し』。すべての異能を喰らい尽くす、異形の右腕の持ち主。

一人は『世界最大の原石』。すべての原石の頂点に君臨する、最強の異能の権化。


削板「さて、始めようか!」

上条「…ああ」


――未だにその全容は誰も把握できていない、神が地上に落とした2つの『異常』が、史上初となる決着をつける。
そう、だからこそ、その結果など――




土御門「――誰にも分かりはしない。例えアレイスターでも、そして神さえもな」



738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/13(金) 09:38:07.14 ID:Mo9R3aMB0

上条当麻と削板軍覇が決闘をする。その意味を知る者も知らない者も、まだ見ぬ戦いに期待と不安を覚えた。

ーーー2年生各教室ーーーーーーーーーーーー
結標「これは…どうなるのかしら?」

心理「上条さん…」

麦野「結果が楽しみね」

美琴「…負けるんじゃないわよ」

垣根「もう授業どころじゃねえな」

一方「しっかりやれよォ、ヒーロー」


ーーー窓のないビルーーーーーーーーーーーー
☆『ほう、面白い。実に興味深い結果がでそうだな』ニヤッ

☆『さて、鑑賞しながら次のプランも考えておくか』ポリポリ

☆『ポテチうめぇ』バリバリ

手下「…」
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/13(金) 09:40:16.70 ID:Mo9R3aMB0
上条当麻は戦闘が始まってもすぐに行動することはしなかった。まずは目の前の男を分析する。


上条(相手は『最大の原石』。迂闊に動けば一瞬で負けちまう)

上条(最初は様子見だな。オレの能力は結局は受け身の形になるからな)


得体のしれない相手と何度も対戦している上条は、徐々に自分の能力の使いようを学んでいた。
そもそもが右手にしか宿っていない力なので、接近戦が基本なのだ。
だが、削板軍覇という男はどう考えても白兵戦でも強い。そのための様子見だ。


上条(おそらく肉弾戦は土御門と同等、いやそれ以上の使い手だ。用心に越したことはない)ザッ


彼は間違いなくかつての一方通行とは真逆のタイプ。能力ばかりを極めた愚者ではなくその身体をも限界まで鍛え上げた賢者なのだ。
上条は右拳を握って両足を少し開いて臨戦態勢をとる。攻撃を向かい撃つための、積極的な行動だ。

しかし、上条は始めから削板の『本質』を履き違えていた。彼の特徴は、得体のしれない能力でも、肉弾戦での強さでもなかった。


削板「む…。そうか、ならばこちらから行かせて貰おうか」


学園都市ナンバーセブン、彼の真の強さは、


削板「――本気でいくぜ」ヒュン


そのスピードにあった。


上条「!? なっ!?」パキーン


反応できたと自分では認識できなかった。削板はその場から消えたかと思えば、いつの間にか目の前に現れて拳を振り上げていた。
無意識のうちに上条は、削板が消える寸前でバックステップをとり拳の軌道上の右手を合わせて攻撃を衝撃ごと消した。
しばし呆然とする上条。無理もない。削板軍覇は今、一連の動作を音速の2倍の速度で行ったのだから。


削板「ほう、この攻撃が通じないのは二度目だ。やはりいい根性だな!」

上条「ハァ、ハァ…」

上条(なんだ今のは!?速すぎて目で追えなかった…)


たった一瞬の遭遇だというのに、上条はマラソンを走り終わえたかのような疲れを感じた。おそらく身体から瞬間的に限界以上の
力を引き出したためだろう。全身の血の気が引くのを感じた。そう、彼はこのような経験を、かつて一度したことがある。


上条(後方の、アックア…)

上条(まるで聖人のような動きだった。あれが削板の…!)


考えている暇も与えてはくれなかった。先程の先制攻撃の後に再び消えるようなスピードで距離をとった削板がまた消えたからだ。
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/13(金) 09:41:21.43 ID:Mo9R3aMB0
上条「くっ…!」サッ


今度は上条は横に跳んだ。無駄かもしれないが、せめて直撃だけは避けたい。当たれば一発KOだ。
しかし、削板はその回避した方向に突如現れた。動きを読んで先回りしていたのだ。


削板「うおおおお!!」ブオン

上条「おらァァァァァ!!」パキーン


だが読まれていたのは削板の方だった。上条は相手が先回りして攻撃してくることまで考えて横に移動したのだ。
そのため、既に拳を強く握った状態で回避していた。つまり、削板に飛び掛かるような格好を作ったのである。
いくら音速よりも速いパンチでも、撃つ前に止められては意味をなさない。


削板「!? うっ!」ズキッ

上条(くそっ!ビクともしねえ!?やっぱりこの程度じゃ…)

削板(ほう…。成る程いい判断だ!)


先程のカウンターでは上条は削板の拳のみを捉えていた。が、今の上条の攻撃は彼の左肩にヒットした。
この際、削板という男は『音速の倍』という、人知を超えたスピードで動いていた。しかも生身で、だ。
その速度になぜ彼の身体が耐えられるかというのは、言わずもがな自身の能力が働いていたからだ。

その肉体強化とでも言うべき(かもしれない)超能力が、幻想殺しによって完全に壊された。
この後に削板は、さらに人間離れした状況に襲われることになった。そう、

彼は約2500km/hから、一気に0km/hへと投げ出されたのだ。
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/13(金) 09:43:21.23 ID:Mo9R3aMB0
作戦行動中の戦闘機から外に放り出されたような状態の削板だが、それでもなお彼は2本の足でしっかりと地面に立っていた。
根性だ!!――と少年は言うだろうが、それは真っ赤な嘘だ。実際は『幻想殺し』で消された能力を、上条の右手が身体から離れた瞬間に
再生させたのだ。もしかすると、そのことを彼自身は根性と呼んでいるのかもしれないが。


削板「ふははっ!いい戦いだな!!」

上条「…そうだな。全力以上で戦わないと一瞬でやられそうだな」

削板「同感だな。――では次いくぞ」スゥー

上条「ん?なんだぁ?」


思い切って息を吸った削板。その時間は約10秒ほど。上条がジリジリと距離を縮めようと足を地面に擦りあわせていると、


削板「…があァァァァァァァァ!!」ズドーン

上条「何ぃ!?」ガガガガガ


咆哮とともに謎の衝撃波が上条を襲った。幸いにして右手を掲げて即KOは免れたが、上条を境に二手に別れた波は
グラウンドに1対の地割れを生みだした。大地を抉ったとでも言うべきか。砕かれた地が砂となり宙を舞い、また地へと戻っていく。


上条「あっぶn…もう来るのか!?」ザッ

削板「らああああああああ!」ダダダダダ

上条(あれ?なんでだ??)


上条が違和感を覚えたのは、そのスピードだった。確かに常人ならざるものではあるが、さっきの音速超えに比べると圧倒的に遅い。
まず自分の目で動きを追えたこと自体が、戦闘中では初めての経験なのだ。


上条(考えてみれば、あのスピードを保ち続けること自体が普通じゃない)

上条(さすがに限界が来たんじゃ…)


だが上条当麻は思い知らされることとなる。それは甘い考えであり、理由はもっと別のところにあることを。
冷静に思考してみれば、自分の対戦相手の正体も理解できただろう。が、音速の世界を身をもって味わった上条が
落ち着いていられるはずもない。
今、上条当麻と対峙している人間。それは、


『世界最大の原石』。この世で最も理解しがたい、人知などという矮小なものなどを超越した存在そのものであった。
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/13(金) 09:44:59.25 ID:Mo9R3aMB0
削板「ふんっ!」バッ

上条「なっ!?」


削板軍覇は、敵に高速接近しながらも両腕を思い切って地へ振り切った。と思ったら、上条の視界がほぼゼロとなった。


パン、パン、パァーン!

上条「これは…煙幕か!」


小規模な爆発のあと、赤、青、黄色の煙が上条の半径15mほどをすっぽり包み込んだ。らしくない戦法だと上条は思う。
だが今でも敵は自分に向かって突進してきている。ここは右手の出番のようだ。


上条(どこだ…どこから来る、削板軍覇!)パキーン


黄色の煙は右手に触れると一気に霧散した。だが、右に展開した青、左に広がる赤は自分から離れていくように舞っていく。
視界も不安定な今、どちらかに飛び出すのは避けたい。一旦その状態で待つことにする上条。
確か能力使用時に削板は自分と約30mは距離があったはず。そろそろ来るか…と待ち構えていると、


ダッ!

上条「! そこかっ!?」クルッ


地を蹴るような音が、上条の右の方から聞こえてきた。彼は即座に向きを変え、拳を握り身構えた。だが、


削板「おおおおおおおおおお!!」ガバッ

上条「何っ!?」パキーン


上条が右に飛び出し青の煙を消すと同時に、そのまま突っ込んできた削板と出くわした。
削板はそのまま正面へ、つまり今の上条にしてみれば左の方へ現れたのだ。
よくよく思えば、彼らしい戦い方だったのだ。


削板「おらっ!!」バキッ

上条「うわっ!?」グワシャッ


見事に左頬に一発喰らった上条は、そのまま10mほどノーバウンドで飛ばされ、もう10mを過ぎたところでようやく止まった。
しばらくの間、上条当麻は身動き一つとらなかった。
上条が負けになった瞬間にコメする奴が倍増だろうなアンチを含めて 
 
 
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/14(土) 13:00:37.06 ID:X1oEJ0jp0
ーーー校舎ーーーーーーーーーーーー
美琴「当麻っ!」バッ


上条当麻が吹き飛ばされた瞬間、美琴は訳も分からず外へ飛び出した。校舎3階からの大ジャンプ。
しかし美琴は磁力線を自分とグラウンド前にある金属ネットの間に形成し、磁力を調整しながら軽やかに網に乗り移った。
張り付いた場所が2階の高さだったので、彼女は迷わずネットを蹴って地面へ着地した。


美琴「いやっ!とうまっ!」タッタッタ

美琴(もうこれ以上、アイツが傷つくところなんか見たくない!)


これまでだって、ボロボロになってまで戦ってきた彼だ。今回だって再び立ち上がれば、またボロボロになるまで戦うに違いない。
そんな姿、もう見たくはない。自分の――好きな人が傷つくところなど。


??「待てよ、お嬢さん」ファサァ

美琴「!? アンタは…」ギロッ

??「おいおい、そんなに凄むなよ」

美琴「…どういうつもりよ」ビリビリッ


グラウンドに進入する寸前で、美琴の進路は白い翼で塞がれてしまっていた。ご存じ垣根帝督の能力だ。
美琴が身体中から電撃を発生されても、その白には通用しない。


垣根「いやよぉ、このままだとテメェがあの中に突っ込んでいきそうだったからな」

美琴「始めからそのつもりよ!邪魔しないで!」

垣根「ったく、分かってねえな。…おい心理掌握、テメェもだ」

心理「くっ…!」キュイーン

垣根「効かねえっての」カキーン


走って校庭まで辿りついた心理掌握も、行く手を阻む垣根に対して精神面から干渉しようとしたが無駄だった。
動かない上条当麻と動かざる垣根帝督。2人とも、己の無力さをまざまざと見せつけられる形になった。
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/14(土) 13:02:01.96 ID:X1oEJ0jp0
美琴「なんで!?どうして止めるのよ!」グスッ

心理「上条さんが、上条さんがぁ…!」ウルッ


翼に行く手を阻まれ、自分の能力も通用しない。もうただの女子中学生となった2人には、泣いて少年に抵抗するしかない。
しかし垣根は表情一つ変えない。むしろ呆れたようにため息をついた。


垣根「これだからお嬢様は…」

美琴「何がよ!」

心理「もう、もう戦う必要なんて…」ウルウル

垣根「まったくよぉ。要するになぁ…」


垣根「男同士の戦いに、女が割って入るんじゃねえ、ってことだ」

美心「「…」」

垣根「ここでお前らが上条のところへ行っても、アイツは喜ばねえ」

垣根「同情じゃあな、男は救われねえんだよコラ」


少年の言うことが、正しかった。2人とも俯いて奥歯を噛みしめるしかなかった。
それでも、到底納得できはしない。例え間違いだとしても、感情が抑えられそうもない。


美琴「で、でもぉ」

心理「だからと言って…!」

垣根「それにな…」

美心「「?」」


垣根「まだ、負けたわけじゃないだろうが」
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/14(土) 13:03:44.88 ID:X1oEJ0jp0
ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
削板「ふむ!いい戦いだった」ザッ


勝敗は決した。そう確信した削板軍覇は一言でこの数分の出来事の感想を述べた。
おそらく今までの戦いの中でも指折りの良い根性を見た。が、それでも自分の根性には敵わなったようだ。


削板「さあ、帰ろうか!」クルッ


踵を返して黄泉川たちのいる場外を目指す削板。その瞳には何の迷いもなかった。
――が、瞳は突然揺らぎだす。おかしい。確かに倒したはずなのに。相手は動きもしないのに。それなのに、


どうして、後ろから来る違和感が拭えないのだ?


男は慌てて振り返る。今でも対戦相手は倒れて動く気配もない。しかし、彼には感じられる。
少年から発せられる、自分を圧倒的に超越したプレッシャーを。

削板(…一体どうしたというのだ?、オレは)


ーーー場外ーーーーーーーーーーーー
雲川「…こいつは驚いたけど」

土御門「どちらにだ?」

雲川「それはまあ、あちらに決まっているけど?」


雲川「一体何なんだろうな、あの右手は」
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/14(土) 13:07:45.64 ID:X1oEJ0jp0
ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
上条(……オレは、負けた、、のか?)


頬から自分のすべての触覚に衝撃が伝わっていく。これがナンバーセブンかと、変に納得もしてしまう。
超能力と肉体能力のハイブリット。その恐ろしい力を文字通り身体で味わった上条には、立つ力も、気力さえ消え失せていた。


上条(ははっ、仕方ねえな。こんな…)


始めから敵うはずもなかった、とさえ考えてしまう。相手の拳は、上条の心にまで衝撃を与えていたのだ。
もういい、このまま眠ってしまおう。そう思っているのに。そうしたいと望んでいるのに。意識は徐々に戻り始めていた。


上条(なんで……どうしてなんだよ…?)


意識とともに、視界も開けてきた。そこで最初に目に入ってきたものに、上条当麻は驚愕することとなる。


上条(御坂、心理掌握…!?)


なぜ2人が外にいる?今はまだ授業中だろう?そんなことが一気に活性化してきた脳内を駆け巡った。
だが、それ以上に上条の心に響いたのは、


上条(どうして、2人ともあんな悲しい顔で泣いているんだ?)


心が痛む。自分も悲しい気持ちになる。今すぐ止めてほしかった。その涙を、見たくなどなかった。
泣くな。もうやめてくれ。そんな顔をしないでくれ。何度も何度も、心の中で叫ぶ。
その時、どこからか声が聞こえてきた。


美琴『ってことで、ちゃんと私の授業も受けてもらうからね!』


心理『…あっ、おはようございます。上条さん』




海原『…守ってもらえますか?……御坂さんを』


海原『いつでもどこでも駆けつけて…。彼女を守ってくれると……約束してくれますか?』



上条(そうだ。オレには…)


彼は、守るべきものを持っている。例えどんなことがあっても、守り通したい人がいる。
そう、ここで倒れている場合ではない。身体に力はなくとも、気力は湧いてきた。まだ、戦える。
今回の場合、相手は倒すべき対象ではない。憎むべき対象でもない。


それでも、守るべきものはある。
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/14(土) 13:09:24.52 ID:X1oEJ0jp0
上条「…待てよ」

削板「!? お前…!」


削板には分からなかった。どうしてまだ立ち上がれるのだ?確かにあの一発で決まったはずだ。
そんなボロボロの身体で、なぜ立ち上がるのだ?何が彼を突き動かすのだ?


上条「まだ決着はついてないぜ」

削板「…ほう」


この時点まで、削板は理解していなかった。上条当麻の強さというのは、異端の右手でも、自分の特徴を生かした
戦術でもなかった。上条の真に恐るべきところ。それは、


何度つぶされても立ち上がる、その精神力にあった。


そして削板は理解した。彼の根性は、自分が見定めることなど出来ないものだということを。
しかし、そうなると削板軍覇にとっては嬉しい限りだった。彼は、ついに未知の根性へと辿りつけたからだ。


削板(はははっ!今生で出会えようとはな。オレは運がいい!!)

削板「…では、続きを始めるぞ」

上条「ああ。絶対に勝ってみせる」

削板「…くくくっ、いい根性だぁーっ!!」ザッ

上条「おおおおおおおおおおお!!」ザッ


そして、この世の異端同士の決戦は、もうすぐ終末を迎える。


773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/16(月) 01:49:09.62 ID:vni1BeFO0

同時に駆け出した2人は、衝突する寸前に構えていた拳をほぼ同じタイミングで放った。
空が唸り、地が震える。それは、上条当麻の執念の証か。それとも削板軍覇の根性の現れか。


上条「ぐわっ!」

削板「ぬぅ!?」


互いに来た道を戻るような軌道で飛ばされていった。片方は軽くステップをとるように、もう片方は強風に薙ぎ払われるかのように。
後者は膝をつき上体が崩れかかっていたが、それでもまた立ち上がった。


削板(今のやられ方は…)


ここで削板は、さっき感じた違和感の正体を少しだけ垣間見た。
上条が何度も何度も立ち上がることができる理由が分かってきたのだ。


削板(オレが殴った瞬間、自ら後ろに向かって跳んだ…?)

