2013年10月11日金曜日

一方通行「おいあわきン」結標「!?」 2

513 ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:09:03.55 ID:ZUrCs5Zt0
結婚式当日

ステイル「やあ、君が一方通行だね。インデックスがお世話になったね」

一方通行「誰だテメェは」

ステイル「そこのウニ頭から今日の神父を任されたステイル=マグヌスだ。任されたからにはきちんと執り行うから安心してくれたまえ。」

一方通行「あァ、よろしく頼む」

ステイル「じゃあ僕は一旦失礼するよ。式までの時間、みんなと挨拶でもしておきたまえ」

上条「しかし一方通行がタキシードとはな。普通超ネクタイじゃないのか?」

一方通行「超ネクタイはなんかダメな感じがしてな」

上条「まあ、お前がいいならいいけどさ」

コンコン

一方通行「誰だァ?」

 
514 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:09:33.56 ID:ZUrCs5Zt0
海原「こんにちは一方通行さん」

一方通行「お前らか」

ショチトル「似合ってるじゃないか」

一方通行「ありがとよ」

海原「結標さんの姿、もう見ましたか?」

一方通行「いィや、まだだ」

海原「そうですか、ここに来る前に挨拶して来ましたが…びっくりしますよ。ふふ」

一方通行「そォか。そいつは楽しみだな」

海原「ええ、では僕達は座って待ってますね。行きましょうショチトル」

ショチトル「ああ」

上条「んじゃ俺も行くかな」

一方通行「おォ、また後でな」
515 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:10:00.35 ID:ZUrCs5Zt0
コンコン

一方通行「どォぞ」

垣根「よう一方通行」

一方通行「次はお前か、心理定規はどォした?」

垣根「結標の所だ」

一方通行「お前は行かないのか?」

垣根「新郎より先に花嫁の姿を見てどうすんだよ」

一方通行「そォかい、にしても俺が花嫁姿を見てないってよく分かったなァ」

垣根「お前ならそうすると思ってな」

一方通行「ふゥン」

垣根「ガキ連中はどうした?」

一方通行「テメェらが来る前に散々話したよ」

垣根「そうか、じゃ俺は行く。またな」

一方通行「おい、他になンか無ェのかよ」

垣根「特に無いな。あばよ」

一方通行「チッ」
516 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:10:34.81 ID:ZUrCs5Zt0
コンコン

一方通行「どォぞォ」

浜面「おっす」

一方通行「おォ土御門か」

土御門「おう、一方通行」

浜面「おい、俺も居るぞ」

一方通行「知ってる、それより土御門。お前には大分世話ンなったなァ」

土御門「何言ってるんだあの程度、どうってことないぜい」

一方通行「浜面も色々と…なンかしたか?お前」

浜面「一応垣根が捕まったとき麦野達を送ってきたのが俺なんだかな…」

一方通行「そォか、ありがとな」

土御門「長居は良くない、じゃ行くか浜面」

浜面「おう、じゃあな一方通行」
517 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:11:16.65 ID:ZUrCs5Zt0
コンコン

一方通行「どォぞォー」

初春「こんにちは一方通行さん」

一方通行「おォ風紀委員共か」

佐天「カッコよく決まってますねー」

一方通行「おォ、ありがとな」

白井「おめでとうございます。一方通行さん」

一方通行「あァ、済まねェな」

御坂「まさかこんなスピードで結婚するとはねぇ」

一方通行「こっちには色々あンだよ」

初春「ホントにおめでとうございます。良かったですね、結婚までこぎつけて」

一方通行「あァ、本当にな」

白井「ではそろそろ行きましょう、初春。長居は他の方々に迷惑ですの」

佐天「じゃあ、またあとで一方通行さん」

御坂「しっかりやるのよー?」
518 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:11:43.72 ID:ZUrCs5Zt0
コンコン

一方通行「…入れ」

木原「よう、一方通行」

一方通行「時間的にテメェが最後か」

木原「みたいだな。とりあえずおめっとさんだな一方通行」

一方通行「あァ」

木原「お前がやっと手にした栄光だ。胸張って前に進みやがれ」

一方通行「当然だ」

木原「余談だがよ、一方通行」

一方通行「ン?」

木原「バージンロードっつーのはな、新郎が先に入って待ってるだろ?」

一方通行「そォだな」

木原「んで花嫁が父親と一緒に新郎のとこに向かうじゃねぇか?」

一方通行「あァ」

木原「家族と過ごした道を通って新郎と未来に進むって意味があんだとよ」

一方通行「…」

木原「ま、いつまでも過去を引きずるなって事だよ一方通行」

木原「じゃ俺は行くぜ。さっさと嫁のとこに行ってやんな」

一方通行「言われなくてもなァ」

木原「おめでとう、一方通行」

一方通行「ハッ…」
519 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:12:09.81 ID:ZUrCs5Zt0
コンコン

『どうぞ?』

一方通行「邪魔すンぞ」

心理定規「あら、新郎のお出ましね」

小萌「ううっ…グスッ…」

一方通行「…!」

結標「どうかした?」

一方通行「………」

心理定規「そりゃどうかするわよ。こんなに綺麗な花嫁が目の前に居るんですもの」

一方通行「本当に綺麗だわ、結標」

結標「そう、ありがとう。アナタも似合ってるわよ」

心理定規「ふふっ。じゃあ私達行くわね。もう時間は無いけどごゆっくり。ほら、行くわよ先生」

小萌「本当に…本当に綺麗なのです結標ちゃん…グスッ」
520 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:12:44.35 ID:ZUrCs5Zt0
一方通行「なンで泣いてたンだァ?」

結標「感動したらしいわ」

一方通行「忙しい教師だな」

結標「本当よ」

一方通行「他に誰が来た?」

結標「海原達やアイテムも来たわね。あとは吹寄さんとか。あと第三位のクローンも来たわ。それと木山さんも来たわ」

一方通行「そォか。ン?そろそろ時間だなァ…」

結標「そうね」

一方通行「先行って準備してンぞ。そういやバージンロードの相手はどこだァ?トイレにでも行ってンのか?」

結標「それなんだけどね一方通行」

一方通行「ン?」

結標「バージンロードの相手。見つけられなかったの」
521 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:13:22.72 ID:ZUrCs5Zt0
一方通行「…そォか」

結標「あまり驚かないのね?」

一方通行「最悪、予想はしてたからなァ」

結標「それでね一方通行、一緒にバージンロード、歩いて欲しいの。腕を組んで」

一方通行「あァ、断る理由もねェよ」

結標「そう、良かった」

一方通行「さっき木原が来てな」

結標「?」

一方通行「本来バージンロードってのは家族と過ごした日々の道なンだ。ンで新郎と一緒の未来に進むって言う話をしてったンだ」

一方通行「一応、お前とは家族みたいなもンだし、意味合いは間違ってねェ」

一方通行「結標、俺と一緒に未来に進ンでくれねェか」

結標「言われなくても、そのつもりよ一方通行」

一方通行「ンじゃ行くか」

結標「ええ」
522 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:14:01.92 ID:ZUrCs5Zt0
黄泉川「おっ、来たみたいじゃん」

芳川「拍手で迎えてあげましょう」

小萌「ううっ…おめでとうなのです二人とも…」

絹旗「結局、先をこされましたか…おめでとうございます結標さん」

黒夜「残念だったな絹旗。ま、おめでとよ兄ちゃん」

麦野「タキシード似合わねぇな、第一位。嫁はあんなに決まってるのによ」

フレンダ「結局あんな華奢だと似合うタキシードを探すのが大変ってわけよ」

滝壺「おめでとうあくせられーた。むすじめもおめでとう」

浜面「おお、すげぇ綺麗だ…」

初春「あらためてみると凄いです。本当に本当におめでとうございます」

佐天「凄いよ、一方通行さん。さすが第一位です」

白井「結標さん…おめでとうございます」

御坂「なんか複雑ねー。とりあえずはおめでとうってとこね」

上条「いやー結婚式なんて初めてですよ。本当に綺麗だしカッコいいじゃないか」

インデックス「おめでとうなんだよ二人とも!」
523 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:14:29.21 ID:ZUrCs5Zt0
海原「やっと一段落ですね。二人ともお幸せに」

ショチトル「幸せにな、一方通行に結標」

土御門「頑張った甲斐があるってもんだぜい。良かったな一方通行」

吹寄「一方通行さんおめでとうございます。結標さんもお幸せに」

心理定規「最高の晴れ姿よ、淡希。おめでとう」

垣根「二人で腕組んで来やがったか。いいじゃねぇか一方通行」

御坂妹「おめでとうございます。一方通行。とミサカは全世界に散らばる全ミサカと今日来れなかった冥土帰しを代表し祝福をします」

番外個体「はいはい、おめでとおめでと。ミサカはちょっぴり羨ましかったり…」

打ち止め「ゴールインおめでとー!ってミサカはミサカは精一杯の祝福!」

木山「幸せも近くにあったという事だ。これからは二人で素敵な未来を築くといい。おめでとう」

木原「…俺からは何もねぇな。ま、達者でやれや」

ステイル「じゃあいいかい?二人とも」

一方通行「あァ、初めてくれ」

ステイル「うん、じゃあ始めるよ。汝これからも…」

......................
...............
........
....
.
524 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:14:55.92 ID:ZUrCs5Zt0
一方通行「やっと終わった…」

結標「お疲れ様、ゆっくり休んでちょうだい」

一方通行「あァ…」

結標「あ、ちょっと待って」

一方通行「ン?」

結標「指輪の事なんだけど…」

一方通行「色の事かァ?」

結標「ええ」

一方通行「お互いの髪の色だ。結標が白のリング、俺が赤のリング。お互いをいつでも身近に感じれるようにってなァ」

結標「なんかむず痒いわね」

一方通行「ふン、まァそれほど大切に思ってるって事だ」

結標「うん、ありがとう一方通行」ギュ

一方通行「あァ」ギュ

....................

.............

.......

...

.


垣根「いや、まだ終わってないぜ?」

to be Continued

525 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/11(水) 21:17:22.24 ID:ZUrCs5Zt0
はい、以上で挙式編終了です
調べながら書いたのでかなり時間がかかりましたがなんとか無事完成しました

さて話の中でありましたウエディングリングですが、婚約指輪と結婚指輪を兼ねたものになります
つまりはただの結婚指輪です。
あとは一方さんがサスペンダーでは無くベルトを付けてましたが普通は付けません
みなさんは正しくタキシードを着てくださいね。
それと一方さんがやたらと服装の問いかけにスラスラ答えてたのはブランドなどに詳しいところからヒントをもらいました

他にはチャペルやプロテスタントがうんたらと書きましたが結構適当です
調べたんですが意味分かりませんでした

途中宗教的な話になったり服装の話になったり、つまらなかったのではないでしょうか

軽く結婚させると言ったあとにバージンロードの話を聴いて少し調べたらこれが面倒くさい。
ですが、色々ためになりました

さて次のお話ですが垣根さんが何かしてくれるようです。まだ書いてない描写もありますし

ではまた会いましょう
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 21:19:52.36 ID:Nrfz9Taco
超乙だぜ。
ほんわかとした感動がいいな。
参考にしよう、と思ったけど結婚する予定なんか当分なかった。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 21:20:18.33 ID:inOYI7t80
乙!

超ネクタイ超笑わせてもらいました・笑
537 ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:33:27.46 ID:QgWjKnZa0
ステイル「じゃあ、二人とも。指輪の交換いいかな?」

一方通行「あァ」

結標「いいわよ」

一方通行「ほら、手出せ」

結標「うん」スッ

一方通行「ン…」

結標「白いリング?」

一方通行「あァ、宝石はありきたりだがダイアモンドだ」

結標「綺麗…」

一方通行「そりゃなによりだ」

結標「あなたのは…」

一方通行「赤いリングだ」
538 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:33:54.71 ID:QgWjKnZa0
ステイル「さてプロテスタントなら本来ここで短い説教があるんだが、あいにく僕は君達の事をよく知らないんだよね」

ステイル「二人に神の加護があらんことを…君達はこれで晴れて夫婦だ、おめでとう」

ステイル「さ、外に行って小さな披露宴といこうじゃないか」

一方通行「おォ、ありがとな。行こォぜ淡希」

結標「えっ…そうね。うん。行きましょあなた」

「お幸せに!」

「おめでとさん」

「なんで泣いてるんだ博士」

「うるせぇ!泣いてねぇよ木山!」

「お疲れ様」

「素敵な式をありがとうな!」

「結局二人を祝福しろって訳なのよね」

「はまづら、だいなしだね」

一方通行「ありがとォなみンな!」
539 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:34:23.75 ID:QgWjKnZa0
式場・外、披露宴にて

麦野「いやーまさか第一位に先越されるとは思わなかったわ」

垣根「俺達とは違ってちゃんと将来に目を向けてたんだ、越されて当然だ」

初春「でも垣根さんも垣根さんでちゃんと考えてるんじゃないですか?」

垣根「ふん、さぁな」

麦野「初春ちゃんだっけ?こんなヤツとつるんでると幸せになれないわよ?」

佐天「大丈夫ですよ!私が傍に居ますから!」

麦野「あら?なにかフレンダと同じものを感じるわね」

垣根「その類なんだろ?表面上は男男と騒いでるが中身はどうか分かったもんじゃねぇからな」

麦野「ああ、なるほどね?」

佐天「ちょっ、ちょっと何言ってるんですか!」

初春「仕方ありません佐天さん。認めましょうよ」

佐天「ええい、初春まで!喰らえ!」バサッ

初春「え?」

垣根「お、ピンク」

初春「え?はわ…きゃああああああ!」
540 ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:34:49.93 ID:QgWjKnZa0
土御門「騒がしいにゃー」

上条「ホントだな、にしても今日はいい天気だな」

海原「絶好の結婚日和と言った感じですね」

ショチトル「幸せになれるといいな二人とも」

海原「そうですね、初めて間近で目にする花嫁と新郎ですからそうあってほしいですね」

インデックス「絶対幸せになれるんだよ!!」

上条「うわっ!居たのかインデックス!」

土御門「理由があるのか?インデックス」

インデックス「こんなにたくさんの友に囲まれてこんなにおいしい料理が食べれるんだよ!幸せになれないわけが無いんだよ!」

上条「…」

海原「そうですね、おいしい物を食べれば笑顔になれる、笑っていれば幸せも舞い込んできます」

インデックス「そうなんだよ!」

ステイル「インデックス、野菜もちゃんと食べなきゃ」
541 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:35:15.67 ID:QgWjKnZa0
御坂「ふん!」ムシャムシャ

番外個体「どうしたの?オネェーサマ?」

御坂妹「おそらく彼氏が自分に構ってくれないので嫉妬しているのでしょう、とミサカは冷静に分析します」

打ち止め「お姉さまったら変なの!好きならタックルすればいいのに!ってミサカはミサカは悩めるお姉さまにアドバイス!」

木山「どうしてタックルになるんだ?博士」

木原「愛情表現をぶつける一番の方法だと考えついたんだろうな。あと博士はヤメロ」

木山「考えておくよ。ん?どうしたんだそんなに離れて君もこっちに来たらいいじゃないか」

白井「いえ、あまり近づくと御坂先輩に迷惑がかかってしまいますの。せっかく妹さんとお話を咲かせていらっしゃいますのに…」

木山「そうか?」

芳川「あらあら、一体どうしたのかしらね?」

木山「色々と難しい年頃なんだろう。色々とな」

黄泉川「仕方ないじゃん。本人がいいならそれでいいじゃんよ」
542 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:35:49.27 ID:QgWjKnZa0
小萌「ぐす…」

吹寄「いつまで泣いてるんですか?先生」

「そうですよ、泣いてる姿を見てると私も悲しくなります」

吹寄「?あら?誰?」

「えっ!?私のこと見えてるんですか!?」

吹寄「当たり前じゃない。一方通行さんのお知り合いかしら?」

風斬「えっと風斬氷華と言います。よろしく…」

吹寄「吹寄制理よ。よろしくね」

風斬「えっと…」

吹寄「一方通行さんはあっちよ」

風斬「ありがとうございます!」

吹寄「さ、先生。みんなの所に行きましょう」

小萌「はい…そうするのです」
543 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:36:21.19 ID:QgWjKnZa0
木原「へぇーテメェらが一方通行の演算パターンをネェ…」

黒夜「あんましジロジロ見るなよおっさん」

木原「おっさんだと?一方通行と一緒で可愛くねぇな」

絹旗「黒夜、少し遠慮しながら超話をしたほうが…」

木原「おっ、こっちのチビガキは少し可愛いじゃねぇか」

絹旗「やっぱりおっさんですね」

木原「ああ?」

麦野「誰だよアレは…」

土御門「一方通行の育ての親だ、一応生身で一方通行を殴れるほど強い」

麦野「あんなヤローが第一位を…」

麦野「ねぇー木原さん」

木原「あ?んだこのババアは」

麦野「バっ…」
544 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:36:49.25 ID:QgWjKnZa0
吹寄「上条当麻、なにその盛付けは!?」

上条「勘弁してください吹寄さん!上条さんにとってはこれがご馳走なのです!!」

吹寄「貴様ってヤツは…もっと健康に気を使った盛り付けを…」

黄泉川「これがご馳走かーははっ上条もジョークがうまくなったもんじゃん」

小萌「多分上条ちゃんはジョークのつもりではないのですよ!」

黄泉川「またまたー」

心理定規「ねえ帝督」

垣根「どうした?」

心理定規「さっき幽霊を見たわ」

垣根「は?幽霊だと?」

心理定規「ええ、半透明というかなんというか。眼鏡掛けた胸の大きい幽霊をね」

垣根「…ちょっと探してみようぜ」

心理定規「帝督」

垣根「はっ、冗談だ」
545 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:37:20.91 ID:QgWjKnZa0
風斬「一方通行さん!」

一方通行「あン?」

結標「あら?誰かしら?」

風斬「覚えてませんか?私のこと」

一方通行「……もしかしてロシアの時の…いや…違うかァ?あン時はもう少し光ってたよォな」

風斬「はい!そうです!それです!それ私です!」

一方通行「どォしてここに?」

風斬「えっと実は一方通行さんの行動を最初から見てまして」

一方通行「見てただとォ?」

風斬「はい、実は私、AIM拡散力場の集合体で…」

一方通行「へェ、実態化出来たり出来なかったりすンのか」

風斬「え?知ってるんですか?」

一方通行「少し話は聴いたことある。予想はしていたが当ってたみてェだな」

風斬「そうなんです」

風斬「それで一方通行さんが彼女を作るまでの数日、作った後の数日間。あまりに暇なんで観察していたんです」

一方通行「ほォ」
546 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:37:47.12 ID:QgWjKnZa0
風斬「色々な展開があってわくわくしました!おめでとうございます!!」

一方通行「おう、ありがとよォ」

風斬「勝手に披露宴に紛れちゃいましたが迷惑じゃありませんでしたか?」

一方通行「迷惑じゃねェよ。精々楽しンでけや」

風斬「ありがとうございます!ではここにお友達が居るのでその子の所に行って来ますね!」

一方通行「おォ」

結標「ねぇ、あの子ストーカー紛いじゃないの?」

一方通行「そォかァ?ま、別に見られて困るもンじゃねェし別にいいンだがな」

結標「そう?ならいいんだけど…」

「一方通行!!!」

一方通行「あン?」

「結婚式に呼んでくれないなんて水臭いぞ!!!」

一方通行「この声は…」

結標「なに?あれ」
547 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:38:14.56 ID:QgWjKnZa0
削板「どうして呼んでくれなかったんだ!」

一方通行「オマエには一応招待状を出したが返事が来なかったぞ?」

削板「?」

結標「もしかしてその手に持ってるやつじゃないかしら?」

削板「おお!そういえばそうだった!直接お祝いを言おうと思って一方通行を探してたんだ!!」

一方通行「手紙片手にかァ?」

削板「そうなるな!!」

一方通行「…まァせっかく来たンだ。垣根も居るし楽しめや」

削板「そうさせてもらうぞ!おい垣根!!」

垣根「あ?なんでお前がここに…」

削板「お前、俺を探してたらしいな!」

垣根「いつの話をしてやがる!もう済んだわ!!」

削板「そうか?はははっ!」

一方通行「賑やかだなァ…」
548 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:38:42.36 ID:QgWjKnZa0
結標「そろそろブーケを投げたいわ」

一方通行「ン、頃合だろォな」

上条「お?ブーケトスやんのか?」

一方通行「あァ」

上条「おーい!みんな集まれーブーケ投げるってよー!」


結標「さて、じゃあ投げるわよ」

一方通行「おォ、思いっきりやれ」

結標「ええ、…それっ!」ブンッ

御坂「私が取るわ!!」

佐天「いいえ、私です!」

芳川「何言ってるのあなたたち!私こそがふさわしいわ!!」

初春「お花!!」

番外個体「いや!ミサカが!」

打ち止め「ミサカが取るの!ってミサカはミサわぷっ」

御坂妹「おや失礼、上位個体」ニヘラ

心理定規「私だって…!」

麦野「テメェらどきやがれ!」

「よっ…と」ポスッ

「「「あ」」」
550 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:39:15.82 ID:QgWjKnZa0
木原「悪いなお嬢さん方。今度は幸せになりてぇんだ。おっさんのわがままを許してくれや」

「そ、そんな…」

「結婚の夢が…」

「ミ、ミサ、ミサカの夢が…」

「お花…」

木原「はははぁ!」

「テメェ!今すぐ渡しやがれ!」

木原「おっと…誰が渡すかよばぁーか。へへっ」

一方通行「あのヤロォ…」

結標「いいじゃない。面白いんだから」

一方通行「それもそォだな」

「はははっ」

「おい!根性が無いぞ!」

「なんだそりゃ」

「笑わすな」

「ふふっ」

「あの…喧嘩は…」

「いっしょに笑うんだよひょうか!」

「あ…ははは」

.................................
......................
................
........
....
..
.
551 ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:39:53.39 ID:QgWjKnZa0
垣根「と、言うことがありましたとさ」

上条「いや知ってるし」

垣根「かーっ。分かってねぇなテメェ、しかし巨乳の幽霊ってのは…」

上条「は?いったい何が…」

垣根「そんなことよりよ。今風紀委員に疑われてんだ」

上条「どういうことだ?」

垣根「実は随分前にしたイタズラの犯人として疑われてんだ」

上条「…一方通行に相談しろよ。上条さんにはどうしようもできませんよ」

垣根「それもそうだな。あばよ」

上条「あ、ああ…じゃあな」

上条「…今、朝4時だぞ?」

上条「二度寝するか…」
552 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:40:20.56 ID:QgWjKnZa0
垣根「ちくしょう、風紀委員の奴らめ…毎度どうやって嗅ぎ付けやがる…」

垣根「やっぱ前と同じ方法で監視カメラをジャミングしたのがダメだったか?」

垣根「壊すのはよそうと思ってたが壊したほうがよかったみたいだな…」

垣根「…ま、いつもどおり一方通行に相談するか…」

垣根「このマンションだな…よっ」バサッ

垣根「ん?ほのかに明かりが…」

「ハァ、ハァ・・・・」

「ンッ・・・」

垣根「チッ…」

垣根「なんだよ…愛を育んでやがったか…クソ…」

垣根「…もう朝だぞ?まさかぶっ続けで…」

垣根「出直すか…」

.............................
.....................
..............
.........
.....
..
.
553 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:40:54.76 ID:QgWjKnZa0
佐天「本当なんですか?その話」

初春「本当かは分かりませんけどかなり怪しい話なんです」

白井「かなりというか正直本命だと睨んでますの」

初春「私の花飾りから出た薬物なんですが…市販されてるような薬じゃないんです」

佐天「能力で作られた薬ってこと?でも植物の成長を促進させる能力なんて…」

白井「第二位の未元物質ならありえない話ではありませんの」

御坂「意味の分からなさでは第一位だものね…」

佐天「どうしたんですか?御坂さん」

初春「御坂さんと彼氏さんの写真は彼氏さんの同意のもと垣根さんによって写真コンテストに提出されたんです。ほら、この雑誌です」

白井「辛くも準優勝。多くの方達の目に抱き合ってる姿が晒されましたの」

佐天「それくらいなら別にいいんじゃないですか?」

御坂「それはそうなんだけど…」

初春「まあ、そういう問題じゃないってことですよ。御坂さんは照れ屋さんですから」
554 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:41:22.41 ID:QgWjKnZa0
白井「それよりも、私が催眠にかかった話と初春の頭の花が暴走した話ですの」

初春「でも…たとえ垣根さんが一連の犯人だったとしても」

白井「証拠がありませんの…」

白井「スキルアウトの時と状況が似てるだけ…」

佐天「監視カメラの話でしたっけ?それ」

初春「はい、ていうか犯人だと決め付けてる理由がそれだけなんです」

佐天「えー!それだけで帝督さん疑ってるの!?」

白井「絶対にあの殿方だと思っていますの!」

佐天「どうしてそうだと思うんですか?」

白井「それが街中で会うたびにしつこく…その…お漏らしについての話題を出してくるんですの」

初春「偶然かもしれないんですけどね」

佐天「うーん。まだ分からないなー。でもいたずらされたのって二人だけなんですか?」

白井「いえ、御坂先輩もですの」

初春「白井さん、あれからすっかり御坂さんへの接し方が変わって…」
555 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:41:49.41 ID:QgWjKnZa0
佐天「御坂さんは何されたんですか?」

初春「んー。なんていうか彼氏さんとの行動の一連を公にされたって感じですね」

佐天「それってさっきの写真?」

初春「はい」

佐天「それは帝督さんだってはっきりしてるんだね?」

初春「そうなんですが御坂さんの方は決定的と言える痕跡が無いんです」

初春「写真のことも偶然って言われたらそれまでなんです。何も知らずに一方通行さんと写真を撮ったようにしか見えませんし…」

佐天「じゃあ帝督さんが一連の犯人じゃないんじゃないかな?」

白井「それにしては現れたタイミングがバッチリでしたの」

白井「関連した話題もかなり振られましたし」

佐天「よく分かんないですねー」
556 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:42:17.31 ID:QgWjKnZa0
同時刻とあるコンビニ

垣根「ふーんふふーん」

垣根「おっマガジン見っけ」

垣根「……さて次は…ん?」

垣根「フォトコンテスト?そういえば前に上条の野郎に許可取って写真を送ったっけか…」

垣根「入賞してるとは思えないが…どれどれ」

垣根「お?なんか賞取ってるな…ん?」

垣根「準優勝?チッ…ここでも二位かよ。しかしタイトル、守るべき物は我ながらカッコいいな、うん」

垣根「さてコンビニでさすがに二時間立ち読みはマズイな、この雑誌と適当に買い物してファミレスで時間潰すか…」

垣根「そういえば朝飯は…いやファミレス行くからいいか」

垣根「缶コーヒーと…お菓子と…」
557 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:42:45.38 ID:QgWjKnZa0
店員「いらっしゃいませこんにちは。お一人様ですか?」

垣根「ああ…ん?。いや知り合いが居た、同席いいか?」

店員「はい、どうぞー」

垣根「おう、ありがとな。ところでお嬢さん携帯のアドレスなんかを…」

店員「えっ…私ですか!?」

垣根「おお、そうだ。まあ渡しにくいならいい。俺のアドレスを教えるからそれに連絡を…」

店員「は、はい。わっ…かりました」

垣根「これでも学園都市の二位やってんだ。困った事があったら呼んでくれ」

店員「第二位…」

垣根「じゃあな」
558 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:43:14.28 ID:QgWjKnZa0
黒夜「あ?なんでチンピラがここに?」

麦野「チンピラ?」

絹旗「どうせ超朝帰りの人達でしょう?」

黒夜「いや、そういうんじゃなくて…あっ、こっち来た」

垣根「よおアイテム」

麦野「なんでアンタが出てくるのよ」

垣根「朝飯だ。金髪と浜面はどうした?滝壺はそこで寝てるみたいだな」

麦野「浜面はドリンクバー。フレンダはトイレよ」

垣根「そうか、それより何でテメェが居るんだ?黒なんとか」

黒夜「黒夜だチンピラ」

垣根「垣根だクソガキ。礼儀がなってねぇな」

絹旗「二人とも超落ち着いてください。垣根も浜面の席超空いてますからどうぞ」

垣根「悪いな」
559 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:43:42.35 ID:QgWjKnZa0
フレンダ「あれ?どうして垣根が?」

垣根「朝飯を食いに来たんだ」

フレンダ「ふーん」

垣根「とりあえず店員を呼ぶか」ピンポピンポピンポーン

黒夜「連打だと…」

店員「はい、注文をどうぞ」

垣根「このハンバーグセットとドリンクバー。お前らは何かあるか?奢るぞ」

麦野「あら珍しいわね。じゃあピザお願い」

絹旗「私は…このケーキがいいです」

フレンダ「私はこのマリネなわけよ」

垣根「お前ら…まだ朝だぞ…」

麦野「あんたも人の事言えない注文でしょ」

垣根「まあいいか、以上で」

店員「かしこまりましたー」
560 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:44:11.32 ID:QgWjKnZa0
浜面「あ、あれ?垣根?なんで俺の席に?」

垣根「戻ってきたな。早くそのドリンク置いて俺のコーラ持って来い」

浜面「え?どういう…」

麦野「いいから行ってきなさいよ、ほら」

浜面「は?」

絹旗「はい、ドリンクですフレンダ」

フレンダ「サンキュー」

垣根「早く行け。今度は席じゃなくてお前が消えてるぞ」

浜面「クソッ…行ってくる…」

垣根「おう」

垣根「そうだ、お前らこの雑誌見ろ」

黒夜「写真の雑誌?」

麦野「あんたそんな趣味あったの?」
561 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:44:40.28 ID:QgWjKnZa0
垣根「違ぇ違ぇ、ここだこのページ。ここ見ろ」

絹旗「んん?守るべき物…垣根帝督…?」

フレンダ「ちょっと…これ入賞してる訳よ」

麦野「あらホント、準優勝みたいね」

黒夜「えっと賞品は…っと」

垣根「お?そういえば準優勝だから賞品も出るか。どれだぁ?」

垣根「旅行券だと…?」

麦野「良かったじゃない。心理定規と行ってきなさいよ」

垣根(旅行券か…心理定規と二人きりでもいいが、寂しいな。他に追加で誰か誘うか。あと四人程行けそうだな)

黒夜「どうした?チンピラ」

垣根「いや、どうもしねぇ」

浜面「ほらコーラだ」

垣根「おう、悪いな」
562 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:45:08.86 ID:QgWjKnZa0
店員「お待たせしましたー。ハンバーグセットの方」

垣根「おう俺だ」

店員「ピザの方ー」

麦野「真ん中に置いてちょうだい」

店員「はい、ケーキの方ー」

絹旗「はい、私です」

店員「ご注文、以上でよろしいですか?」

垣根「ああ」

店員「ごゆっくりどうぞー」

浜面「いや、俺の席は?」

麦野「みんなピザいいわよ」

フレンダ「いただきまーす」

黒夜「やっりぃ、いただきまぁす」

垣根「悪いな」

麦野「いやアンタの金だし」
563 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:45:36.34 ID:QgWjKnZa0
麦野「そういえばなんでこんな時間にファミレスにいんの?まだ七時ちょいよ?」

垣根「だから朝飯…あと一方通行に用があるからアイツが起きるまで暇つぶしだ」

麦野「ていうか仲いいわねあんた達。前に殺し合ったって聴いたんだけど」

垣根「もうそんな感情はねぇ。気付いたんだよ、俺のあり方ってやつをな」

垣根「それにそっちの金髪も死んだって聴いたんだがな」

麦野「あんたと同じよ。復活したの」

垣根「そうか。ピザ貰うぞ」

麦野「ええ」

垣根「そういえば絹旗。一方通行が結婚して一週間ぐらい経つがなんか変わったことはあるか?」

絹旗「超変わった事ですか?そうですね、結標さんが家事に率先して参加してるくらいですね」

垣根「ていうかアイツらまだ黄泉川ってヤツのトコに居るんだろ?二人で暮らさねぇのか?」

絹旗「打ち止めや番外個体も居るので超考えてはいないそうですよ?二人のためにも」

垣根「そうか、アイツも離れるのが寂しいんだな。うん」

絹旗「は?」

垣根「今の環境を心地いいと思ってるってことだ」
564 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:46:10.85 ID:QgWjKnZa0
垣根「なあ」

浜面「なんだよ」

垣根「お前、いつまでそうしてるんだ?」

浜面「席が空くまでだよ」

垣根「ずっと立ってられると迷惑なんだが」

浜面「お前が言うか!」

垣根「んでよ、この写真の後ろのウニ頭が一方通行を倒した奴らしいんだよ」

浜面「おい!」

麦野「へぇー、こんな奴が…ビジュアルは完璧に第一位の勝ちだけどね」

黒夜「一体どうやって倒したんだよ」

垣根「普通に殴ってらしいぞ」

麦野「は?反射されんじゃねぇのかよ?」

垣根「そいつの右手、ちょっと特殊でよ」

麦野「?」
565 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:46:37.07 ID:QgWjKnZa0
垣根「触れた能力を消し去る力があるんだってよ」

麦野「いまいち分からないわね」

垣根「つまりよ、お前が原子ビームを撃ったとするだろ?そのビームがそいつの右手に当たった瞬間、綺麗さっぱり消えるんだよ」

垣根「しかもそいつには傷一つ無し」

麦野「触れた瞬間、能力による効果を無効にするって事ね?」

垣根「そうなんだよ。つまり一方通行の反射の膜はウニ頭に殴られた瞬間綺麗さっぱり無くなったわけだよ」

黒夜「つまり殴り成功ってわけかよ」

麦野「信じられないわね」

垣根「何がだ?」

麦野「負けたのがよ。能力を無効にする右手の存在を信じたとして、一方通行が負けたのが信じられないわ」

絹旗「私も超信じられませんね。今だからこそ一方通行はハンデがありますけど、今でも負けるとは思いませんね」

麦野「同意見よ、話聴く限りじゃ能力が関係してなきゃ無効に出来ないのよね」

麦野「一方通行ならそこらへんの物で人殺せるでしょ?わざわざ右手狙う必要無いし。頭狙えば終わりよね」

麦野「それに第一位よ?頭の回転もかなり早い筈よ?明らかに接近戦に持ち込もうとしてる相手だったら戦い方ぐらい変えるでしょ?」

垣根「だよなだよな?」
566 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:47:02.78 ID:QgWjKnZa0
浜面「でも負けたんだよな?」

垣根「…ああ、そうだよ」

麦野「勝とうと思えば勝てたはずよね、それ」

垣根「ああ、絶対そうだ。だけど一方通行は負けた。俺はわざと負けたんじゃねぇかって思ってる」

麦野「なんでわざわざ?っていうかその一方通行が負けた日って…」

フレンダ「私達が研究所のネズミの駆逐を依頼された後ってわけよ」

垣根「まあ時期はよく分からねぇがそうなんだろうな」

麦野「確か第三位のクローンを殺害するって内容の実験だったな…」

浜面「わざと負けたにしてもなんでわざと負けたのか…って話だよな」

垣根「まあ、そうなんだよ」

黒夜「そんなの決まってるじゃねぇか」

垣根「は?なんか分かるのか?」

黒夜「殺したくなかったからだよ」

垣根「ま、それでいいか。多分誰にも分からねぇだろうしな」

麦野「第一位の考えることね…」

絹旗「私は少し分かる気がします…」

垣根「そうか、ならいいじゃねぇか。せっかくだから昼間で付き合ってもらうぜ?」

麦野「まあ暇だからいいけど」
567 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:47:30.12 ID:QgWjKnZa0

店員「ありがとうございましたー」

垣根「ふぅ、じゃそろそろ行くかな。お前達はどうするんだ?特に窒素共」

絹旗「私はもう少し麦野達と一緒に居ます」

黒夜「私もかな」

垣根「そうか」

麦野「さて、次はどこに行こうかしら」

滝壺「よくねむれたよ」

浜面「よかったな」

フレンダ「結局滝壺は今起きた訳ね」

垣根「じゃあなアイテム。また会おうぜ」

麦野「ええ、またいつか会いましょ」

滝壺「じゃあねかきね」

絹旗「では」

黒夜「あばよ」

フレンダ「結局またねって訳よ」

浜面「ていうか結局座れなかったなー」
568 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:47:58.86 ID:QgWjKnZa0
ピンポーン

結標「はい、どなた?」

『俺だ結標淡希』

結標「あら、垣根帝督。一方通行に用事かしら?」

『そんなとこだ、とりあえず上げてくれ』

結標「どうぞ」


垣根「邪魔するぜ」

結標「一方通行は部屋よ」

垣根「おう悪いな」ガチャ

垣根「起きてるか?一方通行」

一方通行「ン?垣根か?なンの用だ?」

垣根「とりあえず、ほら。コーヒー」

一方通行「おォ、…温いな」

垣根「買って結構経つからな」

一方通行「まァいいか」

垣根「まずはこれを見てくれ」

一方通行「雑誌?」

垣根「前に二人で写真撮ったろ?上条と第三位をバックに撮ったやつ」

一方通行「あれか」

垣根「その写真をコンテストに送ったらなんと準優勝したわけだよ」
569 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:48:29.16 ID:QgWjKnZa0
一方通行「この守るべき物ってやつか?」

垣根「そうそう」

一方通行「どォいうコンセプトだよ」

垣根「は?まずはお前との友情だろ…それと後ろの奴らの笑顔を守る物としてるってわけだよ」

一方通行「あ、そォ。ンで本題は?まさか準優勝を伝えに来たわけじゃねェよな?」

垣根「実は風紀委員の奴らに疑われてるんだ」

一方通行「またなンかやったのかオマエ?」

垣根「またじゃねぇよ。前にお前としたいたずらで目を付けられてるんだ」

一方通行「へェ。なンでまた」

垣根「白井の時に監視カメラを前と同じ方法でジャミングしたのがダメだったらしい」

一方通行「ジャミングなンかしてたのか」

垣根「じゃねえと大量の第三位がカメラに写っちまうからな」

一方通行「なるほどォ?」

垣根「俺は捕まりたくねぇ。どうしたらいい?」

一方通行「どォって…」
570 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:48:53.63 ID:QgWjKnZa0
一方通行「とりあえずとぼけてればいいンじゃねェか?」

垣根「相手は風紀委員だぞ?そんなものが通用するかね?」

一方通行「さァな」

垣根「俺にいい考えがあるんだ。俺とお前なら絶対うまくいく飛びっきりのやつが」

一方通行「…」

垣根「相手はいわば女子中学生だ」

一方通行「何を考えてやがる」

垣根「適当に口説いて懐柔すればいいんだよ」

一方通行「一人で頑張れよォ?」

垣根「なに言ってんだ」

一方通行「俺はオリジナルを口説くなンて嫌だぞォ」

垣根「そいつはどうでもいい」

一方通行「そォか、ンじゃちょっと待ってろ」ガチャ

垣根「おう」

垣根「ふっ…これで風紀委員の奴らとのくだらない争いも終わりだな」

571 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:49:23.42 ID:QgWjKnZa0
一方通行「待たせたな」

垣根「何してたんだ?」

一方通行「一応淡希にこれからやること説明してきた」

垣根「何だって?」

一方通行「他の女に好きだって言わなければ別にイイわ、だと」

垣根「理解があって助かるぜ」

一方通行「ンで?どォすンだ?」

垣根「とりあえずこっちから行くとアウトだから適当に街を歩いて遭遇したら作戦開始だ」

一方通行「作戦内容を教えてくれませンかねェ?」

垣根「ああ、もちろんだ」

一方通行「…」

垣根「…」

一方通行「…」

垣根「以上だ」

一方通行「うまくいくのかァ?コレ」

垣根「分からないが一応未元物質でサポートしながら行動する」

一方通行「そォか」

垣根「んじゃ行くか」
572 ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:49:53.73 ID:QgWjKnZa0
ショチトル「おい、起きろ数多」

木原「あぁ?んだ?おい」

ショチトル「これを見てくれ」

木原「封筒?なんだよこれ…おい海原」

海原「先日応募したクロスワードの賞品です」

ショチトル「そういうことだ」

木原「確か旅行券だったか?」

海原「ええ、木原さんのお陰ですよ」

木原「そうか?何もしてないような気がするんだがよ」

ショチトル「いや、私の知識だけでは無理があった。感謝するよ」

木原「そうか」

海原「さて、自分はこれから行く所があるので」

ショチトル「そうか、いってらっしゃい」

木原「帰ってくるとき飯頼むぜぇ」

海原「はい、では」
573 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:50:23.79 ID:QgWjKnZa0
一方通行「おい」

垣根「なんだ」

一方通行「今日暑くないかァ?」

垣根「そうだな…っていうか俺の作ったチョーカーなら常時反射出来るだろ!」

一方通行「いや、なンか反射しない日常に慣れたっていうかァ」

垣根「…まあなんでもいいわ」

一方通行「ン?」

白井「見つけましたわ!」

垣根「別に隠れてるつもりはねぇけどな」

初春「ま、待ってください白井さん!」

佐天「遅いよー初春」

白井「お話、聴かせてもらいますわよ」

垣根「そんな事よりもさー遊びに行こうぜ。なんか暑いしやる気でねぇよ」

白井「はぁ?何を…」

佐天「いいですね!それ!」
574 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:50:54.86 ID:QgWjKnZa0
白井「佐天さん!?」

佐天「いいじゃないですか!」

初春「ちょっと佐天さん!」

佐天「いいじゃんいいじゃん。どっちにしろ犯行の明確な証拠も無いんでしょ?」

白井「それはそうですが…」

佐天「こうやって一緒に遊んだ所でぽろっとボロを出すかもしれませんよ?」

白井「…」

初春「どうするんですか?白井さん」

白井「分かりました、ここは佐天さんに従いますの」

垣根「決まりだな。じゃあとりあえず地下街に行こうぜ」

初春「一方通行さん」、どうしたんですか?」

一方通行「いや、なンでもねェ」

初春「そうですか?じゃあ行きましょう」グイッ

一方通行「お?おォ」
575 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:51:22.69 ID:QgWjKnZa0
佐天「ところで帝督さんの能力ってどんなことが出来るんですか?」

垣根「ん?なんでも出来るぜ?」

初春「なんでも…ですか?」

一方通行「そうだなァ。確かに俺よりなんでも出来るなそいつの能力なら」

白井「第一位よりもなんでも、ですの?」

一方通行「あァ、かなり便利な能力だなァ」

佐天「じゃあ人に催眠を掛けたりとか物の成長を促進させれたりするんですか?」

垣根「やったことは無いが出来るんじゃねぇのか?」

佐天「やったことは無い、ですか?」

垣根「考えたことも無いな」

初春「なかなか尻尾出しませんね」

白井「そう簡単にはいきませんの」

一方通行「…」
576 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:51:51.60 ID:QgWjKnZa0
垣根「そんなことよりもさー涙子ちゃん達は彼氏とか居ないのか?」

一方通行(来たか…)

佐天「えー?居ませんよそんなの」

初春「私も居ませんねー」

白井「私もですの」

一方通行「もったいねェなァおい」

初春「えっ?どういう意味ですか?」

一方通行「オマエらはよォ、見た目はメチャクチャ可愛いンだからそれがもったいねェと思ってんなァ」

佐天「あれ?一方通行さん、結標さんがいながら私達のこと口説くつもりですか?」

一方通行「そォいうわけじゃねェ。けどよォ残念だろうがよォ」

一方通行「白井も見た目はピカイチなのによォ」ズイッ

白井「え?はあ、どうもですの?」

垣根(そいつは任せたぜ一方通行、そろそろ警戒心を解かさねぇとな)フワッ

一方通行(始めたか…ってかコレやってること最低だよなァ)
577 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:52:29.01 ID:QgWjKnZa0
初春「でも白井さん、男の人に興味無いんじゃ…」

白井「いえ、それがあの事件以来考えが変わったというか…」

佐天「つまり男性OKなんですね?」

白井「え、ええ。まあそうですわね」

垣根「じゃあ丁度いいじゃねぇか。これを期に仲良くなろうぜ?俺達」

白井「それもいいですわね」

佐天「乗り気ですね白井さん!」

白井「まあたまには、ということで」

一方通行「じゃあ俺と話そうぜ?」

白井「一方通行さんとですの?」

一方通行「あァ、個人的に気になってたしよォ。ダメかァ?」

白井「いえ、そんなことはありませんの。ではお願いしますの」

一方通行「おォ、よろしくな。くっ…黒子?」

白井「名前で……ええたくさんお話をしましょう」

垣根(…さすが第一位だぜ。女の扱いもお手のものってか?)