削板(それで、衝撃を逃がしたというのか!)


何かの古武術でそういう技があるのを何処かで聞いたことがある。彼は、無意識にそんな高度な技を繰り出したのか?
それとも意識的に出したのか?タイミング的に、コンマ数秒の世界だというのに。


削板(驚異的な右手、恐ろしく切れる勘、戦闘経験から来る戦術)

削板(そして不屈の根性だと!?なんという男だ!)

上条「どうした熱血バカ!もう限界か!?」

削板「お前とて同じだろう!?」


そして両者ともに互いを称賛するように不敵に笑った。
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 01:51:05.04 ID:vni1BeFO0
削板「はははっ!いいぞ!もっとだ、上条当麻ァ!」シュタッ


一蹴りで20m以上後ろに下がった削板。決して逃げる姿勢ではない。その表情からは闘志は一切消えていない。


削板「さて、オレの全力を見せてやるぜ!」グッ


男が握り拳を作ると、ただでさえ奇妙な雰囲気がさらに乱れてきた。目がさらに厳しさを増す。
恐らく強烈な技を繰り出してくるのだろう。


上条「…来るっ!」

削板「すごいパーンチ」ゴウン

上条「はっ!?」パキーン


なんだか気の抜けた掛け声だと思ったら、今まで以上の衝撃が上条を襲ってきた。彼は迷いなく右手を前へ掲げた。
次の相手の動きは、既に分かり切っていたものだった。


削板「うおおおおおおおおお!!」ダッ

上条「くそおおおおおおおお!!」グッ


自分が放った『念動砲弾』が消滅したことを確認した削板が、相手の左側面からの攻撃を目指し音速超えの動きで上条に迫る。
対する上条は、横方向に対して警戒していたため、左方向に現れた削板に拳を構えて突っ込んでいく。
一見読みが当たった上条の勝ちかと思われた。が、


削板「むぅ!」フッ

上条「なにっ!?」


上条の右ストレートが届く前に、削板が忽然と姿を消した。この状況だと、真っ先に考えられる道は…


上条「上か!?」バッ


しかし、目に映るのは遥か高くに浮かぶ入道雲だけだった。跳んだではないのか?


削板「こちらだ」フッ

上条「またっ…!?」


愛と根性のヲトコは、上条が呟いた通りにまた左側に現れた。この状況は、覚えている。
振り払った黄色。消した青。そして、残された赤。――未だに頬から広がる痛み。
この時、上条当麻は決闘中で初めて『怖かった』。
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 01:53:08.03 ID:vni1BeFO0
削板「ふんっ!!」ブオーン

上条「おおおおおおおおお!!」ガバッ


男が放ったフックを、上条は軸足を右足で引っかけてわざと倒れこむ格好をすることで何とか躱した。
間一髪の対応に、冷や汗がドッと出てくる。だが、倒れてもただでは起き上がらない。


上条「沈めぇぇぇぇぇ!!」ガッ

削板「ぬおっ!」バターン


倒れた直後に上条が放った左キックが、削板の脛にクリーンヒットした。あの音速オーバー状態では、肉体強化も併せて
使用されていたはずなので全く効かないだろうが、上条は攻撃直後という、最も隙の出来やすいタイミングで攻撃をした。
しかも今回は決めにきた一撃。より大きなモーションにはより大きなタイムラグが生じる。


上条「っし!」タッタッタ

削板「…くっ!」ムネン


カウンターが怖い上条は距離をとり、削板は自らの未熟さに頭を抱えた。
ここまでの戦闘のあまりのレベルに、ギャラリーは押し黙るのみ。現状、恐ろしいほどに学校内は閑散としていた。


削板「くそっ、一本取られた!」

上条「オレなんか一本取られた上に判定負けだ。気にするな」

削板「はははっ、そうだったな!」


だが何と言うか、戦いのレベルの高さに比べ、頭のレベルは互いに著しく低いのも事実だった。
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 01:54:54.98 ID:vni1BeFO0
上条「…そろそろ、決着がつきそうだな」

削板「ああ。お前はもう限界などとっくに超えているだろう!」

上条「アンタだって、なかなかボロボロじゃねえかよ」


上条はスーツのおかげか、ボディに目立った外傷は見られない。ただ殴られた頬のアザが痛々しく、右手首が所々皮が剥げていた。
削板は根性のおかげか、外傷はほとんどない。だが一度生身で音速オーバーを体験し、さらに身体を酷使しすぎでボロボロだった。
2人とも同じくらい重症だった。だが、


上条「グハッ」ザッ

削板「ほら、限界だ。今のうちにやめておけ。弱った男と戦おうとは思わん!」

上条「誰がっ…!」


先に膝をついたのは上条当麻。一発の重さがここにきて大きなダメージとなっていたのだ。
もうダメなのか…。そう観衆が思い始めた頃、


美琴「とうまぁー!頑張れ!!」

心理「とうまさぁーん!負けないでぇ!!」


声が、グラウンドに響いた。上条は思わず遥か右の遠くの方にいる2人を見た。そこでは、涙が乾いた少女たちが声を張り上げていた。
いや、彼女だけではない。隣りのクラスメイトたちも、自分の名前を呼んでいる。


青ピ「カミやーん!頑張るんやでぇー!!」

吹寄「上条当麻!負けたらタダじゃおかないわよ!」

姫神「k…。g……」←声が小さくて聞き取れない

土御門「カミやーん!畳み掛けろぉー!!」

雲川「面白いならどっちが勝ってもいいけど?」

土御門「空気読め!」
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 01:56:02.84 ID:vni1BeFO0
上条「皆…」

削板「ほう!お前は愛されているな!!」

上条「愛…」

削板「そうだ!だが、こうなればこちらとしても手は抜けん!」

削板「手加減は一番の無礼だからな!これがオレなりの愛だ!!」


腕組みを崩さない状態で、削板が告げた。彼らしい、正々堂々とした態度だった。


削板「しかしこれではオレが敵役だな!困ったな!」ハッハッハ

??「そんなことないです!!」

削板「む?」

男1「師匠は敵役ではありません!正義の味方、我らが味方です!」

男2「助太刀できぬのは無念ですが、これも師匠の為!」

男3「師匠!!貴方は己の信じるものを信じて戦ってください!我らがどこまでも追いかけます!」


削板が振り返ると、2年7組の生徒たちが窓からこれでもかと顔を出して応援をしていた。


削板「お前ら…」グスッ

削板「どうやら、オレにも負けられぬ理由があるらしいな」グイッ

削板「――決着つけるぞ」

上条「ああ」


ついに学園都市史上に残る決闘は、終幕を迎える。
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 01:58:56.22 ID:vni1BeFO0
上条が右手を、削板が左手を握りしめる。そのまま2人は睨み合う。この一撃で決める、とでも言うかのように。
先に、左手が始まりを告げた。


削板「うおおおおお!!すごいパーンチ」グイーン

上条「はあああああああ!!」パキーン


『念動砲撃』。遠距離に衝撃を飛ばすこの技は例えレベル5でも苦戦を強いられるだろう。だが上条当麻には効かない。
右手に触れただけで衝撃ごと能力が消されてしまう。しかし、これはあくまで牽制だ。
本命は次だと、上条も分かっていた。


削板「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!」ゴゴゴゴゴ

上条「があああああああああああああああ!!」


衝撃を飛ばすどころの騒ぎではなかった。本命の技は、遠距離から上条ごと掴みにかかってきた。
しかも絶大な量の能力がつぎ込まれているようで、力のありかに右手で触れても全く消えない。


上条(くそっ!相性の悪いタイプか!?)


2人の間にあるグラウンドの土が説明不可能な力に巻き込まれ、砂と化して巻き上げられていた。
もしこの力が自分に当たったら…と思うと恐ろしい気持ちになっていく。


削板「はああああああああああああああ!!」ゴゴゴゴゴ

上条「くそおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


得体のしれない力が風のうねりのように具現化していき、目に見える恐怖となっていた。
一瞬でも気を抜けば、それこそ身体がバラバラにされるような気がした。強い。とんでもない破壊力を秘めているのだろう。
今度は、右手を左手で支えながら削板の巨大な攻撃に耐えていると、ふと上条の頭にある考えが思い浮かんできた。


確かこの男、遠距離で得体のしれない能力を使うのが得意ではなかったか?


そして、男は突如姿を消した。
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/16(月) 02:00:50.95 ID:vni1BeFO0
もう上条には相手の動き、考えを読むなんてことは出来なかった。一瞬でも脳に意識を回したら、
そのまま自分の意識の方が無くなってしまうだろう。しかし、敵は迫ってくる。
何処から来る?上か、後ろか、右か、左か。もう何も考えられない。
自分はこのような化物じみた攻撃に対処できるのだろうか。こんな、見えない相手に。


だが、答えに迷う必要はなかった。


上条当麻には確信があった。自分の判断を信じて、右手で食い止めていた力の塊を掴んで、ひねった。すると、


削板「ぬわっ!?」ズバゴーン


削板軍覇は、自分の作り出した得体のしれない能力によって吹き飛ばされ、宙に浮かんだ後、50mもバウンドしてようやく止まった。
男は全身ズタズタで倒れながらも、まだ意識はあった。青空を見上げて、手足を思い切って投げ出していた。
しばらく動かなかったが、のちに力を振り絞るかのように叫び声をあげた。


削板「……どう…して、、オレの動きが…分かったんだ?」

上条「決まってんだろ」


まだ地上に立ち続けている上条当麻は、至極当たり前のことのように告げる。


上条「あの状況なら、技は右からしか使えないだろ」 
 
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:26:38.01 ID:mQJwotIK0

削板「どういう……ことだ…?」

上条「オレはただ、アンタのことを信じてただけだよ」

削板「…?」


最後の攻防で、削板軍覇は躊躇した訳ではなかった。むしろこの決闘でも最高の出来だった。
それでも、彼の動きは上条当麻には意識しなくとも分かった。
別に上条の戦術的な読みが優秀だったのではない。原因はもっと根本的なところにあった。


上条「言ってたよな。『人的被害など出す気は毛頭無い』って」

削板「お前、まさか…!」

上条「ああ。そういうことだ」


上条は相手の戦闘力よりも性格をよく把握していた。改めて考えると、削板は本当に正々堂々と戦っていた。
例えば、彼は音速の2倍というスピードを出しながらも、相手の後ろに回ることは決してなかった。
あくまでも真正面から戦いを挑んでいたのだ。

そして、彼は約束は必ず守り通す。


上条「アンタの攻撃は威力が大きい。でもその分、コントロールが効かないんだ」

上条「だから、自然に皆を巻き込まないような動きが生まれるんだよ」


確か削板軍覇は全力、いやそれ以上の力を尽くして戦った。しかし、無意識下で自らの誓いを破らぬように注意を払っていたのだ。
最後の一撃を放つ際に上条当麻は、言ってみれば自分だけでなく相手のことも信頼していたのだった。
完全無欠な力をもっているかと思われた削板は、自らの真っ直ぐすぎる性格に倒れることになった。
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:29:15.06 ID:mQJwotIK0
垣根(…甘いな、甘すぎるぜ。第7位よぉ)


垣根帝督がそう思うのも無理はない。とりわけ彼のように暗部に身を置いてきた者にとっては、削板という男の戦い方は緩すぎた。
戦いではほんの一瞬の迷いで生死が決まる。そう幼い頃から学んできた少年にとっては納得しがたいものなのだ。
逆に、暗部を知っているからこその性格なのかもしれないが、詳しい事情など知ったことではない。


垣根「…オレにとっては、眩しすぎるがな」


だが、上条当麻はその戦闘スタイルを非難しない。彼の根性というものを、或いはこの男が一番認めていたのかもしれない。
上条は削板軍覇のことを信じていたからこそ、認めているからこそ、反撃の糸口が掴めたのだった。


上条「正面から戦えないオレには、こんな勝ち方しかできない」

削板「…」

上条「でも、アンタのおかげで大事なことに気づくことができたよ。ありがとな」


この決闘は、上条当麻にとっては何のメリットもなく始まった。しかし、戦いを通してようやく気づかされるものが彼にもあった。
彼は『約束』を守りながらも、どこかでその意識が曖昧になっていたところがあった。


削板(…この男は)


それは、今まで見たことがないほどの根性だった。守るべき人のために戦う上条と、自分のために戦う自分。
単純な実力ではなく、もっと大切なところで2人は差がついていたのだ。


削板(くそっ…未だにオレには…!)


ただ闘志を燃やしているだけでは届かない。いくら叫んでもそれは上っ面だけでしかない。
本当の根性というものは、内から湧いてくる愛情を纏うものなのだ。


削板「…オレは、、まだまだ…根性が足りてねえ」


彼は愛を理解できても、自身は愛をあまり知らなかった。
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:30:22.99 ID:mQJwotIK0
削板(畜生ぉ…。悔しいな…!)


削板は泣いた。心の中で涙を流した!


上条「さあもう十分だろ。いい戦いだったぜ」

削板「そうだな…」


この時点で戦いは上条当麻の勝利で終了したものと思われた。だが、舞台はまだ終演ではなかった。


削板(確かに、ここで引く方が男らしいのかもしれない)

削板(しかし、それでも…!)


削板「思い半ばで諦めるなど、根性無しのすることだ!!」ダッ


もう負けていると分かっていても。自分の未熟さなど百も承知でも。

それでも、諦めたくはなかった。


削板「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダ


無我夢中だった。自分が能力を使用しているかどうかも分からなかった。
ただ何も考えずに相手に向かって駆け出していた。攻撃する以外は、何も考えられなかった。


上条「アイツ…。まだ戦う気なのか!?」グッ

削板「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダ

上条「くそっ!やるしかねえのか!」


2人とも、最後の力を振り絞った。右拳に全身の力を込める。


削板「あああああああああああああ!!」

上条「おおおおおおおおおおおおお!!」

カキーン!

??「そこまでだぜ、テメェら」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:33:31.23 ID:mQJwotIK0
上条当麻と削板軍覇。この学園都市でも他に類を見ない2人の、最後の激突かと思われた。
しかし、あと数秒で拳が交わるかというその時、

異能の天使が、舞い降りた。


削板「何っ…!?」

垣根「もう勝敗は決まっただろうが。いい加減諦めろ」ファッサァ

削板「く…そ…!」バタッ


輝く白い翼に拳を阻まれ、力を使い果たした削板はそのまま気を失った。


垣根「今のテメェの能力じゃ、翼1枚で事足りるぜ」


6枚の翼を優雅に羽ばたかせた垣根帝督は、次に止めるべき男の方を見遣った。まずはスピードのある削板を動きを止めて、
それを見た上条を落ち着かせる予定だったが、


上条「――いいぜ、それでもてめぇがまだ戦おうって言うんなら…」タッタッタッ

垣根「あれ?どうして止まらないの上条くん??」

上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!」パキーン

垣根「えっ、ちょっ」グワシャ

ヒューン ズザザザー ピトッ チーン


興奮した上条の眼中に垣根の姿はなかった。こうして盛大なとばっちりを受けた垣根帝督がきっちりとオチまでつけて、
決闘はようやく終了した。
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:35:10.14 ID:mQJwotIK0
削板「」チーン

垣根「」シーン

上条「…あれ??」


学園都市に7人しかいない超能力者のうち、第7位を撃破し、第2位を一発KOにした上条当麻は、頭に血が上りすぎていて
状況がいまいち呑み込めていなかった。


上条「…とりあえず勝ったんだよな、オレ」


自分に確かめるように呟いたところで、どこからともなく歓声が響いてきた。


皆「「「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

上条「うおっ!?な、なんだぁ?」

黄泉川「この決闘、上条の勝利じゃん!」

男1「おおお!!スゲーぞ上条!」

男2「カッケー!強えー!」

男3「あの第7位に勝ったぜ!」

美女「上条くんカッコイイー!」キャー

男子「「「やっぱり上条爆発しろ」」」

上条「手のひらを返した!?」


青ピ「おほー!カミやんが勝ったでぇ」

土御門「さすがカミやんだにゃー」

吹寄「全く、ヒヤヒヤさせられたわね」

姫神「無事で。何より」

雲川「ふーん。久々に面白いものが見られたけど」スタスタ
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:36:50.14 ID:mQJwotIK0
上条「ふー。死ぬところだったぁー!」

冗談抜きで危なかった。かつてアックアにボコボコにされたことを彷彿とさせた戦いだった。
なんて物騒なことを考えていると、遠くから歩いてくる人影が。

美琴「…」スタスタ

心理「…」スタスタ

上条「すいませんっ!ご心配おかけしました!!」フカブカ

美琴「…」スゥー

心理「…」スゥー

上条「……あれ??」


2人はしかし、なぜか心配だったであろう上条を無視して一直線に垣根のところへ向かった。


垣根「…どうしたお嬢さんたち?」ヒクヒク

心理「…」ゴゴゴゴゴ

美琴「アンタねぇ…」ゴゴゴゴゴ

垣根「ん?」

心理「『男同士の戦いに、女が割って入るんじゃねえ』(キリッ」

垣根「ピクッ」

美琴「誰がそんな立派なこと言ったのかしらねー?」

垣根「…」ダラダラ


垣根「このオレに常識は通用しねえ」キリッ


美琴「うるせええええええええええええ!!」ゲシゲシ

心理「おんどりゃああああああああああ!!」ゲシゲシ

垣根「ごめんなさぁぁぁぁぁぁいっ!!」

ゲシッゲシッゲシッ イタイ!モウムリデス! JCナメンナゴルァァァァ!


上条「…なにあれ?」
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:39:23.72 ID:mQJwotIK0
~3分後~

垣根「」←愉快なオブジェ

心理「上条さんっ!」タタタッ

美琴「アンタ、大丈夫なの!?」タタタッ

上条「まあ、なんとかな」ニコッ


垣根帝督を思う存分痛めつけてきた常盤台中学のお嬢様2人は、上条当麻の笑顔を見ると
ようやく安心したかのようにその表情を崩した。


美琴「そ、そうなんだ」モジモジ

心理「ご無事でなによりですわ」フゥー

上条「全くもってその通りです」アハハ

美琴「今回も笑い事じゃないわよ」

上条「すいません御坂先生」ペコリ

美琴「……まあ、無事ならいいんだけどさ」プイッ

心理「素直じゃありませんわね」フフッ

美琴「うっさい!!」

上条「?」


少年には何がどうなってなってるかサッパリだったが、とにかく仲が良くて結構だった。


上条「そういやお前ら、応援のときオレのこと呼び捨てしてなかったか?」

美心「「!?」」

上条「別に今の呼び名が呼びにくいんだったら、名前で呼んでくれても…」

美琴「な、なんで私がアンタなんかを名前で呼ばなきゃいけないのよ!?」

心理「そそ、そんな失礼なことできませんわ!」

上条「さいですか…」

美心(超呼んでみてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:40:34.67 ID:mQJwotIK0
美琴「ま、まあとにかく無事なんだしさ、皆のところへ戻りましょ」クルッ

心理「そうですわね。さあ行きましょう、上条さん」クルッ

上条「ああ。そうだn…」

美心「「?」」<バターン

上条「……ありゃ?」チーン


戦闘でのダメージや疲労が蓄積したのか、突然上条は歩みを始める前に倒れてしまった。
先に行こうとした2人が慌てて駆け寄ってくる。


心理「上条さん!!」

美琴「ちょっと!やっぱりアンタ…!」

上条「…くそぉ、痛ぇ」

美琴「どこ?どこが痛いのよ!?」アセアセ

心理「せめて救急車が来る前に応急処置を…!」アタフタ

上条「いやその、何と言いますか…」

美琴「躊躇わないで、はっきり言いなさい!」ズイッ

心理「今、どこが痛いのですか!?」ズイッ

上条「うぅぅ…」

美心「「さあ!!」」


もう上条当麻に逃げ場はなかった。仕方がないので正直に告げることにした。


上条「……あそこ」ボソッ


もう仕方がないのだ。
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/18(水) 01:41:52.74 ID:mQJwotIK0
美琴「はっ!?どこよあそこって!」

心理「ちゃんと言ってください!あそこってどこですか!?」

上条「だーかーらー!あそこだってばア・ソ・コ!!」

美心「「どこよ!?」」


ここでようやく、2人の視線が上条の下半身へ向かった。より正確に言えば、現在やたらもっこりしている部位に。
実はこの男、とっさに攻撃を避ける際に全く受け身をとらずにうつ伏せに倒れたのだった。
おそらく、その時に見事にクリーンヒットしてしまったのだろう。だがそんなこと2人にはどうでも良かった。


美心「「…」」

上条「あのー。ですから早く誰かを呼んでいただけると助かるのですが…」

美琴「…そうね」ビリビリッ

心理「…そう致しましょう」ピキピキッ

上条「あれ?お2人とも、何でしょうかその物騒な雰囲気は??」

美琴「そう?そうなのー??」ビリビリッ

心理「先に無礼を詫びましょう」ピキピキッ

上条「えーと。わたくし上条当麻は、現在ケガで苦しんでるのですが…」

美心「「どこのケガに苦しんでるんじゃー!」」グワッ

上条「んぎゃー!ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁ!!」


恋する乙女は複雑なのである。 
 
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:15:17.21 ID:UT8OSaBe0
~昼休み~

ーーー保健室ーーーーーーーーーーーー
冥土帰し「ふむ。今回も随分と派手にやられたようだね?」

上条「アハハ。こんなトコでも先生のお世話になるとは…」

冥土帰し「あまり喜ばしいことではないけどね?」

上条「ホントに申し訳ないです」

冥土帰し「そうだね。君も気をつけるんだよ?削板軍覇くん?」

削板「うむ。根性がない…!」

冥土帰し「まあ、病人はおとなしくベットで寝ていることだね?」

上削「「はい…」」

冥土帰し「君たち2人はどうも変わっているからね。午後からの授業は参加しても構わないよ?」

削板「応っ!ありがたい!!」

上条「不幸だ…」

冥土帰し「もっとも、彼女の方が重症のようだけどね??」


結標「おうぇぇぇ。能力使いすぎたわぁ…」ゲホッゲホッ ← 一方通行の指示でここまで冥土帰しを連れてきた

冥土帰し「…君も苦労しているようだね」

垣根「」チーン
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:17:27.82 ID:UT8OSaBe0

ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
黄泉川「いやー!凄かったじゃん!!」

小萌「黄泉川先生!勝手に生徒さんを戦わせないでくださいー!」プンプン

黄泉川「まあまあ。結果オーライじゃんよ」アッハッハッハ

小萌「むぅー。もう、心配したんですからねー」グスッグスッ

黄泉川「だから悪かったって」

若め「でも見てて興奮しちゃいましたねっ」

鉄装「そ、そうでしょうかね…」

素甘「不謹慎といえばその通りですが」

黄泉川「堅いことはいいじゃんよー」

小萌「とにかく、2人とも無事でよかったですー」ウエーン

素甘「もう1人いましたけどね…」


ーーー実習生用机ーーーーーーーーーーーー
一方「ハッハッハァ!最っ高ォにイイ決闘だったなァ!!」

麦野「アンタはしゃぎすぎよ」

心理「それにしても随分と人が減りましたわね」キョロキョロ

美琴「1人は分かるけど、あと2人はねぇ…」

一方「さっすがヒーローだなァ!」アヒャヒャ

麦野「アンタ上条が勝ったの嬉しいだけじゃない」

美琴「まあまあ麦野さん。いいじゃない別に」ニコニコ

心理「そうですわ。結構なことではありませんか」ウフフッ

麦野「ん?…アンタらもそうよね?2人とも上条に駆け寄ってたしなぁ」ニヤァ

美琴「ふぇ!?」///

心理「はぃ!?」///

麦野「ほうほう。詳しく聞きたいねぇお2人とも??」

美琴「そ、それはぁ…」////

心理「あ、あのぉ…」////



一方(冷静になってみれば…オレ今ぼっちじゃねェ?)
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:19:38.91 ID:UT8OSaBe0
~5時間目~

上条「さて、全身ボロボロな上条さんな訳ですが」

青ピ「おっ、ヒーローの凱旋や!」

土御門「カミやん大活躍だったにゃー」

姫神「お疲れさま。上条くん」

上条「疲れたのでもう一休みしたいのですが…」

吹寄「何言ってるのよ貴様は。学生の本分は勉強でしょ」

上条「いやでも、具合が…」

吹寄「いいから参加する!」<ガラガラ

麦野「そうそう、私の授業サボるつもりなんていい度胸じゃない?上条ぉ??」

上条「」

上条(5時間目日本史だったァァァァァァ!!)
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:21:00.73 ID:UT8OSaBe0
麦野「さーて、アンタにはいいモン見せてもらったけど、それとこれとは話が別よね?」

上条「不思議とベットが恋しい…」

土御門「さーすがカミやんだにゃー。病院が恋しいなんて」

上条「そっちじゃなくてだな…」

麦野「ほーらぁ、あんまりイライラしちゃうと先生怒っちゃうぞ☆」キューン

上条「何かをチャージしていらっしゃる!?」

土御門「手が白く光ってるぜぃ!?」

青ピ「神秘的なむぎのんもええなぁー」<ピューン

青ピ「あれ?」ドカーン

上条「おい土御門、青ピが撃たれたぞ」

土御門「青ピは犠牲になったのだ…」

上条「見ればわかるよ」

青ピ「」ピクピク

麦野「あーあ。また備品をはk…壊しちゃったわ」

生徒たち(今『破壊』って言いそうになったぞ!?)

麦野「ここはまた浜面の出番ね」

上条(浜面……。同情するぜ)

麦野「ん?あっ、そういえば浜面って明日から…ウフフ♪」

生徒たち「「「!!?」」」
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:22:34.25 ID:UT8OSaBe0
吹寄(今…。麦野先生の表情が…!)

土御門(乙女の顔だったぜよ…)

姫神(すごく。綺麗だった)

青ピ(一体誰や!むぎのんを誑かしたヤツは!?)

上条(…昨日のと同じだ。浜面、愛されてるなー)シミジミ

男ども(そいつ殺す。見つけて即殺す)

麦野「フフ…。さっ、今日の授業始めるわよー」

麦野「今日は奈良時代前後のところよ。早速だけど、701年には何があったのかな上条?」

上条「オレからだと!?えーと…」

麦野「ちなみに700年には僧の道昭が日本で初めて火葬され、702年には持統天皇が天皇として初の火葬をされたと言われているわ」

上条「…その話と答えに関連性は…?」

麦野「ない」キッパリ

上条「ですよねー」ハハハ

麦野「さあ、残り15秒だ。答えなかったら火葬しやすい身体にしてやるから」

上条「遠まわしに殺そうとしていらっしゃる!?」

土御門「落ち着けカミやん。それは普通に殺そうとしてるだけだぞ」

上条「余計落ち着けるか!」
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:23:46.68 ID:UT8OSaBe0
麦野「あと10秒しかないぞー?」ニタニタ

上条(どうする!?このままではオレも道昭の二の舞にぃ…!)ペラペラ

麦野「残り5秒ぉー」

上条(ヒントは…。さっきの麦野の話に何かが…!)ペラペラ

麦野「よーん」

上条(確かこの授業は…奈良時代のことだったな)ペラペラ

麦野「さーん」

上条(奈良時代…有名人…天皇…)キョロキョロ

麦野「にぃー」

上条(…この条件に当てはまるのは)

麦野「いーち」

上条(あの人しかいない!)

麦野「ぜろ!…さて、答えを聞こうかしらね?」

上条「…いいぜ。答えは……」

麦野「……答えは??」



上条「聖武天皇が生まれた年だ!!」ビシッ



吹寄「」

姫神「」

土御門(カミやんェ…)

麦野「…アンタって、ホントにバカなのね」

上条「くっ、やはりダメだったのか…?」



麦野「まっ、それも正解だけどさ」
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/20(金) 00:25:21.66 ID:UT8OSaBe0
吹寄「(゚д゚ )」

姫神「(゚д゚ )」

土御門「( ゚д゚ )」

麦野「よく分かったな上条。確かに聖武天皇は701~756の人物よ」

上条「でしょう!?(誤魔化せた!?生まれて初めて神様ありがとう!)」

麦野「結構歴史には詳しいのね?」

上条「いえいえ。この辺はたまたま覚えていて…」

麦野「じゃあ聖武天皇のことはバッチリね?天皇就任前の名前とかも」

上条「…」ダラダラ

麦野「こんな問題はテスト出さないから答えなくても大丈夫よ。ちなみに首<おびと>親王ね」

上条(今日のところはセーフだな)フゥー

麦野「普通の、ふ・つ・うの人は『大宝律令』って答えるんだけど、上条には簡単すぎたかなー?」

上条「うっ!?」

土御門(むしろさっきのは奇跡だぜぃ。分かってるとは思うが)

麦野「今日は歴史好きの上条当麻くんにドシドシ当ててこうかな?」

上条「うげぇ…」 
 
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:25:44.18 ID:XSbIITHF0
麦野「それで、大宝律令ってのは律と令がそろった初めての法典なんだけどね」

麦野「これは他の国のものを参考にしてるのよ。何処なんだろうなぁ、土御門ぉ?」

土御門「にゃー!?」

上条(オレじゃないのか?よかったぁー)

麦野「楽しみは最後までとっておく主義でね」

上条(教科書を熟読だぁ!!)ペラペラ

麦野「さて土御門。答えをどうぞ?」

土御門「まぁそれは唐の一択ですたい」

上条(即答!?)

麦野「ほう。じゃありt」

土御門「ちなみに律は刑罰法令、令は律以外の法令、主に行政法に相当するにゃー」

麦野「そうね。当時の天n」

土御門「当時は文武天皇の時代で、編纂者は刑部<おさかべ>親王と藤原不比等だったはずだぜぃ」

土御門「そして不比等は前の授業で出てきた中臣鎌足、のちの藤原鎌足の息子で、不比等の息子たち4人は『藤原四子』と呼ばれ、
徐々にかの有名な藤原氏になっていくんだにゃー」

麦野「…」


麦野「私、別にアンタを殺しかけてないわよね?」

土御門「何を物騒なことを」
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:28:23.60 ID:XSbIITHF0
麦野「まぁいいわ。…そうね、折角だし藤原四兄弟にも触れておこうかしら」

麦野「じゃあ私がかけていくから、ちゃんと答えろよ」

上条(藤原なんて道長しか知らねえよ!!)ペラペラ

麦野「よし、最初は吹寄。1人挙げてね」

吹寄「はいっ!藤原南家の開祖である武智麻呂です」

麦野「正解よ。次は姫神」

姫神「ありがたい。藤原北家。開祖の。房前<ふささき>」

麦野「うん。次は青いの」

青ピ「ええなぁ!あとは…藤原式家やな。確か宇合<うまかい>や」

麦野「へぇ。よく分かったわね」

青ピ「むぎのんに褒められたでぇー!!」クネクネ

麦野「むぎのん言うな。…最後は上条、テメェだ」

上条「ギクッ」

麦野「んー?どうしたかーみじょう??」

上条「いえ。藤原京家の麻呂ですよね」サラッ

麦野「はぁ?らしくねえな。しっかりしろよオイ」

上条「酷っ!?」
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:29:37.78 ID:XSbIITHF0
麦野「はい皆よくできたわね。こいつらで混乱することあるから気を付けるようにな」

麦野「あと、藤原氏はあと20人は覚えなきゃいけないから。覚悟しとけよ」

上条「Oh…」

麦野「話が逸れちゃったから戻るわね。律には多数の犯罪とそれに対する刑罰が定められたわ。
『五刑』って言って、笞・杖・徒・流・死の5種類なんだけど」

麦野「今から詳しく解説するわねー」

上条「えっ?なんでだ??」ヒソヒソ

土御門「絶対に個人的な趣味だにゃー」ヒソヒソ

上条「どう見てもSだからなぁ…」ヒソヒソ

土御門「にゃー…」ヒソヒソ

麦野「まずは笞<ち>ね。これは10・20・30・40・50の5段階で、木製の笞杖で臀部<でんぶ>を打つわ」

上条「臀部ってどこ?」ヒソヒソ

土御門「お尻だにゃー」ヒソヒソ

青ピ(要するに鞭打ちやな!)

麦野「次に杖<じょう>ね。これは60・70・80・90・100の5段階で、木製の杖でこれまた臀部を打つわ」

青ピ(杖もええなぁ!)ゾクゾク

麦野「そして徒<ず>。懲役刑ね。1年・1年半・2年・2年半・3年の5段階よ」

青ピ(強制労働!マニアックだけど悪くないなぁ~)ニヤニヤ

麦野(? 何を気持ち悪い顔してやがるんだ??)
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:32:07.82 ID:XSbIITHF0
麦野「あとは流<る>よね。つまり島流し。近流・中流・遠流の3段階あるわ」

青ピ(つまり放置プレイやな!?)ハァハァ

麦野「最後は死<し>。絞、つまり絞首と斬、つまり斬首の2種類よ」

青ピ(縛り?縛ってくれるんか!?)