初春「なんかいい感じですねー」

佐天「うん、それに珍しいね。ちょっと顔を赤くさせてる白井さんって」

垣根「まあこういう経験が初めてなら仕方ねぇ」

垣根「俺達も色々とはなそうぜ?ちょうどそこにハンバーガー屋があるしよ」

初春「じゃあ入りましょうか?」

垣根「おう、一方通行達も入るぞ」

一方通行「おォ」

白井「…」

佐天「?」
578 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:52:56.63 ID:QgWjKnZa0
垣根「それでよぉ、学校に気になる奴とかいねぇのか?」

佐天「学校の男子達は友達感覚ですね。親しく話す男子は居ますけど特にそんな感情には…」

初春「私はほとんど話しませんねー」

垣根「へぇー。じゃあ俺が彼氏に立候補しようかな?」

佐天「またまたー心理定規さんはどうするんですか?」

垣根「確かに心理定規も好きだが…今は君達だな

初春「以外と軽いんですねー」

垣根「まあな」

白井「そんなことが…」

一方通行「おォ、あれで結構助けられてるンだわ、垣根には」

一方通行「だからよォ、スキルアウトの事はともかく垣根がいたずらなんてする訳がねェと思ってンだよ」

一方通行(これでいいンだろ?垣根)

白井「でしたら考えを改めなくてはいけませんの」

一方通行「ぜひともそォしてくれ」

白井「それと一方通行さん」

一方通行「あン?」

白井「私、もっと一方通行さんの事が知りたいんですの。もしよろしければもっとお話を聴きたいんですの…」

一方通行「…あァイイぜ…?」
............................
...................
.............
........
....
..
.
579 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:53:27.26 ID:QgWjKnZa0
佐天「いやー楽しかったです!」

垣根「そりゃ何よりだ」

初春「私垣根さんの事いたずらの犯人だと思ってました。でも今日お話してそんなことする人じゃないって分かりました」

垣根「そうか、疑いが晴れてなによりだ」

白井「そうですわね、色々なことも知りましたし。今度からはその人の本質もちゃんと知っておかないといけませんわね」

垣根「まあ特に気にしてはいねぇ」

白井「では私たちはこれで。一方通行さん、今日は楽しかったですのこんなに長く殿方と会話する日が来るなんて思ってませんでしたの」

白井「もし一方通通行さんがよければまたお会いしてお話をさせてほしいんですの」

一方通行「あァ、いいンじゃねェのか?」

初春「じゃあ行きましょうか?」

白井「ええ、ではまたお会いしましょうお二人とも」

佐天「連絡くださいねー帝督さん」

垣根「おう、気をつけてな」

一方通行「じゃァな」

垣根「行ったか…」

一方通行「成功かァ?」

垣根「ああ、大成功だ」

心理定規「ちょっと」

垣根「!?」
580 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:53:53.46 ID:QgWjKnZa0
垣根「心理定規じゃねぇか!どうしたんだ?」

心理定規「地下街服を見に来たんだけど…貴方達何してたのかしら?」

垣根「ほら、昨日話した…」

心理定規「能力のレベルが上がらなくて悩んでる女の子ってやつ?」

垣根「そうだ」

心理定規「ふぅん…相談に乗ってただけ?」

垣根「おう、間違いねぇ。な!一方通行」

一方通行「あァそうだなァ」

心理定規「貴方は奥さんというものがありながら…知られたら泣くわよ?」

一方通行「心配いらねェ、ちゃンと許可取ってきたからな」

心理定規「そう、ならいいわ。じゃあ帰りましょ?帝督」

垣根「おう、帰るか。じゃあな一方通行また連絡するぜ」

一方通行「おォじゃァな」

「そういえば貴方宛に手紙が届いてたわよ」

「手紙だと?」

「ええ、なんか写真がなんとかって…」

「一方通行さん!」

一方通行「ン?」
581 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/14(土) 20:54:22.14 ID:QgWjKnZa0
海原「やっと見つけましたよ」

一方通行「どうしたァ?」

海原「先日、ショチトルとやったクロスワード。覚えてますか?」

一方通行「おォ」

海原「実は旅行券が当たりましてね、かなりの人数を連れて行けるのでどうかとおもいまして」

一方通行「ほォ、誘ってくれてンのか」

海原「ええ、どうですか?温泉旅行なのですが…」

一方通行「考えとくわァ」

海原「良いお返事、期待しています」

一方通行「おォ、ンじゃな」

海原「ええ、自分は買い物があるのでこれで。後日ご連絡しますね」

一方通行「あァ」

一方通行「旅行かァ………ン?」

590 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:30:02.44 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「ただいま」

黒夜「帰った」

芳川「二人ともお帰りなさい、随分長い間居なかったわね」

絹旗「ええ、友人達と長い間遊んでいましたので…」

黒夜「兄ちゃんは帰ってんのか?」

芳川「リビングで打ち止め達と一緒に居るわよ」

黒夜「そうか」

番外個体「ねぇーアナタは家から出て行かないの?」

一方通行「はァ?出てって欲しいンかよ」

番外個体「べっつにー、ただ二人きりになれないのはどうなのかなーって」

一方通行「淡希もこの状態でイイって言ってンだァ、オマエらの事もあるし俺もこれでイイと思ってるンだけどよォ」

打ち止め「ミサカたちの事心配してくれてるのー?」

一方通行「まァそンな感じだ」

黄泉川「おお、帰ってきたじゃんか、もうご飯だから準備するじゃんよ」

絹旗「はい」

黒夜「ういっす」
591 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:31:16.91 ID:jv0sfwaZ0
黒夜「そういえば今日チンピラに会ったぜ」

一方通行「チンピラ?…あァ垣根か。ンで?」

黒夜「なんか写真がどうたらって自慢してきた」

一方通行「へェ、オマエらも会ったのか」

絹旗「そういえば一方通行のトコに超行くって言ってましたね。今日は何してたんですか?」

一方通行「まァイロイロとなァ」

絹旗「そうですか」

黄泉川「そういや一方通行」

一方通行「あン?」

黄泉川「二人とも新婚旅行に行ってないじゃんよ」

一方通行「俺もさっき気付いた」

黄泉川「行かないじゃんか?」

一方通行「イヤ…場所を考えてるだけだ。海原が温泉旅行に連れてってくれるとか言ってたし…それにあやかってもイイなァ」

黄泉川「まあちゃんと行っといたほうがいいじゃんよ。家ぐらいなんとかなるから、行って来たらどうだ?」

一方通行「淡希がそれでいいンなら行くが…」

黄泉川「どうじゃんよ、結標」

結標「私は別にそれでいいわよ。今から色々と手配するのも大変でしょ?」

一方通行「そォか?ンじゃ…」
592 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:31:43.94 ID:jv0sfwaZ0
垣根「は?旅行?」

『ええ、そうです。他にも色々とお誘いしますので垣根さんもどうかと思いまして…』

垣根「あー実を言うと俺も旅行券を当てたんだわ」

『おや、垣根さんもクロスワードを?』

垣根「いや、ちょっとしたコンテストで準優勝してな」

『そうですか、困りましたね…無理にお誘いするわけにもいきませんし…』

垣根「ちなみにどんな旅行だ?」

『ちょっとした温泉旅行です。今居る第七学区を少し外れて第三学区にある温泉施設の…』

垣根「ん…?それって新しく出来た外来用のヤツか?」

『ええ、ご存知で?』

垣根「いや、俺の旅行券とおんなじトコだ」

『ふむ…どうしましょうか?』

垣根「俺は一方通行とか適当なメンバー誘って行く気だったんだよ」

『そちらの券は何人までの物でしょうか?』

垣根「六人だ」

『そうですか、でしたら気にする事はありません。垣根さんの誘いたい人を誘って行ってください』

『どうせ行き先は同じなのですから。それにこちらは少しばかり人数に融通が利きますからね』

垣根「そうか、じゃあこっちはこっちで揃えて行くわ」

『ええ、会えたらその時会いましょう。ではこれで』

垣根「ああ」
593 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:32:09.62 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「海原に繋がんねェな」

結標「話中じゃないの?」

一方通行「多分なァ…」

ヴーッヴーッヴーッ

一方通行「電話」

結標「海原からかしら?」

一方通行「いや垣根だ…なンだ?」

『旅行に行くぞ一方通行』

一方通行「あン?あいにくだが旅行は海原達と一緒に…」

『海原からは許可は貰った。六人までいけるからお前らで内二人になれ』

一方通行「海原から?ンじゃ別にイイか。どうすりゃイインだ?」

『残りはこっちでそろえておく。明日、七学区のターミナルに来い。温泉旅行だからそこんとこヨロシクな』

一方通行「場所はどこなンだ?」

『第三学区、学園都市内のちっぽけな旅行だが普段は滅多に行かねぇ場所だ。っつーか都市外だったら外出許可はまず降りねぇだろ』

一方通行「そういやそうか」

『というわけだ。時間は…10時でいいか…』

一方通行「10時にターミナルだな。分かった」

『遅れんなよ、じゃあな』

一方通行「あァ」
594 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:32:39.31 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「決まりだ、出発は明日。温泉旅行らしィな」

結標「じゃあ準備しないとね。日帰りかしら?」

一方通行「一泊ぐらいするンじゃねェか?よく分からねェが」

結標「まあ適当に準備するわね」

芳川「第三学区の温泉に行くの?」

一方通行「聴こえたのかァ?」

芳川「ええ。私の言いたいこと分かるかしら?」

番外個体「ミサカも言いたいことがるんだけど…」

一方通行「…土産かァ?」

番外個体「うん」

芳川「おいしい物よろしくね」

打ち止め「温泉?」

絹旗「おそらく第三学区に新しく出来た外来用の超立派な所でしょう」

黒夜「確かホテルも凄い豪華なのがあったな…」

打ち止め「ミサカも行ってみたーい、ってミサカはミサカはおねだりしてみる!」

黄泉川「今回は邪魔しないであげるじゃんよ打ち止め」

芳川「それに一泊なんて調整の関係上少し難しいわ、諦めるのね」

打ち止め「ぶぅー」
595 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:33:09.15 ID:jv0sfwaZ0
翌日、ターミナルにて

一方通行「ふァ……アイツらまだ来てねェじゃねェか…」

結標「53分…確かに発案者としては少し遅いわね…」

一方通行「お?来たみてェだな」

垣根「よう、待ったか?」

一方通行「待った」

垣根「…そうか」

心理定規「おはよう二人とも」

結標「心理定規、おはよう」

一方通行「その担いでンのは誰だァ?」

垣根「第三位と上条だ」

一方通行「なンで担いでンだ?」

垣根「上条はモタモタしてたから、第三位は恥ずかしがって動こうとしねぇ。だから気絶させて無理やり連れてきた」

一方通行「そォか」

垣根「さ、バスが出る。早く乗ろうぜ」
596 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:33:37.37 ID:jv0sfwaZ0
上条「はっ!ここは…?」

垣根「おはよう幻想殺し、ここはバスの中だ」

上条「いつのまに…ていうか俺は自宅でインデックスを説得してたような…」

垣根「時間が無かったから気絶させた。インデックスは小萌のトコに預けてきた、だから安心しろ」

上条「そうか?すまないな。ところで俺の荷物は…」

垣根「荷物?第三位は持ってたがお前は荷物なんて持ってなかったぞ?」

上条「それはまだ準備が終わってなかったからだよ!」

垣根「そうか、おい起きろ第三位」

上条「不幸だ…」

御坂「ん…」

垣根「…」バチッ

御坂「ひょわっ!」

垣根「おはよう第三位」

御坂「なになに!?今何が起きたの!?」

心理定規「あれって何したの?」

一方通行「能力使って強い静電気起こしたんだろ。ご丁寧にオリジナルが反応する無害な有害な静電気だァ」

結標「ずいぶん雑な起こし方ね」
597 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:34:31.28 ID:jv0sfwaZ0
垣根「今静電気が起きたみたいだな」

御坂「ウソよ!静電気程度なら私に通用するはずが…能力ね!能力を使ったのね!?」

垣根「うるせェな。コーラ飲め、ほら」

御坂「コ、コーラ!?」

上条「なあ、その薬後で俺にもくれよ、大量にさ」

垣根「分かった、後でやるよ」

御坂「ふぅ、不思議と落ち着いてきたわね。やっぱり電気と炭酸は相性がいいのかしら?」

垣根「ははっ、聴いたか今の?電気と炭酸は相性がいいのかしら?だってよ」

一方通行「あァ聴いたよ」

上条「なに言ってるんだよ美琴…」

御坂「えっ!?なに、私がおかしいの!?」

御坂「ていうかなんで私バスに乗ってるのよ」

垣根「お前がなかなか動こうとしないから気絶させたんだよ」

御坂「なんで動こうとしなかったのかしら…」

垣根「さぁな」
598 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:35:22.82 ID:jv0sfwaZ0
御坂「ていうかあんたあの写真!」

垣根「なんだ?薬が効いてないのか?」

一方通行「いや、三下が肩を抱いてるから効いてるハズだァ」

垣根「こういう興奮には効き目がないのか…」

御坂「ちょっと!聴いてるの?」

垣根「聴いてない」

御坂「きーっ!」

心理定規「ちょっと、落ち着きなさいよ」

御坂「えっ誰?」

垣根「そういや俺達は顔見知りの仲だが女達はそうでもねぇんだな」

上条「ちょっと、そこは仲いいとかって言ってくださいよ!」

垣根「…ま、仲良くしようぜ幻想殺し」

心理定規「私は心理定規って言うの、淡希とは…知り合いよね?」

御坂「え、ええ」

心理定規「美琴って呼ぶわね、よろしく」

御坂「よろしく」
599 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:35:48.95 ID:jv0sfwaZ0
上条「なあ、ていうか何でこのメンバーなんだ?」

垣根「まず招待できる人数が六人なんだよ」

垣根「偶数ならとりあえず男と女で半々だろ?」

垣根「誘うなら当然仲のいい男女間じゃなきゃダメだろ?親しくなくてもとりあえずなんとかなる」

垣根「だからお前と一方通行、どちらも彼女持ちを選んだわけだよ」

上条「垣根は?」

垣根「は?」

上条「いや、だから心理定規。彼女なんだろ?」

垣根「いや?」

上条「えっ?違うの?」

垣根「傍に居てやるとは言ったが付き合うとは…俺もアイツもそんなこと言ってないしな」

上条「…」

結標「というわけなのよ」

心理定規「へぇーいいじゃない、お互いの髪の色のリングだなんて」

御坂「一方通行だからこそ出来る話よね、普通なら黒とか茶になっちゃうものね」

心理定規「でも綺麗ね、白いリングだなんて、ちゃんと光沢のある白だし」

一方通行「zzzZ」
600 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:36:17.99 ID:jv0sfwaZ0
結標「ほら、一方通行のだって…あら?」

心理定規「寝てるわね」

一方通行「zzz」

結標「いつもはお昼に起きてるから、今日は早起きだったもの。でもちょうどいいわ、ちょっとゴメンね」ヒョイ

御坂「これね、赤いリング」

心理定規「さすがにメッキとかの安い光方じゃないのね」

御坂「そりゃーせっかくの指輪だもの、相応に綺麗じゃないと…」

心理定規「あら、美琴はそういうの求めるタイプなの?」

御坂「どういうこと?」

結標「自分にはちゃんとお金掛けてほしい?ってこと」

御坂「まさか、お金より愛情よ。お金なんてどうにでもなるもの」

結標「そういえばお互いにレベル5捕まえてるのよね」

心理定規「言われてみれば…美琴もレベル5だものね?」

御坂「そういえばあんたたちの能力って…」

結標「私は説明する必要あるのかしら…触る必要の無いあなたの後輩さんの能力よ」

心理定規「私は…そうね、人の心の距離を自在に調節できる能力よ」

御坂「それってどういう…」
601 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:37:09.76 ID:jv0sfwaZ0
結標「実際にやってみたらいいんじゃない?」

心理定規「そうね、じゃあ」

御坂「え?え?」

心理定規「距離単位10」

御坂「!?」

心理定規「ねえ、今どんなパンツをはいてるのかしら?」

御坂「えっ、ゲコ太の…って」

結標「ゲコ太?」

心理定規「まあこんな感じね」

御坂「??????」

心理定規「今美琴と私の心の距離をあっちのツンツンくん並にしたの」

心理定規「つまり、美琴はツンツンくんにパンツの柄を聴かれたら答えるってことね」

結標「ねえゲコ太って」

心理定規「私の記憶が正しければキャラ物だったはずよ」

御坂「はっ!べっ別にいいでしょ?」

結標「まああなたがどんなパンツはこうが私達には関係無いし…」

心理定規「そうね、全くその通りだわ」
602 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:37:37.08 ID:jv0sfwaZ0
垣根「ほいあがり」

上条「なんでババ抜きで一回も勝てないんだ…」

垣根(手札が窓ガラスに映ってんだよバーカ)

上条「やはり不幸な上条さんに勝利は…」

垣根「次はウノやるか、おい一方通行起こしてくれ」

心理定規「ちょっと起きてちょうだい、帝督が呼んでるわよ」ユサユサ

一方通行「zz…あっ…?」

結標「呼んでるわよ」

一方通行「お…なンだ?」

垣根「ウノやるぞ」

一方通行「ルール分かンねェぞ」

垣根「ほら、パッケージの裏見ろ。お前ならすぐ理解出来るはずだ」ポイ

一方通行「…ン」スッ

御坂「まさかホントにすぐ理解出来るの?」

心理定規「仮にも第一位よ、すくなくともここに居る誰よりも頭がいいはずよ。ねぇ淡希」

結標「そう信じてるわ」

心理定規「第一位を夫に持つなんてそれだけで勝ち組よ、凄いわホント」

603 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:38:22.47 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「覚えた」

垣根「よし、こっち来い」

一方通行「あァ」

御坂「待った!」

垣根「なんだ」

御坂「私も入れてちょうだい」

垣根「なんで」

御坂「ルール覚えたての今なら一方通行に勝てるかもしれないわ」

垣根「ちゃちいライバル視だな。まあいいぜ入れよ」

垣根「心理定規達はどうするよ」

心理定規「私達は遠慮するわ」

結標「見てるほうが面白そうだしね」

垣根「そうか、んじゃ始めるか」
604 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:39:24.81 ID:jv0sfwaZ0
御坂「緑リバース」

一方通行「赤リバース」

御坂「くっ…赤4」

垣根「赤ドロー2」

上条「緑赤黄ドロー2」

一方通行「ドロー4それと…ウノ」

御坂「……黄スキップ」

上条「黄リバース」

垣根「黄スキップ、ウノ」

御坂「…」

一方通行「黄ドロー2…あがりだァ」

上条「黄青青青ドロー2、ウノ」

垣根「なんでそんなに役札だけなんだよ…」

上条「役札しか来ないんですけど…」

垣根「ドロー4、あがり」

御坂「……」
605 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:39:52.99 ID:jv0sfwaZ0
上条「珍しくビリじゃありませんでしたよ!」

御坂「ねえ、役札じゃあがれないんじゃないの?」

垣根「そりゃハウスルールだ」

一方通行「チョロいゲームだったな」

垣根「ここでも二位とはな」

御坂「はぁ…」

上条「どうしたんだよ美琴」

御坂「そりゃ凹むわよ…ルール覚えたての一方通行に負けるわ…アンタにさえ負けるなんて…」

上条「そうか?楽しかったからいいだろ?」

御坂「そうね…」

心理定規「とんでもないウノね」

結標「最初美琴が優勢かと思った結果がアレよ」

垣根「所詮は第三位、頭脳戦でも敵じゃねぇな」

一方通行「そろそろかァ?」

垣根「みたいだな、準備しとくか」

上条「あの…着替えとかは…」

垣根「ずっと浴衣着てろよ、な?」

上条「…」
606 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:40:20.49 ID:jv0sfwaZ0
御坂「んーっ」

上条「長いバス旅だったぜ」

一方通行「そンな感じがするなァ」

心理定規「随分と緑も多いのね」

垣根「温泉の雰囲気も大事するってことで自然もかなり増やしたらしい」

結標「学園都市とは思えないわね」

垣根「まあとりあえず部屋に行こうぜ」

一方通行「だなァ」


上条「12階…の3号室…と2号室か…」

一方通行「どォいう部屋分けにすンだ?」

垣根「男女で3:3に別れる」

御坂「当然よね」

心理定規「え?」

結標「当然??」

御坂「え?何?まさか一緒の部屋で寝るとか大丈夫なの!?」

結標「まあ、夫婦だし」

心理定規「特別なんとも思わないわね」

御坂「えー」
607 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:40:49.55 ID:jv0sfwaZ0
麦野「っしゃあ!あがりぃ!!」

風斬「あー!」

海原「おや、負けてしまいましたか」

絹旗「なんということでしょうか…あと少しだったのに…」

黒夜「またビリかよぉ」

フレンダ「結局レベルが高いとゲームの勝率も高い訳!?」

浜面「落ち着けよフレンダ」

ショチトル「惜しかったな」

滝壺「わたしも、あとすこしだった」

削板「クソっ!悔しいぞ!」

土御門「あーあー」

番外個体「ミサカまた負けちゃった」

木山「少し危なかったな」

木原「つかよぉ、お前ら…そんな人数でババ抜きして楽しいか?」

木原「それにまだ終わってねぇだろ、なんで一人抜けた時点でゲーム終了にしてるんだよ」

海原「木原さん、頂点以外など意味無いのですよ?」

土御門「そういうことだ」

木山「実に面白かったぞ、木原博士も一緒にどうだ?」

木原「いや…やめとく」

海原「ん?そろそろですね」
608 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:41:19.34 ID:jv0sfwaZ0
浜面「おーアレがホテルか!随分立派だな!」

木山「確かに、かなり大きいな」

海原「もう一方通行さん達は着いてるでしょうか?」

土御門「もう昼過ぎになるし着いてるんじゃないか?」

麦野「早く温泉に入りたいわね」

フレンダ「私もよ」

絹旗「ですがタイミングを選ばないと浜面に超覗かれるかもしれません」

麦野「それもそうね、わざわざ宣言して入るのはアタリじゃないわね」

浜面「おい!」

番外個体「やーん、ミサカも覗かれちゃうのー?」

黒夜「そんなことしたら兄ちゃんが黙ってねぇぞ」

浜面「覗かねぇよ!!」

ショチトル「浜面は覗きをするのか?」

木原「多分するぜ?そんな面してやがる」

浜面「あんたも何言ってるんだよ!」

削板「覗きなんて男らしくないぞ!見るなら堂々と見ろ浜面!!」

滝壺「じゃあはまづらはおとこじゃないのかな?」

浜面「…」
609 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:41:46.17 ID:jv0sfwaZ0
男部屋

上条「すげぇ!学園都市中が見えるぞ!」

一方通行「あそォ」

垣根「窓の無いビルも見えるな」

上条「すげーなー。上条さんだけだと一生拝めない景色かもしれませんよ」

垣根「お前はどれほど貧乏なんだよ」

上条「ドが付くほど…」

垣根「…とりあえず浴衣になれよ。な?」

上条「まだ早いだろ…」

女部屋

結標「ひっろーい!」

心理定規「ホントね」

御坂「こんな景色も見れるのね」

結標「自然と科学が混ざってるすごい景色…」

心理定規「滅多に見れるものじゃないわね…」
610 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:42:23.06 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「てかよォ」

垣根「あ?」

一方通行「旅行券ってわりには質素だよなァ」

垣根「旅行券っつーよりは、なんだ?この温泉の招待券みたいなもんだな」

上条「旅行券と招待券は全然違うんじゃ…」

垣根「届くまでは俺も旅行券だと思ってたんだ、それが中身を見てみると招待券だったわけだよ」

一方通行「まァどっちでもいいがなァ」

垣根「だろ?結果として旅行みてぇなことになってんだしそれでいいよな」

上条「俺はいかにもこんな高級そうな所に連れて来てもらったんだ文句の一つもないよ」

垣根「当たり前だ、文句なんていったら女湯に突撃させんぞ」

一方通行「黒焦げになるか、真っ裸で外に放りだされるか、それとも知られたくないような事を喋るか。そのどれかだなァ」

上条「なんですかそれは…」

垣根「下手すりゃ全部だな」

一方通行「あァ」

垣根「とりあえずどうするよ?」

一方通行「風呂に行く時間でもねェしな…」

上条「じゃあお土産見に行こうぜ、明日じゃ遅いしよ。一泊なんだろ?」

垣根「いや二泊だ」
611 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:42:49.12 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「そォか、ンじゃなお更何やったらいいか分かんねェな」

垣根「…」

上条「…」

一方通行「…」

垣根「とりあえず外に出て温泉街でも見てくるか…」

一方通行「そォすっか」

上条「待った!」

垣根「?」

上条「せっかく温泉街に行くんなら浴衣着て行こうぜ」

垣根「はぁ?」

一方通行「…」

上条「そんなイヤそうな顔するなって…ほら!」

一方通行「チッ」

垣根「仕方ねぇな」

上条「そうそう」
612 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:43:21.12 ID:jv0sfwaZ0
上条「女の子達はどうすんだ?」

垣根「さぁな、まあとりあえずは別行動だ。たまにはこういう別れ方もアリだろ」

上条「そうか」

垣根「さて、どっちから出ればいいんだ?」

上条「普通にここから出ればいいんじゃないか?」

一方通行「違ェ、こっちだ。ホテルの裏から出てくンだよ」

垣根「おっ、マジか」

上条「へぇー、直通してんのか?」

一方通行「どォやらこのホテルの敷地内に温泉街が存在してるらしィな」

上条「温泉って天然物なのか?」

垣根「…いや、見る限り人工の温泉がほとんどみてぇだな。天然物もあるにはあるが数は多くねぇみたいだ」

一方通行「限りなく天然に近づけた人口…って感じだなァ」

上条「ふーん、随分と広いみたいだな…」

垣根「ま、行こうぜ。女達には別行動の連絡はしとくからよ」

一方通行「よし、行くかァ」

上条「おう」
613 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:43:55.58 ID:jv0sfwaZ0
心理定規「…」

結標「携帯、光ってるわよ」

心理定規「うん」

御坂「…」

心理定規「ふー、っと」

結標「誰から?」

心理定規「帝督から…別行動にするって」

御坂「私達はとっくに別行動してるのにね」

結標「そうね」

心理定規「…ところで、この足湯ってどうなの?」

結標「気持ちいいけど…わりと普通ね」

御坂「次は天然のに行ってみない?」

心理定規「それもいいわね」

結標「じゃ動こうかしら…」
614 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:44:25.10 ID:jv0sfwaZ0
麦野「なんで一緒の部屋なんだよ」

海原「ちょうどシーズンでして…」

土御門「この人数で部屋を用意するのは少し無理があるって話だったな」

海原「大部屋が空いてたのでこちらからお願いしました」

麦野「…」

海原「一つの部屋でギュウギュウにすし詰めになるのもどうかと思いまして」

麦野「なんのための招待券なんだよ」

海原「実は自腹で券を増やしまして…想定されていた人数をオーバーしたために…」

麦野「そうか…」

浜面「えっと…男五人で女九人か…」

木原「どういうふうにベッドを分けるんだよ」

木山「ベッドの数は八だな」

番外個体「…ん?これってもしかして…」

木山「ふむ…ベッドを独占出来るものが二人。独占した者がどちらも男性だった場合…最低三人の女性が男性と同じベッドで寝ることになる」

麦野「なんでそうなるのよ、男は床で寝かせればいいでしょ」

土御門「それでもいいが、今日俺達が床で寝たらお前たちにも床で寝てもらうぜ?せっかくの二泊なんだしな」

麦野「…」
615 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:45:02.48 ID:jv0sfwaZ0
木原「ま、誰が床で寝るのかは大した問題じゃねぇ」

黒夜「問題なのは誰がベッドを独占するのか…」

海原「せっかくですから全部クジで決めましょう」

絹旗「なんでそうなるんですか」

フレンダ「結局グループも浜面と同じで変体揃いだった訳よ」

黒夜「まあどうでもいいんじゃねぇの?」

絹旗「ちょっ…黒夜!」

海原「おや、潔いですね黒夜さん」

麦野「ねえ」

海原「はい?」

麦野「これって完璧リサーチ不足よね」

海原「…」

麦野「あんたもしかして結構適当に取り決めしたんじゃないの?ていうか男女比おかしいわよね?」

海原「せっかくの高級ホテルなんですから宴会場に布団敷いて雑魚寝もどうかと思いまして…」

海原「親しい人達を適当に誘ってたらこのような男女比に…それに大人の方は木原さんだけなのもどうかと思いまして」

616 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:45:28.42 ID:jv0sfwaZ0
海原「一方通行さんの保護者さんにも声を掛けたのですがあいにく都合が付かなくて…それで他に誰かいないか番外個体さんにお聴きしたところ…」

海原「木山さんのお話を聴いたので、それならば番外個体さんも連れて行こうと思いまして」

麦野「まあ、そいつらは分かったわ。でもどうしても分からないのが二人居るの」

海原「はい、どなたでしょうか?」

麦野「削板とあの眼鏡の子よ」

海原「ああ、削板さんは土御門さんのお知り合いで…自分も何回かお話をしたので」

海原「風斬さんですが、先日の披露宴でショチトルと仲がよくなったので、是非とも連れて行きたいとショチトルが」

麦野「そう、まあなんでもいいわ」

海原「では早速クジを…」

ショチトル「待てエツァリ」

海原「はい?」

ショチトル「私は風斬と寝たい」

海原「そうですか?まあ別にいいですよ。ベッドは今から決めるので少し待っていてくださいね」

風斬「あっ、ありがとうございます!」

海原「いえ、この程度」

麦野「ねえ、私は一人で寝たいんだけど」

海原「それは出来ません」

麦野「…」
617 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:45:56.58 ID:jv0sfwaZ0
海原「みなさん、引きましたか?」

削板「まだ引いてないぞ!」

海原「おや失礼、ではどうぞ削板さん」

削板「おう!」

海原「さて、では改めて。ベッドの組み合わせを発表しますね」

海原「一番のクジは…」

滝壺「わたし」

絹旗「はい」

海原「滝壺さんと絹旗さんですね。ではあちらのベッドにどうぞ。次いで二番」

麦野「私よ」

海原「あと一人です。誰でしょうか?」

土御門「俺だ」

麦野「…」

海原「はい、お疲れ様です。ではあちらに。次は三番、このベッドは独占ベッドです」

木原「おう、俺だ」

海原「おめでとうございます。あちらにどうぞ。次は四番です」

浜面「ん」

海原「おや、自分ですか…」

浜面「…」
618 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:46:26.31 ID:jv0sfwaZ0
海原「さて、次は五番」

海原「居ないみたいですね、ではショチトルと風斬さんはこのベッドに」

風斬「はい」

海原「次、六番」

黒夜「私だ」

木山「おや、私みたいだな」

海原「ではこっちです。次は七番」

削板「おっす」

フレンダ「…私よ」

海原「はい、意味が分からない組み合わせですね。あちらです」

海原「では最後、番外個体さんが独占ですね。おめでとうございます」

番外個体「ラッキー」

海原「さて、みなさん。どうでしょうか?」

海原「麦野さんなんかはドキドキなんじゃないでしょうか?」

麦野「あ?」ジジジ

海原「さて、他の皆さんはどうでしょうか?」
619 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:47:33.37 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「私達は普通ですね」

滝壺「うん」

麦野「変な事すんなよ」

土御門「嫌ならどうとでもすればいいぜい」

麦野「いいわよ、みんな対等な条件で決めたんだし」

浜面「…」

海原「変な事はしないでくださいね?」

浜面「誰が…」

木山「黒夜くんか、よろしくな」

黒夜「呼び捨てでいいぜ」

削板「仲良くやろうな!」

フレンダ「仲良くって…どうなのよ」

木原「これもブーケ取った故の幸運だな」

番外個体「ホントにラッキー」

海原「ちなみに明日も改めてベッドの組み合わせを決めますからね」

番外個体「え」
620 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:48:05.52 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「おえっ…」

垣根「なんだよパフェ温泉って…うっ…」

上条「そんなに変か?この温泉」

垣根「温泉つうかこのギャグみたいな組み合わせは風呂だな風呂。パフェ風呂だよ、温泉なんて認めねぇ」

一方通行「うげェ…甘ったるい臭いが…」

上条「ははっ、見ろよコレ。生クリームみたいだぜ」

垣根「臭いもさながら生クリームだな」

一方通行「どォなってンだよ…」

上条「次は…カレー温泉ってのに行こうぜ」

垣根「ダメだ、普通のトコに行くぞ」

上条「せっかくだから変な温泉を味わおうぜ?」

垣根「ダメだ」

上条「なぁ一方通行さんもなにか言って下さいよ」

一方通行「向かいに普通の温泉があるみたいだぜ」

垣根「行くか」

上条「おーい」
621 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:48:34.43 ID:jv0sfwaZ0
ドンッ

上条「あ、すいません」

木原「あ?気をつけろよ?」

一方通行「あ?」

木原「お?」

一方通行「なンでお前が…」

木原「はっ、温泉に入りに来たからに決まってんだろ」

一方通行「一人でかァ?」

木原「はぁ?一人なわけねぇだろ。ちゃんと後ろに…ああ?」

一方通行「後ろになんだって?」

木原「いや、一人で来たわ」

一方通行「そォかい、じゃあな」

木原「ああ」

垣根(あいつは確か…披露宴の時に居た…)

一方通行「おィ、行くぞォ」

垣根「おう」
622 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:49:02.31 ID:jv0sfwaZ0
上条「効能は肌がスベスベになる…」

垣根「どうやらここは混浴ありきみてぇだな」

上条「へ、へぇー」

一方通行「混浴だろォが関係ねェよ。さっさと入ろうぜ」

上条「おいおい!待てよ!」

垣根「何気にしてんだよ、行くぞ」

上条「ええー」


垣根「…」

上条「…」

一方通行「…」

麦野「…」

木山「ん?」

風斬「…」

上条「あれ?風斬?」

風斬「あ、こんにちは」

垣根「なんでお前がここに…」

麦野「こっちのセリフよ」

木山「やあ、一方通行」

一方通行「あ、あァ」
623 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:49:30.33 ID:jv0sfwaZ0
麦野「なに?あんたたち混浴だからわざわざ来たの?」

上条「いえ…そういうわ『それもある』…おい!垣根!」

麦野「あんた奥さん泣くわよ?」

一方通行「別に俺は裸が見たくてここに来たわけじゃねぇ」

垣根「現にテメェら揃ってタオル巻いてるじゃねぇかよ」

木山「おや、そういえば湯船にタオルは浸けてはいけないんだったな」シュル

上条「ちょちょっ、ちょっと!木山さん!」

風斬「おおー」

木山「ん?どうしたんだ?」

上条「いや、どうしたって…」

垣根「ほほほほほほお!」

一方通行「…」

麦野「コイツは…。心理定規に監禁されてた理由が分かった気がするわ」

一方通行「奇遇だなァ、俺もだ」
624 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:49:56.67 ID:jv0sfwaZ0
垣根「まあ入ろうぜ!」

上条「そうだな、あんまり女子陣と近いとアレだしあっちの方に入ろうぜ」

一方通行「あっちだなァ、よし」

木山「ん?君達もどうしたんだ?」

麦野「普通男の前じゃタオル取らないわよ?」

風斬「そ、そうですよ!いくら湯船にタオルを浸けてはいけないって言ってもですね…」

木山「そうか?まあいいじゃないか、そんな過剰に反応してたわけでもないしな」

麦野「いや、思いっきり反応してたヤツ居たしね」

麦野「でも私の裸体なんかを見ても…」

風斬「そんなことありません!」

木山「え?」

麦野「まあそうね。あんた中々スレンダーな体つきしてるし、それに美人だもの」

木山「そうか?」

風斬「うーん…」

麦野「恋愛に鈍いのも何人か見てきたけどこういうのに鈍いのも居るもんだね」

「よお!姉ちゃん達!」

麦野「ん?」
625 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:50:25.23 ID:jv0sfwaZ0
垣根「!」

上条「どうした?」

垣根「…」ヒョイ

上条「お、おい?」

一方通行「何人だァ?」

垣根「…三、いや四人だな」

一方通行「まァ麦野が居るから心配ねェだろ」

垣根「能力が使えるなら、な」

一方通行「どォいう…」

垣根「看板見なかったのか?温泉内での能力使用は厳禁。特殊なジャマーによる防衛策が練られてるから能力は使えないぞ」

一方通行「はァ?」カチッ

チャプチャプ…ザバババババ!

一方通行「いや、イける」

垣根「反射が効いたみたいだな、俺は…無理だな」

上条「おい!一体どうしたんだよ!」

垣根「旅先につき物のナンパだ。結構面倒なタイプ」

上条「はぁ?」
626 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:51:26.53 ID:jv0sfwaZ0
麦野「なにあんた達」

「なにってヒドイなー。へへ」

「こんなトコで声かけるなんて、目的は一つに決まってんでしょ」

麦野「一日デート?それとも体?」

「ふはっ、両方なんてのは??」

麦野「お断り。間に合ってんのよそういうのは分かったらさっさと散りなさいよ」

風斬「あわわ」

木山「まあ麦野くんに任せようじゃないか」

「なんだよなんだよ。女三人で寂しく温泉なんかに浸かってるんだから彼氏なんてみんな居ないんだろ?」

麦野「チッ、うるせぇな…!」

麦野(能力が使えない?)

「どうしたの?こっちに指なんか向けて」

麦野(ジャマーか…よくよく考えれば一般人の多い、それに外来の多いこの施設に対策が無いわけがないか…)

「どうしたんだよ?ほら、一緒に周ろうぜ?」グイッ

麦野「!いやっ」

「お?結構ウブな反応」

「いい感じだね?へへへ」
627 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:51:55.97 ID:jv0sfwaZ0
木山「はあ…君達…」

「ん?あれ?君タオル付けてないの?」

「おお、おお、おお」

「そっちの眼鏡の子もさ、曇っちゃうよ?眼鏡外しなよ」

風斬「えっ、いや私は…」

「ほら、みんなこっちきな…ゴボッ!?」

「な?なんガボボっ!!」

ザバババババババ!

麦野「!?」

「グボッ!?な、なんだ!?水!?」

一方通行「あーあァ、お湯が減っちまったよ」

「なんだコイツ!今のお前がやったのか!?」

「で、でもここは能力は使えないハズじゃ…」

垣根「んだよ確信犯かよ、でもま知らなきゃ行動はしねぇか」

上条「大丈夫か?風斬」

風斬「あっ、はい大丈夫です」

垣根「アイツがなんとかするみたいだぜ?」

木山「そうか、助かるよ」

麦野「…」
628 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:52:23.37 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「いいかァ?オマエら、ここに一枚のタオルがあるだろ?」

「はっ?タオル?それがなんだよ…」

一方通行「まァ、見てろよ」ペシペシ

「おい、タオルで叩くんじゃねぇよ。ケンカ売ってんのか?」

一方通行「ハッ、オマエに買えるかなァ?」ペシペシ

「あ?んだとぉ?」

一方通行「ふン」ペシペシ

「おい!いい加減に…っつ!」ゴキ

一方通行「ひゃはッ」

「お、おい!?」

「気絶してやがる…」

「なにしやがった!」

一方通行「タオルにかかる力のベクトルを操作した…」

「は?」

「意味分かんねぇがっ!!」ゴキッ

一方通行「かかか…」
629 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:52:50.16 ID:jv0sfwaZ0
「おい!大丈夫か!?」

「クソッ!一旦出るぞ!」

「ああ!」

「覚えてろよオマエら!」

一方通行「ン?忘れもンだぞ…オマエらァ」

「はっ?」

一方通行「そら」カコォン

「桶??ぶっ」バキッ

「んがっ」バキッ

一方通行「おィ、聴こえてっかァ?」

「な…なんだよオマエ…」

一方通行「ありゃァ俺達の女なンだよ…次に手ェ出したら気絶じゃすまねェぞォ?仲間が居ンならそいつにも言っとけよォ?」

一方通行「こンなくだらねェ真似すンなってなァ」

「は、はい…」

一方通行「オヤスミ」

「んがっ……」
630 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:53:19.55 ID:jv0sfwaZ0
垣根「あーあーあー、桶壊しやがったな。それも二つ」

一方通行「仕方ねェだろォが、ほらタオル返すぜェ」

木山「ああ、助かったよありがとう」

上条「アイツら大丈夫なのか?」

一方通行「気絶してるだけだ」

風斬「はー、どうなるかと思っちゃいました…ありがとうございます皆さん」

垣根「いやなに、どうってことないよ」

一方通行「…」

麦野「…助かったわ、その…ありがと」

一方通行「あァ、オマエらだけで来たのか?」

麦野「いや、あんたのトコのニヤケ面に誘われて大人数で来たわ」

一方通行「なるほどォ、どォりで木原が居たわけか。なるったけ女で行動すんなよ?少し危ねェみたいだからな」

麦野「…考えておくわ」

一方通行「とりあえず出るかァ、次行こうぜェ?」

垣根「だな」

上条「お、行くのか。じゃあな風斬に木山さん…と…『麦野だ』麦野さん」
631 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:53:46.26 ID:jv0sfwaZ0
風斬「行っちゃいましたね」

木山「さすがは第一位だな。ジャマーをものともしないとは」

麦野「はー」

木山「ほっとしたかね?」

麦野「正直ね」

木山「あの状況では仕方ない、精一杯彼らに感謝するとしよう」

風斬「それより最後に一方通行さんが言ってた俺達の女っていうのは…」

木山「我々を守るために言っんだろう。随分と頭が回るものだ」

麦野「でも…悪い気はしなかったわ」

木山「男性に守られるということがアレだよ。貴重な体験をしたな」

麦野「そうね、もう二度とない体験かもね」

木山「じゃあ行こうか。他の女性陣たちと一緒に行動していれば少しは安全だろう」

風斬「この人達はどうしますか?」

麦野「ほっときましょ。しったこっちゃないわ」
632 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:54:15.34 ID:jv0sfwaZ0
心理定規「…」

結標「…」

御坂「…」

「なあなあ、そんな気難しい顔しないでさー。いいだろ?」

「そうそう、せっかく知り合ったんだしさ」

結標「分かったわ、じゃあ一緒に回りましょ?」

「おっマジで?やりー」

御坂「ちょっと結標!」

心理定規「!そうねじゃあ行きましょう?」

御坂「心理定規まで!」

結標「着替えたいから外で合流しましょうよ」

「えっ?そうだな、うん。じゃあ外で!」

「やったなーかなりレベル高い子ゲットじゃん」

「だろだろ?ははははは…」

結標「じゃ外に行きましょ」

心理定規「そうね」

御坂「えっ?本当に?」

結標「…」
633 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:55:48.24 ID:jv0sfwaZ0
「お待た…」ヒュン

「あれ?どこ…」ヒュン

結標「ふん」

心理定規「やっぱりね」

御坂「なるほどねー」

結標「当然よ、一方通行が居るのに付いていくハズないじゃない」

心理定規「それもそうね」

御坂「それでどこに飛ばしたのよ」

結標「知らないわ、服剥いで適当に飛ばしたから。運が悪ければ外ね」

心理定規「でも考えたわね。中じゃ能力が使えないからわざわざ外に誘導して能力使うなんて」

結標「あんまり派手な能力じゃないから助かったわ」

心理定規「美琴の能力だと目立つからね」

御坂「どういうことよ」

心理定規「美琴だとあんまり考えないでバカスカ打つってことよ」

御坂「んなっ」

結標「でもナンパなんてどこに行ってもいるのね」

御坂「そんなもんよ」

心理定規「次もナンパされたら同じ方法でやるの?」

結標「そうね、静かだし、一瞬で顔を見なくてすむしね」

御坂「なんか、あんた達には敵いそうにないわ…」
634 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:56:13.99 ID:jv0sfwaZ0
浜面「一方通行に助けられたのか」

麦野「そうね、助けられたってことになるわね」

浜面「ていうか一方通行もこの温泉街に来てたんだな」

海原「最初に一方通行さんもお誘いしたんですが、垣根さんの招待券で行くとのことでしたので…場所も同じでしたのでいいかと思いましてね」

浜面「へぇ、ってことは垣根も来てるのか」

海原「そうなりますね」

風斬「あと上条さんも居ましたよ」

木山「そうだな、その二人に加えて上条くんも居たな」

海原「そうですか、でも無事でなによりです。それで、何のご用でしょうか?」

麦野「絹旗達の居場所、教えてちょうだい」

海原「なるほど、絹旗さん達は…確か温泉卵のお店に行かれましたよ。温泉卵のお店はそこの店と合わせて二つしかないのですぐに分かると思いますよ」

麦野「そう、じゃあ行ってみるわ」

海原「お気をつけてどうぞ」
635 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:56:40.71 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「そォいや晩飯はどォなってンだ?」

垣根「んとだな…ホテル側が出してくれるらしい」

上条「飯食った後も温泉街に出れるのか?」

垣根「みたいだな」

上条「じゃああんまり本腰入れて温泉入る必要もないな」

垣根「そういうことだ」

一方通行「次はどォすンだ?」

垣根「少し腹が減ったな」

上条「温泉と言えば温泉卵ですよ!」

垣根「んじゃそれでいいか」

一方通行「店はあっちだなァ」

垣根「おっ、じゃあ行くか」

上条「温泉地で食う温泉卵なんて初めてだなー」
636 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:57:14.11 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「ふむ」

番外個体「どうしたのさ」

絹旗「この浴衣なんですが、少し胴回りがキツくて…」

黒夜「卵食い過ぎたんじゃねぇか?」

絹旗「そんな!まだ四つしか食べてませんよ!」

ショチトル「それはまだ、なのか?」

フレンダ「私はもう四つ、ね」

滝壺「このたまごは大きいね」

ショチトル「ダチョウの卵風温泉卵と書いてるな」

フレンダ「これ食べたら間違いなく胴回りがキツくなるって訳よ」

「おじょーさん」

絹旗「む、ナンパですか?」

番外個体「どこにでもいるねー」

黒夜「まったくよォ…って」
637 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:57:41.47 ID:jv0sfwaZ0
垣根「よお」

黒夜「なんだよチンピラかよ」

番外個体「どのみち軟派野郎だったわけか」

絹旗「偶然ですね」

一方通行「オマエらも来てたのか」

絹旗「ええ、一方通行が超行ったあとに海原さんが来まして、それで」

一方通行「ほォ」

上条「ちょっと、誰ですかこの子達は」

垣根「全員一方通行と俺の知り合いだ」

絹旗「食べに来たんですか?」

一方通行「ン?」

絹旗「卵」

一方通行「あァ、そうだなァ」

番外個体「だったらこれ食べなよ。おいしいよ」

一方通行「おい、こいつァ」

番外個体「ミサカの食べかけ」

一方通行「…」
638 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 20:59:38.96 ID:jv0sfwaZ0
垣根「このダチョウに挑戦してみるか」

上条「これを食べるのか…」

フレンダ「信じらんないわ、チャレンジ精神で食べてみようだなんて」

ショチトル「そんなに食べて大丈夫なのか?」

垣根「一応男三人だ、なんかあってもなんとかなるだろ」

滝壺「どれぐらい黄身がはいってるのかな?」

垣根「多分半分くらいじゃないか?」

ショチトル「ダチョウの卵風ってだけだからな…一体どうやって作ってるんだ?」

垣根「さぁな。おい、このダチョウを一つくれ」

上条「あ、本当に食べるんですか?」

垣根「当たり前だろ、せっかく変な物を見つけたんだ」

上条「じゃあその原理でカレー温泉に行こうぜ!」

垣根「そいつはゴメンだ」

上条「そ、そうか」
639 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:00:14.76 ID:jv0sfwaZ0
垣根「うわ、なんだこりゃ」

上条「白身の量が…」

垣根「てかどうやって食うんだよ」

上条「ここの部分をだな…こうして…」

垣根「お、そうか。殻を使って…」

一方通行「普通の温泉卵だな」

番外個体「ミサカの食べかけなのに?」

一方通行「…あァ」

番外個体「つっまんないのー」

黒夜「間接キスなんかよりも凄い事してんだから当然だろ」

番外個体「そういやそうかもね」

一方通行「…ン?」

垣根「!」

ヒュン ドサドサ!