麦野「以上よ。何か今ので質問あるかしら?」

青ピ「はい!今の全部お願いします!!」キリッ

麦野「じゃあテメェは死刑だなjk」

青ピ「縛り?縛りなんか!?縛ってくれるんかぁー!!?」

麦野「安心しな。キレーに首だけ吹き飛ばしてやるからよぉ!!」キューン

青ピ「うひょー!刺激的やなー!!」

麦野「ぶっ殺すぞコラァァァ!!テメェの粗末な×××も根元から切り取ってやるかぁ!?」

ピューン ガシャーン ズバコーン カミヤン!<ドスン チョ、フコウダー パキーン



従順「もう授業どころではないな。だがあのお姿もまた一段と美しいなぁ…!」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:33:47.74 ID:XSbIITHF0
キーンコーンカーンコーン
麦野「今日は以上よ。しっかり覚えてきてね」ガラガラ

従順「頼むぞ」キリッ

土御門「アイツも変わったもんだにゃー」<ガラガラ バタン

上条「ったく、また死ぬトコだった…」

土御門「カミやん大丈夫かにゃー?」

上条「何がにゃーだこの野郎。また押しやがって」

土御門「んー??意味不明だぜぃ」

青ピ「いやー。気持ちよかったなぁ~」

上条「お前もお前で訳が分からんがな」

吹寄「貴様らは一体何やってるのよ…」


~休憩時間~

上条「よっしゃ、次で今日は最後だぜ!」

青ピ「カミやんはまだ補習が残ってるやろ?」

上条「いや、今日は確かない…はずだ」

土御門「どうだかな」

青ピ「でも、むぎのんとかあわきんとかの補習なら受けたいなぁ~」

土御門「保健体育のかにゃー?」

青ピ「もちろん実習やでぇ~」クネクネ

上条「お前らなぁ……」<ガラガラ

心理「皆さんこんにちは」

青ピ「よっしゃ、心理掌握先生や!」

土御門「JCは至高ぜよ!」

心理「今日最後の授業だから、頑張っていきましょうね」ニコッ

男子(かっ、可愛い…!)
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 01:38:00.09 ID:XSbIITHF0
心理「あれ?心なしか教室が傷んでいるような気が…」

青ピ「気のせいやでぇー!」

土御門「そうそう。何ともないぜぃ」

心理「? まあいいですわ」

心理「それにしても上条さん、先程は取り乱してしまい申し訳ありませんでした」ペコリ

上条「ん?ああ、別に上条さんは気にしていませんよ」

心理「いえ、あとで何かお詫びでも…」

上条「大丈夫だって。それよりオレこそ済まなかったな」

心理「えっ?」

上条「オレは、君を泣かせちまった。誰よりもオレが、泣いている君なんか見たくなかったのに」

心理「…」

上条「だから、オレの方からお詫びをさせてくれ。頼む」キリッ

心理「…で、でしたら、、この後私の買い物の、、つ、付き添いにでもいらしてくださいな」//

上条「おう!それでいいなら安いモンだぜ」

心理「えっ??」

上条「こんな可愛い女の子の涙に比べちゃ、荷物持ちなんて苦でもないぜ」キリリッ

心理「……よ、よろしくお願いします」////

上条「了解だぜ」



男ども(上条の奴上条の奴上条の奴上条の奴上条の奴……)

女たち(あのアマあのアマあのアマあのアマあのアマ……) 
 
 
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:20:29.04 ID:XSbIITHF0

心理(やったっ!やりましたわ!!上条さんとぉ……で、でーとの約束を取り付けましたわ!)///

吹寄「先生。そろそろ授業の方を…」

心理「はぃ!?…そうですわね。では開始しましょう」

上条(いやー。この子と話してると癒されるなー)シミジミ

心理「今日は様々な敬語表現について学びましょうか」

心理「この辺りは混乱すると平安時代の文章が苦手になってしまいますので注意してくださいね」

全員「「「はい!」」」

心理「センターの場合、平安の文章は敬語表現が複雑で文法で詰まり易いですが、設問は比較的易しめになります。逆に江戸の文章では
文法は現代語に近づいているので、設問が難しくなったり意味不明な語彙を問われたりします」

心理「まあ何が出題されるかなんて本番になってみないと分かりませんし、問題の傾向も年々違いますので断言はできませんが」

心理「とにかく、文法と敬語表現をしっかりさえすれば得点アップの可能性大なので、頑張りましょうね」

全員(この子、中学生だよな…。センター試験の話してるけど)スゲー

心理「ではまず、二方面敬語から説明しましょう」

上条「??」

心理「これは、1つの動作に対して話し手もしくは書き手が、動作をする人と動作をされる人との両方に同時に敬意を表現することですね」

心理「普通は謙譲語+尊敬語の語順で表します。…と言われてもおそらく理解出来かねないかと思われますので、例文を」カキカキ


・かぐや姫、……いみじく静かに、おほやけに御文奉り給ふ。
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:23:41.77 ID:XSbIITHF0
心理「まず敬語を見るとき大事なのは、地の文と会話文のどちらの文章かを理解することですわ」

心理「これを見ることで、誰からの敬意なのかを最初に判断します。この場合、かぎかっこが無いので地の文ですわね。
つまり、書き手からの敬意だということが分かります」

上条「ふむふむ」

心理「次に、敬語はこの中に2語ありますが、どれか分かりますか?」

上条「うーむ…」

心理「分かる方は挙手してくださいね」

姫神「はいっ」ビシッ

心理「そうですね…(手を挙げないかしら?)」チラッ

姫神(この人なら。大丈夫なはず)ビッシー

上条「…うーん。はい」サッ

心理「! はい上条さん!」キュピーン

吹寄「さん?」

心理「…いえ、上条くん?」オチツケワタシ

上条「はい。…多分『奉り』と『給ふ』?」

心理「…はい、正解です!!すばらしいですよ!」

上条「そ、そうですか。良かったー!」グッ

心理「うふふっ♪よく出来ましたねっ!」キャッキャッ

ほか(なにこの雰囲気)


姫神「」
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:25:06.56 ID:XSbIITHF0
心理「『奉り』は謙譲語、『給ふ』は尊敬語ですわね。この文は、かぐや姫が帝に手紙を渡すシーンなのですが、
ではどちらが動作を受ける側でしょうか、姫神さん?」

姫神「」

心理「…姫神さん??」

姫神「……はっ。いま私。かけられたの?」

心理「ええ。そうですわよ」ニコッ

姫神(なんて。いい人なの)ジーン

心理「では答えをどうぞ」

姫神「はい。おほやけ。つまり帝の方が。動作を受ける側」

心理「正解です。そして『給ふ』は手紙を渡すかぐや姫が動作をする側ですわね」

心理「要するに謙譲の『奉り』は書き手から帝への敬意、『給ふ』は書き手からかぐや姫への敬意を表しますわ」

上条「おお…」

心理「このようにして2人に対して同時に敬意を表す敬語を『二方面敬語』と言いますわ」

全員「「「うおお…!」」」

心理「皆さん、分かっていただけましたか?」

全員「「「はいっ!!」」」

心理「ふふっ、いい子たちですわね」ニッコリ

男ども(うひょおおおおおおおおおおおおおおおお!!)
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:27:20.84 ID:XSbIITHF0
心理「次に最高敬語ですね。これは地の文にあります」

上条(敬語のレベル5か??)

心理(何やら上条さんがおかしなことを考えているようですわね。読めないのが残念ですわ。でもそこが良い!)

心理「これは動作する人が最高階級の人の場合のみに使用する敬語ですわね。天皇はもちろん皇后・上皇・皇太子・皇子
・皇女などの皇族、さらには高位の貴族にも用いられますわ」

青ピ「ちゅうことは心理掌握先生にも使わなあかんなぁー!」

心理「はぃ?」

土御門「心理掌握様おはします、と言ったところかにゃー?」

心理「いえ、そんなことは…」

心理(変なキャラ付けはやめてほしいですわ!!)アセアセ

上条「おいよせよ青ピ、土御門。先生が嫌がってるだろ?」

心理(か、上条さん…!)ジーン

土御門「そうみたいだぜぃ」

青ピ「先生、すいません」ペコッ

心理「いえいえ。気にしておりませんわ」

心理(…ありがとうございます、上条さん♪)
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:28:55.14 ID:XSbIITHF0
心理「さて話を戻しましょう。最高敬語は尊敬語を重ねたものなので、二重敬語ともいいます」

心理「表現の仕方は2種類ありまして…」カキカキ


1.最高敬語の敬語動詞

2.尊敬語+尊敬語


心理「そして、例を挙げますと…」カキカキ


1.最高敬語の敬語動詞……おはします・おぼしめす・きこしめす・しろしめす・賜はす・のたまはす

2.尊敬語+尊敬語……せ+給ふ・させ+給ふ・しめ+給ふ・仰せ+らる


心理「…こうなりますね。この表現が地の文で出てくれば、登場人物に最高階級の人がいると疑ってください」

心理「会話文や手紙文では、この階級以外の人にも最高敬語が用いることがありますので注意してくださいね」

上条「はぁー。にしても先生はスゲーなぁ」

土御門「常盤台だからにゃー」

心理「では次いきましょうね」

上条「今日は飛ばすなー」

土御門「にゃー」
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:31:17.56 ID:XSbIITHF0
心理「次は絶対敬語ですね。これは見分けが簡単ですわね」

心理「こちらは最高階級の人に対してのみ用いられる特定の敬語のことを言いますね」

心理「動詞で言うと、『言ふ』の謙譲語にですね…」カキカキ


・奏す

・啓す


心理「この2種類なのですが、尊敬する人によって変わりますので…」カキカキ


・奏す……天皇・上皇・法皇に申し上げる

・啓す……皇后・皇太子に申し上げる


心理「このようになりますね。名詞ですと…」カキカキ


・行幸<ぎやうかう>……天皇がお出かけになること。

・御幸<ごかう>……上皇・法皇・女院がお出かけになること。

・行啓<ぎやうけい>……皇后・皇太子・皇太子妃がお出かけになること。

・叡覧<えいらん>……天皇・上皇が御覧になること。

・天気(天機)<てんき>……天皇のご機嫌。

・崩御<ほうぎょ>……天皇・上皇・法皇・皇后・皇太后などが亡くなること。


心理「行幸や御幸は『みゆき』とも言いますね」

上条「なるほど…」

土御門「何がなるほどなのかにゃー?」

上条「う、うるせぇ!」

土御門「カミやんが照れてるぜよ…。誰得ぜよ?」

心理(私得ですわ!!)
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:33:58.43 ID:XSbIITHF0
心理「最後に自敬表現ですね。これはその名の通り自分に対する尊敬表現ですわ」

心理「帝などの身分の高い人が自分の動作に尊敬語を用いたり、相手の動作に謙譲語を用いたりします」

上条「え?自分を尊敬!?ナルシストですか?」

心理「ナルシストかどうかは知りませんが…。考え方としましては高貴な人が実際に用いた表現とも書き手から高貴な
話し手への敬意が表れたものとも考えられています。前者の立場から尊大語と呼ばれることもありますわね」

全員(詳しいなァ…)

心理「口語訳する際は、敬意を省いた方が話し手の発言らしくなることが多いですわ」

全員(凄ェ…)

上条「先生、凄いですね…!」

心理「いえいえ」テレテレ

男たち(上条め…!)ムカムカ

女たち(何照れてるのよ!)ムカムカ

心理「さて、では古典の文章から例題を…」



キーンコーンカーンコーン
心理「…今日はここまでですわね。では皆さんご機嫌よう」ガラガラ

上条「いやー楽しかったなぁー!」ウキウキ

心理「うふっ、何よりですわ♪」バタン

青ピ「にしてもようやく授業が終わったなー!」

土御門「よし、今日こそ遊びにいくぜぃ、カミやん!」

上条「おう!少しは金貸せよ!!」

青土「「何を言うかお前は」」

上条「本当にウチには金が無いのですよ…」

土御門「…まっ、少しくらいならにゃー」

青ピ「じゃあ行くで、カミやん!」ガラガラ

上条「ああ!」バタン
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/22(日) 21:36:05.94 ID:XSbIITHF0
ーーー廊下ーーーーーーーーーーーー
青ピ「こうして3人でゲーセン行くの久しぶりな気がするなぁー」

土御門「昨日は思わぬ邪魔が入ったからにゃー」

上条「ん?お前ら用事があったんだろ?」

青ピ「いや、男には色々あんねん」

土御門「カミやんもそうだろ?」

上条「は?何の話だ??」

青土「「…」」クルリ

青ピ「これだから」ハァー

土御門「カミやんは」ハァー

上条「何ですかその言い方!?」<ガラガラ

青ピ「…またカミやんやろうな」

土御門「だろうな。さて、邪魔者は去ろうぜぃ…」スタスタ

青ピ「せやな…」スタスタ

上条「おいお前ら!…何なんだぁ?」<ポンッ

上条「ん?」クルッ

心理「約束、守ってもらいますよ?」クスッ


少女は、不敵な笑みを浮かべて後ろから迫ってきていた。


854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 22:53:58.74 ID:NbCRTIvM0

上条「ん?おう、そうだな!」

心理「…もしかして、忘れていました?」

上条「ギクッ。そんなことはありませんよ!?」

心理「うふっ。ですわよね」ニコッ

上条「あははっ(笑顔が眩しい…!)」

心理「さて、私もすぐに帰りの準備を済ませますので少しお待ちを」ピュー

上条「おぉ速っ!?よっぽど買い物が楽しみなんだなぁー」

??「ねぇアンタ」ポンッ

上条「ん?あれ、御坂か?」

美琴「どうしたのよ?職員室に来たってことは、わ、私に用があるんでしょ?」///

上条「はぁ?別にそういう訳じゃねえよ」

美琴「? 意味分かんないわね。アンタが自らここに来る訳ないし」

上条「うっ、確かにいい思い出がないけどさ…」<ポンッ

心理「上条さーん?」

美琴「!?」
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 22:57:56.30 ID:NbCRTIvM0
上条「おっ、支度できたか。じゃあ行くか」

心理「はいっ♪」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?」

上条「は?どうしたんだお前??」

美琴「アンタたち、今からどこか行くの?」

上条「ああ、それはなぁ…」

心理「私たち、今からデートに行きますのよ」フフン

美琴「はぁ!?」

上条「え?」

美琴「でででで、でーとぉ!?」

心理「ええ。ですから無粋な真似はよしてくださります?」ニッコリ

上条(一体何が起こってるんだ??)ハテ?

美琴「ふ、ふんっ!どうせアンタのことだから、コイツのことを荷物持ちにでもしてるんじゃないの?」

心理「そそそ、そんなことはありませんわ!!」ムキー

美琴「ほら、図星でしょ?」

心理「違いますわ!私はただ…」
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:00:28.52 ID:NbCRTIvM0
上条「ほーら、2人ともそこまでだ」ガシッ

美琴「!?」

心理「上条さん…」

上条「喧嘩はよくないぞ?とにかく一旦落ち着け」

心理「はい…」

美琴「…わかったわよ」

上条「御坂、誤解してるみたいだから言っておくけど、オレはあくまで荷物持ちとしてだなぁ…」

心理「えっ」

美琴「そ、そうよね!アンタがデートなんてありえないわよね!」

上条「そう言われると凹むのですが…」

心理「…」ズーン

上条「という訳だから、彼女の買い物の付き添いってことなら文句ねえだろ?」

上条(何の文句があるかは知らないけどな)

心理「…」ウルッ

美琴「うぅ~。わかったわよ。でも女の子と2人っきりだからって、変な真似すんじゃないわよ!」ビシッ

上条「上条さんは紳士だから大丈夫ですことよ」

美琴「どうかね…。ってアンタ!」

心理「…はぃ?どうかなさいましたか?」

上条「?」
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:01:58.74 ID:NbCRTIvM0
美琴「何って、もう眼が…」

心理「…何でもございませんわ。さぁ上条さん、行きましょうか」スタスタ

上条「? おう」

美琴(心理掌握…。無理しちゃって)クスッ

美琴「ちょっとアンタ」ツンツン

上条「ん、どうかしたか?」

美琴「後でちゃんとフォロー頼むわよ」

上条「はぁ?」

美琴「ほら、さっさと行った行った!」ズイッ

上条「っておい、押すなよ!」

美琴「楽しんできなさいよー!」

上条「何だぁ?さっきまで怒ってたのに。って、おーい!待ってくれぇ」タッタッタッ

美琴「ったく。今日のところは美琴センセーが譲ってあげますか」

美琴「…今度は私の買い物に付き添いなさいよ、まったく」<アギャハハッ

美琴「さて、アイツにメールをっと…」パカッ
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:03:59.99 ID:NbCRTIvM0
ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
一方「…ンでよォ、そこでヒーローが何て言ったか分かるかァ?」

打ち止め『えー気になるー!ってミサカはミサカはアナタを急かしてみたり』

一方「『あの状況なら、技は右からしか使えないだろ』ってなァ!あの究極の状況でも、ヒーローは相手の分析を怠ってなかった訳よォ!!」

打ち止め『すごーい!ってミサカはミサカは改めてヒーローさんの強さに驚嘆してみたりっ!』

一方「あァ。アイツはなァ、オレなンかとは全く別の強さを持ってるンだぜェ」

打ち止め『でも、次はアナタが勝つ番だよねっ!ってミサカはミサカはアナタのリベンジマッチを所望してみたり』

一方「…そォだなァ。いつかまた、ってトコだな」

一方(もォ2度も敗北してるが、オレはアイツに勝つことなンざ出来ンのか?)