「おわっ!いてて…」

「一体なにが…」
640 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:00:42.38 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「むむむ?」

ショチトル「裸の男??」

滝壺「?」

フレンダ「!?」

垣根「なんだ?こいつら」

「あれ?」

「赤毛の姉ちゃんは?」

一方通行(赤毛…?)

垣根「おい、なんだオマエら」

「は?あれ?なんで裸なんだ?」

「???」

垣根「いきなり素っ裸で目の前に現れやがってよ…能力者か?」

一方通行「なるほどなァ…」

垣根「ん?

一方通行「オマエらここに飛ばされる前に赤い髪で後ろに髪を結った女に話かけなかったか?」

「へ?あ、ああ。そうだけどよ…」

「おっかしーな…」

一方通行「ソイツなァ…俺の連れなンだわァ」
641 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:01:11.16 ID:jv0sfwaZ0
垣根「ほぉ」

上条「え?どういうことだ?」

垣根「こいつら、さっき結標に声かけて、んで能力で飛ばされたんだろ」

一方通行「はァ…なんて声かけたンだァ?」

「は?男いないし寂しそうだから一緒に回ろうぜって…あがっ!」

「むぐっ!」

一方通行「ふン」

絹旗「超気絶させたんですか」

一方通行「あァ」

黒夜「うわーちっちぇ」

番外個体「上位個体の親指くらいかな」

垣根「このままで放置しとくのか?」

一方通行「別に問題ねェだろ」

ショチトル「ふむ…」ジー

フレンダ「なに?興味津々な訳?」

ショチトル「え?いや…別に…」

滝壺「この人達、風邪ひかないかな?」

一方通行「大丈夫だろ」
642 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:01:55.07 ID:jv0sfwaZ0
垣根「これ全部やるよ」

上条「え!?全部ですか!?」

垣根「ああ」

一方通行「オマエらも気ィつけろよォ?少し変なナンパも居るみてェだしな」

絹旗「言われなくても」

番外個体「黒夜他に実物見たことあるの?」

黒夜「いや無い。でも分かる。これはちっちぇってな」

フレンダ「ワーストは見たことあるの?」

番外個体「あるよ、一方通行のを…」

一方通行「見せた覚えも見られた覚えもねェぞ」

番外個体「チッ」

垣根「おい、次行こうぜ次」

一方通行「だなァ」

上条「えっ?まだ食い終わってないんですけど!」

垣根「はぁ?さっさと食えよ」

上条「お前が渡してきたんだろ!」

........................................
...........................
...................
...........
......
...
.
643 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:02:19.21 ID:jv0sfwaZ0
垣根「はーっ。疲れた」

上条「おっ、うまいなコレ」

御坂「ホントねー」

一方通行「淡希ィ、お前今日能力使って人飛ばしやがったなァ?」

結標「あら、なんで知ってるのかしら」

一方通行「飯食ってたら目の前に飛ンできたンだよ。素っ裸の男が二人なァ」

心理定規「一応温泉街の中に飛ばされたのね」

結標「少し、しつこかったからお仕置きしたのよ」

垣根「食事中に変なモン見せやがってよぉ」

心理定規「仕方ないじゃない。私の能力じゃ役に立たないし、美琴の能力じゃ黒コゲになっちゃうもの」

結標「それに服着せたまんまじゃお仕置きにならないでしょ?」

一方通行「まったく…」

結標「それとあなたもよ?一方通行」

一方通行「はァ?」

結標「さっき木山さんに聴いたわ。タオルで人を気絶させたそうじゃない」

一方通行「ありゃ仕方なしだ」

結標「まあなんでもいいわ。人助けしたんだし」

一方通行「だろォ?」
644 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:02:46.01 ID:jv0sfwaZ0
垣根「お前ら飯食ったらどうすんだ?」

心理定規「また温泉に浸かりに行くわ。今度はゆっくりとね」

一方通行「そォか、まァ十分気をつけろよ」

結標「あなたは行かないの?」

一方通行「今日は疲れたからなァ。少し体を休めるわァ」

結標「そう」

御坂「そういえば明日はこのホテルの大浴場でいいのよね?」

心理定規「ええ、13階のね。頼み込んで貸切にしてもらったわ、そうよね帝督」

垣根「ああ」

上条「貸切?それって混浴なのか?」

垣根「そんなわけないだろ。第三位と一緒に入りたければ他の混浴に行けよ」

御坂「はぁ?あんた私と入りたいのぉ?」

上条「はっ、いやそんなわけでは…」

一方通行「やけに大人しいなァ」

垣根「さっきコーラを持ってきてやった」

一方通行「また未元コーラか…」

垣根「ああ、そうでもしねぇと照れて大変だからな」
645 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:03:21.42 ID:jv0sfwaZ0
御坂「この頃さーコーラ飲むと不思議と気分が落ち着くのよねー。やっぱり電気は炭酸と相性いいのよね、うん」

上条「なんだそりゃ?」

御坂「だからぁ前までの私ならこんな状況だと緊張して電撃を飛ばしちゃうのよ、ね?分かる?」

上条「うーん、分かるような分からないような…」

御坂「でもコーラが切れたとき反動が凄まじいのよね…」

上条「はぁ…そうですか」

垣根(コーラが切れるだと?なに言ってるんだ?)

一方通行(…)

心理定規「バスの中でも飲んでたわね。コーラ」

結標「コーラに反応するなにかが入ってるのかしら」

御坂「そういえば一方通行」

一方通行「あン?」

御坂「あんたさー黒子になにかした?」

一方通行「はァ?なにかってどォいうことだよ?」

御坂「やたらとあんたのこと話すのよねー。やれ一方通行さんは、それ一方通行さんがって」

御坂「やたらと顔赤くして言うのよ」
646 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:03:48.88 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「はァ?知らね…!」

御坂「?どうしたの?」

垣根「白井だとぉ?そういや白井に会ったのは旅行に行く前日だったな…」

心理定規「は?あなたが言ってたレベルが上がらなくて悩んでる女の子って黒子さんだったわけ?」

垣根「いや、白井じゃねぇ。そいつの友達だ。話してる間白井は一方通行に任せてたから何があったかは俺は知らねェな」

一方通行(コイツ…)

結標「えっ!?どういうことなの?一方通行」

一方通行「どォいうこともなにも…少し話しただけだ…」

結標「それがどうして赤面してあなたの事を話すことに繋がるの!?」ブンブン

一方通行「ヤ…ヤメロ…ゆゆゆ、揺らすな…」ガクガク

上条「この蟹おいしいなぁ」

結標「ねえ!」ブンブン

一方通行「あがが…」ガクガク

垣根「おいおい、それじゃ話せないだろ」

結標「あっ!そ、そうね」パッ

一方通行「ンがっ」
647 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:04:17.44 ID:jv0sfwaZ0
結標「さ、さぁ話してちょうだい!」

一方通行(垣根ェ…)

結標「ね、ねぇ!どうしたの!?」

一方通行「俺は…垣根に白井の相手を任せられただけだ…白井の気を引けってなァ!!」

垣根(!一方通行…)

一方通行「安心しろォ淡希…オマエが心配してるよォな事は一切ねェよ…俺はオマエしか見てねェンだからなァ」

結標「一方通行…」

心理定規「???どういうことなの?帝督」

垣根「だからよ…その悩んでる子がさ、レベルそのものにコンプレックスを持ってるんだよ…」

垣根「んで心のどこかでやっぱ高位の能力者である白井に少なからず嫌悪感を持ってたわけだよ…だから少しでもそういう気持ちを払拭してもらおうと思ってな」

心理定規「そうなの?まあ信じるわ」

垣根「ああ」

上条「ほら、この蟹食ってみろよ美琴」アーン

御坂「ん…」
648 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:04:53.12 ID:jv0sfwaZ0
心理定規「ちょっと、いつまで抱き合ってるのよ」

結標「はっ」

一方通行「ン…もうイイのかァ?」

結標「うん」

一方通行「そォか」

御坂「早く温泉行きましょうよ」

心理定規「時間、無くなっちゃうわよ?」

結標「じゃあ行きましょうか」

上条「俺達は部屋に戻ってるよ」

御坂「わかったわ。多分もう寝るんでしょ?また明日ね」

上条「おう」

垣根「んじゃ戻るか。くれぐれも気をつけてな。暗いし何があってもおかしくねぇからな」

一方通行「なンかあったら俺達が行けばイイ」

心理定規「じゃあどうしようも無かったら呼ぶわ」

結標「大丈夫だと思うけどね」

一方通行「そォだとイイな」

結標「じゃまた明日ね」

心理定規「おやすみ、帝督」

垣根「ああ」

一方通行「ン」
649 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:05:19.68 ID:jv0sfwaZ0
ガチャ

麦野「ふぅ」

海原「おや、戻って来ましたね」

土御門「悪いが先に夕飯は取らせてもらったぜい」

麦野「いいわよ別に。こっちはこっちで夕飯取ったし」

ショチトル「温泉もさることながら、なかなかの夕飯だった」

海原「そうですか、それは良かったですね」

木山「君達も来れば良かったのにな」

海原「いえ、我々は遠慮させてもらいますよ」

風斬「なんか私たちだけで温泉を堪能したみたいで悪いですね」

絹旗「ああ言ってることだし。別に超いいんじゃないですかね」

フレンダ「あれ?削…板だっけ?はどうしてんの?」

海原「削板さんですか?彼はもう寝ていますよ」

黒夜「そういや今日全然見かけなかったけど何してたんだ?」

土御門「確か木原と色々回ってたみたいだぞ」

黒夜「あっそ、んでその木原は?」

浜面「自販機に行ったみたいだぜ」
650 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:05:46.23 ID:jv0sfwaZ0
滝壺「…」

絹旗「どうしました滝壺さん?」

滝壺「ごめんきぬはた。わたしももう寝るね」

絹旗「ああ、そうでしたか。どうぞ」

滝壺「うん、おやすみ」

絹旗「はい、超おやすみなさい」

浜面「そういやワーストちゃんだっけか?その子は?」

麦野「あれ?」

黒夜「そういえば途中から見てないな」

木山「博士みたいに自販機に行ってるのかも知れないな」

絹旗「捜してきましょうか?」

海原「いや、その必要は無いでしょうね」

土御門「そうそう、レベル4クラスの力があるんだ。心配はいらないと思うぜい?」

麦野「そういえばさ、さっき一方通行の連れ達にあってね」

土御門「ん?」

麦野「私たち、明日は13階の大浴場でお風呂に入るから」

土御門「そうか、まあいいんじゃないか?」

麦野「一応言っといた方がいいと思ってね」
651 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:06:17.83 ID:jv0sfwaZ0
ガチャ

木原「ったくよぉ…」

番外個体「はぁーあ」

木山「おや、二人共自販機に行ってたのかな?

木原「ああ、途中でコイツに絡まれてな。ついでに一緒に行ってきた」

ショチトル「何かあったのか?」

木原「なにって…一方通行とコーヒーの取り合いだよ」

風斬「ふふっ、なにがあったのか分かる気がします」

フレンダ「え?どういうことな訳?」

麦野「番外個体が疲れてるってことは番外個体を巻き込んでコーヒーの取り合いしたってことでしょ?」

番外個体「ミサカ疲れたー」

木山「何があったんだい博士?」

木原「あ?だからよ、どこの自販機行ってもコーヒーが無くてよ。んで売店に行ったらラス1が見つかってな、あとは居合わせた一方通行と取り合いだよ。まったく…」

番外個体「結局負けちゃったのよねー」

木原「クソガキがよぉ…文句あんなら13階に来いだと?ったく、生意気によぉ…」ブツブツ

絹旗「…」

黒夜「?」
652 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:06:46.48 ID:jv0sfwaZ0
削板「うおっ!!」ガバッ

「「「「!?」」」」

土御門「な、なんだ?どうした?」

削板「恐ろしい夢を見た…」

浜面「はぁ?一体どんな夢だよ?」

削板「よく覚えてないが…一位と二位が揃ってボロボロになってる夢だった…」

浜面「それ、恐ろしいか?」

土御門「学園のトップ2がやられればそりゃ恐ろしい敵だぜい」

浜面「そりゃそうか。はははっ」

削板「うーむ…」

木原「おい、どうした?」

削板「あいつらの顔を見てくる。同じホテルに居るんだよな?」

木原「あ?ああ、確か13階の…何号室だったかな?まあ13階に居るはずだ」

削板「そうか!ちょっと行ってくる!」バタン

浜面「あいつ、忙しいなぁ」
653 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:07:15.47 ID:jv0sfwaZ0
土御門「さて、そろそろ寝るか」

風斬「そうですね、私も今日はちょっと疲れました…」

フレンダ「ん!そういえば削板居なくなったから私一人じゃん!やった!」

土御門「すぐ戻ってくると思うけどな」

フレンダ「その前に寝付けばいいって訳よ。変に意識しなくていいし」

木山「じゃあ私は先にベッドに失礼するよ」

黒夜「おう」

木原「俺はバーで酒飲んでくるかな」

浜面「おっ、じゃあ俺も行くぜ」

木原「おう、好きにしろ」

ショチトル「私も寝るか…おやすみエツァリ」

海原「ええ、おやすみなさい」

番外個体「ミサカはもう少し起きてよっかな」

絹旗「私もそうします。まだ寝れそうにありませんから」

土御門「そうか?明日もあるからあまり無理しないようにな。ん?麦野は…?」
654 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:07:44.86 ID:jv0sfwaZ0
海原「あれ?」

黒夜「ん?もうベッドに入ってるみたいだな」

土御門「いつの間に…」

海原「黒夜さんはどうなされます?」

黒夜「もう少し起きてる」

海原「そうですか。土御門さんは…」

土御門「ん?」

海原「なにやってるんですか?」

土御門「気付かれないように布団に入ろうとしてるんだが…」

海原「そうですか…」

土御門「…チィ!」バサッ

麦野「なにすんのよ!」

土御門「布団に入れろ!」

麦野「はい、どうぞ」チョイ

土御門「おい!こんな端っこだと落ちるだろ!」

麦野「うるさいわねぇ…ほら、好きにすれば?」ヒョイ

土御門「そう、それでいいんだ…」
655 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:08:10.58 ID:jv0sfwaZ0
ドンドンドン

「おーい!生きてるかー?」

垣根「一体なんだ?」

一方通行「新手の宗教かァ?」

上条「気になるな…」

垣根「じゃあ出てこい、ほら」

上条「んー、まあいいか。はいはーい生きてますよ…」ガチャ

ガンッ

上条「んがっ」

削板「生きてるか!?第一位、第二位!」

一方通行「は?」

垣根「なんだよ、削板かよ。なんの用だ?てかお前も旅行に誘われたのか」

削板「良かった!無事みたいだな!」

一方通行「ン?一体どォいうことだァ?」

削板「おう、実はな…」
656 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:09:37.38 ID:jv0sfwaZ0
垣根「はーん、俺達がボロボロになる夢ね」

削板「あとは…途切れ途切れだが第一位が逃げる夢も見た」

一方通行「俺が逃げるゥ?」

削板「そうだ!まあ、無事ならなによりだ!じゃあな!」

垣根「おい、待て!」

削板「ん?」

垣根「今飲んでたんだがお前もどうだ?」

削板「いや、俺はいい。すぐに酔いが回るからな!はははははは!」ガチャ

上条「いてて…」

一方通行「なンだったンだ…」

垣根「わからん。…続きするか」

一方通行「だなァ」
657 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:10:20.89 ID:jv0sfwaZ0
番外個体「で、どうするの?」

絹旗「当然、実行します。そんな超面白そうなこと」

番外個体「今0時を回ります、あと一時間ぐらいしたら行動に移しましょう」

番外個体「了解」

黒夜「さっきから何話してんだよ」

絹旗「黒夜にはあまり関係の無いことです」

黒夜「ふぅん。まいっか」

絹旗「それにしても…」チラ

麦野「zzzZ」

土御門「んん…zzZ」

絹旗「超仲良く寝てますね。この二人」

黒夜「あっちなんか削板ベッドから落ちてるぜ」

フレンダ「ん…」

削板「…」

番外個体「ショチトルと氷華は仲良く寝てるね」

ショチトル「zzZ」

風斬「すー…zzZ」

黒夜「ん…私も寝るかな」

絹旗「おや、そうですか?」

黒夜「うん…目がしぽしぽしてきた…。よいしょ…っと」

番外個体「おやすみー」

黒夜「ああ…」

絹旗「ふふ…」
658 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:10:49.38 ID:jv0sfwaZ0
翌朝

垣根「ん……ん?」

上条「…どうした…?」

垣根「……いや…一方通行のベッド…」

上条「?…」

一方通行「zzZ」

上条「んん…??」

垣根「よく見ろ…」

上条「なんか不自然な膨らみが…」

垣根「…」スクッ

一方通行「zzzzZ」

垣根「おい、一方通行」ユサユサ

一方通行「ン?…あァ?…」ムニュ

垣根「ん?」

一方通行「うおァ!!!」ガバッ

上条「!!!!」

垣根「な、なんだ!?」

一方通行「起きろお前らァ!!」
659 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:11:18.88 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「ん…なんですか…」

番外個体「ミサカもう少し寝ていたいんだけど…」

垣根「あ、アイテムのガキ…とワーストかぁ?」

上条「え?え?なんですか?」

一方通行「ハ…」

垣根「おい、なにをそんなに脱力してやがる」

一方通行「布団なか見てみろォ」

垣根「?」グイ

絹旗「ちょっと、布団取らないでくださいよ」グググ

垣根「おいその手を離せよ」ググッ

番外個体「やーん、第二位のエッチぃ」グイグイ

垣根「おい…おい」グググググ

一方通行「…まァいい。コイツら素っ裸で俺の布団に居たンだよ」

上条「は?」

垣根「…へぇ…」ゴバッ

絹旗「きゃっ!」

番外個体「いやん」

上条「うおっ!!」

番外個体「ちょっとガン見しないでよ」ブン

上条「あう」

絹旗「垣根もです」ブン

垣根「はっ。たかが枕とはな」ヒョイ
660 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:11:50.51 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「…」

垣根「いつのまに…っていうかなんの為に入ってきたんだ?」

絹旗「何の為って…ねぇ?」

番外個体「うん」

上条「さっぱり分からないぞ」

番外個体「で、ミサカはいつまで裸で居ればいいのかな?隠してるのもそろそろ疲れたんだけど」

一方通行「オマエは…」

絹旗「私もそろそろ超恥ずかしくなってきました」

上条「とりあえず浴衣が余ってたからコレを…」

絹旗「いえ、一応自分の衣服はこの部屋に脱ぎ捨てているので」

上条「ん?そうなのか?」

絹旗「はい」

垣根「コイツか」

番外個体「そうそれ」

垣根「お、パンツ発見」

番外個体「ちょっと」

垣根「はっ、黒かよ」

一方通行「ンで?なンで裸で入ってたンだ?」

番外個体「ミサカが最初に裸で布団に侵入していたらどういう反応するのかなぁ?って思ってね」

絹旗「その話題を持ちかけられたとき超面白そうだったんで私も参加したんです」

一方通行「ンで?」

番外個体「わりと普通の反応だったね」

一方通行「そォか、帰れ」
661 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:12:19.61 ID:jv0sfwaZ0
垣根「意味が分からなかったな」

一方通行「いつもあンなンだ」

上条「正直羨ましいというかなんというか」

垣根「第三位に頼んだらいいじゃねぇか。俺の隣で裸で寝てくれって」

上条「さすがにそれは…」

一方通行「今日はどォすんだ?」

垣根「俺は温泉街に出ねぇぞ。このホテルで一日を過ごす」

一方通行「女共はァ?」

上条「随分早くから温泉街に出てるみたいだぞ?メールが来てた」

垣根「一緒に回りたかったか?」

一方通行「いや、こういう機会でもねぇと満足に遊べないんだ。いつも俺と一緒に居るよりは何倍もイイだろ」

上条「ほぉー」

垣根「とりあえず朝飯行こうぜ」

一方通行「あァ」

上条「朝のメニューはなんだ?」

垣根「蟹」

上条「昨日と同じはちょっと…」
662 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:12:50.55 ID:jv0sfwaZ0
麦野「…ん?」

土御門「…は?」

麦野「なんであんた上脱いでるのよ」

土御門「寝てる間に脱げたかな?なにせアロハだからな」

麦野「そうか」

ガチャ

絹旗「んーっ」

番外個体「朝のホテルの廊下ってなんか雰囲気いいよねー」

木山「その気分、分かる気がするぞ」

番外個体「ん?なんでそこにバカ面が倒れてるの?」

木山「博士と飲んでいて…ということは知っているんだが…なぜここで寝てるのかは分からないな」

浜面「」

木原「あーっ、頭イテェ」

木山「二日酔いのようだな」

木原「ああ」

木山「どこか行きたいところが無いなら今日はじっとしてるといい」

木原「そうするわ」

絹旗「フレンダ達はどうしました?」

麦野「今居ない女子はみんな温泉街に行ったわ」

絹旗「そうですか、では私達も行きましょうか」

木山「君達はどうするんだ?」

土御門「削板が戻ってきたら海原と一緒に朝飯を食いに行く。温泉に行くかはまだ分からないな」

木山「そうか。じゃあ私達は一足先に温泉街に行くよ」

土御門「気をつけてな」
663 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:13:18.50 ID:jv0sfwaZ0
土御門「おい海原」

海原「はい?どうなされました?」

土御門「さっきから何を見てるんだ?」

海原「いえね、景色を眺めてたんですよ。こんな光景、落ち着いては滅多に見れませんからね」

土御門「そうか」

ガチャ

削板「おっす!起きたか!」

土御門「今まで何やってたんだ?」

削板「ラジオ体操に参加していたんだ」

海原「健康的ですね…」

土御門「まぁいい、俺達は朝飯に行くが来るか?」

削板「おう、行かせてもらうぜ」

海原「では行きましょう」

削板「ん?木原達はどうすんだ?」

木原「俺達はいい…見事に二日酔いだ…」

土御門「だそうだ」

削板「ほう」

海原「では行きましょう」
664 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:13:46.74 ID:jv0sfwaZ0
ホテル、食堂

垣根「はーっ」

上条「朝は和食だったか…」

一方通行「バイキング制なンだから洋食取ったらイイじゃねェか」

上条「まあそうなんだが…なんか和食食いたいだろ」

垣根「みそ汁なんか久しぶりに飲んだぜ」

上条「一方通行はなんも食べないのか?」

一方通行「いや、俺はイイ」

上条「あんま食べなさそうだもんな」

垣根「でもコイツ、性欲はウサギだぜ?」

上条「えっ」

一方通行「何言ってやがる」

垣根「いやなんとなくな」

一方通行「チッ…」

上条「ん?おーい土御門!」

土御門「おいおい、上やんじゃないか。垣根に一方通行まで」

垣根「お、海原も居るじゃないか」

海原「おはようございます垣根さん」

削板「俺も居るぞ!!」

一方通行「削板もいたのか」
665 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:14:13.63 ID:jv0sfwaZ0
垣根「お前らはいつまで居るんだ?」

海原「自分達は今日が最後の夜になります」

上条「じゃあ俺達と同じで明日帰りなわけか」

土御門「そうなるな」

上条「今日の予定とかは決めてんのか?」

土御門「とりあえず温泉街に入り浸ることにした。せっかくだからな」

垣根「俺らとは正反対だな」

土御門「ん?」

垣根「俺達は疲れたから今日はホテルで過ごす予定なんだ」

上条「あのさ垣根」

垣根「あ?」

上条「この後土御門達と行動してもいいか?」

垣根「別にいいんじゃねぇの?ダメな理由もないしな」

上条「そうか?ありがとう」

海原「では上条さんは自分達と温泉巡りですね」

上条「ああ、そうなるな」

削板「そいつは楽しみだな!」
666 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:14:41.66 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「…行ったか」

垣根「久々に賑やかな朝飯の時間だったな」

一方通行「さて…どォするかねェ…」

垣根「ふふ、歩く不幸が居なくなった今、話すことがある」

一方通行「いい予感はしねェなァ」

垣根「女共、今夜は貸切の大浴場を使うんだ」

一方通行「オマエの言いたいことが分かった気がするなァ」

垣根「お察しの通り、覗きをする。対象の女こそ三人と少ないがどれも高レベルときたもんだ」

一方通行「はァ…」

垣根「以外と小さい反応だな。結標が居るからやめろとか言いそうだと思ったんだが」

一方通行「覗きってのは、学生達が修学旅行だりなンだりでやるイベントだと思ってる」

垣根「え?…いや…まあ…うん」

一方通行「だろォ?最近になって打ち止めの小学校入学を考えてなァ、それで色々と調べたンだわ」

垣根「はあ…」

一方通行「だからよォ、打ち止めに被害が被るかもしれねェ覗きを俺がやって対策を練ろうと思ってなァ」

垣根「よくわからんが協力してくれるんだよ、な?」

一方通行「まァな」

垣根「よし、じゃあ早速プランの相談だ」
........................................
...............................
.......................
...............
........
....
..
.
667 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:15:11.02 ID:jv0sfwaZ0
時は流れて夜


上条「あれ?また蟹!?」

海原「おや、不満でしたか?昨日とは調理の仕方が違うので大丈夫かと思ったのですが…」

浜面「上条は肉が食いたかったんだろ?」

上条「う」

浜面「ははっ。ほらな?」

土御門「でもうまいことには変わりないんだ、味の面では不満も無いだろ」

上条「まあそうだが…」

木原「あ?女たちはどうしたんだ?」

垣根「女は女で夕飯を取ってるらしいぜ」

木原「ほお」

削板「しかし女子達も合流していたんだな」

土御門「あまり広い温泉街じゃないしな。適当に歩いていれば鉢合わせするだろ」

木原「そういや最後の風呂は外で温泉に浸かろうと思うんだが誰か来るかぁ?」

上条「ん、じゃあ俺付いて行ってもいいか?」

木原「おう、来い来い。テメェらはどうするんだ?一方通行と垣根帝督」

一方通行「いや、俺達はイイ」

木原「んだよ、つまらねぇな」
668 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:15:38.71 ID:jv0sfwaZ0
海原「では自分達もご一緒しましょう。ね?土御門さん」

土御門「聴くまでもないぜい。もとより浜面も削板も同じ考えだ」

海原「おや、そうでしたか。しかし本当によろしいのですか?付いて来られなくて」

垣根「ああ、大丈夫だ。気にせず行って来いよ」

木原「行かねぇ野郎は行かねぇでいいだろ」

一方通行「そォいうこった。精々楽しンで来いよ」

海原「そうですか、ならばそうさせてもらいますよ」

削板「この蟹うまいぞ!」

浜面「それカニカマ…」

削板「カニカマぁ?」

垣根「ほら、鍋もういいんじゃねぇか?」

土御門「ん、じゃあ空けるか…蟹鍋とご対面…っと」

浜面「おお」

一方通行「確かに凄いがこの時期に鍋とはなァ」

浜面「いいじゃねぇか、うまそうでなによりだ」

削板「早く取り分けろ!」

海原「待ってくださいよ、削板さん」

上条「鍋かー、久しぶりだな…」

木原「そのデカイやつ俺のな」

垣根「は?俺のだよ」

海原「まあまあ…」
..............................
.....................
.............
.......
...
.
669 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:16:06.88 ID:jv0sfwaZ0
垣根「ついに来た」

一方通行「ふン…」

垣根「邪魔な他の男共は温泉街に、目当ての女三人は大浴場に行った」

垣根「欲を言えば上条が欲しかったがこの際仕方がねぇ」

一方通行「ンで、定石通りに未元物質に身を包ンでの行動でいいンだよな」

垣根「ああ、この未元物質製の膜はお互いの視認を除いて他の人物からの視認を一切拒否する特製だ」

一方通行「つまり俺とオマエはお互いに確認は出来るが他のヤツからは見えねェということだな」

垣根「ああそうだ」

一方通行「ンで?」

垣根「せっかく透明人間のようになれたんだが女湯に直接突撃しても面白くねぇ。だから男湯から覗く」

一方通行「ンじゃ、俺達も大浴場に行くか」

垣根「ああ」

一方通行「しかし覗きかァ…」

垣根「本来見ることの出来ない他の女の裸体が見れるんだ。すばらしいだろ?」

一方通行「能力を使用しての覗きの可能性がある…と」

垣根(予想通り女を覗くということに関しては一方通行は乗り気じゃねぇ)

垣根(だが、今回ばかりは乗り気になってもらわねぇと面白くねぇ。悪いが蟹鍋に盛らせてもらったぜ?未元物質)

垣根(時間差で発動する未元物質…効能は人並みの性欲、いわば性欲求だ、仲良く覗こうぜ?一方通行)

670 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:16:33.99 ID:jv0sfwaZ0
大浴場


木山「随分と拾いんだな」

結標「でしょう?女三人で使うのもどうかと思ってね」

麦野「この広さなら確かに思っちゃうわね」

フレンダ「うへー、これってそこらの一軒家より断然広いわよね」

麦野「そりゃあね」

番外個体「ミサカいちばーん」

黒夜「おい待てよ、私が一番だよ」

木山「待ちたまえ」ググイッ

黒夜「うおっ」ズデン

番外個体「あうっ」ズルッ

木山「先に体を流してからだよ」

滝壺「…!からだだけに?」

木山「?」

ショチトル「さて、では私が最初に入らせてもらおうかな」チャプ

風斬「じゃあ、私も…」チャプン

絹旗「…」ゴシゴシ

麦野「あんた最初に頭洗うの?」

絹旗「ええ、ゆっくり浸かりたいので」

麦野(シャンプーハット…可愛いじゃないの)
671 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:17:04.38 ID:jv0sfwaZ0
垣根「ふははは、ついに来たこの先に行けば男湯。つまりは女湯の隣ということになる」

一方通行「来たはイイがちゃんと覗けンだろォなァ?」

垣根「リサーチ済み」

一方通行「なンの障害も無いということだな」

垣根「ああ…」

一方通行「じゃあ早いとこ行こォぜ?待ち遠しいぜ」

垣根(しっかり発症してやがるな?本人が気付かないほど自然な流れだ…こういうのを親友って言うんだな…同じ秘密を共有するということか…)

一方通行「どうした?先行くぞォ?」

垣根「今行くよ」

ガラッ

一方通行「見事に貸切だな…」

垣根「ほら、あそこの塀だ。上れば楽勝で見れるぜ」

一方通行「おォ、ンじゃ早速拝見と行くか。目当てはまず心理定規のスレンダーボディからだァ」カチッ

垣根「俺は結標のバストを拝見するぜ…」バサッ

一方通行「そォら!」

垣根「おらぁ!」

一方通行「!?!?」

垣根「!!!!!」
672 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:17:37.02 ID:jv0sfwaZ0
麦野「ん?」

結標「どうしたの?」

麦野「なんか男湯から声がしたような…」

心理定規「帝督達が入って来たんじゃない?」

麦野「まさか覗きなんてしないわよね?」

御坂「そんな小さい事するかしら?」

麦野「それもそうね」

絹旗「よいしょ」ザパー

木山「可愛いな君は」

絹旗「え?」

木山「いや、なんでもないよ」

滝壺「西側から信号が…」

黒夜「信号?」

一方通行(おいおい、どォいうことだァ?)

垣根(まさかのまさか、他の女たちも居るとはな…)

一方通行(くききかか…まさにより取り見取りじゃねェか)

垣根(ん?あの眼鏡の子もいいなぁ)

一方通行(こォして見ると麦野もなかなか…)
673 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:18:04.95 ID:jv0sfwaZ0
麦野「んー」ソワソワ

心理定規「どうしたの?さっきから」

麦野「なんか気配を感じるっていうか…」

御坂「だから壁隔てて向こうに男共が居るからじゃないの?」

麦野「そうかしら…」

垣根(ふはは、落ち着きの無い麦野もいいもんだ)

木山「声をかけてみればいいんじゃないか?そのほうが色々とすっきりするだろう」

御坂「それもそうね」

結標「呼べばいいの?」

心理定規「この流れだとそれが正解ね」

結標「…一方通行ー!」

一方通行(!)スタッ

垣根(俺も降りておくか…)

一方通行「あァ!?なンだァ!?石鹸かァ!?」

結標「ちゃんと居るわ」

心理定規「みたいね」

結標「ううん!!呼んだだけー!」
674 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:18:31.62 ID:jv0sfwaZ0
心理定規「帝督ー!!」

垣根「あぁ!?お前は石鹸かぁ!?」

心理定規「私も呼んだだけー!!」

御坂「当麻ー!」

一方通行「…」

垣根「…」

御坂「ちょっとー!いないのー!?」

垣根「しつけぇな…」バサッ

一方通行「なにする気だァ?」

垣根「あ゛ーあー…ううんっ!…あー」

一方通行「お、三下の声色」

垣根「なんですかー美琴さーん!?」

御坂「なによ居るじゃない…どうしてすぐ返事しなかったのよー!!」

垣根「ちっ…あー、ちょっと考え事をしてたんですよー!」

御坂「考え事ー!?」

垣根「ああ、そうだ!」

御坂「それって何よー!!」

垣根「…」
675 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:18:59.82 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「おい、どうすンだァ?」

垣根「…くっ」

御坂「ちょっとー!?」

垣根「どうやったら女性陣の裸を見れるかをですねー!」

御坂「な、な、なんですって!?」

垣根「んだと!?この幻想殺しが!!あっちには心理定規もいんだぞ!!」

垣根「す、すいません!!美琴さんが夜の相手をしてくれないので性的欲求が…」

御坂「ちょ、ちょっと!!なに言ってるのよ!!」

垣根「よほど愉快な死体になりてえと見える」

垣根「ぎゃああああああ!不幸だーーーーー…」

垣根「クソウニ頭が!!」ペッ

御坂「…なんか悪いわね…」

垣根「こういうやつが居るから男が安く見られるんだよ」

番外個体「なに?本当に覗かれるとこだったの?」

麦野「みたいね。誰かさんのせいで」

御坂「仕方ないでしょ!まだ早いと思ってるんだから!!」
676 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:19:25.57 ID:jv0sfwaZ0
垣根「ちっ、とんだ邪魔が入ったな…」

一方通行「やめンのかァ?」

垣根「冗談」バサッ

一方通行「当然だよなァ」カチッ

垣根(どれどれ…ん?)

一方通行(なにか見つけたのかァ?)

垣根(見ろ、絹旗がシャンプーハット付けてるぜ?)

一方通行(付けたまんま入浴とはなァ…可愛いじゃねェかよ。淡希とはまた違った趣があるなァ…)

垣根(今度は…黒夜とあの眼鏡の子が湯船から出るみたいだな)

一方通行(黒夜かァ…貧相な体つきだぜ…)

垣根(眼鏡の子と比べればそりゃそうだろうよ)

一方通行(滝壺も結構スゲェなァ…)

垣根(浜面の野郎め…)

一方通行(しかし…)

垣根(第三位とワーストは…)

一方通行(見てもあンま面白くねェな…)
677 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:19:54.41 ID:jv0sfwaZ0
一方通行(見ろよォ、ショチトルもなかなかイイぜェ?)

垣根(浅黒い肌がいい味出してやがるな)

一方通行(ああ、その通りだ)

垣根(木山とかって女も心理定規と同じくなかなかスレンダーなタイプだな)

一方通行(おォ、強く抱きしめると壊れちまいそうだなァ…)

垣根(フレンダは…足だな…)

一方通行(あァ、美脚自慢するだけあってなかなかだ)

垣根(眼鏡の子も凄かったが…結標と麦野も負けてねぇな)

一方通行(麦野のほうは引き締まってやがるなァ…)

垣根(みんな違ってみんないい…だな)

一方通行(全くだなァ…)

滝壺「!」

麦野「…!」

絹旗「…どうしました滝壺さん?」

麦野「フレンダ、もう少し近くに」

フレンダ「了解」

麦野「敵?」

滝壺「近くに大きな反応…」

麦野「場所分かる?」

滝壺「よくわからないけど…多分…あそこらへんかな?」

御坂「なに?どうかしたの?」

麦野「いや、なんでもないわ」

御坂「そう?」
678 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:20:22.40 ID:jv0sfwaZ0
垣根(なんだ?アイテム連中が集まってきたな)

一方通行(流し合いでもするんじゃねェか?)

垣根(ああ、なるほどな)

番外個体「♪」ゴシゴシ

一方通行(番外個体は鼻歌交じりに頭を洗うのか…)

垣根(いいねぇ)

ショチトル「氷華は好きな人とか居ないのか?」

風斬「私は…いませんね…」

黒夜「…」ゴシゴシ

一方通行(あれが青春かァ…)

麦野「滝壺、照準いい?」

滝壺「うん」

麦野「ここらへん?」

滝壺「もうすこしうえ」

麦野「ここ?」

滝壺「少し右に微調整」

麦野「ここね?」

滝壺「うん」

麦野「よし」ジジジ

垣根(ん?光?)

一方通行(なんだァ?)

麦野「あばよ」ドシュ
679 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:20:50.64 ID:jv0sfwaZ0
垣根「!」

一方通行「原子崩し…!」

垣根「ちっ!」バギィン

一方通行「クソっ」キュイイン

麦野「弾かれた!?」

御坂「ちょ、ちょっと!?何やってるの!?」

麦野「なんか居るみたいだぜ?」

結標「あそこ?」

麦野「え?ああ」

結標「…」ヒュンヒュン

垣根「今度は桶か」

一方通行「気付かれたのかァ?」

垣根「まさか、見えるはずがねえ」ヒョイ

一方通行「…」バチィ

結標「確かに何か居るわね…」

御坂「何かって何よ…」

麦野「覗きか暗殺者か…どのみち生かしちゃおけないけどね」ドシュ

木山「なにか騒がしいな」

黒夜「またなんかで盛り上がってんだろ?」

ショチトル「こういう日常もいいな」

風斬「本当ですね、ね?番外個体さん」

番外個体「うん」
680 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:21:20.86 ID:jv0sfwaZ0
垣根「しつこいな…」

一方通行「一体何が…」

麦野「全部弾かれてるかかわされてるわね」

心理定規「相当のやり手かしら?」

麦野「…かもな」

御坂「えいっ」バチチ

垣根「今度は電撃か?」バチィ

一方通行「ひゃは」

心理定規「ちょっと」

垣根「は?」

心理定規「見えないけどここに居るのかしら?帝督」サワサワ

垣根(なんだ?いつのまに…)

一方通行(なるほど…淡希か…あばよ垣根)ビュン

垣根(あ)

心理定規「よいしょ」キュウウン

垣根「能力が…?」

心理定規「AIMジャマー、姿を現したわね帝督」

垣根「…じゃあな」バサッ

心理定規「淡希!」

結標「はいはい」ヒュン

垣根「ぐおっ」ドサッ
681 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:22:30.64 ID:jv0sfwaZ0
麦野「まさかお前が覗きをしていたとはな」

垣根「お前なんか眼中にねぇよ」

麦野「あぁ?」ゲシッ

垣根「いたっ」

心理定規「一人の犯行かしら?」

垣根「違うな、男三人でやった」

結標「二人足りないみたいだけど」

垣根「一人は粛清した、もう一人は逃げた」

麦野「どうだった?絹旗、滝壺」

絹旗「能力で争った痕跡は超ありませんでした」

滝壺「第一位の反応はしなかったよ」

垣根(あのヤロォ…能力で丁寧に痕跡を…一体どうやって…)

心理定規「らしいんだけど」

垣根「…お前結構胸あるな」

心理定規「!」ゲシッ

垣根「あうっ」

フレンダ「で、どう落とし前付けるのよ」

垣根「お前はまな板だな」

フレンダ「…」
682 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:22:58.39 ID:jv0sfwaZ0
木山「まあ彼も男なんだ、少しは情状酌量の余地はないかね?」

麦野「ないわね」

木山「そうか、君がそういうのならそうなんだろうな」

垣根「麦野は結構肌綺麗だな、可愛いぞお前」

麦野「…」ドガッ

垣根「お、見えた」

麦野「なにがよ」

垣根「タオル一枚でそんなに足振り上げたら…そりゃあな…」

麦野「!!!!!!」

絹旗「どっか頭でも打ったのでしょうか?」

垣根「お前もシャンプーハットを愛用してるなんて可愛いじゃないか」

絹旗「…」

番外個体「で、どうするの?コイツ」

垣根「お前は…なんでもない」

番外個体「!」バチッ

垣根「あひぃ」

黒夜「どうしようもねぇなコイツは」

垣根「お前もどうしようもない体型だな、へっ」

黒夜「!!!!!」ゴオッ

絹旗「黒夜、それは死んじゃいます」

心理定規「帝督…あなた…」

垣根「そんな目で俺を見るな、俺も目的があったんだ」

フレンダ「目的?」
683 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:23:24.76 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「…垣根…男湯の前で待ってるからな…」

風斬「あれ?一方通行さん?」

一方通行「あン?」

ショチトル「こんなところでどうしたんだ?」

一方通行「あァ…風呂に入ろうか迷ってたンだ」

滝壺「いまははいらないほうがいいかも」

一方通行「ほォ、どォしてまた」

滝壺「いろいろあったの」

一方通行「そうかァ?他の連中はどォしたァ?」

滝壺「まだなかにいるよ」

一方通行「そォか。ところでよ垣根見なかったか?」

滝壺「垣根は男だったの」

一方通行「あァ?」

ショチトル「暇なら卓球しないか?」

一方通行「ダブルスできるなァ、いいぜェ」

684 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:23:51.56 ID:jv0sfwaZ0
垣根「俺はな…一方通行や上条のように彼女が欲しかったんだ…」

御坂「え?」

垣根「それでよ…皆のあるべき姿を見て決めようとしたんだ」

心理定規「」ワナワナ

麦野「はぁ?心理定規がそうじゃねぇのか?」

垣根「心理定規か…確かに一緒に居るとは言ったがそういう関係じゃねぇだろ?俺はそう思ってるよ」

絹旗「うわぁ…」

番外個体「かわいそ…」

垣根「だろ?一緒に居るのにそういう関係じゃねぇんだよ」

黒夜「かわいそうなのはお前じゃねぇよ」

垣根「は?」

心理定規「ねぇ…私は…グスッ…あなたのなんなの…?」

垣根「仲間じゃねぇのか」

心理定規「グス…もう知らない!」ダッ

垣根「?」

御坂「当麻が感染したのかしら…」

結標「垣根帝督」

垣根「あ?」
685 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:24:18.87 ID:jv0sfwaZ0
結標「なんで心理定規が泣いてたか分かる?」

垣根「俺が仲間って言ったからか?」

結標「そうね、その通りだわ。次に聴くけど心理定規はなんて言って欲しかったんだと思う?」

垣根「…いや」

結標「今までの心理定規の行動を思い返してみなさいよ!!」

垣根「…」

麦野「はぁーあ」

結標「心理定規はあなたに近づきたかったの、今までよりもっと近くに」

麦野「お前、もう自分が何したらいいか分かるんじゃねぇか?」

垣根「ふん」バサッ

垣根「言わなきゃ伝わらない事もある」

黒夜「なにいってんだ」

垣根「心理定規には、それを言って欲しかったよ…」ゴバァ

パリーン!!

木山「外に…」

フレンダ「腰タオルで…」

絹旗「私達も出ましょう。あとは二人の問題です」
686 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:24:49.02 ID:jv0sfwaZ0
屋上


心理定規「…グスッ」

ブワッ

垣根「…心理定規」タッ

心理定規「何の用?」

垣根「寒くねぇのか?いつものドレス姿でよ」

心理定規「別に」

垣根「そうか」

垣根「何か言うことはねぇのか?」

心理定規「無いわ」

垣根「本当に無いのか?」

心理定規「今の貴方に何を言えばいいの?」

垣根「思ってること、言えばいい」

心理定規「貴方って…本当に最低」

垣根「そうか」

心理定規「私のサインに気付かないどころか、他の女の子に迷惑をかける始末」

垣根「…」
687 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:25:31.44 ID:jv0sfwaZ0
心理定規「私は何回もこうして悩んだの、それで行き着いた結果が監禁」

心理定規「私はあの事件を終えて、貴方が一緒に居てくれるって言ってくれたとき、ついに念願叶ったって思ったの」

心理定規「でもそれは私の盛大な勘違い、あの時点で恋人同士だとおもったもの」

垣根「ちゃんと言ってくれなきゃ分からねぇ。人の気持ちなんかにゃ久しく触れてねぇからな」

心理定規「今度はきちんと聴いてくれるのかしら」

垣根「そのためにここに来た」

垣根「そっち行くぞ」

心理定規「ダメ、そこで私の背中を見ててよ。顔、見せらんない」

垣根「…」

心理定規「私はね、貴方のことが好きなの。それこそ彼氏、彼女の関係になりたいほど」

垣根「ああ、今思い返してみればそれがお前の望みだったんだな」

心理定規「返事、聴かせてもらえないかしら?今ここで」

垣根「願ってもねぇ。断る理由なんざねぇよ」

心理定規「帝督…」

垣根「ああ」ギュッ

心理定規「うぅ…グスッ…」

垣根(これでいいんだよな)

垣根「ほら、泣くな」

心理定規「…うん」

垣根「戻ろうぜ、な?」

心理定規「帝督」

垣根「なんだ?」

心理定規「なんで貴方腰タオルなの?」

垣根「…」
688 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:26:03.46 ID:jv0sfwaZ0
結標「あら、居たの?一方通行」

一方通行「ン?あァ、まァな」

御坂「あのさー、ちょっと聴きたいんだけど」

一方通行「あァ?」

御坂「第二位の能力って声色変えれたりするの?」

一方通行(なんて言うべきか…)

麦野「私は出来ると思うんだけど」

木山「使い方次第だと私は思うな。出来る出来ないは別として彼がするかしないか、なんだが…」

絹旗「一方通行は出来るんですか?」

一方通行「あー、どォだろォな」

黒夜「私達も出来るんじゃねぇのか?こう窒素をヘリウムガスみたいにさ…」

番外個体「それは違うんじゃないかな」

一方通行「まァ使い方次第だろ、俺は行くぜェ」

麦野「ちょっと待った」

一方通行「…なンだ」

麦野「あんた今まで何してたの?」

一方通行「何って…特に…」

麦野「さっき第二位が覗きしてたんだよねぇ。私達相手に」

一方通行「ほォ」
689 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:26:32.61 ID:jv0sfwaZ0
麦野「垣根は三人でやったって言ってる。だけどそんな痕跡はどこにも無いの」

麦野「でもアンタの能力だったら痕跡くらい簡単に消せるんじゃないの?」

一方通行「何が言いてェ」

麦野「あんたも覗きしたんじゃないの?」

一方通行「興味が無ェな」

麦野「…」

一方通行「…」

風斬「あ、あの…一体…」

絹旗「しっ」

麦野「ま、そりゃそうか…いいわ、なんでもない」

一方通行「そォか、ンじゃな」

ショチトル「ん?お風呂に入らないのか?」

一方通行「興ざめだ、夜中にでも入りに来る」

結標「そういえばお土産、私達が買っといたから」

一方通行「おォ、そォか。悪ィな」
690 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:27:00.82 ID:jv0sfwaZ0
絹旗「どう思いますか?」

麦野「わからない」

木山「まあいいんじゃないか?証拠も出てこないことだし。彼があのような性格ならあまり女性の裸に興味無さそうだ」

フレンダ「ふーん」

黒夜「まあ戻るか。意味の無ぇ話題はこれ以上話しても本当に意味が無ぇからな」

木山「そうしようじゃないか」

風斬「そういえばアイス食べたいなぁ」

番外個体「確か下に売ってなかったかな?」

フレンダ「じゃあ私も行こうかな」

麦野「私は部屋に戻るわ」

結標「私もそうするわ、心理定規も待たなきゃいけないし」

御坂「当麻に聴きたいこともあるし私も戻ろっと」

滝壺「ねむい…」

ショチトル「ここで寝ちゃダメだぞ」
691 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:27:26.71 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「ふゥ」

ガチャ

上条「おう、戻って来たな」

一方通行「ン、居たのかァ?」

上条「さっき戻ってきた。垣根はどうした?」

一方通行「分からねェ」

上条「そうか?」

一方通行「あァ」

ガチャ

垣根「…」

一方通行「お前生きてたのかァ」

垣根「一人で逃げやがって…」

一方通行「捕まるわけにはいかなかったンだよ」

垣根「チッ、まあいい。そのお陰で色々なことがあったからな」

上条「なんかあったのか?」

一方通行「まァ色々だ」

上条「?」

piririririri

上条「ん?電話?」
692 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:27:57.83 ID:jv0sfwaZ0
ガチャ


滝壺「ねむいよ…」

ショチトル「ほら、もう着いたぞ」

麦野「なんか悪いわね」

ショチトル「いや、これくらい」

海原「お帰りなさい、どうでしたか?大浴場とやらは」

麦野「色々と散々だったわ」

海原「おや、そうですか?」

土御門「他の連中はどうしたんだ?」

木山「下にアイスを買いに行ったよ」

黒夜「今日もクジで組み合わせ決めるんだっけか?」

海原「ええ、昨日と同じではつまらないのでね」

浜面「なんだ?新たにやって男と一緒になるのが不安なのか?言葉遣いと裏腹に結構純真なんだな」

黒夜「はぁ?」

木原「早いトコ決めようぜ」

削板「まだみんな集まってないぞ?」

海原「そうですね、もう少しだけお待ちください」
693 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:28:28.70 ID:jv0sfwaZ0
上条「はい、もしもし?」

上条「えっ?覗きをするかって?」

上条「えーと…どういうことでしょうか?」

上条「お前が相手をしないから?えっ?どういう意味…」

上条「いや、別にそんな気持ちは…はいはい…」

上条「えっ?、ああ、うん、じゃあな」

一方通行「なンだったンだァ?」

上条「なんか、夜の相手をしないと覗きに走るのか?って聴かれた」

垣根「…」

上条「よく分からないなぁ…」

一方通行「…」

垣根「寝るか」

一方通行「そォだな、今日は疲れたしな…」

上条「もう寝るのか?」

垣根「ああ、寝ようぜ」

上条「?」

一方通行「平和だなァ…」

垣根「どこがだ、結構酷い目にあったぜ」

一方通行「そいつは残念だなァ」
694 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:28:56.35 ID:jv0sfwaZ0
ガチャ

番外個体「たっだいまー」

風斬「戻りましたー」

絹旗「超遅くなっちゃいましたね」

フレンダ「アイス食べてて喋ってるだけで一時間潰せたわね」

絹旗「おや」

番外個体「ありゃ?みんな寝てるし」

フレンダ「えっ、どういう状況なの?コレ」

風斬「滝壺さんはちゃんと布団に入ってますが他の皆さんは…」

番外個体「うへーミサカ達はどこで寝ればいいのさ」

フレンダ「これは皆くっ付いて寝るしかないって訳ね」

絹旗「海原さんと麦野なんか超密着してますよ、ほら」

フレンダ「削板は浜面の枕になってるわね」

風斬「黒夜さん、ベッドから落ちそうですよ」

番外個体「木山なんか他の連中の枕だよ…」

風斬「重くないんですかね?」

絹旗「私達も早いとこ寝ましょうよ」

フレンダ「そうだね」
695 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:29:25.20 ID:jv0sfwaZ0
結標「ついにくっ付けたのね」

心理定規「うん」

御坂「もう付き合ってるのかと思ってたわ」

心理定規「私もそう思ってたわ」

結標「で、あなたの方はどうだったの?」

御坂「よく分からないけど、とりあえず覗きはしないって言ってたわ」

心理定規「じゃあ本当に帝督一人で犯行に及んだのかしら?」

結標「さあ」

御坂「分からないわね」

結標「もう過ぎたことだしなんでもいいんだけどね」

心理定規「もう寝ましょう、明日にはもう帰るんだし」

御坂「もう帰るのね」

結標「あっというまだったわね」

心理定規「たった二日だからね」

御坂「またこういう機会があればいいわね」

結標「そうね、またいつか」
.....................................
.............................
.....................
..............
.........
.....
...
..
.
696 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:29:53.60 ID:jv0sfwaZ0
翌日

上条「ついにか」

垣根「ついにっていうか、もうバス来てるけどな」

上条「…そんなこと言わないでくださいよ」

御坂「あんた帰ったら私に付き合いなさいよ」

上条「へ?まあいいですけど」

一方通行「もう乗ろうぜェ」

上条「あれ?土御門達は?」

心理定規「確か別のバスよ。だから一緒には帰れないわね」

結標「さて、じゃあ乗りましょうか。忘れ物、無いわよね?」

心理定規「多分、大丈夫」

御坂「私も大丈夫」

一方通行「おし、ンじゃ帰るか」

垣根「短い付き合いだったが楽しかったぜ」

一方通行「は?」

垣根「お前もだ一方通行」

一方通行「あン?」

垣根「あそこを見ろ、風紀委員だ」

一方通行「…」
697 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:30:20.96 ID:jv0sfwaZ0
上条「風紀委員?」

御坂「あれは黒子のトコの支部ね」

結標「なんでここに風紀委員が…」

心理定規「誰かに通報されたのかしら」ジッ

垣根「冗談、あんなこと他ではやってねぇよ」

一方通行「どォすンだァ?」

垣根「分からねぇな。俺達が目当てじゃねぇかもしれねぇし、少し様子見だな」

結標「なにかやったの?」

一方通行「やったと言うかやらされたというか…」

心理定規「先バス入ってるわね?」

垣根「おう、もう少し時間あるから俺たちは外に居るよ」

上条「んじゃ入ってるぜ」

一方通行「あァ」

結標「あんまり変なことしないでよ?」

一方通行「多分しねェよ」

垣根(仮に狙いが俺達だったら…どうやってバレたんだ?)

垣根(細かい能力分析でもしたってのか?)

一方通行(十中八九俺達が狙いだろォな…)
698 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:31:02.97 ID:jv0sfwaZ0
白井「見つけましたわ!お二方!」

初春「はぁはぁ…待ってください…白井さん…」

垣根「よう、どうしたんだ?」

白井「私達、垣根さん達の無実を確たるものにするべく裏づけの調査を行ってたのですが…」

初春「詳しい調査の結果、一連のイタズラの犯人を特定するものとなりました」

垣根「つまり?」

白井「犯人は垣根帝督、あなたと言うことですの」

初春「同様に一方通行さんにも共犯の疑いがあるんです」

一方通行「…」

白井「あの時、地下街で一緒に遊んだとき、どうもおかしな感じがしたんですの」

初春「それで調べた結果、ごく少量の未元物質の反応が出たんです」

白井「結構大変でしたのよ?かつてこれほど難しい調査が無いくらいに」

垣根「んで?どうしろと?」

白井「両腕、出してくださいまし。風紀委員ですの!」

初春「一方通行さんもです。こちらは任意同行ですが」

垣根「…」

一方通行「…」

白井「逃げようとしても無駄ですの、あなたが苦手とする固法先輩も連れてきたので」


699 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:31:30.60 ID:jv0sfwaZ0
垣根「なにを言うかと思えば…」

白井「問答無用!乙女心を弄んだ罪を償ってもらいますの!」ヒュン

垣根「いやだ」ゴバァ

初春「じっとしてくださいね、一方通行さん」

一方通行「悪いがそれは出来ねェな…」

初春「え?」

一方通行「捕まれねェよ」カチッ

初春「そ、そんな!逃げるなんて認めるようなものですよ!」

一方通行(ここで捕まったら覗きの件も出されるかもしれねェ。それどころか他の事も芋づる式に出てくるかもしンねェ)

一方通行「それでも、だァ」

固法「待ちなさい!」ガッ

垣根「さすがに三度目は無ぇよ」ブン

固法「きゃっ」

白井「大人しく…!」

垣根「面倒な…」バサッ
700 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:33:24.62 ID:jv0sfwaZ0
垣根「バス、出していいぜ。乗らないからな」

心理定規「後で話、聴かせてね」

垣根「捕まらなかったらな」

結標「一方通行もよ」

一方通行「おォ」

上条「なんか知らないけど行っていいのか?」

御坂「いいんじゃない?」

白井「大人しくお縄についてくださいまし!」

垣根「そりゃゴメンだ」

固法「さすがは第二位…かしら?」

垣根「その解釈で間違ってはいねぇ」

初春「どど、どうするんですか??」

白井「どうって…お姉さま、少し協力してくださいまし!」

御坂「ええ!?私!?」

白井「お姉さまの写真、先日新聞にも載っていましたの!」

御坂「なっ…!」バチチ

上条「そういや今日はまだコーラ飲んでなかったな…だからこんなに気性が荒いのか?」

垣根(コーラ飲んでてもあの類の興奮には効き目が無かったはずだな…)

垣根「チッ、いらねぇ事を…白井め…」
701 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/22(日) 21:34:01.42 ID:jv0sfwaZ0
一方通行「オイ!モタモタしてンじゃねェぞ!」

垣根「ああ」

御坂「ちょっと!待ちなさい!そういえばあんた写真のこと聴いてないわよ!!」

垣根「言うわけないだろ」

御坂「きーっ!」

白井「今ですの!」ヒュン

一方通行「今度は俺かァ?」ヒョイ

白井「あれ?避けられ…」ズデン

初春「わわ、大丈夫ですか!?白井さん!」

御坂「あんたねぇ…!」

一方通行「ふン」

垣根「行くぞ一方通行」

一方通行「…あァ」

固法「ちょっと!」

垣根「また会おうぜ、風紀委員」

一方通行「じゃあな」

白井「お待ちになってくださいまし!」

垣根「誰が」バサッ

一方通行「はァ」キュイイン

ドバッ!!

御坂「こらー!!」

白井「またしても…!!」

初春「また逃げられましたね…」

固法「高位能力者による犯行…少し体制の見直しね…」


垣根「あんなトコで捕まってたまるかよ。あとできっちり情報操作してやる…!」

一方通行「俺もだ、捕まりたくはねェ」

垣根「奇遇だな。じゃあまた近い内に会おうぜ」

一方通行「あァ」

垣根「じゃあな!一方通行!」

一方通行「あばよ、垣根!」

...............................

....................

.............

.......

...

.
708 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:19:35.78 ID:FThWmmNu0
心理定規「…」

垣根「で?」

絹旗「ですから…」

垣根「夢を見たい…って話だろ?」

絹旗「はい」

垣根「どうしろってんだよ、見たいなら寝ればいいだろ」

絹旗「それをしても超無駄だからここに居るんです」

絹旗「未元物質、なんとか出来るでしょう?超好きな夢を見ることぐらい」

垣根「…確かに催眠なんかはお手のもんだか…決まった夢を見せるってのは…どうなんだ?」

心理定規「夢って確か見る人の願望や欲求によって大体決まるのよね」

心理定規「帝督が能力で願望中枢を刺激して強い催眠を引き起こせばなんとかなるんじゃない?」
709 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:20:57.06 ID:FThWmmNu0
垣根「願望中枢だと?感覚中枢じゃなくてか?それって脳みそいじればいいのか?」

心理定規「多分。ていうか感覚があるんなら願望もあるんじゃない?」

垣根「…お前の能力でなんとかならないのか?」

心理定規「私の能力じゃ例えレベル5になっても無理よ。それこそ同じレベル5の心理掌握ならなんとかなるんじゃない?」

垣根「…んー。無理だな、諦めろ絹旗」

絹旗「覗き」

垣根「…!」

絹旗「不問にしてもいいんですよ?旅行の時は超うまく風紀委員から逃げれたみたいですけど覗きときたらそうはいきません。」

絹旗「麦野やみんなが超協力してあなたを豚箱にぶち込みます」

垣根「…」

心理定規「私、豚箱経験のある彼氏なんて嫌よ。しかも覗きだなんて」

垣根「ちっ…仕方ねぇ。夢、見せてやるよ。ついて来い」

絹旗「別にここでもいいですよ?」

垣根「ここじゃ無理。つーかファミレスで寝る気か?お前は」

心理定規「私も行くわよ」

垣根「そうしてくれ」
710 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:21:30.25 ID:FThWmmNu0
絹旗「で、どこに行くんですか?」

垣根「俺の能力ではやりたくねぇ。脳をいじるとなると安全の保障が出来ないからな」

絹旗「?じゃあどうやって…」

垣根「知り合いにそういう専門がいる」

絹旗「そうですか?」

心理定規「まさかホントに心理掌握に頼むんじゃ…」

垣根「誰が、中学生に頭さげるなんざゴメンだ」

心理定規「じゃあ誰に…」

垣根「お前ら二人共会ったことがあるぞ」

絹旗「ますます分かりませんね」

心理定規「まさか第一位に頼むの?」

絹旗「!」

垣根「いや、多分無理だろ。一方通行の所じゃなく、最初に未元物質を頼って来たんだ。何か理由があんだろ」

絹旗「さすがですね。第二位。確かに一方通行では超ダメな理由があります」

垣根「まぁその理由は後で話してもらうぞ」
711 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:21:57.64 ID:FThWmmNu0
絹旗「水穂機構病院?」

垣根「そうだ、確かここに居るはずだ」

心理定規「冥土帰しかしら?」

垣根「違うね。第一病院が違う」

垣根「ちょっと受付に行ってくる。少し待ってろ」

絹旗「まさか夢を見るな、とかって言われて超カウンセリングなんかされるんでしょうか…」

心理定規「それは無いわ。多分」

絹旗「でも普通研究所とかじゃないんですかね?それを病院って…」

心理定規「一理あるわね」

絹旗「頭のレントゲンでも超撮られるんでしょうか」

心理定規「人間ドッグかもね」

絹旗「まさか…まさかそれは…」

垣根「受付、ここでいいか?」

受付嬢「はい」
712 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:22:34.27 ID:FThWmmNu0
垣根「大脳生理学専門チーム所属の木山春生を探してるんだが…今居るか?」

受付嬢「木山春生ですか?少々お待ちください」

垣根(前に一悶着あってチームを外れたって聴いたが…なんとか戻ったって言ってたから大丈夫だろ)

受付嬢「失礼ですが、お名前をお聴きしてもよろしいでしょうか?」

垣根「垣根帝督」

受付嬢「はい、ありがとうございます」

垣根(ここでなんとかなるといいんだが…)

受付嬢「お待たせしました。今研究室に居るようです。案内図をお渡し致しますので…どうぞ」

垣根「おう、すまないな」

受付嬢「いえ」

垣根「待たせたな。研究室に行くぞ」

絹旗「研究室ですか?」

垣根「そこにいるらしい」
713 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:23:05.95 ID:FThWmmNu0
コンコン

『どうぞ』

垣根「邪魔するぜ」

心理定規「失礼するわ」

絹旗「失礼します」

木山「おや?君たちか、珍しいな。こんな所にお客とは」

垣根「ちょっと頼みたいことがあってきたんだが」

木山「君は確か垣根くんだったな。頼み事か…出来る範囲なら協力するよ」

垣根「そいつは助かるな、こっち来い絹旗」

絹旗「はいはい」トテトテ

垣根「こいつは大脳生理学専門の木山だ。多分お前の願いを叶えてくれるはずだ」

絹旗「いや木山さんの事は知ってますよ」

垣根「ん、そういやそうか」

木山「それで?第二位の君が頼み事とはなんだい?」

垣根「正確には俺じゃねぇ。依頼主は絹旗、夢を見せてやりたいんだ」
714 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:23:33.94 ID:FThWmmNu0
木山「夢?…ああ、夢を見れないということか?夢を見るにはレム睡眠とノンレム睡眠というものがあって…」

垣根「あー違う違う。そいうんじゃねぇよ」

木山「ん?どういうことだ?」

垣根「好きな夢を見たいらしい」

木山「見る夢を選びたいということか?」

垣根「そうなるな」

木山「一体どんな夢を見たいんだ?」

垣根「そういや聴いてないな。おい、なんなんだ?」

絹旗「…木山さん、ちょっといいですか?」

木山「ん?人前では言えないような事か?」

絹旗「はい」

木山「そうか、じゃあこっちにカウンセリング室があるから…」

垣根「俺達の前じゃ言えない内容なのか?」

心理定規「そりゃ夢で見たいって言うくらいだからね」
715 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:24:03.11 ID:FThWmmNu0
木山「ここなら防音もしっかりしてるから聴かれる心配は無いよ」

絹旗「…」

木山「さて…なにから聴いたものか…。とりあえず夢を見たいっていうのは…」

絹旗「えっと…とりあえず好きな夢は超見れるんでしょうか?」

木山「科学的には可能だよ。少し垣根くんにも協力してもらうけどね」

絹旗「そうですか…」

木山「じゃあ見たい内容を教えてもらってもいいかな?」

絹旗「えっと…話す意味は…」

木山「そうだな…まず夢の内容によって様々な感情が出るだろ?見たい夢の内容にそってその感情を刺激するんだ」

木山「つまりは睡眠中、その夢の内容に関する感覚を刺激してやると…まあ見れるという事だよ」

絹旗「垣根に協力してもらう意味は…」

木山「リラックスした状態で睡眠を取るサポートをしてもらう。気持ちが落ち着けばそれだけ夢を見やすくなるからな」

絹旗「内容を言ったりとかは…」

木山「特に話す意味は無いから話さないよ」

絹旗「そうですか、じゃあ」
716 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:24:32.39 ID:FThWmmNu0
絹旗「実は私、超好きな人が居るんです」

木山「君のような年頃では特に珍しくもないよ。その話題を出すということは夢に関係することなんだろうね」

絹旗「はい、それで相手なんですが…」

木山「うん」

絹旗「すでに結婚してるんです」

木山「うん?」

絹旗「付き合ってる段階では超略奪愛もアリかと思ってたんですが最近結婚しちゃいまして」

木山「それってもしかして…一方通行くんの事か?」

絹旗「はい」

木山「なるほど…言いたいことが分かった気がするよ」

絹旗「そうですか?」

木山「多分、夢の中で彼と付き合ってたら…という状況を体感したいんだろ?」

絹旗「はい、今の状況でそんなこと現実でやったら超浮気になっちゃうので…せめて夢の中でも、と思いまして」
717 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:25:01.22 ID:FThWmmNu0
木山「確かに垣根くんの前では言えないな…」

絹旗「出来ますかね?」

木山「大丈夫だよ」

絹旗「じゃあお願いします」

ガチャ

垣根「ん?もう済んだのか?」

木山「ああ、なかなか可愛いらしい夢だったよ」

垣根「は?」

絹旗「ちょ、ちょっと」

木山「はは、リラックスだよ」

垣根「俺達はもう帰ってもいいか?」

木山「ダメだ。少し協力してくれ」

垣根「一体何を協力すればいいんだよ」

木山「なに、君の能力でちょっと眠気を誘ってほしいだけだ」

垣根「ん?」

木山「出来るだけリラックス出来るように気を使ってくれ。結構応用が利くのだろ?君の未元物質とやらは」

垣根「なるほどな」

木山「あっちの部屋で行う、先に行って待っていてくれ」

垣根「ああ、行くぞ心理定規」

心理定規「ええ」
718 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:25:33.05 ID:FThWmmNu0
木山「夢を見る前にちょっといいか?」

絹旗「はい?」

木山「どうして一方通行くんを好きに?」

絹旗「暗闇の五月計画を知っていますか?」

木山「置き去りを利用した実験だろ?よく知っているよ…酷い実験だ。私も小児用能力教材開発所に居たからな」

絹旗「内容は知っていますか?」

木山「ある人物の演算パターンを参考にし自分だけの現実を最適化し性能を上げる計画だろう?」

絹旗「はい、一方通行の演算パターンを参考にした計画です」

木山「ふむ」

絹旗「一方通行の精神性の一部を植え付けるという話は?」

木山「知っているよ」

絹旗「いわばそのお陰なんです」

木山「というと?」

絹旗「自分だけの現実の最適化、つまりは一方通行に超近づくということです」

絹旗「自分が超変わっていくなかで自分自身を保つには自分を好きになるしかなかったんです」

木山「…」

絹旗「変な話かもしれませんがそれが原因で不思議と一方通行に惹かれていったんです。姿も知らなかったのに」

絹旗「だからこそ、会った時は超嬉しかったんです。いわば自分の家族みたいに思い込んでいたので」

木山「なるほど、素敵な話だな。もちろん彼の人格にも惹かれていったんだろうな」

絹旗「当然です」

木山「うむ、よく分かったよ。じゃあそろそろ行こうか垣根くんを待たせては悪いからな」

絹旗「はい」
719 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:26:11.28 ID:FThWmmNu0
垣根「来たか、準備出来てるぞ」

木山「すまないね。じゃあ絹旗くん、こちらで横になってくれるか?」

絹旗「ここですか?よいしょ…」

木山「ちょっとごめんよ…」パチパチ

絹旗「このプラグは?」

木山「感覚中枢を刺激するものだ。安心してくれ、傷つけるようなものじゃないから」

絹旗「へぇ…」

木山「夢の体感時間なんてものは分からないものだ…目覚めるまで楽しんでくるといい」

絹旗「はい」

木山「あと夢の中での出来事なんだがね、サポート付きで夢を見せるとは言っても結局は自分の欲望が強く反映されるんだ」

木山「つまりは欲望が反映されてるということだからご都合主義な無いようになるだろうね」

木山「どういう状況から夢が始まるのかは分からないが自分の望みが形に現れるものだ」

絹旗「何があっても超驚くな、ですか?」

木山「まあそうだな。見ればわかるだろうから説明はもう止めだ。垣根くん、頼むよ」

垣根「ああ」ブワッ

絹旗「寝てるからってパンツ見たりしないでくださいよ」

垣根「そろそろ寝る準備をしろ。次期に何も分からなくなるぜ」

絹旗「ええ…」

木山「脳波が睡眠のものに近くなってきたな。ゆっくり楽しむといいよ。おやすみ」

絹旗「おやすみ…なさ…い…zzZ」

垣根(白か)チラッ

心理定規「ちょっと」ガシッ
720 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:26:36.35 ID:FThWmmNu0
『オイ』

絹旗(ん…なんでしょうか…)

『起きろ、最愛』

絹旗(ん?最愛?)ガバッ

一方通行「やっとお目覚めかァ?ったく、人を目覚まし代わりにしといてさっさと起きねェってのはどうなンだ…」

絹旗「一方通行?」

一方通行「ン?やっと一方通行って呼んでくれンのかァ?」

絹旗「へ?」

一方通行「寝ぼけてンのかァ?まァいい、今日は出掛けンだからよォ?待ってっからさっさと準備しろ」

絹旗「え?ああ、はい…そ、そうだ!最愛ってなんですか?」

一方通行「はァ?お前が名前で呼んでくれって言ったから最愛って呼んでンだろォが!」

絹旗「…ぷっ、あはははは!超そうでしたね!」

一方通行「意味分かンねェな…早く準備しろよォ」ガチャ
721 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:27:18.88 ID:FThWmmNu0
絹旗「無事成功したみたいですね。まさか最愛と呼ばれてるとは…確かに絹旗では超足りない感じがしてましたが…」

絹旗「そういえば一方通行と呼んだ時の反応を見る限り、私も何か別の呼び方をしていたみたいですね…」

絹旗「私が一方通行をなんて呼びたいと思ってるか…そこが超反映されてるんでしょうね…」

絹旗「とりあえず着替えましょうか、パジャマみたいですし…部屋は…超私の部屋ですね…うん」ゴソゴソ

絹旗「あとは携帯をチェックしましょうか?もしかしたら何かあるかもしれませんし」

絹旗(でも超凄いですね。本来ならば夢を夢と思えないのに…きちんと夢だって感覚が超あります。これも木山さん達のお陰でしょうか?)

絹旗「虚しいことだとは分かっています。ですが今だけは、今だけは超忘れさせてください。一方通行」
722 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:27:46.89 ID:FThWmmNu0
絹旗「お待たせしました。あーくん」

一方通行「チッ、結局元通りかよ」

絹旗「そんなイヤそうな顔しないでくださいよ」ギュ

一方通行「ふン…ンじゃまァ行くとすっか」

絹旗「はい」

絹旗(メールのやり取りを見る限り垣根の一行と会うみたいですね)

一方通行「ところで最愛ちゃンよォ」

絹旗「はい?」

一方通行「これから垣根達に会うわけだがよォ…いわば俺達の御披露目も兼ねてるわけなンだわ」

絹旗「ん?」

一方通行「つまりは俺達の関係をあらわにするってことなンだわ。お前と付き合ってるっつうことをな」

絹旗「ああ、そういうことでしたか」

一方通行「しっかり頼むぜェ?彼女さンよォ」

絹旗「はい!超任せてください!超可愛い私が付いてるんですから百人力ですよ!」

一方通行「ハハッ、そォかい。ンじゃよろしくなァ」
723 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:28:57.28 ID:FThWmmNu0
垣根「ところで木山さんよぉ」

木山「ん?なんだ?」

垣根「コイツの見たがってた夢ってのは一体どんな内容なんだ?」

木山「それは言えないな」

垣根「そうかい。んじゃ一方通行じゃダメな理由も教えてくんないだろうな」

木山「一方通行くんにはまず無理だな」

心理定規「これってどれくらいで起きるのかしら?」

木山「昼寝程度のものだからそこまで遅くはならないよ。今お昼を過ぎたところだから…夕方ぐらいには目覚めるだろう」

垣根「たった数時間でどれくらい楽しめるんだよ?」

木山「夢の中での時間の流れは凄まじいものだ。それこそレベル5級にね」

心理定規「確かに時間が経つという感覚はかなり麻痺してるわね。とんとん拍子で話が進むものね」

垣根「これ誰でも見れるのか?」

木山「リラックスしながら睡眠を取る必要があるからその役が必要だが、理論上は誰でもいけると思うよ」

垣根「そうか」

心理定規「ねえ、お腹空かない?」

垣根「さっきのファミレスじゃドリンクしか頼まなかったからな…」

木山「ならば食事を持って来てもらおう。ここを離れて食べるのはちょっと不安だからな」

垣根「俺達も一緒に食べる前提なんだな」

木山「一緒に食べようじゃないか。他に食べるような友人はあまり居ないんだ」
724 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:29:25.51 ID:FThWmmNu0
垣根「遅ぇぞ」

一方通行「悪ィな。なかなか相方が起きなくてくれなくてな」

垣根「まぁいい。とりあえず座れよ」

絹旗「あれ?麦野?」

麦野「あら、絹旗さんじゃないの」

絹旗(さん!?)

麦野「どうしたのかしら?座ったら?」

絹旗(確かに麦野にはもう少しおしとやかになって欲しいとは超思っていましたが…)

麦野「?」

垣根「一方通行の連れか…」

一方通行「そンなとこだ。オイ座ンぞォ」

絹旗「あ、はい」

一方通行「まだお前らだけか?」

垣根「そうだ、困った事にお前らのように遅れる始末だ」

絹旗(垣根は少ししっかりしてますね)

垣根「んで?お前らはどういう組み合わせだ?」

一方通行「テメェと麦野と同じだよ」

垣根「…へぇ」

麦野「あら」
725 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:30:04.71 ID:FThWmmNu0
一方通行「お披露目も兼ねて今日来たンだからなァ」

垣根「そうか」

絹旗「あの、一方通行」

一方通行「ン?」

絹旗「他に来る人って…」

垣根「上条当麻と誰だったかな…」

麦野「第三位です」

一方通行「だってよ」

絹旗「ど、どうも」

垣根「麦野よぉ」

麦野「はい」

垣根「もういつも通りで十分だ。性格を作る必要は無ぇ、むず痒くなってくる」

麦野「あらそう?」

一方通行「またか」

麦野「だって私は初対面なのよ?上条なんとかってのとは、あとあんたの連れね。結局顔見知りだったけどね」

垣根「最初の印象を良くしたいからってこんなことをするのは出来れば止めて欲しいもんだな」

麦野「仕方ないじゃないの。やっぱ第一印象が大事なのよ」

垣根「…」

麦野「変に素を出して警戒されても癪だし」
726 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:30:46.72 ID:FThWmmNu0
上条「いやーすいませんすいません」

垣根「遅い」

上条「だからすいませんって」

一方通行「なんで遅れたンだァ?」

上条「お、一方通行じゃねぇか」

垣根「で?なんでなんだ?」

上条「ああ、御坂を連れて来るのに手間取ってな。ほらこっい来いよ」グイッ

御坂「ひゃっ!」

垣根「お前が第三位か」

御坂「えっと…あんたは…」

垣根「垣根帝督…」

御坂「ていとく…?」

上条「第二位な」

御坂「こ、こいつが…!」

..........................
..................
............
.......
....
..
.
727 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:31:15.17 ID:FThWmmNu0
絹旗「あ、あれ?」

垣根「…」

一方通行「…」

麦野「終わったかしら?」

垣根「ああ」

絹旗(ス、スキルアウトの群れ??一体何が…)

一方通行「オマエは俺の後ろに居ろ」

上条「ええと…もういいでしょうか?」

垣根「多分大丈夫だ」

上条「そうか、おい大丈夫か?御坂」

御坂「う、うん。なんとか」

絹旗「えと…一体何が…」

垣根「見てなかったのか?」

絹旗「う…」

麦野「スキルアウトが襲ってきたの。第三位目当てでね」

一方通行「ご丁寧にジャマー付きでなァ。原因は見る限り…日頃の報復だろうな」

垣根「第三位…それなりにスキルアウトに手を出してるって聴いてるからな」

御坂「手を出してるって言い方が気に食わないけど…その通りよ」
728 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:31:43.00 ID:FThWmmNu0
絹旗「あ、あれ?」

垣根「…」

一方通行「…」

麦野「終わったかしら?」

垣根「ああ」

絹旗(ス、スキルアウトの群れ??一体何が…)

一方通行「オマエは俺の後ろに居ろ」

上条「ええと…もういいでしょうか?」

垣根「多分大丈夫だ」

上条「そうか、おい大丈夫か?御坂」

御坂「う、うん。なんとか」

絹旗「えと…一体何が…」

垣根「見てなかったのか?」

絹旗「う…」

麦野「スキルアウトが襲ってきたの。第三位目当てでね」

一方通行「ご丁寧にジャマー付きでなァ。原因は見る限り…日頃の報復だろうな」

垣根「第三位…それなりにスキルアウトに手を出してるって聴いてるからな」

御坂「手を出してるって言い方が気に食わないけど…その通りよ」
729 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:32:10.04 ID:FThWmmNu0
垣根「まあコレに懲りたら無駄な正義感は振りかざさないこったな」

麦野「今日は垣根達が居たから良かったけど…上条一人じゃどうにもならなかったわよ?」

絹旗(いきなり場面がファミレスから路地裏に…まあ超夢ですしね…)

麦野「でも男であるあんた達が率先して前に出るのは関心したわ」

垣根「当たり前だろうが」

一方通行「いざって時に彼女を守ンのが男の仕事だろうが。その彼女がいくら強くても、なァ」

絹旗(私を守ってくれる強い彼氏。能力者以前に一人の女性として見てくれること…ですか)

上条「助かったよ、ありがとうな」

一方通行「しっかりと見ておくんだな、オリジナルをよ」

上条「あ、ああ。任せてくれ」

垣根「改めてもう一度解散するか」

一方通行「そォだな」

麦野「気をつけろよ超電磁砲」

御坂「う、うん。ありがとね、あんた達」

垣根「ふん」

一方通行「行くぞ、最愛」
730 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:32:36.13 ID:FThWmmNu0
一方通行「これで御坂のヤロォも少し大人しくなるだろ」

絹旗「せっかく今は二人なのに…他の女の子の話をしちゃ超イヤです」ムスー

一方通行「ン、そォだなァ。ハハッ」

絹旗「ふふっ」

一方通行「なァに笑ってンだ、よ!」パシッ

絹旗「あいたっ」

一方通行「ふン」

絹旗「ちょっとーなにするんですかー」

一方通行「ヘラヘラ笑ってっからだァ」ニヤニヤ

絹旗「一方通行、ちょっとしゃがんでくれませんか?」

一方通行「はァ?」

絹旗「いいから、ほら」

一方通行「…これでいいンかァ?」

絹旗「…ん」チュ

一方通行「あっ…はァ?」

絹旗「へへっ。唇、超奪いましたー」タッ

一方通行「あっ、おィ!待て!」

絹旗「超捕まえてみてください!ほら!」

.......................................
..............................
......................
.............
......
...
.
731 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:33:01.41 ID:FThWmmNu0
絹旗「…ん」

木山「起きたかい?」

絹旗「……ええ、起きました」

木山「どうだった?」

絹旗「長いような、短いような。ですが、超いい体験をしました」

木山「そうか、それは何よりだ。実際どういうものなんだ?見たかった夢を見た時というのは」

絹旗「私が常日頃に考えているような事が超当たり前になっていましたね」

絹旗「それと、なんていうか…考えて行動が出来ませんでしたね。勝手に体が動いていた、そんな感じです」

木山「うん。なるほどな」

絹旗「垣根たちは?」

木山「心理定規くんはソファで本を読んでるよ。垣根くんは…」

垣根「zzZ」

木山「夢を見てる」

絹旗「…」

木山「彼も見たい夢があったんだろうな。一人の少年だ、夢もあるだろう」

絹旗「どんな夢なんでしょう?」

木山「さぁね。彼は教えてくれなかったよ。起きたら教えてくれるみたいだが…」

絹旗「あれ?見せる前に夢の内容を超聴く必要があるんじゃ…」

木山「彼は自分の能力を併用して全部一人でやっていたよ。さすがは第二位…かな?」


732 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:33:34.85 ID:FThWmmNu0
垣根「…ふふっ…ははははははははっ!」

木山「お目覚めのようだな」

心理定規「おはよう帝督」

垣根「ああ」

絹旗「いきなり笑い声を上げるとは…」

木山「どんな夢を見ていたんだ?」

垣根「第一位が俺に跪く夢だ」

絹旗「超趣味の悪い夢ですね」

垣根「ふん、なんとでも言え」

木山「やはり男の子なんだな君も」

垣根「当然だ。やはり一度でいいから頂点を見ておきてぇからな」

木山「頼むから実行しようとしないでくれたまえよ?君も一方通行くんも私の友人同然なんだからな」

木山「君達が争うということはどちらかが倒れるということだろう?」

垣根「実行しようなんざ考えてねぇよ。俺もアイツも抱えてるもんがあるからな」

木山「そうか、それなら安心だな」
733 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:34:03.55 ID:FThWmmNu0
垣根「もう夕方か…」

心理定規「そろそろ行く?」

垣根「そうだな、行くか。お前はどうすんだ?」

絹旗「じゃあ私も超帰りましょうかね」

木山「ん、もう帰るのか?気をつけてな」

垣根「ああ、世話になったな」

絹旗「今日はありがとうございました」

木山「また何かあったら来るといいよ。その時は歓迎するよ」

垣根「ああ、そうさせてもらうよ」

心理定規「お邪魔しました」

絹旗「ではさようなら」

垣根「邪魔したな」

木山「ああ、また会おう」

木山「垣根帝督…一方通行…不思議な子たちだよ」
734 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:34:30.74 ID:FThWmmNu0
垣根「さて、俺達はこっちなんだが」

絹旗「私はこっちです」

垣根「そうかあばよ」

心理定規「また会いましょ」

絹旗「ええ、さようなら」

垣根「しかし…あの第一位の上に立つ…悪くねぇ」

心理定規「危険思想ね」

垣根「何言ってやがる」

心理定規「さっきは実行しないとは言ってたけど…貴方ならやりかねないわ」

垣根「だからしないっての」

心理定規「本当かしら…あら?」

垣根「噂をすればなんとやらだな」

一方通行「垣根じゃねェか」

垣根「よう一方通行なにしてんだ?」

一方通行「散歩…かなァ」

垣根「平和な奴だな」

一方通行「お前も大概平和なヤツだよ」

垣根「ふん」

ヴーッヴーッヴーッ

垣根「ん?電話か?」
735 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:34:58.64 ID:FThWmmNu0
垣根「もしもし?」

『もっもしもし!?第二位さんですか!?』

垣根「ん?女?誰だ?」

『以前にファミレスで会った…』

垣根「ファミレス…!あああの店員か!」

『はい!そうです!そうなのです!』

垣根「一体どうしたんだい?」

『助けてほしいのです!今スキルアウトたちに追われていて…!』

垣根「場所、どこだか分かるか?」

『第七学区の裏路地です…すみませんが詳しい場所までは…』

垣根「いやそれで十分だ。待ってろ、助けに行く」

『お願いします!』

垣根「一方通行、少し手伝え」

一方通行「どうしたァ?」

垣根「ゴミ掃除だ」

心理定規「ちょ、ちょっと!私はどうしたらいいの!?」

垣根「すまねぇが先に戻っててくれ。捕まれ一方通行、事情は道中話す」

一方通行「はィはィ」

垣根「行くぞ…!」ブワッ

心理定規「ちょっと!おーい!」
736 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:35:24.72 ID:FThWmmNu0
一方通行「ンで?一体なンだァ?」

垣根「知り合いがスキルアウトに追われてる」

一方通行「知り合いだとォ?」

垣根「ああ」

一方通行「ンで?どうしろと?」

垣根「探すの手伝ってくれ。場所は路地裏らしい、上空から探せばでなんとかなるだろ?」

一方通行「見つけた」

垣根「早いな。どこだ?」

一方通行「アソコだ」

垣根「ん…わかりやすいな。随分と開けた場所に居る」

一方通行「先行ってるぞ」ゴオッ

垣根「あ、おい!」ビュン

一方通行「女一人相手に複数か…」

垣根「上等手段だな…いただけねぇな」

一方通行「いくら払っても湧き出て来やがる。全部浜面みてぇなヤツなら楽なんだがなァ」

浜面「それも面倒臭そうだな」
737 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:36:55.96 ID:FThWmmNu0
垣根「クソムカつく野郎だ…頭にはっきりとアイツが浮かんだぜ…」

一方通行「ン?」


ドガァン!!

「なっなんだ!?」

「空から降ってきたのか?能力者か?」

一方通行「言っても無駄だなァ」

垣根「おい、大丈夫か君」

「あっ、来てくれたのね!ありがとうございます…えっと…」

垣根「垣根って呼んでくれ。君は?」

春上「春上衿衣って言うの」

垣根「春上ちゃんか…よし待ってろよ。すぐに片付ける」

春上「はっはい」

「なんだオマエらはよぉ」

垣根「うるせぇ」ゴバッ

「いぎっ」

一方通行「それ最後の一人だ」

垣根「えっ」

一方通行「ご苦労さン垣根くン」

垣根「…」
738 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:37:21.92 ID:FThWmmNu0
春上「どうもありがとうなの!」

垣根「いや、どうってことねぇよ。それよりどうして追われてたんだ?」

春上「私の能力、精神感応って言うのね。自分の思考を相手に伝える能力なんだけど…気を抜いたらスキルアウトに考えが伝わって…」

垣根「なるほどね」

春上「と、とにかく助かったの、ありがとうなのね」

垣根「そいつは何よりだ。じゃあまた何かあったら連絡くれよ」

垣根「行くぞ一方通行」

一方通行「ン…」

垣根「そういや買い物してくか」

一方通行「俺は付き合わねェぞ」

垣根「連れない奴だな」

一方通行「まさに帰る途中だったンだよ」

垣根「そうか…」

春上「まさか木山先生のところに行く途中にトラブルに遭うとは思わなかったのね…」

春上「でも助かったのね。第二位さんが助けてくれるなんて…」
739 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/25(水) 20:37:47.17 ID:FThWmmNu0
一方通行「帰ったぞコラァ!」

絹旗「お帰りなさい一方通行!」

一方通行「ン?随分と元気がイイなァ、なンかあったのかァ?」

絹旗「ふふ、超秘密です!」

一方通行「そォかい」

絹旗「それより一方通行!」

一方通行「あァ?」

絹旗「今度映画を超見に行きましょう。前みたいに」

一方通行「別に構わねェけど?」

絹旗「ありがとうございます!じゃあまた日程とか話合いましょう!」

一方通行「おォ」

一方通行「今日の夕飯は淡希かァ?黄泉川かァ?」

一方通行「どっちでもイイが、飯の準備してくれェ。今日はなンか腹が減ってしかたがねェ」


絹旗「一方通行…今日はとても貴重な体験をしました…。私一人だけの思い出として閉まっておきましょう…」

...................................

..........................

..................

..........

......

...

.
748 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:40:05.39 ID:GEMuLIIA0
『所詮第一位でさえも人の子だったってことか』

「何が言いてェ」

『やっぱりお前、俺と同じだよ。完璧にはなれねぇ。全部を守ろうなんざやっぱり無理なんだよ一方通行。精一杯手を広げてもこぼれ落ちちまう』

「…」

『現にお前がこうしてる間に何人が俺の手によって死んだ?』

「うるせェ!それ以上口を開くンじゃねェ!!」

『あれほど守るとぬかしてた第三位のクローンも傷付いて倒れてる。お前の保護者だって仲間だって…んで最愛の妻でさえもだ…』

『みんな死んでるぜ?一方通行』

「垣根ェ…!」

『そら、お前…もう死ぬぜ?』

「オマエ、一体なンで…」

『越えさせてもらう、第一位』

................................
.......................
................
.........
.....
..
.
749 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:41:02.11 ID:GEMuLIIA0
一方通行「クソォオオ!」ガバッ

一方通行「ハァ…ハァ…」

一方通行(夢?…なンつー夢だ…)

一方通行「…淡希?」ガチャ

一方通行「居ねェのか?…他の連中は…」

一方通行「誰でもイイ、番外個体、黒夜、誰も居ねェのかァ?」

一方通行(ずいぶン静かに感じやがる…気が動転してる証拠だ…)

一方通行(落ち着け…深呼吸しろ…冷静になりやがれ…!)