打ち止め『あれ、そういえばヒーローさんは大丈夫だったの?ってミサカはミサカは心配してみる』

一方「ン。それなら大丈夫だ。すぐに冥土帰しに診せたしなァ」

打ち止め『あのゲコ太先生ってことはまた入院?ってミサカはミサカは聞いてみたり』

一方「いや、オレが病院から連れてこさせた。ちょうど昼休みだったからなァ」

打ち止め『? テレポーターさんでもいたの?ってミサカはミサカは疑問を口にしてみる』

一方「まァな。結標ってヤツだ。前に言ったかァ?」

打ち止め『あのお姉さんのことだね』

一方「おゥ。そォいやアイツ、まだダウン中かァ?相変わらず弱っちィな」カカカッ

打ち止め『…まさかアナタのせいなの?ってミサカはミサカは……』

一方「はァ?ンな訳ねェだろォが」
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:07:50.47 ID:NbCRTIvM0
打ち止め『だってアナタが無理をさせたからなんでしょ!?ってミサカはミサカは現実を突き付けてみる!』

一方「ンなこと言ってもなァ…」

打ち止め『とーにーかーく!お姉さんをちゃんとお家に送り届けなさい、ってミサカはミサカは指示してみる』

一方「なンでそォなるンですかァ!?」

打ち止め『出来るまで我が家の敷居は跨がせません!ってミサカはミサカは宣言してみたり!』

一方「ンだとォ!?オイ打ち止め、話をk」<プチッ

一方「…面倒臭ェな」ハァー


そう呟きながらも彼は電話の声に逆らえなかった。一度言ったら聞かない強情さは誰の影響なのだろうか。
あの姉か、それともその母親か。一方通行としては母親の方は勘弁願いたいものだが。


小萌「ふぅー。この論文もあともうひと踏ん張りなのです!」カタカタ

一方「…チッ」ガタッ

小萌「えぇーと、この理論は確かぁ…」

一方「オイ、そこの説明不明教師」

小萌「うわぁ!?」ガターン

一方「…何してやがる?」

小萌「誰かと思えば一方通行ちゃんじゃないですかー!ビックリさせないでください!」プンプン

一方「ン。悪ィな」

小萌「それで、先生に何の用ですかー?先生にできることなら、何でもしますよー」

一方「そォかい。なら1つ教えてもらいてェンだが」

小萌「はい何でしょう?」

一方「オマエの家どこ?」

小萌「はぃ??」
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:09:21.19 ID:NbCRTIvM0
ーーー正面玄関付近ーーーーーーーーーーーー
上条「あのー、心理掌握さん?」

心理「何ですか?」プスー

上条「な、何を怒っていらっしゃるのでしょうか?」

心理「別に怒ってなどいませんわ」プイッ

上条(絶対怒ってんじゃん!)


乙女の悩みなど知る由もない上条当麻は困惑していた。本当に罪な男である。
その後しばらくの間2人とも黙って歩いていたが、正門を出た辺りで心理掌握がようやく口を開いた。


心理「…やはり私では、上条さんに相応しくないのですか?」

上条「えっ?」

心理「私とでは、デートは出来ないのですか!?」ズイッ

上条「ちょっ、ちょっと落ち着けって」

心理「正直に答えてください!」

上条「えっとだなぁ…」


女子中学生にここまで言われては上条も引く訳にはいかない。ちゃんと答えることにした。


上条「君はすごい綺麗だし、賢いし、素直でいい子だよ。それこそオレじゃ釣り合わないくらいにな」

上条「だからさ、オレなんかじゃなくてもっといい男を…」

心理「…では、そんないい子とデートなどは出来ないと?」
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:12:26.35 ID:NbCRTIvM0
上条「いやー、そういう訳じゃなくてさ。オレだってこんな立派な子とデート出来れば本望だぜ。…あっ」

心理「ふふっ。でしたら何も問題はないのではなくて?」

上条(や、やられた…!)


中学生にいいように丸め込まれた高校生上条当麻。情けないことこの上ない。


上条「ははは、そうですね」

心理「では参りましょうか、上条さん」

上条「…まぁいいか。おう!行こうぜ」

心理「楽しみですわ♪」

上条(…にしても本当にいい子だよな。オレなんかとデートするなんて)

上条(オレといて、何か楽しいことでもあるのかな?)

心理「まずはどこから行きましょうか…」

心理(…今はここまでですわね。でも、上条さんからあの言葉を聞けただけで満足ですわ!)

心理(おっと、満足してはいけませんわね。恋愛はもっと貪欲にいかねば)

心理「…貪欲にいきましょう」


彼女の心の中での誓いは思わず外に出てしまっていたが、当の本人は気がついていない。そう、


上条(? そんなに欲しいものがあるのか?)


当の本人は気がついていないのだ。
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/24(火) 23:14:19.09 ID:NbCRTIvM0
ーーー保健室ーーーーーーーーーーーー
結標「…はぁー」


ベッドに横になっている結標淡希は大きなため息をついた。理由は単純だ。いつもならもう帰る時間だというのに、
身体が一向に動かないのだ。吐き気は引いたが、まだ身体がだるい。


結標「調子が悪すぎて能力なんて使えやしないし」チラッ

垣根「」シーン

結標「…隣りもまだダウン中だし。しかも誰も人来ないし」シーン

結標「あーあ。もうさっさと家に帰って休みたいなー」


こんなに具合が悪いと、あのゴミだらけでタバコ臭い部屋でも恋しくなるから不思議なものである。
寮暮らしが主流で実家にはそうそう帰れないこの街だが、結標にとってはあのアパートの一室がもはや実家のようになっていた。


結標「小萌、早く仕事終わりにしてくれないかしら?そしたら帰りは車で…」

結標「…でもそれだと、小萌が私を抱えて車に乗せることになるのかな?それは無理よね」フフッ


見た目は小学生とさほど変わらないあの小さな教師が自分を一生懸命持ち上げようとするのを想像すると、何だか笑えてきた。
あの小萌のことだ。きっと必死になって自分を車に乗せようとするのだろう。


結標「…まぁ、立って歩くくらいは出来るけどね」

結標「でもここから歩いて帰れる気もしないわ。どうしようかしら?」

垣根「」<ガラガラ

結標「あら?」


久々に保健室のドアが開く音が聞こえたので結標は未だにだるい身体を起こして入口の方を見た。そこにいたのは、


結標「…一方通行?」


白い化物が、自分がここで倒れることになった原因を作った張本人が、杖に支えられながらもその場に立っていた。 
 
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:00:47.01 ID:sXbXpQWb0

ーーーセブンスミストーーーーーーーーーーーー
上条「さて、何を買うんだ?一応言っておくけどオレは…」

心理「心得ております。心配してもらわなくとも自分で払いますので」

上条「オレ情けねえなぁ…」ハァー

心理「ふふっ、そうですわね」

上条「手厳しいなこりゃ」ハッハッハッ

心理(…憧れではありますがね。上条さんにエスコートされるデートというのも)キャーキャー


もはや笑うしかない上条当麻と勝手に想像して悶える心理掌握。
両者の間で気分に大きな差があるようだ。期待している側としては可哀想な話である。


上条「で、どこから回るんだ?」

心理「…そうですわね。まずは服から見ていきましょう」スタスタ

上条「おう。わかったぜ」スタスタ

上条(服かぁ…。やっぱり女の子だよな)


オシャレも気になるよなぁ、と微笑ましく思う上条。その考え方は完全に年上目線のものだった。
心理掌握が知ればちょっとムッとするかもしれないが。


心理「いーまけーむりのぉーなーかでー…」フフフーン

上条(しかしこれは…!)


明らかに自分たち2人は目立っている。鈍感な彼にも感じることが出来るほど、彼らの方に視線が集まっていた。
原因は間違いなく隣りの美少女だ。常盤台の制服というだけで目立つというのに加え、この容姿では仕方ない。
おそらく上条よりも他者の視線に敏感なはずの彼女は、もうこの状態に慣れてしまっているのだろう。
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:02:13.87 ID:sXbXpQWb0
上条(でも、キツいなぁ…)

女1「ねぇねぇ、あの子超可愛いよね?」ヒソヒソ

女2「だよね!やっぱお嬢様って感じぃ?」ヒソヒソ

女3「それに比べてさ、隣りの男子は地味じゃない?」ヒソヒソ

女12「「だよねぇー!」」

上条「不幸だ…」


これは上条にとってはいつものパターンだったが、常盤台の美少女にとっては許しがたいものだった。


心理(…懲らしめてやらねば)キュイーン

女たち「「「はっ!」」」キーン

女1「あ、あれ?ウチら今…?」

女2「あっ、あの2人、超いい感じじゃない?」

女3「だよねぇ。お似合いのカップルって感じぃ?」

女12「「ねぇー!」」

上条「?」

心理(…このくらいはいいですわよね♪)


恋する乙女は盲目なのだ。
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:03:19.91 ID:sXbXpQWb0
ーーーレディースコーナー ーーーーーーーーーーーー
上条「うーん。さすがの上条さんもここに来ると照れてしまいますね」

心理「あら?そうなのですか?」

上条「シャイなもので」

心理「まあご冗談を」フフッ

上条「いや違うんだが。…別にいいか。てか、オレは何をしていればいいんだ??」

心理「何を、と言いますと?」

上条「だってオレがここにいても役に立ちはしないだろ?だから君が選び終わるまでどうしてればいいのかなーと」

上条(仕事は荷物持ちだし)

心理「いえ、上条さんには大いに役立っていただきますわ」

上条「えっ?」

心理「…上条さん」

上条「はい?」

心理「私が買う服を見繕ってくださる?」

上条「…」

上条「はっ??」
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:05:07.92 ID:sXbXpQWb0
上条(ん?はぃ?どういうこと??)

上条「あのぅ、おっしゃる意味が分からないのですが」

心理「ですから、私にピッタリな服を選んでくださいな?」

上条「えっと、なんでオレが?」

心理「…上条さんだからこそ、選んでほしいのです」

上条「??」

上条(オレ、別にファッションとか詳しくないぞ?五和と違って)

心理「ではよろしくお願いしますね」グイッ

上条「っておい!?引っ張るな!」スタスタ


女子中学生に腕を引っ張られて店内へ連れて行かれる男子高校生。普通は傍目からは仲の良い兄妹にしか見えないだろうが、
この場合はそうではない。常盤台のお嬢様と一般学生が手をとって共に歩いている姿は、もはや男女問わずに嫉妬の対象でしかないのだ。
先ほどの視線も、もしかするとその多くは嫉妬の現れだったのかもしれない。


上条「選ぶといっても、上条さんのセンスでは君にお似合いの服装なんてセレクトできませんよ?」

心理「問題なのは服のセンスではなくて気持ちですわ、上条さん」

上条「そういうもんか?」

心理「ええ。女の子はそういうのに弱いのですよ」

上条「へぇー。勉強になるなー」

心理(貴方は勉強する必要などないですわよ。そちらのセンスは抜群ですので)

上条「…さて、どれがいいかな?いっぱいあって悩むなぁ」
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:08:35.48 ID:sXbXpQWb0
ーーー保健室ーーーーーーーーーーーー
結標「…貴方が来るとはね」

一方「ンだよ、悪ィか?」

結標「いいえ、ただ珍しいなぁって」クスッ

一方「…チッ」


随分面倒なことになってしまった、と一方通行は思う。本当はこのまま帰路につき、途中コンビニに寄って
切らしていた缶コーヒーを補充して家でゆっくりする予定だったが、このまま帰ると敷居が跨げないらしいので仕方がない。
別に打ち止めを説得すればいい話ではあるのだが、彼にとってはそういう問題ではないようだ。


結標「…で、どうしたのよ?」

一方「あァ?」

結標「ここに何をしに来たのよ、って言ってるのよ。貴方がわざわざこんなところまで来るなんて」

一方「酷ェ言い様だなオイ」

結標「まさか貴方…。1人で帰るのが寂しいからって、垣根と一緒に帰ろうと…」

一方「ンな訳あるかボケ」

結標「でも残念ね。お目当ての彼は今なおベッドの虜みたいよ」チラッ

垣根「」シーン

一方「そォみてェだな。つーかアイツのことはどォでもいいンだよ」

結標「じゃあどうしたのよ?」ズイッ

一方「うっ…」


顔をグッと近づけて質問を投げかける結標。彼女はこの第1位が意外と押しに弱いことを知っているのだ。
一方通行はしばらく黙ったままでいたが、やがて本題を切り出した。


一方「…帰ンぞ」

結標「は?」

一方「だからよォ、帰ンぞ!」

結標「え?え?どうしたのよ貴方??」
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/26(木) 01:13:08.19 ID:sXbXpQWb0
一方「いいから支度しやがれ!さっさと家に帰るンだよォ!」

結標「でも、私いま具合悪くて動けないのよ?」

一方「ンなことわかってンだよ。だからオレがてめェン家まで送り届けてやンの!」

結標「はぁ!?」

一方「さァ、準備はいいかァ?」

結標「に、荷物はもうそこにまとめてもらってるけど…」

一方「リュックサックか。ちょうどいいなァ」<ポスン

結標「ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が…」///

一方「ハッ。関係ねェな。行くぜェ!」カチッ

結標「やっぱりそうなっちゃうのぉ!?」

一方「安心しろ。落ちねェよォにしっかり支えてやるからよォ」ガシッ

結標「ちょっ、この体勢は…!」////

結標(まるっきりお姫様抱っこじゃないの!?)///

一方「さァ出発だ。しっかり掴まってろ!」ザッ

結標(ああ、もう!)

結標「……うん」グッ

一方「よし、能力解放ォ!!」バッ

結標「きゃ!?」<ヒューン

一方「あぎゃひゃはァ!」<ギューン

結標「きゃああああああああ!?」<ヒューー


そして学園都市最強の白い怪物は、女の子を抱っこしたまま大空を駆ける。 
 
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:02:15.12 ID:vGJIWWaS0

ーーーレディースコーナー ーーーーーーーーーーーー
お嬢様中学生と平凡な高校生がセブンスミストデートを開始して30分が経過し、2人の距離にも変化が起こっていた。
しかし距離といっても物理的なもので、精神的距離は一切変化はなかった。


上条「しっかし、どういうことなんだろうなー」サッサッ


上条当麻は今、1人で服を選んでいた。この場にお嬢様がいないが、別に少女が上条に愛想をつかした訳ではない。
これは心理掌握という少女が望んで行動したものだった。


上条「えっと、確か…」ホワンホワンホワン


心理『上条さんがここで服を選んでくださる間、私は少し違うところを回ってきますね』

上条『えっ?一緒に選ぶんじゃないのか??』

心理『いえ、上条さんが1人でセレクトしてください』

上条『マジですか!?』

心理『はい。楽しみにしておりますわ♪』ニコッ


上条「不幸だ…」サッサッ

女たち(なに言ってやがるこのウニ頭)


同じ場で服を選んでいる女子たちにすら嫉妬されながらも、上条は心理掌握に似合う服装を考えていた。
彼女にはどんな服が似合うのだろうか?その考え1つで彼の脳内は埋まってしまう。


上条「そうだなぁ…」キョロキョロ

上条「おっ、これなんかいいな」サッ

上条「これもなかなか…」


この少年、意外と服選びを楽しんでいたりもした。
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:04:13.51 ID:vGJIWWaS0
ーーーブックコーナー ーーーーーーーーーーーー
心理「…」ペラッ

心理「ドキドキ」

心理「…」ペラッ

心理「///」カァーッ

心理「…」ペラペラッ

心理(楽しみすぎてもう…!)///



周り(あの子可愛い…)

店員(私は文庫本になりたい…!)



ーーー学園都市上空ーーーーーーーーーーーー
結標「ちょっと貴方!スピード出しすぎよ!?」

一方「ハッハ!早く家に帰りてェだろォ?」ピューー

結標「私は病人なのよ!?」ムキー

一方「あァ?聞こえねェな!!」

結標「もうやだコイツ」

一方「折角人が親切に家まで送ってやってンだァ。我慢しろ!」ギューン

結標「学園都市で最も危険なタクシーね…」

一方「それネタか?」

結標「? 何を訳の分からないことを」

結標(でもさっきからずっとこの体勢っていうのも…)

結標「悪くはないわね」///

一方「言ったな今」

結標「は?…っておい、ちょっ」ギュイーン
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:06:18.76 ID:vGJIWWaS0
ーーーレディースコーナー ーーーーーーーーーーーー
上条「ようやく選んだのはいいが…。やっぱり服って高いなー」

上条「まぁ、あの子なら値段の心配はないだろうがな!」アッハッハ

上条「…」

上条「どれどれ…」←値札確認中

上条「…」ガサガサ

上条「どれどれ…」←財布の中身確認中

上条「」orz


この日上条当麻は、世の中には変わらないものが少なくとも2つはあることを学んだ。


上条「…さてっ、そろそろ約束の時間だな」←自らを鼓舞するように

上条「気に入ってくれるかなぁ?」<カミジョウサーン

上条「おっ、来たか」

心理「ええ。選んでくださいました?」

上条「おう!バッチリだぜ!」バッ

心理「どれどれ…」

上条「ドキドキ」

心理「……うん、いいですわね。わざわざありがとうございました」ペコリ

上条「いやいや、こっちも結構楽しかったしな」

心理「では今から試着といきましょうか!」

上条「はぁ??」
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:08:18.77 ID:vGJIWWaS0
心理「どこかおかしな点がありましたか?」ハテ?