一方通行「ハッ…柄にもねェ。俺はどうしちまったンだ。いつも通りだ、いつも通りでイイ」

一方通行「居ないンだったら連絡すればイイじゃねェか…とりあえず電話だァ…」piriririri

一方通行「…出てくれたかァ…今起きたトコだァ…ああ…淡希、お前以外にも居ンのか?…そォか、そりゃよかった…」
750 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:41:46.59 ID:GEMuLIIA0
土御門「魔術だと?」

ステイル「ああ、それもなかなか厄介なやつだね」

土御門「一体どんな魔術だ?」

ステイル「うーん、そうだね…」

神裂「簡単に言えば人を攻撃的にするような魔術です」

ステイル「と言うよりはね…なんというか野心的な部分を強めるような魔術なんだよね」

土御門「それにはどれほど意味があるんだ?」

ステイル「我を強くする、という意味かな」

土御門「?」

神裂「要はその人の持つ隠れている本来の…なんて言ったらいいんでしょうか…とにかくより野心家になるんです」

ステイル「つまりは望みのためにえらく行動的になるということだよ」

土御門「言ってることがバラバラでよく分からないぞ?」

ステイル「だから攻撃的になるような魔術なんだよ」

神裂「すみません、なんて言ったらいいかよくわからないんです」

土御門「つまり、内なる野望を肥大化させるということだろう?」

ステイル「それでいいかな」
751 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:42:37.85 ID:GEMuLIIA0
土御門「それで?その魔術が?」

ステイル「その魔術を扱える人物が学園都市に侵入した」

土御門「…」

神裂「目的は良く分かってませんが何もしない、というわけではないでしょうね」

ステイル「魔術を使ってくれれば探知用の術式で一発で居所が分かるんだけどね」

土御門「被害の予想は?」

ステイル「その魔術自体は一人にしかかけられないよ。同時に複数人は無理だからね」

土御門「最低一人の被害者か…範囲内の対象全てとかでなくてよかったな」

神裂「そうですね、もしそうだったら大変なことになってました」

ステイル「みんながみんな、野望を叶えたい一心で行動するからね。街にも被害が出たろうね」

土御門「どうやって探し出せばいい」

ステイル「探知術式にかかるのを待つしかないね」

土御門「被害者を出すつもりか?」

ステイル「上条当麻を呼んでおきたまえ、右手で触らせれば解決だよ」

土御門「仕方ない、上やんにも協力してもらおう」
752 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:43:11.25 ID:GEMuLIIA0
とあるゲーセン


垣根「よし!よし!…行ける、行けるぞ」

心理定規「…」

御坂「いい感じよー」

垣根「…がぁああああ!また落ちやがった!」

御坂「ちょっと!なにしてるのよ!」

垣根「仕方ねぇだろうが!取れないようになってんじゃねぇのか?コレ」

御坂「そんなはず無いわよ!前に取ってるのを見たもの!」

垣根「…たかがカエルの置き時計だ、自分で取れ」

御坂「あんたが楽勝だって言うから頼んだんじゃないの!」

垣根「…」

心理定規「第一こんなもの取ってどうするのよ」

御坂「かっ…飾るのよ」

垣根「はぁ…もう何回かやってみるか…」

御坂「そうよ!第二位がクレーンゲームに敗北なんてありえないわ!」
753 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:43:40.98 ID:GEMuLIIA0
垣根(能力使ってなんとかなんねぇかな…なんねぇよな、うん)

心理定規「たかがクレーンゲームでしょ?さっさと終わらせてね」

垣根「やってやるよ」チャリン

垣根(角度や力の入り具合、全部計算してやれば今度こそ…)

御坂「今度こそ頼むわよ!」

垣根「……」

御坂「もうちょい後ろじゃない?」

垣根「いや、ここでいい…」

御坂「よし!ちゃんと掴んだわね?よーし」

垣根「騒ぐな、ここまではいつも通りじゃねぇか。この後の急停止で落ちなきゃ…」

御坂「…」

心理定規「行けそうじゃない?」

垣根「おっ?おっ?おっ!」ガコン

御坂「やったー!」ギュッ

垣根「おい!抱きつくんじゃねぇ!」

心理定規「ちょっとぉー!」
754 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:44:12.15 ID:GEMuLIIA0
御坂「はっ!なに引っ付いてんのよ!」グイッ

垣根「んだと?このクソ女、自分からくっ付いてきたくせに…」

御坂「いやーでもよかったわ、ありがとね。ありがたくちょうだいするわ」

垣根「えっ?お前にあげるなんて一言も言ってないんだが」

御坂「なによ、欲しいって言ってるんだから素直によこしなさいよ」

垣根「ちっ…好きにしろ」

心理定規「ねぇ」

垣根「あ?」

心理定規「私アレが欲しいわ」

垣根「ん…?マ、超機動少女カナミン…?んだこりゃ??」

心理定規「アニメのキャラクターよ、このストラップが欲しいわ。取ってちょうだい」

垣根「こんなんでいいのか?」

心理定規「ええ」

垣根「まあお前がいいなら…」チャリン

心理定規「がんばってね」
755 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:44:39.94 ID:GEMuLIIA0
垣根「…よしっ!」ガコン

心理定規「おめでとう」

垣根「今度は一発で取れたな、ほら」

心理定規「ありがとう、大切にするわ」

垣根「そうしてくれ」

御坂「ん?」

垣根「どうかしたか?」

御坂「当麻?」

垣根「は?」

御坂「外に見えたのよ」

垣根「はぁ?」

心理定規「行ってみれば?」

御坂「そうね」タッ

垣根「俺達も付いてくか」

心理定規「そうしましょ」
756 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:45:12.66 ID:GEMuLIIA0
御坂「当麻ー!」

上条「んん?美琴じゃないか」

垣根「ホントに上条とはな」

上条「垣根に心理定規さんまで…」

御坂「こんなトコで何やってんのよ」

上条「んーちょっと友達に呼ばれてな。今から遊びに行く所なんだ」

御坂「ふーん」

上条「もういいか?ちょっと急いでるんだ」

御坂「そう?呼び止めてゴメンね」

上条「いや、いいさ。それじゃまたな」

御坂「うん」

垣根「忙しい野郎だな」

心理定規「貴方と違ってね」

垣根「それもそうだな」

御坂「なんか様子がおかしかったわね」

垣根「ただ単に急いでただけだろ?信用してやれよ」

御坂「うーん」
757 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:46:10.12 ID:GEMuLIIA0
数十分前

上条「もしもし?」

『上やんか?』

上条「土御門?どうした?なんか用か?」

『用があるから電話したんだけどにゃー』

上条「そりゃそうか…んで?何の用事だ?」

『率直に言う、上やん。学園都市に魔術師が侵入した』

上条「え?なんだって?魔術師だと…?それってインデックスが居ないことと関係あるのか?」

『インデックス?ちょっと待っててくれ…』

『ステイル、インデックスは?』

『安全のためにイギリスに帰したよ?言ってなかったかな?』

『そうか、上やん?今インデックスはイギリスに居るみたいだぞ』

上条「そうなのか?神裂と一緒に出掛けるって言っていたんだけどな…」

『うーん、神裂…説明しなかったのかい?』

『インデックスがする必要無いと言ったので…』

上条「…まあいい、それで?どうしたらいい?」

『話が早くて助かるぜい。今から指示する場所に来てくれ』

上条「オッケー」
758 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:46:57.88 ID:GEMuLIIA0
上条「それで来たはいいが…教会?」

上条「…本当に居るんだろうな?お邪魔しまーす…」ギィ

ステイル「来たか上条当麻」

上条「ステイル…」

神裂「こんにちは」

上条「と神裂か…土御門は…」

ステイル「ちゃんと居るよ」

上条「土御門」

土御門「来てくれたか」

上条「ああ、魔術師が侵入したとなればな」

土御門「それでこそ上やんだ。こっちに来い、詳しく話そう」

上条「おう」

.........................................

ステイル「さて、理解できたかな?」

上条「大体はな」

土御門「今回の事件は…不本意だが被害が出てから捕まえる作戦にする」

上条「被害が出てからだと?」

ステイル「言い換えるなら術式を使った瞬間だね。そうしないと見つけることが出来ないんだ」

神裂「被害を出したくない気持ちは分かります。ですが今回ばかりはどうしようもないんです」
759 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:47:44.92 ID:GEMuLIIA0
上条「その魔術師が術を使う前に捕まえることは出来ないのか?」

ステイル「出来ないことは無いよ?」

上条「どうやってだ?」

ステイル「多分、姿を晦ます術式を使っているだろうからね。つまりは透明人間ってことさ」

土御門「上やんが右手を振り回しながら街中を歩けばその内右手が当たって術が解けて姿を現すだろうな」

上条「…」

神裂「とりあえずここに居ても解決にはなりません。外に出ましょう」

上条「ていうかさ…この教会って…」

土御門「ああ、一方通行の結婚式場だ」

上条「そうか…」

ステイル「時に上条当麻。君は侵入者の目的をなんだと考える?」

上条「は?うーん…そうだな…ヴェントみたいに科学に何か恨みでも持っているんじゃないか?」

ステイル「要領を得ないね。その線は低そうだ」

上条「それじゃなかったら…術式の実験…とかかな」

土御門「有り得ない話じゃないな」

神裂「習得したばかりの魔術の練習ですか…」

ステイル「君にしてはいい考えだね」

上条「ありがとよ」
760 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:48:34.35 ID:GEMuLIIA0
上条「その侵入してきた魔術師の所属ってどこなんだ?」

ステイル「イギリスサイドの人間ってことしか分からないんだよね」

上条「そこまで分かるんなら名前とか分かるんじゃないか?」

神裂「情けない話なのですが何も分からないんです」

上条「そうか…」

ステイル「そもそも「そこまで」って言うほどの情報じゃない」

土御門「まあ捕まえればはっきりするんだ。今気にしても仕方ないだろ」

ステイル「土御門の言うとおりだ。今は目の前の事に集中すべきだよ」

上条「…ああ」

土御門「しかし、野望を叶えさせるような魔術ってどれくらいの意味があるのやら…」

神裂「もしかしたらそれを利用して商売でもするのかもしれません」

上条「商売?」

ステイル「その術式を使えば野望のために行動的になるんだ」

ステイル「適当な言葉を並べてカウンセリングをうたってやれば皆カウンセリングの効果だと思い込む」

上条「なんか小さいな」

ステイル「魔術を使うだけでお金になるんだ。自身の欲望に貪欲になるんならそう行動するだろうね」
761 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:49:19.08 ID:GEMuLIIA0
垣根「相変わらず平和だな」

心理定規「私達が知らないだけで色々な事が起きてるかもしれないわよ」

御坂「そうよ?裏で何が起きてるか分かったもんじゃないのよ?」

垣根「はぁ…まったく」

御坂「何よそのため息は」

垣根「俺が平和だって言ってるんだからそうね、とか言ってもいいんじゃないのか?」

心理定規「そうね」

垣根「…」

御坂「ていうかしばらくこっちの方に来てなかったけど…」

心理定規「美琴も思う?」

御坂「うん」

垣根「なんだ?」

心理定規「占いよ、増えたと思わない?」

垣根「占い師か…確かに、言われてみれば増えたな」
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/28(土) 22:49:52.67 ID:GEMuLIIA0
結標「さて、あらかた買い物も終わったかしら」

黒夜「家具が見てぇんだけどよぉ」

絹旗「家具ですか?そういえば黒夜、前のデパートはどうしました?」

黒夜「辞めた」

絹旗「そうですか」

芳川「家具だったらいいお店、知ってるわよ」

黒夜「じゃあそこに行こうぜ」

番外個体「ミサカお腹空いたなー」

打ち止め「ミサカも腹ペコ!ってミサカはミサカは暗にファミレスの入店を促してみたり!」

黒夜「家具見てからな」

芳川「最初にご飯でもいいのよ?どうせ道中にあるしね」

絹旗「そうしませんか?黒夜」

黒夜「…まあいいか」

結標「決まりね。最初にご飯よ」

打ち止め「やったー!ってミサカはミサカは嬉しさを体で表現してみたり」

「ちょっとお嬢さんたち」

結標「?」
763 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:50:21.38 ID:GEMuLIIA0
芳川「なにかしら」

黒夜「あんたお嬢さんって年でもねぇだろ」

芳川「うるさいわね」

結標「何の用?ナンパなら間に合ってるわよ?」

「いいえ、ナンパなんかじゃありませんよ」

絹旗「ではなんでしょうか?」

番外個体「占いかなんかじゃない?それっぽい格好してるし」

「占いですか…まあ似てますが少し違いますね」

黒夜「んで?なんだよオッサン」

「君たちは何か野望とかありますか?内に秘めているがどうしても行動に表せない。そんな野望が」

打ち止め「野望?ミサカの野望はねーむぐっ」

芳川「打ち止め、少し黙っててちょうだいな」

番外個体「ミサカには最初、第一位を殺害するって野望があったけど今は…違うかな」

黒夜「もし野望ってのがあったら?」
764 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:51:03.52 ID:GEMuLIIA0
「そうですね。行動出来るように一押しして差し上げましょうか?」

芳川「私は結婚して玉の輿狙いたいわ」

「それも一種の野望です。それもいいでしょう」

絹旗「野望と超急に言われても…」

結標「…」

「何か大きい野望、ありませんか?例えば誰かを思いっきり見返してやりたいとか」

絹旗「…私。そういうのあるかもしれません…」

「お手伝い、しましょうか?」スッ

結標「!お話はそこまで、野望なんて野心と一緒よ?身分不相応だから野望なの」

結標「後押しなんてあっても叶いっこないわ」

「そうでしょうか?」

結標「そうに決まってるわ。さよなら、多分二度と会うことは無いわ」ヒュン

「!全員消えた?これが能力者か…」

「チッ、面白く無い」
765 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:51:54.71 ID:GEMuLIIA0
絹旗「どうして能力で移動を?」

結標「なにか嫌な感じがしたわ。それこそ暗部に近いような何かをね」

芳川「一体なんだったのかしら」

黒夜「絹旗に手伸ばしてたよな?なにかする気だったのか?」

番外個体「今思うと怪しさ満点だったね」

打ち止め「ミサカも野望、叶えたかったなーってミサカはミサカは残念がってみたり…」

黒夜「打ち止めの野望ってなんだぁ?」

打ち止め「それはお菓子をたくさんね…」

絹旗「もしかして本当に暗部絡みだったんでしょうか?」

結標「分からないわ、けど少しは警戒した方がいいかもね」

芳川「とりあえずご飯食べましょ。結標がファミレスの前に飛ばしてくれたことだし」

番外個体「そうだね」

打ち止め「六名様ごあんなーい!ってミサカはミサカは元気に宣言してみせる!」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/28(土) 22:52:20.93 ID:GEMuLIIA0
ステイル「今かすかに反応があったね」

土御門「どれくらいの反応だ?」

ステイル「本当にかすかだよ?術を使用しようとした直前って感じだ」

上条「場所は?」

ステイル「神裂」

神裂「あちらの方です」

土御門「最近占い師の溜まり場になってるところか」

上条「そういや姫神から聴いたことあるな…最近占い師が増えて来たってな」

ステイル「とりあえず行ってみようか」

土御門「そうだな」

上条「術式を使う寸前ってことは誰かと接触したってことなのか?」

ステイル「多分ね」

神裂「念のため、急ぎましょう」

土御門「ああ」
767 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:53:08.07 ID:GEMuLIIA0
「あんたには死相が出てる」

垣根「…」

心理定規「ぷぷ…」

御坂「ちょっと…笑っちゃダメよ…くくっ」

垣根「何を根拠に…」

「占いとはそういうものだ…受け入れたまえよ」

垣根「けっ、次行こうぜ次」

心理定規「ちょっと、置いてかないでよ」

御坂「ちょっと待ってよ!」

垣根「ふざけた野郎だ、顔見て速攻死相だと?ナメてやがるな…」

心理定規「一回死んでるんだし案外当たってるのかもよ」

垣根「当たってたまるか、あんな占い」

「ちょっとお兄さん」

垣根「あ?」

「あんただよ。長身のお兄さん」

垣根「んだテメェは」
768 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:53:52.82 ID:GEMuLIIA0
上条「うお、本当に占い師ばっかだな」

土御門「一種の占い街になってるにゃー」

ステイル「占いねぇ」

神裂「私は占いを受けてもいつも同じことしか言われません」

上条「何て言われるんだ?」

神裂「なにをやっても上手くいく、としか…」

土御門「なるほどにゃー」

ステイル「当然だろうね」

上条「そりゃ残念だな」

神裂「はい」

上条「ん?あれは…」

土御門「どうした?上やん」

上条「あれ、垣根じゃないか?遠くに見える、ほら」

土御門「…確かに、あれは垣根帝督だな。何してるんだ?」
769 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:54:54.19 ID:GEMuLIIA0
「何か野望、あるでしょ?一目見てわかったよ」

垣根「野望か、確かにあるな」

「どんな野望だい?」

垣根「…いつしか第一位を越えるっていうな」

心理定規「ちょっと、何言ってるのよ」

垣根「どうせ叶いっこねぇよ。言って困るもんでもねぇからな」

「手伝ってやろうか?」

垣根「お前が手伝ったら第一位を倒せんのか?そいつは面白ぇな。だったら是非とも手伝って欲しいもんだな」

「オッケー。手伝ってやるよ」スッ

垣根「ん?なんだ?手ぇ伸ばしたりして」

「おまじない、みたいなもんだよ。頭に少し触るよ?」

垣根「へぇ、そうかい」

「ふふ…」

垣根「なんか変な感じだな…」

御坂「大丈夫なのかしら?」

心理定規「…」
770 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:55:23.21 ID:GEMuLIIA0
神裂「!」

ステイル「神裂」

神裂「すぐ近くです」

上条「なんだ?どうした?」

ステイル「術式に引っかかった。すぐ近くで反応だよ」

土御門「……あそこか…」

上条「垣根の方か?」

神裂「あの長身の少年の所ですか?」

土御門「多分そうだ。先に行ってくれ神裂」

神裂「はい!」ビュン

ステイル「案外早く見つかったね。後は右手で触れば全部解決だよ。あの少年知り合いなんだろ?楽で助かったよ」

土御門「ああ、その通りだ。早期に発見出来てラッキーだ」

上条「俺たちも急ごうぜ」
771 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:56:14.68 ID:GEMuLIIA0
「どうですか?」

垣根「…」

「まぁ実感が湧くまで少し時間がかかると思いますが…ぎっ!?」ドカッ

神裂「捕まえましたよ」

「必要悪の教会…!」

御坂「え、一体何?」

心理定規「何事かしら…」

上条「おーい、大丈夫かー?」

御坂「当麻?」

ステイル「うん、しっかりと捕まえられたね」

土御門「垣根、体に何か異変は無いか?」

垣根「…一体どういうことだ?」

土御門「色々面倒なことがあってな」

御坂「ねぇ、どういうこと?」

上条「あとで説明してやるよ」
772 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:57:09.49 ID:GEMuLIIA0
「一足遅かったな…もう術式は発動している!」

ステイル「無駄だよ、ここにあらゆる異能を打ち消す右手が存在している。いくら魔術だろうとすぐに消してみせるよ」

「幻想殺し…!」

土御門「なぜ学園都市に侵入したんだ」

「…」

土御門「言え、黙っていてもいいことは無いぞ」

「…単純に人が多かったからだ」

土御門「目的はなんだ?」

「人間観察…それだけだ」

神裂「なるほど、野望を叶えるための動向を観察したかったということですか…」

「察しがいいな。その通りだ」

土御門「ふん、まあ無駄足だったな。願い叶わないぞ」

「クソ…」
773 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:58:13.12 ID:GEMuLIIA0
「おいアンタ」

垣根「あ?」

「野望、叶えたいという強い気持ちが湧かないか?」

垣根「…いや、湧かねぇな」

「バカな…失敗したのか?」

土御門「垣根、本当に大丈夫か?」

垣根「日頃、未元物質の薄い膜を張ってるからな。何をしようとしたのかは知らねぇが防御したんだろ」

「マジかよ…失敗かよ…」

ステイル「じゃあイギリスに戻ってからじっくりと話を聴かせてもらおうかな」

上条「実質被害0か?」

土御門「みたいだな。右手はいらないようだぜい?」

上条「そりゃ良かった」

神裂「では土御門、私達は急ぎますのでこれで…」

土御門「ああ、わざわざありがとうな」

神裂「いえ、ではさようなら」

上条「ああ、じゃあな」
774 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:58:49.19 ID:GEMuLIIA0
土御門「じゃあ俺も帰るかな、驚くほどスピード解決したしな」

上条「おう、じゃあな。またなんかあったら連絡くれよ」

土御門「ああ、なんかあったらまた頼むぜい」

御坂「ちょっと、ちゃんと説明しなさいよ」

上条「え?ああ、垣根も聴くか?」

垣根「いや、俺はいい。俺も帰るとするわ」

心理定規「私は…もう少し街を歩いていてもいいかしら?」

垣根「ああ、気をつけてな」

上条「じゃあな垣根」

垣根「ああ、またな」

御坂「で?どういうことなのよ」

上条「実はですね…」

心理定規「じゃあ私も行くわ。じゃあねお二人さん」

上条「ん?おう、じゃあな」

御坂「また会いましょ心理定規」
775 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 22:59:33.50 ID:GEMuLIIA0
垣根(さっきの野郎に触られてから変な気分だな…)

垣根「この感じ、あの時一方通行と戦った時みてぇだ…」

垣根「さっきはなんともねぇとは言ったが…絶対何かされたな…」

垣根「どんな能力かは分からねぇが感謝はしてやる」

心理定規「帝督!」

垣根「ん?心理定規か?適当にぶらついてくるんじゃなかったのか?」

心理定規「やっば止めにしたわ。なんともないみたいだけどやっぱり心配だもの」

垣根「そうか」

心理定規「ほら、帰りましょ?それともどこか寄るとこでもあるの?」

垣根「晩飯の材料、買いに行かないとな」

心理定規「んじゃ寄っていきましょ」

垣根「おう」
776 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:00:32.93 ID:GEMuLIIA0
黄泉川「ただいまじゃん」

一方通行「ン…帰って来たか」

黄泉川「一方通行だけじゃんか?」

一方通行「他の連中は買い物に行ったらしィ」

黄泉川「そういえば桔梗が皆して買い物に行きたいって言ってたじゃんよ」

一方通行「ったく…出掛けンなら出掛けるで一声かけてってほしいもんだなァ」

黄泉川「心配じゃんか?」

一方通行「…少し…嫌な夢を見た」

黄泉川「どんな夢じゃん?」

一方通行「全部失う夢だ、俺のせいでなァ」

黄泉川「なるほど。それでいつも以上に元気が無いんじゃんか」

一方通行「そォ見えるかァ?」

黄泉川「ああ」

一方通行「…」
777 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:01:14.01 ID:GEMuLIIA0
ガチャ

芳川「ただいま」

黄泉川「随分と遅かったじゃんか」

芳川「ごめんなさいね愛穂」

一方通行「なにしてたンだァ?」

芳川「適当に買い物して、それでいざ帰ろうとしたら絹旗の知り合いに会ってね」

一方通行「知り合いだとォ?」

芳川「ええ、麦野とか言ったかしら」

一方通行「ンで?背中に打ち止め背負ってるのとどォいう関係が?」

番外個体「だから、一緒に夕飯食べて来て、それで麦野達がまだファミレスに居るって言うから…」

芳川「要は他の皆はまだファミレスよ。多分今日は帰ってこないんじゃないかしら」

番外個体「ミサカと上位個体は調整あるから帰って来たけどね」

黄泉川「なんだ…夕飯食べてきたじゃんか…」

芳川「事前に連絡するべきだったわね。ごめんなさい」

黄泉川「いや、別にいいじゃんよ。んじゃ一方通行と二人だけでもご飯にするじゃん」

一方通行「…」

黄泉川「心配じゃんか?」

一方通行「いや、大丈夫だ」

芳川「打ち止め、部屋に置いて来るわね」
778 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:01:52.29 ID:GEMuLIIA0
垣根「ふぅ…ごちそうさん」

心理定規「ええ」

垣根「…」

心理定規「どうしたの?」

垣根「んー…少し出掛けてくる」

心理定規「いつ頃帰ってくるの?」

垣根「そうだな…とりあえずすぐには帰るつもりはねぇな」

心理定規「そう、なんでもいいけど浮気だけはしないでよね」

垣根「ああ」

心理定規「それと危ないこともね」

垣根「分かってるよ」

心理定規「近頃何かと物騒だから」

垣根「そうか?まああんまし心配するなよ、大丈夫だから」

心理定規「そうね、信じてる」

垣根「お前こそホテルとかに行くんじゃねぇぞ」

心理定規「失礼ね、もう行かないわよ」

垣根「んじゃ行って来る」

心理定規「ええ、行ってらっしゃい」
779 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:02:30.75 ID:GEMuLIIA0
麦野「ふあ…」

結標「あくび?」

麦野「…ああ」

絹旗「超珍しいですね。まだそんなに遅くないのに」

フレンダ「何か嫌なことの前兆だったりして」

黒夜「普段と違う事が起きたからか?」

麦野「普段と違う事ね…?」

フレンダ「滝壺と浜面が居ないってこと」

麦野「他には?」

フレンダ「珍しく街中で人に話しかけられた」

麦野「次」

フレンダ「珍しく自分でドリンクバーに行った」

麦野「つーぎ」

フレンダ「うーん…」

麦野「あんまし変わりないわね」

結標「変わったことね…」

麦野「何かあるの?」
780 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:03:05.70 ID:GEMuLIIA0
絹旗「そういえば昼間、私達も超話しかけられましたよ」

麦野「超?」

絹旗「いえ、超一人ですが」

麦野「なんだ…」

黒夜「占い師風というか、なんか変な奴にな」

結標「野望がどうとか言ってたわね」

フレンダ「それって…」

麦野「私達も似たような奴に話しかけられたわ」

結標「それで?」

麦野「スルーしようと思ったけど浜面が興味を持ってね」

絹旗「超浜面らしいですね」

麦野「仕方ないから無理やり引き剥がしたんだけどね」

黒夜「ふーん」

絹旗「そういえば二人して一体なんの用事で抜けたんでしょうか?」

麦野「知らない。デートかなんかじゃないの?」

結標「元気ね」
781 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:03:59.16 ID:GEMuLIIA0
麦野「結標も旦那ほったらかしにしてていいの?」

結標「そんなに私に依存してるわけでもないし…大丈夫じゃない?」

麦野「ふーん」

結標「そうだ、一方通行といえば」

麦野「あ?」

結標「変わった話?になるのかしら?同じく昼間の話なんだけどね」

フレンダ「なになに?」

結標「一方通行から珍しく電話が来たのよ」

麦野「それだけ?」

結標「まさか。電話口にだけどね…珍しく焦ってたのよ。柄にもなく」

麦野「電話の内容は?」

結標「お前以外にも誰か今一緒に居るのか?って」

麦野「はぁ?んだそりゃ」

フレンダ「意味分からないわね」
782 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:05:33.73 ID:GEMuLIIA0
麦野「何か言ってから出てきたの?」

結標「いえ?まだ寝てたしね」

麦野「起きてみたら誰も居ねぇからビビッて連絡寄こしたんじゃねぇか?」

フレンダ「あはっ、もしそうだったら可愛いじゃない」

結標「本当にそうならいいんだけどね」

黒夜「兄ちゃんが寂しくて電話…」

絹旗「超想像出来ませんね」

麦野「確かに変わった事かもねー」

フレンダ「ていうか今日ってやけに人少ない?」

麦野「ん?」キョロキョロ

結標「今日は休日よね…」

麦野「…にしては人の出入りが確かに少ねぇな」

黒夜「別にいいんじゃねぇの?たまにあるだろ」

絹旗「はてさてたまに、で超片付けていいんでしょうか?」

黒夜「気にしすぎなんだよ」
783 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:06:16.18 ID:GEMuLIIA0
黒夜「毎日適当に過ごしてりゃ変わったことぐらいしょっちゅうあるだろ」

フレンダ「そうそう、いくらなんでも神経質になりすぎって訳よ」

麦野「元はと言えばあんたのせいよ?フレンダ」

フレンダ「ありゃ?そうだっけ?」

麦野「都合のいい脳みそしてるわね」

結標「どうする?」

麦野「なにが?」

結標「場所移動する?行きつけの場所、あるんでしょ?」

麦野「うーん…そうねここだと長い間居座れないし、移動しましょうか」

黒夜「了解でーす」

麦野「先出てていいわ、ここは私が払うから」

フレンダ「ラッキー、ごちそうさまでーす!」

絹旗「じゃあお願いしますね」

結標「悪いわね」

麦野「いいわよ、これくらい」

結標「じゃあ外で待ってるわ」

麦野「うん」
784 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:06:50.40 ID:GEMuLIIA0
結標「今日はやけに星が綺麗に見えるわね」

絹旗「何か不安を超覚えるほどですね」

黒夜「またそれかぁ?だから考えすぎだっての」

フレンダ「もう忘れて気持ち入れ替えないと、ほら」

「捜した、捜した、捜したよん」

絹旗「!?」

フレンダ「かっ…垣根??」

垣根「よう、お嬢さん方。一方通行は一緒じゃねぇのか?」

結標「残念だけど今は一方通行と一緒じゃないわよ?」

垣根「へぇ、そうか…んじゃ打ち止めちゃんとワーストはどうした?」

絹旗「?一緒に居ませんよ?二人とも超先に帰りました」

垣根「へぇ、そうか」

黒夜「一体何の用事だよ」

垣根「なあ、お前らって一方通行に大切にされてるか?」

絹旗「はぁ?」

垣根「どうなんだ?」
785 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:07:24.56 ID:GEMuLIIA0
絹旗「結標さんは言わずもながらですね。私と黒夜はどうでしょうか…」

結標「一方通行は影では心配してるわよ?五月計画とやら、自分のせいだとも思ってるみたいよ」

黒夜「別に兄ちゃんが悪ぃってわけでもないのにな」

フレンダ「それって大切にされてるんじゃないの?」

絹旗「そうでしょうか?」

結標「絶対にそうよ」

垣根「…」

結標「?どうしたのかしら…具合でも悪いの?」

垣根「いや」

フレンダ「お腹でも痛いの?」

黒夜「下痢なんじゃねぇか?」

絹旗「まさか…まさかねぇ?」

垣根「安心しろ、そういうんじゃねぇ」

結標「じゃあ一体…」

垣根「これから起きることに…動悸するだけだ…!」ゴバッ

結標「!」
786 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:07:57.68 ID:GEMuLIIA0
結標「痛ッ…!」

フレンダ「うわっ!?」

黒夜「はぁ?一体なんのつもりだよ!」

絹旗「ちょっと!大丈夫ですか!?結標さん!」

結標「少しすっ飛んだだけよ…!」

垣根「ふん、お前ら…少し俺と来てもらうぜ?」

黒夜「穏やかじゃねェな」

垣根「返事は?」

黒夜「イヤダ」ボンッ

垣根(掌からか…)

絹旗「ちょっと黒夜!?いきなり能力は…」

垣根「その通りだ、当たったらどうするつもりだ?」

黒夜「無傷だとォ?あの距離で打ち込ンだってのによォ」

フレンダ「あわわ…」

垣根「…フレンダ」ブオッ

フレンダ「えっ?」

結標「危ない!」ヒュン
787 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:08:48.96 ID:GEMuLIIA0
フレンダ「わっ」

垣根「座標移動…結標か…」

結標「あなた本当にどうかしたの?」

垣根「いや、いつも通りだ」バサッ

垣根「ただ、自分の本心に正直になっただけだ!」ブンッ

結標(翼によるなぎ払い…!)

垣根「そら、どうした?避けないと真っ二つになっちまうぞ?」

結標「言われなくても…!…??」

絹旗「結標…さんッ…!」ドンッ

垣根「おっと」ヒョイ

垣根「窒素装甲を纏っての強烈なタックルか…当たったら相当だったな」

黒夜「おィ、大丈夫か?」

結標「なにかしたわね?」

垣根「してないと言ったらウソになるな」

結標「…!」ギリ

垣根「座標移動、出来ないだろ」
788 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:09:14.90 ID:GEMuLIIA0
垣根「十一次元の法則を乱した」

結標「あなたにはそんなことが出来るの?」

垣根「俺の未元物質には…」

フレンダ「常識は通用しない、だったかしら?」

垣根(後ろに…!!)

フレンダ「少し頭冷やしたら?それこそ前みたいに入院でもしてね」

垣根「爆弾か」

フレンダ「正解って訳ね」

ドガァアン!

黒夜「煙でなンも見えねェンだけど…」

絹旗「フレンダー?」

結標「ダメ…勝てないわ」

黒夜「ありゃりゃ…」

絹旗「フレンダ!」

垣根「結構効いた。だがこの程度じゃ無理だな。これ以上チョコマカされても面倒だ」

垣根「フレンダにはここで退場してもらうか」

絹旗「させるもンですかッ…!」

垣根「遅ぇよ」ブンッ
789 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:09:56.10 ID:GEMuLIIA0
ズバッ!


垣根「!」バキィン

絹旗「麦野!」

麦野「ちょっと…誰が何してるのかと思えば…アンタ何やってんのよ…」

垣根「なにも」

麦野「テメェの足元で倒れてるフレンダは生きてんだろうな?」

垣根「俺の前に跪いて確かめてみりゃいい」

麦野「誰が」ジジジ

垣根「お前がだよ、麦野沈利」

麦野「お断りよ」ズバッ

絹旗「わ、私はどうしたら…」

麦野「結標の傍にいなさい。黒夜、アンタは動けるのよね?」

黒夜「ああ」

麦野「ちょっと協力しなさい」

黒夜「はいよ」

垣根「チッ」
790 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:10:27.54 ID:GEMuLIIA0
麦野「テメェ、ホントに垣根かぁ?」

垣根「正真正銘、本物の垣根帝督だ」

麦野「いきなりこんなことして、自殺願望でもあるのかしら?」

垣根「俺を[ピーーー]気で居るのか?」

麦野「あいにく、仲間意識ってもんを持っちゃったからね…!」

垣根「そうかい」

黒夜「余所見してンじゃねェぞ!」ボッ

垣根「さっきから…」

黒夜「ア?」

垣根「うざったいんだよ!」ドバッ

黒夜「痛っ…たァ…」

麦野「ちょっと、大丈夫なの?」

黒夜「なンとか…」

垣根「おい」ズイッ

麦野「あ?…!?」
..........................................
...................................
..............................
.........................
...................
..............
........
....
..
.
793 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:20:24.39 ID:GEMuLIIA0
翌日


黄泉川「じゃあ行って来るじゃん」

芳川「行ってらっしゃい」

番外個体「ふわぁーあ」

打ち止め「いってきまーす!ってミサカはミサカは元気に挨拶!」

芳川「愛穂、今日の帰りはどうなるのかしら?」

黄泉川「うーん、まだちょっとわからないじゃんよ」

芳川「そう」

黄泉川「とりあえずこの子達は病院には送っていくけど、迎えにはいけそうにないじゃん」

黄泉川「だから桔梗か一方通行だ迎えに行ってほしいじゃんよ」

芳川「分かったわ」

黄泉川「じゃ行ってきます」

芳川「気をつけてね」

芳川「さて、ニュースでも見ようかしら」カチッ
794 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:20:56.48 ID:GEMuLIIA0
『さて、昨夜に起きた能力者同士の戦闘による被害ですが…』

『驚くことにあれほどの規模だったにもかかわらず死者は出ていません』

『しかし戦闘を行ったと推測される能力者は重体で、今現在治療中とのことです』

『そして驚くことは被害だけではありません。事件終了間際まで、誰もこの事件に気が付かなかったということです』

『現場の状況を見て分かるとおりかなり大掛かりな戦闘が繰り広げられたように見えますが、実際に警備員が駆けつけたのは全てが終わった後でした』

『これについて警備員側は事件の早急な解明とともに犯人の意向を調査するとの事です』

『さて、次のニュースですが…』ブゥン


芳川「愛穂、大丈夫かしら?」

芳川「戦闘を行ったのは高位能力者だって噂があるのよね…何も起きなければいいのだけれど」

ガチャ

芳川「あら、おはよう一方通行」

一方通行「ガキ共はどォした」

芳川「愛穂と一緒に病院に行ったわ」

一方通行「黄泉川はまだ出る時間じゃねンじゃねェのか?」

芳川「何か事件が起きたみたいよ?それで早々に出て行ったの」

一方通行「そォか」
795 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:21:24.17 ID:GEMuLIIA0
『…とともに犯人の意向を調査するとの事です』ブツッ

上条「物騒だなー」

御坂「そうね」

上条「なんでナチュラルに家に居るんですか…」

御坂「なんでって言われてもね」

上条「…」

御坂「そんなことよりこの事件、気になるでしょ?」

上条「まあ…多少は…」

御坂「決まりね。早速行きましょ」

上条「へっ?どこに?」

御坂「風紀委員の詰所。つまりは黒子のとこよ」

上条「行ってなにするんだよ」

御坂「色々と話を聴くのよ」

上条「教えてくれますかねー?」

御坂「いつものことよ。きっと何か教えてくれるわ」

上条「…じゃあ行くか」

御坂「そうこなくっちゃ」
796 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:22:07.59 ID:GEMuLIIA0
一方通行「アイツらまだ帰ってこねェのかァ?」

芳川「前にも絹旗たちが出掛けたときはもっと遅かったから大丈夫よ」

一方通行「淡希はどォなンだァ?」

芳川「たまの息抜きじゃない?いつも家のことばかりだもの。誰も文句言わないわよ」

芳川「それで一方通行」

一方通行「ン?」

芳川「調整が終わったあたりに打ち止め達を迎えにいかなきゃならないんだけど…」

一方通行「今日は俺が行く」

芳川「珍しいわね、自発的だなんて」

一方通行「たまにはなァ」

芳川「ま、それならそれでいいわ。よろしくね」

一方通行「あァ」

芳川「じゃあ朝ごはんにしましょう、と言っても温めるだけだけどね」

一方通行「ン」
797 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:22:41.92 ID:GEMuLIIA0
風紀委員一七七支部


上条「なんか凄い忙しそうなんですけど…」

御坂「そうね」

初春「あ、ちょっとそこごめんなさーい」

御坂「ん、ごめん」

初春「よいしょ…っと」

御坂「ねえ、黒子」

白井「?なんでしょうかお姉さま」

上条「あれ?前は御坂先輩って呼ばれてるって言わなかったっけ?」

御坂「いつのまにか戻ってたわ」

白井「で、なんでしょうか?」

御坂「なんでこんなに慌しく動いてるの?」

白井「…そうですわね、初春!少し休憩ですの!」

初春「やっと休憩ですかー?」

白井「お話致しますわ、どうぞ?おかけになってくださいまし」
798 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:23:08.36 ID:GEMuLIIA0
御坂「で?」

白井「何から話せばよろしいんですの?」

御坂「んーまず何が起きたのか詳しく教えてくれない?」

白井「ニュースの通りですの」

上条「能力者同士の戦闘、だよな?」

初春「はい、それもかなりの高位能力者同士のです」

上条「レベルの高い能力者が暴れたからこんなに忙しくなったのか?」

白井「そうですわね、しいて言うなら…レベル5が被害にあったから、ですの」

御坂「は?レベル5が?」

初春「はい、病院に運ばれたのはレベル5だと聴いています。あと友人らしき碧眼の女子高生もです」

御坂「ちょ、ちょっと、その運ばれたレベル5って誰なのよ!?」

白井「学園都市第四位、能力原子崩しを有する麦野沈利。と聴いてますの」

御坂「ウ、ウソでしょ!?」

初春「ウソじゃないんですコレが」

上条「麦野??」

御坂「旅行の時に合わなかったの?なんかあんた達に助けられたって言ってたけど…」

上条「…!ああ、完全に思い出した!あの美人さんですね!」

御坂「…」
799 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:23:37.69 ID:GEMuLIIA0
上条「それで?それの何が大変なんだ?」

白井「…分かりませんの?」

御坂「レベル5が何者かに倒されたのよ?」

初春「麦野さんって人の能力なら詳細が上がってきています。本気を出せば御坂さんぐらい瞬殺出来るほどらしいです」

白井「つまり、それほどの人物が何者かに戦闘不能までに追い込まれたから大変なことになっているんですの!」

上条「わ、わかったから!そう怒らないでくれ!」

白井「まったく…」

御坂「それで?話とか聴けたの?」

初春「えっとですね、一緒に居た女子高生、フレンダさんって言うんですけど…お話は少し聴けたんですが…その…」

白井「全く要領を得られませんでしたの」

御坂「監視カメラとかは?」

初春「カメラは全壊、目撃者もおかしいことに0人だったんです」

白井「それに加えてレベル5の一人があの状態ですの…」

御坂「随分と不思議な事件ね」

初春「はい、不思議関連でまた垣根さんが絡んでるのかと思ったのですが…」

白井「ここまで明確に被害が出ているのは明らかに他の事件とは違います。」

白井「現場の状況、怪我の具合から考えて…明らかに殺意のあるものでしたの」

初春「この事から考えて絶対に垣根さんじゃないと思うんです。あの人とは何回も話しましたし、色々な部分も見て来ました」

初春「いたずらとかありましたけど、もう人を[ピーーー]気で能力を振るう垣根さんじゃないと確信しています」
800 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:24:04.70 ID:GEMuLIIA0
御坂「そうね、アイツはあまり好きじゃないけどそういうプライドは持っていたからね」

初春「はい」

上条「…垣根か…」

白井「ですので、そういう部分を含めての捜査になりますの」

御坂「そりゃ忙しいわけね」

初春「白井さん、そろそろ」

白井「もう時間ですの?」

初春「はい」

御坂「時間って?」

初春「さっきお話したフレンダさんにもう一度お話を聴きに行くんです」

御坂「…ねえ。一緒に行っても構わないかしら?」

白井「お姉さま。さっき言い忘れましたけどレベル5狩りということも含めて警備員共々捜査していますの。ですので出来ればお姉さまには…」

御坂「大丈夫よ。当麻も居るんだし、なんとかなるわよ」

白井「身の危険を感じたら私達を置いて逃げてくださいまし」

御坂「一人じゃ逃げないわよ」

上条「んじゃ、行こうぜ?そのフレンダって子の所によ」
801 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:24:31.63 ID:GEMuLIIA0
一方通行「いくらなンでも遅くねェか?」

芳川「確かにもう二時ね…」

一方通行「…」ガタッ

芳川「出掛けるの?」

一方通行「ああ」

芳川「結標達には私から連絡しとくわ、あなたは打ち止め達を迎えに行ってもらえるかしら?」

一方通行「…頼ンだ」

芳川「そう心配そうな顔しないでよ。なにも行方不明になったわけじゃないのに」

一方通行「ハッ、それもそォだな。ンじゃ行ってくるわァ」

芳川「行ってらっしゃい」

一方通行「おォ」

芳川「あ、ちょっと待って」

一方通行「なンだァ?」

芳川「くれぐれも気をつけてね。愛穂から夢の事聴いたんだけど逆のことも考えなさいね?」

一方通行「?」

芳川「逆にあなたが居なくなる、ということよ」

一方通行「ふン、俺を誰だと思ってやがる」
802 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:25:03.85 ID:GEMuLIIA0
上条「ここの病院かよ…」

白井「なにか問題でも?」

上条「いや…何回もお世話になってたから…」

初春「さ、行きましょう。面会時間過ぎちゃいますよ」

御坂「ちゃんと話してくれるといいんだけど…」

初春「やっぱりちょっと難しいんじゃないんですか?白井さん」

白井「相手先にとっても辛いことだとは存じてますの。ですが聴かないことには解決に繋がりませんの」

御坂「ねえ、麦野は大丈夫なの?」

白井「あれを無事と言っていいのでしょうか…」

初春「とりあえず一命は取り留めてます」

御坂「…」

白井「一目見たのですがボロボロでしたの」

初春「内臓もいくつか損傷しているらしくて…」

上条「フレンダって子は?」

白井「軽い火傷と打撲、ですが少しショックを受けてるようで」

初春「麦野さんとは友人関係だって話ですからね」

白井「ご友人が目の前で倒れるのを目撃してしまったら、それはショックでしょうに」

初春「あ、ここです」

上条「お、ここか」
803 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:25:31.77 ID:GEMuLIIA0
コンコン

『どうぞ』

白井「失礼しますの」

上条「あれ?浜面?」

浜面「上条か?」

初春「失礼しまーす」

御坂「お邪魔しまーす」

滝壺「はまづら、おともだち?」

浜面「ああ」

上条「そうか、浜面が言ってた女友達って…」

浜面「ああ、こいつらだよ」

白井「失礼ですがフレンダさんは…」

浜面「ん?フレンダの知り合いか?」

初春「いえ、私達は風紀委員でして」

浜面「風紀委員だと?一体なんの用だ」

滝壺「さっきも来た子たちだよね?」

白井「はい、申し訳ありませんがご協力お願い致しますの」

浜面「フレンダ、喋れるか?」

フレンダ「うん…なんとか」
804 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:26:02.80 ID:GEMuLIIA0
白井「さて、じゃあ早速で申し訳ありませんが…」

フレンダ「うん」

初春「とりあえずさっきもお聴きしたんですけど犯人のことなんかを…」

フレンダ「犯人ね…実は…」

初春「はい」ゴクリ

フレンダ「なんにも覚えてないのよねー」

白井「はい?ですがさっきは…」

フレンダ「確かにさっきは色々とうろ覚えだけど話したけどさ、時間経ったらさっぱりと忘れちゃったのよねー」

初春「うーん。まあショックで脳がその記憶を消してしまったのかもしれませんね」

フレンダ「そういえば浜面、麦野は?」

浜面「さっき意識が戻ったってよ。あのカエル医者が教えてくれたよ」

フレンダ「そう、よかった」

浜面「ああ」

白井「…浜面さん、でしたっけ?」

浜面「ん?」
805 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:26:34.94 ID:GEMuLIIA0
白井「大変失礼なのですが…麦野さんとお会いすることは…」

浜面「何言ってんだアンタ…意識が戻ったばかりなんだぞ?それでいきなり話を聴くだと?」

白井「そうですわね。申し訳ありません」

滝壺「はまづら、私はちょっと無理してでもむぎのに話を聴いたほうがいいと思う」

浜面「滝壺まで…」

滝壺「犯人、早く捕まえて欲しいし。それにフレンダやむぎのにためにも…ね?」

浜面「いや…今日はダメだ。風紀委員さんよ」

白井「はい」

浜面「明日、また来てくれ。麦野には俺達から話しとくからよ」

白井「分かりました。よろしくおねがいしますの」

浜面「ああ」

初春「じゃあもう帰りましょうか?」

御坂「あまり長居してもアレだしね」

白井「そうですわね」

上条「じゃあな浜面」

浜面「ああ」
806 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:27:04.51 ID:GEMuLIIA0
上条「結局話しを聴けなかったな」

初春「仕方ありません。麦野さんの方に期待することにしましょう」

御坂「てことはまた明日来るの?」

白井「そうなりますわね」

上条「ん?一方通行か?」

一方通行「あ?」

白井「こんにちは、一方通行さん」

初春「どうも」

一方通行「なンだお前らかァ。何やってンだァ?病院のまん前でよォ」

上条「ちょっと知り合いのところにな。お前は?」

一方通行「打ち止めたちの迎えに来たんだ。今日が調整の日だからよォ」

上条「ふーん、そうか」

一方通行「あァ」

御坂「ん、ほら、来たわよ」

打ち止め「あ!オネーサマだ!」

番外個体「なんでこんなに人が居るのかな?」
807 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:27:32.89 ID:GEMuLIIA0
一方通行「なンでもイイだろ。ほら帰ンぞ」

打ち止め「待って!ってミサカはミサカはあなたにストップをかけてみる!」

一方通行「あァ?」

番外個体「リアルゲコ太が一方通行に会って欲しい人が居るって言ってたよ」

一方通行「俺にだとォ?」

打ち止め「確かシズリとかって人だよ!ってミサカはミサカは説明してみる」

白井「えっ?」

御坂「それって麦野って人の事?」

番外個体「そういえば麦野って苗字だったよね。旅行の時は結構仲良くしてたなー」

打ち止め「うん、ムギノって人の事だよ?」

一方通行「麦野が病院で俺に会いたがってるだとォ?」

番外個体「急用だって。急いで来てくれって急かされたよ?」

上条「一方通行、俺が言うのもなんだけど急いだほうがいいぞ」

一方通行「ハァ?」

白井「あの…一緒に行ってもよろしいでしょうか?」

番外個体「一人で来てくれとも言ってたよ」

白井「…」

一方通行「分からねェな…まァイイ少し行ってくる。三下、コイツらちょっと見ててくれ」

上条「ああ、任せろ」
808 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:28:05.86 ID:GEMuLIIA0
初春「なんで一方通行さんを呼んだんでしょうか?」

白井「麦野さんにとっては一方通行さんが頼れる存在だと思いますの」

御坂「自分より強い人、ってことかしらね?」

白井「恐らくそうかと」

番外個体「そういえば昨日の今日なのになんで入院してるんだろうね」

御坂「は?」

打ち止め「お腹でも壊したんじゃないかな?ってミサカはミサカは推理してみる」

初春「昨日麦野さんたちと一緒に居たんですか?」

番外個体「一緒に夕飯食べただけだよ」

白井「その後は?」

番外個体「ミサカと上位個体は途中で帰ったからわかんない」

初春「…」

白井「はぁ」

番外個体「え?なに?ミサカなんか変な事言った?」

上条「いや、なんも言ってねぇよ、うん」
809 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:28:46.47 ID:GEMuLIIA0
一方通行「麦野が俺に逆面会だとォ?」

冥土帰し「ああ、君に会って話をしたがってる」

一方通行「そもそもなンで入院してンだァ?」

冥土帰し「ちょっと能力者同士のいざこざがあったみたいだね?」

一方通行「ハッ、珍しいなァ」

冥土帰し「ホントは面会謝絶なほどに重症なんだが…患者の必要としてるものを用意するのが僕だからね?」

一方通行「重症だとォ?」

冥土帰し「会って直接聴いてみるといいね?」

一方通行「チッ、わけがわからねェなァ」

冥土帰し「ほら、ここだよ」

一方通行「個室だとォ?そんないヒデェのか?」

冥土帰し「自分の目で見てみるといい」

一方通行「ハァ…まァイイ」

冥土帰し「うん、それがいい」

コンコン

一方通行「入るぞォ」

冥土帰し「僕は外で待ってるよ、何かあったらすぐ呼んでくれたまえよ?」
810 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:29:17.28 ID:GEMuLIIA0
一方通行「…」

麦野「来たな…第一位」

一方通行「随分とヒデェ様だな。誰にやられたんだ?」

麦野「随分と余裕かましてやがるな…!」

一方通行「あァ?」

麦野「まさか…なにも知らねぇのか…!?」

一方通行「……どォいうことだ?」

麦野「結標には会ったか?絹旗は?黒夜には会ったか?」

一方通行「俺はお前らと一緒に居るって聴いてたンだがよォ」

麦野「やっぱり知らねェのか…」

一方通行「ハッキリしねェなァ。さっさと用件を言え」

麦野「結標達、殺されてるかもしんねぇぞ?」

一方通行「ハ?おい、どォいうことだよ?」

麦野「頭の回転が鈍ったのか?一緒に居た私がこの様なんだぞ…?」

一方通行「!」

麦野「理解したみてぇだな」

一方通行「詳しく話せ」
811 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:29:45.11 ID:GEMuLIIA0
麦野「昨日…私達はクソッタレの第二位に襲われたんだよ」

一方通行「垣根にだとォ?」

麦野「ああ、そうだよ」

麦野「ファミレスで会計してる途中に騒がしいと思ったら店先で絹旗たちが垣根と交戦しててよ」

麦野「応戦したが勝てなかった…!」

一方通行「…」

麦野「クローンたちはどうしてるの?」

一方通行「病院の前に居る」

麦野「垣根、クローンのこと探してたわよ」

一方通行「ンだとォ?」

麦野「気をつけなよ、垣根の様子、随分とおかしかった。まるで暗部抗争の時の垣根を見てるようだった」

ドガァン!