上条「いや、何でもないんだ。そうか、サイズを合わせないとな!」

心理「…それもありますが」ボソッ

上条「ん?じゃあ今度がオレが色々回ってくるかな…」

心理「待ってください!」ガシッ

上条「うおっ!?」グイッ


急いでその場を立ち去ろうとする上条を心理掌握が全力で止めにかかった。
これでは彼女の本来の目的が達せられないのだ。


心理「あの、上条さん」

上条「…はい?」

心理「試着した私の姿、見てくださいませんか?」

上条「」

心理「折角の機会ですし…」

上条「え?」

心理「それに……」

上条「それに?」

心理「…上条さんに選んでいただいた服ですもの。まずは上条さんに感想を伺いたいなぁと」///

上条「」


上条当麻に逃げ場などなかった。
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:12:39.01 ID:vGJIWWaS0
ーーー商店街ーーーーーーーーーーーー
番外「はぁー。やっと外出許可が出たよ。病院の中は息苦しくてならないねぇ」スタスタ

番外「とまぁ、とりあえず外に出てきたはいいんだけど」スタスタ

番外「やることが無い…。結局ヒマなままだね、こりゃ」グデー


病院の中も退屈ではあるが、やることが何もないのはさらに退屈になるのだ。
とにかく今は暇つぶしの手段を模索しなければ。


番外「そうなると…。行くあてはあの第一位のトコかな?」

番外「ぎゃははは!会うのはいつ以来かな!?今度はどんなのでからかってやろうかな☆」

番外「……会うのは、、いつぶりかな??」///

番外「って、ああもう!なんでミサカが緊張しなきゃいけないの!!意味わかんねーし!」<アギャギャ

番外「ん?今のって、あの人の声だよね?」

番外「上から??」ヒョイ


結標『だから!もっとスピード落としなさいよ!』

一方『ハッ。さっさとお前ン家まで行かねェとマズいンでなァ!!』

結標『な、なに言ってんのよ!?』ギャーギャー

一方『騒ぐンじゃねェ!』ウガー


見上げた先に、なんか知り合いの白い怪物がいた。なぜか赤毛の美人さんセットで。
おまけにお姫様抱っこで上空を優雅に旅行中ときた。会話の内容をよく考えればそんな勘違いなど生まれはしないのだが、
如何せん彼女は興奮気味だったので、そんな判断は出来るはずもなかった。


番外「…アイツ、何やってんのよ?」

番外「女の子と一緒だなんて…」

番外「なんかムカつく」ビリビリッ


ここで改めて言っておくが、彼女の名前は番外個体<ミサカワースト>である。彼女は、名前でも示してある通り
『悪意的な思考・感情を拾いやすい』という特徴を持っているのだった。そして今、彼女を支配していた感情は、嫉妬。
その悪意は、番外個体の内側には収納できないほどに膨れ上がっていた。そして、


番外「…」ビリビリッ

番外「…ああもう!どーにでもなれぇ!!」ビリリーーッ!


外出許可初日で商店街の破壊活動に従事してしまった番外個体は、せっかくの土日を涙をのんで病院で過ごすことになってしまう。
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:19:13.29 ID:vGJIWWaS0
ーーーレディースコーナー ーーーーーーーーーーーー
心理「ではそこでお待ちになってくださいな、上条さん」ササー

上条「了解…」

心理「…覗いてはいけませんよ?」

上条「っ!?誰が!」

心理「冗談ですわ♪」シャッ

上条「…ふぅ、まったく」


心理掌握が更衣室に入ったのを確認した上条は、そのままゆっくりと更衣室から離れた。
彼は経験上知っているのだ。このパターンはマズい、と。
ここでもしものことがあれば後が怖い。先ほどの女性店員もなぜか笑顔で『何時間でもご使用ください!』と言ってくるくらいだ。


上条「さて、どうなるのかな?」

心理「お待たせしました」

上条「おっ、こ、これは…!」


可愛い。その言葉が一番よく合うと上条ですら思った。彼女が着たのは白に少し青みがかかったノースリーブのシャツに黒のミニスカート。
ただそれだけの格好だというのに、上条はあまりの可愛さに声が出せなかった。確かに似合うとは思ったがまさかここまでとは。
シャツはロングTシャツのような形状で、フリフリのスカートを隠すように覆いかぶさり、白から少し窺える黒がいい雰囲気を出していた。
そしてそのスカートから伸びる白い両足からは、もはや芸術性まで感じた。


心理「ど、どうでしょうか…?」オズオズ

上条「…スゲー可愛い」

心理「はぃ!?」////

上条「あっ、いやその…似合ってるぜ」

心理「そ、そうですか…」

上条「ああ…」

上心「「…」」

上条(なにこの空気)
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:19:44.86 ID:vGJIWWaS0
ーーーレディースコーナー ーーーーーーーーーーーー
心理「ではそこでお待ちになってくださいな、上条さん」ササー

上条「了解…」

心理「…覗いてはいけませんよ?」

上条「っ!?誰が!」

心理「冗談ですわ♪」シャッ

上条「…ふぅ、まったく」


心理掌握が更衣室に入ったのを確認した上条は、そのままゆっくりと更衣室から離れた。
彼は経験上知っているのだ。このパターンはマズい、と。
ここでもしものことがあれば後が怖い。先ほどの女性店員もなぜか笑顔で『何時間でもご使用ください!』と言ってくるくらいだ。


上条「さて、どうなるのかな?」

心理「お待たせしました」

上条「おっ、こ、これは…!」


可愛い。その言葉が一番よく合うと上条ですら思った。彼女が着たのは白に少し青みがかかったノースリーブのシャツに黒のミニスカート。
ただそれだけの格好だというのに、上条はあまりの可愛さに声が出せなかった。確かに似合うとは思ったがまさかここまでとは。
シャツはロングTシャツのような形状で、フリフリのスカートを隠すように覆いかぶさり、白から少し窺える黒がいい雰囲気を出していた。
そしてそのスカートから伸びる白い両足からは、もはや芸術性まで感じた。


心理「ど、どうでしょうか…?」オズオズ

上条「…スゲー可愛い」

心理「はぃ!?」////

上条「あっ、いやその…似合ってるぜ」

心理「そ、そうですか…」

上条「ああ…」

上心「「…」」

上条(なにこの空気)
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/27(金) 02:21:53.44 ID:vGJIWWaS0
>>898 誤爆です。申し訳ないです。

上条(マズい!何か話題を…)

上条「そ、そうだ。その場で一回転してくれるか?」

心理「え!?」

上条「あ」

上条(ななな、何言ってんだオレ!?)


発言が完全にオッサンのそれだった高校生上条当麻。普通ここまででお終いなのだが、


心理「こ、こうですか…?」クルクル

上条「…ああ」


心理掌握はもの凄くいい子だったので、デートはまだまだ続いていくのだった。


上条(しかし、これは…)マジマジ


確かにこれは女の子ならば憧れる。艶やかな長髪は光り輝く金色であるし、顔立ちもはっきりしていて美形、おまけにスタイルも抜群だ。
彼女にはもう1人のお嬢様中学生、常盤台のエースには無いものまで備わっていた。


心理「え、えっと…」//

上条「あっ、もういいぜ。ありがとな」

心理「いえ、そうではなく…」

上条「ん??」

心理「次、いってもいいですか?」

上条「…」

上条「いいともー!」オー 
 
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:49:10.76 ID:RXiXwB0x0

心理「では少々お待ちくださいね」ササー

上条「おう」ススー


更衣室のカーテンが閉まるとまた上条は後ろへ下がった。彼にとってはカーテンなど信用するに値しないのだ。


上条(しかし、やっぱ凄かったなぁ。あそこまでとは…)


先ほどの光景を思い出し彼は素直に感心していた。いつも着ている常盤台の制服でも勿論可愛いのだが、私服となるとさらに可愛い。
こう言っては失礼だが、今周りで服を選んでいる少女たちでは比べ物にならないほどだった。


上条(もしかして、今オレって幸せなんじゃね?)

心理「はい、もういいですよ」

上条「おっ、次はどれかな…。おっ!」


今度は大人っぽい格好だった。青のボーダーシャツの上に明るいグリーン系のサマーカーディガンを羽織り、ベージュのデニムショートパンツ
を着用して落ち着いたイメージにまとめていた。黒のストッキングを履いていると脚の美しいラインに思わず目が行ってしまう。
これは上条当麻の理想と合致した服装だったが、中学生の心理掌握にも予想以上に似合っていた。
それは彼女が15才にしては大人びているからだろうか。それとも、単に上条の好みの問題か。


心理「ど、どうでしょうか??」

上条「いいな!うむ、大人っぽくてよろしい!!」ウンウン

心理「ありがとうございます…!」///

上条「さて、じゃあそろそろ…」

心理「ええ、そろそろ…」

上心「「最後の服に!」」

心理「……あれ?」

上条「ここまで来たら、最後まで付き合うぜ」

心理「はいっ!」ニコッ
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:50:52.85 ID:RXiXwB0x0
心理「ではまた…」ササー

上条「りょーかい」ススー


今回も更衣室から距離をとる上条。最後まで油断は禁物なのだ。それにさっきの女性店員がニコニコしながらこっちを見ている。
なんというか、もしもこの場で悲劇が起こればあの店員のようになる、彼にはそんな気がしていた。幻想殺しとか関係なしに。


上条(えっと、確か最後に残った服って…?)

心理「はい、準備できました」

上条「おう。……ッ!?」


もはや声も出なかった。少年が選び、少女が着た最後の服。それは単純であるがゆえに人を選ぶものだった。
心理掌握が身に着けていたのは、真っ白なワンピース。ただそれだけの格好だというのに。その姿はまさしく、


上条「……天使…?」


可愛いとか大人っぽいとか、もう関係なかった。ただ、美しい。単純に、綺麗。それだけだった。
この上条当麻という少年は『天使』という存在を知っているが、目の前にいたのは見覚えのある水の天使でも科学の天使でもなかった。


そこにいたのは、美の天使。地上に降りてきた、もう一人の天使だった。


心理「……」////

上条「いや、そうじゃなくてだな。あんまり綺麗だったんでつい…」

心理「……」/////////

心理(幸せ、、ですわ…)ホワーン

上条「ありゃ?おい、しっかりしてくれ」
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:52:42.14 ID:RXiXwB0x0
心理「このままの格好で帰りたいですわ…」ホクホク

上条「ん?確か常盤台って…」

心理「…ええ。外出は制服が基本ですわ」

上条「女の子にとっては大変な規則だよな」

心理「憎むべき決まりですわよ?」

上条「ははっ、こりゃ怖いな」

心理(…貴方に出会うまでは、全く気にならなかったのですがね)

心理(でも大変になったというよりは、むしろ…)

心理「…仕方ありませんので着替えましょうか」

上条「だな。ちなみにお聞きしますが…」

心理「? どうかなさりましたか??」

上条「お金足ります?」

心理「ええ。この程度ならいくらでも」

上条「」orz

心理「上条さん?どうしました??」ナデナデ

上条(いいなぁ。オレもたまにはこうやって服選んで買いてえよ…)ズーン


落ち込む上条を連れて、心理掌握は買い物カゴを持ってレジへ向かい、カードでさっさと会計を済ましてしまった。
表示された金額を見た上条が、愕然として顔を真っ青にしたことは言うまでもない。
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:54:52.22 ID:RXiXwB0x0
ーーーセブンスミスト内ーーーーーーーーーーーー

心理「♪~」ホクホク

上条「でも良かったのか?オレのチョイスじゃ君の好みには…」

心理「上条さんが選んでくれたからいいのですよ」

上条「そういうもんか」

心理「ええ♪」

上条「ふーん…」

上条(…まっ、喜んでるからいいか)クスッ


こんなに嬉しそうに笑っているのを見ると、上条も自然と頬が緩む。それはただ可愛いからという理由だけではなかった。
守ってあげたい。この少女の笑顔を失いたくない。そういう感情が彼の中で芽生えつつあった。


上条「で、次はどこ行くんだ?」

心理「そうですわね。先ほどの階で…」パカッ


少女がポケットから取り出したのはピンクの携帯電話だった。上条が持っているものの倍の値段はしそうなものだった。


上条「ん?誰かにメールか?」

心理「いえ、ちょっと連絡をとりたいので」ピピピ



ーーーブックコーナー ーーーーーーーーーーーー
心理「こちらの本などは興味深い内容で…」

上条「ふむふむ」

心理「最近の風潮は主として…」

上条「ほうほう」

心理「この宇宙科学の冊子はですね…」

上条「ふむ、分からん!」フンス

心理「うふふっ、上条さんは面白いですわね」

上条「褒められた気がしないのですが…」

心理「いえいえ。そんなことはございませんわ♪」

上条「さいですか…」
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:56:19.98 ID:RXiXwB0x0
心理「さて、欲しい本も買えましたし」

上条(中学生の読む本かアレ…?)

心理「そろそろ来ますかね…」

上条「ん?」<メンタルアウトサマー

心理「来ましたわね」

部下「お待たせしましたわ、心理掌握様」

心理「ご苦労様です」

上条「?」

部下「上条様、初めまして」ペコリ

上条「ああ、どうも」ペコリ

心理「(様?)彼女は私のルームメイトですわ」

上条「あっ、そうなの。いつもお世話になっております」

部下「いえ、こちらこそ」

部下(かかかか、上条様とお、お話を…!なんと幸運な日なのでしょう!)キャーキャー

心理「ではこれを」スッ

部下「……あっ、了解しました」ポス スゥー

心理「よろしくお願いしますね」パチッ

部下「はい。ではわたくしはこれで」

上条「ん?もう帰っちゃうのか??なんならこれから3人で……イタタッ!痛いですよ!?」ギュウ

心理(まったく貴方という人は…!)プンスカ
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 17:58:27.75 ID:RXiXwB0x0
部下「いえ、結構ですわ。お2人はもう少しデートをお楽しみください」

心理「ででで、でぇーと…」////


改めて言われて顔を真っ赤にするお嬢様。冷静になってみるとさっきまでかなり恥ずかしい言動をとっていたのだ。


部下(こちらとしても名残惜しいですが…)チラッ

上条「?」

部下(やはりまだ…)チラリ

心理「」///

部下「では御機嫌よう、上条様♪」スタスタ

上条「(様?)おう」

心理「…さて、これで荷物もなくなりましたので、もう少しデートを楽しみましょうか」

上条「おう。そろそろ日も暮れそうだな。どうする?」

心理「では最後にあちらを」

上条「…おっ、いいな。行くか!」

心理「はい!」



ーーークレープ屋ーーーーーーーーーーーー
上条「やっぱ女の子だよなー」

心理「甘いものは女子は皆好きなのですわよ?」

上条「だよなー。御坂も好きみた……痛い痛い痛いっ!どうしたの一体!?」ギュウ

心理「何かおっしゃいましたか?」ニコッ

上条「いやだから、みさk」

心理「…」ゴゴゴゴゴ

上条「…なんでもございません」

心理「ですわよね☆」

上条(なんというプレッシャーだ…!)gkbr
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:01:10.43 ID:RXiXwB0x0
店員「いらっしゃいませー」

心理「あっ、私はこれで」

上条「オレはこっちで」

店員「かしこまりました。2点で1000円になりまーす」

心理「少々お待ちください…」ガサゴソ

上条「はい、これで」つ【1000】

店員「ありがとうございましたー」つ【クレープ】×2

上条「ほい、こっちだろ?」スッ

心理「」キョトーン

心理「大丈夫ですか?」ヒョイ

上条「そこ!?」

心理「いえ、ありがとうございました」

上条「これくらいは奢らないとな」

心理「ふふふっ♪ではあちらのベンチで」

上条「いいぜ」



ーーーベンチーーーーーーーーーーーー
上心「「いっただきまーす♪」」

心理「あーむっ。おいしぃー!」ニコッ

上条「ああ!久しぶりにクレープ食ったけど、こりゃ美味いな!」

心理「ですわねっ!」

心理(上条さんに買っていただけたクレープ…!)ウマウマ

上条「いやー今日は楽しかったな。ありがとな!」ニコッ

心理(!? 先に言われてしまいましたわ…)

心理「…いえ。こちらこそ」

心理「ありがとう、ございました…!」ニコッ

上条「おう!」
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:03:39.78 ID:RXiXwB0x0
心理(しかし、アレをやってはみたいのですが…)ジー

上条「…ん?こっちも食べたいか?」

心理「ふぇ?」

上条「ほい。あーん」

心理(ちょちょちょちょっ、くぁswせdrftgyふじこlp)

心理「…はむ」

上条「どうだ?」

心理「…おいひいです」///

上条「そうかそうか!良かったな」

心理(もう。この人の前では自身の心のコントロールすら出来ませんわ…)

心理(…自分からは、また今度の機会にですわね)

上条「さて、ごちそうさま。そろそろ帰るか?」

心理「待ってください」

上条「ん?どうかしたか?」

心理「…お話があります」



ーーー小萌のアパート前ーーーーーーーーーーーー
一方「…さあ着いたぜェ」カチッ

結標「」シーン

一方「オイ、しっかりしやがれェ」ペチッ

結標「…あれ?着いたのかしら」

一方「おゥ。歩けるかァ?」スゥ

結標「ええ」スタッ

一方「ンで、お前の部屋どこだ?」

結標「は?ア、アンタ何するつもりよ!」

一方「勘違いすンじゃねェ。ここまで来て部屋の前で倒れられたら敵わねェからなァ」

結標「…うん」クイッ

一方「? なんで裾を掴むンだ??」

結標「まだ調子がね…」

一方「……チッ」
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:07:04.56 ID:RXiXwB0x0
ーーー小萌の部屋ーーーーーーーーーーーー
結標「…今日はわざわざありがとうね」

一方「おゥ。明日もちゃンと来いよォ」

結標「ええ。また明日ね」ニコッ

一方「あァ」スタスタ


仕事が終わった一方通行はようやく帰路につこうとした。だがその時、なぜか頭の中に幼い女の子の声が響いた。


打ち止め『ちゃんと謝らなきゃダメだよ!ってミサカはミサカは念を押してみる』


実際に少女にそう言われた訳ではないが、一方通行には説得力のある言葉に思えた。
だからこそ、彼は勇気をもって振り返ることができた。


一方「オイ、結標ェ!」

結標「ん?何よ??」

一方「…さっきは悪かったなァ」

結標「!」

一方「…ン。なンだその顔は?」

結標「いえ、貴方の口からそんな言葉が出てくるとはね」フフッ

一方「はァ?どォいう意味ですかァ?」ギロッ

結標「そのままの意味よ。貴方の謝罪なんてそうそう聞けないものね?」

一方「うるせェよ」

結標「あらいけない」

一方「?」

結標「今の録音するの忘れてたわ。でも今度土御門に報告ね」

一方「いい加減にしやがれェ!」 
 
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:09:01.36 ID:RXiXwB0x0
ーーー公園ーーーーーーーーーーーー
上条「…話?」

心理「ええ。大事なお話です」


そう言うと少女は制服のポケットから白い携帯電話を取り出した。こちらは上条でも買えるリーズナブルなものだ。
――白? さっき持っていたケータイはピンクではなかったか?


上条(…どういうことだ?)

心理「ご存じかとは思いますが、私はレベル5の第5位『心理掌握』ですわ」

上条「…ああ、そうだな」

心理「でも、私は他の超能力者とは違う面がありますのよ」

上条「…戦闘力か?」

心理「ええ。私の能力では物理的攻撃は不可能。よって、もし能力が使えなければただの中学生なのですよ」


右手に持つ携帯電話をじっと見つめながら語る心理掌握。上条もそれをじっくりと眺めてみた。
彼はその形状をよく知っていた。そして、確かめるように自分のポケットを漁りはじめた。


心理「ほかの皆はレベル5でも堂々としていられる。それは相手を物理的に圧倒できる力をもっているからなのですよ。
だから同じレベル5の中学生でも御坂美琴は学園都市の広告塔として、私は影の実力者として君臨しているのです」

心理「つまり私は、自分が弱いからこそ派閥を大きくした。公の場所にあまり姿を見せなかった。そして――」



心理「私は、名前を周りに明かすことをしなかった」


ここで上条はようやく自らも携帯電話を取り出した。同じ機種の色違い。彼は青、彼女は白、それだけの違いだった。


上条「お前…」

心理「ふふっ、笑ってくださっても結構ですわよ。天下の心理掌握がこんな弱虫だったのか、とね」

上条「…笑えねぇよ」

心理「……え?」 
 
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:13:32.16 ID:RXiXwB0x0
上条「そんなの誰だって怖いだろ!たとえ強大な力があってもお前はただの中学生だ。確かにお前は派閥を大きくして隠れ蓑にしようと
したかもしれない。でも皆はお前を慕って派閥にいるんだろ!その能力だけを見ているんじゃなく、お前自身を見て集まっているんだろ!
だからもっと周りに言えよ!怖い、助けてって言えばいいんだよ。もっと周りの人を信じようぜ!」

心理「…上条さん」

上条「お前はそうやっていつも一人で全部抱え込んでいるんだろ?だからさ…」



上条「たまには、オレに相談してくれよな」


心理(ああ、そうなんだ。これが、上条当麻さんなんだ…!)


彼女は純粋に嬉しかった。上条当麻という男は、おそらく誰に対してもこのような言葉を投げかけてくれるのだろう。
それでも今この瞬間、自分にその言葉をかけてもらえていることが何よりも嬉しかった。


心理「…ありがとうございます。もっと相談してみます。周りにも、上条さんにも」

上条「おう。まあゆっくりでもいいとは思うけどな」

心理「いえ、善は急げと言いますので」パカッ

上条「ん?ってことは…」

心理「ええ。連絡先を交換いたしましょう♪」

上条「ああ、いいぜ」パカッ


上条と心理掌握は互いにケータイを取り出し、赤外線通信でプロフィールを交換した。
そして、受信後に上条の携帯電話の画面に映った文字は、


上条「食蜂…操祈」

心理「そう。私の名前は、食蜂操祈<しょくほうみさき>。改めましてよろしくお願いしますわ」ペコリ

上条「おう。よろしくな」

心理「はい!」

上条「ん?でも確か、この名前は…」

心理「ええ。できれば今のところは皆さんにはまだ知らせずに」

上条「そうか。だよな、いきなりは大変だしな」

心理「はい。ですからこちらの携帯電話では…」パカッ
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:16:23.53 ID:RXiXwB0x0
心理「上条さんを含め、登録しているのは5名ですね」

上条「ご!?」

心理「ええ。両親に執事、先ほどのルームメイトに上条さんだけですわね。こちらはプライベート用ですので」

上条「ってことは、最初のピンクの携帯電話は…?」

心理「はい。『心理掌握』用です」

上条「はぁ…」


やはり携帯電話を2台持っていた。やっぱりお嬢様だよなー、と感想をもってしまう。
こんな形で使い分けているとは、さすがに徹底している。


心理「要するに、真の私を打ち明けていい人にだけ教えていますのよ、『食蜂操祈』用の番号は」

上条「…それは嬉しいかもな」

心理「そう言っていただけると光栄ですわ」フフッ

上条「うーん。そうすると一つ問題が…」

心理「? 何か??」

上条「皆の前で本名で呼ぶのもマズいけど、この状況で名前で呼ばないのも失礼だろ?何て呼べばいいかな?」

心理「そ、それでしたら……」

上条「食蜂さん?食蜂ちゃん?…どっちがいいかなー?」

心理「……名前で」

上条「ん?」

心理「名前で…『みさき』と、お呼びくださいな」


彼女は、今日一番の勇気を振り絞って上条当麻に告げた。 
 
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/28(土) 18:19:02.71 ID:RXiXwB0x0
上条「…名前?名前かぁー」

心理「ダメ…ですか……?」ウルッ


普段の上条であれば間違いなくここで首を縦に振っただろう。いや、上条当麻でなくてもそうするに違いない。
だがこの時の彼は、おそらく上条自身でも説明できない不思議な力によって次の言語を発していた。


上条「そうだなぁ…。じゃあさ、オレのことも名前で呼んでくれたらいいよ」

心理「へっ!?」

上条「うん、そうだよな!オレだけ名前で呼ぶのも不公平だもんな!」

心理(な、名前!?ということは…。…と、ととと…)////


何が彼にその言葉を発させたのか。なぜ彼はそんなことを平然と言ってのけるのか。おそるべきは上条当麻の鈍感さか。


心理(ちょっ、無理ですわ!そんな大胆な真似…。そのステップはもっと後のこととばかり……)カァー


あれだけ大胆な行動をとりながらも、内面は一切変わってない少女は激しく同様していた。彼女は自分の予想と違う状況に置かれると、
何も考えられなくなり頭の中が真っ白になってしまうのだった。


心理「あの、えぇと…」

上条「さぁ、どうする!?」

心理「うぅぅ……」

上条「さあ!」


そう、今彼女の頭の中は真っ白なのだ。だから、


心理「……と、当麻さん…?」


もう訳が分からずに少年の名前を呟いていた。こうして少女は、自らの計画とはまったく違う過程を辿ったが、いい結果に恵まれたのだった。
一方、少年の方は名前で呼ばれたことがよほど嬉しかったようで、彼もまた、相手の少女のことを名前で呼ぶことにした。


上条「…おう。じゃあこれからもよろしくな、操祈?」




食蜂「……はい!」
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage ]:2011/05/28(土) 18:28:31.77 ID:RXiXwB0x0
今回分は以上です。というか3日目はここでひとまず終了です。
ついに心理掌握さんの表記が変わりました。なんかスゲー嬉しいです。今後は『食蜂操祈』でいきますのでよろしくお願いします。
3日目は個人的趣味で実習から大分遠ざかった内容になったので、次からは学校の方にも力を入れていきたいと思います。
次回投下も3日以内には来ます。いつもレスには感謝を。
ではまたノシ
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/28(土) 18:30:03.56 ID:akAcuHnbo
美琴とこころん
どうしてこんなに差がついたのかww
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/05/28(土) 18:32:03.82 ID:p5ig91UTo
>>924
乙女か否か 
 
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/29(日) 14:14:49.45 ID:SnhzK51U0
>>1です。たくさんのレスありがとうございます。美琴の立場がなくなってきたのは申し訳ないです。
これからは美琴の方の頑張る予定なので皆さん暖かい目で見守ってあげてください。
まあ原因は>>926さんの言う通りかも。でも>>1は御坂美琴のことが嫌いなわけではないので、そこは理解してください。

では投下します。今回は3日目のオマケです。
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:18:03.25 ID:SnhzK51U0
ケース1 一方通行の場合

一方「ふゥー。なンか疲れたなァ…」スタスタ


能力モードで空を飛ぶように同僚を家まで運んだ一方通行は、通常モードで帰路についていた。
どうも商店街の方が騒がしいが、身体がだるくてもうどうでも良かった。


一方「とりあえず結標はちゃンと届けた訳だしよォ」

一方「下手すりゃあのガキ、ネットワーク使って見張ってくるかもしれねェしな」


あの小さな女の子はたまに自分のことになるとなりふり構わず行動しだす傾向があるので、少し注意して見ていなければ
ならないのだ。それは一方通行にも言えることだが彼が気づくはずもない。


一方「…ただいまァ」ガチャ

打ち止め「おっかえりー!ってミサカはミサカはアナタを出迎えてみたり」

一方「おゥ」

打ち止め「ちゃんとお姉さんを送り届けてくれたみたいだね、ってミサカはミサカは満足してみる」

一方「まァな。つゥかオマエ見てただろォ?」

打ち止め「んー?何の話かなー?ってミサカはミサカは誤魔化してみたり」

一方「隠しきれてねェぞそれ…」

打ち止め「それでねー、今日商店街でワーs」<ピリリリ

一方「ン?オレのケータイか」カチャ

一方「もしもし」

??『ばかばーか!』<ガチャ

一方「…はァ??」
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:19:41.44 ID:SnhzK51U0
打ち止め「アナタどうしたの?」

一方「あァ?いや何でもねェよ」

打ち止め「そうなの?でね、MNWで話題になってるんだけど、商店g」<ピリリリ

一方「…またか」<ピリリリ

打ち止め「でないの?」

一方「……チッ」カチャ

??『アホ、たらし、モヤシ!』

一方「オイ、今何か言ったかコラ」

??『モヤシはモヤシだよね。ぎゃはははは☆』

一方「落ち着け、番外個体。どォかしたのか?」

番外『いや何でもねーし!アナタが何してようとミサカには関係ねーし』

一方「はァ?一体なンなンだよ??」

番外『そうだよねー。アナタが誰といてもミサカには全く影響ないよねー』

一方「??」

番外『ねぇ、最後に一言いい?』

一方「? おゥ」

番外『ばーか!』<ガチャ

一方「…」

一方(……こンな時はアレだな)

打ち止め「大丈夫?ってミサカはミサカは…」

一方「寝る」

打ち止め「え!?ちょっとどうしたのアナター!」
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:21:03.29 ID:SnhzK51U0
ケース2 垣根帝督の場合

垣根「」シーン

??「まったく、可愛い寝顔しちゃって」クスッ

垣根「」シーン

??「…今がチャンス、、かな?」

垣根「」

??「ドキドキ」スゥー

垣根「」

??(…もう少し)ウゥー

垣根「って何してんだコラ」ガシッ

??「んーんー!」ブンブン

垣根「人が寝てる隙に何しやがんだテメェ」ポイッ

??「あら?こんな可愛い子が迫ってきてるのに」

垣根「自分で言うなよ」

??「ダメかしら?」

垣根「まぁな」

垣根(あれ?確かオレって4時間目に…)

垣根(ケンカの巻き添えで保健室にいたはずだが)

垣根(でも、ここはオレん家だろ?)

垣根「どういうことだ?」
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:23:28.59 ID:SnhzK51U0
??「ああそういえば、さっき貴方のことを送ってくれた人から伝言よ」

垣根「伝言?」

??「えっと…『先ほどは巻き込んで済まない!お詫びにはならんが、オレの根性で家まで運んできたぞ!』って」

垣根「ってことはあの根性バカか…」

??「みたいね。なんか暑苦しかったし」

垣根「それで、今の今までテメェが看病してくれた訳か。心理定規」

定規「ええ。そういうことよ」

垣根「そうかい。ありがとよ」

定規「…どういたしまして」//

垣根(しかし、アイツ…)


少年は今日の昼の出来事を思い出していた。この男、垣根帝督は上条と削板の戦闘を止めに入ったのだが、
その時に彼は大きな違和感を持つことになった。


垣根(削板の方は、もうほぼ限界だったから1枚の翼で簡単に止めることができた)

垣根(問題は上条の方だな)


『未元物質』。彼の能力名のことだが、これを使用するときに少年は通常は6枚の白い翼を展開する。
そのうちの1枚は削板軍覇に向けて開いた。つまり、残りの5枚は…?


垣根(…念のために5枚とも上条に向けた)

垣根(アイツの右手対策に、最初の2枚ほどを消されたら回避しようと思ったんだが)

垣根(よく分からんが、あっという間に5枚とも消されちまった)

垣根(…オレもアイツと戦ってみてぇ、かもな)クスッ


ほぼ不意打ちだったので、上条に負けた訳ではない。だが垣根はリベンジに燃えていた。削板までとはいかないが、
彼も上条当麻と堂々と戦ってみたくなったのだ。


定規「…ところで聞きたいことがあるんだけど」

垣根「ん、何だ?」

定規「なんで表記変わらないのかしら?」

垣根「??」
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:25:19.77 ID:SnhzK51U0
ケース3 御坂美琴の場合

~就寝前~

美琴「…アイツ、しっかりやったのかしら?」

白井「お姉さま?どうしましたの?」

美琴「ううん、何でもないわ」

白井「? あまり無理はなさなずに」

美琴「うん。ありがとね、黒子」

白井(何だかお姉さまがナイーブですの…)

美琴(今日は譲ってあげたけど、明日からは負けられないわね)

美琴(…ちゃんとプランを練っておかないと)


そう考えた美琴は、勉強机の席についてノートとシャーペンを取り出して一斉にペンを走らせた。


美琴「ブツブツブツ…」カッカッカッ

白井「お、お姉さま…?」

美琴「……」カッカッカッ

白井(今日はお姉さまが怖いですの…)

美琴(そういえば、メール見たのかな?)カッカッカッ
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:28:28.79 ID:SnhzK51U0
ケース4 食蜂操祈の場合

~就寝前~

食蜂「ふふふっ♪」ニコニコ

部下「…やはり嬉しそうですわね」

食蜂「ええっ。とっても」ニッコリ


笑顔の食蜂の手にあるのは、上条に選んでもらったワンピースがあった。


食蜂「当麻さんが選んでくださいましたのよ♪」

部下(いいないいないいなー!)ウズウズ

食蜂「今日はいいですわ」ウットリ

部下「しかし、服を買ってもわたくしたちでは休日でも着れませんよ?」

食蜂「それは…」

部下「それは?」

食蜂「何とかしますわ」クスッ

部下(こ、この方の『何とかする』は怖いですわね…)gkbr

部下「さて心理掌握様」

食蜂「…2人きりのときは、名前で呼んでくださいと言ったはずですが?」

部下「あっ、はい。そうですわね、食蜂様」

食蜂「…様も何とかなりませんか?」

部下「いえ、これだけは無理ですわ。それよりもこちらを」スッ

食蜂「あっ、携帯電話を預けたままでしたわね。ありがとうございました」パカッ

食蜂「あれ?メールが来てますわね」
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/29(日) 14:30:30.37 ID:SnhzK51U0
部下「そういえばそうでしたわ」

食蜂「どれどれ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
7月○日 15:42

From 御坂美琴

Sub 今日はごめんね

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は言い過ぎたわ。ごめん。
せっかくなんだから、ちゃんと楽しんで来てね。
でも負けないからね!明日から覚悟しておきなさいよ!