麦野「ほら、言ったそばからだ…!」

一方通行「チッ…」

『あれほど守るとぬかしてた第三位のクローンも傷付いて倒れてる。お前の保護者だって仲間だって…んで最愛の妻でさえもだ…』

『みんな死んでるぜ?一方通行』

麦野「さっさと行けよ第一位!皆守れなくなるぞ!!ゴホッ…!」

一方通行「クソがァ…!」
812 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:30:19.01 ID:GEMuLIIA0
上条「ぐっ…」

打ち止め「…」

垣根「上条、そいつをこっちに寄越せ」

上条「誰が…」

御坂「ちょっと!私を無視しないでよね!」ゴッ

垣根「だから当たらねぇっての」バギィン

白井「翼で…弾いたんですの?」

初春「し、白井さん…大丈夫ですか?」

白井「大丈夫ですが…とても動ける状態では…」

上条「番外個体を離せ…!」ダッ

垣根「チッ、それしか言わねぇか…」ゴバッ

御坂「何度だって言ってやるわよ!」バチチ

垣根「こんなのに一方通行は負けたのかよ…」ヒュン

上条「は?」

垣根「あばよ、幻想殺し…!」ドガッ

上条「う…がぁ…あ…」

御坂「ちょっと!当麻!?嘘でしょ!?」
813 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:30:47.74 ID:GEMuLIIA0
垣根「第三位も、大人しくしてろよ」

垣根「俺はそこで気絶してるクローン達を連れてくだけなんだからよ」

御坂「連れてってどうする気なの?」

垣根「なんでもいいだろ」

御坂「ふッざけんなぁ!!」ドバッ

垣根「また超電磁砲、芸が無ぇな」ギュン

御坂「!いつのまに…!?」

垣根「ほらよ」ド゙ッ

御坂「きゃっ…!」

白井「お姉さま!」

初春「御坂さん!」

垣根「さて、少し時間くったが問題は無ぇな」グイッ

初春「あ、あ、アホ毛ちゃん達が!」

『オイ、何してやがるチンピラ』

垣根「ちっ、問題あったみてぇだな…」
814 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:31:22.59 ID:GEMuLIIA0
御坂「来るの…遅いわよ!」

一方通行「うるせェ、黙ってろ」

垣根「よう一方通行。会いたかったぜ」

一方通行「俺は会いたくなかったがなァ」

垣根「ふん」

一方通行「オマエが抱えてるソイツら、置いてってもらうぜェ?」

一方通行「それと結標達の居場所、吐いてもらわねェとなァ」

垣根「やってみろよ、クソッタレが」

一方通行「どういう経緯でそうなったかは知らねェが理由ぐらいは聴いてやる」

垣根「理由なんかねぇよ。オマエがムカつくから、それだけだ」

一方通行「はン、やっぱり変わらねェか」

垣根「あ?」

一方通行「前と一緒で姑息な手を使いやがる」

一方通行「ソイツらを後ろ盾に取って優位に立った気でいやがンなァ」
815 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:32:01.50 ID:GEMuLIIA0
垣根「実際そうだろうが。現にお前は行動出来ねぇでいるじゃねぇかよ」

一方通行「チッ、文句ならあの世で言うンだなァ」カチッ

垣根「来いよ、第一位。今一度その座から引きずり降ろしてやる」バッ

一方通行「ほざけ」ドンッ

垣根「あ?接近戦のつもりか?」

一方通行「余裕だなァ、垣根」ゴッ

垣根「あがっ…?」

一方通行「ちったァ効いたかァ?チンピラ。いいかげんに目ェ覚ましやがれ」

垣根「クソ、なんつー力出しやがる」

垣根「だが、二度は通用しねぇ」バサッ

一方通行「また殺人光線かァ?」

垣根「そんなわけねぇだろ。同じ手は使わねぇ」

一方通行「…眼くらましか!」

垣根「遅ぇよ」ピカッ

一方通行「チッ…」

垣根「一九学区で待ってるぜ、一方通行…」
816 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:32:30.13 ID:GEMuLIIA0
一方通行「打ち止め!大丈夫かァ?」

番外個体「上位個体なら無事だよ…」

一方通行「オマエも無事で何よりだ」

番外個体「らしくないね」

一方通行「…オマエら、今日は病院に泊まれ」

番外個体「え?」

一方通行「垣根がああなった以上、外をうろつかせるわけには行かねェ」

番外個体「ああ、なるほど…?」

一方通行「そこで伸びてる三下連れて病院に行け」

番外個体「はいはい」

一方通行「おい、動けるか?」

御坂「私はなんとか…いっつ…」

一方通行「白井と初春さンはどォだァ?」

白井「ちょっと立てそうには…」

初春「私は立てそうです…」

一方通行「あンま無理すンなよ」
817 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:32:58.43 ID:GEMuLIIA0
一方通行「おい、オリジナル。話聴かせろ」

御坂「見ての通りよ。打ち止め達を狙って垣根が来て、私達が戦って負けて、それでアンタが来たの」

一方通行「垣根の様子とかはどォだった?」

初春「終始あの調子でしたよ。どこか冷たいような、なんか洗脳されてるみたいでした」

一方通行「洗脳…」

上条「一方…通行」

一方通行「!喋れんのかァ?」

上条「なんとかな…それより垣根が変わった理由に心当たりがある…」

一方通行「なンか知ってンのかァ?」

上条「多分、そういう術をかけられたんだと思う…昨日の昼間にそういう事件があったんだ…いててて!」

一方通行「なるほどなァ。もうイイ、番外個体、さっさと連れてけ」

番外個体「りょーかい」
818 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:33:26.50 ID:GEMuLIIA0
一方通行「催眠術、垣根がおかしくなるほどの…」

一方通行(確かにありゃァいつもの垣根じゃねェなァ。少なくとも今まで俺達と一緒に笑ってた垣根がするような事じゃねェ)

一方通行(ここまで来ると問題は催眠をかけた奴じゃねェ、どうやって垣根を元に戻すか、だなァ…)

一方通行(となると…精神干渉系の能力者が必要になるな。第五位の心理掌握、コイツにあたってみるかァ…)

御坂「初春さん、黒子お願い出来る?」

初春「はい、任せてください」

一方通行「おィ、オリジナル」

御坂「なによ」

一方通行「常盤台にもォ一人、レベル5が居たよなァ」

御坂「居るけどそれが?」

一方通行「そいつンとこに連れてけ」

御坂「はぁ?一体なんでよ?」

一方通行「聴きてェことと頼みてェことがあンだよ。頼む、時間が無ェんだ」

御坂「…わかったわ、じゃあ付いて来てちょうだい」

一方通行「あァ」
819 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:33:52.43 ID:GEMuLIIA0
常盤台中学


「食蜂さまにお会いしたいと?」

御坂「ええ、会いたがってる人が居るの」

「取り巻き希望ということでしょうか?」

御坂「…それでいいから早く会わせてちょうだい」

「ではあちらにどうぞ」

御坂「ほら、この先に居るみたいよ」

一方通行「俺が常盤台に入って大丈夫なのかァ?」

御坂「来る途中に手続きはしたから大丈夫よ、ほら行きなさい」

一方通行「オマエは来ねェのかァ?」

御坂「私はいいわ、好きじゃないの」

一方通行「そォか」

御坂「食蜂操祈、正真正銘、本物の心理掌握よ。気をつけてね」

一方通行「あァ」
820 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:34:23.37 ID:GEMuLIIA0
一方通行「ここかァ?一応ノックするか」

コンコン

『どうぞー』

一方通行「邪魔すンぞォ」

食蜂「あれ?男?」

一方通行「テメェが食蜂って奴か」

食蜂「そうだけど…礼儀がなって無いわね。私が誰か分からないの?」

一方通行「うるせェな。こっちは急いでンだ、少し質問させてもらうぞ」

食蜂「うるさいわねぇ、何様のつもりなの?」キュイイン

一方通行「…」

食蜂「あれ?」

一方通行「ハッ、なるほどねェ。第五位なわけだ。こりゃオリジナルより下だわなァ」

食蜂「何?あなたも電撃使いなの?」

一方通行「違うね」

食蜂「じゃあなんなの?」

一方通行「自己紹介したら話聴いてくれンのかァ?」

食蜂「…考えてあげるわ」

一方通行「一方通行だ」
821 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:34:59.95 ID:GEMuLIIA0
食蜂「は?一方通行?」

一方通行「話聴く気になったかよクソガキ」

食蜂「何を言うかと思えばハッタリ?あなたみたいなのが一位?信じられないわ」

一方通行「仕方ねェな、少し痛い目に遭ってもらうぜェ?今気が立ってンだよ…」ダッ

食蜂「え?」

一方通行「そらァ!」バキッ

食蜂「痛っ…!」

一方通行「もう一回聴いてやる。話聴く気になったかよクソガキがよォ…!」

食蜂「ヒッ…」

一方通行「あァ?どっちだよ、オイ」

食蜂「きっ、聴くわよ!なんでも話してちょうだい!」

一方通行「テメェの能力で人の性格を変えたり人格を破綻させたり出来ンのか?」

食蜂「出来るわよ」

一方通行「そォか、ちょっと来い」グイッ

食蜂「えっ、ちょっと!」
822 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:35:30.74 ID:GEMuLIIA0
食蜂「ちょっと!どこに連れてく気よ!」

一方通行「外だ、黙って付いて来い」

食蜂「痛いじゃない!あんま引っ張らないでよ!…あれ、痛くなくなった?」

一方通行「…」

御坂「…うげっ!連れて来たの?」

食蜂「あら御坂さん」

一方通行「単刀直入に言う、今から俺と一緒に来て第二位に能力を使え」

食蜂「はっ?第二位?」

一方通行「そォだ、ちょっと込み入った事情があってな」

一方通行「俺が押さえつけるからオマエが能力を使って頭のおかしくなった第二位を元に戻してくれ」

食蜂「はぁ?何言ってるのよ…」

一方通行「なンだァ?さっき出来るって言ったのはウソかよ?あァ?」

食蜂「うっ…私の能力なら問題無いわ」

一方通行「決定だな、一緒に一九学区まで来てもらうぜェ?」
823 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:36:00.03 ID:GEMuLIIA0
食蜂「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

一方通行「あァ?」

食蜂「一方通行…さん?だっけ?せめて事情だけでも話してくれないかな?いきなり第一位だとか第二位とかさっぱりなんだけど…」

一方通行「仕方ねェな、教えやる」

食蜂「助かるわー」

一方通行「…」

食蜂「…」

御坂「…」

一方通行「…」

食蜂「なるほど、つまりおかしくなっちゃった第二位をおかしくなる前に戻したいのね」

一方通行「あァ」

食蜂「事件の内容も大体理解出来たわ」

一方通行「飲み込みが早いじゃねェか」

食蜂「私の理解力なら楽勝ね」

一方通行「ふン、まァイイ。とっとと行くぞ、時間が無ェンだからよ」
824 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:36:43.99 ID:GEMuLIIA0
御坂「ねぇ、私はどうしたらいい?」

一方通行「残念だがオマエが来ても今回は足手まといにしかならねェ、大人しく三下の所にでも行ってろ」

御坂「そう…なら仕方無いわね…」

一方通行「ありがとなァ、超電磁砲。助かった」

御坂「!ええ、負けたら承知しないわよ」

一方通行「ふン」

一方通行「おい、行くぞ」グイッ

食蜂「ちょっとまた強引に…!」

一方通行「っとォ、これじゃ離れちまうな…」ギュッ

食蜂「ちょっと、恋人繋ぎじゃないのコレ?」

一方通行「なンでもいいだろォが」

御坂「気をつけてよね」

一方通行「あァ、じゃあ行って来る」カチッ

食蜂「え?どうやって?」

一方通行「こうやってだ」ドヒュッ

食蜂「はわ、きゃあ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ!!」
825 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:37:12.93 ID:GEMuLIIA0
学園都市上空


食蜂「ちょっと!飛んでる飛んでる!」

一方通行「うるせェな、黙ってろ」

食蜂「黙れるわけないじゃない!私はこんな飛行能力持ってないのよ!?」

一方通行「あァ、そォかい」

食蜂「ねぇ!私に対して何か感じないの!?」

一方通行「何言ってやがる」

食蜂「…」

一方通行「くだらねェ」

食蜂「…きゃっ!」ガクッ

一方通行「おっと」ギュ

食蜂「あ、ありがと」

一方通行「ここで落ちて死なれたら困るからなァ」

食蜂「…」

一方通行「ほら、そろそろ着くぞ」

食蜂「え、もう?」

一方通行「下噛むなよォ…?」
826 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:37:40.46 ID:GEMuLIIA0
冥土帰し「ふむ、骨折だね?」

上条「こ、骨折ですか!?…いてて!」

冥土帰し「右肩に肋骨、オマケに右足の小指だね?」

上条「不幸だ…いつっ!」

冥土帰し「ん?左足も折れてるみたいだね?」

上条「いえ、折れてませんよ?」

冥土帰し「確かに折れてないみたいだが…ひびが入ってるね?」

冥土帰し「しばらく病院でじっとしてもらうね?」

上条「トホホ…」

冥土帰し「あの子達を守るために戦ってくれたんだね?一方通行に代わって僕からもお礼を言うよ」

上条「ははっ、ありがとうございます」

冥土帰し「うむ」

上条「打ち止め達は大丈夫なんですか?」

冥土帰し「彼女達は大丈夫だよ、打ち止めは気絶してるだけ。番外個体も軽い打撲で済んでるね?」

上条「よかった…」
827 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:38:07.03 ID:GEMuLIIA0
冥土帰し「でも風紀委員の子は君並に酷いね?」

上条「…どれくらい酷いんですか?」

冥土帰し「常盤台の子のほうは両足の骨折に加え頭を強く打っている。命や脳に別状は無いがやはりしばらく入院だね」

上条「初春さんのほうは!?」

冥土帰し「柵川中の子だね?彼女は左肩にひびで済んでいるよ」

上条「そう…ですか…」

冥土帰し「病院前を見たが…ずいぶんな有様だったね。誰かが死んでもおかしくなかったよ?」

上条(そういや垣根の奴…)

上条「なあ、先生!」

冥土帰し「なんだね?」

上条「ここ、電話使っても大丈夫か?」

冥土帰し「別に構わないよ」

上条「ありがとうございます、じゃ早速…」ピポパ

冥土帰し「じゃあ僕は風紀委員の子の所に行くね?」

冥土帰し「何かあったらすぐに呼ぶこと、いいね?」

上条「はい」

上条「…もしもし?土御門か?」
828 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:38:36.47 ID:GEMuLIIA0
『どうしたんだ?上やんこんな時間に』

上条「昨日魔術師を捕まえたろ?」

『ああ、使った術式は結局不発、魔術師自身もかなり落胆してたにゃー』

上条「実は不発じゃなかった、って言ったらどうする?」

『垣根の話か?現に垣根自身、何も変わってないって言ったぜい?』

上条「それが野望のためについたウソだとしたら?」

『何かあったみたいだな、詳しく話してくれ』

上条「ああ…」

.....................................................

『なるほどな』

上条「どう思う?」

『以前にも垣根と一方通行は激突したことがある』

『原因はアレイスターへの直接交渉権を手にするため、第一候補に成り上がるためによるものだった』

『もし心の奥底でいまだに一方通行を倒すことを考えていたならありえない話じゃない』

上条「じゃあ垣根は…」

『ああ、十中八九術式にかかっているな』

上条「そうか…よかった。アイツ自身の意思によるものじゃないんだな…」

『今からそっちに行く、もう一度詳しい話を聴かせてくれ』

上条「ああ、よろしく頼む」

上条「確か美琴もあの場に居たな…呼んでおくか…」
829 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:39:05.80 ID:GEMuLIIA0
冥土帰し「具合はどうだね?」

初春「あ、先生」

冥土帰し「君は大丈夫なようだね?」

初春「はい、私は…あの、白井さんは…」

冥土帰し「彼女も大丈夫だよ。命に別状は無いよ」

初春「よかったぁ…白井さん」

白井「あの…お姉さまは?」

冥土帰し「ん?彼女は一方通行とどこかに行ったって聴いたよ?」

初春「やっぱり垣根さんの所に言ったんでしょうか?」

白井「そんな…いくらなんでもお姉さまが勝てるような相手じゃ…」

御坂「さすがにそれくらいの判断力はあるわよ」

白井「お姉さま!」

初春「戻って来たんですか?」

御坂「うん、足手まといって言われちゃってね。黒子、大丈夫そうね」

白井「ええ、なんとか」

御坂「よかった…じゃあ私ちょっと当麻のトコに行ってくるわ」

御坂「先生、よろしくお願いします」

冥土帰し「ああ」
830 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:39:42.67 ID:GEMuLIIA0
上条「おお、来てくれたか」

御坂「ちょっと、アンタ大丈夫なの?」

上条「なに、いつものことですよ」

御坂「元気そうね?

上条「なんとかな」

御坂「それで?聴きたいことってのは?」

上条「ああ、もう少ししたら土御門が来るから待っててくれ」

御坂「土御門?」

上条「俺の友達の…あーグラサンアロハ」

御坂「はぁ?」

上条「お、来た来た」

御坂「え?」

土御門「よう、上やん」

上条「おう」

土御門「ん?なんで第三位が居るんだ?」

上条「ああ、昨日一緒に居たんだよ、垣根とな」

土御門「ほう、じゃあ早速話を聴かせてもらうぜい」
831 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:40:08.31 ID:GEMuLIIA0
土御門「なるほど、第一位を越える…か」

御坂「ええ、確かにそう言ってたわ。どうせ叶いっこないって」

上条「どうだ?」

土御門「間違いないな」

上条「一体どうするんだ?俺が触れば解決するんだが…あいにく動けるような状態じゃ…」

土御門「うーん」

御坂「その心配ならいらないわよ」

上条「ん?」

御坂「一方通行、ウチの女王サマ連れて行ったから大丈夫じゃない?」

土御門「女王様?…ああ、心理掌握か」

上条「一応魔術による影響なんだろ?能力者で大丈夫なのか?」

土御門「なにも魔術そのもので行動してるわけじゃない。魔術で思考を乱したようなものだから元に戻すのなら超能力でも大丈夫だ」

上条「へぇ。じゃあひとまずは安心…なのか?」

土御門「だといいんだがな…」
832 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:40:36.57 ID:GEMuLIIA0
第一九学区


食蜂「初めて来たわ…この学区」

食蜂「で?どこに居るの?その第二位とやらは」

一方通行「さァな…」

食蜂「さぁって…アンタねぇ!」

一方通行「少し黙ってろ、今捜してるトコだ…」

食蜂「はぁ?まさか一位の能力って探知系の能力なの?」

一方通行「…」

食蜂「ちょっと、無視しないでよ」

一方通行「ン…こっちだァ」

食蜂「待って!置いてかないでよ!」

一方通行「黙って付いて来い」

食蜂「ねえ、なんか確信でもあるの?」

一方通行「前にそいつと話した時に一九学区の話をしたンだ」

一方通行「そン時に…一番景色が綺麗に見えるトコを教えたンだ」

食蜂「?」

一方通行「この工場、屋上があンだよ。そこから学園都市が見渡せる」

食蜂「ここに居るの?」

一方通行「多分なァ」
833 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:41:02.47 ID:GEMuLIIA0
結標「う…」

垣根「起きたか」

結標「垣根…?」

垣根「状況が飲み込めてないみてぇだな」

結標「状況…?……!あなた!…つぅ!」

垣根「…」

結標「絹旗や黒夜は…?どこ…?」

垣根「そこに転がってるだろ」

結標「…酷い…一体なんのつもりなの?」

垣根「ただ単に第一位を倒してぇだけだ」

結標「信じられない…あんなに仲よさそうにしていたのに…いまさらそんなことを?」

垣根「ああ」

結標「心理定規が知ったら悲しむわよ?」

垣根「なら知らせなきゃいい」

結標「…!」ギリ

垣根「安心しろ今すぐには殺しゃしねぇよ。大切な駆け引きのネタなんだからよ…?」

結標(一方通行…!)
834 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:41:32.55 ID:GEMuLIIA0
結標「一つ、聴いていいかしら?」

垣根「一つでいいのか?どうせ何も分からなくなるから一つとは言わずにいくつでもいいんだぜ?」

結標「あなたにとって一方通行って何?」

垣根「そうだな…親友であり…ライバルであり…倒すべき存在か?」

結標「[ピーーー]つもりなの?一方通行のこと」

垣根「致し方ねぇがそのつもりだ。俺の野望のためだからよ」

結標(野望?)

結標「なんのためらいもないの?」

垣根「無いな」

結標「あなた一体どうしたの?」

垣根「どいつもこいつも同じことばかり聴きやがるな」

結標「こんなこと、以前のあなたなら絶対にしない行動よ?こんな誰かを傷つけたり、悲しませたりするようなこと…」

垣根「チッ…そんなことはどうでもいいんだよ」

結標「どうでもいいですって?」

垣根「それよりも見ろよ、この景色。この学区の工場地帯と都心部が絶妙に合わさったイイ景色だ」
835 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:42:19.61 ID:GEMuLIIA0
結標「今のあなたとは見たくないわ」

垣根「ふん、この学区はよ、随分と前からあったんだよ。それこそ今あるほとんどの学区より先にな」

垣根「だが再開発に失敗してこんな廃れた見た目になっちまった」

垣根「俺が何を言いたいか分かるか?」

結標「分かりたくないわ」

垣根「俺は今日、ここで第一位を下す。この廃れた街並とともにな」

垣根「古くから第一位に君臨してる一方通行に教えてやるのさ」

垣根「テメェの時代はもう終わったんだ、ってな」

結標「勝てるはずないわ、あなたは一回負けてるんだから」

垣根「かもしれねぇな。だが前と違って今度はお前らが居る」

垣根「立ち回り次第では自殺してくれるかもなぁ…はははっ」

結標「…もしそうなったら私が自[ピーーー]るわ。目の前であの人を失いたくないもの」

垣根「俺が言えた義理じゃねぇがエゴだな。それはアイツも同じだ」

結標「私のせいで一方通行が負けるぐらいなら、命ぐらい投げ捨てるわ。この学区みたいに古くからあるのには理由があるの、一方通行にもね」

結標「後から造られたもの達には無い、決定的な違いがあるからずっと残ってるのよ?あなたには分からないかしら?垣根帝督」

垣根「オマエとはもう話したくねぇな。少し寝てろ…!」グッ

結標「つっ…!………?」

垣根「来たか、一方通行」
836 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:42:49.54 ID:GEMuLIIA0
.......................................................

食蜂「ねえ」

一方通行「なンだ」

食蜂「あなたと第二位のこと、聴いてもいいかしら?」

一方通行「好きにしろ」

食蜂「あなたと第二位ってどういう関係なの?」

一方通行「以前に殺し合った仲だが…今は…親友だと、そう思ってる」

食蜂「じゃあなんで親友が変わってしまったのか分かる?」

一方通行「…実際はなンも変わってねェかもしンねェなァ」

食蜂「言ってる意味が分からないんだけど…さっき自分で変わったって言わなかった?」

一方通行「おかしくなったとは言ったがアイツが変わったなンて一言も言ってねェぞ?」

食蜂「はぁ?」

一方通行「根本的な部分はなンも変わってねェよ。アイツは自分で絶対にこォいうことはもうしねェって言ったンだ」

一方通行「それなりのプライドもあるし強さも持ってる、そして何より信用出来る目をしていた。だから、おかしくなっちまったとしか思えねェンだよ」

食蜂「…」
837 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:43:15.47 ID:GEMuLIIA0
食蜂「もし、変わってたらどうするの?」

一方通行「そン時はそン時だ、必要があるなら[ピーーー]だけだ…前みてェになァ…」

食蜂(前?)

一方通行「聴きてェことはそれだけかァ?」

食蜂「…全部済んだら、今まで通り接していくの?」

一方通行「俺はそのつもりだ」

食蜂「傷付いた人もそれなりに居るんでしょ?他の人達はどうするのよ?」

一方通行「だからオマエが居るんだろォが」

食蜂「え?」

一方通行「コレが済ンだら、また一仕事してもらうぜェ?」

食蜂「はっ…えーと…なにを…?」

一方通行「オマエの能力なら記憶操作もお手のもンだろォが」

食蜂「確かに私の改竄翌力でどうとでもなるけど…まさか…」

一方通行「あァ、期待してるぜェ?操祈ちゃンよォ」

食蜂「…」

一方通行「ほらもう着くぜェ、オマエはここらへンで隠れてろ。終わったら呼びにくるからよォ」

食蜂「…わかったわ」

一方通行「さて…目ェ覚まさせてやるぜェ?垣根…!」
838 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:43:41.77 ID:GEMuLIIA0
初春「えっ?第五位さんを連れて行ったんですか?」

御坂「うん、大分強引にだけどね」

白井「食蜂さんを連れ出すとは…さすが第一位と言うか…」

上条「女王様とかって呼ばれてたんだろ?よく一方通行に従ったよなぁ?」

御坂「常盤台に行く途中に話をしたらね、生意気な素振り見せたら痛い目に遭わせるって言ってたわよ」

初春「でも大丈夫なんでしょうか?一方通行は大丈夫として食蜂さん?でしたっけ?その人は大丈夫なんですかね?」

土御門「心配無いと思うぜい?護衛に付いてるのが第一位なんだ、関係無い奴に怪我を負わせるようなクズじゃないからな」

白井「はーっ、信頼なされてるんですね?」

土御門「随分と長い間一緒に居るからな。嫌でも分かるぜ?アイツの事は」

上条「ああ、そうだな。その女の子は多分無傷で帰ってくると思うぜ?」

初春「それにしても垣根さん、本当にどうしちゃったんでしょうか?」

土御門「ああ、その事なんだがな、心理系能力者が面白半分で垣根に能力を使ったら、たまたま効いたんだ」

白井「あら、以外と抜けてる所があるんですのね?」

御坂「そうか、あの占い師能力者だったのね…」

土御門「ああ、占いを語って近づくんだ。そしてオマケに能力も使用するときたもんだ」

初春「許せませんね!能力を使って人をおかしくするなんて!」

土御門「まあ垣根がやったことには変わりないんだ、後で散々謝罪させるといいぜい?」

839 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:44:10.65 ID:GEMuLIIA0
土御門「さて、じゃあ俺はアイテムの方に行って来るか…」

上条「ん?浜面のところに行くのか?」

土御門「ああ」

上条「俺も連れてってくれ」

土御門「てことは俺が車椅子を押すのか」

上条「頼んだ」

御坂「車椅子だったら私が押すわよ?」

上条「いや、土御門とも話がしたいんだ。だからここで待っててくれよ」

御坂「そう?じゃあ分かったわ」

上条「ああ、んじゃ行こうぜ土御門」

.............................................

上条「助かったよ土御門」

土御門「なにがだ?」

上条「魔術のこと抜きで説明してくれたことだよ。御坂にも説明したんだがうまく伝わらなくてさ」

土御門「なるほど?だから初めて聴いたような反応をしたのか」

上条「麦野さんたちにはなんて説明するんだ?」

土御門「同じように説明するさ」

上条「それで大丈夫か?」

土御門「なに、アイツらも垣根がおかしくなったことくらい分かるだろ」

土御門「垣根は一方通行に任せて俺達はこういうところで動けばいい」

上条「だな」
840 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:44:39.61 ID:GEMuLIIA0
垣根「テメェに教えてもらった景色、なかなかなもんだぜ?」

一方通行「そいつはよかったな。きちんと目に焼き付けたかァ?オマエの死に様が映る景色だからよォ?」

垣根「オマエの、だよ一方通行!!」ゴバッ

一方通行「チッ…!」カチッ

........................................

食蜂(ちょっとちょっとちょっと!なんて戦い方してんのよ!)

食蜂(あれが第二位なの?あんな翼が生えてるような奴が!)

食蜂(大丈夫なんでしょうね?一方通行…!)

........................................

垣根「懐かしいなぁ、おい!!」

一方通行「干渉に浸ってる暇があンのかよ?なァ!!」

垣根「ふん、優位に立ってるからこその余裕だよボケが」

一方通行「ハッ、またソレか…あン時と同じじゃねェか。とっくに解析は済んでんだよォ!!」ビュン

垣根「そう言いつつ避けるのか…いいのか?避けてよ?」

一方通行「はァ?」

垣根「コイツはお笑いだ!!助けに来たのに眼中にすら入ってねぇとはよ!!」ドゴッ

一方通行「!?黒夜!!!」
841 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:45:09.34 ID:GEMuLIIA0
食蜂「ヒッ!人が飛んできた!?ねぇ!大丈夫?あなた?」

黒夜「…」

食蜂「えっと…どうしたらいいの?…」

..........................................

一方通行「テメェ…!」

垣根「ははっ、その目だ。次はソイツか?もう一人の窒素のガキだ…!」ゴウッ

一方通行「これ以上は持ってかれるわけにはいかねェンだよ!!」ドバッ

垣根「反射、反射、反射、反射、反射…そら、ここだ」バキッ

一方通行「うっ…がァ…!」

垣根「効いたか?病院の時のお返しだ」

一方通行「ハッ…なンてことねェよ…」

垣根「ん?絹旗はどこ行った?」

一方通行「ハハッ…」

垣根「…入り口のほうに飛ばしたか…まあいい。まだ結標が居る」

一方通行「テメェ腐ってやがンな…」

垣根「前の戦いで学んだ。正攻法じゃいくらやっても無理だってな。俺だってこんな事はしたくねぇが…仕方ないよな?」ドッ

一方通行「淡希!!」ゴッ

垣根「うるせぇんだよ!!黙って俺の前に跪きやがれ!!」
842 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:45:40.02 ID:GEMuLIIA0
食蜂「ま、また人が…と、とりあえずこっちのほうに寄せとかないと…」

食蜂「危険だから…うん」

......................................

一方通行「……グッ」

垣根「いい様だ、一方通行。やっぱこうでなくちゃな」

一方通行「クソッ…」

垣根「動くんじゃねぇよ…自分の立場がわからねぇのか?」

垣根「テメェが変な行動取った瞬間、コイツを[ピーーー]ぜ?」

一方通行「チッ…」

垣根「まずはそのうざったいチョーカーの電源を切れ」

一方通行(ン?チョーカー…?)

一方通行「なンだ…」カチッ

垣根「あ?」

一方通行「オマエ、やっぱり…」

垣根「なに言ってやがる?」

結標「あなたはやっぱり…心の何処かで一方通行を倒すことを躊躇していたってことよ」

垣根「!」
843 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:46:14.45 ID:GEMuLIIA0
結標「バイバイ、垣根帝督」ヒュン

垣根「しまった…!能力で…!」

一方通行「ハッ…」カチッ

垣根「ッ…!」

一方通行「オラァ!!目覚ましやがれ垣根ェ!!」ギュン

垣根「クソッ…!」

一方通行「ウラァ!!」ドガッ

垣根「能力を使ったパンチ…!……がぁ…ッ…!!」

一方通行「ハァ…ハァ…」カチッ

一方通行「オイ、淡希。大丈夫かァ?」タッ

結標「なんとかね…でも…ちょっと寝かせてもらう…わ……z…ZZ」

一方通行「はァ……良かった…本当ォに…」

垣根「クソッ…なんでだよ…こんな汚ねぇ真似しても勝てねぇなんてよぉ…!」

一方通行「!垣根、そりゃ単純にオマエに足りねェもンがあるからだ」

垣根「なんだよそりゃ…まだ足りねぇもんがあんのかよ…!」

食蜂「終わった…のかな?」ヒョコッ

一方通行「バッ…!まだ出てくるンじゃ…」

垣根「ハッ、まだ負けてねぇじゃねぇか…その女も守ってみるか!?一方通行ァァアア!!」ドバッ

844 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:46:42.89 ID:GEMuLIIA0
一方通行「能力を使って高速移動だとォ…?」

一方通行(クソッ…間に合ってくれよ…!)カチッ

垣根「恨むんなら一方通行を恨むんだな!女ぁ!!」ゴッ

食蜂(ヒッ!目の前に翼が…!…殺される……!!)ギュ
........................................
................................
.........................
...................

食蜂「…………アレ?」

垣根「なんでだよ…なんで諦めなねぇんだよ…」

一方通行「守るって決めたもンは…最後まで守らなきゃなァ…!」バシュン

バラバラッ…!

垣根「俺の翼が…??」

垣根(そうか…能力で…。俺はまた一方通行に……!)

食蜂「一方…通行…?」

一方通行「垣根、オマエは確かに強ェ。でも…幻想を見てたに過ぎねェンだよ」

垣根「何?」

一方通行「順位っつゥコンプレックス…俺を倒したいってンなら結構な話だァ。いつでも倒しにかかってくりゃイイ」

一方通行「だがな…前も今回も、俺だけを狙わなかった時点で勝敗は決まってたンだよ…!」カチッ

垣根「は?」

一方通行「俺も教えられたンだよ…守るべきもンが近くにあると絶対に倒れるわけにはいかねェってなァ!」ググッ

垣根「しまっ…!」

一方通行「今度は能力を使ってねェパンチだ。次起きたら前みてェに仲良くしようぜ、垣根よォ…!!」バキッ

垣根「がっ……」ガクッ
845 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:47:15.82 ID:GEMuLIIA0
一方通行「ハッ…」

垣根「…」

食蜂「終わった…の?」

一方通行「今度こそなァ…あとはオマエがコイツの頭いじれば終了だァ」

食蜂「あ、ああ。そうだったわね、よいしょ…」

一方通行「黒夜と絹旗は無事みてェだなァ…オイ、行けそうかァ?」

食蜂「うん、大丈夫。思った通りで安心したわ」

一方通行「ン?」

食蜂「感情を司る脳の部位がいじられてるの、多分、自分でもうまくコントロールできなかったんだと思う」

一方通行「そォか…」

食蜂「うん、それと他にも色々と、こんないじられ方したら、そりゃ、ああなっちゃうわよね…?どうしたの?」

一方通行「…はン、さすがにこのチョーカーも電池切れか…」

一方通行「悪ィが…あと頼…nnbfyuweg」ドサッ

食蜂「は?ちょ、ちょっと、私にもたれかからないでよ」

一方通行「…」

食蜂「ちょっと?…おーい」

垣根「…」

結標「…zZ」

絹旗「…」

黒夜「…」

食蜂「ど、どうしたらいいの…?」
...............................................
..................................
..........................
...................
.............
.......
....
..
.
846 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:47:45.05 ID:GEMuLIIA0
翌日


一方通行「………ン…?」

一方通行(この天井は……病院か…昨日は確かバッテリーが切れて…!)

一方通行「結標ェ!」ガバッ

食蜂「zzZ」

一方通行「ア…?」

食蜂「…ん?…起きたの?」

一方通行「ハ?なンでオマエが…」

食蜂「なんでって…私が病院まで運んであげたからに決まってるじゃないの」

一方通行「ど、どォやってだァ?」

食蜂「私の判断力、甘くみないで。失礼だけど携帯借りたわ」

一方通行「ハァ?」

食蜂「いいわ、昨日一方通行が倒れたあとの話、してあげる」

一方通行「??」
847 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:48:17.26 ID:GEMuLIIA0
昨晩


食蜂「ど、どうしよう…とりあえず救急車かなにか呼ばないと…」

食蜂「ええっと…携帯携帯…って…」

食蜂「学校に忘れてきちゃった…」

食蜂「…」チラッ

一方通行「…」

食蜂「ちょっと、ゴメンね…」ゴソゴソ

食蜂「あ、あったあった…ええと」ピッピッ

食蜂「黄泉川…?確か警備員の…?だったかしら?」

食蜂「とりあえず電話を…」

『お待ちください』

食蜂「は?」

『我々が後始末を致しますので連絡の必要はありません』

食蜂「んん?…もしかして理事長のお孫さん…?」

海原「おや、知っているのですか?」

食蜂「知ってるもなにも…海原光貴さんじゃないの?」

海原「そうですが、そうではないと言っておきましょう」

食蜂「はぁ?」
848 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:48:47.97 ID:GEMuLIIA0
海原「そんな事はさておき、ご苦労さまです」

海原「ここに寝ている方達は自分の友人でして、病院にはしっかりと送りますので安心してください」

食蜂「理事長の孫が第一位と友人?信用出来ないわね」

海原「ふむ…手荒な真似はしたくないのですが…」

食蜂「やってみなさいよ」キッ

海原「仕方ありませんね…でしたらご一緒に病院に来られてはいかがでしょうか?」

食蜂「望む所よ…え?」

海原「そうと決まれば急ぎましょう。どうぞ、こちらに」

食蜂「??」

海原「時間がありません、急いでください」

食蜂「は、はい…?」

海原「もしもし?土御門さんですか?見つけましたよ。はい、第一九学区にいらっしゃいました」

海原「垣根さんですか?大丈夫です、少し見ましたが至って正常でしたよ?」

海原「おそらく第五位さんが治したのでしょう。はい、今から病院に向かいます、では後ほど…」
......................................
.............................
....................
............
......
...
.
849 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:49:13.22 ID:GEMuLIIA0
食蜂「ってわけよ」

一方通行「その話聴く限り俺達を運ンだのは海原じゃねェのか?」

食蜂「なによ、私だってあなたを助けようとしてねぇ…」

一方通行「分かった分かった、ありがとよ」

食蜂「気に食わない言い草ね」

一方通行「ふン、人の体枕にしといてよく言えたもンだなァ」

食蜂「何言ってるのよ、一応心配だったから起きるまで待とうと思ったら寝てしまったの、いわば不可抗力よ」

一方通行「俺の脳ミソいじってねェだろォな…」

食蜂「恩人に対する口の利き方とは思えないわね。さて…」ガタッ

一方通行「お?帰ンのかァ?さっさと帰れ、気ィつけてな」

食蜂「なによその言い方は…まあいいわ、はい」

一方通行「あ?なンだこりゃァ?」

食蜂「私の番号とアドレス。後で連絡ちょうだい?」

一方通行「はァ?」

食蜂「じゃーねー」

一方通行「オ、オイ!待て!」

食蜂「一方通行」

一方通行「あァ?」

食蜂「あなたみたいに強引な人、嫌いじゃないわ。また会いましょ」

一方通行「ハッ…」
850 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:49:40.56 ID:GEMuLIIA0
食蜂「あ、ごめんなさい」ドンッ

「ああ、気にすんな」

食蜂「あれ?…あの人は…」

コンコン

一方通行「入れ」

垣根「入るぞ」ガラッ

一方通行「垣根か」

垣根「よぉ、体は大丈夫か?」

一方通行「オマエの方こそ」

垣根「俺は大丈夫だよ」

一方通行「何しにきた?」

垣根「迷惑かけたな。すまねぇ」

一方通行「謝罪する相手が違ェンじゃねェのか?」

垣根「他の連中にはもう謝って来た。一生分頭を下げてきたつもりだ。だからお前が最後だよ」

一方通行「ほォ」

垣根「正直、どうかしてたよ。もう一度同じ過ち繰り返すなんてよ」

一方通行「なにもテメェだけが悪ィわけじゃねェンだ。あンま深く考えンな」

垣根「いや、俺のせいだね」

一方通行「?」
851 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:50:09.15 ID:GEMuLIIA0
垣根「俺がおかしくなった日、他にもそういう事件が発生してたかもしんねぇんだとよ」

垣根「んで、その事件を解決するために上条や土御門が動いてたみてぇなんだわ」

垣根「それで俺は相手の能力を喰らってな…土御門達になんともないか?って聴かれたときになんともねぇってウソ付いたんだわ」

垣根「その時点でもう一方通行へのリベンジを考えていた。なんか知らねぇが踏ん切りが付いたんだ。今度こそやってやるってな」

垣根「それがこの様だよ。何人もの奴らに迷惑を掛けて、麦野や上条に至っては大怪我を負わせた」

垣根「んで、お前にもな…」

一方通行「…過ぎたことだ。俺はこれ以上言及する気はねェ、忘れろ」

垣根「…」

一方通行「無理なら心理掌握を使って無理矢理にでも忘れさせんぞ」

垣根「ハッ、遠慮しとくよ。分かった、俺ももう何も言わねぇ」

一方通行「心理定規は…」

垣根「ん?」

一方通行「心理定規は今回の事件、知ってンのか?」

垣根「知らないし、教える気もない。虫のいい話かと思うかもしれねぇが黙っておくことにした」

垣根「アイテムや他の連中も了承してくれた」

一方通行「そォか」

垣根「んじゃ俺は行く、迷惑かけたな、本当に悪かった」

一方通行「俺に頭は下げねェのか?」

垣根「さっき一生分下げたって言ったろ?テメェの分は無ぇよ」

一方通行「ハッ、いつも通りだな」

垣根「ああ」ガラッ
852 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:50:34.82 ID:GEMuLIIA0
結標「一方通行!」ガラッ

一方通行「おわっ!?」

結標「よかった…!目覚ましたのね…」

一方通行「オマエ…なンとも無いのかァ?」

結標「ええ、特に大きな怪我はしてないわ」

一方通行「そりゃ何よりだ…」

結標「あなたこそ…」

一方通行「俺も軽い怪我だ、どォせ大事を取って入院してるだけだろォ?」

結標「それより、チョーカーと垣根の事だけど…」

一方通行「ああ、このチョーカーだろ?」

結標「なんともなかったの?」

一方通行「問題ナシだ、平常運行だったぜ?」

結標「やっぱり垣根は…」

一方通行「あァ、俺を全力で[ピーーー]気にはなれなかったンだろォな」

結標「私、聴いたの」

一方通行「なにをだァ?」

結標「あなたにとっての一方通行って何?って聴いたの」
853 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/28(土) 23:51:05.37 ID:GEMuLIIA0
一方通行「アイツにとっての俺だとォ?」

結標「ええ」

一方通行「なンて言ったンだァ?」

結標「あんな状態でもあなたのこと、親友だって言ってたわ」

一方通行「…それがこのチョーカーを利用しなかった答えになるかは知らねェが…」

一方通行「そォか…アイツが親友か…」

結標「ええ、確かにそう言ってたわ」

一方通行(垣根特製のチョーカー。アイツは未元物質を混ぜて作製したって言ってたハズだ)

一方通行(アイツがこのチョーカーの未元物質を操作したら俺に勝ち目は無かった…)

一方通行(ただ単にこのチョーカーのことを忘れてたのか…それとも…)

....................................................