これからもよろしくね、操祈♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「…」クスッ

部下「どうかしましたか?また嬉しそうですが」

食蜂「いえ、何でもありませんわよっ」

部下「??」

食蜂(今まで名前で呼んでくれたことなんてなかったのにねぇ)

食蜂(でも…。嬉しいですわね)

食蜂「こちらこそ、といったところかしら?」ピッピッピ


今日は本当にいい日になった。好きな人の連絡先と、良き恋敵<ライバル>を手に入れることができたのだから。 
 
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/30(月) 22:39:24.32 ID:C3074Lez0
>>1です。レスありがとうございます。
美琴にも期待してもらえて嬉しいです。頑張って書いていきたいと思います。
部下については、次スレ以降活躍の場があるかも。せっかく登場したのでレースに参加してもらいたいです。
では投下。今日は食蜂さんによる補習です。 
 
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/30(月) 22:41:20.29 ID:C3074Lez0
食蜂「では今日の授業の補足、要するに補習を行いましょうか」

食蜂「>>846さんに指摘された箇所を説明するには、助詞『と』について触れていかなければいけませんね」

食蜂「『と』は主に格助詞として用いられます。格助詞というのは…」カキカキ


格助詞………

・主に体言(名詞)または活用語の連体形に付く。

・その語が文の成分としてどのような働きをするかを示す。

・その語が下の語に対してどのような資格に立つかを示す。


食蜂「こんな役割があります。それで、『と』はですね…」カキカキ


①動作をともにする相手(~と、~と共に、~と一緒に)

②変化の結果(~と、~に)

③比較の基準(~と、~に比べて)

④引用・内容(~と、~と言って、~と思って)

⑤並列(~と~と)

⑥比喩(~のように)


食蜂「意味や用法はこのようなものですわね。カッコ内は口語訳になります」

食蜂「これらは主に体言、つまり名詞につきますが、④は引用文につきます」

食蜂「そして今回解説するのがこの④ですわね」
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/30(月) 22:48:05.12 ID:C3074Lez0
食蜂「引用文とは会話文と心内文の2つがあります。ここが指摘されたところですわね」

食蜂「それでですね…。古文の場合はかぎかっこがなくとも人の発言のことは『会話文』といいます」

食蜂「現在ではかぎかっこをつけるのが定着していますが、当時はそのような表記はありませんでしたので」

食蜂「要するに、そもそも無いものを出版している側がつけているだけのようですね」

食蜂「ですから、かぎかっこが無いから会話文ではないというのは間違いです」

食蜂「話を戻しますね。2つの違いはですね…」カキカキ


・会話文……文章の中で、人が話している言葉として書き表されている文。

・心内文……登場人物や作者が心の中で考えた内容を示す部分。


食蜂「こういうことですね。かぎかっこがあったらサービスだと思ってくださいな」

食蜂「ちなみに辞書を引いてみたところ…」カキカキ


と………

〇(引用を表し)~と。◎「言ふ」「思ふ」「聞く」などの動詞とともに用いられる。

〇~と言って。~と思って。◎↑の「言ふ」「思ふ」などを省略した形。


食蜂「こうなってましたわね。やはり厄介なのは下のパターンでしょうね」

食蜂「つまり、『と』単独でも『言って』『思って』と訳する場合があるということです」

食蜂「ポイントとしては、まずはかぎかっこの次の『と』には『言って』と訳して考えましょう」

食蜂「次に、地の文でも『と』の前の文脈に注意するようにクセをつけることです」

食蜂「よく見てみると登場人物が何か言っているときがあります。口語訳の際は気をつけましょうね」


食蜂「話を戻しますね。2つの違いはですね…」カキカキ


・会話文……文章の中で、人が話している言葉として書き表されている文。

・心内文……登場人物や作者が心の中で考えた内容を示す部分。


食蜂「こういうことですね。かぎかっこがあったらサービスだと思ってくださいな」

食蜂「ちなみに辞書を引いてみたところ…」カキカキ


と………(一部抜粋)

〇(引用を表し)~と。◎「言ふ」「思ふ」「聞く」などの動詞とともに用いられる。

〇~と言って。~と思って。◎↑の「言ふ」「思ふ」などを省略した形。


食蜂「こうなってましたわね。やはり厄介なのは下のパターンでしょうね」

食蜂「つまり、『と』単独でも『言って』『思って』と訳する場合があるということです」

食蜂「ポイントとしては、まずはかぎかっこの次の『と』には『言って』と訳して考えましょう」

食蜂「次に、地の文でも『と』の前の文脈に注意するようにクセをつけることです」

食蜂「よく見てみると登場人物が何か言っているときがあります。口語訳の際は気をつけましょうね」
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/30(月) 22:49:53.22 ID:C3074Lez0
食蜂「ここも例文を挙げていきますと…」カキカキ


・この戸開けたまへとたたきけれど…。


食蜂「訳としては…」カキカキ


・この戸開けたまへとたたきけれど…。



―→「この戸をお開けください」と言ってたたいたけれど…。


食蜂「この場合は『たまへ』が命令形となっているので分かり易いかと」

食蜂「『開けたまへと』を品詞分解するとこんな感じですかね」カキカキ


・この戸/開け/たまへ/と/たたきけれど…。

<カ下二段・連用形+ハ四段・命令形+格助詞・引用の「と」>


―→「この戸をお開けください」と言ってたたいたけれど…。


食蜂「ほかにも『とて』『など』も引用を表すことがありまして」

食蜂「これらを含む文脈ですと…」カキカキ


・いとうつくしう生ひ成りにけりなどあはれがり…
ゆかしくしたまふなる物を奉らむとて源氏の五十余巻、櫃に入りながら…。


食蜂「これは訳が難しいと思いますね。えっとですね…」カキカキ


・いとうつくしう生ひ成りにけりなどあはれがり…
ゆかしくしたまふなる物を奉らむとて源氏の五十余巻…。


―→(おばに当たる人が)「とてもかわいらしく成長したものだなあ」などと言ってなつかしがり…
「(あなたが)欲しいとお思いになっている物差し上げよう」と言って源氏物語の五十余巻を…
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/05/30(月) 22:51:02.80 ID:C3074Lez0
食蜂「この場合は『など』『とて』の前が終止形になってますね」

食蜂「つまり、何が大事かといいますと…」カキカキ


〇『と』『とて』『など』の前の句が独立した一文として成り立つかどうかを判断する。

〇前の語の活用形にも注意しながら読む。特に命令形に気を付ける。

〇文章の内容からも慎重に判断する。


食蜂「こんなところですね。特に文脈判断というのは古文ではどんな問題においても重要なものになるので、フィーリングで
なんとなく読むのでなく、しっかり意味を理解して読みましょうね」

食蜂「最後に注意が1つ。口語訳の問題のときは、古文にかぎかっこが無くても必要な場合はつけてくださいね」

食蜂「皆さん今日の補習は分かりましたか?願わくばこれを読んでくださっている高校生に伝わってほしいものです」

食蜂「まあ、とにかくしっかり勉強はしてくださいね♪」

食蜂「…こうやって私が解説するスレもあってもいいかもしれませんわね」

食蜂「では今日はこの辺で。ご清聴ありがとうございました」ペコリ

食蜂「ではまた会いましょう」ノシ 
 
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/30(月) 22:57:55.35 ID:C3074Lez0
はい、簡単ながら補習終了です。正直言って心内文という表現は初めて聞きました。
まあこんな感じで授業の方も続けていこうと思うのでよろしくお願いします。
ただし、鵜呑みはしないで自分でもしっかり判断してください。間違いもちらほらあるので。

近日中に次スレは立てます。立てたらここで報告させていただきます。
拙い文章力ですが、これからも頑張っていきます。

ではまたノシ
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/30(月) 23:14:17.98 ID:zZCqZGpqo

965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage ]:2011/05/30(月) 23:27:37.09 ID:aR24Ri3Q0

これからもがんばってくれ!
971 : ◆sk/InHcLP.2011/06/02(木) 01:26:33.54 ID:Bjm2CRG10
>>1です。トリップつけました。予定と違いますが、まだレス数に余裕があるので少し4日目に突入します。
では投下。やっぱり初めてだと上手く進められない…orz 
 
973 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:29:35.59 ID:Bjm2CRG10
~4日目(木)~

ーーー通学路ーーーーーーーーーーーー
美琴「さて、今日も頑張るかー!」


朝から元気に登校する御坂美琴。ステップを踏むかのように軽やかに歩いている。
浮かれている彼女の手には、カエルの形をした可愛らしい携帯電話があった。


美琴(しかし、あの操祈がねぇ…)パカッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
7月〇日 22:53

From 心理掌握

Sub こちらこそ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は本当に楽しませてもらいましたわ。
こちらこそ、当麻さんを譲る訳にはいきませんわ!
全力を尽くさせていただきますわよ?


一緒に頑張ろうね、美琴♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


美琴「こういうのって、結構嬉しいわね」エヘヘ


そういえばこんなやり取りは久々な気がする。常盤台中学に入ってからはずっと『御坂様』扱いだった彼女は、
気がつくと周りに自分の悩みを相談できる人物がいなくなっていたのだ。
それでも彼女には『親友』と呼べる存在はいる。が、その親友たちも少なからず自分のことを尊敬の目で見てくる。
当然嬉しくはあるのだが、これは美琴にとっては少し悲しいことだった。
974 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:31:45.11 ID:Bjm2CRG10
美琴「多分、あの子も同じなんでしょうね」パタン


常盤台中学が誇るもう1人の超能力者であるメールの相手。彼女もまた自分とほとんど、いや自分よりも大変な思いをしてきたはずだ。
能力が高いことに逆に苦しめられた部分もあるのだろう。


美琴(それを救ってくれたのが、アイツなのよね)


上条当麻。彼は御坂美琴という少女の命を救った。おそらく食蜂操祈にも変わるための何らかのきっかけを与えたのだろう。
そして何より、上条は彼女たちを普通の女子中学生として見てくれた。美琴にとっては、それが何よりも嬉しかった。


美琴(そういうところがカッコいいのよねー。って何てこと考えてんのよ私!?)///

美琴(…こんなことで照れているようじゃダメよね)

美琴「今日からはガンガンアピールしていくんだから!」グッ


改めて決意するも、またすぐにニコニコしてしまう美琴。例え恋敵だとしても、食蜂と打ち解けたのがかなり嬉しいのだ。


美琴(いい1日になりそうねー)ニッコリ

??「おや?」

美琴「あれ?」
975 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:33:25.99 ID:Bjm2CRG10
美琴「操祈じゃない。おはよー」

食蜂「おはよう美琴。今日も元気みたいね」

美琴「何か新鮮ねー。アンタが丁寧語じゃないと」

食蜂「ふふっ。親友同士では要らないのではなくて?」

美琴「…恥ずかしいこと言うわねアンタ」

食蜂「それはお互い様でしょう?」パカッ


そう言うと食蜂は、ピンクの携帯電話を取り出して美琴に画面を見せた。


美琴「ちょっ、アンタ!それは見せないでよ!」//

食蜂「『でも負けないからね!明日から覚悟しておきなさいよ!』ねぇ…」

美琴「そ、それを言うならそっちだって…!」パカッ

美琴「……ん?」


よくよくメールの文面を読んでみると、何やら文字列の中に違和感があった。
そう、それは本文の2行目に…。


美琴「…何で、名前で呼んでるのよ?」

食蜂「はい?ああ、昨日許可は取ったから」

美琴「えっ?それってどういう…」

食蜂「もうお互いに、名前で呼び合う仲になったということよ♪」

美琴「」
976 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:34:54.40 ID:Bjm2CRG10
美琴(え?え?どういうこと??この子私と一緒に頑張ろうとしたんじゃないの?)

食蜂「…何を勘違いしてるかはお見通しなんだけどさ」キュイーン

美琴「ってまた読んだわね!」

食蜂「貴女が思っているような仲にはまだなってないわ。残念ながら」

美琴「な、なーんだ。驚かさないでよ」フゥー

食蜂「でも、これで私が一歩リードよね」フフン

美琴「うっ」

食蜂「…といっても、やはりあの方を攻略するのは一筋縄ではいかないけど」

美琴「そうなのよねー。半端じゃなく鈍感だしね」

美食「「はぁー」」


同時にため息をつく常盤台の二大エース。レベル5でも変えられない現実はある。


食蜂「…そういえば美琴?」

美琴「ん?何??」

食蜂「ちょっとお願いがあるの」

美琴「??」
977 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:37:42.66 ID:Bjm2CRG10
上条「……おーい2人ともー!今から学校か?」

美琴「あらアンタ。おはよっ!」

食蜂「当麻さん、おはようございます」ペコリ

上条「おう。朝から元気だな」

美琴「アンタに言われたくないわよ」

食蜂「ですわね」

上条「酷いな…」

上条(てか、何でこんなに仲良くなってんだ?)


この2人、確か昨日職員室前で言い争いをしていたはずだ。どんな理由があるにしても、あの状況から見るに元からここまで
仲が良かった訳ではないだろう。しかも御坂の方はまだしも、食蜂は人間関係について相当警戒心を持って行動するタイプ。
その彼女がなぜ、御坂美琴とこんなにも仲良くやっているのだ?


上条(おっ。あれは…!)


彼が見たのは2台の携帯電話。彼女たちに声をかける前から2人ともそれぞれ自分のものを持っていたのだった。
上条は、その様子を見ただけで2人が仲が良い理由を把握できた。


上条(…だって、今操祈が持ってるケータイは白いもんな)

上条「よしっ。とにかく学校行くか!」

美琴「うん♪」

食蜂「はい♪」


こうして彼らは出発した。真ん中を黒髪のウニ頭の少年が、左右には茶髪のショートヘアの美少女と金髪のロングヘアの美少女が
仲良く並んで歩いていくのだった。
この後学校までは順調に着くが、両手に花状態で登校した上条に不幸が襲いかかったのは当然の成り行きだった。
978 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:40:17.49 ID:Bjm2CRG10
ーーー職員室ーーーーーーーーーーーー
一方「…やっぱ朝のコーヒーは至福のひと時だよなァ」

削板「む!そうなのか!?オレは朝は牛乳と決まっていてだな!」

一方「そォいうことじゃねェンだよ…」

垣根「さすがだなオイ」

削板「?」<ガラガラ

結標「おはよう」

小萌「おはようございますー」

削板「おう!おはよう2人とも!」

一方「ン。親子で出勤たァ感心感心」

小萌「それはどういう意味ですかー!」ムキー

結標「…」

小萌「ほらっ、結標ちゃん!」ツンツン

結標「わ、分かってるわよ!」ヒソヒソ

一方「?」

結標「…あの、一方通行?」

一方「あン?」

結標「昨日は……ありがと」

一方「…おゥ」

2人「「…」」

垣根「…」

垣根「あの、削板?」

削板「む?」

垣根「昨日は……ありがと」

削板「おう!」


黄泉川「あれは一体何やってんじゃんよ?」

鉄装「さぁ?」
979 : ◆sk/InHcLP.[sage saga]:2011/06/02(木) 01:41:56.61 ID:Bjm2CRG10
ーーー廊下ーーーーーーーーーーーー
麦野「ふっふっふーん」


女性の鼻歌が聞こえる。彼女の楽しいという気持ちがそのまま音色になったような美しい調べだった。
普通は周りからかなり気味悪がられるだろうが、今は朝なので人がほとんどいないので大丈夫のようだ。


麦野(ふふふっ。いい気分ねぇ)


この麦野沈利という女性は、整ったルックスと抜群のスタイルではあるのだが、中身は全然清楚ではない。
よって、彼女の行動の中には無意識に負の感情が混じってしまう傾向があるのだが、今日はそれがない。
なぜなら、今日は麦野にとってこれまでの実習日の中でも1番楽しみにしていた日なのだから。


麦野(まぁ、私が無理やり捻じ込んだ訳だけどさ)

麦野(にしてもねぇ、うふふっ)


そう、今日は麦野沈利にとっては特別な日なのだ。彼女にとってだけ、ではあるが。
その理由は、すべて次の麦野の呟きに込められていた。



麦野「……たーのしみだねー、はーまづらぁー」
980 : ◆sk/InHcLP.[sage]:2011/06/02(木) 01:45:23.97 ID:Bjm2CRG10
4日目の導入部分は以上です。次回からはおそらく次スレになるでしょう。
次スレは、今日中には建てる予定です。建てたら報告しますので。
いつもレスには感謝を。ではまたノシ
981VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/06/02(木) 02:41:22.22 ID:ZSvJOWYg0
電磁バリアー貫通・・・だと・・・
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage ]:2011/06/02(木) 03:14:45.90 ID:e4jY7TzQ0

これからも楽しみにしてるぜ!!
 

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