垣根(…)

『まずはそのうざったいチョーカーの電源を切れ』

『なンだ…オマエ、やっぱり…』

垣根「一応友情の証みてぇなもんだからな…それを利用したら…親友は名乗れねぇよな?」

....................................................

結標「なにはともあれ無事でよかったわ…」ギュ

一方通行「ああ、迷惑かけた。半分は俺のせいだなァ…」

結標「あなたのせいでもあるの?」

一方通行「さっさと気付いてればこンなことにはならなかったよなァ…」

結標「でもこうして助けてくれたわ」

一方通行「ああ、そう決めたからよォ」

一方通行(さて、垣根ともあとでじっくり話さねェとな…足りないものについてなァ…)
.....................................................

.....................................

......................

...........

.....

...

..

.
859 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:13:55.88 ID:PfGmuNas0
垣根帝督動乱より数週間後



垣根「はーっ」

麦野「溜め息ねぇ…?」

フレンダ「反省の色が見られないっていうか」

黒夜「罪を償おうって気持ちが感じられねぇな」

絹旗「黒夜のその意見には超同意です」

垣根「…」

麦野「ま、なんでもいいわ。追加注文するわよ」

垣根「おい、まだ食うのか?」

麦野「は?」

垣根「チッ…」

麦野「なによ、アンタが土下座は嫌だって言うからこうしてファミレスでねー」

垣根「分かった分かった、好きにしろ」

麦野「あいたたたー内臓がー」

垣根「クソッ」
860 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:14:22.25 ID:PfGmuNas0
黒夜「せっかくだからクソ高いのにしようぜ。わざわざ学舎の園のレストラン選んだんだからよ」

フレンダ「だったら今一度このステーキセットを…」

絹旗「最初からお肉で飛ばしていたら後で困ります。やはり超軽い物からですね…」

麦野「でもこういうときは美琴に感謝ねー。やっぱりお嬢様と仲良くしといてハズレは無いわね」

垣根「ったく…ん?」

麦野「なに、どうかした?」

垣根(あの金髪は確か…)

フレンダ「なに?またおかしくなったの?」

垣根「…ちょっと外に行って来る」

麦野「まさか支払いしないで逃げる気じゃないでしょうね?」

垣根「誰がそんなことするか」

絹旗「超しそうです」

垣根「ちょっと話してくるだけだ、逃げやしねぇよ」

麦野「学舎の園で知り合いだと?ますます怪しいな」

垣根「…とりあえず行って来る」

麦野「さっさと戻ってくるのよー」
861 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:15:20.39 ID:PfGmuNas0
垣根「おい、そこの金髪」

「部外者の方でしょうか?」

「男性ですか?」

垣根「テメェらじゃねぇ、中心の女に用があんだよ」

「なんて野蛮な…」

「そのような方は食蜂さまにお会いさせるわけにはいきません」

垣根「誰もテメェらの都合なんか聴いてねぇんだよ」

「なんと…」

食蜂「ちょっと、どうかしたの?」

「食蜂さまにお会いしたいと申してる殿方が…」

食蜂「髪の色は?」

「茶色でございます」

食蜂「茶色?ダメ、却下」

「とのことですのでお引取り願いませんか?」

垣根「…そうか、あくまで邪魔するんなら仕方ねぇ力付くでも会わせてもらうぜ」

食蜂「…うるさいわねぇ、もういいわ。私の洗脳力で追い返すわ…」

「そんな、食蜂さま自らなど…」

食蜂「いいのよ、たまにはねぇ…」キュイイイン

食蜂「あれ?」
862 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:16:39.04 ID:PfGmuNas0
垣根「おい、そこの金髪」

「部外者の方でしょうか?」

「男性ですか?」

垣根「テメェらじゃねぇ、中心の女に用があんだよ」

「なんて野蛮な…」

「そのような方は食蜂さまにお会いさせるわけにはいきません」

垣根「誰もテメェらの都合なんか聴いてねぇんだよ」

「なんと…」

食蜂「ちょっと、どうかしたの?」

「食蜂さまにお会いしたいと申してる殿方が…」

食蜂「髪の色は?」

「茶色でございます」

食蜂「茶色?ダメ、却下」

「とのことですのでお引取り願いませんか?」

垣根「…そうか、あくまで邪魔するんなら仕方ねぇ力付くでも会わせてもらうぜ」

食蜂「…うるさいわねぇ、もういいわ。私の洗脳力で追い返すわ…」

「そんな、食蜂さま自らなど…」

食蜂「いいのよ、たまにはねぇ…」キュイイイン

食蜂「あれ?」
863 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:17:07.68 ID:PfGmuNas0
垣根「…精神系の能力か。悪いがちょっと前からそういう能力には過敏になってんだ。俺には通用しねぇぞ」

「食蜂さまの能力が効いてない?」

垣根「間違いねぇ心理掌握か。おい話がある、痛い目に遭う前にとっとと出て来い」

「心理掌握と知ってて近づいてきた…?」

「先日に起きたレベル5負傷の事件となにかしら関係があるのかもしれません」

「致し方ありませんがこちらもそれなりの体制を取らせてもらいます」

垣根「…あんま大きなことは出来ねぇんだけどな…やるってんなら仕方ねぇ。相手してやる」

食蜂「あんまり面倒起こさないでよねぇ?」

ドサッ!

食蜂「?」

ドサドサッ!

食蜂「は、何が…?」

垣根「随分と多い取り巻きだな。だが、身の安全を守るにはちょっと頼りねぇな」

食蜂「あ、あんたは確か第二位の…」

垣根「ふん、やっぱりだ。あん時一方通行の病室の前でぶつかった女だな」

垣根「しかも一緒に一九学区に来た女と同じ顔してやがる。少し話がしたい、時間を作ってもらおうか?」

864 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:17:47.64 ID:PfGmuNas0
垣根「…精神系の能力か。悪いがちょっと前からそういう能力には過敏になってんだ。俺には通用しねぇぞ」

「食蜂さまの能力が効いてない?」

垣根「間違いねぇ心理掌握か。おい話がある、痛い目に遭う前にとっとと出て来い」

「心理掌握と知ってて近づいてきた…?」

「先日に起きたレベル5負傷の事件となにかしら関係があるのかもしれません」

「致し方ありませんがこちらもそれなりの体制を取らせてもらいます」

垣根「…あんま大きなことは出来ねぇんだけどな…やるってんなら仕方ねぇ。相手してやる」

食蜂「あんまり面倒起こさないでよねぇ?」

ドサッ!

食蜂「?」

ドサドサッ!

食蜂「は、何が…?」

垣根「随分と多い取り巻きだな。だが、身の安全を守るにはちょっと頼りねぇな」

食蜂「あ、あんたは確か第二位の…」

垣根「ふん、やっぱりだ。あん時一方通行の病室の前でぶつかった女だな」

垣根「しかも一緒に一九学区に来た女と同じ顔してやがる。少し話がしたい、時間を作ってもらおうか?」

865 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:19:18.43 ID:PfGmuNas0
常盤台の一室


「食蜂さま、本当によろしいのですか?護衛を付けなくて…」

食蜂「大丈夫だと思うわ、それに…」チラッ

垣根「…」

食蜂「多分意味が無いと思うからねぇ」

「そうですか、ではお気をつけて…」ガチャ

食蜂「で?話って何?」

垣根「世話になったな」

食蜂「は?」

垣根「俺のこと、元に戻してくれたんだろ?一方通行から聴いたよ」

食蜂「あ…あぁ!そういうコトね!うん!私の能力にかかればどうってことないわ!」

垣根「?まあいい、俺はとりあえずそれが言いたかったんだ」

食蜂「へぇ…あ、そうだ。私聴きたいことがあるんだけど」

垣根「あ?」

食蜂「あなたの周りはその事件から何か変わった?」

垣根「…いや、何も変わらねぇよ」

食蜂「なんで?」

垣根「知らねぇよ。大して気にして無いんじゃねぇのか?大怪我させた連中は飯奢れって言うし、他の奴らは別に気にしてないって言うしよ」

食蜂「…」
866 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:19:42.03 ID:PfGmuNas0
常盤台の一室


「食蜂さま、本当によろしいのですか?護衛を付けなくて…」

食蜂「大丈夫だと思うわ、それに…」チラッ

垣根「…」

食蜂「多分意味が無いと思うからねぇ」

「そうですか、ではお気をつけて…」ガチャ

食蜂「で?話って何?」

垣根「世話になったな」

食蜂「は?」

垣根「俺のこと、元に戻してくれたんだろ?一方通行から聴いたよ」

食蜂「あ…あぁ!そういうコトね!うん!私の能力にかかればどうってことないわ!」

垣根「?まあいい、俺はとりあえずそれが言いたかったんだ」

食蜂「へぇ…あ、そうだ。私聴きたいことがあるんだけど」

垣根「あ?」

食蜂「あなたの周りはその事件から何か変わった?」

垣根「…いや、何も変わらねぇよ」

食蜂「なんで?」

垣根「知らねぇよ。大して気にして無いんじゃねぇのか?大怪我させた連中は飯奢れって言うし、他の奴らは別に気にしてないって言うしよ」

食蜂「…」
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/30(月) 23:20:56.82 ID:PfGmuNas0
垣根「ま、そんだけだ。一室用意させるほどの話じゃなかったな」ガタッ

食蜂「もう終わり?」

垣根「ああ、気絶させた取り巻き連中には謝っといてくれ。手荒な真似して悪かった、ってな」

食蜂「ちょっと待って!」

垣根「あ?お前には謝ることはねぇぞ?」

食蜂「違う!そうじゃなくて!」

垣根「なんだよ、はっきり言え。まさかお前、能力に頼りきってまともに人と話したことないのか?」

食蜂「失礼ね。私のコミュニケーション能力を舐めないでちょうだい」

垣根「ああ、分かった。んで?」

食蜂「あなたって一方通行と親友なのよね?」

垣根「は?なんで知ってやがる…まさか頭覗いたのか?趣味の悪い奴だな」

食蜂「バカ言わないで。一方通行から聴いたのよ親友だ、ってね」

垣根「アイツが…へぇ。それで?用件は?さっさと言ってくれ」

食蜂「一方通行に連絡するように言ってちょうだい。全然連絡が来ないから、これじゃアドレスとか教えた意味無いわ…」ブツブツ

垣根「分かった言っておくよ。じゃあな心理掌握」バタン
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/30(月) 23:22:38.82 ID:PfGmuNas0
垣根「ま、そんだけだ。一室用意させるほどの話じゃなかったな」ガタッ

食蜂「もう終わり?」

垣根「ああ、気絶させた取り巻き連中には謝っといてくれ。手荒な真似して悪かった、ってな」

食蜂「ちょっと待って!」

垣根「あ?お前には謝ることはねぇぞ?」

食蜂「違う!そうじゃなくて!」

垣根「なんだよ、はっきり言え。まさかお前、能力に頼りきってまともに人と話したことないのか?」

食蜂「失礼ね。私のコミュニケーション能力を舐めないでちょうだい」

垣根「ああ、分かった。んで?」

食蜂「あなたって一方通行と親友なのよね?」

垣根「は?なんで知ってやがる…まさか頭覗いたのか?趣味の悪い奴だな」

食蜂「バカ言わないで。一方通行から聴いたのよ親友だ、ってね」

垣根「アイツが…へぇ。それで?用件は?さっさと言ってくれ」

食蜂「一方通行に連絡するように言ってちょうだい。全然連絡が来ないから、これじゃアドレスとか教えた意味無いわ…」ブツブツ

垣根「分かった言っておくよ。じゃあな心理掌握」バタン
869 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:24:02.23 ID:PfGmuNas0
垣根「うげ…電話の嵐かよ…結構時間食っちまったからな…」

垣根「仕方ねぇ、電話するか…」piriririr

垣根「おう、麦野か?…逃げてねぇよ!…ああ…今から戻るから…」

垣根「他のガキ連中にも言っとけ…ああ…じゃあな」

垣根「ったく…うるせぇ野郎だ…ん?…なんだお前らは?」

「先ほどここで暴れていた能力者だな?」

垣根「…」

「少し話を聴きたい。警備員の詰所までご同行願えるか?」

垣根(囲まれてやがる…)

垣根「チッ…おい、悪いが戻れなくなった…怒鳴るんじゃねぇよ!財布…置いてるだろ?それで支払いしてくれ」

「おい、何をしている」

垣根「財布は絹旗に持たして一方通行に渡すように言ってくれ。じゃあな」

「なんの電話だ?まさか仲間を呼んだんじゃないだろうな?」

垣根「違ぇよ。知り合いに詫びの電話しただけだよ」

「念のため両手を挙げてもらおうか」

垣根「任意同行だよな?」

「残念だが色々と証言もある、拒否権は無いと思ってくれ」

垣根「はぁーあ」
870 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:24:44.85 ID:PfGmuNas0
「先ほどのは誰だったのですか?」

食蜂「第二位よ、そういえば名前聴くの忘れちゃったなぁ」

「だ、第二位ですか!?」

「食蜂さまや、かの御坂美琴より順位が上でしたの…?」

食蜂「そうね、私の能力全然効かなかったし…。そういえば手荒な真似して悪かったって言ってたわよ」

「はぁ…人は見た目で判断出来ないのですね…」

食蜂「ホントよねぇ」

「あの…」

食蜂「?」

「あそこで警備員に囲まれてる殿方…先程の第二位さまでは…?」

食蜂「んん…?」

『だからテロなんかじゃねぇっつの!』

『だから話を聴くために同行をだな…』

食蜂「なにやってるのかしら」
.......................................................
...........................................
..............................
.................
........
....
..
.
871 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:25:18.66 ID:PfGmuNas0
警備員詰所


心理定規「ちょ、ちょ、ちょっと!何してるのよ帝督!」

垣根「電話で言った通りだよ」

心理定規「常盤台の生徒に能力使ってテロと間違われたですって!?まさにその通りじゃない!」

「えっと…君が身柄引受人?」

心理定規「そうですけど…」

「確かに彼は能力を使ったけど相手先も能力を使ったって話だったから…さっきまではテロの疑いもあったけど…」

「常盤台の生徒さんがちゃんと事情を説明してくれたからさ、こちらにも非があったからどうか穏便にって」

心理定規「そ、そうですか…どうもすみません…」

垣根「こいつら全然俺の話し聴いてくれなくてな。さっきから第五位に話聴けって言ってんだけどよ」

垣根「俺の順位知ってからは脅されてる可能性があるとか言って全然話が進まなかったんだよ」

「うぐっ」

垣根「んで結局あっちのほうから来てな…事情を説明してくれたんだよ」

心理定規「あなた第五位と知り合いだったかしら?」

垣根「…一方通行の用事でちょっとな。んで聴きたいことがあったから声かけたんだ」

心理定規「そう?」
872 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:26:16.24 ID:PfGmuNas0
「とりあえず今回は双方和解したって事で釈放という形に…」

垣根「和解もクソも無ぇだろうがよ」

心理定規「ちょっと!帝督は少し黙っててちょうだい!」

垣根「なんだよ…」

「ははっ…まぁこちらも悪かったってことで…ね?」

垣根「チッ」

心理定規「わ、分かりました!ありがとうございます!」

心理定規「ほら!行くわよ!帝督!」

垣根「テメェらの面覚えたからな」

心理定規「そういうのヤメテ!」

「は…はは…ごめんね?」

垣根「…」ジー

「…くっ」

垣根「夜道に気をつけな」バタン!

心理定規「ちょっと!そういうのタチ悪いから!ごめんなさい!失礼します!」バタン

873 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:26:43.67 ID:PfGmuNas0
心理定規「ねえ、貴方変わった?」

垣根「どういう意味でだ?」

心理定規「なんか前よりも正直になったわ」

垣根「そうか?」

心理定規「ええ、なんかそういう行動力が身に付いてるわ」

心理定規「以前の貴方なら警備員なんかにあんな口の利き方しなかったもの」

垣根「かもな」

心理定規「それに常盤台での事件だって、いつもの貴方ならするような行動じゃないわ」

垣根「…はっ、それもそうだな」

心理定規「でもそれでいいわ。私はそっちの方が好き」

垣根「へへっ、そうか?」

心理定規「うん」

垣根「あ、一方通行に連絡してやんなきゃな…」

心理定規「一方通行に?」

垣根「ああ、さっき常盤台で心理掌握に会ってきてな。んで一方通行に伝えなきゃいけないことがあってな」

心理定規「すぐに済む?」

垣根「この場で電話すりゃ速攻だよ…」
874 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:27:17.94 ID:PfGmuNas0
麦野「ったく…バ垣根がよぉ…」

絹旗「一体今度は何やらかしたんでしょうね」

麦野「さあね、電話口で怒鳴り声とか色々聴こえたけど…」

黒夜「トイレでも覗いたんじゃねぇの?」

フレンダ「こんな場所でそんな事をするなんて…」

麦野「今度聴いてみなきゃね」

フレンダ「ん、そういえば麦野」

麦野「なにー?」

フレンダ「あの時私早々に気絶したんだけど…一体どういう経緯で病院に行った訳?」

麦野「あ?だから、私が戦って、吹っ飛んで、その隙に結標達が一気にやられて…んで私にも止めが刺されたの」

フレンダ「…もうちょっと詳しく…」

黒夜「私も知りたい」

麦野「は?」

黒夜「だって結標や絹旗より先にやられたんだぜ?そりゃ知りたいっつうの」

麦野「チッ…仕方ねぇ…」
875 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:28:03.49 ID:PfGmuNas0
........................................

垣根「おい」ズイッ

麦野「あ?…!?」

垣根「吹き飛べコラ」ゴバッ

麦野「!?」

ドガァン!!

絹旗「麦野!」

黒夜「おい…マジかよォ…」

結標「ちょっと!大丈夫なの!?」

垣根「さぁーな」

黒夜「テメェ!」ボンッ

垣根「芸の無ぇ野郎だな…」ヒョイ

黒夜「だからッ…なンでこの距離で避けれンだよ…ッ!」

垣根「ほらよ」バキッ!

黒夜「うげっ…!」ドシャ

絹旗「くっ、黒夜!垣根!一体どういうつもりなんですか!」

垣根「一方通行に対抗する術が欲しい」
876 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:28:49.02 ID:PfGmuNas0
結標「あなたは一回一方通行に負けたはずよ?」

垣根「だからこそだよ。今度こそ俺は第一位を越えてぇんだよ」

垣根「だから…」

絹旗「だから?」

垣根「やっぱいいわ」ドバッ

結標「ああっ…!」

絹旗「結…標さン…ッ!」

垣根「お前、多少持ったほうだよ。さすが優秀なだけはある」

絹旗「あいにく、ここで見す見す負けるワケにはいかねェンですよ!!」ブンッ

垣根「…奇遇だな。俺もだ」ズバッ

絹旗「かッ…!」ゴキゴキ

垣根「…おい、麦野…まだ動けんだろ?」

麦野「当たり…前じゃない…」ジジジ

垣根「大したもんだ。さすが第四位だ」ゴバッ

麦野「あ゛っ……!?」メキキ

垣根「救急車は呼んどいてやるよ。手遅れじゃなきゃいいけどな、ははっ。それとコイツら…持ってくぜ?」

麦野「クッ…ソ…がぁ…」

........................................
877 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:29:23.47 ID:PfGmuNas0
麦野「というワケよ」

フレンダ「ウソ…垣根が救急車呼んだんだ…」

麦野「そういうこと。それと全然人が気付かなかったのはやっぱりアイツが能力使ってたからよ」

絹旗「どうりで…」

黒夜「なるほどなぁ…やっぱなんでもアリだなあのチンピラ」

麦野「ホントよ」

絹旗「超生身でとんでもない速度で移動してましたからね」

黒夜「あんなんでも第二位なんだなって実感するぜ」

麦野「人は見た目によらないって事ね。私も最初一方通行見た時、このモヤシが一位!?って思ったもの」

黒夜「それはある」

麦野「それで試しに攻撃してみたら速攻反射されたの。ありえないわ、アレ」

フレンダ「実際垣根と本気で戦ったら勝つのはやっぱ一方通行なの?」

麦野「そうじゃない?垣根は能力を使用して唯一一方通行に攻撃を当てたって聴いたけど…」

絹旗「結局、超解析されて垣根の敗北」

麦野「第一位故の演算力でどうにかなったのよね」

黒夜「遠いなぁ…」

麦野「ね。その上第二位より下には絶対に覆らない壁があるの。自身無くすわよ」

絹旗「なんだかんだ、超凄いんですよね」

麦野「本当よ。改めてレベルの差を実感させられたわ。同じレベル5なのにね」

「「あはははははは!」」
878 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:30:01.38 ID:PfGmuNas0
食蜂「ねえ、おかしくない?」

御坂「…」

白井「…」

食蜂「聴いてる?」

白井(なんでここに食蜂さんがいらっしゃいますの?)

御坂(知らないわよ!いきなり現れて、話聴いてー、よ?意味分からないわ)

食蜂「…」キュイイン

白井「!」

食蜂「なんだ、聴いてないじゃないの」

御坂「ちょっ、ちょっと黒子!?」

食蜂「私は無視されるのが一番傷つくのよ。うん」

白井「コレハシツレイイタシマシタ。モウイチドオハナシヲウカガッテモヨロシイデショウカ?」

食蜂「そお?仕方無いわねぇ」

御坂「くっ、黒子ぉ?」
879 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:30:37.57 ID:PfGmuNas0
食蜂「だからね?私は初めて自分から携帯のアドレスとかを教えたのよ」

白井「それが第一位さまなのですね?」

食蜂「そうよぉ」

食蜂「ちゃんと連絡してね?って言ったのに未だに連絡無し!どうなってんのよ」

白井「第一位ともなればお忙しいでしょうし。もう少しお待ちになってはいかがですか?」

食蜂「うーん。でもそろそろ待ちくたびれたっていうか…」

御坂「もうこっちから行けばいいんじゃないの?」

食蜂「何言ってるのよ。私は今まで色々な男に声をかけられたの。でも決して自分からは声をかけなかったの」

御坂「…」

白井(そもそも結婚なさっている一方通行さんが連絡してくるのでしょうか?)

御坂(多分忘れてるんだと思うわ)

食蜂「まったく…なんで連絡くれないのかしら…」
880 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:31:06.92 ID:PfGmuNas0
piririri

一方通行「もしもしィ?」

『おう、一方通行か?』

一方通行「垣根か…なンの用だァ?」

『お前に伝言預かってさ』

一方通行「伝言だとォ?」

『なんだっけ…あの金髪で巨乳の…しょ、しょく…『食蜂操祈よ』そうそれ』

一方通行「食蜂操祈ィ?」

『あれ?知ってんじゃねぇの?第五位の心理掌握の事なんだけどよ…』

一方通行「心理掌握…あァアイツか…んで?ソイツが?」

『連絡くれ、って』

一方通行「…ン?……あァ、なるほどなァ。そういやそンな事言われてたっけなァ」

『確かに伝えた、じゃあな』

一方通行「おォ」
881 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:31:32.57 ID:PfGmuNas0
結標「垣根帝督から?」

一方通行「あァ」

番外個体「そういえばミサカ詫び入れてもらってないなー」

一方通行「大した怪我無かったンだからいいだろォが」

番外個体「あのねー、上位個体は気絶させられてんのよ?なんとも思わないの?」

一方通行「無傷だったンじゃねェか。三下から聴いたぞ?」

一方通行「登場早々イキなり能力使って打ち止め気絶させたってなァ」

番外個体「はーっ、つまんないの」

結標「そういえば電話の内容なんだったの?」

一方通行「あァ、その事だけどよォ、ちょっと電話してくるわ」

結標「わかったわ」
882 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:32:07.68 ID:PfGmuNas0
piririri

御坂「ん?ほら携帯鳴ってるわよ」

食蜂「どうせ派閥の子でしょ?もしもぉーし」

食蜂「え?」

食蜂「え?え?ウソ!?」

白井「一体どうしたのでしょう…」

御坂「さぁ…」

食蜂「やっと連絡くれたんだぁ」

白井「あら、一方通行さんでしょうか」

御坂「珍しいわね」

食蜂「うん、第二位と今日会ってね。それで…」ガチャ

バタン

白井「行ってしまわれました…」

御坂「なんだったのよ本当に…」
883 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:32:33.53 ID:PfGmuNas0
『そォか、垣根に伝言任せたワケか』

食蜂「うん」

『まァイイ。確かに連絡したわ、じゃァな』

食蜂「えっ?ちょっと待ってよ」

『ハァ?』

食蜂「せっかく電話くれたんだし…今度遊ぼうよ」

『…………分かった。あン時の礼ってことで少し付き合ってやる』

食蜂「うん、それがいいわ」

『後でメール送ってやる。適当に連絡してこい』

食蜂「はいはーい」

『じゃァな』ブツッ

食蜂「ふふ…第一位を手中に収めれば…」
884 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:33:33.66 ID:PfGmuNas0
食蜂「決めたわ!」ガチャ!

御坂「うわ!戻って来た!?」

食蜂「私!第一位を自分の物にするわ!」

白井(なんで一方通行さんの周りにはこういう女性関係のイベントが多いんですの?)

御坂(そんなの知らないわよ!)

白井「あのー、自分の物にするというのは…?」

食蜂「第一位よ!?学園都市として揺ぎ無い地位の持ち主!女王たる私に相応しいと思わないかしら!?」

白井「は、えー…ですが一方通行さんには…ムグッ」

御坂(面白そうだからちょっと黙ってなさい!)

白井(ですがお姉さま!)

御坂(自分の思い通りにならないって分かった時の顔が見てみたいわ!)

白井(でもそんなことしたら一方通行さんだけではなく結標さんにも迷惑が…)

御坂(うーん。でもそれでさらに仲が深まったらアリじゃない?)

白井(果たしてそううまくいくでしょうか…)

食蜂「ちょっと、またヒソヒソ話なの?」

御坂「ううん!なんでも無いの!」

食蜂「…まあいいわ。じゃあ早速会う約束しなきゃね…」ピッピッ
885 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:34:05.12 ID:PfGmuNas0
食蜂「決めたわ!」ガチャ!

御坂「うわ!戻って来た!?」

食蜂「私!第一位を自分の物にするわ!」

白井(なんで一方通行さんの周りにはこういう女性関係のイベントが多いんですの?)

御坂(そんなの知らないわよ!)

白井「あのー、自分の物にするというのは…?」

食蜂「第一位よ!?学園都市として揺ぎ無い地位の持ち主!女王たる私に相応しいと思わないかしら!?」

白井「は、えー…ですが一方通行さんには…ムグッ」

御坂(面白そうだからちょっと黙ってなさい!)

白井(ですがお姉さま!)

御坂(自分の思い通りにならないって分かった時の顔が見てみたいわ!)

白井(でもそんなことしたら一方通行さんだけではなく結標さんにも迷惑が…)

御坂(うーん。でもそれでさらに仲が深まったらアリじゃない?)

白井(果たしてそううまくいくでしょうか…)

食蜂「ちょっと、またヒソヒソ話なの?」

御坂「ううん!なんでも無いの!」

食蜂「…まあいいわ。じゃあ早速会う約束しなきゃね…」ピッピッ
886 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:34:45.69 ID:PfGmuNas0
初春「はー。第五位さんがですか?」

白井「ええ、一方通行さんを恋人にすると意気込んで昨日からヒートアップですの」

佐天「へぇー。見た目と第一位のことも相まってモテるんですねー」

白井「本当にただ惚れてるだけならいいんですが…」

初春「結構危ない人なんでしたっけ?第五位さんて」

白井「危ないというか何を考えてるか分からないというか…」

佐天「もしかしたら一方通行さんを利用して何か考えてるのかもしれませんね。いつかの垣根さんみたいに」

白井「もしそうでしたらかなり厄介ですの」

初春「そうなったら垣根さんの出番ですね」

白井「そうですわね、協力していただきましょうか」

佐天「それで?御坂さんはどうなってるんですか?」

白井「その第五位サマとやらと一緒に出掛けてますわー」

初春「そういえば麦野さん達は退院しましたけど上条さんはどうしたんですか?まだ入院してるんですか?」

白井「中々骨がうまくくっ付かないらしいんですの。特に肩が酷いらしくて」

佐天「でも初春たちが無事でよかったよー。皆して能力者同士の戦いに巻き込まれるだなんて」

白井「ええ、命あってなによりですわ。はは」
887 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:35:14.92 ID:PfGmuNas0
御坂「…」

食蜂「ちょっと、何か喋ってよ」

御坂「…」

食蜂「はぁーあ」

御坂「私が溜め息したいくらいよ」

食蜂「はぁ?何が不満なのよぉ」

御坂「まずあんたと二人で歩いてること」

食蜂「可愛くないわね。それとあんたじゃなくて操祈ね」キュイイン

御坂「ったく…なんで私が操祈の色恋沙汰に協力しなきゃなんないのよ…」ブツブツ

食蜂「へっ、チョロイわねぇ。少しずつ警戒心を解いていけば電磁バリアなんて関係ないのよ」

御坂「ん?なんか言った?」

食蜂「ううん、なんも言ってないわ」

御坂「でも運良く一方通行と会えたらなにするのよ」

食蜂「そうねぇ…とりあえず猛烈アタックね」

御坂「…ん?」
888 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:35:43.87 ID:PfGmuNas0
垣根「よう第三位じゃねぇか」

御坂「あんたドコにでも居るわね」

心理定規「今日は私も居るわよ」

御坂「心理定規じゃない。二人でデート?」

垣根「なにしてるにしろテメェには関係無ぇな」

御坂「な、何よその言い草は!」

心理定規「ごめんなさいね。帝督、最近になって正直になったのよ」

御坂「は、はぁ?」

垣根「ん?金髪じゃねぇか」

食蜂「第二位」

心理定規「金髪?ああ、食蜂操祈って彼女の事だったのね」

垣根「ああ。能力と同じで陰険な野郎っぽいだろ?」

食蜂「ななななんですって!?」

垣根「いい機会だ金髪。俺の名前は垣根帝督だ。人に会ったらちゃんと名前で呼ぶんだな」

食蜂「名前を知ってるくせに金髪って呼ぶあなたに説教なんか貰いたくないわね」

垣根「ん?なんで俺が名前を知ってるってことをお前が知ってるんだ?さては頭を覗きやがったな?仕方の無ぇ野郎だ」

食蜂「…」
889 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:36:11.74 ID:PfGmuNas0
御坂「で?結局何してるの?」

垣根「これから一方通行のトコに財布を取りに行くんだ」

食蜂「!」

御坂「財布?」

垣根「ああ、少し前に色々あってな。それで絹旗に財布預けたからこれから取りに行くんだ」

御坂「へぇ」

食蜂「ねえ、私も連れてってくれない?」

垣根「は?なんでまた…」

食蜂「会いたいからよ」

垣根「あんな奴に会いたいだと?最近の中学生はアルビノがブームなのか?なあ心理定規」

心理定規「少なくともそうじゃないと思うわ」

垣根「まあいい。好きにしろ」

心理定規「…食蜂さんだっけ?」

食蜂「そうだけど…あなたは?」

心理定規「私は心理定規。この人の恋人よ」

食蜂「恋人?へぇ…あなた見たいな人でも恋人なんか作れるんだ?垣根サン?」

垣根「ああ。俺でやっと作れるんだ。お前じゃ無理だな食蜂」

食蜂「…口の減らないヤツね」
890 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:37:07.74 ID:PfGmuNas0
心理定規「それで?食蜂さんは一方通行に会ったら何するつもりかしら?」

食蜂「そうねぇ…とりあえずアタック仕掛けるつもりよ?」

垣根「アタックだと…?…くくっ」

食蜂「?なにかおかしい?」

垣根「お前一方通行が好きなのか?ははっ」

食蜂「好きか?ですって?そう言われると分からないわね…」

垣根「おい心理定規」

心理定規「はいはい」

食蜂「え?何?…!?!?!?!?」

心理定規「分かったわ」

垣根「どうだった?」

心理定規「感情は好意そのものね。それに気付けて無いってことはまともに人を好きになったことが無いのね、きっと」

垣根「数値は?」

心理定規「14。これはかの浜面滝壺より上の数値よ。結構信頼してるのね一方通行のこと」

御坂「えっ?何?操祈って結構純情なの?」

垣根「バカ、純情ってのは邪心の無い心のことを言うんだよ」

御坂「あら、じゃあ違うのね」

垣根「ああ、こりゃどっちかって言うとウブだよウブ」
891 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:37:37.77 ID:PfGmuNas0
食蜂「こ、これが好きという感情なの…?」

垣根「そうなのか?」

心理定規「至って冷静だけどそうね」

食蜂「これが初めて人を好きになるという感情…」

垣根「しつけぇな。そうだって言ってるだろ」

御坂「そういえば物にするとは言ってたけど恋人にするなんて一言も言って無かったわね…なるほど…そういうことか…」

食蜂「んふ、決めたわ。第一位を彼氏にするわ!」

垣根「意気込んでるとこ申し訳ないがバッドニュースだ」

食蜂「は?」

垣根「一方通行は既に結婚している」

食蜂「え?…でも問題無いわ略奪愛なんてのがあるくらいだし…」ブツブツ

心理定規「…」

垣根(コイツは面白そうだな)

御坂(でしょ?)

食蜂「そういえば私はさっき何されたの?全然理解出来なかったんだけど…」

心理定規「私の能力、心理定規…あなたと同じく感情を偽りで塗りつぶす哀しい能力よ」

食蜂「?」
892 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:38:11.53 ID:PfGmuNas0
食蜂「ここが一方通行のマンションね」

垣根「本当に付いてきやがった」

心理定規「私としては会わせたくないのだけど…」

御坂「まあまあ」

垣根「さて…んじゃ呼ぶか」ピンポーン

『はィ?』

垣根「お前が出るなんて珍しいな」

『今丁度誰も居ねェンだよ』

垣根「そうか、悪いけど財布持って下に来てくれないか?」

『はァ?俺が行くのかよ?』

垣根「頼むよ、なあ」

『仕方無ェな…ちょっと待ってろ…』ブツッ

垣根「なんだ誰も居ないのか…あのニート研究員まで居ないとは珍しいな」

心理定規「色々あるんじゃない?淡希も居ないのも珍しいわね」

食蜂「ついに再開出来るのね!」

御坂「…」

垣根(おい、コイツこそ何かに洗脳されてるんじゃないのか?)

御坂(かもしれないわね)

心理定規(初恋は一直線なのよ)
893 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:38:43.15 ID:PfGmuNas0
一方通行「待たせたなァ…ア?」

垣根「おう待ってたぜ一方…『一方通行!』おい」

一方通行「は?なンでお前がここに…」

食蜂「会いたかったわぁ」グイッ

一方通行「ハ?」

食蜂「早速どこかに遊びに行きましょうよ!ね!」ググイッ

一方通行「オ、オイ!やめろ、引っ張るなァ…オイ…」

ウィーン

御坂「行っちゃったわ…」

垣根「強引な女だ」

心理定規「何事も無ければいいんだけど」

垣根「なに、一方通行だぜ?問題無ぇよ」

心理定規「だといいんだけど」

御坂「私も行きたい所があるんだけど」

垣根「言ってみろ」

御坂「ゲーセン」

垣根「…またカエルか?」

御坂「今度はぬいぐるみなんだけど…」

垣根「上条と行け」

御坂「誰かさんのせいで入院してるのよねー」

垣根「行くか心理定規」
894 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:39:09.75 ID:PfGmuNas0
一週間後


結標「絶対浮気よ!!」バン!

心理定規「ちょっと!分かったからそう強くテーブルを叩かないで!注目をあびてるわよ!?」

結標「あ、ごめん」

心理定規「まったく…」

結標「あの人夜な夜な遊びに出掛けるのよ!?私が誘っても反応無しと来たもんよ!!」

心理定規「毎日?」

結標「ちょうど一週間ぐらい前からね!!」

心理定規「一週間…」

結標「ねえ!垣根に頼んであの人を尾行してもらってちょうだい!」

心理定規「それは無理よ」

結標「なんで?」

心理定規「三日くらい前から出掛けてるの」

結標「はぁ!?大丈夫なの?それ」

心理定規「前にも三日くらい出掛けていたことがあったから特別心配はしてないけど…」

結標「ん?電話?」piriririri

心理定規「まさかね…」
895 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:39:39.52 ID:PfGmuNas0
結標「もしもし?」

結標「は?また遊びに行くの!?」

結標「ドコに行くのよ…ホ、ホテル!?」

結標「誰と遊びに行くかは言わないくせにそういうことは言うってどうなの!?」

結標「あ、ちょっと!」ブツッ

結標「切れたわ…」

心理定規「…」

結標「どうしたらいいのよ私」

心理定規「心当たりがあるわ」

結標「は?」

心理定規「一方通行は恐らく自分の意思で浮気してるわけじゃないわ」ピッ

結標「え?」

心理定規「もしもし?美琴?今から言うものを用意して大至急ファミレス前に来てちょうだい!」

心理定規「いい?大至急よ!?…用意するものは…」
896 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:40:11.58 ID:PfGmuNas0
御坂「ごめーん!待ったー?」

心理定規「遅い!」

御坂「うっ…いつもの心理定規じゃない…」

心理定規「はいこれ」

御坂「?なにこれ?」

心理定規「淡希の携帯。最後にあった着信から相手の場所を割り出して」

御坂「え?でも私そういうのは…」

心理定規「いいからするの!」

御坂「は、はい!」

結標「…」ソワソワ

心理定規「淡希、きっと大丈夫よ。急げばまだ間に合うわ」

結標「それはいいんだけど…」

心理定規「ん?なに?」

結標「なにが起きてるかいまいち理解出来ないんだけど…」

心理定規「いいわ。教えてあげる」
897 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:40:38.32 ID:PfGmuNas0
結標「第五位が…?」

心理定規「そう第五位が」

御坂「み、見つけました!」

心理定規「はいご苦労さま。で?場所は?」

御坂「第八学区のホテル街近くです!」

心理定規「第八学区のホテル街ですって?」

御坂「結構外れのほうなんだけど…ほらここ」ピッ

心理定規「ここ周辺って取り壊しが決定してる廃ホテルじゃない」

結標「や、野外プレイですって!?」

御坂「え!?野外!?」

心理定規「…」

御坂「あ、あとコレ。頼まれてたやつ。こんなもの何に使うの?」ヒョイ

心理定規「きっと役に立つわ」

御坂「こんなものが…」

心理定規「さ、行くわよ二人とも」

御坂「なんか知らないけど私も行くの?」

心理定規「当然よ。これは第五位との戦争なの」

御坂「は?」
898 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:41:09.05 ID:PfGmuNas0
垣根「ふっ…」

「どうなされました?」

垣根「ふははははははははっ!」

「ど、どうなされたのでしょうか…」

「分かりませんが男性は嬉しい事があると笑い出すと聴いたことがあります…」

「では何か嬉しい事があったのでしょうか?」

「おそらく…」

垣根(ふん…世間を知らねぇガキだと思ったが…存外、役に立つ女だ…食蜂操祈)

..........................................
『垣根帝督、お願いがあるんだけどぉ』

『お前に従うかは知らねぇが一応言ってみろ』

『三日程でいいから私の取り巻きの相手をしてほしいの』

『ん?どういう意味だそりゃ』

『私ちょっとした用事で学校を空けることになったのぉ。だから私が居ない間彼女たちのご主人様になってちょうだい』

『…上を知るにはまず下を知らなきゃならねぇ』

『で、どうする?』

『いいだろう。お前の代わりに取り巻きの相手をしてやる』

『ありがとう!細かい所は私がなんとかしとくから後よろしくね!』
..........................................

垣根(と言われあいつの座についたが…)

「なにかお飲み物はいかがですか?」

垣根「ああ、もらおうかな」

垣根(さながら王サマだ…ははっ)
899 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:41:39.09 ID:PfGmuNas0
結標「さて、このホテル街ね」

心理定規「来たはいいけど廃ホテルって結構あるのね」

御坂「ねえ、一通り事情は聴いたからそれなりに話は分かるんだけどさ」

心理定規「なに?」

御坂「なんで普通にホテルに入らないわけ?」

心理定規「なんでってそれは…常盤台の制服着てるからじゃないの?」

御坂「でも操祈は三日ぐらい前から学校に来てないわよ?それでも制服着てるのかしら?」

心理定規「あんなナリでも中学生よ?受付の人の目はごまかせないんじゃない?」

御坂「でも能力使えばそんなの…」

結標「なに言ってるのよ」

心理定規「え?」

結標「ただ単に外でしたかったんでしょ?」

御坂「…」

結標「青姦趣味があったのよ。一方通行が外でしたいのか、それともその女なのか。どっちにしろその食蜂ってヤツは痴女ね痴女」

心理定規「…」
900 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:42:05.67 ID:PfGmuNas0
心理定規「さて、最初のホテルね」

御坂「やっぱり廃ホテルだけあって暗いわね…夜だからなおさら…」

結標「懐中電灯あるわよ」カチッ

御坂「随分と用意がいいのね?」

結標「能力使うのに必要だもの」

御坂「ああ…」

心理定規「一個一個部屋を確かめるしかないのかしら?」

結標「それには及ばないわ」ヒュン

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!

心理定規「っと…」

御坂「ちょっ…何したのよ!?」

結標「柱を一つ一つ移動させてるのよ。いわばダルマ落としの要領ね、ワンフロアずつ落としてるの」

御坂「物騒な…それって階層を一つずつ潰してるようなものよね…」

心理定規「さすがに目立つから次からはしないでちょうだい」

結標「わかったわ」
901 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:42:35.72 ID:PfGmuNas0
心理定規「このホテルには居なかった…と」

御坂「次のホテルね」

結標「望む所よ。その女見つけ出して裸にひん剥いてどっかのホテルの一室に転送してやるわ」

御坂「…」

心理定規「さ、行きましょう」

御坂「おーい操祈ー、一方通行ー居ないのー?」ガチャ

結標「出てきなさーい二人ともー」バタン

心理定規「ここには居ないのかしら」ガチャ

結標「次は上の階ね、飛ぶわよ」ヒュン

御坂「わわっ」ヒュン

心理定規「…」ヒュン

結標「あら?」

心理定規「どうかした?」

結標「この階層、封鎖されてるわ」

御坂「ホント」

結標「はい次ー」ヒュン

心理定規「気合入ってるわね…」ヒュン

御坂「これ見つからなかったらどうなるのよ…」ヒュン
902 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:43:05.74 ID:PfGmuNas0
結標「見つからなかったら…そうね…垣根でも仕向けるわ」

御坂「物騒ね」

結標「闇に堕ちるということはそういうことよ」

御坂「もうなにがなんだか…」

心理定規「居ることを祈って捜しましょう、ほら」

御坂「了解」

結標「出てきなさーい」ガチャ

御坂「ん?」

心理定規「どうかした?」

御坂「これって上に行けるんじゃない?」

結標「上?」

御坂「うん、ほら」

心理定規「確かに行けそうね」

結標「じゃあ上から捜しましょう。往復するのは面倒だから」ヒュン
903 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:43:35.52 ID:PfGmuNas0
御坂「…」

結標「…」

心理定規「何か聴こえるわね…」

御坂「多分こっち…」

結標「どれどれ…」

心理定規「…」

御坂「ストップ、ここらへん…」

ンフゥ・・・

ハァ・・・

結標「!」

御坂「やや、やっぱここよ」

心理定規「はぁ…ついに見つかったのね」

結標「蹴破るわよ」

御坂「え?蹴破る?」

心理定規「逃げられました、じゃ話にならないから慎重にね」

結標「わかってるわよ」
904 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:44:06.31 ID:PfGmuNas0
メキメキメキ…!


食蜂「!?」

メシャッ…!

結標「見つけたわ。泥棒猫…さん?」

食蜂「大分頑丈にバリケードしたつもりなんだけどなぁ…」

結標「そんなの関係無いわ。その場所に無理矢理他の物体をねじ込んでやればいいの」

食蜂「…!」

心理定規「抵抗しないほうがいいわよ」

御坂「なにしてるのよ操祈…」ハァ

結標「よくこんな月明かりが差すような場所で半裸になれたものね。そこで上半身裸になって寝てる男、私の夫なの。」

結標「回収してもいいわよね?」

食蜂「ダメに決まってるでしょう?」キュイイン

結標「って、聴くまでもないか…」ヒュン

結標「あら?」スカッ

食蜂「今のあなたはこの場所で一方通行を認識出来ないわ」

結標「能力ね…」
905 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:44:43.83 ID:PfGmuNas0
心理定規「…やっぱり厄介な能力ね」

御坂「十徳ナイフって表現は間違い無いみたいね」

食蜂「せっかく来た所悪いんだけど…回れ右してもらえるかなッ!?」キュイイン

御坂「ふん!」ビリリ

結標「思った通りね」

食蜂「またしても電磁バリア…」

心理定規「第五位に甘んじてるわけね。これじゃ第四位にも通用しなさそうね」

食蜂「なんちゃって」

御坂「あんっ!」

心理定規「ちょっと急に色っぽい声出してどうしたのよ」

御坂「んふぅ…」

食蜂「ねえ御坂サン?」

御坂「…何よ…」

食蜂「あなた私のことなんて呼んでた?」

御坂「は?普通に操祈って…あ」

食蜂「気付いたみたいね」

結標「ちょっと、どういうことよ」

906 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:45:13.09 ID:PfGmuNas0
食蜂「随分前から御坂さんは私の能力を食らってたってワケねぇ」

御坂「全然気付かなかった…」

心理定規「なるほど、呼び方ね?」

食蜂「あら、正解」

結標「説明してくれない?」

心理定規「さっき美琴が第五位の名前呼んだときにハッとしたでしょ?つまりそういうことよ」

結標「なるほど…呼び方を意識的に変えられてたのね」

食蜂「そういうコト」

結標「じゃあ今のはどういうことよ」

食蜂「今のは植え付けてた能力の片鱗を快感の増幅に利用しただけよ。それこそ口を動かしただけで腰が抜けるほどにね」

心理定規「美琴は使い物にならなさそうね」

結標「同感よ、ていうかそんな事も出来るのね」

御坂「んん…」

食蜂「なんでも出来るわよ?読心、洗脳、念話、記憶の呼び出し、感情の移植」

食蜂「あなたたちが目の前で立ってるのが不可能なぐらいにね」キュイイン

結標「ふぅん」ヒュン

心理定規「…」ヒュン
907 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:45:58.26 ID:PfGmuNas0
食蜂「話に聴くより厄介ね。座標移動ってのは」

結標「ちょっと、どこまで知ってるのよ」

食蜂「全部見たわ」

心理定規「聴いたじゃなくて見た、ね?随分と趣味悪いのね」

食蜂「それ、垣根帝督にも言われたわ」

結標「話しぶりからするに…一方通行の記憶を覗いたのかしら?」

食蜂「ええ、さすがは第一位、苦労したわ」

心理定規「一体どうやって…」

食蜂「一方通行ね、無意識の内で精神干渉系の能力を反射してたのよ。自分を失わないようにね」

食蜂「でも御坂さんみたいに距離を測って、それで警戒心が薄れた所で一気に行ったのよぉ」

心理定規「哀しいわね」

食蜂「なんとでも言って。私は一方通行と幸せになるの」

心理定規「次期に虚しいことだってのに気付くわよ?」

食蜂「それでも、よ」

食蜂「もういいかしら?これから忙しくなるのよ、一汗かかなきゃいけなくなるしね」

心理定規「仕方ないわね、淡希」ヒョイ

結標「メモ?」ヒュン
908 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:46:38.30 ID:PfGmuNas0
心理定規「そう」

結標「えっと…?」

心理定規「ちょっと、ここで声に出して読まないでよ」

結標「ああ、ごめんなさい」

食蜂「何をごちゃごちゃと…まずはあなたからよ座標移動!」

結標「結標淡希よ…!」ヒュン

食蜂「なんで?今のは完全に捕らえてたはずよ?」

結標「私は今完全にレベル5になったわ」

食蜂「は?」

心理定規「今よ、淡希」

食蜂「あれ?」

結標「食蜂操祈」

食蜂「後ろに!?」

結標「いいわ、あなたが自分の能力を使ってでも無いと男一人振り向かせられないって言うのなら」

結標「まずはその幻想をぶち壊すわ!!」バチン!

食蜂「ひにゃっ!」

結標「暗部舐めんな!!」

御坂「ハッタリ利かせてその隙をついて攻撃するなんて…んん…さすがね!…んっ」

心理定規「美琴に頼んで上条くんに用意させた説教の口上、役に立ったわね。決め台詞はどうかと思うけど…ゲームセットよ食蜂操祈」
909 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/05/30(月) 23:47:06.85 ID:PfGmuNas0
後日

白井「はぁーそんな事があったんですの…」

御坂「そうよ?大変だったんだから」

初春「でも結標さんのレベル5になったーっていうのは一体…」

御坂「だからーハッタリだと思うのよ私は」

佐天「どうします?ホントにレベル5になってたら」

御坂「確かに食蜂の能力を避けてたし…大分怪しい動きもあったけどさすがにレベル5にはなってないでしょー」

白井「どんな能力も相手に狙いを定める必要がありますの。ですから結標さんはおそらく能力が適用される寸前で避けたのでしょう」

御坂「かもねー」

初春「それで一方通行さんはどうなったんですか?」

御坂「当麻の右手に触れてもらったから元通りよ」

佐天「よかったですねー」

初春「それで張本人である食蜂さんは…?」

御坂「能力使わないで真っ向勝負して一方通行を振り向かせるって張り切ってたわ」

白井「懲りないことですこと」

御坂「でも妻のガードが厳しいらしいわ」

初春「当然ですよね」

佐天「なにはともあれ解決して良かったですね」

御坂「ホントよ、一時はどうなるかと思ったわ…」

初春「そういえば今度の事件なんですけど…」

御坂「え?なになに?」
...............................................

..................................

......................

............

.....

..

.
917 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:14:13.57 ID:HRobbyip0
先日の出来事


食蜂「…」

御坂「あっ…んんっ…」

心理定規「ちょっと、あなたはじっとしてなさいよ」

結標「さて、どうしようかしら」

心理定規「気絶させればとりあえず解決すると思ったんだけど…」

結標「レベル5なだけはあるわね。そう甘くないということかしら…」

心理定規「やっぱり無理?」

結標「ええ、一方通行だけ認識出来ないわ。一方通行に対する座標も合わないし…」

心理定規「厄介ね…仕方無いわ。帝督を呼びましょう」

結標「悪いけどお願い出来る?」

心理定規「ええ」

御坂「んっ…いいっ…」

心理定規「…」

結標「なんか可愛らしいわね」
918 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:14:47.93 ID:HRobbyip0
常盤台の一室


垣根「しかし、食蜂はどこで何してんだ?一応中学生だろうが」

「普段から色々とお忙しい方ですから」

「常日頃、研究所より実験のお誘いが来てましたし。もしかしたらその一環なのかもしれません

垣根「実験ねぇ…」

「ええ、本来は進んで実験に参加なんてなさらないんですが…」

垣根「まだ実験って決まったわけじゃねぇしな。うん」

priririri

「垣根さま、お電話が」

垣根「電話?」

「はい」

垣根「携帯取ってもらってもいいか?」

「どうぞ」

垣根「おう悪いな」

「いえ、このくらい」
919 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:15:16.32 ID:HRobbyip0
垣根「おう、我だ」

『何よその一人称は』

垣根「心理定規か、何の用だ?」

『ていうかやっと出たわね?』

垣根「は?」

『ここ二、三日ずっと出なかったじゃない』

垣根「ん、まあ色々あったんだ」

『まあいいわ。今から第八学区の廃ホテルに来てちょうだい』

垣根「八学区の廃ホテルだと?なんでまた…まさかお前、青姦の趣味が…」

『何バカなこと言ってるのよ!いいから来なさい!』

垣根「わ、分かった。今から行く」

『急いでよね。じゃ待ってるわ』

垣根「…廃ホテルか」

「お出掛けになさるんですか?」

垣根「ああ、少し出てくるよ」

「お気をつけて」

垣根「おう」
920 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:15:44.06 ID:HRobbyip0
結標「どうだった?」

心理定規「とりあえず来るわよ、多分」

結標「た、多分?大丈夫なのそれ?」

心理定規「大丈夫よ」

結標「…」チラッ

食蜂「…」

御坂「んぅ…」

心理定規「えっと…」チラ

一方通行「…」

心理定規(随分と白いわね…でもいい身体してるわ…)

心理定規(ちょ、ちょっとぐらい触っても…)サワ

心理定規(わっ…スベスベ…)

心理定規(帝督みたいなのもいいけど…こういう身体にも抱きついてみたいわね…)

ドガッシャアアン!

心理定規「はわっ!」
921 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:16:11.50 ID:HRobbyip0
垣根「よお、来てやったぜ?」

心理定規「は、早かったわね」

垣根「それなりに急いだからな…ん?」

垣根(上半身裸の一方通行、半裸の食蜂、赤面してうずくまってる第三位…そしていつもの露出結標)

垣根「な、何をやってたんだ?お前ら」

心理定規「第五位と戦ってたのよ」

垣根「ん?詳しく聴かせてくれ」

心理定規「そのつもりよ」

結標「早く済ませてね」

心理定規「そのつもりよ」

垣根「早く話せ」

心理定規「急かさないで」

垣根「まさか一方通行を四人で…」

心理定規「変な想像しないで!」
922 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:16:37.72 ID:HRobbyip0
垣根「なるほどな、能力に反してなかなか行動的じゃねぇか」

心理定規「で?どうするの?」

垣根「とりあえず一番問題ある第三位は俺が担ぐ。んで一方通行はお前が担げ」

心理定規「わ、私が!?」

垣根「ああ、結標が一方通行を飛ばせれば早いんだが…認識出来ないなら仕方がねぇ。さすがに俺じゃどうにもならねぇからな」

心理定規「で、でも第五位を私が担いで貴方が二人を担げば…」

垣根「…あー、多分食蜂の方が重いぜ?それに…一人がそれぞれを担ぐにしろ…」

結標「第五位は担ぎたくないわ」

垣根「な?」

心理定規「分かったわ。じゃあ私が一方通行を背負うから二人をお願いね」

垣根「ああ」

結標「私は何をすればいいのかしら?」

垣根「後ろから付いていてくれ。能力使って移動するにしろそれじゃ一方通行が置いてけぼりになっちまうからな」

心理定規「ねえ。単純にあなたが一方通行を担いで私たちがさきに座標移動で飛べばいいんじゃない?」

垣根「嫌だよ。こんな状態の第三位をいかにして運ぶかが楽しいんだろ」

心理定規「…」

垣根「周りの安全確認もある。頼むぞ結標」

結標「了解したわ」
923 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:17:07.26 ID:HRobbyip0
垣根「さて…まずは第三位か」

御坂「ん…」

垣根「…」ツン

御坂「あひっ」

垣根「はっ」

御坂「ちょっ…ちょっと、んっ…やめて…あっ…」

垣根(動く度に反応してるな。しかも外部からの刺激にも対応してやがる…)

心理定規「どうするの?」

垣根「能力を使って背負うしかねぇな。衝撃を全部吸収するような未元物質を作ればいけるな」

心理定規「大丈夫そうね」

垣根「コイツ次第だがな」

心理定規「ていうか精神操作の類でこんなに出来るの?」

垣根「少し説明してやる」

結標「興味あるわ」
924 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:17:40.08 ID:HRobbyip0
垣根「俺の勘だがな…」

結標「腐っても第二位の勘だからそれなりに信用するわ」

垣根「まず食蜂の能力じゃ見た限り感覚の操作ってのは出来ない。痛覚や触覚を誤認させるってこったな」

垣根「つーことはだ、結局はその感覚の感じ方を敏感にしてるだけだ」

心理定規「つり橋効果とか?」

垣根「ああ。簡単に言うと…昼間に化け物なんかに会っても怖くねぇが、それが夜中だと余計に怖い。そういうこったな」

結標「それだったら口を開くことが快感に繋がらないんじゃないかしら?」

垣根「感覚意思の増幅…いわば意思の操作だ。対象にどんなふうに感じさせるか」

垣根「体を動かせば自分には分からない程度に刺激が走る。筋肉の運動によってな」

垣根「その刺激の類を気持ちいいと誤認させて…あとは思考と感情とか色々を全開にしてやれば…」チラッ

御坂「あぁっ…」

垣根「これの出来上がりだ」

結標「なるほど」

心理定規「感覚は操作出来ないけどその感覚の捕らえ方は操作出来るってことね」

垣根「多分な」
925 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:18:09.31 ID:HRobbyip0
垣根「さて、んじゃ運ぶか」

心理定規「私は準備出来てるわ」

結標「私も」

垣根「よいしょ…」ファサッ

心理定規「見た目的にはなんにも変わらないんだけど」

垣根「見えないだけだ。これでも背中に纏ってるんだぜ?」

垣根「第三位、ちょっと揺らすぞ」グイッ

御坂「んっ…んあーっ…!」

垣根「ほいっ…と。んで食蜂を片手で担いで、と」

食蜂「…」

垣根「しかし見事に気絶してるな。ホントにビンタ一発で沈んだのか?」

結標「ええ」

心理定規「ただ単に打たれ弱かったんじゃないの?」

垣根「かもな。さて目指すは上条の居る病院だ」

心理定規「行くわよ」

結標「ええ」
...............................................
...................................
........................
................
...........
......
...
..
.
926 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:18:35.41 ID:HRobbyip0
病院前


垣根「到着だ」

結標「後ろ随分と静かだったわね」

垣根「俺もびっくりだ。衝撃吸収の未元物質で身を包んだだけはあるな」

心理定規「で?このまま上条くんの所に行くの?」

垣根「いや、おんぶはもう疲れた。ちょっと待っててくれ…」タタッ

心理定規「って担いだまま行っちゃったわ」

結標「なにする気かしら。ていうか第五位は半裸のままなんだけど大丈夫かしら…」

垣根「待たせたな」ガチャガチャ

心理定規「車椅子?」

垣根「ああ。こっちの方が面白そうだからな」

垣根「ほら第三位、車椅子に乗せるぞ?」ヒョイ

御坂「ん…ふぅ…はぁ」

垣根「これでよし」

心理定規「ちょっと、食蜂はどこに置いてきたのよ」

垣根「冥土帰しに預けてきた」

心理定規「そうなの?」

垣根「おう、さて、目指すは上条の病室だ。行くぜ」ニヤニヤ
927 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:19:56.31 ID:HRobbyip0
御坂「…」カラカラ

垣根「…」ニヤニヤ

心理定規(やっぱり一方通行は抱き心地よさそうね)

結標「…」

垣根「段差だ、ちょっと揺れるぞ」ガタン

御坂「んうっ…んぁ…」

垣根「…」ニヤニヤ

心理定規(細身に抱かれるというのも悪くないかも…)

垣根「また段差」ガタッ

御坂「んぎっ…も…もう…」

垣根「は?」ガタン!

心理定規「ちょっとなんで往復してるのよ」

御坂「い…っく…ぅ…」

垣根「え?」ガタタッ

御坂「んんっ…!…!…!!」ビクビクッ

垣根「おうおう…」

心理定規「…」
928 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:20:23.19 ID:HRobbyip0
垣根「さて、着いたぜ」

心理定規「…」

結標「…」

垣根「なんだよその目は…」

心理定規「いえ、なんでもないわ」

垣根「まあいいか。入るぞ」コンコン

『どうぞー?』

垣根「邪魔するぜ」

上条「垣根じゃないか、どうしたんだ?」

垣根「なにも聴かずに俺以外の奴らの頭に触ってくれ」

上条「は?」

心理定規「私も?」

垣根「ああ、念のためにな。ほら、さっさと触れ」

上条「え?…お、おう」ポンポン

御坂「…」

一方通行「…」

心理定規「次は私たちね」

上条「あ、ああ?」ポンポン
929 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:20:53.02 ID:HRobbyip0
結標「やっとね…一方通行…」

心理定規「よかったわね」

結標「ええ、じゃまたね」ヒュン

心理定規「え!?もう帰るの!?」

垣根「さて、んじゃ俺も行くか」

御坂「…ちょっと」

垣根「…」

御坂「…」

垣根「お、お大事に…」ダッ

御坂「あのクソ第二位め…!」

心理定規「じゃあ私も帰るわ。じゃあね二人とも」

上条「え?あ、おう」

御坂「色々と腑に落ちないけど…またね」

心理定規「じゃあね」

上条「一体なんだったのでしょう…」

御坂(垣根に見られた…)シュン

上条「?」
.............................................
.................................
.....................
............
......
...
..
.
930 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:21:18.19 ID:HRobbyip0
御坂(あれだけは絶対に言えないわ…)

白井「お姉さま?」

御坂「え?なに?」

佐天「だからー他に何かありませんでしたか?って聴いたんですよ、その第五位さんの事件で」

御坂「話した内容が全部よ。特になにも無いわね…うん」

初春「ちょっとー皆さん私を無視しないでくださいよー」

佐天「ごめーん初春!で?なんだっけ?」

初春「だからー常盤台の謎のハーレム事件ですって」

御坂「うーん、その事件ねーいまいちピンと来ないのよね」

白井「現に私たちは聴いたことが無いんですのに」

佐天「常盤台と言えば…最近例の女王サマの取り巻きも見ないって聴きますよ」

御坂「あー、それは食蜂が入院してるだけよ」

佐天「ビンタ一発でですか?」

御坂「結構効いたみたいよ?」

初春「やっぱり女王サマだけあって虚弱なんですかね?」

御坂「さぁね。でも確か昨日あたりには退院してるはずね」
931 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:21:55.11 ID:HRobbyip0
御坂「それで?ハーレムがなんだっけ?」

初春「ですから常盤台に男性が一人居て、その人が一大ハーレムを築いてるんですよ」

白井「確かに常盤台に殿方が侵入出来ればハーレムですわね」

初春「侵入とかではなくて、しっかりと受け入れられてるらしいんですよ。まあ噂ですけども」

佐天「でもハーレムを作るにしろどうして常盤台なんだろ?霧ヶ丘とかもあるのにね」

初春「中学生だから…とかですかね?」

佐天「うーん」

白井「それにしても常盤台にわざわざ侵入してハーレムを築くとは…」

初春「第五位さんに御坂さんも居るのに勇気ありますよね」

佐天「そうねー、まるでバレても問題ないみたいだね。第五位と第三位なんかいつでも相手してやるぜ、って感じ」

白井「ん?」

初春「ほえ?」
932 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:22:12.69 ID:HRobbyip0
佐天「え?どうしたんですか?」

白井「犯人が分かった気がしますの」

初春「凄いですね。さすがは白井さん」

御坂「それで?犯人って?」

白井「単純にお姉さまより強い殿方で考えればいいんですの」

佐天「とすると…上位の能力者だから…」

初春「垣根さんと一方通行さんですか?」

白井「なおかつそういうことをしそうな方は?」

初春「また垣根さんですか?」

白井「完全にそうというわけではありませんが…可能性は大分高いと思いますの」

御坂「垣根か…」

佐天「確かめてみればいいと思いますよ!」
933 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:22:40.32 ID:HRobbyip0
垣根「…」

「どうなされました?」

垣根「いや、食蜂の野郎は一体どこでなにしてんのか、って思ってな」

「わかりませんがもう少し垣根さまにここの番を頼むと申してましたよ」

垣根「それは知ってるんだが…」

垣根(心理定規に聴いた話だと確か未だに一方通行の尻を追っかけてると聴く…)

垣根「ま、しばらくこうしてるのも悪くねぇ」

「垣根さま、そろそろ能力向上カリキュラム指導のお時間です」

垣根「お、そうか。んじゃ行くか」

垣根(俺が常盤台に居れる理由。食蜂の口添えはもちろんだが…第二位として生徒達に指導をしてやるってのが条件なんだが…)

垣根(しかし、こうして見ると中学生もわりと悪くねぇな。ありがとよ食蜂)

「ではこちらに」

垣根「今日はどこだ?」

「本日は野外での指導となりますので前回の屋内指導とは違い派手な能力者が集まります」

垣根「そうか」

「はい、それでレベル4の方も何人かお見えになります」

垣根「レベル4…そういや屋内の時は一人も見なかったな」

「人数もさることながら男性の力を借りるということに懸念を抱いてる人も多いようです」

垣根「くだらないプライドだ。本当に能力のレベルを上げたいなら這い蹲るしかねぇってのによ」


934 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:23:19.45 ID:HRobbyip0
御坂「それで常盤台に来たはいいんだけど…」

初春「今日は随分と外来の方が多いんですね?」

白井「本日は野外で能力向上の公開指導カリキュラムがありますの」

白井「かなり優秀な方が指導なさるとのことで一般の方々も招いているんですの」

佐天「なるほどー。それで人が多いわけですね」

白井「ええ」

御坂「でも私そんな話聴いてないんだけど」

白井「今回のはあくまで能力向上指導ですの。ですからレベル5であるお姉さまの耳に入るかどうかは…」

御坂「なるほどね」

佐天「でも誰が教えるんですかね?」

初春「研究所とかの偉い人じゃないですかね?」

白井「事前までわかりませんのでなんとも…」

御坂「ちょっと見ていかない?」

白井「特に急ぎでもありませんから構いませんわ。特別大きな事件でもありませんし」

御坂「ていうか事件なの?」

白井「一人の殿方が女子中学生の園に居るんですのよ?」

御坂「そ、そう?でも言われてみれば危険かもね」
935 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:23:46.66 ID:HRobbyip0
「垣根さま、そろそろです」

垣根「おう」

『では本日、ご指導を頂くのは学園都市第二位の能力者。垣根帝督さんです』

垣根「そういや今日は何をすればいいんだ?」

「今回は一般の方もおりますので一応は講演という形になっております。時折、実践という形で指導なさってください」

垣根「具体的には?」

「能力実演や生徒たちに能力を使用させてアドバイスなどを…」

垣根「分かった。じゃあ行って来る」

「では頑張ってください」

垣根「ああ」

『垣根さん、どうぞ』

垣根「…」テクテク

「こんにちは垣根さん」

垣根「おう」

「さて本来ならば実現しなかったレベル5による講演ですが、常盤台に居られるご友人の口添えで今回の講演をお決めに?」

垣根「ん、まあそうだな。実際にこうして俺がここに立つなんて考えていなかったからな。一重に食蜂のお陰かもな」

「なるほど、ご友人とはかの心理掌握、食蜂操祈さんでしたか」

垣根「まあな」

「今回の講演内容について少しお聴きしてもよろしいでしょうか?」

垣根「…今回は…超能力者になるためには、って感じか?とりあえずそれで行くか」

「分かりました。ではすぐに講演に移りますので準備のほう、お願いいたします」

垣根「ああ」
936 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:24:14.27 ID:HRobbyip0
舞台裏


「講演内容考えてらしたんですか?」

垣根「いや、今考えた」

「大丈夫ですか?」

垣根「なんとかなるだろ」

「そうですか」

垣根「今はなんの時間なんだ?」

「垣根さまの準備の時間と常盤台の先生方が来られるための時間です」

垣根「そうか」

「垣根さん、そろそろお願いします」

垣根「ああ」
..........................................

垣根「さて、改めて自己紹介させてもらう。垣根帝督だ。本来こういう場では敬語を使うんだろうが性に合わねぇから普通通りでやらせてもらう」

垣根「能力向上のためには、か。まず能力発動のための土台に自分だけの現実が必要ありきなのは知ってるだろ?」

垣根「簡単に言えば信じる力だ。つまりは自分は超能力者になんかなれっこないって思ってたらそいつの成長はそこでストップだ」

垣根「詳しくは話さねぇがそういうことだ」

垣根「俺は第二位としてさらに上に立つべく第一位を倒そうと思ったことがある」

垣根「あん時、俺は自分の能力は決して第一位に遅れは取らねぇと信じてた」

垣根「結果、能力を使用して第一位に傷を付けることに成功した」

垣根「だけど俺は負けちまった」

937 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:24:45.83 ID:HRobbyip0
垣根「俺の攻撃は全部解析され、んで潰された」

垣根「と、まあここで関係の無い話を一つしたが…何を言おうとしてるか分かるか?…そこのお前」

「わ、私ですか!?」

垣根「ああ」

「え、っと…諦めてはならないということでしょうか?」

垣根「ほう、さすがは常盤台だな。そういうことだ」

垣根「俺はまだ負けたとは思ってはいねぇ。いつか自分なら一方通行を越せると思っている」

ザワザワ

垣根「俺は一方通行自身になんで勝てねぇか説教されたことがある。足りないもんがあるってな」

垣根「その答えは未だに分からない…自分だけの現実の新境地なのか、または新しい認識、感覚なのか…」

垣根「だが、いつかは掴みとってやろうと思ってる」

垣根「さて、随分と自分語りになったがやっと本題だ」

垣根「能力の強度を上げるには、だ」

垣根「今までの話を踏まえて…そこの蛇女。なにが必要だと思う?」

「へ、蛇?私のことですか?」

垣根「ああ」

婚后「私、レベル4の婚后光子と申します」

垣根「聴いてもいねぇのにレベルを宣言すんのか。案外テメェみていなヤツがレベル5に近いのかもな」

婚后「へ?そうですか?」

垣根「かもな」
938 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:25:20.25 ID:HRobbyip0
垣根「んで、婚后とやら。答えてみろ」

婚后「まずさっきお話なされたように諦めないこと、それに努力、あと自分を信じることでしょうか?」

垣根「努力か…確かに第三位みたいに自力で這い上がるのも正解だ。だが一つだけお前の答えに足りないもんがある」

婚后「はい?」

垣根「目標だ。お前らまずなんで能力のレベルを上げたいんだ?」

垣根「友人を見返したい。他の人が上位能力者だ。ただ単にレベルを上げたいだけ。結構なことだ」

垣根「だが、それだけじゃ絶対にレベルは上がらねぇと俺は思ってる」

垣根「ちっぽけな目標じゃ意味が無いんだよ。ま、これだけ言えば頭のいいオマエらだ、すぐに理解出来るだろ」

垣根「ちなみに俺にも目標はあった。だが同様に一方通行にも目標があったんだろうな…」

垣根「俺の敗因は単純にその差だと思ってる。」

垣根「んじゃ講演はここまでにするか。次は実践だ、今から希望者を募る」

垣根「希望者には俺が能力でサポートして一時的だが超能力者級の力を貸してやる」

垣根「自分の強化された能力を見れば目標も見つけやすいだろ…」

垣根「んじゃ希望者は手を上げてくれ」

垣根「…結構居るな…んじゃまずは手前の白髪で赤眼の女の子だ。壇上に上がって来てくれ」

「ありがとォございますゥ」

垣根「ん?白髪で赤眼?」
939 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:25:48.86 ID:HRobbyip0
一方通行「よいしょっ…とォ…」

垣根「なんでお前がここに…」

一方通行「ふン、温い演説どォもォ。マイク貸せや」

垣根「あ、おい!」

一方通行「どうせ能力使って声量上げてたンだから別にイイだろォが」

垣根「チッ」

一方通行『ア、アー。さっき話にあった一方通行だ。よろしくゥ』

一方通行『さてと…ンじゃまァ…さっきの話に一言付け足す感じだが…』

一方通行『目標つゥか…何かを守りたいって気持ちでもイイかもなァ』

ザワッ

一方通行「ほら返す」

垣根「は?お前はなんでここに…」

一方通行「まァ気にすンな」

垣根「ま、まあいいか。さて、んじゃ改めて希望者挙手」

垣根「せっかくだから手前のヤツら、まとめて来い。一人一人見てやる」
...........................................
.................................
........................
.................
...........
.....
...
.
940 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:29:06.09 ID:HRobbyip0
垣根「さて、色んな奴らの能力を見たがなにか掴めそうか?常盤台諸君」

垣根「んじゃ次は第三位以下のことについてお話を…」

「私がなんですってー!?」

垣根「は?」

垣根「な、なんだ?さっきからレベル5が飛び入り参加じゃねぇか…」

御坂「あんた何やってるのよ」

垣根「講演だ、特に用事が無いなら下がれ。邪魔だ」

御坂「なにふざけたこと言ってるのよ。あんたでしょ、うちの生徒でハーレムを作ろうとしてたのは」

垣根「…なんのことだ」

ザワザワ

御坂「ネタは上がってるのよ」

白井「その通りですの」シュン

垣根「…」

御坂「あんた、食蜂に代わって派閥を率いてるんだって?覗きの件もあるし信用無いのよねー」

御坂「ちなみに詳しい話は他の子に聴いたわ」

白井「講演中に申し訳ありません。この後は一方通行さんにお任せになって大人しくお話を聴かせてくださいまし」

垣根「なるほど、だから一方通行が居たわけか」

一方通行「あいにく別件だァ」

垣根「あ?」

御坂「さ、大人しくしてちょうだい。中学生の檻にあんたは危険だわ」
941 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:29:33.97 ID:HRobbyip0
垣根「これが何か分かるか?第三位」ヒョイ

御坂「…ボイスレコーダー?」

垣根「ああ」カチッ

『い…っく…ぅ…』

御坂「!?!?!?!?!?!?」

白井「!!!!!!!!!!!!」

垣根「大人しくその後輩を連れて引き下がれ。次はマイクから通すぞ」

「あのー講演は…?」

一方通行「俺が代わりにしてもイイらしいから…今は休憩の時間にしてくれ。引き継ぐからよ」

「は、はあ…」

白井「そ…それは…」

垣根「お前の大好きなおねえさまの秘密ボイスだ」

御坂「いつのまにッ…!」

垣根「ほら、早く下がれ」

御坂「くっ…!」

白井「あの…そのレコーダー…」ヒソヒソ

垣根「なんだ?譲ってほしいのか?」ヒソヒソ

白井「ええ…まあ…その…」ヒソヒソ

垣根「俺はなにもハーレムを作ろうとしてたわけじゃねぇ。食蜂に頼まれて取り巻きの世話をしてただけだ」

垣根「なにが言いたいかわかるか?白井黒子」
942 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:30:00.60 ID:HRobbyip0
白井「ハーレム事件など無かったということですのね?」

垣根「そうだ」

白井「行きましょうお姉さま。今回の事件は黒子の勘違い、初春の勘違い、佐天さんの勘違いでしたの」

御坂「は?でも…あのレコーダー…」

白井「無闇に人様の持ち物に手を出すと私たちが危ないですの。どうかここは一旦お引取りに…」グイグイ

御坂「ちょっと!押さないで!こら!」

垣根「ふん。さすがは風紀委員。俺が無実だと認めてくれたか」

垣根「さて、待たせたな講演の続きを…!」ヒュンヒュン

心理定規「…」

結標「…」

垣根「どうしてオマエらが…」

心理定規「ここ数日どこで何してるかと思えばまさか常盤台で中学生相手に性的指導をしてるだなんてね」

垣根「性的はいらねぇぞ」

心理定規「一方通行に頼んで街中を捜させた甲斐があったわ」

垣根(一方通行め…!こっちサイドだったか…)

心理定規「さ、帰りましょう帝督。あとは一方通行に任せて大丈夫だから」

垣根(実を言うとまだ帰りたくねぇ!もうすこし中学生相手のご主人様をやっていてぇ…!)

心理定規「行くわよ…!」グイ

垣根「くっ…」
943 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:30:28.76 ID:HRobbyip0
一方通行『さァて、垣根がご退場になるぜェ?盛大に拍手で感謝しろォ』パチパチ

パチパチパチ…

一方通行『ンじゃ今から俺が演説してやる。議題は守るための力と親友についてだァ』

一方通行『一言に守るって言ってもなァ、色々あるンだわ。家族、友人、恋人、妻、兄弟』

一方通行『俺は以前に保護者同然のヤツをとあるヤツに傷つけられたことがある』

一方通行『俺はそん時、ほんの少しの間だが…レベル6級の力を手にした…』

一方通行『苦戦してた相手も軽々と倒せるほどのなァ…自分でもよく分かンねェがそういうときこそ人は強くなれるンだと思ってる』

一方通行『ンじゃ次は親友についてだ』

一方通行『こンな俺にも親友は居る。さっきの垣根の事だな…』

一方通行『色々あったが今はお互いを高め合う存在になってるンだと思ってる』

一方通行『能力向上にはこういう人間関係も必要なのかもなァ…』

一方通行『だから知り合いは多く作っとけ。守る対象を広げるためにもなァ』

一方通行『さて次だが…「見つけたわ!私の王子さま!!」ア?』

食蜂「一方通行!さ、一緒に出掛けましょ」

一方通行「…」

結標「懲りずにまた来たわね…」

食蜂「恋に障害はつき物らしいわ!これも一種の障害なの!」

一方通行『悪ィがこの俺の講演はここで終了だ…』

一方通行「淡希、頼ンだ。俺は逃げる」

結標「え?」
944 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:30:54.62 ID:HRobbyip0
一方通行「ダメだ。ああやってナチュラルに好意むき出しにされるとどうも苦手だ。俺は逃げる」

結標「…」

食蜂「今から近くに行くわ!」

一方通行「…」サッ

食蜂「ちょっとぉ!待ってよぉ!」

結標『え…とじゃあ私が引き継いで講演を…』

.................................................

垣根(さて、どうやって逃げたものか…)

心理定規「…」

垣根(ん?)

一方通行「…」ササッ

垣根「おい一方通行!」

一方通行「ン?お前まだ舞台裏に居たンかァ?」

垣根「まあな」

心理定規「淡希は?」

一方通行「俺の代わりに講演している」

心理定規「?」

一方通行「ンじゃ俺は急ぐンで…」

垣根「待て」ガシッ

一方通行「なンだ…」

垣根「食蜂に追われてるんだろ?」

一方通行「どォしてそれを…」

垣根「後ろに来てる」

一方通行「!」
945 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:31:24.20 ID:HRobbyip0
一方通行「離せ!」

垣根「待て、協力してやる」

一方通行「ハ?」

垣根「済まねぇ、心理定規。一方通行に手を貸してくる」

心理定規「…え?ちょっと帝督!」

垣根「ああ。ほら行くぞ一方通行」グイ

一方通行「オ、オイ!そっちは食蜂が…」

垣根「いいんだよこっちで」ファサッ

心理定規「待ちなさい!」

食蜂「あ!来てくれたのね!」

垣根「ちょっと通してくれ」

食蜂「あ、はいはい」

一方通行「ン?」

垣根「素直に通してくれたな」

一方通行「あ、あァ…?」

垣根「さて、実は俺の講演はまだ終わってねぇんだ。最後に俺の能力を披露して終了の予定だ」

一方通行「ンで舞台に戻ってるわけか…」

垣根(心理定規に捕まりたくねぇからな。ついでだから利用させてもらうぜ)

946 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:31:53.94 ID:HRobbyip0
結標『…であるからして…能力っていうものは…』

垣根「さてお前ら」

結標『あら?』

垣根「せっかくだから普段は見れない常盤台以外の以外のレベル5の能力を披露してやる」

垣根「…」チラッ

心理定規「こら帝督!」タタッ

食蜂「よく分からないけどなぜか道を譲っちゃったわ…」タッ

垣根「準備いいか?」

一方通行「もう逃げ出したいくらいだ」

垣根「ははっ」バサッ

一方通行「…」カチッ

垣根「せっかくだからお前も羽みたいなの生やせ」

一方通行「仕方ねぇ」ゴバッ

「たっ、竜巻の翼!?」

「あちらは天使の羽のような…」

心理定規「帝督!」

食蜂「はぁ…はぁ…待って…一方通行…」

結標「またあなたは性懲りも無く…!」

白井「垣根さま!レコーダーを!」

垣根「行くぞ一方通行」ドンッ

一方通行「はィはィ」ゴバッ

垣根「ほら、白井受け取れ!」

白井「っと、よっしゃー!!」

垣根「こういう助け合いもいいもんだ」

一方通行「はァ…これから忙しくなりそォだなァ…」
..............................................
.................................
...................
..........
.....
..
.
947 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:32:58.16 ID:HRobbyip0
後日


「さて、先日の講演、どうもご苦労様でした」

垣根「…」

結標「…」

一方通行「…」

「当初、垣根さん一人の予定でしたが…いつのまにか二人増えて講演なさりましたが…」

「思いのほか、生徒や一般の方にウケが良くてですね。ぜひまたお願いしたいものです」

「それに、あの講演を聴いて能力のレベルが上がった生徒も何人かいます」

「そのことに関してもお礼を言わせていただきます。ありがとうございます」

「それと私自身、非常に興味深いお話を聴けたと思っています。一人の教師として、常盤台の人間としてお礼を言わせて貰います。」

垣根「そうか、そりゃなによりだ」

「ええ、ですが最近になって我が校のレベル5の挙動が少し…」

垣根「なんかおかしいのか?」

「はい、つきましてはあなた方に今一度、常盤台のレベル5としての自覚を取り戻さしていただきたく…」

垣根「は?」

「食蜂操祈、ならびに御坂美琴の校外学習の一環ということで二人を預かってほしいのですが…」

垣根「…」

一方通行「…もう一回聴いていいか?」

「ですから先程述べた二名をお預りになって、自分だけの現実の再最適化を促してほしいのです」

「第二位と第一位のお二人が今一度指導していただければ大丈夫かと思いまして」
948 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:33:47.50 ID:HRobbyip0
「もちろん、タダでとは仰りません。それ相応の代価をお支払いいたします」

「このまま、あの二人が腑抜けきってしまうと学校側としても都合が悪いので…」

「お願いいたしますね?」

垣根「…」

一方通行「…」

pririririr

結標「ごめんなさい、電話いいかしら?」

「ええ、どうぞ」

結標「もしもし?」

一方通行(どうすンだ)

垣根(俺に聴くな…)

「なお、その際の生活していただく施設はこちらで用意させていただきますので」

一方通行「ン?」

「失敬かと存じますが…期間中、我が校のレベル5と二人で暮らしていたただきます」

垣根「おい待て。お前のところはそれでいいのか?まだ中学生だろ?」

「さすがにそこの分別は出来てると思いまして。それに統括理事会からもお声掛けがありまして…」

一方通行「と、統括理事会だとォ…?」

「はい。第一位さまの仰られた知り合いを多く作るという言葉にいたく共感なされたようで」

「我が常盤台は男性との交流が少なかったことが能力の向上に至らなかったと考えまして…」

「近い将来、共学を考える方針とともにその先駆けとしてお二方に我が生徒をお願いしたいのです」
949 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:34:27.83 ID:HRobbyip0
一方通行「…」

垣根「話を聴く限り御坂や食蜂と二人で暮らせって言ってるように聴こえるんだが気のせいだよな?な?」

「いえ、お二人のどちらかが食蜂操祈と、御坂美琴と暮らしていただきます」

「そのことに関しても承諾はすでに取れております。食蜂操祈が第一位さまを強く希望いたしましたので…」

「順位のことも考えて、一方通行さまと食蜂操祈で、垣根さまと御坂美琴で二人暮らしをしていただきます」

垣根「…」

結標「一方通行、仕事よ」

一方通行「こンな時に…一体なンだ?」

結標「私もちょっと信じられないから自分で聴いてみて」ヒョイ

一方通行「?もしもしィ?土御門かァ?」

『一方通行、大変なことになった』

一方通行「ン?」

『お前を単独で指名した依頼が来た』

piriririri

垣根「ん、俺も電話いいか?」

「お構いなく」

垣根「悪いな」ピッ

垣根「おう、俺だ」

垣根「…え?」
950 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:35:10.52 ID:HRobbyip0
「もうよろしいでしょうか?」

垣根「ああ…」

一方通行「…」

「で、引き受けていただけますか?」

垣根「…不本意ながら」

一方通行「あァ、受けてやるよ…」

「そう言っていただけると信じていました。やはり私の目に狂いは無かったようですね」

「同じ教育者のようなものを感じていましたので。きっと大丈夫かと思っていました」

「では早速顔を合わせていただきます。二人とも、入ってきてください」

御坂「失礼します…」

食蜂「失礼しますぅ」

垣根「…」

一方通行(来たか…)

「施設の場所は彼女たちが知っていますので、ではよろしくお願いいたします」ガチャ

垣根「え?お前帰るの?」

「ええ、別の仕事もありますので。くれぐれもお願いいたしますね」

「彼女たちはいわば常盤台のエースですから。ではさようなら」
951 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:35:51.09 ID:HRobbyip0
食蜂「さ、行きましょ?一方通行」グイッ

一方通行「…あァ」チラッ

結標「信じてるわあなたの事。中学生の誘惑なんかに負けないでね」

一方通行「…」

結標「黄泉川たちには言っておくから。その女の能力には十分気をつけてね」

垣根「…」

御坂「…」

結標「じゃ私帰るわね、また会いましょ垣根帝督」ヒュン

垣根「…」

御坂「なんであんたなんかに…」ブツブツ

垣根「これも依頼だ。悪く思うな」

垣根「さ、行くか」

御坂「私嫌なんだけど」

垣根「…」サッ

御坂「そのレコーダーは…!」

垣根「白井に渡したのはコピーだ。言うこと聴く気になったか?第三位」

御坂「くっ…!」

垣根「ま、仲良くしようぜ」

垣根(依頼を断れば今まで行った罪を公にされる。こいつと住むのも厄介だが風紀委員や警備員に追われる生活も厄介だ)

垣根(だったら御坂と住むほうを迷わず選ぶよなぁ…?)
952 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:36:19.57 ID:HRobbyip0
絹旗「常盤台の生徒に指導ですか?」

結標「ええ、ちょっとした上の命令でね。多分しばらく帰ってこないわ」

黒夜「今度は兄ちゃん、先生になんのか」

番外個体「常盤台って女子中でしょ?大丈夫なのかな?」

芳川「さすがに妻帯者よ?そこの部分は大丈夫でしょ」

打ち止め「うーん。なんだか波乱の予感、ってミサカはミサカは予言してみる!」

黄泉川「でも一方通行が居なくなったら居なくなったで少し寂しくなるじゃん」

結標「一方通行が居たからこその家庭だったのかもしれないわね」

黄泉川「そうかもじゃん」

結標(とはにこやかに言ったものの…実際落ち着いてなんか居られないわ!)

結標(手出ししたらただじゃおかないわ!食蜂操祈!)

絹旗「どうしたんですか?そんな怖い顔して」

黒夜「絹旗みたいに一方通行に相手してもらえないから嫉妬してるんじゃねぇの?常盤台の生徒に」

絹旗「な!私は別に一方通行に相手してもらえないから寂しいとかそういう…」

結標(嫉妬…そうかもしれないわ…)

番外個体「ムスジメ?」

結標「うん、大丈夫。信じてるから!」

打ち止め「?」

結標(お願いだからあんな女に堕ちないでよね…一方通行…)

結標(絶対に!)



fin
953 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/01(水) 22:40:55.55 ID:HRobbyip0
はい、これにてめでたく終了です。
この終わり方でいいかな?なんて思いもしましたがこの終わり方にしました。
続きは考えてます。

もちろん次のスレで、ですが…

次のタイトルは…まだ考えてません。
ですがまた同じトリで行きます。当然ですがね

タイトルが決まったらここに書き込みして…それでhtml化依頼を出します。
では最後までお付き合いいただきありがとうございます。

またお会いしましょう。
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/01(水) 22:41:46.46 ID:i/yAnRNCo
まさかのNTRバッドエンド・・・
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/01(水) 22:48:54.70 ID:/yNaQS0IO
ドタバタでよかった
おもろかったよー

960 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/01(水) 23:29:32.92 ID:HRobbyip0
やっと終わったと思って見返してみたら重大なミスを発見しました。
>>949>>950の間に以下の文が入ります…
>>959の心理定規発現で気付きました。
ごめんなさい

『一度しか言わないからよく聴け。第五位である食蜂操祈の自分だけの現実を最適化する手助けをしろ』

一方通行「え?」

『少し前より第五位の能力が不安定になっているらしい。詳しいことは分からないが上が困ると言っている』

『不本意かもしれないが常盤台側に従って手助けをしてやってくれ。じゃ、頼んだぞ』

一方通行「オ、オイ!」ブツッ

結標「どうだった?」

一方通行「どォって…」

結標「私は正直言うと嫌だけど…残念だけどこの依頼は断れないの」

一方通行「…なンでだ」

結標「簡単に言うとアレイスター絡みなの。断るとどうなるか分からないあなたじゃないわよね?」

結標「私たちの安全のために頑張ってね。念のために言っておくけど浮気は許さないわよ」

一方通行「…」

垣根「…」

一方通行「…もしかしてお前もか?」

垣根「…ああ。第三位がそうなったのはお前のせいだって思い切り言われたらしい…」

垣根「心理定規が怒りながら電話してきたよ…それに今回の依頼、大分上の方から圧力がかかってるらしい…」

一方通行「…」
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/01(水) 23:32:09.82 ID:AyLltm5Ko
乙!
美琴も実は不幸体質だからな……
垣根はやりすぎてヒーローさんとその愉快な仲間たちを相手にする羽目に

次回も期待してる
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/04(土) 07:34:11.30 ID:1O/wDwofo
追いついた。乙。
964 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 10:50:28.98 ID:UbtTrrvAO
携帯から失礼します。
タイトルなんですが決定しました。

垣根「女の子と暮らすということはだな…」一方通行「…」

上記のやつになりました。
今夜にでもスレを建てて、さわりを投稿しようと思ってますのでよろしくお願いします。

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